“FOREVER YOUNG”の名曲ぶりが未だメロディ愛好家の間で語り継がれるアメリカのバンド、TYKETTOのフロントマンだったダニー・ヴォーン。彼が主役を務めるプロジェクトFROM THE INSIDEが’08年に発表した2ndアルバムがこちら。日本盤は当時キングからリリースされたものの既に廃盤で(キングは廃盤になるのが早いね)、現在では中古盤市場で1st共々結構なプレミア価格で取引されていることで知られる1枚であります。 レコーディングはイタリアのメロハー梁山泊FRONTIER RECORDSの仕切りで行われ、プロデューサーにはファブリッツオ・グロッシを起用。更にVEGAで活動するトムとジェームズのマーティン兄弟が曲作りに関与と、「細工は流々、仕上げを御覧じろ」とばかりにお膳立てはほぼ完璧。そうして出来上がった、掴みに持ってこいの①、劇的なバラード③、サビメロの絶妙なメロディ展開にフラッシーなGプレイが華を添える④、胸のすくような爽快ハードポップ⑥、高揚感を伴うキャッチーな⑪etc…と、適度にエッジも効いた珠玉のメロディック・ロック・チューンの数々を、ダニーが持ち前のハート・ウォーミングな歌声で熱唱するわけですから、もはや完成度の高さに疑念が入り込む余地はありません。そのダニーも曲作りに積極的に関わっている以上(名盤『DON’T COME EASY』がそうだったように)、ある程度はアメリカンなノリも混入しているものと思いきや、意外やほぼ全編が北欧メロハー風味の哀愁と透明感、爽快さを保ったまま進行していく辺りも嬉しい驚きです。 再結成TYKETTOでの活動で多忙なのか、近年は作品リリースが途絶えてしまっているプロジェクトですが、本作を最後にこのまま消滅させるのは勿体なさ過ぎますよ。
‘81年6月、バーニー・トーメ(G)脱退5日前に、GILLANがドイツのアーヘンで行ったライブの模様を収めた実況録音盤。中古屋で見かけて「へー、こんなん商品化されてたんだ」と思わず興味に駆られて購入してしまいました。 ライン録りなのか、オーディエンスの歓声が殆ど入っておらず、また本来ショウのOPを飾っていスピード・ナンバー“UNCHAIN YOUR BRAIN”が録音上の不備で未収録という痛恨のミステイクが惜しい作りながら、代表作『FUTURE SHOCK』(’81年)を発表し、脂の乗り切っていた時期のGILLANのライブゆえ、楽曲も演奏も火が出るぐらいにホットでスリリング。「パンク世代のジミ・ヘン」トーメのGは脱退直前とは思えぬテンションの高さですし、何より圧巻なのが、プレイにしろアピアランスにしろ一癖も二癖もある個性派揃いの面子をがっちり従えて、1曲目からキレキレの歌声をブッ込んでくるイアン・ギランその人ですよ。彼のVoにリアル・タイムで触れた最初の作品が(よりにもよって)『紫の聖戦』だったこともあり、正直ギランの実力を侮り倒していた我が身なので、こうして後追いで過去の音源に触れる度に、彼に対する再評価ゲージがグングン高まっていくのを感じる次第(加齢と折り合いをつけた現在のギランのVoも嫌いじゃないですが)。特にDEEP PURPLEとはまた異なった破天荒さが炸裂する“SMOKE ON THE WATER”を皮切りに、ヒット曲“NEW ORLEANS”、お馴染みの“LUCILLE”と続く終盤3曲の怒涛の畳み掛けには、GILLANのライブ・バンドとしての魅力が凝縮されています。 この編成でのライブが見てみたかったなぁと、叶わぬ夢を抱かずにはいられない1枚。
NY出身の5人組が、ジーン・ボヴアー(CROWN OF THORNS)のプロデュースを得て'92年に発表したデビュー作。結構長い間オフィシャルなCDが日本盤しか存在しなかったため、世界中のメロハー・マニアの間で争奪戦が繰り広げたレア・アイテムとして知られる1枚でしたが、現在はYESTERROCKからリマスター盤が再発済み。安価にて容易に購入が可能なのですから良い時代になりましたなぁ。(その昔大枚叩いて中古盤を落札してしまった我が身の嘆きをともかくとすれば) それはさておき。本作がプレミア価格で取引されていたのは単に「希少盤だったから」という理由だけではなく、その内容の素晴らしさがあったればこそ。本編はRASPBERRIESの名曲“GO ALL THE WAY”のカヴァーを含めて全9曲を収録。捨て曲の類は当然一切なし。特に哀愁のメロディをJ.D.ケリーがエモーショナルに歌い上げ、それを美しいボーカル・ハーモニーと、後にRAINBOWに加入するポール・モリスが奏でるKeyとがメロウ且つドラマティックに彩る①は、OPナンバーにしていきなりアルバムのハイライトを飾る名曲で、これで掴みはOK。後に続く愁いを帯びて駆け抜ける④や、ブリッジにおけるメロディ展開とJ.D.の熱唱ぶりに涙ちょちょ切れる⑥、女性シンガーがデュエットで華を添える劇的な⑦なんかも、その①に匹敵するインパクトを放つ逸曲であり、こうした強力な出来栄えを誇る楽曲群に適度なエッジを加えるトミー・ラファティのGプレイも、後日ジーンに誘われてCROWN OF THORNS入りするのも納得のセンスと腕前がキラリ光ります。 メロディ愛好家なら一家に1枚は常備しておきたいメロハーの名盤ですよ、これは。
ミートローフと組んで『地獄のロック・ライダー』を大ヒットさせたプロデューサー、ジム・スタインマンの陣頭指揮を仰いで制作。女性シンガー初となる、英米両国のアルバム・チャートで№1に輝いた作品としてギネス認定を受ける他、その年の数多の音楽アワードを総なめにしてボニー・タイラーのブレイク作となった、’83年発表の2ndアルバム。 本編はいきなりC.C.R.の名曲(日産セレナのTVCMに使われていたことでお馴染み)“雨を見たかい”のカヴァーからスタートしますが、ピアノを全面的にフィーチュアしたゴージャス且つドラマティックなアレンジや、スケールの大きなサウンド・メイキングはまさにジム・スタインマン・ワールド。そしてこのクドイぐらい大仰な音世界には、それに負けないぐらいのクドさ(誉め言葉)で迎え撃つ、「女ミートローフ」ことタイラー姐さんのハスキー且つパワフルな歌声が実によく映える。これぞ理想的なコラボレーションですよ。 ドラマ『スクール・ウォーズ』主題歌として麻倉未稀にカヴァーされた名曲“HOLDING OUT FOR A HERO”が聴けるのは次作『秘めた想い』(’87年)なれど、アルバム・タイトルのカッコ良さといい、タイトに締まった音作りといい、それに何より収録曲の粒の揃い具合で断然本作の方に軍配が上がります。ハイライトはやはり4週連続で全米チャート第1位の座に居座った劇的なバラード“愛の翳り”(PVも珍味で最高)ということになるのでしょうが、流麗なピアノのイントロを皮切りに、息苦しい程の怒涛の盛り上がりを呈するジム・スタインマン節全開のアルバム表題曲②もそれに匹敵する名曲っぷり。 ボニー・タイラー入門盤といえば間違いなく本作で決まりでしょう…って、廃盤なの?
「変な名前の凄い奴」として注目を集めていたイングヴェイ・マルムスティーンの真の実力を、誤魔化しの利かないライブという場においてHR/HMファンに知らしめ、日本における彼の人気を決定付けたALCATRAZZの初来日公演。その模様は『LIVE SENTENCE』『METALIC LIVE ’84』として既に商品化されていますが、前者は曲数が物足りなく、後者は編集やカメラワークが的外れという弱点を抱えていました。本作はそういった諸々の不満解消に着手した、まさにALCATRAZZ実況録音盤の決定版と呼ぶに相応しい内容で、思わず実家に「聴キマシタ、泣キマシタ」と電報を打とうかと思ったぐらいですよ。 まだブルーレイの方は見れていないためCDのみの感想となりますが、まずちゃんとライブ冒頭のSEから始まる構成なのが嬉しい。音質も臨場感を増し、ファンの熱狂ぶり及びイングヴェイのGプレイは一層生々しくクリアに捉えられています。まぁ一緒にグラハムのVoのメロメロさも生々しく蘇っているわけですが、ガナろうがハズそうが吹き出そうが、技術より「らしさ」を発揮できているか否かこそ重要なやっさんはこれでいい。マニアの悲願叶って遂に収録された名曲“JET TO JET”は、確か彼の歌唱に問題があってオミットされたと聞き及んでいたので一体どんだけ豪快なハズシが炸裂するのかと思ったら、別にいつもの愛すべきグラハムで寧ろ拍子抜けしたぐらいですよ。とまれ、強烈なイングヴェイの圧を真っ向受け止めて尚輝くなんざ、並大抵のシンガーに務まることじゃありません。 終盤もストレスの溜まるイントロ寸止めフェードアウトではなく、VHS版同様に“LOST IN HOLLYWOOD”以降の流れを完全収録。まさかこんな作品を聴ける日が来ようとは…と、発売してくれたレコード会社には足向けて寝られない1枚。
解散宣言の撤回後、それまで以上にバンド活動に対して積極的になったことの表れのように、前作『GHOST OF GRACELAND』(’16年)から僅か2年という短いインターバルでの発表となったTREATの最新アルバム。 TREATにしてはややダークで重厚な方向に振られていた――それでもメロディのフックに翳りがなかったのが流石――『GHOST~』に比べ、今作は逆にバンドが原点(この場合は復活1作目にして大傑作『COUP DE GRACE』の作風を指す)を見つめ直したかのように、アンダース・ヴィクストロムのGがもたらすヘヴィ・メタリックな切れ味と、ポンタス・エグベリ&ジェイミー・ボーガーの腕利きリズム隊により醸成される躍動感溢れるリズム、そしてロバート・アーンルンドの泣きを含んだVoが際立たせる、TREAT独自の哀メロ・センスとがバランス良く配合したHMサウンドが託されています。 神秘的なイントロに続き雄々しく立ち上がるOPナンバー①が始まった時点で、多くのファンが本作に対する手応えを感じられたことと存じますが、本編には他にも優れた楽曲が目白押し。緊迫感を湛えた③、冷ややかなメロディが映えるミッド・チューン⑦、涼し気に駆け抜ける⑧、ドラマティックなバラード⑩、個人的にアルバムのハイライトに推したいキャッチーな⑪、絶品のコーラスでライブ会場がタテに揺れる様が目に浮かぶような⑫等々…。もし彼らが’13年に宣言通りに解散してしまっていたら、こうした素晴らしい楽曲の数々が世に出ることもなく埋もれてしまったかと思うとゾッとしますよ。つくづく思い止まってくれて良かった。
グラマラスなルックスと、意外に(と言ったら失礼ですが)秀でた作曲能力の高さで「遅れて来たLAメタル・バンド」として評判を呼んだPRETTY BOY FLOYDがリユニオンを果たし、'99年に発表した2ndアルバム。 ダーク&ヘヴィの嵐が吹き荒れた90年代を活動停止によりほぼスルー出来たことが奏功したのか、本作で聴けるのは、砂糖菓子のように甘ったるい――それが個性でもある――スティーヴ・サマーズの歌唱スタイルから、彼が歌う親しみ易いメロディや、思わず口ずさみたくなるキャッチーなコーラスまで、デビュー作の美点を余すところなく受け継いだ、明るく楽しいパーティ・ロック・サウンド。硬派を謳っていた連中でさえ次々にトレンドを取り入れようとしてズッコケていた当時にあって、「恰好だけ」とか「軽薄」とか侮られまくっていた彼らの方が、むしろHR/HMシーンの変化にも揺らぐことなく自分たちのサウンドを貫き通し、矜持を示してくれているのですから皮肉な話ですよ。 一聴してまず印象に残るのが、1st収録曲のリメイクだったり(⑤⑧)、KISSのカヴァーだったり(④)するのは如何なもんかと思わなくもないのですが、それでも収録曲は高揚感を伴って煌びやかに駆け抜けるロックンロール②から、フックの効いた③、スウィートなバラード⑨に至るまで、理屈抜きに楽しめる楽曲ばかり。特に聴いているだけで気分が浮き立つような疾走ナンバー⑫は、「これぞPBF!」と喝采を上げたくなる名曲ですよ。 何故PRETTY BOY FLOYDが根強くファンから愛されるのか。その理由の一端を伝えてくれるポップ・メタルの好盤。
「ヴィンテージ・スラッシュ」を標榜する東京出身のトリオが、デビュー作『CREATION OF THE WORLD』(’14年)の好評を糧に、’18年に発表した2ndアルバム。 前作から4年と、新人バンドとしてはかなりアルバムとアルバムのリリース間隔が空いてしまった印象ですが、濁声繰り出すVoに、ガリガリゴリゴリと突き進むリフ&リズムと、その合間を縫ってテクニカルなGソロがメロディックに舞う基本スタイルはまったく微動だにせず不変。全10曲収録でランニング・タイムが30分台という、タイトに締まった構成も前作同様です。 ただ、一口に「ヴィンテージ・スラッシュ」と言っても、倒れる寸前まで前傾姿勢を取り、遮二無二突っ走るSLAYERタイプではなく、リズムがどっしりとしたパワー・メタリックな重量感を湛えているのもこのバンドの特徴。地鳴りの如く突進するリズムと、野卑なシャウト、鋭利なリフ、そして質実剛健な楽曲にパッと華やかな彩りを加える、相変わらず鮮烈に冴え渡るGソロとが並走する①③⑥⑩という、ALICE IN HELLというバンドの魅力を分かり易く捉えた楽曲を要所に配置。疾走ナンバーはより破壊的に、ミッド・チューンはより重厚に、更には前作では聴かれなかったようなシャッフル・チューンにも挑戦する等、収録曲のバラエティが確実に広がりをみせる本編は、よりパワフルに、よりダイナミックに、バンドとしての総合力の成長ぶりが伺える内容に仕上がっています。 あとは演奏に埋もれがちなVoがもうちょい存在感を主張できるようになれば、更に一段階上のインパクトを聴き手に与えられるようになるのではないでしょうか?
'12年に発表したフル・アルバム。多分14枚目ぐらいかな? ROSE ROSEというと、オムニバス盤の名作『SKULL THRASH ZONE VOL.1』の印象がやはり強いのですが、あれから四半世紀以上の時を経てもサウンドの攻撃性が全く鈍化していない…どころか、一層刺々しくギアを上げて突っ走っているのですから恐れ入ります。 時代と共に音楽性を変化させ、00年代突入以降はクロスオーバー・スラッシュ路線へと帰着した彼らは、今回も同一路線を爆走。トータル・ランニング・タイムが30分台、収録曲は全23曲という構成はハードコア/パンクの作法に則りつつも、鼓膜に突き刺さるハイピッチVo、メタリックに暴れ回り、Gソロを奏でるだけに留まらず要所で劇的なツイン・リードさえ決めてみせる2本のG、スピードと音数だけでなく音圧も十分なリズム・セクション等、スラッシュ・メタル成分が嘗てない程に増量されているのも本作の特徴です。 特に、2分弱というタイトな曲展開の中に緩急、更にツインGの聴かせ所まで盛り込んだ②、切迫感に満ちたGリフに先導され突進する⑦、雄々しいコーラスと2本のGの劇的な絡みが最早正統派HM的ですらある㉓は血沸き肉躍らずにはいられない名曲。あと物々しく勇壮なインスト序曲①に鐘の音がフィーチュアされている時点で「あ、信用できる!」と。昔からサイレンと鐘の音を取り入れた楽曲にハズレはないと思っておりますので。 全編ひたすらハイテンションに走り抜ける、ショート/シャープ/ショックな姿勢が徹底された痛快作。ROSE ROSEのアルバムではこれが一番好きかもしれません。(つっても全部のアルバムの聴いたことがあるわけじゃないのですが)
ドイツのパワー/スラッシュ・メタル・バンドVIRONとABANDONEDのメンバーが、NWOBHMの名曲の数々をカヴァーするために結成したというトリビュート・バンドROXXCALIBUR。2ndアルバムは日本盤も発売されているのですが、個人的に聴き直す頻度が高いのはこの’09年発表のデビュー作。やはりこういったカヴァー曲集は、作り手が一番演りたかった楽曲が凝縮される1作目のテンションが飛び抜けているような? バンドの拘りが反映された収録曲は、“LADY OF MARS”(DARK STAR)の如きNWOBHMの聖歌を始め、プレ・スラッシュ・ソング“AXE CRAZY”(JAGUR)や、METALLICAもカヴァーした“LET IT LOOSE”(SAVAGE)といった過去に日本盤も出たバンドの代表曲から、TRIDENTの“DESTINY”、JJ’S POWERHOUSEの“RUNNING FOR THE LINE”といった知る人ぞ知る名曲、更には本作を手に取るまで存在すら知らんかったようなバンドの楽曲(いずれも味わい深い出来栄え)に至るまで、実にマニアックなチョイスがなされています。 完コピが基本の生真面目なスタイルのため、人によっては「カラオケ大会じゃん」と面白味に欠けるように感じられるかもしれませんが、それもこれもオリジナルへの愛情の深さゆえ。メンバーのパフォーマンスも安定しており、殊にVoの声質がスティーヴ・グリメットとよく似たタイプのせいか“SEE YOU IN HELL”(GRIM REAPER)のハマリっぷりは本編中でも1、2を争います。更にそこからもう一段遡ってCHATEAUXまでフォローしているのもニクイ。マニアだなぁと。 聴いていると笑顔にならずにはいられないトリビュート・アルバムの好盤ですよ。
インディーズ・バンドながら、年間100本以上のライブを行い、全国津々浦々を精力的にツアーをして回ったことから「LIVEの帝王」(CD帯にも誇らしげに謳われている)の異名を取った名古屋出身の5人組が、’89年に発表したメジャー・デビュー作(2ndアルバム) 結成当初はKey奏者も在籍し、プログレ寄りの音楽性を志向していたそうですが、メンバー・チェンジを繰り返すうちにサウンドがブラッシュアップされ、本作で聴くことが出来るのは、AEROSMITH等に通じるハード・ロックンロール。正直、自分好みの作風とは言い難かったため、購入以来長らくCD棚の肥やしの一つになっていたのですが、TILTが近年復活を果たし、ライブ活動を行っているとのニュースを雑誌等で見聞きするようになって、久々に引っ張り出して聴き直している今日この頃。 日本のバンドがこの手の音を演ろうとすると、どうしても寒くなりがちな印象があるのですが、パロディやチープな方向に逃げず真っ向勝負を挑んでいる本作がきっちりサマになって聴こえるのは、やはり熱く歌う濁声Vo、骨の太いG、柔軟且つ強靭にボトムを支えるリズムといった、実戦で鍛え上げられたメンバーのパフォーマンスが持ち得る説得力ゆえでしょうか。特に本家AEROSMITHを彷彿とさせる枯れた哀愁漂わすバラード“WHO’S GONNA WIN”は絶品。 個人的にはTILTの作品で一番好きなのは1st『THE BEAST IN YOUR BED』(’87年)なのですが、本作も結構良いなぁと。ただメタリックなプロダクションは上質ながら、Voが演奏に埋もれてしまっているのが勿体ない気も。