デイヴ(Vo)とゲイリー(G)のオーウェンズ兄弟が音頭を取って'79年に英国マンチェスターにて結成。 ご近所さんだったPOLYDOR RECORDSの会計士にデモテープを渡してみたら、本当に同レーベルと契約が成立するという夢のようなチャンスを掴むも、待っていたのは、低予算のライブ・レコーディングでデビューという厳しい現実だったという。 その後もドラマーをサイモン・ライトに替え、スウェーデンのシングル・チャートTOP40に入ったらしい“VALHALLA FORCE”や、ラーズ・ウルリッヒお気に入りの“TREASON”、ラス・バラード作曲のポップな“I’M THE ONE WHO LOVES YOU”等のシングルを発表したが、2ndアルバムの制作前にPOLYDORから契約解除を通告されてしまっている。
AⅡZ初のスタジオ録音のシングル『NO FUN AFTER MIDNIGHT』の B面曲で、攻撃的なGリフといい、シンプルかつスピーディな曲調といい まさに「NWOBHM!」感溢れる名曲。 ラーズ・ウルリッヒ編纂のコンピ盤『NWOBHM '79 REVISITED』('90年)に 選曲されたことでちょっぴり注目を集めました。
AGENT STEELのジョン・サイリース(Vo)、EVILDEADのフォアン・ガルシア(G)を含むラインナップでレコーディングされ、『METAL MASSACRE Ⅳ』に提供した名曲“SCREAM FOR THE GRAVE”が評判を呼んでCOMBAT RECORDSとの契約を手に入れたABATTOIRが、Voを現ANGER AS ARTのスティーヴ・ゲインズに変えて'85年に発表した1stアルバム。 自分は2nd『THE ONLE SAFE PLACE』を先に聴き、そのJUDAS PRIESTやIRON MAIDENを更に攻撃的にしたかのようなパワー/スラッシュ・サウンドに感銘を受け、後に遡って本作を購入したのだが、ある程度ドラマティックな整合性も感じさせてくれた『THE ONLY~』に対し、こっちはMOTORHEADに通じる破天荒なノリが全編に渡って炸裂。「ハードコアHM」とでも表したくなるヤケッパチ感溢れる作りに思いっきり意表を突かれましたよ。(実際にMOTORHEADの代表曲“ACE OF SPADES”をカヴァーしており、しかも半端ないハマリっぷり) 野卑に叫びまくるスティーヴ・ゲインズのVoに、レミーばりの豪快さでのた打つメル・サンチェスのB、けたたましく耳をつんざくツインGと、とにかく全力投球なDsとが破れかぶれ気味に突っ走るサウンドは、チープっちゃチープだし音質は劣悪、楽曲も(“SCREAM FOR THE GRAVE”を除けば)どれもドングリの背比べ状態なのだが、それでも、バンドの剥き出しの初期衝動と、その熱量の高さには圧倒されざるを得ないわけで。 スラッシャーなら案外「ABATTOIRは1stアルバムの方が好き」という人も多かったりするんじゃなかろうか。
個人的にアルバム『BLOOD OF THE NATIONS』の ハイライト・ソングの一つと位置付けている慟哭のバラード。 聴く者の悶絶を誘うウルフ・ホフマンのGの泣きっぷりと来た日にゃ 演歌も真っ青。 また、歪みを抑えた歌声で、哀愁に満ちたメロディを切々と歌い上げる マーク・ト二ーロのVoが堪らなくエモーショナルで胸を抉る。
マーク・ト二ーロの熱いVo、立ち塞がるもの全てを薙ぎ倒す勢いで疾駆する リフ&リズム、そして力強いコーラスと、いずれの要素も 「これぞメタル、これぞACCEPT!」と主張しまくっているが 何より心奪われるのはウルフ・ホフマンのGソロ。 『BLOOD OF THE NATIONS』では構築美を備えたGソロを連発してくれている 彼氏なれど、特にこの曲におけるGソロは強力無比。 初めて聴いた時は余りの素晴しさに膝から崩れ落ちそうになりましたよ。
ACCEPTの新作アルバムを聴くに当たって、全く不安を感じずに済んだのって一体いつ以来でしょうかね・・・と、ふと考え込んでしまった'12年発表の最新作。 前作『BLOOD OF THE NATIONS』発表に伴う長期ツアーで得た手応えと自信は、しっかりと本作の内容の方にもフィードバックされており、参加2作目にして完全にバンドの「看板」としての存在感と説得力をモノにしたマーク・トニーロの金属質な歌声に、聴く者を鼓舞する雄々しいメロディ、マッチョなリフ&リズムの鉄壁を築く楽器隊、そして厳粛極まりない地響きコーラスとが一体となって、威風堂々と突き進むACCEPT流HMサウンドは相変わらず強力無比。シンガーばりにエモーショナルに歌うウルフ・ホフマンの泣きに満ちたGプレイをフィーチュアする、屈強な疾走ナンバー①と、戦争の激しさと悲しみを歌い上げる戦場の挽歌チックな②を聴いただけで完璧にハート鷲掴みですよ。 欲を言えば、マークの歪みを抑えた歌声が気に入っていた身としては“KILL FOR PAIN”のようなバラードが1曲ぐらい欲しかったところですが、代わりに今回は、猛烈な哀愁を背負った男泣きの名曲⑤が収録されているので無問題。 ロックンロール系の楽曲すら排された本編は、ある意味、80年代をも凌駕するメタル魂が荒ぶりまくりで、全11曲、捨て曲なし。復活ACCEPTが新たな全盛期に突入した事を物語る力作に仕上がっております。