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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 6401-6500

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 6401-6500

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MASTERPLAN ★★ (2007-06-15 22:18:00)

マイク・テラーナはドラミングも強烈でしたが、叩いてる時の顔はもっと強烈だったような・・・(笑)
また、マイク・ディメオはRIOT時代のライブとは比べ物にならないぐらい歌が上手くなっていましたよね。
ヨルン・ランデの抜けた穴をしっかりと埋めていたと思います。
客も十分入っていましたし、“HEROES"のリフの大合唱や、ローランド・グラポウ・コール、
そして前日はプレイしてくれなかった“MASTERPLAN"も、きっちりと最後に演ってくれてと、
最終日に相応しい大盛り上がりのライブだったのではないでしょうか。


LAST AUTUMN'S DREAM ★★ (2007-06-15 22:04:00)

来日公演を見てきました。「良くも悪くもスタジオ・ミュージシャンが集まったバンド」という
イメージが強かったのですが、かなりしっかりとしたライブを見せてくれたので大満足。
特にミカエル・アンダーソンが、あそこまでしっかり歌えるシンガーだったとは嬉しい驚きでした。
てっきり、経験値の少なさからメロメロな歌唱を披露してしまうものとばかり・・・。
また、ファンによる“ROCK'N ROLL IS SAVING MY SOUL"のサビの合唱シーンは、
ミカエルでなくとも感動してしまう、ショウのハイライト的な場面として非常に印象に残りましたね。
唯一の不満は、アンコールなしで1時間弱と、公演時間がえらく短かった点でしょうか。


ANVIL - Metal on Metal - Mothra ★★ (2007-06-13 21:54:07)

ゴジラではなく、モスラというチョイスが渋いねぇ。
とは言え、タイトルこそ色物臭いが、これが真面目に
アルバムの中でも1、2を争う名曲なんだから侮れない。
中盤、テンポ・チェンジする場面のカッコ良さときたら!


ANVIL - Metal on Metal ★★ (2007-06-13 21:47:00)

EXCITERと双璧を為す、カナダ出身の元祖スラッシュ・メタル・バンド、リップス(Vo)率いるANVILが
'82年に発表した2ndアルバムにして、“METAL ON METAL"“MOTHRA"“JACKHAMMER"“666"といった
ANVILを語る上で欠かす事の出来ない名曲を多数収録した、彼らの代表作と言うべき1枚。
カミソリの如く切り裂くように疾走しまくるEXCITERに比べると、こちらはもう少しオーソドックスというかメロディ重視のサウンドで、
楽曲は意外なくらいキャッチー(ポップという意味ではない)。勇壮なインスト曲④や、初期RIOTにも通じる哀愁を漂わせた
⑧のようなハードロック・チューンを収録していたりするので、EXCITERよりもかなり取っ付き易く感じられるかも。
とは言え、やはり「元祖スラッシュ・メタル・バンド」の称号は伊達じゃなく、アルバム全編に漲る攻撃性は
同年代のバンドに比べるとズバ抜けて高濃度。有無を言わせぬスピード感こそそれ程ではないものの、パワフルなメタル・アンセム①、
ゴジラではなくモスラというチョイスが渋い(?)②、哀愁を帯びて疾駆するRIOT風味の⑤、本編最速ナンバーの⑩といった
名曲群におけるエッジの立ったリフの刻みや、全楽器が一丸となって生み出す突進力は文句なしでスラッシュ・メタル的だ。
本作発表当時、本国よりもNWOBHMに沸くイギリスで高い評価を受けたというのも大いに納得のいく名作。
尚、バンドは現在も元気に活動中で、去年もLOUD PARK06に参戦するために唐突に来日。
オールド・スラッシャーを「なぜANVILが?」と不思議がらせつつも大いに喜ばせた。


MANOWAR - Louder Than Hell - Outlaw ★★ (2007-06-12 21:06:05)

↑ドイツではバラードがヒットしたせいか、女性ファンが多いんだとか。

それは兎も角、この曲はシンプル且つ硬派な疾走チューン。
中盤のドラマチックな一捻りに胸躍ります。


MANOWAR - The Triumph of Steel ★★ (2007-06-11 22:33:00)

ロス・ザ・ボス(G)とスコット・コロンバス(Ds)が脱退したり、新しいレコーディング・スタジオを建設したりとドタバタと色々な事があって、前作から実に4年のインターバルを経て、'92年に漸く発表された7thアルバム。邦題は『勝利の鋼鉄(はがね)』。
オリジナル・メンバーにして生粋のロックンローラーでもあるロスがバンドを去った事により、ジョーイ・ディマイオの妥協を許さぬ完璧主義者っぷりに歯止めを掛ける存在がいなくなってしまったせいか、これ以降、MANOWARのアルバム・リリース・ペースはオリンピック級の気の長さになってしまうわけだが・・・。ま、それはともかく。
本編の半数を重々しいミドル・チューンが占め、しかもエリック・アダムス(Vo)がドラマチックな歌い上げよりアグレッシブなシャウトを多用している事もあって、MANOWARのアルバムの中でも際立ってヘヴィな仕上がりの本作。
正直、それらの楽曲はメロディの魅力、分けても歌メロにフックが乏しいため、どうにも地味な印象が拭えない。そして何より、アルバムのOPにドーンと鎮座まします超大作①だ。これを受け入れられるかどうかで真のMANOWARファンか否かが決まるという、ファンにとっては、ある種、踏み絵的な存在のこの組曲。長尺にも関わらずオーケストラやKeyの類に頼らない姿勢は、如何にもこのバンドらしくてナイスだが、やはり各楽器のソロまで組み込んだ構成は、(意図は分かるけど)個人的には冗長に感じられてしまう。
ただパート毎に見れば、エリック入魂の歌唱に胸揺さぶられる第6章や、ライブでも摘み食い的にプレイされていた荒々しくスピーディな最終章なんかは聴き応え十分。また本作には他にも、これぞMANOWAR!なメタル・アンセム②、スケールの大きな哀愁のバラード⑧、そして「この1曲のためだけにこのアルバムを買っても損はない」と思わされる、劇的なドラマ性を飲み込んで勇壮に疾走する名曲⑥なんかが収録されていて、聴き終えてみれば「なんだ、結局はいつもの良く出来たMANOWARのアルバムじゃんか」との結論に落ち着くのであった。
尚、本作発表後に初来日公演が実現。ステージ上でエリックは「日本に来るまで10年かかったけど、今度はもっと早く戻ってくるからな!」と語っていたが、あれから更に10年以上の月日が経っても、未だ再来日公演が行われる気配はないのであった・・・。


MANOWAR - Kings of Metal - Wheels of Fire ★★★ (2007-06-09 21:00:49)

スラッシュ・メタルばりのスピード感と、
炸裂するようにダイナミックに展開する
サビメロのカッコ良さが半端じゃない。
余談だが、RHAPSODYの4thアルバムには、この曲そっくり
(ご丁寧にVoの歌声まで左右のチャンネルに振り分けてある)の
“WHEN DEMONS AWAKE"という曲が収録されていて、
今にして思えば、彼らがジョーイ率いるマネジメント
マジック・サークル・ミュージックに移籍する予兆だったのかな、と。


MANOWAR - Fighting the World - Black Wind, Fire and Steel ★★★ (2007-06-09 20:42:23)

個人的には思い入れの薄い5thアルバムだが、
間違いなくアルバムのハイライトを飾るこの曲は、
文句なしで素晴しい。
エンディングがクドイという意見が出ているようですが、確かに(笑)。
ただ来日公演の時には、引き伸ばされたエンディングの最中に、
ジョーイ・ディマイオがベース弦を1本1本、
力任せに引き千切っていくという
圧巻のパフォーマンスを披露して会場を沸かせていたので、
映像付きで見るとまた印象が違うのかもしれませんね。
“BATTLE HYMNS"のエンディングもまた然り。


MANOWAR - The Triumph of Steel - The Power of Thy Sword ★★★ (2007-06-09 20:29:11)

ヘヴィネスは効いていても、楽曲のメロディの弱さと、
せっかくのエリック・アダムスのVoを活かしきれていない印象が
強い7thアルバムの中にあっても、この曲だけは別格。
疾走感、メロディ、そしてエリックの壮絶な歌唱が
三位一体となって突撃する、アルバムのハイライト・チューンだ。


MANOWAR - Sign of the Hammer - Guyana (Cult of the Damned) ★★★ (2007-06-09 02:28:32)

ジム・ジョーンズ牧師、救いの手をありがとう。我々はこの腐敗した世界を後に出来ました。
生命のない肉体は聖なる地に崩れ落ち、腐りゆく肉体は生贄の塚となる。
貴方は神か、それとも我々を釘付けにし、喝采を浴びる名優か。
貴方の一言に従い命を絶って、今、皆、貴方の傍で共に。
ガイアナ、呪われた信者たち。最後の勇気ある抵抗にお言葉を与えて下さい。×2

憑かれたように我々は国作りを続けた。真っ直ぐ前を見るのが怖かった。皆、牧師を恐れていたのだ。
我が子を急き立てる。もうあまり時間がないのだ。あの世で、また、みんな会える。
まず、彼らに飲物を手渡そう。喉の渇きに死ぬほど苦しんでいるから。
ガイアナ、呪われた信者たち。最後の勇気ある抵抗にお言葉を与えて下さい。×4
井戸に踏み込んだ足。水の底へと引き込まれる。地獄の叫びを残して。
牧師は教えてくれた。人生というのはホテルだ。
牧師がベルを鳴らした時、チェックアウトするのだと。
ガイアナ、呪われた信者たち。最後の勇気ある抵抗にお言葉を与えて下さい。×2

ママ・・・・・・

『SIGN OF THE HAMMER』の日本語訳を丸写しすると、こんな感じですかね。


MANOWAR - Into Glory Ride - Gloves of Metal ★★★ (2007-06-09 01:22:39)

1stに比べ、いよいよエリック・アダムスのVoがパワー全開。
特に、この曲における彼の歌唱には心震えます。
何度聴いても「レザー!メタル!スパイクス!アンチェイ~ンンン」
の歌い回しにコブシを握ってしまう俺がいる。


MANOWAR - Battle Hymns - Battle Hymn ★★★ (2007-06-09 01:10:12)

必ずライブのエンディングで演奏される超名曲。
まさに「地獄の鎮魂歌」(?)
1st収録バージョンは、オモチャの太鼓みたいにチープな
ドラム・サウンドがイマイチなので、
個人的にはスコット・コロンバスの雷鳴の如きドラミングが堪能できる
劇的さ4割増しのライブ・バージョンを聴く事をお薦めしたい。


MANOWAR - Sign of the Hammer - Thor (The Powerhead) ★★★ (2007-06-09 00:50:57)

4thアルバムにおいて、“GUYANA"に匹敵するハイライト・チューン。邦題は“戦神トール"。
まさに「戦いの歌」といった趣きの勇壮な歌メロと、劇的なリフ、
それに激烈な疾走感に心が震えます。


MANOWAR - Hail to England - Hail to England ★★★ (2007-06-09 00:42:44)

MANOWARにハマリ始めた当時、3rdアルバムは世界的に廃盤状態だったので、
仕方ないから今は亡き西新宿のDISKLANDで海賊盤を4000円の大枚はたいて購入したのだが、
まぁ板起こし盤ゆえスクラッチ・ノイズが豪快に入ってるのは我慢するにしても、
この名曲を2分ぐらい聴き進んだ所で、いきなり針飛びを起こして、
最後のコーラス部分まで音が飛んでしまうのには参った。
チクショウ、いい加減な録音しやがって!金返せ!
・・・という意味でも思い出の1曲。
後に国内盤が発売されて、改めて聴き直した時には感動しましたね。


MANOWAR - Kings of Metal ★★★ (2007-06-08 23:41:00)

タイトルといい、アートワークといい、暑苦し・・・もとい、劇的な楽曲の数々といい、ファンは忠誠を誓い、興味の無い人間は失笑を漏らすMANOWARというバンドの一番「濃い」部分をグツグツと煮詰めたかのような、アクの強くてマッチョな作風を誇る'89年発表の6thアルバム。
個人的に初めて買ったMANOWARのアルバムであり、HELLOWEENの『守護神伝 第2章』やRIOTの『THUNDERSTEEL』と並んでメタルに本格的にハマる切っ掛けとなった1枚だけに思い入れも一入なんだけど、その辺の贔屓目を抜きにしても本作のクオリティは『HAIL TO ENGLAND』『SIGN OF THE HAMMER』等の傑作群に匹敵する高さ。(・・・じゃないかな、と)
CD用ボーナス・トラック⑦がちと弱いが(ネタ曲としては満点)、それ以外は、スラッシーな疾走感とダイナミックなサビメロが圧倒的興奮を生む①に始まり、ラストを締める、余りに大袈裟で芝居がかった展開が笑いと感動を呼ぶ組曲⑨~⑩まで、全編これ捨て曲なし。中でもエリック・アダムスの熱唱が胸焦がす大ヒット・バラード③、100人からの男性コーラス隊が参加した荘厳且つ厳粛極まる⑤、そして劇的にしてキャッチーな(来日公演でも物騒な「HAIL&KILL」コールを巻き起こした)本編のハイライト・チューン⑧といった楽曲のカッコ良さは鳥肌モノ。
また今回特に注目すべきは、これを最後にバンドから脱退するロス・ザ・ボスのGプレイ。一般的に、ジョーイ・ディマイオの作る楽曲と、エリック・アダムスの超絶歌唱があれば、それでMANOWARサウンドは成立するというのがファンの共通認識なれど、このアルバム以前と以後とで、その作風が微妙に変質していく事を鑑みるに「やはりオリジナル・メンバーのロスの存在って重要だったんだな~」と、その豪快さと繊細さを併せ持つGプレイを聴きながらしみじみと実感させられます。
ロス・ザ・ボス在籍時代の集大成とも言える、気合の入った傑作。


MANOWAR - Fighting the World ★★ (2007-06-07 21:39:00)

メジャー・レーベルのATCOに移籍して'86年に発表された、MANOWAR史上最大の問題作として知られる5thアルバム。
かつては「こんなポップなアルバムはらしくない」「ジャケットもKISSの『DESTROYER』のパクリじゃん」とボロクソに貶されていたが、現在ではどちらかと言えば「前半(①②③④)に明るめの曲が並ぶだけで、後半はいつも通りのMANOWAR節が堪能できる作品」との、冷静な評価がファンの間では大勢を占める。
個人的にも本作の作風は、ポップではなく「元気溌剌」と表現したいところだし、もしポップに聴こえるのなら、それは楽曲よりも、クリーンでカラッと垢抜けた、健康的(?)なサウンド・プロダクションに因るところが大きいと思われ。
まぁ、では(今じゃライブの重要なレパートリーとなった①は兎も角)問題の②③④といった楽曲は優れた出来なのか?と問われれば「それほどでもない」というのが正直な感想だし、再びオーソン・ウェルズの語りをフィーチュアした⑤も“DARK AVANGER"の完成度には及ばない。それゆえ、ポップか否か以前の問題で余り思い入れのないアルバムだったりするのだが、それでもダークで重厚な名曲“HOLY WAR"を含む組曲形式の⑥⑦⑧や、全楽器が一丸となって16分音符を刻む野蛮で勇壮なスピード・チューン⑨は聴かずには死ねない強力な仕上がり。何より、本作でメジャー・アーティストとして一皮剥けたからこそ、次作『KINGS OF METAL』の成功があったんじゃないのかな、と。
その他の作品に比べて「クドさ」が薄い作風ゆえ、もしかするとMANOWAR初体験者の入門書に最適かもしれない1枚。


MANOWAR - Sign of the Hammer ★★★ (2007-06-06 22:10:00)

ファン・・・いやさ、ブラザーの間でも「MANOWARの最高傑作」と評価の高い、'84年発表の4thアルバム。
結構「音がイマイチ」との意見が出ているようですが、音、そんなに悪いっすかね?個人的には、準メジャー・レーベルと契約して、初めてまともな環境で製作されたアルバムという事で、過去3作に比べてサウンド・プロダクションの質は飛躍的に向上したように思うのですが・・・。ただ、徹底的に作り込まれた最近作のゴージャスさと比べてしまうと、確かに物足りなさを覚えるのも無理ないかな。
ともあれ、内容に関しては他の方同様まったく文句なし。“狂気の掟”“野獣列伝”“死戦士宣言”etc・・・と、仰々しい邦題を眺めているだけでワクワクして来る楽曲の数々は非常に粒が揃っていて、当然の如く、捨て曲は皆無。
何より、従来のスケールの大きなドラマチック路線に、更に疾走感やキャッチーさといった要素が加味されて、これまで以上に幅広いリスナーにアピールし得る魅力を備えているのがポイント。一撃必殺の威力を誇る劇的な疾走チューン③なんかは、その好例ではなかろうか?
勿論、“偉大なる山々”の邦題通り、神々しい荘厳さすら漂う④、そしてMANOWARが単なるファンタジー馬鹿ではない事を証明する、シリアス且つ重厚な名曲中の名曲⑧といったMANOWAR節炸裂の大作群の素晴しさは、今更言うに及ばず。
それにしても驚くべきは、本作が3rd『HAIL TO ENGLAND』と同じ年にリリースされている事実だ。名作と名高い2作を、1年と間を空けずに続け様に発表するとは・・・恐るべしというか流石というか、とにかく凄いぜ、MANOWAR。


MANOWAR - Hail to England ★★★ (2007-06-05 22:07:00)

前作『INTO GLORY RIDE』が、NWOBHMに沸くイギリスで高く評価された事に感謝を捧げてこのアルバム・タイトルになった・・・という実にMANOWARらしいエピソードを持つ、'84年発表の3rdアルバム。
デビュー作『BATTLE HYMNS』のロックンロール路線から、ドラマ性重視のヘヴィ・メタル路線へと舵を切った『INTO~』は、重厚長大で劇的な楽曲がズラリと並んだ力作だったが、その反面、やや力み過ぎたのか、冗長な部分が無きにしも非ずだった。(飽くまでMANOWARにしてはの話で、有象無象のバンドに比べればそのクオリティの高さは驚異的)
その辺の反省点を踏まえて(?)製作された本作は、余分な贅肉が削ぎ落とされた楽曲はソリッドに研ぎ澄まされ、ランニング・タイムは何れも3~4分台と非常にタイト。それでいて大仰なドラマ性は減じるどころか、益々磨き上げられているのだから畏れ入る。
特に、雄々しく力強い①、ライブでは物騒な「DIE!DIE!」の合唱を誘うスラッシーな③、隠し味の女性コーラスが楽曲の持つ荘厳な雰囲気を引き立てる④、そして本編唯一の大作にして、これぞMANOWAR!たるドラマチックな名曲⑦といった楽曲の素晴しさは、本作の白眉。つーか、このアルバムに捨て曲はありません。
また、前2作の大きな弱点だった劣悪なサウンド・プロダクションが大幅に改善されているのもポイントで、未だ十分とまでは行かないまでも、これで漸くスケールの大きな楽曲の魅力が余すところなく伝わるようになった。目出度い。
僅か13日間でレコーディングされた代物とは俄かに信じ難い、初期の傑作の1つ。


MANOWAR - Into Glory Ride ★★★ (2007-06-05 21:53:00)

メンバーがヴァイキングのコスプレをしたアルバム・ジャケットを見ただけで、いよいよMANOWARが本領を発揮し始めたことがよく分かる、'83年発表の2ndアルバム。
前任者とは比較にならないダイナミックなドラミングを披露するスコット・コロンバスの加入により、ロックンロール調の軽いノリが目立ったデビュー作『BATTLE HYMNS』の作風から一転、アルバム全編をヨーロッパ的なダークネスとヘヴィネスが支配する本作は、頭からケツまで、重厚長大、厳粛且つドラマチックな楽曲が次々に繰り出される。
エリック・アダムスのVoも、実力を存分に発揮できるスケールの大きな楽曲を得た事でエネルギー全開。前作ではあまり出番のなかった「ヴィブラートかけまくりの雄々しい歌い上げ」と「豊かな表現力」をフル活用して、起伏に富んだメロディを見事に歌いこなすその歌唱は、まさに圧巻としか。特に、悲壮感を伴って大きくうねる②、メタル魂を鼓舞される高揚感に満ちた③、雄大で幻想的な④、劇的な疾走感に思わず背筋が伸びる⑥、アルバム随一のスケールの大きさを誇る⑦といった楽曲は、曲自体のクオリティの高さがエリックのシンガーとしての実力を120%引き出し、またその強力な歌声が曲の完成度を一層高めるという、理想的なコンビネーションが堪能できる名曲じゃないかな、と。
相変わらずサウンド・プロダクションは×だが、『地獄の復讐』という邦題がコケ脅しには聞こえない、大仰なドラマ性に満ちた1枚。


MANOWAR - Battle Hymns ★★★ (2007-06-05 21:36:00)

'82年発表の記念すべきデビュー作。レコード会社と契約を交わす時、自分達の血でサインとか、国内盤の邦題が『地獄の鎮魂歌』だったとか、語り継がれる仰々しいエピソードの数々に反して、内容は明るいメロディを持った、ノリの良い楽曲が大半を占める。
尤も、ロックンロール・テイストはMANOWARというバンドを構成する重要な一要素なので、本作をして「異色作」と呼ぶには当たらない。それにアルバム中盤以降には、俳優のオーソン・ウェルズの語りをフィーチュアした⑥、ファンにはライブのエンディング曲としてお馴染みの、劇的極まりない⑧といったドラマチックな名曲が並び、実際のところ、聴き終えた後の印象は2nd以降のアルバムと大差ない感じ。
バンドの2枚看板であるジョーイ・ディマイオ閣下のBと、エリック・アダムスの超絶Voは既にその存在感を存分に発揮していて、前者はクラシックの有名曲をベース1本でカヴァーした⑦が最大の聴き所。エリックのVoは、比較的ストレートな楽曲が多く収録されているアルバムゆえ才能全開とまではいかないものの、坂本英三も自らカヴァーするぐらい大好きな②、バンドのテーマ曲であり、ライブのOPナンバーでもある⑤といったノリノリの曲調を備えた楽曲を、彼がドラマチックな歌唱で歌い上げるミスマッチ感は非常にユニークで味わい深い。
お世辞にも良好とは言い難いサウンド・プロダクションと、ドニー・ヘムズィクの大人しめのDsの影響か、後の作品ほどのスケールの大きさは伝わって来ないが、明るい曲を演っても決して能天気にはならない、NY出身のバンドらしい硬派なサウンドが堪能できる名作。


EXCITER - Heavy Metal Maniac ★★ (2007-06-05 21:19:00)

ANVILと双璧を為す、カナダ出身の元祖スラッシュ・メタル・バンド、'83年発表の1stアルバム。
鋭く刻まれる剃刀リフに、力いっぱい疾走しまくるリズム隊、ギャンギャンと喧しいぐらいシャウトを繰り返すVo、
勢い重視だがやたらカッコイイGソロ・・・と、EXCITERの何たるかがギュッと凝縮された名曲“HEAVY METAL MANIAC"を
収録した本作は、とにかく全編スピーディ且つハイテンション。特にこのスラッシュ・メタル・バンドすら軽く吹き飛ばす
テンションの高さには凄まじいものがあって、②③⑥⑨といったスピード・チューンなんか、「元気が良い」とか
「エネルギッシュ」とかのレベルを遥かに飛び越えて(↑上の方の発言を引用させて貰うなら)
まさしく「ラウド」という表現がピッタリくるド迫力の作風。何かヤバイ薬でドーピングでもしてたんじゃなかろうか?なんて。
かと思えば、メロウな曲調でジックリと聴かせるバラード風の⑧を収録して、アルバムの流れが単調にならないように
気を配っていたりするから侮れない。まぁ最後の最後で「てやんでぇ、もう我慢できるかい!」とばかりに
猛スピードで突っ走り始めちゃう辺りは、非常にこのバンドらしいんだけど(笑)。
音質の悪さが唯一にして最大のネックの作品だったが、最近はボーナス・トラックを追加収録したリマスター盤が
出回っているので、そちらがお薦め。ちなみに、リマスタリングを手掛けたのはジェフ・ウォーターズ。
ANNIHILAORが最新作で“HEAVY METAL MANIAC"をカヴァーしたのは、この辺の縁が関係しているのかな。


ARTCH - For The Sake Of Mankind ★★ (2007-06-05 21:03:00)

デビュー作『ANOTHER RETURN』が、いきなりKERRANG!やMETAL FORCESといった欧州のメタル雑誌で満点の評価を
獲得した事で知られるノルウェー出身の5人組パワー・メタル・バンドが、'91年に発表した2ndアルバム。
パワー・メタルと言っても、メロスピやメロパワのような疾走するリフ&リズムの上に明快なメロディが乗っかるタイプではなく、
勇壮で重量感に満ち溢れた①や、パワフルなリフ&リズムが戦車の突撃を思わせる③、スラッシーな攻撃性を発散する
スピード・チューン⑨といった楽曲を聴けば分かる通り、その作風はもっとダークでアグレッシブ。重心の低いリフが
ザクザクと刻まれる力強い楽曲の数々を聴いていると、「METAL CHURCH+VICIOUS RUMORS÷北欧メタルならではの叙情性」
という図式が頭に思い浮かんだりも。
しかし、何より本作で特筆すべきは、やはり北欧メタル・シーンきっての名シンガー、エリック・ホークの存在。
「繊細になったブルース・ディッキンソン」といった趣きの歌声は、パワー/表現力ともに抜群で、
特に、緊張感漂う疾走曲⑤では噛み付くような攻めのシャウトを、ダイナミック且つドラマチックな⑥では、
リスナーの胸を鷲掴みにする熱唱を、そして寂寥感漂う泣きの名バラード⑦では繊細な歌い上げをと、
曲のタイプによって様々な表情を見せるその歌唱は、まさに絶品。IRON MAIDENからブルースが脱退した時は、
多くのファンが「後任はこの人で良いじゃん」と思ったものでした(?)。
これだけハイクオリティなアルバムを作り上げながらも、その後の活動がパッとしなかったのは、
まさに時代が悪かったとしか言いようが無い。


FORTE ★★ (2007-06-04 22:04:00)

2ndと3rdは国内発売された関係で、
結構中古盤コーナーでもダブついているのですが、
確かに4th(あと1stも)は余り見かけませんね。
かといってプレミア物かと言えば、前にDISK UNIONの中古盤コーナーで
見かけた時は、僅か3桁の値段で叩き売られていましたし。
全く見かけない商品というわけでもないので、
地道に探してみるのも手かもしれませんよね・・・。
(ちなみに、俺は近所のBOOK OFFの中古CDコーナーで買いました)


HEXENHAUS - The Edge of Eternity ★★ (2007-06-02 01:17:00)

KING DIAMONDやMERCYFUL FATEでの活動で知られるマイク・ウェッド(G)がリーダーを務めていた
スウェーデン出身の5人組技巧派スラッシャーが、'90年に発表した2ndアルバム。
技巧派といっても、スリリングな楽器同士のバトルや、そこから生まれるテンションの高さを売りにしたタイプではなく、
その確かな演奏技術でもって楽曲をカッチリとまとめ上げ、より「聴かせる」ことを重視するタイプ。
まぁ、Voはメロディ無視の吐き捨て型なんだけど、現在ではどうって事ないレベルのダーティさなので無問題。
何より、このバンドはメロディが非常に良い。技巧派バンドにありがちな独り善がりな難解さは皆無で、
2人のGが紡ぎ出す、北欧の凍てついた大地を想起させる寒々としたメロディや、無愛想で硬質なリフ・ワークを聴いていると、
何となくフィンランドのスラッシュ・メタル・バンドSTONEを思い出したり。(あれをもっとプログレ寄りにした感じか)
ベートーベンの“月光"をモチーフにした序曲①から小気味良く疾走を開始する②、緩急のコントラストも鮮やかな③、
劇的なインスト・パート(特にツインGのハモリ具合が堪らん)を備えた⑤、ドラマチックな序曲を経て、
そこはかとなくエキゾチックなメロディを纏って疾走する⑦、ちとダレるけどドラマ性の高さにかけては
本編随一の大作⑧といった楽曲は、スラッシャーなら一聴の価値ありかと。
全体的にはまだまだ垢抜けないし、イモっぽい雰囲気も無きにしも非ずだが、
この如何にも「北欧のスラッシュ」的なヒンヤリとした質感はかなりクセになる。


ALCATRAZZ ★★ (2007-06-01 23:01:00)

7年ぶりぐらいでグラハムの勇姿を拝見しましたが、やっぱり老けたなぁ(笑)
風貌は完全に「お爺ちゃん」といった感じで、パワーはともかく音程は相変わらず怪しく、
しかも堂々とカンペ見まくり。老眼なのか目を眇めてるし・・・(苦笑)と、
普通のシンガーにやられたら大ブーイング物のパフォーマンスも、
何故かこの人がやると「それでこそグラハム!」と妙に安心してしまうから不思議です。
ズボンを開けてチ○コに水をかけた出した時には、すわ伝説の再現か?!とヒヤヒヤさせられましたが・・・。
寝転がったり欽ちゃん走りしたり三転倒立したりと、入魂の熱演(?)に
終始ニコニコ笑いが止まらず、最初から最後まで非常に楽しませて頂きました。


DEICIDE ★★ (2007-05-31 22:37:00)

まぁラルフ・サントーラって、一ッ所にジッとしていられるタイプのミュージシャンじゃないですしね。
DEICIDEで素晴しいアルバムを残してくれただけでも御の字かな、と。
出来れば、グレン・ベントンとスティーヴ・アシェイムの2人には、
今後もこの路線を続けて欲しいところなのですが・・・。


DEICIDE - The Stench of Redemption - Crucified for the Innocence ★★★ (2007-05-31 21:53:23)

楽曲自体は直球勝負の高速デス・メタル・チューンなのだが、
ラルフ・サントーラのGが流麗に絡むサビは非常にキャッチーで
(ポップという意味ではない)ドラマチック。
ラルフ加入効果が端的に表された
アルバムの(個人的には)ハイライト・チューン。


DEICIDE - The Stench of Redemption ★★ (2007-05-31 21:44:00)

北欧ブラック・メタル勢も裸足で逃げ出す、筋金入りのアンチ・クライスト軍団DEICIDE、'06年発表の8thアルバム。
まるで地獄の底から響いて来るかのようなグレン・ベントンのデス声、無慈悲且つ高速で刻まれるリフに、
ブラスト・ビート炸裂させまくりのスティーヴ・アシェイムのDs・・・と、楽曲は何れも絵に描いたように邪悪極まりない
デス・メタル・チューンばかりなのだが、勢い任せで押し切るのではなく、リフやリズム、歌メロ(特にサビ部分)に
ベテランらしくきっちりと強力なフックが仕掛けられているので、単調さとか、どの曲も全部同じに聴こえて
途中で飽きるといった、この手のバンドにありがちな弱点の類は一切ない。
そして何より本作の白眉は、今回から新たにバンドに加わった名手ラルフ・サントーラのG。元々、DEATHやICED EARTHの
ツアーに同行したりと、フロリダのデス/スラッシュ系バンドと強い繋がりを持つ人物ゆえ、DEICIDEへの加入も
それ程の驚きではなかったものの、とにかく華麗にしてメロディック、時に東洋的なフィーリングを濃厚に発散する
Gプレイは十分に驚異的。⑧のGソロなんて殆ど演歌(もしくは“巨人の星"のテーマ)が入っているような・・・。
ブルータルな曲調と見事なまでに美醜の対比を描き出す①⑨、ジャック・オーウェン(この人も逸材Gだ)との
劇的なツイン・リードGが思わずガッツポーズ物の⑥、そして本作のハイライトたる、イーヴルにしてドラマチック、
それでいてキャッチーさまで備えた名曲④のカッコ良さと来たら、筆舌尽くし難い程。
DEICIDEファンのみならず、普段はデス・メタルに興味を持たないメタラー(俺です)をも唸らせる強力な完成度を誇る傑作。


DEATH - The Sound of Perseverance ★★ (2007-05-28 21:36:00)

基本的にDEATHのアルバムにハズレはないと考えているんだけれども、その中にあって参加メンバーの顔触れ、
作品の完成度共に最も地味と言わざるを得ないのが、チャック・シュルデナーの夭折により、
奇しくもDEATHのラスト作となってしまった、この'98年発表の7thアルバムだろうか。
ここ数作において、バンドの推進剤の役割を担って来ていたジーン・ホグラン(Ds)の離脱により、
一層の長尺化(6分を越える物が半数以上を占める)、変拍子の多用による複雑化の進んだ楽曲のテンションを
維持しきれていない等、その理由は幾つか考えられるが、やはり最大の原因は、ラストを締める
JUDAS PRIESTの代表曲のカヴァー⑨の存在ではなかろうか。ぶっちゃけ、このカヴァー曲の出来が余りに良過ぎるせいで、
本編の印象が完全に霞んでしまっているような・・・。上手過ぎるカヴァーってのも考えもんですなぁ。
とは言え、その辺を踏まえた上でジックリと聴き込んでみれば、ストップ&ゴーを繰り返しながら
ドラマチックに盛り上がっていく③や、チャックの表現力豊かなGプレイの妙技が堪能できるインスト曲⑥、
引っ掛かるようにして劇的に疾走するスラッシュ・チューン⑦等、如何にもDEATHらしい名曲も多数収録されていて、
並みのスラッシュ・バンドじゃ逆立ちしたって敵わないハイクオリティに本作を仕上げてみせる手腕は、
流石はDEATH(チャック)なのであった。


DEATH - Symbolic ★★ (2007-05-28 21:14:00)

前2作に比べると少々地味な面子で製作、'94年に発表された6thアルバム。
とはいえ、作品の完成度には微塵の揺るぎもなし。チャック・シュルデナーが賢明だったのは、
前作『INDIVIDUAL THOUGHT PATTERNS』が、豪腕プレイヤー達が好き勝手に暴れまくった結果、極上のスリルと
カタルシスが生み出されていたのに対し、面子が地味な本作では同じ方法論は選択せずに、アンサンブル重視の作風に
切り替えた点。そのため、スリルやテンションの高さでは『INDIVIDUAL~』に一歩譲るものの、かっちりと
まとめ上げられた楽曲自体の完成度の高さ、分けても明快さや即効性といった、キャッチーな魅力にかけては本作の方が上。
チャックのGプレイも過去最高とも思える冴えを見せ、ソロは基より劇的且つメロディアスな
リード・プレイの素晴しさにも瞠目させられること必至。
また、前作から引き続いて参加のジーン・ホグランの存在感が益々強まっているのも本作の特徴の1つで、
MORRI SOUNDスタジオのオーナー、ジム・モリスが手掛けたエッジの効いたサウンド・プロダクションのもと、
ジーンのDsが地響きを立てて突っ走った時の破壊力と爽快感ときたら、強烈極まりない。
特に、激烈な高速スラッシュ・チューン①、劇的に疾走する⑤、本編随一のドラマ性を誇る⑥、ブルータルな曲調の中で閃く
アコギにゾクゾクさせられる⑦等、静と動、緩急、美醜を併せ持った楽曲群のクオリティは圧巻だ。
個人的には、DEATHのアルバムでは本作が一番好きかな。


ICED EARTH - The Glorious Burden ★★★ (2007-05-26 23:30:00)

マイナー臭の発生源だった(そしてそれこそが最大の魅力だった)マシュー・バーロウ(Vo)が抜け、後任に元JUDAS PRIESTの肩書きを持つティム“リッパー”オーウェンズを迎えた事で、全体的にグッと垢抜けて、メジャー・アクトとしての貫禄が感じられるようになった'04年発表の7thアルバム。
「戦争」をテーマに掲げたコンセプト作、更に南北戦争の天王山、所謂「ゲティスバーグの戦い」を20分間に亘って壮絶に、ドラマティックに、エモーショナルに綴ったジョン・シェイファー渾身の大作組曲⑨~⑪を含む、パワー/メロディ/ドラマ性の三拍子揃った(傑作6th『HORROR SHOW』に勝るとも劣らない)ハイクオリティな内容を誇る本作については、既に多くの方が意見を述べていので、自分なんぞが今更付け加えることはもうなにもありません。
ただ1つ、本作にまつわる事で非常に残念だったのは、チケットを購入して楽しみに待っていた来日公演が直前で中止になってしまったこと。もし来日してくれれば、ジョン・シェイファーにティム・オーウェンズ、ラルフ・サントーラにボビー・ジャーゾンベクという、(個人的には)失禁モノの強力ラインナップでのライブが見られた筈だったのに・・・無念。


DEATH - Individual Thought Patterns ★★ (2007-05-26 22:10:00)

チャック・シュルデナー以下、アンディ・ラロック(G)、スティーブ・デジョルジオ(B)、
ジーン・ホグラン(Ds)という、名実共に過去最強の布陣で製作、'93年に発表された5thアルバム。
凶暴なデス/スラッシュ・メタルならではの攻撃性と、複雑な曲展開、そして美しいメロディの融合という、
3rd『SPIRITUAL HEALING』以降のプログレッシブなDEATH流メタルの最高到達地点とでも言うべき本作の
大きなセールス・ポイントは、ジーン・ホグラン&スティーブ・デジョルジオという、スラッシュ・メタル・シーン
屈指の豪腕リズム隊を得た事で、楽曲に初期の頃を彷彿とさせるスラッシーな疾走感が戻って来ている点。
また、美旋律メイカーの名にかけては、チャックに勝るとも劣らない実力者アンディのGプレイに刺激されたのか、
チャックのGソロも益々冴え渡り、アルバム全編に渡って激情を撒き散らしながら(メロディアスに)荒れ狂う。
一筋縄ではいかない複雑な曲展開を飲み込みつつも、全体を支配するのは激烈な疾走感という高速スラッシュ・チューン①、
イントロのツインGのハーモニー・パートからしてグイグイと惹き込まれる④、アルバムで最もメロディアスな仕上がりと言える、
静のアンディ/動のチャックという対比が見事な⑧といった楽曲は、そうした本作ならではの美点が最大級に発揮された名曲ではなかろうか。
ハッキリ言って「キャッチー」とは言い難い作風だし、取っ付き難さではDEATHのアルバム中でも1、2を争うが
だからこそハマッた時の快感は強力極まりない。本作をDEATHの最高傑作に挙げる人が多いのも納得の名盤だ。


SAVAGE GRACE - After the Fall from Grace ★★ (2007-05-26 21:14:00)

フロリダ出身の4人組で、後にAGENT STEELに参加するマーク・マーシャル(G)が在籍していた事でも知られる
スピード・メタル・バンド、'86年発表の2ndアルバム。
ABATTOIRにEVILDEADにHOLY TERRORと、AGENT STEEL人脈に連なるパワー/スラッシュ系バンドには優れた存在が多いが、
このSAVAGE GRACEも間違いなくその1つ。音楽性は、ハイトーンVoとツインGを活かして劇的に疾走しまくる
JUDAS PRIESTタイプ・・・というかAGENT STEELタイプ。ただ、あちらよりも更にメロディが前面に押し出されているので、
時にジャーマン・メロディック・パワーメタル風に聴こえる場面も多々あり、Voの歌唱もハイトーン主体とは言え
ジョン・サイリース程クドくないので、かなり聴き易い印象。ただ、リーダーのマイケル・ローグ氏がGと兼任する
このVo、前任者に比べるとかなり音程が怪しい。つーか、ぶっちゃけ音痴だ。
それでも、スピード/メロディ/ドラマ性と三拍子揃った収録曲は非常に強力で、特に、序曲の①に導かれて疾走を開始する
②は、起承転結が完璧に決まった、これ1曲でアルバム1枚を聴き通したかのような満足感が得られる超名曲。
また、謎の東洋人メンバー、B.EAST(日章旗に「神風」ハチマキが目に眩しい)が手掛けた、
よりスラッシュ・メタル色が強く出た④⑥のような曲もカッコイイ。
とにかくアルバム全編疾走しまくりで、ラストをメロウに締める⑨まで捨て曲なし。
AGENT STEELやABATTOIRファンなら一聴の価値がある名盤だ。


DEATH - Spiritual Healing ★★ (2007-05-23 22:39:00)

MANTAS時代からの付き合いだったリック・ロッツ(G)が脱退、後任に凄腕Gギタリストとして知られる
ジェイムズ・マーフィを迎えて、'90年に発表した3rdアルバム。
プロデューサーにスコット・バーンズ、レコーディングにMORRI SOUNDスタジオというお馴染みの布陣で作り上げられた
本作は、その音作りといい、スピードよりも展開重視で畳み掛けてくる楽曲といい、大多数のファンが
DEATHの名前を聞いて想起するサウンドが、初めて聴かれるようになったアルバムでもある。
全体的にアングラ臭が薄まり、これまでになく垢抜けた雰囲気が漂っているのが特徴で
(あと、ヘヴィ・パートの引き摺るような重苦しさ)、これは新加入のジェイムズ・マーフィの弾く流麗なGソロが、
非常に正統派ヘヴィ・メタル・テイストが濃く、普遍的な魅力を備えているせいもあるのかな?
チャック・シュルデナーの美しくも壊れてる(狂ってる)Gソロと良い感じに対比を為しているだけでなく、
アルバム自体の取っ付き易さも高めてくれている印象。本作が日本デビュー作になったのも納得の仕上がりだ。
特に、疾走するGソロに耳奪われる②や、7分以上に及ぶアルバム・タイトル・トラック⑤、
チャックとジェイムズのハイテンションなGバトルが聴ける⑥辺りは、本作ならではの名曲じゃないかと。
尤も、次作『HUMAN』以降に比べるとリズム・パートはかなりシンプルなので、相変わらず
スラッシュ・メタル濃度は高め。スラッシャーも安心な、過渡期的な魅力も備えた1枚。


DEATH - Leprosy ★★ (2007-05-22 22:22:00)

DEATH、'88年発表の2ndアルバムにして、初期の名作。
同郷のデス・メタル・バンドMASSACREのメンバーが全面的に参加している事から察しの付く通り、
本作で聴く事ができるのは、デビュー作『SCREAM BLOODY GORE』の作風を順当に発展させた
ストレートなスラッシュ・サウンドなわけだが、但し、そのカッコ良さは『SCREAM~』の比ではない。
デス・メタルの聖地MORRI SOUNDスタジオでレコーディングされただけあって、サウンド・プロダクションが飛躍的に充実。
音にズッシリとしたヘヴィネスが宿った事で、リフ&リズムは禍々しさと重さを増し、Voは狂気に、
Gソロは美醜を兼ね備えた華麗さに一層の磨きを掛け、楽曲にも緩急が持ち込まれた事でアルバム全体のダイナミズムが向上。
後年のDEATH独自のスタイルへの萌芽が、確かに感じられる作風に仕上がっている。
特に①⑤⑥の3曲は、スラッシーな疾走パートを基本としつつも、ダイナミックな曲展開でテンションを高めて、
狂い咲くチャック・シュルデナーの劇的極まりないGソロでそれを解き放つという、まさにDEATHの必勝パターンが堪能できる名曲。
その他にも捨て曲は見当たらないし、何より、チャックの絶品のGプレイが楽曲のクオリティを力ずくで数段引き上げている。
初期スラッシュ・メタル路線の集大成的作品なので、DEATH未体験でスピード命!のスラッシャーは、まず本作から入るのが宜しいかと。


TANKARD - Chemical Invasion ★★ (2007-05-21 21:32:00)

「ドイツ人=真面目」の図式を覆した(?)、大酒飲みの酔っ払い軍団ことTANKARD、'87年発表の2ndアルバム。
デビュー作『ZOMBIE ATTACK』は、パンキッシュで弾けるような快活さが気持ちの良いアルバムだったが、
それに比べると本作は、スピード感2割増、エッジの立ったリフの刻みは更なる細かさと鋭さを得て、歌メロも
より直線的でシャウト主体のアグレッシブなスタイルへ・・・と、前作から一層スラッシュ・メタル色を強めた作風。
特に、イントロのSEに続いて激烈に疾走を開始する①や、冒頭の流麗なGソロが印象的な②、個人的には本編中で
最も愛して止まない、攻撃性とノリの良さが同居する③という、冒頭からの高速スラッシュ・チューン3連発は、
このアルバムの作風を象徴するかのような名曲揃い。
相変わらず“PUKE"だの“ALCOHOL"(USハードコア・バンドGANG GREENのカヴァー)だの、
“FOR THE THOUSAND BEERS"だのと、実も蓋もないタイトル(と歌詞)の曲も多いし、⑤に至っては
アコギを交えてドラマチックに盛り上がっていく異色のインスト・ナンバーだったりするのだが、
後のアルコール濃度高めでメートル上がりっ放しの作品群に比べると、楽曲自体は遥かに
硬派でスラッシーな仕上がりなので、「TANKARDってアルバム数が多過ぎて、どれから聴いていいか分からない」
というスラッシャーにも、TANKARD入門編としてお薦めできる名作。


BATHORY - Under the Sign of the Black Mark - Woman of Dark Desires ★★ (2007-05-18 23:42:35)

アルバム最速チューンの座は“MASSACRE"に譲るものの、
チープな音質の下、禍々しく疾走するリフ&リズムといい、
そこに絡みつくシンセのヒンヤリとした音色といい、
耳をつんざくヒステリックなGソロといい、
クォーソンの邪悪な絶叫Voといい、
まさに「元祖ブラック・メタル」な名曲。


MEGADETH - United Abominations - Washington Is Next! ★★★ (2007-05-18 23:23:32)

キャッチー且つ憂いを帯びたリフ&メロディ、
デイヴ・ムスティンが歌う絶品の歌メロと
正統派へヴィ・メタル色の強い楽曲ながら、
それでいてMEGADETHらしさも失っていないという
まさに文句の付けようのない名曲。
未だにこのレベルの楽曲を作り得るといは・・・
恐るべしムスティン。


VENOM - Calm Before the Storm - Under the Spell ★★ (2007-05-18 22:56:25)

クロノスのダミ声吐き捨てVoは相変わらずながら、
シャープに疾走するリフといい、劇的なツインGといい、
コーラスの入れ方といい、正統派へヴィ・メタリックな
雰囲気を濃厚に漂わせていて、
やっぱりVENOMも英国のバンドだったんだな~と、
妙に納得してしまう高速スラッシュ・ナンバー。


TANKARD - Zombie Attack ★★ (2007-05-18 22:53:00)

ドイツはフランクフルト出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、'86年発表の1stアルバム。
ドイツ産スラッシャーと言えば、スラッシュ三羽鴉を筆頭にダークなイメージが強いが、こいつらは例外。
何しろバンド名からして「ビールジョッキ(蓋付き)」というだけあって、そのサウンドは陽気で健康的。
小細工なしでひたすらストレートに押しまくる疾走感抜群の楽曲の数々は、サビメロもシンプルな単語を
連呼するだけと、覚え易く単純にまとめられていて(キャッチーってのとはちょっと違うんだけど)、
ライブでの大盛り上がりが容易に想像できる仕上がり。「EXODUSのノリに近い」と言ってた方が居たが、
個人的にもそう思う。アレから湿り気を取っ払って、もっとパンキッシュにした感じ?
尤も、陽性ではあっても能天気ではない、というのが本作の良い所で、例えば②や④のGソロなんかには
かなりの練り込みが伺えるし、何よりこのバンドは演奏がメチャウマ。歯切れの良い演奏によって
もたらされる緊張感と爽快感がアルバム本編にビシッと一本筋を通しているので、個人的に
それほど好みの音楽性というわけでもないのに、本作に関しては繰り返し聴き込んでも飽きるという事がない。
「ドイツの酒飲み軍団」とのイメージに惑わされて聴かずにいると、大きな損をする良質のスラッシュ・メタル・アルバム。


VENOM - Calm Before the Storm ★★ (2007-05-15 22:08:00)

マンタス(G)が脱退、その後任にマイク・ヒッキーとジム・クレアを迎え入れ、
新たに4人編成に生まれ変わったVENOMが、'87年に発表した5thアルバム。
ツインGを活かして楽曲のドラマ性/整合性を強化、ロックンロール色の一掃と、思い切った
サウンド・スタイルの刷新が奏功して、前作『POSSESSED』の煮詰まり感を吹き飛ばす快作に仕上がった本作は、
①のイントロ部分の分厚く鋭角的なGリフの刻みからしてもう「これがあのVENOM?」というぐらいカッコイイ。
続くアップテンポの②もドラマチックなツイン・リード・パートを備えているし、憂いを帯びたメロディアスな
リフが疾走する⑤、中期IRON MAIDENを彷彿とさせる⑧、JUDAS PRIESTばりの劇的なリフが炸裂する⑩に至っては、
クロノスのVoさえ普通なら、正統派ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルとして立派に通用するクオリティ。
ストレートな高速スラッシュ・チューン③⑥⑦⑨にしても、初期のダーティでクレイジーなノリは控えめで、
それよりも(良い意味で)型に嵌った疾走感が前面に押し出されて、非常にタイト。
そして何より、スラッシーなスピード感とヘヴィ・メタリックなドラマ性を併せ持つ④の素晴しさと来たら!
VENOMに興味のないメタル・ファンをも振り返らせる魅力を秘めた名曲ではなかろうか。
また、これらの曲ではGコンビの良い仕事っぷりが光り、特にマイク・ヒッキーは、再々結成VENOMが発表した
11thアルバム『METAL BLACK』にも参加して流麗なGプレイを披露しているわけだが、本作における
Gソロの煽情度の高さは、それをも軽く上回っている事を付け加えておきたい。
所謂「VENOMらしさ」は殆ど感じられない内容ながら、個人的にはクロノス在籍時代のVEMOMの最高傑作は本作である!
とコッソリと主張しておきます。


MACE - The Evil in Good ★★ (2007-05-14 22:10:00)

相変わらずハードコア/パンクからの影響を色濃く残した作風ながらも、アグレッシブなGリフの刻み具合や、
ゴリゴリと良く動き回るB、歌い回しに歯切れの良さが増した喚き型Vo、演奏能力の向上に伴い、
より緩急が取り入れられた楽曲etc・・・と、デビュー作『PROCESS OF ELIMINATION』に比べ、
更にスラッシュ・メタル色が強まった印象を受ける、'88年発表の2ndアルバム。
その最大の成果が、後半のドラマチックな盛り上がりっぷりが堪らない(タイトルからしてIRON MAIDENぽい?)③や、
叙情的な導入部から一転して激烈な疾走を開始する⑧、そして何より、泣きまくりのイントロを経て
スリリングなGソロをフィーチュアしながら荒れ狂うMACE屈指の名曲⑦といった、スラッシュ・ソングの数々。
また、自分が持ってるのは板起こしの再発盤なので、当然、レコードのノイズもそのまま収録されてしまっているのだが、
その辺を差し引いても、しっかりとサウンド・プロダクションの向上が確認出来るのも○。
ただ、妙に大人しめの音作りのせいか、前作の強烈に割れ歪んでノイジーなサウンドの迫力が薄れてしまった点は痛し痒し。
とは言え、MACE入門編に相応しいのは1stアルバムより本作なのは間違いない。


MACE - Process of Elimination ★★ (2007-05-14 21:58:00)

アメリカはワシントン出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'85年発表の1stアルバム。
収録曲の大半が2~3分台、しかも「刻む」と言うよりは「掻き鳴らす」といった感じのノイジーなGリフ、
緩急もへったくれもない性急なリズム、メロディを一切無視して喚き倒すVoとが、一丸となって突撃を繰り返す様は、
スラッシュ・メタルと言うよりもハードコア/パンク風味が濃厚で、実際、OPチューンの①はもろそんなノリの1曲。
続く②も前半はそんな感じで、漫然と聴き流しながら「あー、こりゃ買って失敗したかなー」等と考えていたら、
この曲が中盤で突如転調。後半は湿り気を帯びたメロディとアグレッシブなGソロが疾走する
スラッシュ・チューンに早変わりしたもんだから驚いた。(前半と後半で殆ど別の曲のノリだ)
また、④もインスト・パートの前半と歌入りの後半に分かれた、そこはかとなくドラマ性を感じさせる仕上がりだし、
本編のハイライトと言うべき高速スラッシュ・チューンの名曲⑤、ノリはパンキッシュだが、
Gソロは非常にメロディックな⑥、ヘヴィ・メタリックなリフがハイテンションで疾走する⑦、
イントロにアコギを配したダイナミックな⑧、バンドのテーマ・ソングでもある本編最速の⑨・・・と、
聴き終えてみれば、本作は「パンクとメタル双方の良い所を上手く取り込んだスラッシュ・メタル・アルバムの力作」
との結論に落ち着く。少なくとも、ここのGが相当なメタル野郎なのは間違いない。
強烈に割れ歪んだノイズ混じりのサウンド・プロダクションはかなり劣悪だが、その一方で異様な迫力に満ち溢れていて、
少なくともこのバンドの音楽性には非常にマッチしているので、音質の悪さは然程気にならないかな。


VENOM - Temples of Ice - Even in Heaven ★★ (2007-05-14 21:25:46)

アコギのイントロをブチ破ってシャープなリフが疾走を開始。
中盤にはメロウなアコギ・パートを設けて、その後は再疾走。
印象的なオブリガートを聴かせるBも非常に良い仕事をしている
『TEMPLES OF ICE』のハイライト・チューン。


FORCED ENTRY - As Above, So Below ★★ (2007-05-12 00:54:00)

アメリカはシアトル出身で、BがVoも兼任する3人組スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の2ndアルバム。
トリオ編成とは思えない分厚いサウンド、高度な演奏技術に裏打ちされた、テクニカルでプログレッシブな曲展開・・・と、
デビュー作『UNCERTAIN FUTURE』の作風を順当に受け継いだ作風ながら(Gが1曲だけリードVoを取っているのも1stと同じ)
サウンド・プロダクションが向上して音が図太くなった分、疾走パートとミドル・パートのコントラストが
より明確になって、曲展開がかなり整理された事と併せ、随分と取っ付き易くなったとの印象を受ける。
それにしても、ここのBはやはり素晴しい。①を筆頭にスラッシーなスピード・チューンでは猛烈にのたうったかと思えば、
⑧や⑨のインスト・パートでは、曲の持つ叙情性を増幅させるメロウなBプレイを聴かせたり・・・と、非常に芸達者。
ジェイソン・ニューステッドが気に入るのも分かるなぁ。前作の弱点だった彼が兼任するVoも、
相変わらず音程無視のわめき型ながら、声に太さが出て来たので迫力は増している。
前作同様キャッチーさとは無縁の音楽性だが、この捉え所のなさは如何にもシアトルのバンド的とも言えなくもない。
“MORGULON"のようなドラマチック路線の楽曲が姿を消してしまったのは痛過ぎるけどね。


ACID - Maniac ★★ (2007-05-10 21:11:00)

'83年1月にセルフ・タイトル・アルバムでデビューを飾ったACIDが、同年の11月に早くも発表した2ndアルバム。
RAINBOWの名曲“SPOTLIGHT KIDS"を思わせる疾走チューン①で幕を開ける本作は、荒削りだったデビュー作に比べて
サウンド・プロダクションが格段に充実。リフやメロディも一層練り込まれた事で、全体的に
かなり洗練された、聴き易いヘヴィ・メタル・アルバムに仕上がっている。
黎明期のスラッシュ・メタル的な、破天荒な勢いが薄れてしまったのは残念だが、①④⑥⑧と
本編の半数を占めるスピード・チューンは健在だし、バラ付きなく良い曲が揃っている分、
トータルの完成度では前作を上回るんじゃなかろうか。そして何より、それらの楽曲を歌うバンドの
紅一点ケイト(Vo)の、メタル・クイーン時代の浜田麻里を彷彿とさせる歌唱が素晴しいったらありゃしない。
また、MAXIM METAL RECORDから発売されたリイシュー盤には、'83年12月発表のシングル音源3曲が
ボーナス・トラックとして追加収録されているのだが、本編に比べてこちらはかなりパワー/スラッシュ・メタル色が
濃厚なので、スラッシャーにはこちら(再発盤)がお薦め。特に、MANOWARばりの大仰な曲展開が魅力の⑪は、
とてもオマケ収録とは思えぬ存在感を放つドラマチックな名曲だ。
尚、バンドはこの後、更にポップ方向に舵を切った3rd『ENGINE BEAST』(未聴)を発表して解散してしまった。


SACRIFICE (CANADA) - Forward to Termination ★★ (2007-05-09 22:17:00)

カナダはトロント出身の4人組スラッシャー、'87年発表の2ndアルバム。
3rd『SOLDIERS OF MISFORTUNE』や、4th『APOCALYPSE INSIDE』では、スラッシーな疾走感はそのままに、
ドラマチックだったりメロディアスだったりキャッチーだったりと、意欲的に作風を広げに
掛かっていた彼らだが、ここで聴く事が出来るのは実にオーソドックスなスラッシュ・メタル。
全くヒネリのない直球勝負のサウンドだが、しかし本作はそこが何よりも素晴しい。ひたすら2ビートがスタスタと疾走し、
鋭利なリフがマシンガンの如く刻まれ、その上でメロディを一切無視したVoがシャウトしまくるという、
スラッシュ・メタルを構成する基本要素一つ一つを丁寧に磨き上げたかのような楽曲の数々は、問答無用のカッコ良さ。
中でも、楽曲のスピード感を倍増させるタイト極まりないDsは、このバンドの大きな武器で、
こいつが思いっきり突っ走った時の爽快感は、音質のイマイチさを補って遥かに余りある気持ち良さ。
特に、掴みにはもって来いのスピード・チューン②(①は短いイントロ)、ダイナミックな曲展開が楽しめる大作⑤、
流麗なGソロを伴ってハイテンションで疾走する⑩といった楽曲は、全スラッシャー必聴じゃないかと。
何も足さない、何も引かない、まるで某サントリー・ウィスキーのようなピュア・スラッシュ・メタルの力作。


EXHORDER - The Law ★★ (2007-05-08 06:17:00)

デビュー作『SLAUGHTER IN THE VATICAN』は、硬質且つスピーディなスラッシュ・メタル・アルバムの力作だったが、
この'92年発表の2ndは、スラッシーな疾走感よりも圧し掛かって来るかのようなヘヴィネスの演出に
重きを置いた内容に仕上がっている。
とにかく今回は、徹底的にドンシャリ感が強調されたサウンド・プロダクションが圧巻。生々しいドラム・サウンドは
バスドラの重さが半端じゃないし(ちょっと『...AND JUSTICE FOR ALL』風?)、何より、
グルーヴィなノリを飲み込んで、ジャリジャリと分厚く刻まれるヘヴィ・リフの迫力は圧倒的。
そうした音像に従来の激烈な疾走感が加味された、強力な「掴み」の役割を果たすOPチューン①、
冒頭のへヴィ・パートがその後のスピード感を倍化させる②、インスト曲ながら、本編随一の
ストレートなスラッシュ・チューン⑥といった楽曲はメチャ強力。また、⑦のようにアコギを
単なる装飾以上に活用してみたり、④ではラップ風にアジるVoを導入してみたりと、アレンジに
これまで以上の練り込み(実験色)が伺えるのも、本作の特徴の1つか。
収録曲の出来・不出来にバラつきが見られるのは気になるし、ストレートなスラッシュ・アルバムを
求める向きには評価の分かれそうな作風だが、クオリティが高いのは疑いようがない。


DEMOLITION HAMMER - Epidemic of Violence ★★ (2007-05-06 21:57:00)

MEATLOAFやSEPULTURAのアルバムを手掛けた事で知られる、マイケル・ウィーランのジャケット・アートワークが
目印の、アメリカはニューヨーク出身の4人組スラッシャー、'92年発表の2ndアルバム。
'92年と言えば、既に本格的にスラッシュ・メタル冬の時代へと突入し始めていた時期だが、
本作はそんなタイミングに発表された作品とはとても思えない、デス声の一歩手前で踏み止まって
力強いシャウトを響かせるVoといい、容赦なく刻まれるザクザクのGリフといい、なかなかに耳を惹くメロディを
紡ぎ出すツインGといい、緩急を飲み込みタイト且つダイナミックなリズムを叩き出すリズム隊といい、
痛快なまでに疾走しまくりの、ストロングで高純度なスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっている。
特に、硬派な疾走感がまさにNY風味のOPチューン①、後半に印象的なツイン・リード・パートを配した③、
個人的にはアルバムのハイライト・チューンに位置付けている、歯切れの良い⑦に始まり、
ラスト・ナンバー⑨まで一気に畳み掛ける、構成のカッコ良さは最高じゃないですか!と。
正統派のスラッシュ・メタルが時代遅れの遺物と見做され始め、かといって再評価の機運が高まるには
タイミングが早過ぎた、「'92年」という微妙な時期に発表されてしまった事が何よりも本作の不幸だった、
スラッシュ・メタル・アルバムの逸品。


THE GREAT KAT - Bloody Vivaldi ★★ (2007-05-06 15:24:00)

正常な神経の持ち主なら、レジへ持って行くことを躊躇せずにはいられない、負のオーラ撒き散らしまくりの
ゴアゴアなジャケット・アートワーク(血塗れで絶叫するTHE GREAT KAT様)が目印の、'98年発表の4曲入りEP。
女性Voと、ジュリアード卒の腕前を持つG、そしてバイオリンをフィーチュアして激烈に疾走しまくるスラッシュ・メタル・・・
と聞くと、さぞかし芝居がかった格調高いドラマチックなサウンドを想像されるかもしれないが、GREAT KAT様は
そんな常人の予想の遥か斜め上を行く、芝居は芝居でも下北沢の小劇場で公演されてる、チープでビザールな
アングラ芝居の如きイカレた・・・もとい、イカしたスラッシュ・サウンドで我々の度肝を抜いてくれます。
EPのタイトル通り、ヴィヴァルディの“四季"と“カルメン幻想曲"をスラッシュ・メタル風にアレンジした、
バイオリンの音色が良い感じのスパイスになっているインスト・ナンバー①④は兎も角、
歌入りの②③に於かれましては、ファン(奴隷)なら狂喜乱舞、そうでないならゴミ箱行確定と、
評価がハッキリと分かれる(圧倒的に後者が優勢)THE GREAT KAT節炸裂しまくりの1作に仕上がっております。


EXHORDER - Slaughter in the Vatican ★★ (2007-05-05 22:01:00)

アメリカはニューオリンズ出身の5人組突撃スラッシャー(但しBはヘルプ)、'90年発表の1stアルバム。
プロデューサーに名手スコット・バーンズ、レコーディング場所はデス・メタルの聖地MORRIサウンド・スタジオという
鉄壁の布陣からも明らかな通り、その作風は(メンバーの風貌同様)非常にバイオレント。
元々、デスラッシャーの元祖的存在として知られているバンドだけに、ドスの効いたハイテンションVo、
重厚且つパワフルなリフ&リズムが隙間なく音の壁を作り上げ、一丸となって押し込んでくる様は圧倒的迫力を誇る。
中でも、スリリングなGソロが疾走感を倍増させる①、その勢いを受け継いで、つんのめり気味に突進する②、
タモリ倶楽部ファンからは空耳ソングとしても親しまれている(?)ダイナミックな③、
バンドのテーマ・ソングと言うべき④という、頭4曲の猛烈な畳み掛けには「ぐぅ」の音も出ないほど叩きのめされる。
その要となるのが、硬質且つタイトなプレイでサウンドの中心を固めるDsの存在で、こいつが思いっきり
突っ走った時の爽快さは筆舌尽くし難い。謹んで「まるでジーン・ホグラン」の称号を贈りたい。
後半以降も、ラストを激烈に締めるアルバム表題曲⑧までテンションは全く下がることなく一気に走り抜け、
全8曲、人によってはこの強烈な音圧は疲労感を覚えかねないが、初期DARK ANGEL好き、
分けても2nd『DARKNESS DESCENDS』好きのスラッシャーなら、本作はマスト・バイ。


AGNOSTIC FRONT - One Voice ★★ (2007-05-04 23:37:00)

「BURRN!!のレビューで高い評価を受けてたから」という実に単純な理由から購入した、'92年発表の4thアルバム。
Voのロジャー・ミレットが麻薬密売の罪(所持じゃなくて密売という辺りが如何にもこのバンドらしい)で逮捕され、活動停止状態に陥っていたバンドの出直し/再出発作でもあった作品。AGONISTIC FRONTと言えば、NYハードコア・シーンの首領的存在として知られているが、ここで聴けるサウンドはメロディよりもリズム重視で歌うVoこそハードコアちっくながら、重厚なリフといい、ズッシリとしたヘヴィネスを備えたリズムといい、それよりずっとスラッシュ・メタル寄りの印象が強い。
特にインスト③から繋がる、メロディアスなGソロをフィーチュアした疾走曲④なんて、歌さえまともなら
正統派へヴィ・メタルと言って通用するのでは?と思わされる仕上がり。その他にも、①⑤⑩といった楽曲を頂点に、問答無用のカッコ良さを誇る高速スラッシュ・チューンを多数収録。
筋金入りのファンからは、このメタリックな作風は不評だったようだが、個人的には本作は、「スラッシュ・メタル冬の時代にリリースされた質の高いスラッシュ・メタル・アルバム」として、当時、非常に楽しませて頂きました。


ACID - Acid - Woman at Last ★★ (2007-05-04 20:45:16)

1stアルバムの(個人的に)ハイライト・チューン。
ヘヴィに幕を開け、徐々にスピードを上げながら
盛り上がっていくという、3分44秒の中に起承転結が
きっちり織り込まれた、ドラマチックな名曲。


ACID - Acid - Acid ★★ (2007-05-04 20:40:49)

1stアルバムのOPを飾る、バンドのテーマ・ソング。
ギャンギャンと刻まれる騒々しいリフに、
スピーディに疾走するリズムは、丁度、NWOBHMと
スラッシュ・メタルの中間に位置する感じ。
荒々しくも歌心を失わないケイトのVoが素晴しい。


ACID - Acid ★★ (2007-05-04 20:31:00)

ベルギアン・メタルの草分け的存在、女性Voを擁する5人組HMバンド、ACIDの'83年発表の1stアルバム。
モコモコと不明瞭なサウンド・プロダクションは要改善だが、「VENOMやMERCYFUL FATEに対するベルギーからの返答」
と評されたそのダークでアグレッシブなサウンドは、前記2バンドの名前から想像されるほどの
オドロオドロしさは感じられないものの、アルバムOPを飾るバンドのテーマソング①、
その勢いを受け継ぐパワフルな②、起承転結の組み込まれたドラマチックな⑥、ラストを締める
本編最速ナンバー⑩といった楽曲を筆頭に、ギャンギャンと騒々しく刻まれるリフにスピーディに疾走するズムと、
まさにスラッシュ・メタル誕生前夜的なエネルギーに満ち溢れていて、非常にカッコイイ。
そして何より、このバンドを特別な存在にしているのが、女性Voケイトの存在。HMバンドの女性シンガーに
ありがちなドスを効かせまくった歌声ではなく、メロディを大切にして歌い上げるその歌唱は、
荒々しい楽曲と絶妙なミスマッチ感を演出していてナイス。あと、ルックスもイケてます。(ここ重要)
NWOBHMファンだけでなく、スラッシュ・メタル・ファンにも自信を持ってお薦め出来る1枚。


SHELL SHOCK - FIEL LARM ★★ (2007-05-03 18:46:00)

前作『PROTEST AND RESISTANCE』から目立ち始めたハードコア・テイストを更に大胆に導入、
より実験色を強めて'92年に発表された3rdアルバム。
全24曲の収録曲中、単なるSEから、ノイズ、カントリー、ジャズ、インダストリアルまで、
多彩な要素を飲み込んだインスト・ナンバーの数々が本編の大半を占める実験的な作風と、
楽曲の輪郭がハッキリしない轟然とした音作りが好きになれず、購入当時は2、3回聴いたきりで
売り払ってしまった覚えがあるのだが、数年後、改めて買い直して聴いてみたら、これが案外悪くなかった。
インスト・ナンバーへの印象の悪さは当時と大差ないのだけれども、それを抜きにして
②⑤⑦⑩⑰⑳(22)(23)といった硬質でアグレッシブなスピード・チューンのみを摘み食いしてみれば、
最早単純なスラッシュ・メタルを演っているわけではないにしろ、これまでのSHELL SHOCKの
作品同様、十分に質は高く楽しませてくれる。
特に、ドスの効いたVoとわめき型のVoが左右のチャンネルに振り分けられ、波状攻撃を仕掛けてくる
ツイン・ボーカル(時にトリプル・ボーカル)のカッコ良さは特筆モノ。
全体的にアバンギャルドな仕上がりなれど、メンバーのスキルの高さゆえ、付け焼刃な印象が全くないのも良い。


TURBO - Last Warrrior ★★ (2007-05-02 23:35:00)

ポーランドを代表する(今ではその座はVADERに取って代わられた感があるけど)ポズナニ出身の5人組HMバンド、
'88年発表の6thアルバム・・・というか、5thアルバム「OSTATNI WOJOWNIK」の英語リメイク版。
デビュー当時は、NWOBHMからの影響を感じさせる硬派なヘヴィ・メタルをプレイしていた彼らだが、作品を重ねる毎に
攻撃性を増大させるという通常とは逆のパターンを辿って、プロデューサーに名手ハリス・ジョーンズを
起用した本作では、遂に本格的にスラッシュ・メタルの領域へと足を踏み入れている。
ヒステリックなシャウトを多用するVoの歌唱は好き嫌いが分かれるところだが、チリチリと歪んだ音色で刻まれる
重厚なリフと、メロディックなツインGをフィーチュアして疾走する男臭くストロングな楽曲群は、
まさに「戦士の歌」といった趣きのアルバム表題曲①、叙情的なインスト・パートを経て
ドラマチックに盛り上がっていく本編のハイライト・チューン②、中盤にツインGの聴かせ所を設けつつ、
スラッシーに疾走する⑥等を筆頭に、これがなかなかにカッコイイ。
全体的にメロディにもう少しフックが欲しいとか、Dsにキレが足りないとか、気になる点も幾つかあるものの、
当時、ドイツ最大手のインディー・レーベル、NOISEから配給されたというのも納得のクオリティを備えた力作。


AGGRESSION - The Full Treatment - Rotten by Torture ★★ (2007-04-30 21:09:57)

2nd『THE FULL TREATMENT』の中にあっては、
比較的まともな(笑)スラッシュ・メタル・チューン。
ハードコア・スタイルのVoが歌う、キャッチーというのとは
ちょっと違うが、印象的なサビが非常にカッコイイ。


AGGRESSION - The Full Treatment ★★ (2007-04-30 19:58:00)

カナダはケベック出身の4人組スラッシャーが、'87年に発表した2ndアルバム。
かつては、あのNew Renaissance Recordsのコンピレーション・アルバムに楽曲を提供したりしていたらしいが、
チープなアルバム・ジャケットにチープなサウンド・プロダクション、終始がなり立てまくるハードコアなVo、
強引極まりない演奏&曲展開等、それも大いに納得の(笑)非常にダーティでノイジーなスラッシュ・メタルを聴かせてくれる。
兎に角、全パートがグシャグシャに絡まり合って、土砂崩れでも起こしたかのように突撃してくるサウンドは
圧倒的迫力を誇り、各楽器がてんでバラバラに自己主張しまくる④なんか、最早曲の輪郭すら定かじゃなくて空中分解寸前。
にも関わらずギリギリのラインで踏み止まって崩壊を免れているのは、彼らの演奏は例え強引ではあっても、
ヘタクソではないからか。特に、このアルバムの作風を象徴するかのような土砂崩れスラッシュ・メタルが堪能出来る①、
気合一発、印象的なリフが走り出す②、疾走パートが殆どノイズの様相を呈している③という、アルバム冒頭の3連発。
そしてブラスト・ビートが炸裂する本編最速の⑥や、ハイテンションなVoの歌メロが非常にカッコイイ⑦といった、
力ずくでがむしゃらに押し込んで来る高速スラッシュ・チューンの数々の迫力は圧巻。
完成度とか、メロディアスとか、キャッチーといった言葉とは無縁の内容ながらも、高い中毒性を有した
不思議な魅力に満ちた1枚。普通のスラッシュ・メタルじゃ物足りないぜ!という重症スラッシャーの貴方に。


RAZOR - Violent Restitution - Edge of the Razor ★★★ (2007-04-29 01:27:33)

緩急の効いた高速スラッシュ・チューン。
冒頭のインスト・パートにおけるGリフの刻みが強烈極まりなく、
まさに「カミソリの刃」の如し。耳から血が出るかと思った。


RAZOR - Violent Restitution ★★ (2007-04-29 01:22:00)

なぜかチャールズ・ブロンソンに捧げられた(笑・・・って、ブロンソンてあのブロンソン?)、'88年発表の4thアルバム。
確か当時、HOBBS' ANGEL OF DEATHのデビュー作とのスプリット仕様で、テイチクから国内盤も発売された・・・筈。
初期のRAZORのアルバムは、ムチャクチャな勢いは買うけれど、どの曲も似たり寄ったりなので直ぐに飽きてしまうという
問題点を抱えていたように思うが、それが3rd『MALICIOUS INTENT』辺りから個々の楽曲のキャラ立ちが良くなり始め、
遂に本作では、ドイツのインディ・レーベルSTEAMHAMMER/SPVと契約を交わした効果か(?)、その楽曲の良さを活かすだけの
良質なサウンド・プロダクションをも手に入れ、過去4作を大きく上回る高い完成度を提示してきた。
また、これまでに比べてスラッシュ・メタル度が大幅に上がって来ているのも本作の特徴の1つで、
それはOPナンバー①(タイトルから察するに、冒頭の絶叫は怪鳥音のつもりなのだろうか?)における、
アグレッシブなリフ&リズムの刻みを聴けば明らか。他にも、タイトル通り「ハイテンション」で突っ走る②、
緩急の効いたアルバム・タイトル・トラック⑦等、高速スラッシュ・チューンの名曲は多いが、
本編のハイライトは間違いなく⑨。まさに“EDGE OF THE RAZOR"のタイトルを地で行く、聴いてるだけで耳から
血が出るんじゃないか?と思わせる、カミソリの刃の如き鋭利なGリフの刻みが強烈極まりない、RAZOR屈指の超名曲だ。
バンドの格をワンランク上へと押し上げた名盤。


AVERSION - Fall From Grace - Make It Go Away ★★ (2007-04-28 23:58:57)

切羽詰ったように疾走する高速スラッシュ・チューン。
タイト極まりない楽器陣も良い仕事をしているが、
リーダーのBが兼任するVoの硬質な歌声が非常に魅力的なのも
このバンドの大きな武器だと再認識させてくれる名曲。


AVERSION - Fall From Grace - Dignity ★★ (2007-04-28 23:48:54)

3rdアルバム最速ナンバー。
タイトなリフ&リズムが一丸となって突進する様がド迫力。


AVERSION - Fall From Grace ★★ (2007-04-28 21:25:00)

ルカ・シニョレッリの壁画「罪されし者を地獄へ追いやる天使」をアルバム・ジャケットに用いた、
カリフォルニア出身のトリオ・スラッシャー、'95年発表の3rdアルバム。
前作『FIT TO BE TIDE』は、ハードコアがかったスピード・ナンバーが次々に繰り出される
爽快極まりないスラッシュ・メタル・アルバムだったが、本作もスタイル的には全く変化なし。実際に聴くまでは
時節柄、モダン・へヴィネス症候群でも患ってるんじゃないかと不安に思っていたのだが、
OPナンバーの①が勢いよく疾走を開始した瞬間、その心配は吹き飛んだ。
ただ、今回は締まりに欠けるサウンド・プロダクションがイマイチで、前作の大きな魅力だった、
硬質さと柔軟性を兼ね備えたリフ&リズムが、一丸となって突進して来るかのような迫力が
やや薄まってしまっているのが残念。代わりにラフでパンキッシュなノリを持った楽曲が目立つような・・・。
それでも、尻上がりにテンションが上がっていくアルバム中盤以降は聴き応え十分。特に、本編最速とも
言える爆発的な疾走感が爽快な⑧、そして硬派な声質のVoの魅力が如何なく発揮された高速スラッシュ・チューン⑫は、
前作収録の“FALLING FULL CIRCLE"に匹敵する名曲。スラッシャーなら必聴ではないでしょうか。
中古屋では3桁の値段で投売りされてる事の多い作品なので、見かけたら(俺も)即買いをお薦めさせて頂きます。


S.O.D.(STORMTROOPERS OF DEATH) - Speak English or Die ★★ (2007-04-26 22:51:00)

個人的に文句なしの名盤について感想を書こうとすると、「とにかく最高!黙って聴け!」
ぐらいの文章しか思い付かない場合が多いのだけど、このスラッシュ・メタル史に燦然と輝く名作、
SOD'85年発表の1stアルバムはまさにそれ。とにかく最高!黙って聴け!
特に、ヘヴィなイントロ①を経て突撃を開始する②、キャッチーにして凶暴な③、マーチのリズムで突き進む④、
一際ダイナミックな曲展開が楽しめる⑤、Gソロも組み込まれた⑥といった具合に、高速スラッシュ・チューンが
息つく暇なく次々に繰り出される、アルバム前半の血沸き肉踊る隙のない構成や、スローなイントロから一転、
ブラスト・ビートが炸裂する名曲⑫なんて最高ですがな。


JAGUAR - Power Games ★★ (2007-04-25 21:40:00)

我が事ながら一体いつ購入したのかさっぱり思い出せない、イギリスはブリストル出身の
4人組HMバンドが'84年に発表した1stアルバム。
NEAT RECORDS、イマサンな音質、リフ主体で突っ走るシンプルな楽曲、如何にも英国的な
ドンヨリとした湿り気を帯びたメロディ、篭り気味の声質のVoが歌う煮え切らない歌メロetc・・・と、
アルバム全体から「これでもか!」というぐらいNWOBHM臭を発散している本作だが、
ここに収められている楽曲には、へヴィ・メタルがどんどん先鋭化していって、
やがてスラッシュ・メタル誕生へと行き着く過渡期的な荒々しさが満ち満ちている。
特に、冒頭から矢継ぎ早に繰り出されるスピード・チューン3連発は強力で、なるほど、本作が発表当時、
「MOTORHEADの“ACE OF SPADES"やEXCITERの“HEAVY METAL MANIAC"級のインパクトを与えた」という話も
あながちホラじゃないのかな、と納得するに十分なカッコ良さを誇る(知名度じゃ全然勝負にならないけどね)
また彼らの場合、スピードのみで押し切るのではなく、へヴィ・バラードの④や、ドラマチックな曲展開が
魅力の⑥、よく動き回るBラインがIRON MAIDENを思わせる⑧といった、メロディを前面に押し出した
「聴かせる」タイプの楽曲で足元をしっかりと固めている点もナイス。
ヘヴィ・メタルと呼ぶには荒々しく、スラッシュ・メタルと呼ぶにはメロディアス。これぞスピード・メタルの力作。


ONSLAUGHT - Killing Peace ★★ (2007-04-24 21:58:00)

サイ・キーラーをVoの座に迎え入れて再結成。THRASH DOMINATION 06で日本のスラッシャーにも健在振りをアピールした
ONSLAUGHTが、前作『IN SERCH OF SANITY』以来、8年振りに発表した待望のニュー・アルバム。(通算4枚目)
『IN SERCH~』では、名Voスティーヴ・グリメットの歌唱を活かした、如何にも英国然とした劇的なパワー・メタルを
演っていた彼らだが、復活第1弾となる本作で聴けるのは、2nd『THE FORCE』の頃を彷彿とさせる混じりっ気なしの
ピュア・スラッシュ・サウンド。(まぁ3rdの作風にはレコード会社の意向が強く働いていたらしいので当然の帰結なんだけど)
しかも単なる過去の焼き直しに留まらず、よりスピーディに、よりへヴィに、よりアグレッシブにと、
解散前よりも遥かにパワーアップを遂げているのだから嬉しくなる。
特に、猛然と疾走するOPチューン①、それ以上のアグレッションを撒き散らす②、ノリの良さも併せ持った③という、
冒頭の高速スラッシュ・チューン3連打、そして1st『POWER FROM HELL』収録の名曲のタイト且つパワフルな
リメイク⑩といった楽曲は、その辺りを端的に示した本作最大の聴き所。
彼らは、このアルバムを2ndの後に来るべき作品と位置付けているようだが、大作主義が影を潜めシンプルに
まとめられた楽曲や、更に凶暴さを増したサイのダミ声Vo、例えば“METAL FORCES"や“DEMONIAC"で聴けたような
ドラマ性が減少したツインGを聴いていると、個人的には1stと2ndの間に置いた方がしっくり来る作風との印象を受けた。
3rdをONSLAUGHTの最高傑作に推す身にはメロディ分の大幅な後退が惜しまれるし、そのせいか中弛みを感じなくもないけれど、
後半3曲で再び一気に盛り返すので、聴き終えた後の満腹感は大きい。ファンの期待に見事に応えた力作だ。


BISCAYA ★★ (2007-04-21 01:14:00)

最近、リマスターが施された国内盤が再々発されたようなのですが、
音質の向上はどんな具合か、もし購入された方がいらっしゃいましたら
お聞かせ願いないでしょうか?
'96年にCD化された時は、それだけで万歳三唱モノで文句を言う気も起きなかったわけですが、
音質的にはマスターテープの痛みがもろに反映されていて、かなり厳しかったですよね?


RIOT V ★★ (2007-04-20 23:47:00)

「やはり名曲を沢山持ってるバンドは強い」と実感させられたライブでした。
特に、中盤の“ROAD RACIN'"以降の名曲連打による怒涛の盛り上がりは圧巻!
トニー・ムーア時代、マイク・ディメオ時代の楽曲をバランス良く歌いこなしていた
マイク・ティレリの歌唱の素晴しさは言うに及ばず、“BURN"のカヴァーを止めたのは正しい判断だと思いますし、
その代わりに“DANCE OF DEATH"のような、埋もれてしまった過去の名曲を掘り起こしてくれたのもナイスでした。
これで会場がクラブチッタ、Dsがボビー・ジャーゾンベクだったら最高だったのにな・・・というのは欲張り過ぎですね。


MEGADETH - Countdown to Extinction ★★ (2007-04-20 23:31:00)

大胆なサウンド・チェンジが奏功して、MEGADETH史上最大のヒット作となった'92年発表の5thアルバム。
スラッシーな疾走感をグッと控えめにして(ミドル~ミドル・ハイ/テンポが中心)、リフにしろ、曲展開にしろ、
Gソロにしろ、かなりの簡素化が図られた楽曲は、良く言えばソリッドで無駄がない、悪く言えば地味めな仕上がり。
実際、本作を初めて耳にした時は、ドラマ性が大幅に後退してしまった内容に肩透かしを覚えたが、
よくよく聴き込んでみれば、リフの切れ味に鈍りはないし、シンプルにまとめられた収録曲は
いずれも非常にキャッチーで、大ヒットも納得だ。
小気味良く疾走する①、冷酷に刻まれるリフにゾクゾクさせられる②、メランコリックなBラインが印象的な⑦、
ボーナストラックとは思えない一際アグレッシブな⑫・・・。そして何より、これらの楽曲を説得力十分に歌いこなす
デイヴ・ムスティンのVoが大変素晴しい。ぶっちゃけ、本作の魅力の半分くらいは、特異な個性を保ったまま
天井知らずの成長を続ける彼の歌唱(歌メロ)が占めているんじゃなかろうか?
これまで外側へ向けられていた攻撃性が内側へ向けられ、グツグツと煮詰められて爆発寸前のテンションを孕んだ作風は
如何にも90年代的だが、ここまでクオリティが高ければ文句も出ない。(曲の出来・不出来にバラつきが見られる点は気になるけど)
MEGADETH版『BLACK ALBUM』の評価も納得の1枚。


VICIOUS RUMORS ★★ (2007-04-20 23:17:00)

19日に参戦。VICIOS RUMORSとRIOTのカップリング公演なのに、
会場がクラブクアトロというのが引っ掛かりましたが
(どちらも空白期間がネックになったか・・・)、
いざ始まってみればそんな事は忘却の彼方。
やはり名曲を沢山持ってるバンドは強い。(これはRIOTも同様)
一番楽しみにしていた“DON'T WAIT FOR ME"を序盤で早々に繰り出しても、
後半、ネタ切れになることなく最後まで突っ走れるのですから。
そして何より、今回はジェイムズ・リヴェラの存在に尽きました。
歌声もルックスもゴツイのに、背が意外なほど小さいのには驚かされましたが。
本人も「ロニー・ジェイムズ・ディオ」と自ら笑いを取っていましたっけ。


XENTRIX ★★ (2007-04-17 21:50:00)

↑ご指摘を受けた部分を訂正しておきました。
自分でも全然気付いてなかった上に、何で間違えたのかも不明なんですが(笑)
別にワム!のファンってわけでもないのに。


ANTHRAX - Spreading the Disease ★★ (2007-04-17 21:36:00)

Voが二ール・タービンからジョーイ・べラドナに交代。陣容を整えて戦闘体勢に入った感のある'85年発表の2ndアルバム。
ANTHRAXの初期3作品はいずれも甲乙付け難いハイクオリティな内容を誇るが、中でも本作は
3rd『AMONG THE LIVING』と並んでバンドの最高傑作の呼び声も高い逸品。
とにかく、未だ欧州へヴィ・メタリックな雰囲気を色濃く残しつつも、デビュー作『FISTFUL OF METAL』から
格段にスピーディ且つエネルギッシュに研ぎ澄まされた収録曲のカッコ良さが半端じゃない。
何しろ、ビデオクリップも作られたバンドの代表曲③が、この中に並ぶと平凡に聴こえてしまうのだから、
本作のレベルの高さが分かろうというもの。勿論、捨て曲なし。
歌メロがIRON MAIDENを思わせる②、重々しくもメロディックな⑤、バラード調に始まりドラマチックに盛り上がっていく
⑦といった一際ヨーロピアンHMの香りが薫る楽曲や、思わずガッツポーズ物の高速スラッシュ・チューン⑨、
そして、欧州風味の湿り気とスラッシュ・メタルならではの疾走感が巧い具合に融合を果たした
④といった楽曲も素晴しいが、個人的には本作のハイライト・チューンは①で決まり。
クールなリフ、エネルギッシュにハジけるリズム、メロディアスに歌えるVoとが一丸となってキャッチーに疾走する
この縦ノリの名曲こそ、次作以降で花開くANTHRAX流スラッシュ・メタルの出発点だったんじゃないかな、と。


REALM - Suiciety ★★ (2007-04-16 22:36:00)

'90年発表。「自滅の縁にある人間社会」をテーマにしたコンセプト作でもある2ndアルバム。
(ちなみに、タイトルはSUICIDE(自殺)とSOCIETY(社会)をくっ付けた造語らしい)
最近発売されたリイシュー盤に、KING CRIMSONの“ONE MORE RED NIGHTMARE"のカヴァーが収録されている事からも
察しの付く通り、1st『ENDLESS WAR』から更に、テクニカルでプログレッシブなスラッシュ・メタル路線へと
踏み込んだ内容に仕上がっていて、個性的なリフの嵐、変拍子バリバリのリズム、複雑な曲展開、ハイテンションで
歌いまくるハイトーンVoといった要素が一丸となって押し寄せてくる様は、最早、プログレ風味の
スラッシュ・メタルと言うよりも、スラッシュ風味も含んだプログレ・メタルといった趣き。
特に、スリリング且つダイナミックな③、本編のハイライト・チューンと言うべきドラマチックな⑦、力強いBラインが印象的な
アルバム・タイトル・トラックの⑪を聴いていると、「歌えるVoが加入したATHEIST」なんて形容詞が思い浮かぶ。
個人的には、より明快な作風の前作の方が好みだが、プログレ・メタル好きなら試しに聴いてみる価値は大いにある作品。
付け加えるなら、高速スラッシュ・チューン⑤を筆頭に、スラッシーな疾走感は本作においてもちゃんと健在だ。


REALM ★★ (2007-04-15 21:54:00)

'85年にマサチューセッツ州で結成。
同年に2本のデモ・テープ『PERCEPTIVE INOCENTIVE』と『FINAL SOLUTION』を制作。
このデモ・テープの好評を受けてROADRUNNERレコードと契約を交わし、'88年に1st『ENDLESS WAR』でデビュー。
'90年には2nd『SUICIETY』を発表。そのテクニカルでプログレッシブな
スラッシュ・サウンドをもって、(それなりに)人気を博した。
特に、1stアルバムに収録されたBEATLESの名バラード“ELEANOR RIGBY"の
スラッシュ・メタル・バージョンのカヴァーは、未だにファンの間では語り草となっている程。


REALM - Endless War - Eleanor Rigby ★★★ (2007-04-15 21:35:03)

繊細で叙情的なBEATLESの名バラードを、
スピーディでアグレッシブなスラッシュ・ナンバーに
見事に改造してみせた、名カヴァー・バージョン。
バンドの代表曲でもある。
この曲を聴くためだけにでも、1stアルバムを買う価値あり。


REALM - Endless War ★★ (2007-04-15 21:27:00)

アメリカはマサチューセッツ州出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが、'88年に発表した1stアルバム。
その本作、まず一聴して耳を奪われるのが、強烈な「揺れ」を伴った超音波の如きハイトーンを発するVoの歌唱。
SAVATAGEのジョン・オリヴァと比較されたりしていたようだが、それよりも個人的には、PAVLOV'S DOGの
デヴィッド・サーカンプ(Vo)に近い印象を受けた。あれを更にビルドアップしてマッチョにした感じ?
そんなVoによって歌われるのは、ハイテクニックに裏打ちされた、テクニカルでプログレッシブなスラッシュ・メタル。
勿論、①や⑦、⑪といった比較的ストレートに疾走する高速スラッシュ・ナンバーも多数収録されてはいるものの、
そういった楽曲よりも、このバンドの本質が表れているのは、仰々しく幕を開け、徐々にスピードを上げながら劇的に
盛り上がっていく③や、鬼のようにリフ/リズム・チェンジを繰り返す、複雑且つドラマチックな⑧といった楽曲ではないかと思う。
そして、本作を語る上では勿論の事、REALMを語る上でも避けて通れない重要な存在が、BEATLESの名曲のカヴァー⑥。
繊細で物悲しげなメロディに彩られた叙情的な小曲を、スピーディでアグレッシブなスラッシュ・バージョンとして
見事に再生させたこの名カヴァーの存在は、未だにスラッシャーの間では語り草であり、今でもREALMの話題になると
「あー、あの“ELEANOR RIGBY"のカヴァーを演ってた連中ね」となるぐらいのインパクトを備えていたのであった(?)。
但し、この曲のインパクトが余りに強烈過ぎた為、オリジナル曲の印象が完全に吹っ飛んでしまったのは、バンド的には良し悪し・・・。


LAAZ ROCKIT - Taste of Rebellion: Live in Citta ★★ (2007-04-15 17:16:00)

'92年に実現した日本ツアーにおける、川崎クラブチッタ公演の模様を収録した、LAAZ ROCKIT初のライブ・アルバム。
力み過ぎたのか、全体的にイマイチ地味な仕上がりだった5th『NOTHING SACRED』に伴うツアーのため、
ベストとは言い難い選曲に、ドラム・サウンドばかり目立ってしまっているバランスの悪い音作り、
そしてアルバムでは兎も角、ライブでは単調さが気になるマイケル・クーンズのVoと、とてもじゃいないが
「ライブ・アルバムの傑作!」と絶賛できる内容ではないものの、それでも俺もこの作品は大好き。
演奏自体が非常にタイトで聴いていて気持ち良いし、何より、世界規模でのヘヴィ・メタル人気の低下、
オリジナル・ラインナップの崩壊、所属レコード会社の倒産と不運が相次ぎ、どん底の状況化にあって
遂に実現した待望の日本ツアーという事で、バンド・観客共にテンションの高さが尋常じゃない。
この怒涛の盛り上がりの前には、多少の不満なんぞ吹き飛んで、グイグイと引き込まれてしまいます。
(あと、黄色い歓声の多さも日本収録のライブ・アルバムならではの味か?)
特に、サビの「FIRE IN THE HOLE!」の大合唱が鳥肌を誘う名曲③や、アルバム・バージョン以上の疾走感と、
バンドと観客のコール&レスポンスに血圧上がりまくりの⑪辺りの盛り上がりは圧巻。
また、『悪魔のいけにえ4』のサントラに提供していた音源⑤が、ここで聴けるのも嬉しい。
・・・とまぁ、本作ならではの名演も多数収録されているので、スラッシャーなら1度はトライして頂きたいこのアルバム、
今ではCD屋の中古盤コーナーにて手頃な値段で転がっているのを見かけるので、機会がありましたら、皆さん是非。


TOXIK ★★ (2007-04-14 21:56:00)

TOXIKと改名前は「TOKYO」というバンド名だったとか。
(同名のバンドが存在したため、改名を余儀なくされたらしい)


LAAZ ROCKIT - Annihilation Principle - Fire in the Hole ★★★ (2007-04-14 21:48:52)

4thアルバムをOPを飾る必殺の名曲。
でも、個人的には『TASTE OF REBELLION』バージョンがイチオシ。
選曲に難のあるライブ・アルバムですが、
この曲における観客の「FIRE IN THE HOLE!」大合唱は
聴いてると血圧が上がるぐらい燃えます。


GALACTIC COWBOYS - Galactic Cowboys - I'm Not Amused ★★★ (2007-04-14 21:39:32)

1stのOPナンバー。スラッシーなリフ&リズムの上に乗っかる
歌メロとVoハーモニーは非常にポップでキャッチーという
このミスマッチ感。スパニッシュ風味にブルーズ風味に
カントリー風味にプログレ風味と、
様々な要素をごった煮してドラマチックに仕上げた
これぞGALACTIC COWBOYS!な名曲。


KREATOR - Terrible Certainty - Blind Faith ★★★ (2007-04-14 21:30:43)

初めて聴いた時はあまりの速さにブっ飛んだ。
後半の「えぇ、まだ速くなるの?!」という加速感が圧巻。


ANNIHILATOR ★★ (2007-04-13 23:54:00)

新譜の発表、キングへの移籍など、舞台は完璧に整った・・・。
というわけで、今年も開催されるであろうTHRASH DOMINATION 07には、
是非、ANNIHILATORの招待を何卒どうか宜しくお願い致します。

ただ、これで呼ぶと“SOUND GOOD TO ME"とかは
演ってくれそうもないんだよな・・・。


ANNIHILATOR - Metal - Haunted ★★★ (2007-04-13 23:48:56)

スラッシュ・メタルならではの疾走感、
ダイナミックな曲展開、劇的なインスト・パートと、
ANNIHILATORの魅力の粋を結集して作り上げられたかのような
8分以上に及ぶIRON MAIDENばりの名曲。


ANNIHILATOR - Set the World on Fire - Sounds Good to Me ★★★ (2007-04-13 23:43:58)

ANNIHILATORが誇る異色の名曲。
都会的な哀愁をまとって、軽やかに疾走する
ポップでキャッチーなメロディが非常に素晴しい。
ただ、この曲のインパクトが余りに強過ぎたため、
その後のバンドのアグレッシブ路線への方向転換に対する
拒否反応が大きくなってしまったような気がしなくもない。


ANNIHILATOR - Metal ★★ (2007-04-13 23:32:00)

傑作です(断言)。直球勝負のタイトルも頼もしいこの12thアルバムは、名作と名高い3rd『SET THE WORLD ON FIRE』以来、
久々にポップ・フィールドにまで曲作りの幅を広げたバラエティ豊かな作風ながら、「らしさ」もしっかりと維持した
ANNIHILATORのここ数作のアルバムの中でも、ズバ抜けてハイクオリティな内容に仕上がっている。
マイケル・アモット、アレキシ・ライホ、イェスパー・ストロムブラッドら、キラ星の如く参加している
ゲスト・ミュージシャン勢に何かと話題が集まりがちな作品なれど(全員、非常に良い仕事をしてくれていますが)、
それ以上に印象に残るは、メロディの素晴しさ。特に叙情的でキャッチーな歌メロが抜群に良い。その好例が、
憂いを帯びたメロディが軽快に疾走する、名曲“SOUND GOOD TO ME"を彷彿とさせる②や、バックの演奏はアグレッシブなのに
その上に乗る歌メロはフックに富みキャッチーというミスマッチ感が楽しい⑤だろうか。
勿論、OPとEDを〆る高速スラッシュ・チューン①⑩を始め、ANNIHILATOR節が炸裂するダイナミックな④⑥⑧、
そして本編の白眉たる、スラッシーな疾走感/キャッチーなメロディ/ドラマチックな曲展開と、全てを兼ね備えた名曲⑦の
カッコ良さは言うに及ばず。(ボーナス・トラックがEXCITERの名曲“HEAVY METAL MANIAC"ってのもナイスです)
3rd『SET~』以来、ANNIHILATORをお見限りだったメタル・ファンをも振り向かせる説得力を持った1枚ではなかろうか。
・・・と絶賛しておいて最後に不満点を1つ。それは相変わらず芯の(熱さの)感じられないデイヴ・パッデンの薄味なVo。
アルバム3枚連続登板はこのバンドのフロントマン史上初の快挙だが、ダンコ・ジョーンズにアンジェラ・ゴソウ、
ダン・ビーラーにジェフ・ウォーターズという強烈な個性を備えたシンガー達に比べると、その存在感はかなり薄い。
このアルバム、例えばジョー・コミュー辺りが歌ってくれればもっと凄いアルバムになったような気がするのは俺だけか。


VICIOUS RUMORS - Plug in and Hang On: Live in Tokyo ★★ (2007-04-12 21:40:00)

4th『WELCOME TO THE BALL』に伴う日本ツアーの中から、川崎クラブチッタ公演の模様を捉えた'92年発表のライブ・ミニ・アルバム。
数多くの名曲を生み出してきたバンドだけに、たった8曲のみの収録では「あれもない、これもない」という物足りなさは残るし、
ミドル・テンポの楽曲中心の選曲なので今ひとつ全体の流れに緩急が乏しい等、聴いていて気になる点も幾つかあれど、
VICIOUS RUMORSから日本のファンへのちょっとしたプレゼントである本作に対し、あーだこーだ言うのは野暮というものだろう。
過去4作から漏れなく選曲された楽曲は(そのテンポに多少の偏りはあれど)ツボは外していないし、
何より、重量感溢れるサウンドに乗っかって、パワフルなメタル・ソングの数々を見事に歌いこなす
カール・アルバート(Vo)の確かな実力がタップリと堪能出来るのが嬉しい。
また、本編の大半がミドル・チューンで固められているだけに、1stアルバムのハイライト・ナンバーの1つだった⑦のエンディングから、
一気に名曲中の名曲、スピード・チューンの⑧へと雪崩れ込む構成の鳥肌モノのカッコ良さが、一層引き立って聴こえるのも事実。
この一連の流れを聴くためだけにでも、ファンなら「買い」の1枚。


WARHEAD - The Day After - Evil Night ★★★ (2007-04-11 22:28:42)

猛々しく刻まれるリフ、スラッシーに疾走するリズム、
ヴィブラートかかりまくりの男臭いVoが熱唱する
勇壮な歌メロ(サビも印象的で◎)、そして炸裂する劇的なGソロ・・・
個人的に、2ndアルバムのハイライト・チューンに推したい名曲。


WARHEAD - The Day After ★★ (2007-04-11 22:21:00)

長いイントロ部分で焦らしに焦らしてから、雄叫び一発、スラッシーなリフが疾走を開始する様が最高にカッコイイ
①を聴いただけで、バンドが1st『SPEEDWAY』から飛躍的な成長を遂げた事が伝わってくる、'86年発表の2ndアルバム。
デビュー作の好評を受けてレコーディング環境が改善されたのか、サウンド・プロダクションが(それなりに)向上。
リフやリズムの刻みに鋭さが宿り、全体的に引き締まったサウンドからはMORTORHEADやTANK的なロックンロール風味が
一掃されて、よりスピード/スラッシュ・メタル色を強めた印象を受ける。
前作でも大きな存在感を発揮していたVoが、クドイくらいヴィブラートかけまくりの歌唱スタイルはそのままに、
更に逞しさと表現力を増した歌声でこれまで以上に起伏に富んだメロディを歌いこなせば、Gも劇的且つメロディックな
ソロを次々に紡ぎ出してと、前作の大きな弱点だったメロディの弱さをしっかりとカバー。
冒頭3曲のスピード・チューンの畳み掛けに始まり、緩急を効かせた④、正統派メタリックなリフを持つ⑤、
Voの熱唱が映えるバラード・パートから、ドラマチックに盛り上がっていく⑥、〆のインスト曲⑦と、個々の楽曲の
キャラ立ちも良くなり、全編これ捨て曲なしのクオリティ。中でも特筆すべきは②で、スラッシーな疾走感、
名リフに劇的なGソロ、勇壮なVoとが見事に揃ったWARHEAD屈指の名曲だ。これぞ、隠れたスピード/スラッシュ・メタルの名盤。
尚、現在本作は1st『SPEEDWAY』とのカップリング仕様で売られているので、非常にお買い得です。


WARHEAD - Speedway ★★ (2007-04-11 22:17:00)

ベルギー出身の4人組へヴィ・メタル・バンドが、'84年に発表した1stアルバム。
次作『THE DAY AFTER』では、更に攻撃性を高めてスラッシュ・メタル化する彼らだが、
このデビュー作の時点で聴けるのは、NWOBHMの空気をタップリと吸い込んだ、時にMORTORHEADや
4人編成時代のTANKを彷彿とさせる、男気のギュウと詰まったストロングなヘヴィ・メタル・サウンド。
バイクのエンジン音のSEに続き、チープな音質のもと、猛々しく刻まれるリフが疾駆する①が始まった瞬間、
B級メタル・マニアのハートは熱くなること間違いなしだ。(・・・かどうかよう分からんけど)
無性に頭を振りたくなるヘッドバンギング・チューン②や、緩急を活かしたダイナミックな⑤もなかなかの出来で、
何より、こうした楽曲を歌うVoがレミーやアルジー・ワード以上に歌心に溢れていて、
そのヴィブラートをビンビンにかけまくった雄々しい歌唱スタイルは、人によっては鬱陶しく
感じられるかもしれないが、この手の直球メタル・ソングを歌うにはドンピシャの人材。
劣悪なサウンド・プロダクションゆえ、全体的にモッサリと垢抜けない雰囲気が漂い、メロディにも
今ひとつ深みが足りていないので、個々の楽曲の良さに反してイマイチ強い印象が残せていない等の弱点もあるが、
ともあれ、メンバーのステージ・ネームだけでなく(笑)、内容の方にも燃え盛るメタル魂が感じられる力作だ。


EXODUS - Force of Habit ★★ (2007-04-10 22:15:00)

トム・ハンティング(Ds)に続きロブ・マッキロップ(B)まで脱退。その後任にマイク・バトラーを迎え入れて
'92年に発表された5thアルバムにしてラスト作(その後、再結成したわけだけど)。
うーん、ごく普通のへヴィ・メタル・アルバムですな、こりゃ。この時期、進むべき音楽的方向性を巡って
所属レーベルのキャピトルとかなり揉めたらしいが、その結果、メンバーのモチベーションの著しい低下が
はっきりとレコードに刻み込まれてしまっていて、全体的に、やや緊張感に欠ける散漫な仕上がり。
中でも、スティーブ・ゼトロ・サウザ(Vo)のテンションの低さはどうした事か。また、楽曲が無駄に長いのも
緩い雰囲気に拍車を掛けていて、特に、年寄りの小便の如くダラダラとキレのないアルバム後半の構成には、
もっと工夫が必要だったのではなかろうか?カヴァー2曲も思いっきり浮きまくってるし・・・。
と、前4作と比較するとどうしても文句が先行してしまう本作なれど、じゃあ救いようのない駄作なのかと言えば
決してそんなことはない。相変わらずリフのアイデアは秀逸だし、H-TEAMによるメロディックなツイン・リードも聴き応え十分。
本編屈指の名リフとツイン・リードが炸裂する②、高速スラッシュ・ナンバー⑤、スラッシーに始まり、山あり谷ありの展開を経て、
アコギで締め括られるドラマチックな⑦といった楽曲は、過去の名曲群と比べても全く遜色ないカッコ良さを誇る。
王道スラッシュ・アルバムを期待するとスカされるが、ヘヴィ・メタル・アルバムとしては良く出来た1枚のように思う。
まぁ、何も彼らがこういう作品を作らんでも・・・と思わなくもないけどね。


EVILDEAD - The Underworld ★★ (2007-04-10 21:49:00)

AGENT STEELのフォアン・ガルシア(G)と、ABATTOIRのメル・サンチェス(B)が中心となって、
LAで結成された5人組スラッシャー、'91年発表の2ndアルバム。
爽快に飛ばしまくっていたデビュー作『ANNIHILATION OF CIVILIZATION』に比べ、ググッと重心を低く落として、
スピードよりもヘヴィネス演出に主眼を置いた作風は如何にも90年代の作品ぽいが、別にスピード・チューンが
なくなったわけでも、シアトル勢やグランジ・サウンドから悪影響を受けていたりするわけではないので安心されたし。
強いて例えるなら、SACRED REICHの1stから2ndへかけての変化に近い感じ?
重厚さを倍増させ、ジャキジャキと刻まれるクランチーなリフや、重々しく疾走するリズム、
そして歯切れの良い硬派なVoが隙間なく攻め立ててくる楽曲は、とにかく圧倒的迫力を誇り、
中でも、DARK ANGELのジーン・ホグラン(Ds)がゲスト参加している④は、個人的にイチオシのスラッシュ・ナンバー。
前作収録の“HOLY TRAILS"のようなドラマチック路線の楽曲が姿を消してしまったのは残念だが、
高いドラマ性を感じさせる流麗なツインGは相変わらず健在なので、まぁ良いかな、と。
その代わりと言うわけじゃなかろうが、SCORPIONSの名曲のカヴァー⑧が収録されていて、
ここでVoのフィル・フォロワーズが披露するメロディアスな歌唱がなかなかに上手い。また、バックアップVoとして参加している
METAL CHURCH~REVERENDのデヴィッド・ウェインもパワフルなシャウトを響かせてくれています。


PARIAH - Blaze of Obscurity ★★ (2007-04-09 21:40:00)

SATAN、BLIND FURY、SKYCLAD等の活動で知られる、スティーヴ・ラムゼイ(G)率いるイギリスは
ニューカッスル出身の5人組へヴィ・メタル・バンドが、'89年に発表した2ndアルバム。
チリチリとささくれ立ったリフといい、煮え切らないメロディを歌うVoといい、如何にもブリティッシュな
暗い湿り気を帯びた楽曲といい、NWOBHMの薫りが濃厚に匂い立つサウンドは、このバンドの前身である
SATANやBLIND FURYと同様ながら、本作はそこに更にスラッシュ・メタルのエッセンスを取り入れ、
よりスピーディに、よりへヴィにと、一層アグレッシブ面の強化が図られた仕上がり。
尤も、リフの刻みや疾走感にはスラッシーな雰囲気が強く漂うとはいえ、そこはキャリアの長いベテラン・バンド。
力押しのみに終始するなんて野暮な真似はせずに、押しと引きを心得たサウンドの要は飽くまでも豊潤なメロディ。
特に、場面転換を重ねてドラマチックに盛り上がっていく①に始まり、シニカルな歌詞とは対照的に
華麗に舞うツインGに耳奪われる②、起承転結がカッチリと決まる③を経て、ハイライト・チューンとでも言うべき
ヘヴィ・バラードの④へと繋がっていく頭4曲の流れは本編の白眉(勿論、後半も充実していて捨て曲なし)。
また、そうした楽曲で聴かれるスティーヴ・ラムゼイと盟友ラス・ティピングによる、息の合った劇的なツイン・リードも絶品だ。
個人的に、(かつては本作の国内盤がMETAL MANIAレーベルから発売されている事もあって)
完全にスラッシュ・メタル・アルバムとして楽しませて貰った1枚。


VICIOUS RUMORS - Warball ★★ (2007-04-08 20:27:00)

アルバム・タイトルといい、ジャケット・デザインといい、そして何より楽曲といい、長い回り道を終えたVICIOUS RUMORSが
新Voとして元HELSTAR~DESTINY'S ENDのジェイムズ・リヴェラを迎え入れ、'06年に発表した会心の9thアルバム。
カール・アルバート亡き後に発表された作品は、どれも今ひとつパッとしない内容で、ジェフ・ソープへのお布施代わりに
購入はしても、殆どまともに聴く機会もないまま放置プレイの刑に処してしまっていたのだけど、この復活作は似合わない
現代ラウド・ミュージックからの影響をスッパリと削ぎ落として、ホント、お世辞抜きに最高の内容に仕上がっている。
パワフルに疾走するリフ&リズムの上に、ロブ・ハルフォードばりの耳をつんざくハイトーンVoが乗っかる
「これで掴みはOK」なスピード・チューン①に始まり、力強く勇壮なミドル・チューン④や、
全盛期に勝るとも劣らぬ強力なリフが炸裂する⑨といった楽曲を筆頭に、収録曲は何れも
1nd~5thアルバムの頃を思い起こさせる作風で、また、上記3曲にはゲストGとしてブラッド・ギルスが参加。
如何にも彼らしい派手なソロを披露して、楽曲に華を添えているの素晴しい。
カール・アルバート在籍時代と比べてしまうと、ジェイムズ・リヴェラが歌うメロディ(特にサビメロ)の弱さが
やや気になる点ながら、歌唱能力的には前任者と比較しても全く聴き劣りはないし、何より、
リーダーのジェフ・ソープが自覚的に原点回帰を志してくれた事が、俺にはもう嬉しくて嬉しくて。
再起動を果たしたVICIOUS RUMORSの、今後の活躍に大いに期待が高まる1枚。


ASSASSIN ★★ (2007-04-08 19:58:00)

2ndも、DISK UNIONとかではもう売ってるのを見かけますよ。
ただ購入した人の話だと、ボーナス・トラックなし、リマスターなし、
歌詞カードも解説もなしと、ないない尽くしの仕様らしくて、
イマイチ買い直す気がおきないんですよね。


MEGADETH - Rust in Peace ★★ (2007-04-07 20:52:00)

新メンバーとして、マーティ・フリードマン(G)とニック・メンザ(Ds)が加入。日本のファンにも最も馴染み深い
ライナップに落ち着いたMEGADETHが'90年に発表した、黄金時代の幕開けを飾った4thアルバム。
メロディ・メイカーとして名高いマーティの加入効果か、前作『SO FAR,SO GOOD・・・SO WHAT?』以上にドラマチックな
楽曲が揃った本作は、刺々しかったサウンドが幾分丸みを帯びて聴き易く、Gリフやリード・プレイも
これまで以上にメロディアスにと大きく変化を遂げていて、複雑さが控えめになった曲展開と併せて、
その作風は更に普遍的な正統派へヴィ・メタルへと接近した印象を受ける。相変わらず、聴けば一発で彼と分かる特異性を
保ちつつも、よりメロディを意識した歌唱を聴かせるようになったデイヴ・ムスティンのVoも、そう感じさせる一因か?
とは言え、リフの切れ味やスラッシーな疾走感は相変わらず強力なので、ポップとか、軟弱になった印象は皆無。
特に、後半へ向けて加速度的に盛り上がっていく曲展開と、その中から突如出現するアコギ・ソロにゾクゾクさせられる①、
シングル・カットもされたキャッチー且つ正統派メタリックな②、本編のハイライトとでも言うべき、マーティ入魂のGソロに
圧倒される⑦といった楽曲は、従来のスラッシュ・スタイルとメロディ重視の新要素が見事に融合を果たした必聴の名曲群。
「攻撃的でありながらキャッチー」という絶妙なバランス感覚を備えた本作は、前3作同様、これまた捨て曲なしの名盤・・・
と言いたいところが、⑧のみチト地味かな。でもまぁ、次曲へのイントロみたいなもんだと思えば気にならない。


VICIOUS RUMORS - Word of Mouth ★★ (2007-04-07 00:16:00)

ジェフ・ソープが両腕に毛根管症候群を発症して7ヵ月間もGを弾けなくなるわ、ATLANTICレコードから契約を切られるわで、
踏んだり蹴ったり状態のVICIOUS RUMORSが、再起を賭けて'94年に発表した5thアルバム。
妙にシンプルなジャケットを見た時から予想はしてたけど、実際、気だるげな①のイントロを耳にした瞬間、予想は確信へと変わった。
全体的にドロンと澱んだ空気に覆われた、シアトル・サウンドからの影響が色濃く伺える1枚で、
ザクザクとした歯切れの良さが薄れてしまったリフには、これまでの聴き手を一発で虜にする即効性のインパクトはないが、
そのマイナス分を補うかのような踏ん張りみせるのが、Voのカール・アルバート。
パワーと表現力を兼ね備えた彼のメロディアスな歌唱は、ともすれば地味に落ち着きがちな楽曲の魅力を
力ずくでワンランク上へと引き上げている。
また、従来のVICIOUS RUMORS節が冴え渡るドスの効いたOPチューン①や、哀愁を帯びたメロディが
刻まれる⑪といった楽曲もちゃんと収録されているし、何より、事故死したSAVATAGEのG.クリス・オリヴァに捧げられた
組曲⑤⑥の素晴しさが半端じゃない。物憂げなバラード・パートを経て哀メロがキャッチーに疾走する
彼らにしては異色の仕上がりの楽曲ながら、漂う悲壮感が胸締め付ける、何となくANNIHILATORの
名曲“SOUND GOOD TO ME"に通じる雰囲気を備えた名曲だ。


VICIOUS RUMORS - Welcome to the Ball ★★ (2007-04-05 22:40:00)

ヘヴィ・メタルの空洞化現象が取り沙汰されていた'91年に、時代の逆風を突いて発表された実にヘヴィ・メタルらしい
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれる作品として、特に日本のファンから高い評価を得た4thアルバム。
ベテラン・バンドならではのどっしりとした貫禄を身に付け、一皮剥けた印象の前作『VICIOUS RUMORS』で開眼した
アメリカン・パワー・メタル路線を更に強力に推し進めた本作は、速い曲は更に速く、へヴィな曲は更に重くと、
よりアグレッシブな姿勢が前面に打ち出された作風で、例えばマイケル・ローゼン印の分厚い
サウンド・プロダクションのもと、パワフルなリフ&リズムが前へ前へと押し出してくる①からして既に圧巻。
それでいて大味になる事なく、疾走するキラー・チューン②や、中庸な魅力を放つ⑤、欧州風味の湿り気を
帯びたリフが炸裂する⑥、VC初のヘヴィ・バラード⑩といった楽曲で見せる叙情面への拘りにも抜かりはない。
前作に比べるとミドル・テンポの楽曲の質がやや落ちる点と、後半、少々ダレる点が惜しまれるが、
ラストを飾るスピード・チューン⑪がこれまた素晴しい出来なので、聴後感はすこぶる快調。
本作発表後、バンドは初来日を果たし、その模様はミニ・ライブ・アルバム『PLUG IN AND HANG ON』として発表された。


MEGADETH - So Far, So Good... So What! ★★ (2007-04-05 22:07:00)

デイヴ・ムスティンは、この'88年発表の3rdアルバムについて「手っ取り早くドラッグ代を稼ぐ為に売れ線を狙った作品」と
語ったらしいけど、一体コレのどの辺が売れ線狙い?と言うぐらい、切り裂くような疾走感といい、
鋭角的に刻まれるリフといい、噛み付くように歌う尖がったVoといい、緊張感に満ちた曲展開といい、
従来のサウンド・スタイルを受け継ぎつつも、よりドラマチックな構築美が感じられるようになった楽曲に隙はなく、
前2作同様、本作もまた捨て曲なしの名盤に仕上がっている。
特に、アルバムのOPを飾るに相応しい、壮大にしてメタリックなファンファーレ①の余韻を引き裂き、マシンガンの如く刻まれる
イントロ・リフにゾクゾクさせられる「これぞMEGADETH!」な②(元々“MEGADETH"というタイトルだったとか)、
Gが「メ~リ~ジェ~ン♪」と歌い(笑)、暗く憂いを帯びたメロディが疾走する名曲④、故クリフ・バートンに捧げられた
MEGADETH流へヴィ・バラードとでも言うべき悲痛な⑥、シャープに疾走するリズムの上を華麗に舞う
ツインGに耳奪われる⑧といった楽曲は、非常に高いドラマ性を有しながらも、決して熱くも臭くも大仰になる事もなく、
どこかヒンヤリとした醒めた空気を孕んで展開していく辺りが、如何にもこのバンドらしい。
人間関係の悪化からメンバー・チェンジが相次ぎ、デイヴとデイヴィッド・エレフソンの抱える
ドラッグ/アルコール問題も深刻さを増して・・・と、この時期、バンド内部はガタガタだったらしいが、
それを全く感じさせない素晴しい作品だ。


VICIOUS RUMORS - Vicious Rumors - Don't Wait for Me ★★★ (2007-04-04 22:03:46)

3rdアルバムのOPでガツンとカマされる、雄々しいサビメロと、
ドスの効いたコーラスの対比が最高な超名曲。
3rd収録バージョンも勿論良いが、個人的にイチオシなのは
『PLUG IN AND HANG ON』収録のライブ・バージョン。
ドラマチックな“MARCH OR DIE"のエンディングを
ググ~ッと引っ張ってから、本曲のイントロ・リフが
ドカンと炸裂する場面は、失禁モノのカッコ良さを誇る。必聴。