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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3901-4000
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3901-4000
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NELSON - After the Rain ★★★ (2011-02-19 23:12:40)

飛行機事故により死去したリック・ネルソンを父に持ち、芸能一家に生まれ育ったマシューとガナーのネルソン兄弟が組んだバンドのデビュー作。('90年)
NELSONと聞くと、音楽云々以前に、妙なインパクトを放っていた焼酎のCMのことを先ず思い出してしまうのだが、アメリカのみならず、端正な容姿を活かして日本でもCMやバラエティ番組に出演する等、そのアイドル・デュオ的なレコード会社の売り方とは裏腹に、本作で聴かれるキャッチーなポップ・メタル・サウンドの完成度からは、地に足の着いた本物感バリバリ。
主張すべき場面ではしっかりと主張するGとDsが楽曲にピリッとエッジを効かせ、兄弟の息の合ったツインVo&ハーモニーに、アコギやKeyを効果的に用いたアレンジのハイセンスっぷり、そしてアコースティックなインスト曲で本編の流れにメリハリを付与する手腕といい、全体的にこれがデビュー作の新人とは思えぬ洗練された物腰や風格が漂っており、やっぱりセレブな血筋の人達は一味違うなぁ、と。(プロデュースを担当したマーク・タナー――浜田麻里のアルバムを手掛けたりもしてましたっけ――の貢献も大きかろうが)
全米№1ヒット・ソング①を手始めに、強力なフックを有する収録曲は何れ劣らぬ逸品揃いなれど、個人的に本編の白眉は、美しいハードポップの理想形を描き出すアルバム表題曲③、哀愁を帯びたメロディが美味極まりない(Levi'sのCMソングでしたっけ)超名曲④、それに本編後半のハイライトたるバラード⑧で決まり。
好評を博しているという復活作も聴いてみるかな。


NELSON - Lightning Strikes Twice ★★★ (2011-03-21 20:47:42)

改まってNELSONの作品と対峙するのは、'90年リリースの1st『AFTER THE RAIN』以来なんだけど、フック満載のポップなメロディといい、思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなコーラス・ワークといい、息の合った美しいボーカル・ハーモニーといい、その音楽性は良い意味で不変。(流石にルックスの方は、それなりにオッサン化が進行しているご様子なれど)
この御時世、メロハー・サウンドを売りにする彼らが、本作を発表するまでに様々な紆余曲折を経た事は想像に難くないが、その上で、このポジティブなフィーリング全開の音楽性なんだから嬉しいじゃありませんか。
しかも今回はハードなGの調べが楽曲をキリリと引き締めており、NELSONと言えば、過去にこのサイトにおいても議論があったぐらい(?)、HR/HMと非HR/HMの境界線上を行くグループだったが、この内容ならば、全会一致でHR/HM認定を頂けるのではないでしょうか?
いや、それにしても良い曲が揃ってます。全13曲も収録されているのに退屈な曲が皆無というのも驚きだが、取り分け、悲哀に満ちたメロディが胸を締め付ける④は、ミカエル・アーランドソンの1stアルバムに収録されてたって違和感なさそうな叙情HRの名曲だ。(収録位置も「ここしかない!」という絶妙さ)
他にも、明るく華やかに弾む①あり、ライブ映えしそうなキャッチーさを備えた②あり、往年のBOSTONを思わせる秀逸なポップ・ソング⑦あり、ストリングスをフィーチュアした優雅なバラード⑧あり・・・と、極上のNELSON節が堪能できる逸品がズラリ。
デフレ真っ只中の経済情勢に真っ向抗うキング・レコードの強気な価格設定(¥2800)には首を捻るが、まぁそれだけ払ってでも購入する価値がある1枚なのは間違いない。


NELSON - Lightning Strikes Twice - How Can I Miss You (when You Won't Go Away?) ★★★ (2015-05-23 01:31:40)

NELSONらしい楽曲か?と問われると
「どうなんでしょう」って感じかもしれませんが、
ともかく、イントロを手始めに全編に亘ってVoからGまで
センチメンタルに泣きまくる、初期ミカエル・アンダーソンにも
匹敵するその哀愁ヨロシクっぷりたるや、
問答無用で胸締め付けられずにはいられませんて。
アルバムに置ける配置位置も完璧。
復活作で一番聴きまくった名曲ですね。


NELSON - Peace out ★★★ (2015-06-16 09:57:56)

快作『LIGHTNING STRIKES TWICE』で復活を果たしたNELSON待望の新作。「お、久々ですなぁ」と笑顔で購入したら、解説文でこれがNELSONの最終作と唐突に知らされて笑顔がピキーンと凍り付きましたよ。何でも「労多くして功少なし」なレコーディング作業に情熱と時間を注ぎ込む意義が見出せなくなり、以降はカントリー・フィールドでのライブ活動に軸足を移していくのだとか・・・。
それでも、本編の方には何ら特別なところは見当たりません(良い意味で)。感傷的にもハイにもならず、いつもの「NELSON節」が貫かれた作風は、知らずに聴いたら誰もこれが最終作だなんて思わない筈。
ライブ開始を告げるかの如き①で威勢良くスタートを切り、北欧メタルとBOSTONが哀愁合体したような③や、爽快な曲調とストーカー気質全開な歌詞のギャップに慄く⑧を経て、プログレ風味(というかQUEENタッチ)の日本盤ボートラ⑬で幕が下ろされる本作は、イキ良く、且つフックにも富むメロディック・ロック・チューンが惜しげもなく連打。胸を打つ哀メロ、キャッチーな曲調、息の合ったネルソン兄弟のボーカル・ハーモニー、かてて加えて、ニール・ザザ(G)のツボを心得たGプレイが彩りを添えてくれる名曲⑫なんて、そんな本作の魅力を集約したかのような出来栄えですよ。
有終の美を飾るに相応しい、実に質の高い1枚。それだけに、これほどのアルバムを作り出せるアーティストの創作活動を支え切れない昨今の音楽シーンの変質振りとは一体・・・。(斯くいう我が身も新譜購入枚数が減ってきてるので、他所のことばかりは言ってられないのですが)


NELSON - Peace out - Invincible ★★★ (2015-06-17 22:41:19)

浸透率の高い哀愁のメロディをGが伸びやかに
奏でる様はBOSTONに通じ、そのメロディの
哀愁の質は北欧メタルに通じるものがあるという
「BOSTON MEETS 北欧メタル」な珠玉の逸品。


NELSON - Peace out - Leave the Light on for Me ★★★ (2015-06-17 22:32:32)

叙情的なイントロとアウトロを配置したドラマティックな構成から、
「哀愁に満ちたフッキーなメロディ」のお手本のような
サビの歌メロ、そしてニール・ザザの歌心溢れるGプレイまで
アルバム・ハイライト級の素晴らしさにして
NELSON最終楽章を締め括るに相応しい名曲っぷりに脱帽です。


NEMESIS - Goddess of Revenge ★★★ (2013-11-06 23:11:41)

後にSYMPHONITYと改名するチェコの5人組が'03年に発表した1stアルバム。
METALLION誌の特集「メロディック・ロック必聴盤ガイド112枚」にも選出されていた作品で、折り良く中古盤が格安価格で売りに出されてるのを発見して購入したのですが・・・いや良いですね、これ。
メンバーも認める通り、Keyを適宜取り入れた疾走感溢れるサウンドはHELLOWEEN、ANGRA、STRATOVARIUSといったバンドからの影響を多分に感じさせるメロディック・パワー/スピード・メタル路線。高音域に余裕がなく、低音域はピッチが甘いという頼りなさ全開なVoと、貧相なプロダクションが逃れ難いB級感覚を運んで来ますが、それを差し引いて尚、全編に溢れる如何にも東欧的な寒々しさを纏った泣きメロが、その威力を減じることはありません。
例えば、教科書通りのメロパワ展開を聴かせるOPナンバー①にしても、勇ましさと同時に一抹の物悲しさも漂わすメロディが、西欧や南米のこの手のバンドとは一味違う個性を醸成。その真骨頂と言うべきが続く②③やバラードの⑥で、民俗音楽的哀愁とクサみを伴ったメロディを(お世辞にも上手いとは言えないまでも)熱唱する「泣き声Vo」には悶絶しないわけには参りません。
荒削りですが、ダイヤモンドの原石の如き輝きを秘めた1枚。


NERVOSA (2014-04-22 22:58:54)

女性メンバーを擁するスラッシュ・メタル・バンドは珍しくない昨今ですが、メンバー全員が女性となるとちょっと前例が思いつかない、ブラジルはサンパウロ出身のトリオ・スラッシャー。(結成当初はツインG編成の4人組だったらしいが)
'12年に制作したPVがYOUTUBEで話題となったことから、オーストリアのNAPALM RECORDSと契約を締結し、同年、1stデモを7インチ・シングル化した『TIME OF DEATH』でデビュー。
更に'14年には、プロデューサーにKORZUSのメンバーを起用してレコーディングが行われた1stフル『VICTIM OF YOURSELF』を発表。
アンドレイ・ボウジコフの手掛けたアートワークが目印の同作は、スピリチュアル・ビーストを通じて日本盤もリリースされている。


NERVOSA - Victim of Yourself ★★ (2014-04-22 23:01:32)

「ドキッ!女だらけのスラッシュ・メタル・バンド in ブラジル」な3人組が、'14年に発表した1stフル・アルバム。
尤も、スピードへの拘りもそこそこに、メリケンサック装備の拳固でガッツンガッツン顔面を殴打されるかの如きバイオレントなスケ番スラッシュ・サウンドには、上記の字面から想像されるような色気や甘さの類は絶無。というかそもそも事前情報がなければ、デス・メタルの領域に半身を突っ込んだこの殺気と怒気が渦巻く轟音を、女性だけのバンドが出しているとは誰も思わんですよ。
少々肩に力が入り過ぎている印象で、個人的にはもうちょっとキャッチーな部分を出してくれると尚良いのですが、でもこれがデビュー作ですからね。そういう試行錯誤は次作以降に譲って、まずは、大口径の機関銃が至近でブッ放されているかのような①②や、欧州風味のダークネスが塗された⑧、ストレートなスラッシュ賛歌⑨といった、噛み付くように突っ張るスラッシュ・ナンバーの連打で力押しに終始する姿勢は、これはこれで決して間違ってはいないとも思うわけで。
次作以降にも大いに期待させる力作。


NERVOSA - Victim of Yourself - Into Mosh Pit ★★ (2014-04-23 22:59:55)

タイトルからもお察しの通り、ストレートに
疾走するスラッシュ&モッシュ賛歌。
デス・メタルにも匹敵する突進力のみならず
ライブ映えしそうなキャッチーさを備えている点に
彼女たちの作曲能力の確かさが感じられ、
次作以降、この路線を追及してくれると
個人的には嬉しいかな。


NERVOSA - Victim of Yourself - Twisted Values ★★ (2014-04-23 22:56:40)

妖しげなイントロを、無慈悲に炸裂する
リフ&リズムが引き裂く様は、まるで至近距離で
大口径の機関銃を撃ちまくっているかの如き。


NEVERMORE (2017-12-18 00:41:17)

うぇっ?!と思って調べてみたら、心臓発作で亡くなられたんですね…。


NEVERMORE - The Obsidian Conspiracy ★★ (2010-09-13 21:46:00)

メンバーのソロ活動やら病気療養やら色々あって、前作『THIS GOODLESS ENDEVOR』から5年の間が空いて発表された7thアルバム。(プロデュースはSOILWORKのピーター・ウィッチャーズが担当)
スラッシーな疾走感が薄まり、ミドル・テンポの楽曲中心で固められた作風は『THIS GOODLESS~』に比べるとややパンチに欠ける印象なれど、そうした地味めな仕上がりの本編に鮮烈な彩りを加えてくれるのが、ソロ活動を通じて一層の表現力を身につけたウォーレル・デイン(Vo)とジェフ・ルーミズ(G)の存在。
ドスの効いた曲調を突いて、突如ジェフの美しいGソロが噴出する②なんて、まるで全盛期のアレックス・スコルニックの如きだし、ミドル・チューン⑥⑦において、妖しく憂いに満ちたメロディを見事に歌い上げるウォーレルの堂々たる歌唱も、仮にNEVERMOREが解散してもソロ・シンガーとして十分食っていけそうな程の説得力を有している。
そうした両雄の凄味が如何なく発揮された、メランコリックなヘヴィ・バラード⑤、劇的且つダイナミックな曲構成が光る⑨、ツインGを始め、全パートが雪崩を打って畳み掛けてくるアルバム・タイトル・トラック⑩は、本編のハイライト言うべき名曲でしょう。
スピードが落ちた分、NEVERMOREの優れたメロディ・センスがよりクローズアップされた感のある1枚。


NEVERMORE - This Godless Endeavor ★★★ (2007-02-20 22:01:00)

NEVERMOREというと、『A TRIBUTE TO JUDAS PRIEST VOL.2』に提供していた“LOVE BITES"のブチ壊しカヴァーの印象が悪過ぎて、その後は「ああ、モダン・へヴィネス系(今となっては死語か)のバンドね」と、聴くのを敬遠していたのですが、'06年発表の本作の評判の良さに誘われて購入してみたら・・・これが本当に素晴しかった。
確かにモダンな要素も至る所に散りばめられているものの、それ以上に耳を奪われるのが、①や③といったスピード・ナンバーで堪能できる、古き良きスラッシュ・メタル的な疾走感、思わず顔が歪む程の「泣き」が炸裂するヘヴィ・バラード⑤を頂点に、アルバム全編に溢れる哀メロ、そして、ラストを劇的に締める⑪を始めとした、ドラマティックな曲展開といった要素。
また、そうした楽曲を華麗に彩るのがウォーレル・ディーンの強力な歌声。SANCTUARY時代からハイトーンVoには定評があったものの、魅力的な歌メロの構築能力にかけてはイマイチな印象が強かった彼氏ですが、ここでは低~中音域を活かした表現力豊かな歌唱を披露。特に、憂いをタップリと含んだキャッチーなサビメロの素晴しさは特筆ものです。
こりゃ俄然、過去の作品も聴いてみたくなりましたよ。


NEW ENGLAND - 1978 ★★ (2008-05-07 22:47:00)

NEW ENGLANDがINFINITY RECORDSとの契約を得るきっかけとなった、デビュー前に制作したデモテープに、
更に未発表曲3曲を加えてCD化した、初期のレア音源集。
1st収録曲6曲と、2nd収録曲1曲のデモ・バージョンが収められていて、アルバム・バージョンに比べると、
よりプログレッシブ・ロックからの影響が色濃く滲み、これを聴くと、感傷的な泣きメロの洪水や、
シンフォニックなアレンジとドラマティックな曲展開、BEATLES、QUEENばりに華麗なボーカル・ハーモニーetc・・・
と、彼らがデビュー前の時点で、既に、自身の音楽性をきっちりと確立していたことが良く分かる。
そして何と言っても、本作最大のセールス・ポイントである、未発表曲3曲。これがなかなかに素晴しく、
この3曲を聴くためだけにCD代金を払っても惜しくはないと断言できる出来栄え。ビートルズ風のピアノのイントロと、
華麗に交錯するボーカル・ハーモニー、そして胸キュン物の哀メロといった、NEW ENGLANDならでは魅力が詰め込まれた
③④もなかなかだが、中でも、感傷的な歌メロと、繊細に泣くG、そして重厚なメロトロンの音色をフィーチュアした
センチメンタルなバラード⑦は頭1つ抜きん出たクオリティを誇り、なぜこれをデビュー作に収録しなかったの?と、不思議に思うほど。
元がデモ音源ゆえ、音質は良好とは言い難いものの、ファンならチェックする価値のある1枚ではないだろうか。


NEW ENGLAND - 1978 - Even When I'm Away ★★★ (2008-05-10 00:46:48)

ソフトで抒情的な曲調、繊細な哀メロを紡ぎ出すG、
泣きを発散する感傷的なVo、
プログレ風味を増幅するメロトロンの音色・・・と、
1stアルバム未収録なのが、もったいないくらいの名バラード。


NEW ENGLAND - Explorer Suite ★★ (2008-05-03 01:58:00)

アメリカン・プログレ・ハード史に燦然と輝く、名曲中の名曲“EXPLORER SUITE"と“HOPE"を収録した、
ファンの間でもNEW ENGLANDの最高傑作と評価の高い、'80年発表の2ndアルバム。
伊藤政則氏をして「叙情派ロックの帝王」と言わしめ、こと叙情メロディのクオリティにかけては、凡百のバンド群の
追随を許さない彼らだが、そのメロディの質は、どちらかと言えば「甘さ」「切なさ」「爽やかさ」といった要素が濃厚な、
いわゆる胸キュン系で、北欧的な暗さやクサメロ度は控えめ。そのため、ブリティッシュ・ポップ風味も漂う1st『NEW ENGLAND』に、
期待ハズレとの思いを抱いた人も結構いるようだが、この2ndアルバムでは、そこに更に「悲哀」の色合いが加わった事で、
劇的なドラマ性が大幅アップ。また、Gサウンドがグッと前に押し出され、曲展開も、よりハードに、よりダイナミックにと、
全編にハードロック的なエネルギーが漲る、非常にドラマティックで日本人好みの内容に仕上がっている。
その最たる例なのが、冒頭で述べた必殺の名曲⑤と⑨。猛烈な泣きメロの洪水の前に溺死は必至の名バラード⑨の素晴しさも
然る事ながら、それ以上の威力を備えているのが⑤。華麗にしてドラマティックな曲展開といい、優しく、そして切ないメロディといい、
宇宙へと旅立ったまま帰ってこない父親と、その帰りを待ち続ける息子の別れを綴った、胸締め付けるリリカルな歌詞といい、
あらゆる要素が極上の感動を演出する、全HR/HMファン必聴の名曲。メロディ愛好派は、この曲を知らずに死ぬことなかれ。
勿論、これ以外にも、NEW ENGLAND節全開なポップでキャッチーな③や、劇的に疾走するハード・ナンバー⑥を筆頭に、全編これ捨て曲なし。
名曲2曲の絶大なインパクトの前に、他の楽曲の存在感が掻き消されてしまっている感がなきにしも非ずなれど、
ともあれ、疑う余地の全くない名盤なので、未聴の方はNEW ENGLAND入門編としてどうぞ。


NEW ENGLAND - Explorer Suite - Explorer Suite ★★★ (2008-05-03 09:37:49)

「果てしなき冒険」というポジティブな響きの邦題に反して、
父と子の別れについて歌ったリリカルな歌詞といい、
胸を締め付ける感傷的な泣きメロの洪水っぷりといい、
スペーシーでドラマティックな曲展開といい、
まさにアメリカン・プログレ・ハード史に残る名曲中の名曲。
特に素晴しいのが、全編を華麗に舞い、泣き、スケール感と
いった要素を楽曲に演出する、Keyの縦横無尽の活躍ぶりか。


NEW ENGLAND - Explorer Suite - Hope ★★★ (2008-05-03 09:48:27)

イントロの繊細なアコギの音色だけでもう泣ける、
NEW ENGLAND屈指の名バラード。
GとKeyが生み出す強烈な泣きメロの洪水の前に、
メロディ愛好派は溺死必至。
「さあ泣け」とばかりに畳み掛けてくる、エンディング部分の
エモーショナルな盛り上がりっぷりには言葉を失くします。


NEW ENGLAND - Explorer Suite - Seal It with a Kiss ★★★ (2008-05-03 09:42:29)

1stに比べて、格段にハードロック的なエネルギーを増した
2ndアルバムの作風を、判り易く伝える劇的な疾走ナンバー。
それでいて、メロディの繊細さには微塵の鈍りもなしときたもんだ。
尻切れトンボなエンディングは頂けないものの、
それを差し引いても、星三つに十分値する超名曲。


NEW ENGLAND - New England ★★ (2008-04-29 21:21:00)

メイン・ソングライターの役割を果たすジョン・ファノン(Vo、G)、バンド結成の音頭を取ったハーシュ・ガードナー(Ds、Vo)、
後にALCATRAZZに参加する事となるゲイリー・シェア(B)、ジミー・ウォルドー(Key、Vo)という編成からなる、
ボストン出身の4人組プログレ・ハード・バンドNEW ENGLANDが、KISSのポール・スタンレーと、QUEENとの仕事で知られる
マイク・ストーンをプロデューサーの座に迎えて制作、'79年にリリースした1stアルバム。
バンドの最高傑作と名高い2nd『EXPLORER SUITE』に比べると、ハードロック的なダイナミズムやドラマティシズムは
控えめで、繊細なメロディを紡ぎ出すG、透明感に溢れたKey、感傷的な歌声が楽曲の叙情性をグッとUPさせるVo・・・と、
よりソフトでメロディアスな、ブリティッシュ・ポップ的な味わいが濃厚な本作。“EXPLORER SUITE"、“HOPE"級の
名曲こそ収められてはいないものの、収録曲の平均クオリティは『EXPLORER~』にも匹敵する高さで、
美しいボーカル・ハーモニーにウットリさせられる、キャッチーなOPナンバー①に始まり、全米チャート40位に
食い込むヒット曲となった②、聴いているだけで心が浮き立つポップ・チューン⑥、キビキビと展開してラストを締める、
絶品の哀メロ・ナンバー⑩まで、アルバム全編がBEATLESやQUEEN、TOUCHといったバンドを思い起こさせる、スウィートで繊細な
泣きメロと、優しく包み込むようなリリシズムに彩られ、実は、個人的には2ndよりも好きなアルバムだったりする。
特に、メロメロに泣きまくる胸キュンもののソフトなバラード④の美しさは、本作の白眉。
メロディアスHRマニアなら避けては通る事の出来ない、必聴の名盤の1つではないかと。


NEW ENGLAND - New England - Encore ★★★ (2008-04-29 21:42:23)

キビキビとしたアップテンポな曲調が心地良い、
1stアルバムのラストを締め括る
絶品の哀メロ・チューン。
個人的には、バラード“SHALL I RUN AWAY"と並ぶ
1stアルバムのハイライト・ナンバー。


NEW ENGLAND - New England - Hello, Hello, Hello ★★★ (2008-04-29 21:32:43)

BEATLESばりにポップでキャッチー、
且つ美しいボーカル・ハーモニーだけで
ガッチリと掴まれてしまう、1stアルバムのOPナンバー。
避暑地の草原を吹き抜けて行く、一陣の微風の如き爽やかさに、
思わずウットリ。


NEW ENGLAND - New England - Nothing to Fear ★★★ (2008-04-29 21:56:53)

聴いているだけで心が浮き立つ、
ポジティブなエネルギーに満ちた
キャッチーで爽やかな、絶品のポップ・チューン。
メロトロンの音色も非常に効果的に使われている。


NEW ENGLAND - New England - Shall I Run Away ★★★ (2008-04-29 21:54:24)

メロメロに泣きまくる、感傷的なバラード。
泣きといっても、暗さやクサさよりも、
甘さや切なさといった要素が濃厚なのが、
このバンドならではの味わい。
線の細いハイトーンVoが、曲の叙情性を
良い感じに増幅させています。


NEW ENGLAND - Walking Wild ★★ (2008-05-04 01:13:00)

図らずもNEW ENGLANDのラスト作となってしまった、'81年発表の3rdアルバム。
投票数の少なさからも察しの付く通り、一般的に余り評判の芳しくない作品であり、プロデューサーの
トッド・ラングレンのセンスが反映された、モダンで小洒落たサウンド・メイキングや、プログレ色が後退し
産業ロック度がいや増したアレンジの数々、シンプル且つコンパクトにまとめられ、ドラマ性が薄れた曲展開など、
不人気の理由は色々と思い付くが、やはり最大の原因は、メロディから叙情味が薄れてしまったことだろう。
捨て曲なしのクオリティの高さを誇った前2作に比べると、楽曲の出来・不出来にかなりの差が見られるのもマイナスで、
特に、序盤に並ぶ楽曲のフックの弱さは、従来の感傷的な泣きメロを満載した、ノスタルジックで
ドラマティックなプログレ・ハード・サウンドに涙したファンには、正直、かなり物足りない。
とは言え、それでも収録曲のクオリティの高さは、相変わらず凡百のバンド群を寄せ付けぬレベルを維持しており、
「掴み」にこそ失敗してはいるものの、60'Sロック風の軽快さが心地良い⑤を皮切りに、アルバム後半には、
ポジティブなエネルギーを発散するアップテンポの⑦、珍しくVoがパワフルな歌声を披露する⑧など、聴き応え十分の
楽曲が数多く並ぶ。特に、前作に収録されていてもおかしくない、叙情的で、シンフォニック且つドラマティックな⑥は、
間違いなく本編のハイライトにして、NEW ENGLAND屈指の名曲の1つでしょう。
結局、聴き終えてみれば「うーん、やっぱりこのバンドは最高!」となっているのだから、流石は叙情派ロックの帝王。
尚、本作が再発された時のインタビューで、再結成アルバムを製作中と応えていた彼らだが、その後全く音沙汰なし。新作はまだですか?


NEW ENGLAND - Walking Wild - Get It Up ★★★ (2008-05-05 01:18:44)

全体的にポップでコマーシャルな作風に仕上がった
3rdアルバムの中にあって、一際、プログレ・ハード色が
強く打ち出された、本編のハイライト・チューン。
1stや2ndに収録されていてもおかしくない、
切なさの滲み出す叙情メロディが胸に沁みます。


NEW TROLLS - Concerto Grosso N 3 ★★★ (2022-05-05 00:13:28)

名盤『CONCERTO GROSS』が未だ愛され続けるイタリア・プログレ界のベテランNEW TROLLS。60年代からキャリアを重ね、時代毎に音楽性が変化している上、しかも途中でバンドが二つに分裂してそれぞれアルバムを発表したかと思えば、再びメンバーが合流して新作を作ったりといった複雑な活動経緯を辿ってきたバンドだけに、美味しい部分だけつまみ食いしてるような我が身にはとても全容など把握しようもないのですが、とはいえ彼らが映画音楽に腕を振るうルイス・エンリケス・バカロフとタッグを組んで、正式に『CONCERTO GROSS 3』を発表したとあっては、そりゃチェックしないわけにゃいきますまい!と。
強烈な泣きやプログレ・テイストが薄まり、ポップな歌モノ風味が強まっている点に不満を表明する向きもあるようですが、そもそも『~2』だってかなりポップ方向に振られた仕上がりでしたし、名盤『~1』にしても、よりユーロ・プログレ風味が強まる4曲目以降はあまり聴き直した覚えがないプログレ弱者としては、本作の親しみ易さはむしろ「買い」。勿論少々薄味の味付けに物足りなさを感じる場面も無きにしも非ずとはいえ、イタリアのバンドらしい泣きのメロディは要所で息衝いていて、壮大なOPナンバー①に始まり、アコギが映える②、HRとクラシックが劇的な融合を果たした③、甘美なストリングスの調べに目が細まる④、クラシカルな小曲⑤からファンファーレを配した⑥へ…と流麗に展開していく本編には忘我の境地で聴き惚れてしまいますよ。特に憂いを帯びたメロディとオペラVoの組み合わせにグッとくる⑪は個人的にアルバムのハイライトとして一聴をお薦めしたい名曲。
『CONCERTO GROSS』の名を冠するに相応しい品質を備えた1枚ですよ。


NEWMAN - One Step Closer ★★★ (2019-04-16 01:18:02)

いちメンバーとしてのバンド活動にかねてからフラストレーションを感じていた英国人マルチ・プレイヤーのスティーヴ・ニューマン(Vo、G、Key)が、自らの名を冠し、自身で全てをコントロールできるプロジェクトとして立ち上げたNEWMAN、'99年発表の2ndアルバム。(ついでに日本デビュー作)
多作で鳴らした――現在までにリリースしたスタジオ・アルバムは既に2桁に達する――NEWMANなれど、憂いを湛えた歌と抒情的なKeyを活かしたAOR/産業ロック路線を追求する姿勢は結成当初からブレることなく一貫。勿論本作においてもそれは同様です。スティーヴの敬愛するダン・ハフ率いるGIANTに比べると、目の覚めるような名曲が収録されているわけではなく、またこの時期のスティーヴのVoが結構危なっかしいこともあり、有体に言って少々地味めな仕上がりであることは否めませんが、しかしキャッチーなKeyリフがフィーチュアされたOPナンバー①や、哀愁たっぷりのミッド・チューン②、清々しく神聖な雰囲気すら漂う③…といった具合に、冒頭から連続する楽曲は聴けば聴くほどに味わいが増すものばかり。一発でハート鷲掴みというよりは、弱火でコトコト長時間煮詰めるたことで旨み成分が増し、食い終わった後にしみじみ「美味ぇな」と呟く煮物料理みたいな滋味に満ちた1枚ではないかと。本編後半には分厚いコーラス・ワークを配した爽快な名曲⑩も用意され、アルバムの聴後感だって良好です。
GIANTやHEARTLAND等を愛する向きにお薦め一作。ちなみに元PRAYING MANTISのマーク・T・スミスがバックVoとしてゲスト参加していることも付け加えておきます。


NEWMAN - One Step Closer - The Call ★★★ (2019-04-16 23:49:32)

アルバム後半を引き締める爽快なロック・チューン。
Keyを隠し味的に用い、スカッと突き抜けて
青空へ溶け込んでいくようなサビメロのコーラスワークが実に心地良し。


NEXX - Another Dawn ★★★ (2014-01-05 22:49:26)

HEXXだと思って手に取ったらNEXXだった、という体験談に「あー」となった貴方はきっとスラッシュ・メタル・ファン・・・という脱線はともかく、スペイン産メロディックHRバンドが'06年に発表した2ndアルバム。
厚み十分な音作りの下、エッジの効いたGと、メタリックなシャウトからキュートな歌い上げまで、見事な歌唱を披露する女性Voをメインに据えてエネルギッシュに躍動するサウンドは、HR/HMリスナーにもアピールし得るハードネス&ノリの良さが漲っており、ビル・コナー率いるオーケストラとの競演もサラリとこなす洗練っぷりからは、スペイン産と聞いて想起されるようなドメスティックなクサ味――例えば巻き舌バリバリ感のような――やイモっぽさは皆無。
逆にそれに物足りなさを覚える人もいるやもしれませんが、琴線に訴えかけるメロディ作りの上手さは流石スパニッシュ。特にアルバム表題曲でもある⑦は、Gが奏でる哀愁のメロディ、それを効果的に盛り上げる生オケ、そして渾身の力を振り絞るかの如きパトリシア・タピア(Vo)嬢のパッション迸る熱唱とが相俟って、胸締め付けられずにはいられない、アルバムを代表する名曲。
'06年以来、作品のリリースが途絶えてしまっているのが気になりますが、こんな素晴らしいアルバムを作る才能を有しているのですから、是非とも活動の継続を願いたいところです。


NEXX - Another Dawn - Another Dawn ★★★ (2014-01-05 23:05:13)

エモーションを乗せて、一音一音を丁寧に紡ぐGや
楽曲をメロウに、ドラマティックに彩るKeyと
オーケストラの仕事ぶりも素晴らしいのですが、
何より胸を打つのは、曲展開の盛り上がりに
呼応するかのように、渾身の力を振り絞った
熱唱を披露してくれるパトリシア・タピア嬢のVo。
まさしく胸キュンものですよ。


NIGHT RANGER - Dawn Patrol ★★★ (2017-02-11 10:05:02)

日本先行で人気に火が点いたNIGHT RANGERのデビュー作。(邦題は『緊急指令N.R.』)
オジー・オズボーンとの活動で一躍その名をシーンに知らしめた「アーミングの鬼」ことブラッド・ギルスと、オクトパス奏法を操るジェフ・ワトソンというタイプの異なる2人の若きギター・ヒーローを擁し、更に敏腕ソングライターとしても鳴らすBのジャック・ブレイズ&歌えるドラマー、ケリー・ケイギーによるHR/HMバンドには珍しいツインVo体制。かてて加えてアラン・フィッツジェラルドのキラキラと眩く煌めくKeyに飾り立てられた収録曲は、これ見よがしのテクニック発表会に陥ることなく、躍動感溢れる疾走ナンバーから美しいバラードまで、ハードなエッジとキャッチーなメロディが絶妙な融合を果たしています。キャラの立ったメンバーに優れた楽曲まで揃い、しかもそれが然るべき時期に然るべきプロモーションを受けたならば、そりゃあ人気が出ないわけがない、と。
特に、シブがき隊の“ZOKKON命”にイントロをパクられたことでも話題を呼んだ(?)アルバムOPナンバー“DON’T TELL ME YOU LOVE ME”(邦題“炎の彼方”)は、ツインGがスリリングに駆け抜けるNIGHT RANGER屈指の名曲の一つ。次作収録の“SISTER CHRISTIAN”ヒット以降は「バラード・バンド」なるレッテル貼りと、売れ線を強要してくるレコード会社からのプレッシャーに苦しめられた彼らなれど、この頃はそうした悩みとは一切無縁に、シングル・カットされた②(最高第50位)、愁いを帯びた⑤、緩急の効いたバンドのテーマ曲⑩といったハードにロックする楽曲をイキイキとプレイ。演る側も聴く側も思わず笑顔になってしまう、ポジティブなエネルギー渦巻く名盤です。


NIGHT RANGER - Dawn Patrol - Don't Tell Me You Love Me ★★★ (2017-02-12 22:10:40)

デビュー作の1曲目にこんな強力な名曲をぶつけて来るバンド、
人気が出ないわけがない、と。
心地良い疾走感、キャッチーなメロディ、ライブ映えするコーラスに、
タイプの異なるギタリストの見せ場を盛り込んだインスト・パートと
NIGHT RANGERというバンドの強みがこれでもか!と詰まった逸品です。


NIGHT RANGER - Midnight Madness ★★★ (2017-02-12 22:18:35)

“SISTER CHRISTIAN”(第5位)と“WHEN YOU CLOSE YOUR EYES”(第14位)という2曲のヒット・シングルを生み出すと共に、200万枚以上を売り上げてダブル・プラチナムに輝いた’83年発表の2ndアルバム。
ツインGがフラッシーなバトルを繰り広げる傍ら、ツインVoは美しいハーモニーを奏で、更にKeyがカラフルな彩りを加えるという、個性的なメンバーの技を存分に活かした贅沢な音楽性はデビュー作のスタイルを順当に継承。一方でHR/HM人気がオーバー・グラウンドへと浮上していく時代背景を反映させたかの如く、プロダクションはより耳ざわり良く、サウンドの方はより明るく華やかに洗練の度合いを高めています。
例えば今回“炎の彼方”ばりの疾走感や、“NIGHT RANGER”で聴かれたような曲展開といったへヴィ・メタリックな要素は抑え気味なれど、その分メロディはキャッチーに磨き上げられていて、コンスタントに良い曲が揃っているという点ではデビュー作をも上回る出来栄えではないかと。その好例が大ヒット・パワー・バラード“SISTER~”であり、リリカルなメロディが胸を打つ“WHEN YOU~”であったのかなと。
勿論、スポーツ・ニュースのテーマ曲が似合いそうな爽快な曲調と合唱を誘うコーラスが、毎回ライブにおいてハイライトを創出するOPナンバー“ROCK IN AMERICA”や、Keyを活かした“WHY DOES LOVE HAVE TO CHANGE”といったエネルギッシュなHRナンバーのカッコ良さも、本作の魅力の一翼を担っています。
NIGHT RANGERの代表作と言えば、やはりこの作品ということになるのでしょうか?


NIGHT RANGER - Midnight Madness - (You Can Still) Rock in America ★★★ (2017-02-13 22:11:58)

スポーツ番組のテーマ曲か、ビールのCMにでも
起用したらさぞかしハマりそうな
喉越し爽やか、後味スッキリな疾走ナンバー。
テクニカルなツインG、ライブで盛り上がらずにはいられない
コーラスを聴いてテンションが上がらないメタル者がいましょうか。


NIGHT RANGER - Midnight Madness - When You Close Your Eyes ★★★ (2017-02-13 22:32:16)

ポップで爽やかなサビメロに、しみじみと
「良い曲ですなぁ」と呟いてしまう、
2ndアルバムからシングル・カットされ
スマッシュ・ヒットとなったのも納得の名曲。
個人的には“SISTER CHRISTIAN”よりも断然こっち派ですよ。


NIGHT RANGER - Midnight Madness - Why Does Love Have to Change ★★★ (2017-02-13 22:22:26)

哀愁のメロディを奏でるツインGが軽快且つ印象的に踊る
アップテンポのロック・ナンバー。
音作りを含めてコンパクトにまとめられていて
そこに物足りなさを感じる向きもありましょうが
でもこのキャッチーな聴き易さも十分に魅力的です。


NIKOLO KOTZEV'S NOSTRADAMUS - Nostradamus ★★ (2008-07-08 22:34:00)

JUDAS PRIEST渾身のロック・オペラ大作『NOSTRADAMUS』を聴いていて思い出したのが、BALTIMORE、BRAZEN ABOT等での
活動で知られるフィンランド領オーランド島出身のギタリスト、ニコロ・コツェフが'99年にリリースしたこのアルバムのこと。
ノストラダムスの波乱に満ちた生涯をテーマに取り上げた、2枚組、100分に及ぶ大ボリュームからなるコンセプト・アルバム・・・と、
何かと共通点の多い両作品ながら、ヘヴィ・メタルという様式と、バンド・サウンドに強い拘りの感じられた
JP版『NOSTRADAMUS』に対し、こちらは、優雅で華麗な正統派HRサウンドを基本としつつ、より幅広いタイプの楽曲が
揃えられていて、多数のゲスト・ミュージシャンが参加した「プロジェクト」色が強く打ち出されているのがその特徴か。
また、壮麗な聖歌隊や、オーケストレーションを大胆に導入した、シンフォニック且つクラシカルなアプローチっぷりも、
流石、北欧のミュージシャンの手による作品といった感じ。
いや、それにしても驚くべきはニコロ・コツェフの才能の豊かさで、腕の良いギタリスト兼ソングライターだとは知っていたが、
ここまでプロデューサー的才能にも溢れた人物だったとは思わなんだ。グレン・ヒューズ、ジョー・リン・ターナーを筆頭に、
豪華なゲスト陣を集め、且つ、それらを適材適所に配置して見事に使いこなす手腕には、ただただ感心。
トータルの完成度で聴き手を圧倒する作品ゆえ、突出した名曲こそ収録されていないものの、その分、各収録曲の
平均クオリティは極めて高く、全編これ捨て曲なし。参加ミュージシャン達も全員が良い仕事をしてくれているが、
やはり抜きん出ているのはグレン・ヒューズの歌の上手さで、彼の歌う楽曲は、その何れもが本編のハイライトと呼ぶに相応しい、
素晴しい完成度を誇っている。(個人的なお気に入りは、劇的なDISC-1の②、ソウルフルなVoが感動を呼ぶDISC-2の③かな)
スケールの大きさと深みを兼ね備えた、「本物」のロック・オペラ・アルバム。JPのアルバムと聴き比べてみるのも一興かと。


NITRATE - Real World ★★★ (2023-02-24 00:27:00)

MIDNITE CITYを率いて、これまでに3枚のアルバムをリリース。すっかりメロディ愛好家から篤い信頼を勝ち得ているロブ・ワイルド(G)の参加しているプロジェクトということで興味を惹かれたNITRATE。本作は彼らが’18年に発表した1stアルバムで、日本盤は「令和のゼロ・コーポレーション」ことANDERSTEIN RECORDSからのリリースでした。
マスタリングはHAREM SCAREMのハリー・ヘスが担当、シンガーを務めているのは、あら懐かしい。ロビー・バレンタインも在籍していたZINATRAや、MENNEN等での活動で知られるヨッス・メネンじゃありませんか。その脇をロブ・ワイルド、ニック・ホッグ(G、Key)、ピート・ニューデック(Ds)といった、いずれも80年代型メロハーに関しては一家言ある「書いて良し」「演って良し」な面子が固めるという鉄壁の布陣が敷かれています。
曲作りの中心を担うのは、当然ロブ…かと思いきや実はニックだったりするのですが(そもそもこのプロジェクトの発起人でもあるという)、フックの効いたメロディ、煌びやかなハーモニーとKeyに彩られ、溌剌と躍動するメロディアスHRサウンドはMIDNITE CITYの諸作と比較しても全く聴き劣りしないクオリティを誇っていますよ。
特に歌詞には「TOKYO」も登場する爽快なアリーナ・ロック・チューン⑥と、一度聴いたら哀愁のサビメロが耳から離れない⑩はこのプロジェクトの旨みを凝縮したような名曲。ヨッス・メネンも昔は然程上手いシンガーという印象を持っていなかったのですが、ここではその印象を覆す情感豊かな歌声をもって楽曲の魅力を見事に際立たせてくれています。
所属レーベルの店仕舞いで国内盤が早々に廃盤になってしまったのが残念な力作。


NITRATE - Real World - Dangerous ★★★ (2023-02-27 22:34:42)

哀愁を帯びつつ、一度聴けばすぐさま口ずさめる
キャッチーなサビメロの素晴らしさにグッとくる
メロハーの名曲。デンジャラ~ス♪


NITRO - O.F.R. ★★★ (2016-03-21 07:52:56)

「行き過ぎた恐怖は笑いに転化する」ということを教えてくれたのが映画『死霊のはらわた』なら、度を越したテクニックもやっぱり笑いに転化するのだということを教えてくれたのが、このNITROが'89年に発表した1stアルバムだったような?
音楽性は、躁の気全開で突っ走るアメリカンHM。そこにマイケル・アンジェロ先生が「独りシルク・ドゥ・ソレイユ状態」で操る伝家の宝刀、4本ネックのクァッド・ギター(別名Xギター)と、32秒間連続シャウト/10種類の異なる歌い方/ワイングラスを粉砕する6オクターブのハイトーン…といった必殺唱法の数々で知られるジム・ジレットのVoという、「珍」にして「奇」なる飛び道具が加わることで、NITRO独自のサウンドが完成をみています。
と言うか、このバンドと本作についてはグダグダ説明するよりも、OPナンバー“FREIGHT TRAIN”の名(迷)PVを見て貰った方が、一目瞭然でその魅力が伝わるのではないかと。Voの歌唱スタイルこそ好悪が分かれますが、ノリノリで疾走する楽曲自体はパワフル&キャッチーですし、愛川鉄也の司会が聞こえてきそうなPVの「世界ビックリ人間大集合メタル」っぷりも、嘗ては完全に色物扱いでしたけど、今となっちゃ愛しく思える程。英国ガーディアン紙企画『最低ミュージックビデオ・ランキング』第7位に堂々ランクインってのも勲章みたいなもんですよ。(逆にPVにドン引きした人は本作を聴く必要はないと)
ある意味、行き着くところまで行き着いた80年代メタルの極北を垣間見せてくれる1枚。


NITRO - O.F.R. - Freight Train ★★★ (2016-03-21 08:16:36)

ワイングラスを粉砕するハイトーンVoに、Xギターを猛然と弾き倒すG、
突如グルグル回りだすB・・・と、ルックスからパフォーマンスまで、
恐竜的進化を遂げた80年代メタルの行き着く先を明示する、
「びっくり人間大集合」の会場と化した名PVが強烈だった逸曲。
特に2分半からの「Xギター降臨シーン」は爆笑必至。
楽曲自体はキャッチーで疾走感溢れるパワー・メタルで単純にカッコ良く、
ずっと聴いていると疲れること甚だしいVoとGですが、
こうして1曲だけ取り出して聴く分には「メチャメチャ元気だな、君」
と素直に感心させられます。


NIVA - Gold from the Future ★★★ (2012-05-28 21:23:24)

トニー・ニヴァ(Vo)率いるスウェーデンのメロディアスHRバンドが17年ぶりに発表した2ndアルバム。
'94年リリースの1st『NO CAPITULATION』は、かのゼロ・コーポレーションを通じて国内盤もリリースされていたらしいのですが、正直、脳みそ絞ってみても全く記憶に残っておらず、しかし本作の完成度の高さに触れるとそっちも是非聴いてみたくなりますね。(・・・と思ったのは自分だけではなかったようで、中古盤市場で一気にレア・アイテム化していてちょっと笑った)
音楽性の方は、いかにも北欧のバンドらしい涼しげな哀メロが堪能できるメロハー路線で、サウンドが甘くなり過ぎぬよう適度にエッジを効かせてくれるG、リズム隊、歌いっぷりの良いハイトーンVo、それに溌剌としたボーカル・ハーモニーが爽快感を運んで来てくれる点もセールス・ポイント。
哀愁を帯びたメロディが躍動する②⑨や、喉越し爽やかな清涼感溢れる③、エコ精神漲るキビキビとした曲調にフラッシーなGソロが華を添える⑧といった楽曲を筆頭に、全編これ捨て曲なし!と思わず太鼓判押したくなるクオリティの高さを誇る本編ですが(バラード④⑩も美しい)、中でも最高なのがアルバム表題曲でもある⑤。もう心憎いばかりにフックの効いた哀メロが疾走する様は、GRAND ILLUSIONを彷彿とさせる劇的さで辛抱堪らんですよ。
ボーナストラックを含めても40分に満たないボリュームに物足りなさを覚える向きもあるかもしれませんが、この収録楽曲の充実振りは、それを補って余りありますよって。
1stアルバムの再発を是非ともお願いしたくなる力作です。


NIVA - Gold from the Future - Final Warning ★★★ (2012-05-30 23:19:07)

キビキビとした緊迫感に溢れたヴァースから
開放感を伴う爽やかなサビメロへの展開が
秀逸な本編後半のハイライト・ナンバー。
フラッシーなGソロも印象に残りますね。


NIVA - Gold from the Future - Gold from the Future ★★★ (2012-05-29 22:47:48)

適度なハードさを保ちつつ、思わず身悶えする程に
フックの効きまくった物悲しい哀メロが駆け抜けていく
アルバムのハイライト・ナンバーにして表題曲。
ちょっとGRAND ILLUSIONを思い出したりもする
(それも傑作『VIEW FROM THE TOP』の頃)
'11年屈指の名曲の1つですよ。


NIVA - Gravitation ★★★ (2013-10-24 21:57:31)

復活作『GOLD OF THE FUTURE』の高評価を追風に、今度は間を空けることなく'13年にリリースされた3rdアルバム。
哀感と涼感を宿したOPナンバー①が宣誓する通り、中心メンバー、トニー・ニヴァの伸びやかなハイトーンVoをメインに据えて、楽曲をフレッシュに彩るGとKey、それに涼しげなボーカル・ハーモニーとが如何にも北欧的な透明感を演出するメロディアスHRサウンドは、評判を呼んだ前作の作風を遵守。その一方で、続く爽やかに弾む②に明らかなようにハードポップ色も増量されていて、溌剌と駆け抜ける⑦なんてその象徴と言うべきキャッチーな逸品かと。
前作収録“GOLD OF THE FUTURE”の如きハードな名曲が見当たらないのは残念ですが、その分メロディの煌きには一層の磨きが掛けられています。絶品のフックラインを描き出すサビメロがNIVAの面目躍如たる①⑩をハイライトに、トニー・ニヴァの卓越した歌唱力が元々素晴らしい楽曲のポテンシャルを更に一段上のグレードへと引き上げている③⑤等、アルバム全編がメロディ愛好家の泣き所を突く至高のメロハー・ソングの大盤振る舞い。
「世が世ならヒットチャートを賑わしていても不思議ではないのに・・・」と思わせてくれる充実作。


NIVA - Gravitation - In a Misty Light ★★★ (2013-10-27 22:06:29)

更なる高みへと到達したトニー・ニヴァの
絶品な歌声が、格調高いドラマ性を演出する
リッチでエモーショナルなバラード。


NIVA - Gravitation - Let It Shine ★★★ (2013-10-27 22:10:25)

溌剌としたGサウンドに、弾けるような曲調、
それにキャッチーで高揚感溢れるサビメロ・・・と
80年代ポップ・メタル風味満点の名曲。


NIVA - Gravitation - My First and Only One ★★★ (2013-10-27 22:03:57)

美しく澄んだ曲調と伸びやかなハイトーンVoが
雲間から差し込む陽光のような心地良さを
呼び起こす逸品。


NIVA - Gravitation - Never Say Goodbye ★★★ (2013-10-27 22:12:41)

哀メロ派のツボを的確にくすぐる
絶妙な展開を聴かせるメロディがとにかく辛抱堪らない、
「これぞNIVA!」なアルバムのハイライト・ソングの一つです。


NIVA - Gravitation - Never Too Late ★★★ (2013-10-27 22:01:06)

重厚なハーモニーと絶妙にフックの効いたサビメロで
アルバムの幕開け早々に聴き手をノックダウンする名曲。


NIVA - Incremental Ⅳ ★★★ (2014-09-11 23:36:32)

前作『GRAVITATION』から1年弱という、非常に短いスパンで発表された4thアルバム。
これはトニー・ニヴァ(Vo)、ロジャー・ラングレン(G)、マーカス・パーソン(B、Key)ら、中心メンバー3人のケミストリーの磐石ぶりを物語ると同時に、バンドのライブ・アクトとしての実体のなさも露呈しているような気がしなくもないですが、粗製濫造なんて言葉とは無縁の、優れたクオリティを保った作品を次から次へと聴くことが出来るのですから、ファンとしては文句を付ける筋合いではございません。
そして勿論、本作も素晴らしい出来栄えを誇っています。透明感を湛えた哀メロが涼しげに躍動し、痛快に弾きまくるGソロがテクニカルな華を添える北欧メロディックHRサウンドは、時に絶好調時のGRAND ILLUSIONすら凌駕せんとする勢いを感じさせ、取り分け鮮烈な哀メロのシャワーで、蓄積していた心の澱が綺麗サッパリと洗い流されていくような感覚に陥る、②④⑦⑫といったサビメロが絶品のアップテンポのナンバーや、プログレッシブ・ロック風の味付けが加えられた⑪等から得られる高揚感、爽快感は半端じゃありません。
ストレスフルな毎日を乗り切るための心の栄養剤として、非常に重宝している1枚。


NO SWEAT - No Sweat ★★★ (2021-12-15 23:15:03)

自主制作したデモテープがDEF LEPPARDのフロントマン、ジョー・エリオットの目に留まり、彼のプロデュースによるデビュー・シングル“HEART AND SOUL”が母国で№1ヒットに輝いたアイルランド出身の4人組、NO SWEAT。本作は彼らが新たにプロデューサーとして売れっ子キース・オルセンを招き、万全の体制を整えて'91年に発表した1stフル・アルバムです。
シングル同様に大ヒットが確実視されていたにも拘わらず、蓋を開けてみると意外にもセールスは伸び悩み、バンドの生命がこれ1枚きりで絶たれてしまったことで「一発屋」の不名誉な称号を戴くことになった彼らですが、それが内容のせいじゃなかったことは、仄かなブルーズ風味とアイルランドの大地を想起させる乾いた哀愁を隠し味に溌剌と躍動する、本作に託された高品質なポップ・メタル・サウンドをお聴き頂ければ明らかではないかと。
昔はヒット・シングルにして、清涼飲料水のCMに使用できそうな爽快感溢れるOPナンバー①にばかり意識が行ってましたけど、改めて聴き直すと、思わず体がタテに揺れ出す②、ヒット・ポテンシャル十分なバラード③、キャッチーなコーラスが印象的な④…と、それ以外の楽曲も粒が揃っていたことに気付かされます。殊に憂いを湛えてアルバム後半を彩る⑨なんて、個人的には①にも匹敵する名曲。またこれらの曲中においてコンパクトに練られた印象的なソロを繰り出すGの仕事ぶりも特筆に値しますよ。
HR/HMシーンが転換期を迎えた91年にリリースというタイミングが悪過ぎましたね。せめてあと1年早ければなぁ。


NO SWEAT - No Sweat - Heart and Soul ★★★ (2021-12-17 00:35:07)

躍動感溢れる曲調に、分厚いハーモニーに包まれたキャッチーな
コーラスが炸裂するバンドの代表曲。ジョー・エリオットの
お眼鏡に適ったのもさもありなん。ポカリスエットや
コカ・コーラのCMに起用できそうな爽快さも魅力です。


NOIZ ★★ (2008-01-27 19:51:00)

カルメン・マキ&OZの春日博文(G)と川上茂幸(B)、スペース・サーカスの小川宣一(Ds)、
そして無名の新人Vo、人見元基という布陣で結成されたハード・ロック・バンド。
ソリッドなロックンロール・サウンドはOZ時代とはかなり異なるが、
春日のパワフルなGと、川上の強烈にうねりまくるB、そして、とても大学生のものとは思えぬ
声域/声量/表現力を兼ね備えた人見のVoが彩る楽曲の数々は、十分ハイクオリティ。
アルバム1枚きりで解散してしまった事が惜しまれます。


NOIZ - NOIZ ★★★ (2008-01-27 17:46:00)

卓越した歌唱力をもって、日本ロック史上、屈指の実力派ボーカリストの1人として、高い評価を得る人見元基が嘗て在籍していた、元カルメン・マキ&OZの春日文博(G)率いるハードロック・バンドNOIZが、'83年に発表した唯一の作品。
但し、VOW WOWやOZの如き、ドラマティックなブリティッシュ・ハードロック路線を期待すると、全曲日本語歌詞で歌われる、ソリッドなロックンロール・サウンドに肩透かしを食らう事になりかねないので注意が必要かと。
如何にも80年代的な屈託のなさが炸裂した歌詞は、今耳にするとかなりムズ痒い部分が多く、それを人見元基が持ち前のディストーション・ボイスを駆使して熱唱する様は、正直なところ、かなりこっ恥ずかしい。ただ、春日博文の爽やかでキャッチーなメロディを活かした曲作りの上手さは流石で、剛柔を兼ね備えたGの腕前も相変わらず冴えまくり。彼の盟友、川上茂幸の強烈にうねるベース・サウンドもOZ時代を彷彿とさせる迫力だし、そして何より、とても新人とは思えぬ貫禄の歌声を響かせる人見のVoは、既にこの時点で独自のスタイルを完成済み。特にこのアルバムには、Voが稚拙だとダサくて聴いてられないタイプのノリの楽曲が多く収録されているため、彼の本作における貢献度はデカイ。
尚、ラストを締める⑪において、一聴してそれと分かる特徴的な歌声で人見と掛け合いを繰り広げているのは、RCサクセション時代の忌野清志郎。また本作には、Keyとして厚見玲衣もゲスト参加していて、これが後のVOW WOW参加への切っ掛け(の1つ)となったことはファンにはよく知られた話。


NOIZ - NOIZ - EVEの夜 ★★★ (2008-01-27 19:34:17)

垢抜けたメロディを持った曲が多いアルバムの中にあって、
この曲が放つ猛烈な哀愁は、一際目立っています。
春日博文のGが、人見元基のVoが、ゲスト参加の厚見玲衣のKeyが
咽び泣く、絶品のバラード。


NOIZ - NOIZ - MELLOW YELLOW ★★ (2008-01-27 19:31:14)

アコギを上手く取り入れた曲調は爽やかさすら感じさせるが、
演奏自体は非常にパワフル。
軟弱さは欠片もない、アップテンポのロック・ナンバー。


NOIZ - NOIZ - SHININ' ★★ (2008-01-27 19:26:49)

華麗なピアノ・サウンドをフィーチュアした
曲調自体は、結構爽やかだったりするのだが、
川上茂幸の唸りを上げるヘヴィ・ベースと、
人見元基のダイナミズム溢れる歌唱が
楽曲をパワフルなものに仕上げている。


NORTHEN LIGHT - Northen Light ★★★ (2021-04-20 00:11:52)

MADISONの隠れた名曲“NORTHEN LIGHTS”を思い出すプロジェクト名だけである程度期待値が高まってしまうメロディック・ロック・プロジェクトの唯一作。'08年発表。
中心人物はノルウェー出身のギタリストでトール・タッレなる人物。まったく聞き覚えのない名前ゆえ、いくらアルバムの評判が良かろうとそれだけなら買おうとは思わなかったのですが、本作を手に取るとまず目に飛び込んでくるのがゲスト・シンガー勢のクレジット。ファーギー・フレデリクセン、トニー・ミルズ、ヨルン・ランデ、ミカエル・アーランドソン、ロブ・モラッティ、ピーター・スンデル、キモ・ブロム…このちょっとした「メロハー・オールスターズ」といった顔触れには、そりゃあ興味をそそられずにはいられませんて。
音楽業界の裏方ソングライターとして、ドラマや映画、CMソング、他アーティストの楽曲を手掛けながら曲作りの腕前を磨いてきたキャリアの持ち主だけに、ヨルン・ランデが歌う(曲作りにも関与)爽やかな哀愁と高揚感が立ち昇る②、トニー・ミルズの伸びやかな歌声と哀愁薫るサビメロの取り合わせが絶品の名曲③、思わず気恥ずかしさを覚えてしまうぐらい甘くキャッチーな⑥、キモ・ブロムのクリアな歌声が哀愁味を引き立て、トール・タッレがギタリストとしても存在感を発揮する⑩等々、北欧らしい透明感と瑞々しさを併せ持つ哀メロに彩られたメロハー・サウンドは、単にゲストが豪華なだけの空虚な作品とは一線を画する見事なクオリティを誇っています。
現在は本業の方が忙しくこのプロジェクトは休眠状態となってしまっているようですが、本作を聴くと、是非とも継続をお願いしたくなる次第。


NORTHEN LIGHT - Northen Light - Don't Turn Away ★★★ (2021-04-21 00:55:52)

トール・タッレとヨルン・ランデの共作曲で、
Voもヨルンが担当。やはりこの人歌が上手い。
ハーモニーが爽やかに舞うポップな曲調に
合わせた伸びやかな歌唱で楽曲をより華やかに
盛り立ててくれています。


NORTHEN LIGHT - Northen Light - Wherever You Go ★★★ (2021-04-21 00:59:13)

故トニー・ミルズがVoを担当するハードポップ・ナンバー。
美しいハーモニーを纏いつつ、哀愁がふわっと匂い立つ
サビメロが絶品の素晴らしさで、トニー・ミルズの起用も
バッチリはまっています。


NORWAY - Arrival ★★★ (2020-06-30 00:51:12)

このバンド名でジャケットにはガレー船のイラスト。髭面のむさ苦しいメンバーが屈強なバイキング・メタルでも演っていそうな感じですが、実際はノルウェーでも北欧でもなく、ニュージャージー出身の5人組。元々はNORTHと名乗っていたそうで、それが気に入らず、とあるライブ出演の際咄嗟にバンド名をNORWAYに変更して現在に至るのだとか。
本作は彼らが'08年に発表した2ndアルバム。前作『NIGHT DREAMS』(’97年)がアマチュア時代に作り溜めたデモ音源を取りまとめた自主制作盤だったことを踏まえると、レコード契約を得てプロダクションが向上、日本初見参作ともなったこのアルバムこそが正式なデビュー作と言えなくもないような?
音楽性は、甘美な哀メロに、Keyが醸し出す北欧ハードポップばりのキラキラ感と、大陸産のバンドらしいキャッチーなポップ・センスを加味したメロディアスHRサウンド。特にOPナンバー①は、声質自体が哀愁を帯びているVoの熱唱、泣きに泣きを重ねて来るG、キャッチーなコーラス・ワークに厚盛りされた美麗なボーカル・ハーモニー等々、このバンドの強みが遺憾なく発揮された名曲で、これを聴いた時点でこちとらアルバムの完成度について確信を持ったぐらいですよ。事実その期待は裏切られることなく、2曲目以降は若干アメリカンな色合いが強めつつ、Gは終始ウェットなメロディを紡ぎ、楽曲も哀愁のハードポップ⑦をハイライトに高いクオリティをキープし続けます。
同郷のメロハー・バンドDEPATUREのシンガーだったデヴィッド・ボールドウィンが歌っているという次作『RISING UP FROM THE ASHES』も聴いてみたくなりますね。


NORWAY - Arrival - Givin' It All ★★★ (2020-07-01 00:08:57)

アメリカのバンドらしからぬ哀愁を発散するメロディと
それを引き立てる泣きに満ちたGとVoのエモーショナルな競演に
思わず眉が八の字になってしまうOPナンバー。
試しにこれ聴いてピンと来ないようならアルバムを買う必要はない・・・
と思わず言い切りたくなる本編のハイライト。


NOZOMU WAKAI'S DESTINIA - Anecdote of the Queens ★★ (2015-10-04 09:47:27)

デビュー作『REQUIEM FOR SCREAM』が絶賛された俊英ギタリスト、若井望(G)率いるプロジェクトが'15年に発表したミニ・アルバム。
ミニといっても全7曲でトータル40分に迫る収録時間は、アナログ時代であれば立派にアルバム級のボリューム。更に、ドヴォルザークの“新世界”のメロディをフィーチュアして突っ走るネオクラシカルな①を皮切りに、本編はデビュー作において披露した劇的且つメロディックな正統派HMサウンドをブレなく継承。前作ではバック・コーラスのみの参加に留まっていた女性シンガーの榊原ゆいとFUKIを、今回はガッツリとリードVoとして全面起用したり、アルバム・ハイライトの①を特別ゲストのロブ・ロックに⑦で再び歌ってもらうアイデアも、「こやつめ、やりおるわい」と。
そうした戦略から、収録曲のクオリティ、そして若井自身のエキサイティングなGプレイまで、本作には「次の作品までの繋ぎとして、ちゃちゃっと作ってみました」的なやっつけ仕事感は絶無。リスナーに満足感を与えつつ、同時に「もっと聴きたい」との飢餓感も煽るという、難しい注文にきっちりと答えを出してみせた1枚。


NOZOMU WAKAI'S DESTINIA - Requiem for a Scream ★★★ (2015-01-18 18:49:37)

レコード会社に豪華なゲストをお膳立てして貰った新人ギタリストのデビュー作・・・かと思いきや、ゲスト陣は自身で培ってきた人脈の賜物だという、確かな経験とキャリアを誇るミュージシャン、若井望(G)主導プロジェクトのデビュー作。
ギタリストとしての実力の程は「再結成BLIZARDに松川敏也の代役として抜擢された」というエピソードからも明白。ソロ・アルバムだとしても無駄にしゃしゃらず、プロデューサー的視点とアンサンブル重視の姿勢を貫き、それでいて印象的なメロディを豊かに紡ぎ出す華とテクを併せ持ったGプレイは、自然とサウンドの中から浮上して眩い輝きを放ちます。
そんな彼氏がクリエイトする楽曲がまた、往年のジャパメタ・テイストを濃厚に受け継いでて(当人的にも拘りがあるご様子)、こちとら琴線揺さぶられまくりですよ。良い意味で予想通りに展開してくれる歌メロとかね。
ビシバシとタイトな演奏を叩き込むリズム隊の援護射撃の下、ロブ・ロックの灼熱ボイスを乗せてアルバム表題曲に相応しい存在感とパワフルさで迫り来る①、様式美HMの権化の如き曲調と、この手の楽曲とは縁のなかった森川之雄の組み合わせが新鮮な②、そして凛として響き渡る小野正利のハイトーンが楽曲の突き抜け感を増幅する③という冒頭三連打の名曲っぷりが証明する通りの、充実の完成度にぐうの音も出ない1枚。
これからの活動に大いに期待致します。


NUCLEAR ASSAULT ★★ (2007-10-06 23:24:00)

個人的には、ジョン・コネリーの金属的なVoよりも、
ダン・リルカの歪みまくったBよりも、グレン・エヴァンスの
ドカドカと豪快なドラミングこそが一番の肝だと思っているので、
そういう意味では文句なく楽しめたライブでした。
(帰宅した後、久し振りにC.I.A.のCDを引っ張り出して聴いてしまった程に)


NUCLEAR ASSAULT - Game Over ★★★ (2007-09-06 21:16:00)

メタルとハードコア/パンクのクロスオーバー現象を推し進めた先駆者的存在であり、数多登場したその手のバンドの中でも、抜きん出たハイテンションなカッコ良さを誇るNYの4人組NUCLEAR ASSAULT、'86年発表の1stフル・アルバム。
個人的にクロスーバー・スラッシュというのは余り得意とするところではないのだけど、彼らが全く別格なのは、やはりその突出したメタル度数の高さゆえ。1分にも満たない秒殺ナンバーの数々や、ダン・リルカ(B)とグレン・エヴァンス(Ds)のリズム隊が叩き出す、硬質且つ性急なビート等、NAの全アルバム中、最もハードコア色が濃厚な本作なれど、それを遥かに凌ぐインパクトを放つのが、高速で刻まれる猛々しいリフ、緩急のしっかり組み込まれた曲展開、アグレッシブなだけでなく、ちゃんとメロディもなぞって歌うジョン・コネリーのVoといった、メタリックな要素の数々。
特に、メロディアスなイントロとジョンの歌唱が印象的なスピード・チューン⑦、アコギによる導入部を経て、荒々しく盛り上がっていく7分以上に及ぶラスト・ナンバー⑬は、ヘヴィ・メタル的な様式美すら感じさせる名曲。勿論、のっけからオラオラ状態で畳み掛けて来る②、緩急の効いた曲展開がガッツポーズ物の④、勇壮な歌メロに痺れる⑨のような高速スラッシュ・チューンのカッコ良さは言うに及ばず。そして極めつけが、本編のハイライトたる⑤。高速回転するリフ/ハイテンションなVo/劇的なGソロが一塊となって怒涛の如く疾走する、本作の魅力を凝縮したかのような超名曲です。
間違いなくクロスオーバー・スラッシュを語る上で、外す事の出来ない歴史的名盤。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over - Brain Death ★★★ (2007-10-08 18:23:53)

物憂げでメロディアスなイントロから一転、
激烈な疾走を開始するアルバムのラスト・ナンバー。
とにかくリフのカッコ良さが特筆もので、
中盤の反復パートでエネルギーを溜め込み、
ラストで爆発させる緩急の効いた曲展開といい、
7分に及ぶ大作だが全くダレを感じさせない名曲。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over - Radiation Sickness ★★★ (2007-10-08 18:15:51)

高速回転するリフと、硬質に疾走するリズムの上に乗っかる
切迫感を煽るVo、そして正統派テイストの感じられるGソロと、
本作の美点が詰め込まれたかのような名曲。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over / The Plague ★★ (2007-09-11 21:40:00)

1st『GAME OVER』リリース翌年の'86年に発表され、現在はその1stとカップリング仕様で発売されている5曲入りEP。
アルバム全編をひたすらスピーディに飛ばしまくっていた『GAME~』に比べ、今回は意図的に曲調の幅を広げにかかっていて、
本編の幕開けを飾る①からしてミドル・ハイだし、他にも、アジりまくるVo、ルーズな感じのインスト・パート、
そしてスラッシーな疾走感と様々な表情をみせる②、アグレッシブだがちゃんと歌っているVoが印象的な③、
NUCLEAR ASSAULT流バラードと言うべきメロウな④を収録する等、EPならではの冒険心(遊び心?)を感じさせる仕上がり。
とは言え、ラストを締める⑤が激烈な高速スラッシュ・チューン——それも正統派へヴィ・メタリックなGソロを
フィーチュアした文句なしの名曲——なもんだから、聴き終えた後の満腹感は十分。
また、各収録曲にはちゃんとNUCLEAR ASSAULT印が刻印されているので、実験作的な散漫な印象もなし。良く出来てます。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over / The Plague - Cross of Iron ★★★ (2007-10-08 18:31:51)

EP『THE PLAGUE』のラストを締める高速スラッシュ・チューン。
曲自体のハイテンションなカッコ良さはもとより、
バラード調の“THE PLAGUE"から、アクセルを一気に
踏み込んだようにこの曲へと展開していく本編の流れも最高。
アンソニー・ブラマンテの正統派テイスト漂うGソロのイカス。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over / The Plague - The Plague ★★★ (2007-10-08 18:28:03)

多彩な曲調が揃ったEP『THE PLAGUE』の中でも
一際異彩を放つ、メロディアスな表題曲。
途中でスピードUPするのかな?と思って聴いていると、
最後までそのままで行ってしまうという、
NUCLEAR ASSAULT流バラード。良い曲です。


NUCLEAR ASSAULT - Handle With Care ★★ (2007-09-08 16:55:00)

アメリカだけで15万枚以上を売り上げ、NUCLEAR ASSAULT史上最大のヒット作となった、
自他共に認める彼らの代表作である、'89年発表の3rdアルバム。
地球に「取り扱い注意」のスタンプが押されている、如何にも社会派スラッシャーらしい
ブラック・ユーモアに満ちたアルバム・ジャケットも印象的な本作。当然、中身の方も非常に充実していて、
多くのファンは、本編の幕開けを飾る激烈なキラー・チューン(中間部での一瞬のブレイク後、
Gソロが炸裂するパートが鳥肌モノ)の①を聴いただけで、このアルバムのクオリティを確信した筈。
また、お馴染みランディ・バーンズが手掛けたサウンド・プロダクションも、前作『SURVIVE』から
著しい向上を遂げていて、中でも、ドカドカと鳴りまくる豪快なグレン・エヴァンスのDsと、
歪みきった音色でのた打ち回るダン・リルカのBから生み出される、硬質で前のめりなリズムの迫力は凄まじく、
その攻撃的なビートに引っ張られる形で突進する、劇的なイントロでグッと掴まれる③や、挑みかかるような⑤といった、
ブチ切れ高速スラッシュ・チューンのカッコ良さと言ったら、アルバムのハイライトと断言しても良いぐらい。
アンソニー・ブラマンテのGソロがやや地味なのと、後半に核となるキメ曲がないのが気になるが
(正統派ヘヴィ・メタリックな⑫とかは良い曲なんだけどね)、最早、クロスーオーバー・スラッシュの大御所として
貫禄すら感じさせるスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっているという点には異論ない。


NUCLEAR ASSAULT - Handle With Care - Inherited Hell ★★★ (2007-10-08 19:17:29)

劇的なイントロ・パートで「勝負あった!」となる1曲。
ハイテンションな疾走感と、(ジョン・コネリーの得意なスタイルでもある)
「オラオラ状態」で畳み掛けて来る歌メロの
カッコ良さとが相俟って、アルバムの
ハイライト・チューン級の存在感を放つ。


NUCLEAR ASSAULT - Handle With Care - Mother's Day (2007-10-08 19:19:37)

別に特に好きな曲というわけではないのだが、
この曲のサビの部分は、何度聴いても
「一斉に食べてみ、一斉に食べてみ、おばちゃん!おばちゃん!おばちゃん!」
に聞こえるので困る。思わずタモリ倶楽部の空耳アワーに投稿してしまったではないか。


NUCLEAR ASSAULT - Handle With Care - New Song ★★★ (2007-10-08 19:09:23)

ドカドカと豪快なグレン・エヴァンスのDsに先導される形で
猛烈に疾走するOPナンバー。一瞬のブレイク後、
まさに「炸裂」するアンソニー・ブラマンテの
Gソロのカッコ良さも特筆モノ。
この曲を聴けば、本作の出来の良さが分かろうと言うもの。


NUCLEAR ASSAULT - Out of Order ★★ (2006-05-20 23:17:00)

コアなスラッシュ・メタル・バンドから、「速い曲もやるメタル・バンド」へと、音楽性を拡散させ始めた'91年発表の4thアルバム。
勿論、スラッシーな突撃チューンは健在だが、そういった曲よりも、アコースティック・ギターと、
しっかりと「歌う」ジョン・コネリーのVoをフューチュアしたヘヴィ・チューン“TOO YOUNG TO DIE"のような曲の方が強く印象に残る・・・
という事実が、本作の方向性を端的に物語る。(疾走曲にしてもストレートに駆け抜けるのではなく、静と動/緩急が演出されている)
そして極めつけが、インスト大作“SAVE THE PLANET"!繊細なアコギ・プレイにキーボード・ソロまで盛り込まれたそのドラマチックな曲展開には
「一体どこの様式美バンドだ?」と唸らされること請け合いの異色の名曲。
ダイ・ハードなスラッシュ・ファンからは失望の溜息の一つも聞こえて来そうな作風ではあるが、
少なくともメタル好きなら一聴の価値ありと、個人的には信じて疑わない次第。


NUCLEAR ASSAULT - Out of Order - Save the Planet ★★ (2007-10-08 19:06:06)

実験色の色濃いインスト・ナンバー。
美しいアコギに、ドラマチックな曲展開、オマケにKeyソロまで
フィーチュアして、個人的には大好きな曲だが、
と同時に、コアなNUCLEAR ASSAULTファンが口をあんぐりと
開けている様が思い浮かび、居た堪れない気持ちになる曲でもある。


NUCLEAR ASSAULT - Something Wicked ★★ (2006-05-27 21:15:00)

オリジナル・ラインナップの崩壊、デビッド・ディピエトロ&スコット・メタクサス(!)加入・・・
というドラスティックなメンバーチェンジを経て、'93年に発表された5thアルバム(そしてこれが取り敢えずのラスト作となった)
へヴィ&ダークにうねる頭3曲は'93年という時代を感じさせるが、中盤以降にはしっかりと突撃スラッシュ・チューンも配置されているので、
聴き終えてみれば、作品の備える突進力は前作「OUT OF ORDER」と大差ない。
メンバーチェンジの影響か、これまで以上にメロディ志向が強まり、「OUT~」では中途半端さを感じなくもなかった楽曲のメロディアス化が
よりスムーズに行われているのも本作の特徴の一つ。
特に、その最大の成果と言うべき、ツインGがJUDAS PRIESTばりの劇的なドラマを演出する疾走曲“THE FORGE"、
美しくも力強いNUCLEAR ASSAULT版パワー・バラード“NO TIME"は必聴の名曲!と断言させて頂きます。
ダン・リルカ不在ゆえ、あまり顧みられることのない(中古屋でも最安値で叩き売られてる)作品だが、是非とも再評価を望みたいところ。


NUCLEAR ASSAULT - Something Wicked - No Time ★★★ (2007-10-08 18:57:48)

『SOMETHING WICKED』の中でも一際ドラマチックで
メロディアスな名曲。このバンドなりのバラードと言えるかも。
凝ったアレンジで聴かせきる楽曲で、
特に、美しさすら演出するエレアコの存在がポイント。


NUCLEAR ASSAULT - Something Wicked - The Forge ★★ (2007-10-08 18:53:20)

ヘヴィで物憂げなミドル・パートを経て、
後半では猛烈な疾走へと転じるダイナミックなスラッシュ・チューン。
ジョン・コネリーとデイヴィッド・ディピエトロによる
劇的なツインGが、楽曲を盛り上げている。


NUCLEAR ASSAULT - Survive ★★★ (2006-11-25 00:04:00)

NUCLEAR ASSAULTの代表作と言えば、やはり3rd『HANDFUL WITH CARE』辺りということになるのだろうが、個人的に彼らの作品で最もお気に入りの1枚は、'88年発表のこの2ndフル・アルバム。
リフと疾走感のハイテンションなカッコ良さは抜きん出ていたものの、似たり寄ったりの楽曲の画一性という弱点(…というと言い過ぎか。むしろ「そこが良いんじゃない!という人もいるだろうし)を抱えていた前作『GAME OVER』に対して、今回は収録曲1つ1つが明確に個性を主張。これは、よりスラッシュ・メタル度が高まり曲展開にダイナミズムが増した事と、金属的な声質は魅力ながらともすれば単調になりがちだったジョン・コネリーの歌唱に、メリハリが備わった事が大きいと思われる。
Gソロも単なる彩り以上の存在感を発揮し始めているし、緩急の効いた①、暴力的なアグレッションを撒き散らす④、「ハイパー化したIRON MAIDEN」との印象を残す⑤⑦等、NUCLEAR ASSAULTいよいよ本領発揮!といった感じの名曲が並ぶ。
音質の悪さを差し引いても、スラッシュ・メタル史に燦然と輝く名盤の1つ・・・じゃないかな、と。いやでも音質はもうちょっと頑張って欲しかったところではあるのですが。


NUCLEAR ASSAULT - Survive - Fight to Be Free ★★★ (2007-10-08 18:41:13)

劇的な導入部を持ち、相変わらずスラッシーな攻撃性が
前面に押し出されてはいるものの、きっちりと起承転結を
備えた曲展開が、NUCLEAR ASSAULTが益々「メタル分」を
強めたことを物語る、ドラマチックな名曲。


NUCLEAR ASSAULT - Survive - Great Depression ★★★ (2007-10-08 18:46:51)

歌メロの魅力にかけては、本編随一というべき1曲。
曲自体も非常にカッコイイ高速スラッシュ・チューンながら、
やはりこの曲は、緊迫感を漂わせて切り込んで来る歌メロの
ハイテンションなカッコ良さがトドメを刺す。


NUCLEAR ASSAULT - Survive - Survive ★★★ (2007-10-08 18:42:18)

オラオラ状態で畳み掛けて来る、暴力的なまでのカッコ良さを
誇る、アルバムのタイトル・トラック。
単なる彩り以上の存在感を発揮し始めた
アンソニー・ブラマンテのGソロが楽曲を更に盛り上げている。


NUCLEAR ASSAULT - Third World Genocide ★★ (2007-09-12 21:28:00)

ラスト・アルバムとなった5th『SOMETHING WICKED』から実に12年ぶりとなる'05年に発表された、再結成第2弾アルバム
(第1弾はライブ盤『ALIVE AGAIN』)。ちなみにメンバーは、お馴染みダン・リルカ(B)、ジョン・コネリー(Vo)、
グレン・エヴァンス(Ds)に、新加入のエリック・バーク(G)という布陣で、『ALIVE~』には
その名前を連ねていたオリジナルGのアンソニー・ブラマンテは、今回は不参加となっている。
個人的にNUCLEAR ASSAULTに関しては、初期のハードコアがかったスラッシュ・メタル路線も、後期のメロディ重視路線も
どちらも質が高くて大好きなのだけど、本作で披露されているサウンドは、そのどちらでもないヘヴィネス重視路線。
立ち塞がるモノ全てを薙ぎ払うかの如きヘヴィ・リフ、戦車の進撃を思わせる重厚なリズム、不穏さを撒き散らすVoとが
一丸となって押し出してくるOPナンバー①に代表されるように、かつての作品のような突き抜けたテンションの高さは抑え気味で、
寧ろ、内側に向かって圧縮されたエネルギーが生み出す、異様な緊張感がアルバム全体を支配している印象。
勿論、彼らの作品である以上、高速スラッシュ・チューンはしっかりと収録されているし
(というか⑥以降はひたすら走りっ放しだ)、特に③は、その中でも頭1つ抜き出た名曲のように思うのだが、
それでも、そうしたスピード・チューン以上に強烈に印象に残るのは、前述の①や、新メンバーのGが
殆ど主役といって働きっぷりを披露する、メロディアスな⑥(②でのGプレイも素晴しい)といった楽曲だったりする。
『GAME OVER』や『SURVIVE』のようなスラッシュ・メタル・アルバムを期待するとスカされるかもしれないが、
ともあれ、NUCLEAR ASSAULTの名の下に発表するに相応しいクオリティを備えた作品なのは確か。


NUCLEAR SIMPHONY ★★ (2009-03-02 23:09:00)

風光明媚な観光地としても有名な、イタリアはシシリー島、パレルモにて'82年に結成。
元々はプログレッシブ・ロックをプレイしていたらしいが、メンバー・チェンジを
繰り返しながら徐々にスラッシュ/スピード・メタル色を強めて行き、'86年~'87年に
制作したデモテープ『CHOIR OF THE DESPERATION』と『THE REALITY SO NEAR』が評判を呼び、
それが切っ掛けとなって'89年にSPV/STEAMHAMMER RECORDSと契約。
同年には、プロデューサーに名手ハリス・ジョンズを起用したデビュー作『LOST IN WONDERLAND』を発表する。
(尚、国内盤のライナー・ノーツには「ツインG編成でレコーディング」と書かれているが、
内ジャケには、シロ(B)、ジーノ(G、Vo)、ジョヴァンニ(Ds)という
3人のメンバーの写真しか載っていない。ヘルプ要員?)
バンドは90年代に入り活動を停止しているが、'06年4月にイタリア国内を
ツアーしたとの情報あり。再結成したのかな?


NUCLEAR SIMPHONY - Lost in Wonderland ★★ (2009-03-02 23:12:00)

NUCLEAR ASSAULTとかNUCLEAR DEATHとかNUCLEAR VALDEZとか、NUCLEARの名を持つHR/HMバンドは幾つか存在するが、
こちらはイタリアはシシリー島出身のスラッシュ・メタル・トリオで、本作は、その彼らが'89年に
SPV/STEAMHAMMER RECORDSより発表した最初で最後のフル・アルバムに当たる。
結成は'82年とそのキャリアは結構長く、元々はプログレ・バンドだっただけあって、高い演奏スキルの活かされた楽曲は、
静と動の対比も鮮やかなOPナンバー①を筆頭に、スラッシュ・メタル然としたササクレ立ったアグレッションと、プログレ風味の
変拍子やリフ/リズム・チェンジを多用した曲展開、そして凝ったアレンジとが同居した一筋縄では行かない仕上がり。
とは言うものの、それに続く②を聴けば明らかなように、楽曲の基盤は飽くまでオーソドックスなスラッシュ・メタルに
置かれており、全編を貫くのはスピーディな疾走感。そこには頭でっかちな小難しさや、作品への没入を阻害する
難解なノリ等は皆無なので(Voも音程無視のシャウト・スタイル)安心されたし。
イタリアのバンドならではの、濃い口の叙情メロディが炸裂する③⑦といった楽曲の泣きっぷりや、そこから間髪入れずに
展開していく④⑧に、構築美に溢れたメロディをフィーチュアした、劇的なスラッシュ・メタルの名曲を
しっかりと配置できる曲作りの上手さ、センスの良さにも侮れないものがあり、本作を聴くとつくづく、これ1枚のみで
バンドが解散してしまったことが惜しまれるのであった。(近年、再結成を果たしてツアーに出たらしいが)


NUCLEAR SIMPHONY - Lost in Wonderland - Cry ★★ (2009-03-03 21:17:06)

次曲へのイントロの役割も果たす、
まさにタイトル通り泣きまくりの1曲。
イタリアのバンドらしい濃い口の哀愁が涙腺を刺激する
バラードで、Voも(息も絶え絶えといった感じだが)
メロディアスに歌い上げている。


NUCLEAR SIMPHONY - Lost in Wonderland - Evil Spray ★★★ (2009-03-03 21:21:00)

本編において、最もドラマティックな仕上がりを聴かせる
アルバムのハイライト・ナンバー。
スラッシーな攻撃力と、プログレッシブ・ロック風味の構築美を
湛えた曲展開も聴き応え十分だが、やはり白眉はメロディアスな
フレーズを豊かに紡ぎ出すツインG。時々IRON MAIDENっぽい。


NUCLEAR SIMPHONY - Lost in Wonderland - Lustful for Desaster ★★ (2009-03-03 21:14:08)

アルバム随一のアグレッションを撒き散らして
せかせかと疾走するスラッシュ・メタル・ナンバー。
とはいえ、随所で印象的なメロディが聴かれる辺り、
このバンドならでは。


NUCLEAR SIMPHONY - Lost in Wonderland - Mr.i.d.g.a.f. ★★ (2009-03-03 21:12:06)

ささくれ立ったGリフが荒々しく疾走するOPナンバー。
ストレートな疾走感と、美しくもドラマティックな曲展開が
同居した、NUCLEAR SIMPHONYというバンドの魅力を
判り易く伝える1曲。


NUCLEAR VALDEZ - Dream Another Dream ★★ (2017-05-24 23:33:41)

中南米から移民としてアメリカへ渡って来たメンバーにより結成され、名曲“涙のサマー”を始めとする、強烈な哀メロを携えたラテン風味薫る楽曲の数々が、ここ日本では高く評価されたNUCLEAR VALDEZ、’91年発表の2ndアルバム。(本当は1st『I AM I』(’90年)について書こうと思ったのですが、棚を漁ってもCDが発見できませんでした)
ちなみにアルバムについての評価は、リリース当時の雑誌レビューや、当サイトにおける皆様の投票数(まさかの0票)が物語る通り。個人的にも初聴時は、メンバーの「今度はルーツに立ち返った作品になるよ!」との発言に「じゃあ更にラテン風味の哀愁が強化されるのか?!」と事前の期待値が跳ね上がっていただけに、果たして実際に提示されたコンテンポラリー/ワールド・ミュージック色を増した代わりに、ロックのエッジと熱量が著しく低下してしまったサウンドに、結構落胆した覚えがあります。
そんなわけで長らくCD棚で放置プレイの刑に処されていた本作ですが、この感想を書くにあたって引っ張り出して聴き直してみたら、あれ?案外悪くないよ?…というか結構良いんじゃないかコレ?と評価が反転したという。爽やかに吹き抜ける②、気怠げな哀愁に浸れる④、80年代だったらトレンディ・ドラマの主題歌に起用されそうな⑦なんて、このバンドならではの哀メロ・センスを楽しむ分には何の文句もない出来栄え。ボートラ収録の“涙のサマー”のアコギ・バージョン⑪の名曲ぶりにもウットリと聴き惚れますし。
「1stに匹敵する完成度!」とは口が裂けても言えませんが、一度聴いてみても損はないのではないでしょうか。中古盤が格安で買えますんで。


NUCLEAR VALDEZ - I Am I ★★★ (2018-12-19 10:06:04)

夏がく~れば思い出す~ “涙のサマー” 酷いジャケ~(外盤)♪…と、思わず“夏の思い出”の節付けて歌いたくなる、NUCLEAR VALDEZが’89年に発表した1stアルバム。
親に連れられキューバやドミニカ共和国からのアメリカへと渡ってきたメンバー達により結成されたバンドだけあって、本作に託されているのは彼らのルーツを伺わせるラテン・ロック。とはいえ、踊れや騒げやの陽気なノリではなく、例えばバンド結成の地であるマイアミが、風光明媚な観光都市と貧富の格差が生む犯罪都市としての二つの顔を持ち合わせているのと同様、NUCLEAR VALDEZが聴かせてくれるサウンドも、ラテン・ミュージックのもう一つの側面である「エモーション」と「哀愁」にフォーカスされています。何せ作中最も軽快なノリを伴う③のような楽曲ですら、彼らの手に掛かるとやるせない憂いを湛えて響くのですから相当なものですよ。
その極致が、日本でもシングル・カットされたOPナンバーの名曲①であり、歌もギターもメロディも訴えかけるように泣いている、まるで地中海に沈む夕陽を眺めながらポロリ零れる一滴の涙の如き(何だそりゃ)この珠玉の名曲を手始めに、イントロがまるで演歌な②、濃厚な哀愁が滲み出すバラード④、切ないGメロディが繰り出されるロック・チューン⑪等、本作は最初から最後までラテン風味の哀メロの大盤振る舞い。バンドは2nd『DREAM ANOTHER DREAM』において音楽性の拡散を試みますが、本作には⑤⑨のようなアップテンポの楽曲も収録。HR/HMリスナー的にも取っ付き易い仕上がりなのがありがたい。
哀メロ愛好家の方には、一家に一枚の常備をお薦めしておきたい名盤。


NUCLEAR VALDEZ - I Am I - Rising Sun ★★★ (2018-12-21 00:11:16)

Gによるシンプルな泣きメロの反復に
涙ちょちょ切れてしまうラスト・ナンバー。
曲調だけ取り出せば決してバラードではないのですが、
並のバラードじゃ束になって掛かっても太刀打ちできないぐらい
メロディも演奏も泣きまくっています。


NUCLEAR VALDEZ - I Am I - Summer ★★★ (2018-12-21 00:03:19)

NUCLEAR VALDEZ=この曲といっても過言ではない
哀愁のラテン・ロックンロール。
ロックンロールといっても、VoもGもメロディも
下手なバラードより遥かに泣きまくっていますが。
この曲があまりに素晴らし過ぎて、2曲目以降の楽曲を
食ってしまっている印象がある点は痛し痒し。


Niagara - Ⅲ ★★ (2021-12-21 00:04:14)

こんなバンド名ですが、出身地はカナダではなくスペイン。それもかつて日本盤がテイチクからリリースされていたMANZANOや、BANZAIでフロントマンを務めていたJ.A.マンサーノ(Vo)を筆頭に、BARON ROJO、PANZERといったバンドに在籍していたメンバー達が集った、コッテコテのスパニッシュ・メタル・バンドです。
国内盤は我らがゼロ・コーポレーションから’93年にリリースされ、目出度くバンドにとってワールドワイドなデビュー作となった本作は、タイトルがズバリ表す通り彼らの3rdアルバム。スパニッシュ・メタルと聞いてこっちが期待する「巻き舌スペイン語Vo」や「鼻が曲がりそうなクサメロ」といった要素は殆ど見当たらず、裏ジャケでポーズ決めるメンバーのこじゃれたルックス(薄毛もヒゲ面もいない)といい、全編英詞で歌われ、様式美系のスピード・ナンバーから、カラッと躍動するアメリカンなノリのロック・チューンまで多彩な楽曲が揃う本編といい、何も知らずに聴いたらまずスペインのバンドとは思わないのであろう無国籍風味の仕上がりとなっています。嘗ては「スペインのBON JOVI」とも評されたそうな。
ボートラ含めて全14曲収録で1時間近いランニング・タイムゆえ、中盤ぐらいでダレを多少感じなくもないのですが、それでもフラッシーなGソロを組み込みOPナンバーに相応しい勢いで飛ばしまくる①、哀愁を帯びて後に続く②、ギターとオルガンが掛け合いを繰り広げるキャッチーな⑧、DEEP PURPLEの流れを汲むスピード・ナンバー⑪といった、「おっ」と思わされる楽曲が要所を締めてくれるので、決して退屈はしません。
バンドにとっては勝負作でしたが、残念ながら本作を最後に解散してしまった模様。


Niagara - Ⅲ - Go ★★★ (2021-12-22 01:32:47)

Keyによる薄化粧が施された爽快な曲調に
スパニッシュ・メタル特有のコテコテ感は皆無ながら、
キャッチーなコーラスや練られたGソロにはNIAGARAという
バンドの魅力が凝縮されています。