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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3501-3600

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3501-3600

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FORTUNE(AMERICA) - Storyline... - Latin Thing ★★★ (2013-05-31 23:58:12)

インスト曲、しかもタイトルから分かる通り
ラテン調・・・と、2ndアルバムの音楽性の
拡散振りを如実に伝える楽曲ですが、
これがなかなか侮れたものではない・・・
というか、優れたメロディ/アレンジ・センスと
ラテン風味のマッチングが抜群で、
アルバムでも1、2を争う名曲に仕上がっていますですよ。


FORTUNE(BOSTON) - Storyline... - One Bridge I Should Burn ★★★ (2013-05-31 23:55:09)

音楽性を拡散させた2ndアルバムの中にあって
最もデビュー作の作風を色濃く受け継いだ
アメリカン・メロディアスHRナンバー。
楽曲に引っ掛かりを生み出すだけでなく
叙情性も増幅するKeyが良い仕事しています。


FORTUNE(AMERICA) - Fortune - Two Haves of a Heart ★★★ (2013-05-30 23:04:13)

各楽器の見せ場と起伏に富んだ曲展開を盛り込んで
アルバムのクライマックスをドラマティックに飾る名曲。
アルバム中、最もプログレ・ハード色が感じられる楽曲で
中間部でテンポ・アップする部分のカッコ良さは出色です。


FORTUNE(AMERICA) - Fortune - Never Felt So in Love ★★★ (2013-05-30 22:59:00)

叙情メロディを熱く歌い上げるVo、
時に劇的にハモリつつ哀愁に満ちた
メロディを奏でるツインGも良いのですが、
この曲で最も良い仕事しているのは
流麗且つ華やかに全編を彩るKeyではないでしょうか。


FORTUNE(BOSTON) - Fortune - Only You ★★★ (2013-05-30 22:55:32)

楽曲自体、哀愁を帯びたバラードとして
優れた出来栄えなのですが、更にそれを
数段上のレベルに引き上げているのが
Voの歌いっぷりの良さ。
デイヴ・メニケッティが引き合いに出される
情熱的な歌唱が、楽曲に哀愁だけでなく
ダイナミズムも付与してくれています。


220VOLT - 220 Volt - Child of the Night ★★ (2013-05-29 22:32:58)

3分弱のタイトなランニング・タイムの中を
エッジの立ったGリフ主導でアグレッシブに
突っ走る様は、NWOBHMからの影響を強く伺わせます。
疾走するツイン・リードGの劇的に☆二つ。


220VOLT - 220 Volt - Prisoner of War ★★ (2013-05-29 22:27:34)

シンプル且つ荒々しくギャロップするHMナンバー。
デビュー・シングルとしてリリースするや
なぜか海を越えたアメリカのラジオ局で人気を博し
結果的に、バンドにメジャー・レーベルCBSとの
契約をもたらした220VOLTの代表曲の一つ。


220VOLT - 220 Volt - Woman in White ★★★ (2013-05-29 22:21:38)

RIOTの“WARRIOR”を彷彿とさせるイントロで
いきなりテンションMAX。非力な歌が入ってきて
ズッコケますが、その彼が拾う歌メロは十分魅力的ですし、
疾走しても透明感を失わないメロディ、哀愁を帯びて
乱舞するツインGの旨みには、北欧メタル・バンドとしての
220VOLTの魅力が凝縮されています。


220VOLT - 220 Volt - Nightwinds ★★★ (2013-05-29 22:13:27)

どこか素っ頓狂な女性Voと、パワー不足の
男性Voのデュエットは不安定極まりないですが
彼らが歌う憂いを帯びたメロディ、
それに陰気且つ劇的な2本のGの泣きっぷりは
それらをカバーして余りあるほどに魅力的。


220VOLT - 220 Volt ★★★ (2013-05-28 22:08:41)

'83年発表の1st。かつて本作を購入しに店へ足を運んだ際、何をトチ狂ったのか「220ワットのアルバムありませんか」と電球感覚で店員に尋ねてしまい、いらん恥をかいたことでも思い出深い1枚であります。
前面に押し立てられたツインGが奏でる、陰りを湛えた美旋律/叙情メロディとがてんこ盛りに盛られたサウンドは、「ザ・北欧メタル」な魅力を判り易く体現する一方で、安普請な四畳半プロダクションと、肺に穴が開いててそこから空気が漏れてんじゃねえの?と思ってしまうぐらいパワー不足なVoの存在がネックとなり、どうにも垢抜けない雰囲気によって作品全体が覆われています。
尤も、こうした頼りなさが、良くも悪くも本作の「北欧メタルっぽさ」を底上げしている感もあるので、個人的には大してマイナス・ポイントとは思っていないのですが・・・。
特に、全編に亘って胸に沁みる泣きメロと叙情フレーズをぶっ込んで来るツインGは、そうした部分を十全にカバーする素晴しさを発揮。女性Voとデュエットを聴かせる陰気な泣きのバラード④や、RIOTの“WARRIOR”ばりに疾走する⑨は、アルバムのハイライトにして初期220VOLTの魅力が凝縮された名曲。
飽くまでジャンル・ファン向けの内容ですが、だからこそ、ジャンル・ファンなら必聴の1枚ではないかと思うわけです。


FORTUNE(AMERICA) - Storyline... ★★ (2013-05-27 07:08:43)

デビュー作を高く評価してくれた日本のHR/HMファンに対する特別の感謝が捧げられたブックレットを読んだだけで応援したくなる(もう解散してしまいましたが)、ボストンのFORTUNEが'96年に発表した2ndアルバム。
前作はプログレ・ハード風味も飲み込んだ都会派AOR/産業ロック路線の力作でしたが、今回はシンプルな音作りの下、グルーヴィなノリが増強。ラテン・ミュージックの影響が伺えるインスト曲から、果てはレゲエ調の楽曲まで、多彩というか節操なくというか、ともかく様々なタイプの楽曲が盛り込まれた本編を聴くと、90年代という時代と格闘するバンドの試行錯誤する姿が浮かび上がってくるかのようです。
正直、かなり迷いの感じられる作風ではありますが、相変わらず「優れたメロディ・センス」「非凡なアレンジ術」「美しいハーモニー」が作品にビシッと筋を通しているので、散漫さや退屈を感じる場面は少なく、特に1stの作風を最も忠実に受け継いだOPナンバー①、ブルージーな哀愁漂う③、プログレ・ハード風味が一際強く感じられる⑨といった、流麗なKeyが楽曲に強力な引っ掛かりを演出する名曲は素晴しい出来栄え。
デビュー作の完成度には及ばないまでも、これを最後に解散してしまったが惜しまれる内容であることは間違いありません。


FORTUNE(BOSTON) - Fortune ★★★ (2013-05-25 22:53:37)

スウェーデンのFORTUNEでも、LAのFORTUNEでもなく、本作はボストンはマサチューセッツ出身のツインG、Key奏者を擁する6人組のFORTUNEが'93年に発表した自主制作の1stアルバム。
都会的な洗練と哀愁、それに透明感を宿したサウンドは、ボーカル・ハーモニーやシンセをふんだんに取り入れたポップなメロディアスHR路線を志向しつつも、押し出しの強いハイトーンVoと、重厚なツインG、そして時にソロを取ってプログレ調の味付けもこなすKeyの存在が、良い具合に本編にメリハリも演出。
特に、ダイナミックな熱唱を響かせるVoと流麗に閃くKeyとがエモーショナルな盛り上がりを演出する③⑤、ドラマティックな曲展開がプログレ的な雰囲気を醸し出す⑨辺りは、このバンドの真骨頂を伝えてくれる名曲として、アルバムにおいて個人的に特にお気に入りのナンバー。
自主制作盤ゆえプロダクションはそれなりですが(酷いわけではない)、メンバーのスキルの高さ、収録楽曲のクオリティ、アレンジメントの技の冴え等、デビュー作にして既に非凡な才能が提示されている1枚です。


FORTUNE(L.A) - Fortune ★★★ (2013-05-23 21:58:35)

HARLAN CAGE等の活動を通して、日本のメロディアスHRファンから篤い信頼を得る哀メロ職人、L.A.グリーン(Key)とロジャー・スコット・クレイグ(Vo)のコンビが在籍していた事でも知られるバンドが'85年にリリースした、最初で最後のフル・アルバム。(国内盤の邦題は『聖未来』だったか)
グリーンとロジャーがメイン・ソングライターを務めているため、音楽性はHARLAN CAGEのそれと同一線上にある、歌心に溢れたVoと、ツボを押さえたGが紡ぎ出す洗練された泣きメロに、分厚いボーカル・ハーモニー、そしてキャッチーなKeyをたっぷりフィーチュアした美しき産業ロック・サウンド。
但し「HARLAN CAGEのアルバムだってここまで楽曲は粒揃いじゃなかったぞ!」というぐらい収録曲の平均レベルはバカ高く、取り分け、BON JOVIの名曲“RUNAWAY"を思わせるKeyのイントロ・リフだけで「掴みはOK」となる①、プログレ・ハード的な壮麗さを纏った、ドラマティックなアルバムのハイライト・ナンバー②、スマッシュ・ヒットを記録した、サックスの調べも印象的に残る甘やかなバラード③という、冒頭の名曲3連打は圧巻です。
本編後半も、メロメロに泣きまくる胸キュンもののバラード⑧、PRAYNG MANTISにも通じる哀メロが華麗に舞う⑨といった楽曲を山場に、名曲・佳曲が目白押しで、最後まで一時たりともテンションが下がることはありません。
長らく再発がかからずに、マニアの間で幻の名盤とされていた本作ですが、'04年に「リリース20周年」を記念して、未発表のライブ音源3曲を追加収録したリマスター盤が目出度く再発。また廃盤になってしまう前に是非とも購入して家宝にして頂きたい1枚です。


FORTUNE(L.A) (2013-05-23 21:53:52)

80年代初頭、ミック(Ds)&リチャード(G)のフォーチュン兄弟がLAにて結成。
名うてのメロディ・メイカーとして知られたL.A.グリーン(Key)とロジャー・スコット・クレイグ(Vo)が合流してラインナップが完成すると、プロデューサーにケヴィン・ビーミッシュを迎えてレコーディングした、1stアルバム『FORTUNE』をMCA傘下のCAMEL RECORDSよりリリースしてデビュー。('85年)
シングル・カットされたバラード“STACY"がヒットを飛ばすものの、アルバム自体の売り上げは然程伸びず(プロモーション不足が原因とも言われる)、バンドはアルバム1枚のみで解散してしまう。
その後、L.A.とロジャーはCM音楽や映画のサウンド・トラック等を手がける職業ライターとして活躍しつつ、'90年代後半からはメロディアスHRプロジェクトHARLAN CAGEを始動。FORTUNE時代を彷彿とさせる泣きメロ満載の産業ロック・サウンドをもって、日本のメロディ愛好家達の厚い信頼を勝ち得た事はよく知られた話。

最近、まったくと言っていいほどその名前を聞きませんが、新作はまだですか?


FIONA - Beyond The Pale ★★ (2013-05-22 22:56:42)

いよいよボー・ヒルがレコーディング・プロセスに全面的に関わって作り上げられた、'86年発表の2ndアルバム。(キップ・ウィンガー、レブ・ビーチらも参加)
HR色は一気に後退しましたが、角の取れたモダンなプロダクション、踊りやすく(ノリやすく)ビート感が強調された楽曲等、サウンドは格段に洗練され、歌だけでなく作曲作業にも積極的にタッチし始めたフィオナ嬢のパフォーマンスからもメジャー・アーティスト然とした成熟が感じられるようになりました。
ただその反面、万人受けする歌メロを無難になぞってる印象も無きにしも非ずで、デビュー作でこちらの胸を打ったひたむきさというか、思わず保護欲をそそられる「ギリギリまで力を振り絞っている感じ」が薄れてしまっている点は痛し痒し。
まぁそうは言っても、フックの効いたメロディを盛り込んだ⑥や、高いヒット・ポテンシャルを備えたバラード⑧みたいな楽曲の出来栄えとかは流石なんですが。
あと本作の大きな問題点として挙げておきたいのは、(伊藤政則氏も指摘している通り)裏ジャケの写真こそフロント・カバーに相応しかったのではなかろうか?!ということでしょう。


VICIOUS RUMORS - Electric Punishment ★★ (2013-05-21 23:09:19)

前作『RAZORBACK KILLERS』で目覚しい活躍を聴かせた日系三世のギタリスト、キヨシ・モーガンが脱退。後任にVICIOUS RUMORSの一員として来日経験もあるセーン・ラスムッセンが出戻ってレコーディング、'13年に発表された11thアルバム。
パワー漲る楽曲の数々が、バンドの現在の充実っぷりを余すところなく伝えてくれる本作は、スピード・ナンバー2連発に始まり、3曲目にはドスの効いたヘヴィ・チューンを配置した序盤の構成が物語る通り、傑作だった『RAZORBACK~』の作風を順当に受け継ぐ一方、メンバー・チェンジの影響なのかどうか、前作で楽曲のフックとなっていたドラマティックなツインGのハーモニーは減量。またブライアン・アレン(Vo)の歌うメロディも、雄々しさよりも直線的なアグレッションの強調に重きが置かれている印象が無きにしも非ず。併せて、KISS辺りが演りそうな明朗なメタル・アンセム⑥みたいな異色曲を聴くと、奥村裕司氏が解説文で「一体今のVRに何が起きているのか?」と戸惑いを隠せないのも無理からぬことかなぁ、と。
ファンとしては、パンパンにVRらしさが詰まった筋骨隆々な疾走ナンバー②や、劇的なパワー・バラード⑤といった名曲が聴けただけでもう大満足なのですが、でもまぁ、とりあえずVR未体験者には前作『RAZORBACK KILLERS』を先に聴くことをお薦めする次第。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - Shadow Town ★★★ (2013-05-19 21:52:03)

気分が高揚させてくれるポジティブな
エネルギーに満ちた、MAGNUM印の名曲。
トニー・クラーキンの印象的なGソロと共に、
聴いているとアガってくるハリー・ジェイムズの
ドラミングが地味に良い仕事しています。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - So Let It Rain ★★★ (2013-05-19 21:46:42)

親しみ易いポップな曲調であっても
聴いていると思わず背筋を正したくなる
凛とした気品が漂ってくるのは
MAGNUM第三の男たるマーク・スタンウェイの
Keyの貢献が大。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - Blood Red Laughter ★★★ (2013-05-19 21:44:09)

まさしくブリティッシュな湿り気と重厚感が漂って来る楽曲。
国内盤にはボートラとして本曲のアコースティック・バージョンも
収録されていますが、メロディの質が高いので
どっちのバージョンでも魅力が削がれていることがありません。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - All the Dreamers ★★★ (2013-05-19 21:39:15)

7分のランニング・タイムの中に
威厳、スケール感、人間的暖かみ等
「大英帝国の至宝」たるMAGNUMの魅力が
ぎゅっと凝縮されたOPナンバー。


MAGNUM - On the Thirteenth Day ★★★ (2013-05-18 00:38:28)

久し振りに国内盤のリリースが実現した'13年発表の16thアルバム。アートワークは勿論ロドニー・マシューズが手掛けていますが、何かちょこっとテイストが異なるような?
ここ数作の流儀に則り、初期作の如きファンタジックな色合いを抑えた作風は派手さも控えめですが、トニー・クラーキン(G)が匠の業でクリエイトする楽曲の数々は、さり気ない所作から大英帝国の威厳や格式が匂い立ち、例えアレンジや曲展開を大袈裟に盛らずとも既に十二分にドラマティック。
MAGNUM印の荘厳さとスケール感を併せ持つ①②、王宮でダンスのステップを踏むが如き③、アタッキーなリズムが映える④、聴き手を勇気付けるような高揚感に満ちた⑤⑦、重厚なバラード⑧、雄々しくエピカルな⑪等、ボブ・カトレイの深い包容力を湛えた歌声によって綴られる本編は、(彼の歌声同様に)火傷しそうな熱さではなく、体を芯からじんわりと活性化させてくれるような遠赤外線ヒーターの如き暖かみに満ち溢れています。(勿論、気品を備えたマーク・スタンウェイのKeyプレイも貢献度大)
一方で、MAGNUM史上随一のヘヴィネスを誇る⑥のような新味も感じさせる楽曲を投入することも忘れない、ベテランらしい安定感と現役バンドとしての気概とが渾然一体となった充実作。早くも今年のベスト1候補ですよ、これ。


MASTEDON - III - Nowhere Without Your Love ★★★ (2013-05-16 22:06:50)

イングヴェイでお馴染みの、アルビノーニのアダージョを
用いた物悲しげなイントロから一転、BOSTONばりに
大陸的な雄大さを感じさせてくれる曲調が
アメリカン・プログレ・ハード然とした魅力を発散する名曲。


MASTEDON - III - One Day Down by the Lake (See Your Real Soon) ★★★ (2013-05-16 21:24:52)

ポップな歌メロ、綿密なアレンジと壮大な曲展開、
哀愁を帯びたGに壮麗なハーモニーとKeyの競演が
10分以上の長尺をまるで長いとは感じさせない名曲。
ジョン・エレファンテ在籍時代のKANSASだって
ここまでド直球なプログレ路線の楽曲は
演っていなかったような・・・。
ケリー・リヴグレンから相当なインプットがあったのでは?
と推察されます。


MASTEDON - III ★★★ (2013-05-15 23:04:10)

結成から25周年を記念して久々に発表された3rdアルバム。
勿論、プロジェクトの中核を為すのはジョン&ディノのエレファンテ兄弟です。相変わらず「象」押しのジャケット(エレファンテとエレファントを掛けてるんだよね?)といい、3枚目だから『③』と付けられたシンプルなタイトルといい、従来の作風を受け継ぐ気満々なのが伝わって来る本作は、事実、どっしりとしたリズムの上を叙情味豊かな歌メロと重厚なハーモニーが舞う①、Keyがエキゾチックなフレーズでアクセントを加える②、そしてBOSTONの名曲“MORE THAN FEELING”を彷彿とさせる壮大な③・・・といった具合に、開巻早々からMASTEDONならではの優美な魅力を備えた楽曲が目白押し。
ジョンのKANSAS時代の僚友ケリー・リヴグレン(G)が全面参加しているためか、前2作を大きく上回るプログレ・ハード・テイストが注入されているのも特徴で、その最大の成果こそがアルバムのハイライト・ナンバー④。ポップな歌メロから劇的な曲展開、Keyの用い方に至るまで、確信的にKANSASサウンドの再現が試みられているこの名曲を聴くためだけにでも、本作は購入する価値ありと認む。(後半には“すべては風の中に”のカヴァーも収録されています)
国内盤の入手も容易ですので、MASTEDON入門編としてもお薦めできる1枚。


MASTEDON - Lofcaudio - It Is Done ★★★ (2013-05-14 23:10:52)

ジョン・エレファンテ在籍時代のKANSASの
アルバムに収められていても違和感のなさそうな名バラード。
Voのエモーショナルな歌声と、メロディから滲み出す
哀愁が涙腺に沁みるったらないですよ。


MASTEDON - Lofcaudio - Holiest One ★★★ (2013-05-14 23:07:06)

眩いKeyとテクニカルなGの掛け合いを
フィーチュアしつつハードに疾走する
アルバムのOPに打ってつけの名曲。
眩いKeyと重厚なハーモニーにくるまれた
華麗にしてキャッチーなサビメロが
思わず一緒に歌いたくなる素晴しさ。


MASTEDON - Lofcaudio ★★★ (2013-05-13 23:03:02)

エレファンテ兄弟自らが主宰するPAKADEM RECORDSから'90年に発表された2ndアルバム。
複数のリード・シンガーの起用や、豪華なセッション・ミュージシャンの参加を仰いでいる点等は前作と同様ながら、今回は、アルバムの方向性が絞り切れていない印象もあったデビュー作の反省を生かして、Keyのフィーチュア度を高め、より優美なメロハー路線を徹底。併せて、楽曲を彩るメロディの哀愁やフック、それにハーモニーの強化も図られており、個人的にはキラキラのKeyを纏って軽やかに疾駆するOPナンバー“HOLIEST ONE”が始まった途端、「はいはい、俺の負け俺の負け」と両手を挙げて降参したくなりました。
ジョン・エレファンテ在籍時代のKANSASを思わせるプログレ・ハード調のアレンジや曲展開が端々で顔を覗かせているのも本作の特色で、ことにインスト“STAMPIDE”から次曲“LIVING FOR YOU”へと繋がっていく流れは、ドラマティックでありながら、仰々しさよりも華麗さ、親しみ易さといった要素が勝っている辺りが正しくKANSAS。
他にも、コマーシャルに疾走するハードポップ“WHEN ALL COMES DOWN”から、強い哀愁を発散してエンディングを締め括るバラード“IT IS DONE”まで優れた楽曲がズラリ取り揃えられ、MASTEDONの代表作としての評価も確立している(METALLION誌のメロディアスHR特集号にも選出されていました)本作ですが、現状、彼らのカタログの中では最も入手困難な作品というのが残念至極。


MASTEDON - It's a Jungle Out There! - Right Hand ★★★ (2013-05-12 23:51:54)

スケールの大きなラスト・ナンバーで、
ジョン・エレファンテが背負った
「元KANSAS」の肩書きに対する期待に
見事に応えたプログレ・ハード風味漂う名曲。


MASTEDON - It's a Jungle Out There! - Shine On ★★★ (2013-05-12 23:49:08)

美しいメロディと透き通るようなコーラスが
いかにもクリスチャン・メタル的な
神々しい雰囲気を漂わす美麗なバラード。


MASTEDON - It's a Jungle Out There! ★★ (2013-05-11 23:29:25)

ジョン(Vo)とディノ(G)のエレファンテ兄弟が立ち上げたスタジオ・プロジェクトが、'89年にREGENCY RECORDSから発表したデビュー作。
プログレ・ハード調のアレンジも顔を覗かせる2nd『LOFCAUDIO』を先に聴いてから、遡ってこのアルバムを購入したせいか、CDを再生したらいきなり飛び出すハードなGサウンドとシャガレ声のVoに「あれっ、MASTEDONの1stを買ったつもりだったけど間違えたか?」と、焦って歌詞カードを確認してしまいましたよ。サビまで聴き進めると漸く美しいコーラスが登場して「ああ、良かった、MASTEDONだ」となるのですが、このガッツリとロックしているOPナンバーの存在が表している通り、2ndや3rdと比較すると本作はプログレ色が控えめ。
それでも、エレファンテ兄弟を始め参加ミュージシャン達の余裕綽々のパフォーマンスに支えられたメロディアスHRサウンドは、フッキーなメロディ、美しいハーモニーと優雅なアレンジとに彩られ、そこにはデビュー作に付き纏いがちなチープさや荒削りな感覚などは殆ど見当たりません。
コンピ盤『CLIFORNIA METAL Ⅱ』にも提供された“GET UP”や、デヴィッド・パック(AMBROSIA)の伸びやかな歌声が映えるクリスチャン・バラード“SHINE ON”、舞い上がっていくような高揚感に満ちた“RIGHT HAND”といった、メロディ愛好家のハートに猛烈に訴えかけて来るサムシングを宿した名曲を多数収録する好盤。


MASTEDON (2013-05-11 23:28:35)

MASTODONではなくMASTEDON。
KANSAS脱退後は、クリスチャン・メタル・シーンでセッション/プロデュース業に精を出していたジョン・エレファンテが、実兄のディノ・エレファンテと共に立ち上げたスタジオ・プロジェクト。
コンピ盤『CALIFORNIA METAL』シリーズに楽曲を提供した後、'89年にREGENCY RECORDSから1st『IT'S A JUNGLE OUT THERE!』を発表してデビュー。
同作に対するレコード会社の仕事振りに不満を感じたエレファンテ兄弟は、自らPAKADEM RECORDSを立ち上げると、'90年には2nd『LOFCAUDIO』をそこからリリース。
以降はアメリカの音楽シーンの変化もあって活動がフッツリと途絶えるも、'09年、デビュー20周年を記念して3rd『3』(そのまんまですな)を制作、FRONTIER RECORDSから発表した。


DGM - Momentum - Repay ★★★ (2013-05-09 21:38:00)

DGMのメロディ・センスの良さが発揮された
物悲しい叙情ナンバー。この手の歌を唄わせると
Voの実力の高さがハッキリと伝わりますね。
憂いを帯びたメロディを流麗に奏でる
Keyも楽曲の要です。


DGM - Momentum - Universe ★★★ (2013-05-09 21:33:26)

テクニカルなプログレ・メタル風味と
明快且つドラマティックな
シンフォニック・パワー・メタル風味とが
バランス良く組み合わされた、
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。


DGM - Momentum - Reason ★★★ (2013-05-09 21:28:21)

テクニカル&スピーディ、
それでいてランニング・タイムはタイトと、
2ndの頃のSYMPHONY Xを思わすOPナンバー。
だからなのか、ゲストVoとして
ラッセル・アレンが参加しています。


DGM - Momentum ★★★ (2013-05-08 22:42:54)

オリジナル・メンバーが1人も残っていないほど(何せ現在バンドを仕切ってるのは前作から加入したギタリストなんだから)頻繁にメンバー・チェンジを繰り返しているにも関わらず、デビュー当時より全く音楽性をブレさせることなく、一貫してテクニカルでドラマティックなプログレHMサウンドを追及し続ける稀有なバンド、イタリアのDGMが'13年に発表した8thアルバム。
その姿勢は、前作で垣間見せたモダンな要素が一掃され、代わって嘗てないレベルでピュアなパワー・メタル・テイストが大増量された本作においても勿論健在。4年のブランクの間、メンバー・チェンジもなしに(!)ツアーやフェス出演を重ねることで積み上げられた経験値は、「強靭さ」となって確実にサウンドに反映されています。
凄まじい音数を詰め込んで荒れ狂うGとKey、独産メロパワ・メタルばりに駆け抜けるリズム隊、それに楽器陣に負けぬパワフルな歌いっぷりを披露するVoとが、三次元的に絡み合い火花を散らす劇的な①③等はその好例。
個人的には、如何にもイタリアンなロマンティクなメロディ使いに耳奪われる⑥、Keyが優美なアクセントを加え、アルバムのフィナーレ曲に相応しいドラマを演出するメドレー形式の⑩⑪といった、パワー感を増しつつメロディのフック構築にも手抜かりがない、このバンドの美点がしかと表現されている楽曲群がお気に入り。


GIUFFRIA - Giuffria - Turn Me on ★★★ (2013-05-07 23:38:11)

アルバム自体はJOURNEYなんかを引き合いに出して
語られがちですが、この疾走ナンバーに関しては
立派なHMっぷり。クレイグ・ゴールディのGと
がっぷり四つに組む、グレッグ・ジェフリアの
華やかにして攻めの姿勢を感じさせるKeyプレイが
聴きモノです。


GIUFFRIA - Giuffria ★★ (2013-05-06 22:50:15)

元ANGELのグレッグ・ジェフリア(Key)が、後にDIOに参加するクレイグ・ゴールディ(G)らと共に結成したイケメン・バンドが、'85年に発表した1stアルバム。
宇宙企画のAVのタイトルみたいな邦題(『美伝説』)が付けられていますが、本編はそこからイメージされるような美旋律や耽美性のフィーチュア度は然程高くなく、むしろ豪快なノリの良さを伴ったスケールの大きなアメリカン・ロックがその持ち味。Key奏者が曲作りのイニシアチブを握っていると聞くと何となくポップな作風を想起しますが、実際は、グレッグ・ジェフリアの派手なKey、クドイぐらいエネルギッシュなデヴィッド・グレン・エインズレーの歌声や、重厚な音作りの効果とが相俟って、そのサウンドは十分にハード且つダイナミック。
個人的にはHOUSE OF LORDSの音楽性の方が好みに近いのですが、EL&Pばりのファンファーレで幕開けを飾るOPナンバー①や、スマッシュ・ヒットとなった②、疾走ナンバー⑦といった、グレッグのKeyヒーロー然とした華々しい鍵盤捌きが炸裂する名曲の魅力はやはり唯一無二。
聴いていると映画の壮大なワンシーンが目に浮かぶような、グレッグが提唱するところの「シネマ・ロック」の先駆けとなった1枚でしょうかね。


1ST AVENUE - Daily Battle ★★ (2013-05-05 21:59:09)

90年代にちょっとしたセンセーションを巻き起こしたオランダの貴公子、ロビー・ヴァレンタインがソロ活動以前に在籍していたことで知られるバンドが
、'94年に発表した2ndアルバム兼最終作。
その彼がKey奏者として全面参加、一部曲作りにもタッチしている本作で披露されているのは、グルーヴィなロック・ソングから壮大なバラードまでバラエティ豊かに取り揃えられた、ロビー様のソロ作と趣きを同じゅうするメロディックHRサウンド。尤も、アレほどの大仰さやシアトリカルなドラマ性は感じられず、全体的にモダンで、よりAOR路線を志向しているのが特色。
強力なキメ曲が見当たらない本編は小粒にまとまっている印象も拭えませんが、そのぶん妙なクセがないので、すんなりと彼らが作り出す(国内盤解説で評されているところの)「シネマ・ロック・ワールド」へと入っていくことが出来るのが魅力。
爽快な曲調にロビーのKeyがフレッシュな色彩を加える①⑤、キャッチーなハードポップ⑥、ドラマティックな曲展開が感動を盛り上げるバラード⑧なんかは、VALENTAINEファンにも大いにアピールする魅力を備えた楽曲ではないでしょうか。


GLORY - Danger in This Game - This Is the Love ★★★ (2013-05-03 09:29:41)

GLORYの代表曲というより、個人的には
“THIS IS THE LOVE”=GLORY、な名曲中の名曲。
歌メロ(あんまし上手くないですが、そこがまた北欧っぽい)、
からクラシカルなドラマに満ちたGソロ、Keyソロに至るまで、
北欧様式美メタルの旨みが凝縮された1曲。
初手でこんな凄いもん聴かされたんで、
2nd以降のGLORYのアルバムがどれも物足りなく
聴こえてしまう点は痛し痒しですが。


GLORY - Danger in This Game ★★★ (2013-05-01 22:38:13)

ヤン・グラウィック(G)率いるGLORYが'89年に発表したデビュー作で、一作毎に音楽性を拡散させて行き、終いには収集のつかないことになっていたこのバンドのカタログの中では、最も「北欧メタル」らしさが堪能できる1枚。
クラシカルなフィールを湛えたG、霧のように楽曲を包み込むKey、透明度の高い美旋律やボーカル・ハーモニーといった要素が北欧メタル風味を創出する一方で、ヤン・グラウィックが本作において目指しているのは、Voの甘い歌声をサウンドの中心に据え、バラエティ豊かな楽曲を取り揃えた歌モノHR路線。(お手本は勿論EUROPEだ)
煌めくKeyをフィーチュアしたポップな②、優しいメロディが胸に染みるバラード③にその成果を表しつつも、本作のハイライトは北欧様式美メタルの醍醐味を凝縮したかのような名曲④で決まりでしょうか。弾きまくるのではなく、かっちりと構築されたヤン渾身のGソロと、そこへ絡むピアノ・ソロが辛抱堪らんクラシカルなドラマを生み出しているこの至高の逸品を聴くためだけにでも、是非本作をご購入頂きたい!
・・・と言っても、昔ポリスターから出てた国内盤は長らく廃盤のままほったらかしなんすけど。願・リマスター再発。


CLOCKWISE - Nostalgia - Run the Race ★★★ (2013-04-30 22:45:44)

決して上手くはないものの、寒々しく憂いに満ちた
メロディを拾っていく朴訥としたVoから、
クラシカルなドラマを盛り上げるKeyソロまで
「ベニー・スドベリここにあり!」な
北欧様式美メタルの粋を結集したかのような名曲です。


CLOCKWISE - Nostalgia ★★★ (2013-04-29 21:33:58)

北欧メタルの魅力を凝縮した名盤『MAKING GOLD』を引っ提げて彗星のように現れたスウェーデンのFORTUNE。その中心メンバーだったベニー・スドベリ(Vo、Key)が、GLORYのヤン・グランウィック(G)らと共に立ち上げたプロジェクトのデビュー作。
FORTUNEでは流行に擦り寄った結果、現れた時と同じぐらいのスピードで人気を失ってしまったベニーですが、本作では初心に立ち返ったのか、煌く美旋律と繊細な泣きメロを満載にした、ファンの期待に応える『MAKING~』路線のサウンドを実践。
相変わらず生硬い歌唱は今ひとつですが(それでもFORTUNE時代よりは格段の進歩)、この絶品の歌メロ及び作曲センスと、楽曲を時にリリカルに、時にドラマティックに彩るKeyプレイの素晴しさが、それを補って余りありますよ。
特に、楽曲のクオリティが3曲目を過ぎた辺りから急カーブを描いて上昇。5曲目に控える“RUN THE RACE”なんて、ヤンの後期GLORYにおける変節を帳消しにするクラシカルなGプレイも相俟って「この1曲のために本作を買うんだ!」と道行く人の肩を掴んで通り魔的に力説したくなる名曲っぷり。
『MAKING~』以上の傑作か?と問われればそれはどうかとも思いますが、それでも美しいアートワークに秀逸な邦題、ツボを押さえたパフォーマンス、それに水晶細工の如き輝きを放つ収録楽曲etc・・・が取り揃えられた、数え役満級の北欧メタルの名盤であることに疑いの余地はありません。


RETURN - V ★★ (2013-04-27 00:50:10)

ノルウェー代表として(?)、DA VINCIと共に初期ゼロ・コーポレーションのラインナップを彩った5人組が、'92年に発表した5thアルバムにして日本デビュー作。(但しこの作品がリリースされた頃には、既にバンドは活動を停止していたらしい)
元々、ポップなDA VINCIのサウンドがバリバリのHRに聴こえるぐらいソフトな音楽性が持ち味のRETURNでしたが、本作では更にアコースティカルな方向へと歩みを進め、本編の大半を占めるのはゆったりとしたバラードリーな楽曲群。また曲によってはアーシーなブルーズ・テイストも持ち込む等、感傷的な泣きを薄れさせた代わりに、乾いた哀愁を盛り込んだ作風は、北欧というよりもアメリカンな味わいが強く感じられたりも。
それでも、このバンドならではの胸を締め付ける哀メロはアルバムのそこ此処で存在感を発揮。特に必聴なのがアルバムのOPナンバー①。ストリングスをフィーチュアしたイントロからして既に猛烈に泣ける、この頭の天頂から爪先までどっぷりと悲哀に浸ったバラードがラジオから流れてきた瞬間、こちとら本作の購入を決意していましたよ、ハイ。
HR/HMとはかなりの距離を感じざるを得ない作風ではありますが、日本のファンに向けて書かれたという③や、零れ落ちるように美旋律を奏でるKeyが盛り上がりを後押しする⑧等、秀曲が数多く収められた好盤です。


RETURN - Straight Down the Line - I Gave You All ★★★ (2013-04-25 22:39:33)

聴き始めこそ「ハードポップには
そぐわない声だなぁ」と違和感を覚える
シャガレ声のVoですが、彼の熱唱が映える
この劇的なラスト・ナンバーを聴く頃には
「この声あってのRETURNだろ」と
思うまでになっていました。


RETURN - Straight Down the Line - Five Minutes ★★★ (2013-04-25 22:33:00)

ハスキーな歌声と感傷的な曲調が
ミカエル・アーランドソンの1stや2ndを
思い起こさせる哀メロ・ソング。
サビのハートウォーミングなメロディが
このバンド独自の味わいですね。


RETURN - Straight Down the Line ★★★ (2013-04-24 22:15:33)

80年代初頭にノルウェーはオスロにて結成され、アルバムを次々にチャート上位へと送り込んで、母国においてトップ・バンドとしての確固たる地位を築き上げた5人組が、'89年に発表した3rdアルバム。(勿論本作も№1ヒットを記録)
国内盤も出た5th『Ⅴ』の解説で「彼らの3rdはもっと凄い」的なことが書かれていたことに興味を持ち購入したのですが、これが確かに素晴しい内容でした。
本編は心地良く弾むポップな楽曲と、感傷的な泣きを発散する哀メロ・チューンの2本立てで構成されており、それらを歌い上げるのは、どちらかと言えばロックンロール系がハマりそうなシャガレ声のVo。聴き始めこそ違和感を覚えますが、表現力豊かな上に、このシンガーの独特の歌声が楽曲の持つ叙情性を効果的に増幅していて、終わってみれば「この声でなきゃダメだろ!」と思うまでになっていましたよ。
本国において№1ヒットを飛ばしたという②を手始めに、初期ミカエル・アンダーソンを彷彿とさせる⑤(こっちが先ですが)、おセンチ且つ劇的な⑨、かすれ声のVoの熱唱が胸を打つバラード⑩といった強い哀愁に包まれた楽曲の数々はアルバムの白眉。
同郷の後輩バンド、DA VINCIのメンバーもバック・ボーカルとして参加しとりますので、哀メロ派は是非。


SORTILEGE - Larmes de héros - Quand un aveugle rêve ★★★ (2013-04-23 21:46:33)

イントロからして湿度が高い泣き虫メタルで、
エンディングのGソロの泣きっぷりが白眉。
フランス語の語感の柔らかさが、
良い意味で軟弱さを補強してくれていますね。


SORTILEGE - Larmes de héros ★★ (2013-04-22 22:52:42)

バンド名は“ソルティラージュ”と読むんでしたっけ。パリジャン5人組がプロデューサーにヴィック・ヴァーガットを迎えて'86年に発表した2ndアルバム。
嘗ては「ざーますメタル」「メタルに合わない言語」なんて言われてたフランス語。本当にメタルに合わないかどうかは、古今、フレンチ・メタル作品に余り触れて来なかった身としては判りかねるのですが、少なくとも本作がフランス語歌詞であることのハンデやマイナス要素は殆ど感じさせない力作であることは確か。
これまでにも増してメロディとハーモニーを重視し、「聴かせる」ことに焦点が絞られた本編は、NWOBHM然としたGリフ主体で疾走するアップテンポの楽曲以上に、そこはかとなく優雅ささえ感じさせるメロディを暑苦しく歌い上げるハイトーンVoと、フラッシーな速弾きからマイケル・シェンカーばりの泣きのソロまで多彩にこなすGの存在が生きるスロー/ミディアム・テンポの楽曲の方が、強く印象に残る仕上がり。特にGのセンスは絶品で、④のエンディング部分における泣きっぷりなんて、そのエモーションの迸り具合に眉が八の字になる程。
楽曲のメロディアス化が一層押し進められたことによりVoの力量の限界が露呈している上、冴えないプロダクションのせいで垢抜けない雰囲気も漂う作品ではありますが、個人的には、IRON MAIDEN~JUDAS PRIESTの系譜に連なるこの正統派HMサウンド楽しむ上では然したる障害ではなし。
あと、ふと思いましたがちょっと同時代のジャパメタっぽい部分もあるような?


DA VINCI - Back in Business - Circus Maximus ★★ (2013-04-21 22:21:49)

この曲のみ他とは異なり、プログレハード風の
雰囲気を漂わせています。曲名からも分かる通り、
後に登場するノルウェーのプログレ・メタル・バンド
CIRCUS MAXIMUSのバンド名の元ネタとなった楽曲・・・
というのは、たった今思いついたデマですが、
バッハの“G線上のアリア”(多分)を組み込んだ
Gソロもナイスなドラマティックな逸品です。


DA VINCI - Back in Business - Hold Back the Tears ★★★ (2013-04-21 22:13:01)

これまた壮麗な美しさに包まれたバラード。
甘い雰囲気に流されることなく、しっかりと泣いて
存在を主張するGが良いアクセントとなっています。


DA VINCI - Back in Business - Young Hearts ★★★ (2013-04-21 22:11:20)

サビを重厚に彩るボーカル・ハーモニーと
シンフォニックなKeyが演出する
壮麗な美しさに圧倒される名バラード。
いやホント名曲。


DA VINCI - Back in Business ★★★ (2013-04-20 22:03:57)

デンマークのKey奏者を含む5人組が'89年に発表した2ndアルバムにしてラスト作。
'93年にゼロ・コーポレーションからリリースされた国内盤を購入したクチなのですが、初期イングヴェイやSILVER MOUNTAINを聴いて北欧メタルに開眼した身ゆえ、当時、この手の甘口なハードポップ作品は「俺の求める北欧メタルに非ず!」ってな感じで、殆どまともに聴かぬままCDラックに放り込んでしまっていました。ド反省。
メジャーのPOLYDORに所属し、デビュー作をヒットさせた実績を持つバンドだけに、メンバーのパフォーマンスから、ゴージャスな音作り、巧みにフックを盛り込んだ楽曲構築術に至るまで、その洗練された作風にイモっぽさは皆無。Voはちょっとこの手のサウンドを歌うには粗い声質な気がしますが、それは聴き進めるうちに慣れてしまいます。
北欧人の血の為せる業か、ポップでありながらも能天気になることはなく、絶妙に哀感を織り込んだ展開を聴かせるキャッチーなメロディがとにかく絶品で、特にそれが顕著に活かされているのが、曲中において華麗に開花するコーラス・パートにおいて。色とりどりのガラスを1枚1枚丁寧に磨き上げ組み上げたステンドグラスの如き美しさを誇る③や、Gソロの発散する猛烈な泣きに胸キュン(死語)な⑤といったバラードは、全盛期のTNTにも匹敵する名曲っぷりですよ。
快活なOPナンバーから、グリーグの『ペールギュント組曲』から“朝”をモチーフにしたラスト・ナンバーまで、甘美なハードポップ世界に耽溺できる1枚です。


MASQUERADE - Masquerade - Ride With the Wind ★★★ (2013-04-20 00:36:42)

青空へ向けて舞い上がっていくような
爽快感が味わえる名曲。
「超TNT型」と評したく仕上がりですが、
ここまで優れた楽曲が作れるのなら
文句はありませんて。


MASQUERADE - Masquerade - Gimme All Your Love ★★ (2013-04-20 00:33:23)

Gの嘶きからスタート。
体を揺するアップテンポの曲調に
心地良いグルーヴ、キャッチーなサビメロと、
OPナンバーにピッタリなドライヴ・チューン。


MASQUERADE - Masquerade ★★ (2013-04-18 23:01:17)

レーベル・メイトのJACKALと共に来日公演を行ったこともあるスウェーデン出身の4人組が、'92年に発表した1stアルバム。90年代に勃発した第二次北欧メタル・ブームの先駆けとなった作品群の一つで、記憶が確かなら、個人的に初めて購入したゼロ・コーポレーションのアルバムだったような・・・。
Keyを適宜効かせつつ、トニー・ハーネル型ハイトーンVoが歌い上げるのは、北欧らしい透明感とアメリカンな快活さを併せ持ったメロディアスHRサウンド。曲間を切り詰め、時にSEやインストの小曲を配して全編を流麗に綴るアルバム構成や、重厚な音作り、華麗なコーラス・ワークからは、デビュー作にして既に新人バンドらしからぬ洗練された物腰が感じられます。
爽やかな名曲⑤を筆頭に、明らかにTNTの強い影響下にある音楽性なのですが、歯切れの良いGリフの刻みから滑らかなソロ・パートまで、澱みなく動き回って楽曲を盛り立てるGの存在がこのバンドならではの個性確立に大きく貢献。昔はもっとポップなサウンドのイメージを持っていたのですが、久し振りに聴き直してみたら、キリリとエッジの立ったGが全体を引っ張る、思った以上にハードな作風で「おっ」と思わされましたね。
と同時に、彼らが次作以降、急速にヘヴィな方向へと傾斜していったことも当然の帰結だったのかなぁ、と。


ALIEN - Alien - Go Easy ★★★ (2013-04-17 21:47:25)

北欧ハードポップ・バンドとしての
ALIENの魅力を端的に伝える名曲。
ポップで爽やかなだけでなく、
北欧らしい透明感と涼しげな雰囲気も美味。


ALIEN - Alien - Dreamer ★★★ (2013-04-17 21:44:30)

本編随一のハード・ナンバー。
この曲のみ北欧様式美HM的な光沢を放っていて
それを決定付けているのが、トニー・ボルグが
感性全開で弾きまくるクラシカルなGソロ。
楽曲のドラマ性向上に貢献しているKeyも
良い仕事してますよね。


ALIEN - Alien ★★★ (2013-04-16 22:17:35)

RAIBOWの『銀嶺の覇者』の廉価版みたいなジャケットはオーラゼロですが、しかしこれが、北欧メタル史を語る上で欠かすことの出来ない名盤の一つなのだから侮れない。
ヒット曲“ONLY ONE WOMAN”(勿論MABLESのカヴァー)を収録し、ALIENの代表作としても知られる本作において、声質自体が憂いを帯びているジム・ジッドヘッドのVo、ソロ・アルバムをリリースする程の実力派でありながら、出しゃばり過ぎることなく、クラシカルなフレーズを適切に紡ぐトニー・ボルグのGとが牽引役となって描き出すのは、しっとりとした潤いと、ヒンヤリと清涼な空気をその身に纏わせた、正しく理想的な北欧ハードポップのシルエット。
Keyが透明感とリリシズムを補強するOPナンバー“BRAVE NEW LOVE”を挨拶代わりに、涼しげ且つ爽やかに駆け抜けていく“GO EASY”、ドラマティックなインスト・パートが印象的な“JAIME REMEMBER”から、壮麗なバラード“MIRROR”にて幕が下ろされる本編は、様式美メタルの要素も入った名曲“DREAMER”を除けば、HRと表現するのにも少々躊躇いを覚えるポップな音像ではあるのですが、とまれ、このメロディの充実度、捨て曲なしのクオリティの高さは、一度体験しておいて損はありません。
といっても現状、入手困難なのが本作唯一にして最大の問題点なのですが・・・。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Heroes of Origin ★★★ (2013-04-15 21:36:33)

痛快極まりないアルバム表題曲。
最初から最後まで、全く手を緩めることなく
突貫してアルバムのラストを締め括る様は
まさしく一気呵成。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Murder American Style ★★ (2013-04-15 21:33:36)

ドリルの如く回転しながら抉り込んでくる
Gリフと、コスタ・ヴァルヴァタキスが炸裂させる
ド派手なGソロが聴きモノのスラッシュ・チューン。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Weapons of Class Destruction ★★★ (2013-04-15 21:31:01)

サビに向けてぐいぐいスピードを上げつつも、
縦方向に弾むノリの良さも備えた
本編中、最もEXODUSとの共通点を感じさせる
キャッチーな名曲。
個人的にアルバムで一番お気に入りです。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Suicide Run ★★★ (2013-04-15 21:27:09)

トライバルなイントロを切り裂いて
殺傷力満点のGリフ、カミソリVo、性急なビートが
猛然と走り始めれば、あとはもうラストまで
首を振り続けるのみ。
エンディングはちょっと“PAINKILLER”風味?


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN ★★★ (2013-04-14 22:17:37)

EXODUS脱退後は、単発プロジェクトにバイト感覚で参加する程度だったスティーヴ“ゼトロ”サウザ(Vo)が、コーディ(B)とニック(Ds)という2人のご子息を伴い、自身のバンドを率いてシーンへと戻って参りました。しかも、情け無用に炸裂するリフ&リズムの絨毯爆撃といい、テクニカルに乱れ咲くGソロといい、聴いているだけでケツに火が点く、バリバリのEXODUS路線スラッシュ・メタルへのご帰還ですよ。
ブラスト・ビートも難なくこなす剛性なリズム・セクションの存在もあり、本家に比べ強面な印象も受ける本作ですが、それでもゼトロがTENETで聴かせたエクストリーム・メタル・サウンドよりは「気楽に殺ろうよ」(c藤子不二雄)的なノリの良さが感じられ、やっぱりこの手のスタイルの方が、ゼトロのボン・スコット系へしゃげ声は映えますね。
特に、衰え知らずのカミソリ・シャウトと研ぎ澄まされたGリフが、鼓膜を切り裂かんばかりに襲い来る冒頭①②③の畳み掛け、そしてラスト・ナンバー⑩辺りには「あ~、俺やっぱスラッシュ・メタルが好きだなぁ」と、しみじみと実感させてくれるカッコ良さが宿っています。
本家EXODUSと比較した際に感じられる、頭抜けたキメ曲の不在やツインGのドラマ不足も、これがデビュー作なら、寧ろ将来への期待を高める要素になるってもんですよ。


HATRIOT (2013-04-14 22:16:56)

EXODUS離脱後は、趣味で演ってるAC/DCのカヴァー・バンドや、TENET、DUBLIN DEATH PATROLといったプロジェクトでプレイする以外は、ほぼセミ・リタイア状態にあったスティーヴ“ゼトロ”サウザ(Vo)が、ライブ会場で出会った若きギタリスト、コスタ・ヴァルヴァタキスの存在にモチベーションを刺激されて、'11年に結成したニュー・バンド。
同年、セルフ・タイトルの4曲入りデモテープを制作した後、ドイツのMASSACRE RECORDSと契約。'13年には、ゼトロの実子、コーディ(B)とニック(Ds)を含むラインナップで1st『HEROES OF ORIGIN』を発表している。


SYLOSIS - Monolith - The River ★★★ (2013-04-14 00:06:42)

中間部のGソロはメロディアスというより
もはや「エモーショナル」と表現したくなる領域。
そこから雄々しいメロディと共に疾走へと
移行していく堪らなくドラマティックな曲展開からは
SYLOSIS流の美学が感じられます。


SYLOSIS - Monolith - Out From Below ★★★ (2013-04-13 00:45:07)

鬼のように刻まれるGリフにスラッシーな疾走感、
ダイナミックな曲展開、劇的なメロディと、
OPから早くも勝負を着けにくるキラー・チューン。
単なる技巧のひけらかしとは異なり、
楽器陣が「ここぞ!」という場面で炸裂させる
ハイテクニックが、カタルシスを生み出すことに
大きく貢献しています。


SYLOSIS - Conclusion of an Age - Swallow the World ★★ (2013-04-11 22:21:29)

今風のへヴィネスを湛えてスタートし、
サビへ向けてスピードアップ。
「オ~オ~」というクリーン・コーラスと共に
曲が疾走を開始する場面のカッコ良さは
かなりのものですよ。


SYLOSIS - Conclusion of an Age - Last Remaining Light ★★★ (2013-04-11 22:18:41)

アルバムのクライマックス役を担う、7分以上に及ぶ大作曲。
これまた「エピック・スラッシュ」の何たるかを
体現したかのような起承転結の決まったドラマティックな
楽曲ですが、ゴテゴテと飾り付けられた大仰さはなく、
研ぎ澄まされたソリッドさを強く感じさせてくれるのが
このバンドならでは。


SYLOSIS - Conclusion of an Age - After Lifeless Years ★★★ (2013-04-11 22:15:15)

期待感を煽る劇的な序曲“DESOLATE SEAS”から
繋がっていくアルバムのOPナンバー。
スラッシーな疾走感、テクニカルなインスト・パートと
緩急を飲み込んだドラマティックな曲展開、
それに壮大さを演出するクリーンVoパートなど、
バンドが標榜する「エピック・スラッシュ」の何たるかが
凝縮された、アルバム購入の試金石代わりにもってこいの名曲。


SYLOSIS - Monolith ★★★ (2013-04-10 22:45:27)

結局、国内盤はリリースされず終いだった2nd『EDGE OF THE EARTH』('11年)を間に挟んで、'12年に発表された3rdアルバム。
知らぬ間にシンガーが今風の怒号を響かせる新Vo(Gが兼任)にチェンジしていて、それに併せてってわけではないのでしょうが、サウンドからも直線的な攻撃性は減退傾向が見受けられます。
本編を重厚に覆うKey、そして一層エモーショナル&メロディアスに花開くツインGの絡みが増量されたことに加えて、クリーンVoをヴァースやブリッジに組み込み、従来の「サビメロのみをメロディアスに歌い上げる」というお約束パターンを廃した楽曲は、スラッシュ・メタル・サウンドを基調としつつも、これまで以上に緩急の落差が強調された、ある意味プログレ/テクニカル・メタル方面への踏み込みを感じさせる仕上がりに。
特に、シュレッド・リフが鬼のように吹き荒れる①、静動/美醜/モダンとオールドスクール風味を飲み込んで疾走する⑤⑦、キレキレなGリフをフィーチュアした⑩等は、精緻な演奏が生み出すスピード感とカタルシスに満ちた曲展開に否応なくテンションが上がる逸品。
1stの頃の前のめりな作風が恋しくないと言えば嘘になりますが、収録各曲それぞれのキャラ立ちが明確になったことでアルバム全体の質は間違いなく高まりまった1枚。(ちなみに最後に隠しトラックあり)


SYLOSIS - Conclusion of an Age ★★★ (2013-04-09 23:23:23)

自らの音楽性を「エピック・スラッシュ」と呼称するイギリスはレディング出身の5人組が、'08年に発表した1stフル・アルバム。
喉から出血しそうな勢いでシャウトをひり出すVo、高い演奏力を活かし猛射されるGリフと息つく間もなく畳み掛けるリズムは、正しくオールドスクールなスラッシュ・メタルの作法に則っている一方、曲によってはクリーンVoやKeyの使用にも躊躇がない(そしてまたそれを上手くこなしている)辺りは、やっぱり現代っ子バンドですな。
特にクリーンVoの導入は効果的。メンバーが「1曲でバンドの全てを物語っている」と語るドラマティックなOPナンバー②(①は序曲)を皮切りに、メロデス風味も取り入れられたモダンな④、叙情イントロから疾走へと転じる⑦から、本編のクライマックスを飾る壮大な⑩まで、クリーンVoがボンヤリと浮遊するのではなく、聴き手の血を沸き立たせるスケール感を伴ったメロディを歌い上げているのが評価ポイント。(比較的ストレートに突進する⑧みたいな楽曲のカッコ良さもナイス)
欧州HM然とした光沢を放つテクニカル&メロディックなツインGの存在と併せて「エピック・スラッシュ」の標榜は伊達じゃねぇな、と思わせてくれる1枚です。


LOUDNESS - SOLDIER OF FORTUNE - Demon Disease ★★★ (2013-04-07 21:36:50)

樋口宗孝のドラムから始まる楽曲にハズレなし。
LOUDNESS史上最もメロディアスな作風の
『SOLDIER OF FORTUNE』ですが、
この曲の存在でケツがグッと引き締まっているので
聴後感に甘ったるい印象はまるでありません。


LOUDNESS - SOLDIER OF FORTUNE - Red Light Shooter ★★★ (2013-04-07 21:33:59)

熱く歪んだ声で1stヴァースを歌ったかと思えば、
2ndヴァースはクリーンなトーンで歌い上げ、
そしてポジティブな空気を含んだサビメロへ・・・
マイク・ヴェセーラのシンガーとしての
優れた才能が堪能できる秀曲ですね。


LOUDNESS - SOLDIER OF FORTUNE - Soldier of Fortune ★★★ (2013-04-07 21:30:41)

マイクのメタル声とシャープなGリフで
正統派ヘヴィ・メタリックなエッジを保ちつつ、
ビートとメロディはノリ易くキャッチーという
新たなLOUDNESSの魅力全開な名曲。
フラッシーな高崎晃のGソロも、これまで以上に
曲を生かす方向(構築感重視)で
組み立てられているような印象を受けます。


LOUDNESS - SOLDIER OF FORTUNE ★★★ (2013-04-06 20:02:49)

前作『HURRICANE EYES』がアメリカで不発に終わったことを受けて、テクニック志向を抑制し、LOUDNESS史上最もメロディアスな曲作りが試みられている、'89年発表の8thアルバム。
個人的に初めて購入したLOUDNESS作品ということで非常に思い入れのある1枚なのですが、こうした作風の変化や、個性の塊のようだったオリジナル・シンガー、二井原実の脱退を否定的に捉えて、雑誌では「アクが抜けてごく普通のHR/HMバンドになってしまった」と嘆くレビューも見られました。
勿論気持ちは分からなくもないのですが、しかし「ごく普通のHR/HMサウンド」のカッコ良さを舐めたらいかんぜよ、と。新Voマイク・ヴェセーラの熱唱、その彼のメタル声と化学反応を起こして、リフ/リード両面において更に切れ味の鋭さを増した高崎晃のG、そしてスピーディ且つタイトなリズム隊の存在が映える“SOLDIER OF FORTUNE”と“DEMON DESEASE”という、極上の名曲2つにサンドイッチされる形で並んだ中庸な魅力を備える楽曲群は、ほんのり和風テイストも取り入れたメロウな“25 DAYS FROM HOME”を筆頭に、ヘヴィ・メタリックなエッジは保ちつつ、胸を打つ哀愁とキャッチーなメロディに彩られた、いずれ劣らぬ逸品揃い。
つくづく、この編成が長続きしなかったことが惜しまれる名盤なのですが、90年代のLOUDNESSの混迷ぶり(と敢えて言いますが)を鑑みると、もし仮に同一編成であと何枚かアルバムを作ったとしても、これほど凄い作品が再び出来たかどうかは微妙なところではないでしょうか。短い出会いだったからこそ眩く輝いた、みたいな?


LOUDNESS - HURRICANE EYES - Rock 'n Roll Gypsy ★★★ (2013-04-05 23:23:20)

抜けるような青空を思わす曲調がVAN HALENタッチの
“LET IT GO”の発展形とも言えそうな
キャッチーで煌びやかなポップ・メタル・ソング。
二井原実のVoが格段に表現力の幅を広げたこともあって
中途半端に留まることなく、ちゃんと向こう側(ってどっち側だ)へ
突き抜けた出来栄えを提示してくれています。


LOUDNESS - HURRICANE EYES - S.D.I. ★★★ (2013-04-04 23:44:34)

まさしくタイトル通りの破壊力で炸裂する
樋口宗孝のドラミングで幕が上がる
LOUDNESS屈指のパワー・チューン。
それでいて、火傷しそうな程に熱い
二井原実の歌メロにしろ、両手タッピングを
筆頭に、楽曲を華麗に彩る高崎晃のGプレイにしろ、
大味さ皆無。パワーのみならず耳を捉える
綿密さも兼ね備えている点が大変素晴しい。


LOUDNESS - HURRICANE EYES ★★★ (2013-04-03 22:54:46)

樋口宗孝の豪快なドラミングを皮切りに疾走を開始する名曲中の名曲“S.D.I.”で幕が上がる、'87年発表の7thアルバム。
演ってることは前作『SHADOWS OF WAR』と大差ないのですが、今回はその“S.D.I.”が象徴している通り、例えアグレッシブなスピード・ナンバーであってもメロディやアレンジのフックに手抜かりがないので、聴いていて大味さを感じたり疲労感を覚えたりすることがありません。
昔、初めて聴いた時は「凄いヘヴィなアルバム」との印象を持ったのですが、実際のところ本編にはバラードからシンセを取り入れたポップ・チューンまで色彩豊かな楽曲が顔を揃えていて、必ずしもヘヴィ一辺倒な作風ってことはなく。じゃあ何でそんな風に感じたのかと言えば、それはやっぱり二井原実の特異なVoの存在感ゆえかなぁ、と。
アメリカでのセールスは前2作ほどは奮わなかったとされる本作ですが、(↑)上で多くの方々が激賞されているように、どんなタイプの楽曲を歌っても自身の色に染め替えてしまう、彼の個性の塊みたいな声が主役級の存在感を発揮していて、二井原自身が後年「ベストなパフォーマンスが発揮できたお気に入りの作品」としてこのアルバムを挙げているのにも納得ですよ。
これを最後に彼とバンドは一旦袂を別つわけですが、本作を聴くと双方ともに「やれることは全てやりきった感」が漂っていて、(実情はどうあれ)この後の脱退劇にも妙に納得してしまうものがあるのでありました。


LOUDNESS - SHADOWS OF WAR - Let It Go ★★★ (2013-04-02 23:00:32)

今までになかったタイプの楽曲。
二井原実の金属質な歌声と
ハードポップ調のキャッチーな曲調との
コントラストもユニークです。


LOUDNESS - SHADOWS OF WAR - Shadows of War ★★★ (2013-04-02 22:56:54)

儚くも美しいイントロだけでなく、Gソロにも
(ほんのり)「和」のテイストが盛り込まれた様式美HMナンバー。
重厚に起承転結が決まった、これ1曲でアルバム1枚聴き通した
ような満足感が得られる名曲なのですが、それだけに
OPに置かれているのは、ちと不可解な気がしなくもありません。
(EDもフェードアウトですし)


LOUDNESS - SHADOWS OF WAR ★★ (2013-03-31 23:22:13)

再びマックス・ノーマンと組んで、'86年に発表された6thアルバム。
前作『THUNDER IN THE EAST』は、二井原実時代のLOUDNESSの最高傑作に推したいぐらいのカッコ良さでしたが、一方で「売れるためにアメリカンなサウンドに日和った」「従来のらしさが薄れた」との声もあって、そうした批判に対して製作サイドも思うところがあったのか、今作ではより楽器陣のテクニック志向を強調。結果、本作は時に初期作を彷彿とさせる複雑な曲展開やアレンジが顔を覗かせる内容と相成りました。
サウンド・プロダクションの向上や、益々冴え渡る高崎晃のリフ・メイカーとしての才能、それにスケール感と洗練を併せ持った楽曲構築術等からは、脂の乗り切った当時のLOUDNESSの充実っぷりが手に取るように伝わって来きます。
その反面、ストレートな『THUNDER~』の聴き易さを支持していた身としては、Voを押し退けるようにして弾きまくるG、キャッチーさがぼやけ気味の楽曲、ついでに腹にもたれるプロダクションとが相俟って、聴いていると少々疲労感を覚えなくもない1枚かなぁ、と。
このバンドにしか作り得ぬ見事な完成度、それに美しい和風メロディで幕が開くアルバム表題曲①は文句なしの名曲だとも思うのですが。


LOUDNESS - Early Singles - Gotta Fight ★★★ (2013-03-30 10:24:21)

ちびっこが一緒に叫びたくなる熱さ、分かり易さを
兼ね備えたキャッチーなサビメロが
昭和ロボット・アニメの主題歌みたいだな・・・
と思ったら、本当にアニメの主題歌だったという。
フル・アルバムに入っていても全くおかしくない名曲。


LOUDNESS - THUNDER IN THE EAST - Clockwork Toy ★★★ (2013-03-30 10:19:48)

構築美高めのGソロのみならず、
スピーディな曲調の躍動感を増幅する
山下昌良のBプレイも良い仕事。
アップテンポでも勢いで誤魔化すことなく
ちゃんとフックの効いたサビメロからは
日本人らしいキメ細やかなセンスも感じられます。


LOUDNESS - THUNDER IN THE EAST - Like Hell ★★★ (2013-03-30 10:14:33)

ザックリと刻まれるGリフ、一緒に叫びたくなる
キャッチーなサビメロ、シンプルでノリ易い曲調と、
LAメタルからの影響を飲み込みつつも、
決して飲み込まれてしまってはいないのが凄いところ。
これは高崎晃のGプレイのみならず、何を歌っても
自身の個性を強烈に刻印する二井原実の歌の存在も
大きいように思われます。


LOUDNESS - DISILLUSION 〜撃剣霊化〜 - Ares' Lament ★★★ (2013-03-28 21:26:49)

昭和の哀愁漂う泣きの名バラード。
この曲も、よりクサさが際立つ
日本語詞バージョンの方が好きですね。
聴くたびに、コブシを握り締めながら
「ベイビ~ ンベイビ~!」と
眉間にシワ寄せてついつい熱唱してしまいます。


LOUDNESS - DISILLUSION 〜撃剣霊化〜 - Dream Fantasy ★★★ (2013-03-28 21:22:07)

樋口宗孝の強烈なドラムロールからスタートする
個人的にLOUDNESSの数ある名曲の中でも
1、2を争うぐらいお気に入りの疾走ナンバー。
色々言われる二井原実の歌詞センスですが、
この曲に関しては、流麗なメロディにマッチしている
日本語バージョンの方が好きだ。


LOUDNESS - DISILLUSION 〜撃剣霊化〜 - Crazy Doctor ★★★ (2013-03-27 21:28:58)

別に速い曲というわけではないのですが
とにかくパワーに圧倒されてしまいます。
楽曲の中でまた別のドラマを構築する
高崎晃のGソロも光り輝いていますね。


LOUDNESS - DISILLUSION 〜撃剣霊化〜 - Esper ★★★ (2013-03-27 21:22:21)

トリッキーなGリフが爆発力を伴って
突っ走るスピード・ナンバー。
二井原実の青筋立ちまくりの怒張Voとか、
今聴くと、初期Xってこの曲から
かなり影響を受けてたんじゃないかなぁ、と
ふと思ってしまいました。


LOUDNESS - DISILLUSION 〜撃剣霊化〜 ★★★ (2013-03-26 23:13:10)

初期LOUDNESSの集大成というべき'84年発表の4thアルバム。何より邦題が良いですよね。『撃剣霊化』。意味はさっぱり分かりませんが、中学生の時分、下敷きに書き込んで悦に入ってたぐらいカッコイイ。これぞ「声に出して読みたい日本語」ですよ。
そんなタイトルに負けず劣らず、内容の方も奮ってます。パワフルな名曲“CRAZY DOCTOR”に始まり、パワー/スラッシュ・メタリックな炸裂感を備えた“ESPER”、高崎晃がテクニカルに弾き倒すインスト曲“EXPLODER”から繋がる、LOUDNESS屈指の名曲として愛して止まない疾走チューン“DREAM FANTASY”、そして慟哭のへヴィ・バラード“ARES'S LAMENT”(“アレスの嘆き”というタイトルも良いですよね)といった強力な楽曲が並んだ本編は、パワー/スピード/メロディの三拍子が高い次元で揃い踏み。大作主義が抑制された代わりにサウンドはこれまで以上にキャッチーに引き締まり、METALLICAのメンバーをして「メロディの持って行き方、アレンジ一つ取ってもユニークでオリエンタル」と言わしめたLOUDNESSサウンドの個性は、このアルバムをもって完全に確立されたと言えるのではないでしょうか。
ちなみに日英2バージョンが入手可能な本作ですが、個人的には英語盤がお薦め。と言っても日本語の歌詞がダメだから云々~は関係なく、単にドラマティックな序曲が追加収録されていることにお得感を覚えるだけなんスけどね。


LOUDNESS - THE LAW OF DEVIL'S LAND 〜魔界典章〜 - Speed ★★★ (2013-03-25 23:01:47)

ライブで披露することを前提に組み立てたような
各楽器陣それぞれの見せ場が盛り込まれた、
火を噴くようにハイテンションなパワー・チューン。
もちろん二井原実のVoも負けてませんよ。
マミムメモォ~!


LOUDNESS - THE LAW OF DEVIL'S LAND 〜魔界典章〜 - The Law Of Devil's Land ★★★ (2013-03-25 22:56:59)

B面頭を飾る様式美HMナンバー。
サビメロにもう一工夫欲しい!と思ってしまいますが
それを高崎晃のGプレイがカヴァー。
二井原以上にGが魅力的に歌いまくっています。


LOUDNESS - THE LAW OF DEVIL'S LAND 〜魔界典章〜 - In The Mirror ★★★ (2013-03-25 22:54:24)

凱歌のごとき序曲から繋がっていく
ドラマティックな展開が物語る通り、
マイナーなシケシケ感が失せ、
ある種貫禄すら漂って来る堂々たる
スピード・ナンバーの名曲に仕上がっていますね。


LOUDNESS - Early Singles - Geraldine ★★★ (2013-03-24 07:15:42)

BOOTS WALKERのカヴァーと気付かず、
かなり長いことLOUDNESSのオリジナル曲だと
思い込んでいました。
力まず(比較的に、だけど)メロディアスに歌い上げる
二井原実のシンガーとしての確かな才能が垣間見えます。


LOUDNESS - DEVIL SOLDIER 〜戦慄の奇蹟〜 - Angel Dust ★★★ (2013-03-23 21:30:29)

2ndの頭3曲はいずれ劣らぬ名曲揃いですが
中でもお気に入りなのがIRON MAIDENとDEEP PURPLEを
足して2で割ってアグレッシブに仕上げたようなコレ。
炸裂感を伴う山下昌良のBと疾走感溢れる樋口宗孝のDsという
リズム隊2人が主役級の存在感を発揮していますね。


LOUDNESS - DEVIL SOLDIER 〜戦慄の奇蹟〜 - After Illusion ★★★ (2013-03-23 21:26:45)

昭和歌謡ばりの濃厚な泣きを纏ったヘヴィ・バラード。
何かと問題視されることの多い二井原実の歌詞ですが、
こういう情念渦巻く楽曲にはピタリとハマリますね。


LOUDNESS - DEVIL SOLDIER 〜戦慄の奇蹟〜 ★★ (2013-03-22 22:58:03)

NWOBHM以外にも、70年代HR、プログレッシブ・ロック辺りからの影響をLOUDNESS流に料理してみせたダークなHMサウンドは従来の作風を踏襲しているのですが、話題を呼んだデビュー作と、代表曲“IN THE MIRROR”を収録する3rdアルバムとの間に挟まれる形となっているせいで、イマイチ影の薄い印象が拭えない不遇の2ndアルバム。(この時期の彼らが非常に多作だったこともその一因でしょうかね)
思わず赤面を誘われる若気の至りチックな楽曲があったりと、その出来・不出来には少々バラつきが見られるものの、スピーディなOPナンバー“LONELY PLAYER”、濃厚な泣きが炸裂する“AFTER ILLUSION”、7分以上に及ぶドラマティカルな“DEVIL SOLDIER”etc・・・といった具合に、メロディが練り込まれ、よりアップテンポの楽曲が揃えられた本編はクオリティの底上げが確実に成し遂げられています。安定感を増した二井原実のVoを筆頭に、メンバーのパフォーマンスも一層鍛え上げられ、特にIRON MAIDENばりに荒ぶる“ANGEL DUST”は、攻撃的な曲調といい、キメ細やかなメロディの組み立てといい、短期間のうちに飛躍的な成長を遂げたLOUDNESSの姿がしかと刻まれた逸品となっています。


LOUDNESS - Early Singles - Burning Love ★★ (2013-03-21 23:50:53)

ジェイムズ・ヘッドフィールドも大好きな疾走曲。(ジェイムズ、マニアだね)
ヒネリのない直線的なサビメロはスピード・メタリックで、
その昔、LAでのライブを見に来ていたMETALLICAのメンバーが
この曲を聴きたがったというエピソードから推察するに、
後のスラッシュ・メタル勃興にも一役買った楽曲なのではないかな?
と思ったりも。


LOUDNESS - THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜 - To Be Demon ★★★ (2013-03-21 23:45:55)

緩急を飲み込んだダイナミックな曲構成は
70年代HRやプログレッシブ・ロックからの影響も伺わせ、
この頃の彼らでしか聴くことの出来ないタイプの
魅力を備えたドラマティックな逸品に仕上がっています。


LOUDNESS - THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜 - Rock Shock (More And More) ★★★ (2013-03-21 23:44:19)

初期LOUDNESS屈指の名スピード・ナンバー。
回転の速いGリフがまさしくNWOBHM。
印象的なGソロも「これぞ高崎晃!」といった感じですね。


LOUDNESS - THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜 ★★ (2013-03-21 23:41:49)

自分がLOUDNESSの名前を意識するようになった頃には、既に彼らは武道館でライブを行う大物バンドとしてHR/HMシーンに君臨していました。潤沢な予算と一流のスタッフを投入し制作された、その時期の作品に慣れ親しんでいた身としては、遡って本作を聴いた時は、楽曲的にも音質的にもパフォーマンス的にも、結構荒削りな(特に二井原実のVoが)、ずばり言って垢抜けないサウンドに「え?これがあのLOUDNESS?」とかなり戸惑った記憶があります。
例えば“STREET WOMAN”に強く表れているようなサタニック・メタル的なオドロオドロしさや、70年代HR、プログレッシブ・ロックからの影響を纏ったダークな作風も、そうした印象に拍車を掛けていたような。今となっては「そこが良いんじゃない!」ってなもんですが。
特に本編で頭一つ抜けたカッコ良さの“ROCK SHOCK”や、それに続く存在感を放つバンドのテーマ曲“LOUDNESS”と、ドラマティックなバラード“TO BE DEMON”は、個人的に初期LOUDNESSを語る上で欠かせない名曲だと思っております。
また、日本刀の如き切れ味の鋭さで迫る高崎晃のGプレイ、ラウドに暴れ回る樋口宗孝のドラミング、特異な声質の二井原実のVo、リード楽器ばりの存在感を誇る山下昌良のBと、メンバーから立ち昇るオーラも既に確認することができますよ。