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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6801-6900
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6801-6900
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YNGWIE MALMSTEEN - Fire and Ice ★★★ (2012-10-26 23:19:50)

オリコンチャートで遂に1位の座を獲得した'91年発表の6thアルバム(Voは前作同様、ヨラン・エドマン)。ここから次作『THE SEVENTH SIGN』へ至る辺りが、日本におけるイングヴェイ人気の絶頂期でしょうか。
作風を広げに掛かっていた前作『ECLIPSE』と比較すると、ややクラシカルな方向に揺り戻されている印象で、特に、生オケを導入した疾走ナンバー“NO MERCY”と“FOREVER IS A LONG TIME”、それに重厚且つ劇的な“FINAL CURTAIN”は「ビバ・ネオクラシカル!ビバ・イングヴェイ!」と諸手を挙げて叫び出したくなるようなカッコ良さ。
一方で、アルバム全体を俯瞰すると散漫さも目に付きます。1曲1曲は然程悪い出来じゃないのに、似通ったテンポの楽曲が連続する曲順の不味さ(インスト曲の配置も、もう少し考慮の余地があったのでは・・・)や、全15曲収録、70分に迫る超過ボリュームから来る冗長感が、折角の素材の良さに余計な影を落とし込んでいる印象あり。
そんなわけで、頭から通して聴くよりも“HOW MANY MILES TO BABYLON”等、優れた楽曲をピックアップして聴くか、もしくは自分なりの曲順を考えて楽しむことをお薦めしたくなる1枚ですかね。


YNGWIE MALMSTEEN - Fire and Ice - Final Curtain ★★★ (2012-10-26 23:18:09)

これまた生オケが非常に効果的な
荘厳、重厚、クラシカルと
三拍子揃ったドラマティックなヘヴィ・ナンバー。
悲壮美を帯びたサビメロの素晴しいこと!


YNGWIE MALMSTEEN - Fire and Ice - Forever Is a Long Time ★★★ (2012-10-26 23:12:57)

皆様の意見に付け加えることは殆どありません。
劇的に疾走するイングヴェイ印の様式美ナンバーにして
アルバムのハイライト・ソングで御座います。


YNGWIE MALMSTEEN - Fire and Ice - No Mercy ★★★ (2012-10-26 23:15:06)

“FOREVER IS A LONG TIME”の兄弟みたいな
ドラマティックな疾走曲。
生オケが非常に効果を上げていて、
今にして思うと、後のコンチェルト・アルバムの
布石となった1曲かもしれませんね。


YNGWIE MALMSTEEN - Live at Budokan ★★ (2023-08-17 01:20:26)

8th『THE SEVENTH SIGN』がオリコン・チャートで最高第2位に輝き、トリプル・プラチナムを獲得する等、'94年にイングヴェイ人気はここ日本で頂点に達しました。本作は同年3月16日、その絶好のタイミングを捉えて日本武道館で行われた来日公演の模様が収録されている2枚組実況録音盤。この時のライブがWOWOWで中継されたことは記憶していますが、いつの間にかCD化までされていたとは知らなんだ。そういや、この日は友人と連れ立って武道館まで足を運んだっけなぁと。客席から見てたら、ステージの上でも袖でも誰はばかることなくイングヴェイが新しい嫁さんとイチャコラしまくっていて「ご馳走さん」といった感じでしたが、その後その嫁と泥沼の離婚劇に発展して、ちゃんと「ソウルメイトが聞いて呆れるよ」的なオチを着けてくれる辺りが流石マエストロというか何というか。閑話休題。
中期の傑作として評価の高い『THE SEVENTH~』に伴うツアーゆえ、セットリストは(やや面白味に欠けるとはいえ)盤石ですし、バックを支える面子も、マイク・ヴェセーラ(Vo)、マイク・テラーナ(Ds)、バリー・スパークス(B)、マッツ・オラウソン(Key)という実力者が揃っているのでパフォーマンス面における不安要素も皆無。特にスタジオ・バージョンを上回るドラマティックなカッコ良さを放つ“SEVENTH SIGN”や、体感としてあの日のライブで会場が最も沸騰した瞬間だった“紫の炎”が炸裂する場面には、改めて痺れさせていただきましたよ。
絶頂期を迎えたイングヴェイの貫禄の横綱相撲っぷりが堪能できる一作(いや体型の話ではなく)。欲を言えば“CRASH AND BURN”“RISING FORCE”もオミットせず収録して欲しかったなぁ。


YNGWIE MALMSTEEN - Magnum Opus ★★★ (2012-10-28 22:49:32)

『MAGNUM OPUS(超大作)』というタイトルの語感と、ジャケットにフィーチュアされたイングヴェイのドヤ顔とが相俟って絶妙にイラッとさせられる(笑)、'95年発表の8thアルバム。
前作『THE SEVENTH SIGN』の作風を継承し、バラエティ豊かに取り揃えられた楽曲1つ1つは良く出来ているのに、通して聴くとどうにもピリッと締まらない印象が強いのは、マイク・ヴェセーラのVoから今ひとつ覇気が感じられないせいか、はたまた生煮えなサウンド・プロダクションのせいか。「イングヴェイは同じシンガーと2枚続けてアルバム作るとテンションが落ちる」なんて囁かれ始めたのはこの頃からでしたっけ?(本作発表後、マイクはイングヴェイの悪妻アンバーとの浮気疑惑も掛けられクビになってしまった)
爪弾かれるアコギから疾走へと転じる華麗なる様式美に満ちた“VENGIANCE”、ヘヴィな“TOMORROW'S GONE”、数あるイングヴェイの名曲の中でもトップクラスのカッコ良さを備えた劇的な疾走ナンバー“FIRE IN THE SKY”etc・・・と、個々の楽曲は本当に良く出来ているのですが。特に“FIRE~”なんて、様式美HM好きならこれ1曲目当てで本作を購入しても損はないぞ!と、未聴の人の肩を叩いて回りたくなる名曲ですよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Magnum Opus - Fire in the Sky ★★★ (2012-10-28 22:48:52)

「アルカトラスっぽい」という意見を読んで
ああ、そういえば確かに、と膝を打ちました。
ヘヴィ・メタリックでタイトに締まった“NEVER DIE”や
“VENGIANE”とは異なる、優雅で劇的な疾走感が
堪能できる名曲です。
アルバム自体はやや地味な『MAGNUM OPUS』ですが、
この名曲が終盤にあるお陰で、聴き終えたあとは
何だか凄い名盤を体験したような気分になれますよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Magnum Opus - Vengeance ★★★ (2012-10-28 22:42:49)

クラシカルなフレーズから
アコギのイントロから疾走へと転じる
曲展開など、非常に判り易い形で
イングヴェイの魅力が凝縮された
スピード・ナンバーの名曲です。


YNGWIE MALMSTEEN - Marching Out ★★★ (2012-10-22 22:31:41)

VENOMの『WELCOME TO HELL』がSHM-CD化された際、ファンの方が「何という資源の無駄遣い」と自虐的に書いているのを読んで笑ってしまったのですが、イングヴェイ的には、さしずめこのアルバムがそれに該当する・・・のではないかと。
数年前、リマスター&SHM-CD化に釣られて本作の紙ジャケ盤を買い直したのですが、スピーカーの前にぼろいカーテンが垂らされているような筋金入りの低音質に劇的な改善は見受けられず(多少なりとも良くなってはいますが)、「やっぱ元が悪過ぎるとリマスターにも限界があるよなぁ」と溜息をついた次第。
しかし多くの方々が指摘されている通り、ここに収められた楽曲はメチャ強力。どんどん洗練されていく次作以降に比べ、全編を分厚く覆うダーク且つマイナーな雰囲気と、パワー・メタル的なササクレた攻撃性を孕んだネオクラ・チューンの数々は、いずれも甲乙付け難い名曲揃い。
取り分け、本編中盤に並べられた3曲、後にVITAL REMAINSもカヴァーした禍々しくサタニック、それでいて劇的な“DISCIPLES OF HELL”、前作では精彩を欠いたジェフ・スコット・ソートの見(聴)違えるような熱唱振りと、タイトルに相応しい勇壮な曲調に思わず荒ぶる“I AM A VIKING”、“序曲1383”から繋がりGとKeyが火花を散らす“ANGUISH AND FEAR”は、初期・北欧様式美HM路線の最高峰と言うべき至高の逸品にして、このアルバムでしか聴くことの出来ないタイプの楽曲ではないでしょうか。
音質の酷さがあってなお輝きを失わない、個人的には最高傑作と名高い3rd『TORILOGY』よりも聴き直す機会の多い1枚です。


YNGWIE MALMSTEEN - Marching Out - Anguish and Fear ★★★ (2012-10-22 22:52:17)

イングヴェイのGとイェンスのKeyが真っ向ぶつかり合う
ど直球の様式美HMナンバー。
“序曲1383”とセットでお楽しみ下さい。
次作以降、KeyのGのカウンター・パートとしての役割は
どんどん減っていくことになるので、余計にこの曲の
カッコ良さが際立ちます。


YNGWIE MALMSTEEN - Marching Out - Disciples of Hell ★★★ (2012-10-22 22:37:13)

イングヴェイの全ての名曲の中でも
トップ集団に余裕でランクイン可能な名曲。
サタニックな歌詞といい、作品全体を覆う
禍々しくオーラに、ヴァイキング・メタルに
通じる勇壮且つ劇的な曲調・・・
初期様式美HM路線の最高到達点の
1つではないでしょうか。


YNGWIE MALMSTEEN - Marching Out - Don’t Let It End ★★★ (2012-10-22 22:58:42)

ジェフ・スコット・ソートの
歌唱がドはまりしている、
物悲しいけどバラードとは異なり、
センチメンタルだけどなんだけど
線の細さをまるで感じさせない
熱く激しく物悲しい名曲。


YNGWIE MALMSTEEN - Marching Out - I Am a Viking ★★★ (2012-10-22 22:47:06)

イングヴェイも、所謂「ヴァイキング・メタル」の
ルーツの1つに挙げられるよね、とか思わされる名曲。
ジェフ・スコット・ソートが歌うためにあるような
熱く激しく、それでいて悲しくもあるサビメロを
聴く度に血沸き肉踊ります。
ジェフ&マルセル・ヤコブはTALISMANの来日公演でも
この曲をちらっと披露していましたっけね。


YNGWIE MALMSTEEN - Odyssey ★★★ (2012-10-24 20:36:47)

イングヴェイが、ソウルメイト(笑)のジョー・リン・ターナーと組んで作り上げ、'88年に発表した4thアルバム。
いくら彼がワンマンでも、御大リッチー・ブラックモアとアルバムを作ってきたジョーからすりゃ単なる青二才に過ぎなかったことは想像に難くなく、結果、本作はジョーが自分の「色」を明確に打ち出すことに成功した、イングヴェイのアルバムとしては異色の作風に仕上がっています。ポップな“HEAVEN TONIGHT”とか、初めて聴いた時は「勘弁してよ」ってなもんでしたが、その後はライブに足を運ぶ度に「ヘ~ヴン、トゥナイッ!」と大口開けて合唱しましたからね。
イングヴェイ的には、1枚も2枚も上手だったジョーにしてやられてしまったことや、交通事故の後遺症でブクブク太り始めた・・・じゃない満足いくGプレイが出来なかったことが傷となって本作をあまり気に入っていないようですが、内容の素晴しさに関しては、当サイトでの得票数の多さが雄弁に証明する通り。
OPナンバーにして必殺の名曲“RISING FORCE”に始まり、ジョーの熱唱が映える“HOLD ON”から、号泣バラード“DREAMING”、タイトルからして奮ってる攻撃的な疾走ナンバー“FASTER THAN THE SPEED OF LIGHT”で締められる本編後半まで、イングヴェイの「らしさ」とジョーの持ち込んだポップ・センスが(ありがちな表現ですが)絶妙な化学反応を起こした眩い名曲がゴロゴロ。
彼の最高傑作かと言うと作風的にちょっと異論があるのですが、捨て曲なしの名盤であることについては全く異論ないです。


YNGWIE MALMSTEEN - Odyssey - Dreaming (Tell Me) ★★★ (2012-10-24 22:18:36)

イングヴェイが手掛けた数あるバラードの
名曲の中でも、個人的にはこれがベスト。
演歌レベルの泣きを湛えたジョーの歌唱と
メロディ、それにGプレイには
号泣せずにはいられませんよ。
ライブ・バージョンも素晴しい出来栄えです。


YNGWIE MALMSTEEN - Odyssey - Faster Than the Speed of Light ★★★ (2012-10-24 22:15:36)

無理矢理詰め込んでるのに
それがキャッチーな味にもなってるサビメロが印象的。
歌詞はレーシング・カーについてですが
明らかに自分に対してのダブル・ミーニングにも
なっていますよね(笑)


YNGWIE MALMSTEEN - Odyssey - Hold On ★★★ (2012-10-24 22:24:50)

イングヴェイとジョーの組み合わせの
最良の部分が表れたメロディアスな逸品。
こういう曲を熱唱させるとやはり彼は上手い。
バラードか否かが取り沙汰されていますが、
個人的には、これはバラードではなく
哀愁のメロハーソング、という意見に一票。


YNGWIE MALMSTEEN - Odyssey - Rising Force ★★★ (2012-10-24 22:09:49)

イントロのドラムの連打を聴く度に
血が滾りますね。
ゴリゴリの様式美HMナンバーですが、
適度な遊び心も感じさせるジョーの
歌声がこの曲に独特の個性を付与しています。


YNGWIE MALMSTEEN - Perpetual Flame ★★★ (2012-11-04 00:13:57)

弛んだ下っ腹をギターで隠し、精一杯のおちょぼ口で頬をへこませる等、痩せて見せるよう涙ぐましい努力の後が重ねられたジャケ写に思わずホロリとさせられる'08年発表の15thアルバム。
「同一シンガーとの仕事は2枚まで」という鉄の掟(?)に則ってイングヴェイの元を去ったドゥギー・ホワイトの後任は誰あろう、元JUDAS PRIESTのティム“リッパー”オーウェンズ。リリース当時は「繊細な歌い回しが要求されるイングヴェイ・サウンドにリッパーはないわー」との思いと、実際に聴いて感じた歌と演奏の猛烈な乖離っぷりに引いてしまったのですが、しかし本作、繰り返し聴き込んでこの組み合わせに慣れさえすれば、違和感は逆に新鮮さへと変わります。米国でのブレイクを果たさんとするイングヴェイの意気込みが全編に亘って横溢し、何より今回は曲数がちゃんと絞り込まれているので、トップの“DEATH DEALER”から全開で飛ばしまくっても途中でダレることはありません。“BE CAREFUL WHAT YOU WISH FOR”におけるリッパーのパワフルな歌声を聴いていると、まるでグラハム・ボネットの勇姿が二重写しになるようです。(一方で“RED DEVIL”のようなキャッチーな楽曲では、太い歌声が折角の躍動感を殺していて痛し痒し)
そして本作のもう1つのトピックと言えば、シンガー・イングヴェイがバラードに挑戦した“MAGIC CITY”。今までは他所の家の子の発表会を無理矢理見せられているような気分でしたが、今回はかなりの力作。彼のシンガーとしての成長振りにも感無量ですよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Perpetual Flame - Be Careful What You Wish for ★★★ (2012-11-04 00:22:06)

個人的にはアルバムで一番お気に入りの1曲。
「こういう曲を演りたいなら、なるほど、
リッパー加入は必然だな」と思わせられる
劇的に疾走する名曲で、青筋立てながら(想像)
パワー全開で歌う彼の歌唱はどことなく
グラハム・ボネットを思わせます。
Gソロも◎。


YNGWIE MALMSTEEN - Perpetual Flame - Death Dealer ★★★ (2012-11-04 00:16:55)

歌と演奏が水と油状態で、最初聴いた時は「勘弁してよ」と
思わされましたが、慣れてしまえばどうということはない。
イングヴェイのお約束が詰まった疾走ナンバーですが
Voがリッパーということで、いつになく新鮮に響きますね。


YNGWIE MALMSTEEN - Perpetual Flame - Magic City ★★ (2012-11-04 00:26:48)

これまでブルージーな楽曲で気持ち良さげに歌声を
披露してきたイングヴェイが遂にバラードに挑戦。
しかもこれが楽曲の良さにも助けられて案外様になってます。
よくぞここまで成長した、と生暖かい気持ちになれますよ。
まぁ、「リッパー押し退けて歌うほどかよ」と言われれば
「ぐう」と言葉に詰まるのも確かなんですけどね(笑)


YNGWIE MALMSTEEN - Rising Force ★★★ (2012-10-21 17:06:43)

イングヴェイ・マルムスティーンが1枚看板を背負って、HR/HMシーンに打って出た記念すべき作品なれど、インスト物はあまり嗜まない身ゆえ、彼のカタログの中では比較的手が伸びる率は低め。
正確にはジェフ・スコット・ソートが歌う楽曲も2曲ほど収められてはいるのですが、どちらもイングヴェイなら片手間に書けちゃいそうな小粒な楽曲の上、今でこそ実力派シンガーとして鳴らすソートの歌声もこの頃はかなり青臭い感じで、それが印象の残らなさに拍車を掛けています。尤も、もしこのレベルの楽曲がポッと出の北欧メタル・バンドのデビュー作に収録されていたら、「期待の大型新人登場!」と大騒ぎしたに違いありませんが。
歌入りナンバーの影が薄い理由は他にもあって、その最たるものが、美旋律とネオクラシカルなドラマに彩られたインスト曲のインパクトのデカさ。現在でもライブの重要なレパートリーである“BLACK STAR”や“FAR BEYOND THE SUN”、ARCATLAZZ時代に既に披露されていた“EVIL EYE”、そしてイングヴェイが単なる速弾ギタリストではなく、立派な「アーティスト」であることを証明する“ICARUS DREAM SUITE OPUS 4”・・・細部まで徹底的に練り込まれた、これら強力無比なインストの名曲を前にすれば、そりゃ並の歌入りナンバーじゃ存在感を掻き消されちまうわな、と。
イングヴェイがインスト曲主体のアルバムを作ったのは本作が最初で最後ですが(企画盤とオーケストラとの共演は除く)、ここまでやり切っていればそれも納得です。


YNGWIE MALMSTEEN - Rising Force - Icarus’ Dream Suite, Op. 4 ★★★ (2012-10-21 17:09:41)

速弾きのみなならず、イングヴェイは
情感豊かにアコギ爪弾かせても
素晴しい腕前を発揮するという事実を
デビュー作にして早くも披露。
冒頭部分だけでご飯のおかわりが
出来ちゃう勢いですよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Rising Force:live in Japann'85(dvd) ★★★ (2023-08-15 00:23:45)

’85年1月に中野サンプラザで行われた日本公演の模様を収録するライブ盤。当初はVHSでの発売でしたが、時を経てこうしてCD化して頂けたのは既にビデオデッキを所持していない身には…僥倖っ…!なんという僥倖っ…!(って今じゃDVD化もされてるんですけどね)
イングヴェイ作品中でもトップクラスの愛聴盤たる『MARCHING OUT』リリースに伴うツアーゆえ、セットリストにブルーズ/ポップ・チューンの類は皆無。OPがいきなり“I’LL SEE THE LIGHT TONIGHT”で、その後も“DON’T LET IT END”や“ANGUISH AND FEAR”、“I AM A VIKING”そして名曲“DISCIPLES OF HELL”等々、近年じゃライブでの演奏は望むべくもない楽曲の大盤振る舞い。悪評夥しいVHS版の映像加工もCDなら無関係ですし、何より音質に難のあった原曲がライブならではの荒々しい攻撃性を纏って蘇ってるのだから、これでアガらず何でアガるのか⁈と握り拳で力説したくなるってもんですよ。
イェンス(Key)とアンダース(Ds)のヨハンソン兄弟にマルセル・ヤコブ(B)と、バックを支えるのがスウェーデン時代から気心の知れた連中だからか、各員のソロ・タイムも配されたパフォーマンスに「王様の独壇場」的な印象はなく、ジェフ・スコット・ソート(Vo)もALCATRAZZ時代の難曲をパワフルに歌い上げ、既に実力派シンガーぶりをしっかりとアピール。勿論若き日の巨匠の前のめりなGプレイのカッコ良さも言うまでもありません。
人によっては後付けの歓声の盛り具合がわざとらしく感じられるやもですが、こちとらもっとキャーキャー歓声上げまくっていますので(心の中で)全く気にならず。イングヴェイのライブ作品の中では最もリピート率の高い1枚であります。


YNGWIE MALMSTEEN - The Seventh Sign ★★★ (2012-10-28 00:04:05)

VoをOBSESSION~LOUDNESSのマイク・ヴェセーラに代えて'93年に発表された7thアルバム。オリコン・チャート初登場第2位を記録し、アルバム・リリースに伴う日本ツアーでは武道館公演も実現。更にその模様がWOWOWで放映される等、我が国におけるイングヴェイ人気は本作をもって頂点に達しました。(多分)
彼の最高傑作候補として度々名前が挙がる作品だけに、そのクオリティの高さは指折り。スピード・ナンバーからバラード、ブルージーだったりクラシカルだったりキャッチーでノリが良かったりと、バラエティ豊かに取り揃えられた楽曲はいずれも耳に訴えかける強力なフックを有しています。
収録曲数が絞り込まれたことで前作『FIRE AND ICE』を覆っていた冗長感も取っ払われ、また当初は懸念材料の1つに数えられるぐらいだったマイク・ヴェセーラの歌声が、想像以上にイングヴェイの作る楽曲にハマッていることも嬉しい驚きでした。
名曲“RISING FORCE”にも匹敵するインパクトを放つ“NEVER DIE”や、チェンバロの響きも麗しい“CRUSH & BURN”といった疾走ナンバーや、ドラマティックなアルバム表題曲“THE SEVENTH SIGN”は、元々ハイクオリティな楽曲な上に、マイクの熱く歪んだメタリックな歌声がそれを更に上の次元へと飛翔させた名曲。
本作がイングヴェイの最高傑作かどうかはともかく、上で別の方が仰られている通り非常にトータル・バランスに優れたアルバムゆえ、イングヴェイ入門編に最適なのは確か。サクサク聴けちゃいますよね、これ。


YNGWIE MALMSTEEN - The Seventh Sign - Crash and Burn ★★★ (2012-10-28 00:08:36)

“NEVER DIE”と双璧を為す疾走ナンバーですが、
こちらはよりクラシカルで優美な雰囲気も漂ってきます。
チェンバロを用いた劇的なアレンジ・センスに
思わず唸らされましたね。


YNGWIE MALMSTEEN - The Seventh Sign - Never Die ★★★ (2012-10-28 00:07:09)

クラシカルな優美さも漂っていた
前作収録の疾走ナンバーと比較すると、
こちらはストレート且つヘヴィ・メタリック。
(&キャッチー)
熱く歪んだマイク・ヴェセーラの
パンチの効いた歌声も楽曲のカッコ良さを
効果的に引き立ててくれています。


YNGWIE MALMSTEEN - The Seventh Sign - Seventh Sign ★★★ (2012-10-28 00:13:29)

冗長だった『FIRE & ICE』と異なり
『THE SEVENTH SIGN』が構成的に
引き締まって聴こえるのは、この名曲が
アルバムのクライマックス役をきっちりと
果たしてくれているから。
ドラマティックなだけでなく、ライブ映えする
キャッチーさも兼ね備えた正しく
アルバムのハイライト・ソングです。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy ★★★ (2012-10-23 19:22:21)

'86年発表の3rdアルバム。珍妙なアートワークを見る度に、学校の美術の課題でこのイラストを描いていたメタル好きのクラスメイトのことを思い出さずにはいられないのですが、それはともかく、内容的には珍妙どころか文句の付けようがないクオリティ。
音質の向上といった基礎部分の改善はもとより、キャッチーさを増した楽曲から、ギリギリ限界まで精度を追求し、(劇中歌ならぬ)曲中歌と言うべき高いドラマ性を有するまでに磨き上げられたイングヴェイのGソロ、それに張りよし/伸び良しのマーク・ボールズの歌声に至るまで、本作をマエストロの最高傑作に推す人が多いのにも合点が行くというもの。
Gに対するカウンター・パートのみならず、バッキングでも良い仕事をしているイェンス・ヨハンソンのKeyプレイや、メジャー・キーをアクセントに用いた“FIRE”(Gソロが感動モノ)のような楽曲が物語る通り、前作を分厚く覆っていたダークネスやササクレ具合が緩和され、すっきりと垢抜けたサウンドは、より幅広いHR/HMリスナーにアピールし得る魅力を獲得。
そして何より、個人的に本作を評価するポイントはその歌メロの良さ。前任者に比べると線は細いものの、伸びのある高音域を武器に、納豆のように絡み付くマークのコブシ回りまくりのVoが映える疾走曲②⑤や、緊迫感を湛えた⑥を聴いていると、思わず「これぞネオクラシカル!」と万歳三唱したくなりますよ。
前作『MARCHING OUT』が北欧様式美HMの最高峰なら、本作はイングヴェイ流HMの完成形。彼の入門編としてもお薦めできる名盤です。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy - Fire ★★★ (2012-10-23 19:32:06)

この起承転結が完璧に決まったGソロは
イングヴェイ屈指の名演。
メジャーキーを効果的に用いたメロディ使いや
ポップで洗練された曲調など
ある意味、『TRILOGY』の作風を
象徴する1曲と言えるのではないでしょうか。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy - Liar ★★★ (2012-10-23 19:35:47)

故マルセル・ヤコブへの恨み節が綴られた歌詞は
正直くだらないが、曲のカッコ良さは文句なし。
マーク・ボールズの絡み付くような歌い回しと
目の覚めるようなハイトーンを聴くと
「ネオクラシカルってのはこういうことだ!」
と人知れずガッツポーズを決めたくなりますよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Trilogy - Magic Mirror ★★★ (2012-10-23 19:40:04)

個人的には、スピード・ナンバーよりも
この手の楽曲に、より「イングヴェイらしさ」を
感じてしまいます。
歌謡曲ばりにコブシの効いたマーク・ボールズの
歌メロに星三つ。


YNGWIE MALMSTEEN - Unleash the Fury ★★ (2012-11-02 22:20:06)

「これからも一緒にアルバムを作っていくつもりだ!」というイングヴェイの力強い発言とは裏腹に、(案の定)ドゥギー最後のご奉公となってしまった'05年発表の13thアルバム。
CDをトレイにセットすると表示される《18曲:74分》という超ボリュームにいきなり辟易とさせられるのは前作同様(苦笑)。だから選別作業をしなさいっての。
しかし解説文を読むと、イングヴェイが「ここ数作は慌てて作った荒い内容だったけど、今回はじっくり腰を据えて作った」と、正に我が意を得たりな発言をしてくれていたので、本作には大いなる期待を込めて挑んだのですが・・・うーん、正直あんまり変わってないような・・・。
いやいや、でも収録曲のクオリティは確実に前作『ATTACK!!』を上回っています。'03年に行われたG3ツアーに端を発する再評価の機運の高まりを追風に、イングヴェイがノリノリで曲作りとGプレイに興じたことは、のっけの①からしかと伝わってきます。ドゥギーも伸び伸びと魅力的なメロディを歌い上げていて、遅まきながら本領を発揮。彼が歌い上げる劇的なメロディに心筋が震えるスピーディな⑤⑦と、キャッチーなGリフが刻まれるミッドテンポの⑯は会心の名曲ですよ。
18曲も詰め込まれているせいで全体的に寝惚けた印象は拭えませんが、それでも最後まで聴かせ切る手腕からはイングヴェイの天賦の才が感じられます。


YNGWIE MALMSTEEN - Unleash the Fury - Beauty and a Beast ★★★ (2012-11-02 22:27:01)

「俺は曲作りでは歌詞に最も時間をかける!」と
豪語するイングヴェイが、この曲で歌い上げるのは
己の愛車のフェラーリのカッコ良さについて・・・
それでこそイングヴェイ。
あ、楽曲もカッコイイですよ。


YNGWIE MALMSTEEN - Unleash the Fury - Crown of Thorns ★★★ (2012-11-02 22:23:48)

伸びやかなドゥギーの歌声が活きる
イングヴェイ印の様式美ナンバー。
堪んないですよ、この歌メロ。
全体的な完成度は前作とどっこいな印象の
『UNLEASH THE FURY』ですが、
早い段階でこの名曲が登場して本編を
引き締めてくれるので、受ける印象は
前作よりもかなり良好です。


YNGWIE MALMSTEEN - Unleash the Fury - Russian Roulette ★★★ (2012-11-02 22:30:16)

勝手に体が動く独特のリズムと、
哀愁を帯びたメロディに酔いしれる
キャッチーなロック・ナンバー。
こりゃ確かにアルバム後半の
ハイライト・ナンバーですね。


YNGWIE MALMSTEEN - War to End All Wars ★★ (2012-10-31 20:51:12)

音の悪さにかけては2nd『MARCHING OUT』と双璧を為す1枚。『MARCHING~』が時代を考慮すれば仕方ないと思える部分もあるのに比べ、本作は既に好きなようにレコーディングできる環境にありながらこの体たらくなのだから弁護のしようがありません。まぁポジティブに評価すれば「生々しい音で迫力がある」と言えなくもないですが、スラッシュ・メタルならともかく、イングヴェイのアルバムのプロダクションが生々しくてもなぁ、と。
そんなわけで初めてこの作品を聴いた時はかなり衝撃を受けました。音の悪さもそうですが、何より一聴して印象に残る楽曲が殆どなかった事実に対して。これまでのイングヴェイのアルバムには、必ず一発で虜にされるキメ曲が複数存在していたのですが、本作にはそうした楽曲が見当たりません。
まぁ、それもこれも全てはテレコ録音みたいな劣悪な音質のせいで楽曲の輪郭が不明瞭になってしまっていたからで(折角のマーク・ボールズの歌唱もバックの演奏に埋もれてしまっている)、数度聴き込めば、コテコテなネオクラ・ソング“PROPHET OF DOOM”あり、エスニックなヘヴィ・チューン“CRUCIFY”あり、キャッチーなサビメロが印象的な“MASQUERADE”や劇的なメロディ・センスが光るバラード“MIRACLE OF LIFE”あり・・・と、じわじわとボディブローのように収録曲の良さは浸透して来るのですが。
とは言え、イングヴェイ作品で「聴き込みを要する」ということ自体、自分にしてみりゃ奇跡体験アンビリーバボー(良くない意味で)。しかもまさか、本作以降はそれが常態化することになろうとは・・・。


YNGWIE MALMSTEEN - War to End All Wars - Crucify ★★★ (2012-10-31 20:44:10)

シタールがエスニックを空気を演出するヘヴィ・チューン。
クラシカルなGソロからBプレイまで
イングヴェイがハジケまくっています。
緩急の効いたドラマティックな曲展開も素晴しい。
返す返すも音質の悪さが(以下略)


YNGWIE MALMSTEEN - War to End All Wars - Miracle of Life ★★★ (2012-10-31 20:50:40)

既発曲の美味しい部分を切り貼りして
マーク・ボールズに歌わせたようなバラードですが
逆にそれだけでここまで美しく劇的な
楽曲が完成してしまうのだから凄い。
イングヴェイはGのみならず良いBも弾いています。


YNGWIE MALMSTEEN - War to End All Wars - Prophet of Doom ★★★ (2012-10-31 20:40:33)

今更イングヴェイがここまで
コテコテのネオクラ・チューンを
やるとは思いませんでしたね。
押しの強いサビメロも◎。
音質の悪さでVoが埋もれてしまい
せっかくのカッコ良さが十分に
伝わってこないのが勿体ない。


YOUTHQUAKE - YOUTH...MINE AND THE TRUTH ★★ (2007-01-10 21:29:00)

ジャケットのグループショットや、発売元がEXTASYレコーズである事からも明らかな通り、
一応は「ビジュアル系」に分類されるバンドなのだろうが、本作('94年発表の2nd)に漲る
強靭なスラッシュ・サウンドに、ルックスから想起される軟弱さは皆無。そもそもヤワな連中が
'94年というスラッシュ・メタル冬の時代に、これほど気合の入った作品を作れる筈もないわけで。
スロー・スタート気味だったデビュー作に対し、今回はのっけの②(①は短いSE)からアクセル全開。
アグレッシブなスピード・チューンがアルバムの大半を占め、しかもその何れもが
リフにしろGソロにしろ、勢いで誤魔化すことなく丹念に練り上げられている。
ヘヴィに歪んではいてもしっかり歌う事の出来るVoも、肩の力がイイ具合に抜けて表現力の幅が広がっているし、
何より、Gソロを始めとするメロディ面の強化が図られた事で、楽曲のキャッチーさも大幅に増している点が大きい。
イントロに“君が代"を配した高速スラッシュ・チューン⑤や、アコギを用いて一際メロディアスに
聴かせる⑨といった楽曲は、その成果であり本作のハイライト。立派に世界水準のスラッシュ・メタル・アルバムだ。


Z-SECT - N.O.V - INORI ★★★ (2022-08-17 00:45:09)

EPのラストを激烈に締め括るスピード・ナンバー。
既に個性全開のNOVの硬質なスクリーム、
鼓膜に突き刺さるようなアグレッションと
泣きのメロディのコントラストも鮮やかな仕上がり。
VOLCANOファンならこの曲も必聴ではないでしょうか。


ZADKIEL - ZADKIEL ★★★ (2019-01-06 01:15:42)

遂に復活を果たし、名盤『NO MORE PAIN』のリイシューや新作アルバムの発表等、アクティブな活動を繰り広げているDOOM。その中心メンバーだった故諸田コウ(B)が嘗て在籍していたバンドとして名前だけは知っていても、音源を入手できる機会はないだろうなぁと思っていたZADKIELが、バンド解散後の'86年に残した4曲入りEP『HELL’S BOMBER』が、未発表曲とエンハンスト映像を追加収録した特別仕様(タイトルはシンプルに『ZADKIEL』と改題)で'06年にCD化された時は、そりゃもう驚くやら喜ぶやら。
音の方は「破滅型ロックンロール」とも「日本最初期のスラッシュ・メタル・バンド」とも評されるだけのことはあり、MOTORHEADやVENOMからの影響を伺わせつつ突貫するパワー・メタルをプレイ。刺々しさと埃っぽさを四方八方に巻き散らかすサウンドと、ダビングにダビングを重ねたカセットテープばりの音質の劣悪さとが相俟ってアングラ臭の渦巻きっぷりが半端ありませんが、収録曲のカッコ良さはそうした障害物をも易々と突き抜けて届いてきます。削岩機の如き迫力と緊迫感を伴ってドカドカ突進する①、ACCEPTの名曲“FAST AS A SHARK”を彷彿とさせるスピード・ナンバー③、重心低く押し出す④等、収録曲は諸田のBプレイにしろ曲展開にしろ、ストレートに直球を放り込んでくるスタイルゆえ、DOOMよか取っ付き易く感じる人も結構いるのではないかと。
今となっちゃこの音の悪さ込みで愛して止まない作品ですよ。


ZADKIEL - ZADKIEL - Miss Satan ★★★ (2019-01-06 09:13:08)

MOTORHEADの“ACE OF SPADES”とACCEPTの“FAST AS A SHARK”を
足して2で割り、それをVENOMがプレイしているような楽曲・・・
と書けば、血沸き肉躍るこのプロト・スラッシュな名曲のカッコ良さが
幾ばくかでも伝わるでしょうか。


ZAR ★★ (2008-01-28 23:18:00)

3rdアルバムが好評を呼び、その影響で傑作と名高い、1stアルバム(ジョン・ロートン参加)と
2ndアルバムの国内盤が再発。EPでカヴァーした“黒田節"も話題となり、
さあ一気に日本でブレイクだ!というタイミングでリリースされた4thが、
半端にヘヴィ・ロックから影響を受けた作風でズッコケ、そのままフェードアウト。
何とも間の悪いバンドでしたよね・・・。


ZAR - Eagle's Flight ★★★ (2019-05-28 00:37:06)

親日家トミー・クラウス(G)が率いていたドイツのメロディックHRバンド、ZARが'93年に残した3曲入りEP。
収録曲は、アコギが乾いた哀愁漂わすアメリカンな味わいのバラード“EAGLE’S FLIGHT”、憂いを帯びた重厚なミッド・チューン“NEVER SO ALONE”、合唱を誘うアリーナ・ロック然とした“I CAN’T BELIEVE”の3曲で、いずれもトミー・クラウスの作曲センスが発揮された佳曲ながらも、’93年発表の3rd『FROM WELCOME…TO GOODBYE』に収録されていた既発曲ばかり。ゆえに、それだけだったら買わずにスルーは確定だったですが、ハタと目に留まったのが、ジャケットに印刷されている《ZAR featuring JOHN LAWTON』の文字ですよ。そう、何と本作には1st『LIVE YOUR LIFE FOREVER』(’90年)で歌っていた初代シンガーにして、LUCIFER’S FRIENDやURIAH HEEPでの活動でも知られるジョン・ロートンが、ゲストVoとして自慢の喉を提供してくれているという。
参加曲が“EAGLE~”のみなのは残念ですが、二代目フロントマンのトミー・ブロックとリードVoを分け合う形で披露されるその歌声は相変わらず強力無比。張り良し艶良し伸び良しの絶品ぶりで、流石のトミー・ブロックのVoも、ここではやや霞んで聴こえてしまうのも致し方なしか。個人的には、この1曲を聴くためだけでもシングルを購入した甲斐は十分にあったと握り拳を固めた次第。
ちなみに(クラウスの日本趣味が発揮された)“KURODABUSHI”のカヴァーを収録する、『FROM WELCOME~』からカットされたもう1枚のEP『WELCOME』もお薦めです。


ZAR - Hard to Beat ★★ (2012-03-11 08:55:41)

時流に感化された4th『THE HOLY RHYTHM OF NATURE』で見事にコケ、フェードアウトしていったZARが'03年にひっそりとリリースしていたラスト作。数年前に中古屋で目にするまで存在すら知らなかった(忘れていた)アルバムなのですが、これってもしかして国内盤も出てたりしたのでしょうか・・・?
トミー・ブロックやジェリー・シェファーの姿は見当たらず、トミー・クラウスがGのみならず数曲ではリードVoも取るなど、殆ど彼のソロ・プロジェクト的な陣容でレコーディングが行われている本作なれど、サウンドに関して言えば、前作での路線変更に伴う失地から僅かながらも立ち直りの気配が確認できる内容ではある・・・ような。
相変わらず、さして面白味の感じられないグルーヴィなヘヴィ・ロック・チューンもチラホラ見受けられますが、アルバムを代表する名曲と言って差し支えない②や、明暗の効いたメロディ展開が印象に残る⑥等、その合間を埋める、よく歌うGとメロウなKey、そして欧州風味の哀愁を帯びたメロディとを活かしたバラード~メロディアスHRナンバーの数々には「あぁ、やっぱZARって良いバンドだったなぁ」と、しみじみ思わされるだけのクオリティが宿っており、また剣道を嗜むトミーの趣味か、“NI-TEN”(宮本武蔵の二天一流が元ネタ?)なるインスト曲も収録されていたりと、ファンなら興味を惹かれる内容に仕上がっている・・・ような。


ZAR - Live Your Live Forever ★★ (2008-01-28 21:19:00)

トーマス・クラウス(G)とジェリー・シェファー(Key)が中心となって80年代末に、ドイツは
シュツットガルトにて結成された4人組ハードロック・バンドZARが、'90年に発表した傑作1stアルバム。
ボーカリストとして、URIAH HEEPやLUCIFER'S FRIEND等での活動で知られる名シンガー、ジョン・ロートンが
参加している事でマニアから注目を集めたバンドだが、本作で聴かれる彼の凄まじい歌声は、声の張りといい、艶といい、
高音の伸び具合といい、多くのファンが「これぞロートンのベスト・ワーク!」と太鼓判を押すのも納得の、
殆ど神憑り的と言っていいレベルを誇る。何せこれを聴いたリッチー・ブラックモアが、自分のバンドのシンガーに
ならないかと声を掛けた・・・というエピソードが残っているぐらいなのだから、その凄さが分かろうと言うもの。
無論、幾らVoだけ素晴しくても、楽曲がお粗末だったら話にならないわけだが、ここに収められている楽曲の数々は、
メロディアスにしてキャッチー、かつドラマティックという、何れもヨーロピアン・ハードロックの美意識を
凝縮したかのような、ハイクオリティなナンバーばかりで、当然の如く捨て曲は皆無。
中でも、雄弁に「歌う」トーマスのGと、プログレ感覚溢れる華麗さで劇的さを高めるジェリーのKey、
そして目の覚めるようなハイトーンを響かせるパワフルなロートンのVoという、ZARの三本柱が
揃って高いレベルで機能している必殺の名曲③⑤が並ぶ、アルバム前半の完成度の高さは驚異的。
これだけ日本人好みのサウンドにも関わらず、リリース当初は日本未発売だったという事実と、現在では国内盤廃盤という
状況が俄かには信じ難い、隠れたメロディアス・ハードロックの名盤。メロディ愛好派は聴かずに死ぬことなかれ。


ZAR - Live Your Live Forever - Cry of the Nile ★★★ (2008-01-28 21:30:56)

ヘヴィ・メタリックなアグレッションを発散しつつも、
アレンジは非常に繊細で、メロディはたっぷりと叙情味を
帯びているという、感動的な2ndアルバムのハイライト・チューン。


ZAR - Live Your Live Forever - Fire and Ice ★★★ (2012-03-13 22:52:17)

アルバムでも指折りのハード・ナンバー。
ジョン・ロートンが「1stで一番好きな曲」と
その名を挙げるだけあって、実際非常にカッコイイ。
GとKeyがユニゾンを決めるインスト・パートからは
様式美HMっぽさも感じられたり。


ZAR - Live Your Live Forever - Live Your Life Forever ★★★ (2008-01-28 21:25:39)

悲哀に満ちたメロディを、ジョン・ロートンが熱唱する
冒頭部分を聴いただけでグッと胸を締め付けられる、
メロディアスでドラマティック、且つキャッチーな超名曲。
華麗なKeyワークと、痒い所に手の届くメロディを紡ぎ出すGの
良い仕事っぷりもキラリと光る。


ZAR - SORTED OUT ★★ (2011-06-26 22:34:26)

Voをジョン・ロートンからトミー・ブロックにチェンジして'91年に発表された2ndアルバム。
稀代の名シンガーたるロートンの脱退は残念だが、「ZARのフロントマンと言えばやはりトミー」ってのが多くのファンの共通認識だろうし(だよね?)、何よりこの人は歌唱力的に――やや線は細いが――ロートンに勝るとも劣らぬ高い実力を備えた逸材ですしね。
また今回は、繊細なアコギからネオクラ調の速弾きまでこなす、トミー・クラウスの溌剌としたGプレイをサウンドの中心に据えることで、本編のHMテイストの底上げが図られており、ロシア民謡をイントロ代わりにスタートする②、RISING FORCE時代のイングヴェイを思わす④⑪、歌詞とリンクするファンタジックで劇的な⑤といった、ハードにしてこのアルバムならではの味わいを備えた名曲も収録。(ドラムの鳴りの弱さがちと気になるが)
勢い重視の作風の弊害なのか、前作に比べるとややメロディに繊細さが不足気味なれど、その一方で、アコギを活用した叙情バラード⑥⑩、それに本編のクライマックスを担うドラマティックな大作⑫等、心打つ哀メロに彩られたナンバーには「さすがZAR」と唸らされることしきり。総合的な完成度の高さに揺ぎはない。
前作同様、これまたお薦めの1枚。


ZAR - WELCOME ★★★ (2013-03-13 23:03:15)

アコースティック・バラード“WELCOME”をリーダー・トラックとして、1000枚限定で'94年にリリースされた未発表曲を含む4曲入りEP。日本人的には、武道を嗜むバンドのリーダー、トミー・クラウスの和風趣味が強く出た、民謡“黒田節”のカヴァーを収録した作品として押さえておきたい1枚でしょうか。
その他3曲も悪い曲ではないのですが、やはり主役はトリを務める“KURODABUSHI”の存在。「酒ぇは~呑~め~呑~めぇ~、呑むな~ら~ばぁ~♪」の歌入りではなく、インスト・バージョンなのがチト残念ですが、重厚且つドラマティックな仕上がりは些細な不満を彼方へと吹き飛ばすカッコ良さ。濃い口のメロディと勇壮なジャーマン・メタルは相性ばっちりですよ。
個人的に、その昔“KURODA BUSHI”を伊藤政則氏のラジオで聴いて早速CD屋へ買いに走った帰り道、電車の網棚に購入したてのCDを置き忘れてしまい、結局一度も聴くことないまま紛失してしまったことでも思い出深い1枚なのですが、先日、そんな本作の中古盤がお手頃な値段で売られているのを発見。思わず「こいつぁ春から縁起が良い!」と小躍りしながら購入してしまいましたよ。
そんな思い入れ込みで星3つ進呈をば。


ZELBO - In My Dreams ★★★ (2023-08-28 23:52:57)

前世紀に残した2枚のアルバムが未だ北欧メタル・ファンから愛され続け、ついには先頃(といっても既に6年も前の話になるのか)3rd『AMBITION ROCKS』(’17年)を引っ提げてカムバックを果たしたノルウェーはオスロ出身のDA VINCI。本作はその中心メンバーたるダグ・セルボスカー(Key)が、オーディション番組でその才能を評価されたフローデ・ヴェッセル(Vo)らをメンバーに加えて立ち上げたプロジェクト、その名もZELBOの1stアルバムとなります。’21年リリース
…っておい、それはいいけどDA VINCIは一体どうなっちまったのさ?と突っ込まないわけにはいかぬものの、ここで披露されている、暖かみ満ちたKeyをアレンジの要に据えつつ、哀愁を帯びた美旋律とフック満載で贈るハードポップ・サウンドは、ほぼほぼDA VINCIと同一路線。そりゃダグが全ての曲作りを担っているのだから当たり前の話なわけで、シンセを纏ってキャッチーに弾む曲調がJOURNEYを思わす②、ダグの哀メロ・メイカーとしての才能全開なメロディの泣きっぷりに心打たれるバラード⑦等、「往年の北欧アーティスト達にリスペクトを捧げつつ、AOR的なサウンドを創作する」というプロジェクトのコンセプトに相応しい優れた楽曲が揃い踏み。甘口なだけでなく、アップテンポの曲調、スリリングなインスト・パート、その上で舞う冷ややかなメロディといい、「北欧メタル」のイメージに忠実な⑧のようなタイプの楽曲も本編の良いアクセントとなっています。
DA VINCIの新作を待望している我が身なれど、「これが4thアルバムと納得してもいいかなぁ」と思えるだけの完成度を有した力作ですよ。


ZELBO - In My Dreams - Next Flight to Venus ★★★ (2023-08-30 01:19:57)

冷ややかな哀メロを纏って駆け抜けていく曲調が
北欧メタルならではの魅力を振りまく逸品。
かっちりと組み立てられたインスト・セクションも
楽曲をよりドラマティックに盛り立ててくれています。


ZENO - Zenology Ⅱ ★★★ (2008-07-12 22:43:47)

地鳴りの如く突進するバスドラが
凄まじい迫力を誇る、2ndアルバム最速にして、
本編のハイライトを飾るバイオレントなスピード・ナンバー。
破壊的なリフ・ワークと、流麗なGソロという
美醜両極端な仕事をこなす、ポール・マスヴィダルの
存在感が光る名曲。


ZERO - Zero ★★ (2018-09-04 00:21:43)

ZEROがZEROからデビュー…と書くと何が何やらですが、要はテクニカルなギターとハモンド・オルガンをフィーチュアした様式美HMサウンドから、「スイスのDEEP PURPLE」と呼ばれた(俺の中で)なSTORMBRINGERを率いていたギタリスト、アンジー・スキリロが新たに立ち上げたバンドZEROが、’94年に日本ではZEROコーポレーションを通じて発表した1stアルバムが本作であると。
帯に踊る《究極のZ-ロック》なる大仰な惹句に高まった期待は、リズミックに立ち上がるOPナンバー①、リッキー・ネルソンみたいな②、グルーヴィな③という、様式美HM色皆無の乾いたノリが支配的な冒頭3曲を前に徐々に尻すぼみ。「買って損こいた…」とガックリきたことを思い出しますが、ここで停止ボタンに手を伸ばすのは早計というもの。実は4曲目以降は、重厚且つドラマティックに盛り上がる④⑦、堂々たるメジャー感を身に纏った⑤⑧、スペーシーな感触も宿して弾む⑥、イケイケな疾走ナンバー⑨、しっとり抒情的に聴かせる⑩⑫…と、アメリカなノリから、STORMBRINGERファンの留飲を下げる様式美HMスタイルに至るまで、バラエティに富んだ楽曲が顔を揃えており、聴き終えての感想は決して後ろ向きなものにはなりません。冒頭3曲にしても個々のクオリティは十分ですし、《旋律美を母に、天賦の才を父に》《抒情と透明の深艶を奏でるギタリスト》等々、いかにもZEROコーポレーション謹製な美辞麗句に援護射撃されたスキリロのテクニカルなGプレイ、⑪を始め、全編に亘って絶好調を維持。
自分なりの曲順を考案して楽しめば、より評価が上がる1枚ではないかと。


ZIHARD - Life of Passion ★★★ (2019-11-10 22:47:28)

イングヴェイ・マルムスティーンからの影響大なテクニカル&ネオ・クラシカルなGプレイを閃かせるパク・ヨンス(G)率いるコリアンHMバンドが、母国の先輩バンドBLACK SYNDROMEのメンバーをエンジニアに迎えてレコーディングを行い、’08年に発表した1stアルバム。(日本盤は今はなきサウンド・ホリックからのリリースでした)
「韓国のCONCERTO MOON」との評判に興味を引かれ購入した本作でしたが、実際ここに託されているのは、頭に「超」が付くぐらいコッテコテな様式美HMサウンド。イングヴェイというよりは、寧ろ関西様式美HMの遺伝子が色濃く感じられる仕上がりで、中でもイントロにドラマティックな序曲を配した②や、③⑦⑩といった疾走系の楽曲、あるいはメロディアスなミッド・チューン⑥等は、肩に力の入りまくったハイトーンVoの熱唱ぶりや、その歌メロの持って行き方、G、Key、Voの絡みといい、「本当に韓国出身?関西でなくて?」と思わず尋ねたくなるレベル。欧米のバンドが似たような音を出してもここまでの共通項は見い出せないんじゃなかろうか?と。
あと、個人的にかの国のバンドはクサいバラードを演らせると絶品な印象があり(SAHARAの“UNTIL YOU KNOW ME”とか、キン・ギョンホの“INCOMPLATE LOVE”とか)、本作も御多分に漏れず、哀愁がドバドバ溢れ出す④、不慮の死を遂げた元メンバーに捧げられている泣きのインスト⑧といった実に涙腺に沁みる逸品を収録してくれています。
これが90年代だったら、間違いなくMANDRAKE ROOTから作品がリリースされていたであろうことを確信する1枚。


ZIHARD - Life of Passion - Crying in the Midnight ★★★ (2019-11-11 23:35:52)

『ECLIPSE』の頃のイングヴェイが演りそうな疾走ナンバー。
Gプレイも多分にイングヴェイ的ではあるものの、
テクニックからメロディの組み立てまで、光るものは十分に感じられます。
歌メロの動きが日本の様式美HMに通じる魅力があって、
「韓国のCONCERTO MOON」と評されたのも納得ですよ。


ZIHARD - Life of Passion - Strange Without You ★★★ (2019-11-11 23:40:33)

大映ドラマばりにベタな泣きが炸裂するバラードですが、そこが良い。
「韓国のバンドはクサいバラードに冴えを発揮する」という
個人的思い込みを補強してくれる名曲です。


ZINATRA - The Great Escape ★★ (2016-07-05 20:49:20)

オランダはリンブルフ州ヴェールト出身の5人組…と言うよりも、日本でも人気を博した「オランダの貴公子」ことロビー・ヴァレンタイン(Key、Vo)が短期間ながらも在籍していたバンド、と説明した方がHR/HMリスナーの理解は早い気がするZINATRAが、'90年に発表した2ndアルバムにして最終作。
いかにもロビー様作曲の、華々しくドラマティックなインスト序曲①に導かれて本編の幕は上がりますが、作品全体としてはヨーロピアンなドラマ性や構築感は控えめ。それよりも寧ろ、Keyをふんだんに取り入れ、ポップに洗練されたサウンドはアメリカン・メロハー寄りの仕上がりで、一部では「ハッピー・メタル」と称されたという。ハッピー…。
そんな本作において、ロビー(この頃はROBBYじゃなくてROBBIE表記)と共に曲作りの柱を担っているのが、ソロ・ワークやWARRANT等での活躍で知られる腕利きシンガー/ソングライターのポール・レイン。メロディ愛好家の信任も篤い2人が収録曲の大半を手掛けているのですから、そりゃ本作のクオリティが低いわけがないよねと。
特に、ヨッス・メネン(Vo)とリードVoを分け合っているバラード⑤は、後のロビー・ヴァレンタイン・ワールドに通じるリリカル且つドラマティックな名曲にしてアルバムのハイライト。個人的に本作購入動機は、音楽雑誌で高く評価されていたこの曲目当てだったぐらいでして。
確かにこれを最後に解散ってのは勿体ない、と思わされる1枚でありました。


ZINATRA - The Great Escape - Love Never Dies ★★★ (2016-07-05 22:38:45)

感傷的な曲調といい、ロビーのフレディ・マーキュリーなりきりVoといい
微笑ましいぐらいQUEENへの愛情が滲み出すバラード。
(エモーショナルなGソロも泣ける)
後に自身のソロ・アルバムで華麗に追及されることとなる
「ロビー・ヴァレンタイン・ワールド」の先駆けとなった名曲です。


ZINATRA - Zinatra ★★ (2017-07-30 10:28:15)

80年代末期のダッチ・メタル・シーンを盛り上げたバンドが、DEF LEPPARDが愛用していたことで知られる地元オランダのWISSELORDスタジオにてレコーディングを行い、’88年にNT RECORDSから発表した1stアルバム。それが縁なのかLEPPSのフィル・コリンがゲストとして客演、バラード⑩にGソロを提供してくれています。
本作のトピックと言えばそれぐらいで、ソロ・ワークやDANGER DANGER他の活動で認知を得る敏腕ソング・ライターのポール・レインが楽曲提供、オランダの貴公子ことロビー・ヴァレンタインがKey奏者として参加、更に珠玉の名バラード“LOVE NEVER DIES”を収録…と、フックだらけだった次作『THE GREAT ESCAPE』('90年、2nd)に比べるとどーにも地味に感じられてしまい、ずっとスルーし続けて来ておりまして。ところが先日格安で購入する機会に恵まれ、試しに再生してみたら「うーむ。これはこれで捨てたもんじゃねぇ!」と認識を改めさせられたという。
キラキラ・シンセを効かせたハードポップ・サウンドはもろ80年代風で、今となっては赤面を誘われたり、少々軽過ぎると感じる向きもありましょうが、それでも煌めくシンセを纏ってキャッチーに駆け抜ける①や、映画主題歌に起用され本国ではTOP 20に入るスマッシュ・ヒットとなったという②を始め、煌びやかなハードポップ・チューンから甘いバラードまで優れた楽曲が取り揃えられた本編は、ZINATRAが決してポール・レインやロビー様に頼らなければ良い曲を揃えられないバンドではないことを証明する出来栄えです。
聴けて良かった。2ndが気に入られたら是非本作の方もどうぞ。


ZNOWHITE - Act of God ★★ (2006-11-28 21:14:00)

後にCYCLONE TEMPLEを結成する黒人スラッシャー、グレッグ・フルトン(G)が在籍していた事で知られる
イリノイ州シカゴ出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'88年発表の2ndアルバム。
そのグレッグ(当時はイアン・タフォーヤと名乗っていた)が全曲手掛けた収録曲は、CYCLONE TEMPLE時代に
比べると曲展開が直線的で、メロディよりもスラッシーな疾走感が強調された仕上がり。
とは言え、ダークな楽曲は欧州的な湿り気をたっぷりと帯びているし、緩急の効いた⑤や
9分以上に及ぶ⑧といった大作からは、後のドラマチック・スラッシュ路線への萌芽が既に感じ取れる。
アグレッシブ且つ流麗なグレッグの精度の高いGと、このバンドのもう1つの売りである女性Voニコル・リーの、
力強くも憂いを帯びた(ちょっと赤尾和重に似た声質の)歌声も非常に強力で、特に、両者の
強烈な「泣き」っぷりが威力の高いフックとなって、聴き手へと抉り込んでくる疾走チューン①⑥は
「これを聴くためだけにアルバム買っても損はない!」と断言したくなるほどの超名曲。
最近、本作のデジタル・リマスター盤が再発されたので、未聴の方はこの機会に是非。


ZNOWHITE - Act of God - To the Last Breath ★★★ (2007-03-19 21:49:23)

サビでドラマチックに展開する憂いを帯びた歌メロが堪らない、
アルバムOPを飾る高速スラッシュ・チューン。
劇的に斬り込んで来る流麗なGソロといい、
(イアン・タフォーヤ改め)グレッグ・フルトンの
曲作りの才能には心底畏れ入る。


ZNOWHITE - All Hail to Thee / Kick 'em When They're Down ★★ (2007-08-18 21:41:00)

'82年、イリノイ州シカゴにて、イアン(G)、スパークス(Ds)、ニッキー(B)のタフォーヤ3兄弟によって結成され、
そこにイアンの高校時代のクラスメイトで、バンドのマネージャーだったニコル・リーがVoとして加わる事でラインナップが完成。
バンド名をSNOWHITEからZNOWHITEに改めた後、ENIGMA RECORDSとの契約を得て、'84年に発表したデビュー作がこれ。
彼らの最高傑作、2nd『ACT OF GOD』('88年)と聴き比べると、明らかに二コル・リー嬢の声が幼い!
ドスの効いた迫力という点では物足りなく感じられるかもしれないけど、聴いていると思わず
ホクホク顔になってしまう溌剌とした歌唱は、これはこれで非常に魅力的なので良し。
また、楽曲の方もまだスラッシュ・メタル色は薄く、展開もヘッタクレもないまま、シンプル且つストレートに疾走しまくる様は、
スラッシュ・メタルと言うよりも、NWOBHMから影響を受けた、スピーディでコアなヘヴィ・メタルといった趣きで、
後の諸作品においてスラッシャーの涙腺を決壊させまくったイアン必殺の「泣き」のGも
ここでは余り披露される事はなく、より荒々しく、へヴィ・メタリックなプレイに専念しているとの印象が強い。
それでも、④を筆頭にリフのカッコ良さは既に半端ないし、二コル嬢が歌う憂いとフックに富んだ歌メロも
(『ACT~』ほどではないにしろ)かなり良いしで、この作品全体のクオリティの高さは流石だ。
じっくりとドラマチックに盛り上がっていく⑥のような、後の作品への布石とも言えるような楽曲もちゃんと収録されているしね。
最近、'85年発表のEP『KICK EM WHEN THEY'RE DOWN』と、ライブEP『LIVE SUCIDE』との
お得なカップリング仕様のデジタル・リマスター盤が再発された。


ZOETROPE - A Life of Crime ★★ (2006-11-26 20:46:00)

イリノイ州シカゴ出身のギャングスタ・スラッシャー、ZOETROPE(イートロープ)の'88年発表の2ndアルバム。
ランニング・タイムがいずれも2~3分台とタイトに絞られた楽曲は、硬派なVo、湿度低めの乾いたリフ、
そして威勢良く疾走するリズムと、男気系ロックンロール的な雰囲気を強く漂わす。
とにかく、骨太な演奏(特にDsが秀逸)に支えられ、小細工抜きで疾走しまくるサウンドが非常に気持ち良い1枚。
それでいて必要以上の「熱さ」を感じさせない辺りは、いかにもシカゴの都会派といった感じだ。
時折、楽曲から匂い立つ哀愁や、勇壮なリフ、2本のギターのハモリ具合なんかがIRON MAIDENを
彷彿とさせる、②⑨のような佳曲の存在が良いアクセントとなっていて、単調さも殆ど感じられない。
また、しつこさや重さのないアッサリとした作風なので、確かに何度でも聴けてしまう(聴き返したくなる)
かなり中毒性の高い作品でもある。


ZOETROPE - A Life of Crime - Seeking Asylum ★★ (2006-03-26 17:27:20)

初期IRON MAIDENを更にハードコア化させたような疾走感とリフが非常にカッコイイ。
中間部のツインギターによるソロも意外にメロディアスで耳を惹かれる。


ZOETROPE - Amnesty + Demos ★★ (2008-04-22 21:43:00)

Ds兼Voのバリー・スターンが中心となって、イリノイ州はシカゴにて結成された、ツインG編成の4人組スラッシャー、
ZOETROPE(イートロープと読む)が、'86年に発表した1stアルバム。
個人的に、お気に入りのスラッシュ・メタルの好盤、'87年発表の2nd『A LIFE OF CRIME』は、曲によっては
IRON MAIDENばりのリフ・ワークやツインGハーモニーが炸裂する、かなりメタル色の強く打ち出された作風だったが、
このデビュー作は、それよりもずっとシンプルで直線的、ハードコア/パンクからの影響が色濃く漂う、前のめりな仕上がり。
当時、「シカゴ最速」との異名を取っていたらしいが、それも納得の爆発的な疾走感は
かなり気持ち良く、それでいて、デビュー以前に、既に10年のキャリアを積んでいるベテラン・バンドだけに、
アグレッシブな楽曲の中に、ブギーのリズムを取り入れてみたりと、曲作りも一本調子にならぬよう工夫が凝らされていて、
特に、スリリング且つ正統派ヘヴィ・メタリックなGソロが耳を惹く④や、派手なツインGハーモニーを
聴く事が出来る⑥といった、高速スラッシュ・ナンバーのカッコ良さは格別。
まぁ好みで言えば、よりタイトに、へヴィ・メタリックにまとまっている次作の方が上だし、インディーズ制作ゆえ、
サウンド・プロダクションの貧弱さも如何ともし難いが、そうした荒々しさがまた、バンドの標榜する
「ストリート・メタル」なるジャンルの構築に、大きく貢献していると言えなくもない。


ZOETROPE - Amnesty + Demos - Amnesty ★★ (2008-04-23 22:37:33)

前のめりに突っ走る高速スラッシュ・ナンバー。
それでいて、スリリングなGソロは正統派HMテイストを
色濃く漂わせていて、なかなかにドラマティック。
ZOETROPEというバンドの魅力が、判り易く示された名曲です。


ZONATA - Buried Alive ★★★ (2010-12-15 23:28:42)

「00年代の埋もれてしまった名盤コンテスト」でも開催した日にゃ、かなり上位に食い込むと思われる(俺の中で)、'02年発表のZONATAの3rdアルバム。
ユニークなスラッシュ・メタルを聴かせてくれる存在として重宝していた、ROSICRUCIANのメンバーが制作に関わってる点に興味を惹かれて購入した作品だったが、実際に聴いてみれば、本作にROSICRUCIAN的なアバンギャルドなノリや実験色は皆無(中盤に並ぶプログレ・メタル・タッチな楽曲群がややそれっぽい程度)で、このバンドが軸足を置くのは飽くまで王道HM。特に、劇的極まりないGリフがドカンと炸裂するOPナンバー①のカッコ良さは筆舌尽くし難し!
流麗なネオクラGに、男臭い声質のVoと美しくも寒々しいハーモニー、そしてテクニカルなKeyを乗せて、ソリッドなリフ&リズムが疾走する骨太なパワー・メタル・サウンドは、独産メロパワ・メタルばりの勇壮さと北欧のバンドらしい冷やかな哀感を併せ持ち、中でも、前作『REALITY』より格段に逞しさを増したVoが歌う劇的且つ憂いに満ちたメロディと、プログレ・マインド溢れる演奏で楽曲を華麗に彩るKeyはこのバンドの大きな武器。前述の①や、Keyがリード楽器の役割を果たすスリリングな②、重厚な曲調が高揚感を誘発する⑤、そしてラストに配置されたスピード・ナンバー⑩といった楽曲は、この手のサウンドが好きな人なら万歳三唱モノの名曲なんじゃあないでしょうか。
つくづく、本作を最後に解散してしまった事実が惜しまれる力作であります。


Zaneta - Tales from the Sun ★★★ (2022-04-26 00:11:37)

FRONTIERS RECRODSの隆盛により、00年代に入ってからはメロハー・バンドの一大産地に成長を遂げたイタリア(それとも元々メロハーが盛り上がっていたタイミングでFRONTIERS RECRODSが設立されたのか?どっちだろ)から新たに登場した4人組、ZANETAが'16年に発表した1stアルバム。
SHRAPNEL RECORDSからソロ・デビューも飾っているというテクニカル・ギタリスト、ファブリツィオ・レオをメンバーに擁していることでもマニアから注目を集めた彼らですが、本作で実践しているのはSHRAPNELメタル路線ではなく、あくまでメロディを最優先するAOR/産業ロック・サウンド。ファブリツィオも随所でセンスの良さを感じさせるフレーズを閃かせつつ、決して目立ち過ぎることなく「歌」を引き立てる立場に自らを置き続けています。(そこに物足りなさを感じる向きもありましょうが)
Voに関しては、時折線の細さを頼りなく感じる場面もあれど、そこはキャッチーなメロディ・センスでしっかりとカバー。特に解放感を持つサビメロが秀逸なOPナンバー①を手始めに、先行シングルとして披露された③、抒情的なピアノ・アレンジにグッとくる⑥や、ヴァイオリンをフィーチュアしてポップに躍動する⑦、仄かに土の香りを漂わすヴァースから爽やかなコーラスへの転調が効果的な⑪といった楽曲からは、新人バンドとは思えぬ安定感すら感じられますよ。(実際メンバーは結構キャリアのある人たちだったりするのですが…)
輸入盤市場で好セールスを記録した結果、国内盤リリースが実現したのも納得のクオリティを誇る1枚。所属レーベルの店終いで早々に廃盤となってしまったことが惜しまれますね。


カルメン・マキ - Night Stalker ★★ (2013-02-14 22:22:38)

VANILLA FUDGEやBB&A、CACTUS、KING KOBRA、BLUE MURDER等、多彩な活動で知られるドラマー、カーマイン・アピス(当時はロッド・スチュワート・バンドの一員だった)の全面協力を仰いで制作、'79年に「カルメン・マキ」名義で発表されたソロ・アルバム。
タイトルからして『NIGHT STALKER』と何やらシャープな感じだし、きっとカーマインのド派手なドラミングを活かしたHRアルバムに違いない・・・と期待に胸膨らませて本作に挑んだ人(俺)は、いきなりポウンポウンと気の抜けたドラムが弾むOPナンバー①、レゲエ・カフェのラウンジ・ミュージックみたいな②、そしてディスコ・ビートを取り入れた③という冒頭の三連打に打ちのめされること請け合い。
聴き進めれば、ある程度ロックしてる楽曲も見受けられるようにはなるのですが、それでもHR/HMとはかなりの距離を感じさせられる内容であることは否めません。
バラード④や、カーマインの重たいドラミングが映える⑦みたいな楽曲を聴けば分かる通り、質は低くないですし、カルメン・マキの歌の上手さを堪能するには過不足のない1枚ではあるのですが、やっぱり全体的に薄味かなぁ、と。


カルメン・マキ - Night Stalker - Easy Come, Easy Go ★★ (2013-02-15 23:59:51)

スケールの大きな曲調に、カーマイン・アピスの
ドラミングが映える、個人的にはアルバム中最も愛聴している楽曲。
さして力んで叩いている風ではないのに
やたら重々しいカーマインのドラミングは
やはり強力な存在感を放っています。


カルメン・マキ - Night Stalker - Hey Babe ★★ (2013-02-15 23:56:34)

Key一本をバックにマキの姐御が伸びやかに
歌い上げるバラード。
全くロックではないが、単純に良い曲ですし、
彼女の歌声を堪能するには十分な出来栄えです。


カルメン・マキ&LAFF (2013-02-12 22:44:12)

カーマイン・アピスの助力を得て制作したソロ作『NIGHT STALKLER』('79年)発表後、カルメン・マキがジョージ吾妻(G)、盛山キンタ(B)、嶋田ヨシタカ(Ds)らと共に結成。
レコード会社からはかなりの期待をかけられていたもののヒットには繋がらずアルバム1枚で活動停止。バンドはその後、よりHM色を強めたCARMEN MAKI'S 5Xへと発展解消。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff ★★★ (2013-02-12 22:44:50)

カルメン・マキがジョージ吾妻(G)らと結成、'80年にカルメン・マキ&LAFF名義で発表した作品。
5Xの前身バンドとしても知られていますが、適度にKeyも取り入れたルーズでオーガニックなロックンロール・サウンドにHM成分は薄く、またカルメン・マキが前年に発表したソロ作『NIGHT STALKER』がそうであったように、ここからはOZ時代を想起させる歌謡曲テイストや、大仰なドラマ性も取り除かれていています。
とは言え、本編が発するハード・ロッキンな熱量は『NIGHT~』とは比較にならないぐらい高い上に、ノリ重視の楽曲にしても能天気さは控えめ。いずれもしっかりとしたフックを備えており、それを支えるメンバーも、リラックスした伸びやかな歌声からコブシを効かせたシャウトまで変幻自在にこなすマキ姐さんを筆頭に、ワイルド且つメロディアスなジョージ吾妻のGプレイ、骨太なリズムのみならず、優れた楽曲をも提供するDs&Bと、それぞれ腕利き揃い。
特にムーディなブルーズ・ナンバーの⑤なんか、勢いだけの若造には絶対真似できない雰囲気に酔わせるタイプの楽曲だけに、メンバーの確かな実力が堪能できる名曲ですよ。
快活なロック・チューン②③や、ハード・ドライヴィンな⑥、包容力が滲み出すバラード⑧といった楽曲も聴き応え十分で、全体として肩肘張らずに楽しめるHRアルバムの好盤に仕上がっています。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff - Everybody Needs the Music ★★ (2013-02-13 23:01:29)

「どんだけロックンロールを欲してるんだ」と思うぐらい
ひたすら“EVERYBODY NEEDS THE MUSIC, ROCK'N ROLL MUSIC♪”
を繰り返すHRソング。
豪快に暴れ回る、ファズの効いたジョージ吾妻のGが主役ですかね。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff - Fly Hi Fly ★★★ (2013-02-13 23:06:27)

インスト“WIND SONG”から繋がっていく
アルバム後半の山となる劇的な名バラード。
懐の深さを感じさせるカルメン・マキの
歌声が絶品で、やはりこの人は日本語詞の
歌を唄うと段違いのエモーションを発揮します。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff - Rock'n Roll Star ★★★ (2013-02-13 22:57:33)

ジャニス・ジョプリンばりのカルメン・マキの熱唱といい、
タメを効かせて楽曲を盛り上げる楽器陣のパフォーマンスといい、
もろ70年代型HRの名曲。
単に譜面通りに歌ったり演奏が出来たりというだけじゃ、
このエモーションは表現できませんよ。


カルメンマキ&OZ ★★ (2007-11-25 01:55:00)

自分もカルメン・マキ&5Xの音源が一度で良いから聴いてみたい。
出来れば、5Xの旧譜と併せて再発して貰えないものかなぁ。


カルメンマキ&OZ - Ⅲ ★★★ (2007-11-24 21:03:00)

落ち着いた感じのジャケット・アートワークが、バンドの音楽性の変化を物語る、'76年発表の3rdアルバムにしてラスト作。・・・というか、本作がリリースされた時点で、既にバンドは解散していたらしい。
アコースティック・ギターを活用した、爽やかに駆け抜けていく①に代表されるように、今回は全体的にポップというかアコースティカルな作風で、大作主義が影を潜めた楽曲は、いずれもコンパクト且つシンプルにまとめられている。
とは言え、抜群の表現力を誇るマキ姐さんの歌唱と、春日博文(G)が作り出す、キャッチーでフックに富んだ叙情メロディの数々、そして6人目のメンバーと言うべき、ダディ竹千代こと加治木剛が手掛けた、70年代の情景がリアルに蘇ってくるかのような、詩情豊かに心象風景を綴った絶品の歌詞とが揃えば、それだけでアルバムの完成度の高さは約束されたようなもの。
また、後半に用意された、ポジティブな力強さと劇的な曲展開が感動を呼ぶ⑤や、感傷的な雰囲気を纏った前半から、中盤のメルヘンチックなパートへの転調を経て、再びドラマティックに盛り上がっていく、前2作の路線を踏襲した大作⑦は、郷愁を誘うメロトロンの音色がプログレッシブ・ロック的な味わいも感じさせる、素晴しき名曲。
偉大なるロック・バンドの、有終の美を飾るに相応しいクオリティを備えた1枚。


カルメンマキ&OZ - Ⅲ - 空へ ★★★ (2007-11-24 21:26:14)

3rdアルバム『Ⅲ』収録で、同作の(個人的に)ハイライト・チューン。
タメを効かせて、ドラマティックに盛り上がっていく曲展開と、
全編を貫くポジティブな力強さが感動を呼ぶ名曲。


カルメンマキ&OZ - Ⅲ - 昔 ★★★ (2007-11-24 21:22:08)

全体的にアコースティカルでコンパクトにまとめられた
3rd『Ⅲ』の中でも、前2作の路線を踏襲した10分を超える
大作の本曲は、一際強いインパクトを放つ。
様々な表情を見せる曲調と、郷愁を誘うメロトロンの音色が
プログレッシブ・ロック的な雰囲気を演出していて素敵。


カルメンマキ&OZ - カルメンマキ&OZ ★★★ (2007-11-21 22:10:00)

アングラ劇団「天井桟敷」出身で、ヒット曲“時には母のない子のように"(作詞は寺山修司が担当)で知られたフォーク・シンガー カルメン・マキが、自身の理想とする音楽を追求するために、春日博文(G)らと結成したハード・ロック・バンド、カルメン・マキ&OZの'75年発表のデビュー作。
和製ジャニス・ジョプリンと評された、圧倒的声量と表現力を備えたVo、豪快さと繊細さを併せ持つG、強烈なウネリを生み出すリズム・セクション、ハモンド・オルガンの音色で、叙情性とスケール感を演出するプログレ感覚溢れるKeyとが一体となって奏でるサウンドは、非常にパワフル且つダイナミック。
ブリティッシュ・ハード・ロックからの影響を消化吸収して血肉へと変え、更にそこに、日本人の琴線に訴えかける歌謡曲的なメロディと、ドロッとした暗いヘヴィネス(別の方の発言を借りるなら「情念」という表現がピッタリ)を加えた感じの楽曲の数々は、まさに唯一無二のカッコ良さを誇る。
タメを効かせて重々しく劇的に盛り上がっていく①に始まり、軽快なハードロック・チューン②、Voの包容力に満ちた歌声が感動を呼ぶ③、一際ヘヴィでアグレッシブな④、小粋なブルーズの小曲⑤・・・と、各楽曲のクオリティの高さも然ることながら、メリハリの効いた曲順構成も見事な本作。だが、やはり最大の聴き所は、ラストを締め括る12分にも及ぼうかという大作⑥。ヘヴィ・メタリックな攻撃性と叙情的な美しさを兼ね備えた起伏の激しい曲展開、そして圧巻の歌唱を響かせるVoと、このバンドの魅力が判り易く詰まった劇的極まる超名曲だ。(椎名林檎もお気に入りと聞く)
この曲に代表されるように、本作はカルメン・マキ&OZが発表した作品の中でも、最もアグレッシブな作風を誇る1枚なので、メタル・ファンにも強力にお薦めさせて頂きます。


カルメンマキ&OZ - カルメンマキ&OZ - 午前1時のスケッチ ★★ (2007-11-23 00:58:37)

曲自体の素晴しさも然ることながら、個人的には、
70年代の歌舞伎町ゴールデン街やションベン横丁の、
アルコールやゲロのすえた匂いが漂ってきそうな
加治木剛の手掛けた歌詞が最高にお気に入り。


カルメンマキ&OZ - カルメンマキ&OZ - 私は風 ★★★ (2007-11-23 00:45:38)

カルメン・マキ&OZを代表する、名曲中の名曲。
12分近くに及ぶ長尺を、全くダレることなく聴かせきる、
起伏の激しいドラマティックな曲展開、
緩急自在のテクニックを備えたメンバーの力量、
分けても、圧倒的声量と表現力で聴く者を打ちのめす
マキ姐さんの歌唱は感動的ですらある。
いかにも70年代的な「チュッチュッチュチュー」コーラスも含めて
愛して止まない1曲。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 ★★★ (2007-11-23 00:32:00)

デビュー作『カルメン・マキ&OZ』が、当時のハードロック・バンドとしては異例の10万枚以上を売り上げる好セールスを記録した勢いに乗り、ロサンゼルスで4ヶ月かけてレコーディングされた、'76年発表の2ndアルバム。
わざわざ海外まで出掛けて行った成果は、確実に作品のクオリティに反映されていて、サウンド・プロダクションの向上はもとより、プロローグに始まりエピローグに終わる、起承転結を意識したドラマティックな全体の構成、そして何より、楽曲から歌謡曲的な「臭み」が抜け、メロディがスッキリと洗練された事で、メジャー・アクトとしての凄みすら感じさせる作風に仕上がっている。(あの歌謡曲テイストを愛していた身には、ドロッとした暗い雰囲気が薄まってしまった点は残念だけど・・・)
今回は前作に比べると、ゆったりとしたテンポの楽曲が多く並び、Voの圧倒的歌唱能力を前面に押し出したメロディ重視の作りとなっていて、これは更にポップ化が推し進められる次作への伏線と取れなくもないが、少なくとも本作の時点では、ハードロック然としたエッジも、ドラマティカルな大作主義も健在。
徐々に盛り上がっていくイントロダクション①を経て、パワフルにスタートする勢いに溢れた②、“火の鳥"のタイトル通り、飛翔感と雄大さを漂わす④、泣きのへヴィ・ブルーズ・ナンバー⑤といった楽曲も強力なれど、やはりトドメはアルバム・タイトル・トラックの⑥。破壊的に刻まれるリフ&リズムに乗せて、Voが(女性だけど)雄々しい歌唱を響かせるタメの効いた重厚なヘヴィ・チューンで、中盤に用意された叙情パートが、まるで曇天から差し込む日の光の如き美しさを演出する、このバンドを代表する名曲の1つ。
舶来志向のメタル・ファンにも、十分アピールし得る魅力を備えた名作です。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 - 閉ざされた町 ★★★ (2007-11-23 00:52:05)

重々しく刻まれる破壊力抜群のリフ&リズム、
よく歌うG、ヴィヴラートかけまくりで雄々しい歌声を響かせるVo、
曇天を突いて差し込む日の光を思わせる中盤の美しい叙情パート・・・と、
2ndアルバムのタイトル・トラックにして、ハイライト・チューン的存在の名曲。
1stにあった歌謡曲テイストが薄まり、洋楽リスナーにもアピールする仕上がりだ。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 - 崩壊の前日 ★★★ (2007-11-23 18:51:20)

2nd『閉ざされた町』のOPナンバー。
全体的に、ゆったりとしたメロディ重視の楽曲が
多く並んでいた2ndの中にあって、
この曲のパワフルさは際立っています。
イントロダクションで雰囲気を盛り上げ、
最高潮に達したところで曲がスタートする
ドラマティックな展開もたまらない。


ダミアン浜田 - 照魔鏡 ★★ (2008-06-25 21:55:00)

聖飢魔Ⅱの創始者ながら、レコード・デビュー前には既にバンドから脱退済みで、現在は、高校の数学教師という
世を忍ぶ仮の職業に就く、地獄の皇太子ことダミアン浜田殿下が、'96年にひょっこりとリリースしたソロ・アルバム。
デーモン小暮、エース清水、ゾッド星島、ライデン湯沢、ゼノン石川ら、歴代の聖飢魔Ⅱメンバーがゲスト参加している
ことでも話題になった本作(人間椅子の鈴木研一も客演)。自主制作盤ゆえ、サウンド・プロダクションは貧弱だが、
初期聖飢魔Ⅱのメイン・ソングライターとして、“THE END OF CENTURY"“蝋人形の館"“悪魔組曲 作品666番ニ短調"等、
数多くの名曲を生み出してきた彼だけに、本作に収められた、サタニックな雰囲気漂う様式美HMナンバーの数々は、非常にハイクオリティ。
特に、劇的な疾走チューン③や、Keyが良い仕事をしている、怪しくも美しい⑧は、初期 聖飢魔Ⅱの名曲群と比較しても
まったく引けを取らないカッコ良さを誇る。
ただ問題なのは、そうした楽曲を歌う殿下のVoで、上手い下手以前に、余りに素朴なその歌声は、良い意味で「コケ脅し感」満点の
サタニックな楽曲を歌うには不向き過ぎる。(これは、④や⑥で喉を披露している、エース清水やゾッド星島にも言える事だが)
結果的に、⑧で貫禄の歌唱を響かせるデーモン小暮の存在が際立つ仕上がりとなっていて、やはり全編を彼に歌って欲しかったかなぁ、と。
ともあれ、優れたHMアルバムなのは間違いなく、初期聖飢魔Ⅱサウンドを愛する人なら、本作はマスト・バイ。
Say Banzai to His Majesty Damian Hamada!


ダミアン浜田 - 照魔鏡 - 月光 ★★★ (2008-06-25 22:33:56)

怪しくも気品漂う、ドラマティックな様式美HMナンバー。
テンポアップして突入するサビメロの展開が絶品で、
殿下の拙いVoパフォーマンスを差し引いても、
これは三ツ星級の名曲かと。
華麗に楽曲を彩る、Keyの良い仕事っぷりにも注目。


ダミアン浜田 - 照魔鏡 - 灼熱の蜃気楼 ★★ (2008-06-25 22:29:29)

劇的に疾走する様式美HMナンバー。
歌メロが非常に秀逸で、これをデーモン小暮が歌っていたなら、
文句なしで三ツ星級の名曲だったのだが・・・。
ともあれ、優れた曲には違いない。


Александр Ситковецкий(Alexander Sitkovetsky) (2017-09-23 00:18:20)

アレクサンドル・シトコヴェツキーは、'85年に開催されたLIVE AIDにソビエト連邦代表として参加したことで知られるプログレッシブ・ロック・バンド、AUTOGRAPHのギタリスト。当時のVoは後にARIAに加入するアルトゥル・ベルクトで、ポップ色を強めた3rd『TEAR DOWN THE BORDER』('91年)は日本盤も発売された筈。また世界デビューに併せてバンド表記がロシアっぽくAVTOGRAF(アフトーグラフ)に改められたのは、アメリカの同名バンドとの混同を避けるためか。
‘90年にはオール・インストのソロ・アルバム『ZELLO』を発表している。
ちなみに「アレクサンドル・シトコヴェツキー」で検索を掛けると、最初に引っ掛かるのがロシア人の天才バイオリニストの名前なのだが、どうやらご子息の模様。シトコヴェツキー家はロシアじゃ有名な音楽一家らしい。


Александр Ситковецкий(Alexander Sitkovetsky) - Zello ★★ (2017-09-23 00:19:45)

ソビエト連邦の国営レーベル「メロディア」とライセンス契約を交わし、主に共産圏のクラシック、ポップス、ロック、民謡等の輸入盤を日本に紹介してきた「新世界レコード社」をご記憶でしょうか?メタル・マニア的にはソ連のメロハー・バンド、GALAXY(ガラクチカ)のアルバム――帯付中古盤は今じゃ5桁の値が付く超レア盤――リリースを手掛けたことで知られる同レーベルから発売され、我が家のCD棚に鎮座まします作品の一つが、アレクサンドル・シトコヴェツキー、’91年発表のこのソロ作。パッと見はほぼクラシック作品(実際古本屋のクラシックコーナーにて500円で売られていた)。というか「そもそも誰だよ?」ってな話でしょうが、帯に書かれた《アフトーグラフのリーダー》表記に「それって日本盤も出てたソ連のプログレ・バンドか」と興味を引かれて、購入に至った次第。
’91年頃といえば、欧米じゃ速弾きブームはすっかり下火となり、新たな方向性を模索するギタリスト達は生き残りを賭けて音楽性を拡散させ始めていた時期ですが、鉄のカーテンの向こう側で作られた本作はそうしたシーンの流行り廃りや、ドヤ顔の超絶技巧、トリッキーな楽曲等とはまるで無縁。極々シンプルなギター・インスト物を志向しています。クラシカルな風情漂わす抒情メロディを素直に届けようとする姿勢と、如何にもソ連的な貧…素朴な音質とが相俟って、周回遅れ感を漂わせつつも逆にそこにグッと郷愁を誘われる仕上がりという。Gの腕前も確かで、例えば③における泣きっぷり等はなかなかに強烈ですよ。
随分前に新世界レコードが店仕舞いしてしまったため、今でも入手可能かどうかはよう分かりませんが、もしどこぞで見かけることがあったら是非お手に取って下さいませ。


Ария(ARIA) - Игра с огнём ★★★ (2011-12-26 22:21:17)

'89年にモスクワでミュージック・フェスティバルが開催されたのを契機に、ロシアン・メタルが瞬間風速的に盛り上がった時期がありましたが、GORKY PARKやSHAH、TOVARISCHYといった国内盤がリリースされたバンド以上に深い感銘を受けたのが、このARIAが'89年に発表した4thアルバム。(尤も、ARIAの作品はこれしか聴いた事がないのですが)
舌とコブシ回しまくりの勇壮な歌メロを、後ノリでリズムに追っ付ける歌唱スタイルが独特の味わいのVo、隙あらば聴き手の涙を搾り取ろうと咽び泣く2本のGを中心に展開されるサウンドは、JUDAS PRIESTの“THE HELLION”を思わすイントロに導かれスタートする①と、IRON MAIDENばりのクールなリズム・チェンジ・パートを備えた②という開巻早々の2連発が物語る通り、ド直球の正統派HM路線を邁進。
そこに北欧ヴァイキング・メタルばりの雄々しいドラマティシズムや、聴いているだけでブリザード吹き荒ぶシベリアの永久凍土が目に浮かぶような、猛烈な寒々しさと物悲しさが全編に亘って充満しているのが本作の特色で、VoとGが悲壮に泣きまくる③なんて涙さえも凍りつくような名曲ですよ。
思わず「・・・デモテープ?」と呟きの一つも漏らしたくなる貧乏臭いプロダクションも含めて、まさしくロシアン・メタルの様式美を堪能させてくれる1枚ですね。


Мастер(Master) (2011-12-26 22:24:55)

ARIAのオリジナル・メンバー、アレクサンダー“エリク”グラノフスキー(B)や、ロシアではソロ・アルバムをリリースする等ギター・ヒーローとしての地位を確立しているというアンドリュー・ボルシャコフら、ARIAの1stや2ndアルバムに参加していたメンバー達によって'87年にモスクワにて結成された、ツインG、Key奏者を含む6人編成のパワー/スラッシュ・メタル・バンド。
シカゴのトリオ・デスラッシャーと混同しそうなバンド名ですが、こちらは正確にはMACTEPと綴り(読みは「マスチュール」)、ロシア語では「皇帝」を意味する言葉なのだとか。
無数のメンバー・チェンジを繰り返しながらも、'08年には結成20周年を祝う2枚組ライブ・アルバムを発表する等、ロシア国内では確固たる人気を誇るバンドで90年代に発表された4th『MANIAC PARTY』がPANTERAからの影響を伺わせる内容だったため、それ以降彼らの作品を追いかけるのを中断してしまったのだが、バンドの方は順調に活動を継続し、'10年には8枚目のフル・アルバムもリリース済み。


Мастер(Master) - Talk of the Devil ★★★ (2011-12-30 00:46:11)

ベルギーのスタジオで初の国外レコーディングを行い、英詞での曲作りにもチャレンジ、BLACK SABBATHのカヴァー曲を収録するなど欧米市場を意識して制作され、ソ連邦崩壊目前の'91年にリリースされた3rdアルバム。
ローパジェットのプロダクションに、巻き舌で歌うVoが漂わせる独特の哀愁etc・・・といった共産圏特有のクセやクサみが薄まった本作は、不吉な雰囲気漂うイントロ①を引き裂いてスタートする②から早くも、バキバキにビルドアップされた音像のもとリフ&リズムがマッシヴに刻まれる。これまでメロディアスに歌っていたミカエル・サリチェフもシャウト主体のVoスタイルに変貌を遂げ(てっきりフロントマンが交代したのかと思いましたよ)、より普遍的なスラッシュ・スタイルへの方向転換が図られているのが最大の特徴。
勇壮さと哀愁が同居したロシア語の歌唱と、硬質なスラッシュ・サウンドのミスマッチの旨みが失われてしまったのは残念ですが、勿論、随所に彼ららしさは息衝いており、中でもグレゴリアン聖歌風の厳粛なイントロが付けられた④、本編中最もパワー・メタリックな⑧、それにBLACK SABBATHの“PARANOID”を正統派HMテイストたっぷりにリアレンジした秀逸なカヴァー⑪辺りは、このバンドならではの個性と新味が化学反応を起こした大変素晴しい出来栄え。
「前2作は甘っちょろくて聴けねぇ」という欧米志向のスラッシャーにもお薦めできる、立派に世界レベルのクオリティを誇る1枚。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Fallen Angel ★★★ (2012-01-02 23:04:03)

ロシア正教の大聖堂を想起させる
クラシカル且つ荘厳なイントロから
激走へと転じるスピード・ナンバー。
体育会系の掛け声コーラスに
テンションが上がりますね。
プロダクションの向上に伴い
ブンブン唸るBがクリアに聴こえるように
なった点も○。