この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 801-900

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 801-900
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72
モバイル向きページ 


BLIND ILLUSION - The Sane Asylum ★★★ (2007-10-28 01:32:00)

後にPRIMUSを結成するレス・クレイプール(B)とラリー・ラロンデ(G)が在籍していた事で知られる、ベイエリアの古株テクニカル・スラッシュ・メタル・バンドが、'88年に発表した唯一のフル・アルバム。
結成は'79年と、その活動歴はかなり長く(初期にはHEATHENのデヴィッド・ゴドフレイも在籍)、本作に収められた楽曲には、その頃からコツコツと作り溜められたマテリアルが使用されている。そのせいか、一筋縄で行かない作風の割りに難解さは控えめで、結構取っ付き易い。ベイエリア・クランチ的な明快さとは無縁ながら、暗い湿り気を帯びたメタリックなリフは単純にカッコイイし、③のような(彼らにしては)ストレートに疾走する高速スラッシュ・チューンも収録。
だが何より特筆すべきは、リーダーのマーク・ビーダーマン(G)とラリーによる流麗なツインGで、時に正統派ヘヴィ・メタル然としたハーモニー・プレイを披露しつつ、複雑に絡まり合いながら、楽曲のテンションを高めていくそれは、単にテクニックに優れているというだけでなく、メロディも独り善がりとは無縁の強力なフックを備えていて、間違いなくこのアルバム最大の聴き所となっている。
特に、スリリングなインストの前半と歌入りの後半の二部構成からなる大作④と、“KAMIKAZE"というタイトルからして食指をそそる劇的な⑤は、「緩」と「急」を自在に操るリズム隊の良い仕事っぷりも含めて、本編中でも1、2を争う名曲じゃないかと。
PRIMUS的な変態性は殆ど感じられないので、MEGADETH辺りがイケル口のメタル・ファンは是非ともレッツ・トライ。


BLIND ILLUSION - The Sane Asylum - Kamakazi ★★★ (2007-10-28 03:00:52)

タイトルからして最高だが、それだけでなく、
メロディをなぞって歌うVo、沁みるフレーズを積み重ねるG、
メロウなラインを奏でるB、緩急を巧みに使い分けるDsと、
このバンドの叙情サイドの魅力が強く打ち出された名曲。
ポップな疾走感が心地良く、ANNIHILATORの“SOUND GOOD TO ME"に通じる魅力あり。
勿論、こっちの方が先なわけだが。


BLITZKRIEG - A Time of Changes ★★★ (2016-02-27 23:43:35)

ブライアン・ロス(Vo)率いるBLITZKRIEGが'85年に発表した1stアルバム。どうでもいいことですが、ジャケットに描かれた巨大羽虫(?)を見るたびにファミコン版『ギャラクシアン』のパケ絵を思い出してしまうのは私だけでしょうか。(本当どうでもいい)
元々はブライアンのソロ作として制作された筈が、蓋を開けてみればBLITZKRIEG名義で発表になったとか、バンドとしての実体の不明瞭さがネックになって聴くのを躊躇っていた作品だったのですが、後でMETALLICAが彼らをリスペクトしていると知り、慌てて当時テイチクから再発されていた国内盤CDを購入。で、その内容の素晴らしさにいたく感激した次第。
THE VOICE OF NWOBHMことブライアンの湿気った英国声による熱唱、タイト&パワフルなショーン・テイラーのドラミング(Bも結構派手に暴れてる)、そしてスリリングに駆け巡るツインGにより構築されたHMサウンドは、さながら陽の当らぬ地下室でチロチロと燃え盛る青い炎が如し。特に大仰なインスト序曲①からスピーディな②へと繋げていく、メタルの様式美に則った劇的な展開は何度聴いても「最高!」としか。
後に続くのは、METALLICAがカヴァーしたBLITZKREIGのテーマ曲③、それにSATAN時代に作曲されたという重厚な④(だからかSATANのラス・ティッピンズがゲスト参戦)…と、この序盤の無類のカッコ良さだけで、「後期NWOBHMを代表する名盤」と謳われる本作のクオリティの高さが推し量れるというものですよ。
ちなみに国内盤は’81年発表のデビュー・シングルも同時収録。こっちの“BLITZKREIG”はより荒々しい仕上がりで、実はアルバムVerよりもカッコイイんだな、これが。


BLITZKRIEG - A Time of Changes - Blitzkrieg ★★★ (2016-02-28 21:17:41)

イントロを始め節々で刻まれるドライヴ感溢れるGリフを聴いて
個人的にはRIOTの“ROAD RACIN'”を思い出しました。
アルバム・バージョンよりも、ラフで荒々しい仕上がりの
シングル・バージョンの方が好きかな。


BLITZKRIEG - A Time of Changes - Pull the Trigger ★★★ (2016-02-28 21:28:17)

ブライアン・ロスがSATAN在籍時代に作曲するも
結局デビュー作には収録されなかった楽曲をBLITZKREIGでリメイク。
暗めな前2曲に比べると、ライブ映えしそうな明快さを伝えてくれる曲調なのですが
ラス・ティッピンズをゲストに迎えた終盤のGバトルが激熱。


BLITZKRIEG - A Time of Changes - Ragnarok / Inferno ★★★ (2016-02-28 21:24:12)

アルバムのOPを飾るメドレー曲にして、いきなりハイライト。
重たく湿ったGリフ、エコーを伴うヘタウマVoと投げやりコーラス、
個人的にお気に入りのドラマー、ショーン・テイラーが叩き出す
重量感溢れるリズムとが、無愛想に駆け抜けていく
良い意味で「典型的」なNWOBHMの名曲ですね。


BLIZARD - Blizard of Wizard ★★ (2008-03-21 08:28:00)

X-RAY(関西のX-RAYとは別バンド)出身の松川敏也(G)が、寺沢功一(B)、孝之(G)と宏之(Ds)の村上兄弟との
出会いを切っ掛けに、新バンドBLIZARDの結成を思い立ち、オーディションにて下村成二郎(Vo)を迎え入れ、
最終的なラインナップを完成させると、'83年にWARNER RECORDSから発表した1stアルバム。
活動後期には、LAメタルからの影響を取り入れたポップ・メタル路線(これが非常に魅力的だった)へとシフトしていった
彼らだが、本作を発表した頃は、アグレッシブで重厚且つダークな楽曲の数々や、『暗黒の聖書』という
仰々しいアルバムの邦題が端的に物語る通り、NWOBHMからの影響を強く感じさせる、欧州風味溢れるHMサウンドを披露。
特筆すべきは「和製ランディ・ローズ」とも評された、松川のスリルとエモーションを兼ね備えた劇的極まりない
Gプレイで、取り分け、緩急の使い分けが絶妙な②、印象的なコーラスをフィーチュアして突っ走る⑤、
本編のハイライトと言うべき、哀愁のメロディが疾走する⑧といったスピード・チューンで
炸裂する華麗なGソロは、ガッツポーズのカッコ良さを誇る。
高音部を聴いていると、こっちまで息苦しくなるVoの歌唱など、全体的にデビュー作ならではの
荒さも目に付くが、そうした欠点を補って余りある魅力を備えた1枚。


BLIZARD - Blizard of Wizard - Mama ★★ (2008-03-22 10:13:15)

印象的なコーラスから疾走を開始する、
正統派HMチューン。
華麗に炸裂する松川敏也のGソロが素晴しい。


BLIZARD - Blizard of Wizard - Orion ★★★ (2008-03-22 10:15:49)

1stアルバムのハイライトにして、
BLIZARD屈指の名曲の1つ。
コブシの効いた歌メロのカッコ良さも然る事ながら、
やはりこの曲の肝は松川敏也のG。
華麗にしてメロディックなGプレイは
間違いなく本曲のハイライトを飾る。


BLIZARD - Hard Times ★★★ (2011-10-25 21:58:41)

アルバムを重ねる毎にマイナー臭を薄れさせ、洗練の度合いを高めていったBLIZARDゆえ、このWARNER MUSIC在籍時代最後の作品となった'86年発表の4thアルバムに至っては、思わず一緒に歌いたくなる明朗なコーラスと、アリーナ・ロック調のスケール感を有するOPナンバー“HARD TIMES”を皮切りに、全編が最初から最後まで、メジャー感溢れる溌剌として爽快なポップ・メタル路線で統一されている。
“SHADE OF BLUE”みたいな、歌謡ロック調の情念揺らめく楽曲が姿を消してしまった点は残念だが、表現力を増し、もはや余裕と貫禄すら感じさせる下山成二郎のVoに、「和製ランディ・ローズ」との評価に相応しい鮮烈な輝きを放つ松川敏也のGプレイ(リズムGの村上孝之も良い仕事してます)、そしてメタリックな重量感とノリ良さを併せ持つリズム隊によって作り出される垢抜けた収録楽曲の質の高さは、完璧に初期作を凌駕。
本作に捨て曲は一つもないが、中でも哀愁のHRナンバー“LOOKIN' FOR YOU,LOOKIN' FOR ME”、爽やかに掻き鳴らされるアコギが心地良い“TOO LATE TO LOVE YOU”、同じくアコギを用いながら“TOO~”とは逆を行く物悲しさ漂う“CRYIN' FOR YOUR HEART”、そしてまさしく「RUNNING WILD」を地で行くエネルギッシュな疾走ナンバー“BOY”といった名曲が連続する本編後半は出色の出来栄え。
前作『HOT SHOT!』と共にBLIZARDの最高傑作の一つに推したい力作です。


BLIZARD - Hard Times - Boy ★★★ (2011-10-30 00:35:40)

ライブのエンディングを飾るにはピッタリの
エネルギッシュでワイルドな疾走ナンバー。
奔放に弾きまくりつつもメロディの組み立てに
冴えを感じさせる松川のGソロが素晴しいです。


BLIZARD - Hard Times - Cryin' for Your Heart ★★★ (2011-10-30 00:45:26)

前曲“TOO LATE TO LOVE YOU”と同じく
アコギをフィーチュアした叙情HRナンバーなれど
爽やかな“TOO~”とは逆を行く
物悲しいメロディが胸を締め付ける名曲。
Voも巧みに楽曲の悲哀を増幅していて
デビュー作と聴き比べると歌唱力の向上に
目を(耳か)瞠りますね。


BLIZARD - Hard Times - Too Late to Love You ★★★ (2011-10-30 00:41:11)

乾いた音色で紡がれるアコギによって醸し出される
大陸的な爽やかさと、懐古の情を刺激する
感傷的なメロディが心地良い1曲。


BLIZARD - Hot Shot! ★★★ (2008-03-16 21:47:00)

松川“RAN"敏也(G)、下村成二郎(Vo)、寺沢功一(B)、孝之(G)と宏之(Ds)の村上兄弟の編成から為る、
東京出身のHMバンドBLIZARDが、1st『暗黒の聖書』、2nd『暗黒の警鐘』に続き、'85年に発表した3rdアルバム。
バリバリにブリティッシュ風味のHMバンドとしてスタートを切るも、当時、アメリカで盛り上がりを見せていたLAメタルの影響を受け、
「メタルとポップ・テイストの融合」を掲げて、作品を重ねる毎にメロディ重視の姿勢を強めていったBRIZARDだが、個人的に、
彼らがWARNER時代に残した4枚のアルバムの中では、その試みが最も高いレベルで結実している(ように思う)、本作が一番の好み。
全体的に、ヘヴィ・メタリックなアグレッションや疾走感は薄れたものの、高音域における歌唱や表現力に余裕が
出て来たVo、ドッシリと重厚さを増したリズム隊、そしてスリリング且つエモーショナルにアルバム全編を駆け巡る、
松川の絶品のリードGと、以前に比べ大幅なパワーUPを遂げたバンド・サウンドにガッチリと支えられた、
強力な哀メロとフック満載の楽曲の数々は、前2作を大きく上回るクオリティを誇り、聴き応え十分。
憂いを帯びたミドル・テンポのOPナンバー①、活きの良いアップテンポのHRチューン④、ストリングスをフィーチュアした
アコギ・バラード⑤⑨といった楽曲も素晴しいが、何より本編の白眉は、バンドの新たな魅力が炸裂する、爽やかに駆け抜けて行く
ポップ・メタル・チューン⑦と、劇的に泣きまくる(サビメロがカルメン・マキ&OZを彷彿とさせる)⑧で決まり。
如何にも80年代的な歌詞は確かに赤面ものだが(笑)メロディアスで、洗練されたポップ・メタルの名盤に仕上がっています。


BLIZARD - Hot Shot! - Follow Me ★★★ (2008-03-16 22:08:11)

BLIZARDの新たな魅力が詰め込まれた、
爽やか且つポップな名曲。
大衆性に満ちたアレンジと、仄かな叙情味を帯びた
爽快感漂うサビが心地良い。


BLIZARD - Hot Shot! - Shade of Blue ★★★ (2008-03-16 22:04:18)

重厚且つドラマティックな泣きの名曲。
サビメロの展開がカルメン・マキ&OZを思わせ、
この曲の歌唱を聴くと、デビュー当時に比べ、
Voが声域といい表現力といい、
格段の成長を遂げたが良く分かります。
勿論、エモーショナルな松川のGも絶品。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 ★★ (2011-10-22 23:51:06)

BLIZARDは後期の作品しか知らなかったので、後追いで初期作に触れた時は、ド直球にヘヴィ・メタリックな作風にかなり驚かされた覚えがあります。'84年発表のこの2ndアルバムなんて、日章旗があしらわれたジャケットにタイトルからして『KAMIKAZE KILLER』ですからね。KAMIKAZEでKILLER・・・くっ付けりゃいいってもんじゃない気もしますが、ともかく主張したい事はビンビンに伝わってくるタイトルですよ。
尤も内容に関して言えば、いきなり美しいアカペラ・コーラスで幕が開く事からも分かる通り、早くもガチガチのHM路線からは脱却が図られており、重厚な“THE SECOND DIAMOND”に“DEAD OR ALIVE”、そして勇ましい疾走ナンバー“BURNING SKY”等の硬派なHMソングで要所を引き締めつつも、ボーカル・ハーモニーとメロディの増量がなされた本編は、ミッド・テンポを中心に意欲的に幅広いタイプの楽曲が取り揃えられているのが特徴。
バラード“LOVE DON'T STAY”は喉を潰すほど歌い込んだという下山成二郎のシンガーとしての進歩がハッキリと刻まれたドラマティックな出来栄えだし、スケールの大きな曲展開と浮遊感を湛えたポップなコーラスがプログレ方面からの影響を伺わせる“FALLIN' ANGEL”も、本作ならではの名曲だ。これらの楽曲を生み出すだけでなく、鮮烈なGプレイをもって華やかな彩りを加える松川敏也(G)の存在も相変わらず圧倒的輝きを放っている。
デビュー作から確かな経験値の上積みが感じ取れる1枚ではないでしょうか。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 - Burning Sky ★★ (2011-10-22 23:57:01)

2ndアルバムの中では最も勇ましく
ヘヴィ・メタリックな疾走ナンバー。
鋭く切り込んで来る松川の才気迸るGはもとより、
硬質なBラインもカッコイイっす。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 - Fallin' angel (罠に落ちた天使たち) ★★★ (2011-10-23 00:08:59)

メンバーが2ndアルバムの自信曲に挙げていると聞きますが、
実際、ゴリゴリのHMに留まらぬ、BLIZARDというバンドが備えた
幅広い音楽的才能が見事に発揮された名曲。
アルバムのOPでも序曲として用いられたポップな浮遊感を湛えた
キャッチーなコーラス・メロディや、スケールの大きな曲展開は
確かにプログレ方面からの影響も感じさせてくれますね。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 - Love Don't Stay ★★★ (2011-10-23 00:05:59)

デビュー作から格段の進歩の跡が伺える
下山成二郎の歌声が主役を張るバラード。
流石、喉を潰すだけ歌い込んだだけの事はあります。


BLOOD FEAST - Chopping Block Blues ★★ (2006-10-20 22:16:00)

デビュー作で炸裂していた、歪みまくりのダーティなVoと、ジリジリとノイジーで破壊的な
Gの音色が改善され(されてしまった?)、随分と聴き易くなった'89年発表の2ndアルバム。
相変わらずスラッシュ・メタル以外の何者でもないサウンド・スタイルを貫いているが、
今回は若干メロディにも気を使った作風ゆえ、無闇矢鱈な迫力が後退してしまっていて、
その辺に不満を覚える硬派なスラッシャーも多かろうが、メリハリの効いた楽曲は前作より格段に
ダイナミズムに溢れ、そのクオリティは確実にUPしてると思うので、個人的には無問題。
但し、個々の楽曲は悪くないのに、通して聴くと強烈な聴かせ所(キメ曲)に乏しいため、
アルバム単位での印象がイマイチ薄いという弱点は、1stの時と同じ。


BLOOD TSUNAMI - For Faen! ★★★ (2014-05-15 23:36:17)

シンプルなジャケットに、短髪、革ジャン、ガンベルト装備のパンク・ロッカーか、はたまた黎明期HMキッズか?というメンバーの出で立ちが物語る通り、外見的にもサウンド的にも、如実に変化の跡が刻み込まれている'13年発表の3rdアルバム。
前2作は、オールドスクールなスラッシュ・メタルに軸足を置きながら、両作とも10分以上に及ぶ劇的な長編ナンバーを収録する等、ヨーロピアンHM由来のダークネスとドラマ性が重厚に渦を巻く場面も散見されました。一方で今回は「せーの、ドン!」でレコーディングされたようなラフな音作りから、仰々しい展開を排して、喧嘩っ早く猪突猛進を繰り返す楽曲に至るまで、パンキッシュとさえ言える「クソったれ」アティテュードを全編に亘って剛速球で叩きつけてきます。
ブラック・メタルばりの凶暴性迸る、ささくれ立ったGリフ作りの上手さが相変わらず際立っており、特に、殺気に満ちた名曲③のカッコ良さは只事じゃねえですよ。(歌詞は日本の右寄りの人達を激怒させそうな感じですが)
これまでとは趣きをやや異する仕上がりではあるものの、本作もまたスラッシュ・アルバムの力作であることに異論はありません。


BLOOD TSUNAMI - For Faen! - The Rape of Nanking ★★★ (2014-05-18 22:51:29)

歌詞に対する反応は人それぞれでしょうが、
テーマを反映したかのような
殺伐とした禍々しさ渦巻くGリフのカッコ良さには
スラッシュ好きとしてハートを奪われざるを得ません。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures ★★ (2009-06-20 18:40:00)

人脈的には完全にブラック・メタル・バンドなのに、デビュー作『THRASH METAL』では、
タイトルに偽りなしのオールドスクールなスラッシュ・メタルを聴かせてくれた、ノルウェーは
オスロ出身の4人組BLOOD TSUNAMI(しかし、すげえバンド名だ)が'09年に発表した2ndアルバム。
ギャアギャア喧しく喚きまくるVo、鋭利に刻まれるGリフ、手数の多いタイトなDs、要所をドラマティックに彩るツインG、
そしてアレックス・ホーリーが手掛けたアートワークetc・・・と、基本的には前作の作風を順当に継承しつつも、
今回はヘヴィで荘厳なスロー/ミドル・チューン③⑦を収録する等、ややスピードダウン。徹頭徹尾スピーディに走りまくりな
スラッシュ・メタル然としたアグレッションが薄れてしまった事を残念に思う向きもあるだろうが、より無慈悲に、
よりドラマティックに磨き上げられた、エピカルな雰囲気漂う楽曲の質は間違いなく向上しており、
その最大の成果と言うべきが、12分以上に及ぶインスト大作ナンバーの⑥で、山あり谷ありの起伏に富んだ曲展開や、
ツインGが紡ぎ出す勇壮なメロディがIRON MAIDENを彷彿とさせるこの名曲は、間違いなく本編のハイライト。
その一方、従来の攻撃性を受け継ぐ①②⑤といった、カミソリの如き高速スラッシュ・ナンバーもちゃんと健在。
この殺伐としたスピード・チューンと、邪悪さ漂うスロー/ミドル・チューンの組み合わせを聴いていると、
丁度ヴァイキング・メタル路線へと接近し始めた(4th『BLOOD, FIRE AND DEATH』の)頃のBATHORYを思い出したりも。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures - Castle of Skulls ★★ (2009-06-20 18:53:15)

アルバムのOPを飾るに相応しい、
カミソリの如き疾走感と物騒な雰囲気を纏った
高速スラッシュ・ナンバー。
「スラッシュ・メタル!」の掛け声と共に
Gソロが走り出すシーンのカッコ良さは特筆モノ。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures - Horsehead Nebula ★★★ (2009-06-20 19:12:38)

12分以上に及ぶ長尺を、起伏に富んだドラマティックな
曲展開と、IRON MAIDENばりに勇壮なメロディを紡ぎ出す
ツインGを活かして、ダレることなく聴かせきるインストの大作。
多彩なドラムワークも楽曲を引き締めます。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures - Nothing but Contempt ★★ (2009-06-20 18:56:41)

基本は、禍々しさを撒き散らしながら疾走する
スラッシュ・ソングだが、要所にドラマティックな
曲展開が取り入れられ、まるで2ndアルバムの作風を
象徴するかのような仕上がり具合。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal ★★ (2009-06-15 22:45:00)

元EMPERORのファウスト(Ds)や元HELLRIDEのピート・イーヴル(Vo、G)が籍を置き、日本人にはインパクト十分な
バンド名を名乗る(?)ノルウェーはオスロ出身の4人組スラッシャーが、'07年に発表した1stアルバム。
ヒステリックに喚きまくる絶叫型Vo、鋭角的に刻まれる湿度低めのカリカリなGリフ、そして、スパスパと切り裂くように
疾走するタイトなリズム隊・・・と、オールドスクールなスラッシュ・サウンドに、北欧ブラック・メタル流の殺伐とした
空気を加えて攪拌したかの如き作風は、まさに『THRASH METAL』という直球勝負のアルバム・タイトルと、
コミック・アーティストとしても知られるアレックス・ホーリー画伯が手掛けた、禍々しく
マッチョなジャケット・アートワークから想起される通りの好戦的な内容を誇る。
個人的には、スラッシーな攻撃性とメロディックなインスト・パートが巧みに組み合わされた、このバンドならではの
名曲③や、高いドラマ性と構築美を誇る、「まるで正統派HM」な10分以上に及ぶ大作インスト・ナンバー⑦が
イチオシなのだが、やはり本作の肝は、①②⑧といった殺気立った高速スラッシュ・ナンバーの数々か。
「このアルバムはフル・ボリュームで聴きやがれ!」という、裏ジャケに記されたメンバーの言葉に
力強く同意する、デス/ブラック・メタル、スラッシュ・メタル、双方のファンにアピールし得る魅力を備えた1枚。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal - Evil Unleashed ★★ (2009-06-15 23:28:19)

Voこそブラック・メタル的な絶叫わめき型なれど、
鋭利なGリフといい、せかせかと2ビートを刻むリズムの
疾走感といい、スラッシュ・メタルならではの
カッコ良さを見事に体現する1曲。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal - Let Blood Rain ★★ (2009-06-15 23:31:16)

本編中、最も「スラッシュ・メタル」してる1曲。
スピーディだが、あくまで「ノリやすい」「頭を振り易い」
速度である点がポイント。
イントロのカッコ良さだけで思わずガッツポーズ。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal - Rampage of Revenge ★★★ (2009-06-15 23:35:36)

スラッシュ・メタルならではの疾走感に、
ブラック・メタル的な禍々しさと、
正統派ヘヴィ・メタリックなドラマ性が同居した
本編のハイライト・ナンバーの一つ。
メロディックなGソロに心打たれます。


BLOODGOOD - Detonation ★★★ (2017-08-06 23:48:53)

ワシントン州シアトルにてマイケル・ブラッドグッド(B)により結成され、後にプロデューサー業やソロ・アーティストとしても活躍するデヴィッド・ザフィーロがフロントマンを務めていたことで知られるバンドが、’87年にFRONTLINE RECORDから発表した2nd。
STRYPER、WHITECROSS、BARREN CROSSを含めた「4大クリスチャン・メタル・バンド」(そんな括りがあったんかい)の中では唯一国内盤がリリースされていないこともあり、日本での知名度は今一つな印象ですが、作品の質の高さでは上記3バンドに勝るとも劣りません。
派手なライブ・パフォーマンス等がキリスト教右派から批判され、本国よりも欧州での人気が先行したという逸話に相応しく、本作において彼らが聴かせてくれるのは、ヨーロピアンな風情も漂わす硬派な正統派HM。特にイントロからフラッシーに炸裂するG、ゴリゴリと骨太なアクセントを加えてくるB、粗い声質のシャウトがメタル向きのシンガーが歌う、思わず合唱を誘われるキャッチーなメロディを伴い疾走するOPナンバー①は、挨拶代わりの一撃とでも言うべき名曲。更にACCEPTばりの重低音コーラスをフィーチュアした勇壮な②がその後に続いた時点で、個人的には本作の出来の良さを確信させられた次第。そして勿論その期待は裏切られることなく、本編にはこれ以降も、讃美歌調に響き渡る重厚なサビメロがドラマティックな⑥、攻撃的な曲調とミュージカル仕立ての歌詞(キリスト処刑にまつわるピラト総督の伝承)を組み合わせた⑧等、印象に残る楽曲が途切れることなく連続します。
インディーズ制作ゆえのパサついた音作りには難ありなれど、気合迸る本編はそれを補って余りあるカッコ良さ。彼らの他の作品もチェックせねばという気にさせられる1枚です。


BLOODGOOD - Detonation - Battle of the Flesh ★★★ (2017-08-07 22:09:20)

イントロから派手な速弾きが炸裂する、OPナンバーらしい疾走曲。
リーダーのマイケル・ブラッドグッドがゴリゴリ鳴らしまくるBが
楽曲の持つハードネスを際立たせます。
シャープに切り込んでくるGに負けじとパワー全開のVoが歌う
ライブ映えしそうなコーラスも印象的。


BLOODGOOD - Detonation - Eat the Flesh ★★★ (2017-08-07 22:17:49)

彼らがクリスチャン・メタル・バンドだからというわけじゃないのですが
どことなく讃美歌チックな荘厳さを湛えて響き渡るサビメロが印象に残ります。
作品全体としては硬派な正統派HMサウンドを志向しつつも
こうしたボーカル・ハーモニーを活かしたコーラスの組み立ての巧みさは、
やはりアメリカのバンドだなぁと。


BLOODGOOD - Detonation - Vagrant People ★★★ (2017-08-07 22:13:49)

メタル魂を燃え上がらせる勇壮な曲調と重々しい疾走感、
地響き立てて炸裂する男性コーラスとが相俟って
そこはかとなくACCEPTを思い出させる逸品に仕上がっております。


BLUE BLUD - The Big Noise ★★★ (2023-12-07 00:05:59)

'79年結成。当時はアルバム・デビューこそ叶わなかったものの、マニア筋からは愛された(復活を遂げた90年代にはNWOBHM勃興30周年を祝うイベントに参加するため来日も果たしている)TRESPASS。このBLUE BLUDは、TRESPASSの中心メンバーだったマーク(G)とポール(Ds)のサトクリフ兄弟によって結成されたバンドで、デビュー・シングル『RUNNING BACK』の好評を足掛かりにMUSIC FOR NATIONSと契約を交わし、'89年に本1stフル・アルバムをリリースしています。
SHYやPRAYING MANTIS、HERITAGE辺りに通じるいなたい叙情HRを聴かせてくれていたTRESPASS時代に対し、ここでは洗練されたハードポップ・チューン②に代表されるような、キャッチーなリフレインと分厚いボーカル・ハーモニー、全体をミストの如く包み込むKeyを生かしたメジャー志向のメロディアスHRサウンドを披露。正直、Voの歌唱力が「抜群に上手い」とはいえないレベルのため、ポップなノリの楽曲だと文系青年がパーティで無理してはしゃいでる感が漂ってきて多少落ち着かない気分にさせられるのですが、曲自体のクオリティの高さは疑いようがないところですし、何より英国産らしい哀愁のメロディに彩られたタイプの楽曲においては、その少々頼りない歌声が逆にメロディの愁いを引き立てる怪我の功名的効果を生んでいる気がしなくもないという。特にイントロからマークのGがドラマティックに泣いている③なんて辛抱堪らんものがありますよ。
バンドは名前をBLUE BLOODと改めて、よりアメリカンな色合いを強めた2nd『UNIVERSAL LANGUAGE』もリリースしていますが、まず聴くべきは本作の方かなと。


BLUE BLUD - The Big Noise - Running Back ★★★ (2023-12-07 23:41:48)

シングルとしてリリースされ、BLUE BLUDの名を一躍知らしめた名曲。
爽やかなハードポップ・チューンだが、アメリカのバンドのように
スカッと突き抜けない曇り具合がやっぱり英国産。Voはあまり上手くは
ないものの、この煮え切らなさが英国っぽさを高めてくれてもいます。


BLUE OYSTER CULT ★★ (2008-04-18 21:07:00)

見ました(笑)。ご指摘ありがとうございます。
「BOCは複数のメンバーがリードVoをとるバンド」と、知識として知ってはいても、
全然、声の聴き分けが出来ない、我が身の不明を恥じ入るばかりです。
例えば“ASTRONOMY"については、『IMAGINOS』の国内盤ライナーを読んで
オリジナルをエリックが、リメイクver.をドナルドが歌っていると
理解できても、それ以外の曲となると㌧と区別が付かないんですよね・・・。
挙げて頂いた楽曲を参考に、聴き分けにチャレンジしてみたいと思います(笑)。


BLUE OYSTER CULT - Agents of Fortune ★★ (2008-04-20 21:39:00)

ビルボードのシングル・チャート12位にランクインする等、BLUE OYSTER CULT史上最大のヒットとなった
バンドの代表曲“(DON'T FEAR)THE REAPER"を収録した、'76年発表の4thアルバム。(邦題は『タロットの呪い』)
前年リリースのライブ盤『地獄の咆哮』で、初期の「文系ヘヴィ・ロック路線」に区切りを付け、もっと大衆性を意識した、
メロディ重視の方向へと足を踏み入れ始めた本作。その最大の成果が、これまでになかったポップでロマンティックな曲調と、
その中から滲み出す「歪み」や「恐怖」までをキッチリと表現した、新たな魅力と従来の「らしさ」を併せ持った名曲③。
ただ問題なのは、この名曲のインパクトが余りにも強烈過ぎるため、他の収録曲の存在が完全に霞んでしまっている点で、
そのせいか、アルバム単位での存在感は(俺の中では)イマイチ希薄。パティ・スミスが歌詞を提供し、バックVoとしても
参加している⑤や、歌謡曲チックな哀愁を漂わせた⑥、ヘヴィ・メタリックなアグレッションを誇る⑦、淡い叙情性と美しいメロディ、
そして一抹の不気味さに彩られた⑧など、名曲と呼んで差し支えないレベルの楽曲は、ちゃんと収録されているのだけど・・・。
ビルボード誌のアルバム・チャートに、連続35週ランクイン(最高位は32位)と、BOCのアルバムの中では、
最も高いセールスを記録した作品なれど、音楽的には過渡期的な印象を残す1枚。まぁ、そこが魅力なわけだが。


BLUE OYSTER CULT - Agents of Fortune - (Don't Fear) The Reaper ★★★ (2008-04-20 21:59:51)

シンプルだが、それゆえスッと胸へと入り込んでくる、
ロマンティックで美しいメロディが非常に印象的な
全米チャート100位内に連続20週ランクイン、最高位第12位と、
息の長いヒット曲となったのも納得の名曲。
ドラマティックな展開を聴かせるインスト・パートでは、
狂気や不気味さもキッチリ表現するなど、
新たな魅力と、従来の「らしさ」が
巧みに組み合わされていますね。


BLUE OYSTER CULT - Agents of Fortune - Morning Final ★★★ (2008-04-20 22:06:23)

泣きを含んだGが奏でる美しいメロディ、
透き通ったピアノの音色で叙情性を増幅するKey、
憂いを帯びた歌メロを気だるげに歌うVo、
そして漂う一抹のダークさ・・・と、
次作『SPECTERS』の作風の布石とも取れる要素を
多分に感じさせる名曲。個人的には、“死神"と並んで
4thアルバムのハイライト・チューン。


BLUE OYSTER CULT - Agents of Fortune - Sinful Love ★★ (2008-04-20 22:12:24)

BOCには珍しく、歌謡曲チックなベタな泣きメロが炸裂する、
哀愁のポップ・チューン。特にGソロ部分の
演歌的とも取れるメロディには、ちょっと笑ってしまった。
いや、十分魅力的な曲なんですが。


BLUE OYSTER CULT - Agents of Fortune - Tattoo Vampire ★★ (2008-04-20 22:09:27)

初期のへヴィ・ロック路線の名残りを感じさせる、
本編随一のアップテンポのハード・ナンバー。
それでいて、大味になることなく、インスト・パートでは
キッチリと、ダークな劇的さを演出している辺りがニクイね、この。


BLUE OYSTER CULT - Club Ninja ★★ (2008-04-20 00:31:00)

作曲面で多大な貢献を果たしていたアルバート・ブーチャード(Ds)と、BOCサウンドの妖しい美しさの要、
アラン・レニアー(Key)が相次いで脱退。バンドは崩壊の瀬戸際にあり、メンバーも認める通り、クリエイティヴな意味において
ドン底だった時期に制作され、一般的な評価も余り芳しくない、'83年発表の10thアルバム。しかもタイトルが
『倶楽部NINJA』と来たもんだ。真面目なメタル・ファンは、このアルバム・タイトルだけで聴く気半減といったところか?
エッジに乏しい音作り(手掛けたのはサンディ・パールマン)や、ダイナミズムに欠けるリズム・セクション等、
大人しくまとまってしまった作風にも若干の物足りなさは残るが、相変わらず楽曲のクオリティ、
分けても叙情メロディの美しさには鈍りがないため、これはこれで、個人的には十分魅力的なアルバムと高く評価している次第。
現BURRN!!編集長(元BOCファンクラブ会員)が、「感動したい時に聴く名曲」としてそのタイトルを挙げている①に始まり、
キャッチーなメロディと、泣きメロの対比が効いている②、Voの技量の向上が際立つ哀メロ・チューン③、
感傷的なメロディを紡ぎ出すGが主役を張ったメロウな④・・・といった、優れた楽曲が連打される前半の充実感は流石だし、
中盤にはやや印象の弱い曲も幾つかあるものの、本作のアイデアの大元となったという、ドラマティックな曲展開を備えた⑧、
アラン・レニアーの抜けた穴を埋めるべく、新加入のKey奏者が華麗なるピアノ・ソロを炸裂させるラスト・ナンバー⑨
といった名曲でアルバム終盤が締め括られるため、聴後感は極めて良好。BOCらしさは希薄と言わざるを得ない
ポップ・ロック風味の強い内容ながらも、ベテランらしい曲作りの上手さが光る、非常に高品質な1枚。


BLUE OYSTER CULT - Club Ninja - Madness to the Method ★★★ (2008-04-20 01:01:48)

『CLUB NINJA』のラストを締め括る、ドラマティックな名曲。
全体的にポップ・ロック風味を強めた同作の中にあって、
一際プログレ色が強く打ち出されている大作ナンバーで、
特に、アラン・レニアーの抜けた穴を埋めるかの如き、
華麗にして流麗なピアノ・ソロを炸裂させるKey奏者が、
非常に良い仕事をしてくれています。


BLUE OYSTER CULT - Club Ninja - Shadow Warrior ★★ (2008-04-20 01:05:13)

タイトルからも察しの付く通り、
アルバム『CULB NINJA』のアイデアの発端となった、
緩急の効いたドラマティックな曲展開が光る名曲。
きっちりと疾走パートも組み込まれていて、
本編中、最もメタリックな内容に仕上がっている。


BLUE OYSTER CULT - Club Ninja - White Flags ★★ (2008-04-20 00:49:42)

ビート感を強調した仕上がりの、メランコリックな
メロディが駆け抜けるアルバムのOPナンバー。
外部ライターに作曲を依頼しているため、
BOCらしさは希薄ながらも、シンセを巧みに用いた曲展開は
なかなかにドラマティック。
現BURRRN!!編集長が、「感動したい時に聴く曲」として、
そのタイトルを挙げる気持ちも分からなくはない名曲。


BLUE OYSTER CULT - Cultösaurus Erectus ★★ (2008-04-23 21:28:00)

NYにて、ビクター・ヴァン・パールマン教授によって発見された、幻の大恐竜カルトザウルス・エレクタスの
復元図をジャケット・アートワークに用いた、'80年発表の7thアルバム。
明るく、ポップでコマーシャルな作風が、「血迷った」とファンからエラく不評を買った6th『MIRRORS』
(個人的には愛して止まないアルバムなんだが)の出来を反省したのか、名手マーティン・バーチをプロデューサーに起用、
前作から一転して、へヴィ・メタル然とした疾走感や重さを取り戻した内容に仕上がっている本作。
「エターナル・チャンピオン」シリーズ等で知られる、SF作家のマイケル・ムアコックが歌詞を提供した
(というかエリック・ブルームの話だと、一緒に食事した時に「歌詞を書いたんだけど、使ってくんない?」と
いきなり渡されたらしい)、重厚でスケールの大きなOPナンバー①からして、その傾向はハッキリと表れていて、
他にも、ダイナミックな曲展開が魅力な(↑の方同様、例のフレーズにはちょっと笑った)⑤や、軽やかに疾走する⑥などを
聴くにつけ、このアルバムが、折からのNWOBHMムーブメントに沸くイギリスで高く評価され、ヒットを記録したという話も
大いに納得が行くというもの。ジャケットのユーモア・センスも、何となくイギリス人の好みっぽいし。
また、その一方で、アコギを用いたソフト&メロウな④、ドラマティックなピアノの調べが印象的なラスト・ナンバー⑨を筆頭に、
『SPECTERS』『MIRRORS』の頃を思わせる、メロディへの拘りも随所で確認でき、決して、へヴィ一辺倒の大味な作品に
なっていない辺りがニクイ。特に、サックスをフィーチュアしたジャズ風味の前半を経て、後半は劇的且つ華麗な疾走へと
転じる②は、BOCというバンドの美点が余すところなく表現された、彼ら屈指の名曲の1つではなかろうかな、と。
BOCのアルバムの中ではイマイチ影の薄い作品ながら、聴き応えは十分。


BLUE OYSTER CULT - Cultösaurus Erectus - Deadline ★★ (2008-04-23 21:41:43)

ソフト&メロウな曲調が、『SPECTERS』の頃を思わせる名曲。
クイクイと胸に沁みる、哀愁を帯びたGフレーズが
心地良いったらありゃしない。


BLUE OYSTER CULT - Cultösaurus Erectus - Monsters ★★★ (2008-04-23 21:35:12)

重いリズムが跳ね回る前半に始まり、
その合間にジャジーなパートを挟みつつ、
後半は劇的且つ華麗な疾走へと転じる、
7thアルバムのハイライト・チューン。
ヘヴィネス、メロディへの拘り、実験精神と、
BOCというバンドの備えた美点が
余すところなく表現された名曲。


BLUE OYSTER CULT - Cultösaurus Erectus - Unknown Tongue ★★★ (2008-04-23 21:39:21)

ハードロッキンな勢いを取り戻した内容に仕上がった
7thアルバムの中では、さほど活躍の場を与えられていない
アラン・レアニーのKeyだが、この曲は別。
ドラマティックなピアノ・プレイでもって、
アルバムのラストを華麗に締め括ってくれます。


BLUE OYSTER CULT - Fire of Unknown Origin ★★ (2008-04-27 01:07:00)

初期の傑作『SECRET TREATIES』と双璧を為す、後期BOCの代表作としてファンから高い評価を得る'81年発表の8th。(邦題『呪われた炎』)
怪奇趣味が濃厚に漂うジャケット・アートワークもインパクト十分な本作だが、内容の方は、その不気味さに反して、
結構ポップ。前作『CULTOSAURUS ERECTUS』で聴かれたような、疾走感や大作主義、ドラマティックな曲展開といった要素は薄れ、
ミディアム・テンポを中心に、美しいメロディ、泣きのG、華麗なボーカル・ハーモニーが前面に押し出された楽曲は、
何れもコンパクトに練り込まれ、取り分け「キャッチーさ」にかけては、BOC史上最高といっても過言ではない。
しかも、単にポップで美しいだけでなく、アラン・レニアーによるシンセを多用したKeyプレイが、アルバム全編に
仄暗い叙情性とミステリアスな雰囲気を付与していて、美しさの向こう側に「恐怖」や「狂気」がうっすらと
透けて見えるという、BOCならではの個性もしっかりと保持。問題作『MIRRORS』の失敗(個人的には失敗だとは思っていないのですが)を繰り返すことなく、
メロディ重視の姿勢を一層押し進めることに成功している。
特に、ヘヴィ且つ怪しげな①、ポップ&キャッチーな②、重く、神秘的な③(歌詞はSF作家のマイケル・ムアコックが担当)
というアルバム冒頭3曲の強力な畳み掛け、そしてクラシカルなピアノによる荘厳なイントロで幕を開ける、
本編のハイライト足るドラマティックな名曲⑧といった楽曲は、後期BOCの中でも指折りの完成度の高さを誇る。
正直なところ、前記した数曲を除くと、個人的には然程思い入れのない作品だったりもするのだが
(最高傑作は『SPECTERS』派なので)、それと本作の完成度の高さは無関係。間違いなく名盤です。


BLUE OYSTER CULT - Fire of Unknown Origin - Burnin' for You ★★★ (2008-04-27 01:11:36)

メロディ重視の姿勢が押し進められた、
後期BOCを代表する名曲の1つ。
ポップでキャッチー、そして仄かな哀愁の漂うメロディが
心地良いったらありゃしない。
“JOAN CRAWFORD"と双璧を為す、
8thアルバムのハイライト・チューン。


BLUE OYSTER CULT - Fire of Unknown Origin - Joan Crawford ★★★ (2008-04-27 01:27:45)

8thアルバムは、アラン・レニアーの美しきピアノ・プレイが
余り聴けないことが大きな不満点なのだが、
その分、この曲のイントロ部分のクラシカルな
ピアノ・サウンドは際立って聴こえます。
不気味さ、キャッチーさ、そしてドラマティシズムといった要素が、
バランスよく配合された、間違いなく本編のハイライト足る名曲。


BLUE OYSTER CULT - Fire of Unknown Origin - Veteran of the Psychic Wars ★★★ (2008-04-27 01:40:00)

重々しく、ミステリアスに、ドラマティックに展開する
ヘヴィ・ナンバー。歌詞はSF作家のマイケル・ムアコックが提供。
重苦しいだけでなく、ストリングスの音色と
スペーシーなKeyサウンドが、楽曲に壮大なスケール感と
叙情性を演出。メロディアスで聴き応え十分な仕上がり。


BLUE OYSTER CULT - Heaven Forbid ★★ (2008-04-13 03:20:00)

傑作『IMAGINOS』を作り上げながらも、その後、再分裂してしまったBLUE OYSTER CULT。後に残ったエリック・ブルーム、
ドナルド・ローザー、アラン・レアニーのオリジナル・メンバー3人が、元RAINBOWのチャック・バーキや
ボビー・ロンディネリらの協力を仰ぎつつ制作、前作から10年ぶりとなる'98年に発表した12thアルバムがこれ。
『IMAGINOS』で炸裂しまくっていた、荘厳さや劇的さはすっかり影を潜め、荒々しい疾走チューン①による幕開けに
思わずギョッとさせられる、BOCの全カタログの中でもトップクラスのへヴィな作風を誇る本作。
個人的には、BOCサウンドの肝である(と勝手に信じていた)アラン・レアニーのドラマティックなKeyプレイ、
中でも流麗なピアノの音色が大幅減となってしまった事が残念でならないのだが、その代わりに、今回は
リフにメロディにとGチームが踏ん張りが光っていて、派手な装飾が取り払われてシンプルな仕上がりとなった分、
元々の楽曲のクオリティの高さをアピールする事に成功している。
そういう意味では、70年代初期の作風に立ち返った作品と言えなくもなく、特に、劇的な曲展開とメランコリックな
メロディの組み合わせが光る②、力強いリズムの上を華麗なコーラス・ハーモニーが舞う③、仄かな哀愁を漂わせたポップな④、
浮遊するエリック・ブルームの歌声が映える、本編随一の哀メロ・ナンバー⑨といった楽曲は、聴き応え十分。
また、ボーナス・トラックとして収録されている、名バラード“IN THEE"のアコースティック(ライブ)バージョンも美味しい。
圧巻の完成度を誇った前作と比べてしまうと、やはり聴き劣り感は否めないものの、単品で評価するならば、
十分、BOCの名の下に発表されるだけのクオリティを備えていると断言できる1枚。


BLUE OYSTER CULT - Heaven Forbid - Harvest Moon ★★★ (2008-04-13 11:42:29)

エリック・ブルームのいなたいVoによって歌われる
ポップな響きを感じさせる哀メロと、
疾走パートも組み込まれたダイナミックな曲展開の
取り合わせが秀逸な、アルバムのハイライト・ナンバー。


BLUE OYSTER CULT - Heaven Forbid - Live for Me ★★★ (2008-04-13 11:48:56)

エリック・ブルームのVoは、決して上手いわけではなく、
どちらかと言えば「ヘタウマ」に属するように思うが、
ただ、浮遊感を漂わせた歌声は分厚いコーラス・ハーモニーと
よく馴染み、この手のメロウなナンバーを歌わせると、
曲の持つ叙情性を一層引き立たせてくれます。


BLUE OYSTER CULT - Imaginos ★★ (2008-04-08 23:08:00)

個人的に、初めて聴いたBLUE OYSTER CULTのアルバムであり、同時に、BOCというバンドに
ハマる切っ掛けともなった、'88年発表の傑作11thアルバム。
そもそもは、8th『FIRE OF UNKNOWN ORIGIN』を最後にバンドから脱退した才人ドラマー、アルバート・ブーチャードの
ソロ・アルバムとして制作された作品が、彼のバンドへの復帰に伴い、結局、BOC名義でリリースされる事となったわけだが、
そうした紆余曲折にも関わらず、これまでBOC史に残る、数多くの名曲の誕生に関与して来たアルバートのアイデアが
叩き台になっているだけあって、その内容は流石のクオリティ。『オカルト宣言』のドラマ性、『SPECTERS』の美しさ、
そして『呪われた炎』のキャッチーさを併せ持った作風は、70年代の名盤群と比較しても、全く引けを取らない
素晴しい出来栄えを誇る。特に、美しい③辺りからいよいよエンジンが掛かり始め、本編のハイライトと言うべき
ドラマティック極まりない名曲⑤以降の展開は、グウの音も出ない程に完璧。また、これらの楽曲に共通するのが、
アルバート・ブーチャードと共にバンドへと復帰を果たした天才キーボーディスト、アラン・レニアーが奏でるピアノの調べが、
大々的にフィーチュアされている点で、彼が奏でる、流麗且つ、指の隙間から零れ落ちていくような繊細なピアノ・サウンドが
もう好きで好きで堪らない・・・という個人的な贔屓目を抜きにしても、そのKeyプレイはただ美しいだけでなく、
美しさの裏に潜む狂気や禍々しさをも描き出し、BOC独特の捩れた美意識の演出に、大きく貢献しているように思う。
クトゥルー神話を元ネタに、無限の力を持った邪悪な使者「イマジノス」が、歴史の裏で暗躍する様を描いた
コンセプト・アルバム・・・という、何やら難解そうなストーリーは脇に置いても、単純に名曲が数多く揃った、
恐ろしくドラマティックな作品として楽しむ事が出来る逸品。BOC入門編としてどうぞ。


BLUE OYSTER CULT - Imaginos - Astronomy ★★★ (2008-04-08 23:34:35)

名曲はどんなアレンジを施されても名曲である、
という事実を見事に証明してみせた仕上がり。
ドラマティックな「オカルト宣言」バージョンに比べると、
こちらは、より軽やかな味わいだが、それが
一層原曲の持つ哀メロの素晴しさを引き立たせている。


BLUE OYSTER CULT - Imaginos - Blue Öyster Cult ★★★ (2008-04-09 21:30:33)

浮遊感を漂わせたVoといい、流麗なピアノの旋律といい、
華麗なコーラス・ハーモニーといい、
非常にドラマティックなのに、どこか淡々とした仕上がりなのが、
クールな都市型へヴィ・メタル・バンドの面目躍如。
バンド名を付けるに相応しいクオリティを備えた名曲です。


BLUE OYSTER CULT - Imaginos - The Siege and Investiture of Baron von Frankenstein's Castle at Weisseria ★★★ (2008-04-09 21:25:58)

ロニー・J・ディオを彷彿とさせるVoの熱唱と重厚感溢れるリズムが、
RAINBOWの超名曲“STARGAZER"を思わせる、恐ろしいほどに
ドラマティックな、11thアルバムのハイライト・チューン。
但し、流麗にして凛と美しく、終盤の涙モノの盛り上がりを
演出する、アラン・レニアーが奏でるピアノの調べといい、
透き通った美旋律を紡ぐツインG、そして華麗なコーラス・ハーモニーといい、
全体としては間違いなくBOC印が刻印されている。


BLUE OYSTER CULT - Mirrors ★★ (2008-04-16 06:12:00)

ウェスト/コースト・ロック風のソフト&メロウなサウンドが、ファンの間で賛否両論を巻き起こした、5th『SPECTERS』の
路線が更に押し進められた、間違いなくBLUE OYSTER CULTの作品史上、最大の問題作と言うべき'79年発表の6thアルバム。
プロデューサーに、CHIEP TRICKとの仕事で知られるトム・ワーマンを起用、ブリティッシュHR的な暗さや重さを
排除したサウンド・プロダクションの下、如何にもアメリカのバンドらしい、抜けるような青空を想起させる、
乾いた雰囲気がアルバム全編を包み込む作風は、従来の屈折した叙情性や劇的さが大幅に薄れ、
ポップでコマーシャル、且つアコースティカルな方向へと大きく足を踏み入れた仕上がり。
その口当たりの甘さゆえ、初めて聴いた時は余り好きになれなかったのだが、どっこい、今ではBOCのアルバムの中でも
五指に入る程お気に入りの1枚である本作。その最大の理由は、やはり強力なフックを備えたメロディの魅力であり、
特に、スウィートで爽やかなバラード③は、このバンドのポップ・サイドの魅力を余す所なく伝える名曲。
また、小粋で洗練された曲展開が魅力の⑤以降、哀メロとへヴィネス、そしてドラマ性のバランスが絶妙な⑥⑦、
LED ZEPPELINを彷彿とさせる(女性コーラスのフィーチュアも効果的な)⑨・・・と、このバンドならではの個性と、
優れたポップ・センスが巧みに組み合わされた楽曲が並ぶ、アルバム後半の聴き応えは半端じゃない。
手っ取り早いヒットを目論むレコード会社の横槍で、ポップでコマーシャルな作風に仕上がってしまったと言われる本作だが、
この楽曲の充実振りを聴くにつけ、メンバーもかなりノリノリで作曲作業に勤しんだんじゃないのかなぁ、と思わざるを得ないわけで。
BOCの作品としては、間違っても最初に聴くべき作品ではないが、かと言って「問題作である」という事を理由に無視するのは、
余りに勿体無さ過ぎる、優れた内容を誇る1枚。


BLUE OYSTER CULT - Mirrors - I Am the Storm ★★★ (2008-04-16 21:41:49)

アラン・レニアーのピアノが華麗に活躍するBOCの楽曲に
ハズレはない、というのが個人的な持論だが、これもその1つ。
BOCならではのヘヴィネスと、優れたポップ・センスが
巧みに組み合わされた、メロディアス且つ劇的な名曲。


BLUE OYSTER CULT - Mirrors - In Thee ★★★ (2008-04-16 21:27:57)

BOCのポップ・サイドを代表する名バラード。
ブリティッシュHR的な暗さや重さが一掃された、
スウィートで爽やかな曲調に、初期BOCを愛するファンは
愕然となること請け合いだが、洗練されたメロディの
美しさには捨て難い魅力があるのも確か。


BLUE OYSTER CULT - Mirrors - Moon Crazy ★★★ (2008-04-16 21:31:55)

軽快に弾む前半を経て、
メロディアスなGに先導される形でテンポアップ、
哀愁を帯びて疾走する後半の展開が小気味良い名曲。


BLUE OYSTER CULT - Mirrors - The Vigil ★★★ (2008-04-16 21:38:16)

前作『SPECTERS』の路線を受け継ぐ叙情HRナンバー。
哀愁を帯びたイントロで掴みはOK。
ヘヴィな前半の気だるげな雰囲気を一変させる、
美しい泣きのGソロが胸に沁みるったらありゃしない。


BLUE OYSTER CULT - Secret Treaties ★★ (2008-04-02 22:35:00)

著名な音楽評論家、サンディ・パールマンとリチャード・メルツァーのバックアップのもとデビューを果たし、
アメリカ版BLACK SABBATHとも言われた破壊的なサウンドと、それとは好対照なラインを描く、知的で文学的な歌詞の数々、
そして前面に掲げられたオカルト趣味が受け、「元祖へヴィ・メタル・バンド」の称号を頂戴するに至った
BOCの初期集大成、最高傑作としてファンから高い評価を得るのが、'74年発表のこの3rdアルバム。
破壊的なサウンドはそのままに、いよいよメロディへの拘りが顔を覗かせ始めていて、ハードさと叙情性が絶妙なバランスを
聴かせる本作。特に、G/Key/Voが紡ぎ出すミステリアスな旋律が、シンプルながらもクセになる①、浮遊するVoが歌う
メランコリックなメロディが心地良い②、シャープでアグレッシブ、且つダイナミックに盛り上がる③、ライブには
欠かせない豪快なロックンロール④といった楽曲が、曲間を挟まずに畳み掛けてくる、アルバム前半(A面)の展開は圧巻。
だが何と言っても本編の白眉は、曲の持つ叙情性を増幅する、凛としたピアノの音色が素晴しい⑦と、そこから組曲形式で
綴られる、後にMETALLICAもカヴァーした(バンド自身も『IMAGINOS』でリメイクを試みている事からも、この曲の重要性が分かる)
ドラマティック極まりないBOC屈指の超名曲⑧の存在。どれほどハードに、劇的に盛り上がろうとも、常に都会的で
クールな雰囲気を失わない、まさに「NYの冷めた狂気」と評された彼らの個性が見事に発揮された大名盤にして、
BOC入門編にも最適の1枚。これを聴いて気に入ったら、サブカル方面で高い人気を誇る初期作品に遡るも良し、
よりキャッチーなメロディ重視の姿勢を打ち出す後期の作品へと進んでいくもよし。


BLUE OYSTER CULT - Secret Treaties - Astronomy ★★★ (2008-04-02 23:06:11)

BOCが誇る、HR/HM史に残る名曲中の名曲。
そりゃMETALLICAだってカヴァーしますわ。
個人的にも、BOCの曲ではこれが一番のお気に入り。
ドラマティック極まりない曲展開と、胸を詰まらせる程の
強力な泣きメロが最大の魅力なれど、それでいて
決して大仰にも臭くもならない、都会的なクールさが
このバンドならでは味か。


BLUE OYSTER CULT - Secret Treaties - Flaming Telepaths ★★★ (2008-04-02 23:00:09)

美しくも凛としたピアノ・サウンドが本曲の肝。
泣きを含んだ切ないVo、哀愁を帯びたメロディを紡ぎ出すGを
フィーチュアして、息苦しい程に盛り上がる後半の曲展開が涙を誘う名曲。


BLUE OYSTER CULT - Spectres ★★ (2008-03-29 22:23:00)

「ニューヨークの冷めた狂気」ことBLUE OYSTER CULTと言えば、やはり、前面に押し出されたオカルト趣味と、
文学的な歌詞が評論家筋から絶賛された、1st~3rdといった初期作品こそが必聴盤なのだろうが、
個人的に、それ以上に愛して止まないのが、この'77年発表の5thアルバム。
バンド内における、自身の影響力の低下を感じ取っていたであろうサンディ・パールマンは、このアルバムを
「前作『AGENTS OF FORTUNE』の成功を受け、その型に固執するあまり売れ線に走ってしまった作品」と批判しているが、
どっこい、定まった「型」の中で徹底的に磨き上げられた、洗練された楽曲の数々は、何れも非常にハイクオリティ。
バンドの代表曲として知られる、日本語の名ナレーションが炸裂する(笑)“GODZILLA"や、ノリの良い“R U READY TO ROCK"
等のライブの定番ソングも良いが、やはり本作の肝は、セピア色に染め上げられた、幻想的なアルバム・ジャケットの
世界がそのまま再現されたかのような、透明感溢れるGサウンドと、浮遊するVo、そして淡く揺らめく叙情性といった要素に
彩られた、ソフト&メロウな楽曲の数々。特に、アダルトで瀟洒な③、ポップ且つ感傷的なメロディが胸に沁みる⑤、
甘やかでリリカルなバラード⑨、本編ラストを締める、冷たく流麗なピアノ・サウンドが絶品な、アルバムの
ハイライト・ナンバー⑩といった楽曲は、ただ美しいだけでなく、常に付きまとう一抹の不安感や奇妙に捩くれた感覚が、
他のバンドにはないBOCならではの個性を主張している名曲。また、ハードロック・バンドならではの重量感と
ドラマティックな曲展開、繊細な哀メロが見事に融合を果たした、荘厳な雰囲気漂う②の素晴しさも特筆モノだ。
一般的な評価は余り高くない作品なれど(というか、そもそもBOC自体が過小評価されているバンドなわけだけど)、
メロディ愛好派のリスナーなら、一度は聴いておいて頂きたい名作。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - Death Valley Nights ★★ (2008-03-30 22:00:41)

邦題は「死の谷の夜」。
気だるげなVoと、瀟洒なピアノの音色が
アダルトな雰囲気を漂わせる、
メロウなセミ・バラード。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - Fireworks ★★ (2008-03-30 22:04:12)

浮遊感を感じさせるVoによって歌われる、
メロメロに感傷的な歌メロが胸に沁みるったら。
サビのポップな展開、透明な音色でしみじみと泣くGも良い。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - Godzilla ★★★ (2014-07-16 22:35:28)

その昔友人に聴かせたら、重厚な伊福部マーチからは
かけ離れた軽快な曲調に「これのどこがゴジラか!」と
憤っていましたが、個人的には「東宝チャンピオン祭り」の
ゴジラだと思って聴けば全然ありだろう、と。
大好き。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - Golden Age of Leather ★★★ (2008-03-30 21:56:00)

アルバート・ブーチャードがQUEENからの影響を認める、
HR的な重量感と、ドラマティックな曲展開、
そして繊細なメロディが融合を果たした、
海外を始め、評論家や関係者からも5thアルバムのハイライトと
太鼓判を押される名曲。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - I Love the Night ★★★ (2008-03-30 22:09:27)

BOCが誇る泣きのバラード。
透明感溢れるGサウンドと、感傷的な雰囲気を漂わすVoが紡ぎ出す
甘い泣きメロが、とにかくもう絶品。
詩情豊かな歌詞も、楽曲の持つ叙情性を大幅に増幅している。
タイトル通り、まさに「夜」に聴くべき超名曲。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - Nosferatu ★★★ (2008-03-30 22:16:06)

不死の存在である男と、彼に魅入られた女の、恐ろしくも
悲しい愛の顛末を描いた歌詞世界をそのまま表現したかのような、
冷ややか且つ流麗なピアノの音色と、揺らめくように浮遊するVoが歌う、
美しくも、どこか歪んだ不気味さを感じさせるメロディが絶品。
“ASTRONOMY"と双璧を為す、BOC屈指の超名曲。


BLUE OYSTER CULT - The Revölution by Night ★★ (2008-05-19 23:51:00)

8th『FIRE UNKNOWN OF ORIGIN』発表に伴うツアー中に、アルバート・ブーチャード(Ds)が失踪→解雇。
バンドは、ライブのライティング担当技師だったリック・ダウニーをドラマーの座に昇格させて急場を凌ぐと、
そのままの編成でレコーディング作業に突入。BON JOVIやAEROSMITHとの仕事で知られる売れっ子プロデューサー、
ブルース・フェアバーンの指揮の下、'83年に制作、リリースされた9thアルバムがこれ。
プロデューサーのチョイスからも明らかのように、ヘヴィネス、キャッチーさ、そして妖しさを伴った美しさの
バランスが絶妙だった前作『FIRE UNKNOWN OF ORIGIN』から、一気に洗練されたハード・ポップ路線へと
舵が切られているのが本作の大きな特色。ただ数々の名曲を生み出し、ソングライターとしてもバンドに
貢献していたアルバート・ブーチャードを欠いている事や、次作『CLUB NINJA』程は、ハード・ポップ路線に
対する開き直りが感じられないせいか、全体的に見ると、強力なキメ曲に乏しく、BLUE OYSTER CULTの
カタログの中では、少々地味な印象が否めない内容でもある。
とは言え、BOCの名を冠して発表された以上、駄作だなんて事がある筈もなく、冷ややかな哀メロを纏った
産業ロック然とした②や、サックスをフィーチュアしたアーバンな雰囲気漂う③、前作の面影を強く残した
重くミステリアスな⑥、アップテンポでスリリングな⑧・・・といった楽曲は、聴き応え十分の佳曲・名曲。
作風に「らしさ」は希薄だし、クリエイティヴ面においてドン底の時期に作られた作品として、エリック・ブルームも
本作は余り気に入っていないらしいが、独立した1枚のアルバムとしては、なかなかどうして楽しめる作品のように思う。


BLUE OYSTER CULT - The Revölution by Night - Eyes on Fire ★★ (2008-05-20 00:33:56)

BOCらしさは希薄ながらも、
ひんやりとした哀メロ、キャッチーな曲調と、
これはこれで非常に魅力的といえる、
産業ロック然とした名曲。


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains ★★★ (2020-12-24 01:11:28)

結局日本盤が出なかった前作『CURSE OF THE HIDDEN MIRROR』(’99年)は未だに持っていないので(そもリリースされていたことさえ結構最近まで知らなかったという)、BLUE OYSTER CULTの新作を買うのは前世紀以来となる、’20年発表の13thアルバム。
ピアノ好きの身には欠かせない存在だったKey奏者アレン・レニアーは既に亡く、ヘヴィ・リフが無骨に刻まれ、レゲエ調のアレンジまで飛び出すOPナンバー①が始まった時にゃ思わず眉間に皴が寄りそうになったりもしましたが(冷静になれば十分良い曲)、硬質なバッキングとポップなメロディのコントラストが印象的な②以降は、メロディは泣いていてもベタつかない③、オールディーズをBOC流の解釈で料理してみせた④…と、エリック・ブルームの浮遊する歌声、立体的に組まれたボーカル・ハーモニー、そして都会的な仄暗さ/冷ややかさを纏ったメロディといった、BOCならではの魅力と個性が刻印された逸曲が連続。
クレジットを見るに、この収録曲の充実ぶりには新参メンバー、リッチー・カステラーノ(G)の貢献も大きかったようで、特に彼が単独で手掛けた、重厚かつ劇的な盛り上がりと随所で流麗に閃くピアノの美旋律に力瘤って仕方ない⑪の、名盤『IMAGINOS』(’89年)に収録されていたって違和感のない名曲ぶりは本作の白眉。しみじみと「優秀な人材をゲットしましたなぁ」と呟かずにはいられませんよ。
《NYの醒めた狂気》とか《文科系BLACK SABBATH》とか、何かと敷居の高い枕詞が冠せられることの多い彼らですが、本作にこれみよがしの難解さは皆無。キャッチーな哀メロを粋なアレンジと有機的な演奏で楽しませてくれる、シンプルに親しみ易い1枚です。


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - The Alchemist ★★★ (2020-12-25 01:01:35)

名作『IMAGINOS』収録の名曲
“THE SIEGE AND INVESTITURE OF BARON VON FRANKENSTEIN'S CASTLE AT WEISSERIA”
を彷彿とさせる、重厚にしてドラマティックなアルバムのハイライト。
Gにリードされて曲調が疾走へと転じる場面のカッコ良さ、
そして凛としたピアノの旋律も印象に残ります


BLUES CREATION - Carmen Maki - Blues Creation ★★ (2007-11-27 19:52:00)

アングラ・フォーク・シンガーのカルメン・マキが、天才G奏者・竹田和夫率いるBLUES CREATIONと組んで作り上げた、'71年発表の作品。
「ジャパニーズ・ロックの黎明期が記録された貴重なドキュメント」(帯より抜粋)としての記録的価値のみならず、
クオリティ的にも全く文句の付けようのない本作。ここで聴く事が出来るのは、「ブルーズに光と影を付けて
ドラマティックに演奏した」LED ZEPPELINからの多大な影響が感じ取れる、ダイナミックなハード・ロック・サウンドで、
「日本のバンドにしては」等という注釈を必要としない、問答無用のカッコ良さを誇る。
マキ姐さんのVoも、声の表現力や深みにおいては、後のカルメン・マキ&OZ時代には及ばないものの、
若々しい歌声は聴いていて単純に心地良いし、何より、歌の巧さにかけては、既にこの頃から一級品。
ジミー・ペイジばりのGプレイが豪快に繰り出される①を筆頭とするハードロッキンな楽曲や、
ZEPの名曲“SINCE I'VE BEEN LOVING YOU"を思わせる猛烈な「泣き」を発散する③、ラストを締め括る
サッチモの名演で知られる“セント・ジェームズ病院"のカヴァー⑧のような、感動的なスロー・チューンも良いけど、
個人的に本作のハイライトは、その両者の美味しい部分を兼ね備えた⑤。トラッド/フォークの名曲を、
ハードロック・バージョンにアレンジし直した楽曲は、熱く、激しく、劇的極まりない仕上がりなのでロック・ファンは必聴のこと。
捨て曲なしの全8曲収録。全編、これぞ70年代ロック!という魅力に満ち溢れた、洋楽志向のリスナーにもアピールする名盤。


BLUES CREATION - Carmen Maki - Blues Creation - Lord, I Can't Be Goin' No More ★★★ (2007-11-26 22:37:08)

LED ZEPPELINの“あなたを愛し続けて"を彷彿とさせる、
猛烈な「泣き」を発散するブルーズ・ナンバー。
情感豊かな竹田和夫のGとマキ姐さんのVoが
素晴しいったらありゃしない!


BLUES CREATION - Carmen Maki - Blues Creation - Motherless Child ★★★ (2007-11-26 22:58:08)

トラッド/フォークの名曲を、劇的なハードロック・バージョンにアレンジ。
「押し」と「引き」を自在に操るマキ姐さんのVoも素晴しいが、
本曲のハイライトは、火傷しそうな勢いで引きまくる
竹田和夫の絶品のGプレイ。特に後半部分の鬼気迫る迫力は
半端じゃありません。


BOB CATLEY - Immortal ★★★ (2022-10-18 00:03:45)

英国の至宝MAGNUMのフロントマンであるボブ・カトレイが、'08年にFRONTIERS RECORDSから発表した個人名義では6枚目となるアルバム。このあと再結成MAGNUMでの活動が軌道に乗って忙しくなってしまったせいか、今のところこれが最後のソロ・アルバムとなっています。
発売当時、音楽雑誌のレビューで「可もなく不可もなく」な点数を食らって売り上げが伸び悩み(?)、ちゃんとキングから日本盤が発売されたにも関わらず、ショップにいっても中古盤すら殆ど見かけることがないという不憫かつ影の薄い本作ですが、アートワークはMAGNUM作品でもお馴染みのロドニー・マシューズが担当。制作に当たってはプロデュースをデニス・ワード、作曲はマグナス・カールソンが一手に担うという隙のない布陣によるバックアップ体制を敷いているのですから、そりゃクオリティが低い物が出来上がるわきゃないでしょう?と。
Gを前面に押し出しヘヴィ・メタリックなアグレッションの増強が図られていた前作『SPIRIT OF MAN』(あれはあれで良き)に比べると、今作は開幕早々から明らかな通りKeyやシンフォニックなアレンジによる優美な味付けが回復傾向を示していて、華麗かつキャッチーに駆け抜けていく④や⑥、重厚で憂いに満ちた曲調にボブの威厳と暖かみを併せ持った説得力溢れる歌声が絡む②⑤⑪、ポップ・センスも活かされた⑧といった劇的な楽曲群は、思わず「よっ、待ってました!」と声を掛けたくなる名曲に仕上がっています。
是非とも再評価をお願いしたい一作。中古盤を見かけたら要レスキューですよ。


BOB CATLEY - Immortal - The Searcher ★★★ (2022-10-18 23:41:37)

タメの効いた重厚且つドラマティックな曲調は
MAGNUM味強めで、そこに威厳と人間的暖かみを
併せ持ったボブ・カトレイの歌声が当然の如く
バッチリとハマっています。


BON JOVI - 7800° Fahrenheit ★★★ (2017-02-14 23:00:06)

哀愁のアメリカンHRの理想形を提示してくれた1st『BON JOVI』と、80年代ポップ・メタルの一つの「型」を創り出し全米チャート8週連続第1位という化物セールスを記録した3rd『SLIPPERY WHEN WET』の間に挟まれ、どうにも印象の薄い’85年発表の2ndアルバム。
Keyが脇へ引いたことでプログレ・ハード的な抒情味が薄れ、代わりにリッチー・サンボラのハードなGの調べが前面に押し出されているものの、メロディのフックは次作のレベルには及んでおらず…といった具合に、いかにも過渡期な作風ゆえ日陰者な扱いを受けるのも致し方なし、か?でも個人的には本作のそうした手探り感というか、若き日のBON JOVIの試行錯誤を感じさせる部分に逆にグッと来ます。
そもそも『SLIPPERY~』のHR/HM史における重要性は認識しても、あの明るくハジけるサウンド自体には然程愛着を覚えない不届き者としては、マイナー調のメロディを纏って駆け抜けて行く②や物悲しい③をハイライトに、どちらかと言えばデビュー作に近しいスタイルの楽曲――出来・不出来に多少バラつきがみられますが――を多く収録するこちらの作品の方を、より贔屓してしまうのは仕方のない話なわけでして。
あと本作の目玉たる日本のファンに捧げられた⑥ですよ。これを名曲に分類するかどうかは意見が分かれがちですが、こちとら冒頭の拙い発音の“サクラ、サクラ”だけでもう「たまらーん!」と悶絶必至。欲を言えばここもジョンが歌ってくれてたら尚良かった(笑)。この名曲が聴けただけで本作に星3つ進呈することに躊躇はございません。
1stと併せて、初期作でのみ楽しめる「粗削りなBON JOVI」が堪能できるスルメ盤です。


BON JOVI - 7800° Fahrenheit - The Price of Love ★★★ (2017-02-14 23:05:28)

哀愁を帯びて歌うリッチーのGが実に沁みる、
1stの作風を真っ直ぐに受け継いだ2ndアルバムのハイライト・ナンバー。
地味めな“恋の切り札”よりもこっちをOPナンバーに
据えれば良かったのに…と初めて聴いた時は思いましたが
バンドがこれをトップに据えなかったのは
2ndが「デビュー作の焼き直し」的なイメージを
持たれることを避けるためだったのかなと。


BON JOVI - 7800° Fahrenheit - Tokyo Road ★★★ (2017-02-14 23:13:25)

この手の日本ネタの楽曲に目がない身ゆえ
オルゴールの音色に続いて流れ出す
冒頭の拙い“サクラ~、サクラ~🎵”だけで「よし、星3つ!」と。
(ここもジョンが歌ってたら星3つじゃ足りませんでしたよ)
バンドに対する支持を一早く表明してくれた日本のファンへの
迸る感謝の思いを楽曲にしてしまうという、
駆け出し時代のBON JOVIの初々しさも微笑ましい1曲です。


BON JOVI - Bon Jovi ★★★ (2017-02-05 22:15:26)

愛して止まない作品なのですっかりコメントした気になっていましたが、実際はまだ何の発言もしていなかったBON JOVIのデビュー作。(’84年発表)
80年代にBON JOVIが確立し、HR/HMシーンを完全制覇したポップ・メタル・スタイルに親しむ向きには、ここで聴かれる少々青臭いジョンの歌唱や、詰めの甘さを露呈するプロダクション及び音楽性には違和感バリバリやもしれません。しかしながら個人的には「そこがツボなんですよ!」と。まだ海の物とも山の物ともつかない新人バンドでしかなかった彼らが、全力を振り絞って奏でても尚垢抜けきれないHRサウンドにグッと来ます。
というか本作は、Keyによる印象的なイントロ、胸を打つ哀愁のメロディ、適度なノリの良さに加えて、一緒に口ずさめるキャッチーなコーラス等々「アメリカン・メロハー斯くあるべし」(というか寧ろ、これ1曲で自分の中でアメリカン・メロディアスHRの理想像が規定されてしまった気さえする)OPナンバー“夜明けのランナウェイ”の無敵ぶりだけで100点満点を進呈したいぐらいでして。このド級の名曲で聴き手の鼻面を張り倒して以降も、仄かにプログレ・ハード風味漂わす③、物悲しいバラード⑤、ハードに駆け抜ける曲調に絡むリッチー・サンボラの激情迸るGソロにグッとくる④⑦…と、優れた楽曲が続々登場。バンドのメロディ・センスと曲作りの卓越した手腕が、デビュー当時から既に研ぎ澄まされていたことを実感させてくれる仕上がりです。
王者の貫禄を身に纏った現在とは異なる、「がむしゃらなBON JOVI」サウンドが堪能できる貴重な(?)名盤。


BON JOVI - Bon Jovi - Burning for Love ★★★ (2017-02-06 23:29:29)

若い!あと青い!
先の見えない道を精一杯の虚勢を張って駆け抜けて行くような
マイナー調のメロディと疾走感にグッとくる名曲。
大物の風格漂う現在とは大きく異なる
初期BON JOVIだからこそ出し得た味わいではないでしょうか。


BON JOVI - Bon Jovi - Runaway ★★★ (2017-02-06 23:07:23)

大映ドラマにドはまりしていた中学生の時分、
部活の先輩が「これが『乳姉妹』の主題歌の原曲だぞ」と
カセットに録ってくれたのがこの名曲との出会い。
(一緒にボニー・タイラーの“HOLDING OUT FOR A HERO”も録ってくれたっけな)
その時初めて「洋楽」というジャンルを意識したので
ある意味、HR/HMというジャンルに足を踏み入れるきっかけともなった
恩人とも言える名曲ではないかと。


BON JOVI - Bon Jovi - Shot Through the Heart ★★★ (2017-02-06 23:23:00)

初期BON JOVIの美点を集約したかの如き名曲。
ハードな曲調に物悲しげなアクセントを加えるピアノの旋律が肝。
例えるなら「雨の日に子犬を拾う昭和の不良」的な。
この曲に限らず1stではデヴィッド・ブライアンのKeyワークが
ピッカピカに輝いていますよ。


BONDED BY BLOOD ★★ (2009-06-09 21:26:00)

'05年、カリフォルニア州にて同じハイスクールに通っていたメンバー達が結成。
1stデモや自主制作EP『EXTINGUISH THE WEAK』が評判を呼び、英エクストリーム・ミュージック・レーベルの
老舗EARACHEと契約し、プロデューサーに名手マイケル・ローゼンを迎えて'08年に1st『FEED THE BEAST』を発表。
タイトで歯切れの良い演奏を武器に繰り出される、非常にオールドスクールなスラッシュ・メタル・サウンドが
好評を博し、HOWLING BULLから日本デビューの予定もあったが、BURRN!!にインタビューや
アルバム・レビューが載ったにも関わらず、直前になってまさかの発売中止。なんでやねん。


BONDED BY BLOOD - Exiled to Earth ★★ (2010-11-23 18:16:39)

新世代スラッシャーの有望株として高い評価を受け、音楽雑誌にレビューやインタビューまで載ったのに、直前になって1st『FEED THE BEAST』の国内盤リリースがお流れとなってしまったBONDED BY BLOODが、2ndアルバムにて遅まきながら日本デビューを飾った。
EXODUSを筆頭に、DEATH ANGEL、VIOLENCEといった80年代のベイエリア・スラッシュ、並びに一頃のSLAYER、OVERKILL辺りに通じるオールドスクールなスラッシュ・メタルを、切れ味と柔軟性を併せ持った、達者な演奏に乗せて聴かせてくれる作風に大きな変化はないが、今回はコンセプト・アルバムということもありシリアス度が上昇。(尤も「エイリアンに侵略された600年後の地球を描く」という漫画チックなコンセプトがシリアスかどうかは意見が分かれるところかもしれないが/笑)
デビュー作に顕著だった、EXODUSばりのファニーなロケンロール感覚は薄れてしまったものの、その分、テクニカルなツインGの存在が益々クローズアップ。リフ/リード・プレイは元より、前作では派手に弾きまくってた割に引っ掛かりの少なかったソロ・パートにおいても、本作ではかなり練り込みの跡の伺える劇的なメロディを随所で炸裂させてくれており、日本盤ボーナス・トラックの⑪なんて、SHRAPNEL系ギタリストのソロ作に収録されてそうなテクニカルでファストなインスト・ナンバーだし、何より、押さえ気味に始まり、SLAYER風の禍々しい爆走パートを経て、ドラマティックなGソロ・パートへと雪崩れ込む名曲⑨は、現時点でこのバンドに望み得る最高峰の楽曲と言って良いような?(フェードアウトで終わっちゃう詰めの甘さが惜しまれます)
強靭さとドラマ性の底上げが図られた、デビュー作に勝るとも劣らぬ1枚。力作ですよ。


BONDED BY BLOOD - Exiled to Earth - Desolate Future ★★ (2010-11-23 21:17:29)

抑え気味の不穏なイントロから、
SLAYERばりに高速回転するGリフが
ガリガリと刻まれる爆走パートを経て
ドラマティック且つメロディアスな
Gソロ・パートへと雪崩れ込んでいく
2ndアルバムのハイライト・ナンバー。
これでフェード・アウトで終わらなければ
3つ星評価確実だったのですが。


BONDED BY BLOOD - Exiled to Earth - Genetic Encryption ★★ (2010-11-23 21:14:01)

多彩なリフのアイデアと、
タイトなリズム隊を前面に押し出し
ハイテンション且つダイナミックに突進する
切れ味抜群のスラッシュ・ソング。


BONDED BY BLOOD - Exiled to Earth - More Worlds Than One ★★ (2010-11-23 21:21:55)

バンドの看板であるツインGコンビのテクニカルな
Gプレイがたっぷりとフィーチュアされたインスト曲で
日本盤のみのオマケ収録なのが勿体ないカッコ良さ。
メンバーはバンド結成当初、RACER Xの曲を
カヴァーしていたらしいが、実際、この曲には
SHRAPNEL系ギタリストのソロ・アルバムに
収録されていてもおかしくない雰囲気が漂う。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast ★★ (2009-06-09 21:30:00)

メンバーの平均年齢が僅か18歳という、アメリカはカリフォルニア州から登場した、ツインGを擁する若き5人組スラッシャーが、
かのマイケル・ローゼンをプロデューサーに迎えて制作、'08年にEARACHE RECORDSから発表した1stアルバム。
前がかりで畳み掛けるような疾走感はVIOLENCEや初期DEATH ANGELといったバンド群を想起させるが、聴いてるだけで
耳から出血しそうな鋭利なGリフ、全編に渡ってピロピロとフラッシーなソロを決めまくるツインG、そして
ハイテンションにまくし立てて来るスティーヴ“ゼトロ"サウザ似のVoと、その最大の影響元は間違いなくEXODUS。
バンド名からしてスラッシュ史に燦然と輝く彼らの名盤『BONDED BY BLOOD』から頂いてるのだし、何より、
緩急自在のスピードを完全にコントロール下に置く、すこぶるタイトな高い演奏力を誇りつつも、アルバム全体からは
刺々しいアグレッションより、リズミックでロックンロールなノリの良さが感じられる辺りもEXODUSっぽい。
まぁ「未来のEXODUS」になるためには、派手な割にイマイチ印象に残らないGソロの練り込み不足と、
頭一つ抜きん出たキメ曲の不在が気になるところではあるが、そうは言っても収録曲の粒は十分揃っているし
(個人的には、猛烈なスピードでラッシュしてくるハイパーな③④、本編の流れに緩急をもたらすミドル・テンポの⑦が
お気に入り)、何より、シャープなGリフと歯切れの良いリズムが鬼のように刻み込まれるOPナンバーから、ラストを
ファニーに締め括る『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』のテーマ曲のカヴァー⑫に至るまで、
ひたすらガンガン押しまくる、「これぞスラッシュ・メタル!」という爽快感に満ちた作風の前には些細な問題か。
現在はボーナス・シングルCDが付いたリミテッド・エディションが出ているので、購入するならそちらがお薦め。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast - Immortal Life ★★ (2009-06-09 22:20:27)

切れ味鋭いリフの刻みから、派手に弾きまくるソロまで
目まぐるしく動き回るツインG、畳み掛けるように
多彩なリズムを叩き出すDsに、そしてハイテンションなVoとが
一丸となって突進する、BONDED BY BLOODというバンドの
美点が判り易く詰め込まれた、名刺代わりの1曲。