日本が世界に誇る凄腕ギタリスト、梶山章率いる様式美HMバンドPRECIOUSが、80年代に発表した2枚のシングル 『CRAZY FOR YOUR LOVE』と『BLASTING YOUR HEAD』を1枚にまとめてCD化し(③のみリミックス・バージョン)、 PRECIOUS解散後の'92年にリリースされた4曲入りEP。 本作最大のトピックは、何と言ってもジャパメタ史上に残る名曲中の名曲“CRAZY FOR YOUR LOVE"の存在に尽きる。 このシングルがリリースされた'87年頃は、PRECIOUSはバンドというより「若き天才Gを世に出すためのプロジェクト」的な 性格が強かったようだが、大谷レイヴン(プロデュース)、岡垣正志(Key)、堀江睦夫(Ds)、西條幸男(Vo)、 マイク・ハマー(B)ら、強力なミュージシャン達のバックアップを受けて、持ち前の超絶技巧をスパークさせまくる 梶山のGプレイは、まさに圧巻。華麗にして流麗、ただ速く正確なだけでなく、ドラマ性にも富んだメロディが しっかりと構築されたGソロの素晴らしさも然る事ながら、個人的にそれ以上に感銘を受けたのが、劇的なリフ・ワークや 歌メロの組み立て等に見られる曲作りの上手さ。これを聴いてしまうと「またこの路線の曲を演ってくんねえかなー」と、 どうしても思ってしまいます。いや、GOLDBRICKとかも好きなんだけどね。 この突出した様式美HMチューンのインパクトゆえ、その他の収録曲の影は非常に薄いが (RISING FORCE時代のイングヴェイが演りそうな②は良い曲)、①のためだけにでも本作を購入する価値あり!と断言しておきたい。
MANDRAKE ROOT RECORDSのバックアップのもと、'87年にシングル『CRAZY FOR YOUR LOVE』でデビュー。 楽曲自体のクオリティの高さと、梶山章の超絶Gプレイで世のメタラー諸氏の度肝を抜いた。 スタート時は、梶山をシーンに送り出すためのプロジェクトに過ぎなかったPRECIOUSだったが、シングルの好評を受け 正式にバンド化。'88年に2ndシングル『BLASTING YOUR HEAD』、'91年に1stアルバム『TO GLORY WE STEER』を発表。 しかし、メンバー間の音楽的嗜好の不一致や、度重なるメンバー・チェンジに思うように活動できず、結局'90年に解散。 '92年には、2枚のシングルをCD化した『SINGLE COLLECTION』がリリースされている。
'79年にトロントにて結成された、リック(Vo、G)とマーク(Ds)のサンターズ兄弟と、 リック・ラザロフ(B)の3人編成からなる、カナディアン・ハード・ロック・バンドで、 '81年に1st『SHOT DOWN IN FLAMES』、'82年に2nd『RACING TIME』、'84年に3rd『GUITER ALLEY』を発表、 同郷の先輩バンドTRIUMPHにも通じる、メロディアスなハード・ロック・サウンドで好評を博す。 (制作されたままお蔵入りとなった4th『TOP SECRECY』もある。ボックスセットで聴く事が可能) そのTRIUMPHとの親交は深く、3rdアルバムのプロデュースを務めたのはリック・エメットだし、 リック・サンターズが『THE SPORT OF KINGS』『SURVEILLANCE』に楽曲提供をしたり、 TRIUMPHのツアーにサイドGとして同行し、エメット脱退後は、彼の後任として TRIUMPH加入を打診されたりしていたのは、良く知られた話。