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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 701-800

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 701-800
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BEGGARS OPERA - Pathfinder - MacArthur Park ★★★ (2012-05-17 22:31:44)

リチャード・ハリスが歌う原曲は60年代らしい(?)
優雅さが魅力でしたが、こちらのカヴァー・バージョンは
ピアノやチェンバロを大胆に導入することで、
叙情性とクラシカルな気品が強調されており、
またVoの朗々たるジェントルな歌声がドラマティックな曲展開の
メリハリを一層補強してくれています。
何も知らずに聴けばオリジナル曲だと思うぐらい
本編の流れに馴染んでますね。


BEGGARS OPERA - Pathfinder - Madame Doubtfire ★★★ (2012-05-18 23:22:49)

ストレートなHRソングと思わせて
終盤で全パートが一気に狂気の度合いを増し
カオス状態に突入するアルバムのラスト・ナンバー。
特に哄笑を上げるVoとKeyのハジケっぷりは圧巻ですよ。


BELIEVER - Dimensions ★★ (2008-01-04 22:19:00)

近年、メンバーが再結集してニュー・アルバム作りに勤しんでいるというクリスチャン・デス・メタル・バンド
(というかスラッシュ・メタル・バンド)BELIEVERが、'93年に発表した、現時点でのラスト作となる3rdアルバム。
個人的に初めて接した彼らの作品だったりもするのだが、当時は2、3回聴いてピンと来ず、中古屋に売っ払ってしまった
記憶があり、最近、リマスター盤が再発されたのを期に、改めて購入してリトライしてみたのだけれども・・・うーむ。
リズムからスラッシーな疾走感が、リフやボーカリゼイションからは歯切れの良さが抜け、代わりにダルでムーディな雰囲気が
増量された作風は、明らかに当時大流行していた「モダン・へヴィネス症候群」を患っている感じ。前2作に比べると
キャッチーさ(ポップという意味ではない)が失われてしまった楽曲は、即効性のインパクトに欠け、どうにも地味な印象は否めない。
ただ、②⑤のような高速スラッシュ・チューンもちゃんと収録されているし、①のソロを筆頭に、劇的なメロディを紡ぎ出す
ツインGも健在だしで、今回、改めて聴き直してみたところ、これが思ったほど印象が悪くない。
何より、本作を語る上で外すことが出来ないのが、4パート/20分を越す長尺から構成される大作組曲“TRILOGY OF KNOWEDGE"の存在。
異色の名曲“DIES IRAE"のアイデアを更に発展させ、大胆に導入されたソプラノVoや、ヴァイオリン、チェロといった弦楽器が、
クラシカルな優雅さや美しさを演出するだけでなく、時にアグレッシブにリフを刻み、時にスラッシーに疾走する、
複雑で緻密、且つパワフルな曲展開は圧巻。尤も、この手の楽曲をドラマティックと言うよりも、
「アヴァンギャルド」と表現したくなる内容に仕上げる辺りが、このバンドならではの持ち味か。


BELIEVER - Dimensions - Trilogy of Knowledge: Intro: The Birth ★★ (2008-01-04 22:36:20)

“INTRO:THE BIRTH"“MOVEMENT Ⅰ:THE LIE"“MOVEMENT Ⅱ:THE TRUTH"
“MOVEMENT Ⅲ:THE KEY"の4パートから構成される、20分を越える大作組曲。
メインのソプラノVoと、サブの濁声Voが演出する美醜の対比、
美しさや優雅さだけでなく、ブルータルな攻撃性も発揮する
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロといった弦楽器隊を導入した、
シンフォニック・へヴィ・メタル・サウンドは、THERIONを彷彿とさせる。
尤もBELIEVERの場合は、ドラマティックというよりも
前衛的と表現するのがピッタリくる仕上がりなんだけど。
でも、クリストフェル・ユルソンはBELIEVERから影響を受けたんじゃないかな、と。


BELIEVER - Extraction From Mortality ★★ (2011-05-14 22:40:57)

スピーディでブルータルな楽曲と、それに相反する、神と聖書の教えについて歌った真摯な歌詞のギャップから、「クリスチャン・デス・メタル・バンド」としてファンの間で話題となった、ペンシルバニア州はコールブルック出身の4人組が、'89年にクリスチャン・ミュージックの専門レーベルR.E.X.MUSICから発表した1stアルバム。
「クリスチャンなのかデスなのか、一体どっちやねん」と多くのメタラー諸氏からツッコミを入れられたわけだが、実際のところ、本作にデス・メタル色は皆無。そのサウンドはSLAYER直系のストレートなスラッシュ・メタル路線で、特にこのアルバムはデビュー作という事もあってか、スラッシーな色合いが濃厚に漂う。②④⑥⑧なんて、もろ正統派の高速スラッシュ・ナンバーで、非常にカッコイイ。
但し、大仰でクラシカル、且つストレンジな味わいのイントロで幕を開けるOPナンバー①や、ヴァイオリンやヴィオラをフィーチュアした、ドラマティックでクラシカルなアルバム・タイトル・トラック⑧、人を食った曲調でラストを締める⑨と、どこか奇妙で、個性的なリフ・ワークやメロディ使いも随所で顔を覗かせていて、一筋縄では行かないノリは既に健在。
個人的には、パワー・メタリックなリフが疾走し、メロディアスなツインGが炸裂する、劇的なスピード・チューンの名曲④が一押しかな。
本作はメタル・ファンの間で高く評価され、バンドはこの後すぐ、ROAD RUNNNER RECORDSとの契約を手に入れる事となる。


BELIEVER - Extraction From Mortality - Extraction From Mortality ★★★ (2008-01-03 00:23:57)

ヴァイオリンやヴィオラを用いたクラシカルな前半から、
SLAYERばりに疾走するスラッシュ・パートへと雪崩れ込む、
アルバムのタイトル・トラック。
1stはストレートなスラッシュ・メタル色が強く打ち出されていてが、
この名曲は、BELIEVERの美意識の結晶と言うべき素晴しい仕上がり。


BELIEVER - Extraction From Mortality - Shadow of Death ★★★ (2008-01-03 00:21:06)

メロウなイントロから雰囲気が一転する、ハイスピード・ナンバー。
パワー・メタリックなリフと、タイトに引き締まった疾走感が
痛快極まりなく、しっかりと構築されていながらも、
どこか不協和音的な不穏さが漂う、ツインGのハーモニー・パートも
非常に印象的。個人的には1stアルバムのハイライト・チューン。


BELIEVER - Extraction From Mortality - Unite ★★ (2008-01-03 00:13:56)

大仰でクラシカルだが、どこかストレンジな風情を漂わせた
イントロ・パートを経て、猛烈に疾走を開始する
アルバムのOPチューン。メロディックなツインGも美味しい。
BELIEVRというバンドの個性を判り易く伝える、
名刺代わりに持って来いの1曲。


BELIEVER - Gabriel ★★ (2009-05-14 23:01:00)

'94年発表の3rd『DIMENSIONS』を最後に活動停止状態に陥っていた、ペンシルバニア出身の5人組
クリスチャン・デス・メタル・バンド(そこに形容矛盾はないのか?)が、中心メンバーだったGとDsを中心に
再結成を遂げ、'09年にMETAL BLADE RECORDSよりリリースした4thアルバム。
初期のスラッシュ・メタル・スタイルに回帰した復活作を期待していたのだが、実際に出来上がったのは、
ヘヴィなGリフと変拍子バリバリのリズムが荒れ狂い、不協和音を奏でるジャズ/フュージョン・タッチのKeyや
ヴァイオリンをフューチュアした、3rd『DIMENSIONS』で垣間見せたアバンギャルドなノリを全編に拡大させたかのような、
ダークでメカニカル、且つプログレッシブな作風で、正直なところちょっぴり(つーかかなり)肩透かし。
何てったってアータ、前3作にあった劇的なドラマ性や構築美が減退してしまった点が痛過ぎる・・・。
とは言うものの、刻み目の粗いGリフと、スラッシーなリズムが切れ味鋭く疾走する⑥⑦、初期スタイルの
アグレッションと実験精神が巧みに融合を果たした①③等、聴き応えのある楽曲も収録されており、キャッチーさや
即効性にこそ乏しいものの、これはこれでキッチリと高い完成度の作品を提示してくる辺りは「流石」と唸らざるを得ない。
「リユニオンして新作製作中」の報から、実際に作品が発表に至るまで結構かかっただけあって、
バンド側の試行錯誤の跡がクッキリと刻まれた1枚。好き嫌いは分かれるが、力作なのは確かか。


BELIEVER - Gabriel - Focused Lethality ★★ (2009-05-14 23:12:41)

ドリルの如く切り込んで来るイントロのGリフの
カッコ良さにノックダウンされる名曲。
前曲“THE NEED FOR CONFLICT"同様、
初期スラッシュ・スタイルのエッセンスを濃厚に宿した仕上がり。


BELIEVER - Gabriel - The Need for Conflict ★★ (2009-05-14 23:07:53)

ヘヴィなイントロを経て、小気味良く疾走を開始する
初期スタイルのスラッシュ・ナンバー。
これで1stや2ndの頃のようにGソロに華があれば
言う事なしなのだが。


BELIEVER - Sanity Obscure ★★ (2008-01-03 17:31:00)

1st『EXTRACTION FROM MORTALITY』の好評を受け、ROAD RUNNNER RECORDSと契約を果たしたBELIEVERが、
'91年に発表した、ファンからも「バンドの最高傑作」と高い評価を得る2ndアルバム。
高らかに神と信仰について歌った歌詞(ご丁寧に歌詞カードには聖書の引用箇所まで表示されています)は相変わらずながら、
デビュー作という事で、初期衝動に忠実なストレートなスラッシュ・メタル色が濃厚に表れていた『EXTARACTION~』に比べ、
今回は、そこから更にリフやリズム、アレンジ、メロディが綿密に作り込まれていて、混沌としたイントロを経て、
どこか不協和音を孕んだリフが猛然と疾走を開始したかと思えば、突然、ブレイクが入ってアコギが爪弾かれる・・・
といった具合に、静と動、激烈さと叙情性、そしてドラマ性と奇妙さが渾然一体となって押し寄せるアルバム・タイトル・トラックの
①に代表される通り、いよいよバンドがその個性を確立し、本領を発揮し始めたとの印象を強く受ける内容に仕上がっている。
①以降も、②④⑦といった前作以上のスピードで駆け抜ける高速スラッシュ・チューンを要所に配して
全体の疾走感を保ちつつ、アコギのイントロからスタートする、パワー・メタル的なカッコ良さを誇る③、
後にシングルとしてリリースされた(ビデオ・クリップも作られた筈)緩急の効いた劇的な⑤、
弦楽器とフィメールVoをフィーチュアして、クラシカル且つシンフォニックに盛り上がる、本編随一の異色曲⑥、
U2の楽曲を巧みにアレンジして、BELIEVER色に染め上げている秀逸なカヴァー⑧を収録する等、全編これ捨て曲なし。
従来のスラッシュ・メタル的要素と、新たな実験的要素が絶妙なバランスでブレンドされた、まさに「最高傑作」の評価に恥じぬ1枚。


BELIEVER - Sanity Obscure - Dies Irae (Day of Wrath) ★★ (2008-01-03 17:43:06)

弦楽器とオペラティックな女性Voをフィーチュアして、
クラシカル且つシンフォニックに盛り上がる、2ndアルバム随一の異色曲。
優雅さとパワフルさが巧みに融合した曲調は、
まるでTHERIONだが、当然の如く、こちらの方が10年早い。


BELIEVER - Sanity Obscure - Nonpoint ★★ (2008-01-03 17:48:27)

叙情的なアコギによるイントロから、
猛然と疾走を開始するスピード・ナンバー。
引っ掛かり気味に刻まれる、正統派へヴィ/パワー・メタル的
とも言えるリフ・ワークと、
ドラマティックなツインGのハーモニー・パートが、
非常に印象に残る1曲。


BELIEVER - Sanity Obscure - Sanity Obscure ★★ (2008-01-03 17:38:50)

陽気さと不気味さが同居するクリスマス・ソング調のイントロから、
ダイナミックに展開していく2ndアルバムのタイトル・トラック。
不協和音を孕んだGリフといい、猛烈な疾走したかと思えば、
ストンとエアポケットに落ちたように
突然アコギが爪弾かれたりと、静と動が
目まぐるしく入れ替わる曲展開といい、
湧き上がるように不穏なメロディを紡ぐツインGといい、
彼らの個性が判り易く詰め込まれた名曲。


BELIEVER - Sanity Obscure - Stop the Madness ★★★ (2008-01-03 19:33:36)

2ndリリース後にシングル・カットされ、
ビデオ・クリップも作られた、BELIVERの代表曲の1つ。
SEのイントロから、へヴィな前半、メロディアスで
劇的なインスト・パート、そして激烈に疾走する後半へと
ダイナミックに移り変わっていく曲展開が素晴しい。


BERNIE MARSDEN (2015-03-14 01:37:27)

UFOやWILD TURKEY、BABE RUTH、COZY POWELL'S HAMMER、PAICE, ASHTON, LORD(PAL)等、数々のブリティッシュHRバンドを渡り歩き、そしてWHITESNAKEへの参加でキャリアを決定的なものとしたイギリス人ギタリスト。本名はバーナード・ジョン・マースデン。
'81年発表の2ndソロ『LOOK AT ME NOW』の国内盤が'98年に初CD化された際、買い逃してしまったまま今に至るので、ぼちぼちCDの再々発をお願いしたいところなのですが・・・。


BERNIE MARSDEN - And about time too ★★★ (2015-03-14 01:39:57)

初期WHITESNAKEに多大なる貢献を果たした名ギタリスト、バーニー・マースデンが'79年に発表した初のソロ・アルバム。
そのバーニーの人徳が為せる業か、デイヴィッド・カヴァデール、ジョン・ロード、イアン・ペイスを筆頭に、白蛇人脈に連なる錚々たる面子がアルバム制作に協力。例えソロといえども己一人が目立つことを良しとせず、参加メンバーの見せ場にも気を配ったアンサンブル重視の作風も、そうした彼の人となりを表しているかのようです。
尤も、“お前が本命”なるナウい邦題を冠されてしまったOPナンバー①がアルバムの方向性を示す通り、当時流行のメロハー路線が敷かれている本作にWHITESNAKE色は薄め。音作りやアレンジは少々時代を感じさせ赤面を誘われなくもないですが、それでも聴けば聴くほど惹き込まれてしまうのは、バーニーの味わい深い歌声&泣きを発するGプレイ、脇を固めるミュージシャン達の的確な仕事振り、それに収録楽曲の素晴らしさゆえでしょうか。
本編に捨て曲は見当たりませんが、中でも胸躍るポップな③と、号泣モノのバラッド⑤は出色。どっちもドラム叩いてるのがコージー・パウエルってのも評価ポイントですよ。「もっとロックして欲しい」という方は、ジャック・ブルース、ドン・エイリー、サイモン・フィリップスらが火花散らすインスト曲⑨をどうぞ。
まさに《待ってたぜバーニー!遅かったぜバーニー!今からお前が本命さ!》(帯タタキより)な1枚。


BERNIE MARSDEN - And about time too - Love Made a Fool of Me ★★★ (2015-03-14 22:51:03)

バーニー・マースデンと、ボビー・ダズラーこと
デイヴィッド・カヴァデール共作のポップ・チューン。
弾むようなキャッチーな曲調に、バーニーのVoと
歌心溢れるGプレイが映える映える。
バックを固めるのはコージー・パウエル&ニール・マーレイの
鉄壁リズム隊に、Key奏者のドン・エイリーという面子。


BERNIE MARSDEN - And about time too - Song for Fran ★★★ (2015-03-14 22:45:24)

しっとりとした泣きに満ちた叙情インストナンバー。
こういう曲を弾かせたらバーニー・マースデンは絶品すな。
ちなみに他の参加メンバーは
ジャック・ブルース(B)、ドン・エイリー(Key)、
サイモン・フィリップス(Ds)という布陣。


BERNIE MARSDEN - And about time too - Still the Same ★★★ (2015-03-14 23:01:09)

イントロだけでグッとくる
文句なしのアルバム・ハイライト・ナンバー。
哀愁が溢れ出すバーニーの歌声とGプレイ、
ドン・エイリーが物悲しげに奏でるピアノ、
徐々に熱量を高めていくコージーのドラムとが
終盤に向けて盛り上がっていく様は
息苦しいほどに感動的。


BERNIE MARSDEN - Look at me now ★★ (2016-01-20 22:25:28)

買い逃したまま今日に至っていた、バーニー・マースデン(G)がWHITESNAKE在籍中の'81年に発表した2ndソロ・アルバムの国内盤CDを、行きつけの中古屋の新春セールにてゲット。こいつは新年早々幸先が良いやと。
マイケル・シェンカーが③に手拍子(!)で客演していることを除けば、ニール・マーレイ(B)にジョン・ロード(Key)、イアン・ペイス(Ds)ら、白蛇人脈活用の参加ミュージシャンの顔触れは前作『AND ABOUT TIME TOO』と概ね同じ。バーニー自身のVoが中心に据えられた、ポップでお洒落な音楽性の方も『AND ABOUT~』の作風を踏襲しています。
・・・というか、こっちに関しては尚一層コマーシャルな方向に踏み込んでる印象で、特に一度聴けば耳から離れなくなる、仄かな哀愁を帯びたキャッチーなOPナンバー①は、本作の魅力を集約したかのような名曲ぶり。また甘くポップな④や、六本木のディスコ「ビブロス」をテーマにした賑々しい⑥、実に味わい深い泣きのGプレイに琴線揺さぶられる⑨、ボートラ扱いながら、コージー・パウエルがお得意のリムごとガタガタいわすようなパワフルなドラミングを披露する⑩なんかも個人的にはお気に入り。
ただ、今回は前作収録“HEAD THE BALL”のようなギンギンにロックするハード・ナンバーは見当たらないため、全体的に少々あっさり気味に流れていってしまう物足りなさが無きにしも非ずか。
それでも、本作が前作に負けず劣らず高品質な1枚であることは疑う余地はありませんが。買えて良かった。


BERNIE MARSDEN - Look at me now - After All The Madness ★★★ (2016-01-23 09:42:32)

号泣!ではなく、くいくいと涙腺を刺激してきて
さめざめと泣かせるタイプの哀愁のインスト・ナンバー。
これ見よがしの派手さはなく、ただ「良いメロディ」を
丁寧に届けるようなバーニー・マースデンのGプレイが
胸に染み入ります。


BERNIE MARSDEN - Look at me now - Look At Me Now ★★★ (2016-01-23 09:38:45)

バーニー・マースデンが歌い上げる
一度聴けばすぐに覚えてしまえる
キャッチーなサビメロも印象的なアルバム表題曲。
イアン・ペイスの軽快に跳ねるDs、
ジョン・ロードが奏でる瀟洒なピアノも心地良い。
なんでヒットしなかったんだろう。


BERNIE TORMé - Wild Irish ★★ (2019-04-11 23:53:58)

アイルランド出身で、GILLANやオジー・オズボーン・バンドへの参加、あるいはフィリップ・ルイスと結成したTORME等での活動で知られたギタリスト、バーニー・トーメ死去の報に触れ、「そういえばこの人のアルバムを持っていたよな…」とCD棚を漁って発掘してきた、彼が'96年にソロ名義で発表した作品。(未発表曲や本編とはバージョン違いの楽曲等を収録する4曲入りオマケEP付きの2枚組仕様)
GILLAN以降のキャリアについては殆どフォローしてこなかったので、本作が彼の何枚目のソロ・アルバムなのかは不明。ただ表題含めて原点回帰を志向しているというか、非常に「らしい」作品に仕上がっていることは間違いありません。トーメ自身が兼任する、感性に任せてインプロヴァイズしまくる破天荒なGプレイと、味勝負のヘタウマVoを基軸に、トリオ編成の強みを生かしてシンプル且つ骨太に押し出して来るロックンロール・サウンドは、例えば「アイリッシュ」と聞いて期待してしまう、ゲイリー・ムーアの名曲“望郷の果て”に代表されるような、彼の地の大自然を想起させる美しさとか雄大さとかとは無縁。その代わりここには、口が悪くて喧嘩っ早く、酒と音楽をこよなく愛する(まさに『ワイルド・アイリッシュ』な)下町グルーヴはパンパンに詰まっている気がしますよ。また荒くれているようで、幕間から不意に顔を覗かせる哀愁に胸打たれる⑥や、ヘヴィに揺らめく7分以上に及ぶ大作ナンバー③のカッコ良さなんかもなかなかのもの。
やはり今聴いてもストライク・ゾーンど真ん中の音楽性とは言い難いのですが、それでもバーニー・トーメというギタリストに備わった強烈な個性は十分に伝わってくる1枚です。


BEWARP - IN YOUR FACE ★★ (2016-11-09 23:54:07)

第一次北欧メタル・ブーム沈静化後、彼の地からは「泣き」「哀愁」「美旋律」といったこれまでのイメージに囚われない、新しい音楽性を打ち出すバンドが次々に登場しました。このスウェーデン出身の4人組もそうした流れの中からデビューを飾ったバンドの一つで、1st『FUNK’D RAPT’N TRASH’D』ではタイトル通りギンギンにファンキーなHMを披露。それだけなら完全に興味の範疇外だったのですが、ニュー・シンガーとして「メロハー・シーンの渡り鳥」ことピート・サンドベリが加わった′94年発表のこの2ndアルバム(国内盤は、当時優れたメロディック・ロック作品を積極的にリリースしていたBRUNETTE RECORDSから発売)では、従来の歯切れの良いノリや肉厚なグルーヴを活かしつつも、よりメロディアスで洗練されたサウンドを聴かせてくれるようになりました。
中でも、ポール・ギルバートに師事していたというディック・ビワープ(バンド名は彼の名に因む)のG.I.T.仕込みのGプレイと、ピートが歌うフックの効いたメロディとが快活に駆け抜けていくキャッチーな③は、思わず「おっ」と声が漏れる本作のハイライト。
正直グルーヴィな楽曲においてはピートのウェットな声質は少々不似合いというか、「無理してる」感が漂うのですが、それでもバラード⑥⑪や、メタリックな疾走ナンバー⑫、ギタリストの出自を物語るようなSHRAPNEL風インスト曲⑭があったりと、バラエティに富んだ曲作りの巧みさのお陰か、(ストライク・ゾーンど真ん中の音楽性ってわけでもないのに)最後まで飽きることなく楽しめましたよ。良心的メロディック・ロック・アルバムです。


BEWARP - IN YOUR FACE - Wildside ★★★ (2016-11-10 22:48:55)

タイトル通りワイルドにハジけるロック・チューン。
Voは多少いっぱいいっぱいな感はあるものの、
フックの効いたサビメロと、要所でテクニカルに閃く
Gプレイが聴き応え十分。


BIBLEBLACK (2014-03-24 21:45:30)

HEXENHAUSに始まり、MEMENTO MORI~ABSTRAKT ALGEBRA~KING DIAMOND~MERCYFUL FATEと、北欧暗黒メタル街道を渡り歩くギタリスト、マイク・ウェッドが、自ら率いるべく'07年に立ち上げたバンド。音楽性から推察するに、バンド名はKING CRIMSONから拝借したのかな?(「BIBLEBLACK」で検索かけると、エロアニメのタイトルばかり引っ掛かるのですが・・・)
'09年、プロデューサーにKING DIAMONDの僚友アンディ・ラロックを起用してレコーディングされたがデビュー作『THE BLACK SWAN EPILOGUE』を発表。同作は日本盤もリリースされたが、その後、表立った活動のニュースは入ってこない。

そういえば先日のKING DIAMONDドタキャン騒動(in LOUD PARK)の時、アンディ・ラロックは来日してたらしいけど、マイクも日本に来ていたのだろうか?


BIBLEBLACK - The Black Swan Epilogue ★★★ (2014-03-24 21:47:05)

マイク・ウェッド(G)が、ABSTRAKT ALGEBRA時代の僚友サイモン・ヨハンソン(G)と再タッグを組んだバンドのデビュー作。('09年発表)
HEXENHAUSばりのスラッシーな疾走感、MEMENTO MORIに通じる宗教的荘厳さを纏ったへヴィネス、KING DIAMOND/MERCYFUL FATEを彷彿とさせるクセの強いリフ・ワークに、シアトリカルな曲展開、そしてそれらをドラマティックにまとめ上げるマイク・ウェッドの流麗なGプレイ・・・と、本作において繰り広げられるのは、マイクのこれまでの音楽的キャリアを総括するかの如き様相を呈する、一大暗黒メタル絵巻。
かけて加えて、ブラック・メタルの禍々しさ、プログレッシブ・ロックの変態性、全編に敷き詰められたフィーチャリスティックなKeyによるモダンなアレンジの数々までトッピングして、一口に「○○風」とは言わせない、独自の個性がドス黒い光沢を放つサウンドは、さながら「RPGのラスト・ダンジョンの劇伴」的スケール感を感じさせてくれます。
スラッシュ・ファンとしては、HEXENHAUSの面影を宿した①②、⑤⑦のようなスピード・ナンバーが気になりますが、何と言っても圧巻なのは、ラストをクラシックの交響曲ばりに劇的に盛り上げる⑧。悲壮美に満ちたドラマティックな曲展開は「壮絶」の一言に尽きますよ。
また、こうした濃いめの作風でランニング・タイムを40分台に収めてくれている構成も気が利いている。この密度で60分も70分も収録時間があったら精神が持ちませんわな。


BIBLEBLACK - The Black Swan Epilogue - Mourning Become Me ★★★ (2014-03-25 22:11:04)

疾走パートではスラッシュ・メタル・テイストが
色濃く薫るOPナンバー。
「モダン且つエクストリームになったHEXENHAUS」
といった趣きも。


BIBLEBLACK - The Black Swan Epilogue - The Black Swan Epilogue ★★★ (2014-03-25 22:21:32)

モダンにしてクラシカル、
アバンギャルド且つドラマティック
宗教音楽の如き荘厳さと、深淵を覗き込むような
ダークネスといった、相反する要素を兼ね備えた、
マイク・ウェッドが持てる作曲/編曲能力の
全てを注ぎ込んだかのような渾身の大作ナンバー。


BIGHORN ★★ (2009-08-16 19:54:00)

カナダはヴァンクーバーにて結成された5人組メロディアスHRバンド。
'78年にセルフ・タイトルの1st『BIGHORN』でデビュー。
システム・エンジニアとして、駆け出し時代のボブ・ロックの名前がクレジットされている
この作品には、ポップな泣きメロと美しいボーカル・ハーモニー、そして劇的な曲展開に
全編が彩られた、全盛期のSTYXを彷彿とさせるサウンドが詰め込まれており、
マニア筋から高い評価を得るが、成功を掴むまでには至らず、結局彼らは
このアルバム1枚を残して消息を絶つ。
'99年、当時「CD化大国」の称号を欲しい侭にしていた日本において
世界初CD化がなされ、世のメロディ愛好諸氏派を喜ばせた事は記憶に新しい。
でももう廃盤?


BIGHORN - BIGHORN ★★ (2009-08-16 19:56:00)

90年代末期のCD化大国日本において、ソニーから再発された数多くの「隠れた名盤」の中でも、ARCANGELや
TRILLIONと並んで特に愛聴させて貰ったのが、カナダはバンクーバー出身の5人組メロディアスHRバンドが
唯一残した、'78年発表のこのセルフ・タイトルのデビュー・アルバム。
いきなりQUEENばりに美しいボーカル・ハーモニーで幕が開く名曲①によく表れている通り、キャッチーで繊細な
泣きメロ、透明感を湛えた華麗なボーカル・ハーモニー、そして優美にして流麗なピアノとKeyがタップリと
フィーチュアされたサウンドは、良い意味で典型的なアメリカン・プログレ・ハード路線で、その内容と来た日にゃ、
同時期のSTYXやBOSTONにも匹敵するクオリティの高さ。(もっとポップ寄りだけど)
凝ったアレンジと曲展開を備えた楽曲は、堪らなくドラマティックな一方、そのいずれもがランニング・タイムは
4分台以下とコンパクトにまとめられており、大仰さやクサみを感じさせる場面は殆どない。
取り分け、前述のOPナンバー①、哀切なるピアノとストリングスの調べが聴く者から涙を搾り取るバラード④、
高揚を誘う溌剌とした曲調と、仄かに漂う哀愁のコントラストが絶品な名曲⑦(歌詞が素晴しいったら!)といった、
都会的な洗練と、親しみ易い叙情メロディ、それにロックンロールに根差したノリの良さが絶妙に同居した
楽曲の数々を聴くにつけ、「ああ、カナダのバンドだなぁ」と心底惚れ惚れさせられますね。
現在でも本作が入手可能かどうかは知らないが、取り合えず、見かけたら即ゲットをお薦めする名盤。


BIGHORN - BIGHORN - MARY-ANNE ★★★ (2009-08-16 20:42:05)

儚げなイントロを聴いただけで胸を締め付けられる名バラード。
やや頼りなさげなVoが切々と歌い上げる泣きメロと、
それを援護する哀切なストリングスとピアノの調べ、
そして透明感を湛えたボーカル・ハーモニーが絶品です。


BIGHORN - BIGHORN - PENNY FOR YOUR DREAMS ★★★ (2009-08-16 20:37:26)

5分足らずという短い時間の中に、
BIGHORNというバンドの魅力が余す所なく詰め込まれた
代表曲と呼ぶに相応しい名曲。


BIGHORN - BIGHORN - SPARROW ★★★ (2009-08-16 20:47:37)

アルバム『BIGHORN』のハイライトを飾る名曲中の名曲。
叙情的なイントロから一転、軽やかに駆け抜けていく曲調が
「旅」について綴った歌詞世界と絶妙にマッチ。
全体的にポジティブな雰囲気を漂わせつつ、
仄かに薫る哀愁が胸に沁み、なぜだか無性に泣けて仕方がない。


BILOXI - Let The Games Begin ★★★ (2013-12-06 23:58:22)

その名の通り、アメリカはミシシッピ州ビロキシィ出身の5人組が'93年に米インディーズのASH AMERICAから発表したデビュー作。
張りのある声で溌剌と歌うVo、テクニカルなフレーズを流れるようにキメまくるツインG、カラフルに花開くKey、メンバー全員が歌える強みを活かした分厚いボーカル・ハーモニーとがハジけるように躍動するサウンドは、往年のSTRYPERを彷彿とさせる健康美を宿したポップ・メタル路線。(それをもうちょいハードポップ寄りにした感じ?)
レコードで言えばA/B面トップに当たる①⑥に爽快な疾走ナンバーを置いて「掴み」とし、後に続くのは、このバンドの武器であるキャッチーなメロディ・センスと壮麗なハーモニーが映えるハード・ポップ②⑦。更に土の薫りが漂う⑤や、各楽器の見せ場を盛り込んだハードな⑪を配して本編の流れのアクセントにしたかと思えば、産業ロック調パワー・バラード④と、乾いたアコギが大陸的な哀愁を運んでくる⑨といったタイプの異なるバラード2曲を収録する等、この手の作品に求められるツボをきっちり押さえた隙のない1枚。
とてもインディ・レーベルからリリースされた作品とは思えぬメジャー感を漂わせていて、デビューするのがあともう5年ほど早ければ、もっと然るべきリアクションが受けられたろうに・・・と、遅過ぎたデビューを惜しまずにいられません。


BILOXI - Let The Games Begin - Don't Cry No More ★★★ (2013-12-09 23:35:04)

元気なだけでなく、バンドのメロディ・センスの良さと
表現力の確かさ(特にVo)も遺憾なく発揮された、
アルバムのハイライト・ナンバーとの評価に違わぬ
名バラード。確かにSTRYPERっぽいですね。


BILOXI - Let The Games Begin - Run For Your Life ★★★ (2013-12-09 23:32:07)

疾走感溢れる曲調に華を添える
溌剌とした歌唱にフラッシーなG&Keyという
まさしくOPナンバーにぴったりな
爽快なHRナンバー。


BISCAYA ★★ (2007-04-21 01:14:00)

最近、リマスターが施された国内盤が再々発されたようなのですが、
音質の向上はどんな具合か、もし購入された方がいらっしゃいましたら
お聞かせ願いないでしょうか?
'96年にCD化された時は、それだけで万歳三唱モノで文句を言う気も起きなかったわけですが、
音質的にはマスターテープの痛みがもろに反映されていて、かなり厳しかったですよね?


BISCAYA - Biscaya ★★ (2007-03-14 22:05:00)

北欧メタル・ファンの間で長らく「幻の名盤」とされていた、スウェーデン出身の5人組が
'83年(国内盤発売は'84年)に発表した、最初で最後のフル・アルバム。
'96年に日本でCD化された際には、ボーナス・トラックとして'84年発表の4曲入りシングル『ON 45』が追加収録。
まぁ、ぶっちゃけ、何れも大した曲ではないのだけれど(いや、4曲目は結構良いかな)、
それよりも、こんなレアな音源を発掘して来てくれたレコード会社スタッフの情熱に頭が下がります。
で、肝心のアルバムの内容の方はと言えば、評判通り、DEEP PURPLEから多大な影響を受けた
クラシカルでドラマチックなハードロック・サウンドといった趣きで、“BURN"をよりクラシカルに仕上げたかのような
劇的な疾走チューン①と、透明感に溢れた、美し過ぎるコーラスに胸締め付けられる泣きの名バラード③の
完成度が際立っている点、その突出した2曲以外の楽曲はやや平均的な出来かな・・・という点も評判通り。
ただ、平均的とはいえその水準は高く、ピアノをフィーチュアした悲しげなバラード⑧、
スパニッシュ風味のインスト曲⑨、印象的なリフとインスト・パートを備えた⑩といった楽曲は聴き応え十分。
「幻の名盤」の評価に恥じぬ、確かなクオリティを備えた1枚。但し、音は悪い。


BISCAYA - Biscaya - Howl in the Sky ★★★ (2007-03-15 22:39:38)

DEEP PURPLEの名曲“BURN"を、
さらにクラシカルに仕上げたかのような
スピーディでドラマチックなアルバムOPチューン。
GとKEYのバトルが素晴しい、まさに「北欧様式美メタル」を
体現したかのような1曲。


BISCAYA - Biscaya - Summerlove ★★★ (2006-03-12 11:08:51)

涙ちょちょ切れる泣きのギターに、ポロポロ零れ落ちるようなピアノの調べ、ヒンヤリと哀感漂う歌メロ&分厚いコーラス・・・
音質の悪さを補って余りある、タイトルと曲調が見事にマッチした泣き泣きの名バラード。北欧メタルのバラードの理想形がここに!
残暑厳しい夏の日でも、これを聴けば体感温度がスッと下がり、快適な1日が送れる事をお約束します。


BITCH - A ROSE BY ANY OTHER NAME ★★★ (2019-01-27 22:55:28)

ベッツィ(Vo)率いる4人組、その名もBITCH(直球勝負な名前だなぁ)が'89年に発表した、新曲、未発表曲、既発曲のバージョン違い等から構成される6曲入りEP。BITCHの作品で日本盤が発売されたのは本作だけか?
ボンデージ衣装に身を包んだベッツィ嬢のSMの女王様感漂う出で立ちや、今だったら確実にポリコレ案件になりそうな、ショーつうか最早「プレイ」っぽい?過激で卑猥なライブ・パフォーマンス――バンド曰くアリス・クーパーのコンサートにヒントを得たのだとか――が評判を呼んだといった話を聞くと、派手さだけで中身からっぽの色物バンドと思われるかもしれませんが、音の方だって実にパワフル。
「顔はやばいよ、ボディやんな、ボディを」と煽る三原じゅん子の声が聞こえてきそうなベッツィ嬢のスケ番Voに甘ったれた部分はなく、鋭いGリフの刻みや地鳴りの如きリズムの疾走感は、時にパワー/スラッシュ・メタルばりのアグレッションを放ちます。考えてみればブライアン・スラゲルが最初に契約を交わしたバンドであり、METAL BLADE RECORDSの名物コンピ盤『METAL MASSACCRE』第一弾ではMETALLICAを始めとする面々と堂々肩を並べていたわけですから、そりゃ見てくれだけのバンドなわけがない。怒涛の如く突進するスピード・ナンバー③や、BITCHの代表曲であるオラオラ感溢れる⑥のような楽曲の気合の入りようは、先入観で舐めて掛かると逆に叩きのめされかねないカッコ良さですよ。これがBITCHの最終作とは残念至極。(バンドは正式には解散しておらず、今でもツアーを行っているようですが)


BITCH - A ROSE BY ANY OTHER NAME - SKULLCRUSHER ★★★ (2019-01-27 23:00:50)

ベッツィのVoも、緊迫感を湛えたリフ&リズムも、
パワー/スラッシュ・メタルばりのアグレッションをまき散らす、
(タイトル通り)頭蓋骨をかち割らんばかりの迫力で
畳み掛けるスピード・ナンバー。
バンド名で舐めて掛かるとベッツィ姐さんにクンロク入れられますよ。


BITCH - The Bitch Is Back ★★★ (2022-02-28 23:54:35)

LAメタル・シーンが大きな盛り上がりをみせる最中、フロント・パーソンのベッツィ・ビッチ(Vo)のぎりぎりアウトなライブ・パフォーマンス(チンコに見立てたキャンディをペロペロ舐める等)の過激さで一部マニアから注目を集めた4人組、その名も直球勝負のBITCHが、しばしの沈黙期間を挟んで’87年に発表した2ndアルバム。
鞭とボンデージの女王様ルックで武装、「私の奴隷におなり!(BE MY SLAVE)」と迫り来るデビュー作に対し、今回のジャケットにはベッツィ姐さんの女性っぽさを強調した艶姿をフィーチュア。よりメタルバブル感強めの仕上がりが時代の変化を感じさせます。
このジャケット見て「ああ、キワモノね」と半目になる硬派なHR/HMリスナーもおられるかもしれませんが、ちょっと待った。彼女らが叩きつけて来るのは飽くまで芯の通った正統派HMサウンドであり、そこに媚や甘えは皆無。MOTORHEADばりの爆走感覚溢れるOPナンバー①や、IRON MAIDENからの影響をアメリカンな解釈で消化吸収したような勇壮かつパワフルな②、あるいはタイトルの元ネタであるエルトン・ジョンの“BITCH IS BACK”の狂騒的なカヴァー⑤といった楽曲を聴けば、伝説のコンピ盤『METAL MASSACRE』シリーズ第1弾に、METALLICAやARMORED SAINTらと肩を並べて参加してたのは伊達じゃないということがお分かり頂ける筈。特にアルバムのトリを飾るスピード・ナンバーにして、BITCHの代表曲として名高い⑨はスラッシュ・メタル・バンド顔負けのアグレッションを放つ名曲ですよ。
ベッツィ姐さんの「舐めたらいかんぜよ!」という啖呵が聞こえてきそうな1枚。


BITCH - The Bitch Is Back - Hot & Heavy ★★★ (2022-03-01 23:51:32)

勇ましくギャロップする曲調はIRON MAIDENからの影響も感じられたり。
ベッツィ姐さんの力強いVoを始め、群がるザコをワイルドに
蹴散らかすような気迫に満ちたパワー・チューン。


BLACK 'N BLUE - Black 'n Blue ★★★ (2020-01-17 00:20:16)

オレゴン州といえば、思い出すのはドラマ『オレゴンから愛』(古い)と、ポートランド出身で、百花繚乱のLAメタル・シーンにおいても大きな存在感を放ったBLACK’ N BLUEのこと。本作は彼らがメジャーのGEFFEN RECORDSと契約後、わざわざ西ドイツまで渡りプロデューサーにACCEPTやSCORPIONSとの仕事で知られるディーター・ダークスを起用してレコーディングを行い、'84年に発表した1stアルバム。
初めて本作を手に取った当時、メンバーのイラストが描かれたジャケットを見ただけでは、「ジェイミー・セント・ジェイムズ(Vo)ってディー・スナイダーに似てるなぁ」とぼんやり思う程度で全くテンション上がりませんでしたが、しかし「どうせ能天気なロックンロールを演ってんだろ?」との偏見は、重厚なリフ&リズムが力強く押し出して来るOPナンバー①の迫力を前に、早くも雲散霧消。MTVで人気を博した代表曲④のような、カラッとキャッチーな楽曲を随所に散らしつつ、BLACK’ N BLUEのカタログ中最もメタリックなサウンドが託されている本作は、前述の①や、ハード・ドライヴィンな③、硬派な曲調から仄かに哀愁を帯びたメロディが浮かび上がる⑧、タテノリの疾走ナンバー⑨等、伝説的コンピ盤『METAL MASSACRE』シリーズの第1弾にヘヴィな⑩が起用されて、METALLICAと肩を並べたのは伊達じゃねぇ!と思わされる楽曲の数々が印象に残ります。
あと、重厚なムードも身に纏った音楽性とか、デビュー作のレコーディングが遅延するうちにLAメタル・ブームの波に乗り遅れてしまいヒット・バンドとしての地位を築き損ねた運の悪さとか、妙にROUGH CUTTと重ねて見てしまうことが多い1枚でもあるという。


BLACK 'N BLUE - Black 'n Blue - I'm the King ★★★ (2020-01-19 23:51:48)

Gリフを主軸にスピーディに駆け抜ける曲調等、
“THE STRONG WILL ROCK”と並んで欧州HMからの影響を
色濃く感じ取ることが出来る疾走ナンバー。
決して能天気なわけじゃないが、陰に籠らず
カラッとした抜けの良さがあるのもこのバンドならでは。


BLACK 'N BLUE - Black 'n Blue - The Strong Will Rock ★★★ (2020-01-19 23:45:01)

憂いを帯びたメロディや重厚に刻まれるリフ&リズムが
ブリティッシュHM勢からの影響を濃厚に伺わせる
初期LAメタルならではの魅力を放つOPナンバー。
終盤にシャウト一発、テンポアップする曲展開が最高ですよ。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty ★★★ (2019-03-10 23:10:58)

前作『WITHOUT LOVE』(’85年)で組んだブルース・フェアバーンが、BON JOVIと共に成功の階段を猛然と駆け上がる光景を見送りつつ、今度はKISSのジーン・シモンズをプロデューサーに起用してBLACK’ N BLUEが'86年に発表した3rdアルバム。
LAメタル・ムーブメントの中核を担うバンドの一つでありながら、なかなかブレイクの切っ掛けを掴めない焦りやプレッシャーが、当時の彼らになかったわけはないと思うのですが、さりとてここで聴くことが出来るサウンドには、バラードを演ってみたり、Keyのフィーチュア度を高めて売れ線に走ってみたりといった小細工は一切なし。まぁ中にはジョナサン・ケイン(JOURNEY)提供のポップでメロディアスな⑥のような異色曲もあったりしますが――でも良い曲ですよ――、元気溌剌なジェイミー・セント・ジェイムズのシャウトVo、躍動感溢れるトミー・セイヤーのG、分厚くボトムを支えるリズム隊とがストレートに攻めてくる、ノーギミックで抜けの良いアメリカンHM路線を徹底する姿勢には好感を持たずにはいられませんて。重厚なアルバム表題曲①、重々しくもキャッチーでアンセミックな②、LAメタルらしいボーカル・ハーモニーを活かした③といったミッド・チューンでじっくりと雰囲気を盛り上げて、ハード・ドライヴィンなスピード・チューン④で一気にアクセルを床まで踏み抜く構成には、メラメラとメタル魂が燃え上がります。ジーンの手掛けた、ボトムの効いたソリッドな音作りもバッチリこの作風にハマっていますよ。(トミー・セイヤーは今ではKISSのメンバーになってしまいましたねぇ)
ぼちぼちBLACK’N BLUEのカタログは国内盤を再発して欲しいところなのですが…。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty - Kiss of Death ★★★ (2019-03-10 23:18:48)

曲名だけで何やら名曲の風格が感じられますが(?)、
事実、硬質なGリフが切れ味鋭く刻まれるイントロに続き
ジェイミー・セント・ジェイムズの威勢のいいシャウトVoと共に
楽曲がアクセル全開で走り始めた途端、聴いてるこっちも
猛然と頭を振らずにはいられないスピード・ナンバーの名曲に仕上がっています。


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER ★★★ (2012-01-27 06:56:11)

カナダはバンクーバー出身の5人組HMバンドが、'85年に500枚限定で自主製作/リリースしたデビューEP。
猛烈なダメダメ臭が漂って来るチープなアートワークに早くも心を折られそうになりますが、どっこい、重厚なイントロ部分だけでメタル者的にはテンションを上げざるを得ない勇猛なOPナンバー“WARLORD'S WRATH”で幕が上がり、スピーディでキャッチーな表題曲“MASTER OF DISASTER”で締め括られる本編は、ロブ・ハルフォード型の光沢を感じさせるハイトーンVo、正統派HM然としたドラマティックなフレーズを次々に紡ぎ出すツインG、そして重量感溢れるパワフルなリズム隊とが一体となった、とてもカナダのバンドとは思えぬヨーロピアン風味のダークネスと湿り気を帯びたパワー・メタル・サウンドが雄々しく展開されており、非常に高品質。
わずか5曲収録でも十分な満腹感を味わえてしまう栄養価の高さが魅力の本作には、当然のように駄曲は1つも見当たりませんが、中でもお薦めしておきたいのが4曲目に置かれたエピック・ソング“AARAIGATHOR(METAL ANTHEM)”の存在。
バンド自ら「メタル・アンセム」と言い切ってしまう臆面のなさも素敵なこの曲のみBがリードVoを担当しているのですが、エリック・アダムスが憑依したかの如き大仰で芝居がかった歌唱がダーク&厳粛にうねる曲調に見事にマッチしており、まるで『INTO GLORY RIDE』を発表した頃のMANOWARを思わせる、血沸き肉踊る壮大な名曲に仕上がっています。


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - AARALGATHOR ★★★ (2012-01-29 10:12:17)

Bのグレン“ザ・ハンマー”ホフマンが
リードVoを担当するエピック・ソング。
この人のシアトリカルな歌声は、2ndや3rdアルバムを
発表した頃のMANOWARを彷彿とさせる大仰且つ劇的な
曲調に見事にマッチしていて、この曲のみ
他の収録曲とは異なるダークでオカルティックな
雰囲気を発散しています。ド級の名曲ですよ。


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - MASTER OF DISASTER ★★★ (2012-01-29 10:14:01)

デビューEPのタイトル・トラック。
ハイトーンVoが映える疾走ナンバーで、
勇壮な荒々しさのみならず、
キャッチーなのも特筆すべき美点かと。


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - WARLORD'S WRATH ★★★ (2012-01-29 10:03:57)

戦闘開始を予感させるイントロだけで
テンション上がりまくり。
実際、楽曲自体も勇猛且つ劇的な出来栄えで
その予感は裏切られませんし。
単なるリズム楽器に留まらない活躍を
聴かせてくれるBが良い仕事してますね。


BLACK SABBATH - Born Again ★★★ (2013-07-10 22:26:15)

DEEP PURPLE再結成のアテが外れて体が空いてしまったイアン・ギランと、ロニー・J・ディオに去られたBLACK SABBATH。振られ者同士(?)の思惑が一致した結果、'83年に産み落とされた《悪魔の落とし子》がこれ。
かつては「サバスの暗黒サウンドと、ギランの明るい歌声が水と油な駄作」と貶され、現在は「そのミスマッチ具合も含めて最高な名盤」と逆に高評価を得る本作。評価の是非はさておき、それだけ「語りたくなる」魔力を秘めた作品っつーことですわな。
個人的に本作を聴いていて思うのは、オジーとギランって案外声質似てるよね?ということで、歯切れの良い歌い回しのギランと後ノリのオジー、陽のギランに陰のオジーetc・・・と、背負うイメージこそ正反対な両者ですが、どっちの声にも共通した浮遊感覚が感じられるんだよなぁ、と。
GILLAN的な疾走感に貫かれた①⑥、BLACK SABBATHらしい引き摺るようなヘヴィネスと邪悪な雰囲気山盛りな③⑤、そして英国産HMの美意識が劇的に炸裂する⑦は、トニー・アイオミのクリエイトする楽曲とイアン・ギランの声の相性の良さを実証するに十分な名曲。
そんなわけで、個人的には名盤派に一票を投じる内容ではあるのですが、ただ本作は飽くまで(当人達も認める通り)BLACK SABBATHというよりはGILLAN/IOMMI/BUTLERであり、「まだBLACK SABBATHって聴いたことない」という新人さんの入門盤には、これより前のアルバムをお薦めする次第。


BLACK SABBATH - Born Again - Born Again ★★★ (2013-07-12 22:24:48)

あえて半拍遅れで歌メロをおっ付けるギランのVoと
メランコリックなギーザーのB、それに咽びなくトニーのGソロに
辛抱堪らんほどエモーションをかき立てられます。
BLACK SABBATHっつーより、ブリティッシュHMの威厳に
ひれ伏す名曲。


BLACK SABBATH - Cross Purposes ★★★ (2015-12-10 00:01:32)

ロニー・J・ディオ擁するラインナップが早々に瓦解したことを受け、トニー・アイオミはキープ君(死語)…もとい気心の知れたシンガー、トニー・マーティンを呼び戻して(ドラマーには元RAIBOWのボブ・ロンディネリを起用)'94年に本作を発表しました。
当時はどうしても『ETERNAL IDOL』『HEADLESS CROSS』『TYR』と比較してしまい、「収録曲の出来にムラがある」とボヤいていたのですが、時間の経過に伴い、無駄な比較をせずに単体で楽しめるようになると「これって案外・・・いや、非常に良い!」と評価が急上昇しましてね。
ギーザー・バトラーのBが生み出す漆黒の闇の中で、マーティンの麗しい歌声とアイオミの泣きを湛えたGプレイが艶やかな光沢を放つサウンドは、「烏の濡羽色」とでも言うべき仕上がり。確かに印象に残る曲/そうでない曲の境目が結構あからさまですが、緊迫感を湛えて疾走する“I WITNESS”、元祖ドゥーム・メタル・バンドの凄みが匂い立つ“VIRTUAL DEATH”、グルーヴィなヴァースと伸びやかに疾走するサビメロの対比が効いてる“IMMACULATE DECEPTION”、宵闇バラード“DYING FOR LOVE”、ジェフ・ニコルズのKeyも良い仕事している“CARDINAL SIN”といった優れた楽曲が、そうしたムラっけをカバーしてくれています。そして何といっても幻想的なアートワークをそのまま楽曲化してしまったかの如き荘厳な名曲“CROSS OF THORNS”の存在が、聴き手にトドメの一撃を加えてくれる!と。
発表当時よりも、年月を重ねた現在の方が遥かに評価の高い(俺の中で)1枚ですね。


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Cross of Thorns ★★★ (2015-12-10 23:15:10)

持てる力全てを振り絞るように熱唱しても
どこか冷ややかな(汗臭くならない)
トニー・マーティンの歌唱が、
闇よりも暗い奈落の底へと
ゆっくりと沈み込んでいくような
暗鬱にして荘厳な美しさを湛えた曲調に華を添えます。
様式美サバス時代最後の名曲。


BLACK SABBATH - Forbidden ★★ (2015-12-28 23:01:53)

COZY is back! 愛しの『TYR』編成により制作されたBLACK SABBATHのアルバムですが、レコード会社からの「今はラップ・メタルとかがクールなんでゲスよ。うへへ」(悪意ある誇張)との全くクールでない入れ知恵の下、ラッパーをプロデューサーに起用して、更にコミカルなアートワーク――イラスト自体は悪くない出来――は荘厳だった前作との落差がタイガー・スープレックスばり・・・と、当時は聴く前から嫌な予感をひしひしと覚えざるを得ませんでした。
事実、うねり押しの曲調や、蠢くように刻まれるGリフは明らかに90年代仕様で、こうした低重心なサウンドの中ではトニー・マーティンが持ち味の「伸びやかさ」を十二分に発揮出来ているとは言い難く、歌メロが精彩を欠く印象。そのせいか収録曲のむらっ気は前作以上で、“CROSS OF THORNS”級の名曲も見当たらず…。
ただ、主張の強いアイオミ御大のGとコージー大先生のDsが醸し出す、厳粛たるヘヴィネスとドラマ性がのたうつ④⑤⑩といった突出した逸品が証明する通り、ヘヴィ志向を打ち出しても単なる流行の後追いには甘んじず、逆に「真のヘヴィネスってのはこういうことだ!」と、オリジネイターとして手本を示すが如き凄みと説得力を漂わす辺りは、さすが本家にして元祖。
聴き終えてみれば、これが(多くの人のご指摘通り)BLACK SABBATH以外の何者でもない仕上がりで、ラッパー恐るるに足らず!と。様式美サバス時代の他作品と無用な比較さえしなければ、十分に楽しんで聴くことが出来る秀盤と言えるのではないでしょうか。


BLACK SABBATH - Headless Cross ★★ (2009-07-04 23:38:00)

様式美HM界究極のパワーUPアイテムことコージー・パウエルを得て'89年に発表された、後期BLACK SABBATHの
最高傑作と言うべき14thアルバム。
SEに続き、ドッスンドッスンと異様に重々しく炸裂するコージーのバスドラに、思わずシャンと背筋が伸びてしまう
名曲②で幕を開ける本作は、トニー・マーティン加入で様式美HM路線へと立ち返った前作『THE ETERNAL IDOL』の
作風を継承しつつ、スケール感、ダークネス、荘厳さと、あらゆる面に置いて桁違いのグレードUPを遂げており、
その最大の推進力は間違いなくコージー御大の存在。凡百のドラマーとは「鳴り」からして違う、厳粛且つヘヴィネス漲る
彼のドラミングの威力はやはり格別で、ドラム・プレイのみでここまで楽曲の「格」を高められる存在が他にいようか?
いや、いない。(ちなみに本作ではアイオミと共同でプロデュースも手掛けている)
そのコージーの熱演に引っ張られる形で、アイオミの燻し銀の魅力に満ち溢れたG、マーティンの麗しきVo、
共に前作以上の冴えを見せ、これでBが二ール・マーレイだったらもう完璧だったのだけど・・・。
尤もそうした些細な不満(なんて大袈裟なものではないが)も、超名曲②、攻撃的な③、緩急に富む劇的な④、
エモーショナルに咽び泣くGソロが絶品な⑤、エキゾチック&ミステリアスなGリフが印象に残る⑥、ノリの良さも
備えた⑦、タイトル通り漆黒の闇を思わせるヘヴィ・バラード⑧と、王者ならではの威厳と風格を湛えた
捨て曲なしの楽曲群の前には雲散霧消。
後期BLACK SABBATHの何たるかが知りたければ、まず本作を聴く事をお薦めさせて頂きます。


BLACK SABBATH - The Eternal Idol ★★ (2009-07-04 00:22:00)

数々なトラブルを経て開き直ったトニー・アイオミが、男一匹、BLACK SABBATHの看板背負って
やっていく覚悟を決めて作り上げた(?)、'87年発表の13thアルバム。
如何にもブリティッシュな湿り気を帯びた正統派HMの好盤ながら、元々はアイオミのソロ・アルバムとして
制作されたが故に「BLACK SABBATHらしさ」は希薄だった前作『SEVENTH STAR』に比べ、今回は(カリスマ性にこそ乏しいが)
憂いと色艶を漂わせた絶品の歌唱力を持って、魅力的なメロディを歌い上げる実力派シンガー、トニー・マーティンを
得たことで、ロニー時代の様式美サバスを彷彿とさせる「暗さ」「重さ」「劇的さ」が復活。
特に名曲“HEAVEN AND HELL"を思わせるGリフを備えた①や、引き摺るようなヘヴィネスが炸裂する
ドゥーム・メタル然とした⑨等は、『HEAVEN AND HELL』『MOB RULES』収録の名曲群と比較したって何ら遜色は無い
・・・ように思う。(⑨なんてHEAVEN & HELLの『THE DEVIL YOU KNOW』に入ってたって不思議じゃない迫力だ)
手堅い代わりにパンチに欠けるリズム・セクションを筆頭に、未だプロジェクト臭が色濃く残る作風は、
後の『HEADLESS CROSS』『TYR』といった名盤に比べると、やや地味というか小粒な印象は否めないものの、
Wトニーを擁する様式美BLACK SABBATHの門出を飾るに相応しいクオリティを備えた1枚であることは確かかと。


BLACK SABBATH - Tyr ★★ (2009-07-05 22:42:00)

トニー・アイオミ(G)、トニー・マーティン(Vo)、コージー・パウエル(Ds)、二ール・マーレイ(B)、
ジェフ・ニコルズ(Key)という、個人的に最も思い入れのあるラインナップ(そしてオリジナル・メンバーにも
匹敵する強力な面子)によって制作された、'91年発表の15thアルバム。
前作『HEADLESS CROSS』に比べると、トニー・アイオミのGプレイがやや大人しいのと、リバーブ過多な音作りの影響か
ヘヴィネス、ダークネスに代表される「BLACK SABBATHらしさ」は若干薄まったとの印象を受けるが、その代わり、
ジェフ・ニコルズが奏でるKeyをこれまで以上に有効活用して、全体のアンサンブルと構築美重視で組み立てられた、
洗練と格調、それと北欧メタルにも通じる透明感を湛えた作風は、これまでのBLACK SABBATHの作品の中では
頭一つ飛び抜けてドラマティック。北欧神話を題材に取り上げたある種のコンセプト・アルバムという点も
楽曲のドラマ性底上げに大きく貢献しており、スケール感と荘厳さを兼ね備えた①、コージー必殺のドラミングが
炸裂するRAIBOW風味の疾走曲②、厳粛且つ劇的な④といった名曲や、本編のクライマックス足る、組曲形式で綴られる
壮大な⑤~⑦の流れを聴くにつけ、本作はBLACK SABBATH云々以前に、単純に「英国様式美HMの名盤!」と
評価したくなる次第。勿論、BLACK SABBATHならではの魅力はしっかりと保持されてるわけだけど。
ああ、一度でいいからこのラインナップでのライブを見てみたかった・・・。


BLACKFOOT - Highway Song Live ★★★ (2016-11-04 00:50:31)

先日、古本屋のCDコーナーをチェックしていたら、BLACKFOOTが’82年に発表した傑作ライブ『HIGHWAY SONG LIVE』の紙ジャケ/リマスター/国内盤を発見して吃驚仰天。知らぬ間にこんなモンが発売されていたとは…。つか、これの国内盤って今までリリースされたことなかったよな?等とぐるぐる考えつつ、速攻購入して今に至るわけですが、いやでも何度聴いても素晴らしい。彼らの作品で最も聴き返す頻度が高いのは、元URIAH HEEPのKey奏者ケン・ヘンズレーが加入して、メロディック・メタル路線へと舵を切った6th『革命と反乱』(’83年)だったりする我が身なれど、やっぱBLACKFOOTの代表作と言えば、本作の名を真っ先に挙げないわけにゃいかんよなぁと。
とにかく、土煙蹴立ててドライヴしまくる楽曲、豪快極まりないバンドの演奏、それを受け止める当時NWOBHM真っ只中のイギリスの観客の熱狂と、あらゆる点において熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜな実況録音盤。中でも前のめりに客を煽っていくMCから埃っぽい熱唱までハイテンションにこなすリッキー・メドロック入魂のパフォーマンスは本編の白眉ですよ。「どうせサザン・ロック・バンドだろ?」なんて舐めた態度で挑むと、野郎共の大合唱に血が滾る疾走ナンバー③や、後にWARRANTがカヴァーしたノリノリの⑨を経て、劇的に突っ走るツインGの泣きっぷりに滂沱の如く涙が溢れ出す⑩といった、下手なHMバンドが裸足で逃げ出す激熱な名曲&火花散る名演の数々に大火傷を負わされること必至。
全英チャート第12位に堂々ランクイン、人気・実力共にBLACKFOOTが最も充実していた時期を見事に捉えたライブ・アルバムの名作です。


BLACKFOOT - Highway Song Live - Good Morning ★★★ (2016-11-04 22:39:26)

EXODUSもカヴァーした名曲。
サザン・ロックの括りで語られる機会の多いバンドですが
これは完全にHMソングですよ。
またスタジオ・バージョンよりライブ・バージョンの方が断然カッコ良く、
特に『HIGHWAY SONG LIVE』における
観客の大合唱には全身の血が沸き立ちます。


BLACKFOOT - Medicine Man ★★★ (2021-05-17 23:36:57)

男臭くパワフルなサザン・ロック・サウンドがNWOBHMに盛り上がる英国で人気を博し、ライブの名盤『HIGHWAY SONG LIVE』爆誕へと繋がったBLACKFOOTが、LYNYRD SKYNYRDのメンバーでもあるリッキー・メドロック(Vo)を中心に、ほぼ彼のソロ・プロジェクト状態で再編され、'91年に発表した復活作。通算9作目。ボリューム的には帰還の挨拶代わりのEPといった感じではあるのですが、日本盤はボーナストラック2曲が追加収録されているのでアルバムとしての体裁は整っています。
Key奏者としてURIAH HEEPのケン・ヘンズレーをメンバーに加えた活動後期は、洗練されたメロハー色を強めていった彼らですが、本作では原点に立ち返ったようなサウンドを披露。とはいえ70年代作品のような荒々しさや埃っぽさは控えめで、言うなれば後期メロハー路線のフィルターも通してブルージーなHRサウンドをプレイしているような感じ。薄味と言えば薄味。でもそこにのっけからパワフルに歌いまくる、衰え知らずなリッキーのオヤジの哀愁背負った歌声が乗っかると「ああ、BLACKFOOTだなぁ」と猛烈に納得させられてしまうという。特に、FREEの名曲“STEALER”のカヴァー②のハマりっぷりは流石ですし、印象的なKeyリフをフィーチュアして豪快に押し出して来る④、ノリ良く跳ねる⑤、そしてアルバムのハイライトを飾る、ドラマティックだがアメリカのバンドらしい抜けの良さも兼ね備えた⑦といった逸曲から迸る熱量には圧倒されるものがありますよ。
BLACKFOOTのカタログの中では比較的地味な存在ですが、決して侮れない完成度を誇っている辺りは流石。見かけたらチェックしておいて損はない1枚です。


BLACKFOOT - Medicine Man - Guitar Slingers Song and Dance ★★★ (2021-05-18 22:58:17)

アルバムのハイライトを飾る名曲。哀愁を帯びてドラマティックですが
暗さよりも、乾いた大地にすっくと仁王立ちするような
力強さ、雄大さが勝っている辺り、サザンロック・バンドの面目躍如でしょうか。


BLACKFOOT - Medicine Man - Not Gonna Cry Anymore ★★★ (2021-05-18 22:44:42)

軽快に跳ねるKeyリフを伴って豪快かつグルーヴィに
押し出して来るHRナンバー。仄かに哀愁を帯びたメロディを
パワフルに歌い上げるリッキー・メドロックのVoに痺れます。
音作りはソフトながら、往年のBLACKFOOTテイストが匂い立つ名曲です。


BLACKFOOT - Siogo ★★ (2008-02-06 22:51:00)

80年代初頭に勃発したNWOBHMは、新人バンドの台頭だけでなく、中堅~ベテラン・バンドの活性化を促した事でも
よく知られているが、それはこの、リッキー・メドロック(Vo、G)率いるサザン・ロック・バンドBLACKFOOTが、
新メンバーとして元URIAH HEEPの天才Key奏者ケン・ヘンズレーを加え、'83年に発表した6thアルバムにも当てはまる話。
シンセサイザーを大胆に導入したサウンドからは、サザン・ロック的な豪快さや埃っぽさが大幅に後退。代わって、
キャッチーなメロディを重視した、コンパクトに練り込まれた楽曲が数多く並ぶ作風は、従来の路線とはかなり異なる
「洗練されたヘヴィ・メタル」とでも言うべき内容に仕上がっていて、本作発表当時、ファンの間で賛否両論が
巻き起こったというのもむべなるかな。(まさに邦題「革命と反乱」通り)
だが、個人的にはこの路線を断固支持!とにかく曲が圧倒的に素晴しい。特に、シンセのイントロ部分だけでその完成度の
高さを確信し、ドラマティックなリフがスタートした瞬間に思わずガッツポーズを決めてしまう①と、産業ロック的な
キャッチーさと哀メロが胸に沁みる⑤は、全ロック・ファンに必聴を義務付けたい程の超名曲。その他にも、
まるで「哀愁を帯びたHRチューン」の手本の如き②、爽やかに駆け抜ける③、“I SURRENDER"クリソツの
ポップな⑥を筆頭に、収録曲は何れも粒揃い。それでいてリックのVoを始めとして、演奏には
太い芯が一本通っているため軟弱な印象は皆無と、全く以って隙がない内容を誇る。
BLACKFOOTのみならず、80年代HM/HRシーンをも代表する名作の1つ。


BLACKFOOT - Siogo - Send Me an Angel ★★★ (2008-02-06 22:56:05)

ケン・ヘンズレーによるシンセサイザーのイントロだけで、
その完成度の高さを確信し、ドラマティックなリフがスタートした
瞬間に、あまりのカッコ良さに思わずガッツポーズを決めてしまう必殺の名曲。
邦題は“嘆きのエンジェル”。
男の哀愁を背負った、リッキー・メドロックの歌声がまた泣かせます。


BLACKFOOT - Siogo - Teenage Idol ★★★ (2008-02-06 22:59:23)

BLACKFOOTが大化けしたことを、如実に物語る超名曲。
産業ロックにも通じるキャッチーさと、哀愁を兼ね備えたメロディが
胸に沁みるったらないが、Voを始めとして、演奏には一本芯が
ビシッと通っているため、軟弱な印象は全くない。


BLACKFOOT - Strikes - Highway Song ★★★ (2016-11-08 01:03:01)

LYNYRD SKYNYRDの“FREE BIRD”とは
バンドの関係的にも曲調的にも親戚みたいな楽曲ですが、
熱く激しく炸裂する泣きのメロディや、
ツインGが疾走するドラマティックな曲展開等、
こっちの方がHR/HMファンに対するアピール度は高いような。
スタジオ・バージョンも最高なれど、
ライブ・バージョンは最強です。


BLACKFOOT - Vertical Smiles ★★ (2021-06-15 00:12:07)

脚フェチ歓喜のジャケットが目印、BLACKFOOTが'84年に発表した6thアルバム。
長らくツインGの片翼を担っていたチャーリー・ハーグレットが脱退し、後任は入れずに4人編成でレコーディングが行われた本作は、ピーター・セテラの“夢のライムライト”のカヴァー②が物語る通り、音楽性も音作りもメロディアスな方向に振れた前作『革命と混乱/SIOGO』以上に更にポップな方向へ傾斜。というか、その“夢の~”含めカヴァーを3曲も収録し、しかもそれがOPから連打される構成の時点で「何があったのよ?」と不穏な予感を覚えずにはいられません。そして案の定というべきか、これを最後にBLACKFOOTは解散してしまうことになるわけですが。(その後リッキー・メドロックのソロ・バンド状態で再編されたり、リッキーを除くメンバーで復活したりと紆余曲折を辿る)
なので「BLACKFOOT=NWOBHMが盛り上がる英国で人気を博した男臭いサザン・ロック・バンド」ってなイメージで挑むと間違いなく肩透かしを食う薄味な内容ではあるものの、メロハー作品と割り切ればこれはこれで結構なお点前。カヴァー曲①⑦にしてもなかなかのハマリっぷりですし――特に⑦はカッコイイ――、ボビー・バース&マイケル・オズボーンというAXE組の名前がクレジットされているポップな③(ボビーはこの後ケン・ヘンズレーの後任としてBLACKFOOTに加入)、キャッチーでノリ良いヘンズレーとの共作曲④といった秀曲も印象に残る出来栄え。そして何と言っても哀愁のメロハーの名曲⑤がアルバムに山場を作り出してくれています。
入門作品にはお薦めし難いとはいえ、さりとて無視するには惜しいだけの質の高さをしっかりと備えた一作ですよ。


BLACKFOOT - Vertical Smiles - Young Girl ★★★ (2021-06-16 00:19:43)

アルバム自体は外部ライターの曲が目立っていて若干の
不安を抱かなくもないのですが(出来は良い)、それでも
本編のハイライトとなる楽曲はきっちりと自分達で
モノにする辺りは流石です。哀愁の名曲。


BLACKLACE - Get It While It's Hot ★★ (2012-06-22 07:13:09)

フロント・ウーマンにマリアン嬢を擁し、イギリスを主戦場に活動していたアメリカの5人組が'84年に発表した2ndアルバム。
NY出身バンドらしい硬質なストリート感覚と、NWOBHMの流儀に則ったダークで荒々しいサウンドのハイブリッドと言うべき正統派HMを聴かせてくれたデビュー作に比べると、今作はLAメタルの盛り上がりに呼応したかのようなハジけたノリも増強されており、随分と垢抜けた印象を受ける(あくまで前作比の話ですが)。例えば、切れ味の鋭さとキャッチーな躍動感とが同居したOPナンバー①はこのアルバムならではの名曲ですし、横ノリの②や、映画『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲(だったか)を引用した⑩といった楽曲でアンソニー・フラグニート(B)がリードVoを取っていることも作風の変化を印象付けていますね。
個人的な好みで言えばデビュー作に軍配が上がるとは言え、本作にもスピード・メタリックな③のような楽曲はきちんと収録されている上、マリアン嬢の堂の入った歌いっぷりや、カルロ・フラグニート(G)がシュレッダーとしての腕前を存分に発揮するインスト・ナンバー⑦に明らかなように、バンドとしてのプレイ・アビリティは確実な向上を遂げており、特に⑥はBLACKLACE史上最高のカッコ良さを誇る名曲中名曲。
これが最終作とは残念至極。'04年に再結成を果たしているらしいですが、であるならば是非新作をプリーズ。


BLACKLACE - Get It While It's Hot - I Like to Rock ★★★ (2012-06-23 00:30:39)

LAメタルからの影響を感じさせる
ザックリとしたGリフにキャッチーな躍動感と、
このバンドの従来からの持ち味である
切れ味の鋭さとが上手いこと噛み合った
アルバムのハイライト・ナンバーの1つ。


BLACKLACE - Get It While It's Hot - Speed of Sound ★★★ (2012-06-23 00:32:18)

何も言う事はありません。
曲名が全てを言い表していますね。
1stアルバムに収録されていても
おかしくない攻撃的な疾走ナンバーですが、
マリアン嬢のVoの上達ぶりは
ここでもしかと刻み込まれています。


BLACKLACE - Get It While It's Hot - The Right ★★★ (2012-06-23 00:27:49)

BLACKLACE史上、最高のカッコ良さを誇る名曲ではないでしょうか。
特にマリアン嬢の妖しくも力強く歌声は白眉。
IRON MAIDENテイスト薫るインスト・パートも劇的で良いなぁ。


BLACKLACE - Unlaced ★★ (2012-02-06 22:21:47)

アメリカはニューヨークにおいて、アンソニー(B)とカルロ(G)のフラグニート兄弟によって結成され、女性Voのマリアンを迎えて制作したデモテープ『ON THE ATTACK』を切っ掛けにMAUSOLEUM RECORDSとディールを結んだ4人組が、MANOWARのロス・ザ・ボスの手を借りてレコーディング作業を行い'84年に発表した1stアルバム。
イギリスが主戦場だったバンドだけに、テクニカルに弾きまくるGと、「日本の浜田麻里も凄いけど、アメリカのマリちゃんも負けてないなぁ」と思わされるマリアン嬢のタフなVoとが主役を張った攻撃的なサウンドからは、勇壮にしてメロディアスな名曲“RUNNER IN THE NIGHT”を筆頭にヨーロピアン・メタル勢&NWOBHMからの影響が色濃く滲む。(続く“DEVIL IN DISGUISE”はなぜかジャパメタ風に聴こえる?)
さりとて叙情性や湿気っぽさは然程でもなく、それよりも寧ろ強く感じられるのは、NY出身バンドならではの硬質なストリート感覚で、特に、インスト序曲“MARCH OF THE BLACK WITCH”を切り裂いてスタートするOPナンバー“CALL OF THE WILD”は、THE RODS辺りに通じる爆発的な疾走感と、IRON MAIDENばりのドラマティックな曲展開とが組み合わされた、NY出身メタル・バンドの面目躍如!といった趣きの名曲。


BLACKLACE - Unlaced - Call of the Wild ★★★ (2012-02-07 22:32:20)

オドロオドロしいイントロから一転、
切れ味鋭く疾走を開始するOPナンバーにして
アルバムのハイライト・ナンバー。
IRON MAIDEN風の転調パートがクールです。
都会のコンクリの如き硬質感を身に纏っていますが、
マリアン嬢の歌声の威力もあって
無機質な感じはまるでありませんね。


BLACKLACE - Unlaced - Devil in Disguise ★★ (2012-02-07 22:34:50)

歌メロがジャパメタ風で
初めて聴いた時はちょっと笑ってしまいました。
(確かに一頃のLOUDNESSに似てます)
いやしかしカッコイイ。


BLACKLACE - Unlaced - Runner in the Night ★★★ (2012-02-07 22:33:39)

どちらかと言えばパワー重視のアルバムの中にあって
この曲には流れるようなメロディ・ラインが確認できます。
曲だけ聴いたらNYのバンドだとは思わんですよ、これ。


BLACKSMITH - Gipsy Queen ★★★ (2018-10-28 01:39:37)

スウェーデンの5人組が'85年に発表した4曲入りEP。90年代半ばぐらいに、キャプテン和田がDJを務めるラジオ番組から流れてきた“GYPSY QUEEN”の名曲っぷりに衝撃を受けるも、当時本作は既に廃盤。その後長らくCD化もされないままだったので、’18年に公式再発が実現したことは喜ばしい限りですよ。
あれから幾年月。久々に聴いた“GYPSY QUEEN”はやはり名曲でした。クラシカルなイントロを切り裂き、NWOBHMに影響を受けて荒々しく刻まれるGリフとリズム、DEEP PURPLEテイストたっぷりなKey/オルガンがスピーディに疾走を開始する様は、北欧メタルの様式美を凝縮したような劇的さ。しばしば引っ繰り返りそうになるヒヤヒヤドキンチョなハイトーンVoさえ「なぁに、この不安定さが却って北欧メタルらしい」と好意的に解釈したくなるぐらいカッコイイ。
本作はそれ以外にも、印象的なKeyリフをフィーチュアして1曲目の疾走感を引き継ぐ②、陰気なバラード③、更に今回の再発に際してボーナス・トラックとして追加されたシングル曲⑤(後に1stアルバムでリメイクされた)、完全未発表の⑦⑧⑨といった優れた楽曲も収録。“HIROSHIMA”なるタイトルからして興味深いヘヴィな⑧もいいですが、最高なのは⑨ですよ。デモ音源ゆえ音質は最低レベルながら、バッハの“トッカータとフーガ ニ短調”をイントロに据え、緩急を効かせて劇的に駆け抜ける楽曲自体のカッコ良さは最高レベル。もしバンドが今後も活動を継続するのであれば是非リメイクをお願いしたい所存。
今も昔も日本盤が発売されていないことに首を捻りたくなる北欧メタルの名作です。


BLACKSMITH - Gipsy Queen - Gipsy Queen ★★★ (2018-10-29 23:38:51)

クラシカルに踊るハモンド・オルガン、ハードに切り込むGリフに
スリリングな疾走感、それにドラマティックな曲展開と、
再発版の英文解説において日本のチャートで好リアクションを得たことに
触れられているぐらい、日本人好みの要素山盛りの名曲。
その昔購入した北欧メタルの名オムニバス『SWEDISH METAL EXPLOSION』
(後で実はコレクターズCDだったと知らされて驚いた)で堂々OPナンバー役を
担っていたことからも、その名曲っぷりが伺えるのではないでしょうか。


BLACKSMITH - Gipsy Queen - World Victim ★★★ (2018-10-29 23:59:03)

バッハの超有名曲をイントロに拝借してスタート。
疾走感溢れる曲調に、クラシカルなGソロ、Keyとのバトル、
アコギを効果的に運用する劇的な曲展開・・・と
“GYPSY QUEEN”に匹敵する名曲ぶりに度肝を抜かれるスピード・ナンバー。
元がリハーサル音源のせいで音質が低劣なのが勿体ない。


BLACKTHORNE - Afterlife ★★ (2012-01-29 00:08:28)

表ジャケットでは美しく咲き誇っている薔薇が裏ジャケでしんなりと萎れてる様が、まるでこのアルバムを聴く前⇒聴いた後のグラハム・ファンの心理を代弁しているようで笑ってしまう、BLACKTHRONEが'93年に発表した唯一の作品。
RAINOBWやALCATRAZZ、MSG、さもなくばインペリテリの系譜に連なる様式美HMサウンドを期待するグラハム・ファン(俺俺)に、大味且つ豪快なアメリカン・メタル・サウンドでうっちゃりをカマした本作ですが、今回殆ど十数年ぶりぐらいで引っ張り出して来て聴き直してみたら、これが意外なぐらい楽しめてしまって我ながら吃驚ですよ。
まぁ、確かに力み返ったグラハムの歌声は空回り気味な上に痰が絡んでいるようでかなり聞き苦しいのですが、まるでやっさんの生き様をそのまま具現化したかのような、この全力で空回る熱い(暑い?)シャウトが妙にハートに沁みるんですな。恐らく彼が生涯歌い続けるであろう“ALL NIGHT LONG”のニュー・バージョンなんて、青筋浮かび上がらせながら大口開けて熱唱する姿がありありと目に浮かぶようで、初めは「うひー、暑苦しいー」と半笑いで聴いていたのに、終わる頃には一緒になって「おーなーいーろぉーん!」と拳を振り上げて合唱していましたからね。(ちょっと嘘)
グラハム・ファン以外には到底薦められない作品ですが、本作発売に伴うプロモ来日で彼が『笑っていいとも』に出演していた事実と共にひっそりと語り継いでいきたい1枚ではあります。


BLACKTHORNE - Afterlife - All Night Long ★★ (2012-01-29 21:19:25)

うがいしてるのか、痰が絡んでるのか
っつーぐらい力みまくったシャウトが
当時は聞き苦しかった印象なのですが、
改めて聴くとこの全力の空回りっぷりも
「それでこそグラハム!」と愛しく
感じられてしまうのだから不思議です。


BLACKTHORNE - Afterlife - We Won’t Be Forgotten ★★★ (2012-01-29 00:11:24)

私はラジオでこの名曲を聴いて
アルバム『AFTERLIFE』の購入を決意しました。
ライブで演って欲しいなぁ、これ。
案外盛り上がると思うのですが。


BLANC FACES - Blanc Faces ★★ (2010-08-08 01:43:00)

元FURYの哀メロ職人、ロビーとブライアンのラ・ブランク兄弟が立ち上げた
アメリカン・メロディアスHRプロジェクトBLANC FACES、'06年発表の1stアルバム。
2nd『FALLING FROM THE MOON』が大変素晴しい作品だったので、是非本作も聴きたいと思っていたのだが、
残念ながら国内盤は既に廃盤・・・。どっこい、運良く売りに出されていた中古盤を入手出来たので、
早速、毎日のように聴き倒しているわけだが、伸びやかにもパワフルにも歌えるVo、過不足なく存在感を
主張するG、効果的に取り入れられたKey、そしてキャッチーなメロディに彩られた、ポップで爽やか、且つ
ロマンティックな楽曲の数々が取り揃えられた本編は、『FALLING~』にも引けを取らないクオリティの高さ。
突出した名曲こそ見当たらないまでも、大陸の抜けるような青空を想起させるフレッシュなOPナンバー①、
メロウな曲調と、Voのパワフルな歌唱のコントラストがユニークな②、しっとりとしたGの泣きっぷりが
胸に染み入る⑤⑩、兄弟のフックを効かせたメロディ作りの上手さに唸らされる⑧・・・といった楽曲は、
今夏の不快な蒸し暑さをも薄れさせてくれる、絶品の心地良さを誇る逸曲揃い。
まだ未聴のメロハー愛好家の方は、2ndアルバムとセットで購入するが吉かと。


BLANC FACES - Falling From the Moon ★★ (2010-05-30 21:04:00)

元FURYのロビー・ラ・ブランク(Vo、G)とブライアン・ラ・ブランク(B)の兄弟による
アメリカン・メロディアスHRプロジェクトが'10年に発表した2ndアルバム。
JUORNEY、TOTO、SURVIVORといったバンドの流れを汲む、洗練された産業ロックを演奏しており、
特に目新しい部分があるわけではないのだが、偉大なる先達が作り上げたフォーマットの中で
徹底した磨き上げがなされたそのサウンドは、すこぶるポップで爽快、キャッチーでロマンティック。
躍動感溢れるビートを叩き出すリズム隊の踏ん張りと、パワフルにも歌えるVoの存在のお陰で本編が
まったりし過ぎる事はないし、何より、聴いてるだけで日々の生活の疲れが洗い流されていくような、
ポジティブなフィーリングに満ちた清涼なメロディが素ん晴しい。OPに相応しいエネルギッシュなロック・チューン①、
華やかなKeyと、よく歌うGの堅実な仕事っぷりが光る③、美しく哀愁に満ちたバラード④・・・と続いていく
収録楽曲は何れ劣らぬ逸曲揃いだが、個人的に、本作のハイライトはアルバム表題曲でもある②。溌剌とした
曲調に塗された、ロマンティックな哀愁が胸に染み入る、哀メロ職人兄弟の名人芸が堪能できる名曲だ。
セルフ・タイトルのデビュー作が聴いてみたいんだけど、国内盤は既に廃盤なんだよなぁ。


BLANC FACES - Falling From the Moon - Falling From the Moon ★★★ (2010-05-30 21:10:03)

伸びやかなVo、華やかなKeyによく歌うGが
ロマンティックなメロディを纏ってポップに駆け抜けていく
BLANK FACESというメロディアスHRプロジェクトの
魅力がギュッと凝縮された、2ndアルバムのタイトル・トラック。


BLASPHEME (2017-04-02 08:38:50)

カナダのブラック・メタル・バンド、BLASPHEMYと混同してしまいそうなバンド名なれど、こっちはフランスのパリに拠点を置いて80年代に活動していた4人組正統派HMバンド。
’81年に活動を開始し、彼の地のシーンの盛り上がりを支えた後、'86年に解散。活動期間は5年間とあまり長くなかったが、その間に2枚のスタジオ・アルバムを発表。
‘97年に再結成を遂げ、'10年には久々の新作スタジオ・アルバムを、’14年にはライブ・アルバムを発表する等、現在も活動を継続中の模様。


BLASPHEME - Blaspheme ★★★ (2017-04-02 08:40:43)

80年代のフレンチ・メタル・シーンを代表するバンドの一つとして、度々その名を挙げられるパリ出身の4人組が、LIZARD RECORDSから'84年に発表したデビュー作。BURRN!!誌創刊号の輸入盤レビュー1発目を飾った(そして酷評されていた)作品でもあるという。
まずレオナルド・ダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』に、メンバーの顔をハメ込んだ洒落の利いたアートワークが非常に秀逸で、さすが芸術の国出身バンドだと(?)。内容に関しては、元気一杯に動き回るBがリード楽器の役割を果たす様からも明らかな通り、IRON MAIDENに多大な影響を受けたと思しき、疾走感と構築感を併せ持った正統派HMサウンドを演っています。ただこの手のバンドにしては肩をイカらせている感じが余りしないというか、ダークネスやアグレッションは控えめ。何だったら③みたいにポップなメロディ・センスも発揮していたりと、適度に「モテ男」感を漂わせてきやがる辺りがやっぱりフランスのバンドだなと(偏見)。
歌詞は全曲フランス語。ファルセットを多用するシンガーの歌唱は結構評価が割れるところかもしれませんが、個人的にはこれだけ歌えていれば十分とも。ピアノによる導入部から力強く盛り上がる④、MOTORHEADばりにB大暴れな⑥、ブリッジのドラマティックな展開が秀逸な疾走曲⑦、Voの熱唱、印象的なBライン、濃厚な泣きを伴って本編を劇的に締め括る⑨等は、彼らの魅力が十二分に活かされた名曲ではないでしょうか。
本家メイデンに肉薄する出来栄えかと言えば、そりゃそんなことは当然ありませんが、しかし当時の仏メタル・シーンのレベルの高さを物語る1枚であることは間違いありません。


BLASPHEME - Blaspheme - Excalibur ★★★ (2017-04-02 22:37:08)

メタル者的にはこのタイトルだけで三ツ星を
条件反射で進呈したくなりますが、実際、
アコギ爪弾かれるイントロに始まり、
メロウなBラインとVoの熱唱に導かれ
緩急を効かせて徐々に熱量とドラマ性が蓄積されていく
曲展開はドラマティックで聴き応え十分。
重厚な佇まいが本編ラスト・ナンバーに相応しい名曲です。


BLESSED DEATH - Kill or Be Killed ★★★ (2020-03-30 01:19:11)

ケヴィン(B)とクリス(Ds)、双子のパウエルソン兄弟を擁して'84年に結成されたニュージャージー州出身の5人組が’85年にMEGAFORCE RECORDSから発表したデビュー作。
野太いシャウト/鼓膜をつんざくハイトーン/朗々とした歌い上げを使い分けるラリー・ポーテロの超クセの強いVo、強引なリズム・チェンジを捻じ込んで来るパウエルソン兄弟、攻撃的にリフを刻み、泣きを孕んだソロを奏でもするジェフ・アンダーソンのGとが複雑怪奇に絡み合い、次から次へと展開していく特異なサウンドが本作の持ち味…と書くと「要はインテレクチュアル・スラッシュ・メタルでしょ?」と思うやもしれませんが、あの手のバンドが醸し出す火花散るテクニックの応酬や緊張感の類は然程でもなく。ラリーの変幻自在のVoに圧倒される⑤、泣きの導入部に始まって転調を繰り返す⑦といった大作ナンバーに特に強く表れている通り、メンバー各々が好き勝手に自己主張しまくったら不思議と帳尻が合っちゃっいました…ってなスポンテニアスな感性が勝るサウンドは、バンドの埃っぽいルックスやサイケなアートワークも相俟って、「突如スラッシュ化した70年代HR」という前評判が非常に腑に落ちる仕上がり。一方でKING DIAMONDがドーピングしたみたいな③、噛み付くように突っ走る⑥といった攻撃性剥き出しのスラッシュ・ナンバーも本編にはあったりと、とにかくどこを切っても独特の個性が渦巻く1枚です。
音質はイマイチ、楽曲もキャッチーとは言い難いのですが、そうした聴き手のことなんぞ全く斟酌しないバンドの我が道を往く姿勢が、結果として本作の孤高性を高めることに貢献したのではないかと。


BLESSED DEATH - Kill or Be Killed - Blessed Death ★★★ (2020-03-31 00:00:03)

Gが咽び泣くイントロに始まり、スラッシーな疾走パートから
演劇的なVoの芝居がかった絶唱に圧倒されるドゥーミーな
ヘヴィ・パートまで、執拗にリフ/リズム・チェンジを繰り返し
次々に転調していく複雑怪奇な曲展開がバンドのテーマ曲に
相応しい、様々なアイデアが闇鍋チックに投入された逸品。


BLESSED DEATH - Kill or Be Killed - Omen of Fate ★★★ (2020-03-30 23:51:05)

1st収録曲の中では比較的ストレートに突っ走るスラッシーな楽曲ながら
禍々しくも大仰な雰囲気を放つ曲展開や、倍々で音階を上げていく
Voのエキセントリックな歌唱が相俟って、一発キメたKING DIAMOND
(もしくはMERSYFUL FATE)的な雰囲気が漂ってくるという。


BLIND FURY - Out of Reach ★★ (2009-11-16 23:10:00)

英国はニューカッスル出身で、BLITZKRIEGのブライアン・ロス(Vo)が在籍していた事でも知られるNWOBHMを代表する
名バンドの1つSATANが、そのブライアンの脱退(というか解雇)や、音楽性の変化を契機にBLIND FURYと改名。
'85年にROADRUNNER RECORDSから発表した唯一の作品で、NWOBHM後期屈指の名盤と謳われる1枚。
手数の多いGリフの刻みから、息の合ったハーモニー・プレイに至るまで、スティーブ・ラムゼイとラス・ティッピンズの
絶妙なコンビネーションが堪能できるツインGを楽曲の中心に据え、如何にも英国的な煮え切らない湿り気を帯びた
HMサウンドは、SATANの作風を継承しつつも、前任者と異なり、ボーカル・ハーモニーなんかも似合う明るい声質の
持ち主である新Vo、ルー・テイラーの存在もあって、SATAN時代に比べるとグッとメロディアスに垢抜けた、
NWOBHMのみならず「80年代HM」的な魅力も放つ内容に仕上がっている。
特に、変幻自在のツインGハーモニーを伴って颯爽と駆け抜けていくOPナンバー①(IRON MAIDEN+PRAYING MANTIS?)や、
本編屈指のドラマ性の高さを誇るアルバム表題曲②、鋭角的に疾走するアグレッシブな⑤、
そしてラストを劇的に締め括る⑧といった楽曲のカッコ良さは格別。
今改めて聴き直すと、流石にサウンド・プロダクションは古臭いし、全体的に未洗練な印象が
否めないものの、それを差し引いてもHR/HMファンなら一聴の価値がある作品かと。


BLIND GUARDIAN - Tokyo Tales ★★ (2007-10-14 16:51:00)

BLIND GUARDIANが、'92年12月に行った初の日本ツアーの模様を捉えたライブ・アルバム。(リリースは'93年)
「観客は100点満点だったけど、僕らはそうじゃなかった」とライナー・ノーツで語っている通り、メンバー的には
ラフな演奏や、カレ・トラップが手掛けたサウンド・プロダクションに多少の悔いが残っているようだが、
どうしてどうして。ラフな演奏はライブならではの「勢い」を伝えてくれるし、音質面での不満も、
少なくとも個人的には殆ど感じられない。(歓声に手を加えている部分がモロバレの編集はちょっとアレだけど)
1stから4thアルバムの美味しい部分を収録した選曲は、初期ブラガのベスト盤としての機能も果たし、
綿密且つ複雑、壮大にしてドラマチックな現在の彼らのサウンドとは異なる、ストレートでスピーディな
初期メロディック・パワー・メタル時代の彼らの魅力を総括する、ハイテンションな内容に仕上がっている。
それにしても凄まじきは「100点満点」と評されたファンの歌声で、時にハンズィ・キアシュ(Vo)のそれを
かき消さんばかりの大合唱は、当時、ブラガ人気がヨーロッパ以上に日本で高かった事実を端的に物語っている。
嘗て、ここまでファンの歌声がフィーチュアされたメタル・バンドのライブ・アルバムがあっただろうか?いや、ない(反語)
特に、名曲“MAJESTY"における盛り上がりっぷりや、ラストをドラマチックに締める“LOST IN THE TWILIGHT HALL"から、
大団円と言うべきノリノリな“BARBARA ANN"への流れは圧巻としか。何度聴いても鳥肌を誘発させられます。
BLIND GUARDIANのライブの楽しみ方を世界中に啓蒙したという意味で、海外のファンからも高く評価されているというのも
納得の1枚。金がなく、当時、ライブをパスした己の行動が悔やんでも悔やみきれません。