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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4301-4400

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4301-4400
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PLANET EARTH - Big Bang - Dear My Friend ★★★ (2018-09-13 00:19:08)

ハードロック風(あくまで「風」)のバラード。
90年代によく耳にしたタイプの楽曲ですが、良い曲は良い曲。
吉越がパワフルに歌い上げる、どっかでドラマの主題歌に
起用されていてもおかしくないフックに富んだ哀愁のメロディと、
曲調にマッチしたソロを紡ぐ清水のGプレイに唸ります。


PLANET EARTH - Big Bang - It's My Soul ★★★ (2018-09-13 00:24:12)

大阪の薫りとグルーヴが漂うブルーズ・ナンバー。
本編では結構浮いていて、初めて聴いた時は「え、この曲でアルバムを締め括るの?」と
戸惑った覚えがありますが、いやでもこれが聴けば聴くほどに味の染み出る良い曲で。
というか、吉越美和のシンガーとしての資質(歌詞のセンス含め)は、
オシャレなポップ・ナンバー以上にこういったタイプの楽曲にフィットしているのではないか?と。
実に堂々たる歌いっぷりに聴き惚れてしまいましたね。


PLASMATICS - Coup d'État ★★★ (2019-01-27 00:35:38)

元ストリッパーであり、ステージ上での過激な言動で物議を醸したパンク・ロッカーであり、闘士であり、MOTORHEAD黄金トリオ崩壊の一因であり、最期は48歳で拳銃自殺を遂げた女傑ウェンディ・O・ウィリアムズ(Vo)。彼女が率いたNYのハードコア/パンク・バンドPLASMATICSが’82年に発表した、「馬鹿が戦車でやってくる」を地で行くジャケットが目印の3rdアルバム。
放課後電磁波クラブみたいな恰好でパフォームするウェンディ姐さんの勇姿を初めて雑誌で見た時は、こちとら10代だったにも関わらず「うわー、嬉しくないオッパイ…」とドン引きしたことを思い出します。実際、OPナンバー①はデス/スラッシュ・メタル・バンドのシンガーも裸足で逃げ出しそうな彼女の壮絶なシャウトからスタート。しかし米メジャーのCAPITAL RECORDSとの契約を得て、プロデュースをディーター・ダークスが担ったことで音作りが飛躍的な向上を果たした本作は、グッと重心を落とし、過去2作に比べ格段にHMテイストを増量させた重量感溢れるサウンドが炸裂。メンバーの豪快な演奏と、持ち前のディストーション・ボイスとメロディアスな歌い上げを慌しくスイッチするウェンディのダイナミックな唱法が一丸となった楽曲は、女ジキル&ハイドばりにテンションが乱高下するウェンディのVoに圧倒される⑦、威圧的なヘヴィネスを放つ⑧、緩急を効かせたドラマティックな⑩等、いずれもクールな出来栄えを誇っています。
ルックスと出している音のギャップにやられたという点では、ベッツィ・ビッチ率いるBITCHの諸作のことを思い出したりもする力作。


PLASMATICS - Coup d'État - Path of Glory ★★★ (2019-01-29 23:46:36)

ジャケットの戦車を思わせる重厚に刻まれるリフ&リズムの上に、
下卑たシャウトとクリーンな歌唱を交互に繰り出す
ウェンディ姐さんのテンション高めなVoが乗っかった
完全に「メタル」なミッド・チューン。
ブリッジ・パートの切迫感に満ちた展開がクール。


PLAYER - Too Many Reasons ★★★ (2022-09-07 22:55:44)

映画『メジャーリーグ』へ挿入歌“HOW CAN THE GIRL REFUSE”の提供といった、ソロ・アーティストとしての活動でも知られる英国人シンガー/ソングライター、ピーター・ベケットの在籍していたLA出身の4人組PLAYERが、オリジナル・メンバーであるピーター・ベケット(Vo、G)とロン・モス(B、Vo)のユニット形態でカムバックを果たし、23年ぶりにFRONTIERS RECORDSを通じて発表した新作アルバム(’13年)。
失礼ながらPLAYERに対しては、シングル“BABY COME BACK”(本作にもリメイク・バージョンが収録)こそ全米№1ヒットを飛ばすも、その後はほぼ鳴かず飛ばずの「一発屋」的なイメージを抱いていたのですが、類稀なるソング・ライティングのセンスが十全に発揮された、アコースティック・ギターと美しいハーモニーを生かした、暖かみに溢れる収録曲の数々を聴けば、そうした浅はかな先入観は雲散霧消していきますよ。
無理にハードさを強調しているような1曲目はあまりピンと来ず、多少不安を覚えたことは正直に告白しておきますが、透明感と哀愁を演出するKeyが効果的な②以降は、AUTOGRAPHのスティーヴ・リンチが、ドラマーとしてのみならず作曲家としても腕を振るうバラード③、重厚な憂いに満ちた⑫(GENTLE GIANTの前身であるSIMON DUPREE & THE BIG SOUNDのカヴァー)等、ブランクをまるで感じさせない「らしい」秀曲揃い。中でも躍動する曲調にキャッチーなメロディが絡むハードポップ⑩は、本編においても一際強いインパクトを放つ名曲です。
折角の充実作だけに、これ以降新しい音源の発表がないのが残念でなりませんね。


PLAYER - Too Many Reasons - Life in Color ★★★ (2022-09-09 00:31:29)

仄かな哀愁を帯びたメロディが心地良く弾む、
瑞々しい魅力を湛えたハードポップ・チューン。
ピーター・ベケットのブランクを感じさせない
曲作りの手腕が冴えるアルバムのハイライトです。


POLTERGEIST ★★ (2008-01-06 19:33:00)

同郷の先輩バンド、CELTIC FROSTからの影響を感じさせるスラッシュ・メタルをプレイしていたCARRION出身の
V.O.パルヴァー(G)とアンドレ・グリーダー(Vo)が中心となって、スイスはバーゼルにて'87年に結成。
2ndデモのプロデュースをシュミーアが担当するなど、スイス/ドイツの国境を挟んで、ご近所だった縁からDESTRUCTIONとは
親交が深く、シュミーア脱退後のDESTRUCTIONのアルバム『CRACKED BRAIN』にアンドレが参加したことから
(V.O.の方にも加入要請はあったらしい)、日本でもその名が知られるようになった。
小型DESTRUCTIONと評される事が多かった彼らだが、歌えるVoと、構築美を感じさせるGを擁したサウンドは
DESTRUCTIONよりもかなりメロディアスでキャッチー。時にベイエリア・スラッシュを思わせる場面も多く、
ザクザクと刻まれるリフと、小気味良い疾走感が生み出す痛快さがその持ち味。
'89年に1st『DEPRESSION』、'91年に2nd『BEHIND THE MASK』、'92年に3rd『NOTHING LASTS FOREVER』と、確実に
成長の跡の伺える内容のアルバムを発表して、順調に活動を続けていたように思われたが、3rdを最後に解散。
リーダーのV.O.は、その後、ヘヴィ・ロック・バンドGURDを結成し、現在も活動中・・・の筈。


POLTERGEIST - Back to Haunt ★★ (2016-11-12 10:02:13)

3枚のアルバムを残して解散したスイスのスラッシュ・メタル・バンドが、再結成を遂げた上に新作まで発表してくれました。贔屓のバンドゆえネットショップでタイトルを見かけた瞬間、反射的に購入ボタンをポチりましたが、後で冷静になって内容やメンバー編成等、アルバムについての事前情報が皆無だったことに気が付き、「変貌してたらどうすべ」とか「退屈な内容だったら嫌だなぁ」とか、色々不安を覚えたのも事実。
しかし実際に届いた本作には、流麗なGプレイを駆使してV.O.パルヴァーがザクザクと刻む硬質なGリフ、アンドレ・グリーダーが歌うミスティック且つ流麗なメロディ、それに各曲を彩る寒々しい響きを湛えたハーモニーまで、POLTERGEIST以外の何者でもないスラッシュ・サウンドが満載されていたという。こちとら勝訴して裁判所から駆け出して来る弁護士よろしく、《杞憂》の垂れ幕を掲げてそこら中を走り回りたくなりましたね。
2nd『BEHIND THE MASK』ほど凝ったアレンジは見当たらず、また3rd『NOTHING LASTS FOREVER』ほどメロディアスでもない、シンプルでアグレッシブな仕上がりは、ファンの欲目を差っ引いて評価すると、ややフックに乏しいというか地味というか。嘗ては上擦り気味だったアンドレの歌唱が、技量の向上に伴いムーディに落ち着いていることもそうした印象に拍車を掛けています。それでも、劇的なツインGをフィーチュアして突っ走る③や、表現力を増したVoの歌声が活きるドラマティックなラスト・ナンバー⑩(JUDAS PRIESTの名曲を思わすタイトルに高まった期待が裏切られない)等は流石の出来栄え。
入門盤には前3作をお薦めするものの、それらが気に入ったなら是非とも本作もどうぞ。


POLTERGEIST - Back to Haunt - Beyond the Realms of Time ★★★ (2016-11-14 00:22:50)

タイトルからしてJUDAS PRIESTの名バラードのことを
思い出さずにはいられませんが、こちらもその名に恥じぬ見事な仕上がり。
物憂げな浮遊感を漂わすイントロからスラッシーな激走へと転じ、
歌えるVo、劇的にハモる2本のG、静と動の落差が活かされた
ドラマティックな曲展開には、POLTERGEISTというバンドの
魅力が分かり易く凝縮されています。


POLTERGEIST - Behind My Mask ★★★ (2008-01-07 21:50:00)

ICED EARTHとの仕事で知られるイラストレーター、アクセル・ハーマンが手掛けた不気味な仮面のジャケット・アートワーク(但し、この頃の彼の画風は、日本のメタラーからは余り評判が宜しくない)が目印の、'91年発表の2ndアルバム。
DESTRUCTIONからの加入要請を断り、V.O.パルヴァー(G)とアンドレ・グリーダー(Vo)が本腰を入れて制作した作品だけあって、ストレートなスラッシュ・メタル・アルバムだった1st『DEPRESSION』に比べ、畳み掛けるような疾走感は保持したままに、楽曲が一層スリリング&テクニカルに練り上げられている。曲調の幅が広がった事と、前作以上に豊かなメロディが増量された事で、収録各曲のキャラ立ちがより明確となり、アルバム全体の構成にしてもメリハリの効いた、起伏に富んだ内容に仕上がった。
何よりこのバンドは、思いっきり突っ走ろうがテクニカルになろうが、決して「キャッチーさ」を失わない点が素晴しい。これはやはり、流麗にメロディを紡ぐV.O.のGワークと、確かな歌唱力を備えたアンドレの存在が大きいのかな、と。
ノイズの如きSEを、ザクザクのGリフが切り裂いてスタートする高速スラッシュ・チューン①からして、その点は強く表れているし、スピーディな曲調と、フックの効いたメロディの組み合わせが秀逸な②、様々な表情を見せる意外性に満ちた曲展開が印象的な③、硬質なBラインが非常にカッコ良いダイナミックな⑥、勇壮で正統派へヴィ・メタリックな⑧といった楽曲も、バンドの「PLTERGEIST流スラッシュ・メタル・サウンド」確立を端的に物語る名/佳曲群。
最高傑作と言うべき本作発表後、バンドはCENTURY MEDIAから、地元スイスのHUNTED HOUSE RECORDSへと移籍する。


POLTERGEIST - Behind My Mask - Act of Violence ★★ (2008-01-07 21:56:28)

スラッシーに疾走したかと思えば、
ファンキーにハジけ、かと思えばサビメロは
雄々しく勇壮に展開する、様々な表情を見せてくれる
一筋縄ではいかない曲調が印象的なナンバー。


POLTERGEIST - Behind My Mask - Behind My Mask ★★ (2008-01-07 21:53:58)

2ndアルバムのタイトル・トラック。
畳み掛けるような疾走感と、ザクザク刻まれるキャッチーなリフ、
そしてGが紡ぐ流麗なメロディの組み合わせが秀逸な
高速スラッシュ・チューン。


POLTERGEIST - Behind My Mask - Chato's Land ★★ (2008-01-07 22:04:25)

勇壮な歌メロと曲調は、スラッシュというよりも
正統派へヴィ/パワー・メタル的と表現したくなる、
チャールズ・ブロンソン主演のアクション映画
『チャトズランド』(表記だと“シャトズ~"になっているけど)に
着想を得たという名曲。


POLTERGEIST - Behind My Mask - Drilled to Kill ★★ (2008-01-07 22:00:18)

ダイナミックな曲展開の中を、アクティブに動き回る
硬質なベース・ラインが非常にカッコイイ。
豊かなメロディを流麗に紡ぎ出すGと、
キャッチーなメロディをちゃんと「歌っている」
Voの仕事っぷりも素晴しい。


POLTERGEIST - Depression ★★ (2008-01-06 19:38:00)

シュミーア脱退後のDESTRUCTIONが発表した問題作『CRACKED BRAIN』に、Voのアンドレ・グリーダーが助っ人参加した事で、日本でも名前が知られるようになった、スイスはバーゼル出身の4人組スラッシャーPOLTERGEISTが、'89年にリリースした1stアルバム。
スイスとドイツの国境を挟んで、ご近所同士だったDESTRUCTIONとはバンドぐるみで親しかったようで、その関係性からか本作リリース当初は、「まるで小型DESTRUCTION」とのレビューが目立ったが、実際のところ彼らのサウンドは、飛翔感と構築感を兼ね備えたGソロにこそ影響が伺えるものの、全体的には、DESTRUCTIONに比べ随分とマイルドで取っ付き易い。リフにしろメロディにしろ、よりキャッチーさが強調されていて、初めて聴いた時はDESTRUCTIONよりも、FORBIDDEN等のベイエリア・スラッシュに近い感じを受けた。
デビュー作という事で(他のスラッシュ・メタル・バンド同様)、パワフルでストレートな疾走感が前面に押し出されている本作は、次作以降に比べると楽曲がやや小粒な印象も否めないが、不穏な雰囲気漂うイントロから勢い良く疾走を開始する①に始まり、小気味良く動き回るリードBが非常にカッコイイ②、メロディック且つ華麗なツインGが堪能できる⑥⑧、本編随一の劇的さを誇る⑦と、スピーディでキャッチーなスラッシュ・チューンがズラリと揃った内容は、聴き応え十分。ちなみに⑩は、KISSの名曲“STRUTTER"のカヴァーだが、元々、メロディ重視の姿勢と歌えるVoを擁したバンドゆえ、殆ど違和感なくハマっているナイスな出来。
あと、本編数曲のコーラス要員として、シュミーアが参加している事も付け加えておきたい。


POLTERGEIST - Depression - Depression ★★ (2008-01-06 19:46:19)

不穏さを漂わせたアコギによるイントロを経て、
パワフルに疾走を開始するアルバム・タイトル・トラックで、
小気味良く動き回るリード・ベースが非常にカッコイイ
高速スラッシュ・ナンバー。


POLTERGEIST - Depression - Prophet ★★ (2008-01-06 19:52:46)

基本はタイトに疾走するスラッシュ・チューンながら、
荒々しくも、ちゃんとメロディを歌うVoと、
Keyを隠し味に使った中盤の展開が劇的さを演出する、
本編中随一のドラマ性の高さを誇る名曲。
1stデモにも収録されていた、バンドの代表曲の1つ。


POLTERGEIST - Depression - Ziita ★★ (2008-01-06 19:54:59)

1stデモ収録曲のリメイク。
華麗な飛翔感と、劇的な構築美を兼ね備えたGソロの威力は、
本編中でも随一。


POLTERGEIST - Nothing Lasts Forever ★★★ (2008-01-08 22:24:00)

CENTURY MEDIAから離れてしまった為、当初は日本未発売だったが、そのハイクオリティな内容が輸入盤市場で評判を呼び、後に国内盤もリリースされる運びとなった、'93年発表の3rdアルバムにして、ラスト・アルバム。
デス・メタルの聖地MORRI SOUNDスタジオでレコーディングされた、分厚く、ギザギザにささくれ立った鑢状のサウンド・プロダクションが過去最強とも思える迫力を誇る一方、本作を一聴して先ず印象に残るのは、そうした攻撃性よりも、ますます強化されたメロディ重視の姿勢。
前2作にも増して、起伏に富んだメロディを歌うようになったアンドレ・グリーダーのVoが活かされた収録曲の数々は、スラッシーな疾走感や複雑な曲展開がセーブされた分、凝ったアレンジやキャッチーさが強調されていて、特に、意表を突くミステリアスなミドル・チューン①や、アメリカンな空気すら漂う穏やかなバラード⑤なんて、過去の作風とはかなり異なる味わい。
とは言っても、そうした新味の楽曲のクオリティも十分高いし、何より、アコギを隠し味に使った劇的な曲展開が堪能できる⑨や、ヘルプ参加の辣腕ドラマー、ピーター“ラビット"ハースの腕前を活かした、スピード・チューン②④⑦をしっかりと収録する等、作品全体としてはファンの期待を裏切らない内容に仕上げている辺りは流石。中でも②は、スラッシュ・メタル・バンドならではの激烈な疾走感と、このバンドならではの流麗なメロディが見事に融合を果たした、劇的極まりないPOLTERGEIST屈指の超名曲。
本作は、彼らのカタログの中では最も入手が容易な作品ゆえ(中古盤の値段も手頃)、入門編に最適の1枚かと。


POLTERGEIST - Nothing Lasts Forever - Empty Inside ★★★ (2008-01-08 22:43:44)

ザクザクのGリフとタイトに疾走するリズムのカッコ良さも
然ることながら、しっかりメロディを歌う雄々しいVoと、
流麗なメロディを紡ぎ出すGの存在こそが本曲の肝。
劇的なイントロ部分でガッと掴まれる、
高速スラッシュ・ナンバーの超名曲。


POLTERGEIST - Nothing Lasts Forever - Only You Remain ★★ (2008-01-08 22:34:06)

ミステリアスなメロディをフィーチュアした、
シンプルなノリのミドル・チューン。
大胆なアコギの導入といい、
印象的なボーカル・ハーモニーといい、
豊かなメロディといい、3rdアルバムにおける
音楽性の変化を端的に物語る名曲。


POLTERGEIST - Nothing Lasts Forever - Tell Me ★★ (2008-01-08 22:49:40)

徐々にテンポを上げながら、劇的に盛り上がっていく
3rdアルバム後半の山場となる名曲。
アコギを巧みに交えた、インスト・パートのドラマティックな
アレンジが秀逸過ぎる。


POSSESSED - Beyond the Gates ★★ (2009-08-07 22:50:00)

プロデューサーにTHE RODSのドラマー、カール・キャネディ迎えて制作された'86年発表の2ndアルバム。
劣悪な音質やモタリまくるDsといった、技術的な稚拙さをモロ出しにしつつも、それらの欠点を遥かに超越した
サムシングを備えた異端の名盤として、マニア筋から高く評価される1st『SEVEN CHURCHES』に比べ、
プロデューサーのチョイスや、サウンド・プロダクション&演奏技術の著しい向上等、アングラ臭を薄れさせ
格段にスラッシュ・メタル色を強めた本作の作風は、「普通になってしまった」と嘆かれる機会が多いらしいが、
どっこい、個人的にはこの「聴き易さ」を断固支持。何と言っても音質向上の効果は大きく、これにより
もともと個性的だったリフ・ワークに切れ味の鋭さが加わり、その特異性に一層の磨きが掛かっているし、
また、音にヘヴィネスが宿った事で疾走感やダイナミズムも大幅増(前作で失笑を買ったDsも今回は結構頑張ってます)。
ツインGコンビも、テクニカルに弾きまくってた割りに大して引っ掛かりのなかった前作から一点、今回は要所で
「ハッ」と耳を捉えるメロディアスなフレーズを閃かせてくれており、中でも、美しいイントロに導かれた後、
邪悪な疾走を開始する②や緩急の効いた④は、「劇的」と表現しても差し支えない出来栄えで本編のハイライトを飾る。
全体的にコケ脅し臭が消え、本格派スラッシュ・メタル・バンドとしての貫禄が感じられるようになった充実作。


POSSESSED - Seven Churches ★★★ (2017-03-22 23:03:17)

METAL BLADEのコンピ盤『METAL MASSACRE Ⅳ』に“SWING OF THE AXE”を提供してHR/HMシーンに打って出たサンフランシスコの5人組スラッシャー。このデビュー作発表当時(’85年)、メンバーがまだ高校生の若さだったことでも注目を集めました。
映画『エクソシスト』のテーマ曲“TUBULAR BELLS”の美しく静謐な余韻を、初期SLAYERを一層サタニック且つアングラ化させたような“PENTAGRAM”が暴力的に引き裂いて本編はスタート。その大半をスピード・ナンバーが占める割に、スラッシュ・メタル特有のスカッと走り抜ける爽快感は薄めで、それよりも強く印象に刻まれるのは、べたーっと張り付いてくるようなジメジメとした不快感。Voにしろ楽器陣にしろ、めいめいが好き勝手自己主張しまくって崩壊寸前のまま(でもギリギリ踏み止まっている)、ぐしゃっと押し寄せる土砂崩れサウンドが一種異様な迫力を生み出していて、ハマるとクセになるという。
篭り気味の劣悪なプロダクション、喉を潰した吐き捨てグロウルVo、低音域で蠢くGリフ、キレの悪さがズルズルとした粘着感を生じさせているリズム、その上でジョー・サトリアーニ門下生のGチームが流麗に舞わせるテクニカルなツイン・リード、そして何より本編ラストを禍々しく突進する楽曲のタイトルがそのまんま“DEATH METAL”だったりと、諸所の要素が奇跡的に融合することで、「元祖デス・メタル・アルバム」と評されることとなった本作から立ち昇る、狙っては作れない天然モノのオーラが愛しい。
逆さ十字架の掲げられたアートワーク、裏ジャケで厄いオーラを放つメンバーの武装っぷりといった出で立ちの過激さに、内容面でも一歩を引けを取らない1枚ではないかと。


POSSESSED - Seven Churches - Death Metal ★★★ (2017-03-22 23:15:54)

ONSLAUGHTの“DEATH METAL”と双璧をなす名曲。いや冥曲?
下水を吐き戻しているみたいなグロウルVoに
低音域を、刻むというより「蠢く」単音Gリフなど、
初めて聴いた時は「ひえぇ、悪魔のノイズじゃあぁ」
以外の何者でもありませんでしたが、
時間を経て聴き直すと、′85年の時点で後のデス・メタル・スタイルを
ほぼ先取りしてしまっていたことに驚かされます。


POSSESSED - The Eyes of Horror ★★ (2006-07-28 23:09:00)

良好と言えないまでも音質が向上。Dsのモタリも然程気にならなくなった(慣れたか?/笑)'87年発表のミニ・アルバム。
元々リフのアイデアに優れたバンドでしたが、ここでは更に楽曲そのものが練り上げられ、ただ勢い任せで疾走するのではなく、
その突進力を効果的にコントロールすべく、メリハリ/緩急/ダイナミズムが持ち込まれた曲展開は、
2nd「BEYOND THE GATES」から着実な前進の感じられる内容に仕上がっている。このまま行けば、次のフル・アルバムでは
とんでもない傑作をモノにしそうだったが、これを最後にバンドは敢え無く解散・・・無念。(閑話休題)
本作で特筆すべきはツインGの縦横無尽の活躍っぷりで、前作でも、かなり耳惹かれるメロディアスなフレーズを弾いて
「おおぅ」と唸らされたが、今回は更なるパワーUPを果たして、もはや「華麗」とでも形容すべきレベルに到達。
中でも、テクニカルな2本のギターがスリリングに絡み合いながら疾走する②“MY BELIEF"は、
このミニ・アルバムのハイライト・チューンでなかろうか。
個人的には、ややキレに欠けるモタリ気味のVoに引っ掛かりを覚えなくもないのだけれど(実はDsよりも気になる)、
これは良し悪しではなく、単なる好みの問題なので大した事ではない。


POWERLORD (2017-12-03 23:07:58)

‘84年にオクラホマ州オクラホマシティーにて結成。ちなみにドラマーのボブ・ガーリー(LA出身)はデビュー前のSLAYERやDARK ANGELのライブを助っ人として手伝っていた経験もある実力派。
'86年にバンドが自主制作した6曲入りEP『THE AWAKENING』は、欧米のパワー/スラッシュ・メタル愛好家の間で高い人気を誇り、オリジナルLPは勿論のこと、SHARK RECORDSからリリースされた、POWERLORDとその他2バンドをひとまとめにした雑なスプリット仕様の再発盤CDすら高額なプレミア価格で取引されていたという。(現在はSHADOW KINGDOM RECORDSから単独での再発盤CDがリリース済み)


POWERLORD - The Awakening ★★★ (2017-12-03 23:10:01)

アメリカでHR/HMシーンの炎が勢いよく燃え上がった’84年に、オクラホマ州オクラホマシティーにて結成されたという4人組が、自主制作で'86年に発表した6曲入りEP。
「POWERLORD」のバンド名に相応しく、本作において叩き付けられるのは、音程のないシャウト(MANOWARのエリック・アダムスの得意技であるアレ)と耳をつんざく強烈なハイトーンを使い分ける実力者っぷりが「アメリカのミュージシャン層の厚さは半端ないな」と感心させられるVo、リフにソロに高圧的に攻めてくるG、地響きを立てて突進するリズム隊等、メンバー全員が青筋浮かべてパフォームする姿が目に浮かぶような、限りなくスラッシュ・メタル寄りのアメリカン・パワー・メタル(このバンド名でハードポップを演っていたら、それはそれで斬新だが)。比較対象として即座に思い浮かぶバンドは初期VICIOUS RUMORSやSAVAGE GRACE、最近ならDEATH DEALER辺りで、ムキムキのボディ・ビルダーが物凄い笑顔で、「ところでこの筋肉、どう思う?」と目の前まで迫って来るかの如き迫力満点&高カロリーなサウンドは、全6曲、30分足らずのボリュームにも関わらず、聴き終えた後はぐったりと疲労感すら覚えるという。バラード?あるわきゃねぇだろ。
…と書くと退屈な作品と誤解されるやもしれませんが(実際キャッチーさには乏しい)、その疲れというのは、ライブで思いっきりはっちゃけた後に覚える心地良い疲労感のようなもの。特にバンドのテーマ曲⑥は勇壮なパワー・メタル風味と、刺々しくササクレたスラッシュ・メタル風味とが一緒くたに疾走する、メタル者なら昂らずにはいられない名曲ですよ。
長らくマニアの間でお宝作品扱いされていたのも納得の力作。


POWERLORD - The Awakening - (The Awakening) Powerlord ★★★ (2017-12-03 23:22:05)

インスト・セクションと歌入りセクションの
2部構成からなるバンドのテーマ曲。(カウント上は1曲)
スラッシーなGリフ、ドスの効いたリズム、様々な歌唱スタイルを
使い分ける実力者っぷりが頼もしいVoとが、
ブルドーザーの如く押し寄せて来るパワフルな曲調が迫力。


POWERMAD - Absolute Power ★★★ (2014-10-02 23:56:12)

映画『ワイルド・アット・ハート』に出演していたことでも知られている、アメリカはミネソタ州出身の4人組が'89年に発表した、不気味キューピーちゃんのアートワークも印象的な1stフル。
先頃唐突に再発されたのには驚かされましたが、もっと驚いたのはこれが日本初CD化だったという事実。発表当時からBURRN!!誌を筆頭に高評価を得ていたので、てっきり国内盤が出ていたとばかり思っていましたよ。
プロデューサーの人選や、展開多めでプログレ方面に寄せた楽曲、そして何より超音波ハイトーンも余裕でこなす「歌える」シンガーのインパクトもあって、初めて本作を聴いた時は単純に「スラッシュ・メタル化したQUEENSRYCHE」的な感想を持ったものですが、今聴き直すと、例えば引っ掛かり気味に刻まれるリフ&リズムが、仄暗い緊迫感を伴って小気味良く疾走する①⑦辺りは、ヒネリの効いたアレンジや畳み掛ける曲展開の妙もあってかCYCLONE TEMPLEを彷彿。(アルバム発表はこっちのが先なんですけどね)
劇的な人気曲③、アコギの隠し味が効いてるドラマティックな⑥といったメロディアスなナンバーから、ストレートに押しまくる②⑤⑨のようなスラッシュ・ソング、そして両者の美味しいトコ取りな名曲⑦に至るまで、スピード、メロディ、技巧とが流麗に組み合わされたパワー/スラッシュ・サウンドを聴けば、誰もがきっと、彼らが本作を最後に解散してしまった事実を惜しむ筈・・・とか思いながら再発盤の解説を読んだら、どうやらバンドは近年再結成を果たして、しかも新作リリースも間近とのこと。こりゃ楽しみですね。


POWERWOLF (2017-01-21 09:59:00)

ドイツ南西部の都市、ザールブリュッケンにて、ストーナー・ロック・バンドRED AIMを前身として、’03年から活動を開始。
「狼」をシンボルに掲げ、コープス・ペイント&全身ローブのシアトリカルな扮装で身を固め、一風変わったコンセプトのもと繰り出されるパワー・メタル・サウンドでもって着実に地歩を固め、’04年に『RETURN IN BLOODRED』、’07年に2nd『LUPUS DEI』を、’09年には3rd『BIBLE OF THE BEAST』、'11年に4th『BLOOD OF THE SAINTS』と、アルバムを発表する毎に人気も上昇。3rdがドイツ総合チャート第77位、4thが23位、そして’13年発表の5th『PREACHERS OF THE NIGHT』がとうとうナショナル・チャート第1位の座を獲得する快挙を達成している。


POWERWOLF - Blessed & Possessed ★★★ (2017-01-23 22:41:09)

ドイツ本国でチャート№1の座を獲得した5th『PREACHERS OF THE NIGHT』の勢いを駆り、'15年に発表された6thアルバム。ついでにここ日本でも漸く国内盤のリリースが実現(前作も同時発売)。更に国内盤は、JUDAS PRIESTの“A TOUCH OF EVIL”、SAVATAGEの“EDGE OF THORNS”、CHROMING ROSEの“権力と栄光”、BLACK SABBATHの“HEADLESS CROSS”etc.といった、思わず「ナイス・チョイス!」と肩を叩きたくなる名曲の数々のカヴァー、全10曲を収録したボーナスCDとの2枚組仕様。しかもお値段はお得な据え置き価格で、これはお買い得ですよ!(ショップTV風に)
音楽性の方も前作同様、シンフォニックなKeyとチャーチ・オルガンを活かした劇的なアレンジ、ラテン語を交えた歌詞を時にオペラティックに、時にメタリックに歌い上げるシアトリカルなVo、それにコーラスを荘厳に彩るクワイアがフィーチュアされた、勇壮にしてキャッチーなパワー・メタル路線を堂々追求。間違いなく日本のHR/HMファンにも希求し得る魅力を満載にしたサウンドのように思われます。
前作と比較した場合、“AMEN & ATTACK”レベルの頭抜けた楽曲が見当たらない…というか、少々楽曲のパターン化が気にならなくもないのですが、それでもスピーディ&パワフルな収録曲は(捨て曲の見当たらない)文句なく高いクオリティを維持。またドラマティック過ぎる程にドラマティックな作風でありながら、無駄に大作主義に走らず、楽曲をタイトにまとめ上げる姿勢も本作の「取っ付き易さ」向上に一役買っているのではないかと。
LOUD PARKで呼んでくれれば、日本でも人気に火が点くのでは?と思わせてくれる1枚。


POWERWOLF - Blessed & Possessed - Armata Strigoi ★★★ (2017-01-24 23:45:36)

東欧風の物悲しいメロディと、
どことなく応援歌っぽくも響く雄々しい曲調が合体した
ライブじゃさぞかし盛り上がるであろう逸品。


POWERWOLF - Blessed & Possessed - Blessed & Possessed ★★★ (2017-01-24 23:49:33)

適度な疾走感に、荘厳なアレンジ、
ライブ映えしそうなコーラスetc.と、
前作収録の名曲“AMEN&ATTACK”と系統を同じくする
アルバム表題曲兼OPナンバー。


POWERWOLF - Lupus Dei ★★★ (2018-03-28 00:48:50)

4th『PREACHERS OF THE NIGHT』(’13年)を本国ナショナル・チャート第1位の座に送り込み、一躍その名を世界に知らしめたドイツのPOWERWOLF。急遽日本盤も発売された『PREACHERS~』で聴ける劇的且つシンフォニックなパワー・メタル・サウンドのカッコ良さに感心し、こりゃ過去作も是非チェックせねばと思ったのですが、どうしたことか3rd以前のカタログは入手困難。辛うじて購入できた(なぜか近所の古本屋のCDコーナーで売られていた)のが、この'07年発表の2ndアルバムだったという。
荘厳な雰囲気を醸し出すチャーチ・オルガンの多用や、オペラティックな歌い上げとメタリックなシャウトを使い分け、楽曲にシアトリカルな盛り上がりを演出するVoの歌唱等、バンドの重要な個性となる要素はまだ確立には至っておらず、この時点での印象は、BLIND GUARDIAN影響下の豪奢なジャーマン・パワー・メタルといった趣き。(シンガーの歌唱スタイルや声質もどことなくハンズィ・キアシュ似)
とは言え、それも飽くまで近作と比較しての話であり、単体で評価すれば、大仰なイントロに導かれてスタートする本作におけるサウンドは、既に十分過ぎるほどに勇壮且つシンフォニック。彼ら特有のキャッチーなメロディ・センスも冴え渡っていて、特にIRON MAIDENばりのツインGフレーズを散りばめつつ疾走する③は、「讃美歌メタル」とでも言うべき厳粛なドラマ性の迸りといい、ライブ映えする荘厳なコーラスといい、バンドの個性を如実に表す名曲にして本編のハイライト・ナンバーの一つではないかと。
POWERWOLFというバンドの非凡な才能が十二分に発揮されている1枚。


POWERWOLF - Lupus Dei - Prayer in the Dark ★★★ (2018-03-29 00:16:30)

冷ややかなKeyのイントロをシャープなGリフが切り裂き
濁声Voと共に楽曲が走り出す。重厚なクワイアを伴う
サビは思いっきり荘厳に展開しつつ、ブリッジ・パートは
ライブ映えするキャッチーさも備わっているという、
POWERWOLF節が存分に堪能できる逸品。


POWERWOLF - Preachers of the Night ★★★ (2017-01-21 10:01:37)

’13年に発表するやドイツのナショナル・チャート№1の座に躍り出る大ヒット作となった4th。
何だかよう分からんが、基本コンセプトに「狼」を据えたバンドということで、「まぁ要するにドイツ版MAN WITH A MISSONみたいなもんか?」とか薄らぼんやりしたイメージを抱いて本作を購入してみれば、別にメンバーは狼マスクを被っていたりはしませんでしたし(当たり前だ)、託されているサウンドも流行り要素皆無のオーソドックスなジャーマン・パワー・メタルだったという。
但しオーソドックスと言っても、Keyを活かしたシンフォニックなアレンジ、白塗りの風貌でパワフルなシャウトと朗々たるオペラティックな歌い上げを使い分ける「新世代のキング・ダイアモンド」――というか「ドイツのデーモン小暮」と呼びたくなる――実力派シンガーの歌唱、重厚に炸裂するクワイア、そして楽曲に冷厳なアクセントを加えるチャーチ・オルガンの調べが、宗教や東欧伝承をテーマにラテン語を交えて綴られる歌詞世界と呼応して、このバンド独自の荘厳且つドラマティックな音世界を描き出します。かてて加えてメロディが実にキャッチー。例えばPVも制作された本作のリーダー・トラック①からも明らかな通り、収録曲はパワフルで疾走感に溢れていてもコーラスは一度聴いてしまえばすぐに一緒に歌える(歌いたくなる)フックラインを有しており、こりゃ確かにチャート1位になっても不思議ではないなぁと。
実際に聴くまでは「過大評価じゃないの?」とか舐めて掛かる気持ちが無きにしも非ずだったですが、そしたらこの捨て曲なしの完成度の高さ。侮ったりしてすまなんだ。


POWERWOLF - Preachers of the Night - Amen & Attack ★★★ (2017-01-22 22:30:36)

合唱を誘われるキャッチーなコーラスをフィーチュアして
パワフルなGリフとリズムが勇壮に疾走。
その上に乗せられた、オペラティックな歌い上げと
熱く歪んだシャウトの両刀使いのVoと
チャーチオルガンの冷ややかな旋律が
このバンド独特の荘厳な雰囲気を演出する名曲。


POWERWOLF - The Sacrament of Sin ★★★ (2018-10-01 00:02:08)

前作『狂気崇拝』(’15年)との間に、ライブ盤『THE METAL MASS』(’16年)のリリースを挟んで'18年に発表された7thアルバム。
キャッチー且つアグレッシブな曲調や韻を踏んだ曲名がPOWERWOLF印の①④⑪、本編最速で駆け抜けるアルバム表題曲⑧といった「らしさ」全開の楽曲で要所を固めつつも、作品全体としては、今回はテンポや攻撃性が抑え気味。バンド史上初のバラード⑤にもチャレンジした本編は、キャッチーなメロディの充実と、ライブ映え重視の姿勢が打ち出され、最初に流し聴きした際は「ちょっとユルいアルバムか?」とか思ったりもしましたが、歌詞カード片手にじっくり対峙してみれば全くそんなことはなかったという。
やはりこのバンドのメロディ・センスの冴えには頭抜けたものがあり、上記楽曲以外にも、PVが制作された②、トニー・マーティン時代のBLACK SABBATHを思わす③、ロシアン・メタル風の⑦、本編終盤をドラマティックに盛り上げる⑩のような、冷ややかなチャーチ・オルガンの音色と荘厳なクワイアが一種宗教的ともいえるドラマ性を盛り上がるミッド・チューンの楽曲のサビメロの素晴らしさたるや。そりゃあアルバムだってドイツで再びチャート№1の座を獲得するぐらい大ヒットしますわ、と納得のフックの効きっぷりですよ。
ちなみに本作は、KREATOR、EPICA、AMARANTH、BATTLE BEAST、KISSIN’ DYNAMITE等の人気バンドがPOWERWOLFの名曲の数々をカヴァーする、掟破りの「逆カヴァー・アルバム」を同時収録するデラックス盤も発売されていて、こうした手の込んだ仕様をレコード会社に飲ませられるバンドのサクセス・パワーにも圧倒させられる1枚かと。


POWERWOLF - The Sacrament of Sin - Demons Are a Girl's Best Friend ★★★ (2018-10-04 23:45:51)

POWERWOLFらしいドラマ性や荘厳さを湛えた曲調に、
キャッチーでメロディアスなサビメロが巧みに組み合わされた
高いヒット・ポテンシャルを感じさせる逸品。
セクシーなPVも目のご馳走。


PRAYING MANTIS - A Cry for the New World ★★ (2009-10-25 17:26:00)

得票数の高さからも伺える通り、多くのファンが「PRAYING MANTISの最高傑作」と太鼓判を押す、'93年発表の3rdアルバム。
“CAN'T SEE THE ANGEL"のような飛びっきりの名曲を収録しつつも、全体としてはティノ&クリスのトロイ兄弟が
得意とする叙情派HR路線と、デニス・ストラットンが持ち込んだアメリカンHR路線とに、その作風が分裂気味だった
復活作『PREDETOR IN DISGUISE』に比べ、今回は意図的に原点回帰が図られ、美しく劇的なツインG、STRYPERにも
匹敵する壮麗な三声ボーカル・ハーモニー、そしてジワジワと涙腺を刺激する繊細な泣きメロ等、ファンが
PRAYING MANTISに求める要素が満載。原点回帰と言いつつも、名作と名高いデビュー作にだって明るいノリの楽曲は
収録されていたわけで、ここまで本編が叙情HR路線で統一された作品は初めて。(この時点では)
取り分け、印象的且つドラマティックな旋律を奏でるツインGと、コリン・ピールの感傷的で伸びやかな
歌声が生み出す哀メロの洪水に圧倒される④と、どこかNEW ENGLANDの名曲“果てしない冒険"を彷彿とさせる、
スペーシーな雰囲気とドラマ性を湛えた大作ラスト・ナンバー⑩は、本編の白眉のみならず、PRAYING MANTISを
語る上でも決して欠かす事の出来ない名曲中の名曲でしょう。
ファンの期待に見事に応える素晴しい内容を誇る反面、その余りの完成度の高さゆえ、以降バンドは
「本作を如何に越えるか」という方向に悩まざるを得なくなってしまった、良くも悪くも非常に罪作りな1枚。


PRAYING MANTIS - A Cry for the New World - Journeyman ★★★ (2009-10-25 17:32:47)

個人的には“LETTING GO"と双璧を為す
3rdアルバムのハイライト・ナンバー。
中間部のスペーシーな雰囲気漂うインスト・パートが
どこかNEW ENGLANDの名曲“果てしなき冒険"を思わせる。
厳かなGインスト曲へと繋がって本編の幕が閉じる
構成も美しいね。


PRAYING MANTIS - A Cry for the New World - Letting Go ★★★ (2006-03-21 22:44:12)

切なさ炸裂のVoを、ツイン・ギターとボーカル・ハーモニーが華麗且つドラマチックに彩る。
泣いて泣いて泣きまくる、胸締め付ける超名曲。必聴。


PRAYING MANTIS - A Cry for the New World - Rise Up Again ★★ (2009-10-25 17:30:18)

シャープに疾走する3rdアルバムのOPナンバー。
もしPRAYING MANTISのライブに足を運ぶ機会があるのなら
この曲のポップなサビメロは歌えるようになっておいた方が
良いかと。


PRAYING MANTIS - Captured Alive in Tokyo City ★★★ (2012-02-13 23:33:41)

「2枚組&ベスト選曲で贈るPRAYING MANTIS初のライブ・アルバム!」と聞いて「おおっ」と身を乗り出した人達が、「但しシンガーはゲイリー・バーデン」と付け加えられた途端、ざざーっと引き潮の如く醒めていく様が目に浮かぶような実況録音盤。
そのゲイリーは本作に於いても、OPナンバーの時点で早くも歌声がヨレヨレというミラクルなパフォーマンスを披露。にも拘らず、不思議と腹立ちよりも「流石ゲイリー」「それでこそゲイリー」的な安心感や微笑ましさが先立ってしまうという、愛すべきキャラクター性をアピールしており、ある意味、何者にも変え難い人材ですよ、この人は。
幕開けから既にアップアップの様相を呈している彼の歌唱ですが、その後は大崩れすることなく持ち堪えますし(=ずっとヨレヨレ)、またそのガラッパチなオヤジ声が、ライブでも霞む事のない美しさを誇るPRAYING MANTIS必殺の三声ボーカル・ハーモニーの華麗さを際立ててくれてもいます。え?美醜の対比?いやいやいや・・・。
そして何よりこのライブ盤を語る上で外せないのが、観客の盛り上がりっぷり。天下のRAINBOW公演を蹴ってまで駆けつけた熱心なファンが揃っているだけに、例えば“RISE UP AGAIN”のサビメロ部分なんて「そんな長いパートを客に歌わせるなんざ無茶だよ、ゲイリー!」とのこちらの不安を観客が一蹴し、息の合った見事な合唱を澱みなく展開してくれる場面は、本編のハイライトと言っても過言ではないカッコ良さ。そりゃメンバーだって「君ら、バンドに入ってよ!」と感動を露わにしますよって。
一方でメンバーの演奏は終始緩いし危なっかしく、とても「傑作」と絶賛できる内容ではないのですが、個人的には聴く度にほっこりした気持ちになれる味わい深い逸品として、90年代に連発された「LIVE IN JAPAN」物の中では、BLIND GUARDIANの『TOKYO TALES』、グレン・ヒューズの『BURNIG JAPAN LIVE』と並んで愛聴しているライブ盤です。ビデオ版もお薦め。


PRAYING MANTIS - Demorabilia ★★★ (2012-02-12 23:01:23)

デビュー作『TIME TELLS NO LIES』リリース後、荒波に浮かんだ木の葉の如くマネージメントとレコード会社に翻弄され続けていた時期にレコーディングが行われ、発表する機会のないまま長らく埋もれてしまっていた未発表曲の数々を取りまとめた発掘音源集。ちなみにタイトルは「DEMO」と「MEMORABILIA(記録)」を組み合わせた造語なのだとか。
目玉となるのは、現URIAH HEEPのバーニー・ショウ(Vo)を迎えたラインナップでレコーディングされた幻の2ndアルバム(一部被っている楽曲もあるけど基本的には『PREDATOR IN DISGUISE』とは別物)用楽曲群と、PRAYING MANTISとしての活動が行き詰まった後、元IRON MAIDENのクライヴ・バー(Ds)らと結成したESCAPE時代に制作されたデモテープに収められていた楽曲の数々。
特に後者は、日本のレコード会社と契約を結ぶ決め手となったクオリティを有しながら、全く異なるバンド名(STRATUS)と異なる楽曲を用いたアルバムでデビューを飾った後は行方不明になっていたという、PRAYING MANTIS史上屈指のレア音源として度々取り沙汰されていただけに今回のリリースはまさしく快挙。しかもこれが、PVも作られた“TOP OF THE WORLD”を筆頭に、キャッチネス/ハードネスのバランスも良好な叙情HRの名曲揃いときたもんだ。(PRAYING MANTISと同一路線を期待すると少々ポップ過ぎるかもしれませんが)
元がデモテープゆえ音質の悪さは相当なものですが、評価は当然「素晴らしい!!」。PRAYING MANTISファンなら一度はチェックしておいて損のない作品だと思いますよ。


PRAYING MANTIS - Metalmorphosis (30th Anniversary album - Japanese Edition) ★★ (2012-02-11 01:19:15)

選曲が初期作に偏っているので、入門者向けベスト盤としての機能を果たすかどうかは微妙な線ですが、繊細な泣きと叙情メロディを満載にしたツインG&ボーカル・ハーモニーが伸びやかに駆け抜けていく楽曲の数々を聴いていると、つくづく「名曲を山ほど抱えたバンドだなぁ」と実感させてくれる1枚であることは確か。
特に、普段は“CHILDREN OF THE EARTH”と“LOVER TO THE GRAVE”という2大名曲の陰に隠れがちなデビュー作収録楽曲が意外なほど魅力的に蘇っており、「ああ、そういえばこの曲ってこんなにカッコ良かったんだ」と再認識させられましたね。
近年のライブに倣ったのか、テンポを落とし気味に楽曲が再構築されているため、何やらマッタリとした空気にアルバム全体が包み込まれてしまっている点は頂けませんが、逆に“LOVER~”のようにテンポが落とされたことでメロディの魅力が際立った楽曲もあるにはありますよ!と、一応はファンとして擁護しておきたい。
何より、個人的に一度聴いてみたいと願っていた幻のバンドのテーマ曲(?)“PLAYING MANTIS”が遂に聴けた事が嬉しいったら。解説等でその存在は知っていても、長らく公式音源は耳にした事がなかっただけに喜びも一入ですよ。(例えその結果、大した曲でなかった事が判明したとしても・・・/苦笑)


PRAYING MANTIS - Time Tells No Lies ★★ (2008-03-10 21:37:00)

華麗なツインG、美しく分厚いボーカル・ハーモニー、そして繊細な泣きメロをフィーチュアした、ドラマティックで
叙情的なHRサウンドを聴かせる英国の4人組が、'81年に発表した1stアルバム。(邦題は『戦慄のマンティス』)
必殺の名曲“CHILDREN OF THE EARTH"と“LOVER TO THE GRAVE"を収録し、NWOBHMムーブメントの中でも屈指の
完成度を誇る1枚と高く評価されながらも、権利関係の複雑さから、長年再発される事なく「幻の名盤」扱いされていた本作。
それゆえ、'95年に念願叶って復刻が果たされた時には、多くのファンが感涙に咽んだというが、実際のところその作風は、
爽やかな曲調のOPナンバー①が象徴するように、結構ポップ路線寄りのサウンドなので、メロメロに泣きまくる
(例えば3rd『A CRY FOR THE NEW WORLD』のような)内容を期待していた後追いリスナーの中には、
ちょっぴり拍子抜けした人も少なからずいたのではなかろうか?
とは言え、仄かな哀愁を含んだ曲調、キャッチーなサビ、ポップなメロディを歌っても決して明るくなりきれないヘタウマVo
といった要素も、間違いなく初期マンティスの魅力であり、③④⑦⑧等の楽曲は聴き応え十分の佳曲に仕上がっている。
そして何と言っても本作は、このバンドの「静」の魅力が詰め込まれた美しくもドラマティックな⑤と、
スリル/ドラマ性/泣きメロと、三拍子揃った完全無欠の⑨の存在がトドメを刺す。どちらもPRAYING MANTISのみならず、
NWOBHMをも代表する名曲中の名曲。また、この2曲の陰に隠れがちながらも、シャープに疾走するアグレッシブな⑥も、
同様の路線を行く存在として、キラリと光を放っている事も付け加えておきたい。
メロディ愛好派なら、死ぬ前に1度は聴いておきたい名盤。


PRAYING MANTIS - Time Tells No Lies - Children of the Earth ★★★ (2008-03-10 21:52:50)

華麗にして劇的なツインG、繊細に泣きまくる叙情メロディの洪水、
欧州のメタル・バンド随一と言われる美しい三声ボーカル・ハーモニー、
そして静と動の対比が効いたドラマティックな曲展開と、
PRAYING MANTISというバンドの魅力が完璧に詰め込まれた、名曲中の名曲。


PRAYING MANTIS - Time Tells No Lies - Lovers to the Grave ★★★ (2008-03-10 21:59:37)

1stアルバムにおいて、“CHILDREN OF THE EARTH"と双璧を為す
初期PRAYING MANTISが誇る必殺の名バラード。
メロメロに泣きまくる繊細且つ美しいメロディが
胸を締め付け、後半のドラマティックな盛り上がりっぷりが
また素晴しい。


PRECIOUS ★★ (2008-01-24 22:39:00)

MANDRAKE ROOT RECORDSのバックアップのもと、'87年にシングル『CRAZY FOR YOUR LOVE』でデビュー。
楽曲自体のクオリティの高さと、梶山章の超絶Gプレイで世のメタラー諸氏の度肝を抜いた。
スタート時は、梶山をシーンに送り出すためのプロジェクトに過ぎなかったPRECIOUSだったが、シングルの好評を受け
正式にバンド化。'88年に2ndシングル『BLASTING YOUR HEAD』、'91年に1stアルバム『TO GLORY WE STEER』を発表。
しかし、メンバー間の音楽的嗜好の不一致や、度重なるメンバー・チェンジに思うように活動できず、結局'90年に解散。
'92年には、2枚のシングルをCD化した『SINGLE COLLECTION』がリリースされている。


PRECIOUS - Singles Collection ★★ (2008-01-24 22:42:00)

日本が世界に誇る凄腕ギタリスト、梶山章率いる様式美HMバンドPRECIOUSが、80年代に発表した2枚のシングル
『CRAZY FOR YOUR LOVE』と『BLASTING YOUR HEAD』を1枚にまとめてCD化し(③のみリミックス・バージョン)、
PRECIOUS解散後の'92年にリリースされた4曲入りEP。
本作最大のトピックは、何と言ってもジャパメタ史上に残る名曲中の名曲“CRAZY FOR YOUR LOVE"の存在に尽きる。
このシングルがリリースされた'87年頃は、PRECIOUSはバンドというより「若き天才Gを世に出すためのプロジェクト」的な
性格が強かったようだが、大谷レイヴン(プロデュース)、岡垣正志(Key)、堀江睦夫(Ds)、西條幸男(Vo)、
マイク・ハマー(B)ら、強力なミュージシャン達のバックアップを受けて、持ち前の超絶技巧をスパークさせまくる
梶山のGプレイは、まさに圧巻。華麗にして流麗、ただ速く正確なだけでなく、ドラマ性にも富んだメロディが
しっかりと構築されたGソロの素晴らしさも然る事ながら、個人的にそれ以上に感銘を受けたのが、劇的なリフ・ワークや
歌メロの組み立て等に見られる曲作りの上手さ。これを聴いてしまうと「またこの路線の曲を演ってくんねえかなー」と、
どうしても思ってしまいます。いや、GOLDBRICKとかも好きなんだけどね。
この突出した様式美HMチューンのインパクトゆえ、その他の収録曲の影は非常に薄いが
(RISING FORCE時代のイングヴェイが演りそうな②は良い曲)、①のためだけにでも本作を購入する価値あり!と断言しておきたい。


PRECIOUS - Singles Collection - Burnig Vengeance ★★ (2008-01-26 10:45:22)

アルバムのOPを飾るに相応しいスピード・チューン。
Voの声域の狭さが祟って、サビが思うように盛り上がらない点が
辛いが、劇的な梶山のGソロが、その弱さを補って余りある。


PRECIOUS - Singles Collection - Crazy for Your Love ★★★ (2008-01-24 22:52:43)

疾走するイントロの劇的なリフ・ワークのカッコ良さだけで
K.O.は確実だが、更に梶山章による華麗にして流麗、
且つドラマティックなGソロがトドメを刺す、
ジャパニーズ・へヴィ・メタル史上屈指の、
様式美HMチューンの超名曲。


PRECIOUS - To Glory We Steer ★★ (2008-01-25 23:40:00)

梶山章(G)、二代目Voの深川英二、岡野健太郎(Ds)、後にSABER TIGERに加入する木本高伸(B)、高浜裕輔(Key)
という布陣で制作、'90年に発表されたPRECIOUSの1stフル・アルバムにして、ラスト・アルバム。
従来の様式美HM路線を追求しつつも、楽曲のバラエティは確実に幅を広げていて、お約束の王道スピード・ナンバーは
①のみに留まり、それ以降はフックに富む哀メロを活かした、ミドル~ミドル・ハイ・テンポの楽曲が数多く並ぶ。
また、単なる装飾を超えて、これまで以上にKeyを大々的にフィーチュア、「ポップさ」「キャッチーさ」といった
要素を意識した曲作りが為されているのも、本作の大きな特徴と言える・・・かも。
尤も、軟弱の印象は微塵もなく、様式美HMチューン①に始まり、ポップ・フィーリングを上手く取り込んだ③、
猛烈な憂いを発散する⑥等、収録曲は何れも粒揃い。また、その中を縦横無尽に動き回り、無闇に音を詰め込むのではなく、
緩急を駆使したドラマティックなソロを連発する梶山のGプレイも、相変わらず絶品極まりない。
単なる「様式系速弾きギタリスト」として狭い枠内で括られる事を嫌い、本来はもっとハードロック寄りの
サウンド・スタイルを嗜好する梶山のセンスが、より前面に押し出された内容の作品だが、
ともあれ、様式美HMファンなら「買い」の1枚なのは間違いない。


PRECIOUS - To Glory We Steer - Wasting My Time ★★ (2008-01-26 10:49:28)

楽曲全体から、強烈な憂いと泣きを発散するミドル・チューン。
劇的なリフ・ワークといい、エモーショナルなGソロといい、
ここで炸裂する梶山のGプレイを聴けば、彼がテクニックのみを
売りにした速弾きギタリストとは、一線を画すことが分かる筈。


PRETTY BOY FLOYD - Leather Boyz With Electric Toyz ★★★ (2017-04-08 10:44:20)

自ら「プリティ・ボーイ」と名乗る神経の太さ(いや実際は大恐慌時代のアメリカで暴れ回ったアウトローの通称なんですけどね)や、'89年当時ですら「それはどうか」というデーハーなルックスを前に、自称・荒ぶるメタル益荒男的には「けっ」となってしまい、実際に音に触れるまでかなりの時間を要したPRETTY BOY FLOYDのデビュー作。
しかし、ただ甘いだけでなく存外ワイルドですらあるOPナンバー①のキャッチーな出来栄えが、侮り倒していたこっちの居住まいを「見てくれだけで舐めたらいかんぜよ」と律してくれます。MOTOLEY CRUEやPOISON影響下のロックンロール・サウンドは、すぐにでも口ずさめてしまうメロディや、思わず一緒に歌いたくなるコーラスといった、アリーナ・ロック然としたフック構築に徹底して心が砕かれていて、多少あざとさや合成甘味料的チープネスが無きにしも非ずとはいえ、「だとしても美味しいんだから仕方ないだろ!」という点では、子供の頃近所の商店で買ってた、一口食っただけで舌がカラフルに変色する怪しげな駄菓子を思い出す味わい。
のっけから印象的なコーラスを伴ってパワフルにスタートする①や、元気溌剌にハジける②、映画『ベストキッド3』のサントラに収録されバンドの名を一躍シーンに知らしめた④辺りは、普段この手の音に親しむことの少ない身にも訴えかけて来る魅力が備わっていますし、何より最高なのが⑦ですよ。バラード調のイントロからテンポアップして、爽やかに駆け抜けていくこのポップな名曲には心浮き立たさずにはいられませんて。
毒々しい色合いから避けてたけど、実際に食ってみたらこのキノコ美味ぇ!的な1枚。


PRETTY BOY FLOYD - Leather Boyz With Electric Toyz - 48 Hours ★★★ (2017-04-08 11:01:49)

シリーズ屈指のポンコツ作「ベストキッド3」
(今となってはそんなところが多少愛しくもある)
のサントラに提供されたと聞くノリノリのロックンロール。
映画の粗を隠すかの如く「細けぇことはいいんだよ!」と
躁の気全開で突っ走る楽し気な曲調を聴いていると
「同じアホなら踊らにゃ損、損」な気分にさせられますよ。


PRETTY BOY FLOYD - Leather Boyz With Electric Toyz - Only the Young ★★★ (2017-04-08 10:47:47)

あざとい!
でも素晴らしい!
と思わず膝を打つ名曲。
今となっては感傷的な気分にすらさせられる
甘く爽やかなサビメロが秀逸です。


PRETTY BOY FLOYD - Porn Stars ★★★ (2018-10-12 01:21:12)

グラマラスなルックスと、意外に(と言ったら失礼ですが)秀でた作曲能力の高さで「遅れて来たLAメタル・バンド」として評判を呼んだPRETTY BOY FLOYDがリユニオンを果たし、'99年に発表した2ndアルバム。
ダーク&ヘヴィの嵐が吹き荒れた90年代を活動停止によりほぼスルー出来たことが奏功したのか、本作で聴けるのは、砂糖菓子のように甘ったるい――それが個性でもある――スティーヴ・サマーズの歌唱スタイルから、彼が歌う親しみ易いメロディや、思わず口ずさみたくなるキャッチーなコーラスまで、デビュー作の美点を余すところなく受け継いだ、明るく楽しいパーティ・ロック・サウンド。硬派を謳っていた連中でさえ次々にトレンドを取り入れようとしてズッコケていた当時にあって、「恰好だけ」とか「軽薄」とか侮られまくっていた彼らの方が、むしろHR/HMシーンの変化にも揺らぐことなく自分たちのサウンドを貫き通し、矜持を示してくれているのですから皮肉な話ですよ。
一聴してまず印象に残るのが、1st収録曲のリメイクだったり(⑤⑧)、KISSのカヴァーだったり(④)するのは如何なもんかと思わなくもないのですが、それでも収録曲は高揚感を伴って煌びやかに駆け抜けるロックンロール②から、フックの効いた③、スウィートなバラード⑨に至るまで、理屈抜きに楽しめる楽曲ばかり。特に聴いているだけで気分が浮き立つような疾走ナンバー⑫は、「これぞPBF!」と喝采を上げたくなる名曲ですよ。
何故PRETTY BOY FLOYDが根強くファンから愛されるのか。その理由の一端を伝えてくれるポップ・メタルの好盤。


PRETTY BOY FLOYD - Porn Stars - Set the Night on Fire ★★★ (2018-10-15 23:41:14)

疾走感に溢れたシンプルで乗りやすい曲調に、
甘く、ライブ映えしそうなキャッチーなメロディとコーラスが
トッピングされた、10年間のブランクもHR/HMシーンの流行り廃りも
俺達にゃ関係ねー!とばかりに溌剌とカマされるPBF印の名曲。


PRETTY MAIDS ★★★ (2012-11-02 22:54:25)

今年はLOUD PARKを蹴ってPRETTY MAIDSの久々の来日公演に足を運びました。
「何で日程被せ気味にするかなー。客入り悪いに決まってるじゃん」
とかぶちぶち文句タレながら会場に入って吃驚。ほぼ満員の盛況ぶりじゃないですか。
PRETTY MAIDSファンの忠誠心を舐めていて申し訳ない。
 
ライブの内容に関してはもう文句なし。ロニーは流石に高音がキツそうでしたし、
ケン・ハマーは「?!」と思うぐらい体型が丸くなってましたが、
客を乗せるパフォーマンスの上手さ、それに何より次から次へと繰り出される
名曲の数々の威力は抜群。ファンも終始ノリまくり歌いまくりで
今年見た中で最も楽しめたライブでした。
・・・ってよく考えたら今年はROYAL HUNTぐらいしかライブ行けてねえや。


PRETTY MAIDS - Pretty Maids ★★ (2017-06-22 23:21:44)

日本でも確固たるファン・ベースを構築済みのPRETTY MAIDS。その彼らのカタログの中で、次作にして名盤『RED, HOT AND HEAVY』のインパクトに存在感を掻き消されてしまい、「え?そんな作品あったっけ?」と極めて影が薄いのが、’84年発表のこの6曲入りデビューEP。人気がないとか以前に、そもそも知名度がないという点ではTNTの1stに通じるものがあるような、ないような…。中古盤屋じゃとんと見かけない割に、特にプレミア価格で取引されているわけでもない辺りが本作の立ち位置を如実に物語っていますよ。
ロニー・アトキンスの看板Voや、攻撃的なツインGの運用法等、バンドとしての基礎が固まりつつあることは既に本作の時点で伺えるものの、NWOBHMやTHIN LIZZYからの影響の痕跡がハッキリとコンニチワする楽曲に関しては、まだまだ荒削り。例えば疾走ナンバー①④は、名曲“BACK TO BACK”の試し打ち的カッコ良さを有する反面、全体的に力押しに終始する仕上がりで、様式美HMというよりはNWOBHMばりの直線的な荒くれ感の方が強く感じられるという。(HELOWEEN登場前の独産パワー・メタルっぽくもある)
逆にそういう意味では、ここでしか聴くことができないタイプのPRETTY MAIDSサウンドが楽しめる作品であると言えますし、何より「磨けば光るダイヤの原石」としてのポテンシャルの高さは、前述の疾走曲①④、ケンさんのGソロも美味な抒情ナンバー⑤(イントロが“孤独のナイト・ゲームス”みたい)からもびんびんに感じ取れます。
90年代にCD化されたきり、ほったらかしになっている作品なんで(多分)、取り敢えずリマスター再発の方をお願いしたいところなのですが。


PRETTY MAIDS - The Best Of...back to Back ★★ (2010-07-18 17:46:00)

新作『PANDEMONIUM』を聴いていたら、ふとPRETTY MAIDSの過去のアルバムを聴き直したく
なってしまったのだが、残念ながら数年前の引越しに際し彼らの作品の殆どを手放してしまっていたので、
仕方なく、'98年に発表されたこのベスト盤を引っ張り出して聴きまくっている今日この頃。
80年代から90年代にかけてのPRETTY MAIDSの歩みを手っ取り早く振り返る事の出来る本作は、
「酒井康監修」という、果たして良いのか悪いのか微妙に分かり難い売り文句が添えられているのだが、
各アルバムから満遍なく代表曲を押さえてみせた御大の選曲センスは確かだし、また、それら収録曲を
単に年代順に並べるのではなく、1枚のアルバムとしてスムーズに聴き通せるよう配置する等、全体の構成にも
気の払われた作りは、ベスト盤につきまといがちな商売っけよりもバンドに対する深い愛情を強く感じさせ、
非常に好感が持てる。あと、未発表の新曲やレアなオマケ音源をバンド側から引っ張り出す豪腕っぷりも、
流石、面の皮の厚・・・もとい、ミュージシャンと太いパイプを持つ元BURRN!!編集長の面目躍如といったところか。
無論、歴史の長いバンドゆえCDの収録時間ギリギリ一杯を使ってもどうしたって「漏れ」は出てしまうが、
そこは致し方なし。それを非難するぐらいなら、初めからオリジナル・アルバムを聴き直しゃ済む話だしね。
PRETTY MAIDSのアルバムは沢山あり過ぎて何から手を出せばいいのか分からない方は、先ず手始めに本作からどうぞ。


PREVIEW (2010-10-24 21:38:23)

現在は、全米ナンバー1ヒット曲も手掛ける職業ライターとして活躍するアー二ー(Key)と、ダニー(G)のゴールド兄弟が中心となってニューヨークにて結成。兄弟の幼馴染だったスキップ・パーカー(B)、メンバー募集の新聞広告を見たジョン・フィオーレ(Vo)、その彼の知り合いだったエド・べッティネリ(Ds)らが加わる事でラインナップが完成。
バンド・コンテストへの出場や、NY周辺で活発なライブ活動を繰り広げる傍らデモ・テープも制作、これが切っ掛けとなってGEFFEN RECORDSとの契約が成立する。
ジョン・カロドナーのプッシュを受け、プロデュースは名手キース・オルセンが担当、アラン・ホールズワースとの仕事で知られるKey奏者アラン・パスカが作曲作業に関与する等、潤沢な予算が注ぎ込まれレコーディングされたセルフ・タイトルのデビュー作は、それに相応しいクオリティを誇る名盤に仕上がったが、お決まりのレコード会社とのトラブルが原因で、アルバムはろくなプロモーションも受けられぬまま沈没。
バンドはその後も細々と活動を続け(末期にはスティーヴ・オウジェリーも在籍していたのだとか)、2ndアルバムのレコーディング作業も途中までは行われたものの、結局、作品はリリースされることなくバンドは解散を遂げた。


PREVIEW - PREVIEW ★★★ (2010-10-24 21:40:15)

今は亡きゼロ・コーポレーションから2枚をアルバムを発表し、HAREM SCAREMを思わせるメロハー・サウンドが日本でもそれなりに話題を呼んだFIOREの看板シンガー、ジョン・フィオーレが、それ以前に在籍していたことで知られるAOR/産業ロック系グループPREVIEW。その彼らが'83年に唯一残した作品がこれ。
GEFFEN RECORDSの名物A&Rジョン・カロドナーの眼鏡に適い、同レーベルと契約後、プロデューサーに売れっ子キース・オルセンを迎え、名Key奏者アラン・パスカの助力を得て制作された本作の内容は、澄み切った青空の下、爽やかな涼風に吹かれながらオープンカーを走らせるような、そんな心地良さに満ち溢れたOPナンバー①の魅力が全てを物語る通り、繊細な表現力に長けたVo、キャッチーに楽曲を彩るKeyにメロウに歌うG、瑞々しいコーラス、それに心地良く体を揺らす軽快なビートが揃った、まさにお洒落で小粋なAOR/産業ロック・サウンドの理想的ラインを描き出しており、そのクオリティの高さは無類。
胸キュン物の哀メロがポップに跳ねる⑤、前述の①と共にラジオ・エアプレイのトップ40に食い込むヒットを飛ばしたという⑥、温もりに溢れたセンチメンタルなバラード⑩辺りは、メタルはおろかハードロックとすら若干の距離を感じさせるライト級の仕上がりながらも、メロディ愛好家ならグッと来ること請け合いの名曲揃い。
DISK UNIONから帯つきの輸入盤がリリースされているので、この機会に1枚どうでしょう。


PRIDE OF LIONS - Fearless ★★★ (2017-04-27 00:11:45)

新譜が出れば毎回チェックはしていたものの、ここ数作は少々「置きに行ってる」感が拭えなかった(それでも質の高さは保証書付き)PRIDE OF LIONS、’17年発表の5thアルバム。
かてて加えて、近年のジム・ピートリックがPETERIK/SCHERERのような別プロジェクトに精を出していることもあって、「もうPOLに関する活動に興味が薄れてきたのか?だったら新作もあまり期待できそうにないな…」とか失礼なこと考えていたのですが、実際に本作を聴いてビックリ。躍動感溢れるバイオリンの調べが全盛期のKANSASを彷彿とさすOPナンバー①の時点で、こっちの早合点の浅はかさを思い知らされてしまいましたよ。
ジム先生が天才メロディ・メイカーとしての腕前を存分に振るった楽曲を、逸材シンガーたるトビー・ヒッチコック(Vo)が、張りも艶も伸びも抜群な歌声で時に朗々と、時に切々と歌い上げるわけですから、それだけでもう水準以上の作品が出来上がることは約束されたようなもの(ついでにツインVo体制でジム先生もリード・シンガーとしてもちょくちょく見せ場を攫う)。更に今回は前述の①や、「POL史上、最もへヴィな楽曲」と太鼓判が押される(それでいてメロディにはフック効きまくりなのが流石)⑤、今は亡き盟友ジミ・ジェイミソンとの思い出に捧げられた――ありがちにバラードとかにしない点がニクイ⑦、疾走感溢れるハードな⑨といった、頭抜けた名曲の存在が本編に起伏をもたらしてくれていて、例え収録時間が60分に迫る長尺だろうとダレを感じる場面は殆どないという。
やはりジム先生を侮ったらイカン!と、思わず物凄い勢いで平伏せざるを得ない1枚。


PRIDE OF LIONS - Fearless - All I See Is You ★★★ (2017-04-29 09:36:30)

いきなりバイオリンが活躍するイントロからしてKANSASを思わせる
…って、ちょっとバイオリンが入っているとすぐKANSASを連想する
プログレ音痴ぶりが我ながら如何ともし難いですが、
ともあれ爽やかな哀愁を帯びたメロディや躍動感溢れる曲調は
80年代初め産業ロック色を強めた頃のあのバンドを思わせなくもないような。
MVが作られたのも納得の、本編に対する期待を高めてくれるOPナンバーです。


PRIDE OF LIONS - Fearless - Fearless ★★★ (2017-04-29 09:47:01)

いきなり唸りを挙げる重たげなGサウンドにギョッとなる疾走ナンバー。
ジム・ピートリックも「POL史上最もへヴィなナンバー」と
太鼓判を押していましたが、実際に曲が走り始めると
哀愁のメロディがハードな曲調の中を華麗に舞っていて
大味な悪印象は絶無。
ジム先生の匠級の曲作りの技前が冴え渡る1曲です。


PRIDE OF LIONS - Fearless - Freedom of the Night ★★★ (2017-04-27 22:29:11)

アルバムの購入動機の一つがこの曲聴きたさでもあった、
《ジミ・ジェイミソンの永遠なる思い出に捧ぐ》の一文が
タイトルに添えられているメロディックHRチューン。
故人との思い出を歌詞に綴った楽曲ながら、
湿っぽいバラードではなく、タイトルに相応しく
都会の夜を駆け抜けて行くようなエネルギッシュな
曲調なのがまた心憎いではないですか。


PRIDE OF LIONS - Immortal ★★★ (2019-02-24 23:55:12)

先頃購入したトビー・ヒッチコックの2ndソロ『THE RECKONING』の出来栄えにいたく感心させられ、久々にPRIDE OF LIONSのカタログを引っ張り出して聴き直してみたところ、購入当初よりも評価がグッと高まったのが’10年発表のこの4thアルバムです。
というか、当時は2、3回流し聴きして「うーん、置きに行ってない?」ぐらいの感想でCD棚に放り込んでしまっておりましたが、今聴くと「これのどこが置きに行ってる出来栄えか?!」と。今更ながら間の抜けた感想を垂れ流していた己の顔面に鉄拳制裁を叩き込み、返す刀でジム・ピートリック先生に詫びを入れたくなってしまったという。
本作に託されているのは前3作の流れを汲む、ポップでありつつハード・ロッキンなエッジもしっかりと効かせた、キャッチー且つ健康的にハジけるメロディックHRサウンド。トビーの張りのあるハイトーンVoが、フック満載の楽曲に備わった爽快感をより一層引き立ててくれています。特にそれは、緩急を飲み込んでダイナミックに駆け巡るOPナンバー①、バラード調にスタートしてテンポアップする④、ジム&トビーのツインVoが映える⑪等、アップテンポのロック・ナンバーにおいて顕著に現出。中でもPOL史上屈指のハードネスを有して疾走する⑧(曲名からしてニヤリ)のカッコ良さには胸躍るものがありますよ。
うっとり聞き惚れる⑤やドラマティックな⑩等、ロマンティックでメロディアスなミディアム~バラード系の楽曲のクオリティにも当然の如く抜かりはなく、改めてPOL作品にハズレがないことを再確認させられた次第。過去3作が気に入った方なら迷わず買えよ、買えば分かるさ!な1枚。…なんだけど、これだけ妙に中古盤が高いんですよね…


PRIDE OF LIONS - Immortal - Are You the Same Girl ★★★ (2019-02-26 00:07:06)

澱みなくどこまでも真っ直ぐに響き渡るトビー・ヒッチコックのクリアなハイトーンVoと、
ジム・ピートリックがクリエイトする甘美でエモーショナルな哀メロとが絶妙な
マッチングを聴かせてくれる、感動するしかない名バラード。
ストリングス、泣きのG、ピアノ、そしてトビーの熱唱が
涙のカツアゲを迫る終盤の盛り上がりっぷりと来たらもう…。
フェードアウトで終わってしまうのがちと残念


PRIDE OF LIONS - Immortal - Vital Signs ★★★ (2019-02-26 00:00:30)

SURVIVORのヒット・アルバムを思い起こさせる曲名ですが、
それだけジム・ピートリックも出来栄えに自信を持っているということなのでしょう。
トビー・ヒッチコックの伸びやかなハイトーンVoとハード且つメロディックなGが
疾走するリズムの上で溌剌と動き回る様は実に爽快です。


PRISM - See Forever Eyes ★★★ (2012-08-16 23:08:06)

結成に当たっては、後にプロデューサー/ソングライターとして名を馳せるブルース・フェアバーンやジム・ヴァランスといった面々も関わっていた、カナダはバンクーバー出身の老舗ロック・バンドが'78年に発表した、日本デビュー作でもある2ndアルバム。(邦題は『永遠の輝き』)
彼らが大きな成功を収めるのは'79年に発表された3rdアルバム『ARMAGEDDON』以降ですが、内容に関して言えば本作のクオリティも決してそれらに引けを取りません。
何を置いてもまずVoとKey、それに美しいハーモニーを最優先にする、PRISMというバンド名に相応しい煌きを湛えたハードポップ・サウンドは、HR/HMファン的には柔和過ぎて刺激に乏しい音かもしれませんが(これでも彼らのカタログの中ではハードな方なのですが)、親しみ易いポップなメロディに、磨き抜かれたアレンジと歌心を伴った演奏によって形成される楽曲の数々は、問答無用で耳を捉えるサムシングが備わっています。
ジム・ヴァランスがロドニー・ヒッグス名義で提供したBEATLES風アコギ・バラード“YOU'RE LIKE THE WIND”、少女漫画チックに甘やかな“TAKE ME AWAY”、青空へ向かってどこまでも舞い上がっていくような高揚感に心躍る“SEE FOREVER EYES”、そして本編のハイライト、感傷的な泣きメロに満ちたバラード“YOU'RE MY REASON”は、STYX、BOSTON、E.L.O.辺りがイケル口の方なら、知らずに過ごしてはいけない名曲ですよ。


PRISM - See Forever Eyes - See Forever Eyes ★★★ (2012-08-17 23:41:09)

アルバム『SEE FOREVER EYES』の中では
比較的プログレ・ハード色が強く感じられるアルバム表題曲。
クセのない声質のVoが真っ直ぐに歌い上げることで
青空へ高く高く舞い上がっていくような高揚感を演出する
キャッチーなサビメロが秀逸。鮮烈なシンセ・サウンドと
Gの泣き具合もグーですよ。


PRISM - See Forever Eyes - You're My Reason ★★★ (2012-08-17 23:38:24)

哀愁を帯びたVo、泣きの入ったG、感傷的なKey、
それに重厚なハーモニーとが一体となって醸し出す
美しくも余りに物悲しい曲調に思わず鼻の奥がツーンとなる、
QUEENからの影響も垣間見える泣きの名バラード。


PRO-PAIN - Foul Taste of Freedom ★★ (2006-06-07 22:02:00)

このバンドの出自については殆ど何も知らず、また、アルバムもこれ一枚きりしか持っていないのだが、
それでも本作がスラッシュ・メタル冬の時代('93年頃)にリリースされた時は、それこそCDが擦り切れんばかりに愛聴させて貰った思い出の一枚。
前半こそハードコア/パンク風味が強いものの(但し質は高い。マカロニ・ウェスタン風のリフを持つ“EVERY GOOD BOY DOES FINE"がユニーク)、
後半は加速度的にスラッシュ・メタル化が進行。特に7曲目以降、迫力の怒号Voに、歯切れの良いリズム隊、時にメロウなフレーズを閃かせ、
聴き手をハッとさせる油断ならないGとが、ガッチリと噛み合ってタイトに畳み掛けて来る展開はかなり気持ち良い。
中古屋へ行くと、僅か3桁の値段で叩き売られているので、是非とも御一聴を。


PROPHET - Cycle of the Moon ★★★ (2018-12-11 22:58:53)

名盤『聖なる予言』(’85年)発表後にディーン・ファザーノが脱退。新Voに、後に自らのバンドARCARAを率いて再び日本デビューを飾ることとなるラッセル・アルカラ(Vo)を加えたPROPHETが、'88年にMEGAFORCE RECORDSから発表した2ndアルバム。
QUIET RIOTとの仕事で有名なスペンサー・プロファーをプロデューサーに起用する人選からも明らかな通り(レーベルにあてがわれた可能性大)、Keyをたっぷりフィーチュアしたプログレ・ハード風味を大きく後退させた今作は、代わりにスコット・メタクサス(G)のGプレイをより前面に押し出した、明朗なポップ・メタル・テイストが大幅増量。憂いに満ちたドラマティックな名曲“STREET SECRETS”からスタートした前作に対し、今回の幕開け役を担うのが開放的なノリを伴うグルーヴィなHRチューン①であることも、そうした方向性を如実に物語っているという。
そんなわけで掴みは少々弱く、哀愁やドラマ性を求める向きには若干の肩透かし感は否めない本作ですが、それでもスコットのGがよく歌うハードポップ・チューン②④、楽器陣のテクニカルな演奏を活かしたスペーシーなインスト曲⑨、ノリノリにラストを〆る疾走ナンバー⑩といった楽曲は、これはこれで悪くない(というか結構良いですよ)。重厚なKeyに彩られたプログレ・ハード路線のドラマティックな③や、KANSASの名バラード“すべては風の中に”を引き合いに出して語りたくなる抒情ナンバー⑥といった、前作に収録されていてもおかしくない楽曲の存在も、本編をグッと引き締めてくれています。
前作との比較ではなく単体で評価すれば、立派に「名盤」と呼べる品質を保った1枚かと。


PROPHET - Cycle of the Moon - On the Run ★★★ (2018-12-13 00:18:05)

アルバムとしてはKeyが一歩脇に引いた感がある
『CYCLE OF THE MOON』ですが、この曲では
Vo、Gの向こうを張る大活躍。
結果、前作に収録されていてもおかしくない
濃厚なプログレ・ハード風味漂うドラマティックな
楽曲に仕上がっています。


PROPHET - Cycle of the Moon - Tomorrow Never Comes ★★★ (2018-12-13 00:19:53)

KANSASの“すべては風の中に”と、STYXの“BOAT ON THE RIVER”を
足して2で割ったような印象を受ける物悲しいバラード。
勿論安易なパクリ等ではなく、このバンド独自の魅力を持った名曲として昇華されています。
ラッセル・アルカラのVoの上手さも映えています。


PROPHET - Prophet ★★★ (2008-02-02 21:56:00)

後にNUCLEAR ASSAULTに加入して、ファンの引っくり返らせたスコット・メタクサス(B)を頭に、MESSAGEのディーン・ファザーノ(Vo)、DANGER DANGERのテッド・ポーリー(Ds)ら、メロディ愛好派のリスナーにはグッとくる面子が顔を揃えた、ニュージャージー出身の5人組HRバンドPROPHETが、'85年に発表した1stアルバム。
幻の名盤として一日も早い再発が望まれていた1枚で、'94年に日本で世界初CD化が為された時は大喜びしたものでした・・・が、現在では再び廃盤。なんじゃそりゃ。
スペーシーな音色で、楽曲に奥行きを演出するKeyをたっぷりとフィーチュアした、叙情的でドラマティックなハード・ロック・サウンドは、80年代のKANSASやBOSTONといった、プログレッシブ・ロックと産業ロックの中間を行くバンド群を彷彿とさせ、特に、Keyによるイントロ部分だけで掴みはOKとなる、荘厳なOPナンバー①と、シングル・カットもされた都会的な哀愁漂うバラード⑥は、うるさ型のマニアからも「必聴の名曲」と高く評価される、PROPHETというバンドの魅力が判り易く詰め込まれた仕上がり。しかもこのアルバムには、この2曲以外にも、初期BON JOVI風のキャッチーさと哀愁を兼ね備えた③、切なさ炸裂の泣きメロ・バラード④、本編中ではプログレッシブ・ロック・テイストが最も強く出ていると言えそうな⑤、爽快に疾走するハード・ロック・チューン⑧と、「この1曲のためだけでもアルバムを買う価値あり」級のクオリティの楽曲が目白押しなのだから堪らない。
PROPHETは、他にも2枚のアルバムを発表しているが、取り敢えず、真っ先に押さえるべきは本作で決まり。


PROPHET - Prophet - Away from You ★★ (2008-02-02 22:09:37)

何となく“RUNAWAY"を思わせるイントロのKeyリフだけでなく、
全体的にも、初期BON JOVI的な要素が強く感じられる、
適度なポップさと、哀愁、そしてキャッチーさを
併せ持ったハードロック・チューン。
何でも、スコット・メタクサスが
当時の彼女(FIONA)に捧げる為に書いた曲なのだとか。


PROPHET - Prophet - Everything You Are ★★★ (2008-02-02 22:04:08)

シングル・カットもされたという、
壮大にして、胸に沁みる哀愁のメロディに彩られた名バラード。
開放感に溢れたサビメロにジーンとなります。


PROPHET - Prophet - Power Play ★★ (2008-02-02 22:16:38)

Key大活躍、疾走パートもありと、1stアルバムの中では
最もプログレッシブ・ロック色が強く出ていると言えそうな、
ドラマティックなナンバー。
かと言って難解さは皆無。メロディは叙情的で、且つキャッチー。


PROPHET - Prophet - Slow down ★★★ (2008-02-02 22:14:07)

名曲“EVERYTHING YOU ARE"とは、また違った趣のある
切なくおセンチな泣きのバラード。
かと言ってベタベタすることなく、サラリと都会的な仕上がりが
このバンドならでは。
個人的には“EVERYTIHG~"より、こちらの方がより好み。


PROPHET - Prophet - Street Secrets ★★★ (2008-02-02 22:01:01)

荘厳なKeyのイントロを聴いただけで「名曲!」と判定できる、
ドラマティックなアルバムのOPナンバー。
高い構築美を誇る曲展開と、Voが歌う憂いを帯びたメロディも
グッと胸を締め付けますが、特に、中間部における
一瞬のブレイク後の劇的極まりない曲展開は白眉。


PROPHET - Recycled ★★★ (2023-09-08 00:33:39)

故ディーン・ファザーノやテッド・ポーリーといったタレント達を輩出。現役時代よりむしろ解散後に再評価が進んだバンド、PROPHETが'91年に地元ニュージャージーのインディーズHALYCAN RECORDSに残した3rdアルバムにして最終作。制作費削減の影響で(?)プロデュースはメンバーのスコット・メタクサス(B)自ら手掛けています。
Keyを生かしたプログレ・ハード路線の1st『聖なる予言』(’85年)、アメリカン・ロック色を強めた2nd『CYCLE OF THE MOON』(’88年)ときて、後にNUCLEAR ASSAULTに加入することとなるデイヴ・ディピエトロ(G)を加えツインG編成となった本作では、曲作りの主導権が(前2作のセールス的不振を踏まえてか)スコットからケン・ダブマン(G)に移譲されたことと合わせて、よりギター・オリエンテッドなHR路線へと作風を刷新。曲によってはブルージーな香りが漂ってくる辺りは、いかにも90年代前半に生み出されたアルバムだなぁと。
とはいえ、ラッセル・アルカラ(Vo)の情感豊かな歌唱を生かした③、哀愁のアコギ・バラード⑥、重厚なボーカル・ハーモニーに彩られた⑦のような初期作の色合いを残した楽曲もちゃんと要所を締めてくれますし、何よりハードネスとドラマ性が見事な融合を遂げた⑧なんて本作だからこそ生み出しえた名曲じゃないでしょうか。
SDGs丸出しなアルバム・タイトルに「蔵出し音源集かよ」との印象を持つ方もいるやもしれませんが(やや収録曲の出来栄えにムラが見受けられる点は事実)、しかしながらスルーしてしまうのは勿体なさ過ぎる立派な品質が保たれていることは強調しておきたい1枚です。


PROTECTOR - A Shedding of Skin ★★★ (2007-02-21 22:34:00)

穏やかで美しい森の中をイメージさせるイントロから一転、凶悪な高速スラッシュ・ナンバーが次々に畳み掛けてくる、'92年発表の4thアルバム。
息つく暇のないシュレッド・リフ、ブラスト寸前のリズムを叩き出すDs、デス声1歩手前(そのもの?)のVoとが、雪崩を打って突撃してくるスタイルは相変わらずながら、音質が飛躍的に向上、従来の高速度に重量感まで加わったスラッシュ・サウンドは、更なるデス・メタルへの接近を感じさせ、その迫力は只事じゃない。
また、前作『LEVIATHAN'S DESIRE』に比べるとリフがシンプルになったというか、楽曲自体がよりストレートにビルドアップされた印象で、欧州風味のオドロオドロしさが抜けた作風はスッキリと垢抜け、サウンド・プロダクションの充実と相俟って、これまでの作品の中でも最も聴き易い内容に仕上がっているような?(『URM THE MAD』や『LEVIATHAN'S~』の雰囲気を愛する身には残念だけど)
個人的には、このバンドにしては珍しく明快なリフ・ワークを聴く事の出来る高速スラッシュ・チューン⑧が気に入った。
PROTECTOR初体験者にもお薦め出来る、ジャーマン・スラッシュ・メタルの好盤。


PROTECTOR - Leviathan's Desire ★★★ (2006-07-01 19:37:00)

新作までの繋ぎと、新Voの紹介を兼ねて僅か一週間でレコーディング、'90年に発表された7曲入りミニ・アルバム。
いやぁ、速い速い。しかも速いだけでなく、きっちり「タメ」を設けることで、ブラスト寸前の疾走感との組み合わせで劇的なダイナミズムを演出するその手腕。暗黒のドラマに満ちた曲展開のみならず、その物語を紡ぐに相応しい邪悪さとキャッチネスを兼ね備えたGリフの練り上げっぷりまで、本作はバンドの成長の跡がしかと刻み込まれたハイクオリティな内容に仕上がっています。(事実、リリース後間もなくで2万8千枚以上の売り上げを記録したという)
新加入のオリバー・ヴィーベルは、限りなくデス声に近い吐き捨て型Voで、「このVoのせいで曲の疾走感がスポイルされている」という批判は全く以ってその通り。困ったものなのですが、それでも前任者マーティン・ミシーに比べれば随分と「走っている」印象で、これは両者の性格の違いにも起因しているのかなぁ、と。(メンバー曰く「マーティンは内向的、オリーは社交的」)
国内盤は2nd『URM THE MAD』とのカップリング仕様なので、彼らの歌唱を聴き比べてみるのも一興。で、実際に知り合いに聴かせてみて「どっちが良いと思う?」と感想を求めたら「違いが全く分からん」とバッサリ。ですよねー。
それでも、ずっと聴いているとこの曲のリズムをワンテンポ遅れで歌メロを追っける演歌チックな唱法が、だんだんクセになってきてしまうのだから不思議ですよ。


PROTECTOR - Leviathan's Desire - Subordinate ★★ (2006-03-31 21:56:52)

人間離れした咆哮のVo、狂ったギター・ソロに、ブラスト・ビート炸裂させるリズム隊と、
ノリは殆どデス・メタルながら、聴き終えた後の感想が
「ヨーロピアン・スラッシュの名曲を聴いた!」に落ち着くのは、
欧州へヴィ・メタルの匂い薫る練られたリフ・ワークゆえか、
はたまた根底に流れるダーク且つ耽美なドラマ性ゆえか。


PROTECTOR - Urm the Mad ★★★ (2014-02-03 23:30:56)

PROTECTOR復活の報を教えて頂き、久し振りに引っ張り出して聴き直している'89年発表の2ndフル・アルバム。日本では嘗てテイチクからEP『LEVIATHAN'S DESIRE』('90年)とのカップリングで、全20曲、収録時間70分オーバーという、この手の音に興味のない人には拷問みたいな仕様で国内盤がリリースされていましたね。
'94年にオーバードーズにより死去した中心メンバー、ミヒャエル・ヘッセの畳み掛けるドラミングを核に、マーティン・ミシーの咆哮型Voと、痙攣気味に刻まれるGリフが暴風の如く荒れ狂うスラッシュ・サウンドは、『TERRIBLE CERTANITY』を発表した頃のKREATORを彷彿とさせる一方で、押しまくるだけでなく、スロー/ミドル・セクションを有用。例えばアコギが爪弾かれるイントロから段階的にスピードを上げていく⑦のような、いかにもヨーロピアンな湿気ったヘヴィネスと、暗黒美に満ちたドラマを演出する手腕も冴え渡っています。
昔聴いた時は後ノリのデス声Voが、せっかく全編に充満する爆走感をスポイルしているように感じられ、あまり好きになれなかったのですが、デス声がすっかり市民権を得た(要するに聴き慣れた)今となっては、当時ほど気にはならなかったり。荘厳な雰囲気も醸し出す邪悪なスローチューン③のカッコ良さなんて、この声あってこそですよ。
個人的にPROTECTORといえば真っ先にこの頃の音が思い浮かぶのですが、再結成作はどんな感じなんでしょうね。


PROUD - Fire Breaks the Dawn ★★ (2009-12-17 23:06:00)

北欧メタル・ファンの間で「隠れた名盤」として今に語り継がれる、スウェーデンはランツクルーナ出身の
5人組HMバンドが唯一残した'84年発表のデビュー作。
アルバムの作風をバッチリ伝える暗く怪しげなアートワークと、『情炎の白夜』なる邦題が非常に良い味を出している本作。
'93年に国内盤がCD化された際には速攻お店に買いに走りましたが、一聴して最初の感想は「音悪っ」(苦笑)。
Voもお世辞にも歌が上手いとは言えず、音質の酷さと拙い歌唱が相俟ってアルバムの貧乏臭さに拍車が掛かってますが、
しかし、それが一体なんだと言うのか。デビュー当時「虫歯になりそうなぐらい甘い」なんて評されたのは、
このバンドだったかSKAGARACKだったか忘れてしまったが、ともかく甘美にしてドラマティックなツイン・リードGを
前面に押し出した、北欧のバンドらしいリリカルな叙情性と、NWOBHM由来の攻撃性が丁度良い按配で
組み合わされた楽曲の数々が放つ鮮烈な輝きは、そうした諸所の欠点を差し引いて尚、霞む事はない。
個人的には、ツインGがメロディアスに切り込んで来るOPナンバー①のイントロを聴いた瞬間「買って良かった~」と
目尻を下げましたが、本作はそれ以降も、ラストを締めるシャープな疾走チューン⑧に至るまで優れた楽曲が目白押し。
これでシンガーがもっと上手かったら最高だったのに・・・と思わなくもないが、歌唱力は兎も角、このVoが朴訥と歌う
マイナー調のメロディは、本編の寒々とした空気を引き立てる役割を果たしていて切り捨て難い味わい有り。
正直なところ荒削りで垢抜けない作品だし、とても万人向けの代物ではないが、日々、泣きメロ/クサメロの探求に
余念がないメロディ愛好家の方なら、間違いなく生涯お付き合いしたくなる魅力を秘めた1枚かと。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - Echoes From the Past ★★ (2011-11-29 20:53:29)

邦題は“記憶のかなたへ”
歌唱力はそれ程でもないが魅力的なメロディを歌うVoと
流麗なメロディを奏でるツインGが見事なコンビネーションを
披露するサビメロが秀逸です。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - No Losers ★★★ (2011-11-29 20:58:47)

ダーク且つ甘美なメロディを豊かに奏でる
2本のGに牽引される形で、ドラマティックに
展開していくアルバム中盤の山場的名曲。
雄々しい男性コーラス・パートが非常に印象に残りますね。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - Star Fighter ★★★ (2009-12-17 23:27:09)

これぞ北欧メタル!という美しくも攻撃的な
ツインGのイントロだけでご飯3杯は行けるます。
音は悪いし、歌は下手だし、ひたすらリフだけで
押し切ろうとする曲展開は垢抜けない。
でもそうしたイモな部分も含めて愛して止まない名曲。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - Star of the Masquerade ★★★ (2011-11-29 21:01:53)

シャープなリフ・ワークから、
美しくドラマティックなユニゾン・プレイまで
流麗にこなすツインGが主役を張る
スピーディなラスト・ナンバー。
“仮面劇の主人公”なる大仰な邦題に
名前負けしていない名曲です。


PROUD - Second Act ★★ (2021-08-26 00:52:25)

80年代の北欧メタル名盤総選挙でも開催した日にゃトップ10入りは確実視されている(俺の中で)1st『情炎の白夜』(’84年)1枚のみで消えたスウェーデンのPROUD。本作は彼らが30数年ぶりに復活を遂げ'21年に発表した2ndアルバムです。邦題は『蘇る白夜』。
ちょい前からショップで輸入盤がディスプレイされているのは見かけてはいたものの、あまりに1stとアートワークの方向性が違うので「本当に同一バンド?」と購入を躊躇していたら、いつの間にやら国内盤が発売されているじゃありませんか。悩んどくもんだなぁ。
リフ志向の楽曲にNWOBHMからの影響がハッキリと刻まれていた前作に比べ、曲調はよりしっとりと落ち着いたメロハー・テイストを強めていますが(元々80年代当時からそっち方向へ進みたかったが果たせず解散してしまったという)、要所を彩る哀メロは北欧メタルならではの冷ややかな魅力を放っていて、特に、今は亡きメンバーに捧げられている絶妙なメロディ展開が胸を打つOPナンバー①と、壮大且つドラマティックな⑧、各段に歌唱力を向上させながらどこか変わらぬ野暮ったさも垣間見える(悪口ではない)アンダース・マグネルのVoが映える⑩等は、バンドが一押しの楽曲として自信を覗かせるのも納得の「ああ、間違いなくPROUDだ」と確信するに足る出来栄えを誇っています。
デモテープをそのまま製品化してしまったような、メジャー・リリース作品とは思えぬチープな音質だった1stは、思い出補正抜きで今聴き直すと結構厳しいものがあるやもしれませんから(楽曲は文句なしで素晴らしい)、本作の方がPROUD入門盤としては取っ付き易いかもしれません。
まぁでも個人的に一番待ち望んでいるのは1st国内盤のリマスター再発なんですけどね。


PURGATORY (2012-11-27 22:41:16)

同名のバンドがちらほら存在しますが、彼らはオハイオ州はクリーブランド出身。結成は'84年で、'85年にセルフ・タイトルのEPを制作。ラインナップはジェフ・ハットリックス(Vo)にマーク・アレクサンダー(B)、グレッグ・ペリー(Ds)、それにケニー・イーストリー(Ds)の4人。
'86年にはサイドGを加えてAUBURN RECORDSから1stフル『TIDE TO THE TRAX』をリリース。こちらはBURRN!!の輸入盤レビューでも取り上げられ、「ブラッキー・ローレスを踏み潰したような顔」のジャケットのイラストとシンガーの下手さがいじられていました。(点数はあんまり良くなかったような)
バンドはその後間もなく解散。Voは自己のバンドHATRIXを結成、ケニー・イーストリーはMYSTIK(良いバンドでした)に参加して日本デビューも飾るなどそれぞれの道を進むが、'03年にリユニオン。ただ、その後も音源発表には至っていない様子。


PURGATORY - Tied to the Trax ★★★ (2012-11-27 22:41:58)

昔、バイトの先輩に聴かせて貰って以来、長らくもう一度聴いてみたいと念願していた作品だったので、先日、ふらっと立ち寄ったCD屋にて中古盤を発見した時は、「これってCD化されてたんだ」と思わず嬉しさに小躍りしそうになりましたよ。
バンド名からもお察しの通り、ポール・ディアノ時代のIRON MAIDENからの多大なる影響を根っこに据え、それを徹夜明けのテンションでハイパー化させたような破れかぶれサウンドがその持ち味。何となくスラッシュ・バンドと思い込んでいたのですが、今聴き直すと、結構パワー・メタル寄りです。
チープなプロダクションに、音程もリズム感も怪しいVo、荒っぽく接木された曲展開等、目指すべきお手本に今一歩(というか二歩も三歩も)手が届いていない内容なんですけど、とにかくガムシャラに叩きまくるDsを軸に「でも演るんだよ!」とばかりにアクセルべた踏みで突っ走る、前のめりな生き様が刻まれたサウンドはどうにも嫌いになれません。というか大好き。
かつて聴いた時はドラマティックな⑤の名曲ぶりに痺れましたが、スラッシーな①⑥、スピード・メタリックな②、ラスト・ナンバーに相応しい劇的さを提示してくれる⑧なんかも十分楽しい出来栄え。
声を大にして「このアルバムを聴け!」とは言えませんが、小声でこっそりと「良いアルバムですよ」とお薦めしておきたい1枚です。


PURGATORY - Tied to the Trax - Deep Into the Red ★★★ (2012-11-28 21:57:05)

「IRON MAIDEN+MOTORHEAD」と評しておられる方が
いましたが、まさしくそんな感じの疾走曲。
鋭角的なGリフが80年代前半のスピード・メタルしていて
非常にイカしています。