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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5201-5300
LAOS

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5201-5300

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RUFFIANS - Ruffians - You're All I Need ★★ (2010-01-31 12:14:37)

いかにもパワー・メタル・バンドらしい
硬派な哀愁が漂うドラマティックなバラード。
カール・アルバートのVoも、この時点で既に
実力の片鱗を伺わせてくれる。


RUFFIANS - Ruffians - Wasteland ★★ (2010-01-31 12:12:00)

「アメリカン忍者2」の挿入歌に使用されているらしいが
あんなバカ映画じゃ余り自慢にはならねえよなぁ。
とはいえ、曲自体はカッコイイ。
パワフルな疾走ナンバーながら、ポップ・センスの感じられる
サビメロが印象に残ります。


RUFFIANS - Ruffians - Fight for Your Life ★★ (2010-01-31 12:07:01)

カール・アルバートのVoにもっとドスが効いていれば
VICIOUS RUMORSの楽曲といっても通用しそうな
パワフルさを誇る勇壮な疾走ナンバー。


RUFFIANS - Ruffians ★★ (2010-01-31 10:55:00)

希代の名シンガー、故カール・アルバートのプロ・キャリアの出発点となった、サンフランシスコ出身の
5人組HMバンドRUFFIANSが、'85年にVICTORY RECORDSから発表した6曲入りデビューEP。
JUDAS PRIESTを始めとするヨーロピアンHM、そしてEXODUS、DEATH ANGEL等のご近所ベイエリア・スラッシュ勢からの
影響を元に構築されたパワー・メタル・サウンドは、アメリカのバンドらしからぬ湿り気を帯びたメロディといい、
劇的なツイン・リードGといい、VICIOUS RUMORSやVILLAINといった、後にカールが在籍する事になるバンドを彷彿。
尤も、上記2バンドに比べると本作は幾分オーセンティックな味わいで、吃驚するような名曲が収録されているわけでも
ないが、それでも、スピーディ且つ勇壮に作品の幕開けを飾る①、攻撃的な曲調ながらポップな味わいも感じられる②、
そして憂いを帯びたパワー・バラード⑥といった楽曲は、パワー・メタル好きのツボをしっかりと刺激する佳曲だし、
何より、デビュー作にして既に実力の片鱗を伺わせるカール・アルバートの歌唱を、ファンなら一度聴いておいて
損はない。まぁこの時点では問答無用の迫力は余り感じられず、全体として「ごく普通のメタル・シンガー」との
印象に留まっているのだが、高音域においてもパワーの落ちないハイトーンVoは既に健在だし、何と言っても
「線の細いカール・アルバートの歌声」ってのは、ここでしか聴く事が出来ないのだから結構貴重だ(?)。
国内盤は既に廃盤ながら、再発輸入盤(ライブ音源がオマケ収録されていてお得)は安価での入手が可能なので、是非。


RUFFIANS ★★ (2010-01-31 10:52:00)

'83年、カリフォルニア州サンフランシスコにおいて誕生。Voとしてカール・アルバートが加入した事により
最終的なラインナップが完成。バンドはLOUDNESSやY&T、DOKKEN、UFOといったバンドの前座を経験しながら
腕を磨き、'84年、4曲入りデモテープを制作した後、地元のインディー・レーベルVICTORY RECORDSから
セルフ・タイトルの6曲入りEPを発表してレコード・デビューを飾っている。
この作品はFEMSの配給で日本でも国内盤がリリースされ、当時、BURRN!!誌において
結構な高得点・高評価を獲得。(90年代にはCD化もされている)
幸先のいいスタートを切ったのも束の間、マネージメントの貧弱さに不安を感じたカール・アルバートが
早くもバンドから離脱(その後VILLAINに加入)。残されたメンバーは後任シンガーとして
アラスカ出身のリッチ・ワイルドを加入させて、どうにかこの逆境を乗り越えようとするも、
結局解散を余儀なくされている。
ところがどっこい、'03年、バンドは初期デモ音源をまとめた『THERE & BACK』を引っ提げて突如再結成。
欧州をツアーして回った後、翌年には、実に十数年ぶりの復活作にして、初のフル・アルバムとなる
『DESART OF TEARS』を発表。往年の作風を踏襲したサウンドがBURRN!!の輸入盤レビューで
伊藤政則氏から高く評価されていたことは記憶に新しい。(・・・が、まだ聴いた事がない)
尚、その『DESART~』には、オリジナル・メンバーのBが死去してしまったため、
助っ人としてVICIOUS RUMORSのトミー・シスコが参加している。


GUILD OF AGES - Citadel - SO THE COULD BE YOU ★★★ (2010-01-30 11:06:34)

アルバム『CITADEL』のハイライト・ナンバー。
とにかくメロディ愛好派を自認する方なら、
この曲のクライマックスのサビメロを一度聴いてみて頂戴。
よくこんな、美しくも涙を誘う、劇的極まりない
泣きメロを思いつくなぁと、唸らされること請け合いですから。


GUILD OF AGES - Citadel ★★ (2010-01-30 10:59:00)

コロラド州出身で、AXEのボビー・バースのバックアップを受けてデビューを飾ったメロディアスHRバンド、
CAUGHT IN THE ACT改めGUILD OF AGESが'01年に発表した3rdアルバム。(CITA時代も含めると5枚目のスタジオ作)
バンド名を巡ってポップ・グループと揉めた事がトラウマになったのか(?)、改名以降の彼らはどんどん
ヘヴィな方向へと歩みを進め、『神聖なる城塞』という欧州メロパワ・バンドばりの仰々しい邦題が
付けられた本作も、そのタイトルに相応しく、更にHM路線へと踏み込んだ内容に仕上がっている。
尤も、フックの効いた哀メロ作りの上手さには定評あるバンドゆえ、大味だったり無機質だったりする印象は全くなく、
特に今回は、ボビー・バースの伝手でJADED HEARTのマイケル・ボーマン(今や立派なグラミー賞ノミネート・シンガー)が
助っ人として曲作りに全面的に関わっているためか、練られたサビメロのキャッチーさは前作以上。粒揃いの楽曲の中でも、
へヴィ・メタリックな攻撃性、キャッチネス、そして鮮やかなハーモニーが一体となって疾走するOPナンバー①、
印象的なGリフがノリ良く刻まれる②、重厚且つメロディアスな③、悲哀に満ちた旋律が胸に沁みるバラード④・・・
といった逸曲が並ぶ、本編前半のクオリティの高さは際立っており、トドメはアルバムのハイライトを飾る
名曲⑤の存在。曲終盤の、美しくも切ない、そして堪らなくドラマティックなサビのメロディ展開を初めて
聴いた時は、感動の余り「オオゥ・・・」と、思わずニセ外人みたいなリアクションを取ってしまいましたよ。
斯様な名曲を含むハイクオリティなアルバムを作り上げながら、雑誌等ではパッとした評価を得る事が叶わず、
その後、バンドの消息が不明になってしまったことはつくづく残念。今も元気にしてるんでしょうか?


AXE - The Crown ★★ (2010-01-28 22:07:00)

'97年発表の5th『FIVE』で復活を果たしたAXEが、新メンバーとしてCAUGHT IN THE ACTの
ダニー・マルティネスを加え、ツインG編成となって'00年に発表した6thアルバム。
そのせいと言うワケでもないのだろうが、重たいGサウンドとBラインが強調された楽曲は、これまでにない
輪郭線の太さを誇っており、正直、のっけの①のヘヴィなイントロを耳にした時はヒヤリとしたのだが、
曲そのものは、キャッチーなサビの哀メロが耳を捉える秀曲だし、アルバム自体も、ラストに置かれたカヴァー曲⑪
(ケヴィン・チャルファントのソロ作収録のバラード)まで、聴き終えてみれば「いかにもAXEらしい作品」との
評価に落ち着くので安心されたし。特に、OPナンバー①や重厚な⑥は、HM然としたアグレッションと、AXEならではの
ドラマ性が巧みに組み合わされた、本作の魅力を判り易く体現した楽曲だし、何より、咽び泣くバラードの名曲⑨!
イントロや間奏パートで炸裂する「これぞボビー・バース」たるエモーショナルなGソロには思わず涙、涙・・・。
ヘヴィ志向と、収録曲の出来にややムラが見られる本編を聴いていると、個人的に4th『NEMESIS』を
思い出しますが、どちらかと言えばアメリカンHM寄りの作風だった『NEMESIS』に対し、本作は飽くまで
欧州風味のウェットな作風が貫かれているため、AXEファンにはこちらの方が取っ付き易く感じられるかも。
尚、バンドはこの作品を最後に休眠状態に入ってしまうが、近年、ボビー・バースのEDGE OF FOREVER脱退に伴い、
活動を再開したとの噂も。


THE PRESIDENT - BY APPOINTMENT OF - THAT'S THE WAY THAT IT IS ★★★ (2010-01-26 22:14:15)

憂いを帯びた曲調に、JOURNEY風のシンセ・リフを
取り入れた産業ロック風味漂う名曲。
しっかりと主張するGソロもフィーチュアし、
本編で最もHR寄りの仕上がりか?


THE PRESIDENT - BY APPOINTMENT OF - MAKIN' MILLIONAIRES ★★★ (2010-01-26 22:09:16)

AOR系バラードかくあるべし!といった感じの名曲。
仄かに哀愁を帯びたメロディを
まろやかに歌い上げるVoの上手さ、
楽曲を盛り上げる的確なアレンジの素晴しさが際立つ1曲。


THE PRESIDENT - BY APPOINTMENT OF - WORKIN' GIRL ★★ (2010-01-26 22:04:51)

しっとりとした哀愁を帯びた、
都会的な洗練を感じさせるポップ・ナンバー。
ハーモニカが奏でる泣きのフレーズが心地良い。


THE PRESIDENT - BY APPOINTMENT OF ★★ (2010-01-26 19:36:00)

オランダのプログレッシブ・ロック・バンド、KAYAKのドラマーだったピム・コープマンと、同郷出身のシンガー、
オッキー・ハウズデンスの立ち上げたAORプロジェクトが'83年に発表した1stアルバムで、ジャンル・ファンには
「ロブスターのジャケット」でお馴染みの逸品。(邦題は『ホット・ブラッド・サマー』)
曲によってはちゃんとGが自己主張をしていたりと、AOR系作品群の中では比較的ロック色の強い1枚とされているが、
それでもそのサウンドは、リズム面の淡白なアレンジを筆頭に、HMはおろかHRとすらかなりの距離を感じさせるものだし、
元KAYAKという出自から期待されるようなプログレ色も殆どない。(インスト曲にちょこっと匂う程度?)
但し、「キャッチーとはこういう事だ!」と言わんばかりの、強力なフックを有するメロディのクオリティは
文句なしで素晴しい。リリース当時話題を呼んだという①はそれほど大した曲だとは思わないが、ハーモニカ(?)が
奏でる泣きのフレーズが良いアクセントとなっている②以降は、洗練されたAOR系バラードのお手本のような③、
ドン・ヘンリー風のホロ苦Voに絡む華やかなコーラスが印象に残る④、心地良く弾む⑤、産業ロック調の憂いを帯びた
⑥・・・と、腕利きソングライターによる丁寧な磨き上げがなされた、ポップで小粋な楽曲が目白押し。
激音好きにはとても薦められた代物ではないが、メロディ重視のHR/HMファンなら生涯の愛聴盤になる可能性大の1枚。
(※追記:アルバム・タイトル表記にミス有り。正しくは『BY APPOINTMENT OF』です)


THE PRESIDENT ★★ (2010-01-26 19:35:00)

プログレッシブ・ロック・バンド、KAYAKのドラマーだったピム・コープマンと、「ショッキング・ビートルズ」で
一世を風靡したSTARS ON 45出身のシンガー、オッキー・ハウズデンスが立ち上げ、'83年に『BY APPOINTMENT OF』、
'85年に『MUSCLES』という2枚のスタジオ・アルバムを残したオランダ産AORユニット。
ジャンル・ファンから「あのロブスターのジャケット」として語り継がれる『BY~』は特に人気の高い名作で、
確かBURRN!!誌のAOR/産業ロック特集にて、ORION THE HUNTERやSWEET COMFORD BAND、
FRANKE & THE KNOCKOUTS、それにSHOOTING STAR辺りと共に、5つ星の高評価を受けていたと
記憶している・・・のだが定かではない。(もう手元にないので)
ちなみにピム・コープマンは数年前に発表されたKAYAKの再結成アルバムに参加。
健在ぶりを世にアピールした。


LEROUX - So Fired Up - Turning Point ★★★ (2010-01-24 17:24:35)

TOTO風の華やかなKeyと、エッジの効いたGプレイ、
そして溌剌としたハイトーンVoとがガッチリと組み合った、
アルバムのハイライト・ナンバーの1つ。
猛烈な泣きを発散しながら劇的に盛り上がって行く
中間部のアレンジが技あり。
AOR/産業ロックとしてよりも、HR/HMのフィールドで
語られるべき名曲かと。


LEROUX - So Fired Up - Line on Love ★★★ (2010-01-24 17:18:59)

劇的な泣きのイントロに
バチンと頬を張られるスロー・ナンバー。
クサくならない程度に咽び泣く、エモーショナルなGが
楽曲の備える哀愁を数倍にも引き上げている。
振り絞るように切ない哀メロを歌い上げる
ファーギー・フレデリクセンのVoもいいなぁ。


LEROUX - So Fired Up - Lifeline ★★★ (2010-01-24 17:13:34)

キャッチーなKeyリフとポップに跳ねる曲調の上で、
突き抜けるようなハイトーンを駆使して哀愁を帯びた
メロディを歌い上げるファーギー・フレデリクセンの
鮮烈なVoが映える1曲。
PVが作られたのも納得の名曲。


LEROUX - So Fired Up - So Fired Up ★★★ (2010-01-24 17:08:09)

スカッと爽快に駆け抜けて行くアルバムのOPナンバー。
AOR/産業ロックの枠内で語られる機会の多いバンドなれど、
この曲はHRのフィールドに置いても全く違和感はないような。


LEROUX - So Fired Up ★★ (2010-01-24 16:49:00)

カントリー系HRバンドとしてスタートを切り、作品を重ねる毎にAOR/産業ロック色を強めていった
ルイジアナ州出身の6人組が、新Voとして元TRILLIONのファーギー・フレデリクセンを加入させて
'83年に発表した、彼らの作品の中では最も洗練された作風を誇る、5thアルバムにしてラスト作。
鮮烈なハイトーンVo、エッジの効いたリード・プレイから泣きのソロまで幅広くこなすG、時にキャッチーに
時にドラマティックに楽曲を肉付けするKey、陰影に富んだリズムを叩き出すリズム隊、そして繊細且つ劇的な
アレンジが織り込まれたメロディアスHRサウンドは、ポップで叙情的でありながら、ハード・ロッキンな
ダイナミズムも失っていないという絶妙なバランス感覚を誇り、その魅力は爽快なOPナンバー①から
早くも炸裂。続くPVも作られたという②、憂いに満ちたメロディに心打たれる③④⑤、悲壮感漂う
バラード⑥・・・と、次々にハイクオリティな楽曲が繰り出されて来る、収録曲全てが名曲と言っても過言ではない
本編を聴くにつけ、本作が「LE ROUXのカタログ中最も売れなかった1枚」とは俄かに信じ難いもの有り。
泣きまくりのHRナンバー⑧なんて、全メロディ愛好家に聴取を義務付けたくなるほどの出来栄えなのに・・・。
せっかく国内盤——しかもリマスター仕様——がCD化されているのだから(現在も生きてるかどうかは未確認)、
この機会に1人でも多くのHR/HMファンに触れて欲しいメロディアスHRの名盤。感動しまっせ。


AXE - V ★★ (2010-01-24 11:38:00)

中心メンバーの1人だったマイケル・オズボーンの交通事故死という、突然の悲劇により解散を余儀なくされたAXEが
(それ以外にも解散の理由は色々とあったようだが)、再評価の高まりを受けて再結成を果たし、'97年に発表した復活作。
通算5枚目のアルバムだから『FIVE』と、実にシンプルなタイトルが付けられた本作は、実験的な方向や、
流行の音楽スタイルに妙な色目を使うことなく、過去4作で披露した自分たちのサウンドの美点を素直に受け継ぐ
内容となっており、確かにこのアルバム・タイトルはしっくりと来るな、と。何せ往年の名曲“BATTLES"の
リメイク⑩が全く浮いて聴こえないんだから、(良い意味で)その不変っぷりが分かろうと言うもの。哀愁に満ちた
メロディや、美しいボーカル・ハーモニーを満載した本編を聴いて失望するAXEファンはまずおらんでしょう。
(個人的にはアメリカンHM路線への目配せも感じられた4th『NEMESIS』よりも好きなくらいだ)
CAUGHT IN THE ACTっぽさも感じられる序盤を手始めに、本編に捨て曲は全く見当たらないが、中でも、
泣きメロが冴え渡るエモーショナルなバラード④や、重厚なボーカル・ハーモニーが大活躍する
美麗な⑤といった楽曲は、往年の名曲と比較したって決して引けは取らないクオリティ。ボビー・バースの
衰えぬ作曲能力の高さに(歌も相変わらず上手い。リードVoもやれば良かったのに)、心底感服させられる1枚。


AXE - Nemesis ★★ (2010-01-23 01:52:00)

ATCO RECORDS移籍以降は一気にHM色を強めたAXEだが、'84年発表のこの4thアルバムでもその路線は堅持・・・というか
寧ろ、今回は前作以上にその傾向を強めた内容に仕上がっており、正直、チープなイラスト・ジャケットの下、
フックに乏しい大味なHMナンバー①が疾走し始めた時には、一瞬「やべぇ」と頭を抱えそうになったが、どっこい②以降は
スペーシーな音色で叙情性を高め、楽曲に奥行きを演出するKeyサウンドを上手く活かした、AXEらしい哀愁のメロディを
纏った楽曲が並んでおり、ホッと一安心。曲名といい曲調といい、アメリカンなノリが強く打ち出された⑥のような
ロックンロール・ソングですら、大味にも能天気にも仕上げない彼らの曲作りの手腕はやはり頼もしい。
ただ、全体的に叙情性が薄れ、カラッとしたアメリカンHM風味が増強されているのは間違いなく、また劇的なキメ曲に
欠く後半の構成もあって、聴き終えた後の満足感は前3作に比べるとやや弱い。ウェットなメロディがアップテンポで
駆け抜けていく②(こっちを1曲目にして欲しかった)、AXEらしい哀メロが五臓六腑に染み渡る⑤、幻想的なバラード
⑪辺りは、並みのバンドじゃ逆立ちしたって作れっこない名曲・佳曲だと思うんだけど・・・。本編ラストに隠し
トラックとして収録された“MIDNIGHT DRIVERS ME MAD"も優れた楽曲で、確かシングルB面曲のリメイクだったかな?
中心メンバーの1人、マイケル・オズボーンの事故死に伴い、これがAXEのラスト作になってしまった事が
つくづく惜しまれます。(後に再結成したけどね)


AXE - Offering ★★ (2010-01-21 07:19:00)

MCA RECORDSからのリストラ、Bのメンバー・チェンジといったゴタゴタを乗り越えて、'82年に発表された3rdアルバム。
欧州でのNWOBHM勃発と歩調を合わせるように、荒々しさを増したGサウンドが前面に押し出され、
Keyやボーカル・ハーモニーの使用頻度が下がる等、全体的にHM度が大幅アップを遂げた本作は、
この方向転換が奏功したのか、AXEの作品史上最高のセールスを記録(米ビルボードの81位にランクイン)。
欧米では彼らの代表作としてこのアルバムの名を挙げるファンも多いと聞く。
繊細さよりもヘヴィさ重視の作風とは言え、本編に潤いをもたらすウェットなメロディ・ラインのフックには
相変わらず微塵の鈍りもなく、例えばAXEが誇るヒット曲①なんて、“ROCK'N'ROLL PARTY IN THE STREETS"という
バカっぽさ丸出し(失礼)のタイトルにも関わらず、印象的なKeyリフと哀メロがノリ良く疾走する名曲に仕上がっているし、
それ以外も、アグレッシブな②⑥⑦、重厚且つ劇的な③⑨、ポップでキャッチーな④⑧等、バラエティ豊かに
取り揃えられた楽曲は、何れも「AXEらしさ」がしっかりと刻印されており捨て曲なし。(因みに⑥はMONTROSEのカヴァー)
取り分け、ヘヴィ・メタリックなエッジとキャッチネスが絶妙な融合を見た⑥、そして後にCAUGHT IN THE ACTも
カヴァーするドラマティックなラスト・ナンバー⑨は、本作を代表する名曲ではないかと。
初期作に比べると入手も容易な作品ゆえ、AXE入門篇に最適な1枚。再結成後のアルバムと併せてどうぞ。


AXE - Living on the Edge ★★ (2010-01-18 22:37:00)

6分を越えるような大作曲が姿を消し、プログレ・ハード色がやや後退。楽曲が2~3分台とコンパクトに絞り込まれ、
全体的にテンポアップが図られた'80年発表の2ndアルバム。(THE FOUR TOPSの大ヒット曲のカヴァー⑥を収録)
歌モノ志向が強かったBABYFACE時代に始まり、作品を重ねる毎にHM度を高めていくという、普通のバンドとは
逆のパターンを辿ったAXEだが(この手のバンドはAOR路線へと向かうのが通例のような?)、本作で聴けるのは
初期プログレ・ハード路線と後期HM路線の丁度中間を行くサウンド。個人的にAXEと聞くとこの頃の音が真っ先に思い浮かびます。
“FOREVER"や“BATTLES"のようなメロメロに泣きまくるドラマティックな名曲こそ見当たらないものの、
その分、一層キャッチーに磨き上げられ、テンポ良く次々に繰り出される収録楽曲は、デビュー作に勝るとも劣らぬ
クオリティを誇っており、特に、哀感を高めるピアノの調べに、美麗なボーカル・ハーモニーとエモーショナルな
マイケル・オズボーンの熱唱が映える、ポップでロマンティックな②はAXE屈指の名曲の1つ。また、力強く劇的な④、
メンバーの総力を結集した泣きのハード・ナンバー⑨なんかも、本作ならではの魅力を備えた逸曲かと。
AXE入門篇に打ってつけの1枚のように思う・・・んだけども、国内盤は既に廃盤。願・再発。


AXE - Axe ★★ (2010-01-17 21:20:00)

ボビー・バース(Vo、G)を中心にコロラド州にて結成されたBABYFACEが、更なる飛躍を求めて活動拠点をフロリダへと移し、
マイケル・オズボーン(Vo、G)加入を契機にAXEとバンド名を改め、'79年にMCA RECORDSから発表した1stアルバム。
厳ついバンド名とは裏腹に、この時期のAXEが聴かせてくれるのは、STYXやQUEEN辺りからの影響も垣間見える、
ポップなプログレ・ハード・サウンド。殊に「美しさ」「泣き」「哀愁」といった要素にかけては、本作は
AXEの作品の中でも最高クラスで、個人的に彼らのアルバムではこのデビュー作を一番愛聴していたり。
特に、スペーシーなKeyのイントロからして既にメロメロに泣きまくっている大作ラスト・ナンバー⑨は、
哀愁に満ちた美旋律、個性の異なる2人のシンガーによる甘美なツインVoと、まるで水晶細工の如く繊細に
組み立てられたボーカル・ハーモニー、エモーショナルにすすり泣くG、そしてプログレ・ハード・バンドの
面目躍如たるドラマティックな曲展開といった、初期AXEの美味しい部分がギュッと凝縮された不朽の名曲。
それ以外にも、心打つメロディが惜しげもなく注ぎ込まれた収録楽曲に捨て曲の類は皆無で、美しいピアノの調べを
バックに、ボビー・バースが切々と歌い上げる⑤なんて、前述の⑨にも匹敵する絶品のバラードですがな。
本編の最初から最後まで、甘美な哀メロの世界に、時間が経つのも忘れてドップリと浸りきれる1枚。
90年代の再発ブーム時に国内盤がCD化された(で、速攻で廃盤になった)にも関わらず、買い逃してしまった
己の迂闊さを未だに悔やみ続けている名盤。リマスターして再々発してくんないかなー。


LAOS ★★ (2010-01-15 23:20:00)

ヨルグ・マイケルとゴドラン・ラオスって
確か夫婦でしたよね。(違ったかな)


WINTERHAWK - Revival ★★ (2010-01-15 23:11:00)

イリノイ州にて、ギタリストのジョーダン・マカラスによって結成された、
BがVoも兼ねるトリオ編成のHRバンドが残した唯一のフル・アルバム。('82年発表)
プログレ方面(と70年代HR)からの影響を伺わせる、起伏に富んだ曲展開や、前面に押し出された大作主義から
RUSHなんかと比較される事の多いバンドなれど、個人的には、高音域で濃いめの哀愁を醸し出すVoの歌唱スタイルや、
徹底的に泣きに拘ったGがリック・エメットを彷彿とさせることから、TRIUMPHっぽさを強く感じたり。
あのバンドから大衆性を差っ引いた代わりに、NWOBHM由来のマイナーな荒々しさを振りかけて料理した感じ?
一音入魂のエメット師匠に比べると随分軽やかな印象だが、劇的に構築され、猛烈な憂いを発散しながら
収録各曲のハイライトを飾るジョーダン・マカラスのGプレイはとにかく凄まじく、特に、次々に畳み掛けるように
展開しながら濃厚に咽び泣く③⑦のGソロなんて、何度聴いても涙の海で溺死しかねないクオリティ。曲単体としては、
ソリッド且つダイナミックにアルバムのOPを飾るインスト曲①、静と動、メリとハリの効いた曲展開が素晴しく
ドラマティックな②、泣きの入ったハイトーンVoの熱唱に胸を掻き毟られる⑤も名曲だ。
かつて伊藤政則氏が音楽生活誌上で「80年代HR/HMアルバムBEST100」に選出してたのにも納得が行く1枚。


SKAGARACK - Hungry for a Game - This World ★★★ (2010-01-14 06:39:18)

メジャー調の楽曲でまとめられている
2ndアルバムの中にあって、この曲の泣きっぷりは
一際耳を惹くものあり。
切々と歌い上げるVoもいいが、やっぱり主役はGかな?と。


SKAGARACK - Hungry for a Game - Hungry for a Game ★★★ (2010-01-14 06:34:57)

甘いメロディを歌い上げるVo、
印象的なソロを決めるG、
楽曲をキャッチーに飾り立てるKey、
そして溌剌としたコーラスと、
まさに絵に描いたような北欧ハードポップ・ソング。


SKAGARACK - Hungry for a Game - Somewhere in France ★★★ (2010-01-14 06:31:27)

異国の地でのアバンチュールについて書かれた
歌詞はありがちなんだけど、メロディがとにかく素晴しい。
特に爽やかでキャッチーなサビメロは、
聴く度に心が浮き立ちますね。


SKAGARACK - Hungry for a Game ★★ (2010-01-13 21:48:00)

シンガーのトーベン・シュミットを中心にデンマークで結成された5人組HRバンドが、'89年に発表した2ndアルバム。
北欧出身と言っても、本作に詰め込まれたサウンドは様式美HMとは一切無縁のハードポップ路線で、しっかりとした
音作りに垢抜けたアレンジ・センス、キャッチーなボーカル・ハーモニーや煌びやかなKeyサウンドが組み込まれた
楽曲からは、北欧のこの手のバンドにありがちな貧相さは殆ど感じられない。やや表現力には欠けるものの
鼻に掛かった声質で甘いメロディを歌い上げるVo、確かなテクニックで楽曲を効果的に盛り上げるGを
フィーチュアした、JOURNEY、SURVIVORといったバンドを彷彿とさせる、メジャー感溢れる
ハードポップ・サウンドの完成度は実に堂に入ったものだ。
HMはおろかHRとすら若干の距離を感じさせる音楽性ゆえ、リリース当時は「砂糖のロック」なんて批判されたりもしたが、
どっこい、甘党人間にとってはこのスウィートさこそ魅力の肝。①③なんて心地良く涼しげで爽やかな「北欧ハードポップ」
の理想的ラインを描き出す名曲だし、しっとりと泣き濡れるバラード⑧も出色の出来栄え。何度聴いても脱帽モノですよ。
本作の場合、寧ろ今リリースされた方が正統な評価が獲得できたかもしれませんね。


FREDERIKSEN-DENANDER - BAPTISM BY FIRE - NEVER TRY TO LOVE AGAIN ★★★ (2010-01-11 20:45:49)

本編後半のハイライトを飾るポップ・チューン。
心を浮き立たせる、爽快なコーラス・ハーモニーが
鮮烈な印象を残す名曲。


FREDERIKSEN-DENANDER - BAPTISM BY FIRE - RIGHT HEART, WRONG TIME ★★★ (2010-01-11 20:43:46)

『BAPTISM BY FIRE』の中で最も愛する1曲。
とにかく舞い上がっていくような高揚感に満ちた
サビメロの素晴しさを一度聴いて頂きたい。
聴く度にハート鷲掴み状態。


FREDERIKSEN-DENANDER - BAPTISM BY FIRE - LET HIM GO ★★ (2010-01-11 20:37:36)

力強く刻まれるDsに引っ張られて
劇的に展開していくOPナンバー。
とは言え、上手いVoに心打つメロディ、
それに凛としたKeyの存在もあって
ヘヴィな印象はそれほど強くない。


FREDERIKSEN-DENANDER - BAPTISM BY FIRE ★★ (2010-01-11 18:57:00)

TRILLIONやTOTOでの活動で知られるファーギー・フレデリクセン(Vo)と、コンポーザーとしても
ミュージシャンとしても(ついでにプロデューサーとしても)傑出した才能を誇るトミー・デナンダー(G)とが
タッグを組んで'07年に発表した作品。ファーギー・フレデリクセン・ファンとしては、'95年に立ち上げられた
FREDERIKSEN/PHILLIPSに続く「ギタリストとのコラボ・シリーズ第2弾」としても楽しめる1枚、か?
で、その内容はと言えば、これがこの顔合わせに対するファンの期待に見事に応えるメロディアス・ハード/産業ロック路線。
TOTOのメンバーやSURVIVORのジム・ピートリックを筆頭に、名だたるミュージシャン連中が楽曲共作者として名を連ね、
客演もこなしているのだからクオリティが低いわけはないが、実際、洗練された哀愁と高揚感を伴うメロハー・チューンの
数々は捨て曲なしの名曲揃い。特に、力強く勇壮な雰囲気漂う①に始まり、アップテンポな⑥へと至るアルバム前半の
完成度の高さは本編のハイライトで、ファーギーの伸びやかな歌声と、分厚いボーカル・ハーモニー、それに絶妙な
フックラインが炸裂するサビメロを備えた②なんて「とにかく一度聴いてみて頂戴よ、お客さん!」としか
言いようがない素晴しさ。その前半に比べると、後半は楽曲の詰め込み過ぎが災いしてややメロディが弱く感じられる
場面も散見されるが、それでも質は十分に高いし、何より世が世ならビルボード・チャート上位に食い込んでも
おかしくなさそうな、爽やかでキャッチーな名曲⑨が収録されているので、決してつまらないわけではない。
哀愁のメロディを愛するHR/HMファンなら、聴いて損はないクオリティを誇る1枚じゃないでしょうか。


FREDERIKSEN-DENANDER ★★ (2010-01-11 18:55:00)

AORプロジェクトRADIOACTIVEを通じで知り合った、TOTOファミリーに属するファーギー・フレデリクセンと
トミー・デナンダーの2人がタッグを組んで立ち上げたメロディアスHRプロジェクトで、
'07年にFRONTIERS RECORDSからデビュー作『BAPTISM OF FIRE』を発表。
素晴しい楽曲を素晴しい演奏の下、素晴しいシンガーが歌っているんだから質が低いわけはなく、
TOTOのメンバーやSURVIVORのジム・ピートリックら、多彩なゲスト・ミュージシャン達の存在も
本編に華を添える、非常に高品質なメロディアス・ハード/産業ロック・アルバムに仕上がっていた。
RADIOACTIVE、TOTO、SURVIVORといったバンド名にピンと来た人なら、購入する価値が
大いにある作品じゃないかと。これ1枚で終わって欲しくないプロジェクトなんだけどな~。


ORION THE HUNTER - Orion the Hunter ★★ (2010-01-10 02:07:00)

イマジネーションを刺激するバンド名と、美しいジャケット・アートワークが目を惹く1枚。(邦題は『星空のハンター』)
BOSTONのバリー・グドロー(G)が、彼のソロ・アルバムで歌っていたフラン・コスモ(Vo)と再タッグを組んで
作り上げ'84年に発表した作品で、ブラッド・デルプが曲作りやバックVoとして数曲に参加していることもあり、
やはり端々からBOSTONテイストが強く感じられるものの、あのバンド程の綿密な作り込みやドラマ性、
プログレ・ハード的な雰囲気はなく、もっと素朴で爽やかなハードポップ寄りのサウンドがその持ち味。
尤も、仄かな哀愁とスペーシーな透明感を帯びたキャッチーな楽曲は十分に魅力的で、特に、クセのない
真っ直ぐに伸びていくフラン・コスモのハイトーンVoはこのバンドの強力な武器。彼のプレーンな歌声と、
情感豊かなバリーのメロディアスなGワーク、そしてセッション参加ながら、確かな存在感を発揮して楽曲の
スケール感UPに貢献しているKeyをフィーチュアした②(“君のいない朝"という邦題でシングル・カットされた)や、
これまたVoの熱唱が深い感動を呼ぶバラード④、物悲しげなヴァースから一転、サビメロにかけてポジティブに
盛り上がっていく劇的な⑧(ブラッド・デルプが作曲に関与)といった楽曲は、プログレ・ハード、AOR/産業ロック好きなら
一度は聴いておいて損はない名曲かと。勿論それ以外も、メロディ職人達の手による逸曲揃いなわけですが。
BOSTONの作品と比較しても何ら遜色ない1枚。国内盤の再発を切に希望します。


TRILLION - CLEAR APPROACH - CITIES ★★★ (2010-01-10 01:13:51)

TRILLIONのアルバムとしては1stの方が好きな我が身だが、
TRILLIONの楽曲で一番好きなのは、上手い歌、上手い演奏、
そして美しいメロディにドラマティックな曲展開と、
このバンドの美点が全て詰め込まれた2nd収録のこの名曲。
サビメロの泣きっぷりには何度聴いても涙を誘われます。


TRILLION - CLEAR APPROACH - LOVE ME ANYTIME ★★ (2010-01-10 01:09:31)

トム・グリフィンの歌の上手さが「これでもか!」と
堪能できる名バラード。
ポロポロと零れ落ちて行くかのような美しいピアノの旋律と
スパイシーな音色で楽曲が甘口になり過ぎぬようアクセントを
加えるGも良い仕事してます。


TURBO - Last Warrrior - Last Warrior ★★ (2010-01-09 16:35:32)

重厚な序曲から繋がっていく、ジャケットに描かれた
むくつけきオッサンのテーマ曲の如き
勇壮且つ荒っぽいスラッシュ・ソング。
久々に聴き直しましたが、調子っ外れのVoやキレに欠ける
Dsも含めて、やっぱり好きな曲だなぁと再認識。
如何にも東欧のバンド的な無愛想な哀愁もいい感じですよね。


AMBITION - AMBITION - SHAPING FATE & DESTINY ★★ (2010-01-09 12:23:53)

歯切れ良く弾む曲調に身も心も浮き立つ
ポップ&キャッチーなメロディアス・ハードの名曲。


AMBITION - AMBITION - HYPOCRITES ★★★ (2010-01-09 12:20:32)

静と動、メリハリの効いた劇的な曲展開が深い感動を呼ぶ名曲。
個人的にはアルバムのハイライト・チューンかな、と。
流石に往年の艶はないトム・グリフィンのVoだが、
表現力と円熟味を増した歌声でその分をしっかりとカバー。
伸びやかに泣くGもいい仕事してまっせ。


AMBITION - AMBITION - HOLD ON ★★★ (2010-01-09 12:17:09)

今も変わらずエモーショナルなトム・グリフィンのVo、
歌を盛り立てつつ、ちゃんと自己主張もするメロディアスなG、
甘口になり過ぎぬようパンチを効かせるリズム隊、
曲調を華やか且つ叙情的に彩るKey(TOTO風?)・・・と
AMBITIONというプロジェクトの魅力を判り易く詰め込んだ1曲。


AMBITION - AMBITION ★★ (2010-01-09 12:08:00)

トム・グリフィンと言えば「素晴しい歌唱力を誇る2代目TRILLIONフロントマン」として知られているが(?)、
それ以降は特に目立った活動をする事もなく、ミュージシャン業からは半ば引退状態にあった彼が久々に
現役復帰を遂げ、AMBITION名義で'06年に発表した作品がこれ。
メロディアスHRファンからの信頼も篤い優良レーベルFRONTIER RECORDSの社長セラフィノ・ペルジーノの
肝煎りで制作されているだけあって、同レーベルの人脈をフル活用し、作曲から演奏まで
実力派ミュージシャン勢が呼び集められた本作は、それに見合うだけのクオリティをしっかりと保持。
キャッチーな哀メロに彩られた叙情HRチューンの数々、それらを的確にサポートする、よく泣きよく歌うGや
楽曲をピリッと引き締めるリズム隊、華やかなKey等、本作の聴き所をいちいち挙げていったら枚挙に暇がないが、
やはり何と言っても、本編の主役たるに相応しい存在感を発揮するのは、経年劣化を全く感じさせないトム・グリフィンのVo。
特に、静と動のメリハリの効いたドラマティックな曲展開に、豊かな表現力を駆使してエモーショナルに歌い上げる
彼のVoが絡む②は、メロディ愛好家を自認する方なら一度は聴いて頂きたい極上の名曲。(泣きのGも良い仕事してます)
この手のプロジェクトにありがちな「楽曲の詰め込み過ぎ」(収録時間は1時間弱)という欠点を抱えて尚、
その完成度の高さには揺ぎないメロディアスHRの力作。当然のように次作を期待しているのだが、もうやらないの?


TRILLION - CLEAR APPROACH ★★ (2010-01-06 22:08:00)

1st『TRILLION』がクオリティに見合うだけの成功を収められなかった事に失望したファーギー・フレデリクセン(Vo)が
バンドから離脱。その後任として、彼に匹敵する実力派シンガー、トム・グリフィン('06年にメロディアスHRプロジェクト
AMBITIONにおいて、衰え知らずの美声を披露していましたね)を加入させ、'80年に発表した2ndアルバム。
デビュー作のセールス的な失敗と、音楽シーンの潮流の変化を踏まえて制作された本作は、先行シングル曲①に強く
表れているように、全体的にハードさが抑制され、アレンジや曲展開もシンプルに整理整頓。より聴き易く、
取っ付き易いアルバム作りが志向されている。前作をこよなく愛する向きには、大人しく脇役に徹する楽器陣の演奏に
少々物足りなさを覚えなくもないが、その分、じっくりと聴くことの出来るメロディの素晴しさはこれまで以上に
際立っているので差し引きゼロ(寧ろプラス?)。尤も、③④のインスト・パートや、終盤⑧⑨の流れからも
強く感じられる通り、プログレ・マインドは消え失せてしまったわけではなく、そうした要素は目立たずとも
本編のそこかしこに息付いている。中でも、妙なるピアノの調べとドラマティックな曲展開をバックに、
トム・グリフィンが溜息モノの歌唱力を駆使して切々と歌い上げる⑥は、繊細な美しさと力強い
ドラマ性を兼ね備えた、本編のハイライトにしてTRILLION屈指の名曲。何度聴いても惚れ惚れさせられますね。
アメリカン・プログレ・ハードから産業ロックへと至る、過渡期的サウンドが詰め込まれた実に魅力な1枚。デビュー作に
勝るとも劣らぬ名盤・・・だったのだが、本作もまたセールス的には全く奮わず、バンドはこれを最後に解散している。


TRILLION - TRILLION - CHILD UPON THE EARTH ★★★ (2010-01-06 22:05:55)

1stアルバム中、最もプログレッシブ・ロック寄りの
アプローチが取られた本編ラスト・ナンバー。
歌うのはGのフランク・バーバレイスだが(上手い!)
しっとりとした歌唱は曲調にぴったりフィット。
タイトル通りスペーシーな雰囲気を演出する
Keyの良い仕事っぷりが光ります。


TRILLION - TRILLION - BRIGHT NIGHT LIGHTS ★★ (2010-01-06 22:00:46)

快活に跳ねるポップ・チューン。
溌剌としたファーギー・フレデリクセンの歌声と
華やかなボーカル・ハーモニーが
楽曲の爽快感を一層高めていますね。


TRILLION - TRILLION - HOLD OUT ★★★ (2010-01-06 21:55:06)

溌剌としたハイトーンVoに壮麗なボーカル・ハーモニー、
雄弁に歌うG、全編を華麗に彩るKey、快活に弾けるB、
そして爽快に叩きまくるDsと、ポップでメロディアス、
且つプログレッシブなTRILLIONというバンドの魅力が
存分に発揮された1stアルバムのOPナンバー。
間髪入れずに次曲“BIG BOY"に繋がっていく構成も○。


TRILLION - TRILLION ★★ (2010-01-05 22:55:00)

'77年、パトリック・レオナルド(Key)とフランク・バーバレイス(G)を中心に、名うてのセッション・ミュージシャン達が
集まってシカゴにて結成、TOTOやLE ROUXでの活動で知られるボーカリスト、ファーギー・フレデリクセンが
在籍したことでも知られる5人組が'78年に発表した1stアルバム。(邦題は『氷牙』)
産業ロックと呼ぶにはハード&テクニカルで、プログレッシブ・ロックと呼ぶにはポップ&キャッチーという、
中期STYXや後発のTOUCH辺りを思い起こさせる、アメリカン・プログレ・ハードのお手本のようなサウンドが
全編に渡って繰り広げられる1枚で、3~5分台というコンパクトにまとめられた楽曲の中に目まぐるしい曲展開を設け、
突き抜けるようなハイトーンで溌剌と歌い上げるVo、欧州風味の湿り気を帯びた旋律を紡ぎ出すG、多彩な音色を駆使して
本編を華麗に彩るKey、ダイナミックに弾けるリズム隊、そして立体的に構築されたボーカル・ハーモニーと、
メンバーそれぞれの見せ場を満遍なく盛り込み、且つ流麗に聴かせ切る曲作りの上手さはまさに匠の技。
特に、①⑤⑦⑨といったポップさとプログレ・テイストが絶妙な匙加減で混ぜ合わされた名曲を聴けば、
成功を掴めぬまま、僅か2枚のアルバムのみを残し消滅してしまったTRILLIONというバンドが、
なぜ未だにHR/HMファンの間で語り継がれているか良く分かります。
'98年に初CD化が為されたものの、現在は廃盤状態の本作、一日も早いリマスター再発が待たれる1枚じゃないでしょうか。


PAVLOV'S DOG - Lost in America - Brown Eyes ★★ (2010-01-04 00:00:44)

4thアルバムの中にあっては珍しくG主導で展開していく、
アルバムのラストを締め括る劇的なバラード。
70年代の面影を僅かなりとも留める1曲と言えるかも。


PAVLOV'S DOG - Lost in America - You & I ★★ (2010-01-03 23:56:38)

心地良く弾む曲調に、洗練された哀メロが絡む
産業ロック調の叙情ナンバー。
デヴィッド・サーカンプの歌声は、この手の楽曲を
歌わせると抜群の破壊力を発揮しますね。


PAVLOV'S DOG - Lost in America - Pantomime ★★ (2010-01-03 23:53:52)

キャッチーながら、どこかやるせない悲哀が漂う叙情ナンバー。
これまたサキソフォンの良い仕事っぷりがキラリと光ります。


PAVLOV'S DOG - Lost in America - Don't Rain On Me ★★ (2010-01-03 23:49:57)

華やかなでソウルフルな女性コーラスを取り入れた
これまでのPAVLOV'S DOGにはなかったタイプの楽曲。
都会的な哀愁を演出するハーモニカとサックスの音色が
良いアクセントとなっていますね。


PAVLOV'S DOG - Lost in America - Lost in America ★★ (2010-01-03 23:46:14)

楽曲自体はサックスと女性コーラスをフィーチュアした
穏やかなメロディアス・ハード調ながら、
メロトロン風の音色のKeyとデヴィッド・サーカンプの
特徴的過ぎるVoがPAVLOV'S DOGとしての個性を
きっちりと主張している。


PAVLOV'S DOG - Lost in America ★★ (2010-01-03 22:41:00)

3rdアルバムを制作しながら、レコード会社に契約を打ち切られた事で空中分解してしまったバンドを
デヴィッド・サーカンプ(Vo)とダグ・レイバーン(Key)が中心となって再編、'90年に、彼らの地元である
セントルイスのインディー・レーベルからリリースした4thアルバムがこれ。(邦題は『彷徨える大国』)
中途半端にプログレ時代の面影を引き摺ることなく、専任サックス奏者をメンバーに迎え入れ、曲によっては
お洒落な女性コーラスを取り入れる等、思い切り良く洗練されたAOR路線への方向転換が図られている本作。嘗てのような
強烈な「泣き」が影を潜めてしまった点は物足りないし、突出した名曲が収録されているわけでもないが、良質な
サウンド・プロダクションといい、統一感のある作風といい、トータルの完成度では前作を上回っている(ように思う)。
殊に、唯一無二の存在感を誇るVoだけでなく、サーカンプ御大のアコギの妙技も堪能できるアルバム表題曲①や、
華やかな③、産業ロックに通じる⑤⑥⑦等、サキソフォンの音色が物悲しくアーバンな雰囲気を演出する
ポップ・チューンの数々、そして、個人的に本編で最も愛して止まないバラード⑩といった楽曲は、個性的なVoに、
元来のメロディ・センスの良さと、曲作りの上手さが掛け合わさった事で生まれる、PAVLOV'S DOG印の名/佳曲ではないかと。
近年、またメンバーが再結集して活動中らしいが、だったら1度ぐらい来日してくれんもんかなぁ。


PAVLOV'S DOG - Third - Suicide ★★ (2010-01-03 19:55:05)

デヴィッド・サーカンプの熱唱が映える
哀愁のロック・チューン。
3分弱で終わってしまうのが何とも勿体ない。


PAVLOV'S DOG - Third - It's All For You ★★ (2010-01-03 19:50:03)

スティーブ・スコフィーナ(G)がREO SPEEDWAGON在籍時代から
温めていたスロー・ナンバーで、彼自身がリードVoを担当。
メロトロンをフィーチュアし、後半ではプログレ風の
転調をみせるが、そのままフェードアウトで終わってしまう辺りが
この時点でのPAVLOV'S DOGの姿勢を如実に物語る。


PAVLOV'S DOG - Third - Only You ★★★ (2010-01-03 19:45:26)

Vo、G、ピアノ、メロトロンが泣きまくる涙目OPナンバー。
特に強力なのは、やはりデヴィッド・サーカンプの
細かいヴィブラートを伴ったVoの泣きっぷりでしょうか。


PAVLOV'S DOG - Third ★★ (2010-01-03 19:35:00)

プログレ色をほぼ消し去り、更に楽曲をポップ且つシンプルにまとめ、JEFFERSON AIRPLANEのカヴァー曲③を収録する等、
レコード会社からのムチャ振りに応え続けたにも関わらず、最終的には「デヴィッド・サーカンプの声が時代遅れ」との
理不尽な理由で契約を打ち切られ、長らくお蔵入りの憂き目にあった3作目。(邦題は『セント・ルイスの猟犬』)
バンド解散後の'88年に、メンバー自身の手によってST LOUIS HOUNDS名義で発表され漸く陽の目をみた不遇の作品だが、
その完成度の高さは前2作と比べても何ら聴き劣りなし。そりゃまぁサウンド・プロダクションはそれなりな上、
デヴィッド・サーカンプのVoを中心に据え、シンプルにまとめられた歌物調の楽曲からは、最早デビュー当時の
ドラマティックなプログレ風味は殆ど感じ取れないが(⑧に僅かに薫る程度か?)、一聴して耳を奪われる哀愁の
メロディの湿り気には微塵の鈍りもないし、特に、全セクションが泣きまくるOPナンバー①は涙腺決壊必至の名曲。
また、エネルギッシュに盛り上がる②⑨や、ポップで爽やかな⑥といった楽曲を聴くにつけ実感させられるのが、
サーカンプのシンガーとしての能力の高さ。特異なハイトーンVoのみが注目されがちな御仁なれど、
基本的な歌唱能力の確かさ、分けても表現力の豊かさは凡百のシンガーにゃ及びも付かないレベル。
リマスター盤再発を期に初めて本作に触れましたが、こりゃPAVLOV'S DOGの名の下に発表されるに相応しい力作ですよ。


PAVLOV'S DOG - At the Sound of the Bell - Did You See Him Cry ★★★ (2010-01-03 10:27:44)

楽曲を幻想的に包み込むメロトロンの音色といい
スケールの大きさと緊迫感を伴った
力強くドラマティックな曲展開といい、
文句なしでプログレッシブ・ロック然とした仕上がりを
聴かせるアルバムのラスト・ナンバー。
それでも大作主義に走ることなく、5分半ぐらいの長さに
まとめちゃうのがこのバンドならでは。


PAVLOV'S DOG - At the Sound of the Bell - Gold Nuggets ★★★ (2010-01-03 10:20:17)

邦題は“金塊物語"
アコギのストロークからして「あぁPAVLOV'S DOGだなぁ」
と思わされる叙情ナンバー。
切なげに爪弾かれるマンドリンの音色に思わずホロリ。


PAVLOV'S DOG - At the Sound of the Bell - Valkerie ★★★ (2010-01-03 10:17:01)

邦題は“幻のヴァルキリー"
泣き泣きのデヴィッド・サーカンプのVoと
アンディ・マッケイ(ROXI MUSIC)によるサックス、
幻想的なメロトロン、そして無垢な
少年合唱団風コーラス(?)が楽曲の悲哀を増幅する
アルバム前半のハイライト的名曲。


PAVLOV'S DOG - At the Sound of the Bell ★★ (2010-01-03 10:03:00)

バンドの創設メンバーでもあったマイク・サフロン(Ds)とジークフリート・カーヴァー(VIOLIN)が、
「売れるアルバム作り」を目論むレコード会社&マネージメントの策略によって追い出され、代わって、
元YES~KING CRIMOSNのビル・ブラッフォードをゲスト・ドラマーとして迎え制作、'76年に発表された2ndアルバム。
そんな経緯もあって、スリリングな楽器同士の絡みや、ドラマティックな曲展開といったプログレッシブ・ロック的な
要素が薄れ、シンプルにまとめられた楽曲からは、デヴィッド・サーカンプのVoをより前面に押し出した
穏やかな「歌物路線」へのシフト・チェンジが如実に感じ取れる。彼のVoにしても、以前のような鼓膜に
突き刺さる超音波ハイトーンは控えめで、全体的に無難にメロディを歌い上げているとの印象が強いが、
尤も、それでも相変わらず楽曲はハイクオリティな水準を維持しているし、何より、このバンドの生命線たる
「哀愁のメロディ」も——ややポップさが勝っているとは言え——ちゃんと健在。PAVLOV'S DOGにしか作り得ぬ、
美しくも儚い哀メロに彩られた①②はこのアルバムならではの名曲と言えるし、悲哀に満ちたサックスの音色が
堪らなく胸締め付ける劇的極まりない④、泣きまくるサーカンプの熱唱とマンドリンの旋律が涙腺を刺激する⑥、
そしてメロトロンをフィーチュアし、プログレッシブ・ロック然とした壮大さと盛り上がりっぷりでラストを締め括る
⑨といった珠玉の名曲の数々は、泣きメロ好きなら一度は聴いて頂たい!と、握り拳で熱弁奮いたくなる程のクオリティ。
一般的に「デビュー作ほどのインパクトはない」と評される機会の多い本作だが(実際、その通りだと思う)、
凡百のバンドとの格の違いを見せつける、この完成度の高さはやはり圧巻。


PAVLOV'S DOG - Pampered Menial - Song Dance ★★★ (2010-01-02 20:49:44)

G、Key、ヴァイオリンが強烈に自己主張しまくり
まさにタイトル通りの狂騒を繰り広げられる。
凄まじいテンションと親しみ易い哀愁のメロディが
違和感なく同居した、このバンドの曲作りの
上手さが如実に表れた1曲。


PAVLOV'S DOG - Pampered Menial - Julia ★★★ (2010-01-02 20:42:38)

優美且つ深みある音色で奏でられる
イントロのピアノを聴いただけで
この曲はおろか、アルバム自体の完成度の高さをも
確信させられる、儚くも美しい哀愁に満ちた名曲。


PAVLOV'S DOG - Pampered Menial - Theme From Subway Sue ★★★ (2010-01-02 20:39:22)

“地下鉄のスーの詩"という邦題の意味はよう分からんが
とにかく凄いクオリティだ。
Voを含む全楽器が猛烈に泣きまくるクライマックスの
盛り上がりっぷりは、声を失うほどの素晴しさ。
何度聴いても泣けます。


PAVLOV'S DOG - Pampered Menial ★★ (2010-01-02 20:35:00)

好きな70年代HRバンドは山ほどあれど(と言っても、他人に胸張れる程の数を聴いてるわけではないですが)、
好きなアルバムは?と問われて真っ先に思い浮かぶのは、このPAVLOV'S DOGのデビュー作。
Key奏者2人に、ヴァイオリニストを含む7人編成の大所帯にも関わらず、メンバーの誰1人として無駄に遊んでる
奴がいないという、彼らの作品の中では最もプログレ色が強く感じられる1枚ながら、楽曲は
無意味な大作主義に走る事なくコンパクトにまとめられているし、その作風に小難しさは欠片もない。
取り分け、全編を豊かに彩り、聴く者から涙を搾り取る哀愁に満ちたメロディの威力は絶大極まりなく、優美なピアノの
イントロだけで一気に惹き込まれてしまう①や、“晩秋"という邦題通りの、味わい深い哀感を湛えた②の様なメロウさが
前面に押し出され楽曲、各楽器が狂騒を繰り広げるスリリングな③、ラストに鎮座まします劇的な⑨といった
プログレ・テイストが一際色濃い楽曲の数々、そして両者の魅力を兼ね備えた名曲中の名曲⑥の素晴しさはもはや芸術級。
これらの楽曲の魅力を一層引き立てるのが、微細なヴィブラートと強烈な「泣き」を伴うデヴィッド・サーカンプの
超音波ハイトーンVoで、よく「この声を受け入れられるかどうかが、このバンドを受け入れられるかどうかの分水嶺」
と評される彼の歌声だが、好き嫌いは兎も角、この超個性的なVoは一度体験してみる価値あり。
先日再発された紙ジャケ盤は、リマスターによって音質が一段とクリアになり、凝ったアレンジを施され丁寧に組み立てられた
楽曲の緻密さが、よりハッキリと伝わって来る様になっているので、既に旧盤を持ってる方も買い直す価値は大いにありかと。


HEATHEN - The Evolution of Chaos - Dying Season ★★★ (2009-12-31 17:35:50)

エキゾチックでドラマティックな東洋風のメロディを纏って
激走する3rdアルバムのOPナンバー。
まさか、ARTILLERYの新作に感じた不満が、HEATHENの新作で
解消される事になるとは思ってもみませんでした。


HEATHEN - The Evolution of Chaos ★★ (2009-12-31 17:29:00)

THRASH DOMINATION 09での熱演も記憶に新しい再結成HEATHEN、待望のニュー・アルバム。(3作目)
スラドミで“DYING SEASON"が披露された瞬間から、新作の内容に関する不安は全くなかったが、
まさか、ここまで完成度の高い作品を提示して来てくれるとは思わなんだ。
特に、東洋風味のエキゾチカルなメロディを纏ったイントロを経て、パワフルに疾走を開始するOPナンバー②は、
手数多めのGリフといい、起伏に富んだメロディをしっかりと歌うVoといい、劇的な曲展開といい、初めて耳にした時は
「はて?俺はARTILLERYの新作を聴いてるんだっけ?」と一瞬考え込んでしまったぐらい、『BY INHERITANCE』発表時の
ARTILLERYを彷彿とさせる名曲。個人的にはこの名曲が聴けただけでもうお腹一杯といった感じだが、本作はそれ以降も
1st『BREAKING THE SILENCE』の疾走感と、2nd『VICTIMS OF DECEPTION』の構築美を組み合わせたかの如き
スピーディ且つドラマティックな楽曲が並び、テンションが下がる事は最後までない。捨て曲?ないない。
もう少し楽曲はコンパクトにまとてくれた方が良かった気もするが、その分、リー・アルタスとクラーゲン・ラムの
「蝶のように舞い蜂のように刺す」絶品のツイン・リードGがたっぷりと聴けるのだから、文句ばかりも言えまい。
(尚、EXODUSやSADUSのメンバー、ベイエリア・シーンの先輩格テリー・ローダーデイルといった面々がゲスト参加)
2ndアルバムを上回り、1stアルバムに迫るクオリティの高さを誇る1枚だと思います。


SACROSANCT - Tragic Intense ★★ (2009-12-31 11:04:00)

前任Voがレコーディング直前に首を切られ、よりメロディアスに歌えるタイプのVoを加入させて'93年に発表した3rdアルバム。
バンドの中核を成すドイツ人ギタリストが、元々はPESTILENCEの結成メンバーの1人だったこともあり、
プログレッシブ・ロック方面への傾倒はデビュー作の時点で既に強く感じられたが、本作ではそれがとうとう
全面に押し出され、初期の頃のスラッシュ・メタル色は消失。全編が重苦しく陰鬱な空気に包まれている。
時節柄、PANTERA辺りからの影響の跡も伺えるサウンドにキャッチーな部分はほぼ皆無。どう聴いても取っ付き易い
タイプの音楽ではなく、正直言って地味だ。個人的には正統派HMに通じる明快さを備えていたデビュー作の
作風の方が遥かに好みなのだが(2ndアルバムは未聴)、その一方で、本編の随所でハッと耳を捉える欧州風味の
ダークネスと耽美性を兼ね備えたメロディは健在で、特に重く怪しげなOPナンバー①や、アコギを使った
メランコリックな③辺りは、初期の頃の楽曲と比べても遜色はない仕上がりを聴かせ、
結構魅力的だったりするのだから評価に困る。(ヨーロッパでは本作の方が前2作よりも評価が高いらしい)
尚、終始レコード会社からのサポートに恵まれなったバンドは、これを最後に解散している


SACROSANCT - Truth Is - What Is ★★ (2009-12-31 00:54:00)

ドイツ出身かと思いきや、実はオランダ出身だったと最近知らされた5人組のスラッシュ・メタル・バンドが、
当時、BLIND GUARADIANやHEVENS GATEといったバンドを抱えていた新興のインディペンデント・レーベルNO REMORSEから
'90年に発表したデビュー作。(SACROSANCTの作品で国内盤がリリースされたのはコレだけだったんじゃないかな)
90年代初頭というスラッシュ・メタルが一気に拡散を始めた時期の作品ゆえ、ストレートな疾走感よりも
シャウトと歌い上げを使い分けるVoや、リフ/リズム・チェンジを多用した複雑な曲展開といったテクニカル・スラッシュ的な
側面が強調された内容に仕上がっており、SF調のアルバム・ジャケットに釣られて購入したものの、切れに欠けるDsと、
カタルシスに乏しい地味めな作風に「頭でっかちなスラッシュ演っとるな~」と余り良い印象は受けず、数回
聴いたきりでCD棚の肥料にしてしまっていたのだが、こうして久し振りに聴き直してみると、モタるDsに対する不満は
変わらないまでも、溜めと疾走を繰り返しながらテンションを高めていく曲展開、練り込みの跡が伺えるアレンジの数々、
そして暗く湿ったメロディを紡ぎ出し、全編でドラマティックにハモりまくるテクニカルなツインGの存在といい、
これが案外悪くないのだ。特にスピーディな①④、叙情的なアコギを導入したヘヴィ且つ劇的な③、プログレ方面からの
影響も伺える大作⑩といった、Gがメロディアスに「歌う」ドラマティックな楽曲には強く耳惹かれるもの有り。
必聴の名盤!と評価するほどではないにしろ、意外に味わい深い1枚かなと。
ただ、NO REMORSE RECORDSがポシャってしまったため、現在は廃盤状態とのこと。


SACROSANCT ★★ (2009-12-31 00:48:00)

テクニカル・デス・メタルの最重要バンド、PESTILENCEの結成メンバーの1人だった
ランディ・メインハード(G)がオランダにて結成したテクニカル・スラッシュ・メタル・バンド。
(国内盤のライナーに「西ドイツ出身」と書かれていた為、長らくドイツのバンドだと思い込んでました)
デモ『THE DIE IS CAST』を制作の後、NO REMORSE RECORDSと契約を交わし、
'90年に1st『TRUTH IS - WHAT IS』を発表。(これは国内盤も出た)
アルバムを全くサポートしてくれないレーベルの姿勢に不満を感じたバンドはそこを離れ、
新たに1 MF RECORDSと契約。'91年に2nd『RECESSES FOR THE DEPRAVED』を、
'93年には3rd『TRAGIC INTENSE』を発表。ただ、結局レコード会社からのサポート不足が
解消される事はなく、バンドは'94年に解散している。
余談ながら、NO REMORSE RECORDSはそのすぐ後に倒産。同レーベル絡みの作品は
全く再発が掛からない状態が今も続く。GRINDERのアルバムとか再発して欲しいんだけどなぁ。


STRYPER - Against the Law ★★ (2009-12-30 11:38:00)

復活作『REBRON』における、モダンなヘヴィ・ロックから影響を受けたと思しき作風が賛否両論を呼んだ事も記憶に
新しいSTRYPERだが、個人的に、彼らのアルバムで初めて聴いた時に最も衝撃を受けたのは、'91年発表の本作。
このバンドに何を求めるかは人によって異なると思いますが、STRYPERには、まず何よりも透明感や美旋律、
ドラマティックな曲展開、そして壮麗なボーカル・ハーモニーといった要素を求めてしまう我が身としては、
そうした要素が影を潜め、ラフでワイルドなノリが前面に押し出された本作の作風には戸惑いが隠しきれず、
特に、彼ららしからぬ大味な楽曲が続く前半には頭を抱えてしまった・・・というのが正直なところ。
ロックンロール風味は初期作でだって確認できたけど、あの頃はちゃんとメロディにフックが効いてたからなぁ、と。
尤も、駄作なのかと言えばそこは天下のSTRYPER。そんな筈もなく、穏やかなバラード⑧以降は、HR然とした
エッジの効いたGリフが疾走する(これをOPナンバーにすれば良かったのに)名曲⑨、サビメロのロック・アンセム的な
盛り上がりが心地良い⑩、本編随一のハードネスを誇るスピード・チューン⑪と、マイケル・スウィートの絶品の歌唱と、
STRYPERならではのメロディ・センス(とツインGの活躍っぷり)が映える聴き応え十分の楽曲が並ぶ。
そんわけでクオリティは決して低くない作品だと思うが、個人的には⑧~⑪ばかりを繰り返し聴いてしまう1枚。
逆に言えば、その流れを聴くためだけにでも購入する価値は十分にある作品だと思うが。


TERRAPLANE - BLACK AND WHITE ★★ (2009-12-29 23:40:00)

ダニー・ボウズ(Vo)、ルーク・モーリー(G)、ハリー・ジェームズ(Ds)が在籍し、THUNDERの前身バンド
としても知られる英国はロンドン出身の5人組が'86年に発表した1stフル・アルバム。
THUNDERのようなブルーズ色は殆ど感じられず、如何にも80年代的な煌びやかなKeyサウンドを大々的に纏った
お洒落(当時)な作風は、ポップに弾む曲調、溌剌としたコーラス・ハーモニー、そしてキャッチーなメロディetc・・・
と絵に描いたようなハード・ポップ路線。この手の音楽を歌うには、ダニー・ボウズのVoはちと声が太過ぎる気が
しなくもないが、歌唱力の高さはこの頃から折り紙付きゆえ、それも弱点という程のものではない。無問題。
個人的には、今のメンバーが聴き返した日にゃ悶死するんじゃないかっつーぐらいポップでキュートな③や、ダニーの熱唱と、
ルークのツボを押さえたGプレイが華やかな盛り上がりを演出する⑤辺りがイチオシなれど、それ以外の楽曲も粒揃いで、
まさに「3分程の曲の中に、耳に残る印象的なコーラス部があって、パワフルにロックしてて、ダンス出来たり、
ブラック・ミュージックからの影響もあったりするんだ」とのルークの言葉通りの内容に仕上がっているんじゃないかと。
コンスタントに好みの楽曲が並んでいる分、個人的にはTHUNDERのアルバムよりも愛聴している1枚だったり。
せっかく同時再発されていたのに、買い逃したまま今に至る2nd『MOVING TARGET』が聴いてみたいなぁ。


LEATHER - Shock Waves - In a Dream ★★ (2009-12-28 21:40:02)

暗く、物悲しげな雰囲気漂うヘヴィ・バラード。
レザーのVoはもとより、美しくエレアコを閃かせる
マイケル・ハリスのGプレイも美味しい1名曲。


LEATHER - Shock Waves - The Battle of Life ★★ (2009-12-28 21:37:32)

メロウに始まり、IRON MAIDENばりに勇壮にギャロップし、
最後は再びメロウに幕が閉じられる、様式美HMならではの
起承転結が美しく決まった名曲。
レザーのパワフルなVoが、曲の持つドラマ性を一層引き立てます。


LEATHER - Shock Waves ★★ (2009-12-28 20:14:00)

男性シンガー顔負けのドスの効いた歌声を誇る、CHASTAINのゴッド姐ちゃんことレザー・レオーネ(Vo)が'89年にLEATHER名義で発表したソロ・アルバム。
ソロという事で女性らしさを強調してポップ路線に冒険してみたり・・・なんて事は全くなく、大半の楽曲をデヴィッド・T・チャステインが手掛けているだけあって、CHASTAINと同一路線の欧州風味漂うダークなHMサウンドが全編に渡って展開されているので安心されたし。
ただ、全体的にミドル・テンポの楽曲が多く収録され、レザーの「歌」を聴かせる事に重点が置かれている辺りがCHASTAINとは異なる点か。(この辺の楽曲の作り分けも含めて、デヴィッドの曲作りの上手さには感服させられますね)
で、その彼の代わりにGとして本作に参加しているのは、デヴィッドの教え子でARCH RIVALのメンバーとしても知られるマイケル・ハリス。ソロ作『DEFENSE MECHANIZMS』収録の名曲“MIND OR HEART"におけるエモーショナルなGプレイで泣きメロ・マニアの涙を搾り取った彼氏だが、ここでも確かなテクニックを以って、楽曲の盛り上がりを的確にサポート。特に、ドラマティックな様式美HMナンバー②、暗く湿ったスロー・ナンバー④は、レザーの見事な歌唱とマイケルのGの魅力がガッチリ噛み合った名曲でしょう。
CHASTAIN程のインパクトはないが、あのバンドのファン以外にもアピールし得る品質を備えたHMアルバムじゃないかと。


LEATHER ★★ (2009-12-28 20:11:00)

一部マニアの間では、TERRA ROSAの赤尾和重、HELLIONのアン・ボレイン、WARLOCKの
ドロ・ペッシュらと共に「女ロニー・J・ディオ四天王」とも呼ばれた女性シンガー。
CHASTAINのフロントマンとしてHR/HMシーンで注目を集め、5枚のスタジオ作に参加。
'89年にはデヴィッド・T・チャステイン(G)のバックアップを受けてソロ・アルバム『SHOCK WAVES』を
ROADRUNNER RECORDSから発表している。(デヴィッドの他に、後にCANNNIBAL CORPSEやNEVERMOREに
参加するパット・オブライエン(G)も正統派へヴィ・メタリックな楽曲を提供してくれている)
シンガーとして最も脂の乗っていた時期の作品ゆえ、ビブラートの効いた雄々しい歌唱は
男性シンガーも裸足で逃げ出す迫力を誇り、逆に迫力があり過ぎてクドく感じてしまう人もいるぐらい。
'91年の『FOR THOSE WHO DARE』を最後にCHASTAINから去り、現在は音楽シーンから
完全に身を引いてしまっている様子。残念。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Leise rieselt der Schnee (2009-12-23 22:37:52)

HOLY MOSESのザビーネ・クラッセンがリードVoを担当する
ドイツのトラディショナルなクリスマス・ソング。
Voのグダグダっぷりが楽しい1曲で、歌ってる最中に
我慢できずに吹き出してしまうザビーネ姐さんに
思わず頬が緩みます。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Silent Night, Holy Night ★★ (2009-12-23 22:33:58)

“きよしこの夜"のタイトルでお馴染みの有名曲。
前半は比較的オリジナルに忠実な展開ながら、
アクセル・ルディ・ペルのGに牽引される形で後半は爆走開始。
LIVING DEATHのトトのカミソリVoがその勢いに
拍車を掛けてくれます。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Jingle Bells ★★ (2009-12-23 22:31:11)

シングルベ~ル、ジングル・ベ~ル、鈴が鳴る~♪
という有名なメロディを、金切り声で絶叫する
トト(LIVING DEATH)のVoを聴いてるだけで笑えてくる1曲。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Mary's Little Boy Child ★★ (2009-12-23 22:28:31)

邦題は“マリアの御子の生まれ給いし日"
ジャーマン・スラッシュ然とした刻みの細かいGリフに、
ヨルグ・マイケルが叩き出すタイトなリズム、
ピーヴィー・ワグナー&トーステン“トト"ベルグマンの
カミソリ・ツインVoが意外なくらい上手くハマッて
OPにぴったりなキャッチーなスラッシュ・ソングと化している。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project ★★ (2009-12-23 22:24:00)

MEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトが音頭を取って立ち上げたX'MAS PROJECTが、STEELER時代のアクセル・ルディ・ペル、
RAGE、HOLY MOSES、LIVING DEATH、LIONS BLEEDといった、ジャーマン・パワー/スラッシュ・バンドの
協力を得て制作、'86年に発表した作品。(日本では'91年にテイチクから国内盤がリリースされた)
クリスマス・シーズンに必ず耳にするポピュラー・ソングの数々に、スラッシーなアレンジを施してスピーディ且つ
アグレッシブにカヴァーするという、ANIMETAL的な方法論で作られた本作(発表はこっちの方が先だが)。
音質はかなりラフだし、一発録りでレコーディングされた演奏はかなりグダグダ、シンガーなんて歌ってる最中に
堪えきれずに吹き出す始末(笑)。お祭り感覚全開で制作されたノリ重視の作品ゆえ、生真面目なメタラーには
お薦めできないが、刻みの細かいGリフといい、タイトに突進するリズムといい、結構キャッチーなスラッシュ・ソングと
化している①、超有名なメロディと、金切り絶叫Voのギャップが凄まじい②、前半は比較的原曲に忠実な展開ながら、
後半から一気に暴走を開始する⑦など、参加ミュージシャン連中が楽しそうに演奏する姿が目に浮かぶ楽曲の数々は、
聴いてるだけでこっちまで何やら楽しい気分に。クリスマスをテーマにした企画盤は数多いが、その中でも本作は
特にイチオシの1枚。毎年、クリスマスの季節になると無性に聴きたくなりますね。


X-MAS PROJECT ★★ (2009-12-23 22:20:00)

MEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトが、超有名なクリスマス・ソングの数々をスラッシーにカヴァーする目的で、
ジャーマン・パワー/スラッシュ・シーンのミュージシャン達の協力を得て立ち上げたX'MAS PROJECT。参加バンドは、
RAGE、LIVING DEATH、HOLY MOSES、STEELER時代のアクセル・ルディ・ペル、SCANNERの前身バンドとして知られる
LIONS BLEEDなど結構豪華。(サンクス・リストにはKREATORやVIOLENT FORCEといったバンドの名前も見られる)
'85年に発表した4曲入りEP『BANGIN' ROUND THE X'MAS TREE』が好評を博した事から、翌年、更に5曲を追加収録し、
フル・アルバムの体裁で『X-MAS PROJECT』を発表。
邦盤は『メタル・クリスマス』のタイトルで'91年にテイチクよりリリースされた。
演奏も音質もかなりラフで、ノリ重視のかなり緩い仕上がりながら(意図的だけど)
聴いてるだけで楽しくなってくるハッピーな内容に仕上がっていて、個人的にはお気に入りの1枚。
また演ってくんないかなぁ。


BRAINSTORM - Downburst ★★ (2009-12-22 23:05:00)

こちらのレビューを読んで興味を持ち、中古で安く売りに出されていたのを見かけて衝動的に購入。インディ団体の
覆面レスラーみたいなオッサンが描かれたジャケットを漫然と眺めつつ、「でもメロパワは苦手なんだよなぁ」等と
考えながら聴き始めた本作だったが、この手のバンドにありがちなフニャチン系ハイトーンとは一線を画すパワフルなVoに、
筋骨隆々のリフ&リズム、そして劇的なツイン・リードGが地響き立てて突進する勇壮なOPナンバー①がスタートした途端、
「おおっ」と思わず身を乗り出してしまった。メロパワ云々を通り越して、正統派HMの力作じゃないですか、これは。
おちゃらけや媚とは無縁の、武骨さが前面に押し立てられた重厚な作風ながら、マッチョ一辺倒で大味に堕する事なく、
「戦う男の悲哀」とでも言うべき、硬派な哀愁を背負ったメロディ(PARADOX辺りに通じるもの有り)に彩られた楽曲には
確実に耳を捉えるフックと、ライブ映えしそうなキャッチーさが備わっているし、全編に漂う悲壮な空気をググッと
盛り上げるKeyの使い方も巧み。厳ついイメージとは裏腹に、中庸な魅力を発揮する④の様な楽曲を収録する等、
スピードに頼りきらない、痒い所に手の届く曲作りの上手さがキラリと光る。
欧州圏じゃとうの昔にステータスを確立済みらしいが、実際、堂々たる貫禄と風格の感じられる1枚。
聴かず嫌いはいかんなぁ、と反省した次第。


GOTHIC SLAM - Just a Face in the Crowd - Demented Obsession ★★ (2009-12-20 18:52:06)

Voがムーディに歌うメロウな導入部から
パワフル且つドラマティックに盛り上がっていく名曲。
アルバムの中では例外的なノリの1曲ながら、
こうした楽曲でも説得力十分にこなせる辺りに
バンドの実力の高さが伺えたり。


GOTHIC SLAM - Just a Face in the Crowd ★★ (2009-12-20 18:45:00)

こんなバンド名だが、別にゴシック・メタルを演ってるわけではない(寧ろ音楽的にはラテンのノリが感じられる)
ニュージャージー州出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが'89年に発表した2ndアルバム。
重厚なGリフの刻みっぷりや、楽曲が放つアグレッションは間違いなくスラッシュ・メタル由来のものなれど、
RAVENのロブ“ワッコ"ハンターがプロデュースを担当しているためか、隙間の多い音作りからはシンプルな
ロックンロール・テイストが強く感じられるし(THIN LIZZYの代表曲“THUNDER AND LIGHTING"のカヴァーが
全く違和感なくハマっている)、メロディアスに歌うVoや、後にILL NINOで活躍する事となる名手デイヴ・チャヴァッリの
変幻自在なドラミングを筆頭に、テクニカルな楽器陣の演奏が作り出す、躍動感に溢れたグルーヴが前面に押し出された
作風からは、クロスオーバー・スラッシュ的色合いが強く感じられる。そのため直線的な疾走感を期待して聴くと
間違いなくスカされる事になる本作だが、一方で、ツイン・リードGが紡ぎ出すメロディには正統派HM由来の
ドラマ性が宿っているし、中にはバラード調に始まりIRON MAIDENばりにドラマティックに盛り上がっていく
⑨のような名曲も収録されているので、個人的には、あっさりスルーするのは勿体ない魅力を感じてしまう1枚でもある。
このバンドのデビュー作が聴いてみたいんだけど、全然見当たらないんだよなぁ。(中古盤はプレミアがついてるし)


HELLION - Screams in the Night ★★ (2009-12-20 12:36:00)

ランディ・ローズに師事し、必殺のUPSIDE DOWN奏法(ギターを逆さに構えてタッピングするという死ぬほど無意味な奏法)が
一部で話題を呼んだ(?)ギタリスト、チェット・トンプソンを擁するLA出身の4人組が'87年に発表した1stフル・アルバム。
「女ロニー・ディオ」ことアン・ボレインの男勝りでパワフルなVoと、アメリカのバンドらしからぬ
硬派でダークなHMサウンドが、明るく華やかなLAメタル・シーンの中にあって一際異彩を放っていた彼らだが、
この頃はまだまだ、アンの歌唱といい楽曲といい、お世辞にも垢抜けてるとは言えず、全体的に荒削りな印象は否めない。
尤も、この時点で「正統派HM」という方向性は明確に定まっており、既にアンの歌声からは強力なサムシングが
感じられるし、チェット・トンプソンのGプレイも、エレクトリック・シタールを用いたインスト曲④を筆頭に、
流石「ランディ・ローズ門下生」の看板は伊達じゃねぇな、と唸らされるだけの構築美を湛えていて聴き応え十分。
特に、アルバムの幕開けに相応しい勇壮な①、様式美HM然とした起承転結を有する⑤、そしてアルバム後半の
ハイライトと言うべき、RAINBOWの名曲“STARGAZER"を彷彿とさせる神秘的且つドラマティックな
ラスト・ナンバー⑧といった楽曲は、両者の魅力が十二分に発揮された名曲に仕上がっている。
HELLION入門篇としては次作『THE BLACK BOOK』をお薦めするが、様式美HMファンなら本作もきっと気に入る筈。


TARGET - Mission Executed / Master Project Genesis - Ultimate Unity ★★ (2009-12-20 02:27:03)

エキセントリックなメロディを歌うVo、
自己主張の強いB、起伏の激しいリズムを叩き出すDs、
個性的なGリフの刻みから、ドラマティックな
ハーモニー・プレイまで慌しくこなす2本のGが
スリリングに絡み合いながらスラッシーに疾走する
TARGET印のテクニカルな名曲。


URBAN TALE - Urban Tale - One Day (I'll Make You Mine) ★★★ (2009-12-19 12:05:52)

『ESCAPE』に収録されてても全く違和感がなさそうな
ドJOURNEYなバラード。素晴しい。


URBAN TALE - Urban Tale - Circus ★★★ (2009-12-19 12:04:09)

Keyによる味付けがプログレ・ハード的な雰囲気も演出。
どこかノスタルジックな味わいを湛えたメロディが
じんわりと胸にしみ、妙にホロリとくる。
個人的には1stで最も愛して止まない名曲。


URBAN TALE - Urban Tale - The Devil in Me ★★ (2009-12-19 12:01:07)

仄かな哀愁と、心が浮き立つポップな雰囲気を纏って
軽快に駆け抜けて行く、アルバムのOPにはピッタリな1曲。


URBAN TALE - Urban Tale ★★ (2009-12-19 11:50:00)

スティーヴ・ペリー似のハスキー・ボイスを駆使して伸びやかに歌うVoと、確かなテクニックを備えつつ、
終始メロディ重視の姿勢を崩さない二ール・ショーン型のGが、軽快なリズム・セクションに乗って
キャッチーに駆け抜けていく①が始まった瞬間、「よっ、フィンランドのJOURNEYっ」とありがちな称号で
バンドに呼び掛けたくなる、ヘルシンキ出身の5人組が'01年に発表したデビュー作。
JOURNEYからの多大なる影響を土台に(もともと彼らのトリビュート・バンドとして活動を開始したのだとか)、
そこに北欧のバンドらしい透明感を加味して構築された産業ロック・サウンドは、洗練された清涼な哀メロに満ち、
聴いてるだけで、日々の生活で荒んだ心がみるみるうちに癒されていく様な感覚が味わえる。
作品全体を柔らかく包み込むノスタルジックな雰囲気がこれまた絶品で、特に、Keyがプログレ・ハード風味を
演出する③は、いつ何時聴いても、仄かな悲哀を湛えたどこか郷愁を誘うメロディにほろりとさせられる名曲。
(2ndアルバムは、このノスタルジックな空気が薄らいでいて残念だった)
勿論、前述のOPナンバー①や、バンドの代表曲として知られる名バラード⑤といった、
「ドJOURNEY」路線の楽曲の素晴しさについては今更言うまでもない。
捨て曲なしのクオリティ誇る本作だが、敢えてイチャモンをつけるなら、全13曲という収録曲の多さ。
もうちょい曲数を絞った方が、1曲1曲のインパクトが高まったんじゃないかなぁ。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - Star Fighter ★★★ (2009-12-17 23:27:09)

これぞ北欧メタル!という美しくも攻撃的な
ツインGのイントロだけでご飯3杯は行けるます。
音は悪いし、歌は下手だし、ひたすらリフだけで
押し切ろうとする曲展開は垢抜けない。
でもそうしたイモな部分も含めて愛して止まない名曲。


PROUD - Fire Breaks the Dawn ★★ (2009-12-17 23:06:00)

北欧メタル・ファンの間で「隠れた名盤」として今に語り継がれる、スウェーデンはランツクルーナ出身の
5人組HMバンドが唯一残した'84年発表のデビュー作。
アルバムの作風をバッチリ伝える暗く怪しげなアートワークと、『情炎の白夜』なる邦題が非常に良い味を出している本作。
'93年に国内盤がCD化された際には速攻お店に買いに走りましたが、一聴して最初の感想は「音悪っ」(苦笑)。
Voもお世辞にも歌が上手いとは言えず、音質の酷さと拙い歌唱が相俟ってアルバムの貧乏臭さに拍車が掛かってますが、
しかし、それが一体なんだと言うのか。デビュー当時「虫歯になりそうなぐらい甘い」なんて評されたのは、
このバンドだったかSKAGARACKだったか忘れてしまったが、ともかく甘美にしてドラマティックなツイン・リードGを
前面に押し出した、北欧のバンドらしいリリカルな叙情性と、NWOBHM由来の攻撃性が丁度良い按配で
組み合わされた楽曲の数々が放つ鮮烈な輝きは、そうした諸所の欠点を差し引いて尚、霞む事はない。
個人的には、ツインGがメロディアスに切り込んで来るOPナンバー①のイントロを聴いた瞬間「買って良かった~」と
目尻を下げましたが、本作はそれ以降も、ラストを締めるシャープな疾走チューン⑧に至るまで優れた楽曲が目白押し。
これでシンガーがもっと上手かったら最高だったのに・・・と思わなくもないが、歌唱力は兎も角、このVoが朴訥と歌う
マイナー調のメロディは、本編の寒々とした空気を引き立てる役割を果たしていて切り捨て難い味わい有り。
正直なところ荒削りで垢抜けない作品だし、とても万人向けの代物ではないが、日々、泣きメロ/クサメロの探求に
余念がないメロディ愛好家の方なら、間違いなく生涯お付き合いしたくなる魅力を秘めた1枚かと。


DEFIANCE - The Prophecy ★★ (2009-12-16 22:34:00)

「再結成アルバムを作ってるらしい」との情報はあっても、その後リリースされる気配が一向になく、
どうなんてんだろ?と思っていたDEFIANCEから漸く届けられた復活第1弾アルバム。(通算4作目)
闘病の末この世を去った故ダグ・ハリントン(G)に捧げられた本作は、ブックレットに在りし日の彼の姿を捉えた写真が
収められているだけでなく(添えられたメッセージが涙を誘う)、ダグが作曲に関与し、生前にレコーディングされていた
当人のGプレイまでフィーチュアした楽曲を収録するなど、ファンならずともグッと来る仕上がり。
肝心の内容に関して言えば、そのダグの死がアルバム作りにどの程度影響を及ぼしたかは知る由もないが、爆発寸前の
感情を無理矢理押し殺したかのような、不穏なテンションを孕んだ本編の雰囲気は、かなり殺気立っていてダーク。
もともとスピードよりもパワー重視のバンドだったが、本作は彼らのカタログ中、最もヘヴィな作風を誇る1枚と言えるかも。
それでも、スラッシュ・メタルならではの疾走感はきっちりと保たれているし、デビュー当時から彼らの大きな武器であった
構築美を感じさせるメロディックなGソロも存分に聴く事が出来るので、DEFIANCEファンがこれ聴いて失望するような事は
まずないように思う。・・・ないように思うのだが、その一方で、じゃあファン以外にもアピールし得る内容か?
と問われると、正直キツイもんがあるかなぁ、と。これといったキメ曲に欠ける地味めな構成はまだしも、
ちゃんと歌えるシンガーにも関わらず、今回ほぼ全編をハードコア調の怒号で押し通すスティーヴ・エスコヴァルのVoには、
かなり賛否が分かれるんじゃないでしょうか。個人的には「ないわー」って感じなんですが。勿体ないって。


TARGET - Mission Executed - They Walk in Front ★★ (2009-12-16 19:24:46)

スラッシーな疾走感を保ちつつ、
イントロの一捻り、手数の多いGリフ、
ドラマティックなツインG、そして
慌しい曲展開・・・と、TARGETという
バンドの個性が判り易く表現された
名刺代わりの1曲。


TARGET - Mission Executed - Under Dominion (of Death) ★★ (2009-12-16 19:15:34)

RAGEのピーヴィ・ワグナーのシャウトから
スタートするスラッシュ・ナンバー。
テクニカル&プログレッシブな印象の強いバンドだけど
こうして聴くと楽曲は結構キャッチーですよね。


TARGET - Mission Executed - The Gathering ★★★ (2009-12-16 19:12:49)

1stアルバム中、最も正統派へヴィ・メタリックな1曲。
へなちょこシャウトが炸裂するイントロは
Voの力量不足が透けて見えて苦笑を誘うが
楽曲自体は神秘的且つドラマティックで素晴しい。


TARGET - Mission Executed - Nuclear Waste ★★ (2009-12-16 19:09:11)

1stアルバム後半には比較的ストレートな
スラッシュ・ソングが並んでいるのだが、
ベースに導かれてスタートするこの曲は
その幕開け的存在。
「華麗」と表現したくなるツインGも印象的。


TARGET - Mission Executed / Master Project Genesis ★★ (2009-12-15 21:50:00)

70年代HRに通じるスケール感や楽曲構築術、プログレッシブ・ロックばりに変拍子、リフ/リズム・チェンジを駆使した
作風をもって、「スラッシュ・メタル版CAPTAIN BEYOND」(by伊藤政則)とも評されたツインGを擁する5人組が、
デビュー作に引き続いてラルフ・ヒューベルトのプロデューサーの下、AAARRGH RECORDSから'87年に発表した2ndアルバム。
TARGETの最高傑作として、既に廃盤のCDが中古盤市場で5桁のプレミア価格で取引されている本作だが、
実際、内容の方もそれに見合ったクオリティの高さを誇る。
「MEKONG DELTAの2nd『THE MUCIC OF ERICH ZANN』にインスピレーションを得て作った」とメンバーが明かす通り、
目まぐるしく展開していく複雑且つテクニカルな楽曲群からは、デビュー作以上にMEKONG DELTA臭が漂ってくるが、
と同時にこのバンドの場合、元ポップ・シンガーという出自を持つ新Voがしっかりとメロディ(かなりクセが強いが)を
歌い、ツインGが流麗に奏でる旋律は正統派HM由来のドラマ性を備え、存外キャッチー。何よりスラッシュ・メタル
ならではの畳み掛けるような疾走感が前面に押し出されているため、テクニカル・スラッシュ系にありがちな
難解さや取っ付き難さが殆ど感じられず、個人的にはMEKONG DELTAよりもずっと贔屓にしていたり。
LIVING DEATHの3rd(あ、これもラルフ絡みの作品か)辺りが好きな人にもお薦めできる逸品。この度めでたく
リマスター再発と相成ったものの、限定再発ゆえまた直ぐ廃盤になるやも知れず、未聴の方はお早めのご購入をどうぞ。


TARGET - Mission Executed ★★ (2009-12-15 21:45:00)

ACIDやCYCLONEと並ぶベルギー・スラッシュ・シーンの筆頭TARGETが、MEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトを
プロデューサーに迎えて制作、その彼が主宰するAAARRGH RECORDSから'87年に発表した1stアルバムが遂にリマスター再発。
一度聴いてみたいと思ってた作品なので、このCD化は嬉しいなぁ。(CD化は今回が初めてでは?)
「ベルギーのMEKONG DELTA」なんて言われた2nd『MASTER PROJECT GENESIS』に比べると、楽曲にしろ音作りにしろ
かなり荒削りだが、メロディ無視で喚き立てるVoや、突っ込み気味のDsがガンガンと走りまくるサウンドは、
欧州(というかジャーマン系)スラッシュ・メタルならではのカッコ良さに満ち溢れていて、これはこれで非常に魅力的。
寧ろ、アバンギャルドな部分もある『MASTER~』よりもこっちの方が好みだというスラッシャーも結構いるんじゃなかろうか?
ダークでミステリアスな雰囲気漂うドラマティックな⑦、RAGEのピーヴィー・ワグナーがゲスト参加してシャウトを
決めてくれる⑧といった、正統派へヴィ・メタリックな楽曲を収録する一方、慌しく動き回るGリフに、
激しくのたうつB、流麗に絡み合い劇的にハモるメロディックなツインG、そしてリフ/リズム・チェンジを
多用して畳み掛ける曲展開など、次作での大化けを予感させる楽曲もしっかりと収録(特に③は名曲)。
傑作と名高い2ndアルバムに、勝るとも劣らない内容に仕上がっていると思います。