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VICIOUS RUMORS - Vicious Rumors ★★ (2007-04-04 21:57:00)

前作『DIGITAL DICTATOR』のような名盤を作り上げながらも、SHRAPNELレコードからドロップアウトして
2年以上もの沈黙を余儀なくされたVICIOUS RUMORSが、一発逆転、メジャー・レーベルのATLANTICと契約を交わし、
満を持して'90年に発表した3rdアルバム。
タイトルにバンド名を冠している事からも、彼らがこの作品に賭ける意気込みの大きさが伝わってくるが、
実際、勇壮且つパワフルなVR史上屈指の名曲①で幕を開ける本作は、音作りがグッと洗練され、
スッキリと垢抜けたメジャー感漂うメタル・チューンがギュウと詰まった、ハイクオリティな内容を誇る。
メジャー・レーベルへの移籍効果でサウンド・プロダクションが格段に向上。音に厚みと重量感が生まれた事により、
①③⑦といったスピード・チューンの突進力、②④⑥といったドスの効いたミッド・チューンのヘヴィネス、共に半端ではない。
中でも、本編随一の劇的なメロディが炸裂する④と、欧州へヴィ・メタリックなリフが疾走する⑦は、
前述の①に匹敵する、本作のハイライト・チューンの1つ。
ポップとさえ言えるサビメロが印象的な⑩のような楽曲が収録されている事からも分かる通り、
ヨーロッパ的な湿り気は幾らか減少してしまったが、その分、JUDAS PRIESTからの影響をきっちり消化して、
VICIOUS RUMORS独自のアメリカン・パワー・メタルを創出してみせたジェフ・ソープの曲作りの才は、
やはり並外れたモノがある。個人的に、彼らのアルバムでは本作が一番のお気に入り。


VICIOUS RUMORS - Digital Dictator ★★ (2007-04-03 21:24:00)

JUDAS PRIESTの名曲“THE HELLION"を彷彿とさせる①の劇的極まるイントロを聴いた瞬間、
その完成度の高さを確信する、'88年発表の2ndアルバム。
前作『SOLDIERS OF THE NIGHT』発表後にヴィニー・ムーアとゲイリー・セント・ピアーが脱退。
後任としてマーク・マクギー(G)と、不世出のシンガー、カール・アルバートを迎え入れ、よりバンドの基盤を
強固なものとして作り上げられた本作は、多くのファンが「初期の傑作」と認める強力な内容を誇る。
光沢を感じさせるシャープなGリフと、益々華麗さを増したツインG(ヴィニーがいなくなった事で、
2本のGの絡みが一層濃密になった印象)をフィーチュアした楽曲の数々は、アルバム・タイトル・トラックの②、
地を這うヘヴィネスとドラマティシズムを兼ね備えた⑤、ラストを締めるスピード・チューン⑩を筆頭に、捨て曲なし。
特に、ヨーロピアンな翳りと劇的なドラマ性を湛えたリフのカッコ良さは、(後の音楽性の変化を考えるに)、
彼らの全作品中、最高レベルと言っても過言ではないような。
そして、その完成度の高さに拍車を掛けているのが、何と言ってもカール・アルバートの驚異的な歌唱。
パワー/表現力/声域の広さが揃った、まさにパワー・メタルを歌う為にあるかのようなその歌声は、
楽曲の完成度だけでなく、バンドの格をも数段引き上げている。全メタル・ファン必聴の名盤。


VICIOUS RUMORS - Soldiers of the Night ★★ (2007-04-02 21:54:00)

北カリフォルニアで結成され、ヘヴィ・メタルの空洞化現象が危惧されていた80年代のアメリカで、
METAL CHURCHやSAVATAGEと並んで気を吐き、紆余曲折を経た現在もしぶとく活動を続ける
ジェフ・ソープ率いるベテラン・パワー・メタル・バンドが、'85年に発表した1stアルバム。
JUDAS PRIESTを始めとする欧州HM勢からの多大な影響を受けた、勇壮且つドラマチックなパワー・メタル・サウンドという
このバンドならではの個性は既にガッチリと確立済みで、アルバム・タイトル・トラックの④や、
劇的な名曲⑥を筆頭に、収録曲のクオリティも押し並べて高い。
しかし、それよりも何よりも本作で特筆すべきトピックは、やはり「早弾き四天王」ことヴィニー・ムーア(G)の存在。
ソロ活動でのステップUPを図る為にVICIOUS RUMORSを踏み台にした男として、ファンからの評判は芳しくない彼氏なれど、
そのGプレイの素晴しさは↑の方々が認める通り。スピード・チューンの②や、前述の④⑥等、彼が紡ぐGソロが
楽曲の完成度を高め、同時に曲中のハイライトを飾っていることは、疑いようの無い事実だ。
あと、バンドの初代Vo.ゲイリー・セント・ピアーも、なかなか頑張って歌っている事も付け加えておきたい。
そりゃ後任のカール・アルバートに比べると、ややヒステリックで聴き苦しい場面も散見されるが、
能力的には全く問題なし。ただ、エコーかけまくりのVoプロダクションは、今聴くとちょっとダサイ。


HALLOWS EVE - Evil Never Dies ★★ (2007-04-01 17:39:00)

'88年発表の3rd『MONUMENT』以降、さっぱり音沙汰の無かったHALLOWS EVEが、
突如'05年に発表した、実に17年ぶりとなる復活のニュー・アルバム。(通算4作目)
ローランDEATHさんの仰る通り、初期のオカルトちっくなオドロオドロしい雰囲気が復活を遂げていて、デス声を多用するVoや、
ブラック・メタルにも通じる禍々しいリフを刻むG、時にブラスト・ビートまで炸裂させるリズム隊などの存在もあって、
全体的に、これまで以上にヘヴィネスとダークネスを強調した仕上がりのように感じられる。(特にデス・メタルからの影響は大)
重心の低いヘヴィ・リフがザクザクと刻まれ、Voがパワフルに歌いまくり、後半の疾走パートでは
ツインGが劇的なメロディを紡ぎ出す①の出来は文句なしで、聴いた瞬間に「おお、あのHALLOWS EVEが帰って来た」
と実感させてくれる名曲なのだが、如何せん②以降、メロディの質が下降線を描いてしまう点と、
どんなにヘヴィだろうと、これまでの作品では必ず感じられた「キャッチーさ」が大きく後退してしまっている点が惜しまれる。
そのため、どうにも地味な印象は拭いきれない作品なれど、でもやっぱりファンなら名曲①のために本作も聴きましょう。


HALLOWS EVE - Death & Insanity ★★ (2007-04-01 17:23:00)

音質、楽曲、全体の構成と、デビュー作『TALES OF TERROR』から格段のクオリティUPを遂げた、'86年発表の2ndアルバム。
多分にIRON MAIDEN的というか、正統派へヴィ・メタリックな要素を残していた前作に比べ、
サウンド・プロダクションの著しい向上に伴い、音の輪郭がハッキリして、切れ味の鋭さと重量感を得た本作は、
いよいよスラッシュ・メタルらしい硬質な歯応えの感じられる、よりビルドアップされた内容に仕上がっている。
(ちなみに、バンドと共同でプロデュースを手掛けたのは、METAL BLADE社長のブライアン・スラゲルだ)
鋼の如き強靭なリフが刻まれるパワフルな②、アコギ・イントロから勇壮に疾走する⑤、問答無用の高速スラッシュ・ナンバー⑥、
腰の据わったヘヴィ・チューン⑦、ドラマチックなインスト曲を経て、まるで土砂崩れのように押し寄せる⑨といった楽曲は、
何れもこれまでとは比較にならない程の攻撃性とダイナミズムを誇り、それでいて、メロディアスに斬り込んで来るGや
一層逞しさを増したVoの歌メロには劇的なドラマ性が宿っているため、ヘヴィさ一辺倒で無味乾燥になる事もない。
HALLOWS EVE未体験のスラッシャーが先ず最初に聴くのなら、本作がお薦めではないだろうか。


HALLOWS EVE - Tales of Terror ★★ (2007-03-28 21:15:00)

末期ラインナップには、必殺仕事人ことジェイムズ・マーフィ(G)がその名を連ねていた事で知られる、
ジョージア州はアトランタ出身の4人組スラッシャー、'85年発表の1stアルバム。
日本デビュー作となった3rd『MONUMENT』では、スカッと爽快で歯切れの良いアメリカン・パワー・メタルを披露していた彼らだが、
この1stの時点では、IRON MAIDENを始めとする欧州へヴィ・メタル勢からの影響も濃厚な、暗く湿ったスラッシュ・サウンドを実践。
音質がイマイチで全体的に垢抜けない印象は拭えないが、それがまた、ダークな楽曲の味わいを増す結果になっていて、
特に、スピーディな③から間髪入れずに繋がる④、バンドの代表曲でもある勇ましい⑥、そして序曲⑦を経て、
ドラマチックに盛り上がる大作⑧といった楽曲はメチャ強力。ドスを効かせた低音や金切シャウトだけでなく、
しっかりと歌う事も出来るパワフルなVoと、ツボを突いたメロディを紡ぎ出すGの存在も頼もしい。
スラッシュ・メタルそのものと言うよりも、その誕生前夜の「ハードコア化したヘヴィ・メタル」的エネルギーが漲る1枚。


METALLICA - Metallica ★★ (2007-03-27 22:26:00)

スピード重視からグルーヴ/重さの追求へと、スラッシュ・メタル・シーンの流れを完全に変えてしまった
非常に罪作りな'91年発表の5th。通称『BLACK ALBUM』
ただ、それはそれとして、本作の完成度の高さは認めざるを得ない。複雑な曲展開を備えた
大作曲が並んでいた『...AND JUSTICE FOR ALL』の反動か、コンパクトにまとめられたシンプル且つストレートな
楽曲からは、劇的なドラマ性やスラッシーな疾走感といった要素は大幅に失われてしまったものの、
大ヒット・シングル①を筆頭に、いずれの楽曲もリフにしろリズムにしろジックリと練り込まれていて、すこぶるキャッチー。
また、ジェイムズ・ヘッドフィールドがシンガーとして著しい成長を遂げている事と併せて、
速い曲やドラマチックな曲展開がなくとも、物足りなさを覚える事はない。
特に、その両者の歯車がガッチリと噛み合った叙情バラードの名曲④⑧の素晴しさは筆舌尽くし難い。
ジェイムズのVoやカーク・ハメットのGの繊細な表現力は、こちらの涙腺をビシバシと刺激しまくってくれる。
Bの音が全く聴こえなかったりと、何かと評判の悪かった前作の音作りの反省点を踏まえて作り上げられた、
重厚にして深遠な響きを感じさせるサウンド・プロダクションも絶品と、まさにメタル・シーンの
エポック・メイキング足るに相応しい作品。これで(バラードを除く)楽曲のメロディに、
もう少し魅力があれば文句なしだったんだけど・・・。


INTRUDER(THRASH) - Live to Die... Relived - Kiss of Death ★★ (2007-03-26 21:34:49)

1stアルバムのハイライト・チューン。
何処となく東欧を思わせる、物悲しげなアコギのイントロに
始まり、スピーディ且つ劇的に盛り上がっていく曲展開が
素晴しい。


INTRUDER(THRASH) - Live to Die... Relived ★★★ (2007-03-26 21:26:00)

今から十数年ほど前に、BURRN!!誌のスラッシュ・メタル特集でこのアルバムが取り上げられていたのを読んで早速買いに走った記憶がある、テネシー州は、ナッシュビルならぬスラッシュビル(笑)出身の4人組、’87年発表の1stアルバム。
ツインG編成となった次作以降は、明快なベイエリア・スラッシュ路線へと徐々にシフトしていくこととなる彼らですが、シングルG編成のこの時期は、所属先がJAG PANZERやLIEDGE LORDを擁したB級メタルの登竜門(?)IRON WORKSだったこともあってか、NWOBHMからの影響も伺わすダークで湿気ったスピード・メタルを演っています。個人的には、初めてOPナンバー①を耳にした時は、HEATHENの『BREAKING SILENCE』のことを思い出しました…と書くと、どんな感じの音か伝わるでしょうか?
音質はイマサンなれど(メタル・バンドの中では最も早くフル・デジタルでレコーディングされた作品の一つらしいですが、その恩恵は全くと言っていいぐらい感じられない)、歌えるVoを活かした、静と動の対比が見事な③、メロウなBソロも印象的な④、そして本編のハイライトと呼ぶべき、東欧調の寂しげなメロディを爪弾くアコギに始まり、ドラマティックに疾走していく⑤といった強力な楽曲を擁した本編中盤の盛り上がりが圧巻。INTRUDERのカタログのベストな1枚としてファン人気が高いのも然もありなん。
惜しむらくは、CDの再発に際して最低で最高だったオリジナルの首吊りジャケットが、無難なデザインのモノに変更されてしまったことぐらいですよ。


ASSASSIN - Interstellar Experience - A Message to Survive ★★ (2007-03-24 21:45:00)

デビュー作よりも更に爆走感を増し、
アグレッシブな楽曲で固められている2ndアルバムの中にあって
この高速スラッシュ・チューンのドラマチックな
インスト・パートは、一際耳を捉えます。


ASSASSIN - Interstellar Experience - Baka ★★ (2007-03-24 21:37:42)

BAKAにしちゃいけません。
良く出来たスラッシュ・チューンですよ、これは。


SDI - Mistreated - Night of Tears ★★ (2007-03-24 21:29:39)

他の3rdアルバム収録曲同様、メロディアスな歌メロは
スラッシュと言うよりメロディック・パワー・メタル的。
スピーディな前半から、中盤のアコギ・パートでスッと引いて、
そこから再びアクセル全開で突っ走る曲展開や、
勇壮なGソロは非常にカッコイイ。
ただ、Voが起伏に富んだメロディを歌いきれていないのが惜しい。


SDI - Sign of the Wicked - Comin' Again / Sign of the Wicked ★★★ (2007-03-24 21:24:55)

2ndアルバムのOPを飾る、SDI屈指の名曲。
初期HELLOWEENを倍速化したかのような、
カミソリの如き高速スラッシュ・ナンバーだが、
中盤にきっちりと「溜め」パートを作っていたりと、
力押しに頼らない曲作りの巧さも光る。


SDI - Mistreated ★★ (2007-03-23 23:35:00)

Gをフランク・ティーシングからライナー・レイジに代えて、'89年に発表された3rdアルバムにしてラスト・アルバム。
一聴して、かなりメロディ重視の姿勢を取っている事が明らかな内容で、別にそれで疾走感が失われてしまった
ワケではないのだけれども、前作『SIGN OF THE WICKED』に比べ、長尺・複雑化(と言うほど大袈裟なモノじゃないが)が
進んだ楽曲の数々は、スラッシュ/スピード・メタルと言うよりは、当時、ドイツで大流行の兆しを見せていた
「メロディック・パワー・メタル」と表現した方がしっくり来る印象。
勿論、それが悪いなんて事もなく、ダイナミックな曲展開が魅力のOPチューン①、疾走する正統派へヴィ・メタリックなリフと
Gソロがカッコイイ②、スラッシーな③、全収録曲中、最もジャーマン・メロディック・パワーメタル風味が強い⑦
といった楽曲は、疾走感をしっかりと保ちつつ、尚且つドラマチックで聴き応え十分。
新たに加入したGも、前任者に勝るとも劣らぬ煽情度のGソロを披露していて文句なし。
ただ、ここまで楽曲のメロディアス化が進むと、リーダーのレイナード・クルーゼがBと兼任するVoの弱さが
ハッキリと露呈してしまっていて、スラッシュ・ソングを歌うには何ら問題ない彼氏だが、
今回のような起伏に富んだ歌メロを歌うには、明らかに実力不足。また、ここに来て「陽性」のメロディが
チラホラと顔を覗かせるようになったのも、本作の印象を弱めてしまっている原因の1つのように感じられる。


SDI - Sign of the Wicked ★★ (2007-03-23 23:18:00)

多くのファンがSDIの最高傑作と太鼓判を押す、'88年発表の2ndアルバム。
スピーディでストレートなスラッシュ・メタルが堪能できる反面、ややチープな感が無きにしも非ずだった
デビュー作『SATANS DEFLORATION INCORPORATED』に比べ、一層研ぎ澄まされたリフにビルドアップされたリズム、
勇壮さを増した歌メロ、煽情度を高めたGソロetc・・・と、パンキッシュなラフさやオチャラケた雰囲気が払拭された本作は、
かなり硬派でシリアス、程好い緊張感を漂わせた作風に仕上がっている。
楽曲の練り込み具合も前作の比ではなく、例えばアコギに導かれてスタートする、SDI屈指の名曲①を聴けば明らかな通り、
疾走感はそのままに、静と動、緩急を巧みに取り入れた曲展開は、楽曲に宿るドラマ性を
急上昇させるだけでなく、その疾走感をも更に引き立てることに成功している。
名曲①で爆走を開始し、地を這うようなヘヴィ・チューン②、“MEGAMOSH"のタイトルに偽りなしの
高速スラッシュ・チューン③へと繋がっていく、メリハリの効いた曲順も良く考えられていて、
ノリの良い④で一息ついて(と言っても十分速いんだけど)、リードBがイカス⑤で再びアクセルを限界まで踏み込んだ後は、
初期HELLOWEENを彷彿とさせる⑦、後半のハイライトと言うべきドラマチックな⑧といった楽曲を経て
ラスト・ナンバー⑨に至るまで、そのテンションとスピードは片時も緩む事無く、一気呵成に駆け抜けていく。
ジャーマン・スラッシュ・メタルを語る上で、欠かす事の出来ない名盤の1つ。


SDI - Satan's Defloration Incorporated - Quasimodo ★★ (2007-03-21 21:51:09)

ヤケクソ気味の疾走感といい、ドイツ民謡風のメロディといい、
下手なりに一生懸命メロディを歌うVoといい、
もろ初期HELLOWEENを彷彿とさせる
1stアルバムのOPを飾る高速スラッシュ・チューン。


SDI ★★ (2007-03-21 17:55:00)

旧西ドイツはオスナブリュック出身の3人組スラッシュ・メタル・バンド。
SATANS DEFLORATION INCORPORATED、略してS.D.I。(S.O.D.とかS.O.B.とか色々あってややこしいけど)
初期HELLOWEENを、よりストレートに、よりスピーディにしたかのようなそのサウンドは、
まさに「スピード・メタル」を絵に描いたかのよう。
'86年に1stアルバム『S.D.I』でデビュー、'88年にバンドの最高傑作と名高い2nd『SIGN OF THE WICKED』を、
'89年には、メロディック・パワー・メタル方面へと接近した3rd『MISTREATED』を発表。
その後、4枚目のアルバム製作の噂もあったが、結局リリースされないまま解散に至った。
その発表されず終いの4枚目のアルバムの音源は、最近、まとめて再発された過去3作のリマスター盤に
ボーナス・トラックとして収録されているので、興味がある方は是非。


SDI - Satan's Defloration Incorporated ★★ (2007-03-21 17:34:00)

S.O.D.とかS.O.B.とかM.O.D.とかD.R.I.とか、色々あってややこしいが、このS.D.I.は西ドイツは
オスナブリュック出身のトリオ・スラッシャーで、本作は'86年発表の1stアルバムにあたる。
初期HELLOWEENを更に野蛮にして、「野卑になったカイ・ハンセン」といった感じのVoがシャウトしまくる
そのスピーディなスラッシュ・サウンドは、初期HELLOWEENより数倍ストレートで、数倍速く、そして数倍バカ(笑)。
デビュー作ゆえまだまだラフな勢いが勝ち気味で、勢い余ってパンキッシュな③、ハードコアちっくな
瞬間風速ナンバー⑪のような楽曲も収録されているが、このバンドの核にあるのは、
メロディックなインスト・パートを聴けば明らかな通り、飽くまでもヘヴィ・メタル。
特に、アルバムOPを猛スピードで駆け抜ける①や、高速スラッシュ・チューン④といった楽曲は、
そのヤケクソ気味な疾走感といい、ドラマチックなツイン・リード・ギターといい、唐突にドイツ民謡風のメロディが
挿入される曲展開といい、もろ初期HELLOWEENを彷彿とさせる名曲だ。(ちょっぴりファニーな部分もそれっぽい)
また、初期JUDAS PRIESTを思わせる⑥では、ヘタクソなりにVoがロブ・ハルフォード役を務めて、
何とか劇的なドラマ性を演出しようと頑張っていたりと、ガッツ漲る作風には非常に好感が持てる。
このデビュー作の時点では、まだまだイモだけどね。


XENTRIX - Kin ★★★ (2007-03-20 23:11:00)

スラッシュ・メタル冬の時代へと突入し、ONSLUGHT、SLAMMER、SABBAT、ACID REIGNといった
英国スラッシュ勢が次々に失速していく様を横目で見ながら、'93年に発表された3rdアルバム。
スラッシーな疾走感が大きく後退し、重量級のリズムがズンズンと下っ腹に響くミドル・チューンが
本編の大半を占める内容は、発表当時、「地味」「速い曲がもっと欲しい」との評価を頂戴したが、なんのなんの。
スピードが落ちた分、(元々強い拘りを持っていた)メロディの魅力が浮かび上がり、まるで英国の曇天を
思わせるダークで憂いを帯びた楽曲の数々は、過去最高のクオリティを誇る(・・・と思う)。
繊細な泣きを炸裂させるGソロが、心筋が痙攣するぐらい素晴しい①、Voがクリーン・ボイスで歌い上げる叙情的な④、
起承転結の完璧な決まり具合が殆ど様式美HMなノリの⑥、ドラマチックなヘヴィ・バラード⑦、
トニー・マーティン在籍時のBLACK SABBATHを彷彿とさせる⑧、緩急自在に攻めてくる⑨といった楽曲を筆頭に、全編コレ捨て曲なし。
前作までのアルバムを「動」とするなら、「静」の魅力に満ち溢れている本作は、スラッシュ・メタル・バンドとしての
XENTRIXの魅力が満喫できる作品とは言い難いのだけれども(先ず最初に聴くべきは2ndアルバム)、
個人的には、本作が彼らの全アルバムの中でも最もお気に入りだったりする。


ZNOWHITE - Act of God - To the Last Breath ★★★ (2007-03-19 21:49:23)

サビでドラマチックに展開する憂いを帯びた歌メロが堪らない、
アルバムOPを飾る高速スラッシュ・チューン。
劇的に斬り込んで来る流麗なGソロといい、
(イアン・タフォーヤ改め)グレッグ・フルトンの
曲作りの才能には心底畏れ入る。


XENTRIX - For Whose Advantage? ★★ (2007-03-19 20:20:00)

スラッシャーの間では、映画『ゴーストバスターズ』のテーマソング(レイ・パーカーJrが歌っていた有名なアレ)を
カヴァーした事で知られる、イギリスはランカシャー州出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、
'90年発表の2ndアルバムにして、スピード/へヴィネス/メロディの三拍子が見事に揃った、このバンドの最高傑作。
ザクザクと刻まれる硬質なリフ、如何にも英国的な湿り気を帯びたメロディ、起承転結のハッキリとした
ドラマチックな曲展開・・・と、METALLICAから多大な影響を受けたと思しきスラッシュ・サウンドは、
1st『SHATTERED EXISTENCE』の時点で既に高い完成度を誇っていたが、本作では基本路線はそのままに、
更に洗練された楽曲のクオリティが大幅アップ。加えて、サウンドにズッシリとした重量感が付与された事で、
アルバム全体に宿るダイナミズムも飛躍的な向上を遂げている。
劇的極まりないツインG(特にハーモニー・プレイの素晴しさときたら!)をフィーチュアした
ドラマチックな①②⑤⑧、ストレートなスラッシュ・チューン③④⑦、そして両者の美点が
見事に掛け合わされた名曲⑨といった楽曲を聴くと、彼らがデビュー作から一皮も二皮も剥け、
本格派スラッシュ・メタル・バンドならではの風格を身に付けた事が良く分かる。
GILLANのカヴァー⑩を含む全10曲、捨て曲なし。XENTRIXのアルバムで先ず最初に聴くべきは本作でしょう。
尚、最近、ROADRUNNNERから再発されたリマスター盤は、同年発表の6曲入りEP
『DILUTE TO TASTE』(これまた素晴しい出来)とのお得なカップリング仕様。


XENTRIX - Shattered Existence ★★ (2007-03-18 22:34:00)

イギリス出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、'89年発表の1stアルバム。
緩急を巧みに織り交ぜた曲展開はMETALLICAからの強い影響を感じさせるが、じっとりと湿り気を帯びたリフといい、
野卑だが、煮え切らないメロディを歌うVoといい、如何にもイギリスのバンド的な叙情性が強く漂い、非常に良い感じ。
また、デビュー作ということで、若さに任せた荒々しさが全編に横溢しているのも本作の特徴の1つで、
ことスラッシーな疾走感にかけては、彼らの全作品中、最大と言えるのではなかろうか。それでいてアグレッシブな曲調に
突然アコギ・ソロを取り入れた⑦のような楽曲で、アルバムの流れに変化を付けてみたりと、小技の効かせ方もニクイ。
後の作品に比べると今ひとつ垢抜けないし、B級チックな雰囲気が無きにしも有らずだが、
それでも、劇的なリフとメロディを紡ぎ出すツインGが中心に据えられ、しっかりと構築された楽曲には、
既に光るモノがハッキリと感じられ、デビュー作としては文句なしの出来の1枚。
尚、現在発売されてるリイシュー盤は、'90年発表の3曲入りシングル『GHOST BUSTARS』とのお得なカップリング仕様。


VIKING - Man of Straw - Hell Is for Children ★★ (2007-03-18 18:11:09)

パット・べネターの名曲のカヴァー。
きっちり自己流に料理されていて、正統派へヴィ・メタリックな
仕上がり具合がなかなかにカッコイイ。
Voがメロディアスに歌っているのだが、これがまたかなり上手い。
また、先輩バンドのDARK ANGELから、
Voのロン・ラインハートがバッキングVoとして参加している。


VIKING - Man of Straw - Creative Divorce ★★ (2007-03-18 18:06:12)

切迫感を漂わせたリフ・ワークにリード・プレイと、
Gが非常に良い仕事をしている高速スラッシュ・チューン。
スリリングなソロも◎。
テンション高めなVoも勢いに溢れていてカッコイイ。
2ndアルバムではこの曲が一番好きかな。


TOXIK - Think This - Spontaneous ★★ (2007-03-18 17:50:31)

金属的質感を伴って刻まれるリフ、
一筋縄では行かないリズム、
突き抜けてくるハイトーンVoとが一体となって突っ走る、
2ndアルバムのハイライト・チューン(個人的に)。
キャッチーなサビでの加速感がたまらない。


TOXIK - Think This ★★ (2007-03-18 16:51:00)

前作で凄まじいハイトーンを響かせていたVoが脱退、ついでにギタリストをもう1人加えて
ツインG編成へと移行・・・と、大幅なメンバー・チェンジを経て、'89年に発表された2ndアルバム。
新たに加わったVoも前任者と良く似た声質&強烈なハイトーン・ボイスの持ち主という事で、
サウンド的に大きな変化は感じられないが、より曲展開の目まぐるしさに拍車が掛かり、
アコギを単なる装飾以上に積極活用したり、劇的に盛り上がりるバラード④を収録してみたりと、
前作以上にメロディへの拘りが強まったため、「ドーピングしたQUEENSRYCHE」、もしくは
「難解になったFLOTSAM&JETSAM」的な、プログレッシブな雰囲気も感じられるようになった。
但し、流麗なG、複雑なリズムを一糸乱れずに叩き出すリズム隊、突き刺さるようなハイトーンVoが
一体となって突っ走る激烈な疾走感は健在なので、軟弱になった印象は全くない。
個人的には、前作収録の名曲“HEART ATTACK"のノリを受け継ぐキャッチー&アグレッシブな③が
気に入ったんだけど、全体的に見るとメロディのキャッチーさは薄れてきてしまっているようで惜しい。


TOXIK - World Circus - Heart Attack ★★★ (2007-03-18 00:47:09)

ハッハッハッ、ハート・アタック!
TOXIKの全楽曲の中でも、断トツのキャッチーさを誇る
高速スラッシュ・チューン。
ロブ・ハルフォードを彷彿とさせる超絶ハイトーンを
ブチかますVoのハイテンションっぷりも凄まじい。


TOXIK - World Circus ★★ (2007-03-18 00:36:00)

アメリカはニューヨーク出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'87年発表のデビュー作。
その昔、彼らがオムニバス・アルバム『STARS ON THRASH』に提供していた、キャッチーでハイパーな
高速スラッシュ・チューン“HERAT ATTACK"の余りのカッコ良さに痺れ、早速、その名曲をOPナンバーに戴く本作を
買いに走った記憶があるのだが、このアルバムにはそれ以外にも、流麗なGソロをフィーチュアして疾走する⑤⑥、
アコギによるイントロを経て、正統派へヴィ・メタリックな盛り上がりをみせる⑦、本編随一の
アグレッションを撒き散らしてラストを締める⑩といったスラッシュ・メタルの名曲が多数収録されている。
2nd『THINK THIS』では、幾らかプログレッシブ方向に舵を切った彼らだが、この1stの時点では
テクニカル且つタイトな演奏、ロブ・ハルフォードばりの超絶ハイトーンを駆使して歌いまくるVoはそのままに、
より直線的でスピーディなスラッシュ・サウンドを披露していて、突っ走った時に得られるカタルシスはかなりのもの。
個人的には次作よりも明快な作風なので、こちら方が好みかな。
ただ、実力は確かながらも、ハイトーンVoが歌うメロディにややフックが欠けるため、
ミドル・テンポの楽曲になると、途端にダレを感じてしまうのが難と言えば難。


METALLICA - Master of Puppets ★★★ (2007-03-16 22:50:00)

名曲中の名曲①で幕を開ける、'86年発表の3rdアルバムにして、自他共に認めるMETALLICAの代表作。
スラッシュ・メタル・ブームを決定付けた歴史的名盤ながら、鋭さよりも重厚さに重きを置き、スピードを抑え目にした楽曲はより複雑化・大作化・・・と、内容的には一足早く「脱スラッシュ・メタル」が試みられていて、彼らが狭いジャンルでは収まりきらない、孤高の音楽性を確立させた最初の作品とも言える。
2本のアコギが絡み合う美しいイントロから劇的に疾走を開始する①や、印象的なリフを持つ⑤、ラストを激烈に締め括る⑧のようなスラッシーなスピード・ナンバーを要所に配しつつも、②④⑥といった楽曲を筆頭に、以前にも増して起伏に富んだメロディを歌うジェイムズ・ヘッドフィールドのVoといい、更に構築美を高めた曲展開といい、ツインGが生み出すメロディの煽情度といい、アルバム全編に溢れるドラマティシズムの濃度は間違いなく過去最高。
また、ここで大きな存在感を発揮しているのがクリフ・バートンのBで、単にボトムを支えるだけでなく、曲のスケール感や叙情性を大幅に増幅させる彼のツボを突いたプレイは本作の白眉。特にインストの名曲⑦はじっくりとご堪能あれ。
全体的に、触れれば切れそうな鋭さが後退して、包み込むようなスケールの大きさに圧倒される作風に仕上がっていて、中には少々冗長さを感じさせる曲が無いわけではないものの、METALLICAが本格派のメタル・バンドへと脱皮を遂げた事実が、しかと刻み込まれた名盤なのは疑いようがない。このCDを聴け!


TANK - This Means War ★★ (2007-03-16 22:27:00)

シンセサイザーによるメロディアスなイントロと、それに続くドラマチックな疾走曲①が、
「TANK=小型MOTORHEAD」との先入観を粉々に打ち砕く、'83年発表の3rdアルバム。
コミック調のジャケットこそ初期ハードコア路線を思わせるが、新たにミック・タッカー(G)が加わり、
ツインG編成へと移行した事で、楽曲に宿るドラマ性が飛躍的に増大。疾走感はそのままに、
より正統派へヴィ・メタル・テイストが前面に押し出された内容に仕上がっている。
その代表格が、OPチューンにしてハイライト・チューンと言うべき①や、グッとくるGソロが炸裂する②、
①に匹敵する劇的さを誇るアルバム・タイトル・トラック③、メロウな味付けが効いてるスピード・チューン④、
そしてシングル・カットもされた⑦といった楽曲。いずれもアルジー・ワードの男臭い濁声Voが
醸し出す哀愁と、ツイン・リードGが紡ぐ、勇ましくも物悲しげなメロディに彩られた名曲揃い。
また、「TANK流パワー・メタル」としか表現のしようのない独自性を確立し、6~8分台の楽曲が並ぶ
大作主義を志向していた次作『HONOUR&BLOOD』に比べると、楽曲がコンパクトにまとめられ、
より普遍的なヘヴィ・メタル色が濃いので、本作の方がTANK入門書にはうって付けかもしれない。
(で、コレが気に入ったなら、当然『HONOUR~』も聴くべし)


BISCAYA - Biscaya - Howl in the Sky ★★★ (2007-03-15 22:39:38)

DEEP PURPLEの名曲“BURN"を、
さらにクラシカルに仕上げたかのような
スピーディでドラマチックなアルバムOPチューン。
GとKEYのバトルが素晴しい、まさに「北欧様式美メタル」を
体現したかのような1曲。


TANK - Honour & Blood - The War Drags Ever On ★★★ (2007-03-15 22:35:04)

シンセサイザーとGリフのイントロの時点で既に胸が高鳴り、
全楽器が突進へと転じる瞬間のカッコ良さがガッツポーズモノの、
アルバムのOPチューンにしてハイライト・チューン。
アルジー・ワードの男の哀愁を背負った濁声で歌われる
まさに「男達の挽歌」。


SADUS - Out for Blood ★★ (2007-03-15 22:23:00)

いつまで経っても国内盤の発売される気配のない、復活のSADUSが'06年に発表した9年振り、通算5枚目となるニュー・アルバム。
強力なウネリを生み出すスティーヴ・デジョルジオのB、相変わらずタイトなジョン・アレンのDs、
ヒステリックなダレン・トラヴィスのVoという三本柱が一体となってダイナミックに疾走する①を聴いた瞬間、
SADUS復活の確かな手応えを感じる事が出来た。3rd『A VISION OF MSERY』の頃を彷彿とさせるアルバム表題曲④、
直線的な高速スラッシュ・ナンバー⑥、エスニックな雰囲気を漂わせた大作⑩も良い曲だ。
ただ、本編の過半数をヘヴィ・チューンが占める事と、トリオ編成への移行により、Gソロから
スリルが減少してしまった事と併せて、全体的にどーにも地味な印象が拭えないのも、また事実。
大半のSADUSファンの期待には応えた内容だとは思うが、初期の頃の「キメ曲不足」病が再発してる感じなのが気に掛かる。
それにしても、NUCLEAR ASSAULTの新作もそうだけど、さっさと国内盤を出せよ、と。


TANK - Honour & Blood ★★ (2007-03-15 22:09:00)

このタイトル、そしてアルバム・ジャケットを見てるだけで血沸き肉踊る、NWOBHMを代表する
荒くれ爆走軍団TANK、'84年発表の4thアルバム。
まさに「戦いの序曲」といった感じのシンセとGリフによるイントロに胸が高鳴り、全楽器が
一斉に突撃へと転じる瞬間の、余りのカッコ良さに小便チビリそうになる名曲①を聴けば明らかな通り、
本作は、3rd『THIS MEANS WAR』で開花したパワーメタル路線を更に推し進めた、大作主義・ドラマ性重視の作風に仕上がっている。
猛々しく刻まれるリフ、戦車の進撃の如き力強いリズム、男の哀愁を濃厚に漂わせたアルジー・ワードの濁声Vo、
叙情的と表現するには荒々しく、骨太な「泣き」を炸裂させるGソロといった要素に彩られた収録曲は、何れも聴き応え十分。
中でも前述の劇的なOPチューン①、威風堂々たるアルバム表題曲③、キャッチーとも言えるサビが印象的な⑥、
強烈に咽び泣くツイン・リード・ギターが悶絶モノの⑦は、勇ましさと哀しさを併せ持つ、
まさに「男達の挽歌」とでも呼ぶべき名曲。必聴。
これほどの名作をモノにしながらも、NWOBHMの終焉、所属レコード会社の倒産、メンバーの脱退といったトラブルに
次々に巻き込まれたTANKは活動が停滞。次作『TANK』を'86年に発表した後、長期間の沈黙を余儀なくされるのであった・・・。


BISCAYA - Biscaya ★★ (2007-03-14 22:05:00)

北欧メタル・ファンの間で長らく「幻の名盤」とされていた、スウェーデン出身の5人組が
'83年(国内盤発売は'84年)に発表した、最初で最後のフル・アルバム。
'96年に日本でCD化された際には、ボーナス・トラックとして'84年発表の4曲入りシングル『ON 45』が追加収録。
まぁ、ぶっちゃけ、何れも大した曲ではないのだけれど(いや、4曲目は結構良いかな)、
それよりも、こんなレアな音源を発掘して来てくれたレコード会社スタッフの情熱に頭が下がります。
で、肝心のアルバムの内容の方はと言えば、評判通り、DEEP PURPLEから多大な影響を受けた
クラシカルでドラマチックなハードロック・サウンドといった趣きで、“BURN"をよりクラシカルに仕上げたかのような
劇的な疾走チューン①と、透明感に溢れた、美し過ぎるコーラスに胸締め付けられる泣きの名バラード③の
完成度が際立っている点、その突出した2曲以外の楽曲はやや平均的な出来かな・・・という点も評判通り。
ただ、平均的とはいえその水準は高く、ピアノをフィーチュアした悲しげなバラード⑧、
スパニッシュ風味のインスト曲⑨、印象的なリフとインスト・パートを備えた⑩といった楽曲は聴き応え十分。
「幻の名盤」の評価に恥じぬ、確かなクオリティを備えた1枚。但し、音は悪い。


CRO-MAGS - Best Wishes - Down, But Not Out ★★★ (2007-03-14 21:54:06)

OPのリフの刻みを聴いただけで、
「超名曲」という事が確信できる、
アルバムのハイライト・チューン。
また、本編最速のスピード・ナンバーでもある。


CRO-MAGS - Best Wishes ★★ (2007-03-14 21:49:00)

NYHCシーンの顔役ハーレー・フラナガン率いるCRO-MAGS、'89年発表の2ndアルバム。
如何にもハードコア・バンド的な強面のルックスとは裏腹に、本作で聴けるのは、スピードだけに頼らない
重厚さも兼ね備えた正統派へヴィ・メタル寄りのスラッシュ・サウンド。勿論、元々はハードコア畑のバンドだけに、
その手の要素も至る所に顔を覗かせているわけだが、それ以上に耳を奪われるのが、カッチリとまとめ上げられた楽曲、
シャープで緊迫感に満ちたリフ、スリリングなGソロ、大仰なラインを刻むB、妖しげだが、しっかりと歌えるVo、
随所で湧き上がる男の哀愁を背負ったメロディ等、へヴィ・メタリックな要素の数々。
特に、イントロのリフの刻みだけでゾクゾクさせられる本編最速の④、より正統派メタル風味の強い⑤といった
高速スラッシュ・チューンは、スラッシャーなら即死必至の威力を秘めた名曲だ。
次作『ALPHA&OMEGA』では、更にメロディ分を強化して拡散の方向へと進んでいく事になる彼らだが、本作はサウンド的にも
その3rdと、もろハードコア路線だったデビュー作の中間に位置する、非常にバランスの取れた1枚。


METALLICA - …and Justice for All ★★ (2007-03-13 21:35:00)

クリフ・バートンの突然の死によって、バンド内部が混乱の極みにあった事が、痛い程に伝わってくる'88年発表の4thアルバム。
冷静に曲作り出来る状態ではなかったのか、とにかく思い付いたアイデアを片っ端から力ずくで継ぎ接ぎしていったかのような
楽曲の数々は、例えば“BATTERY"の如きキャッチーなナンバーが姿を消し、その何れもが6分を越す大作ばかりズラリ。
かと言って、高いドラマ性と構築美を誇っていた前作『MASTER OF PUPPETS』に比べると、メロディの魅力が弱く、
曲展開にも強引さが散見され、全体的に、やや締まりに欠ける冗長な作風との印象は拭えない。
だがしかし。それでも本作を駄作に堕とすことなく、きっちりと名盤に仕上げてみせる辺りが、METALLICAの凄いところ。
特に、劇的なイントロ部分だけで完璧に掴まれる名曲①、角張ったリフがガツンガツンぶつかって来るかのような②、
緊張感に満ちた雄々しいミッド・チューン③、METALLICAの代表曲の1つであるヘヴィ・バラード④といった楽曲が、
次々に繰り出されるアルバム前半のテンションの高さは圧巻。(その分、後半ダレるのが惜しまれるのだけど)
また、そうした楽曲で聴く事の出来るラーズ・ウルリッヒのドラミングがこれまた強烈で、Bの音を完全に掻き消す重さと、
モタる寸前にまで「タメ」を効かせたそのプレイは、ある種異様な迫力に溢れていて、圧倒されること請け合い。
歪だが、それゆえ魅力的な作品。かな、と。


CASBAH - BAREFOOTED ON EARTH ♯2 ★★ (2007-03-05 22:27:00)

『BAREFOOTED ON EARTH ♯1』の続編として'99年に連続リリースされた、コンセプト作品の第2弾。
今度は「人間のポジティブ面にスポットを当てた作品」なんだとか。
コンセプトはあってもストーリー性はないという点は第1弾シングル同様。また「ポジティブ」といっても、
別にポップになったり、メジャー・キーで曲作りが為されているわけでもないので誤解なきよう。
グルーヴィなナンバーで幕を開けた前作に対して、今回は「これぞCASBAH!」たる強力な高速スラッシュ・チューンの
①で掴みはOK状態。続くシリーズ随一のメロディアスさを誇る②で意表を突き、強烈にうねりまくる
③で圧倒し、激しくアップダウンを繰り返す④で一気に寄り切るという構成になっている。
第1弾シングルに比べると、より曲調に広がりが見られる分、即効性のインパクトはやや後退してしまった印象なんだけど、
でも、やっぱりスラッシャーなら名曲①のために本作を買いましょう。(個人的な一押しは②なんだけど)


CASBAH - BAREFOOTED ON EARTH ♯1 ★★ (2007-03-05 22:00:00)

「人間のネガティブ面とポジティブ面を炙り出す」コンセプト作品として、'99年に連続リリースされた
2枚の4曲入りマキシ・シングルのうち、「ネガティブ面」にスポットを当てた本作は、その第1弾。
と言っても、別に歌詞にストーリー性があるわけではないようで、楽曲的にも「ネガティブ」という
言葉から連想されるような、内に篭ったダークな雰囲気は皆無。
アグレッシブでグルーヴィな①、地響き立てて突進してくる様がド迫力な②、前半で溜めて後半で炸裂する
緩急の効いた③、このバンドには珍しい(?)勇壮なツインGのハーモニー・プレイをフィーチュアした④と、
1stフル・アルバム『BOLD STATEMENT』の作風の延長線上にある、外へ向かってエネルギーを
撒き散らす、パワフルなスラッシュ・チューンの数々が揃えられている。
個人的には、よりバラエティに富んだ楽曲を収録した第2弾作品よりも、こちらの方が好みかな。
唯一の不満点は対訳が付いていない事ぐらいのものだ。(何で日本のバンドって対訳が付いてない場合が多いのだろうか?)


DEPRESSIVE AGE - First Depression ★★ (2007-03-01 21:08:00)

旧東ドイツ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、'92年発表の1stアルバム。
作品毎に音楽性を大きく変化させていった彼らだが、このデビュー作の時点ではバリバリのスラッシュ路線を邁進。
そのスタイルは、4th『MENTAL VORTEX』の頃のCORONERに歌えるVoが参加した感じ・・・と言えば分かり易いだろうか?
激しく入れ替わる静と動、要所で用いられるアコギやGアルペジオ、そして流麗にしてドラマチックなGソロが
メランコリックな雰囲気を演出していて、和田誠氏が本作を例えて「メランコリー・スラッシュ」と評するのにも納得だ。
ただメロディの質が、叙情的やキャッチーというのとは少々異なるので、その手の音を期待すると
スカされる事になりかねないので注意が必要かも。湿り気はタップリと帯びているのだが、
もっと硬質(無愛想ともいう)で寒々しい印象が強く、これは彼らが旧東ドイツ出身だから・・・
と考えるのは差別的か?でも立派な個性には違いない。
たしかな歌唱力を備えてはいるものの、クセの強い声質で捉えどころのないメロディを歌うのVoには好き嫌いが分かれるところなれど
(個人的には苦手なタイプ)、全体の完成度は間違いなく高い。ドラマチックにラストを締める⑨は名曲です。


SADUS - Swallowed in Black ★★ (2007-02-28 21:29:00)

1st『CHEMICAL EXPOSURE』の評判を聞きつけたROADRUNNERレコードと契約を交わし、'90年に発表した2ndアルバム。
アルバムの制作環境が整い、プロデュースやミックス作業にマイケル・ローゼンが関わっているだけあって、
サウンド・プロダクションの質が自主制作のデビュー作とは段違い。楽曲の方も、初期衝動に任せた
疾走一辺倒のスタイルから脱却。より緩急に気を払い、リフ/リズム・チェンジを繰り返しながら
ダイナミックに盛り上がっていくという「SADUS流スラッシュ・メタル」は、遂に本作で完成をみた。
その中核を担うのは、異様なテンションの高さで絶叫しまくるVoと、タイト極まりないジョン・アレンのDs、
そして勿論、名手スティーヴ・デジョルジオのテクニカルなBプレイだ。
特に全体を牽引するリズム隊の役割は重要で、彼らが思いっきり突っ走った時に生み出される爽快感は
ベイエリア・スラッシュ・シーンでもトップクラスの気持ち良さを誇る。(当社比)
収録曲は粒揃いなれど、「ここぞ!」という聴かせ所に乏しい為、聴き終えた後の満足感がそれ程でもない・・・という弱点は
未だ解消されてはいないが、ともあれ、次作『A VISION OF MISTERY』での大化けを予感させるに足る、気合の入った1枚。


VIKING - Man of Straw ★★ (2007-02-28 21:14:00)

LA出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'89年発表の2ndアルバム。スラッシャーの間では、
後に中心メンバーの1人であるブレット・エリクセン(G)がDARK ANGEL入りする事で知られているバンドだが、
音楽性の方も「小型DARK ANGEL」的な味わいが濃厚。(そのD.Aからロン・ラインハートがバックアップVoとして⑦に参加している)
デビュー作『DO OR DIE』から格段に向上したサウンド・プロダクションのもと、楽曲に緩急を取り入れ、
時にツインGがメロディアスなフレーズを紡ぎ出したりと、意欲的に表現の幅を広げに掛かった姿勢には
好感が持てるのだけれど、スピードにしろリフにしろメロディにしろ、今ひとつパンチ不足で、
例えば先輩格のDARK ANGELと比較すると、小さくまとまってしまっているとの印象は否めない。
しっかりと歌うVo(しかもこれがかなり上手い)をフィーチュアしたパット・べネターのカヴァー⑦、
緊迫感を伴ったメロディが疾走する⑧、タイトな疾走感が小気味良い⑨と、アルバム後半は尻上がりにテンションが
高まっていくので、このレベルの楽曲が前半に1、2曲配置されていれば、本作の印象は尚向上したと思われるのだけど・・・。
ともあれ、スピードよりも完成度に重きを置いた意欲作としては評価できる。佳作。


EBONY TEARS - Tortura Insomniae ★★ (2007-02-25 21:53:00)

スウェーデン出身の4人組メロディック・デス・メタル・バンド、'97年発表の1stアルバム。
『眠れぬ夜の物語』という秀逸な邦題の付けられた本作、とにかくメロディの魅力が半端じゃありません。
普段、余りメロデスに入れ込んでいない自分でも、これにはバッチリやられてしまった。
デス声も凶悪度控えめ(ちゃんと歌詞が聞き取れる)だし、スピードもブラスト・ビートではなく「スタスタ」という
2ビートが基本なので、良く出来たスラッシュ・メタル・アルバムとしても楽しむ事が出来る優れ物。
(つまり、一般的なデス・メタル・リスナーには物足りない内容という事かも知れないけど)
そして何より本作の肝は、北欧民謡風の寒々としたメロディを奏で、楽曲に気品と幻想的な雰囲気を演出する
バイオリンの存在。
リフにソロにとアルバム全編に渡って大活躍する様は、まさに「北欧版SKYCLAD」の如き趣き。
特に、メロディアスなリフ、ストリングス、アコギ、女性Vo、ノーマルVoといった要素が
ギュッと詰め込まれた疾走チューンが連打される①~④の流れは本作の白眉。
惜しまれるのは、ラストを締める⑨がインダストリアル調の仕上がりで余り魅力的とは言えない点なのだけど、
そこへ辿り着くまでの⑤以降の楽曲の完成度も非常に高いため、大した傷にはなっていない。
本作、現在は既に廃盤らしいが、探し出して聴く価値大いにありの名盤だ。


INTRUDER(THRASH) - Escape from Pain ★★ (2007-02-24 22:57:00)

CD屋の輸入盤コーナーで見かけて、「お、INTRUDERの新作か?」と思って購入、後で確認したら
'90年発表の5曲入りEPの再発盤(リマスター仕様)だった。
しかし、これが結構優れた内容で、前年発表の2nd『HIGHER FROM OF KILLING』は大人しくまとまり過ぎていて、
正直、可もなく不可もなくといった感じのアルバムだったが、それが本作では一変。
上擦り気味だったVoの歌唱に太さが増し、更に『HIGHER~』のウィーク・ポイントだったDsの技量が格段に向上。
モタリが殆ど感じられなくなっていて、そのドラミングに引っ張られる形でリフや疾走感のキレ味も
大幅パワーアップ。結果、作品に宿るダイナミズムが前2作の比ではなくなっている。
CHICAGOの名曲“長い夜"のカヴァー①も、巧くスラッシュ・バージョンに変換しているし、
EDにエクソシストの“TUBULAR BELLS"(?)をくっ付けたEP表題曲の大作②、2本のアコギが絡み合う
美しいイントロを経て疾走を開始する④といった楽曲は聴き応え十分。
ツインGの煽情度がやや落ちたように感じられるが(とはいえ④のGソロは◎)、ともあれ、
こりゃあ、未聴の3rd『PSYCHO SAVANT』が是非とも聴いてみたくなった。


SACRED REICH - Independent ★★ (2007-02-22 22:18:00)

スピードよりもヘヴィネス、メロディよりもグルーヴ、鋭さよりも柔軟性重視と、PANTERAからの
大きな影響を感じさせるようになった、'93年発表の3rdアルバム。
正統派スラッシュ・メタルの1st『IGNORANCE』、パワー・メタリックな2nd『THE AMERICAN WAY』という
前2作の音楽性が大変魅力的だっただけに、この路線変更には正直かなりガックリで、
特に、正統派HMに由来する流麗なメロディが、殆ど姿を消してしまったのは悲し過ぎる。
(アコギによる叙情インスト・ナンバー⑤に、その面影を留める程度)
とは言え、2線級のPANTERAフォロワー群と違って、元々曲作りの巧さには定評があったバンドだけに、
曲作りの方向性が多少変わろうとも、リフは非常にキャッチー。また、これまで以上に「歌」を意識した
Voの歌唱もなかなか聴かせてくれます。(個人的にはこのVoは結構好きだ)
ミドル・チューン主体とはいえ、魅力的な疾走曲①⑦、緩急の効いた②、SACRED REICH流バラードとでも言うべき
ダイナミックな⑨といった楽曲を要所に配置する事で、アルバム本編の流れが単調になるのを防いでおり、
最後まで聴き飽きさせない。前2作と切り離して考えれば、これはこれで良く出来た作品だと思う。


PROTECTOR - A Shedding of Skin ★★★ (2007-02-21 22:34:00)

穏やかで美しい森の中をイメージさせるイントロから一転、凶悪な高速スラッシュ・ナンバーが次々に畳み掛けてくる、'92年発表の4thアルバム。
息つく暇のないシュレッド・リフ、ブラスト寸前のリズムを叩き出すDs、デス声1歩手前(そのもの?)のVoとが、雪崩を打って突撃してくるスタイルは相変わらずながら、音質が飛躍的に向上、従来の高速度に重量感まで加わったスラッシュ・サウンドは、更なるデス・メタルへの接近を感じさせ、その迫力は只事じゃない。
また、前作『LEVIATHAN'S DESIRE』に比べるとリフがシンプルになったというか、楽曲自体がよりストレートにビルドアップされた印象で、欧州風味のオドロオドロしさが抜けた作風はスッキリと垢抜け、サウンド・プロダクションの充実と相俟って、これまでの作品の中でも最も聴き易い内容に仕上がっているような?(『URM THE MAD』や『LEVIATHAN'S~』の雰囲気を愛する身には残念だけど)
個人的には、このバンドにしては珍しく明快なリフ・ワークを聴く事の出来る高速スラッシュ・チューン⑧が気に入った。
PROTECTOR初体験者にもお薦め出来る、ジャーマン・スラッシュ・メタルの好盤。


ANTHEM - Last Anthem ★★ (2007-02-19 22:36:00)

皮肉な事に、ANTHEMのアルバムで一番最初に購入したのがこの作品でした。(バンド名は以前から知ってたけど)
いま改めて聴き直すと、音質やプレイ面で色々と粗も目立つものの、初めて聴いた時は単純に、
次々に繰り出されるハイクオリティなメタル・チューンの数々(選曲は文句なし。勿論漏れはあるが)と、
森川之雄の熱唱に「日本人でもこんなにパワフルに歌えるシンガーがいたんだなぁ」と圧倒されまくり。
彼の歌う“WARNING ACTION!"“LAST ANTHEM"“NIGHT AFTER NIGHT"“BOUND TO BREAK"といった、
ANTHEM初期の名曲群は、やはり強力だ。(1st時の坂本英三の歌唱も大概なもんだったしね/笑)
柴田直人のインタビューを読む限りでは、再発される事はあり得ない作品のようなので
(それともファンの声が高まれば封印が解かれる事もありうるのでしょうか?)、
今後も、ひっそりこっそりと愛聴していきたい1枚。


METAL CHURCH - A Light in the Dark ★★ (2007-02-19 22:05:00)

初代Vo.デヴィッド・ウェインの死、唯一残っていたオリジナル・メンバー カーク・アーリントン(Ds)の脱退という
悲劇/アクシデントを経て吹っ切れたのか、アルバム・タイトルやジャケット・アートワークからも
バンドの(というかカークの)原点回帰の姿勢がヒシヒシと伝わって来る、'06年発表の8thアルバム。
実際、初期の名曲のセルフ・リメイクである⑪が浮いてしまう事のない、ダークな作風の楽曲が取り揃えられていて、
ここ数作を薄っすらと覆っていた(良くも悪くも)ベテランらしいルーズなノリが減少。
作品全体に、初期の頃を思い起こさせる暗い緊張感が漂う。
特に本編の幕開けを飾る①は、久しく冴えの見られなかったミドル・チューンとしては屈指の完成度を誇る、
聴いててゾクゾクさせられるMETAL CHURCH節炸裂の名曲。サビでの転調が、曇天から射し込む陽光のように
感じられる②も素晴しいし、キビキビとした疾走感が気持ち良いスピード・ナンバー③、
そこから間髪入れずに緩急の効いた④へと雪崩れ込む構成も上手い。
残念ながら、今回も一発で掴まれる名リフは生まれなかったし、力み過ぎたのか、メロディの魅力が弱まってしまう
⑤以降、テンションが下降線を描いてしまうのが惜しまれるが、それでも、ラストは故デヴィッド・ウェインに捧げる名曲⑪が
控えているため、聴き終えた後の印象はそれほど悪くない。このクオリティで国内盤未発売なのは納得いかんぞ。


METAL CHURCH - Masterpeace ★★ (2007-02-19 19:48:00)

たしかにREVERENDに比べると、本作におけるウェインのパワー・ダウンぶりは、ちょっとショッキングですよね。
元々、凄まじい声量を駆使して歌いまくり、聴き手を圧倒するタイプのシンガーだったので、
より衰えがハッキリと感じられてしまって・・・。


ASSASSIN - Interstellar Experience ★★ (2007-02-18 21:45:00)

スラッシャーの間では、名曲“BAKA"を収録した作品として有名な、ASSASSIN、'88年発表の2ndアルバム。
普通2ndアルバムと言えば、より整合性を意識したり、メロディ重視になったりする場合が多いと思うのだが、
本作の場合には、鋭利なリフ、つんのめり気味に疾走するDs、メロディ無視の喚き型Voが一丸となって突進する
スラッシュ・サウンドに一転の曇りもない。寧ろ丸くなるどころか、デビュー作以上のスピードとアグレッションを誇る
内容に仕上がっているのではなかろうか?中学生の漫研部員が描いたようなアルバム・ジャケットはかなり惨いけどね(笑)
全体的に欧州風味の湿り気が後退、前作において終始ピロピロとバカの1つ覚えみたいに(褒め言葉)弾きまくり、
要所で印象的なハーモニー・プレイを披露していたツインGの活躍する場面が減ってしまったのは悲しいが、
代わりに体育会系的なノリが前面に押し出されていて(「ANTRAXみたい」という例えは正鵠を射ている)
縦ノリの②を筆頭に、身体に直に訴えかけて来る高速スラッシュ・チューンの数々は爽快極まりない。
勿論、ドラマチックなツインGが聴ける、緩急を活かした③ような楽曲も収録、前作が気に入ったファン(俺)も安心だ。
また、本編ラスト締める名曲“BAKA"も、タイトルばかりが一人歩きしてしまっている印象なれど、
実際、シャープな疾走感が気持ち良い、知名度に恥じない名曲なので必聴。
スッキリと垢抜け、アメリカン・スラッシュ的な雰囲気も感じられるようになった、1st同様捨て曲なしの名盤だと思う。


MARSHALL LAW - Marshall Law - Marshall Law ★★★ (2007-02-17 02:10:19)

アルバムのタイトル・トラックにして、
バンドのテーマ・ソング。
中間部で炸裂するツイン・リードは、
聴く者の涙を全て搾り取る程の強力な煽情度を誇る。


MARSHALL LAW - Marshall Law - Screaming ★★★ (2007-02-17 02:07:22)

重厚なイントロに続き、アルバム屈指の名リフが炸裂した瞬間に
「くぅ~、これよ、これ!」と、思わずガッツポーズを取ってしまった。
“UNDER THE HAMMER"と並ぶ、本編のハイライト・チューン。


MARSHALL LAW - Marshall Law - Under the Hammer ★★★ (2007-02-17 02:04:48)

序曲“ARMAGEDDON"とセットで楽しみたい超名曲。
その流れは、JUDAS PRIESTの代表曲
“THE HELLION"~“ELECTRIC EYE"を彷彿とさせる。
劇的に炸裂するリフとツイン・リード・ギターには心が震えます。


MARSHALL LAW - Marshall Law ★★ (2007-02-17 01:59:00)

音は悪いが中身は最高!中古屋ではバカ高いプレミア価格で取引されているが、コレに関しては
それも納得の高いクオリティを誇る、イギリス出身の5人組HMバンドが'89年に発表したデビュー作。
“THE HELLION"を彷彿とさせるインスト曲①で幕が開き、劇的なリフが炸裂する疾走チューン②へと繋がる展開で
勝負あった!となる本作。サウンド・スタイルはもろJUDAS PRIEST型なれど、「ヘヴィ・メタル斯くあるべし」
といった感じのリフの数々、そして華麗にしてドラマチックなツインGの煽情度の高さは、時に本家を凌駕せんとする勢い。
とにかく、曲が圧倒的に素晴しい。全11曲、捨て曲なし。前述の①~②の流れの他にも、
悶絶級のツイン・リードが聴けるバンドのテーマ曲④、雄々しい疾走チューン⑤、重厚なイントロに続いて
劇的なリフが炸裂する、名曲②に匹敵する本編のハイライト・チューン⑥etc・・・。この他にも
「この1曲の為だけにアルバムを買っても損は無い」レベルの名曲/佳曲がゴロゴロと収録されているのだから堪らない。
唯一、Voにロブ・ハルフォード程の個性がないのが惜しまれるが、逆にクセがない分、
万人受けするタイプとも言えるしね。(勿論、歌唱力は十分)
実は本作は『復讐の叫び』と『背徳の掟』の間に、JUDAS PRIESTが発表する筈の作品だったんだよ・・・
という嘘を思わず信じてしまいそうになる(?)、80年代の隠れた名盤の1つ。必聴。


METAL CHURCH - The Weight of the World ★★ (2007-02-17 01:37:00)

前作『MASTERPEACE』発表後に早くもオリジナル・ライナップが崩壊。残ったカート・ヴァンダフーフ(G)と
カーク・アーリントン(Ds)が新メンバーを補充する事で何とかバンドの体制を立て直し、
'04年になって漸く発表された仕切り直しの7thアルバム。(実質は再々結成アルバムか?)
新たに加入したVoの歌唱は、デヴィッド・ウェインやマイク・ハウに比べると今ひとつパンチに欠けるものの、
取り敢えず、このバンドには似合いの声質の持ち主なので、聴いていて違和感は全くない。
そうしたメンバー・チェンジによって(主にカートが)気持ち的に若返ったのか、全体的に溌剌とした雰囲気が
漂っていているのが本作の大きな特徴で、前作に比べるとメロディの「押し」が少々弱い気がしないでもないが、
(①なんて元気になり過ぎて「躁」状態に入っちゃってます)、哀愁を帯びたサビメロが印象的な③や、
中期IRON MAIDENを思わせる⑥といった元気な疾走チューンの数々は大変魅力的。勿論、従来のMETAL CHURCH節を受け継いだ
ドラマチックな曲展開が堪能できる②④⑤、イングウェイの名バラード“DREAMING"風のヴァースが
胸締め付ける⑧のような楽曲もしっかりと収録。アルバムの完成度の高さは、相変わらず揺るぎない。
「そうか、METAL CHURCHを溌剌とさせるとIRON MAIDENになるんだ」と、気付かせてくれた意味でも重要な作品・・・か?


ASSASSIN - The Upcoming Terror - Assassin ★★ (2007-02-17 01:17:20)

叙情的なアコギに始まり、
ドラマチックに盛り上がっていくASSASSINのテーマ・ソング。
「戦え!アサシン!」「行け!アサシン!」「殺れ!アサシン!」
という、70年代のロボット・アニメみたいなサビの歌詞が
バカバカしくも最高。


ASSASSIN - The Upcoming Terror ★★ (2007-02-17 01:13:00)

西ドイツはデュッセルドルフ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、'86年発表の1stアルバム。
ASSASSINといえば、名(迷?)曲“BAKA"を収録した2nd『INTERSTELLER EXPERIENCE』が
スラッシャーの間では有名だけど、このデビュー作だって完成度の高さ…というか、何者にも止められないガムシャラな勢いでは決して負けていない。
音の方は、王道ジャーマン・スラッシュ・メタルとも言える、鋭利なリフ、遮二無二に畳み掛けるリズム、
メロディ無視の濁声絶叫Voが土砂崩れの如く突撃してくるストロング・スタイルで、
その合間を縫うようにピロピロと派手に弾きまくり、要所で印象的なハーモニー・プレイを
キメてみせる、メロディックなツインGが大変素晴しい。
イントロ①に続く高速スラッシュ・チューン②こそは、歌詞のリズムの悪さが気になってイマイチ集中出来ないものの、
それがバッチリ噛み合う③以降は、シャープに斬り込んで来るGにゾクリとさせられる④、パワー・メタリックな⑤、
アコギをフィーチュアしたバンドのテーマ曲⑥、ドラマチックなツイン・リードが聴きモノの⑦、本編随一の
ハイ・スピード・ナンバー⑧、機関銃の如く刻まれるリフが強烈なインスト曲⑨と、捨て曲なしのクオリティに圧倒されまくり。
とにかく勢い勝負!とばかりに、あれよあれよのうちに聴き終えられるジャーマン・スラッシュ・メタルの名盤の1つ。


EPIDEMIC - Decameron ★★ (2007-02-14 21:54:00)

サンフランシスコ出身の5人組スラッシャー、'92年発表の1stアルバム。
続く2nd『EXIT PARADISE』では、もろ当時の流行から影響を受けたと思しきヘヴィ・サウンドを披露して
壮絶にズッコケさせてくれた彼らだが、このデビュー作の時点では、ベイエリア・スラッシュならではの
キャッチーさとは無縁の、ひたすらスピーディでバイオレントな剃刀の如きスラッシュ・メタルを展開。
時に、そのスピードはデス・メタルの領域にまで達する勢いだが、曲中に巧みに織り込まれた
リフ/リズム・チェンジでしっかりと緩急が演出されているため、楽曲が一本調子に陥る事は無い。
手数の異様に多いDsに引っ張られる形で、ダイナミックに疾走する①④⑧⑨⑩⑪といった
高速スラッシュ・チューンの数々には、謹んで「倍速化したSLAYER」の称号を進呈したい。
曲のテンションを効果的に高めるGソロも、なかなかにカッコイイぞ。
まぁ、楽曲が画一的で強力なキメ曲に欠けるため、通して聴くと、やや中弛みが感じられなくもないのだけど、
前述のスラッシュ・チューンから得られるカタルシスは、そうした弱点を補って遥かに余りある。
取り合えず、スピード命!なスラッシャーは必聴。


RISK ★★ (2007-02-14 21:43:00)

70年代に活躍したロック・バンド、FAITHFUL BREATHを前身にドイツで結成。
'88年に1st『THE DAILY HORROR NEWS』でアルバム・デビューを果たす。
'89年に2nd『HELL'S ANIMALS』'90年に3rd『DIRTY SURFACE』、'92年に4th『THE REBORN』を発表と
順調に活動を続けるも、モダン・へヴィネス勢から大きな影響を受けたと思しき
5th『TURPITUDE』で派手にズッコケて、その後は消息不明に。
日本では最後まで地味な存在だった彼らだが、その男臭く勇壮なパワー/スラッシュ・サウンドは、
勢いだけに頼る事無く、ベテランらしい小技が効かせてあったりと、聴き応え十分。
再評価を望みたいところです。


METAL CHURCH - Hanging in the Balance ★★ (2007-02-13 19:58:00)

メジャー・レーベルからドロップアウトし、まさにタイトル通り崖っぷちの状況下で'93年に発表された5thアルバム。
バンドの置かれたシリアスな状況が全く伝わって来ないジャケは酷いが、前作『THE HUMAN FACTOR』の作風を
順当に受け継いだ内容の方は相変わらず素晴しい。本作は『THE HUMAN~』よりも更にメロディ重視路線へと踏み込んだ感じで、
前作同様、リスナーを一発で虜にするようなキラー・チューンこそ収録されていないものの、
キャッチーなメロディに彩られた楽曲の数々は、聴き込んだ分だけ味の出てくるスルメ・チューン(?)ばかりなり。
個人的には、哀愁を帯びたメロディが心地良く疾走する②、中期METAL CHURCHの得意パターンとでも言うべき
ドラマチックな⑤、広島への原爆投下について歌った起伏に富んだ大作⑦、「爽やか」とさえ
表現できそうなメロディが駆け抜ける⑨といった楽曲が、特に印象に残った。
ただ、全体的に覇気が不足気味というか、1、2曲ぐらい猛スピードで突っ走る曲があっても良かったのでは?と思わなくもないし、
何より、ミドル・テンポの楽曲から、嘗ての張り詰めたようなテンションが失われてしまったのは残念。
マイク・ハウの緩急自在の歌唱によって聴き応えは十分なのだが・・・。


REVEREND - Live ★★ (2007-02-12 21:44:00)

ざっとクレジットに目を通しても、何時/何処で収録された音源なのかサッパリ分からない、実も蓋もないタイトルを付けられた'92年発表のライブEP。
デビューEP『REVEREND』から1曲、1st『WORLD WON'T MISS YOU』から3曲、2nd『PLAY GOD』から2曲からなる構成で、概ね納得のいく選曲、良好な客の反応、タイトなバンドの演奏と、いずれの要素も上々で聴き応えは十分。特に、ライブと言えども全く安定感を失わないデヴィッド・ウェインのド迫力のVoパフォーマンスは圧巻です。
ただ、それだけに全6曲、収録時間にして僅か30分弱という内容には物足りなさが残るし、「2、3曲、METAL CHURCH時代の楽曲を収録してくれても良かったんじゃないの?」と文句の1つも付けたくなるのが人情というもの。
まぁ、それもこれも本作が良く出来ているからこそ、なんですが。


THE COMPANY - The Company ★★ (2007-02-12 20:19:00)

HEATHEN消滅後、アメリカのシーンに見切りを付け、ドイツへと渡ったダグ・ピアシーが
地元ミュージシャン達と結成したスラッシュ・メタル・バンド、'95年発表の1stアルバム。
スピーディでメロディアスでドラマチックというHEATHEN的な楽曲を期待すると、叙情性やドラマ性が後退して、
よりアグレッションが強調された感じの作風に肩透かしを食らうのは確実。
リフ&リズムのへヴィさや、マッチョな声質のVoからはモダンな雰囲気も強く漂い、似たり寄ったりの
テンポの楽曲が続く中盤の中弛みっぷりには、「やっぱりHEATHENの要はリー・アルタスだったのね・・・」
と、溜息の1つも吐きたくなるというのが正直なところ。(ダグの流麗なGプレイは随所で確認出来るんだけどね)
しかし、序盤と終盤に配されたスピード・チューンの数々・・・、特に、SE①を経てスラッシーに疾走を開始する②や、
これまた剛直な高速スラッシュ・ナンバー③、バンドのテーマ・ソングとでも言うべき⑬といった
エッジの立ったリフが重心低くザクザクと刻まれ、全てを薙ぎ倒すかのように突進する楽曲の強力さは、
HEATHEN時代に比べても何ら遜色はないカッコ良さを誇る。
スラッシュ・ファンならコレを聴かずに済ます手はないし、本作は現在、中古屋にて僅か三桁という安値で
叩き売られているので、試しに買って聴いてみる価値は大いにあるんじゃないかな、と。


WILD DOGS - Reign of Terror ★★ (2007-02-12 17:00:00)

名手ディーン・カストロノヴォ(DS)が在籍していた事で知られる、LA出身の4人組パワー・メタル・バンド、'87年発表の3rdアルバム。
JUDAS PRIESTを彷彿とさせる劇的なリフが荒々しく疾走する楽曲の数々は、「これぞメタル!」と
思わずガッツポーズ取りたくなる程のカッコ良さに満ち溢れていて最高なのだが、そうした楽曲にキビキビとした
タイトさを付与しているのが、ディーン・カストロノヴォのダイナミックなドラム・プレイ。
手数足数の多さだけでなく、重さとキレをも兼ね備えた彼のドラミングは非常に強力で、しかも、こうしたパワー・プレイを
楽々とこなす一方、現在ではJOURNEYみたいな産業ロック・バンドで、押しと引きを心得た味わい深さを感じさせる
ドラミングを披露しているのだから、この人は本当に凄いドラマーだよなぁ、と。(ついでに歌もメチャ上手いと来たもんだ)
特に、冒頭から炸裂する疾走チューン三連打は、JUDAS PRIEST直系の楽曲のカッコ良さと、ディーンのDsの威力がガップリと
四つに組み合う、パワー、スピード、メロディの三拍子が揃った名曲達。本編最大の聴き所と言っても過言ではない。
雄々しいリフ・ワークだけでなく、聴き応えのあるソロも披露するGや、暑苦しいシャウト型の歌唱はかなり好き嫌いが分かれるが、
作り出す歌メロはフックに富むVoの仕事振りも素晴しく、本作は間違いなくWILD DOGSの最高傑作だろう。
最近、オリジナル・シンガーによってリマスターが施され、ボーナス・トラックも追加収録された
再発盤が出回り始めたようなのだが、これが何とCD-R仕様で、しかも歌詞カードや解説もなしという
海賊盤みたいな代物。出来ればちゃんとしたモノが欲しいんだけどなぁ・・・。


SAVAGE - Loose 'n Lethal - Let It Loose ★★★ (2007-02-11 02:00:24)

ささくれ立ったリフといい、がむしゃらな疾走感といい、
ハイパーに歌いまくるヘタウマVoといい、
「元祖スラッシュ・メタル」的な迫力に満ち溢れた名曲。
天然ボケ的に到達してしまった、
強烈なサウンド・プロダクションも大きな魅力。


SAVAGE - Loose 'n Lethal ★★ (2007-02-11 01:46:00)

イギリスはマンスフィールド出身の4人組N.W.O.B.H.M.バンド、'83年発表の1stアルバム。
とにかく本作は名曲①に尽きる。強烈に歪みまくった(劣悪だが)ド迫力のサウンド・プロダクションのもと、
ささくれ立ったGリフと、がむしゃらに疾走するリズム、そしてハイテンションで歌いまくるヘタウマVoとが
一丸となって突進する様は、あのMETALLICAが初期のライブで頻繁にカヴァーしていたという逸話も納得の、
ハイパーなエネルギーに満ち溢れている。スラッシュ・メタル誕生に大きく貢献したとされるのも頷ける、全スラッシャー必聴の名曲だ。
その①以外の楽曲は、シンプルなロック・チューンが並んでいて拍子抜けしたりもするのだが
(リフのアイデアとGのメロディ・センスは悪くない)、とにかく①のためだけにでも本作は聴くべし。
↑で別の方が仰っている通り、メタル・バンドならではのハッタリと、アーティスティックな美しさを兼ね備えた
アルバム・ジャケットも一見の価値あり。拡大コピーして飾っておきたくなりますね。


UNITED - Bloody but Unbowed - Sniper ★★★ (2007-02-09 23:43:41)

デビュー作のOPを飾る疾走チューン。
スラッシュ・メタルと言うよりはパワー・メタリックな楽曲で、
勇壮なリフ、ちゃんとメロディをなぞって歌うVo、
そして劇的なツイン・リード・ギターが堪らなくカッコイイ。
彼らが如何にJUDAS PRIESTから強い影響を受けていたか、
この名曲を聞くと良く分かる。バンド名は伊達じゃない。


UNITED - Bloody but Unbowed ★★ (2007-02-09 23:37:00)

インディーズのHOWLING BULLから、'90年に発表された1stアルバム。
HOWLING BULLが最初に扱ったアルバムでもある本作は(バンドのメジャー・デビューに伴い、現在は廃盤)、
UNITEDの全アルバム中、最もオーソドックスなスラッシュ・メタルが堪能できる1枚で、
現在の彼らの過激なサウンドに慣れ親しんだファンには、少々物足りなく聴こえるかもしれないが、
①⑤⑥⑧を筆頭に、小気味良い疾走感とキャッチーなリフ、そして構築美を
感じさせるツイン・リード・ギターに彩られた楽曲の数々は、理屈抜きにカッコイイ。
特に、アルバムのOPを飾るスピード・チューン①は、勇壮なリフといい、ちゃんとメロディをなぞって歌うVoといい、
JUDAS PRIESTばりの劇的な高揚感を湛えたツイン・リードといい、ここでしか聴く事の出来ないタイプの名曲。必聴。
(後にEP『BURST』でセルフ・リメイクされたが、ラフ&アグレッシブな仕上がりで、かなり印象が異なる)
オーソドックスなスラッシュ・メタルとは言っても、収録曲の殆どが6分を越える大作主義の作風だし、
リフにしろ、リズムにしろ、曲展開にしろ、長尺を聴かせきるだけの一捻りが施されていて、
流石は、アルバム・デビュー前に長いキャリアを積んで来たバンドならではの地力の高さが伺える。
まぁ、傑作2nd『HUMAN ZOO』に比べると、締まりに欠け冗長さを感じてしまう場面もなくはないけど、
それでも、1stアルバムとしては文句なしの完成度だ。


FORTE - Rise Above - Forgiven ★★★ (2007-02-08 21:37:22)

どっしりとした重量感溢れる前半から、
メロディアスなGソロを経て、後半の疾走パートへ・・・という
FORTEの得意パターンを高次元で実践してみせた名曲中の名曲。
楽曲全編を貫く、胸に突き刺さってくるかのような
哀愁を帯びたメロディが絶品。
個人的に、FORTEの楽曲ではこれがベスト1。


FORTE - Rise Above ★★ (2007-02-08 21:29:00)

このバンドには珍しく、メンバー・チェンジなしで'99年に発表された4thアルバム。
(世紀末を記念して、イントロに『ターミネーター2』のスコアを配した③のような楽曲を収録)
前作『DESTRUCTIVE』で感じられた迷いを完全に吹っ切ったのか、今回はのっけから、まるで開き直ったかのように
エンジン全開。過去最高にも思えるサウンド・プロダクションのもと、気持ち良いぐらいザクザクと刻まれるリフ、
強靭なリズム隊、シャウト多用の前作から一転、実力をフルに発揮して歌いまくるVoとが一丸となって
アルバム全編をパワフルに疾走しまくる様は、ひたすらに爽快。1st『STRANGER THAN FICTION』以来の
ピュア・パワー/スラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっていて、個人的には嬉しい限り。
特に、メロディをしっかりと聴かせる前半~泣きの入ったGソロ~疾走パート・・・という劇的な曲展開に痺れる④、
殺気立った高速スラッシュ・チューン⑥、前述の④にタメを張る、これまたドラマチックな名曲⑨、
そして優しさの滲む絶品のバラード⑩といった楽曲は強力極まる。
まぁ、吹っ切れ過ぎて躁状態に入ってしまったのか、少々メロディに湿り気が不足している楽曲もあるにはあるけど・・・。
それにしても、これほど高い完成度のアルバムを作りながら、本作がラスト・アルバムになってしまった
(そして国内盤の発売すらなかったとは)、残念でならない。


FORTE - Destructive ★★ (2007-02-08 21:10:00)

再びVoにメンバー・チェンジが発生。更に前2作で味のあるBプレイを披露していたオリジナル・メンバーの
レヴ・ジェイムズまで脱退するというトラブルを乗り越えて、'97年に発表された3rdアルバム。
沈黙を余儀なくされた3年間で相当フラストレーションが溜まったのか、本作にはかなり殺伐とした空気が
充満していて、無機的な音作り、重くダークなGリフ、うねりの入ったリズム、歌い上げよりも
シャウトに重点を置いたVoの歌唱・・・と、これまで以上に「怒り」の感情が前面に押し出された作風。
正直、90年代型モダン・メタルからの影響が伺えるスピード/へヴィ・チューンの数々は冴えない印象なれど(②は良い曲)、
代わりに突出しているのが、KeyとメロウなBの隠し味が効いてる⑤や、力強く盛り上がっていく⑧といった、
泣きの入ったバラード・ナンバーの完成度。また、前半の叙情パートからメロディアスなGソロを経て、
後半一気に加速する劇的な曲展開を持つ⑪は、「これぞFORTE!」と思わずガッツポーズものの名曲だ。
全体的に(当時の)流行の要素が積極的に取り入れられてはいるが、流行に飲み込まれて己の個性を
見失ってしまうような愚策は犯していないので、安心して聴いていられる作品ではある。


FORTE - Division ★★ (2007-02-07 21:49:00)

日本デビュー作となった、'94年発表の2ndアルバム。Voにメンバー・チェンジが起きているが、
新Voも前任者同様、しっかりと歌えるタイプなので、大勢には全く影響なし。
デビュー作よりも、更にアグレッシブさが強調された印象の本作が発表された'94年と言えば、
アメリカではモダン・へヴィネスが猛威を振るい始めていた時期。重さを増したリフ・ワークや、
グルーヴィなノリが散見されるリズム面等、その影響は本作にも確かに影を落としてはいるものの、
多少、上っ面の装飾に変化があろうとも、核となるスコット兄弟の曲作りの方向性にブレはない。
スラッシーな疾走感と、メロディの質の高さは相変わらず健在なり。
①②こそモダン・へヴィネス路線の楽曲ゆえ掴みとしては物足りないが、ジェフ・スコットの
メロディックなGソロをフィーチュアした③以降は、タイト且つパワフルな楽曲が矢継ぎ早に繰り出される
従来のFORTE節が堪能できる。特に、緩急の効いたスラッシュ・チューン⑥⑦⑩、新Voの歌唱力を活かした
メロディアスなミドル・チューン④⑧、本編を厳かに締める物悲しげなバラード⑪、選曲はベタだけど
このバンドにはこれ以上ないぐらいハマってるACCEPTの名曲カヴァー⑫といった楽曲は聴き応え十分。(って殆ど全部か)
前作に引き続き、メロディアスなBプレイが味わえるインストの小曲⑨も、個人的にはお気に入り。


FORTE - Stranger Than Fiction - Stranger Than Fiction ★★ (2007-02-07 21:11:30)

イントロのリフを聴いた時点で名曲と分かってしまう
アルバムのタイトル・トラック。
疾走するリフ&リズムに乗って歌われる雄々しい歌メロは、
ジャーマン・メロディック・パワー・メタルのそれを思わせる。
うっすら流れるKeyと弾けるBの隠し味も効いた、
1stアルバムにしか収録されていないタイプの名曲。


FORTE - Stranger Than Fiction ★★ (2007-02-07 20:58:00)

ジェフ(G)とグレッグ(Ds)のスコット兄弟が中心となって、オクラホマ州で結成された
4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンド、'92年発表の1stアルバム。
2nd『DIVISION』以降は、幾らかモダンさも感じさせる音楽性へとシフトしていった彼らだが、
このデビュー作の時点では、微笑ましいぐらい混じりっ気なしのピュア・パワー/スラッシュ・サウンドを実践。
アルバム全編を貫くパワフルな疾走感と、そこからもたらされる爽快感の大きさにかけては、
FORTEの作品史上、最高と言えるのではないだろうか。
そのクオリティの高さを支えるのが、アグレッシブにもメロウにも歌えるVoと、ツボを突いたプレイを聴かせるGの存在。
また、随所で印象的なフレーズを閃かせるアクティブなBの活躍も、アルバムの完成度の底上げに大きく貢献している。
聴き始めこそ①のGリフの軽さに一瞬不安を覚えるものの、メロディアスなBが要所を締める②、
朗々とした歌メロがジャーマン・メロディック・パワーメタルを思わせる名曲③、これまたBが印象的な
インスト小曲④から繋がる、パワフルな疾走チューン⑤といった楽曲以降は、テンションが全く緩む事無く
ラストを劇的に締める⑩まで一気呵成に駆け抜ける。全10曲で33分と、腹にモタれないタイトな収録時間も◎。
個人的には、FORTEのアルバムでは本作が一番好きかな。


HOLY MOSES - Disorder of the Order - Disorder of the Order ★★ (2007-02-07 20:06:08)

リズミカル且つキャッチーなリフがクセになる
8thアルバムのタイトル・トラック。
ゴリゴリのスラッシュ・チューンだけでなく、
こういう印象的なメロディを持った楽曲も作れる点が
アンディ・クラッセンの凄いところ。


ANACRUSIS - Screams and Whispers ★★ (2007-02-06 21:48:00)

アメリカはミズーリ州出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'93年発表の4thアルバム。
アグレッシブなリフの刻みや、時折炸裂する猛烈な疾走感に嘗ての面影を残しつつも、
ここでは、独特の浮遊感を湛えたプログレッシブ・ロック風の曲調といい、親しみ易い歌メロを歌い上げたかと思えば、
次の瞬間にはスラッシーなシャウトを響かせるVoといい、安易なジャンル分けを拒否する摩訶不思議なサウンドを展開。
同じミズーリ出身のバンド、AWFUL TRUTH(後のGALACTIC COWBOYS)を、
更にアグレッシブにした感じのサウンド・・・と言えば分かり易いだろうか。
この捉え所のなさに反して、焦点のボケや散漫さが全く感じられないのは、アルバム全編に溢れる
哀感を帯びたメロディが非常に魅力的だから。特に、変幻自在のVo、テクニカル且つメロディアスなツインG、
時にスラッシュ・ビートを叩き出すDs、ミステリアスな雰囲気や、浮遊感を演出するピアノやKeyの音色・・・と、
本作の魅力がギュッと凝縮されたかのような③は、本編のハイライト・チューンではなかろうか。


ICED EARTH - Burnt Offerings - Dante's Inferno ★★★ (2007-02-05 22:51:23)

ICED EARTHの楽曲は、長ければ長いほど
(もしくは短ければ短いほど)クオリティが上がっていく
傾向が見られるのだが、この深遠かつドラマチック、
十数分という長さを全く気にさせない大作は、その代表格。
序曲的に配置された小曲“THE PIERRED SPIRIT"(これまた名曲)
とセットでお楽しみください。


ICED EARTH - Night of the Stormrider - Angels Holocaust ★★★ (2007-02-05 22:44:28)

やはりICED EARTHと言えばこの曲。
その他の2ndアルバム収録曲も何れも高いクオリティを誇るが、
この超名曲(特にイントロ)のインパクトの前には
霞んでしまう・・・というのが実際のところ。


SADUS - Chemical Exposure ★★ (2007-02-05 21:51:00)

「ベースを抱いた渡り鳥」こと、名手スティーヴ・ディジョルジオが在籍していた事で知られる、
サンフランシスコ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド、'88年発表の1stアルバム。
個人的にSADUSの最高傑作は3rd『A VISIONS OF MISERY』だと思っているのだが、緩急の効いた
ダイナミックなスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっていた『A VISIONS~』に比べると、
本作は如何にもデビュー作らしい荒々しさに彩られた、徹頭徹尾ハイテンションに飛ばしまくる「スピード命!」な内容。
緩急の「か」の字も見当たらないアッパーな姿勢は好印象ながら、②を除く楽曲に強烈な個性が乏しいため(平均クオリティは高い)、
途中で今聴いてるのが何曲目なのか見失ってしまったりもするのだけど(笑)、その辺を差し引いても、
この前のめり感はかなり爽快でクセになる。全10曲収録で、ランニング・タイムが僅か30分弱というタイトさも◎。
一体どうやって発声しているのか、断末魔の如きシャウトを響かせるVoもド迫力だし、何より、猛烈にうねりまくる
スティーヴ・ディジョルジオの超絶Bプレイは本作最大の聴き所・・・と言いたいところだが、
自主制作アルバムゆえ、Bの音が不明瞭で聴き取り難い点が残念。どうかリマスター盤ではこの点が改善されてますように。


WRATHCHILD AMERICA - 3-D - Spy ★★ (2007-02-04 21:27:11)

60年代スパイ映画のスコアっぽいノリを持った異色曲ながら
非常にカッコ良く仕上げられている。
聴いてると、指を鳴らしながら勝手に身体が動き出します。


UNITED - Human Zoo - Violence Jack ★★★ (2007-02-04 21:23:37)

2nd『HUMAN ZOO』のOPを飾る高速スラッシュ・チューン。
突っ走るリフのカッコ良さも然ることながら、
インスト・パートで華麗に炸裂する
ツイン・リードの劇的さ加減が辛抱たまらん。
UNITEDでは、この曲が一番好きだな。


SACRIFICE (CANADA) - Soldiers of Misfortune - In Defiance ★★ (2007-02-04 21:18:42)

強烈なリフと疾走感を併せ持つ、
3rd『SOLDIERS OF MISFORTUNE』のハイライト・チューン。
特に、突っ走るDsが気持ち良い事この上なし。


METAL CHURCH - Blessing in Disguise - Fake Healer ★★★ (2007-02-04 21:04:39)

どなたか、この曲のリフを「水戸黄門」に例えている方が
いましたが、上手い!(笑)本当にそんな感じ。
3rd『BLESSING IN DISGUISE』は、マイク・ハウの加入で
曲作りの方向性に変化が見え始めていたが、この曲に関しては
初期の頃を彷彿とさせる、緊張感とヘヴィネスを備えた名曲。


SABBAT (日本) - Evoke ★★ (2007-02-03 19:39:00)

SABBATはSABBATでも、英国ではなく日本は三重県出身のSABBATが'92年に発表した・・・
何枚目のフル・アルバムになるのでしょうか?2枚目ぐらいかな?
個人的にSABBAT初体験がこのアルバムだったという思い入れを抜きにしても、非常に高い完成度を誇る1枚で、
トゥルー・メタル路線への接近も感じられる最近作とは異なり、重く禍々しいリフといい、
邪悪な雰囲気がプンプン漂ってくる楽曲といい、トーマス・G・フィッシャーばりのデス声Voといい、
ここでの彼らは完全にデス/ブラック・メタル路線を(ブラストこそ炸裂しないものの)2ビート主体で突っ走っている。
それでいて、アコギや和音階、ノーマルVoとデス声の対比等を用いて、時に荘厳さすら醸し出す曲展開は丁寧に練り込まれ、
リフやメロディ、ツイン・リードには欧州HMに由来するドラマ性や湿り気がタップリと含まれているという、
今で言うところのメロディック・デス・メタル的なアプローチが試みられていて、これを'92年の時点で
こなしていた(しかも高いレベルで)いう事実には驚かされる。彼らの評価が海外で高いという話も納得の1枚。


LAAZ ROCKIT - Know Your Enemy ★★ (2007-02-03 00:54:00)

サンフランシスコのクランチ軍団が'87年に発表した3rdアルバム。上り調子のバンドの勢いが如実に反映された1枚で、
次作『ANNIHILATION PRINCIPLE』と並んで、LAAZ ROCKITの最高傑作に推すファンも多い力作。
その『ANNIHILATION~』がベイエリア・スラッシュ・メタルの王道を行く内容だったのに対し、
本作はメロディ重視の作風で、リフにしろ、歌メロにしろ、流麗なツイン・リードGにしろ、
ヨーロッパ風味の哀愁や湿り気が多分に含まれていて、叙情的に始まり劇的な盛り上がりをみせる
名曲中の名曲④を筆頭に、パワーで圧倒するのではなく、よりメロディを聴かせようとする姿勢が感じられる。
とは言え、前2作に比べれば格段にスラッシュ・メタル度が高まっているのも間違いないのない事実で、
特に、イントロの「これぞLAAZ ROCKIT!」というリフの刻みからして強烈極まる②や、
日本のファンに人気の高い③なんかは、全スラッシャー納得のそっち系の名曲だ。
全体的に見て、このバンドの全アルバム中、攻撃性とメロディのバランスが最も絶妙な1枚と言えるんじゃなかろうか。


SKYCLAD - The Wayward Sons of Mother Earth ★★ (2007-02-01 22:43:00)

SKYCLADのアルバムは、3rd『JOHNA'S ARK』以降のモノしか聴いた事がなかったので、後追いで本作('91年発表の1st)を
聴いた時には、疾走チューン①⑦や、バンドのテーマ曲とでも言うべき⑧といった楽曲を筆頭に、
「元々はこんなにスラッシュ色の強いバンドだったのか」と、かなり驚かされた。
何しろマーティン・ウォルキーアの吐き捨て型Voが、全く違和感なくハマっているのだから、
本作のスラッシュ・メタル度の高さが分かろうと言うもの。
バンドのトレードマークである筈のフィドルも、ここではほんの味付け程度の扱いで、代わりにその穴を埋める
ハジけっぷりをみせるのが、スティーブ・ラムゼイの正統派HMテイストを色濃く漂わせたメロディックなG。
特に、リフが走り始めた瞬間にガッチリと掴まれる名曲⑤で聴く事の出来るGプレイは最高に素晴しい。
また、叙情的なアコギ・バラードの⑨では、マーティンがメロウに歌い上げる歌唱を披露。
これを聴くと、彼が決してメロディアスに「歌えない」のではなく、吐き捨て型Voで表現したい事があるからこそ、
敢えて「歌わない」のだという事が良く分かる。(尤も、だからと言って好きになれるかどうかは全くの別問題なわけだが)
うーむ。もしかしてSKYCLADのアルバムでは、これが一番好きかも。


HOLY MOSES - World Chaos - Diabolic Plot ★★ (2007-01-31 20:23:12)

ブンブンと唸りを上げるBが印象的な、骨太なミドル・チューン。
スラッシュ・メタル・バンドとしての攻撃性が強調されていく
4th以降、アンディ・クラッセンのGプレイからは
急速に「湿り気」が失われていくのだが、この曲で聴けるソロには
まだ「艶」が感じられ印象に残る。


EXUMER - Rising From the Sea ★★ (2007-01-31 20:16:00)

ドイツ出身の4人組スラッシャーが、'87年に発表した2ndアルバム。
正直な話、アルバム前半は冴えない内容。キレに欠ける演奏で聴かされる楽曲はフックに乏しく、
声質は迫力十分ながら一本調子なパフォーマンスのVoの存在と相俟って、どの曲も似たり寄ったりに聴こえてしまう。
ミドル・パートを組み込んで楽曲に緩急を演出しようとする姿勢は買えるのだが、それが単に
「かったるい」だけの印象で終わってちゃ拙いだろ、と。Gソロの魅力不足も如何ともし難し。
ところが、エンディングに叙情味を持ち込み「おや?」とさせられる⑥辺りから空気が変わり始め、
ハイテンションに突っ走る⑦、ジェットコースターの如くアップダウンを繰り返す⑧、
バイオレントな高速スラッシュ・チューン⑨、本編ラストを激烈に締める⑩・・・と、アルバム後半には
それまでの失点を取り戻すかのようにテンションの高い楽曲が並ぶ。
まぁ、それでも前半のダレた印象を完全に覆せる程ではないし、1stに比べるとかなり聴き劣りがする・・・というのが
実際のところだが、それでも個人的には⑥~⑩の流れは「スラッシャーなら一聴の価値あり」と、小声でコッソリ主張しておきたい。


WRATHCHILD AMERICA - 3-D ★★ (2007-01-30 22:12:00)

デビュー作『CLIMBIN' THE WALLS』は、一風変わったスラッシュ・メタルを聴かせてくれる、なかなかの力作だったが、
'91年発表の本作(2nd)では、その「一風変わった」部分を更に強調。残念ながらスラッシーな勢いは
大幅に薄れてしまったものの、しっかりとした歌唱力を備えたVo、芸達者なツインG、軽快なフットワークで
多彩なリズムを叩き出すリズム隊とが一丸となって構築する楽曲の数々は、かなりユニーク。
前作の路線を引き継ぐ①⑧⑪のような高速スラッシュ・チューンも収録されてはいるが、
いずれも曲展開に一筋縄では行かない捻りが加えられているし、何より、このアルバムの魅力を
端的に物語るのは、60年代のスパイ映画のテーマ曲をスラッシュ風に解釈したかのような、
OH!スウィンギン・ロンドン(意味不明)な②や、VICIOUS RUMORS辺りに通じるパワー・メタリックな
リフ&リズムが疾走したかと思えば、一転してアコギ・ソロが奏でられ、トーキング・モジュレーターまで活躍する
ごった煮感が面白くもカッコイイ⑦、スラッシュ・メタルにジャズにブルーズにクラシックと、3分足らずの
ランニング・タイムの中で、曲の表情がクルクルと変わっていくインスト・ナンバー⑨といった、実験精神全開の楽曲群。
全体的に、良く言えば成熟が感じられ、悪く言えば地味さが拭えない仕上がりで、爽快な(例えば1stのような)
スラッシュ・メタル・アルバムを期待するとガックリだが、個人的には聴けば聴くほど味の出てくる
まさにスルメ盤として愛聴させて貰っています。


HOLY MOSES - Queen of Siam - Necropolis ★★ (2007-01-29 22:49:41)

記念すべき1stアルバムのトップを飾る疾走チューン。
ザビーネ・クラッセンの野獣の如き咆哮は圧巻だが、
それでも今聴くと、やはり若さと青さが感じられて微笑ましい。
曲自体も、ウリ・カッシュ加入前ということで、
それほど常識外れの疾走感はなく、
スリリング且つメロディックに斬り込んで来る
アンディ・クラッセンのGと共に、
そこはかとなく正統派HMテイストが漂う。


WRATH - Insane Society ★★ (2007-01-29 21:00:00)

2nd『NOTHING TO FEAR』のプロデュースを、ロニー・モントローズが手掛けた事で知られる、
イリノイ州シカゴ出身の5人組スラッシャー、'90年発表の3rdアルバム。(邦題は『狂気社会』でしたね)
本作以前の作品は未聴なのだが(1度聴いてみたいんだけど、もう何処にも売ってないんだよなぁ)
このアルバムに関して言えば、如何にも'90年代に入って作られたスラッシュ・メタル・アルバムらしく
スピードはググッと控えめにして、パワフルな演奏とメロディを聴かせる事に主眼を置いた、
硬派なパワーメタルといった感じの仕上がり。勿論、疾走曲がなくなってしまったわけじゃないものの、
そのスピードはスラッシュと言うより、正統派HM寄りのそれだ。
本作から加入した新Voが、ダーティながらかなり歌えるタイプというのもパワーメタル化の印象を
強めている要因の1つで、劇的なソロやハーモニー・プレイを披露するツインGと、時にリード楽器の役割を果たし、
全体を引き締めるBの存在の大きさもあって、疾走する②、ヘヴィ・チューン⑦といった楽曲は、
JUDAS PREISTやIRON MAIDENを彷彿とさせる。(特にメイデンからの影響は色濃く滲む)
スピーディなスラッシュ・サウンドを期待するとスカされるが、非常に完成度の高いメタル・アルバムなので
個人的にはコレはコレで満足。


HOLY MOSES - The New Machine of Liechtenstein - Near Dark ★★★ (2007-01-29 19:58:43)

歌に入る前のイントロの一捻り、アグレッシブ且つキャッチーなリフ、
痛快に疾走するリズム隊、劇的なフレーズを奏でるツインG、
獣性を控えめに、より「聴かせる」歌唱を披露する
ザビーネ・クラッセンのVo(飽くまで姐御にしては、だが)・・・と、
捨て曲なしの3rdアルバムの中にあっても、頭1つ抜き出た完成度を誇る名曲。


SACRED REICH - Surf Nicaragua - Surf Nicaragua ★★ (2007-01-27 22:52:22)

'89年発表のEPのタイトル・トラック。
高速スラッシュ・チューンとしても一級品だが、
インスト・パートでVENTURESの名曲“WIPE OUT"を引用したりと、
このバンドならではの黒いユーモア・センスも光る逸品。


RISK - The Reborn - Last Warning ★★ (2007-01-27 22:47:24)

シタールを取り入れた妖しげな序曲“ARISE"から繋がる、
10分以上に及ぶアルバム随一の大作。
『THE REBORN』は全体的に地味な仕上がりの作品だったが、
アコギや宗教的な男性コーラス、ナレーションを組み込みながら、
長尺を全くダレる事無く聴かせきるこの曲は、掛け値なしの名曲。
特に、過去のどのアルバムよりも
「聴かせる」フレーズを連発するツインGが素晴しい事この上なし。


RISK - Dirty Surfaces - Bury My Heart ★★ (2007-01-27 22:30:42)

スラッシュ・メタル的な疾走感は残しつつも、
リフにしろ歌メロにしろ、もはや曲の構造自体が
メロディアスでパワー・メタル的・・・という、
3rdアルバムのサウンド・スタイルを象徴する名曲。
重厚且つドラマチックな男性コーラスがACCEPTを思わせる。


RISK - Hell's Animals - Russian Nights ★★ (2007-01-27 22:16:39)

荒々しくもしっかりと歌うVoと、メロディアスなリフ、
聴かせるGソロをフィーチュアした、力強く勇壮な1曲。
個人的には、2ndアルバムのハイライト・チューン。


CASBAH - BELIEVE OR BLEED - WORLD KNOW AS HISTORY ★★★ (2007-01-27 21:21:47)

戦車の突進の如き迫力を感じさせるミドル・チューン。
男の哀愁を発散させながら、しっかり「歌う」Voが素晴しい。
Gが奏でる“移民の歌"チックなフレーズも印象的。
『THE CALLING』と『BELIEVE OR BLEED』の2本のデモ・テープに収録されたが、
個人的には『BELIEVE~』バージョンの方がお気に入り。
ちなみに初期音源集『RUSSIAN ROULETTE』で両方を聴く事が可能。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin - Don't Get Infected ★★ (2007-01-27 21:03:40)

ドラマチックなイントロで「掴み」はOK。
アルバム中、最もスラッシュ・メタルらしい1曲。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin - Welcome To Crablouse City ★★★ (2007-01-27 21:01:55)

物憂げなイントロから一転、スラッシーに疾走を開始。
リズム・チェンジを繰り返しながら盛り上がって行き、
その頂点で劇的なツインGが炸裂・・・と、
PYRACANDAというバンドの魅力を
ギュッと凝縮したかのような超名曲。
朗々とした歌メロは、スラッシュ・メタルというより
メロディック・パワー・メタル的かも。


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Hobbs' Satan's Crusade ★★ (2007-01-26 23:18:00)

アルバム・デビュー前に製作した2本のデモ・テープ『ANGEL OF DEATH』と『VIRGIN METAL INVASION FROM DOWNUNDER』を
1つにまとめ、デジタル・リマスターを施してCD化した初期音源集。
流石にリマスターしたとはいえ、デモ音源ゆえ音質的には少々厳しい場面も散見されるが、バンドの音楽的方向性は
この頃からハッキリと定まっていて、SLAYERからの影響が色濃く薫る、ダークでスピーディ且つイーヴルな
スラッシュ・サウンドは、音の悪さを差し引いても遥かに余りある、ハイレベルなカッコ良さを誇る。
全11曲中、よりストレートなサウンドを聴かせる①~⑥が『ANGEL~』から、邪悪なドラマ性や荘厳さを
強調した感じの⑦~⑪が『VIRGIN~』からの音源。ここから後に①②③④⑤⑥⑨⑪がデビュー作に
収録される事になるわけで、中には「1st持ってるからいらないや」と敬遠する人もいるかもしれないが、
いやいや、何を仰いますやら。本作のみ収録で、⑨と並んでバンドの極初期からの
レパートリーでもあったらしい⑧は名曲ですよ?(序曲⑦も◎)
HOBBS' ANGEL OF DEATHのファンのみならず、スラッシュ・メタル好きなら聴いて損はない作品。勿論、1stアルバムはもっと必聴だが。