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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1001-1100

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RALF SCHEEPERS - Scheepers ★★★ (2019-06-20 22:27:24)

ジャーマン・メタル・シーンが誇る実力派シンガー、ラルフ・シーパースが'11年に発表した初のソロ・アルバム。
リリースはFRONTIERS RECORDSですが、いきなりAOR/産業ロックを歌い出すような衝撃展開はなく(それはそれでちょっと聴いてみたい気がしますが)。山籠もりの修行を終えて人里に降りてきた格闘家みたいなラルフの黒光りする勇姿をフィーチュアしたアートワークと、荒々しく刻まれるリフ&リズムの上でハイトーンVoが鼓膜をつんざくOPナンバー①のカッコ良さが物語る通り、ここで披露されているのはJUDAS PRIEST成分がドックンドックンと脈打つストロングな正統派HMサウンド。というか、バック・メンバーがマット・シナー(B)を筆頭にPRIMAL FEARのメンバーばかりなので、演ってることはほぼほぼPRIMAL FEARと一緒。(本作の方がよりソリッドでメタリックかな)
「ならバンドの方で演ればいいのでは?」と、ソロ・アルバムの意義について一瞬考え込まなくもありませんでしたが、自分のやりたいことと、ファンの求めることがズレなく一致をみていることに対し、外野が口を挟むのは野暮というもの。火を吹く疾走ナンバー①⑪、重厚でドラマティックな⑤⑩、TYRAN' PACE時代のメタル・アンセムのリメイク⑥、そりゃハマるだろうというJUDAS PRIESTの名曲“BEFORE THE DAWN”のカヴァー⑦に至るまで、ラルフ・シーパースのHM愛がギュッと凝縮された熱血作。
ティム“リッパー”オーウェンズにカイ・ハンセンという、因縁浅からぬミュージシャンをゲストに迎えている辺りからも、過去を清算した現在の彼の絶好調ぶりが伺えるのではないでしょうか。


LUCIFER'S FRIEND - Good Time Warrior - My Love ★★★ (2019-06-19 00:52:39)

LUCIFER'S FRIENDらしいドラマティックな曲展開を織り込みつつも
全体としては非常に聴き易く、何だったら映画やドラマの主題歌として
ヒット・チャートを賑わしてたって不思議ではないポテンシャルを
ビンビンに感じさせてくれる名バラード。


LUCIFER'S FRIEND - Good Time Warrior ★★★ (2019-06-18 01:02:02)

URIAH HEEPに帯同する形で実現した初来日公演に感激して以来、LUCIFER’S FRIENDについては「ジョン・ロートン在籍時代のアルバムだけ持ってりゃいいや」という態度は改め、元COLOSSEUMⅡのマイク・スターズが歌っていた時期のアルバムもチェックしようと努めているのですが、今更集めようとするとこれが結構大変でして。なるべく帯付国内盤が欲しいのだけど、下手すりゃ中古盤に5桁の値が付けられていて全然手が出せねぇ…。
という益体もない個人的愚痴はともかく。本作はマイク・スターズ加入一発目として'78年に発表された6thアルバム。一作毎に音楽性が大きく変化していた時期ゆえ、ここで聴けるのはサタニックなバンド名とは裏腹に、明るく軽快にハジけるロックンロール・サウンド。事前知識なしに聴いたらこのギャップに結構驚いたんじゃなかろうか、と。
尤も、そこは百戦錬磨のベテラン・バンド。キャッチーなメロディといい、凝ったアレンジに軽薄さを微塵も感じさせない説得力に溢れた演奏といい、作風は変われど曲作りの腕前に鈍りがないことは明らか。ウッキウキなポップ・チューン⑥なんてこれはこれで味わい深い。またジョン・ロートンと比較しても何ら遜色ないマイクのしなやかな熱唱をフィーチュアした、劇的なバラード③、そして最後に控えし10分超の大作⑩等、これぞLUCIFER’S FRIENDたる貫禄を放つドラマティックな名曲も、アルバムをきっちりと引き締めてくれています。
最初に聴くべきLUCIFER’S FRIENDの作品か?と問われれば答えに詰まりますが、無視して聴かずにおくのは勿体なさ過ぎる力作であることは保証しますよ。


BOULDER - Boulder - Join Me in L.A. ★★★ (2019-06-17 00:48:05)

哀愁を帯びた曲調はアルバムの他の収録曲とは若干気色が異なり、
それもその筈で原曲はウォーレン・ジヴォンの『さすらい』('76年)に収録。
ただ良い曲には違いありませんし、シンセによるミステリアスなイントロをプラスし、
よりHR色を増強する等、魅力的なカヴァーに仕上がっています。


BOULDER - Boulder ★★ (2019-06-16 00:52:20)

数々の名作・名曲を世に送り出してきたシンガー/ソングライターのスタン・ブッシュと、AXE、GUILD OF AGES、EDGE OF FOREVER等の活動で知られるボブ・ハリス。このメロハー・マニアからの信頼篤い職人2人のキャリアの出発点となったアメリカのバンド、BOULDERが米メジャーのELEKTRA RECORDSに'79年に残した唯一のフル・アルバム。先日中古盤屋を回遊していたら本作の帯付CDを発見して「こんなん発売されてたのか、知らんかった!」と思わず衝動買いしてしまいましたよ。まぁ実際は輸入盤に帯と解説が付属しているだけだったのですが、それでも謎多きバンドの一端を知ることが出来たので、ありがてぇありがてぇ。
ちなみにスタン・ブッシュは、本作にはフロンロマンではなくギタリストとして参加しており、曲作りにはほぼノータッチ。そのせいか、BOSTON辺りを天日干しして湿り気をさっぱり蒸発させてしまったような、少々時代を感じさせるハードポップ・サウンドに抒情性やドラマ性の類は希薄です。スタンのソロ作や、ボブ・ハリスが関与してきたバンドに通じるような「哀愁のメロハー」路線を期待すると肩透かしを食らうので注意が必要なものの、神秘的なイントロに期待で鼻の孔が広がる、本作収録曲の中では例外的にプログレ・ハードっぽい雰囲気漂わす①(ウォーレン・ジヴォンのカヴァー)や、ハーモニーが美しいオシャレな②、ピアノが楽し気に踊る④とかは、これはこれで良い曲。ノリ良く軽快な楽曲と、タイトな収録時間の合わせ技で気楽に聴き返せる、肩の凝らない構成も美点ではないかと。
資料的価値も見いだせるマニア向けの1枚ですが、質は十分高いと思いますよ。


BOULDER (2019-06-16 00:51:13)

後にソロ・アーティストとして一旗揚げるスタン・ブッシュ。フランク・ザッパやスティーヴ・ヴァイとの活動で名を上げたボブ・ハリスらが在籍。その割に結成に至る経緯等に謎が多いバンドで、ELEKTRA RECORDSから唯一の作品となるセルフ・タイトルのデビュー作を発表するも、HMブームの到来前だったこともあってから本国では話題になることなく撃沈、バンドは消滅してしまったという。


ANDRE MATOS - The Turn of the Lights - Hisame (Japanese Enka Cover) ★★★ (2019-06-13 00:04:52)

妙にハキハキとしたアンドレ・マトスの日本語の歌にちょっと笑ってしまうのですが
哀愁を帯びた曲調と、ヘヴィ・メタリックなアレンジの相性は良好。
ドラマティックな好カヴァーではないでしょうか?
あと、なぜかこのカヴァーを聴く度に“泳げたいやきくん”のことを思い出してしまうという。
曲調似てるのか。


ANDRE MATOS - The Turn of the Lights ★★ (2019-06-12 00:50:02)

高齢のベテランや、若くして破天荒なライフスタイルを送ってそうなミュージシャンだと、訃報に触れてもある程度は粛々と受け止められるものですが、アンドレ・マトス死去とは…。全く予想だにしなかった方向からブン殴られたような衝撃ですよ。
本作は彼が'12年にソロ名義で発表した3枚目のアルバムで、初めてサシャ・ピート以外のプロデューサーと組んで制作されているせいか、全体的にメロパワ・メタル色もラテン色も控えめ。よりモダンでプログレッシブなアプローチが目立っており、OPナンバーにしちゃ覇気に欠ける①や、本編を色濃く覆う内省的なムード、テンションを抑え気味に淡々と歌うマトスのVoもそうした印象に拍車を掛けています。無論②⑩のような疾走ナンバーも健在ですが、若干「置きに来てる」感がなくもないそれらよりは、憂いに満ちた③、ムーディなバラード④といった、マトスの哀愁声が映える、一聴地味だけど聴くほどに味わいを増す楽曲の方に心惹かれる次第。中でも、緩から急まで多彩な展開を織り込んだ⑧は名曲ですよ。
ちなみに日本盤はVIPER時代の代表曲“AT LEAST A CHANCE”、QUEENSRYCHEの“I DON’T BELIEVE IN LOVE”、演歌の名曲“氷雨”等のカヴァー曲を集めたボーナス・ディスクが付属する2枚組仕様。確か当時“氷雨”聴きたさに本作を購入したんだっけなと。マトスの微笑ましい日本語による歌唱は評価の分かれ目なれど、個人的には哀愁を孕んだ曲調をドラマティックに蘇らせた好カヴァーとして楽しませて頂きました。
マトスの豊かな才能が発揮された1枚であると共に、てめぇがやりたい音楽と、外から期待される音楽との齟齬についての彼の葛藤が刻まれている(ような気がする)作品でもあるという。


PHENOMENA - Psycho Fantasy - How Do You Feel ★★★ (2019-06-10 23:56:19)

アルバム『PSYCHO FANTASY』では3曲リードVoを取っているグレンですが
粘っこいグルーヴにソウルフルな表現力、突き抜けるハイトーンと、
その歌ウマっぷりを遺憾なく発揮しているのがこの名曲ではないでしょうか。
聴き進める程に抒情性が高まっていく曲展開にも引き込まれます。


ANGRA - Angels Cry - Carry On ★★★ (2019-06-10 23:41:47)

NWOBHMにもLAメタルにも第一次北欧メタルブームにもリアルタイムでは間に合わなかった身にとって、
「後世まで語り継がれるHR/HMの名曲」とは、己がこのジャンルを聴くようになるずっと以前から
既に厳然として存在する楽曲ばかりだったわけですが、考えてみればそんな自分にも
「後世まで語り継がれる名曲誕生にリアルタイムで立ち会えたかも」
と思わせてくれた楽曲の一つが、この“CARRY ON”だったなぁと。
当時それぐらいのインパクトを受けた名曲でありました。


PHENOMENA - Psycho Fantasy ★★ (2019-06-10 00:22:46)

HR/HMシーンにおけるロック・オペラ・プロジェクトに先鞭をつけたPHENOMENA。『PHENOMENA』(’84年)『DREAM RUNNER』(’87年)『INNERVISION』(’93年)の3作をもって完結をみた同プロジェクトが復活し、'06年に発表した4thアルバム。
小さなお子様が目にしたら悪夢にうなされそうなホラー映画調のジャケットがフィーチュアされた本作は、過去作に比べるとゲストの顔触れはやや地味め(CLOVEN HOOFの参加には驚きましたが)。また簡素なプロダクションの下、やたら殺伐としたGリフが刻まれ、曲によってはラップ調のVoを取り入れていたりと、あからさまに流行――それも周回遅れ気味――を意識している感じなのも何だかなぁと、アルバム序盤はあまり良い印象が持てずにいました。
しかしながら、聴き進める内に本編は徐々にドラマ性と抒情性を回復。先に「ゲストは地味」とか書いてしまいましたが、参加シンガーはトニー・マーティン、リー・スモール、キース・マレルら実力派揃い。特にファンキーなグルーヴが効いた⑨を筆頭に、力づくで楽曲のクオリティをランクUPさせてしまうグレン・ヒューズのソウルフルな歌声は別格の素晴らしさですよ。またキースが歌う幻想的な④、重厚壮大な⑦、ラップVoを取れ入れた③も実は案外良い曲だったりと、トータルではPHENOMENAの名の下に発表されるに相応しい品質に仕上げている辺りは、流石ギャレー兄弟といったところではないでしょうか。
ちなみに本作、ジャケットをよく見ると名義が《FROM TOM GALLEY THE CREAT OF…》となっており、これは3rd『INNERVISION』発表後にプロジェクトの権利を巡って、メンバー兼プロデューサーだったオライアンと揉めたことが影響している模様。


Jester - Its Time ★★★ (2019-06-08 00:20:54)

カナダはオンタリオ州ウィンザー出身の4人組が、'94年に発表した1stアルバム。(恐らく唯一作)
国内盤はゼロ・コーポレーションからの発売。かつてゼロのカタログをコンプリートすべくレーベル買いを実行していた時期もあった身としては、本作の存在を全く関知していなかったことに少なからずショックを受けたのですが、インターネットが発達した現在ですら、調べてみても素性に関しては情報が少ないバンドゆえ、「どうせ大したことない内容なんだろ?あん?」と上から目線のオラついた態度で本作に挑んだところ、いやこれが非常に歯応えの感じられる作品で、逆に「舐めてて申し訳ありませんでした」とこっちがシメられる羽目になってしまったという。
音の方はほんのりプログレ風味も漂うメロディアスHR。明る過ぎず暗過ぎないサウンドはまさにカナディアン・メロハーの面目躍如といったところで、楽器陣は安定したテクニックを有し、中でもGと兼任でVo としてもその実力を遺憾なく発揮するフロントマンのT.J.ナイトは、同郷の先輩バンドTRIUMPHのリック・エメット師匠のことを思い出す逸材です。彼の憂いを帯びた声質が映える④⑧のような抒情バラードの素晴らしさも然ることながら、本編のハイライトは⑦。ハードに切り込むG、躍動するBに、オカズ満載で踊るDsとが、キャッチーな歌メロを伴い適度な緊迫感を湛えて駆け抜けていくこの名曲を聴けただけで、本作購入代金の元は回収した気分になりましたよ。
「中古盤が3桁で買えてしまう名盤」リストに名前を追加したくなる1枚でした。


Jester (2019-06-08 00:19:14)

アメリカと国境を接する街、カナダはオンタリオ州ウィンザーにて結成。
JOURNEY、BOSTON、RUSH、SAGAといった先輩バンドからの影響を糧に音楽性を磨き上げ、
4曲入りデモテープ『LAST LAUGH』を制作した後、’94年にMEGAROCK RECORDSから
1st『ITS TIME』を発表してデビュー。同作はゼロ・コーポレーションから日本盤も発売されている。
情報が少ないバンドゆえその後の消息は判然としないものの、
恐らく本作1枚きりで消滅してしまったものと思われる。


MIDNIGHT BLUE - TAKE THE MONEY AND RUN - UNTIL TOMORROW ★★★ (2019-06-06 00:56:35)

ドゥギーの魂の籠った熱唱といい、涙腺をクイクイ刺激してくる
泣きのGといい、そして哀愁の海に肩まで浸かったメロディといい
「エモーショナルとはこういうことだ!」と主張しまくる
ドラマティックで辛抱たまらんバラードの逸品。


MIDNIGHT BLUE - TAKE THE MONEY AND RUN - Till the Mourning ★★★ (2019-06-06 00:48:53)

明るく爽やかなメロディ、キャッチーでコマーシャルな
コーラス・ワーク、ポップな高揚感に満ちたメンバーの
パフォーマンスに、思わず心浮き立たされずにはいられない
哀愁の“SURRENDER”とは異なるベクトルの魅力を放射する
ハードポップの名曲です。


MIDNIGHT BLUE - TAKE THE MONEY AND RUN - SURRENDER ★★★ (2019-06-06 00:42:24)

ドゥギーの張りのあるハイトーンVo、泣きを湛えたG、北欧メタル的透明感を演出する
煌びやかなKeyとが、三位一体となった哀愁のメロディアスHRナンバー。
MIDNIGHT BLUE=この曲といっても過言ではない名曲じゃあないでしょうか。


MIDNIGHT BLUE - TAKE THE MONEY AND RUN ★★★ (2019-06-05 00:47:00)

ドゥギー・ホワイト(Vo)といえば、殆ど無名の存在からいきなりRAINBOWのフロントマンに抜擢されたシンデレラ・ボーイとして注目を集めたのも今は昔。すっかり便利屋シンガー稼業が板につき、たまに歌声を聴いても「また君か」とあんまり有難みを感じて貰えない昨今ですが、初めてMIDNIGHT BLUEでその卓越した歌唱力に触れた際には、「イギリスにはまだまだ凄いシンガーがいるんだなぁ」と感心させられたものですよ。
MIDNIGHT BLUEは、元TOBRUKのジェム・デイヴィス(Key)を中心に誕生したバンドで、後にブルース・ディッキンソンのSKUNKWORKSに参加するアレックス・ディクソン(G)なんかも在籍。’94年発表の唯一作である本作は、日本ではZEROコーポレーションから国内盤がリリースされ、特にOPを飾る名曲“SURRENDER”がメロディ愛好家から絶賛されました。彼らが本作で聴かせてくれるのは、その“SURRENDER”の哀メロっぷりが物語る通り、透明感を増幅するKeyとウェットなGをたっぷりとフィーチュアした、適度にポップ、適度に哀愁を帯びた煌びやかなメロディアスHRサウンド。
日本盤は全13曲収録で60分オーバーという長尺ゆえ、多少楽曲の質にバラつきは見られるものの、それでも溌剌とした曲調に高揚感を誘われる⑤、エモーショナルなドゥギーの熱唱と、精彩を欠いたSKUNKWORKSとはまるで別人なアレックスの泣きのGが冴え渡る、哀愁のバラード⑧やタメを効かせて盛り上がる⑩といった名曲からは、そうした弱点を帳消しにして余りある魅力と輝きを感じ取ることが出来るのではないでしょうか。
TOBRUK、SHY、STRATUS等々、英国の抒情派HRバンドを愛する向きにお薦めな1枚。


HELIX - Back for Another Taste - Wheels of Thunder ★★★ (2019-06-03 23:52:05)

音作りは洗練されていてメタルっぽくはないのですが、
SAXONばりの曲名が物語る通りのハード・ドライヴィンな曲調と、
ベテラン・バンドらしい木目細かい曲作りの技とが同居した、
HELIXのHRバンドとしての牙が折れていないことを誇示する名曲です。


HELIX - Back for Another Taste - Running Wild in the 21st Century ★★★ (2019-06-03 23:47:08)

あえて打ち込み感を強調したリズムや、煌びやかなコーラス・ワーク等、
HELIX流に料理されたモダンなハードポップ・チューン。
しかしこれが大変素晴らしい出来栄えでして、特にVoの歌う
都会的というか、どこか冷ややかな哀感を湛えたメロディにグッときますね。


HELIX - Back for Another Taste ★★★ (2019-06-03 00:03:14)

オーセンティックなHR/HMへの逆風が一気に強まった’91年。アルバム・セールスの勢いが衰えメジャーのCAPITAL RECORDSとの契約を失ったカナダのHELIXが、オリジナル・メンバーの一人だったブレント・ドエナーの脱退に伴い、シングルG編成の4人組となって発表した7thアルバム。プロデュースはトニー・ボンジオヴィがバンドと共同で担当しています。(曲によってはニール・カーノンの名前もプロデューサーとしてクレジット)
HELIXについてよう知らんかった当時、「カナダのAC/DC」と呼ばれていたらしいとの薄らボンヤリとした情報と、日本盤のリリースがスラッシュ/パワー・メタル系のカタログを多数抱えるテイチクのMETAL MANIAだったことから、きっと刺々しくアグレッシブなサウンドが詰まってるに違いないと勝手に期待して聴き始めてみたらば、音作りはマイルドだしパフォーマンスも洗練されているしで、思ってたのとかなり違うなぁと。
ただ、じゃあ退屈な作品なのかと問われれば答えは断じて「ノー」。聴く者を踊らせるキャッチーなノリの良さ&フックに磨きの掛かったメロディで、世が世ならヒット・チャートを席巻していたであろうポップな⑨やコマーシャルな⑪、嘗てのカミソリ感に情熱的な表現力も加味されたブライアン・ヴォウワー(Vo)の歌声が映えるバラード④等、本編にはガムシャラな荒々しさ以上に、ベテラン・バンドの貫禄と懐の深さが光る秀曲が並んでいます。中でもヒンヤリとした感触を残して駆け抜ける哀メロ・ナンバー②と、HELIXがHRバンドとしての牙を失っていないことを証明する疾走ナンバー⑫は絶品ですよ。
作を重ねて味わいを増したHELIXの魅力が堪能できる1枚。


FIRST SIGNAL - FIRST SIGNAL ★★★ (2019-05-31 00:23:22)

日本でも高い人気を誇るカナダのHAREM SCAREM。そのシンガーであるハリー・ヘスを主役に迎えたプロジェクトのデビュー作。(’10年発表)
改名騒動に音楽的試行錯誤等、再結成以前のHAREM SCAREMは、バンドが演りたい音楽とファンが彼らに期待する音楽とが微妙なすれ違いを続け、その距離を埋めきれぬまま解散へと至った印象が少なからずありますが、FRONTIERS RECORDSの仕切りで実現した本作は、「俺達が理想とする初期HAREM SCAREM風の楽曲をハリー・ヘスに歌って貰いたい!」との願望ありきでレコーディングされているため、その辺りの思惑のズレが皆無。デニス・ワードがプロデュースを担当し、盟友ダレン・スミス(B)らのゲスト参加を仰ぎ、マーティン兄弟、ダニエル・フローレス、エリック・マーテンソンら、名うてのソングライター陣がハリーのために腕を振るうというお膳立ての揃いまくった本編には、まさに1st~2ndの頃のHAREM SCAREMを彷彿とさせるフック満載のメロディック・ロック・ソングが大集合しています。
特に、華麗に咲き誇るボーカル・ハーモニーからGソロまで、OPナンバーに相応しい高揚感で駆け抜ける①に始まり、爽快な②、哀愁を湛えた重厚なミッド・チューン③と来て、悲哀のメロディが胸を打つドラマティックなバラード④へと至るアルバム前半の流れは掴みとして文句なし。キャッチーなハードポップ⑧⑩が用意された後半戦まで、ハリーの伸びやかで情熱的な歌声の素晴らしさを「これでもか!」と堪能できる、隙のない仕上がりをアピールする1枚に仕上がっていますよ。最近3rdも出たらしいのでチェックせにゃ。


Peter Sundell - Now - Dust in the Wind ★★★ (2019-05-30 00:30:57)

“すべては風の中に”の邦題で知られるKANSAS屈指の名バラード。
素朴な美しさと詩情を湛えた原曲を、このバージョンでは
オーケストラの存在を強調して、より優美且つドラマティックに
アレンジしてカヴァー。ピーターの伸びやかな歌唱の見事さと相俟って
アルバムのハイライトの一つと言える仕上がりとなっています。


Peter Sundell - Now ★★★ (2019-05-28 23:41:50)

知ってる人は知っているスウェーデン出身のシンガー、ピーター・スンデルが、'18年に発表した初のソロ・アルバムは、若き日の彼が影響を受けたアーティスト達の名曲を瑞々しく歌い上げるカヴァー・アルバムとなりました。
HR/HMファンにお馴染みのバンドから、プログレ系、あるいはポップ畑のアーティスト、更に意外なところでは日本のオメガトライブまで、カヴァー対象はバラエティ豊か。ただ、いずれ劣らぬキャッチーなメロディが印象的な名曲にスポットが当てられており、例えばDAVID ROBERTSの③、HUGHES/THRALLの⑤等、「良いトコ突くねぇ」と親指を立てたくなるチョイスには顔が綻びます。それらを盟友オラフ・トランペ(G)がアレンジに演奏に全面支援。メロハー風味と抒情性を増幅する方向で料理してくれているのですから、GRAND ILLUSIONを始め、ピーター&オラフがこれまで関わってきたとバンドを愛するファンのツボにハマるのは自明の理というもの。
ピーターも透明感溢れる歌声で主役ぶりをアピール。鼓膜にキンキンくるハイトーンVoは評価が割れるようですが、彼の支持派としてはそこが良いんじゃない!と。AIRPLAYの①、トレヴァー・ラビンの②と、開巻早々「らしさ」全開のハイトーン連発に思わず頬が緩んでしまいます。より優美なアレンジで蘇ったKANSASの名バラード⑧を始め、(声質的な好き嫌いをさておき)実力には折り紙付きのシンガーが、優れた楽曲の数々を歌い上げているのですから、そりゃ楽しめないわけがありませんよ。
もし次があるならば、その時は新曲揃えてソロ・アルバムを作ってくれたら尚嬉しいですけども。


Peter Sundell (2019-05-28 23:35:51)

スウェーデン出身のシンガー。
MADISONやTALK OF THE TOWNのバック・ボーカルを務める等してキャリアを積み、PROMOTIONでアルバム・デビュー。
このバンドを前身に誕生したGRAND ILLUSIONが日本でも人気を集め、また彼らが発表した作品で聴けるピーターの透明感を湛えた瑞々しいハイトーンVoが高評価を得たことで、知名度を一気に高めることなった。
'18年に初めてのソロ・アルバムとなる『NOW』を発表。


ZAR - Eagle's Flight ★★★ (2019-05-28 00:37:06)

親日家トミー・クラウス(G)が率いていたドイツのメロディックHRバンド、ZARが'93年に残した3曲入りEP。
収録曲は、アコギが乾いた哀愁漂わすアメリカンな味わいのバラード“EAGLE’S FLIGHT”、憂いを帯びた重厚なミッド・チューン“NEVER SO ALONE”、合唱を誘うアリーナ・ロック然とした“I CAN’T BELIEVE”の3曲で、いずれもトミー・クラウスの作曲センスが発揮された佳曲ながらも、’93年発表の3rd『FROM WELCOME…TO GOODBYE』に収録されていた既発曲ばかり。ゆえに、それだけだったら買わずにスルーは確定だったですが、ハタと目に留まったのが、ジャケットに印刷されている《ZAR featuring JOHN LAWTON』の文字ですよ。そう、何と本作には1st『LIVE YOUR LIFE FOREVER』(’90年)で歌っていた初代シンガーにして、LUCIFER’S FRIENDやURIAH HEEPでの活動でも知られるジョン・ロートンが、ゲストVoとして自慢の喉を提供してくれているという。
参加曲が“EAGLE~”のみなのは残念ですが、二代目フロントマンのトミー・ブロックとリードVoを分け合う形で披露されるその歌声は相変わらず強力無比。張り良し艶良し伸び良しの絶品ぶりで、流石のトミー・ブロックのVoも、ここではやや霞んで聴こえてしまうのも致し方なしか。個人的には、この1曲を聴くためだけでもシングルを購入した甲斐は十分にあったと握り拳を固めた次第。
ちなみに(クラウスの日本趣味が発揮された)“KURODABUSHI”のカヴァーを収録する、『FROM WELCOME~』からカットされたもう1枚のEP『WELCOME』もお薦めです。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin - Top Gun ★★★ (2019-05-26 23:02:51)

ジャケットがインパクト大なジャーマン・パワー/スラッシャーの
デビュー作のOPナンバー。’88年にドイツのラムシュタイン空軍基地で発生した
墜落事故をテーマに、スラッシーな前半から、パワー・メタリックな中盤へと
テクニカル且つドラマティックに盛り上がっていく曲展開がまさにPYRACANDA印。
先日リマスター盤を買い直したのですが、この曲を聴いただけで
かなり音の分離が良くなったとの印象を受けましたよ。


SHAW BLADES - Influence - The Sound of Silence ★★★ (2019-05-24 00:33:48)

近年だとDISTURBEDがカヴァーして大ヒットさせたことでも
記憶に新しい、サイモン&ガーファンクルの代表曲。
トミー・ショウとジャック・ブレイズも、惚れ惚れするぐらい息の合った、
美しさの極みというべきボーカル・ハーモニーを駆使して
この学校の音楽の教科書に載ってしまうぐらいの名曲をカヴァーしてくれています。


SHAW BLADES - Influence ★★★ (2019-05-23 23:32:51)

STYXのトミー・ショウと、NIGHT RANGERのジャック・ブレイズという、DAMN YANKEESでも同じ釜の飯を食っていたコンビが立ち上げたデュオ・プロジェクトSHAW BLADES。'95年に1st『HALLUCINATION』を発表したきり、しばらく音沙汰のなかった彼らから久方ぶりに届けられたカヴァー曲集。('07年発表)
YES、EL&P、BUFFALO SPRINGFIELD、THE HOLLIES、THE ORLEANS等々、カヴァー対象は2人のルーツというべき60~70年代の人気アーティストが中心で、さながら彼らの「青春のサントラ」といった趣き。洋楽に興味がなくともTVやラジオ、あるいは映画、ドラマの主題歌として一度くらいは耳にしたことがあるじゃろうか?という有名なヒット曲/代表曲がズラリ並ぶ本編からは、甘酸っぱくも爽やかな郷愁が薫ります。
一応NIGHT RANGERの僚友ケリー・ケイギー(Ds)がゲスト参加しているものの、ロック色が感じられるのは④ぐらいで、基本アコースティック・アレンジが主体となるサウンドにHR/HM色は皆無。それでも、トミー&ジャックの瑞々しい歌声と、息の合ったボーカル・ハーモニーの美しさには聴き惚れてしまいますし、何より当人たちが楽しんでレコーディング作業を進めたであろうことがじんわり伝わってくる、作品全体を包み込むリラックスした雰囲気の良さに聴いてるこっちも思わず笑顔になってしまうという。特にサイモン& ガーファンクルの⑥、ママス & パパスの⑦の出来栄えは原曲の良さと相俟って絶品ですよ。
ゴールデンウィーク明けのダウナーなハートを心地よく癒してくれる1枚。疲れていてあんまり重いものは聴きたくないという方にお薦め致します。って、日本盤はいつの間にか廃盤かい。


BATON ROUGE - Shake Your Soul - Melenie ★★★ (2019-05-22 00:48:01)

ポップ・メタル然とした溌剌さが勝る本編にあって
哀愁強めのメロハー・チューンっぷりが
ナイスなアクセントにもなっています。
バンドのフックを効かせたメロディ作りの巧みさが光る
コンパクトに締まった名曲。


BATON ROUGE - Shake Your Soul ★★★ (2019-05-21 00:23:02)

ルイジアナ州ニューオーリンズにて結成され、LAを拠点に活動していた5人組BATON ROUGEの'90年発表のデビュー作。
2nd(名盤)と3rd(悪くない)は手元にあるものの、この1stは「不気味なキューピー人形」といった趣きのジャケットの印象が悪過ぎて、リリース当時購入をスルーしてしまっていました。最近になって運良く国内盤を入手する機会に恵まれたのですが、多くのHR/HMファンが「隠れた名盤」と太鼓判を押すその完成度の高さに、改めて唸らされた次第。
デビューに向けてバンドが書き上げた100曲に及ぶ楽曲の中から、アルバム収録曲12曲を選りすぐり、腕利きソングライター/プロデューサーとして知られるジャック・ポンティとの共同作業でそれらを更にブラッシュアップしていく…というレコーディング・プロセスを経ているだけあって、大陸産ポップ・メタルらしい明るいノリと威勢の良さ、体を揺さぶるグルーヴ、合唱を誘発するキャッチーなコーラスを伴いつつ、メロディに強力なフックが効きまくった収録楽曲のクオリティの高さは無類。
本作には、エネルギッシュにOPを飾る①、発表時期が80年代だったなら間違いなくヒット・チャートを賑わしていたであろうバラード③、ダイナミックな高揚感に溢れた⑦、躍動する⑨等、現在では実力派シンガーとして名を成すケリー・キーリングの若き日の熱唱が映える名曲/佳曲が目白押し。中でも個人的に印象深いのが名曲⑧で、全体的にブライトな感触の本編にあって、この物悲しげなメロハー・チューンのインパクトは際立っていますよ。
長らく廃盤のまま放置されている国内盤のリマスター再発をお願いしたくなる名盤であります。


FORTUNE(L.A) - II - Freedom Road ★★★ (2019-05-20 01:34:41)

哀愁味の強い“SHELTER OF THE NIGHT”の後を受け、
ポジティブな空気を纏って力強く盛り上がっていく
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
バンドがリーダー・トラックに選んだのも納得です。


FORTUNE(L.A) - II - Shelter of the Night ★★★ (2019-05-20 01:29:54)

名盤と評判の前作に収められていても違和感のない
完成度を誇るメロハー・チューン。イントロから
リリカルに弾むKeyといい、憂いに満ちた歌メロを拾うVoといい
哀愁を増幅するGといい、「FORTUNEかくあるべし」な名曲。


FORTUNE(L.A) - II ★★★ (2019-05-18 07:06:19)

あのFORTUNEが帰ってきた!と喜んでも「だからどのFORTUNEだよ?」と突っ込まれるぐらい、HR/HMシーンには同名バンドが存在していますが、こちらはスウェーデンでもボストンでもなく、1st『聖未来』(’85年)が未だメロディ愛好家の間で神盤として奉られているLA出身のFORTUNEのこと。本作はイギリスで開催されたロック・フェスへの参加を契機に再結成を遂げた彼らが、34年ぶりに発表した2ndアルバム。
レコーディングは、リチャード(G)とミック(Ds)のフォーチュン兄弟に、映画『トップガン』のサントラへの楽曲提供や、HARLAN CAGEとしての活動で知られるLAグリーン(Vo)といったお馴染みの面子によって行われていて、HARLAN CAGEでグリーンと行動を共にしていたロジャー・S・クレイグの不参加が惜しまれるものの、ソングライターとしては制作過程に関わってくれているようなので落胆には当たりません。
そうして作り上げられたのは、意図的にデビュー作を踏襲したアートワークが如実に物語る通り、キャッチー且つ哀愁に満ちたメロディ、煌びやかなKeyとボーカル・ハーモニーが全編を彩る、嘗ての作風をブレることなく受け継いだメロディアスHRサウンド。特に抒情メロハーの様式美というべきKeyリフが弾む②は、まさに「これを待っていました!」と膝を打つ名曲ぶりで、本年度ベスト・チューン候補にランクインしましたよ。俺の中で。
メンバーが年齢を重ねた分サウンドの方には落ち着きが感じられるようになり、本編後半では若干息切れの気配も漂いますが、それでも再結成バンドがここまで質の高い作品を発表してくれたならば、文句よりもお礼の言葉しか思い浮かびませんて。


Shotgun Symphony - Sea of Desire - Between the Eyes (Eyes of Anger Part II) ★★★ (2019-05-16 00:01:57)

2nd『FORGET THE RAIN』収録のバラード“EYS OF ANGER”の
続編に当たる(?)アルバムのラスト・ナンバー。
トレイシー・ホワイトの濡れ濡れな美声が堪能できるメロウな前半だけで
十分素晴らしいのですが、4分過ぎてからのもう一山の盛り上がりが
この曲をドラマティックな名曲たらしめています。


Shotgun Symphony - Sea of Desire - What I Wouldn't Give ★★★ (2019-05-15 23:52:47)

抒情的なピアノ、泣きのG、エモーショナルなVoに
壮麗なハーモニーと、聴く者を励まし勇気づけるような
ポジティブなエネルギーを感じさせる感動的なバラード。


Shotgun Symphony - Sea of Desire ★★★ (2019-05-15 00:19:35)

ニュージャージー出身のKey奏者を含む5人組で、初期BON JOVIを更に欧州寄りにしたようなメロディアスHRサウンドと、ドラマティックな名曲“HIGHWAY TO TOMORROW”のインパクトでメロハー愛好家のハートを掴んだSHOTGUN SYMPHONYが、'99年に発表した4thアルバム。そして残念ながらこれが彼らのラスト作になってしまったという。(現在は再結成済み)
セルフ・タイトルのデビュー作が日本とヨーロッパで評判を呼ぶも、2nd『FORGET THE RAIN』(’95年)で当時流行のダーク&ヘヴィ路線への接近を試みて急失速。以降彼らのカタログ・チェックは怠っていたのですが、'10年頃に再結成を遂げたとのニュースを耳にして久々にSHOTGUN SYMPHONYのバンド名を思い出し、遅ればせながら本作を購入。したらばウェットなメロディといい、メジャー感溢れるアレンジに、煌びやかなKey、分厚く盛られたハーモニーといい、全編に亘り初心に立ち返ったかのようなキャッチーで爽快なサウンド・スタイルが復活を果たしていて、その充実っぷりに「リリース当時に聴いとくべきだった…」と、すっかりバンドに対して申し訳ない気持ちになってしまいましたよ。
特に、(人によっては少々クドく感じられる可能性もあるものの)憂いを含んだ声質がサウンドに湿潤を加えるトレイシー・ホワイトの美声Voが最大限に活かされた、感動的なピアノ・バラード⑥と、プログレ・ハードに通じるドラマティックな曲展開でアルバムのクライマックスを飾る⑩はまさに名曲。
今聴けば、もしかしたら2ndも楽しめるのかなぁと、ふと考えてしまいましたよ。


HARDLINE - Danger Zone - Stay ★★★ (2019-05-14 00:37:36)

哀愁のメロディをホットに歌い上げるジョニー・ジョエリのVoと
爽快に舞うコーラスが、まるで澄み切った真夏の青空へ
溶け込んでいくかのような錯覚を覚える、これぞHARDLINE!な名バラード。


HARDLINE - Danger Zone ★★★ (2019-05-12 23:00:58)

1st『DOUBLE ECLIPSE』(’92年)の名盤ぶりはつとに有名でも、再結成以降の活動については殆どフォローしてこなかったので、'12年に発表され、久々に購入した本作がHARDLINEの4thアルバムと知ってビックリ。いつの間にかそんなにアルバム・リリースを重ねていたとは…。
すでに兄ジョーイ・ジョエリの姿はラインナップにはなく、今やジョニー・ジョエリ(Vo)のソロ・プロジェクト的な色合いが濃厚に漂う現在のHARDLINEですが、ジョニーのホットなハスキー・ボイスによって歌われる楽曲には、ベタつかない哀愁と大陸産らしいスカッと爽快な抜けの良さという、デビュー作で披露されていたメロディックHRサウンドの美点が脈々と受け継がれていて、これならバンド名の継承にファンから異議を申し立てられることはないのではないでしょうか。
流石に“LOVE LEADS THE AWAY”クラスの名曲は見当たらないものの、FRONTIER RECORDSの仲介でイタリアのメロハー職人アレッサンドロ・デル・ベッキオ(Key)の全面参加が実現したことで、収録楽曲のクオリティは粒選り。広く真っ青なアメリカの空に溶け込んでいくような爽快感を発散するなバラード⑦、哀愁を効果的に増幅する楽器陣のサポートが秀逸な⑨、トルステン・コーウェン(EDEN’S CURSE)の歌うGが心地よい⑪、ハード・チューン⑫等、特に本編後半に集中する名曲/佳曲を得て、ジョニーも持ち前の熱を帯びてパワフルな歌声を駆使し伸び伸びと歌いまくってくれています。
HARDLINEブランドの名に恥じぬ充実作でしたよ。


RADIOACTIVE - Ceremony Of Innocence - Grace ★★★ (2019-05-12 01:43:24)

デヴィッド・フォスターがしっとりと奏でるピアノの美旋律に
思わず蕩けそうになってしまう抒情バラード。
トミー・デナンダーがギタリストとしても大変良い仕事をしています。


RADIOACTIVE - Ceremony Of Innocence - On My Own ★★★ (2019-05-12 01:36:44)

ファーギー・フレデリクセンの絶品をVoとスリリングに歌うGを得て
軽快且つ涼しげに疾走するメロディアスHRチューン。
TOTOの『ISOLATION』に収録されていてもおかしくなさそうなクオリティですよ。


RADIOACTIVE - Ceremony Of Innocence ★★★ (2019-05-09 23:54:48)

北欧メロハー・シーンのキーパーソンの一人、トミー・デナンダー。80年代にはアメリカで腕を磨きマルチ・ミュージシャンとして評判を高めた彼の名を、プロデューサーとしても一躍HR/HMシーンに知らしめる切っ掛けとなったプロジェクトのデビュー作。(’01年発表)
LA滞在期間中に知己を得た、晩年のジェフを含むポーカロ三兄弟とのセッションを基本に、そこにTOTO歴代メンバーを始め、総勢30名に及ぶ豪華ゲスト・ミュージシャンを加える形で構成された本作で披露されているのは、TOTOリスペクト感溢れる洗練された都会派メロディックHR。但しふんわりとは流さず、きっちりサウンドにハード・エッジを効かせて仕上げている辺りが流石トミー・デナンダーのお仕事であると。
スティーヴ・ルカサーを除くTOTO揃い踏みなOPナンバー①に始まり、ボビー・キンボールが歌い、ジェフ・ポーカロの軽快なドラミングに気分がアガる②、ファーギー・フレデリクセンをフィーチュアする『ISOLATION』期のTOTO感満点なドライヴ・チューン③、デヴィッド・フォスターの繊細な鍵盤捌きが抒情性を増幅する④、ジェイソン・シェフ(CHICAGO)のVoにジョセフ・ウィリアムズがバックVoで絡む涼しげな哀メロ・ソング⑥、楽器陣のファンキーな掛け合いが楽しめる⑧、ジム・ジッドヘッド(ALIEN)が歌うキャッチーな⑪等々…。これら秀逸な楽曲群を聴けば、本作がゲストのネームバリューに頼りきった空虚なプロジェクト物とは一線を画する内容であることをご理解頂ける筈。
ここで得た高評価を叩き台に、RADIOACTIVEは継続プロジェクト化。以後、2作、3作とアルバム・リリースを重ねていくこととなるのはご存知の通りです。


FIND ME - Angels in Blue - One Last Kiss ★★★ (2019-05-08 23:51:26)

日本盤ボーナス・トラックとして別バージョンが
収録されていることからも、FIND MEがこのバラードを
アルバムのリーダー・トラックに位置付けていることが伺えます。
スケールの大きな曲調にロビー・ラ・ブランクの力強さと
説得力を併せ持った歌声が映える感動的な名曲。


FIND ME - Angels in Blue ★★★ (2019-05-06 08:51:59)

FRONTIERS RECORDSのバックアップを受け、プロデューサー/ソングライター/ミュージシャンとしてマルチな活躍ぶりをみせる売れっ子ダニエル・フローレスと、兄弟デュオFURYやBLANC FACES(新作待ってます)等での活動で知られるシンガー、ロビー・ラ・ブランクによるメロディアスHRプロジェクトが、4年ぶりに発表した3rdアルバム(’19年)。余談ですが、デビュー作が『WINGS OF LOVE』で次作が『DARK ANGEL』と来て、今回が『ANGELS IN BLUE』。どうやらこのプロジェクト、「天使」推しで行く気らしいということがハッキリしましたよ。
前2作がメロハーの好盤だったこともあり本作にも期待値を上げて臨んだところ、当初は最も印象に残るのがSURVIVERの名曲“DESPERATE DREAMS”のカヴァー⑫という結果に、「流石に3作目ともなるとマンネリか?」と思わなくもなかったと。しかし聴き込むことで「あれ、この曲意外に良い」「おや、こっちも素敵」とメロディの良さが浸透して来ると、爽快なコーラスが感動を呼ぶバラード⑥をハイライトに、涼し気なメロディが心地よい②、メロディのフックもロックのエッジも効いた④、高揚感を湛えたハードポップ⑨、印象的なファンファーレから高らかにスタートする⑪、キャッチーに本編を締め括る⑬等、ダニエルの作曲センスと、力強さ&繊細な表現力とを併せ持つロビーの卓越した歌唱力が、お互いを引き立て合う優れた楽曲が要所に散らされていることに気付かされ、「やっぱりFIND MEは良いなぁ」としみじみ呟く結論に落ち着くのですから流石じゃないですか。
「前2作が気に入った方ならマストな1枚」と、お決まりの文句でお薦めさせて頂きます。


PETE SANDBERG - Reflections - Wild Horses ★★★ (2019-05-06 08:44:11)

スロー/バラード系の楽曲が大半を占める本編中にあって
唯一ロックの息吹をかすかに感じる軽快なポップ・ロック・チューン。
尤も主体は飽くまでアコギや美しいハーモニー、
それにピート・サンドベリの甘い歌声であることに違いはありません。
爽やかでハートウォーミングな名曲。


PETE SANDBERG - Reflections ★★★ (2019-05-02 07:45:14)

ALIENをキャリアの出発点に(MADISONでも可)、以降、ソロからバンド形態、プロジェクト物に至るまで何でもござれ。数多くの作品制作に関わり、自慢の喉を提供してきたピート・サンドベリ(Vo)が、'04年に個人名義で発表した3枚目のアルバム。
同じくピート・サンドベリ名義で発表された『BACK IN BUISINESS』『PUSH』という前2作に対し、本作を中古盤屋等であまり見かけない気がするのは、やはりアコギのちピアノときどきストリングスといった塩梅で演奏にHR/HM色がほぼ皆無な楽器陣をバックに、ピートがリラックスした歌唱を気持ち良さげに乗っける穏やかでアコースティカルなサウンドに、ヘヴィ・メタリックなエキサイトメントが見当たらないせいか。
ALIEN時代のバラードのリメイクである②を含め、ある意味「バラード/スロー・ナンバーを集めた企画盤」的性格を持った作品ですが、だからこそ、女性Voとのデュエットをフィーチュアした抒情的な④、温もりを湛えたピアノとアコギがハートウォーミングな雰囲気を盛り上げる⑥等、甘くソウルフルな歌声が映える楽曲が揃った本作は、ピートのVoを純粋に堪能するのに打ってつけと言えるわけで。また和み系一辺倒で終わらず、本編後半には快活なビートを適度に効かせ、美しいハーモニーをまとって爽やかに弾む⑩のような名曲をさりげなく収録している辺りも心ニクイですよ。
メロディ愛好家なら押さえておいて損のない1枚。これ以降、ピート・サンドベリの活動ペースはかなり緩やかなものに変化していくこととなるのですが、それは本作の作風と関係があるのでしょうか?


DOKKEN - From Conception: Live 1981 ★★★ (2019-04-30 09:14:45)

'07年に突如リリースされたDOKKENの蔵出しライブ。1st『BREAKING THE CHAINS』(’81年)発表後、ドイツからアメリカへと戻ったDOKKENが、メジャー・レーベルとの契約を得るべくカリフォルニアでクラブ・ツアーを行っていた時期のライブが収められており(どこで録られたものかは不明らしい)、Gソロ・タイムを含む全10曲中、3曲が未発表曲という構成に食指をそそられ思わず購入してしまいました
レコーディング時のラインナップは、ドン・ドッケン(Vo)、ジョージ・リンチ(G)、ミック・ブラウン(Ds)、RATTへと去ったフォアン・クルーシェの後任として新たにバンドへ参加したばかりのジェフ・ピルソン(B)という黄金メンバー。後の洗練されたサウンドに比べると、本作で炸裂するバンドの若さ迸るパフォーマンスは、まるで観客の熱気溢れる声援と、海の向こうで盛り上がるNWOBHMに触発されたかの如く荒々しくメタリック。
とは言え、代表曲“BREAKING THE CHAINS”を始め、健在のボーカル・ハーモニーの美しさには聴き惚れてしまいますし、ジョージのGプレイも既にキレッキレ。何よりそれに対抗するドンの、身の内から迸るエネルギーを制御してきれていないかのようなシャープ気味の歌唱が実にパワフル。まぁ現在との隔世の感ぶりに若干の切なさを覚えなくもないですが、ともあれ観客との掛け合いを盛り込みつつドンとジョージが――不仲ゆえではなく新人らしい健全な競い合いの結果として――激しく火花を散らす“NIGHRIDER”は、本作のハイライトかと。こんだけ白熱のライブを演ってればそりゃ人気も出ますよ。
音源の貴重さと内容の充実度が釣り合った、まさしく「お宝発掘」というべき1枚。


KINGDOM COME - Twilight Cruiser ★★★ (2019-04-26 00:32:30)

なまじ売れたばかりに「LED CLONES」としてLED ZEPPELIN信奉者から袋叩きの目に遭ったKINGDOM COME(「ZEPなんか聴いたことない」発言がそれに拍車を掛けたようですが、あれはインタビューの一部のみを恣意的に切り取られてしまったのだとか)。吹き荒れる逆風とセールスの伸び悩みが相俟って、その後まもなくバンドは崩壊。失意のうちにドイツへと戻ったリーダーのレニー・ウルフ(Vo)のソロ・プロジェクトとして新たに再編されたKINGDOM COMEが、'98年に発表した5thアルバムがこちら。
本作で披露されているのは、ブルーズ色(LED ZEPPELIN風味)はぐっと薄まった都会派HR。グランジ/オルタナ・ロックがHR/HMシーンを席巻していた時節柄、作品全体を仄暗く内省的な雰囲気が覆い、ところどころでモダン(当時基準)なアレンジも顔を覗かせますが、シャウトしてもどこか物悲しいレニーの憂いを孕んだハスキー・ボイスと、冷ややかな哀メロに彩られた楽曲には意外なぐらいそうした作風がマッチしているという。特に、じっくりコトコト煮込むかの如く盛り上がっていく6分越えのドラマティックな大作曲③と、VoとGが欧州バンドらしい猛烈な泣きを発散するバラード④は胸に沁みる名曲。そこからHR然とした疾走ナンバー⑤や、爽やかな⑥へと繋いでいく流れも巧妙ですよ。
KINGDOM COME以上にSTONE FURYを愛する身としては、「90年代エキスの注入された『BURNS LIKE A STAR』的な楽しみ方だって出来なくもない本作は、意外なぐらいツボにハマった1枚でした。哀メロ派の方なら、これをKINGDOM COME入門盤にするのだって全然有りなんじゃないでしょうか?


AXEL RUDI PELL - Made in Germany ★★★ (2019-04-25 00:07:33)

ソロ・デビュー以来、一貫してRAINBOWにルーツを置く様式美HMサウンドを追求し続けてきたアクセル・ルディ・ペル、'95年発表の初の実況録音盤。当時の最新作『BETWEEN THE WALL』リリースに伴う母国ドイツで行ったライブの模様を収録しています。
キャリア初期とはいえ既に名曲を山ほど抱えている彼らゆえ、全8曲というボリュームではやはり少々物足りなく、他人のカヴァー③を演っとる場合か?と思わなくもありませんが、(アルバム・タイトル含めて)これも偏にアクセルの抑えきれないブラックモア愛の発露だと思えば微笑ましく許容できるというものですよ。
前任Vo時代の楽曲も余裕綽々で歌いこなし、堂々たるフロントマンぶりで場を盛り上げるジェフ・スコット・ソートといい、スタジオ版以上のエネルギーを楽曲に注入するヨルグ・マイケルのドラミングといい、腕利き揃いのメンバーのパフォーマンスは高め安定な上、こうして聴くとやはり主役たるアクセルのコンポーザーとしてのセンスが抜群だなぁと。例えば開幕をアグレッシブに宣言する疾走曲①、あるいは“STARGAZER”風味の劇的な大作⑥等、収録曲の数々はシンプルに様式美HMナンバーとしてのカッコ良さを提示するだけでなく、観客の合唱やコール&レスポンスを誘発するよう、実戦映えまで考慮に入れて作曲されていることがライブで聴くとハッキリと伝わってきて感心しきり。ライブの最後を〆るのが未発表曲⑧って正気を疑わざるを得ませんが、これがキャッチーでノリのいい曲調ですぐに観衆の心を掴み、会場を大いに盛り上げているのですから大したもの。
彼らのライブ・バンドとしての実力と、母国での人気ぶりが十二分に伝わる1枚です。


RUNNING WILD - Victory - Return of the Gods ★★★ (2019-04-23 01:16:02)

RUNNING WILD汁100%。勇壮に疾走するHMナンバー。
楽曲を劇的に肉付けするシロ・ハーマンのGプレイが非常に冴えています。
このレベルの名曲を生み出せるのならRUNNING WILDは
まだまだ大丈夫!と確信したことを思い出しますよ。


RUNNING WILD - Victory ★★ (2019-04-22 00:06:10)

長年バンドの屋台骨を支えてきたヨルグ・マイケル(Ds)がSTRATOVARIUSでの活動に軸足を移すため正式に脱退。ブックレットにはロックン・ロルフ(Vo)一人の写真しか載っておらず、またしぶとくリリースされ続けていた国内盤の発売がこれを最後に見合わせになる等、RUNNING WILDを取り巻く状況がお世辞にも良好だったとは言えない時期(’04年)に発表された11thアルバム。
正直当時は彼らに対する興味は下降線を描いていて、本作についても「待ちに待ってた新譜!」というよりは「あ、出てたのか…」ぐらいの感覚で購入したような覚えがあるのですが、いやしかしこれが決して侮れない完成度を有していて、やはり舐めちゃならねぇバンドだなぁと。
歌メロのパターンの少なさや、(セッション・ドラマー起用による影響なのか)リズム面のフックの弱さが足枷となり、頭から通して聴くと時折今何曲目を聴いているのか見失いそうになるのは、90年代にRUNNIG WILDが発表した幾つかの作品と同様ながら、このアルバムに関しては、RUNNING WILD版“PAINKILLER”とでも呼びたくなる①、スピーディな③、インスト序曲⑥から繋がる劇的な大作ナンバー⑦、シロ・ハーマン(G)の素晴らしい仕事ぶりが耳を惹く勇壮な疾走ナンバー⑩、RUNNIG WILD印の王道HMソング⑫等、要所に置かれた強力な楽曲群が、眠くなりそうになるとこっちの頬を「パーン!」と張り倒してくれるお陰で、現在地を見失ったまま遭難してしまうようなことはありません。
ベテラン・バンドの地力の高さがきっちりと発揮されている好盤に仕上がっています。


KREYSON - Návrat Krále - Archanděl Michael ★★★ (2019-04-19 01:01:51)

アルバム・タイトルが『王の帰還』で、この曲のタイトルが“大天使ミカエル”ということで、
何らかのコンセプト色を感じさせるのですが、生憎とチェコ語はさっぱりで…。
ただ歌詞の意味は分からずとも、パワー・メタリックなリフ&リズムをフィーチュアして
突っ走る楽曲のドラマティックなカッコ良さはビンビンに伝わってきます。
Voにしろ楽器陣の演奏にしろ、嘗てとは別バンドと聴き紛う貫禄と逞しさですよ。


KREYSON - Návrat Krále ★★★ (2019-04-18 00:37:20)

RUNNING WILDのロックン・ロルフのバックアップを受け90年代前半に日本デビュー。マニアの間では(今は無き)チェコスロバキア共和国という出身地の珍しさでも注目を集めた、ラン・クレイソンことラディスラフ・クリチェク(Vo)率いる正統派HMバンドKREYSONが、アンディ・ラ・ロックをプロデューサーに起用してレコーディングを行い'13年に発表した、恐らく5枚目ぐらい?のフル・アルバム。ちなみに歌詞は全てチェコ語。
時間潰しで立ち寄った古本屋の500円CDコーナーで見覚えのあるバンドロゴが掲げられた本作を発見。「まだ活動していたのか」と懐かしさに駆られて購入してみれば、いやこれが嘗ての「イモ臭い部分含めて愛すべきB級バンド」的なイメージを根底から覆される力作っぷりに驚かされてしまいましてね。
以前は線が細く頼りなさのあったクレイソンのVoは、ダンディな低音からハイトーンまで力強くスムーズにグローイングアップ。そうした彼の歌声と、これまた別バンドと聴き紛うような逞しさで刻まれるリフ&リズムを伴いパワフルに突き進むサウンドからは、堂々たる貫禄すら漂います。と同時に、西欧のこの手のバンドと趣きを異する(デビュー当時から一貫してKREYSONの魅力の一つだった)東欧ならではのどこか寒々しい感触を宿した抒情メロディも勿論健在。特にドラマティックな序曲①とセットで、スラッシーとさえ言える鋭利なGリフをフィーチュアしてアグレッシブに疾走する②はアルバムの掴みに相応しい名曲。クレイソンのバリトンVoが映えるバラード⑨にも思わずうっとりですよ。
チェコ語の堅い語感がドラマティックな音楽性に非常にマッチしている1枚ではないかと。


NEWMAN - One Step Closer - The Call ★★★ (2019-04-16 23:49:32)

アルバム後半を引き締める爽快なロック・チューン。
Keyを隠し味的に用い、スカッと突き抜けて
青空へ溶け込んでいくようなサビメロのコーラスワークが実に心地良し。


NEWMAN - One Step Closer ★★★ (2019-04-16 01:18:02)

いちメンバーとしてのバンド活動にかねてからフラストレーションを感じていた英国人マルチ・プレイヤーのスティーヴ・ニューマン(Vo、G、Key)が、自らの名を冠し、自身で全てをコントロールできるプロジェクトとして立ち上げたNEWMAN、'99年発表の2ndアルバム。(ついでに日本デビュー作)
多作で鳴らした――現在までにリリースしたスタジオ・アルバムは既に2桁に達する――NEWMANなれど、憂いを湛えた歌と抒情的なKeyを活かしたAOR/産業ロック路線を追求する姿勢は結成当初からブレることなく一貫。勿論本作においてもそれは同様です。スティーヴの敬愛するダン・ハフ率いるGIANTに比べると、目の覚めるような名曲が収録されているわけではなく、またこの時期のスティーヴのVoが結構危なっかしいこともあり、有体に言って少々地味めな仕上がりであることは否めませんが、しかしキャッチーなKeyリフがフィーチュアされたOPナンバー①や、哀愁たっぷりのミッド・チューン②、清々しく神聖な雰囲気すら漂う③…といった具合に、冒頭から連続する楽曲は聴けば聴くほどに味わいが増すものばかり。一発でハート鷲掴みというよりは、弱火でコトコト長時間煮詰めるたことで旨み成分が増し、食い終わった後にしみじみ「美味ぇな」と呟く煮物料理みたいな滋味に満ちた1枚ではないかと。本編後半には分厚いコーラス・ワークを配した爽快な名曲⑩も用意され、アルバムの聴後感だって良好です。
GIANTやHEARTLAND等を愛する向きにお薦め一作。ちなみに元PRAYING MANTISのマーク・T・スミスがバックVoとしてゲスト参加していることも付け加えておきます。


Landmarq - The Vision Pit ★★★ (2019-04-14 09:18:06)

元QUASARのデイヴ・ワグスタッフ(Ds)とウヴェ・D・ローズ(G)を中心に'90年に活動を開始。結成30年を越えて未だ活動中の英国出身ベテラン・プログレッシブ・ロック・バンドが、’95年にSI MUSICから発表したこちらは3rdアルバムにあたる作品。
前作『SOLITARY WITNESS』(’94年)の国内盤は我らがゼロ・コーポレーションからの発売でしたが、今回はアポロンからのリリース。ちなみに1stから歌っていて、カール・グルーム率いるTHRESHOLDや、アンソニー・ルカッセンが立ち上げたロック・オペラ・プロジェクトAYREON等への参加で知られる実力派シンガー、ダミアン・ウィルソンはこれがLANDMARQのメンバーとしてはラスト・アルバムになりました。
SI MUSIC物は一定以上の質の高さは約束されている一方で、やや刺激に乏しく眠気を誘われてしまう作品も少なくないのですが、本作に関してはメロディがキャッチー、またTHRESHOLD程ではないにしろ、エッジの立ったGが明瞭に楽曲の輪郭を描き出し、曲展開にもメリハリが効いているので、メタル者にも十分アピールし得る仕上がり。何より、憂いに満ちたエモーショナルな歌声で、楽曲の魅力と作品全体のダイナミズムを底上げするダミアンのVoがやはり強力。逆に生粋のプログレ・マニアからは「これもうプログレじゃくてメロハーじゃね?」との指摘を受けているそうなのですが…。
個人的には、プログレッシブ・ロック然とした10分越えの大作ナンバーよりも、比較的コンパクト且つハードにまとめ上げられたOPナンバー①のような楽曲に心惹かれた次第。
ともあれ「ダミアン・ウィルソンの名前は憶えて帰ってね!」とお願いしたくなる1枚であることは間違いありません。


BERNIE TORMé - Wild Irish ★★ (2019-04-11 23:53:58)

アイルランド出身で、GILLANやオジー・オズボーン・バンドへの参加、あるいはフィリップ・ルイスと結成したTORME等での活動で知られたギタリスト、バーニー・トーメ死去の報に触れ、「そういえばこの人のアルバムを持っていたよな…」とCD棚を漁って発掘してきた、彼が'96年にソロ名義で発表した作品。(未発表曲や本編とはバージョン違いの楽曲等を収録する4曲入りオマケEP付きの2枚組仕様)
GILLAN以降のキャリアについては殆どフォローしてこなかったので、本作が彼の何枚目のソロ・アルバムなのかは不明。ただ表題含めて原点回帰を志向しているというか、非常に「らしい」作品に仕上がっていることは間違いありません。トーメ自身が兼任する、感性に任せてインプロヴァイズしまくる破天荒なGプレイと、味勝負のヘタウマVoを基軸に、トリオ編成の強みを生かしてシンプル且つ骨太に押し出して来るロックンロール・サウンドは、例えば「アイリッシュ」と聞いて期待してしまう、ゲイリー・ムーアの名曲“望郷の果て”に代表されるような、彼の地の大自然を想起させる美しさとか雄大さとかとは無縁。その代わりここには、口が悪くて喧嘩っ早く、酒と音楽をこよなく愛する(まさに『ワイルド・アイリッシュ』な)下町グルーヴはパンパンに詰まっている気がしますよ。また荒くれているようで、幕間から不意に顔を覗かせる哀愁に胸打たれる⑥や、ヘヴィに揺らめく7分以上に及ぶ大作ナンバー③のカッコ良さなんかもなかなかのもの。
やはり今聴いてもストライク・ゾーンど真ん中の音楽性とは言い難いのですが、それでもバーニー・トーメというギタリストに備わった強烈な個性は十分に伝わってくる1枚です。


IAN GILLAN - Toolbox - Pictures of Hell ★★★ (2019-04-11 00:09:56)

“CANDY HORIZON”から“DON'T HOLD ME BACK”ときて、
このヘヴィ・メタリックなハード・ナンバーに繋がっていく
一連の流れは、間違いなくアルバム『TOOLBOX』のハイライト。
突き抜けるハイトーンVoにメロディアスなG、
「ワン・バスでツー・バスの音を出す男」と評された
ヘイズのキレキレなドラムまで堪能できてしまう全部入りな逸品。


IAN GILLAN - Toolbox - Don't Hold Me Back ★★★ (2019-04-10 23:58:02)

重厚でメロディアスなミッド・チューン。
こういう曲ではレオナード・ヘイズ起用がバッチリはまります。
(音作りのせいかあまり目立った感じはありませんが)
終盤でハイトーンを連打するギランのVoも絶好調。


IAN GILLAN - Toolbox - Candy Horizon ★★★ (2019-04-10 23:51:03)

スティーヴ・モリスの奏でるイカしたGリフと、疾走するリズムの上に、
ギランが目の覚めるようなシャウトを織り交ぜつつ、哀愁の絡みつく
歌メロの乗っけていく、新生GILLANの魅力の粋を結集したかの如き名曲。


IAN GILLAN - Toolbox ★★★ (2019-04-10 00:14:08)

イアン・ギラン再評価の機運が高まっていた時期でさえ、DEEP PURPLEの迷作『紫の聖戦』の直前に発表されている本作にはなかなか手が伸びなかったというのが正直なところ。しかしギラン本人の自信に満ちたご尊顔が鎮座ましますジャケットには久々に「GILLAN」のロゴマークが復活していますし、参加メンバーは、日本では後にHEARTLANDでの活動で人気を博すスティーヴ・モリス(G)、元STARSHIPのブレット・ブルームフィールド(B)、そしてドラマーは何とY&Tのレオナード・ヘイズとな。これが決め手となり購入を決意してみれば、期待通り(参加面子の顔触れに見合った)大変素晴らしい内容だったという。
貢献度の高さでは群を抜くスティーヴがセンスフルなGプレイを滑らかに閃かせ、リズム隊がエッジと疾走感を注入する楽曲を得て、主役たるギランが気合の入ったシャウトを随所で炸裂させまくっているのですから、これ以上何を望むことがありましょうか。ノリノリの曲調に切れ味鋭いGが緊張感を加味する②、アルバムのハイライトにしてGILLAN屈指の名曲と言える疾走ナンバー④、重厚で劇的な⑤といった、ギランのハイトーンが映える楽曲の数々を聴けば聴くほど、つくづくこの後の『紫の聖戦』における出涸らしみたいな歌唱は一体何だったのか?と。やっぱりアレは加齢による衰えよりも本人のやる気に起因するものだったんだなぁと。(今じゃ一周回って大好きになってしまいましたけどね>紫の聖戦)
後半ややテンションが落ちるのが玉に瑕とはいえ、全盛期に発表された傑作群にだって引けを取らない充実作。「GILLAN作品にハズレなし」の法則を再確認させて頂きました。


THRESHOLD - March of Progress - Colophon ★★★ (2019-04-08 21:51:39)

引っ掛かり気味に進行するリズムの上で、
泣きのGソロ、冷ややかに滑るピアノ、そして潤いを湛えた
ダミアンの歌声が劇的に絡み合う、精緻でありつつキャッチーという、
THRESHOLD流プログレ・メタルの何たるかを示してくれる名曲です。


THRESHOLD - March of Progress ★★★ (2019-04-08 00:02:54)

90年代初頭から堅実な活動を継続し、本国やドイツではチャート入りを果たせるぐらいのファン・ベースを築き上げた、カール・グルーム(G)率いる英国のベテラン・プログレッシブHMバンドが'12年に発表した8thアルバム。
このバンドの作品を購入したのは1st『WOUNDED LAND』(’93年)以来かなり久々でしたが、前任シンガーだった元SARGENT FURYのアンディ・マクダウェルが体調不良のため脱退し(その後腎不全で亡くなられていたとは…)、恋愛体質カップルばりに別れたりヨリ戻したりを繰り返しているダミアン・ウィルソン(Vo)がバンドへ三度復帰を果たした本作は、音作りや構成にやや詰めの甘さも見受けられたデビュー当時とは段違いの成長ぶりが披露されていて、感嘆を禁じ得ませんでしたよ。
プロダクションの質の向上は当然のこととして、収録曲の殆どが7~10分台と相変わらずの大作主義を主張しつつも、楽曲の輪郭を明瞭に描き出すエッジの立ったリフを刻み、美しいソロを奏でるG、重厚にしてメリハリの効いたリズム、壮大且つミスティックに奏でられるKeyとが曲展開にドラマと緊張感をもたらし、サウンド全体をグッと引き締めてくれています。キャッチーな抒情メロディを、湿り気を含んだ声質で柔らかに歌い上げるダミアンのVoも、この手のジャンルが露呈しがちな中弛み感や冗長さを排除するのに大きく貢献。特に緩急自在にしてドラマティックな⑤はアルバムのハイライトであると同時に、現行THRESHOLDの魅力の粋を結集した名曲と言えるのではないでしょうか。
「継続は力なり」という格言の意味を教えてくれる1枚でしたね。


UNRULY CHILD - Worlds Collide - When We Were Young ★★★ (2019-04-07 23:56:37)

淡く揺らめくようなヴァースから
突き抜けるようにポップなサビメロへと繋げていく曲展開が実にキャッチー。
ヴァース部分のハスキー声に「随分と声が変わったな」との印象を受ける
マーシー・フリーですが、サビメロの張りのあるハイトーンは流石の貫禄を発揮してくれています。
まさにUNRULY CHILD印の名曲です。


UNRULY CHILD - Worlds Collide ★★★ (2019-04-05 07:26:02)

デビュー以来、断続的ではあるものの、それでもアルバム・リリースを重ねて来たUNRULY CHILDが、中心メンバーのブルース・ゴウディ(G)以下、1st『UNRULY CHILD』(’92年)に参加したオリジナル・ラインナップを再結集させ、'10年に発表した4thアルバム。
最大のトピックはやはり、90年代半ばに性同一障害を告白して性転換手術を受け、その後はHR/HMシーンの一線からは身を引いていた、マーク・フリー改めマーシー・ミシェル・フリーの復活ですよ。この人の手術後の歌声を聴いたのはこのアルバムが初めてで(ソロ作『TORMENTED』は聴きそびれてしまった)、年月を経て声質こそややハスキーなものへと変化していましたが、伸びのあるハイトーンや円熟味を増した表現力は衰えることなく健在で、まずはホッと一安心。
まぁ名盤『LONG WAY FROM LOVE』(’93年)の頃の潤いに満ちた美声を惜しむ気持ちもなくはないものの、ともあれ、そうした彼女の戦線復帰を祝うようにサウンドの方も、時代性を加味して飾り気を抑え気味だった2ndや3rdの頃に比べると、キラキラなKeyや厚めに盛られたハーモニーによる装飾を増量して、未だ人気の高い1stの頃を彷彿とさせる煌びやかなメロハー路線へと回帰を果たしています。甘いメロディに彩られたポップ&キャッチーに弾む③と、仄かな哀メロがじんわりと浸透するバラード④、アルバム表題曲でもある抒情的な⑥、美しく伸びやかなコーラス・ワークが絶品の⑪等は、多くのファンが「これよ、これ!」と膝を叩くUNRULY CHILD印のハードポップの名曲ですよ。
オリジナル編成の復活にちゃんと意味を持たせた内容であることに感心させられた1枚。


SKELETONWITCH - Devouring Radiant Light ★★★ (2019-04-04 00:54:09)

00年代半ばに共にNWOTMブームを盛り上げた同期バンドの多くが、新作リリースが途絶えてしまったり、あるいは作を重ねる内にその音楽性を変化させていく中にあって、US産スラッシュ・メタル+北欧ブラック・メタルのハイブリッド・サウンドをストイックに追求し続けるオハイオ州出身の5人組、’18年発表の5thアルバム。
看板シンガーのチャンス・ガーネットがアルコール依存症で脱退するという波乱がありましたが、新VoにVAIL TO MAYAのアダム・クレマンスを加え制作された本作においても、アメリカのバンドらしからぬダークな翳りと荒涼たる雰囲気を纏って激走する基本スタイルは小揺るぎもしていません。あえて前作から変化した点を探すならば、これまで2~3分台と比較的タイトにまとめられていた楽曲のランニング・タイムに長尺化の傾向が見受けられる点ですが、その増えた分の尺は、彼らの武器である正統派ヘヴィ・メタリックなツイン・リードGの見せ場に費やされているのですから文句等あろう筈がありません。
美麗にして劇的なイントロからして目を細めたくなる①、泣きのGソロに胸抉られる③、終盤のツインGの乱舞が涙腺を突き刺す⑥、静と動の対比を効かせてアルバムのフィナーレをドラマティックに飾る⑧といった、水増し感や中弛みとは無縁の大作ナンバー(彼らにしては)の数々は、バンドの曲作りの腕前が益々磨き上げられたことの確かな証左。
自らのサウンドを拡散させるのではなく、より深め、研ぎ澄ますというSKELETONWITCHの選択が結実した力作。今回は日本未発売のEP『THE APOTHIC GLOOM』をオマケ収録した国内盤もリリースされていますので、この機会に是非。


BURNING WITCHES - Burning Witches - Metal Demons ★★★ (2019-04-03 00:07:37)

コンパクトに締まった曲展開の中で
鋭角的に刻まれるGリフ、パワフルなVo、
タイトに疾走するリズムが生み出す勇ましさと、
ライブで盛り上がれるキャッチーさを併せ持った
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。


BURNING WITCHES - Burning Witches ★★★ (2019-04-02 00:59:33)

メンバー全員が女性で、DESTRUCTIONのシュミーアと、彼のマブダチV.O.パルヴァー(a.k.a. POLTERGAIST)がアルバムのプロデュースを手掛けていることでも話題となった、スイスの「燃える魔女軍団」が’17年に発表したデビュー作。
シュミーアに至ってはバックVoやマネージャー役まで買って出ている熱の入れようで(恐らく曲作りにもタッチ)、まぁ本作を聴けば入れ込みたくなる彼の気持ちもよく分かるという。スラッシーですらある荒くれたリフを刻み、勇壮なメロディを奏でるツインG、強靭なビートを打ち出すリズム隊、堂々たる歌いっぷりで楽曲を力強く盛り立てるVo等、楽器の腕前においても実力者が揃ったメンバーが、戦闘隊形で進撃するタフでストロング、且つ劇的な正統派HMサウンドは実にパワフル。バンド名がバンド名だけにデビュー当時のWARLOCKのことを思い出したりもしますかね?
本編の幕開け役を担う猛々しい疾走ナンバー①、Voのロブ・ハルフォードばりのスクリームが鮮烈な印象を焼き付ける②、「アタイ達はメタル・ディーモン!」と雄々しく歌い上げる重厚な⑤といった、バンドのテーマ曲、あるいはアルバムのキーとなる楽曲を、その他の収録曲に比べてもう一段上のクオリティで仕上げてみせる手腕からも、彼女たちの確かなポテンシャルが伺え頼もしい限り。つかJUDAS PRIESTの名曲“JAWBREAKER”を違和感皆無でカヴァーできている時点でそんなことは言わずもがなでしょうか。
「女だてらに正統派HMを演っているから凄い」のではなく、単純に「カッコイイ正統派HMを演っているから凄い」1枚。2ndもチェックしないとなぁ。


PYG - FREE with PYG ★★★ (2019-03-31 10:42:37)

内田裕也に続いてショーケンまで死んでしまった。世代的に、この人に関しては完全にドラマや映画で見る「俳優」という認識で、ミュージシャンとしての経歴については殆どフォローせずに来てしまった身ゆえ、初めて本作を聴いた時はそりゃもう驚きました。
萩原健一(Vo)、沢田研二(Vo)、岸部一徳(当時は修三/B)、大野克夫(G)、井上堯之(Key)ら、知名度も実力も抜群な面子により結成されたスーパーバンドながら、音楽シーンが端境期を迎えていた当時は正当に評価されず短命に終わってしまったPYG。本作は彼らが'71年に田園コロシアムで行った野外ライブの模様を収めた2枚組実況録音盤です。
洋楽バンドのカヴァーが大半を占め、オリジナル曲はオマケ程度の扱いのセットリストや、出している音は本格派だけどジュリーのMCは歌謡ショー風…という取り合わせに当初こそ戸惑ったものの、邦楽HR創世記の試行錯誤をドキュメンタリックに伝えてくれるこうした作りも本作の大きな魅力。ジョン・ポール・ジョーンズが認めた岸部のBを始め、卓越した演奏力を誇る楽器陣と観客の悲鳴のような声援(まさにアイドル)をバックに、ジュリーが声を振り絞る息も絶え絶えな“SPEED KING”!ショーケンが出鱈目英語でシャウトする“悪魔を憐れむ歌”!と、人によっちゃ噴飯ものかもしれませんが、個人的には「でも演るんだよ!」という前のめりな姿勢と、荒々しい熱気が迸るこれらのカヴァーを嫌えるわけがねえ。ショーケンの後者なんて一周回って「寧ろこれがロック」と。Disc-2のオリジナルの名曲③における彼の全身全霊を込めたシャウトにも魂を持っていかれる思いですよ。
萩原健一を単なる「お騒がせ芸能人」と認識している人に聴かせて回りたい1枚でした。合掌。


OVERKILL - The Wings of War - Hole in My Soul ★★★ (2019-03-28 23:49:58)

全セクション一丸となって怒涛の如く突進するアルバム・ラスト・ナンバー。
何度も言いますが、アルバムの最後を疾走曲で〆るバンドは信用できる!と。
ブリッツが歌う、ベタベタしない硬派な憂いを湛えた歌メロも実にクール。


OVERKILL - The Wings of War - Last Man Standing ★★★ (2019-03-28 23:44:03)

一発キメなくても常にハイパーなテンションを保ち続ける
ブリッツのVoと突破力に溢れたリズム・セクションとが
畳み込むように突っ走るOVERKILL印のスラッシュ・ソング。
頑強なリフを刻む一方で、憂いとドラマを湛えたメロディを紡ぎもする2本のGが
大味にならぬよう楽曲にフックを作り出す辺りも実にこのバンドらしい隙のなさ。


OVERKILL - The Wings of War ★★★ (2019-03-28 00:04:36)

「俺達の新しいドラマーどう思う?最高だろ?」と満面の笑みを浮かべるブリッツの顔が思い浮かぶような、ジェイソン・ビットナー(元SHADOWS FALL)の強靭なドラミングが映える突撃ナンバー①にて幕が上がる、OVERKILL、'19年発表のニュー・アルバム。
ベテランになっても新作リリースを勿体付けない。作を重ねても一向にパワーが衰えない。そして方向性が微塵もブレない…と良い意味でないない尽くし。シニカルでバイオレントでハイパーで重厚。変わらぬ「らしさ」が奔流の如く雪崩を打つ本作については「最高オブ最高」で感想書くのを止めても全然構わないぐらいなのですが、もうちょい具体的に誉めさせて頂くと、意識的にエピカルな方向に振られていた前作に対し、今回はもろパンクな⑦を筆頭にラフな荒くれ感を増量。前作が重装甲で身を固めた戦士の進軍なら、本作は己の拳一つを武器に戦い抜くストリートファイターといった風情が漂います。まぁどっちにしろ、聴き手は一方的にボコられ蹂躙されるのみなのは一緒なんですけども。
OVERKILL流鋼鉄サウンドの源泉たるブリッツのぷっつん(死語)Voと、D.D.の肉厚なBが挑発的に牙を剥く一方、デイヴ・リンスク&デレク・テイラーの鉄壁のGコンビが適度な湿り気とドラマ性を散りばめもする楽曲の数々は、雄々しい高速スラッシュ・ソング①⑩、ツインGの色気にゾクゾクさせられる劇的な④⑤、アサルトライフルの如きドラムが火を吹く⑨等々…、現在の彼らの充実っぷりを物語る逸品がズラリ。
ぶっちゃけ前作の作風の方が好みっちゃ好みですが、最も信頼するバンドの一つがその信頼にしかと応える作品を発表してくれたのですから、そりゃもう絶賛するしかねえわ、と。


CRISIX - Against The Odds - Xenomorph Blood ★★★ (2019-03-26 23:59:33)

タイトル(エイリアンの強酸性の血液の意)と歌詞からもお察しの通り、
映画『エイリアン』を題材に取ったスラッシュ・ナンバー。
スリリングに突っ走る曲調はテーマに相応しい(エイリアンに襲われているかの如き)
切迫感を孕んでいます。個人的にはアルバムのハイライト・ナンバー。


CRISIX - Against The Odds - Prince Of Saiyans ★★★ (2019-03-26 23:48:02)

前作収録の“FRIEZA THE TYRANT”に続き、CRISXの「ドラゴンボール」愛が炸裂した逸品。
「サイヤ人の王子」のタイトル通りベジータについて歌っており、
イントロでは劇中曲と台詞(但しスペイン語吹替)も引用。
まぁそれだけだったらネタ曲でしかないのですが、
感心するのは自分のような然して「ドラゴンボール」に思い入れのない人間にも
きっちりと響く格好いいスラッシュ・ソングに仕上げてくれている点ですよ。


CRISIX - Against The Odds ★★ (2019-03-26 01:06:33)

過去3作がいずれもスラッシュ・メタル愛好家の間で好評を博し、確固たる支持基盤を築き上げてきたスペイン出身の5人組スラッシャー、’18年発表の4thアルバム。
勿体ぶった前置きなんぞいらねぇ!とばかりに、いきなりアクセル全開で走り出すOPナンバー①、間髪入れずにブッ込む②、ツインGの暴れっぷりが痛快な③というスピード・ナンバーが小気味良く叩きつけられる冒頭の流れは、本作が高純度なスラッシュ・メタル・アルバムであることの証左。一方で、重厚な④や、ドラマティックに盛り上げる⑨のようなタイプの楽曲も収録する等、これまでに比べ炸裂感を意識的に抑制した感じのサウンドからは、CRISIX作品で初めて「試行錯誤」の形跡がうっすらと顔を覗かせてもいるという。
とはいえ、だからダメなんてことはまるでなく。テンション高くわめき倒すVo、キレ味鋭いリフを間断なく打ち出す2本のG、ハキハキと突っ走るリズム、そしてテンポ良く嚙まされたギャング・コーラスを武器に畳み込んでくる収録楽曲一つ一つは、十二分なカッコ良さを担保しています。特に恒例の映画ネタ――今回は『エイリアン』を題材に取り上げて緊迫感を孕み突進する⑤と、“FREEZA THE TYRANT”に続く『ドラゴンボール』シリーズ第2弾、TVアニメの劇伴も用いてタイトル通り今度はベジータについて歌っている⑥(好戦的なだけでなくほんのり哀愁も漂わす辺り、しっかりキャラを掴んでいるなと)なんて、まさにCRISIX印の名曲ですよ。
スラッシャーの期待にきっちり応える力作であると同時に、次作辺りでぼちぼち冒険して来るかも?とそこはかとなく予感させられる1枚でもありました。


凱旋MARCH - 大行進 - 大行進 ★★★ (2019-03-24 21:46:37)

「むぅ…、この名曲はまさしく凱旋MARCHの“大行進”!」「知っているのか、雷電?!」
と思わず『男塾』風の会話を交わしたくなる、雄々しくマッシヴ、
バンカラ風味の増量されたACCEPTといった趣きで突進するスピード・ナンバー。
随所で炸裂する応援団風コーラスが楽曲を力強く盛り上げてくれています。


凱旋MARCH - 大行進 ★★★ (2019-03-24 21:35:49)

雑誌等でデモテープが高評価を得ていたにも関わらず、メンバーの脱退が相次ぎ解散を余儀なくされたBRAVE BOMBER。「音を聴いてみたかった…」と残念がってたら、リーダーの齋藤正寿(Vo)を中心に新たに凱旋MARCHとしてリ・スタートを切ってくれました。本作はデビューEP(’98年)に続き、'03年に満を持して発表された1stアルバム。
音楽性は齋藤の野太く男臭いVoを軸に、好戦的且つパワフルに刻まれるリフ&リズム、重厚な地響きコーラスとが火の玉となって突き進む非常にオス度の高いパワー・メタル。昔ならACCEPTや2nd~3rd期のMANOWAR、今だったらエピック・バトル・メタル勢を引き合いに出して語りたくなるスタイルなれど、それを軍歌風味で料理してみせたのが、欧米のバンドとは異なる凱旋MARCHならではの強烈な個性になっています。
勇壮な曲調やメロディから「軍歌メタル」とも評された…と書くと、イデオロギー論争喧しい昨今「右翼バンドなの?」と誤解されそうですが、本作において彼らが歌い上げているのは他者への攻撃等ではなく、ストイックに己を律し聴く者を鼓舞せんとする応援団的姿勢。「軍歌メタル」というカテゴライズに眉を顰める向きには「男塾メタル」としてお薦めする次第。
オッス!オッス!と猛々しく突進するスピード・ナンバー③④⑨、聴いているだけで筋肉が鍛えられるような錯覚を覚える⑤、大仰且つ怒涛の盛り上がりを呈する⑥、あるいはバンドのテーマ曲で10分越えの大作⑩といった闘魂荒ぶる楽曲の数々を前にすると、70分オーバーという胃もたれ起こしそうな収録時間すらも「このやり過ぎ感こそが魅力よ…」とポジティブに評価したくなってしまうのだから不思議です。押忍!


VENI DOMINE - Fall Babylon Fall - The Chronicle of the Seven Seals ★★★ (2019-03-23 00:46:18)

一応クリスチャン・メタル・バンドではあるものの、
「神を信じよ」的な説法ではなく、聖書のスペクタクルな側面に
焦点を絞って歌詞を綴り、それが宗教的荘厳さとスケール感、緩急とを
併せ持ったサウンドとドラマティックに噛み合ったのが、
三部構成、20分以上に及ぶこの一大組曲であったという。
ドゥーム・メタル化したQUEENSRYCHE的感触もある名曲。


VENI DOMINE - Fall Babylon Fall ★★★ (2019-03-23 00:29:01)

スウェーデン出身の4人組で、ラテン語で《主よ、我を導き給え》を意味するVENI DOMINEを名乗ったクリスチャン・メタル・バンドが、EDGE RECORDSから'91年に発表したデビュー作。当時、名匠ロドニー・マシューズ謹製の「崩壊するバビロン」を切り取ったスペクタキュラーなアートワークに惹かれて本作の輸入盤を購入した記憶が薄っすらとあるのですが、少し前にぶらっと中古CD屋に立ち寄ったら何と国内盤を発見。「これって日本盤も出てたんだ?」と、ついつい懐かしさに駆られて衝動買いをしてしまったという。
クリスチャン・メタルといっても作風にSTRYPER辺りとの共通点はほぼ無し。ミドル~スロー・テンポを中心に構成された重厚長大な楽曲群はその大半が6~8分台、ラストを〆る三部構成の組曲⑦に至っては20分越えという大作主義っぷり、加えてジェフ・テイトからの影響を伺わせるシンガーの存在も相俟って、分厚い暗雲を纏い押し寄せるが如きダークなサウンドは「プログレ風味を振りかけたドゥーム・メタル」といった趣きが漂います。
荘厳なコーラス/シンフォニックなKey/ウェットな旋律を懇々と紡ぐGを活かした収録曲は、多少の冗長さをものともしない北欧産メタルらしい抒情性と劇的な構築美を放っていて、中でも(やや一本調子なきらいはありつつも)朗々歌い上げるハイトーンVoが映える②、そしてミスティックなヘヴィネスと疾走パートを対比させつつ20分以上の長尺をドラマティックに語りきる⑦は、改めて聴いてもやはり名曲だなぁと。
このバンドについては本作しか知らなかったのですが、調べてみると他にも作品を結構な枚数発表している様子。ちゃんと追いかけておくべきだったか。


VENI DOMINE (2019-03-23 00:26:23)

'87年にスウェーデンのソレントゥナにおいて、トルビヨーン(G)とトーマス(Ds)のヴァインショー兄弟を中心に結成。
クリスチャン・メタル・バンドのコンピレーション・アルバム『WHITE METAL WARRIOR』に参加したことで注目を集め、’91年に1st『FALL BABYLON FALL』でデビュー。ロドニー・マシューズが手掛けた美麗なアートワークも話題を呼び(マシューズは前述のコンピ盤のアートワークも担当していた)同作はテイチクから日本盤もリリースされた。
プログレ・メタル的構築美と、ドゥーム・メタリックな重厚感を併せ持ったサウンドを武器に断続的にアルバムを発表していたが、’12年に解散してしまった模様。


JACKAL - Rise - Rise ★★★ (2019-03-20 01:01:59)

やや粗削りながらも、北欧産らしい冷ややかな憂いを湛えたメロディと
静と動を活かしたドラマティックな曲展開を同居させた、
イントロからして名曲の風格漂うこのアルバム表題曲の完成度は
本編の中でも頭一つ抜きん出ている印象です。


JACKAL - Rise ★★ (2019-03-19 00:48:12)

JACKALやNARITA等での活動を通じ、マニア筋から実力派シンガーとして高く評価されたブライアン・リッチ(故人)を擁するスウェーデンの4人組が、'90年にEMI RECORDSから発表した1stアルバム。第2次北欧メタル・ブームを代表する名盤の一つ、’93年発表の2nd『VAGUE VISION』がここ日本でも評判を呼んだことから、当時の所属レーベル、ゼロ・コーポレーションを通じて本作国内盤も発売の運びとなりました。
メジャー・リリースにも関わらず、80年代に作り溜められたデモテープ音源が勝手に流用されてしまったとのことで、音質はイマイチ。サウンドの焦点も定まっているとは言えず、またブライアンの歌唱力もこの時点ではまだまだ青さが感じられる…と、ぶっちゃけ粗削りな作品であることは隠しようもありませんが、でもそこが本作の魅力でもあるという。
全編に亘ってガムシャラに歌いまくるVoと弾きまくるGをフィーチュアした本編は、代表曲として知られる①があったかと思えば、まるでLAメタルな明るいロックンロール⑦があったりと、村野武範ばりに「レッツ・ビギン!とにかく何かを始めよう!」と思い付いたことを端から全部ブッ込んだ感じの無暗矢鱈な勢いの良さに溢れています。何より、スリリングなインスト曲⑥やテクニカルなGプレイが炸裂する疾走ナンバー⑪、緩急を効かせてラストを締め括るドラマティックなアルバム表題曲⑫辺りからは、次作にて顕在化することとなるこのバンドの才能の輝きをハッキリと見て取ることが出来ますよ。
JACKAL入門盤には2nd『VAGUE VISION』をお薦めしますが、そちらが気に入った方なら本作も押さえておいて損はない筈。


AXXIS - Paradise in Flames - Tales of Glory Island ★★★ (2019-03-17 22:16:20)

80年代はアメリカナイズ、90年代はダーク&ヘヴィ、
そして00年代以降はエピカルな要素を増量させることが
欧州HR/HMシーンのトレンドと言えなくもないような?と、
ふと考えさせられた、勇壮且つ劇的に疾走するメロパワ・チューン。
AXXISは初期作しか知らなかったのでその変わりようにビックリですが
いやでも全然悪くない。思わず力瘤るカッコ良さですよ。


AXXIS - Paradise in Flames ★★★ (2019-03-17 22:03:22)

AXXISというと、未だついつい「新人バンド」の括りに入れてしまいそうになるのですが、既に彼らも活動開始から30年を数えるベテランの仲間入りをしているのですから、時間が経つのは早い。
その活動期間を通じて最もポップ寄りな方向性を模索していた時期に発表された2nd『アクシスⅡ 帝国興隆』(’91年)以来、AXXISの作品に触れるのはかなり久々だったので、大仰なイントロ①に続き、女性Voとの掛け合いをフィーチュアして力強く突き進む②がアルバム開幕を告げる’06年発表の本作(9thアルバム)を聴いてびっくり。いつの間にかオペラティックなパワー・メタル路線に鞍替えをしていたとは。何だか同窓会で再会した旧友が、自衛隊に入ってすっかり体育会系のマッチョに様変わりしていたことを思い出しましたよ。関係ねえか。
線の細いバーナード・ワイスのハイトーンVoが、バックのパワフルな演奏に埋没しがちな点は気にならなくもないですが、とは言え、元々曲作りの手腕には並々ならぬ冴えを発揮していたバンドゆえ、この作風でも違和感は全くありません。個人的には王道メロパワ・メタル・チューン③⑨よりも、メロディのフックが際立つ重厚なミッド・チューン④⑤や、AXXIS版“I WANT OUT”ライクな⑥、キャッチーでメロディアスな⑧、ドラマティックなバラード⑦、ノリノリで駆け抜ける⑫といった楽曲の方に心惹かれますね。また2ndアルバムから加入し長らくバンドを支え続けるハリー・エラーズのシンフォニックなKeyと、バラード系の楽曲のみならずハード・ナンバーにおいても積極的に導入される女性コーラスも、楽曲の荘厳さを盛り立てる重要な役割を果たしてくれています。


AXXIS - II - Little Look Back ★★★ (2019-03-14 23:17:12)

ポップな躍動感溢れる曲調に、ほんのり欧州風味の哀愁漂う
キャッチーなメロディが乗っかったAXXISの代表曲(ですよね?)
鼓膜に突き刺さるVoのハイトーンは好き嫌いが分かれますが
個人的にこの曲の魅力の一端は、限界ギリギリを攻めているような
このいっぱいいっぱいな歌声に依るところもあるのではないかと思う次第。


AXXIS - II ★★★ (2019-03-14 23:11:36)

デビュー作『KINGDOM OF THE NIGHT』(’90年)が、本国ドイツにおいて発売開始から2週間足らずで2万枚以上を売り上げる大ヒットとなり(ナショナル・チャートに12日間連続でランクインし、国内HR/HMバンドの1stアルバムの売り上げレコードを更新したのだとか)、勢いに乗ったAXXISが'91年に早くも発表したのがこの2ndアルバム。
前回が『暗黒の支配者』で、今回は『帝国興隆』。邦題は相変わらず大仰ですが、追及している音楽性はタイトでスマート&機動力に富むメロディックHRサウンド。寧ろKey奏者の加入で収録曲のバラエティは更なる広がりをみせていて、HELLOWEENを彷彿とさせるメロパワ・メタル調の①②があったかと思えば、レゲエのリズムを取り入れた③や、明るく躍動する④、ノリノリに突っ走る⑩があり、一方で哀愁たっぷりのバラード⑤、重厚だがコーラスは非常にキャッチーな⑧のようなタイプの楽曲もある…といった感じ。前作のヒットを踏まえ、よりライブ映えしそうな明快なメロディやコーラスが増強されているのもポイントで、中でもKeyを前面に押し出し軽快に弾みまくるポップな高揚感を湛えた⑦は、アルバムのハイライトにしてAXXISを代表する名曲の一つです。
これらの楽曲を歌い上げる、細かい「揺れ」を伴うバーナード・ワイスのハイトーンVoは人によって好き嫌いがハッキリ分かれるところではありますが、この声あってのAXXIS。バンドに欠かせぬ看板声として強力な個性を放っていることは間違いありません。
昔は「随分とポップだなぁ」とあまりピンと来なかった覚えがあるのですが、今聴き直すと寧ろポップな部分にこそグッとくる1枚。


FAITHFUL BREATH - Live ★★★ (2019-03-13 23:46:19)

後にRISKへと転生を果たすこととなる、ハイミィ・ミークス(Vo、G)が率いた「早過ぎたヴァイキング・メタル・バンド」こと、ドイツのFAITHFUL BREATHが'86年にNOISE RECORDSから発表し、惜しくも最終作となってしまった実況録音盤。タイトルはズバリ『LIVE』。シンプルでソリッド、飾り気はなくとも熱い心意気が詰まった本作に相応しい単刀直入なタイトルではないでしょうか。
‘85年に行われた欧州ツアーから、複数会場のライブの模様をピックアップ。響き渡る野郎共の野太い歓声とヴァイキング音楽風のSEに導かれ、勇ましくもどこか物悲しい名曲①が重厚に炸裂するOPだけで、こちとら胸のエンジンにボッと火が点りましたよ。但し本編は1曲毎にフェードアウトするぶつ切り構成。そのため盛り上がりに水を差されること夥しいのですが、それでも、タイトル通りの猛々しさで突っ走る②は荒っぽく、ヘヴィな④は堂々と、ドラマティックな泣きのバラード⑤はオヤジの哀愁ダダ漏れに切々と…といった具合に、ヒゲ面&ヴァイキングのコスプレというムサ苦しさ満点の風体に相応しい、ガラッパチな熱唱を轟かせるハイミィのVoや、ソロ・タイム⑥やJUDAS PRIEAST型疾走ナンバー⑨でテクニカルな演奏を閃かせるシロ・ハーマンのGプレイが所狭しと暴れ回る楽曲には、スタジオ版を大きく凌駕するライブならではの熱量が渦を巻き、大合唱を呼び起こすラスト・ナンバー⑩まで、前述の欠点を補ってお釣りが来る勢いをキープしてくれています。
BURRN!!誌レビューで、あの酒井前編集長をして「ファンになってしまいそう」と言わしめたクオリティは伊達じゃねえぞと。


SHOTGUN MESSIAH - Violent New Breed ★★ (2019-03-13 00:41:53)

LAを拠点に活動していたSHOTGUN MESSIAHが、故郷スウェーデンへと戻り、新たにVoとGのユニット体制となって'93年に発表した3rdアルバム。
GUNS’N ROSESの流れを汲むスリージーなロックンロールを演っていた前2作に対し、サポート皆無だった所属レーベルに対する鬱憤をブチ撒けたという本作で炸裂するのは、エフェクトで歪められたVo、ザクザク刻まれるスラッシーなGリフ、冷徹な打ち込みリズムに支配されたマシーナリーなインダストリアル・メタル・サウンド。その変貌ぶりときたら、夏休み明けに不良デビューを飾った生徒を発見した担任教師ばりに「一体何があったんだよ…」と呟くレベルですが、後知恵で考えるなら、バンドの中心メンバーで後にマリリン・マンソンのブレーンとして、またドイツのKMFDMのメンバーとしても活躍することとなるティム・スコルド(G)が、いよいよその本領を発揮しただけと言えなくもないという。
ともあれ、ロックンロール+インダストリアル・メタル。どちらも積極的に嗜もうとは思わないジャンルでしたが、実際に聴いてみるとこの取り合わせが意外に珍味…つかコレ結構カッコ良くね?と。エフェクトが掛けられていてもVoは威勢よく歌っており、ロックンロールの生命線と言うべきクールなGリフ/ノらずにはいられないグルーヴ/キャッチーなメロディもそこここに健在。Gソロだってしっかりとフィーチュアされていて、安易に流行に身を委ねるのではなく、いかにそうした要素を自分達のフィールドに引き込んで料理するかを真剣に考え抜いたことが伝わってくるサウンドは非常にカッコイイ。
発表時期が早過ぎた…当時より今の方が案外正当な評価を得られる1枚なのかもしれません。


KING KOBRA - II - Hell On Wheels ★★★ (2019-03-12 00:20:25)

カーマイン・アピスの年齢を感じさせない
豪快なドラミングに先導される形で疾走するOPナンバー。
曲作りの際に念頭にあったのは間違いなく名曲“READY TO STRIKE”だと思いますが
ポール・ショーティノの熱唱、勇ましくもキャッチーなコーラス、
アグレッシブに切り込んでくるGと、安易な焼き直し感は皆無。
このレベルの楽曲が生み出せるのならKING KOBRAはまだまだイケル!
と思わせてくれるに十分なカッコ良さですよ。


KING KOBRA - II ★★ (2019-03-12 00:08:28)

忘れた頃に新作を届けてくれる復活KING KOBRAが'13年に発表した5th。だのにタイトルが『Ⅱ』なのはカーマイン・アピスお爺ちゃんがボケちゃったから…ではなく、オリジナル・メンバーが再結集(シンガーを除く)して作った2枚目のアルバムという意味なのだとか。
シンガーは今回もポール・ショーティノ。実力はとうの昔に証明済みの本格派ながら、タイプ的にはブルージーでソウルフルな歌い回しを得意とする人。オリジナルVoのマーク・フリーとは声質から歌唱スタイルまで大きく異なるので、こちとら「ミスキャストだわー」とテンションだだ下がりで、発表当時は購入スルーを決め込んでしまいましたよ。
しかし本作、そうしたこっちの不見識を嘲笑うかの如く出来が良い。ショーティノの資質に合わせたのか、全体的に埃っぽさを増したHRサウンドは、メンバーのパフォーマンスの成熟具合と相俟って実に味わい深く、それでいて年齢相応に落ち着いてしまったわけじゃないことは、カーマイン総帥のパワフルなDsに引っ張られて疾走する“READY TO STRIKE”風OPナンバー①や、アップテンポの⑦といったエネルギッシュな楽曲のカッコ良さが証明してくれている通り。全体的に収録曲の出来・不出来にムラがあるものの、ダレそうになると、遊び心を感じさせる④、女性コーラスをフィーチュアしたソウルフルなバラード⑤、壮大な盛り上がりを呈する⑪といった佳曲で場を引き締めに掛かる卒のない手腕は、流石ベテラン・バンドといったところ。
ジャケットに漢字で「蛇」と書かれているせい…というわけでもないのでしょうが、時折WHITESNAKEっぽさも感じられる正統派HRの秀盤に仕上がっています。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty - Kiss of Death ★★★ (2019-03-10 23:18:48)

曲名だけで何やら名曲の風格が感じられますが(?)、
事実、硬質なGリフが切れ味鋭く刻まれるイントロに続き
ジェイミー・セント・ジェイムズの威勢のいいシャウトVoと共に
楽曲がアクセル全開で走り始めた途端、聴いてるこっちも
猛然と頭を振らずにはいられないスピード・ナンバーの名曲に仕上がっています。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty ★★★ (2019-03-10 23:10:58)

前作『WITHOUT LOVE』(’85年)で組んだブルース・フェアバーンが、BON JOVIと共に成功の階段を猛然と駆け上がる光景を見送りつつ、今度はKISSのジーン・シモンズをプロデューサーに起用してBLACK’ N BLUEが'86年に発表した3rdアルバム。
LAメタル・ムーブメントの中核を担うバンドの一つでありながら、なかなかブレイクの切っ掛けを掴めない焦りやプレッシャーが、当時の彼らになかったわけはないと思うのですが、さりとてここで聴くことが出来るサウンドには、バラードを演ってみたり、Keyのフィーチュア度を高めて売れ線に走ってみたりといった小細工は一切なし。まぁ中にはジョナサン・ケイン(JOURNEY)提供のポップでメロディアスな⑥のような異色曲もあったりしますが――でも良い曲ですよ――、元気溌剌なジェイミー・セント・ジェイムズのシャウトVo、躍動感溢れるトミー・セイヤーのG、分厚くボトムを支えるリズム隊とがストレートに攻めてくる、ノーギミックで抜けの良いアメリカンHM路線を徹底する姿勢には好感を持たずにはいられませんて。重厚なアルバム表題曲①、重々しくもキャッチーでアンセミックな②、LAメタルらしいボーカル・ハーモニーを活かした③といったミッド・チューンでじっくりと雰囲気を盛り上げて、ハード・ドライヴィンなスピード・チューン④で一気にアクセルを床まで踏み抜く構成には、メラメラとメタル魂が燃え上がります。ジーンの手掛けた、ボトムの効いたソリッドな音作りもバッチリこの作風にハマっていますよ。(トミー・セイヤーは今ではKISSのメンバーになってしまいましたねぇ)
ぼちぼちBLACK’N BLUEのカタログは国内盤を再発して欲しいところなのですが…。


QUIET RIOT - Terrified ★★ (2019-03-07 23:39:07)

シングル“CUM ON FEEL THE NOISE”とデビュー作『METAL HELTH』(’83年)の大ヒットで一気にHR/HMシーンの頂点へ駆け上がるも、その後MOTLEY CRUE、RATTといった若手LAメタル勢の台頭やケヴィン・ダブロウ(どうでもいいけど受験/進級シーズンには禁句なお名前だ)のビッグマウスぶりが災いして、駆け上がった時と同じ速度で王座から転げ落ちていき80年代末期に解散してしまったQUIET RIOTが復活。ケヴィン・ダブロウ(Vo)、カルロス・カヴァーゾ(G)、フランキー・バネリ(Ds)という『METAL~』参加メンバーが再結集し、彼らのブレイクから丁度10年の節目になる'93年に、この復活第一弾アルバムを発表しました。
デビュー当時の底抜けに明るいロックンロール色が薄まって、時折ブルージーな香り漂う翳りを帯びたシリアスな作風は、メンバーのミュージシャンとしての成熟と、何より90年代HR/HMシーンの潮流を意識させる仕上がり。とは言え別にPANTERAやグランジ/オルタナ・ロックからの影響を無理くり取り入れているわけではなく、音数多めのフランキーのダイナミックなドラミング、要所で花開くカルロスのフラッシーなGプレイ、顔同様にアクの強いケヴィンの歌声が映える重厚でヘヴィ・メタリックな楽曲は、QR流“HEAVEN AND HELL”ライクな①、埃っぽいイントロからパワフルに展開していく⑥、スリリングなインスト・ナンバー⑩等これはこれで十分カッコイイじゃん!と思う次第。
まぁ地味と言えば地味。前作収録の“THUNDERBIRD”みたいなキメ曲も欲しかったところですが、復活作としては及第点を余裕でクリアしている1枚ではないかと。


RICHIE ZITO - Avalon - Avalon ★★★ (2019-03-07 00:49:57)

郷愁をそそるサビメロが絶品のアルバム表題曲。
この曲をダニー・ヴォーンに歌わせているのが正に慧眼で
彼のハート・ウォーミングな歌声は間違いなく
楽曲の完成度を更に数段引き上げてくれていますよ。
何気にGソロも素晴らしい。
個人的にはアルバム収録曲中、最も愛している楽曲です。


RICHIE ZITO - Avalon - Nightmare ★★★ (2019-03-07 00:44:37)

リッチー・ジトー自ら奏でる熱を帯びたGの活躍もあって
80年代初頭のHMの名曲的な風格すら感じられる気がしますよ。
エディ・マネーのVoもハマっています。
この人からこういうタイプの楽曲が出てくるとは思っていなかったので
「色々な引出し持ってるなぁ」と、改めて感心することしきりでした。


RICHIE ZITO - Avalon ★★★ (2019-03-06 00:17:54)

80年代のヒット作には欠かせない存在だった名物プロデューサー兼ソングライターのリッチー・ジトーが、久々にHR/HMシーンの第一線に復帰。自らプロデュースとコンポーズ、更にG、B、Keyまで兼任するマルチ・アーティストっぷり全開で立ち上げたメロハー・プロジェクトAVALONが、FRONTIERS RECORDSから'06年に発表した1stアルバム。
ジョー・リン・ターナー、ジェセフ・ウィリアムズ、ジョルジオ・モロダー、エリック・マーティン、リッチー・コッツェン、フィリップ・バードウェルetc…と、豪華なゲストVoを迎え制作されているだけに、きっとゴージャスなポップ・メタル・アルバムに違いない!…と思いきや、淡々と刻まれるGリフに乗せてヒューゴ(ex VALENTAINE)が哀愁のメロディを歌い上げるOPナンバー①を手始めに、プロダクションにしろ楽曲にしろ、意外なぐらい飾り気を抑えたシンプルな仕上がりで意表を突かれました。
尤も、70年代からキャリアを積み上げてきたベテランゆえこの作風は原点回帰とも言えますし、何よりも作りがシンプルな分、この人の持ち味である卓越したメロディ・センスや、フックを設けた曲作りの巧さが際立ちます(バラード作りの手腕にも鈍りなし)。特にエディ・マネーがVoを担当し、Gの活躍ぶりが「NWOBHMの名曲」的風格を漂わす③、ダニー・ヴォーンの伸びやかで暖かな歌声が映える⑤、ミカエル・アーランドソンを思わす⑥(Voはヒューゴ)等は、このプロジェクトの魅力を端的に伝えてくれる本編のハイライト。
これだけの完成度を誇りながら、発表当時大して話題にもならず、本作がこのプロジェクトの唯一作というのは解せないったらないですよ。


RICHIE ZITO (2019-03-06 00:16:03)

80年代から90年代前半にかけてのHR/HMシーンを語る上で欠かすことの出来ない重要人物。70年代にセッション・ミュージシャンとして業界入りし、以降、関わる作品を次々に大ヒットに導く名物プロデューサー/コンポーザーとして盤石の地位を築く。関わった作品をいちいち挙げていくとキリがないので割愛。
ただ、意外にも長いキャリアを通じてソロ・アルバムとは縁がなく(多忙過ぎたのか)、’06年にFRONTIERS RECORDSから発表した『AVALON』が、作曲/レコーディング両面で自らが陣頭指揮を執り仕上げた初めての作品なのだとか。


ROXUS - Nightstreet ★★★ (2019-03-05 00:25:52)

ROXETTEとかROXANNEとか、似た名前のバンドが多くて混乱しますが、こちらはオーストラリア出身のKey奏者を含む5人組。本作は彼らが'91年に発表し、本国アルバム・チャートにおいて最高第5位にランクインするヒット作となった1stフル・アルバムです。
いきなりのメジャー・デビュー、プロデュースはINXSやSTEELHEARTとの仕事で知られるマーク・オピッツが担当するというお膳立ての揃いっぷり。更にBURRN!!誌の輸入盤レビューで高評価をゲットし、TDKから出ていた国内盤が中古盤市場じゃ高額で取引されている…なんて話を耳にすると、その内容について弥が上にも期待が膨らみますし、実際ダニー・ヴォーン系のハート・ウォーミングな声質のVo、エネルギッシュ且つ歌心に溢れたG、HR然とした躍動感を楽曲に付与するリズム隊、抒情的なKeyに柔和に彩られたメロハー・サウンドは、そうした高まりきったリスナーの期待に見事応えてくれる出来栄えです。
終始メロメロに泣きまくる作風を期待すると、オーストラリア産HRバンドとしての地が出た感じの③⑥みたいなロックンロールがノイズになる可能性もありますが、あのランダル母娘との共作で豪シングル・チャート最高第13位に食い込んだヒット・バラード⑤を始め、哀愁を湛えた①④、明るく爽快なポップ・チューン②⑨、グルーヴィーなヴァースから伸びやかなサビメロへ絶妙な曲展開にグッとくる⑧、ラストをしっとり締め括る⑩…と、次々繰り出される優良メロハー・ソング群を前にすれば、寧ろ本編にメリハリをつけてくれる良いアクセントぐらいに思えてきますよ。
ジェフ・パリスがプロデュースを手掛けるも、残念ながらお蔵入りしてしまったという2ndアルバムも是非聴いてみたかったなぁ。


ROXUS (2019-03-05 00:22:55)

‘87年にメルボルンで結成。BON JOVI、POISON、WARRANTといったバンドの前座を務める等、積極的なライブ活動が評判を集めレコード契約をゲットすると、'89年に2枚のシングル、'90年にEPを発表してデビュー。
'91年リリースの1st『NIGHT STREET』(日本盤は’93年にTDK/WARNERから発売)は豪アルバム・チャート最高第5位にランクイン、シングル・カットされた楽曲群も好成績を残するヒットとなり、ROXUSは翌年直ちに2ndアルバムを制作すべくスタジオ入りするが(プロデューサーはジェフ・パリス)、結局アルバムは完成されることなく、その年の大晦日に最後のライブを行った後、'94年にバンドは解散している。


GIANT - Time to Burn - Lost in Paradise ★★★ (2019-03-03 10:48:44)

名曲“STAY”の後に、この名バラードが続いた時点で、
自分の中で『TIME TO BURN』の名盤評価が確定しましたね。
悲哀に満ちたメロディ、「エモーショナルとはこういうことだ!」
と言わんばかりに、歌とギターに魂込めるダン・ハフの
パフォーマンスに圧倒されてしまいます。


GIANT - Time to Burn - Stay ★★★ (2019-03-03 10:37:30)

抑え気味のヴァースから、パッと花開くようなキャッチーなコーラスへと
繋がる展開が非常に秀逸。曲調はポップで洗練されていますが
そこにダン・ハフの粘っこくエモーショナルなVoとGが乗っかることで
GIANTならではの魅力を放つ名曲が一丁上がり。
バンドがこれをリーダートラックに選んだ気持ちがよくわかります。