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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5501-5600
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5501-5600
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SPIDER - Rough Justice - Death Row ★★★ (2016-04-23 00:15:21)

芝居がかった語りによるイントロは
MANOWARの楽曲でも始まるのかという大仰さですが、
直後に走り出すのは一点の曇りもない
「これぞSPIDER!」なゴキゲンなロックンロール。
聴いてるだけで身体が揺れてきますよ。


SPIDER - Rough Justice - Martyred (For What I Love) ★★★ (2016-04-23 00:21:14)

美しいイントロを経て滑り出す曲調は、
実にSPIDERらしいタテノリ・ベースなのですが
キャッチーなメロディがそこはかとなく愁いを含んでいる点が
これまでには見られなかったパターン。
中盤のリフ/リズム・チェンジも実に軽やか決めてみせる
2ndアルバム屈指の名曲ではないかと。


SPIDER - Rough Justice - Midsummer Morning ★★★ (2016-04-23 00:28:30)

歯切れ良く弾むリフ&リズムに「らしさ」を滲ませつつ
ポップ且つメロディアスになった歌メロに新味が感じられます。
そして何と言ってもこの曲のハイライトは、終盤のテンポアップに併せて
猛烈に咽び泣く2本のGの劇的な絡みですよ。
フェードアウトで終わってしまうのが勿体ない。


SPIDER - The Complete Anthology - A.W.O.L. ★★★ (2016-04-19 23:44:44)

快活にハジけるGに、ノリノリで駆け抜けるリズム、
ひたすらタイトル・ワードを連呼するVoと、
もう理屈じゃねぇ、無性に踊り出したくなる
「同じアホなら踊らにゃ損損」な名曲です。


SPIRITUAL BEGGARS - Return to Live: Loud Park 2010 ★★★ (2018-03-27 00:27:47)

ARCH ENMEYで快進撃を続けるマイケル・アモット(G)の別バンド、SPIRITUAL BEGGARSが、LOUD PARK 10で行ったライブの模様を収めた実況録音盤(’11年発表)。ちなみにアモット兄はこの年までLOUD PARK皆勤賞だったという。
このバンドについては、それまで「ストーナー/ドゥーム・ロック・バンド」的イメージを勝手に抱いていたのですが、本作で繰り広げられるのは、加入したてのアポロ・パパサナシオ(ex FIREWIND)の熱を帯びたヘヴィ・メタリックなVo、躍動感溢れるリズム、ペル・ヴィバリのレトロなオルガン、そして強烈な「気」を放つ(③④のソロとかね)アモット兄のGプレイとが混然一体となった、所謂「クラシック・ロック」の風格漂うサウンド。会場の熱気を生々しく捉えた音像の下、ラフネスやルースネスにも勝る、達者な演者達によって生み出されるアッパーなノリの良さに、自然と体が揺り動かされてしまいます。
特に冷ややかな空気と重厚感を纏った⑦から、本編を大団円へと導く⑧へと繋げていくドラマティックな流れは、ライブならではの構成といい、観客によるキメフレーズの大合唱といい(ARCH ENEMYのライブかと思いましたよ)、実に高揚感に満ち溢れていて何度聴いてもアガりまくる本作のハイライト。
フルセットのライブ・アルバムではなく「来日記念盤EP」の体ゆえ、収録曲は全8曲。ランニング・タイムも30分台とボリューム控えめですが、逆にだからこそ取っ付き易いとも言え、自分のように「SPIRITUAL BEGGAERSってどんなバンドなんじゃろか」と、ちょっと興味を持った程度の人間が入門サンプル代わりにするのにもってこい1枚かと。


SQUEALER(FRENCH) (2020-01-28 00:50:04)

同名のバンドがドイツにもいるようですが、こっちはフランスのブルターニュ半島南東部を流れるロワール川、その河畔に位置する港湾都市ナント出身の4人組。
数本のデモテープ制作とライブ活動で徐々に人気を獲得、’87年に1st『D.F.R.』デビュー。ゲイリー・ライオンズをプロデューサーに迎えて’89年に発表した2nd『SQUEALER’S MARK』はその年のフランス国内におけるHR/HM系アルバムTOP3に入る好セールスを記録したのだとか。
3rd『THIS IS WHAT THE WORLD IS ALL ABOUT』(’91年)を発表した後、’92年にバンドは解散。最期にライブ音源も発売されているが、メンバーはこれについて「レコード会社が勝手にリリースした」とあまり快くは思っていない模様。


SQUEALER(FRENCH) - D.F.R. ★★ (2020-01-28 00:54:58)

フランスの港湾都市ナント出身の4人組、SQUEALERが’87年に発表した1stアルバム(なおタイトルは『DRINKING, FUCKING, ROCKING』の略なのだとか)。
自主制作盤にも関わらず瞬く間に数千枚を売り上げ、テレビ出演やフランス政府文化大臣との対談等、バンドの知名度向上とその後のサクセスに大きく貢献したという本作に託されているのは、JUDAS PRIEST、ACCEPT辺りからの影響を伺わせるストレートな正統派HMサウンド。そこにLAメタルをお手本にした思しき、ラフなノリの良さやハジけるコーラス・ワークといったアメリカンな要素もブッ込んで来ています。ちなみにフランスのバンドには珍しく歌詞は全て英詞。
篭り気味な上に薄っぺらい、お粗末極まりないプロダクションが折角の楽曲の魅力を大幅にスポイルしてくれてやがっていますが、何よりも音程に無頓着にわめき立てるパスカル・ベイリー(この人、後期EXCESSの作品でも歌っていましたっけ)の悪声Voを、欠点と貶すか個性的と前向きに捉えるかで本作の評価は大きく分かれるものと思われます。
このクセの強いヒステリックな声質のVoが受容できれば、収録楽曲のカッコ良さはなかなかなのモノですし、サウンドに華やかなアクセントを加えてくれるローラン・ラシャターのGプレイも聴き応え十分。特に“禁じられた遊び”のメロディを織り込んだGソロが繰り出される重厚なミッド・チューン②、泣きのイントロから力強く盛り上がっていく③、一気呵成に走り抜けるスピード・ナンバー⑤辺りは耳を捉える出来栄え。
全体としてチープな印象は免れ得ないものの、垢抜けた2ndよりも個人的には本作の方が好きだなぁ。


SQUEALER(FRENCH) - D.F.R. - Lady Love, Lady Bitch ★★★ (2020-01-29 01:06:16)

タイトルだけだと何やらアホっぽい印象を受けますが
Voの声質的にACCEPT、あるいは曲調的に『BRITISH STEEL』の頃の
JUDAS PRIESTを思わせたりもする重厚なミッド・チューンで
これが結構カッコイイ。特にドラマティックな構築美を湛えた
Gソロを経て、哀愁度がグッと高まる後半はかなり聴かせてくれますよ。


SSS ★★ (2009-08-10 22:48:00)

'05年、イギリスはリヴァプールにてハードコア畑出身のメンバー達によって結成される。
同年にセルフ・タイトルの4曲入りEP(俗称『バートンEP』)でデビュー。
翌年、半ば自主制作に近い形で発表した1stフル・アルバムが好評を博し、
その評判を聴きつけたEARACHR RECORDSと契約。
'07年にはボーナス・トラック1曲を追加収録した新装盤をリリース。
これが日本デビュー作ともなった。
バンド名を地で行くクロスオーバー・スラッシュ・サウンドが好評を博し、
「リヴァプールの疾走王」という赤面モノの称号を得るまでに
評価を高めたバンドは、矢継ぎ早に2ndフル・アルバム('08年)を発表。
よりハードコア度を高めた作風は、ファンの期待に見事に応える
ハイクオリティな内容だったが、'09年8月現在、未だ国内盤のリリースはなし・・・。
出ないの?


SSS ★★ (2009-09-27 21:22:00)

メンバーによると
「大好きなバンドだけど、バンド名とCHAOS U.K.のアルバム・タイトルが被ったのは偶然」
らしいですよ。


SSS - Short, Sharp, Shock ★★ (2009-08-10 22:51:00)

短く(SHORT)鋭く(SHARP)衝撃的(SHOCK)。略してSSS・・・という中坊感覚全開なネーミングセンスが素敵な、
イギリスはリヴァプール出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが'07年に発表した1stフル・アルバム。
「リヴァプールの疾走王」とも「MUNICIPAL WASTEへのイギリスからの回答」とも評される彼らが聴かせてくれるのは、シンプルだが
即効性の高いGリフに、切迫感溢れる上擦りシャウトで畳み掛けてくるVo、そして1~2分台とタイトに絞られた曲展開を備えた、
まさに帯表記の「スラッシュ?パンク?ハードコア? NO, NO, THIS IS クロスオーバー!」を地でいくサウンド。
演奏はやや不安定だが、「でも演るんだよ!」的な心意気に溢れた、このガムシャラで前のめりな疾走感はかなり爽快。
全編でハードコア/パンク指数高めの走りっぷりを炸裂させる一方、リズムにはキッチリと緩急が効かせてあるし、
⑨⑬といったインスト曲では、弾きまくるGがヘヴィ・メタリックな構築美を演出。特にメンバーが
「METALLICAへのトリビュート・ソング」と語る⑰は、アコギに始まりドラマティックに盛り上がりながら、
最後は再びアコギで叙情的に締め括られるという、起承転結を備えた7分以上に及ぶ大作ナンバーで、
直線的な本編の流れにメリハリを生み出す役割も担っている。
MUNICIPAL WASTE、D.R.I.、NUCLEAR ASSAULT辺りが好きな人なら必ずや気に入るであろう、バンド名に恥じぬ1枚。


SSS - Short, Sharp, Shock - Black Night White Light ★★★ (2009-08-11 09:55:33)

いきなりアコギから始まって驚かされる
SSSらしからぬ異色の大作ナンバー。
METALLICA(というかクリフ・バートン)について歌った
歌詞といい、メロディックなGソロ(確かに弾き切れていない)といい
初期METALLICAに対するトリビュート・ソングというのも納得な
微笑ましくドラマティックな名曲。


SSS - Short, Sharp, Shock - Overload ★★ (2009-08-11 09:49:23)

ちゃんとソロ・パートが設けられているだけでなく、
全編に渡ってGが大活躍(このバンドにしては)する
一際スラッシュ・メタル色が濃厚なナンバー。
アルバム中盤のハイライトを飾る名曲かと。


SSS - Short, Sharp, Shock - SSS ★★ (2009-08-11 09:41:26)

ゴロンゴロン唸りをあげるBに導かれてスタートする
バンドのテーマソング。この手のバンドの場合、
1曲だけ取り上げてああだこうだ言うのは野暮なような
気がしなくもないが、取り合えずカッコイイものは
カッコイイということで。


SSS - The Dividing Line ★★ (2009-08-10 22:54:00)

いつまで経っても国内盤が発売されず、音楽雑誌に取り上げられる気配もないので、とうとう我慢できずに
輸入盤を購入してしまった、英国はリヴァプール出身の4人組が'08年に発表した2ndフル・アルバム。
スラッシュ・メタル由来の切れ味鋭いGリフを備えながら、短い曲は十数秒、長くても2分台というコンパクトに圧縮された
楽曲が次々に波状攻撃を仕掛けてくる、S.O.D.やD.R.I.といったバンドを思い出すクロスオーバー・スラッシュ・メタルという
基本スタイルは不変ながら、今回は全20曲収録で30分強という前作以上にタイトなランニング・タイムが明確に物語る通り
ハードコア度が大幅増量。これまでよりも更にシンプル且つストレートにまとめられた楽曲群は、
安定感を増した演奏にも支えられ、全編を最初から最期まで息継ぎなしに一気呵成で畳み掛けてくる。
と言ってもメタリックな要素が完全になくなってしまったわけではなく、その手の要素相変わらず本編のあちこちで
確認できるし、何よりラストに鎮座まします⑳は、ツインGを活かして疾走する堂々4分以上に及ぶ大作(彼らにしては)で、
前作がIRON MAIDENなら今度はJUDAS PRIESTだ!ってな感じの正統派へヴィ・メタリックな仕上がり具合に思わず頬が
緩む名曲。“UNREST FROM THE NORTHWEST"というタイトルからしてJPへのトリビュート・ソングっぽいしね(?)。
デビュー作以上に「SHORT SHARP SHOCK」というバンド名が似つかわしいサウンドが封じ込められた1枚。国内盤は出んのかなー。


SSS - The Dividing Line - Oil and Water ★★ (2009-08-11 10:02:12)

正統派へヴィ・メタリックで劇的なイントロ
“THE DIVIDING LINE"の余韻を切り裂いて
1分もないランニング・タイムを息継ぎなしで突っ走る、
まさに「SSSらしい」1曲。


SSS - The Dividing Line - Toxic Bee ★★ (2009-08-11 10:04:27)

ハードコア色を強めた2ndアルバムの中では
比較的スラッシュ・メタル寄りな1曲。
ランニング・タイムが2分近くあるし、
何よりイントロのGの刻みっぷりが
えらいカッコイイんだわ。


SSS - The Dividing Line - Unrest in the Northwest ★★★ (2009-08-11 10:08:24)

前作“BLACK NIGHT WHITE LIGHT"のノリを受け継ぐ
劇的なイントロを聴いただけで思わず笑ってしまう
正統派ヘヴィ・メタリックでドラマティックな大作ナンバー
(といっても4分だけど)
今度はJUDAS PRIESTへのトリビュート・ソングなのだろうか?


STAGE DOLLS - Stripped ★★★ (2017-06-18 10:01:55)

80年代後半から90年代前半にかけ、続々日本デビューを飾ったD.A.D.やSWEDISH ELOTICAといった、所謂「新世代(当時)北欧メタル・バンド」勢の作品を今更チェックしている今日この頃。そうした流れの中でゲットしたのが、ノルウェーのSTAGE DOLLSが’91年にPOLYDOR RECORDSから発表したこの4thアルバムでした。
国内盤の解説によると、本国では過去作を悉くヒットさせて来た人気者で、本作もリリース2週間で3万枚を売り上げ、ゴールド・ディスクに到達したのだとか。そうしたメンバーの輝かしいキャリアと実績、それにTNT等との仕事で知られる名手ビヨルン・ネッショーが手掛けた、奥行を感じさせつつ、それでいて見通しにも優れているという秀逸な音作りに支えられた本編は、北欧メタルと聞いてマニアが想起するような郷愁をそそる田舎メタルっぽさとは無縁の、隅から隅まで洗練され尽くしたハードポップ・サウンドがギュウ詰め。
リリース当時は洟も引っ掛けずスルーしてしまった身ですが、今聴くと完成度の高さに素直に感心させられますよ。爽やかさの中に仄かな哀感が効いた②、映画の主題歌にも起用されヒットを飛ばした抒情ナンバー④、素朴なバラード⑥、哀愁のメロハー⑦、アップテンポで駆け抜ける⑩、そこはかとなくドラマティックな曲展開も有する⑪…と、アルバム・タイトル『STRIPPED』に相応しく、過剰な装飾よりも元々の素材の良さを活かす引き算アレンジが施された収録曲の数々はいずれも秀逸な出来栄え。
同郷のTNTやDA VINCI辺りが楽しめる方なら、間違いなく本作も気に入られる筈。彼らの他のアルバムも是非チェックしてみたくなる1枚でありました。


STAGE DOLLS - Stripped - Life in America ★★★ (2017-06-18 22:46:06)

アルバム『STRIPPED』ではこの軽快にロックする
アップテンポのナンバーが一番好きですね。
音作りもアレンジもシンプルでクリアだからこそ、
温もりを感じさせるシンガーの歌唱や
爽やかなメロディといった、元々楽曲が持っていた
魅力が一層引き立って聴こえます。


STAMPEDE (2012-10-13 21:17:02)

NWOBHMの親子鷹(義理ですが)ことリューベン・アーチャー(Vo)とローレンス・アーチャー(G)が中心となって結成。STAMPEDEというバンド名は、彼らがそれ以前に在籍していたジミー・ベイン率いるWILD HORSESからヒントを得て名付けられたとのこと。
'82年にPOLYDOR RECORDSからシングル“DAYS OF WINE AND ROSES”を発表してデビュー。翌年にはライブ盤兼1stアルバムの『THE OFFICIAL BOOTLEG』を、'83年にはMAGNUMのKey奏者マーク・スタンウェイのセッション参加を仰いでレコーディングされた2ndフル『HURRICANE TOWN』を相次いでリリースするも、結局その他多くのNWOBHM勢同様、最後までレーベル側のサポートに恵まれずバンドは解散。
父・リューベンは堅気の道を選び、息子・ローレンスはその後フィル・ライノットのGRAND SLAMや復活UFOに参加。'92年にはUFOの一員として来日も果たし、その模様はライブ盤『LIGHTS OUT IN TOKYO』で聴くことが出来る。
そして'09年。STAMPEDEはまさかの復活を果たし、'11年には3rdアルバム『A SUDDEN IMPULSE』を発表。


STAMPEDE - A SUDDEN IMPULSE ★★ (2012-10-17 19:49:06)

STAMPEDEが'11年に発表した、実に27年ぶりとなる3rdアルバム。
勿論、シンガーはリューベン・アーチャーその人。スケジュールの都合から全面参加とはいかなかったものの、義理の息子ローレンス・アーチャーもギタリストとして、曲作りのパートナーとしてアルバム作りに大きく貢献しています。
1st『THE OFFICIAL BOOTLEG』の如きハード・ロッキンな色合いは望むべくもなく、年齢を重ねたオリジナル・メンバーの外見相応に落ち着きの感じられる、言ってしまえば茶色いサウンドゆえ「STAMPEDEの新たなマスターピース!」とか「入門編にピッタリ!」とか絶賛できる内容ではありません。
ありませんが、還暦をとうに過ぎてなお全く衰えの感じられない、いや寧ろますます燻し銀の魅力を増したリューベンのジェントリーな歌声や、相変わらずエモーショナルに良く歌うローレンスのGプレイが映える作風であることは確かですよ。
程好くポップ&キャッチーにアルバムの幕開けを宣言する①、本編中最も勢いを感じさせる⑤、仄かな哀愁を運んでくるアコギが心地良い⑦といった楽曲は、火傷するような熱さとは無縁の代わりに、聴いていると体の芯からじんわりと温まる遠赤外線を放射しているかのような、ブリティッシュHRならではの滋味深さが秀逸。
ファンなら買っといて損はない1枚かと。


STAMPEDE - A SUDDEN IMPULSE - HARD ROCK HELL ★★ (2012-10-17 21:59:47)

タイトルからも伝わって来る通り
3rdアルバム中、最もハードにロックしているナンバー。
味わい深い熱唱を聴かせるリューベンと
歌心溢れるフレーズを紡ぐローレンス、
アーチャー親子のブランクを全く感じさせない
パフォーマンスが堪能できます。


STAMPEDE - A SUDDEN IMPULSE - HOMEWARD BOUND ★★★ (2012-10-17 22:14:11)

抜けよく掻き鳴らされるアコギが
運んでくるアメリカンな開放感と
仄かに哀愁を帯びたメロディと、
ローレンス・アーチャーのGプレイが
絶妙なハーモニーを奏でる、
3rdアルバム屈指の名曲。
リラックスしたリューベン・アーチャーの
歌も美味です。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN ★★ (2012-10-15 22:25:39)

金は出し渋るくせに、アルバム制作にはあれこれと口出したがるPOLYDORの横車によって、英国の曇天を思わせた1st『THE OFFICIAL BOOTLEG』に比べると、(快晴とまではいかないまでも雲間からお日様が覗く程度には)ライト&ポップな方向へとその作風が変化を遂げた'83年発表の2ndアルバム。
ライブならではの熱気と勢いも加味されていた前作と続けて聴くと、和やかさ大幅増の楽曲の変貌振りに驚かれるかもしれません。(両アルバムに収録されている⑥⑧の違いを聴き比べてみるのも一興かと)
尤も、『THE OFFICIAL~』に先んじデビュー・シングルとしてリリースされたキャッチーな名曲“酒と薔薇の日々”や、Keyを上手に取り入れた12インチEPの作風からも明らかな通り、元来ポップ・センスには長けていたバンドゆえ、個人的にはこのサウンド・スタイルも十分「有り」。リューベン・アーチャーの英国人シンガー然とした滋味を湛えた歌声、泣きや哀愁は薄れたものの相変わらずフラッシーなローレンス・アーチャーのGプレイは今回も好調ですよ。
「捨て曲なし」とまではいきませんが、ゲスト参加のマーク・スタンウェイ(MAGNUM)が持ち前の上品且つ華やかKeyプレイで高揚感を演出する“LOVE LETTERS”や、キラキラと眩い“TURNING IN CIRCLES”、仄かに哀愁を帯びたコーラス・ワークが印象的な“GIRL”等は本作ならではの名曲。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN - GIRL ★★ (2012-10-17 19:44:17)

溌剌としたアメリカンなノリも感じられる曲調ながら
ブリッジ部分から滲み出す哀愁と、
華麗且つエモーショナルに歌うローレンス・アーチャーの
Gソロが良いアクセントとなっています。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN - HURRICANE TOWN ★★★ (2012-10-17 19:37:57)

デビュー・アルバムにも収録されていましたが、
勿体つけたイントロが装備された分、
こっちのバージョンの方がドラマ性がアップしています。
ゲイリー・ムーアかマイケル・シェンカーか、
といった趣きで泣きまくるローレンス・アーチャーの
Gソロを聴くと、後に彼がUFOに加入した理由も
良く分かります。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN - LOVE LETTERS ★★★ (2012-10-17 19:47:02)

2ndアルバムの方向性を示すかのように
軽快に弾むポップ・チューンながら、
個人的にはアルバムでも1、2を争う名曲ではないかと。
ゲスト参加という枠を逸脱して良い仕事しまくりな
マーク・スタンウェイの高揚感溢れるKeyが
本曲の肝です。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG ★★★ (2012-10-13 21:18:23)

こんなタイトルですが、メジャーのPOLYDORから'82年に発表されたれっきとした1stアルバム。
レーベル側が原盤費用をケチったせいでライブ盤でアルバム・デビュー、オマケにバンド側の意に沿わぬ音源を使用されるというダブル・パンチを食らいながらも、マットに沈むどころか、逆に矢吹ジョーばりのクロスカウンターで聴き手をノックダウンするだけの威力を秘めた1枚となっております。
観客の盛り上がりに後押しされて、フィル・モグ的な滋味を感じさせる、くぐもった歌声で憂いを帯びたメロディを熱唱するリューベン・アーチャー(Vo)と、劇的な構築美&泣きを発散するローレンス・アーチャーのGプレイを軸に、生き生きとしてハイエナジーな楽曲の数々は全8曲、いずれもNWOBHMならではの攻撃性と、耳馴染みの良いキャッチネスを兼備した逸品揃い。(派手に動き回るBもナイス)
取り分け、UFOとPRAYING MANTISを足して2で割ったような①や、躍動感溢れる②といった名曲を収録するA面サイドの充実度は特筆モノ。特に“酒と薔薇の日々”の邦題で知られるキャッチーな③なんて本作のハイライト・ナンバーと言えましょう。
国内盤の入手が容易なうちに、未聴の方は是非にお試しあれ。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG - DAYS OF WINE AND ROSES ★★★ (2012-10-14 21:23:40)

“酒と薔薇の日々”という秀逸な邦題で知られる名曲。
STAMPEDEのデビュー・シングルでもありました。
ポップ&キャッチーな曲調が、
バンドの優れた作曲センスを伝えてくれます。
個人的にはライブ・バージョンよりも
Keyがたっぷりと取り入れられた
12インチEPバージョンの方が好きですね。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG - MISSING YOU ★★★ (2012-10-14 21:14:44)

劇的なイントロだけでグッと
コブシを握り締めてしまうアルバムOPナンバー。
ローレンス・アーチャーの華やかでドラマティックな
Gプレイが素晴しいったら!
ライブならではのタメを効かせてブリティッシュな
憂いを帯びたメロディを熱唱するリューベン・アーチャーの歌声、
あと攻撃的なコリン・ボイドのBプレイも秀逸。
要するに全部素晴しい名曲ってことですね。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG - MOVING ON ★★★ (2012-10-14 21:20:18)

タイトルに相応しく、せかせかと
忙しなく駆け抜けていくHRナンバー。
ここでもハイライトはローレンス・アーチャーの
構築美溢れるGソロ。
また、Voが下手だと聴いてられないタイプの
楽曲なのですが、これを見事に歌いこなす
(NWOBHMのヘタウマ系とは一線を画す)
確かなテクとハートを兼ね備えた
リューベン・アーチャーのVoも白眉。


STAN BUSH & BARRAGE - Heaven ★★★ (2023-12-20 23:45:56)

STAN BUSH & BARRAGEがデビュー作以来、実に11年ぶりに発表した2ndアルバム。(リリースは’98年で、日本盤は’01年に発売)
前作は内容の素晴らしさと希少性が相俟って、国内盤の中古CDが5桁のプレミア価格で取引されているメロディアスHRのお宝盤として知られていますが、本作もクオリティの高さでは全く引けを取りません。元々80年代後半に書かれたものの、発表の機会がないままスタン・ブッシュ(Vo)の手元で眠っていた音源が取りまとめられており、これほどの楽曲が陽の目を見ずに長らく埋もれさせとくなんてメロハー界の損失もいいところ。なのでNOW AND THEN RECORDSが発表に踏み切ってくれて本当に良かった。
楽曲の方向性も書かれた時期も前作とほぼほぼ同一(関わってる面子もお馴染みの顔触れ)。90年代にリリースされたスタンのソロ作に比べると、Keyを抑え気味にGの存在を強調してエネルギッシュにロックしている点も同様です。メロディをじっくり聴かせるバラード~スロー・チューンを魅力的に仕上げることなんてお茶の子さいさい、下手な人が作ったら大味に流してしまいそうな躍動感溢れるHRナンバーのメロディにも、心打つフックを仕込むスタンの曲作りの卓越した手腕には心底惚れ惚れさせられますよ。こういう人を真の職人というのでしょうな。特に高揚感を誘うサビメロが抜群なアルバム表題曲⑥、一転シリアスな雰囲気を纏ってパワフルに押し出してくる⑦、キャッチーなコーラスと歌うGがライブ映えしそうな⑧といった逸曲が並ぶ本編終盤では、その真骨頂を体感させて頂きましたよ。
近年は本作も希少盤化著しいようですが、もし中古盤屋で見かけたら是非お手に取って頂きたい1枚であります。


STAN BUSH & BARRAGE - Heaven - Promises ★★★ (2023-12-22 01:00:21)

リフ&リズムが重厚に刻まれるHRナンバー。それでいてメロディには
しっかりと耳を奪う強力なフックが仕込まれていて、特にスタンの熱唱も
映えるサビメロとブリッジ・パートの組み立てにはこの人の職人技が
炸裂しまくっていますよ。


STAN BUSH & BARRAGE - Stan Bush & Barrage ★★★ (2013-09-17 07:28:40)

ドラマーとして現MR.BIGのパット・トーピーが参加。更に、後にHOUSE OF LORDSがカヴァーしてスマッシュ・ヒットさせた名バラード“LOVE DON'T LIE”や、アニメ『トランスフォーマー THE MOVIE』のテーマ曲“THE TOUCH”、映画『処刑ライダー』劇中歌として日本でもシングル・カットされた“HEART VS HEART”を収録する等、スタン・ブッシュのカタログの中でも一際多くのトピックを抱え、「代表作」と言ってもあながち的外れではない存在感を放っている、'86年発表の作品。
アメリカン・メロディアスHRという基本的な音楽性を素直に発展させる一方で、よりエネルギッシュなノリの良さが増量されているのは、名義を「STAN BUSH & BARREGE」に変えて、バンドっぽさをアピールしていることと無縁ではありますまい。
それでいて、無理に頑張ってハードにしてる感じというか、付け焼刃感はまるでないのだから、スタン・ブッシュというミュージシャンの曲作りの才には畏れ入りますね。フックが連続するメロディと、インスト・パートの聴かせ所も盛り込んだハードな曲調とが違和感なく同居する③⑤⑦辺りはその真骨頂。勿論、前作のAOR/産業ロック路線を受け継ぐ⑥、バラード②⑩なんかも素晴しい出来栄えです。
チャートを賑わすような成功こそ収められなかったものの、長らく再発が待ち望まれていた作品だけあって、捨て曲なしの完成度の高さは実に立派。欲を言えば国内盤の再発が叶えば尚良かったのですが・・・。


STAN BUSH & BARRAGE - Stan Bush & Barrage - Primitive Lover ★★★ (2013-09-17 22:51:14)

確かにこの曲は凄い。
VoとGとリズムが一体となって、クライマックスへ向けて
ハードに盛り上げていく様がカッコイイですね。


STAN BUSH - Call to Action ★★★ (2013-06-16 23:17:38)

これが初めて購入したスタン・ブッシュ作品だったかな。
正式なフル・アルバムではなく、彼が「アクション」をテーマに書き上げ、他アーティストや映画/TV番組、更にはアトランタ・オリンピックにSFコンベンションといったイベントに提供した楽曲を取りまとめた企画盤で、そうした成り立ちの作品ゆえ、本編にHR的なエッジや哀愁は控えめ。
スタン・ブッシュ版“JUMP”といった趣きの①(アニメ映画『トランスフォーマー』のテーマ曲)、しつこいぐらい「NEVER SURRENDER!」を繰り返す辺りが確かにジャン・クロード・ヴァンダム映画の主題歌っぽい②を手始めに、全体的に楽曲はコマーシャルな部分が強調されており、こうした売れ線な作風に物足りなさを覚えるHR/HMファンは多いことかと存じますが、代表曲の数々を一気に聴ける便利な1枚であることは確かですし、何より、やはりこの人の書くキャッチーなメロディは素晴しい。
特に白眉は、後にHOUSE OF LORDSがカヴァーしてヒットさせたバラード“LOVE WON'T LIE”の存在で、元はSTAN BUSH & BARRAGE名義で'87年にリリースされたアルバムの収録曲でしたが、同作が入手困難な現在、この名曲を聴くためだけにでも本作は購入価値があるというものです。
まぁ、こっちも今じゃゼロ・コーポレーションの閉鎖に伴って廃盤なんですけど、STAN BUSH & BARRAGEに比べれば幾らかお手頃価格で入手が可能なので。
ただ、ジャケットはもう少し何とかならんかったのでしょうか。


STAN BUSH - Call to Action - Total Surrender ★★★ (2020-08-12 00:24:13)

スタン・ブッシュのHRサイドの魅力を表すかのような
力強さを漲らせつつ、メロディは哀愁を帯び、
歌声もどこまでもエモーショナル。
キャッチーなコーラスが何度聴いても「騙されるな~♪」と
空耳してしまうので、警察は今からでも遅くないので
この曲を「オレオレ詐欺防止キャンペーン」のテーマ曲に認定すべきではなかろうかと。


STAN BUSH - Dial 818 888-8638 ★★★ (2020-08-10 23:20:51)

映画『トランスフォーマー』(アニメ版の方)の主題歌“THE TOUCH”等を一緒に共作した仲であるレニー・マカルーソと、70年代からPRAYERやSTEPPEN WOLFのメンバーとして活動してきたウェイン・クックという二人のベテラン・ソングライターを共同プロデューサーに迎えて、スタン・ブッシュが'94年に発表した3枚目のソロ・アルバム。ちなみに不思議なアルバム・タイトルは、リリース当時この番号に電話をかけるとスタンからのメッセージを聞くことが出来たのだとか。(現在はサービス終了)
個人的に、かつて1万円近く支払って中古盤を専門店で購入した数日後、近所のレンタルCD屋のワゴンコーナーで1,000円で投げ売りされているのを発見して膝から崩れ落ちた…ってな思い出が蘇り涙がちょちょ切れる本作ですが、内容に関しては支払った対価に十分見合う(むしろお釣りが来る勢いの)充実ぶり。躍動感溢れるロック・チューンから感動的なバラードまで、いずれの楽曲もドラマやCMソングとしてすぐにでも起用できそうなフックが備わっており、中でも海外のメロハー・ファンからも高い人気を誇っているという、ピアノのイントロから憂いを発散しながら力強く駆け抜けていく③と、情感豊かに切々と歌い上げるVoが胸焦がす⑥は突出したインパクトを誇る名曲ですよ。
スタンのクリエイトする、エモーショナルな歌声&抒情メロディに彩られたキャッチーな楽曲と、「流行を追いかけて自分の信じる道を変えるようなことはしたくない」という彼の強い信念が、ダーク&ヘヴィ一色に塗り潰された90年代のアメリカのHR/HMシーンにおいて一際眩い輝きを放っているように感じられる名盤。


STAN BUSH - Dial 818 888-8638 - Are You Over Me ★★★ (2020-08-12 00:31:12)

温もりと哀愁を湛えたメロディをエモーション全開で歌い上げる、
スタン・ブッシュの十八番というべき感動的な名バラード。
結婚式で流したらさぞかし似合いそう・・・とか思ったのですが、
振られ男が去っていった女を恋しがる歌詞だったという。


STAN BUSH - Dial 818 888-8638 - Total Surrender ★★★ (2020-08-12 00:24:13)

スタン・ブッシュのHRサイドの魅力を表すかのような
力強さを漲らせつつ、メロディは哀愁を帯び、
歌声もどこまでもエモーショナル。
キャッチーなコーラスが何度聴いても「騙されるな~♪」と
空耳してしまうので、警察は今からでも遅くないので
この曲を「オレオレ詐欺防止キャンペーン」のテーマ曲に認定すべきではなかろうかと。


STAN BUSH - Dream the Dream ★★★ (2013-03-09 00:56:06)

アメリカン・メロディアスHRシーン屈指の実力派シンガー、スタン・ブッシュ、'10年発表の(現時点での)最新作は、プログレ・バンドばりに美麗なアートワークから高まる本編に対する期待を微塵も裏切ることのない、前作『IN THIS LIFE』から2作続いての大傑作。
スタンの絶品の歌唱と、心打つキャッチーな哀メロ、それにHR然としたエッジという、日本人の琴線に触れる要素を満載にしたサウンドは、よりポジティヴなフィールを強く打ち出したことで、メロディの泣きや哀愁がやや薄まりをみせたような気がしなくもないですが、まぁそんなことは些末なことです。高揚感を伴ってガツンとカマされる②や、映画『トランスフォーマー』(アニメ版)の主題歌として知られる自身の代表曲をモダンなアレンジでリメイクした⑫なんかも素晴しいのですが、圧巻は、凛としたピアノの旋律が良いアクセントとなっているバラード⑤、哀メロとハードネスが巧みにブレンドされた⑦、熱唱が胸に沁みるドラマティックなアルバム表題曲⑧といった「これぞスタン・ブッシュ!」な名曲が並ぶ本編中盤。
何度聴いても飽きることのない力作ですが、そろそろ新作も聴きたいので一つヨロシク。


STAN BUSH - Dream the Dream - Dream the Dream ★★★ (2013-03-10 20:59:17)

バラード“IN MY LIFE”と共に
アルバムのハイライトを飾る名曲。
こちらは熱の籠もったスタン・ブッシュの
歌声が劇的さを演出するHRナンバーで
特に終盤の盛り上がりは胸熱です。


STAN BUSH - Dream the Dream - In My Life ★★★ (2013-03-10 20:56:18)

スタン・ブッシュの熱唱と
凛として響くピアノの旋律に
胸焦がされる絶品のバラード。
いちいちツボを突いて来る
サビのメロディ展開が泣かせますなぁ。


STAN BUSH - Every Beat of My Heart ★★★ (2020-07-21 00:15:26)

映画、ドラマ挿入歌、日本ではトヨタやマツダのCMソングを歌い、ルー・グラムが抜けたFOREIGNERの後任シンガーに名前が挙がったこともあるというメロディアスHR界の信頼と実績の優良ブランド、スタン・ブッシュ(Vo)。本作は彼が’93年に発表したソロ名義では2枚目となるアルバム。国内盤はゼロ・コーポレーションから発売で、同レーベルが彼の作品を扱ったのはこれが最初でした。(次々作『HIGHER THAN ANGELS』(’96年)とジャケット・デザインがそっくりでちょっと混乱しますけども)
アメリカのHR/HMシーンがグランジ/オルタナティヴ・ロックのトレンドで塗り潰されようと、今回も自身の得意とするメロディ重視のアメリカン・メロハー・サウンドを真摯に追求。この人のカタログは目を瞑って選んでもハズレを引くことはない(そもそも当たりアルバムしか作っていない)のですが、それはJOURNEYのジョナサン・ケイン、ブライアン・アダムスやKISS等との仕事で知られるジム・ヴァランス、AXEのボビー・バースといった、共同プロデューサー&ソングライターとして名を連ねる錚々たる顔触れを見た時点で、早くも完成度の高さを確信させられてしまう本作においても同様です。
爽やかに聴き手を癒す③、ポジティブなエネルギーに満ちた⑤、高揚感を伴うキャッチーなサビメロが絶品⑨、タイトルからして名曲の風格漂うバラード⑩等々、収録曲はスタンの情感豊かな歌声が映える逸品ばかりな上に、後の作品と比べるとビートを効かせた躍動感溢れる楽曲の比率が高めゆえ、「AOR/産業ロックはちょっと…」という向きにもお薦めできる1枚ではないかと。


STAN BUSH - Every Beat of My Heart - Every Beat of My Heart ★★★ (2020-07-22 00:39:15)

(タイトル通り)力強く脈動するようなアルバム表題曲。
高揚感を伴うコーラス・ワークは、梅雨時の鬱陶しさを
吹き飛ばすような爽快さに満ち溢れています。


STAN BUSH - Every Beat of My Heart - It Don't Get Better Than This ★★★ (2020-07-22 00:33:29)

スタン・ブッシュとボビー・バースの組み合わせなら
そりゃあ最高の楽曲にならないわけがないという。
80年代だったらシングル・カットされ、
必ずや好成績を残していたに違いない!
・・・と思わず夢想せずにはいられない名曲。


STAN BUSH - Every Beat of My Heart - The Search Is Over ★★★ (2020-07-22 00:43:58)

SURVIVORの名バラードを思い出さずにはいられないタイトルですが、
こっちも名曲ぶりでは引けを取りません。
スタン・ブッシュのエモーショナルな熱唱を得て
アルバムのフィナーレを感動的に締め括ってくれます。


STAN BUSH - Higher Than Angels ★★★ (2020-07-09 00:26:15)

スタン・ブッシュの国内盤カタログの多く(全て?)が廃盤になってしまっていて悲しい限りですが、それでもネットや中古盤屋を徘徊するとちょいちょい見かける機会もある00年代以降のアルバムに対し、ゼロ・コーポレーションから90年代にリリースされた2nd~4thは、原盤を所持していたレーベル自体が既に存在しないこともあって、国内盤入手のハードルが更に一、二段階上がる印象あり。なので’96年発表の本4thソロ・アルバムを帯付で偶然手に入れられた時はそりゃもう嬉しかったわけです。
アコギとピアノを重用したバラード系の楽曲が大半を占める本編は、HR/HMとは少々距離を置いたサウンドではあるものの、曲が書けて歌も上手いお人なのでアルバムを作れば必然的にクオリティの高いものに仕上がることは、東から昇ったお日様が西へ沈むのと同じぐらい約束された事象であるという。
今回はエディ・マネーやKISSとのコラボ等で知られるカート・クオモが曲作りのパートナーとプロデューサーを兼ね、人気ドラマの挿入歌として使用され話題を呼んだバラード③、サックスをフィーチュアして軽快に躍動するロック・チューン⑥といった逸曲に加え、カート人脈でKISSのポール・スタンレーまでが共作者として名を連ね、本編中最もHR寄りの熱く脈動するような⑤と、エモーショナル且つ感動的にフィナーレを飾る⑩という、アルバム・ハイライト級の名曲を提供してくれているのですから、尚のことですよ。
メロディ愛好家の期待にきっちり応えてくれる職人達の頼もしさと、情感豊かな作風に心温まる1枚。この人の国内盤カタログをまとめてリマスター再発してくれないものか。


STAN BUSH - Higher Than Angels - I Was Wrong ★★★ (2020-07-09 23:14:45)

アルバムのフィナーレを感動的に飾る名バラードで、これまたポール・スタンレーとの共作曲。
歌詞と歌詞の行間からも情感が滲み出して来るようなスタン・ブッシュの熱唱は
「エモーショナルなVO」のお手本の如き素晴らしさ。
ここぞというタイミングで繰り出されるアコギの使い方にも一本取られましたね。


STAN BUSH - Higher Than Angels - If We Ever ★★★ (2020-07-09 23:07:48)

ポール・スタンレーとの共作曲。
バラード系の楽曲が大半を占める本編中にあっては
比較的ロックしている曲調で、スタンの情熱的な歌声のみならず、
カート・クオモのGも適切なアシストでこの名曲を盛り上げてくれています。


STAN BUSH - In This Life ★★★ (2013-03-06 07:12:34)

それまで、90年代にゼロ・コーポレーションからリリースされたアルバムをちょろっと聴いたことがある程度だったスタン・ブッシュに再び注目する切っ掛けとなった、'07年発表の・・・何枚目のアルバムでしょうか?
エミー賞の受賞経験もあるシンガーを捉まえて今更な話ですが、やはりこの人、歌がメチャクチャ上手い!声の色艶にその伸び具合、エモーショナルな表現力から節回しに至るまで、こういうのを金払って聴くに値するプロの歌声というんでしょうね。
日本人好みの泣きと哀愁のメロディを前面に押し出しつつも、ハード・ロッキンなエッジも失ってはいない本編は、最初から最後まで捨て曲なし、忘我の境地へと誘われる54分間なのですが、中でも、力強く前向きな曲調が高揚感を演出する①④⑩、そして心ニクイまでにフックの効いたメロディを熱唱するスタンのVoと、随所でハッと耳惹くフレーズを効果的に差し込んでくるボルガー・ファス(プロデューサー/Key奏者としても活躍)のGプレイに琴線掻き乱されまくりなバラード⑥は、アルバムの白眉と言える名曲です。
'07年に聴いたアルバムの中でも、屈指の完成度を誇る傑作でした。


STAN BUSH - In This Life - I'll Never Forget ★★★ (2013-03-06 23:14:29)

イントロを5秒聴いただけで
名曲であることを確信させてくれる
ドラマティックなOPナンバー。
陰日向になってVoを盛り立てる
Gの仕事振りも特筆に値します。


STAN BUSH - In This Life - In This Life ★★★ (2013-03-07 22:44:29)

HR然とした緊迫感を漂わせたヴァースから
ポジティブな雰囲気を纏ったサビメロへと
繋がっていくメロディ展開にグッとくる
アルバム表題曲。しかし良い曲ばっかですね、
このアルバムは。


STAN BUSH - In This Life - Long, Long Way ★★★ (2013-03-07 22:24:08)

熱さ、ノリの良さ、そしてGが奏でる
印象的な哀メロを伴って駆け抜けていく
キャッチーなHRナンバー。


STAN BUSH - In This Life - The First Time ★★★ (2013-03-07 22:21:42)

アルバム・ハイライト級のエモーション迸る
感動的なVoの熱唱とGソロを聴かされては
星三つを進呈しないわけにはいきませんて。


STAN BUSH - Language of the Heart ★★★ (2019-01-14 09:24:31)

'83年にソロ・デビューを飾ってから(BOULDERのギタリストとして世に出た時からでも構わないのですが)云十年。その間、メロディアス・ロック街道一筋に歩み続けた拘りの姿勢といい、そして残してきた作品の質の高さといい、こういう人こそ正に「職人」の名に相応しい…なアメリカ人シンガー、スタン・ブッシュが’01年に発表した、多分6、7枚目ぐらい?のソロ・アルバム。(企画盤やベスト、故パット・トービーも在籍していたSTAN BUSH & BARRAGE名義のアルバムも含めるともっとか)
素材の良さをそのまま活かしてシンプルにロックするOPチューン①を1コーラス聴いただけで、今回もスタンの伸びやかなVoを中心に据え、聴く者のミュージック・ハートに優しく語り掛けてくるような安心・安定のメロハー・サウンドが徹底されていることが早々に了解できニンマリ。HR/HMで括るには音圧の薄いアコースティックな作風や、極力飾り気の削ぎ落とされたシンプルなプロダクションが2000年前後の音楽シーンの流行を偲ばせますが、逆にその分、彼のハート・ウォーミングな歌声の細かなニュアンスまでが生々しく伝わってくる、まるで目の前で彼に歌って貰っているかのような臨場感を味わえるので、結果オーライ。キャッチーなハードポップ④を軽やかに歌いこなしたかと思えば、エモーショナルな盛り上がりっぷりに胸打たれるアルバム表題曲⑥では、味わい深い表現力を駆使した感動的な熱唱を披露したりと、スタンの職人芸を心行くまで堪能できる1枚。
この人の作品はどれを買ってもハズレなしですが、現在では国内盤がいずれも入手困難になってしまっているのが残念でなりませんよ。


STAN BUSH - Language of the Heart - Language of the Heart ★★★ (2019-01-15 23:51:00)

ピアノをバックに、憂いを湛えた抑え気味のヴァースから
コーラスに向かって解放感を増していく曲展開と
聴き手を「酔わせる」タイプのスタン・ブッシュの芳醇な歌声が
見事にマッチしたアルバムのハイライト・ナンバー。
聞き惚れます。


STAN BUSH - Shine ★★★ (2013-06-18 22:12:13)

メロディアスHRファン、安心の優良ブランドことスタン・ブッシュ。
30年以上に亘ってキャリアを積み重ねてきたアーティストゆえ、これまで発表したアルバムの数もかなりの枚数に昇り、そのため「どの作品から手をつけたら良いのか分からない」と思う人もいるかもしれませんが、逆に言えば、どの作品も水準以上のクオリティを誇っているので、目を瞑って選んでもハズレを掴まされる心配がないのが、この人の優良ブランドたる所以。
尤も、90年代以前の作品は現在では廃盤となってしまっているものも多いので、とりあえず、まだ国内盤の入手も容易なこの'04年発表の11thアルバムから入ってみるのも一つの手ではないでしょうか。
シンプルな音作りや飾り気に乏しいアレンジ等、HR色の薄い本編からは90年代の残り香も漂ってきますが、研鑽された哀メロ職人としての腕前を楽しむ上では然したる障害ではありません。
また、シンプルに「歌」にフォーカスした作風ゆえ、スタンの一音一音に深いエモーションの込められた歌声が、まるで目の前で歌われているかのように生々しく伝わって来るのも◎。
メロディ愛好家なら、前半5曲を聴いただけで蕩けてしまうこと請け合いですよ。


STAN BUSH - Shine - I Will Be There ★★★ (2013-06-20 21:25:15)

クライマックスに向かって
昇りつめていくようなポジティブな曲調に、
スタン・ブッシュ不変の美学が宿る1曲。


STAN BUSH - Shine - What You Mean Tonight ★★★ (2013-06-20 21:28:08)

叙情バラード。
こんな哀愁の滲み出すメロディを
スタン・ブッシュに歌わせたら、
そりゃ名曲に仕上がらないわけがないでしょ?!
(なぜか逆切れ気味に)


STAN BUSH - Stan Bush ★★★ (2013-03-03 22:07:40)

後にAXEに参加するボブ・ハリスも在籍していたBOULDERの一員としてプロ・キャリアをスタートさせたスタン・ブッシュが、同バンド解散後の'83年にCBSから発表した1stソロ・アルバム。(OPナンバー①は、そのボブ・ハリスとスタンの共作曲)
セールス的には振るわなかったものの、長らく隠れた名盤としてレア・アイテム化していた本作が、'12年にリマスター再発され漸く気軽に聴くことが出来るようになったわけですが、これが噂に違わぬ素晴しさ。
キャリア30年を数える現在でも、全くブレることなくメロディアスHRを追求し続ける彼氏のこと、ここで披露されているのは当然の如く、歌とメロディを何よりも重視したメロハー・サウンド。ただ、やはりデビュー作ということで、しっとりと聴かせるよりもエネルギーに満ち溢れているとの印象が強く、歌声に関しても、今のような一音入魂の表現力は持ち得ていない代わりに、溌剌として若々しい歌唱はそれだけで胸躍る高揚感が備わっています。エネルギッシュなハードポップ・チューン⑦や、パワー・バラードの名曲③⑧は、メロディ愛好家なら一度は聴いておいて損のない出来栄えですよ。


STAN BUSH - Stan Bush - Can't Live Without Love ★★★ (2013-03-04 22:22:02)

明るくもどこか甘酸っぱい雰囲気を湛えたバラード。
少ない音数で的確にこちらの泣きのツボを刺激してくる
Gソロが良いですね。スタン・ブッシュが弾いてるのかな?


STAN BUSH - Stan Bush - Say the Word ★★ (2013-03-04 22:24:12)

埃っぽくなりそうな曲調を、アコギと
溌剌としたサビメロが爽やかに
中和してくれているHRナンバー。


STAN BUSH - Stan Bush - Time Isn't Changing You ★★★ (2013-03-04 22:29:44)

ピアノに始まり、徐々に盛り上がっていくという
典型的なパワー・バラードですが、良いもの良い。
歌の上手さも然ることながら、スタン・ブッシュが
Gソロでも非常に味のある名演を聴かせてくれています。


STAN MEISSNER (2015-02-05 23:24:27)

TVドラマや『13日の金曜日』等の映画サントラ、セリーヌ・ディオンにエディ・マネーといった有名アーティスト、メタル者的にはTRIUMPH、エリック・クラプトン、リー・アーロン、ALIASへのヒット曲の提供、更には自ら制作した3枚のソロ・アルバム――デビュー作『DANGEROUS GAMES』('83年)、母国のAORチャート年間第一位を獲得した大ヒット曲“ONE CHANCE”を収録する2nd『WINDOWS TO LIGHT』('86年)、現時点で最後のソロ作である3rd『UNDEWTOW』('92年)――もチャート上位へ送り込む、書いて良し歌って良しの売れっ子カナダ人シンガー/ソングライター。
ピーター・フレデッドとMETROPOLIS名義で制作した『THE POWER OF THE NIGHT』('00年)以外にこれといった音源を発表していないのが残念。


STAN MEISSNER - Undertow ★★★ (2015-02-05 23:26:09)

有名アーティストへの楽曲提供のみならず、自ら制作したソロ・アルバムも母国のヒット・チャート上位へ送り込んで数々の音楽賞を受賞する等、80年代から確固たるキャリアを築き上げて来たカナダ人シンガー/ソングライター、スタン・メイズナーが'92年に発表した3rdアルバム。
作詞/作曲/プロデュース/エンジニア/歌から楽器の演奏に至るまで、ほぼ独力でレコーディングされている本作において綴られるのは、お洒落でポップなメロディアス・ロック。HR/HMリスナーの耳には少々刺激不足やもしれませんが、聴いているだけで日々の疲れが癒されていくような収録曲の数々は、どれもこれもカナダの音楽シーン殿堂入りを果たす天才メロディ・メイカーの匠の技が堪能できる逸品揃いです。グレン・バートニック(STYX)との共作曲で、サックスをフィーチュアしたヒット・シングル②と、軽やかなKeyリフが曲調にフックを作り出す⑨なんて、メロディ愛好家に無差別でお薦めしたくなる哀愁の名曲ですよ。都会の夜を思わす洗練されたサウンドと、青を基調にまとめられたアートワークのマッチングの良さも秀逸。(本人はあまり気に入ってないようですが)
国内盤には『逆流』なる邦題、というか副題?が付けられてましたが、むしろ非常に心地良くスムーズに聴き通せる1枚ではないかと。


STAN MEISSNER - Undertow - I Don't Believe It's Over ★★ (2015-02-08 23:48:08)

穏やかに始まり、徐々に熱っぽく盛り上がっていく
2ndアルバム収録曲の中では比較的ロックしているナンバー。
印象的なフックを作り出すKeyが良い仕事してますよ。


STAN MEISSNER - Undertow - River of Fire ★★★ (2015-02-08 23:45:53)

ヒット・シングルとなったのも納得な
爽やかで洗練されたポップ・チューン。
伸びやかに全編を彩るサックスの音色が
非常に効果的。ラテン・ミュージック風の
リズム・ワークは、スタン・メイズナーが
ニュー・メキシコを旅行した時に思い付いた
アイデアが元になっているのだとか。


STAN MEISSNER - Windows to Light ★★★ (2023-05-11 01:41:21)

ソロ・シンガーとしてのみならず、ピーター・フレデットと立ち上げたメロハー・プロジェクトMETROPOLISでの活動、数多のアーティストや映画サントラへの楽曲提供等で知られるカナダ出身のシンガー/ソングライター、スタン・メイズナーがセルフ・プロデュースでレコーディングを行い、’86年に発表した2枚目のソロ・アルバム。
個人的にこの人の作品で初めて聴いたのは、日本盤もリリースされた3rd『UNDERTOW/逆流』(’92年)でしたが、遡って購入した本作もなかなかの出来栄え。というか、母国カナダではシングル・チャートにおいて堂々№1ヒットの座を獲得したというポップ・チューン“ONE CHANCE”を収録するこのアルバムこそが、スタン・メイズナーにとっては代表作ということになるのでしょうか?
本作で聴けるのは、HR/HMとはだいぶ距離のあるAOR/産業ロックですが、伸びやかな歌唱力のみならず、腕利きソングライターとしてもバキバキに鳴らす御仁だけに、キャッチーなメロディに彩られた本編には、前述の“ONE CHANCE”以外も、高揚感を湛えたOPナンバー①から抒情バラード⑤、哀愁のハードポップ⑧までグッとくる楽曲が並んでいます。CD化に際してはボーナス・トラックも追加収録されており、これがまたオマケ扱いするのが勿体ないぐらいの秀曲揃い。特に「あれ?日本でCMソングに起用されてヒット飛ばしてませんでしたっけ」と思わずにはいられない④は強力なフックを有した名曲ですよ。
廃盤の3rd『UNDERTOW』は国内盤のプレミア化が著しいようなので、まずは本作をスタン・メイズナー入門盤にいかがでしょう。


STAN MEISSNER - Windows to Light - Wild and Blue ★★★ (2023-05-13 02:25:55)

リイシューに際して追加収録されたボーナストラックなのですが
CMソングに起用されてもおかしくない、フックの効きまくった
メロディは、オマケ扱いが勿体ないぐらいの魅力を有していますよ。


STARCASTLE (2012-04-05 21:41:19)

60年代末期、アメリカはイリノイ州シカゴにおいて誕生。
REO SPEEDWAGONのデビュー作で歌っていたテリー・ルトゥレル(Vo)が加わる等して陣容を整え、バンド名をPEGASUSからSTARCASTLEに改めると活動が一気に本格化。
ライブで腕を磨きつつ制作したデモテープに収められていた名曲“LADY OF THE LAKE”が評判となり、レコード契約を手に入れた彼らは'76年に1st『STARCASTLE』でデビュー。この時のラインナップはテリー以下、スティーヴ・ハグラー(G)、ハーブ・シルト(Key)、スティーヴ・タスラー(Ds)、ゲイリー・ストレイター(B)の5人で、この顔触れは2nd『FOUNTAINS OF LIGHT』(邦題『神秘の妖精』'77年)から3rd『CITADEL』(邦題『星の要塞』'77年)、そして最終作の4th『REAL TO REEL』('78年)に至るまで変わる事はなかった。
質の高い作品を作り続けたにも関わらず大きな成功とは縁のなかったバンドは'80年に一旦解散するが、その後も離散集合を繰り返し、'07年にはYESのリック・ウェイクマンらをゲストに迎えた5th『SONG FOR TIME』を発表している。


STARCASTLE - Citadel ★★★ (2012-04-08 08:28:15)

2nd『FOUNTAINS OF LIGHT』リリースから僅か1年足らずという短いインターバルで制作され、'77年に発表された3rdアルバム。(邦題は『星の要塞』)
その『FOUNTAINS~』同様、ロイ・トーマス・ベイカーがプロデューサーとして再登板。SF系の映画や小説の仕事等で知られるティム&グレッグのヒルブラント兄弟が手掛けた芸術的なまでの美しさを誇るファンタジックなジャケット・アートワークも目を惹く本作は、壮大な音作りから、高度な演奏技術が活かされた技ありのアレンジ/曲展開と、ポップなメロディ・センスとが融合した楽曲に至るまで、YESフォロワーの座から脱し、STARCASTLEならではの個性的なサウンド・スタイルを確立した名盤としてファン人気が特に高い1枚として知られる。
前作ではやや冗長な部分も見受けられた大作主義(プログレ風味)を抑制。ポップな躍動感やボーカル・ハーモニーを増強し、コンパクトに圧縮された楽曲群はインスト・パートからテリー・ルトゥレルの「歌」へと明らかにその比重を移し、BOSTONやSTYXを思わせるメロディアスHRの側面がグッとクローズアップ。また、曲展開が整理されたことで、キャッチーに磨き上げられたサビメロもこれまで以上に素直に胸に響くようになった。
爽やかで抜けの良い“CAN'T THINK TWICE”は新たなSTARCASTLEの魅力を開拓する名曲ですし、従来のプログレ風味と新たなポップ風味とが巧みに溶け合わされた“EVENING WIND”や“WHY HAVE THEY GONE”辺りは、このアルバムならではの個性を備えたナンバーとして聴き応え十分。
STARCASTLE入門編にどうぞ。


STARCASTLE - Citadel - Can't Think Twice ★★★ (2012-04-11 21:10:20)

邦題は“見果てぬ愛”。
Voの甘い歌声を前面に押しだしつつ、
仄かな哀愁を帯びた曲調はポップでキャッチー。
それでいて楽器陣の演奏や
分厚いボーカル・ハーモニーには
プログレ・ハード的な小技が効いているという、
STARCASTLEの新たな魅力が凝縮された名曲。


STARCASTLE - Citadel - Evening Wind ★★ (2012-04-12 06:44:41)

邦題は“夕闇に吹く風”。
Voが歌うメロディや曲調はポップで親しみ易いが
バックを支える楽器陣のインタープレイは
さりげなく高度でプログレ・テイストを伝えてくれます。


STARCASTLE - Citadel - Why Have They Gone ★★★ (2012-04-12 21:59:49)

邦題は“失われた世界”
7分に及ぶ大作曲ですが、大仰な感じが
全くないあたりがこのバンドらしい。
ポップな躍動感を湛えつつ、
軽やかなKeyサウンド主導でスペーシー且つ
壮大に繰り広げられる曲展開は
「アメリカン・プログレ・ハード」という
形容がピタリとハマる出来栄え。


STARCASTLE - Fountains of Light ★★ (2012-04-06 23:11:04)

プロデューサーにQUEENとの仕事で知られるロイ・トーマス・ベイカーを迎えてレコーディング作業が行われ、'77年に発表された2ndアルバム。(邦題は『神秘の妖精』)
この人選の効果は覿面に本編に反映。繊細な表現力を増したVoの歌声(ジョン・アンダーソンっぷりに拍車がかかってます)を筆頭に、名工が手掛けたガラス細工のごときコーラス・ワークに彩られた、スペーシー且つ壮麗なる楽曲群が曲間を設けず流れるように展開していく構成、そして壮大にして奥行きを感じさせるサウンド・プロダクションetc・・・と、前作にそこはかとなく漂っていた疾走感やダイナミズムが薄まった代わりに、上品にソフティケイトされたポップなメロディと、細部まで丹念に練り上げられたアレンジの数々といったプログレ・ハード的な要素を一層強調した作風は、良くも悪くも「YES化」が更に進んだとの印象を受ける。
メロディの質や演奏など、パーツ毎に取り出せば耳惹かれるフックが備わっているのに、楽曲総体だと今ひとつ締りに欠ける・・・というウィークポイントが露呈してしまっていますが、それでも、美しくファンタジックな曲調に何やらフワフワとした心持ちになる“TRUE TO THE LIGHT”、物悲しいイントロからスタートする“PORTRAITS”、立体的に組み上げられたボーカル・ハーモニーにうっとりと聴き惚れる“DIAMOND SONG(DEEP IS THE NIGHT)”のような楽曲が連続する本編後半の魅力は、他にはない味わい。
本作もまた高いクオリティを有する1枚であることは間違いないです。


STARCASTLE - Fountains of Light - Diamond Song (Deep Is the Light) ★★★ (2012-04-09 22:28:13)

シングル・カットもされたアルバムのラスト・ナンバーで
邦題は“ダイヤモンドの幻惑”。
夜空から降り注ぐ美しいコーラスのシャワーを浴びているような
気分にさせてくれる、立体的に構築されたボーカル・ハーモニーの
魅力に酔いしれる名曲。
ロイ・トーマス・ベイカーの起用効果大!ですかね。


STARCASTLE - Fountains of Light - Portraits ★★★ (2012-04-09 22:23:31)

邦題は“幻の肖像”
アコギを用いた哀愁に満ちたイントロ部分のみで
ぐっと惹きつけられてしまう、個人的には
2ndアルバムで最もお気に入りの名曲。
この曲に限りませんが、個性的なラインを奏でる
ポール・タスラーのBプレイは非常に美味ですねぇ。


STARCASTLE - Fountains of Light - True to the Light ★★ (2012-04-09 22:21:01)

邦題は“真実の灯”
ジョン・アンダーソンのそっくりさんぶりを色々と
揶揄されるテリー・ルトゥレルですが、
ポジティブに解釈するなら、それだけ歌が上手い
という事でもあるわけで。
特にこの曲はそうした彼の歌唱力が存分に活かされた
大作ながらもポップな響きが心地良い名曲。


STARCASTLE - Real to Real ★★ (2012-04-10 22:24:50)

90年代に一旦は国内盤がCD化されたものの、その後は長らく廃盤状態が続いていたSTARCASTLEのカタログが先日、漸くリマスター&紙ジャケ再発。しかし何故かそのラインナップから外されてしまっていた'78年発表の4thアルバム。
従来のイマジネーションを刺激するファンタジックなイラストから一転、シンプルなグループ・ショットが用いられたジャケット・アートワークへの変化が端的に示すように、プログレ・ハード路線の前3作がクオリティに見合うだけの成功を収められなかったことに失望したメンバーが自棄になったのか、はたまたレコード会社から「もっと売れるアルバム作れやコラ」とプレッシャーがかけられたのかは定かではないが、ともかく一気にAOR/産業ロック方面へと踏み込んだ内容に仕上がっている本作。
Keyサウンドが脇へと下がり、スケール感やドラマ性を大幅に減じた曲展開、壮麗さを薄れさせたコーラス・ワーク等、全体的にシンプルにまとめられた小粒な作風には物足りなさを覚えずにはいられませんが、メンバーの技量は確かな上に、繊細なアレンジの魅力やポップなメロディ・センスも相変わらず冴えているとくれば、多少の路線変更があろうともつまらない作品が出来上がるわけがありません。
取り分け、叙情味の効いたピアノ・バラード“SONG FOR ALAYA”と、本編中最もプログレ・ハード・テイストを色濃く残しているラスト・ナンバーにして、濃厚な泣きのGプレイが炸裂する“WHEN THE SUNSHINE AT MIDNIGHT”は、このアルバムならでは名曲。
しかし結局、本作もまたセールス的には全く振るわずバンドは解散の道を選択する事となるでありました。合掌。(で、後に再結成)


STARCASTLE - Real to Real - When the Sun Shines at Midnight ★★★ (2012-04-13 07:24:21)

邦題は“真夜中の太陽”
AOR/産業ロック路線が取られた
4thアルバムの中では比較的プログレ・ハード風味の
残滓が確認できるラスト・ナンバー。
伸びやかなVo、ムーディなラインを奏でるB、
珍しく泣きまくるGが非常に美味です。


STARCASTLE - Starcastle ★★ (2012-04-05 21:45:09)

ジョン・アンダーソン似のVoの歌い回し、泣きや哀愁より上品なポップ・センスが強く出たメロディ、大作主義を志向しつつも、起承転結を有する構築感よりも感性の赴くままに膨らまされた「奔放さ」の方が支配的な曲展開等、さしてYESに詳しくない我が身ですら「あぁ、YESぽいなー」と感じられる要素がてんこ盛りに詰め込まれた、'76年発表のセルフ・タイトルのデビュー作。
個人的にYESは少々苦手としているのですが、にも関わらず本作を思いの外楽しむ事が出来たのは、リード楽器の役割を果たすB、よく歌うG、カラフルなKey、変拍子を絡めたリズム・ワークで長大な曲展開を支えるDsといった、高い演奏能力を有する楽器陣の存在のみならず、アメリカのバンドらしく全編を壮麗に彩る美しいボーカル・ハーモニーの存在と、プログレ・テイスト以上にポップな大衆性が重視された作風ゆえかな、と。(逆に本家YESファンやプログレ愛好家には物足りないか?)
特にOPナンバー“LADY OF THE LAKE”は、11分越えの大作曲ながらもどこか親しみ易い響きを湛えた、スペーシー且つドラマティックな曲展開が堪能できるバンドの代表曲の1つ。また、美しいアコギをフィーチュアしつつスリリングに展開していく“ELLIPTICAL SEASONS”、疾走感溢れる楽器陣のインタープレイが気持ち良い“FORCES”なんかも、このバンドが何者なのかを判り易く示してくれる逸品かと。
後の作品と比べると、70年代HR的なハードネスやダイナミズム(「若さの迸り」ともいう)も感じられ、漂って来る初々しい雰囲気が如何にもデビュー作らしくて好感が持てる1枚。


STARCASTLE - Starcastle - Elliptical Seasons ★★★ (2012-04-06 07:21:12)

アコギを用いて爽やかにスタートし、
その後、徐々に温度を上げつつ
スリリング且つダイナミックに盛り上がっていく名曲。
それでいてメロディやコーラスはポップ。
アルバムで一番好きな曲ですね。


STARCASTLE - Starcastle - Forces ★★★ (2012-04-06 07:24:41)

上品でポップな雰囲気を損なうことなく、
G、Key、B、Dsのスリリングなインタープレイが
フィーチュアされたSTARCASTLEのプログレ・サイドの
魅力が判り易く示された、デビュー作でしか
聴くことの出来ないタイプの逸品。


STARCASTLE - Starcastle - Lady of the Lake ★★ (2012-04-06 07:18:32)

デモテープに収録され、地元のラジオ局で評判を呼びことから
レコード会社と契約を締結する切っ掛けともなった
YESからの影響が色濃く滲むバンドの代表曲。
(Keyはキース・エマーソン風ですが)


STARLESS - Silver Wings ★★ (2007-12-08 01:07:00)

元SCHEHERAZADEの大久保寿太郎(B)が中心となって大阪にて結成された、女性Voを擁する
5人組プログレシッブ・ハードロック・バンドが、NOVELAの平山照継のバックアップを受け、'85年に発表した1stアルバム。
天野喜孝の幻想的なジャケット・アートワークが秀逸な本作だが、内容の方も負けじとファンタジック&ドラマティック。
Keyが楽曲の基盤を作り、そこにメロディアスなGやVoが乗っかるサウンド・スタイルは、やはりNOVELAを想起させるが、
あちらよりグッとプログレ色は控えめで、楽曲も5分前後とコンパクトにまとめられている。
例えば、アコギに導かれてスタートする⑧なんかは、実にストレートに疾走するハードロック・チューンだし、ぶっきらぼうな
歌い回しを披露する、Voの歌声と声質がアイドル歌手っぽいせいか、歌詞が日本語詞なのと併せて、歌謡曲テイストも濃厚。
洋楽志向のメタラー諸氏には受け入れ難い要素かもしれないが、個人的には、長大で複雑極まる楽曲を作るよりも、
持てる技巧を駆使して、キャッチーでメロディアスな楽曲を徹底的に磨き上げる彼らの方法論を、大いに支持する所存。
特に、流麗なサビメロと立体的なボーカル・ハーモニーにゾクゾクさせられるドラマティックな②や、
アメリカン・プログレ・ハード的なノリを持った、キャッチー且つスリリングな④、そしてメタリックなエッジと叙情性、
激しさと美しさを兼ね備えた、本編のハイライト・チューンたる⑥は、リード楽器の役割も果たす華麗なKey、
派手さはないが練り込まれたリフとメロディを積み重ねていくG、ダイナミックなリズムをガッチリと支えるB&Dsといった、
各メンバーの確かな技巧と、ハイクオリティな楽曲の魅力が完璧に噛み合った、STARLESSというバンドの凄みを
判り易く伝える名曲に仕上がっているんじゃないかな、と。最近、高音質のリマスター盤が再発されたので、聴くなら今です。


STARLESS - Silver Wings - ブレス ★★★ (2007-12-08 01:29:45)

ポップさとメタリックなエッジ、静と動、
激しさと美しさといった要素が渾然一体となって、
ダイナミック且つドラマティックに展開していく、
1stアルバムのハイライト・チューンにして、STARLESS屈指の名曲。
起承転結の完璧な決まりっぷりには、言葉もない。


STARLESS - Silver Wings - 銀の翼 ★★★ (2007-12-08 01:12:32)

美しいプロローグに導かれてスタートする、
1stアルバムのOPチューンにしてタイトル・トラック。
流麗且つドラマティックなサビメロがとにかく秀逸で、
立体的なボーカル・ハーモニーにもゾクゾクさせられます。


STARLESS - Silver Wings - 章末 ★★★ (2007-12-08 01:24:19)

キビキビとしたリズム、ポップでキャッチーなメロディ、
スリリングで緊迫感も漂わすインスト・パートと、
TOUCHとか、あの辺のアメリカン・プログレ・ハードを
彷彿とさせる、コンパクトなランニング・タイムの中で、
様々な表情を見せてくれる名曲。


STARLESS - Song of Silence ★★ (2017-09-19 23:51:48)

元SCHEHELAZADE(祝・復活)の大久保寿太郎(B)率いる大阪の6人組。1st『銀の翼』で日本のプログレ・シーンにその名を刻んだSTARLESS、’91年発表の2ndアルバム。
弦楽器隊以外のメンバーが交代していますが(③⑩にはGERALDの永川敏郎がKey奏者として参加)、新たに加わった女性Voが前任者とよく似た声質の持ち主で、その他の面子もプログレ畑のミュージシャンらしく腕利き揃い。ゆえに不安定さは微塵も感じさせない上、何より冒頭から組曲形式で優美に展開していく①②③の流れや、序曲①で用いられたメロディが本編最後の⑩でアウトロの役割も果たす円環構造等からも明らかな通り、リリカルでファンタジックなプログレ・サウンドは、前作の延長戦上にきっちり位置付けられています。
バンド名から想起されるようなKING CRIMSON的前衛性/実験精神よりも、楽曲をキャッチーにまとめ上げることに注力した曲作りのスタイルも不変…というか、むしろ今回は更にポップでメロディアスな方向に踏み込んでいる印象で、曲よってはVoの砂糖菓子の如く甘い歌声と相俟って、アイドル歌謡や昭和の女児向けアニメの主題歌を聴いているような気分に陥ることもしばしばという。デビュー作収録の名曲“BREATH”のようなハード・ナンバーが見当たらない点を含め、評価が割れる可能性が考えられますが、それでもドラマティックに駆け抜ける③や、歌うG、流麗なKey、更には「STARLESS」の名に相応しくサックスまで伴って、総力戦の様相を呈するアルバム表題曲⑩等、優れた楽曲の数々はやはり十分過ぎる程に魅力的。
1st『銀の翼』が気に入られた方なら、こちらもマスト・アイテムではないかと。


STARLESS - Song of Silence - Aim Your Heart ★★★ (2017-09-20 23:39:22)

女性シンガーの張りのある歌いっぷり、
ハードな疾走感や、GとKeyのスリリングな掛け合い等
プログレというよりはHR的な感触が備わっている
アルバム前半のハイライト・ナンバー。
序曲“SONG OF SILENCE(BEGINING)
ブリッジの役割を果たすバラードの小曲“OBJET DE GLACE”と
併せてお楽しみ下さいませ。


STARLESS - Song of Silence - Song of Silence ★★★ (2017-09-20 23:50:09)

アルバムの冒頭でも引用されていたテーマ・メロディ、
女性Vo、G、Key、更には「STARLESS」のバンド名にちなんだのか(?)
サックスまで導入という総力戦でもって
8分以上に及ぶ長尺とアルバムのエンディングを
ドラマティックに彩る表題曲。


STARSHIP - Freedom at Point Zero(Jefferson Starship) ★★★ (2021-09-09 00:46:23)

幾多のメンバー・チェンジと、それに伴うバンド名の変更、そして音楽性の変化を経て、現在も活動を継続しているアメリカのベテラン・バンドが、’80年に発表したJEFFERSON STARSHIP名義では5枚目となるアルバム。
グレース・スリック、マーティ・バリンという主力メンバーの相次ぐ脱退で当時バンドは危機的状況下に追い詰められていましたが、そのことが逆に残された面子の奮起を促したのか、ロン・ネヴィソンをプロデューサーに迎えて新体制でレコーディングが行われた本作は、溜まっていた鬱憤を晴らすかの如く、エッジの効いたGを前面に押し出したHR寄りの音楽性が託されており、アメリカではアルバム・チャートTOP10に飛び込む好成績を残す快作に仕上がりました。
新シンガー、ミッキー・トーマスの張りのあるハイトーンVoと、元JOURNEYの名手エインズレー・ダンバーの重たいドラミングは、こうしたハード寄りの作風にドンピシャでマッチ。爽やかな曲調に泣きのGが絡む②、重厚なドラマ性を帯びた④、プログレ・ハード調のアレンジと曲展開で聴かせる⑥、ヘヴィなドラムのイントロで幕が上がるアルバム表題曲⑨辺りは、特にこの新編成の強みが活かされた楽曲。そしてトドメはスマッシュ・ヒットとなったOPナンバー①。軽快に弾むKeyリフから、哀愁を帯びたキャッチーなメロディ、美麗なハーモニーに至るまで「これぞアメリカン・メロハー!」」と膝を打たずにはいられない名曲っぷりは、これ1曲でアルバムの出来栄えを確信するに十分なくらいですよ。
バンドの長い歴史においてはあまりスポットライトが当たらない時期ではありますが、メロディ愛好家なら間違いなくチェックしておいて損はない1枚です。


STARSHIP - Freedom at Point Zero(Jefferson Starship) - Awakening ★★★ (2021-09-10 00:34:30)

軽快なノリの前曲から雨音のSEを介して繋がっていく曲展開、
シンセと泣きのGによるイントロの焦らしから、物悲しいメロディに彩られた
8分越えの大作志向、アメリカン・プログレ・ハード風味の重厚なドラマ性、
そして哀愁を増幅するVoの熱唱とKeyの仕事ぶりに実にグッとくる名曲です。


STARSHIP - Freedom at Point Zero(Jefferson Starship) - Jane ★★★ (2021-09-10 00:27:41)

JOURNEY、BOSTON、STYXといったバンドの台頭に歩調を合わせるように、
哀愁のメロディに磨きが掛かったアルバムのOPナンバー。
ストレートに伸びるハイトーンVo、エッジの効いたG、楽曲を小粋に彩るKey、
安定感溢れるリズム・ワークが曲調をよりキャッチーに仕上げてくれています。


STATETROOPER - Statetrooper ★★ (2010-02-17 21:36:00)

MSGを追い出されたゲイリー・バーデン(Vo)が'85年に結成。翌年、NEAT RECORDSから3曲入りEPを発表した後、
WILDFIREのメンバー(Dsは、後にゲイリーと共にPRAYING MANTIS入りするブルース・ビスランド)と合流して
レコーディング、'87年にFM RECORDSからリリースした1stフル・アルバムがこれ。
デモテープをそのまま商品化してしまったような音質や、弾不足が原因で、全9曲中ライブ音源2曲収録(うち1曲はMSGの
“ARMED AND READY"のカヴァー)という中途半端な構成は頂けないが、英国らしい湿り気を帯びたメロディ・ラインと、
元WILDFIREのGコンビの優れたポップ・センスが活かされた楽曲のクオリティは、そうした欠点を補って大いに
余りある素晴しさ。伸び伸びと動き回るツイン・リードGを聴いているとPRAYING MANTISを思い出したりもするが、
あのバンドほど哀愁味は強くなく、彼らから泣き成分を薄めた代わりに爽快感を補充したようなサウンド・・・か?
何より、本作の主役たるゲイリー・バーデンのVoですよ、お客さん。無理にヘヴィに歌おうとすると「息も絶え絶え」
ってな感じになってしまう彼氏だが、ここで聴かせてくれるリラックスした歌声は、唯一無二の個性と、生来の
歌メロ作りの上手さが際立っていて非常に魅力的。特に、スリリングでアップテンポのOPナンバー①、ツインGが
軽やかに踊るポップで爽やかな③、流麗なKeyが曲調を壮麗に演出する④、そして本編随一のハードさを誇る劇的な⑤
といった楽曲は、両者の魅力がガッチリと噛み合った名曲じゃないでしょうか。(Keyの良い仕事っぷりも見逃せない)
PRAYING MANTIS、STRATUS、LIONHEARTetc・・・といったバンド名を聞いて、食指が動く人に強くお薦めする1枚。


STATETROOPER - The Calling ★★ (2010-04-09 23:38:00)

よもやの再結成を果たしたSTATETROOPERが、'02年に発表した2ndフル・アルバム。
流石に「オリジナル・メンバー全員集合」というわけには行かなかったようだが、ぶっちゃけこのバンドは
ゲイリー・バーデン(Vo)とジェフ・サマーズ(G)さえ居ればそれでOKなわけで、セルフ・タイトルの1stフル同様、
本作もまたゲイリーの歌メロ作りの上手さと、ジェフの曲作りの上手さが巧みに組み合わさった、メロディアスHRの
好盤に仕上がっている。(プロデューサーを務めたマイケル・ヴォスの貢献も大きいのかな)
Keyのフィーチュア度が下がったぶんGサウンドが強調された作風は、前作に比べ随分とヘヴィさを増した印象で、
個人的にはポップな躍動感やキャッチーさが薄れてしまった点は残念でならないが、とは言え、如何にも英国の
バンドらしい翳りと、大仰にならない程度のドラマ性を備えた楽曲は聴き応え十分だし、伸びやかに歌い、
曲中にフックを作り出すジェフ・サマーズのメロディアスなGプレイ、嘗てよりグッと歌唱力を高めたゲイリーの
味わい深いVo、共に全く往年の輝きを失ってはいない。特にゲイリーの場合、若かりし頃から
オッサン声だったせいか、加齢による声質の劣化が殆ど感じられない事もプラスに作用しているような?
(老け顔の少年が年を取ると、逆に若く見えるみたいな感じ?)
1stアルバムに匹敵する内容だとは思わないが、聴けば聴くほど味が出てくる、ベテラン・バンドらしい
燻し銀の魅力を備えた1枚。


STEELER - Steeler ★★★ (2017-03-06 22:52:53)

マイク・ヴァーニーのプロデュースを受けて、SHRAPNEL RECORDSから’83年に発表されたSTEELERの唯一作。Voはロン・キール(KEEL)、Dsはマーク・エドワーズ(LION)、Bは名曲“ON THE RUN”で知られるSINのリック・フォックス、そしてGは当時スウェーデンから上京したてでスリム&ハンサムだった頃の貴族様と、知名度の高い面子が揃っているのに、不思議なことにこれまで一度も正式に日本盤が発売されたことがないという。
音楽性は、アグレッシブなGリフ主体に攻めて来るLAメタル・スタイル。圧の強いロンのハイトーン・シャウトの印象もあって、やはり初期KEELを思わせます。イングヴェイ加入前に収録曲の大半は完成済みだったそうで、ネオ・クラシカル路線を期待するとスカされますが、しかし我らがマエストロの「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」な唯一無二のGプレイは既に自己主張しまくり。決して誰の色にも染められることのない、この人の天賦の才の輝きが眩しいやら可笑しいやら。
アルバム自体に関しては、「聴き所はGプレイだけ」とバッサリいかれることが多く、実際、Gのイントロでグッと高まった期待がその後の凡庸な展開でシュルシュルと盛り下がる楽曲もチラホラ。それでもG独奏と歌入り疾走ナンバーの二段構えが取られた⑤や、暗くドラマティックに盛り上がる泣きのバラード⑨のような、元々の楽曲の良さと、それを引き立てるイングヴェイのGという、二者の歯車がガッチリと噛み合った名曲も収録されているので、決して舐めたもんじゃありません。
イングヴェイ作品を一通り揃えた方は、是非ともこっちもチェックを。


STEELER - Steeler - Hot on Your Heels ★★★ (2017-03-06 23:10:25)

イングヴェイの手によるGインストと
ロン・キール作曲のLAメタル・ナンバーが
全く溶け合うことなく強引に同居しているという
「浅草花やしきで聴くクラシックの夕べ」的
ミスマッチ感?が楽しい1曲。