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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4201-4300

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4201-4300
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OVERKILL - ReliXIV ★★ (2010-03-06 22:05:00)

90年代の迷走期を経て、21世紀に入ってからのOVERKILLは徐々に復活の兆しを見せつつあったが、
そのことを決定付けたのが'05年発表のこの14thアルバム・・・だったのかな。今にして思えば。
因みにアルバム・タイトルは「RELIC(遺産)」とローマ字数字の「14(XIV)」を掛けた造語なんだとか。
噛み付くように歌うボビー“ブリッツ"エルズワースのハイテンションなVo、「鉄球を転がすような」と
評されるDDヴァーニの極太B、そして硬質なリフの刻みから劇的なハーモニー・プレイまでメロディックに
こなすツインGとが一塊となり突き進む、剛直なOVERKILL流HMサウンドの旨みを保持しつつ、今回は重苦しい
ダークさが薄れ、良い意味で軽快さを増した音作り(プロデュースはバンド自身が担当)を手始めに、
カタルシスを伴った疾走感やキャッチーさといったスラッシュ・メタル的な要素が大幅回復を遂げており、
特に、重厚なイントロから爆走へと転じる①、挑みかかるような曲調とノリの良さ、それに劇的な曲展開を
併せ持った③(名曲!)、思わず体が反応するクールなグルーヴを備えた④、再びアクセルを限界まで
踏み込んだ高速スラッシュ・ソング⑤といった秀逸な楽曲が並ぶアルバム前半は、取り分け
そうしたテイストが色濃く感じられ、聴いてるとグイグイ引き込まれて行ってしまう。
「ボビー・ガスタフソン脱退以降のOVERKILLはどうも好きになれない」というオールド・ファンの方々も、
この作品辺りから聴き直してみるってのはいかがでしょうか。


OVERKILL - Taking Over ★★ (2006-12-02 02:10:00)

NY出身のベテラン・スラッシャー、'87年発表の2ndアルバム。
次作以降はメキメキと楽曲をビルドアップさせ、スラッシュ・メタル度を高めていく彼らだが、
本作の時点では、未だその音はスラッシュ・メタルの半歩手前。ストリートに根差した硬派なパワーメタルといった趣き。
D.D.バーニのBが中心となって生み出す「鋼の如き質感」が特徴的なスラッシーなスピード・チューン
①②⑧(押し出しの強いサビがカッコイイ)は既に健在なれど、ボビー“ブリッツ"エルズワースの歌う
雄々しい歌メロは、現在と違ってかなりメロディアスだし(シャウターとしては兎も角、
シンガーとしてのブリッツは過小評価されていると思う)、ボビー・ガスタフソンのGも、
元々メロディックなプレイを得意としていたとはいえ、ここでは更に正統派テイストの色濃いソロを披露。
結果として、スピード・チューン以上に印象的な③⑥⑦といったミッド・チューン、そして全てを
兼ね備えた名曲⑨は、ヨーロピアンHMばりの劇的な盛り上がりを聴かせてくれることに。
それでいて、過剰な大仰さや臭みを感じさせない辺りは流石OVERKILL。クールな都会派の面目躍如といったところか。
まだまだ発展途上の段階とは言え、上り調子のバンドの勢いが如実に反映された力作。


OVERKILL - The Electric Age ★★★ (2012-04-22 08:15:59)

噛み付くように捲くし立てるブリッツのハイテンションなVo、野太い音色で存在感を主張するD.D.のB、ボビー・ガスタフソンの幻影を消し飛ばす名演連発のデイヴ・リンクスと、バキバキにビルドアップされたリフを刻むデレク・テイラーのGコンビ、それにコンクリの如き硬質なリズムを鼓膜に叩きつけてくるロン・リップニッキのDs・・・といった具合に、百戦錬磨の猛者達が隊列組んで織り成す、鋼の如き強靭さとハッチャけた炸裂感を伴ったパワー・サウンドのド迫力に、ただただ黙って平伏する'12年発表の16thアルバム。
スピーディ/アグレッシブ/ダイナミックの三拍子揃った名曲①で幕が開く本編は、ここ数作で提示された現行OVERKILLの作法に則った作風を実直に継承しつつ、OPナンバーからして早くもIRON MAIDENを思わせる勇壮な(ライブ映えしそうな)シンガロング・パートを導入。メロディアスなGソロの練り具合といい、重厚感より俊敏なフットワークやドラマ性重視の曲展開といい、今作は全体的にオーセンティックなHM成分が増量されている印象が無きにしも非ず。中でも切れ味鋭く突っ走るスピード・メタル風味の⑤は、メタル者ならハート鷲掴みのキラー・チューンですよ。
キャッチーなノリの良さとヘヴィ・メタリックなダイナミズムが同居した②、パンキッシュな③、アルバム随一の劇的さを誇る⑥、ハイテンションなスラッシュ・ソング⑨に、穏やかなイントロから激烈なスパートへと転じてラストを締める⑩・・・といった王者の風格漂う名曲の数々を聴くにつけ、OVERKILLが今後10年は余裕でスラッシュ・シーンの頂点に君臨し続けるであろうことを確信させられる1枚。


OVERKILL - The Electric Age - Come and Get It ★★★ (2012-04-23 21:28:18)

鋼鉄の如く刻まれるGリフとリズムによって生み出される
猛烈な突進力を武器に、6分以上の長尺をダレさすことなく
ダイナミックに駆け抜けていくOPナンバー。
IRON MAIDENを彷彿とさせる雄々しいシンガロング・パートが新味。


OVERKILL - The Electric Age - Drop The Hammer Down ★★★ (2012-04-24 23:23:49)

アルバム中、最も正統派HMテイストが漂って来る
重量感溢れる劇的なナンバー。
デイヴ・リンクスのGソロは「名演」と
表現するに相応しいフィーリングと構築感を誇っています。


OVERKILL - The Electric Age - Electric Rattlesnake ★★★ (2012-04-23 22:57:46)

パンクに通じる炸裂感を伴ったノリの良さと、
ヘヴィ・メタルならではのダイナミックな曲展開とが
同居した大作ナンバー。中盤の重厚なヘヴィ・パートからは
このバンドのBLACK SABBATHに対する敬愛の迸りが
感じられますね。


OVERKILL - The Electric Age - Good Night ★★★ (2012-04-24 23:26:40)

こんなタイトルですが、オラオラ状態で煽ってくる
ブリッツのハイテンションなVoを筆頭に、
バンド側に聴き手を眠らせるつもりは一切ないですね。
穏やかなイントロから爆走へと転じる曲展開も
この手の楽曲のお約束として堪らんものがあります。


OVERKILL - The Electric Age - Save Yourself ★★★ (2012-04-23 22:54:51)

前作収録の名曲“BRING ME THE NIGHT”の流れを汲む
80年代テイスト背負ったスピード・メタル・ナンバーですが
ブリッツの特徴的なVoと唸りを上げるD.D.のBが
OVERKILLならではの個性を付与してもいるアルバム屈指の名曲。
思いっきり弾きまくりながらも、ドラマティックなメロディの
流れを見失わないデイヴ・リンクスのGソロも秀逸です。
あと、D.D.が担当する合いの手コーラスが「童貞成敗!童貞成敗!」と
聴こえるのは気のせいでしょうか。


OVERKILL - The Grinding Wheel ★★★ (2017-03-16 23:24:14)

まず結論から述べさせて貰うと、当たりです。大当たりです。
多彩なアイデアを盛り込んで畳み掛ける、ドラマティックな大作曲①⑩により本編がサンドイッチされているOVERKILLの新作は、ボビー“ブリッツ”エルズワースの「(今作は)エピカルな出来栄え」発言を裏付ける仕上がり。ややラフな方向に振られていた前作に比べると、へヴィ・メタリックな重厚感や整合性が高められると共に、メロディへの拘りも強く打ち出されていて、特にVoと2本のGが勇壮且つタイトに突っ走る⑤は、そうしたバンドの新たな試みが結実した名曲ではないかと。
それでいて、メロディが増量されても作品全体に甘口な感触や手緩さは皆無。皮肉げなハイピッチVo、筋骨隆々なリードB、時に重厚に時にメロディックに炸裂するツインG、一流ボクサーのワン・ツーばりの切れ味で放たれるDsという、各パーツが寸分の無駄も狂いもなく組み合わされることで、どんな衝撃にもビクともしない鋼の如き強靭さを獲得したパワー・サウンドはOVERKILL以外の何者でもありません。しかもそれをアンディ・スニープが肉厚で高密度な音作りで援護射撃するのですから、もう鬼に金棒という。
劇的に疾走するツインGのカッコ良さが辛抱堪らん③や、ストレートにぶっ飛ばす⑧⑨、素手でガンガンぶん殴られているような錯覚に陥るパンキッシュな②⑥、更にはドハマりしているIRON MAIDENの名曲“SANCTUARY”のカヴァー⑫(ボートラ)etc.…。ソリッド且つハイテンション、それでいてキャッチーに鍛え上げられた収録曲の数々を聴く度に、OVERKILLのカタログにまた新たな傑作が1枚加わったことをお祝いしたくなりますよ。


OVERKILL - The Grinding Wheel - Our Finest Hour ★★★ (2017-03-17 23:26:39)

鋼鉄の塊をガンガン投げつけられているような感覚に陥る
まさにOVERKILLの流儀に則ったパワー/スラッシュ・ナンバーの逸品。
クライマックスで切っ先鋭く、メロディックに切り込んで来る
ツインGにテンションのアガらないメタル者がいるでしょうか?
いやいない(反語)


OVERKILL - The Grinding Wheel - The Grinding Wheel ★★★ (2017-03-17 23:32:25)

重厚な曲調に、8分に及ばんとする長尺、山あり谷ありの曲展開、
朗々とメロディアスに歌うブリッツの熱唱…と、アルバムの中でも
一際エピカルな方向に振られた大作ナンバー。
それでいてクサ味や大仰さを然程感じないのは
リード楽器の役割を果たすD.D.のベースが楽曲全体をマッシヴに
引き締めてくれているからでしょうか。


OVERKILL - The Grinding Wheel - The Long Road ★★★ (2017-03-17 23:23:12)

唯一無二のブリッツの金属Vo
冒頭のインスト・セクションからメロディックに大活躍のG、
ストンピーなリズム隊とが、鋼鉄の塊となって突き進む勇壮な名曲。
聴いていたら、なぜだかブルース・ディッキンソンのソロ時代の逸品
“ROAD TO HELL”のことを思い出してしまいましたよ。


OVERKILL - The Killing Kind ★★ (2014-06-30 23:45:41)

シーンの潮流に逆い、前作『W.F.O.』を引っ提げていち早くスピード押しのスラッシュ路線に復帰を果たし、男を上げたOVERKILLですが、'96年発表の本8thアルバムでは再び横ノリのグルーヴとへヴィネスの拡充を図っていることからも明らかな通り、彼らの音楽的模索の道のりは、寧ろここからが本番でした。
Keyとストリングスを取り入れた異色のバラード⑨(好きな曲だけどね)の存在も、意欲作というより「試行錯誤」「実験作」との印象を補強する本作なれど、流行に飲み込まれてしまうのではなく、逆に流行を飲み込んで栄養分に変えてやらぁ!ってな、このガッツ、タフネスの迸りこそがOVERKILL。確かにへヴィだしグルーヴィなんだけど、キレキレなブリッツのVoとマッチョなD.D. ヴァーニのBが両軸となってサウンドを引き締めているため、ダラダラとした緩さは殆ど感じられません。本編最重の④や、「ホンワカパッパ!」と、まさかのドラえもん節がシャウトされる⑧等はその真骨頂と言えますし、そしてトドメは②。発射された徹甲弾の如き硬質な疾走感と、2本のGが織り成すドラマティックなメロディがグイグイ押し出してくる、OVERKILLならではの名曲っぷり。
今改めて聴くと、前作『W.F.O.』よりも良いんじゃね?と思われることしばしばな1枚です。


OVERKILL - The Killing Kind - God-Like ★★★ (2014-07-01 22:38:59)

ガチガチにヘヴィな音作りはモダンですが、
畳み掛けるような疾走感といい、
雄々しくハモるツインGといい、
かつてスラッシュ・メタル路線を
ひた走っていた頃のOVERKILLの
姿が脳裏をよぎる疾走ナンバーの名曲。


OVERKILL - The Wings of War ★★★ (2019-03-28 00:04:36)

「俺達の新しいドラマーどう思う?最高だろ?」と満面の笑みを浮かべるブリッツの顔が思い浮かぶような、ジェイソン・ビットナー(元SHADOWS FALL)の強靭なドラミングが映える突撃ナンバー①にて幕が上がる、OVERKILL、'19年発表のニュー・アルバム。
ベテランになっても新作リリースを勿体付けない。作を重ねても一向にパワーが衰えない。そして方向性が微塵もブレない…と良い意味でないない尽くし。シニカルでバイオレントでハイパーで重厚。変わらぬ「らしさ」が奔流の如く雪崩を打つ本作については「最高オブ最高」で感想書くのを止めても全然構わないぐらいなのですが、もうちょい具体的に誉めさせて頂くと、意識的にエピカルな方向に振られていた前作に対し、今回はもろパンクな⑦を筆頭にラフな荒くれ感を増量。前作が重装甲で身を固めた戦士の進軍なら、本作は己の拳一つを武器に戦い抜くストリートファイターといった風情が漂います。まぁどっちにしろ、聴き手は一方的にボコられ蹂躙されるのみなのは一緒なんですけども。
OVERKILL流鋼鉄サウンドの源泉たるブリッツのぷっつん(死語)Voと、D.D.の肉厚なBが挑発的に牙を剥く一方、デイヴ・リンスク&デレク・テイラーの鉄壁のGコンビが適度な湿り気とドラマ性を散りばめもする楽曲の数々は、雄々しい高速スラッシュ・ソング①⑩、ツインGの色気にゾクゾクさせられる劇的な④⑤、アサルトライフルの如きドラムが火を吹く⑨等々…、現在の彼らの充実っぷりを物語る逸品がズラリ。
ぶっちゃけ前作の作風の方が好みっちゃ好みですが、最も信頼するバンドの一つがその信頼にしかと応える作品を発表してくれたのですから、そりゃもう絶賛するしかねえわ、と。


OVERKILL - The Wings of War - Hole in My Soul ★★★ (2019-03-28 23:49:58)

全セクション一丸となって怒涛の如く突進するアルバム・ラスト・ナンバー。
何度も言いますが、アルバムの最後を疾走曲で〆るバンドは信用できる!と。
ブリッツが歌う、ベタベタしない硬派な憂いを湛えた歌メロも実にクール。


OVERKILL - The Wings of War - Last Man Standing ★★★ (2019-03-28 23:44:03)

一発キメなくても常にハイパーなテンションを保ち続ける
ブリッツのVoと突破力に溢れたリズム・セクションとが
畳み込むように突っ走るOVERKILL印のスラッシュ・ソング。
頑強なリフを刻む一方で、憂いとドラマを湛えたメロディを紡ぎもする2本のGが
大味にならぬよう楽曲にフックを作り出す辺りも実にこのバンドらしい隙のなさ。


OVERKILL - The Years of Decay ★★ (2006-07-15 22:49:00)

'89年発表の4thアルバム。バンドのメロディ面を一手に担っていたボビー・ガスタフソン在籍時代最後の作品であり、
これまでの集大成的作風ゆえ、本作をOVERKILLの代表作として挙げるファンも多い。
曲調に広がりの見られた前作に比べ、心持ち初期の剛速球路線に揺り戻されてる印象で、キャッチーさは薄れたものの、
より強靭に引き締まったリフ&リズムは、さながら鉄塊の如くガツガツと刻まれ、硬質なサウンド・プロダクションと相俟って、
突進パートでは全身に弾丸を浴びているかのような感覚を味わえる。
その一方で、前作で培ったドラマ性も十二分に活かされていて、「これぞOVERKILL!」な高速スラッシュに、
劇的なインスト・パートを持ち込んだ、名曲中の名曲②“ELIMINATION"、重く引き摺るリフとダイナミックな曲展開が
BLACK SABBATHを思わせる⑤“PLAYING WITH SPIDERS/SKULLKRUSHER"、初のパワー・バラード⑧“THE YEARS OF DECAY"、
激しくアップダウンを繰り返す⑨“E.VIL N.EVER D.IES"といった楽曲は、きっちりアルバムの聴かせ所として機能している。
本作を最後にボビー・ガスタフソンが脱退してしまった為、以降、彼らのアルバムで、ここで聴かれるような流麗なメロディ展開を
耳にする機会は、残念ながらかなり減ってしまった。(今のマッチョ路線なOVERKILLも嫌いではないのだけれど)


OVERKILL - The Years of Decay - Elimination ★★★ (2006-04-19 21:05:09)

金属的硬質感を漂わせたリフ&リズム&ヴォーカルが一体となって、弾丸の如く突進する様がド迫力の
OVERKILL史上でもトップクラスの攻撃性を発散するスラッシュ・チューン。
それでいて曲展開はかなりドラマチックに練り上げられているのだが、
それをさして大仰に感じさせる事無く、サラリとスマートに聴かせちゃう辺りが、流石、NY出身の都会派。


OVERKILL - Under the Influence ★★ (2006-07-13 20:21:00)

ボビー・ガスタフソン在籍時代の作品は、いずれも甲乙付け難い高い完成度を誇るが、その中でも、この'88年発表の3rdはマイ・ベスト。
攻撃的な硬派スラッシュ・メタルという基本はそのままに、楽曲のクオリティが急上昇。曲調にも幅/メリハリ/緩急が出て来て、
全9曲、捨て曲がないのは勿論、どの曲も非常にキャッチーで、聴いてると勝手に体が動き出す衝動的エネルギーに満ち溢れている。
中でも、高速ロックンロール・スラッシュ③“HELLO FROM THE GUTTER"と、スラッシュ版IRON MAIDENといった趣の
ドラマチックな⑦“END OF THE LINE"は、従来にはなかったタイプの異色曲ながら、2曲とも完全にOVERKILL色に染め上げられていて
違和感は全くなし。どころか、どちらもアルバム前半と後半のハイライト・チューンの役割を果たしている。
金属的艶を感じさせるボビー・ブリッツ・エルズワースのハイテンションなVo、縦横無尽に動き回り、楽曲を牽引するD.D.ヴァーニのB、
アグレッシブ且つメロディックなソロをキメまくるボビー・ガスタフソンのGという、OVERKILLの三本柱が完璧に機能している、
彼らのカタログ中、最もスラッシュ・メタル色が強く出た1枚。


OVERKILL - Under the Influence - End of the Line ★★★ (2006-04-19 21:10:07)

「掴み」には持ってこいの劇的なイントロ、勇壮且つメロディアスなサビの歌メロがIRON MAIDENを彷彿とさせる
7分にも及ぶ大作ながら、ボビー・ブリッツ・エルズワースの鋼の如きストロングなVoが、
時にメロウに時に派手にと、アクティブに動き回るD.D.ヴァーニのBが、
インスト・パートでドラマチックなプレイを炸裂させるボビー・ガスタフソンのGが、
スラッシュ・チューンとしてのアグレッションの低下を許していない。


OVERKILL - W.F.O. ★★ (2006-12-12 20:49:00)

鉄の塊がガッツンガッツンぶつかって来るかのような感覚に襲われる①を聴いた瞬間、
多くのファンがOVERKILLの復活を確信したに違いない、'94年発表の7thアルバム。
復活と言っても、純粋に高速スラッシュ・チューンと呼べるのは②④ぐらいのもので、
疾走感自体は前作『I HEAR BLACK』と比べても大差ないのだが、それよりもダークな雰囲気や
引き擦るようなリフ・ワークが大きく後退し、演奏に歯切れの良さと躍動感が戻って来ているのが大きい。
とにかく、全体的にストロングでエネルギッシュな作風なのだ。(メロディが薄れてしまったのは残念だが・・・)
ただ、ゴリゴリと鳴りまくるD.D.バーニのBの存在感の大きさや、クオリティUPを果たした
ミッド・テンポの楽曲の魅力は、前作での試行錯誤を経たからこそ獲得できたもの。特に、
ボビー“ブリッツ"エルズワースの歌う力強いメロディに、背負った男の哀愁が漂うヘヴィ・チューン⑩はその代表格か。
本作は高い評価も納得の充実した内容を誇るが、これが力作とされるなら、
ついでに6th『I HEAR BLACK』も意欲作として再評価を望みたいところ。


OVERKILL - White Devil Armory ★★★ (2014-08-20 22:30:33)

今現在、最も信頼のおけるスラッシュ・メタル・バンドの一つとして、即座にその名前の思い浮かぶOVERKILLが、'14年に発表した待望の新作。
近年はへヴィ・メタリックな方向にギアを一段も二段も上げた作風が印象的ですが、今回は整合性や湿ったドラマ成分は控えめ。その代わり、彼らのもう一つのルーツであるパンク・ロック・テイストを前面に押し立てたサウンドは、聴き手をオラオラと煽り立てるVoとGリフのテンションの高さ、金属の塊をブチかますかの如きリズム・セクションの硬質感はそのままに、全体的に破天荒なノリの良さを拡大。ボートラ収録のNAZARETHのカヴァー⑬等はその証左と言え(別にNAZARETHはパンク・バンドじゃないけど)、現ACCEPTのマーク・トニーロがゲストVoとしてボビー“ブリッツ”エルズワース(Vo)と掛け合いを繰り広げる様なぞ、ウド・ダークシュナイダーとジョン・ギャラガーが競(狂)演したRAVENの“ワイルドで行こう!”を思い出すハイテンションっぷりで最高ですよ。
無論スラッシャーとしての本分にブレもないことは、破壊力満点のスピード・ナンバー②⑥⑦にクッキリと刻まれており、またツインGを活かした重厚感溢れる⑧⑪のような、欧州メタル寄りの楽曲も押さえるなど、アルバム作りに抜かりなし。
一聴、前2作ほどのインパクトは受けないかもしれませんが、OVERKILL印の焼き付けられた力作であることは疑いようのない1枚です。


OVERKILL - White Devil Armory - Armorist ★★★ (2014-08-23 00:26:38)

ここ数作のOPナンバーと比較するとエピック・メタル成分は控えめですが、
その分、噛み付くようなブリッツのVoと、鋼の如きリフ&リズムの鉄壁が
聴き手をオラオラと煽り立てる、剣呑なノリの良さが全編に充満。
「青森!」「青森!」コーラスは思わず一緒に歌いたくなりますね。


OVERLAND (2020-09-10 00:25:43)

FM解散後は、SO!、THE LADER、SHADOWMAN等、様々なバンド/プロジェクトで歌っていたスティーヴ・オーヴァーランドが、ESCAPE MUSICのバックアップを受けて立ち上げたソロ・プロジェクト。
ブレイン役を務めたのはGRAND ILLUSIONのアンダース・リドホルムで、バックもGRAND ILLUSION並びにCODEのメンバーによって固められている。
現在までに4枚のアルバムを発表済み。


OVERLAND - Break Away ★★★ (2020-09-10 00:31:04)

FMのフロントマンとして知られるスティーヴ・オーヴァーランド(Vo)が、GRAND ILLUSIONのアンダース・リドホルムをブレインに迎えて制作、'08年にOVERLAND名義で発表したソロ・アルバム。
FM的要素(ブルーズ・ロック色)がほぼ排除され、いかにも北欧的な冷気と憂いを纏って、絶妙な展開で聴き手のハートを鷲掴みにする哀メロと、ハジけるようなキャッチネスを伴ったメロディアスHRサウンドは、紛うかたなきGRAND ILLUSIONワールド。
そりゃバックもGRAND ILLUSIONのメンバーが固めているのだから当然と言えば当然の話なんですが、しかしそこは流石のスティーヴ・オーヴァーランド。相手の世界に飲まれてしまうことなく、類稀なる歌唱力をもってキッチリと主役の座を守りきる辺りが一流のシンガーたる所以です。
特に、アンダース・リドホルムの真骨頂たる悲哀に満ち満ちたメロディに、スティーヴが一音入魂でエモーションを吹き込んだOPナンバー①は全哀メロ派悶絶必至の名曲。個人的にはこれ1曲でアルバム1枚分の価値があるとさえ断言できる勢いですよ。
以降も、フックの効いたメロディが駆け抜けていくアップテンポの③⑦、重厚な哀愁を湛えた⑪といった佳曲を収録し、ファンがスティーヴ・オーヴァーランドとGRAND ILLUSIONの組み合わせに寄せる期待に見事に応えた1枚に仕上がっています。
その割に次作以降がチェックできないまま今に至る我が身の不明を恥じいるばかりです。


OVERLAND - Break Away - This Time ★★★ (2020-09-11 00:23:16)

アンダース・リドホルムの冷ややかな哀メロ・センスと
スティーヴ・オーヴァーランドのエモーショナルな歌声のマリアージュ。
両者の最良の部分が化学反応を起こしたサビメロの素晴らしさに万歳三唱を誘われる、
アルバム自体の完成度を確信させらるOPナンバーです。


OZ - Burning Leather ★★★ (2012-01-03 21:28:20)

その昔、行きつけのCD屋で『Ⅲ WARNIG』の中古盤を発見し手に取るも、マッチョなハゲ親父(今にして思えばこの人がシンガーのエイプさんだった)が中央に陣取るジャケットに食指をそそられず購入を見送ってしまった事があるので、本作がまともに聴く初めてのOZ作品。それゆえ、過去作と比較してあれこれ述べる事は出来ないのですが、とにかく猛烈にメタル魂を煽ってくれる1枚である事は確か。
一応はフィンランド出身の北欧メタル・バンドではあるものの(活動拠点はスウェーデン)、アルバム・タイトルそのまんまに、燃え上がる鋲打ちの皮グローブがあしらわれた暑苦しいジャケット・アートワークが高らかに宣言しているよう、本作で聴く事が出来るのは「透明感」や「美旋律」といった繊細なキーワードとは一切無縁の、ACCEPTやMANOWARばりに筋骨隆々で肉汁滴るホルモニックな正統派HMサウンド。
それでいて、大味に仕上げることなく歌メロや2本のGが奏でるメロディにきちんと耳を捉えるフックが効かせられているのがこのバンドのニクイところ。(磨かれ過ぎていないサウンド・プロダクションも良いですね)
何より、過去の名曲・代表曲のリメイクと再結成後にレコーディングされた新曲とが混在する変則構成にも関わらず、きっちりと鋼鉄の芯が通わされた両者の作風にブレがない上、新曲が往年の名曲群と比肩し得るクオリティの高さを誇っている点も実に立派。パワフルで勇壮な①③⑦なんて、思わずコブシを振り上げながら一緒に歌いたくなるカッコ良さで最高ですよ。
そんなわけで純粋なニュー・アルバムのリリースに期待が高まる1枚。あと出来れば過去作品の再発をお願いしたい。


OZ - Burning Leather - Dominator ★★★ (2012-01-05 22:29:57)

雷鳴のようなドラムの連打と、
そこに勇壮なツインGが被さる
イントロだけで「一本!」となる
パワフルなOPナンバー。
合唱を誘われる雄々しいサビメロも熱い。


OZ - Burning Leather - Let Sleeping Dogs Lie ★★★ (2012-01-04 22:43:15)

なぜか歌詞に「東京の娘」が登場する疾走ナンバー。
青筋立てながら熱唱する姿が目に浮かぶような
エイプさんの歌声はかなりのクドさですが
彼が構築する歌メロは雄々しさ満点で
メタル魂に火を付けられること請け合い。
ゆったり劇的にハモるツインGも効果的に
楽曲のカッコ良さを引き立ててくれていますね。


Oracle - Oracle ★★★ (2016-11-15 00:30:55)

イギリスとスペインが領有権を巡って対立する、イベリア半島ジブラルタル(…と聞くと真っ先に『風雲!たけし城』が思い浮かぶオッサン脳)出身の4人組が残した唯一作。
初めてこのバンドの存在を知った時は「あんなヨーロッパの端っこでも頑張ってHR/HMを演ってるバンドがいるのか。健気だなぁ」と、メンバーが耳にしたら「極東の島国の人間に言われたかねぇYO!」とムッとするであろう感想を漏らしたものですが、その健気さを、そのまんまメロディに転化してしまったかのような(?)、PRAYING MANTIS、INCUBUS、HERITAGEといったバンドを彷彿とさせる、憂愁と美旋律満載のジブラルタル・ロック・サウンドに衝撃を受けた次第。
バブル華やかなりし’89年作品にも関わらず比較対象がNWOBHM勢であることからもお察しの通り、音質面等からは垢抜けなさが匂い立つものの、個人的には線の細さが逆にメロディの哀愁っぷりを引き立てるVo、テクと表現力を併せ持った腕利きG、専任メンバー不在でもアレンジ上重要な役割を果たすKeyとが、リリカルに泣きまくる収録曲の素朴な佇まいに終始郷愁を刺激されまくり。メロディアスに歌うGが疾走する②、泣きを孕んだ声質のシンガーとエモーショナルなGが冴える④、ポップ・センスも活かされたキャッチーな⑤、バンドの出自を伺わせるスパニッシュ・タッチのバラード⑥etc. …中でもラストに配され、聴き手を涙の海で溺死させる勢いの名曲⑨の劇的さは相当に凶悪ですよ。
スペイン国内のみでリリースされたというオリジナルLPが、マニアの間でプレミア高値で取引されていたというのも得心が行く、埋もれてしまった名盤ですね。


Oracle - Oracle - Killer Queen ★★★ (2016-11-16 00:31:23)

7分以上に及ぶ大作ナンバーなれど、
インストパートの前半と歌入りの後半からなる
スピーディ且つドラマティックな曲展開に、
ハイトーンVo、エモーショナルなG、抒情的なKeyとが
泣いて泣いて泣きまくり、全く長さを意識させません。
まさしく「この曲を聴け!」な名曲。


Ousey/man - Is Anybody Listening ★★★ (2023-09-18 22:47:25)

HEARTLANDの看板シンガーであるクリス・ウーズィー(Vo)と、古くはMSG、近年では再結成LIONHEARTへの参加等で知られるスティーヴ・マン(G、Key)による夢のプロジェクト、その名もOUSEY/MANが’22年にESCAPE MUSICから発表した1stアルバム。
一応「夢の~」と盛ってはみたものの、正直ご両人とも4番打者的な派手さはないので(失礼)何がなんでもチェックせねば!とまでは思っていなかったというのが正直なところ。しかし実際に聴いてみると、「ブルージーなロックでも演ってんのかなぁ」というこちらの先入観にうっちゃりをかける、Keyをしっかりとアレンジに組み込んだハイクオリティなメロディアスHRが全編に亘って展開されており、良い意味で吃驚させられましたね。
優れた楽曲を歌えばエモーショナルに響き、逆に平凡な楽曲を歌うと重めの声質がフックの乏しさをより一層際立たせてしまう諸刃の剣と言われるクリスのVoですが、本作は文句なしに前者路線。特にスティーヴが奏でる泣きのGソロにも耳惹かれる③、イントロからして期待を高めてくれる劇的なバラード⑧、そして哀愁を振りまきながらアルバム終盤を鮮烈に駆け抜けていくハイライト・ナンバー⑫等は、例えばHEARTLANDの名曲“EYE OPEN WIDE”や“CONQUER ALL”に痺れた身にはグッとくる名曲に仕上がっていますよ。
ウーズィー&マンのタッグにマジックが働いた結果、単純な足し算に終わらない、「俺たちがチャンピオンだ!永遠のな!」「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ!10倍だぞ10倍」というテンコジ理論が見事に当てはまった1枚となっています。継続プロジェクトとなってくれることを期待せずにはいられませんね。


Ousey/man - Is Anybody Listening - No Second Chances ★★★ (2023-09-20 22:48:29)

クリス・ウーズィーの情熱的な歌声が映える、愁いを帯びたメロディを
伴って本編ラストを駆け抜けていくアルバムのハイライト・ナンバー。
スティーヴ・マンもGとKeyで楽曲をドラマティックに盛り上げくれていますよ。


PAGAN (2013-02-19 23:26:12)

スウェーデンのゴッセンバーグにおいて、'87年にケン・オルソン(B)が立ち上げたプロジェクトが、紆余曲折を経てバンド化。元BISCAYAのパー・エドワードソンのプロデュースの下、ケンが作り溜めていたマテリアルをまとめ上げ、'91年にU.S. RECORDSからセルフ・タイトルの1stアルバムを発表、デビューを飾る。
嘘か誠か、メジャーのATLANTICも興味を持ったという同作の好評を受けて、バンドはセルフ・プロデュースの2nd『THE WEIGHT』を'93年にリリース。尚、そちらにはFATE~FREAK KITCHENのマティアス・エクルンドがゲストとして参加している。(バンドとしては正式メンバーになって欲しかったらしいが、多忙につき断られている)
尚、バンドは2ndアルバム・リリース後まもなく解散。


PAGAN - PAGAN ★★ (2013-02-19 23:29:08)

80年代前半に勃発した最初のブームが収束し、90年代前半に第二次ブームが起こるまでの間、北欧からはD.A.D.やELECTRIC BOYSといった、従来の「北欧メタル」のイメージからは外れた新人バンドが次々にデビューを飾って話題となりました。
このPAGANも、そうした一群に属していたスウェーデン出身の4人組で、「異教徒」を意味するバンド名や、ファンタジックなヘタウマ・アートワークこそ王道北欧メタルの匂いを伝えてくれますが、内容に関して言えば、プログレ調の風変わりなアレンジと、QUEENばりの重厚且つ立体的なボーカル・ハーモニーを活かした楽曲は、劇的な様式美HMソングあり、爆走ロックンロールあり、更にはLED ZEPPELINの“移民の歌”を、QUEENの“WE WILL ROCK YOU”のリズムに乗せてカヴァーしてみせたりと、そのサウンドは(実験的と評するほど突飛ではないものの)かなり多彩。
それでも散漫な印象がないのは、ヒヤリと寒々しい感触のメロディがアルバムに一本びしっと筋を通しているからで(特に憂いに満ちた歌メロを拾っていくシンガーのセンスは「買い」)、この辺りはやっぱり北欧のバンドだなぁ、と思わせられます。
ちなみに本作のプロデュースを手掛けているのは、あのBISCAYAの中心メンバー、パー・エドワードソンでした。


PAGAN - PAGAN - ANYWAY BUT BACKWARDS ★★ (2013-02-20 23:01:14)

バイクのエンジン音と共に爆走を開始する
スピード・ナンバーですが、ルーズな
インスト・パートといい、その曲調は
どちらかと言えばロックンロール寄り。
一方で、ヒンヤリと憂いに満ちたサビメロは
北欧のバンドならではの魅力を主張しています。


PAGAN - PAGAN - DAMNED ★★ (2013-02-20 23:13:44)

どっしりとしたBラインがカッコイイ。
重厚且つメロディアスなアルバムのラスト・ナンバーで
その佇まいはトニー・マーティン時代の
BLACK SABBATHを思わせたり思わせなかったり。
歌メロのツボを押さえた展開が◎。


PAGAN - PAGAN - GREG’S SONG ★★ (2013-02-20 23:10:12)

BISCAYAのカヴァー。プロデューサー繋がりかな?
荒っぽいオリジナル・バージョンに比べ、
Keyや立体的なボーカル・ハーモニーを
ふんだんに取り入れ、このバンド独自の個性が
色濃く付与された出来栄え。


PAGAN - PAGAN - ODIN ★★ (2013-02-20 22:57:55)

北欧メタルでこのタイトルとあっては
弥が上にも期待が高まりますが、
がっしりと輪郭の太い曲調は
様式美HMというよりオーソドックスな
正統派HMといった趣き。
どっちにしろ良い曲ですけどね。


PAGAN - THE WEIGHT ★★ (2013-02-21 22:00:24)

FREAK KITCHEN等での活動で知られる個性派ギタリスト、マティアス・エクルンドをゲストGとして迎えてレコーディング、'94年に発表された2ndアルバム。ちなみに前作の国内盤のバンド名は「パガン」(今にして思えば少々マヌケな響き)表記でしたが、今作は「ペイガン」表記に変わっています。
そのマティアスのテクニカルなGプレイを存分にフィーチュアした本編は、Keyの使用頻度やプログレ・テイストが後退。代わってザクザクと分厚く刻まれる硬質なGリフが強調され、よりダーク&へヴィ化の推進された灰色のサウンドは、いかにも90年代半ばのモダンさを漂わしています。
尤も、その一方でこうした要素がアルバムに(デビュー作には少々欠けていた)統一感を生み出すというプラスの側面を生んでおり、何よりも、寒々とした歌メロを無愛想に歌い上げる二代目Voを筆頭に、このバンド独特の冷気を帯びたメロディ・センス、それにQUEENばりの華麗なるボーカル・ハーモニーの美しさが損なわれていない点も評価ポイント。特に、物憂げなサックスを取り入れたバラード⑤は、ハードボイルド映画のエンディング・テーマと聴き紛う(?)寂寥感を湛えた名曲ですよ。


PAGAN - THE WEIGHT - STRANGE DESIRE ★★ (2013-02-21 22:15:36)

ザクザクと鋭角的に刻まれるリフ、
重量感溢れるリズム、
無愛想な声質のVoが歌う寒々しいメロディに
それを華麗に彩るボーカル・ハーモニーと
マティアス・エクルンドの鮮烈なGプレイ・・・
PAGANというバンドの魅力を判り易く伝える1曲です。


PAGAN - THE WEIGHT - WEIGHT OF THE WORLD ★★★ (2013-02-21 22:13:03)

時を刻む針の音、サックス、それにKeyをバックに
Voがムーディに歌い上げる異色のバラード。
前任者に比べると、少々がさつで魅力に欠ける声質の
新Voですが、この曲に歌えるパフォーマンスは大変グー。
聴いていると沈み込んでいくような感覚を覚える
寂寥感を湛えたメロディが大きな魅力です。


PAGEANT - 奈落の舞踏会 ★★★ (2018-11-19 00:38:31)

独自のサウンドとコンセプトをもって、例えば陰陽座なんかにも影響を与えたという関西出身のプログ・ロック・バンドPAGENTが’87年に発表した、新曲と既発曲のバージョン違い、及びスタジオ・ライブ音源等から構成される8曲入りミニ・アルバム。
実はSABER TIGERの久保田陽子が在籍していたPROVIDENCEと勘違いして購入してしまった作品でして(女性シンガーを擁し、バンド名が「ぱ行」で始まるとこぐらいしか合っていないのに)。でもまぁ折角買ったから…と取り合えず聴いてみたら、その内容のあまりの素晴らしさに「間違えて買って大正解!」と、そのまま愛聴し続けて現在に至るという。
1曲目の“人形地獄”からして、暗く湿ったメロディといい、メリハリの効いた曲展開といい、シンフォニック且つ劇的なサウンドはHR/HMリスナーにも十分アピールしうるドラマ性を有していて、何より耳奪われるのがバンドの中心的存在でもある永井博子の歌声。近年は大木理沙の名で『ファイナルファンタジー ヴォーカル・コレクションズ』等への参加で知られる彼女ですが、デカダンな歌詞世界を表情豊かに歌い上げるVoはこの時点で既に絶品です。ストーリーテラーたる永井の圧倒的歌唱力が冴え渡る、アグレッシブと評して差し支えない“木霊”、目くるめく曲展開が幻想性を高める“奈落の舞踏会”、流麗なピアノと哀愁に満ちたサックスの調べが楽曲に備わった抒情美を引き立たせる“仮面の笑顔”、悲壮なゴシック・ロマン薫る“蜘蛛の館”といった楽曲を耳にしていると、彼女たちが作り出す音世界の水底へと引き摺り込まれていくような錯覚を覚えますよ。
買わにゃ買わにゃと思いつつ機会を逸し続けている1stを早くゲットせんといかんなぁ。


PAGEANT - 奈落の舞踏会 - 仮面の笑顔 ★★★ (2018-11-19 23:34:46)

シングルとしても発表されたPAGENTの代表曲の一つ。
『奈落の舞踏会』には《LIVE VERSION》と《FLUTE VERSION》の
2曲が収録されており、個人的には後者の方が断然好みであることは言うまでもありません。
リリカルに奏でられるピアノとたゆたうフルート(サックスかと思った)の音色をバックに
時に妖しく、時に優しげに歌い上げる永井のVoに夢見心地で聞き惚れてしまいます。


PAGEANT - 奈落の舞踏会 - 蜘蛛の館 ★★★ (2018-11-19 23:25:52)

'87年に発表されたシングル『仮面の笑顔』に収録されていた
3曲のうちの1曲。(そのロング・バージョン)
作詞・作曲を一手に担い、ダーク且つリリカルなメロディに彩られた
ドラマティックな楽曲の魅力を120%引き出す歌唱をも披露する
永井博子の才気が迸りまくった名曲です。


PAIN OF SALVATION - The Perfect Element, Part I ★★ (2009-04-12 12:38:00)

緻密に組み立てられたコンセプトと、静/動、剛/柔、弛緩と緊張、破壊と構築等、相反する要素を兼ね備えた独創的な楽曲を持って、
近年登場したプログレHMバンドの中では、DREAM THEATERやSHADOW GALLERYに匹敵するインパクトを放っていた
スウェーデンの鬼才、ダニエル・ギルデンロウ(Vo、G)率いるPAIN OF SALVATIONが'00年に発表した3rdアルバム。
ここ数作では、やや敷居の高い難解な方向へと音楽性をシフトさせ、小難しく語られがちな彼らだが、
このバンド最大の魅力は何と言っても、暗く、悲壮感に満ち溢れた泣きのメロディ。特にこの3rdアルバムは、
前2作で確立したプログレHMサウンドを更に発展させつつ、全編に溢れる泣きメロの悲壮感にも一層の磨きがかけられており、
その涙腺破壊力は、普段、知的な音楽とは無縁のミュージックライフを送るボンクラ・メタラー(俺だ)をも
一撃でノックアウトする強力さ。取り分け、ダニエルのVoとG、流麗なピアノの調べ、そして壮麗なボーカル・ハーモニーが
劇的且つエモーショナルに泣いて泣いて泣きまくる痛切な名曲⑥は、哀メロファンなら涙の海で溺死しかねない程の悶絶級の仕上がり。
破壊的に刻まれるヘヴィ・リフと、高度な技術の応酬が生み出すスリルと緊迫感、そして繊細な叙情メロディが
全編を覆い尽くして波状攻撃を仕掛けてくる作風は、まさに「POSの最高傑作」と呼ぶに相応しいクオリティで、
決して難解でもアバンギャルドでもない(キャッチーでもないが)。このバンドの作品に触れるなら、先ず本作からどうぞ。


PAIN OF SALVATION - The Perfect Element, Part I - Chapter II. "It All Catches Up on You When You Slow Down": Her Voices ★★★ (2009-04-12 13:05:34)

個々の楽曲よりも全体の構成力で勝負するバンド、
とのイメージがあったのだが、これは素晴しい泣きの名曲。
「北欧的」と表現するのも生温い、暗く、悲痛な泣きメロの
奔流が聴く者の涙腺を揺さぶりまくる。


PALACE - Reckless Heart ★★★ (2024-09-09 23:57:42)

リトアニアに生まれ、現在はスウェーデンを拠点に活動するマルチ・アーティスト、マイケル・パレス率いるPALACEが'24年にFRONTIERS RECORDSから発表した5thアルバム。
FIRST SIGNALやCRY OF DAWNで彼の作曲能力の高さは知っていたものの、個人的にPALACEの1stと2ndに対する評価は「悪くはない」くらい。なので日本盤未発売に終わった3rdと4thを輸入盤買ってまで追いかける気にはなれなかったのですが、再び国内盤リリースが実現した本作を聴いて、キャッチーなメロディと煌びやかなKeyに彩られた80年代憧れ満載ハードポップ・サウンドの飛躍的なクオリティUPぶりに吃驚。収録全曲の曲作りは勿論のこと、プロデュースからミックス/マスタリング、更に全パートの演奏、果てはアートワークまで自ら手掛けるという、完全なる自作自演体制で作り上げたまさしく「入魂」の一作であり、中でも強烈なまでにフックの効いたコーラス・ワークに胸躍る③、タイトル通り聴き手を80年代へと誘うキャッチーな⑥、一瞬日本のシティポップかと思った⑨は、本編の魅力を分かりやすく体現するアルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか。
それらを歌うマイケルの歌唱力向上も著しく、初期作は「ソロ・プロジェクトだから自分で歌うのもありなんじゃない」程度の印象だったのが、ここでは他バンドにゲスト・シンガーとして招かれても全然おかしくない(歌一本で食っていけそうな)熱唱を披露してくれていますよ。
マイケル・パレスというアーティストの魅力がギュッと凝縮された、PALACE入門盤としてもお薦めできる1枚。こうなると未聴の3rdや4thにも興味が湧いてきますね。


PALACE - Reckless Heart - Back in Your Arms ★★★ (2024-09-11 00:35:39)

「世はまさに80年代真っ盛り」といった趣きで明るく軽快に弾むハードポップ・チューン。
キャッチーなサビメロ作りの巧さにマイケル・パレスの匠の技が光っています。


PANIC - Epidemic ★★ (2006-06-07 21:31:00)

裏ジャケに一番目立つ文字で「PRODUCED BY THE H-TEAM」と誇らしげにクレジットされてるだけあって、
ザクザクと刻まれる肉厚なリフの感触は、まさしくEXODUSのそれ。
実際に、H-TEAMからインプットがあったのかどうかは定かではないが、アグレッシブな中にも、キャッチーな要素を含んだリフの
アイデアはかなり良質。曲作りだけでなく、耳に残るメロディアスなソロも披露するGはなかなかの逸材ではなかろうか。
本家に比べると、どうしても優等生的で小さくまとまってしまっている印象は拭えないものの、
EXODUSファンなら聴いて損は無い、良質のスラッシュ・メタル・アルバム。


PANTERA - Before We Were Cowboys ★★★ (2020-10-15 00:51:53)

テリー・グレイズの後任シンガーにフィル・アンセルモを加えたPANTERAが、’88年12月に地元テキサス州ダラスのザ・ベースメント・クラブで行ったライブの模様を収録した実況録音盤が、今頃になってひょっこりリリース。嬉しいじゃありませんか。
セットリストの大半を占めるのは、当時発表されたばかりの4thアルバムにして、1st~3rdともども公式ディスコグラフィーからは抹消済の不遇の名盤『POWER METAL』収録曲。代表作『俗悪』において、その後のヘヴィ・ミュージックの在り方を根底から覆してしまったPANTERAですが、この頃はJUDAS PRIESTからの濃厚な影響を滲ませる正統派パワー・メタルを実践しており、そこに全盛期のロブ・ハルフォードもかくやというハイピッチ・スクリームが鼓膜をつんざくフィルのVo、金属質なリフを刻み鮮烈なソロを焼き付かせるダイムバック・ダレルのG、硬質且つタイトな音塊を次々打ち出すヴィニー・ポール&レックス・ブラウンの鉄壁のリズム隊という、90年代以降のPANTERAの片鱗を早くもチラ見させるメンバーの強靭なライブ・パフォーマンスが組み合わさった結果、場面によっては図らずも、本家JUDAS PRIESTが後に発表する名作『PAINKILLER』の領域へと一足お先に彼らが到達してしまっている(ように思える)ことに驚かされますよ。
これでもし、この時期のPANTERAが“PAINKILLER”的な代表曲を生み出し得ていたらば、その後のHR/HM史は変わっていたんじゃなかろうか?と、思わず益体もない妄想をさせられてしまうライブ盤でありました。
いつか1st~4thも公式に再発してくれないもんかなぁ。


PANTERA - Before We Were Cowboys - Power Metal (Live) ★★★ (2020-10-16 00:06:14)

4thアルバムのタイトル・トラックで
メタリックなGリフが印象的な正統派パワーメタル・チューン。
スタジオ版もカッコイイのですが、ライブで聴くと
血管がブチきれそうなフィルのハイテンションなVoと
楽器隊のタイトでアグレッシブな演奏が相俟って迫力がマシマシ。
それこそ『PAINKILLER』の世界に本家より先に到達してしまっているような
印象さえ受けるぐらいのものでして。


PANTERA - Power Metal ★★ (2007-05-26 21:33:00)

今では無かった事になっている(?)、メジャー・デビュー以前の'88年に発表した4thアルバム。
フィル・アンセルモ(Vo)が加入して1発目の作品で、そのサウンドはHMシーンを一変させてしまった
5th『COWBOYS FROM HLL』以降とは大幅に異なっていて、実に正統派テイストの色濃い(まさにアルバム・タイトル通り)
JUDAS PRIEST直系のパワー・メタル。しかも、これがまた偉くカッコイイったらありゃしない。
フィルの歌唱は現在のような異様な迫力はないものの、微笑ましいぐらいロブ・ハルフォードへの憧れが滲み出た
メロディアスな歌声を聴かせてくれるし、ダイムバック・ダレル(この当時はダイヤモンド・ダレル/笑)のGも、
メロディを大切にした正統派スタイルだし、ヴィニー・ポールのドラミングはこの頃から既に
歯切れ良くタイト極まりないしで、メタル史における知名度とか重要性はさて置いて、
個人的好みのみで物を言うなら、PANTERAの全アルバム中、本作が間違いなくマイ・ベスト。
特に、力強く勇壮な①、スピーディなアルバム表題曲②、Keyを隠し味にしたメロウでキャッチーな③、
劇的なミドル・チューン⑧、ダレルがVoを取るスピード・チューン⑨といった楽曲は強力だ。
若気の至り感炸裂しまくりのメンバーのルックスとか、キラキラした楽曲のアレンジ(主に③)とか、
3rdアルバム以降のマッチョで強面なイメージとのギャップが強烈過ぎて、聴いてるとどうしても
「ぶふっ」と笑ってしまう場面もなくはないけど、ともあれ、本作が優れたヘヴィ・メタル・アルバムなのは疑いようが無い。


PANZER (2015-01-24 01:39:24)

ACCEPTとしての活動の合間に、何か他にやれないものかと考えたハーマン・フランクとステファン・シュヴァルツマンが、DESTRUCTIONの首領にして古くからの友人のシュミーアに声をかけて取り合えず曲作りを行ってみたところ、これが思った以上の手応えがあり、プロジェクトは一気に本格始動。
NUCLEAR BLASTとも契約を結び、独HR/HMシーンのビッグ・プロジェクトとして期待感が高まる中、プロデュースはバンド自身が、ミキシングとマスタリングを元POLTERGEIST~現GURDのV.O.パルヴァーが担当する形でとんとん拍子でレコーディング。
期待を裏切らぬパワー・サウンドが託されたデビュー作『SEND THEM ALL TO HELL』は、満を持して'14年にリリースされた。


PANZER (2016-03-07 22:12:40)

イギリスを震源地に発生したNWOBHMムーブメントの盛り上がりが最高潮に達した’81年、スペインはマドリッドにおいて結成。
'82年に1st『Al Pie Del Canon』でデビューを飾った当時はKey奏者を含む編成だったが、2nd『Sálvese quien pueda』(’83年)ではツインG編成に、そして3rd『Toca madera』(’85年)以降はシングルG編成へとラインナップは変化した。
’87年発表のライブ・アルバム『Sabado Negro』を最後にバンドは解散。'06年に再結成を果たしたようだが、作品発表には至っていない。ちなみにPANZERの中心メンバーだったカルロス・ピニャ(Vo)は、それまでラジオDJなんかをやっていたそうな。


PANZER - Caballeros de sangre ★★★ (2016-03-11 23:11:58)

PANZERのラスト作となった’86年発表の4thアルバム。(正確には、この後ライブ盤を1枚残して解散)
当人たちに「これが最後の作品」との意識があったのかどうかは知る由もありませんが、クッサクサのスパニッシュ・メタル路線だった初期作、JUDAS PRIEST型HM路線に大きく振れた3rdを踏まえ、へヴィ・メタリックなエッジの鋭さや疾走感は保ちつつ、スペイン産らしい濃い口の哀メロ/泣きメロを改めて増強、更に一緒に歌いたくなる(ライブ映えする)キャッチネスまで加味された本作は、これまでの集大成的サウンドに仕上がっていると言えます。アートワークのセンスは1stの頃に逆戻りしてますけどね。
特に5分のランニング・タイムの中に、胸を打つメロディ、ドラマティックな曲展開、タイトな演奏力、そして初期の頃から各段にレベルアップしたVoの熱い歌唱とがぎゅぎゅっとパッケージされた④は、PANZER屈指の名曲の一つ。
悩みの種だったギタリストの座の不安定さは解消されておらず、今回も当然のようにメンバー・チェンジが発生していますが、幸いなことに若き新G、ホセ・アントニオ・カサールは前任者に一歩も引けを取らないテクニックとメロディ・センスを誇る逸材。その彼の才能が如何なく発揮された名曲⑧を手始めに、充実の楽曲が顔を揃える本作は、スペイン戦車軍団の終焉を謳い上げるのに相応しい1枚だったと言えるのではないでしょうか。結果的に。
PANZER入門盤としてもお薦め。


PANZER - Caballeros de sangre - Caballeros de sangre ★★★ (2016-03-11 23:29:52)

グルーヴィなヴァースから、メロディアスに疾走する
伸びやかなサビメロへ繋げていく曲展開が秀逸なアルバム表題曲。
ブリッジ部分に仕込まれた合唱パートは、ライブでの盛り上がりを
意識したものか。ハジけるようなGソロも華を添えてくれます。


PANZER - Caballeros de sangre - Fuego prohibido ★★★ (2016-03-11 23:25:21)

Voの演歌ばりの熱唱、キレの鋭さと濃厚な泣きっぷりを両立するG、
それにタイトなリズム隊が一体となって、熱くドラマティックな
盛り上がりを演出するPANZER屈指の名曲。


PANZER - Send Them All to Hell ★★ (2015-01-24 01:47:47)

DESTRUCTIONのシュミーア(Vo、B)と、ACCEPTのハーマン・フランク(G)、ステファン・シュヴァルツマン(Ds)という、ジャーマン・メタル・シーンのベテラン勢が鋼鉄合体したニュー・プロジェクト、PANZERのデビュー作。('14年発表)
スラッシュ・メタルとパワー・メタルのあいのこ的音楽性という、ファンがこの三者の顔合わせに期待する音が先ずはきっちりと押さえられている本作。但し、泥と硝煙に塗れて鈍い光を放つサウンドは、より剛直たらんとする姿勢が前面に押し出されているため、ACCEPTのメロディアスな側面や、DESTRUCTIONの狂性まではフォローされておらず。そのせいか少々地味・・・というか、聴き手の想定の範囲内に収まってしまっているようなもどかしさを覚えなくもない。贅沢な話ですが。
それでも、牙を失うことなく従来よりもメロディアスな歌唱を披露するシュミーアのVoと、ガッチガチに鍛え上げられたリフ&リズムの苛烈な絨毯爆撃が、闘争心を煽るメロディを纏って地響き立てて進撃する楽曲は、猛々しい疾走ナンバーから重厚なミッド・チューンまで、どれもまさしくバンド名「PANZER」な地で行く出来栄え。加えてキャッチーなノリの良さも兼ね備えて、リリック・ビデオも制作されたという⑥が個人的には特に気に入ったかな。
後は「このバンドならでは!」の代表曲を生み出すためにも、是非ともプロジェクトの継続をお願いしたいところであります。


PANZER - Send Them All to Hell - Death Knell ★★ (2015-01-25 22:37:41)

猛々しい迫力に満ちた曲調と
闘争心を煽り立てるメロディが
ジャケットに描かれた戦車の如く進撃する
アルバムのOPに相応しい疾走ナンバー。
これぞ独産鋼鉄サウンド。


PANZER - Send Them All to Hell - Mr. Nobrain ★★ (2015-01-25 22:49:41)

挑発的な歌詞に反して、適度にノリの良い曲調と
合唱を誘うコーラスが印象的。
ドイツのバンドらしい「聴かせる」メロディアスな
Gソロも良い感じですよ。


PANZER - Sábado negro ★★★ (2017-02-20 23:22:34)

PANZERが解散前の’87年に発表した、マドリードのレガネス劇場で収録された実況録音盤。ハッキリ言って音質はかなり悪い。最新技術でレコーディングされた昨今のライブ盤と比べたら月とスッポン、もしくはSHM-CDと西新宿で購入したブート盤ぐらいの差がありますが、しかし、そんなこたぁどーでもよくなるぐらい内容が素晴らしいんですよ、これが。
堂の入った客あしらいと、終始パワーの落ちない巻き舌バリバリの熱唱で会場のボルテージをMAXまで引き上げるVo、火を噴くような速弾きから濃厚な泣きのソロまでこなすG、ソロ・タイムでも観客をノせることを怠らないリズム隊とが、熱気に満ちたパフォーマンスで畳み掛ける正統派HMナンバーの数々。そして何より1曲目から最終曲に至るまで、歌って歌って歌いまくってバンドを強力にサポートする観客(野郎率100%)の存在が、本作を特別印象深い物にしてくれています。
「スペインのHMファンは兎に角よく歌う」ってのは広く知られており、事実本作でも、時にPANZER側のコーラスを掻き消さんばかりの大合唱が炸裂。こんだけお客さんが歌ってくれたらバンドだって勢い付きますし、それがまた一層観客を盛り上げるという好循環。前説で焦らされた熱狂が爆発する②やバンドのテーマ曲③、本編ラストを盛り上げる⑪辺りなんて、ステージの上も下もテンションが相当おかしなことになってますよ。
スペインのHMファンの熱さ、同国におけるPANZER人気の高さ、あとPANZERが優れたHMナンバーを山ほど生み出して来た事実を知るのに打ってつけの1枚。PANZERがスペイン語だと「パンツェール」と発音することも本作で初めて知りましたね。


PANZER - Sálvese quien pueda ★★★ (2016-03-07 22:14:19)

PANZERを名乗るバンドは欧州から南米まで幅広く分布していますが、こちらはスペインの5人組で、本作は'83年発表の彼らの2ndアルバム。
Key奏者を擁し、DEEP PURPLE/RAINBOW影響下のHRを聴かせてくれていたような気がするデビュー作(CD棚を漁るも発見出来ず。持っていた筈なんだけど…)に比べると、Key奏者が脱退してツインG体制へと移行した本作は、基本的な音楽性はそのままに、NWOBHMの盛り上がりに歩調を合わせ、グッとハードネスを高めた仕上がりに。
しょっぱい音質と、不安点なシンガーの歌唱、あとスペイン語の耳慣れない発音とが相俟って、初めて聴いた当時は「垢抜けねぇ田舎メタルだな」との感想を持ったものですが、慣れてしまうと逆にこれが旨みに変わります。巻き舌シンガーが熱唱する、コブシの効いたメロディのクサさ、そして威勢のいいツインGをフィーチュアしてハジける収録楽曲の暑苦しさには、いやが上にもメタル魂を掻き立てられるってもんです。
「いや。クサくて暑いって、それ普通に最悪じゃん」と思う向きもありましょうが、取り敢えずは黙って、哀愁を伴い疾走する「スパニッシュ・メタル果汁100%!」の②、濃厚な泣きを発散する⑤、堅牢なリズム隊の存在も光る⑥、三連のリズムで突き進む勇ましい⑧といった名曲を一度聴いてみてくれと。それでも同じことを言えるなら…なんか、すいません。
そんなわけで他人に全力で薦めるのは憚られますが、個人的に好きであることを公言するのに躊躇はない1枚。ちなみにPANZERのカタログでは本作が一番売れたのだとか。


PANZER - Sálvese quien pueda - Junto a ti ★★★ (2016-03-08 22:45:51)

コッテコテでクッサクサな哀愁を撒き散らす
「これぞスパニッシュ・メタル」なバラード
・・・って、言ってることが他の曲と一緒ですな。
こういう曲調には巻き舌バリバリな
スペイン語の発音が非常にマッチします。


PANZER - Toca madera ★★★ (2016-03-09 22:05:29)

前作『SALVESE DE PLASTICO』発表後にGコンビが脱退。その後任にヘスス・ディアズ(G)一人を加えた4人組で制作されている、'85年発表の3rdアルバム。
シングルG編成になったことで、作風が多少なりともソフトな方向へ変化するかと思いきや、のっけからカマされる重厚なGリフが物語る通り、寧ろその音楽性は一層ハード&へヴィ路線に傾斜。DEEP PURPLE/RAINBOWテイストが後退した代わりに、JUDAS PRIESTを始めとする新世代(当時)バンドからの影響を全面に打ち出すようになった本編は、ビルドアップされたプロダクションと併せて、完全にHM路線へとシフト完了。実際、レコーディングがMEDITERRANEO STUDIOで行われていたり、メロイック・サイン掲げてジャケットに収まる老婆がロブ・ハルフォードのコスプレ姿だったりと、JUDAS PRIESTに対する憧憬は本作にどっかと根を下ろしていますよ。
相変わらず、大阪のオッサンばりのコテコテ感を醸し出すシンガーの熱唱と、シャープ且つ劇的に切り込むセンスフルなG、そしてタイトなリズム隊によりクリエイトされる楽曲は、ホットな疾走ナンバー②③、洗練も感じさせる哀愁のバラード⑤、勇まし気な⑥、重厚にして雄々しい⑧、バンドの演奏巧者ぶりを表すスリリングなインスト曲⑨…と、海外ではPANZERの最高傑作扱いされているのも納得のクオリティ。
初めて聴いた時は、思わずコブシが回ってしまう泣きが薄まった点に少々の物足りなさを覚えたりもしたものですが、今となっては些細なことだったなと。


PANZER(SPAIN) (2016-03-07 22:12:40)

イギリスを震源地に発生したNWOBHMムーブメントの盛り上がりが最高潮に達した’81年、スペインはマドリッドにおいて結成。
'82年に1st『Al Pie Del Canon』でデビューを飾った当時はKey奏者を含む編成だったが、2nd『Sálvese quien pueda』(’83年)ではツインG編成に、そして3rd『Toca madera』(’85年)以降はシングルG編成へとラインナップは変化した。
’87年発表のライブ・アルバム『Sabado Negro』を最後にバンドは解散。'06年に再結成を果たしたようだが、作品発表には至っていない。ちなみにPANZERの中心メンバーだったカルロス・ピニャ(Vo)は、それまでラジオDJなんかをやっていたそうな。


PANZER(SPAIN) - Caballeros de sangre ★★★ (2016-03-11 23:11:58)

PANZERのラスト作となった’86年発表の4thアルバム。(正確には、この後ライブ盤を1枚残して解散)
当人たちに「これが最後の作品」との意識があったのかどうかは知る由もありませんが、クッサクサのスパニッシュ・メタル路線だった初期作、JUDAS PRIEST型HM路線に大きく振れた3rdを踏まえ、へヴィ・メタリックなエッジの鋭さや疾走感は保ちつつ、スペイン産らしい濃い口の哀メロ/泣きメロを改めて増強、更に一緒に歌いたくなる(ライブ映えする)キャッチネスまで加味された本作は、これまでの集大成的サウンドに仕上がっていると言えます。アートワークのセンスは1stの頃に逆戻りしてますけどね。
特に5分のランニング・タイムの中に、胸を打つメロディ、ドラマティックな曲展開、タイトな演奏力、そして初期の頃から各段にレベルアップしたVoの熱い歌唱とがぎゅぎゅっとパッケージされた④は、PANZER屈指の名曲の一つ。
悩みの種だったギタリストの座の不安定さは解消されておらず、今回も当然のようにメンバー・チェンジが発生していますが、幸いなことに若き新G、ホセ・アントニオ・カサールは前任者に一歩も引けを取らないテクニックとメロディ・センスを誇る逸材。その彼の才能が如何なく発揮された名曲⑧を手始めに、充実の楽曲が顔を揃える本作は、スペイン戦車軍団の終焉を謳い上げるのに相応しい1枚だったと言えるのではないでしょうか。結果的に。
PANZER入門盤としてもお薦め。


PANZER(SPAIN) - Caballeros de sangre - Caballeros de sangre ★★★ (2016-03-11 23:29:52)

グルーヴィなヴァースから、メロディアスに疾走する
伸びやかなサビメロへ繋げていく曲展開が秀逸なアルバム表題曲。
ブリッジ部分に仕込まれた合唱パートは、ライブでの盛り上がりを
意識したものか。ハジけるようなGソロも華を添えてくれます。


PANZER(SPAIN) - Caballeros de sangre - Fuego prohibido ★★★ (2016-03-11 23:25:21)

Voの演歌ばりの熱唱、キレの鋭さと濃厚な泣きっぷりを両立するG、
それにタイトなリズム隊が一体となって、熱くドラマティックな
盛り上がりを演出するPANZER屈指の名曲。


PANZER(SPAIN) - Sábado negro ★★★ (2017-02-20 23:22:34)

PANZERが解散前の’87年に発表した、マドリードのレガネス劇場で収録された実況録音盤。ハッキリ言って音質はかなり悪い。最新技術でレコーディングされた昨今のライブ盤と比べたら月とスッポン、もしくはSHM-CDと西新宿で購入したブート盤ぐらいの差がありますが、しかし、そんなこたぁどーでもよくなるぐらい内容が素晴らしいんですよ、これが。
堂の入った客あしらいと、終始パワーの落ちない巻き舌バリバリの熱唱で会場のボルテージをMAXまで引き上げるVo、火を噴くような速弾きから濃厚な泣きのソロまでこなすG、ソロ・タイムでも観客をノせることを怠らないリズム隊とが、熱気に満ちたパフォーマンスで畳み掛ける正統派HMナンバーの数々。そして何より1曲目から最終曲に至るまで、歌って歌って歌いまくってバンドを強力にサポートする観客(野郎率100%)の存在が、本作を特別印象深い物にしてくれています。
「スペインのHMファンは兎に角よく歌う」ってのは広く知られており、事実本作でも、時にPANZER側のコーラスを掻き消さんばかりの大合唱が炸裂。こんだけお客さんが歌ってくれたらバンドだって勢い付きますし、それがまた一層観客を盛り上げるという好循環。前説で焦らされた熱狂が爆発する②やバンドのテーマ曲③、本編ラストを盛り上げる⑪辺りなんて、ステージの上も下もテンションが相当おかしなことになってますよ。
スペインのHMファンの熱さ、同国におけるPANZER人気の高さ、あとPANZERが優れたHMナンバーを山ほど生み出して来た事実を知るのに打ってつけの1枚。PANZERがスペイン語だと「パンツェール」と発音することも本作で初めて知りましたね。


PANZER(SPAIN) - Sálvese quien pueda ★★★ (2016-03-07 22:14:19)

PANZERを名乗るバンドは欧州から南米まで幅広く分布していますが、こちらはスペインの5人組で、本作は'83年発表の彼らの2ndアルバム。
Key奏者を擁し、DEEP PURPLE/RAINBOW影響下のHRを聴かせてくれていたような気がするデビュー作(CD棚を漁るも発見出来ず。持っていた筈なんだけど…)に比べると、Key奏者が脱退してツインG体制へと移行した本作は、基本的な音楽性はそのままに、NWOBHMの盛り上がりに歩調を合わせ、グッとハードネスを高めた仕上がりに。
しょっぱい音質と、不安点なシンガーの歌唱、あとスペイン語の耳慣れない発音とが相俟って、初めて聴いた当時は「垢抜けねぇ田舎メタルだな」との感想を持ったものですが、慣れてしまうと逆にこれが旨みに変わります。巻き舌シンガーが熱唱する、コブシの効いたメロディのクサさ、そして威勢のいいツインGをフィーチュアしてハジける収録楽曲の暑苦しさには、いやが上にもメタル魂を掻き立てられるってもんです。
「いや。クサくて暑いって、それ普通に最悪じゃん」と思う向きもありましょうが、取り敢えずは黙って、哀愁を伴い疾走する「スパニッシュ・メタル果汁100%!」の②、濃厚な泣きを発散する⑤、堅牢なリズム隊の存在も光る⑥、三連のリズムで突き進む勇ましい⑧といった名曲を一度聴いてみてくれと。それでも同じことを言えるなら…なんか、すいません。
そんなわけで他人に全力で薦めるのは憚られますが、個人的に好きであることを公言するのに躊躇はない1枚。ちなみにPANZERのカタログでは本作が一番売れたのだとか。


PANZER(SPAIN) - Sálvese quien pueda - Junto a ti ★★★ (2016-03-08 22:45:51)

コッテコテでクッサクサな哀愁を撒き散らす
「これぞスパニッシュ・メタル」なバラード
・・・って、言ってることが他の曲と一緒ですな。
こういう曲調には巻き舌バリバリな
スペイン語の発音が非常にマッチします。


PANZER(SPAIN) - Toca madera ★★★ (2016-03-09 22:05:29)

前作『SALVESE DE PLASTICO』発表後にGコンビが脱退。その後任にヘスス・ディアズ(G)一人を加えた4人組で制作されている、'85年発表の3rdアルバム。
シングルG編成になったことで、作風が多少なりともソフトな方向へ変化するかと思いきや、のっけからカマされる重厚なGリフが物語る通り、寧ろその音楽性は一層ハード&へヴィ路線に傾斜。DEEP PURPLE/RAINBOWテイストが後退した代わりに、JUDAS PRIESTを始めとする新世代(当時)バンドからの影響を全面に打ち出すようになった本編は、ビルドアップされたプロダクションと併せて、完全にHM路線へとシフト完了。実際、レコーディングがMEDITERRANEO STUDIOで行われていたり、メロイック・サイン掲げてジャケットに収まる老婆がロブ・ハルフォードのコスプレ姿だったりと、JUDAS PRIESTに対する憧憬は本作にどっかと根を下ろしていますよ。
相変わらず、大阪のオッサンばりのコテコテ感を醸し出すシンガーの熱唱と、シャープ且つ劇的に切り込むセンスフルなG、そしてタイトなリズム隊によりクリエイトされる楽曲は、ホットな疾走ナンバー②③、洗練も感じさせる哀愁のバラード⑤、勇まし気な⑥、重厚にして雄々しい⑧、バンドの演奏巧者ぶりを表すスリリングなインスト曲⑨…と、海外ではPANZERの最高傑作扱いされているのも納得のクオリティ。
初めて聴いた時は、思わずコブシが回ってしまう泣きが薄まった点に少々の物足りなさを覚えたりもしたものですが、今となっては些細なことだったなと。


PAR LINDH PROJECT - Veni Vidi Vici ★★ (2009-05-09 20:55:00)

THE FLOWER KINGS等と共にスウェーデンのプログレ・シーンを牽引する、「北欧のキース・エマーソン」こと
鬼才パル・リンダー率いるプロジェクトが'01年に発表した、古代ローマの英雄ガイウス・ユリウス・カエサルの
名言「VENI, VIDI, VICI.(来た、見た、勝った)」をタイトルに戴く4thアルバム。(邦題『幻想のノスタルジア』)
↑上の方同様、長いだけのプログレ・サウンドに興味はないのだけれど、このプロジェクトの場合、全編に満ち溢れる
ロマンティックな泣きメロがとにかく素晴しく、例え大作主義が打ち出されていようとも、シンフォニックな
アレンジが施された叙情的な楽曲の数々に、冗長さや難解さは皆無。取り分け、元クラシック・ピアニストという
出自を持つパル・リンダー氏の流麗なKeyプレイは本編の白眉で、生ピアノ、メロトロン、チャーチ・オルガンといった
様々な楽器を駆使して紡ぎ出される美旋律の数々は、聴く者の胸を打つ。
弦楽器の妙なる調べに壮麗な混声合唱、女性シンガー、マグダレーナ・ハグバーグの気高く冷え澄んだ歌声、
そしてヘヴィネスとダイナミズムを宿したリズムが絶妙に絡み合う収録楽曲に駄曲は一つもないが、中でも、
舞踏の如き力強さと優雅さを併せ持った大作③、タメを効かせて盛り上がっていく劇的な④、ハードに疾走する⑥、
息苦しいまでの感動を呼ぶ組曲⑨⑩といった圧巻の完成度を誇る名曲の数々は、間違いなく本編のハイライト。
パル・リンダー・プロジェクトの作品の中では、比較的メタリックな色合いが強く、HR/HMファンにも取っ付き易い1枚。
哀メロ派は必聴でしょう。(ただ、ラストのボーナス・トラックはいらんかったかなー)


PARADISE LOST - Gothic ★★★ (2018-04-19 22:53:33)

PARADISE LOSTが'91年に発表し、「ゴシック・メタル」というHR/HMのサブ・ジャンル誕生に決定的な足跡を刻んだ2ndアルバム。何せタイトルからしてそのまんま『GOTHIC』ですし、曲によってはKeyやオーケストレーション、ソプラノVoによるお耽美な味付けも加えられていたりと、最初の第1歩にして既にこのジャンルに求められる要素を一通り網羅しているのだから凄い。いやこの場合は彼らがここで提示した要素が、後にゴシック・メタルに必要不可欠なスタンダードになっただけなのか。
尤も、本作の時点では飽くまでそれらはほんの彩りに過ぎず、地の底から湧き上がって来るかの如きニック・ホルムズの咆哮Voにしろ、蠢くGリフにしろ、中~低速をメインに泥濘の中をもがくように這い進むリズムにしろ、今時のゴシック・メタルのようなキャッチーさになんぞ目もくれないサウンドは、完全にデス・メタルのそれ。未だゴシック・メタルもドゥーム・メタルも認識の埒外だった当時は、CELTIC FROSTやドイツのMORGTH辺りと比較しながら、単純に「スローなデス・メタル」として楽しんだ覚え有り。
女性VoやシンフォニックなKeyによる荘厳なアレンジが施された①②⑧のような、ゴシック・メタルの雛型チックな楽曲勿論素晴らしいのですが、個人的に断然心惹かれたのは、重々しく破壊的なサウンドと、リードGが紡ぐメランコリックなメロディが美醜の対比を描き出す名曲中の名曲⑤ですよ。
PARADISE LOSTのメンバーが自信の持って「真のデビュー作」(1stは納得行く仕上がりになる前にリリースしてしまったため)と語るのも納得の、エポック・メイキングな1枚。


PARADISE LOST - Gothic - Eternal ★★★ (2018-04-19 23:06:12)

響き渡るデス声Voが漂わす禍々しさと、
Gが淡々と反復するオカルト映画のテーマ曲みたいな
メロディが醸し出す、そこはかとなく荘厳な雰囲気が
組み合わさった、PARADISE LOST初期の名曲。


PARADOX ★★ (2008-01-25 23:55:00)

4thアルバムがとうとうリリースされましたね。
輸入盤を買うべきか、国内盤が発売されるまで待つか
(国内盤、出るよね?)、非常に悩ましいところです。
気持ち的には今すぐ購入したいんだけど・・・。


PARADOX ★★ (2008-05-05 01:27:00)

BLACKFOOTの名曲“GOOD MORNING"のカヴァーが
大変に素晴しい仕上がりだったので、
輸入盤を買わずに、じりじりと我慢した甲斐がありましたよ!(笑)
ただ、個人的に「キングから国内盤リリース」→「THRASH DOMINATION 08で来日」
という未来予想図を勝手に思い描いていたので、マーキーからの発売には少々アテが外れた感あり。
せっかくチャーリーが「日本でライブ演って、それをレコーディングしたい」
と(社交辞令もあるとはいえ)言ってくれてるんだから、何とか来日公演の実現を!


PARADOX - Collision Course ★★ (2006-04-20 20:45:00)

流行におもねらず、と言ってノスタルジーにも囚われていない、理想的な復活作。
パワフルな楽曲と、チャーリー・シュタインハウアーの衰えぬVoパフォーマンスには、
お世辞抜きでJUDAS PRIESTの『ANGEL OF RETRIBUTION』級の感銘を受けた。
アコギによる序曲(美味しいメロディてんこ盛り)から、激ドラマチックなタイトル・トラックへ・・・
という流れが、代表作『HERESY』と二重写しになるアルバムOPの構成も、PARADOXの
「ファンの期待に応えるぞ!」という決意表明に他ならない(んじゃないかなぁ、と)。
リフの重さは現代的だが、それが各曲の叙情性やスピード感を殺しておらず、
むしろ引き立て、破壊力を倍化させている点も評価ポイント。
序盤からスラッシーに押しまくり(かと思えば突然アコギ・パートを挿入してハッと
させる辺りにベテランの技が光る)本編ラストを飾るSCORPIONSの名曲“DYNAMITE"の
カバーまで、あれよあれよのうちに聴き通せる。


PARADOX - Collision Course - Shattered Illusions ★★ (2006-04-20 20:54:03)

これはPARADOX史上、最速チューンじゃなかろうか?
冒頭からガツンとカマされる「これぞスラッシュ・メタル!」たる
ストロングなリフの刻みが強烈。
それでいて、歌メロやGソロにおけるメロディの使い方に
しっかりと気を配っている辺り、自分達の武器が何なのか良く分かってるなぁと感心。
ことにインスト・パートのドラマチックな展開は聴きモノです。


PARADOX - Electrify ★★ (2008-05-05 01:06:00)

数々の困難を乗り越えて、ジャーマン・スラッシュ・メタルの雄PARADOXが、前作から実に8年振りに発表した、待望の4thアルバム。
家族との度重なる死別や、自身も大病を患って病床に伏せるなど、バンドのリーダー、チャーリー・シュタインハウアーを
襲った不幸の連鎖を思えば、「長いこと待たせやがって」なんて台詞は間違っても出てこないが、
しかし本作が、長いこと待たされた甲斐のある、優れた内容に仕上がっているのも、また事実。
ザクザクと荒々しくシュレッドされる勇猛なGリフ、怒涛の突進力、憂いに満ちたメロディを歌う雄々しいVo、
そしてドラマティックなツイン・リードG・・・と、PARADOXというバンドの魅力の粋を結集したかのような名曲①だけでも
完璧に心を鷲掴みにされてしまうが、それ以降も、“HIGHPERSPEED "のタイトルに偽りなしの高速疾走曲⑤や、これまた本編ラストを
激烈に締め括る、パワー/スピード/メロディの三拍子揃ったアルバム表題曲⑩といった楽曲に代表されるように、80年代の彼らの
美点をしっかりと受け継ぎ、尚且つ現代的にアップデートされた劇的なパワー/スラッシュ・メタル・チューンが目白押し。
ただ今回は、チャーリー・スタインハウアーの溜まりに溜まったフラストレーションが一気に噴出したのか、
その作風はかなりアグレッシブ。例えば、前3作で見られた、アコギを用いて「静」の美しさを演出するようなパートは
殆ど見当たらず、頭からケツまでひたすらスピーディ且つヘヴィに押しまくる。
まぁそうは言っても、NWOBHMを思わせる、暗く湿ったメロディの魅力に鈍りがない事は、正統派へヴィ・メタリックな⑥や、
PARADOXなりのバラードと言えそうな、ヘヴィでメロウな⑨を聴けば明らかなのだが。
楽曲のクオリティといい、曲間を切り詰め、全編を流麗に展開させていくドラマティックな構成といい、
まさに期待に違わぬ力作に仕上がった本作。あとは来日公演あるのみ!


PARADOX - Heresy ★★ (2006-11-15 22:09:00)

ジャーマン・スラッシュ・メタル史に残る名作として、燦然と光り輝く'89年発表の2ndアルバム。
勇壮なリフ、ツインGの煽情力、歌メロの質、曲展開、様式美に則ったアルバムの構成と、
あらゆる要素がデビュー作から桁違いのグレードアップを遂げており、十字軍を題材にした
(昨今話題の『ダ・ヴィンチ・コード』にも通じるものがある)コンセプト・アルバムということで、
ドラマ性に満ちたスケール感も、これまでの比ではない。
JUDAS PRIEST、IRON MAIDENばりのメロディックなツイン・リードGが際立っていた前作に対し、
今回は豊潤なメロディがアルバム全編を貫き、HELLOWEENを初めとするメロディック・パワー・メタルへ接近した印象。
勿論、スラッシュ・メタル・バンドならではの攻撃性や疾走感は十分に保たれていて、それはアグレッシブなリフの刻みや、
硬派な歌メロにも明らか。(とは言え、このNWOBHM風の弾けきらない歌メロは好き嫌いが分かれるか)
まぁとにかく、1度アルバムのタイトル・チューン①を聴いてみて欲しい。起承転結が完璧に決まった
劇的極まるドラマの海で溺死すること請け合いですから。また、⑤のエンディングのアコギの余韻を切り裂いて、
スラッシーな⑥のリフが走り出す展開には「くぅ~、これよこれ!」と、思わずガッツポーズもの。


PARADOX - Heresy II (End of a Legend) ★★★ (2021-11-18 01:11:27)

チャーリー・シュタインハウアー(Vo)率いるPARADOX、'21年発表の新作アルバム。
そのチャーリー以外面子がごっそり入れ替わっていますが、最早メンバー・チェンジはこのバンドの恒例行事ゆえ驚きには値せず。逸材だったガス・ドラックスの離脱は痛手なれど、後任には近年ETERNITY’S END等を率いて頭角を現しているクリスティアン・ミュンツナー(G)が出戻っているので、空いた穴は完全に塞がったと言えるのではないでしょうか。
それより何より、本作最大のトピックは「宗教戦争」をテーマに取り上げたコンセプト・アルバムにして名盤の誉れ高い2nd『HERASY~異端』(’89年)の続編作りに、満を持してチャーリーが着手したこと。尤も、多数のゲストを迎えたり生オケを導入したりといった大仕掛けは目もくれず、ダークなメロディをニヒルに歌い上げるVo、タイトに刻まれるGリフ、硬質に突っ走るリズムが一丸となったパワー・サウンドで、あくまで武骨に押しきる剛毅な姿勢がPARADOXならでは。『TILES OF THE WIERED』(’13年)以来のバンド復帰となるクリスティアンも、益々磨きの掛かったシュレッド・ギターでモノクロームな本編に鮮烈な輝きを加えており、特に憂いを帯びたメロディを伴い、重心低く突進する曲調に劇的なツインGが狂い咲く③はアルバムの旨みを凝縮したような名曲。この曲含めてOPナンバーからMETAL CHURCHのカヴァー⑭まで、ほぼ全編をスラッシーなスピード・ナンバーで畳み掛ける一方、10分近くに及ぶ大作⑨は走りそうになるのをグッと堪えて、重厚かつ劇的に聴かせきるメリハリの付け方にもベテランの業が光ります。
名盤の続編たるに相応しい見事なクオリティを誇る力作です。


PARADOX - Heresy II (End of a Legend) - The Visitors ★★★ (2021-11-24 00:03:20)

ザクザクと重心低くタイトに刻まれるリフ&リズム、メロパワ系の親しみ易さとは
一味異なるニヒルなチャーリーのVoが一丸となってソリッドに畳み掛ける、
変わらぬPARADOX節に舌鼓を打つスピード・ナンバー。リーダー・バンドを率いての
活動等で獲得した自信を糧に、これまでよりも主張を強めたクリスティアン・ミュンツナーの
劇的なシュレッド・ギターが、楽曲に新鮮な味わいを付与してくれています。


PARADOX - Pangea ★★★ (2016-08-14 08:56:19)

嘗て、マイケル・シェンカーは「精神的に追い詰められた時の方が、生み出すメロディの輝きが増す」と実しやかに語られていましたが、その言を借りるならば、PARADOXのアルバムがどれも素晴らしいのは、やっぱりリーダーのチャーリー・シュタインハウアー(Vo、G)が不幸な目にばかり遭っているからでしょうか?同じドイツ人ですし…。
ってな与太話はともかく、数々の困難を乗り越えて(詳細については国内盤解説参照)リリースに漕ぎ着けた本7thアルバムは、これまでの作品同様強力な内容を誇っています。久々のコンセプト作だったり、新進気鋭のギリシャ人ギタリスト、ガス・ドラックスが新メンバーとして加わったりと、色々トピックもありますが、勇猛果敢な突撃ナンバー①の堂々たる出来栄えが宣言する通り、「PARADOX=チャーリー」の基本図式に一切のブレはなし。金属が擦り合わされるかの如き音色でソリッドに刻まれるGリフ、大馬力で疾走するリズム、硬派な哀愁背負ったメロディを武骨に歌い上げるVo…。荒ぶるパワー・サウンドに流麗な彩りを加えるガスのGプレイの素晴らしさについては、今更言及するまでもありません。
従来作に比べると、モダンな圧迫感を減じた代わりにメロディックなアプローチが試みられている印象で、(攻撃性や疾走感は保持しつつ)サビメロが雄々しくメロディアスに歌い上げられるタイプの楽曲は、HELLOWEEN登場以前の80年代独産パワーメタルに通じる味わい有り。中でも内なるメタル魂にポッと火を点される②⑨のカッコ良さは格別ですよ。
そろそろレコード会社におかれましては真剣に来日公演をご検討頂きたいところ。チャーリーの提案する「『HERESY』再現ライブ」とか、ナイス・アイデアだと思うんだけどなぁ。


PARADOX - Pangea - Alien Godz ★★★ (2016-08-18 23:23:28)

“RAPTOR”とタメを張るアルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
キャッチーと表現できそうな小気味良さで疾走するリズムの上で
チャーリーが歌うメロディもいつも以上にメロディック。
ガス・ドラックスが奏でる構築度高めのGソロと併せて
これまた「限りなくスラッシュ寄りの80年代ジャーマン・パワーメタル」
といった塩梅の逸品。


PARADOX - Pangea - Raptor ★★★ (2016-08-18 23:14:15)

金属質なGリフの刻みに、パワフルな疾走感、
愁いに満ちたメロディを歌い上げる硬派なVo…と
PARADOXの魅力全開な名曲。
これまで以上にメロディックな歌メロがもたらす
80年代ジャーマン・パワーメタル風味も
オツな味わい。


PARADOX - Product of Imagination ★★ (2006-11-15 21:11:00)

ドラマチックなスラッシュ・メタルを聴かせるドイツの5人組スラッシャー、'87年発表の1stアルバム。
彼らの人気を決定付けた名作『HERESY』に比べると、本作はまだまだ青い。歌メロにしろ、曲展開にしろ、
かなり直線的で若さに任せた荒々しさが目立ち、全体的に練り込み不足との印象は否めない。
尤も、それは『HERESY』と比較しての評価なわけで、本作単品で見るなら、その新人離れしたクオリティの高さは十分驚異的。
これぞスラッシュ・メタル!たる疾走感は次作以上に味わえるし、何より、JUDAS PRIESTやIRON MAIDENといったバンドの
最良の部分をお手本にしたかのような、劇的なツイン・リードGの威力は、この時点で既に半端ではない。
また、組曲形式でアルバムのOPを飾る、バンドのテーマソング①②、本編随一の大作曲④、
叙情的なインスト⑤を経て炸裂する⑥といった楽曲は、次作で完全開花する
「ドラマチック・スラッシュ・メタル」路線への萌芽として、見逃せない名曲。


PARADOX - Riot Squad ★★ (2009-10-28 22:01:00)

個人的に、数あるジャーマン・パワー/スラッシュ系バンドの中でも最も愛して止まない、
苦労人チャーリー・シュタインハウアー率いるPARADOXが'09年に発表した5thアルバム。
溜まりに溜まったフラストレーションを晴らすべく、叙情的なバラードや、起承転結を備えた様式美タッチの楽曲は
収録せず、ガンガン力押しに終始するアグレッシブな作風だった4th『ELECTRIFY』と同一路線を行く内容ながら、
どことなくサイバーな雰囲気が漂い、曲間にインストの小曲を配するなど、コンセプト・アルバム的な色合いも
感じられた前作に比べると、今回はややオーソドックスなHM路線へと引き戻された印象を受ける。
「掴み」には持ってこいインパクトのデカさを誇る名曲①を筆頭に、金属質なGリフと機関銃の如く刻まれるリズムが
一丸となって突進するハイパーな⑤⑦⑩等、昨今のスラッシュ・メタル・リバイバル現象に触発されたのか、
これまで以上に「スピード」に拘りの感じられる楽曲が数多く並んでいるのも本作の特徴であり、全11曲の
収録楽曲のうち、実に疾走系のナンバーが半数以上を占める。それでいて、男の背負った哀愁と憂いを伝える
チャーリーの歌メロや、ツインGが紡ぎ出す、如何にもヨーロピアンな風情を湛えた、暗い湿り気を帯びた
メロディに鈍りは皆無で、特に、スラッシーな攻撃性と疾走感を兼ね備えた曲調に、
勇ましくも劇的なツインGが絶妙に絡む②は本編屈指の名曲かと。
HOLY MOSESも来日するこの御時世、ぼちぼちPARADOXの来日公演も実現して欲しいなぁ、と。


PARADOX - Riot Squad - Hollow Peace ★★★ (2009-11-01 00:08:41)

正統派へヴィ・メタリックなドラマ性と
スラッシュ・メタル然とした攻撃性が
バランス良く配合されたアルバム屈指の名曲。
終盤のツインGが奏でるフレーズの美味しさときたらもう。


PARADOX - Riot Squad - Psychofficial ★★ (2009-11-01 00:11:38)

速い速い。アルバム最速・・・
いや、PARADOX史上最速のスラッシュ・ナンバーか?


PARADOX - Riot Squad - Suburban Riot Squad ★★★ (2009-11-01 00:06:54)

劇的なイントロを経て金属質なGリフが刻まれ、
重厚なリズムが怒涛の如く突進を開始した瞬間、
「よし、今回も大丈夫」と確信できる
ツカミに持って来いの名曲。
硬派な哀愁を背負ったVo、独特の憂いに満ちたメロディを
紡ぎ出すツインGの良い仕事っぷりも相変わらず。


PARADOX - Tales Of The Weird ★★★ (2012-12-15 21:45:14)

3年振りの新作ですが、それぐらいのインターバルだとPARADOXの場合「お、今回は早かったな」とか思ってしまいます。解散宣言まで飛び出したその3年間の波乱万丈っぷりに関しては国内盤解説に詳しいのですが、読みながら「もう'12年のベスト・アルバムはコレで決まりでいいや」とか思ってしまいましたよ。
実際お世辞でもなんでもなく、ソリッドでありつつ男の哀愁も背負ったチャーリーのVoと、メロディックに切り込んでくるツインG、そして機銃弾の如く速射されるリフ&リズムの猛ラッシュで聴き手を捻じ伏せる、PARADOX流パワー/スラッシュ・サウンドは無類のカッコ良さ。冒頭のスピード・ナンバー三連打や、切れ味鋭い⑨といった楽曲の武骨な畳み掛けには、このバンド不変の美学が宿っています。
今回はデス・メタル・バンド出身ギタリストが新たに加わっているため、更にブルータルな方向へ歩みを進めるのかと思いきや、この新Gが構築度高めのメロディックなソロを聴かせてくれる技巧派。更にサイバーな雰囲気を薄れさせた音作りや、久々に叙情インスト・パートを冒頭に置いた本編の構成etc・・・が物語る通り、アルバム自体はこれまで以上にオールドスクールな正統派HMテイストを増強した仕上がりに。
ツインGの絡みが劇的な盛り上がりを演出する大作曲①や、エピカルなサビメロにアガりまくる⑥、RAINBOWの名曲のカヴァー⑩辺りはその表れでしょうか?それに何より、キャッチーに突進する③は正統派HMとスラッシュ・メタル、双方の美点を併せ持った、全身の血が沸き立つキラー・ソングですよ。


PARADOX - Tales Of The Weird - Brainwashed ★★★ (2012-12-16 22:45:14)

アップテンポではあるものの、
スラッシュというよりは正統派HM寄り。
エピック・メタルばりの力強さと
スケール感を伝えるサビメロがカッコイイったら。


PARADOX - Tales Of The Weird - Brutalized ★★★ (2012-12-16 22:36:55)

憂いを帯びたメロディを硬派に歌うVo、
攻撃的に畳み掛けるリフ&リズム、
ドラマティックに絡み合うツインG、
それでいながら肉体に訴えかけるキャッチーさも
併せ持った、スラッシュ/パワー/正統派へヴィ・メタルの
美味しいトコ取りな名曲。
個人的にはアルバムのハイライト・ナンバーです。


PARADOX - Tales Of The Weird - Day of Judgement ★★★ (2012-12-16 22:40:57)

決してメロディを見失わない硬派なVoとツインG、
破壊的なGリフ、それに重量感溢れるリズムとが
重心低く突進する「これぞPARADOX!」な
パワー/スラッシュ・ナンバー。血圧が上がりますよ。


PARADOX - Tales Of The Weird - Tales of the Weird ★★★ (2012-12-16 22:29:01)

ドラマティックな導入部に、ツインGの劇的な絡みを
活かした曲展開、それに10分に及ばんとする大作主義など、
元々アルバム『TALES OF THE WEIRD』が
名作『HERESY』の続編として制作された
(その後コンセプトが変更された)という、
その名残りを感じさせてくれる名曲です。
終始パワフルに突っ走って、大作曲にありがちな
もったいぶった部分が皆無なのがこのバンドらしい。


PARIAH - Blaze of Obscurity ★★ (2007-04-09 21:40:00)

SATAN、BLIND FURY、SKYCLAD等の活動で知られる、スティーヴ・ラムゼイ(G)率いるイギリスは
ニューカッスル出身の5人組へヴィ・メタル・バンドが、'89年に発表した2ndアルバム。
チリチリとささくれ立ったリフといい、煮え切らないメロディを歌うVoといい、如何にもブリティッシュな
暗い湿り気を帯びた楽曲といい、NWOBHMの薫りが濃厚に匂い立つサウンドは、このバンドの前身である
SATANやBLIND FURYと同様ながら、本作はそこに更にスラッシュ・メタルのエッセンスを取り入れ、
よりスピーディに、よりへヴィにと、一層アグレッシブ面の強化が図られた仕上がり。
尤も、リフの刻みや疾走感にはスラッシーな雰囲気が強く漂うとはいえ、そこはキャリアの長いベテラン・バンド。
力押しのみに終始するなんて野暮な真似はせずに、押しと引きを心得たサウンドの要は飽くまでも豊潤なメロディ。
特に、場面転換を重ねてドラマチックに盛り上がっていく①に始まり、シニカルな歌詞とは対照的に
華麗に舞うツインGに耳奪われる②、起承転結がカッチリと決まる③を経て、ハイライト・チューンとでも言うべき
ヘヴィ・バラードの④へと繋がっていく頭4曲の流れは本編の白眉(勿論、後半も充実していて捨て曲なし)。
また、そうした楽曲で聴かれるスティーヴ・ラムゼイと盟友ラス・ティピングによる、息の合った劇的なツイン・リードも絶品だ。
個人的に、(かつては本作の国内盤がMETAL MANIAレーベルから発売されている事もあって)
完全にスラッシュ・メタル・アルバムとして楽しませて貰った1枚。


PARIAH - Blaze of Obscurity - Blaze of Obscurity ★★★ (2007-10-31 21:04:35)

1stからメロディの魅力を大幅にアップさせた2ndの中でも、
屈指のクオリティを誇る、ドラマチックなセミ・バラード。
メロディアスに歌い上げるマイケル・ジャクソンのVoと、
胸にグッとくるフレーズを積み重ねるGコンビの働きっぷりが素晴しい。