バカテクDs.ジーン・ホグランが加入、いよいよ戦闘態勢を整えたDARK ANGELが'86年に発表した2ndアルバム。 個人的に、彼らの最高傑作と言えば4th『TIME DOES NOT HEAL』が思い浮かぶのだが、(無愛想ながら)歌えるVoを擁し、重厚なサウンド・プロダクションのもと、「聴かせる姿勢」が顕著に表れていた『TIME~』に比べると、本作は殆ど正反対といっていい程にバイオレントな作風を誇る。 勢い重視のラフな音質、僅か7曲収録で30分強というタイトなランニング・タイム、マシンガンの如く情容赦なく刻まれるリフ&リズム、直線的でアグレッシブな(声質が非常にカッコイイ)Vo、迫力に満ちたツインG・・・何より、ひたすら前のめりに突っ走る「スピード命!」な収録曲の数々は、潔く痛快極まりない。 その原動力になっているのは間違いなくジーン・ホグランの超絶Dsで、一体、どういう手足の構造をしているのか、ダイナミックなリズムを鬼のように叩き出しながら、全く破綻しないそのドラミングは圧巻。人間、本当に凄いモノに出くわすと笑うしかないと言うが、まさにこれがそう。 また、スピード一辺倒で本編が単調になるのを防ぐため、しっかりと緩急が設けられている点も◎(④のイントロのBソロとか) ・・・といっても、このバンドの場合は「ムチャクチャ速い」と「普通に速い」レベルの緩急なんだけど(笑)
人気ないなー、このアルバム。個人的にはANNIHILATORの最高傑作!と断言したくなるぐらい気に入っているんだけど・・・。 快作「CRITERIA FOR A BLACK WIDOW」で、それまでの迷いを断ち切り完全復活を遂げたANNIHILATORが、'01年に発表した8thアルバム。 「CRITERIA~」でバンドに電撃復帰を果たしたランディ・ランペイジが、案の定、アルバム1枚きりで脱退(というか解雇)、本作からは、その後任として元OVERKILLのジョー・コミューが参加しているのだが、これがアグレッシブなシャウトから、ロブ・ハルフォードばりのスクリーム、更にはブルース・ディッキンソン風の雄々しい歌唱まで幅広くこなせる、二代目フロントマン コバーン・ファー以来の逸材。 「歌える」Voの加入効果か、楽曲の方も意図的に激しさ/複雑さが前面に押し出されていた前作に対し、今回はリフにしろ、メロディにしろ、ツインGの絡みしろ非常にキャッチー。曲展開も必要最低限に整理され、ある意味、正統派へヴィ・メタル的とも言える仕上がりをみせる。ここ暫くは封印されていた、バンド初期の必殺技「ここぞという箇所でのアルペジオ」が効果的にフィーチュアされているのも、その印象を強めている一因かな? 結果として、スラッシーな雰囲気は若干後退したものの(勿論③⑩のような高速スラッシュ・チューンも収録しているが)、シャープに疾走する①“DENIED"、へヴィな曲調と哀愁を帯びたVoハーモニーの対比が美しい④“CARNIVAL DIABLOS"、ジョー・コミューのダイナミックな歌唱が劇的な盛り上がりを演出する⑥“TIMEBOMB"、そして全てを兼ね備えた名曲中の名曲⑨“EPIC OF WAR"といったハイクオリティな収録曲の前には、そんなことは枝葉末節。 中期以降のANNIHILATORの何たるかが知りたければ、まず本作を聴くことをお薦めさせていただきまうす。