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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5101-5200

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MAGNUM - Into the Valley of the Moonking - The Moon King ★★★ (2010-06-09 23:01:04)

ブルージーに始まり、じっくり劇的に盛り上がっていく
アルバム表題曲にして本編のハイライト的名曲。
憂いに満ちたメロディを熱唱するボブ・カトレイのVo、
燻し銀の魅力を放つトニー・クラーキンの泣きのG、
スペーシー且つ壮大なマーク・スタンウェイのKeyと
MAGNUMの三本柱が揃って良い仕事しまくり。
またTHUNDER解散後、復帰を果たしたハリー・ジェイムズの
堅実なドラミングも楽曲のドラマ性向上に
大きく貢献しているように感じられます。


MAGNUM - Into the Valley of the Moonking - All My Bridges ★★ (2010-06-09 22:55:28)

高揚感に満ち溢れたポップ・チューン。
マーク・スタンウェイの手による
優雅で華やかなイントロを耳にしただけで
心が浮き立つのを感じますね。


MAGNUM - Into the Valley of the Moonking - Cry to Yourself ★★ (2010-06-09 22:48:57)

ファンタジックなイントロと共に優雅に本編の幕開けを飾る
アルバムのOPナンバー。後半でじっくりと聴かせてくれる
トニー・クラーキンのGが渋い。


MAGNUM - Into the Valley of the Moonking ★★ (2010-06-08 22:32:00)

再結成以降の作品は、細々とながらもちゃんと国内盤が出ていたので今回も期待していたのだが、
結局リリースが見送られてしまった'09年発表の14thアルバム。イマジネーションをかき立てられる
アルバム・タイトルに、名匠ロドニー・マシューズが手掛けた美麗なアートワーク、それに何より、
英国のバンドならではの湿り気と、淡くファンタジックな色合いに包み込まれた重厚な叙情HRサウンドは
相変わらずハイクオリティな内容を誇っているだけに、何とも勿体ないの話じゃありませんか。
初期ドラマティック路線への回帰の姿勢も感じられた前作『PRINCESS ALICE AND THE BROKEN ARROW』に比べると、
本作は幾分シンプルでポップな作風ながら、暖かみに溢れた音色でよく歌うトニー・クラーキンのGと、
華やか且つ上品なマーク・スタンウェイのKey、そして英国屈指の実力派シンガー、ボブ・カトレイの
包容力豊かな歌声に彩られた、気品と風格に満ちた本編の素晴しさはやはり唯一無二。
取り分け、高揚感を煽られるポップ・ソング③や、ブルージーな味わいの導入部を経て、力強く劇的に
盛り上がっていく⑤、エモーショナルな歌声と、爪弾かれるアコギの旋律が胸に染み入る
バラード⑧といった楽曲は、MAGNUMというバンドにしか生み出し得ない絶品の名曲かと。


ANNIHILATOR - Annihilator - Coward ★★★ (2010-06-06 00:14:37)

猛烈なスピードで駆け抜けていく高速スラッシュ・ソングながら
アグレッシブなだけでなく、キャッチーな魅力も備えた
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
この曲における炸裂感とドラマ性を併せ持った
ジェフ・ウォーターズのGプレイはもう絶品。


ANNIHILATOR - Annihilator - The Trend ★★ (2010-06-06 00:05:07)

7分越えを果たす大作だが、
実のところ3分のイントロと4分の本編から構成された
ストレートなスラッシュ・ナンバー。
個性的なリフ・ワーク(“ALISON IN HELL風のパートも有り)
のみならず、時にデイヴ・パッテンのメタルコア風Vo以上に
魅力的に歌うジェフ・ウォーターズのGがとにかく魅力的。


ANNIHILATOR - Annihilator ★★ (2010-06-05 18:28:00)

ANNIHILATOR史上、最もハードコアな面構えのアリス嬢がアートワークを飾った13thアルバム。
ここ近作同様、エキセントリシティは控えめに、コンパクト且つシンプルにまとめられた作風で、個人的に
「デイヴ・パッテンを擁するラインナップの最高傑作では?」というぐらい気に入っていた前作と比べてしまうと
“HAUNTED"のようなドラマティックなナンバーが見当たらず、中盤に並ぶ楽曲にやや面白味が欠けていたりと、
多少物足りなさを覚えるのも事実だが、そうした不満点を補って遥かに余りあるのが、精密なリフ・ワークから
構築美を湛えたメロディアスなソロ・パートまで、目まぐるしくこなす名手ジェフ・ウォーターズのテクニカルなGプレイ。
『METAL』では大挙参加してくれたゲスト・ギタリスト達に花を持たせていた彼氏なれど、今回はもう最初から
最後まで鬼のように弾きまくり。取り分け、曲間を開けずに一気呵成に畳み掛けて来る①②③の冒頭3曲は、
彼のハイテンションなGプレイと、スピーディ且つキャッチーな曲調とが相俟って聴く者を圧倒する名曲揃い。
(あとに続くキレのあるミドル・チューン④や、本編屈指の名ソロが炸裂する⑧も名曲)
正直、これでメタルコア・シンガー然としたデイヴ・パッテン(Vo)の歌メロがもう少し魅力的なら・・・
と思わなくもないが、ジェフが彼を認め、信頼している以上は最早何も言うまい。実際、フロントマンとして
のみならず、セカンドGとしての役割もこなす等、ライブでの良い仕事っぷりには目を瞠るものがあるし・・・。
それに歴代シンガーの中でも最も灰汁の薄い声質ゆえ、いちげんさんにも取っ付き易いとの利点もあるかもしらん(?)


BLANC FACES - Falling From the Moon - Falling From the Moon ★★★ (2010-05-30 21:10:03)

伸びやかなVo、華やかなKeyによく歌うGが
ロマンティックなメロディを纏ってポップに駆け抜けていく
BLANK FACESというメロディアスHRプロジェクトの
魅力がギュッと凝縮された、2ndアルバムのタイトル・トラック。


BLANC FACES - Falling From the Moon ★★ (2010-05-30 21:04:00)

元FURYのロビー・ラ・ブランク(Vo、G)とブライアン・ラ・ブランク(B)の兄弟による
アメリカン・メロディアスHRプロジェクトが'10年に発表した2ndアルバム。
JUORNEY、TOTO、SURVIVORといったバンドの流れを汲む、洗練された産業ロックを演奏しており、
特に目新しい部分があるわけではないのだが、偉大なる先達が作り上げたフォーマットの中で
徹底した磨き上げがなされたそのサウンドは、すこぶるポップで爽快、キャッチーでロマンティック。
躍動感溢れるビートを叩き出すリズム隊の踏ん張りと、パワフルにも歌えるVoの存在のお陰で本編が
まったりし過ぎる事はないし、何より、聴いてるだけで日々の生活の疲れが洗い流されていくような、
ポジティブなフィーリングに満ちた清涼なメロディが素ん晴しい。OPに相応しいエネルギッシュなロック・チューン①、
華やかなKeyと、よく歌うGの堅実な仕事っぷりが光る③、美しく哀愁に満ちたバラード④・・・と続いていく
収録楽曲は何れ劣らぬ逸曲揃いだが、個人的に、本作のハイライトはアルバム表題曲でもある②。溌剌とした
曲調に塗された、ロマンティックな哀愁が胸に染み入る、哀メロ職人兄弟の名人芸が堪能できる名曲だ。
セルフ・タイトルのデビュー作が聴いてみたいんだけど、国内盤は既に廃盤なんだよなぁ。


KARELIA - Raise - Unbreakable Cordon ★★★ (2010-05-29 00:35:38)

物悲しくも美しい2ndアルバムのハイライト・チューン。
「韓流ドラマの主題歌のようだ」と評されたが、
実際、ピアノとGが情感たっぷりに紡ぎ出す
猛烈なまでに悲壮なメロディ展開はそれっぽい。
ただ、劇的なイントロを聴けば分かるとおり、
曲自体はかなりハードでドラマティック。
KARELIAのみならず、'05年度のHR/HMシーンを代表する逸曲かと。


KARELIA - Raise ★★ (2010-05-29 00:27:00)

おフランス出身らしいトレビヤンな気品を纏って、クラシカル/オペラティック/シンフォニックと、
三拍子揃った大仰なHMサウンドを聴かせてくれる5人組が、'05年に発表した2ndアルバム。
アートワークを手始めに寒色系のイメージでまとめられた本作は、メロパワ的な疾走感や煌びやかな
ゴージャスさが薄れてしまったため、デビュー作『USUAL TRAGEDY』程の高評価は得られなかった様だが、
イヤイヤなかなかどうして。荘厳に響き渡る混声オペラ・コーラスは健在だし、ディープな低音ボイスと
へしゃげ気味のハイトーンを使い分けるVo、悲壮なメロディをエモーショナルに紡ぎ出すG、楽曲にゴシック調の
冷ややかな哀感を付与するKey・・・と、前作の美点をしっかりとキープしつつ、一層深みを増した内容は
聴き応え十分。何より、これまで以上に悲哀の度を高めたメロディの泣きっぷりが素晴しいったら!
取り分け、メロパワ的なドラマ性を帯びた④、アラブ音楽風の序曲から繋がっていく壮大な⑤、じっくりと泣く
Gが辛抱堪らん⑥、劇的なイントロでガッチリと掴まれる⑦といった強力な楽曲が続く中盤は本編の白眉で、
特に「まるで韓流メロドラマの主題歌のよう」と評された⑦は、ピアノとGが紡ぎ出す壮絶なまでに
悲壮な旋律に思わず床の上をのた打ち回らせられる、'05年度屈指の超名曲。
KARELIA入門編としては前作『USUAL TRAGEDY』をお薦めするが、個人的にはこの2ndアルバムの方が好きだな。


MASTER - Unreleased 1985 ★★ (2010-05-25 22:17:00)

COMBAT RECORDSから'85年にリリースされる筈が、契約上のトラブルでお蔵入りとなってしまい、
'03年に発表されるまで陽の目を見る機会のなかった、MASTER幻の1stアルバム。
全曲が正式なデビュー作『MASTER』に再録されているので、「要するにデモ音源集みたいなもんでしょ」
と思われるかもしれないが、さに非ず。曲は同じでも両者から受ける印象は全く異なり、
スラッシュ/デス・メタル風味が色濃い『MASTER』に比べ、本作はパンク/ハードコア的な
生々しい前のめり感が強く漂う。極めてローファイなサウンド・プロダクションの下、
ダーティな咆哮を上げるVo、刺々しくノイジーなリフ&リズム、そして掻き毟られるようなGソロが
乾いた殺気を撒き散らしながら突っ走る、攻撃的な楽曲の数々に宿る初期衝動の熱量も桁違いで、
本作を聴くと、あれほどアグレッシブな『MASTER』ですら、ちゃんと「商品」として
仕上げられていた事が良く分かります。'85年にこのサウンドってのはかなり衝撃的だよなぁ。
MASTER入門編としては、総合的な完成度や取っ付き易さで勝る正式なスタジオ盤『MASTER』や
2nd『ON THE SEVENTH DAYS GOD CREATED...MASTER』をお薦めするが、それらが気に入ったなら本作も是非。


VITAL REMAINS - Icons of Evil ★★ (2010-05-20 23:06:00)

デビュー作『LET US PRAY』以来、久々に購入したVITAL REMAINSのアルバム。('07年発表の5th)
アンチ・クライスト魂が炸裂しまくったジャケット・アートワークも衝撃的な本作は、MORBID ANGELの
エリック・ルータンがプロデュースを担当、DECIDEからグレン・ベントンがゲストVoとして参戦を果たして
悪魔の如き咆哮を上げ、まるで機銃弾の様に吐き出される殺傷力満点のリフ&リズムと一体となって無慈悲に
荒れ狂うという、ストロング・スタイルのデス・メタルとしては文句なしに、凶悪極まりない内容に仕上がっている。
相も変わらず、キリスト教に対する憎悪に塗れたグレンのデス声も強力無比だが、何より本作を孤高の存在へと
高めているのが、デイヴ・スズキのネオクラ風味も感じられる流麗なGプレイ。その腕前はイングヴェイ・マルムスティーン
初期の超名曲“DISCIPLES OF HELL"を難なくカヴァーしている事からも明らかだが、特に、映画『パッション』を
彷彿とさせるイントロに導かれてスタートする②、劇的な曲展開に瞠目させられる③、バイオレントな
曲調の中で閃く、アコギの美旋律にハッと胸を突かれる⑤といった楽曲で聴く事の出来る、曲に荘厳さを
付与するドラマティックな彼のGプレイは、間違いなく本編最大の聴き所。
ブルータルなデス声Voと、間断なく刻まれ続けるリフ&リズムの応酬、それにほぼ全曲が6~9分台という
大作主義が取られた体力勝負を強いる作風ゆえ、通して聴くと後半はクタクタになるが、
それでも挑む価値は十分にある力作。近年のDEICIDEが好きならマスト・バイ。


TONY IOMMI - Fused ★★ (2010-05-17 22:08:00)

『SEVENTH STAR』以来となる、トニー・アイオミとグレン・ヒューズのコラボ作品だが、最初に①を聴いた時は、アイオミ謹製の暗く沈み込むようなヘヴィ・リフの上に、グレンの陽性な歌唱が乗っかるそのミスマッチさに、どうにも違和感が拭えなかった。『SEVENTH~』の時はそんな風には感じなかったのだが、正調ブリティッシュHR路線を志向し、且つドラッグとアルコール依存症でヘロヘロだったグレンが雇われシンガー役に徹していたあの作品に比べ、今回は、初期サバスに通じるダークネスとヘヴィネス重視の作風なうえに、野心むき出しのグレンのVoが「これを機会にサクセスしたるでぇ!」とばかりに、前へ前へと押し出してくる事が違和感を強めてる要因か。
とは言え、一級のギタリストとシンガーが手を組んだ作品ゆえクオリティが低い筈もなく、また、当初感じられた違和感も聴き進めて行けば徐々に薄れていく。中盤以降は、『HEAVEN AND HELL』の頃を思わせる転調パートを備えた⑤、ポップな味わいも感じられる⑥、強力無比なグレンの歌唱が曲の持つ劇的さを引き立てる⑦、悲壮感に満ちたGリフが刻まれる⑧、本編屈指の名リフが疾駆する⑨、そして強烈な泣きを伴ってアルバムをドラマティックに締め括る荘厳なエピック・ソング⑩・・・と、様式美サバスを愛して止まない我が身が聴いても「流石トニー!」と惚れ惚れさせられる強力な楽曲が並ぶ。
まぁ、ロニーとかトニー・マーティンとか、もっと暗めの声質のシンガーが歌った方が、よりハマッたと思わなくもないけれどね。


TONY MARTIN - Back Where I Belong ★★ (2010-05-14 23:22:00)

BLACK SABBATHを追ん出されたトニー・マーティンが、二ール・マーレイ、ジェフ・ニコルズ、
ローレンス・コトルといったサバス時代の同僚や、QUEENのブライアン・メイ、SAXONのナイジェル・グロックラーら、
英国HR/HMシーンのベテラン・ミュージシャンの力を借りて制作、'92年に発表した1stソロ・アルバム。
Gリフやリズム・パターンは後期BLACK SABBATH風味ながら、サックスを導入し、お洒落なアレンジが
施されたOPナンバー①によく表れている通り、シンプルな音像の下、曲によってはホーン・セクションや
ゴスペル・コーラスを取り入れる等、HR/HMとは随分な距離を感じさせるライトな作風に仕上がっており、
例えば、本作にはBLACK SABBATH時代の名曲“JERUSALEM"のカヴァー⑬が収録されているのだが、『TYR』の中では
比較的ポップに聴こえたあの曲が、ここではかなりハードに響いて来る事からもの、その方向性は明らか。
とは言え、上記したOPナンバー①を手始めに、ブライアン・メイが流石の指捌きを披露するバラード③、
歯切れ良くロックする⑦、流麗なKeyの調べが心地良い⑩等、トニーが手掛けた収録曲のクオリティは
低くなく(いや寧ろ高い)、しかも、それを彼が潤い豊かに歌い上げるのだから、素晴しくないわけがない。
また、今回彼氏は全編でGも担当しているのだが、↑上で別の方が仰られている通り、これがなかなかのもの。
組曲形式で綴られるバラード⑤⑥でGを渋く泣かせる腕前なんて、素直に感心させられますよ。
様式美HM色は皆無だが、メロディ愛好家なら押さえておいて損はない1枚かと。


MOAHNI MOAHNA - Temple of Life - The Quest for the Unholy Sword ★★ (2010-05-09 21:57:37)

ブルージーなGリフに始まり、
フォーキーな民謡調パートを経て
最後は“THE SABBATH STONES"風に幕が下りる
ドラマティックな名曲。


MOAHNI MOAHNA - Temple of Life - Face the Light ★★ (2010-05-09 21:45:02)

重たいリフ&リズム、それにハモンドの音色から
スタートするアルバムOPナンバー。
要するに“ANNO MUNDI"ですね(笑)
弦楽器を纏って曲調がテンポUPするパートは
思わずガッツポーズ取りたくなる劇的さ。


MOAHNI MOAHNA - Temple of Life - Queen Shamar ★★★ (2010-05-09 21:33:17)

シングルとしてリリースされただけあって、
神秘的な歌メロを朗々と熱唱するVo、
エスニックなGリフ、優雅でクラシカルな弦楽器隊、
そして欧州民謡風味のメロディ・・・と、
このバンドの魅力全部入り。


MOAHNI MOAHNA - Temple of Life ★★ (2010-05-09 21:25:00)

WUTHERING HEIGHTSやEVIL MASQUERADEでの活動で知られる、ヘンリック・フライマン(G)によって結成された
スウェーデン出身のHMバンド(但しリズム隊はセッション参加)が'95年に発表したデビュー作。
トニー・マーティン似の熱唱型Vo(名前もマーティン)といい、神秘的且つドラマティックな風情を湛えた
楽曲の数々といい、名作『HEADLESS CROSS』や『TYR』を発表した頃のBLACK SABBATHを彷彿とさせる
様式美HMサウンドが詰め込まれた1枚で、その完成度の高さは、後期サバス・フォロワー群の中でもトップクラス。
Gリフにトニー・アイオミ程の冴えはないし、ダークな厳粛さも然程感じられはしないが、その分、本作では
モノホンのオーケストラや、欧州民謡調のメロディをドーンと導入、クラシカルな優美さや格調高さを増量して
独自色を主張。新人バンド(当時)ながら、デビュー作にして敢えて生オケに拘るその意気や良し、だ。
特に、エスニックなGリフとフォーク調のメロディ、それにクラシカルな弦楽器隊が疾走する④は、
MOAHNI MOAHNA版“THE LAW MAKER"とでも言うべき(?)、バンドの魅力の粋を結集した本編最大の聴き所。
個人的には、この名曲が聴けただけで本作を購入した価値あり。(他にも良い曲が揃ってるけどね)
トニー・マーティン在籍時代のBLACK SABBATHを愛する向きに強くお薦めする、様式美HMの力作。


MOAHNI MOAHNA ★★ (2010-05-09 21:23:00)

ヘンリック・フライマン(G、Key)とトミー・レーン(G)が中心となって、スウェーデンはティムローにて結成。
そこにマーティン(Vo)が加わる形でラインナップが完成し、本格的に活動を開始する。
ちなみにメインの3人以外は、必要に応じてスタジオ・ミュージシャンを起用する活動形態を取っていた模様。
'92年にデビューEP『FACE THE LIGHT』、'94年にシングル『QUEEN SHAMAR』を発表。
そして'94年に制作した初のフル・アルバム『TEMPLE OF LIFE』で日本デビューを飾る。
後期BLACK SABBATHを彷彿とさせる、神秘的でクラシカルな様式美HMサウンドが評判を呼ぶも
(確か、BURRN!!とかでも高得点を獲得していたような?)、音楽性を拡散させてしまった
次作『WHY』('97年)でズッコケ、そのままバンドは自然消滅。
リーダーのヘンリック・フライマンは、WUTHERING HEIGHTS参加を経て、現在は
自身が率いるバンド、EVIL MASQUERADEで活動中の筈。
実は評判の悪かった2ndアルバムって聴いた事がないのだが、今にして思えば聴いておけば良かったか。


SAXON - The Inner Sanctum ★★ (2010-05-09 00:29:00)

『FOREVER FREE』('92年)以降のSAXONのアルバムにハズレはないが、取り分け00年代突入以降は、全盛期の
名盤と比較しても何ら遜色ないハイレベルな作品を連発しており、特にこの17thアルバムはその中でも屈指。
圧倒的個性と説得力でもって聴き手を捻じ伏せるビフ・バイフォードのVo、力強く骨太なGリフ、タフでソリッドなリズム、
それに湿っぽくならない程度にフィーチュアされた憂いを帯びたメロディ(2本のGが良い仕事してます)とが、
一丸となって突き進む武骨で男気溢れるサウンドは、これぞ英国産HM!といったカッコ良さに満ち溢れ、
中でも、荘厳なイントロに導かれて走り始める劇的なOPナンバー①に始まり、地響き立てて爆走する
疾走チューン②を経て、本編最初のハイライトと言うべきメランコリックにして重厚、且つドラマティックな
名曲③へと雪崩れ込むアルバム序盤の見事な流れは、現在のSAXONが第2の黄金期にある事を端的に物語る完成度の高さ。
そして後半には、叙情的なインストの小曲⑨から繋がり、アルバムを壮大に締め括るエスニックなエピック・チューン⑩が
控えるという、全く持って隙のない構成。(大量に収録されたボーナストラックの存在は賛否分かれるかな)
ベテランらしい重厚感溢れる佇まいと、ベテランらしからぬ活きの良さが無理なく同居した逸品。
本作リリースに伴うLOUD PARK 07でのライブの盛り上がりっぷりも圧巻でしたね。


AGONY - The First Defiance - Deadly Legacy ★★★ (2010-05-08 01:09:09)

「スラッシュ!」のシャウトと共に
トリッキーなGリフが猛烈に走り始める
高速スラッシュ・ナンバー。
名リフが詰め込まれた『THE FIRST DEFIANCE』なれど、
印象度で言えば、この曲のGリフのカッコ良さはピカイチ。
ラス曲に相応しい劇的な曲展開も○。


AGONY - The First Defiance ★★ (2010-05-07 22:35:00)

英国人画家ジョン・マーティン晩年の大作として知られる、名画『神の大いなる怒りの日』を用いた
壮麗極まりないジャケット・アートワークと、裏ジャケのメンバーの毬藻パーマが強烈な印象を残す、
スウェーデンはストックホルム出身の5人組が、UNDER ONE FLAG RECORDSに残した唯一の作品。
2本のGが猛烈な勢いで刻み倒すエッジの効いたGリフ、威勢の良いシャウト型Vo、安定感と豪快さを併せ持った
リズム隊とがスリリングに絡み合いながら突進する、インテレクチュアルなスラッシュ・サウンドを
身上とするバンドで、複雑なリフ/リズム・チェンジが組み込まれた楽曲群を覆う、
ダークで湿った雰囲気は如何にも北欧的だが、ドラマティックと言うにはメロディや曲展開に
少々愛想が欠ける辺り、英国産スラッシュ(とNWOBHM)に近いノリも感じられたり。
個人的にはややストライク・ゾーンからは外れる音楽性なのだが(Gソロにもう少し華があればなぁ)、
とにかくこのバンド、切れのあるリフ・ワークとドカドカと豪快に鳴りまくり、全編をスピーディに牽引する
Dsのカッコ良さが半端じゃない。特に、ARTILLERY辺りに通じるGリフのクールさは本作の肝。
ラストを締め括る⑧なんて、頭に「超」付けたくなる名曲っすよ。
正規盤には高額なプレミアが付いてしまっているので、今となっては入手が困難な作品ゆえ、
METAL MIND辺りが頑張ってくれて、リマスター盤再発に漕ぎ付けてくないかなー。


AGONY ★★ (2010-05-07 22:32:00)

'84年、スウェーデンはストックホルム近郊の街ソルナにて誕生(当初はAGONIと名乗っていたのだとか)。
2本のデモテープ『EXECUTION OF MANKIND』『MFN』と、1枚のスタジオ・アルバムのみを残して解散した
短命なバンドだったが、未だにマニア筋からの評価は高く、彼らがMUSIC FOR NATIONS傘下の
UNDER ONE FLAG RECORDSから'88年にリリースしたデビュー作の正規盤は、中古盤市場において
非常に高価な価格で取引されている。個人的にこのバンドの名前はROADRUNNER RECORDSの
コンピ盤『STARS ON THRASH』で初めて知ったが、本作の入手にはドえらく苦労させられた覚えあり。
尤も、現在は安価なリプロ盤が出回っているので、聴く事自体は然程難しくないと思われ。
また、テクニカルなスラッシュ・サウンドのカッコ良さと併せて本作を語る上で外せないのが、
荘厳なジャケット・アートワークの美しさ。不遇の英国人画家、ジョン・マーティン
(ANGEL WITICHがこの人の代表作の一つ『万魔殿の堕天使』をデビュー作のジャケットに使ってましたね)
の晩年の傑作として知られる、『大いなる神の怒りの日』が使用されており、
これはCDじゃなくてレコードで持っていたいよなぁ、と。


SABBAT (日本) - Sabbatical Holocaust ★★ (2010-05-06 21:35:00)

リリース当時、ベスト盤かと思って購入したら、実は'85年から90年にかけてSABBATが発表した5枚のEP
(+ライブ音源3曲)を、CD1枚にまとめた初期音源集だった事が後に判明。とは言え、初期SABBATの音楽的変遷を
手軽に振り返れる、後追いファンには便利極まりない作品である事に間違いはないので、結果オーライ。
まぁ、ブックレットに堂々と記されている通り、板起こし音源のオフィシャル・ブートレッグゆえ音質はお世辞にも
良好とは言えないが、そもそもプロダクションに拘る人がSABBATを聴くとも思えないので(失礼)これでいいのだ。
VENOMやBATHORYに通底する、禍々しく鋭利なGリフが疾走する、サタニックな雰囲気漂う楽曲の数々は
文句なしのカッコ良さで、それでいてGが紡ぎ出すメロディには日本のバンドならではの構築美が宿っており、
70分オーバーの長尺な収録時間にも関わらず、捨て曲の類は皆無。個人的には、よりスラッシュ・メタル色を強めた
『BORN BY EVIL BLOOD』('87年)以降の楽曲がツボで、取り分け、最低且つ最高なジャケット・アートワークが
目印のEP『THE DEVIL'S SPERM IS COLD』('89年)収録曲⑧⑨のカッコ良さは出色。
正直、本作はSABBAT入門編には向かないように思うが(最初に聴くなら2nd『EVOKE』辺りがお薦めかな)、
ブラック/サタニック・メタル好きなら購入して損はない1枚かと。


HARMONY - Dreaming Awake ★★ (2010-05-05 17:37:00)

日本デビュー作となった、2nd『CHAPTER Ⅱ:AFTERMATH』が各所で高く評価された
スウェーデン出身の5人組HMバンドが、'03年にMASSACRE RECORDSからリリースしていたデビュー作。
北欧のバンドらしい叙情性と冷気は保ちつつ、へヴィネスとダークネスを増量して、よりパワー・メタル色を
強めた『CHAPTER~』に比べると、本作はオーソドックスな北欧ネオクラ・メタル寄りの作風で、
コブシの回りまくるVoの歌いっぷりもあって、ヨラン・エドマン在籍時のイングヴェイ・マルムスティーンを
彷彿とさせる部分多し。(ブルーズ色は皆無だけどね)
特に、短いインスト曲をイントロに配して疾走するスピード・チューン②⑦は、劇的なメロディを流麗に紡ぎ出すGといい、
楽曲全体を華やかに/冷やかに彩るKeyといい、そして何より「これぞネオ・クラシカル!」といった趣きのメロディを
コブシを効かせて歌い上げる強力なVoといい、北欧メタル・ファンなら思わず歓声を上げること必至の名曲。
次作に比べると、後半にこれといったキメ曲がない事、クオリティは高いものの全体的に楽曲が無駄に長く
(半数以上の楽曲が6分越え)、通して聴くとややダレる等の弱点も目に付くが、そうしたポイントも
2ndアルバムではちゃんと修正されている辺り、このバンドの潜在能力の高さが伺えて頼もしい。
とりあえず、『CHAPTER Ⅱ:AFTERMATH』が気に入った人なら購入しておくべき1枚かと。


ANVIL - Forged in Fire ★★ (2010-05-04 22:31:00)

意表を突いて、妖しくドゥーミーなヘヴィ・チューンで本編の幕が開く'83年発表の3rdアルバム。
と言っても、おどろおどろしいリップスの歌唱が映えるその①は、現在でもライブに欠かす事の出来ない
ANVILの代表曲の一つだし、それ以外にも本作には、より雄弁に歌うようになったリップスのVoと、音数の多い
ロブ・ライナーのドラミング(ちょっと不安定だけどね/笑)を活かして前へ前へと押し出してくる、
彼ららしいパワフル且つキャッチーな名曲・佳曲がズラリ顔を揃えている。
スラッシュ・メタル勃興に大きく貢献した、前作『METAL ON METAL』に比べると幾らか荒々しさは減ったものの、
その分、重厚感、整合性、それに金属的色艶は格段に増しており、ちょっとRAVENの『ALL FOR ONE』を
思い起こさせる方向性かな、と。(そういやANVILの映画にちらっとマーク・ギャラガーが出てましたね)
前述の①、スラッシーなスピード・ナンバー②⑨、IRON MAIDENの“WRATHCHILD"を彷彿とさせる⑤、NWOBHM風の⑧、
猛々しく畳み掛ける好戦的なラスト・ナンバー⑩・・・といった楽曲も強力な仕上がりだが、
個人的に本編のハイライトは勇ましくドラマティックな名曲③で決まり。これを聴くと、前作からバンドが
その作曲能力(とアレンジ・センス)に、しっかりと磨きをかけてたことが良く分かります。
全盛期のANVILの勢いが封じ込められた『METAL ON METAL』にも引けを取らない力作。(本作発表後、初来日)
せっかく映画を切っ掛けに再評価の機運が高まっているのだから、この時期の作品の国内盤を
まとめてリリースしてくれると嬉しいんだけどなぁ。


ANVIL - Forged in Fire - Winged Assassins ★★ (2010-05-04 22:30:02)

唸りを上げるB主導で重心低く突進する、
アルバムのラスト・ナンバー。
これより速い曲は同アルバム中にも存在するが、
攻撃性にかけてはこの名曲が一番。


ANVIL - Forged in Fire - Free as the Wind ★★★ (2010-05-04 22:22:27)

従来のANVIL流メタルとは趣きを異する
どちらかと言えば様式美HM寄りのナンバー。
個人的に彼らの作品で一番好きなのは
『METAL ON METAL』だけど、曲単位なら
このドラマティックな名曲が一番好きだ。


ANVIL - This Is Thirteen - THUMB HANG ★★ (2010-05-04 17:32:29)

ANVIL結成後、最初に書かれたという楽曲。
映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」の中で
その存在について語られた事で、CDにオマケ収録される運びとなった。
スペインの宗教裁判について歌ったという
おどろおどろしい雰囲気漂うドゥーミーなヘヴィ・ナンバー。
良い曲です。


ANVIL - This Is Thirteen ★★ (2010-05-04 17:20:00)

映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』を見た帰りに思わず購入してしまった
ANVIL13枚目のアルバム。(考えてみりゃ彼らの作品を購入したのは90年代以来、実に久し振りだ)
で、現在。映画のDVDはほぼ毎日のように視聴しているのだが、本作を聴き直す機会はあまりない。
↑上のお二方が仰られている通り、ANVIL作品としての完成度は「並」レベルだし、いくら『THIS IS THIRTEEN』たって
全13曲収録は詰め込みが過ぎるでしょう・・・ってのが正直な感想で、映画の反響がモチベーション的にも
制作環境的にも反映されるであろう、次作『JUGGERNAUT OF JUDGEMENT』こそ真の勝負作かな、と。(期待期待)
とは言え本作が救い難い駄作かっつーと、当然そんな事はなく、現代版“FORGED IN FIRE"といった趣きの
ヘヴィなアルバム表題曲①や、よく歌うGが印象的な疾走チューン⑥、映画の中で劇伴として使用されていた⑫⑬辺りは
なかなか聴き応えがあるし、何よりのトピックは、劇中において「幻の楽曲」として語られていた
“THUMB HANG"がボーナス・トラックとして収録されている事。先だっての来日公演でも披露されていた、
彼らのBLACK SABBATH愛が伺える、このドゥーミー且つ劇的な名曲が聴けるだけでも本作は購入する価値有り。
ANVIL13枚目のアルバムとしてよりも、映画のサウンドトラックとして楽しめる1枚かな。


SERENITY - Words Untold & Dreams Unlived - Forever ★★★ (2010-05-01 00:21:50)

リリカルなKeyにキレのあるG、
泣きの入った歌メロに重厚なリズムが心地良く疾走する、
このバンドならではの魅力に溢れた名曲。
邦題は“無限"


SERENITY - Words Untold & Dreams Unlived - Engraved Within ★★★ (2010-05-01 00:19:31)

邦題は“務験"
Key大好き人間としては、冒頭の流麗なKeyプレイだけで
ご飯おかわり三杯は可能。
楽曲自体、起承転結を伴ってドラマティックに展開する
隙のない仕上がりで文句なし。


SERENITY - Fallen Sanctuary - Words Untold & Dreams Unlived (2010-05-01 00:09:55)



SERENITY - Words Untold & Dreams Unlived ★★ (2010-04-30 23:50:00)

オーストリアは、西部チロル地方ヴェルグル出身の5人組プログレッシブHMバンドが、
'07年にNAPALM RECORDSから発表した1stアルバム。(邦題は『夢言』)
音楽雑誌や、このサイトにおいても高評価を獲得したノルウェーのCIRCUS MAXIMUSと同時期に、
同じレーベル(サウンド・ホリック)から日本デビューを飾り、且つ演ってる音楽も「ポップな
ヴォーカル・メロディにも気を配った、独り善がりにならないキャッチーなプログレ・メタル」
という類似性を備えながら、CIRCUS MAXIMUSの『ISOLATE』に比べると悲しいぐらい話題にならなかった本作。
どっこい、要所にインストの小曲を配して、本編全体をドラマ性たっぷりに物語っていく構成といい
(コンセプト・アルバムってわけではない様だが)、各曲に付けられた仰々しい邦題が決して大袈裟には感じられない、
細部まで練り込まれたドラマティックな楽曲の数々といい、そのクオリティは決して馬鹿に出来たものではない。
取り分け、流麗且つ潤いに満ちたKey、キレのあるメロディックなG、重厚なリズム、そして憂いを帯びたVoとが
一体となって、劇的なドラマを構築していく⑤⑥なんぞ、プログレ・メタルとメロディック・パワー・メタルの
味わいが程好く織り交ぜられた、このバンドならではの名曲かと。
ジャンル・ファン以外にもアピールし得る魅力を備えた力作。CIRCUS MAXIMUSのアルバムが気に入った方はご一緒にどうでしょ。


EMIR HOT - Sevdah Metal - Stand and Fight ★★ (2010-04-29 19:50:26)

さめざめと泣くアコギと
ジョン・ウェストのVoを用いて
上手く曲調に起伏が演出されたバラード。


EMIR HOT - Sevdah Metal - Endless Pain ★★ (2010-04-29 19:41:21)

セヴダのメロディと様式美HM然とした曲調が
上手く組み合わされた、エミール・ホットが目指す
「セヴダ・メタル」なるサウンドが
非常に判り易く示された1曲かと。


EMIR HOT - Sevdah Metal - You ★★ (2010-04-29 19:37:46)

本編ラストに鎮座まします
8分以上に及ぶ大作ナンバー。
女性Voの導入が楽曲の持つ
幻想的な雰囲気を強化。
ジョン・ウェストの熱唱も映える。


EMIR HOT - Sevdah Metal ★★ (2010-04-29 11:28:00)

ボスニア・ヘルツェゴビナ(旧ユーゴスラビア)出身のミュージシャンというと、勉強不足ゆえミシャ・カルヴィン
ぐらいしか思いつかないのだが、このエミール・ホットなるギタリストもなかなかの逸材。
ジョン・ウェスト(Vo)にマイク・テラーナ(Ds)という実力派ミュージシャンのバックアップを受けて
制作された、本ソロ・デビュー作で披露されているのは、時に賑々しく、時に猛烈な哀愁を発散しながら楽曲を彩る
ボスニア/中央・東部地方発祥の民俗音楽「セヴダ」のメロディを大胆に導入した、スピーディでクラシカルな様式美HM。
特に、起伏に富んだ泣きのバラード⑥、エキゾチックなメロディを撒き散らしながら疾走する⑦、
そして女性Voの導入がドラマティックな効果を上げている、本編のハイライトたる大作ナンバー⑩といった楽曲は、
聴いているだけで東欧の寒々とした自然や街並みが目に浮かんでくるような、エミール・ホットの目指す
「セヴダ・メタル」なるサウンドが、高いレベルで表現された名曲じゃないかと。ジョン・ウェストと
マイク・テラーナのサポートっぷりもナイス。(ただ、ジョンはまた随分と声質が変わった印象)
音質がイマイチな点と、一部楽曲ではセヴダのメロディがチープに聴こえてしまう点は要改善なれど、
ともあれ、この人にはこの路線を極めて欲しい。目指せ第2のスティーヴン・アンダーソン(?)


EMIR HOT ★★ (2010-04-29 11:26:00)

旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)、ツズラ出身で、現在はロンドンを拠点に
活動中というギタリスト。てっきり若手ミュージシャンかと思いきや、写真を見ると
結構ベテランっぽい雰囲気で、実際、80年代末からバンド活動を開始し、地元ではTVドラマの
サントラを手掛けるなど、既に確固たる地位を築いているとのこと。
ボスニア/中部・東部バルカン地方のトラッド音楽「セヴダ」(ポルカに似てる)と、
ネオ・クラシカル風味の様式美HMとの融合を図ったアルバム『SEVDAH METAL』で
ソロ・デビュー。国内盤もリリースされたが、サウンド・ホリックが会社を畳んでしまったので現在は廃盤・・・。


STORMWARRIOR - Heading Northe ★★ (2010-04-27 21:52:00)

社長の急逝に伴いサウンド・ホリックが会社を畳んでしまったため、徳間ジャパン・コミュニケーションズを通じて
配給されていた、同レーベルのカタログ全てが廃盤になる・・・との話を聞いて、慌てて購入を後回しにしていた
対象作品を買い漁っている今日この頃。その流れの中で入手したのが、STORMWARRIORが'08年に発表したこの3rdアルバム。
嘗て彼らのデビュー作を聴いた時は、もっさいジャケットに下手っぴぃな歌といい、好印象を持った記憶がないのだが、
あれから早幾年月、いつの間にやら本格派メタル・バンドとしての風格を身に付けていて吃驚。化けたなぁ。
HELLOWEEN~GAMMA RAYの流れを汲む、ティピカルなメロパワ・サウンドに加えて、今回は北欧神話と海賊を
題材に取ったコンセプト作ということで、全体的にヴァイキング・メタル風味が大幅増量。大仰なSEやKeyを
効果的に取り入れ、序曲に始まり終曲に終わる芝居掛かった構成といい、本編及び各楽曲に宿る
ドラマ性/スケール感が飛躍的に向上。特に、血沸き肉踊る勇壮極まりないスピード・チューン②⑧、
マッチョなBラインが印象的な④、吹き鳴らされる角笛に思わず血が滾る⑥、メンバーがBATHORYからの影響を告白する
ダークで重厚なヴァイキング・メタル・チューン⑦、MANOWARばりに劇的な大作⑨・・・といった楽曲の完成度は出色。
骨太な楽曲に比べると、線の細いVoのパワー不足が惜しまれるが、まぁぶち壊しって程でもないので許容範囲内。
メロスピ/メロパワ好きのみならず、一般的なHR/HMファンにアピールし得る説得力を備えた1枚ですよ。


SACROSANCT - Truth Is - What Is - Truth Is What Is ★★ (2010-04-24 10:12:47)

スラッシュ・メタルならではの疾走感と、
このバンドらしい捻くれた曲展開、
それに凝ったアレンジが堪能できる
アルバムのハイライトを飾る7分以上に及ぶ大作曲。
縦横無尽に動き回るツインGも○。


SACROSANCT - Truth Is - What Is - Dimension Of Violence (2010-04-24 09:58:00)

上擦り気味のVoと線の細いDsがやや不安定ながら
(このバンドにしては)ストレートに疾走する楽曲は
単純にカッコイイ。


VEKTOR - Black Future ★★ (2010-04-21 22:34:00)

労作の割りにチープな印象が拭えないジャケット・アートワークや、70分に迫る勢いの長大過ぎる
収録時間に尻込みしつつ聴き始めた作品だったが、いやいや、これが素晴しいの何のって!
VOIVODやDESTRUCTIONといったバンドが比較対象に挙げられており、実際、首絞められた鶏の断末魔みたいな
Voはシュミーアを、理系の歌詞世界、プログレッシブでフューチャリスティックな雰囲気漂う
楽曲の数々はVOIVODを彷彿とさせる本作。それでいて敷居の高さを感じないのは、テクニカルな楽器陣が
生み出す張り詰めたテンションの高さ、複雑なテンポ・チェンジを難なくこなしつつ、タイト&キャッチーに
疾走するリズム隊、そしてフラッシーに弾きまくるだけでなく、楽曲にきっちりとフックを構築するGコンビの
素晴しい仕事っぷりゆえ。中でも、時にスリリングに絡み合い、時に劇的に重なり合うツインGは本作最大の
聴き所。特に、小爆発を何度も繰り返しながらクライマックスへと昇り詰めて行く10分以上に及ぶ大作④⑨は、
変則的に動き回る音数の多いGリフのカッコ良さといい、エキセントリック且つドラマティックな曲展開の妙といい、
心揺さぶられる激情に満ちたメロディックなGソロといい、このバンドの何たるかを端的に示す必殺の名曲。
その他の楽曲も押し並べて完成度は高く、前述した通り全9曲収録で70分弱というボリューミーな内容にも関わらず、
中弛みを殆ど感じさせない手腕は大したもの。(曲展開はもう少し整理した方が良かったと思うけどね)
ともあれ国内盤が出ていてもおかしくない、立派なクオリティを誇る1枚。つか今からでも国内盤出そうよ。


VEKTOR ★★ (2010-04-21 22:31:00)

ツインG編成で、Vo兼Gのデヴィッド・デサントを中心に結成された、
アリゾナ州テンペ出身の4人組テクニカル・スラッシュ・メタル・バンド。
自主制作の1st『DEMOLITION』と、デモテープ2本を発表した後、リズム隊を刷新して'09年末に
HEAVY ARTILLERY RECORDSから2nd『BLACK FUTURE』を発表、これが世界各地で好評を博する。
メンバーが告白する通り、変則的に動き回るGリフから、耳に引っ掛かる不協和音の使い方、
科学、宇宙をテーマに取り上げた理系の歌詞、そしてバンド・ロゴに至るまでVOIVODからの影響が色濃い
音楽性ながら、若手スラッシャーらしいはっちゃけた疾走感と、激しくも悲哀に満ちた叙情メロディを
紡ぎ出す、メロディックなツインGの存在が前面に押し出されているため、VOIVODに比べると
かなりキャッチーで聴き易く、ずっと正統派ヘヴィ・メタリックな作風がその持ち味。
また、楽曲によっては『ETERNAL DEVASTATION』の頃のDESTRUCTIONを思わせる部分もあり。


WILDFIRE - Summer Lightning - Screaming in the Night ★★ (2010-04-17 01:10:08)

鋭角的且つメロディアスに絡み合う
ドラマティックなツイン・リードGが美味しい名曲。
確かな実力を備えたシンガーながら、
いかにもNWOBHMチックな垢抜けない哀愁を漂わせた
ポール・マリオ・デイの歌いっぷりも見事。


WILDFIRE - Summer Lightning - The Key ★★★ (2010-04-17 01:05:35)

2本のGが劇的にハモるインスト曲
“PRELUDE IN F FLAT MINOR"を経て疾走を開始。
英国然とした煮え切らない歌メロ、伸びやかに絡み合う
メロディアスなツイン・リードG、そして起承転結を兼ね備えた
ドラマティックな曲展開・・・と、「これぞNWOBHM!」と
思わずガッツポーズ決めたくなる名曲。
よりハードになったPRAYING MANTIS的な感触もあり。


WILDFIRE - Summer Lightning ★★ (2010-04-15 23:05:00)

IRON MAIDENの初代フロントマンとして知られ、またMOREのシンガーとして第2回MONSTERS OF ROCKにも
出演したポール・マリオ・デイ(Vo)や、元WEAPONのジェフ・サマーズ(G)、ブルース・ビスランド(Ds)といった
中堅ミュージシャン連中によって結成された5人組HRバンドが、'84年にMAUSOLEUM RECORDSから発表した2ndアルバム。
如何にも英国的な雰囲気漂う、煮え切らないメロディを熱唱するVoに、伸びやかに絡み合うメロディアスな
ツイン・リードGが疾走する、「これぞNWOBHM!」なサウンドが詰め込まれた本作は、マニア筋からの評価も
非常に高く(雑誌等でNWOBHMの特集が組まれると「必聴の名盤」として選出される機会多し)、取り分け、
分厚いGハーモニーに導かれてスタートする、起承転結がバッチリ決まった劇的な疾走チューン②は、
NWOBHMを語る上で欠かす事の出来ない名曲の一つ。それ以外にも、勇ましくアグレッシブな④、2本のGが
鋭利且つ軽快に動き回る正統派へヴィ・メタリックな⑪を手始めに、本編は秀曲揃いで捨て曲の類は一切なし。
またこのバンドの場合、NWOBHMと聞いて想起される暗さや湿気っぽさが薄く、ポップに弾む⑥のような楽曲を
収録する等、抜けのいいノリの良さを備えている点もポイントか。尤も、こうした楽曲においても
どこか明るくなりきれない曇天模様の雰囲気が漂ってくる辺りが、やはり英国のバンドだなぁ、と。
尚、本作発表後にバンドは解散。Voを除くメンバーはゲイリー・バーデンが立ち上げたSTATETROOPERに合流する事となる。


ROYAL BLISS - Life In-Between - Finally Figured Out ★★★ (2010-04-09 23:51:18)

ミカエル・アーランドソンの名曲“IT'S ALRIGHT"を
彷彿とさせる、メソメソと女々しい(褒め言葉)
泣き虫バラードの名曲。
前曲“POCKET OF DREAMS"からの繋ぎが
また素晴しいんだわ。


STATETROOPER - The Calling ★★ (2010-04-09 23:38:00)

よもやの再結成を果たしたSTATETROOPERが、'02年に発表した2ndフル・アルバム。
流石に「オリジナル・メンバー全員集合」というわけには行かなかったようだが、ぶっちゃけこのバンドは
ゲイリー・バーデン(Vo)とジェフ・サマーズ(G)さえ居ればそれでOKなわけで、セルフ・タイトルの1stフル同様、
本作もまたゲイリーの歌メロ作りの上手さと、ジェフの曲作りの上手さが巧みに組み合わさった、メロディアスHRの
好盤に仕上がっている。(プロデューサーを務めたマイケル・ヴォスの貢献も大きいのかな)
Keyのフィーチュア度が下がったぶんGサウンドが強調された作風は、前作に比べ随分とヘヴィさを増した印象で、
個人的にはポップな躍動感やキャッチーさが薄れてしまった点は残念でならないが、とは言え、如何にも英国の
バンドらしい翳りと、大仰にならない程度のドラマ性を備えた楽曲は聴き応え十分だし、伸びやかに歌い、
曲中にフックを作り出すジェフ・サマーズのメロディアスなGプレイ、嘗てよりグッと歌唱力を高めたゲイリーの
味わい深いVo、共に全く往年の輝きを失ってはいない。特にゲイリーの場合、若かりし頃から
オッサン声だったせいか、加齢による声質の劣化が殆ど感じられない事もプラスに作用しているような?
(老け顔の少年が年を取ると、逆に若く見えるみたいな感じ?)
1stアルバムに匹敵する内容だとは思わないが、聴けば聴くほど味が出てくる、ベテラン・バンドらしい
燻し銀の魅力を備えた1枚。


SODOM - M-16 ★★ (2010-04-06 22:26:00)

アルバム・タイトルから曲名、ジャケット・デザイン、THE TRASHMENの代表曲(映画『フルメタル・ジャケット』で
お馴染みの)“SURFIN' BIRD"のカヴァー、それに「戦争」をテーマに据えた歌詞の数々に至るまで、
トム・エンジェルリッパーのミリオタ魂が全編に渡って炸裂しまくった、'01年発表の11thアルバム。
SLAYERばりにファスト&ブルータルなスラッシュ路線への帰還がファンから歓迎された前作『CODE RED』に比べ、
重厚感と緩急の演出に重きの置かれた本作はかなり評価が分かれる様子なれど、とは言え、殺伐としたGリフが
刻まれる④を筆頭に、高い殺傷力を誇る高速スラッシュ・ナンバーはしっかりと健在だし、ミドル/スロー・テンポの
楽曲にしても、ちゃんと疾走パートが組み込まれているので、全編を貫く突撃感覚に鈍りは全く見られない。
というか寧ろ、好戦的な楽曲の数々が撒き散らす殺気や狂気、そして何より「SODOMらしさ」に関しては
完全に前作を上回っているように思うのだが・・・どうでしょう?
また、全体的にテンポが抑え気味になった分、バーネマン(G)のメロディ・センスの良さや、攻撃的でありながらキャッチー、
それでいて戦う漢の哀愁まで伝える、トムの濁声Voのスペシャルさがこれまで以上に際立っている点もポイントかと。
取り分け、ダイナミックに迫り来る①、冒頭でキルゴア中佐が名言を発してくれる③、重心低くパワフルに
押し出してくる⑦といった、両者の魅力が如何なく発揮された楽曲のカッコ良さには心底ゾクゾクさせられますね。
METALLION誌において「00年代の名盤300選」に選出されたのも大いに納得の行く1枚。


ROYAL BLISS - Life In-Between ★★ (2010-04-01 23:27:00)

メンバーを襲った数々の不運を乗り越えて、ユタ州出身の5人組が
米メジャーのCAPITAL RECORDSから'09年に発表した2ndフル・アルバム。
NICKELBACKもどきのエモ系ロック・バンドかと思いきや、あにはからんや。これが実に日本人好みの
哀愁に満ちたメロディアスHRを聴かせてくれる連中で、中音域をメインに歌い上げるVoの歌唱スタイルや
濁ったGの音色こそ今風だが、「悲劇と美に彩られたメランコリー・ロックンロール」なる大仰な帯の叩き文句通り、
ノリ重視のグルーヴィーなロック・チューンを排し、ひたすら「哀愁」に特化された叙情的な楽曲の数々は、
時に80年代メロハーに通じる魅力を放ち、個人的にはNICKELBACKの諸作よりも好みだったり。また物悲しい反面、
どこかメロディが乾いていて、湿気っぽさが感じられない辺りはやはりアメリカのバンドだなぁ、と。
総じてバラード系の楽曲の方が完成度は高いが、ボーナス・トラックも含めて全13曲収録で、捨て曲はなし。
中でもミカエル・アーランドソンの初期ソロ作を彷彿とさせるおセンチな⑤は、メロディ愛好家なら
一聴の価値がある、女々しくも(褒め言葉)心打つ泣きの名曲。
流行もんだからって舐めてかかっちゃ行けませんね。


OVERKILL - Ironbound - Bring Me the Night ★★★ (2010-03-28 21:45:12)

スラッシュ・メタルというよりは、
スピード・メタルと評したい、
NWOBHMの薫りが漂ってきそうな名曲。
ボビー・ガスタフソン脱退以降、
ここまで即効性の高い楽曲は久々に聴いたような。


OVERKILL - Ironbound - Ironbound ★★★ (2010-03-28 21:39:45)

本編序盤のハイライトを飾るアルバム表題曲。
肉厚なGリフや、噛み付くように歌うブリッツのVoの
ハイテンションなカッコ良さ、タイトにしてソリッド、
それでいて体に訴えかけて来るノリの良さをも兼ね備えた
リズム隊、そしてトドメに劇的極まりないツイン・リードGを
フィーチュアしたインスト・パート・・・と、
まったく隙のない構成には白旗を揚げるしかない名曲。


OVERKILL - Ironbound - The Green and Black ★★★ (2010-03-28 21:34:33)

お馴染みD.D.ヴァーニのごついBに牽引される形で
激走するアルバムのOPナンバー。
8分以上ある大作曲にも関わらず、マッドなブリッツのVoと
楽器陣のキレのある演奏が生み出す猛烈な突進力をもって
全くダレを感じさせない。
楽曲にフックを作り出すメロディックなGソロも○。


OVERKILL - Ironbound ★★★ (2010-03-28 02:15:00)

ボビー・ガスタフソン(G)脱退以前と以後のOVERKILLでは、断然前者の作品群を愛して止まない我が身だが、
'10年に発表された、この最新15thアルバムの圧倒的クオリティには心底度肝を抜かれましたよ。
特に、豪快に本編OPを蹂躙する①、疾走するツイン・リードGがガッツポーズ物の劇的さを誇る②、そして、
古き良きスピード・メタル・チューンの風情漂わす③という冒頭の3連発は、マッドでスピーディでソリッド、
それでいてキャッチーという、現行OVERKILLの魅力の全てが詰め込まれた名曲揃い。彼らが80年代に発表した
名作の数々だって、ここまで強力な「掴み」を有してはいなかったような?
上記3曲のインパクトが強すぎるせいで、後続の楽曲の存在が霞みがちな点は痛し痒しなれど、どっこい、
初期IRON MAIDENばりに威勢良くハジける⑥、独産パワー/スラッシュ・メタリックなGリフが鋭利に刻まれる⑨、
そしてラストを激烈に締め括る⑩と、中盤以降も逸曲揃いゆえ、テンションは最後まで高いラインを維持。
また、攻撃的な作風とは裏腹に、収録曲の半数近くが6分越えを果たすという大作主義が貫かれた内容だったりも
するのだが、立ち塞がるモノ全てを薙ぎ倒すが如き突進力と、しっかりと構築されたメロディアスな
ツインGが演出する、欧州HM風味のドラマ性が楽曲を引き締め、冗長に感じられる場面も皆無ときたもんだ。
間違いなく、ボビー・ガスタフソン脱退以降のOVERKILLの最高傑作。名盤と名高い3rd『UNDER THE INFLUENCE』』や
4th『THE YEARS OF DECAY』に匹敵する完成度と言っても褒め過ぎじゃないのでは?


DESTRUCTOR - Sonic Bullet ★★ (2010-03-21 23:26:00)

以前にフラッとCD屋に立ち寄ったら、輸入盤コーナーにこの作品が置かれていて「DESTRUCTORって再結成してたんかい」
と驚かされた、'02年発表の2ndフル・アルバム。(実は既に3rdアルバムもあると知って更に吃驚)
で、早速購入して聴いてみたら、これがマシンガンの如く刻まれるGリフといい、力任せにタイコぶっ叩いてます
ってな趣きのリズムといい、青筋立てて喚き倒すVoといい、20年近く前のデビュー作『MAXIMUM DESTRUCTION』の作風を
頑固に受け継いだ、武骨な男気メタル・サウンドが全編に渡って貫かれており、その不変っぷりに笑うやら感心するやら。
勿論何も変わってないわけではなく、流石にテクノロジーの進歩もあって音質は向上しているし、デイヴ・オーバーキルの
Voが、以前よか幾らかメロディをなぞって歌っているので、スラッシュ色より正統派のパワー・メタルっぽさが
強く感じられるのも本作の特色の1つ。人によってはデビュー作より取っ付き易いと思うかも。
ただ威勢の良さは買うのだが、再結成第1弾作品という事で力み過ぎたのか、前作の収録楽曲には備わっていた
「キャッチーさ」が薄れてしまっている点はマイナス。(①とか、もうちょっとメロディにフックが欲しい)
重厚な迫力に満ちた③辺りは十分カッコイイ楽曲だし、復活作としての及第点はしっかりクリアしてる内容だとは思うけどね。


DESTRUCTOR - Maximum Destruction - Overdose ★★★ (2010-03-20 18:17:26)

スラッシュ・メタル然とした疾走感を誇る
アルバム随一のスピード・ナンバー。
鋭角的なGリフと突っ込み気味のリズム、
威勢良く弾きまくるGにテンション上がりまくり。


DESTRUCTOR - Maximum Destruction - Destructor ★★ (2010-03-20 18:13:20)

ヒステリックなシャウトに、派手に弾き倒すG、
力任せに突っ走るリズムと、このバンドの魅力が
判り易く詰まった、血沸き肉踊るバンドのテーマ・ソング。


DESTRUCTOR - Maximum Destruction - Maximum Destruction ★★ (2010-03-20 18:09:10)

破壊音とバンド名の連呼という
判り易過ぎるイントロ“PRELUDE IN SLEDGE-MINOR"を
皮切りにスタートするアルバム表題曲。
地を這うかの如きヘヴィネスを備えた曲調が
初期METAL CHURCHを思わす名曲で、
「長崎」「広島」といったキーワードも登場。


DESTRUCTOR - Maximum Destruction ★★ (2010-03-20 18:03:00)

オハイオ州にて結成され、80年代にはアンダーグラウンド・レベルながらそれなりに人気を博した4人組
パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、米インディーズのAUBURN RECORDSから'85年に発表した1stアルバム。
このバンド名、このアルバム・タイトル、そして、スタッド&レザーに棘棘リスト・バンド、ガンベルトと
チェーンで武装した、むくつけきメタル馬鹿4人がポーズを決めたジャケット・アートワークから想像される通りの
ガッツと男気漲るパワー・サウンドが詰め込まれた本作は、TANKやRAVENといったバンドを更にスラッシュ・メタル
寄りにしたかの如き騒々しさと突進力を誇り、曲によっては、1st~2nd期のOVERKILLを彷彿とさせたりも。
インディーズ作品ゆえサウンド・プロダクションはかなりしょっぱいが演奏は結構安定しており、特に、
ヒステリックに喚き立てるVo、高速回転する鋸状のGリフの刻みから、派手なソロまで威勢良くこなす2本のG、
強引に前へ前へと押し出してくるリズム隊といった、このバンドならではの魅力がギュッと凝縮された
冒頭3曲は出色の出来栄え。本編随一のドラマ性を誇る⑥、アホだが(笑)カッコ良さは否定できない
⑦といった後半に置かれた楽曲の完成度も高く、全7曲収録で捨て曲はなし。
攻撃的なだけでなく、各曲がそれぞれキャッチーな味わいを備えている点もポイントかと。
「洗練」「お洒落」等のキーワードとは100万光年かけ離れた垢抜けさゆえ、万人向けではないものの、
個人的には隠れた名盤として愛して止まない1枚。「ああ、そういやちょっとPILEDRIVERに似てるかも」
と言われて、今ピクっと食指が反応した貴方には自信を持ってお薦めする次第。


DESTRUCTOR ★★ (2010-03-20 18:00:00)

80年代初頭にオハイオ州はユークリッドにて、Vo兼Gのデイヴ・オーバーキルを中心に結成。
積極的なライブ活動とデモテープ制作で知名度を高め、'84年にAUBURN RECORDSと契約。
翌年、同レーベルから1st『MAXIUM DESTRUCTION』を発表してデビューを飾る。
このアルバムはROADRUNNER RECORDSを通じてヨーロッパ方面にも配給され高評価を獲得。バンドは直ちに
2nd『DECIBEL CASUALTIES』の制作に取り掛かるが、'88年の正月、ベース・プレイヤーが刺殺される
という大事件が発生。この悲劇にレコード会社とのトラブルが重なり、バンドは活動を停止。
尚、未発表に終わった2ndアルバムの音源は、90年代末に再発された1stアルバムに
ボーナス・トラックとして収録されている。
ちなみに、その再発作業が切っ掛けとなってバンドは活動を再開。メタル・フェス等に出演する傍ら、
2ndフル『SONIC BALLET』('03年)、EP『STORM OF STEEL』('07年)、
3rd『FOREVER IN LEATHER』('07年)といった作品を発表しつつ現在に至る。


SKELETONWITCH - Breathing the Fire - ・・・and into the Flame ★★ (2010-03-20 09:37:09)

アコギを用いて演出される静と動の対比も上手く決まった、
本編ラストをドラマティックに飾る逸曲。
ブラスト・ビートに乗って疾走し、
全編を悲壮に彩るメロディが堪らなくカッコイイったら。


SKELETONWITCH - Breathing the Fire - The Despoiler of Human Life ★★ (2010-03-20 09:35:59)

正統派HM風味が一際色濃い、アルバムでも1、2を争う名曲。
Voはメロディ無視の咆哮スタイルながら、
巧みに勇壮な雰囲気を演出。
ただ、この曲に限らず「これから」というところで
楽曲がぶった切られるように終わってしまう
尻切れトンボな構成は頂けません。


SKELETONWITCH - Breathing the Fire - Released From the Catacombs ★★ (2010-03-20 09:34:44)

緩急の効いた曲展開と、
全編を彩る勇壮且つ悲壮感を
帯びたメロディが強い印象を残す
アルバム屈指の名曲。


SKELETONWITCH - Breathing the Fire - Longing for Domination ★★ (2010-03-20 09:32:22)

ブラスト・ビートを織り交ぜて前のめりに突っ走る、
北欧デス/ブラック・メタル風味の色濃いスピード・ナンバー。
暗く湿ったアングラ臭は、アメリカのバンドとは
思えませんなぁ。


SKELETONWITCH - Beyond the Permafrost - Sacrifice for the Slaughtergod ★★ (2010-03-20 01:00:06)

疾走するインスト・パートで紡ぎ出される
寒々しくも猛烈な泣きを伴った叙情メロディに
思わずグッとコブシを握り締めてしまう名曲。
次作では、こうしたベタなクサメロが
余り聴けなくなってしまったのが残念。
(全くなくなってしまったわけじゃないけど)


CAVALERA CONSPIRACY - Inflikted - The Exorcist ★★★ (2010-03-16 21:25:13)

POSSESSEDの名曲のカヴァー。
イントロの“TUBULAR BELLS"のメロディも
ちゃんとアコギで再現されており、
オリジナル・バージョンの唯一にして最大の弱点だったDsも、
イゴールが叩く事によって改善されているのだから、
これはもう文句なしの名カヴァー認定。


CAVALERA CONSPIRACY - Inflikted ★★ (2010-03-16 21:06:00)

マックスとイゴールのカヴァレラ兄弟が恩讐を乗り越え再タッグを組み、'08年に発表した作品。
『ROOTS』以降のSEPULTURAのアルバムは今ひとつ好きになれなかったし、SOULFRYに至ってはまともに聴いた事すらない
という酷い有様ゆえ、このプロジェクトにもさして期待していなかったのだが、実際に聴いてみたら、これが
人間離れしたマックスの怒号Voと、圧倒的音数の多さで畳み掛けて来るイゴールのドラミング、それにテクニカルな
Gが終始高いテンションを保って怒涛の如く突っ走る、曲によっては『ARISE』の頃のSEPULTURAを
思わせたりもする、無茶苦茶カッコイイ作品に仕上がっていて驚いたの何のって。何せ、かのPOSSESSEDの名曲
“THE EXORCIST"のカヴァー⑫(例のイントロもちゃんとアコギで再現)と他の楽曲を並べて聴いても
全然違和感がないのだから、この作品のスラッシュ・メタル指数の高さが分かろうというもの。
取り分け、本編を流麗に彩るマーク・リゾのGプレイは、時にカヴァレラ兄弟以上の存在感を発揮する程で、
⑧のGソロなんてドラマティックと表現しても差し支えないうえ、⑨のようなゴリゴリのハードコア・チューンにすら
正統派ヘヴィ・メタリックなGプレイを持ってフックを作ってくれるのだから有り難い。
無論、単純にスラッシュ・メタルという狭い枠内で括るには無理がある、多彩でモダンな味わいも備えた
(トライバルなリズムもそこココで聴ける)本作なれど、嘗て1度でもSEPULTURAにハマッていた事がある
HR/HMファンなら、一聴の価値がある作品なのは確か。こうなるとSOULFRYが聴いてみたくなりますね。


EVILE - Infected Nations ★★ (2010-03-14 00:34:00)

荒々しい攻撃性と湿った構築美を併せ持つ、如何にも英国的なスラッシュ・メタルを聴かせてくれたデビュー作に比べ、
疾走感が減じた分、ヘヴィネスとメロディが増量され大作感を強めた楽曲といい、スラッシュ馬鹿的な
ファニーなノリが薄れ、シリアスさを増した歌詞の数々といい、かなり大胆に変化を遂げた作風が賛否両論を呼んだ
'10年発表の2ndアルバム。なんつーか、デビュー直後のMETALLICAが2ndと3rdをすっ飛ばして、
いきなり『・・・AND JUSTICE FOR ALL』を作っちゃったような感じの作品ですね(?)
特にラストに置かれたインスト・ナンバー⑩は、やや冗長ながらも多彩なアイデアが盛り込まれた10分越えを果たす
大作曲で、これを聴くと、このバンドが目指すべき音楽的到達地点をかなり高く/遠くに設定している事が分かり、
頼もしく思える反面、ボンクラ・メタラー的には置いてけぼりを食ったような一抹の寂しさを覚えたりも。
尤も、手数の多いGリフが猛然と疾駆する①、緩急を飲み込んだ③、ストレートなスラッシュ・ソング⑦のような
前作の面影を残す楽曲も収録されているし、これまで以上に練り込まれ、曲中の大きな聴き所として
機能しているGソロの存在もあって、決して退屈する作品というわけではないのだが。
ただ個人的には、オマケ収録された笑撃の日本語スラッシュ⑩と、PANTERAの名曲“CEMETARY GATES"の
カヴァー⑪で、本編の印象が完全に霞んでしまった感あり。取り分け⑪はなかなかの出来栄えで、
マット・ドレイクはクリーンVoでの歌い上げも結構イケてますね。どうせなら本編でも活かせば良かったのに。


ANNIHILATOR - Live at Masters of Rock ★★ (2010-03-13 02:11:00)

チェコ共和国のメタル・フェスティバル『MASTER OF ROCK』に3rdビルとして登場した際の
ライブの模様を捉えた、ANNIHILATORの3枚目となる実況録音盤。『IN COMMAND』は過去の蔵出し音源集で、
『DOUBLE LIVE ANNIHILATION』は'02年に行われた欧州ツアーのダイジェストだったわけで、
1ステージをそのまま収録したライブ盤は本作が初めてとなる・・・のかな。
フェス仕様のセットリストゆえマニアックな選曲は望むべくもなく、収録楽曲は前の2枚と被りまくりだが、
Voが違うのでそこから受ける印象はかなり異なるし、何より、腕利き揃いのメンバー達の手により、
一筋縄では行かない捻りと攻撃性を兼ね備えた楽曲の数々が、流麗に構築していく様はやはり圧巻。
特に光っているのがフロントマン、デイヴ・パッテンの存在で(勿論、名手ジェフ・ウォーターズは別格)、
正直スタジオ盤ではイマイチ影の薄い彼氏なれど、ここでは堂々たるパフォーマンスのみならず、
“ALISON IN HELL"や“THE FUN PALACE"といった、初期のエキセントリックな名曲をも易々と歌いこなし、
且つセカンドGの役割も果たすという隙のない仕事っぷりを披露。数年前にTHRASH DOMINATIONで見た時も
痛感させられたけど、俺、この人の事を見縊っていたんだなぁ、としみじみ反省させられた次第。
尚、数万人の大観衆は大いに盛り上がってはいるものの、場が場だけにダイ・ハードなANNIHILATORファン揃い
というわけには行かず、そのためか、掛け合いの類は思いの外シンプル。だからCDで聴くよりは、
スケールの大きな映像も楽しめるDVDの方が、本作の魅力を余す所なく伝えてくれていると思われる。


SKELETONWITCH - Breathing the Fire ★★ (2010-03-11 21:43:00)

オールド・スクールなスラッシュ・メタルと、北欧デス/ブラック・メタルのハイブリッド・サウンドを
聴かせてくれる、オハイオ出身の5人組が'09年に発表した3rdアルバム。
前作はHOWLING BULL RECORDSから国内盤がリリースされたが、どうやら今回は見送られてしまったようで残念。
ブラスト・ビートを織り交ぜてスピーディに疾走するリズムの上で、咆哮型Voと、刻みの細かいササクレ立ったGリフ、
そしてメロディアスなツインGが紡ぎ出す、荒涼とした雰囲気漂う叙情メロディが荒れ狂うという、前作で披露した
音楽性は維持しつつ、プロデューサーにシアトル/グランジ・シーンの立役者ことジャック・エンディノを迎え、
音作りやアレンジ面において確かな進歩の跡が伺える、なかなかの力作に仕上がっているんだけどなぁ。
つんのめり気味に突っ走る②、勇壮なテーマ・メロディにテンションが上がる④、正統派HM風味の色濃い⑥、
大トリに相応しく劇的な盛り上がりを魅せる⑫といった、スラッシュ・メタル、北欧デス/ブラック・メタル、
それにNWOBHMと、このバンドのルーツが良い具合に混ぜ合わされた楽曲の数々は何れも聴き応え十分だし、
収録曲の平均レベルは押し並べて高め。捨て曲の類も見当たらない。
ただ、その殆どが2~3分台とコンパクトにまとめらているため、「ドラマティックな曲展開」という点では
やや物足りなさが残るし、前作ほどベタなクサメロが聴けなくなってしまったのも残念ではあるが。
BLOOD TSUNAMIとか、あの線の音が好きなスラッシャーにお薦めの1枚。


SKELETONWITCH - Beyond the Permafrost - Within My Blood ★★★ (2010-03-11 21:41:34)

“SACRIFICE FOR THE SLAUGHTERGOD"と双璧を為す、
2ndアルバムのラストを締め括るハイライト・ナンバー。
イントロのツインGからしてもろIRON MAIDENしているが、
北欧デス/ブラック+スラッシュ+NWOBHMという
このバンドならではの魅力が最も判り易く体感できる逸曲。


SKELETONWITCH - Beyond the Permafrost - Limb From Limb ★★ (2010-03-11 21:35:53)

JUDAS PRIESTの“THE HELLION"を彷彿とさせる
導入部を経て、激烈に疾走を開始するスピード・ナンバー。
どう聴いても、アメリカのバンドというよりは
北欧のメロディック・デス/ブラック・メタル・バンドだ。


SKELETONWITCH - Beyond the Permafrost ★★ (2010-03-10 22:45:00)

アメリカはオハイオ州出身のツインGを擁する5人組が、PROTHETIC RECORDSから'07年にリリースした2ndアルバム。
デス声の入ったVo、トレモロ・リフ、時に炸裂するブラスト・ビートetc・・・と、その作風は露骨に北欧の
ブラック・メタルや、IN FLAMES、AT THE GATES等のメロディック・デス・メタル・バンドからの影響が透けて見えるが、
SLAYERばりのテンションの高さで暴走する高速スラッシュ・ソング①がアルバムのOPを飾っている事からも明らかなように、
このバンドの根幹にあるのは、間違いなく80年代のオールドスクールなヘヴィ/スラッシュ・メタル・サウンド。
特に、中心メンバーがNWOBHMからの強い影響を公言してるだけあって、メロディックに弾きまくったかと思えば、
劇的にハーモニー・プレイを決めてくれるツインGは、各楽曲のハイライトを飾るほどの存在感を発揮。
中でも、笑っちゃうくらい(良い意味で)ベタなクサメロに悶絶する④、JUDAS PRIESTの名曲“THE HELLION"を
彷彿とさせる劇的な導入部を備えた⑥、そしてイントロからクライマックスのツイン・リードに至るまで、
IRON MAIDENへの憧憬もろ出しでスラッシーに疾走する⑫は、本編最大の聴き所と言うべき名曲に仕上がっている。
正直、サウンド・プロダクションや演奏、楽曲のアレンジはかなりラフで、アグレッシブな音楽を演ってる割りに
凶暴さや禍々しさよりも、微笑ましさが先に立つ垢抜けない内容に眉を顰める向きもあろうが、個人的には、
アメリカのバンドらしからぬ湿気った作風は決して嫌いになれない・・・というか積極的に支持したい所存。頑張れ。


SKELETONWITCH ★★ (2010-03-10 22:43:00)

メンバーが愛する、NWOBHMを主とした80年代の正統派HMやスラッシュ・メタルと、90年代以降の
デス/ブラック・メタルを掛け合わせた音楽性を追求すべく00年代前半に、Gのネイト・ガーネットを
中心に活動を開始。一応、新世代スラッシュ・メタル・バンドの一群に括られるバンドではあるが、
どちらかと言えば北欧デス/ブラック・メタル寄りのアングラ臭漂うサウンドがその持ち味。
'06年に自主制作の1st『WORSHIP THE WITCH』でデビューを飾り、アングラ・シーンで評価を高めると、
翌年、PROSTHETIC RECORDSと契約を果たし、同年には2nd『BEYOND THE PERMAFROST』をリリース。
これが日本デビュー作となった。
'09年、より完成度を増した3rd『BREATHING THE FIRE』を発表するも、こちらは現在のところ
国内盤はリリースされていない。あとクレジットを見ると、Bにメンバー・チェンジが発生しているようだ。


OVERKILL - Immortalis ★★ (2010-03-08 22:03:00)

「そのうち国内盤が出るだろ」と購入を後回しにしていたら、いつの間にか次作『IRONBOUND』のリリースが
アナウンスされ始め、こりゃいかんと慌てて買いに走った'07年発表の15thアルバム。(結局国内盤は出なかったなぁ)
Dsにメンバー・チェンジが発生しているが、大勢に影響がある筈もなく、前作『RELIXIV』で迷いを吹っ切った彼らは、
本作でも最初から最後まで直球勝負の弩スラッシュ・メタル路線を邁進。無論、そのサウンドは80年代の
焼き直しというわけではなく、ちゃんと現代的なアレンジやブルータリティが加味されているのだが、
ボビー“ブリッツ"エルズワース(Vo)の腹筋ばりにビルドアップされまくったマッチョな作風の割りに、
繰り返し聴いてもゲップや疲労感を覚えないのは、キャッチーなメロディを噛み付くように歌うブリッツのVoと、
鋼鉄の如き質感とパンキッシュな躍動感を併せ持ったリズム隊が生み出す独特のノリの良さ、そして欧州風味の
ドラマ性を秘めたメロディックなツインGの存在ゆえか。ブンブンとBが唸りを上げるイントロだけで
アルバムの出来の良さを確信させるOPナンバー①、威勢良くハジける②、猛烈に体に訴えかけて来る
パワー・メタリックな⑥、激しくアップダウンを繰り返す⑨といった楽曲の魅力も然る事ながら、本編のハイライトは
何と言ってもラスト・ナンバーの⑩。正統派HM然としたGリフのカッコ良さといい、憂いを帯びたブリッツの
歌メロといい、劇的な曲展開といい、まさに“OVERKILL"シリーズの名を冠するに相応しい出来栄えを誇る名曲だ。
これだけのクオリティを備えているにも関わらず、国内盤が出なかった理由が知りたいね。(契約の関係らしいが)


JIMI JAMISON'S SURVIVOR - Empires ★★★ (2010-03-07 21:41:00)

JIM PETERIK'S SURVIVORや、FRANKIE SULLIVAN'S SURVIVORなら分からなくもないが、流石に
JIMI JAMISON'S SURVIVORはねぇだろう。だってオリジナル・メンバーでもメイン・ソングライターでもなかったわけだし・・・とか思いながら聴き始めたら、意外やこれが、劇的な曲展開を備えたスケールの大きな楽曲の数々といい、心打つメロディを伸びやかに、そしてエモーショナルに歌い上げるジミ・ジェイミソンのVoといい、SURVIVORのオリジナル・アルバムにも匹敵する、高いクオリティを備えた内容で思わず唸らされてしまった。
特に、ジミと女性Voとのデュエットが心揺さぶる④、そしてジミ自身が「本編のハイライト・ナンバー」に位置付けるドラマティックな⑦といった、バラード系の楽曲が生み出す感動の深さは半端じゃあない。
オリジナルSURVIVORに比べると、太めのGサウンドや重厚なリズム等、全体的にややヘヴィな味付けがなされており、特に頭2曲ではその傾向が強く感じられるが、TVドラマ『ベイウォッチ』のテーマ曲として知られる軽やかな③(流麗なピアノの調べが◎)以降は、このバンド名の下に発表されるに相応しい、洗練されたポップな楽曲が目白押しだし、頭2曲にしても、メロディやGソロ、曲展開はフックに富み、決して無駄にダーク&グルーヴィな仕上がりというわけではないので、ファンは安心されたし。
自身の名を冠したプロジェクトにも関わらず、良い曲なら他人が書いた曲でも積極的に採用・収録したと言う、ジミ・ジェイミソンの度量の広さが見事にその完成度に結実した、捨て曲なしのメロディアスHRの名盤。
個人的には、再結成SURVIVORの新作『REACH』よりも愛聴させて頂いております。


OVERKILL - ReliXIV ★★ (2010-03-06 22:05:00)

90年代の迷走期を経て、21世紀に入ってからのOVERKILLは徐々に復活の兆しを見せつつあったが、
そのことを決定付けたのが'05年発表のこの14thアルバム・・・だったのかな。今にして思えば。
因みにアルバム・タイトルは「RELIC(遺産)」とローマ字数字の「14(XIV)」を掛けた造語なんだとか。
噛み付くように歌うボビー“ブリッツ"エルズワースのハイテンションなVo、「鉄球を転がすような」と
評されるDDヴァーニの極太B、そして硬質なリフの刻みから劇的なハーモニー・プレイまでメロディックに
こなすツインGとが一塊となり突き進む、剛直なOVERKILL流HMサウンドの旨みを保持しつつ、今回は重苦しい
ダークさが薄れ、良い意味で軽快さを増した音作り(プロデュースはバンド自身が担当)を手始めに、
カタルシスを伴った疾走感やキャッチーさといったスラッシュ・メタル的な要素が大幅回復を遂げており、
特に、重厚なイントロから爆走へと転じる①、挑みかかるような曲調とノリの良さ、それに劇的な曲展開を
併せ持った③(名曲!)、思わず体が反応するクールなグルーヴを備えた④、再びアクセルを限界まで
踏み込んだ高速スラッシュ・ソング⑤といった秀逸な楽曲が並ぶアルバム前半は、取り分け
そうしたテイストが色濃く感じられ、聴いてるとグイグイ引き込まれて行ってしまう。
「ボビー・ガスタフソン脱退以降のOVERKILLはどうも好きになれない」というオールド・ファンの方々も、
この作品辺りから聴き直してみるってのはいかがでしょうか。


SOLITUDE - Brave The Storm - YOU WERE ALL OF MY LIFE ★★ (2010-03-02 22:09:19)

美しく叙情的なアコギのイントロを経て、
パワフルに突き進むOPナンバー。
ドラマティックな曲展開といい、
メロディアスに泣き/歌うGソロといい、
デビューEPからバンドが確かな成長を遂げた事を
端的に物語る名曲。


SOLITUDE - Brave The Storm ★★ (2010-03-02 21:21:00)

デビューEP『VIRTUAL IMAGE』を発表したきり音沙汰がなく、てっきり解散したものと思っていた元SACRIFICEの
杉内哲(Vo)と西田亨(B)が結成した4人組HMバンドSOLITUDEから、今年ひょっこり届けられた1stフル・アルバム。
劇的なGリフの数々に、屈強なリズム、そして唯一無二の個性を備えた杉内のダーティなVoとが一丸となって
怒涛の如く進撃する、NWOBHM由来の男気溢れるパワー・メタル・サウンドはデビューEPから不変。
但し今回は、よりオーセンティックなメタル色が強まっており、曲展開がドラマティック且つキャッチーに
練り上げられた分、全体的に取っ付き易さが増した印象で、一層の歌心と表現力を獲得した、
杉内のアルジー・ワードばりのシャウトがその印象に拍車を掛ける。
海外スタジオにて最終的なマスタリングが施されただけあって、サウンド・プロダクションも大幅に向上を遂げ、
本作より新たにバンドに加わった元ANTHEM、大内MAD貴雅のパワフルなドラミングと併せて、サウンドの
迫力増強に大きな貢献。その真価が発揮された、美しいアコギに導かれてスタートする強靭なOPナンバー①
(前任者以上にGをメロディアスに歌わせる新ギタリストの存在が頼もしい)を筆頭に、「これぞブリティッシュ!」
——日本のバンドですが——な湿り気とドラマ性を湛えた楽曲の数々を聴いていると、個人的には
デモリションマンを擁する4人編成時代のVENOMの姿が脳裏を過ぎります。(これ聴いて気に入った人は、
是非とも過小評価されがちな『PRIME EVIL』以降のVENOMも宜しく)
沈黙期間の長さが、見事に完成度の高さに反映された渾身の1枚。再発されたデビューEPと併せてどうぞ。


SURVIVOR - Too Hot to Sleep ★★ (2010-02-28 22:32:00)

リズム隊が去り、正式メンバーはジム・ピートリック、フランキー・サリヴァン、ジミ・ジェイミソンの
3人のみという、殆ど末期JOURNEY状態でレコーディングが行われ、'88年に発表された7thアルバム。
前作『WHEN SECONDS COUNT』が優れた内容にも関わらず、それに見合うだけの成功を収められなかった事から、
本作では音楽シーンの潮流の変化も踏まえて、よりハードな方向へと軌道修正。Gサウンドがこれまで以上に
強調され骨太感を増した本編は、その分メロディの叙情性(フック)がやや割を食ってしまった印象が
無きにしも非ずで、収録曲のクオリティにバラつきが見られるという点では、4th『CAUGHT IN THE GAME』を
思い起こさせたりも。(あのアルバムも、従来より心持ちハードな方向へ振られた作風だったし)
とは言え、力強くドラマティックなアルバム表題曲③や、70年代HRにも通じるスケール感で本編を締め括る
ラスト・ナンバー⑩は、SURVIVORならではの美しいメロディと、ハードなGの調べが巧みに組み合わされた
名曲だし、勿論、従来の「らしさ」が存分に堪能できる哀愁のハードポップ・チューン②、スペーシーな
雰囲気漂う一風変わった味わいのバラード⑦といった楽曲も収録。
SURVIVORのアルバムとしてはやや地味な存在ながら、決して駄作と切り捨てられるようなクオリティではなかった
本作なれど、セールス的にはビルボード・チャート100位以内に入る事すら叶わず、結果、
バンドはこれを最後に(とりあえず)解散の道を選択する事となるのであった・・・。合掌。


SURVIVOR - When Seconds Count ★★ (2010-02-27 20:51:00)

5th『VITAL SIGNS』が一定の成功を収め、映画『ロッキー4』に主題歌として提供した“BURNING HEART"も
(ディオンヌ・ワーウィックの有名曲“愛のハーモニー"に№1の座こそ阻まれたものの)シングル・チャート
最高第2位にランクインする大ヒットを飛ばした事で、ヘッドライナー・バンドへと昇格を果たしたSURVIVORが、
その結果持ち得た精神的余裕と勝ち組の貫禄を持って制作、'86年に発表した6thアルバム。
プロデューサーには再度ロン・ネヴィソンを起用し、前作の必勝パターンを手堅く再現してみせた本作は、
やや歌モノ志向が強まり躍動感が薄まった点を除けば、ヒット曲“HIGH ON YOU"を彷彿とさせるOPナンバー①といい、
前作のハイライトだった“FIRST NIGHT"から“THE SARCH IS OVER"への流れをそのまま裏返したかのような
④⑤の展開といい、全体的に『VITAL SIGNS その2』的な色合いが強く感じられる仕上がり。
と言ってもそれが悪いなんて事はなく、定まった型の中で、似て非なる名曲を生み出し続けるSURVIVORの
曲作りの上手さに心底感心させられた次第。特にA面サイドの充実っぷりは尋常じゃなく、殊に、ポップでキャッチーな
③(シングル・チャート最高8位にランクイン)、萎えた心に喝を入れてくれる誇り高きバラード④、
華やかに躍動する曲調に心浮き立つ⑤は、メロディアスHRファンなら必ずや胸打たれるであろう必聴の名曲。
リリース当時、ビルボード最高47位程度の成績しか残せなかった事実が俄かには信じ難い、産業ロック史に
燦然と輝く名盤にして、『VITAL SIGNS』と並んでSURVIVOR入門篇に打ってつけの1枚かと。


SURVIVOR - Vital Signs ★★ (2010-02-26 23:54:00)

巨費を投じて作り上げた4th『CAUGHT IN THE GAME』がまさかの大コケ、しかもデイヴ・ビックラー(Vo)まで健康上の
問題を理由に脱退・・・と、天国から地獄へ一気に転げ落ちたSURVIVORが、新Voとしてジミ・ジェイミソンを、
プロデューサーとして売れっ子ロン・ネヴィソンを迎え入れ、再浮上を賭けて作り上げた'85年発表の5thアルバム。
結果的に本作は4曲ものヒット・シングルを生み出し、アルバム自体もビルボード最高14位にランクイン、バンドに
プラチナ・ディスクをもたらす成功を収めたわけだが、正直、これ程の名盤ならもっと売れたって罰は当たらんぞ、と。
これまで以上にKeyサウンドを前面に押し出し、メロディのフックから、劇的な曲展開、サビのキャッチーさ、
華やかなコーラス・ワークの組み立てに至るまで、その構成要素一つ一つを丁寧に磨き上げ、徹底的な洗練を施した上で、
ジミ・ジェイミソンの伸びやか且つエモーショナルな歌声が乗っけられた収録曲の数々は、産業ロックの
一つの理想形とでも言うべき美しいシルエットを描き出し、JOURNEY、STYX、FOREIGNERといった同ジャンルの
先輩バンドが残した数多の名曲群と比べても、何ら遜色のない眩い輝きを放つ逸品ばかり。
鮮烈なポップセンスに彩られたOPナンバー①から、映画『ベストキッド』の主題歌として知られるラスト・ナンバー
⑩(日本盤のみ収録)まで全10曲、捨て曲がないのは勿論の事、全ての楽曲がシングル・カット可能なクオリティを
備えている本作だが、中でもSURVIVORのロック・サイドを代表する爽快感漲る③と、メロウ・サイドを代表する
感動的な名バラード④の連続攻撃には、メロディ愛好家ならグゥの音も出ない程に打ちのめされること請け合い。
SURVIVORの商業的代表作が『EYE OF THE TIGER』なら、質的な代表作は間違いなくコレ。君、聴かずに死にたもう事なかれ。


SURVIVOR - Caught in the Game ★★ (2010-02-25 22:03:00)

前作『EYE OF THE TIGER』の大ヒットを受け、アルバム制作費が大幅増。エンジニアにマイク・クリンクを
起用し、一説には2億円以上の巨費を注ぎ込んでレコーディングされたという、'83年発表の4thアルバム。
『制覇への誓い』という邦題に反して、本作は米ビルボード最高82位と全くの期待ハズレの成績に終わって
しまったため、商業的には失敗作と見なされる事が多いが(実際その通りだから仕方ない)、内容自体は
↑上の方々が仰られている通り、『EYE~』と比較しても決して聴き劣りするものではない。
シングル・カットされたアルバム表題曲①(最高77位)がイマイチ弾けない地味めな楽曲ゆえ、「掴み」に
失敗してる印象は否めないものの、それを乗り越えれば、ポジティブなフィール漂うバラード③、
爽快にロックしまくるアップテンポの④・・・と「これぞSURVIVOR!」たる楽曲が連続。ラストを劇的に締め括る
6分以上に及ぶ大作⑩に至るまで、ダレを感じる場面は殆どない。本作以降は姿を消す事となる、
プログレ・ハード調の⑦のような楽曲も、本編の流れに良いアクセントを加えてくれています。
尚、今回も伸びやかでクリアーな極上の歌唱を提供してくれているフロントマンのデイヴ・ビックラーは、
このアルバムを最後にSURVIVORから脱退。バンドは新Voとしてジミ・ジェイミソンを迎える事となる。


SURVIVOR - Premonition ★★ (2010-02-23 21:48:00)

元CHASEのリズム隊が脱退、曲作りがジム・ピートリック(G)とフランキー・サリヴァン(G)の2本柱に委ねられた事で、
いよいよSURVIVORと聞いて想起する音楽性が形成され始めたとの印象を受ける、'81年発表の2ndアルバム。
(言葉の意味はよう分からんが、なにやら期待感を煽る『予戒』という邦題も秀逸だ)
この頃はまだ、曲によってはプログレ・ハード風味も感じられるアメリカンHRサウンドが持ち味ながら、
メロディのフック/叙情性がいや増し、一層キャッチーに磨き上げられた楽曲は前作を大きく上回る輝きを放っている。
それは、軽快に駆け抜けていく爽やかなOPナンバー①、一夏の恋の終わりを感傷的に歌い上げる②、
力強いレッドネック賛歌(?)③、ボーカル・ハーモニーの組み立てや濃い口の哀愁漂うメロディからプログレ・ハード
っぽさも感じられる劇的な④、それに秀逸なサビメロの展開にグッとくる⑦等、優れたメロディアスHRチューンの
数々からも一聴瞭然。また、確かな歌唱能力を余す所なく発揮する機会(楽曲)を得たデイヴ・ビックラーが、
これまで以上に存在感をアピールし、アルバムのクオリティ底上げに大きく貢献している事も本作の強みか。
シングル・カットされた②が米ビルボードで62位、③が33位と、それぞれスマッシュ・ヒットを飛ばし
SURVIVORの知名度向上に大きく寄与。次作の大成功への布石となった事でも重要な1枚。


SURVIVOR - Survivor ★★ (2010-02-22 22:54:00)

イリノイ州はシカゴにて元THE IDES OF MARCHのジム・ピートリック(G)を中心に、フランキー・サリヴァン(G)、
デイヴ・ビックラー(Vo)、それにブラス・ロック・バンドCHASEのリズム隊ら、名うてのミュージシャン達に
よって結成されたSURVIVORが、'79年にSCOTTI BROTHERS RECORDSから発表した1stアルバム。
この頃はまだメンバー全員が曲作りに参加しているせいか、次作以降とはやや趣きを異にする作風で、
先にジミ・ジェイミソン時代を体験して、それから遡って本作へと辿り着いた後追いファンとしては、
美しい叙情メロディや心浮き立つポップ・センスといった産業ロック的要素よりも、シンプルでオーソドックスな
(有体に言ってやや地味な)アメリカンHR色が濃厚なサウンドに若干の物足りなさを覚えなくもないが、尤も、
デビュー作にして既に漂うこの安定感は流石SURVIVOR。何より本作は、後の大化けを予感させるポップで
躍動感溢れる名曲⑥を聴くためだけにでも購入する価値有り。(軽快に跳ねる③、劇的に盛り上がる⑤も良い曲)
SURVIVORのアルバムとしては影が薄い1枚ながら、良質のアメリカンHRサウンドが詰め込まれた好盤かと。


STATETROOPER - Statetrooper ★★ (2010-02-17 21:36:00)

MSGを追い出されたゲイリー・バーデン(Vo)が'85年に結成。翌年、NEAT RECORDSから3曲入りEPを発表した後、
WILDFIREのメンバー(Dsは、後にゲイリーと共にPRAYING MANTIS入りするブルース・ビスランド)と合流して
レコーディング、'87年にFM RECORDSからリリースした1stフル・アルバムがこれ。
デモテープをそのまま商品化してしまったような音質や、弾不足が原因で、全9曲中ライブ音源2曲収録(うち1曲はMSGの
“ARMED AND READY"のカヴァー)という中途半端な構成は頂けないが、英国らしい湿り気を帯びたメロディ・ラインと、
元WILDFIREのGコンビの優れたポップ・センスが活かされた楽曲のクオリティは、そうした欠点を補って大いに
余りある素晴しさ。伸び伸びと動き回るツイン・リードGを聴いているとPRAYING MANTISを思い出したりもするが、
あのバンドほど哀愁味は強くなく、彼らから泣き成分を薄めた代わりに爽快感を補充したようなサウンド・・・か?
何より、本作の主役たるゲイリー・バーデンのVoですよ、お客さん。無理にヘヴィに歌おうとすると「息も絶え絶え」
ってな感じになってしまう彼氏だが、ここで聴かせてくれるリラックスした歌声は、唯一無二の個性と、生来の
歌メロ作りの上手さが際立っていて非常に魅力的。特に、スリリングでアップテンポのOPナンバー①、ツインGが
軽やかに踊るポップで爽やかな③、流麗なKeyが曲調を壮麗に演出する④、そして本編随一のハードさを誇る劇的な⑤
といった楽曲は、両者の魅力がガッチリと噛み合った名曲じゃないでしょうか。(Keyの良い仕事っぷりも見逃せない)
PRAYING MANTIS、STRATUS、LIONHEARTetc・・・といったバンド名を聞いて、食指が動く人に強くお薦めする1枚。


ERIKA - Cold Winter Night ★★ (2010-02-14 14:11:00)

「元イングヴェイの嫁」ことエリカが'90年に発表したデビュー作で、リリース当時は主にイングヴェイのゲスト参加に
注目が集まっていたが、その後、BURRN!!の藤木記者の啓蒙活動が奏功したのか(?)、現在では寧ろ
「良質なメロディが詰め込まれた北欧ハードポップの名盤」との評価が大勢を占めるようになった(気がする)1枚。
女の趣味は余り良くないイングヴェイだが、その中にあってルックス的には一番イケてた彼女(但しこの時期限定)。
歌唱力の方もなかなかのものだし、何より本作で発揮されている、ABBAばりにポップでキャッチーな哀メロ作りの
センスには瞠目させられるモノ有り。北欧らしい透明感と涼しげな爽やかさを湛えた楽曲は、全曲がシングル・カット
できそうなフックを有する逸曲揃いだが、中でもプレリュード①を経てスタートする②は、北欧ハードポップの粋を
結集したかの様な、煌びやかさと華やかさを兼ね備えた名曲。また失恋船長さんの仰る通り、堀ちえみや伊藤かずえの
顔が次々に思い浮かんでは消えていく、80年代大映ドラマ主題歌風の⑥(それにしてもこの曲の印象的なKeyリフ、
どっかで聴いた事あるような?)、そして夫婦共演を果たした一際ハードな⑨といった楽曲も素晴しい完成度を
誇っており、流石、スウェーデン国内でゴールド・ディスクを獲得したという実績は伊達じゃないな、と。
ハードな調べ好きには、打ち込みっぽいリズムや、Key主体のダンサンブルなアレンジ等、エッジに乏しい音作りが
物足りなく感じられるかもしれないが、ともあれ、メロディ愛好家なら間違いなく必聴・必須の1枚。


BAD COMPANY - Run With the Pack ★★ (2010-02-13 22:40:00)

エンジニアとしてロン・ネヴィソン(但し製作途中で更迭)、ミキシングをエディ・クレイマー、プロデュースは
バンド自身が担当してレコーディングが行われ、'76年に発表された3rdアルバム(邦題は『バッド・カンパニーⅢ』)
大ヒット・デビュー作『BAD COMPANY』や傑作2nd『STRAIGHT SHOOTER』の影に隠れてその印象はやや薄いものの、
全英チャート4位、全米チャート5位、アメリカのみで100万枚以上のセールスを達成・・・と、実に立派な成績を
残した本作は、内容的にもバドカン全盛期の勢いとオーラを存分に堪能できる優れモノの1枚。
前2作の作風を受け継ぎつつも、アダルトなバラード④、ポップでメロウな⑥、本編ラストをムーディに飾る⑩等、
小粋でメロディアスな楽曲が数多く顔を揃えた本編は、これまで以上に都会的な洗練の度合いを高めた印象で、
その最たる例と言えそうなのが、優美なストリングスと流麗なピアノをフィーチュアしてドラマティックな
盛り上がりを演出するアルバム表題曲の⑤。“ロックで突っ走れ"との邦題が付けられた従来にはなかったタイプの
この名曲。個人的に、数あるBAD COMPANYの名曲の中でも、最も愛聴させて頂いている1曲だったり。
BAD COMPANY入門篇には1stや2ndの方が相応しいかもしれないが、そちらが気に入ったなら本作も間違いなく「買い」ですよ。


PAUL RODGERS - Now - Nights Like This ★★★ (2010-02-13 19:43:48)

『NOW』の中では、比較的産業ロック寄りの
大衆性が魅力と言えそうな、
肩の力を抜いて哀愁のメロディに酔える叙情ナンバー。
こうした楽曲でもポール・ロジャースの歌声は魅力的だし、
ジェフ・ホワイトホーンのGも良い仕事してくれてます。


PAUL RODGERS - Now - I Lost It All ★★★ (2010-02-13 19:35:26)

咽び泣くジェフ・ホワイトホーンのGと
タメの効いたビートを叩き出すリズム隊をバックに
入魂の熱唱っぷりを披露してくれるポール・ロジャースに
ただただ平伏するバラードの名曲。
上手い。上手すぎる。十万石ま


PAUL RODGERS - Now ★★ (2010-02-13 16:54:00)

ガッツとグルーヴと哀愁を兼ね備えた粒よりの楽曲を、熱く歌い上げるポール・ロジャースの極上の歌唱を聴くにつけ、
「やはり凄い人だなぁ」と、その実力派シンガーっぷりをしみじみ実感させられる、'96年発表の3rdソロ・アルバム。
勿論、これ以前にFREEやBAD COMPANYも聴いていたわけだけど、やはり後追いではなくリアルタイムで聴く、しかも
「レコーディング:LIVE!」との誇らしげなクレジット通り、まるで本人が目の前で歌っているかの如く
生々しく臨場感たっぷりに録られた、ポール・ロジャースの熱唱の威力は格別なもの有り。
特に本作は、濃厚な泣きを発散する名曲⑨⑪を筆頭に、ピッチの正確さ以上に、間合い、節回し、
感情表現といったスキルが要求されるタイプの楽曲が揃っているため、その上手さが際立つ際立つ。
ラフな服装でマイクに向かうポール・ロジャースの勇姿を捉えたシンプルなジャケット・アートワークが
端的に示す通り、虚飾を排した骨太な作風が魅力の1枚。ポール・ロジャース入門篇にどうぞ。
(ちなみに一部楽曲には、JOURNEYのニール・ショーンが曲作りに参加しとります)


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - Once Again ★★ (2010-02-11 09:00:01)

'82年発表のデビュー・シングル『BLONDES IN BLACK』にも
収録されていた、彼らの代表曲の一つで、
本編収録曲中、最もプログレ方面からの影響が感じられる
メロディアスでドラマティックな名曲。
KeyとGが良い仕事してます。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - European ★★ (2010-02-11 08:53:32)

ポップ且つ憂いを帯びたメロディを歌うVo、
そのVoに負けないぐらい歌うGに、
曲展開の鍵を握るKey、そして軽快な曲調と、
全体を包み込むプログレ・ハード的な雰囲気が魅力。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - The Blade ★★ (2010-02-11 08:48:31)

エッジの立ったGリフの刻みや、
リフとリズムが低い姿勢でズンズンと進んでいく様が
初期VICIOUS RUMORSを思わせるパワフルな1曲。
IRON MAIDEN調のツインGが印象に残ります。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun - Phase to Phase ★★ (2010-02-11 08:44:59)

アメリカのバンドとは信じられないぐらい
NWOBHMの遺伝子が組み込まれた哀愁のHRナンバー。
泣きながらハモるツインGがPRAYING MANTISを
彷彿とさせるが、実際、メンバーはマンティスから
影響を受けているのだとか。


ANVIL CHORUS - The Killing Sun ★★ (2010-02-11 01:24:00)

元HEATHENのダグ・ピアシー(G)が在籍し、EXODUSやMETALLICAといった数多くのスラッシュ・メタル・バンドに
影響を与えた事で知られるベイエリアのレジェンド、ANVIL CHORUS、デビュー20数年にして初となるフル・アルバム。
とはいえ、そうしたゴツいイメージを持って本作に挑むと、⑤⑧のような「ポップ」と表現して差し支えない
楽曲をも収録したオーセンティックな作風に(cri0841さんの仰る通り)肩透かしを食らう事は必至。
どこか浮遊感のあるメロディを歌うヘタウマVo、劇的にハモるG、分厚くスペーシーなボーカル・ハーモニー、
単なるバック・グラウンドの埋め草に留まらぬ活躍っぷりを魅せるKey、そして作り込まれた曲展開から成る楽曲は、
メンバーがNWOBHMとプログレッシブ・ロックからの影響を公言する通り、丁度、両者を足して2で割った様な感じで、
無理に音を詰め込むことなく、空間を上手く活かしたアレンジからは70年代HR的な味わいも感じられたりも。
パワフルに疾走する①、大仰な導入部を持つ②、初期VICIOUS RUMORSチックな⑨と、パワー・メタリックな楽曲も
あるにはあるが、個人的にはそうした力押しの楽曲よりも、泣きながらハモリまくるツイン・リードGが
PRAYING MANTISを彷彿とさせる③や、プログレ・ハード的な雰囲気漂う⑩⑫のような、ウェットなメロディと
ポップさ、劇的さがバランス良く同居した楽曲の方が、このバンドならではの個性が強く感じられてお気に入り。
ちなみに本作収録曲は、その殆どが初期デモテープに収められた楽曲ばかりなわけだが、だったら'82年に発表され、
現在では入手困難なデビュー・シングル“BLONDES IN BLACK"もリメイクして欲しかったなぁ、と。


CAUGHT IN THE ACT - Heat of Emotion ★★ (2010-02-03 22:48:00)

AXEのリーダー、ボビー・バースのバックアップを受けて'95年にデビューを飾ったコロラド州はデンヴァー出身の
5人組メロディアスHRバンドが、翌'96年に発表するや、1st『RELAPSE REASON』を更に上回る快作として
雑誌等で高く評価され、(特に日本に於いて)好セールスを記録した2ndアルバム。
聴き手の期待感を煽る重厚なイントロに始まり、同じフレーズを用いたアウトロで本編の幕が閉じるという
ドラマティックな循環構造が取られた本作は、アレンジのメリハリに関してはGUILD OF AGES時代に一歩及ばないまでも、
ポジティブなフィーリングと哀愁を兼ね備えた叙情メロディの威力に関しては、彼らの全作品の中でもトップクラス。
中でも、華には乏しいが情感豊かな節回しで聴かせるVo、美旋律を1音1音丁寧に紡ぎ出すG、そして
メンバー全員が「歌える」強みを活かした分厚いボーカル・ハーモニー(ハスキーなボブ・ハリスの
シャウトは絶品)が楽曲の持つ爽快感を数倍にも引き上げる名曲⑨は、アルバムのハイライト・ナンバー
であるだけでなく、個人的に、このバンドの全楽曲の中で最も愛して止まない1曲だったり。
似通ったテンポの楽曲が続く本編の流れには単調さを感じなくもないが、メロディの充実度はその欠点を補って
大きく余りある。既に廃盤の作品ながら中古が安く入手可能なので、メロディアスHRファンは是非。


STONE FURY - Burns Like A Star ★★★ (2010-02-03 22:12:00)

ドイツから遠路遥々LAへとやってきたレニー・ウルフ(Vo)が、UNLURY CHILDのブルース・ゴウディ(G)らと結成した4人組HRバンド(但しリズム隊は即席メンバー)による'83年発表のデビュー作・・・だったかな。
レニーと言えば“LED CLONES”として、ゲイリー・ムーアやオジー・オズボーン、酒井康からクソミソに貶された事で良くも悪くも有名だが、当時、さしてLED ZEPPELINやKINGDOM COMEに興味のなかった身には対岸の火事でしかなく、「災難やな~」ぐらいにしか思っていなかったのだが(申し訳ない)、そんな不届き者が本作を購入した理由は、ひとえに「LAメタル屈指の名曲の一つ」と謳われる、STONE FURYの代表曲“BREAK DOWN THE WALLS”を聴いてみたかったがゆえ。
如何にもLAメタルらしい、即効性の高いキャッチーなGリフの上に、欧州風味の哀愁を帯びたメロディが乗っかったその①は、確かにビデオ・クリップがMTVでヘヴィ・ローテーションされ話題を呼んだというのも納得の劇的なカッコ良さ。
ヒステリックな声質のレニーのVoは好き嫌いが分かれるところかもしれないが、歌の上手さは折紙付きだし、何より、聴き手の感性のツボを刺激するフックを備えた、歌メロ構築能力の高さは侮れない。切なくメロウな③や都会的な雰囲気漂うバラード⑨といった楽曲の魅力は、彼の確かな歌唱力に拠るところ大だ。勿論、時に劇的に時に叙情的に、曲調に合致した的確なGプレイで楽曲を盛り上げる、ブルース・ゴウディの良い仕事っぷりも忘れちゃいけない。
作品全体としては本編前半(A面サイド)に優れた楽曲が集中しているため、後半の印象がやや弱いのだが、ともあれ、①~④の流れと、ラスト・ナンバー⑨を聴くためだけでも購入する価値は十二分にある1枚。
本作、既に廃盤らしいが、調べてみるとリプロ盤なら入手は可能のようだ。