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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6301-6400

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6301-6400
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URIAH HEEP - Raging Silence - Blood Red Roses ★★★ (2012-06-16 23:50:32)

過酷なツアーとレコード会社のサポート不足に
嫌気が差してURIAH HEEPを去ったピート・ゴルビーでしたが
バンドとの関係は良好だったようで、
こうして優れた楽曲をアルバム用に提供してくれています。
元々彼が自分用に書き下ろしたナンバーゆえ
「ヒープらしさ」は希薄な仕上がりですが、
良い曲は良い曲。


URIAH HEEP - Return to Fantasy ★★ (2010-08-24 22:39:00)

ケン・ヘンズレーが「終わりの始まり」と語るゲイリー・セイン(B)解雇騒動を経て'75年に発表された8th。
(セインはその翌年死去。死因はオーバードーズとも感電事故の後遺症とも言われているが、真実やいかに)
後任Bは元KING CRIMSONのジョン・ウェットン。しかもアルバムは全英チャート最高第7位にランクインする
ヒット作となり、その上タイトル曲はURIAH HEEPを代表する名曲の一つ・・・と、トピックだらけの作品ゆえ、
このバンドに興味を持った時点で速攻購入に走ったのだが、アルバム表題曲①のインパクトが
余りに強過ぎるため、続く楽曲が完全に霞んで聴こえてしまう事や、全体的にロックンロール調の
軽快なノリが目立つ作風等から、正直、購入当初の感想は余り芳しいものではなかった。
尤も、現在では本作は大好きな1枚だし、スペーシーな雰囲気漂う導入部を備えたドラマティックな④、
何やらノスタルジックな哀愁の感じられる⑧、これまでアルバムのラストに置かれてきた楽曲群に比べると
ややドラマ性には乏しいものの、欧州のバンドらしい憂いと湿り気を帯びた⑨等、きっちり名曲/佳曲を収録。
そして何より、本作をよりスペシャルな作品へと高めているOPナンバー①の存在がトドメを刺す。
この名曲を聴くためだけにでも購入する価値がある1枚と思うのだが、どうか?


URIAH HEEP - Return to Fantasy - A Year or A Day ★★★ (2010-08-24 23:18:14)

アコギを効果的に取り入れ、緩急を付けて劇的に
盛り上がっていく8thアルバムのラスト・ナンバー。
これまでの作品のラスト・ナンバーに比べると
ドラマ性にはやや乏しいものの、
憂いを帯びたメロディの素晴しさと、
繊細な歌唱から雄々しい歌い上げまで
堂々とこなすデヴィッド・バイロンの
熱唱の前にはそんな些細な不満は
綺麗サッパリ吹き飛ばされてしまいます。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Beautiful Dream ★★ (2010-08-24 23:10:35)

スペーシーな雰囲気漂うイントロを聴いていると
RAINBOWの名曲“EYE OF THE WORLD"を思い出したりも。
勿論、発表はこちらの楽曲の方が先なわけだが。
全体的にロックンロール風味が強い8thアルバムの中にあって
数少ない初期テイストの感じられる楽曲の一つ。
鮮やかなシャウトを繰り出すデヴィッド・バイロンの
歌いっぷりが素晴しいったら。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Return to Fantasy ★★★ (2010-08-24 23:05:29)

劇的なメロディを紡ぎ出すGとリズム隊に
深遠な響きを湛えたKeyが絡むイントロだけで
小生の愚息も思わず昇天。
英国的な哀愁漂わすデヴィッド・バイロンのVoに
美麗なボーカル・ハーモニーが絡むサビメロの
素晴しさも特筆モノ。
全体的にロックンロール・テイストが強く感じられる
8thアルバムの中にあって、この名曲には間違いなく
初期URIAH HEEP精神が宿っています。


URIAH HEEP - Salisbury ★★ (2010-08-13 23:35:00)

サクセスへの野心やリスクを恐れない冒険心といった、新人バンドならではの「勢い」が
ヒシヒシと感じられる、'71年発表の2ndアルバム。
その象徴たるのが、アルバム・タイトルを冠され本編ラストに鎮座まします超大作ナンバー⑥で、
16分を越える長大なランニング・タイムにブラス・セクションの導入など、70年代ロッカーらしい実験精神が
存分に発揮された曲調は、正直なところ「URAIAH HEEPらしさ」は希薄な印象なのだが、
とは言えミック・ボックス入魂のGソロに、ケン・ヘンズレーの幽玄美溢るるKeyプレイ、
そして、重厚且つ劇的なリズムを叩き出すB&Dsら楽器陣が牽引するドラマティックな曲展開といい、
鳴り物を効果的に使用した壮大且つ勇壮なメロディといい、長尺を物ともしない内容が
聴き応え十分なのもまた確かで、この辺の楽曲構築術の冴えは流石URIAH HEEP。
本編にはこれ以外にも、「七色の声を持つ男」と言われたデヴィッド・バイロンのエキセントリックな
歌唱が緊迫感を生み出すOPナンバー①や、それとは真逆を行く温もりに満ちたバラード②といった
コンパクトに締まった名曲も同時収録。(フォーキーな④も良い曲ですねぇ)
次作での飛躍を大いに予感させるに十分な説得力を備えた1枚。


URIAH HEEP - Salisbury - Lady in Black ★★★ (2014-11-09 22:10:30)

確かにライブのエンディングを飾るには
少々小粒な印象を持っていたのですが、
実際にライブで聴いてみると、
覚えやすいメロディから、唱和を誘うコーラスまで、
会場が一体感を持って盛り上がれる楽曲なんだなぁ、と。
来日公演を経て、魅力を再発見した名曲でした。


URIAH HEEP - Salisbury - Salisbury ★★★ (2010-08-13 23:42:16)

購入後しばらく、間違えて「サルスベリー」と呼んでました。
鳴り物がかなり大胆に導入されているが、
能天気な印象はまるでなく、むしろ楽曲の持つ勇壮さや
壮大な雰囲気をググッと盛り上げる、効果的な役割を
果たしているように思います。
ただ、URIAH HEEPっぽさは薄いかな。
どっかのプログレ・バンドみたいだ。


URIAH HEEP - Sea of Light ★★ (2008-06-03 22:29:00)

個人的に、以前からその名前は知っていても、全く興味の範疇外だったURIAH HEEPというバンドにハマり、
彼らのオリジナル・アルバムを揃える切っ掛けともなった、'95年発表の傑作19thアルバム。
デビュー25周年という節目を意識してか、80年代以降のポップ・ロック路線のエッセンスを随所に残しつつも、
全体としては原点回帰の姿勢が強く打ち出されていて、それは、4th『悪魔と魔法使い』以来ひさびさの登場となる、
名匠ロジャー・ディーンの手による、幻想的なイラストをジャケット・アートワークに用いている事からも明らか。
何より、ベテラン・バンドらしからぬ若々しい躍動感と、ブリティッシュHRならではの湿り気を帯びたメロディ、
そして、ファンタジック且つドラマティックな曲展開を備えた楽曲群の充実っぷりが素晴しく、
特に、静謐なイントロをハードなGリフが切り裂きスタートする①は、ガップリ四つに組んだGとKey、メロディアスなB、
伸びやかなVoと華麗なコーラス・ハーモニーが一体となって雄々しく疾走する、現URIAH HEEPサウンドの魅力が
全て詰め込まれた、バンド史に残る名曲の1つ。この曲のためだけにアルバムを買っても後悔はない!と断言したくなる
本作なれど、ここにはそれ以外にも“安息の日々 PART Ⅱ"と言われた③、バーニー・ショウのエモーショナルな歌唱が
映える④、トレヴァー・ボルダーの弾き出す重たいBラインと、力強い曲調が印象的な⑤、壮大にしてドラマティックな
後半のハイライト・ナンバー⑨、美しくも切ないアコギ・バラード⑪・・・と、前述の①に勝るとも劣らない高品質な名曲/佳曲がズラリ。
10年以上に渡って、メンバー・チェンジなしで活動を続けた(オリジナル編成以上に長続きした)ラインナップの
雰囲気の良さが如実に反映された内容で、全盛期(70年代)の作品にも匹敵する輝きを放つ名盤。


URIAH HEEP - Sea of Light - Against the Odds ★★★ (2006-05-12 22:00:34)

傑作アルバム『SEA OF LIGHT』の幕開けを飾るに相応しいドラマチック・チューン。
幻想的なイントロをハードなGリフが切り裂き、
フィル・ランゾンによる華麗なハモンドの音色と、
リー・カースレイクの叩き出すダイナミックなビートに乗って曲が疾走を開始。
伸びやかなVoを聴かせるバーニー・ショウ
(ライブでの大合唱が容易に想像出来る雄々しいサビメロが秀逸)や、
印象的なオブリを閃かせるトレバー・ボルダーのBも良い仕事をしているが、
やはり要はミック・ボックスのG。
メロディアスなソロ・プレイも然ることながら、結成25周年(当時)を経ても、
未だにこのレベルの楽曲を生み出し得るその才能には、ただただ敬服するのみ。


URIAH HEEP - Sea of Light - Love in Silence ★★★ (2008-06-04 21:39:42)

7分近くに及ぶ長尺を、全く飽きさせる事なく聴かせきる、
ファンタジック且つプログレッシブな
アルバム後半のハイライト・ナンバー。
壮大にしてドラマティックな中間部のアレンジが堪りませんなぁ。


URIAH HEEP - Sea of Light - Mistress of All Time ★★ (2008-06-04 21:31:31)

Voのバーニー・ショウが主役を張った、
アコースティカルなメロウ・チューン。
柔和でファンタジックな楽曲の完成度を、
バーニーの伸びやかでエモーショナルな歌声が
数段階も上へと引き上げている。


URIAH HEEP - Sea of Light - Time of Revelation ★★ (2008-06-04 21:26:33)

「SEA OF LIGHT」の原点回帰志向を象徴するかのような、
名曲“安息の日々"を思わせるシャッフル・チューン。
軽快に弾むリズムと、哀愁を帯びたメロディが心地良い。


URIAH HEEP - Sea of Light - Universal Wheels ★★ (2008-06-04 21:35:47)

トレヴァー・ボルダーの重たいベース・ラインに、
力強く劇的な曲調が印象に残るヘヴィ・ナンバー。
この曲に限らず、トレヴァー・ボルダーのBは
アルバム全編で非常に良い仕事っぷりを披露している。


URIAH HEEP - Sonic Origami ★★★ (2012-06-18 07:04:09)

「折紙」という日本語の組み込まれたユニークな表題が妙に耳に残る'98年発表の19thアルバム。
前作『SEA OF LIGHT』が、ジャケットから何から確信的に70年代URIAH HEEPサウンドの再現が目論まれた傑作だったため、本作は「ラジオ・フレンドリーな楽曲作りを試みた」というミック・ボックス(G)の発言や、70分オーバーの長尺がネックとなって、リリース当時は余り素直に楽しめなかったのですが、今回この文章を書くに当たって改めてじっくりと聴き直してみたら、自分の中で評価がモリモリ急上昇。いや、良いアルバムですよね、これ。
OPを雄々しく飾る①は、G、Vo、Keyの見事な歌いっぷり、劇的な曲展開を支えるリズム隊、そして美しく重厚なボーカル・ハーモニーまで「URIAH HEEP全部入り」な掛け値なしの超名曲ですし、それを開巻の合図とする頭3曲の畳み掛け具合や、ブリティッシュHR然としたドラマ性とフックの効いた楽曲が連続する⑥~⑧の流れ、SURVIVORのジム・ピートリック提供のバラード⑪、オーケストラを導入した美しくも壮大な⑬が配置された終盤等、ハイクオリティな本編を耳にするに付け、今更ながら先のミックの「ラジオ云々~」の発言の真意が、ポップ化することや売れ線に走ることではなく「メロディやアレンジをしっかりと練る」という点にあったことに気付かされた次第。
但し、長尺が過ぎるという弱点はやはり厳然として存在しており、もう少し曲数を絞るか、もしくはアップテンポの楽曲を用意してアルバムの構成に緩急を付けた方が良かったんじゃないかなぁ、とは思うんですけどね。


URIAH HEEP - Sonic Origami - Between Two Worlds ★★★ (2012-06-18 23:09:52)

ドラマティックな曲展開から華麗なボーカル・ハーモニーまで
“AGAINST THE ODDS”と双璧を為す、URIAH HEEPが
90年代に生んだ超名曲の1つ。
但し、あまりにもこの曲が良すぎるため、
以降の本編が少々霞んで聴こえてしまうという
皮肉な結果を引き起こしていたりも。
 
終盤で入魂の弾きまくりを炸裂させる
ミック・ボックスのGが素晴しいですね。


URIAH HEEP - Sonic Origami - Change ★★★ (2012-06-19 23:20:35)

名バラード“QUESTION”から間を置かずに
繋がっていく、軽快なロック・チューン。
仄かな叙情性と、ポップで上品な高揚感を
湛えた曲調はプログレ・ハード・テイストも
感じられます。


URIAH HEEP - Sonic Origami - Question ★★★ (2012-06-19 23:17:07)

暖かみに溢れたバー二ー・ショウの歌声といい、
しっとりとした叙情味を伝えるミック・ボックスの
アコギといい、時折閃くフィル・ランゾンの美しい
ピアノの旋律といい、まさしく↑上の方が仰る通り
しみじみと「良い曲だなぁ」と実感するバラード。
間髪入れずに次曲“CHANGE”に繋がる展開も良い。


URIAH HEEP - Sonic Origami - The Golden Palace ★★★ (2012-06-18 23:11:52)

アルバムの幕引き役を担うのに相応しい、
オーケストラをフューチュアした大作曲ですが、
大仰さよりも包み込むような温もりに満ちた曲調が
その魅力。


URIAH HEEP - Sweet Freedom ★★ (2010-08-21 23:41:00)

前作『THE MAGICIAN'S BIRTHDAY』辺りを境に、マネージャーとの不和、バンド内部の薬物汚染や
メンバー同士の軋轢など、デビュー以来、休みなしで突っ走って来たことによる弊害が徐々に表面化し始め、
そのため、この'73年発表の6thアルバム以降の作品は、商業的には十分な成功を収めているにも関わらず
1st~5thに比べると一段低く見られる事が多いが、イヤイヤどうしてどうして。唯一無二の個性を備えたVoや
各楽器陣のパフォーマンスを存分にフィーチュアした本編は、相変わらず聴き応え十分。
全体的にプログレ色が薄れ、ややポップさは増しているものの、壮麗なコーラスが印象的な③、
ゲイリー・セインのメロウなBラインが素晴しい④、「アルファベットの歌」を取り入れ軽快に駆け抜けていく
⑥といった楽曲は、聴き込むほどに味わいが増すスルメ級の名曲だし、そしてトドメは、ケン・ヘンズレーの
華麗にして劇的なKeyワークが映える本編ラスト・ナンバー⑧。初期URIAH HEEPの名曲と比較しても
何ら遜色のないドラマティックなこの名曲を聴くためだけにでも、本作は購入する価値大いにあり、だ。


URIAH HEEP - Sweet Freedom - Pilgrim ★★★ (2010-08-21 23:57:31)

クラシカルな女性コーラスに、ケン・ヘンズレーの
荘厳なKeyプレイが絡むイントロを聴いただけで
全身の毛が逆立ちます。
ハードに歌うミック・ボックスのG、
張りのある歌声で勇ましく歌うデヴィッド・バイロンのVo、
重厚且つ劇的なリズム・ワーク、全てが華麗にしてドラマティック。
アルバムを締め括るのにこれほど相応しい曲が他にあろうか。


URIAH HEEP - Sweet Freedom - Sweet Freedom ★★★ (2010-08-21 23:50:31)

哀愁に満ちた6thアルバム・タイトル・トラック。
豊かな包容力を感じさせるデヴィッド・バイロンの歌声と
ウォームな音色でメロウなラインを奏でる
ゲイリー・セインのBが素晴しい。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday ★★ (2010-08-18 21:28:00)

『魔の饗宴』なる物々しい邦題が付けられた、'72年発表の5thアルバム。
デビューから僅か数年の間に5枚のスタジオ・アルバムを制作し、しかもその何れもが
「捨て曲なしの名盤」と評されるに相応しい完成度の高さを誇っているのだから、
多くのファンがこの時期を「URIAH HEEPの黄金時代」と呼ぶのも納得が行くと言うもの。
特に本作は前作から1年足らずという短いスパンでレコーディングされているにも関わらず、
そのクオリティは無類。この頃のバンドの創作意欲がいかに神憑っていたか、良く分かります。
意表を突いてアコースティック・ナンバーで幕を開けた前作に対し、「これぞURIAH HEEP」たる壮大にうねる
OPナンバー①に始まり、妖しく不気味、それでいて華麗でドラマティックなプログレッシブな大作ナンバー⑧
にて締め括られる本作は、“EASY LIVIN'"のようなキャッチーな名曲こそ見当たらないものの、全編に満ちる美しい
哀メロの魅力と、オカルトをテーマとしたコンセプト作としてのまとまりの良さでは、前作を大きく凌ぐクオリティ。
掻き鳴らされるアコギとエレキの絡みが哀感を高める③、暗い泣きを纏ったヴァースから、
希望の感じられるサビメロへの展開にグッとくる④、そしてムーグ(テルミン?)のヒステリックな
音色が印象的な⑥といった楽曲を聴くにつけ、「前作より好きだな」としみじみと実感する1枚。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday - Sunrise ★★★ (2010-08-18 21:57:33)

デヴィッド・バイロンの天を突くシャウトと
重たいリフ/リズムが大波の如くうねくる
イントロだけでノックアウト。
力強く、劇的。
まさにアルバムのOPを飾るに相応しい名曲。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday - The Magician's Birthday ★★★ (2010-08-18 21:53:37)

OPの印象的なリフ&リズムの刻みっぷりや、
中盤の激しいバトル・パートを筆頭に
ミック・ボックス(G)とリー・カースレイク(Ds)の
存在がクローズアップされた大作曲。
勿論、シアトリカルなデヴィッド・バイロンのVo、
ケン・ヘンズレーの幻惑的なKeyプレイ、
そして妖しくも美しいコーラス・ワークも健在。
要するに自分がURIAH HEEPに求める全てが詰め込まれた
名曲ってことですな。


URIAH HEEP - Wake the Sleeper ★★ (2008-06-15 02:09:00)

欧米におけるクラシック・ロック人気の復活や、SANCTUARY RECORDSと契約を結んだこと等に後押しされたのか、
新作は半ば諦めていたURIAH HEEPから、ひょっこり届けられた、実に10年ぶりの発表となる待望の21thアルバム。
身体を壊したリー・カースレイク(Ds)が脱退してしまったため、10年以上の長きに渡って続いた鉄壁のラインナップは崩れてしまったものの、
ミック・ボックスの粘り強いG、伸びやかなバーニー・ショウのVo、トレヴァー・ボルダーのメロディアスなB、ソングライターとしても
活躍するフィル・ランゾンの華麗なるKey、そしてサビメロを分厚く覆う、繊細なボーカル・ハーモニーをフィーチュアした
バンド・サウンドには、まったく影響なし。と言うか、本作の完成度の高さが、前作『SONIC ORIGAMI』を大きく凌ぎ、
傑作『SEA OF LIGHT』(19thアルバム)に迫る勢いである事は、このアルバムを聴いた多くのファンが認めるところではなかろうか?
名曲“BETWEENS TWO WORLDS"を収録しながらも、ラジオでのオンエアーを意識した、ゆったりとしたテンポの楽曲が
大半を占める構成と、70分を越す長大なランニング・タイムが、冗長さを生んでしまっていた『SONIC~』に比べると、
今回は、全体がタイトに引き締まり、ハード・ロッキンなエッジや、劇的なドラマ性といった要素も大幅に回復。
特に、名曲・佳曲が乱れ打ちされるアルバム前半(①~⑧)のクオリティは半端なく、中でも、ワウの効いたGリフが
アグレッシブに刻まれるスピード・ナンバー①、熱くドライブするハードな②、これぞURIAH HEEP!なシャッフル・チューン③という、
冒頭の名曲3連発の畳み掛け、そして、壮大にしてドラマティックな大作⑦は、間違いなく本編のハイライト。
確信的な70年代ブリティッシュHRサウンドの再現(勿論、現代的にアップデートもされている)に思わず頬が緩む、
10年待たされた甲斐は、十分にある内容を誇る1枚。願・来日!


URIAH HEEP - Wake the Sleeper - Overload ★★★ (2008-06-15 10:32:43)

ハードなG、アップテンポのリズム、華麗なるKey、
伸びやかなVoに、分厚く繊細なボーカル・ハーモニー・・・と、
URIAH HEEPサウンドの最も美味しい部分が
ギュッと詰め込まれた、アルバムを代表する名曲の1つ。


URIAH HEEP - Wake the Sleeper - Tears of the World ★★ (2008-06-15 10:37:12)

名曲“EASY LIVIN'"のノリを受け継いだ、
哀愁のメロディをまとってリズミックに飛び跳ねる曲調と、
全編を華麗に彩るボーカル・ハーモニーが印象的な
シャッフル・チューン。


URIAH HEEP - Wake the Sleeper - Wake the Sleeper ★★ (2008-06-15 10:29:23)

伊藤政則氏が、この曲が始まった瞬間に「若い!」と叫んだというも
大いに納得のいく、アグレッシブでスピーディなアルバムのOPナンバー。
ミック・ボックスがハードに刻む、ワウの効いたGリフが一際印象に残る仕上がりで、
これに限らず、本作ではミック・ボックスのGの踏ん張りが
強い光を放っています。


URIAH HEEP - Wake the Sleeper - What Kind of God ★★★ (2008-06-15 10:44:29)

アルバム随一の劇的なドラマ性の高さを誇る、
6分半に及ぶ大作ナンバー。
雄大な前半から繋がっていく、粘りの効いたG、アクティブに動き回るB、
スケール感を演出するKey、突き抜けていくようなボーカル・ハーモニーとが
ガップリと組み合った後半の盛り上がりっぷりには、ただただ涙、涙・・・。


URIAH HEEP - Wonderworld ★★ (2010-08-22 20:57:00)

ゲイリー・セイン在籍時代最後の作品となった、'74年発表の7thアルバム。(邦題は『夢幻劇』)
ブラック企業ばりのアルバム制作スケジュールや、メンバー間の対立、マネージャーへの不信感等から、当時、
バンドはいつ空中分解してもおかしくない状態にまで疲弊しきっていたらしく、そのためケン・ヘンズレーや
ミック・ボックスは、本作について「もっと良い物が作れた筈だ」と自嘲気味に振り返るが、んな事ぁない。
前作『SWEET FREEDOM』に比べ、幾分ハードさを回復したその内容は、収録曲のクオリティといい、
メンバーのパフォーマンスやアンサンブルの冴えといい、相変わらず高いレベルを維持。
本作を最後に解雇されるゲイリー・セインも、とてもヘロイン中毒が取り返しのつかないレベルまで
悪化していたとは思えぬ、素晴しいBプレイを披露してくれています。
まさに邦題通りの幻想美に満ちたアルバム表題曲①や、ヘヴィさと華やかさのバランスが絶妙な②、
ケン一押しの叙情バラード⑤、躍動感溢れるBラインが印象的な⑧、そして、妖しく美しくドラマティックな
名曲⑨など粒揃いの楽曲を聴けば、当時のバンド内部の雰囲気の悪さが、本編のクオリティに殆ど影を
落していない事が納得できる筈。流石(?)URIAH HEEP。


URIAH HEEP - Wonderworld - Dreams ★★★ (2010-08-22 21:15:23)

URAIH HEEPのアルバムのラストに置かれた楽曲は
大抵がドラマティックな名曲ばかりだが、
この曲もその例外ではない。
妖しく、壮大ですこぶるドラマティック。
この曲でもゲイリー・セインのBが印象的な働きを見せていて
このアルバムを最後にバンドを去ってしまうとは・・・
と、何とも複雑な気分にさせられますね。


URIAH HEEP - Wonderworld - Suicidal Man ★★ (2010-08-22 21:02:27)

全楽器が重心を低く刻むイントロがカッコイイ。
骨太なヘヴィさが印象に残る仕上がりながら
Voメロディとハーモニーは華麗さに満ち、
軽快なゲイリー・セインのBランニングもナイス。
ヘヴィさと華やかさのバランスが絶妙な1曲。


URIAH HEEP - Wonderworld - We Got We ★★ (2010-08-22 21:09:41)

邦題は『恋の炎を燃やせ』
軽快に踊るケン・ヘンズレーのシンセ・サウンドと
ゲイリー・セインのBプレイが印象に残る
ノリの良いロック・チューン。
哀愁に満ちたメロディを朗々と歌い上げる
デヴィッド・バイロンのVoも良いわー。


URIAH HEEP - Wonderworld - Wonderworld ★★★ (2010-08-22 21:22:58)

聴き進めるほどに壮大に盛り上がっていくという
アルバムに対する期待感を煽るには持ってこいのOPナンバー。
ドラマティックなんだけど、どこか繊細さが感じられる辺りが
URIAH HEEP印。
これはデヴィッド・バイロンの歌声の特性によるものか。


USER OF A COMMON NAME - Freeway ★★ (2015-06-23 23:49:30)

デビュー作に比べるとパンキッシュな疾走感やハジケっぷりが抑制された2ndアルバム。
その分、モダンなアレンジと叙情メロディが増量された今回は、即効性よりも、繰り返し聴き込むことで味わいが増す「深み」を追求した仕上がりに。ハスっぱさ以上にコケティッシュな魅力を前面に押し出したリンダ・カールステット(Vo)の歌い回しも、アルバムのそうした印象を補強します。
これまで以上にバラエティを広げた本編は、キャッチーな作曲術は相変わらず冴えまくっているのですが、通して聴くと少々メリハリに乏しく感じられるのが惜しい。メランコリックなスロー~ミドル・テンポの楽曲が大半を占めるせいか、後半にもう1、2曲ぐらい疾走ナンバーがあればなぁと。
とはいえ、溌剌としたOPナンバー①や、デカダンな薫り漂う③、悲壮なメロディが胸を締め上げる70年代HR風バラード⑫等、キャッチーな哀メロ・センスが冴え渡る収録楽曲の数々は流石の完成度。1stが楽しめた人なら本作も間違いなく愛聴盤になり得る筈。(ついでに中古盤が爆安価格なのも1st同様)
中心人物のリンダ嬢が身体を悪くしてしまったとかで、これがUSERの最後の作品になってしまったと聞くと、もっと彼らが作り出す楽曲が聴きたかったと思わせられること必至の1枚。


USER OF A COMMON NAME - User ★★★ (2015-06-02 23:20:23)

「中古盤が格安価格で買える名盤コンテスト」でも開催したら、上位入賞は確実と目されるスウェーデンの男女混合4人組バンドが、'05年に発表したデビュー作。
澱んだGサウンドに乗っかって、OPナンバーの気怠るげなヴァースが始まった時は「なんだ。評判良いから買ってみたけど、こんなもんか」と失望しかけましたが、勿論それはこちらの早合点。ガラリと雰囲気の変わるサビメロ(叙情性を増幅するKeyアレンジが秀逸)で一気に視界が開けると、そっからはもう本編に夢中ですよ。
先制パンチ役の①や、後に続くガールズ・ポップ的躍動感溢れる曲調に、甘酸っぱいメロディが絶妙に絡む名曲②が証明する通り、とにかくこのバンド・・・というか曲作りを担うリンダ・カールステット(Vo)嬢のメロディ・センスの冴えがグンバツ。時にポップに、時に猛烈な哀愁を伴うメロディは、くたびれきったオッサン・リスナー(俺)の胸さえキュンキュンに締め上げます。
またそうしたメロディをエネルギッシュに歌い上げる彼女の歌唱力もまた然りで、ちょい鼻に掛かったカスレ声自体の魅力に加え、高音を張った際に醸し出される切なげなフィールが実に美味。この歌声が活かされたバラード⑤の悲哀なんて絶品です。
溌剌と突っ走るパワーポップ・ナンバー⑪まで、実に気持ち良く聴き通せる1枚。パンキッシュなノリの良さは減退したものの、良質なメロディ・センスはそのままな2ndも併せてどうぞ。


USER OF A COMMON NAME - User - Do You ★★★ (2015-06-03 22:43:02)

最高品質のレモンスカッシュの如く、
甘酸っぱくも爽快にハジける曲調に胸踊ります。
でまた、キャッチーなメロディを溌剌と歌い上げる
シンガーのハスキーな歌唱が絶妙なんですよ。


Under Suspicion (2014-09-05 00:07:02)

'99年、それまで数々のセッション・ワークをこなして来たジェフ・アダムス(Vo)、ピーター・ロバーツ(G)、クレイ・シュローデル(Ds)の3人が意気投合。コネのあったFRONTIER RECORDSにレコーディングしたデモテープを持ち込んだところ、そのクオリティの高さに驚かれ、UNDER SUSPISIONの名の下にアルバム制作が決定。
WINGERのキップ・ウィンガー、STARSHIPのミッキー・トーマスらゲストの参加も得て完成したセルフ・タイトルのデビュー作は、'01年に日本でもリリースされ、当時の(アメリカでの)流行の間逆を行く、SURVIVORばりにメロディックで爽快なHRサウンドは高く評価されたが、やはり時期が悪過ぎたこともあって、結局2ndアルバムは作られず終いのままプロジェクトは休止してしまった。


Under Suspicion - Under Suspicion ★★★ (2014-09-05 00:10:15)

こちらのサイトでジミ・ジェイミソンの訃報を知り、ふと思い立って引っ張り出して聴き直しているのが、ジェフ・アダムス(Vo、B)、ピーター・ロバーツ(G)、クレイ・シュローデル(Ds、Key)の3人によって結成されたUNDER SUSPICIONが、'01年に残した唯一作。
ジミとの活動歴がある人達の集まりだけに、その音楽性はSURVIVORと趣きを同じゅうする、スケールの大きなメロディアスHR路線。華美な装飾は必要最低限度に留め、安定した演奏力や類まれなる楽曲構築術といった、素材そのものの良さをストレートに活かしたサウンドは、SURVIVORよりも幾らか精悍な印象あり。
フック満載の収録楽曲はいずれも高いヒット・ポテンシャルを感じさせてくれますが、中でも芯の通った力強さでアルバムの幕開けを宣言する①、Voの包容力溢れる歌唱力が、劇的な曲展開を一層盛り上げるバラード⑤、爽やか且つ伸びやかなメロハー⑦、歪みを抑えたクリーントーンで泣きのフレーズを一音一音丁寧に奏でるGが涙腺を襲撃する④⑨等は、まさしくこのバンドの魅力の結晶と言うべき名曲。
これほどの作品を発表したグループが、大した評価も得られないまま、アルバム1枚残して消滅してしまったのは痛恨の極み。デビューした時期が悪過ぎましたね・・・。
そして、こうした腕っこきのミュージシャン達に支えられていたのだから、ジミのソロ作品が素晴らしい内容ばかりだったのも分かるなぁ、と。R.I.P.


Under the Guillotine - Guillotine - EXECUTIONER ★★ (2011-05-26 23:26:43)

タイトルにGリフ、スタスタと2ビートで突っ走るリズムと、
80年代マイナー・スラッシュ・メタルの
「あるあるネタ」で固められたような1曲。
初めて聴いた時は笑ってしまったが、
これが'97年の楽曲だってんだから驚く。


Untimely Demise - City of Steel ★★★ (2014-07-13 00:05:23)

カナダのサスカチュワン州出身のスラッシュ・トリオが'11年に発表した自主制作の1stアルバム。
カナダ繋がりなのか、元MEGADETHのグレン・ドローヴァーが、デビューEP『FULL SPEED METAL』に引き続いてプロデュースを担当。のみならずゲストGとしても全面参加して、例えば②のように「MEGADETHの時よりもクオリティ高いんじゃね?」と思わされる、扇情的なGソロを随所で提供してくれています。
スラッシュ/デス・メタル、正統派HM、更にはジャズからも影響を受けたと語るメンバーは、複雑な曲展開もクィックにこなす腕前の持ち主。荒々しくザク切りにされるGリフと、炸裂感溢れるリズム、それにシャウト型Voとが激しく渦を巻き、アグレッシブな曲調を突いてメロディックなGソロが狂い咲くサウンドは、なるほど。確かに「チャック・シュルデナーが加入したMEGADETH」との評価がしっくり来る感じです。
リードGがIRON MAIDENばりに歌っているOPナンバー①、エド・レプカが手掛けたアートワークとも関連付けられた、レニングラード攻防戦を題材に取り上げた③、そしてVo/G/B/Dsの各パートが主導権を巡ってバチバチと火花を散らしながら畳み掛けてくる⑦といった、このアルバムの・・・というか、このバンドの魅力を余すところなく捉えた名曲/佳曲の数々を収録する本作は、いつ日本デビューを飾ってもおかしくない実力を感じさせてくれる1枚に仕上がっております。


Untimely Demise - Systematic Eradication ★★★ (2014-07-14 22:58:04)

カナダのトリオ・スラッシャーが、新たにサイドGを加えた4人編成となって'13年に発表した2ndフル・アルバム。
エド・レプカの手によるアートワーク(珍しくSFタッチ)に、グレン・ドローヴァーがバンドと共同でプロデュースを手掛け、更にほぼ全曲で鮮烈なGソロを炸裂させる等、今回もデビューから一貫して追及し続けている「チャック・シュルデナーが加入したMEGADETH」ライクなスラッシュ・メタル・サウンドにブレは見られません。これで上手く行ってんだから何を変える必要がある?との自信の声が聞こえて来るかのようですよ。全8曲で30分台と、ザックリまとめられたタイトな収録時間も前作同様。
敢えて変化を探すならば、ツインGがこれまで以上に煽情的なメロディを奏でるようになり、曲展開もドラマティックに整理された点でしょうかね。特に、ハッキリとした起承転結が持ち込まれた②や、押しと引きが活かされた⑤なんかは、従来にはなかったタイプの楽曲のような。また“A WARRIOR'S BLOOD”のタイトルに相応しい勇猛さを撒き散らしながら突進し、一転、インスト・パートでは美しく叙情的なGソロが奏でられる落差の大きな曲展開が劇的極まりない⑥は、本作の完成度の高さを物語る名曲。
順調に成長を重ね、もういつ日本デビューを飾ってもOKっすよ!と、(頼まれもしないのに)レコード会社にアピりたくなる1枚です。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 ★★★ (2021-05-24 23:35:10)

PRETTY MAIDSのクリス・レイニー(G)が発起人となり。PRETTY MAIDSの他にSOILWORK、HAMMERFALL、KING DIAMONDらのメンバーを集めて立ち上げられた、80年代を代表するメガヒット映画の主題歌をメロハー・アレンジでカヴァーするプロジェクトのデビュー作。'20年発表。
コロナ蔓延によるロックダウンの影響でツアーに出れず、仕方なく自宅で映画を見ていた時にアイデアを思い付いたそうで、チョイスされているのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ビバリーヒルズ・コップ』『ネバー・エンディング・ストーリー』等々…いずれも映画館やTVの洋画劇場でヘビーローテーションされてきた有名作ばかり。その主題歌ともなれば曲名は知らずとも一度はどこかで耳にしたことがあるお馴染みのメロディ揃いゆえ、懐かしさに思わず頬が緩むというもの。無論ノスタルジーだけに留まらず、改めて聴き直しても楽曲は優れモノが多く、特にビョーン“スピード”ストリッドが歌う①(『ロッキー4 炎の友情』)、疾走感溢れる曲調の上でフックの効いた哀メロが踊る②(『フラッシュダンス』)、ロニー・アトキンスやブルース・キューリックも参加している⑧(『マッドマックス3 サンダードーム』)、ボーナストラック扱いなのが勿体ないぐらい秀逸な出来栄えの⑫(『ステイン・アライヴ』)辺りはお気に入り度高め。
タイトルに『Vol.1』と入れているぐらいですから、今から第2弾が楽しみな1作。まだまだ『トップガン』とか『フットルース』とかベタなところが残っていますが、個人的には是非『ストリート・オブ・ファイヤー』の“今夜は青春”をお願いしたいところです。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - Maniac ★★★ (2021-05-25 22:50:56)

映画『フラッシュダンス』挿入歌。オリジナルを歌っていたのはマイケル・センベロ。
ここではSOILWORKのビョーンと、KAMELOTやTHERIONのリネア・ヴィクストロムが
Voを分け合っています。疾走感溢れる曲調に、憂いを帯びたメロディと
ロック・アレンジがズバリはまった個人的にはアルバムのハイライト・ナンバー。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - No Easy Way out ★★★ (2021-05-25 23:00:49)

ロバート・テッパーが歌っていた『ロッキー4 炎の友情』主題歌を
SOILWORKのビョーン“スピード”ストリッドをシンガーに据えてカヴァー。
最初にレコーディングされたアルバム作りにおけるキーとなった楽曲だそうで、
両者の声質が似通っていることもあり、殆ど違和感なく楽しめます。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Battle of Metal ★★★ (2013-09-20 23:18:14)

MARINO、RAJAS、HURRY SCUARY、SEXUALという、80年代初頭に関西HR/HMシーンにおいて注目を集めた4バンドの初期音源がまとめて聴ける便利なコンピレーション・アルバムですが、でも本作の主役は何と言ってもMARINOで決まりでしょう。
そりゃ、森川邦子のパワフル&キュートな歌声が華麗に花咲くRAJASや、中間英明のテクニカルなGプレイが閃くHURRY SCUARYは素晴しい。SEXUALは・・・SEXUALはメンバーの顔が凄い。強烈。しかし、MARINOの楽曲が放つ火傷しそうな熱さの前には、全てが霞んで聴こえるというのが正直なところ。流石「関西の重戦車」の異名を伊達じゃねえ。
代表曲“IMPACT”は、パンク・ロックばりのエネルギーを迸らせつつも、大谷令文のGソロはマイケル・シェンカー/ゲイリー・ムーアばりの「気」を放っていますし、ここでしか聴くことのできない名曲“SHAKE DOWN”なんてANTHEMに(というか“WARNING ACTION!”に)影響与えたんじゃね?と思うほど実に天晴れなパワー・メタル・チューン。
確かに音質にしろ演奏にしろ、荒削り極まりないですが、後にリリースされたMARINOのベスト盤で“IMPACT”のアルバム・バージョンを聴いたら、本作ほどのヤケクソ気味な勢いが感じられず、妙な物足りなさを覚えてしまったぐらいですよ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Battle of Metal - Shake down ★★★ (2013-09-21 22:21:49)

派手派手なリードB、ラウドに突っ走るDs、
パワー・メタリックなGリフの刻みから
メロディックなソロまでこなすGと、
キャラ立ちまくりな楽器陣に比べると
Voのみが明らかに弱いのですが、このいっぱい
いっぱいな感じが楽曲の持つ焦燥感を盛り上げて
くれていて、これはこれで良し!と。
この曲目当てで本作を買っても損のない名曲です。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Kaizoku ★★ (2016-05-06 23:58:27)

米持孝秋(Vo、G)率いるAIR PAVILIONが、バブル絶頂期でブイブイ言わせてたジャパン・マネーの威力と、アーティストというより「業者」なイメージのリー・ハート(Vo、G)のコネクションを活用して、NWOBHM終息後、イギリスで暇持て余してた連中…もとい、チャンスを伺っていたベテラン・ミュージシャン勢を大挙招いてレコーディングを行った、OVA作品『敵は海賊~猫たちの饗宴~』のサントラ・アルバム(’89年)。
ペラッペラなGサウンド、バラつきが見られる収録楽曲のクオリティ、「お仕事」感漂う参加者の演奏ぶり…何より、こんだけ濃い面子を集めておいて、演っているのが小洒落たハードポップってのは(サントラという作品の性格上、仕方ないとは言え)そりゃあんまりでない?とか、当時は苦言ばかりが先立ちましたが、時が経過して気持ちがフラットとなった今聴くと、別にまなじりを決して指弾する程のことはなかったよなぁと。
こんだけ豪勢(NWOBHM好きにとっては)なミュージシャン達の共演はそれだけでテンションが上がるというものですし、それをまとめ上げた米持氏のプロデューサー/コンポーザー/ギタリストとしての働きっぷりも素直に称賛に値します。個人的には、ジョン・スローマンとポール・ディアノがデュエットしているイキの良いHRナンバー②、ビフ・バイフォードが歌うノリノリの⑤、ドン・エイリーやバーニー・マースデンも華を添えるキャッチーな⑥辺りがお気に入りですかね。(疾走ナンバー⑩はちゃんと専任シンガーに歌ってほしかったところでありますが)


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Lead Weight~H.M. Rock Compilation from Neat~ ★★★ (2019-11-14 01:43:46)

NWOBHMの盛り上がりが頂点に達した’81年。ムーブメントにおける旗艦レーベルの役割を果たしていた英国はニューカッスルに拠点を置くNEAT RECORDSから、カセットテープのみでリリースされたコンピレーション・アルバム。(後にイタリアではLPがリリース)
参加バンドは同レーベルの看板であったRAVENとVENOMを始め、WHITE SPIRIT、BLITZKREIG、FIST、AXE、AXIS、ARAGORN、BITCHES SIN、WARRIOR、SATAN’S EMPIRE等、全11バンド。NWOBHMコンピ盤の代表作たる『METAL FOR MUTHAS』(’80年)に比べるとIRON MAIDEN級の有名どころは見当たらないものの、どのバンドもGリフ主体に荒々しく押し込んでくる、黴臭い地下スタジオで長髪振り乱して演奏している野郎どもの勇姿が思い浮かぶような、「これぞNWOBHM!」という熱気溢れるサウンドが持ち味の連中ばかり。実にNEATな音質のペナペナさ加減といい、本作へ参加したのみで消息を絶ってしまったバンドがいたりするラインナップといい、真空パックされたNWOBHM濃度の濃さは、ある意味『METAL~』以上と言えるのではないかと。
元祖スラッシュ・メタル・バンドとしての凄味が遺憾なく発揮された①③、スリリングに疾走する②、ブライアン・ロスのシャウトが鼓膜をつんざく⑤、お宝度にかけてはアルバム随一のダークな⑪等、本編にはオッサンの胸を熱くする名曲が揃っていて、中でもシャープなGリフのカッコ良さにアガるBITCHES SINの⑨は個人的に本作のハイライトですよ。
オフィシャルなCDがテイチク盤しかなかった嘗ては入手が結構困難でしたが、現在は輸入盤が安価且つ容易に入手可能。NWOBHM勃興40周年記念に1枚如何でしょう。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Lead Weight~H.M. Rock Compilation from Neat~ - Dowm the Road/bitches Sin ★★★ (2019-11-14 23:25:33)

イアンとピートのトゥーミー兄弟により結成されたBITCHES SINが
'80年に制作した7曲入りデモテープに収められた疾走ナンバー。
煮え切らないVoと印象的なGリフを武器にスピーディに押しまくる様は
まさしくTHE NWOBHM!なカッコ良さ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Lead Weight~H.M. Rock Compilation from Neat~ - Inquisitor/raven ★★★ (2019-11-14 23:15:40)

アルバムには未収録で、RAVENとウド・ダークシュナイダーが競演した
12インチ“BORN TO BE WILD”のB面に提供されていた疾走ナンバー。
元祖スラッシュ・メタル・バンドの評価に相応しいスピード感と
アグレッションをまき散らしながら走り抜ける逸品です。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Lead Weight~H.M. Rock Compilation from Neat~ - Soldiers of War/satan's Empire ★★★ (2019-11-14 23:30:29)

7分に及ばんとするダークでドラマティックな大作ナンバー。
SATAN'S EMPIREは本作に参加したきりで消息不明になってしまったため
音源のお宝度はアルバム中最も高いと思われる。
ちなみにこれを書くに当たってバンドについて調べてみたら
何と再結成を遂げて'18年に1stフル・アルバムを発表してことを知って驚きましたよ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Melodical Renaissance ★★★ (2013-11-07 22:08:11)

TERRA ROSAの転生体と聴き紛うコテコテの様式美HMを聴かせてくれる大阪のVOLFEED、歌えるシンガーを擁し展開を多用した技巧派スラッシュ・サウンドで畳み掛ける愛知のHIDDEN、独産風味のパワー・メタルと泣きを含んだ哀愁のVoが組み合わさった東京のGUARDIAN'S NAIL、妖しくも壮大なエピック・メタル絵巻を朗々歌い上げる北海道のFATIMA HILLという、異なる出身地/異なる音楽性/されど一様に高いポテンシャルを秘めた4バンドの音源10曲を収録し、'95年に発表されたコンピレーション・アルバム。
どのバンドも個性がしかと刻印された楽曲を提供してくれていますが、中でも一際印象的だったのがGUARDIAN'S NAILの③。雄々しいジャーマン・メロパワ風味の曲調に、ドン・ドッケン系の哀愁の歌声が乗ったこの疾走ナンバーは、当時西新宿のCD屋で手に取った無料ファンジンで猛プッシュされていて、冴えないジャケットだけなら決して買おうとは思わなかった本作購入を決意する切っ掛けともなった名曲であります。(ファンジンにも感謝を)
その他、関西様式美HMの真髄が疾走するVOLFEEDの①、丹羽ひであきの強力なハイトーンVoとテクニカルな楽器陣が7分以上に及ぶ長尺をドラマティックに語り切るHIDDENの②、BLACK SABBATHとRAINBOWのミスティックなエキスを北海道風味に味付けした(?)三部構成、12分越えの大作ナンバーで本編を締め括るFATIMA HILLの⑩なんかも素晴らしい出来栄え。
死に体にあった(と思っていた)当時の国内HR/HMシーンですが、水面下では有望なバンドが切磋琢磨しているのだなぁ、と教えてくれた1枚。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Melodical Renaissance - Dreamslave/Volfeed ★★★ (2013-11-09 00:47:32)

パワフルな女性Vo、GとKeyがスリリングに絡み合いながら
TERRA ROSA魂を継承して疾走する和製様式美・・・
というよりも関西様式美HMの魅力爆発なスピード・ナンバー。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Melodical Renaissance - Lunatic Theater/Hidden ★★★ (2013-11-09 00:42:13)

丹羽英彰の伸びのあるハイトーンVoと
テクニカルな楽器陣が高いテンションを保ったまま
7分に及ぶ長尺をダレさずに語り切るスラッシュ・ナンバー。
Voは後にVIGILANTEに加入しますが、HIDDENでも
アルバムをリリースして欲しかったなぁ。
まさしくルナティックでドラマティックな
ツイン・リードGも白眉。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Melodical Renaissance - Second Wind/guardian's Nail ★★★ (2013-11-09 00:32:24)

劇的なイントロだけで胸が高鳴ります。
線は細いが哀愁味満点のVoと、
ジャーマン・メロパワ調の勇壮な曲調の
組み合わせが美味なる名曲。
バンドはこれ以降、プログレッシブな
方向へ進んでしまったのが少々残念でした。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Metal for Muthas ★★★ (2016-05-16 23:04:28)

'80年にリリースされ、NWOBHM勃発を世に告げた伝説のコンピレーション・アルバム(邦題は『へヴィ・メタルへの招待』)。…と持ち上げた端からゲロっておくと、名前は知ってても長らく聴いたことはなかったんですよね。'00年に国内盤がCD化された際に漸く購入した体たらくで。あとタイトルの「マザーズ」も「MOTHERS(おっ母さん)」だと思ったら「MUTHAS(メタル好きの野郎共を意味するスラング)」だったというね…。
しかし、やはり聖典扱いされている作品だけあって、NWOBHM関連のコンピ盤の中では質・量共に充実度はトップクラス。2曲収録という特別扱いで他のバンドとの格の違いを見せつけるIRON MAIDEN(クライヴ・バー加入前で楽曲の攻撃性がアルバム・バージョンに比べ然程でもないのが興味深い)を頭に、メロディアスなツインGを見事に活かし切ったPRAYING MANTIS、オドロオドロしさ全開で迫り来るANGEL WITCH、ドラマティックな泣きの名バラード提供のSAMSONといった、既にNWOBHMの枠内に収まりきらないサムシングを有するバンドから、SLEDGEHAMMER、E.F. BAND、ETHEL OF FLOG、NUTZ等、疾走感溢れるリズムと、リフまたリフのシンプルなコンビネーションで押し通すスタイルが、頭の天辺から爪先までNWOBHM枠内に浸かりきっているバンド群まで、実にイキのいい顔触れが揃う。やや毛色の異なるTOAD THE WET SPROCKETも良い塩梅のアクセントに感じられるぐらいで、こりゃ確かに全英チャート第12位にランクインして、世のメタル・ブームの発火点になった作品だけのことはありますわなと。
上記バンド群の中に気になるバンドが一つでもあるなら、買って損なしな1枚。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Metal for Muthas Volume Ⅱ ★★★ (2016-05-17 23:14:42)

『METAL FOR MUTHAS』の売れ行きに気を良くしたEMI RECORDSが、逞しき商魂を発揮して、前作リリースから僅かなインターバルで発売まで漕ぎ着けたNWOBHMコンピレーション・アルバム第二弾。(但し日本未発売)
「鉄は熱いうちに打て」との戦略自体は間違っていなかったと思うものの、バンド集めに掛けられる時間が十分でなかったせいか、参加面子が第一弾に比べるとえらく地味。何せ前作でIRON MAIDENが果たしたアルバムのセンター役(OPナンバー担当、2曲提供等)を、今回担っているのがTRESPASSですからね…。
そんなわけでインパクト不足は如何ともし難いものがある本作なれど、しかし「山椒は小粒でもピリリと辛い」との格言通り、面子が地味だからってアルバム自体が退屈かというと、さに非ず。DARK STARの名曲にしてNWOBHMのアンセム“LADY OF MARS”や、TRESPASSの代表曲“ONE OF THESE DAYS”が1枚のアルバムで聴けてしまうお得感は魅力的ですし、あとKROKUS参加前のマーク・ストレイスが歌っているEASY MONEY、ブルース・ディッキンソンやビリー・リースギャングも関わっていたことで知られるXERO、WILDFIRE(IRON MAIDEN初代Vo、ポール・マリオ・デイが在籍したバンド)の前身RED ALERTといった、個人的に好奇心をそそられていたバンドの音源も非常に興味深く聴くことが出来ましたよ。WHITE SPIRIT、CHEVYといった中堅どころも、実に手堅くアルバムのクオリティを支えてくれていて頼もしい限り。
解説でゴッドが述べている通り、第一弾とセットで押さえておきたい1枚ではないかと。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - New Wave of British Heavy Metal/'79 Revisited ★★★ (2013-09-03 22:29:37)

『LOAD』『RELOAD』発表に伴うインタビューでは、NWOBHMについて「今聴くとあまり良いとは思えないものが多い」「年の取り方が下手な音楽」といった発言をカマしてHR/HMファンをかなりムッとさせたMETALLICAのラーズ・ウルリッヒですが、'89年にNWOBHM10周年を記念して企画、ラーズ自身が収録バンド及び収録曲の選定を担当して'90年にリリースされた本作は、彼の尽きせぬNWOBHM愛が詰め込まれたコンピレーション・アルバムの名盤です。
収録バンドは、大御所から中堅クラス、更にはこのアルバムを聴くまで名前さえ知らなかった(勉強不足で申し訳ない)マイナーどころまでバランスよく取り揃えられていて、後追いファン的には、NWOBHM第一期('79年)を手っ取り早く勉強することの出来る最良のテキストとして、当時非常に重宝しました。「へー、BLACK AXEが改名してWOLFになったんだ」とか「ほうほう、これがトム・G・フィッシャーと交流のあったというPARALEXか」とか「WEPONやHOLLOW GROUNDはアルバムも出して欲しかったなぁ」とか。
選曲も概ね美味しいところが押さえられており、資料的価値のみならず、1枚(2枚組ですが)のHR/HMアルバムとしても十分なエキサイトメントが得られる労作。10年おきのペースでもいいから、できれば第二弾、第三弾を出して欲しかったなぁ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Rest in Peace - Thanks to Cozy - ★★★ (2013-09-12 23:03:24)

コージー・パウエル突然の逝去に際しては複数のトリビュート・アルバムがリリースされており、個人的にその決定盤として推したいのが、柴田直人プロデュース、元/現ANTHEMメンバーを中心に、実力派ミュージシャン勢の参加を仰いで制作された本作。
収録曲に関しては結構ベタで、8割方がコージーの代表曲で占められているのですが、これは本作がこれ見よがしにコージー・マニア度を誇示する場ではなく、飽くまで真摯な追悼盤だからこそ。であれば、御大の特徴的なドラミングを聴くことの出来る代表曲の類は絶対に外せません。
そうして選出された楽曲の数々を、適材適所に配置され、リスペクトを込めてパフォームする参加ミュージシャン達がこれまた素晴しい。個性全開の者から、完コピぶりが名人芸の域に達している者まで、いずれも深い思い入れを感じさせる熱演を披露してくれています。
中でも強いインパクトを放つのが(個人的に本作の購入動機の1つでもあった)小野正利の存在で、BLACK SABBATHの名曲④を堂々歌いこなすだけでなく、漆黒の原曲に北欧メタル的透明感まで加味してしまうそのハイトーンVoの威力はやはり圧巻。当時はまだポップ・シンガーの印象が強かった彼氏が積極的にHR/HMシーンと関わり出すようになったのは、このアルバムへの参加が契機になったと記憶しているんですが、ハテどうだったか・・・。
何はともあれ、コージー・パウエル・ファン以外にも自信を持ってお薦めできる1枚。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Thunder and Steel down Under - a Tribute to Riot ★★★ (2015-06-15 23:24:10)

CRYSTAL VIPERのマルタ&バートのガブリエル夫妻が音頭を取って制作。彼らの運営するSKOL RECORDSから1000枚限定で発売され、売上金は故マーク・リアリのお父上に寄付されるというRIOTのトリビュート・アルバム。
参加アーティストについては、既に失恋船長さんが詳細を語って下さっているので省略させて頂きますが、代表曲に正攻法で挑むにせよ、隠れた逸曲を引っ張り出すにせよ、いずれのバンドも――完成度に多少の差はあれど――RIOTに対する敬意溢れるカヴァー・バージョンを提供してくれています。(欧米におけるマイク・ディメオ時代の知名度の低さを実感させられる選曲ではありますけどね)
バラード風にアレンジされた“SOLDIER”を序曲代わりにドラマティックにスタートする“WARRIOR”(AXEL RUDI PELL)、分厚く勇壮なメロパワ調コーラスが印象的な仕上がりの“SIGN OF THE CRIMSON STORM”(ANGELO PERLEPES' MYSTERY)、NWOTHMバンドが持つ威勢の良さと、原曲に備わるドライヴ感とが相性バッチリな“ROAD RACIN'(NIGHT DEMON)、そして本家RIOTからトッド・マイケル・ホール(Vo)をゲストに招いて大トリを飾る“THUNDERSTEEL”(CRYSTAL VIPER)辺りは、元々の楽曲のカッコ良さと相俟って、特にナイスな出来栄えではないかと。
それにしても、艱難辛苦にもめげず活動を継続した結果、こうしてRIOTが数多のバンドから篤いリスペクトを集める存在となり、漸く今までの苦労が報われつつあったこの時期に、なぜマーク・リアリがこの世を去らねばならなかったのか?収支の釣り合いが全く取れてねぇだろがこの野郎!と、本作の完成度が高ければ高いほど、彼を襲った悲運を呪わしく思わずにはいられませんよ。


V2 - V2 ★★★ (2019-01-31 00:02:10)

V2といっても、第二次世界大戦中にドイツ軍が開発した世界初の弾道ミサイル兵器のことではなく、ましてや小室哲哉とYOSHIKIが結成したスーパー・ユニットのことでもなく。現在はFAIR WARNINGのフロントマンとして知られるトミー・ハート(Vo)が在籍していた、ドイツ出身の5人組のこと。彼らは活動期間中に2枚のアルバムを残しており、本作は’88年発表の1stアルバムに当たる作品です。
ヨーロピアンHMならではのウェットなメロディ・ラインやキレのある疾走感と、大陸産ポップ・メタルを思わす分厚く盛られたコーラス・ワークが合体したOPナンバー①が体現する通り、ここで聴けるのは欧米折衷型HRサウンド。お手本として念頭にあったのが80年代前半のSCORPIONSであろうことは想像に難くないですが、若さ迸るこの時期のトミー・ハートの歌唱がどことなくマイケル・スウィートを彷彿とさせることや、サビメロを華麗に彩るボーカル・ハーモニーの存在も相俟って、初期STRYPERのことを思い出す場面がちらほら。彼らをもっとヘヴィ・メタリックに磨き上げた感じでしょうか。
トミーの熱唱と泣きのGをフィーチュアしてドラマティックに盛り上がる哀愁のバラード④と、クラウス・マイネばりのハイトーンVo、シャープに切り込むGとよく動くBが格好いいスピード・チューン(ちょっとSCORPIONSの“DYNAMITE”風味な)⑨という強力な名曲をハイライトに、全編テンポ良く駆け抜けていく充実っぷりを体験すると、本作が発表当時から知る人ぞ知る名盤として高く評価されていたというのも、さもありなん。
トミー・ハート的には良い思い出のないバンドらしいですが、アルバムの出来栄えはピカイチ。


V2 - V2 - DYING FOR YOUR LOVE ★★★ (2019-02-01 00:03:39)

欧州HR然とした、VoもGもメロディも歌詞も泣きまくっている哀愁のバラード。
ベタといえばベタですが、ツボなんだから仕方ない。
この頃からトミー・ハートの歌の上手さには際立ったものがありますよ。


V2 - V2 - TOP OF THE WORLD ★★★ (2019-01-31 23:54:42)

キレキレなGリフとトミー・ハートのシャープなハイトーンVoが
メタリックな高揚感を盛り上げるスピード・チューン。
アルバムの〆に疾走ナンバーを持ってくるバンドは信用できますよ。
躍動感溢れるBも何気に良い仕事しています。


VADER - The Ultimate Incantation ★★★ (2018-06-10 02:10:23)

「ポーランドにVADERあり」と、一躍その名をHR/HMシーンに知らしめた'92年発表のデビュー作。(邦題『秘術』)
帯に刻まれる《世紀末を彩る霊的攻防戦に、我参入せり》なる惹句や、収録各曲に冠された“磔刑の魔徒”“聖者の首級”といった大仰な邦題の数々から迸る、飛ばしまくっていた90年代前半トイズ・ファクトリーの俺ジナルなセンスに痺れる本作ゆえ、さぞかしオドロオドロしいデス・メタルを聴かせてくれる…かと思ったら、この頃のVADER(日本語表記も「ヴェイダー」ではなく「ヴェーダー」)が演っているのは、SLAYERを更に過激にしたようなスラッシュ・メタルだったという。(鼓膜に突き刺さるGソロの狂いっぷりもSLAYER的)
Voは野太い咆哮型デス声ですし、故ドックの苛烈な手技脚技の応酬も既に半端ないものがあり、時にシンセサイザーを用いて荘厳な雰囲気も紡いでみせる手腕はMORBID ANGEL辺りからの影響も伺えますが、全体的にデス・メタル特有の重苦しいドロドロ感は薄く、それよりも音作りを含め、全体を貫く荒削りで前のめりな雰囲気が、本作のスラッシュ・メタル指数をグンと高めています。特に、不穏なSE①に導かれて激烈に走り始めたかと思えば、一転Gソロでは暗黒美を湛えたメロディが紡がれる②、緩急を効かせて禍々しさを際立たせた⑦、本編ラストを劇的且つアグレッシブに締め括る⑫といった、VADER独自の個性が濃厚に息衝く楽曲は出色の出来栄え。
個人的に、彼らのカタログの中では(全部チェックしているわけではありませんが)、最も聴き返す頻度の高い贔屓にしている1枚であります。


VAIN - No Respect ★★★ (2021-03-25 00:21:04)

デイヴィ・ヴェイン(Vo)というと、スラッシュ・ファン的にはDEATH ANGELの1st『ULTRA VIOLENCE』のプロデューサー。あと個人的に真っ先に思い出すのは喜国雅彦の『ROCKOMANGA』で「宣材写真のポーズがいつも大体同じ人」とネタにされていてちょっと笑ってしまったことなのですが、彼が率いたVAINはデビュー前からKERRANG!!誌の表紙を飾る等して注目を集めたニュー・カマーであり、'90年にISLAND RECORDSから発表された本1stアルバムは、そうした前評判に違わぬクオリティを有していました。
ヴェインのキメポーズ同様、ねっとり絡みつくような爬虫類系の歌声に当初あまり好印象が持てず、「ロックンロール系はパス!」と長らく購入スルーを決め込んでいた本作、しかしアルバムの幕開けを飾るのは意外にも軽快に疾走する①。シングル・カットもされた③もキャッチーな名曲で、早くも「浅はかな思い込みから目を覚ませ!」とこちらの頬を張り倒しに来ます。演奏はタイトでメンバーの確かな実力者ぶりが伺え、何よりメロディも能天気さよりダークさが勝っているという。尤も、一口にダークといっても欧州系の暗黒美ではなく、ドヨンとした頽廃的な雰囲気を纏った暗さな辺りがLAのバンド風味(SHARK ISLANDとかに通じる暗さ)だなと。
似たり寄ったりなテンポの楽曲が続く中盤で少々ダレるものの、しかし濃厚な泣きを撒き散らすドラマティックなバラード⑨、ラストを全力で走り抜ける⑩という終盤2曲がこれまた逸曲なので、聴後感は極めて良好。聴き始めこそ違和感を持つヴェインのVoも聴き終わる頃には「この声でないとな!」と手のひら返ししていること請け合いですよ。


VAIN - No Respect - Who's Watching You ★★★ (2021-03-26 00:08:35)

シングル・カットされPVも作られた
アルバムのリーダー・トラック。
軽快に跳ねるキャッチーなメロディ&曲調と
ねっとり絡みつくようなヴェイン独特な歌唱の
コントラストが強い印象を焼き付けます。


VAIN - No Respect - Without You ★★★ (2021-03-26 00:10:47)

クセの強い声質に耳を奪われがちですが、
このドラマティックな泣きのバラードにおける
エモーショナルな熱唱を聴けば、ヴェインが
シンガーとして確かな実力を有していることが
お分かり頂けるのではないかと。


VALENTINE - Valentine ★★★ (2018-03-02 00:26:01)

VALENTINEといってもオランダのロビー様のことではなく、NYはロングアイランド出身の5人組。本作は彼らがプロデューサーにニール・カーノンを迎えてレコーディング作業を行い、'90年に発表したデビュー作。
フロントマンとして伸びやかな歌声を披露しているのは、日本ではソロ・シンガーとしての知名度の方が高そうなヒューゴ。既にこの頃から、口にメントスを含んで歌っているかの如き清涼感に溢れた歌唱と、スティーヴ・ペリーのそっくりさんぶりは確認できます。尚、そんな彼氏の良く伸びるハイトーンVoが映える本作で聴けるのは、ポップでキャッチーなメロディを、分厚いハーモニーとキラキラなKeyで包み、そこにテクニカルなGが適度なエッジを加えるという、まさに教科書通りのメロディアスHRサウンド。
気を持たせるイントロからハード・ロッキンに展開していくOPナンバー①、キャッチーなサビメロが高いヒット・ポテンシャルを感じさせる③⑥、哀愁のハードポップ⑧、ラストを感動的に締め括る雄大なバラード⑪等々…。巧みにフックの盛り込まれた優れた楽曲が並ぶ本編は、メンバーが(別に嫌味でなく)「売れる要素」をしっかりと研究して曲作りに挑んだであろうことが伝わって来る仕上がり。あまりに卒なく澱みなく流れていくため、逆に全体的なインパクトが弱まってしまっている感もあるっちゃあるのですが。
所属レーベルの内紛に巻き込まれ、アメリカのHR/HMシーンが重要な節目を迎えていた’89年という時期を棒に振るような不運に巻き込まれなければ、きっともっと成功を掴めていたろうにと思わされる1枚です。(バンドはこの後OPEN SKIZと改名してアルバムをもう1枚残すことに)


VALENTINE - Valentine - ONCE IN A LIFETIME ★★★ (2018-03-03 09:25:01)

キラキラなKeyとハード・エッジなGがバランス良く効かされた
初期BON JOVIタイプの哀愁のHRチューン。
湿度がさほど高くない本編にあって、ちょうどいい
アクセントの役割を果たしてくれている名曲。


VALENTINE - Valentine - TEARS IN THE NIGHT ★★★ (2018-03-03 09:28:47)

とにかくこの曲はサビメロの素晴らしさに尽きます。
この手の伸びやかなコーラスを歌わせるとヒューゴは絶品ですね。
あと数年早く発表されていればきっと大ヒットしていたろうに…
と思わされるフック効きまくりのハードポップ・ナンバー。


VALENTINE - Valentine - YOU'LL ALWAYS HAVE ME ★★★ (2018-03-03 09:34:46)

アルバムのフィナーレを感動的に飾るバラード。
哀愁に満ち溢れていますが、泣きよりも
包み込むようなスケール感の方が強く感じられる辺りが
大陸産のHRバンドならでは。
サビを切々と歌い上げるヒューゴのエモーショナルな歌唱が
実に胸を打ちます。


VANDAMNE - Red Skies ★★★ (2016-02-25 22:56:36)

DEALER?うーん、聞いたことがあるような、ないような…というNWOBHMのマイナー選手(って失礼だな、君は)を前身に誕生したイギリスの5人組VANDAMNEが、'95年にゼロ・コーポレーションを通じてリリースした2ndアルバム。
尤も、本作レコーディング前にリーダーのトレヴ・ショート(Vo、B)を除くDEALER時代のメンバーは脱退済み。しかも今回、曲作りの中心役を担ったのは新加入のギタリストですからね。最早「ニュー・バンド」と表とした方が適当な気もしますけれども。これがどっこい、コマーシャルな方向性も模索していた前作よりも、名曲①やインスト曲②のような疾走ナンバーでスタートを切る本作の方が、よほどDEALER時代に近しい音楽性を追求しているんだから面白い。
つっても全く同じ音というわけでもなく、英国シンガー然とした滋味を保ちつつ確実な技量向上を遂げたトレヴの歌唱と、抒情性・透明感を増幅するKeyに彩られた、ハードネスと憂愁のブレンド具合が職人的なHMサウンドは、どことなく80年代のSHYを彷彿。と言うか、⑨なんて「どことなく」レベルを通り越して“EMERGECY”そのまんま。曲名からして“S.O.S.”(笑)で、これはもう狙ったとしか。
他にも、ドラマティックな⑤⑩、メロウな⑧等、泣きべそ顔で語りかけてくるかのようなGソロが絶品な楽曲も収録し、今は亡き木曜洋画劇場風に言うなら「スーパー・ヴァンダムン・サウンド、行くぜ!」みたいな(んだそりゃ)充実した内容を誇る1枚です。


VANDAMNE - Red Skies - To the Bone ★★★ (2016-02-26 22:56:52)

DEALER時代にも負けないアグレションを
放ちながら疾走するアルバムのOPナンバー。
と言っても、シンガーの技量向上とKeyのフィーチュア度の高さ、
あと新ギタリストのセンスフルなフレージングのお陰で
洗練された雰囲気を身に纏うことに成功しています。


VANDENBERG - Alibi ★★ (2009-08-17 21:12:00)

若さや爽やかさをイメージさせた「青色」から、落ち着きを感じさせる「赤色」へと、ジャケット・アートワークの
変化が物語る通り(?)、ヘヴィ・メタリックな疾走感やエッジが後退し、より成熟したHRバンドへと
その音楽性を変化させた、'85年発表の3rdアルバムにしてVANDENBERGのラスト作。
角が取れ、丸みを帯びたモダンなサウンド・プロダクションに、ボーカル・ハーモニーが強化され、ミドル・テンポの
楽曲がズラリ取り揃えられた楽曲と、以前に増して「聴かせる」姿勢が前面に押し出されており、
エイドリアンのGプレイも相変わらずの泣きとドラマ性を湛えつつ、今回は楽曲の1パートに徹しているとの印象で、
前2作で聴かれたような鮮烈な「華」を感じさせるGソロが炸裂する場面は少ない。
有体に言ってしまうとかなり地味な仕上がりの本作なのだが、ポップで溌剌とした③、重厚で劇的な⑥、
そして本編のハイライトと言っても過言ではない、“KAMIKAZE"の名を持つインストの名曲⑨といった魅力的な楽曲も
収録されており、駄作と切って捨てるのは早計というもの。VANDENBERG入門編にはお薦めしないものの、
前2作を気に入った人なら、やはり避けては通れない作品かと。


VANDENBERG - Alibi - Fighting Against the World ★★★ (2009-08-17 21:48:16)

やや大人しめにまとめられた3rdアルバムの中にあって、
重厚且つドラマティックなこの曲のへヴィ・メタリックな
カッコ良さは一際耳を引く。


VANDENBERG - Alibi - Kamikaze ★★★ (2009-08-17 21:35:29)

“KAMIKAZE"というタイトルを名乗るなら
これぐらいカッコ良くないとね、
と実感させられる、アルバムのハイライトを
飾るインストの名曲。


VANDENBERG - Heading for a Storm ★★ (2009-01-04 01:53:00)

必殺の名曲“THIS IS WAR"“WATING FOR THE NIGHT"を収録し、VANDENBERGの日本での人気を決定付けた
'83年発表の傑作2ndアルバム。(邦題は『誘惑の炎』)
泣きメロ満載だが湿っぽくならない、適度なポップさを備えた楽曲を、綿密に構築されたエイドリアン・ヴァンデンバーグの
Gプレイが華麗に彩るHRサウンドは、デビュー作の作風を順当に継承しているものの、本作ではブルーズ風味が薄れ、
よりポップでキャッチーなメロディが前面に押し出された内容に仕上がっている。
収録曲のクオリティにややバラつきが見られる(と言っても、並みのバンドなんぞ寄せ付けないレベルの高さなんだけど)
のが難なれど、キャッチーなポップ・メタル・ソング①、哀メロが胸に染み渡る美しいバラード④、
そしてVANDENBERG史のみならず、HR/HM史に残る名曲といっても過言ではない、劇的極まりない⑤⑨といった
極上の楽曲の前には、些細な不満など欠片も残さずに吹き飛ばされてしまうというもの。
HR/HMファンを名乗るなら聴かずには済まされない名盤ゆえ、VANDENBERG未体験者の入門編としても最適な1枚。


VANDENBERG - Heading for a Storm - This Is War ★★★ (2008-03-12 21:05:08)

言いたいことは上で出尽くしているので、
今更付け足すことは何もない。
最初から最後まで、ハードに泣きまくる超名曲です。


VANDENBERG - Heading for a Storm - Waiting for the Night ★★★ (2008-03-12 21:09:09)

美しく流麗な冒頭のアコギ・ソロでガッチリ掴まれ、
メタリックなリフと、泣きを帯びたメロディが
疾走を開始した瞬間にK.O.
2ndアルバムのハイライト・チューンにして、VANDENBERG屈指の名曲。
個人的に、このバンドの中ではこの曲が一番好きだ。


VANDENBERG - The Definitive Vandenberg ★★ (2008-03-12 20:57:00)

3枚のスタジオ・アルバムを残して解散した、天才ギタリスト、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(現在は画家に転身)率いる
オランダの至宝、VANDENBERGの栄光の軌跡を綴った、スタジオ・トラック集のDISK-1と、デモ/ライブ音源集の
DISK-2からなる、2枚組仕様のベスト・アルバム。
個人的に、デモ音源とかには余り興味が沸かない性質なので、感想はどうしてもDISK-1の方に偏ってしまうのだけど、
これがデジタル・リマスターにより音質が劇的に向上、エイドリアンの構築美溢れる劇的なGプレイを
フィーチュアした、ハード且つキャッチーな楽曲の魅力が、一層輝きを増しているのだから素晴しい。
まぁ、名曲を数多く持っているバンドゆえ、1枚にまとめようとするとどうしても「漏れ」が生じるし
(なぜ“FRIDAY NIGHT"が入っていない?とか)、1stから3曲、2ndから4曲、3rdから9曲というチョイスには
明らかに偏りが感じられるしで、色々と不満もあるが、とは言え、以前に国内盤が出ていた“THIS IS WAR"も
“WAITING FOR THE NIGHT"も収録されてないのにどこか「BEST」じゃボケ、とファンから総スカンを食った
『BEST OF VANDENBERG』に比べたら、遥かにマシな選曲センスと言えるのでOKかな、と。
そして、何と言っても本作最大の目玉は、バンドの代表曲の1つにして、ビルボードのTOP40に食い込むヒットとなった名曲
“BURNING HEART"を、旧メンバー達が集ってリメイクした“BURNING HEART 2004"の存在。原曲の溌剌とした若々しさは
薄れたが、その分、ストリングスをフィーチュアして、優雅且つスケールの大きな仕上がりとなっていて、聴き応え十分。
てっきりこの曲は再結成への布石だとばかり思っていたのだが、どうやらTV番組用にレコーディングされた物であって、
これが即、再結成へと繋がるわけではない様子。残念。


VANDENBERG - Vandenberg ★★ (2009-01-04 01:49:00)

オランダの至宝、エイドリアン・ヴァンデンバーグ率いる4人組HMバンドVANDENBERGが'82年に発表した1stアルバム。
VANDENBERGの最高傑作と言えば、やはり名曲中の名曲“THIS IS WAR"“WAITING FOR THE NIGHT"を収録した
2nd『HEADING FOR A STORM』で決まりだろうが、個人的に彼らの作品で一番好きなのは、このデビュー作だったりする。
上記2曲のような強力なキメ曲こそないものの、収録曲は非常に粒が揃っており、何より、ドラマティックな「泣き」を
満載したエイドリアンの華やかなGプレイに関しては、2ndアルバム以上の充実っぷりを誇っていると言っても良いのでは?
アルバム前半(A面)にメロディをじっくり聴かせるタイプの楽曲が、後半(B面)にはハード・ロッキンな楽曲が並ぶ、
メリハリの効いた構成も素晴しい本作。美しいアコギが閃く③、スマッシュ・ヒットを飛ばした名バラード④を山場とした
前半の完成度も見事だが、やはり本編のクライマックスは、フックの効いたメロディがエネルギッシュに疾走する⑤、
劇的なイントロのみで一発K.O.される⑥、泣きを伴ったバート・ヒーリングのVoが映えるシャッフル・チューン⑦、
構築美に溢れたエイドリアンのGソロに悶絶させられる⑧、ヘヴィ・メタリックな疾走チューン⑨といった
ハイクオリティな楽曲が連打される、アルバム後半にこそ有るんじゃないかな、と。
泣きメロ愛好家なら、聴かずには死ねない名盤の1つ。2ndアルバムと併せてどうぞ。


VARDIS (2017-03-12 09:34:20)

Vo兼Gのスティーヴ・ゾディアックにより結成された、英国はウェスト・ヨークシャー州ウェイクフィールド出身のトリオ・バンド。
コンピ盤『NEW ELECTRIC WARRIORS』への参加や、EP、シングルの自費出版、そして何よりライブ活動で名を挙げた後、LOGO RECORDSと契約を交わし1st『100 M.P.H.』で’80年にデビュー。ハードブギーを基盤に、そこにNWOBHM然としたスピード感やアグレッションを加味したサウンドで人気を集めた。
徐々に音楽性を拡散させながら80年代に数枚のスタジオ・アルバムを残して解散。近年は再結成を果たして新作『RED EYE』を発表。確か去年の暮れぐらいに来日公演のニュースもアナウンスされていたと思うが、結局行われなかった模様。キャンセルされたのかな?


VARDIS - 100 M.p.h. ★★★ (2017-03-12 09:35:41)

’80年にLOGO RECORDSから発表した1stフル・アルバム兼ライブ・アルバム。本作がその両者を兼ねている理由として、ライナーには《彼らの本質的な魅力はライブ・パフォーマンスにて発揮されるから》と書かれています。若い頃なら「なるほど!理に適ってる!」と目をキラキラさせながら納得したでしょうが、すっかりスレたオッサンと化した今では「ハイハイ、所属レーベルが制作費ケチったのな」と死んだ魚の目をして呟くエブリデイ。
しかし。最早ハードブギーというより「ブギー・メタル」と評すべき音の託された今作に限って言えば、このアイデアがドンピシャ。気の利いたメロディや曲構成の妙を聴かせるようなタイプじゃなく、オヤジ声のVo、ハイエナジーなG、ガンガンにドライヴしまくるB&Dsが一丸となって、文字通り『時速100マイル』でカッ飛ばすサウンドには、一発録りゆえの生々しい迫力と火傷しそうな熱気がダイレクトに刻まれた「ライブ」という場が実によく似合う。ジャケットに掲げられた《オーバーダビング一切なし》の文言は伊達じゃねぇと。
NWOBHMでブギーといえばリバプールのSPIDERも忘れられませんが、キャッチーなメロディ・センスにも長けていた彼らに比べると、こっちはもっとラフでスピーディ。NWOBHM史に名を遺す名曲は見当たらなくとも、つんのめり気味に突っ走る①やオーディエンスの反応が熱い②、英国チャートでも健闘した⑧、リフにリードにGの暴れっぷりが痛快な⑨、デビュー・シングルの代表曲⑪等から迸る、「プロト・スピード/スラッシュ・メタル」的とも言えるエナジーには問答無用でメタル魂が燃え上がります。知名度では後れを取っても、爆発力ではRAVENやTANKの諸作にだって一歩も引けを取らない力作。


VARDIS - 100 M.p.h. - Let's Go ★★★ (2017-03-12 23:18:05)

疾走するリズム、荒れ狂うギター、
Voの「レッツゴー!」のシャウトを聴いてるだけで
もうじっとしていられない。
長髪を振り乱して熱演繰り広げるスティーヴ・ゾディアックの
立ち姿も無茶苦茶クール。
英国チャートでも最高50位台まで上昇したのだとか。


VARDIS - Quo Vardis ★★ (2017-05-21 23:24:08)

これまで以上にHM色が薄まっていることは容易に想像がついたため購入を躊躇していたVARDISの3rdアルバム(’81年)。「国内盤初CD化」のニュースに覚悟を決め、漸くゲットしたので実際に聴いてみたら、案の定メタル色は益々薄まっていたという。
最早HRとすら若干の距離を感じなくもないリラックス具合で繰り出されるロックンロール・サウンドは、オールディーズ風の楽曲が収録されていたり、曲に応じてピアノ、サックス、ハーモニカが気持ち良さげに鳴らされてたりなんかして、VARDIS=NWOBHMバンドという図式が頭に叩き込まれていた若い時分に聴いた日にゃ「全然NWOBHMの音と違うじゃねえか!」と、盤をブン投げていたであろうことは想像に難くありません。
尤も、VARDIS(と首魁スティーヴ・ゾディアック)は本質的にロックンロール野郎であり、その基本姿勢はデビュー当時から一貫して全くブレていない。要はロックンロールを基軸に据え、その上でパラメーターの数値をスピードに偏らせたのが1stで、より聴き易く、洗練やメロディといった要素にもバランス良く数値を割り振ったのが本作であると。
そんなわけで、ゴキゲンに躍動するOPナンバー①、ピアノが粋に踊る②、グルーヴィな横ノリに体が勝手に動き出す④…と、楽曲のノリは1st『100 M.P.H.』の頃から随分と変化しましたが、いずれも紛うかたなきVARDIS印が刻まれていて違和感はなし。勿論⑧のような豪快なカッ飛ばすスピード・ナンバーだって本編にはしっかりと健在です。
入門盤にゃお薦めしかねますけども、聴けば聴くほど好きになれる1枚ではないかと。


VARDIS - The World’s Insane ★★ (2017-03-13 23:26:23)

STANPEDEやAⅡZ、もしくはCHINAWHITEよろしくライブ・レコーディングされていたデビュー・アルバムに対し、今回はちゃんとスタジオにて制作作業が行われている、VARDIS、’81年発表の2ndアルバム。
そのため、まとまりの良さや聴き易さに関しちゃ断然こちらの方が上です。また曲によってはゴキゲンに踊るピアノ、ハーモニカ、バグパイプを導入。更にはHAWKWINDの“SILVER MACHINE”のカヴァーにもチャレンジする等、バンドの旺盛な創作意欲を誰憚ることなく全開に出来たのも、スタジオにてレコーディング作業が行われたからこそ。
反面、NWOBHMの括りにスッポリと収まった前作に充満していた、プロト・スピード/スラッシュ・メタル的とも言える破天荒な勢いや炸裂感はだいぶ薄れました。そこんところに大いなる魅力を感じていた身には少々勿体ないなぁと。
それでも、ツアーに同行したMOTORHEADに多大なる薫陶を受けたことで全編に亘って貫かれたノリノリの疾走感と、相変わらず弾きまくりのスティーヴ・ゾディアックのGプレイは楽曲のテンションをグンと引き締めてくれていて、作品の完成度は間違いなく高め。強烈なタテノリOPナンバー①や、アイリッシュ・フレーバーも薫る⑥といった楽曲を筆頭とする、「メタル・ロックンロール」の数々には問答無用で体が動き出してしまいますよ。
正直なところ、今時のHR/HMリスナーにこの手のサウンドがどれだけアピールするかは未知数ですが、少なくとも前作が気に入った方ならトライする価値は十分ある1枚ではないかと。せっかく国内盤がリマスター再発されたことですし。


VEGA - Stereo Messiah ★★★ (2019-07-15 23:58:34)

スティーヴ・ハリスが主宰するBEAST RECORDSからデビューを飾るも、今一つパッとした印象が残っていないKICK(2ndアルバムは傑作)の元シンガーであるニック・ワークマンと、FRONTIERS RECORDS付きの作曲家として、これまで数多のアーティスト/プロジェクトに優れた楽曲を提供して来たトム&ジェームズのマーティン兄弟(ちなみに双子)。以前からの知り合いだったというこの3人を中心に結成されたメロハー・グループVEGAが、'14年に発表した3rdアルバムがこちら。
プロデュースを現IT BITESのジョン・ミッチェル、マスタリングはHAREM SCAREMのハリー・ヘスが担当するという座組の下、曲作りの技前が冴え渡る兄弟と、実力派シンガーが超人タッグを組むのですから、完成度の高さは聴く前からある程度は保証済み。そして実際、アートワークからしてこれまでよりもグレードが上がっている本作は、当方の予想を更に上回るクオリティを提示してくれていたという。
HRのエッジと躍動感を保ちつつ、フレッシュなポップ・フィーリングを携えた②から、憂いを孕んだ⑦、悲哀の旋律が胸を打つ泣きのバラード⑫まで、収録曲はいずれもキャッチーなメロディに彩られた逸品揃い(DEF LEPPERDのカヴァー⑨にはジョー・エリオットがバックVoとして参加)。中でも耳を惹くのが巧みにフックを盛り込んだサビメロ作りの上手さで、爽快感に満ちた名曲⑩はその好例。曲調は爽やかでも、声質自体が憂いを帯びているニックのVoに歌われることで醸し出される、どこか切ない情感が辛抱堪りませんよ。
VEGAの他のカタログも聴いてみたくなること請け合いの充実作。


VEGA - Stereo Messiah - My Anarchy ★★★ (2019-07-16 23:57:24)

憂いを湛えたヴァースから、爽快なコーラスへと至る曲展開が
霧の中を抜けて視界が一気に視界が開けるような解放感を味わえます。
声質自体が潤いを帯びているニック・ワークマンが歌うことで
爽やかさと共に一抹の切なさが漂うあたりもまたぐっとくる名曲。


VEKTOR ★★ (2010-04-21 22:31:00)

ツインG編成で、Vo兼Gのデヴィッド・デサントを中心に結成された、
アリゾナ州テンペ出身の4人組テクニカル・スラッシュ・メタル・バンド。
自主制作の1st『DEMOLITION』と、デモテープ2本を発表した後、リズム隊を刷新して'09年末に
HEAVY ARTILLERY RECORDSから2nd『BLACK FUTURE』を発表、これが世界各地で好評を博する。
メンバーが告白する通り、変則的に動き回るGリフから、耳に引っ掛かる不協和音の使い方、
科学、宇宙をテーマに取り上げた理系の歌詞、そしてバンド・ロゴに至るまでVOIVODからの影響が色濃い
音楽性ながら、若手スラッシャーらしいはっちゃけた疾走感と、激しくも悲哀に満ちた叙情メロディを
紡ぎ出す、メロディックなツインGの存在が前面に押し出されているため、VOIVODに比べると
かなりキャッチーで聴き易く、ずっと正統派ヘヴィ・メタリックな作風がその持ち味。
また、楽曲によっては『ETERNAL DEVASTATION』の頃のDESTRUCTIONを思わせる部分もあり。


VEKTOR - Black Future ★★ (2010-04-21 22:34:00)

労作の割りにチープな印象が拭えないジャケット・アートワークや、70分に迫る勢いの長大過ぎる
収録時間に尻込みしつつ聴き始めた作品だったが、いやいや、これが素晴しいの何のって!
VOIVODやDESTRUCTIONといったバンドが比較対象に挙げられており、実際、首絞められた鶏の断末魔みたいな
Voはシュミーアを、理系の歌詞世界、プログレッシブでフューチャリスティックな雰囲気漂う
楽曲の数々はVOIVODを彷彿とさせる本作。それでいて敷居の高さを感じないのは、テクニカルな楽器陣が
生み出す張り詰めたテンションの高さ、複雑なテンポ・チェンジを難なくこなしつつ、タイト&キャッチーに
疾走するリズム隊、そしてフラッシーに弾きまくるだけでなく、楽曲にきっちりとフックを構築するGコンビの
素晴しい仕事っぷりゆえ。中でも、時にスリリングに絡み合い、時に劇的に重なり合うツインGは本作最大の
聴き所。特に、小爆発を何度も繰り返しながらクライマックスへと昇り詰めて行く10分以上に及ぶ大作④⑨は、
変則的に動き回る音数の多いGリフのカッコ良さといい、エキセントリック且つドラマティックな曲展開の妙といい、
心揺さぶられる激情に満ちたメロディックなGソロといい、このバンドの何たるかを端的に示す必殺の名曲。
その他の楽曲も押し並べて完成度は高く、前述した通り全9曲収録で70分弱というボリューミーな内容にも関わらず、
中弛みを殆ど感じさせない手腕は大したもの。(曲展開はもう少し整理した方が良かったと思うけどね)
ともあれ国内盤が出ていてもおかしくない、立派なクオリティを誇る1枚。つか今からでも国内盤出そうよ。


VEKTOR - Black Future - Accelerating Universe ★★★ (2010-04-24 02:05:11)

スペーシーに浮遊する叙情パートを飲み込んで、
壮大且つドラマティックに組み立てられた
本編中、最もプレグレ・テイストが色濃く薫る大作ナンバー。
ハイテンションなヤスリ声のVo、多芸なG、
タイトなリズム隊とが一丸となって、目まぐるしく動き回る
予想は裏切り、期待は裏切らない曲展開に翻弄されるうちに、
あっという間に聴き終えられる名曲。


VEKTOR - Black Future - Forests of Legend ★★★ (2010-04-24 01:49:38)

北欧民謡調の叙情パートを頭と尻に配置して
時にブラスト・ビートを織り交ぜつつ
ドラマティック且つエキセントリックに
盛り上がっていく大作曲。
音数の多いリフの刻みからメロディックなソロまで
忙しなく動き回るGと、タイトに疾走するリズム隊の
良い仕事っぷりが際立つ名曲かと。


VEKTOR - Outer Isolation ★★★ (2012-01-15 09:16:50)

米HR/HM系サイトNOISECREEPにおいて、イマドキのエクストリーム・メタル・バンド群に混じって「2011年ベスト・アルバム11」に選出される等、海外では既に高い評価を得ているVEKTORの2ndアルバム。
と言っても本作にモダンな要素は皆無と言ってよく(一体何がアメリカ人の琴線に触れたのでしょうかね?)、シュミーアが加入したVOIVODがDESTRUCTIONの楽曲に大胆な解釈を施してカヴァーしているかのような、激烈且つキャッチーな疾走感と、知性迸るプログレ・メタル風味の構築感とが同居した「理数系スラッシュ」とでも表現したくなるユニークなサウンドは今回も健在。
いや寧ろその切っ先は益々鋭利に、曲展開は一層無駄なくソリッドに研ぎ澄まされた印象で、ヒステリックに噛み付いてくるVo、トリッキーなリフの刻みからメロディックなソロまで、端々に不協和音を織り交ぜつつ流麗に動き回るG、そして立体的に組み上げられたリズムで怒涛の如く畳み掛けるBとDsの鬩ぎ合いによって生じる、張り詰めたテンションとスリル、そしてSFタッチのアートワークに通じるスペーシーなスケール感とドラマ性を有する楽曲のカッコ良さは格別です。(お薦めは①④⑧辺りかな)
・・・と頑張って理屈っぽく説明してみましたが、本作の魅力は単純に「チョー速くて、チョーいかしたスラッシュ・メタル・アルバム」の一言で説明可能なので、別に小難しく構える必要なし。目出度く日本デビューを飾ったことですし、是非ともライブを見てみたいですね。


VEKTOR - Outer Isolation - Tetrastructural Minds ★★★ (2012-01-17 20:51:15)

5分というランニング・タイムの中で
ハイテクニックの応酬が生み出すスリルとテンション、
複雑精緻な曲展開、そしてドラマティックなメロディとが
目まぐるしく入り乱れ、終わった瞬間、止めていた息を
「ぶはぁっ」と吐き出してしまいましたよ。


VEKTOR - Terminal Redux ★★★ (2016-06-17 00:14:51)

最新作発表が5年ぶりとか、作品のリリース間隔も既に大物の風格十分な(?)VEKTORの3rdアルバム。
しかも今回は「宇宙」がテーマの壮大なSFコンセプト作とのこと。宇宙と言われても「超広い」「超寒い」「超無重力」程度の知識しか持ち合わせない(バカ)身には、正直ついていけるかどうか不安だったのですが、喉から血を吐く勢いのシャウト、神経症気味に刻まれるGリフとブラストするリズム、脳細胞を引っ掻き回すようなメロディ、プログレばりのアレンジ・センスとが、スペーシーなスケール感を伴って縦横無尽に駆け巡るOPナンバー①だけで、「ああ、良かった。いつものVEKTORだ」と不安は完全に雲散霧消致しました。
曲作りに方程式を用いてそうな理数系楽曲構築術の綿密さ、豪快で前のめりな体育会系突進力に加えて、今回は抒情メロディも大胆に投入することで、これまで以上に収録各曲のドラマ性とダイナミズム演出に注力。特に振り切ったテンションの高さで畳み掛ける頭3曲の迫力は、それだけでアルバムの世界に一気に引き込まれてしまいます。そして、どこかANNIHILATORの名曲“SOUND GOOD TO ME”に通じるメロウネスが心地良い⑨を経て、13分以上に及ぶ長尺を、持てる全てのスキル、更には女性Voによるスキャットまでブッ込んでクライマックスへと雪崩れ込む⑩のカオスっぷりは、まさに本編のハイライト。
VOIVODやDESTRUCTION(③⑥辺りはSLAYER風味)のようでありながら、その実、いずれのバンドとも明確に異なっているという、VEKTORが志向する「Si-Fiスラッシュ・メタル」の現時点での最高到達地点を垣間見せてくれる、Si-Fi or DIEな1枚。


VEKTOR - Terminal Redux - Charging the Void ★★★ (2016-06-19 01:20:02)

数学的アレンジ能力と、体育会系の突進力が、
時に美しい女性コーラスが木霊してくる壮大な宇宙空間で、
四次元殺法コンビよろしく熾烈な空中戦を繰り広げる
(なんじゃそりゃ)、アルバムのOPナンバーにして
VEKTORというバンドの何たるかを端的に物語る名曲。


VEKTOR - Terminal Redux - Collapse ★★★ (2016-06-19 01:29:09)

もともとメロディ・センスに冴えを感じさせるバンドでしたが
ここではその魅力が全開。Voもキチガイシャウトではなく
訥々とクリーンに歌い上げています。
美しくもどこか不安げな捩れを感じさせる抒情メロディと、
後半に聴き進むに従ってハードネスを増していく劇的な曲展開が、
ちゃんとこのバンドらしさを刻印していて、日和った印象は皆無。
個人的にはアルバムでも1、2を争うぐらい
お気に入りの楽曲になりましたよ。


VELVET VIPER - The 4th Quest for Fantasy ★★ (2011-03-26 21:45:10)

元ZED YAGOのユッタ・ヴァインホルト(Vo)や現METALIUMのラーズ・ラッツ(B)らに加え、結成当初にはAT VANCEのオーラフ・レンク、WARLOCK~U.D.O.のピーター・シゲティ、SKYCLADのデイヴ・ムーアといった、名の知れた面子も関わっていたハンブルグ出身の正統派HMバンドが、'92年に発表した2ndアルバム。
重厚に刻まれるGリフと勇壮にうねるリズムの上に、妖しげなメロディをコブシの効かせて歌い上げる女性Voが乗せられたエピカルなサウンドは、まるで初期RAIBOWの楽曲をACCEPTが演奏しているよう・・・と言ったら絶対に褒め過ぎだが(笑)、女ロ二ー・ディオの系譜に連なるユッタ嬢の堂々たる歌いっぷりは見事なものだし、ミドル~スロー・テンポの楽曲中心のヘヴィネス漲る作風にも関わらず、ドゥーム・メタル的なダウナー感とは無縁のタイトに締まった演奏やアレンジも、そうした印象に拍車を掛けている。多分メンバーに尋ねても「ドゥーム?俺達ただRAINBOWが好きなだけなんスけど・・・」って感じじゃないかな、と。
いかんせんメロディのフックが弱く、通して聴いて一番印象に残るのがワーグナーの名曲“ワルキューレ騎行”のカヴァー①ってのは幾ら何でもマズイような気がするけど、それでも、勇ましくドスの効いたヘヴィ・ナンバー②、荘厳な男性コーラスからスタートする⑥、パワフルなユッタ嬢の歌唱が映える⑦、それに本作のハイライト・ナンバーたるドラマティックなラス曲⑪辺りは、個人的にお気に入りの秀曲だ。
WARLOCK、CHASTAIN、HELLIONなんかが好きな人にはお薦めできる1枚・・・かもしれない。
ショボ過ぎるジャケットはアレですが。