MCA RECORDSからのリストラ、Bのメンバー・チェンジといったゴタゴタを乗り越えて、'82年に発表された3rdアルバム。 欧州でのNWOBHM勃発と歩調を合わせるように、荒々しさを増したGサウンドが前面に押し出され、 Keyやボーカル・ハーモニーの使用頻度が下がる等、全体的にHM度が大幅アップを遂げた本作は、 この方向転換が奏功したのか、AXEの作品史上最高のセールスを記録(米ビルボードの81位にランクイン)。 欧米では彼らの代表作としてこのアルバムの名を挙げるファンも多いと聞く。 繊細さよりもヘヴィさ重視の作風とは言え、本編に潤いをもたらすウェットなメロディ・ラインのフックには 相変わらず微塵の鈍りもなく、例えばAXEが誇るヒット曲①なんて、“ROCK'N'ROLL PARTY IN THE STREETS"という バカっぽさ丸出し(失礼)のタイトルにも関わらず、印象的なKeyリフと哀メロがノリ良く疾走する名曲に仕上がっているし、 それ以外も、アグレッシブな②⑥⑦、重厚且つ劇的な③⑨、ポップでキャッチーな④⑧等、バラエティ豊かに 取り揃えられた楽曲は、何れも「AXEらしさ」がしっかりと刻印されており捨て曲なし。(因みに⑥はMONTROSEのカヴァー) 取り分け、ヘヴィ・メタリックなエッジとキャッチネスが絶妙な融合を見た⑥、そして後にCAUGHT IN THE ACTも カヴァーするドラマティックなラスト・ナンバー⑨は、本作を代表する名曲ではないかと。 初期作に比べると入手も容易な作品ゆえ、AXE入門篇に最適な1枚。再結成後のアルバムと併せてどうぞ。
テクニカル・デス・メタルの最重要バンド、PESTILENCEの結成メンバーの1人だった ランディ・メインハード(G)がオランダにて結成したテクニカル・スラッシュ・メタル・バンド。 (国内盤のライナーに「西ドイツ出身」と書かれていた為、長らくドイツのバンドだと思い込んでました) デモ『THE DIE IS CAST』を制作の後、NO REMORSE RECORDSと契約を交わし、 '90年に1st『TRUTH IS - WHAT IS』を発表。(これは国内盤も出た) アルバムを全くサポートしてくれないレーベルの姿勢に不満を感じたバンドはそこを離れ、 新たに1 MF RECORDSと契約。'91年に2nd『RECESSES FOR THE DEPRAVED』を、 '93年には3rd『TRAGIC INTENSE』を発表。ただ、結局レコード会社からのサポート不足が 解消される事はなく、バンドは'94年に解散している。 余談ながら、NO REMORSE RECORDSはそのすぐ後に倒産。同レーベル絡みの作品は 全く再発が掛からない状態が今も続く。GRINDERのアルバムとか再発して欲しいんだけどなぁ。