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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6501-6600

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6501-6600
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VOLCANO - Leviathan - Wasteland the Wind ★★★ (2017-08-31 00:58:43)

前作『MELT』の作風を受け継いで、濃厚な正統派HMテイストを
振り撒きながら本編ラストを締め括るスピード・ナンバー。
メタル魂を燃え上がらせるNOVのシャウトと、
全編に亘って歌いまくる屍忌蛇のGがやはり素晴らしい。


VOLCANO - Melt ★★★ (2015-09-26 01:21:10)

'15年発表の4thアルバム。前作から4年のブランクと相変わらずの寡作バンドっぷりですが、今回はその間に屍忌蛇のソロ作『DUAL WROLD』のリリースが挟まっていたこともあり、然程待たされた気はしなかったかな?と。
ともあれクオリティに関しては、アルバムの幕開けをドラマティックに飾る「軍歌メタル」とでも評したくなる①が始まった瞬間に安心できることをお約束致します。
金属的色艶と激情の迸りを兼ね備えたNOVの特徴的なVoも、硬質なサウンドを下支えするリズム隊のタイトさも、そして何より堰を切ったように泣きが溢れ出す屍忌蛇のGプレイも相変わらず絶好調。
初期の頃は、やや安直というか、型にハマった泣きメロの組み立てが時にチープに響く場面が無きにしも非ずだったのですが、今や熱き血潮通う慟哭のメロディにその気配は皆無。有名曲のフレーズを引用したりするANIMETAL的手癖もスッパリと断ち切った屍忌蛇のGワークは、完全に彼独自の世界を構築していますよ。
特に、スピーディ且つアグレッシブに畳み掛けるスラッシーな曲調を突いて、サビメロとインスト・パートでは猛烈な泣きが大噴出するという、VOLACANO必勝パターンが敷かれた②③と、涙腺を決壊させるべく哀愁が渦を巻く劇的な④、そして撒き散らされる悲壮感が胸を突き刺すパワー・メタル・メドレー⑩⑪(亡き友人に捧げられているのだとか)は、完膚なきまでにこちらのハート鷲掴んでくれるアルバムのハイライト。
・・・と、どうにか感想を捻り出してみたのですが、ほぼ毎日のように聴いていても、毎度「うーむ、カッコイイ」と聴き惚れてる内に本編が終わってしまうので、あまり書くことが思い浮かばないというのが実際のところ。とりあえず「デビュー作以来の傑作」との評価をもって本文を締め括りたいと思います。


VOLCANO - Mythology ★★★ (2011-04-07 22:58:45)

アニメ番組の劇中歌を手掛けたり、特撮ヒーロー物のトリビュート・アルバムを作ったりと、近年は課外活動に勤しんでいた屍忌蛇(G)率いるVOLCANOが久々に発表した3rdアルバム。
2nd『DAVI』のリリースからかなり間が空いてしまったが(EP『VIPER'S PATH』の発表すら'05年だ)、スラッシュ・メタルや北欧メロデスを彷彿とさせるスピーディでブルータルなリズムの上で、金属的色艶と硬質感を湛えたNOVの歌声と、エモーショナルに咽び泣く屍忌蛇のGとが渦を巻く、唯一無二のVOLCANO流HMサウンドは不変。流石にデビュー作『VIOLENT』程のインパクトはないものの、妙に窮屈に感じられた『DAVI』よりはずっとキャッチーで、肩の力が抜けた聴き易い仕上がり。
ピアノによる流麗なイントロから爆発的な疾走へと転じるOPナンバー①や、その勢いをバイオレントに受け継ぐ②、アコギを有用しドラマティックな緩急が演出された⑥、メロパワ風味漂う⑨、悶絶モノのGソロと共に疾走するラスト・ナンバー⑩等は、多くのファンが聴きながら握り拳固める姿が目に浮かぶようなカッコ良さ。
屍忌蛇が作り出す泣きメロは時に歌謡曲的なベタさを発散するため、この辺は好き嫌いが分かれるところかもしれないが、個人的にはストロングな楽曲とドメスティックなクサメロのギャップもこのバンドの魅力の一つと捉えているので無問題。濃厚な哀愁を漂わせつつ劇的に展開していく⑤なんてアルバムのハイライトに推したいぐらいの名曲ですよ。
そんなわけで、ファンの期待に見事に応えた1枚だと思う。ただ、サウンド・プロダクションはこれで良かったの?


VOLCANO - Violent ★★ (2008-07-16 23:01:00)

GAGOYLEやANIMETLでの活動で知られるギタリスト、屍忌蛇率いる4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンド
VOLCANOが'99年に発表した、衝撃の1stアルバム。
重厚且つ攻撃的に刻まれるGリフといい、時にブラスト・ビートを織り交ぜつつ、畳み掛けるように疾走するリズムといい、
バックの演奏は完全にメロディック・デス・メタル風味なのに、その上に乗っかるVoはしっかりとメロディを歌っているという、
それまで、ありそうでなかった音楽スタイルを提示して好評を博した(プロデュースを担当したフレドリック・ノルドストロームが
プライベートでも聴きまくっていたという逸話あり。そういった関係でか、フレドリックがライナーにも寄稿している)本作。
その最大の魅力は、何といっても煽情力抜群のメロディで、金属的な感触の声質を活かし、メロディアスに歌っても
決して軟弱にならないNOVのVoも素晴しいが、白眉はやはり、本編の至る所で泣きメロを炸裂させまくる屍忌蛇のGプレイ。
その猛烈な泣きっぷりは、時に歌謡曲や演歌のフィールドにまで踏み込まんとする勢いで、あまりのベタさに
「ストロングな楽曲と水と油」「逆に楽曲の完成度を下げてしまっている」との批判もあるようなれど、なんのなんの。
パワー/スピード/メロディを兼ね備えて、ドラマティックに突っ走る②③⑧⑩、名キーボーディスト三柴聡が参加する
耽美的な雰囲気を漂わせた⑤、血の涙を流す慟哭のヘヴィ・バラード⑦といった楽曲は、このバンドならではの魅力に満ち溢れた名曲でしょう。
今聴くと、BULLET FOR MY VALENTINEやAVENGED SEVENFOLDのサウンド・スタイルを先取りしていたようにも感じられる
(気のせいか?)、ハードコアな要素と伝統的HMサウンド、そして強力な泣きメロが見事に融合を果たした名盤。


VOLCANO - Violent - Devil-may-care-boy ★★★ (2008-07-27 18:29:31)

ブラスト・ビートをフィーチュアして突っ走る、
本編最速の激烈疾走ナンバー。
それでいて、このバンドならではのメロディの魅力に
満ち溢れている点も、高評価ポイント。


VOLCANO - Violent - Kill All Of Me ★★★ (2008-07-27 18:27:36)

猛々しいGリフ、畳み掛けるようなデス・メタリックな疾走感、
泣きまくりのメロディ、ダイナミックな曲展開、
いずれのカッコ良さもずば抜けているが、個人的には
NOVの歌う、憂いに満ち、かつ勇壮な(いわゆる挽歌チックな)
歌メロにグッときました。


VOLFEED ★★ (2008-05-20 18:32:00)

いましたね~、BLUE STEALER。
個人的には、リーダーの古井善次がCRYSTAL CLEARのDsらと結成した、
よりVOLFEEDに近い様式美HMサウンドが堪能できるバンド、
MOON STRUCKも結構好きでした。


VOLFEED - MAJESTY ★★ (2008-05-20 18:23:00)

優れた様式美HMバンドの産地として知られる関西出身で、女性VoとKeyを擁する5人組HMバンドが、
'94年に自主制作して発表した(後にMANDRAKE ROOT RECODSからリマスター化されて再発)4曲入りデビューEP。
赤尾和重似のパワフルな歌声を聴かせる女性Vo、GとKeyにそれぞれ見せ場を用意した、スピーディ且つ劇的な曲展開・・・と、
もろTERRA ROSAからの影響を感じさせる、コテコテ(笑)の様式美HMサウンドが展開される作品で、オリジナリティという点に
ついては疑問符が付くものの、そのクオリティは間違いなく高い。(たった4曲では物足りなさが残るけどね)
特に、本編の最初と最後を飾るお約束のスピード・チューン①④は、コブシの効いた歌メロといい、ツボを押さえた
プレイを披露してくれるGとKeyといい、まさにジャパニーズ様式美HMの王道を行く仕上がりなので、様式美HMファンは要チェックかと。
バンドは本作1枚のみを残して解散してしまうわけだが、リーダーの古井善次(B)は、CRYSTAL CLEARのメンバーらと
MOON STRUCKを、Voの山本朋子はZENITHのメンバーらとBLUE STEALERを結成と、その後もハイオクオリティな
様式美HMサウンドを追求しているので、興味を持たれた方は、是非、そちらのバンドの音源もお試しあれ。


VOLFEED - MAJESTY - DREAMSLAVE ★★ (2008-05-20 18:27:44)

絵に描いたような、ジャパニーズ様式美HMサウンドの
王道を行く、お約束且つコテコテのスピード・ナンバー。
好き者にはたまらない名曲です。


VOW WOW - Beat of Metal Motion ★★★ (2011-11-07 22:30:32)

BOW WOW改めVOW WOWが'84年に発表したデビュー作。
曲作りにおいてイニシアチブを握るの山本恭司(G)で、バンドの屋台骨をソリッドに支えるのは佐野賢二(B)と新見俊宏(Ds)のリズム隊、ついでに一部楽曲は日本語詞で歌われている等、音楽的な方向性自体はBOW WOW時代(名盤『ASIAN VOLCANO』辺り)とほぼ同一なのに、にも関わらずサウンドのスケール感が以前より一回りも二回りも大きく感じられるのは、新メンバーの人見元基(Vo)と厚見玲衣(Key)の存在がモノを言っているからに他ならない。(・・・多分)
殊にBOW WOWとVOW WOWの差別化という点において、プログレ・ハード・バンドMOONDANCER出身という、厚見の壮麗にしてドラマティックなKeyプレイが果たした貢献は大きく、その加入効果は名曲揃いの頭3曲から早くも覿面に表れている。
そして勿論、本作(というかこのバンド自体)を語る上で欠かす事の出来ない、人見元基のパワーと表現力兼備の日本人離れした歌声も強力だ。特に、彼のVoと山本のGが猛烈に咽び泣く“SLEEPING IN A DREAMHOUSE”は、これ以降完璧に脱臭されていく歌謡曲の残り香も感じられる劇的なバラードの逸品で、この名曲をクライマックスに据え、OPナンバー“BREAK DOWN”からラス曲“BEAT OF METAL EMOTION”まで捨て曲一切なしの本作こそ、個人的にはVOW WOWのカタログの中でも最も愛して止まない1枚だったり。


VOW WOW - Cyclone ★★ (2011-11-08 23:04:08)

個人的に、この2ndアルバム('85年)に今ひとつ地味な印象が付き纏うのは、我が愛するデビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と、ファン人気が特に高い名盤『Ⅲ』との間に挟まれている時期的な問題以外にも、例えばバラードの小曲“NEED YOUR LOVE”とインスト曲“ECLIPSE”からメドレー形式で繋がって行く“SIREN SONG”が、ストレートなロックンロール・ナンバーで肩透かしを食わせられる事に象徴されるよう、VOW WOWのカタログの中にあってドラマ性や叙情性が控え気味な、どちらかと言えばアメリカンな色合いが強く打ち出された作風も影響しているのかな?と。
尤も、歌詞が全曲英詞で統一され、前作に僅かに残っていたドメスティック臭が一掃された本作は「事前の耳打ちなしで聴いたらまず日本のバンドとは思わない」、VOW WOW独特のバタ臭い個性がしっかと確立された重要な1枚であり、決して退屈な内容と言うわけではない。
インストの小曲を経てスタートする、アグレッシブで切れ味の鋭いバンドの代表曲“HURRICANE”や、人見元基のソウルフルな熱唱が映える“LOVE WALKS”、重厚にして豪快な“ROCK YOUR CRADLE”、大陸的な乾いた哀愁漂わすバラード“YOU KNOW WHAT I MEAN”は、このバンドならではの魅力が如何なく発揮された名曲ですね。


VOW WOW - Hard Rock Night ★★★ (2017-06-06 23:38:02)

VOW WOWが唯一残した公式実況録音盤。3rd『Ⅲ』発表後に行われた国内ツアーの中から、中野サンプラザ公演の模様を収録。レコード、カセット、CD、VHS、いずれの媒体でも収録曲が異なるというファン泣かせの仕様でも知られる1枚。この後、B時代からバンドの屋台骨を支え続けたオリジナル・メンバーの佐野賢二(B)が脱退し、VOW WOWは拠点をイギリスへ移して活動していくこととなったため、初期の彼らを総括するベスト盤的役割も果たしています。
内容については、そりゃ名曲を山ほど抱えているバンドゆえ、選曲についての不満はどうしたって付いて回ります。特にVHS版には入っていた名曲中の名曲“SHOCK WAVE”がこっちではオミットされてしまっているのは悲し過ぎる…。MCや観客との掛け合いが殆どフィーチュアされていない等、個人的な好みで言えば、余り積極的に聴くタイプのライブ盤ではないのですが。それでも、矢継ぎ早に繰り出される名曲・代表曲の数々が放つカッコ良さには痺れざるを得ないわけで。何より人見元基の魂を燃焼させるかの如き絶唱、山本恭司入魂のGプレイ、厚見玲衣の壮麗なKeyワーク、重厚且つドラマティックにボトムを支える佐野賢二&新美俊宏のリズム隊…と、スタジオ・バージョンを軽く凌駕する迫力とエモーションの迸りでそれら名曲の数々を再構築してみせるバンドのミュージシャン・シップの高さ、プロフェッショナリズムには聴く度に敬服を新たにさせられる次第。
いつの日か、VHSやCDの音源を合体させた「完全版」がリリースされることを願って止みません。


VOW WOW - III ★★★ (2011-11-10 22:46:40)

印象的なKeyリフを纏ってシャープに疾走する“SHOT IN THE DARK”と、国産HR/HM系バラードの最高峰と評すべき逸品“SHOCK WAVES”という二つの名曲を収録し、ファンからも「HMバンド」VOW WOWの代表作として高い人気を誇る'86年発表の3rdアルバム。
アメリカンな色合いが強く打ち出されていた前作『CYCLONE』に比べ、メロディの湿り気やドラマ性といったブリティッシュ・テイスト(日本のバンドですが・・・)の大幅回復が図られた本作には、曲名通りのアーバンで洗練された雰囲気が心地良い“NIGHTLESS CITY”や、哀愁のHRナンバー“SIGN OF THE TIMES”、劇的にラストを締め括るバラード“PAINS OF LOVE”といった優れた楽曲が顔を揃えているわけですが、やはり何と言ってもトドメとなるのは、“SHOT IN THE DARK”と“SHOCK WAVES”という超ド級の名曲の存在。
特に、壮絶に泣きまくるG、魂を燃焼させるような絶唱を振り絞るVo、全編を壮麗且つ悲壮に彩るKey、そして熱く激しく脈動するリズム隊とが一体となって、呼吸困難を催さんばかりの息苦しい盛り上がりを演出する“SHOCK~”は、何度聴いても涙ちょちょ切れる至高の逸品。
未だこの名曲を聴いた事がないHR/HMリスナーは、確実にミュージックライフで大損ぶっこいてますよ!


VOW WOW - III - Shock Waves ★★★ (2006-03-11 02:44:31)

人見元基の壮絶なる歌唱、厚見玲衣の切ないピアノの音色、新美俊宏の劇的なドラム、そして咽び泣く山本恭司のギター・・・
聴く度に胸をエグられ、心臓を鷲掴みにされる、涙なくして聴けぬ慟哭の名バラード。


VOW WOW - Mountain Top ★★ (2011-11-16 22:40:24)

LAに拠点を移したVOW WOWが、ニール・マーレイの後任Bとしてマーク・グールドを、プロデューサーに巨匠ボブ・エズリンをそれぞれ起用してレコーディング作業を行い、'90年に発表した6thアルバム。
アメリカ・マーケットへの進出を念頭に置いて制作されたというだけあって、共作者にはマーク・スローターらが名前を並べ、前作『VIBE』に比べるとメロディよりもアメリカン・メタル風味の豪快さが強調された内容に仕上がっている一方、あれもこれもと詰め込み過ぎた結果、長大に膨れ上がってしまった本編は通して聴くと散漫な印象が無きにしも非ず・・・といったところなのだが、こうして久々に接し直してみると、1曲1曲の完成度の高さには「流石VOW WOW」と唸らされるモノがありました。
壮大なコーラスに圧倒される“MOUTAIN TOP”や、モダンでファッショナブルな“SPEED”、渋い泣きっぷりが絶品の“LOVE SOMEONE”と洗練された“I WANT YOU”というタイプの異なるバラード2曲、それにキャッチーな先行シングル曲“TELL ME”(この曲は英国で録音され、Bもニール・マーレイが担当している)といった楽曲は、このバンドにしか作り得ない存在感を放つ。
それだけに、本作を最後に解散してしまった事が惜しまれます。(近年、再始動の動きも見られますが)


VOW WOW - Revive ★★ (2018-02-15 23:12:39)

'87年発表の4th『V』の中から4曲に、ゲイリー・ムーアやCHEAP TRICKとの仕事で知られるエンジニア、イアン・テイラーの手によるミックスを施し同年クリスマスに発表されたミニ・アルバム。ちなみにリーダー・トラックであるジョン・ウェット提供の名曲“DON’T LEAVE ME NOW”はロング・バージョンとリミックス・バージョンの2種を、“DON’T TELL ME LIE”はロング・バージョンを、“CRY NO MORE”と“BREAK OUT”はリミックス・バージョンをそれぞれ収録する全5曲構成。
楽曲の素晴らしさに関してはアルバム『V』の項目をご参照頂くとして、本作と『V』を熱心に聴き比べたことがないため、イントロからして明らかに変わっている“DON’T LEAVE~”以外は、アルバム・バージョンとの差異は正直「分かったような分からないような」レベルの不届き者なのですが、とりあえず全体的に厚見玲衣のKeyサウンドが前面に出て、よりゴージャス感を強調した音作りが目指されていることは流石に伝わりました。逆に今聴くと80年代然としたプロダクションに時代を感じてしまう気も…いやいや。この辺は聴く人の趣味嗜好の問題でしょう。
いわゆる「ファン・アイテム」であり、既に『V』を持ってる人がわざわざ購入する必要がある作品かどうかは微妙なところですが、優れた楽曲を超人揃いのメンバーが全力でパフォームしているのですから、質の高さは保証できる1枚なのは間違いありません。


VOW WOW - V ★★★ (2011-11-12 19:55:41)

'86年リリースのライブ盤『HARD ROCK NIGHT』を一区切りとして、レディング・フェスティバル参戦を含む本格的な英国進出、オリジナル・メンバー佐野賢二(B)の脱退とニール・マーレイの加入等、激動の時代を迎えていたVOW WOWが'87年に発表した4thフル・アルバム。
“SHOT IN THE DARK”の如きヘヴィ・メタリックな疾走ナンバーや“SHOCK WAVES”級の超名曲が見当たらない代わりに、収録各曲のメロディやアレンジはこれまで以上に丹念に練り込まれ、粒が揃った本編は前作『Ⅲ』を大きく凌駕するクオリティの高さ。
スリリングに切り込んで来る“SOMEWHERE IN THE NIGHT”や、哀愁に満ちた“THE GIRL IN RED”、猛烈に泣かせに掛かる劇的なバラード“CRY NO MORE”といった「これぞメガロック!」な楽曲で堪能出来る、各メンバーの硬軟自在のパフォーマンスは相変わらずの見事さですが、今回、特にその良い仕事っぷりが光るのは厚見玲衣のKeyワークで、彼の流麗にして華やかな演奏は楽曲の叙情性とドラマ性底上げに大きく貢献。中でもUKチャートにおいても好リアクションを得たという先行シングル曲“DON'T LEAVE ME NOW”はその筆頭に挙げられる名曲。ジョン・ウェットンが作詞とプロデュースを手掛けているだけあって、どこかASIA的な響きを持つキャッチーな哀メロが心地良いったら。アルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか。
個人的には、デビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と並んでVOW WOWの最高傑作に推したい1枚ですね。


VOW WOW - Vibe ★★★ (2011-11-15 22:32:55)

'88年リリースの5thアルバム。
判り易い疾走ナンバーが姿を消し、ミッド・テンポの楽曲主体でまとめられた本編を初めて聴いた時は「随分マッタリとしちゃったなぁ」と思ったものですが、よくよく聴き込めば、多少地味な楽曲にも必ず耳を捉えるフックが仕掛けられており、総合的な完成度の高さでは傑作だった前作『Ⅴ』にも全く引けを取らない出来栄え。
特に、魂揺さぶる人見元基の熱唱と、山本恭司の濃厚なエモーション背負ったG、厚見玲衣の壮麗なるKeyワークが、新見俊宏&ニール・マーレイが叩き出す山あり谷ありの劇的なリズムに乗ってドラマティックに展開していく“FADE AWAY”は、かの“SHOCK WAVES”と同種の感動を味わわせてくれるVOW WOW屈指の名曲です。
また、哀愁を湛えて歌う山本のGが涙腺に沁みる“I FEEL THE POWER”、タメの効いた泣きの叙情バラード“THE BOY”、キャッチーなポップ・メタル・ソング“ROCK ME NOW”、思わず踊りたくなるスウィンギンな“TALKIN'BOUT YOU”辺りは、楽曲の完成度の高さと、益々円熟味を増したメンバーのパフォーマンスとが相俟って、実に胸に残る逸品に仕上がっている。
個人的には、VOW WOWのカタログの中では本作と前作『V』、それに1st『BEAT OF METAL EMOTION』がアルバム・ベスト3かな。


VOW WOW - Vibe - Fade Away ★★★ (2006-04-03 23:06:54)

厚見玲衣の華麗で劇的でスリリングなキーボード・プレイが、曲の完成度を数段引き上げていると思う。
“SHOCK WAVE"と同等の感動が味わえる、文句なしの超名曲。
勿論、胸締め付ける壮絶な歌唱を聴かせるVo、涙腺刺激しまくりのG、
味わい深いリズム叩き出すDs、黙々と脇に徹するBの素晴しい仕事っぷりは言わずもがな。


VULTURE (2018-02-26 22:54:34)

元々はブラック・メタル・バンドで活動していたS・ジェノサイダー(G)とA・アックスティンクター(B)が中心となり、「MERCYFUL FATE/KING DIAMONDの雰囲気にベイエリア・スラッシュとカナダのスピード・メタルの速さを加えてスピード・アップしたJUDAS PRIEST」的なサウンドを追求すべく、‘15年にドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にて結成。
JUDAS PRIESTの“RAPID FIRE”のカヴァーを収録したデモや、HIGH ROLLER RECORDSとディールを交わして制作されたEP、シングル盤がマニアの間で評判を呼んだことから、'17年に1st『THE GUILLOTINE』でアルバム・デビューを飾った。


VULTURE - The Guillotine ★★★ (2018-02-26 22:55:46)

レザー&スタッドで全身を固めたメンバーの出で立ちも頼もしいドイツの4人組が、'17年にHIGH ROLLER RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
ジャッロ映画風イントロでスタートを切る本編にて炸裂するのは、ツインGを切り込み隊長役に荒々しく突っ走る、スラッシュ・メタルと呼ぶにはメロディアスで、正統派HMで括るにはアグレッシブ過ぎる、まさに「スピード・メタル」なる形容が打ってつけのサウンド。Voもハイトーンで終始テンション高くシャウトしまくっていますが、例えばロブ・ハルフォードみたいな表現力の深みや中音域の魅力は皆無で、ひたすら壊れた蛇口よろしく「出しっ放し」「漏れっ放し」なバカ度高めのハイトーン・スタイルな辺りも、EXCITERやAGENT STEELの系譜に連なるこの手のサウンドにマッチしているという。
近年だと同系統のバンドとしてはEVIL INVADERSが思い出されますが、現代っ子バンドらしいキレキレな演奏力が、鋭利なカミソリの刃の如きスタイリッシュなカッコ良さを際立たせているあちらに比べ、技術よりも気持ちが先走った、前のめりなドタバタ感溢れる本作はより濃厚に80年代風味を背負っていて、DEEP PURPLEの名曲“嵐の使者”のブチ壊しカヴァー⑩もそんなバンドの特性が強く出ているのではないかと。正直、嫌いじゃないです。
そんなわけで他人には薦め辛くとも、個人的には非常にツボな1枚。同郷の先輩バンドVECTOM(知ってます?)に通じるスピード・メタル・サウンドにほっこりさせられましたよ。特に映画『ローズマリーの赤ちゃん』のメイン・テーマを引用して、2本のGが派手にハモり倒しながら疾走する⑤はメタル魂にボッと火を点される名曲ではないでしょうか。


VULTURE - The Guillotine - Adrian's Cradle ★★★ (2018-02-27 23:54:25)

不気味なイントロで聴き手を十分に焦らしてから激走開始。
ドカスカと強引に突進するリズムに乗っかって、
ハイトーンVoが喚き倒し、ツインGが荒れ狂うという
B級スピード・メタルかくあるべし!な名曲。
(人によっては迷曲か)
禁止薬物を使用したIRON MAIDEN的感触もあり。


VYPERA - Eat Your Heart out ★★★ (2022-11-03 01:52:14)

スウェーデンから登場した若き5人組、VYPERAがFRONTIERS RECORDSと契約を交わして’22年に発表したデビュー作。
メンバー曰く、本作に託されているのは「W.A.S.P.とTRIUMPHとDIOから受けた影響を独自のセンスでまとめたサウンド」とのこと。なるほどな…って、その例えだと一体どんな音楽性なのかさっぱり分からんのですが、流れ出すのはメタリックなエッジをしっかりと効かせつつ、透明感を帯びた哀メロが印象的に踊る古き良き北欧メタル・スタイルを踏襲するサウンドだったのでホッと一安心。
ただ、音楽雑誌のレビューでは90点台の高得点を獲得していましたが、それを全面的に信じてしまうと肩透かしを食らう可能性もある内容ではないかなと。それよりも個人的には、やや甘さの残る歌とテクニカルなギターの「G高Vo低」(低というほど下手じゃないか)な取り合わせとか、粗削りなプロダクションに未洗練な曲展開とか、もしこれが90年代に発表されていたなら日本盤は確実にゼロ・コーポレーションから発売されていたに違いない!ってな仕上がりっぷりの方にグッとそそられた次第で。
印象的なギター・フレーズを散りばめて疾走する⑤や、一転してエモーショナルに聴かせるバラード⑥、威勢の良い曲調と哀愁のメロディのメリハリの効いた取り合わせが秀逸な⑦等、とりわけ耳を捉える楽曲が連続する中盤の盛り上がりが白眉。曲によっては同郷の先輩バンドPROUDのことを思い出したり思い出さなかったりという。
次作以降にも大いに期待の持てる1枚です。


VYPERA - Eat Your Heart out - Rock N' Roll ★★★ (2022-11-04 01:36:58)

こんなタイトルですが、緩いノリは皆無。
北欧らしい冷ややかさを纏ってタイトに疾走します。
要所要所でギターが差し込んでくるメロディが
また楽曲を美味しく盛り上げてくれます。


Valkyrie - Valkyrie Rising ★★★ (2018-05-25 00:26:50)

女性メンバーを擁するスラッシュ・メタル・バンドは現在じゃ特に珍しくもありませんが、メンバー全員が女性となるとなかなかにレア。しかもそれが日本のバンドとくれば尚のことではないでしょうか。
本作は、80年代末期にデモテープのみを残して解散した大阪出身の4人組が、およそ30年越しで発表に漕ぎつけた1stフル・アルバム。可愛らしいルックスのお嬢さんが華やかに着飾って聴かせてくれるJ-POPテイスト入った今時の邦楽メタルにはあまりピンと来ない我が身なれど(申し訳ない)、革ジャンとバンドTで武装した熟女軍団が「デス声?パワー・グルーヴ?ダウン・チューニング?それ美味いんけ?」と言わんばかりにブチかます、タイム・カプセルで80年代から解き放たれたかのようなオールドスクール極まりないスラッシュ・サウンドには、問答無用で痺れまくりですよ。
特に、ガリガリ刻みまくるSLAYER直系のGリフと疾走するリズムの上で、ツインGがドラマティックにハモってみせる①③、畳み掛ける疾走感とメロウなヘヴィネスが緩急を織り成す⑦、からの激速スラッシュ・ナンバー⑧辺りの楽曲は、タイトな演奏力と確かな作曲能力が微塵もブランクを感じさせない強力な出来映え。
押しの強い演奏に埋もれ気味なVoにもうちょい迫力が出て、リフ/リズム・パターンのバラエティが広がり収録各曲の個性が一層際立つと、アルバムの完成度は更に高まる気がしますが、これは弱点ではなく寧ろこのバンドの「伸びしろ」です。是非このまま活動を継続し、ライブや作品リリースを重ねていって頂きたい次第。


Vectom (2014-02-04 22:44:00)

'83年の結成から'93年の解散まで、10年間の活動期間を全速力で駆け抜けた、ドイツはバイエルン州インゴルシュタット出身の5人組スピード/スラッシュ・メタル・バンド。そのせいで情報が少ない少ない。
'85年にGAMA INTERNATIONALから1st『SPEED REVOLUSION』を、'86年にSCRATCHCORE RECORDSから2nd『RULES OF MYSTERY』をそれぞれ発表しており、これらのアルバムに託された、荒削りだが生き急ぐように突っ走る暴走サウンドは、マニア筋から評価が高い。
ところで、「VECTOM」ってどういう意味なんでしょうね?


Vectom - Rules of Mystery ★★ (2014-02-06 22:13:22)

デビュー作『SPEED REVOLUSION』のアートワークと間違い探し状態のジャケットでファンの混乱を誘った(?)、ドイツ・インゴルシュタット出身の4人組が'86年に発表した2ndアルバム。
チープだった音質が幾らか改善され、メロディアスに歌うべく努力するようになったシンガーが「ド下手」から「デビュー直後のカイ・ハンセン」クラスにまで何とかレベルUP(・・・レベルUP?)。またツインGも一層ドラマティックなフレーズを奏でるようになる等、前作に比べてかなりパワーメタル成分が強まりました。
反面、「スピード命!夜露死苦!」といった刹那的な疾走感が緩まってしまった点は痛し痒し。またデビュー作を繰り返し聴き込むうちに音痴なシンガーに耐性が出来てしまったので、半端に上達した本作での彼の歌唱に物足りなさを覚えてしまう始末。慣れってやつは恐ろしい・・・。
とはいえ、別に彼らのサウンドから前のめりな勢いが失われてしまったわけでないことは、アクセルを床まで踏み抜いて突っ走るOPナンバー①の激走っぷりからも明らか。ことにドライヴ感満点の演奏で楽曲の疾走感を高めるBの存在は本編の要で、③⑤⑧⑨といったスピード・ナンバーにおけるリード楽器ぶりには耳を奪われるもの有り。
個人的な好みでは前作に軍配を上げたいのですが、VECTOM入門編としては本作の方が適当なのかな、と。


Vectom - Rules of Mystery - Der Anfang / Prisoner's Back ★★★ (2014-02-06 22:26:36)

相変わらずスピーディではあるものの、
切迫感が薄まった曲調はパワー・メタル的。
ゆったりとハモるツインGもいかにも
「ジャーマン・メタル」といった趣きです。
メロディアスに歌おうとする(努力の跡は伺える)
Voの歌唱力も、リッキー・ヴァン・ヘルデン(ATTACK)
クラスまでには上達しました。
・・・これを「上達」と言っていいのかどうか分かりませんが。


Vectom - Speed Revolution ★★★ (2014-02-04 22:45:39)

KKKもどきのアートワークを頂く本デビュー作('85年)において、チープな音質のもと繰り広げられるのは、疾走疾走また疾走という、アルバム・タイトルを地で行くスピード・メタル・サウンド。
ガムシャラにブッ叩きまくるDs&激しくのた打つBが形成する性急なリズムに乗って、音程ガン無視のダミ声Voとヒステリックに切り込んでくる2本のGとが、何かに憑かれたように突っ走る様には、「やりたいことに実力は追いついてないけど、足りない分は気合と根性でカバー!」という、(この時代の)ジャーマン・メタル・スピリッツが濃厚に息衝いています。
破れかぶれな暴走を繰り返しながら、飽くまで根っこには正統派HMが植えられている楽曲は初期DEATHROWやS.D.I.なんかに近い印象ですが、良くも悪くもこのバンドを個性的な存在たらしめているのは、清々しいぐらいに音痴なVo。「まぁ楽器兼任ならこんなもんか」と思ってブックレット確認したら、まさかの専任シンガーで鼻水吹きましたよ。
自棄のヤンパチな疾走感が痛快な②⑧⑨、バンドの決意表明と言うべき⑤、パワー・メタリックな味わいも宿した⑥といったヘドバン・ソングを繰り返し聴いてる内に、こちとら「このVoでこそVECTOM!」とすっかり洗脳されてしまいましたが、初めての人が①を聴いたらズッコケること請け合い、か?
初期GRAVE DIGGERやドイツのWARRANT、あとANGEL DUST辺りが問題なく楽しめるマニアにお薦めする1枚です。


Vectom - Speed Revolution - Black Viper ★★ (2014-02-05 22:34:59)

一生懸命メロディアスに歌い上げようとしている
(その結果、息も絶え絶えな感じになってるのが可笑しい)
Voと、ドラマティックにハモるツインGをフィーチュアした
パワー・メタリックな疾走曲。


Vectom - Speed Revolution - In Nomine Satanas ★★ (2014-02-05 22:25:54)

「ほどほど」とか「適当」といった言葉とは全く無縁で、
全てのパートが全力投球で突貫するスピード・ナンバー。
スラッシュとは「鞭打ち」から来てるわけですが、
ここのドラミングはまさしくそれ。バシバシ鞭打ってます。


Vectom - Speed Revolution - Loudness and Speed ★★★ (2014-02-05 22:32:41)

タイトルまんまの曲ですね。
チリ出身のタンザ嬢率いるDEMONAがカヴァーしたことが
局所的に話題になったような、ならんかったような。
ソフト・ロックは好かん!メタル最高!
ジャック・ダニエルズ旨ぇ!
喧しくてスピーディ、それがVECTOMのやり方!
とバンドの主義信条を高らかに謳い上げる歌詞が
素晴らし過ぎますよ。
レミーみたいなオブリを入れてくるBもカッコイイ。


Vectom - Speed Revolution - Satan's Colours ★★ (2014-02-05 22:39:00)

1stアルバム最速ナンバー。
全セクションが早回しで再生されてるようで
聴く度に笑ってしまいます。その速度についていけず、
「うるせぇなこの野郎!ほっとけボケ!」と
不貞腐れてキレ気味に吐き捨ててる(ような気がする)
Voが最高。


Viana - Forever Free ★★★ (2021-04-28 23:09:44)

日本にも同じような名前のプログレ・バンドがいたなとか思いましたが、あちらはヴィエナでこちらはヴィアナ。90年代からキャリアを積むベテランながら、ついぞアルバム・デビューの機会に恵まれなかった、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった苦労人、ステファノ・ヴィアナ(G)率いるメロハー・プロジェクトが'19年に発表した2ndアルバム。
プロデューサーのアレッサンドロ・デル・ベッキオがKeyとVoも兼任していた前作に対し、今回はブライアン・コールなる新メンバーを専任Voとして迎えることで、よりバンド感を強化。しかもこのアメリカ人シンガー、ソロ・アルバムのリリース経験もある御仁だけにかなりの実力者。マイルドかつ伸びやかな歌声で、ポップで爽快なメロハー・チューンの魅力を確実に底上げしてくれています。加えて、Voパートのプロデュースをテリー・ブロック(STRANGEWAYS)に依頼するという水も漏らさぬバックアップ体制が敷かれ、収録曲のクオリティに関しては最早疑念の入り込む余地は欠片もなし。こちとらジョン・ロス(G)をゲストに迎え、HR然とした躍動感溢れる曲調に、程好く哀愁を湛えたメロディが絡むOPナンバー①(サビメロが最高)が始まった途端、アルバムの完成度を確信しましたよ。
テリー・ブロックとのデュエットがこれまたグンバツに効果を上げている感動的なバラード⑦、アルバムのラストを爽やか&キャッチーに締め括る⑩等、要所に名曲を散らしてダレ場なく本編を聴かせ切る、メロディ職人の技前がキラリと光るメロディアスHRの好盤。日本での所属レーベルの店じまいに伴い、発売から速攻で廃盤なってしまい、多くのリスナーの耳に届く機会を逸してしまったことが惜しまれてならない1枚です。


Viana - Forever Free - Do You Remember ★★★ (2021-04-29 23:49:11)

物悲しいメロディとドラマティックな曲展開とに彩られた
珠玉のバラード。ブライアン・コールとテリー・ブロックの
デュエットも、楽曲のエモーショナルな盛り上がりを
一層際立たせてくれています。


Viana - Forever Free - Forever Free ★★★ (2021-04-29 23:44:06)

伸びやかなシャウトからスタートする、
OPナンバーに相応しい爽快なエネルギーに
満ち溢れたロック・チューン。
プレ・コーラスからサビメロに至る
絶妙なメロディ展開に星3つです。


Viana - Forever Free - We Will Never Say Goodbye ★★★ (2021-04-29 23:55:42)

ブライトで爽快な曲調に、伸びやかなシンガーの歌唱と
よく歌うGが実にマッチ。アルバムの締め括り役に
本編中最もHR然とした味わいを発するこうした楽曲を
配置するバンドは信用に値します。


Virtue (2014-02-08 10:22:18)

NWOBHM華やかなりし'81年、チューダー(Vo)とマット(G)のシェルトン兄弟がイギリス・オックスフォードにおいて結成。
'85年にOTHER RECORDSから発表された7インチEP『WE STAND TO FIGHT』は世界中のマニアを熱狂させたが、インターネット登場以前、そうした評判はメンバーの耳までは届かず、また'87年制作の3曲入りデモ『FOOL'S GOLD』をEPとしてリリースする話もレーベル倒産で立ち消えになる不運、そして何よりNWOBHM自体が終焉を迎えていた時期の悪さが重なって、バンドはアルバム・デビューを果たすことなく解散してしまった。
NWOBHM熱の再燃に伴って、昨今、欧州方面で注目が集まっているバンドですが、チューダー・シェルドンがミュージシャン業から足を洗ってることもあって再結成は難しい様子。
弟のマットは、THE SHOCK(90年代には日本デビューも果たしている)をリユニオンして活動中。


Virtue - We Stand to Fight ★★★ (2014-02-08 10:24:23)

80年代半ば、《THE BEST UNSIGNED BAND FROM NWOBHM》と噂されたオックスフォード出身の5人組が、'85年に発表した7インチEP『WE STAND TO FIGHT』と、'87年に制作した3曲入りデモテープ『FOOL'S GOLD』という2つの音源を合体収録するアンソロジー盤。
「幻の~」とか「伝説の~」なんて冠言葉がつく作品は、入手困難期間中に消費期限切れを起こしてる場合も少なくないのですが、コレは間違いなくその例外作品の一つ。一応リマスターされているとは言え、音質の悪さはある程度覚悟せねばなりませんが、しかし本作はそれを押しても楽曲が良い!
疾走するリズムの上で、劇的且つシャープに刻まれるGリフと、青い炎が揺らめくような英国声による熱唱、そして思わず泣きながら握り拳突き上げたくなるフレーズを次々に奏でるツイン・リードGが伸びやかに舞う収録曲は、これぞブリティッシュ!これぞメタル!と万歳三唱モノな名曲①③を頂点に、全5曲、いずれもNWOBHMが残した至高の遺産というべき逸品揃い。
MARSHALL LAWのデビュー作にも匹敵するインパクトに「今までこれほどの名曲を知らずにいたのか・・・」と慄然とさせられると共に、つくづく彼らがアルバム・デビュー出来なかった現実を惜しみたくなる1枚。
またぞろ入手困難になる前に、是非のご一聴をお薦め致します。


Virtue - We Stand to Fight - Fool's Gold ★★★ (2014-02-10 22:50:10)

「戦いの序曲」といった勇壮さの
JUDAS PRIEST調のイントロを、
滑るように刻まれる劇的なGリフが
切り裂いて疾走し始めた瞬間、
あまりのカッコ良さに膀胱が緩みました。
デモ音源ゆえの音の悪さを遥か彼方へと
吹っ飛ばすこの名曲っぷりはどうしたことか。


Virtue - We Stand to Fight - We Stand to Fight ★★★ (2014-02-11 18:26:28)

少々パワー不足のVoさえも味わいに変えて、
メロディアスに舞うツイン・リードGの妙が
ウェット且つドラマティックな曲展開を牽引する
これぞブリティッシュHM!な名曲。
「HM版WISHBONE ASH」と評されたのも納得です。


Vision - Vision ★★ (2009-01-21 21:27:00)

かのマイク・ヴァーニーに見い出されたフィンランド出身のギタリスト、ラーズ・エリック・マットソン。北欧ならではの透明感と哀愁を湛えたHRサウンドを作り出すセンスには恵まれながら、それを表現する為のテクニックに恵まれなかった彼が遂に化けた!と、北欧メタル・ファンの間でちょっぴり話題になった、ラーズ・エリック・マットソンがバンド名義で'93年に発表した作品。
アレックス・マシとの活動などで知られる、新Voコニー・リンドのメロウな歌声を前面に押し出したポップな作風は、様式美とかネオ・クラシカルHMとかとは全く無縁の歌モノ路線ながら、適度にエッジの効いたGが必要以上に甘口になるのを防いでいるので、安心して、切ない哀メロ・チューンの数々に心地良く浸ることが出来る。
これまで幾度となくズッコケさせられて来たラーズのGプレイも、今回は無理な背伸びはせず、ひたすら「良いメロディ」を紡ぎ出すことに集中しているようで好印象。バラード③なんてかなり泣かせてくれる佳曲で、やれば出来るじゃない!と、思わず駆け寄って肩を叩いてやりたくなる仕上がり。
まぁ、それでも線の細いGサウンドに頼りなさは隠せないし、Voの垢抜けない歌声と相俟って、作品全体を如何にも「B級」な雰囲気が覆っているが、とは言え、欧米のメジャーなハードポップ・バンドとは一線を画する、洗練やゴージャス感とは全く無縁のマイナー臭溢れる素朴な佇まいが、楽曲の持つ儚げな叙情性を増幅しているのでまぁいいかな、と。
「捨て曲なしの名盤!」と言ったら嘘になるが、B級北欧メタルならではの侘び寂びが詰まった1枚である事は確か。
中古盤が格安の値段(三桁)で入手可能なので、見かけたら是非ご一聴の程を。


Vision - Vision - Sail Away ★★★ (2011-12-04 19:24:14)

侘しげな雰囲気を発散する叙情バラードの名曲。
コ二ー・リンドの(ちょっと頼りないが)
泣きの入った歌声と、一音一音を丁寧に紡ぐ
ラーズ・エリック・マットソンのGプレイが
曲の持つ哀愁を効果的に増幅してくれています。


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus ★★ (2018-01-24 23:44:33)

ランディ・パイパーがクビになり、ブラッキー・ローレスがGへとコンバート。空席となったベーシストの座には元KING KOBRAのジョニー・ロッドを迎え入れるという大型メンバー・チェンジを経て、’86年に発表された3rdアルバム。
過激な出で立ち、過激なパフォーマンス、イギリスで発禁処分を受けた過激な歌詞&アートワークに至るまで、出オチで与えた特大のインパクトが作を重ねる毎に薄れていく中、人々の関心をいかに繋ぎ留めおくかが当時のW.A.S.P.喫緊の課題でありました。司令塔ブラッキーは、そうした事態に楽曲志向を打ち出すことで対処。以後『THE HEADLESS CHILDREN』『THE CRIMSON IDOL』といった名盤を連発するわけですが、翻って本作はといえば、歌詞は相変わらず下品で猥雑。その一方でHUMBLE PIEやURIAH HEEPといった70年代HRバンドのカヴァーに挑戦してみたり、正統派HM色を強めたオリジナル曲はワイルドさよりも整合性が重視されていたりと、まさしく彼らの作風が変化していく過程が克明に捉えられた「ザ・過渡期」な仕上がりという。
発表時は「オリジナル曲よりもカヴァー曲の方が印象に残る」と評され、バンド史においても日陰者的な扱いを受ける1枚ではあるものの、サーカス風の呼び込み①に導かれてスタートするヘヴィ・メタリックな②や、ラストを締める⑪のような疾走ナンバーのカッコ良さはオツなものですし、何より哀愁を纏って吹き抜ける⑤の名曲ぶりはアルバム屈指。勿論カヴァー2曲の出来栄えも素晴らしい。(ブラッキーはヒープが好きだねぇ)
即効性よりも遅効性に優れた1枚…かも。


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus - Easy Living ★★★ (2018-01-24 23:54:28)

軽快にハネる曲調やキャッチーなコーラス、
印象的なハーモニーといった原曲の魅力が
W.A.S.P.の個性にしっかりマッチ。
その上で野性味も一摘み加えて
「らしさ」の演出にも抜かりがない好カヴァー。


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus - Restless Gypsy ★★★ (2018-01-24 23:49:25)

初期の頃のようなワイルドさは薄まりましたが
その分、魅力的なメロディを聴かせることに傾注した
楽曲構築力がグンと高まっていることを証明する名曲。


W.A.S.P. - The Crimson Idol ★★ (2008-07-24 21:24:00)

毒々しいルックスと、確かなクオリティを備えた楽曲、そしてショッキングなライブ・パフォーマンスを以て
高い人気を博した、ブラッキー・ローレス(Vo)率いるLAメタル・バンドW.A.S.P.が、前作『THE HEADLESS CHILDREN』
辺りからいよいよ顕著になり始めた、「ビジュアルよりも楽曲重視」の姿勢を更に押し進めて作り上げた、
'92年発表の7thアルバムにして、「孤独なロックスターの栄光と転落」を描き出した、傑作コンセプト・アルバム。
ブラッキーの自伝的内容を多分に含んでおり、元々は彼のソロ・アルバムとして制作されたものの、レコード会社の
要請でW.A.S.P.名義でリリースされるに至ったという本作は、制作時期の近さとストーリー内容から、
よくSAVATAGEの傑作ロック・オペラ『STREET OF A ROCK OPERA』と比較されたりしていたが、物語の結末は大きく異なっているし、
何よりこちらの方が、よりストレートでへヴィ・メタル然とした作風に仕上がっている。
個性的な声質を駆使して、胸を揺さぶる圧巻の熱唱を聴かせるブラッキーのVo、登場人物の感情の振幅を見事に
表現しきったボブ・キューリックのG、そして、手数の多いドラミングで、作品のドラマ性とダイナミズムを飛躍的に
高めるフランキー・バネリのDsによって、ガッチリと構築された楽曲は、起承転結が完璧に決まった劇的極まりない
序曲①に始まり、中盤のハイライトたる本編随一のハードさを誇る④を経て、悲壮感漂うドラマティカルな
ラスト・ナンバー⑩に至るまで、一切の捨て曲なし。多くのファンが「デビュー作以来の傑作!」
と太鼓判を押すのも、大いに納得のいく内容に仕上がった、まさに名盤。
尚、現在ではリマスタリングが施され、大量のボーナス・トラックを追加収録した、非常にお買い得な2枚組仕様で
再発されているので、興味を持たれた方はそちらの方を購入する事をお薦めさせて頂きます。


W.A.S.P. - The Headless Children ★★★ (2014-06-19 23:42:27)

ビジュアル先行の「野獣路線」に行き詰まりを感じていたブラッキー・ローレス(Vo)が、ソングライターとして一皮剥ける切っ掛けともなった、'89年発表の4thアルバム。
彼の特徴的な濁声と、クリス・ホルムズ(G)のワイルド且つメロディックなGプレイを両輪に、W.A.S.P.ならではのキャッチネスを十二分に保持する一方で、本編は過度な装飾が戒められ、代わりにソリッド且つ欧州へヴィ・メタリックなドラマ性が増大。いきなり8分越えの長尺曲で幕の上がる大作主義を掲げて、THE WHO、JETHRO TULLのカヴァーにもトライする等(後者はシングルでリリース)、折からの原点回帰/70年代ブームを追い風とした、威厳溢るる内容に仕上がっています。
そうした作風だからこそ、フランキー・バネリのドラミングや、元URIAH HEEP(当時はBLACKFOOT所属)ケン・ヘンズレーのKeyといった重厚な演奏が違和感なくフィット。特に壮大なOPナンバー①、ロニー期のBLACK SABBATHに通じる③、勇壮さとノリの良さが一体化したアルバムのハイライト④のような名曲が並ぶ、本編前半の充実っぷりは出色です。
次作『THE CRIMSON IDOL』程ドラマティックな出来栄えではありませんが、LAメタル・バンドから本格派HMバンドへと転身を遂げていく、過渡期的な作風が実に魅力的な1枚。


WARBRINGER ★★ (2009-08-19 22:27:00)

カリフォルニアにて、ONSLAUGHTとZOMBIEという2つのスラッシュ・メタル・バンドが
合流する形で誕生し、'06年に自主制作した5曲入りEP『ONE BY ONE, THE WICKED FALL』でデビュー。
幾つかのコンピ盤に参加して知名度を高めた後、CENTURY MEDIA RECORDSと契約を交わすと、
'08年に『WAR WITHOUT END』を、'09年には2ndフル『WAKING INTO NIGHTMARE』を発表。
荒々しく尖がった楽曲にイマイチな音質、それにドタバタした演奏がどこか郷愁を誘う、オールドスクールな
スラッシュ・サウンドが詰め込まれた1st、メンバー・チェンジと過酷なツアー生活の成果が
そのクオリティに見事に反映された、よりビルドアップされた内容の2nd、
どちらも聴き応え十分の作品に仕上がっており、近年デビューを飾った
若手スラッシャーの中では頭一つ抜きん出た存在感を放つバンドかな、と。


WARBRINGER - IV: Empires Collapse ★★ (2015-06-28 21:46:35)

国内盤の発売を待ち続けるうちに、作品のゲット自体を忘れてしまった(本末転倒)'13年発表の4thアルバムを漸く購入。
WARBRINGERはNWOTM勢の中でも特にお気に入りバンドであり、しかも今回からはMANTIC RITUAL(解散が残念)の弦楽器隊が新メンバーとして加わってると聞いて、これは凄いことになりそうだ!と、かなり前のめりな姿勢で挑ませて貰ったのですが・・・。結論から述べると、こっちが期待したような「WARBRINGER+MANTIC RITUAL」な明快なスラッシュ・サウンドにはなっていませんでしたよ。
じゃどんな仕上がりかと言えば、気持ち「歌心」を感じさせる場面が増えたシャウト型Voから、一層劇的に花開くツインGの絡みに至るまで、前作でも目立っていたメロディ増量方針が更に推進。それ自体は別に悪いこっちゃないのですが、北欧メロデス風の①があったかと思えば、パンキーな③を演ってみたりと、何かバンド側の進むべき方向性に対する「迷い」のようなモノが透けて見えるアルバム前半の流れに、モヤモヤっと。
しかし。タイト&キャッチーな切れ味の名曲④の出現で空気が変わると、後はスラッシーな疾走感と正統派HMに通じる構成力が光る⑤⑦⑧⑪etc・・・といった秀曲群が連続し、アレヨアレヨでラストまで一気に走り抜けてしまうのだから、やはりこのバンドの曲作りの才能は侮れない。思わず愚痴った前半の楽曲も、リピート再生してる内に違和感はすっかり消え失せましたしね。
ベイエリアより欧州メタル勢からの影響が感じられる1枚。彼らにこの路線を期待してたかと問われると一瞬言葉に詰まりますが、とりあえず質は高い。


WARBRINGER - IV: Empires Collapse - Hunter-Seeker ★★★ (2015-06-28 21:53:44)

切れ味鋭く歯切れ良く
激烈な疾走感が全編を貫きつつも
2本のGが豊かに紡ぎ出すメロディは
泣きや憂いに満ちていて・・・と
どことなく近年のKREATORに近い感触を
受けるスラッシュ・ソング。
アルバムのハイライトではないでしょうか。


WARBRINGER - Waking Into Nightmares ★★ (2009-08-19 22:31:00)

一聴して「うぉ、化けやがった」と驚かされる、カリフォルニア出身の5人組スラッシャーが
プロデューサーにEXODUSのゲイリー・ホルトを迎えて制作、'09年に発表した2ndフル・アルバム。
荒削りな演奏、楽曲、それに音作りと、濃厚に80年代風味が薫るオールドスクールなスラッシュ・メタルを
演っていたデビュー作『WAR WITHOUT END』に対し、本作は、コケ脅し臭の消えたジャケット・アートワーク
(手掛けたのはダン・シーグレイヴ)から、グッと引き締まったサウンド・プロダクション、そしてよりスピーディに、
よりダイナミックに、より劇的に磨き上げられた収録楽曲に至るまで、過酷なロード生活で得た経験値が見事に
本編のクオリティに反映された、あらゆる面においてデビュー作から格段のパワーUPを遂げた内容に仕上がっている。
取り分け、一層のへヴィネスとダイナミズムを獲得したリズム面強化の成果は大きく、その効果は、イントロだけで
総毛立つ①を聴いただけでもハッキリと実感できる。やはり腕の立つDsとBの存在はこの手のバンドには必須だよなぁ、と。
圧倒的手数の多さを活かして怒涛の如く突進するこのリズム隊に、迫力と説得力を増したVo、より練り込まれた劇的な
メロディを紡ぎ出すツインGが絡む、攻撃性と緻密性を兼ね備えた①③⑤⑧⑨といった楽曲が撒き散らす
有無を言わせぬカッコ良さは、前作までのバンドとは殆ど別人レベル。
「懐古型スラッシュ」の枠を飛び出したWARBRIGERの、「今を生きるエクストリーム・メタル・バンド」としての
気概がヒシヒシと伝わって来る力作。


WARBRINGER - Waking Into Nightmares - Jackal ★★ (2009-08-23 21:57:57)

イントロを聴いただけで、前作から如何に彼らが
成長を遂げたか伝わって来る、タフでストロングな
高速スラッシュ・ナンバー。
相変わらずメロディアスなGソロも○。


WARBRINGER - Waking Into Nightmares - Living in a Whirlwind ★★ (2009-08-23 22:01:46)

リズム・チェンジからブラスト・ビートまで
事も無げにこなす新加入のDsの怒涛の如きドラミングが
炸裂するブルータルな1曲。
こりゃ前任ドラマーじゃ出来ない曲だ。


WARBRINGER - Waking Into Nightmares - Senseless Life ★★★ (2009-08-23 22:13:41)

正統派へヴィ・メタリックなGリフと、
疾走する泣きGソロをフィーチュアして
ドラマティックに盛り上りつつ激走する
2ndアルバムの(個人的に)ハイライト・チューン。


WARBRINGER - Waking Into Nightmares - Shadow From the Tomb ★★ (2009-08-23 22:08:34)

デス・メタリックな暴力性も発散する
バイオレントな曲調と、劇的なインスト・パートの
コントラストが印象に残る1曲。


WARBRINGER - War Without End ★★ (2009-08-19 22:28:00)

カリフォルニア出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが、プロデューサーにビル・メトイヤーを迎えて制作、
'08年にCENTURY MEDIAからリリースした1stフル・アルバム。
新世代スラッシャーの多くがそうであるように、彼らもまた、ヒステリックなシャウトを繰り出すVo、ヤスリで削り
出したような刻み目の荒いGリフ、それにバタバタ忙しなく疾走するリズムと、メンバー全員の平均年齢が20歳とは思えぬ、
80年代テイスト満載のオールドスクールなスラッシュ・メタルを実践。ジャケット・アートワークに戦車をあしらい、
歌詞のモチーフに「戦争」を選ぶ姿勢からも明らかなように、アグレッシブで高揚感に満ちた好戦的なサウンドが
その持ち味ながら、フラッシーに弾きまくるツインGと、正統派HM由来の構築性を湛えた曲展開をフィーチュアした
楽曲は存外キャッチーで(ポップという意味ではない)、個人的には1st~2ndの頃のEXODUSとの共通点を見出したりも。
方々で指摘されているように、ドタバタと落ち着きのないリズム・ワークや、荒削りなサウンド・プロダクションのせいで
「B級」との印象は免れないものの、血沸き肉踊る①④、アグレッシブな曲調にメロディックなGソロが映える②⑥⑩、
メロウなイントロをメロデス風味のクールなGリフが引き裂く⑤といった、WARBRINGERというバンドの魅力が
上手いこと表現された強力無比なスラッシュ・ナンバーの数々を聴くにつけ、これくらい自棄っぱちな勢いが
感じられる方が、スラッシュ・メタル・バンドのデビュー作としては好感が持てるってもんです。
個人的には「大化けした」と評判の2ndアルバムより愛聴してたりして。・・・なんて書くとバンドに怒られるか?


WARBRINGER - War Without End - At the Crack of Doom ★★★ (2009-08-22 01:09:39)

Gリフにインパクトにかけては本編随一。
ブラスト・ビートを織り交ぜてバイオレントに
疾走するリズムに、よく歌うGと練られた曲展開が
絡む様はメロディック・デス・メタル風味ですらある。


WARBRINGER - War Without End - Beneath the Waves ★★ (2009-08-22 01:16:04)

楽曲自体は刺々しく疾走する高速スラッシュ・チューンなのだが
そこに絡むGソロは非常にメロディアス。
冒頭から正統派HMのノリで歌いまくっており、
ちょっと笑ってしまった。いや、良い曲です。


WARBRINGER - War Without End - Hell on Earth ★★ (2009-08-22 01:05:47)

小細工抜きでガンガン攻め立ててくる、
正統派のスラッシュ・メタル・ナンバー。
聴いてるだけで暴れ出したくなりますね。


WARBRINGER - War Without End - Total War ★★★ (2009-08-22 01:01:49)

1stフルのOPナンバーにして、WARBRIGNERというバンドの
何たるかが詰め込まれた彼らの代表曲。
(デビューEP収録曲のリメイクでもある)
荒々しく好戦的な曲調の割りに、フラッシーに弾きまくる
ツインGや一緒に叫びたくなるサビといい
結構キャッチーな仕上がりなのも好ポイント。


WARBRINGER - Woe to the Vanquished ★★★ (2017-04-20 00:21:07)

前作『Ⅳ:EMPIRES COLLAPSE』は、WARBRINGER作品で初めて「試行錯誤」を意識させる内容でしたが、この最新5th(’17年)では再びヘヴィ&アグレッシブな方向に焦点を絞り、重く鋭くキレのある剛速球をストライクゾーン目がけて投げ込んで来ています。
スラッシュ・メタルをベースにしつつ、そこにブラック・メタルばりの爆発力、デス・メタルを思わす陰惨なヘヴィネス、プログレ/テクニカル・メタル調の壮絶なダイナミズム渦巻く曲展開をブッ込んだサウンドが、激情迸るシャウトVoと、扇情的なフレーズを次々打ち出すツインGとを伴って、怒涛の如く進撃。
微笑ましさが先立ったデビュー当時から、作を重ねる毎にオールドスクールなスラッシュ・テイストは薄まって来ているのですが、要所を締めるハイスピード・ナンバー①④⑦を手始めに、ここまでイカした「WARBRINGER流HM」を確立されてしまったら、最早グゥの音も出ませんわ。特にそれが顕著に表れたのがラストを〆る⑧。通常10分を越える大作なら、クリーンVoやらオーケストラの導入やら色々と考えそうなもんですが、その手のギミック一切なし。というか疾走パートすら排して、ひたすら悲壮なメロディと重厚な曲調の深みで聴かせきる手腕からは、本格派の威厳すら感じられる気が。(DEATHとCORONERの名曲⑨⑩のカヴァーも、本作のルーツを開示していて非常に秀逸)
妙に引っ込み思案で迫力を欠くDsが少々気になるとはいえ(プレイのせいなのか音作りのせいなのか)、ともあれ頻発するメンバー・チェンジにもめげず、バンドを牽引し続けるリーダ、ジョン・ケヴィル(Vo、G)の踏ん張りに心からの称賛を送りたくなる1枚ですよ。


WARBRINGER - Woe to the Vanquished - Divinity of Flesh ★★★ (2017-04-20 22:50:32)

鼓膜に突き立つハイピッチシャウトと、
扇情的フレーズを次々繰り出すツインGの
波状攻撃が、デス/ブラック・メタルに通じる
爆発的疾走感に乗せて畳み掛けるスピード・ナンバー。
この後に続く重厚な大作ナンバー“WHEN THE GUNS FELL SILENT”の
存在感を効果的に引き立てる役回りも果たしています。


WARBRINGER - Woe to the Vanquished - When the Guns Fell Silent ★★★ (2017-04-20 22:59:04)

派手な曲展開、もしくはオーケストラ、女性Vo、クリーンVoといった
飛び道具を用いず、Voがひり出す悲嘆に満ちたシャウトと、
2本のGが奏でる慟哭のメロディ、それに重厚な曲調で
10分以上の長尺の緊張感を保ち、聴かせきってしまうその手腕に、
このバンドの確かな成長を見た思いですよ。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder ★★★ (2012-03-13 23:02:25)

飛躍的な成長を遂げた2nd『WAKING INTO NIGHTMARES』がここ日本でも高く評価され、一昨年5月には初来日も果たしている米産スラッシャーが'11年に発表し、未だ国内盤リリースの気配がない3rdアルバム。仕方ねえから輸入盤買っちゃいましたよ。
『WAKING~』の高評価の原動力ともなった辣腕リズム隊は既にバンドを去ってしまっているが、後任メンバーも同等のテクニシャンなので落胆には当たらず。ただ少々締まりに欠けるドラム・サウンドのせいで、折角の実力が今ひとつ鮮明に伝わって来ない点は勿体ないかな?
噛み付くように憎々しげなシャウトを繰り出すVo、殺傷力を宿して鋭角的に刻まれるGリフ、手数多めで畳み掛けるリズム、それにラフで勢い重視の音作り等、従来の尖がり具合と疾走感はしっかり保持しつつも、前作で垣間見せたマシーナリーなエクストリーム・メタル風味よりも、オールドスクールな正統派HM色が再度強まっているように感じられる点が本作の特徴の1つ。特に攻撃的なアダム・キャロル、メロディアスなジョン・ラウというタイプの異なるツインGコンビの存在、それにドラマティックな曲展開や構築力とが活かされた楽曲が連続する本編後半からは、強くそうした要素が感じられる。
勿論、切っ先の鋭さが失われたなんて事はある筈もなく、先制パンチとでも言うべき冒頭①②の連打、そして本編屈指のキラー・リフが炸裂する④は、まさしくWARBRINGER印の名曲。
このクオリティでも国内盤なしとは・・・。(※追記:その後、無事国内盤がリリースされました)


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder - Echoes From the Void ★★ (2012-03-15 07:12:32)

叙情的なイントロに始まり、
一気にスピードアップ。
中間部にはメロディアスなインスト・パートが
配され、最後は再び激しく盛り上がって〆と
正統派HM的な起承転結が味わえる1曲。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder - Future Ages Gone ★★★ (2012-03-14 21:41:57)

JUDAS PREISTばりの光沢を帯びたGリフ、
IRON MAIDENを思わせるゆったりとしたツインGのハーモニー等、
スラッシュ・メタルとしてのトンガリ具合と共に
オーセンティックなHMテイストも強く感じられる
アルバムでも1、2を争う名曲。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder - Living Weapon ★★★ (2012-03-14 21:44:36)

快活に弾むタテノリのリズムはいかにも
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドといった趣きなれど、
メロディの質はヨーロッパ産正統派HMから影響が滲む。
あ、つまりは古き良きベイアリア・スラッシュ・ソングってことか。
音数多めに荒れ狂う新ドラマーが早速存在感を発揮していますよ。


WARDRUM - Awakening ★★★ (2017-07-02 10:00:53)

経済の低迷とは裏腹に、優れたHMバンドを次々輩出し続けるギリシャから現れた、灼熱のパワー・ボイスで熱唱するフロントマン、ヤニス・パパドプロス(Vo)と、独創性に富んだGプレイでサウンドをテクニカルに彩るコスタ・ヴレト(G)という2枚看板を擁する5人組が、'16年に発表した3rdアルバム。本邦初登場となった前作『MESSENGER』のセールスが芳しくなかったことから、今回は日本盤発売が見送られてしまうのでは…と危惧していただけに、リリースに踏み切ってくれたレコード会社にゃ感謝感激雨霰ですよ。
内容に関しては、バンドのマスコット・キャラ「メッセンジャー」が登場するアートワークからも明らかなように、全くブレることなく、NOCTURNAL RITES辺りに通じる劇的且つスピーディな正統派へヴィ/パワー・メタル道をこれまで同様に邁進。抒情的なアコギのイントロに続き、音数多めに駆動するリズム隊の存在が映えるパワフルなOPナンバー①の存在だけでアルバムの成功を予感するには十分ですが、後に続く胸熱な疾走チューンの名曲②が始まった途端、その予感は確信へと昇華されるという。
WARDRUMというバンドの魅力を凝縮し、「掴み」として効果的に機能する頭3曲の畳み掛け、テンポアップするサビメロの展開にグッとくる④、クサメロの破壊力にかけては本編随一の⑩といった、思わず昭和ロボット・アニメの主題歌を歌わせてみたくなる熱い泣きを孕んだヤニスのVoと、技術だけでなくメロディの組み立てにも冴えをみせるコスタのGという、バンドの強みが如何なく発揮された楽曲の数々を収録する充実作。前作に勝るとも劣らぬクオリティゆえ、今度こそ好セールスを記録してくれるといいなぁと。


WARDRUM - Awakening - Right Within Your Heart ★★★ (2017-07-02 22:33:46)

ヤニス・パパドプロスの泣きと熱気を孕んだ絶唱に
盛り立てられてパワフルに駆け抜けて行く疾走ナンバー。
このメタル魂を燃え上がらせる歌いっぷりには
謹んで「ギリシャの坂本英三」の称号を進呈したくなります。


WARDRUM - Awakening - Shade Of Hope ★★★ (2017-07-02 22:39:57)

Voの熱唱と、テクとメロディセンスを併せ持ったGという
WARDRUMの2枚看板が、その才能を如何なく発揮したミッド・チューン。
疾走曲ではなくミドル・テンポだからこそ、胸を突きさす
泣きのメロディの威力が余計に際立って聴こえます。


WARDRUM - Messenger ★★★ (2015-02-22 23:39:12)

指弾きオンリーのノー・ピック主義を貫く個性派ギタリスト、コスタ・ヴレトを擁するギリシャ出身の4人組が'14年に発表した3rdアルバム。
既に比較対象として名前が挙がっている通り、本作で志向されているのはIMPELLITTERIやNOCTURNAL RITES等に通じる正統派メロディック・メタル。Voのヤニス・パパドプロスも、ロブ・ロック、ジョニー・リンドクヴィストの系譜に連なる灼熱パワー・ボイスの持ち主で、彼の胸焦がす熱唱をフィーチュアした本編のサウンドは、IMPELLITTERIの屈強さにNOCTURNAL RITESの叙情性を加えたような仕上がり・・・とでも申しましょうか?
加えて、このアルバムをスペシャルな地位へと押し上げているのが、聴き手の琴線を揺さぶりまくるメロディの組み立ての巧さ。殊に、痒いところに手の届く歌メロの魅力には辛抱堪らんものがあり、③⑦⑧⑨⑩といった楽曲における劇的なメロディ展開の連続には、思わず風呂上りに冷えたビール飲んだ時のような「っかぁー!」ってな悶絶声が漏れてしまいますよ。
当然それ以外にも捨て曲・埋め曲の類は見当たらず、何より、パワー/スピード/メロディという「HM三種の神器」を併せ持つ⑤は、全国津々浦々のメロパワ・メタル愛好家を感涙に咽ばせるレベルの名曲。これほど強力なアルバムの日本盤が、レコード会社曰く「悲しくなるぐらい売れなかった」とは・・・。


WARDRUM - Messenger - After Forever ★★★ (2015-02-23 23:56:27)

テクニカルなGリフが目まぐるしく繰り出される
イントロに続いて、憂いを帯びて絶妙に
展開していく歌メロが走り出した時点で
「よし、名曲!」と太鼓判押したくなましたよ。
灼熱系シンガーの熱唱、指弾きならではの
エモーションが乗ったGソロも効果的に楽曲を
盛り立ててくれます。


WARFARE - Metal Anarchy ★★ (2007-10-23 23:38:00)

元々はパンク畑で活動していたメンバーが、MOTORHEADやTANK、VENOMを始めとする新世代のへヴィ・メタル・バンドに
触発され、自分達でもパンクの疾走感とメタルのエッジを併せ持った音楽を演るべく'84年に結成した
英国出身のパワー・トリオWARFARE、その'86年発表の2ndアルバムがコレ。
1st『PURE FILTH』のプロデュースはTANKのアルジー・ワードが担当していたが、今回はその座にMOTORHEADの
レミーを迎え入れ(因みに3rdを手掛けたのはVENOMのクロノス)、僅か三日間で突貫レコーディング。
そのためサウンド・プロダクションはお粗末極まりないものの、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の
優雅なイントロを引き裂いてヤケクソ気味に突っ走るOPチューン②から、本編最速のスピードで
ラストを締め括る名曲⑩まで、荒々しく粗暴な攻撃性に満ち溢れた1枚に仕上がっている。
レコードで言うところのA面が「SIDE METAL」、B面が「SIDE ANARCHY」と分けられていて、その名が示す通りA面には、
緩急を効かせた③や、そこはかとなく叙情的な前半から疾走へと転じ、インスト・パートでは葬送曲のフレーズが
炸裂する⑤等、より曲展開に凝った(・・・というほど大層なもんじゃないが)メタリックな楽曲が並ぶ。
でもまぁ、全体的に見ると、両サイドとも大した違いはない、というのがぶっちゃけた感想なわけだが。
VENOMやTANKの暴走っぷりを愛する向きにお薦めの作品。


WARGASM - Why Play Around ★★★ (2011-03-08 22:13:28)

80年代前半に結成され、OVERKILL~MANIACとその名を変えつつ活動して来たバンドが、WARGASMと改名後の'88年、ボブ・メイヨ(Vo、B)、リッチ(G)とバリー(Ds)のスピルバーグ兄弟からなるラインナップで発表した1stアルバム。
THE RODSを思わすメンバー・フォトのクールな出で立ちが本作の方向性を示す通り、ドンシャリな音作りの下、媚や虚飾を一切排除して、ニヒルに炸裂する男気満載のパワー/スラッシュ・メタル・サウンドには、トリオ編成が生み出しているとはとても思えぬ力強い迫力が宿る。
取り分け、勇壮なインスト・パートに思わずテンションが上がる②、ホラー映画タッチで送るスピード・ナンバー④、本編ラストを猛然と締め括る⑩といった、切れ味の鋭さと重厚感を併せ持った名曲の数々は、男臭い声質(橋本直樹風?)のVo、鋭角的なリフをザクザクと刻み倒すG、タフ&ソリッドに炸裂するDsの存在が映えまくりで、ジャンル・ファンなら即死モノのカッコ良さ。
と同時に、10分に迫る大作曲⑧や、クラシカルなインストの小品⑨までこなす器用さも兼ね備え、また攻撃性全開で突っ走っても、常にクールな雰囲気を崩さない硬派な作風は、ボストン・マサチューセッツ出身という彼らの出自ゆえか?
スラッシュ/パワー・メタル好きなら避けて通る事の出来ない必聴の名盤・・・なんだけど、聴きたくても長らく廃盤状態が続き、中古盤市場じゃ5桁のプレミア価格で取引されているため気軽に聴く事も叶わぬ1枚。何とか再発して欲しいところなのだが。


WARGASM - Why Play Around - Humanoid ★★★ (2011-03-08 22:28:24)

アルバムのラストを暴風の如く締め括る
“UNDEAD”と並ぶアルバム最速のスラッシュ・ナンバー。
全編がヤケクソ気味な疾走感に貫かれているが
どこかニヒルでハードボイルドな雰囲気が漂うのが
彼らならではの個性か。
イントロ代わりに置かれたクラシカルなインストの小品
“LE COU COU”(名曲!)とセットでお楽しみ下さい。


WARGASM - Why Play Around - Undead ★★★ (2011-03-08 22:19:32)

まさにタイトル通り、ホラー映画調のイントロと
アウトロ“MERRITT'S GIRLFRIEND”がくっ付けられ、
雰囲気を盛り上げる高速スラッシュ・ソング。
切れ味鋭いGリフとドスの効いたリズムとタフなVoが
一塊となって怒涛の如く突進する様がド迫力で、
無心に頭振ってる内に、6分以上のランニング・タイムが
一瞬で過ぎ去っていきます。


WARHEAD - Speedway ★★ (2007-04-11 22:17:00)

ベルギー出身の4人組へヴィ・メタル・バンドが、'84年に発表した1stアルバム。
次作『THE DAY AFTER』では、更に攻撃性を高めてスラッシュ・メタル化する彼らだが、
このデビュー作の時点で聴けるのは、NWOBHMの空気をタップリと吸い込んだ、時にMORTORHEADや
4人編成時代のTANKを彷彿とさせる、男気のギュウと詰まったストロングなヘヴィ・メタル・サウンド。
バイクのエンジン音のSEに続き、チープな音質のもと、猛々しく刻まれるリフが疾駆する①が始まった瞬間、
B級メタル・マニアのハートは熱くなること間違いなしだ。(・・・かどうかよう分からんけど)
無性に頭を振りたくなるヘッドバンギング・チューン②や、緩急を活かしたダイナミックな⑤もなかなかの出来で、
何より、こうした楽曲を歌うVoがレミーやアルジー・ワード以上に歌心に溢れていて、
そのヴィブラートをビンビンにかけまくった雄々しい歌唱スタイルは、人によっては鬱陶しく
感じられるかもしれないが、この手の直球メタル・ソングを歌うにはドンピシャの人材。
劣悪なサウンド・プロダクションゆえ、全体的にモッサリと垢抜けない雰囲気が漂い、メロディにも
今ひとつ深みが足りていないので、個々の楽曲の良さに反してイマイチ強い印象が残せていない等の弱点もあるが、
ともあれ、メンバーのステージ・ネームだけでなく(笑)、内容の方にも燃え盛るメタル魂が感じられる力作だ。


WARHEAD - The Day After ★★ (2007-04-11 22:21:00)

長いイントロ部分で焦らしに焦らしてから、雄叫び一発、スラッシーなリフが疾走を開始する様が最高にカッコイイ
①を聴いただけで、バンドが1st『SPEEDWAY』から飛躍的な成長を遂げた事が伝わってくる、'86年発表の2ndアルバム。
デビュー作の好評を受けてレコーディング環境が改善されたのか、サウンド・プロダクションが(それなりに)向上。
リフやリズムの刻みに鋭さが宿り、全体的に引き締まったサウンドからはMORTORHEADやTANK的なロックンロール風味が
一掃されて、よりスピード/スラッシュ・メタル色を強めた印象を受ける。
前作でも大きな存在感を発揮していたVoが、クドイくらいヴィブラートかけまくりの歌唱スタイルはそのままに、
更に逞しさと表現力を増した歌声でこれまで以上に起伏に富んだメロディを歌いこなせば、Gも劇的且つメロディックな
ソロを次々に紡ぎ出してと、前作の大きな弱点だったメロディの弱さをしっかりとカバー。
冒頭3曲のスピード・チューンの畳み掛けに始まり、緩急を効かせた④、正統派メタリックなリフを持つ⑤、
Voの熱唱が映えるバラード・パートから、ドラマチックに盛り上がっていく⑥、〆のインスト曲⑦と、個々の楽曲の
キャラ立ちも良くなり、全編これ捨て曲なしのクオリティ。中でも特筆すべきは②で、スラッシーな疾走感、
名リフに劇的なGソロ、勇壮なVoとが見事に揃ったWARHEAD屈指の名曲だ。これぞ、隠れたスピード/スラッシュ・メタルの名盤。
尚、現在本作は1st『SPEEDWAY』とのカップリング仕様で売られているので、非常にお買い得です。


WARHEAD - The Day After - Evil Night ★★★ (2007-04-11 22:28:42)

猛々しく刻まれるリフ、スラッシーに疾走するリズム、
ヴィブラートかかりまくりの男臭いVoが熱唱する
勇壮な歌メロ(サビも印象的で◎)、そして炸裂する劇的なGソロ・・・
個人的に、2ndアルバムのハイライト・チューンに推したい名曲。


WARLOCK - Burning the Witches ★★ (2011-01-08 00:03:31)

先頃待望の初来日公演を行った女性メタル・シンガーの草分け的存在、ドロ・ペッシュ姐さんの原点にして、彼女の名を一躍HR/HMシーンに知らしめる切っ掛けとなったドイツはデュッセルドルフ出身の5人組HMバンドWARLOCKが、ベルギーのインディー・レーベルMAUSOLEUMから'84年に発表した1stアルバム。
「ACCEPTの影響とNWOBHMの洗礼を受けた、荒っぽく刻まれるGリフ主導で突っ走るダークなHM」という基本スタイルは既に固まっているものの、イマサンな音質にラフなパフォーマンス、それに荒削りな楽曲といい、作品全体から漂ってくる雰囲気はこの時点ではまだまだイモ。(ちなみにプロデューサー役を務めているのはMEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトだ)
但し、アグレッシブでスピーディなHMナンバー①⑥、ヒロイックなミドル・チューン⑨辺りからは、磨けば光るダイヤの原石的なポテンシャルが感じられるし、何より本作を(というかWARLOCKを)語る上で外せないのがドロ・ペッシュのVo。現在のような貫禄や表現力には欠けるものの、若さに任せた攻撃的なシャウトは痛快だし、しっとりと歌い上げるバラード⑤では、後の作品で開花する事となる才能の片鱗もチラリ。
マニア向けな内容ながら、がむしゃらな勢いが感じられて結構お気に入りな1枚。まぁ、武器が勢いしかないと言えばそれまでだが。


WARLOCK - Hellbound ★★★ (2011-01-10 00:38:58)

デビュー作『BURNING THE WITCHES』が大受けしたことにより、英メジャーPHONOGRAM傘下の老舗レーベルVERTIGOとのディールを成立させたWARLOCKが'85年に発表した、日本初お目見え作品ともなった2ndアルバム。
ACCEPTを思わせる硬派な正統派HMサウンドの上に、キャロライン・マンロー系のキツめな美貌に相応しい(?)攻撃的なシャウトを炸裂させるドロ・ペッシュのパワフルなVoが乗っかった音楽スタイルに変化はないが、メジャー・レーベルとの契約効果は音質の向上など各方面に覿面に表れていて、取り分け、プロデュースのみならず作曲作業においても大きな貢献を果たすヘンリー・スタロステの参加は本作最大のトピック。
彼の助力を得た事で、力押し一辺倒だった前作に比べ楽曲がかなり磨き込まれ、曲展開には緩急が、アルバム全体の構成にはメリハリが付与され、収録楽曲1つ1つのキャラ立ちがより明確化。特に、泣きを伴った哀メロが駆け抜けていくメロディアスなHMナンバー⑤は、本作におけるバンドの作曲能力の著しい上達っぷりを端的に伝えてくれる名曲だ。
これ以外にも、華やかなGソロがヘヴィ・メタリックな曲調に彩りを添える①、ドロの歌う憂いを帯びたメロディが秀逸な疾走ナンバー⑦、劇的なパワー・バラード⑨等、捨て曲皆無の本編には充実した楽曲が顔を揃え、個人的にはWARLOCKのカタログの中では1、2を争うぐらい好きなアルバム。


WARLOCK - Triumph and Agony ★★ (2011-01-11 22:53:54)

赤尾和重、アン・ボレイン、レザー・レオーネらと共に80年代のHR/HMシーンを彩った、「女ロ二ー四天王」ことドロ・ペッシュ(Vo)を擁するWARLOCKが'87年に発表し、彼らの最終作ともなった4thアルバム。
GとBをU.D.O.に引き抜かれたりと、櫛の歯が抜けるようにメンバー・チェンジが相次ぎ、ドラマー不在の穴を埋めるべく御大コージー・パウエルがノー・クレジットでタイコ叩いてる事でも知られる本作は、ドロ単独のイラストや写真があしらわれたジャケット/ブックレットから「ドロ・ペッシュとそのバックバンド」的な構図が透けて見える通り、後のソロ活動へのターニング・ポイントともなった作品で、現在も彼女のライブでは欠かす事の出来ないアンセム“ALL WE ARE”を収録。
この名曲が示すように、重厚なミドル・テンポの楽曲を中心に固められた本編は、ドメスティックな色合いやマイナー臭が一掃され、アメリカ出身の正統派HMバンドと言っても通用しそうな洗練された薫りが匂い立つが(レコーディング自体、ドロが渡米してNYにて行われている)、どっこい、メロディが能天気になってしまったなんてことはなく、ドラマティックな構築美が光る③、物悲しげなピアノの旋律をフィーチュアした⑤、“METAL TANGO”というタイトルからして最高な⑧、そしてドロ・ペッシュ嬢を語る上で避けて通れない名バラード⑩といった楽曲は、“ALL WE ARE”等の代表曲にも引けを取らないクオリティを備えているんじゃないかと。
元マネージャーとのトラブルが原因で結果的にこれがラスト作とはなったものの、有終の美を飾るに相応しい完成度の高さを誇る1枚。


WARLOCK - True as Steel ★★★ (2011-01-10 21:55:11)

2nd『HELLBOUND』との間に3曲入りEP『YOU HURT MY SOUL』('85年)のリリースを挟んで'86年に発表され、WARLOCK独自の音楽性の確立と、HR/HMシーンにおけるバンドの人気、そしてドロ・ペッシュ嬢(当時)のセックス・シンボルとしての座を決定付けたと言われる3rdアルバム。
プロデュースはヘンリー・スタロステが再登板し(大半の曲作りに関与している点も前作同様)、LAのスタジオにて名手マイケル・ワグナーの手によりミックスダウンが行われた本作は、前2作のような荒々しさが薄れた代わりに、ポップな味わいも備えた楽曲を収録し、曲によってはKeyを味付けに使う等、よりメロディを「聴かせる」姿勢を重要視した内容で、練り込まれたアレンジや多彩さを増したリズム・パート、そして思わずコブシを振り上げたくなる勇壮且つキャッチーなコーラス・ワークを擁する楽曲からは、ドイツのメタル・シーンの最前線を行くバンドとしての気概や貫禄がオーラの如く滲み出す。
前作同様これまた捨て曲皆無の名盤だが、敢えて聴き所を挙げるならば、これぞWARLOCK!これぞメタル!な疾走曲①④⑥、PVも作られたキャッチーな②、熱心なファン数十名がコーラス隊として参加、その全員名前と集合写真がブックレットに掲載されている重厚なメタル・ナンバー③⑦、ポップな味わいが心地良い⑧、一層の表現力を獲得したドロの熱唱が涙腺に沁みるバラード⑨辺りの楽曲・・・って殆ど全曲でしたね、はい。
WARLOCK入門編としてどうぞ。


WARLORD - Deliver Us ★★★ (2015-07-11 02:03:27)

仕事帰りに店に寄ったら、何とWARLORDが'83年に残した伝説のデビューEPが再発されてるじゃありませんか。お得感で言えば初CD化時のFEMS盤に一歩譲るものの、今回はリマスター&SHM-CD仕様ですからね。「元の音質が酷いんだから手間と資源の無駄」と思われる方もいるかもしれませんが、個人的には「でもやるんだよ!」という心意気にいたく胸を打たれた次第。
さておき。その昔初めて本作を購入した時は、厳しいバンド名に、昭和プロレス魂溢れる(違う)メンバーのステージネーム・センス、そして国内盤邦題が『悪魔の洗礼』・・・もうどんだけ恐ろしい音が飛び出して来んの?と戦々恐々で再生ボタンを押したものですが、意外にも耳に響いたのは、儚く爪弾かれるアコギの調べよりスタートする叙情的とさえ言えそうなOPナンバー①。
勿論NWOBHMスタイルの疾走曲③や、破壊的なGリフが刻まれる⑤、バンドの代表曲である仰々しく劇的な⑦といったアグレッシブな楽曲も収録されていますが、このバンドの基本姿勢は、ヘヴィネスやダークネスに対する拘りよりも、まずはメロディ重視。Voを中心に据えたHMサウンドは案外キャッチーな仕上がりで、この辺のバランス感覚はやっぱりLAのバンドならではだなぁと。
Voが歌い、Gが紡ぐ、シケシケでクサクサな哀メロがとにかく冴えまくりで、人によっちゃ貧乏臭く聴こえるやもしれませんが、こちとらそんなの関係ねえ。もう終始泣きのツボを押されっ放しでして、オカルティック且つミステリアスな曲調の中に、時に北欧メタルやプログレ・ハードに通じる透明感とリリシズムがキランと光る楽曲は、全編これ捨て曲なし(シングル曲やコンピ盤提供曲のボートラも実に美味)。
プロダクションの弱さを四の五の言わせない破壊力を秘めた、「USカルト・メタルの至宝」との評価に恥じぬ1枚ですよ。


WARLORD - Deliver Us - Child of the Damned ★★★ (2015-07-13 23:15:20)

回転の速いGリフがNWOBHMからの
影響も伺わせる疾走ナンバー。
サンダーチャイルドさんの叩き出す
タイトなリズム・ワークが実に気持ち良い。
叙情的なイントロ・アウトロを擁する劇的な曲展開等、
曲調自体はダークで緊迫感に満ちていますが
歌メロの輪郭がハッキリとしている辺りは
欧州産とは一味違うLA出身バンドならでは。


WARLORD - Deliver Us - Lucifer's Hammer ★★★ (2015-07-13 23:29:22)

スウェーデンのHAMMERFALLがバンド名のヒントにする等
マニア筋では多大なる影響力を誇ったWARLORDの代表曲。
暗く湿った泣きメロを次々に紡ぐVo、Gに、
楽曲の大仰さを的確に支えるDsの良い仕事っぷり、
そしてKeyをフィーチュアした妖しくもドラマティックな曲展開まで
「WARLORDワールド」が分かりやすく凝縮された名曲です。


WARLORD - Rising Out of the Ashes ★★★ (2015-07-26 23:50:26)

WARLORDが実に20年ぶりに発表した復活作。
今でこそベテランの復活作と言えば、自身の個性をしっかりと認識した会心作であることが殆どですが、この頃はまだ「俺達ゃ現役バンド!」とのプライドから、似合わぬ流行要素に手を出しては頓珍漢な内容に仕上げてしまいリスナーの失笑を買うケースが多々ありました。
なので「USカルト・メタル・レジェンドの彼らとてひょっとしたら・・・」との憂慮も少なからずあったわけですが、そうしたネガティブ思考は、暗くて湿気っててドラマティックなOPナンバー①を聴き終えた瞬間、綺麗サッパリと払拭されましたね。全然変わってねぇなぁ!と。
殊に、デストロイヤーことウィリアム・J・ツァミス(G)によって紡ぎ出される、しみったれた泣きメロがとにかく琴線に触れまくりで・・・と書くと、褒めてんだか貶してんだかよう分かりませんが、勿論褒めてます。この泣きメロの絶妙なシケシケ/クサクサさ加減こそがWARLORDの証。代表曲④や③⑤、それにPRAYING MANTISを思わす哀愁に悶絶な名曲⑩等は彼らの真骨頂。
そもそも本作は活動初期のレパートリーや、EP『悪魔の洗礼』収録曲のリメイク(あと別プロジェクト用に書かれた楽曲)から構成されているので、音楽性のブレがないのも当然っちゃ当然の話なんすが、それだけではなく、新ダミアン・キング役を担う等、WARLORD復活に多大なる貢献を果たしたヨアキム・カンス(HAMMERFALL)のバンドに対するリスペクト溢れる姿勢も、こうした作風に仕上がった要素として結構大きかったのでは?と個人的には推察する次第。声質的にも、適度なソフトさ加減が歴代ダミアン・キングの系譜に連なる感じで非常にグーですよ。
万人受けするには少々マニアックな内容ではありますが、ファンなら押さえておいて損はない作品ではないかと。


WARRANT - Cherry Pie ★★★ (2016-12-12 23:22:14)

ぼちぼちHR/HMシーンの王座がグランジ/オルタナティヴ・ロック勢に取って代わられようとしていた時代の節目において尚、全米アルバム・チャート最高第7位、トータル200万枚を売り上げる大成功を収めた、WARRANT、’90年発表の2ndアルバム。
ブロンドヘアーをたなびかせたグッド・ルッキングなメンバー達が奏でる、明るくキャッチーなポップ・メタル・サウンド。おまけに邦題は『いけないチェリー・パイ』…。もうこれだけで硬派なメタル・ウォリアー(自称)だった身からすれば「けっ」ってなもんですよ。
ところが、ラジオで耳にしたヒット・バラード“I SAW RED”(全米最高第10位)が相当にグッとくる名曲だったこともあり、思わず発作的に本作を購入してみたらば、これが大当たりだったという。いや、まかり間違ってもスラッシーだったり様式美HMを演っていたりはしないですし、1曲目から底抜けに明るいアリーナ・ロックがブチかまされるのですが、そうしたある種「能天気」とすら受け取られかねない楽曲の中にも、躍動感溢れる演奏と、メロディやコーラスにきっちりとフックを仕込んで聴き手を惹き込む曲作りの巧さに脱帽。④⑧⑩辺りは、“I SAW~”と並んで今でも折に触れて聴き返す秀曲ですし、BLACKFOOTの代表曲“TRAIN, TRAIN”を違和感なくカヴァーしてみせる実力にも唸らされましたね。
当時は本作を楽しめてしまったことに対して「負けた…!」とか勝手に敗北感を感じたりもしたものですが(アホですね)、今じゃ「イェー、WARRANT最高!」「シーズ・マイ・チェリーパイ♪」とノリノリで大口開けて歌っているぐらい大好きな1枚。


WARRANT - Cherry Pie - I Saw Red ★★★ (2016-12-13 23:15:28)

イントロのピアノ、哀愁のメロディ、切々とした歌声、
全楽器が加わってのドラマティックな盛り上がりと、
パワー・バラードのお手本のような名曲。


WARRANT - Cherry Pie - Mr. Rainmaker ★★★ (2016-12-13 23:18:50)

2nd『CHERRY PIE』のソフトサイドを代表するのが
バラード“I SAW RED”なら、ハードサイドを代表するのが
この力強く(それでいてメロディのフックに抜かりなく)
ガツンとカマされるロック…いやさ、HMソング。


WARRANT(GERMAN) - First Strike ★★ (2012-02-08 22:48:35)

勿論、アメリカの同名ハードポップ・バンドとは何の関係もない・・・というか、メンバー全員で汚ねぇアナルを晒しているお下劣なブックレットを見るまでもなく、ルックス的にも音楽的にも100万光年以上かけ離れたムサ苦しさを発散するドイツはデュッセルドルフ出身のパワー・トリオが'85年に発表したデビューEP。(BURRN!!表記を参考にするなら、向こうは「ウォレント」でこっちは「ウォーラント」)
幾つかの楽曲で聴くことの出来る、ガリガリとした破壊的なGリフの刻みはSLAYER辺りからの影響を感じさせますが、よりスラッシュ・メタル色の強い次作『THE ENFORCER』に比べると、未だそのサウンドは「ACCEPTの薫陶を受けたオーソドックスなパワー・メタル」という範囲に留まっており、Dsの疾走感は飽くまで他のパートと歩調を合わせたものだし、ウド・ダークシュナイダー風味のダーティな声質のVoも何とかメロディアスに歌おうと頑張っています。
全体的に青臭い仕上がりなのは隠しようもないですが、この時点で既に曲作りの上手さ、及び弾きまくりのGソロで楽曲に欧州風味の湿り気を付与するトーマス・クレイン(G)のセンスにはキラリと光るモノが感じられ、特に荒々しくも勇壮な“BANG THAT HEAD”は「名曲」と評価しても構わないクオリティを備えているように思えます。


WARRANT(GERMAN) - First Strike - Bang That Head ★★ (2012-02-08 22:47:55)

喧しく炸裂するDsに引っ張られる形で
突進するパワー・メタル・ソング。
ダークで湿り気を帯びたメロディが
きっちりとフックを構築しており、
ACCEPTブレイク後、HELLOWEEN登場以前の
古き良きジャーマン・パワー・メタルの
様式美が堪能できるEP屈指の名曲ではないかと。


WARRANT(GERMAN) - First Strike - Satan ★★ (2012-02-08 22:43:14)

とにかく力一杯叫びまくるVo、
ガリガリと破壊的に刻まれるGリフ、
ドッカンドッカン炸裂するDs・・・と
VENOMやSLAYERの遺伝子を受け継いだ
若気の至り感溢れるアグレッシブな
OPナンバー。


WARRANT(GERMAN) - First Strike - Scavenger's Daughter ★★ (2012-02-08 22:45:18)

“SATAN”と共にスラッシュ・メタル色が
強く打ち出されたスピード・ナンバー。
序曲“CONDEMED FOREVER”とセットで
お楽しみ下さい。


WARRANT(GERMAN) - The Enforcer ★★ (2012-02-10 07:22:41)

デビューEP『FIRST STRIKE』と同じ年('85年)にリリースされた初のフル・アルバムだが、短期間のうちにバンドが大きな成長を遂げた事が如実に表れた力強い内容に仕上がっている。
スラッシュと言うよりも「ACCEPT影響下のパワー・メタル」と評したくなる作風だった前作に対し、4人(ツインG)編成でレコーディングが行われている本作はサウンドの切れ味や厚みが覿面に増強され、ミッド・テンポの楽曲も重心低くド迫力に迫ってくる。
より逞しさを増したメロディに頓着しない喚き型Vo、切り立って刻まれる速射リフの壁、野太く突進するリズム隊、それにヨーロピアンHM然としたドラマ性を擁するGとがガンガン押し出してくる攻撃的なサウンドを聴いていると、個人的にはANGEL DUSTなんかを思い出しますね。
これぞ!という強力な名曲を生み出せなかった事が、このバンドがHR/HM史に人知れず埋もれてしまった理由なのでしょうが、とは言え、序曲付きのOPナンバー②や、ダークで緊迫感に満ちた④、テクニカルなGの存在が生きる⑨といったスピード・ナンバーの数々は、メタル者なら頭を振らずにはいられないカッコ良さを有しているように思われ。
尚、バンドは'99年に再結成を果たして現在も活動中。本作とデビューEPを2in1にしたリマスター編集盤もリリースされているので、興味を持たれた方は是非どうぞ。


WARRANT(GERMAN) - The Enforcer - Nuns Have No Fun ★★ (2012-02-11 00:38:02)

アルバム『THE ENFORCER』の中では
一番好きな曲かもしんない。
腰の据わったリフ&リズムが刻まれるヴァースから
テンポアップして、勇壮にしてダーク且つ
緊迫感に満ちたサビメロへと展開していく様が
非常にカッコ良く決まっております。


WARRANT(GERMAN) - The Enforcer - The Rack ★★ (2012-02-11 00:33:47)

OPナンバーは短いイントロ&勇壮なスピード・ナンバー
という、パワー・メタル・バンドとしての様式美に則った
展開が非常に美しい。良い曲ですよ。


WARRANT(GERMAN) - The Enforcer - Torture in the Tower ★★ (2012-02-11 00:35:09)

猪突猛進型のスピード・ナンバー。
ピロピロと威勢良く弾きまくり、
楽曲にヨーロピアン風味の湿り気を与える
Gの仕事振りが印象に残ります。


WARRIOR - Ancient Future ★★★ (2019-09-12 00:34:22)

LAメタル・シーンが活況を呈する’85年に1st『未来戦士』でデビューを飾り、どこかヨーロッパの薫りのする正統派HMサウンドと、日系人ギタリストのトミー・アサカワを擁する編成、それにドラマティックな名曲“FIGHTING FOR THE EARTH”のインパクトを以てHR/HMファンの間で話題を呼んだWARRIORが復活。IRON MAIDEN脱退後、迷走していたブルース・ディッキンソンを再起へと導き、当時「メタル再生請負人」としての評判を高めていたロイ・Z(G)のバックアップを受けて、'98年にこの再結成第1弾アルバム(通算2作目)を発表しました。
個人的に本作の目玉は、嘗て幻に終わった2ndアルバム用に書かれた楽曲④⑤⑨、そしてWARRIORの名を一躍シーンに知らしめる切っ掛けとなった伝説の3曲入りデモテープに収録されていた⑪の4曲。抒情的なバラード④や、いかにも80年代という軽快な疾走ナンバー⑨等、それらはどれも素晴らしい出来栄えを誇っていますが、特にドラマティックに盛り上がっていく曲展開と、パラモア・マッカーティ(Vo)の艶やかなハイトーンが『運命の翼』の頃のJUDAS PRIESTを彷彿とさせる⑪の名曲ぶりは抜きん出ています。これが聴けただけで本作を買った価値はあった!と。
上記楽曲に比べると、90年代の流行の要素が多少なりとも取り入れられている新曲はやや地味な印象で分が悪い。それでも、力強いハイトーンVoとロイ・Zの色気迸るGプレイがフックを作り出す収録曲の数々は、②を筆頭に聴き応え十分に仕上げる手腕は流石。
発表されたことすら忘れられてしまっている感すらありますが、個人的には結構お気に入りの1枚です。