この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4401-4500

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4401-4500
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70
モバイル向きページ 


PURGATORY - Tied to the Trax - Fear of the Night ★★★ (2012-11-28 21:48:56)

学生時代、バイトの先輩に聴かせて貰い、
「カッコイイ曲だなぁ」と思ってから幾年月。
久し振りに聴いてみてもやっぱり名曲でした。
シンガーのシアトリカルな笑い声が被さる
劇的なイントロ部分だけでハート鷲掴み、
「止まったら死ぬぜ」とばかりに、慌しく
せかせかと展開する前のめりで強引な曲展開も魅力的です。


PURGATORY - Tied to the Trax - Purgatory (Shattered Vision) ★★★ (2012-11-28 21:54:20)

IRON MAIDENのカヴァーじゃありませんが、
6分に及ばんとする長尺を
「聴かせる姿勢」を貫いた名曲です。
Voの力量不足が露呈してしまっていますが
その分、2本のGが踏ん張ってドラマティックな
曲展開を熱く盛り上げてくれています。


PYG - FREE with PYG ★★★ (2019-03-31 10:42:37)

内田裕也に続いてショーケンまで死んでしまった。世代的に、この人に関しては完全にドラマや映画で見る「俳優」という認識で、ミュージシャンとしての経歴については殆どフォローせずに来てしまった身ゆえ、初めて本作を聴いた時はそりゃもう驚きました。
萩原健一(Vo)、沢田研二(Vo)、岸部一徳(当時は修三/B)、大野克夫(G)、井上堯之(Key)ら、知名度も実力も抜群な面子により結成されたスーパーバンドながら、音楽シーンが端境期を迎えていた当時は正当に評価されず短命に終わってしまったPYG。本作は彼らが'71年に田園コロシアムで行った野外ライブの模様を収めた2枚組実況録音盤です。
洋楽バンドのカヴァーが大半を占め、オリジナル曲はオマケ程度の扱いのセットリストや、出している音は本格派だけどジュリーのMCは歌謡ショー風…という取り合わせに当初こそ戸惑ったものの、邦楽HR創世記の試行錯誤をドキュメンタリックに伝えてくれるこうした作りも本作の大きな魅力。ジョン・ポール・ジョーンズが認めた岸部のBを始め、卓越した演奏力を誇る楽器陣と観客の悲鳴のような声援(まさにアイドル)をバックに、ジュリーが声を振り絞る息も絶え絶えな“SPEED KING”!ショーケンが出鱈目英語でシャウトする“悪魔を憐れむ歌”!と、人によっちゃ噴飯ものかもしれませんが、個人的には「でも演るんだよ!」という前のめりな姿勢と、荒々しい熱気が迸るこれらのカヴァーを嫌えるわけがねえ。ショーケンの後者なんて一周回って「寧ろこれがロック」と。Disc-2のオリジナルの名曲③における彼の全身全霊を込めたシャウトにも魂を持っていかれる思いですよ。
萩原健一を単なる「お騒がせ芸能人」と認識している人に聴かせて回りたい1枚でした。合掌。


PYG - PYG! Original First Album ★★★ (2018-11-21 00:42:07)

日本芸能史に燦然と輝くスター、沢田研二(Vo)を始め、萩原健一(Vo)と岸部一徳(B)、数多くのドラマや映画音楽を手掛け作曲家として名を成した井上堯之(G)、大野克夫(Key)ら錚々たる面子により結成され、そしてスーパー・グループの宿命に則り短命に終わってしまったニュー・ロック・バンドが'71年に残した、スタジオ・アルバムとしては唯一の作品。
CD化が実現した際、「GSのトップ・グループでアイドル的人気を誇ったメンバー達が本格派HRを追求するべく新たなバンドを結成」という、まるでLOUDNESSを先取りしたかのような結成経緯と、何より多士済々な顔触れに釣られ完全に興味本位で購入した本作でしたが、ファズの効いたGがかき鳴らされるOPナンバー①が始まった時点で、そのカッコ良さに金属バットで後頭部をフルスイングされたぐらいの衝撃を受けましたよ。
ジュリーとショーケンのツインVoの重ね方等、全体としては未だGS時代の残り香が端々から漂ってくるものの、後追いファンには寧ろそれが新鮮に感じられましたし、何より10分に及ばんとする大作曲で、泣きのGソロと抒情的なオルガン、ヘヴィなリズム・セクションに耳奪われる⑤、『帰ってきたウルトラマン』劇中歌としても知られる哀切に満ちた⑥、そしてショーケン渾身のシャウトにメタル魂を揺さぶらる劇的な⑦と、名曲が連続する中盤の盛り上がりが圧巻。俳優としてしか認識していなかった岸部一徳が手掛けた内省的/哲学的な歌詞も今聴いても全く古びておらず、ジョン・ポール・ジョーンズが絶賛したというBプレイ共々、居住まいを正さずにはいられませんて。やるなぁ、サリー。
「日本のロック・シーン過渡期に埋もれてしまった悲運の名盤」の評価に偽りなし!な1枚。


PYG - PYG! Original First Album - Hana Taiyo Ame ★★★ (2018-11-22 00:40:46)

詩情をそそるメロディと、岸部一徳の手によるリリカルな歌詞が
どこかノスタルジーを喚起する哀切なバラード。
ジュリーの歌声と美しいVoハーモニー、クイクイ涙腺を刺激するGに聞き惚れますよ。


PYG - PYG! Original First Album - Hana Taiyo Ame ★★★ (2018-11-26 00:08:57)

子供の頃に再放送で見た「帰ってきたウルトラマン」の劇中で
流れていたのが印象に残っているのですが、あれはシングル・バージョンなんですよね。
アルバムとシングル、両バージョンを聴くことができるという
ベスト盤を買おうかどうか悩んでいます。


PYG - PYG! Original First Album - Nanimonai Heya ★★★ (2018-11-22 00:27:47)

萩原健一作詞、沢田研二作曲の名曲。
ショーケンの激情迸るシャウト、咽び泣く井上堯之のG、
大野克夫が叩きつけるピアノが劇的に絡み合う
クライマックスの盛り上がりっぷりは、
息苦しさを覚えるほどに感動的です。


PYRACANDA - Thorns ★★ (2006-05-15 22:27:00)

評価も知名度も完成度も1stに比べると劣る物の、個人的には結構お気に入りの一枚。
全体的に疾走感は抑え気味で、低~中速でスタート、リフ/リズム・チェンジを繰り返しながら、
徐々にスピードを速めて盛り上がっていくタイプの曲が大勢を占めているが、リフの鋭さや、メロディの扇情力に鈍りは殆ど感じられない。
また、テンポが落ちた分、2本のGが奏でるメロディの質の高さが浮き上がって聴こえるのもポイント。
インスト・パートの劇的さが鳥肌モノの“AT THE ABYSS"、腰の据わったヘヴィ・チューン“DRAGON'S CULT"、激烈スラッシュ“SHUT UP"、
アコギ・パートから疾走に転じる曲展開がガッツポーズもののカッコ良さの“TWO SIDES OF A COIN"等、聴かずに捨て置くには惜しい名曲・佳曲を多数収録。
本作最大の弱点は、後半に並ぶ曲が地味なので、聴き終えた後のスッキリ感がイマイチな点だろうか。


PYRACANDA - Thorns - At The Abyss ★★ (2006-05-17 21:00:26)

「THORNS」のOPチューンにして、個人的にはアルバムのハイライト・チューン。
ミドル・ハイ・テンポの前半から、小刻みなリズム・チェンジでエネルギーを溜め込み、
一気にスラッシュ・スピードへと雪崩れ込む曲展開と、
ここぞ!というタイミングで劇的且つメロディックに炸裂するGソロが非常にカッコイイ。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin ★★ (2006-10-18 22:25:00)

ドイツ産5人組スラッシャー、'90年発表のデビュー作。
DESTRUCTIONの『RELEASE FROM AGONY』に匹敵するキモジャケで知られる1枚だが、DESTRUCTIONのそれが
「狂気に彩られたスラッシュ・メタル」という作品内容を幾らか表現できていたのに対して、本作は、
リズム・チェンジを繰り返しながらドラマチックに盛り上がっていく、時にHELLOWEEN等を彷彿とさせるパワー・メタルがかった
メロディックなスラッシュ・サウンドが魅力なわけで、それをこのジャケで十分に表現出来ているかと言えば・・・うーむ。
まぁそれは兎も角、内容の方は高品質。当時のドイツ産スラッシュ・バンドと言えば、三羽鴉を筆頭に、
邪悪な吐き捨てシャウトを響かせるバンドが多かったが(?)、このバンドは、ヘタウマながら歌えるVoを擁して、
メロディ重視の姿勢を貫いている辺りが(個人的には)好印象。スピーディでドラマチックなインスト・パートも絶品で、
例えばアルバムのOPを飾る①。スタート時こそ平凡なスラッシュ・ソングといった趣きで
掴みとしては弱い印象なれど、中盤のインスト・パートからグイグイと力強く盛り上がっていく様は圧巻。
歌メロとインスト・パートの魅力が上手く噛み合った⑥⑦⑨は、このバンドを代表する名曲ではなかろうか。
解散前の'92年に2ndアルバムも発表しているが、よりプログレッシブ方向に舵を切ったそちらも、なかなか聴き応えのある作品だと思う。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin - Don't Get Infected ★★ (2007-01-27 21:03:40)

ドラマチックなイントロで「掴み」はOK。
アルバム中、最もスラッシュ・メタルらしい1曲。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin - Top Gun ★★★ (2019-05-26 23:02:51)

ジャケットがインパクト大なジャーマン・パワー/スラッシャーの
デビュー作のOPナンバー。’88年にドイツのラムシュタイン空軍基地で発生した
墜落事故をテーマに、スラッシーな前半から、パワー・メタリックな中盤へと
テクニカル且つドラマティックに盛り上がっていく曲展開がまさにPYRACANDA印。
先日リマスター盤を買い直したのですが、この曲を聴いただけで
かなり音の分離が良くなったとの印象を受けましたよ。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin - Welcome To Crablouse City ★★★ (2007-01-27 21:01:55)

物憂げなイントロから一転、スラッシーに疾走を開始。
リズム・チェンジを繰り返しながら盛り上がって行き、
その頂点で劇的なツインGが炸裂・・・と、
PYRACANDAというバンドの魅力を
ギュッと凝縮したかのような超名曲。
朗々とした歌メロは、スラッシュ・メタルというより
メロディック・パワー・メタル的かも。


Passion Street (2015-10-09 22:56:13)

シンガーのリック・カーティを中心に、英国南東部の街ブライトンを拠点に活動していた、ツインGにKey奏者を含む6人編成の大所帯バンド。
'93年に制作した9曲入りデモテープが評判となったことから、更に1曲を追加収録して正式アルバム化。同作は'94年にMEGAROCK RECORDSから(日本盤はゼロ・コーポレーションから)リリースされた。
アルバム1枚きりで活動が滞ると、VAUGHNのパット・ヒース(G)らを新メンバーに加えた後、バンドはBRAVE NEW WORLDと名を変え、トーベン・シュミット(SKAGARACK)のプロデュースの下、アルバム『MONSTER』をリリースしている。


Passion Street - Million Miles Away ★★ (2015-10-09 22:59:29)

イギリス出身の6人組が、MEGAROCK RECORDSに'94年に残した唯一作。
BOSTONの『THIRD STAGE』を思わすスペーシーなアートワークに、当時の日本盤リリース元がゼロ・コーポレーションだった事実だけで、メロディ愛好家はある程度本作に託されている音像が想像できるのではないかと思いますが、実際、その期待が裏切られることはありません。
Keyを爽やかに配し、マイルドなハイトーンVoと、ニール・ショーン型の歌心を感じさせるGとが、適度にポップで適度にウェット(ハジけきれない感じがいかにも英国的)なメロディを芳醇に紡ぎ出していくサウンドは、BOSTON、JOURNEYといった大御所からの影響も濃厚なAOR/産業ロック路線を志向。
元がデモテープで、商品化に当たっても何のお色直しも施されていないらしく、プロダクションに関しちゃ貧弱極まりないのが残念ですが、アルバム表題曲②を筆頭に、ヘヴィ&ダーク一色に塗り潰されていた当時の英国HR/HMシーンに差し込んだ一筋の希望の光の如き楽曲の良さが、それを大いに救ってくれています。(まぁ、本作のみで潰えてしまう儚い輝きだったわけですが、だからこそ尊かったとも)
インディー・レーベルからの発表だったせいで流通が弱く、今じゃゼロから出ていた日本盤に妙なプレミアが付いて手の出し辛い作品になってしまっていることが惜しまれます。


Passion Street - Million Miles Away - A Million Miles Away ★★★ (2015-10-14 00:02:17)

「流行から100万マイル離れた音楽を演っている」
という、イギリス的なユーモアも込められたアルバム表題曲。
甘口なVoと歌心を感じさせるG、爽やかな空気を運んでくる
Keyのコンビネーションは、まさしくメロハーの王道。


Peter Sundell (2019-05-28 23:35:51)

スウェーデン出身のシンガー。
MADISONやTALK OF THE TOWNのバック・ボーカルを務める等してキャリアを積み、PROMOTIONでアルバム・デビュー。
このバンドを前身に誕生したGRAND ILLUSIONが日本でも人気を集め、また彼らが発表した作品で聴けるピーターの透明感を湛えた瑞々しいハイトーンVoが高評価を得たことで、知名度を一気に高めることなった。
'18年に初めてのソロ・アルバムとなる『NOW』を発表。


Peter Sundell - Now ★★★ (2019-05-28 23:41:50)

知ってる人は知っているスウェーデン出身のシンガー、ピーター・スンデルが、'18年に発表した初のソロ・アルバムは、若き日の彼が影響を受けたアーティスト達の名曲を瑞々しく歌い上げるカヴァー・アルバムとなりました。
HR/HMファンにお馴染みのバンドから、プログレ系、あるいはポップ畑のアーティスト、更に意外なところでは日本のオメガトライブまで、カヴァー対象はバラエティ豊か。ただ、いずれ劣らぬキャッチーなメロディが印象的な名曲にスポットが当てられており、例えばDAVID ROBERTSの③、HUGHES/THRALLの⑤等、「良いトコ突くねぇ」と親指を立てたくなるチョイスには顔が綻びます。それらを盟友オラフ・トランペ(G)がアレンジに演奏に全面支援。メロハー風味と抒情性を増幅する方向で料理してくれているのですから、GRAND ILLUSIONを始め、ピーター&オラフがこれまで関わってきたとバンドを愛するファンのツボにハマるのは自明の理というもの。
ピーターも透明感溢れる歌声で主役ぶりをアピール。鼓膜にキンキンくるハイトーンVoは評価が割れるようですが、彼の支持派としてはそこが良いんじゃない!と。AIRPLAYの①、トレヴァー・ラビンの②と、開巻早々「らしさ」全開のハイトーン連発に思わず頬が緩んでしまいます。より優美なアレンジで蘇ったKANSASの名バラード⑧を始め、(声質的な好き嫌いをさておき)実力には折り紙付きのシンガーが、優れた楽曲の数々を歌い上げているのですから、そりゃ楽しめないわけがありませんよ。
もし次があるならば、その時は新曲揃えてソロ・アルバムを作ってくれたら尚嬉しいですけども。


Peter Sundell - Now - Dust in the Wind ★★★ (2019-05-30 00:30:57)

“すべては風の中に”の邦題で知られるKANSAS屈指の名バラード。
素朴な美しさと詩情を湛えた原曲を、このバージョンでは
オーケストラの存在を強調して、より優美且つドラマティックに
アレンジしてカヴァー。ピーターの伸びやかな歌唱の見事さと相俟って
アルバムのハイライトの一つと言える仕上がりとなっています。


Phantom Excaliver (2015-10-24 12:11:13)

amazon.co.jpという名の魔界から召還した聖剣エクスカリバーの下に集いしメンバーにより結成された、エピカルでドラマティックな(バンド曰く「メロディック・スピード・デス・メタル」)サウンドを標榜する東京出身の4人組。
尚、バンド名にも冠されているエクスカリバーのアルファベットの綴りが「EXCALIVUR」ではなく「EXCALIVER」なのは、別に英語の偏差値が可哀想なせいではなく、PHANTOM Xと名乗っていた前身バンド時代に、アメリカの同名バンドから「訴えてやる!」と捻じ込まれたのがトラウマとなり、もう絶対に名前が被らないよう念には念を入れた結果なんだとか。


Phantom Excaliver - 鋼鉄の誓い ★★ (2015-10-24 12:12:28)

BURRN!!誌に掲載されていたインタビューのぶっちゃけぶりと、ラウパ会場で見かけた、お客さんに囲まれ、聖剣片手に写真撮影に応じる気さくな姿にすっかりファンになってしまい、思わず購入してしまったPHANTOM EXCALIVERのデビュー作。
アメコミ調のグループショット、格好良くポーズ決めてるメンバーの背後に回り込んでみると半ケツ剥いてる(笑)アートワークが彼らの愉快な個性を物語っていますが、音楽性の方は至って硬派。
友情/努力/勝利のジャンプ・メソッドをコンセプトに、聴く者の士気を鼓舞するかのように、雄々しいメロディを纏って突撃する勇壮なサウンドは、CD帯には「メロディック・スピード・デス・メタル」と表記されているものの(ハウリングブルからのリリースですし)、実際のとこ本編の大半を占めるのはパワー・メタル成分で、デス・メタル要素は申し訳程度。曲中に「語り」が入ると何となく聖飢魔Ⅱのことを思い出したり、またスピーディな曲調に朗々とした歌メロが乗る場面等はXからの影響が顕著に感じられたりも。
Voはメロディックな歌い上げと音程のないシャウトの2本立てで、現状、そのどちらにも余裕が感じられないのが惜しいですが、これから経験を積めば解消されていくでしょうし、あとは曲調にもう少し幅が出ると更に良くなるのではないかと。
それでも、本作だけでもバンドの実力の高さは十分伝わってきます。先行き楽しみなバンドがまた一つ登場してくれましたよ。


Phantom Excaliver - 鋼鉄の誓い - 鋼鉄の誓い ★★★ (2015-10-25 21:00:02)

確かなテクニックに支えされスピーディに疾走する、
ストロング且つドラマティックなパワー・メタル・ナンバー。
東映三角マークをパロッたOPで笑ってしまう
コミカルなノリで駆け抜けるPVも併せて見れば、
彼らがどういった性格のバンドなのか良く分かります。


Pole Position (2014-03-11 23:28:28)

スウェーデンはノルショピンにて、ラース・ボクィスト(G)とダニエル・ゲッセ(Ds)を中心に、80年代後期に結成。
地道なライブ活動が実を結び、自主制作シングルのリリース('91年)を経て、'93年にセルフ・プロデュースの1st『POLE POSITION』を発表してデビュー。
'94年にはEP『CALL』を、'98年には2nd『BIGGER』をそれぞれリリースするもあまり話題にはならず(日本盤も出なかったと記憶する)、バンドは解散。
シンガーのヨナス・ブルムはリチャード・アンダーソン率いるMAJESTICに加入しアルバム1枚を残した後、再びラースと合流。ヨナス・レインゴールドらと共にREPTILIANを立ち上げた。


Pole Position - Pole Position ★★ (2014-03-11 23:29:11)

スウェーデン出身の4人組が'93年に、日本ではゼロ・コーポレーションから発表したデビュー作。
聴きながら目を瞑れば80年代にタイムスリップしそうになる、溌剌としたOPナンバー①とラスト・ナンバー⑪にサンドイッチされた本編は、身体を心地よく揺らすグルーヴィな曲調と、思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなコーラスを備えたポップ・メタル・ソングがスシ詰め。
エッジの立ったリズム・プレイから、テクニカルなソロまで派手に弾きまくるギタリスト、それに威勢の良い歌い回しがこの手のサウンドにマッチしている(キンキンした高音域が少々耳障りではありますが)シンガーの存在も、80年代風味に拍車を掛けてくれます。フッキーなサビメロが秀逸な③なんて、アメリカの売れ線バンド群でもそうそう書けそうにない高いヒット・ポテンシャルを感じさせてくれる名曲ですよ。
また、緩急を効かせた⑤、スパニッシュ風味をアクセントにした⑧といった楽曲にに顕著に表れている通り、健康的にハジけながら何処か涼しげな空気も運んでくるメロディや、適度にKeyを用いて透明感を演出するアレンジ等、随所で匂い立つ「北欧メタルらしさ」が、このバンドならではの個性になっています。
ヘアメタルと北欧メタルのハイブリッド・サウンドが魅力の1枚。


Pole Position - Pole Position - Sign ★★★ (2014-03-12 21:49:39)

北欧メタル・バンドだけど、国内盤の解説を
藤木氏ではなく川合氏が書いていることに大いに得心が行く
(往年のBURRN!!読者向けの例え)
ド・アメリカンなロック・ナンバー。
アリーナ・ロックばりのスケール感と
キャッチーさを併せ持ったサビメロが素晴らしい。


Q5 - Steel the Light ★★★ (2011-12-17 10:21:33)

Q5という名を最初見た時は「プログレ・グループ?」と思いましたが、実際はトレモロ・アーム・ユニットの開発者として知られるフロイド・ローズ(G)が、T.K.O.の元メンバーらと共にシアトルにて結成したツインGを擁する5人組のデビュー作。
エッジの効いたGリフと、溌剌と弾むタテノリのリズムの上に憂いを帯びたメロディが乗るキャッチーなポップ・メタル・サウンドは、LAメタル真っ盛りの'84年リリース作品に相応しい華やかな雰囲気をその身に纏い、ジョナサンKことスコット・パルマートン(Vo)のハスキーなシャウトが炸裂するアグレッシブなOP曲“MISSING IN ACTION”、哀愁のHRナンバー“LONELY LADY”、冷やかでスペーシーな感触を伝える表題曲“STEEL THE LIGHT”といった名曲が連続するアルバム前半の完成度の高さは「お見事」の一言に尽きますね。(絶品の泣き虫バラード“COME AND GONE”が控える後半もなかなか)
フロイド・ローズはここに収められたセンス溢れるGプレイやフック満載の曲作りの巧さを通じて、ギター開発者としてのみならず、プレイヤーとしてもコンポーザーとしても類稀なる才能を誇る事を見事に証明してみせたんじゃないでしょうか。
レコード会社のバックアップ体制が貧弱だったのか、はたまた地元の音楽雑誌で「'84年度ワースト・アートワーク」に選出されてしまったというビザールなジャケットが足を引っ張ったのか(日本盤は欧州盤のデザインに準じているので一安心)、アメリカでは全く話題に昇ることなく埋没してしまった事が非常に惜しまれる1枚。
尚、バンドはもう1枚アルバムを出したあと解散。


QUARTZ - Stand Up and Fight ★★★ (2016-05-22 23:19:22)

NWOBHMの盛り上がりは、新人だけでなく、中堅HRバンド達の参戦にも支えられていたわけですが、バーミンガム出身のQUARTZもそうしたグループに属するバンドの一つ。
トニー・アイオミが1stのプロデュースを手掛けたり、オジーがゲスト参加したりと、地理的/音楽的/人脈的に「BLACK SABBATHの弟分」との評判を得ていた彼らも、ジェフ・ニコルズ(Key)がそのBLACK SABBATH加入のため脱退したのを受け、4人編成でレコーディングが行われた本2ndアルバム(’81年)では、NWOBHMの勃興に歩調を合わせて音楽性をビルドアップ。『蛮勇コナン』の挿絵みたいなマッチョなアートワーク&アルバム・タイトルを手始めに、ソリッドに刻まれるGリフ、ブンブン唸りを上げるB、アタッキーなDs、歌メロから燻し銀の哀愁迸らせるVoとが、タイト且つキャッチーに押し出して来る楽曲に至るまで、作品全体が格段にメタリックな光沢を放つようになりました。
パワフルに撃ち出されるOPナンバー①、フィスト・バンギングを誘発する勇ましげなヴァースからメロディアスなサビへの移行が効果的な②、キビキビとした曲調の中からブリティッシュな哀愁が滲み出す④⑤、本編中最もNWOBHMの体臭を匂わす疾走ナンバー⑦、ドラマティックな曲展開を盛り立てるシンガーの塩辛い熱唱にグッとくる⑧etc…と収録楽曲はいずれも優れモノばかり也。
70年代からコツコツ積み上げた経験値が反映された、メタリックなアグレッションのみならず、英国産HRならではの滋味も非常に味わい深い1枚です。


QUARTZ - Stand Up and Fight - Charlie Snow ★★★ (2016-05-23 23:01:26)

杭を打ち込むような力強いヴァースから一転、
物悲しくメロディアスなコーラスへと展開させる曲作りの巧みさに、
70年代からキャリアを積んできたバンドの底力を感じた次第。
何やらオヤジの哀愁漂ってくるVoも沁みますよ。


QUARTZ - Stand Up and Fight - Questions ★★ (2016-05-23 23:13:18)

Gリフ主体でシンプルに突っ走る様が、
まさしくザ・NWOBHMな疾走ナンバー。
切々と歌ってオヤジの哀愁漂わせてる時もいいのですが
こうしたストレートな楽曲も、この使い込んだ金属のような
味わいの歌声には非常によく似合います。


QUARTZ - Stand Up and Fight - Revenge ★★★ (2016-05-23 23:05:53)

キビキビとした曲調はへヴィ・メタリックな光沢を放ちますが
切々と歌うVoと、Gが奏でる哀愁のメロディからは
70年代ブリティッシュHR由来のドラマ性や滋味も感じられたり。
つまり実にQUARTZらしい1曲であると。
単なるリズム楽器以上の存在感を発揮するBの仕事っぷりも良し。


QUIET RIOT - Metal Health ★★ (2016-08-05 22:35:15)

'83年にリリースされ、HR/HM作品としては初めて全米チャート№1の座をゲットしたQUIET RIOTのデビュー作。本作の大ヒットにより「メタルが商売になる」と確信を得たレコード会社が一斉にHR/HMバンド獲得へと走り、アメリカでの空前のメタル・バブルを大きく援護した…という意味でも記念碑的名盤。
音楽性は、雲一つない青空の下でバカでっかいアメ車を飛ばしまくるかの如き、絵に描いたようなアメリカン・メタル。普段は泣きや哀愁を追求している我が身とはいえ、時にこの底抜けにポジティブで豪快なサウンドに、鬱積するストレスをスカッと吹き飛ばされるのも悪くねぇな!と。特にバンドの代表曲にして、LAメタルのテーマ曲とでも言うべき②(全米シングル・チャート最高5位)は、聴く度に大口開けて合唱したくなりますよ。
このキャッチーな名曲や、これまたチャートで健闘したアルバム表題曲①といった明朗快活な楽曲の印象が強い本作ですが、実は、愁いを帯びたシャープなHRナンバー⑥、ハイエナジーに突進する⑦、故ランディ・ローズに捧げられた抒情バラード⑩のようなタイプの楽曲も収録されていて、油断なりません。
成功の階段を物凄い勢いで駆け上がり、同じぐらいのスピードで転げ落ちていった見事な一発屋ぶりと、その大きな要因とされるケヴィン・ダブロウ(Vo)のビックマウスが揶揄される機会の多いバンドですが、本作はルックス同様のクドさ全開で迫り来るケヴィンの歌唱にしろ、骨太な楽器陣の演奏にしろ、確固たる個性と実力がしかと息衝く1枚です。


QUIET RIOT - Metal Health - Cum on Feel the Noize ★★★ (2016-08-05 22:48:24)

言わずと知れたQUIET RIOTの代表曲。
全米最高位は5位じゃなかったかな。
SLADEのカヴァーなのですが、
ノディ・ホルダー似のケヴィン・ダブロウ濁声Voから
より躍動感溢れる曲調、ライブ会場大合唱間違いなしの
高揚感溢れるコーラス・ワークまで、
完全に自分達のモノにしている好カヴァー。


QUIET RIOT - Metal Health - Thunderbird ★★★ (2016-08-06 09:14:01)

性格的に色々問題が多かったとされ、その最期も非常に寂しいものだった
ケヴィン・ダブロウですが、だからこそ、元メンバーの故ランディ・ローズに
優しく、切々と語りかけるように歌う、この抒情バラードにおける
素晴らしい熱唱は逆に胸を打ちます。


QUIET RIOT - QR III ★★★ (2021-01-11 23:16:48)

ケヴィン・ダブロウ(Vo)のビッグマウスぶりが人々の鼻につき始めたのか、はたまた次々にデビューを飾るBON JOVI、DEF LEPPERDといった若くてイキのいい新人バンドに話題を奪われるようになったためか、ともかくウルトラ・セールスを記録したデビュー作以降はアルバムの売上枚数の下降に歯止めを掛けられずにいた(今にして思えば十分立派な成績なんですけどね)QUIET RIOTが、勝負作として’86年に放った3rdアルバム。
笑っちゃうぐらい1stアルバムの作風を踏襲していた前作に比べ、本作ではエッジを削って丸みを帯びた音作りの下、Keyとボーカル・ハーモニーのフィーチュア度を各段に上げた、メロディアスHR路線へと一気に傾斜したサウンドを披露。筋の取れた伸びやかな歌唱を心掛けるケヴィンのVoといい、派手さは抑えて楽曲を引き立てることに注力するカルロス・カヴァーゾのGプレイといい、全体的にバンドとしての成熟を感じさせる仕上がりで、QUIET RIOTの名を聞いて想起する底抜けに明るい溌剌としたHMサウンドとは隔たりはあるものの、ことメロディの魅力に関して言えば前2作を完全に凌駕。シンセによるイントロが新鮮な空気を運んでくるQR版“JUMP”チックな①、哀愁漂う②、ケヴィンの優れたシンガーとしてのポテンシャルが十全に発揮された感動的なバラード⑦等々…。中でもスタン・ブッシュとバンドの共作曲⑩は個人的にアルバムのハイライトに推したい名曲ですよ。実はこの曲目当てで本作を購入したぐらいでして。
結局セールス的に失敗しケヴィン脱退の引き金となった本作ですが、内容の充実ぶりからすれば、試合には負けたかもしれないが勝負には勝った!と言える1枚ではないでしょうか。


QUIET RIOT - QR III - Slave to Love ★★★ (2021-01-12 23:36:35)

スタン・ブッシュ先生との共作曲なのですから、
そりゃあ素晴らしい仕上がりにならないわけがないという。
哀愁に満ちたメロディ、コンパクトに締まったGソロ、
サビで絡む女性コーラスのドンピシャな起用といい、
3rdアルバムでQUIET RIOTが試みた音楽的試行錯誤の
結実と言っても過言ではない名曲じゃないでしょうか。


QUIET RIOT - QR III - Still of the Night ★★★ (2021-01-12 23:31:31)

トシちゃんばりの「俺はビッグ」発言とか、ルディ・サーゾ苛めとか
言動面には多々問題があったのかもしれませんが、シンガーとしての
実力は間違いなく高かったのもまた事実。特にこの名バラードの感動は
ケヴィンの熱唱あったればこそ。ボビー・キンボールのゲストVoも
楽曲をドラマティックに盛り上げてくれており非常に効果的です。


QUIET RIOT - Rehab ★★★ (2021-07-27 00:39:56)

3度目の復活を果たしたQUIET RIOTが'06年に発表した、多分10枚目?11枚目?ぐらいのアルバム。そして'07年にオーバードーズによりケヴィン・ダブロウ(Vo)が急死したことで、彼が歌った最期のQRのアルバムともなりました。(バンド自体は現在も存続)
オリジナル・メンバーで残っているのはケヴィンとドラマーのフランキー・バネリのみ。そのフランキーも’18年に膵臓ガンで死去しており、本作にプレイを刻んだ二人が既にこの世にはいないことを思うと何やらセンチな気分に囚われてしまいます。弦楽器隊はLANA LANEでの活動で知られるニール・シトロン(G)と、ベテランのトニー・フランクリン(B)のヘルプを仰いでいて、バンドというよりはほぼプロジェクトの様相を呈していますが、歳月を重ねても変わらぬクドさを保ち続けている、ブラッキー・ローレス、ロン・キールと並ぶ「LAメタル三大濁声シンガー」の一人(と勝手に認定)であるケヴィンのVoと、フランキーの音数多めのドラミングという、個性の塊みたいなご両人のパフォーマンスがクッキリと楽曲にQR印を刻印してくれているという。
ヘヴィなGリフが投げやりに刻まれるOPナンバー①こそ90年代の流行りを引き摺っている感じなれど、憂いを帯びた重厚な②、多彩なフィルで曲の隙間を埋めるフランキーのドラミングが印象的な④、ソウルフルなロッカ・バラード⑤、そしてゲスト参戦のグレン・ヒューズと白熱の歌合戦を繰り広げるケヴィンのシンガーとしての実力に改めて瞠目させられる⑪といった楽曲が物語る通り、デビュー当時のパーティ・メタル路線から一皮むけた、アダルトかつ重量感溢れるHRサウンドが楽しめる1枚に仕上がっています。


QUIET RIOT - Rehab - Evil Woman ★★★ (2021-07-27 23:10:59)

QUIET RIOT版“MISTREATED”…違うか。
歌神グレン・ヒューズを向こうに回して
一歩も引かない熱唱を炸裂させるケヴィン・ダブロウは
やはり得難いシンガーであったとつくづく実感させられる名曲です。


QUIET RIOT - Terrified ★★ (2019-03-07 23:39:07)

シングル“CUM ON FEEL THE NOISE”とデビュー作『METAL HELTH』(’83年)の大ヒットで一気にHR/HMシーンの頂点へ駆け上がるも、その後MOTLEY CRUE、RATTといった若手LAメタル勢の台頭やケヴィン・ダブロウ(どうでもいいけど受験/進級シーズンには禁句なお名前だ)のビッグマウスぶりが災いして、駆け上がった時と同じ速度で王座から転げ落ちていき80年代末期に解散してしまったQUIET RIOTが復活。ケヴィン・ダブロウ(Vo)、カルロス・カヴァーゾ(G)、フランキー・バネリ(Ds)という『METAL~』参加メンバーが再結集し、彼らのブレイクから丁度10年の節目になる'93年に、この復活第一弾アルバムを発表しました。
デビュー当時の底抜けに明るいロックンロール色が薄まって、時折ブルージーな香り漂う翳りを帯びたシリアスな作風は、メンバーのミュージシャンとしての成熟と、何より90年代HR/HMシーンの潮流を意識させる仕上がり。とは言え別にPANTERAやグランジ/オルタナ・ロックからの影響を無理くり取り入れているわけではなく、音数多めのフランキーのダイナミックなドラミング、要所で花開くカルロスのフラッシーなGプレイ、顔同様にアクの強いケヴィンの歌声が映える重厚でヘヴィ・メタリックな楽曲は、QR流“HEAVEN AND HELL”ライクな①、埃っぽいイントロからパワフルに展開していく⑥、スリリングなインスト・ナンバー⑩等これはこれで十分カッコイイじゃん!と思う次第。
まぁ地味と言えば地味。前作収録の“THUNDERBIRD”みたいなキメ曲も欲しかったところですが、復活作としては及第点を余裕でクリアしている1枚ではないかと。


QWEST (2013-02-06 20:52:50)

70年代後半に、カナダはカルガリーにおいてシェリーとバリーのゲルナー兄弟によって結成。
ダン・ロウとのレコーディング・セッションに満足がいかず、完成させたテープを破棄するというドタバタを経て、STAMPEDERSを手掛けたことで知られるメル・ショウが興したMUSIC WOLRD CREATIONSからバンドがデビュー作『TAMPICO GOLD』を発表したのは'81年のこと。
'84年には、再びダン・ロウを招いてレコーディングした2nd『DREAM ZONE』をQUALITY RECORDSからリリースし、これがよりKeyのフィーチュア度を高めたAOR/産業ロック路線の名盤に仕上がっていたものの、残念ながら商業的成果には結びつかず(ありがちなパターンですが)、結局メンバーが他のプロジェクトに精を出すようになったことも有り、バンドは程なく解散してしまっている。


QWEST - Dream Zone ★★★ (2013-02-06 20:53:25)

カナダはカルガリー出身の5人組が'82年に発表した2ndアルバム。
これまたBURRN!!誌の「いにしえのメロディック・ロック」特集を読んで購入した1枚で、「AXEを若々しくしたような作風」とレビューされてたら、そりゃAXEファンしてはチェックせずにはいられんでしょう!と、当時早速買いに走ったわけですが、これがもう大当たりでした。
シェリー(Vo、G)とバリー(Vo、B)のゲルナー兄弟による息の合ったツインVoとハーモニーが、楽曲の持つ哀愁を最大限に引き立てつつ、陰に籠もり過ぎることなく、大陸的な開放感や大らかさも感じさせてくれる折衷サウンドは、正しくヨーロッパとアメリカの美味しいトコ取りな「カナディアン・メロディアス・ハード」の真骨頂。また、ハードな楽曲においても透明感を失わない辺りは確かにAXEっぽいかも。
Voに負けず劣らずGがよく歌う、初期BON JOVI的(と言ってもこっちが先輩ですが)名曲①、ポップさと哀愁が巧みに配合された「これぞカナダ産!」と思わず膝を打つ②⑥、リードBが効いている④、そしてハスキー且つエモーショナルな歌声がその泣きっぷりを盛り上げるバラード⑩なんかは、そうしたバンドのキャッチーな曲作りのセンスがいかんなく発揮された逸品。
こうなると、2ndとあまりにテイストの異なる(B級メタル風味)ジャケットに悪印象を持って購入を見送ってしまった1st『TAMPICO GOLD』が聴いてみたくなるなぁ。


QWEST - Dream Zone - Hold Me ★★★ (2013-02-06 22:28:50)

アルバムを〆るバラードリーなラスト・ソング。
ただでさえ物悲しい曲調の楽曲ですが、
ハスキーなVoが楽曲を包む哀愁の濃度を
数倍にも高めてくれています。


QWEST - Dream Zone - We Need Love ★★★ (2013-02-06 22:24:30)

OPナンバーにして、いきなりアルバムのハイライトを
飾る哀愁のハードポップの名曲。
憂いを帯びたメロディの魅力も然ることながら、
Voと同等に伸びやかに歌うGプレイの
キャッチーなフレーズ・センスも聴き所の一つかと。


RACER X - Second Heat ★★ (2021-03-01 23:55:23)

ポール・ギルバート率いるRACER Xが、サイドGとしてGITでポールの教え子だったバカテク・ギタリストのブルース・ブイエを加え、新たに5人編成へと生まれ変わって'87年に発表した2ndアルバム。
ドラマーも現JUDAS PRIESTの名手スコット・トラヴィスに代わっており、後にTHE MARS VOLTAに参加する技巧派ジョン・アルデレッティ(B)の存在といい、これにて全楽器パートが頭に「超」が付くレベルの腕利きで固められることとなった本作は、前作以上に凄まじい量の音符が乱れ打ちされる、例えばレーベルメイトのCACOPHONY辺りに通じるSHRAPNELメタルの極北と言うべきHMサウンドが問答無用で展開されている…かと思いきや、案外そうでもなかったという。
2本のGによる印象的なハモリを散りばめてメロディアスに疾走するOPナンバー①からも明らかな通り、ウルトラ・テクニカルではありつつも、「俺が」「俺が」な曲芸博覧会というよりは、寧ろポールのメロディへの拘りや楽曲志向が徐々に顕在化し始めた仕上がりで、プロダクションの向上(前作比)、シンガーとしてスキルアップを果たしたジェフ・マーティンの歌唱、それに合わせてバラードから、ライブ映えを踏まえたキャッチーな楽曲、ポップ・センスの感じられるノリの良い楽曲まで、収録曲のバラエティもその幅をグッと広げています。
正直、ピーキーなギター・アルバムを期待していた身には拍子抜けだったのですが、完成度は間違いなく高まっていますし、何より本作で試し撃ちした方法論をよりポピュラーに洗練させていった先に、MR. BIGでの成功があったのではなかろうか?なんて。


RACER X - Second Heat - Sacrifice ★★★ (2021-03-02 23:29:12)

ツインGによる凄まじいテクニックの応酬が
繰り広げらていますが、ドヤ顔でテクニックをひけらかすのではなく、
印象的なメロディを奏で、スピーディな曲調をドラマティックに
盛り上げる等、あくまで楽曲の良さを際立たせるために運用されている点に
バンドとしての成熟が感じられます。
余談ながらこの曲におけるジェフ・マーティンのVoは、
時折X時代のTOSHIっぽく聴こえるような?


RACER X - Street Lethal ★★★ (2021-02-25 00:18:38)

若干19歳にして「世界最速」とも謳われたハイテクニックを駆使し、ギター戦国時代に切り込んだ早熟の天才ギタリスト、ポール・ギルバート率いるRACER Xが'86年にSHRAPNEL RECORDSから発表した1stアルバム。
手元にあるCDを確認すると、タイトル表記が「PAUL GILBERT with RACER X」となっており、この時点ではバンドというよりは、マイク・ヴァーニーの秘蔵っ子たるポールをデビューさせるために急遽あつらえたプロジェクトであったことが伺えますが、折角そこまでお膳立てを整えた割にレコーディングは短期間&低予算というブラックな環境で行われており、風呂場で録音したみたいな音質は貧弱もいいところ。LOUDNESSやイングヴェイといった、当時ポールが影響を受けたアーティストからの影響がダイレクトに反映された楽曲の方も相当に粗削りな出来栄えとなっています。
ただ、中音域で音がゴチャっと団子になったお馴染みのプロダクションは、一周回って逆に「俺いまSHRAPNEL作品を聴いてんな~」という気分にさせてくれますし、収録曲のバラエティが広がった次作よりも、徹底してヘヴィ/パワー・メタリックなスタイルに拘った本作の方が個人的には好みなんですよね。ヘタクソ扱いされることの多いジェフ・マーティンの力みかえったVoにしても、このササクレたサウンドには案外マッチしているのではないかと。特にスピーディ&アグレッシブに牙を剥く曲調に勇壮なメロディが乗っかった⑦なんてかなりの名曲。
最高傑作ではないかもしれませんが、自分にとってのRACER X最推しアルバムは間違いなくコレですよ。


RACER X - Street Lethal - Loud and Clear ★★★ (2021-02-25 23:49:29)

音の悪さもササクレたエネルギーに転化して突っ走るパワーメタル・ナンバー。
改めて聴くと、いっぱいいっぱいなVoの感じ含めてジャパメタっぽい印象が無きにしも非ずという。
勢いだけでなく、勇壮なメロディには耳を捉えるフックが備わっていて
ポールのGテクだけに留まらぬ、確かなメロディセンスも発揮された名曲です。
あえて言うとフェードアウトで終わってしまうのは頂けないですが


RADIOACTIVE - Ceremony Of Innocence ★★★ (2019-05-09 23:54:48)

北欧メロハー・シーンのキーパーソンの一人、トミー・デナンダー。80年代にはアメリカで腕を磨きマルチ・ミュージシャンとして評判を高めた彼の名を、プロデューサーとしても一躍HR/HMシーンに知らしめる切っ掛けとなったプロジェクトのデビュー作。(’01年発表)
LA滞在期間中に知己を得た、晩年のジェフを含むポーカロ三兄弟とのセッションを基本に、そこにTOTO歴代メンバーを始め、総勢30名に及ぶ豪華ゲスト・ミュージシャンを加える形で構成された本作で披露されているのは、TOTOリスペクト感溢れる洗練された都会派メロディックHR。但しふんわりとは流さず、きっちりサウンドにハード・エッジを効かせて仕上げている辺りが流石トミー・デナンダーのお仕事であると。
スティーヴ・ルカサーを除くTOTO揃い踏みなOPナンバー①に始まり、ボビー・キンボールが歌い、ジェフ・ポーカロの軽快なドラミングに気分がアガる②、ファーギー・フレデリクセンをフィーチュアする『ISOLATION』期のTOTO感満点なドライヴ・チューン③、デヴィッド・フォスターの繊細な鍵盤捌きが抒情性を増幅する④、ジェイソン・シェフ(CHICAGO)のVoにジョセフ・ウィリアムズがバックVoで絡む涼しげな哀メロ・ソング⑥、楽器陣のファンキーな掛け合いが楽しめる⑧、ジム・ジッドヘッド(ALIEN)が歌うキャッチーな⑪等々…。これら秀逸な楽曲群を聴けば、本作がゲストのネームバリューに頼りきった空虚なプロジェクト物とは一線を画する内容であることをご理解頂ける筈。
ここで得た高評価を叩き台に、RADIOACTIVEは継続プロジェクト化。以後、2作、3作とアルバム・リリースを重ねていくこととなるのはご存知の通りです。


RADIOACTIVE - Ceremony Of Innocence - Grace ★★★ (2019-05-12 01:43:24)

デヴィッド・フォスターがしっとりと奏でるピアノの美旋律に
思わず蕩けそうになってしまう抒情バラード。
トミー・デナンダーがギタリストとしても大変良い仕事をしています。


RADIOACTIVE - Ceremony Of Innocence - On My Own ★★★ (2019-05-12 01:36:44)

ファーギー・フレデリクセンの絶品をVoとスリリングに歌うGを得て
軽快且つ涼しげに疾走するメロディアスHRチューン。
TOTOの『ISOLATION』に収録されていてもおかしくなさそうなクオリティですよ。


RADIOACTIVE - F4ur ★★★ (2015-05-25 23:38:48)

トミー・デナンダーが関わったプロジェクトは、いずれもメロディック・ロックの優良物件としてマニアから高評価を獲得していますが、取り分けこのRADIOACTIVEは、作品のクオリティの高さと毎回迎えられるゲストの豪華さから、彼のトップ・プライオリティに位置づけられているプロジェクトである。
…すいません、知ったかぶってみました。これまでまともに聴いたことなかったのですが、実は本作が'14年に相次いで急逝したシンガー、ジミ・ジェイミソンとファーギー・フレデリクセン最期の参加作品の一つと知り、ファンとしてこりゃチェックせずにいらいでかと購入。で結論としては「買って良かった!」と。
勿論、ゲスト・シンガーの豪勢さにも感心せずにはいられませんが、それ以上なのが収録楽曲の質の高さ。しかもただ出来が良いだけでなく、例えばジミには聴き手をポジティブに勇気付ける爽快なロック・チューン①を、歌いこなすのが手強いテクニカルな②は気心の知れたファーギーに、アメリカン・プログレ・ハード風の④はスティーヴ・ウォルシュで、デヴィッド・ロバーツには甘くポップなAOR調の⑤・・・といった感じに、「メロハー」という限定された枠内で、歌い手の資質に合わせて楽曲をバラエティ豊かに作り分けるトミー・デナンダーの作曲家としての才はやはり傑出しています。(先に楽曲があって、それに合わせてシンガーをキャスティングしていったのか?)
メロハーの達人の職人芸を存分に堪能できる1枚でありました。


RADIOACTIVE - F4ur - Summer Rains ★★★ (2015-05-29 23:58:46)

タイトルに相応しい、夏の雨の如く爽やかで涼しげなOPナンバー。
聴いているだけで何やら沸々とポジティブ・パワーが湧き上がってくる
かのようなジミ・ジェイミソンの歌声はやはり唯一無二。
つくづく、あたら惜しい人を亡くしたと・・・。


RADIOACTIVE - Taken ★★★ (2018-11-27 00:22:08)

今や北欧メロハー・シーンを代表するプロデューサーの一人となった、トミー・デナンダー(G)が公私にわたり付き合いのあるTOTOへのリスペクトを表明するべく立ち上げたプロジェクトRADIOACTIVE。当初は単発企画だった筈が、予想外の好評を呼んだことからアルバム・リリースを重ね、’08年発表の本作で既に3作目を数えています。
00年代に入りこの手のメロハー・プロジェクト物が乱発され、他所との差別化を図ることが困難になりつつあったご時世においても、RADIOACTIVEは毎度ゲストの豪華さで頭一つ抜きん出ており、今回もTOTOファミリーは勿論、ざっと参加面子の名前を挙げるだけでも、ニール・ショーン、イングヴェイ・マルムスティーン、ブルース・キューリック、ゲイリー・バーデンetc…と、枚挙に暇がないほど。各曲別に主だった参加ミュージシャンの名が記された国内盤解説と首っ引きで本編を楽しむのも一興ではないでしょうか。
収録曲に関しても安定のトミーのお仕事。…寧ろ安定し過ぎていて序盤はややインパクトに乏しい感が無きにしも非ずなれど、それでもロビン・ベックとジェイムズ・クリスチャンの夫婦デュエットが聴けるバラード⑤、ファーギー・フレデリクセンが歌うジム・ピートリック印の爽快ハードポップ⑨、参加面子の贅沢さでは随一といえる⑩、トマス・ヴィクストロムの熱唱が映えるアップテンポの⑪、プログレ・ハード風味薫る⑫等、聴き進むに従って徐々にテンションを上げていく辺りは流石。AOR/産業ロック・サウンドで括るには、意外なぐらいGにエッジの効いた活躍の場が用意されていることも印象的です。
トミー・デナンダーに対する信頼度が、また一段と高まる1枚。


RADIOACTIVE - Taken - Premonition ★★★ (2018-11-28 00:05:44)

多彩なゲストが参加しているアルバム『TAKEN』ですが
個人的に同作で一番愛してやまないのは、
ファーギー・フレデリクセンやジム・ピートリックといった
この手の作品じゃお馴染みの面子が関わっている
この哀愁を帯びたアップテンポのメロディック・ロック・チューンだという。
まさに実家のような安心感。


RAGING FURY - Black Belt ★★★ (2013-09-25 22:22:46)

中川晴夫(G)をリーダーに、近畿圏を中心に活動する古参パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、現在では入手困難なデモテープやEPの音源を取りまとめたボーナスCD収録の2枚組仕様で、'13年に発表した2ndフル・アルバム。
歌詞は日本語メインですが、独特の言語感覚で組み立てられたそれらが、却って無国籍感を醸成しているのがユニーク。国産スラッシャー、VIETNAMのハードコアな名曲⑤をカヴァーしたかと思えば、美しい叙情インスト⑦を収録したりと、聴きようによってはスラッシュ・メタルにもパワー・メタルにも聴こえる彼ら独自のサウンドは、ヒステリックに刻み倒されるGリフ/突進力あふれるリズムが、立ち塞がるもの全てを薙ぎ倒して突き進むブルータリティを提示する一方で、特異な声質ながらしっかりとメロディを歌うVoの存在や、流麗に切り込んでくるツインGがドラマティックな構築感をも演出。個人的には、本作に限って言えば『恐怖のレストラン』――もっと言えば“ギロチン男爵の謎の愛人”――を発表した頃の聖飢魔Ⅱと共通する雰囲気を感じたり感じなかったり・・・。(どっちだ)
小池一夫の男臭く殺気に満ちた劇画世界を見事に再現した名曲②(そういえばVoの声は若山富三郎に似ている?)をハイライトに、40分弱のランニング・タイムをパワー全開で聴かせきる力作。


RAGING FURY - Black Belt - Black Belt ★★★ (2013-09-26 23:06:47)

ブラスト・ビートも交えて本編を
猛々しく激烈に締めくくるアルバム表題曲。
イントロの呼吸音が(カンフーや拳法ではなく)
まさしくタイトル通り「空手」で、聴いていると
東映の三角マークが脳裏に浮かんでくるようです。


RAGING FURY - Black Belt - Chaos Reigns ★★★ (2013-09-26 22:51:01)

鼓膜を引っかくような音色のGリフが
轟然と走り出すOPの迫力だけで
一気に引き込まれてしまう名曲。
ピンと張り詰めた緊迫感を湛えて
メロディアスに切り込んでくるGソロが
またカッコいい。


RAGING FURY - Black Belt - Meifumado ★★★ (2013-09-26 22:59:36)

“冥府魔道”のタイトルと、「子連れ狼、見参!」等の
台詞も盛り込まれた歌詞が示す通り、海外でも高い人気を誇る
時代劇『子連れ狼』に捧げられたスピード・ナンバー。
楽曲が発する尋常ならざるブルータリティからすると、
TV版ではなく映画版がその対象であることは明白で、
そう思って聴くと、だんだんVoの野太い歌声が
若山先生のそれに聴こえてくるような・・・。


RAGING FURY - Grotesque Masked Krusher ★★★ (2020-04-07 01:04:18)

結成からほぼ30年。折れない心を持つ漢、中川晴夫(Vo、B)率いるパワー/スラッシュ・メタル・バンドRAGING FURYが'19年に発表した3rdアルバム。
前作『BLACK BELT』から6年のブランクが空いていますが、’82年から活動を開始してアルバム・デビューは'92年、2ndの発表が’13年と、作品リリースの間隔が毎度オリンピック級の長さを誇るバンドだけに、今回は寧ろ「思ったより早かった」と感じてしまうぐらいで。(’16年には長らく入手困難だった1stアルバムの再発もあったので尚のこと)
音楽性も、彼らの標榜するところの《HIGH POWER RAGING METAL》スタイルを更に推進。独特の言語センスが迸る歌詞を野太い濁声で勇壮に歌い上げるVoと、強面のリフを刻み男泣きのメロディを叩き込むGとが、炸裂感溢れるソリッドなリズム隊に支えられて、時に怒気を孕み、時に雄々しく、行く手を遮るモノ全てをブチ破らんと荒れ狂っています。
ドラマティックなイントロでじっくり焦らして勇猛な爆走へ転じるOPナンバー①や、Dsがリード楽器の役割を果たす激烈な②、ドスの効いたアルバム表題曲⑨とハードコアに突っ走る⑩というラストのスラッシュ・ナンバー2連発等、とてもトリオが出しているとは思えぬド迫力で押し出して来る楽曲を多数揃える一方、起伏の激しい長尺をダレることなく展開させていく④に顕著な通り、押し引きを心得た楽曲構築術からはベテランの技がギラリ。また肩ひじ突っ張らかすだけでなく、ブルース・リー・オマージュを感じさせる⑧も収録する等、本編の硬軟のバランスも良好です。
バンドが今好調な状態にあることがヒシヒシと伝わってくる、勢いに満ち溢れた快作。


RAGING FURY - Grotesque Masked Krusher - The Demonic Beast Front ★★★ (2020-04-08 01:09:07)

8分越えの大作ながら、スラッシーな炸裂感と
劇的な曲展開が組み合わされ、全編に亘って
高いテンションをキープし続けるOPナンバー。
特に要所で男泣きのメロディを叩き込んでくる
Gの活躍にグッときます。


RAGING FURY - RAGING FURY ★★★ (2016-12-14 23:35:24)

長らく入手困難で、たまに中古盤を見かけても結構なプレミア価格が付けられていたRAGING FURY、‘92年発表の1stアルバム。後追いで入手するなら再発を待たなきゃ難しいかなー。でも今時そんな需要なさそうだしなー。…とか考えながら、少し前にフラッとCD屋に立ち寄ってみたらば、なんと本作の新品がディスプレイされているのを発見。されてんじゃん!再発!と。「需要なさそう」とか失礼なこと言って申し訳ねぇ。
3rd『BLACK BELT』(’13年)が苛烈なパワー/スラッシュ・アルバムだったので、再発に際して『激怒荒狂』なるタイトルを冠されたデビュー作は更に攻撃的な作風に違いない!と想像が膨らみましたが、あにはからんや。若気の至り感全開のスカスカな音質と、Gリフやリズムのササクレた質感は確かにスラッシュ・メタル然としていたものの、ダイナミックに緩急を飲み込むOPナンバー①を手始めに、収録曲はこの時点で既にスピード一辺倒ではなかったという。更に、野太い濁声でしっかりとメロディを追いかけるVoを活かして、劇的なバラード⑦や、7~8分にも及ぶ大作曲③⑥にもチャレンジする等、むしろここで志向されているのは3rd以上に正統派HM寄りのサウンド。
全体的に、豊富なアイデアを整理しきれていない粗削りな仕上がりではありますが、「それでも思い付いたアイデアは片っ端からブチ込まずにはいられない!」という初期衝動に忠実な姿勢や、ブルース・リーからスパイダーマン、恐竜戦車に至るまで、ボンクラ魂漲る歌詞のネタ選びのセンスも好感度大ですよ。
よくぞ再発してくれました、ありがとうございます!と感謝の念が溢れ出す1枚。


RAGING FURY - RAGING FURY - Man-spider ★★★ (2016-12-19 22:56:13)

タイトル通り「スパイダーマン」が歌詞のモチーフ。
ビルの間を飛び回るスパイダーマンよろしく、
疾走感溢れる曲調がイカしています。
つか、このバンドが演ると東映版スパイダーマンっぽさも
感じてしまいますね。マーベラー!


RAINBOW - Bent Out of Shape ★★★ (2012-10-07 01:16:50)

記憶が正しければ、個人的に初めて購入したRAINBOWのアルバムです。HR/HMを聴き始めて間もない頃、ラジオか何かで耳にした“FIRE DANCE”のカッコ良さにハートを射抜かれて本作を速攻購入。暫くは同曲ばかりをリピート再生して他の収録楽曲には目もくれなかったのですが、その後、リッチー・ブラックモア(G)が何者で、RAIBOWがどういったバンドなのかを勉強し(?)改めてアルバム全体と対峙してみたところ、そのあまりのクオリティの高さに再びハートを鷲掴みにされてしまったという。
「歌」を中心に据えて「流れ」で聴かせるメロディアスHR、というスタイルが徹底されているため、最早ここには、その流麗さを壊しかねないドラマティックな様式美HRナンバーの大作が入り込む余地は全くありませんが、代わりに哀愁を帯びたキャッチーなメロディの魅力は過去最高レベルをマーク。
ジョー・リン・ターナーの「RAINBOWのフロントマンは俺だ!」という自負と自信を漲らせた歌唱と、その彼のポテンシャルを十全に引き出すリッチーのGプレイとのコンビネーションは磐石の領域へと到達、更に透明度の高いフレーズで楽曲にフックを構築するデイヴ・ローゼンタール(アレンジャーとしても大活躍)の存在も如何なく生かされた楽曲の数々は、躍動感溢れるHRチューンから、リッチー貫禄の指捌きが映えるインスト曲、そして胸打たれる叙情ナンバーまで一騎当千の兵揃い。ハイライトは勿論“FIRE DANCE”ですけどね。
ジョー時代の最高傑作にして、RAINBOWの有終の美を飾った名盤としてファン人気が高いことも納得の1枚ですよ。


RAINBOW - Difficult to Cure ★★★ (2012-10-04 21:05:05)

開巻早々、ラス・バラード作曲のポップ・チューン“I SURRENDER”で先制パンチを浴びせてくる構成からも明らかに、外部ライターを登用して一層のポップ化を推進する等、アメリカ市場での更なる成功を手中に収めんとする野心も露わな作風が、古くからのRAINBOWファンの間では毀誉褒貶相半ばするジョー・リン・ターナー時代の幕開けを飾った、'81年発表の5thアルバム。
尤も、本作で選択された「ポップで洗練されたメロディアスHRサウンド」と、若くてピチピチ(死語)&リッチー・ブラックモアのお眼鏡に適うだけの才能を有するゴールデンボーイの加入が、RAINBOW支持層の裾野拡大に大きく貢献したことは間違いのない事実。
また前任シンガー達に比べると、クセがなく耳馴染みも良いジョーの甘い歌声が、この路線にはぴったりとフィットしています。(それを念頭にシンガー探しが行われたのだから当たり前っちゃ当たり前の話ですが)
個人的には、音楽的方向性以前に収録楽曲のクオリティ面で若干の物足りなさを覚えなくもないアルバムではあれ、それでも捨て曲レベルの楽曲は(当然)皆無。前述の“I SURRENDER”、後期RAINBOWを代表するスリリングな名曲“SPOTLIGHT KID”、涙ちょちょ切れる“MAY BE NEXT TIME”、「FOREIGNERになっちゃった」との批判に晒された(でも名曲な)メロハー・ナンバー“MAGIC”等は、新生RAIBOWの魅力が咲き誇る逸品。
時間が経つのも忘れて聴き惚れてしまいます。


RAINBOW - Down to Earth ★★★ (2012-09-29 00:22:47)

リッチー・ブラックモア(G)以下、グラハム・ボネット(Vo)、コージー・パウエル(Ds)、ロジャー・グローヴァー(B)、ドン・エイリー(Key)という、知名度的には歴代最強の布陣で制作、'79年に発表された4thアルバム。
特異な歌声と、短髪、グラサン、それに勝新ばりのノーパン主義(時にチャックを閉め忘れて息子がコンニチワする仕様)を貫く独特のファッション・センス等、前任者のロニーとは何から何まで異なるグラハムの存在と、更に突き詰められたカラッと抜けの良いアメリカンHR志向が発表当時こそ戸惑いを持って受け止められたものの、現在では(当サイトでの人気の高さからも伺える通り)「RAINBOWならではの魅力を備えた名盤」として高く評価されている本作。
何せ、ロニーとは別ベクトルで暑苦しさMAXのグラハムの青筋声と、骨太なコージーのドラミングが全編を彩る以上は単なるポップ・アルバムにはなりようがない。リッチーのメロディ・センス及びGプレイも相変わらずオーラ全開ですよ。
荘厳な“EYE OF THE WORLD”と、スピーディな“LOST IN THE HOLLYWOOD”という2大様式美HRチューン以外にも、現在ではグラハムの持ちネタ・・・じゃなくて持ち歌として親しまれる“ALL NIGHT LONG”、初めて聴いた時は「げっ」となったものの今では大好きなポップ・ソング“SINCE YOU BEEN GONE”、隠れた名曲としてファン人気の高い“DANGER ZONE”etc・・・といった具合に、語ろうと思えば全曲について語れてしまうぐらい本編は捨て曲なしの充実ぶりを提示。
個人的に、RAINBOWで一番好きなアルバムとして愛聴させて貰っている作品です。


RAINBOW - Long Live Rock 'n' Roll ★★★ (2012-10-02 23:04:45)

リッチー・ブラックモア(G)、ロニー・J・ディオ(Vo)、コージー・パウエル(Ds)による三頭政治の最高到達地点にして、ロニーもコージーも亡き今、永遠に更新される事のない最終到達地点となってしまった'78年発表の3rdアルバム。
CDの帯には「ポップな路線に転身を図った野心作」なんて文句が踊っていますが、いやいや、とんでもない。よしんばラジオを意識した曲作りが為されているにしても、重厚なリッチー、ロニー、コージーのパフォーマンスに彩られた、このミスティックでドラマティックな様式美HRサウンドがポップってことはぁ断じてない。コレがポップってんならグラハム時代やジョー時代のRAINBOWが演ってる音楽はシャンソンか何かですよ。
カルピスの原液みたいだった『RAINBOW RISING』に比べると、本作は、より万人向けに飲み易く(聴き易く)味付けが調節されており、楽曲は高いドラマ性を保ちながらも曲展開はコンパクトで明快。その最大の成果と言うべきが重要無形文化財クラスの名曲“KILL THE KING”と“GATES OF BABYLON”の存在で、この様式美HR/HMの完成形を示した至宝2曲を聴いてピンと来ないのなら、そりゃもうアナタRAINBOWはおろかメタルすら聴く必要はないですよ、と思わず暴論をカマしたくなるほど。
緊迫感に満ちた“LADY OF THE LAKE”から、へヴィな曲調に絡む軽快なピアノとのコントラストがユニークな“L.A. CONECTION”、演歌に通じる泣きのバラード“RAINBOW EYES”まで、代表曲として知られる“LONG LIVE ROCK 'N' ROLL”が一番地味に感じられるぐらい強力な楽曲が顔を揃える、RAIBOW入門編にうってつけの1枚。


RAINBOW - Long Live Rock 'n' Roll - L.A. Connection ★★ (2012-10-02 23:34:15)

駄曲?いやいや。
ロニー時代のRAIBOWと「L.A.」という言葉は
うなぎと梅干の如き食い合わせの悪さですが
これは結構好きな曲ですよ。
後半で軽快に踊るピアノが
良いアクセントとなっています。


RAINBOW - Monsters of Rock - Live at Donington 1980 ★★★ (2017-03-15 23:00:55)

英国がNWOBHMに沸いた’80年。ドニントン・パークにて開催された第1回MONSTERS OF ROCKでヘッドライナーを務めたRAINBOWのライブの模様を収録する実況録音盤。(実際は順序が逆で、そもそもRAINBOWがトリを飾るに相応しいHMフェスとして考案されたのがMONSTERS OF ROCKだった…と後で教えて貰った時は結構驚きましたね)
この時のメンバーは、リッチー・ブラックモア以下、グラハム・ボネット、コージー・パウエル、ロジャー・グローヴァー、ドン・エイリーという4th『DOWN TO EARTH』発表時の面々。個人的にRAINBOW史上最も愛して止まないこのクセの強いラインナップが、次々に名曲/名演を繰り出しながら、ステージ上でハイテンションに鎬を削り合う様を、聴き過ぎてヨレヨレになってしまったカセットテープ・クオリティではなく、公式にデジタル・リマスターされたパッキリと鮮明な音質で楽しめるこの幸せ。
特に、歌の最中で吹き出すわ、口笛を合唱させようとするわ(無茶振りにちゃんと応える観客が偉い)と、グラハムが絶好調。その勢いは時にリッチー御大すら食わんとする勢いで、歌唱自体は結構粗いのですが、その「勢いあり余ってる」感こそがやっさんの真骨頂。彼の歌う“STARGAZER”を始めとするロニー時代の名曲が聴けるのも超貴重ですし、何より本ライブを最後に脱退が確定していた盟友コージー渾身のドラム・ソロ終演後に炸裂する、万感の思い迸る3度の「コージー・パウエル!」コール(君どんだけコージーのこと好きやねんと)。ファンの間で伝説として語り継がれるこのグッとくる名場面を聴くためだけにでも、本作は絶対に購入すべき1枚であると。


RAINBOW - Rising ★★★ (2012-10-01 20:43:24)

最強ドラマー、コージー・パウエルが遂に加入。イカした楽曲を彩る、イカしたGにイカしたVo、イカしたDsとイカしたアートワーク、オマケに『虹を翔る覇者』というイカした邦題まで、あらゆる点において突き抜けたカッコ良さを提示してくる'76年発表の2ndアルバム。
この歴史的名盤に関しては、既に色々な方が色々な賛辞を寄せて下さっているので今更付け加えられることなど余りありません。(でも大好きなアルバムなんで無理矢理にでも語らせて貰うわけですが)
アルバム後半に鎮座まします2篇、重厚長大な“STARGAZER”と、RAINBOW版“BURN”といった趣きの“A LIGHT IN THE BLCAK”は、後々そのエッセンスをフォロワー・バンド群が再利用しまくる名曲中の名曲ですし(特に前者)、やや地味なイメージで語られがちなA面収録曲にしても、スペーシーだったりノリノリだったりキャッチーだったりとバラエティ豊かな楽曲が揃っており、そのクオリティの高さは無類。
リッチー・ブラックモア(とロニー)の中世音楽趣味が全く希釈されずに溢れ出す作風なので、人によってはあまりの濃厚さに胸焼けを覚えるかもしれません。ゆえに、このバンドの入門編としては、より整理され、整合性を高めた次作『バビロンの城門』をお薦めしますが、個人的には「RAINBOW」の名を聞いて想起するサウンドは間違いなくここに集約されています。
様式美HR/HMバンド、RAINBOWの最高傑作に推したい1枚。


RAINBOW - Ritchie Blackmore's Rainbow ★★★ (2012-09-30 20:15:58)

我が愛すべき様式美HMの開祖、RAINBOWが'75年に発表した記念すべきデビュー作ですが、自分がこれを購入したのは彼らのカタログ中一番最後でした。コージー・パウエル参加前の作品であることに加えて、事前に見聞きしてきた情報から、何となくJUDAS PRIESTやUFO、SCORPIONSなんかの1stアルバム同様、こっちがバンドに期待する音楽性とズレた内容のように思えたことがその理由。
尤も実際に聴いてみれば、そこはやはり御大リッチー・ブラックモア&ロニー・J・ディオの組み合わせ。余人には真似できない高品質なHRサウンドを全編に亘って展開し、こちらの危惧を虹の彼方へと吹っ飛ばしてくれたわけですが。
個人的にはDIOの持ち歌なイメージが強い“銀嶺の覇者”、演歌ばりにコブシの効いた“虹をつかもう”、シャープなインスト“STILL I'M SAD”といった代表曲以外にも、フォーキーな哀愁が漂って来る“王の神殿”や、へヴィな“16世紀のグリーンスリーブ”、そしてアルバム一押しの名曲“へび使い”等、優れた楽曲が目白押し。
但し、“STARGAZER”や“KILL THE KING”のような様式美メタルの権化の如き楽曲は見当たらず、素朴でアーシーな70年代HR(ELFの)テイストも強く感じられる作風ゆえ、どちらかと言えば、繰り返し聴き込むうちに真価が染み出してくるスルメ盤的1枚と言えるかもしれません。


RAINBOW - Straight Between the Eyes ★★★ (2012-10-06 00:22:56)

リッチー・ブラックモア(G)の理想とする音楽を追求するべく、これまで妥協なきメンバー・チェンジと大胆な作風の変化を繰り返してきたRAINBOWでしたが、前作『DIFFICULT TO CURE』で掴んだ音楽的方向性と商業的成績に相当の手応えを感じたのか、'82年発表の本6thアルバムでは「大衆性を増したメロディアスHR」というサウンド・スタイルを、変化させるのではなく、より「掘り下げる」という方法論が選択されています。
『闇からの一撃』というイカした邦題ほどガツンと一撃される名曲(これまでのアルバムには必ずその手の楽曲が1、2曲は存在していた)が見当たらないため、RAIBOWのカタログの中では日陰者の地位に甘んじている(?)作品ですが、個人的には『DIFFICULT~』以上の愛聴盤。
印象的なソロを連発するリッチーのGプレイ等、前作より心持ちハードな方向へと揺り戻された作風を象徴するかのような、疾走感溢れる“DEATH ALLEY DRIVER”と“BRING ON THE NIGHT”、ジョー・リン・ターナー(Vo)が歌うに相応しいメロハー・チューン“STONE COLD”や、うっとりと聴き惚れるブルージーなバラード“TEARIN' MY HEART”、やっぱりラストはこうでなきゃファンも納得しないでしょ?とばかりにドラマティックにアルバムを締め括ってくれる“EYE OF FIRE”etc・・・と、「山椒は小粒でピリリと辛い」を地で行く本編は捨て曲なしのクオリティ。
・・・って、何だかアルバム毎に「捨て曲なしのクオリティ」と書いているような気がしますが、実際、RAINBOWのアルバムに捨て曲は存在しないのだから仕方ない。


RAINBOW - Stranger in Us All ★★★ (2012-10-07 22:05:30)

熱心なファンの皆様におかれましては言いたいことも多々ありましょうが、個人的には、リアルタイムでリリースに立ち会えた最初の(そして恐らく最後の)RAINBOWのアルバムということで、思い入れも一入の1枚。
この作品発表のちょっと前まで、DEEP PURPLEの新作『紫の聖戦』のしょっぱい出来や、来日公演を直前に控えたDEEP PURPLEからの離脱等で猛烈なバッシングを浴びていたにも関わらず、本作をもってその世評をまるっと引っ繰り返してみせたリッチー・ブラックモアという稀代のトリックスターの実力には、腹の底から感服させられました。
ここに収められた楽曲に関しても、鮮やかなスパニッシュGソロにアガりまくる名曲“BLACK MASQERADE”や、ペールギュントの“山の魔王の宮殿にて”をモチーフにした“HALL OF THE MOUNTAIN KING”を筆頭に、「嘗ては凄かった人」という過去形とは一線を画す、リッチーの現在進行形の凄味をしっかりと伝えてくれる出来栄え。勿論「RAINBOWに駄曲なし」の伝統が今作においてもしっかりと守られていることは言うまでもない。
そして、それらの楽曲を堅実に支える参加メンバー。特にドゥギー・ホワイトは(名前通り)強烈なカラーを感じさせない代わりに、時にロニー風、時にグラハム風、時にジョー風・・・といった具合に歌唱スタイルを変化させることで、御大の要求に柔軟に応えています。尤も、この辺の小器用な立ち回りが、ともするとベテラン・ファンの癇に障る部分なのかもしれませんが。


RAJAS - Turn It up ★★★ (2018-08-20 22:39:34)

脱退したCRAZY COOL JOE(その後DEAD ENDに参加)の後任として、ノンちゃんこと河内倫子(B)が加わり、女2人/男3人という当時の日本のHR/HMバンドには珍しい編成となったRAJASが、'85年に発表した1stフル・アルバム。
濃厚な昭和臭にむせ返りそうになる歌詞に思わず赤面を誘われてしまう向きもありましょうが、EARTHSHAKERの西田昌史がプロデュースを手掛け、更に楽曲提供も行っている本作の質の高さに疑問を差し挟む余地は一切なし。
ここで実践されているのは、中心メンバーたる森川“セン”邦子(Vo)の華を感じさせる歌唱を基軸に据え、そこにツインGがエッジを加えるメロディアスなHRサウンド。本編は前半に明るくポップな楽曲が並び、聴き進めるに従ってだんだん哀愁味が増していく構成となっていて、個人的にはやはり後半戦こそがツボです。森川のVoは、シンプルでポップなノリの楽曲に関してはどことなく歌いあぐねているというか、「頑張って歌っている」感が漂うのですが、Keyを効果的に用いたドラマティックな⑤(西田昌史との共作曲)のような、よりテクニカルで難易度の高い楽曲においては、その真価を十二分に発揮。特に後期カルメン・マキ&OZがやりそうな(?)劇的なバラードの大作⑧における、情念迸る堂々たる歌いっぷりは圧巻の一言に尽きますよ。
RAJASというとオムニバス盤『BATTLE OF METAL』で聴いた“SHOCK!”や“ANGEL”の印象がやはり強いのですが、より曲作りの幅を広げた本作も乙な味わいで最高です。


RAJAS - Turn It up - Love Fire ★★★ (2018-08-22 00:19:09)

EARTHSHAKERの西田昌史との共作曲。
歌謡曲的な哀愁を帯びたメロディを
ねっとりと歌い上げる森川邦子の歌唱力を
堪能できるミッド・チューン。
Keyが非常に効果的に使われています。


RAJAS - Turn It up - Your Song ★★★ (2018-08-22 00:39:41)

アルバムを締め括る7分越えの大作バラード。
劇的な盛り上がりを演出する楽器陣のバックアップを受けて、
70年代歌謡の流れを汲む哀愁のメロディを
堂々歌い上げる森川のVoが大いなる感動を呼びます。


RALF SCHEEPERS - Scheepers ★★★ (2019-06-20 22:27:24)

ジャーマン・メタル・シーンが誇る実力派シンガー、ラルフ・シーパースが'11年に発表した初のソロ・アルバム。
リリースはFRONTIERS RECORDSですが、いきなりAOR/産業ロックを歌い出すような衝撃展開はなく(それはそれでちょっと聴いてみたい気がしますが)。山籠もりの修行を終えて人里に降りてきた格闘家みたいなラルフの黒光りする勇姿をフィーチュアしたアートワークと、荒々しく刻まれるリフ&リズムの上でハイトーンVoが鼓膜をつんざくOPナンバー①のカッコ良さが物語る通り、ここで披露されているのはJUDAS PRIEST成分がドックンドックンと脈打つストロングな正統派HMサウンド。というか、バック・メンバーがマット・シナー(B)を筆頭にPRIMAL FEARのメンバーばかりなので、演ってることはほぼほぼPRIMAL FEARと一緒。(本作の方がよりソリッドでメタリックかな)
「ならバンドの方で演ればいいのでは?」と、ソロ・アルバムの意義について一瞬考え込まなくもありませんでしたが、自分のやりたいことと、ファンの求めることがズレなく一致をみていることに対し、外野が口を挟むのは野暮というもの。火を吹く疾走ナンバー①⑪、重厚でドラマティックな⑤⑩、TYRAN' PACE時代のメタル・アンセムのリメイク⑥、そりゃハマるだろうというJUDAS PRIESTの名曲“BEFORE THE DAWN”のカヴァー⑦に至るまで、ラルフ・シーパースのHM愛がギュッと凝縮された熱血作。
ティム“リッパー”オーウェンズにカイ・ハンセンという、因縁浅からぬミュージシャンをゲストに迎えている辺りからも、過去を清算した現在の彼の絶好調ぶりが伺えるのではないでしょうか。


RALF SCHEEPERS - Scheepers - The Pain Of The Accused ★★★ (2019-06-20 23:13:21)

ジャケットにフィーチュアされた、2、3人は人を殺めてそうなルックス(失礼)とは裏腹に
剛から柔まで、ラルフ・シーパースの卓越した歌唱力が遺憾なく発揮された
ドラマティックな大作ナンバー。しかもこれをラルフ自身が作曲しているのだから大したもの。
そして嘗ての僚友カイ・ハンセンが劇的なGソロで楽曲の盛り上がりに華を添えるという
至れり尽くせりなアルバムのハイライト。


RALPH SANTOLLA - Shaolin Monks in the Temple of Metal ★★★ (2018-06-26 23:01:35)

自分がHR/HMを聴くようになって以降にデビューを飾ったミュージシャンの訃報に触れるのはやるせなさが過ぎるでしょうと、ラルフ・サントーラ死去の報を知り、彼が'02年に残したソロ・アルバムを引っ張り出して聴き直しながら呟いてしまいましたよ。
メタル冬の時代真っ只中のアメリカから、EYEWITNESS、MILLENIUMといったバンドを率いて登場したラルフは、ウリ・ロートやマイケル・シェンカーの系譜に連なる卓越したGテクニック&表現力、それに優れたメロディックHRナンバーを次々クリエイトする曲作りの才をもって注目を集めたギタリストでありました。特にMILLENIUMは名曲の宝庫で、ヨルン・ランデが歌ったパワフル且つ爽快な“POWER TO LOVE”や、阪神大震災を題材に取った劇的な疾走ナンバー“RUN”等は、今でも折に触れて聴き直す名曲ですよ。
本ソロ・アルバムでもそうした彼の個性は如何なく発揮されていて、単にテクニカルなだけでなくメロディアスによく歌いもする彼のGと、流麗なピアノ(ラルフ自身が担当)のクラシカルな共演が秀逸なOPナンバー①、哀愁に満ちた楽曲に、ヴィニー・バーンズとヘルゲ・エンゲルケがゲスト参加して華を添える④、アルバム・タイトルと邦題『悟道』が物語る通り、作品全体をうっすらと覆う東洋フィーリングの源泉というべき⑧(タイトルからして“SATORI”ですよ)等は、まさにラルフ・サントーラ印の逸品。
近年はデス・メタル界隈での助っ人的活躍が目立った彼氏。それはそれで頼もしいけど、でもまたいつかMILLENIUMを復活させてくれないものかとボンヤリ期待していたのですが、今はただただ、その「またいつか」の機会が永久に失われてしまったことが悲しい。


RALPH SANTOLLA - Shaolin Monks in the Temple of Metal - Red Baron ★★★ (2018-06-27 23:21:33)

時に流麗に、時にクラシカルに、そして時にエモーショナルに
哀愁を湛えたメロディを奏でながら駆け巡るGプレイに聴き惚れる
歌なしのハンデを全く感じさせないインストの逸品。
ラルフ自身が奏でるピアノも非常に効果的です。


RALPH SANTOLLA - Shaolin Monks in the Temple of Metal - Sartori ★★★ (2018-06-27 23:30:45)

和音階を取り入れた抒情ナンバー。
アルバム・タイトルやアートワークに呼応する
穏やかで平安に満ちた曲調は
まさに悟りの境地を描き出すかの如し。


RALPH SANTOLLA - Shaolin Monks in the Temple of Metal - Starlight ★★★ (2018-06-27 23:26:31)

2ndソロをTENのヴィニー・バーンズが、
エンディングのソロをFAIR WARNINGのヘルゲ・エンゲルケが、
リズム・セクションをEMERALD RAINのメンバーがゲストとして
固めていることでも注目すべき楽曲ですが、
何より素晴らしいのは歌謡曲的ですらある哀愁のメロディの煽情度。
ラルフのよく歌うGがそれを効果的に盛り立てています。


RAM JAM (2017-12-14 22:52:16)

60年代に“GREEN TAMBOURINE”で全米№1の座を獲得したLEMON PIPERSのメンバーだったビル・バートレット(G)を中心にニューヨーク・シティで結成。
’77年にシングル“BLACK BETTY”(レッドベリーのカヴァー)が全米チャート17位、全英チャート8位のヒットとなり、デビュー・アルバム『RAM JAM』も全米チャート34位にランクインというまずまずの成績を収める。
しかし、ジミー・サントロ(G)が曲作りの主導権を握り、よりハード且つメタリックなサウンドを聴かせるようになった2nd『PORTRAIT OF THE ARTIST AS A YOUNG RAM』(’78年)は、その出来栄えに反して全く鳴かず飛ばずで、バンドはその後間もなく解散。メンバー達も表舞台から姿を消している。


RAM JAM - Portrait of the Artist as a Young Ram ★★★ (2017-12-14 22:58:19)

全米チャート最高18位、全英チャート最高7位にランクインしたファンキーな名曲“BLACK BETTY”(ジョニー・デップ主演映画『ブロウ』でも印象的な使われ方をしていました)のシングル・ヒットで知られるNYの4人組が、'78年に発表した2ndアルバム。
RAM JAMに関しては“BLACK BETTY”しか知らず、もしかして一発屋?ぐらいにさえ思っていたのですが、国内盤再発を機に本作にも手を出してみたら、いやいやいや、とんでもねぇ。HR/HMリスナーにとっちゃ寧ろこっちの方が重要作じゃねえか!という。
いかにも70年代HR然としたグルーヴを纏った、土の匂い漂わす豪快なロックンロールという基本的ノリは前作を踏襲しつつ、今回は楽曲がよりハード&タイトに引き締まっています。吼えるG、唸るB、轟くDs、その上でハスキー声で熱っぽく歌うVoとがダイナミックに交錯するサウンドは、曲によっては(⑥とか⑨とか)「これもう殆どHMじゃね?」と思わされることもしばしば。特に重厚な曲調に抒情的に奏でられるピアノがアクセントを加えるドラマティックな“TURNPIKE”と、RAINBOWの名曲“KILL THE KING”を埃っぽくしたような疾走ナンバー“HURRICANE RIDE”は、'78年にしてNWOBHMに先んじてしまった感溢れるアルバムのハイライトですよ。
現在は1st『RAM JAM』と2nd『PORTRAIT OF THE ARTIST AS A YOUNG RAM JAM』が2㏌1仕様の便利なベスト盤が安価で入手可能ですので(自分が買ったのもこれ)、そちらをどうぞ。代表曲“BLACK BETTY”や、後にジョーン・ジェットがカヴァーした“TOO BAD YOUR BIRTHDAY”とかもまとめて聴けちゃいますしね。


RAM JAM - Portrait of the Artist as a Young Ram - Hurricane Ride ★★★ (2017-12-17 00:20:18)

ハードに弾き出されるGリフ主導でグイグイ飛ばしまくる様は
'78年にして完全にHMのスタイルを先取りしています。
曲調的にはRAINBOWの名曲“KILL THE KING”を彷彿とさせますが
様式美的ドラマ性より、土煙蹴立てて突っ走っる埃っぽさが
勝って聴こえる辺りが、アメリカのバンドならではの魅力かと。


RAM JAM - Portrait of the Artist as a Young Ram - Turnpike ★★★ (2017-12-17 00:12:59)

ムーディに歌うVoに、ピアノが醸し出す重厚な抒情性、
プログレ・ハード的ともいえる曲調といい、
アルバムの中では異色な存在感を放つ
(だがそこがいい)名曲です。


RAM JAM - Ram Jam - Black Betty ★★★ (2017-12-17 00:07:04)

英米チャートでスマッシュ・ヒットとなった
RAM JAMのデビュー・シングルですが、
実は演奏している連中はバンドじゃなかったりするという
色々曰くの多い楽曲でありますが
熱くファンキーに弾む前半から、ハードさいや増す後半へと
ダイナミックな曲展開に思わず体が揺れてしまいます。


RAMOS - Living in the Light ★★★ (2020-05-17 23:37:34)

ギタリスト発掘人ことマイク・ヴァーニー社長の目に留まり、LE MANSの一員としてSHRAPNEL RECORDSからプロ・デビュー。しかし以降は一貫して「テクニックの披露よりメロディ」「ギターより歌」重視のスタンスを崩すことなく今に至るギタリスト、ジョシュ・ラモスが、現FOREIGNERのケリー・ハンセンをプロデューサーに迎えて(バックVoにも参加)'03年にFRONTIERS RECORDSから発表したソロ・アルバム。
初めてのソロ名義、その上フュージョン畑で活躍するスチュワート・ハム(B)、SHRAPNEL作品でお馴染みのアトマ・アナー(Ds)、元EYESで、イングヴェイのバンドのシンガー候補だったこともあるマーク・ウェイツ(Vo)等、腕に覚えのあるミュージシャン連中がバックを固めていることあり、もしかしたら今回は派手にGを弾きまくったインスト・アルバムなのかも…と思いきや、別にそんなことは全然なかったという。そりゃそうだ。
主役は飽くまでマークの伸びやかな歌声であり、適宜Keyも効かせたキャッチーなJOURNEY型メロディアスHRサウンドを実践。日々のストレスが綺麗さっぱり洗い流されていくような清涼感溢れる③と、イントロで焦らした後、哀愁を伴って駆け出していくHRナンバー⑥は、この人の長いキャリアの中でも上位に食い込める名曲っぷり。また②⑤等バラード系の楽曲に顕著な「少ない音数でいかに多くを語るか」を追求したような、タメと揺れを十二分に効かせたニール・ショーン直系のGソロも相変わらずエモい輝きを放っています。
ソロ作ということで購入を後回しにしていたのですが、何のことはない。彼がこれまで関わってきたバンド/プロジェクトのアルバムに匹敵するメロハーの逸品でしたよ。


RAMOS - Living in the Light - Tell Me Why ★★★ (2020-05-19 01:26:31)

スペーシーなイントロで十分に焦らしてから
哀愁のメロディが走り始める、本編においては
ハード寄りな仕上がりのロック・チューン。
ギターも比較的弾きまくっていますが、
常に歌心を失わないのがこの人の美点。
物悲しくもキャッチーなコーラスが絶品ですよ。


RAMOS - Living in the Light - Winds of Change ★★★ (2020-05-19 01:15:23)

マーク・ウェイツの美しい歌声に導かれてスタートする
爽やかな清涼感溢れるメロディアスHRナンバー。
Keyの用い方も効果的で、THE STORMやTWO FIRESといった
バンドのアルバムに収録されても立派にハイライト・チューンの
役目を果たせたのではないかという名曲ぶりです。


RAMOS - My Many Sides ★★★ (2020-12-17 01:05:34)

それこそ肩眉を剃り落して山に篭りそうな勢いで(誤ったイメージ)ひたすらJOURNEY型メロディアスHRサウンドを求道し続ける「馬鹿よのう…まさにメロハー馬鹿」なギタリスト、ジョシュ・ラモス。RAMOS名義では『LIVING IN THE LIGHT』(’03年)以来、実に17年ぶりとなる、’20年発表の2ndソロ・アルバムがこちら。
トニー・ハーネル、ダニー・ヴォーン、エリック・マーティン、トニー・ミルズ…著名な実力派シンガー勢をゲストに迎えてレコーディングされている本作でも、当然JOURNEY路線のメロハー・サウンドが聴けるものとばかり思っていましたが、意表を突いて本編の幕開けを飾るのは、イントロからGが派手に弾きまくられ(そもそもSHRAPNELからデビューを飾った人なのでテクニックは十分)、70年代HRばりの豪快さを伴って繰り出される①。アルバム全体としても所謂クラシック・ロックからの影響を伺わせる渋めのサウンドが展開されており、まさしく表題『MY MANY SIDES』を地で行く仕上がりだったという。
思ってた方向性と多少異なるとはいえ、ブルージーなフィーリング漂わす楽曲には元XYZのテリー・ルイス、再結成SWEETのフロントマンとして知られるジョー・レッタらの粘っこい熱唱がハマっていますし、またそれらの楽曲においてもジョシュの類まれなるメロディ・センス、一音入魂のGプレイはしっかりと健在。特にGを雄弁に歌わせるインスト・ナンバー⑩にゃ聴き惚れずにはいられませんて。そしてアルバム終盤にはちゃんと「これぞジョシュ・ラモス」という爽快メロハー⑪が用意されているので、聴後感も良好です。
予想は裏切るが期待は裏切らない1枚。でも、出来れば次はメロハー物をヨロシク。


RAMOS - My Many Sides - All Over Now ★★★ (2020-12-18 00:53:27)

ブルージーな色合いが強いアルバムの中にあって
アルバムの終盤を〆るこの曲は爽快な曲調にキャッチーな
コーラス、それにジョー・レッタの熱いVoとが相俟って
80年代ポップ・メタル的な味わいを感じさせてくれます。


RAMOS-HUGO (2013-02-28 22:55:36)

スティーヴ・ペリーのそっくりさん(声が)として知られ、地元ではJOURNEYのトリビュート・バンドEVOLUTIONでも活動しているというシンガー、ヒューゴ・ヴァレッティと、グレッグ・ローリー、ロス・ヴァロリー、スティーヴ・スミスという元JOURNEY組と結成したTHE STORMや、ニール・ショーン脱退後のHARDLINEへの参加、またソロ・アルバムの発表等、多岐に渡った活動で知られるギタリスト、ジョシュ・ラモスが、FRONTIER RECORDSの仲介を受けて新たに立ち上げたプロジェクト。
演ってる音楽?勿論、ドJUORNEY路線のメロハーです。


RAMOS-HUGO - THE DREAM ★★★ (2013-02-28 22:56:39)

HUGOことヒューゴ・ヴァレンティと、元JOURNEYのメンバーらと結成したTHE STORMでHR/HMシーンに一躍その名を知らしめたギタリスト、ジョシュ・ラモスとが結成したプロジェクトのデビュー作。('08年発表)
何かとJOURNEYと縁のあるミュージシャン2人の組み合わせ、しかもそれを後押しするのがFRONTIER RECORDSとあって、出来上がった作品はやはりド直球のJOURNEY路線。勿論、こちとらそれにガッカリする筈もなく、美しくキャッチーなメロディと、胸躍るポップ・フィーリングに彩られた絶品のメロディアスHRサウンドに「それを待っていたで!」と膝を打ったわけですが。
本家JOURNEYに比べると、よりエネルギッシュな印象で(間違っても「アグレッシブ」等と形容できる作風ではありませんが)、クリアな清涼感漂うヒューゴのハイトーンVoに、歌を引き立ててつつ、決してバックに埋没もしないジョシュのツボを心得たGプレイ、期待通りのご両人のパフォーマンスをフィーチュアした楽曲は、爽快なアップテンポのOPナンバー①から、Gが主役を張った7分に及ぶ大作曲⑫に至るまで、夢見心地へと誘われる小一時間。
ヒューゴの1stソロ『HUGO』の完成度にも匹敵する、メロディアスHRアルバムの力作です。


RAMOS-HUGO - THE DREAM - BRING BACK THIS LOVE ★★ (2013-03-02 00:49:39)

これまた清涼感を湛えたメロディが
爽快に駆け抜けていく様が、メロディアスHRの
教科書通りの心地良さをもたらしてくれる逸品。


RAMOS-HUGO - THE DREAM - I CAN TAKE YOU ★★★ (2013-03-02 00:54:47)

基本、アルバムにおいてはヒューゴを立てる演奏に
終始しているジョシュ・ラモスですが、7分に及ぶ
この大作ナンバーの主役は間違いなく彼。
とは言え、派手に弾きまくったり、Voをないがしろに
したりすることはなく、飽くまでそのGプレイは
楽曲最優先の姿勢が貫かれていますが。


RAMOS-HUGO - THE DREAM - YOU 'RE NOT ALONE ★★★ (2013-03-02 00:46:05)

清涼感溢れるヒューゴのVoと、
ハードでありつつも歌心を忘れないジョシュ・ラモスのG、
両者の相性の良さが如何なく発揮された
身も心も浮き上がっていくような飛翔感に満ちたOPナンバー。


RANDY JACKSON'S CHINA RAIN - Bed of Nails ★★ (2020-02-03 00:08:39)

ZEBRAの中心メンバーだったランディ・ジャクソン(Vo、G)が、同バンド解散後の’90年に立ち上げたニュー・プロジェクトCHINA RAIN。ジェフ・スコット・ソート、マーク・スローター&ディナ・ストラムのSLAUGHTER組、あるいはSKID ROWのレイチェル・ボランとデイヴ“スネイク”セイボ、そしてBON JOVIやKISS、アリス・クーパー等への楽曲提供で知られる腕利きソングライター、ジャック・ポンティら、豪華共作陣の強力を得て制作、’93年に発表したデビュー作に当たる1枚。多分唯一作。
リリース当時BURRN!!誌レビューで酒井前編集長にクソミソに貶された挙句30点だったかを献上されていて、そうなると逆にどんな内容なのか気になってしまうのが人情というもの。しかも我らがゼロ・コーポレーションからの発売とあっては、こっちに買わないという選択肢はねぇよと。
基本的にはZEBRA時代に通じるアメリカンHR路線を志向しつつ、サウンドはよりポップで売れ線な方向へと面舵一杯。その辺の戦略が前編集長の勘気に触れた模様ですが、元々ミュージシャンとしての実力に定評があったランディと、腕に覚えのあるミュージシャン&作曲家連中が力を合わせて作り上げた作品なので、内容的に質が低いわけはなく。やや優等生的というか、置きに行った感のある仕上がりで強いインパクトには欠けるものの、ライブで盛り上がりそうな⑥、キャッチーなサビメロが高揚感を高める王道ポップ・メタル⑦、歌だけでなくGでもランディが見せ場を作るバラード⑧、躍動感溢れるハードポップ⑨等々、特に本編後半に集中する秀曲の数々を聴いているだけでも十分に和めるのは確か。
もし中古屋で見かけたら、ジャケットの美女の色香に誘われてみるのも一興かと。


RANDY JACKSON'S CHINA RAIN - Bed of Nails - Before It's Too Late ★★★ (2020-02-04 00:19:19)

マーク・スローターとランディ・ジャクソンの共作で、
プロデュースにディナ・ストラムも関与。
バックVoとしてジェフ・スコット・ソートが参加する等、
アルバムのハイライト的役割を果たすポップ・ナンバー。
発表時期がもう5年ぐらい早ければヒットしていたのではないか?
と思わされる、キャッチーなサビメロが印象的。


RAPED APE ★★ (2010-06-15 21:13:00)

80年代後半、フロリダ州はレイクワースにて誕生。2本のデモテープを制作した後、
デス・メタルの聖地として知られるMORI SOUNDスタジオにて、プロデューサーにスコット・バーンズを迎えて
レコーディング作業を開始、'93年にLEVIATHAN RECORDSから6曲入りEPを発表してレコード・デビューを飾る。
「スラッシュ冬の時代にオールドスクールなスラッシュ・メタルを演ってるバンド」として話題になるが、
実際のところそのサウンドには、PANTERAを筆頭としたヘヴィ・ロック・バンド勢からの影響も伺え、
彼らは本作リリース後に解散しているが、もしフル・アルバムを制作していたのなら、多分その内容は
モダン・へヴィネス路線に傾いた作風になっていたんじゃないかなぁ、と。
但し、'94年にリリースされた日本盤に収録されている、初期デモ音源のリメイク・トラックは
混じりっけなしの正統派スラッシュ・メタル・ソングで、これが最高にカッコイイ出来栄え。
個人的にはこっちこそが本編です。
バンド解散後、リーダーのマイク・プッチアレリは刺青の彫り師として成功を収め、
他のメンバーはPRO-PAINやMALEVOLENT CREATIONなんかに参加していたようだ。


RAPED APE - TERMINAL REALITY ★★ (2010-06-15 21:16:00)

古き良きスラッシュ・メタルが壊滅状態にあった'90年代半ばに、オールドスクールなスラッシュ・サウンドを
聴かせてくれるバンドとして好き者達の間でちょっぴり話題を呼んだ、フロリダ出身の4人組が'93年に発表したデビューEP。
プロデューサーにスコット・バーンズを迎え、MORI SOUNDスタジオにてレコーディングされてるだけあって、
流石にそのクオリティは安定。デス・メタリックな要素も散りばめられたサウンドは迫力満点で、リリース当時は
スラッシュに飢えてた事もあり、嬉々として聴き込んだ覚えがある。・・・のだが、ある程度同ジャンルが復興を
果たした現在、若いスラッシャーにアピールし得る魅力を本作が備えているかと言えば、正直それはかなり微妙。
やはりこの作品は、スラッシュ冬の時代にリリースされたからこそ、評価された1枚だったんじゃないかなー、と。
但し、じゃあツマランのかと言えば断じてそんな事はなく、特に本作の国内盤には、ボーナス・トラックとして
初期デモ音源4曲がリメイク収録されているのだが、これがドスの効いたVoといい、ザクザクと刻まれるGリフの
切れ味や、畳み掛けるように疾走するリズム、それに意外にメロディアスなツインGといい、
「これぞスラッシュ・メタル!」的な旨味に満ち溢れた名曲揃い(⑩はジョークみたいなもんだが)。
そんなわけで、'94年にテイチクからリリースされた国内盤限定で購入をお薦めする次第。