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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3701-3800
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3701-3800

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RPM - RPM - 2+2 ★★★ (2013-01-25 23:26:11)

メロハー・ファン必聴の名盤、VAN ZANTの2nd『VAN ZANT』で
カヴァーされていた、ノリの良さと緊迫感を併せ持つ名曲。
この曲がきっかけでジョニー・ヴァン・ザントと親交を深めた
ロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)は、以降、
LYNYRD SKYNYRDファミリーと頻繁に仕事をするようになったそうな。


RPM - RPM - A LEGEND NEVER DIES ★★★ (2013-01-25 23:19:16)

BLACKFOOTが『VERTICAL SMILES』で
カヴァーしたことでも知られる、勇ましさと、
思わず合唱を誘われるキャッチーさも備えた、
アルバムのOPナンバー兼バンドの代表曲。


RPM - RPM ★★★ (2013-01-25 07:16:17)

現在はプロデューサーとして活躍するロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)と、HR/HMファン的には「MEGADETHの『THE SYSTEM HAS FAILED』でベースを弾いていた人」として知られるジミー・リー・スロースを中心に結成された、アメリカの4人組が’82年にEMI RECORDSから発表した1stアルバム。
KeyをフィーチュアするAOR/産業ロック・サウンドに基本的な軸足を置きつつ、メタル者の耳にも十分訴えかけて来るハードネスと重量感(ジミー・リーの骨太なBプレイの貢献大)をも兼ね備えた隙のない1枚で、後に、劇的なOPナンバー①をBLACKFOOTが、ノリ良くキャッチーな②をVAN ZANTが、ポップでメロディアスな④をTYGERS OF PAN TANGが、そして爽快ハードポップ⑥をマーク・ファーナー(GRAND FUNK)がそれぞれカヴァーしている事実からも、本作の比類なき完成度の一端を窺い知ることが出来るのではないでしょうか。
「色々なバンドがカヴァーしてる元ネタの宝庫」的な印象を持っていた本作ですが、実際に聴いてみると、上記以外の楽曲も素晴しいのなんのって。とにかく、思わず一緒に歌いたくなるアンセム調の楽曲から、キャッチーなメロディが胸を打つハードポップ・チューンまで、粒揃いの逸曲がズラリ並んだ名盤。当然のように捨て曲もなし。
現在ではMTM CLASSICシリーズの1枚としてCD化されていますので、機会がありましたら一度是非。


RPM (2013-01-24 23:11:52)

ロバート・ホワイト・ジョンソン(Vo)と、ジミー・リー・スロース(B)が70年代末期に出会ったことを切っ掛けに誕生。
程なくマーク・ゲンデル(G)、トミー・ウェルズ(Ds)らが加入してラインナップが完成すると、EMI RECORDSと契約を結び、'82年にセルフ・タイトルの1stアルバムを発表してデビューを飾る。
BLACKFOOTもカヴァーした名曲“LEGEND OF NEVER DIES”が好評を博すも、EMIとの関係悪化に伴いバンドはWARNER BROS.へと移籍。
'84年には2nd『PHONOGENIC』を発表するが、不運にもこの時期は同レーベル所属の大物アーティスト達の新作リリースが相次いでいたため、彼らのアルバムは十分なプロモーションを受けられないまま埋もれてしまうことに。
バンドはデモ作りのために再びスタジオ入りするが、結局、その後間もなく解散の道を選択している。(その時録音された音源は、後にCDにボーナス・トラックとして収録された)


REO SPEEDWAGON - Hi Infidelity - In Your Letter ★★★ (2013-01-23 23:27:12)

本国アメリカ以上に日本でヒットしたという名曲。
(邦題は“涙のレター”)
オールディーズ風の曲調は、ポップな親しみ易さに
溢れている一方、どこか「祭りの後」チックな郷愁と侘しさも
同居していて、妙におセンチな余韻を胸に残します。
絶妙に切り込んでくるピアノも素晴しいったらないですよ。


REO SPEEDWAGON - Hi Infidelity ★★★ (2013-01-22 22:07:30)

最近は「スピードワゴン」で検索をかけると『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクターばかりが引っ掛かりますが、こちらは本家REO SPEEDWAGONが'81年に発表し、苦節10作目にして遂に全米制覇を成し遂げた記念すべき1枚(邦題は『禁じられた夜』)。
全米シングル・チャート上位にランクインしたバラード②(第1位)⑤(第4位)を聴けば分かる通り、どこかノスタルジーを喚起するポップな叙情メロディを増量することで、それまでのアーシーなロックンロール・サウンドに加えて、より大衆にアピールし得るメロディアスHR的側面もクローズアップされた本作は、それでいて洗練され過ぎず、泥臭さ(田舎っぽさ)も失っていません。この辺りの「垢抜け過ぎない魅力」が、皆誰もが心に「南部」を持つアメリカ人のハートを掴んだのでしょうかね。
ゲイリー・リッチラスの熱い泣きを孕んだGプレイにグッとくる③、ホンキートンク調のゴキゲンなピアノ・ソロに思わず体が動き出す⑧、ゴスペル風味も感じさせる感動的なロッカ・バラード⑩なんかも最高なんですが、ピアノ好きを自認する身として特に推したいのが“涙のレター”の邦題で知られる④。オールディーズ風の曲調に絡む、楽し気でいてどことなく切ない響きも湛えたピアノの旋律がもう辛抱堪らんのですよ。
15週間も全米チャートを席巻したのも納得の、充実した内容を誇る名盤。


SILVER(USA) - SILVER - NO WONDER ★★★ (2013-01-21 23:58:02)

ソフトで柔和な楽曲が顔を揃える本編にあって、
この曲は後半のインスト・パートにおいて
楽器隊が熱気を孕んだハードなインタープレイを披露。
アルバムの中で効果的なアクセントとなっています。


SILVER(USA) - SILVER - MUSICIAN(IT'S NOT AN EASY LIFE) ★★★ (2013-01-21 23:55:47)

感傷的な泣きを湛えた名バラード。
哀愁のメロディと、聴き手を優しく包み込むような
重厚なハーモニーが、えもいわれぬ恍惚感を
呼び起こします。


SILVER(USA) - SILVER - WHAM BAM ★★★ (2013-01-20 20:54:11)

哀愁に満ちたメロディや透明感を湛えた美しいコーラスが
もろ70年代歌モノロックの風情を醸し出していて
無性に郷愁をそそられます。
“恋のバンシャガラン”なる邦題を考えた人は
ある意味凄い才能の持ち主じゃないかと。


SILVER(USA) - SILVER ★★★ (2013-01-20 00:27:57)

ゲイリー・バーデンのバンドとは勿論無関係。
言葉の意味はよう分からんが、甘酸っぱさは十二分に伝わって来る“恋のバンシャガラン”なる邦題を冠した名曲“WHAM BAM”をスマッシュ・ヒットさせたことで知られるアメリカの5人組が、'76年に発表した唯一作。
“シャ・ラ・ラ・ラ・・・♪”というコーラスが如何にも時代を感じさせる同曲に代表されるように、聴いているだけで何やらノスタルジックな気分にさせられるウェスト/コースト風ロック・サウンドを得意とするバンドで、何しろOPナンバーからしてメロメロにメランコリックなバラード。というかHR/HMファン的には全編がバラードに聴こえてもおかしくないソフトな仕上がりゆえ、ハードな調べのみを希求する向きには全くお薦めできない1枚であります。
その一方で、個人的にはこのバンドの「泣き」に対する拘りにはかなり心惹かれるモノが有って、美しくも重厚なボーカル・ハーモニーが前面に押し立てられた、甘く切ない哀メロの海に溺死寸前な①、優雅で柔和なバラード③、楽器隊が70年代HR的インタープレイで後半を盛り上げる④、感傷的なロック・ナンバー⑥、ウォームな音色で紡がれるGソロに心温まる⑦といった楽曲における猛烈な「哀愁ヨロシク」っぷりには、もう軟弱でもいいや、と降参せずにはいられないところであります。


SILVER(USA) (2013-01-20 00:24:02)

フォーク・デュオとして活動していたジョン・バドロフ(Vo、G)が音頭を取って'76年に結成。
ARISTA RECORDSからリリースしたシングル“WAM BAM”(邦題“恋のバンシャガラン”)が、いきなり全米チャート第16位にランクインするスマッシュ・ヒットとなり、幸先の良いスタートを切ったバンドだったが、残念ながら後が全く続かず。
『シルヴァー・ファースト』との邦題が付けられた'76年発表のセルフ・タイトルのデビュー作も不発に終わり、結局『シルヴァー・セカンド』が実現する前にバンドは活動を停止。今となっては年季の入った音楽ファンの記憶の片隅に「銀色の一発屋」として留め置かれるのみ・・・なのか?
アルバム『SILVER』は良い出来だと思うんですけどね。


JON LORD (2013-01-19 00:53:31)

いつの間にか『BEFORE I FORGET』の
国内盤が再発されていて驚いた。
しかも最新リマスター、ボーナストラック、歌詞、対訳、
ニール・マーレイによる解説付きで、
値段はたった¥1500ぽっきりですよ、お客さん。


DAVID ROBERTS - BETTER LATE THAN NEVER ★★★ (2013-01-19 00:43:06)

お宝盤として珍重されていた'82年発表のデビュー作『ALL DRESSED UP』が数年前に紙ジャケCD化され、その好調な売れ行きに気を良くした日本のレコード会社が制作費を援助する形で実現した、実に20数年ぶりのリリースとなるデヴィッド・ロバーツの新作(2nd)。
1st発表以降は表立った活動はせずに、職業ソングライターとしての仕事にシフトしていた人だけに、どれだけ往時の歌唱力を保持しているのか読みきれませんでしたが、蓋を開けてみれば、保持どころか年を経て熟成されたワインの如き深みとまろやかさを増した歌声を聴かせてくれて(良い意味で)ビックリ。
収録楽曲に関しても、元々STARSHIPやダイアナ・ロス、BAD ENGLISHらに楽曲提供をしていた実力派とは言え、年齢を重ねることによって妙にレイドバックしたり枯れたりすることなく、若き日の瑞々しさを適度に保った楽曲は、メロディも一層キャッチーに練り込まれていて、個人的には「1stよりも良いんじゃね?」と思わされる場面もしばしば。
カントリー風味のGが良いアクセントとなっている明るく溌剌とした①に始まり、アルバムのハイライトに押したい名曲④、ジョン・ウェイトとの共作バラード⑤、それに独特のリズムで綴られる哀愁のメロハー⑧を収めた本編後半に至るまで、HR/HMと呼ぶには少々距離を感じさせるサウンドではあるものの、メロディ愛好家の方には是非一聴をお薦めしたい1枚であります。


DAVID ROBERTS - All Dressed Up... ★★★ (2013-01-19 00:19:28)

当時、ヒットチャートを賑わせていたLAの名うてのミュージシャン達が集結した豪勢なレコーディング環境、そして何より卓越した作曲家としての才能が注目を集めた、カナダ出身のシンガー・ソングライター、デヴィッド・ロバーツ、'82年発表の1stアルバム。
自分は'08年リリースの2nd『BETTER LATE THAN NEVER』を先に聴いてから、遡って本作を購入したのですが(何しろ1stは長らく入手困難な状態が続いていたので)、やっぱりこの頃は若い。いや四半世紀ぶりの2ndでも瑞々しさは失っていませんでしたが、この頃は更に輪をかけてピチピチしている印象で、歌声にしろ楽曲にしろアレンジにしろ、溌剌として、明日への夢と希望でパンパンに膨らんでいる感じ(?)。
フレッシュにハジける①⑤、ジェフ・ポーカロの豪快なドラミングからスタートする③なんてその最たる例に挙げられる名曲ですし、サビのメロディ展開が印象に残る②、甘くロマンティックなバラード⑦、ポップに弾むキャッチーな⑧なんかも、後にダイアナ・ロスら、著名なアーティスト達がカヴァーしたのも納得の魅力的な仕上がり。
よくぞ再発してくれました。感謝。


KEANE (USA) - TODAY, TOMORROW AND TONIGHT - I'M READY TONIGHT ★★★ (2013-01-15 23:07:04)

イントロのピアノが良いなぁ。
フックの効いたメロディに
キャッチーに弾む曲調、
それに躍動感溢れる演奏といい、
KEANEの魅力を判り易く、且つ余す所なく伝えてくれる
アルバムのハイライト・ナンバーの1つです。


KEANE (USA) - TODAY, TOMORROW AND TONIGHT - OH OH OH ★★ (2013-01-15 23:03:17)

抜け良く、ポップに弾む曲調が
2ndアルバムの作風を象徴しているようです。
とはいえ、声を歪ませてパワフルに歌う
トム・キーンのVoもあって、
ロックならではの躍動感も失ってはいません。


KEANE (USA) - TODAY, TOMORROW AND TONIGHT ★★ (2013-01-14 21:47:12)

70年代に、デヴィッド・フォスターやジェフ・ポーカロといった大物ミュージシャン達のバックアップを受け、齢13~14歳にして2枚のアルバムを発表した早熟の兄弟デュオ、トム(Vo)とジェフ(Ds)のTHE KEANE BROTHERSが、KEANEと改名した後、'82年に発表した2ndアルバム。(邦題は『スターダスト・トゥナイト』)
後にCHICAGOのフロントマンとして活躍することとなるジェイソン・シェフ(B)が新たにバンドに加わっていますが、メイン・ソングライターを務めるのは相変わらずトム・キーンゆえ、本作で演っているのは前作同様、洗練された歌心とハード・ドライヴィンなエッジをバランス良く併せ持ったAOR/産業ロック。
ただ、前作に比べると心持ちシンプルに、カラッと抜け良くまとめられている印象があって、個人的にはその点において1stの哀愁具合の方に軍配を上げるですが、それでも本作が、世界中のメロハー・マニアから(デビュー作と共に)高い評価を受けている1枚であることに疑問を差し挟む余地はございません。
未成年とは思えぬ、成熟した作曲センス並びにパフォーマンスが凝縮された①⑦⑩辺りを聴けば、このアルバムを最後にバンドが活動停止してしまったことがきっと惜しまれる筈。


KEANE (USA) - KEANE - LORELEI ★★★ (2013-01-13 22:20:31)

アダルトなムードが漂う瀟洒なバラード。
この手の楽曲を説得力十分に歌いこなす
トム・キーンのVoを聴くと、
「本当に未成年?」と尋ねてみたくなりますね。


KEANE (USA) - KEANE - KILL OR BE KILLED ★★★ (2013-01-13 22:15:27)

トム・キーンのエモーショナルな歌声、
指の隙間から零れ落ちていくようなピアノの旋律、
哀愁を帯びてよく歌うG、
それにメリハリの効いた曲展開と、
あらゆる点においてアルバムの
ベスト・トラックに推したい名曲です。


KEANE (USA) - KEANE - BAD LITTLE BABY GIRL ★★★ (2013-01-13 22:09:38)

ジョン・キーンのアタッキーなドラムが
暴れ回る、アルバム随一のハード・ナンバー。
この曲は「HRソング」と表現してもいいかな?
(掛け声コーラスも入っていますし)
それでいて、フックの効いた哀愁のメロディと
Keyのお陰でがさつな印象は皆無。


KEANE (USA) - KEANE - TRYIN' TO KILL A SATURDAY NIGHT ★★★ (2013-01-13 21:59:10)

カセット・テープのCMソングに起用されたそうで
実際、楽しげでキャッチーなロック・ソングです。
土曜の夜に浮き立つ心情を表現したかのような
流麗なKeyに思わずこっちの心も逸ります。


KEANE (USA) - KEANE ★★★ (2013-01-13 20:37:41)

トム(Vo、Key)とジョン(Ds)のキーン兄弟が、KEANEを名乗って'81年に発表した1stアルバム。(邦題は『ドライヴィング・サタデー・ナイト』)
故ジェフ・ポーカロらの絶賛もあって「ヤングTOTO」として評判を呼び、特にここ日本では、ポップで軽やかなOPナンバー①がCMソングに起用される等スマッシュ・ヒットを記録したという本作は、TOTOの薫陶を受けたと思しき確かなテクニックを備えつつも、飽くまで「歌」をサウンドの中心に据えた、アンサンブル重視のキャッチーなメロディアスHRを志向。それでいて、若干17歳とは思えぬ成熟した歌声を響かせるトムのVoや、ジョンのエネルギッシュなドラミング(この時16歳!)、それにハード・ドライヴィンなGが楽曲にエッジとダイナミズムを加えてくれているので、甘口になり過ぎないという。これならHR/HMファンでも十分楽しめるんじゃないでしょうか。
洗練された空気を運ぶピアノの音色が、哀愁を帯びた曲調を涼やかなに彩ってくれる②④⑨辺りが個人的にはお気に入りの楽曲ですが、それ以外も逸曲揃いであることは言わずもがな。
AOR/産業ロック・ファンから必聴の名盤扱いされているのも納得の1枚です。


ALDO NOVA - Subject ★★ (2013-01-12 22:44:22)

アルド・ノヴァについては「BON JOVIと仲が良い一発屋ミュージシャンでしょ?」ぐらいのボンヤリとした印象しか持っていなかったのですが、そうした失礼な認識を改める切っ掛けとなったのが、'83年発表のこの2ndアルバム。
Keyを効果的に用いたスペーシーなスケール感の創出、並びに短いインスト曲やSEをメドレー形式に繋いでアルバム全体をドラマティックに構成するスタイルはプログレシッブ・ロックからの影響が伺え、躍動感溢れるビートと、ポップでフックの効いたメロディを併せ持った楽曲作りの上手さ、Ds以外の全てのパートをこなすマルチっぷりに至るまで、アルド・ノヴァのミュージシャン・シップの高さには感心させられることしきり。特にGを雄弁に歌わせるギタリストとしての腕前はなかなかのものですよ。(ちなみに⑩にはチャック・バーキ(Ds)が参加)
歌に関しては少々好き嫌いが分かれるかもしれないのと、単純にポップ・メタル・サウンドを楽しみたい向きには、時にプログレ風味の構成がしゃらくさく感じられる部分もなくはないですが、個人的にはこうした若さ迸る攻めの姿勢は嫌いじゃありません。
一般的にアルド・ノヴァの代表作と言えば、ヒットを飛ばしたセルフ・タイトルの1stアルバムで決まりでしょうが、国内盤未発となってしまった本作もなかなかの出来栄えです。


DRIFTER - Nowhere to Hide - Concrete Jungle ★★ (2013-01-12 07:14:12)

タイトルに相応しく
ターザンの雄叫びからスタートするパワフルなナンバー。
シンプル且つマッシブに鍛え上げられた曲調に絡む、
荒々しく畳み掛けて来る野郎コーラスが
非常にカッコ良く、2ndアルバムの
魅力を伝えてくれる逸曲。


DRIFTER - Nowhere to Hide - The Elder ★★★ (2013-01-12 07:10:46)

実質的なアルバムのラスト・ナンバーで
従来の雄々しいドラマ性と、今作ならではの
鍛え上げられたマッチョさが上手く融合した名曲。
個人的には本編のハイライトはコレです。


DRIFTER - Reality Turns to Dust - Highlander ★★★ (2013-01-10 23:12:49)

ストレートに突っ走るパワー・チューン。
タイトルと歌詞から察するに映画「ハイランダー」が
元ネタにあると思われますが、実際曲調の方も
勇ましい高揚感に満ち溢れています。
劇的なツインGハーモニーにも闘魂を煽られますよ。


DRIFTER - Reality Turns to Dust - Reality Turns to Dust ★★★ (2013-01-10 23:10:15)

アルバム・タイトルを冠しているだけあって
かなり気合の入った作り込みが為されています。
イントロ“DUST TO DUST”から繋がり、
起伏に富んだ曲展開や、欧州民謡風味が取り入れられた
メロディを聴いていると、同時期の
BLIND GUARDIANを思い出したりします。
(もっとパワー/スラッシュ寄りですが)
単なるリズム楽器に留まらない働きぶりを披露する
ベースも○。


DRIFTER - Nowhere to Hide ★★ (2013-01-09 22:20:13)

'89年発表の2ndアルバムにしてラスト作。
MOTORHEADのフィル・キャンベルがゲスト参戦して②⑨(後者はROSE TATOOのカヴァー)でGプレイを披露。更にリリース当時BURRN!!誌でもレビューされてそこそこの点数を獲得する等、DRIFTERの代表作と言えばコレっつーことになるのでしょうか。
プロデューサーには再びカレ・トラップが登板しているものの、示唆に富んだ幻想的なイラストから直球勝負の写真へとアートワークの変化が物語る通り、全体的にファンタジックな色合いは後退。より重量感を増し、頑健に鍛え上げられたパワー/スラッシュ・メタル然とした内容となっています。
さりとて、別にドラマティック路線の楽曲が姿を消してしまったわけではなく、ちゃんと「歌う」Voに、相変わらず劇的にハモるツインG等、聴き進めるに従ってその手の楽曲が顔を覗かせる本編は、核の恐ろしさについて歌った②、掛け声コーラスも勇ましく社会問題について提起する③④、アルバムのハイライト・ナンバーに挙げられるエピック・ソング⑧等、グッと来る良い曲が揃っています。
ただ、これぞ!という強力な決め手に欠ける構成はデビュー作同様なんスけどね。


DRIFTER - Reality Turns to Dust ★★ (2013-01-07 22:11:38)

'83年、スイスはチューリッヒにおいてピーター・ヴォルフ(G)を中心に結成。バンド初期の活動(ロゴ制作とか)にはCELTIC FROSTのトム・G・ウォリアーとマーティン・E・エインが関与していたことでも知られる4人組が、'88年に発表した1stアルバム。
畳み掛ける疾走感や、威勢のいい野郎コーラスといったスラッシュ・メタル的アグレッションと、(プロデューサーのカレ・トラップ繋がりでか)同時期のBLIND GUARDIANなんかに通じるファンタジックなドラマ性、それにプログレ・メタル風味の技巧と展開美を詰め込んだパワー/スラッシュ・サウンドは、ひと口に○○風とは括れない個性を感じさせてくれます。
ただ、たまに朗々と芝居がかった歌唱を披露するVo、起伏の激しい曲展開を堅牢に支える楽器陣など、1つ1つの要素を抜き出して評価すれば高品質なのに、何故かトータルだと今ひとつモッサリとした印象を受けてしまうのは、やっぱ些かキャッチーさに欠けるせいでしょうかね?(特に歌メロとGリフ)
豊富なアイデアを消化し切れていない、やや頭でっかちな部分が見え隠れするアルバムですが、ケルティックなメロディを導入した表題曲①、歌えるVoの存在が光る②、ツインGが印象的なユニゾン・プレイを繰り広げる③、本編中最も正統派HM色が強く出た⑥、“ハイランダー”なるタイトルに相応しい勇ましさを誇る⑦、エピカルにラストを飾る⑧(その後おまけカヴァーの“LA BAMBA”が続きますが)・・・といった具合に、個々の楽曲は良く出来ているので、個人的には結構気に入っているアルバムであります。


DEATHROW - Deception Ignored ★★ (2013-01-06 20:39:24)

Gの片割れをトーマス・プリーベからウヴェ・オスターレーナーに代え、'88年に発表されたこの3rdアルバムをもってDEATHROWはサウンド・スタイルを大幅に刷新。
相変わらずスラッシュ・メタル以外の何物でもない作風を貫いてはいるのですが、前2作で聴かせてくれた本能任せの突進感覚が後退して、代わりに、理性的なリフ/リズム・チェンジを仕込んだ曲展開や、10分に及ばんとする長尺曲にチャレンジする等、プログレ・メタル・テイストをクローズアップ。いかにもHM然とした脳筋チックなモノから、何やらアーティスティックなイラストへと変化を遂げたアートワークもそのことを如実に表していますね。
多少サウンドが複雑さを増したとは言え、そこは西ドイツきっての暴走軍団として勇名を轟かせたバンド。相変わらず人並み以上のスピード感覚は全編に亘って発揮されていますし、ツインGが随所で劇的に奏でるウェットなメロディも健在。①④⑧辺りは「プログレ・スラッシュ」として十二分なカッコ良さを誇っているのですが、ただまぁ1stと2ndがあまりにも魅力的だったために、数年前にDEATHROWの旧譜がまとめて再発された際、本作だけが(同じNOISE RECORDSリリース、ハリス・ジョンズ・プロデュース作品だったにも関わらず)お味噌扱いされてしまった理由も分からなくはないかなぁ、と。


ACCUSER - Who Dominates Who? - Who Dominates Who ★★★ (2013-01-05 23:16:04)

滅法男臭ぇ野郎コーラスによりシャウトされる
“WHO!DOMINATES WHO!”のサビメロにアガリまくる
男おいどん系スラッシュの名曲。
ライブで聴いたらさぞかし盛り上がること請け合い。


ACCUSER - Who Dominates Who? - Symbol of Hate ★★★ (2013-01-05 23:07:41)

アルバム中では比較的ストレートに
畳み掛けて来るスラッシュ・ソング。
濁声で男臭さを撒き散らすVoと
ガチムチ感演出に大きく貢献するリフ&リズム、
メロディアスに切り込んでくるGソロの
カッコ良さにはテンションが上がりますね。


ACCUSER - Who Dominates Who? - Master of Disaster ★★★ (2013-01-05 23:00:49)

OPナンバーにして、いきなり7分半もある
大作ナンバーですが、噛み付くように歌う剛直なVo、
鋭利且つソリッドに刻まれるGリフ、
タイトなリズム・ワークで焦燥感を煽るDsとが
押せ押せで畳み掛けてくるので退屈する暇はありません。
トラディショナルなメロディを奏でるGソロも良い感じです。


ACCUSER - Who Dominates Who? ★★★ (2013-01-04 22:34:25)

アートワークに託された、実験に失敗して半人半機の身となり次第に人間性を失っていくキャラクター「ウルトロン6」の内部で起こる“人間”と“機械”の葛藤を描き出す・・・というコンセプトは実に立派なのだけど、肝心のイラストがパッと見、赤ん坊とロボットが戯れてるだけにしか見えずトホホ・・・な、'89年発表の2ndフル・アルバム。
野太いVoに、滅法男臭いコーラス、鉄材から削り出したようなソリッドなGリフを刻み倒す一方、ヨーロピアンな湿り気を帯びたメロディも劇的に紡ぎ出すツインGとが、切迫感を湛えたタイトなリズムに乗って猛進するパワー・サウンドが、まさしくドイツ産ならではの質実剛健さを伝えてくれて、ひたすらにカッコイイ。
大作主義を打ち出している割に、リズム・パターンのバリエーションが乏しいせいで長尺曲だと中弛みを感じてしまうのが玉に瑕ですが、逆にコンパクトに締まった①⑤⑥みたいな楽曲は、鋭利なGリフのカッコ良さやパワフルな疾走感が心行くまで堪能でき、文句なしの出来栄え。(①は7分以上ありますがイントロ込みですからね)
僅か2週間で突貫レコーディングされたという本作ですが、むしろそれを荒々しいエネルギーへと転化したジャーマン・スラッシュ・メタルの力作です。
せっかく良いバンドなのに、旧譜が入手困難な現状は何とかならんもんでしょうかね。


SHAH - Beware - Threshold of Pain ★★★ (2013-01-03 20:32:22)

この曲に限ってはVoが「歌っている」こともあり、
かなり正統派HM風味が強く感じられ、
実際、劇的且つ緩急を飲み込んだ曲展開も
それを裏付けてくれています。
アルバムのクライマックスを飾るに相応しい
堂々たる名曲です。


SHAH - Beware - Age of Dismay ★★ (2013-01-03 20:30:36)

アルバムでは比較的ストレートにスラッシュ色が
打ち出されている楽曲ですね。
青臭いコーラスがせっかくの迫力を減じてしまっている感が
無きにしも非ずですが、それでもカッコイイものはカッコイイ。


SHAH - Beware - Save the Human Race ★★★ (2013-01-03 20:28:11)

疾走感よりもグルーヴィなノリの良さが際立つ
楽曲ですが、クランチーな音作りと切れ味鋭い
演奏のお陰でマッタリ感は皆無。
図太い音色で唸りを上げてアクセントを加える
Bもカッコイイですね。


SHAH - Beware - Total Devastation ★★ (2013-01-03 20:23:16)

スラッシュ・メタルとしては少々スロー・スタート気味かな?
と思わせておいて、聴き進むに従ってグングンとテンションが
高まっていく構成。特にキリリと冷えた音色でGが滑らかに
切り込んで来るラスト・スパート部分のカッコ良さは格別です。


SHAH - Beware ★★★ (2013-01-03 19:07:32)

シャー!(挨拶)「ソビエト連邦初のスラッシュ・メタル・バンド」として話題を読んだ3人組が、'88年にATOM H RECORDSからリリースした(テイチクから国内盤も出た)1stアルバム。
昔聴いた時は、トリオ編成、吐き捨て型のハイピッチVo、それに1曲目のタイトルが“TOTAL DEVASTATION”ということもあって「DESTRUCTION影響下のバンド」との印象を受けたのですが、今回改めて聴き直してみたら、歌にしろ演奏にしろ楽曲にしろ、別にDESTRUCTIONっぽさは然程でもなかったなぁ、と。
疾走感自体は大したことないのですが、演奏にはキレがあり、ザクザクと小気味良く刻まれるGリフ、随所で差し込まれるキンと冷えた滑らかなメロディ、そしてタテノリで突っ走るリズムからなるサウンドは、むしろベイエリア出身のその手のバンドに近しい印象。寒々しく底冷えする反面、カラッカラに乾燥しているというプロダクションが、まさしくシベリアの大陸性気候を彷彿とさせ、「おお、ロシアン・スラッシュ!」とエキゾチシズムが刺激されます(?)。
シャープ&メロディックに切り込んでくるGがテンションを高める①、ハジけたBラインに体が動き出す⑤、流麗なG、図太いB、歯切れの良いDsが一体となって突っ走る⑥、冷厳且つ劇的に展開する⑦等、聴き応えのある楽曲が並ぶ本作は、「ロシア産にしては~」等という前置きを全く必要としないスラッシュ・メタルの力作に仕上がっています。


ISSA - Can't Stop ★★★ (2012-12-29 11:37:30)

イッサ、3枚目の作品は80~90年代に活動していたメロディアスHRバンドの楽曲を集めたカヴァー・アルバム。(アレンジは現EDEN'S CURSEのアレッサンドロ・デル・ベッキオが担当)
普通、この手の企画盤はマーケティング的な観点からも、ある程度名の知れたアーティストの楽曲をカヴァーするのが常道ですが、本作はそこを敢えて外し、大成せずに埋もれてしまったバンドの名曲群を掘り起こしている点がユニーク。マーケティングよりも趣味性を優先したかのようなこの企画、まるでFRONTIER RECORDS社長セラフィノ・ペルジーノ氏の「俺が聴きてぇんだから、細けぇことは良いんだよ!」との決意表明が聞こえてくるかのようです。
本編に登場するバンドは、AVIATORにREGATTAにBOULEVARD・・・と名前を挙げただけで「ああ、あれね」となる方は相当なマニアとお見受け致します。個人的に半数近くは、楽曲はおろか名前すら知らなかったバンドなのですが、知名度よりもクオリティ優先の選曲が為されているだけあって、いずれも一発でハート鷲掴みな珠玉の逸品揃い。しかもそれをイッサ嬢が溌剌と歌い上げるわけですからね。
AVIATORの①や21 GUNSの④、MYSTIC HEALERの⑤はやっぱり名曲ですし、その存在をまるで知らなかったREGATTAの③、BOULEVARDの⑦なんて、本編のハイライト・ナンバーとしてオリジナル盤を探さずにはいられませんよ。
メロハー名盤探しのカタログ代わりにもうってつけの1枚です。


ISSA - The Storm ★★ (2012-12-29 00:06:55)

ゴージャスな美貌のみならず、ハスキーな歌声の素晴しさ、そして何よりデビュー作『SIGN OF ANGELS』の飛び抜けたクオリティの高さで話題を呼んだイッサ嬢が、再びFRONTIER RECORDS人脈に連なるソングライター/ミュージシャン勢と共に制作、'11年に発表した2ndアルバム。
デビュー作のどういった要素がリスナーに受けたかを的確に把握し、楽曲のフック、キャッチーなサビメロ、壮麗なアレンジをより一層研磨することによって「哀愁のハードポップ・サウンド」の魅力を素直に伸ばしてみせた本作の質の高さは、カラータイマーみたいな(?)のKeyリフが印象的なOPナンバー①を聴いただけでハッキリと伝わってきます。
ただ、関わったソングライターの資質の差異なのか、今回は北欧的な冷ややかな哀感は少々減退した印象で、全体としてはより普遍的なメロハー・テイストが強まった感あって、別にこれはこれで十分魅力的ではあるものの、個人的には前作の作風がドンピシャだっただけに、やはり物足りなさを覚えてしまうかなぁ、と。贅沢な話ですが。
とは言え、そんなことを理由に⑥みたいな良い曲が収録されている本作をスルーするなんて勿体なさ過ぎる話ですけどね。


ISSA - Sign of Angels ★★★ (2012-12-27 21:10:56)

端麗な容姿と卓越した歌唱力を兼ね備えるノルウェーの歌姫、イッサことイサベル・ウーヴェスヴェンが'10年に発表した1stアルバム。
見目麗しいアートワークからも明らかなように、ソプラノ・ボイスか、はたまたオペラティックなスタイルで歌い出しそうなゴージャスな美貌の持ち主のイッサ嬢ですが、その声はどちらかと言えば「お転婆」系(死語)で、ハスキーな声質はロック・シンガー然としたパンチの効き具合。
10代の頃からプロキャリアを積んでいるだけ合ってその実力は確かな上に、FRONTIER RECORDSの全面バックアップを受け、参加ミュージシャンもソングライターも腕利きの職人揃いとあっては、これはもうレベルの低い作品が出来上がるわけがありません。
事実、エッジを失うことなく哀メロのフックに磨きのかけられた、華やかなハード・ポップ・サウンドは出色の出来栄え。キャッチーなサビメロからヒンヤリとした冷気を纏った哀感が滲み出す辺りが流石は北欧産で、個人的には①③④など感動的な名曲が並ぶ前半の充実っぷりに心震えましたよ。
眉と耳に唾つけて購入しましたが、確かに噂に違わぬ捨て曲なしの力作でありました。


AT VANCE - Only Human ★★★ (2012-12-26 21:36:37)

オリバー・ハートマン(Vo)在籍時代最後の作品となってしまった'02年発表の4thアルバム。
こちらのサイトでの得票数からも明らかな通り、3rd『DRAGONCHASER』の行き詰まり感を吹き飛ばした快作として高評価を獲得している本作ですが、そのことはわざわざ音を聴くまでもなく、前作のチープなイラストとは天と地ほどにグレードに差があるアートワークを見ただけで窺い知ることが出来ます(笑)。
サシャ・ピートをプロデューサーに迎え、一層硬質に引き締まったサウンド・プロダクションはもとより、『DRAGONCHASER』で指摘されたメロディの練り込み不足も解消の方向へ向かっているようで、キャッチーな味わいが強化された②とか、勇ましくギャロップする④のような、従来にはなかったAT VANCEの新たな魅力をアピールする楽曲が収められている点も評価ポイント。
あと個人的に嬉しいのが、疾走ナンバーに北欧ネオクラ・メタル風味が戻って来ている点。ボートラ収録の⑭みたいなジャーマン・メロパワ調の疾走ナンバーもそれはそれで魅力的ではありますが、やはりダークな憂いを帯びた歌メロがコブシを効かせて走り抜ける①⑦のような楽曲こそ「AT VANCEの真骨頂!」と思うわけで。凱歌の如く高らかに響き渡る⑩、演歌ばりの泣き具合が素晴しい陰鬱なバラード⑫も最高ですね。
残念ながらこれを最後にオリバー・ハートマンはバンドを去ってしまうわけですが、その有終の美を飾るに相応しい力作に仕上がっていることがせめてもの慰めでしょうか。


AT VANCE - Heart of Steel - Goodbye ★★★ (2012-12-23 09:06:35)

ネオクラシカルHMと言ったらこれでしょ?
と言わんばかりにコブシの効きまくった
オリバー・ハートマンの歌うメロディに
悶絶させられっ放しの逸品。


AT VANCE - Heart of Steel - Princess of the Night ★★★ (2012-12-23 09:04:22)

ROYAL HUNTのアンドレ・アンダーセンなんかにも通じる
メロディ・センスを感じます。
冷たくも悲哀に満ちた泣きメロに思わず視界が
滲んでしまいますよ。


AT VANCE - Heart of Steel - Soldier of Time ★★★ (2012-12-23 09:00:48)

AT VANCEが誇る至高のスピード・ナンバー。
「民俗音楽風」と評されたどこか物悲しいGリフ、
北欧メタル風のドラマティックな構築美、
ジャーマン・バンドならではの力強い疾走感とが
三位一体となって織り成すネオクラワールドに
心臓がバクバクと高鳴りますね。


AT VANCE - Dragonchaser ★★ (2012-12-21 23:06:00)

気合を入れて「ニーベルンゲン伝説」を基にしたコンセプト・アルバムを作ってみたのに、なぜかイマイチ評価の芳しくない'01年発表の3rdアルバム。
しょっぱ過ぎるジャケット・アートワークが最大の理由・・・ってことはないでしょうが、それにしたってB級メタル・バンドの自主制作デビュー盤かと見紛うチープなイラストが、せっかく用意したコンセプト・アルバムという立派な器に水を差している感は否めません。
まるでイタコを召喚してオーラフ・レンク(G)にイングヴェイの生霊を憑依させたかのような、イングヴェイ以上にイングヴェイっぽい劇的なOPナンバー①、「よくもまぁこんなに哀しい歌メロを思いつくな」と感心させられるほど悲壮感漂う⑥等、AT VANCEの刻印が押された名曲で要所が締められているため、前2作を気に入った方を失望させないだけの完成度はちゃんと備わっているんですけどね。
ただ、オーラフ・レンクのドイツ人の血が為せる業なのか、全体的にスピード・ナンバーは独産メロスピ・メタル風味が強化されているようで、個人的には今ひとつ乗り切れず。1st、2nd収録の名曲“NO ESCAPE”や“SOLDIER OF TIME”のような、悶絶モノのネオクラシカル風味が減退気味なのも気になります。ひょっとしてコンセプト練るのに一生懸命過ぎて、楽曲を練る時間があまり取れなかったのか?と思っってしまったりも。


AT VANCE - No Escape - No Escape ★★★ (2012-12-21 22:37:52)

人気ないですが、個人的には1stアルバムのハイライト。
聴いているだけで床をのたうち回りたくなるほど
コブシ回りまくりの歌メロには「ネオクラ・メタル」の
魅力が凝縮されています。
北欧風ネオクラシカル・メタル・バンドとしてAT VANCEの
頂点は1stだったかもしれませんね。


AT VANCE - No Escape - Flying High ★★★ (2012-12-21 22:34:51)

ジャーマン・メロスピ・メタル的な
パワフルな疾走感が持ち味のOPナンバーですが
暗い憂いと緊張感を湛えたサビメロの展開が
このバンドならでは。初めて聴いた時は
「ホントにドイツのバンド?」と思いましたね。


AT VANCE - No Escape ★★★ (2012-12-18 22:36:42)

来年初頭にAT VANCEの初来日公演が決定したと耳にして、思わずCD棚から引っ張り出してきて久々に聴き直している、'99年発表の1stアルバム。
本作はリリース当時BURRN!!誌で高得点を叩き出し、またHR/HMファンの間でも「凄いバンドが現れた!」と話題になった作品だけあって、その完成度の高さには抜きん出たもの有り。オーラフ・レンクのテクニカルなネオクラGプレイと、レンジの広いオリバー・ハートマンのパワフルなVo(ちょっとジェフ・スコット・ソート似)を両輪に、スピーディ且つドラマティックに疾走する北欧風様式美HMサウンドは、北欧メタル的な線の細さとは無縁の、例えば独産パワー・メタルに通じる強靭な足腰も兼ね備えています(例えばも何もドイツ出身バンドなんすけどね)。特に、ダークな緊迫感を湛えた劇的な歌メロに思わず万歳三唱したくなるスピード・ナンバー①②は、ネオクラ・メタル・ファンなら秒殺必至の名曲中の名曲ですよ。
後半にこのレベルの疾走ナンバーがあと1曲あればアルバムが更に引き締まったとか、やたら収録されているカヴァーが本編のテンションを下げている(ABBAの⑥には◎を進呈しますけど)とか、その完成度の高さゆえに贅沢な注文も思いついてしまうのですが、ネオクラシカルな歌メロに悶絶させられる④、ライブで演ったら大盛り上がり確実の⑤、オリバーの喉が冴えるバラード⑧、エピック・メタル・タッチの荘厳なラスト・ナンバー⑩etc・・・といった逸曲が詰め込まれた本作が、捨て曲なしの名盤であることは疑いようがありません。
今じゃ国内盤が廃盤とは勿体ない限りであります。


BABE RUTH - Amar Caballero ★★ (2012-12-17 22:14:25)

マカロニ・ウェスタンのテーマ曲をカヴァーしていることで有名な(?)、英国はハートフォードシャー出身の5人組が'74年に発表した2ndアルバム。
それ目当てで彼らのカタログを集めるようになった身ゆえ、カヴァー曲不在の本作は購入が後回しになっていましたが、さりとて、このアルバムが1stや3rdに比べて聴き劣りするかと言えば、当然そんなことはなく。
ダイナミックなガブリ寄りから一音入魂の繊細な表現力まで、多彩にして振れ幅の大きなアラン・シャックロック(G)とジェニー・ハーン(Vo)のパフォーマンスを主軸に、プログレ、クラシック、ジャズ、ファンク、フラメンコの要素、それにスパニッシュ・フレーバーから東洋風味薫るメロディまで豪快に取り込んで血肉へと変えた、懐の深い個性派HRサウンドは相変わらず際立っています。
ヒプノシスが手掛けたアートワークや、ストリングスにフルート、果てはラッパまで吹き鳴らされるジャジーなOPナンバー①の摩訶不思議な存在感が主張するように、本作はBABE RUTHのカタログの中ではかなりプログレ方面に比重が傾いている1枚なのですが、個人的にはそうしたアクの強い楽曲よりも、メロディアスで叙情的な楽曲の方に心惹かれます。例えば中華風のメロディがフィーチュアされた②、ヴァイオリンとスパニッシュ・ギターの共演に酔いしれる⑥、ラストに鎮座まします三部構成の組曲⑦とか。
ハードさを求める向きにはビートの乏しさがネックですが、このバンドの1stや3rdが気に入った方なら本作も押さえておいて損はないかと。


PARADOX - Tales Of The Weird - Brainwashed ★★★ (2012-12-16 22:45:14)

アップテンポではあるものの、
スラッシュというよりは正統派HM寄り。
エピック・メタルばりの力強さと
スケール感を伝えるサビメロがカッコイイったら。


PARADOX - Tales Of The Weird - Day of Judgement ★★★ (2012-12-16 22:40:57)

決してメロディを見失わない硬派なVoとツインG、
破壊的なGリフ、それに重量感溢れるリズムとが
重心低く突進する「これぞPARADOX!」な
パワー/スラッシュ・ナンバー。血圧が上がりますよ。


PARADOX - Tales Of The Weird - Brutalized ★★★ (2012-12-16 22:36:55)

憂いを帯びたメロディを硬派に歌うVo、
攻撃的に畳み掛けるリフ&リズム、
ドラマティックに絡み合うツインG、
それでいながら肉体に訴えかけるキャッチーさも
併せ持った、スラッシュ/パワー/正統派へヴィ・メタルの
美味しいトコ取りな名曲。
個人的にはアルバムのハイライト・ナンバーです。


PARADOX - Tales Of The Weird - Tales of the Weird ★★★ (2012-12-16 22:29:01)

ドラマティックな導入部に、ツインGの劇的な絡みを
活かした曲展開、それに10分に及ばんとする大作主義など、
元々アルバム『TALES OF THE WEIRD』が
名作『HERESY』の続編として制作された
(その後コンセプトが変更された)という、
その名残りを感じさせてくれる名曲です。
終始パワフルに突っ走って、大作曲にありがちな
もったいぶった部分が皆無なのがこのバンドらしい。


PARADOX - Tales Of The Weird ★★★ (2012-12-15 21:45:14)

3年振りの新作ですが、それぐらいのインターバルだとPARADOXの場合「お、今回は早かったな」とか思ってしまいます。解散宣言まで飛び出したその3年間の波乱万丈っぷりに関しては国内盤解説に詳しいのですが、読みながら「もう'12年のベスト・アルバムはコレで決まりでいいや」とか思ってしまいましたよ。
実際お世辞でもなんでもなく、ソリッドでありつつ男の哀愁も背負ったチャーリーのVoと、メロディックに切り込んでくるツインG、そして機銃弾の如く速射されるリフ&リズムの猛ラッシュで聴き手を捻じ伏せる、PARADOX流パワー/スラッシュ・サウンドは無類のカッコ良さ。冒頭のスピード・ナンバー三連打や、切れ味鋭い⑨といった楽曲の武骨な畳み掛けには、このバンド不変の美学が宿っています。
今回はデス・メタル・バンド出身ギタリストが新たに加わっているため、更にブルータルな方向へ歩みを進めるのかと思いきや、この新Gが構築度高めのメロディックなソロを聴かせてくれる技巧派。更にサイバーな雰囲気を薄れさせた音作りや、久々に叙情インスト・パートを冒頭に置いた本編の構成etc・・・が物語る通り、アルバム自体はこれまで以上にオールドスクールな正統派HMテイストを増強した仕上がりに。
ツインGの絡みが劇的な盛り上がりを演出する大作曲①や、エピカルなサビメロにアガりまくる⑥、RAINBOWの名曲のカヴァー⑩辺りはその表れでしょうか?それに何より、キャッチーに突進する③は正統派HMとスラッシュ・メタル、双方の美点を併せ持った、全身の血が沸き立つキラー・ソングですよ。


MAD MAX - Night of Passion ★★ (2012-12-13 22:40:42)

MAD MAXなんて言われると、素肌に皮のベスト着込んだモヒカン頭のメンバーが、改造車にハコ乗りして「ヒャッハー!」と奇声を上げているような世紀末サウンドが思い浮かびますが(どんなサウンドだ)、本作でメイン・ソングライターを務めているのは、CASANOVAやDEMON DRIVE等の活動で名を馳せるあのマイケル・ヴォス(Vo)。ゆえに、全編に亘って重視されるのはアグレッションよりもメロディとハーモニー。
このバンドが前3作をかけて培ってきた、ドイツのバンドらしい質実剛健な正統派HMサウンドと、マイケルが新たに持ち込んだポップでメロディアスなアメリカンHRサウンドが、全く溶け合うことなく、A面とB面でそれぞれ別個に存在を主張している点がちょっと可笑しい本作。
単純に質で言えば、少々野暮ったい前者よりも、哀愁漂う⑤、爽やかで抜けの良いメロハー⑥、ゲスト参加のジョシュア・ペラヒアが特徴的な速弾きで華を添える⑦、美しいコーラスがキャッチーな⑧といった佳曲が連続する後者の方に軍配が上がりますが、ジャーマン・パワー・メタル然としたスピーディでパワフルな曲調に、マイケルのソフトで透明感を湛えた歌声が乗るというミスマッチ感がユニークな②④のような楽曲を擁する前半もまた十分味わい深い。
あ、つまり全編が聴き応え十分の力作ってことですわな。


FOREIGNER - 4 - I’m Gonna Win ★★★ (2012-12-12 21:55:23)

なぜだか人気のない楽曲ですが、
個人的には『4』の中でも1、2を争うぐらい
お気に入りの名曲。
始まりこそ地味めですが、後半に進むに連れて
熱を帯びていく曲展開、それに何より
ルー・グラムの入魂の絶唱に何度聴いても
痺れまくりですよ。
この曲を聴け!いや、聴いて下さい。


FOREIGNER - 4 - Urgent ★★★ (2012-12-12 21:48:41)

マイケル・ジャクソンが踊り出しそうな
ダンサブルなビートとモダンなアレンジが印象的。
そう、この曲の肝はサックスですね。


FOREIGNER - 4 - Juke Box Hero ★★★ (2012-12-12 21:46:52)

なぜか聴いているAC/DCのことが思い浮かぶ
ギンギンにビートの効いたタテノリ・ナンバー。
とはいえ勢いのみならず、キャッチーでフックの
効いたメロディや曲展開をちゃんとちゃんと
備えている辺り、流石FOREIGNER。
アルバムのハイライト・ソングの1つです。


FOREIGNER - 4 ★★★ (2012-12-11 22:41:47)

現在までにトータル1700万枚以上を売り上げる、問答無用のFOREIGNERの代表作、'80年発表の4thアルバム。
「産業ロック」のトップランナーでありながら、Keyにべったり頼り切ることを良しとせず、メンバーの個性を活かしたソリッドでハード・ロッキンなサウンドも得意としていた彼らですが、結成メンバーのイアン・マクドナルドとアル・グリーンウッドの脱退が契機となったのか、徐々にこの辺りからポップ路線へとシフトし始めます。「元祖パワー・バラード」と評される④や、ダンサブルなリズムとクールなサックスが印象に残る⑥のような大ヒット曲は、モダンでお洒落なアレンジをふんだんに取り入れ都会的な洗練の度合いを一層高めた「FOREIGNERサウンド」の象徴的存在でしょうか?
勿論、ノリノリのOPナンバー①や、AC/DCばりのタテノリ・チューン②のような、ビートの効いた楽曲も収録されてはいるのですが、それらにしても荒々しさ以上に耳を捉えるのがそのキャッチーさ。特に本作の「馴染み易さ」「聴き易さ」に貢献しているのがルー・グラムのVoで、元々上手いシンガーでしたが、今回は堂々本編の主役を担い、多彩な表現力を駆使して終始、神罹ったレベルの歌声を披露。中でも胸引き裂かんばかりのエモーションが迸る⑦における絶唱は言葉を失うほどに感動的。
独自のサウンド・スタイルを完全に確立し、その型の中で最大限の成果を導き出した名盤です。


FOREIGNER - Head Games - Head Games ★★★ (2012-12-10 21:51:20)

ポップ&キャッチーで躍動感溢れるアルバム表題曲。
シングル・カットされたのも納得です。


FOREIGNER - Head Games - Love on the Telephone ★★★ (2012-12-10 21:48:43)

邦題は“真夜中の電話”。
適度にKeyを効かせたキビキビとした曲調に
FOREIGNERらしいヒンヤリとした感触の
哀メロが乗っかった名曲。
さらりとこういうタイプの楽曲を作れちゃうのが
このバンドの凄いところです。


FOREIGNER - Head Games - Blinded by Science ★★★ (2012-12-10 21:46:02)

アルバムのハイライト・ナンバーの1つで
邦題は“科学の影に”。
後半へ向けて尻上がりに盛り上がっていく
ドラマティックな曲展開とルー・グラムの熱唱に
プログレ・ハード風味が濃厚に漂います。


FOREIGNER - Head Games ★★★ (2012-12-09 22:13:59)

ジャケット・アートワークと一部楽曲の歌詞が「性差別」「人種差別」と物議を醸し出したため、FOREIGNERのアルバムとしてはやや不本意なセールス結果に終わってしまった(それでも200万枚以上を売り上げているのだから立派なもんですが)'79年発表の3rdアルバム。
また、バンドの主導権を巡るルー・グラム&ミック・ジョーンズ組と、イアン・マクドナルド&アル・グリーンウッド組による内紛が陰を落としたこともあり、どうにもパッとしない地味な印象を持っていた本作ですが、今回改めて聴き直してみて、そうしたマイナス要素が作品のクオリティに全く悪影響を与えていない事実に驚かされました。
1st収録の“つめたいお前”、2nd収録の“蒼い朝”に匹敵するパンチの効いた逸品は見当たらない代わりに、クールなメロディと練り上げたアレンジに隙なく埋め尽くされた楽曲群は、旧作同様いずれもしっかりと耳を捉える出来栄え。キビキビとしてリズムミックな②や、どこかコミカルなロックンロール③、キャッチーで張りのある⑥、ルー・グラムの熱唱が胸を打つ重厚且つドラマティックな⑧なんかを聴くと、やっぱりこのバンドは半端ねぇぜ!と思わされますよ。


FOREIGNER - Double Vision - Spellbinder ★★★ (2012-12-09 00:09:59)

楽曲自体の素晴しさも然ることながら
この曲ではルー・グラムのシンガーとしての
非凡さが光ります。
楽譜通りに歌っているだけでは決して生み出し得ない
「タメ」と「間」を心得た熱唱にハート鷲掴みですよ。


FOREIGNER - Double Vision - Lonely Children ★★★ (2012-12-09 00:05:43)

邦題は“寂しき子供たち”
この頃は未だ70年代HR風味の名残りが感じられますね。
豪快に繰り出されるGリフとコシの強いリズム、
メロディアスに切り込んでくるKey、その上でタメを
効かせて熱唱するVoが一体となって楽曲を
熱くダイナミックに盛り上げてくれています。


FOREIGNER - Double Vision - Tramontane ★★★ (2012-12-09 00:01:39)

ミック・ジョーンズが「ヨーロッパ方面からの
影響が強く出た楽曲」と語る、透明感と壮大なスケール感を
湛えたスペーシーなインスト・ナンバー。
主役を張るGとKeyが実に良い仕事をしていらっしゃる。


FOREIGNER - Double Vision - Double Vision ★★★ (2012-12-08 23:58:23)

「タイトルは知らないけど聴いたことはある」
って人も多いんじゃないかと思う大ヒットナンバー。
ズンズンと腰に響いてくる、FOREIGNERの中では
比較的ハードな部類の楽曲ですが、哀愁味を増幅する
キャッチーでメロウなサビメロのアレンジが実に絶妙。


FOREIGNER - Double Vision - Blue Morning, Blue Day ★★★ (2012-12-08 23:52:57)

“蒼い朝”という邦題が良いですよね。
ポップなんですが、冷やかでメランコリックな
曲調が、まさしく「都会の憂鬱な平日の朝の空気」を
伝えてくれます。


FOREIGNER - Double Vision ★★★ (2012-12-07 23:52:16)

1st『FOREIGNER』がビッグ・セールスを記録し、一躍「産業ロック」(当時は悪口だったわけですが)のパイオニアとなったFOREIGNER、'78年発表の2ndアルバム。
70年代HRやプログレッシブ・ロックの残滓も聴き取れたデビュー作に比べ、メロディやアレンジ、曲展開、それに演奏がコンパクトに整理され、よりスマートさを増した作風は、いよいよ「FOREIGNERサウンド」の方向性が定まった手応えがひしひしと感じられます。
特に、タイトル通り血が騒ぐOPナンバー①、モダンで冷やかな哀感を漂わす②、腰に訴えかけるハードさを備えたアルバム表題曲⑥は、チャート上位に食い込む大ヒットとなったのも納得の名曲ですよ。
それ以外にも、ロマンティックなバラード③あり、スペーシーなスケール感を有する⑦あり、ただ正確に譜面をなぞるのでは表現し得ない、メンバー同士の阿吽の呼吸が見事に活かされた⑨⑩あり・・・・といった具合に優れた楽曲が目白押しの本編は、500万枚以上を売り上げたと言うのも納得のクオリティ。
FOREIGNER入門編に最適なアメリカン・メロディアスHR史にその名を刻む名盤であり、個人的には彼らのアルバムではこれが一番好きですね。


FOREIGNER - Foreigner - I Need You ★★★ (2012-12-06 23:15:48)

この曲におけるリフとリズムの豪快さ、
火花を散らす楽器隊の応酬っぷりは70年代HR的ですね。
これまた1stアルバムでしか聴くことの出来ない
緊迫感とスケール感に満ちた名曲。


FOREIGNER - Foreigner - Starrider ★★★ (2012-12-06 23:12:23)

プログレ・ハード色が強く出た初期FOREIGNERならでは・・・
というか、このアルバムでしか聴くことの出来ないタイプの
濃厚な哀愁を漂わせた名曲。
ルー・グラムのエモーショナルな熱唱に煽られるように
猛烈に咽び泣くミック・ジョーンズのGプレイを聴いて
眉毛が八の字にならん奴はおらんでしょう。


FOREIGNER - Foreigner - Cold as Ice ★★★ (2012-12-06 23:07:47)

邦題は“つめたいお前”
個人的に、数あるFOREIGNERの名曲の中でも
最も愛している珠玉の逸品。
都会的で冷やかな哀感を運んでくるピアノと
レイヤー状に重ねられ楽曲を立体的に彩る
美麗なボーカル・ハーモニーが最高に素晴しい!


FOREIGNER - Foreigner ★★★ (2012-12-05 23:28:39)

現在ではジャンルの一形態を表す言葉として便利に使われている「産業ロック」という呼称ですが、これがFOREIGNERサウンドを揶揄するために生み出された、要するに悪口の類だったと初めて知った時は結構驚きましたね。
尤もこの'77年発表のデビュー作(邦題『栄光の旅立ち』)に関して言えば、音作りといい、アレンジといい、結構「攻めてる」メンバーの楽曲に対するアプローチといい、AOR/産業ロック度は控えめ。むしろ70年代HRやプログレ・テイストの残り香も漂って来る作風は、バンド・メンバーのFOREIGNER以前の音楽的出自を強く意識させる作りです。
特に、ミック・ジョーンズの泣きまくりのGが辛抱堪らん③や、ハード且つダイナミックに展開していく⑩は本作ならではの逸品かと。
一般的に想起される「FOREIGNERサウンド」とは少々趣きを異するものの、幾重にも積み重ねられたボーカル・ハーモニーが劇的な美しさを演出する名曲中の名曲②を筆頭に、代表曲として知られる①、泣きの強まる後半の盛り上がりっぷりに涙する⑤など充実した本編を聴けば、「本作が一番好き」と言う人が多くいることにも納得がいきます。


DON DOKKEN - Up From the Ashes ★★★ (2012-12-03 23:36:55)

ドン・ドッケンのソロ・プロジェクト――と言うとドンがムッとするので彼がリーダーを務めるバンド――が、'90年に発表した唯一作。
本作は、スーパー・バンドとしての「名」と、作品としての「実」の釣り合いがしっかりと高いレベルで取れている秀作で、音自体はDOKKEN路線のメロディアスHRサウンドですが、堅実に自分を盛り立ててくれる2人の凄腕ギタリストをバックに従えたドンが、「あ~、嫌いな奴が横から出しゃばって来ないグループってイイなぁ!」(と思ってたかどうかは定かじゃありませんが)と、伸び伸び気持ち良さげに、持ち前のソフトで繊細な歌声を披露しているのが印象に残ります。
主役は飽くまでVoであり、歌とギターが対等に(色々な意味で)火花を散らしまくる作風を期待する向きには物足りなく感じられるかもしれませんが、ハイテク・ギタリスト2人のセンス溢れる演奏と、ドン、ジョン・ノーラム、ピーター・バルデスによる絶品の3声ハーモニーがたっぷりとフィーチュアされた収録楽曲は、DOKKENの名曲群にも引けを取らないクオリティを提示。特に、2本のGが美しく絡み合うイントロだけでウットリ聴き惚れてしまう劇的な①、物悲しくも重厚な②、「フックの効いたサビメロ」のお手本のような④、歯切れ良くキャッチーな⑤、センチメンタルなバラード⑥といった名曲が連続する本編前半の出来栄えは強力です。
DOKKENの活動を停止するのなら、いっそDON DOKKENを復活させるってのはどうなんでしょうね。


WOLF(SWEDEN) - Ravenous ★★★ (2012-12-02 22:17:46)

スウェーデン出身の5人組が'09年に発表した5thアルバム。勉強不足ゆえ、このバンドについては殆ど何も知らず、完全に「ロイ・Zがプロデュースしている」という部分に興味を惹かれての一点買いでした。
失礼ながら、当初は「何でこんなマイナーなバンドのプロデュースをロイ・Zが?」とか思っていたのですが、聴いて納得。JUDAS PRIESTとIRON MAIDENの遺伝子を受け継ぐ正統派HMサウンドは、耳にしただけでこめかみの血管がグワッと広がり、ドクドクと血流が増すような感覚を覚えるカッコ良さ。「バラード?無用!」とばかりに武骨且つソリッドに押し出してくる正統派HMサウンドは、楽器陣の逞しさに比べるとVoの線がやや細い気がしなくもないですが、弱点という程でもなし。正統派であることに胡坐をかくことを良しとせず、優れた演奏、優れた楽曲作りに傾注している点にも感心させられますね。
スピーディな①、エピカルな②、高圧的な④、Gリフがキャッチーな⑥、獣が地を駆けているような⑩・・・収録楽曲は何れもパワー/メロディ/ドラマ性が三位一体となった逸品揃いで、まるで《何も足さない、何も引かない》サントリーのウィスキーのごとし正統派HMサウンドが堪能できる1枚でした。


SALVAGE - Salvage - HOLD ON ★★★ (2012-12-02 00:08:14)

技術面、メロディ面、両サイドにおいて
冴えを発揮するツインGの妙技を堪能したいなら、
アルバムのラストを飾るこのバラードがお薦めです。


SALVAGE - Salvage - IN MY HEART ★★★ (2012-12-02 00:06:39)

ハードな楽曲を歌うとパワー不足が気になる
シンガーですが、この手の叙情ナンバーを
ソフトに歌い上げさせるとドン・ドッケン辺りに
通じる繊細な魅力を発揮します。
ドンさん的には「一緒にすんな」ってなもんでしょうが。


SALVAGE - Salvage - No Time to Lose ★★★ (2012-12-02 00:02:04)

ドイツのバンドらしい雄々しく疾走する曲調に、
テクニカルに、メロディアスに切り込んでくる
ツインGの旨みがギュギュッと詰まった
アルバムのハイライトを飾る名曲ですね。


SALVAGE - Salvage ★★ (2012-11-29 23:17:33)

日本でジャーマン・メロディック・パワー・メタルが盛り上がりを見せていた'91年にデビューを飾った、ドイツ中東部はハーゲン出身の5人組の唯一作。(日本盤リリースは'93年)
と言っても彼らは別にメロパワ系ではなく、Keyを適宜取り入れ、いかにもヨーロピアンな哀愁や泣きを湛えたツインGの威力も最大限に活かした、メロディアスでオーセンティックな正統派HRバンド。ハードに決めても透明感を失わないサウンドは、既に別の方が指摘されている通り、確かにアメリカのFIFITH ANGELに通じる魅力あり。(バンドも影響を受けたことを認めています)
溌剌としたDOKKENタイプの佳曲②や、転調を絡めたドラマティックな曲展開が光る④、2本のGがシャープに舞うアルバムのハイライト的疾走ナンバー⑤、繊細な哀メロにグッとくるバラード⑥⑩等、確かなテクニックとメロディ・センスを兼ね備えたツインGの巧者ぶりが光る収録楽曲は、いずれも秀逸な出来栄え。
「腹ペコなトニー・マーティン」といった趣きの、いなたいシンガーの歌唱が拭い難いB級テイストを醸成してしまっていますが、この頼りなさげな歌声が本編から漂って来る哀愁度をアップさせている側面もなくはなく、個人的には一概に否定できない愛着を覚えています。
殆ど10何年ぶりかで聴き直しましたが、良いアルバムでした。メンバーは今頃どこで何をやっているんでしょう。


PURGATORY - Tied to the Trax - Deep Into the Red ★★★ (2012-11-28 21:57:05)

「IRON MAIDEN+MOTORHEAD」と評しておられる方が
いましたが、まさしくそんな感じの疾走曲。
鋭角的なGリフが80年代前半のスピード・メタルしていて
非常にイカしています。


PURGATORY - Tied to the Trax - Purgatory (Shattered Vision) ★★★ (2012-11-28 21:54:20)

IRON MAIDENのカヴァーじゃありませんが、
6分に及ばんとする長尺を
「聴かせる姿勢」を貫いた名曲です。
Voの力量不足が露呈してしまっていますが
その分、2本のGが踏ん張ってドラマティックな
曲展開を熱く盛り上げてくれています。


PURGATORY - Tied to the Trax - Fear of the Night ★★★ (2012-11-28 21:48:56)

学生時代、バイトの先輩に聴かせて貰い、
「カッコイイ曲だなぁ」と思ってから幾年月。
久し振りに聴いてみてもやっぱり名曲でした。
シンガーのシアトリカルな笑い声が被さる
劇的なイントロ部分だけでハート鷲掴み、
「止まったら死ぬぜ」とばかりに、慌しく
せかせかと展開する前のめりで強引な曲展開も魅力的です。


PURGATORY - Tied to the Trax ★★★ (2012-11-27 22:41:58)

昔、バイトの先輩に聴かせて貰って以来、長らくもう一度聴いてみたいと念願していた作品だったので、先日、ふらっと立ち寄ったCD屋にて中古盤を発見した時は、「これってCD化されてたんだ」と思わず嬉しさに小躍りしそうになりましたよ。
バンド名からもお察しの通り、ポール・ディアノ時代のIRON MAIDENからの多大なる影響を根っこに据え、それを徹夜明けのテンションでハイパー化させたような破れかぶれサウンドがその持ち味。何となくスラッシュ・バンドと思い込んでいたのですが、今聴き直すと、結構パワー・メタル寄りです。
チープなプロダクションに、音程もリズム感も怪しいVo、荒っぽく接木された曲展開等、目指すべきお手本に今一歩(というか二歩も三歩も)手が届いていない内容なんですけど、とにかくガムシャラに叩きまくるDsを軸に「でも演るんだよ!」とばかりにアクセルべた踏みで突っ走る、前のめりな生き様が刻まれたサウンドはどうにも嫌いになれません。というか大好き。
かつて聴いた時はドラマティックな⑤の名曲ぶりに痺れましたが、スラッシーな①⑥、スピード・メタリックな②、ラスト・ナンバーに相応しい劇的さを提示してくれる⑧なんかも十分楽しい出来栄え。
声を大にして「このアルバムを聴け!」とは言えませんが、小声でこっそりと「良いアルバムですよ」とお薦めしておきたい1枚です。


PURGATORY (2012-11-27 22:41:16)

同名のバンドがちらほら存在しますが、彼らはオハイオ州はクリーブランド出身。結成は'84年で、'85年にセルフ・タイトルのEPを制作。ラインナップはジェフ・ハットリックス(Vo)にマーク・アレクサンダー(B)、グレッグ・ペリー(Ds)、それにケニー・イーストリー(Ds)の4人。
'86年にはサイドGを加えてAUBURN RECORDSから1stフル『TIDE TO THE TRAX』をリリース。こちらはBURRN!!の輸入盤レビューでも取り上げられ、「ブラッキー・ローレスを踏み潰したような顔」のジャケットのイラストとシンガーの下手さがいじられていました。(点数はあんまり良くなかったような)
バンドはその後間もなく解散。Voは自己のバンドHATRIXを結成、ケニー・イーストリーはMYSTIK(良いバンドでした)に参加して日本デビューも飾るなどそれぞれの道を進むが、'03年にリユニオン。ただ、その後も音源発表には至っていない様子。


CHASTAIN - The 7th of Never ★★★ (2012-11-26 22:40:21)

BURRN!!誌のレビューで90点台の高得点を獲得したことで知られる'87年発表の3rdアルバム。
ドスを効かせたレザー・レオーネの男前な歌いっぷり、益々精度を高めたデヴィッド・T・チャステインのテクニカルなGワーク、ダイナミックに暴れ回る手練のリズム隊をフィーチュアした本作は、ダークでアグレッシブ・・・まぁ要するにド直球の「SHRAPNELメタル」としか表現のしようのないパワー・サウンドを、相変わらず迷いなく突き進んでいて頼もしい限り。
ただ、前2作と比較した時(特にアップテンポの楽曲において)平板な歌メロのフックの弱さが気にならなくもないかな?
それでも、そうした弱点は聴き進めるに従って徐々に改善されていき、ミスティックなヘヴィネスが渦を巻く⑤、音数多めのケン・メリーのドラミングが冴える⑥、レザー姐さんのパワフルな歌唱が聴きモノの⑦、各楽器の見せ場が盛り込まれた⑧、そしてラストをドラマティックに盛り上げてアルバムの幕を引く⑨・・・といった具合に、本編中盤以降は力瘤る名曲の連発にテンションうなぎ上り。このアルバムに関して言えば、疾走曲よりもタメの効いたヘヴィ・ナンバーの方がカッコイイ印象がありますね。
音作りも旧作と比べて幾らか進歩の跡が伺えますので、次作『THE VOICE OF THE CULT』と併せてCHASTAIN入門編にお薦めする1枚です。


ANTHEM - Burning Oath - Dance Alone ★★★ (2012-11-25 22:28:01)

ハードネスとキャッチネスが絶妙な融合をみた
軽快に駆け抜けていくHRナンバー。
作曲は清水なんですね。Gプレイのみならず
作曲面でも素晴しい仕事をしてくれました。


ANTHEM - Burning Oath - Get Away ★★★ (2012-11-25 22:25:32)

これまた高浜祐輔のKeyがスケール感と
フックを構築する重厚且つ劇的なヘヴィ・ソング。
楽曲のドラマ性を効果的に高める清水のGソロも◎。
『NO SMOKE WITHOUT FIRE』収録の
“BLINDED PAIN”の系譜に連なる楽曲ですかね。


ANTHEM - Burning Oath - On and On ★★★ (2012-11-25 22:20:35)

序曲から繋がっていく華のある疾走曲。
ゲスト参加の高浜祐輔のKeyプレイが
絶妙なフックを作り出していて、
聴いていて何となく『NO SMOKE WITHOUT FIRE』の頃を
思い出したりも。


ANTHEM - Burning Oath - Unbroken Sign ★★★ (2012-11-25 22:17:18)

泣かせに来る清水のGソロといい、
アルバム中、最もクサいメロディが
聴かれる哀愁のHRナンバー。
この手のメロディを歌わせると
坂本英三は絶品ですよ。


ANTHEM - Burning Oath - Evil One ★★★ (2012-11-25 22:14:37)

強靭に刻まれるGリフに表れている通り
ストロングでキャッチー。
再結成ANTHEMの得意パターンというべき楽曲で、
これが先行シングル&OPナンバーに
選ばれたのも大いに納得です。


LILLIAN AXE - Love + War - Ghost of Winter ★★★ (2012-11-23 12:01:35)

言い知れぬ物悲しさを伝える
侘びサビの効いた曲調と泣きのメロディが
冬の情景に「これでもか!」というぐらい
マッチするLILLIAN AXE史に残る名バラード。
イマジネーションを刺激される
タイトルからして最高ですよね。


LILLIAN AXE - Love + War ★★ (2012-11-23 11:57:51)

アーティスティックな美しささえ感じさせる女性ヌードを戴くモノクロ調のアートワークも評判を呼んだ、'89年発表の2ndアルバム。当時、LILLIAN AXEの音は全く聴いたことがなかったのですが、雑誌等でも取り上げられたこのアルバム・ジャケットのことは妙に印象残っています。いや、単にスケベ心だけでなく。いやいや。
随所でこのバンドならではのリリカルなメロディ・センスを閃かせつつも、全体的に溌剌としたLAメタル・テイストが強く漂って来ていたセルフ・タイトルのデビュー作に比べ、より叙情性と構築美の底上げが図られた本作は、個人的に「LILLIAN AXEサウンド」と認識しているスタイルにぐっと近付いた感がある一方、まだまだ楽曲の完成度にバラつきは見られるのは、やはり過渡期の作品だからでしょうか。
殊にスティーヴ・ブレイズの劇的なGプレイは、冒頭の①②やダーク&ウェットな⑤、美麗なハーモニーが沁みる⑨など益々冴え渡っており、そのセンスの結晶と言えるのが、侘びサビの効いた泣きのバラード⑥。1st収録の“WAITING IN THE DARK”、3rd収録の“THE PROMISED LAND”と並ぶ「LILLIAN AXE三大名曲」の1つに数えられるこの名バラードを聴くためだけにでも、本作は購入する価値が大いに有りですよ。


LILLIAN AXE - Lillian Axe - Waiting in the Dark ★★★ (2012-11-21 22:47:36)

どちらかと言えば明るいノリが支配的だった
デビュー作の中において、ダークな光沢を帯びた
歌詞と曲調が一際異彩を放つ超名曲。
猛烈な泣きとドラマティックな構築美を兼ね備えた
スティーヴ・ブレイズのGプレイは、既にこの時点で
只者じゃないオーラを纏っていますよ。


LILLIAN AXE - Lillian Axe ★★ (2012-11-21 22:38:08)

『POETIC JUSTICE』で初めてLILLIAN AXEサウンドに触れ、その後、遡って'88年リリースのこのデビュー作を聴いた時は、叙情性や繊細さよりもLAメタル然としたノリの良さが勝りがちな作風に「あれれ?」ってな感想を抱いたことを思い出します。何せ、本編の幕が上がってのロン・テイラー(Vo)の第一声が「OH! YEAH!」ですからね。そりゃRATTのロビン・クロスビーがプロデュースするよね、と。
尤も、こうしたアメリカンでグルーヴィな要素もLILLIAN AXEの重要な個性の1つ。それに何より、既にスティーヴ・ブレイズのギタリストとしての、メロディ・メイカーとしての才能の煌きは③等を手始めに随所で確認することも出来ます。中でも、じんわりとした温もりを感じさせるバラード⑦、憂いと緊迫感を帯びた⑧、そしてアルバムのハイライトにして、LILLIAN AXE史に残るドラマティックな泣きの名曲⑨が連続する終盤の盛り上がりには素晴しいものがあります。
過ぎたるは及ばざるが如しで、若さに任せた大味な楽曲もチラホラ見受けられたりもするのですが、それもまたデビュー作ならではの魅力と言えるのではないでしょうか。


STRIDE - Imagine - Time ★★★ (2012-11-20 22:53:36)

STRIDEの静の魅力が如何なく発揮された逸品。
主役は勿論ゲイリー・べリンのVo。
AOR/産業ロックばりのメロウネス全開の
甘やかな曲調に絡む、淡い美しさを纏った
ボーカルハーモニーにはうっとり聴き惚れてしまいます。


STRIDE - Imagine - Role Model ★★★ (2012-11-20 22:45:06)

親しみ易い哀メロを甘い歌声で歌い上げるVoに、
ヘヴィなリフの刻みからネオクラシカルな速弾きまで
こなすGと、そのGとスリリングに絡み合うKey、
それから緩急自在のリズム隊に至るまで
7分半の長尺の間、無駄に遊んでいるメンバーが
1人もいないという、プログレ・メタル・チューンの
お手本のような名曲。


STRIDE - Imagine - Alive ★★★ (2012-11-19 21:55:53)

プログレ・メタルらしい技巧を凝らした
劇的な曲展開と、AOR/産業ロックに通じる
透明感を湛えた哀愁のメロディとが
巧みな融合をみた、STRIDEというバンドの
強みが良く表現されているアルバムのハイライト。


STRIDE - Imagine ★★★ (2012-11-19 00:16:49)

プログレ・メタルには余り入れ込んでいない我が身ですが、機会があればしょっちゅう聴き直してしまう作品というのは幾つかあって、その内の1枚が、テキサス州はヒューストン出身の5人組が'06年に発表したこの2ndアルバム。
テクニカルに弾きまくりつつも歌心を失わないギターを筆頭に、高いプレイ・アビリティを有するメンバーによって織り成されるのは、複雑且つ起伏に富むアレンジ&曲展開に彩られたドラマティックなプログレ・メタル・サウンド。
独り善がりにならないよう十二分に気の払われたキャッチーな楽曲構築術等はDREAM THEATERからの多大なる影響が伺える一方、このバンドならではの個性を主張するのが、時に柔和なポップ風味も垣間見せる独特の哀メロ・センス。
泣きを含んだ甘い声質のシンガーによって歌われる、AOR/産業ロックに通じる透明感を湛えた叙情メロディや、美しく壮麗に編まれたボーカル・ハーモニーの数々が、重量感と緊迫感に満ちたインスト・パートと静/動、剛/柔のコントラストを劇的に描き出す様はかなりのインパクト。収録曲はいずれもハイレベルな仕上がりで、楽器陣が高いテンションを保ってぶつかり合うプログレ・メタル然とした①⑧なんかも良いですが、何と言ってもこのバンドの独自性を余す所なく伝える②、クラシカルなGソロもフィーチュアされた7分越えの大作⑤、気泡のように弾けては消えていく淡いボーカル・ハーモニーの美しさが絶品な⑨の出来栄えが白眉。
本作は中古盤が捨て値で叩き売られていますので(嬉しいような、悲しいような)、機会があれば是非ご一聴下さい。