この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 7001-7100
ZAR

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 7001-7100
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72
モバイル向きページ 


ZADKIEL - ZADKIEL ★★★ (2019-01-06 01:15:42)

遂に復活を果たし、名盤『NO MORE PAIN』のリイシューや新作アルバムの発表等、アクティブな活動を繰り広げているDOOM。その中心メンバーだった故諸田コウ(B)が嘗て在籍していたバンドとして名前だけは知っていても、音源を入手できる機会はないだろうなぁと思っていたZADKIELが、バンド解散後の'86年に残した4曲入りEP『HELL’S BOMBER』が、未発表曲とエンハンスト映像を追加収録した特別仕様(タイトルはシンプルに『ZADKIEL』と改題)で'06年にCD化された時は、そりゃもう驚くやら喜ぶやら。
音の方は「破滅型ロックンロール」とも「日本最初期のスラッシュ・メタル・バンド」とも評されるだけのことはあり、MOTORHEADやVENOMからの影響を伺わせつつ突貫するパワー・メタルをプレイ。刺々しさと埃っぽさを四方八方に巻き散らかすサウンドと、ダビングにダビングを重ねたカセットテープばりの音質の劣悪さとが相俟ってアングラ臭の渦巻きっぷりが半端ありませんが、収録曲のカッコ良さはそうした障害物をも易々と突き抜けて届いてきます。削岩機の如き迫力と緊迫感を伴ってドカドカ突進する①、ACCEPTの名曲“FAST AS A SHARK”を彷彿とさせるスピード・ナンバー③、重心低く押し出す④等、収録曲は諸田のBプレイにしろ曲展開にしろ、ストレートに直球を放り込んでくるスタイルゆえ、DOOMよか取っ付き易く感じる人も結構いるのではないかと。
今となっちゃこの音の悪さ込みで愛して止まない作品ですよ。


ZADKIEL - ZADKIEL - Miss Satan ★★★ (2019-01-06 09:13:08)

MOTORHEADの“ACE OF SPADES”とACCEPTの“FAST AS A SHARK”を
足して2で割り、それをVENOMがプレイしているような楽曲・・・
と書けば、血沸き肉躍るこのプロト・スラッシュな名曲のカッコ良さが
幾ばくかでも伝わるでしょうか。


ZAR ★★ (2008-01-28 23:18:00)

3rdアルバムが好評を呼び、その影響で傑作と名高い、1stアルバム(ジョン・ロートン参加)と
2ndアルバムの国内盤が再発。EPでカヴァーした“黒田節"も話題となり、
さあ一気に日本でブレイクだ!というタイミングでリリースされた4thが、
半端にヘヴィ・ロックから影響を受けた作風でズッコケ、そのままフェードアウト。
何とも間の悪いバンドでしたよね・・・。


ZAR - Eagle's Flight ★★★ (2019-05-28 00:37:06)

親日家トミー・クラウス(G)が率いていたドイツのメロディックHRバンド、ZARが'93年に残した3曲入りEP。
収録曲は、アコギが乾いた哀愁漂わすアメリカンな味わいのバラード“EAGLE’S FLIGHT”、憂いを帯びた重厚なミッド・チューン“NEVER SO ALONE”、合唱を誘うアリーナ・ロック然とした“I CAN’T BELIEVE”の3曲で、いずれもトミー・クラウスの作曲センスが発揮された佳曲ながらも、’93年発表の3rd『FROM WELCOME…TO GOODBYE』に収録されていた既発曲ばかり。ゆえに、それだけだったら買わずにスルーは確定だったですが、ハタと目に留まったのが、ジャケットに印刷されている《ZAR featuring JOHN LAWTON』の文字ですよ。そう、何と本作には1st『LIVE YOUR LIFE FOREVER』(’90年)で歌っていた初代シンガーにして、LUCIFER’S FRIENDやURIAH HEEPでの活動でも知られるジョン・ロートンが、ゲストVoとして自慢の喉を提供してくれているという。
参加曲が“EAGLE~”のみなのは残念ですが、二代目フロントマンのトミー・ブロックとリードVoを分け合う形で披露されるその歌声は相変わらず強力無比。張り良し艶良し伸び良しの絶品ぶりで、流石のトミー・ブロックのVoも、ここではやや霞んで聴こえてしまうのも致し方なしか。個人的には、この1曲を聴くためだけでもシングルを購入した甲斐は十分にあったと握り拳を固めた次第。
ちなみに(クラウスの日本趣味が発揮された)“KURODABUSHI”のカヴァーを収録する、『FROM WELCOME~』からカットされたもう1枚のEP『WELCOME』もお薦めです。


ZAR - Hard to Beat ★★ (2012-03-11 08:55:41)

時流に感化された4th『THE HOLY RHYTHM OF NATURE』で見事にコケ、フェードアウトしていったZARが'03年にひっそりとリリースしていたラスト作。数年前に中古屋で目にするまで存在すら知らなかった(忘れていた)アルバムなのですが、これってもしかして国内盤も出てたりしたのでしょうか・・・?
トミー・ブロックやジェリー・シェファーの姿は見当たらず、トミー・クラウスがGのみならず数曲ではリードVoも取るなど、殆ど彼のソロ・プロジェクト的な陣容でレコーディングが行われている本作なれど、サウンドに関して言えば、前作での路線変更に伴う失地から僅かながらも立ち直りの気配が確認できる内容ではある・・・ような。
相変わらず、さして面白味の感じられないグルーヴィなヘヴィ・ロック・チューンもチラホラ見受けられますが、アルバムを代表する名曲と言って差し支えない②や、明暗の効いたメロディ展開が印象に残る⑥等、その合間を埋める、よく歌うGとメロウなKey、そして欧州風味の哀愁を帯びたメロディとを活かしたバラード~メロディアスHRナンバーの数々には「あぁ、やっぱZARって良いバンドだったなぁ」と、しみじみ思わされるだけのクオリティが宿っており、また剣道を嗜むトミーの趣味か、“NI-TEN”(宮本武蔵の二天一流が元ネタ?)なるインスト曲も収録されていたりと、ファンなら興味を惹かれる内容に仕上がっている・・・ような。


ZAR - Live Your Live Forever ★★ (2008-01-28 21:19:00)

トーマス・クラウス(G)とジェリー・シェファー(Key)が中心となって80年代末に、ドイツは
シュツットガルトにて結成された4人組ハードロック・バンドZARが、'90年に発表した傑作1stアルバム。
ボーカリストとして、URIAH HEEPやLUCIFER'S FRIEND等での活動で知られる名シンガー、ジョン・ロートンが
参加している事でマニアから注目を集めたバンドだが、本作で聴かれる彼の凄まじい歌声は、声の張りといい、艶といい、
高音の伸び具合といい、多くのファンが「これぞロートンのベスト・ワーク!」と太鼓判を押すのも納得の、
殆ど神憑り的と言っていいレベルを誇る。何せこれを聴いたリッチー・ブラックモアが、自分のバンドのシンガーに
ならないかと声を掛けた・・・というエピソードが残っているぐらいなのだから、その凄さが分かろうと言うもの。
無論、幾らVoだけ素晴しくても、楽曲がお粗末だったら話にならないわけだが、ここに収められている楽曲の数々は、
メロディアスにしてキャッチー、かつドラマティックという、何れもヨーロピアン・ハードロックの美意識を
凝縮したかのような、ハイクオリティなナンバーばかりで、当然の如く捨て曲は皆無。
中でも、雄弁に「歌う」トーマスのGと、プログレ感覚溢れる華麗さで劇的さを高めるジェリーのKey、
そして目の覚めるようなハイトーンを響かせるパワフルなロートンのVoという、ZARの三本柱が
揃って高いレベルで機能している必殺の名曲③⑤が並ぶ、アルバム前半の完成度の高さは驚異的。
これだけ日本人好みのサウンドにも関わらず、リリース当初は日本未発売だったという事実と、現在では国内盤廃盤という
状況が俄かには信じ難い、隠れたメロディアス・ハードロックの名盤。メロディ愛好派は聴かずに死ぬことなかれ。


ZAR - Live Your Live Forever - Cry of the Nile ★★★ (2008-01-28 21:30:56)

ヘヴィ・メタリックなアグレッションを発散しつつも、
アレンジは非常に繊細で、メロディはたっぷりと叙情味を
帯びているという、感動的な2ndアルバムのハイライト・チューン。


ZAR - Live Your Live Forever - Fire and Ice ★★★ (2012-03-13 22:52:17)

アルバムでも指折りのハード・ナンバー。
ジョン・ロートンが「1stで一番好きな曲」と
その名を挙げるだけあって、実際非常にカッコイイ。
GとKeyがユニゾンを決めるインスト・パートからは
様式美HMっぽさも感じられたり。


ZAR - Live Your Live Forever - Live Your Life Forever ★★★ (2008-01-28 21:25:39)

悲哀に満ちたメロディを、ジョン・ロートンが熱唱する
冒頭部分を聴いただけでグッと胸を締め付けられる、
メロディアスでドラマティック、且つキャッチーな超名曲。
華麗なKeyワークと、痒い所に手の届くメロディを紡ぎ出すGの
良い仕事っぷりもキラリと光る。


ZAR - SORTED OUT ★★ (2011-06-26 22:34:26)

Voをジョン・ロートンからトミー・ブロックにチェンジして'91年に発表された2ndアルバム。
稀代の名シンガーたるロートンの脱退は残念だが、「ZARのフロントマンと言えばやはりトミー」ってのが多くのファンの共通認識だろうし(だよね?)、何よりこの人は歌唱力的に――やや線は細いが――ロートンに勝るとも劣らぬ高い実力を備えた逸材ですしね。
また今回は、繊細なアコギからネオクラ調の速弾きまでこなす、トミー・クラウスの溌剌としたGプレイをサウンドの中心に据えることで、本編のHMテイストの底上げが図られており、ロシア民謡をイントロ代わりにスタートする②、RISING FORCE時代のイングヴェイを思わす④⑪、歌詞とリンクするファンタジックで劇的な⑤といった、ハードにしてこのアルバムならではの味わいを備えた名曲も収録。(ドラムの鳴りの弱さがちと気になるが)
勢い重視の作風の弊害なのか、前作に比べるとややメロディに繊細さが不足気味なれど、その一方で、アコギを活用した叙情バラード⑥⑩、それに本編のクライマックスを担うドラマティックな大作⑫等、心打つ哀メロに彩られたナンバーには「さすがZAR」と唸らされることしきり。総合的な完成度の高さに揺ぎはない。
前作同様、これまたお薦めの1枚。


ZAR - WELCOME ★★★ (2013-03-13 23:03:15)

アコースティック・バラード“WELCOME”をリーダー・トラックとして、1000枚限定で'94年にリリースされた未発表曲を含む4曲入りEP。日本人的には、武道を嗜むバンドのリーダー、トミー・クラウスの和風趣味が強く出た、民謡“黒田節”のカヴァーを収録した作品として押さえておきたい1枚でしょうか。
その他3曲も悪い曲ではないのですが、やはり主役はトリを務める“KURODABUSHI”の存在。「酒ぇは~呑~め~呑~めぇ~、呑むな~ら~ばぁ~♪」の歌入りではなく、インスト・バージョンなのがチト残念ですが、重厚且つドラマティックな仕上がりは些細な不満を彼方へと吹き飛ばすカッコ良さ。濃い口のメロディと勇壮なジャーマン・メタルは相性ばっちりですよ。
個人的に、その昔“KURODA BUSHI”を伊藤政則氏のラジオで聴いて早速CD屋へ買いに走った帰り道、電車の網棚に購入したてのCDを置き忘れてしまい、結局一度も聴くことないまま紛失してしまったことでも思い出深い1枚なのですが、先日、そんな本作の中古盤がお手頃な値段で売られているのを発見。思わず「こいつぁ春から縁起が良い!」と小躍りしながら購入してしまいましたよ。
そんな思い入れ込みで星3つ進呈をば。


ZELBO - In My Dreams ★★★ (2023-08-28 23:52:57)

前世紀に残した2枚のアルバムが未だ北欧メタル・ファンから愛され続け、ついには先頃(といっても既に6年も前の話になるのか)3rd『AMBITION ROCKS』(’17年)を引っ提げてカムバックを果たしたノルウェーはオスロ出身のDA VINCI。本作はその中心メンバーたるダグ・セルボスカー(Key)が、オーディション番組でその才能を評価されたフローデ・ヴェッセル(Vo)らをメンバーに加えて立ち上げたプロジェクト、その名もZELBOの1stアルバムとなります。’21年リリース
…っておい、それはいいけどDA VINCIは一体どうなっちまったのさ?と突っ込まないわけにはいかぬものの、ここで披露されている、暖かみ満ちたKeyをアレンジの要に据えつつ、哀愁を帯びた美旋律とフック満載で贈るハードポップ・サウンドは、ほぼほぼDA VINCIと同一路線。そりゃダグが全ての曲作りを担っているのだから当たり前の話なわけで、シンセを纏ってキャッチーに弾む曲調がJOURNEYを思わす②、ダグの哀メロ・メイカーとしての才能全開なメロディの泣きっぷりに心打たれるバラード⑦等、「往年の北欧アーティスト達にリスペクトを捧げつつ、AOR的なサウンドを創作する」というプロジェクトのコンセプトに相応しい優れた楽曲が揃い踏み。甘口なだけでなく、アップテンポの曲調、スリリングなインスト・パート、その上で舞う冷ややかなメロディといい、「北欧メタル」のイメージに忠実な⑧のようなタイプの楽曲も本編の良いアクセントとなっています。
DA VINCIの新作を待望している我が身なれど、「これが4thアルバムと納得してもいいかなぁ」と思えるだけの完成度を有した力作ですよ。


ZELBO - In My Dreams - Next Flight to Venus ★★★ (2023-08-30 01:19:57)

冷ややかな哀メロを纏って駆け抜けていく曲調が
北欧メタルならではの魅力を振りまく逸品。
かっちりと組み立てられたインスト・セクションも
楽曲をよりドラマティックに盛り立ててくれています。


ZENO - Zenology II ★★★ (2008-07-12 22:43:47)

地鳴りの如く突進するバスドラが
凄まじい迫力を誇る、2ndアルバム最速にして、
本編のハイライトを飾るバイオレントなスピード・ナンバー。
破壊的なリフ・ワークと、流麗なGソロという
美醜両極端な仕事をこなす、ポール・マスヴィダルの
存在感が光る名曲。


ZERO - Zero ★★ (2018-09-04 00:21:43)

ZEROがZEROからデビュー…と書くと何が何やらですが、要はテクニカルなギターとハモンド・オルガンをフィーチュアした様式美HMサウンドから、「スイスのDEEP PURPLE」と呼ばれた(俺の中で)なSTORMBRINGERを率いていたギタリスト、アンジー・スキリロが新たに立ち上げたバンドZEROが、’94年に日本ではZEROコーポレーションを通じて発表した1stアルバムが本作であると。
帯に踊る《究極のZ-ロック》なる大仰な惹句に高まった期待は、リズミックに立ち上がるOPナンバー①、リッキー・ネルソンみたいな②、グルーヴィな③という、様式美HM色皆無の乾いたノリが支配的な冒頭3曲を前に徐々に尻すぼみ。「買って損こいた…」とガックリきたことを思い出しますが、ここで停止ボタンに手を伸ばすのは早計というもの。実は4曲目以降は、重厚且つドラマティックに盛り上がる④⑦、堂々たるメジャー感を身に纏った⑤⑧、スペーシーな感触も宿して弾む⑥、イケイケな疾走ナンバー⑨、しっとり抒情的に聴かせる⑩⑫…と、アメリカなノリから、STORMBRINGERファンの留飲を下げる様式美HMスタイルに至るまで、バラエティに富んだ楽曲が顔を揃えており、聴き終えての感想は決して後ろ向きなものにはなりません。冒頭3曲にしても個々のクオリティは十分ですし、《旋律美を母に、天賦の才を父に》《抒情と透明の深艶を奏でるギタリスト》等々、いかにもZEROコーポレーション謹製な美辞麗句に援護射撃されたスキリロのテクニカルなGプレイ、⑪を始め、全編に亘って絶好調を維持。
自分なりの曲順を考案して楽しめば、より評価が上がる1枚ではないかと。


ZIHARD - Life of Passion ★★★ (2019-11-10 22:47:28)

イングヴェイ・マルムスティーンからの影響大なテクニカル&ネオ・クラシカルなGプレイを閃かせるパク・ヨンス(G)率いるコリアンHMバンドが、母国の先輩バンドBLACK SYNDROMEのメンバーをエンジニアに迎えてレコーディングを行い、’08年に発表した1stアルバム。(日本盤は今はなきサウンド・ホリックからのリリースでした)
「韓国のCONCERTO MOON」との評判に興味を引かれ購入した本作でしたが、実際ここに託されているのは、頭に「超」が付くぐらいコッテコテな様式美HMサウンド。イングヴェイというよりは、寧ろ関西様式美HMの遺伝子が色濃く感じられる仕上がりで、中でもイントロにドラマティックな序曲を配した②や、③⑦⑩といった疾走系の楽曲、あるいはメロディアスなミッド・チューン⑥等は、肩に力の入りまくったハイトーンVoの熱唱ぶりや、その歌メロの持って行き方、G、Key、Voの絡みといい、「本当に韓国出身?関西でなくて?」と思わず尋ねたくなるレベル。欧米のバンドが似たような音を出してもここまでの共通項は見い出せないんじゃなかろうか?と。
あと、個人的にかの国のバンドはクサいバラードを演らせると絶品な印象があり(SAHARAの“UNTIL YOU KNOW ME”とか、キン・ギョンホの“INCOMPLATE LOVE”とか)、本作も御多分に漏れず、哀愁がドバドバ溢れ出す④、不慮の死を遂げた元メンバーに捧げられている泣きのインスト⑧といった実に涙腺に沁みる逸品を収録してくれています。
これが90年代だったら、間違いなくMANDRAKE ROOTから作品がリリースされていたであろうことを確信する1枚。


ZIHARD - Life of Passion - Crying in the Midnight ★★★ (2019-11-11 23:35:52)

『ECLIPSE』の頃のイングヴェイが演りそうな疾走ナンバー。
Gプレイも多分にイングヴェイ的ではあるものの、
テクニックからメロディの組み立てまで、光るものは十分に感じられます。
歌メロの動きが日本の様式美HMに通じる魅力があって、
「韓国のCONCERTO MOON」と評されたのも納得ですよ。


ZIHARD - Life of Passion - Strange Without You ★★★ (2019-11-11 23:40:33)

大映ドラマばりにベタな泣きが炸裂するバラードですが、そこが良い。
「韓国のバンドはクサいバラードに冴えを発揮する」という
個人的思い込みを補強してくれる名曲です。


ZINATRA - The Great Escape ★★ (2016-07-05 20:49:20)

オランダはリンブルフ州ヴェールト出身の5人組…と言うよりも、日本でも人気を博した「オランダの貴公子」ことロビー・ヴァレンタイン(Key、Vo)が短期間ながらも在籍していたバンド、と説明した方がHR/HMリスナーの理解は早い気がするZINATRAが、'90年に発表した2ndアルバムにして最終作。
いかにもロビー様作曲の、華々しくドラマティックなインスト序曲①に導かれて本編の幕は上がりますが、作品全体としてはヨーロピアンなドラマ性や構築感は控えめ。それよりも寧ろ、Keyをふんだんに取り入れ、ポップに洗練されたサウンドはアメリカン・メロハー寄りの仕上がりで、一部では「ハッピー・メタル」と称されたという。ハッピー…。
そんな本作において、ロビー(この頃はROBBYじゃなくてROBBIE表記)と共に曲作りの柱を担っているのが、ソロ・ワークやWARRANT等での活躍で知られる腕利きシンガー/ソングライターのポール・レイン。メロディ愛好家の信任も篤い2人が収録曲の大半を手掛けているのですから、そりゃ本作のクオリティが低いわけがないよねと。
特に、ヨッス・メネン(Vo)とリードVoを分け合っているバラード⑤は、後のロビー・ヴァレンタイン・ワールドに通じるリリカル且つドラマティックな名曲にしてアルバムのハイライト。個人的に本作購入動機は、音楽雑誌で高く評価されていたこの曲目当てだったぐらいでして。
確かにこれを最後に解散ってのは勿体ない、と思わされる1枚でありました。


ZINATRA - The Great Escape - Love Never Dies ★★★ (2016-07-05 22:38:45)

感傷的な曲調といい、ロビーのフレディ・マーキュリーなりきりVoといい
微笑ましいぐらいQUEENへの愛情が滲み出すバラード。
(エモーショナルなGソロも泣ける)
後に自身のソロ・アルバムで華麗に追及されることとなる
「ロビー・ヴァレンタイン・ワールド」の先駆けとなった名曲です。


ZINATRA - Zinatra ★★ (2017-07-30 10:28:15)

80年代末期のダッチ・メタル・シーンを盛り上げたバンドが、DEF LEPPARDが愛用していたことで知られる地元オランダのWISSELORDスタジオにてレコーディングを行い、’88年にNT RECORDSから発表した1stアルバム。それが縁なのかLEPPSのフィル・コリンがゲストとして客演、バラード⑩にGソロを提供してくれています。
本作のトピックと言えばそれぐらいで、ソロ・ワークやDANGER DANGER他の活動で認知を得る敏腕ソング・ライターのポール・レインが楽曲提供、オランダの貴公子ことロビー・ヴァレンタインがKey奏者として参加、更に珠玉の名バラード“LOVE NEVER DIES”を収録…と、フックだらけだった次作『THE GREAT ESCAPE』('90年、2nd)に比べるとどーにも地味に感じられてしまい、ずっとスルーし続けて来ておりまして。ところが先日格安で購入する機会に恵まれ、試しに再生してみたら「うーむ。これはこれで捨てたもんじゃねぇ!」と認識を改めさせられたという。
キラキラ・シンセを効かせたハードポップ・サウンドはもろ80年代風で、今となっては赤面を誘われたり、少々軽過ぎると感じる向きもありましょうが、それでも煌めくシンセを纏ってキャッチーに駆け抜ける①や、映画主題歌に起用され本国ではTOP 20に入るスマッシュ・ヒットとなったという②を始め、煌びやかなハードポップ・チューンから甘いバラードまで優れた楽曲が取り揃えられた本編は、ZINATRAが決してポール・レインやロビー様に頼らなければ良い曲を揃えられないバンドではないことを証明する出来栄えです。
聴けて良かった。2ndが気に入られたら是非本作の方もどうぞ。


ZNOWHITE - Act of God ★★ (2006-11-28 21:14:00)

後にCYCLONE TEMPLEを結成する黒人スラッシャー、グレッグ・フルトン(G)が在籍していた事で知られる
イリノイ州シカゴ出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'88年発表の2ndアルバム。
そのグレッグ(当時はイアン・タフォーヤと名乗っていた)が全曲手掛けた収録曲は、CYCLONE TEMPLE時代に
比べると曲展開が直線的で、メロディよりもスラッシーな疾走感が強調された仕上がり。
とは言え、ダークな楽曲は欧州的な湿り気をたっぷりと帯びているし、緩急の効いた⑤や
9分以上に及ぶ⑧といった大作からは、後のドラマチック・スラッシュ路線への萌芽が既に感じ取れる。
アグレッシブ且つ流麗なグレッグの精度の高いGと、このバンドのもう1つの売りである女性Voニコル・リーの、
力強くも憂いを帯びた(ちょっと赤尾和重に似た声質の)歌声も非常に強力で、特に、両者の
強烈な「泣き」っぷりが威力の高いフックとなって、聴き手へと抉り込んでくる疾走チューン①⑥は
「これを聴くためだけにアルバム買っても損はない!」と断言したくなるほどの超名曲。
最近、本作のデジタル・リマスター盤が再発されたので、未聴の方はこの機会に是非。


ZNOWHITE - Act of God - To the Last Breath ★★★ (2007-03-19 21:49:23)

サビでドラマチックに展開する憂いを帯びた歌メロが堪らない、
アルバムOPを飾る高速スラッシュ・チューン。
劇的に斬り込んで来る流麗なGソロといい、
(イアン・タフォーヤ改め)グレッグ・フルトンの
曲作りの才能には心底畏れ入る。


ZNOWHITE - All Hail to Thee / Kick 'em When They're Down ★★ (2007-08-18 21:41:00)

'82年、イリノイ州シカゴにて、イアン(G)、スパークス(Ds)、ニッキー(B)のタフォーヤ3兄弟によって結成され、
そこにイアンの高校時代のクラスメイトで、バンドのマネージャーだったニコル・リーがVoとして加わる事でラインナップが完成。
バンド名をSNOWHITEからZNOWHITEに改めた後、ENIGMA RECORDSとの契約を得て、'84年に発表したデビュー作がこれ。
彼らの最高傑作、2nd『ACT OF GOD』('88年)と聴き比べると、明らかに二コル・リー嬢の声が幼い!
ドスの効いた迫力という点では物足りなく感じられるかもしれないけど、聴いていると思わず
ホクホク顔になってしまう溌剌とした歌唱は、これはこれで非常に魅力的なので良し。
また、楽曲の方もまだスラッシュ・メタル色は薄く、展開もヘッタクレもないまま、シンプル且つストレートに疾走しまくる様は、
スラッシュ・メタルと言うよりも、NWOBHMから影響を受けた、スピーディでコアなヘヴィ・メタルといった趣きで、
後の諸作品においてスラッシャーの涙腺を決壊させまくったイアン必殺の「泣き」のGも
ここでは余り披露される事はなく、より荒々しく、へヴィ・メタリックなプレイに専念しているとの印象が強い。
それでも、④を筆頭にリフのカッコ良さは既に半端ないし、二コル嬢が歌う憂いとフックに富んだ歌メロも
(『ACT~』ほどではないにしろ)かなり良いしで、この作品全体のクオリティの高さは流石だ。
じっくりとドラマチックに盛り上がっていく⑥のような、後の作品への布石とも言えるような楽曲もちゃんと収録されているしね。
最近、'85年発表のEP『KICK EM WHEN THEY'RE DOWN』と、ライブEP『LIVE SUCIDE』との
お得なカップリング仕様のデジタル・リマスター盤が再発された。


ZOETROPE - A Life of Crime ★★ (2006-11-26 20:46:00)

イリノイ州シカゴ出身のギャングスタ・スラッシャー、ZOETROPE(イートロープ)の'88年発表の2ndアルバム。
ランニング・タイムがいずれも2~3分台とタイトに絞られた楽曲は、硬派なVo、湿度低めの乾いたリフ、
そして威勢良く疾走するリズムと、男気系ロックンロール的な雰囲気を強く漂わす。
とにかく、骨太な演奏(特にDsが秀逸)に支えられ、小細工抜きで疾走しまくるサウンドが非常に気持ち良い1枚。
それでいて必要以上の「熱さ」を感じさせない辺りは、いかにもシカゴの都会派といった感じだ。
時折、楽曲から匂い立つ哀愁や、勇壮なリフ、2本のギターのハモリ具合なんかがIRON MAIDENを
彷彿とさせる、②⑨のような佳曲の存在が良いアクセントとなっていて、単調さも殆ど感じられない。
また、しつこさや重さのないアッサリとした作風なので、確かに何度でも聴けてしまう(聴き返したくなる)
かなり中毒性の高い作品でもある。


ZOETROPE - A Life of Crime - Seeking Asylum ★★ (2006-03-26 17:27:20)

初期IRON MAIDENを更にハードコア化させたような疾走感とリフが非常にカッコイイ。
中間部のツインギターによるソロも意外にメロディアスで耳を惹かれる。


ZOETROPE - Amnesty + Demos ★★ (2008-04-22 21:43:00)

Ds兼Voのバリー・スターンが中心となって、イリノイ州はシカゴにて結成された、ツインG編成の4人組スラッシャー、
ZOETROPE(イートロープと読む)が、'86年に発表した1stアルバム。
個人的に、お気に入りのスラッシュ・メタルの好盤、'87年発表の2nd『A LIFE OF CRIME』は、曲によっては
IRON MAIDENばりのリフ・ワークやツインGハーモニーが炸裂する、かなりメタル色の強く打ち出された作風だったが、
このデビュー作は、それよりもずっとシンプルで直線的、ハードコア/パンクからの影響が色濃く漂う、前のめりな仕上がり。
当時、「シカゴ最速」との異名を取っていたらしいが、それも納得の爆発的な疾走感は
かなり気持ち良く、それでいて、デビュー以前に、既に10年のキャリアを積んでいるベテラン・バンドだけに、
アグレッシブな楽曲の中に、ブギーのリズムを取り入れてみたりと、曲作りも一本調子にならぬよう工夫が凝らされていて、
特に、スリリング且つ正統派ヘヴィ・メタリックなGソロが耳を惹く④や、派手なツインGハーモニーを
聴く事が出来る⑥といった、高速スラッシュ・ナンバーのカッコ良さは格別。
まぁ好みで言えば、よりタイトに、へヴィ・メタリックにまとまっている次作の方が上だし、インディーズ制作ゆえ、
サウンド・プロダクションの貧弱さも如何ともし難いが、そうした荒々しさがまた、バンドの標榜する
「ストリート・メタル」なるジャンルの構築に、大きく貢献していると言えなくもない。


ZOETROPE - Amnesty + Demos - Amnesty ★★ (2008-04-23 22:37:33)

前のめりに突っ走る高速スラッシュ・ナンバー。
それでいて、スリリングなGソロは正統派HMテイストを
色濃く漂わせていて、なかなかにドラマティック。
ZOETROPEというバンドの魅力が、判り易く示された名曲です。


ZONATA - Buried Alive ★★★ (2010-12-15 23:28:42)

「00年代の埋もれてしまった名盤コンテスト」でも開催した日にゃ、かなり上位に食い込むと思われる(俺の中で)、'02年発表のZONATAの3rdアルバム。
ユニークなスラッシュ・メタルを聴かせてくれる存在として重宝していた、ROSICRUCIANのメンバーが制作に関わってる点に興味を惹かれて購入した作品だったが、実際に聴いてみれば、本作にROSICRUCIAN的なアバンギャルドなノリや実験色は皆無(中盤に並ぶプログレ・メタル・タッチな楽曲群がややそれっぽい程度)で、このバンドが軸足を置くのは飽くまで王道HM。特に、劇的極まりないGリフがドカンと炸裂するOPナンバー①のカッコ良さは筆舌尽くし難し!
流麗なネオクラGに、男臭い声質のVoと美しくも寒々しいハーモニー、そしてテクニカルなKeyを乗せて、ソリッドなリフ&リズムが疾走する骨太なパワー・メタル・サウンドは、独産メロパワ・メタルばりの勇壮さと北欧のバンドらしい冷やかな哀感を併せ持ち、中でも、前作『REALITY』より格段に逞しさを増したVoが歌う劇的且つ憂いに満ちたメロディと、プログレ・マインド溢れる演奏で楽曲を華麗に彩るKeyはこのバンドの大きな武器。前述の①や、Keyがリード楽器の役割を果たすスリリングな②、重厚な曲調が高揚感を誘発する⑤、そしてラストに配置されたスピード・ナンバー⑩といった楽曲は、この手のサウンドが好きな人なら万歳三唱モノの名曲なんじゃあないでしょうか。
つくづく、本作を最後に解散してしまった事実が惜しまれる力作であります。


Zaneta - Tales from the Sun ★★★ (2022-04-26 00:11:37)

FRONTIERS RECRODSの隆盛により、00年代に入ってからはメロハー・バンドの一大産地に成長を遂げたイタリア(それとも元々メロハーが盛り上がっていたタイミングでFRONTIERS RECRODSが設立されたのか?どっちだろ)から新たに登場した4人組、ZANETAが'16年に発表した1stアルバム。
SHRAPNEL RECORDSからソロ・デビューも飾っているというテクニカル・ギタリスト、ファブリツィオ・レオをメンバーに擁していることでもマニアから注目を集めた彼らですが、本作で実践しているのはSHRAPNELメタル路線ではなく、あくまでメロディを最優先するAOR/産業ロック・サウンド。ファブリツィオも随所でセンスの良さを感じさせるフレーズを閃かせつつ、決して目立ち過ぎることなく「歌」を引き立てる立場に自らを置き続けています。(そこに物足りなさを感じる向きもありましょうが)
Voに関しては、時折線の細さを頼りなく感じる場面もあれど、そこはキャッチーなメロディ・センスでしっかりとカバー。特に解放感を持つサビメロが秀逸なOPナンバー①を手始めに、先行シングルとして披露された③、抒情的なピアノ・アレンジにグッとくる⑥や、ヴァイオリンをフィーチュアしてポップに躍動する⑦、仄かに土の香りを漂わすヴァースから爽やかなコーラスへの転調が効果的な⑪といった楽曲からは、新人バンドとは思えぬ安定感すら感じられますよ。(実際メンバーは結構キャリアのある人たちだったりするのですが…)
輸入盤市場で好セールスを記録した結果、国内盤リリースが実現したのも納得のクオリティを誇る1枚。所属レーベルの店終いで早々に廃盤となってしまったことが惜しまれますね。


カルメン・マキ - Night Stalker ★★ (2013-02-14 22:22:38)

VANILLA FUDGEやBB&A、CACTUS、KING KOBRA、BLUE MURDER等、多彩な活動で知られるドラマー、カーマイン・アピス(当時はロッド・スチュワート・バンドの一員だった)の全面協力を仰いで制作、'79年に「カルメン・マキ」名義で発表されたソロ・アルバム。
タイトルからして『NIGHT STALKER』と何やらシャープな感じだし、きっとカーマインのド派手なドラミングを活かしたHRアルバムに違いない・・・と期待に胸膨らませて本作に挑んだ人(俺)は、いきなりポウンポウンと気の抜けたドラムが弾むOPナンバー①、レゲエ・カフェのラウンジ・ミュージックみたいな②、そしてディスコ・ビートを取り入れた③という冒頭の三連打に打ちのめされること請け合い。
聴き進めれば、ある程度ロックしてる楽曲も見受けられるようにはなるのですが、それでもHR/HMとはかなりの距離を感じさせられる内容であることは否めません。
バラード④や、カーマインの重たいドラミングが映える⑦みたいな楽曲を聴けば分かる通り、質は低くないですし、カルメン・マキの歌の上手さを堪能するには過不足のない1枚ではあるのですが、やっぱり全体的に薄味かなぁ、と。


カルメン・マキ - Night Stalker - Easy Come, Easy Go ★★ (2013-02-15 23:59:51)

スケールの大きな曲調に、カーマイン・アピスの
ドラミングが映える、個人的にはアルバム中最も愛聴している楽曲。
さして力んで叩いている風ではないのに
やたら重々しいカーマインのドラミングは
やはり強力な存在感を放っています。


カルメン・マキ - Night Stalker - Hey Babe ★★ (2013-02-15 23:56:34)

Key一本をバックにマキの姐御が伸びやかに
歌い上げるバラード。
全くロックではないが、単純に良い曲ですし、
彼女の歌声を堪能するには十分な出来栄えです。


カルメン・マキ&LAFF (2013-02-12 22:44:12)

カーマイン・アピスの助力を得て制作したソロ作『NIGHT STALKLER』('79年)発表後、カルメン・マキがジョージ吾妻(G)、盛山キンタ(B)、嶋田ヨシタカ(Ds)らと共に結成。
レコード会社からはかなりの期待をかけられていたもののヒットには繋がらずアルバム1枚で活動停止。バンドはその後、よりHM色を強めたCARMEN MAKI'S 5Xへと発展解消。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff ★★★ (2013-02-12 22:44:50)

カルメン・マキがジョージ吾妻(G)らと結成、'80年にカルメン・マキ&LAFF名義で発表した作品。
5Xの前身バンドとしても知られていますが、適度にKeyも取り入れたルーズでオーガニックなロックンロール・サウンドにHM成分は薄く、またカルメン・マキが前年に発表したソロ作『NIGHT STALKER』がそうであったように、ここからはOZ時代を想起させる歌謡曲テイストや、大仰なドラマ性も取り除かれていています。
とは言え、本編が発するハード・ロッキンな熱量は『NIGHT~』とは比較にならないぐらい高い上に、ノリ重視の楽曲にしても能天気さは控えめ。いずれもしっかりとしたフックを備えており、それを支えるメンバーも、リラックスした伸びやかな歌声からコブシを効かせたシャウトまで変幻自在にこなすマキ姐さんを筆頭に、ワイルド且つメロディアスなジョージ吾妻のGプレイ、骨太なリズムのみならず、優れた楽曲をも提供するDs&Bと、それぞれ腕利き揃い。
特にムーディなブルーズ・ナンバーの⑤なんか、勢いだけの若造には絶対真似できない雰囲気に酔わせるタイプの楽曲だけに、メンバーの確かな実力が堪能できる名曲ですよ。
快活なロック・チューン②③や、ハード・ドライヴィンな⑥、包容力が滲み出すバラード⑧といった楽曲も聴き応え十分で、全体として肩肘張らずに楽しめるHRアルバムの好盤に仕上がっています。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff - Everybody Needs the Music ★★ (2013-02-13 23:01:29)

「どんだけロックンロールを欲してるんだ」と思うぐらい
ひたすら“EVERYBODY NEEDS THE MUSIC, ROCK'N ROLL MUSIC♪”
を繰り返すHRソング。
豪快に暴れ回る、ファズの効いたジョージ吾妻のGが主役ですかね。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff - Fly Hi Fly ★★★ (2013-02-13 23:06:27)

インスト“WIND SONG”から繋がっていく
アルバム後半の山となる劇的な名バラード。
懐の深さを感じさせるカルメン・マキの
歌声が絶品で、やはりこの人は日本語詞の
歌を唄うと段違いのエモーションを発揮します。


カルメン・マキ&LAFF - カルメン・マキ&laff - Rock'n Roll Star ★★★ (2013-02-13 22:57:33)

ジャニス・ジョプリンばりのカルメン・マキの熱唱といい、
タメを効かせて楽曲を盛り上げる楽器陣のパフォーマンスといい、
もろ70年代型HRの名曲。
単に譜面通りに歌ったり演奏が出来たりというだけじゃ、
このエモーションは表現できませんよ。


カルメンマキ&OZ ★★ (2007-11-25 01:55:00)

自分もカルメン・マキ&5Xの音源が一度で良いから聴いてみたい。
出来れば、5Xの旧譜と併せて再発して貰えないものかなぁ。


カルメンマキ&OZ - Ⅲ ★★★ (2007-11-24 21:03:00)

落ち着いた感じのジャケット・アートワークが、バンドの音楽性の変化を物語る、'76年発表の3rdアルバムにしてラスト作。・・・というか、本作がリリースされた時点で、既にバンドは解散していたらしい。
アコースティック・ギターを活用した、爽やかに駆け抜けていく①に代表されるように、今回は全体的にポップというかアコースティカルな作風で、大作主義が影を潜めた楽曲は、いずれもコンパクト且つシンプルにまとめられている。
とは言え、抜群の表現力を誇るマキ姐さんの歌唱と、春日博文(G)が作り出す、キャッチーでフックに富んだ叙情メロディの数々、そして6人目のメンバーと言うべき、ダディ竹千代こと加治木剛が手掛けた、70年代の情景がリアルに蘇ってくるかのような、詩情豊かに心象風景を綴った絶品の歌詞とが揃えば、それだけでアルバムの完成度の高さは約束されたようなもの。
また、後半に用意された、ポジティブな力強さと劇的な曲展開が感動を呼ぶ⑤や、感傷的な雰囲気を纏った前半から、中盤のメルヘンチックなパートへの転調を経て、再びドラマティックに盛り上がっていく、前2作の路線を踏襲した大作⑦は、郷愁を誘うメロトロンの音色がプログレッシブ・ロック的な味わいも感じさせる、素晴しき名曲。
偉大なるロック・バンドの、有終の美を飾るに相応しいクオリティを備えた1枚。


カルメンマキ&OZ - Ⅲ - 空へ ★★★ (2007-11-24 21:26:14)

3rdアルバム『Ⅲ』収録で、同作の(個人的に)ハイライト・チューン。
タメを効かせて、ドラマティックに盛り上がっていく曲展開と、
全編を貫くポジティブな力強さが感動を呼ぶ名曲。


カルメンマキ&OZ - Ⅲ - 昔 ★★★ (2007-11-24 21:22:08)

全体的にアコースティカルでコンパクトにまとめられた
3rd『Ⅲ』の中でも、前2作の路線を踏襲した10分を超える
大作の本曲は、一際強いインパクトを放つ。
様々な表情を見せる曲調と、郷愁を誘うメロトロンの音色が
プログレッシブ・ロック的な雰囲気を演出していて素敵。


カルメンマキ&OZ - カルメンマキ&OZ ★★★ (2007-11-21 22:10:00)

アングラ劇団「天井桟敷」出身で、ヒット曲“時には母のない子のように"(作詞は寺山修司が担当)で知られたフォーク・シンガー カルメン・マキが、自身の理想とする音楽を追求するために、春日博文(G)らと結成したハード・ロック・バンド、カルメン・マキ&OZの'75年発表のデビュー作。
和製ジャニス・ジョプリンと評された、圧倒的声量と表現力を備えたVo、豪快さと繊細さを併せ持つG、強烈なウネリを生み出すリズム・セクション、ハモンド・オルガンの音色で、叙情性とスケール感を演出するプログレ感覚溢れるKeyとが一体となって奏でるサウンドは、非常にパワフル且つダイナミック。
ブリティッシュ・ハード・ロックからの影響を消化吸収して血肉へと変え、更にそこに、日本人の琴線に訴えかける歌謡曲的なメロディと、ドロッとした暗いヘヴィネス(別の方の発言を借りるなら「情念」という表現がピッタリ)を加えた感じの楽曲の数々は、まさに唯一無二のカッコ良さを誇る。
タメを効かせて重々しく劇的に盛り上がっていく①に始まり、軽快なハードロック・チューン②、Voの包容力に満ちた歌声が感動を呼ぶ③、一際ヘヴィでアグレッシブな④、小粋なブルーズの小曲⑤・・・と、各楽曲のクオリティの高さも然ることながら、メリハリの効いた曲順構成も見事な本作。だが、やはり最大の聴き所は、ラストを締め括る12分にも及ぼうかという大作⑥。ヘヴィ・メタリックな攻撃性と叙情的な美しさを兼ね備えた起伏の激しい曲展開、そして圧巻の歌唱を響かせるVoと、このバンドの魅力が判り易く詰まった劇的極まる超名曲だ。(椎名林檎もお気に入りと聞く)
この曲に代表されるように、本作はカルメン・マキ&OZが発表した作品の中でも、最もアグレッシブな作風を誇る1枚なので、メタル・ファンにも強力にお薦めさせて頂きます。


カルメンマキ&OZ - カルメンマキ&OZ - 午前1時のスケッチ ★★ (2007-11-23 00:58:37)

曲自体の素晴しさも然ることながら、個人的には、
70年代の歌舞伎町ゴールデン街やションベン横丁の、
アルコールやゲロのすえた匂いが漂ってきそうな
加治木剛の手掛けた歌詞が最高にお気に入り。


カルメンマキ&OZ - カルメンマキ&OZ - 私は風 ★★★ (2007-11-23 00:45:38)

カルメン・マキ&OZを代表する、名曲中の名曲。
12分近くに及ぶ長尺を、全くダレることなく聴かせきる、
起伏の激しいドラマティックな曲展開、
緩急自在のテクニックを備えたメンバーの力量、
分けても、圧倒的声量と表現力で聴く者を打ちのめす
マキ姐さんの歌唱は感動的ですらある。
いかにも70年代的な「チュッチュッチュチュー」コーラスも含めて
愛して止まない1曲。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 ★★★ (2007-11-23 00:32:00)

デビュー作『カルメン・マキ&OZ』が、当時のハードロック・バンドとしては異例の10万枚以上を売り上げる好セールスを記録した勢いに乗り、ロサンゼルスで4ヶ月かけてレコーディングされた、'76年発表の2ndアルバム。
わざわざ海外まで出掛けて行った成果は、確実に作品のクオリティに反映されていて、サウンド・プロダクションの向上はもとより、プロローグに始まりエピローグに終わる、起承転結を意識したドラマティックな全体の構成、そして何より、楽曲から歌謡曲的な「臭み」が抜け、メロディがスッキリと洗練された事で、メジャー・アクトとしての凄みすら感じさせる作風に仕上がっている。(あの歌謡曲テイストを愛していた身には、ドロッとした暗い雰囲気が薄まってしまった点は残念だけど・・・)
今回は前作に比べると、ゆったりとしたテンポの楽曲が多く並び、Voの圧倒的歌唱能力を前面に押し出したメロディ重視の作りとなっていて、これは更にポップ化が推し進められる次作への伏線と取れなくもないが、少なくとも本作の時点では、ハードロック然としたエッジも、ドラマティカルな大作主義も健在。
徐々に盛り上がっていくイントロダクション①を経て、パワフルにスタートする勢いに溢れた②、“火の鳥"のタイトル通り、飛翔感と雄大さを漂わす④、泣きのへヴィ・ブルーズ・ナンバー⑤といった楽曲も強力なれど、やはりトドメはアルバム・タイトル・トラックの⑥。破壊的に刻まれるリフ&リズムに乗せて、Voが(女性だけど)雄々しい歌唱を響かせるタメの効いた重厚なヘヴィ・チューンで、中盤に用意された叙情パートが、まるで曇天から差し込む日の光の如き美しさを演出する、このバンドを代表する名曲の1つ。
舶来志向のメタル・ファンにも、十分アピールし得る魅力を備えた名作です。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 - 閉ざされた町 ★★★ (2007-11-23 00:52:05)

重々しく刻まれる破壊力抜群のリフ&リズム、
よく歌うG、ヴィヴラートかけまくりで雄々しい歌声を響かせるVo、
曇天を突いて差し込む日の光を思わせる中盤の美しい叙情パート・・・と、
2ndアルバムのタイトル・トラックにして、ハイライト・チューン的存在の名曲。
1stにあった歌謡曲テイストが薄まり、洋楽リスナーにもアピールする仕上がりだ。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 - 崩壊の前日 ★★★ (2007-11-23 18:51:20)

2nd『閉ざされた町』のOPナンバー。
全体的に、ゆったりとしたメロディ重視の楽曲が
多く並んでいた2ndの中にあって、
この曲のパワフルさは際立っています。
イントロダクションで雰囲気を盛り上げ、
最高潮に達したところで曲がスタートする
ドラマティックな展開もたまらない。


クリスタルキング - City Adventure ★★★ (2024-04-25 00:23:33)

“大都会”のミリオン・ヒットで知られ、HR/HMリスナー的豆知識としては、爆風スランプ~XYZ→Aのファンキー末吉も在籍していたというロック・バンド、CRYSTAL KINGが’84年に発表した4thアルバム。
自分が彼らのことを認知したのは、昭和の小学生の御多分に漏れず、アニメ『北斗の拳』主題歌“愛をとりもどせ‼”が切っ掛け。その“愛を~”にしろ、“大都会”の「嗚呼~果てしない~♪」にしろ、田中昌之の凄まじいハイトーンVoが強烈に耳に焼き付いていたのですが、実際に本作を聴いてみると、もう一人のシンガーであるムッシュ吉﨑とのツインVo体制及び両者が織りなす美しいハーモニーを生かした曲作りがなされており、収録曲もギンギンにGを効かせたHRナンバーあり、都会派AORチューンあり、哀愁の歌謡バラードあり…とバラエティ豊か。歌詞に関しては歌謡曲的クサさが気になるという向きもありましょうが、個人的には「味」として十分許容範囲内かなと。
スマッシュ・ヒットを記録したシティポップ・チューン“セシル”が人気曲のようなれど、こちとらそれ以上に、個性の異なる二人のシンガーの存在が映えるポップな“A DAY…”、シャープに駆け抜けるHRナンバー“FM STATION”のカッコ良さ、田中のエモーショナルな熱唱に聞き惚れるバラード“別離学”、表題曲“CITY ADVENTURE”におけるVoハーモニーの美しさにより痺れさせて頂きましたよ。
「クリスタル・キング?“大都会”だけの一発屋でしょ?」との認識を改めさせてくれる1枚。願・再発。


クリスタルキング - City Adventure - FM Station ★★★ (2024-04-26 00:53:59)

ギター主導で突き進むタイトなHRナンバー。
歌詞は多少赤面を誘う部分が無きにしも非ずかもしれませんが
マーク・ボールズもかくやな、田中昌之のねっとり絡みつくような
納豆ハイトーンVoは圧巻ですよ。


クリスタルキング - Moon ★★★ (2024-05-02 00:44:52)

歌い出しは超有名だが後の歌詞が続かない「あ~果てしない~フフフ~フ~フフフ~」「いや知らないのかよ」ってなオードリー風漫才でお馴染み(?)、“大都会”を大ヒットさせたCRYSTAL KINGが’85年に発表した5thアルバム。ちなみに個人的に初めて購入したクリキン作品がこれでした。
『北斗の拳』主題歌を歌っていたので以前から名前だけは認知していましたし、その昔たまたま耳にした本作OPナンバー“WOMAN”なんて、オルガンのイントロに続いてスタートする曲調が完全に正統派HMのノリじゃないですか。まぁ実際に聴いてみると、ホンキートンク風のピアノが躍るロックンロールから、徳永英明が歌いそうなAORバラード、爽やかなシティPOPチューンまで、本編にはバラエティ豊かな楽曲が並んでおり(この辺は前作『CITY ADVENTURE』と同様)、全体的にバラード成分も強め。単純にHR/HMジャンルで括れる内容ではなかったのですが、こちとらバラードも別に嫌いではない…というか寧ろ好きなぐらいなのでそれはマイナス要素には当たらず。何より安定した演奏力と、ハイトーンVo+低音Voというタイプの異なるツインVoを存分に生かした楽曲はいずれもクオリティが高く、最後までしっかり聴かせきる内容に仕上がっています。田中昌之の、マーク・ボールズもかくやという絡みつくような納豆ハイトーンが炸裂する“BREAKING”、前述“WOMAN”とタメを張るHRナンバー“駆引き”等はHR/HMリスナーにもアピールし得る魅力を秘めているんじゃないでしょうか。
HR/HMリスナー向け入門盤としても機能しそうな1枚かも?


クリスタルキング - Moon - Woman ★★★ (2024-05-03 00:10:39)

オルガンのイントロに続いてヘヴィなGリフが刻まれ
田中昌之のパワフルなシャウトが響き渡るという
完全にヘヴィ・メタリックな仕上がりのOPナンバー。


ジョー山中 - Joe ★★★ (2024-08-20 00:14:37)

波乱万丈の生涯を送り、'11年に鬼籍に入られたジョー山中。出演も兼ねて歌った映画『人間の証明』のテーマ曲を大ヒットさせたシンガーでもある彼が、FLOWER TRAVELLIN’ BAND解散後、’74年にATLANTIC RECORDSから発表した最初のソロ・アルバムが本作となります。
ジョー山中というと、ボブ・マーリーばりのドレッドヘアと、80年代以降のレゲエ・ミュージックへの傾倒の印象が強いのですが、本作に託されているのはFLOWER TRAVELLIN’ BANDの流れを汲むソリッドなHRサウンドであり、レゲエのエッセンスはほぼゼロ。それもその筈、バックを固めるのは、石間秀樹(G)、和田ジョージ(Ds)、篠原信彦(Key)というFLOWER TRAVELLIN’ BAND時代のバンドメイト達。あくまで「歌」を主役として立てつつ要所を引き締める楽器陣の達者な援護射撃を受けて、山中も持ち前の情熱的かつパワフルなハイトーンVoを伸び伸びと披露してくれています。
ブラスをフィーチュアしてファンキーにぶちカマされる①、ストリングスと哀愁を纏った②③、山中のエモーショナルな歌声が絶品のバラード④、一転してベタベタな歌謡ロック・チューンながら聴き慣れるとクセになる⑤…といった具合に、頭から順番に語れるぐらい優れた楽曲が並ぶ本作ですが、何といってもハイライトは⑥。熱を帯びて絞り出される山中の熱唱と石間入魂のGソロにグイグイ涙腺を刺激されまくる名曲ですよ。
個人的にはFLOWER TRAVELLIN’ BANDの諸作よりも聴き返す機会の多い1枚。これほどの名盤が長年ほったらかしで'17年にようやく初CD化なんて遅過ぎますって。


ジョー山中 - Joe - BLUE MORNING ★★★ (2024-08-21 01:05:28)

哀愁に満ちた曲調を、切々と歌い上げるジョー山中のVoと
石間秀樹の泣きのGが盛り上げる名曲。
3分半で終わってしまうのが残念なぐらいです。


ダミアン浜田 - 照魔鏡 ★★ (2008-06-25 21:55:00)

聖飢魔Ⅱの創始者ながら、レコード・デビュー前には既にバンドから脱退済みで、現在は、高校の数学教師という
世を忍ぶ仮の職業に就く、地獄の皇太子ことダミアン浜田殿下が、'96年にひょっこりとリリースしたソロ・アルバム。
デーモン小暮、エース清水、ゾッド星島、ライデン湯沢、ゼノン石川ら、歴代の聖飢魔Ⅱメンバーがゲスト参加している
ことでも話題になった本作(人間椅子の鈴木研一も客演)。自主制作盤ゆえ、サウンド・プロダクションは貧弱だが、
初期聖飢魔Ⅱのメイン・ソングライターとして、“THE END OF CENTURY"“蝋人形の館"“悪魔組曲 作品666番ニ短調"等、
数多くの名曲を生み出してきた彼だけに、本作に収められた、サタニックな雰囲気漂う様式美HMナンバーの数々は、非常にハイクオリティ。
特に、劇的な疾走チューン③や、Keyが良い仕事をしている、怪しくも美しい⑧は、初期 聖飢魔Ⅱの名曲群と比較しても
まったく引けを取らないカッコ良さを誇る。
ただ問題なのは、そうした楽曲を歌う殿下のVoで、上手い下手以前に、余りに素朴なその歌声は、良い意味で「コケ脅し感」満点の
サタニックな楽曲を歌うには不向き過ぎる。(これは、④や⑥で喉を披露している、エース清水やゾッド星島にも言える事だが)
結果的に、⑧で貫禄の歌唱を響かせるデーモン小暮の存在が際立つ仕上がりとなっていて、やはり全編を彼に歌って欲しかったかなぁ、と。
ともあれ、優れたHMアルバムなのは間違いなく、初期聖飢魔Ⅱサウンドを愛する人なら、本作はマスト・バイ。
Say Banzai to His Majesty Damian Hamada!


ダミアン浜田 - 照魔鏡 - 月光 ★★★ (2008-06-25 22:33:56)

怪しくも気品漂う、ドラマティックな様式美HMナンバー。
テンポアップして突入するサビメロの展開が絶品で、
殿下の拙いVoパフォーマンスを差し引いても、
これは三ツ星級の名曲かと。
華麗に楽曲を彩る、Keyの良い仕事っぷりにも注目。


ダミアン浜田 - 照魔鏡 - 灼熱の蜃気楼 ★★ (2008-06-25 22:29:29)

劇的に疾走する様式美HMナンバー。
歌メロが非常に秀逸で、これをデーモン小暮が歌っていたなら、
文句なしで三ツ星級の名曲だったのだが・・・。
ともあれ、優れた曲には違いない。


Александр Ситковецкий(Alexander Sitkovetsky) (2017-09-23 00:18:20)

アレクサンドル・シトコヴェツキーは、'85年に開催されたLIVE AIDにソビエト連邦代表として参加したことで知られるプログレッシブ・ロック・バンド、AUTOGRAPHのギタリスト。当時のVoは後にARIAに加入するアルトゥル・ベルクトで、ポップ色を強めた3rd『TEAR DOWN THE BORDER』('91年)は日本盤も発売された筈。また世界デビューに併せてバンド表記がロシアっぽくAVTOGRAF(アフトーグラフ)に改められたのは、アメリカの同名バンドとの混同を避けるためか。
‘90年にはオール・インストのソロ・アルバム『ZELLO』を発表している。
ちなみに「アレクサンドル・シトコヴェツキー」で検索を掛けると、最初に引っ掛かるのがロシア人の天才バイオリニストの名前なのだが、どうやらご子息の模様。シトコヴェツキー家はロシアじゃ有名な音楽一家らしい。


Александр Ситковецкий(Alexander Sitkovetsky) - Zello ★★ (2017-09-23 00:19:45)

ソビエト連邦の国営レーベル「メロディア」とライセンス契約を交わし、主に共産圏のクラシック、ポップス、ロック、民謡等の輸入盤を日本に紹介してきた「新世界レコード社」をご記憶でしょうか?メタル・マニア的にはソ連のメロハー・バンド、GALAXY(ガラクチカ)のアルバム――帯付中古盤は今じゃ5桁の値が付く超レア盤――リリースを手掛けたことで知られる同レーベルから発売され、我が家のCD棚に鎮座まします作品の一つが、アレクサンドル・シトコヴェツキー、’91年発表のこのソロ作。パッと見はほぼクラシック作品(実際古本屋のクラシックコーナーにて500円で売られていた)。というか「そもそも誰だよ?」ってな話でしょうが、帯に書かれた《アフトーグラフのリーダー》表記に「それって日本盤も出てたソ連のプログレ・バンドか」と興味を引かれて、購入に至った次第。
’91年頃といえば、欧米じゃ速弾きブームはすっかり下火となり、新たな方向性を模索するギタリスト達は生き残りを賭けて音楽性を拡散させ始めていた時期ですが、鉄のカーテンの向こう側で作られた本作はそうしたシーンの流行り廃りや、ドヤ顔の超絶技巧、トリッキーな楽曲等とはまるで無縁。極々シンプルなギター・インスト物を志向しています。クラシカルな風情漂わす抒情メロディを素直に届けようとする姿勢と、如何にもソ連的な貧…素朴な音質とが相俟って、周回遅れ感を漂わせつつも逆にそこにグッと郷愁を誘われる仕上がりという。Gの腕前も確かで、例えば③における泣きっぷり等はなかなかに強烈ですよ。
随分前に新世界レコードが店仕舞いしてしまったため、今でも入手可能かどうかはよう分かりませんが、もしどこぞで見かけることがあったら是非お手に取って下さいませ。


Ария(ARIA) - Игра с огнём ★★★ (2011-12-26 22:21:17)

'89年にモスクワでミュージック・フェスティバルが開催されたのを契機に、ロシアン・メタルが瞬間風速的に盛り上がった時期がありましたが、GORKY PARKやSHAH、TOVARISCHYといった国内盤がリリースされたバンド以上に深い感銘を受けたのが、このARIAが'89年に発表した4thアルバム。(尤も、ARIAの作品はこれしか聴いた事がないのですが)
舌とコブシ回しまくりの勇壮な歌メロを、後ノリでリズムに追っ付ける歌唱スタイルが独特の味わいのVo、隙あらば聴き手の涙を搾り取ろうと咽び泣く2本のGを中心に展開されるサウンドは、JUDAS PRIESTの“THE HELLION”を思わすイントロに導かれスタートする①と、IRON MAIDENばりのクールなリズム・チェンジ・パートを備えた②という開巻早々の2連発が物語る通り、ド直球の正統派HM路線を邁進。
そこに北欧ヴァイキング・メタルばりの雄々しいドラマティシズムや、聴いているだけでブリザード吹き荒ぶシベリアの永久凍土が目に浮かぶような、猛烈な寒々しさと物悲しさが全編に亘って充満しているのが本作の特色で、VoとGが悲壮に泣きまくる③なんて涙さえも凍りつくような名曲ですよ。
思わず「・・・デモテープ?」と呟きの一つも漏らしたくなる貧乏臭いプロダクションも含めて、まさしくロシアン・メタルの様式美を堪能させてくれる1枚ですね。


Мастер(Master) (2011-12-26 22:24:55)

ARIAのオリジナル・メンバー、アレクサンダー“エリク”グラノフスキー(B)や、ロシアではソロ・アルバムをリリースする等ギター・ヒーローとしての地位を確立しているというアンドリュー・ボルシャコフら、ARIAの1stや2ndアルバムに参加していたメンバー達によって'87年にモスクワにて結成された、ツインG、Key奏者を含む6人編成のパワー/スラッシュ・メタル・バンド。
シカゴのトリオ・デスラッシャーと混同しそうなバンド名ですが、こちらは正確にはMACTEPと綴り(読みは「マスチュール」)、ロシア語では「皇帝」を意味する言葉なのだとか。
無数のメンバー・チェンジを繰り返しながらも、'08年には結成20周年を祝う2枚組ライブ・アルバムを発表する等、ロシア国内では確固たる人気を誇るバンドで90年代に発表された4th『MANIAC PARTY』がPANTERAからの影響を伺わせる内容だったため、それ以降彼らの作品を追いかけるのを中断してしまったのだが、バンドの方は順調に活動を継続し、'10年には8枚目のフル・アルバムもリリース済み。


Мастер(Master) - Talk of the Devil ★★★ (2011-12-30 00:46:11)

ベルギーのスタジオで初の国外レコーディングを行い、英詞での曲作りにもチャレンジ、BLACK SABBATHのカヴァー曲を収録するなど欧米市場を意識して制作され、ソ連邦崩壊目前の'91年にリリースされた3rdアルバム。
ローパジェットのプロダクションに、巻き舌で歌うVoが漂わせる独特の哀愁etc・・・といった共産圏特有のクセやクサみが薄まった本作は、不吉な雰囲気漂うイントロ①を引き裂いてスタートする②から早くも、バキバキにビルドアップされた音像のもとリフ&リズムがマッシヴに刻まれる。これまでメロディアスに歌っていたミカエル・サリチェフもシャウト主体のVoスタイルに変貌を遂げ(てっきりフロントマンが交代したのかと思いましたよ)、より普遍的なスラッシュ・スタイルへの方向転換が図られているのが最大の特徴。
勇壮さと哀愁が同居したロシア語の歌唱と、硬質なスラッシュ・サウンドのミスマッチの旨みが失われてしまったのは残念ですが、勿論、随所に彼ららしさは息衝いており、中でもグレゴリアン聖歌風の厳粛なイントロが付けられた④、本編中最もパワー・メタリックな⑧、それにBLACK SABBATHの“PARANOID”を正統派HMテイストたっぷりにリアレンジした秀逸なカヴァー⑪辺りは、このバンドならではの個性と新味が化学反応を起こした大変素晴しい出来栄え。
「前2作は甘っちょろくて聴けねぇ」という欧米志向のスラッシャーにもお薦めできる、立派に世界レベルのクオリティを誇る1枚。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Fallen Angel ★★★ (2012-01-02 23:04:03)

ロシア正教の大聖堂を想起させる
クラシカル且つ荘厳なイントロから
激走へと転じるスピード・ナンバー。
体育会系の掛け声コーラスに
テンションが上がりますね。
プロダクションの向上に伴い
ブンブン唸るBがクリアに聴こえるように
なった点も○。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Heroes ★★★ (2012-01-02 23:06:49)

イントロの刻みを聴いただけで
「あ、こりゃ名曲だ」と思わせてくれる1曲。
吐き捨て型にタイプ・チェンジしたVoが
この曲ではメロディアスに歌っているので
パワー・メタル・テイストが強く感じられます。
劇的に絡み合う2本のGもカッコイイ。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Paranoid ★★★ (2012-01-02 23:09:02)

BLACK SABBATHの代表曲のカヴァー。
多分、欧米市場を意識して収録したと思われるが、
これが非常にハマッていてナイスな出来栄え。
原曲をテンポアップして正統派HM色を
増強したナイス・アレンジが堪能できます。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Talk of the Devil ★★★ (2012-01-02 22:58:55)

シンフォニックな序曲“INTRO GOLGOTHA”と
セットで楽しみたい高速スラッシュ・ナンバー。
ブルーワーカーでも使ったんかい?というぐらい
前2作にくらべると楽曲がビルドアップされていて、
吐き捨て型Voとリフ&リズムのコンビネーションは
『ARISE』を発表した頃のSEPULTURAを思わせます。


Мастер(Master) - Мастер ★★ (2011-12-27 07:22:05)

初期ARIAのメンバーが「もっとスピーディでアグレッシブなサウンドを追求したい」という欲求のもと結成したバンドの'88年発表のデビュー作。
IRON MAIDENやJUDAS PRIESTら西側バンドからの影響を衒いなくモロ出しにしつつ、刻み目の粗いGリフと畳み掛けるリズムが猛ラッシュを仕掛けてくる疾走曲に関しては、実際「スラッシュ版ARIA」といった趣きが強く感じられるのだが、Voはしっかりとメロディを歌っており、またARIA同様2本のGが豊かに紡ぐメロディが全編を劇的に彩っているため、例えば同郷のスラッシャーSHAH辺りと比べると、もっとずっとメロディアスでパワーメタル寄りの(聴き易い)サウンドがその持ち味。
と言うか本作に関しては「あれもこれも演りたい」という衝動が先走り過ぎて、メロパワ風味のエピック・ソングから、果てはアリーナ・ロック調のアンセムまであったりと(⑥はARIAのカヴァー)、やや焦点が絞り切れていない印象もあり。
それでも、アグレッシブに切り込んで来る①②③の冒頭三連打、そしてラストをシャープに〆る⑨等はこのバンドが秘めたポテンシャルの高さが如実に伝わるカッコイイ出来栄えだし、チャーチ・オルガンの冷厳な音色に導かれて始まるバラード⑤が醸し出す、クラシカルで荘厳な雰囲気なんて「これぞロシアン・メタル!」と思わず膝を打つ素晴しさですよ。


Мастер(Master) - Мастер - Мастер ★★★ (2011-12-27 22:35:50)

「俺達はこんなサウンドが演りてぇンだ!」
というメンバーの宣言でもある、
デビュー作のOPナンバーにしてバンドのテーマ・ソング。
チリチリのGリフにテンション高めのGソロが、
「スタスタ」という2ビートに乗って軽快に突っ走る、
ストレートなスラッシュ・ソングながら
どこか寒々しい雰囲気が伝わってくるのがこのバンドならでは。


Мастер(Master) - Мастер - Руки прочь ★★★ (2011-12-27 22:43:51)

曲名の読み方すら分かりませんが(3曲目です)、
これがどうして、アルバムのハイライト・ナンバーと言っても
過言ではない名曲なのです。
スラッシュと言うよりはパワー・メタル寄りの疾走ナンバーで、
朗々と歌うVo、シベリアの地に降り積もった雪を
踏み締めるようなザクザクとした質感のGリフ、
印象的なラインを刻むBの活躍っぷりがカッコイイっす。


Мастер(Master) - С петлёй на шее ★★★ (2011-12-29 00:37:36)

JUDAS PRIESTやIRON MAIDENといった先達からの影響を咀嚼し、タイト且つソリッドに引き締まった楽曲の数々が小気味良く疾走するサウンドは、正統派HMテイストも色濃かったデビュー作から格段にスラッシュ・メタル色が増強されている'89年発表の2ndアルバム。
一応英語タイトルも付けられてはいるものの、歌詞は相変わらず全編がロシア語で、歌詞カードを埋めるキリル文字はビタ一文読むことが出来ませんが、威勢の良いアグレッシブな音楽性と、巻き舌バリバリの勇壮なロシア語のマッチングは非常に良好で違和感は皆無・・・というか、この取り合わせの妙こそ彼らの重要な個性である!と断言しておきたい。
軽薄なドラム音(イヤフォンを通すと《ぽよ~ん》《ぽよ~ん》というマヌケな残響音が聴こえる)を筆頭に、貧相なサウンド・プロダクションは「嗚呼、ソ連製・・・」ってなもんですが、そうした弱点を差し引いても、冷気を孕んで冒頭からラストまでスピーディに畳み掛けて来る硬質な収録曲のカッコ良さにはテンションが上がるというもの。中でも、東欧バンド独特の哀愁を隠し味に、ファンファーレ調の導入部から激烈な疾走へと転じる⑤はMASTER屈指の名曲の一つ。
次作以降は、よりグローバルなサウンドへとその音楽性を変化させていく彼らだが、個人的にはこの頃の作風に最も郷愁をそそられるますね。


Мастер(Master) - С петлёй на шее ★★★ (2012-01-02 23:15:41)

東欧系のバンドを探す場合、
YAHOOオークションが便利かもしれないですよ。
そっち系に強いお店が商品を大量出品していて
安価での購入が可能です。

かくいう自分も、MASTERの4th以降のアルバムを
購入しようかどうか思案中なんですよね。


Мастер(Master) - С петлёй на шее - Hе хотим ★★★ (2011-12-30 00:45:33)

チリチリとした音色で刻まれるGリフに
畳み掛けるような疾走感と、
本編が格段にスラッシュ色を増したことを
告げるOPナンバー。
でもVoはちゃんと歌っているし、
ツインGの絡みもメロディックでドラマティック。


Мастер(Master) - С петлёй на шее - Боже, храни нашу злость ★★★ (2011-12-30 00:43:25)

インスト曲“WHEN I'LL DIE・・・”と、
ファンファーレ調のイントロを前置きに
疾走を開始するスピード・ナンバー。
勇ましくもどこか物悲しさが漂う
MASTER独特のパワー/スラッシュ・サウンドの
完成形を提示した名曲。
但しこの曲は特に音が悪い。(特にドラム)


下山 武徳 - The Power of Redemption ★★★ (2020-07-13 23:53:49)

'19年にアコースティック・ソロ『WAY OF LIFE』をリリースしたばかりのSABER TIGERの下山武徳が、今度はストレートなHMサウンドを追求した新作ソロ・アルバムを矢継ぎ早にリリース。但し、作曲までがっつり関わっていた『WAY~』に対し、本作では山本恭司(G)、山下正良(B)、横関敦(G)、本間大嗣(Ds)、島紀史(G)、SYU(G)ら、手練れのミュージシャン達をバックに起用し、シンガーとして楽曲を「歌う」ことに専念。例えるならばFRONITERS RECORDS方式(?)のソロ・アルバムに仕上がっています。
そうした作りに文句があるかと言えば、滅相もございません。尋常ならざる熱量迸る下山のパワフルな歌声の素晴らしさは言うに及ばず、収録曲はいずれも流石の完成度の高さ。中でもYUHKIが作曲しSYUがGを弾く「GALNERYUS with 下山武徳」の趣き漂う華麗なる疾走ナンバー①、EARTHSHAKAERの石原慎一郎のペンによるヘヴィでメロディアスな③、横関のGとYUHKIのピアノがドラマティックな曲調に華を添える⑤、タメの効いた盛り上がりっぷりが中村達也(BLINDMAN)らしい⑦、そして山本恭司との競演ゆえか、どことなく下山のディストーション・ボイスが人見元基っぽく聴こえる劇的な泣きの逸品⑨等は、参加メンバーそれぞれの持ち味がバチバチと化学反応を起こした、特に印象深い出来栄えを誇っています。ネオクラシカルな疾走ナンバーもあったりするのですが、そっち系は野太い声質のこの人にはハマらなかったなぁと。十分良い曲なんですけどね。
予算や時間的にかなり制限があったそうなので、本作が売れまくって、今後第2弾、第3弾…と実現していくことを切に期待する次第。


下山 武徳 - The Power of Redemption - Whisper in the Dark ★★★ (2020-07-14 23:45:07)

山本恭司作曲。イントロからGが咽び泣き、下山も情感たっぷりに歌い上げて
アルバムのフィナーレを劇的に飾るバラードの逸品。
バックを支える山本、山下昌良、本間大嗣という、ある意味ドリームチーム的
顔触れの演奏も文句なし。だんだん下山のVoが人見元基っぽく聴こえてきますよ。


加瀬竜哉 (2012-03-04 20:27:00)

加瀬さん、お亡くなりになられたようですね・・・。
『SISTER LEESA』は大好きな作品だったので、
もっとソロ・アルバムが聴いてみたかったなぁ。


加瀬竜哉 - Make It Shine Vol.1 - Cecilia ★★ (2008-05-20 00:27:43)

『SISTER LEEASA』の初回盤についてきた
カセット・テープに収録されている、哀愁のHRナンバー。
猛烈な「男泣き」を発散する坂本英三の歌唱が映える名曲で、
オムニバス・アルバム『MAKE IT SHINE VOL.1』でも
聴く事が出来るが、そちらはリミックス音源となっている。
これを書くに当たって、両者の違いを聴き比べてみようと
思ったんだけど、カセット・デッキがとうとう
ぶっ壊れてしまって、それも叶わず・・・。


加瀬竜哉 - Sister Leesa ★★ (2008-04-27 14:13:00)

マルチ・ミュージシャン 加瀬竜哉が、'92年に発表したソロ・アルバム。「インヴォルグのお店」繋がりか、
現ANTHEMの坂本英三が、ゲストVoとして全面参加しているの事が本作の「売り」の1つで、ANIMETAL始動前のこの時期、
タクシーの運ちゃんや、メガネドラック店員の職を転々とする等、セミ・リタイア状態(?)にあった彼の
灼熱の歌声が聴ける作品として、発表当時、個人的にかなり重宝した1枚でもある。
ANTHEM程へヴィ・メタリックな音楽性ではないものの、加瀬が作り出す楽曲の数々は、爽やかなポップ・チューン④、
哀愁を帯びたミディアム・テンポのHRナンバー⑤、ブルージーな⑥、柔和なバラード⑦、よく歌うGをフィーチュアした
ハーフ・インスト・ナンバー⑪・・・と、曲調はバラエティに富み、しかも強力なフックと哀メロ満載で聴き応え十分。
流石に、プロデューサーとしてもキャリアを積んでいる人物だけあって、Gのみが出しゃばり過ぎることなく、
全体のバランスと楽曲最優先の姿勢が貫かれた内容に、自己満足的な色合いは皆無。
坂本も作品のカラーに合わせてか、心持ちリラックスした感じの歌唱を披露していて、一方で、アルバムの幕開けを飾る
バリバリのHMチューン①においては、アグレッシブで雄々しいVoを披露する等、そのメリハリの効いた歌いっぷりは、
間違いなく、彼のキャリアのベスト・ワークの1つと言えるのでは。
ジャパメタ臭の希薄な、洗練された正統派HMアルバムに仕上がっているので、洋楽志向のリスナーにもお薦めできる1枚。
なお初回盤は、Tシャツと、ボーナス音源“CECILIA"を収録したカセット・テープが封入されたBOXセット仕様だった。


加瀬竜哉 - Sister Leesa - Magic ★★ (2008-04-29 22:43:25)

軽快に弾む曲調と、哀愁のメロディが見事にマッチした、
キャッチーなハード・ポップ・ナンバー。
リラックスした歌声を聴かせる坂本英三のVoと、
加瀬竜哉の曲作りの才能、両者の能力の幅広さを
きっちりと証明する名曲。


加瀬竜哉 - Sister Leesa - Rock the Planet ★★★ (2008-04-29 22:53:35)

個人的に、“THE SINNER OF LOVE"と並んで
アルバムのハイライト・チューンだと思っている
ミドル・テンポのHMナンバー。
流麗な加瀬のGプレイの素晴しさも然る事ながら、
やはりこの曲最大の聴き所は、憂いに満ちたメロディを
力強く歌い上げる、坂本英三の胸を焦がすかのような熱唱っぷり。
楽曲自体、ちょっとANTHMっぽい仕上がりのような?


加瀬竜哉 - Sister Leesa - Sister Leesa ★★ (2008-04-29 22:58:08)

加瀬竜哉がオール・インスト・アルバムを作っても、
必ずや傑作をモノにするであろう事を証明する、
本編ラストを締め括るハーフ・インストゥルメンタル・チューン。
坂本英三のVoがなくとも、加瀬のよく歌うGプレイが
しっかりとその不在を補っていて、全く物足りなさを覚えることはない。


加瀬竜哉 - Sister Leesa - The Sinner of Love ★★★ (2008-04-29 22:38:12)

アルバムのOPを飾るに相応しい、スピーディなHMナンバー。
スリリングなG、疾走するリズム、そして何より
雄々しい歌メロを堂々と歌いこなす、坂本英三の
灼熱のVoが素晴しいったらありゃしない。
やはり、この手の曲を歌わせたら、この人の右に出る者なし。
華麗にしてドラマティックなサビメロのカッコ良さも特筆モノで、
まさに、この曲のためだけにアルバムを買う価値がある名曲でしょう。


凱旋MARCH (2011-07-23 23:23:07)

BRAVE BOMBERの作品をCD化して欲しい・・・。


凱旋MARCH - 大行進 ★★★ (2019-03-24 21:35:49)

雑誌等でデモテープが高評価を得ていたにも関わらず、メンバーの脱退が相次ぎ解散を余儀なくされたBRAVE BOMBER。「音を聴いてみたかった…」と残念がってたら、リーダーの齋藤正寿(Vo)を中心に新たに凱旋MARCHとしてリ・スタートを切ってくれました。本作はデビューEP(’98年)に続き、'03年に満を持して発表された1stアルバム。
音楽性は齋藤の野太く男臭いVoを軸に、好戦的且つパワフルに刻まれるリフ&リズム、重厚な地響きコーラスとが火の玉となって突き進む非常にオス度の高いパワー・メタル。昔ならACCEPTや2nd~3rd期のMANOWAR、今だったらエピック・バトル・メタル勢を引き合いに出して語りたくなるスタイルなれど、それを軍歌風味で料理してみせたのが、欧米のバンドとは異なる凱旋MARCHならではの強烈な個性になっています。
勇壮な曲調やメロディから「軍歌メタル」とも評された…と書くと、イデオロギー論争喧しい昨今「右翼バンドなの?」と誤解されそうですが、本作において彼らが歌い上げているのは他者への攻撃等ではなく、ストイックに己を律し聴く者を鼓舞せんとする応援団的姿勢。「軍歌メタル」というカテゴライズに眉を顰める向きには「男塾メタル」としてお薦めする次第。
オッス!オッス!と猛々しく突進するスピード・ナンバー③④⑨、聴いているだけで筋肉が鍛えられるような錯覚を覚える⑤、大仰且つ怒涛の盛り上がりを呈する⑥、あるいはバンドのテーマ曲で10分越えの大作⑩といった闘魂荒ぶる楽曲の数々を前にすると、70分オーバーという胃もたれ起こしそうな収録時間すらも「このやり過ぎ感こそが魅力よ…」とポジティブに評価したくなってしまうのだから不思議です。押忍!


凱旋MARCH - 大行進 - 大行進 ★★★ (2019-03-24 21:46:37)

「むぅ…、この名曲はまさしく凱旋MARCHの“大行進”!」「知っているのか、雷電?!」
と思わず『男塾』風の会話を交わしたくなる、雄々しくマッシヴ、
バンカラ風味の増量されたACCEPTといった趣きで突進するスピード・ナンバー。
随所で炸裂する応援団風コーラスが楽曲を力強く盛り上げてくれています。


梶山章&下山武徳 - Into the Deep ★★ (2008-07-29 22:39:00)

梶山章(G)と下山武徳(Vo)という、日本屈指の実力派ミュージシャン2人がタッグを組んだ、ジャパニーズHMファンには
かなりグッとくるプロジェクトが、'08年に発表した1stアルバム。とは言え、出来上がった作品は
「ジャパメタ」という狭い括りを必要としない、立派に世界水準のクオリティを誇る内容に仕上がっているわけなんだが。
それにしても、劇的なイントロからハードにスタートする①を聴くにつけ、梶山がここまでアグレッシブな楽曲を
手掛けたのって、PRECIOUS以来じゃなかろうか?相変わらず「華」を感じさせるGプレイも冴えまくっているし、
ジョー・リン・ターナーとの一連のコラボ作品や、森川之雄とのGOLDBRICKを楽しみつつも、
「またバリバリにHM寄りのサウンド・スタイルを追求してくんないかなー」等と思っていた身にとっては嬉しい限り。
勿論、まかり間違っても、様式美HMを追求したりしているわけじゃないが、攻撃的でスピーディな②や、リズミックに
飛び跳ねるように疾走する⑨、下山の幅広い表現力を備えた歌声が堪能できる⑩、ミステリアスに刻まれるGリフが
印象的な⑪、そして、憂いを帯びたメロディが駆け抜けていく、本編屈指の名曲の⑫といった楽曲は、
思わず「これよ、これ!」と身を乗り出してしまう、へヴィ・メタル然としたカッコ良さに満ち溢れていて、かなり魅力的。
ここまで完成度が高いと、中盤にもう少しインパクトの強い曲が欲しかったとか、贅沢も言ってみたくなるものの、
ともあれ、本作以降の作品やライブ活動にも、大いに期待の高まる力作に仕上がっていることは確か。
ところで、クレジットが載っていないのだけど、BやDs、Keyは誰がプレイしているのだろうか?


喜屋武マリーWITH MEDUSA - First Live ★★★ (2023-01-30 23:11:51)

「オキナワン・ロックの女王」こと喜屋武マリーが、’81年にマリーWITH MEDUSA名義でCBSソニーから発表した1stアルバム。
デビュー作がいきなりのライブ・アルバムですよ。’81年4月に大阪厚生年金会館で行ったパフォーマンスの模様が収録されていて、「初っ端からライブ盤て…予算がなかったの?」と少々不安に思ったりもしますが、ベトナム戦争下の沖縄で、米兵相手に歌唱力に磨きを掛けていったというマリー姐さんの実力は、ライブという実戦の場だからこそ存分にその真価を発揮してくれています。(レコード会社がそれを狙っていたのかどうかは分かりませんが)
セットリストは日本語詞のオリジナル曲と、レオ・セイヤーの“星影のバラード”、BLONDIEがヒットさせた“夢みる№1”といった洋楽アーティストの楽曲のカヴァー半々で構成。英詞の歌い上げはお手の物といった感じですし(MCも寧ろ英語の方が流暢に聴こえるぐらい)、BADFINGERの哀愁の名バラード③、パット・ベネターのエネルギッシュなHRチューン⑧、アルバムの締め括り役を担う初期HEARTの代表曲⑩といったパンチの効いた名曲の数々を、時に情感込めて切々と、時にパワフルに歌いこなしていく様には、大向こうから「よっ、和製ジャニス・ジョプリン!」との掛け声がかかりそうな、堂々たる貫禄と説得力が漂っています。まぁそうしたカヴァー曲の素晴らしさが際立っている分、オリジナル曲の印象の薄さが悪目立ちしてしまっている点は如何ともし難いのですが…。
ともあれ、これが1stとは思えぬ気迫漲る歌唱に圧倒される1枚であることは間違いありません。再評価の機会の到来とCDの再発を是非に。


喜屋武マリーWITH MEDUSA - I WAS BORN IN OKINAWA ★★★ (2024-10-02 00:13:29)

沖縄出身のシンガー/ソングライターKYAN MARIEこと喜屋武マリーが、MARIE WITH MEDUSA名義で'89年に発表した1stアルバム。(キャリアとしては3作目)
BADFINGERの“WITHOUT YOU”やパット・ベネターの“HEARTBREAKER”、HEARTの“BARRACUDA”といった70年代ロックの名曲をカヴァーしていた渋めのデビュー作『MARIE FIRST LIVE』(’83年)しか聴いたことがなかったのですが、本作では一転してポップな躍動感を増した楽曲をシンセサイザーが派手に彩る、「時はまさに80年代末!」といった趣きのバブリーな歌謡メタル・サウンドが炸裂。同時代のアン・ルイスに通じる音楽性というと伝わり易いでしょうか?(実際彼女が作詞を手掛けている楽曲も収録)
軽薄な音作りや、過剰に鳴らされるシンセ、時代を感じる日本語詞に赤面を誘われる向きもありましょうが、マリー姐さんのパワフルな歌唱と、その歌い回しのカッコ良さもあってか個人的には歌詞の臭みは然程気になりませんでしたね。また作曲とアレンジを中島優貴が手掛けているだけあって収録曲自体は高いクオリティを維持。景気よく疾走する①⑤や、ノリ良くキャッチーな③といった華やかなHRナンバーの数々はもとより、やはりこの人の真骨頂はバラード系の楽曲にこそあり。CHAR提供のソウルフルな④、自身の半生を映画化した『Aサインデイズ』の主題歌でもあった⑦、再録されたBADFINGERの名曲カヴァー⑨における聴き手のエモーションを喚起する熱唱ぶりにゃグッとこないわけがないですよ。
ジョージ紫&マリナーだって再発されたご時世ですから、是非彼女のカタログのリイシューもお願いしたいところであります。


喜屋武マリーWITH MEDUSA - I WAS BORN IN OKINAWA - Okinawa Rute58 ★★★ (2024-10-02 23:07:29)

タイトルは沖縄を走る国道54号にちなむ。喜屋武マリーのパワフルなVoをフィーチュアして
アルバムのOPを威勢よく飾る疾走ナンバーで編曲は中島優貴が担当。
派手に鳴りまくるシンセは言われてみれば確かにそれっぽい。


筋肉少女帯 - The Show Must Go on ★★ (2014-11-22 19:55:32)

ふらっとCD屋に立ち寄ったら、発売されているのが目に入った筋肉少女帯の最新アルバム。「江戸川乱歩全集」等の仕事で知られる柳瀬茂画伯のイラストをジャケットに使用しているのが、如何にもこのバンドらしいチョイスですね。
攻めまくりのピアノ・プレイが、「5人目の正式メンバー」的存在感を放つ三柴理の援護射撃のもと繰り出される、橘高文彦(G)謹製の様式美HMナンバー3曲・・・テクニカルなGリフが印象的な“ゾロ目”、心霊主義をネタに取ったおもろくも切ない“霊媒少女キャリー”、HM版“みつばち”とでも言うべき“恋の蜜蜂飛行”の素晴らしさは今更ここで主張するには及ばず。
今回はそれ以外にも、コミカルに始まったかと思えば、中盤では“FAST AS A SHARK”ばりのゴツいGリフが刻まれる“オーディエンス・イズ・ゴッド”や、ヤケクソ気味に突進する“みんなの歌”、エンディングを賑々しく締め括る“ニルヴァナ”等、本城聡章(G)もアグレッシブな楽曲を提供。全体的にメタル度が高めなのは、ポップな方向に振れてた前作の反動でしょうかね?
ここに更に、中年ロッカーは身につまされるバラード“月に一度の天使(前/後編)”から、大槻ケンヂが特徴的なヘタウマVoで朗々歌い上げるエディット・ピアフの名曲“愛の賛歌”カヴァーまで、バラエティ豊かにしてユニークな楽曲が顔を揃えることで、本編は最後まで集中力を途切れさせません。
HR/HMリスナーにも、かなり取っ付き易く感じられる1枚ではないかと。


筋肉少女帯 - UFOと恋人 ★★ (2011-11-23 21:33:26)

インターネット登場以前、アルバムのヒットには必須だった「タイアップ曲」を多数収録しているせいか、はたまた全体的にコミック・ソング色が強くHR/HMテイストが控えめなせいか、従来作と聴き比べた際、アクや毒が弱く小粒な仕上がりの印象が否めない'93年発表の8thアルバム。
尤も、一捻りも二捻りも加えられた技有りアレンジの数々や、耳を捉えるキャッチーなメロディ、それにアコギ/Keyを効果的に用いたドラマティックな曲展開など、例えそれが盆踊り音頭だろうがGS風ペケペケ・サウンドだろうが、随所に「おっ」と思わせてくれるフックを仕掛けた作曲センスの冴えは相変わらず抜群。
ヘンリー・マンシーニの名曲に日本語詞を付けてカヴァーした“ひまわり”、本城聡章(G)のメロディ・メイカーとしての才能の煌きが感じられる“君よ!俺で変われ!”、憂鬱でドラマティックな“パレードの日、影男を秘かに消せ!”、ロック・バンドの本音をあけすけに歌い上げる“タイアップ”etc・・・と、優れた楽曲を指折り数え挙げていったら「なんだ、本作も秀作なんじゃん」との結論に落ち着いた次第。
そして勿論、メタル者なら橘高文彦(G)作曲の様式美HMナンバー“くるくる少女”と“アンクレット”もお聴き逃しなきよう。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - サーチライト ★★ (2008-09-14 19:42:54)

メロディックなG、豪奢なKey(ピアノ)、個性の塊のようなVoとが
掛け合いを繰り広げながら、終盤へ向かってグイグイと
テンションを高めていく、筋肉少女帯でしか作り得ない大作ナンバー。
妙にポップでキャッチーなテーマ・メロディとは裏腹に、
全体を貫く異様に張り詰めた緊張感が、
10分近くに及ぶ長尺を全く意識させない。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - 機械 ★★★ (2008-09-14 19:33:48)

本城聡章がこれまで手掛けてきた楽曲の中では、この曲が一番好きかも。
静と動の対比の効いた劇的な曲展開、メタリックなGリフの
カッコ良さも然る事ながら、溢れ出るような憂いに満ちた、
大槻ケンヂの歌うメロディがとにかく強力無比。
テクニック的にはとても上手いシンガーとは言えない人だが、
そうした小手先の部分を遥かにブッ千切った、
個性と説得力には凄まじいものがあります。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - 小さな恋のメロディ ★★★ (2008-09-14 19:25:35)

劇的なイントロを聴いただけで一発K.O.。
スピーディな曲調に乗っかる、大槻ケンヂの絶唱が胸を締め付ける、
橘高文彦のペンによるヘヴィ・メタリックなスピード・チューン。
この曲を聴いてつくづく思うのは、大槻ケンヂも歌が上手くなったなぁ
ということ。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - 僕の歌を全て君にやる ★★★ (2008-09-14 19:38:13)

哀感とキャッチーさが程好くブレンドされたメロディが、
軽やかに駆け抜けていく哀愁のハード・ポップ・ナンバー。
橘高文彦の曲作りの上手さが光る名曲で、良い意味でメジャー感漂う、
取っ付き易さがその最大の魅力。


筋肉少女帯 - エリーゼのために ★★ (2008-11-09 20:29:00)

個人的に、初めて購入した筋肉少女帯のアルバムであり、ここに収録された名曲“スラッシュ禅問答"を聴き、
その重厚なGリフ、パワー・メタリックな疾走感、そして劇的な曲展開の余りのカッコ良さにノックアウトされて以来、
「筋肉少女帯って色物バンドかと思ってたけど、違うんだなぁ」と、彼らを見直す切っ掛けともなった'92年発表の7thアルバム。
メロディ無視で畳み掛けてくる、大槻ケンヂの歌うというよりも「朗読する」といった感じの歌唱スタイルや、
HMのみならず、プログレ、パンク、ファンク、ポップスといった様々な音楽からの影響がごった煮された
クセの強い収録曲は、かなり好き嫌いが分かれるものの、随所で発揮されるメロディ・センスの良さ
(特にキャッチーなサビメロ作りの上手さ)と、凝ったアレンジの数々で、不思議と最後まで聴き通せてしまう本作。
中でも、前述の名曲⑦はもとより、中間部のドラマティックな展開が秀逸な猛烈アジテーション・ソングの④や、
橘高文彦のブライアン・メイばりのGプレイと、大槻ケンヂが自殺志願の彼女に捧げる為に書いたというリリカルな歌詞が
胸を打つ感動的なバラード⑧辺りは、HMファンが聴いてもグッとくる要素を備えたナンバーに仕上がっているんじゃないかな、と。
全曲お薦め!とまではいかないまでも、とりあえず④⑦⑧の為だけにでも本作にトライしてみる価値は大いにある・・・と思う。


筋肉少女帯 - エリーゼのために - スラッシュ禅問答 ★★★ (2008-11-09 20:40:41)

スラッシュと言うよりもパワー・メタルといった感じの曲調だが、
重厚なGリフ、怒涛の突進力、ドラマティックな曲展開と、
カッコいいものはカッコいい。
中原中也の「サーカス」を引用した歌詞も印象に残る。


筋肉少女帯 - エリーゼのために - 生きてあげようかな ★★★ (2008-11-09 20:44:51)

ほんわか和み系の曲調に混ぜられた、ひとつまみの哀愁と、
リリカルな歌詞が胸を打つバラード。
橘高文彦のブライアン・メイを彷彿とさせるGプレイも良いねぇ。


筋肉少女帯 - キラキラと輝くもの ★★ (2008-09-14 18:13:00)

牧歌的な曲調の中に、一抹の寂しが忍ぶ小曲①から繋がっていく、猛々しいイントロに一発KOされる、
必殺のスピード・ナンバー②(確か深夜アニメの主題歌にもなっていた筈)、本城聡章がこれまで手掛け来た楽曲の中で
トップクラスのお気に入り、激しくも美しい劇的なハード・ナンバー③、憂いに満ちたポップなメロディが
駆け抜けていく、橘高文彦ならではの魅力に溢れたアルバム表題曲④、メロディックなG、豪奢なKey(ピアノ)、
そして、歌詞も歌メロもまさに「大槻ケンヂ節」としか言いようのない個性的な歌声で畳みかけるVoとが、掛け合いを繰り広げながら
テンションをグイグイ高めていく10分近くに及ぶ大作⑤・・・といった、優れた楽曲がズラリ揃ったアルバム前半の聴き応えが
半端じゃない、漫画家・高橋葉介の手によるカラフルなジャケット・アートワークが目印の、'96年リリースの11thアルバム。
異様にヘヴィ・メタル度が高い前半の反動か、⑥以降は和み系且つクセの強い楽曲が並び
(逆に言えば、より筋肉少女帯らしいのは後半と言えるかもしれんけど)、そのせいか個人的には、本作自体の印象は
筋少のディスコグラフィーの中ではさほど強いものではないのだが、ともあれ、前半に並ぶ名曲群を聴くためだけでも、
購入する価値は大いにある1枚。とは言え廃盤なのか・・・。勿体無いなぁ。


筋肉少女帯 - サーカス団パノラマ島へ帰る ★★ (2011-11-21 20:33:24)

筋肉少女帯ファンにとっては4th、メタル者にとっては橘高文彦(G)が本格的に曲作りに関与し始めた記念すべき最初のアルバム。
祝祭の非現実的な賑々しさと、それが過ぎ去った後に残される一抹の寂寥感を捉えた作風に、コンセプト作よろしく全編にサーカスとピエロ(道化者)のイメージが散らされた本作。凝った装丁が施されたブックレットはまるでメルヘンチックな絵本の如きだが、収録されている楽曲のタイトルは“電波ブギー”に“元祖 高木ブー伝説”etc・・・。
アクの強い独創的な音世界はかなり聴き手を選ぶものの、橘高の流麗なGプレイを得たことでサウンド全体のHM度は急カーブを描いて跳ね上がり(元々HR色は濃いめのバンドでしたが)、取り分け、パワーヒッター太田明の重く豪快なドラミングが映える“23の瞳”や“また、会えたらいいね”、そして中盤にアバンギャルドなジャズ調セクションを挟み込んで突っ走る必殺の様式美ナンバー“詩人オウムの世界”は、HR/HMファンなら思わず「おっ」と身を乗り出すカッコ良さが光る逸品。
ラストに控える“元祖 高木ブー伝説”なんてタイトルからして色物臭さが漂うが、実際に聴いてみると、これが野放図なエネルギーに満ちた演奏や凝ったアレンジ、ドラマティックな曲展開が初期KING CRIMSONを思わせたりもする、バカバカしくもエキセントリックな名曲なのだ。(筋少版“21世紀の精神異常者”か?)