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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3001-3100

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3001-3100

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CHARIOT - The Warrior - Warriors ★★ (2014-09-16 23:00:23)

シンプルにして煽情力の高いGリフに
アガリまくるアルバム表題曲。
同一フレーズの繰り返しながら
ぐんぐんテンションを高めていく
インスト・パートは、HMのプリミティブな
カッコ良さに満ち溢れていて最高ですよ。


CHARIOT - The Warrior - Horizons ★★★ (2014-09-16 22:45:17)

叙情的に始まり、ツインGに先導される形で
テンポアップして盛り上がり、最後は再びメロウに
締め括られると言う、NWOBHMの様式美を体現するかの
如き曲展開にメタル魂が燃え上がる逸品。
アルバムのハイライトではないでしょうか?


CHARIOT - The Warrior - Love Or Leave Me ★★ (2014-09-16 22:35:23)

シンプルでエッジーなGリフに、
頭振るのに丁度良いテンポで刻まれるリズム、
湿ったメロディを熱唱するシンガー・・・と、
1㍉たりともNWOBHM道からはみ出すことなく
実直に突き進むOPナンバー。
ブーム末期の活動で知られるバンドですが
出してる音は何から何まで初期NWOBHMしてて
思わず笑みがこぼれます。


CHARIOT - The Warrior ★★★ (2014-09-15 21:25:28)

スティーヴ・ハリスの庇護を受け、DIRTY DEEDS~DEEDSと改名した後、メイデンの前座で来日公演も行っているピート・フランクリン(Vo、G)率いる4人組が、ロンドンの名物レコード店が興したSHADE RECORDSを通じて、'84年に発表した1stアルバム。
エッジーなGリフとシンプルに刻まれるリズムを主体に、虚飾もヒネリもなくストレートに突き進む曲調といい、くぐもった声質で生煮えなメロディを熱唱するVoといい、ツインGが紡ぐ英国の曇り空を思わす湿った旋律といい(ついでにロー・パジェットな音質といい)、「NWOBHM」と聞いて想起する要素をまとめて全部ブチ込んでみました的な作風に思わず頬が緩みます。
ここにはNWOBHM史に残るような名曲は収められていませんが、名を成したバンドのように個性的には突き抜けていない分、NWOBHMの旨み成分が雑味なく高純度で凝縮。「NWOBHM風って具体的にはどんな音像なん?」と仰る方には「これを聴き給へ」とお薦めしたくなるぐらいですよ。
ズバ抜けた名曲が見当たらないと言っても、収録楽曲のクオリティは安定していて、中でも鋭角的に刻まれるGリフに自然と体が動き出す①⑤⑨や、叙情的な導入部を経て、ツインG主導でテンポアップする曲展開に胸が熱くなる⑧等は、聴く度に喝采を送りたくなる逸品ではないかと。
一般的には次作の方が評価が高いようですが、個人的には本作の方が聴き直す機会が多いですね。


GRAVE DIGGER - War Games - Love Is Breaking My Heart ★★★ (2014-09-13 20:26:34)

ピアノの調べに乗せてクリスが切々と歌うラブ・ソング。
「あの声で!?」とか言うなかれ。
むしろ非モテ系のアノ声だからこそ、フラレ男の傷心ぶりを
説得力十分に伝えてくれるってもんですよ。(酷い)
音質もパフォーマンスも一皮剥けた手応えを感じさせる名バラード。
曲タイトルをひたすら連呼するサビメロは
安心のGRAVE DIGGER節ですが。


GRAVE DIGGER - Witch Hunter - Witch Hunter ★★★ (2014-09-13 09:52:40)

2ndアルバムのタイトル・トラック。
今回は色々と展開を持ち込んでドラマティックに盛り上げようと
頑張っていますが、その昔友人に聴かせたら
「何コレ、うるせぇVoだなぁ」で片付けられてしまったというエピソードや
「WITCH HUNTER!」「WITCH HUNTER!」とタイトル連呼するだけの
男らし過ぎるサビメロが、それでこそGRAVE DIGGER!と思わせてくれる名曲です。


GRAVE DIGGER - Witch Hunter - Get Away ★★ (2014-09-13 09:44:32)

ドカドカバカスカ刻まれるGリフもリズムも、気が狂ってるGソロも
尋常ならざる喧しさなのに、それを更に上回るのがクリスのハイテンションなヤスリVo。
心霊スポットで流した日にゃ自縛霊も“GET AWAY”しそうな迫力ですよ。
装飾もヒネリもなく突っ走る真っ裸のアパッチ野郎っぷりが愉快痛快な1曲。


NIVA - Incremental Ⅳ ★★★ (2014-09-11 23:36:32)

前作『GRAVITATION』から1年弱という、非常に短いスパンで発表された4thアルバム。
これはトニー・ニヴァ(Vo)、ロジャー・ラングレン(G)、マーカス・パーソン(B、Key)ら、中心メンバー3人のケミストリーの磐石ぶりを物語ると同時に、バンドのライブ・アクトとしての実体のなさも露呈しているような気がしなくもないですが、粗製濫造なんて言葉とは無縁の、優れたクオリティを保った作品を次から次へと聴くことが出来るのですから、ファンとしては文句を付ける筋合いではございません。
そして勿論、本作も素晴らしい出来栄えを誇っています。透明感を湛えた哀メロが涼しげに躍動し、痛快に弾きまくるGソロがテクニカルな華を添える北欧メロディックHRサウンドは、時に絶好調時のGRAND ILLUSIONすら凌駕せんとする勢いを感じさせ、取り分け鮮烈な哀メロのシャワーで、蓄積していた心の澱が綺麗サッパリと洗い流されていくような感覚に陥る、②④⑦⑫といったサビメロが絶品のアップテンポのナンバーや、プログレッシブ・ロック風の味付けが加えられた⑪等から得られる高揚感、爽快感は半端じゃありません。
ストレスフルな毎日を乗り切るための心の栄養剤として、非常に重宝している1枚。


MAMA'S BOYS - Power and Passion ★★ (2014-09-10 23:16:59)

HR/HMファンにとって「三銃士」と言えば、アレクサンドル・デュマでもプロレスラーでもなく、アイルランドの「電撃三銃士」ことMAMA'S BOYSで決まり!・・・とは別に限らんでしょうが。ともあれ本作は彼らが'85年に発表し、バンドの代表作として広く認知されている4thアルバム。
マクマナス三兄弟が阿吽の呼吸で繰り出す、骨太でソリッドなハード・ロックンロールを基本にしつつも、アンセミックなOPナンバーを始め、一層強化されたコーラス・ワークやKeyを適宜取り入れたアレンジ等からは、当時日の出の勢いだったLAメタルからの影響が如実に感じ取れます。
そうした音楽性の変化が時代の波にマッチして、英米両チャートで好リアクションを得た本作なれど、サウンドをヘヴィ・メタリックに引き締める故トミー・マクマナス(Ds)のパワー・ヒッティングや、ロックンロールを演っても決して明るくなりきれない泣きのメロディ・センス(アイリッシュの血の為せる業か)が、LA色には染まりきれないMAMA'S BOYSならではの個性を強固に主張。
フィドルとアイルランド民謡の旋律を取り入れた③とかも良い出来ですが、やはり本編の真髄は、構築美に溢れたGソロに耳惹かれる⑤、シャープに疾走する⑦、スリリングなインスト曲⑧といった名曲が並び、よりハードにロックしているB面サイドにこそ有り!と思うわけで。


ACCEPT - Blind Rage ★★★ (2014-09-08 22:38:17)

絶好調の波に乗る、マーク・トニーロ(Vo)擁する再々結成ACCEPTが、前作から2年という順調なリリース・ペースを守って発表した3枚目のスタジオ・アルバム。
へヴィでアグレッシブだがフックに乏しいという、ACCEPTのアルバムで時々見かける捨て曲パターンにハマったOPナンバー①が始まった時は、さすがに3枚目ともなると曲作りのアイデアが尽きたか?と一瞬不安がよぎりました。
しかし同曲後半で炸裂する、ウルフ・ホフマンの「歌えるGソロ」でグッと盛り返すと、後には硬派な哀愁が光る②が続き、以降は、グリーグ作曲“ペールギュント”の“朝”のメロディを引用しながら突っ走るラス曲⑪まで、荘厳に響き渡るバンカラ・コーラスをフィーチュアしたACCEPT以外の何者でもない、例えるなら昭和の工業高校の応援団哀歌みたいな(?)、雄々しく剛毅なHMナンバーが目白押し。(前述の①も繰り返し聴く内にすっかりお気に入りに)
特に、チェロキー族の悲劇について取り上げた歌詞に相応しい、胸に突き刺さる慟哭を巻き散らかしてハードに疾走する⑤は全ACCEPTファン必聴の名曲。また哀愁渦巻く⑩のような叙情HRナンバーで発揮される、悶絶モノのメロディ・センスもお見事です。
個人的結論としましては「前2作に勝るとも劣らない力作」との評価に落ち着いた1枚であります。ただ、確かに今回はボートラは蛇足だったかなぁ・・・とも。


SAHARA - Going Crazy ★★★ (2014-09-06 22:32:02)

アントニオ猪木ばりの立派なアゴの持ち主、元WARLORDのKey奏者センチネルさん・・・もとい、ダイアン・アレンズを中心とするLAの5人組が、'93年にドイツのDREAM CIRCLE RECORDSから発表したデビュー作。
妖しく煌くドラマティックな様式美HMサウンドが輸入盤市場で話題を呼び、後にテイチクから国内盤がリリースされたのを機に購入してみたら、幻想的なアートワークの素晴らしさ込みで、前評判に違わぬ完成度の高さにいたく感動した記憶あり。
全編を叙情的&神秘的に包み込むダイアンのKeyプレイの重要性は言わずもがな、特筆すべきはもう一人の女性メンバー、リズ・ヴァンドール(Vo)の存在。熟女の色香、卓越した表現力、そして高音域でもパワーダウンしない豊かな声量とを併せ持った歌声は、まさしくバンドの大きな武器と言えましょう。
憂いが溢れ出すサビメロに一発K.O.なOPナンバー①や、RAINBOW/BLACK SABBATH/DIOに通じるスケール感とドラマ性を宿した⑧の名曲っぷりは彼女の熱唱に拠るところ大ですし、リズのシアトリカルな歌唱と、ダイアンの奏でるシンフォニックなKeyとが、まるで凱歌のように高らかに鳴り響く⑦は、アルバムのハイライト・ナンバーと呼ぶに相応しい輝きを放っています。
国内盤は既に廃盤ですが、中古屋に行けば500円ぐらいの格安価格で買えてしまいますので、これは一度聴いておかないと損というものですよ。


DUST BOLT - Awake the Riot - Eternal Waste ★★★ (2014-09-05 23:16:43)

パワー・メタリックなGリフを
フィーチュアしつつ、ゆったりとツインGが
ハモる中間部を境に、リズムが更にブーストする
後半パートのカッコ良さにはドキが胸胸ですよ。


DUST BOLT - Violent Demolition - Toxic Attack ★★★ (2014-09-05 23:08:44)

5分というランニング・タイムは
スラッシュ・ソングにしては長尺ですが
全編を支配するのは性急な疾走感。
鋭利なGリフとリズムのコンビネーション、
それに欧州バンドらしいメロディックな
ツインGが、聴き手の気持ちを逸らせてくれます。


Under Suspicion - Under Suspicion ★★★ (2014-09-05 00:10:15)

こちらのサイトでジミ・ジェイミソンの訃報を知り、ふと思い立って引っ張り出して聴き直しているのが、ジェフ・アダムス(Vo、B)、ピーター・ロバーツ(G)、クレイ・シュローデル(Ds、Key)の3人によって結成されたUNDER SUSPICIONが、'01年に残した唯一作。
ジミとの活動歴がある人達の集まりだけに、その音楽性はSURVIVORと趣きを同じゅうする、スケールの大きなメロディアスHR路線。華美な装飾は必要最低限度に留め、安定した演奏力や類まれなる楽曲構築術といった、素材そのものの良さをストレートに活かしたサウンドは、SURVIVORよりも幾らか精悍な印象あり。
フック満載の収録楽曲はいずれも高いヒット・ポテンシャルを感じさせてくれますが、中でも芯の通った力強さでアルバムの幕開けを宣言する①、Voの包容力溢れる歌唱力が、劇的な曲展開を一層盛り上げるバラード⑤、爽やか且つ伸びやかなメロハー⑦、歪みを抑えたクリーントーンで泣きのフレーズを一音一音丁寧に奏でるGが涙腺を襲撃する④⑨等は、まさしくこのバンドの魅力の結晶と言うべき名曲。
これほどの作品を発表したグループが、大した評価も得られないまま、アルバム1枚残して消滅してしまったのは痛恨の極み。デビューした時期が悪過ぎましたね・・・。
そして、こうした腕っこきのミュージシャン達に支えられていたのだから、ジミのソロ作品が素晴らしい内容ばかりだったのも分かるなぁ、と。R.I.P.


Under Suspicion (2014-09-05 00:07:02)

'99年、それまで数々のセッション・ワークをこなして来たジェフ・アダムス(Vo)、ピーター・ロバーツ(G)、クレイ・シュローデル(Ds)の3人が意気投合。コネのあったFRONTIER RECORDSにレコーディングしたデモテープを持ち込んだところ、そのクオリティの高さに驚かれ、UNDER SUSPISIONの名の下にアルバム制作が決定。
WINGERのキップ・ウィンガー、STARSHIPのミッキー・トーマスらゲストの参加も得て完成したセルフ・タイトルのデビュー作は、'01年に日本でもリリースされ、当時の(アメリカでの)流行の間逆を行く、SURVIVORばりにメロディックで爽快なHRサウンドは高く評価されたが、やはり時期が悪過ぎたこともあって、結局2ndアルバムは作られず終いのままプロジェクトは休止してしまった。


DUST BOLT - Awake the Riot ★★★ (2014-09-03 23:57:24)

'14年発表の2ndアルバム。デビュー作に引き続きアンドレイ・ボウジコフの手掛けたアートワークや、社会問題について物申す歌詞が、彼らがスラッシャーらしく「言いたいこと」を山ほど抱えたバンドであることを物語ります。
NAPALM RECORDSとの契約を得てレコーディング作業が行われているだけあって、自主制作だった前作とはサウンド・プロダクションの質が段違い。その結果、耳から出血する勢いで刻み倒されるGリフの鋭利な求心力や、猛烈なアップダウンを息を止めて全力疾走しているかのような、手数の多いリズムの迫力が、スポイルされずにダイレクトに伝わって来るようになりました。
PVも作られた②、7分超のドラマが託されている⑩等、単なる彩りの域を超えて「聴き所」として機能するメロディを奏で始めた2本のGに、抑揚の増したシャウトを繰り出すVo(別にメロディアスに歌っているわけではない)・・・と、今回は欧州パワー・メタル成分が上昇。整合性と引き換えに破天荒さが薄れたことに不満を覚える向きもあるようですが、気持ち聴き易くなったからと言って、ジャーマン・スラッシャーらしい突撃感覚に鈍りがないことは、初期KREATORとベイエリア・スラッシュの併せ技一本な①③⑤といったハイテンション/ハイスピード・ナンバーの数々を聴けば明らか。ことに⑧のGリフの只事ではないカッコ良さには、胸の鼓動が早まらずにはいられませんよ。
DUST BOLT入門盤としてお薦めする1枚です。


DUST BOLT - Violent Demolition ★★★ (2014-09-02 23:38:57)

ドイツ・バイエルン州ランツベルグ出身の若きスラッシュ・メタル・バンドが自主制作でレコーディング、'12年にNAPALM RECORDSから発表したデビュー作。
アンドレイ・ボウジコフの手掛けたアートワークも目を惹く本作ですが、内容の方も決してジャケット負けしていません。ザクザクと刻まれるクランチーなGリフはベイエリア・スラッシャーから、怒りに塗れた野獣シャウトと、手数多めに迫るヤケクソ気味な疾走感は初期KREATORを筆頭とするジャーマン・スラッシャーから・・・といった具合に、欧米それぞれからの影響を取り込んだ折衷スラッシュ・サウンドが彼らの魅力。
リフ/リズム・チェンジを頻繁に繰り返す、アップダウンの激しい曲展開を淀みなくこなすメカニカルなアンサンブルにドイツ人っぽさを漂わせつつも、小難しさがないのは、OPナンバー①からラス曲⑨(SEPULTURAのデレック・グリーンがゲスト参加)に至るまで、ハモりまくるツイン・リードGと前のめりな突撃感覚が、焦燥感を伴って猛烈に肉体に訴えかけて来るせいでしょうか。特に、忙しなく動き回るツインGをフィーチュアして憑かれたように畳み掛ける⑤は、とびきりアッパーな名曲ですよ。
もうちょい楽曲をキャッチーにまとめてくれると、1曲1曲の個性が際立ってくると思うのですが、これが1stフルなら将来に大いに期待が持てるってもんです。


DUST BOLT (2014-09-02 23:36:54)

ドイツはバイエルン州ランツベルグにて'06年に活動を開始した時、中心メンバーは若干13歳だったという早熟なスラッシュ・メタル・バンド。
KREATOR、METALLICA、PANTERA、パンク/ハードコアをお手本に(特にベイエリア・スラッシュからは影響を受けまくったとのこと)、ライブ活動と曲作りに邁進し、'10年にはかのWACKEN METAL BATTLEで優勝を果たす等、ドイツ国内において確固たる支持基盤を築き上げる。
こうした評判を後ろ盾にNAPALM RECORDSとの契約を実現させたバンドは、'12年にデビュー作『VIOLENT DEMOLITION』を発表。更には'14年発表の2nd『AWAKE THE RIOT』で本邦初登場も果たした。


LEATHERWOLF - Street Ready ★★★ (2014-09-01 23:35:35)

プロデューサーに産業ロック勢との仕事で知られるケヴィン・ビーミッシュを起用し、更に最終的なミックス・ダウンは売れっ子マイケル・ワグナーに依頼。「LEATHERWOLFが勝負に出た」と強く印象付けた'89年発表の2ndフル・アルバム。
湿度を抑え、カラッと抜けの良い音作りに併せて、曲展開も比較的ストレートに整理整頓。殊更にトリプルGの存在は強調せず、Voを中心にアメリカンHMならではのキャッチネスの底上げが図られているサウンドは、言うなれば重厚なパワー・メタルから、シャープな高機動型HRへと華麗なる転身を遂げた感じ。強化されたコーラス・ワークを伴い、よりシンプル且つメロディアスに押し出してくる③⑥等も収録した本編を聴いた時は、LOUDNESSの出世作『THUNDER IN THE EAST』のことを思い出したりも。
『THUNDER~』が、全米でブレイクを果たすべく、大きく音楽性を変化させながらも「らしさ」を見失っていなかったのと同様、本作もハードさやドラマ性を損なうことなく、新旧の持ち味をバランス良く配合することに成功しています。特に起承転結がバッチリ決まったOPナンバー①は、本作を代表する名曲中の名曲。切れ味鋭く疾走へと転じる中間部のカッコ良さにテンション上がらないHR/HMリスナーはおらんですよ!と断言したくなるぐらいのもんで。
もう数年早く発表されていれば状況も好転して、LEATHERWOLFがこれを最後に解散することもなかったのでは・・・とか夢想させられる1枚。(後に再結成しましたけどね)


LEATHERWOLF - Endangered Species ★★★ (2014-08-30 02:30:22)

'85年に5曲入りミニ・アルバムとして発表され、日本では更に未発表の4曲を追加収録して、全9曲のフル・アルバム仕様でCBSから国内盤がリリースされたデビュー作。
誇らしげにクレジットされているトリプルGと、歌いっぷりの良いハイトーンVoが、起伏に富んだ曲展開をグイグイ先導するパワー・メタル・・・というLEATHERWOLFならではのサウンドは既に明確ですが、Keyやボーカル・ハーモニーには目もくれず、ひたすら力押しに押し込んで来るアグレッシブな作風は、後の作品とは異なり、かなりあからさまに欧州HM・・・ぶっちゃけIRON MAIDENからの影響が表出(筋肉質なBプレイもスティーヴ・ハリス風)。後に本家IRON MAIDENまでがトリプルG編成化した時には運命の悪戯を感じてしまいましたね・・・。
通して聴くと、どの楽曲も似たり寄ったり聴こえてしまう詰めの甘いアレンジや曲展開、そしてプアーな音質まで、確かに荒削りな点は目に付きますが、②⑤⑦⑨等で発揮されているメロディ・センスや、3本のGが縦横無尽に暴れ回る(やり過ぎて時にクドく感じられてしまうのはご愛嬌)ドラマティックな楽曲構築能力からは、既に磨けば光るダイヤの原石としてのポテンシャルが垣間見えます。
雑誌では50点を食らってましたが、個人的には80点台を進呈したいぐらいに愛聴している1枚。


MANILLA ROAD - Open the Gates ★★ (2014-08-27 23:46:12)

エピック・メタルの開祖として海外ではカルトな支持を集めるアメリカはカンザス州ウィチタ出身のトリオが、'85年に発表した4thアルバム。
エピック・メタルと聞くと、マッチョなバイキングが血の雨降らせて大暴れする姿を思い浮かべるやもしれませんが、清々しいぐらいにオシャレ感とかモテ要素を感じさせないルックスのメンバーと、貧相なサウンド・プロダクションによって生み出される、猛烈なシケシケ感に覆われた本作には、そうした派手で猛々しいノリは薄め。バイキングつっても、他所の土地への侵略とか大移動とかには余り興味なさそうで、自宅でまったりしてる方が落ち着くインドア派バイキング的というか。
スロー~ミドルハイ・テンポのリズムに、シンプルなメロディを乗せて押し出してくる楽曲は、曲調にしろ曲展開にしろ華を欠けていて、正直かなりオッサン臭いのですが、どっこい。繰り返し聴き込むことによって味わいを増す中年親父の魅力を舐めてはいけません。怪しげなイントロから勇ましく駆け出す①、退屈と紙一重の愚直さと粘り腰で盛り上げていく③⑨、ドゥーミーでドラマティックな⑤、気持ち良いぐらい捻りのない⑥、大仰なエピック・メタル道を突き進む⑧・・・と、収録楽曲はいずれも結構聴かせてくれます。
垢抜けないエピック・メタル路線を邁進していた『INTO GLORY RIDE』の頃のMANOWAR(⑦なんか特にそれっぽい)を愛する向きにお薦めな1枚・・・か?


MARTYR - Darkness at Time's Edge - Into the Abyss ★★★ (2014-08-26 23:02:13)

心地良い疾走感に乗せて、力みを抑え伸び伸びと
メロディアスに動き回るツインGの活躍が印象的。
(HR/HMとしてのエッジを失っていないのも○)
憂いを帯びたVoの声質と、透明感を湛えた哀メロの
威力ゆえか、同郷のHELLOISEに通じる魅力を感じたりも。


MARTYR - Darkness at Time's Edge ★★ (2014-08-24 22:20:32)

ラスト作となった'86年発表の2ndアルバム。
Keyが本編の幕開け役を担っていることが象徴するように、スラッシュ/スピード・メタリックな前のめりの突撃感覚や、強引な曲展開が影を潜めた楽曲は、その代わりに哀愁に満ちたメロディを、力みを抑えて伸びやかに歌い上げるVoと、エッジは保持しつつも、一音一音を丁寧に紡ぎ出すGとがメインを張るようになっていて、よりメロディアスに、洗練を感じさせるHMサウンドへとクラス・チェンジ。
名曲“SPEED OF SAMURAI”を始め、荒削りなれど問答無用の迫力で顔面を張り倒しに来ていた前作に対する個人的思い入れを抜きにすれば、なるほど。確かに作品全体としての完成度は高まった印象です。
特に哀メロとハードネスが適切な融合を果たした⑥は、シンガーの憂いを感じさせる声質や、曲調を心地良く包み込む透明感が、当時同じマネージメントに所属していたHELLOISEを思い起こさせる名曲。またインストの小曲⑧から繋がっていくラスト・ナンバー⑨では、前作の作風を受け継ぐ大作主義を堪能することもできます。
メンバーがバンドの代表作と自負するのも納得の1枚。


OVERKILL - White Devil Armory - Armorist ★★★ (2014-08-23 00:26:38)

ここ数作のOPナンバーと比較するとエピック・メタル成分は控えめですが、
その分、噛み付くようなブリッツのVoと、鋼の如きリフ&リズムの鉄壁が
聴き手をオラオラと煽り立てる、剣呑なノリの良さが全編に充満。
「青森!」「青森!」コーラスは思わず一緒に歌いたくなりますね。


LIEGE LORD - Master Control - Fallout ★★★ (2014-08-21 23:22:07)

叙情的な導入に始まり、山あり谷ありで
本編中、最も高いドラマ性を発揮する
アルバムのラスト・ナンバー。
パワー重視のバンドのようでいて、
この曲において2本のGが煌くように紡ぎ出す
メロディには、繊細な構築力が感じられます。


LIEGE LORD - Master Control - Master Control ★★★ (2014-08-21 23:19:02)

アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
切迫感を煽り立てながら図太く疾走する曲調は
パワー・メタルの権化のようですが、
一方で2本のGがテクニカルなフレーズを
華咲かせる辺りは、いかにも80年代の
アメリカのバンドといった華やかな感触も
残してくれます。


LIEGE LORD - Master Control - Fear Itself ★★ (2014-08-21 23:11:34)

劇的なイントロだけでJUDAS PRIESTからの
影響は明らかですが、アクセルべた踏みの
猪突猛進っぷりや、直線的なサビメロは
スラッシュ/パワー・メタル的・・・というか
王道アメリカン・パワー・メタルの魅力を放っています。


OVERKILL - White Devil Armory ★★★ (2014-08-20 22:30:33)

今現在、最も信頼のおけるスラッシュ・メタル・バンドの一つとして、即座にその名前の思い浮かぶOVERKILLが、'14年に発表した待望の新作。
近年はへヴィ・メタリックな方向にギアを一段も二段も上げた作風が印象的ですが、今回は整合性や湿ったドラマ成分は控えめ。その代わり、彼らのもう一つのルーツであるパンク・ロック・テイストを前面に押し立てたサウンドは、聴き手をオラオラと煽り立てるVoとGリフのテンションの高さ、金属の塊をブチかますかの如きリズム・セクションの硬質感はそのままに、全体的に破天荒なノリの良さを拡大。ボートラ収録のNAZARETHのカヴァー⑬等はその証左と言え(別にNAZARETHはパンク・バンドじゃないけど)、現ACCEPTのマーク・トニーロがゲストVoとしてボビー“ブリッツ”エルズワース(Vo)と掛け合いを繰り広げる様なぞ、ウド・ダークシュナイダーとジョン・ギャラガーが競(狂)演したRAVENの“ワイルドで行こう!”を思い出すハイテンションっぷりで最高ですよ。
無論スラッシャーとしての本分にブレもないことは、破壊力満点のスピード・ナンバー②⑥⑦にクッキリと刻まれており、またツインGを活かした重厚感溢れる⑧⑪のような、欧州メタル寄りの楽曲も押さえるなど、アルバム作りに抜かりなし。
一聴、前2作ほどのインパクトは受けないかもしれませんが、OVERKILL印の焼き付けられた力作であることは疑いようのない1枚です。


LIEGE LORD - Master Control ★★★ (2014-08-19 22:43:09)

お盆に帰省した際、「確か持ってたよなぁ」とCD棚を漁って発掘して来たLIEGE LORDの3rdアルバム('88年)。JUDAS PRIESTをお手本にしながらも、バラード等の繊細な表現にはまるで興味を示さない辺りが、まさに王道アメリカン・パワー・メタルといった趣きの1枚です。
高音域でも迫力を損なわないVo、スラッシーに牙を剥くGリフ、そして「肉食ってんどー!」とばかりに叩き付けられるリズムとが、馬力にあかせて突進しまくる押しの強いサウンドは、シンガーのジョー・コミュー(当時はジョセフ・コミューと名乗っていた)が後に加入することになる、OVERKILLの初期スタイルに通じる作風と言えなくもないような?
尤も、RAINBOWの名曲のカヴァー④が象徴するように、ルーツは100%メタル!押忍!(推測)な本作にパンクっ気は皆無。全体を支配する体育会系然とした剛直な雰囲気に反して、2本のGがツボを押さえたフレージングで楽曲にフックを作り出していて、特に劇的なイントロだけでハート鷲掴みな①、テクニカルに華咲く2本のGを乗せて、緊迫感を煽り立てながら疾走する③、ツインGが奏でるキラキラと眩いフレーズに思わず目を細めたくなるドラマティックな⑩は強力な出来栄え。
これがラスト作になってしまったことが、俄かには信じがたい程のエネルギーが渦巻く力作です。


S.A. SLAYER - Prepare to Die - Prepare to Die ★★ (2014-08-18 23:44:47)

SEを打ち破ってへヴィ・メタリックに
疾走を開始するOPナンバー兼アルバム表題曲。
NWOBHMからの影響を伺わせる一方で、
ハード・ドライヴィンな曲調といい
その上に乗るどこか冷めた雰囲気漂わすVoといい
何だかとてもRIOTっぽい。


S.A. SLAYER - Go for the Throat - The Witch Must Burn ★★★ (2014-08-18 22:56:15)

腕利き揃いのメンバーのスキルを
存分に活かした、目まぐるしく緩急自在な
曲展開に翻弄されるアルバム後半のハイライト。
GとBがユニゾンするパートにはゾクゾクさせられますね。


S.A. SLAYER - Go for the Throat - Go for the Throat ★★★ (2014-08-18 22:49:12)

ドラム・ロールと耳を劈くハイトーン・シャウトから
スタートする様がスピード/スラッシュ・メタル版“EXCITER”
といった趣きのアルバム表題曲兼OPナンバー。
「ロブ・ハルフォード級」と評するにはVoの線が
やや細いですが、攻撃性を増した曲調とキレのある演奏で
十分カバーされています。


S.A. SLAYER - Prepare to Die ★★ (2014-08-17 22:32:47)

'83年制作の5曲入りデビューEP。
後の1stフル『GO FOR THE THROAT』同様、『BRITISH STEEL』発表時のJUDAS PRIESTをお手本に、ダークでアグレッシブな味付けを加えたメタルを演っていますが、時節柄まだスラッシュ・メタル色はそれほどでもなく、またロン・ジャーゾンベク(G)加入前だからなのか、テクニカル・メタルっぽさも薄め。むしろGリフ主体でストレートに押してくる曲調は、NWOBHMからの影響が色濃く刻まれています。
それと、本作を聴いていて随所で感じるのがRIOTっぽさ。後にマーク・リアリと行動を共にするメンバーを擁する等、元々RIOTと関係の深いバンドってこともあるのでしょうが、例えば独特のエコーを伴ったVoが、疾走感溢れるGリフとリズムに乗っかった②なんて、もろ『FIRE DOWN UNDER』を発表した頃のRIOTを彷彿。
一方で、ゴリゴリ鳴りまくるドン・ヴァン・スタヴァンのBが、スピーディな曲調を牽引する④⑤といった、このバンドならではの個性を宿した楽曲のカッコ良さも相当なものですし、EPと言えども、結構な満足感を覚えさせてくれる1枚に仕上がっています。


S.A. SLAYER - Go for the Throat ★★ (2014-08-16 22:59:29)

サン・アントニオのSLAYER、人呼んでS.A. SLAYERの1stフル・アルバム('84年)。
このバンド名で、しかもアメリカ南部の魔境(偏見)テキサス州出身とあっては、さぞかし恐ろしい『悪魔のいけにえ』チックなメタルを聴かせてくれそうなもんですが、実際のところ、本編を再生すると流れ出すのは「一発キメた“EXCITER”」といった趣きのOPナンバー①。作品全体としても、あの頃のJUDAS PRIESTをお手本にしていることは明白な正統派HMサウンドを志向しています。
尤も、当時勃興著しかったスピード/スラッシュ・メタルの切れ味の加味された作風は相当にアグレッシブですし、高低差の激しいメロディを追いかけるVoや、RIOTのメンバーでもあったドン・ヴァン・スタヴァン(B)、後にバカテク・バンドWATCHTOWERに加入するロン・ジャーゾンベク(G)、SACRED RICH、MACHINE HEAD等での活躍で知られるデイヴ・マクレイン(Ds)ら、腕利きメンバーによって淀みなく繰り広げられるダイナミックな曲展開は、バンド名に相応しい(?)オドロオドロしげな雰囲気も醸成。
特に前述の①や、ツインGが印象的な②、大仰に歌いまくるハイトーンVo(やや線が細いのが惜しい)を活かした劇的な⑤⑧といった楽曲のカッコ良さは、音質の貧弱さを差し引いても余りあるモノ有り。
先頃、漸くリマスター再発がかかりましたので、この機会に是非ご一聴をば。


S.A. SLAYER (2014-08-16 22:58:10)

RIOTファンならバンド名に聞き覚えがあるかもしれない、'82年にテキサス州サンアントニオで結成され、ロサンゼルスのSLAYERとの混同を避けるために、出身地名を付け足してS.A. SLAYERを名乗ったスピード/スラッシュ・メタル・バンド。
マーク・リアリとNARITA~RIOTで行動を共にしたドン・ヴァン・スタヴァン(B)、名ドラマー、ボビー・ジャーゾンベクが在籍していたJUGGERNAUT等での活動で知られるボブ・キャレトン(G)、後にWATCHTOWERに加入するロン・ジャーゾンベク(G)、それに現在はMACHINE HEADに籍を置くデイヴ・マクレイン(Ds)と、構成面子は腕利き揃いで、'83年にデビューEP『PREPARE TO DIE』を、'84年に1stフル『GO FOR THE THROAT』をそれぞれ発表。但し、所属レコード会社にリリースを拒否られた『GO~』が実際に陽の目を見たのは、バンド解散後の'88年になってからだった。


SHE-JA - Dual World ★★★ (2014-08-14 11:01:27)

“METAL HEART”(ACCEPT)“WILD FRONTIER”(GARY MOORE)、“BACK TO BACK”(PRITTY MAIDS)等、メタル者なら誰もが一度は耳にしたことがあるであろう有名曲の数々を、多数のゲスト・ミュージシャンを招きカヴァーするというコンセプトが、本作が(タイトルこそ異なれど)実質的に『STAND PROUD!ALL FOR HEAVY METAL』の続編であることを物語っている、'14年発表の屍忌蛇のカヴァー・アルバム。
日本で最もHR/HMが売れていた時期に、メジャー資本で制作され、お祭り騒ぎ的賑々しさに満ち溢れていた前作に比べると、名義のみならず、アレンジも雰囲気もグッと落ち着いて屍忌蛇のソロ作としての趣きを強めた今回は、ANGRAやBLIND GUARDIANといった比較的新しめのバンドの名曲もセレクト。
尤も、Gソロでは彼らしい繊細な泣きメロを注入して個性を主張するスタイルは流石の味。特にそれが上手くハマっているのがJUDAS PRIESTの⑨で、さりげないピアノの使い方や、TESTAMENTの“OVER THE WALL”のフレーズの導入も非常に効果的です。
オリジナルと比べても決して聴き劣りしない実力派ミュージシャン達のパフォーマンスも、前作同様「日本人にしては」等というエクスキューズが不必要なレベルですし、またRIOTの⑩でスピーディなBプレイを披露しているのが、先日急逝したUNITEDの横山明裕であることも謹んで付け加えさせて頂きます。
前作が気に入った方なら当然購入して損のない1枚。HR/HM入門盤代わりにもどうぞ。


MARTYR - For the Universe - Speed of Samurai ★★★ (2014-08-10 21:48:19)

タイトルだけで星3つを進呈したくなりますね。
事実、Gリフの切れ味の鋭さから、無心に頭を
振りたくなる疾走感、Voの歌いっぷり、
そして1曲の中に2、3曲分のアイデアが
ブチ込まれた曲展開まで、タイトル負けしない
カッコ良さが漲る名曲です。
スピ~ド・オブ・サムラ~イ!


MARTYR - For the Universe ★★ (2014-08-10 11:15:38)

再結成して現在も活動中のオランダはユトレヒト出身の5人組、'85年発表のデビュー作。
当時、ヨーロッパ圏でも頭抜けてアグレッシブなメタルが高い人気を博していたというオランダのお国柄を象徴するかのように、スラッシュ寸前まで攻撃性と突進力を研ぎ澄すませた、ササクレだらけのパワー・メタル・サウンドが本作の魅力。うっかり素手で触った日にゃ、手のひらが真っ黒&傷だらけになりそうな切り立ったダーティなGリフと、裏声ハイトーンを織り交ぜて朗々歌いまくるVoが猛然と突っ走るOPナンバーなんて、タイトルが“SPEED OF SAMURAI”ですよ。個人的にはこれだけでもう「その意気、買った!」と。
ストレートに突っ走るだけでなく、スティーヴ・ハリスへの憧憬を滲ませながらアタッキーにヒットされるBとツインGの先導のもと、頻発するリフ/リズム・チェンジを組み込んだ楽曲、それに叙情的な序曲/終曲を配して起承転結を演出する本編の構成等は、IRON MAIDENからの影響が大。アコギや緩急を効かせて繰り出される⑤はその最たる例かな?
ソング・ライティングの実力は本家の域にまでは達していませんが、てやんでー!コンチクショウメー!的な前がかりな勢いに関しては十分にタメ張るものあり、な1枚。


ADX - Exécution - Caligula ★★★ (2014-08-08 00:05:54)

初期IRON MAIDEN調のGリフと、
JUDAS PRIESTばりのツインGが
スラッシュ/スピード・メタリックなリズムに乗って大激走。
アッパーなハイトーンVoが歌うのは
「フランス語だから何歌ってるか分からない」との
イチャモンを粉砕する、「カ~リギュラ!カ~リギュラ!」と
シンプルで覚えやすいサビメロ。
まさにバンドの代表曲に相応しい名曲っぷりです。


ADX - Exécution ★★★ (2014-08-07 00:12:02)

80年代、フランスのHR/HMシーンにおいて確固たる地位を築き、アルバムも複数枚リリースしているADXですが、自分が所有している彼らのアルバムは'84年発表のこのデビュー作のみ。
なので後のカタログと音楽性を比較して語ることは出来ないのですが、取り敢えずここで聴かれるのは、「フランス人ミュージシャン=少女漫画の登場人物みたいな優男」とのイメージを木っ端ミジンコにする、漫画ゴラクの登場人物みたいなメンバーによる、滅法男臭ぇハイボルテージなスピード/スラッシュ・メタル・サウンド。
JUDAS PRIEST、初期IRON MAIDEN、初期DIO等からの影響を糧にハジけるように駆け巡り、スピード・メタル然とした魅力を振りまくGリフ作りの腕前には特にシビれるものがあって、「掴み」としてのインパクト十分なOPナンバー①と、ローマ帝国が誇る暴君カリギュラについて歌った(推測)ラスト・ナンバー⑧という、機動力に富む疾走ナンバーのカッコ良さは出色。力押しだけでなく、欧州メタルらしい構築美を織り込んだインスト曲④やドラマティックな⑥みたいな楽曲も良い。
アルバムを発表する度に、ここ日本では「フランス語はメタルに合わない」と低評価に泣かされ続けた彼らですが(日本語ロック論争を思い出しますね)、少なくともVoについては、多少語感が柔らかいか?と感じるぐらいで、個人的には違和感はナッシング(すっぽ抜けるハイトーンは好き嫌いが分かれるやもしれんけど)。「フランス語はリズムに乗り難い」なんて批判もありましたが、スピード/スラッシュ・メタルがリズム無視で歌詞を強引にねじ込むのなんて日常茶飯事ですからね。
機会があれば、2nd以降の作品もチェックしたいという気分にさせられる1枚です。


TRAUMA - Scratch and Scream - The Day All Hell Broke Loose ★★★ (2014-08-04 23:00:44)

上手いか下手かで言ったら
そりゃ上手くはないけれども、
とにかくVoにしろコーラスにしろ、
Gリフからリズム、Gソロに至るまで
あらゆるセクションが制御不能状態で
暴走しているかのような勢いに
圧倒されてしまう逸品。


TRAUMA - Scratch and Scream ★★ (2014-08-04 00:02:57)

METALLICA加入前のクリフ・バートン(B)が一時期、籍を置いていたことで知られるLAの5人組が、'84年にSHRAPNEL RECORDSに残した最初で最後のフル・アルバム。(クリフは不参加だけど)
初めて聴いた時は、執拗に刻まれるGリフとドカドカ打ち鳴らされるリズムの上で、ハイトーンVoがシャープ気味に暴走するOPナンバー①のインパクトで、スラッシュ・メタルそのものに感じられたものですが(「あのクリフがいたバンド」との先入観も大きかった)、リイシューされたのを機会に久々に聴き直してみたら、むしろ「JUDAS PRIESTとNWOBHMからの影響をたんまり浴びたパワー・メタル」が正しい表現かなぁ?と。特に、ドラマティックなツイン・リードGが、光沢を放ちながら重厚に押し出してくるアルバム表題曲④はその代表格。
無論、スラッシーなアグレッションは全編に亘って漲っていて、これに(多少一本調子な感はあるものの)ハイパー極まれり!なVoが加わったパワー・サウンドは、うーむ、どこかで聴いたことがあるような・・・と暫く考え込んでみれば、思い出しました。ヴィニー・ムーア(G)とゲイリー・セント・ピアー(Vo)を擁していた頃のVICIOUS RUMORSに似てるんだ。なんとなく。
お世辞にも万人にはお薦め出来ない垢抜けなさですが、例えば「METALLICAなら1stが最高!」という猛者ならチェックしておいて損のない1枚ではないかと。


Whispered - Shogunate Macabre - Lady of the Wind ★★★ (2014-08-02 21:11:48)

激しくも悲哀に満ちた北欧のバンドらしさと
「雪女」を題材に取り上げ、琴の音色なんかも取り入れた
日本趣味とが、理想的な融合をみた入魂の名曲。
これ聴いて気に入らなかったら、アルバム自体
聴く必要はないんじゃなかろうか?ってね。


Whispered - Shogunate Macabre ★★★ (2014-08-01 00:08:04)

歌舞伎メイクを施したメンバーの出で立ちや、日本の歴史/伝承を取り扱った歌詞を見ていると、一足先に日本デビューを飾ったイタリアのHOLY MATYRのことを思い出しますが、あちらが飽くまでベーシックなパワー・メタル・サウンドの上に立脚し、和風メロディはアクセント的な扱いだったのに比べ、こっちは琴や三味線、和音階をガンガン取り入れて、日本語の台詞でスタートするOPナンバーから、バンドのルーツを物語るアニメ『銀牙 -流れ星 銀-』の主題歌のカヴァーまで、もう全編和風メロディの雨アラレ。⑥なんてタイトルが“KAPPA”ですよ。これに失笑を漏らす人もいるでしょうが、(ホラー映画ばりの歌詞に反して)ジャジーなパートも組み込んだ曲調はどこかコミカルで、日本人が持つ河童のイメージとピタリ一致。こうした「色物」と受け止められかねないジャパネスクな題材とも真摯に向き合うバンドの姿勢には好感を持たずにはいられません。
特に「お祭りメタル」とでも評したくなる高揚感に満ち溢れた②や、シンフォニックなアレンジを纏って猛然と突進する③、雪女の物語を題材に取り上げ、激しくも悲哀に満ちたメロディが涙を誘う⑥といった楽曲は、「MELODIC DEATH METAL WITH JAPANESE FOLK ELEMENT」を標榜する彼らの真骨頂というべき名曲。
「初期陰陽座をもっと過剰にして、デス・メタルのエレメントとシンフォニックなKeyを加えた感じ」との説明(大掴みですが)にびびっと来たらお薦めの1枚。


Whispered (2014-07-31 23:58:20)

フィンランドはタンペレにおいて、ヨウニ・ヴァルヤッカ(G)を中心の結成。当初はZEALOTと名乗ったが、'04年にWHISPEREDと改名。この頃には既に侍や武士道といったヨウニの日本趣味を反映させた楽曲作りを行っていたとのこと。
ラインナップは不安定ながらも、キャラ立ちの良さとデモテープの完成度が評価され、晴れてレコード会社と契約を交わしたバンドは'10年に1st『THOUSAND SWORDS』(元ネタは牛若丸と弁慶)を発表してデビュー。
所属レコード会社とのトラブルや度重なるメンバー・チェンジを乗り越えて、'13年には日本公演も成功裡の内に終わらせている。
そして'14年。懐かしのジャンプ・アニメ『銀牙 -流れ星 銀-』やゲーム『ファイナル・ファンタジーⅦ』の戦闘用BGMのカヴァーが収録されていることもからも明らかに、迷わずジャパネスク・メタル路線を迷わず突き進んだ2nd『SHOGUNATE MACABRE』をリリース。


ATTACK - Revitalize - Death Rider ★★★ (2014-07-28 23:27:23)

ATTACKのカタログの中でも『DESTINIES OF WAR』の
完成度の高さは目立っていましたが、その中でも
スピード/メロディ/劇的な曲展開と、三拍子揃った
この大作曲の突出ぶりは尋常ならざるものがありましたね。
「腹ペコなカイ・ハンセン」みたいな弱弱しいリッキーのVoも
これだけ楽曲自体がドラマティックな仕上がりなら
目を瞑ろうという気になるってもんですよ。


ATTACK - Revitalize ★★ (2014-07-27 23:42:25)

90年代のジャーマン・メタルの盛り上がりを(主に底辺方面から)支えマニアに愛された、リッキー・ヴァン・ヘルデン大将率いるATTACKが、当時誰も欲しがらなかった・・じゃなくて入手困難だった初期作、並びに近作の楽曲をリミックス&リ・レコーディング、更にそこに新曲も加えて発表したベスト盤がこちら。
IRON MAIDENとHELLOWEENの中間ぐらいに位置する正統派HMサウンドを志向しながらも、リッキー自身のへなちょこボーカルと、調子っ外れなコーラス、不安定な演奏にしょっぱいプロダクションが足を引っ張って、彼らについて語る際には常に「ATTACK(笑)」と、名前の後に(笑)マークが付いて回っていたような気がするのですが、どっこい、キラリと光る大将の曲作りの才は決してバカにしたもんじゃありませんでした。
取り分け“WONDERLAND”と“DEATHRIDER”(共に『DESTINIES OF WAR』収録)のカッコ良さは出色で、特に10分に及ばんとする長尺を、勇壮且つ疾走感たっぷりに語り切った後者は、独産メタル・マニアなら一度は聴いておいて損のない出来栄え。その昔バイトしていた喫茶店でBGMとして流させて貰ったら、お客さんから「お、この曲良いねぇ」と好評を得たことでも思い出に残っている名曲であります。
今日び果たして需要があるのかどうかはともかく、ATTACK入門編には本作が打って付けですよ。


ALIEN - Eternity - Love Will Lead Me Home ★★★ (2014-07-26 01:45:33)

ジム・ジッドヘッドが憂いを帯びた声質を生かして歌い上げる
ツボを突いた哀メロから、ぴりりとエッジを効かせて
泣きを迸らせるトニー・ボルグのGまで、その名曲っぷりときたら、
これ聴いた北欧メタル・ファンにアルバムの購入を即決させるレベル。
(まぁ自分の話なんですが)


ALIEN - Eternity ★★★ (2014-07-25 00:27:22)

ジム・ジッドヘッド(Vo)を始めとするオリジナル・メンバーが、デビュー作以来、26年ぶりに顔を揃えて制作された6thアルバム。
こっちもALIENの作品を購入するのは4th『CRASH』以来、十数年ぶりという「お久し振り感」の半端ない復活作でしたが、ソロ・シンガーとしてキャリアを積み重ねて来たジムのエモーショナルな歌声、そしてALIENの看板を長らく守り続けたトニー・ボルグ(G)の、聴き手の泣きのツボを的確に突いて来る歌心とハードネスとを併せ持ったGプレイを耳にすれば分かる通り、本作にブランクや衰えを感じさせる要素は皆無。むしろ演奏にしろ楽曲にしろ、一層瑞々しく若返った印象さえ受けるぐらいのもので。
特に、今年のベスト・チューン候補“LOVE WILL LEAD ME HOME”をハイライトとする、秀逸な哀メロ・ナンバー大盤振る舞いのアルバム前半は、重厚なハーモニーとリリカルなKeyに包まれて、浮世の憂さが綺麗さっぱり洗い流されて行くかの如き感覚に陥るALIEN流ハードポップ・サウンドの真骨頂。
爽やかな“SUMMER OF LOVE”、ハードな“BURNING HEART”から鄙びた哀愁漂わすバラード“IN TRUTH”、更にジムの日本語による挨拶を挟んでボートラ“READY TO FLY”へと雪崩れ込む終盤の展開等、名曲で埋め尽くされた本編を聴くにつけ、オリジナル・メンバーが生み出す「マジック」の威力を思い知らされます。アートワークに燦然と輝く「永」の漢字(日本盤のみの模様)は伊達じゃない!な1枚。


MORTILLERY - Murder Death Kill ★★ (2014-07-22 23:16:22)

カナダ出身で、女性メンバー2人(VoとB)を擁するスラッシュ・メタル・バンドが、地元のインディーズ、HORROR PAIN GORE PRODUCTIONから'11年に発表した1stアルバム。(現在はデモ音源3曲を追加収録して、NAPALM RECORDSからリリースされた再発盤が流通している模様)
先に2nd『ORIGIN OF EXTINCTION』を聴き、そのカッコ良さに感心して本作も購入してみたのですが、おお、こっちもナイス出来栄え!と。スケ番チックに威勢良く歌う女性Vo、派手に弾きまくるわけじゃないけど、メタル魂を鼓舞するメロディをストレートに投げ込んでくるツインGを両軸に、ロックンロールのノリの良さも飲み込んで炸裂するアッパーなスラッシュ・メタルという、彼らなりのサウンドも既に確認できます。
メタルコア調のシャウトを多用しているカーラのVoや、直線的に叩き付けられるリフ&リズム等、本作の方が若干ハードコアな感触が無きにしも非ずですが、どっちにせよスラッシュ・メタルとしてのカッコ良さに揺るぎはなし。中でもオーストリアで起きた「フリッツル事件」を題材に取り上げた④は、荒くれたZNOWHITEとでも言うべき聴き手を一発で虜にするアルバムのハイライト的名曲。
既に十二分に光るものを感じさせてくれる1枚ですよ。


MORTILLERY - Origin of Extinction ★★★ (2014-07-18 23:50:48)

HOLY MOSESのザビーナ・クラッセンや、DETENTEのドーン・クロスビーのような姐御系シャウターではなく、メロディをきっちりと追いかけて「歌う」、例えるならZNOWHITEのニコル・リー系女性シンガーを擁する5人組カナディアン・スラッシャーが、'13年に発表した2ndアルバム。
カリカリに乾いたエッジーなGリフを小気味良く刻み、時にドラマティックなユニゾン・プレイも決めてくれる2本のGが全体を牽引する、正統派HM寄りのスラッシュ・サウンドが本作の持ち味。かっちりとした整合性よりも、ラフな威勢の良さが先走る演奏、ビールを燃料に駆動するエンジンの如き身体を気持ち良く揺するリズム・ワークからは、MOTORHEAD~EXODUSに通じるロックンロールのヴァイブも感じられたり。
しかし何と言っても、本作最大の聴きどころはカーラ・マカッチェン(Vo)の歌いっぷり。ハイピッチのシャウトやグロウルもこなす多芸さを誇る彼女ですが、やはりハイライトは、緩急の効いた曲展開が魅力の②や、アグレッシブ且つキャッチーな③、あらゆる事象にFUCK!を突きつける⑦といった、メロディアスな歌メロがフィーチュアされた楽曲の数々。それでいてスラッシュ・メタルならではの疾走感がスポイルされていないのも素晴らしい。
ボートラとしてオマケ収録されたRAZOR、ANTHRAX、ANGEL WITCHのカヴァーからも、彼らが目指す音楽的方向性がビンビンに伝わって来る1枚かと。


MORTILLERY (2014-07-18 23:47:00)

カナダはアルバータ州エドモントン出身。アレックス・グティエレス(G)が中心となって'08年にバンド活動をスタート。'10年にカーラ・マカッチェン(Vo)を始めとするオリジナル・ラインナップが整い、同年、セルフ・タイトルの自主制作EPを発表してデビューを飾る。
翌年には、HORROR PAIN GORE PRODUCTIONとの契約を得て1stフル『MURDER DEATH KILL』を発表。同作の好評を背景に、新たにNAPALM RECORDSとのディールを成立させたバンドは、ボーナス・トラック3曲を追加収録して『MURDER~』を再発。
更には'13年に2nd『ORIGIN OF EXTINCTION』を発表。その名をより広くスラッシュ・シーンに知らしめることに成功した。


BLUE OYSTER CULT - Spectres - Godzilla ★★★ (2014-07-16 22:35:28)

その昔友人に聴かせたら、重厚な伊福部マーチからは
かけ離れた軽快な曲調に「これのどこがゴジラか!」と
憤っていましたが、個人的には「東宝チャンピオン祭り」の
ゴジラだと思って聴けば全然ありだろう、と。
大好き。


Untimely Demise - Systematic Eradication ★★★ (2014-07-14 22:58:04)

カナダのトリオ・スラッシャーが、新たにサイドGを加えた4人編成となって'13年に発表した2ndフル・アルバム。
エド・レプカの手によるアートワーク(珍しくSFタッチ)に、グレン・ドローヴァーがバンドと共同でプロデュースを手掛け、更にほぼ全曲で鮮烈なGソロを炸裂させる等、今回もデビューから一貫して追及し続けている「チャック・シュルデナーが加入したMEGADETH」ライクなスラッシュ・メタル・サウンドにブレは見られません。これで上手く行ってんだから何を変える必要がある?との自信の声が聞こえて来るかのようですよ。全8曲で30分台と、ザックリまとめられたタイトな収録時間も前作同様。
敢えて変化を探すならば、ツインGがこれまで以上に煽情的なメロディを奏でるようになり、曲展開もドラマティックに整理された点でしょうかね。特に、ハッキリとした起承転結が持ち込まれた②や、押しと引きが活かされた⑤なんかは、従来にはなかったタイプの楽曲のような。また“A WARRIOR'S BLOOD”のタイトルに相応しい勇猛さを撒き散らしながら突進し、一転、インスト・パートでは美しく叙情的なGソロが奏でられる落差の大きな曲展開が劇的極まりない⑥は、本作の完成度の高さを物語る名曲。
順調に成長を重ね、もういつ日本デビューを飾ってもOKっすよ!と、(頼まれもしないのに)レコード会社にアピりたくなる1枚です。


Untimely Demise - City of Steel ★★★ (2014-07-13 00:05:23)

カナダのサスカチュワン州出身のスラッシュ・トリオが'11年に発表した自主制作の1stアルバム。
カナダ繋がりなのか、元MEGADETHのグレン・ドローヴァーが、デビューEP『FULL SPEED METAL』に引き続いてプロデュースを担当。のみならずゲストGとしても全面参加して、例えば②のように「MEGADETHの時よりもクオリティ高いんじゃね?」と思わされる、扇情的なGソロを随所で提供してくれています。
スラッシュ/デス・メタル、正統派HM、更にはジャズからも影響を受けたと語るメンバーは、複雑な曲展開もクィックにこなす腕前の持ち主。荒々しくザク切りにされるGリフと、炸裂感溢れるリズム、それにシャウト型Voとが激しく渦を巻き、アグレッシブな曲調を突いてメロディックなGソロが狂い咲くサウンドは、なるほど。確かに「チャック・シュルデナーが加入したMEGADETH」との評価がしっくり来る感じです。
リードGがIRON MAIDENばりに歌っているOPナンバー①、エド・レプカが手掛けたアートワークとも関連付けられた、レニングラード攻防戦を題材に取り上げた③、そしてVo/G/B/Dsの各パートが主導権を巡ってバチバチと火花を散らしながら畳み掛けてくる⑦といった、このアルバムの・・・というか、このバンドの魅力を余すところなく捉えた名曲/佳曲の数々を収録する本作は、いつ日本デビューを飾ってもおかしくない実力を感じさせてくれる1枚に仕上がっております。


Traitor - Thrash Command - Traitor ★★★ (2014-07-09 23:12:34)

バンドのテーマ・ソングであるだけでなく
80年代に活躍したジャーマン・スラッシャーへの
トリビュート・ソングでもある名曲。
痙攣気味に刻まれるGリフといい、
鞭打つように疾走するリズムといい、
絵に描いたような「スラッシュ・メタル」っぷりが
痛快無比な1曲。


Traitor - Thrash Command - Thrash Command ★★★ (2014-07-09 23:08:38)

鬼のようなGリフの刻みっぷりと遮二無な疾走感が、
まさしく80年代の独産スラッシュ勢を彷彿。
諸先輩方に比べると、Voに狂気が感じられず、
また崩壊寸前の前のめり感もありませんが、
その分演奏はタイトで楽曲もキャッチー。
リーダー・トラックに相応しいカッコ良さを放っています。


Traitor - Thrash Command ★★★ (2014-07-07 23:18:21)

ドイツの4人組が'12年に発表した、若き日のデイヴ・ムスティン風の兄ちゃんが描かれた、アンドレアス・マーシャル画伯謹製イラストをジャケットに戴く1stアルバム。
故国ドイツの先輩バンド群に熱烈なリスペクトを捧げているだけあって、本作で彼らが追求しているのは、Gリフの機銃掃射具合といい、リズムの絨毯爆撃っぷりといい、正しく80年代ジャーマン・スラッシュ・メタルを彷彿とさせる焦土サウンド。
と言っても、このバンドの場合はプロダクションは結構しっかりしていますし、何より演奏がタイト。かつての独産スラッシャーにありがちだった、目指す音楽性の高みと現実のスキルとのギャップが(意図せずに)生み出す、「無茶を通せば道理が引っ込む」前のめりな爆走感覚は希薄です。これを良しと取るか否と取るかは聴き手次第ですが。
喉を潰したヒステリックなシャウトと、キレキレな演奏が脇目も振らず突っ走るアルバムのリーダー・トラック①や、イントロで焦らしてから激走へと転じる⑤、80年代独産スラッシャーへのトリビュート・ソングでもある⑦、更には欧州へヴィ・メタリックなドラマ性を宿した⑨みたいな楽曲もこなしたりと、実に将来性に期待を持たせてくれる1枚です。


Traitor (2014-07-07 23:17:00)

ドイツはバーリンゲンから登場したスラッシュ・メタル・バンドで、'04年の結成以来、PATRICIDE~PREMATURE BURIALと名を変えながら活動を重ね、'09年にTRAITORを名乗るようになる。
元SANVOISENのギリシャ人シンガー、ヴァゲリス・マラニスの協力のもと、'11年にレコーディングした3曲入りデモテープのクオリティに自信を得たバンドは、'12年にデビュー作『THRASH COMMAND』を自主制作で発表。
同作は好評を博し、現在はSTORMSPELL RECORDSからボートラ5曲を追加収録したバージョンで再リリースされている。


OVERKILL - Necroshine ★★ (2014-07-05 01:12:12)

禍々しいアルバム・タイトルで何となく察しが付きましたが、今回もスラッシュ・メタル的な疾走感は抑え気味。曲によっては女性Voを取り入れて、強靭なグルーヴと、デス・メタルに通じるドスの効いたヘヴィネスとが渦を巻くヘヴィ・ロック路線に邁進している'99年発表の10thアルバム。
正直な話、当時はOVERKILLに対する興味が薄れ始めており、本作も「惰性で購入した感」バリバリでしたが、聴いてみるとこれが案外良い。というか前作『FROM UNDERGROUND AND BELOW』よりずっと楽しめました。
大きな理由としては、前2作を経て彼らがこの路線にこなれて来たこと。更に今回は①⑧を聴けば分かる通り、ブリッツのVoにハジけるようなキレが復活。「ウキャキャキャー!」とハイテンションにシャウト決めて違和感のない稀有なフロントマンっぷりには謹んで「スラッシュ・シーンのスティーヴン・タイラー」の称号を進呈したいぐらいですよ。
本編のクライマックスを締める⑨も、鋼の如く硬質で、キャッチーでノリ良く、そしてドラマティックな曲展開が併せ技で炸裂する名曲ですし、「よっしゃ。これはこれで有りですな!」と思わせてくれる1枚です。


OVERKILL - From the Underground and Below ★★ (2014-07-02 23:11:59)

これまで駄作は一枚も作っていないと自信を持って断言できるOVERKILLですが、敢えて最も影の薄い作品を選ぶならば、個人的には'97年発表のこの9thアルバムがそれに当たるのではないかと。何せ、OVERKILL作品は可能な限り国内盤入手を課している身でありながら、未だに輸入盤しか持ってないぐらいでして。いやDEEP PURPLEの“SPACE TRUCKIN'”のカヴァー(日本盤のみのボートラ)目当てに買い直そうかと考えたことはあるのですが、後で『COVERKILL』で聴くことが出来るようになっちゃいましたからね。
コリン・リチャードソンが手掛けたプロダクションは迫力満点ですし、曲作りの上手さも相変わらず傑出していますが、徹頭徹尾スピードで押しまくる疾走ナンバーが姿を消した本編(速いパートはあるけど)は、OVERKILL史上、最もスラッシュ・メタル色の薄いグルーヴィな仕上がり。
パンキーに駆け抜ける⑥や、「シンガー」としてのブリッツの才能が遺憾なく発揮されている、明るく(!)アメリカンなバラード⑨なんかは好きな楽曲ですけれども、総合的に見た場合だと、コレといった強力な決め手に欠ける地味な印象が拭いきれない1枚かなぁ、と。
飽くまで「OVERKILLにしては」の話ですけどね。


OVERKILL - The Killing Kind - God-Like ★★★ (2014-07-01 22:38:59)

ガチガチにヘヴィな音作りはモダンですが、
畳み掛けるような疾走感といい、
雄々しくハモるツインGといい、
かつてスラッシュ・メタル路線を
ひた走っていた頃のOVERKILLの
姿が脳裏をよぎる疾走ナンバーの名曲。


OVERKILL - The Killing Kind ★★ (2014-06-30 23:45:41)

シーンの潮流に逆い、前作『W.F.O.』を引っ提げていち早くスピード押しのスラッシュ路線に復帰を果たし、男を上げたOVERKILLですが、'96年発表の本8thアルバムでは再び横ノリのグルーヴとへヴィネスの拡充を図っていることからも明らかな通り、彼らの音楽的模索の道のりは、寧ろここからが本番でした。
Keyとストリングスを取り入れた異色のバラード⑨(好きな曲だけどね)の存在も、意欲作というより「試行錯誤」「実験作」との印象を補強する本作なれど、流行に飲み込まれてしまうのではなく、逆に流行を飲み込んで栄養分に変えてやらぁ!ってな、このガッツ、タフネスの迸りこそがOVERKILL。確かにへヴィだしグルーヴィなんだけど、キレキレなブリッツのVoとマッチョなD.D. ヴァーニのBが両軸となってサウンドを引き締めているため、ダラダラとした緩さは殆ど感じられません。本編最重の④や、「ホンワカパッパ!」と、まさかのドラえもん節がシャウトされる⑧等はその真骨頂と言えますし、そしてトドメは②。発射された徹甲弾の如き硬質な疾走感と、2本のGが織り成すドラマティックなメロディがグイグイ押し出してくる、OVERKILLならではの名曲っぷり。
今改めて聴くと、前作『W.F.O.』よりも良いんじゃね?と思われることしばしばな1枚です。


Lightspeed - On Second Thought ★★ (2014-06-29 17:18:22)

日本の関係者に向けて、ブックレットのTHANKS LISTにわざわざ日本語で「ありがとうございました」とメッセージを載せていることからも、メンバーの素朴な人柄の良さが伝わってくる、カナダの5人組が'95年に日本のゼロ・コーポレーションを通じて発表した2ndアルバム。
温もりを伝える「歌」を、豊富なキャリアで培われた楽器陣の確かなテクニックと表現力が盛り立てるメロディアスHR・・・という基本路線に変わりはありませんが、今回は前作に比べ、スペーシーなプログレッシブ・ロック風味は後退。よりシンプルに、メロディを聴かせることにフォーカスしたポップな内容に仕上がっています。
と言っても、楽器陣が自己主張を忘れない楽曲には、このバンドならではの個性が宿っており、特に躍動するポップ・ナンバー③、ムーディなBが味わい深い④、アルバムの中で最もプログレ・ハードの薫りが匂い立つ⑤・・・と続く本編中盤は聴きもの。
やや落ち着いてしまった感はありますが、しっかりとしたクオリティは備わっているので、本作を最後にバンドが消息不明になってしまったのは残念ですね。


Moon Dancer - Moon Dancer - Ba-ra-sin-ju ★★★ (2014-06-27 00:08:20)

ビジュアル系の「薔薇」と、
70年代フォーク風の「心中」の
組み合わせはギャップが物凄い。
スリリングな疾走ナンバーで
聴きモノはもちろん、
攻撃的にハジける厚見のKeyプレイですよ。


Moon Dancer - Moon Dancer - ARABESQUE ★★★ (2014-06-27 00:03:37)

泣きのGソロと、優美なストリングスの調べの
援護射撃の下、シンガーとして、Key奏者として、
そして作曲家として、厚見玲衣の才能が
フルスパークした名曲中の名曲。
Keyの腕前が凄いことは知っていましたが、
シンガーとしてここまで歌える人だったとは知りませなんだ。


Moon Dancer - Moon Dancer - CRIME OF DADDY MICHAEL ★★★ (2014-06-26 23:54:41)

邦題に時代を感じずにはいられませんが、
華麗にして流麗なKeyを先頭に、
スリリングに、リリカルに、ドラマティックに
駆け抜けていく楽曲自体、そのインパクトに
負けていない名曲っぷり。
これにピンと来ないようならMOON DANCERは聴く必要はなし!
と思わず極論を述べたくなるアルバムのハイライト。


Moon Dancer - Moon Dancer - SKIN TIGHT SNAKE SKIN GIRL ★★★ (2014-06-26 23:47:11)

『不思議の国のアリス』を思わせる
70年代少女漫画調風の甘口な音世界は
好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、
演劇的曲展開から、ポップ・センスと
フックの効いたメロディまで、
QUEEN辺りに通じる楽曲構築術には
素直に唸らされます。


Moon Dancer - Moon Dancer ★★★ (2014-06-25 23:44:32)

VOW WOWのKey奏者、厚見玲衣(当時は「厚見麗」)が在籍していた和製プログレッシブ・ロック・バンド、'79年発表の唯一作。
本作において、厚見は流麗な指捌きだけに留まらず、ほぼ全ての収録曲の曲作りを担い、さらに堂々たる歌声でリードVoまでこなすというマルチな才能を披露。特に優美なストリングスもフィーチュアされたシングル曲“アラベスク”を後追いで初めて聴いた時は、「VOW WOW時代だけでこの人のことを知った気になってたけど、実はもっと凄いミュージシャンだったのね・・・」と唸らされましたよ。
華麗なるKeyワークがサウンドの基盤を作り上げ、王子様風の端正なルックス&精緻な演奏力を兼ね備えたメンバーらによる、技巧とアレンジの粋が凝らされた本編は、例えば三部構成の組曲“哀しみのキャンドル”のようなプログレ然とした大作ナンバーを収録しつつも、主役は飽くまで「70年代少女漫画風」とでも言うべき(?)甘やかでリリカルなメロディ。QUEENに通じる演劇的曲展開やポップ・センスが秀逸なOPナンバー“鏡の中の少女”や、張り詰めたスリルとドラマを湛えて駆け抜ける“ダディ・マイケルの犯罪”等、ブリティッシュなメロディを、アメリカン・プログレ・ハードばりのキャッチーな楽曲構築術で聴かせきる名曲に難解さは皆無です。
これを逃すとまた何年も廃盤・・・なんてことになりかねないので、この機会に是非。


Moon Dancer (2014-06-25 23:42:10)

'77年に結成されたSIRENが改名して誕生したプログレッシブ・ロック・バンド。
後にVOW WOWに参加することとなる厚見麗を中心に、アイドルばりのルックスと、高度な演奏技術を兼ね備えたメンバーらが織り成すメロディアスでドラマティックなプログレ・サウンドは高い評価を受けた。
が、'79年発表のセルフ・タイトルのデビュー作はセールス的に不発に終わり、バンドはこれ1枚のみで消滅。厚見はTACHYON結成へと動くこととなる。
尚、本作は'97年に一度CD化されたものの、その後は長らく入手困難な状態にあり、当時再発CDを購入したにも関わらず、それを電車で遺失するというチョンボを犯した身としては、今回のリイシューのニュースを知った時にゃ小躍りしそうになりましたよ。


MAGNUM - Escape From the Shadow Garden - The Valley of Tears ★★★ (2014-06-23 23:22:10)

まさに絶唱と表すべきボブ・カトレイのVo、
曲調を叙情的に色付かせるするマーク・スタンウェイのKey、
そして激シブの泣きのGソロを奏でるトニー・クラーキンと、
MAGNUM三本柱が揃って素晴らしい仕事振りを披露して
本編ラストを壮大に締めくくる名バラードです。


MAGNUM - Escape From the Shadow Garden - Unwritten Sacrifice ★★★ (2014-06-23 23:19:09)

序盤のボブ・カトレイのしわがれ声に不安を覚えるも、
楽曲が熱を帯びて力強く盛り上がる中盤以降は
それすらも凄みへと摩り替わって行きます。
大きな会場で聴いたら、泣きながらコブシ振り上げそうな
ライブ映えする勇壮さを兼ね備えている点も素晴らしい。


MAGNUM - Escape From the Shadow Garden ★★★ (2014-06-22 23:04:03)

『THE ELEVENTH HOUR』を思い起こさせる、ロドニー・マシューズ画伯の手によるジャケット・イラストをフィーチュアして、前作『ON THE THIRTEENTH DAY』から僅か1年のブランクで発表された14thアルバム。
大英帝国の重鎮HRバンドとは思えぬフットワークの軽快さですが、それもこれも現在の彼らが好調の波に乗っているからこそ。訥々と語り掛け、身体の芯までじっくりと浸透して来るような深み/暖かみに溢れた、MAGNUM独特のHRサウンドをもって、英国チャート初登場で第17位にランクインを果たしたという本作の充実度もそれを裏付けています。
方々で指摘されている通り、ボブ・カトレイの声に衰えの兆候が現れ始めているのは隠しようのない事実ですが、この人の声の武器が艶だけでないこともまた周知の事実。例えば沸々と気分を高揚させる力強さに溢れた②なんて、矢折れ力尽き果てても歌い続けようとするかの如き気迫に満ちた、カトレイの熱唱があったればこその名曲っぷりですよ。
マーク・スタンウェイのKeyに導かれてスタートする壮大な①に始まり、トニー・クラーキンの燻し銀の泣きのGをフィーチュアしたバラード⑫にて幕が下りる本編の抜群のクオリティのみならず、日本盤は再結成後の楽曲中心に編纂されたベスト盤付の特別仕様。なんでMAGNUM入門編としてもお勧めできる充実作です。


W.A.S.P. - The Headless Children ★★★ (2014-06-19 23:42:27)

ビジュアル先行の「野獣路線」に行き詰まりを感じていたブラッキー・ローレス(Vo)が、ソングライターとして一皮剥ける切っ掛けともなった、'89年発表の4thアルバム。
彼の特徴的な濁声と、クリス・ホルムズ(G)のワイルド且つメロディックなGプレイを両輪に、W.A.S.P.ならではのキャッチネスを十二分に保持する一方で、本編は過度な装飾が戒められ、代わりにソリッド且つ欧州へヴィ・メタリックなドラマ性が増大。いきなり8分越えの長尺曲で幕の上がる大作主義を掲げて、THE WHO、JETHRO TULLのカヴァーにもトライする等(後者はシングルでリリース)、折からの原点回帰/70年代ブームを追い風とした、威厳溢るる内容に仕上がっています。
そうした作風だからこそ、フランキー・バネリのドラミングや、元URIAH HEEP(当時はBLACKFOOT所属)ケン・ヘンズレーのKeyといった重厚な演奏が違和感なくフィット。特に壮大なOPナンバー①、ロニー期のBLACK SABBATHに通じる③、勇壮さとノリの良さが一体化したアルバムのハイライト④のような名曲が並ぶ、本編前半の充実っぷりは出色です。
次作『THE CRIMSON IDOL』程ドラマティックな出来栄えではありませんが、LAメタル・バンドから本格派HMバンドへと転身を遂げていく、過渡期的な作風が実に魅力的な1枚。


DEMONA - Metal Through The Time - Metal Through The Time ★★★ (2014-06-18 23:05:04)

オールドスクールでスピード・メタリックな楽曲自体の
カッコ良さも然ることながら、やはり聴きモノなのは、
豪華(・・・豪華?)なシンガー達による歌唱リレー。
参加面子はWARDANCEのサンドラ・シューマッハ、
WARRANTのヨルグ・ユラシェク、POLTERGEISTのV.O.パルヴァーに
DESTRUCTORのデイヴ・オーヴァーキル、更に日本からは
SABBATのゲゾル・・・と、「よく集めたなぁ」と感服しきり。
カルトな楽曲をカヴァーするだけでなく、そのバンドのメンバーに
実際に参加を仰いでしまう、タンザ嬢のメタルに賭ける情熱は本物ですよ。


DEMONA - Metal Through The Time ★★ (2014-06-18 22:45:14)

80年代メタルにディープな愛情を注ぐ、チリ出身のメタル・ディーヴァ、タンザ嬢率いるDEMONAの1st。
これまでVECTOM、WARDANCE、IRON ANGELといったマニアックなバンドの楽曲をカヴァーしてきた漢前なセンスの持ち主だけに、本デビュー作に託されているのも、噎せ返りそうになるぐらい濃厚なアングラ・メタル・エキスが注入されたスピード/スラッシュ・サウンド。取り分け聴きモノなのが⑨で、POLTERGEIST、DESTRUCTOR、ドイツのWARRANT、日本のSABBAT・・・と、書いてるだけでクラクラ来る面子のシンガー達が順繰りにリードVoを取っていく、まるでB級メタル版“STARS”といった趣きの名曲です・・・ってスイマセン。ちょっと筆が滑りました。(名曲なのは本当)
勇ましく駆け巡るツインGをお供に、リフとリズムが直線的且つ忙しなく突っ込んで来る収録曲は、80年代独産メタル勢からの影響が特に顕著。その曲調は多く見積もっても2、3パターンしかなく、音質もチープ。お世辞にも万人向けとは言い難い内容なのですが、それでも全身全霊を賭して「メタル大好き!」と主張する本作を嫌うことなんて出来ません。アマチュア臭さは隠しようのないタンザ嬢の歌唱も、それでも一生懸命ドスを効かそうと頑張る姿がいっそ微笑ましく、聴いていると顔が綻んでしまいますね。
まだまだマニア向けの域を出ていませんが、将来的な伸びしろは十分に確認できる1枚です。


GAME OVER - For Humanity - Another Dose of Thrash ★★★ (2014-06-17 22:58:37)

「レッツゴー!」の掛け声と共に威勢良く
駆け出すスピード・メタリックなGリフ、
挑みかかるように荒っぽく歌うVo、
ピロピロ派手に疾走するGソロ・・・と
一発でハート鷲掴みなアルバム屈指の
かっこ良さを誇る名曲です。


GAME OVER - For Humanity ★★★ (2014-06-16 23:46:54)

そのまんまなバンド名や、秒速スラッシュ・ソングも収録する構成等にはNUCLEAR ASSAULTの影がチラつきますが、実のところ音楽性自体にNUCLEAR ASSAULTっぽさは然程でもなく。
硬派に歌うVoにピロピロ縦横無尽に駆け巡るツイン・リードGを乗せて、聴き手を挑発するオラオラ係数高めのGリフと、直線的に突っ走る硬質なリズムとが、ルーツが正統派HMにあることを物語りながら押せ押せに畳み掛けるスラッシュ・サウンドは、初期EXODUSを筆頭に(メンバーがTシャツ着用の)初期ANTHRAX、FORBIDDENといった様々な先輩バンド群からの影響を屈託なく露わにした、実に新世代スラッシャーらしい仕上がり。スラッシュ愛とホラー映画愛を臆面もなく謳い上げた歌詞も、微笑ましいぐらいにそれっぽい。
Gが派手に弾きまくりながらも構築感を失わないイタリアンなメロディ・センス、全編がスピード・ナンバーの固め打ちでありながら、単調にはならない、個々の楽曲を立てる曲作りのアイデアの豊富さ。分けても切っ先鋭く抉り込んでくる⑧のカッコ良さは只事じゃありませんて。
キレに欠ける音作りと「ヘタウマ」とすら言い難いジャケット・アートワークが弱点と言えるかもしれませんが、それすらも次回作以降への成長に対する期待へと転化できる1枚です。


GAME OVER (2014-06-16 23:43:38)

イタリアのフェラーラを拠点に、'08年に結成された新人スラッシュ・メタル・バンド。
'09年に4曲入りデモと、デビューEP『HEAVY DANCE』を制作。更に'12年に1stフル『FOR HUMANITY』を発表すると、アルバムをフォローするためイタリア中をツアー(小規模ながら国外も周った様子)。
そして'14年には、新たにSCARLET RECORDSと契約を交わしたバンドの2ndフル・アルバム『BURST INTO THE QUIET』のリリースが決まっている。


CONDITION CRITICAL - Operational Hazard - Morning Sickness ★★★ (2014-06-14 00:37:36)

少々とっ散らかった印象もありますが、
緊迫感を伴って刻まれるGリフ、
煽りまくるVoとコーラス、
劇的に噴き出すGソロと、
前のめりな勢いがそれをカヴァーして余りあります。


CONDITION CRITICAL - Operational Hazard ★★ (2014-06-12 23:33:16)

公共の場で広げた日にゃドン引きもんの、エド・レプカ謹製『ZOMBIO/死霊のしたたり』チックなゴアゴア・ジャケットを目印に戴く、ニュージャージー出身の若き4人組が'13年に発表した自主制作の1stアルバム。
スラッシーな攻撃性とスピード感の醸成に主眼を置きつつも、引っ掛かり気味に進行するダイナミックな曲展開や、鮮烈に噴き出すメロディックなGソロを、バイオレントな楽曲のアクセントに用いるスラッシュ・サウンドから、「DEMOLITION HAMMER Jr」なるニックネームを頂戴しているという彼ら。他にもMGADETH、VIOLENCE、SEPULTURA、TESTAMENTの名を影響源として挙げており、事実、そうしたバンドからの影響はアルバムの随所に息衝いています。
特に思わず血管が拡張する③④のカッコ良さは格別。目の粗い鑢で削ぎ卸すように刻まれるGリフ、巨大肉食獣が喉を鳴らしているかの如きB、そして猛烈な手数をもって立体的に荒れ狂うDsとが、突っ込み気味に畳み掛ける様には、このバンドの強みがくっきりと焼き付けられていますよ。
一筋縄では行かないヒネリを有しながら、野卑なVoとマッシヴなコーラスが体育会系のノリ易さも演出。「プログレ」とか「インテレクチュアル」的な複雑さ/難解さを殆ど意識させない、肉体派スラッシュな1枚。


CONDITION CRITICAL (2014-06-12 23:30:52)

QUIET RIOTのアルバムからバンド名を取った・・・なんてことは絶対になかろうが、「重体」を意味するバンド名を名乗る、アメリカはニュージャージー州において'11年に結成された若きスラッシュ・メタル・バンド。
GとDsがネット上で知り合い、実際にジャムって手応えを感じたのを切っ掛けにバンド活動がスタート。メンバー・チェンジを繰り返してラインナップを固めた後、'12年に発表した3曲入りデモ『BREAD TO KILL』が各方面で好評を得る。
勢いに乗ったバンドは'13年に自主制作のデビュー作『OPERATION HAZARD』を発表。こちらも高く評価されている。


JOHANSSON - The Johansson Brothers ★★ (2014-06-10 23:56:34)

イェンス&アンダースのヨハンソン・ブラザーズによるプロジェクトが、'94年に発表したデビュー作。
この時期の兄弟はHR/HMとは距離を置いた活動を繰り広げており、本作に託されているのもシンプルでブルージーなHRサウンド。例えばBEACH BOYSのカヴァー⑪が象徴するように、ファンが彼らに期待するようなネオクラ風味は薄めです。
尤も、そのちょい前にイェンスの初ソロ作『飛べない創造物』を期待に胸膨らませて購入し、ロック色皆無のアバンギャルド方面に振り切れた内容に膝から崩れ落ちた身としては、取り敢えずHR/HMのフィールドに留まってくれていただけで、もう万々歳。
特に本作には、兄弟と、彼らの盟友マルセル・ヤコブ(B)がテクニック全開でぶつかり合い、スリリングに火花を散らすインスト曲③⑥⑨や、リーフ・スンディン(元GREAT KING RAT)のエモーショナルな歌声が堪能できる哀愁のバラード⑧、DEEP PURPLE型HRナンバー⑩といったグッと来る逸曲も収録されているので尚更です。
全体的にはブルージーな仕上がりながらも、土の匂い以上に透明感の方が強く印象に残るのは、やはり北欧ミュージシャンの血のなせる業でしょうかね。


HEAVENS GATE - Livin' in Hysteria ★★★ (2014-06-10 00:04:05)

現在は売れっ子プロデューサーとして辣腕を振るうサシャ・ピート(G)も在籍していたドイツの5人組が、'91年に発表した2ndアルバム。
HELLOWEENの『守護神伝』シリーズと並んで、日本におけるジャーマン・メロパワ・メタル人気定着に一役買った記念碑的名盤として知られる本作ですが、一方で、そのサウンドにHELLOWEEN的な大仰な曲展開や、コミカルなノリは控えめ。
せっかくの緊張感をおちゃらけたサビメロで台無しにしてしまうフォロワー・バンド群とは一線を画す、JUDAS PRIESTを筆頭とするブリティッシュHM寄りのソリッドな疾走感と、ドイツのバンドらしい雄々しいメロディとがバランス良くブレンドされた必殺の名曲“LIVIN' IN HYSTERIA”と“GATE OF HEAVEN”の2曲は、HEAVENS GATEというバンドの魅力の結晶にして、ジャーマン・メタル史に燦然と輝く至高の逸品ですよ。
他にも、独産バンドの面目躍如たる重厚感で迫り来る③、スピーディに閃く⑦、ドラマティックなバラード⑪etc・・・と、捨て曲なしの本作が、HEAVENS GATEの最高傑作と評価を受けるのは、当然っちゃあ当然の話ですわな。
次作以降、音楽性を拡散の方向へと舵を切ってしまったことが返す返すも惜しまれますが、逆にこんな凄いアルバム作っちゃったら、後は音楽性を拡散させるぐらいしか次の一手が思い浮かばなかったたんだろうなぁ、とも。


ELEGY - State of Mind ★★★ (2014-06-07 23:22:09)

「VANDENBERG以来の衝撃」との高評価と共に、日本デビューを飾ったダッチ・メタル・バンドの最高傑作と謳われる、'97年発表の4thアルバム。
本作より、当時マニアの間で知る人ぞ知る存在だった実力派シンガー、イアン・パリー(Vo)が加入。前任者との「リーグの違い」(ニール・ショーン的表現)を実証するその歌唱力のレベルは、壮大な序曲①に続く②の冒頭部分における歌声を数秒間耳にしただけでも明らか。
前Voのエドワード・ホーヴィンガも決して下手なシンガーじゃありませんでしたが、パワー/色艶/表現力を兼ね備えたパリーの声を得たことで、従来のテクニカルに駆け巡るQUEENSRYCHE型HMサウンドが一気に垢抜け、よりダイナミックに、よりドラマティックにスケールアップ(クサ味は少々薄れたかな?)。然るべきバンドが、然るべきタイミングで、然るべき人物を加入させた結果成し遂げられた飛躍的成長の跡が、しかと刻まれた名盤に仕上がっています。
ただ一点惜しまれるのは、アルバムのヤマとなるキメ曲の不在で、例えば③や⑤は文句なしで大好きな楽曲なのですが、今にして思えば、ファン以外からも「ELEGYと言えばこの曲!」と認知されるような、強力な代表曲を終ぞ生み出し得なかったことが、このバンドが大ブレイクを果たせぬまま解散してしまった一因にも挙げられるのかなぁ?と、今にして思ったりも。


ULTRA-VIOLENCE - Privilege to Overcome - Ride Across the Storm ★★ (2014-06-06 00:21:11)

インスト“WHEN FUTURE & PAST COLLIDE”も
含めると8分近くに及ぶ大作ナンバーですが、
心持ちメロディアスに歌う(がなる?)Vo、
ブラスト・ビートから劇的にハモる2本のGを
フィーチュアして、テンションを緩めることなく
劇的にドラマティックにクライマックスを
引き締める名曲です。フェードアウトで終わるのが惜しい。


ULTRA-VIOLENCE - Privilege to Overcome - Metal Milizia ★★★ (2014-06-06 00:13:45)

タイトルのみならず、曲調自体も
『KILL 'EM ALL』を発表した頃の
METALLICAを彷彿とさせる、
スラッシュ・・・というよりも
ハードコアなHMナンバー。和めます。


ULTRA-VIOLENCE - Privilege to Overcome - Stigmatized Reality ★★★ (2014-06-06 00:07:03)

タフでストロング。
アルバム中、最もストレートに
スラッシュ・メタルらしさが
打ち出された逸品。
終盤で炸裂する華麗なGソロも
良いアクセントになっています。


ULTRA-VIOLENCE - Privilege to Overcome ★★★ (2014-06-03 22:18:29)

エド・レプカの手によるアートワークが、スタンリー・キューブリックの名作『時計じかけのオレンジ』にバンド名の由来があることを物語る(勿論DEATH ANGELのデビュー作のことも念頭にあったでしょうが)、イタリア出身のスラッシュ・メタル・バンドが'13年に発表した1stアルバム。
ん?METALLICAのカヴァー?と思わされる、“METAL MILITIA”ならぬ“METAL MILIZIA”を含む本編は、エクストリーム・メタルの洗礼を通過した強靭なブルータリティや、重量感溢れるリフ&リズムがブン回されるPANTERAばりのパワー・グルーヴまで貪欲に取り込んで、懐古趣味に溺れないモダンなスラッシュ・メタル・サウンドを展開。
ブラスト・ビートも織り交ぜた攻撃的曲調に、鮮烈なGソロが華を添える高速スラッシュ・ナンバー④があったかと思えば、現MPIRE OF EVILのトニー“デモリション・マン”ドーランをゲストに迎えたへヴィ・チューン⑦があり、B主導でハードコアに突っ走る⑧、まんまデビュー当時のMETALLICA風味の⑪や、ドラマティックな8分越えの大作ナンバー⑬etc・・・と、バラエティ豊かに取り揃えられた本編を聴いていると、時に日本のOUTRAGEのことが脳裏を過ぎったりも。(音楽性が似ているわけじゃないのですが)


ULTRA-VIOLENCE (2014-06-03 22:14:22)

イタリアはトリノ出身で、ロリス・キャスティグリアとアンドレア・ヴェッキオッティのGコンビによって、'09年に結成された非常に若いバンド。
彼の地のインディーズ、PUNISHMENT 18 RECORDSとディールを交わし、'12年に5曲入りEP『WILDCRASH』を発表してデビュー。
更に、アートワークに売れっ子エド・レプカを起用、バンドのルーツを示すかのような『時計じかけのオレンジ』風イラストをフィーチュアして'13年に発表された1stフル『PRIVILEGE OVERCOME』は、ここ日本でも雑誌等で高く評価され、輸入盤が好セールスを記録したという。


Distraught - The Human Negligence is Repugnant - Justice Done by Betrayers ★★★ (2014-05-31 01:15:50)

勇壮にハモるツインGをバックに
テンポダウンして展開される
エピカルなサビメロに血が滾る
アルバム屈指の名曲。


Distraught - The Human Negligence is Repugnant ★★ (2014-05-28 22:58:42)

'12年発表の5thアルバム。
重心位置を低めに設定して、図太いリフ&リズムが、疾走感よりも破壊力重視でブッ込んでくる、モダンな感覚と重量感溢れるスラッシュ・メタル・・・という、前作『UNNATURL DISPLAY OF ART』の路線はそのままに、例えば本編最速のスピード・ナンバー⑤が象徴するように、今回は全体的に「忙しのない疾走感」が3割増し。風通しが良くなった分、湿度と粘度の軽減された音作りの効果が相俟って、これまで以上にオールドスクールなテイストが増強された仕上がりです。
ますます煽情的なメロディを奏でるようになったツインGも、OPナンバー①から早くもその存在感と威力を全開。パワー・メタリックな⑥、そして前作収録の名曲(HIBRIAのディエゴ・カスパルが提供した)“HELLUCINATIONS”を彷彿とさせる③は、その劇的且つ勇壮さから本作のハイライトと評すべき逸品。
残念ながら国内盤は出そうにありませんが、取っ付き易さでは前作を大きく上回り、DISLOUGHT入門盤に打ってつけの1枚ではないでしょうか。(っても、3rd以前の作品は勉強不足で聴いたことがないのですが・・・)


Distraught - Unnatural Display of Art - Hellucinations ★★★ (2014-05-27 23:05:12)

殺気ダダ漏れのブルータルなデスラッシュ・ナンバーですが、
2本のGが雄々しくハモる2ndヴァースは
ちょっとHIBRIAっぽくもあり、
「流石ディエゴ・カスペル提供曲」と思わせてくれます。


Distraught - Unnatural Display of Art ★★ (2014-05-26 23:57:59)

ベテラン・ブラジリアン・スラッシャーの日本デビュー作となった、'09年発表の4thアルバム。
歪んだ音作りと、粘着質な咆哮、重量感を伴って刻まれるリフ&リズム、そしてソロ・パートにおいて情熱的なメロディを叩き込んで来るツインGとが、立ち塞がるもの全てを撥ね飛ばして突き進むような骨太サウンドは、南米肉食系スラッシュ・メタルの面目躍如。
前のめりな疾走感より、重心位置を低く据えたへヴィネスを、懐古趣味よりモダンで先鋭的な感覚を・・・といった具合に、今を生きる現役バンドとしての気概を全編に亘って迸らせつつも、ノー・ギミック、ノー・フェイクなセメント・スタイルからも明らかな通り、彼らの根本にあるのは80年代スラッシュ・メタル。
特に、HIBRIAのディエゴ・カスパルが作曲及びゲストGとして参加している④は、(他の収録曲とは少々異なるパワー・メタリックな感触ながらも)血沸き肉踊る勇壮な名曲として存在感を主張しています。


Distraught (2014-05-26 23:56:37)

ブラジルはリオグランデ・ド・スル州の州都、ポルト・アレグレ出身で、結成は'90年まで遡る古株スラッシャー。(当初はデス・メタルをプレイしていたようだが)
90年代前半はメンバー・チェンジ、スプリットEPやデモテープ制作で腕を磨き、'98年に自主制作の1st『NERVOUS SYSTEM』でデビュー。
'01年に2nd『INFINITE ABYSSAL』、'04年に3rd『BEHIND THE VEIL』をコンスタントに発表。'07年にはWACKEN OPEN AIR METAL BATTLEに出場して第2位の成績を残す。
'08年、NWOTMの盛り上がりに乗って(?)4th『UNNATURAL DISPLAY OF ART』で日本デビュー。'12年には5th『THE HUMAN NEGLIGENCE IS REPUGNANT』を発表。同作は日本盤のリリースこそ叶わなかったものの、相変わらず強力なスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっていた。


筋肉少女帯 - 公式セルフカバーベスト 4半世紀 ★★★ (2014-05-24 01:10:14)

セルフ・カヴァー盤の類は、余程ドラスティックな編成替えのあったバンドぐらいしか手を出さない方針なのですが、結成25周年を記念して発表された本作は買って正解でした。
無論、リレコ・バージョンがオリジナルを上回るようなことはなく。衝動性や焦燥感といった、若さ故に生み出し得た要素はどうしたって薄まっているのですが、他方、歳月を経たからこそ醸し出せる表現力の深み/ワビサビに関しては、顕著な進化の跡が刻まれています。
アレンジがよりメロディアスに、へヴィ・メタリックにストレッチされている点も好印象を促進する大きな要因で、中でも特筆すべきは、正式メンバー顔負けの仕事っぷりで、唯一無二の大槻ケンヂのVo、構築美に富む橘高文彦のテクニカルなGに次ぐ、「第三の男」として見せ場を攫う三柴理(Key)の存在。新曲①②で披露する流麗な指捌き(尚①でタイコ叩いているのは太田明)、奔流の如き荒れ狂う⑩の速弾き、そして代表曲として知られる④⑨では、オリジナルVerにはない華麗なるソロを展開・・・と、リリカルに、豪快に、楽曲内を縦横無尽に駆け巡る三柴のドラマティックなピアノ演奏は、自分のようなピアノ信者でなくとも胸を打たれること必至かと。
名曲“機械”(語りパートが削られているのは残念)や“再殺部隊”も収録されているので、HR/HMファン向け入門盤としても使える1枚、かも。


PITIFUL REIGN - Visual Violence ★★★ (2014-05-21 22:38:33)

間違いなく80年代より今の方が忙しい(と思われる)、エド・レプカ画伯のイラストをジャケットに戴いて、イギリス出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが'09年に発表した2ndアルバム。
英国出といっても、湿ったへヴィネスや構築美といった要素はあんまし感じられず、例えば7分以上ある⑤のような大作曲にしても、ドラマティックな印象は薄め。寧ろ、歯切れ良く歌詞を投げ付けて来るVo、乾いた音色で溌剌と刻みまくるリフとリズムによって形成される、シンプルでスポーティ、フラストレーションをスピードに転化して叩き付ける攻撃性なスタイルではなく、陰に篭らずワーッと騒いで汗かいて発散しよう!ってな体育会系なノリの良さが身上のスラッシュ・サウンド(?)は、欧州よりもANTHRAX等のUS産スラッシャー勢に通じるモノあり。(もしくは昨今話題のLOST SOCIETYとか)
そんなわけでスピードは然程でもないのですが、片時も休むことなく動き回って楽曲を硬質に引き締めるBを筆頭に、メンバーの演奏にキレがあるので体感速度は実際以上に速く感じられます。それに何より、聴いてるだけで身体が動き出すリフ&リズムの組み立てや、思わず一緒に叫びたくなるコーラス・パート等、キャッチーな曲作りの上手さもなかなかのモノ。
飛び抜けた名曲は見当たりませんが、良質の炭酸飲料のようにスカッとハジけて後味爽快な1枚。


PITIFUL REIGN (2014-05-21 22:35:55)

英国はキングストン・アポン・ハル出身で、前身はMETALEGIONなるトリオ・バンドだったが、ジョシュ・キャリス・スミス(Vo、G)、マット・ウォーカー(B)らによって4人編成のPITFUL REIGNとして再編され、'05年にEP『24 LITRE KILLER』でデビュー。
'06年に1st『TOXIC CHOKE』を発表した後、ジョシュがVoに専念するべくツインGを擁する5人組へとメンバー・チェンジを行い、その編成で'07年にEP『D.I.V.E.』を、'08年に2nd『VISUAL VIOLENCE』を発表。
しかしながら'11年、オリジナル・メンバーの脱退により解散の憂き目にあっている。


Monarch - Monarch - Sunday Morning ★★★ (2014-05-19 23:44:03)

「あれ?確か月9ドラマの主題歌に起用されて
大ヒットになってたよね?」と思わされる、
分厚いハーモニーに包まれたサビメロが
高いヒット・ポテンシャルを放つ逸品。
一瞬、全盛期の浜田省吾のことを思い出したりも。


BLOOD TSUNAMI - For Faen! - The Rape of Nanking ★★★ (2014-05-18 22:51:29)

歌詞に対する反応は人それぞれでしょうが、
テーマを反映したかのような
殺伐とした禍々しさ渦巻くGリフのカッコ良さには
スラッシュ好きとしてハートを奪われざるを得ません。