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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 601-700

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 601-700

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URGENT - Cast the First Stone - Only You ★★★ (2021-06-11 00:53:59)

ピアノのイントロに始まり、マイケル・ケイルの絶品な歌声と
泣きのメロディをフィーチュアして、エモーショナル&
ドラマティックに盛り上がっていくアルバム屈指の名曲。


URGENT - Cast the First Stone - Love Can Make You Cry ★★ (2021-06-11 00:50:26)

『トップガン』のヒットに便乗したスカイ・アクション映画
『アイアン・イーグル』のサントラに提供したしんみりバラード。
DIO、エリック・マーティン、KING KOBRA、HELIX等々、
参加アーティストがHR/HM系で固められたこのサントラ、
現在では結構な高値で取引されているという。


URGENT - Cast the First Stone - Running Back ★★★ (2021-06-11 00:40:34)

シングルカットされ、ビルボードチャートでは
70位台まで上昇するポテンヒットとなった
アルバムのOPナンバー。躍動感溢れる曲調に
キャッチーなコーラス、そしてどこかクールな
哀メロに彩られた掴みに持ってこいの名曲です。


URGENT - Cast the First Stone ★★★ (2021-06-10 00:48:56)

ロッド・アージェント(THE ZOMBIES)のARGENTとか、似たような名前のバンドがあちこちに存在していて混乱しますが、こちらはNY出身で、マイケル(Vo、G)、ドン(Key)、スティーヴ(Ds)のケイル3兄弟を中心に結成された5人組。本作は英国ロック界のレジェンドMOTT THE HOOPLEのイアン・ハンター&ミック・ロンソンをプロデューサーに起用してレコーディングを行い、’85年に米メジャーのCAPITOL RECORDSから鳴り物入りでリリースされたURGENTの1stアルバムにあたる作品です。
尤も、本作に渋みというか、ブルージーな要素はほぼ皆無。むしろFOREIGNERの名曲を想起させるバンド名だけあって、ここで披露されているのは80年代然とした音作りの下、煌びやかなKeyが印象的なリフを奏でてサウンドの下地を整え、そこに張りのあるハイトーンで歌いまくるVo(今だったらトビー・ヒッチコックを思い出したりする声質)と、エッジの効いたGが斬り込んでくる洗練されたハードポップ路線。レコードが廃盤になって以降、国内盤が一度もCD化されていない事実が俄かには信じ難いほどのクオリティを誇っており、特にシングル・カットされてチャートでも健闘したというキャッチーなOPナンバー①を皮切りとする頭3曲は、都会的なクールネスと哀メロ・センスを併せ持った逸品揃い。5曲目のみちょっと毛色の異なるロックンロールなのですが、後半にも躍動感溢れるHRナンバー⑦、Voの熱唱が劇的な盛り上がりを演出するパワー・バラード⑧といった、アルバム・ハイライト級の名曲が続々登場しますんで、テンション下がってる暇なんぞありゃしません。
紛うかたなき「隠れた名盤」と評すべき1枚。国内盤を再発して欲しいなぁ。


WILD HORSES - The First Album - Reservation ★★★ (2021-06-09 00:28:24)

アルバムのOPナンバー。オカズ多めで奮戦する
クライヴ・エドワーズのドラミングの効果もあって
収録曲の中では最もHRテイストを色濃く纏う。
その中でハッと耳を奪われるブライアンの
情感迸るGソロにグッときます。


WILD HORSES - The First Album - Face Down ★★★ (2021-06-09 00:21:05)

キャッチーに弾むロック・チューンで、
2本のGがハモリながら奏でる人懐っこいメロディは
やはりTHIN LIZZYを彷彿とさせます。


WILD HORSES - The First Album ★★★ (2021-06-08 00:03:16)

NWOBHMの盛り上がりは新人の台頭とベテランの奮起によって支えられており、そのベテラン側に属していたバンドの一つとして知られるのが、このWILD HORSES。THIN LIZZYから脱退したブライアン・ロバートソン(G)と、元RAINBOWのジミー・ベイン(Vo、B)を中心に、後にUFOに参加するニール・カーター(G)、PAT TRAVERS BANDやLIONHEART等での活動で知られるクライヴ・エドワーズ(Ds)という布陣で結成された彼らが、トレヴァー・ラビンをプロデューサーに起用して'79年に発表したデビュー作がこちら。
日本ではIRON MAIDEN、DEF LEPPARD、GIRLと共に「NWOBHM四天王」として紹介されたバンドなれど、実際のところは他の3バンドから「フフフ、奴は四天王中でも最弱…」とか言われてしまいそうなNWOBHM度数の低さ。そもそもバンド自身にNWOBHMの一員との認識はなかったでしょうし、フィル・ライノットやスコット・ゴーハムとの共作曲も収録する本作で聴かれるのは、THIN LIZZYに通じる快活なロックンロール・サウンド。ジミーのVoに強烈な個性が欠けるのと、これといったキメ曲も見当たらないため初めて聴いた当時の感想は「なんか地味じゃね?」と冴えないものでしたが、今となっては「そこが良いんじゃない!」と。クライヴのドラミングがもっさりと頑張る本編中最もハードロッキンな①、2本のGが奏でる懐っこいメロディがTHIN LIZZY風味を醸し出す②、しんみりと哀愁薫るバラード④等、英国産らしい明るくなりきれないポップ・センスが活かさたHRサウンドを彩るブライアンのGプレイも、全編に亘って実によく歌ってくれています。
一発で掴まれるというよりは、じわじわと浸透してくる、聴くほどに好きなる1枚ですよ。


WHITECROSS - Whitecross - Signs of the End ★★★ (2021-06-04 00:41:37)

アルバムのラストを締め括るアップテンポのHMナンバー。
この曲のみちょっと他の楽曲とは毛色が異なり正統派テイストが色濃い。
ついでに音質もちょっと違うような?


WHITECROSS - Whitecross - He is the Rock ★★★ (2021-06-04 00:00:42)

ズンズン刻まれるリフ&リズム、合唱を誘発するコーラス、
フラッシーに駆け巡るG、ライブ映え間違いなしの曲調etcと、
無条件にロックせずにはいられない
「アメリカン・メタルここにあり!」な1曲。


WHITECROSS - Whitecross ★★ (2021-06-03 00:39:44)

イリノイ州出身のクリスチャン・メタル・バンドで、一時は袂を別ったものの、「バンド・メイトと和解せよ」との啓示を受け(たかどうかは定かじゃありませんが)、再結成を遂げた現在は両名ともバンドに健在という、スコット・ウェンゼル(Vo)とレックス・キャロル(G)により結成されたWHITECROSSが、'87年に発表したデビュー作。
ブルージーだったりヘヴィだったりと、90年代以降はその時々の音楽的流行に敏感に反応し、そのエッセンスをサウンドに取り入れていった彼らですが、本1stアルバムで聴けるのは80年代の王道というべき、乾いた音色でザクザク刻まれるリフ、ライブ映えを踏まえたミドル・テンポ中心のリズム、クセの強い声質にシャウト主体のVo、そして曲中を華やか且つテクニカルに駆け巡るGプレイをフィーチュアした、RATT辺りを彷彿とさせるLAメタルど真ん中のサウンドを実践。
先輩バンドたるSTRYPERなんかと比べるとメロディのフックはやや物足りなく、「悪くはないんだけど決定打に欠く」弱点もデビュー作にして早くも顕在化。それでも緊迫感を湛えた曲調と合唱を誘うキャッチーなコーラスがカッコイイ③、ほんのりQUEEN風味の美しいバラード⑤、音楽の博士号を持つというレックスのセンスが発揮されたインスト・ナンバー⑨(タイトルが“NAGASAKI”ですよ)、最もヘヴィ・メタリックな仕上がりの⑩といった楽曲を始め、本編は要所要所で「おっ」と思わされるホーリーなオーラを放っていて、気が付くとまたCDを手に取って再生してしまっているという。
音作り含めまだまだ粗削りな仕上がりれど、そこがまた魅力にもなっているように思える1枚ではないかなと。


TALISMAN - 7 - End of the Line ★★★ (2021-06-02 01:22:17)

リズムはゴリゴリにファンキーながら、ジェフが熱唱するメロディは
哀愁を帯びていて、昔よく耳にした「下は大火事、上は大水、これ何だ?」
というなぞなぞを思い出してしまった逸品。テクニカルに華を添える
フレドリックのGも印象に残ります。


TALISMAN - 7 - Falling ★★★ (2021-06-02 01:16:52)

ジェフのホットなVoが歌い上げる冷ややかな哀メロが
躍動感溢れるリズムに乗ってハジけるOPナンバー。
TALISMANの個性と魅力がこれでもか!と表現された名曲です。


TALISMAN - 7 ★★★ (2021-06-01 00:54:27)

ジェフ・スコット・ソート(Vo)がJOURNEYに引き抜かれ、フレドリック・オーケソン(G)もARCH ENEMYへと去り、活動停止を余儀なくされたTALISMANが'06年に残した7thアルバム。でもまぁマルセル・ヤコブ(B)さえ健在なら、またメンバーの体が空いたタイミングでバンドを再始動してくれるでしょ?と軽く考えていたところに届いたマルセル自死の報。まさかこれが本当にTALISMANの最終作になってしまうとは…。
せめてもの慰めは、本作の内容が素晴らしかったこと。いわゆる「北欧メタル」と聞いてイメージする線の細さ/頼りなさとは一線を画す、図太く脈動するリズム、ジェフ由来の黒っぽいフィーリング携えたグルーヴ、そしてマルセルがクリエイトする冷ややかな憂いを帯びたメロディが一体となって畳み掛けるサウンドは、唯一無二のTALISMAN流HRの集大成と呼ぶに相応しい充実ぶりを誇っています。個人的には古き良き北欧メタルの様式美に忠実だった1stへの思い入れがひとしおなのですが、こと独自性という点においては本作に軍配が上がることに異論を差し挟む余地はありません。
特に跳ねるような疾走感溢れる曲調に冷ややかな哀メロが乗ったOPナンバー①は本作の魅力を凝縮したような名曲。以降も、グルーヴはダルだけどメロディは濃い口の哀愁を帯びた②③、コシの強いビートを刻むリズム隊とフレドリックのテクニカルなGプレイがギラリと光る④、フレッシュなハードポップ⑥…と、語ろうと思えば頭から1曲ずつ語れてしまうレベルのフックとヒネリの効いた楽曲が目白押し。これが最終作とは寂しい限りなれど、間違いなく有終の美を飾るに相応しい品質が備わった1枚です。


CHEZ KANE - Chez Kane - Ball n’ Chain ★★★ (2021-05-27 23:21:54)

フックの効いたメロディと、ライブ映えしそうな
ノリの良さを併せ持った、3rdアルバムを発表した頃の
BON JOVIを彷彿とさせるポップ・メタル・チューン。
思わずクレジットにデズモンド・チャイルドの名前を探してしまいましたよ。


CHEZ KANE - Chez Kane - Rocket on the Radio ★★★ (2021-05-27 23:12:45)

ハジけるような高揚感を伴うサビメロが絶品の
アルバム・ハイライト・ナンバー。
80年代だったら映画やドラマの主題歌に起用されて
大ヒットをかっ飛ばしていたであろう名曲です。


CHEZ KANE - Chez Kane ★★★ (2021-05-27 01:02:46)

プロデュースから作曲、演奏まで、CRAZY LIXXの中心メンバーであるダニー・レクソンの全面バックアップを受けてデビューを飾ったイギリス出身の女性シンガー、シェイ・ケインのデビュー作。’21年発表。
ロビン・ベック、リー・アーロンといった80年代に活躍した女性HRシンガーの現代版を世に送り出したい…とのダニーのコンセプトに則り、アルバムに託されているのは、サックスをフィーチュアした快活な①、ライブ会場の盛り上りが目に浮かぶアンセミックな②といった居並ぶ楽曲が物語る通り、嘗てのBON JOVIやDEF LEPPARDを彷彿とさせる王道アリーナ・ロック路線。レザーファッションに指抜きグローブ、キツめのアイメイク等、気合の入った80年代ファッションで全身を包んだシェイ嬢も、気持ち良く伸びていくハイトーンを駆使したフレッシュな歌声でサウンドを瑞々しく彩ってくれています。
個人的にはジム・スタインマンと組んでいた頃のボニー・タイラーを思い出したりもするこの作風はドンピシャでして、特に高揚感に満ちたキャッチーなサビメロが絶品の③、歯切れ良く弾むKeyリフにこっちの気持ちも弾む⑤、初期BON JOVIに通じるフックの効いた哀メロにグッとくる⑦を初めて聴いた時は、「確か大映ドラマの主題歌だったよね?」「麻倉未稀が日本語でカヴァーしてなかった?」と、ありもしない記憶が脳裏を駆け巡ったぐらいですよ。パンチの効いた疾走ナンバー⑧のカッコ良さもなかなかのもの。
シェイ嬢のシンガーとしての資質と、プロジェクトの方向性が幸福な一致をみた充実作。是非ともこの座組でアルバム・リリースを重ねて欲しいと念願する次第です。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - No Easy Way out ★★★ (2021-05-25 23:00:49)

ロバート・テッパーが歌っていた『ロッキー4 炎の友情』主題歌を
SOILWORKのビョーン“スピード”ストリッドをシンガーに据えてカヴァー。
最初にレコーディングされたアルバム作りにおけるキーとなった楽曲だそうで、
両者の声質が似通っていることもあり、殆ど違和感なく楽しめます。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - Maniac ★★★ (2021-05-25 22:50:56)

映画『フラッシュダンス』挿入歌。オリジナルを歌っていたのはマイケル・センベロ。
ここではSOILWORKのビョーンと、KAMELOTやTHERIONのリネア・ヴィクストロムが
Voを分け合っています。疾走感溢れる曲調に、憂いを帯びたメロディと
ロック・アレンジがズバリはまった個人的にはアルバムのハイライト・ナンバー。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 ★★★ (2021-05-24 23:35:10)

PRETTY MAIDSのクリス・レイニー(G)が発起人となり。PRETTY MAIDSの他にSOILWORK、HAMMERFALL、KING DIAMONDらのメンバーを集めて立ち上げられた、80年代を代表するメガヒット映画の主題歌をメロハー・アレンジでカヴァーするプロジェクトのデビュー作。'20年発表。
コロナ蔓延によるロックダウンの影響でツアーに出れず、仕方なく自宅で映画を見ていた時にアイデアを思い付いたそうで、チョイスされているのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ビバリーヒルズ・コップ』『ネバー・エンディング・ストーリー』等々…いずれも映画館やTVの洋画劇場でヘビーローテーションされてきた有名作ばかり。その主題歌ともなれば曲名は知らずとも一度はどこかで耳にしたことがあるお馴染みのメロディ揃いゆえ、懐かしさに思わず頬が緩むというもの。無論ノスタルジーだけに留まらず、改めて聴き直しても楽曲は優れモノが多く、特にビョーン“スピード”ストリッドが歌う①(『ロッキー4 炎の友情』)、疾走感溢れる曲調の上でフックの効いた哀メロが踊る②(『フラッシュダンス』)、ロニー・アトキンスやブルース・キューリックも参加している⑧(『マッドマックス3 サンダードーム』)、ボーナストラック扱いなのが勿体ないぐらい秀逸な出来栄えの⑫(『ステイン・アライヴ』)辺りはお気に入り度高め。
タイトルに『Vol.1』と入れているぐらいですから、今から第2弾が楽しみな1作。まだまだ『トップガン』とか『フットルース』とかベタなところが残っていますが、個人的には是非『ストリート・オブ・ファイヤー』の“今夜は青春”をお願いしたいところです。


PAUL RODGERS - Cut Loose - Rising Sun ★★★ (2021-05-20 23:38:48)

ピアノをバックに切々と歌い上げられるエモーショナルなバラード。
歌詞からすると、ポールの奥さん(日本人)に捧げられている楽曲なのかな?と。


PAUL RODGERS - Cut Loose - Live in Peace ★★★ (2021-05-20 23:32:43)

重く、抒情的に揺らめく曲調にポールの熱唱が絡む、
後にTHE FIRMでもリメイクされた名曲。
ピアノとギターをフィーチュアして徐々に温度を上げながら
盛り上がっていく後半を聴いていると
BAD COMPANY時代の名曲“RUN WITH THE PACK”を思い出したりも。


PAUL RODGERS - Cut Loose ★★★ (2021-05-20 00:04:09)

人間関係の悪化により6th『ROUGH DIAMONDS』を最後にBAD COMPANYから脱退したポール・ロジャースが、歌は勿論のこと、プロデュースから作詞作曲、そして全ての楽器を自ら担当して作り上げた、文字通りの「ソロ」アルバム(’83年発表)。ちなみにこの時期のレコーディング・セッションが切っ掛けでジミー・ペイジと親交を深め、後のTHE FIRM結成へと繋がっていくこととなるのですが、それはまた別のお話。
権利関係が複雑なのか何なのかわかりませんが、日本ではリリース当時LPが発売されたきりでその後はCD化の機会にも恵まれず、長らく廃盤のまま放置プレイ状態が続いている扱いの悪さな本作ですが、内容はメチャ強力。
ジャケットを飾るこざっぱりとしたポールの立ち姿が物語る通り、余計な装飾を省き、シンプルかつ骨太に押し出して来るブルージーなロック・サウンドは、熱気溢れるロックンロール・ナンバーからエモーショナルなバラード、そして本来ならBAD COMPANYのアルバムに収録される予定だったという楽曲に至るまで、ポールの燻し銀の熱唱に、トシちゃんばりにハッとして!GOODとなる優れた逸品が並んでいます(その辺はご本人作曲だから心得たもの)。特に、後年THE FIRMでもリメイクされた哀愁のバラード③や、ムーディに奏でられるピアノが効果的な⑤⑧といった抒情メロディに彩られたスロー・ナンバーの出来栄えは絶品ですよ。
個人的にはBAD COMPANY時代の名盤群と比較しても決して聴き劣りしない隠れた名盤だと思うのですが、いかがでしょうか。ぼちぼち国内盤の再発をお願い致します。


BLACKFOOT - Medicine Man - Guitar Slingers Song and Dance ★★★ (2021-05-18 22:58:17)

アルバムのハイライトを飾る名曲。哀愁を帯びてドラマティックですが
暗さよりも、乾いた大地にすっくと仁王立ちするような
力強さ、雄大さが勝っている辺り、サザンロック・バンドの面目躍如でしょうか。


BLACKFOOT - Medicine Man - Not Gonna Cry Anymore ★★★ (2021-05-18 22:44:42)

軽快に跳ねるKeyリフを伴って豪快かつグルーヴィに
押し出して来るHRナンバー。仄かに哀愁を帯びたメロディを
パワフルに歌い上げるリッキー・メドロックのVoに痺れます。
音作りはソフトながら、往年のBLACKFOOTテイストが匂い立つ名曲です。


BLACKFOOT - Medicine Man ★★★ (2021-05-17 23:36:57)

男臭くパワフルなサザン・ロック・サウンドがNWOBHMに盛り上がる英国で人気を博し、ライブの名盤『HIGHWAY SONG LIVE』爆誕へと繋がったBLACKFOOTが、LYNYRD SKYNYRDのメンバーでもあるリッキー・メドロック(Vo)を中心に、ほぼ彼のソロ・プロジェクト状態で再編され、'91年に発表した復活作。通算9作目。ボリューム的には帰還の挨拶代わりのEPといった感じではあるのですが、日本盤はボーナストラック2曲が追加収録されているのでアルバムとしての体裁は整っています。
Key奏者としてURIAH HEEPのケン・ヘンズレーをメンバーに加えた活動後期は、洗練されたメロハー色を強めていった彼らですが、本作では原点に立ち返ったようなサウンドを披露。とはいえ70年代作品のような荒々しさや埃っぽさは控えめで、言うなれば後期メロハー路線のフィルターも通してブルージーなHRサウンドをプレイしているような感じ。薄味と言えば薄味。でもそこにのっけからパワフルに歌いまくる、衰え知らずなリッキーのオヤジの哀愁背負った歌声が乗っかると「ああ、BLACKFOOTだなぁ」と猛烈に納得させられてしまうという。特に、FREEの名曲“STEALER”のカヴァー②のハマりっぷりは流石ですし、印象的なKeyリフをフィーチュアして豪快に押し出して来る④、ノリ良く跳ねる⑤、そしてアルバムのハイライトを飾る、ドラマティックだがアメリカのバンドらしい抜けの良さも兼ね備えた⑦といった逸曲から迸る熱量には圧倒されるものがありますよ。
BLACKFOOTのカタログの中では比較的地味な存在ですが、決して侮れない完成度を誇っている辺りは流石。見かけたらチェックしておいて損はない1枚です。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems - Conspiracy ★★★ (2021-05-14 00:02:44)

重々しいリズムに重厚な曲調、シームレスで
次曲“RED GARTERS”に繋がっていく曲展開といい。
WITCHFYNDEにつきまとう「オカルト」「サタニック」な
イメージにアルバム中最も忠実と言えそうなラスト・ナンバー。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems - Stab in the Back ★★★ (2021-05-13 23:56:21)

BLACK SABBATHの面影は皆無ですが、歯切れの良いGリフと
シャウトVo、メロディックなGソロをフィーチュアした
正統派HMナンバーとして十分にカッコイイ出来栄え。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems ★★ (2021-05-13 00:18:23)

アフロ頭にコワモテの顔面力で睨みを効かせてくるオッサンのジャケット(ひっくり返しても別の顔に見えるトリックアートかと思ったら違った)が目印の、WITCHFYNDEが'84年に発表した4thアルバム。なおLP発売当時は、ヨーロッパ・ツアーのライブ音源4曲も収録された2枚組仕様でのリリースだったという。
不気味なイントロに導かれて幕が上がる本編ですが、オドロオドロしいアートワークや「NWOBHM」「オカルト」「サタニック」といったWITCHFYNDEについて回るキーワードに惹かれて手を出したリスナーに肩透かしを食らわせる、軽くはないが特段ヘヴィというわけではなく、スローじゃないけどかと言ってスピーディでもないという、シンプルで飾り気のない中庸なHRサウンドは今作でも健在。曲調は重厚ながら新Voの声質もメロディの響きも妙に明るいOPナンバー①が早速物語る通り、ドゥーミーなダークネスを求める向きには不完全燃焼感が半端ない本作なれど、例えポップなノリの楽曲を演っても明るくはなりきれない、精一杯陽キャを気取ってはみたけれど、ふと我に返って溜息をついてしまう感じにこそ、個人的には「ああ、英国メタルっぺー」と妙に惹かれてしまうわけでして。
Gソロ含め正調NWOBHMといった趣きで駆け抜ける②、ライブではコール&レスポンスが盛り上がりそうな③、タイトルと裏腹なアゲアゲ疾走チューン⑦辺りは特にお気に入り度高し。ラストは憂いを湛えた重厚なメドレー⑧⑨(さりげなくOPナンバーと対になるアレンジが施されている)で劇的に締め括ってくれるのも嬉しいじゃありませんか。
先入観を抜きにすれば十分「NWOBHMの良盤」として楽しめる1枚です。


TYTAN - Justice: Served! - The Cradle ★★★ (2021-05-11 23:38:08)

アルバムをバイキング・メタルばりの劇的で
締め括ってくれるエピック・チューン。
垢抜けないジャケットもヘタウマVoも、
このダークで荒くれた曲調には非常に
マッチしているように感じられますよ。


TYTAN - Justice: Served! - Reap the Whirlwind ★★★ (2021-05-11 23:18:40)

ツインVoとハモンド・オルガンを用いて
重厚に押し寄せるドラマティックなエピック・チューン。
ヘタウマVoが垢抜けない雰囲気を漂わせますが
それが逆に「NWOBHMの隠れた名曲」感を醸し出していなくもないという。


TYTAN - Justice: Served! ★★★ (2021-05-10 23:22:13)

カル・スワン(Vo)を擁し、幻のNWOBHMバンドとして高い人気を誇るTYTANが、元ANGEL WITCHのケヴィン・リドルス(G)を中心にまさかの復活を遂げ、プロデューサーにクリス・タンガリーディスを起用して30数年ぶりに発表した2ndアルバム。
とはいえ、ミュージシャン稼業から足を洗ったカルは当然不参加。今回の再結成の成否は彼を再び引っ張り出せるかどうかにかかっていたわけで、それが果たせなかった時点で大きなハンデを背負ってしまった感は否めず、しかも代わりにリードVoを分け合っている弦楽器隊の3人は、揃いも揃って(カルの美声とはかなり距離がある)オッサン声の持ち主ばかり。B級感漂うアートワークももうちょっと何とかならんかったもんかなぁ。
…と、「TYTAN復活作」に寄せる期待感を踏まえると厳しい評価が口をつく本作ではありますが、1st『ROUGH JUSTISE』と切り離して評価すれば、実はそんなに悪い内容じゃないんですよこれが。劇的なツインGが映える②、エピック・メタリックな⑤⑨⑫、うらぶれた哀愁漂う⑥、憂いを帯びたメロディが駆け抜ける⑦等は、1stとは趣きを異するもののこれはこれでカッコイイ。もし「お蔵入りしたNWOBHMバンドの未発表音源」として提示されたら、おっ、掘り出し物だね!と身を前に乗り出すだけのクオリティは有しています。
なので、「あのTYTAN」の2ndではなく「新生TYTAN」のデビュー作と割り切って楽しむことをお薦め致します。そうすると、文句垂れてたヘタウマVoや垢抜けないアートワークも、80年代初頭のマイナー・メタル臭を濃厚に発散する本編には非常にマッチしているように感じられるんじゃないかなーと。購入当初は「星2つ」ぐらいの評価でしたが、どんどん愛着が増している1枚。


DANGER ZONE - Fire Fire ★★★ (2021-05-06 23:09:26)

デジタル配信されたE-Z-Oの代表曲のカヴァーで
2nd『UNDYING』の日本盤にボーナストラックとして収録。
そちらは配信バージョンとも異なる、Keyを活かした
よりドラマティックなアレンジが施されていて
(終盤のGソロも胸に迫るものあり)オリジナル版に
勝るとも劣らぬ仕上がりとなっています。


DANGER ZONE - Undying ★★★ (2021-05-05 23:34:44)

イタリア人ギタリスト、ロベルト・プリオリ率いるDANGER ZONEが'12年に発表した2nd。国内盤は'18年のリリースで、その際にはタイトルを『UNDYING《RELODED》』と改め、GとKeyの録り直し、ミックスやリマスターによるお色直しが図られています。
結成は80年代前半と古く、デビューEP『VICTIM OF TIME』を発表した頃はNWOBHMからの影響も露わな武骨な正統派HMを演っていたそうですが、アメリカを拠点に活動するうちに徐々に音楽性がポップ化。復活第2弾アルバムとなる本作で聴けるのは、Keyによる薄化粧も施されたタイト&キャッチーなメロディック・メタル。
国内盤の発売がANDER STEINからだったので、もっとAOR/産業ロック路線に寄せまくった内容かと思いきや、熱い歌いっぷりが気持ち良いVoにフラッシーなG、エッジと重量感を併せ持ったリフ&リズムがサウンドが過度に甘口になることを防いでくれています。だからこそ我らがE-Z-Oの代表曲“FIRE FIRE”のカヴァーもばっちりハマったのではないかと。同曲に深く関わったジョディ・グレイがロベルトのビジネス・パートナーだったのが縁で今回のカヴァーが実現したらしいのですが、これが「原曲より良いんじゃね?」と思わずにはいられない劇的な出来栄え。正直本編のハイライト級なこの曲のインパクトが他の収録曲の存在を霞ませてしまっているきらいはあるものの、それでもGプレイが痛快な②、小気味良くハジける⑦、Voの熱唱がメロディの哀愁味を引き立てる⑨といったフックの効いた楽曲からも明らかな通りバンドの作曲術とセンスの冴えに疑う余地はありません。
とりあえず“FIRE FIRE”目当てでもいいので一聴をお薦めする1枚。


DOMINOE - Keep in Touch - Let's Talk About Life ★★★ (2021-05-04 23:30:24)

ダンサンブルなビートに軽快なシンセが絡み、
仄かに哀愁を含んだキャッチーなメロディと
明るいコーラスが華を添える、ザ・80年代!
感溢れる逸品。これまたシングル・カットされて
本国では好成績を記録しています。


DOMINOE - Keep in Touch - Here I Am ★★★ (2021-05-04 23:25:29)

Keyによる派手なイントロで興味を引き付け
女性コーラスも配したキャッチーかつ華やかな
サビメロで聴き手をノックアウトする名曲。
シングル・カットされ、本国ドイツではTOP5に
食い込むヒット曲になったのだとか。


DOMINOE - Keep in Touch ★★★ (2021-05-04 00:38:09)

ドイツ出身で、紅一点のKey奏者を含む6人組DOMINOEが'88年に残した1stアルバム。本国ドイツや隣国スイスではかなりのヒットを記録したこともあり、今でも根強い人気を誇る1枚で、帯付の国内盤CDが中古盤屋にて、5桁のプレミア価格で売りに出されているのを見かけたこともあるぐらいですよ。
一昔前の国産RPGのオープニング曲みたいなイントロからスタートする本編で披露されているのは、シンセをふんだんに取り入れて透明感を演出するAOR/産業ロック寄りのメロハー・サウンド。ダンサンブルなビート、角を出来るだけ削りソフティケイトされた音作りは80年代ど真ん中といった趣きで今聴くと多少の古臭さが漂いますし、同ジャンルに属する英米の一線級バンドと比べると、シンガーにはもうワンランク上の歌唱力を求めたくなるというのが正直なところ。決して下手というわけではないのですが…。
しかし、後にプロデューサー業でも辣腕を振るうロバート・パプスト(G)の曲作りの才能が遺憾なく発揮された収録曲は、早くも瞠目させられる輝きを放っています。「売れてぇんだよ、俺達は!」との切実なシャウトが響てくるかの如く、どの曲もメロディは耳馴染みが良くすこぶるポップ&キャッチー。思わず赤面してまうぐらいキャッチーな④⑤、シングル・カットされヒット・チャートを賑わせた(TOP5入り)というのも納得の、伸びやかなメロディを美しいコーラス・ワークが華やかに彩る⑥や、洗練された洒落オツなロック・チューン⑦といった名曲は、DOMINOEの魅力を分かり易く体現してくれています。
現在は輸入盤が安く買えますので、未聴の方はまずはそちらからいかがでしょう。


Viana - Forever Free - We Will Never Say Goodbye ★★★ (2021-04-29 23:55:42)

ブライトで爽快な曲調に、伸びやかなシンガーの歌唱と
よく歌うGが実にマッチ。アルバムの締め括り役に
本編中最もHR然とした味わいを発するこうした楽曲を
配置するバンドは信用に値します。


Viana - Forever Free - Do You Remember ★★★ (2021-04-29 23:49:11)

物悲しいメロディとドラマティックな曲展開とに彩られた
珠玉のバラード。ブライアン・コールとテリー・ブロックの
デュエットも、楽曲のエモーショナルな盛り上がりを
一層際立たせてくれています。


Viana - Forever Free - Forever Free ★★★ (2021-04-29 23:44:06)

伸びやかなシャウトからスタートする、
OPナンバーに相応しい爽快なエネルギーに
満ち溢れたロック・チューン。
プレ・コーラスからサビメロに至る
絶妙なメロディ展開に星3つです。


Viana - Forever Free ★★★ (2021-04-28 23:09:44)

日本にも同じような名前のプログレ・バンドがいたなとか思いましたが、あちらはヴィエナでこちらはヴィアナ。90年代からキャリアを積むベテランながら、ついぞアルバム・デビューの機会に恵まれなかった、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった苦労人、ステファノ・ヴィアナ(G)率いるメロハー・プロジェクトが'19年に発表した2ndアルバム。
プロデューサーのアレッサンドロ・デル・ベッキオがKeyとVoも兼任していた前作に対し、今回はブライアン・コールなる新メンバーを専任Voとして迎えることで、よりバンド感を強化。しかもこのアメリカ人シンガー、ソロ・アルバムのリリース経験もある御仁だけにかなりの実力者。マイルドかつ伸びやかな歌声で、ポップで爽快なメロハー・チューンの魅力を確実に底上げしてくれています。加えて、Voパートのプロデュースをテリー・ブロック(STRANGEWAYS)に依頼するという水も漏らさぬバックアップ体制が敷かれ、収録曲のクオリティに関しては最早疑念の入り込む余地は欠片もなし。こちとらジョン・ロス(G)をゲストに迎え、HR然とした躍動感溢れる曲調に、程好く哀愁を湛えたメロディが絡むOPナンバー①(サビメロが最高)が始まった途端、アルバムの完成度を確信しましたよ。
テリー・ブロックとのデュエットがこれまたグンバツに効果を上げている感動的なバラード⑦、アルバムのラストを爽やか&キャッチーに締め括る⑩等、要所に名曲を散らしてダレ場なく本編を聴かせ切る、メロディ職人の技前がキラリと光るメロディアスHRの好盤。日本での所属レーベルの店じまいに伴い、発売から速攻で廃盤なってしまい、多くのリスナーの耳に届く機会を逸してしまったことが惜しまれてならない1枚です。


TOMMY FUNDERBURK - Anything for You - You Got the Love ★★★ (2021-04-28 22:43:53)

モダンなフィールも仄かに漂わせつつ
情感豊かな歌声と要所で美しく閃くアコギが
メロディの哀感をグッと際立たせる、
聴く度に「良い曲だなぁ」とため息をつきたくなる逸品です。


TOMMY FUNDERBURK - Anything for You ★★★ (2021-04-26 23:44:19)

AIR PLAYを筆頭に、WHAT IF、BOSTON、COVERDALE/PAGE等々、数多のセッション・ワークで鳴らしてきた実力派シンガー、トミー・ファンダーバーク。どちらかと言えば裏方スタッフ的なイメージもあった彼が、FRONTIERS RECORDSのバックアップの下、プロデューサーにファブリッツォ・V・グロッシを起用して制作、’05年に発表した初のソロ・アルバムがこちら。
FRONTIERS RECORDSのプロジェクトというと、看板として起用されたシンガーは事前に用意された楽曲をただ歌うだけ、というパターンも少なくありません。個人的にはそれが悪いこととは全く思っておらず、腕利きソングライター勢によって優れた楽曲がズラリ揃っていればそれだけアルバムのクオリティは跳ね上がりますし、寧ろそれを押しのけてまで収録した自前の楽曲が退屈だったら目も当てられないですよ。
但し、本作に関して言えば元々トミーが優れた作曲家であることに加え、どういったタイプの楽曲が自身の爽快なハイトーンVoが映えるか熟知していることもあり、収録曲はすべてご本人のペンによるもの。適度にロックのエッジを効かせつつ、キャッチーなメロディとフックに彩られたメロディアスHRサウンドは、単なる自己満足とは無縁の高いクオリティを有しているのだから流石。中でもアコギを活かしたエモーショナルな曲調が感動を呼ぶ⑥はグッとこみ上げる名曲に仕上がっています。
本作以降、表立った活動のニュースが伝わって来ないのが残念ですが、是非ともまたソロ・アルバムを作ってくれないものか。


MYRATH - Hope - My Inner War ★★★ (2021-04-23 00:06:26)

アルバムのラストに置かれた8分越えの大作ナンバー。
流麗なピアノが秀逸なアクセントとなっているのが
ピアノ好きの身としては嬉しい限り。
実はアラビア音楽要素は然程でもなかったりするのですが
今聴くとMYRATHの楽曲としては逆にそれが新鮮だったりもするという。


MYRATH - Hope ★★★ (2021-04-21 23:48:29)

チュニジア出身という珍しさでも注目を集め、それだけに留まることなく、確かな実力とそれに裏打ちされた作品のクオリティをもって世界的人気を誇るようになったMYRATHの記念すべきデビュー作。’07年発表。
プロデューサーはADAGIOのKey奏者として知られるケヴィン・コッファート。バンドの人気拡大に大きな貢献を果たしたシンガー、ザヘル・ゾルガディ加入前の作品ゆえ、ここではエリエス・ブシューシャがKeyと兼任でVoも担当しています。いやしかしこれが全然悪くない。SYMPHONY Xのラッセル・アレンを想起させる歌いっぷりはリード・シンガーとしても立派に食っていけるレベルに達していますよ。
曲作りに関しては「複雑にするために複雑にしている」ドヤ顔感のある曲展開はやや未整理で、リズムに関しても比較的ストレートというか、彼ら独特の円を描くような(舞踏のステップを踏むような)リズム・ワークは然程目立っていません。曲によってはクラシカルなメロディ、デス声による咆哮、ブラスト・ビート等々の要素を取り入れた試行錯誤が、いかにも新人プログレ・メタル・バンドといった趣きで微笑ましいという。無論、既にアクセントの領域を越え、作品全体のカラーを決定付ける規模で導入されている妖しくしなやかなアラビックなメロディも大きな効果を上げていて、11分越えの⑤、8分越え⑧といった大作曲も(多少強引な部分はあれど)聴かせ切る演奏技術/作曲術も冴えています。
個性確立へと至る過渡期の作品とはいえ、ここでしか聴くことの出来ない音楽性がこれはこれで十分に魅力的に響く1枚。


NORTHEN LIGHT - Northen Light - Wherever You Go ★★★ (2021-04-21 00:59:13)

故トニー・ミルズがVoを担当するハードポップ・ナンバー。
美しいハーモニーを纏いつつ、哀愁がふわっと匂い立つ
サビメロが絶品の素晴らしさで、トニー・ミルズの起用も
バッチリはまっています。


NORTHEN LIGHT - Northen Light - Don't Turn Away ★★★ (2021-04-21 00:55:52)

トール・タッレとヨルン・ランデの共作曲で、
Voもヨルンが担当。やはりこの人歌が上手い。
ハーモニーが爽やかに舞うポップな曲調に
合わせた伸びやかな歌唱で楽曲をより華やかに
盛り立ててくれています。


NORTHEN LIGHT - Northen Light ★★★ (2021-04-20 00:11:52)

MADISONの隠れた名曲“NORTHEN LIGHTS”を思い出すプロジェクト名だけである程度期待値が高まってしまうメロディック・ロック・プロジェクトの唯一作。'08年発表。
中心人物はノルウェー出身のギタリストでトール・タッレなる人物。まったく聞き覚えのない名前ゆえ、いくらアルバムの評判が良かろうとそれだけなら買おうとは思わなかったのですが、本作を手に取るとまず目に飛び込んでくるのがゲスト・シンガー勢のクレジット。ファーギー・フレデリクセン、トニー・ミルズ、ヨルン・ランデ、ミカエル・アーランドソン、ロブ・モラッティ、ピーター・スンデル、キモ・ブロム…このちょっとした「メロハー・オールスターズ」といった顔触れには、そりゃあ興味をそそられずにはいられませんて。
音楽業界の裏方ソングライターとして、ドラマや映画、CMソング、他アーティストの楽曲を手掛けながら曲作りの腕前を磨いてきたキャリアの持ち主だけに、ヨルン・ランデが歌う(曲作りにも関与)爽やかな哀愁と高揚感が立ち昇る②、トニー・ミルズの伸びやかな歌声と哀愁薫るサビメロの取り合わせが絶品の名曲③、思わず気恥ずかしさを覚えてしまうぐらい甘くキャッチーな⑥、キモ・ブロムのクリアな歌声が哀愁味を引き立て、トール・タッレがギタリストとしても存在感を発揮する⑩等々、北欧らしい透明感と瑞々しさを併せ持つ哀メロに彩られたメロハー・サウンドは、単にゲストが豪華なだけの空虚な作品とは一線を画する見事なクオリティを誇っています。
現在は本業の方が忙しくこのプロジェクトは休眠状態となってしまっているようですが、本作を聴くと、是非とも継続をお願いしたくなる次第。


ASIA - Aura - Free ★★★ (2021-04-16 01:02:32)

往年のプログレ風味を仄かに匂わせる
8分越えのドラマティックな大作ナンバー。
疾走パートも組み込まれた曲展開は起伏に富むが、
全体しては静謐なイメージが勝る。
それがまた良し。


ASIA - Aura - The Last Time ★★★ (2021-04-16 00:55:02)

哀愁のメロディにジェントルメンな歌声と美麗なハーモニー、
楽器陣の的確なアシストを得て、聴き手をじんわりと
内側から暖め癒してくれるような、英国産ハードポップ
ならではの魅力を湛えた名曲。


ASIA - Aura ★★★ (2021-04-15 01:34:21)

故ジョン・ウェットンを擁したオリジナル・ラインナップに比べ、ジェフ・ダウンズ(Key)&ジョン・ペイン(Vo、B)主導期のASIAは数段下がる辛めの評価を受けがちで(安易なベスト盤や蔵出し音源集の乱発等、自業自得な面も多分にありましたが)、斯くいう自分も1st~3rdは頻繁に聴き直すのに、4th以降は一体何枚アルバムがリリースされているのかすら正確には把握できていない体たらく。しかしそうした舐めた態度を反省させられる切っ掛けとなったのが、'01年発表の本作の存在でした。
Aに始まりAに終わるタイトルといい、名匠ロジャー・ディーンの手によるアートワークといい、ASIAの様式美を踏襲しつつも最早ここには「3分間のプログレ」と評された頃のスリルは希薄で、楽器陣も飽くまでVoの引き立て役に徹するAOR/産業ロック路線へとシフト完了済み。とはいえペインのシンガーとしての実力に不足は全くありませんし、彼の人肌の暖かみを感じさせる歌声と、極上のハーモニーによって紡がれるポップな抒情メロディの魅力はそれを補って遥かに余りあるもの有り。
淡々としたBラインが逆に印象的な⑥、ハード・ロッキンな疾走パートも組み込まれた本編随一のドラマ性を発揮する⑧、泣きがじわじわ染み出すバラード⑩といった楽曲は、初期ASIAのそれと比較しても何ら聴き劣りはしませんし、特にジェントリーな包容力と、聴き手を励ますような高揚感を沸々と湧きあがらせる曲調が中期MAGNUMを思い出したりもする④は本編最大の聴き所に推したいハイライト・ナンバーですよ。
聴けば貴方も必ずや「4th以降のアルバムもチェックしてみようかな…」との気にさせられること請け合いの充実作。


ART OF ILLUSION - X Marks the Spot - Let the Games Begin ★★★ (2021-04-13 23:49:46)

ヒンヤリとした感触の哀メロ、立体的に配置されたコーラス、
ミュージカル風味の曲展開と、HR然としたエッジとキャッチーな
疾走感が相俟って実にアガる名曲に仕上がっています。


ART OF ILLUSION - X Marks the Spot - My Loveless Lullaby ★★★ (2021-04-13 23:25:53)

荘厳な導入部を経てテンポアップ、冷ややかな哀メロを
ラーズの伸びやかな歌声と華麗に舞うコーラス、シアトリカルな曲展開とで
劇的に盛り立てグイグイと聴き手を引き込んで行く「これぞアンダース・リドホルム!」な名曲。
Voがピーター・スンデルだったらGRAND ILLUSIONの楽曲と言っても通用しそうです。


ART OF ILLUSION - X Marks the Spot ★★★ (2021-04-13 01:01:06)

ハイきた、早くも今年ベスト1作品(候補)。GRAND ILLUSIONで一躍注目を集め、現在はデーモン閣下のソロ・アルバム制作に関わったりツアーに同行したりといった活動で知られるマルチ・アーティストのアンダース・リドホルムと、WORK OF ARTやLIONVILLE等で高い評価を得るシンガー、ラーズ・サフサンドがタッグを組んだプロジェクトのデビュー作。
WORK OF ARTとGRAND ILLUSIONの組み合わせだからART OF ILLUSION。安直~と言うなかれ。軽快なイントロで今回はポップ路線に寄せたの?と一瞬不安にさせておいてからの、サビでは立体的なコーラスが壮麗に舞うアレンジの出現で「よっ、待ってました!」とニヤリとさせられる①を始め、曲作りをほぼ一手に担うアンダースの作曲センスと、ラーズの伸びやかでエモーショナルな歌声が理想的なマッチングを果たした本作は、聴き終えてみればまさしくこのプロジェクト名がぴったりであったと深く理解できる筈。特にGRAND ILLUSIONのアルバムに収録されていても違和感のない③⑥⑧はアンダースの美学が凝縮されたアルバムのハイライト。冷ややかな哀メロを伴いシアトリカル且つ劇的に駆け抜ける③の素晴らしさにゃ、こちとら瞳孔が開きっ放しになりましたよ(大袈裟)。
他にもQUEENを北欧風の味付けで料理したようなミュージカル調の④⑨⑫あり、爽快に躍動するハードポップ②⑩あり…。ボートラ収録の⑬までラーズの美声が映える美しいバラードなんですから、本作の捨て曲なしのクオリティっぷりが窺い知れようというもの。
当然第2弾、第3弾アルバムも期待せずにはいられない傑作。あとやはりアンダース・リドホルムはもっと色々なバンド/プロジェクトで活躍して欲しい逸材だなぁと。


MARA - Mara - Promises Made to Be Broken ★★★ (2021-04-08 23:53:26)

リズミカルな曲調を、煌めくKeyと声を張るほどに哀愁味を増す
マーティ・ファリスの感傷的な歌声が彩るOPナンバー。
心の柔らかい部分を刺激するジェイソン・アノロフのGソロも絶品で、
もっと高く評価されて然るべきギタリストだったのではないでしょうか?と。


MARA - Mara ★★★ (2021-04-07 23:47:30)

90年代に残した2枚の国内盤が中古屋の特価コーナーでひっそりと埃を被っているオハイオ出身のHRバンドMARA。個人的には今でも両作を引っ張り出しては聴き直しているぐらいお気に入りのバンドでして、本作はMARAが'95年に発表した蔵出し音源集に当たる作品です。
カセットのみの流通だった自主制作の1st『BREAKING THE SILENCE』収録曲の内、2nd『POETRY & MOTION』でリメイクされなかった6曲に、未発表曲2曲を加えた全8曲からなる構成。長らく探していた1枚ゆえ、数年前に中古盤屋で発見した時は思わず震えましたよ。まぁその割に1,000円弱で買えちゃって「プレミアついてないんかい!」と、特に誰も欲しがっていない事実に嬉しいような悲しいような複雑な心境に陥りましたが。
ともあれ、漸く聴けた本作はやはり大変素晴らしいメロディアスHRアルバムでしたよ。次作『AMERICA』では90年代らしいシリアスで内省的な雰囲気も漂わせていた彼らなれど、本作は煌めくKeyを適宜取り入れた、爽やかなポップ・フィーリング薫る80年代感満点のサウンドを披露(実際80年代に書かれた楽曲ばかりなのだから当然っちゃ当然)。自主制作ゆえ音質的にイマイチな部分はあるものの、声質自体が哀愁を帯びているマーティ・ファリスの感傷的なVoと、ジェイソン・アロノフの痒い所に手の届くメロディアスなGプレイという、MARAの二本柱が魅力的に機能している①②による本編開幕早々の畳み掛けや、後に3rdアルバムに日本盤ボーナストラックとして収録された、サックスを有用する抒情バラードの逸品⑥は、その辺を差し引いても余りある輝きを放っています。
入手が容易な2nd、3rdと併せて、未聴の方に猛プッシュする1枚。再結成しないかなぁ。


KEEL - Streets of Rock & Roll - Come Hell or High Water ★★★ (2021-04-07 00:44:32)

落ち着いた曲調が目立つ本編にあっては
溌剌とロックしているアップテンポの疾走ナンバー。
ロン・キールのパワフルな歌声と、彼に負けじと
マーク・フェラーリとブライアン・ジェイの
ツイン・リードGもインスト・パートを
スリリングに盛り上げてくれています。
これをOPナンバーにすれば良かったのに。


KEEL - Streets of Rock & Roll ★★ (2021-04-05 23:51:54)

綺羅星の如きLAメタル勢の中にあって、ビッグ・ヒットには恵まれずともファンからは根強く愛されたロン・キール(Vo)率いるKEELが再結成を遂げて――正確には90年代にも一度復活を果たしているのですが――'10年にFRONTIERS RECORDSから発表した、通算5作目となるスタジオ・アルバム。
レコーディングに名を連ねたのは、リーダーのロン以下、マーク・フェラーリとブライアン・ジェイのGチームに、ドラマーのドワイン・ミラーといった黄金期のメンバー。ケニー・チェイソン(B)は不参加ながら、これだけ主だった面子が揃っていれば不満を漏らすファンはいないじゃないでしょうか。正直、ミッド・チューン2連発による本編の立ち上がりは少々地味で、「素直にスピード・ロック・チューン③で始めときゃいいのに」とか思わなくもなかったですが、印象的なGリフ、分厚いハーモニー、一緒に歌いたくなるコーラスを配した、嘗てのKEELを彷彿とさせるHRサウンドには思わず顔も綻びというもの。流石に年を重ねた分、やや落ち着きは感じられるようになりましたが…。
SABER TIGERの『PROJECT ONE』以来久々に耳にしたロンのVoも、KEEL解散中はカントリー業界で身を立てていたというだけあって、クドさが薄れ実力派シンガーとしての風格を感じさせるまでにレベルUP。その彼のVoと、スリリング且つ劇的に絡み合うツインGをフィーチュアして駆け抜ける③や、キャッチーなハードポップ⑩といった楽曲は、長年のブランクを瞬く間に埋めてくれる魅力を放っていますよ。
復活作として十分な手応えを感じさせてくれる1枚。後が続かなかったのが残念。


TREAT - Scratch and Bite - Hidin' ★★★ (2021-04-02 00:22:12)

1stアルバムにあってはハード寄りに位置するロック・チューン。
ハモンド・オルガンとシンセを効果的に使い分け、
ヴァース~ブリッジ~コーラスと、1曲の中でメロディが明暗の
グラデーションを描いていく様に胸躍ります。


TREAT - Scratch and Bite ★★ (2021-03-31 23:31:32)

デビュー・シングルをヒットさせた勢いを駆り'85年に発表された記念すべき1stアルバム。
こちとら便利なのでつい「北欧のBON JOVI」とか「ポストEUROPE」とか評しがちなTREATですが、BON JOVIやEUROPEが世界的成功を収めるのは'86年以降のこと。なのでこの時期の彼らに関してはクローン/フォロワー・バンドというより、たまたま同時期に同じようなスタイルの音楽性を志していた、というのが適当なのかなぁと。
そんなわけで、アルバムの幕開けを飾るのは能天気なパーティ・ロック・チューン①。音質は薄っぺらいですし、現在は実力派シンガー然とした歌唱を聴かせてくれるロバート・アーンルンドのVoもまだまだ野暮ったかったりと、初めて聴いた当時は正直「買って損こいた…」と頭を抱えそうになってしまったことを告白しておきます。
但し、そうした評価は後に4th『ORGANIZED CRIME』にてリメイクされることとなる③の登場で一変。哀愁のメロディが奏でられるイントロからして既に名曲の風格漂うこのTREATの代表曲以降は、アップテンポでロックする④、甘く切ないパワー・バラード⑥、ハモンド・オルガンの音色が北欧メタルならではの魅力を付与するラスト・ナンバー⑨といった具合に、フックの効いた秀逸な楽曲が続出。聴き終えてみれば「アッパレな作品であった」との評価に落ち着くという。
思惑通りの大ヒット作となり、TREATの名を一躍知らしめる切っ掛けとなったのも納得の1枚。とはいえやはり今の彼らと比較すると垢抜けなさは隠しようもないので、後追いでチェックする際はある程度覚悟を決めておく必要はあり。


O'RYAN - Something Strong - Don't Let It Slip Away ★★★ (2021-03-30 23:30:34)

オライアンの美声によって歌われる涼し気な哀愁を
帯びたメロディに、サックスとピアノの瀟洒な旋律が
程好くマッチした抒情ナンバー。
下手なシンガーじゃ決して歌いこなせないタイプの名曲ですよ。


O'RYAN - Something Strong ★★★ (2021-03-29 23:31:40)

アイルランド出身のシンガー/ソングライターで、グレン・ヒューズの後任として加入したTRAPEZEや、そのTRAPEZEのメル・ギャレーが立ち上げたロック・オペラ・プロジェクトPHENOMENAへの参加、あるいはイギリスの老舗HRバンドWISHBONE ASH等での活躍で知られるマーヴィン“オライアン”スペンスが、ほぼ自主制作に近い形でレコーディングを行い、自らのレーベルPARACHUTE MUSICから'93年にO’RYAN名義でリリースした1stソロ・アルバム。日本盤はゼロ・コーポレーションからのリリースでした。
当人がマイケル・ボルトンやドン・ヘンリーからの影響を告白する通り、本作で聴けるのはオライアンの透き通るような美声が映える、仄かに哀愁を帯びたポップなメロディを、洗練されたアレンジで包み込んだAOR/産業ロック寄りのサウンド。⑦みたいな快活にロックする楽曲もありつつ、全体としてはHR/HMとはだいぶ距離を感じさせる作風ではあるものの、オライアンが自信作として挙げる、軽やかに奏でられるサックスとピアノの音色が爽やかな心地良さを運んでくる③や、娘が生まれた際の感動を綴った歌詞と、エモーショナルな歌声が相俟って強く胸を打つ絶品のバラード⑥等を前にすると、「ま、どうでもいいか。そんなことは」という気分にさせてくれます。
その昔、誰だったか忘れたけど(多分因縁からするとPHENOMENA関係者)、雑誌でオライアンのことを「不逞ぇ野郎だ」と非難しているインタビューを目にしたことがあり、以来、真実はさておき何となく彼の作品を避けてしまっていたのですが、本作における歌の上手さ&完成度の高さに吃驚させられた際は「もっと早く買っておけば良かったなぁ」と後悔しきりでしたよ。


VAIN - No Respect - Without You ★★★ (2021-03-26 00:10:47)

クセの強い声質に耳を奪われがちですが、
このドラマティックな泣きのバラードにおける
エモーショナルな熱唱を聴けば、ヴェインが
シンガーとして確かな実力を有していることが
お分かり頂けるのではないかと。


VAIN - No Respect - Who's Watching You ★★★ (2021-03-26 00:08:35)

シングル・カットされPVも作られた
アルバムのリーダー・トラック。
軽快に跳ねるキャッチーなメロディ&曲調と
ねっとり絡みつくようなヴェイン独特な歌唱の
コントラストが強い印象を焼き付けます。


VAIN - No Respect ★★★ (2021-03-25 00:21:04)

デイヴィ・ヴェイン(Vo)というと、スラッシュ・ファン的にはDEATH ANGELの1st『ULTRA VIOLENCE』のプロデューサー。あと個人的に真っ先に思い出すのは喜国雅彦の『ROCKOMANGA』で「宣材写真のポーズがいつも大体同じ人」とネタにされていてちょっと笑ってしまったことなのですが、彼が率いたVAINはデビュー前からKERRANG!!誌の表紙を飾る等して注目を集めたニュー・カマーであり、'90年にISLAND RECORDSから発表された本1stアルバムは、そうした前評判に違わぬクオリティを有していました。
ヴェインのキメポーズ同様、ねっとり絡みつくような爬虫類系の歌声に当初あまり好印象が持てず、「ロックンロール系はパス!」と長らく購入スルーを決め込んでいた本作、しかしアルバムの幕開けを飾るのは意外にも軽快に疾走する①。シングル・カットもされた③もキャッチーな名曲で、早くも「浅はかな思い込みから目を覚ませ!」とこちらの頬を張り倒しに来ます。演奏はタイトでメンバーの確かな実力者ぶりが伺え、何よりメロディも能天気さよりダークさが勝っているという。尤も、一口にダークといっても欧州系の暗黒美ではなく、ドヨンとした頽廃的な雰囲気を纏った暗さな辺りがLAのバンド風味(SHARK ISLANDとかに通じる暗さ)だなと。
似たり寄ったりなテンポの楽曲が続く中盤で少々ダレるものの、しかし濃厚な泣きを撒き散らすドラマティックなバラード⑨、ラストを全力で走り抜ける⑩という終盤2曲がこれまた逸曲なので、聴後感は極めて良好。聴き始めこそ違和感を持つヴェインのVoも聴き終わる頃には「この声でないとな!」と手のひら返ししていること請け合いですよ。


ALIEN - Into the Future - Children ★★★ (2021-03-23 23:38:32)

ピアノとストリングスをバックに、悲哀に満ちたメロディを
切々と歌い上げるジム・ジッドヘッドのエモーショナルなVoに
聴き惚れる抒情バラード。アルバム全体としては不慣れな
ヘヴィ・チューンを歌いあぐねている場面も散見されるジムですが、
やはりこの手の楽曲を歌わせたら絶品です。


ALIEN - Into the Future - Into the Future ★★★ (2021-03-23 23:30:12)

ジム・ジッドヘッドの独唱による神秘的なイントロで掴みはOK。
リッチー・ブラックモアへの敬愛を感じさせるGプレイと、
ミスティックなメロディに彩られた劇的なアルバム表題曲。


ALIEN - Into the Future ★★ (2021-03-23 01:05:56)

'14年発表の傑作『ETERNITY』で高らかに復活を宣言するも、その後は再び長い沈黙期間に突入してしまったALIEN。なかなか活動が軌道に乗らずヤキモキさせられる彼らが久々に発表した最新アルバムがこちら。
「新たなリスナーにアピールできるような変化を求めていた」とのトニー・ボルグ(G)の発言が物語る通り、OPナンバー①ではダウン・チューニングの施されたヘヴィ・リフが無愛想に刻まれ、続く②はヴァイキング・メタルばりのエピック・チューン。カッコイイことは間違いないけど、ジム・ジッドヘッド(Vo)の繊細な声質にマッチしているかと言えば、無理くり荒れ声を絞り出しているようで、正直…うーむ。
そんなわけで、背筋を冷たい汗がタラリと流れ落ちていく幕開けでしたが、本編は聴き進めるうち徐々に冷ややかな哀感が立ち上り始め、メロディもどんどん煌めきを増していきます。むしろ合間にヘヴィ・ナンバーが置かれたことで、しっとり憂いを孕んだメロハー・チューン④、アルバムのハイライトに推したい、トニーのRAIBOW愛が仄かに感じられる劇的な表題曲⑥、哀愁に満ちたサビメロの素晴らしさをジムの歌声が引き立てる⑩、冷ややかなピアノの調べと泣きを背負ったGの共演にグッとくるバラード⑪等々、変わらぬALIEN節が堪能できる楽曲の絶品ぶりが際立って聴こえるというもの。脳裏を過る「全部こっち系の楽曲で統一してくれりゃ尚良かったのでは?」との至極もっともな疑問はひとまず脇に置いておくとして。
ともあれ、新味を盛り込みつつ、らしさも見失わず。ブランクをものともしないALIENの曲作りの腕前が健在であることを示す力作なのは間違いありません。


ROTH BROCK PROJECT - Roth Brock Project - My City ★★★ (2021-03-18 23:31:22)

メリハリの効いた曲展開、それを彩る爽やかな哀愁を帯びたメロディと、
テリー・ブロックの伸びやかな歌声とが絶妙なマッチをみた結果、
全盛期のSURVIVORにも肉薄するキャッチーな名曲に仕上がりました。


ROTH BROCK PROJECT - Roth Brock Project ★★★ (2021-03-17 23:37:41)

FRONTIERS RECORDSが次から次へとメロディアスHRプロジェクトを送り込んでくるだもんで、贔屓のアーティストが関わっていても見落としてしまっている作品が出てくるわけで、本作はそうしたリリースから暫く存在に気付いていなかった作品の1つ。
STRANGEWAYSやGIANTのフロントマンを務めていたことで知られるテリー・ブロック(Vo)と、WINGERにレブ・ビーチの後任として参加、テリー・ブロックとは再結成GIANTで同じ釜の飯を食った仲でもあるジョン・ロス(G)が中心となって立ち上げられたROTH BROCK PROJECTが、'16年に発表した現時点での唯一のアルバムです。
快活にドライヴするロスのGと、未だ衰え知らずなブロックの伸びやかな歌唱力を存分にフィーチュアし、ハードな疾走ナンバー①⑧、力強い曲調がライブ映えしそうな⑦、一転してじっくりと聴かせる哀愁のバラード④⑩等々、まさしくこの組み合わせに対するリスナーの期待に的確に応えてくれるメロディック・ロック・サウンドをギュッとパッケージ。職人の手により端正に作り上げられたアルバムらしい手堅い完成度を提示する本作ですが、中でもキャッチーなメロディを纏って心地良く駆け抜けていく哀愁のハードポップ③⑨は、電車内で聴いていて思わず「アルバムを買って良かったわー」と、こっそり握り拳を固めてしまった名曲ぶりですよ。
それぞれ多忙なせいゆえ(最近テリー・ブロックは何をやっているんでしょうかね)、これ以降はアルバムのリリースがないご両人。是非とも第2弾、第3弾作品をお願いしたいところなのですが…。


JAMES CHRISTIAN - Rude Awakening - Labour of Love ★★★ (2021-03-16 23:39:22)

アコギによる物悲し気なイントロから、全楽器が加わって劇的に盛り上がっていく
アルバム中盤のハイライトを飾る名曲。この手の哀愁に満ちたメロディを
熱唱させるとジェイムズの歌声は絶品なハマリ具合を聴かせてくれますね。


JAMES CHRISTIAN - Rude Awakening - Pleasure and Pain ★★★ (2021-03-16 23:36:32)

ジェイムズ・クリスチャンとマーク・ベイカー共作のバラード。
フックの効いたメロディが炸裂するサビメロが絶品で
80年代に発表されていたら間違いなくCMや映画主題歌に
引っ張りだこだったろうに…と思わされる名曲です。


JAMES CHRISTIAN - Rude Awakening ★★★ (2021-03-16 00:16:00)

3rd『DEMONS DOWN』(’92年)を最後にHOUSE OF LORDSが事実上の解散状態に陥ったことを受けて、フロントマンだったジェイムズ・クリスチャンが’94年に発表した1stソロ・アルバム。当時はゼロ・コーポレーションからのリリースでしたが、後にNIPPON CROWNからボーナストラック6曲を追加収録する形でリイシューもされています。(今じゃどちらも入手困難なのが残念)
華を添えるブルース・ゴウディ、マイク・スラマー、ミッチ・ペリーといったギタリスト達のゲスト参加に加え、作曲面ではHOUSE OF LORDS時代からの付き合いであるソングライター、マーク・ベイカーの助力を得て制作されている本作で聴けるのは、まさしくそのHOUSE OF LORDS時代の作風を忠実に受け継いだ、ほんのりブルージーな味付けも施されたメロディアスHRサウンド。
ほぼバラード系の楽曲の固め打ち、全体的にHR/HM色は薄めな仕上がりながら、だからこそジェイムズのエモーショナルな歌声が映える。立ち上がり①こそ多少地味な印象でも、「ドラマかCMで主題歌に起用されてませんでした?」と思わず考え込んでしまうぐらいフック効きまくりの名曲②で早くもクライマックスを迎えて以降は、これまた高いヒット・ポテンシャルを感じさせる③、躍動感溢れるロック・チューン⑦、物悲しいイントロからドラマティックに盛り上がっていく⑧等、本編には秀逸な楽曲が目白押しです。
スタン・ブッシュやランダル母娘といった腕利き作曲家が関与した2ndソロ『MEET THE MAN』も大変な傑作でしたが、本作だって負けず劣らず、探し出してチェックする価値は十分にある1枚かと。


BAI BANG - Cop to Con - Cop to Con ★★★ (2021-03-11 23:31:01)

ダンサブルなビートに乗ってGがファンキーに踊る
ヴァースから、ひんやりとしたKeyを纏った哀メロが
繰り出されるコーラスへ転調する意外な曲展開に
意表を突かれる、アルバム表題曲にしてOPナンバー。
北欧メタル「らしさ」と「らしからぬ」要素を
併せ持ったバンドの魅力が分かり易く捉えられた逸曲です。


BAI BANG - Cop to Con ★★★ (2021-03-11 01:27:07)

現在も活動中(の筈)のスウェーデンのベテランHRバンド、BAI BANGが'91年に発表したデビュー作。ついでに90年代、我が心のオアシスだったゼロ・コーポレーションが発売した記念すべきHR/HM系アーティスト第1号作品――帯のデザインも後々のゼロ作品とは若干異なる――としても記憶に残っている1枚だったりします。
当時(グランジ/オルタナ勢が猛威を振るよりもちょっと前)の北欧メタル・シーンは、DEEP PURPLE/RAINBOW~EUROPEの流れを汲む伝統派と、ロックンロールやファンク、ブルーズといった新たな音楽性を積極的に取り込む革新派とに大きく二分されていた印象で、BAI BANGに関しちゃ「なんかバンド名の響きからしてロックンロール系だろう」と勝手に推測しておりました。事実、後追いで聴いた本作に託されているのは、明るいノリの良さを伴い、時にブルースハープを取り入れたりしつつ軽快なグルーヴで聴き手の体を揺らすロックンロール・サウンドで、その予想はあながち的外れでもなかったわけですが、アメリカ産ほどご陽気にはなりきれない、主にKeyによって醸成されるヒンヤリとした空気感、それにキャッチーに練られたコーラス・ワークにおいて顕著に溢れ出すメロディの爽やかな哀感には、紛うかたなき北欧ハードポップならではの魅力が息衝いているという。特に煌めくOPナンバー①はBAI BANGの魅力が分かり易く詰まった名曲。ポップに躍動する⑤、アルバムをしっとりと締め括るバラード⑧なんかも聴かせてくれますよ。
音質からは台所事情の厳しさが垣間見えますが、ともあれBAI BANG入門盤としてお薦めの1枚。…つか彼らの作品って日本盤はこれぐらいしか発売されていないのでは?


ROB MORATTI - Paragon - Alone Anymore ★★★ (2021-03-10 00:11:02)

アルバムの中盤を爽やかに盛り上がるハードポップ・チューン。
躍動感溢れるビートに乗って清涼感振りまくサビメロは
クリアなハイトーン・ボイスの持ち主であるロブ・モラッティが
歌うのにまさしくうってつけじゃなでしょうか。


ROB MORATTI - Paragon - Remember ★★★ (2021-03-10 00:04:18)

ロブ・モラッティの甘くクリアな歌声が
映える哀愁のメロディに彩られた
アルバムのハイライト・ナンバー。
印象的なソロで楽曲を華やかに盛り立てる
ゲスト参戦のジョエル・ホークストラの
Gプレイも的確です。


ROB MORATTI - Paragon ★★★ (2021-03-08 23:35:57)

未だに復活を期待する声が漏れ聞こえる(己の中から)FINAL FRONTIERや、'18年に惜しまれながら長いキャリアに幕を下ろしたカナダを代表するHRバンドSAGAのフロントマンも務めたロブ・モラッティ(Vo)が、トニー・フランクリン(B)を始めとする気心の知れたバック・メンバー、それに曲作りのパートナーとして新たにFRONTIERS RECORDS系作品で活躍するウルリック・ロンクヴィスト、ピート・アンペンボルグらを迎えてレコーディングを行い、'20年に発表した4枚目のソロ・アルバム。
近作の順調なリリース・ペース、それにアルバム毎に託されたメロディアスHRサウンドのハイクオリティっぷりといい、順風満帆にソロ活動を進展させている彼氏ゆえ、今回も余裕綽々のアベレージ越え。悲哀を湛えたメロディからゲストに迎えられたジョエル・ホークストラの華やかなGプレイまで、まるで「哀愁のメロハー」のお手本のような出来栄えの④に、爽快感に満ちたサビメロの組み立ての上手さが光る⑧という年間BEST TUNEクラスの名曲が2曲も本編に収まっている時点で完成度の高さは推して知るべしですが、更にそれ以外の楽曲にしても、OPナンバーからラス曲まで、ロブの甘くクリアなハイトーンVoが映えるフックに富んだ逸品がそこら中にゴロゴロと。ボーナス・トラック⑬までポップに躍動する名曲なんですから恐れ入り谷の鬼子母神(死語)。
年末に購入した際は時間がなく1、2度聴いたきりだったのですが、もしちゃんと聴き込んでいたならば、確実に2020年私的アルバム・ベスト3にランクインしていたであろう…ってな完成度の高さに感服させられた1枚。


LIZZY BORDEN - The Murderess Metal Road Show - (Wake Up) Time to Die ★★★ (2021-03-05 01:27:17)

ライブ盤『THE MURDERESS METAL ROAD SHOW』に
収められた未発表曲2曲のうちの1曲。
IRON MAIDENを思わす起伏に富んだ展開多めの曲調に、
時折ロブ・ハルフォード風なリジー・ボーデンの
ハイトーンVoがシアトリカルな彩りを加える逸品。
アルバムに正式収録しても遜色ない出来栄えです。


LIZZY BORDEN - The Murderess Metal Road Show ★★★ (2021-03-03 23:53:12)

‘85年2月、13日の金曜日にLAの「カントリークラブ」で行ったライブの模様が収められているLIZZY BORDEN初の実況録音盤。
まだ1st『LOVE YOU TO PIECES』1枚きりしか発表していない時点で、早くもレコード2枚組という大ボリュームのライブ盤リリースに踏み切る辺り、「LIZZY BORDENの神髄はライブ・パフォーマンスにあり!」との自信の程がビンビンに伝わってきます。当時の彼らはド派手なライティングの下、サンタクロースをバットでボコったり、バンド名の元ネタとなった殺人事件をなぞるかの如く、下着姿のモデルを斧で殺害後その生首(勿論マネキン)を掲げ持って歌ったりといった、KISSやALICE COOPERを更にスプラッターな方向にブーストさせたような過激な視覚効果を売りにしたライブを展開しており、映像抜きだとイマイチそのインパクトが伝わり辛い部分はあるのですが、逆に大仰なHMナンバーは芝居っ気たっぷりに、バラードは切々と歌い上げる首魁リジー・ボーデンのシンガーとしての実力や、虚飾に足を取られることなくバックを堅実に支える楽器陣の熟達ぶりに関しては、映像がないからこそ余計にハッキリと伝わってくるというもの。
疾走する名曲“GODIVA”を筆頭に、LIZZY BORDENのカタログの中で最もIRON MAIDENからの影響が色濃く打ち出されていた1st『LOVE YOU~』収録曲に加え、映画007シリーズ第13作『死ぬのは奴らだ』のテーマ曲のカヴァー、更にはアルバム未収録曲2曲まで盛り込まれた本編は、実に70分以上に及ぶサービス満点な内容。
LIZZY BORDENの何たるかが手っ取り早く理解できる、入門盤に最適な1枚かと。


RACER X - Second Heat - Sacrifice ★★★ (2021-03-02 23:29:12)

ツインGによる凄まじいテクニックの応酬が
繰り広げらていますが、ドヤ顔でテクニックをひけらかすのではなく、
印象的なメロディを奏で、スピーディな曲調をドラマティックに
盛り上げる等、あくまで楽曲の良さを際立たせるために運用されている点に
バンドとしての成熟が感じられます。
余談ながらこの曲におけるジェフ・マーティンのVoは、
時折X時代のTOSHIっぽく聴こえるような?


RACER X - Second Heat ★★ (2021-03-01 23:55:23)

ポール・ギルバート率いるRACER Xが、サイドGとしてGITでポールの教え子だったバカテク・ギタリストのブルース・ブイエを加え、新たに5人編成へと生まれ変わって'87年に発表した2ndアルバム。
ドラマーも現JUDAS PRIESTの名手スコット・トラヴィスに代わっており、後にTHE MARS VOLTAに参加する技巧派ジョン・アルデレッティ(B)の存在といい、これにて全楽器パートが頭に「超」が付くレベルの腕利きで固められることとなった本作は、前作以上に凄まじい量の音符が乱れ打ちされる、例えばレーベルメイトのCACOPHONY辺りに通じるSHRAPNELメタルの極北と言うべきHMサウンドが問答無用で展開されている…かと思いきや、案外そうでもなかったという。
2本のGによる印象的なハモリを散りばめてメロディアスに疾走するOPナンバー①からも明らかな通り、ウルトラ・テクニカルではありつつも、「俺が」「俺が」な曲芸博覧会というよりは、寧ろポールのメロディへの拘りや楽曲志向が徐々に顕在化し始めた仕上がりで、プロダクションの向上(前作比)、シンガーとしてスキルアップを果たしたジェフ・マーティンの歌唱、それに合わせてバラードから、ライブ映えを踏まえたキャッチーな楽曲、ポップ・センスの感じられるノリの良い楽曲まで、収録曲のバラエティもその幅をグッと広げています。
正直、ピーキーなギター・アルバムを期待していた身には拍子抜けだったのですが、完成度は間違いなく高まっていますし、何より本作で試し撃ちした方法論をよりポピュラーに洗練させていった先に、MR. BIGでの成功があったのではなかろうか?なんて。


RACER X - Street Lethal - Loud and Clear ★★★ (2021-02-25 23:49:29)

音の悪さもササクレたエネルギーに転化して突っ走るパワーメタル・ナンバー。
改めて聴くと、いっぱいいっぱいなVoの感じ含めてジャパメタっぽい印象が無きにしも非ずという。
勢いだけでなく、勇壮なメロディには耳を捉えるフックが備わっていて
ポールのGテクだけに留まらぬ、確かなメロディセンスも発揮された名曲です。
あえて言うとフェードアウトで終わってしまうのは頂けないですが


RACER X - Street Lethal ★★★ (2021-02-25 00:18:38)

若干19歳にして「世界最速」とも謳われたハイテクニックを駆使し、ギター戦国時代に切り込んだ早熟の天才ギタリスト、ポール・ギルバート率いるRACER Xが'86年にSHRAPNEL RECORDSから発表した1stアルバム。
手元にあるCDを確認すると、タイトル表記が「PAUL GILBERT with RACER X」となっており、この時点ではバンドというよりは、マイク・ヴァーニーの秘蔵っ子たるポールをデビューさせるために急遽あつらえたプロジェクトであったことが伺えますが、折角そこまでお膳立てを整えた割にレコーディングは短期間&低予算というブラックな環境で行われており、風呂場で録音したみたいな音質は貧弱もいいところ。LOUDNESSやイングヴェイといった、当時ポールが影響を受けたアーティストからの影響がダイレクトに反映された楽曲の方も相当に粗削りな出来栄えとなっています。
ただ、中音域で音がゴチャっと団子になったお馴染みのプロダクションは、一周回って逆に「俺いまSHRAPNEL作品を聴いてんな~」という気分にさせてくれますし、収録曲のバラエティが広がった次作よりも、徹底してヘヴィ/パワー・メタリックなスタイルに拘った本作の方が個人的には好みなんですよね。ヘタクソ扱いされることの多いジェフ・マーティンの力みかえったVoにしても、このササクレたサウンドには案外マッチしているのではないかと。特にスピーディ&アグレッシブに牙を剥く曲調に勇壮なメロディが乗っかった⑦なんてかなりの名曲。
最高傑作ではないかもしれませんが、自分にとってのRACER X最推しアルバムは間違いなくコレですよ。


SKITZOTIK - Skitzotik - Inside the Dark ★★★ (2021-02-24 00:15:08)

曲調的にはバラードで、メロディも憂いを帯びているのですが、
メソメソと泣きまくるのではなく、傷つきながらも前へ進み続ける
力強さが漲っているように感じられる辺りがアメリカのパワーメタル的。
楽曲を締め括るシンガーのハイトーンが圧巻です。


SKITZOTIK - Skitzotik ★★★ (2021-02-23 00:15:45)

カリフォルニア州出身の4人組、SKITZOTIK(スキツォティックと読む)が’94年にLONG ISLAND RECORDSから発表した1stアルバムにして、恐らくラスト作。カートゥーンの悪役みたいなキャラがニヤケ面浮かべている、お世辞にも秀逸とは言い難いジャケットが逆に妙なインパクトを放ち、長らく記憶の端っこに引っ掛かっていた1枚で、先日中古屋の安売りコーナーで見かけて「あー、君のこと知ってるぞ!」と思わず衝動買いしてしまいました。欲を言えば国内盤の方が欲しかったんだけど、贅沢は言うまい。
プロデュースを担当しているのは、昨年5月の急死の報が驚きを持って迎えられたボブ・キューリック。意外。それだけに音作りはマイナー・レーベルの作品とは思えないぐらいしっかりしていますし、本作が世に出た90年代半ばといえばアメリカではグランジ/オルタナ勢が猛威を振るっていた時期ですが、ザクザクと歯切れ良く繰り出される演奏に、そっち方面からのかったるい影響は皆無。雄々しいメロディを散りばめつつ、泣きや哀愁より緊迫感を孕んだリフとリズムの畳み掛けで聴き手をグイグイ引き込んでいくスタイルは、3rdアルバムを発表した頃のVICIOUS RUMORSに通じるカッコ良さを放っています。
疾走ナンバーにおけるハイトーンでパワーが落ちず、転じてバラードもエモーショナルに歌いこなしてみせるシンガーもカール・アルバート級の逸材で、プロペラ機の風切り音に続いて力強く走り始めるOPナンバー①、ドラマティックな曲展開をVoの熱唱が盛り上げる④、緩急を活かした⑦辺りは、とりわけその強みが強く感じられる楽曲ではないかと。
あと2、3枚はアルバムが聴いてみたかった、と思わされる秀作でしたよ。


AVENGER - Blood Sports - You'll Never Take Me (Alive) ★★★ (2021-02-18 22:50:54)

ガムシャラな勢いだけでなく、勇壮にして
キャッチーなメロディ・センスにも冴えが
感じられる疾走ナンバー。サビメロのカッコ良さは
本編随一じゃないでしょうか。Gソロも◎


AVENGER - Blood Sports ★★★ (2021-02-18 00:34:18)

ブライアン・ロスを中心に複雑に絡み合うNWOBHM人脈の中で産み落とされたバンドの一つ、イギリスのAVENGER(RAGEの前身として知られるドイツのAVENGERとは別バンド)が’84年にNEAT RECORDSから発表した、RAVENのワッコが友情出演したみたいな殺気立ったジャケットがインパクトを放つ1stアルバム。
'84年といえば大西洋の向こう側では明るく華やかなLAメタル勢の本格的な躍進が開始された時期ですが、本作に託されているのはほぼその逆を行く、暗くてジメジメと湿気った著しく華に欠けるHMサウンド。英国シンガー然とした煮え切らない声質の持ち主イアン・スウィフトの青い炎が揺らめくようなVoといい、鋭利なリフを小気味良く打ち出しウェットなメロディを紡ぐGに力任せに押し込むリズムといい、そしてNEAT謹製の見通しの悪い音質(これでも次作よりはだいぶマシというのが恐ろしい)等々、どこを切っても濃厚なNWOBHM汁が滴り落ちてくるジューシィな仕上がり。だがそこが良い。
灰色のリフ&リズムがパワフルに駆動するOPナンバー①や、鼓膜に突き立つように鋭角的に刻まれる、SATANの流れを汲むGリフが印象的な⑧、あるいは重厚にしてドラマティックに佇む④といった、AVENGERの魅力の何たるかを端的に伝えてくれる楽曲もカッコイイのですが、何と言っても本作のハイライトは②。スピーディ&アグレッシブでありつつ、単調な力押しに終始することなく、イアンの歌う勇壮かつ憂いを帯びたメロディにはしっかりとフックが効かされている名曲ですよ。
2nd『KILLER ELITE』と共に、ザ・NWOBHM!な魅力に舌鼓を打つ1枚。


Jagged Edge UK - Fuel for Your Soul - Out in the Cold ★★★ (2021-02-17 00:10:29)

フックに富むメロディに彩られた哀愁のメロハー。
ブルーズ色が殆ど感じられない、本編中においては
例外的ともいえる仕上がりですが、でもこれが良い曲なんですわ。
何だったらこのノリでアルバム1枚作って欲しかったと思うぐらいに。
マッティのソウルフルなVoと、マイクの歌心を感じさせる
Gプレイも耳を惹きます。


Jagged Edge UK - Fuel for Your Soul ★★ (2021-02-15 23:24:41)

バンド名で検索を掛けるとアメリカのR&Bグループばかりが引っ掛かってきますが、こちらは英国の4人組。バーニー・トーメに師事し、10代の頃から次世代のギター・ヒーロー候補として注目を集めていたというマイク・グレイと、TOKYO BLADEの主要メンバーとして知られるアンディ・ロビンス(B)はイギリス出身、現在はソロ・バンドを率いて活動中のマッティ・アルフォンゼッティ(Vo)はスウェーデン出身、それにイタリア人のドラマーという国際色豊かな面子からなるJAGGED EDGEが、デビューEP『TROUBLE』(’89年)に続いて'90年に発表した1stフル・アルバム。
原点回帰ブームがHR/HMシーンを席巻していた時節柄、彼らが聴かせてくれるのもやはり、声質がカル・スワン似のマッティの歌唱と、出しゃばり過ぎず、さりとて後ろへ下がり過ぎもしないマイクのツボを押さえたGプレイが光る、ブルージーなテイスト薫るサウンド。但し本場アメリカのバンド程の泥臭さは然程感じらず、飽くまで軸足は80年代型メロディアスHRに置かれているので、その手の音を得意としない我が身でも楽しんで聴けるという。特に歌心に溢れたバンドのパフォーマンスが哀愁のメロディを引き立てる②はこのバンド屈指の名曲。キャッチーなコーラス・ワークがフックとなっている⑤、切ないセミ・バラード⑦辺りにもグッとくるものあり。
逆にそうした部分を物足りなく感じる向きもあるでしょうし、良くも悪くも卒なくまとまっている優等生的な仕上がりゆえ強烈なインパクトを残し得ず、転換期を迎えたシーンに埋もれてしまった不運な1枚。マイク・グレイは今何を?


LIZZY BORDEN - Love You to Pieces - Godiva ★★★ (2021-02-11 22:34:21)

2本のGが忙しなく刻む回転の速いGリフは
IRON MAIDENを思わせたりもする、
アルバム最速のスピード・ナンバー。
これ以降のアルバムでは聴けないタイプの楽曲のような?


LIZZY BORDEN - Love You to Pieces ★★★ (2021-02-11 01:09:45)

その昔アメリカ社会を震撼させたという猟奇殺人事件の女性被疑者(裁判では無罪確定)よりバンド名を頂戴。JUDAS PRIEST、IRON MAIDENからの影響を伺わせるドラマティックな正統派HMサウンドと、KISS、ALICE COOPERの流れを汲むシアトリカルな要素を持ち込んだライブ・パフォーマンスとを組み合わせた「ショック・ロック」を標榜して人気を博したLAの5人組LIZZY BORDENが、'85年にMETAL BLADE RECORDSから発表した記念すべき1stフル・アルバム。
「アメリカのバンドらしからぬ正統派HMサウンドが魅力」と評されることが多く、冒頭にもそのように書きましたが、実のところ2nd以降はエンタメ色(陽性なノリ)が増強されるため、バンドとしての個性はしかと確立された反面、正統派HMそのものな音を期待すると「思ってたんと違う」と肩透かしを食らいかねないので注意が必要かと。
翻って本1stアルバムはというと、リーダーたるリジー・ボーデンのアクの強いハイトーンVoと、適度にテクニカルなツインGを活かして、LIZZY BORDEN版“KILL THE KING”といった趣きで突っ走るOPナンバー①から、劇的な哀愁のバラード⑤を経て、IRON MAIDEN調の回転の速いGリフが刻まれるスピード・チューン⑩に至るまで、大仰なハッタリの効いた、紛うかたなき欧州風味のHMスタイルを全編に亘って徹底。特に⑩は曲名こそ高級チョコレートみたいですが、LIZZY BORDEN屈指の名曲ですよ。
彼らの入門盤として強く推せる名作。日本盤はデビューEP『GIVE ‘EM THE AXE』(こちらも力作)と2㏌1仕様なのでお得ですよ。そしてこれがイケたら次作以降も是非。


WITCHFYNDE - Stagefright - Moon Magic ★★★ (2021-02-10 00:32:47)

時計の針が時を刻むようなGリフと、
キャッチーとさえ言える哀愁のメロディの
組み合わせが秀逸なメロディック・ロック・チューン。
本編の中では異彩を放っているのですが、良い曲ですよ。


WITCHFYNDE - Stagefright - Doing the Right Thing ★★★ (2021-02-10 00:29:40)

リフとリズムはヘヴィだが、サビメロはポップな
明快さを感じさせるというミスマッチ感がクセになる1曲。
曲が進むにつれて徐々に哀愁度を高めていき、3分半辺りから
一気に主役の座へ躍り出るGの滋味深い活躍も聴きモノです。


WITCHFYNDE - Stagefright ★★★ (2021-02-08 23:29:37)

ANGEL WITCH、WITCHFINDER GENERALと共に「NWOBHMの3大WITCHバンド」なんて言われてたバーミンガム出身のWITCHFYNDEが、'80年にレコード店のオーナーが立ち上げたインディーズのRONDELET RECORDSから発表した2ndアルバム。
彼らの代表作といえば、雑誌等におけるNWOBHM特集の常連たる1st『GIVE 'EM THEM』(’80年)がつとに有名ですが、個人的には良さを理解するまでに随分と時間を要した『GIVE~』よりも、収録曲の間口が広がり、再生1回目にして「これ最高でしょ!」となった本作の方がWITCHFYNDE作品としては愛着度が高めという。
オカルティック/サタニックなイメージを前面に打ち出している割に、アルバム全体としてはオドロオドロしさの薄い、シンプルで飾り気のない70年代HR路線を志向している点はデビュー作同様ながら、OPナンバー①はBLACK SABBATHからの強烈な影響を伺わせる暗鬱に沈み込んでいくヘヴィ・チューンですし、続くブリティッシュHRならではのいぶし銀のGが泣かせる②、更にTHIN LIZZYの名曲“奴らは街へ”を彷彿とさせるロケンロール③へと繋がっていく冒頭3曲で、こちとら完全にハート鷲掴み。しかも中盤には抒情メロディがキャッチーに弾む⑥という絶品の名曲まで用意されているという隙のなさ。どこかエキゾチックな風情漂う2ndシングル曲の⑦やバラードに挑戦した⑨等も良い曲です。
名作との評判に誘われて1stを聴いてみたけどあんましピンと来なかったという方は、WITCHFYNDEに見切りをつける前に、是非とも本作もお試しい頂きたいなと。


KILLERS(FRENCH) - Cités interdites - L'armée de la mort ★★★ (2021-02-05 01:03:11)

アコギによるイントロの焦らしを経てスタートするアルバムのOPナンバー。
馬力にあかせた猪突猛進ぶりが薄れ、リフにリードに切れ味鋭く
動き回るメロディックなツインGを活かして、よりシャープ且つスマートに
磨き上げられた正統派HMチューンとしての味わいが強く感じられる
KILLERSの新たな魅力が開花した名曲です。


KILLERS(FRENCH) - Cités interdites ★★★ (2021-02-03 23:14:02)

80年代初頭の結成以来、メンバー・チェンジを繰り返しながら現在も活動中という、ブルーノ・ドルギー(G)率いるフランスのKILLERSが’92年に発表した、嘗て新星堂から発売されていた帯付輸入盤には『閉ざされた都市』なる邦題が冠されていた5thアルバム。
声がウド・ダークシュナイダー激似だった前任シンガーがいつの間にか脱退しており、後任として加入したVoはも少し柔軟に歌えるタイプ。それに合わせてか音楽性の方にも若干の変化が見受けられ、「フランスのACCEPT」と評された初期の馬力にあかせて走りまくるスピード・メタル・スタイルは後退。代わって機動力に富む2本のGが切れ味鋭く動き回り、シンガーが時折フランス産ならではの優美なメロディを歌い上げる(語感の柔らかさもそれに貢献)、よりスマートでメジャー感溢れる正統派サウンドへとシフトしています。
とはいえメタル以外の何者でもないサウンドに違いはありませんし、シーンがダーク&ヘヴィ一色に塗り潰されようとしていた'92年という時代を鑑みれば、この愚直に貫かれたオールドスクールっぷりは頼もしいことこの上なし。特にイントロで焦らした後、痒い所に手の届く2本のGに先導されて疾走する②のカッコ良さは相当なもの。憂いに満ちたメロディを重厚に聴かせる③、山あり谷ありの曲展開からジャーマン・メタルっぽさも漂う④⑦、タイト&キャッチーな曲調とクラシカルなGソロが印象に残る⑧等もなかなかですよ。
バカバカしいまでの迫力を誇った1stの頃の作風を恋しく思わないわけではありませんが、音質が向上し、好き者以外にもアピールし得るより普遍的な魅力を獲得した本作の方が、入門盤としては薦めやすいのかなぁと。


KILLER - Fatal Attraction - Steel Meets Steel ★★★ (2021-02-02 22:42:57)

力押しだけでない、KILLERの秀でたメロディ・センスが
堪能できる、男泣きのヘヴィ・チューン。
暑苦しいオヤジVoのデュエットと劇的に絡むツインGとが
むくつけき哀愁をより一層引き立ててくれていますよ。


KILLER - Fatal Attraction - Middle Ages ★★★ (2021-02-02 22:32:58)

スピード・メタリックなGリフに馬力溢れるリズム、
その上でオヤジVoがブルース・リーを憑依させたような
怪鳥音を響かせながら突進するアルバムOPナンバー。
開幕早々に勝負あったとなるカッコ良さですよ。


KILLER - Fatal Attraction ★★★ (2021-02-02 00:09:48)

傑作『SHOCK WAVES』(’83年)を最後に、所属レーベルMAUSOLEUMの倒産に巻き込まれて解散状態に陥っていた「ベルギーのMOTORHEAD」ことKILLERが、新たにサイドGを加えた4人編成に生まれ変わり'90年に発表したカムバック作。
'90年といえば、HR/HMシーンはジャンルの拡散と細分化が進行し、ブルーズ・ブームが吹き荒れ、グランジ/オルタナ勢が台頭する等、新旧勢力図が大きく塗り替えられようとしていた時期。その激動の只中に投下された本作を一聴して思ったのは「こいつら全然変わってねぇな!」と。ガムシャラに突進するリズム、Gは喧しくリフを打ち出し、その上でショーティとスプーキーのツインVoが喚き倒す。バラードにゃ目もくれぬパワー・サウンドは、80年代前半から着の身着のままでタイムスリップしてきたような徒手空拳ぶり。ツインVoと聞くと、今だったらお耽美なソプラノVoとデス声による「天使と悪魔」「美醜の対比」をイメージするかもですが、KILLERのVoはどっちもオヤジ丸出しの塩辛声ですからね。
特に、疾走するリズムとスピード・メタリックなリフに乗って「ワチャー!」「ホワチャー!」と、ブルース・リーかはたまた『北斗の拳』のケンシロウかってな怪鳥音を轟かせながら突っ走るOPナンバー①、オヤジ声の二重唱を伴い埃っぽく突撃するMOTORHEAD愛ダダ漏れな③、ドラマティックな曲展開と熱い泣きのメロディが叩き込まれる⑤等は、ツインG+ツインVoという現行編成の強みを存分に活かした本作ならではのけたたましい名曲。
プロダクションが向上したら無闇矢鱈な迫力が薄れてしまったという物足りなさはありつつも、それを差し引いて余りある充実作ですよ。


DESTRUCTOR - Forever in Leather - Tear Down the Heavens ★★★ (2021-01-28 23:49:32)

地響き立てて突っ走る、アルバムOPナンバーに
相応しい迫力を宿したアッパー・チューン。
中間部には押せ押せの空気を一転させて
ドラマティックに「聴かせる」パートを仕込む等
ベテランらしからぬパワーと、ベテランらしい
曲作りの技の冴えが共存する逸品です。