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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 7101-7200

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 7101-7200
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筋肉少女帯 - サンフランシスコ - タチムカウ-狂い咲く人間の証明- ★★★ (2008-11-12 21:48:38)

猛烈アジテーション・ソング。
大槻ケンヂの書いた秀逸な歌詞の素晴しさも然る事ながら、
心中を支配する恐怖心を捻じ伏せて、
精一杯の虚勢を張って戦いを挑む心意気を見事に表現した、
本城聡章のメロディ・センスに乾杯。


筋肉少女帯 - シーズン2 ★★★ (2011-11-26 21:54:45)

吉田仁美版『DESTROYER』(?)といった趣きのイラストがアートワークを飾る、再結成第2弾スタジオ作にして、'09年発表の14thアルバム。
前作『新人』はヘヴィ・メタリックな色合いが強く打ち出された快作でしたが、今回もその傾向は継承されており、橘高文彦(G)のみならず本城聡章(G)や内田雄一郎(B)らも、優れたメロディ・センスはそのままにエッジの効いた楽曲の数々を提供、HR/HMリスナーが聴いても十二分に楽しめる内容に仕上げてくれているのが嬉しい。
個人的には三柴理(Key)の妙なるピアノの調べが存分にフィーチュアされている点もツボで、特に、タイトル通りの哀愁漂わせたメロディがパワー・メタリックに疾走する“ドナドナ”、別プロジェクトでリリースされた名曲のセルフ・リメイク“踊る赤ちゃん人間”、リリカルな歌詞と劇的な曲調が相互に補完し合う“1000年の監視者”、長谷川浩二(Ds)の凄腕ぶりも際立つプログレッシブな“ゴッド・アングル part2”、そしてフィナーレを壮大に締め括る“ツアーファイナル”etc・・・といった楽曲の数々は、大槻ケンヂ(Vo)のエキセントリックなパフォーマンスと楽器陣のハードな演奏が、凛として美しいピアノ・サウンドとハイレベルな融合をみた心震える逸品。
『新人』同様、HR/HMファン向け入門編としてもお薦めできる1枚です。


筋肉少女帯 - ステーシーの美術 ★★ (2008-08-24 21:28:00)

大槻ケンヂ(Vo)のフェバリット・ムービーである『ゾンビ』を題材にとった、切なくも激しい、珠玉の名曲
“再殺部隊"を収録した、'96年発表の10thアルバム。(アルバム・タイトルは「グレーシー柔術」のもじりだとか)
橘高文彦(G)の存在に釣られて筋肉少女帯のアルバムを集めるようになった身ゆえ、どちらかと言えば彼らの作品は
アルバム単位よりも楽曲単位で楽しませて貰う事の方が多いのだが、その中にあっても本作は、↑上で別の方が
仰っておられる通りメロディの充実度がなかなか高く、筋少のアルバムの中でも、かなりお気に入りの1枚だったりする。
名曲中の名曲⑤をハイライトに、超個性的な歌唱法で攻撃的に畳み掛けてくる大槻ケンヂのVoに圧倒される②、
どこかノスタルジックな雰囲気が漂うポップ・チューン③、暗く悲しげな前半から、後半に向けて怒涛の盛り上がりっぷりを
みせる劇的なバラード⑦、内田雄一郎が作曲したとは思えぬ、へヴィ・メタリックな疾走ナンバー⑩・・・と、
聴き応え十分の楽曲が数多く並ぶ。随所に取り入れられ、本編の叙情性を増幅しているストリングスの存在も
非常に効果的だし、ブルース・リーの代表作『ドラゴン 怒りの鉄拳』テーマ曲のカヴァーを、最初と最後に配した構成もナイスです。
(また、シングル曲④には、東京スカオーケストラパラダイスと、作家の綾辻行人が客演している事も付け加えておこう)
とりあえず、様式美HMを愛するメタル・ファンなら、名曲⑤は聴かずに死ねませんぜ。


筋肉少女帯 - ステーシーの美術 - リテイク ★★★ (2008-08-24 22:03:28)

ストリングスをフィーチュアした、ダークでメランコリックな
前半も胸に沁みるが、圧巻は怒涛の盛り上がりっぷりを聴かせる後半。
特に、尋常ならざるテンションで畳み掛けてくる
大槻ケンヂのVoの圧倒的迫力は白眉。


筋肉少女帯 - ステーシーの美術 - 再殺部隊 ★★★ (2008-08-24 22:01:06)

大槻ケンヂの『ゾンビ』愛が伺える1曲。
起承転結が完璧に決まった曲展開、ネオクラシカルなGソロ、
リリカルな歌詞、テクニック的な優劣を遥かにブッちぎって
聴く者を圧倒する大槻ケンヂのVo・・・
個人的には、筋肉少女帯で最も好きなナンバー。


筋肉少女帯 - レティクル座妄想 ★★ (2008-11-23 02:11:00)

サイケなジャケット・アートワークに、HR/HM、パンク、ポップス、プログレ等、様々な音楽ジャンルからの影響が
闇鍋状態の楽曲、そして、希代のストーリーテラー・大槻ケンヂが歌い綴る独創的な歌詞世界・・・と、筋肉少女帯という
バンドの魅力が非常に判り易い形で凝縮された、彼らの代表作として名高い'94年発表の9thアルバム。
収録曲の完成度の高さも然る事ながら、本作の肝はやはり「歌詞」。普段、歌詞なんぞメロディのツマぐらいにしか
思っていない自分ですら、妄想、電波、猟奇、幻想、終末、アングラ、死への憧れ、過剰な自意識が乱れ飛び交う、
ダークでリリカル、かつエキセントリックな歌詞世界には強烈なインパクトを受けざるを得ない。
しかも、そうした猛毒を有した歌詞を、親しみ易いキャッチーなメロディに包んで届けてくれるのだから凶悪極まりない。
こんなんを10代の頃に聴いていたら、確かに人生狂わされてたかもしらんわなー。
特に、思春期を拗らせた文系少年のインナースペースの炎上っぷりを描いた痛過ぎる名曲②、橘高文彦のペンによる様式美HMナンバー⑤、
ドロリとした世界観を、フック満載のメロディで軽やかに歌い上げる⑥、戦犯として処刑された日本兵の遺書を引用した
重厚壮大な⑧、舞踏のリズムに乗って激走する、「ポルカ・メタル」とでも言うべき劇的な⑨といった楽曲は、
唯一無二の歌詞世界とハイクオリティな楽曲とが高い次元で融合を果たした、本編の大きな聴き所ではないかと。
投票数の多さが示す通り、まさに筋肉少女帯入門編にうってつけの1枚。


筋肉少女帯 - レティクル座妄想 - ノゾミのなくならない世界 ★★★ (2008-11-23 02:18:01)

舞踏のリズムで突っ走る、ポルカ・メタルとでも言うべき
スピード・ナンバーの名曲。作曲は勿論、橘高文彦。
大槻ケンヂの実体験を元にした、
ファンの心理を鋭く突いた歌詞も印象に残る。


筋肉少女帯 - レティクル座妄想 - ワダチ ★★ (2008-11-23 02:21:02)

重く、暗く、壮大な70年代型HRナンバー。
戦犯として裁かれ、処刑された日本兵の遺書を引用したという
歌詞が、強いインパクトを残す1曲。


筋肉少女帯 - 筋少の大車輪 - サボテンとバントライン ★★ (2008-11-10 23:12:50)

サボテンと猫だけが友達という、
文系の孤独な少年テロリストの短い生涯を、
壮大かつポジティブな曲調で綴った名曲。
明るさの中から滲み出す、ひと匙の哀愁が胸に沁みます。


筋肉少女帯 - 月光蟲 ★★ (2008-11-10 23:02:00)

後に、再結成アルバム『新人』でリメイクされる事となる名曲“イワンのばか"を収録し、沼田元氣の手による奇怪な
ジャケット・アートワークといい、アングラ臭が濃密に匂ってくる歌詞世界といい、ドロッとネガティヴな雰囲気の漂う楽曲の
数々といい、筋肉少女帯のカタログの中でも、一際、ダークな(と言うか「病んでる」)作風を誇る'90年発表の5thアルバム。
収録楽曲は、やはり正統派HMとはかなり距離を感じさせる捻くれた味わいだし、とてもじゃないが「キャッチー」と言い難い
仕上がりなんだけど、聴けば聴くほど、この奇妙な味わいがクセになってくるのだから不思議だ。
アグレッシブなGリフとリズムが畳み掛けてくる①、シュールな歌詞と、橘高文彦の流麗なGソロが耳を惹く②、
鬱々としたバラード③、孤独な少年テロリストの短い一生を、やたら壮大且つポジティブな曲調で綴った④、
ミステリアスでメロディアスな女性Voとのデュエット・ナンバー⑤といった楽曲が並ぶ、アルバム前半の聴き応えも
然る事ながら、やはり本作のハイライトは⑨。凍てつくロシアの大地を想起させる寒々としたメロディを纏って、
橘高のネオ・クラシカルなGが疾走する様はガッツポーズ物のカッコ良さを誇る。全様式美HMファン必聴の名曲でしょう。
筋肉少女帯の作品の中では、ダークであると同時にハードな作風ゆえ、HMリスナーにも比較的取っ付き易い内容の1枚と言えるかも。


筋肉少女帯 - 月光蟲 - イワンのばか ★★★ (2008-11-10 23:07:14)

ロシアの凍土を彷彿とさせる、寒々としたメロディが
疾走する様式美HMチューンの名曲。
橘高文彦の流麗且つネオ・クラシカルなGソロに痺れた!
聴いてると、何だか無性にコサックダンスが踊りたくなる1曲。
踊れんけど。


筋肉少女帯 - 公式セルフカバーベスト 4半世紀 ★★★ (2014-05-24 01:10:14)

セルフ・カヴァー盤の類は、余程ドラスティックな編成替えのあったバンドぐらいしか手を出さない方針なのですが、結成25周年を記念して発表された本作は買って正解でした。
無論、リレコ・バージョンがオリジナルを上回るようなことはなく。衝動性や焦燥感といった、若さ故に生み出し得た要素はどうしたって薄まっているのですが、他方、歳月を経たからこそ醸し出せる表現力の深み/ワビサビに関しては、顕著な進化の跡が刻まれています。
アレンジがよりメロディアスに、へヴィ・メタリックにストレッチされている点も好印象を促進する大きな要因で、中でも特筆すべきは、正式メンバー顔負けの仕事っぷりで、唯一無二の大槻ケンヂのVo、構築美に富む橘高文彦のテクニカルなGに次ぐ、「第三の男」として見せ場を攫う三柴理(Key)の存在。新曲①②で披露する流麗な指捌き(尚①でタイコ叩いているのは太田明)、奔流の如き荒れ狂う⑩の速弾き、そして代表曲として知られる④⑨では、オリジナルVerにはない華麗なるソロを展開・・・と、リリカルに、豪快に、楽曲内を縦横無尽に駆け巡る三柴のドラマティックなピアノ演奏は、自分のようなピアノ信者でなくとも胸を打たれること必至かと。
名曲“機械”(語りパートが削られているのは残念)や“再殺部隊”も収録されているので、HR/HMファン向け入門盤としても使える1枚、かも。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 ★★ (2008-11-12 21:32:00)

漫画家・小林源文の代表作の1つ『CAT SHIT ONE』のイラストを用いたジャケット・アートワークが目を惹く、
筋肉少女帯のとりあえずのラスト作となった、'97年発表の12thアルバム。(前作の高橋葉介に
次作の浅田弘幸と、これで漫画家の手によるジャケットが3作続いた事になるわけだ)
美醜の対比が鮮やかなブルータルなOPナンバー①、力強く憂いに満ちたメロディが秀逸な②、水木一郎の猛烈に「引き」の
入ったシャウトが、壮大且つヒロイックな曲調を盛り上げる先行シングル曲⑦、“戦え!何を!?人生を!"ばりの
猛烈アジテーション・ソング⑧、筋肉少女帯のその後の運命を見越していたかのような歌詞が意味深な⑪といった
優れた楽曲を数多く手掛けた、本城聡章(G)のソングライターとしての才能がキラリと光りを放つ本作。
その一方で、出来の良い曲とそうでない曲の差がハッキリと表れてしまっている辺りは、
やはり末期バンド内の雰囲気の悪さが反映されてしまった結果なのかどうか。
ともあれ、本城聡章のメロディ・センスの良さが堪能できる、上記の楽曲の聴くだけでも十分満足感は得られるし、
何より、橘高文彦(G)の手による高速ハードポップの名曲③も収録されているしで、個人的には決して嫌いじゃない1枚。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 - 221b戦記 ★★★ (2008-11-12 21:52:04)

声優の神谷明や宮村優子が参加していることで話題になった
ナンバーながら、やはり主役は水木一郎御大の
猛烈に「引き」の入ったシャウト。
元々ヒロイックでドラマティックな雰囲気を備えた楽曲を
より一層盛り上げてくれています。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 - カーネーション・リインカネーション ★★ (2008-11-12 21:41:15)

ブルータル極まりない曲調の中から浮かび上がってくる、
中盤の叙情的でドラマティックな曲展開が演出する
美醜の対比が鮮やかな印象を残す「最後の聖戦」OPナンバー。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 - 境目のない世界 ★★★ (2008-11-12 21:37:18)

「最後の聖戦」のハイライトを飾る、
橘高文彦印の憂いに満ちた哀メロが疾走する
高速ハード・ポップ。
ハードさとポップさのバランスが絶妙な名曲。


筋肉少女帯 - 新人 ★★ (2008-08-31 17:19:00)

恩讐を乗り越え再結成を果たした筋肉少女帯が、'08年に発表した待望のニュー・アルバム(通算13枚目)。ちなみに、全盛期を支えた
ドラマー・太田明は不参加のため、元DEAD ENDの湊雅史ら、複数の助っ人ミュージシャンを起用して、レコーディングは行われている。
で、肝心の内容の方は、「HR私小説」とも評される大槻ケンヂの唯一無二な歌詞世界と、個性的な歌唱スタイル、
橘高文彦の構築美に溢れたGプレイ、そして一筋縄ではいかない楽曲群と、解散前の作風をしっかりと継承しつつも、今回はかなりHMテイストが
前面に押し出されていて、彼らがここまでメタリックなアルバムを作ったのって、初めて(もしくは『月光蟲』以来)なんじゃなかろうか?
特に、バンドのHM面を一手に担う橘高文彦が、過去最多となる4曲を提供していることが本作の「肝」で、しかもそれが名曲“イワンのバカ"の
リメイク③、哀愁のHRナンバー④、荒々しい曲調と、リリカルなピアノの調べの対比も鮮やかなスピード・チューン⑨、物悲しくも攻撃的な⑪・・・と、
その何れもが、アルバムのハイライト・チューンと言っても過言ではない完成度の高さを示しているのだから、何をか況や。
また、バンドの創作面を支えるもう1人のG・本城聡章も、今回は⑫を筆頭に、メロディックかつアグレッシブな
楽曲を数多く提供。本編のヘヴィ・メタル度数の向上に、大きく貢献している点も見逃せないポイントかと。
ただその分、作風から嘗てのような「クセの強さ」が薄れているため、筋肉少女帯未体験のリスナーに取っ付き易い反面、
コアなファンには、薄味で物足りなく感じられる可能性が無きにしも非ずで、熱心なリスナーであればある程、
賛否がハッキリと分かれているのも、確かに理解できなくもないような。
とは言え、個人的には本作の完成度の高さを断固支持。バンドの最高傑作候補として、多くのメタラーに一聴をお薦めしたい所存であります。


筋肉少女帯 - 新人 - ヘドバン発電所 ★★★ (2008-08-31 19:31:02)

13thアルバム「新人」のハイライトを飾るスピード・ナンバー。
アグレッシブな曲調と、リリカルに閃くピアノの調べの対比が、
楽曲の劇的さを一層引き立てています。
あと、『レティクル座妄想』収録の名曲“ノゾミのなくならない世界"の
テーマ・メロディが、ところどころで引用されているのも印象に残る。


筋肉少女帯 - 断罪!断罪!また断罪!! ★★ (2011-11-23 00:23:11)

昭和特撮風味漂う実写版「オロカメン」(ジョージ秋山!)のジャケット・アートワークと、押しの強いアルバム・タイトルが強烈なインパクトを放つ'91年リリースの6th。
全6曲収録(6枚目だから?)というEPクラスの控えめなボリュームに反して、聴き終えた後には十二分な満腹感に浸れる高カロリー仕様な本作は、中毒性の高いサビメロが一種トランス状態を引き起こす代表曲“踊るダメ人間”を手始めに、朗らかに狂っている(太田明の小気味良いパーカッションも秀逸な)“猫のおなかはバラでいっぱい”、そこから間を置かずに繋がっていく展開が非常にドラマティックで効果的な、橘高文彦(G)のペンによる劇的な疾走ナンバー“パブロフの犬”、そして、決して上手くはないがそれ以上のサムシングを備えた大槻ケンヂの絶唱と、仄暗く澱んだ感傷的な旋律が猛烈に感情に訴えかけて来るスロー・ナンバー“どこへでも行ける切手”(アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の元ネタの一つってのは良く知られた話)等、一騎当千の優れた楽曲がズラリ集う。
尤も、ノーマルなHR/HMアルバムを期待して手を出すと思わずCDを叩き割りたくなるであろう、アクの強い作風は毎度変わらずですが。


筋肉少女帯 - 蔦からまるQの惑星 ★★ (2011-11-28 20:08:52)

ヘヴィ・メタリックな作風のアルバムが連続した反動なのか、一転してコミック・バンド的な味わいが強く打ち出されている(ような気がする)'10年発表の15th。別に筋肉少女帯にストレートなHR/HMサウンドは求めていないので、アグレッシブな内容じゃなかったからと言ってガッカリすることはないのだが、今回はこれといった強力なキメ曲が本編に見当たらず、また全体的にメロ
ディも弱いかな?と(特に本編後半)。
そういう意味では7th『UFOと恋人』辺りとの共通点を感じたりもする1枚なのだが、『UFO~』がよくよく聴けば個々の楽曲自体は良く出来ていたのと同様、本作もまた、Key奏者(というよりピアニスト)三柴理の華麗なる指捌きが炸裂する“家なき子と打点王”や、中世風のお城が建ちそうな程の構築美に溢れた“爆殺少女人形舞1号”(いずれも作曲は橘高文彦)等、ドラマティックな名曲の存在が確認できるし、あと今作は作詞面の充実振りが特筆モノ。
きっとバンドの実体験に違いない『スパイナル・タップ』的な泣き笑いナンバー“アウェー イン ザ ライフ”、読み切り少女漫画として通用しそうな“あのコは夏フェス焼け”、流転するこの世の中で、あの日2人で見た夕暮れ時の海の美しさだけは永遠だった・・・ってな甘酸っぱい歌詞に赤面&胸キュン(笑)な“若い子とドライブ~80'sから来た恋人~”は、歌詞カードを読んでいるだけで十二分に楽しめてしまう、稀代のソング・ライター、大槻ケンヂの筆致が冴え渡る秀作。
評価は割れそうだが、しっかりと個性が主張された作品であることは確か。


金谷幸久 - Cry for the Moon ★★★ (2015-04-17 22:42:19)

金谷幸久(G)が『EAU ROUGE』以来、実に20年振りに発表した2ndソロ・アルバム。
名曲“AWARENESS OF ONENESS”収録の前作はなかなかの力作でしたが、シンガーにX-RAY~EBONY EYESの藤本朗、Key奏者に元TERRA ROSAの岡垣正志を招いてレコーディングされている今作もまた、「昭和」の薫りがツーンと鼻腔を突く関西風様式美HMサウンドが徹底されており(何せ収録曲の半数近くがEBONY EYESの楽曲のリメイクだ)、クオリティ面でも一歩も引けを取らない出来栄え。
歌謡曲的な歌詞世界、コブシを効かせたシンガーの歌い回し、そしてGとKeyのテクニカル且つコテコテな掛け合いまで、昨今の垢抜けたJ-METAL的洗練とは一切無縁の脂っこい作風は、人によっちゃ胃もたれ起こす危険性ありありですが、個人的には行きつけのラーメン屋レベルでしっくり来る味わい。
今となってはこうした音をクリエイト出来るミュージシャンの方が少数派ですし、痒いところに手の届くクッサクサな歌メロに悶絶させられる和製様式美メタルの真骨頂というべき疾走曲①③(全く衰えを感じさせない藤本の歌いっぷりにも感動)を聴くにつけ、「絶滅してしまう前に一刻も早くこの音を無形文化財に指定して保護すべきっすよ!」と、ワンカップ片手にクダ巻きたくなる1枚。


金谷幸久 - Cry for the Moon - Dirty But So Beautiful ★★★ (2015-04-19 00:50:21)

イントロで溜めを作ってから疾走を開始する
劇的な曲展開、コブシが回る歌メロ、GとKeyの
ドラマティックなコンビネーションetc・・・と、
和製様式美メタルの醍醐味が詰まった本編ハイライト。
悶絶モノの歌メロを堂々歌い上げる
藤本朗の衰え知らずの歌唱力にも脱帽です。


金谷幸久 - Cry for the Moon - Happy Wedding ★★★ (2015-04-19 00:44:00)

前曲のインスト・ナンバー“LOVE AND HATE”のエンディングを
ぐぅ~と引っ張ってから、ドカンと炸裂するイントロの
ドラム・パターンが“KILL THE KING”風で笑顔になってしまう
虹色疾走曲。


金谷幸久 - EAU ROUGE ★★ (2008-12-20 11:19:00)

元EBONY EYESの様式美HMギタリスト、金谷幸久が'95年に発表した1stソロ・アルバム。
当時はEBONY EYESの事も、彼がどんなミュージシャンなのかも知らずに、帯に書かれた「紫の神々が失ってしまった
熱き虹色の輝きを継承するメロディカル・ギタリスト」なる大仰なキャッチコピーと、元TERRA ROSAの赤尾和重(Vo)に
岡垣正志(Key)、元WOLFの黒木政彦(G)&堀江睦男(Ds)、そしてマルチ・ミュージシャンの加瀬竜哉(B)といった、
豪華なゲスト勢の顔触れに釣られて本作を購入したのだが、これが正解。テクのひけらかしに終わらない、
しっかりと構築された叙情フレーズを丁寧に奏でる金谷のGプレイを中心に、まさにこの面子が奏でるに相応しい、
コテコテのジャパニーズ・・・というか関西風様式美HMサウンドが、頭から尻までギュッと詰め込まれた1枚であった。
赤尾が歌い、岡垣がKeyを弾いているという事で、非常にTERRA ROSA度が高い内容ながら、↑上で失恋船長さんが
指摘されている通り、赤尾のVoがイマイチ精彩を欠くため(テンションが低いのは、雇われ仕事だからなのか、声が衰えたのか)
歌入りのナンバーよりも、劇的に疾走する③、しっとりとアコギが爪弾かれる序曲⑥から繋がっていく、
10分近くに及ぶドラマティカルな大作⑦、情感豊かに紡ぎ出される哀メロが胸を締め付けるラス曲⑩といった
インスト・ナンバーの方が、より魅力的に聴こえてしまうのが何とも勿体無い。
とは言え、彼女の歌の上手さは相変わらずだし、何より本作は、赤尾のパワフルなVo、金谷と黒木のスリリングな
ツインGの絡み、流麗なKey、そしてタイトなリズム隊とが激しく火花を散らして疾走する⑨の存在に尽きます。
個人的には、本作の魅力を凝縮したかの如きこの名曲が聴けただけで、アルバム購入代金の元は取れたというもの。


金谷幸久 - EAU ROUGE - A WARENESS OF ONENESS ★★★ (2008-12-20 11:22:22)

アルバムのハイライトを飾るスピード・ナンバー。
この曲のみ、本編の他の曲とはテンションが一段階違う印象を受けますね。
赤尾のVo、金谷と黒木のGも良いけれど、個人的に一番良い仕事を
していると思うのは、流麗なKeyでしょうか。


金谷幸久 - EAU ROUGE - HERE'S THE TIME(BLOOD TYPE PURPLE!!) ★★★ (2008-12-20 11:28:49)

タイトルからしてニヤけてしまう、ドラマティックなインスト・ナンバー。
10分近くに及ぶ長尺を飽きさせない、起承転結がきっちり決まった
曲展開と、メロディアスに「歌う」金谷のGプレイが素晴しい。
岡垣のKeyのサポート振りもナイス。


金谷幸久 - EAU ROUGE - SUNSET'95 ★★★ (2008-12-20 11:35:33)

EBONY EYES時代の名曲をセルフ・リメイク。
「ネオ・クラシカル」とは異なる、良い意味でアナログな
フィーリングを湛えたクラシカルなインスト・ナンバー。
泣きまくる金谷のGに星三つを進呈。


五人一首 - 死人贊歌 ★★★ (2021-06-22 01:18:55)

前作『内視鏡の世界』リリースから10年以上音沙汰がなく、てっきり解散したじゃないかと思っていた五人一首が’20年に発表した、バンドの健在をアピールする3rdアルバム。
例えブランクが空こうとも、しかと見据えられた方向性にブレはなく、鼓膜を引っ掻くように刻まれるVOIVOD辺りを彷彿とさせるGリフに、大作主義の下、技巧を凝らして万華鏡の如く綴られる複雑怪奇な曲展開、その上で炸裂するグロウルとクリーンなトーンによる歌い上げをアングラ演劇の主演女優みたいなテンションで行き来する、思わず「女・大槻ケンヂ」と呼びたくなる個性的なVoとが目まぐるしく交錯する、例えるなら初期筋肉少女帯と人間椅子を足して2で割ってプログレ・メタルのエッセンスを振りかけたようなサウンドは、相変わらず独特極まる音世界を構築しています。
あと、個人的に彼らの作品を購入する最大の動機となったのが、時にリード楽器の役割も果たす勢いで大々的にフィーチュアされているピアノの存在でして。楽曲の耽美性、抒情性を増幅するだけに留まらず、美しさの裏側に潜む狂気や禍々しさも炙り出さんとするその雄弁な活躍ぶりに痺れますよ。特にOPナンバー①は、魔空空間に引きずり込まれた宇宙刑事の気持が追体験できるような(?)このバンド独自の混沌たる個性が濃厚に渦巻く名曲です。
もうちょいキャッチーな部分が出てくると尚良いんじゃないかと思う反面、聴き込みを擁するこの重層さは十分魅力足り得ているので、変にキャッチーにすると折角の個性が薄らいでしまう気もするしなぁ、と。何はともあれ、待ち続けたファンの高まりきった期待にきっちり応える力作であることは間違いない1枚です。


五人一首 - 死人贊歌 - そして無に帰す ★★★ (2021-06-22 23:56:34)

心を打つ儚げな美しさから、神経を逆撫でるような混沌まで
さながら万華鏡の如く1曲の中で様々に曲想が移り変わっていく
アルバムの魅力を集約したかの如きOPナンバー。
各メンバーの多重人格的なパフォーマンスもそうした雰囲気を
的確に盛り立ててくれていますよ。


高浜裕輔 ★★ (2008-01-20 16:16:00)

数々のセッションや、FOR COLLECTION等のバンド活動を経て
梶山章率いる様式美HMバンドPRECIOUSに加入したキーボーディストで、
メンバーの脱退などでPRECIOUSの活動が休止した'91年に
DANCERの藤本泰司(G)、MARINOの大谷レイヴン(G)、ANTHEMの坂本英三(Vo)、
WOLFの松本龍以(Vo)ら、豪華ゲスト・ミュージシャンを迎えて、
ソロ・アルバム『PROTOTYPE』を発表している。現在は何をやってるんでしょうかね?
尚、『PROTOTYPE』は1度廃盤になった後、'94年に藤本泰司人気を当て込んで
日本クラウンから再発されたが(ジャケットが酷い)、現在はそちらも廃盤の様子。
高品質なヘヴィ・メタル・アルバムなので、何とか復刻して欲しいところなのだが・・・。


高浜裕輔 - PROTOTYPE ★★ (2008-01-20 15:36:00)

梶山章率いる様式美HMバンド、PRECIOUSのキーボーディストだった高浜裕輔が、藤本泰司(G)、大谷レイヴン(G)、
坂本英三(Vo)、松本龍以(Vo)ら豪華ゲスト・ミュージシャン陣を迎えて制作、'91年に発表したソロ・アルバム。
ソロといっても、超絶技巧が炸裂するテクニカルなインスト物ではなく、アンサンブルを重視した楽曲志向の作風で、
全曲、高浜が作曲を手掛けたメロディックな正統派ジャパメタ・チューンの数々は、聴き応え十分。
楽曲の基盤を支える、高浜の華麗なKeyワークも然る事ながら、きっちりと自身の個性を活かした仕事っぷりを聴かせる
ゲスト・ミュージシャン達の良い仕事っぷりが特筆モノで、アルバムに全面的に参加し、①のソロを筆頭に
期待通りの緩急自在のGワークを披露している藤本や、本編随一の名曲と言うべきスピーディなHMナンバー⑫で、
スリリングなGプレイを披露する大谷レイヴンも素晴しいが、中でも光っているのは、元WOLFの松本龍以。
やはりこの人は歌がメチャウマ。あと、松本のVoをWOLF以外で聴く事が出来るのは本作だけ(だよね?)というのもポイントかと。
しかも、劇的極まりないなアルバムOPナンバー①、アップテンポのメロディック・ロック・チューン③、
Keyリフのカッコ良さがガッツポーズ物の疾走曲⑩と、彼が歌っている楽曲のクオリティ自体も
文句なく高いのだから、何をか況や。(対照的に、坂本英三のVoは艶に乏しく精彩を欠く)
PRECIOUS、DANCER、MARINO、ANTHEM、WOLFといったバンドのファンにもお薦めできる1枚。
それにしても、酷過ぎる再発盤のジャケはもう少しどうにかならんかったのか・・・。


高浜裕輔 - PROTOTYPE - AMOUR ★★★ (2008-01-20 15:44:07)

序曲“CUSTOMARY"から繋がっていく、アルバムのOPナンバー。
力強い曲調の上に乗る、確かな歌唱力でもって
憂いを帯びた歌メロを歌う松本龍以のVoと、
藤本泰司の緩急を備えた劇的極まりないGソロが
とにかく絶品。


高浜裕輔 - PROTOTYPE - FIRE AWAY ★★★ (2008-01-20 15:54:20)

イントロ代わりのインスト曲“NIGHTMARE"を経て、
冒頭のKeyリフがスタートした瞬間にガッチリと掴まれる
スピーディな様式美HMチューンの名曲。
松本龍以の雄々しい歌唱、藤本泰司のメロディアスなG、
楽曲を華麗に彩る高浜裕輔のKey、起承転結を備えた曲展開と
いずれの要素も非常に素晴しい。


高浜裕輔 - PROTOTYPE - STRAY DOG ★★★ (2008-01-20 16:06:44)

アルバムのラストを締める、スピーディな様式美HMナンバー。
華麗に楽曲を彩る高浜裕輔のKeyワーク、女性Vo吉越由美の
力強い歌声も絶品だが、それ以上の存在感を放つのが
グイグイと胸を締め付けるメロディを連発して、
時にVo以上に雄弁に「歌う」大谷レイヴンのG。
個人的にはこの曲が、アルバムで一番好きかな。


三原順子 - VERSUS ★★ (2024-04-01 23:45:10)

現在は芸能界から紆余曲折を経て政界へと転身を遂げている現自民党参議院議員の三原順子(当時は「三原じゅん子」)が、'85年に発表した9枚目のソロ・アルバム。
ロングヒットとなった“だって・フォーリンラブ・突然”を代表曲とするそれまでの歌謡アイドル路線から、10th『SO DEEP』(’85年)で突如HR/HM路線へと大きく舵を切ることとなる彼女ですが、その一歩手前で、北島健二(G)や松原正樹(G)を手始めに、デレク・ジャクソン(B)、村上秀一(Ds)、難波弘之(Key)ら、手練れのセッション・ミュージシャン達を多数起用してレコーディングが行われている本作は、次作への布石となるようなイキの良いHRナンバーあり、キャッチーなハードポップあり、気怠げな昭和ブルースあり…といった具合に、様々なタイプの楽曲が混在する「ザ・過渡期」な仕上がり。(フィル・スペクターとTHE RONETTSの代表曲“BE MY BABY”のカヴァーも収録)
とはいえ、歌手デビューから僅か5年の間に9枚ものアルバムを制作するという馬車馬の如き鬼スケジュールをこなして鍛え上げられただけあって、それらを堂々歌い上げる三原のVoにはシンガー一本でも十分食っていけるだけの説得力が宿っています。特に北島健二が切れ味鋭いGプレイのみならず曲作りでも貢献するOPナンバー“切り裂かれたウェディング・ドレス”や、織田哲郎提供のストリート・ロックンロール“BITCH YOUR TONITE”、ポップに弾む“TAKE OFF”、歌謡バラード“悲しみのマグネット”等におけるパフォーマンスは、後のHR/HM期より伸び伸び歌っているようで魅力的に感じられるぐらいですよ。
JUNKOのメタル期が楽しめるのであれば、本作まで手を伸ばすのも全然ありな1枚。


三原順子 - VERSUS - 切り裂かれたウェディング・ドレス ★★★ (2024-04-03 00:21:43)

北島健二がGプレイと作曲で関与。アルバム自体は過渡期の色合いを
残した仕上がりながら、このHRナンバーに関しては次作『SO DEEP』の
試し撃ちのようなカッコ良さを誇っています。
三原じゅん子もツッパリVoで楽曲を盛り上げてくれていますよ。


山本恭司 - ELECTRIC CINEMA ★★★ (2021-08-18 23:39:37)

日本HR/HM界の至宝、山本恭司(G)が渡英してレコーディングを行い、'82年に発表した2枚目のソロ・アルバム。驚くべきはBOW WOW名義での最終作となった8th『WARNING FROM STARDUST』とほぼ同時進行で制作が進められていたことで、僅か1か月足らずの内にこんだけハイクオリティなアルバムを2枚も仕上げているのですから、当時の山本の創作意欲はどんだけ神懸っていたのかと。
バックを固めるのはシングル1枚を残して消滅した幻のNWOBHMバンドLAST FLIGHTのメンバー。正直「そんなよう知らん連中起用して大丈夫?」と不安を感じなくもなかったのですが、実際に聴いてみるとこれが確かな歌唱力を有するVo(後にALASKAに参加するロバート・ホーソーン)といい、多彩な演奏の引き出しを持つKey(ゲイリー・ムーアとの活動で知られるトミー・アイアー)といい、実に堂々たるパフォーマンスで山本をバックアップ。特に親交を深めたトミーの才能に感服した山本がわざわざ彼のためにインスト曲“SATURN”を書き下ろした…というエピソードからも、メンバーの実力の程が窺い知れるのではないでしょうか。
仄かにプログレ・ハードの匂いも感じられるOPナンバー①、濃厚に泣き倒すドラマティックなバラード④、一転してポップ&キャッチーに弾む⑥、ヴァンゲリス風味漂うスペーシーな⑧辺りは、このコラボレーションが生み出した最良の結果が刻まれたアルバムのハイライト。この組み合わせであと2、3枚はアルバムを聴いてみたかった。
本作リリースから間もなく、BOW WOWはVOW WOWと名を変えることとなりますが、音楽的にはちょうどBとVの架け橋的な仕上がりと相成った1枚です。


山本恭司 - ELECTRIC CINEMA - JUST CAN'T TAKE IT ★★★ (2021-08-20 00:53:24)

K溌剌とはじけるロック・チューン。
山本自身がアルバム『ELECTRIC CINEMA』について
「音楽的な転機となった作品」と語っている通り
後のVOW WOW時代へと繋がっていく要素も感じられる
Keyを活かしたキャッチーな仕上がりです。


山本恭司 - GUITAR MAN ★★★ (2020-07-16 00:37:18)

レコード会社主導で歌謡ロック路線へと舵を切ったBOW WOWが、’80年に発表した問題作『GLORIOUS ROAD』と、タモリ倶楽部のソラミミスト、安斎肇がジャケット・デザインを手掛けている’81年発表の『HARD DOG』、永井豪原作の特撮人形劇(人呼んでスーパー・マリオラマ)『Xボンバー』のサウンドトラックとして制作された'82年発表の『組曲Xボンバー』、ままならぬバンド活動で溜め込んだストレスを発散するような快作に仕上がったソロ『HORIZON』(’80年)という4枚の作品から、ギター教材用に編集・選曲されている、山本恭司(G)の80年代初頭の波乱万丈な歩みを振り返るのに重宝するベスト盤。
こちとらオリジナル・アルバムは一通り揃えていますし、いくら収録曲が山本自身の手によってリマスタリングされていると言っても、「やはりベスト盤の購入はスルーの方向でひとつ」…とか思いながら収録曲目をチラ見してビックリ。なんとTVドラマ『新ハングマン』の主題歌であり、シングルとして'83年にリリースされるも、長らくアルバムには未収録だった名曲“絆 FOREVER”が収録されているではありませんか!前言撤回。この壮絶な泣きのバラードをもう一度聴けるというだけで、ファンなら本作を購入する価値が大いにあるというものですよ。
その“絆~”以外にしても、『HORIZON』収録曲がカッコイイのは勿論のこと、歌謡ロック時代のBOW WOWもこうして聴くと十分良い曲を書いてくれていたことが分かりますし、『Xボンバー』の軽快な主題歌“SOLDIER IN THE SPACE”にも心躍るもの有り。単なる企画盤とは決して侮れない1枚です。


山本恭司 - GUITAR MAN - 絆 FOREVER ★★★ (2020-07-16 23:52:27)

シングルのみで発表され、アルバムには長らく未収録だった
(既にマスターテープは失われており、再録には相当な苦労があった模様)
幻の名曲にして、歌もギターも泣きまくる慟哭のバラード。
子供の時分、TVドラマ「新ハングマン」のEDから流れてくるの聴いて
「良い曲だ」とは思っとりましたが、当時は特に演奏しているバンドの
ことまでは意識してなかったので、あとでBOW WOWの曲だと知った時は
結構な驚きでしたよ。


紫 - IMPACT ★★★ (2021-09-23 01:19:48)

ジョン・ロード愛迸るハモンド・オルガン、リッチー・ブラックモア風のギター(但しこちらはツインG編成)、イアン・ペイスばりにスウィングするドラム…「日本のDEEP PURPLE」と評され、70年代オキナワンロックの盛り上がりを語る上で欠かすことの出来ない重要バンド、ジョージ紫率いる「紫」が’76年に発表した2ndアルバム。
アメリカ軍キャンプにて米兵相手に実戦経験を積んだ本格派ゆえ、紫の名を不本意な意味で有名にしてしまった城間正男の罪状はともかく実力は間違いない骨太なVoを始め、メンバーの鍛え上げられたパフォーマンスと研ぎ澄まされたテクニックに「部屋に篭って勉強しました」的な線の細さや借り物感は皆無。DEEP PURPLE型HR路線を1stアルバム同様に疾走しつつ、今作は日本のバンドらしい木目の細かいアレンジ/沖縄のバンドならではのメロディ・センスといった独自性をトッピングすることで、前作以上によりハッキリと自身のアイデンティティーを主張した仕上がりとなっています。
緊迫感とキャッチネスを同居させたOPナンバー①や、GとKeyがスリリングに火花を散らしながら駆け抜けていく④、そして何より6分という長尺の中に、プログレッシブ・ロックからの影響も伺わせる変幻自在でドラマティックな曲展開、奔放に繰り広げられる楽器陣の掛け合い、更に沖縄民謡“なんだ浜”のメロディまでブチ込んだ⑤は、沖縄の青い空と澄んだ海が脳裏に広がるような、彼らの神髄がスパークする唯一無二の名曲ですよ。
上り調子の勢い漲る作品だっただけに、これを最後に突如解散してしまったことが惜しまれます。(後に再結成してくれたとはいえ)


寺田恵子 (2013-02-22 22:02:15)

SHOW-YAのフロント・ウーマン。'91年に同バンドから脱退後はソロ・アーティストへと転身し、ヒット作『BODY & SOUL』を手始めに、'03年までに6枚のアルバムを発表。
LOUDNESSのニ井原実、EARTHSHAKERの西田昌史らと結成した西寺実('08年)等のサイド・プロジェクトをこなしつつ、現在は'05年に再結成を果たしたSHOW-YAで絶賛活動中。


寺田恵子 - 悪い夢 ★★★ (2013-02-22 22:04:08)

寺田恵子(Vo)が、カルメン・マキにリスペクトを捧げた'94年発表のカヴァー・アルバム。(SHOW-YA時代に“私は嵐”とか演ってましたもんね)
SHOW-YA作品はベスト盤ぐらいしか持っておらず、彼女のソロ作に至ってはまともに聴いたことすらなかったので、本作については「どらどら、お手並み拝見」と物凄い上から目線で聴き始めたのですが、これがそうした高飛車な態度をクロスカウンターで粉砕する出来栄え。
カルメン・マキ&OZのドラマティックな楽曲を中心に選り抜かれた選曲はツボをしっかりと押さえている上、岡野はじめ、是永巧一、鈴木亨明らが手掛けたアレンジもオリジナル版を尊重(70年代HR的な泥臭さはだいぶ薄まっていますが)。それに何と言っても、あの難曲“崩壊の前日”すら見事に歌いこなす、寺田恵子嬢の力強い歌いっぷりが本編の白眉!
声域/声量/表現力と、テクニック的に優れているのは勿論のことなのですが、何よりパンチの効いた姐御系の声質がカルメン・マキの楽曲をカヴァーするのに打ってつけ。例え歌が上手くても(声が)優等生タイプだと、ここまでハマらなかったろうからなぁ。
ちなみに、個人的にはアルバム表題曲でもある“悪い夢”が本作のハイライト。アコギを取り入れたアレンジの上手さも然ることながら、この曲のみ5X時代からの選曲で、5Xのアルバムが入手困難だった当時、非常に重宝した記憶が有ります。


寺田恵子 - 悪い夢 - 悪い夢 ★★★ (2013-02-24 22:02:38)

二度の逮捕を経て麻薬禍から抜け出した
カルメン・マキが自身の心情を綴った渾身の一編で
5Xのデビュー作『HUMAN TARGET』収録曲。
基本に忠実でありつつ、オリジナル版にはない
アコギを導入して独自色も主張する好カヴァー。
元々の楽曲の良さと相俟って、寺田嬢がアルバム表題曲に
選出したのも納得のカッコ良さ。


寺田恵子 - 悪い夢 - 崩壊の前日 ★★★ (2013-02-24 21:35:43)

カルメン・マキ&OZの2nd『閉ざされた町』収録曲。
歌いこなすのはかなり難しい楽曲だと思うのですが、
メインの演奏にワンテンポ間を置いて歌メロを
追っ付けていく歌唱法まで見事に再現した
寺田恵子のパフォーマンスに痺れます。
ちなみに、ギタリストとして大谷令文が参加。


柴田直人 (2013-11-11 23:16:01)

言わずと知れたANTHEMの大黒柱。「ANTHEM=この人」といっても決して間違いではありません。
あと柴田直人と言えば、当時せっかく友達が「これ、柴田直人のプロジェクトが手掛けてるらしいよ」と言って貸してくれたのに、ゲーム音楽にあまり興味が持てなかったので碌すっぽ聴きもせずに返してしまったことを今更悔やんでいる『ドラキュラ・バトル』のサントラの再発を是非ともお願い致します。太田カツ(G)も参加してたんでしたっけ。


柴田直人 (2013-11-13 22:35:37)

柴田直人プロジェクトが4枚もリリースされていたとは
全く知りませんでした。やっぱり色んな方向にアンテナを
張ってないと見逃す作品が出てきますねぇ。


柴田直人 - STAND PROUD! Ⅱ ★★★ (2013-11-11 23:18:57)

ANTHEMの柴田直人(B)をフィーチュアした企画アルバム『STAND PROUD!』シリーズ、'97年発表の第二弾。
屍忌蛇が手掛けた第一弾が、主に80年代に生み出されたHR/HM王道の名曲をカヴァーしていたのに対し、もう一世代上の柴田直人はLED ZEPPELIN、DEEP PURPLEの2大巨頭を筆頭に、70年代HRやKING CRIMSON等のプログレ・バンドを中心にカヴァー。統一感はまるでないが、ジャンルに縛られないこの幅広さこそが70年代ロックの奥深さにして醍醐味。前作が自分で作ったお好みテープ感覚で聴くことの出来るアルバムだったとするなら、本作は先輩から貰った音楽の教科書って感じでしょうかね。無論、名曲揃いな上に参加ミュージシャンも豪勢なんで「お勉強しましょう」的な堅苦しさは絶無なんですが。
プロデューサーとしても優れた手腕を揮うお人だけに、本作でも参加ミュージシャンの才能を(技能的にも物理的にも)見事に引き出していて、例えばBAD COMPANYの名曲“READY FOR LOVE”をエモーショナルに歌い上げる下山武徳(SABER TIGER)には、それまで持っていた「暑苦しい声のシンガー」という負のイメージを一変させられましたし、更にトドメは人間国宝・人見元基(Vo)を引っ張り出して、LED ZEPPELINの“貴方を愛しつづけて”を熱唱させていること。ハッキリ言って本作は、この号泣モノのへヴィ・ブルーズを聴くためだけに購入しても損はないと断言したいほどの破壊力。
個人的に『STAND PROUD』シリーズでは本作が一番のお気に入りです。


小田和正 - K.ODA ★★★ (2024-12-03 00:30:38)

オフコース解散後、ソロ・アーティストへと転じた小田和正(Vo)が渡米してレコーディングを行い、'86年に発表した1stアルバム。
それまでオフコース時代の代表曲“さよなら”ぐらいしか知らなかったこの人に興味を持つようになったのは、ご多聞に漏れず“ラブ・ストーリーは突然に”のメガヒットがきっかけ。とはいえソロ・アルバムまで追いかけてみようとは思っていなかったのですが、何となくレンタルCD屋で本作を手に取ってクレジットをチェックしてみれば、編曲にも全面関与するダン・ハフ(G)を筆頭に、ジェフ・ポーカロ(Ds)&デヴィッド・ハンゲイト(B)のTOTO組、後にダン・ハフとGIANTを結成することとなるアラン・パスクァ(Key)ら、西海岸セッション・ミュージシャンの一流どころがバックを固めているじゃありませんか。こら聴かいでか!と。
実際、今も昔も変わらぬ小田の甘くクリアな歌声と、美麗に舞うボーカル・ハーモニー、どこか切なさを誘うメロディに彩られたAOR/シティポップ・サウンドはじっくりと浸れるクオリティの高さを有しており、特にシングル・カットもされた“1985”は、アーバンな哀愁纏った楽曲自体の素晴らしさと参加ミュージシャン勢の的確な仕事ぶりが相俟って、個人的にはアルバム・ハイライト級の感銘を受けた名曲に仕上がっていますよ。
こうなると引き続きダン・ハフが参加している小田の2ndソロ『BETWEEN THE WORD & THE HEART』(’88年)も聴くべきなのかなぁ…とボンヤリ考えているうちに20年以上が経過し、年号や世紀まで変わってしまったという。


小田和正 - K.ODA - 1985 ★★★ (2024-12-03 23:18:14)

都会的な冷ややかさと哀切のメロディの取り合わせが秀逸。
タメを効かせて軽く流さない楽器陣の演奏も、
楽曲を力強く盛り上げてくれています。


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- ★★★ (2011-10-26 22:53:49)

HR/HM史に輝く名曲の数々を、国内ミュージシャン達がカヴァーする人気企画『STAND PROUD!』シリーズ第5弾の主役に起用されたのは、現GALNERYUSの小野正利(Vo)。同シリーズでシンガーがメインに据えられたのって今回が初めてじゃなかろうか?
HR/HMファンなら一度は聴いた事があるであろう有名曲中心の無難な選曲で、アレンジに関してもオリジナル・バージョンを尊重しての完コピが基本ゆえ、ぶっちゃけ「小野正利によるカラオケ大会」的なノリが無きにしも非ずな本作ですが、個人的にはこの人のカラオケなら金払ってでも聴きたいぐらいなので全く問題なしですよ。
特に、“LADY OF WINTER”(CRIMSON GLORY)や“TONIGHT I'MFALLING”(TNT)、“LOVEDRIVE”(SCORPIONS)辺りは「歌えばハマるだろうなぁ」とは思っていましたが、実際、想像以上のハマりっぷりを聴かせてくれて思わず頬が緩む最高の出来栄え。
また、選曲はベタなれど小野のシンガーとしての資質と、楽曲の方向性がガッチリ噛み合っているJOURNEYの“OPEN ARMS”なんかも胸打たれる逸品に仕上がっているのではないかと。
小野正利という名シンガーの実力を存分に堪能できる充実した内容を誇る1枚。次は是非、産業ロック系の楽曲に特化したカヴァー・アルバム(もしくはソロ作)をばお願いしたい。


小野正利 - Vs ★★★ (2022-09-01 00:01:46)

《カヴァー・アルバムじゃない。VSアルバムだ。》との帯惹句を目にして「言葉の意味はよう分からんがとにかく凄い自信だ」と呟いた、現GALNERYUSのフロント・パーソン小野正利が、デビュー25周年を記念して洋楽カヴァーを中心にレコーディングを行い(GALNERYUSのメンバーも参加)、'16年に発表した2枚組ソロ・アルバム。
前作『THE VOICE -STAND PROUD-』(’11年)の感想を書いた際に「次は産業ロックに特化したカヴァー・アルバムをお願いしたい」と記したのですが、本作でその願いが概ね叶う形に。DISC-1には主に90年代以降のヒット曲を、DISC-2にはBON JOVI、JOURNEY、VAN HALEN、ケニー・ロギンスといった80年代の音楽シーンを象徴するようなアーティストのヒット曲をメインに配して、それを小野が衰え知らずの美声を生かして伸びやかに歌い上げるという構成。マライア・キャリーやセリーヌ・ディオンの楽曲を、ここまで違和感なくハイトーンVoで歌いこなせる男性シンガーは、他にそうはいませんて。
個人的には、やはり思い入れのある楽曲が並ぶDISC-2の方を聴き直す頻度が高く、特にピアノ・バラード風にアレンジすることで抒情性がいや増したBON JOVIの“LIVIN’ ON A PREYER”は、秀逸なカヴァー…もといVSアレンジになっているのではないかと。あと小野の名を一躍知らしめたデビュー・シングル“YOU’RE THE ONLY”もセルフ・カヴァーしていて、随分と久々に聴き直しましたけどやはり胸打つ名バラードだなぁとつくづく実感させられた次第で。
質・量ともに大満足な一作。次は邦楽の名曲に挑戦か?


小野正利 - Vs - Livin’ On A Prayer ★★★ (2022-09-02 00:12:37)

飽きるほど聴いてきたBON JOVIの代表曲を、ピアノ主体のバラード風にアレンジ。
透明感と叙情性を増した曲調に小野のクリスタルな美声がマッチして
アルバムのハイライト級の輝きを放つ逸品に仕上がっています。


松居和 - Time No Longer ★★★ (2024-10-30 00:01:37)

世界を舞台に活躍する尺八奏者であり、プロデューサー/コーディネイター業でも知られるカズ・マツイこと松居和がリーダーを務めるプロジェクト、KAZU MATSUI PROJECTが'81年に発表した1stアルバム。邦題は『愛の黙示録』。
奥方が世界的成功を収めたピアニストの松居慶子ということもあってか、後年はニューエイジ/ヒーリング・ミュージック色を強めた作品が多くなっていきましたが、ロベン・フォード(G)、ラリー・カールトン(G)、リー・リトナー(G)、そしてTOTOのスティーヴ・ルカサー(G)やジェフ・ポーカロ(Ds)といった凄腕セッション・ミュージシャン達をゲストに招き、その人脈の太さを遺憾なく発揮して制作されている本作で聴けるのは、歯応えのあるGがフィーチュアされたロック色強めのフュージョン・サウンド。メロウなAOR調バラードからファンキーに弾むフュージョン・ナンバーまで収録曲はバラエティに富み、松居の尺八も確かに前面に配されてはいるものの、過剰な「和」のエッセンスの押し付けや色物・異物感は皆無。スムーズに楽曲に馴染むようアレンジメントされ、唯一無二の作品世界の構築に大きく貢献しています。特にカール・アンダーソンのVo、切れ味鋭いスティーヴ・ルカサーのGと松居の尺八が火花を散らす様が「HRナンバー」と評して違和感ないカッコ良さを放つ④はシビれる名曲。『ルパン三世』の五ェ門活躍シーンに流れそうな①⑤、哀しみに満ちたピアノ・バラード⑥辺りも惹き込まれる出来栄えですよ。
AOR/フュージョン愛好家のみならず、HM/HRリスナーも十分に楽しめる名盤じゃないでしょうか。


松居和 - Time No Longer - Voices From the Dark ★★★ (2024-10-31 00:15:47)

ジャンルとしてはフュージョン物として括られる作品ですが、
スティーヴ・ルカサーのGが唸りを上げるこの曲は完全に
HRフィールドに足を突っ込んだ仕上がり。
松居の尺八も違和感なく馴染み、アップテンポの曲調を
盛り上げてくれています。


聖飢魔II - 1999 BLACK LIST [本家極悪集大成盤] - FIRE AFTER FIRE ★★★ (2008-08-12 23:35:20)

イントロのシャープなGリフだけでノックアウトされてしまう、
必殺のスピード・ナンバー。
てっきりダミアン浜田作曲だと思ってたけど、
ジェイル大橋の手による楽曲だったんですね。やるなぁ。


聖飢魔II - 1999 BLACK LIST [本家極悪集大成盤] - 地獄の皇太子 ★★ (2008-08-12 23:16:48)

序曲“魔王凱旋"から繋がる、
初期・聖飢魔Ⅱの魅力を判り易く伝える様式美HMナンバー。
線の細さが微笑ましい1st収録バージョン、
カッコ良さ大幅増のリメイク・バージョン、
どちらも味わい深く、捨て難い。


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY ★★ (2008-08-12 22:06:00)

エリック・アダムスばりの大仰さを誇る、デーモン小暮のシアトリカルなVo(ルックスは和製キング・ダイアモンドだが)、
随所で劇的なハモりっぷりを聴かせてくれるツインG、そして、デビュー作より格段にダイナミズムを増したリズム隊・・・と、
初期・聖飢魔Ⅱの集大成的作品と呼ぶに相応しい内容に仕上がった、'87年リリースの2ndアルバム。
バンドの創始者(でも既に脱退済み)ダミアン浜田が手掛けた、ドラマティックな様式美HMチューンの数々も、
ますます磨き上げられて、その完成度を高め、荘厳でクラシカルな序曲①に導かれてスタートするアルバム表題曲②に始まり、
ダイナミックで物騒なメタル・アンセム風の③から、中期BLUE OYSTER CULTに通じる詩情を漂わせた美しい④、
“切り裂きジャック"のタイトル通り、鋭利なGプレイに痺れる⑤を経て、聖飢魔Ⅱというバンドの魅力を端的に表した彼らの代表曲⑥、
妖しく不気味な⑦、そして、ラストをアグレッシブに締め括る、猛烈なスピード・ナンバー⑧に至るまで、全編、これ一切の捨て曲なし。
CDのみのオマケとして、曲の頭にはデーモン小暮による愉快かつホラーな「語り」が、あたかも辻説法の如く(閣下談)収録されていて、
本編に濃密に漂うサタニックな雰囲気の盛り上げに大きく貢献している。これぞまさに「デーモン新歌劇」!
今の耳で聴き直すと、サウンド・プロダクションの弱さは如何ともし難いものの、聖飢魔Ⅱというバンド名から
想起されるイメージを全く裏切らない収録曲の数々は、彼らのアルバムの中でも1、2を争うクオリティの高さを誇り、
個人的には、聖飢魔Ⅱ未体験者には先ず本作をお薦めしたいぐらいお気に入りの1枚。ジャパメタ史に残る名盤でしょう。


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY - JACK THE RIPPER ★★★ (2008-08-12 23:33:00)

まさにタイトル通りな、鋭利な刃物を思わせるGプレイが
非常にカッコイイ。劇的極まりないGソロも◎。
やはりメタル・バンドたるもの、一度は「切り裂きジャック」を
ネタに曲を作らないとね(笑)。


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY - THE END OF THE CENTURY ★★★ (2008-08-12 23:27:29)

名盤のOPを飾るに相応しい名曲。
クラシカルな序曲を経て、華麗なツイン・リードGが
劇的に疾走を開始する場面は、何度聴いてもガッツポーズ物の
カッコ良さですよ。
デーモン小暮の歌メロの魅力も素晴しい。
(まだちょっと線が細いけどね)


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY - 悪魔の賛美歌 ★★★ (2008-08-12 23:30:17)

美しく儚くも、どこか歪んだ詩情を漂わせた曲調が、
中期BLUE OYSTER CULTを彷彿とさせる名曲。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 ★★ (2008-08-17 18:08:00)

徹底的にヘヴィでアグレッシブな『恐怖のレストラン』発表したかと思えば、珍作『PONK!』でファンを引っ繰り返らせたりと、
イマイチ方向性の定まらない活動を繰り広げてきた聖飢魔Ⅱが、いよいよ間近に迫った1999年を意識してか(?)、
再び、彼ららしいデーモニックな風格漂う、王道HM路線へと軌道修正を図って制作した、'96年発表の9thアルバム。
バンドの代表曲“地獄の皇太子"にオマージュを捧げた①で幕を開ける本編の構成や、聖飢魔Ⅱの創始者・ダミアン浜田、
ジェイル大橋(G)といった、バンド初期の構成員がアルバム制作に関わっている事からも、
原点回帰の姿勢は明らかで、特に、ダミアン浜田が作詞・作曲を手掛けた②⑤⑥は、ダークな歌詞世界といい、
妖しく叙情的、かつドラマティックなメロディといい、1stや2ndの頃を思わせる内容に仕上がっていて、
初期・聖飢魔Ⅱの様式美HM路線を愛する我が身には、聴いていて思わず頬が緩むというもの。
だが、何より特筆すべきは、現メンバーが手掛けた楽曲が、ダミアンの楽曲の完成度を完全に上回っているという点で、
良くも悪くもマイナーな雰囲気漂うダミアンのそれらに比べ、現メンバーの手による楽曲は、本編のハイライトたる名曲①や、
パワフルに疾走する③、ムーディでメロウな④、ギャロップするリズムが勇壮さを煽る⑩を筆頭に、メジャー・アクト然とした
堂々たる貫禄と洗練を感じさせ、もはや聖飢魔Ⅱというバンドが、完全にダミアンの影響下から脱して、独自の個性を確立している事を
今更ながら実感させてくれます。(勿論、声域/声量/表現力の兼ね備えた、デーモン小暮のVoの素晴しさも相変わらず)
最初から最後まで、アルバム全編、捨て曲は一切なし。個人的に、ここまで楽曲が粒揃いなのは、
2nd『THE END OF CENTURY』以来ではないかと思う。聖飢魔Ⅱ入門編として、まさに打ってつけの1枚と言える名盤。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - GREAT DEVOTION ★★★ (2008-08-17 22:25:47)

9th『メフィストフェレスの肖像』において、
最もヘヴィ・メタリックなカッコ良さを発散する疾走チューン。
クールなGリフに一発ノックアウト!


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - HOLY BLOOD 〜闘いの血統〜 ★★★ (2008-08-17 22:19:45)

メイデンばりにギャロップするリズムが勇壮さを煽る、
『メフィストフェレスの肖像』のラスト・ナンバー。
正直、あのアルバムはボーナス・トラックなしで、
この曲で終わっておいた方が美しかったような・・・。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - メフィストフェレスの肖像 ★★★ (2008-08-17 22:23:10)

ダミアン浜田の手によるアルバム・タイトル・トラック。
暗くマイナー調のメロディと、美しいアコギを効果的に取り入れた
ドラマティックな曲展開が、バンド初期の様式美HM路線を
思い起こさせる、まさにダミアン印の名曲。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - 地獄の皇太子は二度死ぬ ★★★ (2008-08-17 22:17:19)

タイトルからして、原点回帰の姿勢がビンビンに
伝わってきて期待させられるが、実際、その期待が
裏切られることはない。
名盤のOPを飾るに相応しい名曲。


聖飢魔II - 恐怖のレストラン ★★ (2008-08-14 19:15:00)

作品を重ねる毎にメタル色が薄れ、洗練されたHRバンドへと変化していった聖飢魔Ⅱが、久々に原点回帰を志向し、
デーモニックなコンセプトを前面に押し出して制作・発表した、'92年リリースの7thアルバム。
原点回帰と言っても、別に1stや2ndアルバムの頃のような、様式美HMスタイルに戻ったわけじゃなく、
重厚なGリフに絡む呪術的なリズムが、禍々しい雰囲気を演出するOPナンバー①に代表されるように、歪んだ音色で
荒々しくシュレッドされるGリフ、重く叩きつけられるようなリズム、そして、いつになくヒステリックな歌唱を響かせる
デーモン小暮のパワフルなVo・・・と、その作風は、数ある聖飢魔Ⅱのアルバムの中でも、断トツのバイオレントさを誇る。
ダークなヘヴィネスが強調され、従来の聖飢魔Ⅱの作品において顕著だった「遊び」や「笑い」の要素が極力抑えられた
シリアスな楽曲は、けっこう真剣に恐ろしく(③④とか)、まさに「ホラー・メタル」の面目躍如といった感じ。
但し、今回は上で別の方が仰っている通り「オカルトっつーよりも、スプラッター」なノリゆえ、かなり好き嫌いが分かれるし
(ジャケット・アートワークもスクリーミング・マッド・ジョージ氏が手掛けている)、初期のような劇的なメロディも、
中期のようなキャッチーなメロディも聴く事が(あんまり)出来ないので、その辺は覚悟して挑むべし。
美しくも不気味なインスト⑥を序曲に、血も凍る女性の絶叫からスタートする、ハイテンションな狂気を撒き散らす⑦や、
閣下の驚異的にブルータルなVoをフィーチュアして突っ走る、ダークでパワフル、それでいて正統派へヴィ・メタリックな
カッコ良さも兼ね備えた激烈スピード・チューン⑨、ゴシカルな雰囲気を漂わせた、10分以上に及ぶオペラティックな大作⑩など、
聖飢魔Ⅱの暗黒面を代表する名曲を数多く収録。このサイトでは評価が割れているようなれど、個人的には
彼らのオリジナル・アルバムを集め始める切っ掛けともなった作品であり、非常に思い入れのある1枚。力作。


聖飢魔II - 恐怖のレストラン - ギロチン男爵の謎の愛人 ★★★ (2008-08-15 01:04:39)

この曲が切っ掛けで、それまで色眼鏡で見ていた
聖飢魔Ⅱに対する視線が一変。
禍々しさを撒き散らして疾走するリズムの上に乗る、
デーモン小暮のストロングなVoと、
ヘヴィ・メタリックなGリフのカッコ良さは筆舌尽くし難い。
「ヘヴィ・メタル!」とのシャウトと共に
Gソロが走り出す場面も最高です。


聖飢魔II - 恐怖のレストラン - 殺しの現場!! ★★★ (2008-08-15 01:14:39)

ぶん回されるように刻まれるリフ&リズムに、
凄まじいアグレッションを誇るデーモン小暮のVoが
一丸となって突っ走る、異常なまでにハイテンションな
エネルギーに満ち溢れた、狂気の名曲。


聖飢魔II - 聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる ★★ (2008-08-09 20:51:00)

現在よりも、ヘヴィ・メタルという音楽様式にファンが強い拘りを持っていた(=洒落が通じない)時代に、
早過ぎるデビューを飾ってしまった為、BURRN!!で0点を獲得する等、かなり手厳しい評価を受けた事で知られる
聖飢魔Ⅱの笑撃・・・もとい、衝撃の1stアルバム。
後期・聖飢魔Ⅱと比べてしまうと、サウンド・プロダクションは冴えないし、実力派Voとして鳴らす
デーモン小暮閣下の歌声も、まだまだ青さを残しているしで、初めて本作に触れた時は、
正直なところ「何だかチープだなぁ」との印象を受けなくもなかった・・・が、しかし。
聖飢魔Ⅱの創始者にして、デビュー時には既にバンドから脱退済みだったダミアン浜田殿下が手掛けた、
ドラマティック&サタニック、且つ笑えるHMナンバーの数々は、0点どころか非常に高得点モノのクオリティを誇っており、
特に、聖飢魔Ⅱの代表曲の1つと言うべき、序曲①を経て幕を開ける疾走チューン②(この曲のみ閣下が作曲を担当)や、
本編のハイライトを飾る、全6楽章からなる悪魔組曲⑥は、様式美HMファンなら必聴の名曲と断言できる出来映え。
ちなみに両者は、後にリ・レコーディングされてベスト盤『1999 BLACK LIST 極悪集大成盤』にも収録されたが、
カッコ良さ大幅増の前者はともかく、後者は、最も愉快な最終楽章“BATTLER"がカットされてしまっているので、
ベスト盤を聴いてこの曲が気に入った人は、本作のチェックも怠らないように宜しく。


聖飢魔II - 聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる - 悪魔組曲作品666番ニ短調 ★★★ (2008-08-12 23:23:10)

荘厳、ダーク、クラシカル、ファニーでドラマティック・・・と、
初期・聖飢魔Ⅱの魅力が全て詰め込まれた、10分以上に及ぶ大作組曲。
後にリメイクされたが、最も笑える最終章“BATTLER"が
カットされてしまっているので、
個人的には1stアルバム収録バージョンがお気に入り。


大西結花 - RESISTANCE ★★ (2024-10-22 00:28:25)

ドラマ『スケバン刑事Ⅲ:少女忍法帖伝奇』に出演、スケバンで刑事で忍者の末裔で戦う武器が金属製の折鶴で…と盛り過ぎた設定が渋滞を起こしている「折鶴の結花」こと風間結花役で人気を博した大西結花が、'89年に発表した6枚目のソロ・アルバム。
完全に興味の範疇外だった作品にも拘わらず購入してしまったのは、横関敦(G)、三柴理(当時は三柴江戸蔵/Key)、DOOMの故・諸田コウ(B)といったバックを固めるミュージシャンの顔触れに興味をそそられたから。多分プロデューサーが月光恵亮だった関係での起用と思われ、この座組は同時期に制作された山瀬まみの『親指姫』、そして翌年リリースの横関の5thソロ『SEA OF JOY』と続いていくこととなります。
本作に関して言えば3人とも作曲面にはノータッチなので、ここで聴けるのはVo中心に組み立てられたポップな歌物ロック。大西の甘口な歌唱も楽曲の方向性もアイドルの枠組みから大きくはみ出すものではなく、全員大人な態度で雇われ仕事に徹しているのですが、それでもインスト・パートに差し掛かると「ジェット・フィンガー」の異名に違わぬ速弾きを割り込ませて来る横関を筆頭に、もう辛抱堪らん!とばかりに暴走が始まりそうな不穏な雰囲気が漂い出すので妙にハラハラしてしまうという。楽器陣が狂騒的に跳ね回るOPナンバー①や、キャッチーな②、印象的なGリフを伴って駆け抜ける⑥、抑えたイントロから溌剌とテンポアップする⑨辺りは単純に良い曲なんじゃないかと。
その昔「話のタネに」と購入した作品でしたが、“哀しみのシャングリラ”級の名曲は見当たらずとも意外に楽しめてしまった1枚です。


大西結花 - RESISTANCE - 壊れた砂の城 ★★ (2024-10-29 00:19:36)

初期の頃に比べると歌唱にリキが入り、
曲調もアップテンポでロック色強めの仕上がり。
横関がジェット・フィンガーの名に恥じぬ
弾きまくりのGソロで華を添えてくれています。


大村孝佳 - Eclipse from East ★★ (2008-09-12 00:19:00)

マーク・ボールズ、リッチー・コッツェン、ドゥギー・ホワイトら、豪華なゲストを迎えて制作された5曲入りEP
『NOWHERE TO GO』でデビューを飾ったハイテク・ギタリスト大村孝佳が、バンド名義(CROSS ROAD)で'06年に発表した1stアルバム。
参加メンバーの顔触れはかなり地味になったし、今回は全曲が日本語詞で歌われているせいか、若干、ジャパメタ風味が
増量されたとの印象を受けるが、メンバーの実力は確かな上に(余裕のないVoの歌唱は好き嫌いが分かれるかもしれないが)、
大村の劇的なGプレイと、彼自身が手掛ける楽曲のクオリティは変わらぬ高水準を保っており、トータルの完成度には全く揺らぎなし。
ゲーム『ファイナル・ファンタジー』のテーマ曲を思わせる華麗なインスト曲①で幕を開ける本作は、ドライヴする
HRチューンあり、グルーヴィなロックンロールロックあり、柔和なバラードあり・・・と、前作に比べ収録曲のバラエティは
グッと豊かになっていて、しかもその何れもが、フック満載の哀メロに彩られ、散漫さは皆無。
特に、エレアコが美しく爪弾かれるインスト曲④を経て、秀逸なKeyアレンジをまとって疾走する⑤と、ポジティブ且つ爽やかに
駆け抜けていく、トレンディ・ドラマ(死語)の主題歌が似合いそうな⑧は、本編のハイライト・ナンバー候補じゃないかと。
全9曲で30分弱と、ボリューム的にはやや食い足りなさが残るものの、詰め込み過ぎてダレるよりは全然マシ。
デビューEPが気に入った人なら間違いなく「買い」の1枚。


大村孝佳 - Nowhere to Go ★★ (2008-09-07 02:21:00)

関西出身のテクニカル・ギタリスト大村孝佳が、'04年にリリースした5曲入りデビューEP。YAMAHAの全面バックアップを
受けた若き天才Gの門出を祝って、ご祝儀代わりにヴィタリ・クープリ(Key以外にもプロデュースを担当)、
スティーヴ・デジョルジオ(B)、ドゥギー・ホワイト(Vo)、マーク・ボールズ(Vo)、磯田良雄(Ds)、
リッチー・コッツェン(Voとしてのみ参加)ら、豪華なゲスト・ミュージシャン勢が客演。
勿論、いくらゲストが華やかでも、肝心の楽曲がショボくては虚しいだけだが、大村は精度の高いGプレイのみならず、
曲作りの上手さにおいてもその手腕を発揮。たった5曲収録にも関わらず、マーク・ボールズが伸びやかな歌声を披露する、
アップテンポのハード・チューン①、リッチー・コッツェンのエモーショナルな熱唱が映える②、ヴィタリ・クープリの
華麗なピアノ・プレイが楽曲に華を添える③、泣きまくるGとドゥギー・ホワイトのVoにグッと掴まれるバラード④、
『TORILOGY』時代のイングヴェイを彷彿とさせる(Voもマークだしね)、スリリングなラスト・ナンバー⑤・・・と、
収録曲は何れも確かなクオリティの高さを誇り、物足りなさを感じる場面は全くない。
単に派手に弾きまくるだけのギター・アルバムではなく、曲をより活かすために、しっかりと練り挙げられたGプレイが
全編に渡って繰り広げられる良作。個人的に、彼の作品では最も聴く機会の多い1枚かなと。


大槻ケンヂと絶望少女達 - かくれんぼか 鬼ごっこよ ★★ (2009-01-10 12:36:00)

筋肉少女帯は好きだが、それは橘高文彦や本城聡章が作る楽曲の魅力に依るところが大な為、当初、本作に興味は
なかったのだが、漏れ聞こえて来る評判の高さと、「三柴聡(Key)ゲスト参加」との情報に後押しされて
とうとうアルバムを購入。で、実際に聴いてみたら・・・これがかなり良い出来でした。
「ダメ人間賛歌」とでも言うべき、シニカルでリリカルな歌詞世界は大槻ケンヂ節が全開だし、意外な程のHM度の
高さを誇る収録曲は劇的なメロディに彩られており(本城聡章辺りが書きそう)、アニソン的な匂いは殆ど感じられないしで、
筋肉少女帯ファンが本作を聴いても、まず失望する事はないように思われる。敢えて筋少との相違点を探すならば、
随分とVoが前に出た音作りと、女性声優さんが多数参加しているが故に漂う「華やかな雰囲気」ぐらいのものか?
個人的には、三柴聡による美麗なピアノの調べが重要なアクセントとなっている、③④⑤⑨といった
ハードネスと叙情性が絶妙な融合を見た楽曲がお気に入り(⑨は三柴じゃないのかな?)。ドラマティックな⑥も良い曲だ。
HR/HMファンが聴いても十分満足感が得られるであろう、しっかりと作り込まれた1枚。特撮が聴いてみたくなりました。


中間英明 - Point of No Return ★★ (2008-03-24 21:39:00)

HURRY SCUARY、ANTHEM等での活動で知られる、ルックス、テクニック、センス(作曲能力)の三拍子揃った、
天が二物も三物も与えた天才ギタリスト・中間英明が、'89年に発表したソロ・アルバム。
イングヴェイ・マルムスティーンからの強い影響を基本に、マイケル・シェンカーばりの濃厚な「泣き」と、
ウルリッヒ・ロートを思わせる、粘りの効いたGの音色を併せ持った様式美HMサウンドのカッコ良さはガッツポーズ物で、
そのクオリティはHURRY SCUARY時代を大きく上回り、更に言うなら、歌入り曲よりもインスト曲の方が遥かに
クオリティが高いのだから、まさに中間英明というギタリストの真価が、120%発揮された内容に仕上がっていると言える。
スピーディな様式美HMナンバー①、クラシカルな③、繊細なエレアコの妙技が堪能できる④、美旋律とエモーショナルな
泣き具合にハートを鷲掴みにされる⑤、雄大なスケール感を漂わせる⑦、生オケをフィーチュアした⑧を序曲に、
起承転結がバッチリと決まったドラマティックな曲展開でラストを締め括る⑨・・・と、中間の雄弁に「歌う」Gが
Voの役割を果たすお陰で、インスト物が苦手なリスナーでも問題なく楽しむ事が出来るし、また、名キーボーディスト
小川文明の、スリルと叙情性を増幅するKeyのナイス・アシストっぷりもキラリと光る。
特に、GとKeyがガップリと四つに組んだ①③⑨は、間違いなく本編のハイライトかと。
長らく廃盤状態が続き、中古盤市場では5桁の値が付けられる幻の名盤だったが、最近漸く再発されたので、この機会に未聴の方は是非。


中間英明 - Point of No Return - Inquisition ★★★ (2008-03-24 21:52:05)

イントロのGリフを聴いただけで、
出来の良さを確信できるOPナンバーにして、
アルバムのハイライト・ナンバー。
Voの役割を果たす中間の「歌う」Gプレイのお陰で、
インスト物でも物足りなさを感じる事はない。


中間英明 - Point of No Return - Point of No Return ★★★ (2008-03-24 21:48:04)

生オケをフィーチュアした“A SHORT PIECE FOR A GUITER AND STRINGS"を
序曲代わりに、アルバムのラストをドラマティックに締め括る名曲。
イングヴェイからの影響が露骨に感じられるが、
起承転結がバッチリと決まった曲展開の素晴しさの前には些細な事。
Gとガップリと四つに組む、名手・小川文明のKeyも良い仕事をしています。


中村達也 - Turn on the Light ★★ (2009-04-05 16:41:00)

後に高谷学(Vo)と組んでBLINDMANを立ち上げる事となるギタリスト中村達也が、'94年に自主制作で発表した
ソロ・アルバム。(確かこのプロジェクトがBLINDMAN結成の切っ掛けとなったんでしたっけ?)
雑誌を読んでいて見かけた「中村達也なるミュージシャンの“TURN ON THE LIGHT"という楽曲がかなり強力らしい」
との情報を頼りに、なんの予備知識もなく購入した本作だったが、アルバム表題曲にして疾走チューンの
名曲“TURN~"以外にも、②⑥⑧等の佳曲が数多く収録されており、キャッチーな彩りを加えるKeyを
ふんだんに取り入れ、時にポップな味わいも感じさせる正統派HRサウンドは、なかなかの聴き応え。
大半の楽曲が歌入りで、且つ、泣きのインスト曲⑤によく表れているように、無理に音符を詰め込むことなく
一音一音を丁寧に紡ぎ出す中村のGプレイは既に「楽曲優先」のスタイルが徹底。曲作りにしても、まず耳に
飛び込んで来るのは甘い声質のVoが歌うメロディであり、そこからはギタリストのソロ作にありがちな、
過剰な自己主張は殆ど感じられない。(個人的には自己主張しまくる作品も大好きなんですが)
まぁ、肝心なVoの歌唱が不安定だったり、自主制作盤ゆえの音質のショボさも隠し難いモノがあるのだけれど、
ともかくメロディの充実っぷりが吉と出て、最後まで飽きる事なく楽しむ事ができる。
この音楽性ならば、BLINDMANより取っ付き易いと感じるHR/HMファンも多いのでは?


中村達也 - Turn on the Light - Turn on the Light ★★★ (2009-04-05 19:58:09)

個人的にアルバムを購入する切っ掛けともなった名曲。
スピーディに疾走し、「楽曲の中の楽曲」として成立している
良く練り上げられた中村のGソロが素晴しいったら。
やや不安定ながら、感傷的な歌声で楽曲の叙情性を強化するVoも
良い仕事をしています。


藤本泰司&フレンズ - My Quest ★★ (2015-04-14 22:19:25)

藤本泰司(G)が'91年に発表した初のソロ・アルバム。失恋船長さんが既に詳しく名前を挙げられている通り、豪華なゲスト・ミュージシャンの参加が話題になった作品で、こちとら、その顔触れだけで購入を即決させられたぐらいですよ。
んで、この面子が演るに相応しい、さぞかし強力な様式美ないし正統派HMサウンドが聴けるものと、期待と興奮に鼻の穴広げまくって再生ボタンを押してみたら・・・あれ?と。DANCER解散後、新たな方向性を模索している時期だったのか、かつては「和製マイケル・シェンカー」と評された藤本のGプレイにしろ、彼がクリエイトする楽曲にしろ、哀愁や泣き成分は非常に希薄。音質はラフだし、リラックスしまくりな楽曲も、カッチリとまとまった構築感より「気の合う仲間達と気の向くままにレコーディングしてみました」的な楽しげな雰囲気が強く伝わって来る仕上がり。
あまり親しくもない知り合いの誕生パーティーに呼ばれてしまい、盛り上がる当人達を壁際から困惑気味に眺めてる・・・みたいなノリきれなさを、本作に対して覚えなかったと言えば嘘になりますが、ともかく抜群に演奏が巧い/説得力がある人達ばかりゆえ、それを追っかけてるだけで和めるというか、不思議とすんなりと聴き通せてしまう作品であることは確か。特に、ハイライトたる8人のギタリストが次々にソロを披露していく⑥(しかもVoは赤尾和重だ)なんて、まるで日本版“STARS”のよう・・・と絶賛するには楽曲の方向性が違い過ぎるのがネックなんですけどね。
DANCERの幻影を求めるよりも、「ミュージシャン・藤本泰司」の懐の広さを楽しむべき1枚でしょうか。


樋口宗孝 - 破戒凱旋録(DESTRUCTION) ★★★ (2022-12-22 06:38:10)

LOUDNESSのドラマー、故樋口宗孝が'82年に発表した1stソロ・アルバム。
まず邦題が良いんですよ。『破戒凱旋録』。非常に中二マインドをくすぐられます。この時期のLOUDNESS関連の作品は他にも『撃剣霊化』とか『魔界章典』とか『ジャガーの牙』とか、声に出して読みたくなる日本語タイトルばかりで最高でしたね。
本作の存在を初めて知った当時(LOUDNESSについてもよく知らなかった)は、ソロ・アルバムってのは「バンドの花形であるシンガーかギタリストしか作らない」というかなり誤った先入観があったもんで、縁の下の力持ち的存在の筈のドラマーが、山本恭司、CHAR、北島健二、中島優貴、鳴瀬喜弘、山田信夫、松澤浩明といった錚々たる面子をゲストに迎え、リーダーシップを発揮してソロ作を作り上げていたことにかなりの衝撃を受けましたよ。
過剰な自己主張は抑制しつつも、パワフルなドラミングで楽曲をリードする樋口が、(ソロ・アルバム制作にあたってお手本にしたであろう)コージー・パウエル同様に楽曲優先の姿勢を貫いた結果、スピーディに炸裂する①、スリリングな②、山本が関与しているせいか初期BOW WOW風味漂う③、哀愁を帯びてキャッチーな⑥…と、強力な楽曲が揃った本編はLOUDNESSのオリジナル・アルバムと比較しても何ら遜色のないハイクオリティっぷりを提示。とりわけ山田の熱唱が胸を打つドラマティックな慟哭の名バラード⑤と、樋口、CHAR、北島、中島、鳴瀬ら楽器陣が白熱したバトルを繰り広げるアルバム表題曲⑩は、アルバムの静/動サイドそれぞれの魅力を代表する名曲となっています。
樋口宗孝が不世出のドラマーであったことを証明する、ジャパメタ史に残る名盤。


浜田麻里 - Blue Revolution ★★ (2008-07-02 00:03:00)

ルックス良し、声域/声量/表現力の三拍子揃った歌唱力良しと、天がニ物も三物も与えた実力派女性シンガー
浜田麻里が、メタル・クィーン時代('85年)に発表した5thアルバム。
作品を重ねる毎に、LOUDNESSの影響下から脱し、へヴィ・メタル色を薄れさせていった彼女だが、MAKE UPの松澤浩明、
現B'zの松本孝弘を筆頭に、鳴瀬善博(カルメン・マキ&OZ)、西村昌敏(FENCE OF DEFENCE)、厚見礼衣(VOW WOW)ら、
錚々たる面子が脇を固めた本作には、最早、“SPACER"“DON'T CHANGE YOUR MIND"のような
「これぞHM!」といった感じのスピード・ナンバーは皆無。
但し、こと収録曲のクオリティに関しては、過去最高とも言える充実っぷりを誇るのが、このアルバムの素晴しい所で、
ハード・ロック的なエッジはしっかりと残しつつ、Keyを大胆に取り入れ、適度にポップ&キャッチーに仕上げられた
楽曲の数々は、まさに「女性シンガーが歌うメロディアスHR」のお手本のような仕上がり。
特に、アルバム・タイトル・トラックの①や、メロウな④、ノリの良いヴァースと悲哀に満ちたサビの対比が堪らない⑤、
そして何より、松本のG、厚見のKey、麻里嬢のシャープ且つパワフルなハイトーンVoとが、見事に組み合わさった
余りに劇的な③は、MAKE UP時代から優れたメロディ・メイカーとして名を馳せてきた、松澤浩明の曲作りの才が
フルに発揮された、本編最大の聴きどころにして、初期・浜田麻里を代表する名曲の1つじゃないかな、と。
(ちなみに、これらの楽曲で印象的なハイトーン・コーラスを入れているのは、彼女の実妹の浜田絵里嬢)
これほどの名盤が、廃盤状態のまま放ったらかしってのは、納得がいかんなー。


浜田麻里 - Blue Revolution - Love Trial ★★★ (2008-07-02 22:03:51)

この名曲のポイントが、こんなに低いのは納得いかんぞ、と。
個人的には初期・浜田麻里の楽曲の中でも、ピカイチの
完成度を誇る名曲だと思う。
劇的極まりないイントロでノックアウト、
メロディアスな松本孝弘のGと、厚見礼衣の鮮烈なKeyの絡み、
そして突き抜けていくような浜田麻里の強烈なハイトーンVo・・・
浜田絵理のコーラスも素晴しい。


浜田麻里 - Lunatic Doll〜暗殺警告 ★★★ (2012-01-17 22:50:04)

自分が浜田麻里の名前を認識するようになった頃には、既に彼女は売れっ子ポップ・シンガーとして歌番組にガンガン出まくっていましたが、その後雑誌で「昔《麻里ちゃんはヘヴィ・メタル》だったらしい」との情報を入手し、「ほんじゃ聴いてみっか」ぐらいの軽い気持ちで初期作の数々に手を出してみたら、その圧巻の歌唱力にぶっ飛ばされてしまいましたよ。
LOUDNESSの故樋口宗孝(Ds)の全面バックアップを受けている本作は、メタル・クィーン風味全開のビジュアルや『暗殺警告』なる意味不明な邦題、それに歌詞等からも伝わって来る通りのコテコテなHM路線を猛進。
良くも悪くもトゥー・マッチなこの作風に「ジャパメタ(笑)」と失笑を漏らす人もいるかもしれないが、だがしかし。独特のビブラートを伴ったパワフルなハイトーンVoを駆使して、樋口のドラミングや湯浅晋のGプレイと真っ向張り合い、本編の主役を堂々務め上げる浜田麻里嬢の歌声には間違いなく本物の迫力が宿る。
ヘヴィなサウンドに合わせたのか、無理に歪ませているこの時期の歌唱は少々生硬い印象があるものの、泣きの名バラード“RUNAWAY FROM YESTERDAY”における熱唱は「メタル・アイドル」的な鈍っちょろいイメージを吹き飛ばす、熱いエモーションの迸りに胸打たれますね。


浜田麻里 - Lunatic Doll〜暗殺警告 - SPACER ★★★ (2012-01-18 21:49:15)

小曲“MISTRESS”から繋がっていく展開も
様式美を感じさせる、1stアルバム随一の
ハードさを誇るコテコテの疾走ナンバー。
人によっちゃ笑っちゃうかもしれませんが
浜田麻里の堂々たる歌唱は冗談ごとではありません。
北島健二のシャープなGプレイもカッコイイ。


浜田麻里 - MAGICAL MYSTERY “MARI” 浜田麻里 LIVE ’85 ★★★ (2020-12-03 00:21:10)

4th『RAINBOW DREAM』発表後、浜田麻里が’85年に行った初の全国ツアーの中から、中野サンプラザと大阪厚生年金会館でのライブの模様を収録する実況録音盤。
セットリストは、1stから3曲、2ndから1曲、3rdから2曲、4thから2曲(うち1曲は映画『ベスト・キッド』主題歌“MOMENT OF THE TRUTH”のカヴァー)という全8曲からなる構成で、初期HM時代を総括するベスト盤としての機能も果たしています。
ブックレットに記載がないので、イントロのアカペラから見事なコーラスを披露する妹さん以外、バック・バンドのメンバー名が不明なのは残念ながら(同タイトルのビデオの方だと分かるのかな)、演奏はすこぶるタイト。そしてやはり、なんといっても本編のヒロインたる浜田麻里嬢の歌声が絶品で、CDでは凄いけど生歌聴いたらガッカリなんてのはよくある話ですが、彼女は完全に別格。現在のベテラン・シンガー然とした貫禄漂う歌唱に対し、この時期はまさに「若さ迸る」といった感じで、制御しきれないエネルギーがシャウトから溢れ出す様は、『TOKYO TAPE』の頃のクラウス・マイネを思い出してしまうほどですよ。特に観客とのコール&レスポンスを組み込んだ“TOKYO MAKIN’ LOVE”、樋口宗孝のペンによるドラマティックなバラード“RUNAWAY FROM YESTERDAY、そして問答無用のスピード・ナンバー“DON’T CHANGE YOUR MIND”といった名曲における絶唱は圧巻の一語に尽きます。
あえて文句をつけるなら収録曲の少なさぐらいのもの(完全版が聴いてみたい)。浜田麻里のメタル・クイーン時代の貴重な記録として一聴の価値ある1枚。


浜田麻里 - MAGICAL MYSTERY “MARI” 浜田麻里 LIVE ’85 - DON’T CHANGE YOUR MIND〜SE: SO LONG ★★★ (2020-12-03 23:55:21)

スタジオ・バージョンも十分凄いのですが、
この時期のライブ・バージョンもまた凄い。
エネルギーが奔流となって溢れ出すような
(それこそ喉手術前のクラウス・マイネばりに)
尻上がりにパワーを増していく歌いっぷりに圧倒されます。


浜田麻里 - MISTY LADY ★★★ (2012-01-20 07:07:28)

まず「ヘヴィ・メタルありき」でアルバム作りが進められていた印象の前2作に対し、浜田麻里自身が全曲の作詞を手掛け、また単独で書き上げた楽曲も収録される等、彼女のアーティストとしての資質を活かしたアルバム作りへと、制作環境に変化の兆しが見え始めた'84年発表の3rdアルバム。
メタル・クィーン度の下がった普通のアイドル風ジャケ写がアートワークを飾る(但し裏ジャケは何故かホラーチックなので油断できない)本作は、故樋口宗孝の手を離れて制作された事により収録楽曲の方もコテコテのHM路線から、明るく弾むタイトル・トラックのような、これまでになかったタイプの楽曲が見受けられる、Keyもふんだんに取り入れられたキャッチーなメロディック・メタル路線へとシフト・チェンジ。
と言っても音楽性が拡散してしまったなんてことはなく、劇的にOPを飾るミッド・チューン“PARADISE”や、山本恭司提供のもろVOW WOW路線の“SWEET LIE”、そしてMAKE UPの河野陽吾(Key)渾身の逸品“HEART LINE”という冒頭の名曲3連打でハート鷲掴みな本編は、山田信夫(MAKE UP)のペンによるドラマティックなバラード“MORE FINE FEELING”から疾走する様式美ナンバー“TURNING POINT”へと展開する終盤の畳み掛けに至るまで、テンションが緩む場面は一切見当たらない隙のない完成度を提示。
初期の名盤の一つではないでしょうか。


浜田麻里 - MISTY LADY - Heart Line ★★★ (2012-01-21 01:20:22)

前2作のハードさを受け継ぎつつ、
ポップでキャッチー、思わず踊りたくなる
ノリの良さも備えているという、
一皮向けた魅力を放つ名曲。
俺も3rdじゃこの曲が一番好きですね。


浜田麻里 - MISTY LADY - MORE FINE FEELING ★★★ (2012-01-21 01:33:07)

MAKE UPの山田信夫作曲の劇的な名バラード。
楽曲のスケール感を見事に表現する
「この人にゃ限界なんでないんじゃなかろうか?」
と思わされる、サビメロの声の伸びっぷりは
感動的ですらあります。


浜田麻里 - MISTY LADY - SWEET LIE ★★★ (2012-01-21 01:16:54)

山本恭司のペンによる
華麗さと劇的さを併せ持った
まさにVOW WOWライクなHRナンバー。
(人見元基のVoでも聴いてみたくなりますね)
Gの泣きっぷりも山本節です。
弾いているのは北島健二ですが。


浜田麻里 - MISTY LADY - TURNING POINT ★★ (2012-01-21 01:36:30)

雄大なバラード“MORE FINE FEELING”から
繋げる展開が心憎い3rdアルバム随一のハード・ナンバー。
Voに負けじと火花を散らすGとKeyのバトルも熱い。


浜田麻里 - PROMISE IN THE HISTORY ★★ (2012-01-22 10:04:28)

HR/HM時代の区切りとなった'86年発表の6thアルバム。これ以降はレコーディング拠点を海外へと移し、脱HR/HMに拍車が掛かっていくので、個人的には(楽曲単位ではなく)アルバム単位で楽しめる浜田麻里作品はここら辺までかなぁ、と。
ギンギンのHRナンバー“COME AND GO”から壮大なバラード“PROMISE IN THE HYSTORY”まで、バラエティ豊かな楽曲が取り揃えられた本編は、前作においてハイレベルな領域にまで高められた「哀愁に満ちた歌モノHR路線」を継承しつつも、リバープが深めに掛けられた音作りやファッショナブルなKey等、サウンド全体は益々モダンにソフティケイト。
過密なレコーディング・スケジュールが祟って弾不足に陥っていたのか、ボリュームは30分台とコンパクトなのにカヴァー曲が多数収録されていたここ数作に対し、今回は全編がオリジナル曲で固められており、特にBLAZEの増田隆宣(Key)が作曲を手掛けているシャープな疾走ナンバー“TIME AGAIN”と、プログレ・ハード風味も感じられるドラマティックな“EARTH-BORN”というアルバム終盤の2連発は強力な存在感を放っています。


浜田麻里 - PROMISE IN THE HISTORY - Earth-Born ★★★ (2012-01-22 10:10:50)

増田隆宣が手掛けているからか、
Keyを上手く用いて壮大なアレンジが施された、
プログレ・タッチのドラマティックな曲展開を
堪能する事が出来るアルバム・ラスト・ナンバー。


浜田麻里 - PROMISE IN THE HISTORY - PROMISE IN THE HISTORY ★★★ (2012-01-22 10:15:48)

前半のハイライトを飾る壮大なバラード。
各音域を自由自在に行き来し、且つ豊かな表現力も
失わない浜田麻里嬢の声の出具合が
気持ち良いったらないですね。


浜田麻里 - RAINBOW DREAM ★★ (2012-01-21 01:02:05)

ジャケットを飾る生瀬範義画伯の手による浜田麻里嬢のイラストが妙に怖い、'85年発表の4thアルバム。
ゲイリー・ムーアの“LOVE CAN MAKE A FOOL OF YOU”のリメイク曲“LOVE,LOVE,LOVE”と、SURVIVORの“MOMENT OF THE TRUTH”のカヴァーが収録されているので、舶来志向のHR/HMファン的にも取っ掛かり易い(?)本作。前者でゲイリーを彷彿とさせる濃厚な泣きのGを炸裂させリスナーから涙を搾り取るのは現B'zの松本孝弘で、彼氏はこの曲のみならず本編に全面参加し若さ溢れるGプレイを披露。また映画『ベストキッド』の主題歌としても知られる後者に関しては、恐らく日本でも大ヒットした同作の知名度を当て込んでの選曲なんでしょうね。個人的には好きな曲なので楽しませて頂きましたが。
オリジナル曲に関して言えばHM色は徐々に薄れ始めており、前作に比べると若干小粒な印象も否めないものの、浜田麻里嬢の曲作りの手腕は益々洗練されて来ているし、何より稀代のメロディ・メイカー、MAKE UPの松澤浩明が彼女と共に大半の楽曲を手掛けているのだから、低クオリティの作品が出来上がるわけがありません。特に、松本のGと河野陽吾のKeyが火花を散らすスリリングな疾走ナンバー“LOVE MAGIC”や、ローからハイへと一気に駆け上げる歌声が気持ちいい“FREE WAY"は名曲。
『MISTY LADY』と『BLUE REVOLUSION』という名盤2枚の間に挟まれてイマイチ影の薄い作品ですが、この質の高さは流石です。


浜田麻里 - ROMANTIC NIGHT ★★ (2012-01-18 21:52:44)

聖子ちゃんカットの浜田麻里嬢が日章旗に頬杖ついてニッコリ微笑み、その傍らには謎の人形が置かれている・・・というツッコミどころ満載のジャケット・アートワークが目印の'83年発表の2ndアルバム。(邦題は『炎の誓い』)
個人的に初めて聴いた浜田麻里作品であり、本編の幕開け役を担っている、故樋口宗孝のラウドなドラミングに導かれてスタートするアグレッシブ且つ劇的なスピード・ナンバー“DON'T CHANGE YOUR MIND”は、「浜田麻里=ポップ・シンガー」という自分の中の図式を粉々にぶち壊してくれるインパクトを誇っていました。
と言うか、この初期の代表曲が突出し過ぎているせいで、以降の楽曲の存在が完全に霞んでしまっている点や、時代を感じさせる歌詞やビジュアル・イメージ等、今の感覚で聴くと正直こっ恥ずかしい部分も少なくはないのですが、それでも、前作同様「HIGUCHI PROJECT TEAM」の名の下に腕利きミュージシャン勢が参加しているだけあって作品自体のクオリティの高さは流石。
まぁともかくメタル者を自認する方なら“DON'T~”は一度は聴いて欲しいところ。麻里嬢の凄まじいハイトーンVoに圧倒されること請け合いですよ。


浜田麻里 - ROMANTIC NIGHT - DON’T CHANGE YOUR MIND ★★★ (2012-01-21 01:27:36)

「女性」と書いて「おんなさが」と読ませたり、
歌わされてる感満載の歌詞がかなり苦しいですが、
コブシの回るスピーディな曲調には合致しているかな。
ビブラートをびんびんにかけまくった浜田麻里の
パワフルなハイトーンVoに圧倒されまくりですよ。