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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4501-4600

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4501-4600

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JOURNEY - Eclipse - Chain Of Love ★★★ (2011-07-03 00:55:40)

零れ落ちるように奏でられるジョナサン・ケインの
Keyの上に、アーネル・ピネダの明度の高い歌唱が乗る、
澄んだ哀愁を湛えたイントロだけで掴みはOK。
重厚なディーン・カストロノヴォのドラミングをフィーチュアして
力強く、壮大に盛り上がっていく以降の展開も素晴しい。


JOURNEY - Eclipse ★★★ (2011-07-02 10:38:30)

アーネル・ピネダ(Vo)参加2作目となる'11年発表の14thアルバム。
日本盤にはボーナス・トラックとして名曲“DON'T STOP BELIEVIN'”のライブ・バージョンが収められているのだが、これ聴いて観衆のあまりの熱狂っぶりビックリ。どうやら同曲がドラマ主題歌に採用されリバイバル・ヒットとなった事に起因しているらしいのですが、改めてJOURNEYがそこらの懐メロ・バンドとは一線を画す存在であることを実感した次第。
また、こうしたファン層の若返りはバンド側にも相当の自信をもたらしたようで、それがアルバムのクオリティにもしっかりと反映されるという好循環。ニール・ショーン(G)がインタビューで「前作よりハードな作品にしたかった」とか答えてるのを読んだ時は嫌な予感もしましたが、実際に聴いてみれば、清涼で爽快で壮大な哀メロの海に頭から爪先までどっぷりと浸れる、どこ切っても100%JOURNEY!なメロハー・サウンドが展開されており、そのクオリティは傑作だった前作『REVELATION』にも匹敵。
張り/艶/伸び、いずれを取っても申し分ないアーネルの極上の歌声と、激しくも繊細に歌うニールのエモーショナルなGプレイを心行くまで堪能できる本編前半(①~⑥)なんぞ、今年のベスト・チューン候補がゴロゴロ転がっていて、思わず忘我の境地へと誘われる程の心地良さ。
70分オーバーの長尺にも関わらず中弛みを全く感じさせないと言う、JOURNEY先輩、まじパねぇっス!な1枚。


SOLSTICE - Solstice - Catalysmic Outburst ★★★ (2011-06-30 23:27:51)

音数の多いリズムに乗って、
噛み付くように咆哮するVoと
これまた手数多めのGリフが疾駆する、
ジャーマン・スラッシュ勢からの
影響が伺える高速スラッシュ・ナンバー。
耳惹かれるメロディアスなGソロも
良いアクセントとなっています。


THE RODS - Vengeance ★★ (2011-06-30 23:00:34)

THE RODSとTOKYO BLADEが同じ月に新譜を出すなんて、今は一体昭和何年だよ?って感じですが、どちらも大変素晴しい作品なので問題なし。
デヴィッド“THE ROCK”フェインスタイン(Vo、G)は、自らの名を冠して'06年に立ち上げたプロジェクト、FEINSTEINの『THIRD WISH』(名盤!)ではメロディとドラマ性に拘った曲作りを展開していたが、THE RODS復活作たる今作では、装飾の類は一切排し、武骨なGリフ、肉厚なリズム、ハイエナジーなヘタウマVo、それに硬派な哀愁背負ったメロディとがパワフルに炸裂する、愚直なまでにストレートなHMサウンドを志向。
カール・カネディ(Ds)、ゲイリー・ボードナロ(B)ら、お馴染みのメンバーの再結集もプラスに作用したのか、ソリッドで小気味の良い曲調が『BRITISH STEEL』リリース時のJUDAS PRIESTを思わすOPナンバー①が明示する通り、その作風は徹底して原点回帰の姿勢が貫かれ、キャッチーな疾走曲③⑦⑩はデビュー作収録の名曲“TURBO LOVER”の現代的なリファイン版といった趣きだし、また本作のトピック、故ロ二ー・J・ディオが生前にレコーディングした最後の楽曲の一つとされる、重厚な⑤の有無を言わせぬ迫力の前には、ただ黙って頭を垂れるのみ。
贅沢言わせて貰えるならば、あとは濃厚に泣きまくるバラードがあれば尚最高だったんだけど、これだけでも十分お腹いっぱいになれる1枚である事は確か。
THE RODS、ここにあり!


SOLSTICE - Solstice ★★ (2011-06-30 06:49:32)

スラッシュ・メタルの名盤の多くは80年代に発表されているわけだが、個人的には、ジャンルの勢いに翳りが見え始めた90年代に、それでも流行に左右されることなく(もしくは流行と折り合いをつけつつ)生み出されたスラッシュ・アルバムの数々にも非常に愛着を感じており、アメリカ出身のSOLTICEが'92年に発表したこのセルフ・タイトルのデビュー作(エド・レプカが手掛けたジャケット・アートワークが○)も、そうした中の一つ。
デス・メタルの聖地、フロリダはMORI SOUNDスタジオにおいてレコーディングされているだけあって(エンジニアにはスコット・バーンズ)、音作りに関しては同スタジオの流儀に忠実に則っている本作だが、ハードコア方面からの影響も垣間見える野太い濁声Voや、ジャーマン・スラッシュ・メタルばりの音数の多さで刻まれるリフ&リズム、それに時折ハッと耳を捉える流麗なフレーズを奏でるGソロ(3曲で名手ジェイムズ・マーフィが客演)とが、緩急を効かせつつパワフルに畳み掛けて来るサウンドに、デス・メタル的なヘヴィネスや粘着性はあまり感じられない。KREATOR風味の切っ先の鋭さを誇る⑧なんて、彼らが標榜するスラッシュ・メタル(ハードコア+ヨーロピアン・スラッシュ÷フロリダ)が高いレベルで結実した名曲ですよ。
リリース当時、本作に対する雑誌等の評価は芳しいものではなかったが、そのお陰で(?)バカ高いプレミアが付けられる事もなく、現在でも比較的容易に入手可能ゆえ、未聴のスラッシャー諸氏は是非お試しあれ。


SOLSTICE (2011-06-29 22:21:02)

アレックス・マキーズ(Ds)とロブ・バーレット(Vo、G)が音頭を取って'90年に結成したスラッシュ・メタル・バンド。(人脈的には完全にフロリダ・デス・メタルの一派に組み込まれるが)
かのMORI SOUNDスタジオにて、トム・モリスの助力を得て制作したデモテープが評判を呼び、ドイツのSPV/STEAMHAMMER RECORDSとの契約を獲得。'91年、再びMORI SOUNDスタジオ入りすると、エンジニアにスコット・バーンズを招いて(実質プロデューサー的存在だったとか)デビュー作のレコーディングを開始。
セルフ・タイトルの付けられたこのアルバムは'92年秋にリリースされ、またバンドは同作をもって日本デビューも飾っている。(国内盤の邦題はシンプルに『ファースト』)

その後の活動については全くフォローしていなかったのだが、調べてみると'03年に2ndアルバムを発表しているのみならず、'09年には再結成を果たしていた事も判明。そういえばレコード屋で新作(3rd)がディスプレイされているのを見かけたような・・・。


FAITHEALER (2011-06-21 22:47:40)

「日本のHR/HMファンがいなかったら、今の自分のキャリアはなかったし、
それどころか、メロディアスHRすら生き延びられなかったと思う」

と、アイヴァン・ガンが語ってくれていたBURRN!!誌のインタビューを読んで
「嬉しいこと言ってくれるじゃないのさ。そこまで言ってくれたなら、
こりゃアルバム買わんわけにはいかんでしょう!」と
思わず購入してしまったFAITHEALERの1stアルバム。
捨て曲なしの力作でしたよ。


FAITHEALER - Welcome to the Edge of the World ★★★ (2011-06-21 22:28:12)

BALANCE OF POWERやPRIDEといったバンドで、日本人好みの叙情HRサウンドをクリエイトし続けて来たにも関わらず、今ひとつその実績に見合った成功を享受できていない印象の苦労人アーティスト、アイヴァン・ガン(Key)が、元S.I.N.のフロントマン、ジェイソン・マークス(Vo)と組んで新たに立ち上げたプロジェクトのデビュー作。('10年)
このアルバムとて贔屓目に見ても話題になったとは言い難いわけだが、クオリティに関しては(これまでのアイヴァンが手掛けてきた作品がそうであったように)保証書付きの見事さ。楽曲の方向性はPRIDEをもっとハード且つドラマティックにしたような感じで、それを華やかに彩るのが、美しいボーカル・ハーモニーと、重厚且つキャッチーなKeyサウンド、クセのないクリアで伸びやかなジェイソンの歌声、それに元PRIDEのメンバーでもあったクリス・グリーンの劇的な構築美を湛えたGプレイの素晴しさ。
映画のサントラを思わせる壮大な序曲から繋がる②なんて、そうした要素が絶妙に絡み合いつつ展開していく、まさにOPを飾るに相応しいドラマティックな名曲ですよ。
それにしてもクリスのGプレイは素晴しいったら。ラルフ・サントーラ辺りを彷彿とさせるメロディの組み立ての巧さといい、聴いてると胸掻き乱されずにはいられない絶品の表現力といい、ゲスト参加にも関わらず本編の主役的存在感を発揮しまくり。
これほどの逸材が、今じゃ「正統派HR/HMじゃ食っていけないから」とモダンなヘヴィ・ロックを演ってるってんだから、世の中何か間違ってる・・・。


FUELED BY FIRE - Plunging Into Darkness - Evoke the Curse ★★★ (2011-06-21 22:25:36)

アコギ・インスト曲“INTRO”を経て、
後半戦開始を宣言する高速スラッシュ・ナンバー。
マシンガン・リフに畳み掛けるように疾走するリズム、
前任者よりハードなシャウトを炸裂させるVo、
それに攻撃的に弾きまくる(そして時に印象的にハモる)
ツインG・・・と、これぞスラッシュ・メタル!な
旨みに満ちた2ndアルバムのハイライト・ソング。


FUELED BY FIRE - Plunging Into Darkness ★★ (2011-06-20 22:38:41)

期待の新人スラッシャーとして注目を集めながら、2作目で早くも音楽性を広げにかかって「時代は繰り返すのね・・・」とガックリさせられるバンドが目立ち始めた昨今、彼らの変わらぬ「スラッシュ馬鹿」ぶりにはホッと安心させられるモノがありますね。何せこの2ndアルバム、威勢の良いインスト曲①に始まり、中盤に息継ぎ代わりのアコギ・パートを用意して、あとはササクレたスピード・ナンバーで終始強気に攻め立てまくる・・・という構成からして、デビュー作の作りをほぼそのまま踏襲しているわけでして。
無論、音作りや演奏の精度等、成長すべき点はしっかりと成長を遂げており(メンバー・チェンジに伴う悪影響も皆無)、特にサウンドがストレッチされ、一層研ぎ澄まされた楽曲がその攻撃性と疾走感を倍化させている点は大きな評価ポイント。良くも悪くも勢いと愛嬌が最大の武器だった前作に比べ、アマチュア臭が抜けた本作からは「これでSLAYERやDARK ANGELと同じ土俵に立ったるでぇ!」というバンドの意気込みがひしひしと感じられる。
尤も、楽曲の切れ味と引き替えにHALLOWS EVE風味のキャッチーなノリの良さや、IRON MAIDEN、JUDAS PRIESTといった正統派HMバンドばりのツインGハーモニーが減量されてしまった事は個人的に残念でならないが、とは言え、そういった要素が完全に消え失せてしまったわけではなく、①や③、そして⑨といった楽曲では、弾きまくりの2本のGの劇的なユニゾン・プレイを聴くことが出来るし、叙情的なアコギ・インスト⑦を前奏に、シャウトVoと執拗に刻まれるGリフとが、スラッシュ・ビートに乗って激走する⑧は、彼らの新たな代表曲になり得るポテンシャルを秘めた名曲なのだが。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Command of the Beast ★★★ (2011-06-19 22:40:05)

タイトルからも察しがつく通り、
切れ味鋭い走りっぷりがEXODUS風味・・・というか
“BONDED BY BLOOD”風味満点の高速スラッシュ・ナンバー。
本編の幕引きに持って来いの名曲だ。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Betrayal ★★★ (2011-06-19 22:37:31)

劇的なイントロでぎゅっと掴まれる
アルバムのハイライト・ナンバー候補。
リフ&リズムの冒頭の猛烈なシュレッディングは
スラッシュ・メタルそのものだが、
楽曲自体は本編でも屈指の正統派HM度の高さを誇る。
ドラマティックなハーモニーを聴かせてくれる
ツインGが素晴しいったら。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Spread the Fire!!! ★★ (2011-06-19 22:34:31)

思わず一緒に叫びたくなる、
カラッと弾けるようなノリの良さを備えた
ライブでの盛り上がりが容易に想像できる
キャッチーなアルバム表題曲。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Thrash Is Back ★★★ (2011-06-19 22:32:46)

帯に書かれた秀逸なキャッチコピー
「俺達、どうしようもなくスラッシュ・メタル!」
を地で行く疾走ナンバー。
執拗なリフの刻みはスラッシュ・メタルそのものだが
スピードは飽くまで頭を振り易いレベルに留められており、
キャッチーなノリの良さが感じられる辺りは
HALLOWS EVEに通じるものあり。
IRON MAIDEN由来の劇的なツインGも美味しい。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire ★★★ (2011-06-19 22:29:04)

'06年レコーディングの自主制作盤にリミックス/リマスターのお色直しを施して、新たにMETAL BLADE RECORDSから再リリースされた1stアルバム。
ササクレ立って疾走する③⑥⑨といった高速スラッシュ・ナンバーの数々が端的に示す通り、彼らが聴かせてくれるのは、カラッと乾いた音作りに、ヒステリックなシャウト・スタイルのVo、刻みの細かいGリフと、暴れ馬の如く跳ね回るリズム等、EXODUSの名盤『BONDED BY BLOOD』からの多大なる影響が根っこに据えられた80年代テイスト満点のストレートなスラッシュ・メタル。
もっさりとした演奏のせいで垢抜けないB級感覚が漂うものの、IRON MAIDEN、JUDAS PRIEST由来のメロディックなツインGの存在が十二分に活かされた、スラッシュ一歩手前の「ハードコアな正統派HM」・・・例えばHALLOWS EVE辺りを思い起こさせる、勇ましさと荒々しさ、そしてキャッチーなノリの良さも併せ持った楽曲はかなり秀逸。(考えてみりゃHALLOES EVEフォロワーってあんまりおらんような)
特に、威勢のいいインスト・ナンバー①をイントロ代わりにスタートするスラッシュ・メタル賛歌の②、ライブではさぞかし盛り上がるに違いないアルバム表題曲④、作中でも指折りのドラマティックなツインGの絡みっぷりが炸裂する⑤といった楽曲が連続する、本編前半のテンションの高さにはメタル魂が昂ぶりっぱなしですよ。
ことサウンドの方向性という意味においては、同時期にデビューを飾ったどの新人スラッシャーの作品よりも好ましく感じられた1枚。


TOKYO BLADE - Thousand Men Strong - The Ambush ★★ (2011-06-19 01:25:18)

重たげなBラインと、若返ったロブ・ハルフォード的な
シンガーの歌いっぷりも印象的な
重厚且つ劇的なメタル・ナンバー。


TOKYO BLADE - Thousand Men Strong - Lunch-Case ★★★ (2011-06-19 01:13:04)

アルバム『THOUSAND MEN STRONG』における
ハイライト・ソングの一つで、
雄々しくも哀愁に満ちた旋律を紡ぐVoと
ツインGの威力が如何なく発揮された
スピード・ナンバー。


FUELED BY FIRE (2011-06-19 00:42:04)

'00年に、カリフォルニア州はノーウォークにてカルロス(Ds)とリカルド(G)が音頭を取って結成したスラッシュ・メタル・バンド。
ジオ(Vo、G)加入後にレコーディングしたデモテープや自主制作アルバム『SPREAD THE FIRE』、並びに積極的なライブ活動が実を結んで、'06年、METAL BLADE RECORDSとディールを締結。ARMORED SAINTのジョーイ・ヴェラの手によりリミックス/リマスター作業が行われた新生『SPREAD THE FIRE』をもって、バンドは日本デビューも飾った。('07年には、NWOTMの嚆矢的役割を果たしたPERFECT CRIME RECORDS編纂のオムニバス盤『THRASHING LIKE A MNIAC』(邦題『狂気のスラッシュ講座』)にも参加)
あと、実はカナダのRAZORらと共にこっそり来日公演を行った実績も持つ。

Vo兼Gだったジオの脱退という事件を乗り越え、今年('10年)に入って4年ぶりに2ndアルバム『PLUNGING INTO DARKNESS』を発表したが、どうやら沈黙期間中にMETAL BLADEと切れてしまったらしく、今回は国内盤のリリースはなし。その上どういうわけかAMAZON辺りにも『PLUNGING~』は流通しておらず、入手が妙に困難。
見かけたら取り敢えず購入しておく事をお薦めさせて頂きます。


TOKYO BLADE - Thousand Men Strong ★★ (2011-06-16 21:32:40)

BURRN!!誌に載っていたインタビューが、思わずメンバーに駆け寄って肩を叩きたくなるぐらいグッとくる内容だったので、衝動的に購入してしまった復活TOKYO BLADEの・・・何枚目のアルバムだろう?(離散集合を繰り返してるバンドだけにサッパリ分からん)
彼らの作品は1stと2ndしか聴いた事がないのだが、中心メンバーのアンディ・ボウルトン(G)が「これこそが本来作られるべきだった3rdアルバムである」と自信ありげに語っている事からも伺える通り、本作は「よっ!英国産っ!」という翳りとドラマ性を湛えて駆け抜けて行く、NWOBHMの伝統を今に伝える正統派HMナンバーが全編に目白押し。
流石に初期作の如き荒々しさや疾走感は薄れたが、その分、丁寧に磨き上げられた楽曲が醸し出す貫禄や重厚感は格段に増しており、僅か1週間で突貫レコーディングされたとは思えぬサウンド・プロダクション(クリス・タンガリーディス謹製)の充実っぷりも含めて、ベテランらしい円熟の味と技が随所で光る。
哀愁に満ちたメロディを、若き日のロブ・ハルフォードを彷彿とさせるハイトーンを駆使して伸びやかに歌い上げるニュー・シンガーと、シャープ且つメロディックに絡み合うツインGの存在が映える、勇ましくも物悲しい疾走ナンバー③なんて拍手喝采モノの劇的さですよ。
魅力的に蘇った必殺の名曲“NIGHT OF THE BLADE”のリメイク⑩が全く浮いて聴こえないぐらい、迷いのない原点回帰の姿勢が心地良い1枚。LOUD PARKとかでもいいので、日本に呼んでくんないかなー。


CITIES - Annihilation Absolute - Cruel Sea ★★★ (2011-06-15 21:29:06)

アルバム『ANNIHILATION ABSOLUTE』収録曲中、
最もメロディアスで最もドラマティックな名曲。
思わずコブシを振り上げたくなる、力強く
勇壮な曲調にメタル魂が燃え上がります。


CITIES - Annihilation Absolute - Not Alone in the Dark ★★ (2011-06-14 23:29:36)

「夜の都会に佇む一匹狼」的なイメージが脳裏に浮かぶ、
ハードボイルドな緊迫感に満ちたHMナンバー。
“暗闇に生きて”という邦題も良かった。


CITIES - Annihilation Absolute - In the Still of the Night ★★★ (2011-06-14 23:26:33)

IRON MAIDENの“審判の日”を思わせるイントロから
スタートするバンドの代表曲。
Gソロは、この時期のギタリストらしく音数がぎゅっと
詰め込まれているが、しっかりとしたメロディの流れが
感じられる構成ゆえ、単なるテクニックのひけらかし的な
印象はない。


CITIES - Annihilation Absolute - Deceiver ★★★ (2011-06-13 22:56:04)

邦題は確か“裏切り者”だったかな。
アルバムの幕引きの役割を担うHMナンバーで、
疾走するGメロディが劇的ったらありゃしない。
前曲“SHADE OF BLACK”のクラシカルな
インスト・パートから間髪入れずに繋がる
ドラマティックな構成も白眉。


CITIES - Annihilation Absolute ★★★ (2011-06-13 22:33:17)

TWISTED SISTER全盛期の屋台骨を支えたドラマー、A.J.ペロが在籍し、ファミリー・ツリーを眺めてみると、ANTHRAXやNUCLEAR ASSAULTといったNY出身のスラッシュ・メタル・バンドとの繋がりも見えてくる4人組パワー・メタラーが、'85年に発表した6曲入りEPに、ジャケットやドラム・パートの差し替え、更に新規トラック追加収録等のマイナー・チェンジを施して、'86年にMETAL BLADE RECORDSから再リリースした1stフル・アルバム。(国内盤リリース時の邦題は『暗黒の戦い』)
勇壮なメロディをしっかりと歌い上げるVo、金属的色艶を帯びて刻まれるGリフと、ラウドに打ち鳴らされるリズム、テクニカルで歌心に溢れたフレーズを紡ぐGソロがフィーチュアされたバンドの代表曲“IN THE STILL OF THE NIGHT”に代表されるよう、本作はヨーロピアンHM(主にJUDAS PRIESTとIRON MAIDEN)からの多大なる影響を基本にしつつ、そこへNY出身バンドらしいニヒリズムと劇画チックな陰影も投入。
その結果として、前述の“IN THE STILL~”以外にも、ダークで重厚な①、パワフル且つ緊迫感に満ちた④、勇ましさと物悲しさが同居する⑤、後半にクラシカルなGの独奏パートを備えた⑧から間髪居れずに展開していく必殺の疾走ナンバー⑨といった名曲を収録する本編は、HMならではの熱気と都会的な冷気、相反する要素を兼ね備えた独特の味わいを獲得するに至った。
一見武骨で無愛想だが実は熱い心意気を秘めているという、昭和の番長みたいな1枚。(なんだそりゃ)


DEICIDE - To Hell With God - Empowered by Blasphemy ★★ (2011-06-12 21:29:48)

良い意味で典型的なDEICIDE流デス・メタル・チューン。
サビメロの後ろで2本のGが奏でる劇的なメロディに
思わず血圧が上がります。


DEICIDE - To Hell With God - To Hell With God ★★ (2011-06-12 21:26:52)

これぞまさにOPナンバー!
といった趣きのブルータルでスピーディな曲調に、
禍々しいVoと流麗なGソロが絡む
ラルフ・サントーラ加入以降の
DEICIDEの様式美に則った名曲。


DEICIDE - To Hell With God ★★ (2011-06-12 21:21:17)

雑誌インタビューでスティーヴ・アシェイム(Ds)が「グレン・ベントン(Vo)が裁判に巻き込まれちゃったから暫く活動休止する」と語っていたので長いこと待たされるかと思いきや、意外にも(と言っても3年経ってるわけだけど)短いスパンで届けれらた新作アルバム。
内容については、グレンの人非人Voと、スティーヴの高橋名人ばりの猛射ドラムを軸に、そこへラルフ・サントーラとジャック・オーウェンの流麗にして華麗なツインGがメロディックに絡んでくる、邪悪/激烈/荘厳と三拍子揃ったいつも通りのDEICIDEサウンドが徹頭徹尾貫かれている一方、ラルフのGソロが泣きやドラマ性より、楽曲の禍々しさを増強する演奏を心掛けている印象ゆえ、作風的には前作『TILL DEATH DO US PART』と重なる部分多し。
ただ、歌詞やパフォーマンスが不完全燃焼気味だった『TILL~』に比べると、本作はアンチ・クライスト魂をスパークさせたグレンが冒頭からラストまで高いテンションを維持。裁判にケリが着いたのか、はたまたレコード会社を変えて心機一転が図られたのかは分からないが、ともかくバンドの支柱たる彼氏が本調子ならば、サウンドが引き締まるのも道理というもの。
激烈なまでにブルータリティと劇的さを併せ持った①⑤⑨辺りは、バンドの復調っぷりが実感できる名曲じゃないかな、と。


ACCUSER - Agitation - Prophecies ★★ (2011-06-09 22:08:23)

一気に畳み掛けて来るスラッシュ然とした
スピード・ナンバーながら、メランコリックな
インスト・パートも強い印象を残す。
物悲しいが、決してベタベタしない
硬派な味わいがこのバンドならでは。


ACCUSER - Agitation - Century of the Fall ★★★ (2011-06-09 19:47:25)

Voこそマックス・カヴァレラ+フィル・アンセルモ
といった趣きの怒号スタイルだが、外向きに
アグレッションを撒き散らしながら疾走する曲調は
スラッシュ・メタルならではの旨みに満ちている。
それに何といっても、時に美しく、時にドラマティックに
ハモるツインGの素晴しさときたら!


ACCUSER - Agitation ★★ (2011-06-08 22:30:48)

一時はSCARTRIBEと変名して活動を行っていたドイツのベテラン・スラッシャーが、バンド名をACCUSERに戻して'10年に発表した復活作。
嘗ての中心メンバー、エーベルハルド・ヴェイエルの名はラインナップに見当たらず、フランク・トムスがバンドの牽引役を担っている事からも察せられる通り、本作で聴く事が出来るのは80年代のパワー/スラッシュ路線ではなく、90年代にフランク主導で制作された『REPENT』や『REFLECTIONS』といった作品を彷彿とさせる、ある程度モダンな要素も飲み込んだゴリゴリの強面サウンド。
フィル・アンセルモ風味の怒号Voや、歪みまくった音色のGに、迫力不足のドラム・サウンドといった味気ない音作りには不満を覚えなくもないが、とは言え、スラッシーな疾走感を大幅回復させて突っ走る硬質な楽曲のカッコ良さ、それに何より、デビュー当時から一貫してこのバンド最大の武器であり続けた、ヨーロピアンな憂いを湛えたメロディを流麗に奏でる劇的なツインGの魅力の前には、そうした不満も雲散霧消。
掴みに最適な高速ナンバー①、繊細な叙情インスト曲⑤から一転して猛然と畳み掛けて来る⑥、ラストを締め括るデスラッシュ・ソング⑨等もいいが、本編のハイライトは何と言っても③。スピーディな曲調に緩急を効かせたドラマティックなインスト・パートが組み込まれた、バンドの新たな代表曲になり得るこの名曲を聴くためだけにでも本作は購入する価値あり。


ACCUSER - Repent - Rotting From Within ★★★ (2011-06-08 21:38:27)

重々しいイントロから一転、地響きが聴こえてきそうな勢いで
突貫するOPナンバー。デス・メタルばりのダークネスが渦巻いているが、
ジェムムズ・ヘッドフィールド+マックス・カヴァレラといった趣きのVoは
デス声の一歩手前で力強く踏み止まっているし、歯切れの良い演奏が
もたらすカタルシスは、間違いなくスラッシュ・メタルならではの味わい。
マッチョな曲中で流麗に奏でられるツインGも素晴しいアクセントになっていますね。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal - All Against All ★★★ (2011-06-03 22:36:06)

JUDAS PRIEST、ACCEPT、MANOWARといった
漢メタルのエッセンスを濃厚に受け継いだ、
思わず力瘤る劇的なメタル・ナンバー。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal - Hysteria ★★★ (2011-06-03 22:33:04)

EDGUYあたりが演りそうな重厚でダイナミックなHMナンバー。
メタル魂を燃焼させるような、胸焦がすVoの歌いっぷりが見事。


FLAMES - Last Prophecy ★★ (2011-06-02 22:12:06)

デス声Voに、音数多く暴走がちのリフ&リズム、おまけにアルコール万歳ソングまで演ってみたりと、騒々しくとっ散らかった独産スラッシュ・メタル風味のサウンド・スタイルを身上とする(でも実際はギリシャ出身の)4人組が'89年に発表し、彼らのラスト作ともなった4thアルバム。
いきなり厳かな般若心経の読経で幕を開ける、衝(笑?)撃のOPナンバー①に度肝を抜かれる本作だが、内容に関しては前作『SUMMON THE DEAD』に比べると、ずっと常識的で聴き易い仕上がり。
デス声Voの凶悪度が下がり、音質はそれなりに改善、演奏もタイトに締まって楽曲がキャッチーさを増すなど、全体的に整合性と取っ付き易さの底上げが為されているが、その一方で、小じんまりとまとめられているため、バカバカしいほどの迫力が薄れてしまったとの印象もあり、痛し痒し。
SLAYERばりに荒ぶる②、TANKやMOTORHEADに通じる突撃感覚を備えた③、ヨーロピアン・スラッシュならではのササクレ立ったアグレッションを撒き散らす④⑤⑥等、収録楽曲の疾走感や切れ味に鈍りは見られず、何よりクライマックスに控えし名曲“LEGEND Ⅱ”の流れを汲むドラマティックな大作ナンバー⑦の素晴しさなんかも最高なのですが・・・。
しかし、前作と比較せずに本作単体で評価するならば十分にイケてる1枚。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal - Addicted to Metal (feat. Udo Dirkschneider) ★★★ (2011-06-02 21:37:30)

ウド・ダークシュナイダーがゲストVoとして
参加している2ndアルバムのリーダー・トラック。
まさにACCEPTタイプの重厚なミドル・テンポの楽曲で、
思わずコブシを振り上げながら一緒に歌いたくなる
覚え易いサビメロが秀逸。
それでいて単純過ぎることなく、メロディにフックを
効かせているあたり、このバンドが只者じゃねえ!
と思わされます。


FLAMES - Summon the Dead ★★★ (2011-06-01 23:08:15)

デスラッシャーの先駆け的存在とも目される、ギリシャのカルト・スラッシュ・メタル・バンドが'88年に発表した3rdアルバム。
結成当初はNWOBHMの匂いも香る正統派HMを演っていたが、本作で完全にスラッシュ・メタル・フィールドへと移行完了。“EASTEN FRONT(東部戦線)”のタイトルやSEからも分かる通り、映画『戦争のはらわた』へのトリビュート・ソングたる①を手始めに、ペラっペラな音質のもと、鬼のように刻まれるGリフと、けたたましく打ち鳴らされるDs、そして野蛮なデス声Voとがグシャグシャの塊となって突進する暴走スラッシュ・メタルは、初期のKREATORやSODOM、BULLDOZER辺りを比較対象に挙げたくなるとっ散らかり具合だが、とにかくバカバカしいまでの迫力は十分。
痙攣気味に炸裂するGリフのクールさにも侮れないものがあるし、曲によっては泣きのGソロからドラマティックな曲展開、果てはブラスト・ビートまでが組み込まれ、またドイツ民謡“小さなハンス”(日本では『ちょうちょ』のタイトルで有名)、酒飲み賛歌“BIER HER,ODER ICH FALL UM”、ロシア民謡“カリンカ”を挿入して本編のアクセントとする等、風変わりなアレンジ・センスもユニーク。7分以上に及ぶ大作⑤や劇的な⑦なんかは彼らの実力がしかと発揮された名曲だ。
あと、ビシッと決めた裏ジャケの集合写真で、ドラマーが目を瞑ってしまっているのにも親近感が沸きますね(笑)。きっと出来上がりを見て「俺って奴は・・・」と頭を抱えたに違いない。


VELVET VIPER - Velvet Viper ★★ (2011-05-31 23:10:01)

元ZED YAGOのユッタ・ヴァインホルト(Vo)率いる5人組が、'91年にRCA RECORDSから発表したセルフ・タイトルのデビュー作。
METALIUMのラーズ・ラッツ(B)、WARLOCK~U.D.O.のピーター・シゲティ(G)、SKYCLADのデイヴ・ムーア(G)といった豪華なメンバーのみならず、現AT VANCEのオーラフ・レンク(G)、更にはZENO解散直後のジーノ・ロート(G)までゲスト参加してソロを弾いているという、欧州メタル・ファン的には何とも贅沢な1枚。(但しクレジットがないのため、ジーノやオーラフがどの曲でソロを弾いているのかは判然としない)
音楽性は、ユッタのコブシの効いたパワフルな歌唱力、ファンタジーにどっぷりと浸った歌詞世界、それに重厚なミドル・テンポの楽曲が中心に据えられた作風・・・と、ロ二ー期RAINBOWからの多大なる影響を基本に、そこへジャーマン・メタルらしいパワーや、ネオクラシカルな要素も組み込んだ正統派HM。
特に、このアルバムの方向性を判り易く示す、ミステリアスな雰囲気と重量感を湛えたOPナンバー①、本編屈指の聴き所として推したい劇的な④、ワーグナーのカヴァー⑤から展開していくアップテンポの⑥、雄大なバラード⑫辺りの出来栄えには素晴しいものあり。
次作『THE 4TH QUEST FOR FANTASY』も同路線だったが、楽曲の完成度では本作の方がずっと上。VELVET VIPERの作品に触れるなら、まずこちらからどうぞ。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal ★★★ (2011-05-29 20:12:52)

日本デビュー作ともなった'10年発表の2ndアルバム。
メンバーの派手なビジュアルが目に付くが、演ってる音楽は、粒子の粗い灼熱声が聴く者のメタル魂を鼓舞するVo、JUDAS PRIEST~ACCEPT直系の劇的なリフの刻みからユニゾン・プレイまでこなすツインG、そして重厚なビートを叩き出すリズム隊とが一丸となってパワフルに躍動する、非常にオーセンティックな正統派HM。
溌剌としたノリの良さと、欧州のバンドならではの哀メロ&ドラマ性を併せ持った楽曲はすこぶる強力なフックを有し、特に、一度聴いただけで口ずさむ事が出来るサビメロのキャッチーさは出色。
例えば、ウド・ダークシュナイダーがゲスト参加しているアルバム表題曲①なんて、下手なバンドが演った日にゃ大味感もろ出しになりかねないアンセム調のへヴィ・ナンバーなのだが、この手の楽曲にもメロディにグッとくる「憂い」を忍ばせてフックを構築するセンスには、本当に新人バンド?と思わず問いかけたくなるほど老練な手腕が光る。
DAMN YANKEESの名曲④(しっかりと自己流に昇華している好カヴァー)を含む本編前半の素晴しさも然る事ながら、圧巻は、緩急の効いたドラマティックな⑥、MANOWARばりの大仰さを誇る⑦・・・といった具合に劇的な楽曲が連続する本編後半の怒涛の盛り上がりっぷり。
是非ともライブが見てみたくなる逸品ですね。


KISSIN' DYNAMITE (2011-05-29 20:10:47)

昨今デビューが相次ぐ、所謂「NWOTHM」系バンドの中にあって、個人的に最も強いインパクトを受けたのが、ドイツはシュツットガルト出身のこの5人組。
デビュー作『STEEL OF SWABIA』('08年)の国内盤も出してくれないものか。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Leprosy ★★ (2011-05-29 01:47:22)

これまた秀逸なGリフをフィーチュアして突っ走る
絵に描いたようなオールドスクール・スラッシュ・ナンバー。
DEATHの2ndアルバムを思わすタイトルだが、
実際、少しは意識してんじゃなかろうか。


ACCUSER - Repent ★★★ (2011-05-28 10:52:17)

前作『DOUBLE TALK』を最後に、中心メンバーだったVo兼Bのエーベルハルド・ヴェイエルが脱退。元メンバーのレネ・シュッツ(G)を呼び戻し、セカンドGのミラン・ペシェルがBにチェンジ、更にリードGのフランク・トムスがVoも兼任する・・・というドラスティックなバンド内改革でこの難局を乗り越えたACCUSERが、'92年に発表した4thフル・アルバム。
お馴染みの「ULTORON 6」のイラストを止め、よりシリアスなデザインが採用されたジャケット・アートワーク、場面によってはメロディアスにも歌っていた前任者に対し、ジェイムズ・ヘッドフィールド似の野太い咆哮を轟かすVo、ダウン・チューニングでヘヴィさをいや増したリフ&リズム、生々しい音像のもとマッチョにビルドアップされた楽曲の数々・・・と、いかにも90年代然としたダークな雰囲気(というかMETALLICAからの影響)が全体を支配する本作だが、ザクザク重厚に刻まれるGリフの切れ味、ソロからユニゾンまで、硬派な憂いを湛えたメロディを劇的に紡ぐツインGの存在感、そして何より、爆発的疾走を繰り返すリズムによってもたらされるカタルシスに全く翳りがないため、例えモダンな要素が増量されていようとも、アルバムを楽しむ上では何ら障害になっていない。
重心低く突っ走る怒涛のスピード・ナンバー①③⑧、アコギも交えてドラマティックに畳み掛けてくる④なんぞ、こめかみの血管が逝きそうになるぐらいのカッコ良さですよ。
「80年代から活動してきたスラッシュ・メタル・バンドが94年に発表した作品」としては、殆ど奇跡的とも言えるクオリティを誇る名盤です。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Tormentor ★★★ (2011-05-26 23:35:29)

絵に描いたようなオールド・スクール臭を漂わす
高速スラッシュ・ナンバー。
勢い任せにはしない、しっかりと構築された
Gソロが疾走する様がガッツポーズ物のカッコ良さ。
後半のハイライト・ナンバーでしょう。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Guillotine ★★★ (2011-05-26 23:32:35)

バンド名を冠するに相応しいカッコ良さを誇る
アルバム前半のハイライト・ナンバー。
アグレッシブなだけでなく、キャッチーさも
備えたカミソリGリフが素晴しい。
Gソロも◎。


Under the Guillotine - Guillotine - EXECUTIONER ★★ (2011-05-26 23:26:43)

タイトルにGリフ、スタスタと2ビートで突っ走るリズムと、
80年代マイナー・スラッシュ・メタルの
「あるあるネタ」で固められたような1曲。
初めて聴いた時は笑ってしまったが、
これが'97年の楽曲だってんだから驚く。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Executioner ★★ (2011-05-26 23:23:34)

このタイトル、このGリフ、このVoの叫びっぷり、
そしてこのリズムの疾走感・・・
80年代マイナー・スラッシュ・メタルの「あるあるネタ」で
固められたようなOPナンバー。
初めて聴いた時は笑ってしまったが、
これが'97年の楽曲だってんだから驚きます。


GUILLOTINE - Blood Money ★★★ (2011-05-25 20:33:02)

新たにPERSUADERのメンバーの助力を得て正式にバンド体制を整えたGUILLOTINEが、11年ぶりに発表した2ndアルバム。(邦題は『血染めの札束(マネー)』)
デビュー作『UNDER THE GUILLOTINE』は、ドイツ勢を主とした、80年代のマイナーなスラッシュ・メタルに対する深い愛情に満ち溢れた好盤だったが、今回はそこから一気に洗練の度合いを高め、SLAYERに代表される正統派スラッシュ・メタル路線へと接近。
カミソリの如きGリフのインパクトに関しては『UNDER~』に軍配が上がるものの、エド・レプカ画伯が手掛けたジャケット・アートワークから漂う風格に、格段の向上を遂げたサウンド・プロダクションや演奏のタイトさ、そして、ツインG編成への移行により迫力とドラマ性をいや増した楽曲の数々・・・と、総合的な完成度の高さでは間違いなく本作の方が上。(各曲に付けられた仰々しい邦題もイイ)
PERSUADERのエフレム・ユンツネン(Ds)が小気味良く叩き出すスラッシュ・ビートに乗って、攻撃性のみならずキャッチーさ(←これ重要)も備えた楽曲が次々に繰り出されるアルバム前半の痛快さは特筆モノで、殊に、2本のGが劇的な絡みまで披露してくれる④、尋常ならざるテンションの高さで突っ走る⑤は本編屈指の名曲。
マニアによるマニアのためのマニアックなサウンドが炸裂しまくった前作に比べ、チープさが完全払拭されて、より間口の広い層に受け入れられる充実作に仕上がった1枚。GUILLOTINE入門編としてどうぞ。


GUILLOTINE (2011-05-24 23:34:20)

NOCTURNAL RITESのフレドリック・マンベリ(Vo、G)とニルス・エリクソン(B)が、彼らの愛するオールドスクールなスラッシュ・メタルの復権と再評価を目指して'95年に結成したバンド。(結成当初はラインナップが安定せず、殆どデュオ・プロジェクト状態だったらしいが)
3曲入りデモテープの高評価を足掛かりにして、'97年にアメリカのインディーズNECROPOLIS RECORDSから1stアルバム『UNDER THE GUILLOTINE』を発表(タイトルは勿論KREATORの名曲から拝借)。
ジャケットから音質、曲名、楽曲のスタイルに至るまで、溢れんばかりのマイナー・スラッシュ愛に満ちた内容が好き者を中心に支持されたが、本業のNOCTURNAL RITESでの活動が軌道に乗り始めたため、こちらのバンドでの活動は凍結状態に。
どっこい、21世紀に突入し、世界的にスラッシュ・メタル再評価の機運が高まり始めると、2人はGUILLOTINEを再始動。
同郷のパワー・メタル・バンドPERSUADERのメンバー、ダニエル・サンドボム(G)とエフレム・ユンツネン(Ds)をメンバーに加えると、新たにシンガポールに本拠を置くPULVERISED RECORDSと契約を交わし、'08年に2ndアルバム『BLOOD MONEY』を発表(国内盤もリリースされた)。
デビュー作の作風を踏まえつつ、より洗練され、スケールアップを遂げたスラッシュ・サウンドがこれまた好評を博した(よね?)事は記憶に新しい。
近年はNOCTURNAL RITESもアルバム・リリースがないが、もし暇してるなら是非GUILLOTINEの新作を作って欲しいところです。


GUILLOTINE - Under the Guillotine ★★★ (2011-05-24 22:33:39)

チープなジャケット、チープなサウンド・プロダクション、コケ脅し感漂う曲名の数々・・・と、予備知識なしで聴いたら先ず間違いなく「80年代のB~C級スラッシュ・メタル・バンドのアルバム」と思う事は必定だが、実際はNOCTURNAL RITESのメンバーが立ち上げた別バンドのデビュー作。('97年発表)
NWOTMに先んじること約10年、彼らの愛する80年代マイナー・スラッシュ・メタル・サウンドの再現に心血の注がれた本作は、安っぽい音作りのみならず、ダーティな吐き捨て型Voといい、手数多めで刻まれるGリフに、緩急もクソもなくひたすら直線的に突っ走るリズムといい、往年のジャーマン・スラッシュ勢からの影響が特に顕著に感じられ、取り分け、鋭利なカミソリが軽快に振り回されているかのようなGリフのカッコ良さは出色。
本編屈指のキラー・リフをフィーチュアしたバンドのテーマ・ソングたる④や、勢い任せのようでいて実はきっちりと構築されたGソロが楽曲に緊張感を演出する⑧辺りをハイライトに、スラッシャーなら頭を振らずにはいられない名曲の数々を多数収録。
決して万人向けの作品ではないが、初期のSODOM、KREATOR、DESTRUCTIONといったジャーマン・スラッシュ三羽烏(あとはRAZORとか)が好きな人ならマスト・アイテムになり得る1枚かと。


MAGNUM - Rock Art ★★ (2011-05-23 22:49:41)

'94年発表の10thアルバム。
同時代性を意識してか、全体的にハードさが増量されているが、かつてのようなブリティッシュ然としたドラマ性や幻想性は引き続き減少傾向にあり、またリズム面が強調された分メロディのフックが割を食った印象で、MAGNUMのカタログの中において本作の存在は正直かなり地味。
従来の「らしさ」が希釈され、ますます普通のHRバンド化が進んだハード系の楽曲は少々退屈だが、一方で、凛とした気品と懐の深い包容力を備えた③⑤⑦⑧⑪等のミドル~バラード系の楽曲は相変わらず絶品。この手の楽曲ではト二ー・クラーキンのメロディ・センス(それにGプレイ)と、そしてMAGNUMの看板シンガーたるボブ・カトレイの歌声が映えまくる。特に、以前にはなかったタイプのブルージー&ソウルフルな⑧や、逆に本編収録曲中、最もかつてのMAGNUM風味を色濃く残したラスト・ナンバー⑪は、ボブ・カトレイという稀代の名シンガーが、このバンド最大の武器であることを改めて確認させてくれる逸曲に仕上がっている。
尚、MAGNUMは本作を最後に一旦解散した後、HARD RAINでの活動を経て、'02年に再結成。以降、現在に至るまで順調に活動を継続している。


URIAH HEEP - Different World ★★ (2011-05-22 23:27:16)

'91年発表の17thにして、個人的に初めて購入したURIAH HEEPのアルバム。(我ながら、よりにもよって何でこれを最初に買う?って感じですが)
次作『SEA OF LIGHT』のように“AGAINST THE ODDS”クラスの名曲が収録されているわけじゃなく、また当時はパワー/スラッシュ・メタルに入れ込んでいた事もあり、本作に初めて触れた時は、ゆったりとしたテンポの楽曲が大半を占めるポップな作風に、「ヌルイ内容だなぁ」と余り良い印象を持った記憶がないのだけれど、URIAH HEEPに本格的にハマリ、「彼らのアルバムに駄作なし!」を旨とする現在では、当然このアルバムに対する評価も大きく異なる。
まぁ例えファンであっても、それなりに過保護な気持ちで接する必要がある作品なのは事実なれど、ミック・ボックスが速弾きの腕前を披露し、“勇者の血”なる邦題が付けられたOPナンバー①は、試作版“AGAINST THE ODDS”的な味わいも感じられる名曲だし、コーラスに子供合唱団が参加した美しくもポップな③、キャッチーなサビメロが秀逸な④、ミックの渋いGプレイが光る⑩辺りも、思わず「おっ」と耳惹かれる佳曲だ。
70年代の作品群のような緊張感やドラマ性は希薄だが、気の合った仲間達と演りたい音楽を演りたいように演ってる、リラックスした雰囲気が心地良い1枚。後半にもう1曲①みたいなハードな楽曲があれば、全体がもう少し締まったようにも思うが。


SABBAT (日本) - Envenom ★★ (2011-05-18 22:25:36)

VENOMやBATHORY、CELTIC FROSTといったバンドの暗黒遺伝子を受け継ぎ、咽返るようなアングラ臭と邪気がプンプン漂う厄いサウンドを身上とする国産ブラック/スラッシュ・メタラーの古豪が、'91年に発表した1stアルバム。
Voが地の底から響くようなデス声スタイルとは言え、全体を俯瞰で見ると、収録楽曲には明確なメロディの流れがあり、凶悪なグロウルに禍々しいGリフ、そしてドラマティックな曲展開とがスラッシュ・ビートに乗って疾走する③⑥のような楽曲には、メロディック・デス/ブラック・メタルのプロトタイプ的なカッコ良さが宿っている(・・・ような気がする)。
また、インスト曲①②に始まり、同タイプのインスト曲⑪⑫にて本編の幕が下ろされる大仰な構成からは、初期聖飢魔Ⅱを引き合いに出したくなるサタニックHM然とした様式美も感じられ、真面目なHR/HMファンがドン引きしそうな歌詞世界とは裏腹に、その内容は案外キャッチー。(勿論ジャンル・ファン限定での話しだが)
個人的にはBATHORYを思わす厳粛且つ劇的なヘヴィ・チューン⑧の迫力にノックアウトされましたが、流麗なツインGと緩急の効いた曲展開に思わず血圧が上がる⑤、ジャパメタ風スピード・メタル・ナンバー⑨、ヤケクソ気味のハイトーンVoとデス声のデュエットを乗せて、起伏に富んだ曲展開を一気呵成に聴かせきる⑩辺りも聴き応え十分の名曲。
ある意味、80年代のブラック・メタルと、90年代に隆盛するメロディック・デス/ブラック・メタルの橋渡し的役割を果たした1枚かもしれない。


BELIEVER - Extraction From Mortality ★★ (2011-05-14 22:40:57)

スピーディでブルータルな楽曲と、それに相反する、神と聖書の教えについて歌った真摯な歌詞のギャップから、「クリスチャン・デス・メタル・バンド」としてファンの間で話題となった、ペンシルバニア州はコールブルック出身の4人組が、'89年にクリスチャン・ミュージックの専門レーベルR.E.X.MUSICから発表した1stアルバム。
「クリスチャンなのかデスなのか、一体どっちやねん」と多くのメタラー諸氏からツッコミを入れられたわけだが、実際のところ、本作にデス・メタル色は皆無。そのサウンドはSLAYER直系のストレートなスラッシュ・メタル路線で、特にこのアルバムはデビュー作という事もあってか、スラッシーな色合いが濃厚に漂う。②④⑥⑧なんて、もろ正統派の高速スラッシュ・ナンバーで、非常にカッコイイ。
但し、大仰でクラシカル、且つストレンジな味わいのイントロで幕を開けるOPナンバー①や、ヴァイオリンやヴィオラをフィーチュアした、ドラマティックでクラシカルなアルバム・タイトル・トラック⑧、人を食った曲調でラストを締める⑨と、どこか奇妙で、個性的なリフ・ワークやメロディ使いも随所で顔を覗かせていて、一筋縄では行かないノリは既に健在。
個人的には、パワー・メタリックなリフが疾走し、メロディアスなツインGが炸裂する、劇的なスピード・チューンの名曲④が一押しかな。
本作はメタル・ファンの間で高く評価され、バンドはこの後すぐ、ROAD RUNNNER RECORDSとの契約を手に入れる事となる。


MAGNUM - Goodnight L.A. ★★★ (2011-05-12 22:41:14)

全英チャート第4位に食い込むヒット作となった7th『WINGS OF HEAVEN』の成功を受け、より「売れること」を意識して制作された'90年発表の8thアルバム。
プロデューサーに名手キース・オルセンを起用し、彼が所有するLAのスタジオでレコーディング。共作者としてジム・バランスやラス・バラード、スー・シフリンといった売れっ子ライター陣が名を連ね、おまけに出来上がったアルバムのタイトルは『GOODNIGHT L.A』・・・これで不安を感じないファンはおらんだろ?っつーぐらいMAGNUMらしからぬ要素てんこ盛りの本作だが、意外にもクオリティの方は高い。
ざっくりと歯切れの良いHM成分の増量と引き替えに、ブリティッシュ然としたウェット感は薄れてしまったものの、ボブ・カトレイの極上の歌声と、ト二ー・クラーキンが生み出すメロディのフックに鈍りはない。大味なノリの①②はともかく、マーク・スタンウェイが奏でるKeyを活かして物悲しくもドラマティックに盛り上がる③以降は、キャッチーなHMナンバー④、都会の夜景が目に浮かぶアーバンなバラード⑤、MAGNUM版“BORN IN THE USA”(?)といった趣きの⑦、力強く高揚感に満ちた⑧、鳴り物を取り入れ快活に弾む⑨、まろやかでソウルフルなボブ・カトレイの歌声が引き立つ⑩等、従来のMAGNUM節と、このアルバムならではの新味が巧みに溶け合わされた魅力的な楽曲が並ぶ。何より、へヴィ・メタリックな疾走感とMAGNUMらしい高いドラマ性を兼ね備えた大トリ曲⑪のカッコ良さはガッツポーズ級。
流石に真っ先に聴くべきMAGNUMの代表作とは思わないが、このクオリティは実に立派。


URIAH HEEP - Into the Wild - Trail of Diamonds ★★★ (2011-05-10 22:38:13)

デヴィッド・バイロンを意識したと思しき
バー二ー・ショウの歌メロや、壮麗なコーラス、
それに起承転結がドラマティックに決まった曲展開など、
名曲“JULY MORNING”を思い出さずにはいられない
アルバムのハイライト・ソングの一つ。


URIAH HEEP - Into the Wild - Into the Wild ★★★ (2011-05-09 21:43:39)

ハード・ドライヴィンに疾走するリズムの上で
ミック・ボックスのGとフィル・ランゾンのKeyが
ガップリ四つに組み合い、バー二ー・ショウが
ホットなVoを聴かせてくれるという
バー二ー時代で例えるなら“AGAINST THE ODDS”に
匹敵する超名曲。
アルバムのみならず、このレベルの楽曲を生み出せるのなら
まだまだURIAH HEEPは大丈夫。


URIAH HEEP - Into the Wild ★★★ (2011-05-09 20:56:56)

ライブも見れたし、次の新作まで、また10年ぐらい掛かる事になっても気長に待ちますよ・・・とか思ってたら、意外にも短いインターバルで発表されてビックリ。しかもこれが非常に素晴しい出来栄えで2度ビックリ。(いやビックリは失礼か)
確信的に70年代黄金期のサウンド再現が目論まれていた(そしてそれに成功した)前作『WAKE THE SLEEPER』に比べると、ずっと肩の力が抜け、現在のバンド内のポジティブな雰囲気をナチュラルに伝えてくれる本作は、『WAKE~』ほど強力な「掴み」こそ有してはいないものの、収録楽曲のクオリティの高さでは互角かそれ以上。
中でも、華麗なボーカル・ハーモニーを纏って、熱唱型Vo、ハードなG、攻めの姿勢が貫かれたKey、そしてドライブするリズム隊とがスリリングに火花を散らすアルバム表題曲③、それにドラマティックな曲展開がかの“7月の朝”を思い起こさせる⑥は、本作の山場を飾るに十分な貫禄を備えた名曲。
またこの他にも、躍動感溢れる⑤、力強く雄大にうねる⑦、作曲者のみならずKey奏者としてのフィル・ランゾンの実力も堪能できる⑪、ブルージー且つ濃厚な憂愁を帯びた⑫等、ボートラ含めて全12曲、本編には捨て曲皆無の逸品が立ち並び、これを聴けば結成30年以上を数えるこのベテラン・バンドの才能の泉が、まだまだ枯れることなく豊かに湧き出している事実がハッキリと確認できます。


GIANT - Last of the Runaways ★★★ (2011-05-08 18:21:54)

今やミュージシャンとしてよりもプロデューサー業の方で有名になった感のあるダン・ハフ(Vo、G)が、弟のデヴィッド・ハフ(Ds)らと共に結成したGIANTが'89年に発表し、スマッシュ・ヒット作ともなった1stアルバム。
洗練されたメロディを、透明感溢れる演奏に乗せて聴かせてくれるAOR/産業ロック寄りの音楽性を基本に、そこへ大陸のバンドらしい骨の太さと、ほんのりブルージーな味わいを加えて仕上げたメロディアスHRサウンドが本作の魅力で、個人的には「一聴でハート鷲掴み!」と言うよりも、何度も聴きこむ事によって丹念に組み立てられたメロディの魅力や、木目細かいアレンジの妙がじっくりと沁みてくるタイプのように思えるが、どっちだろうが質の高い作品である事に違いはない。
取り分け、ダン・ハフの歌心溢れるVoとGの実力は突出しており、バンドの代表曲たる哀愁に満ちたヒット・バラード⑤を筆頭に、ポップ&キャッチーな②(これまたスマッシュ・ヒット・ナンバー)、豊かなフィーリングを備えたGソロが絶品な⑧、マイルドな高揚感溢れるスロー・ナンバー⑩といった楽曲は、このバンドのそうした魅力をきっちりとフォローしたフック満載の名曲。
GIANTのアルバムはこれしか持っていないのだが、どうやら再結成アルバムもなかなかの出来栄えらしいので、機会があればチェックしてみよう。


CAVALERA CONSPIRACY - Blunt Force Trauma - Thrasher ★★ (2011-05-07 23:26:31)

名は体を表す。
要するにそういう楽曲ですね。


CAVALERA CONSPIRACY - Blunt Force Trauma - Lynch Mob ★★★ (2011-05-07 23:25:24)

緊迫感を伴ったリフ/リズム・ワークからは
オールドスクールなスラッシュ・メタル風味が
強く感じられ、個人的には2ndアルバム収録曲の中で
最もお気に入りの名曲。
AGNOSTIC FRONTのロジャー・ミレットが
ゲストVoとして参加。


CAVALERA CONSPIRACY - Blunt Force Trauma - Torture ★★★ (2011-05-07 23:22:26)

猛烈な勢いでガリガリと刻まれる
殺傷力満点のGリフと、マックスの野太い怒号、
それにマーク・リゾの流麗なGプレイとが
イゴールの怒涛ドラミングに乗って突進する
2分弱のハードコア・チューン。
いやぁ、カッコイイ。


CAVALERA CONSPIRACY - Blunt Force Trauma ★★★ (2011-05-07 23:09:02)

SEPULTURAやSOULFLYの新作以上に期待していた、マックス(Vo)&イゴール(Ds)のカヴァレラ・ブラザーズ・バンドの2ndアルバム。
スラッシュ・メタル・リバイバルが盛り上がる昨今、彼らもまた、その波に乗った内容の作品を提示してくるかと思いきや、既に確固たる個性を確立済みの人達の集まりゆえ、安易に時流におもねるような真似はせず、マックスの強靭で剣呑な咆哮と、イゴールが叩き出す重く骨太なリズムを中心に据えて激しく脈動する、デビュー作で披露した苛烈極まりないエクストリーム・メタル・スタイルには微塵の揺るぎもなし。
ただ一聴してハッキリと分かるように、前作以上にオールド・スクールな要素は増強されており、特に、硬質且つ破壊的なリフを刻む一方、リードからソロ・パートに至るまで、鮮烈にしてドラマティックなGプレイを狂い咲かせるマーク・リゾ(G)の存在は本編の肝。
前作を遥かに上回る、濃厚な正統派HMテイスト背負った彼の流麗な演奏をフィーチュアしつつ、尖がったアグレッションと緊迫感を撒き散らかしながら畳み掛ける楽曲の数々には、名盤『ARISE』や『BENEATH THE REMAINS』を発表した頃のSEPULTURAっぽさが確実に息衝いている。特に殺傷力抜群の②、AGNOSTIC FRONTのロジャー・ミレット(Vo)もゲスト参加している③、“THRASHER”なるタイトルからして直球勝負の⑤といった高速ナンバーのカッコ良さは出色。
スピーディでバイオレントなだけでなく、デビュー作以上にキャッチーで取っ付き易い作品。「昔はSEPULTURAが好きでした」と過去形で語るスラッシャーにもお薦めできる1枚。


UNITED - Tear of Illusions - Fate ★★★ (2011-05-07 01:22:43)

SLAYERっすなぁ
という鋭利にしてキャッチーなキラー・リフを装備、
激烈にアルバムを締め括る高速スラッシュ・ナンバーの名曲。
テンション高めのGソロも曲調に合致。
「カッコイイ」以外の形容詞が必要あろうか?


UNITED - Tear of Illusions - From the Evil That Is You ★★★ (2011-05-07 01:18:24)

ユーロビート調というか、不可思議な雰囲気漂う
インスト曲“REQUIEM”を経て、本編後半戦の
幕開けを飾る高速スラッシュ・ナンバー。
小気味良く疾走するリフ&リズムの合間から零れ落ちる、
流麗且つキャッチーなメロディが印象的な名曲。


UNITED - Tear of Illusions - The Awakening ★★ (2011-05-07 01:13:25)

喧しくまくしたてるVoと破壊的なリフ&リズムが
猛然とラッシュしまくるストロングな曲調とは
好対照なラインを描き出す、「美麗」とさえ
表現できそうな、本編屈指のドラマティックな
Gソロ・パートが堪んねぇっす。


UNITED - Tear of Illusions - My Inner Revenge ★★★ (2011-05-07 01:10:04)

劇的な序曲“TEAR OF ILLUSIONS”から
間髪入れずに繋がる激烈スラッシュ・ソング。
引っ掛かり気味に刻まれる鋭利なGリフといい、
性急に疾走するリズムの上を華麗に舞う
飛翔感に満ち溢れたメロディックなツイン・リードGといい、
新世紀の“VIOLENCE JACK”的名曲。
ドスを効かせつつキャッチーな野郎コーラスも良いっす。


UNITED - Tear of Illusions ★★★ (2011-05-07 01:04:26)

1stと2ndは大好きだったが、名作の誉れ高い3rd『N.O.I.Q.』が個人的にはあまりピンと来ない内容だった為、以降十数年、今日に至るまでUNITEDの作品は何となくスルーし続けて来てしまったのだが、久々に彼らの新作を購入してみて、そのあまりの破壊力に頭をガツンと一撃された次第。
2本のGが徹底的に刻みまくる鋭利なGリフ、息つく間もなく畳み掛けるリズム、スリリングに絡み合いながら昇り詰めて行く、メロディックなツインGとが一体となった収録楽曲は、初期作を思い起こさせるストレートなスラッシュ・メタル風味を大幅回復。
無論、あの頃の音楽性をそのまま焼き直しているわけではなく、ボトムの効いた硬質な音作りや、強烈なディストーション・ボイスを炸裂させる一方、ドラマティックな大作⑪ではクリーンな歌い上げも披露する新Voの歌唱スタイル等には現代的な感覚が宿っており、
劇的なインスト序曲①を皮切りに、攻撃性とキャッチーさを兼ね備えたリフ&リズム、そして飛翔感に満ち溢れた絶品のツイン・リードGとが、初期作を遥かに凌駕する速度でブーストする②③⑤⑧⑫といった楽曲は、新旧の作風をベテランならではの楽曲構築術で良いトコ取りをした会心作。
改めて「旧譜をチェックせねば!」という気にさせられた1枚。但しこのラインナップ、長続きするかどうかにはやや不安の残るが。


URIAH HEEP - Equator ★★ (2011-05-06 21:22:30)

URIAH HEEPに「4大ブリティッシュHRバンドとしての風格」を求める人が耳にした日にゃ、ダンサンブルなOPナンバー①が始まった途端、怒りに任せてCDなりLPなりを真っ二つに叩き割るか、フリスビーの如く窓から投擲したくなること請け合いの、'85年発表の16thアルバム。
前作『HEAD FIRST』も、外部ライターとの共作曲を積極登用したポップ寄りの作風だったが、今作では更にその路線が押し進められ、結果出来上がったのは、問題作とされる13th『征服者』が可愛く思えるぐらい、全編がJOURNEYばりのキラキラKeyとお洒落なコーラスに覆われ、AOR/産業ロック方向へと突き抜けたポップ・ロック・アルバム。
但し作り手に妙な迷いがない分、例えば高いヒット・ポテンシャルを感じさせるバラード③、哀愁を帯びたピート・ゴルビーの熱唱が劇的な曲展開を引き立てる⑤⑦、なぜか『宇宙戦艦ヤマト』を思い出した大仰なイントロから始まるハード・ロッキンな⑩等、「このアルバムはこういうもんだ」と割り切れば、素直に楽しめる秀曲が揃っている点は本作の美点。また、ミック・ボックスのギターもAOR/産業ロックとはかけ離れた、太く熱い音色で個性を主張しまくりですよ。
過ぎたるは及ばざるが如しで、コメントに困る楽曲もチラホラと見受けられ、URIAH HEEPのカタログの中でCD化はドン尻、オマケに近年実施された国内盤の紙ジャケ&リマスター化作業も見送られてしまった不遇の作品ながら、個人的には思いのほか楽しまさせて頂いた1枚。そもそも(前にも書いたような気がするが)URIAH HEEPのスタジオ・アルバムに駄作はないのです。


GRINDER - Nothing Is Sacred - Superior Being ★★★ (2011-04-29 22:06:27)

重々しい曲調に絡む、メロディアス且つドラマティックな
Bラインがカッコイイったら。
溜めて溜めて、後半で一気に疾走へと転じる曲展開が
もたらすカタルシスには凄まじいもの有り。


GRINDER - Nothing Is Sacred - None of the Brighter Days ★★ (2011-04-29 22:04:10)

エキゾチック且つ勇壮なメロディに心躍る
スラッシュ・メタルというよりは
完全にパワー・メタル風味のミッド・チューン。
ただ、Voの歌い回しやバックの演奏にキレがあるため
鈍重な印象は皆無。


LAAZ ROCKIT - Nothing$ $acred ★★ (2011-04-29 01:44:53)

'91年中に完成していたものの、所属レコード会社の倒産に巻き込まれたため、'92年になって漸くROADRUNNER RECORDSからリリースされた5thアルバム。
当時は、息苦しさを覚えるほど重厚な作風が負担となって、あまり頻繁に聴き返すことはなかったが、HR/HMシーンが過激化の一途を辿った90年代~00年代を経て、今改めて本作と対峙してみると、案外普通にスピーディでパワフルな良質のスラッシュ・メタル・アルバムに聴こえてしまうんですな、これが。
テクニカルなツインGが華麗に乱舞する中、ド迫力で突っ走る高速スラッシュ・ナンバー①④や、バラード調にスタートし、徐々に速度を増しつつ盛り上がっていくドラマティックな⑧といった楽曲は、まさしく良く出来た「LAAZ ROCKIT印」の名曲ですよ。
とは言え、本作が彼らのカタログ中随一のヘヴィさを誇っているのも確かで、マイケル・ローゼンが手掛けた重厚なサウンド・プロダクションの下、マイケル・クーンズのドスの効いたシャウト、肉厚なクランチ・リフを徹底的に刻みまくる2本のG、そして重量感溢れるリズム・セクションとが分厚い音の壁を築いてズンズンと迫り来る、ゲップが出るほどの濃厚さも健在。
ただ今回は“FIRE IN THE HOLE”級のキラー・ソングが収録されていない(=山場に欠ける)ため、従来作品に比べ、否が応にも「聴き疲れ」を意識させられる内容なのも事実なのだが・・・。
んなわけで、通して聴くよりも1曲1曲をピックアップして楽しみたい1枚かな。


GRINDER - Nothing Is Sacred - Hymn for the Isolated ★★★ (2011-04-28 23:20:53)

美しくもどこか恐ろしげな雰囲気漂うインスト序曲
“DRIFTING FOR 99 SECONDS”を皮切りに、
スパスパと切り裂くように走り出す3rdアルバムOPナンバー。
G、B、Ds、楽器陣のキレのある演奏も特筆ものだが、
個人的に最も感心させられたのはVo。
ドイツ人シンガーとは思えぬ滑らかな英詞の歌いっぷり、
そして聴き手をグイグイと引き込むリズム感の良さが
とにかく際立っている。


CAPRICORN - Inferno - Camp Blood ★★★ (2011-04-27 23:37:07)

このタイトル、そして「キ、キ、キ・・・マ、マ、マ・・・」
(KILL MAMA)のSEからも察しのつく通り、
前作“MR.VOORHEES”に続いて再び収録された
『13日の金曜日』へのトリビュート・ソング。
(本当に好きなのな)
まるでジェイソンに追いかけられているかのような
スリルとサスペンスが味わえる(?)スピード・ナンバーの名曲。


CAPRICORN - Inferno ★★ (2011-04-27 23:31:26)

デビュー作のジャケットと連続性を感じさせるアートワークのみならず、「当初、アルバム・タイトルはシンプルに『CAPRICORN Ⅱ』にしようと思ってた」とメンバー自身が語っている事からも分かる通り、媚びのない濁声Vo、荒々しさとヨーロピアンな美意識を兼ね備えたG、キレ良くパワフルに突貫するリズムetc・・・と、デビュー作で披露したタフ&ソリッドなパワー・メタル・サウンドを忠実に継承した'95年発表の2ndアルバム。
TWISTED SISTERのカヴァー⑨の半端ないハマリっぷりや、ボーナス・トラック⑫の存在もあってロックンロール・テイストが増量されたような気がしなくもないが、まぁ飽くまで「気がする」レベルの話であり、各楽器が弾き出す音の逞しさ、収録楽曲に漲るパワー/ヘヴィネスは前作と同等かそれ以上。
相変わらず、CAPRICORN印のスピード・ナンバー②⑥、捻りを加えつつ盛り上がっていくパワー・バラード⑤、禍々しく重厚に押し寄せるアルバム表題曲⑪、そして前作に続き再び『13日の金曜日』へ愛を捧げた、スリリングな名曲⑩のカッコ良さは只事じゃないですよ。
1stアルバムが気に入った人なら間違いなく買いの1枚。これを最後に消息不明になってしまったのが残念至極。(それともこっちが知らんだけで、もっと作品出してたりするのだろうか)


GRINDER - Nothing Is Sacred - Nothing Is Sacred ★★★ (2011-04-27 23:17:07)

3rdアルバム表題曲。
スラッシーな切れ味の鋭さと疾走感を保持しつつ、
よりメロディアスに歌うようになったVo、
よりドラマ性を増量したツインGと、
新たな魅力(と方向性)が提示された
同バンド屈指の名曲。


VICIOUS RUMORS - Razorback Killers ★★★ (2011-04-26 22:54:33)

ジェイムズ・リヴェラに代わる新たなフロントマンに、無名の新人ブライアン・アレンを起用して再スタートを切ったVICIOUS RUMORSが、数年ぶりに発表した記念すべき10枚目のスタジオ・アルバム。
いやー、凄い。前作『WARBALL』も、バンドの長い迷走にケリをつけ「VR IS BACK!」を高らかに宣言した力作だったが、本作はそれすらも軽く凌駕する出来栄え。
故カール・アルバートに比肩するポテンシャルを発揮しつつ、そのカールよりも攻撃的な歌唱を轟かせる新Voの加入に伴い、『WARBALL』の弱点だった歌メロのフック不足が解消。また80年代ばりの密度で絡み合うドラマテックなツインGに、マッチョなBとドスの効いたDsからなる強靭なリズム・セクションに支えられ、パワーとメロディが絶妙な融合をみた楽曲の数々は、4th『WELCOME TO THE BALL』以来の充実っぷりを誇っている・・・と言っても間違いではないような?
中でも、初期作を彷彿とさせる光沢を帯びた音色のGリフが鋭角的に刻まれる、重量感たっぷりのOPナンバー①や、勇猛なアグレッションと豊かなメロディがスピーディに併走する②⑦、筋骨隆々なパワー・チューン④、それにジェフ・ソープが「Lead Vo」のクレジットに相応しい歌声を披露してくれる⑥といった楽曲は、理想的なVR節が堪能できる名曲揃い。
ファンなので勿論彼らにはアルバムには期待していたが、その期待の遥か上を行く完成度を提示してくれた1枚。畏れ入りました。


ATOMKRAFT - Conductors of Noize ★★ (2011-04-24 19:35:18)

内輪揉めで一時バンドから離れていたト二ー“デモリション”ドーラン(B)が復帰して、'87年に発表された6曲入りミニ・アルバム。
SLAYERやEXODUSら名だたる連中とツアーを共にし、METALLICAの成功に端を発する同時期のスラッシュ・メタル・ムーブメントの盛り上がりに触発されたのか、元々スピーディ&アグレッシブだったサウンド・スタイルがここに来て益々先鋭化。エッジを効かせた音作りに、シャープ気味のシャウトを繰り出すVo、鋭利に刻まれるGリフから、激しくのたうつ野太いBに畳み掛けるように疾駆するDsまで、そのスラッシーな作風はATOMKRAFTのカタログの中でも随一の攻撃性の高さを誇る。
特に、切り裂くような高速スラッシュ・ナンバーが連続する、本編後半(④⑤⑥)の有無を言わせぬ加速感は圧倒的カッコ良さ。
バンドは本作を最後に解散してしまうわけだが、これ聴くと「あと1枚ぐらいフル・アルバムを作って欲しかった・・・」と思わずにはいられません。
尚、その後ト二ー・ドーランはデモリション・マン名義でVENOMに参加し、『PRIME EVIL』『TEMPLES OF ICE』『THE WASTE LANDS』という隠れた英国HMの名盤作りに貢献。また、その魁偉な容貌を活かして俳優業にも進出し、『ジャッジ・ドレッド』や『マスター・アンド・コマンダー』といったアクションや戦争映画にも出演を果たしている。(で、'04年にATOMKRAFTを再結成)


ATOMKRAFT - Queen of Death - Funeral Pyre ★★★ (2011-04-24 19:27:20)

メロディアスに歌えるシンガーを得て、
彼らが初めて取り組んだパワー・バラード。
哀愁を帯びた物悲しいメロディを奏でつつ、
威厳も失わないGとBが良い仕事してます。


ATOMKRAFT - Queen of Death - Demolition ★★ (2011-04-24 19:21:19)

3分足らずのランニング・タイムを
ストレートに突っ走るスピード・ナンバー。
生き急ぐような切迫感を伴って
切り込んで来るGリフが秀逸。


ATOMKRAFT - Queen of Death - Protector ★★ (2011-04-24 19:20:13)

ハイテンションなVoとGを押し退けて
楽曲を牽引する豪快なBがクール。
スラッシュ・メタル的なアグレッション漲る
1曲ながら、不思議と「パワー・メタル」と
評したくなる魅力を備えています。


CAPRICORN - Capricorn - Bomb Eden ★★★ (2011-04-24 19:03:35)

1stアルバム中、最もスピーディでアグレッシブな
GRINDER時代(スラッシュ・メタル時代)の面影を
色濃く残した名曲。
アルバムのハイライト・ナンバーですかね。


CAPRICORN - Capricorn - Mr. Vorhees ★★★ (2011-04-24 19:01:47)

邦題は“ミスター・ヴァーアヒース”とよく分からないものに
なっているが、歌詞を読めば分かる通り『13日の金曜日』への
トリビュート・ソング。だから邦題も正しくは
“ミスター・ボーヒーズ”ですかね。
殺気立って刻まれるGリフが、ジェイソンが振り回す
鉈の如き迫力を醸し出す名曲です。


ATOMKRAFT - Queen of Death ★★ (2011-04-23 19:32:07)

制作中に、所属マネージメント会社を巡りバンド内でトラブルが勃発。これに伴い中心メンバーのト二ー“デモリション”ドーランがラインナップから離脱してしまったため、彼に代わるフロントマンとして元AVENGERのイアン“デイヴィソン”スウィフト、新BにD.C.RAGEことダーレン・クックを迎え入れて4人編成でレコーディング作業が進められ、'86年にリリースされた5曲入りEP。(但しト二ーも数曲でBをプレイしている)
荒々しく猛るEP表題曲“QUEEN OF DEATH”、ハイテンション且つ攻撃的な疾走曲“PROTECTOR”“DEMOLITION”を聴けば一聴瞭然、基本的にはデビュー作『FUTURE WARRIORS』の延長線上にある、スピーディでアグレッシブなパワー/スラッシュ・メタル・サウンドを演っているわけだが、よりメロディアスに歌える専任シンガーが加入した事で、ドラマティックに盛り上がるメランコリックなバラード“FUNERAL PYRE”や、アコギによる叙情的なインスト・ナンバー“MODE Ⅲ”を収録する等、収録楽曲のバラエティはグッとその幅を広げている。
5曲収録の小ボリュームにも関わらず満腹になれるという、高カロリーなジャンクフード感溢れる1枚。
尚、一度は脱退したト二ー・ドーランだが、この後すぐバンドへの復帰を果たしている。


ATOMKRAFT - Future Warriors - Warzone ★★★ (2011-04-23 18:49:36)

1stアルバム収録曲中、最もアグレッシブなスピード・ナンバー。
ト二ーの濁声Voに小気味良く回転するシャープなGリフ、
それと豪快に炸裂するリズムとが、戦場のSEを伴って突進する、
タイトル通りの攻撃性と狂気が横溢する名曲。


ATOMKRAFT - Future Warriors - Total Metal ★★★ (2011-04-23 18:41:21)

ATOMKRAFTの名を一躍メタル・シーンに知らしめた
'83年発表のデモテープのタイトル・トラックでもあった名曲。
ト二ー・ドーランの埃っぽいBに牽引される形で、
荒っぽく刻まれるリフとリズムが轟然と突進する
プロトタイプ・スラッシュ・メタル的雰囲気を漂わす
スピード・ナンバー。スティーヴ・ホワイトが紡ぐ、
勇壮且つドラマティックなGソロが最高にカッコイイ。


ATOMKRAFT - Future Warriors ★★★ (2011-04-22 23:57:44)

過小評価に泣く(俺の中で)中期VENOMのフロントマンを務めていた事で知られる、デモリション・マンことト二ー・ドーランが'79年に結成し、今の日本じゃちょっと洒落にならないバンド名、ATOMKRAFT(ドイツ語で「原子力」の意)を名乗ったパワー/スラッシュ・メタル・バンドが'85年に発表した1stアルバム。
埃っぽい音色で豪快に動き回るリードBに引っ張られ、勢い重視で喚き倒す濁声ヘタウマVoに、荒っぽく刻まれるリフ&リズムとが、トリオ編成とは思えぬ喧しさで突っ走る「元祖スラッシュ・メタル」的サウンドを武器に、VENOM、RAVEN、WARFAREに続く「NEAT RECORDS暴走軍団」構成員として気勢を上げた彼ら。
あらゆる意味で突き抜けまくっていた上記3バンドのクレイジーさに比べると、ずっとマトモであるがゆえに強烈なインパクトには欠けるが、スピードやパワーのみならず、ドラマティックな曲展開にも気の払われた楽曲のカッコ良さはなかなかのもの。
SF映画調のイントロで本編開巻を飾るアルバム表題曲“FUTURE WARRIORS”、バンドの代表曲たる“TOTAL METAL”、タイトル通りの炸裂感溢れる“WARZONE”といったハイスピード・ナンバーの数々は、「よりメロディアス且つ劇的になったVENOM」(擁するにデモリション・マン時代のVENOM)の如き様相を呈する名曲だ。
NWOBHMファンは勿論の事、パワー/スラッシュ・メタル愛好家なら一聴の価値がある作品ではないでしょうか。
ついでにマンタス・リーダー時代のVENOMの再評価も一つよろしく。


ATOMKRAFT (2011-04-22 21:07:17)

ATOMKRAFT!
VENOMと言えばクロノス時代よりデモリション・マン時代を
愛する我が身には決して外せないバンドです。

彼らの作品はいずれも未CD化のようですが、'04年に企画盤
『TOTAL METAL・THE NEAT ANTHOLGY』がリリースされています。
これがデビュー作からミニ・アルバム、EP、初期デモ音源や
再結成後にレコーディングされた新曲まで余さず収録された、
個人的に非常に重宝している1枚であります。


CAPRICORN - Capricorn ★★★ (2011-04-20 08:49:45)

大成こそ出来なかったが、コアなスラッシュ・メタル・ファンからは未だ高い評価を受けるフランクフルト出身の4人組スラッシャーGRINDERが、CAPRICORNと改名してトリオ編成で再スタートを切った後、'94年に発表したセルフ・タイトルのデビュー作。
ロックロール系の括りに入れられる事の多い彼らだが、実際に演ってるのはMETAL CHURCHやVICIOUS RUMORSといったバンドの名前が思い浮かぶパワフルなパワー・メタルで、基本的にはGRINDER時代と大差ないサウンド。
但しそれをスラッシュ・スピードではなく、グッと腰を落として、よりメロディアスに、より重厚に演っているのが本作(と言うかこのバンド)の特徴で、中でも、ステファン・アーノルドのタイトで切れのあるドラミングを推進力に、エイドリアン・ハーンの男気背負ったヤサグレVoと、猛々しいリフの刻みからドラマティックなソロまでセンス良くこなすデヴィッド・ホフマンのG、それにドイツのバンドらしい憂いを帯びたメロディとがスクラム組んで突進する①~④の畳み掛けに、このバンドの真髄を見た次第。
アコギが紡ぐ哀愁のメロディと、GRINDERの頃よりも更に技量を高めたエイドリアンの歌声が胸に沁みる泣きのバラード⑤、殺気立ったGリフがジェイソンの振るう鉈を思わす『13日の金曜日』へのトリビュート・ソング⑥、そして最もスラッシュ時代の残り香を漂わすアグレッシブなスピード・ナンバー⑦辺りが、個人的に特にプッシュしたい名曲なれど、それ以降もドラマティックな⑧、ノリノリの⑨、勇猛なメロパワ・チューン⑩と、本編に捨て曲の類は見当たらない。
中古屋で3桁の値段で捨て売られているのを見かける度に、「クオリティに相応しい扱いを受けられていないなぁ」と溜息をつきたくなる1枚。


SODOM - In War and Pieces - God Bless You ★★ (2011-04-16 19:56:39)

歌詞の内容は例に漏れず物騒なのだが、
メランコリックなメロディが物悲しげな雰囲気を演出。
トムの凶悪な濁声もどこか感傷的に響く
思わず「バラード」と表現したくなる
ヘヴィなスロー・ナンバー。


SODOM - In War and Pieces - In War and Pieces ★★★ (2011-04-16 18:25:18)

前作『SODOM』と同じくアコギによる幕開け。
どっこい、「あー、はいはい。あんな感じなわけね」という
こっちの予想は裏切り、期待は裏切らない
後半の疾走パートにテンション急上昇。
アルバムの完成度の高さを確信させるに十分な
名曲なんじゃないでしょうか。


SODOM - In War and Pieces - Knarrenheinz ★★★ (2011-04-16 18:23:24)

SODOMにしか作り出せない実にSODOMらしい名曲。
彼らがここまでストレートなスラッシュ・ソングを
書いたのは結構久し振りのような。
何遍聴いても、イントロだけで血沸き肉踊りますね。


SODOM - In War and Pieces ★★★ (2011-04-16 18:19:44)

間に企画盤のリリースを挟んだとは言え、まさか5年も待たされる事になるとは思わなんだ、SODOM待望の新作アルバム。
指揮官たるトム・エンジェルリパーの舌鋒鋭い怒号の下、激情を撒き散らかしながら荒れ狂うオールドスクールな楽曲の数々を、モダンでクールなサウンド・プロダクションが包み込み(ヴァルデマー・ゾリヒタ謹製)、北欧メロデスにも通じる、ヨーロピアンHMならではのヘヴィネスとダークネスで味付けされた本作は、基本的には前作『SODOM』の作風を継承。
但し、アコギに始まる重厚な前半から一転、後半は苛烈な疾走パートへと転じる①、SLAYERばりの刺々しさを誇る②、メランコリックなメロディを有用した③、ダイナミックに畳み掛けて来る④・・・といった具合に、収録楽曲の疾走感は大幅な回復傾向にあり、中でも、SODOMの看板キャラである「クナレンハインツ」について歌った⑩は、機銃弾の如く降り注ぐGリフにドカドカと豪快に突進するボビーのDsといい、名作『AGENT ORANGE』の頃を思い起こさずにはいられない爆走スラッシュの名曲ですよ!
この他にも、バーネマン(G)のメロディ・センスが冴え渡るSODOM流バラード(?)⑧、劇的な⑪辺りも個人的には押さえておきたい逸品だしで、取り敢えず、5年待たされた甲斐は十二分にあったと断言できる充実作なのは確か。
でも次作はもうちょい短いインターバルで宜しく。


SHAH - P.S.I.H.O. ★★ (2011-04-12 20:25:37)

DESTRUCTIONを彷彿とさせるスラッシュ・メタル・サウンドがマニア筋から高く評価され、中古盤も高値で取引されている1st『BEWARE』('89年)に比べ、全くと言っていいほど話を聞く機会がない(中古盤も安い)、ロシアン・スラッシャー筆頭、SHAHが'94年に発表した4thアルバムにしてラスト作。
まぁ正直な話、メロディアスに歌うVoに長尺化が押し進められた楽曲、疾走感が失われグルーヴ重視のビートを叩き出すリズム隊・・・と、90年代の流行に色目を使った内容を聴けばそれもむべなるかなと言った感じなのだが、ところが、最近久し振りに引っ張り出して聴き直してみたら、これが案外に楽しめる事に気付かされた。
音作りや演奏はしっかりとしていること、Gが結構頑張って耳に残るフレーズを紡いでくれていること、そして時代が一回りして、この手の音すらオールドスクールに聴こえるようになったこと等がその要因として考えられるが、取り敢えず、ノリの良さと緊迫感を併せ持った②③、エレアコを上手く取り入れ、ツインGがドラマティックにハモる④、ブラック・アルバムを発表した頃のMETALLICAを思わせる横ノリ・ナンバー⑤、それに本編唯一の正統派スラッシュ・ナンバー⑧辺りが聴けた事で、個人的に購入費の元は取れたように思う。リリース当時は「ロシアにまでモダン・へヴィネス症候群は飛び火したのか」と実感させてくれる資料的価値ぐらいしか見出す事が出来なかったのだが・・・。
但し、SHAH入門編には1stアルバムの方がお薦めなのは言うまでもない。願・再発。


WRATH - Fit of Anger - Vigilante Killer ★★ (2011-04-10 22:27:36)

すわIRON MAIDENか?というシャープで
キャッチーなGリフと、劇的にハモるツインGが
駆け抜けて行くデビュー作のハイライト・ナンバー。
これでVoがもっとまともに歌えていりゃあなぁ。


WRATH - Fit of Anger ★★ (2011-04-10 00:30:54)

'82年、イリノイ州はシカゴにおいてマイク・ナイルッカネン(G)とゲイリー・モディカ(B)を中心に結成された5人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、'86年にGREENWORLD傘下のKING KLASSIC RECORDSから発表した1stアルバム。・・・と言っても、バンド的にはデモテープ用音源を無断で商品化された上に、ろくすっぽプロモーションもしてくれぬ内にレコード会社自体が倒産する等、本作に関しては余り良い思い出がないらしいが・・・。
それでも中身の方はなかなかの聴き応え。野卑なVoや荒々しいGリフの刻みはスラッシュ・メタル的なれど、スピードよりも展開重視の楽曲は正統派HM然としたドラマ性を湛え(要するにパワー・メタルってことか)、特にドラマティックなユニゾン・プレイを駆使してサウンドの中核を成すツインGコンビの仕事振りは、このバンド最大の弱点であるVoの非力さを補って余りある劇的さ。
取り分けB面サイドには良い曲が揃っており、ツインGがシャープに切り込んで来る⑥⑨⑩といったスピード・ナンバーのカッコ良さは出色。これでVoがもうちょいマシに歌えてたならなぁ・・・。
東欧ラジオ局のリクエスト・チャートにおいて最高第3位に食い込むという、凄いんだか凄くないんだかよう分からん(いや凄いのか)好成績を残したのも納得の1枚。
ちなみに本作は、'88年にリミックス作業やボーナストラック“SUDDEN DEATH”の追加収録といったお色直しを施され、新たな契約レーベルMEDUSAからリイシューされている。


ABATTOIR - Vicious Attack - Screams From the Grave ★★★ (2011-04-09 02:00:34)

『METAL MASSACRE Ⅳ』に提供したところ、
ラジオにてヘヴィ・ローテンションされ
バンドの知名度向上に一役買ったという名曲。
実際、正統派HMとMOTORHEADがガップリ
四つに組んだような荒々しくもスピーディな
曲調は非常にカッコイイ。


ABATTOIR - Vicious Attack - Ace of Spades ★★★ (2011-04-09 01:38:36)

上手いVo(元HERETICのマイク・トレス)を加えて
JUDAS PRIEST/IRON MAIDEN型のパワー/スラッシュ・メタルを
演っていた2ndに対し、1stではMOTORHEADに通じる
破天荒さを備えたハードコアHMをプレイ。
で、実際にMOTORHEADの代表曲であるところの本曲を
カヴァーしているわけだが、これが見事なハマリっぷりで
他のオリジナル曲の存在が霞む霞む。


ABATTOIR - Vicious Attack ★★ (2011-04-09 01:28:23)

AGENT STEELのジョン・サイリース(Vo)、EVILDEADのフォアン・ガルシア(G)を含むラインナップでレコーディングされ、『METAL MASSACRE Ⅳ』に提供した名曲“SCREAM FOR THE GRAVE”が評判を呼んでCOMBAT RECORDSとの契約を手に入れたABATTOIRが、Voを現ANGER AS ARTのスティーヴ・ゲインズに変えて'85年に発表した1stアルバム。
自分は2nd『THE ONLE SAFE PLACE』を先に聴き、そのJUDAS PRIESTやIRON MAIDENを更に攻撃的にしたかのようなパワー/スラッシュ・サウンドに感銘を受け、後に遡って本作を購入したのだが、ある程度ドラマティックな整合性も感じさせてくれた『THE ONLY~』に対し、こっちはMOTORHEADに通じる破天荒なノリが全編に渡って炸裂。「ハードコアHM」とでも表したくなるヤケッパチ感溢れる作りに思いっきり意表を突かれましたよ。(実際にMOTORHEADの代表曲“ACE OF SPADES”をカヴァーしており、しかも半端ないハマリっぷり)
野卑に叫びまくるスティーヴ・ゲインズのVoに、レミーばりの豪快さでのた打つメル・サンチェスのB、けたたましく耳をつんざくツインGと、とにかく全力投球なDsとが破れかぶれ気味に突っ走るサウンドは、チープっちゃチープだし音質は劣悪、楽曲も(“SCREAM FOR THE GRAVE”を除けば)どれもドングリの背比べ状態なのだが、それでも、バンドの剥き出しの初期衝動と、その熱量の高さには圧倒されざるを得ないわけで。
スラッシャーなら案外「ABATTOIRは1stアルバムの方が好き」という人も多かったりするんじゃなかろうか。


GRINDER - Dead End - Total Control ★★★ (2011-04-09 01:12:49)

鋭角的に刻まれるエッジの効いたGリフのカッコ良さ、
タイトに駆動するリズム、抜群のリズム感で畳み掛けるVo等、
個人的に、2ndアルバム後半のハイライト・チューンと
位置付けている名曲。
一緒に叫びたくなる雄々しさを備えた
野郎コーラスもナイス。


VOLCANO - Mythology ★★★ (2011-04-07 22:58:45)

アニメ番組の劇中歌を手掛けたり、特撮ヒーロー物のトリビュート・アルバムを作ったりと、近年は課外活動に勤しんでいた屍忌蛇(G)率いるVOLCANOが久々に発表した3rdアルバム。
2nd『DAVI』のリリースからかなり間が空いてしまったが(EP『VIPER'S PATH』の発表すら'05年だ)、スラッシュ・メタルや北欧メロデスを彷彿とさせるスピーディでブルータルなリズムの上で、金属的色艶と硬質感を湛えたNOVの歌声と、エモーショナルに咽び泣く屍忌蛇のGとが渦を巻く、唯一無二のVOLCANO流HMサウンドは不変。流石にデビュー作『VIOLENT』程のインパクトはないものの、妙に窮屈に感じられた『DAVI』よりはずっとキャッチーで、肩の力が抜けた聴き易い仕上がり。
ピアノによる流麗なイントロから爆発的な疾走へと転じるOPナンバー①や、その勢いをバイオレントに受け継ぐ②、アコギを有用しドラマティックな緩急が演出された⑥、メロパワ風味漂う⑨、悶絶モノのGソロと共に疾走するラスト・ナンバー⑩等は、多くのファンが聴きながら握り拳固める姿が目に浮かぶようなカッコ良さ。
屍忌蛇が作り出す泣きメロは時に歌謡曲的なベタさを発散するため、この辺は好き嫌いが分かれるところかもしれないが、個人的にはストロングな楽曲とドメスティックなクサメロのギャップもこのバンドの魅力の一つと捉えているので無問題。濃厚な哀愁を漂わせつつ劇的に展開していく⑤なんてアルバムのハイライトに推したいぐらいの名曲ですよ。
そんなわけで、ファンの期待に見事に応えた1枚だと思う。ただ、サウンド・プロダクションはこれで良かったの?


LAZARUS A.D. - Black Rivers Flow ★★ (2011-04-05 23:50:20)

もともと、良くも悪くも「スラッシュ・メタル馬鹿」という感じはなく、ある程度モダンな要素も飲み込んだサウンドを身上としているバンドだったが、本作はその「モダン」部分を更に拡大。前掛かりな疾走感が薄れた代わりに、図太いヘヴィネスとメロディが増量されており、Voの歌唱法も、ストレートなシャウト型からスクリームとメロディアスな歌い上げを使い分ける、所謂メタルコア・スタイルへと変化を遂げている。
「自信満々に演ってるけど、これって90年代に、流行におもねったスラッシュ・メタル・バンドが散々俺らを失望させた音だよオイ」と、思わず苦言の一つも呈したくなる作風だが、グッと文句を堪えて本作を聴き込んでみると、これが存外楽しめる。
タイトに組み上げられた⑥⑧等の楽曲が如実に示す通り、キャッチーなGリフ作りの腕前が健在である点や、2本のGが奏でるメロディが前作以上のドラマ性を有している点もその要因だが、何より現代っ子バンドたる彼らは、かつて先輩バンドが扱い慣れぬヘヴィネス&グルーヴを持て余してたのに比べ、そうした要素の導入が非常に自然で無理がない。
タフでストロングな疾走ナンバー③や、緩急を飲み込んだ劇的な曲展開が炸裂する④⑩なんかは、このアルバムならではの名曲と言えるのでは?
もはや「スラッシュ・メタル」で括るには無理のある作品だし、正直にぶっちゃけりゃ前作の方がずっと好みだが(毒)、これはこれで案外お気に入りの1枚。