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HAYWIRE - Don't Just Stand There - Man Enough ★★★ (2017-10-22 11:11:51)

80年代ど真ん中っぷりにほっこりさせられるパワー・バラード。
ロック・ソングを歌うと声質的にややパンチ不足に感じられるVoですが
この手のメロウな楽曲を謳わせると絶品。更に少ない音数で
聴き手を確実に泣かせに来るGソロにもグッとくる名曲です。


HAYWIRE - Don't Just Stand There - Hard Reaction ★★★ (2017-10-22 11:04:39)

全体的にポップな方向に振られた2ndアルバムの中にあって
爽やかに駆け抜けて行くハード・チューン…といっても
飽くまでメロディに重きを置いたポップ・メタル・ソングには
違いありませんが。清涼感溢れるサビメロがキャッチー。


HAYWIRE - Don't Just Stand There ★★★ (2017-10-22 01:01:47)

『赤毛のアン』の舞台として知られるカナダのプリンス・エドワード島シャーロット・タウン出身で、80年代には本国を中心に人気を博した5人組、'87年発表の2ndアルバム。
自分が持っているのはアルファから発売された国内盤なのですが(邦題は『ダンス・デザイアー』)、ここにボーナス・トラックとして収録されている、シングル・カットもされた⑪がヤマハ主催の「世界歌謡祭」にて金賞を受賞した…とのエピソードからも、当時レコード会社が彼らを売り出すために相当プッシュしていたことがお分かり頂けるのではないかと。
内容については、Key奏者が曲作りの中心的役割を担っているだけあって、まずKeyやシンセサイザー類がサウンドの基盤を作り、そこに適宜に歌うG/軽快に踊るリズム・ワーク/甘いハイトーンVoが絡んで来るという塩梅のメロディアスHR路線。ゴリゴリのメタル野郎には、初めて聴いた時はKeyが少々煩かったり、シンガーの歌唱力がパンチ不足に感じられたものですが、例えばノリ重視で大味に流れてしまいそうな楽曲であっても、常にメロディが仄かな哀愁を湛えている辺りはやっぱりカナダのバンドだなぁと。またGが泣きまくる⑤や、“時は流れても”なる邦題を冠された⑩といったバラードにおける魂の篭ったVoの熱唱を耳にすれば、その実力に疑念を挟む余地なんてありませんわな。大陸的ハードネスと、欧州風味のメロウネスがうまい具合に同居した⑥なんてアルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか?
デビュー作『BAD BOYS』(’86年)に続きプラチナムを獲得、HAYWIRE作品で最もチャート・アクションが良好だったという代表作。入門盤としてどうぞ。


HAYWIRE (2017-10-22 01:00:58)

カナダ出身の5人組で、ポール・マッカースランド(Vo)とマーヴィン・パート(G)が音頭を取って’81年に結成。バンド・コンテストへの参加や、EP『HAYWIRE』の自主制作等で腕を磨いた後、'86年に『BAD BOYS』でデビューを飾る。ここからは表題曲がヒット(最高第21位)、アルバム・セールスも最終的にプラチナムに到達している。ポップ・メタル色を強めた翌年発表の2nd『DON’T JUST STAND THERE』は更なる好セールスを記録し、特にシングル・カットされた“DANCE DESIRE”はカナダ国内においてTOP10チャートに食い込む大ヒットとなっただけでなく、日本でもヤマハ主催の世界歌謡祭(80年代末まで毎年日本武道館で開催)にエントリーされ金賞を受賞したという。
カナダ国内において確固たる支持基盤を築きつつも、音楽シーンの潮流の変化によりレコード会社から満足のいくサポートが得られなくなり、90年代に入って活動を停止。
00年代に入ってバンドは復活を遂げ、ニュー・アルバムのリリースもアナウンスされているが、まだ発表には至っていない模様。


KILLER DWARFS - Method to the Madness - Hard Luck Town ★★ (2017-10-19 23:13:54)

OPナンバーらしい快活なノリの良さを漂わせつつ
聴き進めるとブリッジを過ぎた辺りから
哀愁が滲み出して来るという、
バンドの個性が分かり易く表れた1曲。


KILLER DWARFS - Method to the Madness - Driftin' Back ★★★ (2017-10-19 23:05:35)

哀愁に満ちた曲調と、ピアノの調べが
そこはとなくノスタルジックな感傷を刺激する抒情ナンバー。
Voは丁寧に歌い上げるタイプではありませんが、
全力投球な歌いっぷりが案外マッチしているのではないかと。


KILLER DWARFS - Method to the Madness ★★ (2017-10-19 22:58:12)

メンバー全員が「ドワーフ」姓を名乗っていたことでも注目を集めた、カナダはトロント出身の4人組が’92年に発表した5thアルバム。ちなみに彼らのカタログは数年前までは(例え帯付でも)中古盤が安値で入手可能でしたが、先日過去作もチェックしようと思い立って調べてみたら、いつの間にか価格が高騰していて「一体何があったんだよ?」と。
そんなわけで、KILLER DWARFSのアルバムはコレしか所持していないため、以前の作品と聴き比べてどうこう言うことは出来ないのですが、とりあえず本作に託されているのはギミックに頼らないストレートなHR。Voがシャウト主体のラフな歌唱スタイルなこともあり、ロックンロール寄りの感触が無きにしも非ずという。これといったキメ曲に乏しい本編を初めて耳にした時は、失礼ながら「地味だ」とか思ったものですが、正統派のHRとしては無駄な力みがなく自然体。ロックンロールとしては埃っぽさや能天気なノリが控えめで、メロディからは透明感すら感じられるという、実にカナダのバンドらしいサウンドは、聴けば聴くほどにその旨みが浸透してきます。特にピアノの旋律がノスタルジックな哀愁を増幅させる抒情ナンバー③や、逆にハードに駆け抜ける疾走ナンバー⑫等はなかなかの出来栄え。また前作収録のアコギ・バラード⑬が再び収録されているのは、ゴッドの解説によれば、ラジオを中心にヒットの兆しがあったにも関わらずレコード会社の無策が原因で折角の機会を潰されてしまったことに対する彼らなりのリベンジの模様。
バンドは本作発表後間もなく解散。しかし'01年には再結成を果たし、その際にはお蔵入りしていた6th『STAR@ONE』もリリースされています。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE - The Reprise ★★★ (2017-10-18 23:29:15)

アルバムの最後に置かれた13分以上に及ぶ大作ナンバー。
マイク・レノのソウル全開な歌いっぷりを筆頭に
長さをまるで感じさせないが、といってもプログレ・テイストや
様式美メタル的な起承転結は仕込まれていない。
リハーサルなしの一発勝負でレコーディングされていて、メンバー曰く
「自然に溢れ出た、直接的な、瞬間的な、感情の表現であり、
この曲は全くのライブであり、編集されていない」とのこと。
だとしたら、大したもんだなぁ!と。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE - For Those in Favour ★★ (2017-10-18 23:20:29)

気持ち良さげに吹き鳴らされるハーモニカと
軽快に踊るピアノ、歯切れ良く刻まれるGとリズムに
思わず体が動き出すロック・チューン。
ノリノリの曲調ながら、どこかさらっと都会的で
クールな雰囲気を湛えている辺りがこのバンドらしさか。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE - Carpe Diem ★★★ (2017-10-18 23:13:40)

亡き友人に捧げられた歌詞に相応しく、
ポロポロと物悲し気に零れ落ちるピアノの旋律、
悲哀を湛えて重厚に盛り上がっていく曲展開、
そして楽曲に込められたエモーションを余すところなく
表現しきるマイク・レノの歌唱が感動を呼ぶ名曲。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE ★★★ (2017-10-18 22:57:47)

LOVERBOYのシンガーで、HEARTのアン・ウィルソンとデュエットした名曲“パラダイス~愛のテーマ”が日本でも大ヒットしたマイク・レノ。その彼が結成したバンド(プロジェクト?)の’94年発表の唯一作。我らがゼロ・コーポレーションから日本盤もリリースされましたが、世はグランジ/オルタナ旋風吹き荒れる90年代真っ只中。歌心に溢れたG(JOURNEYのニール・ショーンも参加)や瀟洒なKeyをフィーチュアする、しっとり胸に沁み入るメロディック・ロック作品なんてのは全然お呼びじゃなく、ほぼ話題に上ることもないままフェードアウト。斯くいう自分も当時は発売されていたことにすら気付かず、後年、ROCK CANDYからのCD再発を機に漸く興味を持ったという後追いっぷりですよ。
1曲目からいきなりバラードがカマされる構成が物語る通り、スロー~ミディアム・テンポの楽曲を中心に取り揃えられたポップな本編は、多分にAOR/産業ロック寄り。しかし(カナダのバンドらしい)陰に籠らない哀愁と、フックが連続するメロディに彩られたサウンドを前にすりゃそんな些事はどーでもよくなるという。聴き進めれば、歯切れ良くロックする⑩のようなハード・ナンバーがきっちりアルバムにメリハリをつけてくれますしね。
何よりそれらを情感豊かに歌い上げるマイク・レノのVoが感動的。波間を夢心地でたゆたうような③、物悲しい曲調にエモーションを掻き立てられる⑤、10分以上の長尺をアドリブ全開で乗り切るグレン・ヒューズ級にソウルフルな⑪等、その歌唱力と来たら十万石まんじゅうばりに「うまい、うま過ぎる」と風が語り掛けるレベル(埼玉県民ローカルネタ)。
これ聴いたら、バンドがアルバム1枚で終わってしまったことが残念で仕方ないですよ。


ANGELICA - Rock, Stock, & Barrel - Home Sweet Heaven ★★★ (2017-10-18 00:12:40)

個人的には3rdアルバムで一押しの疾走ナンバー。
緊張感を湛えたヴァースから、
ポップでメロディアスなサビメロへの転調が印象的且つ効果的。
テクとセンスが迸るGソロも実に良い感じですよ。


ANGELICA - Rock, Stock, & Barrel ★★ (2017-10-18 00:02:24)

ロブ・ロックがゲストで歌っていた1st『ANGELICA』(’89年)や、ドラム・マシーンを使用していた2nd『WALKIN’ IN FAITH』(’90年)の頃は、バンドとしての実体もライブ経験もない、デニス・キャメロン(G)とロバート・バレン(B)のプロジェクト状態だったカナダ出身のANGELICAが、漸く正式メンバーを揃えて日本デビューを飾った’91年発表の3rdアルバム。ちなみにバンド名、所属レーベル(INTENSE)、人脈、演ってる音楽性からもお察しの通りのクリスチャン・メタル・バンド。国内盤の解説でそのことに触れられていないのは、余計な色(先入観)が付くのを避けるための配慮でしょうかね。
のっけの①から存在を主張してくるBといい、“熊蜂の飛行”のカヴァー⑧を始め、全編に亘ってメロディック且つキレのある演奏を炸裂させまくりのGといい、ほんのりテクニック志向を伺わせつつも、基本的な音楽性は柔和な美旋律と分厚いハーモニー重視の、いかにもクリスチャン・メタル/カナディアンHRバンドらしいポップなメロハー・サウンド。
Voの線の細さと相俟って、全体的にメロディにパンチが効いていないというか、例えば同ジャンルの先輩バンド勢に比べると、サビメロの踏み込みの浅さが楽曲の印象を弱めてしまっている感が無きにしも非ずなのですが、この大らかにふわ~っと流れていく感じが大陸産ロックの魅力の一端と言えなくもない…かもしれません。取り敢えず、そよ風の如く吹き抜けていく爽やかな②、軽快にしてキャッチーな疾走ナンバー④辺りには、メロディ愛好家のツボを突いて来るフックが備っていて大好きな楽曲であります。
クリスチャン・メタル好きなら聴いて損のないクオリティは備わっている1枚かと。


HOLY TERROR - Terror and Submission ★★★ (2017-10-17 00:10:06)

元AGENT STEELのギタリスト、カート・キルフェルトにより結成されたスピード/スラッシュ・メタル・バンド(なおバンド名は「ホーリー・テラー」ではなく「ホリー・テラー」表記)が、彼らの評判を聞きつけ接触を図って来たイギリスのMUSIC FOR NATIONSと契約を結び、'86年にカート自身がプロデュースも手掛け発表したデビュー作。
スラッシーなアグレッションは保持しつつ、より整合性に磨きが掛かった2nd『MIND WARS』(’88年)に比べると、本作はプロダクションも曲構成もまだまだラフで荒削り。ですがそれすらも武器へと転化して、立ち塞がる全てを勢いのみでぶっちぎらんとする前のめりな攻めの姿勢は大いに「買い」でして、音痴でリズム感にも欠けるキース・ディーンの歌唱に眉を顰める向きもありましょうが、破れかぶれな迫力に満ちたこのVoが、バンドの重要な個性の一つであることはHOLY TERRORファンの多くが認めるところではないでしょうか。
怒涛の如く荒れ狂う2本のGの破壊力も存分に発揮されており、手数多く鋭角的に刻まれるリフ、前へ前へ高圧的に押し出してくるリズム隊、そして高みへ向かってグイグイ昇り詰めていくツイン・リードGとが一体となり、土砂崩ればりに押し寄せる楽曲の数々はハイテンションなカッコ良さ。(この時点ではまだ⑥みたいなパワー・メタル的楽曲もあったり)
初期衝動剥き出しのアグレッションが迸る本作の方が、次作よりも好きだというスラッシャーが多数いるのも納得の1枚。ちなみに国内盤は未発売だとばかり思ってましたが、実際は'93年にポニーキャニオン傘下のALL FIRED UP!から国内盤がリリースされていて、先日そちらを適正価格にて遂にゲット。嬉しさ余ってつい感想を投稿してしまった次第であります。


AGNOSTIC FRONT - Cause for Alarm - The Eliminator ★★★ (2017-10-15 23:56:10)

痙攣気味にぶっ飛ばすビートに乗って
乾いた音色で鋭利に刻まれるGリフは
スラッシュ・メタル以外の何者でもありません。
Voの線の細さがハードコア/パンクっぽくはありますが、
タイトな曲構成の中にもしっかりとGソロが迸っていて、
文句なしにカッコイイ名曲です。


AGNOSTIC FRONT - Cause for Alarm ★★★ (2017-10-15 23:51:46)

S.O.D.やD.R.I.、SUCIDAL TENDENSEIS etc.と共に、ハードコア/パンクとスラッシュ・メタルのクロスオーバー現象を語る上で欠かすことのできないバンドであるNYHCシーンの筆頭格、ヴィニー・スティグマ(G)&ロジャー・ミレット(Vo)率いるAGNOSTIC FRONTが、'86年に発表した2ndアルバム。
収録曲はいずれも1~3分台とショート/シャープ/ショックの姿勢が鮮明で、ロジャーのVoも通常のスラッシュ・メタル・バンドのそれに比べると線が細いふにゃふにゃとした感じ。この辺りはやはりHC畑出身バンドだなと。しかし、前作『VICTIM IN PAIN』と比較してみると、音作りにしろ曲構成にしろ、格段にスラッシュ・メタル度が高まっていることは明白で、「人が殺せるのと違うか?」というメンバーのルックス…じゃなかった切っ先の鋭さで刻まれるGリフと、抜群の安定感で猛然と畳み掛けるリズムとが、徹頭徹尾アグレッションを撒き散らしながら突っ走るサウンドは、スラッシャーなら問答無用でアガってしまうカッコ良さ。本編のスピード感をさらに加速させる、荒々しく迸るようなGソロが各曲にしっかりとフィーチュアされている点も好印象ですよ。
刻みの細かいGリフにのっけからテンションが上がりまくるOPナンバー①、続く②は…と、お気に入りの曲について感想たれようかとも考えましたが、そんな野暮せんと、頭からケツまで大音量で一気に浴びるのが本作を聴く上での正しい作法ではないかと。何せ全10曲でも収録時間は30分に満たないタイトさですからね。
「クロスオーバー・スラッシュの名盤」評に偽りなし、な1枚です。


MEKONG DELTA - Kaleidoscope - Sabre Dance ★★★ (2017-10-05 00:32:58)

運動会やら何やらで誰もが一度は耳にしたことがあるであろう
ハチャトリアンの代表曲のカヴァーですが、
例えばイングヴェイ風のネオクラシカル的な
雰囲気は全くと言っていいぐらい感じれず、それよりも
狂気と理性がせめぎ合っているかのようなMEKONG DELTAならではの
個性がしかと刻まれた好カヴァー。
思い起こせばアルバム『KALEIDSCOPE』を購入したのは
この曲聴きたさが一番の動機でしたよ。


MEKONG DELTA - Kaleidoscope ★★ (2017-10-04 00:44:49)

'92年発表の5thアルバム(日本盤には『万華鏡』なる副題あり)。確か初めて買って聴いたMEKONG DELTA作品がコレですよ。
今回から、前任者よりもしっかりとメロディをなぞって歌える新Voが加入。一糸乱れぬ高度な演奏テクニックの下、激烈な疾走パート→バラード・パート…みたいな分かり易い緩急の類だけに留まらず、「間」「グルーヴ」といった、テク(音数の多さ)のみならず演奏する側にセンスも要求される楽曲構築術、立体的アレンジを登用したサウンドは、浮遊感漂わす③辺りに代表されるように、従来のスラッシュ愛好家限定のキワモノ・イメージを脱ぎ捨て、コクや深みを感じさせる本格派プログレ・メタル路線へとモード・チェンジ。④⑨等を聴いていると中期以降のVOIVODのことを思い出しましたよ。これまでの流れを汲むアグレッションと、ここに来て増量されたプログレ風味が絶妙な配合をみた⑥なんてアルバムのハイライト・ナンバーの一つじゃないでしょうか。
この手の「成熟」を感じさせる作風って奴は初期作ファンの不興を買う場合が多々あるわけですが、本作はそれを補うかのようにOPにスラッシーな疾走ナンバー①を配し、更にアラム・ハチャトリアンの超有名曲“剣の舞”の秀逸なHMバージョンのカヴァー⑦を収録する等、独りよがりな作りにならぬよう本編にフックを用意する構成の巧みさは、流石敏腕プロデューサーとして鳴らすラルフ・ヒューベルトのお仕事。抜かりねぇな。
スラッシャー以外の方で、まだMEKONG DELTAを聴いたことがないという向きには、硬軟のバランス感覚に優れた本作を入門盤にしてみるといいかもしれませんね。


HOLOCAUST - Spirits Fly - The Small Hours ★★ (2017-10-02 23:32:19)

METALLICAがカヴァーしたことでHOLOCAUSTの名を
一躍有名にした彼らの代表曲だが、スタジオ・バージョンはこれが初披露?
初めて聴いた時は、のっぺりとダウナーなヘタウマVoと、疾走感よりも
BLACK SABBATH直系の漆黒色のヘヴィネスが支配的な曲調に
「期待していたのと違うなー」とか思ったものですが、
ただテンポ・チェンジも含んだ曲展開はちゃんとメタリックな緊迫感を
湛えていて、いや改めて聴き直す十分カッコイイのですよ、これが。
これをカヴァーしていたMETALLICAの慧眼にも感服です。


HOLOCAUST - Spirits Fly ★★ (2017-10-01 22:15:11)

21世紀を目前に突如蘇ったNEAT RECORDSから、これまた復活を遂げたHOLOCAUST(といってもそれ以前から離散集合を繰り返していた)が’96年に発表した4thアルバム…ではなくて。実際は’92年に自費出版された3rd『HYPNOSIS OF BIRDS』の曲順を入れ替えた上に改題し、そこに’93年リリースの4曲入りEPやらMETALLICAの“MASTER OF PUPPETS”のカヴァーやらの音源を突っ込んだコンピ盤的性格の1枚という。
NWOBHM復活組がこの時期の新生NEAT RECORDSに残した作品は、イマイチ開き直り切れていない微妙な代物が多かったと記憶していますが、それらに比べると本作は結構イイ線を行っているのではないかと。METALLICAがカヴァーしてくれたことにより再びHOLOCAUSTに注目が集まる切っ掛けとなった代表曲“THE SMALL HOURS”のリメイク②を聴けば分かる通り、元々BLACK SABBATHばりのヘヴィネスや妖しいメロディ使いが個性の内だったことも、90年代のHR/HMシーンの潮流とマッチ。Voの気の抜けたヘタウマ加減とか、「どこのブラック・メタル・バンドか?」っつーぐらい低劣なプロダクションとかも80年代初頭のまま。いや音質に関しちゃ進歩しとけよって話ですが。
国内盤の解説ではゴッドが「②の価値が全て」とぶっちゃけちゃってますし、日本人好みの泣きや哀愁といったキャッチーな要素に乏しい作品ではありますが、個人的にはエキゾチックな雰囲気漂わす①、フルートやチェロを取り入れた③④といった、乙な味わいのへヴィ且つプログレッシブな大作ナンバーが結構お気に入りだったり。少なくとも1st『NIGHT COMERS』が楽しめた人ならほっこりできるクオリティは備わっているのではないかと。


XENTRIX - Dilute to Taste - Shadows of Doubt ★★★ (2017-10-01 00:54:29)

アコギのイントロに始まり、重々しいリズム、
しっかりと歌うVo、流麗なツインGの絡みをフィーチュアして
聴き進むに従って盛り上がっていく名曲。
中盤以降には疾走パートも組み込まれていますが
スラッシーというよりは「パワー・メタリック」な感触。
でもこのバンドの資質的に違和感なくフィットしていますよ。


XENTRIX - Dilute to Taste ★★★ (2017-10-01 00:19:48)

イギリス・ランカシャー出身の5人組が'91年に発表した6曲入りEP。音源としては2nd『FOR WHOSE ADVANTAGE?』の再発盤でボーナス・トラックとして丸ごと聴くことが出来てしまうのですが、先日、出掛けた先で立ち寄った古本屋で本作の単品CDを発見。まさか(専門店ではなく)こんな所で出会おうとは…と、つい感激して衝動買いしてしまったという。
内容の方は、野太い声質ながらもしっかりと歌えるVo、じっとりと湿気ったメロディを流麗に紡ぐ2本のG、スラッシーな疾走感は抑え気味に、緩急を効かせることを重視した曲展開etc.…といった新曲2曲の方向性が表す通り、よりパワー・メタル色を強めることとなる同年発表の3rd『KIN』の予告編的役割を果たす出来栄え。特にアコギも交えて劇的に盛り上がっていく②は名曲ですよ。
4曲のライブ音源に関しては、METALLICA型の構築感を宿した楽曲をスタジオ版以上のアグレッションを漲らせ再現するバンドの実力の高さを再確認。また観客が大合唱を響かせる③⑤等からは、XENTRIXが地元で根強い支持を得ていたことも伺えるという(MCからすると収録会場はブリストル)。そしてライブの最後を〆るのは勿論、映画『ゴーストバスターズ』テーマ曲のカヴァー⑥。「XENTRIXと言えばこの曲!」とのイメージが終始付きまとうことについては、バンド側にしてみりゃ複雑な思いがありましょうが、ひとたびプレイすれば会場がこんだけ盛り上がるのですから、そりゃ演らんわけにはいかんよねと。
EPといえども軽く見られない満足感が得られる1枚です。


MEKONG DELTA - The Music of Erich Zann - The Final Deluge ★★★ (2017-09-28 23:56:24)

2ndアルバムのコンセプトであるHPラヴクラフトの小説
「エーリッヒ・ツァンの音楽」のクライマックスを
そのまま歌詞に取り入れたアルバムのハイライト・ナンバー。
うっすらと聞こえてくるバイオリン(ヴィオル?)の
調べはツァンが奏でているのか。
曲調は激烈だが案外Voは歌っていて。但しヘタクソ。
でもそれが却って聴き手の不安感を煽る好結果に繋がっているのは怪我の功名。
曲間を空けずに、一転して静謐な“EPILOGUE”へと繋げる構成も巧み。


MEKONG DELTA - The Music of Erich Zann - Age of Agony ★★★ (2017-09-28 23:46:29)

ヨルグ・マイケルのドコドコドラムに乗って
LIVING DEATHのGチームが刻む高殺傷力を誇るGリフが
襲い来るジャーマン・スラッシュ然とした突撃ナンバーでありつつ
そこに唐突に裏声コーラスが被さったり、
ツインGが奇怪なメロディをハモったりと
MEKONG DELTAならではの個性もきっちりと刻印された逸品。


MEKONG DELTA - The Music of Erich Zann ★★★ (2017-09-28 23:28:26)

80年代に「テクノ・スピード・メタルの巨匠」なる称号を得たドイツのテクニカル・スラッシャー、MEKONG DELTA、’88年発表の2ndアルバム。
悪魔を異次元に封じるため演奏を続ける老音楽家の運命を描いた、H.P.ラヴクラフトの短編小説『エーリッヒ・ツァンの音楽』題材のコンセプト・アルバムでもある今作は、バンドがテーマに掲げる「クラシックとスラッシュ・メタルの融合」が更に強力に推進された印象(ジャケ絵のオッサンはベートーヴェンではない)。クラシック曲のカヴァーはもとより、別に巧かないがメロディをなぞって歌う場面が増えたVoといい、バラードリーなパートやオーケストレーションの導入といい、アレンジや曲展開の複雑さがこれまで以上に高まった収録曲は、彼らが個性確立に向けて大きく前進した証左。中でもヴァイオリンを交えつつ激烈に突っ走る⑨から、一転して静謐に本編の幕を引く⑩への流れは本編の白眉かと。
尤も、相変わらず曲構成にキャッチネスはほぼ皆無。何よりLIVING DEATHのGコンビが刻み倒す鋭利なGリフと、タイト極まりない名手ヨルグ・マイケルの爆走ドラム、そこに絡むラルフ・ヒューベルトの音数多めのBとに支えられた、独産スラッシャーらしい「突進上等」精神はここでも健在。正直に言えばヒネった楽曲よりも、ツインGハーモニーが切迫感を煽るOPナンバー①や、サビが「それはねえ、それはねぇだろ!」に聴こえて仕方ない④、ツインGとDsの殺傷力が十二分に発揮された⑥といった、ストレートに走り抜けるタイプの楽曲の方が、より好みなのですが。
スラッシャー向けMEKONG DELTA入門盤には本作辺りをお薦めしたい次第。


MEKONG DELTA - Mekong Delta - Kill the Enemy ★★★ (2017-09-26 23:45:02)

クラシックとスラッシュの融合を謳い
前衛的且つプログレッシブなアプローチが
ボンクラ・メタラーには敷居の高さすら感じさる
MEKONG DELTAですが、1stの頃はスラッシャーとしての
突撃精神の方が勝っていて、特にLPのA面「AAAARRG SIDE」の
トリを〆るこの曲のアホ程はっちゃけた疾走感は痛快ですらあるという。
(ちなみにB面はMEKONK DELTA SIDE)


MEKONG DELTA - Mekong Delta ★★ (2017-09-25 23:04:55)

ライブは一切行わず、プロモーション活動にも消極的と、デビュー当初「謎の覆面バンド」扱いされていたドイツのテクニカル・スラッシャー、’87年発表の1st。今となっては、AVENGER(RAGEの前身)の面々と、バンドのエンジニアだったラルフ・ヒューベルト(B)がMETALLICAの登場に触発され立ち上げたプロジェクトだったことは広く知られた話。本作はピーヴィ・ワグナーが抜けた代わりにLIVING DEATHのGチームが加入し、ラルフ以下、ヨルグ・マイケル(Ds)、ライナー・ケルヒ(G)、フランク・フリッケ(G)、ウルフガング・ボーグマン(Vo)というラインナップでレコーディングが行われました。
そのせいか、鋭利なGリフの切れ味はLIVING DEATH風、クセの強いVoは初期RAGE調(歌メロはピーヴィ在籍時に書かれたものだとか?)で、曲によってはKeyを用いて禍々しいスロー・チューンやクラシックのカヴァー(組曲『展覧会の絵』から抜粋)にチャレンジする等、旺盛な実験精神が迸る曲展開/アレンジはラルフの嗜好が反映…といった具合に、バンドの実体が分かった上で本作を聴き返すと、関わったメンバーの個性が強く刻まれている仕上がりなことが分かります。
MEKONG DELTAの最高傑作とされる3rd『THE PRINCIPLE OF DOUBT』以降のアルバムに比べると、複雑怪奇な難解さよりも「独産スラッシャーたるもの突っ走ってナンボ」という実に分かり易い初期衝動の方が勝っていて、低偏差値ボンクラ・メタラーにも非常に取っ付き易く感じられたという。アホみたいにハイテンションな⑤とか非常に良いですよ。
中古でなら、2ndとカップリング仕様の便利なテイチク盤が購入可能ですのでお勧めです。


Александр Ситковецкий(Alexander Sitkovetsky) - Zello ★★ (2017-09-23 00:19:45)

ソビエト連邦の国営レーベル「メロディア」とライセンス契約を交わし、主に共産圏のクラシック、ポップス、ロック、民謡等の輸入盤を日本に紹介してきた「新世界レコード社」をご記憶でしょうか?メタル・マニア的にはソ連のメロハー・バンド、GALAXY(ガラクチカ)のアルバム――帯付中古盤は今じゃ5桁の値が付く超レア盤――リリースを手掛けたことで知られる同レーベルから発売され、我が家のCD棚に鎮座まします作品の一つが、アレクサンドル・シトコヴェツキー、’91年発表のこのソロ作。パッと見はほぼクラシック作品(実際古本屋のクラシックコーナーにて500円で売られていた)。というか「そもそも誰だよ?」ってな話でしょうが、帯に書かれた《アフトーグラフのリーダー》表記に「それって日本盤も出てたソ連のプログレ・バンドか」と興味を引かれて、購入に至った次第。
’91年頃といえば、欧米じゃ速弾きブームはすっかり下火となり、新たな方向性を模索するギタリスト達は生き残りを賭けて音楽性を拡散させ始めていた時期ですが、鉄のカーテンの向こう側で作られた本作はそうしたシーンの流行り廃りや、ドヤ顔の超絶技巧、トリッキーな楽曲等とはまるで無縁。極々シンプルなギター・インスト物を志向しています。クラシカルな風情漂わす抒情メロディを素直に届けようとする姿勢と、如何にもソ連的な貧…素朴な音質とが相俟って、周回遅れ感を漂わせつつも逆にそこにグッと郷愁を誘われる仕上がりという。Gの腕前も確かで、例えば③における泣きっぷり等はなかなかに強烈ですよ。
随分前に新世界レコードが店仕舞いしてしまったため、今でも入手可能かどうかはよう分かりませんが、もしどこぞで見かけることがあったら是非お手に取って下さいませ。


Александр Ситковецкий(Alexander Sitkovetsky) (2017-09-23 00:18:20)

アレクサンドル・シトコヴェツキーは、'85年に開催されたLIVE AIDにソビエト連邦代表として参加したことで知られるプログレッシブ・ロック・バンド、AUTOGRAPHのギタリスト。当時のVoは後にARIAに加入するアルトゥル・ベルクトで、ポップ色を強めた3rd『TEAR DOWN THE BORDER』('91年)は日本盤も発売された筈。また世界デビューに併せてバンド表記がロシアっぽくAVTOGRAF(アフトーグラフ)に改められたのは、アメリカの同名バンドとの混同を避けるためか。
‘90年にはオール・インストのソロ・アルバム『ZELLO』を発表している。
ちなみに「アレクサンドル・シトコヴェツキー」で検索を掛けると、最初に引っ掛かるのがロシア人の天才バイオリニストの名前なのだが、どうやらご子息の模様。シトコヴェツキー家はロシアじゃ有名な音楽一家らしい。


EMERSON, LAKE & PALMER - Emarson,lake & Powell - The Score ★★★ (2017-09-21 23:41:41)

「ワールドプロレスリング」テーマ曲というと、この曲よりも
“朝日に栄光あれ”の方が思い浮かぶのですが、それはともかく
この曲が名曲であることに違いはありません。
9分以上に及ぶ長尺曲ながら、印象的なメロディの洪水、
壮大且つドラマティックな曲展開といい
眉間に皺寄せて聴くような小難しさは皆無ですよ。


EMERSON, LAKE & PALMER - Emarson,lake & Powell ★★ (2017-09-21 23:00:22)

EL&P――と表記するとカール・パーマー氏がムッとされますので――EMERSON, LAKE & POWELLが'86年に残した、スタジオ・アルバムとしては唯一となる作品。
じんわり胸に沁み入る英国シンガー然としたグレッグ・レイクのジェントリーな歌声、華麗にKeyを操りバンマス役を担うキース・エマーソン、そこに我らがコージー先生の個性的なDsとがマッスル・ドッキング!この組み合わせによって生み出されたサウンドのマジックは、『ワールドプロレスリング』テーマ曲にして、いきなり10分に迫る長尺でアルバムOPを飾る①からして全開。のっけからトリオ編成が出してる音とは思えぬ壮大なスケール感で聴き手の度肝を抜きに掛かってきてくれますよ。
但し、全体的に「いかにも80年代」なプロダクションが緊張感を著しく削いでいる感は否めず。またシンセが紡ぐ大衆度高めのメロディは分かり易い反面、少々安易な印象で、また火花散る楽器同士のバトルや、インプロヴィゼーションを盛り込んだスリリングな曲展開よりも、カッチリとまとめ上げることが重視された収録曲の数々を聴いていると、確かに壮大ではあるものの「何か映画のサントラみたいだなぁ」ってな感想を覚えなくもないという。
そんなわけで初めて聴いた時は「こういう方向性か…」と多少戸惑ったのは事実なれど、前述のドラマティックな①、タメを効かせて盛り上がる④、ホルストの“火星”の翻案曲⑧等、「でも、これはこれであり!」と思わされる優れたクオリティを備えていることは間違いなく。本作に関する最大のガッカリごとと言えば、アルバムにプレイを刻んだ御三方が、既にこの世にいないということではないでしょうか。虎子の間、まこと広うなり申した…


STARLESS - Song of Silence - Song of Silence ★★★ (2017-09-20 23:50:09)

アルバムの冒頭でも引用されていたテーマ・メロディ、
女性Vo、G、Key、更には「STARLESS」のバンド名にちなんだのか(?)
サックスまで導入という総力戦でもって
8分以上に及ぶ長尺とアルバムのエンディングを
ドラマティックに彩る表題曲。


STARLESS - Song of Silence - Aim Your Heart ★★★ (2017-09-20 23:39:22)

女性シンガーの張りのある歌いっぷり、
ハードな疾走感や、GとKeyのスリリングな掛け合い等
プログレというよりはHR的な感触が備わっている
アルバム前半のハイライト・ナンバー。
序曲“SONG OF SILENCE(BEGINING)
ブリッジの役割を果たすバラードの小曲“OBJET DE GLACE”と
併せてお楽しみ下さいませ。


STARLESS - Song of Silence ★★ (2017-09-19 23:51:48)

元SCHEHELAZADE(祝・復活)の大久保寿太郎(B)率いる大阪の6人組。1st『銀の翼』で日本のプログレ・シーンにその名を刻んだSTARLESS、’91年発表の2ndアルバム。
弦楽器隊以外のメンバーが交代していますが(③⑩にはGERALDの永川敏郎がKey奏者として参加)、新たに加わった女性Voが前任者とよく似た声質の持ち主で、その他の面子もプログレ畑のミュージシャンらしく腕利き揃い。ゆえに不安定さは微塵も感じさせない上、何より冒頭から組曲形式で優美に展開していく①②③の流れや、序曲①で用いられたメロディが本編最後の⑩でアウトロの役割も果たす円環構造等からも明らかな通り、リリカルでファンタジックなプログレ・サウンドは、前作の延長戦上にきっちり位置付けられています。
バンド名から想起されるようなKING CRIMSON的前衛性/実験精神よりも、楽曲をキャッチーにまとめ上げることに注力した曲作りのスタイルも不変…というか、むしろ今回は更にポップでメロディアスな方向に踏み込んでいる印象で、曲よってはVoの砂糖菓子の如く甘い歌声と相俟って、アイドル歌謡や昭和の女児向けアニメの主題歌を聴いているような気分に陥ることもしばしばという。デビュー作収録の名曲“BREATH”のようなハード・ナンバーが見当たらない点を含め、評価が割れる可能性が考えられますが、それでもドラマティックに駆け抜ける③や、歌うG、流麗なKey、更には「STARLESS」の名に相応しくサックスまで伴って、総力戦の様相を呈するアルバム表題曲⑩等、優れた楽曲の数々はやはり十分過ぎる程に魅力的。
1st『銀の翼』が気に入られた方なら、こちらもマスト・アイテムではないかと。


TERRA ROSA - Terra Rosa Live from Coda ★★★ (2017-09-18 22:11:05)

2016年に限定的な規模ながらも復活を遂げたTERRA ROSAが、東名阪で行った3夜限りの再結成ライブの模様を捉えた2枚組実況録音盤。
てっきり名曲/代表曲が大盤振る舞いされるベスト選曲ライブと思いきや、収録曲目を見てビックリ。セットリストはTERRA ROSAがメジャー・デビュー前に制作し、様式美HM愛好家の間で評判を呼んだ2本のデモテープ(後年『PRIMAL~TERRA ROSA RARE TRACKS』のタイトルでCD化された)の収録曲がその殆どを占めているという、非常に攻めた構成。勿論「この曲を演らないわけにゃいかんでしょ!」という “刹那の甘露-SASE-”や“ONE OF SECTINOS“LAP”、そしてラストで観客の大合唱を呼び起こす“FRIDAY’S FREE FAIR”といった定番曲はきっちりと押さえられてはいますけども。
斯様に入門者向けとは言い難い本作ですが、一つハッキリしているのは、彼らがこれまで優れた楽曲を山ほど量産して来たということ。疾走ナンバー“A HELL RAY”や“BATTLE FEAVER”を筆頭に、ここで聴ける楽曲はどれも正規アルバムに収められていてもおかしくない、高品質な様式美HMチューンばかり。しかも今回のライブに当たって足立祐二により書き下ろされたという“TO CODA”も、それらと比べて遜色ない出来栄えを誇っているのだから頼もしいじゃないですか。また足立のテクニカルなGプレイ、リーダー岡垣正志の鍵盤捌き、そして赤尾和重のパワフルなVoといい、メンバーのパフォーマンスも現役感がバリバリに漲っていますよ。(ヘルプ参加のリズム隊も安定感溢れる仕事ぶり)
TERRA ROSA復活を喜ぶと共に、今後の継続的な活動を期待せずにはいられなくなる1枚。


ART NATION - Revolution - Don’t Wait for Salvation ★★★ (2017-09-17 00:13:58)

1st制作時はまだKey奏者がメンバーとして在籍していて、
爽やか且つ哀愁漂うサビメロが秀逸なこの曲も
ハード・ロッキンな色合いを強めた2ndに比べると
気持ちメロハー路線寄り。
何にせよ名曲には違いありませんけどね。


ART NATION - Revolution - Need You to Understand ★★★ (2017-09-17 00:05:24)

PVも撮影されているアルバムのOPナンバー。
アレクサンダー・ストランデルの情熱的なVoと
テクニカルなGをフィーチュアして力強く躍動しつつ
サビでは北欧のバンドらしい哀愁が溢れ出すという
早くもこのバンドの強みが発揮されている名曲に仕上がっています。


ART NATION - Revolution ★★★ (2017-09-17 00:00:33)

日本デビュー作の2nd『LIBERATION』が高評価を獲得すると、間髪入れずに1st『REVOLUTION』の日本盤発売を決定。更に年末には来日公演も予定されているという、最近の新人HRバンドには珍しく対応が迅速なことからも、レコード会社が彼らに賭ける並々ならぬ期待のほどが伝わって来るかのようですよ。
本作は、当初は国内盤未発売だった’15年発表のART NATIONのデビュー作で、バンドの魅力たる瑞々しくハジけるキャッチネスと、北欧のバンドらしい憂いを帯びたメロディを同居させた、躍動感溢れるメロディックHRという方向性は既にしっかりと定まっています。ツインG編成でレコーディングされた次作に比べると、専任Key奏者がいる分、こちらの方が気持ちハードポップ路線寄り…というか、フロントマンのアレクサンダー・ストランデルがART NATION結成前に在籍していた(そして追い出されてしまった)DIAMOND DOWN時代に近い音楽性かなと。
まぁどちらにせよ質の高さに変わりはありませんし、シャウト一発で「場」の空気をさらってしまうようなアレクサンダーの高熱量の歌唱はここでも健在。彼のパンチの効いた熱唱と、全編をフラッシーに駆け巡るテクニカルなGの存在が映える、アリーナ・ロック的なスケール感を有する①、キャッチーなコーラスが印象的な②、哀愁を湛えたヴァースから視界が開けるようなサビへの曲展開が秀逸な⑤、爽快な疾走ナンバー③⑥etc.…といった楽曲は、メタル者なら高揚せずにはいられない出来栄えを誇っていますよ。
来日公演を今から楽しみにせざるを得ない1枚。


ART NATION - Liberation - Ghost Town ★★★ (2017-09-16 00:11:35)

モダンなセンスと80年代風味溢れる
キャッチーなメロディ・センスとが
巧みに組み合わされたOPナンバー。
シュワッとハジける炭酸飲料のような喉越しの
サビメロの爽快さが最高ですよ。
バンドがリーダー・トラックに選んだのも納得。


ART NATION - Liberation - One Nation ★★★ (2017-09-16 00:09:00)

ライブで演ったらコーラスは大合唱で盛り上がりそうな
メタル・アンセム・タイプの楽曲ですが、
それでいてメロディが北欧的な透明感と憂愁を伝えてくれる辺りが
このバンドの個性と曲作りの上手さの証と言えましょうや。


ART NATION - Liberation - Take Me Home ★★★ (2017-09-16 00:05:04)

哀切が溢れ出す曲調に、アレクサンダー・ストランデルの
パッショネイトな熱唱が見事にマッチした、
堰を切ったように激情迸る必殺バラード。
’17年度ベスト・チューン候補の一つですよ。これは。


ART NATION - Liberation ★★★ (2017-09-15 23:48:52)

スウェーデンから現れたメロディックHRバンドの新星ART NATIONが'17年に発表し、日本デビュー作となった2ndアルバム。今時珍しく1st『REVOLUSION』(’15年)の国内盤までわざわざ遡って発売されることからも、レコード会社がこのバンドに賭ける期待の大きさが伝わって来ます。BURRN!!誌じゃ広瀬編集長が90点以上を献上していましたが、個人的にあの人が高得点を付けた作品は「悪くないけどそこまでではない」パターンが多く、今回も然程期待はせず聴き始めたのですが、いやいや。ブッ飛ばされましたよ。
本作で聴かれるのは、80年代風味満点のメロディックHRに、今時のバンドらしいモダンなアレンジや、北欧メタルに通じる叙情性と透明感を加味したようなサウンド。琴線に触れる哀愁から、思わず一緒に歌いたくなってしまうキャッチネスまで、メロディの組み立てがとにかく巧みで、情熱的に歌い上げるシンガーの、シャウト一発で場を攫う「華」を感じさせる歌唱が、その魅力を数倍にも引き上げてくれています。
躍動感に満ちたフレッシュなOPナンバー①、弾むリズムがフィスト・バンギングを誘発する②、疾走感溢れるキャッチーでメロディアスなサビメロが秀逸な③という冒頭三連打で完全に掴みはOK。その後も、大会場で観客が一斉に腕を振る姿が目に浮かぶような④、メタル・アンセム調の⑥を経て、胸に突き刺さる感動的なバラード⑧という名曲へ雪崩れ込んでいく本編前半の油断も隙もない構成は、新人離れした貫禄すら感じさせる勢い。
こりゃ間違いなく本年度のブライテスト・ホープ候補上位にランクインしてくる1枚です。デビュー作もチェックせねば。


ICED EARTH - Incorruptible - Seven Headed Whore ★★★ (2017-09-13 23:55:04)

ICED EARTHがここまでストレートに突っ走る
楽曲を演ったのは一体いつ以来でしょうか。
スラッシュ・メタルのルーツを伺わせる疾走ナンバーで、
噛み付くようなシャウトから突き抜けるハイトーンまで
振れ幅の大きなVoの歌唱と、テクニカルに駆け巡るGとが
効果的に楽曲のテンションを高めてくれています。


ICED EARTH - Incorruptible - Great Heathen Army ★★★ (2017-09-13 23:50:57)

重厚且つ物々しいイントロを経て
ヴァイキングについて歌った歌詞に相応しく
厳めしく進撃を開始するOPナンバー。
聴いてるだけで力瘤ってしまう
パワフルな曲調にはICED EARTHの個性が
しっかりと刻み込まれています。


ICED EARTH - Incorruptible ★★★ (2017-09-12 23:47:11)

まず雑誌に載ったICED EARTHのインタビューで、新作(’17年発表)がコンセプト・アルバムではないことを確認して「よし、今回は期待できそうだぞ!」と(超失礼)。これまで再三述べて来たことですが、首領ジョン・シェイファーはコンセプトに囚われず、個々に起承転結を有する楽曲をクリエイトしている時の方が、作曲者としての切れ味がより鋭さを増す印象で(個人の感想です)、本作もその説を裏付けてくれる強力な出来栄えを誇る。…って、ICED EARTHのカタログに駄作は1枚もありませんけどね。
勿論コンセプト・アルバムじゃないからといって、ドラマ性や劇的さが薄まってしまうようなことはなく。厳めしいコーラスがヴァイキング軍団の行軍を思わせる①、海賊の戦場たる大海の如く力強くうねる②、ネイティヴ・アメリカンのスピリチュアルな雰囲気を纏ったインスト曲⑦、ジョンの南北戦争マニア魂が燃え盛る、フレデリックスバーグの戦いにおけるアイルランド旅団の悲劇について綴られた大作ナンバー⑩…。ステュ・ブロック(Vo)のパワフル且つ表現力豊かな歌唱、劇画チックな陰影と愁いを湛えたメロディ、強靭に刻まれるGリフ、ヘヴィネス漲るリズム・ワークを得て、聴いているだけで歌詞世界の情景が眼前に広がっていくような、シネマティックな楽曲の数々を描き出すジョンの筆致はここでも冴え渡っています。また今回は初期スラッシュ・メタル時代に立ち返ったかの如き、アグレッション全開のスピード・ナンバー⑤も収録。本編中盤をグッと引き締めてくれているという。
ICED EARTHはもう過去のバンド?いやいや。現役バンドですら稀な、これほど強力なアルバムを提示してくれるバンドをロートル扱いは畏れ多過ぎるってもんですよ。


ACCEPT - The Rise of Chaos - Carry the Weight ★★★ (2017-09-11 23:04:41)

タイトに飛ばす疾走ナンバー。かと言って勢いで誤魔化すことなく
メロディにはフックが効いていて、特に滲み出す哀愁に
思わずガッツポーズ決めたくなるサビメロは特筆モノ。
劇的なツインGのハモリから、泣きのGソロへと雪崩れ込んでいく
インスト・パートも素晴らしい。
要するに隙のないアルバムのハイライト・ナンバーってことで。


ACCEPT - The Rise of Chaos - The Rise of Chaos ★★★ (2017-09-11 22:57:53)

これぞHM!という雄々しさと屈強さを誇示しつつも
曲調はノリやすく、コーラスは数回聴けばすぐに
一緒に歌える/歌いたくなるぐらいキャッチー
(ポップという意味には非ず)という
本作の方向性を象徴するような逸品。
アルバム表題曲なのも納得ですよ。


ACCEPT - The Rise of Chaos - Die by the Sword ★★★ (2017-09-11 22:49:07)

厳めしいイントロを経て
拳を突き上げるのに丁度いい速度で
パワフルに突き進むOPナンバー。
勇壮なコーラスにも思わず唱和を誘われます。


ACCEPT - The Rise of Chaos ★★★ (2017-09-09 00:53:44)

アルバム・セールス、そのリリース・ペース、そして提示される作品の質と、あらゆる面において第二次黄金期を迎えた復活ACCEPT、’17年発表の新作アルバム。
90年代に流行に擦り寄って痛い目を見た後悔が骨身に染みている彼らゆえ、再結成4作目となる本作でも微塵も揺るぐことなく、雄々しく屈強なACCEPT流HMサウンドの王道を堅守。ともすればマンネリと受け止められかねない頑固な変わらなさですが、定まった型の中であれ、楽曲は毎度微妙にタッチを変えて練り上げられていて、特に今回は、本国ドイツのチャートで№1の座を獲得した前作『BLIND RAGE』の成功に後押しされたのか、全体的にマーク・トニーロのVoの柔軟性や、合唱を誘発するコーラス・ワーク、メロディ・ラインに気を配った「キャッチー」と評したくなる作風を選択。例えるなら6th『RUSSIAN ROULETTE』収録の名曲“MONSTERMAN”タイプの楽曲で全編を固めたような感じとでも申しましょうか。圧倒的にスピーディだったりへヴィだったりする、攻めた楽曲が見当たらない本編は、ある意味「守りに入った」と言えなくもないものの、ここまで守備力が鉄壁ならば最早それは立派なセールス・ポイントではないかと。
勇ましく本編開幕を宣言する①、拳を振り上げサビを歌わずにはいられない③、叩き付けるリズムに乗って憂愁背負ったメロディが疾駆する⑤、ウルフの歌うGソロが絶品な⑦、そして後半に控えしは劇的に疾走する逸品⑨…。本編は捨て曲ゼロな上に、収録時間が40分台とリピート再生せずにはいられない腹八分目具合でまとめられている点も好印象という。
ACCEPTの好調振りは未だ持続中。個人的には今年トップ10入りは確実の力作ですよ。


THE STORM - The Storm - Show Me the Way ★★★ (2017-09-07 22:58:46)

Voのソウルフルな熱唱、Gのエモーショナルな熱演、
曲展開を息苦しいほどに盛り上げるKeyにリズム隊と
全メンバーが良い仕事しまくりでアルバムのハイライトを飾る名バラード。
BURRN!!誌の藤木記者が「結婚式にお薦め」と書かれていましたが
こんな名曲流された日にゃ、式そっちのけで聴き惚れてしまいそうですよ。


THE STORM - The Storm - I've Got a Lot to Learn About Love ★★★ (2017-09-07 22:49:38)

ケヴィン・チャルファントの伸びやかな歌声と、
それと同じぐらいよく歌うジョシュ・ラモスのGが紡ぐ
草原を吹き抜けるそよ風の如き哀メロが心地良い。
リズム隊の踏ん張りが適度なエッジも加えてくれる
スマッシュ・ヒットとなったのも納得の
(いやむしろもっと上位に行っても良かったぐらいな)名曲。


THE STORM - The Storm ★★★ (2017-09-07 00:50:46)

90年代初頭に一度持ち上がったJOURNEY再結成の話が、(主にニール・ショーンとスティーヴ・ペリーの不仲が原因で)ポシャッてしまったグレッグ・ローリー(Key)、ロス・ヴァロリー(B)、スティーヴ・スミス(Ds)の3人が、じゃあ自分らで同路線の音を演んべかと結成したバンドTHE STORMが、’91年にINTERSCOPEから発表したデビュー作。
元JOURNEY組以外の参加メンバーは、この頃から既にニール・ショーン度ド高めのGプレイを聴かせてくれるジョシュ・ラモス(G)に、スティーヴ・ペリーに勝るとも劣らぬ伸びやかな歌声を響かせるケヴィン・チャルファント(Vo)という、アメリカン・メロディアスHR街道一筋に歩んで来た面々。そんなわけで本作に託されているのも当然JOURNEY路線のメロハー・サウンドで、そのクオリティは本家にも匹敵します。あとリズム隊主導のバンドのせいか、出している音がJOURNEYよりグッとハード寄りという。それでいてメロディのフックにも抜かりがないことは、嵐のSEに導かれてスタートするOPナンバー①を聴いただけで明らかでして、この辺りの仕事っぷりは流石メロディ職人集団だなぁと。
全米シングル・チャート最高第26位にランクインした②や、爽やかに耳をくすぐる哀愁のメロディと、ソウルフルな歌声の相乗効果で夢心地へと誘われる⑥といった、グランジ/オルタナ・ブームの本格到来前にギリギリ滑り込みでスマッシュ・ヒットを飛ばしたパワー・バラードは、特にこのバンドの真骨頂が堪能できる名曲ではないでしょうか。
レコード会社の方針転換で、見事な完成度を誇りながらもお蔵入りの憂き目にあった悲運の次作共々、メロディ愛好家の皆様に是非お薦めしたい名盤であります。


Tone Norum - One of a Kind - Can't You Stay (remixed) ★★★ (2017-09-05 23:40:41)

トーン・ノーラムのデビュー・シングル曲でもあった
大ヒット・バラード(本国チャートでは最高第2位)
プロデュース並びに作曲はEUROPEのジョーイ・テンペストが担当。
のみならずバックアップVoとしても目立ちまくっていて
ほぼトーン嬢とのデュエット状態。
というか兄貴のジョン・ノーラムもイントロからGで
耳惹きまくりなので、この3人が主役の楽曲と言えるかもしれません。


Tone Norum - One of a Kind ★★ (2017-09-05 00:25:01)

ジョン・ノーラムの妹御、トーン・ノーラム(Vo)が’86年に発表し、スウェーデンのアルバム・チャートでは最高第5位に食い込むヒットとなったデビュー作。
その関係でか、兄ジョンが7曲でGソロを客演。また元カレだったとも聞くジョーイ・テンペストが、プロデュースと作曲及びコーラス役でバックアップ。更にはイアン・ホーグランド&ミック・ミカエリがサポート・メンバーとしてレコーディングに参加(ミックは楽曲提供も)する等、要は当時人気絶頂だったEUROPEが彼女のデビューに花を添えるべく全面協力しているわけで、そりゃあこれなら売れないわけがない。
BURRN!!誌レビューじゃ酒井前編集長に「兄の七光りアルバム」と酷評され20点台を付けられていて、個人的にも初めて聴いた時の感想は「あまりにソフト過ぎる」「毒にも薬にもならないハードポップ作品」と、芳しいものではありませんでしたが、その後再発を契機に改めて聴き直してみたら、いや普通に良い出来栄えじゃんか、と。毒にも薬にもならないのなら、甘くて美味しいスイーツとして楽しめばいいだけのこと。
特にアルバムに先駆けてリリースされ、本国のシングル・チャート最高第2位にランクインした大ヒット・バラード⑩や、しなやかなシンセを纏って明るく弾む④(最高第13位)を始め、北欧らしい透明感、洗練されたアレンジとキャッチーなメロディ、それにひたむきさが迸るようなトーン嬢のキュートな歌声に彩られたサウンドは、ビッグ・セールスを記録したのも納得の質の高さ。『THE FINAL COUNTDOWN』を思いっきりポップ方向へ振り切ったような音…と聞いて食指が動く方になら、自信を持ってお薦めできる1枚かと。


JIM STEINMAN - Bad for Good - Out of the Frying Pan (And Into the Fire) ★★★ (2017-09-03 23:20:56)

『スクールウォーズ2』主題歌として
丸山みゆきが“FIRE”のタイトルでカヴァー、
スポーツドラマのテーマ曲に相応しい高揚感と躍動感に満ち溢れた名曲です。
ドラマの方は1作目ほどは入れ込めませんでしたが
主題歌の良さは印象に残っていて
あとでこれを聴いた時に「あ、これが元曲だったのか!」と。
『地獄のロック・ライダーⅡ』では
ミートローフ・バージョンも聴けますので
是非聴き比べて頂きたいところ。


JIM STEINMAN - Bad for Good - Stark Raving Love ★★★ (2017-09-02 23:43:36)

イントロ聴いただけで「この物語は…」と芥川也寸志の
名調子が脳内で再生されてしまいますが、
楽曲自体は7分以上(イントロも含めると10分近く)に達する
大作ナンバーで、ボニー・タイラー/麻倉美稀バージョンとは
一味異なる、70年代HRテイストが強く打ち出されています。
まぁどっちにしたって名曲には違いありませんが。
あとこの印象的なメイン・リフは、今聴くとちょっと
『太陽にほえろ!』のテーマ曲っぽくもあるような?


JIM STEINMAN - Bad for Good ★★★ (2017-09-02 23:32:27)

俳優兼シンガーのミートローフとタッグを組んで、『地獄のロック・ライダー』を世界中で大ヒットさせたプロデューサーのジム・スタインマンが、相方ミートローフの急病で思うように活動できなかった時期にレコーディング作業を行い、’80年に発表したソロ・アルバム。
同シリーズの創作面を一手に担う人物だけに、本作に託されている、トッド・ラングレンが奏でるハードなGの調べ、ピアノ、オーケストラ、更には女性Voやコーラスまで導入して、大仰/壮大/ドラマティックに綴られるスケールの大きなロック・サウンドは、まさに『地獄のロックライダー1.5』の趣き。大作主義を志向しつつも、様式美やプログレ・テイストよりも華麗な「ミュージカル風味」が色濃い音楽絵巻っぷりも本家同様です。
ミートローフと比べると、ジムのVoはやや線の細い印象があれど(下手ではない。寧ろ巧い)、とにかく収録楽曲の素晴らしさがそれらを補って余りあるという。特に口角泡を飛ばしまくりのイントロの大演説から繋がっていく、ボニー・タイラーが歌った『フットルース』挿入歌…というよりも、『スクールウォーズ』主題歌“ヒーロー”(By麻倉美稀)の原曲である④は名曲中の名曲。前述の2バージョンに比べると70年代HR感が強めでキャッチーさには乏しいのですが、それはそれで良し!他にもOPナンバーに相応しい劇的さでグイグイ盛り上がっていく表題曲①、高揚感に満ちた(『スクールウォーズ2』の主題歌としても思い出深い)⑤等、名曲揃い。収録曲の内何曲かは後に『地獄のロックライダーⅡ』でリメイクされているので、聴き比べてみるのも一興かと。
本家シリーズに肉薄する圧倒的完成度を誇る傑作。リマスター盤再発を切に希望します。


JOE-ERK - Living Alone - Living Alone ★★★ (2017-09-01 00:25:46)

いかにも90年代的な装飾を排した音作りの下、
ササクレて刻まれるGリフとへヴィなリズムに乗って
ドスを効かせたシャウトから、メロディアスな歌い上げまで
独特の声質を駆使して歌いまくる竹内光雄のVoの魅力が堪能できる名曲。
しっかりと脇を固める清水武仁のGプレイも印象的です。


JOE-ERK - Living Alone ★★ (2017-09-01 00:10:28)

竹内光雄というと、元XのTAIJIが結成したD.T.R.のフロントマンとして知られていますが、個人的にはこの人の名前を聞いて真っ先に思い出すのは『メタルフォーク』なんですよね。一世を風靡したANIMETALブームにいっちょ噛みすべく現れた無数の便乗作品の中にあって頭抜けたクオリティを誇った1枚で、こちとら未だにシングル盤を持ってますよ。
…って前置きが長くなりましたが、あのプロジェクトで堂々たる歌唱を披露していた彼氏が、現在は作曲/編曲家として活動する清水武仁(G)と組んでいたバンドが’93年に残したEPが本作。後に未発表曲を追加したフル・アルバムの体でTOY’S FACTORYからお色直し盤がリリースされています(それでも全7曲、30分強のボリュームですが)。《原石…ゴロリ…ピカリ!》という妙に脱力を誘われる帯の惹句が、逆に記憶に残っているという。
サウンドの方は、スラッシーに刻まれるササクレGリフの上で硬質なシャウトが轟く名曲①に代表されるような、モダンな都会派メタル。EZOに90年代的エッジを加味した感じの音…と言うと、どんな作風か伝わるでしょうか?インディーズ制作ゆえ音質のハンデは如何ともし難く、また②以降の楽曲も少々華に欠ける印象ではありますが、それでも「6種類の声を持つ男」と評されたアクセル・ローズよろしく、噛み付くようなシャウトから、男臭い朗々とした歌い回し、更にはバラードを切々と歌い上げたりと、多彩な歌声を駆使して本編の主役を張る、竹内の歌いっぷりを堪能するには十分な品質が備わっているのではないかと。隠し味のKeyに、嘶く清水のGを活かした⑤みたいな秀曲も収録されていますしね。
本作を購入した中古盤屋の店長さんが、その才能を惜しんでいたのも納得の1枚ですよ。


VOLCANO - Leviathan - Wasteland the Wind ★★★ (2017-08-31 00:58:43)

前作『MELT』の作風を受け継いで、濃厚な正統派HMテイストを
振り撒きながら本編ラストを締め括るスピード・ナンバー。
メタル魂を燃え上がらせるNOVのシャウトと、
全編に亘って歌いまくる屍忌蛇のGがやはり素晴らしい。


VOLCANO - Leviathan - Hate of Flames ★★★ (2017-08-31 00:54:14)

オーセンティックな正統派HM風味を漂わす疾走ナンバー。
屍忌蛇の泣きのGソロ以降、テンポアップして
メロディックに駆け抜ける後半戦は、
ジャーマン・パワー・メタルに通じるものがあるような、ないような。
個人的には初期BLIND GURARDIANをちょっぴり思い出した。


VOLCANO - Leviathan - The Way of the Serpent ★★★ (2017-08-31 00:50:34)

ハードコア風味すら感じさせるストレートに押しまくるヴァースと
ライブでは大合唱を巻き起こしそうな勇壮にしてエピカルな
サビメロの対比もドラマティックなOPナンバーにして
早くもアルバムのクライマックスを飾る名曲。
こんなん聴かされてしまったら、そりゃアルバムの完成度の高さを
確信しますわな。


VOLCANO - Leviathan ★★★ (2017-08-29 23:28:13)

アルバムとアルバムの発表サイクルがオリンピック級の気の長さだったVOLCANOですが、ここ数作で屍忌蛇(G)の創作意欲がブーストしたのか、何とまたしても僅か1年という普通に考えてもかなり短いインターバルでのリリースが実現した、’17年発表の6th。
マカロニ・ウェスタン風味満点の序曲①(軽快なメロディはジャンゴというよりジュリアーノ・ジェンマの『怒りの荒野』っぽい気が…ってのは別にどうでもいいのでさておき)にて幕が上がり、直後に続く、ハードコアな攻撃性と劇的な曲展開、ドロドロに融解した金属が如きNOVの激唱&屍忌蛇が奏でる慟哭のメロディとが一丸となって突っ走る②を聴き終えた時点で、多くの方が今回もVOLCANO節の健在ぶりを確信されたのではないかと。
初バラードに挑戦する等、オーセンティックな正統派HMへ接近した前作に対する反動なのか、本作はブルータリティ重視な作風に舵を切った印象で、ヴァースのメロディの希薄さを、サビからGソロへと至るパートの盛り上がりで強引に挽回しようとする楽曲もチラホラ。これは剛柔の対比を狙った「あえて」の曲構成なのか、それとも制作期間の短さに起因するアレンジの練り不足なのか?尤も、多少掴みに失敗したって屍忌蛇のGソロが走り始めさえすれば、それだけで楽曲の輝度は数倍にも跳ね上がるんですけどね。
従来作と比較すると、収録曲の出来に結構バラつきが感じられるものの、前述の②、独産パワー・メタル勢に通じるパワー・チューン⑦、正統派HMテイスト高めの⑪といった、Gソロと楽曲自体の魅力が化学反応を起こした文句なしの名曲を聴くと、やはり本作もこれまで同様、3つ星クラスの力作であることは疑いようがないわけで。


ANTHEM - ENGRAVED - FAR AWAY ★★★ (2017-08-28 23:30:15)

メタリックな強靭さと哀愁とキャッチネスが
絶妙な塩梅で配合された、アルバム『ENGRAVED』の
作風を端的に表しているかの如き名曲。
練りに練られた清水のGソロも美味しい。


ANTHEM - ENGRAVED - MIDNIGHT GROWL ★★★ (2017-08-28 23:25:58)

キャッチーなようでいて、
ドラムを始め、楽器隊が結構難易度の高いことを
さらっとこなしている印象のメロディック・メタル・チューン。
憂いが溢れ出すサビメロに掴まれますね。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys - Desperate Heart ★★★ (2017-08-28 23:16:07)

アメリカンなノリに貫かれたアルバム本編中にあって
良いアクセントとなっているドラマティックなバラード。
スティーヴの泣きのGソロ(時折爪弾かれるアコギも◎)のみならず、
ペリー・マッカーティの情熱的な歌いっぷりがまた
楽曲の哀愁を効果的に引き立ててくれていますね。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys - Crackdown ★★ (2017-08-28 23:10:49)

『トップ・ガン』のサントラ繋がりで
なんとなーく、ケニー・ロギンスの“DANGER ZONE”を
意識して書いたんじゃないかなー?と
聴く度に思わせられるロック・チューン。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys ★★ (2017-08-28 00:15:04)

『トップ・ガン』サントラへの参加や、ビリー・アイドル、氷室京介との活動等でも知られるスティーヴ・スティーヴンス(G)が、’89年に発表した初めてのソロ・アルバム。
個人的にこの人の名前を初めて意識したのは、例のJERUSALEM SLIM騒動がきっかけでして、マイケル・モンロー人気の高い日本ゆえ、「バンドを空中分解させた上に、よりにもよって因縁の相手ヴィンス・ニールの下に走った不逞ぇ野郎」「ハートではなく金のためにプレイする男」とか散々な悪印象を被っていた彼氏のソロ・アルバムと聞いても、「PLAYBOYだぁ?タイトルからしてチャラチャラしてやがんなぁ」と、全く興味が持てなかったというのが実際のところ。
しかし、こうしてちゃんと向き合ってみると、スティーヴの華やかなGプレイと、元WARRIORのペリー・マッカーティのパワフルな熱唱に盛り立てられたアメリカンHMサウンドは、チャラチャラどころかちゃんと芯が通っているのが感じられ聴き応え十分。メタリックな疾走ナンバー①あり、ホーンを取り入れたゴキゲンな②あり、哀愁満点のドラマティックなバラード④あり、躍動感溢れる⑥あり、スパニッシュ・タッチのインスト⑨あり…といった具合に、本編にはバラエティ豊かにして優れた楽曲が数多く顔を揃えています。
その豊かな才能に触れたことで、一方的に悪者だと思っていたこの人に対する印象が改まる切っ掛けとなった1枚。その後インタビュー等で両者の言い分を読むと、HM志向のスティーヴとパンク/ロックンロール志向のマイケルとでは、そもそも目指す音楽性に大きなズレがあり、JERUSALEM SLIM崩壊は無理からぬことだったのかなぁと。


ANTHEM - ENGRAVED ★★★ (2017-08-25 00:43:05)

絶対的支柱である柴田直人(B)と、昨今HR/HMシーンでも猛威を振るうガンとの闘病という一大事を乗り越えて、’17年にANTHEMが発表した新作。そうした緊急事態がレコーディング作業にどの程度影響を及ぼしたかは知る由もありませんが、本作のクレジットを確認して先ず吃驚するのが、収録曲の半数近くを清水昭男(G)が手掛けている点。復活前を含めてもこんなことなかった!(よね?)ってな前代未聞の大事件ですが、それでいて聴き終えてみると「やっぱANTHEM最高」という会心の仕上がりになっているのですから2度吃驚ですよ。
いやこれまだって清水は曲作りにタッチしてましたし、多数の有名アーティストに楽曲提供をして来た作曲家としての実力に疑問符なんぞ付きようもありません。しかしこうしてANTHEMの重責をこれまで以上に柴田の親分と分け合っているのを目撃すると、「アラ~、ANTHEMさん家の昭男君が立派になっちゃってまぁ!」と、正月ぐらいにしか顔を合わせない親戚のオバちゃんよろしく肩をバシバシ叩きたくなるという(なんだそりゃ)。特に哀愁が絶妙に効いたコーラスが秀逸な⑤は本作のハイライトの一つではないか?と。
そして勿論、柴田御大もしっかりと存在感を主張しています。歯切れ良くキャッチーに躍動する①、哀愁のHRナンバー②、田丸勇(Ds)のタイトなリズム・ワークが冴える疾走ナンバー③という、破壊力よりも機動力(メロディ)重視という、アルバムの完成度と方向性を保証する頭3曲の畳み掛けは「さすが柴田直人!」と喝采を上げる出来栄え。またそれらの楽曲において、メタリックな熱量は十二分に保ちつつも、青筋は幾分控えめに伸びやかな歌い回しを披露する森川之雄(Vo)の熱唱も本編に新鮮な風を吹き込んでくれていています。
各メンバーのより一層の成長で、ANTHEMが後10年は余裕で戦えることを証明した力作。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas - El camino del sol ★★★ (2017-08-24 00:21:44)

まさしく「これぞアルゼンチンのRAINBOW!」という
ミスティック且つドラマティックな大作ナンバー。
どうしたって“STARGAZER”の影がちらつきますが、
中東的な雰囲気を纏った本家に対し、こちらはスペイン語の歌詞もあってか
マヤやインカ、アステカといった中南米で栄えた太古の文明に
思いを馳せたくなるエキゾチックなムードに溢れています。
イングヴェイを彷彿とさせる猛烈な速弾きを炸裂させる
ヴァルテル・ヒアルディーノのGプレイも聴きモノですよ。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas - El beso de la bruja ★★★ (2017-08-24 00:15:04)

“SPOTLIGHT KIDS”や“FIRE DANCE”といった
後期RAINBOWを思わす疾走感と、
巻き舌バリバリのスパニッシュ・メタルの哀愁とが
合体を果たしたアルバムのハイライト・ナンバーの一つ。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas - Mujer amante ★★★ (2017-08-24 00:08:23)

曲調的には“STREET OF DREAMS”に触発されて書かれたであろうことは
明かなのですが、そこにスペイン語によるバリラーリの情熱的な歌い回しと
本家より3割増しで哀愁が増強されたメロディが乗っかることで
RATA BLANCAならではの魅力が付与されているではないでしょうか。
歌心を感じさせるリッチー・テイスト溢れるGソロも実に胸に沁みます。


RATA BLANCA - Magos, espadas y rosas ★★★ (2017-08-23 00:23:55)

90年代前半、マニアの間でスパニッシュ・メタル・ブームがちょっぴり盛り上がった時期がありまして、その際に日本に紹介されたのがスペインのMEDINA AZAHARAと、「白いネズミ」を意味するバンド名を名乗る、このアルゼンチン出身のRATA BLANCA。本作は'90年に発表されるや本国でトリプル・プラチナム級の高セールスを記録し、RATA BLANCAの国民的バンドとしての地位を盤石の物とした'90年発表の2ndアルバムであります。
巻き舌とコブシが効きまくったアドリアン・バリラーリの情熱的なVo、作曲者としてもギタリストとしても「リッチー大好きっ子」ぶりを全力表明するヴァルテル・ヒアルディーノのGプレイ、それに『魔術師と薔薇の伝説』なる仰々しい邦題からもお分かり頂ける通り、彼らが志向するのはRAINBOW直撃の様式美HM(+イングヴェイ・テイストも投入)。
“STREET OF DREAMS”風の抒情ナンバー②、“FIRE DANCE”を彷彿とさせるGとKeyのバトルを組み込んだスピーディな③、“STARGAZER”ばりにエキゾチック且つドラマティックな大作ナンバー⑤etc.…と、本家の濃ゆい様式美成分を抽出してグツグツと煮詰めたようなサウンドは衒いのないリスペクト精神に溢れ、ここまで演ってくれたなら、「好き」が高じ過ぎてちょいちょい顔を出す借り物チックなフレーズも気になりませんて。
本家RAINBOWよりも、むしろ日本のTERRA ROSAとかを比較対象に挙げたくなる程のコテコテ風味に溢れる1枚。のっけからコブシを効かせてクサメロを熱唱するアドリアンの声が、だんだん赤尾和重のそれに聴こえて来てしまうという(空耳)。思わぬところで日本(というか関西)とスペインの様式美HMの共通点を垣間見せて頂きました。


MINDLESS SINNER - Turn on the Power - Here She Comes Again ★★★ (2017-08-21 23:38:13)

重厚な導入部から一気呵成の疾走へと転じる
アルバム屈指のスピード・ナンバー。
絶賛できるほど上手いわけではないのですが
自信満々に歌いまくるVoに何だか圧倒されてしまいますね。


MINDLESS SINNER - Turn on the Power - Live and Die ★★★ (2017-08-21 23:33:30)

鋭角的なGリフをフィーチュアして押しまくる
アグレッシブなHMナンバーゆえVoの不安定さも然程気になりません。
それよりも劇的なハーモニーを奏でることで
直線的な楽曲にフックを演出するツインGのカッコ良さに耳を奪われますね。


MINDLESS SINNER - Turn on the Power - We Go Together ★★★ (2017-08-21 23:29:52)

たださえピッチが甘いシンガーのアカペラで
幕が上がるイントロに「無茶しやがって…」と
思わず冷や汗を拭うOPナンバー。
しかし曲自体はメタリックなGリフや疾走感といい、
コンパクトに締まったGソロといい、これぞHM!なカッコ良さ。
危なっかしいVoの熱唱もある意味楽曲の緊張感を高めつつ、
「北欧メタルらしさ」の創出にも一役買ってくれていると
言えるのではないでしょうか。まぁジャンル・ファンの欲目ですが。


MINDLESS SINNER - Turn on the Power ★★★ (2017-08-20 23:39:16)

マニア筋から高い評価を得るスウェーデン出身の5人組が、デビューEPに続き’85年に発表した、ジャケットに鎮座ましますガスマスク女子が目印の1stフル・アルバム。
音楽性はいかにもヨーロピアンな翳りを湛えた正統派HM。但し、煌めく美旋律や透明感といった北欧ハードポップ的要素にはまるで頓着せず、それよりもアグレッシブなGリフと、スピーディなリズムの運用により正面突破を図るストロング・スタイルは、EUROPEブレイク前夜の北欧メタル・バンドらしく、NWOBHMからの影響が大。平板なプロダクションと、微妙に音程の甘い(ちょっとデビュー当時のジョーイ・テンペストを思わせる)ヘタウマVoとが、ジャンル・ファン的には良い意味で、一般リスナーには悪い意味で、青臭く垢抜けないマイナー・メタル臭を運んで来ますが、当然前者に与する我が身としては「そこが良いんじゃない!」と力強くサムズアップした次第。
愁いを帯びてシャープに疾走する曲調の上に乗っかる、いっぱいいっぱいなハイトーンVoが色んな意味でスリリング極まりない名曲①にメタル・ハートを鷲掴まれてしまえば、あとは鋭角的に動き回り印象的にハモってみせるツインGを活かした④や、劇的な導入部を経て猛然と走り始めるお約束の展開が熱い⑦のようなスピード・ナンバーから、重厚なリズム・パターンが“HEAVEN AND HELL”風の③、歯切れ良く突き進む⑥、バラードリーにラストを締め括る⑨といったメロディックなミドル~スロー・ナンバーまで、本編は多少のイモ臭さをモノともしない逸品がズラリ揃っています。
『RED, HOT & HEAVY』期のPRETTY MAIDSを愛聴する方ならマストな1枚かと。


MOTORHEAD - Ace of Spades - Please Don't Touch ★★★ (2017-08-20 01:05:34)

JOHNNY KIDD & THE PIRATESのデビュー・ヒット曲のカヴァーにして、
MOTORHEADとGIRLSCHOOLが合同で発表した3曲入りEP(全英チャート最高第4位)
『St. Valentines Day Massacre』のリーダー・トラック。
メインVoはレミーとケリー・ジョンソンが分け合い、
ドラムは首の骨折って入院中だったフィルシー・テイラーの代わりに
GIRLSCHOOLのデニス・デュフォードが叩いている。
3分弱のランニング・タイムをヤサグレ気味に突っ走る無頼な名曲。

ちなみに動画サイトで見られるTV番組出演時のライブ映像が非常にクール。
ドラム叩かんとウロチョロ踊るフィルシーが何度見ても笑えます。


MOTORHEAD - Motorhead Vs Girlschool ★★★ (2017-08-20 00:18:33)

タイトルに「VS」なんて付いてますが、MOTORHEADとGIRLSCHOOLの電流デスマッチの模様を収めた実況録音盤…なわけは勿論なくて。2バンドが共同でBRONZ RECORDSから発表したEP『St. VALENTINES DAY MASSACRE』をメインディッシュに、そこに彼らのシングルB面曲、更にはBRONZとワン・ショット契約を交わしていたYOUNG & MOODY BAND(レミーを始め、STATUS QUOのボブ・ヤング、WHITESNAKEのミッキー・ムーディやコージー・パウエルらが参加)が発表したシングル2枚等の音源を「取りあえず全部入れとけ!」ってな勢いでブッ込んだテイチクお得意の企画盤。これ1枚で入手困難音源を手軽に振り返れるので便利っちゃ便利なんすが、CD容量の関係で数曲カットされていたりするので、結局は元作品も集める必要が出て来てしまう点は痛し痒しという。
内容については、やはり目玉は「HEADGIRL」とも「MOTORSCHOOL」とも評されたプロジェクトからの楽曲であり、特にJOHNNY KIDD & THE PIRATESのヒット曲のカヴァー①は、レミーのやさぐれVoと、GRILSCHOOLの楽器隊が生み出す無頼な疾走感がマッチした仕上がり。それぞれの持ち曲を交換カヴァーした②③も流石のハマリ具合です。
あと、ボートラ的に収められたYOUNG & MOODY BAND(Voは名曲“孤独のナイト・ゲームス”の作曲者エド・ハミルトン。コーラスはTHE NOLANDSが担当)の⑪⑫⑬は全曲リラックスしまくりのロックンロールで、火花散るような緊張感を求めると落胆確実なれど、参加面子が面子だけに個人的には非常に興味深く聴けることが出来ましたよ。
マニア向けアイテムとはいえ、見かけたらチェックする価値は十分にあるのではないかと。


LIONHEART - Second Nature - Give Me the Light ★★★ (2017-08-18 00:25:24)

幻想的な“PRELUDE”からスタート。
仄かな哀愁を湛えつつ、煌びやかなKeyを身に纏って
爽やかに躍動する曲調は、まさしく往年の
LIONHEARTサウンドを現代にそのままよみがえらせたかのよう。
OPナンバーの大役を任されたのも納得の輝きを放つ名曲です。


LIONHEART - Second Nature - Don't Pay The Ferryman ★★★ (2017-08-18 00:21:21)

アイルランドで活躍する英国人シンガー/ソングライター
クリス・デ・バーが'82年に英米でヒットさせた
『THE GATEWAY』収録曲のカヴァー…と教えて貰わなかったら
LIONHEARTのオリジナル曲と信じて疑わなかったであろうぐらい
見事にハマっている哀愁のHRナンバー。
(確かドイツのDOMAINもカヴァーしていたはず)


LIONHEART - Second Nature ★★★ (2017-08-17 23:11:26)

英国のLIONHEART(スティーヴ・グリメットのLIONSHEARTに非ず)が、約30年ぶりに発表した2ndアルバム。
再編されたバンドのラインナップは、デニス・ストラットン(G)、ロッキー・ニュートン(B)、スティーヴ・マン(Key)のオリジナル・メンバーに加えて、旧知の間柄であるクライヴ・エドワーズ(Ds)、そしてSHYのリー・スモール(Vo)という布陣。1st『HOT TONIGHT』で素晴らしい喉を披露していたチャド・ブラウンの不参加を惜しみつつも、リーとてシンガーとしての実力は折紙付きゆえ不安は微塵もなし。LIONHEARTが得意とするハードポップ寄りの楽曲を歌うには声質的にやや「重い」かと思わなくもありませんでしたが、本作の方向性自体がハード気味に振られていることもあり、危惧したような違和感はありませんでしたね。
蔵出し音源集『UNEARTHED』収録曲のリレコと、書下ろしの新曲が半々で構成された本編は、コンピ盤的色合いが感じられなくもないものの、それでもイントロ①に続いて、爽やかな曲調にKeyが涼し気な彩りを加える②、カヴァー曲とは思えぬハマリ具合でアルバムのハイライトを飾る③、デニスがIRON MAIDEN在籍時代に書き上げた(スティーヴ・ハリスと共作予定だったという)⑤、キャッチーな⑩、実質的なデビュー曲であった疾走ナンバーにしてバンドのテーマ曲⑫等、「LIONHEART is BACK!」と確信させられるに十分な高品質な楽曲の数々を耳にすれば、そんなことは些細な問題であると。
今更ながら、PRAYING MANTISと共同で行われたという彼らの来日公演に足を運べなかったことが悔やまれる、復活作として十分な手応えを感じさせてくれる1枚です。


JETBOY - Feel the Shake - Hard Climb ★★ (2017-08-15 22:39:01)

派手な見た目に反して落ち着きすら感じさせる
ロックンロールを聴かせてくれたデビュー作において
この曲のみ売れ線ハードポップ・ナンバー風。
ハッキリ言って本編からは浮いているのですが
いやでも良い曲なんですよ、これが。
甘くキャッチーなサビメロに虫歯が疼きますよ。


JETBOY - Feel the Shake (2017-08-15 22:34:26)

デビュー直前にELEKTRA RECORDSとの契約を破棄されるという辛酸を舐めるも、《NO PAIN, NO GAIN》(苦労なくして得られるものなし)のポリシーの下、自棄を起こさず踏ん張って、再度メジャー・レーベルMCA RECORDSとディールを交わすことに成功したLAの4人組が、'88年に発表したデビュー作。(プロデュースはトム・アロムが担当)
シンガーのミッキー・フィン(Vo)がモヒカン頭だったり、メンバーの1人が元HANOI ROCKSのサム・ヤッファ(B)だったりと、センセーショナルなアピアランスが注目を集め、GUNS’N ROSESの対抗馬とも目された(当時)彼らゆえ、さぞかしエネルギッシュでデンジャラスなサウンドを聴かせてくれるものと思いきや、意外にも本作で聴かれるのは、ブルーズやグラム・ロックからの影響を散りばめつつシンプルにプレイされる、時に渋みすら漂わすロックンロール。帯に書かれた惹句《LAメタルのトリは俺達が務める!》の勇ましさからすると「もっと派手にハジけて、パンキッシュに攻めてくれてもいいんじゃない?」と。これではミドル~スロー・テンポの楽曲中心の本編に物足りなさを感じる方がいるのも無理からぬことのような。
泣きや哀愁とは無縁の作風であり、嘗てはガン無視を決め込んでおりましたが、HR/HM名盤ガイド本に本作が取り上げられていたことに興味を引かれ中古盤をゲット。決して主食にはなり得ない作品だとは思いつつも、例えば作中では浮いてるようにすら感じられる、キャッチーなハードポップ・ナンバー⑧の名曲ぶりは大したものだと感心させられたりも。
バンドの地力の高さは十分に伝わって来る出来ゆえ、あとは好みの問題でしょうか。


LIZZY BORDEN - Terror Rising - No Time to Lose ★★★ (2017-08-14 23:56:20)

LIZZY BORDEN屈指の名曲。
疾走する曲調、その上に乗るリジーのけたたましいハイトーン、
何より「ここぞ!」というタイミングで劇的にハモってみせる
ツインGの妙技がガッツポーズ物ですがな。


LIZZY BORDEN - Terror Rising ★★★ (2017-08-14 23:52:56)

2ndフル『MENACE OF SOCIETY』を以て、ここ日本で一躍評価を高めたLIZZY BORDENが、リジー曰く「新作が出るまでズーっとLIZZY漬けなって欲しい」との目的の下、次のアルバムまでの繋ぎとして'87年に発表したミニ・アルバム。
日本盤とUS盤とでは内容が異なっており、JEFFARSON STARSHIPの代表曲“WHITE RABIT”や、BITCHのベッツィ・ウェイスとリジーの「美女と野獣」デュエットが楽しいTUBESの“DON’T TOUCH ME THERE”といったカヴァー曲①②、及び新曲③④に関しては両盤共通な一方、日本盤はB面サイドに国内未発売だったデビューEP『GIVE ‘EM THE AXE』を丸ごと収録。個人的に本作の購入動機はこれ目当てだったぐらいでしてね。
キャッチーな表題曲⑤、リジーの個性的なハイトーン(歌の巧くなったオジー風)が勇ましい曲調に花を添える⑥、切れ味鋭く切り込み、劇的にハモるツインGの威力がガッツポーズ物のスピード・ナンバーの名曲⑦、バンドの名を一躍HR/HMシーンに広めるのに大きく貢献したRAINBOWの代表曲“LONG LIVE ROCK’ N ROLL”のカヴァー⑧等、『MENACE~』以降の作品よりも明確に欧州風味の正統派HM路線が志向されている楽曲の数々がカッコイイの何のって。勿論、バラード風に始まり、印象的に歌う2本のGを伴ってノリ良く駆け抜ける③のような新曲の出来栄えもお見事ではありますが。
本編全体に占めるカヴァー曲の割合の高さや、3分未満の楽曲がテンポ良く繰り出されていく構成といい、全体的に肩の力を抜き、バンド側も楽しんでレコーディングを行ったであろうことが伝わって来る1枚ですね。


CRACK JAW - Branded ★★ (2017-08-11 09:20:21)

SPV/STEAMHAMMER RECORDSとアルバム3枚分の契約を交わし、'85年に名盤『NIGHTOUT』でデビューを飾った西ドイツ・フランクフルト出身の5人組の2ndアルバム。…になる筈が、レーベルとの関係が拗れたことでリリースはご破算。やる気を失ったバンドも解散してしまったためそのままお蔵入りの憂き目に遭った不遇な1枚が、’16年に初お目見え。正式発売に際しては、リマスター音源、再結成後にレコーディングされた新曲(これがなかなかの出来栄えで良い感じ)等の大量ボーナス・トラックに加えて、更にはブックレットにはバンド・ヒストリーから詳細な各曲解説まで収録。如何にもドイツ人らしい几帳面な仕事ぶりが発揮された本作の仕様からも、バンド側の本作のリリースが叶ったことに対する喜びの程が伝わって来るかのようです。
音の方は、1stのスタイルを順当に引き継いだ哀愁のヨーロピアンHR。プロダクションの冴えなさはお蔵入り音源ゆえ目を瞑るとして、“STRUCK BY THUNDER”のようなインパクトあるスピード・ナンバーの名曲が見当たらず、全体的にミッド・テンポの楽曲中心にまとめられた「歌重視」の作風には若干の物足りなさを覚えなくもないという。
それでも、イントロから2本のGが泣きまくるドラマティックな②、重厚に突き進むアルバム表題曲③、キレのある疾走ナンバー⑥、泣きに満ちたバラード⑨、哀メロがキャッチーに躍動する⑩等、きっちりと耳を捉えるハイクオリティな楽曲の数々が収められている辺りは流石。このバンドのポテンシャルの高さは侮れません。「リリースしてくれてありがとう!」と、思わずメンバーに駆け寄って握手を求めたくなる1枚でしたよ。


Alice'n Thunderland - Alice'n Thunderland - Mine, All Mine! ★★★ (2017-08-09 21:50:33)

アルバムのジャケットに描かれた猫バスもどき
(トトロのとは違ってちびっ子を頭から喰らいそうな感じ)
の凶悪な咆哮からスタートするOPナンバー。
エミのハスキーなシャウトと、ライブ映えしそうな
パワフルなコーラスをフィーチュアして
重心低く突き進むドスの効いた曲調が非常にカッコイイ。


Alice'n Thunderland - Alice'n Thunderland ★★ (2017-08-09 21:20:39)

ランディ・ローズ門下生にして、ギターを肩に担いだ状態でタッピングを行うという、斬新且つ壮絶に無意味な(そこがいいんじゃない!)「アップサイド・ダウン奏法」で一世を風靡し損なったチェット・トンプソン(G)と、MOTLEY CRUEのバック・コーラスも務めたNASTY HABITSのメンバーで、ミック・マーズの元奥方としても知られるエミ・キャニン(Vo)によるバンドが、’95年に世に放った唯一作。
参加面子に興味をそそられたのと、中古盤が安かったので購入はしたものの、モダン・ヘヴィネスが猛威を振るった時期のUS産HMバンドの作品ゆえ、内容に関しちゃ殆ど期待していませんでした。事実、飾り気皆無のプロダクションから歪んだGの音作り、中~低速/音域メインの収録曲に至るまで、その作風は90年代の流行にばっちり則っていますし。
しかしながら、エミの姐御系に分類されるワイルドな歌唱と、リフ/リード両面において冴え渡るチェットのテクニカルなGプレイとが、モダンなパワー・メタル・サウンドにキレとフックを生み出していて、本作が単に重苦しくてカッタルイだけの内容になることを防いでくれています。特に腰を低く落としてズンズン突き進むが如き①は、中期VICIOUS RUMORSを思わす迫力満点の名曲。まぁ地味な楽曲も散見されますけど、にしたってラストを〆る⑪がエミの熱唱を活かして盛り上がる秀曲ゆえ聴後感は上々。あと付け加えると、へヴィ&アグレッシブな音楽性に反して歌詞からはクリスチャン・メタルの姿勢も伺えたり。
何となく、チェットが一時的に参加していたマンディ・ライオン率いるWWⅢのアルバムに通じる魅力を感じた1枚。勿論USパワー・メタル愛好家にもお薦めです。


Alice'n Thunderland (2017-08-09 21:19:50)

ランディ・ローズに師事し、タッピングの名手として知られたチェット・トンプソン(G)が、アン・ボレイン率いるHELLIONに参加して知名度を高めた後、90年代に入って結成したバンド。(バンド名は彼が10代の頃にやっていたバンドの名前をそのまま再利用している)
相棒役を務めたのは、MOTLEY CRUEのバック・コーラスを務めたNASTY HABITSのメンバーで、一時期ミック・マーズの奥方でもあったエミ・キャニン(Vo)。
バンドは'95年にアルバム1枚のみを残して、大きな成功を収めることなく消滅するが、ミック・マーズは女房(当時)のバンドということで彼らに金銭面や機材面で支援を惜しまなかったため素寒貧になってしまったという。ちょっといい話――いい話か?――あり。


BLOODGOOD - Detonation - Eat the Flesh ★★★ (2017-08-07 22:17:49)

彼らがクリスチャン・メタル・バンドだからというわけじゃないのですが
どことなく讃美歌チックな荘厳さを湛えて響き渡るサビメロが印象に残ります。
作品全体としては硬派な正統派HMサウンドを志向しつつも
こうしたボーカル・ハーモニーを活かしたコーラスの組み立ての巧みさは、
やはりアメリカのバンドだなぁと。


BLOODGOOD - Detonation - Vagrant People ★★★ (2017-08-07 22:13:49)

メタル魂を燃え上がらせる勇壮な曲調と重々しい疾走感、
地響き立てて炸裂する男性コーラスとが相俟って
そこはかとなくACCEPTを思い出させる逸品に仕上がっております。


BLOODGOOD - Detonation - Battle of the Flesh ★★★ (2017-08-07 22:09:20)

イントロから派手な速弾きが炸裂する、OPナンバーらしい疾走曲。
リーダーのマイケル・ブラッドグッドがゴリゴリ鳴らしまくるBが
楽曲の持つハードネスを際立たせます。
シャープに切り込んでくるGに負けじとパワー全開のVoが歌う
ライブ映えしそうなコーラスも印象的。


BLOODGOOD - Detonation ★★★ (2017-08-06 23:48:53)

ワシントン州シアトルにてマイケル・ブラッドグッド(B)により結成され、後にプロデューサー業やソロ・アーティストとしても活躍するデヴィッド・ザフィーロがフロントマンを務めていたことで知られるバンドが、’87年にFRONTLINE RECORDから発表した2nd。
STRYPER、WHITECROSS、BARREN CROSSを含めた「4大クリスチャン・メタル・バンド」(そんな括りがあったんかい)の中では唯一国内盤がリリースされていないこともあり、日本での知名度は今一つな印象ですが、作品の質の高さでは上記3バンドに勝るとも劣りません。
派手なライブ・パフォーマンス等がキリスト教右派から批判され、本国よりも欧州での人気が先行したという逸話に相応しく、本作において彼らが聴かせてくれるのは、ヨーロピアンな風情も漂わす硬派な正統派HM。特にイントロからフラッシーに炸裂するG、ゴリゴリと骨太なアクセントを加えてくるB、粗い声質のシャウトがメタル向きのシンガーが歌う、思わず合唱を誘われるキャッチーなメロディを伴い疾走するOPナンバー①は、挨拶代わりの一撃とでも言うべき名曲。更にACCEPTばりの重低音コーラスをフィーチュアした勇壮な②がその後に続いた時点で、個人的には本作の出来の良さを確信させられた次第。そして勿論その期待は裏切られることなく、本編にはこれ以降も、讃美歌調に響き渡る重厚なサビメロがドラマティックな⑥、攻撃的な曲調とミュージカル仕立ての歌詞(キリスト処刑にまつわるピラト総督の伝承)を組み合わせた⑧等、印象に残る楽曲が途切れることなく連続します。
インディーズ制作ゆえのパサついた音作りには難ありなれど、気合迸る本編はそれを補って余りあるカッコ良さ。彼らの他の作品もチェックせねばという気にさせられる1枚です。


UNLEASH THE ARCHERS - Apex - Apex ★★★ (2017-08-05 10:03:35)

叙情的に始まり、テンポ・アップしつつツインGのハモリを
散りばめつつパワフルに盛り上がっていく様が、
なるほど確かに、ブリトニー・スレイズが
「まさにそういうノリが楽曲が作りたかった」
とインタビュー等で正直の答えているように、IRON MAIDENの
“審判の日”を彷彿とさせる、本編ラストを〆る大作ナンバー。


UNLEASH THE ARCHERS - Apex - Cleanse the Bloodlines ★★★ (2017-08-05 09:59:18)

アルバムのコンセプトに沿ったファンタジー映画風のPVも作られている
アルバムのリーダー・トラック。ブリトニー・スレイズのパワフルな熱唱が
映えるプログレ・メタル調の劇的な曲展開と、エピック・メタリックな
勇壮な盛り上がりっぷりにぐいぐい引き込まれてしまいます。


UNLEASH THE ARCHERS - Apex - The Matriarch ★★★ (2017-08-05 09:51:26)

タイト且つテンポ良く攻めて来るHMナンバー。
国内盤の解説でも触れられている通り、
エピック・メタルというよりは
80年代のUSパワー・メタルに通じる
ガッツが感じられます。


UNLEASH THE ARCHERS - Apex ★★★ (2017-08-04 07:18:07)

数年前に行われた来日公演におけるメタル・ゴッデスぶりが未だ記憶に鮮烈なブリトニー・スレイズ(Vo)率いる、カナディアン・パワー・メタル軍団、’17年発表の4thアルバム。
メタル者の血を滾らせるエピカルな音楽性はそのままに、ブリトニー嬢と共に曲作りの一角を担っていたデス・メタル好きのギタリストが脱退したせいか、前作辺りまで目立っていたグロウルを用いたコーラスやブラスト・ビート等、デス・メタリックな要素は減少傾向。それよりもオールドスクールで正統派な方向へとサウンドの焦点が絞り込まれた印象です。
ジャーマン・メロパワ風のサビメロを持つ①で本編の幕が上がった時は「え?そっち行っちゃうの?」と不安に駆られなくもありませんでしたが、次曲以降は小気味良く疾走する②⑤、パワフル且つ好戦的な③、劇的な曲展開にメタル魂がメラメラと燃え上がる④、ライブ会場で無数の拳が突き上げられる光景が目に浮かぶような⑦…といった具合に、UTA印の勇壮なる楽曲が連続。ラストを〆るIRON MAIDENに対する溢れんばかりの敬意が託された大作ナンバー⑩、サウンド的にもコンセプト的にもハマり過ぎるぐらいハマっているQUEENSRYCHEの名曲カヴァー⑪に至るまで、無駄も隙もない本編には唸らされっ放しという。そして勿論、時に女王の如く威厳たっぷりに、時に戦士の如く凛々しく、そして時に女神の如く麗しく、それらを堂々歌い上げるブリトニー嬢の歌唱こそが本作の主役であることは今更言うまでもありませんわな。
演っている音楽とプロダクションの方向性に若干の齟齬を感じなくもないのですが、ここまで強力なHMアルバムであればそれも大した問題じゃないですよね。


ACCEPT - Eat the Heat - Mistreated ★★★ (2017-08-02 22:59:52)

泣きや哀愁のセンスは従来のACCEPTから引き継ぎつつ
デヴィッドのじっくりと聴かせるエモーショナルな歌唱と
大陸的な雄大なスケール感といった新味も見事に活かした
感動的なロッカ・バラード。尺は9分近くと長めですが
時が経つのも忘れて聞き惚れてしまいますよ。
ウルフ・ホフマンの泣きのGも絶品。


ACCEPT - Eat the Heat - Hellhammer ★★★ (2017-08-02 22:54:41)

メロディック&リズミックに弾む曲調と、
キャッチーなサビメロが非常に秀逸。
(思わず一緒に叫びたくなりますね)
デヴィッド・リース擁するACCEPTが目指したサウンドの
理想形に限りなく近づいた名曲ではないかと。