この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4501-4600
RDX

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4501-4600
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70
モバイル向きページ 


RAPED APE - TERMINAL REALITY - CIRCLE OF BLOOD ★★ (2010-06-15 22:13:25)

ランニング・タイムが5分半と、
このバンドにとっては長尺な楽曲ながら、
安定した演奏力から生み出される
緩急に富んだ曲展開をもって、ダレ場を作る事無く
一気に最後まで聴かせ切る。名曲です。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - HYPOTHERMIA ★★ (2010-06-15 22:07:27)

濁声だが一応メロディを追いかけているVoを取り入れ、
ドスを効かせて突き進むスラッシュ・ソング。
短くもキチンと練られたソロを聴かせてくれるGがポイント高し。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - RETURN TO NOTHING (2010-06-15 22:15:37)

2本のGが正統派へヴィ・メタリックに絡み合う、
このバンドのルーツの一端が垣間見えるインスト・ナンバー。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - THE KRUSHER ★★★ (2010-06-15 22:00:44)

1stデモ『PERPETUAL AGGRAVATION』に“DA KRUSHA"という
タイトルで収録されていた楽曲をリメイク。
シャウト型の濁声Vo、鋭利なGリフと共にメロディアスな
フレーズも紡ぎ出すG、聴いてるだけでジッとしてられなくなる
性急なビートを叩き出すリズム隊とが一丸となって、
畳み掛けるように疾走する、これぞまさにスラッシュ・メタル!
なカッコ良さに満ち溢れた名曲。


RAPHAEL - mind soap ★★★ (2011-02-20 18:20:14)

ビジュアル系はチェックの対象外だったのだが、本作リリース当時('99年)、DISKUNIONにて配布されてたフリーペーパーに奥村裕司氏が推薦文を寄せていたのを読んで、思わず購入してしまったRAPHAELのデビュー作。
そんなわけで、このバンドについては何も知らないのですが、取り敢えずここで聴く事が出来るのは、ネオクラシカルなフレーズを次々に繰り出してくるGと、楽曲を華麗に彩るKeyをふんだんに取り入れて疾走する、ドイツや北欧のメロパワ・バンドに通じるドラマ性を湛えた様式美HMサウンド。
スピーディな楽曲をズラリ揃えた上げ上げな内容にも関わらず、攻撃性よりも、上品且つ優雅な雰囲気が支配的な辺りはV系バンドの面目躍如といった趣きで、ナイーブな歌詞世界や、この時期のこの手のバンド独特の、奇妙なファルセットとビブラートを駆使したシンガーの歌唱スタイルに地獄突きをお見舞いしたくなる向きもあろうが、ともあれ彼が歌う、妖しくも憂いを帯びたメロディはかなり魅力的。特に③④⑨は、劇的に疾走する楽曲自体のカッコ良さと組み合わさって、メタル魂を揺さぶられずには居られない名曲に仕上がっている。
初期ANGRAがイケる口の人なら案外違和感なく楽しめる1枚だと思うのだが、耽美色が強く打ち出されている⑤のノリを受け入れられるかどうかが、本作を堪能できるか否かの分水嶺かな?と。


RATA BLANCA - El libro oculto ★★ (2018-06-06 22:57:22)

アルゼンチンの白ネズミ軍団、RATA BRANCAが'94年に発表した4曲入りEP。(邦題は『神秘体系』)
「南米のRAINBOW」の名に恥じぬ、リッチー・ブラックモアから受けた特大の影響も露わな様式美HM路線をひた走って来たきた彼らでしたが、ここに来て若干サウンドをスタイル・チェンジ。歌詞は相変わらず全編スペイン語ながら、収録曲に関しちゃ思わずコブシが回ってしまう哀愁を抑え気味にした代わりに、重厚に迫る正統派HMナンバーあり、明るくちょっぴりポップなノリの楽曲あり、80年代のOZZY OSBOURNEを思わせる疾走ナンバーあり…といった具合に、曲調の幅を意欲的に広げに掛かった仕上がり。EPなので単に遊び心を発揮しただけなのか、それともいい加減これまでとは違うことを演りたくなったのか。次作以降、彼らが発表した作品から急速に様式美色が抜けて行ったことを踏まえると、どうやら後者の思惑が正解だったようなのですが…。
そんなわけで、前3作の思わず悶絶させられるクサクサコッテコテの様式美HMを期待すると肩透かしを食らうとは言え、巻き舌バリバリの歌唱自体がスパニッシュ・メタル特有の哀愁を醸し出すアドリアン・バリラーリの熱唱は本作においても健在ですし、荘厳なイントロからスタートするミッド・チューン②や疾走ナンバー③を聴けば明らかな通り、各収録曲のクオリティも及第ラインは軽々とクリアしています。
これはこれで十二分に楽しませてくれる1枚ですよ。


RATA BLANCA - El libro oculto - Cuarto poder ★★★ (2018-06-07 23:26:04)

邦題は“第四の力”
スパニッシュ・メタル特有のクサ味は薄まってしまいましたが
シャープに疾走する様はこれはこれで十二分にカッコイイ。


RATA BLANCA - Guerrero del arco iris ★★★ (2017-12-01 23:43:42)

アルゼンチンの「白ネズミ」団こと、RATA BLANCAが'91年に発表するやいなや、本国では予約だけでプラチナムに到達してしまったという大ヒット3rdアルバム。ついでに自分が初めて購入した彼らの作品でもあります。そら『虹の戦士』なんて邦題付けられたら、RAINBOW信者としてはチェックせんわけに行かんでしょう。
「南米のRAINBOW」の二つ名に託された期待を裏切らない様式美HMサウンドや、中心メンバーたるバルテル・ヒアルディーノの作曲スタイル&テクニカルなGプレイから垣間見える(つかモロ出し)リッチー・フリークぶりは当然今回も健在。1曲目のイントロを聴いた時は“LONG LIVE ROCK’N ROLL”のカヴァーが始まったのかと思ったぐらいのもので。更に“DRINKING WITH THE DEVIL”風の②、④が“FIRE DANCE”に瓜二つで⑤は“KNOCKING AT YOUR BACK DOOR”か?…といった具合に、ロックにオリジナリティを求める向きには失笑の一つも漏れそうな作品ではありますが、個人的にはここまで優れた楽曲を揃え、且つ性根の据わったなりきりぶりを披露されると、これはこれで最早立派な「芸」であり「個性」であると。スペイン語の熱唱によってもたらされるエキゾチックな響きも、彼らと英語圏フォロワー勢との差別化に一役買ってくれています。
音質の向上から、ドメスティックなクサ味が抑えられ、より普遍的様式美HMが志向された(洗練された)楽曲まで、本作を彼らの最高傑作に推す声が多いのも納得の1枚。ただ個人的には、クサメロや歌メロのコブシといった、従来のスパニッシュ・メタル的エッセンスが薄れてしまっている点は少々勿体ないように思ったりもするのですが。


RATA BLANCA - Guerrero del arco iris - La boca del lobo ★★★ (2017-12-01 23:51:30)

邦題は“狼の口”。個人的に愛読していた漫画
『狼の口~ヴォルフスムント』とは無関係ですが。
(当たり前か)
まぁ誰がどう聴いても元ネタがRAINBOWの
“FIRE DANCE”であることは明白なんですけど
スパニッシュ風味というか、南米風味の濃いめに
味付けされた仕上がりが、これはこれで十分カッコイイ。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas ★★★ (2017-08-23 00:23:55)

90年代前半、マニアの間でスパニッシュ・メタル・ブームがちょっぴり盛り上がった時期がありまして、その際に日本に紹介されたのがスペインのMEDINA AZAHARAと、「白いネズミ」を意味するバンド名を名乗る、このアルゼンチン出身のRATA BLANCA。本作は'90年に発表されるや本国でトリプル・プラチナム級の高セールスを記録し、RATA BLANCAの国民的バンドとしての地位を盤石の物とした'90年発表の2ndアルバムであります。
巻き舌とコブシが効きまくったアドリアン・バリラーリの情熱的なVo、作曲者としてもギタリストとしても「リッチー大好きっ子」ぶりを全力表明するヴァルテル・ヒアルディーノのGプレイ、それに『魔術師と薔薇の伝説』なる仰々しい邦題からもお分かり頂ける通り、彼らが志向するのはRAINBOW直撃の様式美HM(+イングヴェイ・テイストも投入)。
“STREET OF DREAMS”風の抒情ナンバー②、“FIRE DANCE”を彷彿とさせるGとKeyのバトルを組み込んだスピーディな③、“STARGAZER”ばりにエキゾチック且つドラマティックな大作ナンバー⑤etc.…と、本家の濃ゆい様式美成分を抽出してグツグツと煮詰めたようなサウンドは衒いのないリスペクト精神に溢れ、ここまで演ってくれたなら、「好き」が高じ過ぎてちょいちょい顔を出す借り物チックなフレーズも気になりませんて。
本家RAINBOWよりも、むしろ日本のTERRA ROSAとかを比較対象に挙げたくなる程のコテコテ風味に溢れる1枚。のっけからコブシを効かせてクサメロを熱唱するアドリアンの声が、だんだん赤尾和重のそれに聴こえて来てしまうという(空耳)。思わぬところで日本(というか関西)とスペインの様式美HMの共通点を垣間見せて頂きました。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas - El beso de la bruja ★★★ (2017-08-24 00:15:04)

“SPOTLIGHT KIDS”や“FIRE DANCE”といった
後期RAINBOWを思わす疾走感と、
巻き舌バリバリのスパニッシュ・メタルの哀愁とが
合体を果たしたアルバムのハイライト・ナンバーの一つ。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas - El camino del sol ★★★ (2017-08-24 00:21:44)

まさしく「これぞアルゼンチンのRAINBOW!」という
ミスティック且つドラマティックな大作ナンバー。
どうしたって“STARGAZER”の影がちらつきますが、
中東的な雰囲気を纏った本家に対し、こちらはスペイン語の歌詞もあってか
マヤやインカ、アステカといった中南米で栄えた太古の文明に
思いを馳せたくなるエキゾチックなムードに溢れています。
イングヴェイを彷彿とさせる猛烈な速弾きを炸裂させる
ヴァルテル・ヒアルディーノのGプレイも聴きモノですよ。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas - Mujer amante ★★★ (2017-08-24 00:08:23)

曲調的には“STREET OF DREAMS”に触発されて書かれたであろうことは
明かなのですが、そこにスペイン語によるバリラーリの情熱的な歌い回しと
本家より3割増しで哀愁が増強されたメロディが乗っかることで
RATA BLANCAならではの魅力が付与されているではないでしょうか。
歌心を感じさせるリッチー・テイスト溢れるGソロも実に胸に沁みます。


RAVEN - All for One ★★ (2007-07-12 21:30:00)

破天荒なまでにエネルギッシュなサウンドとライブ・パフォーマンスから「アスレチック・ロック」とも呼ばれ、
後のパワー/スラッシュ・メタル勢に大きな影響を与えた事で知られる、英国はニューキャッスル出身の
パワー・トリオRAVENが、'83年に発表した3rdアルバム。
「元祖パワー/スラッシュ・メタル」的な荒々しい疾走感よりも整合性に重き置いた感じの作風に仕上がっている本作だが、そこはRAVEN。
圧倒的にパワフルな①を聴けば判るように、多少スピードが落ちようとも、作品全体に漲るエネルギー量は相変わらず尋常ではない。
と言うか、マイケル・ワグナー&ウド・ダークシュナイダーが手掛けたサウンド・プロダクションの飛躍的な向上により、
ジョン・ギャラガーのハイテンションなVoと唸るB、ギャンギャンと喧しくリフを刻む一方で、⑤⑧で聴かれるような
メロウなソロも紡ぎ出すマーク・ギャラガーのG、そしてダイナミックに炸裂するロブ“ワッコ"ハンターの
豪快極まりないDsとが一丸となって生み出す凄まじい突進力は、過去の作品群のそれを大きく上回っているんじゃなかろうか。
特に、その最大の成果と言うべきパワフルな名曲②や、Gソロに有名なメロディを引用した(曲のタイトルが思い出せない・・・)
メタル・アンセム④、パワー・メタリックなスピード・チューン⑥、ACCEPTばりに硬派な⑨といった楽曲の数々は必聴だ。
また、嘗てテイチクから発売されていた国内盤には、ボーナス・トラックとしてウド・ダークシュナイダーがゲスト参加した
“BORN TO BE WILD"のカヴァーが収録されているのだが、これがムチャクチャ強烈な内容。超個性派シンガー2人が
喚き散らす様は「キ○ガイの狂演」とも評された程の迫力で、下手すりゃ本編の印象が吹っ飛びかねないインパクトのデカさを誇る。


RAVEN - Architect of Fear ★★ (2015-09-08 00:08:29)

発売前の雑誌レビューで、地味、地味、言われてて「んなわけねぇだろ!」と思って聴いたみたら、「あ、本当に地味だ・・・」となった'91年発表の8thアルバム。
理由は大きく分けて二つ。一つはヘヴィネスとアグレッションを重視するあまり楽曲からキャッチーさが薄れてしまっている点で、もう一つは収録曲の詰め込み過ぎ。元々、曲作りにしろパフォーマンスしろ小器用に立ち回れるタイプのバンドじゃないので、60分近い収録時間は幾らなんでもダレますって。
しかし、一口に「ヘヴィ」と言ってもその質感は流行に影響された『GLOW』等とは全く異なりますし、ドイツへと渡って当地のパワー/ヘヴィ・メタル・バンド勢に触発されたのか、アメリカ時代の試行錯誤を吹っ切ったかのように、焦点を絞り込み徹底的にソリッドにシェイプアップされたRAVENサウンドは、冒頭で述べた欠点も大目に見ようかなという気にさせてくれる気迫に満ちています。
特に中盤⑥辺りからエンジンが温まり始め、スピード全開な⑩、緩急を取り入れてドラマティックに展開する⑪、暢気なイントロからガラッと空気を換えてハイパーに突撃する⑫と畳み掛ける終盤のラスト・スパートは、四の五の言わせないテンションの高さが圧巻。
「終わり良ければ全て良し」派のメタラー諸氏にお薦めする1枚でしょうか。


RAVEN - Destroy All Monsters - Live in Japan ★★ (2012-02-27 23:06:53)

当時のレーベル・メイト、オランダのHRバンド、SLEEZE BEEZEとの組み合わせで、'95年に川崎クラブチッタにて行われた一夜限りの初来日公演の模様を収めた実況録音盤。
『ゴジラ』シリーズ第9弾『怪獣大戦争』の米国公開時の洋題を戴いたアルバム・タイトルからして奮ってる本作ですが、前年リリースの9th『GLOW』がモダン・ヘヴィネス方向に血迷ったRAVEN史上屈指の問題作であったこと、更に当時の彼らが迷走の真っ只中にあったこととが重なり、収録曲の実に半数以上が90年代以降に発表された作品からのチョイスとあっては、「盛り上がりたくとも盛り上がりきれねー」というのが正直な心境。この選曲が足枷となり、買ったはいいけど碌に聴かぬままCD棚に放り込んでおりました。
ただ、流石ライブ・バンドとして名を売ってきた猛者だけに、マーク・ギャラガーの緩急自在のGプレイやジョー・ハッセルヴェンダーのラウドなドラミングetc・・・と、トリオ編成の不利をモノともしないド迫力の熱血パフォーマンスはここでも健在。分けても、有り余るエネルギーがシャープ気味のシャウトとなって漏れ出すジョン・ギャラガーのVoは、図太いBランと共に期待に違わぬ存在感を発揮してくれていて嬉しくなりましたね。
ライブだとあのパッとしない『GLOW』からの楽曲さえも5割増しで輝いて聴こえますし、伝説のライブ・アクト降臨にテンション上がる観客との熱いコール&レスポンスがフィーチュアされ、ショウのハイライトを形成する“BREAK THE CHAIN”等、改めて聴き直すと耳惹かれる部分も多々あるライブ盤であることに気付かされた次第。
RAVEN初来日公演の壮絶な盛り上がりっぷりの一端には触れられる1枚かな?と。


RAVEN - Mad ★★★ (2015-08-19 23:11:31)

念願の米メジャーとの契約を手に入れるも、レーベル側からのアルバム作りに対する度重なる介入に鬱憤を溜め込んでいたRAVENが、「だったらEPで好き勝手やったるわい!」とストレス発散目的(推測)でレコーディング、'86年に発表した5曲入りEP。
ハードコア/パンク・バンド顔負けのノリ一発な姿勢は、ヒネリもクソもない直球タイトルから、ラフな音作りやジャケット・デザインにもバッチリ反映。特にジョン・ギャラガーがイキ顔晒してるアートワークなんて、子供がうっかり目にした日にゃ悪夢にうなされそうな凶悪ぶり。試しに自宅で奉ってみたところ、家に憑いてた自縛霊が逃げ出したとの未確認情報もあったりなかったり。
全編、ギミックを排したアスレチック・ロック・ソングでハイテンションに押しまくっていますが、初期作のようなアウト・オブ・コントロール感はなく、むしろ緩急をナチュラルに織り込んだ作曲術からは、メジャー・アクトとしての洗練が(そこはかとなく)感じられたりも。特にスラッシュ・メタル顔負けの切れ味の鋭さと爆走感に、静と動の落差がドラマティックな曲展開を持ち込んだ①は、ファン人気も非常に高い(来日公演でも選曲されている)RAVEN屈指の名曲の一つ。
頭で聴くよりも、大音量で流して体感すべき作品でしょうかね。
尚、これまで他作品のボートラとしてオマケ扱いされることの多かった本作ですが、先日、TOWER RECORDS限定で単独再発が掛かりました。単品でCD化されたのは今回が初めてとのこと。


RAVEN - Mad - Speed of the Reflex ★★★ (2015-08-20 22:45:43)

ハイテンションな突撃ナンバーですが、
緩急の織り込まれたドラマティックな曲展開からは
アメリカで荒波に立ち向かい続けたRAVENが
身に着けた風格というか、オーラの如きものが
立ち上って来るかのようです。


RAVEN - Nothing Exceeds Like Excess ★★ (2016-09-06 22:25:19)

えー。アルバム名は、『ナッシング・エ、エクシーズ・ライク・イクセセ…』って、言いにくいわ!早口言葉か!という、長くて覚え辛いタイトルを冠した’88年発表の7th。
しかしながら、未だうろ覚えの表題に反して、内容の方は極めて分かり易くRAVENサウンドの旨み成分が凝縮されています。メジャーからのドロップに、バンドの重要な推進力だったロブ“ワッコ”ハンターの脱退等、紆余曲折を経てのリリースと相成った作品でしたが、そうした諸問題を前にして、逆にギャラガー兄弟が発奮。そのサウンドは、キレキレで繰り出されるGリフ、疾走感に溢れたリズム、そしてヒステリックなVoとが呼応し合ってシンプル&ストレートに叩き付けられるアスレチック・ロック路線へと、ATLANTIC時代の試行錯誤を綺麗サッパリ吹っ切って原点回帰を果たしています。
『アラーのために死ね』というタイトルからしてヤバイ②、アッパーに畳み込む⑦、ライブ映えしそうな⑪等を筆頭に、全編を騒々しい疾走曲で固めたスラッシュ・メタル顔負けの前のめりな姿勢を晒しつつも、演奏しているメンバーの満面の笑み(しかめっ面ではなく)が思い浮かぶような陽性のノリの良さも「RAVENらしさ」を後押し。さりとて、それが能天気という意味でないことは、緩急と緊張感を効かせた名曲④の重厚な佇まいが物語る通り。
初期作にも匹敵するエネルギーが渦巻くサウンドは、浮かれトンチキだった’88年当時よりも、今の方が正当な評価を得られるのではないでしょうか。但し、無駄に曲数が多い本編構成と、迫力不足の音作りは改善の余地が大いに有りですが。


RAVEN - Nothing Exceeds Like Excess - Into the Jaws of Death ★★★ (2016-09-08 00:09:22)

物々しいイントロから、緊張感を孕んで重厚に突き進むへヴィ・ナンバー。
中盤にはしっかり疾走パートが組み込まれ、6分以上の長尺でも
ダレることのない起伏に富んだ曲展開にRAVENの曲作りの手腕が光ります。
今でもライブでプレイされていることを鑑みるに
彼らにとっても自信作なんだろうなぁと。
個人的にもアルバムで一番好きな曲です。


RAVEN - One for All ★★ (2018-05-18 00:02:03)

名盤『ALL FOR ONE』(’84年)に引っ掛けたような、思わずニヤリとさせられるタイトルに釣られて購入してしまった、’99年発表の11thアルバム。
90年代半ばは迷走期を過ごしたRAVENなれど、久々にマイケル・ワグナーをプロデューサーに起用した本作では、年を重ねても落ち着くどころか益々意気軒高に高音スクリームとテクニカルなBプレイをキメまくるジョン・ギャラガー、けたたましくリフを刻みソロをブッ放すマーク・ギャラガー、パワー全開のジョー・ハッセルヴェンダーのドラミングとが猛然と駆動する、己の本分に立ち返ったようなアスレチック・ロック・サウンドを全力でブチかましてくれています。このアルバムの前に未発表&レア曲集『RAW TRACKS』を取りまとめたことも、自分達の音を見つめ直す良い機会になったのかも?
リリース当時は、元気一杯な反面、全体的にキャッチーさ不足が気にならなくもなかったのですが、改めて聴き直してみると、ハイパーな疾走感の中にロックンロールに根差したノリの良さも宿すスピード・ナンバー②⑩を筆頭に、収録曲にはいずれも紛うかたなきRAVEN印が刻印されていますし、何てったって本作はハイライト・ナンバーたるSTATUS QUOの名曲カヴァー⑫がトドメを刺す。嘗てRAVENがウド・ダークシュナイダーとの狂人タッグでカヴァーした“ワイルドで行こう”(STEPPEN WOLF)を彷彿とさせる、パワフル且つ狂騒的仕上がりに胸躍る逸品。いやまぁアルバムで一番印象に残るのが他人の曲ってのはどうか?と訝しむ向きもありましょうが、そうした疑問もブッ飛ばすカッコ良さなので是非一度お聴き下さませ。


RAVEN - One for All - Big Fat Mama ★★★ (2018-05-20 08:28:26)

身体を動かさずにはいられない疾走感と
ゴキゲンなノリの良さが炸裂するSTATUS QUOの代表曲。
こういう自分達がカヴァーするのに打ってつけの楽曲を
見逃さない選曲眼と、よりパワフル且つアッパーに料理してみせる
腕前と併せて、RAVENのカヴァー・センスの良さが存分に振るわれた1曲。
日本盤のみのボーナストラックってのは勿体なさ過ぎる。
ただこれのインパクトが強過ぎて、アルバムのオリジナル曲の
存在が霞んでしまう点は痛し痒しという...


RAVEN - One for All - Kangaroo ★★ (2018-05-20 08:15:50)

剛直に刻まれるGリフ、ノリの良さも失わずに
パワフルに疾走するリズム、血管がブチブチ
いきそうな勢いで高音スクリームをキメる
ジョン・ギャラガーのハイテンションVoと、
RAVEN印があちこちに刻印されまくった
一丸となって押し込んで来る疾走ナンバー。


RAVEN - Rock Until You Drop ★★ (2008-05-21 23:02:00)

アスレチック・ロック・トリオ、元祖パワー/スラッシュ・メタル・バンド等、数々の異名を取るRAVENが
デビュー・シングル『DON'T NEED YOUR MONEY』に続いて、'81年に発表した1stフル・アルバム。
「死ぬまでロックし続けるぜ!」というアルバム・タイトル、インパクト十分なジャケット・アートワーク、
ラフでチープだが、異様な生々しさと勢いが漲るサウンド・プロダクション、そして、聴いてるだけで暴れ出したくなる
エネルギッシュでダイナミックな楽曲の数々と、デビュー作にして既に「RAVEN節」は完璧に完成済み。
多くの人から指摘されている通り、傑作揃いの彼らの初期3作の中にあって、最もロックンロール・テイストが
色濃く薫る作風ながら、ジョンのヒステリック&ハイテンションなVo、マーク・ギャラガーのギャンギャンと
吼えまくるエッジの鋭いG、RAVENサウンドの肝でもある、雷鳴の如きロブ“ワッコ"ハンターのラウド極まりないDsが
一丸となって生み出す尋常ならざるアグレッションは、そこらのHMバンドが束になったって敵わない凄まじさ。
特に、破天荒なエネルギーが炸裂する②、重厚且つダイナミックな④、アコギ・インスト⑤から繋がっていく雄々しいメタル・アンセム⑥、
後にKREATORもカヴァーしたRAVEN屈指の名曲の1つ⑩、そして本編のハイライト足る、起承転結を兼ね備えた劇的なラスト・ナンバー⑪・・・と、
イギリスのバンドらしい湿り気と、へヴィ・メタリックな攻撃性が同居した楽曲の数々のカッコ良さは特筆モノ。
「技術的にはどうしようもないが、強力な“力"を持った作品」とのジョン・ギャラガー(Vo、B)のお言葉に、大いに賛同する力作。


RAVEN - Stay Hard ★★ (2015-07-01 22:54:41)

メジャー・レーベルとの契約を得たは良いけど、「売れるアルバム作らんかい」との執拗なプレッシャーにも悩まされる羽目になったRAVENの苦闘の跡が刻まれる、'85年発表の4thアルバム。
変わらぬハイパーさを誇示する一方で、メロディを丁寧に追いかけるようになったメンバーのパフォーマンスといい、ポップな要素も積極的に取り込み始めた楽曲といい、全体的にキチGUY度は減退気味。NWOBHM由来の暗さやスピード感といったマイナー成分を薄れさせた「アスレチック・ロック」は、前3作を地獄のブート・キャンプとするならば、本作のそれは健全なエクササイズの趣き。そのため表題『STAY HARD(ハードでいろ)』に対しては、全国のRAVENルナティックスから一斉に「お前がな」とツッコミが入ったとか入らなかったとか・・・。
但し、溌剌とハジけるロックンロール風味は元々RAVENサウンドの魅力の一端を担っていたわけで、彼らの個性と、今回打ち出しているキャッチーなサウンドとの相性は決して悪かない。分厚く重ねられた哀愁のコーラスが印象的な③は本作ならではの逸曲と言えますし、持ち前のパワーをメジャー感溢れるアレンジと音作りで料理した①②④等も中々のカッコ良さ。そして終盤に控えるのは、これぞRAVEN!なスピード・ナンバーの名曲⑨。
バンドとレコード会社の猛烈な鍔迫り合いが好結果に繋がった1枚。「RAVEN史上、最も売れたアルバム」との勲章も伊達じゃねぇなと。


RAVEN - Stay Hard - Extract the Action ★★★ (2015-07-03 23:27:37)

GリフもソロもVoもDsも
あらゆるパートが角ばっていてハイテンション。
RAVEN以外の何者でもない疾走ナンバーで
メジャー化が指摘される『STAY HARD』でも
こういうハードな名曲が
ちゃんと収録されているのだから侮れませんよ。


RAVEN - Stay Hard - On and On ★★★ (2015-07-03 23:35:10)

Voに24トラックも費やしたという
分厚く哀愁に満ちたサビのコーラスもキャッチーな
RAVENらしからぬ(?)メロディアスな名曲。
レコード会社からの「売れる曲作れ」という
プレッシャーが、良い方向に作用したとでも言いましょうか。
いかにも80年代なドラマ仕立てのPVも好きでした。
(別に巨乳のおネエちゃんに釣られたわけではなく)


RAVEN - Wiped Out ★★ (2007-07-31 22:24:00)

元祖パワー・メタル・トリオRAVENが、デビュー作『ROCK UNTIL YOU DROP』を更に下回る
予算と期間(僅か一週間)でレコーディング、'82年に発表した2ndアルバム。
ボトムの全く効いていないスカスカなサウンド・プロダクションは、流石、NEAT RECORDS謹製と言ったところなれど、
このアルバムに限っては、逆にそれが上り調子のバンドの凄まじい勢いを生々しく捉えていると、
好意的に評価する事も可能・・・かも。(勿論、もっと音が良いに越した事ぁないわけだが)
そう、とにかく本作の魅力は、劣悪な音質すらブッ千切るジョン・ギャラガーのハイパーなVoと豪快に動き回るB、
マーク・ギャラガーの剛柔兼ね備えたG、そしてロブ“ワッコ"ハンターのラウド極まりないDsとが三位一体となって生み出す
異常なまでのテンションの高さと、後のスラッシュ・メタルに多大な影響を与えたという前のめりな疾走感に尽きる。
特に、押せ押せのスピード・チューンがズラリ揃った中でも、SF風のイントロから猛烈な疾走へと転じる①は、
RAVEN屈指、そしてNWOBHM史に残る名曲の1つだ。
かと思えば、8分近くに及ぶドラマチックな大作⑤や、勇壮で雄々しい⑧、アコギによるインスト曲⑩を収録して
アルバムの流れに緩急を演出する等、如何にもイギリスのバンドらしい隙のなさも頼もしいぞ、と。
RAVENというバンドの魅力がギュウと詰め込まれた、彼らの最高傑作。


RAY KENNEDY - RAY KENNEDY ★★ (2012-09-20 22:33:06)

60年代からのプロ・キャリアを誇るベテラン・シンガーが、プロデューサーにデヴィッド・フォスターを迎えてレコーディング、'80年にARC RECORDSから発表した2ndソロ・アルバム。
レイ・ケネディに関しては、M.S.G.の一員として来日し、SUPER ROCK '84で古参M.S.G.ファンを「西武球場の悪夢」と戦慄せしめるパフォーマンスを繰り広げた人・・・ぐらいの知識しかなかったのですが、本作を聴いたらそんなネガティブなイメージも一変ですよ。
スティーヴ・ルカサーにジェイ・グレイドンら、TOTO人脈に連なるゲスト・ミュージシャン達の達者な演奏と、レイ・ケネディのソウルフルな歌声に色彩豊かに彩られたこのアルバムには、彼のキャリアの長さと経験の豊かさが克明に刻み込まれており、本編で展開されているポップでお洒落、そして都会的なスマートさを併せ持ったAOR/産業ロック・サウンドには、なるほど「クール・ガイ」なる邦題がピタリとハマッています。
スティーヴ・ルカサーが気持ち良さげに弾きまくる躍動感溢れる①④、エモーショナルな歌声が映えるロマンティックなバラード③⑤(後者はビル・チャップリンもカヴァー)は掛け値なしの名曲ですが、何と言っても聴きモノは、八神純子の“パープル・タウン”盗作訴訟騒動でも知られる⑥。軽快なKeyアレンジも秀逸なこのロック・ナンバーにおけるレイの歌声は、時にグラハム・ボネットを彷彿とさせるパワフルさで、ひょっとしてマイケル・シェンカーはこれを聴いたのか?と、思わぬところで点と点が線で繋がった気分になりましたよ。(気のせい)


RAY KENNEDY - RAY KENNEDY - MY EVERLASTING LOVE ★★★ (2012-09-22 00:23:05)

いかにも80年代的な、アーバンでロマンティック、
そしてちょっぴりバブリーな雰囲気が漂って来る
夜のドライブにピッタリな名バラード。
レイ・ケネディのソウルフルな歌声と
スティーヴ・ルカサーの味わい深いGソロにゃ
聞き惚れますよ。


RAY KENNEDY - RAY KENNEDY - YOU OUGHTA KNOW BY NOW ★★★ (2012-09-22 00:30:45)

邦題は“ロンリー・ガイ”
アルバムでも1、2を争うぐらい
「ロック」している楽曲で、レイ・ケネディの歌声も
時にグラハム・ボネットばりの青筋ぶりを披露。
華やかに楽曲を彩る秀逸なKeyアレンジには
何度聴いても胸躍らされます。


RAZOR - Armed and Dangerous ★★★ (2020-03-06 00:57:50)

カナダが誇る「スラッシュバカ一代」RAZOR。長らく彼らのカタログ中において最も入手困難な状態が続いていた(但しリプロ盤は結構出回ってた)’83年発表の7曲入りデビューEPが、未発表のデモ音源をボーナス・トラックとして追加収録し、リリースから35周年を記念して待望のオフィシャルCD化ですよ。こいつぁ目出度い。
そういやANTHRAXも同タイトルのEPを制作していましたが(リリースはこっちのが先)、そのANTHRAX含め、他のスラッシュ第一世代バンドのデビュー作の多くがそうであったように、本作もまたNWOBHMからの影響が色濃く滲む内容に仕上がっています。
プロダクションの質には厳しいものがあり、またミドル・テンポの楽曲による本編の幕開けや、メロディを追っている(歌っている)Voの歌唱を始め、RAZORの名を聞いて想起するようなスラッシュ・メタルの権化たるサウンドとは未だ結構な開きがある――半数の楽曲は1stでリメイクされるのですが、明らかに仕上がりのテイストが異なる――ものの、デイヴ・カルロのカミソリ・ギターの刻みっぷりといい、HMの範疇からはみ出し気味のテンションの尋常ならざる高さといい、次作以降に全面開花するスラッシュ・メタル・バンドとしての萌芽もここには確実に息衝いています。何よりHMに対するパッションが溢れ出す楽曲が単純にカッコイイ。特に現在でもライブのクライマックスを盛り上げる“TAKE THE TORCH”は、RAZORらしいササクレた突撃精神と正統派HMのエッセンスが溶け合った、この時期の彼らならではのスピード・メタリックな名曲ですよ。
入門盤にするにはちと厳しいかもしれませんが、RAZORファンなら一聴の価値ありな作品なのは疑う余地なし。


RAZOR - Armed and Dangerous - Take this Torch ★★★ (2020-03-09 00:01:34)

ブチ切れVoにカミソリG、猪突猛進のリズムと三拍子揃った
RAZOR屈指の名曲。1st収録バージョンと聴き比べると、
EPバージョンの方が比較的Voがメロディを追っていて
前者が完全にスラッシュ・メタルなら、後者はその一歩手前の
スピード・メタルといった趣き。まぁどっちも最高なんですけどね。


RAZOR - Executioner's Song ★★★ (2017-01-12 00:32:19)

サクセスとか、世間の流行り廃りとか、そういった世俗的事象には一切無頓着のままに、HR/HMシーンの裏街道を爆走し続けたカナダのスラッシュ・メタル番長、RAZORが’85年に発表した1stフル・アルバム。
トラッシーなジャケット・イラストといい、そこいらの公民館を借りてテレコで一発録りしました的プロダクションといい、突貫工事感が半端ない本作はハッキリ言ってチープ(尤も、この時期のスラッシュ・メタル・アルバムは多かれ少なかれそんな感じでしたけど)。リズムガン無視で強引にシャウトを捻じ込んで来るステイス“シープドッグ”マクラーレンの金切Voから、演奏がズレようが走ろうが「細けぇことはいいんだよ!」とばかりに突進を繰り返す楽器隊まで、ファイト一発!なラフさ加減に濃厚に息衝くのは、スラッシュと言うよりもパンキッシュなクソッタレ・スピリッツ。しかしながら昔は呆気に取られたそうした部分にこそ、今聴き返すと逆に轟々とメタル魂を燃え上がらされてしまうのが不思議でして、特に一心不乱にGリフを刻んで刻んで刻みまくるリーダー、デイヴ・カルロのリフ・カッター無双ぶりが痛快な“TAKE THE TORCH”なんて、鳥肌モノの名曲ですよ。
現代の感覚からすれば、もはや特別速いわけでもアグレッシブなわけでもない音かもしれませんが、しかし、ギアの壊れた自転車をそれでも猛然と漕ぎ倒すかのような、この鬼気迫る前のめりっぷりはやはりスペシャル。並のエクストリーム・メタル・バンドなんぞ足元にも寄り付かせない、破れかぶれなテンションの高さが痛快極まる1枚です。


RAZOR - Executioner's Song - Take This Torch ★★★ (2017-01-12 23:38:26)

聴く者の鼓膜を切り裂いて出血させんばかりの勢いで
刻んで刻んで刻みまくられるGリフと、
タイミングなんて知ったこっちゃねえわと好き勝手叫び倒すVoとが、
猪突猛進のリズムに乗っかったことで生み出される
この異様なテンションの高さ。
RAZOR屈指の名曲です。


RAZOR - Live! Osaka Saikou ★★★ (2016-12-03 23:07:27)

カナダのベテラン・スラッシャー、RAZORが、大阪開催のTRUE THRASH FESTに参戦した際の模様を収めた、(意外にも)彼らにとって初めてとなる実況録音盤。
『大阪最高』の邦題に相応しく、ボブ・レイド(Vo)による威勢の良い挨拶「マイドー!」でライブはスタートを切ります。セットリストの中心を担うのは、デイヴ・カルロ(G)の鬼神の如きシュレッド・リフに全身が総毛立つ“INSTANT DEATH”を始めとする、人気作『EVIL INVADERS』収録曲。全18曲、ランニング・タイムは60分オーバーという大ボリュームゆえ、キャリア云十年のベテランなら途中で「ミッド・テンポの楽曲で緩急を演出しよう」とか色々考えそうなものですが、RAZORはそういう仕掛けには一切興味がないご様子。MOTORHEADリスペクトな“IRON HAMMER”、攻撃的且つキャッチーな“SPEED MERCHANTS”、激烈たる“NOWHERE FAST”~“CROSS ME FOOL”メドレー、刻んで刻んで刻みまくる“TAKE THIS TORCH”etc…。畳み掛ける楽曲は最初から最後まで、一瞬たりとも立ち止まることなく全力疾走。ブレーキ無用の前のめりな突進を繰り返す楽曲とメンバーのパフォーマンスを更に加速させる、浪速スラッシャーの隙あらば「RAZOR!」コールを繰り返す盛り上がりも熱い(日本じゃないみたい)。煽り煽られ、短い掛け合いを経て雪崩れ込む名曲“EVIL INVADERS”はまさにクライマックス。
デビュー当時から全くブレることなく「スラッシュ馬鹿一代」な姿勢を貫徹し、HR/HMシーンの裏街道を駆け抜けて来たRAZORの、フルマラソンを100メートル走感覚で突っ走ってしまうような破れかぶれなパワーに圧倒される1枚です。痛快。


RAZOR - Violent Restitution ★★ (2007-04-29 01:22:00)

なぜかチャールズ・ブロンソンに捧げられた(笑・・・って、ブロンソンてあのブロンソン?)、'88年発表の4thアルバム。
確か当時、HOBBS' ANGEL OF DEATHのデビュー作とのスプリット仕様で、テイチクから国内盤も発売された・・・筈。
初期のRAZORのアルバムは、ムチャクチャな勢いは買うけれど、どの曲も似たり寄ったりなので直ぐに飽きてしまうという
問題点を抱えていたように思うが、それが3rd『MALICIOUS INTENT』辺りから個々の楽曲のキャラ立ちが良くなり始め、
遂に本作では、ドイツのインディ・レーベルSTEAMHAMMER/SPVと契約を交わした効果か(?)、その楽曲の良さを活かすだけの
良質なサウンド・プロダクションをも手に入れ、過去4作を大きく上回る高い完成度を提示してきた。
また、これまでに比べてスラッシュ・メタル度が大幅に上がって来ているのも本作の特徴の1つで、
それはOPナンバー①(タイトルから察するに、冒頭の絶叫は怪鳥音のつもりなのだろうか?)における、
アグレッシブなリフ&リズムの刻みを聴けば明らか。他にも、タイトル通り「ハイテンション」で突っ走る②、
緩急の効いたアルバム・タイトル・トラック⑦等、高速スラッシュ・チューンの名曲は多いが、
本編のハイライトは間違いなく⑨。まさに“EDGE OF THE RAZOR"のタイトルを地で行く、聴いてるだけで耳から
血が出るんじゃないか?と思わせる、カミソリの刃の如き鋭利なGリフの刻みが強烈極まりない、RAZOR屈指の超名曲だ。
バンドの格をワンランク上へと押し上げた名盤。


RAZOR - Violent Restitution - Edge of the Razor ★★★ (2007-04-29 01:27:33)

緩急の効いた高速スラッシュ・チューン。
冒頭のインスト・パートにおけるGリフの刻みが強烈極まりなく、
まさに「カミソリの刃」の如し。耳から血が出るかと思った。


RDX ★★ (2009-01-03 01:11:00)

かつてのFLATBACKERに始まり、NEGAROBO、SILVER BACK、GRADGE CURSE等、優れた
パワー/スラッシュ・メタル・バンドを数多く輩出してきた北海道において、元NEGAROBOのドラマー鈴木政行が、
そのNEGAROBOの空中分解に伴い、新たに立ち上げた道産子スラッシュ・メタル・バンド。
'06年リリースの1stフル『THRASH METAL Ⅲ』には、MEGA METAL WARRIORS名義で、
SABER TIGERの木下昭仁、三瓶朋大、夜叉の福島克彦、HARDGEARの田中“Machine"康治、
SILVER BACKの伊熊誠らがゲスト参加を果たしている。
そのサウンドは、初期ジャーマン・スラッシュを思い起こさせる切れ味と突進力に、
日本人ならではの木目細かいメロディと、ドラマティックな構築美を持ち込んだスラッシュ・メタル。
期間限定と言わず、是非ともこの面子でまた作品を作って欲しいものです。


RDX - Thrash Metal Ⅲ ★★ (2009-01-03 01:15:00)

元NEGAROBOの鈴木“AMPAN"政行が、北海道において立ち上げた道産子スラッシュ・メタル・バンドが、
夜叉の福島克彦(G)、HARD GEARの田中“Machine"康治(G)、SILVER BACKの伊熊誠(Vo)、GALATEAのKYOHKO(Vo)、
そしてSABER TIGERの三瓶朋大(B)、木下昭仁(G)御大らの協力を得て制作、'06年にリリースした1stフル・アルバム。
機関銃の如く徹底的に刻みまくるGリフが、鈴木のタイトでパワフルなドラミングに乗っかって畳み掛けるように
爆走するサウンドは、DEATHROW等の初期ジャーマン・スラッシャーを彷彿とさせるアグレッションと切れ味の鋭さを誇るが、
その一方で、男臭い濁声とノーマルな歌い上げを使い分ける伊熊のVo、そしてインスト・パートをドラマティックに盛り上げる、
福島、田中、木下のトリプルGの存在もあって、楽曲自体はバイオレントな作風に反して結構聴き易い。言うなれば、
初期ジャーマン・スラッシュ・メタルに、北海道のバンドならではの木目細かく構築美に溢れたメロディを融合させた感じ?
特に、四部構成から成るOPナンバー“THIRD EYE"(①~④)は、鈴木のDsが生み出す凄まじいスピード感と、
個性豊かな3人のギタリスト達の共演、そしてKYOHKOのクリーンVoをフィーチュアして、激烈な疾走感の中にも
ハッキリとしたメロディの流れとドラマ性を感じさせる、このプロジェクトならではの名曲に仕上がっている。
頭から尻まで全編をひたすらに走りまくって、トータル・ランニング・タイムはタイトに30分ちょい。捨て曲の一切ない、
近年発表された国産スラッシュ・アルバムの中でも屈指の完成度を誇る1枚。このまま活動を続けてくれる事を切に望む次第。


RDX - Thrash Metal Ⅲ - Crossover? ★★ (2009-01-03 02:17:45)

攻撃的な福島、硬軟を併せ持つ田中、そして構築美に溢れた木下御大・・・と、
個性的な3人のギタリスト達それぞれも持ち味を活かしたGプレイが絡み合う
インスト・パートの劇的さ加減は圧巻。勿論、畳み掛けるような疾走感も痛快極まりない。


RDX - Thrash Metal Ⅲ - Purge ★★ (2009-01-03 02:12:39)

初期ジャーマン・スラッシュ・メタルばりの突進力と、
猛烈なシュレッド・リフ、そして夜叉の福島克彦による
突き刺さってくるかの如きGソロがハイテンションな
カッコ良さを演出する1曲。


RDX - Thrash Metal Ⅲ - Third Eye ★★★ (2009-01-03 02:08:59)

“PROLOGUE"“THIRD EYE-MY LORD"“THIRD EYE-NEW WORLD"“THIRD EYE-BLACK WIND"
の4曲から構成される高速スラッシュ・チューン。
猛烈な勢いでシュレッドされるGリフ、怒涛の如く畳み掛けてくるリズム隊、
男臭い濁声Voと、そこに絡む女性Vo、そしてメロディアス且つドラマティックなトリプルG・・・
と、まさにRDXというバンドの魅力がギュッと凝縮された仕上がりの名曲。


RDX - Thrash Metal Ⅲ - Thrash Metal Attack ★★ (2009-01-03 02:24:24)

“PURGE"と並ぶ、本編最速のスピードでアルバムの最後を
締め括る、高速スラッシュ・ナンバーの名曲。
中盤で一度テンポダウンして、Gソロをじっくりと聴かせた後、
再びフルスピードで大仰なエンディングへと雪崩れ込んでいく
曲展開がカッコいいったら。


REACTION - INSANE ★★★ (2021-06-17 00:24:36)

REACTIONが'84年に発表した1stアルバム。メジャー流通ではなかったにも関わらず1万枚以上のセールスを記録し、国内インディーズ・シーンの隆盛に大きな影響を与え、バンドに「インディーズの帝王」なる称号をもたらすに至ったエポックメイキングな1枚。彼らが後続に対して道を切り開かなければXの躍進だってなかったんじゃなかろうか?と。
問答無用で飛ばしまくるスピード・ナンバー①⑦⑨が体現する通り、本作で炸裂するのは故・梅沢康博の食い気味なドラミングを推進剤とする、前のめりな突撃感覚が全編に漲るパワーメタル・サウンド。同時期の国産パワーメタルというと、こちとら真っ先に1st~2ndの頃のANTHEMの名前が思い浮かぶのですが、彼らほどにはACCEPTを始めとする欧州メタルからの影響(湿り気とか暗さとか)が感じられず、むしろREACTIONに関してはLAメタル勢に通じる陰に籠らない歯切れの良さの方が印象的。後々、作を重ねる毎にロックンロール・テイストが増量されていくこととなる彼らのルーツを既に伺わせてくれます。
本作に対する評価の分水嶺として指摘される加藤純也のVoについては、CD版トップに置かれた“INSANE”はバンドを代表する名曲であると同時に、この時点での加藤の歌唱の不安定さを最も意識させられる楽曲でもあるので、いきなりこれをぶつけてしまうとアルバムに対する不安感が無用に上がりかねない…かも。なので『INSANE』初体験のリスナーには、個人的にはLP版に準拠した曲順(OPナンバーは“JOY RIDE”)にて聴き始めることをお薦めする次第。
何はともあれ廃盤のままほったらかしにせず、一日も早い再発が望まれる名盤です。その際は折角の迫力を著しくスポイルしている音質改善も忘れずに是非。


REACTION - INSANE - JOY RIDE ★★★ (2021-06-17 23:14:17)

食い気味に突っ走るドラムがサウンド全体を
グイグイと牽引するスピード・ナンバー。
単に勢い任せなのではなく、しっかりライブ映えする
勇壮かつキャッチーなコーラスにもアガります。


REALM ★★ (2007-04-15 21:54:00)

'85年にマサチューセッツ州で結成。
同年に2本のデモ・テープ『PERCEPTIVE INOCENTIVE』と『FINAL SOLUTION』を制作。
このデモ・テープの好評を受けてROADRUNNERレコードと契約を交わし、'88年に1st『ENDLESS WAR』でデビュー。
'90年には2nd『SUICIETY』を発表。そのテクニカルでプログレッシブな
スラッシュ・サウンドをもって、(それなりに)人気を博した。
特に、1stアルバムに収録されたBEATLESの名バラード“ELEANOR RIGBY"の
スラッシュ・メタル・バージョンのカヴァーは、未だにファンの間では語り草となっている程。


REALM - Endless War ★★ (2007-04-15 21:27:00)

アメリカはマサチューセッツ州出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが、'88年に発表した1stアルバム。
その本作、まず一聴して耳を奪われるのが、強烈な「揺れ」を伴った超音波の如きハイトーンを発するVoの歌唱。
SAVATAGEのジョン・オリヴァと比較されたりしていたようだが、それよりも個人的には、PAVLOV'S DOGの
デヴィッド・サーカンプ(Vo)に近い印象を受けた。あれを更にビルドアップしてマッチョにした感じ?
そんなVoによって歌われるのは、ハイテクニックに裏打ちされた、テクニカルでプログレッシブなスラッシュ・メタル。
勿論、①や⑦、⑪といった比較的ストレートに疾走する高速スラッシュ・ナンバーも多数収録されてはいるものの、
そういった楽曲よりも、このバンドの本質が表れているのは、仰々しく幕を開け、徐々にスピードを上げながら劇的に
盛り上がっていく③や、鬼のようにリフ/リズム・チェンジを繰り返す、複雑且つドラマチックな⑧といった楽曲ではないかと思う。
そして、本作を語る上では勿論の事、REALMを語る上でも避けて通れない重要な存在が、BEATLESの名曲のカヴァー⑥。
繊細で物悲しげなメロディに彩られた叙情的な小曲を、スピーディでアグレッシブなスラッシュ・バージョンとして
見事に再生させたこの名カヴァーの存在は、未だにスラッシャーの間では語り草であり、今でもREALMの話題になると
「あー、あの“ELEANOR RIGBY"のカヴァーを演ってた連中ね」となるぐらいのインパクトを備えていたのであった(?)。
但し、この曲のインパクトが余りに強烈過ぎた為、オリジナル曲の印象が完全に吹っ飛んでしまったのは、バンド的には良し悪し・・・。


REALM - Endless War - Eleanor Rigby ★★★ (2007-04-15 21:35:03)

繊細で叙情的なBEATLESの名バラードを、
スピーディでアグレッシブなスラッシュ・ナンバーに
見事に改造してみせた、名カヴァー・バージョン。
バンドの代表曲でもある。
この曲を聴くためだけにでも、1stアルバムを買う価値あり。


REALM - Suiciety ★★ (2007-04-16 22:36:00)

'90年発表。「自滅の縁にある人間社会」をテーマにしたコンセプト作でもある2ndアルバム。
(ちなみに、タイトルはSUICIDE(自殺)とSOCIETY(社会)をくっ付けた造語らしい)
最近発売されたリイシュー盤に、KING CRIMSONの“ONE MORE RED NIGHTMARE"のカヴァーが収録されている事からも
察しの付く通り、1st『ENDLESS WAR』から更に、テクニカルでプログレッシブなスラッシュ・メタル路線へと
踏み込んだ内容に仕上がっていて、個性的なリフの嵐、変拍子バリバリのリズム、複雑な曲展開、ハイテンションで
歌いまくるハイトーンVoといった要素が一丸となって押し寄せてくる様は、最早、プログレ風味の
スラッシュ・メタルと言うよりも、スラッシュ風味も含んだプログレ・メタルといった趣き。
特に、スリリング且つダイナミックな③、本編のハイライト・チューンと言うべきドラマチックな⑦、力強いBラインが印象的な
アルバム・タイトル・トラックの⑪を聴いていると、「歌えるVoが加入したATHEIST」なんて形容詞が思い浮かぶ。
個人的には、より明快な作風の前作の方が好みだが、プログレ・メタル好きなら試しに聴いてみる価値は大いにある作品。
付け加えるなら、高速スラッシュ・チューン⑤を筆頭に、スラッシーな疾走感は本作においてもちゃんと健在だ。


REBEL - STARGAZER ★★★ (2012-03-08 22:36:41)

後にZARを結成する事で知られるトミー・クラウス(G)率いるドイツはシュツットガルト出身のHRバンドが、'82年に残した唯一のフル・アルバム。
本作最大のトピックは、LUCIFER'S FRIEND解散後はソロ活動を行っていたジョン・ロートンがシンガー兼プロデューサーとして参加している事で、当初ロートンはプロデューサーとしてレコーディング作業に携わっていたのだが、バンドのシンガーにあれこれアドバイスを送る内に「やっぱ貴方が歌ってくれよ」と説得され、最終的にシンガーも兼任する事となったそうな。
伊藤政則氏を始め、少なくない人たちが「ロートンの最高傑作といったらコレ!」とその名前を挙げるだけあって、歌心に溢れたGとリリカルなKey、コージー・パウエル型のDs、それに憂いに満ちた叙情メロディとが躍動する高品質なヨーロピアンHRサウンドの完成度には確かに心踊らされます(⑦はARGENTのカヴァーだったかな)。
ガチガチの様式美路線ではなく、軽快なノリや適度に隙間を活かしたアレンジ・センスからは70年代HR的な味わいも感じられる本作の主役は、やはり何と言ってもロニー・J・ディオとクラウス・マイネを足して2で割ったようなジョン・ロートンの強靭な歌声。勿論、今の彼も卓越した歌唱力を保持し続けていますが、この頃の歌声は別格の神罹り具合で、特に起伏に富んだ曲調に鮮烈なハイトーン・シャウトが映えるOPナンバー①、零れ落ちていくようなピアノによるイントロからして猛烈な哀愁を発散する⑤、スケールの大きなドラマ性を宿した〆の大作曲⑧の3曲は、取り分け強い存在感を放つ名曲。
これ1枚で終わってしまったのが惜しまれる完成度の1枚ですね。


REBEL - STARGAZER - STARGAZER ★★★ (2012-03-12 22:30:30)

シャープ気味に伸びるクラウス・マイネ風の
ハイトーン・シャウトと、ロ二ー・J・ディオばりの
コブシの効きっぷりに痺れる、ジョン・ロートンの
圧巻の歌声が堪能できるOPナンバーにして本編屈指の名曲。
ハードなG、パワフルなDsもグッジョブ。


REBEL - STARGAZER - SURRENDER ★★★ (2012-03-12 22:36:03)

ポロポロポロと、澄んだ音色で零れ落ちるように
ピアノが奏でられるイントロと、そこにジョン・ロートンの
歌声が入って来た瞬間にノックアウト。
泣きまくるロートン先生VoやGソロは勿論のこと、
リリカルなKeyが地味に楽曲の完成度向上に一役買っていますね。


REBEL - STARGAZER - WINGS OF FIRE ★★★ (2012-03-12 22:39:45)

アルバムのラストはドラマティックな
大作で〆る。これぞ様式美。
とは言え楽曲はガチガチの様式美路線じゃなく、
適度にスペーシーで隙間の活かされた曲調や
アレンジからは70年代HR風味も伝わってきます。
よく歌うGが心地良いですね。


RECON (2018-02-19 23:32:29)

LAのスラッシュ・メタル・バンド、DELIVERANCEのメンバーでもあったジョージ・オチョワ(G)を中心に、'87年に結成。(DsもDELIVERANCEのメンバーだった)
'88年にオムニバス盤『CALIFORNIA METAL Vol.2』に参加して知名度を高めると、メンバーが敬虔なクリスチャンの集まりだったことから(DELIVERANCEもクリスチャン・バンドでしたっけね)、そっち系のレーベルとして名を馳せたINTENSE RECORDSと契約を交わし、'90年に1st『BEHIND ENEMY LINES』でデビューを飾る。
同作のブックレットには、クリスチャン・メタル・バンドのメンバーが通うことで知られる教会“サンクチュアリ”のボブ・ビーマン牧師(長髪にレザーとメタル・ファッションでキメキメ)が推薦文を寄せていることが、マニアの間で話題になったとかならなかったとか。


RECON - Behind Enemy Lines ★★★ (2018-02-19 23:38:00)

FORTEやWINTERS BANE、ORACLE、MYSTIK等、90年代前半にテイチクから続々デビューを飾ったテクニカルなパワー・メタル・バンド勢の作品が結構好きで買い集めていたのですが、現在でも概ね安価で購入可能なそれらのカタログの中にあって、何故だか飛び抜けた高値で取引されているのが、LA出身のRECONが’90年に発表したこのデビュー作。
メタルに理解のあるサンクチュアリ教会(これが本当のMETAL CHURCHってか)の牧師さんが歌詞カードに推薦文を寄せ、尚且つOP序曲①では聖書の一節が諳んじられていることからもお察し頂ける通り、バリバリのクリスチャン・メタル・バンドである彼ら。でも音楽性はSTRYPER路線ではなく、QUEENSRYCHEエキスが注入されたパワーメタル。
音質はお世辞にも良いとは言えず、高音域で声が引っ繰り返りそうになるシンガーの歌唱も少々危ういのですが、その彼が拾う歌メロ自体は哀愁に満ちていて非常に魅力的ですし、ツインGが奏でる美旋律、それに「流石クリスチャン・メタル・バンド!」と感心させられる美麗なハーモニーの数々に彩られた楽曲…例えば劇的な⑤やバラード⑨等をドラマティックに組み上げる、このバンドのメロディ・センスは同期バンド群と比較しても頭抜けたモノを感じさせてくれます。特に神のご加護を得て(?)疾走する⑩は、パワー/スピード/メロディの三拍子が揃った名曲。尤も本作一番の名曲は、ボートラ収録されている、RECONがオムニバス盤『CALIFORNIA MEAL Vol.2』に提供した⑪だったりするんですけどね。(この頃はプログレ色よりもピュアな正統派HM風味が色濃い)
最初に「なぜか中古盤が高値で取引されて~」と書きましたが、こんだけ完成度が高ければそれも納得できてしまうという。


RECON - Behind Enemy Lines - Behind Enemy Lines ★★★ (2018-02-21 00:45:41)

スラッシュ・メタルばりのアグレッションを
撒き散らしながら本編を締め括るスピード・ナンバー。
歌詞は今読むと結構シャレにならない感じではありますが。
アーメン。


RECON - Behind Enemy Lines - Light the Fire ★★★ (2018-02-21 00:52:27)

オムニバス盤『CALIFORNIA METAL Vol.2』に提供した
RECONのデビュー曲で、日本盤にはボーナス・トラックとして収録。
プログレ・メタルっぽさも感じられる本編収録曲に比べると
ハイトーンで歌いまくるVoに、派手にユニゾンを決めるツインG等、
ストレートに正統派HMしている仕上がり。これぞまさにボーナス。


RED DAWN - Never Say Surrender ★★ (2008-01-31 23:18:00)

元RAINBOWのキーボーディストで、近年では、イングヴェイがオーケストラと共演した際、
そのオーケストレーションを手掛ける等、多彩な活動っぷりで知られるデイヴ・ローゼンタール率いる
ハード・ロック・プロジェクトRED DAWNが、'93年に発表した唯一のアルバムがこれ。
鮮やかなKeyのイントロだけで心が浮き立つ、爽快なロック・チューン①、まるで「キャッチーな哀メロ・チューン」の
お手本の如き②という、強力な名曲2連発で幕が開く本作のサウンドは、デイヴの演りたい音楽と、ファンが彼に演って欲しいと
望む音楽が幸福な一致をみた、哀愁とフック満載の、メロディアスでキャッチーな楽曲がギュッと詰め込まれた産業ロック路線。
デイヴの華麗なKeyワークを楽曲の中心に据えつつも、ポップになり過ぎることなく、きっちりとハード・ロッキンな
エッジを効かせた作風は、名盤『VITAL SIGNS』の頃のSURVIVERを思わせる(・・・ような気がする)。
特に、ジョー・リン・ターナー風味の実力派Voが、ソウルフルに歌い上げる感動的なバラード⑧や、デイヴに、
チャック・バーキ(Ds)にグレッグ・スミス(B)、そしてジョー似の声質のVoという、RAINBOW人脈に連なる組み合わせが
生み出すファンの期待に見事に応えた、後期RAINBOW型のハード・ロック・チューン③といった楽曲は、
哀メロを愛するリスナーならば、一度は聴いておきたい超名曲じゃなかろうか。
ロック・シーンから、急速に華やかさが失われつつあった時期にリリースされた為、ハイクオリティな内容にも関わらず、
本作はさして話題になる事無く廃盤となってしまったが、俺は今でも2ndアルバムを待ってますよ、デイヴ?


RED DAWN - Never Say Surrender - Liar ★★★ (2008-01-31 23:25:39)

“I SURRENDER"“FIRE DANCE"“STREET OF DREAMS"等、
後期RAINBOWの名曲群の美味しい部分を寄せ集めて
再構築したかのような、哀愁のハードロック・チューン。
この曲を聴くためだけに、このアルバムを購入しても損はない。


RED DAWN - Never Say Surrender - Take These Chains ★★★ (2008-01-31 23:35:03)

哀愁のメロディに彩られた、美しくも切ない、
ドラマティックなバラードの超名曲。
曲の良さも然る事ながら、本作最大の聴き所は
ジョー・リン・ターナーを思わせるVoの歌声。
魂を振り絞るかのようなソウルフルな熱唱に、
聴く度に感動で胸が締め付けられます。


RENAISSANCE - Grandine Il Vento ★★★ (2013-09-07 23:59:23)

脳出血により急逝したマイケル・ダンフォード(G)の遺作でもある、'13年振りに発表されたニュー・アルバム。
のっけから12分超えの長編①で幕が上がる大作主義や、往年の名作『燃ゆる灰』を彷彿とさせる邦題『消ゆる風』(まるでダンフォードに捧げるかのような泣かせるタイトル)が表す通り、本作は意識的に70年代RENAISSANCEサウンドの再現が試みられ、しかも大成功を収めています。
不変の輝きを保つ、アニー・ハズラムのクリスタルなソプラノ・ボイスが歌い上げる哀愁のメロディが「これぞRENAISSANCE!」と感動を呼ぶ③、イアン・アンダーソンのフルートが生き生きと躍動する⑤、RENAISSANCEサウンドの魅力の一端を担う、クラシカルなピアノが流麗に奏でられる⑥、ジョン・ウェットンが濡れ濡れジェントリー・ボイスで参戦する⑦、素朴な美しさのみならず、HR/HMファンにも十分アピールし得るダイナミズムとスケール感を有した劇的な①⑧・・・と、優美/壮麗/ドラマティックな楽曲の数々は、まさしく黄金時代のRENAISSANCEに匹敵する輝きを放っています。
マイケル・ダンフォードとアニー・ハズラム、両者のコラボの有終の美を飾るに相応しい逸品であり、と同時に、これほどの作品を生み出せる顔合わせがもう実現しないことが惜しまれてならない1枚。


RENAISSANCE - Grandine Il Vento - Grandine Il Vento ★★★ (2013-09-08 22:01:01)

名作『燃ゆる灰』に入っていても
不思議じゃない出来栄えのアルバム表題曲。
美しいだけでなく、血肉の通ったエモーションの
迸りも感じさせるアニー・ハズラムの歌う、
哀愁に満ち満ちたメロディがとにかく絶品。
静謐なピアノの旋律が更にそれを
効果的に援護射撃しています。


RENAISSANCE - Grandine Il Vento - The Mystic and the Muse ★★★ (2013-09-08 22:06:10)

結成から40年以上を数えるベテラン・プログレ・グループの
作る8分に迫る大作・・・と書くと、何だかマッタリとして
HR/HMファン的には刺激に欠ける楽曲が想起されるやもしれませんが
果たしてこの名曲を聴いてもそんなことが言えるかな?フフフ・・・
などと、思わず上から目線で語りたくなるほど
緩急とメリハリの効いた劇的な名曲。


RENEGADE - TIME TO CHOOSE ★★ (2012-01-05 22:32:28)

FORTUNEやJACKAL、MASQUERADE、TAROTらと共に第2次北欧メタル・ブームの中核を成した、ツインGとKey奏者を擁するスウェーデン出身の6人組HRバンドが'93年にリリースした1stアルバム。
本編開巻を宣言するOPナンバー“HOLD ON THE NIGHT”が、「優美で繊細な北欧神話を華麗に伝承する北欧メタルの魅力の全てが凝縮された名曲」(日本盤帯より)と高く評価された本作だが、全曲がその路線かと言えばさに非ず。アメリカンなノリが打ち出されたグルーヴィなHRナンバーもちらほら見受けられ、また全14曲も収録されているせいで中弛みを感じる場面もあったりと、ドラマティックで叙情美に満ちた北欧メタル然とした作風を期待すると間違いなく肩透かしを食うことになるので要注意。
それでも、メンバー全員がバックVoを担当することによって作り出されるボーカル・ハーモニーの鮮やかさや、メロディアスに絡み合う2本のGとKeyが演出する透明感は北欧のバンドならではの味だし、本編終盤には優れた楽曲が並んでいるので聴後感はなかなかに快調。そして、やはり何と言っても本作は前述の“HOLD~”の存在がトドメを刺します。
流行に色目を使った次作以降、アイデンティティーを見失い自滅してしまったバンドだが、メロディ愛好家を自認する方なら、上記の名曲を聴くためだけにでも是非ご購入ください。(今なら中古盤も安いですよ)


RENEGADE - TIME TO CHOOSE - HOLD BACK THE NIGHT ★★★ (2012-01-07 00:36:37)

この曲のみの「1発屋」扱いされる事も多い
RENEGADEですが実際、本編中において
この北欧メロディアス・ハードの名曲の
インパクトは突出している。
甘美なメロディに、美しいハーモニー・・・。
↑上で別の方も仰られていますが、
これでKeyがもう少し存在感を発揮して
後半にもう一捻り加えてくれてたなら
完璧だったんですけどね。


REO SPEEDWAGON - Good Trouble ★★★ (2023-03-21 22:49:39)

最終的には1000万枚を超すセールスを記録した11th『禁じられた夜』(’81年)の特大ヒットで、晴れてトップ・バンドの仲間入りを果たしたREO SPEEDWAGON。通常、ヒット作の後のアルバムというのはマーケティング戦略上、発表までにかなりブランクが空くものですが、彼らは勿体付けることなく直ちにレコーディング作業に取り掛かると、1年1作のローテーションを堅守するかの如く’82年にこの12thアルバムを発表しています。
『禁じられた夜』との連続性を打ち出したアートワークににっこりさせられる本作は、“涙のレター”のヒットを受けて、更にバラード調の楽曲を増量したメロウな作風を追求しそうなもんですが、どっこい。ゲイリー・リッチラスのGを核とする躍動感溢れるロックンロール・スピリッツはここでもしっかりとキープ。と同時に、夏の終わりを意識させるような、懐かしくもどこか物悲しいメロディで楽曲を包み込み(別に音楽性に共通点があるわけじゃないのに「アメリカのサザンオールスターズ」と呼びたくなる)、泥臭さを殆ど感じさせることなくキャッチーに聴かせきる手腕にも益々磨きが掛かっています。
特に熱いエモーション迸らせながら駆け抜けていくケヴィン・クローニンの熱唱とゲイリーのGソロに胸を締め付けられる⑨、そのゲイリーのGとニール・ドーティの流麗な鍵盤捌きが華々しく並走する⑤は、個人的にREO SPEEDWAGONに求めるエッセンス(上手い歌、哀愁のメロディとピアノ、ロックンロールの躍動感)全部入りの名曲ですよ。
売り上げ的に前作に及ばなかったこともあり、あまりスポットライトが当たる機会はありませんが、内容の充実度では決して引けは取らない捨て曲なしの名盤。


REO SPEEDWAGON - Good Trouble - I'll Follow You ★★★ (2023-03-23 00:33:10)

仄かな哀愁を湛えたメロディを乗せて躍動する
ロックンロール・ナンバー。ホットに弾きまくる
ゲイリー・リッチラスのGといい、全編通じて流麗に
踊るピアノの活躍っぷりといい、REO SPEEDWAGONの
ハード面の魅力が凝縮された名曲に仕上がっています。


REO SPEEDWAGON - Hi Infidelity ★★★ (2013-01-22 22:07:30)

最近は「スピードワゴン」で検索をかけると『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクターばかりが引っ掛かりますが、こちらは本家REO SPEEDWAGONが'81年に発表し、苦節10作目にして遂に全米制覇を成し遂げた記念すべき1枚(邦題は『禁じられた夜』)。
全米シングル・チャート上位にランクインしたバラード②(第1位)⑤(第4位)を聴けば分かる通り、どこかノスタルジーを喚起するポップな叙情メロディを増量することで、それまでのアーシーなロックンロール・サウンドに加えて、より大衆にアピールし得るメロディアスHR的側面もクローズアップされた本作は、それでいて洗練され過ぎず、泥臭さ(田舎っぽさ)も失っていません。この辺りの「垢抜け過ぎない魅力」が、皆誰もが心に「南部」を持つアメリカ人のハートを掴んだのでしょうかね。
ゲイリー・リッチラスの熱い泣きを孕んだGプレイにグッとくる③、ホンキートンク調のゴキゲンなピアノ・ソロに思わず体が動き出す⑧、ゴスペル風味も感じさせる感動的なロッカ・バラード⑩なんかも最高なんですが、ピアノ好きを自認する身として特に推したいのが“涙のレター”の邦題で知られる④。オールディーズ風の曲調に絡む、楽し気でいてどことなく切ない響きも湛えたピアノの旋律がもう辛抱堪らんのですよ。
15週間も全米チャートを席巻したのも納得の、充実した内容を誇る名盤。


REO SPEEDWAGON - Hi Infidelity - In Your Letter ★★★ (2013-01-23 23:27:12)

本国アメリカ以上に日本でヒットしたという名曲。
(邦題は“涙のレター”)
オールディーズ風の曲調は、ポップな親しみ易さに
溢れている一方、どこか「祭りの後」チックな郷愁と侘しさも
同居していて、妙におセンチな余韻を胸に残します。
絶妙に切り込んでくるピアノも素晴しいったらないですよ。


REO SPEEDWAGON - Wheels Are Turnin' ★★★ (2023-03-24 00:20:27)

新人演歌歌手ばりのハード・スケジュールで全米津々浦々をツアーして回った努力が実を結び、9th『禁じられた夜』(’82年)とシングル“涙のレター”のメガヒットでトップ・バンドの地位を確立した苦労人バンドREO SPEEDWAGON、’84年発表の11thアルバム。
件の『禁じられた夜』があまりに売れまくったため、それ以外の作品の影が薄くなってしまった感が無きにしも非ずな彼らなれど、本作だって完成度の高さでは決して引けは取りません。70年代の泥臭さを払拭し、洗練されたメロディアス・ロック路線を引き続き追及しつつ、ゴキゲンに弾むロックンロール①④や、レゲエのリズムを取り入れた③等、前半には比較的明るいノリの楽曲が並ぶため「ああ、そういうバンドね」と思われるやもしれませんが、それは早合点というもの。エネルギッシュな曲調に胸をキュっと締め付けるメロディが絡む④が物語る通り、明るさの中にもどこか郷愁をそそる哀愁のメロディを忍ばせる手腕がこの時期の彼らの真骨頂。ケヴィン・クローニンのエモーショナルな歌声が胸に沁みる全米№1ヒット・チューン⑥(邦題は“涙のフィーリング)や、ゲイリー・リッチラスの泣きを帯びたGが唸りを上げる⑦といった逸曲はもとより、ピアノ好きの身としては、Key奏者ニール・ドーティの華麗な鍵盤捌きが存分にフィーチュアされた⑤⑨を強力に推していきたい所存。ノスタルジックな哀愁を湛えた前者における小粋な抒情性を増幅する演奏、そしてアルバム表題曲でもある後者のクライマックスで炸裂する流麗なピアノ・ソロは一聴の価値ありですよ。
実は『禁じられた夜』よりも聴き直す頻度が高かったりする1枚。入門盤としてもどうぞ。


REO SPEEDWAGON - Wheels Are Turnin' - Can't Fight This Feeling ★★★ (2023-03-28 01:38:20)

全米シングル・チャートで3週連続第1位の座をキープ。
REO SPEEDWAGONが一発屋ではないことを見事に証明した彼らの代表曲。
飾らず勿体付けず、哀愁のメロディをシンプルに届けてくれるこそ胸を打つ
REO SPEEDWAGONらしいエモーショナルな名曲です。


REO SPEEDWAGON - Wheels Are Turnin' - Wheels Are Turnin' ★★★ (2023-03-28 01:28:50)

本編の締め括り役を担うアルバム表題曲。
エネルギッシュな曲調に哀愁を帯びたメロディ、
ゲイリー・リッチラスの骨太なギターと、負けじと
華やかに繰り出されるニール・ドーティのピアノ・ソロが
(ピアノ好きにとっては)得も言われぬ高揚感を演出する名曲です。


RETURN - Return ★★★ (2020-12-09 23:24:18)

これまでリリースしたカタログを悉くヒット・チャート上位に送り込み、本国ノルウェーではトップ・バンドとして確固たる地位を築き上げたRETURN。5th『V』(’92年)を最後に活動を停止していた彼らの再始動となった'05年発表の6thアルバム。
前作『V』では、HR/HMで括ることに若干の躊躇を覚えなくもないアコースティカルなサウンドを聴かせた彼らですが、ブリットポップ風の疾走ナンバーまであったりする今作では(当時のシーンの趨勢もあってか)、だいぶHR色を回復させたサウンドを披露。かといって、安易にダーク&ヘヴィな流行におもねるような真似はせず、あくまでRETURNならではの悲哀に満ちたメロディの魅力はしっかりとキープされ続けています。
抒情味を増幅するハスキー・ボイスという、往時の個性がここでも健在なシンガーの歌唱が映える、重厚にして物憂げなOPナンバー①、雪の夜に灯された暖炉のような暖かみに満ちたバラード②、ポップにして爽やかな③という冒頭の3連打、あるいは憂いを帯びたGとハモンド・オルガンの共演が北欧メタル風味をぐっと盛り上げる⑪といった楽曲は、本作の質の高さを如実に示す逸品ですし、何より美しいピアノのイントロに導かれてスタートし、Gが奏でる泣きメロとコーラス・ワークに垣間見えるポップ・センスが巧みにブレンドされた⑥なんて、「これを聴くためにアルバムを買おう!」と思わずキャンペーンを張りたくなる、初期ミカエル・アンダーソンにも通じる感傷的な泣きに溢れた名曲ですよ。
ブランクを感じさせない良作だっただけに、これ以降、再び音沙汰がなくなってしまったのが勿体ないなぁと。


RETURN - Return - Mr. President ★★★ (2020-12-11 00:23:58)

ピアノ好きとしては、物悲し気なピアノのイントロだけで
グッと掴まれてしまいます。寒色のヴァースから
暖色のコーラスへと転じるメロディの移調も絶妙です。
ハスキーなVoの声質もあって初期ミカエル・アンダーソンを
彷彿とさせる哀愁のメロハーの名曲。


RETURN - Straight Down the Line ★★★ (2013-04-24 22:15:33)

80年代初頭にノルウェーはオスロにて結成され、アルバムを次々にチャート上位へと送り込んで、母国においてトップ・バンドとしての確固たる地位を築き上げた5人組が、'89年に発表した3rdアルバム。(勿論本作も№1ヒットを記録)
国内盤も出た5th『Ⅴ』の解説で「彼らの3rdはもっと凄い」的なことが書かれていたことに興味を持ち購入したのですが、これが確かに素晴しい内容でした。
本編は心地良く弾むポップな楽曲と、感傷的な泣きを発散する哀メロ・チューンの2本立てで構成されており、それらを歌い上げるのは、どちらかと言えばロックンロール系がハマりそうなシャガレ声のVo。聴き始めこそ違和感を覚えますが、表現力豊かな上に、このシンガーの独特の歌声が楽曲の持つ叙情性を効果的に増幅していて、終わってみれば「この声でなきゃダメだろ!」と思うまでになっていましたよ。
本国において№1ヒットを飛ばしたという②を手始めに、初期ミカエル・アンダーソンを彷彿とさせる⑤(こっちが先ですが)、おセンチ且つ劇的な⑨、かすれ声のVoの熱唱が胸を打つバラード⑩といった強い哀愁に包まれた楽曲の数々はアルバムの白眉。
同郷の後輩バンド、DA VINCIのメンバーもバック・ボーカルとして参加しとりますので、哀メロ派は是非。


RETURN - Straight Down the Line - Five Minutes ★★★ (2013-04-25 22:33:00)

ハスキーな歌声と感傷的な曲調が
ミカエル・アーランドソンの1stや2ndを
思い起こさせる哀メロ・ソング。
サビのハートウォーミングなメロディが
このバンド独自の味わいですね。


RETURN - Straight Down the Line - I Gave You All ★★★ (2013-04-25 22:39:33)

聴き始めこそ「ハードポップには
そぐわない声だなぁ」と違和感を覚える
シャガレ声のVoですが、彼の熱唱が映える
この劇的なラスト・ナンバーを聴く頃には
「この声あってのRETURNだろ」と
思うまでになっていました。


RETURN - V ★★ (2013-04-27 00:50:10)

ノルウェー代表として(?)、DA VINCIと共に初期ゼロ・コーポレーションのラインナップを彩った5人組が、'92年に発表した5thアルバムにして日本デビュー作。(但しこの作品がリリースされた頃には、既にバンドは活動を停止していたらしい)
元々、ポップなDA VINCIのサウンドがバリバリのHRに聴こえるぐらいソフトな音楽性が持ち味のRETURNでしたが、本作では更にアコースティカルな方向へと歩みを進め、本編の大半を占めるのはゆったりとしたバラードリーな楽曲群。また曲によってはアーシーなブルーズ・テイストも持ち込む等、感傷的な泣きを薄れさせた代わりに、乾いた哀愁を盛り込んだ作風は、北欧というよりもアメリカンな味わいが強く感じられたりも。
それでも、このバンドならではの胸を締め付ける哀メロはアルバムのそこ此処で存在感を発揮。特に必聴なのがアルバムのOPナンバー①。ストリングスをフィーチュアしたイントロからして既に猛烈に泣ける、この頭の天頂から爪先までどっぷりと悲哀に浸ったバラードがラジオから流れてきた瞬間、こちとら本作の購入を決意していましたよ、ハイ。
HR/HMとはかなりの距離を感じざるを得ない作風ではありますが、日本のファンに向けて書かれたという③や、零れ落ちるように美旋律を奏でるKeyが盛り上がりを後押しする⑧等、秀曲が数多く収められた好盤です。


REVEREND - Live ★★ (2007-02-12 21:44:00)

ざっとクレジットに目を通しても、何時/何処で収録された音源なのかサッパリ分からない、実も蓋もないタイトルを付けられた'92年発表のライブEP。
デビューEP『REVEREND』から1曲、1st『WORLD WON'T MISS YOU』から3曲、2nd『PLAY GOD』から2曲からなる構成で、概ね納得のいく選曲、良好な客の反応、タイトなバンドの演奏と、いずれの要素も上々で聴き応えは十分。特に、ライブと言えども全く安定感を失わないデヴィッド・ウェインのド迫力のVoパフォーマンスは圧巻です。
ただ、それだけに全6曲、収録時間にして僅か30分弱という内容には物足りなさが残るし、「2、3曲、METAL CHURCH時代の楽曲を収録してくれても良かったんじゃないの?」と文句の1つも付けたくなるのが人情というもの。
まぁ、それもこれも本作が良く出来ているからこそ、なんですが。


REVEREND - Play God ★★★ (2006-12-18 22:06:00)

元METAL CHURCHのVoデヴィッド・ウェイン率いるパワー/スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の2ndアルバム。
メンバーの約半数が日系人という点もユニークなバンドでしたが、本作発表の時点で既に彼らの姿はありません。残念。ただ(喜ぶべきか悲しむべきか)作品の完成度には全く影響なく、今回も前作に勝るとも劣らぬハイクオリティ。
全体的にMETAL CHURCHっぽさはかなり後退していて、その作風はスラッシュ・メタルというより、モダンなアメリカン・パワー・メタルといった趣き。マイケル・ローゼンが手掛けた肉厚なサウンド・プロダクションもそう感じさせる一因で、例えば①⑦といったスピード・チューンは、何処となく第3期LOUDNESSに通じる雰囲気も。(といってもリリースは本作の方が先ですが)
またアコギやKeyの導入等、メロディ重視の姿勢も押し進められていて、ウェインのVoも以前に比べてメロディアスに歌い上げる場面が増えているし、バラード④⑪(後者は名曲)は基より、Keyを隠し味にジックリと盛り上がる⑥のような新しいタイプの楽曲も収録。多少メロディアスになったからといって、ウェインの強力なVoを筆頭に、バンドの攻撃性が失われていない事は、前述のスピード・チューンや、CCRの名曲のアグレッシブ過ぎるナイス・カヴァー③を聴けば明らか。
METAL CHURCH的な要素は減少しても、中期VICIOUS RUMORSを彷彿とさせる音楽性は、これはこれで十分に魅力的。


REVEREND - Reverend ★★ (2013-08-11 08:09:22)

METAL CHURCHを去ったデヴィッド・ウェイン(Vo)と、そのMETAL CHURCHにフロントマンのマイク・ハウを一本釣りされたHERETIC。因縁浅からぬ両者が結成したREVEREND(バンド名はMETAL CHURCH時代のデヴィッドの渾名に因む)が、'89年に発表した4曲入りデビューEP。
国内盤も出た1stや2ndに比べ、輸入盤のみのリリースだった本作は長いこと購入のチャンスに恵まれずにいたので、数年前に何の気なしに立ち寄った中古屋の片隅でこれが埃を被っているのを発見した時には、思わず我が目を疑ってしまいましたよ。
ウェインの鼓膜震わす金属声と、角張ったGリフ&リズムが緊迫感を孕んで威圧的に押し出してくるサウンドは、後に発表されるREVERENDの1stフル『WORLD WON'T MISS YOU』と同様・・・もっと言えばウェイン在籍時代のMETAL CHURCHと趣きを同じくするパワー/スラッシュ路線。
但しここにはバラードの類や、METAL CHURCHの十八番「メロウに始まりドラマティックに盛り上がっていく」タイプの楽曲は見当たらず、最初から最後までひたすら攻撃的に畳み掛けてきます。
ボリューム感には欠けますが、フル・アルバムへの飢餓感を煽り、且つ名刺代わりの先制の一撃としては十分な威力を誇る1枚でした。


REVEREND - World Won't Miss You ★★★ (2006-05-30 22:54:00)

初期METAL CHURCHを彷彿とさせる楽曲の数々(OPナンバー“REMISSION"の分厚いリフの刻みからしてもう)と、ささくれ立ったサウンド・プロダクションのせいか、マイケル・ローゼンによるモダンな音作りが印象的だった2nd「PLAY GOD」より、かなりスラッシュ・メタル色が濃厚に感じられる1stアルバム。
ゆえにREVERENDのデビュー作としてだけでなく、「デイヴィッド・ウェイン在籍のまま作られたMETAL CHURCHの3rdアルバム」としても楽しめる・・・かもしれません。
それにしても驚異的なのはデイヴィッド・ウェインその人。聴けば一発で彼と分かる独特の声質を武器に、噛み付くようなシャウトから、アコギ・バラードで披露する繊細な歌い込み、ドラマティカルな楽曲における「押し」と「引き」の駆使、そして強烈なスクリームまで、余裕綽々で歌いこなすその歌唱力はまさに圧巻としか。BLACK SABBATHのカヴァー“HANDS OF DOOM”もしっかり自分のモノにしていますよ。
個人的には、本作をREVERENDの最高傑作に推したいですね。


REVEREND - World Won't Miss You - Gunpoint ★★ (2006-05-30 23:07:10)

デイヴィッド・ウェインの強烈なスクリームを合図に走り出す、スラッシーなスピード・チューン。
雄々しく疾走するリフ、ライブ映えしそうなコーラス
(実際、ミニ・ライブ・アルバム「LIVE」のOPを飾るのはこの曲)
メロディアス且つドラマチックなGソロも素晴しいが、やはりウェインのVoこそが要。
そのアグレッシブなVoパフォーマンスは、本曲の格を数段引き上げている。


REVOLUTION SAINTS (2015-03-29 00:12:07)

WILD DOGSの一員としてデビューを飾り、その後数々のバンドを渡り歩き、ニール・ショーンにその才能を認められて現在はJOURNEYに籍を置く名ドラマー。
重さとキレを兼ね備えたパワー・プレイから、主張控えめのAOR/産業ロック向けドラミングまでこなせて、しかも歌唱力は本職顔負けという、歌って踊れる(?)オールラウンド・プレイヤーで、その評判に着目したFRONTIERS RECORDSのバックアップのもと、メロディックHRプロジェクト/バンド、REVOLUSION SAINTSではとうとうフロントマン・デビューまで飾ってしまった。
ただ、最近はパワー全開のドラミングを聴かせてくれる機会はめっきり減ってしまっていて残念。忙しくて断ったというWILD DOGSの再結成には是非参加して欲しかった・・・。


REVOLUTION SAINTS - Eagle Flight ★★★ (2023-06-06 01:11:45)

紆余曲折を経て現在は目出度くJOURNEYに復帰を果たした、「歌うドラマー」ディーン・カストロノヴォがVoとDsを兼任して主役を務めるプロジェクトREVOLUTION SAINTS、’23年発表の4thアルバム。
デビュー作からの付き合いだったジャック・ブレイズとダグ・アルドリッチが脱退し、後任にはジェフ・ピルソン&ジョエル・ホークストラが加入。このメンバー・チェンジがアルバム作りにどの程度影響を与えたのか定かではありませんが、ギター・オリエンテッドな作風が志向されていた3rd『RISE』(’20年)に比べると、今回はハッキリとウェットな欧州風味が大増量。ダグのGでハードかつ景気よくスタートをきった前作から一転、ピアノの調べに導かれてしっとり幕が上がる本編OPからして、その作風の違いは鮮明です。
爽快なアメリカン・メロディアスHRテイストが薄れたことを残念に思う向きもあるやもしれませんが、この方向性こそがプロデューサーたるアレッサンドロ・デル・ヴェッキオの最も得意とするフィールドとも言えるわけで、なので完成度の高さは微塵も揺らいではいません。…つか寧ろ、ディーンの歌う猛烈な愁いを発散するサビメロに悶絶させられる③、涼し気に駆け抜けていく⑦、哀愁を帯びてキャッチーな⑧、重厚な泣きのバラード⑨…と、アレッサンドロが伸び伸びと曲作りに興じたことが容易に想像出来る逸品が集結していますよ。それでいて本編の締め括り役には、従来路線を受け継ぐ爽快なメロディック・ロック・チューン⑩を配するという隙の無い仕上がりっぷりにも舌を巻く次第。
プロジェクトの寿命が更に10年単位で伸びたことを確信させられる充実作です。


REVOLUTION SAINTS - Eagle Flight - Need Each Other ★★★ (2023-06-07 00:27:51)

ディーン・カストロノヴォのエモーショナルなVoと、
アレッサンドロ・デル・ヴェッキオのメロディ・センスとが
絶妙な化学反応を起こした哀愁のメロハー・チューン。
悲哀に満ちたサビメロには辛抱たまらんものがありますよ。
バンドがリーダー・トラックに選んだのも納得です。


REVOLUTION SAINTS - Light in the Dark ★★★ (2017-11-19 22:17:37)

「歌って叩ける実力派ドラマー」として順風満帆のキャリアを歩んでいたディーン・カストロノヴォでしたが、薬物及びアルコール依存と婚約者への家庭内暴力が発覚したことで運命は暗転。築き上げてきたキャリアは一夜にして完膚なきまでに失われてしまいました。まぁ完全に自業自得であり、事件に関しては全く同情はしておらんのですが、しかしその才能を惜しまずにはいられない身としては、彼氏がリハビリ施設に入って酒とヤクを絶ち、婚約者との関係修復も図り、その上でこのREVOLUSION SAINTSの2ndアルバムで更生の第一歩を踏み出したというならば、応援しないわけにはいきますまい!と。
再出発を祝うように、ダグ・アルドリッジ(G)、ジャック・ブレイズ(B)ら、お馴染みの面子が全員集結して、抒情メロディが華麗に舞うメロディックHRという、デビュー作で確立したサウンドもしっかりと踏襲。但し多数の作曲家が起用されていた1stに対し、今回の収録曲はプロデューサー兼Key奏者のアレッサンドロ・デル・ベッキオとメンバーの共作曲のみ。何より溜め込んでいた鬱憤を晴らすかの如く、本作ではよりハード・ロッキンな方向性が志向されていて、お陰で「バンド感」は過去最高をマークする一方、ことメロディについては“YOU’RE NOT ALONE”と“HERE FOREVER”という年間ベスト級の名曲が揃っていた前作比だと、少々フックが弱く感じられてしまうという。
いやそれでも、重厚な②や、ダグのGがフラッシーに駆け巡るハード・ナンバー③等、疾走曲から美しいバラードまで、優れた楽曲が目白押しの本作が、そこいらのメロハー物とは勝負にならないぐらいの完成度の高さを誇っていることは疑う余地はないんですけどね。


REVOLUTION SAINTS - Light in the Dark - Freedom ★★★ (2017-11-19 22:24:35)

作詞・作曲からGソロまで、ディーン・カストロノヴォが
ほぼ独力で書き上げたというミッド・チューン。
重厚なヴァースから、雄大な広がりを感じさせるサビメロへと
繋がって行くメロディ展開も秀逸で、
ディーンの「やる気」がヒシヒシと伝わって来るかのような出来栄えです。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints ★★★ (2015-03-29 00:16:34)

ファンの間では歌の上手さが語り草になっていたディーン・カストロノヴォ(Ds)が、遂にガッツリとフロントマン役を担ったプロジェクト(ご本人曰く、バンド)のデビュー作。
これまでもJOURNEYのライブやアルバムで、その実力の程を垣間見せて来た彼氏ですが、こうして改めて聴くと本当に上手い。音程が正確とか高い声が出せるとかの基礎能力どころの話ではなく、曲に託されたエモーションを、余すところなく聴き手に届けられるレベルの上手さ。ゲスト参加して③でリードVoを取っているアーネル・ピネダと比較しても何ら遜色がないのだから、完全に「ドラマーの余技」レベルを超えてますよ。
そんなディーンが、FRONTIERS RECORDSお抱えの腕利きライター勢による、会心のメロディック・ロック・ナンバーの数々をエモーショナルに歌い上げるわけですから、もう勝ちは約束されたも同然。事実、胸が潰れんばかりに感動的な年間ベスト・チューン級の名曲③⑧を聴けば、本作が「もしやJOURNEYのアルバム以上の出来栄え?」と評判を得るのにも納得ですよ。
脇を固めるジャック・ブレイズ(B,VO)とダグ・アルドリッチ(G)のサポートぶりも実に的確。ジャックはともかく、これまでこの手の音と接点がなかった(よね?)ダグまでもが、③のソロを筆頭に、ニール・ショーンが憑依したかのようなGプレイでこちらを泣かせに掛かって来ます。⑤なんてまるでニール本人のよう・・・と思ったら、これは本当にご本人の手によるものでした。
とまれ、捨て曲なしの大傑作。メロハー愛好家ならば、何は差て置き、押さえといて損のない1枚ではないかと。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints - Here Forever ★★★ (2015-03-29 22:12:23)

ビデオクリップが作られていることからも
バンドのこの曲に対する自信の程が伺える、
悲壮美に彩られた名バラード。
ディーン・カストロノヴォが熱唱するあまりに悲しいサビメロと
それを援護射撃するダグ・アルドリッチのクイクイと
涙腺に沁みこんで来るGプレイに滂沱の如く涙が溢れ出しますよ。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints - You're Not Alone ★★★ (2015-03-29 22:18:24)

国内盤には、ゲスト参加したアーネル・ピネダがリードVoを担当したバージョンと、
ディーンがリードVoを取った2バージョンが収録されている、
“HERE FOREVER”と並んでアルバムのハイライトを演出する名バラード。
ここでもダグ・アルドリッチが、音数に頼らなくてもグッと前に迫り出して来る
Gソロで、ただでさえエモーショナルな曲調に一層感動的な華を添えてくれています。


REZINWOLF (2014-11-02 23:17:07)

イギリスはハーウィッチにて'09年に活動をスタート。同年発表のシングル“DEATHSTALKER”が評判となり、バンドはこれをフォローするツアーの英国内で行った後、'10年にEP『THE NIGHTMARE BEGINS・・・』を発表。これも好評を博したことでいよいよ自信を深めたバンドはアルバムのレコーディング作業に着手。'13年、プロデューサーにジェイムズ・スティーヴンソンを迎え、『CORRUPTION KINGDOM』と名付けられた1stフル・アルバムは'13年にリリースされた。
ところが好事魔多し。Vo兼Gとして、またソング・ライターとしてバンドの中心的役割を担っていたダニー・マーフィーが脱退を表明。
彼らにはこの逆境を糧に変え、次なる作品を早期に発表してくれることを期待したい。


REZINWOLF - Corruption Kingdom ★★ (2014-11-02 23:18:13)

イギリスはハーウィッチ出身の4人組スラッシャーが、'13年にドイツのインディーズ、KILLER METAL RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
カッチリと整えられたプロダクションの下、デビュー作にして早くもメロディを歌うことに抵抗を感じさせないVo、速さのみに拘泥しない曲作り等、「80年代スラッシュ命!」と言うより、元々はメタルコア系のバンドとして活動を開始した連中なのかな?と思わされる、今時のエクストリーム・メタルの作法も飲み込んだモダンなスラッシュ・サウンドが持ち味。
尤も、スピードで一点突破を目論むのでない、構築感を携えたサウンドには「英国産スラッシュ」の伝統が脈々と受け継がれていて、何より随所でフラッシーなソロを閃かせるここのG(兼Vo)がバリバリのメタルヘッドであることは疑いようがありません。例えばメロディアスなGリフと歌メロをフィーチュアした⑦なんてまるで正統派HMですよ。
アグレッシブ且つスピーディに噛み付いてくる前半から、(比較的)ドラマティックな楽曲が並ぶ後半まで、ガーッと一気に聴き通してランニング・タイムはタイトに30分強。
実に爽快なスラッシュ・メタル・アルバムの好盤です。


REZINWOLF - Corruption Kingdom - Rage Against Us ★★★ (2014-11-03 20:59:13)

浮遊感漂わすインスト曲を頭において
激烈に疾走を開始するOPナンバー。
メロディックなGソロとアクセント的に
用いられたKeyサウンドがモダンな味わいを
感じさせたりも。


REZINWOLF - Corruption Kingdom - To Arm the Rebels ★★★ (2014-11-03 21:02:50)

アグレッシブではあるものの、Voにしろ
曲調にしろ一貫してメロディに流れがあり、
スラッシュ・メタルというよりは
英国伝統のHMナンバーといった趣き。
IRON MAIDENチックなツイン・リードGも
そうした印象を補強してくれます。


RICHARD HARRIS - My Boy ★★★ (2020-11-11 23:47:49)

『ワイルドギース』に『ジャガーノート』に『カサンドラクロス』…70年代イギリス製アクション映画には欠かせない俳優だった(晩年は『ハリーポッター』シリーズの初代ダンブルドア校長役で知られる)故リチャード・ハリス。プログレ・バンドのBEGGERS OPERAやドナ・サマー、グレン・キャンベルなんかもカヴァーした名曲“MACARTHUR PARK”を聴いてこの人のシンガーとしてのキャリアに興味を持ったところ、折よく過去のカタログがリイシューされたので、とりあえず購入したのが'71年発表の本3rdソロ・アルバム。
既成曲のカヴァーや書下ろしの新曲が入り混じる本作で聴けるサウンドは、もちろんHR/HMとは相当距離があるポピュラー・ミュージック。ただ、離婚により息子と離れ離れになってしまった父親の「我が子への想い」をコンセプトに据え、詩情豊かに綴られるストーリー仕立ての構成と、ハリスの包容力を感じさせるジェントリーな歌声が組み合わさることで、アルバムはプログレッシブ・ロック作品にも通じるドラマ性とメリハリを獲得。特に、哀愁に満ちたヴァースからサビにかけての劇的な曲展開が胸を打つ“PROPOSAL”、躍動感溢れるテンポ・チェンジが効果的な“LIKE FATHER, LIKE SON”や“THIS IS MY LIFE”、エルヴィス・プレスリーもカヴァーしたヒット・シングル“MY BOY”といった、ハリスのトム・ジョーンズばりの(それこそ『007』の主題歌を歌ったらハマリそうな)熱唱が炸裂する楽曲は、息苦しい程の盛り上がりを呈していて実に感動的ですよ。
右から左へは聞き流させない、ROBBY VALENTINE、MEATLOAFあたりがイケル方なら間違いなく楽しめる1枚ではないでしょうか。


RICHARD HARRIS - My Boy - Like Father Like Son ★★★ (2020-11-12 23:51:36)

リチャード・ハリスが作詞家のパートナー、
ジョン・ブルームリィと共作で書き下ろした楽曲。
中盤でテンポアップする躍動感溢れる曲調と、
ハリスの聴き手を包み込むような熱唱がマッチして
感動的でスケールの大きな盛り上がりを演出する名曲。
HRバンドがカヴァーしてもハマりそうです。


RICHIE SAMBORA - Stranger in This Town ★★★ (2010-12-19 23:28:57)

その昔、西新宿の今はもう潰れてしまったDISCLANDというCD屋の前で買い物中のリッチー・サンボラと遭遇、思い切ってサインを頼んでみた事があり(今振り返ると己の図々しさに赤面を隠せません)、嫌な顔一つ見せずにサインに応じてくれたその出来た人柄に感激させられて以来、BON JOVIというのはジョンよりも「リッチー・サンボラというギタリストが在籍しているバンド」という認識で刷り込まれているのですが、その彼氏が'91年に発表した初めてのソロ・アルバムがこちら。
ソングライター、ギタリストとしてのみならず、渋くエモーショナルな歌い手としての才能も発揮している本作には、仄かに土の薫りが漂うブルージーなロック・サウンドが満載。リッチーがリラックスして、楽しみながらレコーディング作業を行った事がじんわりと伝わってくる、飾り気のない作風が好印象な仕上がりで、どこかリック・エメット(TRIUMPH)のソロ作に通じる雰囲気有り。
BON JOVI的なキャッチーさはそれほどでもないし、余計な曲がないわけでもないのだが(①はいらんよなぁ)、伸びやかでメロディアスなGプレイと絶品の歌声、そして流石のメロディ・センスは十二分に堪能できる作品ゆえ、個人的にはBON JOVIの幾つかのアルバムよりもずっと贔屓にしている1枚だったり。
②④⑦⑩を筆頭に優れた楽曲は数多いが、取り分け本編のハイライト・ソングたる⑨は「この名曲を聴くためだけにこのアルバムを買うのだ」と思わず強要したくなる程ドラマティックな名バラードですよ!


RICHIE ZITO (2019-03-06 00:16:03)

80年代から90年代前半にかけてのHR/HMシーンを語る上で欠かすことの出来ない重要人物。70年代にセッション・ミュージシャンとして業界入りし、以降、関わる作品を次々に大ヒットに導く名物プロデューサー/コンポーザーとして盤石の地位を築く。関わった作品をいちいち挙げていくとキリがないので割愛。
ただ、意外にも長いキャリアを通じてソロ・アルバムとは縁がなく(多忙過ぎたのか)、’06年にFRONTIERS RECORDSから発表した『AVALON』が、作曲/レコーディング両面で自らが陣頭指揮を執り仕上げた初めての作品なのだとか。