この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6601-6700

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6601-6700
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72
モバイル向きページ 


VIKING - Man of Straw - Creative Divorce ★★ (2007-03-18 18:06:12)

切迫感を漂わせたリフ・ワークにリード・プレイと、
Gが非常に良い仕事をしている高速スラッシュ・チューン。
スリリングなソロも◎。
テンション高めなVoも勢いに溢れていてカッコイイ。
2ndアルバムではこの曲が一番好きかな。


VIKING - Man of Straw - Hell Is for Children ★★ (2007-03-18 18:11:09)

パット・べネターの名曲のカヴァー。
きっちり自己流に料理されていて、正統派へヴィ・メタリックな
仕上がり具合がなかなかにカッコイイ。
Voがメロディアスに歌っているのだが、これがまたかなり上手い。
また、先輩バンドのDARK ANGELから、
Voのロン・ラインハートがバッキングVoとして参加している。


VILLAIN ★★ (2009-02-04 21:47:00)

JUDAS PRIEST、IRON MAIDEN、RAINBOWといったバンドに影響を受けたギタリスト、レオン・B・スミスが中心となって
'83年にカリフォルニア州はモデストにて結成。Bはトミー・シスコ、Voの座には、進展のないRUFFIANSでの活動に
見切りをつけたカール・アルバートと、後にVICIOUS RUMORSに参加する事となる面子が顔を揃えていた。
'86年、レコード契約を得るべく自主制作で、7曲入りEP『ONLY TIME WILL TELL』をレコーディング。
非常に優れた内容にも関わらずレコード会社からは完全に無視され、VICIOUS RUMORSにカールが引き抜かれた事もあってバンドは解散へと追いやられてしまう。
'95年、『ONLY TIME WILL TELL』が日本でCD化され(リミックスを担当したのはVICIOUS RUMORSのジェフ・ソープ)、
再評価の機運が高まったタイミングで、再結成アルバム『CHEQUERED PAST』をリリース。
(奇しくもカール・アルバートの事故死と同時期の発表となった)
ややモダン寄りになったとは言え、高品質のパワー・メタル・アルバムに仕上がっており、以後の活動に期待が
高まったが、結局、パッとしないままシーンからフェードアウト・・・。今は何をやってんでしょうね。


VILLAIN - CHEQUERED PAST ★★ (2009-02-07 01:03:00)

カール・アルバートにも匹敵する実力派シンガー、ジェリー・デレオンを獲得して復活を遂げたVILLAINが、'95年、
そのカールの死去とほぼ同時期に発表した再結成アルバム。(内パケに載せられた、在りし日のカールの姿を捉えた写真が泣かせます)
'86年に自主制作されたEP『ONLY TIME WILL TELL』が、1st~2ndの頃のVICIOUS RUMORSを思わせる、劇的なパワー・メタルの
名盤だったのに対し、今回は、4th『WELCOME TO THE BALL』以降のVICIOUS RUMORSを思わせるアメリカン・パワー・メタル路線。
当時、アメリカで猛威を振るっていたモダン・へヴィネス症候群に目もくれない硬派な姿勢は非常に好ましいものの、
復活作と言う事でやや力み過ぎたのか、メロディにフックが不足気味で(これは『WELCOME~』以降のVICIOUS RUMORSにも
当てはまる話なんだが)、また、明るいロックンロール・タイプの楽曲を収録したり、アリス・クーパーのカヴァーを
演ってみたりと、音楽性も拡散の方向へと進んでいるため、一聴してのインパクトはデビューEPに比べると少々弱い。
これぞパワー・メタル!な③、メランコリックな④、ヘヴィ・バラード⑩等、ジェリー・デレオンの卓越した
歌唱能力の活かされた名曲・佳曲もしっかりと収録されている辺りは流石なのだけど・・・。
聴き終えた後の満足感は決して小さくはないのだが、個人的にデビューEPへの思い入れが強すぎるため、
どうしても「このVoで『ONLY TIME WILL TELL』路線の音楽を演ってくれたら・・・と思ってしまうわけで。


VILLAIN - ONLY TIME WILL TELL ★★ (2009-02-04 21:49:00)

'95年に突然の交通事故で他界した不世出の名シンガー、カール・アルバートが、VICIOUS RUMORS以前に
参加していたことで知られる、カリフォルニア州モデスト出身の5人組パワー・メタル・バンドVILLAIN。
本作は、その彼らが'86年に200枚限定で自主制作した7曲入りデビューEP(1stフルなのか?)に当たる。
'95年に発表された再結成アルバムでは、幾らかモダンな要素も飲み込んだアメリカン・パワー・メタルを演っていた彼らだが、
ここで聴く事が出来るのは、欧州風味が色濃く薫る、混じりっけなしの正統派パワー・メタル。JUDAS PRIEST直系の
Gリフにドスの効いたリズム。劇的なメロディを紡ぎ出すツインG、そして楽曲を印象的に彩るボーカル・ハーモニー等、
初期VICIOUS RUMORSとの共通点も多々感じられるそのサウンドの要は、やはりカール・アルバートのVo。RUFFIANSの頃は
まだ線の細いハイトーン・シンガーといった趣きだったカールだが、声域/声量/表現力と、ここでは既にVR時代に通じる
歌唱能力が全面開花(迫力に関しては今一歩及ばないけど)。特に、彼のパワフルなVoと、スピーディ且つアグレッシブな
楽曲のカッコ良さとがガップリと組み合った①(タイトルからして“KAMIKAZE"ですぜ?)は名曲中の名曲。
それ以外にも、QUEENのカヴァー③を含む全7曲、捨て曲はなし。VICIOUS RUMORSファンならずとも、
パワー・メタル好きなら是非ともチェックして頂きたい1枚。


VILLAIN - ONLY TIME WILL TELL - KAMIKAZE ★★★ (2009-02-04 21:58:26)

スピーディ且つアグレッシブな、まさにタイトル通りの
勇壮さに満ちたパワー・メタル・チューン。
JUDAS PRIEST直系のシャープなGリフのカッコ良さだけで
正統派HMファンならノックアウトは確実かと。


VILLAIN - ONLY TIME WILL TELL - SHE'LL MAKE YOU FALL(IN LOVE) ★★ (2009-02-06 23:03:53)

ピアノとアコギを用いてバラード調に始まり、
途中、へヴィ且つ雄々しく盛り上がりつつ、
最後は再びバラード調に戻って幕を閉じるという
教科書通りのドラマティックな展開を聴かせてくれる名曲。


VINCE DICOLA - Only Time Will Tell ★★★ (2022-02-21 22:23:39)

映画『ステイン・アライヴ』や『ロッキー4』のサントラに参加したことで、音楽シーンでの知名度を一気に上げたマルチ・アーティストのヴィンス・ディコーラが、長年にわたり様々なミュージシャンとコラボして作り溜めて来たマテリアルを取りまとめ、'21年にソロ名義で発表した作品。
ゲストVoとして招かれているスティーヴ・ウォルシュ(KANSAS)、ボビー・キンボール(TOTO)、ジェイソン・シェフ(CHICAGO)、スタン・ブッシュetc…といった顔触れから、てっきり歌モノのロック・アルバムに仕上がっているものと思いきや、開幕を告げるOPナンバー①はなんとゴリゴリのプログレ・メタル・ナンバー。いきなり意表を突かれましたが、聞けば元々はプログレ畑でミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせた方のようで、脇役に埋没せず、アレンジの要となって曲展開を引っ張るKeyのリード楽器ぶりや、アルバムを壮大に締め括る大作⑬のようなドラマティックな楽曲からは、彼がルーツ・ミュージックに寄せるリスペクトを窺い知ることが出来るのではないかと。
とはいえ本編の軸となるのはやはりメロハー路線の楽曲であり、特にバラード系の楽曲はどれも秀逸の出来栄え。世が世なら大ヒットは確実なハート・ウォーミングな③(Voはジェイソン・シェフ)、ボビー・キンボールがエモーショナルに歌い上げる⑦、幻に終わってしまったスティーヴ・ウォルシュとのプロジェクト用に書き上げられたという⑨なんか取り分け印象に残る仕上がり。
ベテラン・ミュージシャンの技前がしっかりと発揮された、次回作も期待したくなる充実作です。


VINCE DICOLA - Only Time Will Tell - Miracles ★★★ (2022-02-23 01:11:01)

80年代に世に出ていたならば、映画やドラマの主題歌、あるいはCMソングに
起用されてきってヒットを飛ばしていたろうに・・・と思わずにはいられない
フックの効きまくったバラード。歌っているのはCHICAGOのジェイソン・シェフ。


VINCE DICOLA - Only Time Will Tell - Suffer the Children ★★★ (2022-02-23 01:22:17)

アルバムを締め括る8分以上に及ぶ大作ナンバー。
ヴィンス・ディコーラがプログレッシブ・ロックに捧げる
愛情の程が伺えますが、難関さよりも映画のサントラ的な
壮大さを前面に押し出し、メロディも叙情的でキャッチー。
あくまで親しみ易い仕上がりな辺りにも
この人の曲作りの拘りが見て取れます。


VINNIE VINCENT INVASION - All Systems Go ★★ (2008-02-02 13:13:00)

KISS相手に訴訟を起こした結果、敗訴。今やケツの毛まで毟られそうな勢いのヴィニー・ヴィンセントが、
嘗て、そのKISS脱退後に結成したVINNIE VINCENT INVASIONから、'88年に発表した2ndアルバム・・・というか、
珠玉の名バラード“LOVE KILLS"を収録した作品としての方が有名か?
斯く言う自分も“LOVE~"目当てで本作を購入し、それ以外の曲は殆どまともに聴いて来なかったりするのだが、
今回、改めて腰を据えて聴き直してみたら、これが結構良い曲が多くて嬉しい驚きを覚えました。
と言っても、やはりカラッと明るいアメリカン・ロック調の楽曲は肌に合わず(クオリティよりも単に好みの問題)、
また、マーク・スローターの超音波ハイトーンVoも、迫力ではあるものの、ずっと聴いていると一本調子で
疲れてしまうので、ここは通して聴くのは遠慮させて貰い、フックの効いたサビと、ユニークで劇的なヴィニーのGプレイが
印象的な①、溌剌と弾ける曲調に思わず体が動く②、名バラードと名高い③、その“LOVE KILLS"と同タイプの
盛り上がりをみせる⑧、大陸的な雄大さが心地良いバラード⑩、そして正統派へヴィ・メタリックな疾走ナンバー⑫
・・・といった楽曲辺りを摘み食いさせて頂きたい。
既に廃盤の国内盤には妙なプレミアがついてしまっているが、現在では安価な輸入盤が出回っているので、未聴の方はそちらをどうぞ。
運や性格の悪さばかり悪目立ちしてしまっているヴィニーだが、豊かな才能を持ったミュージシャンだった事は間違いない。


VINNIE VINCENT INVASION - All Systems Go - Love Kills ★★★ (2008-02-02 13:38:28)

VINNIE VINCENT INVASIONと言えば、
やはりこの珠玉の名バラードがトドメを刺す。
とてもアメリカのバンドとは思えない、
切なくもドラマティックな曲調が泣けて泣けて仕方がない。
この1曲のためだけでも、「ALL SYSTEMS GO」を買う価値あり。


VINNIE VINCENT INVASION - All Systems Go - That Time of Year ★★★ (2008-02-02 13:42:11)

“LOVE KILLS"と同タイプの盛り上がりを見せる
ドラマティックな名曲。
超音波ハイトーンで知られるマーク・スローターのVoだが、
個人的には、この曲で聴けるような無理に力まず、
中音域をメインにした歌い回しの方が好み。


VIO-LENCE - Eternal Nightmare ★★★ (2017-03-21 22:02:45)

現MACHINE HEAD、ロブ・フリンとフィル・ディメルのGコンビが在籍していたサンフランシスコ出身の5人組が、MCA傘下のメタル専門レーベルMECHANIC第1弾アーティストとして'88年に発表した1stアルバム。邦題は『悪夢』。(ジャケが秀逸っすな)
アメリカのスラッシュ・メタル第1世代のデビュー作の多くには「NWOBHMの洗礼を受けた過激な正統派HM」という体のサウンドが封じ込まれていましたが、対して彼らに影響を受けて活動をスタートさせた第2世代以降のバンドの場合は、デビュー作からして完全にスラッシュ・メタル路線に焦点が定まっていて、何なら1stアルバムが最も強力にスラッシュしている連中が殆どじゃね?ぐらいのもので。
そういう意味では、ショーン・キリアンの熱に浮かされたようなハイピッチVo、音数を詰め込んでせかせか疾走する焦燥感溢れるリズム、そして鼓膜をジャキジャキと切り裂くエッジの立ちまくった「これぞベイエリア・クランチ」な音色で刻まれるGリフが託されたこのVIO-LENCEのデビュー作は、まさしく第2世代スラッシャーの教科書と言うべき仕上がりではないかと。
6分越えの長尺を暴れ回るツインG主導でテンション高く突っ走る①、轟砲一発、一気呵成に畳み掛ける②から、加速度的にクレイジーネスが高まっていく様が最高な⑥を経て、緩急を盛り込みつつラストスパートをぶちかます⑦まで、全7曲、収録時間はタイトに絞り込んで30分台。荒々しくもどこかキャッチーなギャング・コーラスがもたらす体育会系的ノリの良さをも伴った、獰猛にして爽快なスラッシュ・メタル・アルバムの力作です。


VIO-LENCE - Let the World Burn ★★★ (2022-06-23 23:34:19)

現MACHINE HEADのロブ・フリンらを輩出したことでも知られるVIO-LENCE。00年代に入って復活を遂げるも、散発的にライブを行う程度に留まっていた彼らが、フィル・ディメルがMACHINE HEADを脱退してVIO-LENCEに本腰を入れたことで活動が加速。’22年、遂に待望の新作リリースと相成りました。しかもギターの片割れが元OVERKILLのボビー・ガスタフソンというサプライズ人事まで引っ提げてのご帰還ですよ。
多少なりとも時流に影響された仕上がりだったVIO-LENCEの最終作『NOTHING TO GAIN』や、フィルのMACHINE HEADでのお仕事を踏まえると、出来栄えに関しては多少懐疑的にならざるを得なかったのが正直なところでしたが、聴いて吃驚、ショーン・キリアン(Vo)の切迫感を煽るシャウトといい、鼓膜を切り裂かんばかりにジャキジャキと刻まれるGリフの質感に、突っ込み気味に疾走するリズムといい、これが20年以上の不在期間を一瞬で飛び越えてしまう、紛うかたなきVIO-LENCE流スラッシュ・サウンドが全編に亘って炸裂しているじゃありませんか。例えば②なんて「1stや2ndアルバム収録曲を現編成でリメイクしました」と言われたら信じてしまいそうなぐらいの仕上がりですよ。
無論、現代的にアップデートされた音作りや、衝動性よりも重厚さの勝る楽器陣等、経年によってもたらされる変化も本編にはくっきりと刻まれていますが、全5曲というEPサイズのボリュームも奏功して、細かいこと考え込む前にスカッと走りきっているという塩梅。
来日公演のドタキャン騒動でミソが着いてしまった彼らですが、ここは是非ボビーを含む編成で来日して頂き、汚名を返上して欲しいところであります。


VIO-LENCE - Let the World Burn - Screaming Always ★★★ (2022-07-06 00:30:01)

鋭くエッジの切り立ったGリフ、独特の切迫感で畳み掛けるリズム、
そして何よりショーン・キリアンがシャウトするサビ部分が
猛烈に「ああ、VIO-LENCEっぺー」となるスラッシュ・ナンバー。


VIO-LENCE - Oppressing the Masses ★★★ (2006-10-05 23:02:00)

1st『悪夢』をいきなり米メジャー、MCA傘下のMECHANIC RECORDSからリリースして華々しくデビューを飾るも、それ1枚きりであっさりドロップ。その後、ベイエリア・スラッシャーといえばここ!のMEGAFORCEと新たに契約を結び、’90年に発表した2ndアルバム。タイトルは『オプレッシング・ザ・マッセズ』…って、これにも何か気の利いた邦題をつけたれよと。シュールなジャケットはなかなかのインパクト。
VIO-LENCE作品に初めて触れたのが本作で、その割には碌に聴きもせず長らく箪笥の肥やしにしていましたが、ここ最近の(己の中での)ベイエリア・スラッシュ熱の高まりが昂じて、改めて引っ張り出して来て聴き直してみたら…いや、なかなかどうして力作でした。
LAAZ ROCKITにも匹敵する獰猛な音色で切り刻まれる、輪郭のクッキリとしたクランチ・リフ、切迫感を醸し出す上擦り気味のシャウトVo、気合の入った掛け声コーラス、「ヴァイオレンス」なんてバンド名に反して、実は結構メロディックなソロを要所で閃かせるGチームetc.…いずれも聴き応え十分。でも実は何より気に入っているのは、音数を詰め込みまくって突っ走るDsという。畳み掛ける性急なビートには体内のスラッシュ魂にボッと火を点される思いですよ。多少のドタバタ感はあれど、そのタメ知らずの前のめりっぷりに却ってグッと来ます。
歌詞がヤバ過ぎて発禁食らった⑤が代表曲として知られていますが、存外キャッチーですらある掛け声コーラスをフィーチュアして憑かれたように突っ走る①⑥⑨等、それ以外の収録曲の平均レベルもかなり高め。クオリティでは前作に一歩も引けを取りませんよ。


VIO-LENCE - Oppressing the Masses - Torture Tactics ★★★ (2017-03-21 23:59:27)

日本盤では2ndの5曲目に収録されていましたが、
拷問について歌った歌詞が検閲に引っ掛かり海外盤ではカット。
後にEPとしてリリースし直されるという経緯を辿ったことで、
「VIO-LENCE=やばいバンド」とのイメージを決定付けた発禁ソング。
そうした二次情報がなくとも、十分にカッコ良さの伝わる
スラッシュ・ナンバーなんですけどね。


VIOLENT FORCE ★★ (2008-05-10 09:49:00)

'84年、西ドイツはヴェルバートにて結成。レミー(Vo、G)、スタッケル(G)、ヴァルディ(B)、そしてアトミック・シュタイフ(Ds)という
ラインナップで活動を開始。初期の頃はMORTORHEADの影響下にある音楽を演っていたが、その後、徐々にスラッシュ路線へと移行。
'85年制作の『DEAD CITY DEMO'85』『VELBERT DEAD CITY』と、'86年制作の『DEAD CITY-THE NIGHT』という3本のデモ・テープが評判を呼び、
噂を聞き付けたROADRUNNER RECORDSとレコード契約を結ぶ。
デビュー作のレコーディング直前に、アトミック・シュタイフが脱退するというアクシデントに見舞われるも
(彼はその後LIVING DEATHへと参加)、後任にユルゲン・ヒレブランドを加入させ事なきを得る。
この時、残された難易度の高いドラム・パートをこなすため、アトミックがレコーディング作業に
付きっ切りでユルゲンにアドバイスを送ったという、ちょっと良いエピソードあり。
そんなこんなで完成した1st『ASSAULT OF TOMORROW』は、'87年にリリース。(ちなみにプロデューサーは名手カレ・トラップ)
タイトに畳み掛けるリズムと、切れ味の鋭いツインGが猛然と疾駆する、如何にもジャーマン・スラッシュ・メタルらしい猛々しいサウンドが
好評を博し、バンドはLIVING DEATH、SODOM、ASSASIN、DEATHROWなんかと積極的にドイツ国内をツアーして回るも、'89年に解散。
リーダーのレミーは、その後、SACRED CHAOに参加した事で知られる。


VIOLENT FORCE - Malevolent Assault of Tomorrow ★★ (2008-05-10 02:12:00)

ジャーマン・スラッシュ・シーン屈指の名ドラマー、アトミック・シュタイフが、そのキャリアをスタートさせた
バンドとしても知られる、5人組スラッシャーVIOLENT FORCEが、'87年に発表した最初で最後のフル・アルバム。
・・・なんだけど、実の所、本作のレコーディング前に既に彼氏は脱退済み(その後、LIVING DEATHに参加)。
アルバムでは後任のユルゲン・ヒレブランドがDsを叩いているが、ドラム・パートの難易度が非常に高かったため、
アトミック・シュタイフがレコーディング中に、付きっきりでアドバイスを送ったという、ちょっと良い話あり。
その甲斐もあって本作は、タイトに畳み掛けてくる、手数の多いDsを中心にガッチリとまとまり、メロディを無視して
吠えまくるアグレッシブなVo、攻撃的に動き回るB、そして、マシンガンの如き刻みの細かいリフから、
メロディックなソロまで、機動力を活かして大活躍するツインGとが、一丸となって猛然と突っ走る、
「これぞまさに王道ジャーマン・スラッシュ・メタル!」といった感じの、痛快極まりない内容に仕上がっている。
全編、これ押せ押せの猛々しい作風ながら、MORTORHEADばりの爆走OPナンバー①に始まり、スピーディ且つ勇猛な②③、
IRON MAIDENからの影響が薫るインスト曲⑤、正統派へヴィ・メタリックなGソロが炸裂するバンドのテーマ・ソング⑦、
SLAYERばりの殺傷力を備えたリフが突貫するハイスピード・ナンバー⑩・・・と、最初から最後まで
全く飽きさせない曲作りの上手さは見事という他ない。特に、畳み掛ける疾走感と、劇的なインスト・パートが
融合を果たした⑥は、VIOLENT FORCEというバンドの魅力が判り易く詰め込まれた、本編のハイライト的存在。
LIVING DEATH、SODOM、HOLY MOSES・・・と、アトミック・シュタイフがこれまでに在籍したバンド群を
気に入ったファンなら、間違いなく「買い」の1枚。ジャーマン・スラッシュ・メタルの隠れた名盤の1つですよ!


VIPER - Maniacs in Japan ★★ (2017-01-04 22:26:46)

ブラジルのVIPERが、'93年に川崎クラブチッタで行った初来日公演の模様を捉えた実況録音盤。
メロディック・パワー・メタルの名盤と評判の『THEATER OF FATE』(’89年)で一躍注目を集めるも、間もなくアンドレ・マトスが脱退。その後発表された3rd『EVOLUTION』(’92年)における大胆な音楽性の刷新がファンの間で賛否両論(つか圧倒的に「否」の意見が優勢だった)を巻き起こす中敢行された来日公演ということで、タイミング的には最悪もいいところ。動員もあまり良くなかったと記憶しておりますが、にも拘らずここに収められたライブが熱狂的な盛り上がりを聴かせてくれるのは、当日会場に集結したのが(批評に左右されない)筋金入りのVIPER MANIACSだったこと。そして、メタルというよりはロックンロール/パンキッシュな疾走感に貫かれたサウンド(QUEENの“WE WILL ROCK YOU”の倍速カヴァーもパンク・バンドが演りそうなアイデアですよね)が、スタジオ盤よりもライブで聴く方が遥かにカッコ良く響いたことがその要因でしょうか。
ハッキリ言ってシンガーの歌唱にしろ、楽器陣の演奏にしろ、初来日の喜びと緊張がない交ぜになって先走っているようなパフォーマンスは相当に危なっかしいのですが、このサウンドには不思議とそうした《気合一発!轟音で押しまくる、若さ溢れるライブ》(帯より)なノリがマッチしていて、文句を付ける気が起きません。⑩におけるバンドと会場が一体となった盛り上がりっぷりなんて何度聴いてもアガるものがありますよ。
「胸が熱くなる」と言うよりは、「気分がほっこりする」タイプのライブ盤なれど、大好きな作品です。VIPER再評価の切っ掛けの一つにどうぞ。


VIPER - Soldiers of Sunrise ★★★ (2017-12-03 00:01:31)

ブラジルのHR/HMシーン黎明期をSEPULTURAと共に支えた功労者、VIPERの記念すべきデビュー作。('87年発表)
マニアのハートと涙をカツアゲした必殺の名曲“MOONLIGHT”収録の2nd『THEATER OF FATE』は、アンドレ・マトス(Vo)主導でクラシカルなメロディが大幅増量された、後のANGRAにも通じるメロディック・パワー・メタル作品でしたが、収録曲の殆どが’85年~’86年頃に書かれているという本作で聴かれるのは、エピック・メタル調の「いかにも」なアートワークとイマサンな音質の下、スラッシーなササクレ感を撒き散らすGリフが刻まれ、リズムは若さに任せて疾走に次ぐ疾走を繰り返す、IRON MAIDENやNWOBHMの洗礼を受けた荒々しいパワー・メタル・サウンド。
尤も、バンマス役を担うピット・パシャレル(B)の演奏はスティーヴ・ハリスというよりマーカス・グロスコフ風で、マトスが雄々しく歌うメロディやコーラスの組み立て等からは、次作で結実するメロパワ・メタリックな要素を既に十分聴き取ることが可能。特に勇壮に駆け巡るBラインのカッコ良さが肝のOPナンバー①や、ドラマティックなアルバム表題曲⑥は血沸き肉躍る名曲。まぁでも個人的に最もグッとくるのはもろメイデンな②なんですけどね。好戦的曲調のサビで炸裂する「オ~オオ~オ~♪」のコーラスは、聴く度に「ダセェ」「でも最高!」と血中メタル・ゲージがもりもり上昇していくのを感じますよ。
音質にしろパフォーマンスにしろ青さが目立つのは事実ですが、これを平均年齢16歳の新人が作り上げたとあっては、こりゃもう拍手喝采しかありません。2ndより好きだなぁ。


VIPER - Soldiers of Sunrise - Knights of Destruction ★★★ (2017-12-03 00:07:52)

荒々しく刻まれるGリフ、いっぱいいっぱいで危なっかしい
マトスのVoやDs等、全体的に勢い任せな部分が目立ちますが
いやでもカッコイイ。歌メロの組み立てからは次作で
大きく花開くドラマティックなメロパワメタルの萌芽が聴き取れますし、
マーカス・グロスコフばりに派手に動き回り、疾走感溢れる楽曲を
牽引するピット・パシャレルのBプレイにも耳惹かれます。


VIPER - Soldiers of Sunrise - Nightmares ★★★ (2017-12-03 00:16:46)

うーん、メイデン。
メロパワ・メタルというよりもIRON MAIDENやNWOBHMからの
影響がストレートに打ち出されたアグレッシブに畳み掛ける疾走チューン。
サビメロに被さる「オ~オオ~♪」コーラスが
ダサイんだけどカッコ良く、聴く度にアガります。
この感覚的EUROPEの“SEVEN DOORS HOTEL”のコーラスに近い感じか
個人的にはアルバムのハイライトですよ。


VIPER - Soldiers of Sunrise - Soldiers of Sunrise ★★★ (2017-12-03 00:11:30)

長尺を物ともしないドラマティックな曲展開といい、
今にも引っ繰り返りそうで危なっかしいVoといい、
確かに『WALLS OF JERICHO』を発表した頃の
HELLOWEENを彷彿とさせます。
バンドの秘めたポテンシャルを感じさせてくれる、
アルバム表題曲に相応しいエピック・ナンバー。


VIRGIN STEELE - Life Among the Ruins ★★ (2020-02-13 00:04:31)

前作『AGE OF CONSENT』(’89年)における大胆な音楽性刷新の試みが不首尾に終わり、開店休業状態に陥っていたデイヴィッド・ディフェイ(Vo)率いるNY出身のパワー・メタルの雄VIRGIN STEELEが、4年のブランクを経て'93年に発表した5thアルバム。
ちなみに自分が初めて買った彼らのアルバムがこれ。何でよりにもよって迷走期の作品を?と我ながら思いますが、当時は彼らの初期作は殆どが廃盤で入手困難、本作のみゼロ・コーポレーションから国内盤が発売されたので、これ幸いと購入したんだっけなぁと。あの頃はゼロのカタログを片っ端から買い漁ってましたし。…なんて思い出話はさておき。
クラシカルな小曲④から重厚な⑤へ繋ぐ展開に往年の残り香を微かに留める程度で、基本的に本編の主体となるのはバラード系の楽曲。パワーメタル色ほぼ皆無のアメリカンHR路線が更に突き詰められている今作は、もし1stや2ndをこっちより先にチェックしていたら失望感も半端なかったでしょうが、幸か不幸か、この時点じゃ彼らに対する思い入れや知識が殆どなかったため「何か噂に聞いていたパワー・メタルじゃないけど、これはこれで結構好きだなぁ」とフラットに受け入れることが出来たという。特に哀愁のハードポップ②は名曲ですよ。“DANGER ZONE”の面影は欠片も見当たらずとも、キャッチーなメロディが心を潤してくれる逸品。また初期はクセの強さで評価が割れがちだったデイヴィッドのVoもこの頃には成長著しく、ラストをしっとり締め括る⑭における裏声シャウトを織り交ぜた情感豊かな歌声なんて、実力派シンガーの貫禄すら漂ってくるぐらいで。
迷走期とはいえ、ちゃんと歯応えある内容に仕上げてくれている辺りは流石。


VIRGIN STEELE - Life Among the Ruins - Last Rose of Summer ★★★ (2020-02-14 00:13:35)

アルバムをしっとりと締め括るリリカルなバラード。
歌唱能力に関しては評価が割れがちなデヴィッド・ディフェイですが
ピアノをバックに、ファルセットを駆使して、エモーショナルに、
切々と歌い上げるこの曲におけるパフォーマンスからは、
立ち昇る「実力派シンガー」のオーラを幻視することができますよ。


VIRGIN STEELE - Life Among the Ruins - Love Is Pain ★★★ (2020-02-14 00:07:14)

エピック・メタルの面影は欠片も見当たりませんが、
そこはかとない哀愁と爽やかなポップ・センスが同居した
秀逸なメロハー・チューンに仕上がっています。
デイヴィッドの濃いVoも意外にキャッチーな曲調にマッチ。
VIRGIN STEELEの名前で演る必要があったかどうかはさておき
名曲であることは疑う余地がありませんよ。


VIRGIN STEELE - Virgin Steele ★★★ (2020-02-16 23:56:29)

USエピック・メタルの開祖バンドの一つとして名前が挙げられるVIRGIN STEELEが、MUSIC FOR NATIONS第一弾アーティストとして’82年に発表した1stアルバム。ちなみに当時ちゃんと日本盤もリリースされていて、その際の邦題は『危険地帯』だったという。
さてその本作、'82年という時代を考慮しても音が悪い。また彼らならではの大仰でオペラティックなサウンドを期待すると、本編の半数を占めるのはラフなノリのロックンロールだったり、ついでにデイヴィッド・ディフェイ(Vo)が繰り出すシャウトは「子犬の鳴き声」と評したくなる線の細さだったりと、VIRGIN STEELE入門盤にチョイスするにはなかなかクセの強い仕上がりです。
要は個性確立を模索する過渡期の作品と言えるのかもしれませんが、クラシカルなイントロ序曲からパワフルに炸裂するアルバム表題曲にして、VSの名をマニアに知らしめた名曲①を手始めに、ピアノの小曲④を導入に濃厚な泣きを発散しながら綴られる⑤、ジャック・スターのGとデイヴィッドが奏でるKeyが火花を散らす様式美HMナンバー⑥、バンドのテーマ曲としてアルバムのトリを飾る⑫等、VIRGIN STEELE節がギラリと牙を剥く劇的な楽曲もしっかりと配されており、決して退屈な内容でない。…というか、むしろクオリティは高いレベルを維持していて、既に曲作りの手腕には必要十分な冴えが感じられます。
イマサンな音質に、強めのロックンロール・テイスト、それでいて要所を締めるドラマティックな楽曲の強力な存在等々…。個人的にはMANOWARの1st『地獄の鎮魂歌』に通じる魅力が見い出せる1枚かと。


VIRGIN STEELE - Virgin Steele - Children of the Storm ★★★ (2020-02-17 23:01:09)

勇壮にしてアグレッシブ。Keyの導入も自然且つ効果的で
VIRGIN STEELEというバンドの原石の魅力が凝縮された名曲。
VoとGが互いにバチバチ火花散らして「どやさ!」と好き勝手
自己主張しまくっているのですが、それがむしろ楽曲のテンションを
ギンギンに高める好結果に繋がっているという。


VIRGIN STEELE - Virgin Steele - a) Minuet in G Minor / b) Danger Zone ★★★ (2020-02-17 22:53:17)

ドラマティックなHRバージョンにアレンジされたバッハ作曲(実は別人の作曲らしいですが)
“メヌエット ト短調”をイントロ代わりに荒々しく炸裂するVIRGIN STEELEを代表する名曲の一つ。
評価が割れるデイヴィッド・ディフェイのVoですが、この曲におけるシャウトは個人的には
嫌いじゃない…というか寧ろ、野生動物が外敵を威嚇しているような攻撃性の迸りが感じられ、
結構曲調にハマっているのんじゃないかと。


VIRGINIA WOLF - Virginia Wolf ★★★ (2018-12-23 09:46:30)

その昔『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』というハリウッド映画がありましたが、あの作品同様、イギリスの女流作家VIRGINIA WLOOFからバンド名を頂いたのであろうマンチェスター近郊の都市ウォースリー出身の4人組が、'86年にATLANTIC RECORDSから発表した1stアルバム。
Voは、ここ日本ではHEARTLANDのフロントマンとして知られるクリス・ウーズィー。Dsはかのジョン・ボーナムの子息ジェイソン・ボーナム。更にプロデュースはQUEENのロジャー・テイラーが担当と、本作はなかなか豪華な面子でレコーディングされていまして。リズムを敢えて打ち込みっぽく処理した音作りは「80年代ど真ん中」といった趣きで、今聴くと相当に時代を感じさせられてしまいますが、それでも尚、跳ねるエレピが王道ハードポップ感を醸し出す③、サックスをフィーチュアした瀟洒なバラード④、女性コーラスが映えるエネルギッシュでソウルフルな⑤、英国産メロハーならではの魅力を湛えた哀愁の⑥等、キラキラと煌めくシンセを纏い、ルー・グラムを彷彿とさせるクリスの情感豊かな歌声を生かしたFOREIGNER路線のメロディック・ロック・サウンドは聴き応え満点。既にこの時点で十分に完成されているクリスのシンガーとして才の早熟ぶりや、ジェイソンのタイトなドラミングの腕前にも感心させられますよ。尤も、ジェイソンのプレイが本作の売りの一つとはいえ、やたらドラムの音が前に出たミックスはこの手の音楽性にはやや不似合いな気もしますけど…。
何はともあれ、今も昔も日本盤が出ていないことが俄かには信じがたいクオリティの1枚。


VIRGINIA WOLF - Virginia Wolf - It's in Your Eyes ★★★ (2018-12-24 09:11:24)

サックスの調べをフィーチュアした感動的なバラード。
デビューそうそうのバンドの手による楽曲とは思えぬ
アダルトな魅力が備わった名曲です。
すでに完成されまくっているクリスのエモーショナルな
歌声にも聴き惚れますよ。


VIRGINIA WOLF - Virginia Wolf - Livin' on a Knife Edge ★★★ (2018-12-24 09:15:16)

80年代だなぁというKeyによるリフが印象的。
『EXCESS ALL AREAS』を発表した頃のSHYも演りそうな
良い意味で典型的な英国産ハードポップの魅力が詰まった
これまた名曲。


VIRGINIA WOLF - Virginia Wolf - Only Love ★★★ (2018-12-24 09:05:53)

クリスの素晴らしくソウルフルなVoと煌めくKey、
それに哀愁のメロディをまとって心地良く跳ねる曲調が
絵に描いたようなメロハー感を醸し出す名曲。
主張の強いジェイソンのDsもバンドの個性ですよ。


VIRTUE (2014-02-08 10:22:18)

NWOBHM華やかなりし'81年、チューダー(Vo)とマット(G)のシェルトン兄弟がイギリス・オックスフォードにおいて結成。
'85年にOTHER RECORDSから発表された7インチEP『WE STAND TO FIGHT』は世界中のマニアを熱狂させたが、インターネット登場以前、そうした評判はメンバーの耳までは届かず、また'87年制作の3曲入りデモ『FOOL'S GOLD』をEPとしてリリースする話もレーベル倒産で立ち消えになる不運、そして何よりNWOBHM自体が終焉を迎えていた時期の悪さが重なって、バンドはアルバム・デビューを果たすことなく解散してしまった。
NWOBHM熱の再燃に伴って、昨今、欧州方面で注目が集まっているバンドですが、チューダー・シェルドンがミュージシャン業から足を洗ってることもあって再結成は難しい様子。
弟のマットは、THE SHOCK(90年代には日本デビューも果たしている)をリユニオンして活動中。


VIRTUE - We Stand to Fight ★★★ (2014-02-08 10:24:23)

80年代半ば、《THE BEST UNSIGNED BAND FROM NWOBHM》と噂されたオックスフォード出身の5人組が、'85年に発表した7インチEP『WE STAND TO FIGHT』と、'87年に制作した3曲入りデモテープ『FOOL'S GOLD』という2つの音源を合体収録するアンソロジー盤。
「幻の~」とか「伝説の~」なんて冠言葉がつく作品は、入手困難期間中に消費期限切れを起こしてる場合も少なくないのですが、コレは間違いなくその例外作品の一つ。一応リマスターされているとは言え、音質の悪さはある程度覚悟せねばなりませんが、しかし本作はそれを押しても楽曲が良い!
疾走するリズムの上で、劇的且つシャープに刻まれるGリフと、青い炎が揺らめくような英国声による熱唱、そして思わず泣きながら握り拳突き上げたくなるフレーズを次々に奏でるツイン・リードGが伸びやかに舞う収録曲は、これぞブリティッシュ!これぞメタル!と万歳三唱モノな名曲①③を頂点に、全5曲、いずれもNWOBHMが残した至高の遺産というべき逸品揃い。
MARSHALL LAWのデビュー作にも匹敵するインパクトに「今までこれほどの名曲を知らずにいたのか・・・」と慄然とさせられると共に、つくづく彼らがアルバム・デビュー出来なかった現実を惜しみたくなる1枚。
またぞろ入手困難になる前に、是非のご一聴をお薦め致します。


VIRTUE - We Stand to Fight - Fool's Gold ★★★ (2014-02-10 22:50:10)

「戦いの序曲」といった勇壮さの
JUDAS PRIEST調のイントロを、
滑るように刻まれる劇的なGリフが
切り裂いて疾走し始めた瞬間、
あまりのカッコ良さに膀胱が緩みました。
デモ音源ゆえの音の悪さを遥か彼方へと
吹っ飛ばすこの名曲っぷりはどうしたことか。


VIRTUE - We Stand to Fight - We Stand to Fight ★★★ (2014-02-11 18:26:28)

少々パワー不足のVoさえも味わいに変えて、
メロディアスに舞うツイン・リードGの妙が
ウェット且つドラマティックな曲展開を牽引する
これぞブリティッシュHM!な名曲。
「HM版WISHBONE ASH」と評されたのも納得です。


VITAL REMAINS - Icons of Evil ★★ (2010-05-20 23:06:00)

デビュー作『LET US PRAY』以来、久々に購入したVITAL REMAINSのアルバム。('07年発表の5th)
アンチ・クライスト魂が炸裂しまくったジャケット・アートワークも衝撃的な本作は、MORBID ANGELの
エリック・ルータンがプロデュースを担当、DECIDEからグレン・ベントンがゲストVoとして参戦を果たして
悪魔の如き咆哮を上げ、まるで機銃弾の様に吐き出される殺傷力満点のリフ&リズムと一体となって無慈悲に
荒れ狂うという、ストロング・スタイルのデス・メタルとしては文句なしに、凶悪極まりない内容に仕上がっている。
相も変わらず、キリスト教に対する憎悪に塗れたグレンのデス声も強力無比だが、何より本作を孤高の存在へと
高めているのが、デイヴ・スズキのネオクラ風味も感じられる流麗なGプレイ。その腕前はイングヴェイ・マルムスティーン
初期の超名曲“DISCIPLES OF HELL"を難なくカヴァーしている事からも明らかだが、特に、映画『パッション』を
彷彿とさせるイントロに導かれてスタートする②、劇的な曲展開に瞠目させられる③、バイオレントな
曲調の中で閃く、アコギの美旋律にハッと胸を突かれる⑤といった楽曲で聴く事の出来る、曲に荘厳さを
付与するドラマティックな彼のGプレイは、間違いなく本編最大の聴き所。
ブルータルなデス声Voと、間断なく刻まれ続けるリフ&リズムの応酬、それにほぼ全曲が6~9分台という
大作主義が取られた体力勝負を強いる作風ゆえ、通して聴くと後半はクタクタになるが、
それでも挑む価値は十分にある力作。近年のDEICIDEが好きならマスト・バイ。


VIXEN - Live & Learn ★★ (2020-01-04 00:45:43)

女性ミュージシャンだけの本格派HRバンドとして話題を呼び、2枚のスタジオ・アルバムを残して解散したVIXENが再結成を遂げたのは90年代後半のこと。中心メンバーであったジャン・クーネムンド(G)を欠いた編成でレコーディング、'98年に発表された復活作『TAGERINE』が当時のHR/HMシーンの流行に寄せた結果空回り感の半端ない惨状を呈していたため、こちとらVIXENに対する興味は急速にフェードアウトしてしまったのですが、ジャンがバンドに復帰し、ほぼ彼女のソロ・プロジェクト状態で制作されている本作(4th、’06年)は、やはり流石の出来栄えを誇っていたという。
無論、初期2作のようなキャピキャピ(死語)した感じは薄れ――50過ぎてもそんなノリを維持していたらそれはそれで凄いですが――全体的にシリアスさを増したサウンドは、ムーディで落ち着いた雰囲気が支配的。かつてのような華やかなポップ・メタル路線を期待する向きには少々地味に思える楽曲も散見される仕上がりながら、要所でキラリと光るジャンの曲作りの腕前は健在ですし、年齢を重ねて円熟味を増したGプレイも楽曲を魅力的に彩ってくれていますよ。特に、憂いを帯びたキャッチーなメロディと小気味良く動き回るGが印象的なアルバム表題曲②や、物悲しく駆け抜けていくポップ・チューン③辺りの出来栄えは秀逸です。
かように優れたアルバムを残してくれたジャン・クーネムンドでしたが、'13年に癌との闘病の末に逝去。彼女の志を受け継ぎVIXENのオリジナル・メンバー再結集が実現したものの、残念ながら現在に至るも新作アルバムは発表されていません。


VIXEN - Live & Learn - Live & Learn ★★★ (2020-01-05 23:29:44)

そっけないプロダクションに、重たげに刻まれるリフ&リズム等、
80年代のVIXENとは趣を異する仕上がりですが、Voが歌う
憂いを帯びたメロディに、キレのあるジャンのGプレイ、
哀愁度を高めるボーカル・ハーモニー等、これはこれで全然あり!と
膝を打たずにはいられない魅力の備わったアルバム表題曲。


VIXEN - Rev It Up ★★ (2016-11-21 00:11:55)

女性メンバーのみで結成された本格派HRバンドとして注目を集め、セルフ・タイトルのデビュー作をスマッシュ・ヒットさせたVIXENが、'90年に発表した2ndアルバム。
有名プロデューサーの起用から、売れっ子ソングライター陣による楽曲提供まで、メジャー・レーベルの水も漏らさぬバックアップ体制の下、「売れるべくして売れた」といった感じだった1st『VIXEN』に対し、今作ではメンバー自身が手掛けた楽曲の収録比率UP。また共同プロデュースにもチャレンジする等、バンドとしての一体感と自立の姿勢をより明確に表した仕上がりとなっています。
強力なフックと高いヒット・ポテンシャルを擁する②(PVも制作された)を除くと、流石に個々の楽曲が放つインパクトは前作に今一歩及びませんが、代わりに今回は総合力で勝負。エッジを効かせて本編OPを飾るロン・キールとの共作曲①、物悲しくも美しいバラード③、心地良く疾走する⑤等、外部ライターに丸投げするのではなく、メンバーも曲作りに積極的に関与してこのクオリティを保っているんですから、大したものですよ。アルバムの中でもお気に入り度の高い、キャッチー⑥みたいな楽曲を彼女達が独力で書き上げているのも、今後の更なる成長を予感させて頼もしい限り。
…と思ったら、これを最後にバンドは活動を停止してしまう。やはり時期が悪過ぎたのかなぁ。今は再結成しているんでしたっけ?


VIXEN - Rev It Up - How Much Love ★★★ (2016-11-22 00:46:00)

キャッチーでフック満載な、腕利きソングライターの
プロの仕事が味わえるハードポップ・ナンバー。
それをしっかりと表現できる、メンバーの優れた
ミュージシャン・シップも堪能できる名曲です。


VIXEN - Vixen ★★ (2016-08-01 00:39:09)

メジャー・レーベルが満を持して送り込んで来た、女性メンバーのみで構成される本格派HRバンドとして人気と評判を集めたVIXEN、'88年発表の1stアルバム。
ゴリゴリのメタル・ゴッデス路線でも、過剰なお色気路線でも、ましてやTHE GREAT KAT様のような色物路線でもない、洗練された見目麗しいルックス、ミュージシャンとしての確かな実力、それに親しみ易いキャッチーな楽曲と、万人にアピールする華やかな雰囲気を身に纏っているのが流石はメジャー仕様。
尤も、あまりに優等生的というか、お膳立てが整い過ぎている点に逆に引っかかってしまい、当初はイマイチ乗りきれなかったんだよな…と。しかし、ラジオだったかテレビだったかで耳目に触れたスマッシュ・ヒット・ナンバー①(全米シングル・チャート最高26位)に惹かれてアルバムを購入してみれば、パンチの弱さはやはり感じつつも、哀愁漂わす③、80年代トレンディドラマの主題歌みたいな⑧、ハードにロックしているドライヴ感溢れる⑪等、己のつまらん偏見がどーでも良くなるぐらい収録楽曲の出来が良かったという。そんなわけで、その後はすっかりファンになってしまい、メタル好きの同級生と「ロキシー・ペトルーシ(Ds)を《美人メンバー》の枠内に含めるか否か」で熾烈な論戦を戦わせたっけなぁ(アホ)、と懐かしく思い出した次第。
昔は漫然と聴き流してしまいましたが、実はデビュー作以上に収録曲の質が高いと評判の2nd『REV IT UP』も、改めて聴き直してみよう。


VIXEN - Vixen - Cryin' ★★★ (2016-08-01 22:03:39)

フック満載の哀メロに胸打たれる
アルバム前半を山となるポップ・チューン。
個人的にはヒット・シングルの
“EDGE OF A BROKEN HEART”より好きだったり。


VIXEN - Vixen - Love Made Me ★★★ (2016-08-01 21:58:16)

80年代に大映ドラマの主題歌に採用されていても
おかしくなさそうな、高いヒット・ポテンシャルを感じさせてくれる名曲。
個人的にはアルバムのハイライトでした。


VOLCANO - Davi ★★ (2008-07-21 00:44:00)

メロディック・デス・メタル的なブルータリティや、畳み掛けるような疾走感が薄れ、よりメロディアスで
グルーヴィなノリが打ち出された作風が、ファンの間で賛否両論を呼んだ、'01年発表の2ndアルバム。
とは言え、スピード・ナンバーがなくなってしまったわけではなく、アルバムの幕開けを飾るに相応しい荒々しさを
備えた①、本編のハイライト・チューンと言っても過言ではない⑥、ラストを激烈に締め括る⑫辺りは、疾走感と
煽情力抜群のメロディが見事に組み合わった流石の出来栄えで、前作『VIOLENT』を気に入ったファンなら
必ずやガッツポーズを取るであろうカッコ良さを誇っているし、何より、このバンドの生命線とでも言うべき
「メロディの魅力」は、衰えるどころか、ここにきて益々その威力を増しているとの印象を受ける。
特に、元VOW WOWの厚見礼衣(Key)がゲスト参加している⑤や、MI-KEの名曲“思い出の九十九里浜"のフレーズを
取り入れた⑦といった、より普遍的なハードロック路線へと接近を果たした、メロディアスな楽曲で炸裂する
演歌や歌謡曲ばりの、強烈な哀愁を伴ったメロディの破壊力には並々ならぬモノがあり、最早、泣きメロというよりも
「クサメロ」と表現すべき、その毒ガス兵器並の臭気に、メロディ愛好家は悶絶必至かと。
まぁ、こうしたベタなノリがダメという人も多いだろうし、ヘヴィネスを強調しようとするあまり、妙に窮屈に
なってしまったサウンド・プロダクションにも難が有る。何より、即効性という点に於いて前作に大きく劣るというのが
正直なところだったりするのだが、ともあれ、個人的には結構お気に入りだったりする1枚。


VOLCANO - Davi - Child Eyes ★★ (2008-07-27 18:32:59)

泣きメロを通り越した、歌謡曲的とも言える
クサメロが炸裂する1曲。
このクサさは、ダメな人はダメなノリだろうが、
個人的には2ndアルバムの中でも最も愛して止まない名曲の1つ。


VOLCANO - Die Hard - No Way Man ★★ (2008-07-27 18:41:13)

なぜか“思い出の九十九里浜"のメロディが
ワンフレーズ奏でられる、メロディアスなHMナンバー。
しかも違和感が殆どないのが凄い。


VOLCANO - Irregular ★★★ (2018-03-14 22:54:46)

屍忌蛇(G)には『STAND PROUD!~ALL FOR HEAVY METAL』と『DUAL WORLD』に続く3枚目、VOLCANOにとっては初めてとなるカヴァー曲集。
選曲には全メンバーが平等に関与していますが、畑違いのアーティストやマニアックなバンドの楽曲等はチョイスされておらず(SILVER MOUNTAINが有名かどうかはさておき)、HR/HMファンなら一度は聴いたことがあるであろう王道を行く名曲の数々を、奇を衒うことなく真正面から堂々カヴァーするスタイルは、『STAND~』『DUAL~』に通じるものがあります。新人バンドがそんな真似しようもんなら「カラオケかよ」と失笑を買いそうなところですけども、そこは百戦錬磨のVOLCANO。慟哭のGから煮え滾る灼熱Vo、鋼の如き屈曲なリズム隊まで、メンバー全員のキャラが立ちまくりのため、変にヒネらずとも普段通りに振舞うだけで元曲を自分たち色に染め変えられてしまうのですから流石ですよ。
演ればハマるだろうなぁと思いましたし、実際ドハマりしているKROKUSの③、FLATBACKERの⑥、OVERKILLの⑦といったところや、劇画の画風でキラキラなノリの少女漫画を描いてみたようなミスマッチ感が逆に楽しいNIGHT RANGERの④、MOTLEY CRUEの⑩辺りも秀逸な出来栄えを提示していますが、個人的に本編のハイライトは⑨で決まり。スラッシュ・メタルばりのアグレッションと、持ち前のメロディ・センスとが劇的な化学反応を起こした初期Xの名曲で、オリジナル・バージョンは今聴くと線の細さが微笑ましいですが、それをパワフルに蘇らせた好カヴァーではないかと。
この調子で第2弾、第3弾とシリーズ化に期待したくなる好盤です。


VOLCANO - Juggernaut ★★★ (2016-09-04 09:05:43)

あのVOLCANOから、たったの1年のインターバルで届けられた新作。俄かには信じられず、店頭で手に取った時は「本当に新作か?」と、思わず慎重にチェックしてしまいましたよ(失礼な)。
これまでOPには必ず名曲を配して来た彼らゆえ、今回も勇壮なインスト序曲①に続き、激情を叩きつけるかのようなNOVの歌声、金属質なリズムをソリッドに鍛造するAKIRAとSHUNのリズム隊、そしてクッサクサの泣きメロを縦横無尽にお見舞いしてくる屍忌蛇のGプレイとが、熱く激しく燃え盛るスピード・ナンバー②で、早くも基本的音楽性に変わりがないことをアピール。
一方で、ひと際メロディックな仕上がりを聴かせる④⑤といった楽曲に顕著に表れている通り、オーセンティックなHM成分もここに来て益々の高まりをみせています。屍忌蛇の紡ぐ泣きメロが「慟哭」を通り越して、時に「昭和歌謡」の領域に突入せんとする勢いなことと併せて、モノによってはANIMETALを聴いているような感覚に陥る場面もチラホラ。なので、かつての「歌えるシンガーを擁したメロデス・バンド」的ストロング・スタイルに愛着を覚える向きには評価が多少揺れる可能性も有り。昭和度の高い哀愁と、ヒロイックな曲調がベスト・マッチをみた⑦みたいな名曲を聴けば、個人的には「ばっち来い!」ってなもんですが。
バラード⑪で本編が締め括られるため、聴後感が妙に厳かな点(「ライブの最後の曲がバラードでした」的な)が引っ掛かるものの、楽曲自体はアルバムのハイライトの一つと言うべき劇的さ。この普遍的正統派HM性を増した構成も、今後のバンドの進路を示唆しているのかな…とか思ったり。


VOLCANO - Juggernaut - Blood Soldier ★★★ (2016-09-04 22:53:03)

叙情的なイントロを“JET TO JET”風のGリフが切り裂く疾走ナンバー。
Gソロ含めて、触れれば火傷しそうな哀愁が渦を巻いていて、
さながら昭和ロボットアニメの主題歌の如し。
流麗に奏でられるピアノの旋律もナイスなアクセントになっています。


VOLCANO - Leviathan ★★★ (2017-08-29 23:28:13)

アルバムとアルバムの発表サイクルがオリンピック級の気の長さだったVOLCANOですが、ここ数作で屍忌蛇(G)の創作意欲がブーストしたのか、何とまたしても僅か1年という普通に考えてもかなり短いインターバルでのリリースが実現した、’17年発表の6th。
マカロニ・ウェスタン風味満点の序曲①(軽快なメロディはジャンゴというよりジュリアーノ・ジェンマの『怒りの荒野』っぽい気が…ってのは別にどうでもいいのでさておき)にて幕が上がり、直後に続く、ハードコアな攻撃性と劇的な曲展開、ドロドロに融解した金属が如きNOVの激唱&屍忌蛇が奏でる慟哭のメロディとが一丸となって突っ走る②を聴き終えた時点で、多くの方が今回もVOLCANO節の健在ぶりを確信されたのではないかと。
初バラードに挑戦する等、オーセンティックな正統派HMへ接近した前作に対する反動なのか、本作はブルータリティ重視な作風に舵を切った印象で、ヴァースのメロディの希薄さを、サビからGソロへと至るパートの盛り上がりで強引に挽回しようとする楽曲もチラホラ。これは剛柔の対比を狙った「あえて」の曲構成なのか、それとも制作期間の短さに起因するアレンジの練り不足なのか?尤も、多少掴みに失敗したって屍忌蛇のGソロが走り始めさえすれば、それだけで楽曲の輝度は数倍にも跳ね上がるんですけどね。
従来作と比較すると、収録曲の出来に結構バラつきが感じられるものの、前述の②、独産パワー・メタル勢に通じるパワー・チューン⑦、正統派HMテイスト高めの⑪といった、Gソロと楽曲自体の魅力が化学反応を起こした文句なしの名曲を聴くと、やはり本作もこれまで同様、3つ星クラスの力作であることは疑いようがないわけで。


VOLCANO - Leviathan - Hate of Flames ★★★ (2017-08-31 00:54:14)

オーセンティックな正統派HM風味を漂わす疾走ナンバー。
屍忌蛇の泣きのGソロ以降、テンポアップして
メロディックに駆け抜ける後半戦は、
ジャーマン・パワー・メタルに通じるものがあるような、ないような。
個人的には初期BLIND GURARDIANをちょっぴり思い出した。


VOLCANO - Leviathan - The Way of the Serpent ★★★ (2017-08-31 00:50:34)

ハードコア風味すら感じさせるストレートに押しまくるヴァースと
ライブでは大合唱を巻き起こしそうな勇壮にしてエピカルな
サビメロの対比もドラマティックなOPナンバーにして
早くもアルバムのクライマックスを飾る名曲。
こんなん聴かされてしまったら、そりゃアルバムの完成度の高さを
確信しますわな。


VOLCANO - Leviathan - Wasteland the Wind ★★★ (2017-08-31 00:58:43)

前作『MELT』の作風を受け継いで、濃厚な正統派HMテイストを
振り撒きながら本編ラストを締め括るスピード・ナンバー。
メタル魂を燃え上がらせるNOVのシャウトと、
全編に亘って歌いまくる屍忌蛇のGがやはり素晴らしい。


VOLCANO - Melt ★★★ (2015-09-26 01:21:10)

'15年発表の4thアルバム。前作から4年のブランクと相変わらずの寡作バンドっぷりですが、今回はその間に屍忌蛇のソロ作『DUAL WROLD』のリリースが挟まっていたこともあり、然程待たされた気はしなかったかな?と。
ともあれクオリティに関しては、アルバムの幕開けをドラマティックに飾る「軍歌メタル」とでも評したくなる①が始まった瞬間に安心できることをお約束致します。
金属的色艶と激情の迸りを兼ね備えたNOVの特徴的なVoも、硬質なサウンドを下支えするリズム隊のタイトさも、そして何より堰を切ったように泣きが溢れ出す屍忌蛇のGプレイも相変わらず絶好調。
初期の頃は、やや安直というか、型にハマった泣きメロの組み立てが時にチープに響く場面が無きにしも非ずだったのですが、今や熱き血潮通う慟哭のメロディにその気配は皆無。有名曲のフレーズを引用したりするANIMETAL的手癖もスッパリと断ち切った屍忌蛇のGワークは、完全に彼独自の世界を構築していますよ。
特に、スピーディ且つアグレッシブに畳み掛けるスラッシーな曲調を突いて、サビメロとインスト・パートでは猛烈な泣きが大噴出するという、VOLACANO必勝パターンが敷かれた②③と、涙腺を決壊させるべく哀愁が渦を巻く劇的な④、そして撒き散らされる悲壮感が胸を突き刺すパワー・メタル・メドレー⑩⑪(亡き友人に捧げられているのだとか)は、完膚なきまでにこちらのハート鷲掴んでくれるアルバムのハイライト。
・・・と、どうにか感想を捻り出してみたのですが、ほぼ毎日のように聴いていても、毎度「うーむ、カッコイイ」と聴き惚れてる内に本編が終わってしまうので、あまり書くことが思い浮かばないというのが実際のところ。とりあえず「デビュー作以来の傑作」との評価をもって本文を締め括りたいと思います。


VOLCANO - Mythology ★★★ (2011-04-07 22:58:45)

アニメ番組の劇中歌を手掛けたり、特撮ヒーロー物のトリビュート・アルバムを作ったりと、近年は課外活動に勤しんでいた屍忌蛇(G)率いるVOLCANOが久々に発表した3rdアルバム。
2nd『DAVI』のリリースからかなり間が空いてしまったが(EP『VIPER'S PATH』の発表すら'05年だ)、スラッシュ・メタルや北欧メロデスを彷彿とさせるスピーディでブルータルなリズムの上で、金属的色艶と硬質感を湛えたNOVの歌声と、エモーショナルに咽び泣く屍忌蛇のGとが渦を巻く、唯一無二のVOLCANO流HMサウンドは不変。流石にデビュー作『VIOLENT』程のインパクトはないものの、妙に窮屈に感じられた『DAVI』よりはずっとキャッチーで、肩の力が抜けた聴き易い仕上がり。
ピアノによる流麗なイントロから爆発的な疾走へと転じるOPナンバー①や、その勢いをバイオレントに受け継ぐ②、アコギを有用しドラマティックな緩急が演出された⑥、メロパワ風味漂う⑨、悶絶モノのGソロと共に疾走するラスト・ナンバー⑩等は、多くのファンが聴きながら握り拳固める姿が目に浮かぶようなカッコ良さ。
屍忌蛇が作り出す泣きメロは時に歌謡曲的なベタさを発散するため、この辺は好き嫌いが分かれるところかもしれないが、個人的にはストロングな楽曲とドメスティックなクサメロのギャップもこのバンドの魅力の一つと捉えているので無問題。濃厚な哀愁を漂わせつつ劇的に展開していく⑤なんてアルバムのハイライトに推したいぐらいの名曲ですよ。
そんなわけで、ファンの期待に見事に応えた1枚だと思う。ただ、サウンド・プロダクションはこれで良かったの?


VOLCANO - Violent ★★ (2008-07-16 23:01:00)

GAGOYLEやANIMETLでの活動で知られるギタリスト、屍忌蛇率いる4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンド
VOLCANOが'99年に発表した、衝撃の1stアルバム。
重厚且つ攻撃的に刻まれるGリフといい、時にブラスト・ビートを織り交ぜつつ、畳み掛けるように疾走するリズムといい、
バックの演奏は完全にメロディック・デス・メタル風味なのに、その上に乗っかるVoはしっかりとメロディを歌っているという、
それまで、ありそうでなかった音楽スタイルを提示して好評を博した(プロデュースを担当したフレドリック・ノルドストロームが
プライベートでも聴きまくっていたという逸話あり。そういった関係でか、フレドリックがライナーにも寄稿している)本作。
その最大の魅力は、何といっても煽情力抜群のメロディで、金属的な感触の声質を活かし、メロディアスに歌っても
決して軟弱にならないNOVのVoも素晴しいが、白眉はやはり、本編の至る所で泣きメロを炸裂させまくる屍忌蛇のGプレイ。
その猛烈な泣きっぷりは、時に歌謡曲や演歌のフィールドにまで踏み込まんとする勢いで、あまりのベタさに
「ストロングな楽曲と水と油」「逆に楽曲の完成度を下げてしまっている」との批判もあるようなれど、なんのなんの。
パワー/スピード/メロディを兼ね備えて、ドラマティックに突っ走る②③⑧⑩、名キーボーディスト三柴聡が参加する
耽美的な雰囲気を漂わせた⑤、血の涙を流す慟哭のヘヴィ・バラード⑦といった楽曲は、このバンドならではの魅力に満ち溢れた名曲でしょう。
今聴くと、BULLET FOR MY VALENTINEやAVENGED SEVENFOLDのサウンド・スタイルを先取りしていたようにも感じられる
(気のせいか?)、ハードコアな要素と伝統的HMサウンド、そして強力な泣きメロが見事に融合を果たした名盤。


VOLCANO - Violent - Devil-may-care-boy ★★★ (2008-07-27 18:29:31)

ブラスト・ビートをフィーチュアして突っ走る、
本編最速の激烈疾走ナンバー。
それでいて、このバンドならではのメロディの魅力に
満ち溢れている点も、高評価ポイント。


VOLCANO - Violent - Kill All Of Me ★★★ (2008-07-27 18:27:36)

猛々しいGリフ、畳み掛けるようなデス・メタリックな疾走感、
泣きまくりのメロディ、ダイナミックな曲展開、
いずれのカッコ良さもずば抜けているが、個人的には
NOVの歌う、憂いに満ち、かつ勇壮な(いわゆる挽歌チックな)
歌メロにグッときました。


VOLFEED ★★ (2008-05-20 18:32:00)

いましたね~、BLUE STEALER。
個人的には、リーダーの古井善次がCRYSTAL CLEARのDsらと結成した、
よりVOLFEEDに近い様式美HMサウンドが堪能できるバンド、
MOON STRUCKも結構好きでした。


VOLFEED - MAJESTY ★★ (2008-05-20 18:23:00)

優れた様式美HMバンドの産地として知られる関西出身で、女性VoとKeyを擁する5人組HMバンドが、
'94年に自主制作して発表した(後にMANDRAKE ROOT RECODSからリマスター化されて再発)4曲入りデビューEP。
赤尾和重似のパワフルな歌声を聴かせる女性Vo、GとKeyにそれぞれ見せ場を用意した、スピーディ且つ劇的な曲展開・・・と、
もろTERRA ROSAからの影響を感じさせる、コテコテ(笑)の様式美HMサウンドが展開される作品で、オリジナリティという点に
ついては疑問符が付くものの、そのクオリティは間違いなく高い。(たった4曲では物足りなさが残るけどね)
特に、本編の最初と最後を飾るお約束のスピード・チューン①④は、コブシの効いた歌メロといい、ツボを押さえた
プレイを披露してくれるGとKeyといい、まさにジャパニーズ様式美HMの王道を行く仕上がりなので、様式美HMファンは要チェックかと。
バンドは本作1枚のみを残して解散してしまうわけだが、リーダーの古井善次(B)は、CRYSTAL CLEARのメンバーらと
MOON STRUCKを、Voの山本朋子はZENITHのメンバーらとBLUE STEALERを結成と、その後もハイオクオリティな
様式美HMサウンドを追求しているので、興味を持たれた方は、是非、そちらのバンドの音源もお試しあれ。


VOLFEED - MAJESTY - DREAMSLAVE ★★ (2008-05-20 18:27:44)

絵に描いたような、ジャパニーズ様式美HMサウンドの
王道を行く、お約束且つコテコテのスピード・ナンバー。
好き者にはたまらない名曲です。


VOW WOW - Beat of Metal Motion ★★★ (2011-11-07 22:30:32)

BOW WOW改めVOW WOWが'84年に発表したデビュー作。
曲作りにおいてイニシアチブを握るの山本恭司(G)で、バンドの屋台骨をソリッドに支えるのは佐野賢二(B)と新見俊宏(Ds)のリズム隊、ついでに一部楽曲は日本語詞で歌われている等、音楽的な方向性自体はBOW WOW時代(名盤『ASIAN VOLCANO』辺り)とほぼ同一なのに、にも関わらずサウンドのスケール感が以前より一回りも二回りも大きく感じられるのは、新メンバーの人見元基(Vo)と厚見玲衣(Key)の存在がモノを言っているからに他ならない。(・・・多分)
殊にBOW WOWとVOW WOWの差別化という点において、プログレ・ハード・バンドMOONDANCER出身という、厚見の壮麗にしてドラマティックなKeyプレイが果たした貢献は大きく、その加入効果は名曲揃いの頭3曲から早くも覿面に表れている。
そして勿論、本作(というかこのバンド自体)を語る上で欠かす事の出来ない、人見元基のパワーと表現力兼備の日本人離れした歌声も強力だ。特に、彼のVoと山本のGが猛烈に咽び泣く“SLEEPING IN A DREAMHOUSE”は、これ以降完璧に脱臭されていく歌謡曲の残り香も感じられる劇的なバラードの逸品で、この名曲をクライマックスに据え、OPナンバー“BREAK DOWN”からラス曲“BEAT OF METAL EMOTION”まで捨て曲一切なしの本作こそ、個人的にはVOW WOWのカタログの中でも最も愛して止まない1枚だったり。


VOW WOW - Cyclone ★★ (2011-11-08 23:04:08)

個人的に、この2ndアルバム('85年)に今ひとつ地味な印象が付き纏うのは、我が愛するデビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と、ファン人気が特に高い名盤『Ⅲ』との間に挟まれている時期的な問題以外にも、例えばバラードの小曲“NEED YOUR LOVE”とインスト曲“ECLIPSE”からメドレー形式で繋がって行く“SIREN SONG”が、ストレートなロックンロール・ナンバーで肩透かしを食わせられる事に象徴されるよう、VOW WOWのカタログの中にあってドラマ性や叙情性が控え気味な、どちらかと言えばアメリカンな色合いが強く打ち出された作風も影響しているのかな?と。
尤も、歌詞が全曲英詞で統一され、前作に僅かに残っていたドメスティック臭が一掃された本作は「事前の耳打ちなしで聴いたらまず日本のバンドとは思わない」、VOW WOW独特のバタ臭い個性がしっかと確立された重要な1枚であり、決して退屈な内容と言うわけではない。
インストの小曲を経てスタートする、アグレッシブで切れ味の鋭いバンドの代表曲“HURRICANE”や、人見元基のソウルフルな熱唱が映える“LOVE WALKS”、重厚にして豪快な“ROCK YOUR CRADLE”、大陸的な乾いた哀愁漂わすバラード“YOU KNOW WHAT I MEAN”は、このバンドならではの魅力が如何なく発揮された名曲ですね。


VOW WOW - Hard Rock Night ★★★ (2017-06-06 23:38:02)

VOW WOWが唯一残した公式実況録音盤。3rd『Ⅲ』発表後に行われた国内ツアーの中から、中野サンプラザ公演の模様を収録。レコード、カセット、CD、VHS、いずれの媒体でも収録曲が異なるというファン泣かせの仕様でも知られる1枚。この後、B時代からバンドの屋台骨を支え続けたオリジナル・メンバーの佐野賢二(B)が脱退し、VOW WOWは拠点をイギリスへ移して活動していくこととなったため、初期の彼らを総括するベスト盤的役割も果たしています。
内容については、そりゃ名曲を山ほど抱えているバンドゆえ、選曲についての不満はどうしたって付いて回ります。特にVHS版には入っていた名曲中の名曲“SHOCK WAVE”がこっちではオミットされてしまっているのは悲し過ぎる…。MCや観客との掛け合いが殆どフィーチュアされていない等、個人的な好みで言えば、余り積極的に聴くタイプのライブ盤ではないのですが。それでも、矢継ぎ早に繰り出される名曲・代表曲の数々が放つカッコ良さには痺れざるを得ないわけで。何より人見元基の魂を燃焼させるかの如き絶唱、山本恭司入魂のGプレイ、厚見玲衣の壮麗なKeyワーク、重厚且つドラマティックにボトムを支える佐野賢二&新美俊宏のリズム隊…と、スタジオ・バージョンを軽く凌駕する迫力とエモーションの迸りでそれら名曲の数々を再構築してみせるバンドのミュージシャン・シップの高さ、プロフェッショナリズムには聴く度に敬服を新たにさせられる次第。
いつの日か、VHSやCDの音源を合体させた「完全版」がリリースされることを願って止みません。


VOW WOW - III ★★★ (2011-11-10 22:46:40)

印象的なKeyリフを纏ってシャープに疾走する“SHOT IN THE DARK”と、国産HR/HM系バラードの最高峰と評すべき逸品“SHOCK WAVES”という二つの名曲を収録し、ファンからも「HMバンド」VOW WOWの代表作として高い人気を誇る'86年発表の3rdアルバム。
アメリカンな色合いが強く打ち出されていた前作『CYCLONE』に比べ、メロディの湿り気やドラマ性といったブリティッシュ・テイスト(日本のバンドですが・・・)の大幅回復が図られた本作には、曲名通りのアーバンで洗練された雰囲気が心地良い“NIGHTLESS CITY”や、哀愁のHRナンバー“SIGN OF THE TIMES”、劇的にラストを締め括るバラード“PAINS OF LOVE”といった優れた楽曲が顔を揃えているわけですが、やはり何と言ってもトドメとなるのは、“SHOT IN THE DARK”と“SHOCK WAVES”という超ド級の名曲の存在。
特に、壮絶に泣きまくるG、魂を燃焼させるような絶唱を振り絞るVo、全編を壮麗且つ悲壮に彩るKey、そして熱く激しく脈動するリズム隊とが一体となって、呼吸困難を催さんばかりの息苦しい盛り上がりを演出する“SHOCK~”は、何度聴いても涙ちょちょ切れる至高の逸品。
未だこの名曲を聴いた事がないHR/HMリスナーは、確実にミュージックライフで大損ぶっこいてますよ!


VOW WOW - III - Shock Waves ★★★ (2006-03-11 02:44:31)

人見元基の壮絶なる歌唱、厚見玲衣の切ないピアノの音色、新美俊宏の劇的なドラム、そして咽び泣く山本恭司のギター・・・
聴く度に胸をエグられ、心臓を鷲掴みにされる、涙なくして聴けぬ慟哭の名バラード。


VOW WOW - Mountain Top ★★ (2011-11-16 22:40:24)

LAに拠点を移したVOW WOWが、ニール・マーレイの後任Bとしてマーク・グールドを、プロデューサーに巨匠ボブ・エズリンをそれぞれ起用してレコーディング作業を行い、'90年に発表した6thアルバム。
アメリカ・マーケットへの進出を念頭に置いて制作されたというだけあって、共作者にはマーク・スローターらが名前を並べ、前作『VIBE』に比べるとメロディよりもアメリカン・メタル風味の豪快さが強調された内容に仕上がっている一方、あれもこれもと詰め込み過ぎた結果、長大に膨れ上がってしまった本編は通して聴くと散漫な印象が無きにしも非ず・・・といったところなのだが、こうして久々に接し直してみると、1曲1曲の完成度の高さには「流石VOW WOW」と唸らされるモノがありました。
壮大なコーラスに圧倒される“MOUTAIN TOP”や、モダンでファッショナブルな“SPEED”、渋い泣きっぷりが絶品の“LOVE SOMEONE”と洗練された“I WANT YOU”というタイプの異なるバラード2曲、それにキャッチーな先行シングル曲“TELL ME”(この曲は英国で録音され、Bもニール・マーレイが担当している)といった楽曲は、このバンドにしか作り得ない存在感を放つ。
それだけに、本作を最後に解散してしまった事が惜しまれます。(近年、再始動の動きも見られますが)


VOW WOW - Revive ★★ (2018-02-15 23:12:39)

'87年発表の4th『V』の中から4曲に、ゲイリー・ムーアやCHEAP TRICKとの仕事で知られるエンジニア、イアン・テイラーの手によるミックスを施し同年クリスマスに発表されたミニ・アルバム。ちなみにリーダー・トラックであるジョン・ウェット提供の名曲“DON’T LEAVE ME NOW”はロング・バージョンとリミックス・バージョンの2種を、“DON’T TELL ME LIE”はロング・バージョンを、“CRY NO MORE”と“BREAK OUT”はリミックス・バージョンをそれぞれ収録する全5曲構成。
楽曲の素晴らしさに関してはアルバム『V』の項目をご参照頂くとして、本作と『V』を熱心に聴き比べたことがないため、イントロからして明らかに変わっている“DON’T LEAVE~”以外は、アルバム・バージョンとの差異は正直「分かったような分からないような」レベルの不届き者なのですが、とりあえず全体的に厚見玲衣のKeyサウンドが前面に出て、よりゴージャス感を強調した音作りが目指されていることは流石に伝わりました。逆に今聴くと80年代然としたプロダクションに時代を感じてしまう気も…いやいや。この辺は聴く人の趣味嗜好の問題でしょう。
いわゆる「ファン・アイテム」であり、既に『V』を持ってる人がわざわざ購入する必要がある作品かどうかは微妙なところですが、優れた楽曲を超人揃いのメンバーが全力でパフォームしているのですから、質の高さは保証できる1枚なのは間違いありません。


VOW WOW - V ★★★ (2011-11-12 19:55:41)

'86年リリースのライブ盤『HARD ROCK NIGHT』を一区切りとして、レディング・フェスティバル参戦を含む本格的な英国進出、オリジナル・メンバー佐野賢二(B)の脱退とニール・マーレイの加入等、激動の時代を迎えていたVOW WOWが'87年に発表した4thフル・アルバム。
“SHOT IN THE DARK”の如きヘヴィ・メタリックな疾走ナンバーや“SHOCK WAVES”級の超名曲が見当たらない代わりに、収録各曲のメロディやアレンジはこれまで以上に丹念に練り込まれ、粒が揃った本編は前作『Ⅲ』を大きく凌駕するクオリティの高さ。
スリリングに切り込んで来る“SOMEWHERE IN THE NIGHT”や、哀愁に満ちた“THE GIRL IN RED”、猛烈に泣かせに掛かる劇的なバラード“CRY NO MORE”といった「これぞメガロック!」な楽曲で堪能出来る、各メンバーの硬軟自在のパフォーマンスは相変わらずの見事さですが、今回、特にその良い仕事っぷりが光るのは厚見玲衣のKeyワークで、彼の流麗にして華やかな演奏は楽曲の叙情性とドラマ性底上げに大きく貢献。中でもUKチャートにおいても好リアクションを得たという先行シングル曲“DON'T LEAVE ME NOW”はその筆頭に挙げられる名曲。ジョン・ウェットンが作詞とプロデュースを手掛けているだけあって、どこかASIA的な響きを持つキャッチーな哀メロが心地良いったら。アルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか。
個人的には、デビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と並んでVOW WOWの最高傑作に推したい1枚ですね。


VOW WOW - Vibe ★★★ (2011-11-15 22:32:55)

'88年リリースの5thアルバム。
判り易い疾走ナンバーが姿を消し、ミッド・テンポの楽曲主体でまとめられた本編を初めて聴いた時は「随分マッタリとしちゃったなぁ」と思ったものですが、よくよく聴き込めば、多少地味な楽曲にも必ず耳を捉えるフックが仕掛けられており、総合的な完成度の高さでは傑作だった前作『Ⅴ』にも全く引けを取らない出来栄え。
特に、魂揺さぶる人見元基の熱唱と、山本恭司の濃厚なエモーション背負ったG、厚見玲衣の壮麗なるKeyワークが、新見俊宏&ニール・マーレイが叩き出す山あり谷ありの劇的なリズムに乗ってドラマティックに展開していく“FADE AWAY”は、かの“SHOCK WAVES”と同種の感動を味わわせてくれるVOW WOW屈指の名曲です。
また、哀愁を湛えて歌う山本のGが涙腺に沁みる“I FEEL THE POWER”、タメの効いた泣きの叙情バラード“THE BOY”、キャッチーなポップ・メタル・ソング“ROCK ME NOW”、思わず踊りたくなるスウィンギンな“TALKIN'BOUT YOU”辺りは、楽曲の完成度の高さと、益々円熟味を増したメンバーのパフォーマンスとが相俟って、実に胸に残る逸品に仕上がっている。
個人的には、VOW WOWのカタログの中では本作と前作『V』、それに1st『BEAT OF METAL EMOTION』がアルバム・ベスト3かな。


VOW WOW - Vibe - Fade Away ★★★ (2006-04-03 23:06:54)

厚見玲衣の華麗で劇的でスリリングなキーボード・プレイが、曲の完成度を数段引き上げていると思う。
“SHOCK WAVE"と同等の感動が味わえる、文句なしの超名曲。
勿論、胸締め付ける壮絶な歌唱を聴かせるVo、涙腺刺激しまくりのG、
味わい深いリズム叩き出すDs、黙々と脇に徹するBの素晴しい仕事っぷりは言わずもがな。


VULTURE (2018-02-26 22:54:34)

元々はブラック・メタル・バンドで活動していたS・ジェノサイダー(G)とA・アックスティンクター(B)が中心となり、「MERCYFUL FATE/KING DIAMONDの雰囲気にベイエリア・スラッシュとカナダのスピード・メタルの速さを加えてスピード・アップしたJUDAS PRIEST」的なサウンドを追求すべく、‘15年にドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にて結成。
JUDAS PRIESTの“RAPID FIRE”のカヴァーを収録したデモや、HIGH ROLLER RECORDSとディールを交わして制作されたEP、シングル盤がマニアの間で評判を呼んだことから、'17年に1st『THE GUILLOTINE』でアルバム・デビューを飾った。


VULTURE - The Guillotine ★★★ (2018-02-26 22:55:46)

レザー&スタッドで全身を固めたメンバーの出で立ちも頼もしいドイツの4人組が、'17年にHIGH ROLLER RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
ジャッロ映画風イントロでスタートを切る本編にて炸裂するのは、ツインGを切り込み隊長役に荒々しく突っ走る、スラッシュ・メタルと呼ぶにはメロディアスで、正統派HMで括るにはアグレッシブ過ぎる、まさに「スピード・メタル」なる形容が打ってつけのサウンド。Voもハイトーンで終始テンション高くシャウトしまくっていますが、例えばロブ・ハルフォードみたいな表現力の深みや中音域の魅力は皆無で、ひたすら壊れた蛇口よろしく「出しっ放し」「漏れっ放し」なバカ度高めのハイトーン・スタイルな辺りも、EXCITERやAGENT STEELの系譜に連なるこの手のサウンドにマッチしているという。
近年だと同系統のバンドとしてはEVIL INVADERSが思い出されますが、現代っ子バンドらしいキレキレな演奏力が、鋭利なカミソリの刃の如きスタイリッシュなカッコ良さを際立たせているあちらに比べ、技術よりも気持ちが先走った、前のめりなドタバタ感溢れる本作はより濃厚に80年代風味を背負っていて、DEEP PURPLEの名曲“嵐の使者”のブチ壊しカヴァー⑩もそんなバンドの特性が強く出ているのではないかと。正直、嫌いじゃないです。
そんなわけで他人には薦め辛くとも、個人的には非常にツボな1枚。同郷の先輩バンドVECTOM(知ってます?)に通じるスピード・メタル・サウンドにほっこりさせられましたよ。特に映画『ローズマリーの赤ちゃん』のメイン・テーマを引用して、2本のGが派手にハモり倒しながら疾走する⑤はメタル魂にボッと火を点される名曲ではないでしょうか。


VULTURE - The Guillotine - Adrian's Cradle ★★★ (2018-02-27 23:54:25)

不気味なイントロで聴き手を十分に焦らしてから激走開始。
ドカスカと強引に突進するリズムに乗っかって、
ハイトーンVoが喚き倒し、ツインGが荒れ狂うという
B級スピード・メタルかくあるべし!な名曲。
(人によっては迷曲か)
禁止薬物を使用したIRON MAIDEN的感触もあり。


VYPERA - Eat Your Heart out ★★★ (2022-11-03 01:52:14)

スウェーデンから登場した若き5人組、VYPERAがFRONTIERS RECORDSと契約を交わして’22年に発表したデビュー作。
メンバー曰く、本作に託されているのは「W.A.S.P.とTRIUMPHとDIOから受けた影響を独自のセンスでまとめたサウンド」とのこと。なるほどな…って、その例えだと一体どんな音楽性なのかさっぱり分からんのですが、流れ出すのはメタリックなエッジをしっかりと効かせつつ、透明感を帯びた哀メロが印象的に踊る古き良き北欧メタル・スタイルを踏襲するサウンドだったのでホッと一安心。
ただ、音楽雑誌のレビューでは90点台の高得点を獲得していましたが、それを全面的に信じてしまうと肩透かしを食らう可能性もある内容ではないかなと。それよりも個人的には、やや甘さの残る歌とテクニカルなギターの「G高Vo低」(低というほど下手じゃないか)な取り合わせとか、粗削りなプロダクションに未洗練な曲展開とか、もしこれが90年代に発表されていたなら日本盤は確実にゼロ・コーポレーションから発売されていたに違いない!ってな仕上がりっぷりの方にグッとそそられた次第で。
印象的なギター・フレーズを散りばめて疾走する⑤や、一転してエモーショナルに聴かせるバラード⑥、威勢の良い曲調と哀愁のメロディのメリハリの効いた取り合わせが秀逸な⑦等、とりわけ耳を捉える楽曲が連続する中盤の盛り上がりが白眉。曲によっては同郷の先輩バンドPROUDのことを思い出したり思い出さなかったりという。
次作以降にも大いに期待の持てる1枚です。


VYPERA - Eat Your Heart out - Rock N' Roll ★★★ (2022-11-04 01:36:58)

こんなタイトルですが、緩いノリは皆無。
北欧らしい冷ややかさを纏ってタイトに疾走します。
要所要所でギターが差し込んでくるメロディが
また楽曲を美味しく盛り上げてくれます。


Vectom (2014-02-04 22:44:00)

'83年の結成から'93年の解散まで、10年間の活動期間を全速力で駆け抜けた、ドイツはバイエルン州インゴルシュタット出身の5人組スピード/スラッシュ・メタル・バンド。そのせいで情報が少ない少ない。
'85年にGAMA INTERNATIONALから1st『SPEED REVOLUSION』を、'86年にSCRATCHCORE RECORDSから2nd『RULES OF MYSTERY』をそれぞれ発表しており、これらのアルバムに託された、荒削りだが生き急ぐように突っ走る暴走サウンドは、マニア筋から評価が高い。
ところで、「VECTOM」ってどういう意味なんでしょうね?


Vectom - Rules of Mystery ★★ (2014-02-06 22:13:22)

デビュー作『SPEED REVOLUSION』のアートワークと間違い探し状態のジャケットでファンの混乱を誘った(?)、ドイツ・インゴルシュタット出身の4人組が'86年に発表した2ndアルバム。
チープだった音質が幾らか改善され、メロディアスに歌うべく努力するようになったシンガーが「ド下手」から「デビュー直後のカイ・ハンセン」クラスにまで何とかレベルUP(・・・レベルUP?)。またツインGも一層ドラマティックなフレーズを奏でるようになる等、前作に比べてかなりパワーメタル成分が強まりました。
反面、「スピード命!夜露死苦!」といった刹那的な疾走感が緩まってしまった点は痛し痒し。またデビュー作を繰り返し聴き込むうちに音痴なシンガーに耐性が出来てしまったので、半端に上達した本作での彼の歌唱に物足りなさを覚えてしまう始末。慣れってやつは恐ろしい・・・。
とはいえ、別に彼らのサウンドから前のめりな勢いが失われてしまったわけでないことは、アクセルを床まで踏み抜いて突っ走るOPナンバー①の激走っぷりからも明らか。ことにドライヴ感満点の演奏で楽曲の疾走感を高めるBの存在は本編の要で、③⑤⑧⑨といったスピード・ナンバーにおけるリード楽器ぶりには耳を奪われるもの有り。
個人的な好みでは前作に軍配を上げたいのですが、VECTOM入門編としては本作の方が適当なのかな、と。


Vectom - Rules of Mystery - Der Anfang / Prisoner's Back ★★★ (2014-02-06 22:26:36)

相変わらずスピーディではあるものの、
切迫感が薄まった曲調はパワー・メタル的。
ゆったりとハモるツインGもいかにも
「ジャーマン・メタル」といった趣きです。
メロディアスに歌おうとする(努力の跡は伺える)
Voの歌唱力も、リッキー・ヴァン・ヘルデン(ATTACK)
クラスまでには上達しました。
・・・これを「上達」と言っていいのかどうか分かりませんが。


Vectom - Speed Revolution ★★★ (2014-02-04 22:45:39)

KKKもどきのアートワークを頂く本デビュー作('85年)において、チープな音質のもと繰り広げられるのは、疾走疾走また疾走という、アルバム・タイトルを地で行くスピード・メタル・サウンド。
ガムシャラにブッ叩きまくるDs&激しくのた打つBが形成する性急なリズムに乗って、音程ガン無視のダミ声Voとヒステリックに切り込んでくる2本のGとが、何かに憑かれたように突っ走る様には、「やりたいことに実力は追いついてないけど、足りない分は気合と根性でカバー!」という、(この時代の)ジャーマン・メタル・スピリッツが濃厚に息衝いています。
破れかぶれな暴走を繰り返しながら、飽くまで根っこには正統派HMが植えられている楽曲は初期DEATHROWやS.D.I.なんかに近い印象ですが、良くも悪くもこのバンドを個性的な存在たらしめているのは、清々しいぐらいに音痴なVo。「まぁ楽器兼任ならこんなもんか」と思ってブックレット確認したら、まさかの専任シンガーで鼻水吹きましたよ。
自棄のヤンパチな疾走感が痛快な②⑧⑨、バンドの決意表明と言うべき⑤、パワー・メタリックな味わいも宿した⑥といったヘドバン・ソングを繰り返し聴いてる内に、こちとら「このVoでこそVECTOM!」とすっかり洗脳されてしまいましたが、初めての人が①を聴いたらズッコケること請け合い、か?
初期GRAVE DIGGERやドイツのWARRANT、あとANGEL DUST辺りが問題なく楽しめるマニアにお薦めする1枚です。


Vectom - Speed Revolution - Black Viper ★★ (2014-02-05 22:34:59)

一生懸命メロディアスに歌い上げようとしている
(その結果、息も絶え絶えな感じになってるのが可笑しい)
Voと、ドラマティックにハモるツインGをフィーチュアした
パワー・メタリックな疾走曲。


Vectom - Speed Revolution - In Nomine Satanas ★★ (2014-02-05 22:25:54)

「ほどほど」とか「適当」といった言葉とは全く無縁で、
全てのパートが全力投球で突貫するスピード・ナンバー。
スラッシュとは「鞭打ち」から来てるわけですが、
ここのドラミングはまさしくそれ。バシバシ鞭打ってます。


Vectom - Speed Revolution - Loudness and Speed ★★★ (2014-02-05 22:32:41)

タイトルまんまの曲ですね。
チリ出身のタンザ嬢率いるDEMONAがカヴァーしたことが
局所的に話題になったような、ならんかったような。
ソフト・ロックは好かん!メタル最高!
ジャック・ダニエルズ旨ぇ!
喧しくてスピーディ、それがVECTOMのやり方!
とバンドの主義信条を高らかに謳い上げる歌詞が
素晴らし過ぎますよ。
レミーみたいなオブリを入れてくるBもカッコイイ。


Vectom - Speed Revolution - Satan's Colours ★★ (2014-02-05 22:39:00)

1stアルバム最速ナンバー。
全セクションが早回しで再生されてるようで
聴く度に笑ってしまいます。その速度についていけず、
「うるせぇなこの野郎!ほっとけボケ!」と
不貞腐れてキレ気味に吐き捨ててる(ような気がする)
Voが最高。


Viana - Forever Free ★★★ (2021-04-28 23:09:44)

日本にも同じような名前のプログレ・バンドがいたなとか思いましたが、あちらはヴィエナでこちらはヴィアナ。90年代からキャリアを積むベテランながら、ついぞアルバム・デビューの機会に恵まれなかった、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった苦労人、ステファノ・ヴィアナ(G)率いるメロハー・プロジェクトが'19年に発表した2ndアルバム。
プロデューサーのアレッサンドロ・デル・ベッキオがKeyとVoも兼任していた前作に対し、今回はブライアン・コールなる新メンバーを専任Voとして迎えることで、よりバンド感を強化。しかもこのアメリカ人シンガー、ソロ・アルバムのリリース経験もある御仁だけにかなりの実力者。マイルドかつ伸びやかな歌声で、ポップで爽快なメロハー・チューンの魅力を確実に底上げしてくれています。加えて、Voパートのプロデュースをテリー・ブロック(STRANGEWAYS)に依頼するという水も漏らさぬバックアップ体制が敷かれ、収録曲のクオリティに関しては最早疑念の入り込む余地は欠片もなし。こちとらジョン・ロス(G)をゲストに迎え、HR然とした躍動感溢れる曲調に、程好く哀愁を湛えたメロディが絡むOPナンバー①(サビメロが最高)が始まった途端、アルバムの完成度を確信しましたよ。
テリー・ブロックとのデュエットがこれまたグンバツに効果を上げている感動的なバラード⑦、アルバムのラストを爽やか&キャッチーに締め括る⑩等、要所に名曲を散らしてダレ場なく本編を聴かせ切る、メロディ職人の技前がキラリと光るメロディアスHRの好盤。日本での所属レーベルの店じまいに伴い、発売から速攻で廃盤なってしまい、多くのリスナーの耳に届く機会を逸してしまったことが惜しまれてならない1枚です。


Viana - Forever Free - Do You Remember ★★★ (2021-04-29 23:49:11)

物悲しいメロディとドラマティックな曲展開とに彩られた
珠玉のバラード。ブライアン・コールとテリー・ブロックの
デュエットも、楽曲のエモーショナルな盛り上がりを
一層際立たせてくれています。


Viana - Forever Free - Forever Free ★★★ (2021-04-29 23:44:06)

伸びやかなシャウトからスタートする、
OPナンバーに相応しい爽快なエネルギーに
満ち溢れたロック・チューン。
プレ・コーラスからサビメロに至る
絶妙なメロディ展開に星3つです。


Viana - Forever Free - We Will Never Say Goodbye ★★★ (2021-04-29 23:55:42)

ブライトで爽快な曲調に、伸びやかなシンガーの歌唱と
よく歌うGが実にマッチ。アルバムの締め括り役に
本編中最もHR然とした味わいを発するこうした楽曲を
配置するバンドは信用に値します。


Virtue (2014-02-08 10:22:18)

NWOBHM華やかなりし'81年、チューダー(Vo)とマット(G)のシェルトン兄弟がイギリス・オックスフォードにおいて結成。
'85年にOTHER RECORDSから発表された7インチEP『WE STAND TO FIGHT』は世界中のマニアを熱狂させたが、インターネット登場以前、そうした評判はメンバーの耳までは届かず、また'87年制作の3曲入りデモ『FOOL'S GOLD』をEPとしてリリースする話もレーベル倒産で立ち消えになる不運、そして何よりNWOBHM自体が終焉を迎えていた時期の悪さが重なって、バンドはアルバム・デビューを果たすことなく解散してしまった。
NWOBHM熱の再燃に伴って、昨今、欧州方面で注目が集まっているバンドですが、チューダー・シェルドンがミュージシャン業から足を洗ってることもあって再結成は難しい様子。
弟のマットは、THE SHOCK(90年代には日本デビューも果たしている)をリユニオンして活動中。


Virtue - We Stand to Fight ★★★ (2014-02-08 10:24:23)

80年代半ば、《THE BEST UNSIGNED BAND FROM NWOBHM》と噂されたオックスフォード出身の5人組が、'85年に発表した7インチEP『WE STAND TO FIGHT』と、'87年に制作した3曲入りデモテープ『FOOL'S GOLD』という2つの音源を合体収録するアンソロジー盤。
「幻の~」とか「伝説の~」なんて冠言葉がつく作品は、入手困難期間中に消費期限切れを起こしてる場合も少なくないのですが、コレは間違いなくその例外作品の一つ。一応リマスターされているとは言え、音質の悪さはある程度覚悟せねばなりませんが、しかし本作はそれを押しても楽曲が良い!
疾走するリズムの上で、劇的且つシャープに刻まれるGリフと、青い炎が揺らめくような英国声による熱唱、そして思わず泣きながら握り拳突き上げたくなるフレーズを次々に奏でるツイン・リードGが伸びやかに舞う収録曲は、これぞブリティッシュ!これぞメタル!と万歳三唱モノな名曲①③を頂点に、全5曲、いずれもNWOBHMが残した至高の遺産というべき逸品揃い。
MARSHALL LAWのデビュー作にも匹敵するインパクトに「今までこれほどの名曲を知らずにいたのか・・・」と慄然とさせられると共に、つくづく彼らがアルバム・デビュー出来なかった現実を惜しみたくなる1枚。
またぞろ入手困難になる前に、是非のご一聴をお薦め致します。


Virtue - We Stand to Fight - Fool's Gold ★★★ (2014-02-10 22:50:10)

「戦いの序曲」といった勇壮さの
JUDAS PRIEST調のイントロを、
滑るように刻まれる劇的なGリフが
切り裂いて疾走し始めた瞬間、
あまりのカッコ良さに膀胱が緩みました。
デモ音源ゆえの音の悪さを遥か彼方へと
吹っ飛ばすこの名曲っぷりはどうしたことか。


Virtue - We Stand to Fight - We Stand to Fight ★★★ (2014-02-11 18:26:28)

少々パワー不足のVoさえも味わいに変えて、
メロディアスに舞うツイン・リードGの妙が
ウェット且つドラマティックな曲展開を牽引する
これぞブリティッシュHM!な名曲。
「HM版WISHBONE ASH」と評されたのも納得です。


Vision - Vision ★★ (2009-01-21 21:27:00)

かのマイク・ヴァーニーに見い出されたフィンランド出身のギタリスト、ラーズ・エリック・マットソン。北欧ならではの透明感と哀愁を湛えたHRサウンドを作り出すセンスには恵まれながら、それを表現する為のテクニックに恵まれなかった彼が遂に化けた!と、北欧メタル・ファンの間でちょっぴり話題になった、ラーズ・エリック・マットソンがバンド名義で'93年に発表した作品。
アレックス・マシとの活動などで知られる、新Voコニー・リンドのメロウな歌声を前面に押し出したポップな作風は、様式美とかネオ・クラシカルHMとかとは全く無縁の歌モノ路線ながら、適度にエッジの効いたGが必要以上に甘口になるのを防いでいるので、安心して、切ない哀メロ・チューンの数々に心地良く浸ることが出来る。
これまで幾度となくズッコケさせられて来たラーズのGプレイも、今回は無理な背伸びはせず、ひたすら「良いメロディ」を紡ぎ出すことに集中しているようで好印象。バラード③なんてかなり泣かせてくれる佳曲で、やれば出来るじゃない!と、思わず駆け寄って肩を叩いてやりたくなる仕上がり。
まぁ、それでも線の細いGサウンドに頼りなさは隠せないし、Voの垢抜けない歌声と相俟って、作品全体を如何にも「B級」な雰囲気が覆っているが、とは言え、欧米のメジャーなハードポップ・バンドとは一線を画する、洗練やゴージャス感とは全く無縁のマイナー臭溢れる素朴な佇まいが、楽曲の持つ儚げな叙情性を増幅しているのでまぁいいかな、と。
「捨て曲なしの名盤!」と言ったら嘘になるが、B級北欧メタルならではの侘び寂びが詰まった1枚である事は確か。
中古盤が格安の値段(三桁)で入手可能なので、見かけたら是非ご一聴の程を。


Vision - Vision - Sail Away ★★★ (2011-12-04 19:24:14)

侘しげな雰囲気を発散する叙情バラードの名曲。
コ二ー・リンドの(ちょっと頼りないが)
泣きの入った歌声と、一音一音を丁寧に紡ぐ
ラーズ・エリック・マットソンのGプレイが
曲の持つ哀愁を効果的に増幅してくれています。


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus ★★ (2018-01-24 23:44:33)

ランディ・パイパーがクビになり、ブラッキー・ローレスがGへとコンバート。空席となったベーシストの座には元KING KOBRAのジョニー・ロッドを迎え入れるという大型メンバー・チェンジを経て、’86年に発表された3rdアルバム。
過激な出で立ち、過激なパフォーマンス、イギリスで発禁処分を受けた過激な歌詞&アートワークに至るまで、出オチで与えた特大のインパクトが作を重ねる毎に薄れていく中、人々の関心をいかに繋ぎ留めおくかが当時のW.A.S.P.喫緊の課題でありました。司令塔ブラッキーは、そうした事態に楽曲志向を打ち出すことで対処。以後『THE HEADLESS CHILDREN』『THE CRIMSON IDOL』といった名盤を連発するわけですが、翻って本作はといえば、歌詞は相変わらず下品で猥雑。その一方でHUMBLE PIEやURIAH HEEPといった70年代HRバンドのカヴァーに挑戦してみたり、正統派HM色を強めたオリジナル曲はワイルドさよりも整合性が重視されていたりと、まさしく彼らの作風が変化していく過程が克明に捉えられた「ザ・過渡期」な仕上がりという。
発表時は「オリジナル曲よりもカヴァー曲の方が印象に残る」と評され、バンド史においても日陰者的な扱いを受ける1枚ではあるものの、サーカス風の呼び込み①に導かれてスタートするヘヴィ・メタリックな②や、ラストを締める⑪のような疾走ナンバーのカッコ良さはオツなものですし、何より哀愁を纏って吹き抜ける⑤の名曲ぶりはアルバム屈指。勿論カヴァー2曲の出来栄えも素晴らしい。(ブラッキーはヒープが好きだねぇ)
即効性よりも遅効性に優れた1枚…かも。


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus - Easy Living ★★★ (2018-01-24 23:54:28)

軽快にハネる曲調やキャッチーなコーラス、
印象的なハーモニーといった原曲の魅力が
W.A.S.P.の個性にしっかりマッチ。
その上で野性味も一摘み加えて
「らしさ」の演出にも抜かりがない好カヴァー。