この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2901-3000

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69
モバイル向きページ 
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2901-3000

0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69


DAMIEN THORNE - The Sign of the Jackal ★★★ (2015-01-14 23:47:56)

オカルト映画史に足跡を残す名作『オーメン』。その主人公たる悪魔の申し子からバンド名を頂戴している、アメリカはイリノイ州シカゴ出身の4人組が'86年に発表した1stアルバム。
バンド名やアートワークのみならず、「刻む」というより「蠢く」と形容したくなるダークなGリフと、ハイトーンVoの芝居掛かった歌唱に導かれ繰り広げられるパワー・メタル・サウンドからも、明確なオカルト志向を窺い知ることが出来る本作ですが、ヨーロッパ産の同族に比べると耽美性や湿度は控えめ。それよりも荒々しいブチかましで中央突破を図る姿勢がアメリカンやなぁと。(ツアー・メイトもスラッシュ勢が多かったようですし)。というかコレ、ノリはSHRAPNELメタルですよね。
なので聴き始めはフックに欠ける大味さが気になったりもするのですが、中盤以降は、ルドルフ・ヘスの演説からスタートする⑤、高圧的に荒れ狂う⑥、トリに相応しい大仰さで迫り来る大作曲⑧のような、パワーのみならず、ドラマティックなメロディや曲展開にも気の払われた楽曲がギラリと存在感を放ち、本編に対する没入度の低下を防いでいます。
不器用ながらも愛すべきサムシングに満ちた1枚。ファンからの根強い支持の下、バンドが再結成を果たして80年代よりも元気に活動中なのも納得ですよ。


CRIMSON GLORY - Transcendence ★★ (2015-01-13 23:20:10)

面積の縮んだ仮面や、シングルカットされた⑦のストレートなラブ・ソングっぷりに代表される、ファンタジー色が薄れ始めた歌詞が、次作における音楽性の変化を予感させた'88年発表の2ndアルバム。
・・・なんて知った風なことを書いてみましたが、それは「今にして思えば」という完全に後付レベルのお話。ミッドナイト(Vo)の天を突くハイトーンと、華麗に咲き乱れるツインGを軸に、ドラマティックに様式美HMサウンドが回転する本作を初めて聴いた時は、ただ単純に感心するばかりでしたよ。
歌唱力はともかく、歌メロのフックに乏しいミッドナイトのVoは、実のところ大好物とは言い難かったけれども、そこはそれ。劇的に曲展開を牽引する2本のGと、後に小野正利もソロ・アルバムでカヴァーした①や、本編の勢いを加速させる②、歌詞から曲調までエピカルな重厚感を湛えた⑤、シングル曲に相応しいメロディの秀逸さが際立つ⑦等、優れた収録曲の魅力でカバー。長岡秀星の手によるアートワーク(『スペース・ヴァンパイア』!)も印象的。
間違いなく、高評価を受けたデビュー作に匹敵する完成度を有する1枚でありました。


CRASHDIET - Rest in Sleaze - Riot in Everyone ★★★ (2015-01-13 22:59:04)

来日公演で披露され、イントロから客が沸いてましたね。
自分のようなCRASHDIET?ロックンロールバンドでしょ?ってな
門外漢(更に言うとCRAZY LIXXとごっちゃになってる)の耳すら
一発で捉える、哀愁を帯びて駆け抜けていく曲調からキャッチーな
サビメロまで、強力なフックだらけの名曲であります。


TREAT - Organized Crime - Get You on the Run ★★★ (2015-01-13 22:35:32)

北欧メタルらしい哀愁を発散するサビメロに
思わず胸キュンなTREATの代表曲。
先日、TREATの来日公演に足を運んだのですが
バンドと観客の掛け合いも行われたこの名曲が
間違いなくライブのハイライトでありました。


↓TREATを生で見る最後のチャンスと、急遽参加を決めたのですが、
大変素晴らしいライブでしたよ。出先から直行したので
この曲ぐらいしか予習する時間がなかったものの、
ドンピシャで掛け合いが行われたので「よっしゃ」と(笑)。


GASKIN - End of the World - Despiser ★★★ (2015-01-10 19:09:52)

マサ伊藤、イチオシの名曲。
キメがビシバシ入る曲展開やアレンジは
プレグレ方面からの影響がほんのり。
やたらめったらにテンションの高い楽器陣に対し、
やる気があるんだかないんだか、
気だるげな熱唱を披露するVoとのギャップも面白い。


GASKIN - End of the World - Handful of Reasons ★★★ (2015-01-10 18:57:11)

アートワークの情景が目に浮かぶような
7分に及ぶ大作ナンバー。
VoとKeyのみの侘しく叙情的な前半から、
全楽器が加わってドラマティックに盛り上がる後半へと
移行していく曲展開は、元祖「プログレ・メタル」の
面目躍如といったところでしょうか。


GASKIN - End of the World - Burning Alive ★★★ (2015-01-10 18:51:46)

実にNWOBHMらしい疾走感溢れる曲調ですが
分厚いコーラスと薄曇りの哀愁を帯びたメロディが
醸し出すサビメロの透明感は、GASKINならでは。


GASKIN - End of the World ★★★ (2015-01-06 23:15:06)

ポール・ガスキン率いる英国はノース・リンカンシャー州スカンソープ出身のトリオが'81年に発表した1stアルバム。
NWOBHM史に名を残す名盤だけに、90年代に国内盤がCD化された際にゃ速攻買いに走りましたが、その時の感想は「・・・なんか思ってたのと違う」と。アクの薄いシンガーの歌唱や、プログレ方面からの影響を伺わせる整合性重視の楽曲構築術が、ザ・NWOBHM!ってな荒々しいサウンドを期待していた身には物足りなく感じられ、大して聴き込むことなく手放してまいました。で二束三文で買い叩かれた数年後に、本作がプレミア価格で取引されてるようになった時にゃ悔しさ倍増でしたね。
それはともかく。時を経た現在なら本作の魅力が良く判る。薄味なシンガーの歌唱は、だからこそ厚く重ねられたハーモニーに違和感なく溶け込み、その威力を倍化。チリチリした音色で刻まれるGリフから、手数多めのプレイで音の隙間を巧みに埋めるリズム隊まで、楽曲はしっかりとNWOBHMフィールドに根を下ろし、エッジも十二分に確保されています。特に、湿ったメロディに、淡く編まれたハーモニーと曲展開とがハード且つファンタジックに駆け抜けるA面サイドは、全曲が名曲と言っても過言じゃありませんよ。(劇的な⑩で締め括られるB面も負けてはいませんが)
当時マニアが、DREAM THEATERより一足お先に「プログレ・メタル」と評したというのも、大いに得心の行く1枚ではないかと。


IRON MAN - South of the Earth - The Ballad of Ray Garraty ★★★ (2015-01-05 23:16:58)

タイトルと歌詞から推察するに
スティーヴン・キングの『死のロング・ウォーク』に
着想を得ているのかな?
表題は“バラード”ですが、アルバムを締め括るに相応しい、
エピカルでドラマティックな大作曲で、朗々歌い上げるVoと
燻し銀のGがその表現力を如何なく発揮しています。


IRON MAN - South of the Earth ★★★ (2015-01-04 14:53:46)

強烈な横ノリ感を生み出すGリフからインプロヴァイズされたGソロまで、トニー・アイオミばりのスモーキーなGワークで「黒いアイオミ」の異名を取る黒人ギタリスト、アルフレッド・モーリス三世率いるドゥーム・メタル・バンドが、'13年に発表した5th(4th?)アルバム。
BLACK SABBATHの名曲をバンド名に戴くだけあって(そもそもサバスのトリビュート・バンドとして活動をスタート)、志向する音楽性も、自分のようなこの手のジャンルに疎い人間でも「おぉ、ドゥームだ」と一聴瞭然なぐらい、コッテコテのドゥーム・メタルをプレイ。
低音から高音までシアトリカルに行き来する様が、さながら「邪教の司祭」といった趣きのVoと、ドライヴしまくるBに、振り下ろされるハンマーの如きDsとが、収録曲1つ1つのキャラ立ちを明確にすると共に、アップテンポの⑥や緩急を飲み込んだ⑧等を本編に織り交ぜることで、かったるいドゥームにありがちな冗長感を排除。サウンドを重厚且つダイナミックに引き締めます。
ピアノをアクセント的に用いて、アルバムをドラマティックに締め括る名曲⑨の荘厳な存在感が、本編のクオリティの高さを雄弁に物語る1枚でした。


IRON CROSS - Warhead - Send for the Cross ★★★ (2014-12-29 23:39:09)

戦車の進撃を思わすパワフルなリフ&リズムと
その間隙を縫って閃くメロディとの組み合わせに
血中メタル成分が沸騰して、頭を振りたくて
仕方なくさせてくれるパワー・チューン。
ミドル・テンポの楽曲かくあるべし!な名曲ですよ。


IRON CROSS - Warhead ★★ (2014-12-28 22:49:40)

IRON CROSSを名乗るバンドはあちこちにいますが、彼らはペンシルバニア州ピッツバーグ出身の4人組で、本作は'85年発表のデビュー作。というか唯一作か。
以前ワゴンセールで投売りされていたところを、バンド名とアートワークが気に入って「SHRAPNEL系かな?」と当たりを付けて購入したのですが、これがドンピシャと言わないまでも結構近い感じのパワー・メタルを演っていて、思わず「よっしゃ」と握り拳固めてしまいましたね。
オヤジ臭い声質のシンガーをフロントマンに据え、重心低くパワフルに押し出してくるサウンドはJUDAS PRIESTからの影響が濃厚ですが、さほどダークな雰囲気は漂って来ないあたりがアメリカ産。ザックリと刻まれるリフ&リズムの組み合わせは、曲によってはLAメタルっぽく感じられたりも。
音質は今ひとつ。手癖だけで組み立てられたようなGソロが存在感に乏しく、どうも楽曲が小さくまとまってしまっている感も否めませんが、シンガーが「ロブ・ハルフォードの物真似をするウド・ダークシュナイダー」と化す疾走ナンバー③⑤⑩等に明らかな通り、作曲センス(特にリフ作り)には確かな冴えが確認できます。中でもライブ会場で観客の頭が一斉に揺れる様が目に浮かぶようなヘドバン・ソング⑥は名曲。
他に作品をリリースしてれば聴いてみたい、と思わせてくれる1枚でした。


IRON CROSS (2014-12-28 22:36:59)

バンド名で検索しても「同名バンドが多い」「アルバム1枚きりで消息不明」ぐらいのことしか分からない、アメリカ・ペンシルバニア州ピッツバーグ出身の4人組。
(でもこちらのサイトには、収録曲まで含めて一発登録することが出来て驚いた)
謎に包まれた・・・というより、単に大した活動をしなかった、要は80年代のHR/HMブームを盛り上げた泡沫バンドの一つってことなんでしょうが、でも彼らが'85年に発表した唯一作『WARHEAD』は、「その他大勢」とは切って捨て難いサムシングを放つ力作でした。


EXODUS - Blood In, Blood Out - Food for the Worms ★★★ (2014-12-28 01:09:30)

本編中、最高速度を叩き出すラスト・ナンバー。
突っ走るキレッキレなGリフのカッコ良さは正しくEXODUS印。
フェードアウト気味に終わってしまうのが
もったいないぐらいの名曲ですよ。


EXODUS - Blood In, Blood Out - Wrapped in the Arms of Rage ★★★ (2014-12-28 00:59:04)

無性に頭振りたくなるEXODUS流スラッシュ・ソングとしての
カッコ良さは勿論のこと、高みへ向かって昇りつめていくような
飛翔感溢れるツイン・リードGにも胸高鳴る逸曲。


EXODUS - Blood In, Blood Out - Collateral Damage ★★★ (2014-12-28 00:52:49)

血沸き肉踊るGリフとリズムのコンビネーションに
ハイテンションなゼトロのVoから、
スラッシュ魂を煽りまくるコーラスまで
もうEXODUSエキス100%(成分無調整)な名曲。
これ聴いてアガらんEXODUSファンはいないじゃなかろうか。


EXODUS - Blood In, Blood Out ★★★ (2014-12-26 23:51:28)

フロントマンの座にスティーヴ“ゼトロ”サウザが出戻って(10年ぶり2度目)、'14年に発表されたEXODUSの新作。
恋愛体質のカップルばりに別れたりヨリを戻したりを繰り返してるんで、今更「ゼトロ復帰」っても新鮮さを感じたりはしませんが、ですがやっぱりこの編成の磐石感は半端ない。ゼトロの剃刀Voに鈍りがないことはHATRIOTの作品群が証明している通りですし。
以前、雑誌では「次作は短い曲が波状攻撃を仕掛けて来るタイプの作品になるよ」とかゲイリー・ホルト(G)が語っていたのに、蓋を開けてみれば収録曲の半数が6分超えという前作同様の大作主義が貫かれていて、嘘つき!(笑)と開巻暫くは微妙なテンションでした。
しかし尺は長めでも全編がアゲアゲな疾走感で敷き詰められ、EXODUSの旨みが凝縮された名曲③で一旦我を忘れてしまうと、以降はラス曲⑫(VARUKERSのカヴァー)まで殆ど冗長さを感じることなく完走できてしまうのですから、やはりこのバンドの作曲能力は底が知れません。
キレッキレのGリフと躍動感溢れるリズムが、よく歌うツイン・リードGを載せて駆け巡る③⑤⑦⑩⑪等は、スラッシャーなら末永くお付き合いしたくなる魅力がハジケまくってます。
折角カーク・ハメットがゲスト参加してるのに④があんま印象に残らなかったりと、収録曲の出来栄えにムラを感じなくもないのですが、うるさ型のマニアから初心者まで、十分納得させられるだけの説得力を有している力作なのは確か。でも、ぼちぼち「短い曲が波状攻撃を仕掛けて来るタイプの作品」もよろしく頼んます。


SCANNER - Hypertrace - Grapes of Fear ★★★ (2014-12-23 22:05:37)

ジャーマン・メロパワ・メタル的大仰さよりも
ヨーロピアンHM寄りのタイトな疾走感が
印象的なスピード・ナンバー。
Gが奏でるテーマ・メロディにメタル魂が逸りますよ。
個人的にはアルバムで一番お気に入り。


SCANNER - Hypertrace ★★ (2014-12-23 21:57:08)

弦楽器隊を中心に再編され、LION'S BREED改めSCANNERとして生まれ変わった5人組が、プロデューサーにELOYのフランク・ボーネマン、エンジニアはトミー・ニュートンという布陣でレコーディング作業を行い、'88年にNOISE RECORDSから発表したデビュー作。(ラルフ・シーパースもゲストVoとして③に参加)
疾走感溢れるリズムに、劇的にハモる2本のGがメロディックに絡み、微妙な実力のシンガー(カイ・ハンセン以上/マイケル・キスク未満)が線の細いハイトーンをその上に乗せる・・・という音楽性は、所謂「ジャーマン・メタル」の王道スタイル。ただ、HELLOWEENブレイク以前からキャリアを積み重ねて来たバンドゆえ、どちらかと言えばJUDAS PRIESTやACCEPTといったオーセンティックなメタル軍団から影響の方が、より顕著に表れているかな?
「さぁ皆さんご一緒に」系の楽曲もないことはないのですが(②とか④とか)、個人的にはそれよりも①③⑤のような、シャープな疾走感とドイツのバンドらしい鋼鉄感が融合をみた楽曲の方にメタル心をくすぐられます。特にタイトな切れ味に気の逸る⑥は名曲。
メンバーの出で立ちからアルバム・コンセプトまで、ばっちりSFタッチで固めながら、脱力感満点の「イキったオッサン」ジャケでそれらを台無しにしてしまう辺りにB級メタルの悲哀を感じずにはいられませんが(アレンジもちょっと野暮ったい)、まぁそれはそれで趣きがありますよねと。


TRANCE - Power Infusion - Children Of Illusion ★★★ (2014-12-21 02:02:34)

前作収録の“CONFESSION”の流れを汲む
クッサクサの泣きメロに噎せ返りそうになる演歌型バラード。
金属声のシンガーの熱唱が一見ミスマッチですが、
逆に「強面男の激情」みたいな悲哀を
引き立たせてくれているように感じられ、
個人的には全然ありですよ。


TRANCE - Power Infusion - Burn Your Lies ★★ (2014-12-21 01:53:33)

クサいメロディを身に纏って
メロウに始まり徐々に盛り上がっていくという
お約束感満点の秀曲。
中盤で疾走へとテンポアップする曲展開も
これまたありがちですが「そこが良いんじゃない!」と。


TRANCE - Power Infusion - Storm & Thunder ★★★ (2014-12-21 01:45:03)

嵐のように吹き荒れるGと
雷鳴の如く打ち鳴らされるドラムが、
曲名に相応しい怒涛の勢いで突っ走る疾走ナンバー。
Voのハイパーな歌いっぷりもハマってます。


TRANCE - Power Infusion - Heavy Metal Queen ★★★ (2014-12-20 09:37:08)

HR/HMファンを自認するなら
この「シンプルながら無茶苦茶カッコイイ」の
お手本のようなGリフは一聴の価値あり。
舌がピリピリくるぐらい塩っ辛いVoの歌唱も
ソリッドで勇ましい曲調を盛り上げてくれます。
ここ日本でも局地的ヒットとなったというのも納得の名曲。


TRANCE - Power Infusion ★★★ (2014-12-18 22:23:17)

かつて新宿ツバキハウスにリクエストが殺到したとかしなかったとか(どっちよ)、未だ語り継がれる名曲“HEAVY METAL QUEEN”をトップに戴く'83年発表の2ndアルバム。
日本人の琴線に訴えかける哀愁のメロディ・センスはそのままに、今回は70年代HR的横ノリ感や、演歌にも匹敵する「泣き」は減少。その代わりエッジの効いたGリフを前面に押し出し、より時代に即して、キビキビとへヴィ・メタリックなサウンドにストレッチされています。
そうした印象に拍車をかけるのが、益々クドさ全開のローター・アントーニのVo。前作での歌唱はクラウス・マイネをオーバーブーストさせたような感じでしたが、ここではウド・ダークシュナイダーやマーク・ストレイスを引き合いに出して語りたくなる、パワフルなカミソリっぷりを披露。バンドの看板声として歌舞伎町のネオンの如き輝きをギラギラと放ちます。本作のマイナー臭の発生源が彼の歌唱にあることは間違いないのですが、繰り返し聴くうちに病みつきになってしまう、この声の中毒性は強烈ですよ。
メタル者なら一聴の価値があるキャッチーなGリフにハートを鷲掴まれる名曲①に、勇ましい②、泣きのバラード③へと至る冒頭3連発の隙のない布陣、そして緩急を効かせた⑦から、野生動物の嘶きの如きGリフが疾走する⑨まで、本編に捨て曲はなし。
次作『VICTORY』と併せてTRANCEの代表作に挙げられるのも当然の1枚ですね。


TRANCE - Break Out - Loser ★★★ (2014-12-17 22:33:20)

隙間を活かしたアレンジやグルーヴの醸成、
7分以上に及ぶ長尺等、ノリは完全に70年代HRですが
とにかく顔がくしゃくしゃになるような泣きのGソロが強烈。
タイトルを地で行く「負け犬の遠吠え」チックなこのソロを
聴いて最初に思い出した言葉が
“泣くがいい、声を上げて泣くがいい”でしたよ。


TRANCE - Break Out - For Your Love ★★★ (2014-12-17 22:25:18)

哀愁が溢れ出す泣きメロをたっぷりと
フィーチュアしたキャッチーなHRナンバー。
ノーマルなシンガーが歌っていればヒット・チャートを
賑わしたっておかしくないポテンシャルを秘めていますが
このバンドのシンガーは、アクの強い超塩辛声の持ち主。
大衆にアピールするにゃ不向き過ぎますが、
その代わりメタル・マニアには猛烈アピールする名曲に
仕上げてくれています。
個人的にはアルバムで一番好きな曲ですね。


TRANCE - Break Out - Confession ★★★ (2014-12-17 22:14:16)

まるで演歌、というか
演歌そのまんまなイントロで
思わず泣き笑いになってしまう名曲。
タメまくりなエンディングも演歌っぽい。


TRANCE - Break Out ★★★ (2014-12-16 23:28:43)

ドイツ出身で名前が「トランス」だなんて聞くと、クラブでドンツクドンツク流れてるダンス・ミュージック演ってる連中のように思えますが、ジャケットを開いて見れば、ヒゲ面&皮ジャンという、ルックスから服装までオシャレ感ゼロのメンバーが雁首揃えていてホッと一安心(?)。
彼らが奏でるのは、泣きを通り越して、時に「嗚咽」レベルにまで達するメロディのフィーチュアされた、ウリ・ロート時代のSCORPIONSからの影響も濃厚なHRサウンド(もしかしてバンド名も『IN TRANCE』を参考にしたのでは?と)。そう思って聴くと、ローター・アントーニ(Vo)の塩っ辛いことこの上ないハイトーンも、どことなくポリープ手術前のクラウス・マイネに通じるものがあるようなないような・・・。
軽快なOPナンバーこそ平凡な印象ですが、まるで演歌の如き②で「おぅっ」と鼻面を掴まれると、後はポップな曲調に乗せてGが泣きまくる④、哀愁とキャッチーさが見事な融合を見た⑤、そして一音入魂のGソロで涙をカツアゲされる⑥といった、憂愁渦巻く名曲の数々で完全ノックダウン!ってな按配。
後の作品に比べると未だHM度はそれほど高くないのですが、日本のHR/HMファンにも猛烈アピールするメロディ・センスは既に健在ゆえ、泣きメロ好きなら避けては通れない名盤かと。


TRANCE (2014-12-16 23:13:04)

'77年結成でドイツのイデンコーベン出身。'82年に1stフル『BREAK OUT』でデビューを果たし、ここ日本でも2nd『POWER INFUSION』('83年)と3rd『VICTORY』('85年)は熱心なメタル・マニアを中心に高い人気を博した。
法的な問題から'89年にTRANS MISSIONと改名し、4枚目のアルバムとなる『BACK IN TRANCE』をリリース。
その後再びバンド名を戻し、数枚のアルバムを発表するもパワーダウン感は否めず、90年代末期に解散。
現在は再結成を遂げて、TRANS MISSION名義でしぶとく活動を継続している模様。

尚、最近初期作がリマスター再発された模様ですが、それなら3rd『VICTORY』の再発も是非。昔、バイト先の先輩に録音して貰ったテープが既にビロビロ状態で聴けたもんじゃないんですよね・・・。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Fight the Fire ★★ (2014-12-15 22:16:49)

憂愁を帯びて伸びやかに展開されるサビメロと
そこ被さる勇壮なツインGのフレーズが胸熱。
クライマックスに向けて熱量を高めていく
Gソロも大変ドラマティック。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Axe Dance ★★ (2014-12-15 22:03:19)

IRON MAIDEN型のインスト・ナンバー。
2本のGが奏でる、氷がキラキラと弾けるような
美旋律から疾走へと転じる曲展開が
素晴らしくカッコイイ。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Alien Savage ★★★ (2014-12-15 21:55:40)

やっぱりこの手のアルバムは最後は
疾走ナンバーで締め括らないとな!と。
攻撃的ハイトーンVoと劇的に絡むにツインGを乗せて
スピーディに突っ走る楽曲は、イモな音質さえも
「それがどうした?!」と笑い飛ばせるぐらい
ガッツポーズ級のカッコ良さ。
単純に疾走ナンバーとしての魅力なら
代表曲“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”を凌ぐ勢い。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Night Flight to Tokyo ★★★ (2014-12-14 08:33:12)

冒頭から「もしもし、あたしヨ」と語りかける日本語台詞のみならず
トーキョー・ローズ、ゲイシャ、サムライの娘まで登場する
OH!エキゾチック・ジャパ~ン感溢れるアルバムOPナンバー。
しかしながら珍曲と侮ることなかれ。ゴツゴツと刻まれる角ばったGリフや
疾走するリズムはNWOBHM風でなかなかのカッコ良さ。
後にROYAL HUNTで人気を博し、本当に「もし良かったら日本に来ない?」
とお呼ばれすることになるアンドレ・アンダーセンの将来を
予見したかのような(?)名曲です。
もっとも、アルバム自体にはアンドレは未参加なんですけどね。


WITCH CROSS - Fit for Fight ★★★ (2014-12-13 00:06:47)

女声の珍妙な日本語イントロからスタートする迷・・・名曲“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”の衝撃が未だマニアの間で語り継がれる、デンマーク出身の5人組が'84年に残した唯一のフル・アルバム。(邦題は『新世紀への挑戦』)
活動末期にはアンドレ・アンダーセン(Key)が加入し、後にROYAL HUNTへと発展していく母体となったことでも知られるバンドですが、本作で聴かれるサウンドに「華麗さ」「哀愁」といった北欧メタル的エッセンスは薄め。むしろ前述の名曲①や、本編をアグレッシブに締め括る⑧といったスピード・ナンバーに強く表れている通り、霞がかった音像の下、武骨なGリフと、疾走感溢れるリズム主体に荒々しく押し出してくるダークな作風は、NWOBHMムーブメントの空気を胸一杯に呼吸している感バリバリ。
それでも、アレックス・サヴェージ(Vo)の甘い響きを宿したハイトーンや、時折噴出するヒンヤリと冷気を帯びたメロディからは、隠しようのない彼らの出自が垣間見え、例えばツインGが奏でる劇的なメロディで畳み掛ける⑤や、火花散るスリリングなインスト曲⑥等はその代表格かなと。
小学生の悪夢を顕在化させたかの如きアートワークは頭抱えたくなる酷さですが、でも本作は“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”一発に頼らずとも十分戦えるクオリティを備えたB級メタルの名盤ですよ!


IRON ANGEL - Winds of War - Creatures of Destruction ★★★ (2014-12-11 23:20:29)

1stのスピード/スラッシュ・メタル路線を受け継いで
アルバムのラストを激烈に締め括る疾走ナンバー。
鬼のように刻まれるGリフのカッコ良さはもとより
噛み付くような歌メロの迫力、
シャープに炸裂するツイン・リードGの練られ具合といい、
前作からのバンドの成長ぶりがしかと確認できる名曲です。


IRON ANGEL - Winds of War - Sea of Flames ★★ (2014-12-11 23:14:51)

明快なイントロや、合唱を誘うコーラスからして、
本作におけるバンドのパワー・メタル志向を物語っています。
ユルゲン・ブラックモアがGソロを弾いていることが話題になりましたが、
正直、それほど耳を引くような内容ではなく
むしろエンディング付近をドラマティックに盛り上げる
Gソロの方がよっぽどエキサイティングですよ。


IRON ANGEL - Winds of War - Son of a Bitch ★★ (2014-12-11 22:31:34)

タイトルといい、パワー・ロックンロールな曲調といい
ACCEPTへのなりきりっぷりが楽しい1曲。
この手の楽曲だとVoの粗も目立ちませんしね。
「空腹のウド・ダークシュナイダー」みたいな感じで。


IRON ANGEL - Winds of War ★★ (2014-12-10 21:40:42)

一部マニアの間で、リッチー・ブラックモアの実子、ユルゲン・ブラックモア(G)がゲスト参加していることが話題となった'86年発表の2ndアルバム。ただリッチーの幻影を求めて本作を購入した虹紫ファンの多くは、ムサ苦しく炸裂する野卑なパワー・サウンドを耳にして、盤を速攻で売っ払うかブン投げたのではないかと推察されますが・・・。
スピード/スラッシュ・メタリックな②④⑨で要所を締めつつも、ACCEPTが演りそうな③、ライブじゃコール&レスポンスが盛り上ったに違いない⑤、初期HELLOWEENの名曲“HEAVY METAL”を彷彿とさせる⑦、そしてユルゲンがGソロを弾いている本編の目玉曲⑧を聴けば明らかな通り、今回はパワー・メタル・テイストが大増量。明快さと勇壮さ増し増しのコーラス・ワークや、ウルフ・ホフマンを手本に印象的に「歌う」2本のG(あとカレ・トラップの手掛けた整理された音作り)もそれを援護射撃。前作において豪快な音痴っぷりを披露していたVoも、ここではバラードの小曲⑩も無難に歌いこなす等、普通に「上手くない」レベルまで飛躍的(!)な成長を遂げていますよ。
雑誌のレビューじゃケチョンケチョンでしたが、溢れんばかりのメタル愛と、愚直なまでのヒネリのなさ/芸のなさに、思わず笑みを零さずにはいられませんて。デビュー作から経験値の上積みも確認できて(これで?!とか言わないように)、個人的には愛聴している1枚であります。


TALON - Neutralized - Overlords Supreme ★★★ (2014-12-09 22:09:33)

実直且つハードに疾走するスピード・ナンバーですが
機動力を活かして軽快に動き回るツインGや
ハイトーンVoがどことなく透明感を湛えているためか
後味はスッキリと爽やか。
間違いなくアルバムのハイライト・ナンバーです。


TALON - Neutralized ★★ (2014-12-08 23:00:28)

HEADHUNTERでシュミーアの相棒役を務めたシュムーデルことウヴェ・ホフマン(Vo、G)や、後にSINNERに参加するトミー・レッシュ(Ds)らが在籍してたドイツの4人組が、'85年にリリースした1stアルバム。
朗らかに弾むOPナンバー①が始まった時は「あちゃー」とか頭抱えたものですが、中盤以降は「NWOBHM調に料理されたJUDAS PRIESTの“THE REAPER”」的シリアスさで俄然盛り上がり始め(Voもほんのりロブ・ハルフォード風)、更にその後に続く疾走ナンバー②で、本編に対する期待値が大きく跳ね上がります。
思わず目を細めてしまうキメのフレーズをビシバシ叩き込みながら走り抜ける名曲⑥や、②⑧といった疾走ナンバーを手始めに、アルバムの随所でシャープに踊るツインGがこのバンド最大の武器。どこか透明感を漂わせながらメロディアスにハモり歌う様はPRAYING MANTIS等に通じるものがあります。但し泣きや哀愁よりもハードネスの方が勝っているあたりは、やっぱりドイツ出身だなと。勿論⑤のような叙情的な楽曲も良い出来ですけどね。
収録曲の完成度にばらつきがあり、アルバムを通して聴くとぼやけた印象が残ってしまうのがB級メタルの悲しさですが、でもまぁそこが愛嬌であるわけで。個人的には好きな1枚。


CANCER - Death Shall Rise ★★ (2014-12-07 09:03:11)

ギターを抱いた渡り鳥、ジェイムズ・マーフィ(G)が加わり4人組となったCANCERが、'91年に発表した2ndアルバム。
スラッシュ・メタル成分を多量に含んでいたデビュー作に比べ、わざわざフロリダのMORIサウンド・スタジオまで出向いて、スコット・バーンズと共にレコーディング作業が行われている本作は、デス・メタル成分が大幅増。
ブラストするリズム・セクションを活かした疾走感が全編を貫きつつも、今回それ以上に強く印象に残るのは、ツインG編成へと移行したことで一層重厚且つ禍々しくトグロを巻くようになったヘヴィネスと、アルバム全体を息苦しく覆う閉塞感。湿気ったGリフと乾いたスネアの取り合わせという、いかにもMORIサウンド・スタジオ謹製な音作りや、OPナンバー①に参加してオドロオドロしい咆哮を轟かせるグレン・ベントン(DEICIDE)の存在も、そうした印象を加速させます。
ジェイムズ・マーフィの流麗なGプレイを存分にフィーチュアした楽曲は何れも聴き応え十分ですが、一方で、個人的に愛してやまない前作に比べると、少々ありがちなデス・メタル・アルバムに仕上がってしまったかな?とも・・・。完成度は高いですし、贅沢な話ではあるのですが。


CANCER - To the Gory End - To the Gory End ★★★ (2014-12-05 23:23:42)

ホラー映画のOPテーマばりに不気味で大仰なKeyのイントロを経て、
殺気だったGリフとリズムの連打、それに呪詛のごときVoが
解き放たれるように爆走を開始するアルバム表題曲。
勢いだけでなく、ちゃんと緩急の演出や禍々しいドラマの醸成にも
気の払われている名曲です。


CANCER - To the Gory End ★★★ (2014-12-03 22:43:24)

イギリス出身のデス・メタル・トリオがプロデューサーにスコット・バーンズを招いてレコーディング、'90年に発表した1stアルバム。最終ミックスはフロリダのMORI SOUNDスタジオで行われており、そこで縁を結んだOBITUARYのジョン・ターディもゲストVoとして参戦しています。
轢死体の咆哮のような押し潰れたVoのグロウルや、粘性の高い耳障りな音色で刻まれるGリフ等が、禍々しくゴアリーなデス・メタル感を醸し出す一方で、軽快且つ俊敏に炸裂するリズム・ワークはスラッシュ・メタル調。なので、デス・メタルそのものを期待すると「あら?」となるかもしれませんが、個人的にはこのスラッシュがデス・メタルへと凶悪化していく過渡期的スタイルこそがツボ。(DEATHやDEICIDEも通った道でした)
BURRN!!誌レビューでは「(作った人は)死んで欲しい」となじられた上で堂々の4点を獲得。ジャケットに描かれたお兄さん――元ネタは『ゾンビ』か――も「マジで?!」ってな表情を浮かべている本作ですが、ゲテモノだと思って舐めてかかると、殺伐とした曲調に反して意外にキャッチーな②や、Keyを配して邪悪且つ荘厳な雰囲気を演出するラス曲⑨等にカウンター・パンチを食らわせられることに。特に大仰なイントロが爆発的疾走へと転じる地獄の一丁目ライクなスピード・ナンバー⑥は、CANCER屈指の名曲ですよ。
個人的にCANCERの最高傑作と言えば真っ先に本作を挙げさせて頂きます。


CANCER (2014-12-03 22:39:59)

JUDAS PRIESTやBLACK SABBATHから受けた影響を、VENOM、BATHORY、CELTIC FROSTといったブラック・メタル・フィルター越しに料理した感じのエクストリームなメタルを演るべく、イギリスはテルフォードにて'87年頃に結成。パブで駄弁ってた際の友人の発言が切っ掛けとなり、CANCERを名乗る。
ここ日本では、BURRN!!誌から4点を献上されたことで話題となった(?)1st『TO THE GLORY END』を手始めに、5枚のアルバムを発表した後(大きく音楽性を拡散させた4th『BLACK FAITH』は日本盤もリリース)、活動停止。
いつしかデス・メタル・レジェンド化していた彼らだが、近年、再結成を果たして活動中。長らく入手困難だった旧譜も復刻された。


GAME OVER - Burst Into the Quiet - C.H.U.C.K. ★★ (2014-11-30 00:14:24)

ちょいとRIOTの名曲“THUNDERSTEEL”を思わす
俊敏なGリフからスタートするスラッシュ・ナンバー。
地獄のヒーローことチャック・ノリスについて歌っていて
「チャック・ノリス・ファクト」を思わす歌詞が楽しい。
ノリ良く好戦的な曲調もカッコイイ。


IRON ANGEL - Hellish Crossfire - Heavy Metal Soldiers ★★ (2014-11-30 00:09:27)

ストレートど真ん中なタイトルに相応しく
ヒネリもへったくれもなく突っ走るスピード・ナンバー。
スラッシュにしては迫力不足で、パワー・メタル的にはへたくそ過ぎる
というVoの力量不足には如何ともし難いものがありますが
Gリフのカッコ良さとタイトな疾走感だけで十分楽しませくれます。


GAME OVER - Burst Into the Quiet ★★★ (2014-11-27 22:38:29)

デビュー作が好評をもって迎えられたマカロニ・スラッシャー5人組、'14年発表の2ndアルバム。
熱血シャウト型Voと荒っぽく炸裂する体育会系コーラス、好戦的Gリフを手数多く刻む一方で、正統派HM由来のユニゾン・プレイも目まぐるしくこなすツインG、それらを乗せてアクセルべた踏みで突っ走るリズム・・・と、オールドスクールここに極まれり!なスラッシュ・サウンドには今回も一点の曇りもなし。
加えて、音質の向上から、ラフさが薄れてよりタイト且つソリッドに鍛え上げられた楽曲まで、1stアルバムで出されていた宿題にきっちりと答えを出している点も素晴らしい。漫画家志望の中学生男子の習作みたいだったアートワークも格段のクオリティUPを遂げていますよ。
ぶっちゃけるとGリフのカッコ良さに関しては、前作の方に軍配が上がるかな・・・?とか思わなくもないのですが、それでも、後半に向けてズンドコ加速していくOPナンバー①、RIOTの名曲“THUNDERSTEEL”を思わすGリフと、俳優チャック・ノリス(!)について歌った歌詞が妙にハマる④、パワー・メタリックとも言える仕上がりの⑧といった楽曲を筆頭に、一層キャッチーさを増した本編の総合的な完成度は間違いなく本作の方が上。
次作あたりで日本デビューを飾ってくれることを期待します。


IRON ANGEL - Hellish Crossfire ★★ (2014-11-24 18:40:22)

NWOBHMに触発されて'80年頃に活動を開始した、ジャーマン・パワー・メタル第一世代に属するバンド・・・と説明するよりも、「2ndにユルゲン・ブラックモアがゲスト参加してたバンド」と説明した方が「あー、いたね。そんな連中」と通りが良い(気がする)ハンブルグ出身の5人組、'85年発表の1stアルバム。
スピーディ且つ攻撃的サウンド(+陰気な歌詞)で、後続の独産スラッシュ勢にインスピレーションを授けたとされる彼ら。思いっきり頼りないVoと、取り立ててオチもヤマもない勢い任せな楽曲とが、B級メタルの香ばしさを濃厚に漂わす本作の裏ジャケに掲げられた、《この作品を全世界のスピード/へヴィ・メタル・ファンに捧ぐ》との文言に、処分に困る結婚式の引き出物を貰った時のような表情を浮かべてしまったHR/HMリスナーも多かったのではないかと。
でも、個人的には結構好きな作品なんですよね、これ。特にリフ作りのセンスには光るモノが感じられ、このカッコ良さだけでご飯が2、3杯はイケる勢い。“BURN”風GリフとMOTORHEADばりに荒くれた曲調がミックスされた⑤や、ドラマティックに盛り上げんとする心意気(だけ)は伝わる⑨、そして荒々しく突進するリフ&リズムの畳み掛けがプレ・スラッシュ的カッコ良さを放つ⑩等は、なかなか聴かせてくれます。
万人向けとは言い難くも、愛すべきサムシングに満ちた1枚ですよ。


筋肉少女帯 - The Show Must Go on ★★ (2014-11-22 19:55:32)

ふらっとCD屋に立ち寄ったら、発売されているのが目に入った筋肉少女帯の最新アルバム。「江戸川乱歩全集」等の仕事で知られる柳瀬茂画伯のイラストをジャケットに使用しているのが、如何にもこのバンドらしいチョイスですね。
攻めまくりのピアノ・プレイが、「5人目の正式メンバー」的存在感を放つ三柴理の援護射撃のもと繰り出される、橘高文彦(G)謹製の様式美HMナンバー3曲・・・テクニカルなGリフが印象的な“ゾロ目”、心霊主義をネタに取ったおもろくも切ない“霊媒少女キャリー”、HM版“みつばち”とでも言うべき“恋の蜜蜂飛行”の素晴らしさは今更ここで主張するには及ばず。
今回はそれ以外にも、コミカルに始まったかと思えば、中盤では“FAST AS A SHARK”ばりのゴツいGリフが刻まれる“オーディエンス・イズ・ゴッド”や、ヤケクソ気味に突進する“みんなの歌”、エンディングを賑々しく締め括る“ニルヴァナ”等、本城聡章(G)もアグレッシブな楽曲を提供。全体的にメタル度が高めなのは、ポップな方向に振れてた前作の反動でしょうかね?
ここに更に、中年ロッカーは身につまされるバラード“月に一度の天使(前/後編)”から、大槻ケンヂが特徴的なヘタウマVoで朗々歌い上げるエディット・ピアフの名曲“愛の賛歌”カヴァーまで、バラエティ豊かにしてユニークな楽曲が顔を揃えることで、本編は最後まで集中力を途切れさせません。
HR/HMリスナーにも、かなり取っ付き易く感じられる1枚ではないかと。


WILDESTARR - A Tell Tale Heart ★★ (2014-11-19 23:30:52)

女性シンガーのロンドン・ワイルド(Vo)と、元VICIOUS RUMORSのデイヴ・スター(B)の2人で立ち上げたから「ワイルドスター」・・・という、今いくよ・くるよ的な名を名乗る(違うか)HMプロジェクトが'12年に発表した、日本デビュー作でもある2ndアルバム。
JUDAS PRIESTからの影響も露わに、男勝りのハイトーンVoと、重厚且つ劇的に迫り出してくるツインGを武器に、肉食パワー全開で突進するOPナンバー①が如実に物語る通り、そのサウンドは初期VICIOUS RUMORS・・・というよりもUS産パワー・メタルの醍醐味をぎゅぎゅっと凝縮。聴いてると段々疲労感を覚えというか、聴き手に体力勝負を強いる作風もそれっぽい。
惜しむらくは、ドラム・マシンでも使ってるのか?と思わせられるリズム・パートの味気なさ。せっかくのサウンドの迫力をスポイルしているように感じられ非常に歯痒いのですが、それでも、Keyによる薄化粧の施されたドラマティックな曲展開と、ワイルド姐さんの大仰で堂々たる歌唱がリスナーのメタルハートに火を点す④⑥⑪のような、じっくりと聴かせるタイプの楽曲で本編にメリハリを演出する手腕には、ベテランらしい抜かりのなさがギラリ。
USパワー・メタル好きのツボを押さえた1枚であることは間違いありません。


ANTHEM - Absolute World - Don't Let It Die ★★★ (2014-11-18 01:01:16)

アグレッシブに刻まれるリフ&リズムの応酬と、
その上に噛み付くように歌うVoが乗る序盤は
何となく“THE JUGGLER”を彷彿。
2ndヴァースのメロディが「もうこれがサビでいいじゃん」
と思うぐらいの素晴らしさなのですが、更にそこから
哀愁を湛えてメロディアスに展開される真のサビメロが
輪をかけて素晴らしい!
脳内「今年のベスト・チューン候補」上位にランクインする名曲です。


ANTHEM - Absolute World - Pain ★★★ (2014-11-18 00:51:30)

硬派なれど無愛想ではなく
哀愁に満ちてはいるけどベタつかない。
パワーとメロディが絶妙なバランスで同居した
これぞANTHEM!というか、ANTHEM以外には作りえない逸品。
坂本英三が歌ってもきっとハマったことでしょうが
森川が歌うことで、より情念渦巻くウェットな仕上がりになったような?


ANTHEM - Absolute World - Stranger ★★★ (2014-11-18 00:43:11)

開始早々に血管がぶち切れそうな勢いの
「オゥイエェェェッ!!」シャウトを聴いた途端
おかえりなさい、と思わず言いたくなりましたよ。
全編が荒々しい疾走感で貫かれながらも
ゆったりとした歌メロを後ノリ気味に乗せていく
森川の歌唱法が、スケール感とメロディアスな
取っ付き易さを付与してくれています。


ANTHEM - Absolute World ★★★ (2014-11-16 23:00:36)

嘗てはバリバリの森川之雄派として鳴らした我が身ですが、ANTHEM再結成以降は坂本英三の素晴らしい仕事振りにシビれまくっていたので、今回のフロントマンの交代劇には、喜びよりもまず不安が先立ちました。
でもそれも、実際に本作を聴くまでのお話。高浜祐輔のKeyをお供に、疾走ナンバー固め打ちの本編前半で早くも炸裂する、森川のリキの入った「オゥイェー!!」のシャウトを耳にした途端、そうした不安は完璧に雲散霧消しましたね。
メンバーの屈強且つタイトなパフォーマンスと、グッと胸に染み入る哀愁のメロディとが熱く脈動するANTHEM流HMサウンドの本分はそのままに、激しく燃え盛る坂本のVo→沸々と煮え滾るような森川のVoへとバンドの「声」がバトンタッチしたことで、個々の楽曲が放つ印象も少なからず変化。具体的に言うなら、タメの効いた歌唱を得てよりウェット且つメロディアスな味わいが強まったかな?と。
アルバムは全編捨て曲なしですが、トドメはなんつっても名曲“DON'T LET IT DIE”。攻撃的なGリフ、小気味良く疾走するリズム、噛み付くようなヴァースから一転、メロディアスに展開されるサビメロの素晴らしさは特筆モノで、未だにこんな年間ベスト・チューン・クラスの名曲を生み出してしまう柴田直人(B)の才能には、黙って平身低頭するのみです。


Reign of Fury - World Detonation - Infernal Conflict ★★★ (2014-11-13 22:48:48)

思わず目を細めたくなるほどドラマティックな
序曲“GOODBYE MOTHER EARTH”を聴いただけで
勝負あり!となってしまうアルバムのOPナンバー。
イントロでグッと高まった期待を決して裏切らない、
パワー/スピード/メロディが三位一体となって
畳み掛ける名曲です。


Reign of Fury - World Detonation - World Detonation ★★★ (2014-11-13 22:43:45)

刻みの細かいGリフや慌しいフットワークで
疾走するリズムはスラッシュ・メタル調なのですが
その上に乗って豊かなメロディを溢れさす
VoとツインGの歌いっぷりはパワー・メタルのそれという
このバンドの個性がしかと刻まれた逸品。


Reign of Fury - World Detonation - Heaven Waits/Hell Takes ★★★ (2014-11-13 22:33:54)

アコギによるイントロから疾走へと転じる曲展開、
歌に入る前のツインGによる一ヒネリ等、
スラッシュというよりは完全にパワー・メタルの世界。
劇的に絡み合う2本のGと歌えるVoを十二分に活かして
8分以上の長尺を聴かせきる楽曲構築能力の高さを
堪能できる名曲です。


Reign of Fury - World Detonation ★★★ (2014-11-11 23:58:39)

イギリスはテュークスベリー出身の5人組、'12年発表の自主制作1stアルバム。(現在はSTORMSPELL RECORDSからリイシュー済み)
バンド名とジャケットだけだとベイエリア風味のスラッシュ・サウンドでも聴かせてくれそうな感じで、事実、刻みまくりのGリフ/軽快なフットワークで暴れ回るリズムが生み出す、尖がったアグレッションや慌しい疾走感は完全にスラッシュ・メタルのそれ。しかしながらメタリックな光沢を放つハイトーンVoと、劇的且つメロディックに羽ばたくツインGは、ゆったりめに取られた尺の中でパワー・メタル然とした盛り上がりも演出していて、『CITY OF EVIL』を発表した頃のA7Xからモダンさを薄めた代わりに正統派HMに寄せた感じ・・・との印象を受けたりも。
基本的に捨て曲は見当たらない本作ですが、中でも大仰な序曲①とセットになった②、イントロでアコギが爪弾かれる④、勇ましく突っ走る⑦といった、疾走パートをベースに起承転結がドラマティックに決まった楽曲はこのバンドの真骨頂というべきカッコ良さ。
ちゃんとしたレーベルと契約してプロダクションを向上させれば、更に凄い作品を生み出してくれそうなポテンシャルの高さを感じさせてくれる1枚です。


Reign of Fury (2014-11-11 23:57:15)

'06年にリード・ギタリストのエド・フューリーが地元のパブで飲んでいた時にバンドのアイデアを思い付いた・・・という、如何にもイギリス的な結成秘話(?)を持つ、イングランド南西部及び中部エリアを主な活動拠点とする5人組スラッシュ・メタル・バンド。
'11年にEP『PSYCHO INTENTIONS』を、'13年に1stフル『WORLD DETONATION』をそれぞれリリース。
基本は80年代スラッシュ・メタルなれど、パワー・メタリックなドラマ性や大作主義も飲み込んだサウンドが、BURRN!!誌の輸入版レビューでも高く評価されていたことは記憶に新しいところ。


URIAH HEEP - Salisbury - Lady in Black ★★★ (2014-11-09 22:10:30)

確かにライブのエンディングを飾るには
少々小粒な印象を持っていたのですが、
実際にライブで聴いてみると、
覚えやすいメロディから、唱和を誘うコーラスまで、
会場が一体感を持って盛り上がれる楽曲なんだなぁ、と。
来日公演を経て、魅力を再発見した名曲でした。


SANCTUARY - The Year the Sun Died - Frozen ★★★ (2014-11-09 22:03:57)

本編中において例外的に、1stと2ndの中間ぐらいのレベルで
スラッシーな色合いも加味されたナンバー。
それでも、浮遊感を湛えてウォレルが朗々歌い上げるサビメロは
現在のSANCTUARYならではの味わい。
流麗に切り込んでくるツインGも素晴らしい。


SANCTUARY - The Year the Sun Died ★★ (2014-11-09 12:06:12)

ブックレットに目を通すと、終末に関するコンセプト・アルバム的な雰囲気も感じられる、'14年発表の3rdアルバム。
SANCTUARY待望の復活作と言えども、今更彼らがデビュー作『新たなる聖地へ』('88年)みたいな作風へ回帰するとは思ってませんでしたし、事実、本作に託されているのは、NEVERMOREでの活動を踏まえたダークでムーディでテクニカルなHMサウンド。ウォレル・ディーン(Vo)もコップの割れそうなハイトーンは控えめに、ディープな低音をメインに妖しく歌い上げています。これ聴いてから2nd『INTO THE MIRROR BLACK』('90年)を聴き直すと、当時は地味に感じられたあの作品でさえも、スラッシーなエレメントはそれなりに残っていたんだなぁ、と。
さりとて、では本作が駄作なのかと言うと、それは大間違い。キレのある演奏から繰り出される、高い求心力を有するクランチーなGリフとタイトに編まれたリズムの上で、歌メロの充実っぷりにかけては過去2作を大きく上回るウォレルのVoと流麗なリードGが劇的に舞う楽曲は、初期作のような前へ前へと迫り出してくるような派手さはない代わりに、聴き返す度に新たな発見をすることが出来る奥行きを感じさせ(思慮深い歌詞も貢献)、これはこれですこぶるカッコイイ。特に、本編中最もアグレッシブな仕上がりの⑥、憂いに満ちたメロディとドラマティックな曲展開が胸を打つラスト・ナンバー⑪という、THRASH DOMINATIONで先行披露された2曲は名曲ですよ。
1stを偏愛する我が身にもちゃんと魅力が伝わる、聴けば聴くほどに味わいを増すスルメ系の力作。


Y & T - Down for the Count ★★ (2014-11-06 00:09:37)

前作『IN ROCK WE TRUST』のジャケットの酷さは相当なもんでしたが、'85年発表のこの5thアルバムのジャケットも脱力さ加減じゃ負けてませんよ! そこは素直に負けとけよって話ですが。
加えて、我が世の春を絶賛謳歌中のLAメタル勢に感化されたカラフル&ヒラヒラ衣装を身に纏い(ことにレオナード・ヘイズの「着せられてる感」が半端ない)、外部ライターのペンによるポップな②を“オール・アメリカン・ボ~イ♪”と楽しげにパフォームするメンバーのお姿にハラハラと落涙を禁じえなかった初期Y&Tファンも多いことかと存じます。
しかしながら気楽な後追いファンとしては、本作も十分「有り」ですよ。前述の②は――Y&Tがこれを演らんでも・・・との思いを別とすれば――単純に優れた楽曲ですし、また、華やかに躍動する③、濃い口のブルーズ風味とは異なるアッサリめの哀愁漂わす⑤等は、前作で端緒を開いたポップ・メタル路線に更に大胆に踏み込んだ逸品ではないかと。
売れ線を装いつつも、デイヴ・メニケッティの歌と演奏からは相変わらず隠し切れないオーラが立ち上っていて、特にその真価は、Y&Tのお好みテープを制作する際には欠かすことの出来なかったドラマティックな泣きの名曲⑩において遺憾なく発揮されております。
これまでの作品に比べると若干パワーダウンした感は否めませんが、むしろパワーダウンしたにも関わらずこれだけのクオリティを保っている事実が、Y&Tの底知れぬポテンシャルを物語っていると思うわけで。


REZINWOLF - Corruption Kingdom - To Arm the Rebels ★★★ (2014-11-03 21:02:50)

アグレッシブではあるものの、Voにしろ
曲調にしろ一貫してメロディに流れがあり、
スラッシュ・メタルというよりは
英国伝統のHMナンバーといった趣き。
IRON MAIDENチックなツイン・リードGも
そうした印象を補強してくれます。


REZINWOLF - Corruption Kingdom - Rage Against Us ★★★ (2014-11-03 20:59:13)

浮遊感漂わすインスト曲を頭において
激烈に疾走を開始するOPナンバー。
メロディックなGソロとアクセント的に
用いられたKeyサウンドがモダンな味わいを
感じさせたりも。


REZINWOLF - Corruption Kingdom ★★ (2014-11-02 23:18:13)

イギリスはハーウィッチ出身の4人組スラッシャーが、'13年にドイツのインディーズ、KILLER METAL RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
カッチリと整えられたプロダクションの下、デビュー作にして早くもメロディを歌うことに抵抗を感じさせないVo、速さのみに拘泥しない曲作り等、「80年代スラッシュ命!」と言うより、元々はメタルコア系のバンドとして活動を開始した連中なのかな?と思わされる、今時のエクストリーム・メタルの作法も飲み込んだモダンなスラッシュ・サウンドが持ち味。
尤も、スピードで一点突破を目論むのでない、構築感を携えたサウンドには「英国産スラッシュ」の伝統が脈々と受け継がれていて、何より随所でフラッシーなソロを閃かせるここのG(兼Vo)がバリバリのメタルヘッドであることは疑いようがありません。例えばメロディアスなGリフと歌メロをフィーチュアした⑦なんてまるで正統派HMですよ。
アグレッシブ且つスピーディに噛み付いてくる前半から、(比較的)ドラマティックな楽曲が並ぶ後半まで、ガーッと一気に聴き通してランニング・タイムはタイトに30分強。
実に爽快なスラッシュ・メタル・アルバムの好盤です。


REZINWOLF (2014-11-02 23:17:07)

イギリスはハーウィッチにて'09年に活動をスタート。同年発表のシングル“DEATHSTALKER”が評判となり、バンドはこれをフォローするツアーの英国内で行った後、'10年にEP『THE NIGHTMARE BEGINS・・・』を発表。これも好評を博したことでいよいよ自信を深めたバンドはアルバムのレコーディング作業に着手。'13年、プロデューサーにジェイムズ・スティーヴンソンを迎え、『CORRUPTION KINGDOM』と名付けられた1stフル・アルバムは'13年にリリースされた。
ところが好事魔多し。Vo兼Gとして、またソング・ライターとしてバンドの中心的役割を担っていたダニー・マーフィーが脱退を表明。
彼らにはこの逆境を糧に変え、次なる作品を早期に発表してくれることを期待したい。


TYRAN′PACE - Long Live Metal ★★ (2014-10-30 23:13:19)

TYRAN' PACEの名を一躍マニアの間に知らしめた出世作ながら、ラルフ・シーパース(Vo)は後に振り返って「あらゆる点で未熟な作品」と辛口ジャッジを下している'85年発表の2ndアルバム。
まぁ確かにトミー・ニュートンと組んだことでグッと洗練された3rd『WATCHING YOU』に比べたら多少イモ臭い感は否めません。しかしその分、JUDAS PRIEST直系の正統派HMをドイツ人らしい質実剛健さでもって調理したサウンドは、HELLOWEENブレイク前の独産パワー・メタルの無骨で実直な魅力が成分無調整状態でパッケージング。
既に実力の片鱗を伺わせるラルフのロブ・ハルフォード型ハイトーンVoを乗せ、シャープに刻まれるGリフとスピーディなリズム、それに勇壮なドラマとフックを構築するツインGとがパワフルに駆け抜けて行く①②⑤⑧⑨や、ミドル・テンポの“STAND UP AND SHOUT”風④といった、表題『メタルよ永遠なれ』を地で行く収録楽曲の波状攻撃で畳み掛ける本編は、次作よりも遥かにメタル魂を揺さぶられまくり。あとドイツ出身で英語が不得手ゆえ、簡易にまとめられたサビメロも、覚え易くキャッチー・・・というか一緒に歌いたくなるシンプルさで、この手のサウンドにはプラスの好結果に繋がっていると言えなくもないような?
お得な国内盤は廃盤になって久しいですが、今でも中古屋じゃ格安価格で購入が可能という、メタラーのお財布にも非常に優しい1枚です。


LICH KING - Born of the Bomb - Lich King IV (Born of the Bomb) ★★★ (2014-10-29 21:30:08)

アルバムのラストを飾るお馴染み“LICH KING”シリーズ。
7分以上もある大作なれど、緩急?知ったことか!
とばかりに猛スピードで押しまくるスラッシュ・ナンバー。
ゲストにMORBID SAINTのメンバーも参加して
華麗なGソロを狂い咲かせてくれています。


LICH KING - Born of the Bomb - We Came to Conquer ★★★ (2014-10-28 23:09:03)

威勢の良い掛け声コーラスを導入に、
爆発的な疾走感から掻き毟るようなGソロ
ハイテンションに畳み掛けるVoまで
スラッシュ・メタルの権化の如きOPナンバー。
あと本作の隠し味はMANOWARでしょうかね。


LICH KING - Born of the Bomb ★★★ (2014-10-27 23:13:34)

お遊び盤『SUPER RETORO THRASH』で「8ビット・スラッシュ」なる新たなジャンルを開拓して(?)、ファンを引っ繰り返らせつつ楽しませたLICH KING、'13年発表の4thアルバム。(『SUPER~』もカウントするなら5thだけど)
野郎コーラスに先導されて、MANOWARばりに高圧的なアティテュードを撒き散らかしながら突っ走る②が開巻早々に太鼓判を押すように、今回はスラッシャーの本道へと復帰。勢い重視のラフい音作り、ヒステリックに叫び倒すハイピッチVo、腕利き料理人の包丁捌きの如く、刻んで刻んで刻みまくるGリフから、初期衝動に突き動かされるよう遮二無二に突撃するリズムまで、「スラッシュ・メタル」という概念をそのまま音像化したかのようなサウンドを、相変わらずのテンションの高さで展開してくれています。
ガリガリと回転するGリフがSLAYER風の③から、アグレッシブな曲調の中にもLICH KING流のユーモアが光る⑤⑧、ツインGによるメロディックなアプローチが冴え渡った大作⑥、そしてお約束の“LICH KING”シリーズ第4弾⑩・・・と、畳み掛けるVoとGリフとリズムのコンビネーションに血管が拡張する逸品を多数収録。バンドのルーツを開示するANGENT STEELの名曲“ANGENT OF STEEL”のカヴァー⑨もばっちりハマっていますよ。


LICH KING - World Gone Dead - ED-209 ★★★ (2014-10-26 09:58:13)

ブルータルな暴れっぷりから、階段が降りられなくオロオロする姿まで、
フィル・ティペット渾身のアニメートが冴え渡る傑作ロボ、
『ロボコップ』のED-209を題材にしたスラッシュ・ナンバー。
ちゃんとジョーンズ副社長の誇らしげなプレゼンからスタート、
中盤にはED-209の警告がフィーチュアされ、機銃の発射速度とシンクロして
Gリフとリズムが刻まれるアレンジ、更にはエンディングでは
『ロボコップ』のテーマ曲までちょろっと引用されていたりと
満載の遊び心とクールなスラッシュ・ソングのカッコ良さとが
見事な融合をみた名曲。最高です。


LICH KING - World Gone Dead ★★★ (2014-10-24 23:12:23)

猛るシャウト・スタイルのVo、殺伐と刻まれる摩擦係数高めのGリフ、そして楽曲に印象的なフックを構築するメロディック且つ正統派へヴィ・メタリックなツインGとが、さながら尿意を堪えてトイレに駆け込む小学生の如き忙しないリズムに乗り突っ走る、「BACK TO 80'S」なスラッシュ・メタル(ブレンド割合はEXODUS:5、SLAYER:3、VIOLENCE:2ぐらい)を実践する、アメリカはマサチューセッツ州チコピー出身の5人組、'10年発表の3rdアルバム。
イントロ①で焦らしてから一気にスパートをかけて来る②や、バンドのテーマ曲的な“LICH KING”シリーズ第3弾の⑩といった、彼らの面目躍如たる高速スラッシュ・ナンバーを最初と最後に配置。その間にはSLAYERの“AGRESSIVE PERFECTOR”のカヴァー⑨を収録して持ち前のスピード感覚に鈍りがないことを宣言する一方で、映画『ロボコップ』へのトリビュート・ソング③では遊び心満載のアレンジを、エピカルなスケール感を有する④や、イーヴルにうねるヘヴィ・チューン⑦ではドラマティックに聴かせきるアレンジ能力の高さを披露して、「俺達の武器は勢いだけじゃないんだぜ?」とのアピールにも余念がありません。
順調な成長の跡が刻まれた1枚・・・と書こうとして、これが初めて聴いた彼らの作品であることに気がつきました。初期作を再発して欲しいなぁ。


LICH KING (2014-10-24 23:09:22)

世界に名だたる名門校が軒を連ねるアメリカはマサチューセッツ州出身ながら、頭空っぽにして楽しめる単純明快な「NEW OLD-SCHOOL THRASH METAL」を追求する5人組。
Voのトム・マーティン(BONDED BY BLOODのバンド・ロゴを手掛けたのはこの人だとか)により'06年に結成され、これまでに数本のデモやEP、そして4枚のフル・アルバムを発表。
ブラック・メタルや他所のスラッシュ・バンド(特にGAMA BOMB)を挑発するような言動や歌詞の数々、かと思えばMANOWARにリスペクトを表明してみたり、また'11年には8ビット音源でファミコン風スラッシュ・サウンドを再現した異色の企画盤『SUPER RETRO THRASH』を発表したりと、血気盛んな活動を繰り広げつつ現在に至る。


Thrashist Regime - Fearful Symmetry - The Last Hunt ★★★ (2014-10-22 22:03:41)

本編ラストと、「スパイダーマン」を題材にした
“THRASH TRILOGY”の最終章を飾るスピード・ナンバー。
刻みまくるリフから飛ばしまくるリズムまで
曲調は完全にスラッシュ・メタルのそれですが、
その上に乗るどことなく憂いを帯びたVoメロディが
強力なフックとなっています。
何はともあれ、アルバムのハイライトに推したい名曲です。


Thrashist Regime - Fearful Symmetry - The Die is Cast ★★ (2014-10-22 21:46:42)

ギャング・コーラスに先導されて、3分ちょいの
ランニング・タイムを一気呵成に突っ走る
身も蓋もない高速スラッシュ・ナンバー。
なんですが、メロディックなソロを奏でるGが
良いフックになっていますね。


Thrashist Regime - Fearful Symmetry - Unisol ★★ (2014-10-22 21:43:30)

木曜洋画劇場ファンはタイトルからお察しの通り
スーパー・ヴァンダミング・アクション行くぜぇ!の
「ユニバーサル・ソルジャー」が元ネタのOPナンバー。
どうでもいいことですが、外国人も「ユニソル」って略すのか!
と妙な感動を覚えてしまいましたね。
ドラマティックな序曲に導かれてスタートする楽曲自体、
歌詞に相応しい筋肉質な雄々しさに貫かれていて
特にリフ&リズムの鋭い切り返しが生み出す疾走感は痛快。


HOLY MOSES - Redefined Mayhem - Undead Dogs ★★ (2014-10-22 01:14:09)

HOLY MOSESといえば“DOG”ということで。
疾走セクションも設けられているものの
全体としては重量感溢れるリフ&リズム、
そして凶暴なVoのコンビネーションで
聴き手の身体を揺らすミッド・チューン。
こういうスピードに頼らないカッコ良い曲を
書けるのが、バンドの地力の高さの証明ですよねと。
Gソロも美味。


HOLY MOSES - Redefined Mayhem - Triggered ★★★ (2014-10-22 01:06:45)

HOLY MOSESのスラッシュ魂の迸りを
叩きつけるかのようなスピード・ナンバー。
新加入のGソロも良いメロディを紡いでいて
バンドが本作において新たに目指した音楽性と
従来のスラッシュ・テイストが最もバランスよく
具現化された逸品ではないでしょうか。


Thrashist Regime - Fearful Symmetry ★★★ (2014-10-21 23:31:46)

スコットランド第三の都市、アバディーンからデビューを飾った5人組の'13年発表の1st。
『スパイダーマン』の人気ヴィラン、クレイヴン・ザ・ハンターのイラストをジャケットに戴く本作(アルバム・タイトル自体も同作のエピソード名に因む)で彼らが披露するのは、中音域をメインに噛み付くように歌うVo、リフ/リード両面において鮮烈なプレイを焼き付けるツインGが、マッシヴなリズムに運ばれて一塊にブッ込んでくる、モダンな逞しさも宿した(懐古色薄めの)スラッシュ・メタル。
硬派な憂いを感じさせる歌メロや、2本のGが奏でる構築美を帯びたメロディは英国バンドの面目躍如といったところですが、楽曲自体に英国産スラッシュ的な煮え切らない部分は余りなく。2~3分台とタイトにまとめられ、スカッとストレートに飛ばしまくる作風は米国産スラッシャーとの共通点多数。
期待を煽りまくる序曲を頭に置いて、映画『ユニバーサル・ソルジャー』ネタで攻勢を掛ける筋肉質なスピード・ナンバー②のカッコ良さで一気に惹き込まれてしまいますが、本編のハイライトは間違いなく「CONCEPTUAL THRASH TORILOGY」と名付けられたラスト3曲。特に悲壮に突進する⑪はガッツポーズ級の名曲ですよ。
活きのいい新人スラッシュ・メタル・バンドの登場に、思わず顔が綻ぶ1枚。


Thrashist Regime (2014-10-21 23:30:20)

'07年にスコットランドはアバティーンにて結成された、バンド名からも分かる通り、バリバリの王道スラッシュ・メタル・サウンドを標榜する5人組。
'09年から'11年にかけて数本のデモテープを発表した後、'13年に1st『FEARFUL SMYMETRY』(自主制作盤?)でアルバム・デビュー。同作はBURRN!!誌等でも高く評価された・・・と、基本的なバイオを書き連ねてみましたが、それ以外のことはいま一つ不明。
是非とも次作で日本デビューを飾って頂き、こっちに情報をよこして欲しいところです。


HOLY MOSES - Redefined Mayhem ★★ (2014-10-16 00:07:37)

BURRN!!誌で早々に輸入盤がレビューされてしまい、しかもその評価がパッとしなかったので「こりゃ今回は国内盤は出ないな」と諦めていたHOLY MOSESの新作が、ありがたいことにRUBICON MUSICからリリースされました。感謝。
メイン・ソングライター役を務めていたマイケル・ハンケル(G)や、名手アトミック・シュタイフ(Ds)が相次いで脱退(アトミックに至ってはこれを機にミュージシャン稼業から足を洗ってしまったというのだから大きな損失ですよ)。代わりに新加入のギタリストが中心となって曲作りが行われた本作について、ザビーネ・クラッセン(Vo)が「3rd『THE NEW MACHINE OF LIECHTENSTEIN』の正常な進化系」と語っていて、同作をHOLY MOSESの最高傑作の一つに位置付けている身としては、そりゃ期待しないわけにはいきません。
で、とりあえず実際に聴いてみた感想としては、スラッシーな疾走感を保持しつつも、グッとメロディの増量された作風は確かに『THE NEW~』に通じますが、殺気立ったへヴィネスが楽曲のキャッチーさを弱めてしまい、中盤以降に息切れが感じられる点において、今一歩あの名盤には及んでいないかな?と。
それでも、80年代のヤンキー少女から今や「姐御」「女帝」にランクアップしたザビーネ姐さんの貫禄の咆哮がフィーチュアされた、②③みたいな秀曲を収める本作をスルーするのは、スラッシュ・メタル・ファンなら勿体無さ過ぎるというものですが。


EXCITER - Violence & Force ★★ (2014-10-13 11:21:14)

'84年発表の2nd。当時国内盤が出たにも関わらずイマイチ影が薄いのは、衝撃のデビュー作『HEAVY METAL MANIAC』に比べると、プロダクションからパフォーマンスまでモーレツっぷりが抑制されていて、そこはかとなく「聴かせる」姿勢を見せ始めたことにパワーダウンを感じる方が多いせいでしょうか?
それでも、JUDAS PRIESTの“EXCITER”を10倍アグレッシブに、そして50倍バカにしたようなハイパーっぷりで突進するアルバム表題曲②で幕が上がる本作の、余人を寄せ付けぬテンションの高さはやはり圧倒的。
曲作りのパターンは2、3通りしかなく、しかもどの曲も似たり寄ったりなテンションの高さで押しまくるので、通して聴くと自分が今何曲目を聴いてるのか見失うこともしばしば。そりゃゴッドでなくとも「もうちょっと緩急を考えて欲しい」と苦言を呈したくなるかもしれませんが、しかしながらこの芸のなさ、この愚直なまでのメタル・バカっぷりこそがEXCITER。
「退かぬ」「媚びぬ」「省みぬ」の姿勢が徹底された収録楽曲(大仰な邦題がまた良く似合う)は、とりわけ冒頭3曲が強く印象に残りますが、1曲ずつ取り上げてチマチマ解説するのはよして、全編を大音量で流して無心でヘッドバンギングに興じることこそが、本作の正しい楽しみ方ではなかろうか?と思う次第。


SENTINEL BEAST - Depths of Death - Sentinel Beast ★★★ (2014-10-12 00:55:49)

バンドのテーマ曲であり、
アルバムのハイライト・ナンバーにも推したい名曲。
ドスを効かせて煽るように歌うデビー・ガンのVo、
出出しをトチろうが構わず弾き倒すツイン・リードG、
緩急を飲み込みつつ、前のめりに突進するリズムetc…と
パンキッシュな炸裂感とドラマティックな構成美の融合
(要するに初期IRON MAIDENっすね)が光る逸品です。


SENTINEL BEAST - Depths of Death ★★★ (2014-10-11 01:13:30)

カリフォルニア出身の5人組、SENTINEL BEASTが'86年に残した、捨て曲なしのUSメタル裏街道を行く名盤。
このバンド名でMETAL BLADE所属。しかも『METAL MASSACRE Ⅶ』に楽曲提供もしていた・・・と聴けば、凡そどんな音楽性の連中か想像が付くかと思いますが、正解です。「とても女が出してる声とは思えない」と評されたデビー・ガン嬢の剣呑な歌唱、傍若無人に弾き倒す2本のG(片翼のマーク・コヨサコは日系人かな?)、アタッキーに主張しまくるBと、暴れ馬の如く跳ね回るDsという初期IRON MAIDENリスペクトなリズム隊とが、生き急ぐかのように突っ走るパワー/スラッシュ・サウンドは、あられもなくJUDAS PRIESTとIRON MAIDENからの影響をモロ出しにしつつも、更にそこにUS産メタラーらしい肉食系アグレッションも加味。本編はまんま“THE HELLION”風のイントロで幕が上がりますが、威厳や風格よりも、荒んだ喧嘩っ早さが勝る楽曲の数々は、メタル・ゴッドならぬメタル・チンピラといった趣き。
特に、地獄の番犬が姿勢を低く構えて地を駆ける姿が思い浮かぶ①③⑥のカッコ良さは特筆モノで、勢い任せに暴れ回っているようにみえて(事実その通りなんですが)、緩急を踏まえたドラマティックな曲展開等にも気が払われている点も高評価ポイント。なればこそIRON MAIDENの名曲“PHANTOM OF THE OPERA”のカヴァーもバッチシ決まっています。
SIGHの川嶋未来が「エクストリーム・メタル史において女性Voをフィーチュアした最も偉大なアルバム」としてそのタイトルを挙げるのも納得の1枚ではないでしょうか。


SENTINEL BEAST (2014-10-11 01:09:09)

デビー・ガン(Vo)を中心に、'84年頃からカリフォルニア州サクラメントを中心に活動を開始。当初はNWOBHMの影響を全面に打ち出した(ベルギーのACID辺りに通じる)ダークなHMをプレイしていたが、同時期にベイエリアを中心に盛り上がり始めていたスラッシュ・シーンと交流を持ち、強く影響を受けたことで音楽性が先鋭化。デモテープ制作とメンバー・チェンジを繰り返す内に次第にスラッシュ色を強めていった彼らの音楽的変遷は、'10年リリースのコンピ盤『UP FROM THE ASHES』で窺い知ることができる。
'86年、ビル・メトイヤーのプロデュースの下、METAL BLADE RECORDSから1st『DEPTHS OF DEATH』をリリースしてデビュー。攻撃的なパワー/スラッシュ・サウンドがマニアから高く評価されたにも関わらず、バンドはこれ1枚でアッサリ解散。デビー嬢はZNOWHITEに加入(がアルバム制作には至らず)、テクニカルなBプレイでバンドの屋台骨を支えたマーク・スペンサーは、ジェイソン・ニューステッドの後任として、短期間ながらFLOTSAM & JETSAMに籍を置いた。
尚、近年バンドは再結成を果たしているが、ニュー・アルバムがリリースされる気配はない。


URIAH HEEP - Outsider ★★ (2014-10-07 22:36:07)

膵臓癌により逝去したトレヴァー・ボルダー(B)に捧げられ、アルバム・タイトル『異端審問』を始め、収録各曲には大仰な邦題が冠されているURIAH HEEPの新作ですが、作品全体を覆うのは、気の合う仲間と自然体で作り上げたかのようなリラックスした空気。
意図して70年代HEEPサウンドの再現が試みられていた前2作に比べると、少々緊迫感が乏しい作り思え、購入当初こそあまりピンと来なかったのですが、時が経つにつれて遅効性のブリティッシュHRの魔力にじわじわと体の奥深くまで蝕まれ、気が付けばすっかりお気に入りの1枚に。
軽快に弾むOPナンバー①もよく聴けばインスト・パートはURIAH HEEPらしいドラマ性を帯びていますし、アップテンポで疾走する④⑦⑩や、シャッフル・リズムに“遠き日の安息”なる邦題がジャスト・フィットな⑧といった楽曲を聴けば分かる通り、肩の力を抜きつつも、ミック・ボックスのGプレイからバーニー・ショウの熱唱、フィル・ランゾンの鍵盤捌きまで、ベテラン・ミュージシャン達が織り成す味わい深い演奏と独特のコーラス・ワークがサウンドにフックを作り出していて、単に右から左へ聴き流すだけなんてことはさせません。
退屈な作品を作らないことにかけては定評のあるURIAH HEEPの連勝記録を、更に更新してくれる好盤でした。アートワークも最高ですよ。


GREAT WHITE - Great White - Out of the Night ★★★ (2014-10-06 23:02:21)

GREAT WHITE=ブルーズ・ロック、との先入観を頭に
この曲を聴いたら、ちょっと面食らう筈?
印象的なコーラスが耳に残る王道LAメタル・ナンバー
であると同時に、力強いGリフからツーバスをフィーチュアした
疾走感、それにツインG風のアレンジが施された
インスト・パートまで、当時のLAメタルが
JUDAS PRIESTを始めとする欧州HM勢から
強い影響を受けていことを物語る名曲でもあります。


GREAT WHITE - Great White ★★★ (2014-10-05 22:55:39)

GREAT WHITEと言えば、折からのLED ZEPPELIN人気の再燃やブルーズ・ブームを追い風に大ヒットを飛ばした『ONCE BITTEN』や『・・・TWICE SHY』こそが必聴盤なのでしょうが、個人的に彼らの作品で最も聴き直す頻度が高いのは、まだブルーズの「ブ」の字も見受けられない'84年発表のこの1stフル・アルバムだったりします。
マイケル・ワグナーが手掛けたブライトな音作りの下、溌剌と刻まれるGリフと「押しも引きも知ったこっちゃねえ」とばかりに若さ全開で歌いまくるジャック・ラッセルのVoを中心に組み立てられたサウンドは、まさに当時猛烈な勢いで伸して来ていたLAメタルそのもので、そこにブルージーな侘び寂びはほぼ皆無。
それでいて能天気にはならず、都会的とも言える冷ややかな感触と哀愁を宿しているのが本作の魅力。スピーディな①⑩や、ミッド・テンポの⑤といった正統派HMナンバーにおけるダブル・トラックで録られたマーク・ケンドールのGソロは微笑ましいぐらいJUDAS PRIESTしていますし、アコギを取り入れドラマティックに盛り上がる④も、ブルーズ・ロック的陰影よりは、ヨーロピアンHM伝来の様式美の方がより強く感じられます。
この路線では間違っても後の大成功はなかったと断言できますし、彼らにしてみりゃ若気の至り的1枚やもしれませんが、でもメタル脳的には本作が一番しっくり来るんだよなぁ、と。


POWERMAD - Absolute Power ★★★ (2014-10-02 23:56:12)

映画『ワイルド・アット・ハート』に出演していたことでも知られている、アメリカはミネソタ州出身の4人組が'89年に発表した、不気味キューピーちゃんのアートワークも印象的な1stフル。
先頃唐突に再発されたのには驚かされましたが、もっと驚いたのはこれが日本初CD化だったという事実。発表当時からBURRN!!誌を筆頭に高評価を得ていたので、てっきり国内盤が出ていたとばかり思っていましたよ。
プロデューサーの人選や、展開多めでプログレ方面に寄せた楽曲、そして何より超音波ハイトーンも余裕でこなす「歌える」シンガーのインパクトもあって、初めて本作を聴いた時は単純に「スラッシュ・メタル化したQUEENSRYCHE」的な感想を持ったものですが、今聴き直すと、例えば引っ掛かり気味に刻まれるリフ&リズムが、仄暗い緊迫感を伴って小気味良く疾走する①⑦辺りは、ヒネリの効いたアレンジや畳み掛ける曲展開の妙もあってかCYCLONE TEMPLEを彷彿。(アルバム発表はこっちのが先なんですけどね)
劇的な人気曲③、アコギの隠し味が効いてるドラマティックな⑥といったメロディアスなナンバーから、ストレートに押しまくる②⑤⑨のようなスラッシュ・ソング、そして両者の美味しいトコ取りな名曲⑦に至るまで、スピード、メロディ、技巧とが流麗に組み合わされたパワー/スラッシュ・サウンドを聴けば、誰もがきっと、彼らが本作を最後に解散してしまった事実を惜しむ筈・・・とか思いながら再発盤の解説を読んだら、どうやらバンドは近年再結成を果たして、しかも新作リリースも間近とのこと。こりゃ楽しみですね。


RIOT V - Unleash the Fire - Land of the Rising Sun ★★★ (2014-09-30 22:36:47)

“日いづる国”というタイトルが示す通り
日本のファンとの絆について歌うと同時に
「NARITA」とか「TOKYO ROSE」とか「SHINE」とか
お馴染みのフレーズが散りばめられた歌詞は
新しいスタートを切るに当たっての
RIOTの改めての自己紹介のように感じられたりも。
勿論、歌詞だけでなく、パワーとスピードだけに
頼らないメロディも素晴らしいですよ。


RIOT V - Unleash the Fire ★★★ (2014-09-28 21:57:24)

RIOTとしての活動継続を決意したメンバーの意思は尊重するけど、バンドの絶対的柱だったマーク・リアリの存在なくして、果たしてどれほどの作品が作れるものか?・・・ってな懐疑の視線は百も承知であったろう残されたメンバーは、確信的に名盤『THUNDERSTEEL』を思わすメロディを随所で引用し、「WARRIOR」「SHINE」「NARITA」「TOKYO ROSE」etc・・・といったキーワードを歌詞のあちこちに散りばめ、更には日本のファンに向けた⑥、代表曲“OUTLAW”の続編⑧といった楽曲の収録から、思わず脱力を誘われるダサジャケ(笑)に至るまで、なりふり構わず全力をもって「最大公約数的RIOTらしさ」を猛アピール。
これで肝心要の曲が退屈なら噴飯モノだったところですが、元S.A. SLAYERで、NARITA~RIOTとマークの曲作りの相棒を務め続けたドン・ヴァン・スタヴァン(B)の健闘と、全盛期のトニー・ムーアにも負けない歌いっぷりの良さを発揮する新Vo、そして天翔るかの如きマイク・フリンツと新加入ギタリストが奏でるツイン・リードG・・・と、各メンバーの踏ん張りによって、熱いパワーと泣きと哀愁が溢れ出す収録曲は、どれもRIOTの名の下にどこへ出しても恥ずかしくないぐらい粒が揃っています。
使える手札を全て注ぎ込んでしまった感のある本作以降の作品作りに対する不安は依然として残るものの、まずは気合の入った帰還の挨拶に、素直に脱帽です。


MORE - Blood & Thunder ★★ (2014-09-25 22:40:20)

後年、デブゴン軍団MAMMOTHに参加したことでも知られるリーダーのケニー・コックス(G)が、我が国のメタル・ゴッドも解説で「臭そう」と太鼓判を押すその巨躯を晒しているジャケットが目印の、'83年発表の2ndアルバム。まぁある意味インパクトは十分だけど、本作に対するレコード会社のやる気と売る気のなさが伝わってくるようで、もうちょい何とかならんかったんかい、と。
アートワークの残念さに加え、シングルG編成になっている上、豪快にうねるOPナンバー①はゲップ音からスタート・・・と「掴み」には壮絶に失敗している本作なれど、音楽性自体はデビュー作の作風を継承。というか本編は更にアグレッシブにアップデートされている印象さえ有り。一層やかましくハジけるケニーのGプレイのみならず、メタリックな歌声のポール・マリオ・デイから、ブルーズ歌わせたら似合いそうな泥臭く荒れた声質のシンガーへと、フロントマンが交代していることもそうした印象に拍車をかけます。
タテノリのヴァースからヨコノリのサビへの変化が効果的なアルバム表題曲②、“国賊門”なる邦題が付けられたアップテンポの⑤、そして豪快さのみならず、泣きを纏った表現力でも新VoとケニーのGが冴え渡るドラマティックな⑩等は、MOREの確かな成長の跡が刻まれた名曲。
残念ながらラスト作となってしまいましたが、前作に勝るとも劣らぬクオリティを誇る1枚かと。


MORE - Warhead ★★ (2014-09-23 08:36:28)

'81年の発表当時、『必殺の弾丸』なる邦題を付けられて日本盤も発売されたMOREのデビュー作。
IRON MAIDENの初代シンガー、ポール・マリオ・デイの、使い込まれた金属の如き鈍色の光沢を放つ歌声と、ケニー・コックスの歯切れの良いGプレイを二本柱に、程々にウェットで、程々にハード、程々にダーティで、程々にノリ良くキャッチーな本編は、今の耳で聴くとやや地味に響く可能性も無きにしも非ず。
しかしながら、いかにもブリティッシュなコクに満ちた、味わい深い佳曲の連なりが生み出す「流れ」でもって聴き手を引き込んでいく中庸な作風も、NWOBHMサウンドの魅力の一端であると。
『VIRGIN KILLER』の頃のSCORPIONSを思わす鋭角的なGリフが疾駆するOPナンバー①や、そこはかとなくドラマティックな曲展開に乗って、憂いを帯びたメロディがキャッチーに沁み込んで来る④等が個人的には特にお気に入り。あと、ライブ映えしそうなノリの良さを備えた⑦は、HELLOWEENが“FUTURE WORLD”を作曲するにあたって参考にしたんじゃないかなぁ?と聴く度に思うのですが、どんなもんでしょう。本作はドイツだけで4万枚のセールスを記録したと聞くので、カイ・ハンセンもきっと耳にしていたに違いないと推測するのだけど・・・。
ともあれ、先日1400円という非常にリーズナブルなお値段で国内盤が再発されましたので、いつ聴くのか?今でしょ!と。


ELIXIR - The Son of Odin - Dead Man's Gold ★★★ (2014-09-21 09:12:12)

Keyをアクセントに用いて重厚に繰り広げられる
ドラマティックな曲展開や朗々歌い上げるVoは
完全にRAIBOW型エピック・メタル路線なのですが
尖がったGリフや炸裂感溢れるドラムが
NWOBHM然とした荒々しさも楽曲に付与していて、
それがこのバンド独特の味になっています。


ELIXIR - The Son of Odin - Son of Odin ★★★ (2014-09-21 09:06:49)

疾走する“TREACHERY”から繋がっていくアルバム表題曲。
うっすらとKeyの薄化粧が施された
壮大且つドラマティックな曲調はロニー期のRAINBOWや
様式美BLACK SABBATHを彷彿とさせる完成度の高さ。
ここでもドラムが存在感を発揮していますね。


ELIXIR - The Son of Odin - Treachery ★★★ (2014-09-21 09:04:12)

挑みかかるようなアップテンポの曲調と
回転の速いGリフは初期IRON MAIDEN風ですが
その上に乗る朗々としたVoと、重たく響くドラミングが
このバンド独特の味わいを醸し出しています。


ELIXIR - The Son of Odin ★★★ (2014-09-18 22:44:53)

IRON MAIDENの故クライヴ・バー(Ds)が参加していたことでも知られる、ロンドン出身の遅れてきたNWOBHMバンド、ELIXIRが'86年に発表した1stアルバム。
80年代のバブリーさとは無縁の苦学生的プロダクションの下、大味なOPナンバー①が始まった時は「ハズレ掴んだか?」と不安になりましたが、彼らの本領は後に続く、これぞメタル!な勇壮なフレージングに胸躍る②③以降にこそ発揮されていますので、ご安心あれ。
どんよりと薄曇りの湿った空気に覆われた、無愛想ながらもドラマティックな盛り上がりを聴かせるサウンドは、絵に描いたようなNWOBHMスタイルを体現する一方で、朗々歌い上げる英国声のシンガーと、ドカドカとやたらパワフルに鳴りまくるドラムの存在が、楽曲にエピック・メタリックなスケール感と重厚感を付与(本作のドラマーはクライヴじゃありませんけどね)。
特に、プログレ・バンドTHE ENIDのメンバーに借りたKeyが味付けに用いられている、様式美BLACK SABBATHを思わす⑧⑩や、荒々しく攻め立てる⑨といった名曲が連続する終盤の流れは、アルバムのハイライトと呼ぶべき偉容を誇っています。
個人的には、クライヴがドラム叩いているという2ndが是非聴いてみたいところなのですが・・・。


CHARIOT - Burning Ambition - Screams The Night ★★★ (2014-09-17 22:34:06)

実にNWOBHMらしい、ソリッドで男気溢れる名曲。
「TANKがカヴァーした“NEON KNIGHTS”」という
例えがドンピシャ過ぎて、他に言うべきことが思い浮かびませんね。


CHARIOT - Burning Ambition ★★ (2014-09-17 22:28:25)

音質の大幅な向上に加えて、収録楽曲に更なるキャッチーさが加わったことで、デビュー作以上の高評価を獲得することに成功した'86年発表の2ndアルバム。BURRN!!誌のレビューでも、1stが創刊号で50点食らってたのに比べ、こっちは80点台まで点数がUPしてましたっけね。
軽快に駆け抜ける⑨のような、いっそ「ポップ」とさえ言えそうなタイプの楽曲も収められている本作ですが、それでも彼らの出す音が、相変わらずどうしようもないぐらい初期NWOBHMスタイルを踏襲していることは、シンプルにサウンドを牽引するリフ&リズム、くぐもり声の熱唱型Vo、ウェットなメロディを奏でるツインGを一聴しただけで明らか。
特にOPを飾る①なんて、凝ったアレンジも曲展開もお呼びじゃない、ザク切りキャベツと白飯だけで頂く男料理の如きソリッドな名曲ですよ。泣きのバラード⑧や、ハードな⑥なんかも個人的にはお気に入り。
BON JOVIを代表とするポップ・メタル勢と、METALLICA筆頭のスラッシュ・メタル勢が続々名盤を発表し、意気上がりまくりだった'86年当時のHR/HMシーンに、彼らのようなタイプのバンドの居場所がなかったことが不運でありましたね。