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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4201-4300

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STARCASTLE - Starcastle ★★ (2012-04-05 21:45:09)

ジョン・アンダーソン似のVoの歌い回し、泣きや哀愁より上品なポップ・センスが強く出たメロディ、大作主義を志向しつつも、起承転結を有する構築感よりも感性の赴くままに膨らまされた「奔放さ」の方が支配的な曲展開等、さしてYESに詳しくない我が身ですら「あぁ、YESぽいなー」と感じられる要素がてんこ盛りに詰め込まれた、'76年発表のセルフ・タイトルのデビュー作。
個人的にYESは少々苦手としているのですが、にも関わらず本作を思いの外楽しむ事が出来たのは、リード楽器の役割を果たすB、よく歌うG、カラフルなKey、変拍子を絡めたリズム・ワークで長大な曲展開を支えるDsといった、高い演奏能力を有する楽器陣の存在のみならず、アメリカのバンドらしく全編を壮麗に彩る美しいボーカル・ハーモニーの存在と、プログレ・テイスト以上にポップな大衆性が重視された作風ゆえかな、と。(逆に本家YESファンやプログレ愛好家には物足りないか?)
特にOPナンバー“LADY OF THE LAKE”は、11分越えの大作曲ながらもどこか親しみ易い響きを湛えた、スペーシー且つドラマティックな曲展開が堪能できるバンドの代表曲の1つ。また、美しいアコギをフィーチュアしつつスリリングに展開していく“ELLIPTICAL SEASONS”、疾走感溢れる楽器陣のインタープレイが気持ち良い“FORCES”なんかも、このバンドが何者なのかを判り易く示してくれる逸品かと。
後の作品と比べると、70年代HR的なハードネスやダイナミズム(「若さの迸り」ともいう)も感じられ、漂って来る初々しい雰囲気が如何にもデビュー作らしくて好感が持てる1枚。


STARCASTLE (2012-04-05 21:41:19)

60年代末期、アメリカはイリノイ州シカゴにおいて誕生。
REO SPEEDWAGONのデビュー作で歌っていたテリー・ルトゥレル(Vo)が加わる等して陣容を整え、バンド名をPEGASUSからSTARCASTLEに改めると活動が一気に本格化。
ライブで腕を磨きつつ制作したデモテープに収められていた名曲“LADY OF THE LAKE”が評判となり、レコード契約を手に入れた彼らは'76年に1st『STARCASTLE』でデビュー。この時のラインナップはテリー以下、スティーヴ・ハグラー(G)、ハーブ・シルト(Key)、スティーヴ・タスラー(Ds)、ゲイリー・ストレイター(B)の5人で、この顔触れは2nd『FOUNTAINS OF LIGHT』(邦題『神秘の妖精』'77年)から3rd『CITADEL』(邦題『星の要塞』'77年)、そして最終作の4th『REAL TO REEL』('78年)に至るまで変わる事はなかった。
質の高い作品を作り続けたにも関わらず大きな成功とは縁のなかったバンドは'80年に一旦解散するが、その後も離散集合を繰り返し、'07年にはYESのリック・ウェイクマンらをゲストに迎えた5th『SONG FOR TIME』を発表している。


SUICIDAL ANGELS - Bloodbath - Torment Payback ★★★ (2012-04-03 22:19:45)

マシンガン・リフからスタートする
(良い意味で)典型的なSUICIDAL ANGELS節が
展開されるスラッシュ・ナンバー。
FIREWINDのボブ・カティオニスがゲスト参加して
正統派ヘヴィ・メタリックなツインGを
劇的に炸裂させてくれています。


SUICIDAL ANGELS - Bloodbath - Morbid Intention to Kill ★★★ (2012-04-03 22:15:37)

攻撃的なVoに殺傷力を宿した鋭利なGリフ、
猛然と荒れ狂うリズム、
イントロの一捻りを手始めに
アップダウンの激しい曲展開など、
前のめりな姿勢を貫きつつも
楽曲自体はすこぶるキャッチーという
SUICIDAL ANGELSの魅力が凝縮されたかの如き名曲。


SUICIDAL ANGELS - Bloodbath - Bloodbath ★★ (2012-04-03 22:09:23)

今更前置きなんかいらんだろ?とばかりに
いきなり機関銃の如きGリフのシュレッドから
幕を開けるアルバム表題曲にしてOPナンバー。
かと思えば、インスト・パートでは
禍々しくもムーディな雰囲気を発散する
緩急の付け方も上手い。


SUICIDAL ANGELS - Bloodbath ★★★ (2012-04-03 07:11:32)

今やギリシャを代表するスラッシュ・メタル・バンドの1つにまでのし上がったSUICIDAL ANGELSが、ジャケット・イラストレーターに再びエド・レプカを起用して'12年に発表した4thアルバム。
尖がったVoに尖がったリフ&リズムが息次ぐ暇を与えずに畳み掛ける尖がりまくったスラッシュ・メタルという、日本デビュー作ともなった前作『DEAD AGAIN』で披露した音楽性は今作でも勿論不変。
但し、例えば「スピードだけが頼りじゃねえぜ」とばかりに、終始ミドル・テンポで押してくる③のような楽曲を収録したり(実際良い曲です)、オランダのデスラッシャー、HAIL OF BULLETSのマーティン・ヴァン・ドラネンやFIREWINDのボブ・カティオニスらがゲストに迎えられた本編からは、バンドの余裕というか貫禄のようなものが漂って来るようになった。
それでいて瞬発力が鈍ったなんてことはなく、リズムの切れ味が一層研ぎ澄まされ、Gリフがよりキャッチーに磨き上げられたことで、サウンド全体がタイトにビルドアップされた本作は、OPからギアをトップに入れて突っ走るアルバム表題曲①を手始めに、現時点におけるSUICIDAL ANGELSの最高到達点と評すべきキラー・ソング⑤、緩急の効いた⑥、正統派HM然とした劇的なツインGが炸裂する⑧等、ベイエリア・スラッシュばりの爽快な疾走感と、ヨーロピアン・スラッシュらしい禍々しいダークネスとが同居した、このバンドならではの名曲をがっつり収録。
どんどん良いバンドに成長していっているようで、嬉しい限りですよ。


SUICIDAL ANGELS - Dead Again - Suicide Solution ★★★ (2012-04-02 22:51:10)

ドリルの如きGリフと音数の多いリズムが
噛み付くようなシャウトVoを伴って
畳み掛けるアルバム屈指の名曲。
尖がりつつもGのリード・プレイやソロからは
ヨーロッパ的なダークネスが滲み、
何より一緒に叫びたくなるキャッチーさを
有している点が最大の魅力。


SUICIDAL ANGELS - Dead Again - The Trial ★★★ (2012-04-02 22:47:45)

居ても立ってもいられない気分にさせてくれる
切迫感に溢れたGリフがクール且つキャッチーな
高速スラッシュ・ナンバー。


SUICIDAL ANGELS - Dead Again ★★ (2012-04-02 07:06:26)

日本未発売の2nd『SANCTIFY THE DARKNESS』がMETALLION誌の「スラッシュ必聴盤200選」に選出されていたギリシャ出身の4人組スラッシャーが'09年に発表した3rdアルバム。
高い殺傷力を宿した鋭利なリフを徹底的に刻み倒す2本のGと、不穏さを孕んだミドル・パートと激烈な疾走パートの組み合わせでダイナミズムを演出するリズム・セクション、それに憎しみに満ちたシャウトで畳み掛けて来るVoとが一気呵成に突っ走るサウンドは、まさしくSLAYER直系のスラッシュ・メタルといった趣きで、ジャケット・アートワークをエド・レプカ画伯が手掛けるのに相応しいクオリティを有する。
尖がった疾走感がもたらすカタルシスのみならず、楽曲が小気味良いキャッチーさを有している点も本作の美点で、特に切迫感に溢れた④、Gリフがドリル状に切り込んでくる⑤、ヨーロッパ的なダークネスを発散するGソロと緩急の効いた曲展開が印象に残る⑥といった優れた楽曲が連続する、本編中盤のテンションの高さには耳を奪われます。
OVERKILLのボビー“ブリッツ”エルズワースや、KREATORのミレ・ペトロツァといった歴戦の兵達からも惜しみない賛辞を寄せられたのも納得の1枚。


SUICIDAL ANGELS (2012-04-01 21:11:47)

'01年にギリシャはアテネにおいて結成。
矢継ぎ早にに制作した2本のデモテープとEP『BLOODTHIRSTY HUMANITY』『ARMIES OF HELL』がヨーロッパ中のメタル雑誌で評判を呼び、これが切っ掛けとなってアメリカのOSM RECORDSとディールを締結。1stフル『ETERNAL DOMINATION』をもって'07年にアルバム・デビューを飾る。
オールドスクールなスラッシュ・メタル・サウンドが詰め込まれた作品自体のクオリティと精力的なライブ活動が実を結び、'09年にはオーストラリアで開催されたコンテスト「ROCK THE NATION AWARD 2009」にてSTEELWINGと共に優勝。
その後は、同年にNUCLEAR BLASTから2nd『SANCTIFY THE DARKNESS』、'10年にNOISE ART RECORDSから3rd『DEAD AGAIN』をリリースし、日本デビューも飾るなど順調に活動を継続。今年('12年)に入ると4枚目のスタジオ盤『BLOODBATH』をリリースしている。


MYRATH - Tales of the Sands - Beyond the Stars ★★★ (2012-04-01 21:07:58)

このバンドが標榜する「プログ/パワー・オリエンタル・メタル」とは
一体どんなものなのか?という問いに「こういうものです」と
判り易く応えてくれるドラマティックな名曲。
曲線を描くような舞踊調のリズム、妖しくも美しい旋律を奏でる弦楽器、
豪奢なKeyサウンド、それに部分的に取り入れられたアラビア語の歌詞が
楽曲の発するエキゾチックな雰囲気を盛り立ててくれています。


MYRATH - Tales of the Sands - Requiem for a Goodbye ★★★ (2012-04-01 21:01:03)

緩急の効いた曲展開や、テクニカル&スリリングな
楽器陣の応酬等、SYMPHONY XやDREAM THEATERといった
プログレ・メタル・テイストが一際強く打ち出された名曲。
Voが歌うしなやかなメロディを聴いていると
「北アフリカのKAMELOT」なんて形容も思い浮かびますね。


MYRATH - Tales of the Sands ★★★ (2012-03-29 23:21:19)

アラビア語で「遺産(MIRAS)」を意味する単語をバンド名に冠し、アフリカ大陸(!)はチュニジアから登場した5人組が、フランスのBRENNUS MUSICから'11年に発表した3rdアルバム。
出身地が珍しければ珍しいほど、バンドにはエキゾチックな要素を求めてしまうのがリスナーの(というか俺の)性というものですが、本作はその期待にしかと応えてくれる出来栄え。
元々はSYMPHONY Xのいちフォロワーとしてキャリアをスタートし、作品を重ねる毎に彼らのルーツであるところのチュニジア伝統音楽のエッセンスを大胆にフィーチュア。プログレ・メタルならではのエッジの効いた構築美と、女性Voにヴァイオリン、舞踊調のリズム、そして妖しくも美しいアラビックなメロディとを融合させた「プログ/パワー・オリエンタル・メタル」の確立に邁進した彼らの努力は、日本デビュー作ともなった本作において見事に結実しています。
この手のサウンドの先駆者としてはKAMELOTの名前が真っ先に思い浮かびますが、MYRATHの場合、アグレッションやへヴィネスよりオーガニック且つメロディアスな要素が前面に押し出されており、また、近年のKAMELOTがモダンな洗練と引き換えに薄れさせた「キャッチーさ」「メロディの色艶」が全編に亘って充実しているのも評価ポイントで、特に⑧⑨は、このバンドとこのアルバムの何たるかを知らしめるに十分な名曲。
今後、やや類型的な楽曲とサウンド・プロダクションの改善が図られれば更なる名盤も生み出し得るポテンシャルの高さが伺える1枚。


DEMON - Taking the World by Storm - Remembrance Day (A Song for Peace) ★★★ (2012-03-28 22:48:23)

曇天の下に広がるスコットランドの雄大で美しい
大地が目に浮かぶような、哀愁と力強いドラマ性に
彩られた7thアルバム屈指の名曲。
デビュー当時はヘタウマ系だったデイヴ・ヒルですが、
この曲では見事な歌いっぷりを披露して聴く者の涙を
誘ってくれます。
(と言いつつ、テクより味で勝負の基本スタイルは不変ですが)


DEMON - Taking the World by Storm ★★★ (2012-03-28 22:42:11)

嘗ての相棒マル・スプーナーは他界、オリジナル・メンバーのレス・ハントも既にバンドを去り、唯1人残されたデイヴ・ヒル(Vo)がDEMONの看板を背負って'89年に発表し、久々に国内盤リリースも実現した7thアルバム。
一時期はプログレ方面への思索を深め、別世界へと旅立ってしまった感もあったDEMONでしたが、その後は徐々に本分を取り戻し、本作では遂に多くのファンが「彼らのベスト作品と言えばコレ」とその名を挙げるレベルの傑作をモノにするに至った。
独特のノリの良さと、印象的なメロディを奏でるツイン・リードGを伴って疾走する楽曲が並ぶアルバム序盤は、往年のDEMONサウンドを更にヘヴィ・メタリックに仕上げたかのような感触ですが、4曲目以降は7分~11分台の長尺曲が連続する大作主義が打ち出されており、中でも、デイヴ・ヒルの新たな曲作りのパートナーでもあるKey奏者,スティーヴ・ワッツのセンス溢れる仕事っぷりがギラリと光る“REMEMBRANCE DAY”は、スコットランドの雄大な大地を想起させる哀感を帯びたメロディと、大英帝国の威厳に満ちた重厚且つドラマティックな曲調に男泣き必至の超名曲。良い具合に枯れたデイヴの親父声がまた、絶妙に曲の放つ哀愁を増幅してくれていますねぇ。
ベルリンの壁崩壊の喜びを高らかに歌い上げる“BLUE SKIES IN RED SQUARE”、ラストに鎮座まします11分越えのヘヴィ・バラード“TIME HAS COME”といった、見事な構築力を発揮して長尺をダレずに聴かせ切る大作曲の数々を聴くと、プログレ方面に傾倒していた時期(いわゆる迷走期)の作品群さえもきっちりと己の糧として消化していることが伺えます。


DEMON - The Plague - The Plague ★★★ (2012-03-27 22:36:00)

イントロのメロディが本編終曲“地獄へのステップ”で
再びリプライズされるという、3rdアルバムにおける
プログレ方面への歩み寄りを率直に伝えてくれる
アルバムOPナンバー兼アルバム表題曲。
スペーシーなコーラスに包まれてポップな
メロディを歌うデイヴ・ヒルのVoも
どことなく親父臭を抑え気味のように感じられますね。


DEMON - The Plague - Fever in the City ★★★ (2012-03-27 22:28:54)

美しいインスト・パートと、劇的に盛り上がる
歌入りパートの二部構成で組み立てられた
ドラマティックな大作ナンバー。
曲展開のカギを握るのはセッションKey奏者の
アンディ・リチャードで、完璧にプログレ方面に
片足を突っ込んだ仕上がり具合ですが、
デイヴ・ヒルのソウルフルな親父Voと
レス・ハントな泣きを湛えたGプレイがしっかりと
DEMONの刻印の役割を果たしてくれています。


DEMON - The Plague ★★★ (2012-03-26 23:13:27)

NWOBHM然としたツインG主導のHR/HMスタイルから、Keyの存在がカギをプログレ・ハード路線へと、DEMONサウンドがドラスティックな変貌を遂げた'83年発表の3rdアルバム。
邦題こそ『悪魔主義』と恐ろしげですが、時にポップに響く叙情メロディ、Key主体の凝ったアレンジ、トレヴァー・ホーン人脈に連なるエンジニア勢が手掛けた風格漂う音作り、そしてこれまでより一回りも二回りもスケールアップした曲展開を伴うアルバム表題曲①に代表されるように、本作はASIAやMAGNUMといったバンドの名前を思い出すプログレ・ハードの領域へとかなり大胆に踏み込んでいる。
従来のマイナー調のハードネスやロックンロール・テイストが一掃された分、ドラマティックな大作主義が前面に押し出された作風は賛否両論分かれる内容ではあるものの、(上品なジョン・ウェットンやボブ・カトレイの歌唱の真逆を行く)デイヴ・ヒルのソウルフルなオヤジ声は相変わらずの存在感を誇示し、また泣きの入ったフレーズを紡ぐレス・ハントの情感豊かなGプレイも健在だしで、よくよく聴けばDEMONサウンドの「核」たる部分には実は大きな変化はない。
インスト・パートと歌入りパートの2段構えが取られた7分以上に及ぶ哀愁の大作ナンバー③、2部構成で組み立てられた④⑤の流れ、シアトリカルな雰囲気も漂うバラード⑦辺りは、従来の「DEMONらしさ」と新たに導入されたプログレ・テイストとが巧みに溶け合わされた名曲と言えましょう。
NWOBHMマニアはもとより、プログレ愛好家の方にも是非お試し頂きたい1枚。


STORMWITCH - Shogun - I'll Never Forgive ★★ (2012-03-25 21:49:35)

山あり谷ありの曲展開を有し、
アルバムのクライマックス役を担う
8分以上に及ぶ大作ナンバー。
疾走パートでVoの裏メロを取る
Key(Gか?)の使い方が秀逸ですね。


STORMWITCH - Shogun - The King of Winds ★★ (2012-03-25 21:42:55)

イングヴェイ風のネオクラGと、
疾走するリズムの上に、雄々しい歌メロが乗っかった
ジャーマン・メロパワ・メタルの王道を行く1曲。
HELLOWEEN系統がイケル口の人は
この曲目当てに本作を購入するのも有りなんじゃないでしょうか。


STORMWITCH - Shogun - Seven Faces (And Two Hearts) ★★ (2012-03-25 21:40:17)

物語の登場キャラにちなんで、
スパニッシュ・フレーバーが取り入れられた
アコースティック・バラード。
かつてはその弱さを指摘されまくっていたVoも、
流石に7枚目のアルバムともなると
ある程度の技量は身についているようで
若干ふらつきながらもしっかりと
叙情メロディを歌い上げてくれています。
あと、何度聴いてもGが良い仕事してますねぇ。


STORMWITCH - Shogun ★★ (2012-03-25 00:00:06)

ドイツはハイデンハイム出身の5人組が'94年に発表した7thアルバムにしてラスト作、それにニンジャが描かれたジャケット、漢字があしらわれた歌詞カード、そしてそのものズバリなアルバム・タイトルが物語る通り、リチャード・チェンバレン主演でドラマ化もされ、欧米において「日本=サムライ、ハラキリ、ニンジャ」の認識を根付かせるのに大いに貢献した(?)ジェームズ・クラベルのベストセラー小説『SHOGUN/将軍』を基にしたコンセプト・アルバム。
結成は'79年まで遡るベテランにも関わらず、日本では知名度も作品の評価もパッとせず「万年B級バンド」のイメージが付き纏っていた彼らも、これでとうとうブレイクか?と思いきや、大スケールのコンセプトに不釣合いなショボイ音質や、詰めの甘い曲作りから漂うもっさりと垢抜けない雰囲気が足を引っ張ったのか、結局、何事も起こらずに普通にスルーされてしまいましたね。
それでも、スパニッシュ・フレーバー漂う叙情バラード⑤、王道ジャーマン・メロパワ・メタル風味の疾走曲⑧、アルバムのクライマックスを飾るドラマティックな⑪といった佳曲の数々を聴けば、バンドが真摯に本作の制作に励んだ事が伝わってきて好感度は上がりますし(逆にバカ要素を求める向きには物足りないか?)、安易に日本語や和音階といった小道具を用いて「エキゾチック・ジャパンでござい」と主張する事を良しとしない硬派な姿勢も潔かった。
尤も、そのせいでコンセプト・アルバムならではのスペシャル感に欠けるというか、単に「長尺なだけの(74分!)いつものSTORMWITCHのアルバム」ってな印象も無きにしも非ずなのですが・・・。


ANVIL - Pound for Pound - Blood on the Ice ★★ (2012-03-23 05:31:06)

ANVILの「元祖パワー/スラッシュ・メタル・バンド」
としての矜持が炸裂するアグレッシブなOPナンバー。
リップスのVoやGにしろ、ロブのドラミングにしろ
非常に攻撃的で、素手で顔面をガツンガツン殴りつけてくる
ような迫力と怒りに満ち溢れた仕上がり。


ANVIL - Pound for Pound ★★ (2012-03-22 22:39:27)

レコーディングの最中から既にバンドに対する情熱が感じられなかったというデイヴ・アリソン(G)が脱退。デビュー以来続いたオリジナル編成では最後のスタジオ作品となってしまった'88年発表の5thアルバム。
ANVIL史上、最もポップ方向に振れた内容だった前作『STRENGTH OF STEEL』(個人的には傑作だと思うんだけど・・・)の出来を省みて、一転、ヘヴィネスとアグレッション全開でレコーディングに挑んだという本作は、実際開巻早々から、メンバーが「パワー/スラッシュ・メタル版“666”」と語る名曲“BLOOD ON ICE”をもって強烈な先制パンチを浴びせかけてくる。
特に今回、主役級の存在感を発揮しているのがロブ・ライナー(Ds)その人で、硬質なサウンド・プロダクションの下、ありったけのオカズを詰め込んで荒れ狂う彼のドラミングは、前述の“BLOOD~”から、タイトル通りビシビシと銃弾を体に撃ち込まれているかのような感覚が味わえる“MACHINE GUN”、そして強面のへヴィ・チューン“FIRE IN THE NIGHT”に至るまで、全編に亘って冴えまくり轟きまくり。ロブの演奏を追っているだけで本作は楽しむ事が出来きますね。
反面、へヴィさに拘り過ぎるあまりメロディにフックが欠け、従来の彼らの持ち味だった「キャッチーさ」が発揮し切れていないという弱点も抱えているのですが・・・。
手持ちのANVILのカタログの中では印象の弱い1枚ではあるものの、例えばNASTY SAVAGEみたいなアメリカン・パワー/スラッシュ・メタルがイケル口の人なら問題なく楽しめる作品かな?と。


BATTLE BEAST - Steel - Iron Hand ★★★ (2012-03-21 21:37:26)

とにかくサビメロを一度聴いてみて頂きたい。
劇的なまでに勇ましいメロディを、心震わされる
ヴィブラートとコブシの聴かせて絶唱する
ニッテ・ヴァロ嬢のVoに鳥肌立ちまくりですよ。
いやはや、凄いシンガーだ。


BATTLE BEAST - Steel - The Band of the Hawk ★★★ (2012-03-21 21:31:44)

「黄金時代編」が下敷きにあるようなので
前を見据えて勇ましく進撃していくような
雰囲気に満ち溢れたエピック・ソングに仕上がっています。
ファンファーレの如く高らかに鳴り響くKey、
勝ち鬨の声を思わせる雄々しいコーラス、
そして力強いニッテ・ヴァロの歌声にメタル魂を
鼓舞されない奴はいねぇだろ!と、
思わず極論を口走りたくなってしまいますね。


BATTLE BEAST - Steel ★★★ (2012-03-21 09:26:32)

今時「BATTLE BEAST」ですよ。この全くヒネリのないフルチン気味なバンド名に、思わず目頭を押さえてしまいましたね。
大仰なSEや序曲で勿体付けることなく、シンプルにスタートする本編に詰め込まれているのは、問答無用でヘッド・バンギングを誘発する勇壮なリフ&リズム、楽曲に潤いとキャッチーさをもたらすKey、それにリーダーのアントン・カバネン(G)が担当するウド・ダークシュナイダーばりの濁声コーラスを伴って、パワフル且つソリッドに押し出してくるド直球のHMサウンド。
ストロングなだけでなく、思わず合唱を誘われる叙情味とフックの効かせられたサビメロ作りの上手さからは、NWOTHMの有望株KISSIN' DYNAMITEに通じるセンスの冴えが感じられますが、彼らに比べるとこのバンドはグッと「しなやか」な印象で、それはやはり「女スティーヴ・グリメット」との異名を取る女性シンガー、ニッテ・ヴァロの存在が大きいと思われます。(勿論体型ではなく声質の話)
張り/艶/伸びの三拍子揃った彼女の強力無比な歌声は、時に本家を凌駕せんとする勢いのパワーをも発揮しており、聴く度にこちとらメタル魂にガンガン燃料を注がれまくりですよ。取り分け、漫画『ベルセルク』にオマージュが捧げられた重厚なエピック・ソング③、雄々しく聴き手を鼓舞するアルバムのハイライト・ナンバー⑩という2大名曲で披露する熱唱ぶりは本編の白眉。
勿論、アルバムにはこれ以外にも高品質な楽曲が取り揃えられており、敢えて注文を付けるなら「完成してたけど今回は収録が見送られてしまった“BLACK NINJA”なる楽曲が是非聴いてみたかったなぁ」ぐらいのことしか思い付かないレベルの力作。
CRYSTAL VIPER辺りがイケル口の人なら絶対にチェックすべき1枚ですよ。


SHOOTING STAR - III Wishes - The Whole World's Watching ★★ (2012-03-20 23:48:52)

従来のプログレ・ハード色はほぼ払拭された
3rdアルバムですが、この曲には仄かにその名残りが
感じられなくもないような・・・。
伸びやかなゲイリー・ウェストの歌いっぷりと、
透明感を湛えてスペーシーな雰囲気を演出してくれる
Keyと美麗なボーカル・ハーモニーに聴き惚れます。


SHOOTING STAR - III Wishes - Where You Gonna Run ★★★ (2012-03-20 23:42:28)

NHKで放送されたファミリー物海外ドラマの
テーマソングのような、洗練された爽やかさに
心洗われる名曲。
プログレ・ハードというよりも、
完全にAOR/産業ロックのノリですね。
(勿論、良い意味で)


SHOOTING STAR - III Wishes - Heartache ★★★ (2012-03-20 23:36:03)

タイトル通り感傷的な哀メロに貫かれた
叙情バラード。
3rdアルバム中、最も美しいボーカル・ハーモニーが
堪能できる名曲でもあります。


SHOOTING STAR - III Wishes ★★ (2012-03-20 07:27:59)

プロデューサーに、以降、数作に亘ってコンビを組む事となる売れっ子ロン・ネヴィソンを迎えてレコーディング、'82年に発表された3rdアルバム。
SHOOTING STARのカタログ中、最もハードな作風に仕上がっていた前作から一転、Keyサウンドを前面に打ち出して、プログレ色や南部的な泥臭いハードネスを払拭、代わりにポップな味わいが強調された本作は、例えばヴァイオリン大活躍のOPナンバー“ARE YOU READY”からさえもプログレ色や土の匂いが殆ど漂って来ないという徹底振りで、その洗練された作風はやはりロン・ネヴィソンの起用効果と言うべきか。
「ありがちなJOURNEYクローンになってしまった」「ロン・ネヴィソン許すまじ」と批判の声も少なからず上がった本作ですが、もともと彼らのメロウ・サイドに魅力を感じていた身としては、今回もまた良く出来たアルバムとして十分楽しませて貰った次第。
中でもしっとりとした哀メロに聴き惚れる“HEARTACHE”や、まるでNHKで放送されている海外ドラマの主題歌の如き爽やかさを誇る“WHERE YOU GONNA RUN”、アルバム収録曲の中では比較的ハードな仕上がりの“LET IT OUT”、分厚くスペーシーなKey主体で展開されるスケールの大きなバラード“WHOLE WORLD'S WATCHING”辺りは、メロディ愛好家ならグッとくること請け合いの名曲じゃないでしょうか。
尤も、これ!といった強力な決め手に欠くフラットな構成など、前2作と比較して弱さを感じる部分があるのも実際のところで、これはやはり本作がプログレ・ハード路線からAOR/産業ロック路線へと移行していく過渡期の産物であったからなのかな、と。


SHOOTING STAR - Hang On for Your Life - Sweet Elatia ★★★ (2012-03-20 07:27:08)

2ndアルバムをしんみり締め括る哀愁のバラード。
リリカルなピアノとヴァイオリン、泣きを孕んだVoの歌声、
3人のシンガーが織り成す美しいハーモニーとが
じわりと胸と涙腺に沁みてきますねぇ。


SHOOTING STAR - Hang On for Your Life - Flesh and Blood ★★★ (2012-03-19 21:21:05)

ヴァイオリンが奏でる優美で哀愁に満ちた
イントロだけで掴みはOKな哀愁の叙情HRナンバー。
華麗に踊るヴァイオリンに、複数のシンガーが
交互にリードVoを担当し時に美しくハモる
このバンドの個性もしっかりと発揮されています。


SHOOTING STAR - Hang On for Your Life - Hollywood ★★ (2012-03-19 21:12:35)

プログレ・ハード風味が一際強く漂って来る名曲。
といってもドラマティックな大作ではなく、
Voが歌うポップなメロディ、お洒落で粋なアレンジを
活かしてコンパクトにまとまっている辺りが
本作ならではの味わい。


SHOOTING STAR - Hang On for Your Life - Teaser ★★★ (2012-03-19 21:08:02)

ワイルドで泥臭いハードネスが横溢する
ヴァースから一転、美しいボーカル・ハーモニーと
物悲しげなヴァイオリンの旋律がキャッチーな
サビメロへと転調する展開が非常に秀逸な
アルバムでも1、2を争う名曲。
一説には、死去したトミー・ボーリンに
捧げられているとかいないとか。


SHOOTING STAR - Hang On for Your Life ★★ (2012-03-19 06:59:02)

米産ロック・バンドとしては初めて英国のVIRGIN RECORDSと契約を交わし、'80年に発表したセルフ・タイトルのデビュー作が好評を博したSHOOTING STARが、トミー・ボーリンやミック・ロンソンとの仕事で知られるデニス・マッケイをプロデューサーに迎えてレコーディング作業を行い、'81年に発表した2ndアルバム。
いかにも南部出身バンドらしいワイルドな演奏と、メンバーにヴァイオリン奏者を擁する強みを活かしたプログレ・ハード調の繊細なアレンジとが同居したメロハー・サウンドは、基本的には前作のスタイルを踏襲。ヴァイオリンの哀切な調べに胸打たれる1曲目“FLESH & BLOOD”なんて、これだけでアルバムの出来の良さを確信させるに十分な名曲ですよ。
イギリスでHR/HMが隆盛を見せていた時期と重なるためか、シンプル且つコンパクトにまとめられた楽曲からはプログレ色が減少傾向にあり、特にシングル・カットされPVも作られたらしいブルーカラー・ソング“BREAKOUT”は、FM局のエアプレイ・チャートで好リアクションを獲得したというバンドの代表曲の1つ。
尤も、個人的にはそれらハード・ロッキンな楽曲群よりも、彼らならではのメロディ・センスが堪能できる前述のOPナンバー“FLESH~”や、小粋且つプログレ・ハード風の柔和な空気に包まれた“HOLLYWOOD”、感傷的なバラード“SWEET ELATIA”といったメロウな楽曲の方がお気に入りなのですが。
また、エッジの効いた演奏とキャッチーな哀メロが無理なく融合した“TEASER”、グルーヴィなアフリカン・リズムに乗って凝った曲展開が開陳される“YOU'VE GOT LOVE”もユニークな個性が光る逸曲。


SHOOTING STAR - Shooting Star - Tonight ★★★ (2012-03-18 21:27:24)

複数(3人)のリードVoとヴァイオリン奏者を
抱える大編成の強みが如何なく発揮され、
力強く、それでいて優美に盛り上がっていく
哀愁のメロディアスHRナンバー。
ボーカル・ハーモニーの美しさに聴き惚れますね。


SHOOTING STAR - Shooting Star - Bring It On ★★ (2012-03-18 21:22:16)

いかにもアメリカ南部を思わせる泥臭いハードネスと
躍動感溢れるノリの良さに満ちた演奏、
そしてプログレ・ハード物らしい仄かな哀愁を湛えた
ポップなメロディとが見事に一体化した名曲。


SHOOTING STAR - Shooting Star - Last Chance ★★★ (2012-03-18 21:18:34)

ストレートにプログレ・ハード色が打ち出されている
楽曲をSHOOTING STARが演るのはデビュー作が最初で最後。
特にこの曲は6分以上に及ぶランニング・タイムに、
G、Key、B、Ds、そしてヴァイオリンとが激しい応酬を
繰り広げながら劇的に盛り上がっていく曲展開といい、
まさに「ザ・プログレ」な仕上がりを聴かせてくれる名曲。
それでいて叙情味を湛えたVoがキャッチーなメロディを
マイルドに歌い上げるため、難解さも皆無という隙のなさ。


SHOOTING STAR - Shooting Star ★★★ (2012-03-18 07:10:33)

幼馴染のヴァン・マクレイン(G)とロン・ヴァーリン(B)がカンザス・シティにて結成した6人組、'80年発表の記念すべき1stアルバム。
3人のリードVoに、2人のGとKey奏者、そしてヴァイオリン奏者を含む6人編成の大所帯と聞けば、てっきり同郷のKANSASばりのプログレ・ハード系バンドかと思いきや、THE BEATLESに触発されてミュージシャンを志したという彼らが聴かせてくれるのは、高いポピュラリティを有したラジオ・フレンドリーなメロハー・サウンド。KANSASはKANSASでも中期(『VINYL CONFESSION』の頃の)KANSASでしたね。
とは言え、そこはやはりデビュー作。ロン・ネヴィソンと組んだ後の作品群に比べれば洗練の度合いはそれ程でもない代わりに、如何にも南部風の土の匂いを運んでくるGは太くハードな音色で存在感を主張しているし、何よりKeyとヴァイオリンを用いて、時折効果的に編みこまれるプログレ・ハード調のアレンジが良い具合に本編のアクセントとなっています。
躍動感溢れる演奏とメロディ・センスのマッチングが秀逸な“BRING IT ON”、熱くハードに盛り上がる哀愁のメロディにグッとくる“TONIGHT”、そして楽器陣のスリリングな応酬とドラマティックな曲展開が圧巻のアルバムのハイライト的存在“LAST CHANCE”を筆頭に、充実した楽曲がズラリ顔を並べる1枚。
下積み時代の長さは伊達じゃねえな!と思わされる名盤です。


GENOCIDE NIPPON - Black Sanctuary - Landscape of Life ★★★ (2012-03-17 06:15:31)

サタニックな雰囲気漂う本編にあって
『運命の翼』の頃のJUDAS PRIESTにも通じる
このダークなバラードの美しさは一層の輝きを放っています。
朗々歌い上げるVo、泣きの入った物悲しい旋律を
情感豊かに紡ぐG、どちらのパフォーマンスもお見事。


GENOCIDE NIPPON - Black Sanctuary - A Bullet in the Wrong Heart ★★★ (2012-03-16 21:30:38)

個人的にはアルバムで最も愛聴している名曲。
重たく刻まれるGリフ、特徴的なファルセット・ボイスで
シアトリカルに歌うVo、そして日本人らしい木目細かい
構築感に満ちたドラマティックなGソロ・・・
長尺を全くそうと感じさせない曲展開の妙に痺れます。


GENOCIDE NIPPON - Black Sanctuary ★★ (2012-03-16 07:09:37)

福井県出身の5人組が、'88年に海外のレコード会社から発表した1stフル・アルバム。当時はシンプルに《GENOCIDE》名義のリリースで、BURRN!!誌なんかでは(国内バンドのページではなく)輸入盤レビューのページで取り上げらていて「お、なんかそれってカッコイイ」と思った本作。
オカルト臭が充満するサタニック・メタル・サウンドは、他の方々が仰られている通りSABBRABELLSなんかを想起させますが、個人的に初めて聴いた時に思い出したのは、爬虫類的なファルセットのハイトーンを操るシンガーの存在もあってMERCYFUL FATEとKING DIAMONDでした。あと初期聖飢魔Ⅱをもっとヘヴィ&シリアスにしたような感じもあるかな?
このキング・ダイアモンド風のVoは好き嫌いが分かれるところで、実際、それが理由で雑誌等では批判もされていましたが、70年代HR風バラードの大作④を聴けば明らかなようにシンガーとしての実力は確かな上、何より本作に収められているオドロオドロしさに満ちた歌詞とサウンドの語り部に、これほど相応しい歌唱スタイルはありませんて。
薄気味悪い声、日本人的な侘び寂びを感じさせる泣きメロを紡ぐG、重たいビートを叩き出すリズム隊とが一体となって唸り、ダーク且つドラマティックに盛り上がっていく①②④は本編屈指の名曲と言えましょうや。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder - Echoes From the Void ★★ (2012-03-15 07:12:32)

叙情的なイントロに始まり、
一気にスピードアップ。
中間部にはメロディアスなインスト・パートが
配され、最後は再び激しく盛り上がって〆と
正統派HM的な起承転結が味わえる1曲。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder - Living Weapon ★★★ (2012-03-14 21:44:36)

快活に弾むタテノリのリズムはいかにも
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドといった趣きなれど、
メロディの質はヨーロッパ産正統派HMから影響が滲む。
あ、つまりは古き良きベイアリア・スラッシュ・ソングってことか。
音数多めに荒れ狂う新ドラマーが早速存在感を発揮していますよ。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder - Future Ages Gone ★★★ (2012-03-14 21:41:57)

JUDAS PREISTばりの光沢を帯びたGリフ、
IRON MAIDENを思わせるゆったりとしたツインGのハーモニー等、
スラッシュ・メタルとしてのトンガリ具合と共に
オーセンティックなHMテイストも強く感じられる
アルバムでも1、2を争う名曲。


WARBRINGER - Worlds Torn Asunder ★★★ (2012-03-13 23:02:25)

飛躍的な成長を遂げた2nd『WAKING INTO NIGHTMARES』がここ日本でも高く評価され、一昨年5月には初来日も果たしている米産スラッシャーが'11年に発表し、未だ国内盤リリースの気配がない3rdアルバム。仕方ねえから輸入盤買っちゃいましたよ。
『WAKING~』の高評価の原動力ともなった辣腕リズム隊は既にバンドを去ってしまっているが、後任メンバーも同等のテクニシャンなので落胆には当たらず。ただ少々締まりに欠けるドラム・サウンドのせいで、折角の実力が今ひとつ鮮明に伝わって来ない点は勿体ないかな?
噛み付くように憎々しげなシャウトを繰り出すVo、殺傷力を宿して鋭角的に刻まれるGリフ、手数多めで畳み掛けるリズム、それにラフで勢い重視の音作り等、従来の尖がり具合と疾走感はしっかり保持しつつも、前作で垣間見せたマシーナリーなエクストリーム・メタル風味よりも、オールドスクールな正統派HM色が再度強まっているように感じられる点が本作の特徴の1つ。特に攻撃的なアダム・キャロル、メロディアスなジョン・ラウというタイプの異なるツインGコンビの存在、それにドラマティックな曲展開や構築力とが活かされた楽曲が連続する本編後半からは、強くそうした要素が感じられる。
勿論、切っ先の鋭さが失われたなんて事はある筈もなく、先制パンチとでも言うべき冒頭①②の連打、そして本編屈指のキラー・リフが炸裂する④は、まさしくWARBRINGER印の名曲。
このクオリティでも国内盤なしとは・・・。(※追記:その後、無事国内盤がリリースされました)


ZAR - Live Your Live Forever - Fire and Ice ★★★ (2012-03-13 22:52:17)

アルバムでも指折りのハード・ナンバー。
ジョン・ロートンが「1stで一番好きな曲」と
その名を挙げるだけあって、実際非常にカッコイイ。
GとKeyがユニゾンを決めるインスト・パートからは
様式美HMっぽさも感じられたり。


REBEL - STARGAZER - WINGS OF FIRE ★★★ (2012-03-12 22:39:45)

アルバムのラストはドラマティックな
大作で〆る。これぞ様式美。
とは言え楽曲はガチガチの様式美路線じゃなく、
適度にスペーシーで隙間の活かされた曲調や
アレンジからは70年代HR風味も伝わってきます。
よく歌うGが心地良いですね。


REBEL - STARGAZER - SURRENDER ★★★ (2012-03-12 22:36:03)

ポロポロポロと、澄んだ音色で零れ落ちるように
ピアノが奏でられるイントロと、そこにジョン・ロートンの
歌声が入って来た瞬間にノックアウト。
泣きまくるロートン先生VoやGソロは勿論のこと、
リリカルなKeyが地味に楽曲の完成度向上に一役買っていますね。


REBEL - STARGAZER - STARGAZER ★★★ (2012-03-12 22:30:30)

シャープ気味に伸びるクラウス・マイネ風の
ハイトーン・シャウトと、ロ二ー・J・ディオばりの
コブシの効きっぷりに痺れる、ジョン・ロートンの
圧巻の歌声が堪能できるOPナンバーにして本編屈指の名曲。
ハードなG、パワフルなDsもグッジョブ。


ZAR - Hard to Beat ★★ (2012-03-11 08:55:41)

時流に感化された4th『THE HOLY RHYTHM OF NATURE』で見事にコケ、フェードアウトしていったZARが'03年にひっそりとリリースしていたラスト作。数年前に中古屋で目にするまで存在すら知らなかった(忘れていた)アルバムなのですが、これってもしかして国内盤も出てたりしたのでしょうか・・・?
トミー・ブロックやジェリー・シェファーの姿は見当たらず、トミー・クラウスがGのみならず数曲ではリードVoも取るなど、殆ど彼のソロ・プロジェクト的な陣容でレコーディングが行われている本作なれど、サウンドに関して言えば、前作での路線変更に伴う失地から僅かながらも立ち直りの気配が確認できる内容ではある・・・ような。
相変わらず、さして面白味の感じられないグルーヴィなヘヴィ・ロック・チューンもチラホラ見受けられますが、アルバムを代表する名曲と言って差し支えない②や、明暗の効いたメロディ展開が印象に残る⑥等、その合間を埋める、よく歌うGとメロウなKey、そして欧州風味の哀愁を帯びたメロディとを活かしたバラード~メロディアスHRナンバーの数々には「あぁ、やっぱZARって良いバンドだったなぁ」と、しみじみ思わされるだけのクオリティが宿っており、また剣道を嗜むトミーの趣味か、“NI-TEN”(宮本武蔵の二天一流が元ネタ?)なるインスト曲も収録されていたりと、ファンなら興味を惹かれる内容に仕上がっている・・・ような。


UNISONIC - Ignition - I Want Out(live Version) ★★★ (2012-03-11 08:40:11)

先行EP『IGNITION』はこの曲目当てに買いました。
LOUD PARK 11からのテイクで、当日の会場の異様な
盛り上がりっぷりが生々しく捉えられています。
どうせなら“FUTURE WORLD”の方も収録して欲しかったなぁ。


REBEL - STARGAZER ★★★ (2012-03-08 22:36:41)

後にZARを結成する事で知られるトミー・クラウス(G)率いるドイツはシュツットガルト出身のHRバンドが、'82年に残した唯一のフル・アルバム。
本作最大のトピックは、LUCIFER'S FRIEND解散後はソロ活動を行っていたジョン・ロートンがシンガー兼プロデューサーとして参加している事で、当初ロートンはプロデューサーとしてレコーディング作業に携わっていたのだが、バンドのシンガーにあれこれアドバイスを送る内に「やっぱ貴方が歌ってくれよ」と説得され、最終的にシンガーも兼任する事となったそうな。
伊藤政則氏を始め、少なくない人たちが「ロートンの最高傑作といったらコレ!」とその名前を挙げるだけあって、歌心に溢れたGとリリカルなKey、コージー・パウエル型のDs、それに憂いに満ちた叙情メロディとが躍動する高品質なヨーロピアンHRサウンドの完成度には確かに心踊らされます(⑦はARGENTのカヴァーだったかな)。
ガチガチの様式美路線ではなく、軽快なノリや適度に隙間を活かしたアレンジ・センスからは70年代HR的な味わいも感じられる本作の主役は、やはり何と言ってもロニー・J・ディオとクラウス・マイネを足して2で割ったようなジョン・ロートンの強靭な歌声。勿論、今の彼も卓越した歌唱力を保持し続けていますが、この頃の歌声は別格の神罹り具合で、特に起伏に富んだ曲調に鮮烈なハイトーン・シャウトが映えるOPナンバー①、零れ落ちていくようなピアノによるイントロからして猛烈な哀愁を発散する⑤、スケールの大きなドラマ性を宿した〆の大作曲⑧の3曲は、取り分け強い存在感を放つ名曲。
これ1枚で終わってしまったのが惜しまれる完成度の1枚ですね。


ANVIL - Strength of Steel - Cut Loose ★★ (2012-03-07 21:59:12)

正統派へヴィ・メタリックなGリフが
シャープに刻まれる、前作収録の名曲
“FREE AS THE WIND”の流れを汲む
疾走ナンバー。


ANVIL - Strength of Steel - Kiss of Death ★★★ (2012-03-07 21:52:37)

リップスとロブのBLACK SABBATH愛が詰まった
ヘヴィ・ナンバー。
「味」と「勢い」で勝負!みたいな印象が強い
リップスですが、この曲におけるエモーションの乗った
Gプレイと歌唱は、彼が高い能力を備えたミュージシャンで
あることを如実に物語っていますね。


ANVIL - Strength of Steel - Paper General ★★★ (2012-03-07 21:46:30)

“THE HELLION”を思わせる劇的なイントロとアウトロは
JUDAS PRIESTを彷彿。
ドカドカと豪快に打ち鳴らされ、楽曲を引っ張る
ロブ・ライナーの「リードDs」も印象に強烈に印象に残る、
個人的にはアルバムのハイライト・ナンバーたる名曲。


ANVIL - Strength of Steel - Concrete Jungle ★★★ (2012-03-07 21:45:01)

タイトルに相応しいクールさとデンジャーな
緊迫感を背負って、重心低く押し出してくる
ヘヴィ・ナンバー。都会的な憂いを感じさせる
メロディも秀逸。


ANVIL - Strength of Steel ★★★ (2012-03-06 22:32:12)

レコード会社やマネージメントとのトラブルが原因で4年間もの沈黙を余儀なくされたANVILが、心機一転、新たにMETAL BLADE RECORDSと契約を結んで'87年に発表するや、バンド史上初めてビルボード・チャートにランクインを果たす等、(ささやかな規模ながらも)過去最高の成績をマークした4thアルバム。
スピードが抑制され、メロディ重視で組み立てられた作風はスラッシュ/パワー・メタルというより「アメリカンなノリも兼備した正統派HM」といった趣きですが、溌剌としたサウンドは相変わらずパワフルで重量感に溢れ、何よりキャッチー。マッチョなジャケット・アートワーク等も含めて『FIGHTING THE WORLD』を発表した頃のMANOWARに通じる魅力が感じられたりする場面も。
前半にミッド・テンポの楽曲が集中するため聴き始めこそ地味な印象を受けるかもしれませんが、重厚なアルバム表題曲①や、ソリッドでクールな佇まいの②は掛け値なしの名曲。シャープ&メタリックなGリフが刻まれる疾走ナンバー⑥で幕が開く後半戦も、PVが作られたライブの定番曲⑦、リップスのシンガー/ギタリストとしての才能が炸裂するヘヴィでメロディアスな⑩、そしてJUDAS PRIESTばりの劇的なイントロとアウトロを備え、ロブ・ライナーの荒れ狂うドラミングが聴きモノの名曲⑪にて幕が降ろされるまで、本編にはより幅広いリスナーにアピールするべく、「らしさ」と「ポップな新味」が意欲的に織り交ぜられた楽曲が集う。
実績とクオリティに反して余り顧みられる機会のなかった不遇の1枚ですが、近年、漸く再発が叶ったのでこの機会に是非ご購入下さい。


LIV MOON - Symphonic Moon ★★★ (2012-03-05 23:21:39)

前2作を大きく上回る完成度を提示し、豪奢にして玲瓏なシンフォニック・メタルの世界にどっぷりと浸りきれる'12年発表の3rdフル・アルバム。
壮大なサウンドを微塵も揺るぎなく支えるバカテク楽器陣の援護射撃を受け、旧作に散見されたポップなノリやダンサブルなアレンジが影を潜めた楽曲は、心打つ哀メロや繊細なアレンジの魅力はそのままに、へヴィ・メタリックな疾走感/ダイナミズム/アグレッションが大幅増量。
これまでよりもグッと引き締まり、最初から最後までダレ場なしに聴き通すことが出来るようになったサウンドに乗る、看板娘たるアカネ・リヴ嬢の歌唱能力もさらなる熟達振りを見せ、生と死を象徴する「白LIV」「黒LIV」の艶姿を戴くゴージャスなアートワークに象徴されるよう、今回は十八番の神々しいソプラノ・ボイスのみならず、中~低音域を駆使した妖艶な歌声も積極活用し、楽曲に更なる深みと陰影をもたらしている。
ANTHEMの清水昭男(G)が提供した神秘的且つ荘厳な“AMEN!”“零の天使”、オペラティックなコーラスとシンフォニックな装飾を纏った“KISS ME KILL ME”、飛翔感と高揚感を併せ持つ“心月世”、そしてアルバムのクライマックスを劇的に駆け抜けていく“THE LAST SAVIOR”といった楽曲は、そうしたバンドの試行錯誤が高いレベルで見事に結実した名曲と言えるのではないでしょうか。
「LIV MOON?まだ聴いたことないや」という方がおられましたら、先ずはこのアルバムからどうぞ。


加瀬竜哉 (2012-03-04 20:27:00)

加瀬さん、お亡くなりになられたようですね・・・。
『SISTER LEESA』は大好きな作品だったので、
もっとソロ・アルバムが聴いてみたかったなぁ。


STORMWARRIOR - Heathen Warrior ★★ (2012-03-04 20:23:20)

前作『HEADING NORTHE』('08年)がここ日本でも好評を得たSTORMWARRIOR、'11年発表の4thアルバム。
劇的な序曲に導かれてスタートするアルバム表題曲②を皮切りに、上手い/下手の次元を突き抜けて、最早バンドの「看板声」としての評価を確立したラーズ・ラムケのVoと、思わず血沸き肉踊らされずにはいられない雄々しいメロディとが、力強く刻まれるリフ&リズムに乗ってヒロイックに疾走するパワー・メタル・サウンドは、まさしくSTORMWARRIOR以外の何者でもない男臭い仕上がり。
豊富なキャリアを誇り、骨太なBプレイのみならず2ndシンガーとしても存在感を発揮する新メンバー、イェンツ・レオンハルトが本格的に作曲作業に関わるようになった影響か、曲によってはラーズとイェンツのツインVo体制が取られ、またボーカル・ハーモニーも増量される等、これまでよりも楽曲のメロディアスな側面が強調されている印象が感じられる本作ですが、これによりスケール感やドラマ性の底上げが図られた反面、前作を濃厚に覆っていたヴァイキング・メタリックな野蛮さが薄れ、初期HELLOWEEN~GAMMA RAYライクなメロパワ・メタル色が再び強まってしまったように感じられる点は、個人的には痛し痒し。
とは言え、別に疾走感が失われたわけでなけりゃ、ポップになったわけでもなし。重厚に猛る⑩のような名曲も収録していたりと、ファンの期待が裏切られることは決してないことを保障できる1枚ですよ。


STORMWARRIOR - At Foreign Shores - Live in Japan ★★ (2012-03-04 09:10:24)

'05年冬、GAMMA RAYの日本ツアーに帯同する形で初来日を果たしたSTORMWARRIORが、その際の東京公演の模様をレコーディングして、翌年に発表した実況録音盤。
1stや2ndアルバムに詰め込まれていた、HELLOWEEN~GAMMA RAY直系のジャーマン・メロパワ・メタルには余り感心した記憶がないのですが、こうしてライブ盤でまとめて聴くと、勇壮にして扇情的なフレーズを次々に紡ぎ出すツインGを筆頭に、良い曲を多々作ってきたバンドであることを再認識させられ、素直に「良いねぇ」と楽しむ事が出来ます。(バンドが成長を遂げたことも大きいのでしょうが)
ライブならではの熱気を孕みつつ突進する歌と演奏は意外なほど(失礼)安定していますし、GAMMA RAYの前座だった彼らに対しても冷淡な態度を取らず、大きな声援を送るナイスな観衆の盛り上がりっぷりも本作の魅力。
MCは簡単な挨拶と曲名コールぐらいで、あとはひたすら楽曲を繰り出すのみ!という武骨なショウ進行に物足りなさを感じる向きもあるでしょうが、その愚直さが彼らのキャラクターに合っており、加工されたファンの歓声も、日本公演の熱気を再現したいというバンドの心情の表れと解釈すればケチ付けようって気にはならんですよ。
初期STORMWARRIORの活動を総括する1枚と言えるかもしれませんね。


BOW WOW - Glorious Road - 忘れかけてたラブソング ★★ (2012-03-02 23:42:37)

浜田省吾とか尾崎豊が演りそうな歌物ロック・ソング。
ここでも印象的且つ哀愁を孕んだフレーズを次々に紡ぎ出す
山本恭司のGプレイが光っています。


BOW WOW - Glorious Road - Search Light ★★★ (2012-03-02 23:39:05)

歌謡ロック風味の曲調は今聴くと少々古臭くも感じられるのですが、
イントロからエンディングまで、とにかく全編に亘って泣きまくる
山本恭司のGプレイが心行くまで堪能できる名曲なので、
その辺の多少の粗には目を瞑ろうって気になるもんです。


BOW WOW - Glorious Road - 欲しいのはおまえだけ ★★★ (2012-03-02 23:35:42)

ポップな歌メロにキャッチーなファルセット・コーラス、
BOSTONばりのハンドクラップまで取り入れられちゃって、
予備知識なしに聴いたら先ずBOW WOWの楽曲だとは
思いませんよね、これ。
しかもこれが名曲なんだから凄い。
アメリカのTOUCH辺りを彷彿とさせる
メロディアスHRナンバー。


BOW WOW - Glorious Road - 夜になっても遊び続けろ ★★ (2012-03-02 23:31:27)

外部ライターのペンによる時代を感じさせる歌詞や、
力まずスムーズに歌う斉藤光浩のVoからは
シブガキ隊や近藤真彦的な(?)歌謡ロックテイストが
漂いますが、とは言え山本恭司のGは良く歌っていますし、
小気味良くタイトなリズムの気持ち良さも相当なものです。


BOW WOW - Glorious Road ★★★ (2012-03-01 23:04:22)

一度聴いてみたかったSMSレコード時代(所謂「封印時代」)の作品群が遂にCD化。所属事務所主導でポップ路線に舵を切ったとは耳にしていましたが、実際に本作(5th,'80年)を購入してみて、その大胆な変貌ぶりには驚かされましたね。
外部ライターの手による赤面モノの歌詞と爽やかなファルセット・コーラスに彩られた、懐かしいノリに思わず身悶える――それこそ「ザ・ベストテン」辺りで聴いても違和感のなさそうな――歌謡ロック調の収録楽曲の数々が従来のBOW WOWのイメージを大きく覆す本作ですが、とりわけ冒頭3曲においてはそれが顕著に表れており、最初聴いた時はちょっと笑ってしまいましたね(申し訳ない)。これにリアルタイムで接した際のファンの驚愕は想像に難くなく、そりゃメンバーも「あまり振り返りたくない時期」と語るわなー、と。
尤も、最初の衝撃から立ち直って本編を聴き進めると、4曲目“夜になっても遊び続けろ”以降は心を捉える哀愁のメロディや曲展開が続出。隙あらば熱い泣きメロを叩き込む山本恭司のG、タイト且つ骨太に躍動するリズム隊、日本語詞をメロディアスに歌う事で「歌の上手さ」を再認識させられた斉藤光浩のVo等、随所にBOW WOWらしさは息衝いている事にも気付かされます。特に、憂いと泣きが充満したHRナンバー“SEARCH LIGHT”は名曲。
BOW WOWらしい作品か?と問われれば答えはノーですが、優れた作品か?と問われれば躊躇なくイエス!と応える1枚ですよ!


OSTROGOTH - Feelings of Fury - Vlad Strigoï ★★★ (2012-02-29 23:22:12)

従来の好戦的なパワー・メタル・サウンドと、
Keyを取り入れたドラマティックなアレンジとが
無理なく同居しており、個人的には“SAMURAI”と
並んで4thアルバムの一押し曲に挙げたい
疾走ナンバーの名曲。
劇的なフレーズを奏でるツインGも
良い仕事をしてくれています。


OSTROGOTH - Feelings of Fury - What the Hell Is Going On ★★★ (2012-02-29 23:18:58)

強引なリフ/リズム・チェンジからは
IRON MAIDENの影響が透けて見えますが、
肩で風切って威圧してくるような
やさぐれ感溢れる曲調はまさしくOSTROGOTH節。
暑苦しいVoも攻撃的な曲調に
見事にマッチしています。


OSTROGOTH - Feelings of Fury - Love Can Wait ★★★ (2012-02-29 23:14:43)

暑苦しいVoにパワフルな楽器陣と、
演ってることはこれまでとさして
変わらないのですが、Keyを上手く活かして
取っ付き易いキャッチーさを
演出していますね。
パワー一辺倒に陥らない
曲作りの上手さが光る名曲です。


OSTROGOTH - Feelings of Fury - Samourai ★★★ (2012-02-29 23:12:27)

再発CDだとタイトルが“SAMOURAI”になってしまっていて
イマイチ締まりませんが、オラオラ状態で
煽ってくる好戦的な曲調はまさしく「戦士の歌」
といった趣き。
和風メロディが良いアクセントとなっていて、
特に中盤で炸裂するフレーズは、何となく
昔遊んだ「忍者くん」「影の伝説」といった
ファミコンソフトのことを(なぜか)
思い出させてくれて◎です。


OSTROGOTH - Feelings of Fury ★★★ (2012-02-29 07:11:01)

テオドリック大王により建国され、イタリア一帯を統治した「東ゴート王国」の名を戴くベルギーのパワー・メタル・バンドが、'87年にULTRAPRIME RECORDSから発表した4thフル・アルバムにしてラスト作。(CDはお馴染みMAUSOLEUMからのリリース)
シンガーが元CROSSFIREのピーター・デ・ウィントにチェンジし、更に専任Key奏者の加入のみならず、サイドGとBも交代するなど、ドラスティックなメンバー・チェンジを経て発表された本作ですが、音楽性に関しては微塵も変化なし。VENOMに通じるブルドーザー・サウンドが炸裂するOPナンバー②(①はSF調のイントロ)を手始めに、和風メロディをアクセントに用いて「俺はサムラ~イ」と高らかに歌い上げる名曲③、そして「やさぐれたIRON MAIDEN」風味のダイナミックな曲展開で畳み掛ける⑧といった楽曲を聴けば明らかなように、今回も肩をいからせて猛進する男気パワー・メタル道を脇目も振らず突っ走っています。
但し、後にメロディックHRバンドMYSTERYを結成して日本のHR/HMファンからも好評を得たピーターのメロディアスに歌えるVo(力んだ時の声がちょっと人見元基を思わせる?)と、Key奏者の加入により確実に楽曲のバリエーションは広がりを見せていて、例えばKeyサウンドが親しみ易いキャッチーさを演出する④はこの編成の長所を活かした楽曲と言えるし、ラストに控える疾走ナンバー⑨なんて、従来のOSTROGOTH節と本作ならではの新味が高い次元で融合を果たしたアルバムのハイライトを飾る劇的な名曲っぷり。お見事です。


RAVEN - Destroy All Monsters - Live in Japan ★★ (2012-02-27 23:06:53)

当時のレーベル・メイト、オランダのHRバンド、SLEEZE BEEZEとの組み合わせで、'95年に川崎クラブチッタにて行われた一夜限りの初来日公演の模様を収めた実況録音盤。
『ゴジラ』シリーズ第9弾『怪獣大戦争』の米国公開時の洋題を戴いたアルバム・タイトルからして奮ってる本作ですが、前年リリースの9th『GLOW』がモダン・ヘヴィネス方向に血迷ったRAVEN史上屈指の問題作であったこと、更に当時の彼らが迷走の真っ只中にあったこととが重なり、収録曲の実に半数以上が90年代以降に発表された作品からのチョイスとあっては、「盛り上がりたくとも盛り上がりきれねー」というのが正直な心境。この選曲が足枷となり、買ったはいいけど碌に聴かぬままCD棚に放り込んでおりました。
ただ、流石ライブ・バンドとして名を売ってきた猛者だけに、マーク・ギャラガーの緩急自在のGプレイやジョー・ハッセルヴェンダーのラウドなドラミングetc・・・と、トリオ編成の不利をモノともしないド迫力の熱血パフォーマンスはここでも健在。分けても、有り余るエネルギーがシャープ気味のシャウトとなって漏れ出すジョン・ギャラガーのVoは、図太いBランと共に期待に違わぬ存在感を発揮してくれていて嬉しくなりましたね。
ライブだとあのパッとしない『GLOW』からの楽曲さえも5割増しで輝いて聴こえますし、伝説のライブ・アクト降臨にテンション上がる観客との熱いコール&レスポンスがフィーチュアされ、ショウのハイライトを形成する“BREAK THE CHAIN”等、改めて聴き直すと耳惹かれる部分も多々あるライブ盤であることに気付かされた次第。
RAVEN初来日公演の壮絶な盛り上がりっぷりの一端には触れられる1枚かな?と。


MEGADETH - Th1rt3en ★★ (2012-02-26 16:28:50)

復活以降は傑作アルバムを連発、恩讐を乗り越えて行われた「BIG 4」ツアーも成功裡に終わらせ、更には盟友のデイヴィッド・エレフソン(B)が戦列復帰を果たす等、精神的にも肉体的にも(首の手術はありましたが)絶好調な状態にあるデイヴ・ムスティン率いるMEGADETHが贈る最新スタジオ作。
スラッシーなスピード感の抑制、ミッド・テンポの楽曲が目立つ本編の構成、90年代の迷走さえも糧へと変えたメロディの練られ具合、それに何より、シンガーとしてのデイヴ・ムスティンの存在感にまず耳奪われる本作を一聴しての感想は、やはり多くの方々同様「『COUNTDOWN TO EXTINCTION』に似てるなー」というものでした。それにしても、キャッチーなのにニヒルで、尖がりつつも歌心を失わない彼の歌唱を聴くに付け「凄いシンガーになったなぁ」との思いを新たにさせられますね。
そんなムスティンの唯一無二のVoに、酷薄に刻まれるリフ&リズム、稲妻のように閃くデイヴとクリス・ブロデリックのツインGが波状攻撃を仕掛けてくる冒頭3曲の畳み掛けや、同名ゲームのテーマソングでもある“NEVER DEAD”、ダーク且つメランコリックなMEGADETH流バラード“TH1RT3EN”は、現在のバンドのテンションの高さを如実に伝える名曲ですよ。
但し、この作風で全13曲収録のボリュームは――例えアルバム・タイトルにちなんでいるとは言え――少々キツイ。中弛みの原因になっているので、出来ればもう少しシェイプアップを図って欲しかったなぁ…と書いていてふと思ったけど、通して聴くよりも摘み食い的に何曲かピックアップして聴きたくなる辺りも『COUNTDOWN~』的ですね。


ROYAL HUNT - Land of Broken Hearts - Day in Day Out ★★★ (2012-02-26 00:18:44)

1stは先に輸入盤を購入したのですが、
ラジオで耳にしたこの曲のカッコ良さに釣られて
国内盤をまた買い直す羽目になったという意味でも
思い出の1曲。
Keyソロがいいですね。


ROYAL HUNT - Land of Broken Hearts - Heart of the City ★★★ (2012-02-26 00:16:15)

デビュー作で最も愛する名曲。
この曲(の2コーラス目で一瞬ピアノが閃く部分)を
耳にした瞬間、「よし、このバンドの作品はずっとチェックしよう」
と決意させられましたよ。


ROYAL HUNT - 1996 ★★★ (2012-02-26 00:10:14)

ROYAL HUNTの日本での人気が頂点に達したのは4th『PARADOX』を発表した時だと思われますが、D.C.クーパー加入第1作『MOVING TARGET』のリリースに伴う日本ツアーの模様をフル・セットで収録したこの2枚組ライブ・アルバムは、上り調子のバンドの勢いとファンの熱気が余すところなく記録されており、聴き応え十分の内容。
次々に繰り出される悲哀とドラマに彩られたハイクオリティな楽曲の数々、それらをエモーショナルに表現する楽器陣の達者な演奏ぶり(女性2人による生のバックコーラスも効果的)にも瞠目させられますが、個人的に耳奪われるのは、やはり何と言ってもROYAL HUNTの音世界に更なる深みと広がりをもたらしたD.C.クーパーの歌唱力。ライブでも表現力に全く鈍りのないその抜群の歌声のみならず、観客を絶妙にエンターテイメントする華のあるステージ・アクションもこの人の大きな魅力なので、そういう意味ではビデオ版(祝・DVD化)も必見です。
DISC-2に収められている名曲“EPILOGUE”は、そうしたD.C.のVoを手始めに、猛烈に泣きまくるJ.K.のGソロ、クラシカルにしてシンフォニックなアンドレ・アンダーセンのKeyといった各パートの見せ場が、起承転結のバッチリと決まったドラマティックな曲展開の中で次々に繰り広げられる「ショウの中のショウ」とでも言うべき構成が取られており、まさしくコンサートのハイライトと呼ぶに相応しい盛り上がりっぷりが演出されていて必聴。
5月に迫った彼らの来日公演の予習として、またROYAL HUNT入門編としてもお薦めの1作。


ROYAL HUNT - Land of Broken Hearts ★★★ (2012-02-25 02:12:45)

'93年に発表されるや「凄い新人バンドが現れた!」と輸入盤市場で話題となり、すぐさま国内盤のリリースも実現したデビュー作。
今では北欧メタル・マニアに留まらぬ幅広い層からの支持されるROYAL HUNTなれど、この頃のサウンドからは現在の彼ら程のスケール感やドラマ性は感じられず、スピーディな様式美HMナンバーにしろ、軽快に弾むシャッフル・チューンにしろ、ストレートに「北欧メタル」している印象の方が強い。スリリング且つ劇的なインスト・パートの充実度に比べ、ヘンリック・ブロックマンの生硬い歌声が弱く感じられる辺りも、いかにも北欧メタル的だ。
尤も、この朴訥としたVoが歌う寒々としたメロディはこれはこれで案外魅力的。また時にクラシカルに、時にシンフォニックに、冷やかな旋律を奏でて楽曲をドラマティックに彩るアンドレ・アンダーセンのKeyワークや荘厳さ漂う美しいコーラス等、後々までこのバンドの重要な個性となる要素も既に確認する事ができる。
中でも一押しは、GとKeyがバトルを繰り広げながら疾走する“HEART OF THE CITY”。この手の様式美HMナンバーは本作以降姿を消してしまう上、2コーラス目で一瞬閃くピアノ・サウンドが印象的でカッコイイったらないですよ。
ROYAL HUNTと言えばやはりD.C.クーパー加入以降のアルバムこそが必聴作でしょうが、衝撃度で言えば個人的にはこのデビュー作がやはり一番大きかった気がします。


DEMON - The Unexpected Guest - Beyond the Gates ★★ (2012-02-25 00:51:49)

邦題は“地獄のゲート”。物々しいですなぁ。
湿り気やミステリアスな雰囲気を
演出するKeyが隠し味的に用いられた
HRナンバーで、ここでも耳を奪われるのは
やはりデイヴ・ヒルの情熱的な歌声と
レス・ハントが紡ぐ泣きのメロディ。


DEMON - The Unexpected Guest - Have We Been Here Before? ★★★ (2012-02-25 00:45:03)

2ndアルバム後半の山場となる泣きのバラード。
全身全霊を込めて振り絞るように歌うデイヴ・ヒルの絶唱と、
濃厚に咽び泣くレス・ハントの哀愁に満ちた
Gプレイには涙腺を刺激されずにはいられません。


DEMON - The Unexpected Guest - Don't Break the Circle ★★★ (2012-02-23 23:19:22)

和風(?)メロディが聴かれるイントロ“監視”から
繋がっていく、適度な疾走感も伴ったドラマティックな曲展開、
一度聴いただけで「Don'T break the circle~♪」と
合唱せずにはいられないキャッチーな歌メロに、
全編に溢れる泣きのGメロディetc・・・と、この曲には
初期DEMONの魅力がギュギュッと凝縮されていますね。
BLIND GUARDIANのスピード・メタル・バージョンからは
感じられなかった「大英帝国の威厳」が漂って来るあたりも◎


DEMON - The Unexpected Guest ★★★ (2012-02-23 05:30:37)

本邦初登場作となった'82年リリースの2ndアルバム(邦題は『招かれざる客』)。
不気味なアートワークに仰々しい邦題、オカルト趣味を前面に打ち出した歌詞、それでいてダークさやオドロオドロしさは控えめに、ブリティッシュな哀愁を湛えて時にポップな表情さえ見せる楽曲の数々・・・と、デビュー作の作風を忠実に受け継いだHRサウンドは健在。
寧ろ、Keyをアクセントに用いて、よりキャッチーに、よりメロディアスに洗練された収録楽曲のクオリティには確かな向上の跡が見て取れ、中でもその筆頭に上げられるのがOPナンバー“DON'T BREAK THE CIRCLE”。和風メロディを取り入れた怪しげな序曲から繋がる劇的な曲展開、味のあるオヤジ声を駆使して憂いを帯びた歌メロをエネルギッシュに歌い上げるデイヴ・ヒルのVo、エモーショナルな泣きメロ携えて切り込んで来るツインG、そして思わず一緒に歌いたくなる強力なキャッチネスと、この名曲には初期DEMONの魅力の全てが詰め込まれていると言っても過言ではありません。
他にも、濃厚に咽び泣くバラードの名曲“HAVE WE BEEN HERE BEFORE?”もあったりして、個人的にはDEMONの代表作と言われるデビュー作より愛聴している1枚だったりします。


DEMON - Night of the Demon - Father of Time ★★★ (2012-02-22 23:00:54)

1stアルバムでは“NIGHT OF THE DEMON”に
匹敵する名曲ではないでしょうか。
華はないけど、Vo並に歌い、泣く、
レス・ハントのGプレイが存在感を発揮する
哀愁のバラード。


DEMON - Night of the Demon - Into the Nightmare ★★ (2012-02-22 22:56:28)

邦題は“悪夢への誘い”。
シンプルだが非常にキャッチーな
Gメロディが耳に残る逸品。
レス・ハントが紡ぐメロディには
哀愁成分が多く含まれているのですが、
じめじめしていないのでポップな
曲調の躍動感を殺していない点も
素晴しい。


DEMON - Night of the Demon - One Helluva Night ★★ (2012-02-21 22:11:47)

邦題は“恐怖の一夜”ですが、そんな雰囲気は
露とも感じさせぬノリノリの曲調が逆に印象に残りますね。
但し、鋭角的なGリフや、ツインGが奏でる
湿り気を帯びたメロディはいかにもNWOBHM出身バンド
といった趣き。


DEMON - Night of the Demon - Night of the Demon ★★★ (2012-02-21 22:08:13)

デイヴ・ヒルの暑苦し・・・もとい情熱的な歌声と
泣きを含んだツインGがヨーロピアン・メタル然とした
湿り気と怪しげな雰囲気を発散しているが、
同時にどこか楽しげでキャッチーなノリも同居したDEMONは、
「オカルト・メタルでもサタニック・メタルでもなく
《お化け屋敷メタル》である」と評していた人がいましたが
まさに言いえて妙。


DEMON - Night of the Demon ★★ (2012-02-20 23:34:51)

'81年発表の1stフル・アルバム。(邦題は『魔夜』)
BLIND GUARDIANが“DON'T BRAKE THE CIRCLE”をカヴァーした事でこのバンドに興味を持ち、当時折り良くCD化された本作を購入したのですが、BGのカヴァーがバキバキにビルドアップされたスピード・メタル・バージョンであったこと、NWOBHMに属するバンドだし、この名前で、ホラー映画調のジャケット・アートワーク、そしてハッタリの効いた邦題の数々もあって、さぞかしオカルティックでオドロオドロしい(それこそKING DIAMONDみたいな)サウンドが聴けるものとワクワクしながら再生ボタンを押してみたら、始まったのはキャッチーで、時にポップとさえ表現出来そうな展開もみせるハードロック・・・。「期待してたのと違うじゃねぇか!」と勝手に憤慨し、長らく放置プレイの刑に処していたのですが、その後、改めて聴き直してみたら「あれ?これってこんなに良いアルバムだったの?」と目と耳から鱗がボロボロ落ちまくりましたよ。
確かに軽快なノリの楽曲が本編の大半を占めているものの、デイヴ・ヒル(Vo)の暑苦しいオヤジ声と、マル・スプーナー&レス・ハントのツインGコンビが泣きの入ったメロディを随所に差し込んで来るため、明るくハジけ切れない雰囲気が纏わり付く辺りはいかにもブリティッシュ。
特にA面サイドの楽曲の充実っぷりには目を瞠るものがあり、「RISE・・・RISE・・・」という不気味な呪文詠唱に導かれてスタートするアルバム表題曲“NIGHT OF THE DEMON”は、キャッチー且つ泣きを伴ったメロディとGプレイが強く印象に残る、DEMON屈指の名曲ですね。


HEAVENS GATE - Live for Sale! ★★ (2012-02-19 15:55:06)

HEAVENS GATEの日本での人気が頂点に達した瞬間の記録であると同時に、その凋落の始まりの証ともなってしまった、何とも皮肉なライブ・アルバム。
当サイトにおける獲得ポイント数の少なさからも察しが付く通り、バンドの経験不足をもろに露呈してしまった垢抜けないパフォーマンスに対し、手厳しい意見が続出した初来日公演の模様が克明に捉えられていることから余り評判の芳しくない本作ですが、どっこい個人的には「仰る通り。ご尤も」とそれらの意見に全面同意しつつも、どうしても嫌いになれず、今でも機会があれば聴き返している作品であります。
まず第一に楽曲が良い。“LIVIN' IN HYSTERIA”“GATE OF HEAVEN”“IN CONTROL”といった代表曲を筆頭に、ベスト盤状態で次々に繰り出される楽曲はいずれもジャーマン・メタル好きなら一聴の価値がある名曲ばかり。そして第二に挙げられるのがファンの熱烈な盛り上がりっぷりで、コーラス部分を客に任せきりにするシンガーのパフォーマンスには苛々させられるものの、一方でそれに見事な反応を返す観衆の一体感溢れる大合唱には「お見事!」と素直に賛辞を贈りたくなります。
例え残念なクオリティでも、こうしたバンドとファンの熱いエネルギーの交歓がしっかりとフィーチュアされているライブ・アルバムには点数が甘くなるというもの。「良い曲と熱心なファンを沢山抱えているバンドは強いなぁ」と思わせてくれる1枚ですよ。


GLENN HUGHES - Burning Japan Live ★★★ (2012-02-18 01:46:04)

ドラッグで身を持ち崩して過去の人になりつつあったグレン・ヒューズ、起死回生の一撃となった力作『FROM NOW ON・・・』リリースに伴う日本公演(前座はスウェーデンのFORTUNEでしたっけね)の模様を捉えたライブ・アルバム。
「THE VOICE OF ROCK」コールに導かれ、いきなりド級の名曲“BURN”によって幕が開き「掴みはOK!」となるショウは、当時の最新作『FROM~』からのナンバーを中心に据えつつ、DEEP PURPLE、TRAPEZE、HUGHES/THRALLの名曲も要所に配置される等、その豪勢なセットリストはまさしく「ヒストリー・オブ・グレン・ヒューズ」といった趣き。その上でクスリ断ちに成功し、心身ともに絶好調なグレンが熱の篭ったパフォーマンスを繰り広げてくれるのだから、これで盛り上がらない訳がない。
バックを固める北欧ミュージシャン勢も、テクニカル&ヘヴィ・メタリックな演奏で彼を的確にサポート。のみならず、彼の地独特の透明感をもってグレンの「黒っぽさ」や「ファンキーなノリ」を中和する役割も果たしており、特に、メロウな叙情HRナンバー“FROM NOW ON・・・”と、TRAPEZE時代の名バラード“COAST TO COAST”におけるパフォーマンスは、両者の持ち味の最良の部分が見事に引き出されていて圧巻の一言。ソウルフルに炸裂するグレンのハイトーン・シャウトには魂が震えるってもんですよ。
それまで知識としてしか知らなかったグレン・ヒューズというシンガーの凄味を、実感を伴って理解させてくれる1枚。ゼロ・コーポレーションが残した数々の遺産の中でも一際眩い輝きを放つ「LIVE IN JAPAN」物の傑作だと思います。(あからさまに手が加えられている歓声の処理は評価が割れるところかもしれませんが、個人的にはこれは「有り」)


MALICE - License to Kill - Sinister Double ★★★ (2012-02-16 23:22:38)

いかにもマックス・ノーマン的な
ソリッドな音作りの援護射撃を受けて
良く伸びるハイトーンVoと楽器陣が
一体となって突き進む様が
まさに「メタル!」な2ndアルバムOPナンバー。


MALICE - License to Kill - Vigilante ★★ (2012-02-16 23:19:46)

ダーク且つ重厚に迫り来るヘヴィ・ナンバー。
LAのバンドらしからぬ劇的な構築美を放つ
Gソロが聴かせてくれますね。


MALICE - License to Kill - Chain Gang Woman ★★ (2012-02-16 22:48:03)

荒々しく駆け抜ける
アップテンポのHMソング。
バックVoとして当時親交のあった
MEGADETHのデイヴ・ムスティンと
デイヴ・エレフソンが参加しています。


MALICE - License to Kill - Murder ★★★ (2012-02-16 22:46:10)

アグレッシブでキャッチー。
2ndアルバムの中では最も強く
JUDAS PRIEST風味が感じられた名曲です。


MALICE - License to Kill ★★ (2012-02-16 22:41:20)

JUDAS PRIESTが憑依したかの如き、LAのバンドらしからぬ劇的なブリティッシュHMサウンドを詰め込んだ1st『IN THE BEGINING』でデビューを飾ったMALICEなれど、プロデューサーをマイケル・ワグナーからマックス・ノーマンに代えた本2ndアルバムにおいては、逞しさを増し「ロブ・ハルフォードのそっくりさん」から「ロブ・ハルフォード型ハイトーン・シンガー」へとクラス・チェンジを果たしたジェイムズ・ニールの歌唱、ミッドテンポのヘヴィ・チューンが中核を成す本編の構成等、全体的にソリッドなアメリカンHM(LAメタル)テイストが強化されている印象を受ける。
このJUDAS PREIST成分の減量をプラス/マイナスどちらに評価するかは人それぞれだが、個人的には、身も心もJUDAS PRIESTになりきった“HELLRIDER”や“GODS OF THUNDER”のような強力なキメ曲が見当たらなくなってしまった点は明らかに減点要素。
それでも、挑みかかるようなOPナンバー“SINISTER DOUBLE”を手始めに本作で聴くことが出来るのは紛れもない正統派HMサウンドであり、光沢を帯びた音色で構築美を備えたメロディを奏でるツインGも相変わらずの存在感を発揮。ダークで重厚な“VIGILANTE”、MEGADETHのWデイヴがゲスト参加しているアグレッシブな“CHAIN GANG WOMEN”(ギタリストのジェイ・レイノルズは一時MEGADETH入りが取り沙汰されたりしてましたね)、そして本編中最も濃厚なJP風味を発散する“MURDER”といった、前作を気に入った人を失望させることのない楽曲の数々を収録したアルバムのクオリティは実に堂の入ったもの。
近年、再結成を果たして活動中とも聞くが、だったら新作を作って欲しいなぁ。


PRAYING MANTIS - Captured Alive in Tokyo City ★★★ (2012-02-13 23:33:41)

「2枚組&ベスト選曲で贈るPRAYING MANTIS初のライブ・アルバム!」と聞いて「おおっ」と身を乗り出した人達が、「但しシンガーはゲイリー・バーデン」と付け加えられた途端、ざざーっと引き潮の如く醒めていく様が目に浮かぶような実況録音盤。
そのゲイリーは本作に於いても、OPナンバーの時点で早くも歌声がヨレヨレというミラクルなパフォーマンスを披露。にも拘らず、不思議と腹立ちよりも「流石ゲイリー」「それでこそゲイリー」的な安心感や微笑ましさが先立ってしまうという、愛すべきキャラクター性をアピールしており、ある意味、何者にも変え難い人材ですよ、この人は。
幕開けから既にアップアップの様相を呈している彼の歌唱ですが、その後は大崩れすることなく持ち堪えますし(=ずっとヨレヨレ)、またそのガラッパチなオヤジ声が、ライブでも霞む事のない美しさを誇るPRAYING MANTIS必殺の三声ボーカル・ハーモニーの華麗さを際立ててくれてもいます。え?美醜の対比?いやいやいや・・・。
そして何よりこのライブ盤を語る上で外せないのが、観客の盛り上がりっぷり。天下のRAINBOW公演を蹴ってまで駆けつけた熱心なファンが揃っているだけに、例えば“RISE UP AGAIN”のサビメロ部分なんて「そんな長いパートを客に歌わせるなんざ無茶だよ、ゲイリー!」とのこちらの不安を観客が一蹴し、息の合った見事な合唱を澱みなく展開してくれる場面は、本編のハイライトと言っても過言ではないカッコ良さ。そりゃメンバーだって「君ら、バンドに入ってよ!」と感動を露わにしますよって。
一方でメンバーの演奏は終始緩いし危なっかしく、とても「傑作」と絶賛できる内容ではないのですが、個人的には聴く度にほっこりした気持ちになれる味わい深い逸品として、90年代に連発された「LIVE IN JAPAN」物の中では、BLIND GUARDIANの『TOKYO TALES』、グレン・ヒューズの『BURNIG JAPAN LIVE』と並んで愛聴しているライブ盤です。ビデオ版もお薦め。


MALICE - In the Beginning... - Godz of Thunder ★★★ (2012-02-12 23:16:37)

身も心もJUDAS PRIESTになりきった名曲。
フォロワーもここまで徹底されれば、もはや至芸です。
ロブ・ハルフォードそっくりのハイトーンを
聴かせてくれるこのVo、今改めて聴き直すと、
8:2ぐらいでデーモン小暮成分も入っているような。


PRAYING MANTIS - Demorabilia ★★★ (2012-02-12 23:01:23)

デビュー作『TIME TELLS NO LIES』リリース後、荒波に浮かんだ木の葉の如くマネージメントとレコード会社に翻弄され続けていた時期にレコーディングが行われ、発表する機会のないまま長らく埋もれてしまっていた未発表曲の数々を取りまとめた発掘音源集。ちなみにタイトルは「DEMO」と「MEMORABILIA(記録)」を組み合わせた造語なのだとか。
目玉となるのは、現URIAH HEEPのバーニー・ショウ(Vo)を迎えたラインナップでレコーディングされた幻の2ndアルバム(一部被っている楽曲もあるけど基本的には『PREDATOR IN DISGUISE』とは別物)用楽曲群と、PRAYING MANTISとしての活動が行き詰まった後、元IRON MAIDENのクライヴ・バー(Ds)らと結成したESCAPE時代に制作されたデモテープに収められていた楽曲の数々。
特に後者は、日本のレコード会社と契約を結ぶ決め手となったクオリティを有しながら、全く異なるバンド名(STRATUS)と異なる楽曲を用いたアルバムでデビューを飾った後は行方不明になっていたという、PRAYING MANTIS史上屈指のレア音源として度々取り沙汰されていただけに今回のリリースはまさしく快挙。しかもこれが、PVも作られた“TOP OF THE WORLD”を筆頭に、キャッチネス/ハードネスのバランスも良好な叙情HRの名曲揃いときたもんだ。(PRAYING MANTISと同一路線を期待すると少々ポップ過ぎるかもしれませんが)
元がデモテープゆえ音質の悪さは相当なものですが、評価は当然「素晴らしい!!」。PRAYING MANTISファンなら一度はチェックしておいて損のない作品だと思いますよ。


URIAH HEEP - Official Bootleg Vol.Ⅲ Live in Kawasaki Japan 2010 ★★★ (2012-02-12 00:14:49)

'10年秋に行われたURIAH HEEPの来日公演は、個人的にその年のベスト・ライブに推したくなるほどの素晴しさでしたが、あの時の感動を鮮烈に蘇らせてくれるのが、10月24日(日)に川崎クラブチッタで繰り広げられたコンサートの模様をほぼフルセットで収録している、この2枚組実況録音盤。
タイトルこそ「BOOTLEG」となっているものの、クリアな音質は正規のライブ・アルバムと比較しても何ら遜色のないクオリティ(流石「公式」)で、顔の前で手をヒラヒラさせるあの奇妙なアクションが思い出されるミック・ボックスの楽しげなGプレイを筆頭に、メンバー(&ステージに出たり入ったり忙しかったミッキー“戦場カメラマン”ムーディ)の熱気溢れるパフォーマンスと、華麗なるボーカル・ハーモニーまでしっかりと再現された名曲の数々が余すところなく収められた本編を聴くと、気分はもうすっかりあの夜にタイム・スリップ。生で見た際は“CIRCLE OF HANDS”に甚く感動した覚えがありますが、こうして改まってCDで聴くと“LOVE IN SILENCE”のドラマティックな盛り上がりっぷりにも心打たれるものがありますね。
観客の歓声があまりフィーチュアされていない点には物足りなさを覚えますし、何より「なぜ(俺が行った)23日を音源化してくれなかったんだ!」と地団駄を踏みたくもなりますが、ともあれ現在のURAIH HEEPがライブ・アクトとして高い実力を誇っている事が良く分かる作品である事は間違いなし。「買い」の1枚ですよ。


PRAYING MANTIS - Metalmorphosis (30th Anniversary album - Japanese Edition) ★★ (2012-02-11 01:19:15)

選曲が初期作に偏っているので、入門者向けベスト盤としての機能を果たすかどうかは微妙な線ですが、繊細な泣きと叙情メロディを満載にしたツインG&ボーカル・ハーモニーが伸びやかに駆け抜けていく楽曲の数々を聴いていると、つくづく「名曲を山ほど抱えたバンドだなぁ」と実感させてくれる1枚であることは確か。
特に、普段は“CHILDREN OF THE EARTH”と“LOVER TO THE GRAVE”という2大名曲の陰に隠れがちなデビュー作収録楽曲が意外なほど魅力的に蘇っており、「ああ、そういえばこの曲ってこんなにカッコ良かったんだ」と再認識させられましたね。
近年のライブに倣ったのか、テンポを落とし気味に楽曲が再構築されているため、何やらマッタリとした空気にアルバム全体が包み込まれてしまっている点は頂けませんが、逆に“LOVER~”のようにテンポが落とされたことでメロディの魅力が際立った楽曲もあるにはありますよ!と、一応はファンとして擁護しておきたい。
何より、個人的に一度聴いてみたいと願っていた幻のバンドのテーマ曲(?)“PLAYING MANTIS”が遂に聴けた事が嬉しいったら。解説等でその存在は知っていても、長らく公式音源は耳にした事がなかっただけに喜びも一入ですよ。(例えその結果、大した曲でなかった事が判明したとしても・・・/苦笑)