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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4701-4800
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4701-4800
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ROCKET SCIENTISTS - Earthbound ★★★ (2021-08-23 23:24:50)

90年代に日本のHR/HMシーンで女性シンガー、ラナ・レーンの人気が高まった際、一緒に注目を集めたのがアルバムのプロデューサーであり、彼女の旦那でもあるKey奏者のエリク・ノーランダーでした。本作は彼が盟友マーク・マクライトと共に結成したROCKET SCIENTISTの1stアルバム(’93年発表)で、ラナ・レーン人気に後押しされて’95年に日本盤のリリースが実現しています。
エリクが学生時代から作り溜めてきたマテリアルも使用されているという本作で聴けるのは、テクニック全開の楽器陣が火花バチバチでぶつかり合うDREAM THEATER系のスリリングなプログレ・メタル…ではなく、しっとりとした抒情メロディと穏やかな曲想に包まれたシンフォニック・ロック路線のサウンド。要はLANA LANEとほぼほぼ同一の作風でして、何せ関わっているミュージシャン連中からして(バックVoとして参加のラナ含め)殆ど両バンド共通という、性別違いの双子みたいな仕上がりです。
プログレ作品らしくテクニカルな要素もそれとなく散りばめつつも、やはりそれ以上に印象に残るのは、ジョン・ウェットンやグレッグ・レイクの系譜に連なるマークのジェントリーで暖かみを感じさせる歌声を活かしたメロディアスな楽曲の数々。特に、後にLANA LANEのバラード・アルバムにおいてリメイクされることとなる物悲しくも美しい“AVALONE”や、優美にして軽やかに本編を締め括る“CARRY ME HOME”は、聴き終えた後に「ホゥ…」と思わずため息を吐きたくなる名曲ですよ。
デビュー作にしてエリク・ノーランダーの才気が早くもしっかりと刻まれている力作。


ROCKET SCIENTISTS - Earthbound - Carry Me Home ★★★ (2021-08-24 22:27:59)

優美にして軽やかにアルバムを締め括るラスト・ナンバー。
プログレというよりは、ほぼメロハー・チューン。
美しいハーモニーに彩られたサビメロに蕩けますよ。


ROCKHEAD - Rockhead ★★★ (2018-06-12 23:51:37)

METALLICAのブラック・アルバムを始め、次々にビッグ・ヒット作品を手掛けて敏腕プロデューサーとしての地位を不動のものとしたボブ・ロック。その彼が立ち上げたバンド、ROCKHEADが’93年に残した唯一のフル・アルバムがこちら。
知名度を活用して有名人を山ほど招集し、ゴージャスなソロ・プロジェクトに仕上げることだって出来たでしょうに、飽くまでバンド形式に拘りゲストは必要最小限。また機を見るに敏な売れっ子プロデューサーゆえ、90年代の流行に沿ったモダンなサウンドを提示してくるものと思いきや、さに非ず。ビッグなドラム・プロダクション、厚めに重ねられたギター、目の前で歌っているかのように生々しく録られたVoという、まさしく「ボブ・ロック印」の音作りを得て展開されるのは、80年代アリーナ・ロックを思わせる、ソリッドでパワフルな高揚感に満ちたアメリカンHRだったという。シングル・カットされたOPナンバー①や快活に弾む②を始め、のっけからピアノのフィーチュア度が高めなのも評価ポイントで、本作を聴いてボブ・ロックに対する好感度が一気に高まりましたよ。
センス良くまとめたGソロの腕前を披露する④、ハーモニーに聴き惚れるアコースティック・バラード⑤、重厚な大作ナンバー⑥等、プロデュースだけでなく曲作りの才能も確かですし、特にノリ良くキャッチーな⑧(THE CULTのビリー・タッフィーがGで参加)は本編ハイライトに推した逸品。またジョン&リッチーのBON JOVIコンビとの共作曲⑬もアルバムの締め括りに相応しいスケール感が備わっているのではないかと。
今となってはあまり顧みられる機会がないのが勿体なさ過ぎる1枚です。


ROCKHEAD - Rockhead - Hell's Back Door ★★★ (2018-07-05 22:02:47)

THE CULLTのビリー・タッフィー(G)がゲスト参加。
本編中最もヘヴィ・メタリックな質感を宿して
快活に弾む逸品。個人的にアルバムでも1、2を争うぐらい
お気に入りの楽曲です。


ROCKHEAD - Rockhead - Warchild ★★★ (2018-07-05 21:59:15)

7分以上に及ぶ大作ナンバー
ストリングスも取り入れた、少々エキゾチックな雰囲気漂わす重厚な曲調は
国内盤の解説で指摘されている通り、ちょっぴりLED ZEPPELINの
“KASHMIR”に通じるものを感じなくもないという。


ROGUE MALE - First Visit ★★★ (2020-03-13 00:30:08)

シンガーのジム・リトル(Vo、G)を中心に北アイルランドはベルファストで結成され、ロンドンを拠点に活動した4人組。KERRANG!!誌において「次に来るバンド」と高く評されたROGUE MALEが'86年にMUSIC FOR NAITONSから発表した1stアルバム。(アメリカでの堂々メジャーのELEKTRA RECORDSが配給担当)
元々はパンク畑で活動していた連中が、MOTORHEADやMETALLICAに触発されてサウンドを先鋭化させていった…との経緯からお察しの通り、パンクの疾走感&ノリの良さとメタルのエッジをクロスオーバーさせた音楽性が持ち味。ブンブン唸りまくるBに、レミーがお手本のシンガーのぶっきらぼうな歌唱等、とりわけMOTORHEADからの影響は大。
ただ、ジャケットの『ターミネーター』風イラストや、メンバーの『マッドマックス』の世界から抜け出てきたような扮装、そして妙に浮遊感を意識させられる音作り等、アルバム全体をほんのり覆うSi-Fiテイストが埃っぽさを薄めている点がユニークな個性になっています。特にOPを豪快に突っ走る“CRAZY MOTORCYCLE”はその無頼なカッコ良さからスラッシュ・メタルのフィールドでも人気を誇る彼らの代表曲。まぁこの名曲のインパクトのデカさが本編の印象を食ってしまっている感も結構あるのですが…。
2曲目以降は必ずしもスラッシュ・メタル風味は色濃くないものの、そこはかとなく憂いを振りまく⑤や、アクセルを床まで踏み込む④⑥等、聴いてるだけで勝手に身体が動き出す、気迫とキャッチネスを宿した楽曲で畳み掛けるこの完成度の高さは侮れませんよ。
LPでリリースされたっきり、ほったらかしの日本盤を再発して欲しいなぁ。


ROGUE MALE - First Visit - Crazy Motorcycle ★★★ (2020-03-17 00:34:57)

スラッシュ・メタルばりの攻撃力と、ライブじゃさぞかし盛り上がるであろう
アゲアゲなノリの良さを併せ持って突っ走るアルバムのOPナンバー。
ぶっきらぼうな吐き捨てVoと、全体を牽引するリードBはMOTORHEADからの
影響が大ですが、不思議と埃っぽさは漂って来ないこのバンドの個性が
くっきりと刻まれています。


ROKO - Roko ★★★ (2019-10-18 01:09:44)

イギリスのBON JOVI、スイスのBON JOVI、北欧のBON JOVI等々…。世に「〇〇のBON JOVI」系バンドは数あれど、こちらは「ドイツのBON JOVI」と評されたフランクフルト出身のバンド。80年代初頭からキャリアを積むリーダーのロバート・コールメイヤー(Vo)の愛称ロコからバンド名を取ったという5人組が、'90年にPHONOGRAM RECORDSから発表した1stアルバム。邦題は『ワン・ナイト・キッズ』。
シングル・カットもされた①、JEFFERSON STARSHIPのカヴァー②、感動的なパワー・バラード④、燃え上がるような高揚感に満ちた⑥、あるいはキャッチーなサビメロが印象的な⑧辺りに代表されるように、ミドル・テンポの楽曲を中心に揃え、トミー・ハート似の声質で熱く歌うVo、コンパクトに練られたソロを繰り出すG、華やかな雰囲気を付与するKey、厚めに盛られたハーモニー、そしてポップなメロディとに彩られたサウンドは、基本的にはアメリカ志向の洗練されたメロハー・スタイルを標榜。ただ大陸産の同系統のバンドに比べると、HR然としたエッジの効き具合とメロディの哀愁味の強さが欧州出身バンドらしさを主張していて、また透明感も湛えた哀メロは時に北欧ハードポップに通じる魅力も発散。特にハモンド・オルガンを取り入れたハード・ナンバー③と、EUROPEの“FINAL COUNT DOWN”を思わす⑨は個人的にアルバムのハイライトに推したい名曲ですよ。
たった一人で全曲の作詞作曲を手掛ける(カヴァー曲は除く)ロコ・コールメイヤーの才能が炸裂する1枚。90年代に解散するまでの間に数枚のアルバムを残している彼らですが、こと完成度の高さにおいては本作が頭一つ抜けているのではないでしょうか。


ROKO - Roko - Looking for Love ★★★ (2019-10-20 22:32:48)

初期BON JOVIがEUROPEの〝THE FINAL COUNTDOWN”風の楽曲を
演奏したような印象を受ける哀愁のメロハー。
泣きを発散する上手いVoにツボを心得たG、厚く盛られた美麗なハーモニーと、
アルバムのハイライト・ナンバーに相応しい輝きを放つ名曲です。


ROKO - Roko - Satisfaction ★★★ (2019-10-20 22:37:27)

アルバム自体はアメリカンなメロディアスHR路線を志向していますが、
こうした哀愁とハードなエッジが絶妙な同居を実現したハード・ナンバーを聴くと
「やっぱり欧州(ドイツ)のバンドだなぁ」と思わされますよ。


RONDINELLI - Our Cross - Our Sins ★★ (2018-11-16 23:29:13)

ボブ(Ds)とテディ(G)のロンディネリ兄弟によるプロジェクトが、トニー・マーティン(Vo)、ニール・マーレイ(B)らの助力を得て’02年に発表した1stアルバム。
メンバーの4分の3が元BLACK SABBATHというこの布陣、アートワークはファンタジックで、歌詞や曲名にはDRAGONやらEVILやらCROSSやらの単語が並ぶ…とくれば、弥が上にも濃厚な様式美HMサウンドへの期待感が高まるわけですが、本作はそうした期待に必ずしも応えてくれる作風ではないので注意が必要です。ここで聴けるのは間違いなく正統派HMであり、面子が面子だけにサバスの『CROSS PURPOSEES』(’94年)を彷彿とさせる楽曲も点在しているものの、メロディの湿り気や楽曲のドラマ性は控えめで、折角のマーティンのVoもこれだと声質のアクのなさがマイナスに作用してしまい、キメ曲不在の本編と相俟って、油断すると右から左へ聴き流されかねないアッサリ薄味仕様という。
そんなボンヤリ気味な本編で気を吐くのがボブ・ロンディネリ(以下ボブ兄ィ)のドラミング。これまで然程強い印象を受けた覚えのないプレイヤーでしたが、どっこい。本作ではリードオフマンとしての役割を全うすべくパワー全開。その力演ぶりは、全身から湯気を立ち昇らせてドラムキットと格闘するボブ兄ィの姿が目に浮かぶよう。前に出過ぎていて鬱陶しく感じる人もいるかもなれど、個人的にはこんなん好きにならないわけがねぇ、と。彼のドラムが楽曲自体を強力に推進させる①②⑨辺りは今聴いても「すげぇ頑張ってんなぁ」と顔が綻んでしまいますよ。
客観的に評価すればHM作品としては平均点ぐらいでしょうが、ボブ兄ィに対する好感度は爆上げな1枚です。


RONDINELLI - Our Cross - Our Sins - It's a Lie ★★ (2018-11-18 02:17:53)

開幕早々、ボブ・ロンディネリの猛烈なドラミングからスタート。
本作に賭ける彼の意気込みの程が伝わってくるかのようです。
正直メロディに関してはあと一歩フックが足りていない感はあるのですが
ボブ兄ィのドラミングを追いかけているだけで結構楽しめてしまうという。


RONDINELLI - War Dance ★★ (2022-08-18 00:13:37)

RAINBOW、BLACK SABBATH、MSG、BLUE OYSTER CULTといった錚々たるバンドで腕を振るってきたボブ・ロンディネリ(Ds)が、兄弟のテディ・ロンディネリ(G)と共に結成。'02年発表の1st『OUR CROSS, OUR SINS』(この時のVoはトニー・マーティン)で日本デビューも飾っているRONDINELLIが、’85年に残したお蔵入り音源がこちら。ちなみに参加メンバーはロンディネリ兄弟に加え、現MEGADETHのジェイムズ・ロメンゾ(B)、そして故レイ・ギラン(Vo)という、今となってはかなり豪華な面子が揃っています。
本編はスタジオ音源4曲、ライブ音源4曲の計8曲で構成。コージー・パウエルも認めたボブ兄ィのタイトなドラミングと、知名度では兄に一歩譲るものの腕前は確かなテディのGを軸とした正統派HMを演っていて、フックに乏しい前半を聴き終えた時点では『OUR CROSS~』同様、悪くはないけど決め手に欠ける内容なのかなぁと思ったものですが、本作の真価はむしろオマケと捉えていた後半のライブ音源にこそあり。特にここで存在感を発揮するのがレイ・ギランのVoで、スタジオ音源と比較しても何ら遜色のない、どころか、それを遥かに上回るパワーとエモーションを漲らせた熱唱は、後にBLACK SABBATHやBADLANDS等での活躍を予感させるに十分な仕上がりっぷり。彼のVo、ボブ兄ィのシュアなドラミング、テディの泣きのGが10分以上に及ぶ長尺を濃厚に盛り上げる⑤⑥辺りにおけるパフォーマンスは圧巻の一言に尽きますよ。
現在では1stアルバムも本作も入手困難になってしまったようですが(というか需要がないだけか?)、もし見かけたら手に取って頂けましたら幸いです。


RONDINELLI - War Dance - Fly Paper (live) ★★★ (2022-08-19 00:34:36)

巧みな押し引きで曲展開を先導するボブ・ロンディネリのドラム、
レイ・ギランの情感迸る歌声、泣きを湛えたテディ・ロンディネリの
ギターが13分以上の長尺を全くダレさせることなく聴かせきる大作ナンバー。
ライブ録音であることも忘れてしまうアルバムのハイライトです。


ROOM EXPERIENCE - Room Experience ★★★ (2022-05-19 01:40:33)

80年代のBON JOVI(とEUROPE)をこよなく愛するイタリア人Key奏者ジャンルカ・フィルモが、地元でBON JOVIファンクラブの会合に参加した際に知己を得たWHEELS OF FIREのダヴィデ・バルビエリと共に立ち上げたメロディアスHRプロジェクトROOM EXPERIENCEのデビュー作。(’16年発表)
エクスペリエンスなんて名前だけ聞くと難解なプログレ・メタルでも演っていそうな感じですが、発売元がFRONTIERS RECORDSで、ミキシング&マスタリングはアレッサンドロ・デル・ヴェッキオが担当。そして彼の伝手でシンガーにはデヴィッド・リードマン(PINK CREAM 69)を起用し、更にゲストとしてスヴェン・ラーソン(STREET TALK)やイヴァン・ゴンザレス(91 SUITE)らが華を添える…という鉄壁の布陣からもお分かり頂ける通り、本作に託されているのは華やかなKeyを適宜取り入れ、キャッチーなメロディをマイルドに歌い上げる上手いVoと、美しいハーモニーとに彩られた哀愁のメロハー・サウンド。サビメロの絶妙な展開やサックスの効果的な導入が喝采ものの②、80年代なら大ヒットしていてもおかしくないフック盛り盛りのバラード③、泣きに満ち溢れたアルバムのハイライト④といった名曲の数々からは、これがデビュー作とは思えぬ堂々たる貫禄を感じずにはいられませんよ。(というか実際確固たるキャリアを積み上げてきた人たちが集まっているんですけどね)
国内盤が未発売となってしまったため、未だに聴けていない2nd『ANOTHER TIME AND PLACE』(’20年)も早くチェックせんといかんよなぁ。


ROOM EXPERIENCE - Room Experience - Queen of Every Heart ★★★ (2022-05-19 23:54:58)

心地良く躍動する曲調を、上手い歌と哀愁のメロディ、
それに泣きのギターが彩るアルバム前半のハイライト。
本作の魅力を分かり易く体現してくれている名曲です。


ROSE ROSE - Fucking Crap Fucking Chaos ★★★ (2018-09-16 09:40:39)

'12年に発表したフル・アルバム。多分14枚目ぐらいかな?
ROSE ROSEというと、オムニバス盤の名作『SKULL THRASH ZONE VOL.1』の印象がやはり強いのですが、あれから四半世紀以上の時を経てもサウンドの攻撃性が全く鈍化していない…どころか、一層刺々しくギアを上げて突っ走っているのですから恐れ入ります。
時代と共に音楽性を変化させ、00年代突入以降はクロスオーバー・スラッシュ路線へと帰着した彼らは、今回も同一路線を爆走。トータル・ランニング・タイムが30分台、収録曲は全23曲という構成はハードコア/パンクの作法に則りつつも、鼓膜に突き刺さるハイピッチVo、メタリックに暴れ回り、Gソロを奏でるだけに留まらず要所で劇的なツイン・リードさえ決めてみせる2本のG、スピードと音数だけでなく音圧も十分なリズム・セクション等、スラッシュ・メタル成分が嘗てない程に増量されているのも本作の特徴です。
特に、2分弱というタイトな曲展開の中に緩急、更にツインGの聴かせ所まで盛り込んだ②、切迫感に満ちたGリフに先導され突進する⑦、雄々しいコーラスと2本のGの劇的な絡みが最早正統派HM的ですらある㉓は血沸き肉躍らずにはいられない名曲。あと物々しく勇壮なインスト序曲①に鐘の音がフィーチュアされている時点で「あ、信用できる!」と。昔からサイレンと鐘の音を取り入れた楽曲にハズレはないと思っておりますので。
全編ひたすらハイテンションに走り抜ける、ショート/シャープ/ショックな姿勢が徹底された痛快作。ROSE ROSEのアルバムではこれが一番好きかもしれません。(つっても全部のアルバムの聴いたことがあるわけじゃないのですが)


ROSE ROSE - Fucking Crap Fucking Chaos - The sAcred heArt ★★★ (2018-09-19 00:26:52)

勇ましい序曲“MARCH OF GRINDERS MOSH”に導かれて
OPをハイテンションに蹂躙するスピード・ナンバー。
序曲と合わせても3分に満たないSSSな1曲ですが、
そのタイトなランニング・タイムの中に、緩急やら
劇的なツイン・リードGやらがブッ込まれた盛り沢山な名曲です。


ROSE ROSE - Fucking Crap Fucking Chaos - scAm ★★★ (2018-09-19 00:30:27)

ラストをアッパーに締め括る疾走ナンバー。
3分弱というタイトな収録時間の中に、メロディックに絡み合うツインG、
「オーオーオー♪」という勇壮なコーラスが噛まされた
スラッシュ通り越して正統派HMテイストすら感じられてしまう名曲。


ROSE ROSE - Unseen Terror ★★★ (2023-01-17 01:45:21)

伝説のコンピレーション・アルバム『SKULL THRASH ZONE Vol.1』に、X、DOOM、JURASSIC JADE、GROUND ZEROと共に参集したバンドの一つであり、日本におけるクロスオーバー・スラッシュ・メタルの先駆け的存在でもあるROSE ROSEが、'22年に発表した最新アルバム。
全17曲収録、1曲の平均ランニング・タイムが2~3分台とハードコア/パンクの流儀は継承しつつも、日本語詞を交えたシャウト型Voを乗せて突っ走る、ザクザク刻まれるGリフにも、緩急自在のフットワークで聴き手を翻弄するリズムにも、ヘヴィ・メタリックなエッジがズッシリと効いています。さりとてそれがスピード感のスポイルには繋がっておらず、「まずは小手調べ」といった感じのOPナンバー①を皮切りに、キャッチーかつハイスピードな②、テンション高く切り込んでくるGソロが疾走感を増強する④⑭、ツインGを活かしたアンセミックな⑧、Gリフがオールドスクールなデスメタル調の⑬、アッパーに攻め立てる⑮⑯と来て、本編を爆発的突進で締め括る最速ナンバー⑰…と、タイト極まりない、それでいてキャラ立ちも明確な楽曲の連打で畳み掛けるスタイルは、MUNICIPAL WASTE辺りを好むスラッシャーなら必ずやグッとくるであろう仕上がり。つか、キャリアの長さはMUNICIPAL WASTEの数倍もある大ベテランなのに、未だに彼らに勝るとも劣らぬこの落ち着きのなさ(誉め言葉)、はっちゃけぶりを保ち続けていること自体、驚嘆に値しますよ。
近年のROSE ROSE作品はどれ聴いてもハズレなしですが、本作は特にクオリティとメタル度数が高めなので、入門編に最適な1枚と言えるんじゃないでしょうか。


ROSE ROSE - Unseen Terror - Death Tormentor ★★★ (2023-01-18 01:10:46)

タイトルが80年代前半の独産スラッシャー風(?)で、そのせいか
ブラスト・ビートを織り交ぜた破天荒な曲調もそれっぽく聴こえてきます。
とてもキャリア云十年のベテランとは思えぬ炸裂っぷりで
本編ラストを飾る最速ナンバー。


ROSE TATOO - Assault & Battery ★★★ (2021-12-23 00:30:25)

後年、GUNS N’ ROSESがリスペクトを表明したことで再評価の機運が高まった、カリスマ・フロントマン、アングリー・アンダーソン率いるオーストラリア出身のROSE TATOOが、’81年に発表した2ndアルバム。
刺青まみれのメンバーがジャケットから睨みを効かせ、そこに添えられた『極道』という直球にも程がある邦題と、《バカヤロー!薔薇の刺青は伊達じゃない》という惹句が何やら剣呑な雰囲気を濃厚に漂わしていますが、実際のところ本作で聴けるのは、先輩格のAC/DC(ROSE TATOOもハリー・ヴァンダ&ジョージ・ヤングによって見出されている)の流れを汲むタテノリのロックンロール。キャッチネスやノリの良さといった親しみ易さも十分で、この辺はコワモテのルックスに反して、本国ではTVコメンテーターや俳優業――映画『マッドマックス3/サンダードーム』にも出演しているのだとか――等で幅広くマルチな活躍をしている、アングリー・アンダーソンのキャラクターに通底する部分なのかなと。
ストレートに繰り出されるエネルギッシュなロックンロールに、パンクやNWOBHMを通過した硬質なエッジと疾走感、そしてアクセル・ローズに多大な影響を与えたことで知られるアングリー・アンダーソンの塩辛声によるハイテンションなシャウトVoが加わることで、このバンドならではの挑発的なハード・ロックンロール・サウンドが確立。特に小気味良く突っ走る②や⑥には、体が勝手に動き出してしまうカッコ良さが宿っていますよ。
UKチャートTOP40入りを果たし、KERRANG!!誌ではブライテスト・ホープに選出される等、NWOBHMに沸く英国で人気を獲得したのも納得のROSE TATOOの出世作。


ROSE TATOO - Assault & Battery - All the Lessons ★★★ (2021-12-24 00:49:37)

AC/DC由来のタテノリ・ロックンロールに
喧嘩っ早いパンキッシュなアグレッションを加味。
気持ち良く頭を振らせてくれる疾走ナンバーで、
NWOBHMに沸くイギリスで人気を博したというのも納得です。


ROSE TATTOO - Assault & Battery ★★★ (2021-12-23 00:30:25)

後年、GUNS N’ ROSESがリスペクトを表明したことで再評価の機運が高まった、カリスマ・フロントマン、アングリー・アンダーソン率いるオーストラリア出身のROSE TATOOが、’81年に発表した2ndアルバム。
刺青まみれのメンバーがジャケットから睨みを効かせ、そこに添えられた『極道』という直球にも程がある邦題と、《バカヤロー!薔薇の刺青は伊達じゃない》という惹句が何やら剣呑な雰囲気を濃厚に漂わしていますが、実際のところ本作で聴けるのは、先輩格のAC/DC(ROSE TATOOもハリー・ヴァンダ&ジョージ・ヤングによって見出されている)の流れを汲むタテノリのロックンロール。キャッチネスやノリの良さといった親しみ易さも十分で、この辺はコワモテのルックスに反して、本国ではTVコメンテーターや俳優業――映画『マッドマックス3/サンダードーム』にも出演しているのだとか――等で幅広くマルチな活躍をしている、アングリー・アンダーソンのキャラクターに通底する部分なのかなと。
ストレートに繰り出されるエネルギッシュなロックンロールに、パンクやNWOBHMを通過した硬質なエッジと疾走感、そしてアクセル・ローズに多大な影響を与えたことで知られるアングリー・アンダーソンの塩辛声によるハイテンションなシャウトVoが加わることで、このバンドならではの挑発的なハード・ロックンロール・サウンドが確立。特に小気味良く突っ走る②や⑥には、体が勝手に動き出してしまうカッコ良さが宿っていますよ。
UKチャートTOP40入りを果たし、KERRANG!!誌ではブライテスト・ホープに選出される等、NWOBHMに沸く英国で人気を獲得したのも納得のROSE TATOOの出世作。


ROSE TATTOO - Assault & Battery - All the Lessons ★★★ (2021-12-24 00:49:37)

AC/DC由来のタテノリ・ロックンロールに
喧嘩っ早いパンキッシュなアグレッションを加味。
気持ち良く頭を振らせてくれる疾走ナンバーで、
NWOBHMに沸くイギリスで人気を博したというのも納得です。


ROSEMARY BUTLER - 汚れた英雄 ★★★ (2021-11-04 23:45:17)

『ROSE』の国内盤には“汚れた英雄”も“THE LAST HERO”も収録されているんですよね。
というか同作では、輸入盤には未収録の原田知世主演作『愛情物語』劇中歌だった
パーシー・スレッジのカヴァー“男が女を愛する時”も、キース・エマーソンが作曲した
『幻魔大戦』主題歌“光の天使”も、全部まとめて聴けてしまうという。


ROSENFELD - Pigs of the Empire ★★ (2007-01-06 01:10:00)

日本のビジュアル系スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の1stアルバム。
硬派なスラッシャーが、うっかり裏ジャケのメンバー・フォトを見た日ひゃドン引きは必至のハデハデなルックスを
誇る5人組なれど、そのルックスだけを理由に聴かずに捨て置くには、本作のこの完成度の高さはあまりに惜しい。
OPチューンの①こそ地味な印象で掴みとしては弱いものの、ヨーロピアン・へヴィ・メタルからの影響が
色濃く薫るアグレッシブな②以降は、シャープなリフ、タイトなリズム、湿り気を帯びたメロディーとが
一丸となって畳み掛けてくる、まさに捨て曲なしのクオリティ。
特筆すべきは「押し」と「引き」を駆使して、煽情度の高いソロを連発するGコンビの存在で、各楽曲の
最大の聴き所を飾る一方、ドラマチックな⑤⑧では、アコギを用いて楽曲に静と動の落差(ドラマ)を生み出すだけでなく、
アルバム全体の流れにも緩急を演出してみせる隙のなさ。そのツインGが絡み合いながらテンションを
上げていく様が悶絶モノの高速スラッシュ・チューン⑨は、劇的な⑤と並ぶ本作のハイライト・チューン。
・・・と、楽曲のクオリティにはケチの付けようがないだけに、イマサンな音質とVoの鬱陶しいエフェクト処理が
惜しまれる。特にVoは、へヴィ・バラードの大作④で披露する生声が十分に魅力的なだけに、
こうした加工処理が本当に必要だったのか強く疑問が残るところ。(まぁ慣れの問題かもしれんけどね)


ROSICRUCIAN ★★ (2010-06-20 19:19:00)

スウェーデンはヴェステロースにて80年代末に誕生。作曲を始め、プロデュースからアートワークの
コンセプトまで手掛ける才人Gコンビを中心に活動を展開。デモテープ1本を制作した後、セルフ・プロデュースで
1st『SILENCE』をレコーディング、'91年にBLACK MARK RECORDSから発表してレコード・デビューを飾る。
秘密結社「薔薇十字団」からバンド名のアイデアを頂くだけあって、流麗且つ劇的なネオ・クラシカルGを
フィーチュア、北欧的な荒涼感を撒き散らしつつ疾走するミステリアスなスラッシュ・メタル・サウンドが
その持ち味で、Vo(元MEZZROW)とDsを変えて、'94年には更なる充実作『NO CAUSE FOR CEREBRATION』を
発表するも、残念ながらバンドはそこで活動を停止。
Voを除くメンバーはそのままヘヴィ・ロック・バンドSLAPDASH結成へと動く事となる。
その後、Gコンビは確かAXENSTARやCARNAL FORGEにも参加していた筈。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration ★★ (2010-06-20 19:21:00)

1stの時点で、既に一風変わったスラッシュ・サウンドを聴かせてくれていた彼らなれど、
この日本デビュー作となった'94年発表の2ndでは、更にそうした要素を拡充。国内盤の帯に付けられた惹句
「華麗なるバロック音楽とアグレッシブなスラッシュ・メタルの融合」はちょいと筆が滑りすぎだが、
ネオクラG、朗々と歌うオペラVo、ヴァイオリン、Key、ピアノ等が強引に捻じ込まれた楽曲の数々は、実際かなり個性的。
と言っても「アバンギャルド」と評するほど突き抜けた作風ではなく、そうした実験的な要素は主に楽曲の
ドラマ性を底上げする方向で活かされているし、何よりアルバム全編を貫くのは、飽くまでスラッシュ・メタル然
とした疾走感(音作りはデス・メタル風味だが)。ゆえにメタル者の耳にも結構取っ付き易い。
前作に比べると、'94年という時節柄へヴィネスが強調されている印象が無きにしも非ずだが、ドスの効いたVoに
タイトなDsという、実力派新メンバーの加入効果もあって、静と動の落差、ダイナミックな緩急が盛り込まれた
曲展開が生み出すカタルシスはこれまで以上。バンドとしてのレベルは確実に上がっている。
如何にも北欧のバンドらしい(STONEなんかに通じる)寒々とした荒涼感を撒き散らしながら疾走する
OPナンバー①や、ヴァイオリンとネオ・クラシカルGがスリリング且つ劇的に絡み合う④、北欧民謡風のメロディを
爪弾くアコギがミステリアスな雰囲気を盛り上げる⑦、ラストを激烈に締め括る高速スラッシュ・ソングながら
中間部において唐突にオペラVoが炸裂する⑨といった楽曲は、スラッシーな攻撃性と、このバンドならではの
実験精神が上手いこと同居した魅力溢れる名曲だ。
せっかく本作をもって個性的なサウンドを確立したのに、これを最後に解散してしまったのは残念至極。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - A Moment of War ★★★ (2010-06-20 21:17:16)

“MUCH ABOUT NOTHING"と並ぶアグレッション漲る
高速スラッシュ・ソングながら、中間部には
強引にオペラVoパートが捻じ込まれ、エンディングは
ラウンジ音楽風と、人を食った曲展開が武器の1曲。
中期THERIONに通じる魅力あり。
個人的にはアルバムで一番好きだ。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - Much About Nothing ★★ (2010-06-20 21:03:46)

野太いシャウト型Voと、スラッシーなリフ&リズムが
無愛想に疾走するヴァースから一転、サビメロは
テンポダウンしてメロディアス且つ壮大に展開する。
滑らかなGソロも聴きもの。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - Stench of Life ★★ (2010-06-20 21:08:12)

激しく起伏に富んだ曲展開の中で、
ヴァイオリンとネオクラGがバトルを繰り広げながら
スラッシーに疾走するという
本作品の特異な音楽性を端的に示した1曲。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - The Opening of the Glory End ★★ (2010-06-20 21:13:43)

スリリングでスピーディ、且つ劇的なイントロで
グッと惹き込まれる。
以降の展開はまぁ並なんだけど、
中間部の寒々とした叙情旋律を爪弾くアコギと、
流麗なGソロをフィーチュアした中間部の
ドラマティックな展開は素晴しい。


ROSICRUCIAN - Silence ★★ (2010-06-21 21:51:00)

グラビア・アイドルばりにセクシー&ウェッティなメンバーの裏ジャケ写真が妙にイラっとくる(笑)、
スウェーデン出身の5人組が'92年に発表した1stアルバム。
ネオクラG、ピアノ、弦楽器、オペラVoといったクラシカルな要素を増強して、実験的且つユニークな
サウンドを構築した2nd『NO CAUSE FOR CEREBRATION』に比べると、本作で聴くことが出来るのは、
デス声に片足突っ込んだ悪声Voに、重たく湿ったGリフ、そして威勢のいい掛け声コーラスが、
デビュー作らしい荒々しさを伴って疾走する、比較的ストレートなスラッシュ・メタル。
と言っても、一筋縄では行かない曲展開とミステリアスな雰囲気を備えた楽曲等、次作で一層クローズアップ
される事となる風変わりなテイストも既に健在で、特に、寒々しくも異国情緒漂わすアコギから、
テクニカルな速弾きまで流麗にこなすツインGコンビは、本作の魅力の肝と言える程の存在感を発揮。
叙情的に始まり、激しくアップダウンを繰り返しながら盛り上がっていく③、疾走するエキゾチックな
メロディがどことなくARTILLERYを彷彿とさせる④、ピアノとGのバトル・パートが挿入された
(もしこれが生ピアノだったら失禁してたかもしらん)などは、ROSICRUCIAN屈指のキラー・チューン
のみならず、スラッシュ好きなら一度は聴いておいて損のない名曲。カッコイイっす。
キレに欠けるVoの歌唱とドタバタしたDsはマイナス材料ながら、2ndと甲乙付け難い魅力的な内容を誇る1枚。
寧ろストレートで判り易い分、こっちの方が好きだという人の方が多いかも。


ROSICRUCIAN - Silence - Autocratic Faith ★★★ (2010-06-21 22:14:59)

怪しくもドラマティックな雰囲気を撒き散らしながら
スラッシーに疾走する、アルバムで1、2を争う名曲。
ピアノとGのバトル・パートは鳥肌モノのカッコ良さだが
深みに欠ける安っぽい音色なのだが残念。
これが生ピアノなら失禁してたんじゃなかろうか。


ROSICRUCIAN - Silence - Esoteric Traditions ★★★ (2010-06-21 22:11:53)

一瞬のブレイク後、エキゾチックなメロディを纏って
怒涛の如く疾走する冒頭部分を聴いていると、
何となくARTILLERYを思い出しますね。
神秘的且つドラマティックな雰囲気が横溢する
アルバムのハイライト・ナンバー。


ROTH BROCK PROJECT - Roth Brock Project ★★★ (2021-03-17 23:37:41)

FRONTIERS RECORDSが次から次へとメロディアスHRプロジェクトを送り込んでくるだもんで、贔屓のアーティストが関わっていても見落としてしまっている作品が出てくるわけで、本作はそうしたリリースから暫く存在に気付いていなかった作品の1つ。
STRANGEWAYSやGIANTのフロントマンを務めていたことで知られるテリー・ブロック(Vo)と、WINGERにレブ・ビーチの後任として参加、テリー・ブロックとは再結成GIANTで同じ釜の飯を食った仲でもあるジョン・ロス(G)が中心となって立ち上げられたROTH BROCK PROJECTが、'16年に発表した現時点での唯一のアルバムです。
快活にドライヴするロスのGと、未だ衰え知らずなブロックの伸びやかな歌唱力を存分にフィーチュアし、ハードな疾走ナンバー①⑧、力強い曲調がライブ映えしそうな⑦、一転してじっくりと聴かせる哀愁のバラード④⑩等々、まさしくこの組み合わせに対するリスナーの期待に的確に応えてくれるメロディック・ロック・サウンドをギュッとパッケージ。職人の手により端正に作り上げられたアルバムらしい手堅い完成度を提示する本作ですが、中でもキャッチーなメロディを纏って心地良く駆け抜けていく哀愁のハードポップ③⑨は、電車内で聴いていて思わず「アルバムを買って良かったわー」と、こっそり握り拳を固めてしまった名曲ぶりですよ。
それぞれ多忙なせいゆえ(最近テリー・ブロックは何をやっているんでしょうかね)、これ以降はアルバムのリリースがないご両人。是非とも第2弾、第3弾作品をお願いしたいところなのですが…。


ROTH BROCK PROJECT - Roth Brock Project - My City ★★★ (2021-03-18 23:31:22)

メリハリの効いた曲展開、それを彩る爽やかな哀愁を帯びたメロディと、
テリー・ブロックの伸びやかな歌声とが絶妙なマッチをみた結果、
全盛期のSURVIVORにも肉薄するキャッチーな名曲に仕上がりました。


ROUGH CUTT - Rough Cutt ★★★ (2019-11-18 00:06:45)

LAメタルの盛り上がりの一翼を担った重要バンドながら、チャート上位を賑わすような大ヒットには恵まれず、クレイグ・ゴールディやクロード・シュネルといった有力メンバーを所属マネージメントのボスだったロニー&ウェンディ夫妻に次々引き抜かれ、口さがない外野からは「DIOの草刈り場」なんて言われたり、またデビュー作のプロデュースを売れっ子テッド・テンプルマンに依頼する予定だったのが、彼の体が空くのを待つうちにレコーディングがどんどん遅延。その結果ブームの旬の時期に乗り遅れてしまったりと、何かと不運なイメージがつきまとうROUGH CUTT、'85年発表の1stアルバム。
トム・アロムが手掛けた金属質なエッジの備わった音作り、バンドの看板声であり、ジャニス・ジョプリンのカヴァー②も余裕のよっちゃんで歌いこなす等、既に抜群の歌唱力を誇るポール・ショーティノの本格派(=ややクドめの)Vo、それに重厚なOPナンバー①からソロ・パートにクラシックの名曲“山の魔王の宮殿にて”のフレーズを組み込んで来るツインGのアレンジといい、「ラフ」なバンド名とは裏腹に出してるサウンドはカッチリとタイト。寧ろ生真面目な雰囲気すら漂うぐらいで、この辺の胃に重そうな印象が、明るいLAメタルの中ではヒットに結び付き辛かったのか…なんて。
とはいえ、それと作品の質は無関係。特に前述の①②を手始めに、PVも作られたキャッチーな③、ポールの絶唱が胸打つ劇的なバラード④、からの激走ナンバー⑤…と、LPでいうところのA面サイドの隙のない構成にはテンション上がりまくりですよ。(ドラマティックな⑦を擁するB面も勿論素晴らしい)
ポールの知名度だけ独り歩きしている感がありますが、どっこい総合力でも優れたバンドであったことを立派に証明する1枚。


ROUGH CUTT - Rough Cutt - Dreamin' Again ★★★ (2019-11-18 23:36:23)

ポールのエモーショナルな歌声がなければ
成立し得ないドラマティックなバラードですが、
アミア・デラクとクリス・ヘイガーのツインGも
相当に泣かせに来ていて、重厚な曲調を支える
リズム隊ともども、バンドの総合力の高さが
存分に確認できる名曲に仕上がっています。
ここから爆走ナンバー“CUTT YOUR HEART OUT”に
繋げる構成も効果的でした。


ROUGH CUTT - Rough Cutt - Piece of My Heart ★★★ (2019-11-18 23:09:42)

ジャニス・ジョプリンの熱唱で知られる名曲を
ハスキーな声質とソウルフルな歌い回しで
ポール・ショーティノが見事にカヴァー。
重々しくダイナミックに。このバンドらしい
アレンジもハマっています。


ROUGH CUTT - Rough Cutt - Take Her ★★★ (2019-11-18 23:46:59)

イントロから小気味良く刻まれるGリフが
トム・アロムのメタリックな音作りと相俟って非常にカッコイイ。
どっしりと重量感に溢れた曲調からは
既にベテラン選手のような貫禄すら感じ取れますよ。


ROUGH CUTT - Wants You ★★ (2019-11-24 23:40:58)

デビュー作発表後、SUPER ROCK ’85に参戦して日本の地を踏んだROUGH CUTT(その時の模様は同タイトルのビデオでも拝めます)が、今度はAEROSMITHやCHEAP TRICK等との仕事で知られるベテラン、ジャック・ダグラスをプロデューサーに迎えてレコーディングを行い、翌’86年に発表した2ndアルバム。
前作収録“CUT YOUR HEART OUT”を彷彿とさせるスピード・ロック①で景気良く本編の幕は上がりますが、アルバム全体としてはゴキゲンなアートワークと開放的な音作りが示す通りに、メタリックなエッジは一歩後退。より明るく、ポップでバラエティ豊かな楽曲が取り揃えられた本作は、前作が不発に終わってしまったことを踏まえ意識的に「LAメタル」らしさの底上げが図られている印象です。(レーベルからのプレッシャーもあった模様)
それでいて散漫にならず、仕上がりに一本ビシッと筋が通って聴こえるのは、どんな楽曲を歌わせても自分色に染められる実力派シンガーと、何でも器用にこなせるテクニカルなGコンビを擁するバンドの強み。特に爽やかに駆け抜けていくキャッチーな③(正直、地味な⑦よりこっちをシングルにすれば良かったように思えるのですが)と、ポール・ショーティノのソウルフルなハスキー・ボイスを得て、力強く盛り上がっていくスケールの大きなバラード⑤は、このアルバムならではの名曲として強い輝きを放っていますよ。
2枚続けて力作をモノにしながらも、結局商業的には大きな成功は収められず、音楽的方向性の相違を理由にポールがラインナップから離脱したことを切っ掛けにROUGH CUTTはほどなく解散(ポールはQUIET RIOTに加入)。実力はあったのに運には恵まれないバンドでありました。


ROUGH CUTT - Wants You - Don't Settle for Less ★★★ (2019-11-26 00:40:09)

ヘヴィ・メタリックなエッジはやや後退しましたが、
その分、カリフォルニアの青空を思わせる爽快な抜けの良さと
キャッチーに磨き上げられたメロディに思わず心躍ります。
ポップさを増した2ndアルバムの魅力を体現したようなナンバー。


ROUGH CUTT - Wants You - Take a Chance ★★★ (2019-11-26 00:44:22)

横ノリ気味にスタートした曲調が、徐々に熱を帯びて
ドラマティックに盛り上がっていく様に引き込まれる
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
こういうタメの効いた楽曲を歌わせたら
ポール・ショーティノは絶品ですね。


ROXANNE (2017-05-25 23:31:07)

幼馴染のメンバーらによって結成され、LAベースに活動していたツインG編成の4人組。’86年にSCOTTI Bros. RECORDSからセルフ・タイトルの1stアルバムを発表してデビュー(プロデューサーは売れっ子ジェフ・ワーマン)。WILD CHERRYのカヴァーでもあるシングル“PLAY THAT FUNKY MUSIC”は米ビルボード・チャート63位にランクインを果たした。
日・香合作映画『孔雀王』に楽曲提供が決まったことから、“NOT THE SAME”と“PLAY THAT FUNKY MUSIC”の2曲を本編からカットした代わりに、映画主題歌“BURNING THRUGH THE NIGHT”と、サントラ曲“MY WAY”を新たに収録、アルバム・タイトルも『BURNING THROUH THE NIGHT』に変更した特別仕様で'88年に日本デビューを飾る。ちなみに“BURNING~”と“MY WAY”の楽曲権利は日本側にあるようで、’07年にオリジナル盤がリマスター再発された際にも、この2曲は収録されていない。
バンドは日本デビューからまもなく、全くサポートのない所属レーベルに失望し解散を選択した。


ROXANNE - Burning Through the Night ★★★ (2017-05-25 23:33:42)

その昔、日本と香港で合作した伝奇アクション・ホラー『孔雀王』という映画がありましてね。CG全盛の今見ると、コマ撮りモンスターとか、ラスボスがハゲたパンイチのオッサンだったりとか、色々チープに感じる部分もあるかもですが、それでも劇場公開当時やテレビ放映の翌日は、休み時間の学校の廊下が「臨兵闘者皆陣烈在前…ショウ!」と九字護身法の印を切るジャリどもで溢れ返るぐらい人気を博したんですよ、これが。マカロシャダ!
そんな個人的にも思い出の1本である映画(ジャッキー・チェンの洗礼を受けた世代的にはユン・ピョウが出演している点も魅力だった)に、主題歌“BURNING THROUH THE NIGHT”を提供していたのが、このLA出身の4人組ROXANNE。本作は彼らがSCOTTI Bros. RECORDSに残した唯一のアルバムです(オリジナル盤は’86年発表)。'88年にリリースされた日本盤は前述の映画主題歌①と、サントラ提供の疾走ナンバー②を追加収録する独自編集が施されていたため、現在では中古盤が結構な高値で取引されている模様。
アルバム全体の方向性としてはごく普通のアメリカンHRであり、ストライクゾーンど真ん中とは言い難いサウンドではありますが、やはり思い出補正の後押しを得た、威勢よくキャッチーな曲調がアクション映画の主題歌に打ってつけな①の存在だけでもそれなりに満足できてしまうという。あと久々に聴き直してみたら、ドラマティックな④と和やかな⑩というタイプの異なる2曲のバラードや、緊張感を湛えた⑧、ドラムがリード楽器として曲展開を牽引する⑨辺りは「お、結構いいじゃんね」と、認識を新たにさせられた次第。
アメリカンHR好きなら十分満足できる高品質な1枚ではないでしょうか?と。


ROXANNE - Burning Through the Night - Burning Through the Night ★★★ (2017-05-27 09:33:30)

THIN LIZZYにも影響を受けたというバンドのルーツを伺わせる
印象的なツインGのハーモニーが散りばめられた
威勢よくキャッチーなアルバム表題曲。
映画「孔雀王」主題歌。(シングル買ったっけなぁ)
昔はよくテレビ放映されていたのに、最近はすっかり
見かけなくなってしまって残念な限りですよ。マカロシャダ。
どうやら権利関係が複雑なせいらしく、この曲に関しても
オリジナル盤が再発された際にも収録はされていませんでした。


ROXUS (2019-03-05 00:22:55)

‘87年にメルボルンで結成。BON JOVI、POISON、WARRANTといったバンドの前座を務める等、積極的なライブ活動が評判を集めレコード契約をゲットすると、'89年に2枚のシングル、'90年にEPを発表してデビュー。
'91年リリースの1st『NIGHT STREET』(日本盤は’93年にTDK/WARNERから発売)は豪アルバム・チャート最高第5位にランクイン、シングル・カットされた楽曲群も好成績を残するヒットとなり、ROXUSは翌年直ちに2ndアルバムを制作すべくスタジオ入りするが(プロデューサーはジェフ・パリス)、結局アルバムは完成されることなく、その年の大晦日に最後のライブを行った後、'94年にバンドは解散している。


ROXUS - Nightstreet ★★★ (2019-03-05 00:25:52)

ROXETTEとかROXANNEとか、似た名前のバンドが多くて混乱しますが、こちらはオーストラリア出身のKey奏者を含む5人組。本作は彼らが'91年に発表し、本国アルバム・チャートにおいて最高第5位にランクインするヒット作となった1stフル・アルバムです。
いきなりのメジャー・デビュー、プロデュースはINXSやSTEELHEARTとの仕事で知られるマーク・オピッツが担当するというお膳立ての揃いっぷり。更にBURRN!!誌の輸入盤レビューで高評価をゲットし、TDKから出ていた国内盤が中古盤市場じゃ高額で取引されている…なんて話を耳にすると、その内容について弥が上にも期待が膨らみますし、実際ダニー・ヴォーン系のハート・ウォーミングな声質のVo、エネルギッシュ且つ歌心に溢れたG、HR然とした躍動感を楽曲に付与するリズム隊、抒情的なKeyに柔和に彩られたメロハー・サウンドは、そうした高まりきったリスナーの期待に見事応えてくれる出来栄えです。
終始メロメロに泣きまくる作風を期待すると、オーストラリア産HRバンドとしての地が出た感じの③⑥みたいなロックンロールがノイズになる可能性もありますが、あのランダル母娘との共作で豪シングル・チャート最高第13位に食い込んだヒット・バラード⑤を始め、哀愁を湛えた①④、明るく爽快なポップ・チューン②⑨、グルーヴィーなヴァースから伸びやかなサビメロへ絶妙な曲展開にグッとくる⑧、ラストをしっとり締め括る⑩…と、次々繰り出される優良メロハー・ソング群を前にすれば、寧ろ本編にメリハリをつけてくれる良いアクセントぐらいに思えてきますよ。
ジェフ・パリスがプロデュースを手掛けるも、残念ながらお蔵入りしてしまったという2ndアルバムも是非聴いてみたかったなぁ。


ROXXCALIBUR - Nwobhm for Muthas ★★★ (2018-09-02 08:40:21)

ドイツのパワー/スラッシュ・メタル・バンドVIRONとABANDONEDのメンバーが、NWOBHMの名曲の数々をカヴァーするために結成したというトリビュート・バンドROXXCALIBUR。2ndアルバムは日本盤も発売されているのですが、個人的に聴き直す頻度が高いのはこの’09年発表のデビュー作。やはりこういったカヴァー曲集は、作り手が一番演りたかった楽曲が凝縮される1作目のテンションが飛び抜けているような?
バンドの拘りが反映された収録曲は、“LADY OF MARS”(DARK STAR)の如きNWOBHMの聖歌を始め、プレ・スラッシュ・ソング“AXE CRAZY”(JAGUR)や、METALLICAもカヴァーした“LET IT LOOSE”(SAVAGE)といった過去に日本盤も出たバンドの代表曲から、TRIDENTの“DESTINY”、JJ’S POWERHOUSEの“RUNNING FOR THE LINE”といった知る人ぞ知る名曲、更には本作を手に取るまで存在すら知らんかったようなバンドの楽曲(いずれも味わい深い出来栄え)に至るまで、実にマニアックなチョイスがなされています。
完コピが基本の生真面目なスタイルのため、人によっては「カラオケ大会じゃん」と面白味に欠けるように感じられるかもしれませんが、それもこれもオリジナルへの愛情の深さゆえ。メンバーのパフォーマンスも安定しており、殊にVoの声質がスティーヴ・グリメットとよく似たタイプのせいか“SEE YOU IN HELL”(GRIM REAPER)のハマリっぷりは本編中でも1、2を争います。更にそこからもう一段遡ってCHATEAUXまでフォローしているのもニクイ。マニアだなぁと。
聴いていると笑顔にならずにはいられないトリビュート・アルバムの好盤ですよ。


ROXXCALIBUR - Nwobhm for Muthas - Destiny ★★★ (2018-09-04 23:43:07)

オリジナルは'80年~’85年頃まで活動していたという
ノースウェールズ出身のトリオ、TRIDENTが'84年に唯一残したシングルの表題曲。
音質の貧弱さとVoの頼りなさとが相俟って若干いなたい雰囲気があった原曲
(逆にそれが哀愁を増幅していたともいえる)に対し、
こちらはよりパワフルな仕上がりのカヴァーとなっております。
ともかくこの名曲に陽を当ててくれたことに感謝。
イントロから泣きまくりですよ。


ROXXI - Drive It to Ya Hard! ★★★ (2023-09-05 00:35:59)

ボストン出身の4人組ROXXIが、KISSファン・クラブの元会長が興したインディ・レーベルROCK HARDから'90年に発表した1stアルバム。(日本盤リリースは’92年)
‘90年といえばアメリカではグランジ/オルタナ勢によるHR/HMシーン下剋上が進行していた時期。にも拘わらず彼らが披露しているのは、音程に無頓着なシャウト型Vo、合唱を誘うキャッチーなコーラス、分厚く盛られたボーカル・ハーモニー等々に彩られた、どストレートに80年代風味を受け継ぐポップ・メタル・サウンドで、ここまで時流に逆行していたらばこれ1枚きりでバンドが解散してしまったのもむべなるかなと。しかしながらその反逆の意気や良し。《ワイルド・ストリートを突っ走る超合金四輪駆動!》なる、勢いだけはビンビンに伝わってくる帯惹句も最高じゃないですか。
雑誌レビューでは「楽曲がワンパターン」と評されて辛めの点数を頂戴。まぁ確かにその弱点は否めないものの、でもそれを差し引いても個人的には本作はプッシュしていきたい魅力が備わっていますよ!と強弁したいところ。抜けの良いポップ・メタルを志向しつつ、意外にもそのサウンドに能天気さは控えめで、特にメタリックにリフを刻み、テクニカルなソロを奏でて楽曲をソリッドに引き締めるGの存在は本作の要。硬派な哀愁を帯びてパワフルに押し出してくる④や、イントロにピアノを配しドラマティックな盛り上がりを演出せんとする⑥辺りは、サムシングの宿った逸曲に仕上がっているのではないかと。
今となっては日本盤が出てたことすら忘れられている感ありなれど、もし中古屋で見かけたら手を伸ばして欲しい愛すべき1枚ですよ。


ROXXI - Drive It to Ya Hard! - Playin' Rough ★★★ (2023-09-06 00:04:01)

欧州HMからの影響をアメリカンなザックリ感で消化した
まさしく初期型LAメタル・スタイルの逸品。
90年代のアメリカじゃ受けなかったでしょうが
今聴き直しても十分カッコ良いですよ。


ROYAL BLISS - Life In-Between ★★ (2010-04-01 23:27:00)

メンバーを襲った数々の不運を乗り越えて、ユタ州出身の5人組が
米メジャーのCAPITAL RECORDSから'09年に発表した2ndフル・アルバム。
NICKELBACKもどきのエモ系ロック・バンドかと思いきや、あにはからんや。これが実に日本人好みの
哀愁に満ちたメロディアスHRを聴かせてくれる連中で、中音域をメインに歌い上げるVoの歌唱スタイルや
濁ったGの音色こそ今風だが、「悲劇と美に彩られたメランコリー・ロックンロール」なる大仰な帯の叩き文句通り、
ノリ重視のグルーヴィーなロック・チューンを排し、ひたすら「哀愁」に特化された叙情的な楽曲の数々は、
時に80年代メロハーに通じる魅力を放ち、個人的にはNICKELBACKの諸作よりも好みだったり。また物悲しい反面、
どこかメロディが乾いていて、湿気っぽさが感じられない辺りはやはりアメリカのバンドだなぁ、と。
総じてバラード系の楽曲の方が完成度は高いが、ボーナス・トラックも含めて全13曲収録で、捨て曲はなし。
中でもミカエル・アーランドソンの初期ソロ作を彷彿とさせるおセンチな⑤は、メロディ愛好家なら
一聴の価値がある、女々しくも(褒め言葉)心打つ泣きの名曲。
流行もんだからって舐めてかかっちゃ行けませんね。


ROYAL BLISS - Life In-Between - Finally Figured Out ★★★ (2010-04-09 23:51:18)

ミカエル・アーランドソンの名曲“IT'S ALRIGHT"を
彷彿とさせる、メソメソと女々しい(褒め言葉)
泣き虫バラードの名曲。
前曲“POCKET OF DREAMS"からの繋ぎが
また素晴しいんだわ。


ROYAL HUNT - 1996 ★★★ (2012-02-26 00:10:14)

ROYAL HUNTの日本での人気が頂点に達したのは4th『PARADOX』を発表した時だと思われますが、D.C.クーパー加入第1作『MOVING TARGET』のリリースに伴う日本ツアーの模様をフル・セットで収録したこの2枚組ライブ・アルバムは、上り調子のバンドの勢いとファンの熱気が余すところなく記録されており、聴き応え十分の内容。
次々に繰り出される悲哀とドラマに彩られたハイクオリティな楽曲の数々、それらをエモーショナルに表現する楽器陣の達者な演奏ぶり(女性2人による生のバックコーラスも効果的)にも瞠目させられますが、個人的に耳奪われるのは、やはり何と言ってもROYAL HUNTの音世界に更なる深みと広がりをもたらしたD.C.クーパーの歌唱力。ライブでも表現力に全く鈍りのないその抜群の歌声のみならず、観客を絶妙にエンターテイメントする華のあるステージ・アクションもこの人の大きな魅力なので、そういう意味ではビデオ版(祝・DVD化)も必見です。
DISC-2に収められている名曲“EPILOGUE”は、そうしたD.C.のVoを手始めに、猛烈に泣きまくるJ.K.のGソロ、クラシカルにしてシンフォニックなアンドレ・アンダーセンのKeyといった各パートの見せ場が、起承転結のバッチリと決まったドラマティックな曲展開の中で次々に繰り広げられる「ショウの中のショウ」とでも言うべき構成が取られており、まさしくコンサートのハイライトと呼ぶに相応しい盛り上がりっぷりが演出されていて必聴。
5月に迫った彼らの来日公演の予習として、またROYAL HUNT入門編としてもお薦めの1作。


ROYAL HUNT - Land of Broken Hearts ★★★ (2012-02-25 02:12:45)

'93年に発表されるや「凄い新人バンドが現れた!」と輸入盤市場で話題となり、すぐさま国内盤のリリースも実現したデビュー作。
今では北欧メタル・マニアに留まらぬ幅広い層からの支持されるROYAL HUNTなれど、この頃のサウンドからは現在の彼ら程のスケール感やドラマ性は感じられず、スピーディな様式美HMナンバーにしろ、軽快に弾むシャッフル・チューンにしろ、ストレートに「北欧メタル」している印象の方が強い。スリリング且つ劇的なインスト・パートの充実度に比べ、ヘンリック・ブロックマンの生硬い歌声が弱く感じられる辺りも、いかにも北欧メタル的だ。
尤も、この朴訥としたVoが歌う寒々としたメロディはこれはこれで案外魅力的。また時にクラシカルに、時にシンフォニックに、冷やかな旋律を奏でて楽曲をドラマティックに彩るアンドレ・アンダーセンのKeyワークや荘厳さ漂う美しいコーラス等、後々までこのバンドの重要な個性となる要素も既に確認する事ができる。
中でも一押しは、GとKeyがバトルを繰り広げながら疾走する“HEART OF THE CITY”。この手の様式美HMナンバーは本作以降姿を消してしまう上、2コーラス目で一瞬閃くピアノ・サウンドが印象的でカッコイイったらないですよ。
ROYAL HUNTと言えばやはりD.C.クーパー加入以降のアルバムこそが必聴作でしょうが、衝撃度で言えば個人的にはこのデビュー作がやはり一番大きかった気がします。


ROYAL HUNT - Land of Broken Hearts - Day in Day Out ★★★ (2012-02-26 00:18:44)

1stは先に輸入盤を購入したのですが、
ラジオで耳にしたこの曲のカッコ良さに釣られて
国内盤をまた買い直す羽目になったという意味でも
思い出の1曲。
Keyソロがいいですね。


ROYAL HUNT - Land of Broken Hearts - Heart of the City ★★★ (2012-02-26 00:16:15)

デビュー作で最も愛する名曲。
この曲(の2コーラス目で一瞬ピアノが閃く部分)を
耳にした瞬間、「よし、このバンドの作品はずっとチェックしよう」
と決意させられましたよ。


RPM (2013-01-24 23:11:52)

ロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)と、ジミー・リー・スロース(B)が70年代末期に出会ったことを切っ掛けに誕生。
程なくマーク・ゲンデル(G)、トミー・ウェルズ(Ds)らが加入してラインナップが完成すると、EMI RECORDSと契約を結び、'82年にセルフ・タイトルの1stアルバムを発表してデビューを飾る。
BLACKFOOTもカヴァーした名曲“LEGEND OF NEVER DIES”が好評を博すも、EMIとの関係悪化に伴いバンドはWARNER BROS.へと移籍。
'84年には2nd『PHONOGENIC』を発表するが、不運にもこの時期は同レーベル所属の大物アーティスト達の新作リリースが相次いでいたため、彼らのアルバムは十分なプロモーションを受けられないまま埋もれてしまうことに。
バンドはデモ作りのために再びスタジオ入りするが、結局、その後間もなく解散の道を選択している。(その時録音された音源は、後にCDにボーナス・トラックとして収録された)


RPM - RPM ★★★ (2013-01-25 07:16:17)

現在はプロデューサーとして活躍するロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)と、HR/HMファン的には「MEGADETHの『THE SYSTEM HAS FAILED』でベースを弾いていた人」として知られるジミー・リー・スロースを中心に結成された、アメリカの4人組が’82年にEMI RECORDSから発表した1stアルバム。
KeyをフィーチュアするAOR/産業ロック・サウンドに基本的な軸足を置きつつ、メタル者の耳にも十分訴えかけて来るハードネスと重量感(ジミー・リーの骨太なBプレイの貢献大)をも兼ね備えた隙のない1枚で、後に、劇的なOPナンバー①をBLACKFOOTが、ノリ良くキャッチーな②をVAN ZANTが、ポップでメロディアスな④をTYGERS OF PAN TANGが、そして爽快ハードポップ⑥をマーク・ファーナー(GRAND FUNK)がそれぞれカヴァーしている事実からも、本作の比類なき完成度の一端を窺い知ることが出来るのではないでしょうか。
「色々なバンドがカヴァーしてる元ネタの宝庫」的な印象を持っていた本作ですが、実際に聴いてみると、上記以外の楽曲も素晴しいのなんのって。とにかく、思わず一緒に歌いたくなるアンセム調の楽曲から、キャッチーなメロディが胸を打つハードポップ・チューンまで、粒揃いの逸曲がズラリ並んだ名盤。当然のように捨て曲もなし。
現在ではMTM CLASSICシリーズの1枚としてCD化されていますので、機会がありましたら一度是非。


RPM - RPM - 2+2 ★★★ (2013-01-25 23:26:11)

メロハー・ファン必聴の名盤、VAN ZANTの2nd『VAN ZANT』で
カヴァーされていた、ノリの良さと緊迫感を併せ持つ名曲。
この曲がきっかけでジョニー・ヴァン・ザントと親交を深めた
ロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)は、以降、
LYNYRD SKYNYRDファミリーと頻繁に仕事をするようになったそうな。


RPM - RPM - A LEGEND NEVER DIES ★★★ (2013-01-25 23:19:16)

BLACKFOOTが『VERTICAL SMILES』で
カヴァーしたことでも知られる、勇ましさと、
思わず合唱を誘われるキャッチーさも備えた、
アルバムのOPナンバー兼バンドの代表曲。


RPM - RPM - RENDEVOUZ ★★★ (2013-01-26 00:18:38)

TYGERS OF PAN TANGが『THE CAGE』で
カヴァーしてメロディアスなポップ・チューン。
重厚なOPナンバー“A LEGEND NEVER DIES”に始まり、
ノリの良い“2+2”、切なさの滲むバラード
“I DON'T FEEL THE SAME”を経て、
この曲へと繋がる構成は、
ぐうの音も出ないほど隙がありませんよ。


RPM - RPM - VIDEO GAMES ★★★ (2013-01-26 10:51:44)

キビキビとしたGプレイと曲調が
ヘヴィ・メタリックと表現したくなる
カッコ良さを演出するハード・ナンバー。
それでいて合唱を誘うサビは
弾むようなポップ・センスもまぶされています。
中間部のドラマティックな展開もお見事。


RPM - RPM - YOU ★★★ (2013-01-26 11:04:06)

GRAND FUNK RAILLOADのマーク・ファーナーが
ソロ・プロジェクトでカヴァーしたといのも納得の、
乾いた音色で掻き鳴らされるGと、高揚感溢れる
サビメロが「アメリカン」な空気を醸成する名曲。


RTZ (2015-10-15 00:40:14)

遅々として進展しないBOSTONでの活動に業を煮やしたバリー・グドロー(G)とブラッド・デルプ(Vo)が、BOSTONを脱退してリズム隊及びKey奏者の5人編成で新たに立ち上げたバンド。なおバンド名は「再出発」を意味する「RETURN TO ZERO」に因む。
'91年にGIANT RECORDSから1st『RETURN TO ZERO』でデビューを飾り、同作からシングル・カットされた“FACE THE MUSIC”(第49位)“きみの愛が戻る日まで”(第26位)“ALL YOU'VE GOT”(第56位)の3曲が全米シングル・チャートにおいてそこそこ健闘するも、アルバム自体は泣かず飛ばずで'94年にバンドは解散。
ブラッド・デルプはBOSTONに復帰した後、'07年、自宅にて自ら命を絶っている。


RTZ - Return to Zero ★★★ (2015-10-15 00:55:39)

『THIRD STAGE』発表後、再び長い沈黙期間に突入してしまったBOSTONでの活動に見切りを付けたブラッド・デルプ(Vo)とバリー・グドロー(G)が新たに結成したバンド、RTZのデビュー作('91年発表)。
シングル・カットされた①③⑧の方向性が物語る通り、サウンドの基本ラインはBOSTONとほぼ同一線上のメロディアスなアメリカン・ロック。但し、活動ペースがスローモー極まりなかったBOSTON時代に溜め込んだ鬱憤を晴らすかのように、よりハードにロケンロールしているのが本作の特徴かと。尤もそのせいで、メロディのフックに関しちゃBOSTONに二歩も三歩も及ばない・・・というのが正直な感想なのですが。
しかし、それを補ってくれるのがブラッド・デルプの天賦の歌唱力。まるで大気の影響を全く受けていないかのように、どこまでも真っ直ぐに伸びていく彼の声で歌われるだけで、楽曲はどこか神々しい響きを獲得。CD帯で《宇宙にこだまする、この歌声》と評されているのも納得ですよ。特に④はブラッドの歌唱とバンドの熱を帯びた演奏とが組み合わさって、グッと盛り上がるアルバムのハイライト的名曲。
思惑通りの大ヒットとは行かずに短命に終わってしまったバンドでしたが、BOSTONやORION THE HUNTERがイケる方なら本作もチェックしておいて損はないはず。


RTZ - Return to Zero - Face the Music ★★ (2015-10-16 23:14:46)

重力のくびきから解き放たれて
どこまでも真っ直ぐに伸びていかのような
ブラッド・デルプの歌声に聴き惚れる
アルバムのOPナンバー。


RTZ - Return to Zero - Until Your Love Comes Back Around ★★★ (2015-10-16 23:25:42)

シングルカットされ、PVも作られた哀愁のバラード。
邦題は“きみの愛が戻る日まで”。
メロウな曲調に乗せて、美男美女のカップルが
柔道したり腕相撲した器械体操したりする謎PVが
妙に印象に残っています。


RUFFIANS ★★ (2010-01-31 10:52:00)

'83年、カリフォルニア州サンフランシスコにおいて誕生。Voとしてカール・アルバートが加入した事により
最終的なラインナップが完成。バンドはLOUDNESSやY&T、DOKKEN、UFOといったバンドの前座を経験しながら
腕を磨き、'84年、4曲入りデモテープを制作した後、地元のインディー・レーベルVICTORY RECORDSから
セルフ・タイトルの6曲入りEPを発表してレコード・デビューを飾っている。
この作品はFEMSの配給で日本でも国内盤がリリースされ、当時、BURRN!!誌において
結構な高得点・高評価を獲得。(90年代にはCD化もされている)
幸先のいいスタートを切ったのも束の間、マネージメントの貧弱さに不安を感じたカール・アルバートが
早くもバンドから離脱(その後VILLAINに加入)。残されたメンバーは後任シンガーとして
アラスカ出身のリッチ・ワイルドを加入させて、どうにかこの逆境を乗り越えようとするも、
結局解散を余儀なくされている。
ところがどっこい、'03年、バンドは初期デモ音源をまとめた『THERE & BACK』を引っ提げて突如再結成。
欧州をツアーして回った後、翌年には、実に十数年ぶりの復活作にして、初のフル・アルバムとなる
『DESART OF TEARS』を発表。往年の作風を踏襲したサウンドがBURRN!!の輸入盤レビューで
伊藤政則氏から高く評価されていたことは記憶に新しい。(・・・が、まだ聴いた事がない)
尚、その『DESART~』には、オリジナル・メンバーのBが死去してしまったため、
助っ人としてVICIOUS RUMORSのトミー・シスコが参加している。


RUFFIANS - Ruffians ★★ (2010-01-31 10:55:00)

希代の名シンガー、故カール・アルバートのプロ・キャリアの出発点となった、サンフランシスコ出身の
5人組HMバンドRUFFIANSが、'85年にVICTORY RECORDSから発表した6曲入りデビューEP。
JUDAS PRIESTを始めとするヨーロピアンHM、そしてEXODUS、DEATH ANGEL等のご近所ベイエリア・スラッシュ勢からの
影響を元に構築されたパワー・メタル・サウンドは、アメリカのバンドらしからぬ湿り気を帯びたメロディといい、
劇的なツイン・リードGといい、VICIOUS RUMORSやVILLAINといった、後にカールが在籍する事になるバンドを彷彿。
尤も、上記2バンドに比べると本作は幾分オーセンティックな味わいで、吃驚するような名曲が収録されているわけでも
ないが、それでも、スピーディ且つ勇壮に作品の幕開けを飾る①、攻撃的な曲調ながらポップな味わいも感じられる②、
そして憂いを帯びたパワー・バラード⑥といった楽曲は、パワー・メタル好きのツボをしっかりと刺激する佳曲だし、
何より、デビュー作にして既に実力の片鱗を伺わせるカール・アルバートの歌唱を、ファンなら一度聴いておいて
損はない。まぁこの時点では問答無用の迫力は余り感じられず、全体として「ごく普通のメタル・シンガー」との
印象に留まっているのだが、高音域においてもパワーの落ちないハイトーンVoは既に健在だし、何と言っても
「線の細いカール・アルバートの歌声」ってのは、ここでしか聴く事が出来ないのだから結構貴重だ(?)。
国内盤は既に廃盤ながら、再発輸入盤(ライブ音源がオマケ収録されていてお得)は安価での入手が可能なので、是非。


RUFFIANS - Ruffians - Fight for Your Life ★★ (2010-01-31 12:07:01)

カール・アルバートのVoにもっとドスが効いていれば
VICIOUS RUMORSの楽曲といっても通用しそうな
パワフルさを誇る勇壮な疾走ナンバー。


RUFFIANS - Ruffians - Wasteland ★★ (2010-01-31 12:12:00)

「アメリカン忍者2」の挿入歌に使用されているらしいが
あんなバカ映画じゃ余り自慢にはならねえよなぁ。
とはいえ、曲自体はカッコイイ。
パワフルな疾走ナンバーながら、ポップ・センスの感じられる
サビメロが印象に残ります。


RUFFIANS - Ruffians - You're All I Need ★★ (2010-01-31 12:14:37)

いかにもパワー・メタル・バンドらしい
硬派な哀愁が漂うドラマティックなバラード。
カール・アルバートのVoも、この時点で既に
実力の片鱗を伺わせてくれる。


RUNNING WILD - Branded and Exiled ★★ (2012-08-16 00:36:23)

メイン・ソングライターの1人であり、強いスラッシュ嗜好の持ち主だったプリーチャー(G)が脱退し、バンドの舵取り役が完全にロックン・ロルフ(Vo、G)へと委譲された'85年発表の2ndアルバム。
そのためスラッシュ・メタル的な前掛りの攻撃性は薄れてしまいましたが、その分、音作りはグッと引き締まり、サウンドに宿る硬質感や重量感、それにスケール感は倍増。ロックン・ロルフも前作以上にメロディアスに、雄々しく歌い上げるようになった本編は、これにてようやく、エピカルで勇壮な「パイレーツ・メタル」路線への戸口に立ったとの印象を受けます。中でもACCEPT風(FAST AS A SHARK?)のGリフが疾走するパワフルな⑤、そしてライブでのコール&レスポンスが容易に想像できる剛直なラスト・ナンバー⑨は名曲。
ただ作品全体としては、構成の妙よりも力押しに終始するスタイルに大きな変化はなく、となると押せ押せのテンションの高さが影を潜めた分、↑上の方が指摘されている通りに少々冗漫に感じられる場面が目に付くのも確か。
良く出来たアルバムではあるのですが、同時に、バンドが過渡期にあったことを感じさせてもくれる1枚でしょうかね。


RUNNING WILD - Death or Glory ★★★ (2012-07-29 01:23:30)

ロックン・ロルフ・カスパレク率いるジャーマン・メタル軍団、'89年発表の5thアルバム。
HELLOWEEN一派に比べるとメロディに愛想がない分、胸毛も腋毛もボーボーな男臭くて大仰なパワー・メタル・サウンドが持ち味の彼らは、いち早く「海賊」のイメージを取り入れていたことで有名ですが、昨今の所謂ヴァイキング・メタル・バンドが、史実と地続きのリアルなヴァイキング像や彼らの思想性・精神性に拘っているのに対し、RUNNING WILDは飽くまでフィクション上に立脚し、ある意味ショー・アップされた海賊のイメージを追及しており、大スケールで展開される楽曲の方も、暗さやアングラ臭以上に、華々しく劇的な感触の方が強く感じられます。(だからこそ「ヴァイキング・メタル」ではなく「パイレーツ・メタル」と評されているのでしょうか)
大航海の始まりを力強く宣言する疾走ナンバー①でハートを鷲掴みにされてしまう本編は、以降も起承転結が決まった④、スピーディな曲調に血沸き肉踊る⑥など優れた楽曲が頻出。トドメの一撃は“ワーテルローの戦い”を題材に取り上げた8分に迫る大作曲⑩で、後々バンドのトレードマークとなるケルト風味のメロディやアレンジが、重厚且つドラマティックな曲展開を絶妙に彩る名曲です。
当サイトにおいて一番人気なのも納得の、RUNNING WILDの最高傑作。


RUNNING WILD - Gates to Purgatory ★★ (2012-08-11 01:41:15)

「勇壮で男臭いHM」という基本路線は既にしっかと見据えられているものの、独自の「型」を構築し、その型が醸し出す威厳や重厚感で聴き手を圧倒した名盤『DEATH OR GLORY』に比べると、このデビュー作を発表した頃のRUNNING WILDは腰が据わっておらず、バタバタとして落ち着きがない。例えるならMETALLICAの『KILL 'EM ALL』なんかに通じる青臭さが全編に亘って充満しているわけですが、その代わり、前のめりに突っ走るアグレッシブなカッコ良さはこの頃ならではの魅力とも言ます。
ラフな音質、ササクレたGリフ、五芒星があしらわれたアートワークに、「SATAN」「DEMON」「666」といった単語が登場する歌詞、あとついでにギタリストのいかにもなステージネーム(プリーチャー)等、全体的にかなりスラッシュ寄りのハードコアなHMサウンドを標榜している本作は、ロックン・ロルフ(Vo、G)も国内盤の歌詞カードに「聴き取り不能なので対訳掲載は勘弁して」と書かれてしまうぐらい攻撃的な歌声を披露。
個人的には、JUDAS PRIEST直系の劇的なツインGハーモニーがアップテンポの曲調に華を添える④や、IRON MAIDENを思わせる勇壮さを誇る⑦、“WE ARE RUNNING WILD”と歌い上げるバンドのテーマ曲⑧、そしてNWOBHM然としたダークなスピード・ナンバー⑩なんかがお気に入り。
GRAVE DIGGERの1stアルバム辺りに魅力を感じる方にお薦めする1枚でしょうか。


RUNNING WILD - Victory ★★ (2019-04-22 00:06:10)

長年バンドの屋台骨を支えてきたヨルグ・マイケル(Ds)がSTRATOVARIUSでの活動に軸足を移すため正式に脱退。ブックレットにはロックン・ロルフ(Vo)一人の写真しか載っておらず、またしぶとくリリースされ続けていた国内盤の発売がこれを最後に見合わせになる等、RUNNING WILDを取り巻く状況がお世辞にも良好だったとは言えない時期(’04年)に発表された11thアルバム。
正直当時は彼らに対する興味は下降線を描いていて、本作についても「待ちに待ってた新譜!」というよりは「あ、出てたのか…」ぐらいの感覚で購入したような覚えがあるのですが、いやしかしこれが決して侮れない完成度を有していて、やはり舐めちゃならねぇバンドだなぁと。
歌メロのパターンの少なさや、(セッション・ドラマー起用による影響なのか)リズム面のフックの弱さが足枷となり、頭から通して聴くと時折今何曲目を聴いているのか見失いそうになるのは、90年代にRUNNIG WILDが発表した幾つかの作品と同様ながら、このアルバムに関しては、RUNNING WILD版“PAINKILLER”とでも呼びたくなる①、スピーディな③、インスト序曲⑥から繋がる劇的な大作ナンバー⑦、シロ・ハーマン(G)の素晴らしい仕事ぶりが耳を惹く勇壮な疾走ナンバー⑩、RUNNIG WILD印の王道HMソング⑫等、要所に置かれた強力な楽曲群が、眠くなりそうになるとこっちの頬を「パーン!」と張り倒してくれるお陰で、現在地を見失ったまま遭難してしまうようなことはありません。
ベテラン・バンドの地力の高さがきっちりと発揮されている好盤に仕上がっています。


RUNNING WILD - Victory - Return of the Gods ★★★ (2019-04-23 01:16:02)

RUNNING WILD汁100%。勇壮に疾走するHMナンバー。
楽曲を劇的に肉付けするシロ・ハーマンのGプレイが非常に冴えています。
このレベルの名曲を生み出せるのならRUNNING WILDは
まだまだ大丈夫!と確信したことを思い出しますよ。


Reign of Fury (2014-11-11 23:57:15)

'06年にリード・ギタリストのエド・フューリーが地元のパブで飲んでいた時にバンドのアイデアを思い付いた・・・という、如何にもイギリス的な結成秘話(?)を持つ、イングランド南西部及び中部エリアを主な活動拠点とする5人組スラッシュ・メタル・バンド。
'11年にEP『PSYCHO INTENTIONS』を、'13年に1stフル『WORLD DETONATION』をそれぞれリリース。
基本は80年代スラッシュ・メタルなれど、パワー・メタリックなドラマ性や大作主義も飲み込んだサウンドが、BURRN!!誌の輸入版レビューでも高く評価されていたことは記憶に新しいところ。


Reign of Fury - World Detonation ★★★ (2014-11-11 23:58:39)

イギリスはテュークスベリー出身の5人組、'12年発表の自主制作1stアルバム。(現在はSTORMSPELL RECORDSからリイシュー済み)
バンド名とジャケットだけだとベイエリア風味のスラッシュ・サウンドでも聴かせてくれそうな感じで、事実、刻みまくりのGリフ/軽快なフットワークで暴れ回るリズムが生み出す、尖がったアグレッションや慌しい疾走感は完全にスラッシュ・メタルのそれ。しかしながらメタリックな光沢を放つハイトーンVoと、劇的且つメロディックに羽ばたくツインGは、ゆったりめに取られた尺の中でパワー・メタル然とした盛り上がりも演出していて、『CITY OF EVIL』を発表した頃のA7Xからモダンさを薄めた代わりに正統派HMに寄せた感じ・・・との印象を受けたりも。
基本的に捨て曲は見当たらない本作ですが、中でも大仰な序曲①とセットになった②、イントロでアコギが爪弾かれる④、勇ましく突っ走る⑦といった、疾走パートをベースに起承転結がドラマティックに決まった楽曲はこのバンドの真骨頂というべきカッコ良さ。
ちゃんとしたレーベルと契約してプロダクションを向上させれば、更に凄い作品を生み出してくれそうなポテンシャルの高さを感じさせてくれる1枚です。


Reign of Fury - World Detonation - Heaven Waits/Hell Takes ★★★ (2014-11-13 22:33:54)

アコギによるイントロから疾走へと転じる曲展開、
歌に入る前のツインGによる一ヒネリ等、
スラッシュというよりは完全にパワー・メタルの世界。
劇的に絡み合う2本のGと歌えるVoを十二分に活かして
8分以上の長尺を聴かせきる楽曲構築能力の高さを
堪能できる名曲です。


Reign of Fury - World Detonation - Infernal Conflict ★★★ (2014-11-13 22:48:48)

思わず目を細めたくなるほどドラマティックな
序曲“GOODBYE MOTHER EARTH”を聴いただけで
勝負あり!となってしまうアルバムのOPナンバー。
イントロでグッと高まった期待を決して裏切らない、
パワー/スピード/メロディが三位一体となって
畳み掛ける名曲です。


Reign of Fury - World Detonation - World Detonation ★★★ (2014-11-13 22:43:45)

刻みの細かいGリフや慌しいフットワークで
疾走するリズムはスラッシュ・メタル調なのですが
その上に乗って豊かなメロディを溢れさす
VoとツインGの歌いっぷりはパワー・メタルのそれという
このバンドの個性がしかと刻まれた逸品。


Robbie La Blanc - Double Trouble ★★★ (2022-05-24 01:01:59)

「最近音沙汰ないけど、どうしてんのかなぁ」と思っていたロビー・ラ・ブランクが、’21年に初めてのソロ・アルバムを発表してくれました。どころか今年はFIND MEでも新作をリリースしてくれて、しかもこれがまたなかなかの出来栄えだったりと、ここ数年の不在を埋め合わせるようなアクティブな活動ぶりが頼もしいじゃありませんか。まぁ個人的にはBLANC FACESの帰還が一番嬉しいのですが、そっちは気長に待ちましょうや。
プロデューサーとして、お馴染みトミー・デナンダー、FMのスティーヴ・オーヴァーランド、それにESCAPE MUSICのカリ・タラクが名を連ね、トミーとスティーヴに関しては作曲とパフォーマンスの両面でロビーをバックアップ。なので本作で披露されているのは当然の様にFIND MEやBLANC FACESを彷彿とさせるメロディアスHR。というかあれらを更にAOR/産業ロック方向へ寄せたようなポップさゆえ、HR/HMを期待するとチャカポコしたアレンジに肩透かしを食らうかもですが、ロビーの歌を堪能する分には何の不足もない…どころか、もろ手を挙げて歓迎したくなる充実作ですよ。
OPナンバーに相応しいキャッチーさでメロハー愛好家のハートをガッチリ掴む①から、TOTO的なアレンジが飛び出すスリリングさと洗練を感じさせる⑥のような楽曲における張りのあるハイトーンVoから、エモーショナルな歌い回しでリスナーを酔わせる⑨のようなタイプの楽曲に至るまで、衰え知らずの熱唱に惹き込まれていくうちに、あれよあれよと本編を聴き終えてしまえる1枚。
このクオリティで日本盤リリースなしってのはいかがなもんでしょう。


Robbie La Blanc - Double Trouble - Only Human ★★★ (2022-05-25 01:25:27)

躍動感溢れる曲調にキャッチーなメロディ、
それをパワフルに歌い上げる張りのある
ロビー・ラ・ブランクのVo、的確に曲を盛り立てるGソロ…と、
本編に対する期待感を煽る「掴み役」として
申し分のない働きをこなすハードポップ・ナンバー。


Rough Silk - Circle of Pain ★★★ (2013-08-04 08:50:24)

'96年発表の3rdアルバム。ROUGH SILKの作品で国内盤が出たのは、今んとこコレが最後の筈。
やや地味な印象もあった前作に比べ、いきなりQUEENばりの華々しいコーラス・ワークをフィーチュアした①で壮麗に幕が上がる本作は、独産メロパワ・メタルの馬力、プログレ・メタリックな構築美、そしてSAVATAGEをお手本にした重厚なリフ&リズムと、ピアノの美旋律との劇的な対比も一層鮮やかに、「ROUGH SILK流HMサウンド」としての個性を明確に主張。特に10分近くに及ぶドラマティックな曲展開が聴きモノのアルバム表題曲③は、彼らの持てる力すべてをブチ込んだ渾身の名曲に仕上がっています。
60分オーバーの長大なランニング・タイムは好き嫌いが分かれるところですが、気品漂うクラシカルなイントロだけで掴まれる②、マンドリンやバラライカを導入した東欧民謡風バラードの⑨とポルカ・メタルとでも言うべき⑪、それにバンドの掲げる信念について高らかに歌い上げた⑩等、本編に捨て曲はなし。
リリース当時も現在も「埋もれてる感」の強い1枚ですが、ぼちぼち再評価の時が来ているのではないでしょうか。


Rough Silk - Circle of Pain - Circle of Pain ★★★ (2013-08-04 22:52:10)

10分に及ばんとする大作ナンバー。
ジャーマン・メタルらしいパワーと疾走感から
アバンギャルドなパートも飲み込んで、静と動が
目まぐるしく入れ替わる落差の大きな曲展開まで
メロパワ・メタル、プログレ、QUEEN、SAVATAGE等など
・・・と、バンドの魅力を全て投入した
アルバム前半のハイライト役を担う名曲。


Rough Silk - Circle of Pain - Insania ★★★ (2013-08-04 22:46:18)

気品を湛えた物悲しげなイントロから、
杭を打ち込むようにアグレッシブ且つ重厚な曲調へと
転じる曲展開が冴えています。
バンドの70年代HRからの影響が伺える仕上がりで
聴いていると何故だか初期カルメン・マキ&OZとの
共通点を感じたりも。


Rough Silk - Circle of Pain - On the Wrong Side of the Moon ★★★ (2013-08-05 21:45:04)

マンドリンやアコーディオンの哀切な調べが
ロシア民謡風味の哀愁を醸し出すバラード。
STYXの“BOAT ON THE RIVER”的とでも申しましょうか。


Rough Silk - Circle of Pain - The Angel and the Raven ★★ (2013-08-05 22:18:50)

3rdはアルバム・タイトルからして共産主義を
テーマにして皮肉をこめたジョークになっているせいか
音楽面でもロシア的な要素が盛り込まれていて
これはそのうちの1曲。
ポルカ(?)のリズムで突進するパートの
なんとカッコイイことよ。


Rough Silk - Circle of Pain - The End ★★★ (2013-08-04 22:42:37)

OPナンバーなのに“THE END”とはこれいかに。
壮麗なクワイアが全編を彩る、
ある意味、本編のファンファーレ的
意味合いも兼ねたドラマティックな名曲。


Rough Silk - Circle of Pain - The Mysterious Boot Hill Grave Inscription ★★★ (2013-08-05 22:00:45)

デビュー作以来、久々にポップ・センスの発揮して
溌剌と弾けるような駆け抜けていくHRナンバー。
重厚な楽曲だけでなく、この手のタイプの曲も
書けるのがこのバンドの強みですね。


Rough Silk - Roots of Hate ★★★ (2013-07-21 23:38:02)

ACCEPTのステファン・カウフマンがプロデュースを手掛けていたことでも話題を呼んだ、ドイツはハノーヴァー近郊の町、バージングハウゼン出身の5人組が'93年に発表した1stアルバム。
劇的なメロディ展開にメタル魂が燃え上がる②⑥⑧等、冴え渡るミッド・テンポの楽曲構築術や雄々しいコーラスが、いかにも独産HMバンドらしい重厚感を伝えてくれる本作。
ざらめのハスキー声で憂いを帯びたメロディを熱唱するVoと、Key奏者が操るハモンド・オルガンの音色が巧みにフックを創出しており、個人的にROUGH SILKと言えば、やはりこのデビュー作のことが真っ先に思い出されます。特に、爽快感とスケール感を併せ持った、このアルバムでしか聴くことの出来ないタイプの名曲⑨はイチオシ。
重量感溢れるミッド・チューン、メロパワ然とした疾走曲から感動的なバラード、更にはアメリカンなノリの楽曲もある・・・といった具合に、バラエティ豊かな本作は、次作以降、ヘヴィ且つモダンな方向へと傾斜していくこのバンドのカタログの中にあっては、実は例外的な作風だったりもするのですが、でもとりあえず、ROUGH SILK入門書にはこちらのアルバムを強くお薦めする次第であります。


Rough Silk - Roots of Hate - Roots of Hate ★★★ (2013-07-22 21:52:21)

“怒りの葡萄”(スタインベック?)なる
不気味なピアノのイントロを序曲代わりに
幕を開ける、大仰且つ劇的なアルバム表題曲。
重量感溢れるリフ&リズム、荘厳なコーラスは
独産HMの面目躍如といったところで、
ハスキー声の熱唱型Voが良い具合に
引っ掛かりを生み出してくれています。


Rough Silk - Roots of Hate - Wasteland Serenader ★★★ (2013-07-22 21:54:22)

ジャーマン・メタルらしいパワーと
大陸的な爽快感を兼ね備えるアルバムの
ハイライト・ナンバーの一つ。
目の前の視界がパッと開けていくような
抜けの良いサビメロが大変気持ち良い名曲。


Rough Silk - Walls of Never ★★ (2013-08-01 23:02:10)

ポップな要素を減少させた代わりに、DREAM THEATERに代表されるプログレ・メタルのエレメントを増量。よりシリアスなムードを纏った'94年発表の2ndアルバム。
ある意味、90年代の流行に敏感に反応した作風と言えなくもないのですが、もともと疾走曲よりもミッド・テンポの楽曲構築術、それもKeyを巧みに取り入れた楽曲作りに冴えを感じさせるバンドだっただけに、この音楽的変身は結構的を得ています。「焦点が絞り切れていない」との批判もあったデビュー作に比べ、作品全体に統一感も出てきました。掴みの1、2曲目がモノトーンのヘヴィ・チューンなんで、いかんせん地味っちゃ地味なんですが。
あとは60分オーバーの長大な本編を、もうちょいタイトに刈り込んだ方が、バンドの「SAVATAGEリスペクト」の姿勢が強く伺える、杭を打ち込むような重厚な曲調とピアノ/Keyの美旋律の組み合わせ、そこにQUEEN的な壮麗さ漂うボーカル・ハーモニーの編み込んだ③⑥⑩や、スケールの大きなドラマティックなバラード⑦といった、優れた楽曲の存在が際立ったんじゃないかなぁ、と。
ちなみに本編最後にシークレット・トラックあり。


Rough Silk - Walls of Never - Never Loose Again ★★★ (2013-08-02 23:17:20)

表現力を増したVoの歌唱、
美しく閃くアコギと、Key、ピアノ、
それにストリングスの後押しを受けて
潮が満ちるように盛り上がっていく様が
ドラマティック且つ優美なバラード。