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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6001-6100

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6001-6100
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TOXIK ★★ (2007-04-14 21:56:00)

TOXIKと改名前は「TOKYO」というバンド名だったとか。
(同名のバンドが存在したため、改名を余儀なくされたらしい)


TOXIK - Dis Morta ★★★ (2023-02-03 00:44:22)

リアルタイムで活動していた80年代よりも、インターネットを介してその存在が若いスラッシュ・メタル・ファンにも知れ渡った現在の方がより高い評価を受けている気がする、ニューヨーク出身のテクニカル・スラッシュ・レジェンドTOXIKが、旧譜の再発、デモ音源の発掘といった助走を経て、'22年に満を持して発表した復活作。通算3作目。
1st『WORLD CIRCUS』や2nd『THINK THIS』とがそうであったように、今回もシンガーにメンバー・チェンジが発生していますが、歌唱スタイルが前任者達と同タイプなので違和感はまるでなし。鼓膜をつんざくハイピッチ・スクリームを駆使して歌いまくるVoと、SHRAPNELメタル顔負けの勢いで、ジャズ/フュージョン方面からの影響を伺わせるテクニカルなフレーズを猛然と弾き倒すジョシュ・クリスチャンのGを両軸に、テンション高く畳み掛けるテクニカル・メタル・サウンドは前2作のスタイルを継承・発展させた仕上がりで、バンド側が自身の強みをちゃんと把握していることが分かって頼もしい限りですよ。
一方で、エクストリームなアグレッションのみならず、アコギを用いた静と動の演出、浮遊感漂う立体的なコーラス・ワークに彩られたOPナンバー①が開巻早々に物語る通り、これまで以上にプログレッシブな方向にも踏み込んでいるため「キャッチーさには少々乏しいかな?」とか思いながら聴き進めていたのですが、名曲“HEART ATTACK”と同系統のキャッチーに炸裂する⑦みたいな楽曲もしっかりと収録されていて、隙がねえなと。
個人的には故チャック・シュルデナーのCONTROL DENIEDのことを何となく思い出したりもした1枚。ファンの期待に応える見事な復活作です。


TOXIK - Think This ★★ (2007-03-18 16:51:00)

前作で凄まじいハイトーンを響かせていたVoが脱退、ついでにギタリストをもう1人加えて
ツインG編成へと移行・・・と、大幅なメンバー・チェンジを経て、'89年に発表された2ndアルバム。
新たに加わったVoも前任者と良く似た声質&強烈なハイトーン・ボイスの持ち主という事で、
サウンド的に大きな変化は感じられないが、より曲展開の目まぐるしさに拍車が掛かり、
アコギを単なる装飾以上に積極活用したり、劇的に盛り上がりるバラード④を収録してみたりと、
前作以上にメロディへの拘りが強まったため、「ドーピングしたQUEENSRYCHE」、もしくは
「難解になったFLOTSAM&JETSAM」的な、プログレッシブな雰囲気も感じられるようになった。
但し、流麗なG、複雑なリズムを一糸乱れずに叩き出すリズム隊、突き刺さるようなハイトーンVoが
一体となって突っ走る激烈な疾走感は健在なので、軟弱になった印象は全くない。
個人的には、前作収録の名曲“HEART ATTACK"のノリを受け継ぐキャッチー&アグレッシブな③が
気に入ったんだけど、全体的に見るとメロディのキャッチーさは薄れてきてしまっているようで惜しい。


TOXIK - Think This - Spontaneous ★★ (2007-03-18 17:50:31)

金属的質感を伴って刻まれるリフ、
一筋縄では行かないリズム、
突き抜けてくるハイトーンVoとが一体となって突っ走る、
2ndアルバムのハイライト・チューン(個人的に)。
キャッチーなサビでの加速感がたまらない。


TOXIK - World Circus ★★ (2007-03-18 00:36:00)

アメリカはニューヨーク出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'87年発表のデビュー作。
その昔、彼らがオムニバス・アルバム『STARS ON THRASH』に提供していた、キャッチーでハイパーな
高速スラッシュ・チューン“HERAT ATTACK"の余りのカッコ良さに痺れ、早速、その名曲をOPナンバーに戴く本作を
買いに走った記憶があるのだが、このアルバムにはそれ以外にも、流麗なGソロをフィーチュアして疾走する⑤⑥、
アコギによるイントロを経て、正統派へヴィ・メタリックな盛り上がりをみせる⑦、本編随一の
アグレッションを撒き散らしてラストを締める⑩といったスラッシュ・メタルの名曲が多数収録されている。
2nd『THINK THIS』では、幾らかプログレッシブ方向に舵を切った彼らだが、この1stの時点では
テクニカル且つタイトな演奏、ロブ・ハルフォードばりの超絶ハイトーンを駆使して歌いまくるVoはそのままに、
より直線的でスピーディなスラッシュ・サウンドを披露していて、突っ走った時に得られるカタルシスはかなりのもの。
個人的には次作よりも明快な作風なので、こちら方が好みかな。
ただ、実力は確かながらも、ハイトーンVoが歌うメロディにややフックが欠けるため、
ミドル・テンポの楽曲になると、途端にダレを感じてしまうのが難と言えば難。


TOXIK - World Circus - Heart Attack ★★★ (2007-03-18 00:47:09)

ハッハッハッ、ハート・アタック!
TOXIKの全楽曲の中でも、断トツのキャッチーさを誇る
高速スラッシュ・チューン。
ロブ・ハルフォードを彷彿とさせる超絶ハイトーンを
ブチかますVoのハイテンションっぷりも凄まじい。


TRADIA - Welcome to Paradise ★★★ (2023-09-12 00:39:03)

ニュージャージー出身のKey奏者を含む5人組、TRADIAの2ndアルバムにして、メロディ愛好家からは「知る人ぞ知る名盤」として高評価を受ける1枚。日本盤リリースは’96年ですが、実際のレコーディングはデビュー作『TRADE WIND』(’89年)とほぼ同時期に行われており、正式な2ndアルバムというよりは、お蔵入り音源を集めた未発表曲集というのが正確なところの模様。
尤もそんなことは本作の素晴らしい内容を前にすれば枝葉末節ですよ。発売当時はジャケットから受ける印象と、NEXUS RECORDSからのリリースだったので「プログレ系だろう」とスルーしてしまい、数年後にDEPATUREの3rd『OPEN YOUR MIND』に参加していたデイヴ・ボルドウィンがここでも歌っているとの情報に興味を惹かれて購入したわけですが、本作で聴けるのは飽くまで歌中心に組み上げられたメロハー・サウンド。Keyがアレンジ面において重要な役割を果たしているという点はプログレ・ハード的と言えるかもしれませんが、コンパクトにまとめられた楽曲に難解さや複雑さは皆無なのでご安心を。
特に、時に叙情的に、時にドラマティックに曲展開を飾り立てるKeyの良い仕事ぶりには瞠目させられるものがあり、厚く敷かれたボーカル・ハーモニーとキャッチーなコーラス・ワーク、劇的な曲展開に彩られたバンドの代表曲たる③、壮麗さと親しみ易さが同居したアルバム表題曲⑤、デイヴの伸びやかな歌声が爽快さを引き立てる⑩辺りは、TRADEというバンドの魅力が凝縮された名曲に仕上がっています。
入手困難な1st『TRADE WIND』と合わせて再発をお願いしたい逸品。


TRADIA - Welcome to Paradise - Sweet 16 ★★★ (2023-09-12 23:52:03)

一部地域ではラジオのトップ10チャートにランクインする等の
話題を呼んだというバンドの代表曲。デイヴ・ボルドウィンの伸びやかなVo、
適度なハードさとKeyを生かして華麗に舞う叙情メロディのドラマティックな共演は、
それも納得の名曲ぶりを呈していますよ。


TRANCE (2014-12-16 23:13:04)

'77年結成でドイツのイデンコーベン出身。'82年に1stフル『BREAK OUT』でデビューを果たし、ここ日本でも2nd『POWER INFUSION』('83年)と3rd『VICTORY』('85年)は熱心なメタル・マニアを中心に高い人気を博した。
法的な問題から'89年にTRANS MISSIONと改名し、4枚目のアルバムとなる『BACK IN TRANCE』をリリース。
その後再びバンド名を戻し、数枚のアルバムを発表するもパワーダウン感は否めず、90年代末期に解散。
現在は再結成を遂げて、TRANS MISSION名義でしぶとく活動を継続している模様。

尚、最近初期作がリマスター再発された模様ですが、それなら3rd『VICTORY』の再発も是非。昔、バイト先の先輩に録音して貰ったテープが既にビロビロ状態で聴けたもんじゃないんですよね・・・。


TRANCE - Break out ★★★ (2014-12-16 23:28:43)

ドイツ出身で名前が「トランス」だなんて聞くと、クラブでドンツクドンツク流れてるダンス・ミュージック演ってる連中のように思えますが、ジャケットを開いて見れば、ヒゲ面&皮ジャンという、ルックスから服装までオシャレ感ゼロのメンバーが雁首揃えていてホッと一安心(?)。
彼らが奏でるのは、泣きを通り越して、時に「嗚咽」レベルにまで達するメロディのフィーチュアされた、ウリ・ロート時代のSCORPIONSからの影響も濃厚なHRサウンド(もしかしてバンド名も『IN TRANCE』を参考にしたのでは?と)。そう思って聴くと、ローター・アントーニ(Vo)の塩っ辛いことこの上ないハイトーンも、どことなくポリープ手術前のクラウス・マイネに通じるものがあるようなないような・・・。
軽快なOPナンバーこそ平凡な印象ですが、まるで演歌の如き②で「おぅっ」と鼻面を掴まれると、後はポップな曲調に乗せてGが泣きまくる④、哀愁とキャッチーさが見事な融合を見た⑤、そして一音入魂のGソロで涙をカツアゲされる⑥といった、憂愁渦巻く名曲の数々で完全ノックダウン!ってな按配。
後の作品に比べると未だHM度はそれほど高くないのですが、日本のHR/HMファンにも猛烈アピールするメロディ・センスは既に健在ゆえ、泣きメロ好きなら避けては通れない名盤かと。


TRANCE - Break out - Confession ★★★ (2014-12-17 22:14:16)

まるで演歌、というか
演歌そのまんまなイントロで
思わず泣き笑いになってしまう名曲。
タメまくりなエンディングも演歌っぽい。


TRANCE - Break out - For Your Love ★★★ (2014-12-17 22:25:18)

哀愁が溢れ出す泣きメロをたっぷりと
フィーチュアしたキャッチーなHRナンバー。
ノーマルなシンガーが歌っていればヒット・チャートを
賑わしたっておかしくないポテンシャルを秘めていますが
このバンドのシンガーは、アクの強い超塩辛声の持ち主。
大衆にアピールするにゃ不向き過ぎますが、
その代わりメタル・マニアには猛烈アピールする名曲に
仕上げてくれています。
個人的にはアルバムで一番好きな曲ですね。


TRANCE - Break out - Loser ★★★ (2014-12-17 22:33:20)

隙間を活かしたアレンジやグルーヴの醸成、
7分以上に及ぶ長尺等、ノリは完全に70年代HRですが
とにかく顔がくしゃくしゃになるような泣きのGソロが強烈。
タイトルを地で行く「負け犬の遠吠え」チックなこのソロを
聴いて最初に思い出した言葉が
“泣くがいい、声を上げて泣くがいい”でしたよ。


TRANCE - Metal Forces ★★ (2021-10-11 23:14:22)

ACCEPTのフロントマン候補に名前が挙がったこともあったと聞くローター・アントーニの個性的なVoと、ジャーマン演歌と呼びたくなる濃い口の泣きメロを武器に、80年代初頭には(メンバー曰く)SCORPIONS、ACCEPTに次ぐ人気を誇ったという独産HMバンドTRANCE。名曲“HEAVY METAL QUEEN”のカッコ良さも未だ忘れ難い彼らが、改名や解散といった紆余曲折を経て21世紀に復活を遂げ、’21年に発表した再結成第2弾アルバムがこちら。彼らの作品の日本盤リリースはこれが初めてじゃないでしょうか?
最早オリジナル・メンバーはマーカス・バーガー(G)一人なれど、『METAL FORCES』なるコテコテなアルバム・タイトルが物語る通り、本作で炸裂するのは武骨で重厚な正統派HMサウンド。元VICIOUS RUMORSのニック・ホルマン(Vo)の堂々たる歌唱を始め、老成とは無縁のパワー漲る作風が全編に亘って貫かれており、壮大な④、エピカルなドラマ性を感じさせる⑥⑦の展開、アンセミックなアルバム表題曲⑨といった楽曲における、HELLOWEEN登場以前のジャーマンHM然としたカッコ良さは頼もしい限り。
かつての魅力だった泣きメロが大幅に減じている点は残念極まりないものの、それを補ってくれるのがボートラとして収録されている⑩の存在でして。TRANCEに改名して’78年に初めて制作したデモテープに収録されていた楽曲を発掘したらしく、塩っ辛いメロディの泣きっぷりといい、静から動へ展開していくドラマティックな曲調といい、「よっ、待ってました!」と膝を打つ逸曲でしたよ。
次回作では、出来ればこの路線の楽曲をもっと演ってくれると嬉しいなぁと。


TRANCE - Metal Forces - Ballad for a Group ★★★ (2021-10-13 00:34:34)

アルバムを締め括る6分越えの大作ナンバーで、
'78年にAGEからTRANCEとバンド名を改めた後、最初に制作された
デモテープの収録曲を現メンバーで再録した模様。
バラード調に始まり、ハードに盛り上がっていくドラマティックな
曲展開を彩る、鼻にツーンと来る泣きのメロディはまさしく
初期TRANCE節というべき臭気を放っていて「最高か」と。


TRANCE - Power Infusion ★★★ (2014-12-18 22:23:17)

かつて新宿ツバキハウスにリクエストが殺到したとかしなかったとか(どっちよ)、未だ語り継がれる名曲“HEAVY METAL QUEEN”をトップに戴く'83年発表の2ndアルバム。
日本人の琴線に訴えかける哀愁のメロディ・センスはそのままに、今回は70年代HR的横ノリ感や、演歌にも匹敵する「泣き」は減少。その代わりエッジの効いたGリフを前面に押し出し、より時代に即して、キビキビとへヴィ・メタリックなサウンドにストレッチされています。
そうした印象に拍車をかけるのが、益々クドさ全開のローター・アントーニのVo。前作での歌唱はクラウス・マイネをオーバーブーストさせたような感じでしたが、ここではウド・ダークシュナイダーやマーク・ストレイスを引き合いに出して語りたくなる、パワフルなカミソリっぷりを披露。バンドの看板声として歌舞伎町のネオンの如き輝きをギラギラと放ちます。本作のマイナー臭の発生源が彼の歌唱にあることは間違いないのですが、繰り返し聴くうちに病みつきになってしまう、この声の中毒性は強烈ですよ。
メタル者なら一聴の価値があるキャッチーなGリフにハートを鷲掴まれる名曲①に、勇ましい②、泣きのバラード③へと至る冒頭3連発の隙のない布陣、そして緩急を効かせた⑦から、野生動物の嘶きの如きGリフが疾走する⑨まで、本編に捨て曲はなし。
次作『VICTORY』と併せてTRANCEの代表作に挙げられるのも当然の1枚ですね。


TRANCE - Power Infusion - Burn Your Lies ★★ (2014-12-21 01:53:33)

クサいメロディを身に纏って
メロウに始まり徐々に盛り上がっていくという
お約束感満点の秀曲。
中盤で疾走へとテンポアップする曲展開も
これまたありがちですが「そこが良いんじゃない!」と。


TRANCE - Power Infusion - Children Of Illusion ★★★ (2014-12-21 02:02:34)

前作収録の“CONFESSION”の流れを汲む
クッサクサの泣きメロに噎せ返りそうになる演歌型バラード。
金属声のシンガーの熱唱が一見ミスマッチですが、
逆に「強面男の激情」みたいな悲哀を
引き立たせてくれているように感じられ、
個人的には全然ありですよ。


TRANCE - Power Infusion - Heavy Metal Queen ★★★ (2014-12-20 09:37:08)

HR/HMファンを自認するなら
この「シンプルながら無茶苦茶カッコイイ」の
お手本のようなGリフは一聴の価値あり。
舌がピリピリくるぐらい塩っ辛いVoの歌唱も
ソリッドで勇ましい曲調を盛り上げてくれます。
ここ日本でも局地的ヒットとなったというのも納得の名曲。


TRANCE - Power Infusion - Storm & Thunder ★★★ (2014-12-21 01:45:03)

嵐のように吹き荒れるGと
雷鳴の如く打ち鳴らされるドラムが、
曲名に相応しい怒涛の勢いで突っ走る疾走ナンバー。
Voのハイパーな歌いっぷりもハマってます。


TRANCE - Victory ★★★ (2015-11-15 09:47:30)

70年代HRからの影響も引き摺っていた1st、ヘヴィ・メタリックにストレッチされた2ndと来て、'85年発表の本3rdアルバムは丁度その中間を行くような仕上がり。ソリッドなリフ&リズムよりも歌メロやコーラスを重視し、一層メロディアスに、キャッチーに磨かれた収録曲の数々を聴くと、当時隆盛を誇ったLAメタルの余波が彼らにも及んでいたことが伺えます。特に、時にメジャー・キーも交えてポップさを増したアナログA面に並ぶ楽曲はその傾向強いかな?と。
それでも、2本のGが歌い上げる強烈に耳に焼き付く泣きのメロディや、そしてローター・アントーニ(Vo)の耳にピリピリくる塩っ辛い歌唱といった、「TRANCEらしさ」も圧倒的プレゼンスを主張。重厚な⑤からスタートするB面サイドには前作のノリを受け継ぐハードな楽曲が並んでいます。中でも、Voのアカペラ・イントロを経て威勢良く疾走を開始する⑥、アンセミックなコーラスを擁し、ライブ会場が一体となって盛り上がる様が目に浮かぶようなアルバム表題曲兼本編のハイライト⑧は、従来の魅力と、今作ならではの新味のブレンド加減が絶妙な名曲。
メロディのフックから楽曲の取っ付き易さに至るまで、少なくないマニアが本作をTRANCEの最高傑作に挙げるのも納得の1枚。「かつて、採点基準が画期的なまでに極端なことで知られたBURRN!!誌の酒井前編集長が本作に89点を献上した」との情報に興味をそそられた方にもお薦め致します。


TRANCE - Victory - One Man Fighter ★★★ (2015-11-16 23:02:56)

美しく叙情的な導入から一転、
ドカドカとパワフルに疾走を開始するHMナンバー。
でもやっぱりGリフよりも金属声のVoの歌メロの方が
印象に残るのが、3rdアルバム収録曲ならでは。


TRANCE - Victory - Victory ★★★ (2015-11-16 23:06:33)

ドイツのバンドらしいメロディの哀愁も、
HMバンドならではのエッジも失うことなく
キャッチーな洗練も実現して見せた
3rdアルバムの表題曲にしてハイライト。
ちょっと日本のフォーク・ソング風(?)な
“ナ~ナナナ~ ナ~ナナナ~♪”のコーラスは、
ライブ会場じゃさぞかし盛り上がったことでしょう。


TRANCEMISSION (2016-06-14 21:10:54)

名曲“HEAVY METAL QUEEN”を始め、日本でも局地的に大人気だったドイツのTRANCEが、レコード会社との法的トラブルから名前を改めて再デビュー。
尤も、メンバー構成も音楽性もTRANCE時代をそのまんま受け継いでいて、彼らが’89年に発表した『BACK IN TRANCE』は、実質的にTRANCEの4thアルバムというべき内容。
バンドはこのあと、’91年に名前をTRANCEに戻して数枚のアルバムを発表した後、活動停止。
現在は再びTRANCEMISSION名義で復活して活動している模様。ややこしいな。


TRANCEMISSION - Back in Trance ★★★ (2016-06-14 21:13:34)

レコード会社との法的トラブルを切っ掛けに、バンド名をTRANCEからTRANCE MISSIONへと改めることとなったドイツの5人組が、'89年に発表した出直しデビュー作。
尤も、バンド名は変われども音楽性の方は全くと言っていいぐらい変わっていません。愛好家から「SCORPIONSの後継者」とも評された鼻の奥にツーン!と突き刺さるクッサクサな泣きメロも、「クセになる」or「生理的に受け付けない」の二者択一を聴く者に突きつけるローター・アントーニの個性的過ぎる歌唱も、まるで実家のような安心感。2本のGが印象的に歌う①⑦、軽快な疾走感が後期RAINBOWを思わす②、「ジャーマン演歌」と呼びたくなる泣きのバラード③、哀愁のミッド・チューン⑧etc…と、本編には基本的に捨て曲は見当たりません。
中には、これまで以上にポップな方向に踏み込んだ④や、Keyによる薄化粧が施された⑦みたいなコマーシャルな仕上がりの楽曲も見受けられますが、いずれも確かなクオリティが備わっていて、特にキャッチーな④は本編のハイライト・ナンバーの一つ。但し、こうした(これまで以上にメロディアスになった)楽曲と、バンドの看板たる塩辛Voとが生み出すギャップは更に大きなものとなっているので、椅子から転げ落ちないようしておく覚悟は必要ですが。
バンド名変更に絡むゴタゴタの悪影響を微塵も感じさせない、実に立派な完成度を提示してくれる1枚。というか、これって実質的にTRANCEの4thアルバムですよ。


TRANCEMISSION - Back in Trance - Play the Game ★★★ (2016-06-15 23:55:55)

哀愁を放ちながら、全編通じて軽快に踊るGが
後期RAINBOWに通じる疾走感を生み出している、
個人的にはアルバムのハイライト・ナンバー。


TRANCEMISSION - Back in Trance - Power of the Heart ★★★ (2016-06-15 23:46:09)

アコギが爪弾かれるイントロから
既に「演歌の花道」ムード満点な
泣きの名バラード。
こういう濃い哀愁漂わす楽曲を歌わせると
Voのクドイ歌声が実にマッチします。


TRAUMA - Scratch and Scream ★★ (2014-08-04 00:02:57)

METALLICA加入前のクリフ・バートン(B)が一時期、籍を置いていたことで知られるLAの5人組が、'84年にSHRAPNEL RECORDSに残した最初で最後のフル・アルバム。(クリフは不参加だけど)
初めて聴いた時は、執拗に刻まれるGリフとドカドカ打ち鳴らされるリズムの上で、ハイトーンVoがシャープ気味に暴走するOPナンバー①のインパクトで、スラッシュ・メタルそのものに感じられたものですが(「あのクリフがいたバンド」との先入観も大きかった)、リイシューされたのを機会に久々に聴き直してみたら、むしろ「JUDAS PRIESTとNWOBHMからの影響をたんまり浴びたパワー・メタル」が正しい表現かなぁ?と。特に、ドラマティックなツイン・リードGが、光沢を放ちながら重厚に押し出してくるアルバム表題曲④はその代表格。
無論、スラッシーなアグレッションは全編に亘って漲っていて、これに(多少一本調子な感はあるものの)ハイパー極まれり!なVoが加わったパワー・サウンドは、うーむ、どこかで聴いたことがあるような・・・と暫く考え込んでみれば、思い出しました。ヴィニー・ムーア(G)とゲイリー・セント・ピアー(Vo)を擁していた頃のVICIOUS RUMORSに似てるんだ。なんとなく。
お世辞にも万人にはお薦め出来ない垢抜けなさですが、例えば「METALLICAなら1stが最高!」という猛者ならチェックしておいて損のない1枚ではないかと。


TRAUMA - Scratch and Scream - The Day All Hell Broke Loose ★★★ (2014-08-04 23:00:44)

上手いか下手かで言ったら
そりゃ上手くはないけれども、
とにかくVoにしろコーラスにしろ、
Gリフからリズム、Gソロに至るまで
あらゆるセクションが制御不能状態で
暴走しているかのような勢いに
圧倒されてしまう逸品。


TREAT - Coup de Grace ★★★ (2011-01-06 21:49:50)

北欧メタルの代表的なバンドの作品はそれなりにチェックしていたが、なぜかこれまでTREATのことはノー・マーク状態だったので、本作(6th?)を最初に聴いた時は「正直このバンドのこと舐めてました、申し訳ない!」と、思わず手を突いて謝りたくなってしまった次第。
心を打つ哀メロや、絶妙なポップ・センス、分厚いボーカル・ハーモニーに包まれたキャッチーなコーラス・ワークを筆頭に、かつてのTREATらしさを十二分に保ちつつも、北欧メタル・バンドにありがちな「垢抜けないB級感」や「頼りない線の細さ」と一線を画すのは、曲作りの巧さはもとより、しっかりとした歌唱力を備えたVo、抜群のセンスでまとめられた良質なソロを紡ぎ出すG、腰の据わったビートを刻むリズム隊等、豊富なキャリアに裏打ちされた、確かな表現力とテクニックを身に付けたメンバーのスキルの高さゆえ。
特に、本編への没入度を高めるドラマティックなイントロと共にアルバムの開幕を宣言するOPナンバー②、ハードネスと哀メロ、それにキャッチーさが絶妙な融合をみた④、メロディの余りの憂いっぷりに眉毛が八の字になってしまう⑩、そして爽快極まりない⑪といった楽曲は、TREATファン(及び北欧メタル・ファン)ならずとも一聴の価値がある名曲じゃないかと。日本盤ボーナストラックを含めると全15曲も収録する長大さながら、殆どダレを感じさせない捨て曲皆無の充実っぷりには目を瞠るものがありますね。
タイプは大きく異なれど、ACCEPTの再結成アルバムと同等の凄味を感じさせてくれた1枚。


TREAT - Dreamhunter ★★★ (2018-12-25 23:28:28)

昔、近所の古本屋で本作の輸入盤が投げ売りされているのを発見し、買って帰って中を見たら何故か日本語解説&対訳が付属していて、「輸入盤なのに?なんで??」と首を捻ったことを思い出す(初期国内盤は輸入盤に帯と解説/対訳を付けた仕様だったらしい…とネット普及後に調べて判明)、TREATが’87年に発表した3rdアルバム。邦題は『サバイバー』。
TREATが「ポストEUROPE」とも「スウェーデンのBON JOVI」とも言われていた時期の作品ゆえ、音楽性はこれがまぁポップ。全編に亘って、ザ・80年代!なキラッキラに煌めくKeyがふんだんに取り入れられた、ALIENやSKAGARACKといったバンドにも通じるキャッチーでメロディアスな北欧ハードポップ・サウンドが繰り広げられています。
4th『ORGANIZED CRIME』(’89年)を先に聴いてから本作に遡った自分は、両者のギャップに結構驚いたのですが、とは言え、アルバート・ボークホルト(DEF LEPPERDの『HYSTERIA』のエンジニア)が手掛けたプロダクションは良質な上、何よりこの路線と、ロバート・アーンルンドの甘い歌声&アンダース・ヴィクストロムの抜群の作曲/メロディ・センスの相性は良好そのもの。特にバラード調のイントロからテンポアップして、Gがシャープに踊る疾走ナンバー⑥は、個人的に数あるTREATの名曲の中でも上位にランクインする逸品と信じて疑いません。またゲイリー・ムーアが演りそうな、どことなくアイリッシュな響きも湛えたメロディと、大陸メタルばりの合唱を誘うコーラスの融合が印象的な⑧も、バンド史上最大のヒット曲となったのも納得の魅力を備えた逸品であると。
TREATの初期作の国内盤は、いつかリマスター再発して欲しいなぁ。


TREAT - Dreamhunter - Outlaw ★★★ (2018-12-26 23:26:35)

北欧メタル・バンドとしてのTREATの魅力が凝縮された疾走ナンバー。
印象的に切り込んでくるツインGから、甘美な哀メロ、煌めくKey、
それにキャッチーなコーラスまで、アルバムのハイライト・ナンバーとして
眩い輝きを放つ名曲です。


TREAT - Dreamhunter - World of Promises ★★★ (2018-12-26 23:31:27)

ハードな“OUTLAW”と、雄大なこのシングル曲の2連発で
3rd『DREAMHUNTER』の勝ちは決まったといっても過言ではありません。
ちょっぴりアイリッシュ風味入ったヴァースから、
大陸産ポップ・メタル勢に通じるライブ会場で大合唱を巻き起こしそうな
サビへと繋ぐ曲展開が秀逸。
そりゃあヒットしますわな。


TREAT - Ghost of Graceland ★★★ (2016-06-23 00:55:32)

昨年行ったフェアウェルツアーが予想を上回る反響を呼んだことから、サクッと解散宣言を撤回したTREATが'16年に発表した復活第2弾アルバム。
ファンがTREATに期待する要素全部盛りの快作だった前作『COUP DE GRACE~最後の一撃』に対し、今回は「一握りのビジネスマンが世界経済を牛耳る」という世相を皮肉ったアートワークが表す通り、全体的にダークな色合いを強めた仕上がり。へヴィなGリフやグルーヴが前面に押し出されているのは、メンバー曰く「長期ツアーの経験が反映された結果」とのことですが、昔からメロディックHRバンドが「ライブ映えする曲作りを心掛けたぜ」なんて言い出すと大抵ロクなことにならないと相場が決まっていて、本作も1曲目の重たげなGリフが聴こえて来た時は「げぇ」と眉を顰めてしまいましたよ。
ところがどっこい。伸びやかなロバート・アーンルンドの歌声、抒情的なKey、美麗なるハーモニーが活かされた本作に関しては、ハードネスを増強しても全く大味にはなっていないという。逆にシリアスさを強調することで、北欧メタルならではの愁いや泣きがクローズアップされたメロディをもって収録各曲にフックを構築してみせる作曲術は、これまでJ-POPシーンに多数のヒット曲を提供して来た歴戦のメロディ職人、アンダース・ヴィクストロムの面目躍如。特に緊張感を湛えた仄暗いヴァースから、徐々に視界が開けていくようにサビへ向かって色彩が変化していく曲展開の巧みさには唸らされるものあり。勿論アップテンポの⑤を始めとする、従来のTREATらしさ溢れる楽曲も十分に魅力的ですしね。
解散宣言を撤回してくれて良かった、と心から思わせてくれる1枚。


TREAT - Ghost of Graceland - Endangered ★★★ (2016-06-23 23:48:28)

ドヨンと薄曇りな感じのイントロに始まり、
Keyを効かせつつテンポアップするヴァースを経て、
爽快にハジけるサビメロへと至る、雲間から徐々に
陽の光が差し込んでくるような曲展開が実にお見事。


TREAT - Organized Crime ★★★ (2013-06-06 23:54:37)

「世界中のどこよりも日本で一番で売れた作品。また、このアルバム・リリースに伴って行われた来日公演は、バンド史上最大のハイライトだった」とメンバーが述懐する、'90年発表の4thアルバム。
デビュー当時は「ポストEUROPE」と言われたTREATですが、この頃になるとGUNS N' ROSESやBON JOVI辺りからの影響も取り込み、音楽性の拡散が一層顕在化。
それはいかにも90年代の作品らしく、よりハードなGを前面に押し出しつつ、時にスリージーだったりブルージーだったりする冒頭3曲に特に顕著に表れていて、初めてこの流れを耳にした時は少々引いてしまいましたよ。正直な話。
ただ、本編を聴き進めれば4曲目以降は従来のTREATらしさが回復。また、例え新味を盛り込んだ楽曲であっても、哀愁を湛えたロバート・アーンルンドの歌声とKeyを効果的に用いることで、メロディから北欧のバンドらしい透明感を失わない曲作りの巧さには、流石!と唸らされるものあり。
中でも憂いを帯びた疾走ナンバー“CONSPIRACY”、そして1st収録曲にしてTREAT屈指の名曲のリメイク“GET YOU ON THE RUN”はアルバムのハイライト級の存在感を発揮。当サイトにおいても高い人気を博しているのも納得です。
これで序盤の曲順にもうちょい気を払ってくれれば尚良かったのですが・・・。


TREAT - Organized Crime - Get You on the Run ★★★ (2015-01-13 22:35:32)

北欧メタルらしい哀愁を発散するサビメロに
思わず胸キュンなTREATの代表曲。
先日、TREATの来日公演に足を運んだのですが
バンドと観客の掛け合いも行われたこの名曲が
間違いなくライブのハイライトでありました。


↓TREATを生で見る最後のチャンスと、急遽参加を決めたのですが、
大変素晴らしいライブでしたよ。出先から直行したので
この曲ぐらいしか予習する時間がなかったものの、
ドンピシャで掛け合いが行われたので「よっしゃ」と(笑)。


TREAT - Scratch and Bite ★★ (2021-03-31 23:31:32)

デビュー・シングルをヒットさせた勢いを駆り'85年に発表された記念すべき1stアルバム。
こちとら便利なのでつい「北欧のBON JOVI」とか「ポストEUROPE」とか評しがちなTREATですが、BON JOVIやEUROPEが世界的成功を収めるのは'86年以降のこと。なのでこの時期の彼らに関してはクローン/フォロワー・バンドというより、たまたま同時期に同じようなスタイルの音楽性を志していた、というのが適当なのかなぁと。
そんなわけで、アルバムの幕開けを飾るのは能天気なパーティ・ロック・チューン①。音質は薄っぺらいですし、現在は実力派シンガー然とした歌唱を聴かせてくれるロバート・アーンルンドのVoもまだまだ野暮ったかったりと、初めて聴いた当時は正直「買って損こいた…」と頭を抱えそうになってしまったことを告白しておきます。
但し、そうした評価は後に4th『ORGANIZED CRIME』にてリメイクされることとなる③の登場で一変。哀愁のメロディが奏でられるイントロからして既に名曲の風格漂うこのTREATの代表曲以降は、アップテンポでロックする④、甘く切ないパワー・バラード⑥、ハモンド・オルガンの音色が北欧メタルならではの魅力を付与するラスト・ナンバー⑨といった具合に、フックの効いた秀逸な楽曲が続出。聴き終えてみれば「アッパレな作品であった」との評価に落ち着くという。
思惑通りの大ヒット作となり、TREATの名を一躍知らしめる切っ掛けとなったのも納得の1枚。とはいえやはり今の彼らと比較すると垢抜けなさは隠しようもないので、後追いでチェックする際はある程度覚悟を決めておく必要はあり。


TREAT - Scratch and Bite - Hidin' ★★★ (2021-04-02 00:22:12)

1stアルバムにあってはハード寄りに位置するロック・チューン。
ハモンド・オルガンとシンセを効果的に使い分け、
ヴァース~ブリッジ~コーラスと、1曲の中でメロディが明暗の
グラデーションを描いていく様に胸躍ります。


TREAT - The Pleasure Principle ★★★ (2019-10-29 01:16:20)

GREAT KING RATを始め、マイケル・シェンカー、ジョン・ノーラムらとの活動を通じて、今じゃシンガーとしての知名度の方が遥かに高くなったリーフ・スンディンをニュー・ドラマーとして迎え入れたTREATが、'86年に発表した2ndアルバム。
「ポストEUROPE」とも「北欧のBON JOVI」とも評され、TREATが最もポップ寄りの音楽性を志向していた時期の作品ゆえ、彼らのカタログ中でも存在感の薄さは1、2を争いますが、なかなかどうして完成度の高さは立派なもの。憂いを孕んだ声質の魅力はそのままに、歌唱力をいや増したVo、相変わらず絶品に練られたソロを組み立ててくれているG等、メンバー各々の技量の向上はもとより、一層ポップ&キャッチーに磨き上げられたメロディと、フィーチュア度の上がった煌びやかなシンセにより全編が彩られたサウンドは、それまでにあった野暮ったさが払拭され、洗練された華やかさを身に纏うようになっています。
哀愁薄めのOPナンバー①で、アルバムの大切な「掴み」にしくじっている感は否めないものの(ただ単体で聴けば悪い曲ではない)、甘く切ない胸キュン・ナンバー②で一気にその失地から回復して以降は、BLUE OYSTER CULTも演っていた④、神聖な雰囲気漂うバラード⑤、もろに初期BON JOVI風の⑥、しっかりロックしている⑦etc…とグッとくる名曲/佳曲の大盤振る舞い。CROWN OF THORNSの――哀メロ愛好家的にはFROM THE FIREの――ジーン・ボヴワーがプロデュースを担当し、HRのエッジとこのバンドらしい哀愁が溶け合う先行シングル曲⑨の期待を裏切らない出来栄えも流石です。
BON JOVIやEUROPEの世界的成功劇の影に隠れてしまったことが惜しまれる1枚。


TREAT - The Pleasure Principle - Ride Me High ★★★ (2019-10-29 23:49:08)

先行シングルとしてもリリースされており、
この曲のみエンジニアをジーン・ボヴワー(CROWN OF THORNS他)が担当。
ハード・ロッキンなエッジと躍動感、キャッチーなコーラスで華やかな雰囲気を演出しつつ
声質自体に憂いを孕んだVoの歌唱が醸し出す切ない哀愁が良いアクセントになっています。


TREAT - Tunguska ★★★ (2018-10-31 22:35:46)

解散宣言の撤回後、それまで以上にバンド活動に対して積極的になったことの表れのように、前作『GHOST OF GRACELAND』(’16年)から僅か2年という短いインターバルでの発表となったTREATの最新アルバム。
TREATにしてはややダークで重厚な方向に振られていた――それでもメロディのフックに翳りがなかったのが流石――『GHOST~』に比べ、今作は逆にバンドが原点(この場合は復活1作目にして大傑作『COUP DE GRACE』の作風を指す)を見つめ直したかのように、アンダース・ヴィクストロムのGがもたらすヘヴィ・メタリックな切れ味と、ポンタス・エグベリ&ジェイミー・ボーガーの腕利きリズム隊により醸成される躍動感溢れるリズム、そしてロバート・アーンルンドの泣きを含んだVoが際立たせる、TREAT独自の哀メロ・センスとがバランス良く配合したHMサウンドが託されています。
神秘的なイントロに続き雄々しく立ち上がるOPナンバー①が始まった時点で、多くのファンが本作に対する手応えを感じられたことと存じますが、本編には他にも優れた楽曲が目白押し。緊迫感を湛えた③、冷ややかなメロディが映えるミッド・チューン⑦、涼し気に駆け抜ける⑧、ドラマティックなバラード⑩、個人的にアルバムのハイライトに推したいキャッチーな⑪、絶品のコーラスでライブ会場がタテに揺れる様が目に浮かぶような⑫等々…。もし彼らが’13年に宣言通りに解散してしまっていたら、こうした素晴らしい楽曲の数々が世に出ることもなく埋もれてしまったかと思うとゾッとしますよ。つくづく思い止まってくれて良かった。


TREAT - Tunguska - All Bets Are Off ★★★ (2018-11-02 00:36:11)

ライブで演奏したら盛り上がりそうなキャッチーなコーラスと
ノリ易く弾む曲調、ロバート・アーンルンドの甘い歌声が映える
哀感が滲みだすメロディ(ブリッジ部分が特に印象的)…と、
アルバム後半のハイライトを担っていると言っても
過言ではない名曲っぷりに胸打たれます。


TREAT - Tunguska - Progenitors ★★★ (2018-11-02 00:30:35)

神秘的に奏でられるイントロを、ダイナミックなリズムと
メタリックなGリフが力強く蹴破ってスタートするアルバムOPナンバー。
ライブ映えしそうな雄々しいコーラスをフィーチュアしつつも
北欧のバンド然とした冷ややかな哀メロのフックにも抜かりはありません。
流石の出来栄え。


TRESPASS - Footprints in the Rock ★★★ (2018-07-04 00:21:04)

サットクリフ兄弟を中心に結成され、'99年にはNWOBHM勃発から20周年を祝う記念ライブに出演するため初来日も果たしているTRESPASS、'18年発表の復活第2弾アルバム。(タイトルが良いですよね)
‘93年リリースの最初の再結成アルバムでは、流行に飲み込まれたダーク&へヴィな作風を披露してファンに盛大に溜息を吐かせたTRESPASSでしたが、今作では往年の「らしさ」を大幅回復。どれぐらい回復したかと言えば、そもそも彼らの作品はシングルや初期デモ音源を取りまとめた編集盤『THE WORKS』(’92年)しか聴いたことがない自分のような手合いですら、「実にTRESPASSらしい作品!」と膝を打ってしまったぐらいに。
特に頭3曲は強力で、湿気ったリフ、印象的なハーモニーを奏でるツインG、くぐもった声質で煮え切らない歌メロを拾っていくマーク・サットクリフのヘタウマVo…と、何から何まで80年代初頭からまんじりと変化していない(褒め言葉)、往年のTRESPASSサウンドそのまんまな出来栄え。2本のGのハモリっぷりが1st時のPRAYING MANTISを彷彿とさせる②や、愁いを帯びたメロディが疾走する③なんて、いやこれマジで書き下ろしの新曲?デビュー当時の未発表曲とかでなく?と思わず呟かずにはいられませんでしたよ。
アルバム後半で若干の息切れを感じなくもないとはいえ、それでもツインGが緊迫感を伴って切り込んでくる⑤、重厚にしてドラマティックなアルバム表題曲⑥等、TRESPASSにしか生み出しえない楽曲が次々に繰り出される中盤戦までだけでも本作に対する高評価は揺るぎありません。
開き直ったベテラン・バンドの底力に惜しみない拍手喝采を送りたくなる1枚です。


TRESPASS - Footprints in the Rock - Be Brave ★★★ (2018-07-07 00:07:50)

ヘタウマVoが歌う曇天模様の歌メロといい、
早歩きのテンポに乗せて、伸びやかにハモるツインGが
奏でる湿った旋律といい、80年代初頭のTRESPASSが
そのまんま現代に蘇ったかのような逸品。
初期PRAYING MANTIS好きにもお薦めです。


TRESPASS - Footprints in the Rock - Footprints in the Rock ★★★ (2018-07-07 00:22:42)

本編中においてはハード寄りな仕上がりを聴かせるアルバム表題曲。
仄暗い緊迫感を湛えてGが奏でるメイン・メロディが耳に残ります。
ツイン・リードGのメロディアスな絡みや、
Voの(良い意味で)垢抜けない歌メロがいかにもNWOBHMな趣き。
HR/HM史に足跡を刻みたいというメンバーの思いが託されたタイトルも秀逸ですよ。


TRESPASS - Footprints in the Rock - Mighty Love ★★★ (2018-07-07 00:14:38)

適度な疾走感と印象的なテーマ・メロディ、
一緒に歌いたくなるキャッチーなコーラスを有する
これまたNWOBHMの匂いを濃厚に現代に伝えてくれる
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
Gソロも聴き応えあり。


TRESPASS - The Works ★★★ (2016-05-08 09:11:57)

アルバム・デビューこそ叶わなかったものの、若き日のラーズ・ウルリッヒとジェイムズ・ヘッドフィールドがファンクラブに入会していたりと、NWOBHMマニア筋からの評価は高かった英国サフォーク州サドベリー出身の5人組が、80年代初頭に残した3枚のシングルとデモ音源を取りまとめたアンソロジー盤。(最近第2弾がリリースされたらしい)
冴えない音質、靄った声質のヘタウマVo、湿気ったメロディをしっとり歌い上げるツインG…と、「いかにもNWOBHM」な特徴の数々をフィーチュアしつつ、PRAYING MANTISやHERITAGE辺りを引き合いに出して語りたくなる抒情性&透明感も湛えたサウンドは、聴いていると思わず「清貧」という言葉が脳裏をよぎります。
メロウなイントロで掴みはOKな①と、2本のGによる淡いハモりが印象的な②というデビュー・シングル収録曲、ドラマティックな構成が光る⑥、泣きが溢れ返るバラード⑩、哀愁のミッド・チューン⑯等、並のバンドじゃそうは書けない優れた楽曲が数多く顔を揃える一方で、終ぞ「これこそがTRESPASS!」というキメの1曲(NWOBHM史に足跡を残す名曲というか)を生み出し得なかった押しの弱さが、評価の高さとは裏腹に彼らが大成できなかった要因の一つだったのかなぁと、本作を聴いてふと思ったり。いや、だからってここに収められた楽曲の素晴らしさが否定されるわけじゃないんですけどね。
尚、バンドは'84年頃に解散し、メンバーは新たにBLUE BLOODを立ち上げて2枚のアルバムを発表。もう手元にはないのですが、そっちも結構良かった記憶があります。


TRESPASS - The Works - Light Smith ★★★ (2016-05-09 22:52:27)

アンソロジー盤『THE WORKS』のハイライトの一つ。
メロウな前半でじっくりと雰囲気を盛り上げてから、
中間部の劇的なツイン・リードGを切っ掛けに
熱くハードに盛り上がっていく構成が美しい名曲。


TRESPASS - The Works - One of These Days ★★★ (2016-05-09 22:59:34)

デビュー・シングル曲にして、コンピ盤『METAL FOR MUTHAS Ⅱ』
にも提供されたTRESPASSの代表曲(でしょうか?)。
哀愁ダダ漏れなイントロの時点で既に泣けますが、
どこか透明感を湛えたツインGの絡みが更に涙腺に沁み入ります。
それでいて「どうだ!」的な押しの強さが感じられず
「生きててすいません」的うらぶれ感が漂ってくる感じが
良くも悪くもこのバンドの個性かなぁと。


TRESPASS - The Works - Point of No Return ★★★ (2016-05-09 22:48:28)

ギターが紡ぐ泣きのメロディのみならず、
声質自体が哀愁を帯びているVoの熱唱も
辛抱堪らんものがありますね。
音質の貧乏臭さも悲哀を盛り上げていると
好意的に解釈したくなりますよ。


TRILLION - CLEAR APPROACH ★★ (2010-01-06 22:08:00)

1st『TRILLION』がクオリティに見合うだけの成功を収められなかった事に失望したファーギー・フレデリクセン(Vo)が
バンドから離脱。その後任として、彼に匹敵する実力派シンガー、トム・グリフィン('06年にメロディアスHRプロジェクト
AMBITIONにおいて、衰え知らずの美声を披露していましたね)を加入させ、'80年に発表した2ndアルバム。
デビュー作のセールス的な失敗と、音楽シーンの潮流の変化を踏まえて制作された本作は、先行シングル曲①に強く
表れているように、全体的にハードさが抑制され、アレンジや曲展開もシンプルに整理整頓。より聴き易く、
取っ付き易いアルバム作りが志向されている。前作をこよなく愛する向きには、大人しく脇役に徹する楽器陣の演奏に
少々物足りなさを覚えなくもないが、その分、じっくりと聴くことの出来るメロディの素晴しさはこれまで以上に
際立っているので差し引きゼロ(寧ろプラス?)。尤も、③④のインスト・パートや、終盤⑧⑨の流れからも
強く感じられる通り、プログレ・マインドは消え失せてしまったわけではなく、そうした要素は目立たずとも
本編のそこかしこに息付いている。中でも、妙なるピアノの調べとドラマティックな曲展開をバックに、
トム・グリフィンが溜息モノの歌唱力を駆使して切々と歌い上げる⑥は、繊細な美しさと力強い
ドラマ性を兼ね備えた、本編のハイライトにしてTRILLION屈指の名曲。何度聴いても惚れ惚れさせられますね。
アメリカン・プログレ・ハードから産業ロックへと至る、過渡期的サウンドが詰め込まれた実に魅力な1枚。デビュー作に
勝るとも劣らぬ名盤・・・だったのだが、本作もまたセールス的には全く奮わず、バンドはこれを最後に解散している。


TRILLION - CLEAR APPROACH - CITIES ★★★ (2010-01-10 01:13:51)

TRILLIONのアルバムとしては1stの方が好きな我が身だが、
TRILLIONの楽曲で一番好きなのは、上手い歌、上手い演奏、
そして美しいメロディにドラマティックな曲展開と、
このバンドの美点が全て詰め込まれた2nd収録のこの名曲。
サビメロの泣きっぷりには何度聴いても涙を誘われます。


TRILLION - CLEAR APPROACH - LOVE ME ANYTIME ★★ (2010-01-10 01:09:31)

トム・グリフィンの歌の上手さが「これでもか!」と
堪能できる名バラード。
ポロポロと零れ落ちて行くかのような美しいピアノの旋律と
スパイシーな音色で楽曲が甘口になり過ぎぬようアクセントを
加えるGも良い仕事してます。


TRILLION - TRILLION ★★ (2010-01-05 22:55:00)

'77年、パトリック・レオナルド(Key)とフランク・バーバレイス(G)を中心に、名うてのセッション・ミュージシャン達が
集まってシカゴにて結成、TOTOやLE ROUXでの活動で知られるボーカリスト、ファーギー・フレデリクセンが
在籍したことでも知られる5人組が'78年に発表した1stアルバム。(邦題は『氷牙』)
産業ロックと呼ぶにはハード&テクニカルで、プログレッシブ・ロックと呼ぶにはポップ&キャッチーという、
中期STYXや後発のTOUCH辺りを思い起こさせる、アメリカン・プログレ・ハードのお手本のようなサウンドが
全編に渡って繰り広げられる1枚で、3~5分台というコンパクトにまとめられた楽曲の中に目まぐるしい曲展開を設け、
突き抜けるようなハイトーンで溌剌と歌い上げるVo、欧州風味の湿り気を帯びた旋律を紡ぎ出すG、多彩な音色を駆使して
本編を華麗に彩るKey、ダイナミックに弾けるリズム隊、そして立体的に構築されたボーカル・ハーモニーと、
メンバーそれぞれの見せ場を満遍なく盛り込み、且つ流麗に聴かせ切る曲作りの上手さはまさに匠の技。
特に、①⑤⑦⑨といったポップさとプログレ・テイストが絶妙な匙加減で混ぜ合わされた名曲を聴けば、
成功を掴めぬまま、僅か2枚のアルバムのみを残し消滅してしまったTRILLIONというバンドが、
なぜ未だにHR/HMファンの間で語り継がれているか良く分かります。
'98年に初CD化が為されたものの、現在は廃盤状態の本作、一日も早いリマスター再発が待たれる1枚じゃないでしょうか。


TRILLION - TRILLION - BRIGHT NIGHT LIGHTS ★★ (2010-01-06 22:00:46)

快活に跳ねるポップ・チューン。
溌剌としたファーギー・フレデリクセンの歌声と
華やかなボーカル・ハーモニーが
楽曲の爽快感を一層高めていますね。


TRILLION - TRILLION - CHILD UPON THE EARTH ★★★ (2010-01-06 22:05:55)

1stアルバム中、最もプログレッシブ・ロック寄りの
アプローチが取られた本編ラスト・ナンバー。
歌うのはGのフランク・バーバレイスだが(上手い!)
しっとりとした歌唱は曲調にぴったりフィット。
タイトル通りスペーシーな雰囲気を演出する
Keyの良い仕事っぷりが光ります。


TRILLION - TRILLION - HOLD OUT ★★★ (2010-01-06 21:55:06)

溌剌としたハイトーンVoに壮麗なボーカル・ハーモニー、
雄弁に歌うG、全編を華麗に彩るKey、快活に弾けるB、
そして爽快に叩きまくるDsと、ポップでメロディアス、
且つプログレッシブなTRILLIONというバンドの魅力が
存分に発揮された1stアルバムのOPナンバー。
間髪入れずに次曲“BIG BOY"に繋がっていく構成も○。


TRIUMPH ★★ (2007-12-30 11:27:00)

リック・エメットが、VON GROOVEのマイケル・ショットンとタッグを組んだAIRTIMEの『LIBERTY MANIFESTO』を購入。
エメット師匠絡みの作品が、久し振りに国内発売されただけでも目出度いが、80年代前半のTRIUMPH黄金時代を
思わせる作風に仕上がった内容の方も非常に秀逸。華麗なリフ・ワークから、パッションとエモーションを
兼ね備えたGソロ、そして強烈な「泣き」を発散する歌声と、持てる才能全てをスパークさせまくるエメット師匠の
勇姿には、「最高」以外の形容詞が思い浮かびません。
特に、ラテン風味にウットリとなるムーディなインスト曲“HEAD STREAM"から繋がる、
(TRIUMPHの名曲“ALL THE WAY"を彷彿とさせる雰囲気を備えた)泣きのハード・ナンバー“RIVER RUNS DEEP"は絶品。
TRIUMPHファンは必須の1枚じゃないでしょうか。


TRIUMPH - Allied Forces ★★ (2007-12-19 22:44:00)

ブルース、ジャズ、クラシック、プログレetc・・・と、様々なジャンルからの影響を消化吸収して
独自のサウンド構築し、母国カナダは元より、アメリカでも絶大な人気を誇ったハードロック・トライアングル
TRIUMPHが'81年に発表した、このバンドの自他共に認める代表作として名高い5thアルバム。
3rd『JUST A GAME』で聴かせたメロディ重視のソフト路線と、4th『PROGRESSIONS OF POWER』で試みられた
エネルギッシュなハードロック路線が、理想的なバランスで融合を果たした本作は、正統派HMナンバーあり、ノリノリの
ロックンロールあり、爽快なハードポップあり、ドラマティックな大作あり、胸に沁みる哀メロ・チューンありと、バラエティ豊かな
楽曲がズラリ揃った、まさにTRIUMPHサウンドの完成形とでも言うべき充実した内容を誇る。(邦題『メタル同盟』も秀逸)
リック・エメットの緩急自在のG、パワフルに躍動するギル・ムーアのDs、BだけでなくKeyでも大きく貢献している
マイク・レヴァイン、そしてエメットとギルの華麗なるツインVoに彩られた、爽やかに駆け抜けるヒット・シングル曲②、
アグレッシブでスピーディなアルバム・タイトル・トラック④、本編のハイライトと言うべき、感動的な哀メロ・チューン⑥、
プログレ風味も感じられる8分以上に及ぶ大作⑦といった、TRIUMPHを代表する名曲の数々が次々に繰り出される様は、
とにかく圧巻。これらを聴けば、なぜ本作がアメリカで59週もの長きに渡って、ビルボードのTOP200に
チャートインし続ける程のビッグヒットとなったのか、その理由も分かると言うものだ。
TRIUMPH未体験者には、まずこのアルバムを聴くことをお薦めさせて頂きます。


TRIUMPH - Allied Forces - Allied Forces ★★★ (2007-12-20 21:31:08)

5thアルバムのタイトル・トラックにして、
TRIUMPHの楽曲の中でも、最もヘヴィ・メタリックな
アグレッションを発散するスピード・ナンバー。
リフ、歌メロ、パワフルに疾走するリズムのカッコ良さ、
いずれも際立っているが、やはり白眉はリック・エメットのG!
繊細な表現力に長けたギタリストだけど、こういう曲で
ハードに弾きまくっている時も最高です。


TRIUMPH - Allied Forces - Fight the Good Fight ★★★ (2007-12-20 21:37:12)

もうイントロのKeyだけで泣けてくる、TRIUNPHが生み出した
名曲の数々の中でも、更に飛び抜けたクオリティを誇る超名曲。
(邦題は“必戦体勢”)
リリカルなKeyに泣き、切ないVoの歌メロに泣き、哀感が滲み出すGにも泣く。
後半はかなりドラマティックに盛り上がっていくが、
それでも一抹の寂寥感を漂わせた曲調が最高です。
それにしてもリック・エメットの歌声は、この手の泣きメロ・チューンを
歌わせると、凶悪なまでの威力を発揮しますなぁ。


TRIUMPH - Allied Forces - Magic Power ★★★ (2007-12-20 21:25:58)

爽やかに駆け抜けていく曲調と、そこはかとなく漂う哀愁が
えもいわれぬ高揚感を生み出す、TRIUMPHを代表する名曲の1つ。
(HUGOがカヴァーしたりしていましたね)
シングル・カットされ、ヒットしたというのも納得のクオリティ。


TRIUMPH - Allied Forces - Ordinary Man ★★★ (2007-12-20 21:44:08)

壮大にして印象的なコーラスからスタートする、7分以上に及ぶ、
プログレッシブ・ロック・テイストも感じられる大作。
カッチリと起承転結が決まったドラマティックな曲展開が
素晴しいが、全編がセンチメンタルな泣きメロで
彩られているせいか、あまり大仰さは感じられない。


TRIUMPH - Edge Of Excess ★★ (2020-05-03 23:38:25)

作曲クレジットをバンド名義にされることに対しかねてから不満を抱いていたリック・エメットが遂に脱退。後任ギタリストとしてフィル・Xことフィル・ゼニースを加え、新たにVICTORY MUSICと契約を交わしたTRIUMPHが’92年に発表した10thアルバム。ちなみにゲストとしてALIASやVON GROOVEのメンバーの名前がクレジットされていたり。
こちとらリック・エメットに思い入れがバインバインなので、ミスターXだかスーパーXだか知らねえが、いい年こいてXなんて名乗ってる輩にTRIUMPHのギタリストの座が務まるわけねーだろ!と上から目線で批判しまくっていたのですが、しかしそのX氏が現在ではBON JOVIのメンバーなのですから、バンドの見る目の確かさに感心するとともに、己の見る目のなさに顔真っ赤という。
ストレートに押して来る骨太なHRサウンドへと回帰を果たした本編では、レーベル移籍以降のポップ路線(好きでしたが)で溜まっていた鬱憤を晴らすかの如くギル・ムーアのドラムが大暴れ。特にグルーヴィながらメロディにフックも効いた①に始まり、映画『ヘルレイザー3』のサントラに提供されたスピード・ロック②を経て、アコギを交えたバラード③へと繋がっていく冒頭の流れは、「エメット師匠のいないTRIUMPHなんて…」と本作に対してクリープが入っていないコーヒーばりの塩対応を取っていた我が身さえもグッと引き寄せられてしまう、強力な掴みとして機能しています。
泣きや哀愁といった要素が薄まってしまっている点はやはり如何ともし難いものの、新生TRIUMPHの漲るやる気は十二分に伝わってくる1枚。それだけにこれ以降新作の発表が途切れてしまっていることがファンとしては残念でならないのですが…。


TRIUMPH - Edge Of Excess - Troublemaker ★★★ (2020-05-04 23:55:00)

ホラー映画「ヘルレイザー3」のサントラに提供された
(但しホラーな雰囲気は微塵も感じられない)イキのいい疾走ナンバーで、
正直映画の方は微妙な出来栄えでしたが、新加入のフィル・XのGプレイが
前面に押し出されたこの曲はカッコイイ。ギル・ムーアも歌とドラムで
溜まっていた鬱憤を晴らすようにハジけまくっています。


TRIUMPH - In the Beginning... ★★ (2007-12-16 15:30:00)

リック・エメット(G、Vo)、ギル・ムーア(Ds、Vo)、マイク・レヴァイン(B、Key)の3人編成で、カナダが
世界に誇るハードロック・トライアングルTRIUMPHが、'76年にカナダ国内のみで発表した1stアルバム。
(元々は『TRIUMPH』というタイトルでリリースされ、再発に際して『IN THE BEGINNIG・・・』というタイトルに変更された)
快活に弾む①や、シャープな疾走感がどことなく初期RIOTを思わせる前半から、リック・エメットのGを活かした
バラード・パートの後半へと繋がっていく、2部構成のロック・チューン④⑤のようなイカした楽曲もあるものの、
全体としては、シンプルで荒削りなアメリカン・ロック・スタイルが貫かれていて、80年代全盛期の
TRIUMPHサウンドを期待して聴くと、ちょっと肩透かしを食らいかねない内容に仕上がっている。
だがしかし。それで本作を聴かずに済ますのは、余りにも勿体無いというもの。
その最大の理由が、ラストに収録された8分以上に及ぶ大作⑧の存在で、静と動を巧みに組み合わせた
ドラマティックな曲展開や、切なさの滲む歌メロ、叙情性を増幅するKeyのナイス・アシストっぷりも素晴しいが、
やはり白眉はエメット先生のGプレイ。特に中盤で炸裂するアコギ・ソロに至っては、涙腺決壊モノの強大な破壊力を誇る。
メロディ重視派のロック・ファンなら、このTRIUMPH屈指の超名曲を聴かずに死ぬ事なかれ。


TRIUMPH - Just a Game ★★ (2007-12-17 21:50:00)

前2作の成功を受け、米メジャー・レーベルのRCAと契約。アメリカ・デビューを飾った、'79年発表の3rdアルバム。
荒削りなロックンロール色が強かった初期数作に比べ、最初からアメリカ市場を視野に入れて作られた本作はハードさが後退。
楽曲もコンパクトにまとめられ、キャッチーなメロディが前面に押し出された、マイルドな作風に仕上がっている。
ロックンロール色と共に、“BLIND LIHGT SHOW/MOON CHILD"や“THE CITY"のようなプログレッシブ・ロックの
薫りを漂わせた、複雑でドラマティックな楽曲が姿を消してしまった点は残念だけれども、1曲1曲が丁寧に練り込まれ、
哀愁のメロディと強力なフックに満ちた、洗練された収録曲の数々は、いよいよ「泣きメロ職人」としてのセンスを
スパークさせ始めたリック・エメットのエモーショナル極まりないGプレイと併せて、非常にハイクオリティ。
洗練されたメロディアス・ロック・チューンの①に始まり、哀愁に満ちたメロディと「泣き」を発散する歌声が
息苦しい程の盛り上がりを演出する②⑤、咽び泣くバラード③、Gソロに“星条旗よ永遠なれ"を組み込んだ
ノリノリの④、エメット先生の生ギターの妙技にウットリさせられる⑥、ヒット・シングルとなった爽快な⑦、
ラストをムーディに締めるブルーズ・ナンバー⑧と、全編これ一切の捨て曲なし。
・・・と、高い完成度を誇る作品にも関わらず、何故かTRIUMPHのオリジナル・アルバムの中では影の薄い本作だが、
こと「泣きメロ」のクオリティに関しては、彼らの作品の中でもトップクラスに位置する1枚と、
個人的には信じて疑わない次第。メロディ愛好家は是非ご一聴を。


TRIUMPH - Just a Game - Hold On ★★★ (2007-12-17 21:56:46)

シングル・カットされた結果、アメリカのラジオ局で
ヘヴィ・ローテーションされ、TRIUMPHの全米進出の
足掛かりとなった名曲。爽やか且つ軽快な曲調が、
えも言われぬ高揚感を生み出しますね。


TRIUMPH - Just a Game - Lay It on the Line ★★ (2007-12-17 22:03:24)

繊細な冒頭のGプレイからして、既に泣けるセミ・バラード。
後のTRIUMPH流バラードの「型」ともなった1曲じゃないかな、と。
それにしてもリック・エメットは、Gだけでなく、
歌声からも猛烈な「泣き」を発散しまっくてますなぁ。


TRIUMPH - King Biscuit Flower Hour Live ★★★ (2017-02-10 00:39:35)

KING BISCUIT FLOWER HOUR放送用に収録された、TRIUMPHが’81年にアメリカのオハイオ州クリーブランドで行ったライブ音源が’97年にCD化。
彼らのライブ盤と言うと『STAGES』がありますが、絶頂期を迎えたバンドの横綱相撲が楽しめるあちらに比べ、栄光を鷲掴むべくガムシャラに突っ走っていた時期のTRIUMPHの姿が生々しく記録されているこちら。ベスト盤的構成のあちらに対し、一本のショウを丸々収録するこちら…といった具合に、同じライブ盤でもその性質は大きく異なっています。
なので本作におけるメンバーのパフォーマンスは、MCも含め全体的にかなり走り気味という。特にシンガーとしてのみならず、ドラマーとしての実力者ぶりも遺憾なく発揮するギル・ムーア(Vo, Ds)の存在が今作の肝。バンド・サウンドの強力な推進剤の役割も担う彼のパワフルなドラミングに呼応するかの如く、スマッシュ・ヒット・チューン“I LIVE FOR THE WEEKEND”や、中間部にリック・エメットのGの妙技が堪能できるインスト曲“FINGERTALKIN’”を挿し込んだ“ROCK & ROLL MACHINE”等、セットリストもアップテンポでハード・ロッキンな楽曲を中心に構築されていて、バラードリーな“LAY IT ON THE LINE”にすら(スタジオ版にはない)疾走パートを組み込んでみせる徹底ぶり。そうかと思えば一転、初期の大名曲“BLIND LIGHT SHOW/MOONCHILD”を、インプロヴィゼーションを交えオリジナル・バージョン以上にメロウにして壮大、且つドラマティックに再現してしまうのですから、HRからプログレッシブ・ロックまで、TRIUMPHというバンドの表現力の多彩さには恐れ入り谷の鬼子母神。ファンなら必須の1枚ですよ。


TRIUMPH - Never Surrender ★★ (2007-12-20 22:54:00)

5th『ALLIED FORCES』の大成功を受け、波に乗るバンドの「勢い」が如実に反映された快作で、
これをTRIUMPHの最高傑作として挙げるファンも多いと聞く、'83年発表の6thアルバム。
繊細さと豪快さのブレンド加減が絶妙だった『ALLIED~』に対し、今回は、より幅広いリスナー層にアピールすべく
ハードロック的な快活さは若干抑え気味にして、その分、洗練されたメロディをググッと前面に押し出した作風で、
前作に比べると、やや大人しくなってしまった印象はあるものの、メジャー・アクトとしての風格漂う、
重厚さを増した収録曲のクオリティといい、泣きメロ職人として天才的センスを発揮するリック・エメットをGを筆頭とする
各メンバーのパフォーマンスといい、名盤だった前作にも全く引けを取らない内容に仕上がっている辺りは流石。
特に、TRIUMPH(というかエメット先生)の得意パターンである哀愁に満ちた②、爪弾かれるクラシカルな
インスト曲③から繋がる泣きのハード・チューン④、大仰で劇的なイントロを経て、ドラマティックに展開する
アルバム・タイトル・トラック⑦、ラストをしんみりと締め括る、涙がちょちょ切れるギター・インスト曲⑨
といった楽曲の涙腺破壊力は半端じゃない。(テイストは異なるが、爽やかに駆け抜けるポップ・チューン⑧も名曲です)
結果的に本作も売れまくり(米ビルボード最高位は26位でゴールド・ディスク獲得)、TRIUMPHは絶頂期を迎える。
・・・のだが、この後更なる飛躍を狙ってMCA RECORDSへと移籍した事が、バンドにとって大きな転換点となるのだけど、それはまた別の話。


TRIUMPH - Never Surrender - A World of Fantasy ★★★ (2007-12-21 23:45:34)

TRIUMPHが生み出した数々のヒット曲の中でも、
最も頻繁にラジオでオンエアされた実績を持つという名曲。
侘しげなイントロからして既に泣けるが、
ポップさと泣きが絶妙に融合した曲調が、これまた絶品。


TRIUMPH - Never Surrender - All the Way ★★★ (2007-12-21 23:50:16)

個人的に、6thアルバムのハイライト・チューンでもある、
泣きのハード・ナンバー。
アップテンポの曲調と、訴え掛ける様に、
声を振り絞って歌うリック・エメットのVo、
そして必殺のGソロが涙腺を激しく刺激する超名曲。


TRIUMPH - Never Surrender - Little Boy Blues ★★★ (2007-12-22 00:14:32)

TRIUMPHのインスト曲では、これが一番のお気に入り。
いつ、なんどき聴いても泣けて泣けて仕方がない、
リック・エメットの「泣きのG」の真骨頂が堪能できる超名曲。
ブルージーな曲調なれど、濃過ぎず、都会的なクールさが
感じられるのが、エメット先生のGプレイにおいて
特筆すべき点でしょうか。


TRIUMPH - Never Surrender - Never Surrender ★★★ (2007-12-21 23:41:22)

リフだけ聴くとレゲエっぽかったりするんだけど、
その上に乗る憂いを帯びたメロディと、
ドラマティックな曲展開には、レゲエ的な緩さは皆無。
大仰なイントロ“OVERTURE(PROCESSIONAL)"と
併せてお楽しみください。


TRIUMPH - Progressions of Power ★★ (2007-12-18 21:23:00)

大西洋の向こう側で勃発したNWOBHMに影響を受けた・・・かどうかは定かじゃないが、ともかく、3rd『JUST A GAME』の
哀愁や叙情性に包まれたソフト路線から一転、再びハード・ロッキンなエッジがより強調された、
アグレッシブな内容に仕上がっている、'80年発表の4thアルバム(邦題は『重爆戦略)。それにしても酷いジャケット・デザインだ(笑)
前作の、リック・エメットのGとVoがメロメロに泣きまくるメロディ重視の作風に比べると、今回はソリッドな音作りに、リズム隊が
楽曲の中心に据えられ豪快にハジける、ギル・ムーア(Ds、Vo)テイストとでも言うべき味わいが色濃い作風で、
正直、前作をこよなく愛する向きにはちょっぴり肩透かしな内容。
それでも、へヴィ・メタリックなエネルギーが漲る溌剌としたOPナンバー①や、ダイナミックな④といった楽曲は
十分にカッコイイし、勿論、前作の路線を受け継ぐ、哀愁に満ちた③や、癒し系バラード⑥も収録。そして何と言っても、
エメット先生お得意のスパニッシュ・ギター・プレイをフィーチュアしたインストの小曲⑧を前奏代わりに、
ラストを劇的に締め括る、泣きメロ満載の名曲⑨を聴けば、本作が駄作などではなく、TRIUMPHのアルバムで初めて、
米ビルボードのTOP40に食い込むヒット作となったのも、納得が行くクオリティを備えている事が分かるはず。
80年代の幕開けと共に、TRIUMPH黄金時代の到来を告げた1枚。


TRIUMPH - Progressions of Power - Hard Road ★★★ (2007-12-18 21:31:05)

4thアルバムのラストを締め括るに相応しい、
起承転結がバッチリと決まった、ハードで劇的な名曲。
マイク・レヴァインのツボを突いたKeyプレイと、
胸を締め上げてくる切ない泣きメロの炸裂っぷりに痺れます。


TRIUMPH - Rock & Roll Machine ★★ (2007-12-16 16:54:00)

1stと2ndの収録曲をごっちゃにした、アメリカ・デビュー盤のタイトルも『ROCK'N'ROLL MACHINE』なので
結構紛らわしく、輸入盤を購入する際は注意が必要な、'78年発表の2ndアルバム。(斯く言う自分も、昔間違えました)
オーソドックスなアメリカン・ロック色が前面に押し出され、多少古臭さを感じなくもなかった
1st『IN THE BEGINNIG』に比べると、今回は収録曲の曲調に幅が出て来ているし、キャッチーなメロディも
そこココで聴く事ができるしで、いよいよTRIUMPHが本領を発揮し始めた感あり。
仄かな叙情味が心地良いロック・チューン②や、ジャズ/フュージョン風の展開がクールな都会派バラード・パートから、
力強くハードに盛り上がっていく組曲形式の③④、エメット先生の弾きまくりGプレイが圧巻の、エネルギッシュな
アルバム・タイトル・トラック⑧といった楽曲も良いが、何より素晴しきは、“WAR MARCH"
“EL DUENDE AGONIZANTE"“MINSTREL'S LAMENT" の3パートから構成される、10分近くに及ぶ大作組曲⑥。
クラシックにフラメンコ、プログレッシブ・ロックといった様々な音楽のエッセンスが絶妙なバランスで注入された、
TRIUMPHのセンスの良さが、見事に発揮されまくったドラマティック極まりない超名曲の1つ。
本作の成功を受け、TRIUMPHは米メジャーのRCAと契約、いよいよ世界市場へと乗り込んで行く事となる。


TRIUMPH - Rock & Roll Machine - Blinding Light Show/moonchild ★★★ (2007-12-16 15:36:29)

スピーディなイントロに続いて、たっぷりと叙情味を含んだ
歌メロが流れ始めた瞬間、多くのTRIUMPHファンが
この曲の出来の良さを確信したはず。
静と動の対比が美しい劇的な曲展開、切なさの滲む歌メロ、
そしてリック・エメットの絶品のGプレイと、
この名曲を聴くためだけに1stアルバムを買っても損はないと
断言しましょう。というか買え。


TRIUMPH - Rock & Roll Machine - NEW YORK CITY STREETS(PART1&PART2) ★★ (2007-12-16 17:23:33)

バラード調のPART1から、ハードロッキンなPART2へと
繋がっていく組曲形式のナンバー。
力強いPART2も良いけど、やはり聴きモノはPART1の方で、
ジャズ/フュージョン風味を上手く取り入れた、
お洒落で都会的、且つクールな雰囲気に痺れます。


TRIUMPH - Rock & Roll Machine - The City: War March; El Duende Agonizante; Minstrel's Lament ★★★ (2007-12-16 17:06:40)

ホルストの“惑星"をモチーフにした、重々しく劇的な導入部の
PART1“WAR DANCE"、リック・エメットによる、スパニッシュGの
妙技が炸裂するPART2“EL DUENDE AGONIZANTE"、
そして、聴いてるこっちの顔が思わず歪んでしまうぐらい
VoとGが壮絶に泣きまくり、ドラマティックに盛り上がって
エンディングを迎えるPART3“MINSTREL'S LAMENT"という
3つのパートから構成される、初期TRIUMPH屈指の超名曲。


TRIUMPH - Stages ★★★ (2017-02-08 23:10:48)

TRIUMPH初のライブ・アルバム。代表曲、ヒット曲がズラリ並べられた本編は、これまでの彼らの歩みを総括するベスト盤としても機能するよう、バンドが’81~’85年にかけて行った3つのツアーからベスト・テイクを集めて構成。ただそのせいで各曲のEDがフェードアウト処理されてしまっていて、ライブならではの「うねり」を演出しきれていない点は痛し痒し。またスタジオ録音の新曲が収められているのも少々蛇足な感が無きにしも非ずか。(本作をベスト盤として捉えれば不思議でも何でもありませんが)
それでも、豪快なリフ・ワークから繊細なGソロまで滑らかにこなすリック・エメット、ドラムとシンガーの二足の草鞋を履くギル・ムーア、BのみならずKeyでもサウンドのボトムをガッチリ支えるマイク・レヴァインのHRトライアングルによる、トリオ編成とは思えぬ迫力とスケール感を有するパフォーマンス、会場の熱狂に後押しされ、全盛期のTRIUMPHを代表する名曲群が次々に畳み掛けるセットリスト…と、本作がライブ・アルバムの傑作であることは疑う余地がありません。特にエメット師匠の奔放なGプレイをたっぷりフィーチュアした⑥(Disc-1)、観衆の大合唱が響き渡る⑤(Disc-2)、そしてコンサートのクライマックスをスタジオ・バージョン以上にドラマティックな仕上がりで締め括る⑥(Disc-2)辺りの盛り上がりっぷりは圧巻。
TRIUMPH未体験者の方には、下手なベスト盤買うぐらいなら、こっち(できればオリジナルLP通りノーカット収録の2枚組紙ジャケ再発盤)を購入することをお薦め致します。


TRIUMPH - Surveillance ★★ (2007-12-24 22:57:00)

レコード会社との関係悪化や、メンバー間の不和など、制作当時、バンド内部の状況は修復不能な程にガタガタだった
らしいが、まるでそうとは感じさせぬ快作に仕上がった、オリジナル編成では最後の作品となる、'87年発表の9thアルバム。
レコード会社からのプレッシャーで、産業ロック的なポップさが強調されていた前作(でも完成度は高かった)に比べると、
今回は、PROLOUEやPRELUDEを随所に配した流麗な構成といい、ハード・ロッキンなエッジと、哀愁のメロディを取り戻した
楽曲の数々といい、ほんのりとながらも、かつてのTRIUMPHらしさを回復。(コンセプト・アルバムなのだとか)
まぁ、基本的には前作『SPORT OF THE KING』の路線を継承するサウンドだし、リック・エメットのGは完全に脇役に
徹していて、ブルーズ風味の泣きメロや、ドラマティックな曲展開といった要素も排除されているが、
とにかく、序曲①を経てスタートする憂いを帯びたキャッチーな②、ゲスト参加しているスティーヴ・モーズの
スリリングなGプレイが炸裂する③、組曲形式で繋がっていく、起承転結を兼ね備えた④⑤といった楽曲が並ぶ、
アルバム前半の完成度の高さの前には、少々の不満は吹っ飛ぶというもの。
中盤の楽曲がやや弱い点も惜しまれるが、叙情的なバラード⑪や、ラストを締める爽快な⑫が
これまた良い曲なので、聴き終えた後の満足感は十分。
とてもバンド内の状況が最悪だった時期に作られた作品とは思えぬ、充実した内容を誇る名盤。


TRIUMPH - Surveillance - Carry on the Flame ★★★ (2007-12-24 23:04:53)

“ALL THE KING'S HORSES"から組曲形式で繋がる、
憂いとドラマ性、そして透明感を兼ね備えた、
個人的には9thアルバムの中でも一番のお気に入りの超名曲。
1度クールダウンしてから、再び盛り上がっていく場面の
カッコ良さは、何度聴いても鳥肌です。
(Keyアレンジのセンスの良さも◎)


TRIUMPH - Surveillance - Headed for Nowhere ★★★ (2007-12-24 23:01:55)

スティーヴ・モーズのバカテクGが炸裂する
スリリングなスピード・チューン。
全体的にGは大人しめな9thアルバムの中でも、
この曲のハジケ具合は際立っています。


TRIUMPH - Surveillance - Never Say Never ★★★ (2007-12-24 23:00:08)

美しいプロローグを経てスタートする、
ポップでキャッチー、且つ憂いを帯びたメロディが秀逸な、
9thアルバムの出来の良さを確信させるに十分なOPナンバー。


TRIUMPH - The Sport of Kings ★★ (2007-12-22 21:26:00)

二ール・ショーン、エリック・マーティンといった外部ライターとの共作など、アルバム作りに執拗に口を挟んでくる
レコード会社の存在、ロン・ネヴィソンからミック・クリンクへのプロデューサー交代劇、リック・エメット(G)と、
ギル・ムーア(Ds)&マイク・レヴァイン(B)の対立etc・・・と、バンド内部が軋みを上げる中で制作、'86年に発表された8thアルバム。
レコード会社の要望に従い、ポップで穏やかな作風が強調された本作からは、ブルージーな泣きや、
ドラマティックな曲展開といった「濃い」要素が一掃され、収録曲は何れも爽やかでシンプルな仕上がり。
完全にKeyが楽曲の主導権を握っていて、G以上に目立ちまくる場面も多いため、初めて本作を聴いた時は
「随分、産業ロック化が進んだな~」と感じたものだが、ぶっちゃけ産業ロックも大好物なので、個人的には無問題。
ほんのりと哀愁の漂う④を筆頭に、メロディアスな楽曲は聴き応え十分だし、何より、悪化の一途を辿っていた
バンド内部の状況が、作品の出来に全く影響を与えていないの点は、流石ベテラン・バンドといったところか。
ただ、アルバムの完成度とは別に、「泣き」を潜めたエメット師匠の裏方に徹したGプレイや、
かつてのTRIUMPHらしさをしっかりと残した、スパニッシュ風味のインスト序曲⑧から繋がる、
泣きメロをフィーチュアしたハードな名曲⑨が完全に浮いてしまっている本編を聴くと、
「何も彼らがこの路線を演らんでも・・・」と思ってしまうのも、また事実なのであった。
1曲1曲は魅力的なのだが、正直なところ「TRIUMPHらしさ」は希薄と言わざるを得ない1枚。


TRIUMPH - The Sport of Kings - Play With the Fire ★★★ (2007-12-22 21:32:16)

リック・エメットが得意とする、
スパニッシュ風味のギター・インスト曲
“EMBRUJO"から繋がる、泣きのハード・ナンバー。
穏やな雰囲気が支配的な8thアルバムの中では
浮いて聴こえるぐらい、かつてのTRIUMPH風味が
強烈に発揮された超名曲。


TRIUMPH - Thunder Seven ★★ (2007-12-21 23:57:00)

RCAからMCA RECORDSへと移籍して、'84年に発表された7thアルバム。一般的に(質はともかくセールス的に)
このアルバムまでがTRIUMPHの黄金時代とされる事が多いが、実際、本作はその評価に違わぬ優れた内容を誇る。
名手エディ・クレーマーがバンドと共同でプロデュースした、スケール感溢れるモダンな
サウンド・プロダクションのもと、これまで以上にKeyを積極活用し、メロディ重視の姿勢が打ち出された作風からは、
ますますHR/HM的なエッジは失われてしまったものの、どっこい、高いドラマ性と強力なフック、
そして哀愁のメロディを兼ね備えた楽曲のクオリティに関しては、未だ一点の曇りもない。
ミディアム・テンポの曲が大半を占めるため、通して聴くとメリハリに乏しく感じられてしまう構成に難あれど、
1曲ずつ取り出してみれば、その完成度の高さは半端なく、ダイナミックな①、躍動感に溢れたキャッチーな④、ヴァースから
サビにかけての哀メロが堪らない⑤、リック・エメット(G)の繊細な表現力がスパークする、ブルージーな泣きのインスト⑩と、
名曲/佳曲を多数収録。中でも“真夏の白日夢"という邦題通りの雰囲気を漂わせた前半から、スペーシーな浮遊感と
物悲しげなコーラスが印象的な中盤を経て、メロウでドラマティックな後半へと、組曲形式で綴られる⑥⑦⑧の流れは圧巻。
ただ、かつてのTRIUMPHなら⑦の後には疾走曲を用意していた筈が、ここではセミ・バラードとも
表現できそうな曲調の⑧へと繋がっていく辺りが、ロック色を薄めて歌モノ志向を強め始めた
バンドのスタンスを明確に表しているのかな、と。尤も、名曲には違いないので全く問題ないんだけどね。


TRIUMPH - Thunder Seven - Follow Your Heart ★★★ (2007-12-22 00:01:06)

「キャッチーなロック・チューン」の
お手本のような仕上がりの名曲。
ライブでの大盛り上がりも無理のない、
高揚感溢れる曲調が素敵過ぎる。


TRIUMPH - Thunder Seven - Time Canon / Killing Time ★★★ (2007-12-22 00:09:20)

抑揚の効いたドラマティックな曲展開と、
「華麗」としか表現のしようのない、
リック・エメットとギル・ムーアのツインVoが大変素晴しい、
“MIDSUMMER'S DAYDREAM"~“TIME CANON"から繋がる
組曲のクライマックスを飾るに相応しい名曲。


TRIUMPH - Thunder Seven - Time Goes By ★★ (2007-12-22 00:04:09)

イントロのリフこそ冴えないが、
ヴァースからサビに掛けての猛烈にフックの効いた哀メロと、
中盤のドラマティックな曲展開で、
その失点を一気に挽回する名曲。


TROJAN ★★ (2007-11-18 19:42:00)

'82年に、英国はウィガンにて、ピート・ウェイドソン(G)が中心となって結成。
'85年にROADRUNNER RECORDSより『CHASING THE STORM』でデビュー。
(確か当時、日本盤も発売されたはず)
新たにスラッシュ・メタルが盛り上がりを見せ始めていた欧州圏では、
パワフルでスピーディなサウンドが好評を博したが、
NWOBHMが終焉を迎え、意気下がる一方だったイギリス本国では
その存在は完璧に無視され、結局、そうした状況に業を煮やしたメンバーが
他の活動へと興味を移してしまったため、解散へと至った。


TROJAN - Chasing the Storm ★★ (2007-11-18 11:03:00)

イギリスはウィガン出身の4人組スピード・メタル・バンドが、'85年に発表した1stアルバムが遂に初CD化!
発表当時はEXCITERの『HEAVY METAL MNIAC』や、JAGUARの『POWER GAMES』といったアルバムとよく比較されていたらしいが、
実際のところ、本作に託されたサウンドは、EXCITERよりも劇的(メロディアス)で、JAGUARよりもグッとアグレシッブ。
例えるなら、『THUNDERSTEEL』を発表した頃のRIOTを、ちょいとスラッシュ・メタル寄りにした感じ・・・かな?
実際、全身の血中メタル分が沸騰するOPチューン①は、“THUNDERSTEEL"を彷彿とさせる
リフがブチかまされる超名曲(勿論、発表はこっちの方が先なわけだが)
NWOBHMが終焉を迎え意気下がる英国よりも、寧ろ、新たにスラッシュ・メタルが盛り上がりを見せ始めていた
他のヨーロッパ地域で高く評価されたという本作は、EXCITERばりのハイテンションなカミソリ・チューン②④⑧⑩を
要所に配してゴリゴリと押しまくりつつ、“STAND UP AND SHOUT"風のリフが疾走する③や、
勇ましく力強い⑤といった、叙情味も効かせた楽曲で、アルバム全体の流れに緩急を演出する手腕が心憎い。
何より、ザリザリのリフが刻まれるアップテンポの前半から、猛烈な疾走へと転じる⑥は、リーダーのピート・ウェイドソンによる
ドラマティック極まりないGプレイと併せて、「パワー・メタル・ソング、斯くあるべし!」と思わずガッツポーズ取りたくなる
(これまた)超名曲なので、全メタル・ファンは必聴のこと。この曲に限らず、Gは全編で非常に良い仕事してますなぁ。
・・・と、これだけ捨て曲皆無のハイクオリティな内容のアルバムを作り上げながらも、
これ1枚きりでアッサリとバンドは解散してしまったというのだから、何とも勿体無い限り。


TROJAN - Chasing the Storm - Aggressor ★★★ (2007-11-18 19:31:26)

叙情的なイントロを経て、けたたましいリフ&リズム&Voが
ハイテンションで疾走を開始する
まさに「タイトルに偽りなし」のカミソリ・チューン。
これを聴くと、彼らがよくEXCITERと比較されていた
という話も大いに納得がいきます。


TROJAN - Chasing the Storm - Chasing the Storm ★★★ (2007-11-18 19:22:32)

1stの幕開けを飾る、アルバム・タイトル・トラック。
RIOTの“THUNDERSTEEL"を彷彿とさせるリフが
炸裂した瞬間、全身の血中メタル成分が燃焼を開始する超名曲。
メロディアス且つドラマティックなGソロも最高です。


TROJAN - Chasing the Storm - Icehouse ★★★ (2007-11-18 19:27:33)

ファンの間でも特に高い人気を誇ると言う、ドラマティックな名曲。
アップテンポの前半を経て、後半は疾走パートへと移行するのだが、
ここでピート・ウェイドソンが披露するGプレイは、
本編のハイライトと言うべき凄まじいクオリティ。
丁寧にフレーズを積み重ねて、劇的なドラマを演出するGソロには、
「んかーっ!これよ、これ!」と思わず悶絶&涙。


TRUST - Live! Paris by Night ★★★ (2016-02-07 22:19:04)

白熱のパリ公演の模様を収めた、'89年発表の実況録音盤。
それまでTRUSTについては「ニコ・マクブレインが在籍したバンド」「ANTHRAXが“ANTI-SOCIAL”をカヴァーした」程度の認識しかなかったのですが、アリーナ級の会場を埋め尽くす観衆の姿が捉えられたジャケットや、彼らがあげる大歓声を見聞きすれば、TRUSTがフランスの国民的人気バンドであった事実がすんなりと納得できました。
初っ端からメーター振り切った盛り上がりっぷりで「おフランス=メタル後進国」との偏見を根底から覆すパリっ子達の存在はまさしく本作の白眉。お陰で仏語の歌詞もMCも全く気になりませんし、何よりこういうステージの上と下で大々的にエネルギーの交歓が行われるライブ盤って大好物なんですよね、個人的に。脂の乗り切ったメンバーのパフォーマンスが、詰め掛けたファンの熱狂に煽られて更にドライヴしまくり、シンプルなタテノリ・ロックンロールがスタジオ盤で聴くよりも数倍カッコ良く、またエネルギッシュに迫り出して来ます。特に代表曲“ANTI-SOCIAL”において、「打てば響く」といった感じで繰り広げられる怒涛のコール&レスポンス合戦は圧巻。これ聴いてアガらないメタル者がおりましょうか。
「パリは燃えているか?」と問われたならば、「燃えまくりですよ!」と即答したくなる1枚。