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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 401-500

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 401-500
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ANVIL - This Is Thirteen ★★ (2010-05-04 17:20:00)

映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』を見た帰りに思わず購入してしまった
ANVIL13枚目のアルバム。(考えてみりゃ彼らの作品を購入したのは90年代以来、実に久し振りだ)
で、現在。映画のDVDはほぼ毎日のように視聴しているのだが、本作を聴き直す機会はあまりない。
↑上のお二方が仰られている通り、ANVIL作品としての完成度は「並」レベルだし、いくら『THIS IS THIRTEEN』たって
全13曲収録は詰め込みが過ぎるでしょう・・・ってのが正直な感想で、映画の反響がモチベーション的にも
制作環境的にも反映されるであろう、次作『JUGGERNAUT OF JUDGEMENT』こそ真の勝負作かな、と。(期待期待)
とは言え本作が救い難い駄作かっつーと、当然そんな事はなく、現代版“FORGED IN FIRE"といった趣きの
ヘヴィなアルバム表題曲①や、よく歌うGが印象的な疾走チューン⑥、映画の中で劇伴として使用されていた⑫⑬辺りは
なかなか聴き応えがあるし、何よりのトピックは、劇中において「幻の楽曲」として語られていた
“THUMB HANG"がボーナス・トラックとして収録されている事。先だっての来日公演でも披露されていた、
彼らのBLACK SABBATH愛が伺える、このドゥーミー且つ劇的な名曲が聴けるだけでも本作は購入する価値有り。
ANVIL13枚目のアルバムとしてよりも、映画のサウンドトラックとして楽しめる1枚かな。


ANVIL - This Is Thirteen - THUMB HANG ★★ (2010-05-04 17:32:29)

ANVIL結成後、最初に書かれたという楽曲。
映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」の中で
その存在について語られた事で、CDにオマケ収録される運びとなった。
スペインの宗教裁判について歌ったという
おどろおどろしい雰囲気漂うドゥーミーなヘヴィ・ナンバー。
良い曲です。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun ★★ (2010-02-11 01:24:00)

元HEATHENのダグ・ピアシー(G)が在籍し、EXODUSやMETALLICAといった数多くのスラッシュ・メタル・バンドに
影響を与えた事で知られるベイエリアのレジェンド、ANVIL CHORUS、デビュー20数年にして初となるフル・アルバム。
とはいえ、そうしたゴツいイメージを持って本作に挑むと、⑤⑧のような「ポップ」と表現して差し支えない
楽曲をも収録したオーセンティックな作風に(cri0841さんの仰る通り)肩透かしを食らう事は必至。
どこか浮遊感のあるメロディを歌うヘタウマVo、劇的にハモるG、分厚くスペーシーなボーカル・ハーモニー、
単なるバック・グラウンドの埋め草に留まらぬ活躍っぷりを魅せるKey、そして作り込まれた曲展開から成る楽曲は、
メンバーがNWOBHMとプログレッシブ・ロックからの影響を公言する通り、丁度、両者を足して2で割った様な感じで、
無理に音を詰め込むことなく、空間を上手く活かしたアレンジからは70年代HR的な味わいも感じられたりも。
パワフルに疾走する①、大仰な導入部を持つ②、初期VICIOUS RUMORSチックな⑨と、パワー・メタリックな楽曲も
あるにはあるが、個人的にはそうした力押しの楽曲よりも、泣きながらハモリまくるツイン・リードGが
PRAYING MANTISを彷彿とさせる③や、プログレ・ハード的な雰囲気漂う⑩⑫のような、ウェットなメロディと
ポップさ、劇的さがバランス良く同居した楽曲の方が、このバンドならではの個性が強く感じられてお気に入り。
ちなみに本作収録曲は、その殆どが初期デモテープに収められた楽曲ばかりなわけだが、だったら'82年に発表され、
現在では入手困難なデビュー・シングル“BLONDES IN BLACK"もリメイクして欲しかったなぁ、と。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - European ★★ (2010-02-11 08:53:32)

ポップ且つ憂いを帯びたメロディを歌うVo、
そのVoに負けないぐらい歌うGに、
曲展開の鍵を握るKey、そして軽快な曲調と、
全体を包み込むプログレ・ハード的な雰囲気が魅力。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - Once Again ★★ (2010-02-11 09:00:01)

'82年発表のデビュー・シングル『BLONDES IN BLACK』にも
収録されていた、彼らの代表曲の一つで、
本編収録曲中、最もプログレ方面からの影響が感じられる
メロディアスでドラマティックな名曲。
KeyとGが良い仕事してます。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - Phase to Phase ★★ (2010-02-11 08:44:59)

アメリカのバンドとは信じられないぐらい
NWOBHMの遺伝子が組み込まれた哀愁のHRナンバー。
泣きながらハモるツインGがPRAYING MANTISを
彷彿とさせるが、実際、メンバーはマンティスから
影響を受けているのだとか。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - The Blade ★★ (2010-02-11 08:48:31)

エッジの立ったGリフの刻みや、
リフとリズムが低い姿勢でズンズンと進んでいく様が
初期VICIOUS RUMORSを思わせるパワフルな1曲。
IRON MAIDEN調のツインGが印象に残ります。


AOR - Nothing But the Best ★★ (2020-04-26 01:15:55)

そのまんまなプロジェクト名や、全てのアルバム・タイトルに「LA」を入れ込む等、遠く離れたフランスの地からウェスト/コースト・サウンドとロサンゼルスに対する熱烈ラブコールを送り続けているマルチ・ミュージシャン、フレデリック・スラマが立ち上げたメロハー・プロジェクトAOR。新旧TOTOのメンバーや盟友トミー・デナンダーを始め、毎度枚挙に暇がないほど豪華なゲストを迎えてレコーディングが行われている彼らの初期の歩みを総括するベスト盤。(日本盤は’04年にCOOL SOUNDからのリリース)
選曲は1st『L.A. CONSESSION』から3曲、3rd『L.A. REFRECTION』から5曲、4th『DREAMING IN L.A.』から4曲、既発曲のリメイク3曲、合わせて全15曲を収録。当時自主制作盤ゆえ入手困難だった(フレデリック本人さえCDを所有していなかったという)初期作の楽曲が気軽に聴けるので重宝しましたが、それにしては2nd『NEXT STOP:L.A.』から1曲もチョイスされていないのは画竜点睛を欠くのではないか。まぁリメイク3曲のうちの1曲は2nd収録曲ではあるのですが…。
音楽性は勿論王道AOR。こうしてまとめて聴くと、リズムは打ち込みで済ませていたスタート時から、アルバムを重ねる毎にバンド形態への拘りが感じられ始め、それに伴って音楽性も若干ハードな方向へ磨き上げられていったことが分かって興味深い。まぁそれでもHR/HMで括るには少々躊躇を覚える作風に変わりはないのですけども。
現在までに十数枚の作品を残す多作なバンドゆえ、とりあえずの入門盤にするのに丁度いい塩梅の1枚。2枚組ベスト盤も別にありますが、そこまでボリュームがあるとそれはそれで敷居が高く感じられますし。


AOR - The Secrets of L.A. ★★★ (2018-12-16 23:17:33)

若き日に、英語を学ぶために訪れたロサンゼルスにすっかり魅了されてしまい、以降、自身が制作したアルバムのタイトル全てに「L.A.」の単語をブッ込む等、かの地に対するZOKKON命(LOVE)っぷりをつまびらかに表明し続けるフランス人ミュージシャン、フレデリック・スラマ。その彼が立ち上げたプロジェクト、AORの9作目となるスタジオ・アルバムがこちら(’13年発表)。
メロハー作品請負人ことトミー・デナンダーがフレデリックと共同でプロデュースと曲作りを手掛けた本作は、いかにもカリフォルニアの青い空が似合いそうな(そしてプロジェクト名に違わぬ)ポップにしてキャッチー、且つ爽快なハードポップ・チューンが全編に亘って目白押し。まるでフレデリックの「ミーはロスを愛してるザンス」(誤ったフランス人像)との主張がそのまんま音として表現されているかのようですよ。
惜しむらくは本編に「これぞ!」というキメ曲が見当たらない点なのですが、それでも楽曲の平均点は高めな上、ファーギー・フレデリクセン、ジェフ・スコット・ソート、ヨラン・エドマン、ミカエル・アーランドソン、ジム・ジッドヘッド、ビル&タマラ・チャップリン夫妻、ボブ・ハリス、ロビン・ベックetc…といった、次から次に登場するゲスト・シンガー達のキャラの立った歌声が、ともすれば薄味に落ち着きかねない各曲に「華」を付与してくれています。ファーギーが歌うエネルギッシュなOPナンバー①や、ピアノが踊る④(Voはビル・チャップリン)辺りは、てきめんにその効果が表れた逸曲ではないかと。
ゲストの顔触れにピンと来るメロハー愛好家なら購入して損はない1枚です。


AOR - The Secrets of L.A. - Back to San Francisco ★★★ (2018-12-17 23:47:10)

フレデリック・スラマは見た感じミュージシャンとしての
オーラは限りなくゼロですが(失礼)、実に良い曲を書く人で
ビル・チャップリンのVoをフィーチュアしたこの曲はその好例。
キラキラと跳ねるピアノが効果的に使われているのもポイントです。


AOR - The Secrets of L.A. - Deep Whirlpool ★★★ (2018-12-17 23:43:19)

ファーギー・フレデリクセン関連作品を集める中でゲットしたアルバムでしたが、
適度にキャッチー、適度にハードなこの逸曲は、
まさに彼が歌うに相応しい出来栄えで、アルバムに対する期待値を高める
OPナンバーとしての役割をきっちり果たしてくれています。


APOCALYPSE ★★ (2009-09-27 21:13:00)

スイスはジェネーブにて結成された、ツインGを擁する5人組スラッシュ・メタル・バンド。
情報が少なく、調べても詳しい活動履歴が分からんのだけれど、ともかく'88年にスイスのインディーズOUT OF TIME RECORDSからセルフ・タイトルの1stアルバム『APOCALYPSE』を発表、デビューを飾っている。
後にこのアルバムはUNDER ONE FLAG RECORDSを通じて海外へと配給される事になるが、この時(多分)アートワークがトゥルー・メタル調のモノからスラッシャーにお馴染みの「ツノ付き蝙蝠」イラストに差し替えられ、また本編もSWEET SILENCE STUDIOにおいてフレミング・ラスムッセンの手によるミックスが施されている。
'93年にはシンガーを代えて2nd『THE FAITHLESS』をリリース。この時加入したニック・ラボーなるシンガーは、後にGOTTHARDに加入することとなるニック・メーダーその人。但し、その彼もアルバム・リリース後すぐに脱退してしまい、主要メンバーの興味が他に移ったこともあってバンドは解散。
Bのペーター・トールスロンドはその後ARTILLERYへ加入。(※↓下の方のご指摘の通り、別バンドでしたね。デンマークの方のARTILLERYの4thアルバムの解説にもハッキリとその旨書かれていました。謹んで訂正します)


APOCALYPSE - Apocalypse ★★★ (2009-09-27 21:18:00)

'88年に英インディーズのUNDER ONE FLAGから発表した1stアルバム。(ミックスは名手フレミング・ラスムッセンが担当)
長らくイギリス出身バンドと信じて疑っていなかったのだが、この文章を書くに当たって調べてみたら、実はスイスのジェネーブに本拠を置くバンドだったと分かって驚いた。全編を包み込む暗く湿った雰囲気といい、煮え切らないメロディを歌うヘタウマVoに、ドラマティックに絡み合うツインG、スピードよりも、手数の多いGリフの積み重ねと劇的な曲展開を重視した楽曲の数々といい、生半可なイギリスのスラッシュ・メタル・バンドよりもよっぽど英国然とした風格漂うスラッシュ・サウンドを披露してくれているのになー。
鋭角的なGリフが疾走する高速スラッシュ・ナンバー①⑨を筆頭に、2nd~3rd期のMETALLICAからの影響が濃厚に感じられる作風だが、メロディックなツインGを組み込んで、山あり谷ありで展開していくインスト曲③⑧をしっかりと聴かせきる演奏力や構成力の確かさからは、単なるフォロワー・バンドと切って捨てるには勿体ない程の実力の高さが伺えるし、無駄に大作主義に走ることなく、楽曲をタイトにまとめ上げる姿勢にも好感が持てる。
個人的には歌えるVoを活かした④、NWOBHMの薫りが漂ってきそうな重厚なヘヴィ・ナンバー⑤、そしてバンド名を冠するに相応しいドラマ性を誇る⑥といった、よりパワー・メタル路線寄りの楽曲がお気に入り。
XENTRIXやD.A.M、SLAMMERといった英国産スラッシュ・メタル好きなら是非とも手に取って頂きたい1枚。うっかり買い逃してしまった'93年発表の2nd『THE FAITHLESS』が聴いてみたい。


APOCALYPSE - Apocalypse - Apocalypse ★★ (2009-09-28 23:09:46)

テクニカルな見せ場を備えた劇的な曲展開や、
ドラマティックなツインGの絡みなど、
このバンドならではの魅力がきっちりと織り込まれた
バンド名を冠するに相応しいクオリティを備えた名曲。


APOCALYPSE - Apocalypse - Crash! ★★ (2009-09-28 23:05:44)

バンドの地力の高さが伺えるインスト・ナンバー。
クサくない程度に劇的に絡み合うツインG、
軽快なフットワークでボトムを支えるDs、
メロディアスなソロもとるBと、
Voがなくとも不満は一切ない。


APOCALYPSE - Apocalypse - The Night Before ★★ (2009-09-28 23:07:20)

アルバム中、最もパワー・メタリックな仕上がりを誇る
重厚且つメロディックなヘヴィ・チューン。
重心低く刻まれるGリフがカッコイイ。


APOCALYPSE - Faithless ★★★ (2016-05-25 07:12:39)

スイスのAPOCALYPSEがデビュー作から5年のブランクを経て’93年に発表した2ndアルバム(最終作でもある)が漸く正式再発。買い逃していた身には嬉しい限りであります。
この時期はスラッシャーのモダン・ヘヴィネス化が注視され始めた頃合いで、本作に関してもハリス・ジョンズが手掛けた重厚なプロダクションや、エピック性を薄れさせた曲作りの姿勢は明らかに90年代仕様。ただ、歌メロが“BATTERY”を思わせる③からも分かる通り、もともとMETALLICAやTESTAMENTの系譜に連なる、疾走感よりも構築美押しのスラッシュ・サウンドが持ち味だったバンドゆえ、流行に日和ったとの悪印象は皆無。新Voとして、より幅広く「歌える」タイプのニック・ラボーが加わったことで、更にメロディが増量されパワー・メタル化の加速した楽曲がなかなにカッコイイのですよ。それでいてスラッシーな突進力に鈍りが見られないのも重要な評価ポイント。
でもって一番ビックリさせられたのが、ニック・ラボーなる新Voと現GOTTHARDのニック・メーダーが同一人物だったこと。いや結構周知の事実だったりするのかも知れませんが、これまで彼のキャリアについては「地元スイスで幾つかのローカル・バンドに参加」程度しか知らんかった身には心底驚かされましたよ。人に歴史あり…。
実際のところGOTTHARDでの歌唱スタイルとはかなり異なりますが、例えば④のようにドスを効かせた強面シャウトからハイトーンまで余裕でこなす、「実力派シンガー」としての片鱗は十分に垣間見ることができます。。
スラッシュ愛好家は勿論のこと、GOTTHARDファンも試しにいかがでしょうか?な1枚。


APOCALYPSE - Faithless - Division ★★ (2016-05-26 23:29:10)

映画『プレデター2』みたいなイントロSEから
猛然と爆走を開始するスラッシュ・ナンバー。
これがモダン・ヘヴィネスがもてはやされていた
'93年に発表されているのだから頼もしい限り。
なので歌メロがMETTALICAの“BATTERY”みたいなのは
大目に見てあげて下さい。


APOCALYPSE - Faithless - Unwanted ★★ (2016-05-26 23:35:35)

『ピンクパンサー』風のイントロに始まり、
グルーヴィな横ノリ・パートあり、パワフルな疾走パートありと、
起伏に富んだ曲展開を支えるのがニック・メーダーの歌唱力。
現在(GOTTHARD)とは唱法がかなり異なるものの、
ドスを効かせた強面シャウトからハイトーンまで淀みなくこなす
パフォーマンスからは、既に実力派シンガーの片鱗がチラ見え。


APOCRYPHA - The Eyes of Time ★★ (2009-10-18 21:56:00)

速弾きギタリスト、トニー・フレディアンリ率いるネヴァダ州出身の4人組ヘヴィ/パワー・メタル・バンドが、
'88年に発表し、一部では「彼らの最高傑作」と評価の高い2ndアルバム。
プロデュースはマーティ・フリードマン、エンジニアはスティーヴ・フォンタノ、ジャケットはガイ・エイチソンが
担当・・・と、基本的には前作と同じ布陣で制作されていて、作風の方も「SHRAPNELメタル」路線を継承。
その一方で、今回はよりアグレッシブに、よりスピーディにと、パワー・メタル分の一層の強化が
図られており、曲によっては、1st~2ndの頃のVICIOUS RUMORSを思わせるモノもあったり。
ただ、それと引き替えにメロディから叙情性が薄れてしまっている点は痛し痒しで、②④のような勢いで押し切る
疾走曲ならともかく、ミドル・テンポの楽曲においては、フックに欠ける歌メロの平凡さと相俟って、どうしても大味感が漂う。
尤も、前述の疾走曲や、Bのテクニシャンぶりも光る重厚な⑦、メジャー・キーを用いた前作には無かったタイプの
バラード⑨なんかは優れた出来だし、何より、ヨーロピアンなドラマ性を備えたトニー・フレディアンリの
Gプレイの素晴しさは相変わらずメチャ強力。彼のソロがスタートした途端、楽曲がパッと輝きを放ち始める辺りも
前作同様。この華やかなGプレイを聴くためだけにでも、購入する価値がある作品になってるんじゃないかな・・・と。


APOCRYPHA - The Forgotten Scroll ★★ (2009-09-23 21:38:00)

現在は人気バンドTHIRD EYE BLINDに籍を置くトニー・フレディアンリ(G)が中心となって、アメリカは
ネヴァダ州にて結成された4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、プロデューサーにCACOPHONY時代の
マーティ・フリードマンを迎えてレコーディング、'87年にSHRAPNEL RECORDSからリリースした1stアルバム。
ダークな雰囲気漂うジャケット・アートワークを、タトゥー・アーティストとして大成したガイ・エイチソンが
手掛けていたりと、今考えると結構豪華な陣容で制作されている本作だが、各楽器の分離の悪いゴチャッとした
音作り(エンジニアはSHRAPNELお抱えのスティーヴ・フォンタノ)や、欧州HMからの影響を伺わせる、アグレッシブだが
キャッチーさに欠けるマイナー調のパワー・メタル・サウンドは、如何にもSHRAPNEL RECORDS謹製といった感じ。
ただ、ドラマティックなバラード⑨に良く表れている通り、声域4オクターブを誇るというロブ・ハルフォード型の
Voがちゃんと歌える実力派である事と、何よりトニーの華のあるGプレイが、作品の完成度をガッチリと底上げ。
緩急もへったくれもなく終始派手に弾きまくっているため、鬱陶しく感じられる場面も無きにしも非ずなれど、
例えば①のような大味なHMチューンでも、彼のGソロが切り込んできた瞬間、パッと楽曲が輝きを放つのだから大したもの。
CACOPHONYやRACER Xといったバンドが楽しめる人なら、購入する価値が大いにある1枚かと。
長らく廃盤状態で国内盤はプレミア価格で取引されてましたが、最近ようやっとリマスター盤が再発されたしね。


APOCRYPHA - The Forgotten Scroll - Broken Dream ★★ (2009-09-26 22:50:27)

無駄に力むことなく、エモーショナルな歌声を
聴かせてくれるVoの歌唱が映える
デビュー作のラストを締める叙情バラード。
メロディを大事にしたGプレイに専念する
トニー・フレディアンリも良い仕事をしています。


APOCRYPHA - The Forgotten Scroll - Tablet of Destiny ★★ (2009-09-26 22:46:05)

「これぞSHRAPNEL!」といった感じのインスト・ナンバー。
トニー・フレディアンリはテクニカルな速弾きのみならず、
楽曲のクラシカルな雰囲気を高めるKeyワークも披露。
あと、何気にBのアル・ラムリーもかなりのテクシャンっぷりを
聴かせてくれている。


APRIL WINE - Animal Grace ★★ (2017-03-05 08:04:14)

キャッチーな楽曲と、花火やライティングを用いた派手なライブ・パフォーマンスが話題を呼び、本国カナダはもとより米英でも人気を博したAPRIL WINE。’80年にはドニントンで開催された第1回MONSTERS OF ROCKに、RAINBOW、JUDAS PRIEST、SCORPIONS、SAXON、RIOT、TOUCHと共に出場も果たしている彼らが、‘84年に発表した通算11枚目のスタジオ・アルバム(バンドはこれを最後に一旦解散)。
邦題は『野獣の叫び』。今度こそギンギンにロックなサウンドを聴かせてくれるのでは…との期待が弥が上にも高まりましたが、盤をセットして再生ボタンを押すと流れ出すのは、リバーブを効かせニューウェーブ風の音作りが成されたOPナンバー①。アルバム自体も、MTVの援護射撃を受けてHR/HM人気がメジャー・シーンへと浮上し始めたことを意識したかの如く、荒々しいエッジや熱量は控えめに、その分キャッチーなメロディと磨き込まれたお洒落なアレンジを強調した仕上がりに。
そういう作品だと割り切ってしまえば、これはこれで非常に高品質なんですけどね。特にアルバム表題曲①を皮切りに、身体を揺らすグルーヴが心地良い②、哀メロのフックの効きっぷりから本編のハイライト・ナンバーに推させて頂く③…といった具合に、洗練された哀愁のポップ・チューンが連続する頭3曲の流れにはうっとりさせられますよ。
一応トリプルGを活かした④、ライブ映えしそうな⑤みたいな楽曲もありますが、本作に限って言えばAOR/産業ロック作品を楽しむつもりで付き合うことを推奨する1枚かと。


APRIL WINE - Animal Grace - This Could Be the Right One ★★★ (2017-03-05 23:15:33)

SF映画風のヘンテコなPVが印象的なアルバム表題曲。
シングル・カットされて全米最高58位。
シンセを効かせたニューウェーブ風の音作りと
お洒落(当時)なアレンジが施されていますが
仄かな哀愁を帯びたキャッチーなメロディが実に魅力的です。


APRIL WINE - The Nature of the Beast ★★★ (2017-03-04 08:26:38)

母国カナダでダブル・プラチナム(アルバム・チャート最高第11位)、アメリカでもプラチナ・ディスク(最高第26位)に認定され、またシングル・カットしたバラード“JUST BETWEEN YOU AND ME”がスマッシュ・ヒットを飛ばす等、APRIL WINE史上最大の成功作となった’81年発表の7thアルバム。
トリプルG編成で、オマケに邦題が『野獣』と来たら、そりゃもうギンギンにハードなノリを期待されるやもしれませんが、実際はキャッチーなメロディとコーラスワークを主軸とする、親しみ易いポップなサウンドが繰り広げられます。それでもこのアルバムはAPRIL WINEのカタログの中ではHR/HM寄りに位置付けられる作品の一つであり、それは本作リリースの前年、NWOBHMに沸くイギリスで開催された記念すべき第1回MONSTERS OF ROCKに、彼らが参戦を果たした経験も無関係ではない筈。
今回語る上で真っ先に挙げるべきは、本国とアメリカでそれぞれ6位、21位にランクインした前述のヒット・バラード“JUST BETWEEN YOU AND ME”なのでしょうが(実際良い曲です)、個人的にはそれ以上に、熱い哀愁のメロディが迸る“SIGN OF THE GYPSY QUEEN”(実はカバー曲だったと最近まで知りませんでした)や、「へヴィ・メタリック」と表したくなる疾走ナンバー“CRASH AND BURN”といった、バンドが最もハードな路線へと傾斜していた時期ならではの名曲に心惹かれてしまうのですが。
HR/HMファンが入門盤にするならば、やはりここら辺りの作品群が適当でしょうか。


APRIL WINE - The Nature of the Beast - Crash and Burn ★★★ (2017-03-05 08:01:36)

タイトルからしてHMっぽいですが
実際、トリプルGが暴れ回る疾走感溢れる曲調はかなりハード。
MONSTERS OF ROCK参加経験が、
彼らにこういったタイプの楽曲を書かせたのではないかと。


APRIL WINE - The Nature of the Beast - Sign of the Gypsy Queen ★★★ (2017-03-05 07:59:23)

同じくてっきりオリジナル曲だとばかり。
それぐらい哀愁迸る曲調とAPRIL WINEの個性が
上手いことマッチした名曲です。


ARCANGEL - ARCANGEL ★★★ (2008-10-16 22:25:00)

CANNATA名義で数作のアルバムも発表している、アメリカはコネチカット州出身のマルチ・ミュージシャン、ジェフ・カンナタの名を、一躍メロディ愛好家の間に知らしめたバンド(と言ってもグループとしての実体はなかったらしいが)ARCANGEL。その彼らが'83年に唯一残したフル・アルバムにして、マニアの間では「アメリカン・プログレ・ハードの名盤」と絶賛される逸品がこれ。
「泣き」を含んだ声質のVoが切々と歌うフック満載のメロディ、透明感と叙情性を増幅するスペーシーなKey、繊細に泣きつつもハードさを忘れないG、美麗なコーラス・ハーモニー、そして、適度にドラマティックでプログレッシブなアレンジが施された楽曲の数々は、叙情的だがベタつかず、劇的だが大仰ではないと言う、まさに美しきアメリカン・プログレ・ハード・サウンドの理想的ラインを描き出している。
中でも、ARCANGELというバンドの魅力を端的に示す、哀愁とドラマ性を兼ね備えたOPナンバー①、胸キュンものの切ないバラード④、溌剌としたインスト曲⑤から繋がっていく、キャッチー且つ悲哀に満ちた曲調が胸に染み入る⑥、本編随一のプログレ・テイストの色濃さを誇る、ドラマティックに泣きまくるラスト・ナンバー⑨は、メロディ愛好派のリスナーなら絶対に聴かずには死ねない悶絶級の名曲。
聴いていると、どうにも郷愁をそそられ、ノスタルジックな気分に浸ってしまう1枚。
秋の夜長のお供にどうぞ。


ARCANGEL - ARCANGEL - KING OF THE MOUNTAIN ★★★ (2008-10-19 10:43:55)

Vo、G、Keyが、これでもか!というぐらいに泣きまくる
アルバム収録曲中、最もプログレ・テイストが色濃く薫る
アレンジを施された、本編のラストを締め括るドラマティックな名曲。
個人的には、アルバムのハイライト・ナンバーです。


ARCANGEL - ARCANGEL - SIDELINES ★★★ (2008-10-19 10:40:15)

イントロのシンセ(ピアノ)の音色だけでもう泣ける必殺の名曲。
切なさ炸裂しまくりのVo、楽曲を華麗に彩る美しいボーカル・ハーモニー、
しみじみと泣くG、楽曲の叙情性を増幅するKeyといった要素に彩られた
どこかノスタルジックで感傷的な曲調に、思わず胸キュン。


ARCANGEL - ARCANGEL - STARS ★★★ (2008-10-19 10:31:59)

ポジティブなフィーリングを伴って盛り上がっていく曲調が
たまらなく胸に沁みる、ARCANGELというバンドの魅力が
判り易く詰め込まれたアルバムのOPナンバー。


ARCANGEL - ARCANGEL - USED TO THINK I'D NEVER FALL IN LOVE ★★★ (2008-10-19 10:36:33)

美しくポップ、どこか郷愁を誘う哀メロが胸を締め付ける
温かみに溢れた極上のバラード。


ARCANGEL - Harlequins of Light ★★★ (2013-09-04 22:47:50)

アメリカン・プログレ・ハードの名盤『ARCANGEL』('83年)1枚のみを残して消えたジェフ・カンナタ率いるARCANGELが、イタリアの必殺仕掛人セラフィノ・ペルジーノのバックアップを受けて復活、実に30年ぶりに発表した2ndフル・アルバム。(ジェフ・カンナタ自身はCANNATAでもって活動を続けていましたが)
Keyによるスペーシーなイントロからスタートする、重厚感と哀愁漂うOPナンバー①の名曲ぶりに、早くもアルバム自体の出来の良さを確信する本作は、幻想的なアートワークをそのままサウンド化したかのような、メロディアスでロマンティック、且つ美しいハーモニーと仄かなプログレ・フレーバーに包まれたメロハー・ソングが目白押し。
ジェフが年相応の落ち着きを感じさせる声でしっとりと歌っていることもあって、前作に比べると少々アダルトな雰囲気も漂ってきますが、序盤①②③、終盤⑪⑫には立体的なアレンジを施されたもろプログレ・ハード調の楽曲が配置され(特に⑪は名曲“STARS”を彷彿)、何よりこれだけ哀メロの魅力が充実していれば全く文句はありません。
どこか郷愁をそそられる曲調の④、中期KANSASに通じる泣きを発するバラード⑤、アコギがポップな躍動感と乾いた哀愁を運んでくる⑧といった優れた楽曲を聴くと、もしかして1stよりも良い出来なんじゃね?と思ったりも。ブランクを全く感じさせない1枚ですね。


ARCANGEL - Harlequins of Light - As Far As the Eye Can See ★★★ (2013-09-05 21:58:21)

カラフルなKeyがプログレ的な味わいを植え付けつつも
美麗なハーモニーとキャッチーなコーラスが
楽曲のポップな躍動感を増幅する名曲。
1stに入っていてもおかしくない仕上がりです。


ARCANGEL - Harlequins of Light - Diamonds and Gold ★★★ (2013-09-05 22:03:32)

確信的にデビュー作を彷彿とさせる
プログレ・ハードのエッセンスを取り込んだ、
ある意味ファン・サービス的な1曲。
それが悪いなんてことはある筈もなく、
ドラマティックにアルバムの山場を飾っています。
また、劇的な曲展開を盛り込みつつも
ランニング・タイムが4分台にまとめられているのも
このバンドらしいところ。


ARCANGEL - Harlequins of Light - Harlequins of Light ★★★ (2013-09-05 21:53:47)

零れるように奏でられるピアノに
スペーシーなシンセが絡む流麗なイントロだけで
ご飯が3杯はいけますね。
重厚且つ劇的な曲調に乗せて、かつてより格段に
表現力を増したジェフ・カンナタが歌うメロディも
ヴァース、コーラス、ブリッジ、
いずれも大変美味しゅうございます。


ARCANGEL - Harlequins of Light - Legend of the Mary Celeste ★★★ (2013-09-05 22:07:42)

タイトルはこんなんですが不気味さは皆無。
仄かな哀愁を含んだメロディが軽やかに舞う曲調は
80年代初頭のSTYX、BOSTON、KANSASに通じる
魅力を放っています。


ARCARA - A Matter of Time ★★ (2009-12-11 21:46:00)

元PROPHETのラッセル・アルカラ(Vo)が、自身の名を冠して立ち上げたバンドの2ndアルバム。('97年発表)
作曲担当はGのスティーヴ・ディアキューティスなのだが、とにかくこの人、曲作りがメチャウマ。個人的には
アーバンなピアノの旋律と華やかなボーカル・ハーモニーに、ラッセルの深い情感を湛えたVoが絡むOPナンバー①の
イントロ部分を聴いただけでハート鷲掴み状態ですが、勿論②以降も、エモーショナルなVoに、
的確な仕事っぷりが光るよく歌うG、そして心打つ叙情メロディに彩られた楽曲の数々が連発され
(叙情性を増幅するアコギとKey、重厚なボーカル・ハーモニーを巧みに用いた技ありのアレンジも素晴しい)、
その全盛期のSTYXやKANSASを彷彿とさせるメロディアスHRサウンドに、哀メロ愛好家なら蕩けること請け合い。
流石に「捨て曲なし」というわけには行かず、終盤ではちょっと息切れが感じられるものの、それも傷という程ではないし、
何より中期KANSAS風の名曲①に始まり、「洗練されたメロディアスHRチューン」のお手本のような②、メロウなムードに
どっぷりと酔えるバラード③という強力極まりない頭3曲の畳み掛け、そしてVoとGの熱演が息苦しい程の
盛り上がりを演出する後半のハイライト⑧までの、圧倒的完成度の前にはグウの音も出ません。
本作は発表当時から高く評価され、CDもかなりの売り上げを記録したらしいが、そのお陰で(?)
今じゃ中古盤がダブついてるようで、悲しいぐらいの安値で購入が可能。良いのか悪いのか・・・。


ARCARA - A Matter of Time - Eternal Affair ★★★ (2009-12-12 09:59:44)

美しいアレンジと胸に沁みる哀愁のメロディに
満たされたメロディアスHRチューン。
ブルージーな味わいもあるVoと、的確に歌うGの存在もあって
ロック然とした「熱さ」もちゃんと備えてる点が○。


ARCARA - A Matter of Time - Far Cry from You ★★★ (2009-12-12 10:10:11)

メロウに始まり、Voの熱唱とハードに泣くG(アコギの取り入れ方も秀逸)、
そして重厚なコーラスを纏って熱く、劇的に盛り上がっていく
2ndアルバム後半のハイライト・ナンバー。


ARCARA - A Matter of Time - Lost in Time ★★★ (2009-12-12 09:53:35)

ジャジーで都会的な雰囲気を演出するピアノの旋律に、
STYXばりの溌剌としたボーカル・ハーモニーが被さり、
ラッセル・アルカラの深いエモーションに満ちた歌声が流れ出す・・・
というイントロだけでご飯3杯はいけちゃう劇的な名曲。


ARCARA - A Matter of Time - Never Tell Your Dream Goodbye ★★★ (2009-12-12 10:02:50)

泣きまくるラッセル・アルカラの歌声とGソロに
涙腺を刺激されまくる哀愁のバラード。
2ndアルバムの頭3曲は何れも甲乙付け難い名曲ばかりです。


ARGUMENT SOUL - Reviving the Truth ★★★ (2017-05-11 23:11:03)

名古屋を拠点に活動する5人組パワー・メタル・バンドが、’04年にLIGHTS OUT RECORDSからリリースしたデビュー作。
HR/HM冬の時代を通過したこの時期はとんと新譜に対する感度が鈍くなっており、彼らの名前は雑誌等で見聞きはしても完全にスルーしてしまっていました。しかし先頃、GW中に出掛けた先で立ち寄った古本屋CDコーナーにて本作を発見。安かったこともあり、ふと興味を引かれて購入し聴いてみたら…これ無茶苦茶カッコイイじゃねえかオイ!と。
音楽性は、スピード/パワー/メロディ、それにドッシリとした重量感がバランス良く配分された、ジャーマン系とは趣きを異する正統派パワー・メタル。鋼鉄の如く屈強な演奏同様、力強く伸びていくシンガーの歌唱がカール・アルバートを思わせるスタイルなこともあり、VICIOUS RUMORSとの共通点を見出す場面もしばしばです。
さりとて単なるフォロワーかと言えば、要所でドラマティックなハーモニーを奏で、メタル者を猛らせることにも泣かせることにも長けたツインGや、メロディックなコーラス・ワークのアレンジ等には、日本のバンドらしい木目細かさが行き届いているという。2本のGを伴っての加速感がガッツポーズ物の①、重厚且つ劇的な④、スピーディな⑧から間髪入れずに展開していく、荘厳なハーモニーを纏って勇壮且つキャッチーに駆け抜ける本編の個人的ハイライト⑨等は、その筆頭の楽曲と言えるのではないでしょうか。
厚みに乏しいプロダクションが折角の迫力を削いでる面は否めませんが、それもここまでカッコ良ければ疵にはなっていません。中古で買ったのが申し訳なくなる1枚ですよ。


ARGUMENT SOUL - Reviving the Truth - Blind Emotion ★★★ (2017-05-12 00:16:11)

パワフルに疾走するリズムに乗って勇ましく歌うVoと
ドスの効いたコーラスのコンビネーションが
VICIOUS RUMORSを彷彿とさせる一方、
劇的なドラマを構築してみせるツインGと
重厚なコーラス・ワークには
きっちりとこのバンドならではの魅力が刻まれています。


ARGUMENT SOUL - Reviving the Truth - Slaughter in a Silent Scream ★★★ (2017-05-12 00:24:18)

OPナンバー斯くあるべし、なパワフルな疾走曲。
線の細いハイトーン・タイプではなく、
(やや音程に甘さを残しつつも)力強く歌いまくる
カール・アルバート系シンガーの存在が大きな武器。
劇的なツインGのユニゾン・プレイを伴って
一気に加速する終盤の曲展開のカッコ良さはガッツポーズ物ですよ。


ARI KOIVUNEN - Becoming ★★ (2008-08-05 23:31:00)

Vo中心のサウンド・スタイルから、よりバンドらしさを前面に押し出した、タイトでヘヴィ・メタリックな
作風へと変化を遂げた、アリ・コイヴネン、'08年発表の2ndアルバム。
陰鬱な雰囲気の漂うジャケット・アートワークや、アリの「PANTERAから影響を受けた」との発言にドン引きした
メロディ愛好派のリスナーも多い事と察するが、個人的には、先だって行われた来日公演で披露された新曲が、
ちゃんとデビュー作の作風を継承したモノだったので、然程その内容に不安を抱いてはおらず、実際、ゴリゴリのBリフと
機械処理の施されたアリの歌声で幕を開ける、ヘヴィな①にこそ一瞬ギョッとなるものの(でも冷静に聴くと、
十分メロディアスな佳曲だ)、それ以降は、如何にも北欧らしい、ヒンヤリとした冷気と哀感を纏った、メロディアスな
楽曲が全編に渡って敷き詰められ、1stアルバムが気に入った人なら決して失望する事のない、充実した内容に仕上がっている。
まぁ確かにヘヴィさは増しているが、それはPANTERA化したというよりも、単に、100本以上のライブをこなした事で、
バンド・サウンドがより逞しくなっただけのこと。先行シングルとしてヒットを飛ばした③、壮麗なOPで掴みはOKな、
本編のハイライト・ナンバー的存在の⑤、悲壮感漂うバラード⑥、ヘヴィネスと哀メロが見事に融合を果たした⑧、
煌びやかに疾走するメロパワ・チューン⑨・・・と、前作のように、キラ星の如き豪華なソング・ライター陣が
参加しているわけでもないのに、このクオリティの高さを維持している事は、十分賞賛に値するのではないだろうか。
デビュー作の成功が決してフロックでなかった事を、見事に証明してみせた力作のように思う。


ARI KOIVUNEN - Becoming - Sweet Madness ★★★ (2008-08-12 23:06:57)

華麗かつドラマティックなイントロのみで
完璧に掴まれてしまう、2ndアルバムのハイライト・ナンバーの1つ。
アリが切々と歌う、憂いを帯びた歌メロが胸に突き刺さります。


ARI KOIVUNEN - Becoming - Tears Keep Falling ★★★ (2008-08-12 23:10:43)

Gリフやリズムは非常にヘヴィだが、
悲哀に満ちたメロディが全編を包み込み、重苦しい雰囲気は皆無。
アリ・コイヴネンが2ndアルバムで志向した音楽性が、
最良の形で表現されている名曲じゃないかと。


ARI KOIVUNEN - Fuel for the Fire ★★ (2008-05-31 02:57:00)

フィンランドの人気オーディション番組「IDOLS」出身の若きシンガー、アリ・コイヴネン。その彼が、'07年に発表するや
同国内のヒット・チャートにおいて、12週連続第1位を獲得するという、記録破りのビッグ・セールスをマークしたデビュー作。
個人的に、'07年中に最も良く聴いたアルバムの1つであり、また最近は、間近に迫った来日公演の予習のため
(つーか、ダラダラとこれを書いてるうちにライブは終了)、再びCD棚から引っ張り出して聴きまくっている本作だが、
やはり、フィンランドが誇る実力派ミュージシャン勢の全面バックアップを受けているだけあって、そのクオリティの高さは半端ない。
特に、楽曲の充実っぷりには目を瞠るものがあり、威勢の良いリフ&リズムと、爽快なサビメロの組み合わせが秀逸な
OPナンバー①に始まり、「北欧風哀愁のHRナンバー」のお手本のような②、猛烈な憂いを発散するアルバム表題曲の③・・・と、
1曲目から順に取り上げていけば、全曲について語れてしまうぐらい収録曲は粒揃いで、全編、これ一切の捨て曲なし。
何より、本作の主役たるアリ・コイヴネンのVoが素晴しさといったら。「表現力」に関してはやや甘さが残るものの、
透明感や、清潔感を漂わせた声質といい(ちょいジョーイ・テンペスト似かな?)、ハイトーンを張り上げた時に滲み出す哀感といい、
万人にアピールし得る「華」を備えた歌声は、確かに胸に訴えかけるモノがあり、取り分け、STRATOVARIUSのティモ・トルキが作曲した
悲壮なバラード⑤は、彼の熱唱と楽曲の完成度の高さとが相俟って、間違いなく本編のハイライトと呼べる名曲に仕上がっている。
メロディ愛好派なら、ちゃらいアイドルの作品と見くびってスルーするのは、余りに勿体ない1枚。


ARI KOIVUNEN - Fuel for the Fire - Angels Are Calling ★★★ (2008-06-04 21:18:41)

ティモ・トルキが作曲した、悲壮感漂う名バラード。
悲しげなメロディを切々と歌い上げるアリの歌声も絶品で、
間違いなく、1stアルバムのハイライト・ナンバーではないかと。


ARI KOIVUNEN - Fuel for the Fire - God of War ★★ (2008-06-04 21:10:16)

ギャロップ気味のリフ&リズムが、どことなく
IRON MAIDENを思わせる、威勢の良いアルバムのOPナンバー。
作曲はLEVERAGEのツォーマス・ヘッキネンが担当、
サビメロの爽快感は、まさに彼ならではの味わいか。


ARI KOIVUNEN - Fuel for the Fire - Hear My Call ★★ (2008-06-04 21:16:21)

PVも作られた、アルバムのリーダー・トラック。
哀愁に満ちた北欧HRチューンのお手本のような仕上がりで、
シングル・カットされ、大ヒットしたというのも納得の1曲。


ARI KOIVUNEN - Fuel for the Fire - Our Beast ★★★ (2008-06-04 21:21:47)

重たいイントロ・リフと、ミステリアスなメロディ使いに
「TAROTみたいだな」と思ったら、
案の定、作曲者はマルコ・ヒタエラでした。
サビメロのドラマティックな展開がガッツポーズ物のカッコ良さで、
個人的には、“ANGELS ARE CALLING"と並ぶアルバムの重要曲。


ARK - Burn the Sun ★★★ (2020-04-20 22:58:28)

CONCEPTIONが新作アルバムを発表するという目出度いニュースを耳にして、ふと気になって最近引っ張り出してきたのが、中心メンバーのトゥーレ・オストビー(G)が自身の幅広い音楽的バックグラウンドをより自由に活かせる場としてCONCEPTIONとは別に立ち上げたプロジェクト、ARKが'01年に発表したこの2ndアルバム。
音楽性は、ジャズ/フュージョン味も取り込んだ変拍子バリバリのダークなプログレ・メタル。それでいて聴き手を置き去りにするような難解さは控えめで、北欧メタルらしい冷気を帯びた哀メロや劇的な曲展開等、キャッチーさもしっかり保った仕上がりなのは流石のお点前。得意のスパニッシュ・タッチが炸裂する④⑥みたいな楽曲があるのも嬉しい限りです。
その他のメンバーはヨルン・ランデ(Vo)、マッツ・オラウソン(Key)、ジョン・マカルーソ(Ds)、ランディ・コーヴェン(B)という布陣で、CONCEPTION時代からテクニックとセンスには定評のあったトゥーレや、界隈屈指の凄腕として知られるランディはともかく、「目立たないサイドマン」との印象が強かった(失礼)マッツやジョンまでもが、ここでは音数多めのテクニカルなプレイをビシバシと決めまくっていて、耳から鱗がボロボロ落ちまくり。ただ個人的に最も驚かされたのはヨルン・ランデのVoで、当時は知名度も低かったため、挨拶代わりの①、ドラマティック且つエモーショナルな大作⑪におけるこっちの動脈を鷲掴みにするような入魂の熱唱に「無名なのに凄いシンガーが現れたもんだ」と感心しきりでしたよ。(同時期に聴いたMILLENIUMの『HOURGLASS』も衝撃的でしたが)
COCEPTION復活が有りなら、こっちの再始動も全然有りじゃないでしょうか。


ARK - Burn the Sun - Just a Little ★★★ (2020-04-22 00:27:06)

CONCEPTION時代からトゥーレの十八番である
ラテン風味薫るGプレイとメロディが閃く哀愁のHRナンバー。
印象的な裏メロを奏でるBと立体的に絡む音数多めのDs、
楽器陣に負けじと熱唱を繰り広げるVo等、全パートが自己主張しまくりですが
それらを暴走させることなく、きっちり「優れた楽曲」としてまとめ上げた
トゥーレの手腕に星3つ。


ARK - Burn the Sun - Missing You ★★★ (2020-04-22 00:10:15)

9分以上に及ぶドラマティックな大作ながら、大仰な印象は然程なく
哀切なメロディをエモーショナルに歌い上げるヨルン・ランデのVoが強く印象に残る。
特に4分20秒ぐらいからの入魂の歌唱には感情を揺さぶられずにはいられませんて。


ARK STORM - Voyage of the Rage ★★★ (2018-03-18 23:37:31)

スタジオ・アルバムとしては3rd『THE EVERLASTING WHEEL』(’03年)以来、15年ぶりに発表された4thアルバム。(’18年)
その合間にライブ活動やリレコーディング・ベスト盤のリリースもありましたが、それにしたって15年は間が空き過ぎだろう…との愚痴は、「新Voにマーク・ボールズを起用!」というサプライズ人事の衝撃の前に雲散霧消。様式美HM界隈の三種の神器と名高いマーク・ボールズ――ちなみに残り2つはコージー・パウエルのDsとイェンス・ヨハンソンのKey――が、「和製イングヴェイ」の異名を取る太田カツ(G)のバンドで歌うとか、一昔前に様式美マニアが飲み屋で交わしてた与太話が現実になる日が来ようとは。
サウンドは前3作同様、安定のネオクラシカルHM路線。作を重ねる毎にパワー・メタリックな色合いを強めているとは言え、殊にインスト曲において顕著な太田の迸るほどにイングヴェイなGプレイを始め、亜流サウンドであることは否定し得ません。しかし質の高さは保証書付きですし、何より近年は御本家がこのサウンド・バランスから距離を取り始めていることもあり、個人的には何の問題もなく楽しめましたよ。
ただ聴いていてふと思ったのは「シンガーは誰を想定して曲作りが行われたのだろう?」ということでして。マーク前提にしちゃ歌メロのキーが低めで、もしかすると前任Vo向けに作った楽曲にマークが歌入れを行ったのかな?と。尤もそれが逆に収録楽曲に新鮮味をもたらしてくれている面もあるので、悪いということはないのですが。特にダーク且つ劇的に疾走するOPナンバー①は名曲ですよ。


ARMAGEDDON (70'S) - Armageddon ★★★ (2010-12-27 22:04:06)

YARDBIRDSにRENAISSANCEと、ブリティッシュ・ロック史にその名を刻む偉大なバンドに足跡を残しながらも、自身は33歳の若さで急逝するまで、ついぞ大きな成功とは縁のなかったキース・レルフの音頭取りによって誕生し、STEAMHAMMERやCAPTAIN BEYOND出身メンバーを擁する陣容から「スーパー・バンド」とも評されたARMAGEDDONが、'75年に発表した最初で最後のフル・アルバム。
奔放且つダイナミックな曲展開や大作主義といった、70年代HR/プログレッシブ・ロック風味に加えて、切れ味鋭くアグレッシブに動き回るG、圧倒的手数の多さで迫り来るド迫力のリズム、それに四畳半フォーク・シンガーばりのヘタウマVoとのぶつかり合いによって生み出されるハイテンション&スリリングなサウンドは、現代HMバンドにも匹敵する凄まじい音圧の高さを誇り、その激烈な魅力は、OPナンバーにして本編のハイライト・ソングたる①に余すところなく集約。この、ある意味へヴィ・メタリックとも言える超名曲を聴くためだけにでも本作は買う価値あり。
その他にも、プログレ的な浮遊感を湛えた美しいバラード②、ソリッド且つコンパクトにまとまった曲中でG大暴れの③、バックと掛け合いを繰り広げるハーモニカ(キース・レルフが担当)が良い味出してる④、ラストに控えるプログレ色よりもジャジーなテイストが強く打ち出された大作組曲⑤・・・と、収録曲は粒選りだし、何より、YARDBIRDS時代から歌唱力の弱さを指摘され続けて来たキースのVoが、前評判に反してかなり良いんですよ。
線の細い歌唱に物足りなさを覚える場面が皆無なわけではないものの、本作の魅力の多くは、彼の朴訥な歌声と、バックのヘヴィ極まりない演奏が生み出すコントラストにあり!・・・と個人的には思うのだが。


ARMAGEDDON (70'S) - Armageddon - BUZZARD ★★★ (2010-12-28 01:15:10)

歪んだ音色で暴れ回るGに、猛烈に荒れ狂うDsと、
(“肉食鳥”という邦題に負けない)
攻撃的な曲調に有無を言わせず打ちのめされる。
'75年の楽曲だが、こりゃ完全に「ヘヴィ・メタル」ですよ。


ARMORED SAINT - Delirious Nomad ★★ (2018-04-08 21:55:12)

デビュー作はセールス面で不発に終わったものの、ARMORED SAINTはメジャーのCHRYSALIS RECORDSに踏み止まって、’85年に本2ndアルバムを発表しました。
鎧風衣装で身を固めたメンバーの勇姿や、名曲“MARCH OF SAINT”のイントロに配されたムソルグスキーの“キエフの大門”のインパクトに釣られて「勇壮で劇的な作品に違いない!」と勢い込んで1stアルバムを聴いてみたら、確かに「正統派HM」としか形容のしようのない硬派な音楽性なれど、と同時にグルーヴィでアメリカンなノリも強く打ち出されたサウンドと、ジョン・ブッシュ(Vo)のオッサン声に拍子抜けしてしまい、この2ndアルバムまで辿り着かない人が結構な数存在する…との説がそれなりの説得力を持つことは、当サイトにおける本作の得票数の少なさが証明する通り。
同時代のLAメタル勢に比べるとケレンやキャッチーさに乏しく、ジョンの歌声にも華が欠けるため(そこが魅力でもある)、一聴しての感想は「地味」。しかし繰り返し聴き込んでみれば、緊迫感を孕んだ重厚なミッド・チューン②⑥、アグレッシブに動き回る2本のGを軸に疾走する⑤⑩、本編中最も欧州HM風味を感じさせるドラマティックな⑦といった秀逸な楽曲のカッコ良さが徐々に浮かび上がって来るという塩梅でして。例えるなら、「あの人、真面目で良い人なんだけどイマイチ面白味に欠けるのよねぇ」と職場で陰口を叩かれていたけど、実際に腹を割って付き合ってみたら非常に奥深い魅力が備わった人物で、長く付き合う無二の親友になりました…的な1枚とでも申しましょうか。(分かり辛ぇ例え)
兎も角、インパクトでは前作に一歩譲っても、品質では勝るとも劣らない力作だと思う次第。


ARMORED SAINT - Delirious Nomad - Aftermath ★★★ (2018-04-08 22:08:58)

湿ったメロディにドラマティックな曲展開と、
2ndアルバム中において最もヨーロピアンHM風情を
感じさせる名曲。声質に華はなくとも、
ジョン・ブッシュの熱唱は確実に
この曲の盛り上がりに貢献していますよ。


ARMORED SAINT - Delirious Nomad - Released ★★ (2018-04-08 22:13:23)

Bソロや、印象的なツインGによるハーモニーを散りばめつつ、
アルバムのラストを威勢よく突っ走って締め括る疾走ナンバー。
メタル・アルバムたるもの、やはりラストは
疾走ナンバーで締め括られねば。


ARMORED SAINT - March of the Saint ★★ (2011-03-24 23:29:50)

中世の騎士たちが描かれたジャケット・アートワークや、甲冑で身を固めたメンバーのルックス――映画『マッドマックス』に着想を得たのだとか――がビンビンに主張しまくっている通り、LAメタル・ムーブメントの中にあって、ヨーロピアン・テイスト香る正統派HMを聴かせてくれるバンドの筆頭格として名を馳せたARMORED SAINT、その代表作たる'84年発表の1stフル・アルバム。
と言っても、ウェットなメロディやドラマティックな曲展開を期待すると、野太いジョン・ブッシュのVoと、シンプル且つストレートに押してくるリフ&リズム主体の、良く言えば硬派で剛直、悪く言えばやや大味なパワー・サウンドに肩透かしを食らいかねないので注意が必要か。
本作の魅力は、飽くまで「アメリカンな解釈が施されたNWOBHMサウンドの再構築」にあり、その好例なのが、ムソルグスキーの組曲“展覧会の絵”より抜粋された“キエフの大門”をイントロ代わりに疾走する、ARMORED SAINT屈指の名曲にしてアルバム表題曲の①。また、熱く盛り上がるパワー・バラード④、妖しげな雰囲気を放つHMナンバー⑤、低い姿勢でズンズン突き進むGリフとリズムがクールな⑦といった楽曲も、正統派HM好きの胸を躍らせるに十分なカッコ良さを誇る。
残念ながら商業的成功とは無縁だったが、LAメタルを語る上で外す事の出来ない名作にして、アメリカン・パワー・メタルの源流的な魅力を湛えた1枚かと。


ARMORED SAINT - Symbol of Salvation ★★★ (2017-10-30 23:05:59)

'90年に入ってバンドのオリジナル・ギタリストだったデイヴ・プリチャードが白血病で死去。耐えがたい悲劇を前に「バンド解散も止む無し」といった諦めムードが支配的だったと聞くARMORED SAINTですが、昔からの友人であるMETAL BLADE RECORDS社長ブライアン・スラゲルを始めとする多くの人々のバックアップを受けて発奮。’91年にこの4thアルバムを発表しました。
ジョン・ブッシュの――好き嫌いは分かれるけど――特徴的な野太いVoと、フィル・サンドヴァル&ジェフ・ダンカンが織り成すツイン・リードGを基軸に展開されるサウンドは、これぞARMORED SAINT!という覇気に満ちた正統派HM。但し欧州由来の湿り気や疾走感、あるいは格調高いドラマ性といった要素は希薄で、それよりもへヴィでグルーヴィなノリが勝っている辺りはやはりアメリカン・パワー・メタル・バンドですなぁと。
個人的には、彼らの作品は好きな曲とそうでもない曲がハッキリと分かれるため、アルバム単位より楽曲単位で付き合うことが多いのですが(申し訳なし)、パワフルなOPナンバー①に始まり、死に直面したデイヴが綴った歌詞が涙を誘う劇的なエピック・チューン⑥⑦のメドレー、キレのあるパワー・ナンバー⑩、そしてデイヴが残したGソロがオリジナル・デモからフィーチュアされている⑫…と、テンション高い名曲が並ぶ本作は、ARMORED SAINTのカタログの中にあって1、2を争う充実した内容を誇っているのではないかと。
「デイヴ・プリチャードに捧げるに相応しいアルバムを作り上げたる!」という、メンバーの気迫の漲り具合に、聴いていて思わず背筋が伸びる思いの1枚ですよ。


ARMORED SAINT - Symbol of Salvation - Another Day ★★★ (2017-10-31 23:08:52)

叙情的に揺らめく前半から激熱なツイン・リードGを経て
劇的に盛り上がっていく曲展開と、己の死と直面した
デイヴの綴った歌詞とが組み合わさって、
悲壮なドラマ性をより一層盛り上げる、
アルバム前半のハイライトを飾る名バラード。


ARMORED SAINT - Symbol of Salvation - Tainted Past ★★★ (2017-10-31 23:16:36)

なんということでしょう。この名曲が得票数ゼロとは。
オリジナルデモからデイヴのGソロがフィーチュアされている上に、
楽曲自体も軽快なリズム・ワークといい、その上に乗る
仄かな哀愁を湛えたメロディといい、アルバム後半のハイライト役を担う
素晴らしいクオリティを誇っているのではないかと、個人的には思う次第。


ARMORED SAINT - Win Hands Down ★★★ (2015-08-22 01:29:50)

ARMORED SAINTの作品と対峙するのは随分と久し振りなのですが、お~全然変わっとらんのぞ、と。そう言えば、以前に『SYMBOL OF SALVATION』を聴いた時も「この人ら、(良い意味で)全然変わらんなぁ」との感想を持ったことを思い出しましたよ。
但し、甲冑風の衣装を身に纏い、“キエフの大門”で華々しく幕が開いた名盤『MARCH OF THE SAINT』のイメージで本作に挑むと、今回の地味というか地に足が着いてるというか・・・な作風には肩透かしを食うことになるではないかと。ここには勇壮なスピード・ナンバーやエピック・ソングといった判り易いタイプの楽曲は見当たらず(実のところ『MARCH~』だって表題曲を除けばそんな感じだったのですが)、また、熱いのか醒めてるのか、やる気があるんだかないんだか分かり辛いジョン・ブッシュ(Vo)のぶっきらぼうな歌い回しも、そうした印象に拍車を掛けます。いや単に声質がオッサン臭いだけで歌の上手い人であることは、硬派な憂いが匂い立つ④や、7分以上に及ぶドラマティック⑦等を聴くまでもなく明らかなんですけどね。
聴き様によってはモダンにもオールドスクールにも耳に響く、ヨーロッパ産の同系統バンドとは一味違う骨太で乾いた哀感渦巻くパワー・サウンドは、威勢良く叩きつけられるOPナンバー①から、メランコリックなバラード⑧を含む後半戦に至るまで、噛めば噛むほど味わいが増す(ありがちな表現ですが)スルメ系の魅力が横溢。じっくりと対峙することをお薦めする1枚に仕上がっています。
購入当初は「星二つかなぁ」ってなもんでしたが、今や三ツ星評価に何ら躊躇はありませんですことよ。


AROUGE - AROUGE〜暴逆の貴公子〜+11 RARE TRACKS ★★★ (2021-11-25 00:43:22)

アマチュア時代から数々のコンテストを荒らし回り、才能溢れるギタリストとして注目を集めていた橘高文彦を中心に結成、レコード会社の眼鏡に適って「現役高校生バンド」としてデビューを飾ることとなったAROUGEが、’84年に残した唯一のフル・アルバム。
タイトルが『暴逆の貴公子』と何やらイカツイ感じな上、こちとら筋肉少女帯以降に橘高の活動をフォローするようになった身ゆえ、彼の原点というべき本作で聴けるのも当然、ルネッサーンス!な様式美建築建ちまくりのドラマティックなHMサウンドだとばかり思っとりましたので、ここに託されている、若気の至り感溢れるメンバーのルックスから、歌謡曲テイストも多分に孕んだ楽曲に至るまで、濃厚なジャパメタ風味が溢れ出す音楽性には意表を突かれました。
このクセの強さを「旨み」として許容できるかどうかが評価の分かれ目となりましょうが、もともと浜田麻里のバック・バンド候補としてレコード会社の目に留まった面子だけに実力の程は折り紙付き。橘高のギターも若干18歳の若造のそれとは思えぬ華やかな輝きをすでに放出しており、ミドル・テンポの楽曲を中心に、山田晃士(Vo)の歌を大切にした曲作りからは、例えばEARTHSHAKER辺りに通じる魅力が感じられたりも。中でも哀愁のメロディとフラッシーなGプレイが見事に噛み合った“CHAINS”は名曲ですし、個人的にはド演歌バラード“WINTER DAYS”の泣きっぷりにもハートを撃ち抜かれましたよ。
長らく幻の一作とされてきましたが、'04年に未発表曲も収録した2枚組仕様での再発が実現していますので、また入手困難になってしまう前に是非ご一聴をば。


AROUGE - AROUGE〜暴逆の貴公子〜+11 RARE TRACKS - Chains ★★★ (2021-11-26 00:38:42)

憂いを帯びた曲調に、構築美を湛えた
橘高のGソロが華を添える
アルバムのハイライト・ナンバー。
EARTHSHAKERあたりがイケる方なら
必ずやビビッとくるはず。


AROUGE - AROUGE〜暴逆の貴公子〜+11 RARE TRACKS - Winter Days ★★★ (2021-11-26 00:41:38)

この曲のみ他の収録曲とテイストが異なるというか、
殆ど演歌の領域に片足突っ込んだ泣きっぷりが炸裂するバラード。
このクサさがダメという人もいるでしょうが、
個人的には「そこが最高なんじゃない!」と。


ART NATION - Liberation ★★★ (2017-09-15 23:48:52)

スウェーデンから現れたメロディックHRバンドの新星ART NATIONが'17年に発表し、日本デビュー作となった2ndアルバム。今時珍しく1st『REVOLUSION』(’15年)の国内盤までわざわざ遡って発売されることからも、レコード会社がこのバンドに賭ける期待の大きさが伝わって来ます。BURRN!!誌じゃ広瀬編集長が90点以上を献上していましたが、個人的にあの人が高得点を付けた作品は「悪くないけどそこまでではない」パターンが多く、今回も然程期待はせず聴き始めたのですが、いやいや。ブッ飛ばされましたよ。
本作で聴かれるのは、80年代風味満点のメロディックHRに、今時のバンドらしいモダンなアレンジや、北欧メタルに通じる叙情性と透明感を加味したようなサウンド。琴線に触れる哀愁から、思わず一緒に歌いたくなってしまうキャッチネスまで、メロディの組み立てがとにかく巧みで、情熱的に歌い上げるシンガーの、シャウト一発で場を攫う「華」を感じさせる歌唱が、その魅力を数倍にも引き上げてくれています。
躍動感に満ちたフレッシュなOPナンバー①、弾むリズムがフィスト・バンギングを誘発する②、疾走感溢れるキャッチーでメロディアスなサビメロが秀逸な③という冒頭三連打で完全に掴みはOK。その後も、大会場で観客が一斉に腕を振る姿が目に浮かぶような④、メタル・アンセム調の⑥を経て、胸に突き刺さる感動的なバラード⑧という名曲へ雪崩れ込んでいく本編前半の油断も隙もない構成は、新人離れした貫禄すら感じさせる勢い。
こりゃ間違いなく本年度のブライテスト・ホープ候補上位にランクインしてくる1枚です。デビュー作もチェックせねば。


ART NATION - Liberation - Ghost Town ★★★ (2017-09-16 00:11:35)

モダンなセンスと80年代風味溢れる
キャッチーなメロディ・センスとが
巧みに組み合わされたOPナンバー。
シュワッとハジける炭酸飲料のような喉越しの
サビメロの爽快さが最高ですよ。
バンドがリーダー・トラックに選んだのも納得。


ART NATION - Liberation - One Nation ★★★ (2017-09-16 00:09:00)

ライブで演ったらコーラスは大合唱で盛り上がりそうな
メタル・アンセム・タイプの楽曲ですが、
それでいてメロディが北欧的な透明感と憂愁を伝えてくれる辺りが
このバンドの個性と曲作りの上手さの証と言えましょうや。


ART NATION - Liberation - Take Me Home ★★★ (2017-09-16 00:05:04)

哀切が溢れ出す曲調に、アレクサンダー・ストランデルの
パッショネイトな熱唱が見事にマッチした、
堰を切ったように激情迸る必殺バラード。
’17年度ベスト・チューン候補の一つですよ。これは。


ART NATION - Revolution ★★★ (2017-09-17 00:00:33)

日本デビュー作の2nd『LIBERATION』が高評価を獲得すると、間髪入れずに1st『REVOLUTION』の日本盤発売を決定。更に年末には来日公演も予定されているという、最近の新人HRバンドには珍しく対応が迅速なことからも、レコード会社が彼らに賭ける並々ならぬ期待のほどが伝わって来るかのようですよ。
本作は、当初は国内盤未発売だった’15年発表のART NATIONのデビュー作で、バンドの魅力たる瑞々しくハジけるキャッチネスと、北欧のバンドらしい憂いを帯びたメロディを同居させた、躍動感溢れるメロディックHRという方向性は既にしっかりと定まっています。ツインG編成でレコーディングされた次作に比べると、専任Key奏者がいる分、こちらの方が気持ちハードポップ路線寄り…というか、フロントマンのアレクサンダー・ストランデルがART NATION結成前に在籍していた(そして追い出されてしまった)DIAMOND DOWN時代に近い音楽性かなと。
まぁどちらにせよ質の高さに変わりはありませんし、シャウト一発で「場」の空気をさらってしまうようなアレクサンダーの高熱量の歌唱はここでも健在。彼のパンチの効いた熱唱と、全編をフラッシーに駆け巡るテクニカルなGの存在が映える、アリーナ・ロック的なスケール感を有する①、キャッチーなコーラスが印象的な②、哀愁を湛えたヴァースから視界が開けるようなサビへの曲展開が秀逸な⑤、爽快な疾走ナンバー③⑥etc.…といった楽曲は、メタル者なら高揚せずにはいられない出来栄えを誇っていますよ。
来日公演を今から楽しみにせざるを得ない1枚。


ART NATION - Revolution - Don’t Wait for Salvation ★★★ (2017-09-17 00:13:58)

1st制作時はまだKey奏者がメンバーとして在籍していて、
爽やか且つ哀愁漂うサビメロが秀逸なこの曲も
ハード・ロッキンな色合いを強めた2ndに比べると
気持ちメロハー路線寄り。
何にせよ名曲には違いありませんけどね。


ART NATION - Revolution - Need You to Understand ★★★ (2017-09-17 00:05:24)

PVも撮影されているアルバムのOPナンバー。
アレクサンダー・ストランデルの情熱的なVoと
テクニカルなGをフィーチュアして力強く躍動しつつ
サビでは北欧のバンドらしい哀愁が溢れ出すという
早くもこのバンドの強みが発揮されている名曲に仕上がっています。


ART OF ILLUSION - X Marks the Spot ★★★ (2021-04-13 01:01:06)

ハイきた、早くも今年ベスト1作品(候補)。GRAND ILLUSIONで一躍注目を集め、現在はデーモン閣下のソロ・アルバム制作に関わったりツアーに同行したりといった活動で知られるマルチ・アーティストのアンダース・リドホルムと、WORK OF ARTやLIONVILLE等で高い評価を得るシンガー、ラーズ・サフサンドがタッグを組んだプロジェクトのデビュー作。
WORK OF ARTとGRAND ILLUSIONの組み合わせだからART OF ILLUSION。安直~と言うなかれ。軽快なイントロで今回はポップ路線に寄せたの?と一瞬不安にさせておいてからの、サビでは立体的なコーラスが壮麗に舞うアレンジの出現で「よっ、待ってました!」とニヤリとさせられる①を始め、曲作りをほぼ一手に担うアンダースの作曲センスと、ラーズの伸びやかでエモーショナルな歌声が理想的なマッチングを果たした本作は、聴き終えてみればまさしくこのプロジェクト名がぴったりであったと深く理解できる筈。特にGRAND ILLUSIONのアルバムに収録されていても違和感のない③⑥⑧はアンダースの美学が凝縮されたアルバムのハイライト。冷ややかな哀メロを伴いシアトリカル且つ劇的に駆け抜ける③の素晴らしさにゃ、こちとら瞳孔が開きっ放しになりましたよ(大袈裟)。
他にもQUEENを北欧風の味付けで料理したようなミュージカル調の④⑨⑫あり、爽快に躍動するハードポップ②⑩あり…。ボートラ収録の⑬までラーズの美声が映える美しいバラードなんですから、本作の捨て曲なしのクオリティっぷりが窺い知れようというもの。
当然第2弾、第3弾アルバムも期待せずにはいられない傑作。あとやはりアンダース・リドホルムはもっと色々なバンド/プロジェクトで活躍して欲しい逸材だなぁと。


ART OF ILLUSION - X Marks the Spot - Let the Games Begin ★★★ (2021-04-13 23:49:46)

ヒンヤリとした感触の哀メロ、立体的に配置されたコーラス、
ミュージカル風味の曲展開と、HR然としたエッジとキャッチーな
疾走感が相俟って実にアガる名曲に仕上がっています。


ART OF ILLUSION - X Marks the Spot - My Loveless Lullaby ★★★ (2021-04-13 23:25:53)

荘厳な導入部を経てテンポアップ、冷ややかな哀メロを
ラーズの伸びやかな歌声と華麗に舞うコーラス、シアトリカルな曲展開とで
劇的に盛り立てグイグイと聴き手を引き込んで行く「これぞアンダース・リドホルム!」な名曲。
Voがピーター・スンデルだったらGRAND ILLUSIONの楽曲と言っても通用しそうです。


ARTCH - Another Return ★★★ (2008-10-07 23:39:00)

近年は、イルーク・ホークソン名義でユーロビジョンに参加したりと、ソロ・シンガーとしての活動が目立つ(?)名シンガーエリック・ホークや、現在はWIG WAMで活躍中のフラッシュ(ブレント・ジャンセン)らを擁し、'82年にノルウェーはサルプスボルにおいて結成された5人組HMバンドARTCHが、'89年にリリースするや、METAL HAMMER誌において100点、KERRANG誌において5K(満点)という、新人バンド離れした高評価を獲得したことで知られる傑作デビュー・アルバム。
IRON MAIDENやMETAL CHURCHといったバンドを彷彿とさせる、ドラマティックなパワー・メタル・サウンドが詰め込まれた2nd『FOR THE SAKE OF MANKIND』が日本でも高く評価された彼らだが、本作にはあれ程のスケールの大きさや徹底した重厚感はなく、それよりももっと、普遍的な様式美HM路線寄りの仕上がり。(人によっては「2ndよりも聴き易い」と感じるかも)
実力派シンガー・エリックの、声域/声量/表現力と三拍子揃った、類稀なる歌唱をフィーチュアしたストロングな楽曲の質の高さはこの時点で既に半端なく、取り分け、ミドル~ミドル・ハイ・テンポの楽曲のカッコ良さは鳥肌モノ。
北欧らしい繊細さと、悲哀に満ちたメロディが堪能できる絶品のバラード⑤や、畳み掛けるように疾走する、劇的なスピード・ナンバー⑩のような名曲も収録されてはいるものの、やはりこのバンドならでは個性が強く表れているのは、ファンファーレに導かれて幕を開ける、ヴァイキング・メタル風味も飲み込んだ②、イントロのGリフを聴いただけで名曲!と確信できる④、本編屈指のカッコ良さを誇る⑥、地響き立てて進撃する重戦車の如き⑦といった、雄々しくうねるヘヴィ・ナンバーの数々。
全パワー・メタル・ファン即買いの1枚ながら、容易に入手可能な2ndに比べ、余り中古屋で見かけない1枚。世界的に廃盤なのだろうか?


ARTCH - Another Return ★★★ (2015-07-26 21:34:46)

気になって自分のCDを引っ張り出して見てみましたら、タイトルは確かに『ANOTHER RETURN TO CHURCH OF HILL』と表記されていました。
'88年リリース時のオリジナル盤のタイトルは『ANOTHER RETURN』なので、推測するに、'89年にMETAL BRALDEから米盤がリリースされる際、
「英語が母国語のアメリカ人にもインパクトを残すためにも、もっと(音楽性に合わせて)メタルっぽい仰々しい感じのタイトルにしよう」
ってなノリで、曲名とジャケットをヒントにして改題されたのではないでしょうか? 
特に根拠もないお話で恐縮ですが。


ARTCH - For The Sake Of Mankind ★★ (2007-06-05 21:03:00)

デビュー作『ANOTHER RETURN』が、いきなりKERRANG!やMETAL FORCESといった欧州のメタル雑誌で満点の評価を
獲得した事で知られるノルウェー出身の5人組パワー・メタル・バンドが、'91年に発表した2ndアルバム。
パワー・メタルと言っても、メロスピやメロパワのような疾走するリフ&リズムの上に明快なメロディが乗っかるタイプではなく、
勇壮で重量感に満ち溢れた①や、パワフルなリフ&リズムが戦車の突撃を思わせる③、スラッシーな攻撃性を発散する
スピード・チューン⑨といった楽曲を聴けば分かる通り、その作風はもっとダークでアグレッシブ。重心の低いリフが
ザクザクと刻まれる力強い楽曲の数々を聴いていると、「METAL CHURCH+VICIOUS RUMORS÷北欧メタルならではの叙情性」
という図式が頭に思い浮かんだりも。
しかし、何より本作で特筆すべきは、やはり北欧メタル・シーンきっての名シンガー、エリック・ホークの存在。
「繊細になったブルース・ディッキンソン」といった趣きの歌声は、パワー/表現力ともに抜群で、
特に、緊張感漂う疾走曲⑤では噛み付くような攻めのシャウトを、ダイナミック且つドラマチックな⑥では、
リスナーの胸を鷲掴みにする熱唱を、そして寂寥感漂う泣きの名バラード⑦では繊細な歌い上げをと、
曲のタイプによって様々な表情を見せるその歌唱は、まさに絶品。IRON MAIDENからブルースが脱退した時は、
多くのファンが「後任はこの人で良いじゃん」と思ったものでした(?)。
これだけハイクオリティなアルバムを作り上げながらも、その後の活動がパッとしなかったのは、
まさに時代が悪かったとしか言いようが無い。


ARTILLERY ★★ (2007-09-10 05:45:00)

いやいや、現在廃盤の3rd『BY INHERITANCE』には\3000~\4000ぐらいの
プレミア価格が付けられているので
4枚で\8000ならかなり良心的じゃないかと。(しかもリマスター仕様)
ただ、できればバラ売りして欲しいですよねぇ。


ARTILLERY - B.A.C.K. ★★ (2012-09-02 22:04:52)

スラッシュ・メタル史に燦然と輝くの名盤『BY INHERITANCE』('90年)を最後に活動を停止していたARTILLERYが10年ぶりに発表した復活作ということで、リリースされるやいなや速攻で買いに走った記憶があるのですが、一聴しての感想は「こりゃまた随分とブルータルになっちゃってまぁ」と、あまり芳しいものではありませんでした。
当時は、図太さを増した代わりに流麗さやドラマ性を減じた作風に今ひとつ乗り切れなかったのですが、久々に聴き直してみて、スラッシュ・メタルらしい突進力を誇るリズムの上で乱舞する、超個性的なフレミング・ロンズドルフのVoに、手数の多いトリッキーなGリフから、エキゾチックな響きを湛えた妖しげなメロディまで滑らかに紡ぎ出す、マイケル&モルテンのスタッツァー兄弟の息の合ったツインGまで、ARTILLERYならではの個性は十二分の保持されていることに今更ながら気付かされた次第。
ただ、やはり全体的に起伏に乏しいというか、「これぞ!」といった名曲が見当たらない点に物足りなさは残ります。OPナンバー①とかは良い曲だとは思うのですが・・・。
個人的には本編以上にボートラ曲の方にぐっと来るものを感じたりも。


ARTILLERY - By Inheritance ★★ (2006-03-26 20:46:00)

初体験がSODOMで、早くもスラッシュ・メタルに挫けかけて私に、
このジャンルの素晴しさを叩き込んでくれた1枚。
(今じゃSODOMも大好きですが)
ドラマチックな超名曲“KHOMEYNIAC"(日本盤未収録なんて・・・)からラス曲まで、
個人的思い入れを抜きにしても捨て曲なしの大傑作!
歌えるVo、シャープなリズム隊、かっこいいリフ、ドラマチックな曲展開。
そして何より最高なのが、曲中に溢れるように湧き出る東洋的メロディ!
再結成作「B.A.C.K」もなかなかの出来でしたが、
彼ら最大の個性と認識していたこのメロディが希薄になってしまっている点で
本作には僅かに及ばないのであった・・・。


ARTILLERY - By Inheritance - Khomaniac ★★★ (2006-03-26 20:53:24)

次から次に溢れ出る東洋的メロディが強烈に印象に残る、
唯一無二の個性を備えた絶品のドラマチック・スラッシュ・チューン。
嗚呼、それなのに国内盤未収録とは・・・。
勝手に外盤・国内盤両方買い揃えて、
本曲収録の国内盤を作ってしまいましたよ。


ARTILLERY - Fear of Tomorrow ★★ (2007-09-15 17:57:00)

デンマーク出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが、'85年に発表した1stアルバム。
スラッシュ・メタル史に燦然と輝く(俺の中で)名盤『BY INHERITANCE』の余りの完成度の高さにノックアウトされ、
「昔の作品もチェックせねば!」と遡って聴いてみたら、これがダークでイーヴルな雰囲気に包まれた
直球勝負のスラッシュ・メタル・アルバムで、思わず肩透かしを食らった気分になってしまった1枚でもある。
ささくれ立って刻まれるリフは非常に破壊的だし、へしゃげた声質のVoは、メロディアスな歌い上げよりもシャウト・スタイルを多用。
当然の如く『BY~』をスペシャルな存在へと高めていた「東洋風味のメロディ」が聴かれる場面も殆どなく、
ラフなサウンド・プロダクションも、彼らがスラッシュ・メタル・バンドである事を強く主張している。
猛然と疾走するスピード・パートを基本としつつも、起伏に富んだ曲展開や、炸裂するようなテンション高めのGソロは、
なるほど、確かにSLAYER的だ。(特に『HELL AWAITS』の頃の)
とは言え、SLAYERに比べればこちらの方がグッとメロディアスだし、Voもトム・アラヤよりは「歌う」場面が多い。
アルバムの随所で噴出する、ヨーロッパ的な湿り気を帯びた捻りのあるメロディにも、後のアルバムで全面開花する、
このバンド独特の個性が既に表れていて、特に、鋭利なリフとダイナミックな曲展開を備えた⑦は、
アルバムのハイライト・チューン的な名曲と言える(かも)。
初めて聴いた時は微妙だったが、今ではお気に入りの作品。


ARTILLERY - Legions ★★ (2014-03-13 21:57:49)

もうVoについてとやかく言うのは止そう・・・と決意した矢先に発生した、よもやのシンガー交代劇を経て'14年に発表された7thアルバム。
「ARTILLERYがやらかした!」と、あまり芳しくない前評判に戦々恐々としながら聴いてみたら、妖しげに踊るアラビックなメロディも、アクの強いGリフも、スラッシーな疾走感も健在で、・・・え?いや全然イケてる作品なんじゃね?と。
確かに、これまで以上にスラッシュ・メタル色は薄まっていますが、それは角ばったVoで歌メロに緊迫感を植え付けていたフレミング・ロンズドルフが脱退した時点からの規定路線と言えますし、このバンドのトレードマークたる中東風味の旋律をフィーチュアした①⑩、切れ味鋭いスピード・ナンバー②、シャープに刻まれるGリフと、タイトな演奏技術に裏打ちされたドラマティックな曲展開に居ても立ってもいられない⑤、バラードリーな劇的さを伴う⑧等、よりメロディアスに歌う新Voの存在を前面に押し立てた楽曲群は、アダム・ソーレンセン時代にもどかしく感じられた「中途半端さ」が、幾分かでも吹っ切ったような印象あり。
まぁ、メジャー・キーを用いた⑨は(意欲作であることは認めるものの)然程魅力的な仕上がりとも思えないですけどね・・・。


ARTILLERY - Legions - Global Flatline ★★★ (2014-03-15 01:07:05)

メランコリックな導入部を、
ARTILLERY印の鋭角的なGリフが切り裂いて
疾走を開始する場面には、ここ数作ご無沙汰だった
エキサイトメントが充満していて、
思わずテンションが上がりましたね。


ARTILLERY - My Blood ★★ (2011-04-01 23:31:27)

メンバー・チェンジもなく、僅か2年のブランクという、(このバンドにしては)順調なペースで制作された最新6thアルバム。
傑作との高評価を得た前作『WHEN DEATH COMES』は、個人的には3rd『BY INHERITANCE』路線のドラマティック且つエキセントリックな楽曲と、前任フレミング・ロンズドルフに比べ、余りに普通過ぎる新Vo.ソーレン“ニコ”アダムセンの歌唱スタイルとの齟齬が気になる内容だったのだが(完成度は高かったと思う)、今回は同一シンガーとの2枚目の作品ということで、メンバーが新Voの資質を正確に見定め、より彼向きの楽曲を多数手掛けているため、『WHEN~』よりも素直に楽しむ事が出来ましたよ。
乱高下する特異なGリフとメロディが、スラッシュ・ビートに乗って疾走する④⑨は紛うかたなき名曲だし、一層のメロディ面の強化が図られた③⑤⑩は、ソーレンの器用な歌い回しが映える(フレミングには似合わない)パワーメタル・ナンバー。また、10代のスラッシャーが勢い任せに書き上げたかのような歌詞がバカバカしくも最高なスラッシュ・アンセム⑦にも心躍らされました。
今ひとつ突き抜けて来ない(特にサビメロ部分)ソーレンの歌唱に歯痒さを覚える場面がないわけではなく、また、アラビア音階を用いたエキゾチックなメロディが縦横無尽に駆け巡る、劇的にしてアグレッシブな“KHOMANIAC”型OPナンバー①を聴くと、つい「フレミングならこれにどんな歌メロを乗っけたかなぁ」等と益体もないことを考えてしまうのも事実なんですが・・・。
まぁでも、Voについてゴチャゴチャ言うのはこれきりにしようと思う次第。


ARTILLERY - Terror Squad ★★ (2006-10-13 00:29:00)

3rd「BY INHERITANCE」は、これまで聴いてきた全スラッシュ・メタル・アルバムの中でも、五指に入るぐらい
愛して止まない作品なれど、この'87年発表の2ndアルバムも、後の飛躍を予感させる気合の入った力作で捨て難い。
「BY~」では、起承転結のハッキリしたドラマチック・スラッシュを聴かせてくれた彼らだが、
この2ndの時点では、まだ初期衝動に任せた疾走感がアルバム全体を支配。Voがより「歌う」ことを意識し、
練り上げられたテクニカルなGソロも強く個性を主張してはいるものの、未だ東洋風のメロディが聴けない事もあってか、
それはメロディアスではあっても叙情的と言うのとはちょっと違う。もっと勢い重視で、
例えるなら初期SLAYERのメロディアスさに近い感じ?
とは言え、曲展開は既に十分過ぎる程ダイナミックだし、何より、北欧のバンドならではの
ヒヤリとした荒涼感を伴った、流麗なリフ・ワークが強力無比。これはちょっとクセになるカッコ良さ。
再結成ARTILLERYの復活作「B.A.C.K」は、この2ndアルバムの作風に一番近いように感じるのだが、
案外、彼らも本作のメロディと疾走感のバランスこそが、自分たちの理想的スタイルと考えているのかもしれない。


ARTILLERY - When Death Comes ★★ (2009-08-29 23:50:00)

ARTILLERYが'91年に発表した3rd『BY INHERITANCE』をこよなく愛する身としては、初期ブルータル・スラッシュ路線の
復活作『B.A.C.K』は諸手を挙げて絶賛できる内容ではなかったのだが、そんな彼らが10年ぶりに新作を発表、
しかもそれがどうやら『BY~』の頃を彷彿とさせる作風に仕上がってるらしい・・・・と聞いては否が応にも期待が
高まり、それこそ嬉し涙の海で溺死する覚悟を決めて本作('09年、5thアルバム)を購入したのですが・・・。
ARTILLERYのトレードマークである、独特の動きを魅せる手数の多いGリフは健在だし、本編のそこここで聴かれる
東洋風味のメロディは確かに『BY~』を思い起こさせる。——んだけれども、その割に、繰り返し聴いても
今ひとつ己のメタル魂が鼓舞されないのは、歌メロが余りにも普通過ぎるせいかな、と。
ツインGのみならず、フレミング・ロンズドルフが歌う妖しくコブシの効いた歌メロの魅力も、あのアルバムの
特異な個性の醸成に一役買っていたように思うのだが、それに比べると本作で聴かれる歌メロはストレートな
スラッシュ/パワー・メタル路線で、楽曲が3rd風なだけに余計違和感を覚えてしまう。(我ながら度し難い話ですが)
尤も、『BY~』と切り離して評価すれば、本作は間違いなく優れたスラッシュ・アルバムだし、より正統派な歌いっぷりを
披露する新Voの歌唱力も十分。(魅力的な歌メロも端々で聴くことができるし)。特に劇的なOPナンバー①、
アコギを有効活用した一際メロディアスな⑥、そしてどことなく“KHOMANIAC"を彷彿とさせる⑨といった楽曲は、
このバンドでしか作り得ぬスラッシュ・メタルの名曲でしょう。
難儀な3rd信者の愚痴は脇に置いておいて、スラッシュ・メタル・ファンなら素直に「買い」の1枚。


ARTILLERY - When Death Comes - When Death Comes ★★ (2009-08-30 14:46:34)

『BY INHERITANCE』とも、それ以前の作風とも異なる、
新生ARTILLERYの魅力が詰め込まれた5thアルバムのOPナンバー。
今後もこの路線で突っ走ってくれると嬉しいな、と。


ASIA - Alpha ★★★ (2017-02-01 21:07:37)

ジョン・ウェットン死去の報に触れ、急きょ引っ張り出してきたASIAの2nd。様々なバンドに籍を置いてきた氏ですが、当方が彼の名を聞いて真っ先に思い浮かべるのは、やはりASIA。特に’83年発表の本作はいつ何時聴いても感動を新たにさせられるプログレ・ハードの大傑作であります。セールス面では前作に及ばなくとも、内容的には一歩も引けを取らない素晴らしさ…というか、個人的にはASIAの最高傑作と言えば断トツでこれですよ。
アルバムのキーマンは、流麗且つカラフルなKeyワークでサウンドをドラマティックに彩るジェフリー・タウンズなれど、軽やかに弾むカール・パーマーのDs、押しと引きを心得たスティーヴ・ハウのG、何よりジョン・ウェットンの包み込むようにジェントリーなVoも、唯一無二の音世界確立に欠かさざる重要な要素であったと。
中でもOPナンバー①は「3分間プログレ」と評されたASIAの神髄が頭から尻まで堪能できる名曲中の名曲。これ1曲でアルバム数枚分の価値があると断言したいぐらいなのですが、本編はこの後も、ウェットンの暖かみに溢れた歌唱が神々しく響き渡るバラード②、劇的なイントロだけで掴まれる⑤。盤を裏返したB面には、ジェフの技ありなKeyワークが冴える⑦、キビキビとハード&キャッチーな⑧、アルバムを大団円で締め括る⑩…といった具合に、マイク・ストーンの的確なプロデューシングの下、アーティスティックな拘りと、親しみ易いポップな大衆性をスムーズに同居させた名曲の大盤振る舞い。
ロジャー・ディーンの手掛けた美しいアートワークを眺めながらめくるめくASIAワールドに浸れば、聴く度に幻想の世界へと連れ去られてしまうような感覚に陥るという、全く以て脱法ドラッグいらずの1枚。


ASIA - Alpha - Don't Cry ★★★ (2017-02-02 21:55:33)

イントロ数秒聴いただけでもう勝負あり。
Voが伸びやかに歌うメロディや軽快に弾むリズムは
ハードポップ調ですが、琴線を震わすGに、煌びやかなKey等
アレンジは綿密にしてドラマティック。
ASIAが標榜した「3分間プログレ」の理想形を
体現したかのような名曲ではないでしょうか。


ASIA - Alpha - The Smile Has Left Your Eyes ★★★ (2017-02-02 21:58:46)

1曲目が“DON'T CRY”で、2曲目がこの珠玉のバラード。
一体『ALPHA』はどんだけ名盤なんだよ!?と。
美しく神々しい曲調には、ジョン・ウェットンの麗しくも
ジェントリーな歌声が実に良く映えます。


ASIA - Aqua ★★★ (2022-01-25 01:12:08)

大人の事情が複雑に絡まり合ってASIAの復活が頓挫しまくる中、オリジナル・メンバーの中で唯一再結成に意欲的だったジェフ・ダウンズ(Key)が主導権を握る形で再編されたASIAが’92年に発表した復活作(通算4作目)。ちなみにジャケット担当はロドニー・マシューズ先生。ラッセンじゃないよ。
レコーディング・メンバーとして、以後長らくジェフと共にASIAの看板を背負うこととなるジョン・ペイン(Vo)以下、アル・ピトレリ(G)、スティーヴ・ハウ(G)、カール・パーマー(Ds)らの名前がクレジットされていますが、バンドとしての実態はほぼなかったそうで、実質的にはジェフ/ジョンのプロジェクト体制での再始動。そうした経緯ゆえ一部熱心なファンから「ASIA復活は待望してたけど、これじゃない」と反発を買い、厳しい評価に晒され続けてきたわけですが、本作を冷静にジャッジすればそんなに悪い作品ではない…どころか水準を軽く超えて来る内容に仕上がっていることがお分かり頂けるのではないかと。
英国シンガーならではの気品と暖かみを感じさせるペインの歌声を生かした楽曲は、プログレ・ハード然とした重厚な雰囲気を纏った“SOMEDAY”、民族音楽的な侘しい詩情漂わす“THE VOICE OF REASON”、高揚感を伴うポップ・チューン“LAY DOWN YOUR ARMS”等々、AOR/産業ロック方向への接近をつまびらかにしつつも、しっかりとASIAらしさもキープ。特にワビサビの効いた曲展開とアレンジ、美しくも切ない泣きのメロディが胸を打つ“FAR CRY”は、初期作の名曲群にも引けを取らないクオリティを有していますよ。
過小評価に泣かされているように思えて仕方がないので、是非お試し頂きたい1枚です。


ASIA - Aqua - A Far Cry ★★★ (2022-01-26 01:05:22)

AORバンド化しただの何だのと批判された
ダウンズ/ペイン体制のASIAですが、
AORバンドはこういう楽曲は書かないでしょう…
という壮大でドラマティックな名曲。
泣きを伴った終盤の盛り上がりっぷりには
胸締め付けられる思いですよ。