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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5601-5700

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5601-5700
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STEELER - Steeler - Serenade ★★★ (2017-03-06 23:17:06)

他の楽曲とは明らかに毛色が異なる、
恐らくイングヴェイ作曲の泣きのバラード。
ロン・キールの熱いシャウトと、そこにイングヴェイの
「エモーショナルな速弾き」が絡む終盤の展開は
問答無用で盛り上がります。


STEELER(GERMAN) ★★ (2008-12-02 21:34:00)

ドイツはドルトムント近郊の街ボッヘムにおいて、アクセル・ルディ・ペル(G)とフォルカー・クラウツァック(B)が
中心となって'80年に結成。デモテープ収録の名曲(後にアクセルのソロ作でもリメイクされた)“CALL HER PRINCESS"が
評判を呼び、'84年に1st『STEELER』でデビュー。'85年に2nd『RULIN' THE EARTH』を、'87年には独インディーズの大手
SPV/STEAMHAMMERへと移籍して3rd『STRIKE BACK』を発表と、順調に活動を続けていくが、徐々にアクセルと彼以外の
メンバーが目指す音楽的方向性がズレはじめ、所属レーベルとのトラブルもあって4th『UNDERCOVER ANIMAL』('89年)を最後に解散。
アクセルがその後、ソロ・アーティストとしての道を歩み始めた事は皆様ご存知の通り。
(フォルカーも行動を共にしてるんでしたっけ?)
個人的に、国内盤未発売に終わった1stや2ndが聴いてみたいのだけど、レコード屋じゃ余り見かけないんだよなぁ。


STEELER(GERMAN) - Strike Back ★★ (2008-12-02 21:14:00)

STEELERといっても、イングヴェイ・マルムスティーンやロン・キールが在籍していたLAのバンドではなく、こちらはドイツはボッヘム出身の5人組HMバンド。
マニアからは、現在はソロ・アーティストとして活躍するギタリスト、アクセル・ルディ・ペルが嘗て在籍していたバンドとしても知られ、本作は、その彼らが'87年に発表した3rdアルバムに当たる。
中音域をメインにダミ声で歌うVo、ソリッドなGリフ、重厚なリズムをフィーチュアしたACCEPT影響下にある剛直なサウンドは、まさに絵に描いたような「ジャーマン・へヴィ・メタル」然とした作風。
近年は、背伸びし過ぎなGプレイが批判対象になったりするアクセルも、ここでは(ツインG編成ということもあってか)アンサンブル重視のGプレイに終始していて好感触。その彼のソロ作に比べると、正直、全体的にモッサイというか垢抜けない印象は拭えないものの、独インディーズ大手のSPV/STEAMHAMMERと契約を交わし、サウンド・プロダクションの飛躍的な向上(エンジニアにはトミー・ニュートンの名前が)、初めてドイツ国内のナショナル・チャート入りを果たす等、STEELERの出世作として名高い本作だけに、そのクオリティは確か。
ただへヴィでアグレッシブなだけでなく、フックに富むメロディの組み立てに長けているのも彼らの強みであり、叙情的なイントロから疾走へと転じる③、メロディ・センスの良さが発揮されたミドル・テンポの④、スピーディなアルバム表題曲⑥、硬派なバラード⑨といった楽曲は非常に良く出来てます。そして何と言っても本編のハイライトを飾る⑦。アコギを効果的に用いて、ドラマティックに疾走するそのカッコ良さはガッツポーズ物で、ハッキリ言って本作はこの名曲を聴くためだけに購入しても損はないと言い切りたいぐらい。
アクセル・ルディ・ペルのファン以外にも、B級HMマニアには強くお薦めしたい1枚。(もう国内盤は生きてないのかな?)


STEELER(GERMAN) - Strike Back - Danger Come Back ★★★ (2008-12-02 21:40:56)

「アクセルが昔いたバンドらしいからチェックしとくか」ぐらいの気持ちで購入した作品だったが、
まさかこれほどの名曲が収録されていようとは。
ソリッドなGリフ、スピーディに疾走するリズム、ダミ声で雄々しいメロディを歌うVo、
そしてドラマティック極まりないソロを紡ぎ出すツインG!(アコギの使い方が効果的)
B級メタル・ファンには、是非一度聴いて頂きたい名曲です。


STEELER(GERMAN) - Undercover Animal ★★ (2008-12-02 21:17:00)

STEELERの日本デビュー作にして、ラスト作となってしまった'89年発表の4thアルバム。
黒を基調としたレザー&スタッドから、カラフルでヒラヒラな衣装へと、メンバーのアメリカナイズされたルックスの変化が端的に物語る通り、音の方も、エコーを効かせてゴージャス感がいや増したサウンド・プロダクションといい、以前より「歌」を意識した歌唱を聴かせるようになったダミ声Voといい、ミドル・テンポを中心にまとめらた収録楽曲といい、王道ジャーマンHMから、より明快でメロディ重視のスタイルへと、その作風が変化を遂げている本作。
これまで、メイン・ソングライターを務めてきたアクセル・ルディ・ペル(G)の影が薄まった事が、今回の変化の大きな要因と考えれるが、とは言え、バンドのメロディ・センスは相変わらず冴えており、従来の持ち味と新味が上手く溶け合った②のような佳曲を収録するなど、作品自体のクオリティは決して低くはない。
ただ、やはり個人的に耳を惹かれるのは、アクセル作曲の②⑤⑨といった、ウェットなメロディがスピーディに疾走するHM然としたナンバーの数々であり、アルバムのハイライトを飾るこれら魅力的な楽曲を聴いてしまうと、彼が本作を最後にSTEELERを脱退し、ソロ・キャリアの道を歩み始めたのも無理はないかなぁ、と、思ってしまうわけで・・・。
但し、メジャー感は確実にUPしており、以前のようなB級HMテイストは薄れたので、一般的なHR/HMリスナーには本作の方が取っ付き易く感じられるかも。何にせよ質は高い。


STEELER(GERMAN) - Undercover Animal - Shadow in the Redlight ★★ (2008-12-02 21:44:48)

アメリカンHMテイストが増量された4thアルバムだが、
アクセルが手掛けた楽曲は従来のジャーマンHMならではの
魅力を保持。中でもこの曲は、本編のハイライトといっても
過言ではないカッコ良さを誇る。


STEELHEART - Steelheart ★★ (2017-11-21 23:22:00)

嘗て『ロック・スター』なる映画が公開されまして。無名の新人リッパーがJUDAS PRIESTのフロントマンに大抜擢されたサクセス・ストーリーを元にしておきながら、当のメタルゴッドから無関係を宣言されるぐらい、まぁメタル愛が感じられないこと夥しい作品でした。内容に文句タレ始めると際限がないのでさておき、その劇中「物凄いハイトーンが出せる」という設定の主人公の歌の吹替を担当していたマイク・マティアヴィッチ。その彼がフロントマンを務める米コネチカット出身の5人組で、ここ日本ではデビュー早々に中野サンプラザで初来日公演を成功させるぐらいの人気者だったSTEELHEARTが'90年に発表し、ゴールド・ディスクを獲得するヒットとなったデビュー作がコレであります。
特に9曲目に収められている“SHE’S GONE”の名曲っぷりはつとに有名で、この泣きとドラマに満ちた欧州風味薫るバラードを聴かせて貰い、速攻アルバムを買いに走ったら、その“SHE’S~”以外はノリ重視のアメリカ~ンな楽曲で大半が占められていて「えー…」と何やら釈然としない気持ちになった方も多かったとか。(いや俺のことですが)
ただそれを差し引いても、やはり“SHE’S~”は一聴の価値がある名曲ですよ。またその前に置かれ、Gが派手に弾きまくるメタリックな疾走ナンバー⑧のカッコ良さや、シングル・カットされ全米14位とスマッシュ・ヒットとなった④もなかなかの出来栄え。何より、いずれの楽曲においても目の覚めるようなハイトーンを轟かせるマイクの歌唱がやはり圧巻。彼の歌と上記の楽曲目当てで本作を購入しても、決して損したとは思わないのではないでしょうか?当時売れまくった作品ゆえ、中古盤が格安価格で購入可能ですしね。


STEELHEART - Steelheart - Rock 'n' Roll (I Just Wanna) ★★★ (2017-11-21 23:26:34)

メタリックなGリフに超絶ハイトーンVoが被さって
リズムが疾走を開始した瞬間に「よし、星三つ!」となる名曲。
このハード・ナンバーからドラマティックな名バラード
“SHE'S GONE”へと繋がって行く流れだけでも
アルバム『STEELHEART』を購入する価値があるのではないかと。
Voにメラメラとライバル心を燃やすかの如く弾き倒すGも痛快です。


STEELHEART - Steelheart - She's Gone (Lady) ★★★ (2017-11-21 23:37:56)

歌詞だけ取り出せば、ポップ・メタルにありがちな
失恋ソングなのですが、ピアノ、ギター、ハイトーンVoが
泣いて泣いて泣きまくる壮絶なまでの涙腺への食い込みっぷりは
「ありがち」どころじゃ済みません。どんだけ手酷く振られたんだよと。
振られた上に借金背負わされ、同棲してたアパートの家財道具を
全部持ち逃げされて置手紙で「新天地で新しい彼氏と幸せになります」
と書き残されたぐらいの壮絶な絶望感が伝わって来るかのようですよ。


STEELHEART - Through Worlds of Stardust ★★ (2024-10-17 01:02:00)

名曲“SHE’S GONE”で知られるマイク・マティアヴィッチ改めミレンコ・マティアヴィッチ(Vo)率いるSTEELHEARTが、前作『GOOD 2B ALIVE』から約10年のブランクを経て’17年にFRONTIERS RECORDSより発表した復活作。通算5作目。
ほぼソロ・プロジェクト状態でレコーディングされたようですが、ぶっちゃけミレンコがいればSTEELHEARTは成立するという認識なのでその点は無問題。それより問題なのはアルバムの立ち上がりの悪さで、1~4曲目まで大味なヘヴィ・チューンが連続する構成には「期待してたのと違うなー」とテンションだだ下がりでしたよ。ただ思い返してみると、泣きの名バラードに釣られて購入したデビュー作も実際は哀愁薄めのアメリカンHRサウンドで「期待してたのと違うなー」と思った記憶があるので、今に始まったことじゃないのか。
そもそも本作が駄作かと言えば決してそんなことはなく、5曲目以降はメロディの叙情性/楽曲のフックの強度共に急上昇。適度なモダンさを飲み込んだそれらは80年代型メタル・スタイルではないものの、愁いと熱を帯びてエモーショナルに盛り上がる⑤、ストリングスをフィーチュアしたドラマティックな⑨、ピアノ主導の静謐なバラード⑩等、前半戦とは打って変わってこちらの耳をガシッと捉える逸曲が連打されます。かつてのような耳をつんざくハイトーンは封印する一方、中音域をメインにパワーと情感を増したミレンコのVoも全くブランクを感じさせない凄みを放っていますよ。
曲順で損しているように思えてならないので、自分なりの曲順を考えて楽しむとより評価が高まる1枚ではないでしょうか。


STEELHEART - Through Worlds of Stardust - You Got Me Twisted ★★★ (2024-10-18 00:17:04)

日本盤ボートラとしてアコースティック・バージョンが収録されていることからも
この曲をアルバムのリーダー・トラックに位置付けていることが伺えます。哀愁に満ちたメロディと、
中音域をメインにパワフルに歌うミレンコ・マティアヴィッチの熱唱が映える
重厚にしてエモーション迸る逸品。


STEELHOUSE LANE - ...Slaves of the New World ★★★ (2015-06-07 00:00:45)

マイク・スラマー(G)の立ち上げたメロハー・プロジェクト、STEELHOUSE LANEがデビュー作『METALIC BLUE』の高評価を受けて正式バンド化。『METALIC~』ではバックアップ役に留まっていたマイクもメンバーとしてラインナップにその名前を連ね、これが真のデビュー作とも言われる2nd『SLAVES OF THE NEW WORLD』は'99年に発表されました。(つってもこれが最終作?)
サウンドの方は、重厚なプロダクションの下、カラッとポップに弾けるメロディック・ロック路線を継承しつつも、「バンドらしさ」を強調するためか、前作よりもグッとハードネスを前面展開。確かにバンドとしてのまとまりの良さはガッツリ伝わって来ますが、反面、メロディのフックはやや弱まったかな?とも。 
マイク・スラマーというミュージシャンの「音楽半生ベスト盤」的様相を呈していた前作に比べてしまうと多少の聴き劣りは止むなしか・・・等と舐めて掛かったら、どっこい。キース・スラック(Vo)のソウルフルな歌声が映えるブルージーな④、爽快な躍動感に満ち溢れた⑤⑫、STREETS時代の楽曲のリメイク⑧⑪、そしてマサ伊藤もイチオシのバラード⑥etc・・・と、聴き進める内に収録楽曲の魅力はグングンUP。その決定打とも言うべきポップな名曲⑩にトドメを刺される頃には、本作の評価は「前作に勝るとも劣らぬ力作」というものに落ち着いておりました。


STEELHOUSE LANE - Metallic Blue ★★★ (2015-05-19 22:29:28)

スティーヴ・ウォルシュ(KANSAS)が結成したSTREETSをキャリアの出発点に、その後もメロディック・ロック街道一筋に歩んで来た職人、マイク・スラマーが新たに立ち上げたバンドの'98年発表のデビュー作。
尤も、マイク自身は正式メンバーとして名は連ねておらず、彼が担当しているのは、バンド・メンバーの選抜からアルバムのプロデュース、そして楽曲提供といった、つんくとか秋元康的な裏で全てを牛耳るビッグボスの役回り(違うか)。
ちなみに、その収録楽曲は半分が新曲、もう半分が、これまでマイクがHOUSE OF LORDS、HARDLINE、TOWERCITY、WALL OF SILENCE・・・等々の他アーティストに提供して来た楽曲のリメイクで構成されていて、いずれもアメリカン・メロディアスHRの模範的なシルエットを描き出す秀曲揃い。特にスカッとハジけるOPナンバー①は、雲一つない抜けるような青空の下でオープンカーをかっ飛ばす爽快感に満ち溢れ、アルバムに対する期待感を開巻早々にMAXまで引き上げてくれる名曲です(どこか聴き覚えがある⑩もお薦め)。
全体的に泣きや哀愁成分は薄めなれども、キャッチーに洗練された大陸産ハードポップ・サウンドは、これはこれで十分に胸躍るサムシング有り。巧いVoに巧いGを得て、全編に亘ってマイク・スラマーのメロディ職人としての匠の技が冴える1枚。


STEELHOUSE LANE - Metallic Blue - Fire With Fire ★★★ (2015-05-20 23:35:05)

アルバム後半のハイライト・ナンバー。
哀愁を帯びつつ、覚え易いキャッチーな
サビメロが印象に残りますね。


STEELHOUSE LANE - Metallic Blue - Metallic Blue ★★★ (2015-05-19 22:34:49)

HOUSE OF LORDSの『DEMON DOWN』に提供していた
名曲のセルフカヴァー。
タイトルに相応しく、ノリノリにかっ飛ばす
爽快なロック・ナンバーで、運転中に聴いたら
アクセル踏み込みたくなること間違いなし。


STEFFANIE - Hideway ★★ (2012-11-10 09:47:36)

70年代から歌手として活動していたステファニー・レイコ・ボージェスが、HM路線に転身を図って'85年に発表した1stアルバム(?)が遂にリマスター再発。'92年にCD化された際に買い逃してしまっていたので、今回の再発は嬉しい限りですよ。
時代を感じさせるジャケット・アートワークを見ただけで「勘弁して」となる方もいるかもしれませんが、その判断は一度中身を聴いてからでも遅くはありません。プリプリのメタル・アイドル路線ではなく、ロッカー然としたワイルドなルックスのステファニー嬢の歌声は、アメリカのライブハウスで鍛えていたというだけあって、しなやかな中にも一本芯の通ったパワフルさを誇っています。その彼女の歌声をフィーチュアした正統派HMサウンドは、優れた楽器陣やソングライター勢のバックアップもあって、確かな手応えの感じられるクオリティ。
特にシャープなOPナンバー①や、デビュー・シングルにしてアニメ『うる星やつら』とのタイアップ・ソングでもある⑥(作曲はゴダイゴのタケカワユキヒデ)、リッチー・ズィトー謹製の哀愁のメロハー⑧辺りは出色の出来栄えです。
心機一転のデビュー作ということで力み過ぎたのか、本編にはハードな疾走ナンバーから、Keyを取り入れた軽快なポップ・ソングまでバラエティ豊かに取り揃えられているのですが、それらを歌うステファニー嬢の歌声にちょっとばかり余裕が欠けるため、全体的に生硬い仕上がりなのが玉に瑕かな。でも良いアルバムですよ。


STEFFANIE - Hideway - Survival In The Streets ★★★ (2012-11-10 10:08:06)

これが聴けただけでもアルバムを購入して良かった!
と思わせてくれる類の名曲。
(勿論、他にも優れた楽曲は収録されていますが)
ハードに弾きまくるGが生み出す疾走感と
痒い所に手の届く哀愁のメロディとが
ベストマッチしています。


STEFFANIE - Pink Noise ★★ (2012-11-11 22:15:02)

タイトルはアレですが、ワイルドでセクシーなビジュアルは結構良い感じの'87年発表の2ndアルバム。
大映ドラマの主題歌として麻倉未稀あたりが歌いそうな(?)ハード&キャッチーな名曲①(実際、ドラマとのタイアップ・ソングだったそうな)で幕が上がる本編は、ステファニー嬢のパンチの効いた歌声と、バックの達者な演奏を活かしたハードロックという前作のノリを継承する一方、表現力を増した彼女の歌声をこれまで以上に前面に押し出し、またALICE COOPERの代表曲“SCHOOL'S OUT”のカヴァーを収録する等、サウンドのバリエーションが一層の広がりを見せているのもその特徴と言えるかも。
前作に比べると収録楽曲のクオリティにバラつきが感じられなくもないのですが、元FASTWAYのリー・ハートが提供した②④は哀愁味とキャッチネス、適度なハードさが調和を見た名曲ですし(リー自身も気に入っていたのか後に別プロジェクトでセルフ・カヴァーしてる)、何より前述のOPナンバー①は女性シンガーをフィーチュアした歌モノHRの理想型が垣間見える名曲ゆえ、これらの楽曲目当てでも買う価値は十二分にある1枚かと。
尚、本作リリース後にソロ路線に区切りを付けたステファニー嬢は、脱退した寺田恵子の後任としてSHOW-YAに加入、'95年にはアルバム『TOUCH THE SUN』も発表しています。


STEFFANIE - Pink Noise - Burnin' Up The Night ★★★ (2012-11-11 22:22:48)

何となく「スクールウォーズ」の主題歌を
彷彿とさせるものがある、
ハードでキャッチーな名曲。
1作目に比べて硬さが取れて
ぐっと魅力を増したステファニー嬢の
エネルギッシュな歌唱も良いですね。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys ★★ (2017-08-28 00:15:04)

『トップ・ガン』サントラへの参加や、ビリー・アイドル、氷室京介との活動等でも知られるスティーヴ・スティーヴンス(G)が、’89年に発表した初めてのソロ・アルバム。
個人的にこの人の名前を初めて意識したのは、例のJERUSALEM SLIM騒動がきっかけでして、マイケル・モンロー人気の高い日本ゆえ、「バンドを空中分解させた上に、よりにもよって因縁の相手ヴィンス・ニールの下に走った不逞ぇ野郎」「ハートではなく金のためにプレイする男」とか散々な悪印象を被っていた彼氏のソロ・アルバムと聞いても、「PLAYBOYだぁ?タイトルからしてチャラチャラしてやがんなぁ」と、全く興味が持てなかったというのが実際のところ。
しかし、こうしてちゃんと向き合ってみると、スティーヴの華やかなGプレイと、元WARRIORのペリー・マッカーティのパワフルな熱唱に盛り立てられたアメリカンHMサウンドは、チャラチャラどころかちゃんと芯が通っているのが感じられ聴き応え十分。メタリックな疾走ナンバー①あり、ホーンを取り入れたゴキゲンな②あり、哀愁満点のドラマティックなバラード④あり、躍動感溢れる⑥あり、スパニッシュ・タッチのインスト⑨あり…といった具合に、本編にはバラエティ豊かにして優れた楽曲が数多く顔を揃えています。
その豊かな才能に触れたことで、一方的に悪者だと思っていたこの人に対する印象が改まる切っ掛けとなった1枚。その後インタビュー等で両者の言い分を読むと、HM志向のスティーヴとパンク/ロックンロール志向のマイケルとでは、そもそも目指す音楽性に大きなズレがあり、JERUSALEM SLIM崩壊は無理からぬことだったのかなぁと。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys - Crackdown ★★ (2017-08-28 23:10:49)

『トップ・ガン』のサントラ繋がりで
なんとなーく、ケニー・ロギンスの“DANGER ZONE”を
意識して書いたんじゃないかなー?と
聴く度に思わせられるロック・チューン。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys - Desperate Heart ★★★ (2017-08-28 23:16:07)

アメリカンなノリに貫かれたアルバム本編中にあって
良いアクセントとなっているドラマティックなバラード。
スティーヴの泣きのGソロ(時折爪弾かれるアコギも◎)のみならず、
ペリー・マッカーティの情熱的な歌いっぷりがまた
楽曲の哀愁を効果的に引き立ててくれていますね。


STONE - Colours ★★ (2007-09-24 22:11:00)

バイオリンやチェロを導入して、じっくりと聴かせるミドル・チューン③を収録するなど、
ますますメロディに北欧的な叙情性が感じられるようになってきた、'90年発表の3rdアルバム。
ツインGの片翼にメンバー・チェンジが起きているが、基本的にSTONEは、メイン・ソングライターのヤンネ(Vo、B)と
ローペ(G)が健在ならばそれでOKなので、大勢には全く影響なし。今回もまた前3作同様、ヒンヤリとした冷気を纏って、
ザクザクと刻まれるエッジーなGリフと、硬質且つタイトな疾走感が小気味良いスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっている。
少々地味めな内容だった2nd『NO ANAESTHESIA!』に比べ、本作はタイトに疾走するOPナンバー①から、
ラストを締めるLED ZEPPELINのカヴァー⑨まで、収録曲は何れも粒揃い。前作のような10分を越える大作は姿を消したものの、
その分、無駄なく絞り込まれたランニング・タイムの中に、しっかりと緩急の組み込まれた楽曲の数々は、
これまで以上のダイナミズムとドラマ性の高さを誇る。
特に、メロディに磨きのかかったツインGが強力なフックになっているのがポイントで、シャープな疾走感と、
流麗に切り込んで来るGソロの組み合わせが絶妙な①②⑦や、次作『EMOTIONAL PLAYGROUND』で全面開花する、
北欧の荒涼とした大地を想起させるインスト・パートを備えた⑥、そして劇的なスラッシュ・チューン⑧といった楽曲は絶品かと。
併せて、これまでどうにもノッペリと淡白な印象が拭い切れなかった、アルバム全体の構成にも、メリハリが生まれている点も素晴しい。
着実な成長の跡が伺える1枚。


STONE - Emotional Playground ★★ (2006-07-06 20:39:00)

現CHILDREN OF BODOMのローぺ・ラトヴァラが在籍していた事でも知られる、フィンランド産スラッシャーの'91年発表の4th。
OPチューン①“SMALL TALES"や、叙情的なインスト曲から雪崩れ込む⑧“HEAVEN"といった楽曲に代表されるような、
タイトな疾走感が痛快なスラッシュ・サウンドに、北欧の荒涼たる大地を想起させるヒンヤリと冷気を帯びたインスト・パートを
ブチ込んだ唯一無二の「STONE流スラッシュ・メタル」は、本作で遂に完成を見た。特に、キンと硬く冷え澄んだ特徴的な音色で、
流麗にソロを披露するGは本作のハイライト。相変わらず表情に乏しいVoも(好き嫌いは兎も角)その寒々とした歌唱が
楽曲の雰囲気作りに一役買ってるは事実。まぁ、この歌い方も4作貫き通せば立派な個性だろう(?)
と、ここまでハイクオリティな作品を発表しておきながら、バンドはこの後、ライブ・アルバム一枚を残して解散。
残念ながら本作が、彼らの最高到達地点にして、最終到達地点になってしまった。


STONE - Emotional Playground - Small Tales ★★★ (2006-05-12 22:06:44)

ヒンヤリとした冷気を撒き散らしながら、硬質なリフが疾走するスラッシュ・チューン。
特に、北欧の荒涼とした大地を想起させる、中間部のドラマチックなインスト・パートは絶品!
ぶっきらぼうな歌い回しが特徴のVoは好き嫌いが分かれるかもしれないが、
この歌唱が、STONE独特の「寒々とした空気感」の演出に一役買ってるのも、また事実。
残暑厳しい季節にでも聴けば、体感温度がスッと下がって快適に過ごせること請け合い。


STONE - Free ★★ (2012-04-20 07:08:42)

深雪を踏み締めるかのようにザクザクと刻まれるGリフ、緩急を飲み込んでタイト且つソリッドに疾走するリズム、そして寒々しいメロディをぶっきらぼうに歌うVoとが一体となった、独特の荒涼感漂うスラッシュ・メタル・サウンドを武器に、メタル不毛の地であった前世紀のフィンランドにおいて唯一(?)気を吐いた4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドの最終作となった、'93年リリースのライブ・アルバム。
解散記念盤という作品の性質上、感傷的な空気が充満していてもおかしくないわけですが、どっこい、その手の湿った空気は皆無・・・どころか、MCや観客との掛け合いすら大胆にオミットして、どこか淡々と進行していくライブ運びがこのバンドの作風に合致していて、ちょっと笑ってしまいましたね。(ライブならではの「お遊び」が感じられるのはDOORSの“THE END”が混ぜられた⑫ぐらいか?)
演奏はタイトでパワフル、今や売れっ子プロデューサーとなったミッコ・カーミラが手掛けた生々しい音作りは迫力十分。収録曲は“GET STONED”“SMALE TALES”“SWEET DREAMS”“OVERTAKE”等、その殆どが1stと4thからの選曲となっていますが、美味しいところは押さえられている上に、その2枚がSTONEのアルバムでは最もお気に入りな我が身としては何の問題もなし。
解散云々は脇に置いて、STONE入門用のベスト盤的役割を果たす作品じゃないかな、と。


STONE - No Anaesthesia! ★★ (2007-09-16 12:21:00)

購買意欲を著しく減退させるジャケット・アートワークが目印な(苦笑)、'88年発表の2ndアルバム。
基本的には1st『STONE』の路線を踏襲した、オーソドックスなパワー/スラッシュ・メタル・サウンドを
聴かせてくれるアルバムだが、メロディにそこはかとなく哀感が漂い始め、Gソロにもフックが出て来いて、何より
7分以上に及ぶ⑤や、10分を越える大作のアルバム・タイトル・トラック⑦を演るようになったのが、本作最大のトピックか。
ただ、大作といっても劇的な印象は然程なく、どこか淡々と進んで行くのがこのバンドらしいところ。
これは作品全体の流れにも言える事で、悪く言えば淡白で起伏に乏しいという事になるが、
それこそが、このバンド独特の味わいである「寒々しい雰囲気」を演出していると言えなくもない・・・か?
ただ、今回は強力なキメ曲に欠けることもあり、やや地味な内容なのが残念。
尚、プロデュースは前作に引き続き、あのミッコ・カーミラが担当。質の高いサウンド・プロダクションを提供してくれています。


STONE - Stone ★★ (2007-09-15 01:11:00)

ヘルシンキにて結成され、世界に通用するフィンランド初の本格派パワー/スラッシュ・メタル・バンドとして
同国内では英雄的存在であり、日本では現CHILDREN OF BODOMのローペ・ラトヴァラが嘗て
在籍していたバンドとして知られる4人組が、'88年に発表した1stアルバム。
まるで深雪を踏み締めるかのように、ザクザクと刻まれるGリフ、小気味良く疾走するタイト且つ硬質なリズム隊、
ぶっきら棒な声質のVoが歌う寒々としたメロディ、そして2本のGが奏でる流麗なGソロから生み出され、
アルバムを包み込むヒンヤリと冷たい感触というSTONE独特の味わいは、既にこのデビュー作の時点で確認できる。
ただ、クリスタルな叙情性とか、ネオクラシカルなメロディといった、如何にも北欧的な要素は薄めで、
作品全体としては、パワフルで荒々しい、オーソドックスなパワー/スラッシュ・メタル風味が濃厚な仕上がり。
それでも楽曲は十分にカッコ良く、バンドのテーマ曲である威勢の良い①、ツインGと勇ましいサビの展開が印象的な②、
広島に投下された原爆について歌った⑥、緩急の効いた⑧、EUROPEファン激怒必至の“FINAL COUNT DOWN"のカヴァー⑨を
イントロ代わりに、本編最速のスピードでラストを突っ走る⑩等、そのクオリティは、デビュー作にして立派に世界水準。
個人的に、STONEの作品では4th『EMOTHONAL PLAYGROUND』に次いで、本作がお気に入り。


STONE - Stone - Overtake ★★ (2006-05-20 23:47:21)

1stアルバム「STONE」のラストを、猛スピードで駆け抜けるスラッシュ・チューン。
デビュー作ゆえ、荒削りな楽曲からはまだ「冷気」が殆ど漂ってこないものの、
流麗なGはこの時点で既に十分個性的。
荒々しい曲展開の中に、ハッとさせる繊細なアコギ・プレイを忍ばせる等の小技も効いてます。
イントロ代わりに用いられる、EUROPEファン激怒必至の“THE FINAL COUNTDOWN"の
ミニ・カヴァー(チューニング狂いまくり)と併せて、星2つ進呈。


STONE EDGE (2012-07-01 23:55:07)

'91年、JAKEY(Vo)、YOSHIO(B)、JIRO(G)が中心となって東京にて結成、'92年にシングル『IN DISGUISE』を自主製作してデビューを飾る。
流動的なラインナップが足枷となって活動がなかなか安定しなかったものの、2ndギタリストを加えた5人編成となった時点でフル・アルバムのレコーディング作業を開始。『GYPSY OF THE NIGHT』と名付けられた1stフル・アルバムは'95年に発表された。
同作は海外のレーベルを通じて欧州でもリリースされるなど好評を博し、翌年にはMANDRAKE ROOT RECORDSが編纂するオムニバス盤『MAKE IT SHINE VOL.2』に参加(この時には4人編成に逆戻りしてた)、その後の躍進が期待されたが、どうも不安定なラインナップが最後まで足を引っ張ったようで、間もなく活動停止状態に陥っている。
'00年代にメンバーを一新して再結成を果たし、2ndアルバムのレコーディングがアナウンスされましたが、現在に至るも発表はない・・・筈。


STONE EDGE - Gypsy of the Night ★★ (2012-07-01 23:57:47)

数年前の引越しに際して、ROARの『WARNING』やら、AIMING HIGHの『METAL FIGHTER SQUADRON』やら、BRJの『BURNY, RYO & JUN』やら、好きで結構聴いていた国産バンドのアルバムの殆どを泣く泣く手放してしまったのですが、先日、なぜだか本作('95年リリース、1st)が棚に残っているのを発見。すっかり手放したものと思い込んでいたので「懐かしいなぁ」と久し振りに聴き直してみたのですが、やはり良く出来てますよ、これ。
このバンドの持ち味は、スラッシーなアグレッションと90年代的グルーヴを併せ持って刻まれるリフ&リズムや、QUEENSRYCHE辺りからの影響が垣間見える場面転換の多い曲展開とが組み合わされたパワー・メタル・サウンドで、インディーズ制作ゆえのプロダクションのチープさと、女性Voのパワー感不足は否めませんが、それを差し引いても、メジャー・キーをアクセント的に用いるメロディ・センス、表現力も兼ね備えた楽器陣のテクニシャンぶりなど聴くべき点は数多く、本作が海外でも発売されたという話も得心が行きます。特に最高なのはボーナス・トラックとして再録されたドラマティックな名曲⑧。ストレートにジャーマン・メロパワ・メタル風味が打ち出された、本編においては例外的な1曲ではあるのですが、カッコイイものはカッコイイ。この疾走ナンバーを聴くためだけに本作を購入しても惜しくはありませんよ。


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Gypsy of the Night ★★★ (2012-07-02 22:34:32)

勇壮にギャロップするOPナンバー。
派手に動き回り時に楽曲を牽引するBや
隠し味的に用いられたKeyが○。
ブリッジ部分ではメジャー・キーのメロディが
導入されて良いアクセントとなっていますし、
Voのパワー不足(歌メロはカッコイイんだけど)を
補って余りあるドラマティックな名曲です。


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Show It All ★★★ (2012-07-02 22:29:30)

EXPLOSION WORKSからリリースされ、
ライブ会場で無料配布されたオムニバスCDに
収録されていたバンドの代表的名曲の1つ。
Keyによる叙情的なイントロとアウトロが設けられ、
雄々しくドラマティックに疾走する曲調は
独産メロパワ・メタルを思わせるカッコ良さ。
後に1stフル・アルバムにも再録されました。


STONE FURY - Burns Like A Star ★★★ (2010-02-03 22:12:00)

ドイツから遠路遥々LAへとやってきたレニー・ウルフ(Vo)が、UNLURY CHILDのブルース・ゴウディ(G)らと結成した4人組HRバンド(但しリズム隊は即席メンバー)による'83年発表のデビュー作・・・だったかな。
レニーと言えば“LED CLONES”として、ゲイリー・ムーアやオジー・オズボーン、酒井康からクソミソに貶された事で良くも悪くも有名だが、当時、さしてLED ZEPPELINやKINGDOM COMEに興味のなかった身には対岸の火事でしかなく、「災難やな~」ぐらいにしか思っていなかったのだが(申し訳ない)、そんな不届き者が本作を購入した理由は、ひとえに「LAメタル屈指の名曲の一つ」と謳われる、STONE FURYの代表曲“BREAK DOWN THE WALLS”を聴いてみたかったがゆえ。
如何にもLAメタルらしい、即効性の高いキャッチーなGリフの上に、欧州風味の哀愁を帯びたメロディが乗っかったその①は、確かにビデオ・クリップがMTVでヘヴィ・ローテーションされ話題を呼んだというのも納得の劇的なカッコ良さ。
ヒステリックな声質のレニーのVoは好き嫌いが分かれるところかもしれないが、歌の上手さは折紙付きだし、何より、聴き手の感性のツボを刺激するフックを備えた、歌メロ構築能力の高さは侮れない。切なくメロウな③や都会的な雰囲気漂うバラード⑨といった楽曲の魅力は、彼の確かな歌唱力に拠るところ大だ。勿論、時に劇的に時に叙情的に、曲調に合致した的確なGプレイで楽曲を盛り上げる、ブルース・ゴウディの良い仕事っぷりも忘れちゃいけない。
作品全体としては本編前半(A面サイド)に優れた楽曲が集中しているため、後半の印象がやや弱いのだが、ともあれ、①~④の流れと、ラスト・ナンバー⑨を聴くためだけでも購入する価値は十二分にある1枚。
本作、既に廃盤らしいが、調べてみるとリプロ盤なら入手は可能のようだ。


STORM FORCE - Age of Fear - Breathe ★★★ (2024-03-19 01:00:04)

重厚でヘヴィ・メタリックな曲調ながら大味になることなく、
愁いを帯びたメロディにはグレッグ・フレイザーの作曲術がキラリと光ります。
ソロではギタリストとしてのセンスも垣間見せてくれますし、
Voの熱くパワフルな歌いっぷりもハマっていますよ。


STORMBRINGER - Stormbringer ★★★ (2020-05-09 03:11:28)

DEEP PURPLEの名盤『嵐の使者』から拝借したバンド名、ハモンド・オルガンをフィーチュアした正統派HRサウンド、それにリーダーのアンジー・スキリロ(G)が奏でるクラシカルな風情を湛えたインスト曲に至るまで、スイスにおいて虹紫魂を継承して活動するSTORMBRINGERが、'85年にMAUSOLEUM RECORDSに残した唯一のフル・アルバム(リリース当時の邦題は『メタル・ハリケーン』)。
「哀愁強めの“I SURRENDER”」といった趣きのOPナンバー①がアルバムの幕開け役を担うことからも分かる通り、ガチガチの様式美路線ではなく、適度にポップな要素も取り込んだサウンドはどちらかと言えばジョー・リン・ターナー時代のRAINBOWタイプ。スキリロのGプレイもリッチーのみならずゲイリー・ムーアからの影響が色濃く伺え、本編最後には“パリの散歩道”のカヴァー⑩が収録されていることもその表れかと。若干アレンジが加えられているけど、やっぱ名曲だなぁ…って、え?カヴァーじゃないの?(白々しい)
それはともかく。抜群に歌は上手くはなくとも、声質自体がグッとくる哀愁を帯びているデヴィッド・バーネット(Vo)の歌唱も本編への没入度を促進してくれていて、ほんのりALCATRAZZ風味の疾走ナンバー②、思わず虹を掴みたくなる泣きのバラード⑤、アルバム後半を熱く盛り上げる⑨等は、Voの熱唱と、パッション迸るGプレイの相乗効果に心揺さぶられるアルバムのハイライト的逸品。
バンドは本作のみを残して惜しくも解散してしまいましたが、スキリロが後に結成したZEROや、’93年発表のソロ・アルバムもなかなかの出来栄えなので、そちらもお薦めですよ。


STORMBRINGER - Stormbringer - Fight With Me ★★★ (2020-05-10 10:16:33)

SFタッチのアートワークの世界が脳裏に広がるようなHRナンバー。
Vo、G、Keyが互いに高め合いながら昇り詰めていく、
楽曲後半クライマックス・パートは膝を叩かずにはいられない劇的さですよ。


STORMBRINGER - Stormbringer - Susi ★★★ (2020-05-10 09:52:52)

長らく「寿司」呼ばわりしていましたが、正しくは「スージィ」だった抒情インスト曲。
“スイスの散歩道”と勝手に邦題を付けたくなるぐらい、
メロディや曲構成はほぼほぼゲイリー・ムーアの“パリの散歩道”からの頂きで、
それだけなら決して褒められたものではないのですが、
オリジナルにだって決して聴き劣りしないアンジー・スキリロ入魂の
Gプレイが、この曲に安易なパクリを超えた輝きを焼き付けています。


STORMBRINGER - Stormbringer - Tearin’ Your Eyes ★★★ (2020-05-10 10:03:00)

“CATCH THE RAINBOW”を始め、RAIBOWの名曲のエッセンスを抽出して
STORMBRINGER風に味付けした感じの泣きのバラード。
アンジー・スキリロのGプレイの素晴らしさは言わずもがな、
個人的にはGに負けないぐらい泣きまくって楽曲の哀愁濃度を更に上昇させる
声質自体に憂いが立ち込めるVoの熱唱にも激しく心打たれます。


STORMTHRASH - Systematic Annihilation ★★★ (2018-04-09 23:45:02)

ベネズエラ出身のHR/HMバンドとしては本邦初登場となるらしい5人組スラッシャー、’17年発表のデビュー作。余談ですが、帯に書かれた《世界トップクラスの治安の悪さを誇る都市カラカスから登場したスラッシュ・バンド!》なる惹句を読んで「治安は関係ねーだろ、治安は」とちょっと笑ってしまいましたよ。言わんとすることは伝わりますけども。
そんな凶悪な南米出身で、しかも発表当時「世界最速」と評されたSLAYERの名曲“CHEMICAL WAFARE”をカヴァーしているとあっては、さぞかし特攻上等のプリミティブなスラッシュ・メタルをブチかましてくれそうなものですが、ここでバンドが志向しているのは、ある種の思慮深さも漂わせたサウンド。決してお高く留まっているわけじゃなく、新人スラッシャーらしい前のめり感も当然の如く全編に横溢させつつも、それと同じくらい、押しと引き、緩と急、メリとハリといった整合性も重視。メロデス/ブラック・メタルからの影響を伺わせるメロディの散りばめ方等、本作を初めて聴いた時は「本当にこれがデビュー作?3枚目ぐらいのアルバムじゃないの?」とか思ったぐらいですよ。
とは言え、それが悪い意味でないことは収録曲の質の高さからも明らかでして。特にドラマティックな序盤①②の流れ、シュミーアを彷彿とさせるシャウト型Voと、SHRAPNELメタルばりにテクニカル&メロディックに狂い咲くツインGをフィーチュアしてタイトに突っ走る④や、どこか後期DEATHに通じる⑤、静と動の対比が劇的な⑥等の楽曲は、このバンドが志向するスラッシュ・サウンドが明確に提示された本編のハイライトではないかと。
先々有望なスラッシュ・メタル・バンドがまた一つ増えて喜ばしい限りです。


STORMTHRASH - Systematic Annihilation - The Art of Destruction ★★★ (2018-04-11 00:13:15)

憎々し気なシャウトVoを乗せて
鋭利なGリフが小気味よく刻まれ、
緊迫感を伴いつつ疾走するという
このバンドの魅力が端的に示された名曲。
特に、劇的且つテクニカルにハモるツイン・リードGが
流麗に狂い咲くインスト・パートは
ガッツポーズ級のカッコ良さですよ。


STORMWARRIOR - At Foreign Shores - Live in Japan ★★ (2012-03-04 09:10:24)

'05年冬、GAMMA RAYの日本ツアーに帯同する形で初来日を果たしたSTORMWARRIORが、その際の東京公演の模様をレコーディングして、翌年に発表した実況録音盤。
1stや2ndアルバムに詰め込まれていた、HELLOWEEN~GAMMA RAY直系のジャーマン・メロパワ・メタルには余り感心した記憶がないのですが、こうしてライブ盤でまとめて聴くと、勇壮にして扇情的なフレーズを次々に紡ぎ出すツインGを筆頭に、良い曲を多々作ってきたバンドであることを再認識させられ、素直に「良いねぇ」と楽しむ事が出来ます。(バンドが成長を遂げたことも大きいのでしょうが)
ライブならではの熱気を孕みつつ突進する歌と演奏は意外なほど(失礼)安定していますし、GAMMA RAYの前座だった彼らに対しても冷淡な態度を取らず、大きな声援を送るナイスな観衆の盛り上がりっぷりも本作の魅力。
MCは簡単な挨拶と曲名コールぐらいで、あとはひたすら楽曲を繰り出すのみ!という武骨なショウ進行に物足りなさを感じる向きもあるでしょうが、その愚直さが彼らのキャラクターに合っており、加工されたファンの歓声も、日本公演の熱気を再現したいというバンドの心情の表れと解釈すればケチ付けようって気にはならんですよ。
初期STORMWARRIORの活動を総括する1枚と言えるかもしれませんね。


STORMWARRIOR - Heading Northe ★★ (2010-04-27 21:52:00)

社長の急逝に伴いサウンド・ホリックが会社を畳んでしまったため、徳間ジャパン・コミュニケーションズを通じて
配給されていた、同レーベルのカタログ全てが廃盤になる・・・との話を聞いて、慌てて購入を後回しにしていた
対象作品を買い漁っている今日この頃。その流れの中で入手したのが、STORMWARRIORが'08年に発表したこの3rdアルバム。
嘗て彼らのデビュー作を聴いた時は、もっさいジャケットに下手っぴぃな歌といい、好印象を持った記憶がないのだが、
あれから早幾年月、いつの間にやら本格派メタル・バンドとしての風格を身に付けていて吃驚。化けたなぁ。
HELLOWEEN~GAMMA RAYの流れを汲む、ティピカルなメロパワ・サウンドに加えて、今回は北欧神話と海賊を
題材に取ったコンセプト作ということで、全体的にヴァイキング・メタル風味が大幅増量。大仰なSEやKeyを
効果的に取り入れ、序曲に始まり終曲に終わる芝居掛かった構成といい、本編及び各楽曲に宿る
ドラマ性/スケール感が飛躍的に向上。特に、血沸き肉踊る勇壮極まりないスピード・チューン②⑧、
マッチョなBラインが印象的な④、吹き鳴らされる角笛に思わず血が滾る⑥、メンバーがBATHORYからの影響を告白する
ダークで重厚なヴァイキング・メタル・チューン⑦、MANOWARばりに劇的な大作⑨・・・といった楽曲の完成度は出色。
骨太な楽曲に比べると、線の細いVoのパワー不足が惜しまれるが、まぁぶち壊しって程でもないので許容範囲内。
メロスピ/メロパワ好きのみならず、一般的なHR/HMファンにアピールし得る説得力を備えた1枚ですよ。


STORMWARRIOR - Heathen Warrior ★★ (2012-03-04 20:23:20)

前作『HEADING NORTHE』('08年)がここ日本でも好評を得たSTORMWARRIOR、'11年発表の4thアルバム。
劇的な序曲に導かれてスタートするアルバム表題曲②を皮切りに、上手い/下手の次元を突き抜けて、最早バンドの「看板声」としての評価を確立したラーズ・ラムケのVoと、思わず血沸き肉踊らされずにはいられない雄々しいメロディとが、力強く刻まれるリフ&リズムに乗ってヒロイックに疾走するパワー・メタル・サウンドは、まさしくSTORMWARRIOR以外の何者でもない男臭い仕上がり。
豊富なキャリアを誇り、骨太なBプレイのみならず2ndシンガーとしても存在感を発揮する新メンバー、イェンツ・レオンハルトが本格的に作曲作業に関わるようになった影響か、曲によってはラーズとイェンツのツインVo体制が取られ、またボーカル・ハーモニーも増量される等、これまでよりも楽曲のメロディアスな側面が強調されている印象が感じられる本作ですが、これによりスケール感やドラマ性の底上げが図られた反面、前作を濃厚に覆っていたヴァイキング・メタリックな野蛮さが薄れ、初期HELLOWEEN~GAMMA RAYライクなメロパワ・メタル色が再び強まってしまったように感じられる点は、個人的には痛し痒し。
とは言え、別に疾走感が失われたわけでなけりゃ、ポップになったわけでもなし。重厚に猛る⑩のような名曲も収録していたりと、ファンの期待が裏切られることは決してないことを保障できる1枚ですよ。


STORMWIND - Resurrection - Samuraj ★★★ (2015-05-11 23:25:55)

SAMURA“I”じゃなくてSAMURA“J”であることに
バンドの拘りが感じられる・・・なんてことは全くなく
単に向こうじゃ「J」が「イ」の発音に該当するだけですかね。
メロディに和風色はありませんが、
憂いを帯びた硬派な曲調はSAMURAI・・・もといSAMURAJっぽい。
その名に恥じぬ良い曲です。


STORMWIND - Rising Symphony ★★★ (2015-07-18 11:22:42)

RISING FORCE時代のイングヴェイを彷彿とさせる様式美HMサウンドをバリバリ追求し続ける(た?)スウェーデン出身の5人組、'03年発表の6thアルバム。
彼らの作品は何枚か所持していますが、最も聴き返す頻度が高いのが本作です。壮大にして激しくドラマティックな①②(文字通り“雷鳴のシンフォニー”状態)の流れに始まって、初期の名曲のセルフカバー⑩にて幕が下りる本編は、収録楽曲のクオリティから無駄なく締まった構成まで、STORMWINDのカタログの中でも頭一つ飛び抜けた出来栄え。「スウェーデンの極新カラテ王者」なる異色の経歴を誇るギタリスト、トーマス・ウルフがここでクリエイトする音世界には、「鶴の構え」を取ったダニエルさん(古い)ばりに付け入る隙が全く見当たりませんよ。
そんなコブラ会ですらお手上げの本作を更なる高みへと押し上げるのが、元TALK OF THE TOWN他の実力派シンガー、トーマス・ヴィクストロムその人。広い声域/豊かな声量/抜群の表現力を併せ持つこんな強力無比な歌聴かされたら、そりゃNHKでなくとも「昼はオペラ、夜はメタルの二足の草鞋を履くボーカル・マスター」として音楽番組で特集を組みたくなるってもんですわなと。
その彼氏の堂々たる歌声と、トーマス・ウルフ謹製の荘厳!クラシカル!スピーディ!な楽曲とがガップリ四つに組んだ④は、北欧様式美HMファンを感涙に咽ばせる名曲っぷり。
STORMWINDのアルバムはどれから手をつけて良いか分からないという方は、まずはこちらかどうぞ。入手が容易だし、中古盤も安いっすよー。


STORMWIND - Rising Symphony - Stranger From the Sea ★★★ (2015-07-20 20:37:37)

荘厳且つ厳粛なイントロから疾走へ転じる
絵に描いたような北欧様式美HMナンバー。
宗教音楽的な混声コーラスが被さる
サビメロの劇的なアレンジも秀逸。
それにしてもトーマス・ヴィスクトロムの
高音域でも全くパワーが落ちない
ハイトーンVoには恐れ入りますね。


STORMWIND - Rising Symphony - Touch the Flames ★★★ (2015-07-20 20:21:19)

壮大な序曲“RISING SYMPHONY”の余韻を
鋭く刻まれるGリフが打ち破り、
寒々しい哀メロを朗々歌い上げるVoと、
GとKeyのバトルを伴いながらスピーディに激走するという
「OPナンバー、かくあるべし!」な逸品。
曲調から浮いているGソロは、個性と評価すべきか
玉に瑕と批判するべきか・・・。


STORMWITCH - Shogun ★★ (2012-03-25 00:00:06)

ドイツはハイデンハイム出身の5人組が'94年に発表した7thアルバムにしてラスト作、それにニンジャが描かれたジャケット、漢字があしらわれた歌詞カード、そしてそのものズバリなアルバム・タイトルが物語る通り、リチャード・チェンバレン主演でドラマ化もされ、欧米において「日本=サムライ、ハラキリ、ニンジャ」の認識を根付かせるのに大いに貢献した(?)ジェームズ・クラベルのベストセラー小説『SHOGUN/将軍』を基にしたコンセプト・アルバム。
結成は'79年まで遡るベテランにも関わらず、日本では知名度も作品の評価もパッとせず「万年B級バンド」のイメージが付き纏っていた彼らも、これでとうとうブレイクか?と思いきや、大スケールのコンセプトに不釣合いなショボイ音質や、詰めの甘い曲作りから漂うもっさりと垢抜けない雰囲気が足を引っ張ったのか、結局、何事も起こらずに普通にスルーされてしまいましたね。
それでも、スパニッシュ・フレーバー漂う叙情バラード⑤、王道ジャーマン・メロパワ・メタル風味の疾走曲⑧、アルバムのクライマックスを飾るドラマティックな⑪といった佳曲の数々を聴けば、バンドが真摯に本作の制作に励んだ事が伝わってきて好感度は上がりますし(逆にバカ要素を求める向きには物足りないか?)、安易に日本語や和音階といった小道具を用いて「エキゾチック・ジャパンでござい」と主張する事を良しとしない硬派な姿勢も潔かった。
尤も、そのせいでコンセプト・アルバムならではのスペシャル感に欠けるというか、単に「長尺なだけの(74分!)いつものSTORMWITCHのアルバム」ってな印象も無きにしも非ずなのですが・・・。


STORMWITCH - Shogun - I'll Never Forgive ★★ (2012-03-25 21:49:35)

山あり谷ありの曲展開を有し、
アルバムのクライマックス役を担う
8分以上に及ぶ大作ナンバー。
疾走パートでVoの裏メロを取る
Key(Gか?)の使い方が秀逸ですね。


STORMWITCH - Shogun - Seven Faces (And Two Hearts) ★★ (2012-03-25 21:40:17)

物語の登場キャラにちなんで、
スパニッシュ・フレーバーが取り入れられた
アコースティック・バラード。
かつてはその弱さを指摘されまくっていたVoも、
流石に7枚目のアルバムともなると
ある程度の技量は身についているようで
若干ふらつきながらもしっかりと
叙情メロディを歌い上げてくれています。
あと、何度聴いてもGが良い仕事してますねぇ。


STORMWITCH - Shogun - The King of Winds ★★ (2012-03-25 21:42:55)

イングヴェイ風のネオクラGと、
疾走するリズムの上に、雄々しい歌メロが乗っかった
ジャーマン・メロパワ・メタルの王道を行く1曲。
HELLOWEEN系統がイケル口の人は
この曲目当てに本作を購入するのも有りなんじゃないでしょうか。


STORMWITCH - Stronger Than Heaven ★★★ (2015-05-17 00:33:20)

'86年発表の3rdアルバム。
ジャケットのしょうもなさは弁護できませんけども。鋲打ちレザーを脱ぎ捨て、オーダーメイドのバロック・コスチュームへと華麗なる変身を図ったメンバーのルックスが物語る通り(?)、プロダクションがクリアに整えられ、楽曲もキャッチーなノリ易さを増す等、今回は過去2作に比べると地下室のジメジメ感が除湿されて、随分と取っ付き易い作風に仕上がっています。
つっても垢抜けたなんてことは全くなく、魔女の呪文詠唱からスタートする、らしさも怪しさも満点の①②で早くもニヤけてしまいますね。そして何と言ってもハイライトは、リー・タロット(G)が執筆した吸血鬼に関するオリジナル・ストーリーを下敷きにしてるという7分半に及ぶ大作曲④。コケ脅し臭が薄まった歌詞から起承転結バッチリの曲展開まで、バンドのソング・ライティング能力の開花っぷりを如実に証明する素晴らしさ。このドラマティックな名曲を筆頭に、歯切れ良く踊るツインGを纏って疾走する⑤や、アルバムの締め括り役という大任を切れ味鋭く全うするインスト曲⑨等、本編には味わい深い楽曲が所狭しと並び、これまた捨て曲なし。
こうしてSTORMWITCHの初期作を久々に聴き直してしみじみと「やっぱ彼らの初期作は好きだなぁ」と実感した次第。


STORMWITCH - Stronger Than Heaven - Dorian Gray ★★★ (2015-05-17 22:22:09)

アルバムのラストに鎮座ましまし、
本編に居並ぶ歌入り楽曲を前座扱いする
ドラマティックなインストの名曲。
リー・タロット(G)の才能が遺憾なく
スパークしまくっていますね。


STORMWITCH - Stronger Than Heaven - Jonathan's Diary ★★★ (2015-05-17 22:10:38)

B級だのイモだの言われてるSTORMWITCHですが
(実際その通りなんですけどね)
この曲に関しては、ドラマティックに練られた
歌詞といい曲展開といい、
聴く度に確かな才能の煌きが感じられ
ニンマリ笑顔になりますよ。


STORMWITCH - Stronger Than Heaven - Slave to Moonlight ★★★ (2015-05-17 22:16:22)

(歌詞に相応しく)夜の森を駆け抜ける狼の如く
切れ味鋭く楽曲を牽引するGの働きぶりに
耳奪われるアップテンポのHMナンバー。
歌唱力については賛否分かれるVoですが
(個人的には全然「有り」なのですが)
ここではキャッチーな歌メロを構築する等
確かな成長振りが伺えますよ。


STORMWITCH - Tales of Terror ★★★ (2015-05-12 23:56:37)

STORMWITCHの代表作として名高い、'85年発表の2ndアルバム。ここからは国内だけでなく、欧州HR/HMシーン全体での活動も視野に入れて、メンバー全員が英語風ステージネームを名乗るようになりました。例えば、アンディ・ミュック(Vo)はアンディ・エルドリアン、ハラルド・スペングラー(G)はリー・タロット・・・といった具合に。
音の方も、プロダクションが幾分かでも改善され、「歌が上達したリッキー・ヴァン・ヘルデン」といった感じで(褒め言葉?)より雄々しくメロディアスに歌い上げるようになったVoと、一層妖しく練られたフレーズを閃かせてくれるツインGに下支えされ、ドラマ性をいや増した収録楽曲etc・・・と、NWOBHMの影響下から抜け出して、独自の「STORMWITCHサウンド」確立に向けて大きく前進。
怪しげなアートワークをそのままメロディに転化させたようなイントロが本編に対する没入度を高めてくれるOPナンバー①や、『赤死病の仮面』をテーマとするドラマティックな③、MANOWARばりの「語り」を導入部に据えた芝居がかった曲展開が堪らない⑤、2本のGが印象的にハモりつつシャープに駆け抜けていく⑦等、いよいよ本領発揮!ってなクサくて暗くて大仰な楽曲が本作には大集合しています。
「お洒落」とか「洗練」といったモテワードとは清々しいぐらい無縁のB級メタル街道一直線作品なれど、HELLOWEENブレイク前のジャーマン・メタル裏名盤の一つとして、愛さずにはいられない魔力を秘めた1枚であります。


STORMWITCH - Tales of Terror - Night Stalker ★★★ (2015-05-14 23:08:31)

アルバム後半において一際強いインパクトを残す疾走ナンバー。
NWOBHM的な荒々しさよりも、
ドラマティックにハモりながら駆け抜けていく
ツインGの華麗なる活躍ぶりが印象的で、
バンドがいよいよ個性を確立しつつあることが
伝わってくる出来栄え。


STORMWITCH - Tales of Terror - Point of No Return ★★★ (2015-05-14 22:55:46)

その昔、立ち寄った輸入盤店でBGM代わりに流れてた
この曲の大仰且つ怪しさ満点のイントロを聴いた瞬間、
店員さんに「これ、なんてバンドの曲ですか?」と
聴きにいきましたね。名曲。


STORMWITCH - Tales of Terror - Sword of Sagon ★★★ (2015-05-14 23:02:33)

冒頭に置かれたナレーションが、MANOWARの
“WARRIOR'S PRAYER”を思い出す長さで笑ってしまいます。
(喋ってるのはアメリカの軍人さんなのだとか)
この芝居掛かったイントロに負けず、疾走感溢れる
楽曲自体も勇壮でナイス。デビュー作に比べると
全体的にメロディアスになってきていることが分かりますね。


STORMWITCH - Walpurgis Night ★★★ (2015-05-10 22:36:18)

幼馴染のアンディ・ミュック(Vo)とハラルド・スペングラー(G)により結成された5人組が、'84年にGAMA RECORDSから発表した1stアルバム。
当時、レーベルは彼らのことを「ブラック・メタル」として売り出そうとしたそうですが、無論本作にアンチクライスト思想や、VENOM、BATHORYとの共通点は皆無・・・あ、いや。安普請なプロダクションと、ホラー映画を影響源とする歌詞はそれっぽいかもしらん。
ともあれ、この時点ではSTORMWITCHと聞いて想起されるドラマティックな様式美HMテイストは薄め。それよりも鋲とレザーで武装したメンバーのルックスといい、荒い音色で鋭角的に刻まれるGリフ主導で疾走する楽曲といい、そのサウンドはNWOBHMからの影響がストレートに露出しています。
曲作りの中核を担うツインGコンビが奏でるフレーズに、決して巧いわけじゃないけどメタルを歌うに相応しい「熱さ」「勢い」は十分なVo等、バンドの才能の片鱗は既に随所で煌いていて、例えば抜けの良い⑤なんかは、本編を埋め尽くすマイナー・メタル・ソング群の中にあって妙なインパクトを放つ逸品。後にバンドの代表曲となったのも納得ですよ。
イロモノ全開なアートワークから、僅か8日間で突貫制作されたチープな音質に至るまで、噎せ返るようなイモ・メタルっぷりですが、逆にここまで美味しいおイモなら、立派に商品価値があるってもんではないでしょうか。


STORMWITCH - Walpurgis Night - Walpurgis Night ★★★ (2015-05-12 00:02:42)

突進系のマイナー・メタル・ソングが大半を占める
1stアルバムの中にあって、軽快に弾む
“LONG LIVE ROCK 'N' ROLL”思わすリズムが
異彩を放っています。
でもメロディやツインGハーモニーが
湿気っているあたりはやっぱりドイツのバンドやなぁと。


STRAIGHT LINES - Run for Cover - Letting Go ★★★ (2017-12-21 23:34:56)

母国カナダのチャートではTOP40に食い込む成績を残したらしいですが
個人的にはもっと上位でもおかしくねーだろ!と思ってしまう
泣きの名バラード。
この手のバンドとしてはVoが少々アクが弱いのですが
線の細さが曲の哀愁を増幅している側面もあるのではないかと。


STRAIGHT LINES - Run for Cover - There Are No Secrets ★★★ (2017-12-21 23:46:47)

母国カナダのシングル・チャートでTOP10入りを果たす等
STRAIGHT LINESにとって最大のヒット曲となったバラード。
2nd収録のもう1曲のヒット・バラードが、哀しみに満ちた
曲調だったのに対し、こちらは優しく包み込むような
エモーショナルな盛り上がりが感動を呼びます。


STRAIGHT LINES - Straight Lines - Roanne ★★★ (2017-12-19 22:47:13)

心地良く風切る疾走感に、ピアノとGが涼し気な彩りを加える
ハードネスとメロウネスが適度な融合をみた名曲。
ブリッジ部分の哀愁が滲むVoハーモニーも胸に沁みます。


STRAIGHT LINES - Straight Lines - The Things You Didn't Do ★★★ (2017-12-19 22:50:47)

ストリングスとピアノによる劇的且つ
哀切なイントロだけで「名曲!」と確信しましたよ。
中期STYX辺りにも通じる哀愁のメロディと
スペーシーなアレンジ、ドラマティックな曲展開の
三位一体でおくるアルバムのハイライト・ナンバー。
“哀しみのステージ”なる邦題もグー。


STRANGEWAYS - Native Sons ★★ (2008-02-09 00:12:00)

イアン(G)とデヴィッド(B)のスチュワート兄弟によって結成され、マニアの間では、DEEP PURPLEへの参加を
打診される程の実力派シンガー、テリー・ブロックが嘗て在籍していたバンドとして有名な、
イギリスはグラスゴー出身の4人組、STRANGEWAYSが'86年に発表した2ndアルバム。
ROXY MUSICやSLADEとの仕事で知られる、ジョン・パンターをプロデューサーに迎え、テリー・ブロック加入第1弾作品として
制作された本作に収められている楽曲は、全編を包み込む透明感漂う哀愁といい、洗練された叙情メロディの数々といい、
随所に仕掛けられた強力なフックといい、まさに、美しきAORの理想像を体現したかのような仕上がり。
セールス的には全く比較にならないとは言え、そのクオリティは、JOURNEYの『ESCAPE』や、FOREIGNERの『4』といった、
産業ロック・シーンを代表する名盤と比べても、全く聴き劣りするものではない。
特に、二ール・ショーンを彷彿とさせるメロディアスなプレイを聴かせるGと、スティーヴ・ペリーばりの伸びやかで
エモーショナルな歌声のVoの印象もあり、JOURNEYっぽさは濃厚。確か「イギリスのJOURNEY」とか呼ばれてましたっけ?
それにしても、しっとりと胸に染み入る哀愁のメロディと、切なくも美しいインスト・パートのアレンジが堪らない②や、
ソウルフルなVoの熱唱が映えるバラード③、キャッチー且つ爽快にロックしている④、美旋律を紡ぎ出すKeyの良い仕事っぷりが光る⑩
といった楽曲を聴くにつけ、これだけ素晴しい内容のアルバムの国内盤がなぜ発売されないのか・・・
と、疑問に思わずにはいられません。メロディ愛好家はマスト・バイ。


STRANGEWAYS - Native Sons - Face to Face ★★★ (2008-02-09 00:36:15)

GもVoも非常にエモーショナルでソウルフル。
ラストを締め括るに相応しい、
透明感と切なさに満ち溢れた名曲。
曲の持つ叙情性を増幅させるKeyが
非常に良い仕事をしてくれています。


STRANGEWAYS - Native Sons - Only a Fool ★★★ (2008-02-09 00:30:10)

個人的には2ndアルバムのハイライト・チューン。
哀愁に満ちたメロディをソウルフルに歌い上げるVo、
メロディアスに切り込んで来るG、そして出しゃばる事なく、
効果的に良い仕事をするKey・・・と、
このバンドの美点が見事に発揮された1曲。
切なくも美しいインスト・パートのアレンジが堪りません。


STRANGEWAYS - Native Sons - Where Do We Go From Here ★★ (2008-02-09 00:33:45)

爽快且つキャッチーな、アップテンポのハードロック・ナンバー。
それでいて、メロディにはしっかりと哀愁とフックが
忍ばされているのが、このバンドならでは。


STRANGEWAYS - Perfect World ★★ (2011-02-01 19:56:15)

スコットランドのメロディアスHRバンドSTRANGEWAYSが、FRONTIER RECORDSのバックアップを受けて再編。久々にテリー・ブロック(Vo)をフロントマンの座に復帰させて発表した・・・多分6枚目ぐらい?のアルバム。
彼らの作品をちゃんと聴くのは3rd『WALK IN THE FIRE』以来なんだけど、その第1印象は「随分マッタリとしちゃったなぁ」というもの。初期作とは趣きを異するアダルトでムーディな空気が支配的な作風は、キャリア相応の落ち着きが感じられると言えば聞こえは良いが、実際のところコレってただ地味なだけじゃね?と、違和感を覚えずにはいられなかったのだが、昨年暮の購入以降、折に触れては本作をリピート再生している自分に気付き、最近になって漸く「俺はどうやらこのアルバムの事が好きならしい」と自覚するに至った次第。
1st~3rdアルバムのレベルに達しているわけではないが、昨年発表されたソロ作でも衰え知らずの歌声を披露していたテリー・ブロックと、一音一音に豊かなエモーションを込めて紡ぎ出すイアン・スチュワートのGプレイが各楽曲のクオリティの底上げに大きく貢献しており、①⑦⑨はその両者の最良な部分が抽出された名曲だし、バンドの新たな魅力を提示するエスニックな雰囲気漂う⑧や、横ノリ・ナンバー⑩等も聴き応え十分の仕上がり具合。
そして何より、本編の白眉たるケルト風味のバラード④や、JOURNEYばりの麗しさを誇る⑤⑪の素晴しさよ!これら珠玉の楽曲の数々を聴いていると、「イギリスのJOURNEY」なんて評された往時のSTRANGEWAYSを思い起こさずにはいられませんね。
初期作と同様の作風を期待すると肩透かしを食うことは確実ながら、単体のメロディアスHRアルバムとしての完成度は間違いなくハイレベルな1枚。


STRANGEWAYS - Perfect World - Time ★★★ (2011-02-04 21:51:22)

アイリッシュなメロディが心地良い哀愁のバラード。
DAREを思わせるが、スコットランド出身でTHIN LIZZYファンを
公言するイアン・スチュワートは、元々この手のタイプの
楽曲作りを得意としているのだ。


STRANGEWAYS - Strangeways ★★ (2008-02-13 21:38:00)

家族全員がミュージシャンという音楽一家に生まれ育った、イアン(G)とデイヴ(B)のスチュワート兄弟が、
スコットランドはグラスゴーにて結成したCHINA WHITEが、プログレ・バンドSAGAの運営するBONAIRE RECORDSとの
契約を期にSTRAGEWAYS(マンチェスターにある有名な刑務所がその由来)と改名、'86年にリリースした1stアルバムがこれ。
プロデューサーには名手ケヴィン・エルソンを起用、また、当初はアメリカ人シンガーのテリー・ブロックがアルバムで
歌う筈だったが、彼がSTEVE MORSE'S BANDの一員として長期ツアーに出てしまった為、計画が頓挫。急遽、
ニューカッスル出身のシンガー、トニー・リデルをリクルートして制作が進められた本作。で、その内容はと言えば、
美しく叙情的なイントロが全てを物語る哀メロ・チューン①に代表されるよう、透明感を演出するKeyと、分厚いボーカル・
ハーモニーを活用した、キャッチーでメロディアスな極上のAORサウンドが全編で展開されている。「イギリスのJOURNEY」
なんて呼ばれた2ndや3rdに比べると、まだまだアレンジが未洗練で荒削りな印象は否めないし、何より、Voの歌唱に
(決して下手なシンガーではない。寧ろ上手い部類なのだけど)テリー・ブロックと比べてしまうと、どうしても物足りなさが残る。
しかしながら、都会的な哀愁をまとったお洒落な楽曲な数々は、どこに出しても恥ずかしくない、新人バンド離れした
クオリティを誇っているのも、また事実。特にアップテンポの⑧は、メロハー・マニアなら1度は聴いておきたい名曲です。
また、ハードロック的なエッジを強調したケヴィン・エルソンの音作りや、へヴィ・メタリックな⑩のような楽曲を
収録している事からも察しの付く通り、本作は彼らのアルバムの中でも、最もハードな作風の1枚でもある。


STRANGEWAYS - Strangeways - Now Its Gone ★★★ (2008-02-13 21:47:42)

キャッチーな哀メロをまとって駆け抜ける、
アップテンポのハードロック・チューン。
フック満載のメロディを熱く歌うVoと、
歌心に溢れたGソロも◎


STRANGEWAYS - Walk in the Fire ★★ (2008-02-09 21:37:00)

惜しくもSTRANGEWAYSのラスト作となった、'89年発表の3rdアルバム。実際は、テリー・ブロック脱退後にイアン・スチュワートが
GとVoを兼ねる形で再編されたバンドが、'97年に発表した4th『AND THE HORSES』もあるようなのだが、こちらは未聴。
イアン自らがプロデュースを担当、WINGERやDEF LEPPARDとの仕事で知られるマイク・シップリーが
ミックスを手掛けるという、鉄壁の布陣で作り上げられた本作は、2nd『NATIVE SONS』からハード・ロック的な
エッジが更に後退、一層AOR色を強めた内容に仕上がっている。
ミディアム・テンポの楽曲を中心にまとめられ、強力な決め曲に欠ける本編は、個人的には前作ほど強いインパクトを
残せていないとの印象を受けるが、とは言え、洗練されたメロディと、透明感漂う叙情性に彩られた、産業ロック然とした
楽曲の数々は、流石のクオリティの高さ。また、今回はケルト音楽からの影響が伺えるメロディが
全編に散りばめられていて、これは彼らがスコットランド出身のバンドゆえか、はたまたTHIN LIZZYのファンだからか。
二ール・ショーンばりのロング・トーンが胸に沁みるGや、助っ人参加なのが勿体無いぐらい良い仕事をしているKeyの
存在も光るが、何より特筆すべきは、テリー・ブロックの伸びやかでソウルフルなVo。特に今回は、曲作りにも大きく
関わっているだけあって、表現力に一層の磨きが掛かり、本作で完全に独自の個性を確立した感あり。
パート毎に曲の表情が変化していくカラフルな①、雄大でエモーショナルな③、本編で最も「ロックしている」⑥、
AORバラードかくあるべし!な⑩といった楽曲で聴くことの出来る、彼の歌唱は絶品だ。
DARE辺りのファンにも一聴をお薦めしたい1枚。


STRANGEWAYS - Walk in the Fire - Love Lies Dying ★★ (2008-02-09 21:45:35)

雄大な曲調、仄かにケルト音楽風味のメロディ、
胸に沁みるフレーズを積み重ねるG、そしてテリー・ブロックの
エモーショナルな歌唱が感動を呼ぶナンバー。


STRANGEWAYS - Walk in the Fire - Where Are They Now ★★ (2008-02-09 21:43:03)

ケルト音楽からの影響が伺えるイントロからスタート。
ヴァースやサビ毎に、曲調が次々に移り変わっていく
華麗にしてドラマティックな曲展開が素敵。


STRATUS - THROWING SHAPES ★★★ (2008-09-15 02:22:00)

PRAYING MANTISが、度重なるレコード会社やマネージメントとのトラブルによって事実上の解散状態へと追い込まれた後、ティノ(G)とクリス(B)のトロイ兄弟が、元IRON MAIDENのクライヴ・バー(Ds)、元GRANDPRIXのバーニー・ショウ(Vo)らと結成したESCAPEを母体に、そこに、元LIONHEARTのアラン・ネルソン(Key)が合流する形で誕生したSTRATUS(ストレイタス)。その彼らが、'85年に発表した唯一のフル・アルバムがこれ。
音楽性はKeyをたっぷりとフィーチュアした瑞々しいハード・ポップで、PRAYING MANTISに比べると
かなりソフトなサウンド。しかし、ことメロディの叙情性に関してはMANTIS時代をも軽く凌駕。楽曲から軽快なロックンロール・テイストが排除されている点も、そうした印象を強めている一因かな、と。
歌心に溢れたVo、美旋律を紡ぎ出すG、キャッチーな味わいを増幅するKey、溌剌と弾けるリズム隊、そして分厚いボーカル・ハーモニーによって構築された収録楽曲は、最初から最後まで一切の捨て曲なし。哀メロを纏って軽快に跳ねる⑤⑥のような、PRAYING MANTISのアルバムに収録されていてもおかしくないタイプの楽曲の素晴しさも然る事ながら、聴いてるだけで身も心も浮き立つポップ・チューン②と、Voを含む全楽器が“LOVER TO THE GRAVE"ばりにメロメロに泣きまくるバラード④は、このバンドならではの魅力が凝縮されたメロディ派必聴の名曲じゃないかと。
マスター・テープが未だ行方不明のままだとかで、音源はアナログ盤から起こしているようですが、そうした傷があって尚輝きを失わない、まさに「幻の名盤」との評価に相応しいクオリティを備えた1枚。


STRIDE (2012-11-19 00:15:38)

80年代末、ジョエル・グレゴアー(G)とマット・カンズラー(Ds)が出会ったことを切っ掛けに誕生。
当初はLAで活動していたものの、どちらも音楽学校卒のインテリゆえ彼の地の狂騒的なノリが肌に合わなかったのか、後にテキサス州ヒューストンに拠点を移している。
才能は豊かだったがシンガーには恵まれないバンドで、'01年に発表したデビュー作はシンガー不在のまま制作されたインスト・アルバム。ようやく正式メンバーとしてゲイリー・べリン(Vo)が加入するも、この人、確かな実力を有しながらも個人的事情から脱退したり再加入したりを繰り返す問題児だったというオチ。
それでも、彼が歌い'06年に発表された2nd『IMAGINE』は素晴しい完成度を誇り、各方面で高評価を獲得。バンドはこの作品をもって日本デビューも飾った・・・のですが、その後彼らの活動は停滞。現在バンドがどうなっているのかは不明。多分、シンガーは脱退してるんじゃないでしょうか。


STRIDE - Imagine ★★★ (2012-11-19 00:16:49)

プログレ・メタルには余り入れ込んでいない我が身ですが、機会があればしょっちゅう聴き直してしまう作品というのは幾つかあって、その内の1枚が、テキサス州はヒューストン出身の5人組が'06年に発表したこの2ndアルバム。
テクニカルに弾きまくりつつも歌心を失わないギターを筆頭に、高いプレイ・アビリティを有するメンバーによって織り成されるのは、複雑且つ起伏に富むアレンジ&曲展開に彩られたドラマティックなプログレ・メタル・サウンド。
独り善がりにならないよう十二分に気の払われたキャッチーな楽曲構築術等はDREAM THEATERからの多大なる影響が伺える一方、このバンドならではの個性を主張するのが、時に柔和なポップ風味も垣間見せる独特の哀メロ・センス。
泣きを含んだ甘い声質のシンガーによって歌われる、AOR/産業ロックに通じる透明感を湛えた叙情メロディや、美しく壮麗に編まれたボーカル・ハーモニーの数々が、重量感と緊迫感に満ちたインスト・パートと静/動、剛/柔のコントラストを劇的に描き出す様はかなりのインパクト。収録曲はいずれもハイレベルな仕上がりで、楽器陣が高いテンションを保ってぶつかり合うプログレ・メタル然とした①⑧なんかも良いですが、何と言ってもこのバンドの独自性を余す所なく伝える②、クラシカルなGソロもフィーチュアされた7分越えの大作⑤、気泡のように弾けては消えていく淡いボーカル・ハーモニーの美しさが絶品な⑨の出来栄えが白眉。
本作は中古盤が捨て値で叩き売られていますので(嬉しいような、悲しいような)、機会があれば是非ご一聴下さい。


STRIDE - Imagine - Alive ★★★ (2012-11-19 21:55:53)

プログレ・メタルらしい技巧を凝らした
劇的な曲展開と、AOR/産業ロックに通じる
透明感を湛えた哀愁のメロディとが
巧みな融合をみた、STRIDEというバンドの
強みが良く表現されているアルバムのハイライト。


STRIDE - Imagine - Role Model ★★★ (2012-11-20 22:45:06)

親しみ易い哀メロを甘い歌声で歌い上げるVoに、
ヘヴィなリフの刻みからネオクラシカルな速弾きまで
こなすGと、そのGとスリリングに絡み合うKey、
それから緩急自在のリズム隊に至るまで
7分半の長尺の間、無駄に遊んでいるメンバーが
1人もいないという、プログレ・メタル・チューンの
お手本のような名曲。


STRIDE - Imagine - Time ★★★ (2012-11-20 22:53:36)

STRIDEの静の魅力が如何なく発揮された逸品。
主役は勿論ゲイリー・べリンのVo。
AOR/産業ロックばりのメロウネス全開の
甘やかな曲調に絡む、淡い美しさを纏った
ボーカルハーモニーにはうっとり聴き惚れてしまいます。


STRIKER - Armed to the Teeth ★★ (2012-08-29 22:31:01)

新たにオーストリアのインディー・レーベルNAPALM RECORDSと契約を交わし、日本デビュー作ともなった'12年発表の2ndアルバム。
B級感は相変わらずながらも、描き込みのレベルが明らかに「プロ」の仕事なアートワーク、それに、かのマイケル・ワグナーがプロデュースを手掛けたサウンド・プロダクションの質からも、バンドが以前より数ランク上のステージへと移行したことが伝わってくる本作。
更なる逞しさを身に付けつつも、(シャウトに逃げることなく)より丁寧な歌唱を心掛けるVo、これまで以上によく歌い、練られたフレーズを閃かせるG、雄々しくスピーディに疾駆するリズム等、収録楽曲は、従来の勢いに任せた荒々しい前のめり感覚を薄れさせた代わりに、地に足を着けた堂々たる佇まいを獲得。前2作は、聴いていると微笑ましさについニコニコしてしまう内容でしたが、今回はNWOTHMの枠を飛び出し、聴いているとグッと気持ちが引き締まる本格的正統派HMアルバムの装い。
強力なキメ曲は見当たらずとも、①④⑧といったところを筆頭に、捨て曲も見当たらない本編のクオリティは十分にハイレベル。然るべきバンドが、然るべきプロデューサーと共に然るべきタイミングでアルバムを作ると、ここまで飛躍的な成長の跡が刻まれるのだなぁ、と、しみじみと実感させてくれる1枚です。


STRIKER - Eyes in the Night ★★ (2012-08-27 22:29:33)

WHITE WOLF(もう新作は作らんのでしょうか)のカム・マクレオドをプロデューサーに起用してレコーディング作業を行い、'10年にリリース。バンドの世界レベルでの知名度向上に大きく貢献した1stフル・アルバム。
思わず苦笑を誘われるジャケット・アートワークや、締まりに欠けるサウンド・プロダクションの質はデビューEPと五十歩百歩な感じですが、一方でスラッシュ・メタルばりの鋭角さで刻まれるGリフや、流麗且つ劇的に乱舞するツインGの切れ味、勇壮さをいや増したコーラス・ワーク等、収録楽曲のクオリティは目に見えてパワーアップ。バンドが前のめりな勢いよりも整合性を意識し始めたことがハッキリと伝わってくる本編は、こうなると、声質はやや甘めながらも確かな歌唱力で楽曲の雄々しさや、ドラマ性の底上げに一役買ってくれる歌の上手いフロントマンを擁している点も活きて来ます。
特に、勢いで誤魔化すことなく聴かせきるドラマティックな④は、正統派HMバンドの諸先輩方からの影響を咀嚼吸収しつつ、STRIKERというバンドならではの個性も加えて仕上げられたアルバムのハイライトと言うべき名曲です。
NWOTHM好きなら聴いて損なしの充実作。


STRIKER - Road Warrior ★★ (2012-08-27 07:19:36)

ダン・クリアリー(Vo)と、イアン・サンダーコック(G)が中心となって'07年に結成した5人組正統派HMバンドが、'08年にドイツのインディー・レーベルIRON KODEXからリリースした5曲入りデビューEP。
「ちょっと友達に頼んで描いてもらいました」的なジャケットのイラストや、イマサンなサウンド・プロダクションはいかにも「NWOTHMバンドのデビュー作」然とした風情ですが、中身の方はこれがなかなか舐めたもんじゃありません。
メンバーがフェバリットとしてその名前を挙げるSAXON、JUDAS PRIEST、IRON MAIDEN、VICIOUS RUMORS、CRIMSON GLORY etc・・・といったバンドからの影響が散りばめられた、スピーディで劇的な収録楽曲の充実したカッコ良さゆえ、上記した要素も「新人バンドらしい勢いに満ちた作風」と思わず好意的に解釈したくなるというもの。
実際、“ROAD WARRIOR”なるタイトルからしてマッドマックス魂迸るスピード・ナンバー①や、スラッシュ・メタルばりの鋭角さで切り込んでくる⑤等、彼らのカタログの中でも抜きん出た前のめり感を漂わせた本作は、少々チープな部分に目を瞑れる方でしたら楽しめること請け合いの1枚となっております。


STRYPER (2011-10-18 22:11:47)

“IN GOD WE TRUST”を聴けなかった事だけが残念でしたが
HR/HMシーン屈指の三声ハーモニーの美しさと、
“SOLDIERS UNDER COMMAND”を筆頭とする必殺の名曲の連打の前に、
多少の不満も綺麗さっぱり洗い流されてしまいました。
ライブでもマイケル・スウィートの美声には
全く陰りが感じられませんでしたね。


STRYPER - Against the Law ★★ (2009-12-30 11:38:00)

復活作『REBRON』における、モダンなヘヴィ・ロックから影響を受けたと思しき作風が賛否両論を呼んだ事も記憶に
新しいSTRYPERだが、個人的に、彼らのアルバムで初めて聴いた時に最も衝撃を受けたのは、'91年発表の本作。
このバンドに何を求めるかは人によって異なると思いますが、STRYPERには、まず何よりも透明感や美旋律、
ドラマティックな曲展開、そして壮麗なボーカル・ハーモニーといった要素を求めてしまう我が身としては、
そうした要素が影を潜め、ラフでワイルドなノリが前面に押し出された本作の作風には戸惑いが隠しきれず、
特に、彼ららしからぬ大味な楽曲が続く前半には頭を抱えてしまった・・・というのが正直なところ。
ロックンロール風味は初期作でだって確認できたけど、あの頃はちゃんとメロディにフックが効いてたからなぁ、と。
尤も、駄作なのかと言えばそこは天下のSTRYPER。そんな筈もなく、穏やかなバラード⑧以降は、HR然とした
エッジの効いたGリフが疾走する(これをOPナンバーにすれば良かったのに)名曲⑨、サビメロのロック・アンセム的な
盛り上がりが心地良い⑩、本編随一のハードネスを誇るスピード・チューン⑪と、マイケル・スウィートの絶品の歌唱と、
STRYPERならではのメロディ・センス(とツインGの活躍っぷり)が映える聴き応え十分の楽曲が並ぶ。
そんわけでクオリティは決して低くない作品だと思うが、個人的には⑧~⑪ばかりを繰り返し聴いてしまう1枚。
逆に言えば、その流れを聴くためだけにでも購入する価値は十分にある作品だと思うが。


STRYPER - Fallen ★★★ (2015-11-06 23:36:07)

雲間からゴッドが「とんでもねぇ!あたしゃ神様だよ!」と降臨しそうな勢いの神々しいコーラスで幕が開く、'15年発表の8thアルバム。
クリスチャン・ミュージック・シーンという安定した支持母体にも支えられ、チャート上位に発表アルバムを送り込む等、復活組の中でも順調な活動を継続している彼ら。ゆえに今回も、マイケル・スウィートが衰え知らずの美声を駆使して歌い上げる憂いを湛えたキャッチーなメロディに、メタリックな光沢を放つGリフ、そして華麗に舞う美の極みというべきボーカル・ハーモニーetc・・・と、これぞクリスチャン・メタルの鑑!というべきSTRYPERサウンドは健在です。
イントロとヴァースの弱さを、サビの劇的なメロディ展開で挽回するという、「才能の閃き」よりも「蓄積したベテランの業」を感じさせる曲作りの傾向はここ数作同様で、滑り出し①②の快調さに比べると、中盤の楽曲の弱さがやや気になるところではあります(BLACK SABBATHのカヴァー⑧は果たして必要だったのか?とか)。
それでも、壮麗なコーラスに圧倒される⑩、疾走感溢れる⑪、名曲“SOLDIER UNDER THE COMMAND”を彷彿とさせる⑫という、ラストのヘヴィ・メタリックなナンバー三連発による畳み掛けが大変素晴らしいため、聴き終えた後の帳尻をきっちりと合わせて来る辺りは流石。
STRYPERがアルバムを発表する毎に、どんどん往年の輝きを回復させていっていることを証明してくれる1枚ですよ。ハレルヤ。


STRYPER - Fallen - Yahweh ★★★ (2015-11-06 23:43:17)

分厚く低く垂れ込める雲を割って
神様が降臨してくる様を幻視する勢いの
美しくも神々しいコーラスが印象的なOPナンバー。
張り艶に衰えが全く感じられない
マイケル・スウィートの歌いっぷりも神懸かってますよ。


STRYPER - God Damn Evil ★★ (2018-05-09 23:17:14)

雑誌レビューで辛めのコメントを頂戴していたり、発売日からまだ間もないのに早々に中古盤が出回っているのを見かけたり、更にOPナンバー①が、BLACK SABBATH風のGリフが刻まれ、サビをマイケル・スウィート(Vo)が吐き捨て気味にシャウトするという、STRYPER的に有りか無しかを問うたら、ブッチー武者扮するキリストが勢いよく×マークを掲げそうな(byオレたちひょうきん族)大胆極まる新機軸を打ち出した楽曲だったりと、内容に関しちゃ不安感マシマシにならざるを得なかった'18年リリースの新作アルバム。
尤も、②以降は従来のSTRYPER節を逸脱する作風ではありませんし、①だってよう聴けば単純にカッコいい正統派HMナンバーとして十分評価は可能。それに何より、タイトル通り正に“BEAUTIFUL”な⑧、ドラマティックなバラード⑨、攻撃的な疾走ナンバー⑩といった、マイケルの美声や盛り盛りのハーモニーが映える秀曲が連打される、本編後半のラスト・スパートっぷりは流石はSTRYPERといった貫禄で、聴き応え十分ですよ。
ポップさよりもメタリックなエッジやアグレッションを強調しつつ、ヴァースの弱さをサビメロの劇的なコーラス・ワークで挽回して収支を合わせるという曲作りは、再結成以降のSTRYPERの流儀に則ったものなのですが、そのスタイルの集大成というべき完成度を有していた前2作に比べると、今作は壮麗さを抑え気味に、よりシンプルにロックするようになった分、メロディやGリフのフックに曲毎にバラつきが出てしまったような…。
上記楽曲や③等を始め、アルバムは必要にして十分なクオリティを有しているものの、ファン的には「STRYPERのポテンシャルはまだまだこんなもんじゃねえ筈」と思わなくもない1枚かなと。


STRYPER - In God We Trust ★★ (2009-06-03 21:55:00)

前作『TO HELL WITH THE DEVIL』が米ビルボード32位、シングル・カットされたバラード“HONESTLY"が
シングル・チャート23位、同曲のビデオ・クリップがMTVのリクエスト・チャート第1位にランクイン・・・と、
全盛期を謳歌中のSTRYPERが'88年に発表し、これまたプラチナムを獲得するヒット作となった3rdフル・アルバム。
聴き易い半面メリハリに乏しいサウンド・プロダクションの下、これまで以上にマイケル・スウィートの
(名前通り)甘く伸びやかな歌声と、豊かなボーカル・ハーモニーの存在が強調された本作は、メロディは
一層爽やか&キャッチーに練り込まれ、楽曲からはヘヴィ・メタリックな荒々しさが薄れ・・・といった具合に、
ポップ化に更に拍車が掛かった仕上がり。こと「美しさ」にかけては、STRYPER史上随一と言っても過言じゃあない。
このバンドが素晴しいのは、どんなに歌モノ路線へと歩み寄ろうと、決してメロディのフックには鈍りが
見られない点で、特に、マイケルの女性シンガーばりに艶やかな歌唱が堪能できる④と、物悲しげな⑨という
バラード・ナンバーにおいて、その威力は如何なく発揮。また、壮麗なアカペラ・コーラスで幕を開ける
アルバム・タイトル・トラック①は、キャッチーでエッジの効いたGリフ、ノリ良く疾走するリズム、そして美しい
ボーカル・ハーモニーといった、STRYPERの美点が余す所無く詰め込まれたアルバムのハイライト的存在の名曲。
アップテンポの⑤や、ラストをスピーディに締め括る⑩といったハードな楽曲も、本編をピリリと引き締め存在感を
主張するが、ロバート・スウィートのドラミングにイマイチ覇気が欠けるため、折角の曲の良さが活かしきれて
いないのが残念。これ、別のドラマーが叩いてたらとんでもない名曲になっていたような・・・。


STRYPER - Murder by Pride ★★ (2009-12-13 21:09:00)

良く言えばチャレンジング、悪く言えば流行に左右された作風で賛否両論を呼んだ前作『REBORN』から一転、
全盛期のサウンド復活を願うファンの声に後押しされる形でレコーディングされたという6thアルバム。
今ひとつキャッチーさに欠けるGリフと、ヴァースからブリッジにかけての歌メロの弱さを、コーラス部分の
素晴しさでカバーして帳尻を合わせるという手法は、前作やマイケル・スウィートのソロ作と同様だが、今回は
「原点回帰」を念頭に制作されただけあって、時に物悲しく、時にポップで爽快なメロディのフックが大幅強化。
良い曲と捨て曲の差が大きかった前作に比べコンスタントに優れた楽曲が並べられており、これ聴いてガッカリする
STRYPERファンはおらんでしょう。(パンキッシュな①のイントロが始まった時は一瞬ヒヤリとしたけど)
特に、これぞSTRYPERたる美旋律が炸裂する、ストリングスをフィーチュアした物悲しげなバラード④は泣ける。
それにしてもマイケルは本当に優れたシンガーだ。STRYPER休止中もソロ活動をしていたとはいえ、未だ全く衰えを
感じさせない、色艶と表現力に溢れた歌声には心底惚れ惚れ。本作の魅力の一翼は間違いなく彼のVoが担っていますね。


STRYPER - No More Hell to Pay ★★★ (2013-12-19 23:12:49)

復活以降はモダンさのアピールにも余念のなかったSTRYPERですが、カヴァー・アルバムやリメイク・アルバムの制作(来日公演も敢行)といったアクティブな活動を通じて己の原点を見つめ直したのか、久々に届けられたニュー・アルバム('13年)ではそうした不純物をごっそり浄化。よりシャープに、より歯切れ良く、ファンが理想とする「STRYPER像」に忠実なサウンドをクリエイトすることにのみ傾注してくれています。
闇を引き裂くマイケル・スウィートの鮮烈なハイトーンVo、JUDAS PRIESTばりの光沢を帯びた劇的なメロディを奏でるツインG、ソリッドに刻まれるリフ&リズム、そしてSTRYPERサウンドの要たる麗しき3声ハーモニーによって眩く彩られた楽曲群は、悪魔も裸足で逃げ出すホーリーっぷり。加えて、デビュー作『THE YELLOW AND BLACK ATTACK』以来ともいえる正統派へヴィ・メタリックなハードネスを発散しており、特に本年度のベスト・チューン候補の疾走ナンバー⑦は、思わずキリスト教に入信したくなるほどのカッコ良さを誇っていますよ。
あえて苦言を呈するならば、重厚なミッド・チューンが連続する本編の立ち上がりが少々もたつくことぐらいでしょうか(尤も、楽曲自体はドラマティックで素晴らしい)。というか再結成STRYPER作品は「掴み」がどれも弱い印象が・・・。
ともあれ、全米チャートにおいても久々に好成績(初登場第35位)を記録したという話も「さもありなん」な充実作。


STRYPER - No More Hell to Pay - Te Amo ★★★ (2013-12-20 23:46:17)

曲名はスペイン語で「I LOVE YOU」の意。
デビュー当時を思わす正統派へヴィ・メタリックなGリフ、
体を揺すられるイキのいいアップテンポのリズム、
シャープに伸びていくハイトーンVoと、光沢を帯びて
ドラマティックにハモる2本のG、そしてサビを彩るのは
天から降り注ぐような壮麗極まるボーカル・ハーモニー・・・と、
再結成STRYPERが生み出したド級の名曲。
ハレルヤ!


STRYPER - Reborn ★★ (2009-12-13 02:02:00)

マイケル・スウィートのソロ作『TRUTH』に通じるドンヨリ薄曇り系サウンドや、シンプルで飾り気に乏しい
音作りが「STRYPERらしからぬ」と議論を呼んだ再結成第1弾スタジオ・アルバム。(通算5作目)
正直、フックに欠ける大味なHRチューン①が始まった時は、「ダメだこりゃ」と思わず天を仰いだのだが、
②以降は、そうした色合いを残しつつもメロディの魅力が急上昇を描くのでホッと一安心。各楽曲ともモダンな
ヘヴィ・ロック風味のGリフやヴァース部分の歌メロは結構凡庸だったりするんだけど、その代わりマイケル・スウィートの
衰え知らずの美声によって歌われる、すこぶるキャッチー、壮麗にして劇的なサビメロの充実っぷりが、その弱点を
カバーして余りある素晴しさ。特に、悲哀に満ちたメロディが堪らなく美しい②③や、飛翔感と爽快感を兼ね備えた④、
神々しくポジティブなフィーリングに溢れた⑤といった名曲が連打される、中盤の盛り上がりっぷりは本編の白眉。
(賛美歌をメタリックにアレンジし直した⑩や、往年の名曲“IN GOD WE TRUST"のリメイク⑪の存在も良いねぇ)
全盛期のような、イントロを耳にしただけでガッチリと掴まれてしまうような即効性はないが、
聴けば聴くほど美旋律が五臓六腑に染み渡ってくる、スルメ盤的魅力に溢れた1枚。


STRYPER - Reborn - Passion ★★ (2009-12-13 20:44:32)

ポジティブな雰囲気を纏ったポップ・チューン。
『REBORN』収録曲の中では最も全盛期の匂いを漂わせた1曲。
神々しくキャッチーなメロディ・ラインと、ライブで合唱するには
ちょっと躊躇を覚えそうな歌詞の組み合わせを聴くと、
名曲“MAKES ME WANNA THING"を思い出します。


STRYPER - Reborn - Reborn ★★ (2009-12-13 20:36:13)

復活作のタイトル・トラック。
ヘヴィなGリフに一瞬ゲッとなるが
サビメロから滲み出す哀愁には
紛うかたなきSTRYPER印が刻まれております。


STRYPER - Reborn - When Did I See You Cry ★★★ (2009-12-13 20:39:33)

Gリフとヴァース部分は平凡だが、
曲が進むにつれて徐々に叙情性が高まっていく。
突き抜けるような壮麗さを纏ったサビメロが
最高に素晴しいったら。
『REBORN』ではこの曲が一番好きだ。


STRYPER - Soldiers Under Command ★★ (2009-05-31 19:14:00)

個人的に、クリスチャン・メタルの枠を飛び越えて、LAメタル・バンドの中でも最も愛して止まない、
異色の(黄色と黒だし)4人組HMバンドSTRYPERが、'85年に発表した1stフル・アルバム。
張り/艶/伸びの三拍子揃ったマイケル・スウィートの絶品の歌声、ヨーロピアンな風情を湛えたドラマティックなツインG、
分厚く壮麗なボーカル・ハーモニー、そして強力なフックを備えた美しい叙情メロディの洪水・・・と、STRYPERという
バンドの美点を余す所なく捉えつつ、まだ荒削りな部分を多く残していたデビューEP『THE YELLOW AND BLACK ATTACK!』
から一足飛びの進歩を遂げ、ハード且つドラマティックな“SLODIER UNDER COMMAND"と、感傷的な泣きのバラード
“FIRST LOVE"という、STRYPERのメタル面とソフト面を代表する2つの名曲を収録した本作は、
ハードネスと美旋律のバランス感覚も絶妙な、まさに彼らの最高傑作と呼ぶに相応しい内容を誇る1枚。
上記2曲以外にも、ジーザスなまでにキャッチーな②、ノリの良さと哀メロのコントラストが効いてる③、
ヘヴィ・メタリックなカッコ良さに満ちた⑤⑨、ポップ&キャッチーに駆け抜けていく⑥⑧、神聖なバラード⑦、
リパブリック賛歌のカヴァー⑩・・・と、「クリスチャン・メタル斯くあるべし」な楽曲の数々は、全編これ捨て曲なし。
第1期STRYPERが80年代に遺した4枚の作品に駄作は1つも無いが、未体験者がまず最初に聴くなら本作がお薦め。
極論させて貰えるなら、これ聴いて気に入らんかったらSTRYPERは聴く必要ないんじゃねぇかなー、と。
とは言え現在は廃盤状態が続いているため、一日も早い再発が望まれる。リマスターも宜しく。