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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6701-6800

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6701-6800
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WOLF - Roll over - The Shadow of a Shade ★★★ (2008-03-02 21:21:54)

オムニバス・アルバム『METAL WARNING』にも提供していた
(そちらとはバージョン違いとなる)
WOLFの代表曲の1つにして、ド級の名曲。
Gが華麗且つスリリングに弾きまくるインスト・パートを
序曲代わりに、劇的なGリフが疾走を開始する
王道様式美HMナンバーで、黒木のソロの構築のみならず、
Gリフ作りの上手さも際立つ内容。


WOLF - Some Asupects of the Moment ★★★ (2008-03-02 00:59:00)

所属レーベルCAPITAGON PULGGINGの消滅に伴い、流浪の身へと逆戻り。おまけにリズム隊にまで去られてしまったWOLFが、新たに西川健(B)と、元STARLESSの堀江睦男(Ds)を迎え入れ体勢を立て直すと、'90年に4曲入りデモ・テープを制作、
更に同年、インディ・レーベルのCOLOSSEUM RECORDSからリリースした1stフル・アルバムが本作。インディーズ制作ゆえ、サウンド・プロダクションはそれなりだが、楽曲の方は相変わらず粒揃い。様式美HMの王道を行く内容だったデビューEPに比べると、美しいアルペジオを用いて、じっくりとメロディを聴かせるパートを設けたミドル・テンポのOPナンバー①や、楽曲自体はマイナー調の雰囲気ながらも、インスト・パートではメジャー・キーによるGソロが聴かれる②等に明らかなように、今回は意欲的に曲調を広げに掛かった仕上がり。全体的にスリルとテンションはやや低下したが、メロディの充実がそれを補っているとの印象を受ける。また、これまで以上にジャパメタ・チック(歌謡曲的)な歌い回しが頻出するので、舶来志向のメタル・リスナーからの受けは悪そうだが、その程度のことで本作をスルーしてしまうのは、勿体無さ過ぎるというもの。
フックに富むリフ作りと、精度の高いソロ双方に冴えを見せる黒木政彦のG、前作以上に哀愁に満ちたメロディを歌う松本龍以のVoの素晴しさは相変わらずだし、⑦⑩のような、スピーディな様式美HMチューンも健在。何より、個人的にこのアルバムで一番のお気に入りの哀愁のハード・ポップ④を、新加入の西川が作曲しているという辺りにバンドの新たな可能性が感じられたが、結局、その芽を開花させることなく、WOLFは'91年に過去音源をまとめた『ROLL OVER』を発表した後、解散してしまうのであった。


WOLF - Some Asupects of the Moment - Ray-na ★★★ (2008-03-02 01:05:31)

歌謡曲テイストも持ち合わせた、哀愁のハードポップ・ナンバー。
個人的には、この曲が1stアルバムでは一番のお気に入り。
しかも、この曲を書いたのが新加入の西川健(B)という事実が
WOLFの新たな可能性を感じさせたが、残念ながら
バンドはその後、新曲を発表することなく解散してしまうのであった・・・。


WOLF - Wolf ★★★ (2008-03-01 02:04:00)

技巧派ギタリスト・黒木政彦と、卓越した歌唱力を誇る天才ボーカリスト・松本龍以、あと、今やミュージシャンとしてよりもパチプロとして有名なアニカツこと関勝美(B)を擁する様式美HMバンドWOLFが、'87年に発表したデビューEP。
現BURRN!!編集長の広瀬和生がビクター勤務時代に社内に設立したインディ・レーベル、CAPITAGON PULGGINGからリリースされたものの、その後サクッと廃盤となってしまった本作は、幻の名盤としてマニアの間で中古LPが法外な値段で取引されていたのだが、'03年に念願叶って初CD化。そのニュースを聞いた時は、自分も↑の方同様、小躍りして喜んだものです。
で、肝心の内容はと言えば、これが幻の名盤との評価に違わぬ、ハイクオリティな様式美HMサウンドがギュウギュウに詰め込まれた仕上がり。特に、スリリング且つドラマティックに構築されたソロを、余裕を持って弾きこなすだけでなく、一発で耳を捉える劇的なリフ・ワークにも冴えを見せる黒木のGと、高音域でも線が細くならないパワーと、繊細な表現力を併せ持った松本のVoが激しくぶつかり合って火花を散らすクライマックスの盛り上がりっぷりが悶絶モノのスピード・チューン①、激しくも悲哀に満ちた泣きのパワー・バラード③、ミュージック・ビデオにもなった名曲⑤(今度再発する時は、是非映像もボーナス・トラックとして収録して欲しい)といった楽曲のカッコ良さは格別。
WOLFが発表した作品の中では、最もヘヴィ・メタリックなエネルギーが漲る、全6曲というボリュームにも物足りなさを感じさせない、充実した内容の1枚。


WOLF - Wolf - LOVING YOU ★★★ (2008-03-01 02:20:28)

美しくも切ない、慟哭のへヴィ・バラード。
猛烈に泣きまくる黒木のGも素晴しいが、
やはりこの曲の主役は、声域、声量、表現力、
全てにおいて圧巻の歌唱を響かせる松本のVoでしょう。


WOLF - Wolf - RUNNING FOREVER ★★★ (2008-03-01 02:08:35)

「疾走する様式美HMチューン」のお手本のような名曲。
クライマックスに向けてどんどんテンションが上がって行き、
終盤の黒木のGプレイなんか、何度聴いても悶絶モノの破壊力を誇る。


WOLF SPIDER ★★ (2010-06-26 23:21:00)

TURBOのドラマー、トミーGによって80年代中期にポーランドはポズナニにて結成。
ゴキブリすら捕食する実在の大型蜘蛛から名前を取ってWILCZY PAJAKを名乗る。
数々のロック・フェスに参加しつつ足場を固め、'87年にセルフ・タイトルの1stアルバムでデビュー。
バンド名を英語表記のWOLF SPIDERと改めた後、'88年に2nd『BARWY ZtA』を発表し、
ポーランドのメタル・シーンにおいて確固たる地位を築く。
'89年、2ndの英語バージョン『HUE OF EVIL』を、新G(後にACID DRINKERSに加入)、
新Vo(SCANNER、ANGEL DUST、再結成MEKONG DELTA等での活動で知られるレオ・スピーゲル)と共に制作。
'90年には再々度シンガーをチェンジして、バンドの最高傑作と名高い3rd『KINGDOM OF PARANOIA』を発表、
METAL HAMMER誌の編集長がその月のアルバムBEST5に選出する等、
テクニカル且つスリリングなスラッシュ・サウンドが欧州圏で高く評価された。
ところが翌年、4th『DRIFTING IN THE SULLEN SEA』を発表するも、
よりポップでコマーシャルな音楽性を強要されたことからバンドは崩壊。
同年、DEEP PURPLEのポズナニ公演のサポートを務めた後、解散の道を選択している。


WOLF SPIDER - Drifting in the Sullen Sea ★★ (2010-06-27 09:19:00)

妙に眼力のある涙目爺さんのイラストが強いインパクトを放つ、'91年発表の4thアルバム。
個人的に初めて購入したWOLF SPIDERの作品だったりするのだが、手数多めのGリフと、変拍子を交えつつ
キレ味を失わないリズムのコンビネーションを活かした歯切れの良い疾走感はそのままに、これまで以上に
歌うようになったVoや、よりメロディアスに、エキセントリシティを控えめにした楽曲を筆頭に、
今回はスラッシュ・メタルというよりも、テクニカルな要素も備えた正統派パワー・メタル路線へとシフト・チェンジ。
メロディのフックの弱さは相変わらずながら、「もっとコマーシャルな音楽性の作品を作れ」との
レコード会社からの圧力にもめげず、自らの個性と聴き易さを両立させてみせた曲作りのセンスは大したもの。
静と動のコントラストも鮮やかなOPナンバー①、Keyを効果的に取り入れた劇的且つダイナミックな⑤、
美しいツインGハーモニーが炸裂する⑦、そしてアルバムのラス曲にしてハイライト・ナンバーでもある⑨・・・と、
前作が気に入った人なら必ずやグッとくるであろう名曲を多数収録。(QUEENのカヴァー⑪も案外ハマッてます)
初期ANNIHILATOR辺りが好きな人にもお薦め出来る1枚かと。


WOLF SPIDER - Drifting in the Sullen Sea - Orphanage ★★ (2010-07-03 00:21:08)

スラッシーな疾走感、主張の強いB、テクニカルなGなど
いずれのパートも良い仕事をしてくれているが、
個人的に最も感銘を受けたのはVoの歌メロ。
スラッシュというよりは正統派HM寄りだが、
これが実にカッコイイ。


WOLF SPIDER - Kingdom of Paranoia ★★ (2010-06-26 23:24:00)

80年代から90年代にかけて、TURBOやDRAGON、KATらと共にポーランドHR/HMシーンの一翼を担ったポズナニ出身の
5人組が、英インディーズのUNDER ONE FLAGから'90年に発表した、バンドの最高傑作と評価も高い3rdアルバム。
本サイトのTARGETの項目で、TARGETとWOLF SPIDERとの類似性を指摘する意見を読み、そうだったっけ?と
久し振りに本作をCD棚から引っ張り出して聴き直してみたのだが、乱高下するメロディをハイテンションに
歌いこなすVo、ユニークなラインを刻む存在感抜群のBと、手数の多いGリフから劇的なユニゾン・プレイまで
慌しく動き回るツインG、そしてスピーディ&テクニカルに畳み掛けて来る曲展開・・・と、
これが確かに似てました。(メンバーはMEKONG DELTAやVOIVODのTシャツ着てるし)
ただ、アバンギャルドなノリは控えめで、TARGET以上にストレートにスラッシュ・メタル色が打ち出されているので、
こちらの方がスラッシャーには取っ付き易く感じられるのかな?と。(物足りないと思う人もいるだろうが)
個人的には、良くも悪くも東欧的な愛想に欠ける作風にもう少しキャッチーさが欲しいと思ってしまうのだが、
久し振りに聴き直してみて、アコギとBによるメロウなイントロからスタートする複雑且つドラマティックな①や、
華麗なるツインGのハモリっぷりに耳奪われる⑦、正統派HM的な歌メロにカッコ良さが光る⑨等、意外に名曲が
多い事を再認識。インテレクチュアルな作風の割りに、楽曲をコンパクトにまとめてくれる姿勢も○。
初期MEGADETH、MEKONG DELTA、TARGET・・・と聴いてピンと来た人にお薦めする1枚。


WOLF SPIDER - Kingdom of Paranoia - Manifestants ★★ (2010-07-03 00:14:59)

山あり谷ありで忙しなく畳み掛けて来る曲展開や
スリリングな楽器陣の絡みはプログレ方面からの
影響も感じさせるが、楽曲全体を貫くのは
紛うかとなきスラッシーな疾走感。
曲調のドライブ感を増強するBと、
威勢の良い掛け声コーラスも○。


WOLF(SWEDEN) - Ravenous ★★★ (2012-12-02 22:17:46)

スウェーデン出身の5人組が'09年に発表した5thアルバム。勉強不足ゆえ、このバンドについては殆ど何も知らず、完全に「ロイ・Zがプロデュースしている」という部分に興味を惹かれての一点買いでした。
失礼ながら、当初は「何でこんなマイナーなバンドのプロデュースをロイ・Zが?」とか思っていたのですが、聴いて納得。JUDAS PRIESTとIRON MAIDENの遺伝子を受け継ぐ正統派HMサウンドは、耳にしただけでこめかみの血管がグワッと広がり、ドクドクと血流が増すような感覚を覚えるカッコ良さ。「バラード?無用!」とばかりに武骨且つソリッドに押し出してくる正統派HMサウンドは、楽器陣の逞しさに比べるとVoの線がやや細い気がしなくもないですが、弱点という程でもなし。正統派であることに胡坐をかくことを良しとせず、優れた演奏、優れた楽曲作りに傾注している点にも感心させられますね。
スピーディな①、エピカルな②、高圧的な④、Gリフがキャッチーな⑥、獣が地を駆けているような⑩・・・収録楽曲は何れもパワー/メロディ/ドラマ性が三位一体となった逸品揃いで、まるで《何も足さない、何も引かない》サントリーのウィスキーのごとし正統派HMサウンドが堪能できる1枚でした。


WOLF(U.K) - EDGE OF THE WORLD ★★★ (2019-12-19 00:46:24)

日本や北欧等「WOLF」と名の付くHR/HMバンドは世界中にゴマンと存在しますが、こちらは英国出身の5人組。前身のBLACK AXE時代に発表したシングル『HIGHWAY RIDER』(’81年)が好セールスを記録したことでメジャーのCRYSALIS RECORDSの興味を引き契約をゲット。「もっと売れそうな名前に変えろや」との要請に従い、バンド名をWOLFと改めデビュー作のレコーディングに取り掛かるも、結局出来上がったアルバムはレーベルの手のひら返しにより無情にもお蔵入りの憂き目に。本作はMALSELOUM RECORDSから'84年にリリースされることで漸く陽の目をみることとなりました。
バンド名からゴリゴリのHMサウンドを期待してしまいますし、実際、代表曲“RED LIGHT”みたいなアグレッシブな疾走ナンバーも収められているのですが、ウェットなメロディを紡ぐ2本のGといい、歌唱力的には中の下ながら、侘し気な哀愁漂う魅力的な歌メロを拾ってくれるVoといい、どちらかと言えばこのバンドの本質は、時にKeyを交えつつメロウに聴かせるミドル・テンポの楽曲の方に強く表れているように感じられます。
泣きのイントロだけで目を細めてしまうOPナンバー①、デビュー・シングルでもあった②、コーラスはキャッチーだがメロディは憂いを秘めている⑦、UFOの名曲“DOCTOR, DOCTOR”を彷彿とさせるシャッフル・チューン⑧、きびきびとアルバムを締め括る⑩等々…収録曲の充実ぶりは本作が末期NWOBHM屈指の名盤と評されるのも納得です。
既に英国におけるHMブームが下火となっていた’84年ではなく、当初の予定通りのタイミングでリリースされていればもうちょい話題になったのでは…と、惜しまずにはいられない1枚。


WOLF(U.K) - EDGE OF THE WORLD - EDGE OF THE WORLD ★★★ (2019-12-20 00:52:00)

OPナンバーとしてはやや勢いの乏しく
初めて聴いた時は少々物足りなさを感じたりもしたのですが
聴けば聴くほどに味わいを増すスルメ的名曲。
暗過ぎず、かといって明るくもない。ヘタウマVoが歌う
曇り空のような灰色の憂い漂うメロディが実に英国的。


WOLF(U.K) - EDGE OF THE WORLD - TOO CLOSE FOR COMFORT ★★★ (2019-12-20 00:45:31)

LIMELIGHRの“ASHES TO ASHES”とか、DARK STARの“LADY OF MARS”、
あるいはINCUBUSの“HELLEN TO TROY”とか、UFOの“DOCTOR, DOCTOR”からの
影響を伺わせるNWOBHMの名曲は多いですが、これもその一つではないでしょうか。


WRABIT - Tracks ★★★ (2016-08-22 23:23:03)

カナダのメロディアスHRバンド、WRABIT(後にジョン・アルバニ(G)とクリス・ブルックウェイ(B)はリー・アーロンのバックバンドに参加)が残した3枚のフル・アルバムの内、'82年に発表された2ndアルバムに当たる作品。
ビッグ・セールスこそ記録できなかったものの、WRABITの代表作として世界中のメロディ愛好家から絶賛を受けた1st『WROUGH & WREADY』に比べると、今回は名曲“ANYWAY, ANYTIME”級のインパクトにこそ欠けますが(あのレベルの楽曲がポンポン生み出せたら誰も苦労はせんですわな)、煌びやかなKeyと壮麗なハーモニー、伸びやかによく歌うツインGとに全編が包み込まれたキャッチーなメロディアスHRサウンドは、前作の作風を忠実に引き継いでここでも健在です。
この手のバンドは作を重ねる毎にAOR/産業ロック化が進行していくことを宿命つけられていますが、本作に関してはハードなGリフの刻みからスタートし、適度な緊張感を湛えて躍動する曲調にポップなメロディが彩りを加えるOPナンバー①と、ルー・ナデュー(Vo)がパワフルな喉を披露する②といった楽曲が証明する通り、HR然としたエッジと、生命線たる泣きのメロディが実にバランス良く共存しています。中でも5曲目の“Bare Knuckler”は、そうした本編のハイライトを飾って駆け抜ける哀メロ・ナンバーの逸品。
前作と併せて是非のご一聴をお薦めする1枚。そして個人的に買い逃してしまった3rd『WEST SIDE KID』(’83年)と共に是非とも国内盤のリマスター再発をプリーズ。


WRABIT - Tracks - Bare Knuckler ★★★ (2016-08-23 22:19:03)

イントロの鮮やかなボーカル・ハーモニーだけで胸が騒ぎます。
適度にロックな曲調の上で、力強く伸びていくハイトーンVoの
歌いっぷりの良さにしみじみと聴き惚れてしまいますね。
軽快に踊るピアノも良い感じで、個人的には2ndアルバムの
ハイライト・ナンバー認定。


WRABIT - Wrough & Wready ★★★ (2016-08-20 09:12:06)

ツインG編成にKey奏者を含むカナダの6人組メロディアスHRバンドが、メジャーのMCA RECORDSに残した’81年発表のデビュー作。
未だに折を見ては読み返すBURRN!!誌の名企画『いにしえのメロディック・ロック』において、本作が「必聴盤」として別格扱いを受けていたのを切っ掛けに興味を持ち購入したわけですが、いやお世辞抜きに素晴らしい作品ですよ、これ。胸を打つ哀愁のメロディ、それを十全に引き立てる木目細やかなアレンジと美しいコーラス・ワーク、煌びやかなKey(オルガン)、それにハードロッキンなエッジがもたらす適度な緊張感を身に纏い、キャッチーに躍動するメロハー・サウンドは、聴く度に涙がちょちょ切れます。
特に、張りと透明感を併せ持つハイトーンVoと、伸びやかにハモる2本のGとが、美しくも切ない哀メロを「泣くがいい、声をあげて泣くがいい」とばかりにブッ込んで来る1曲目の“ANYWAY, ANYTIME”は、メロディ愛好家秒殺必至のバンドの代表曲です。
WRABITというバンドの魅力が集約されたこの名曲だけで、アルバム購入代金を回収した上にお釣りまで貰えそうな勢いの本作ですが、以降もポップに弾む③、甘やかなピアノ・バラード④、キリリと引き締まった緊迫感漂わす⑥、TOTOと比較されるのも納得な⑦、哀愁とハードネスのバランスが絶妙な⑨等、優れた楽曲の乱れ打ちで、これほどの作品が日本でしか正式CD化されておらず、しかも既に廃盤ってのは大きな損失である!と。
一刻も早いリマスター再発が望まれる名盤です。


WRABIT - Wrough & Wready - Anyway Anytime ★★★ (2016-08-21 09:55:40)

WRABITの代表曲にして美旋律ハードポップの名曲。
エッジの効いたG、キャッチーに弾むリズム、煌びやかなKey、
そして蕩けそうになる泣きのメロディ・・・
取り分け、疾走する曲調に哀愁たっぷりのツインGが
絡みつく終盤の盛り上がりは
何度聴いても辛抱堪らんものがありますね。


WRATH - Fit of Anger ★★ (2011-04-10 00:30:54)

'82年、イリノイ州はシカゴにおいてマイク・ナイルッカネン(G)とゲイリー・モディカ(B)を中心に結成された5人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、'86年にGREENWORLD傘下のKING KLASSIC RECORDSから発表した1stアルバム。・・・と言っても、バンド的にはデモテープ用音源を無断で商品化された上に、ろくすっぽプロモーションもしてくれぬ内にレコード会社自体が倒産する等、本作に関しては余り良い思い出がないらしいが・・・。
それでも中身の方はなかなかの聴き応え。野卑なVoや荒々しいGリフの刻みはスラッシュ・メタル的なれど、スピードよりも展開重視の楽曲は正統派HM然としたドラマ性を湛え(要するにパワー・メタルってことか)、特にドラマティックなユニゾン・プレイを駆使してサウンドの中核を成すツインGコンビの仕事振りは、このバンド最大の弱点であるVoの非力さを補って余りある劇的さ。
取り分けB面サイドには良い曲が揃っており、ツインGがシャープに切り込んで来る⑥⑨⑩といったスピード・ナンバーのカッコ良さは出色。これでVoがもうちょいマシに歌えてたならなぁ・・・。
東欧ラジオ局のリクエスト・チャートにおいて最高第3位に食い込むという、凄いんだか凄くないんだかよう分からん(いや凄いのか)好成績を残したのも納得の1枚。
ちなみに本作は、'88年にリミックス作業やボーナストラック“SUDDEN DEATH”の追加収録といったお色直しを施され、新たな契約レーベルMEDUSAからリイシューされている。


WRATH - Fit of Anger - Vigilante Killer ★★ (2011-04-10 22:27:36)

すわIRON MAIDENか?というシャープで
キャッチーなGリフと、劇的にハモるツインGが
駆け抜けて行くデビュー作のハイライト・ナンバー。
これでVoがもっとまともに歌えていりゃあなぁ。


WRATH - Insane Society ★★ (2007-01-29 21:00:00)

2nd『NOTHING TO FEAR』のプロデュースを、ロニー・モントローズが手掛けた事で知られる、
イリノイ州シカゴ出身の5人組スラッシャー、'90年発表の3rdアルバム。(邦題は『狂気社会』でしたね)
本作以前の作品は未聴なのだが(1度聴いてみたいんだけど、もう何処にも売ってないんだよなぁ)
このアルバムに関して言えば、如何にも'90年代に入って作られたスラッシュ・メタル・アルバムらしく
スピードはググッと控えめにして、パワフルな演奏とメロディを聴かせる事に主眼を置いた、
硬派なパワーメタルといった感じの仕上がり。勿論、疾走曲がなくなってしまったわけじゃないものの、
そのスピードはスラッシュと言うより、正統派HM寄りのそれだ。
本作から加入した新Voが、ダーティながらかなり歌えるタイプというのもパワーメタル化の印象を
強めている要因の1つで、劇的なソロやハーモニー・プレイを披露するツインGと、時にリード楽器の役割を果たし、
全体を引き締めるBの存在の大きさもあって、疾走する②、ヘヴィ・チューン⑦といった楽曲は、
JUDAS PREISTやIRON MAIDENを彷彿とさせる。(特にメイデンからの影響は色濃く滲む)
スピーディなスラッシュ・サウンドを期待するとスカされるが、非常に完成度の高いメタル・アルバムなので
個人的にはコレはコレで満足。


WRATH - Insane Society - Law of Lies ★★ (2006-03-31 22:04:06)

アグレッシヴに「MAIDENしてる」パワー/スラッシュ・チューン。
ゴキバキベキブリと、派手なラインを刻みつつ曲をリードするベースは、
元々スティーブ・ハリスからの強い影響が感じられたが、
この曲ではギターまで何だかデイヴ・マーレイっぽい(笑)
それでもパクリのような安易さを全く感じさせないのは、受けた影響をしっかり消化してるのと、
曲そのもののクオリティの高さゆえか。


WRATHCHILD AMERICA - 3-D ★★ (2007-01-30 22:12:00)

デビュー作『CLIMBIN' THE WALLS』は、一風変わったスラッシュ・メタルを聴かせてくれる、なかなかの力作だったが、
'91年発表の本作(2nd)では、その「一風変わった」部分を更に強調。残念ながらスラッシーな勢いは
大幅に薄れてしまったものの、しっかりとした歌唱力を備えたVo、芸達者なツインG、軽快なフットワークで
多彩なリズムを叩き出すリズム隊とが一丸となって構築する楽曲の数々は、かなりユニーク。
前作の路線を引き継ぐ①⑧⑪のような高速スラッシュ・チューンも収録されてはいるが、
いずれも曲展開に一筋縄では行かない捻りが加えられているし、何より、このアルバムの魅力を
端的に物語るのは、60年代のスパイ映画のテーマ曲をスラッシュ風に解釈したかのような、
OH!スウィンギン・ロンドン(意味不明)な②や、VICIOUS RUMORS辺りに通じるパワー・メタリックな
リフ&リズムが疾走したかと思えば、一転してアコギ・ソロが奏でられ、トーキング・モジュレーターまで活躍する
ごった煮感が面白くもカッコイイ⑦、スラッシュ・メタルにジャズにブルーズにクラシックと、3分足らずの
ランニング・タイムの中で、曲の表情がクルクルと変わっていくインスト・ナンバー⑨といった、実験精神全開の楽曲群。
全体的に、良く言えば成熟が感じられ、悪く言えば地味さが拭えない仕上がりで、爽快な(例えば1stのような)
スラッシュ・メタル・アルバムを期待するとガックリだが、個人的には聴けば聴くほど味の出てくる
まさにスルメ盤として愛聴させて貰っています。


WRATHCHILD AMERICA - 3-D - Desert Grins ★★ (2006-03-28 22:04:56)

ベースがブンブン唸るヘヴィなイントロから一転、
パワー・メタル風(VICIOUS RUMORSを彷彿とさせてカッコイイ)のリフに乗って曲が疾走を開始。
中間部にはアコースティック・パートや、トーキング・モジュレーターを使用したミドル・パートまであって、
なかなかに起伏に富んだ展開を見せる。
でもドラマチックと言うより「ハチャメチャ」「何でもあり」と言った表現の方がしっくり来る辺りがこの曲の(バンドの)魅力。
エンディングから間髪入れずに繋がる次曲“WHAT'S YOUR PLEASURE?"も、
真っ当な(当バンド比)スラッシュ・チューンでグーです。


WRATHCHILD AMERICA - 3-D - Spy ★★ (2007-02-04 21:27:11)

60年代スパイ映画のスコアっぽいノリを持った異色曲ながら
非常にカッコ良く仕上げられている。
聴いてると、指を鳴らしながら勝手に身体が動き出します。


WRATHCHILD AMERICA - Climbin' the Walls ★★ (2007-09-29 11:16:00)

イギリスの同名バンドとの混同を避けるため、そこにAMERICAを付け加えてWRATHCHILD AMERICAと改名した
NY出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが、米メジャーのATLANTICから'89年に発表した1stアルバム。
音楽性を拡散させた2nd『3-D』は、スラッシュ・メタルのみならず、クラシック、ジャズ、ブルーズと、様々な要素を
取り込んだ個性的なサウンドが、非常に印象に残る作品だったが、このデビュー作もユニークさでは負けていない。
歌えるVoを生かした、KIX辺りを思わせる(実際、交流があったらしい)ロックンロール・テイストあり(①③)、
ツインGが大活躍する欧州風味満点のへヴィ・メタリックな楽曲あり(④⑥⑦⑨)、WRATHCHILD AMERICA流バラードと
言うべきメロウなナンバー(⑧)あり・・・と、サウンドのバラエティ豊かさは、既にこの頃から健在。
特に、ロックンロール調の軽快なノリと、正統派テイスト漂うインスト・パートのミスマッチな組み合わせが
良い味を出してる①や、NWOBHMチックな盛り上がりを聴かせる④、IRON MAIDENばりにラストを
ドラマチックに締める⑨といった楽曲は、かなり強力な仕上がりの名曲。
勿論、デビュー作という事でスラッシュ・メタル色も(2ndに比べると)ハッキリと打ち出されていて、
中でも、本編随一のアグレッションを発散する②や、①⑥といった楽曲における爆発的な疾走感は、
彼らがスラッシュ・メタル・バンドである事を端的に表しているのではないかな、と。
バリバリのスラッシュ・メタル路線を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、このクオリティは十分に聴く価値あり。
焦点が絞られている分だけ、次作より取っ付き易く感じられるしね。


Whispered (2014-07-31 23:58:20)

フィンランドはタンペレにおいて、ヨウニ・ヴァルヤッカ(G)を中心の結成。当初はZEALOTと名乗ったが、'04年にWHISPEREDと改名。この頃には既に侍や武士道といったヨウニの日本趣味を反映させた楽曲作りを行っていたとのこと。
ラインナップは不安定ながらも、キャラ立ちの良さとデモテープの完成度が評価され、晴れてレコード会社と契約を交わしたバンドは'10年に1st『THOUSAND SWORDS』(元ネタは牛若丸と弁慶)を発表してデビュー。
所属レコード会社とのトラブルや度重なるメンバー・チェンジを乗り越えて、'13年には日本公演も成功裡の内に終わらせている。
そして'14年。懐かしのジャンプ・アニメ『銀牙 -流れ星 銀-』やゲーム『ファイナル・ファンタジーⅦ』の戦闘用BGMのカヴァーが収録されていることもからも明らかに、迷わずジャパネスク・メタル路線を迷わず突き進んだ2nd『SHOGUNATE MACABRE』をリリース。


Whispered - Metsutan - Songs of the Void ★★★ (2018-05-28 22:22:30)

歌舞伎メイクのメンバーが奏でる、思わず「デス声の陰陽座」と呼びたくなる(全然違うか)、オリエンタルな和風メロディック・デス・メタル・サウンドが好事家の間で話題を呼んだフィンランドの5人組、'16年発表の3rdアルバム。
漢字で “舞”と書いて「おどり」と読ませる(輸入盤なのに)序曲①の命名センスからして早くも明らかなように、和音階やお囃子、もしくは三味線、尺八、笛といった和楽器を、単なるアクセントの領域を超えて、完全に主役として用いてしまうWHISPERED独自の音楽性は今回も寸分の迷いもなく健在。というか寧ろ、三味線がリズム楽器の役割も果たすアグレッシブな②を皮切りに、苛烈なブラスト・ビートに乗って悲壮なメロディが激走する④、宮本武蔵と『ロックマン』へのリスペクト・ソングでもあるという⑤、勇壮なコーラスが独産メロパワ・メタルに通じる⑨に至るまで、その作風には益々磨きが掛かって意気軒高。中でも、江の島に伝わる五頭龍の伝承を歌詞のテーマに、「和」のエッセンス、メロディック・デス・メタル然としたブルータリティ、そして北欧HMバンドならではの構築美を集約させた、5部構成、11分越えで迫り来る大作組曲⑩なんて、オペラティックなコーラスも交え壮大且つドラマティックに展開される本編のハイライト・ナンバーですよ。
情報に疎いもんで、WHISPEREDの新作リリースされていたこと自体、中古盤屋で本作を見かけるまで知らなかったぐらいなのですが、それにしてもこんだけ日本愛を詳らかにしてくれているバンド/作品なのに、国内盤の発売がないってのは何とも寂しい限りじゃありませんか。色物と捨て置くには惜し過ぎる逸品ですよ。


Whispered - Shogunate Macabre ★★★ (2014-08-01 00:08:04)

歌舞伎メイクを施したメンバーの出で立ちや、日本の歴史/伝承を取り扱った歌詞を見ていると、一足先に日本デビューを飾ったイタリアのHOLY MATYRのことを思い出しますが、あちらが飽くまでベーシックなパワー・メタル・サウンドの上に立脚し、和風メロディはアクセント的な扱いだったのに比べ、こっちは琴や三味線、和音階をガンガン取り入れて、日本語の台詞でスタートするOPナンバーから、バンドのルーツを物語るアニメ『銀牙 -流れ星 銀-』の主題歌のカヴァーまで、もう全編和風メロディの雨アラレ。⑥なんてタイトルが“KAPPA”ですよ。これに失笑を漏らす人もいるでしょうが、(ホラー映画ばりの歌詞に反して)ジャジーなパートも組み込んだ曲調はどこかコミカルで、日本人が持つ河童のイメージとピタリ一致。こうした「色物」と受け止められかねないジャパネスクな題材とも真摯に向き合うバンドの姿勢には好感を持たずにはいられません。
特に「お祭りメタル」とでも評したくなる高揚感に満ち溢れた②や、シンフォニックなアレンジを纏って猛然と突進する③、雪女の物語を題材に取り上げ、激しくも悲哀に満ちたメロディが涙を誘う⑥といった楽曲は、「MELODIC DEATH METAL WITH JAPANESE FOLK ELEMENT」を標榜する彼らの真骨頂というべき名曲。
「初期陰陽座をもっと過剰にして、デス・メタルのエレメントとシンフォニックなKeyを加えた感じ」との説明(大掴みですが)にびびっと来たらお薦めの1枚。


Whispered - Shogunate Macabre - Lady of the Wind ★★★ (2014-08-02 21:11:48)

激しくも悲哀に満ちた北欧のバンドらしさと
「雪女」を題材に取り上げ、琴の音色なんかも取り入れた
日本趣味とが、理想的な融合をみた入魂の名曲。
これ聴いて気に入らなかったら、アルバム自体
聴く必要はないんじゃなかろうか?ってね。


X JAPAN - BLUE BLOOD ★★ (2008-06-21 02:31:00)

46人編成からなるオーケストラを起用した、壮大な序曲①(FRANK MARINO & MAHOGANY RUSHのカヴァー)から繋がっていく、
パワー/スピード/メロディと、三拍子揃ったパーフェクトな名曲②でアルバムの幕が開き、物悲しくもキャッチーな③、
聴いてるとテンションが上がって仕方がないバンドのテーマ・ソング⑤、メジャー・キーを用いた感動的なバラード⑥、
アルバム第1弾シングルとして、大ヒットを記録した劇的なスピード・ナンバー⑧、スラッシーなエネルギーが炸裂する⑨、
本編のクライマックスを飾るに相応しい、クラシカル且つドラマティックな⑪(中間部のピアノ・ソロ・パートは
鳥肌モノのカッコ良さを誇る)、ラストを叙情的に締め括る⑫・・・と、YOSHIKIの曲作りの才がますます冴え渡る、
Xのメジャー・デビュー作にして出世作、そして最高傑作でもある、'89年発表の2ndアルバム。
荒々しいパワー・メタル・サウンドが炸裂していた1st『VANISHING VISION』に比べ、アレンジがより綿密に練り上げられ、
収録曲も、HM然とした疾走曲から、ノリノリのロックンロール、捻りの効いたインスト曲、
胸を打つバラード、そして、起承転結が完璧に決まった10分以上に及ぶ大作に至るまで、バラエティ豊かに取り揃えられていて、
何より、飛躍的に表現力を増したVoの存在が、本作を、幅広いリスナーにアピールし得る、普遍的な魅力を備えた作品に仕上げている。
著しく迫力に欠けるサウンド・プロダクションが惜しまれるが(音質の問題は、終始、彼らの作品に付きまとっていた)、
楽曲の持つパワーは、そうしたマイナス面を補って遥かに余りある。
メジャー・アクトたるに相応しい洗練と風格を身に付けた、日本HR/HM史に燦然と輝く名盤の1つ。


X JAPAN - BLUE BLOOD - BLUE BLOOD ★★★ (2008-06-22 18:14:35)

今更何も言う事なし。
X史上最高なだけでなく、HR/HM史にも燦然と輝く名曲中の名曲。


X JAPAN - BLUE BLOOD - ROSE OF PAIN ★★★ (2008-06-22 18:11:57)

起承転結が完璧に決まった、10分以上に及ぶ大作。
中間部で炸裂する、壮麗にして流麗、且つドラマティックな
ピアノ・ソロが、何と言っても堪らない。


X JAPAN - Jealousy ★★ (2008-06-22 00:39:00)

MANOWARのジョーイ・ディマイオ閣下をして「彼らは素晴しいバンドだよね」と言わしめた
(まぁ、リップサービスもあろうが)日本HR/HMシーンの至宝Xが、'91年に発表した3rdアルバム。
お耽美な雰囲気を漂わせたジャケット・アートワークといい、HM的なアグレッションよりも、中性的な繊細さや華麗さが
強調された印象の楽曲といい、いよいよ、Xというバンド名を聞いて連想されるイメージが、音楽的にもルックス的にも
完成された、彼らの代表作と呼ぶに相応しい本作。その象徴が、マッドな美しさに満ちたピアノ・インスト曲①を
イントロ代わりにスタートする、アルバムのリーダー・トラックにして、バンドの代表曲②(海外のバンドが
カヴァーしたりして話題にもなりましたっけ)。ダイナミックに疾走するリズム、その上を華麗に舞うツインGと、
劇的且つ流麗なピアノの音色、線は細いが悲壮なメロディを見事に歌いこなすVo、そしてドラマティックで
シンフォニックなアレンジ・・・と、このバンドの持つ美点が全て凝縮されたかのような、名曲中の名曲です。
角が削り落とされた、ソフト過ぎる音作りには大いに不満が残るし(お陰で必殺曲“STAB ME IN THE BACK"の威力が半減)、
ロックンロール風味の増強とか、傑作『BLUE BLOOD』における“ROSE OF PAIN"に該当する楽曲がないため、
後半の盛り上がりが今ひとつだとか、前作と比べてしまうとやや聴き劣りする感が否めないものの、それでも、見た目だけの
凡百なビジュアル系バンドとの格の違いを見せ付ける、唯一無二の個性と比類なき完成度を、本作が誇っている事は確か。


X JAPAN - Jealousy - Silent Jealousy ★★★ (2008-06-22 18:20:42)

華麗にしてドラマティック、スピーディ且つシンフォニック。
Xと聞いて想像する音楽的要素が全て詰め込まれた、完全無欠の名曲。


X JAPAN - Jealousy - Stab Me In The Back ★★★ (2008-06-22 18:18:03)

余りに劇的なイントロに、一発でK.O.。
『JEALOUSY』バージョンよりも、
初期やライブ・バージョンの方が数倍劇的でお薦め。
ドスの効いた荒っぽいコーラスが◎


X JAPAN - Vanishing Vision ★★ (2008-06-18 22:42:00)

自主レーベルEXTASY RECORDSから'88年にリリースするや、初動だけで1万枚以上を売り上げ、インディーズ作品ながらも
メジャー・チャートに食い込む大ヒット作となった、Xのデビュー・アルバム。
本作は、オムニバス盤『SKULL THRASH ZONE VOL.1』に、DOOM、JURASSIC JADE、SHELL SHOCK、GROUND ZEROといった、
スラッシュ系の強豪と共に参加する等、「歌えるVoを擁したアグレッシブなパワー・メタル・バンド」という、
当時のXの立ち位置を端的に表す内容に仕上がっていて、(良好とは言えないながらも)荒々しく尖がった
サウンド・プロダクションといい、触れれば切れそうなパワーとエネルギーに満ちた楽曲といい、
バンドの全カタログ中、最も、初期衝動に忠実な、攻撃性が前面に押し出された作風を誇る。
華麗さ、シンフォニックなドラマ性においては、後の作品に一歩譲るものの、力強く劇的なインスト曲①から
展開していくアルバム・タイトル・トラック②、シャープに突っ走る⑥、大ヒット曲(の英語バージョン)⑧といった、
切り裂くように刻まれる鋭角的なリフ・ワーク、雪崩を打って突進するリズム、ロックンロール色を排し、繊細さよりも
アグレッションの演出に重きを置いた、直線的且つヘヴィ・メタリックな楽曲のカッコ良さはただ事ではない。
ピアノをフィーチュアしたドラマティックな⑦を収録する等、次作以降で完全開花する
X流へヴィ・メタルの萌芽が既に感じられる点も頼もしい1枚。
最近、2ndや3rdアルバムがリマスター再発されたが、どうせなら、このアルバムもそうして欲しかったかな、と。


X JAPAN - Vanishing Vision - I’LL KILL YOU ★★★ (2008-06-22 18:23:08)

切り裂くようなリフ・ワークと疾走感が
ラフな音質と相俟ってスラッシーな迫力を演出する
スピード・ナンバー。
この頃のXは尖がってました。


X JAPAN - Vanishing Vision - Vanishing Love ★★★ (2008-06-22 18:25:13)

1stアルバムのOPナンバー(正確には2曲目だけど)にして、
アルバムのハイライト・ナンバー。
スラッシュ・メタルばりの怒涛の疾走感と、
ドラマティックな曲展開に、終始、痺れっ放し。


X-MAS PROJECT ★★ (2009-12-23 22:20:00)

MEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトが、超有名なクリスマス・ソングの数々をスラッシーにカヴァーする目的で、
ジャーマン・パワー/スラッシュ・シーンのミュージシャン達の協力を得て立ち上げたX'MAS PROJECT。参加バンドは、
RAGE、LIVING DEATH、HOLY MOSES、STEELER時代のアクセル・ルディ・ペル、SCANNERの前身バンドとして知られる
LIONS BLEEDなど結構豪華。(サンクス・リストにはKREATORやVIOLENT FORCEといったバンドの名前も見られる)
'85年に発表した4曲入りEP『BANGIN' ROUND THE X'MAS TREE』が好評を博した事から、翌年、更に5曲を追加収録し、
フル・アルバムの体裁で『X-MAS PROJECT』を発表。
邦盤は『メタル・クリスマス』のタイトルで'91年にテイチクよりリリースされた。
演奏も音質もかなりラフで、ノリ重視のかなり緩い仕上がりながら(意図的だけど)
聴いてるだけで楽しくなってくるハッピーな内容に仕上がっていて、個人的にはお気に入りの1枚。
また演ってくんないかなぁ。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project ★★ (2009-12-23 22:24:00)

MEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトが音頭を取って立ち上げたX'MAS PROJECTが、STEELER時代のアクセル・ルディ・ペル、
RAGE、HOLY MOSES、LIVING DEATH、LIONS BLEEDといった、ジャーマン・パワー/スラッシュ・バンドの
協力を得て制作、'86年に発表した作品。(日本では'91年にテイチクから国内盤がリリースされた)
クリスマス・シーズンに必ず耳にするポピュラー・ソングの数々に、スラッシーなアレンジを施してスピーディ且つ
アグレッシブにカヴァーするという、ANIMETAL的な方法論で作られた本作(発表はこっちの方が先だが)。
音質はかなりラフだし、一発録りでレコーディングされた演奏はかなりグダグダ、シンガーなんて歌ってる最中に
堪えきれずに吹き出す始末(笑)。お祭り感覚全開で制作されたノリ重視の作品ゆえ、生真面目なメタラーには
お薦めできないが、刻みの細かいGリフといい、タイトに突進するリズムといい、結構キャッチーなスラッシュ・ソングと
化している①、超有名なメロディと、金切り絶叫Voのギャップが凄まじい②、前半は比較的原曲に忠実な展開ながら、
後半から一気に暴走を開始する⑦など、参加ミュージシャン連中が楽しそうに演奏する姿が目に浮かぶ楽曲の数々は、
聴いてるだけでこっちまで何やら楽しい気分に。クリスマスをテーマにした企画盤は数多いが、その中でも本作は
特にイチオシの1枚。毎年、クリスマスの季節になると無性に聴きたくなりますね。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Jingle Bells ★★ (2009-12-23 22:31:11)

シングルベ~ル、ジングル・ベ~ル、鈴が鳴る~♪
という有名なメロディを、金切り声で絶叫する
トト(LIVING DEATH)のVoを聴いてるだけで笑えてくる1曲。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Leise rieselt der Schnee (2009-12-23 22:37:52)

HOLY MOSESのザビーネ・クラッセンがリードVoを担当する
ドイツのトラディショナルなクリスマス・ソング。
Voのグダグダっぷりが楽しい1曲で、歌ってる最中に
我慢できずに吹き出してしまうザビーネ姐さんに
思わず頬が緩みます。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Mary's Little Boy Child ★★ (2009-12-23 22:28:31)

邦題は“マリアの御子の生まれ給いし日"
ジャーマン・スラッシュ然とした刻みの細かいGリフに、
ヨルグ・マイケルが叩き出すタイトなリズム、
ピーヴィー・ワグナー&トーステン“トト"ベルグマンの
カミソリ・ツインVoが意外なくらい上手くハマッて
OPにぴったりなキャッチーなスラッシュ・ソングと化している。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Silent Night, Holy Night ★★ (2009-12-23 22:33:58)

“きよしこの夜"のタイトルでお馴染みの有名曲。
前半は比較的オリジナルに忠実な展開ながら、
アクセル・ルディ・ペルのGに牽引される形で後半は爆走開始。
LIVING DEATHのトトのカミソリVoがその勢いに
拍車を掛けてくれます。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Winter Wonderland ★★ (2011-12-23 02:10:55)

STRYPERもデビュー作でカヴァーしていた大ヒット曲にして
クリスマスのスタンダード・ナンバーの一つ。
ホーリーな雰囲気漂うSTRYPERバージョンに対し、
こっちのスラッシュ・バージョンは、ロマンチックな気分に浸る
カップルでごった返すクリスマス・イヴの街中に
泥酔した酔っ払い集団が突入してゲロ撒き散らした挙句、
もみの木を圧し折って「メリ~クリスマ~ス!」とピースサインを
掲げているような阿呆な雰囲気が濃厚に漂う。


X-RAY - SHOUT! ★★ (2011-11-03 01:04:23)

専任Key奏者として藤山高浩をメンバーに加え5人編成となったX-RAYが(前作『TRADITION BREAKER』との間にEP『OUTSIDER』のリリースを挟んで)、'84年に発表した3rdフル・アルバム。
華やか且つキャッチーなKeyサウンドが加わった結果、X-RAYのカタログ史上、最もライトな内容に仕上がった本作は、殆ど「ハードポップ・ソング」と表現しても差し支えない“ANYDAY!ANYTIME!”のような元気溌剌なノリの楽曲も収録。流石にやり過ぎたと思ったのか、次作『STRIKE BACK』(名盤)では若干の軌道修正が図られHRテイストが再増量されていたが、個人的には“ANYDAY!~”は大好きな曲だし、本作も優れたアルバムとして愛聴させて頂いている次第。
少なからず1stや2ndを覆っていた垢抜けない雰囲気が完全に払拭され、万人にアピールし得るメジャー感を獲得した本編には、従来のハードネスと今作ならではのポップな新味が巧みに融合された“STARDUST WAY”、前2作を大きく上回る藤本朗の卓越した歌唱が圧巻のバラード“TELL ME ABOUT YOURSELF”といった、嘗てない洗練された空気を漂わす名曲の数々を収録。
また、これらの楽曲においてフラッシーに弾きまくりつつも、要所ではメロディをしっかりと聴かせてくれる湯浅晋の緩急を心得たGプレイも心の琴線に触れまくりですよ。


X-RAY - STRIKE BACK ★★★ (2008-06-29 15:19:00)

若さに似合わぬ(本城未沙子のバック・バンドを務めていた頃は若干17歳)卓越したGテクニックと、確かな曲作りの
才能を併せ持った天才ギタリスト湯浅晋と、4オクターブの声域を自在に操る、実力派ボーカリスト藤本朗という2枚看板を擁し、
高い人気を誇った関西出身のHMバンドX-RAYが、'84年に発表した4thアルバムにしてラスト・アルバム。
ファンから「バンドの最高傑作」と高く評価される本作は、初期の頃のような荒々しさ(それこそTWISTED SISTERの名曲
“WE'RE NOT GONNA TAKE IT"のカヴァーがハマるノリ)が薄れた代わりに、1曲1曲が丁寧に練り込まれ、
じっくりとメロディを聴かせる内容に仕上がっている。エネルギッシュに疾走する③、スリリング且つ劇的なGソロに
痺れる⑤、アルバム本編を爽快に締め括る⑩といった、スピード・チューンもしっかりと収録されてはいるものの、
個人的に、それ以上にバンドの魅力が発揮されているように思うのが、歌謡曲的な哀愁を発散しつつも、どっしりとした
重量感溢れるミドル・テンポのナンバーの数々。特に、GもVoも猛烈に泣きまくる①は、X-RAY屈指の名曲じゃないでしょうか。
華と表現力を兼ね備えた湯浅のG、楽曲に親しみ易さを付与するKey、要所で印象的なフレーズを閃かせるBに、
手応え十分のリズムを叩き出すDsと、各メンバーの仕事っぷりも素晴しいが、中でも特筆すべきは、成長著しい
藤本のVo。初期の頃は、音程に無頓着なシャウトが聞き苦しい印象だったが、ここではそうした未熟さは完全に影を潜め、
高音部まで丁寧に歌いきる、まさに「実力派ボーカリスト」の名に相応しい貫禄の歌声を聴かせてくれる。
これがバンドのラスト作とは、返す返すも残念。
ちなみに'92年に再発された時は、3曲入りEP『HUMAN DOG』とのカップリング仕様だった。


X-RAY - STRIKE BACK - DON'T LIE DON'T TOUCH ★★★ (2008-06-29 15:34:22)

どっしりとした重量感溢れる。4thアルバムのOPナンバー。
猛烈な「泣き」を発散するVoとGには、思わず顔が歪みます。


X-RAY - TRADITION BREAKER ★★ (2011-11-01 22:30:50)

デビュー作から僅か半年足らずという短いタイムスパンで制作、発表された2ndフル・アルバム。それにしても、この頃のバンドのアルバム・リリース間隔の短さには驚かされますね。凄まじいまでの生き急ぎっぷりですよ。
PLAYBOY風(?)のモロ出しジャケット・アートワークが物語る通り、当時盛り上がりを見せ始めていたLAメタルからの影響が大胆に取り入れられた本編は、ワイルドでアメリカンなノリの良さが大幅増量。
未だ荒削りな部分を残しつつも、冴え渡る湯浅晋のG、ハイトーンに安定感が出てきた藤本朗のVo、Gばりにメロディアスに歌う臼井孝文のBに、パワフルに暴れ回る高橋和久のDs・・・と、着実な向上を刻むメンバーのパフォーマンスに支えられた楽曲は、一層豪快且つダイナミックな仕上がり具合を聴かせてくれるが、その一方で、湿り気が薄れてしまったサウンドからは少なからず大味感も漂って来ていて、この辺りは痛し痒し。
とは言え、アグレッシブなOPナンバー“QUESTION”やクっサい泣きのバラード“DAMZEL”なんかは前作に収録されていてもおかしくない出来だし、何より爽やかな躍動感も加味されたラスト・ナンバー“LAST SHOW TIME”はこのアルバムならではの魅力を湛えた強力な名曲と言えるのではないでしょうか。


X-RAY - 魔天 HARD SECTION ★★ (2011-10-31 22:43:51)

若干17歳の天才ギター・プレイヤー、湯浅晋とハイトーン・シンガー、藤本朗の二枚看板を擁する関西出身のHMバンドが'83年に発表した1stアルバム。(ちなみに本城美沙子がバックVoとしてゲスト参加してます)
次作ではアメリカンな色合いを増量し、3rd以降は専任Key奏者を加えて作風が一気に垢抜けて行った彼らだが、このデビュー作で聴くことが出来るのは、いかにも新人らしい荒々しさと関西のバンドならではのコテコテ感を伴った、まさしくこの時代(80年代前半)の王道を行くジャパメタ・サウンド。思わずコブシが回るアルバム表題曲“HARD SECTION”なんて、このアルバムでしか聴くことが出来ないタイプの楽曲じゃないでしょうか。
エネルギッシュな疾走ナンバーと、どっぷりと哀愁を湛えたミドル・ナンバーの二本立てからなる本編を個性的に彩るのは勿論湯浅のGプレイ。緩急自在のメロディの組み立てが冴え渡る彼のGソロは、既にこの時点でスペシャルな存在感を発揮してくれていますね。
高音域に余裕が感じられない藤本のハイトーンVo等、荒削りで垢抜けない印象は免れぬ内容ながら、楽曲は粒揃いで満足度は十分に高い。個人的にも、X-RAYのアルバムなら4th『STRIKE BACK』と並んで本作が一番好きです。


XENTRIX ★★ (2007-04-17 21:50:00)

↑ご指摘を受けた部分を訂正しておきました。
自分でも全然気付いてなかった上に、何で間違えたのかも不明なんですが(笑)
別にワム!のファンってわけでもないのに。


XENTRIX - Bury the Pain ★★★ (2019-08-18 01:31:16)

風の便りに再結成したらしいとの噂は耳にしていたけど、新作を発表する気配はなかったので「じゃあこっちには関係ねえや」と油断していたXENTRIXから突然届いた再結成第1弾アルバム(’19年発表)。しかも、どうやら初来日公演まで決まっているようで、何?この盆と正月が一緒に来たような目出度さは。
しかも音楽性の方もこれが嬉しくなるぐらい変わっていません。ゴリゴリのBランを始め、アンディ・スニープがミックスを担当した音作りで現代的アグレッションを加味しつつも、ザクザク刻まれるGリフ、重々しさも纏った疾走感、構築美に気の払われた曲展開、湿気った旋律を滾々と紡ぐ2本のG、野太い声(チャック・ビリー似)でメロディをなぞって吼えるVo…と、まさに英国産スラッシュの王道を行くサウンドを実践してくれており思わず頬が緩みます。再結成から作品発表までかなり時間が空いたのも、結果的には流行に左右されず自分達の持ち味をじっくり洗い出す良い準備期間になったのではないかと。
ツインGを活かしたドラマティックなイントロから疾走へ転じる①、抒情的な導入から腰を据えて盛り上げていく④、METALLICAやTESTAMENTを彷彿とさせる⑤、アコギを有用して静と動のメリハリを演出する⑨といった逸品の数々は、XENTRIXの1stや2ndアルバムに収録されていても違和感のないカッコ良さを誇っているのではないでしょうか。
ただバンドに「これこそが本来あるべき姿の3rdアルバム」とか言われてしまうと、3rd『KIN』(’91年)を愛して止まない身としては「そりゃないぜセニョール」と複雑な心境にならざるを得ないのですが。


XENTRIX - Dilute to Taste ★★★ (2017-10-01 00:19:48)

イギリス・ランカシャー出身の5人組が'91年に発表した6曲入りEP。音源としては2nd『FOR WHOSE ADVANTAGE?』の再発盤でボーナス・トラックとして丸ごと聴くことが出来てしまうのですが、先日、出掛けた先で立ち寄った古本屋で本作の単品CDを発見。まさか(専門店ではなく)こんな所で出会おうとは…と、つい感激して衝動買いしてしまったという。
内容の方は、野太い声質ながらもしっかりと歌えるVo、じっとりと湿気ったメロディを流麗に紡ぐ2本のG、スラッシーな疾走感は抑え気味に、緩急を効かせることを重視した曲展開etc.…といった新曲2曲の方向性が表す通り、よりパワー・メタル色を強めることとなる同年発表の3rd『KIN』の予告編的役割を果たす出来栄え。特にアコギも交えて劇的に盛り上がっていく②は名曲ですよ。
4曲のライブ音源に関しては、METALLICA型の構築感を宿した楽曲をスタジオ版以上のアグレッションを漲らせ再現するバンドの実力の高さを再確認。また観客が大合唱を響かせる③⑤等からは、XENTRIXが地元で根強い支持を得ていたことも伺えるという(MCからすると収録会場はブリストル)。そしてライブの最後を〆るのは勿論、映画『ゴーストバスターズ』テーマ曲のカヴァー⑥。「XENTRIXと言えばこの曲!」とのイメージが終始付きまとうことについては、バンド側にしてみりゃ複雑な思いがありましょうが、ひとたびプレイすれば会場がこんだけ盛り上がるのですから、そりゃ演らんわけにはいかんよねと。
EPといえども軽く見られない満足感が得られる1枚です。


XENTRIX - Dilute to Taste - Shadows of Doubt ★★★ (2017-10-01 00:54:29)

アコギのイントロに始まり、重々しいリズム、
しっかりと歌うVo、流麗なツインGの絡みをフィーチュアして
聴き進むに従って盛り上がっていく名曲。
中盤以降には疾走パートも組み込まれていますが
スラッシーというよりは「パワー・メタリック」な感触。
でもこのバンドの資質的に違和感なくフィットしていますよ。


XENTRIX - For Whose Advantage? ★★ (2007-03-19 20:20:00)

スラッシャーの間では、映画『ゴーストバスターズ』のテーマソング(レイ・パーカーJrが歌っていた有名なアレ)を
カヴァーした事で知られる、イギリスはランカシャー州出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、
'90年発表の2ndアルバムにして、スピード/へヴィネス/メロディの三拍子が見事に揃った、このバンドの最高傑作。
ザクザクと刻まれる硬質なリフ、如何にも英国的な湿り気を帯びたメロディ、起承転結のハッキリとした
ドラマチックな曲展開・・・と、METALLICAから多大な影響を受けたと思しきスラッシュ・サウンドは、
1st『SHATTERED EXISTENCE』の時点で既に高い完成度を誇っていたが、本作では基本路線はそのままに、
更に洗練された楽曲のクオリティが大幅アップ。加えて、サウンドにズッシリとした重量感が付与された事で、
アルバム全体に宿るダイナミズムも飛躍的な向上を遂げている。
劇的極まりないツインG(特にハーモニー・プレイの素晴しさときたら!)をフィーチュアした
ドラマチックな①②⑤⑧、ストレートなスラッシュ・チューン③④⑦、そして両者の美点が
見事に掛け合わされた名曲⑨といった楽曲を聴くと、彼らがデビュー作から一皮も二皮も剥け、
本格派スラッシュ・メタル・バンドならではの風格を身に付けた事が良く分かる。
GILLANのカヴァー⑩を含む全10曲、捨て曲なし。XENTRIXのアルバムで先ず最初に聴くべきは本作でしょう。
尚、最近、ROADRUNNNERから再発されたリマスター盤は、同年発表の6曲入りEP
『DILUTE TO TASTE』(これまた素晴しい出来)とのお得なカップリング仕様。


XENTRIX - Kin ★★★ (2007-03-20 23:11:00)

スラッシュ・メタル冬の時代へと突入し、ONSLUGHT、SLAMMER、SABBAT、ACID REIGNといった
英国スラッシュ勢が次々に失速していく様を横目で見ながら、'93年に発表された3rdアルバム。
スラッシーな疾走感が大きく後退し、重量級のリズムがズンズンと下っ腹に響くミドル・チューンが
本編の大半を占める内容は、発表当時、「地味」「速い曲がもっと欲しい」との評価を頂戴したが、なんのなんの。
スピードが落ちた分、(元々強い拘りを持っていた)メロディの魅力が浮かび上がり、まるで英国の曇天を
思わせるダークで憂いを帯びた楽曲の数々は、過去最高のクオリティを誇る(・・・と思う)。
繊細な泣きを炸裂させるGソロが、心筋が痙攣するぐらい素晴しい①、Voがクリーン・ボイスで歌い上げる叙情的な④、
起承転結の完璧な決まり具合が殆ど様式美HMなノリの⑥、ドラマチックなヘヴィ・バラード⑦、
トニー・マーティン在籍時のBLACK SABBATHを彷彿とさせる⑧、緩急自在に攻めてくる⑨といった楽曲を筆頭に、全編コレ捨て曲なし。
前作までのアルバムを「動」とするなら、「静」の魅力に満ち溢れている本作は、スラッシュ・メタル・バンドとしての
XENTRIXの魅力が満喫できる作品とは言い難いのだけれども(先ず最初に聴くべきは2ndアルバム)、
個人的には、本作が彼らの全アルバムの中でも最もお気に入りだったりする。


XENTRIX - Scourge ★★ (2007-08-27 21:20:00)

3rd『KIN』を最後にROAD RUNNNER RECORDSからドロップ・アウト。新たに英インディーズの
HEAVY METAL RECORDSとディールを結び、'96年に発表した4thアルバム。
スピード・チューンが殆どなく、ミッド・テンポの楽曲中心の構成は前作同様ながら、決定的に違うのは
(素っ気無いジャケット・デザインからも大体察しの付く通り)本作が明らかにPANTERAと、
所謂「90年代型モダン・へヴィネス」の影響下にあるという点。叙情性が大幅に後退し、
リフの重々しさや、Bの存在が強調されたマッチョな音作りも、そうした印象に拍車を掛けている。
但し、影響を随所に取り入れつつも、楽曲そのものまではPANTERA化していないのがこのアルバムの救いで、徐々に速度を上げていく②や、
ツインGが活躍する④⑥、アップテンポの⑦といった曲は単純にカッコイイし、ラストをドラマチックに締める⑩のような、
前作の路線を受け継ぐ楽曲もちゃんと収録されているので、聴き終えた後の印象はそう悪いものではない。
とは言え、これまでの作品で聴かれたような「泣きメロ/哀メロ」が影を潜め、よりへヴィネスの演出に重きを置いた作風は、
とにかく地味。繰り返し聴き込めば段々と味も出て来るのだけど、その前に本作を見限ってしまうファンも
多いんじゃないかなぁ、と。これを最後に解散したのもむべなるかな。


XENTRIX - Shattered Existence ★★ (2007-03-18 22:34:00)

イギリス出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、'89年発表の1stアルバム。
緩急を巧みに織り交ぜた曲展開はMETALLICAからの強い影響を感じさせるが、じっとりと湿り気を帯びたリフといい、
野卑だが、煮え切らないメロディを歌うVoといい、如何にもイギリスのバンド的な叙情性が強く漂い、非常に良い感じ。
また、デビュー作ということで、若さに任せた荒々しさが全編に横溢しているのも本作の特徴の1つで、
ことスラッシーな疾走感にかけては、彼らの全作品中、最大と言えるのではなかろうか。それでいてアグレッシブな曲調に
突然アコギ・ソロを取り入れた⑦のような楽曲で、アルバムの流れに変化を付けてみたりと、小技の効かせ方もニクイ。
後の作品に比べると今ひとつ垢抜けないし、B級チックな雰囲気が無きにしも有らずだが、
それでも、劇的なリフとメロディを紡ぎ出すツインGが中心に据えられ、しっかりと構築された楽曲には、
既に光るモノがハッキリと感じられ、デビュー作としては文句なしの出来の1枚。
尚、現在発売されてるリイシュー盤は、'90年発表の3曲入りシングル『GHOST BUSTARS』とのお得なカップリング仕様。


XORIGIN - STATE OF THE ART ★★★ (2019-02-19 00:25:09)

ダニエル・フローレス関連作品を集めていく中で行き当たった1枚。オリジン弁当の常連限定シークレット・メニューみたいなバンド名ですが、実際はノルウェー人シンガーのヨハネス・ストールと、スウェーデン人ギタリストのダニエル・パルムクヴィストという、かつてはハリウッドでORANGE CRUSHなるバンドで活動を共にしていた二人のミュージシャンが新たに立ち上げたメロディックHRユニットであり、本作はダニエル・フローレスがプロデュースを務めた’11年発表のデビュー作にあたるアルバムです。
音楽性は、ヨハネスの伸びやかなVoとダニエルのメロディアスなGを両軸に、キラキラなKeyと美麗なハーモニーを随所に散りばめた、JOURNEYやTOTOに通じる(いかにもFRONTIERS RECORDS作品らしい)適度なハードネスとポップネス、涼しげな哀愁とキャッチーさとが同居するメロディアスHRサウンドを実践。取り分け冷ややかな音作りの下、SFタッチなアートワークのイメージを踏襲するかのようなスペーシーなスケール感を宿してドラマティックにアルバムのOPを飾る①はこのプロジェクトの魅力を凝縮したかの如き名曲で、これ聴いた瞬間に「買って良かった!」と握り拳を固めましたよ。
後に続く透き通ったピアノの旋律が印象的な②、華やかに盛り上がる③、WORK OF ARTのロバート・サール提供の爽快な④、Keyの良い仕事っぷりに胸躍るポップな⑦、そしてクライマックスを劇的に盛り上げるバラード⑪…と、参加面子とジャケットに釣られて本作を手に取ったリスナーの期待にきっちり応えてくれる1枚。
メンバーの本業が忙しいためなのか、これ以降動きがないのが残念ですね。


XORIGIN - STATE OF THE ART - CAN'T KEEP RUNNING ★★★ (2019-02-19 23:23:21)

ハードにしてメロディック、スペーシーなスケール感も宿した
XORIGINというプロジェクトが秘めるポテンシャルの大きさを
如実に伝えてくれるドラマティックな逸品。
OPナンバーに打ってつけの名曲ですよ。


XORIGIN - STATE OF THE ART - THE ONE FOR ME ★★★ (2019-02-19 23:29:03)

ハリウッドで活動していたメイン・メンバーの経験が活かされた
湿度低めで爽やかにそよぐハードポップ・チューン。
キラキラと奏でられるKeyが実に心地良いったら


XT - XT ★★★ (2014-01-21 22:06:44)

スウェーデンのハードポップ・デュオが'92年に発表した1stアルバム。輸入盤市場で好評を呼んだ本作は、日本ではゼロ・コーポレーションを通じて、'93年に2nd『TAXF REE』と同時に国内盤がリリースされました。
いきなりバッハの“TOCCATA”でドラマティックに本編の幕が上がり「おぉ」と思わせてくれますが、後に続くのはネオクラシカルな様式美HM・・・ではなく、瑞々しくキャッチーなメロディを、北欧ならではの透明感で包み込んで聴かせるハードポップ・サウンド。
若き日のアンドレ・マトスを思わせるナヨッとしたシンガーの歌い回しと、打ち込みのドラム、それにSTRYPERばりに「ジ~ザァ~ス♪」と連呼する、クリスチャン・バンドらしいキリスト賛歌に引っ掛かりを覚える向きもあるかもしれませんが、「いやいや、曲の良さが全てに優先する」というメロディ至上主義者には自信を持ってお薦めできる1枚。特に、HR然としたGとKeyの絡みっぷりと、涼しげな疾走感も伴う②は名曲です。
2nd『TAX FREE』も買っておけば良かったな~と、今になって後悔しきり。


XT - XT - The Rock In My Life ★★★ (2014-01-22 21:18:26)

GソロとKeyソロも盛り込まれたハードな疾走ナンバー。
(音作りがポップなので、とてもそうは聴こえませんが)
「ジ~ザァ~ス!」「ジ~ザァ~ス!」と連呼しているので、
STRYPERがカヴァーしたら案外ハマりそうな名曲。


XYZ - Hungry ★★ (2016-07-26 22:42:01)

XYZと言えば、シティハンターを呼び出すために新宿駅の伝言板に書き残すメッセージ…ではなくて、ドン・ドッケンの庇護を受けデビューを飾ったLA出身の4人組のこと。
テリー・ルイス(Vo)の歌唱から楽曲のスタイルまで、その抜きん出たDOKKENソックリさんぶりに毀誉褒貶喧しかった1st『XYZ』の批評に嫌気が差したのか、’91年発表の本2ndアルバムでは、FREEの名曲“FIRE AND WATER”のカヴァーに挑戦してみたり、ツー・バスをフィーチュアしたメタリックな疾走ナンバー⑩を演ってみたりと、よりタフでワイルドなサウンド・スタイルへの方向転換が試みられています。そのせいか、後年ドン先生は「散々面倒みてやったのに恩知らずな連中」とおかんむりでしたが…。
装飾を排した音作りの下、灼熱のシャウトを聴かせてくれるVoに、粘っこく骨太なGプレイ、コシの強いビートを刻むリズム隊と、一層逞しさを増したメンバーのパフォーマンスに加え、ライブ映えしそうな④、重厚な⑤、Keyをアクセント的に取り入れたバラード⑧、日本ではCMソングに起用された⑬等、メロディにフックと乾いた哀愁を盛り込んだ、正統派アメリカンHMナンバーの数々も高水準を維持。「今度は90年代の流行を追いかけてみました」的安易さを感じさせない本編は、どっしりと地に足を付けた安定感と、バンドのシリアスな覚悟が伝わる出来栄えです。まぁ流石に13曲も収録されていると印象に残らない曲もチラホラ見受けられますし、聴く気を挫くジャケットも「それでいいんかい?」と思わなくもなかったですが。
しかし、当時BURRN!!誌で高評価を得たのも納得の1枚と言えるのではないでしょうか。


XYZ - Hungry - The Sun Also Rises in Hell ★★★ (2016-07-27 22:40:13)

攻撃的な曲調のみならず、
“暗黒の太陽”なる邦題までへヴィ・メタリックな
疾走ナンバー。
もう「ニセDOKKEN」とは言わせねぇぜ!という
バンドの気合が感じられますね。


Y & T - Black Tiger ★★ (2010-07-19 21:26:00)

Y & Tというバンドの美点を余すところなく捉えた名曲中の名曲“FOREVER"を収録し、
多くのファンから彼らの最高傑作として高く評価される、'82年発表の2ndアルバム。
デビュー作らしい、若さに任せた勢いが全編に横溢していた1st『EARTHSHAKER』に対し、
本作はそうした荒々しさが抑制された分、サウンド・プロダクションの充実、ポップ&キャッチーさを
増したメロディに、強化されたコーラス・ハーモニー、それに整合性とドラマ性の向上が図られた曲展開など、
収録楽曲はより洗練され、完成度を高めたとの印象を受ける。
その最大の成果と言うべきなのが、組曲形式でアルバムの幕開けを飾る①②の劇的極まりない流れであり、
そして、聴く度に眉毛が八の字になってしまうイントロからエンディングに至るまで、猛烈な「泣き」を発散する
Y & T屈指の名曲⑤の存在。また、スピーディな②から仄かに憂いを含んだポップ・ソング③へ、
ノリのいい④から泣きまくりの⑤へと繋げる構成の妙、ラストの締め括りに哀愁を帯びたバラード⑩を置く等、
考え抜かれた曲順も間違いなくアルバムのクオリティの底上げに大きく貢献している。
ソウルフルなVo、表現力豊かなG、力強さと味わい深さを併せ持ったDsなど、このバンドならではの個性が
完全に確立されたY & T入門編に打ってつけの1枚。HR/HM史に残る名盤の一つじゃないでしょうか。


Y & T - Contagious ★★ (2015-03-02 23:06:13)

キッチュなイラストからシンプルなデザインへと、アートワークが随分と落ち着いた'87年発表の6thアルバム。前2作のジャケットをボロカスに罵って来た身には歓迎すべきこと・・・と思いきや、これはこれで何だか大人し過ぎて物足りなく感じてしまうんだから、我ながら度し難い。
で、アートワークの変化と共に音楽性の方にも変化が。メタル・バンドとしてのY&Tの屋台骨を支え続けて来た名ドラマー、レオナード・ヘイズが去ったことで、サウンドは一気にポップ路線へと傾斜。OPナンバー①なんてHEY!HEY!HEY!なイントロからOH~OH~OH~なサビに至るまで、あからさまに当時のメインストリーム・ロックからの影響が打ち出されています。
ケヴィン・ビーミッシュの手掛けた洗練された音作りや、全編に亘って厚く敷き詰められたハーモニー、あとジミー・デグラッソの脇に徹したドラミングの印象もあり、楽曲はこれまでに比べ淡白な仕上がり。「油彩画を期待してたら水彩画だった」的なこのタッチの変化に戸惑い、咀嚼するまでにかなり時間を要した作品ではあるのですが、よくよく聴けば、前述の①にしてもそれ以外の楽曲にしても、デイヴ・メニケッティの歌とギターは冴えまくっていますし、哀愁に満ちた③⑤⑥なんて彼の面目躍如。そして満を持してラストで炸裂する、タイトル通りの濃厚な泣きが溢れ出すインスト曲⑩の素晴らしさよ。欲を言えば歌入りで締めて欲しかったところではありますが・・・。
結論としましては「味付けが薄かろうが濃かろうが、美味い料理は美味い」ということで。


Y & T - Contagious - I'll Cry for You ★★★ (2015-03-02 23:13:27)

アルバム『CONTAGIOUS』を聴いて
「まぁ、ポップなY&Tも悪くないと思うな、ぼかぁ」
と言いつつも、あのアルバムで一番聴き返す頻度が高いのは
デイヴ・メニケッティの面目躍如たる骨太で濃厚な
泣きが溢れ出すこのインストの名曲なのですから
「口では何のかんの言っても、体は正直やのぉ」と。


Y & T - Down for the Count ★★ (2014-11-06 00:09:37)

前作『IN ROCK WE TRUST』のジャケットの酷さは相当なもんでしたが、'85年発表のこの5thアルバムのジャケットも脱力さ加減じゃ負けてませんよ! そこは素直に負けとけよって話ですが。
加えて、我が世の春を絶賛謳歌中のLAメタル勢に感化されたカラフル&ヒラヒラ衣装を身に纏い(ことにレオナード・ヘイズの「着せられてる感」が半端ない)、外部ライターのペンによるポップな②を“オール・アメリカン・ボ~イ♪”と楽しげにパフォームするメンバーのお姿にハラハラと落涙を禁じえなかった初期Y&Tファンも多いことかと存じます。
しかしながら気楽な後追いファンとしては、本作も十分「有り」ですよ。前述の②は――Y&Tがこれを演らんでも・・・との思いを別とすれば――単純に優れた楽曲ですし、また、華やかに躍動する③、濃い口のブルーズ風味とは異なるアッサリめの哀愁漂わす⑤等は、前作で端緒を開いたポップ・メタル路線に更に大胆に踏み込んだ逸品ではないかと。
売れ線を装いつつも、デイヴ・メニケッティの歌と演奏からは相変わらず隠し切れないオーラが立ち上っていて、特にその真価は、Y&Tのお好みテープを制作する際には欠かすことの出来なかったドラマティックな泣きの名曲⑩において遺憾なく発揮されております。
これまでの作品に比べると若干パワーダウンした感は否めませんが、むしろパワーダウンしたにも関わらずこれだけのクオリティを保っている事実が、Y&Tの底知れぬポテンシャルを物語っていると思うわけで。


Y & T - Earthshaker ★★ (2010-07-14 21:36:00)

YESTERDAY & TODAY改めY & Tの仕切り直しデビュー作となった、'81年発表の1stアルバム。
ブルーズ・ベースのシンプルでノリの良いアメリカン・ロックに、欧州HRばりの叙情性とドラマ性を混ぜ合わせた
サウンドは、既にこのバンドならではの個性をドーンと確立しているだけでなく、デイヴ“人間国宝"メニケッティの
GとVoが濃厚に咽び泣く⑤⑩といった、Y & Tを語る上で欠かす事の出来ないバラードの名曲も収録。
一方で、他のどこよりも先ずNWOBHMが盛り上がりを見せていた英国で評価を得た事実が物語る通り、
本作は彼らのカタログの中でも一際ハード&へヴィな作風を誇っており、その要となっているのが
「イアン・ペイスの腕とジョン・ボーナムの足を持つ男」と言われた(?)レナード・ヘイズ(Ds)の存在。
一撃一撃がズンズンと下っ腹に響く彼のパワフルなドラミングが、デイヴのスリリング且つソウルフルなGと
ガップリ四つに組んで火花を散らす、疾走チューン④⑦の荒々しいカッコ良さは、ずんどこ洗練されていく
後の作品とは一味異なる、本作ならではの味わいと言えるのではないでしょうか。
Y & T入門編としては次作『BLACK TIGER』を推すが、個人的に彼らの作品で最も愛着を覚えるて1枚はコレかなと。


Y & T - Facemelter ★★ (2010-07-08 23:19:00)

ソロ・アルバムもあったし、来日公演もあったしで、それほど間が開いた印象はなかったのだが、実際は13年ぶりの
リリースだというY&Tの新作アルバム。再結成後の前2作が余りパッとした出来栄えではなかったので、今回も然したる
期待は抱かずに購入、漫然とCDデッキにセットして聴き始めたのだが・・・これが良い、非常に良いのだ。
往年の必殺メドレー“FROM THE MOON"~“OPEN FIRE"の流れを思い起こさせる①②の
ドラマティックな展開を聴いただけ、完璧にハートを鷲掴みにされてしまいましたよ。
FRONTIER RECORDSと契約を交わしたことが奏功したのか、本作は良い意味で「開き直り」が感じられるというか、
原点回帰の姿勢が終始徹底されており、前述の①②以外にも、名曲“FOREVER"+“MIDNIGHT IN TOKYO"
といった趣きの⑦、“I BELEIVE IN YOU"ばりにデイヴ・メニケッティのGが泣きまくるバラード⑧、
“MEAN STREAK"風味のシャープなGリフが踊る⑩等の楽曲を筆頭に、その作風はY&T全盛期の作品群を彷彿。
(ジャケット・アートワークもジョン・ディスミュークスが手掛けているし)
それでいて、年月を経て一層の表現力を獲得したデイヴのエモーショナルでソウルフルな歌声とGの腕前が、
このアルバムに現在の彼らならではの魅力を付与しており、決して単なる過去の遺産の焼直し作品には堕としていない。
不満と言えば、レオナード・ヘイズの不在と重厚感に欠ける音作りのくらいなもので、従来のファンは勿論のこと、
若いメタル・ファンが聴いてもきっと何かしら感じるものがあるであろう力作。来日公演が今から楽しみだ。


Y & T - In Rock We Trust ★★★ (2011-01-18 22:56:29)

'84年のリリース当時、レコード会社の担当者が目にした瞬間思わず頭を抱えてしまったという逸話を持つ、Y&T史上屈指のダメジャケが目印の5thアルバム。(個人的には、ロボットが履いてる紫パンツと股間のもっこり具合が気になって仕方ないのですが)
LAシーンの盛り上がりに触発されてレコーディングが行われた本作は、明るくシンプルな曲調と、エンディングに組み込まれた“星条旗よ永遠なれ”のメロディも印象的なミッド・チューン①が本編の幕開けを飾る事に象徴されるように、粘っこいブルーズ色や濃厚な泣きといったマイナーな要素を排し、キャッチーでアッサリ風味のアメリカン・メタル志向が前作『MEAN STREAK』以上に顕在化。そのため初期作に比べるとファン人気は今ひとつ芳しくないわけだが、こうして改めて聴き直してみると、メンバーのパフォーマンスには全盛期ならではの躍動感が満ち溢れ(フィル・ケネモアに合掌・・・)、効果的に導入されたKeyが、良い意味で産業ロック的な洗練された魅力を醸し出す④や、ポップ且つ爽やかに疾走する⑦といった、Y&Tの新たな魅力の地平を切り開く楽曲の数々を収録。本編ラストには、従来のY&T節とキャッチーな新味が違和感なく融合をみた名曲⑩が置かれる隙のない構成といい、退屈なのはレコード会社のアイデアを受けて収録された⑥ぐらいのもので、それ以外は捨て曲なしと言っても過言ではない完成度の高さに大いに感心させられた次第。
考えてみりゃ、彼らのアルバム中最も売れた作品でもあるわけで(45万枚のセールスを記録)、クオリティが低いわけはないのだ。


Y & T - Mean Streak ★★ (2010-07-24 00:24:00)

切れ味鋭いGリフが踊る、Y & Tのハード・サイドを代表する名曲“MEAN STREAK"の存在が
端的に示す通り、ブルーズ・ロック的な泣きや哀愁、マイナー調の雰囲気が薄れ、ザックリと刻まれる
Gリフに、一層キャッチーさを増した曲展開やコーラス・ワークなど、洗練されたヘヴィ・メタリックな
側面が強調された作風に仕上がっている、'84年発表の3rdアルバム。
と言っても、日本のファンに捧げられた泣きの名曲⑤(Gも良いけど、裏メロを取るBもグッジョブ)
を筆頭に、ポップ且つ憂いを帯びた③、哀愁のミドル・チューン⑧、そして個人的にアルバム表題曲に
匹敵する名曲と信じて疑わないハードな疾走ナンバー⑥など、メロディの叙情味やフックに
大味感や鈍りは微塵も感じられないので安心されたし。
本作以降、Y & Tはその音楽性を徐々にポップ化させてファンから賛否両論を呼ぶわけだが、
とりあえずデビュー作から本作に至る彼らの初期3作にハズレなし。前2作同様、コレまた名盤でしょう。


Y & T - Ten ★★★ (2015-08-17 01:02:22)

YESTERDAY & TODAY時代も含めると丁度10枚目の作品ということで、シンプルに『TEN』と名付けられた'90年発表の(Y&T名義では)7thアルバム。
バンドに対する注目度が下降線を辿りつつあった時期にあって、「俺達のY&Tが帰って来た」と比較的好意を持って迎えられた作品だけに、ポップ・メタル化著しかったここ数作に比べると、楽曲にはハードさが、デイヴ・メニケッティの歌とGプレイには「粘り」が戻って来ていることが確認できます。
と言ってもまんま初期の作風に立ち返ったわけじゃなく、マイク・ストーンが手掛けた音作りから、洗練を感じさせるアレンジ・センス、楽曲をキャッチー&コンパクトにまとめ上げるソング・ライティング術まで、ポップ・メタル路線の残り香もチラホラ。寧ろそうしたこれまでの試行錯誤が踏まえられているからこそ、本作は単なる過去の焼き直しではなく、折衷的魅力を湛えた好盤に仕上がったのではないかと。
本編前半には少々地味な印象も付き纏いますが、中盤以降の目を瞠る充実度でそれをリカバリー。取り分け、タメを効かせて盛り上がっていく⑥、息苦しい程にエモーション迸る⑩、ハード・ロッキンな熱さと泣きメロがドライヴする⑫は、デイヴ入魂の歌とギターが冴え渡る「これぞY&T!」な名曲っぷり。
彼らは本作発表後間もなく解散の道を選択してしまいますが、確かにこれ程の力作をモノにしたにも関わらずレコード会社から何の援護も受けられなければ、バンドの将来に対し悲観的になってしまったのもむべなるかな。(今は再結成してバンドもファンも皆ハッピー)


Y & T - Ten - Surrender ★★★ (2015-08-18 22:15:24)

キャッチーな楽曲構築術と、胸を打つ哀愁のメロディ&
エモーショナルなパフォーマンスとが渾然一体となった
後期(と言って良いのかどうか)Y&Tが目指した音楽性の
完成形と評すべき名曲。
それだけにこれが最終作の最終曲となってしまったのは
残念無念。当時の話ですが。


Y & T - Ten - Ten Lovers ★★★ (2015-08-18 22:09:26)

“SURRENDER”と並ぶアルバム『TEN』のハイライト。
皆さん仰られる通り、フォーク的な侘しい哀愁漂う前半から
バンド全体が加わって熱く激しく、それでいて泣きを損なうことなく
盛り上がっていく後半戦は何度聴いてもグッときます。


YES - Fragile ★★★ (2018-06-24 08:07:54)

その昔KING CRIMSONの『クリムゾン・キングの宮殿』に衝撃を受け、プログレッシブ・ロックの勉強モードに入った時期がありまして、当然YESの代表作として有名な4th(’71年)にも手を出したわけですが、暗く重く劇的だった『クリムゾン~』に比べると、イアン…ではなくジョン(訂正ありがとうございますメタル慶昭さん)・アンダーソンの陽性なVo、華麗なハーモニー、リック・ウェイクマンのカラフルなKeyに彩られたサウンドは何だか明るくポップに感じられ、「俺の趣味じゃねぇ」と聴き込むことなく放置プレイをエクスキュート。そのまま結構な時間が経過してしまったという。
その後、本作に対する印象を一変させる切っ掛けになったのは『バッファロー’66』という映画でした。同作ではスリリング且つ劇的な名曲“燃える朝やけ”が非常に印象的な使われ方をしており、「えっ、こんなイカした曲が収録されてたっけ?!」と慌ててアルバムを引っ張り出し、そこで漸く本作の真の魅力を認識するに至った次第。
繊細にアコギを奏で、破壊的にリフを刻むスティーヴ・ハウのG、しなやかに唸りを上げるビリー・スクワイアのB、変幻自在に躍動するビル・ブラフォードのDsが、ポップなVoや流麗な鍵盤捌き、立体的に編まれたハーモニーと共に混然一体に展開する名曲“RUNABOUT”を始め、山あり谷ありの道行の果てに壮大なパノラマが眼前に広がるかの如き収録楽曲の魅力は、アーティスティックな独創性のみならず、親しみ易いポピュラリティをも兼ね備えたYESならではと、今ならば理解可能です。
以降、己の所業はひとまず棚上げして、「やっぱYES入門盤にはこのアルバムが最適ですよ!」と吹聴して回ったことは言うまでもありません。


YES - Fragile - Heart of the Sunrise ★★★ (2018-06-25 23:56:41)

映画『バッファロー'66』で印象的に使われていて、
個人的にYESを見直す切っ掛けとなった恩人とも言える名曲。
“燃える朝焼け”を拝むべく、山あり谷ありの起伏に富んだ道行を
乗り越えていくような、壮大にしてスリリング、
且つドラマティックな曲展開は、11分越えの長尺が
全く苦にならないほどにエキサイティング。


YES - Fragile - Roundabout ★★★ (2018-06-25 23:42:35)

凝ったアレンジや複雑な曲展開と、ポップで親しみ易いメロディ、
繊細な表現力と豪快な破壊力、大衆性と独創性等々…
相反する要素を丸呑みにしてスリリングに疾走する真にプログレッシブな名曲の一つ。
それにしても、よくこれをアニメの主題歌に起用しようと思いつきましたね。


YNGWIE MALMSTEEN (2013-12-02 22:02:10)

かなり酔っ払った状態で見てたので記憶は相当怪しいのですが。
>ラウパ2013でインギ

1曲目は劇的な疾走ナンバー“RISING FORCE”。会場のボルテージは一気に頂点に達するも、以降はインスト曲か、イングヴェイ自身がVoを取る近作ナンバーの連打で、往年の(歌入りの)名曲は“HEAVENT TONIGHT”と“I'LL SEE THE LIGHT TONIGHT”ぐらい。
加えてノイズ混じりの音響が終始安定せず、度重なるギター・トラブルやマイク・トラブルに場内もざわざわと異様な雰囲気に。ステージにズラリ並べられたマーシャルの壁が空しい・・・。
で、問題が発生すると進行そっちのけでローディに文句たれる御大。脇から慌ててベーシストが前へ走り出てきて、「ヘ~イ、ジャパ~ン、乗ってるか~い?」みたいな苦しいMCで場を繋ぐのですが、見てるこっちにも必死さが伝わってきて痛々しい。しかも音響を改善しようとスタッフがステージ上をウロチョロするので気が散ること甚だしい(笑)
ちらちらとイングヴェイに視線を送り「ボス、そろそろ復帰して下さいよ!」とアピールするB。しかし我関せずで客席に尻を向けたままの貴族。ベース頑張れ!多分、二日目のステージで一番頑張ったのはあのベーシストではなかったろうか
で色々あって(荷物を回収するためクロークへ中座して2、3曲見逃す)、最後は諸々のトラブルに対する鬱憤を晴らすかのように、イングヴェイが自分のギターを執拗に破壊してエンディング。
帰りがけ、アリーナ出口の階段のところで、学生さんらしき2人組が「なんか凄いもん見たな」と呆然としてました。


YNGWIE MALMSTEEN - Alchemy ★★★ (2012-10-30 23:32:33)

「歴代最高シンガー」との評価を得ていたマーク・ボールズが出戻って、'99年に発表された10thアルバム。
久々に「ライジング・フォース」名義を使用している本作ですが、それで何かが大きく変わったということは特になく、ここで聴かれるのは毎度お馴染みのイングヴェイ流HMサウンド。
ただ、今回彼がかなり気合を入れて派手に弾きまくっているのは確かで、「電撃戦」のタイトルに相応しいアグレッシブなOPナンバー“BRITZKREIG”、一転、ブルージーな泣きと哀愁を炸裂させる“BLUE”、そして三部構成からなる大作組曲“ASYLUM”等、攻めの姿勢と気迫が漲るインスト・ナンバーの数々を収録。またロックンロール系やポップなノリの楽曲が姿を消した本編も、ダークでクラシカルなHMナンバーで統一が図られており、こうした初期作を彷彿とさせる要素を端々で確認できる本作は、なるほど、「ライジング・フォース」の名を冠するに相応しいと言えるのかもしれません。
重厚壮大な“LEONARDO”、スピーディな様式美ナンバーのお手本のような“WIELD MY SWORD”や“HANGER 18, AREA 51”は、マークのコブシの効いた歌い回しと、目の覚めるようなハイトーンが琴線にビンビンと響きまくる名曲です。
70分オーバーの長丁場が全く苦に感じられない力作。個人的に、手放しで絶賛できるイングヴェイのアルバムはここら辺りまでかなぁ。


YNGWIE MALMSTEEN - Alchemy - Blue ★★★ (2012-10-30 23:23:49)

これまで、ありそうでなかった(よね?)
ブルージーなインスト・ナンバー。
もしかして本作のハイライトじゃないでしょうか、
つーぐらい、楽曲全体が濃厚な泣きと哀愁を発散しています。


YNGWIE MALMSTEEN - Alchemy - Hangar 18, Area 51 ★★★ (2012-10-30 23:28:59)

「マーク・ボールズ・イズ・バック!」を
実感させてくれる疾走ナンバーの名曲。
こちらのサイトでは“WIELD MY SWORD”の方が
人気が高いようですが、個人的にはコブシ回りまくりの
歌メロ(特にサビ)が炸裂するこっちの方が
マークの実力がフルに発揮されているように
感じられて高ポイントです。


YNGWIE MALMSTEEN - Alchemy - Leonardo ★★★ (2012-10-30 23:20:19)

レオナルド熊・・・ではなく、
レオナルド・ダ・ヴィンチについて歌った
壮大にうねるドラマティックな大作ナンバー。
荘厳なイントロで「何かやってくれる」と
期待させられますが、勿論、それが裏切られることは
ありません。この曲の主役は(皆さんが指摘されている通り)
マーク・ボールズの壮絶な歌いっぷり。
特に4分前のシャウトにはゾクゾクさせられます。


YNGWIE MALMSTEEN - Attack!! ★★ (2012-11-02 00:14:55)

「RAINBOW四代目フロントマン」の肩書きも今は昔。最近じゃすっかり便利屋シンガー稼業が板に付いたドゥギー・ホワイトを迎えてレコーディング、'02年に発表した12thアルバム。
CDをトレイに乗せると表示される《16曲:73分》という超ボリュームに、いきなりテンションが下がります(苦笑)。最終的な絞込み作業をさぼったのか、とにかく仕上がったものを片っ端から収録していったような本編は、楽曲の出来・不出来の差がかなり大きい。というか、イングヴェイのアルバムでここまで収録各曲のクオリティにバラつきがあるのって初めてでは・・・。
ドゥギーのVoに関しても、伸びやかな歌唱はイングヴェイの作り出す楽曲に良くマッチしているのですが、勢い任せでフックに乏しい歌メロが彼の実力を十全に活かしきれているとは思えません。特に前半の楽曲にそれは顕著で、いっそのこと3曲目の“VALLEY OF THE KINGS”他、1、2曲を除くアルバム前半の楽曲はばっさりオミットして、9曲目の疾走ナンバー“IN THE NAME OF THE GOD”から本編をスタートさせた方が、クオリティ的にも収録時間的にも丁度良かったのでは?なんて思ったりも。
実際アルバム後半には、勇壮且つキャッチーな“VALHALLA”、Keyが良い仕事している“TOUCH THE SKY”など優れた楽曲が並んでいますし。中でも疾走ナンバー“IRON CLAD”はイングヴェイ流HMの真骨頂が堪能できる名曲ですよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Attack!! - Iron Clad ★★★ (2012-11-02 00:11:03)

アルバム全体では不完全燃焼感を
漂わせていたドゥギー・ホワイトですが、
この疾走ナンバーでは持てる実力を
フルに発揮してくれています。
ぎゅんぎゅんコブシ回りまくりなサビメロの
カッコイイこと!


YNGWIE MALMSTEEN - Attack!! - Valhalla ★★ (2012-11-02 00:12:37)

勇壮でキャッチー。中間部のクラシカルなアレンジも
ドラマティックな、ライブ映えしそうな名曲です。
ただ、6分は長過ぎる。
もうちょいコンパクトにまとめて欲しかった。


YNGWIE MALMSTEEN - Attack!! - Valley of Kings ★★★ (2012-11-02 00:13:59)

パッとしない曲が並ぶアルバム前半にあって
イングヴェイ流の“GATES OF BABYLON”に対する
アンサー・ソングみたいな(イントロだけですが)
この曲の存在感は際立っています。


YNGWIE MALMSTEEN - Eclipse ★★★ (2012-10-25 22:18:20)

ジョー・リン・ターナーに引っ掻き回されたことがトラウマになったのか、旧友イェンス&アンダースのヨハンソン兄弟を含む全メンバーを解雇。そして新たに元MADISONのヨラン・エドマン(Vo)ら、自由にコントロール出来そうな(有体に言って地味な)ミュージシャンと共にレコーディングを行い、'89年に発表した5thアルバム。(初回盤はダブルパック仕様)
泣きを伴うクリアなハイトーンVoを筆頭に、北欧出身メンバーによる透明感溢れるパフォーマンスを活かしつつも、従来には見られなかったブルージーな楽曲も収録するなど、作風を意欲的に広げに掛かった姿勢は『ODYSSEY』同様で、あのアルバムにまつわる経験が、(人間関係はともかく)曲作りに関してはイングヴェイに大きな実りをもたらしたことが分かります。
但し、本作はあまり曲順がよろしくない。序盤に並べられたミッド・テンポの“MAKIN' LOVE”や“BEDROOM EYES”は歴代のOPナンバー群と比較するとインパクトに欠け、3曲目の“SAVE OUR LOVE”は感動的なバラードの名曲ですが、この位置だと折角のクオリティが十分に活かし切れていない。素直に疾走ナンバーの“DEMON DRIVER”や“MOTHERLESS CHILD”で始めておいた方が、アルバムの印象は上向いたと思うんだけどなぁ。
それでも中盤以降はグングンとテンションが上がり始め、その勢いが最後まで持続する辺りは流石イングヴェイ。彼のカタログの中では比較的地味な扱いを受けがちな1枚ですが、個人的には、本作もまた「捨て曲なしの名盤」であると評価いたします。


YNGWIE MALMSTEEN - Eclipse - Judas ★★★ (2012-10-25 22:22:29)

水晶細工の如き気品と美しさを放つ
「ザ・北欧メタル」な名曲。
ヨラン・エドマンの泣きを帯びた
歌声が絶品ですね。
透明感を増幅するKeyも◎。


YNGWIE MALMSTEEN - Eclipse - Motherless Child ★★★ (2012-10-25 22:30:59)

高音域で哀愁が滲み出すヨラン・エドマンの
歌声が映える劇的な疾走ナンバーの名曲。
アルバム自体は前作に比べると地味な印象ですが、
この曲におけるGソロを筆頭に、イングヴェイの
Gプレイは完全に事故の後遺症から脱していることが
良く分かります。


YNGWIE MALMSTEEN - Eclipse - Save Our Love ★★★ (2012-10-25 22:25:16)

多くの方が指摘されている通り
溢れんばかりの感情が込められた
泣きのGソロが壮絶なまでに心を打つ
名バラード。まさしく珠玉。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal ★★★ (2011-01-05 21:38:54)

90年代のイングヴェイの最高傑作と言えば、ジャケットで欧陽菲菲みたいな彼が睨みを利かせるこの9thアルバムで決まり。
理由は勿論、敬愛して止まないコージー・パウエルの遺作だから・・・というのも勿論大きいが、それと同等に収録楽曲の飛び抜けたクオリティの高さ。分けても(別に嫌いではないが無くとも全然構わなかった)ブルーズ系の楽曲が姿を消し、ダークで緊迫感を伴ったHMナンバーで本編の統一が図られている点が評価ポイント。判り易いスピード・ナンバーが見当たらない代わりに、適度な歪みと熱さを備えたマッツ・レヴィンの歌声と、一撃一撃に魂の篭ったコージーのパワフルなドラミングが映える楽曲がズラリ揃えられています。唯我独尊っぷりを色々揶揄される機会の多いイングヴェイなれど、この辺の「参加メンバーの長所を活かす曲作りの上手さ/器用さ」は他の追随を許さないレベル。流石マエストロ。また、今回は彼自身のGプレイが冴えまくっているのも特筆すべきセールス・ポイントですかね。
力強くドラマティックなOPナンバー“BRAVEHEART”、『ODYSSEY』の頃を思い起こさせる“FACING THE ANIMAL”、重厚且つ緊迫感に満ちた“ENEMY”・・・といった具合に、語ろうと思えば頭から順に全曲について語れてしまうぐらい逸曲揃いの本作ですが、取り分け、エモーショナルなGソロにキュンキュン来るバラード“LIKE AN ANGEL”、コージーの重たいドラミングが映える“MY RESURRECTION”、巧みにまぶされたポップ・センスに唸る“ANOTHER TIME”といった、劇的極まりないメロディ展開に耳奪われる名曲が連続する本編中盤の盛り上がりっぷりは圧巻。
聴き終える度に、大いなる満足感と共に一抹の寂寥感を覚えずにはいられない1枚です。合掌。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal - Another Time ★★★ (2012-10-29 21:43:43)

アルバムのハイライト・ナンバーですよね。
とにかく心憎いばかりにフックの効きまくった
歌メロに終始ニコニコさせられます。
煌びやかなKeyの活躍もお見事で、
ポップなのにドラマティックという
アクロバティックな名曲に仕上がっています。
ヘヴィな楽曲のみならず、こういうタイプの
楽曲を味わい深く叩けるのがコージーの強みですね。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal - Braveheart ★★★ (2012-10-29 21:39:16)

疾走曲ではなく、コージーのドラミングが映える
力強く勇壮な楽曲で幕が上がる構成に、イングヴェイの
コージーを尊重する姿勢が感じられて好感度が上がります。
ケルティックなメロディが新生面を感じさせてくれる名曲で、
エンディングのブレイク前でピアノが閃く
ドラマティックなアレンジには、「やられた!」
と額をピシャリと叩いてしまいました。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal - Like an Angel (For April) ★★★ (2012-10-29 21:47:21)

イングヴェイのGソロが80年代の輝きを
取り戻している名バラード。
「フォー・エイプリル」なんてクレジットして
また離婚しても知らんぞ、とか当時は思いましたが
現在でも上手くいってるようですね。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal - My Resurrection ★★★ (2012-10-29 21:54:18)

キャッチー且つ劇的なメロディ展開と
これぞコージー!なドラミングに
痺れっ放しな、アルバムでも1、2を
争う名曲ですが、今となっては
「来日してこの曲をコージーに叩いて欲しかったなぁ」
(そうすれば事故死せずに済んだかも知れなかったのに)
と、聴く度にセンチな気分にもなってしまいます。


YNGWIE MALMSTEEN - Facing the Animal - Only the Strong ★★★ (2012-10-29 21:49:46)

ガッツィーな曲調をコージーの重たいドラミングが
後押しする、イングヴェイ流“EYE OF THE TIGER”。(?)
聴いていると沸々と闘志が湧き上がって来るような
気がしますね。