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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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RAVEN - One for All - Big Fat Mama ★★★ (2018-05-20 08:28:26)

身体を動かさずにはいられない疾走感と
ゴキゲンなノリの良さが炸裂するSTATUS QUOの代表曲。
こういう自分達がカヴァーするのに打ってつけの楽曲を
見逃さない選曲眼と、よりパワフル且つアッパーに料理してみせる
腕前と併せて、RAVENのカヴァー・センスの良さが存分に振るわれた1曲。
日本盤のみのボーナストラックってのは勿体なさ過ぎる。
ただこれのインパクトが強過ぎて、アルバムのオリジナル曲の
存在が霞んでしまう点は痛し痒しという...


RAVEN - One for All - Kangaroo ★★ (2018-05-20 08:15:50)

剛直に刻まれるGリフ、ノリの良さも失わずに
パワフルに疾走するリズム、血管がブチブチ
いきそうな勢いで高音スクリームをキメる
ジョン・ギャラガーのハイテンションVoと、
RAVEN印があちこちに刻印されまくった
一丸となって押し込んで来る疾走ナンバー。


RAVEN - One for All ★★ (2018-05-18 00:02:03)

名盤『ALL FOR ONE』(’84年)に引っ掛けたような、思わずニヤリとさせられるタイトルに釣られて購入してしまった、’99年発表の11thアルバム。
90年代半ばは迷走期を過ごしたRAVENなれど、久々にマイケル・ワグナーをプロデューサーに起用した本作では、年を重ねても落ち着くどころか益々意気軒高に高音スクリームとテクニカルなBプレイをキメまくるジョン・ギャラガー、けたたましくリフを刻みソロをブッ放すマーク・ギャラガー、パワー全開のジョー・ハッセルヴェンダーのドラミングとが猛然と駆動する、己の本分に立ち返ったようなアスレチック・ロック・サウンドを全力でブチかましてくれています。このアルバムの前に未発表&レア曲集『RAW TRACKS』を取りまとめたことも、自分達の音を見つめ直す良い機会になったのかも?
リリース当時は、元気一杯な反面、全体的にキャッチーさ不足が気にならなくもなかったのですが、改めて聴き直してみると、ハイパーな疾走感の中にロックンロールに根差したノリの良さも宿すスピード・ナンバー②⑩を筆頭に、収録曲にはいずれも紛うかたなきRAVEN印が刻印されていますし、何てったって本作はハイライト・ナンバーたるSTATUS QUOの名曲カヴァー⑫がトドメを刺す。嘗てRAVENがウド・ダークシュナイダーとの狂人タッグでカヴァーした“ワイルドで行こう”(STEPPEN WOLF)を彷彿とさせる、パワフル且つ狂騒的仕上がりに胸躍る逸品。いやまぁアルバムで一番印象に残るのが他人の曲ってのはどうか?と訝しむ向きもありましょうが、そうした疑問もブッ飛ばすカッコ良さなので是非一度お聴き下さませ。


SAMSON - Shock Tactics - Communion ★★★ (2018-05-16 23:54:39)

邦題は“霊界通信”。(丹波先生の顔が思い浮かびますが)
アルバムを締め括るドラマティックなバラードで、この曲における、
楽曲の魅力を十全に引き出すブルース・ブルースのダイナミックな熱唱は
既に実力派シンガーの貫禄たっぷり。その彼のVoとサンダースティックの
派手なドラミング、それにポール・サムソン入魂のGとが入り乱れる
終盤の盛り上がりには胸が熱くなりますよ。


SAMSON - Shock Tactics - Riding With the Angels ★★★ (2018-05-16 23:46:35)

音質の向上によりシケシケ感が薄れ、
Gリフ主導でタイトに突っ走る様は
完全に80年代仕様のHMナンバー。
このハードな楽曲を手掛けたのが、
“I SURRENDER”や“SINCE YOU'VE BEEN GONE”の
イメージが強いラス・バラードってのが意外です。
個人的にはサンダースティックがもっと
派手に暴れてくれると尚良かったのですが。


SAMSON - Shock Tactics ★★★ (2018-05-15 23:29:20)

現IRON MAIDENのブルース・ディッキンソンや、覆面レスラー…もといドラマーのサンダースティックらを擁したNWOBHMの雄、ポール・サムソン率いるSAMSON、'81年発表の3rdアルバム。(邦題は『魔界戦士』)
彼らのカタログの中では、ポリスに通報待ったなしの変質者感バリバリな勇姿でサンダースティックがジャケットを飾り、そこに邦題『魔人襲来』がコクのある味わいを加えてくれていた2ndがお気に入りなのですが、勿論SAMSONの代表作として名高い本作も、質の高さで引けを取るものじゃありません。
IRON MAIDENばりにケレンの効いた音を期待すると拍子抜けしてしまう、HMというよりはHRと呼びたくなる70年代の残り香を漂わせたシンプルな作風は前2作を踏まえつつ、今回はこれまで以上にリフ志向が強まりリズムも疾走感を増す等、タイトに洗練された楽曲は、プロダクションの向上でシケシケ感が薄まったことにも後押しされて、よりメタリックな味わいを漂わすようになりました。既に実力派シンガーの風格十分なブルースの熱唱と、派手さはなくとも、リフにソロに滋味溢れる演奏を連発するポールのGを両輪に突き進む(サンダースティックのDsは今回は大人しめ)SAMSONサウンドの醍醐味は、バンドの代表曲であるラス・バラードのペンによる疾走ナンバー①(邦題は“地獄の天使”)と、ラストを締め括るドラマティックな⑨(邦題“霊界交信”)といった名曲に顕著に表されています。
残念ながら、これ以降櫛の歯が抜けるように主要メンバーが抜けていき、人気にも陰りが出始めるSAMSONですが、本作が放つ輝きは今も全くくすんではいませんよ。


TYGERS OF PAN TANG - Tygers of Pan Tang - Never Give In ★★★ (2018-05-15 00:15:48)

駆け抜けるリズムと、攻撃的なGリフの刻みっぷりが
名曲“GANGLAND”を彷彿とさせる疾走ナンバー。
サイクスもデヴァリルもいないTYGERS OF PAN TANGなんて
聴く気が起きないという方も、取り敢えずその判断は
この曲を聴いてからでも遅くはないですよ。


TYGERS OF PAN TANG - Tygers of Pan Tang ★★★ (2018-05-13 22:36:50)

看板メンバーだったジョン・サイクスとジョナサン・デヴァリルのWジョンは既にバンドを去って久しく、現在は唯一残ったオリジナル・メンバーのロブ・ウィアー(G)が司令塔役を担っているTIGERS OF PAN TANG、'16年発表の新作アルバム。
「虎だ!虎になるのだ!」ってな気迫に満ちたジャケット・イラストのカッコ良さに釣られて購入してみれば、これがアートワーク負けしない、聴き応え満点の充実作で思わず笑みがこぼれます。面子は地味でも、名盤『GANGLAND』(’81年)に収録されてたって違和感のないGリフ主導で畳み込む疾走ナンバーの名曲④を始め、本作はファンが期待する「らしさ」をしっかりと保持。のみならず、美しい泣きのバラード③や、哀愁に満ちたメロハー・ソング⑧等ではエモーショナルな表現力とメロディ・センスを、アグレッションと憂いに満ちたメロディが同居するOPナンバー①、TOPT流“移民の歌”チックな⑨、ツインGが映えるライブ映えしそうな⑪といった楽曲においては、ベテラン・バンドらしい曲作りの巧みさもアピールしたりと、なかなかどうして隙の無い仕上がりっぷり。
80年代からズルズルと離散集合が繰り返されて来たせいか、「復活」とか「満を持して」感よりも「あ、まだやってたんだ」感の方が強かったりするTYGERS OF PAN TANGですが、無駄な気取りや気張りがない本作には、そうやって長く続けて来たからこそ到達し得た自然体の魅力が溢れています。(まさに継続は力なり)
あとついでに、最後の最後に「かまし」が待っていますので、聴く際は椅子から飛び上がらないようにご注意を。


FM - Atomic Generation ★★★ (2018-05-12 02:20:34)

英国のベテラン・ロック・バンドFMが、キャリア30周年を祝う企画盤『INDISCREET 30』のリリースを挟んで'18年に発表した新作スタジオ・アルバム。
FMと言えば、挨拶代わりのOPナンバー①が物語る通り、スティーヴ・オーヴァーランド(Vo)の絶品の歌唱力を活かしたブルージーな味わい漂わすメロディアスHRサウンドが持ち味。当然本作でもそうした渋めのテイストは保持されているわけですが、前作でデビュー作のリメイクにチャレンジしたことが良い刺激になったのか、今回は初期作を思わせるキャッチーなハードポップ風味も随所に編み込む等、FMがこれまで歩んできたキャリア(音楽的変遷)を肯定的に総括する内容に仕上がっています。
哀愁のメロディに、控えめながら的確に仕事をこなすGと美しいハーモニーが華を添える②、爽やかな微風の如く心地良い⑤、哀メロがキャッチーに弾む本編のハイライト・ナンバー⑧、エモーショナルな歌声に聴き惚れずにはいられない感動的なバラード⑨(鍵盤アレンジも効果的)、ヘヴィな曲調とオルガン・サウンドのコントラストがクラシック・ロックの風格漂わす⑩といった、ベテラン・バンドならではの円熟味と、曲作りにおける職人技が冴え渡る名曲の数々を目の当たりにすれば、スティーヴが「FM史上最も成熟した完成度の作品。つまり今作自体こそがFMなんだよ」と胸を張るのにも大いに納得ですよ。
FM=地味めなブルーズ・ロック・バンドとのイメージを持っている向きには是非お薦めする1枚(先入観を覆されますので)。BURRN!!誌で広瀬編集長が90点を献上しているのを見かけた時は眉に唾付けたものですが、今なら同意しないわけにゃいきませんて。


STRYPER - God Damn Evil ★★ (2018-05-09 23:17:14)

雑誌レビューで辛めのコメントを頂戴していたり、発売日からまだ間もないのに早々に中古盤が出回っているのを見かけたり、更にOPナンバー①が、BLACK SABBATH風のGリフが刻まれ、サビをマイケル・スウィート(Vo)が吐き捨て気味にシャウトするという、STRYPER的に有りか無しかを問うたら、ブッチー武者扮するキリストが勢いよく×マークを掲げそうな(byオレたちひょうきん族)大胆極まる新機軸を打ち出した楽曲だったりと、内容に関しちゃ不安感マシマシにならざるを得なかった'18年リリースの新作アルバム。
尤も、②以降は従来のSTRYPER節を逸脱する作風ではありませんし、①だってよう聴けば単純にカッコいい正統派HMナンバーとして十分評価は可能。それに何より、タイトル通り正に“BEAUTIFUL”な⑧、ドラマティックなバラード⑨、攻撃的な疾走ナンバー⑩といった、マイケルの美声や盛り盛りのハーモニーが映える秀曲が連打される、本編後半のラスト・スパートっぷりは流石はSTRYPERといった貫禄で、聴き応え十分ですよ。
ポップさよりもメタリックなエッジやアグレッションを強調しつつ、ヴァースの弱さをサビメロの劇的なコーラス・ワークで挽回して収支を合わせるという曲作りは、再結成以降のSTRYPERの流儀に則ったものなのですが、そのスタイルの集大成というべき完成度を有していた前2作に比べると、今作は壮麗さを抑え気味に、よりシンプルにロックするようになった分、メロディやGリフのフックに曲毎にバラつきが出てしまったような…。
上記楽曲や③等を始め、アルバムは必要にして十分なクオリティを有しているものの、ファン的には「STRYPERのポテンシャルはまだまだこんなもんじゃねえ筈」と思わなくもない1枚かなと。


ALDO NOVA - Blood on the Bricks - Bright Lights ★★★ (2018-05-08 23:03:01)

アルバムを快活に締め括るロック・チューン。
ノリノリの曲調にランニング・タイム6分越えは
ちと長過ぎると思われるやもしれませんが、
後半にたっぷりと尺を取って弾きまくられる
アルド・ノヴァのGソロが楽曲のハイライトたる
輝きを放っているので何の問題もありませんよ。


HEAVY PETTIN' - Lettin' Loose - Roll the Dice ★★★ (2018-05-08 00:12:51)

'81年にNEAT RECORDSからリリースした7インチ・シングルの
タイトル・トラックで、この曲の評判がHEAVY PETTINに
POLYDOR RECORDSとの契約をもたらしたという。
DEF LEPPARDとの類似点を指摘されがちな彼らですが、
この名曲で炸裂するシャープなGリフ、疾走感に満ちたリズム、
Voが歌う憂いを帯びたメロディがスピーディに畳み掛ける様は、
まさに「ザ・NWOBHM!」なカッコ良さ。
現在では1stの再発盤にボーナストラックとして収録されています。


ALDO NOVA - Blood on the Bricks ★★★ (2018-05-07 23:40:03)

デビュー作『ALDO NOVA』(’82年)をスマッシュ・ヒットさせるも後が続かなかったカナダ人マルチ・ミュージシャン、アルド・ノヴァが、プロデュースから作曲、アレンジメントに至るまで、友人であるジョン・ボン・ジョヴィの全面協力を得てレコーディング作業を行い、「器用貧乏」のイメージを払拭するべく'91年に発表した勝負作の4thアルバム。
そんなわけで、ここで聴けるのは初期作にそこはかとなく漂っていたプログレ・ハード~産業ロック・テイストが一掃された、明るくスカッと抜けのいいアリーナ・ロック。一度耳にしただけで口ずさめてしまうキャッチーなサビメロをフィーチュアするOPナンバー①が明快に示す通り、そのサウンドはまさに80年代のBON JOVIを彷彿とさせます。
前述の疾走ナンバー①や、ジム・ヴァランスも曲作りに参加したパワー・バラード④、シンセを纏って爽やかに弾む⑤、雄大なスケール感を感じさせる⑧、仄かに憂いを孕んで涼しげにハジける⑨等々…。ジョンとの共作による収録曲は非常に粒が揃っていますし、音作りだって上々。アルド自身に関しても、歌唱力はデビュー当時に比べ見違えるように逞しくなり、何よりこの人、相変わらずセンスの良いGソロを弾く。特にアルバムの終盤を盛り上げる6分以上に及ぶ疾走ナンバー⑩における、ホットでスリリングなGプレイには思わず引き込まれてしまいますよ。
斯様に優れた内容に仕上がった本作ですが、既に潮目を迎えていたHR/HMシーンではこの手の健康的なHR作品は殆ど話題にならず(全米チャート最高第124位て…)、アルドは再び裏方稼業へ戻ってしまうのでありました。勿体ない話だなぁと。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist - Fallin' Apart ★★★ (2018-05-03 09:33:11)

本編中においてはハード寄りの疾走ナンバー。
それでも盛り込まれたメロディのフックに鈍りは皆無。
作曲能力の高さのみならず、リフにリードに、
テクニカルで鮮烈なGプレイを連発する
スティーヴ・ブラウンの才能には瞠目せずにはいられません。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist - Love Me Insane ★★★ (2018-05-03 09:27:02)

聴いてるだけで身体が動き出す
溌剌と躍動するアップテンポのロック・チューン。
フレッシュなGソロといい、爽快なコーラスといい、
ライブで演ったら盛り上がること間違いなし。
DANGER DANGERの“ROCK AMERICA”タイプの名曲。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist - Pickin' Up the Pieces ★★★ (2018-05-03 09:23:32)

イントロだけで鼻腔一杯に80年代の薫りが広がり、
分厚いハーモニーに包まれた、爽やか且つキャッチーな
サビメロで夏のLAの青空を幻視出来てしまうという
1曲目からアルバムの完成度を確信するに十分な
ポップ・メタル・チューンの逸品。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist ★★★ (2018-05-01 23:46:31)

開店休業中のDANGER DANGERの空き時間を利用して、ブルーノ・ラベル(B)は元メンバーのポール・レインらとTHE DEFIANTSを立ち上げ、一方フロントマンのテッド・ポーリー(Vo)はTRIXTERのスティーヴ・ブラウン(G)をパートナーに、FRONTIER RECORDSのバックアップのもとTOKYO MOTOR FISTを結成。'16年にこの1stアルバムを発表しました。(リズム隊はRAINBOWやBLUE OYSTER CULT他の活動で知られるグレッグ・スミス(B)とチャック・バーギ(Ds)が参加)
先行して聴いたTHE DEFIANTSのアルバムは大変素晴らしい出来栄えでしたが、こっちもクオリティでは一歩も引けを取りません。1曲目のイントロにマカロニ・ウェスタンを名曲を配する等、全体的に哀愁味が強く出ていたTHE DEFIANTSに対し、本作はカラッと明るく爽快、時に豪快なグルーヴを身に纏って躍動するアメリカン・メロディアスHRサウンドが持ち味。収録曲も、秀逸なサビメロを始めフック満載で贈るOPナンバー①、歌うGリフが印象的な③、ハーモニーが美しい④、吹き抜ける微風の如く爽やかな⑤、乾いた哀愁漂うバラード⑦、それに高揚感を湛えてノリノリに疾走する②⑥⑪等、どれもこれも始まった途端にLAの雲一つない青空が眼前に広がるような、爽快なロック・チューンばかりが小気味よく繰り出されてきます。帯の売り文句《全曲捨て曲なしの傑作》は伊達じゃない、と。
その完成度の高さに大いに感心させられると共に、本作を聴くと、これまでスルーして来てしまっていたスティーヴ・ブラウンが在籍するTRIXTERのカタログにも一気に興味が湧いてきますね。こんなに良い曲を書ける人材だったとは…。


TOKYO MOTOR FIST (2018-05-01 23:40:50)

DANGER DANGERとTRIXTER。どちらもアメリカ東海岸出身で、古くから親交があったというテッド・ポーリー(Vo)とスティーヴ・ブラウン(G)が、FRONTIER RECORDSのセラフィノ・ペルジーノの後押しを受けて結成したプロジェクト(セラフィノ氏はデビュー作のエグゼクティブ・プロデューサーを担当)。リズム隊はこれまた東海岸のミュージシャン仲間であるグレッグ・スミス(B)とチャック・バーギ(Ds)のコンビが務めている。
ちなみに日本人的に「おっ」となるバンド名ですが…どういう意味なんでしょう?


THE DEFIANTS - The Defiants - Love and Bullets ★★★ (2018-04-30 22:56:57)

イントロにマカロニ・ウェスタンの名作“夕陽のガンマン”の
メイン・テーマがくっつけられた(曲中でもリプライズされる)
アルバムのOPナンバー。哀愁のメロディと美しいハーモニー、
ポール・レインの見事な歌唱に聞き惚れてしまいますね。


THE DEFIANTS - The Defiants - Take Me Back ★★★ (2018-04-30 22:52:03)

一緒に歌わずにはいられないキャッチーなコーラスを
フィーチュアして、ポップに躍動する80年代風味満点の
ポップ・メタル・チューン。爽やかに涼風の如く
吹き抜けるGソロも、楽曲の爽快感を盛り立ててくれます。
DANGER DANGERの“ROCK AMERICA”を愛する向きは
必聴の名曲ですよ。


THE DEFIANTS - The Defiants ★★★ (2018-04-29 08:13:09)

ブルーノ・ラベル(B)とポール・レイン(Vo)とロブ・マルチェロ(G)。DANGER DANGERで同じ釜の飯を食った元バンドメイトの3人が、近年のメロディックHR人気の高まりを背景に、FRONTIER RECORDSのバックアップを受けて立ち上げたプロジェクト、THE DEFIANTSが'16年に発表したデビュー作。
侮れない作曲センスでDANGER DANGERを支えるブルーノと、優れたシンガー/ソングライターとしてキャリアを積むポールが再タッグを組んだと聞けばそりゃ期待しないわけにゃいきませんが、事実、ポール在籍時代のDANGER DANGERの諸作をも凌ぐ品質を有する本作は、その期待にきっちり応えたメロディックHRの好盤に仕上がっています。
マカロニ・ウェスタン『夕陽のガンマン』の名曲“争いの後で”をアルバムのOPに据え、パワフルにロックする②へと繋ぐ高揚感溢れる展開を始め、美しいボーカル・ハーモニーが散りばめられた④、スリリングなロブのGプレイが華を添える⑦、ドラマティックなバラード⑧等、適度にハードネスを効かせたサウンドからは、全体的に哀愁味が強く感じられる点も自分好み味好み。哀愁が強過ぎるのは辛気臭くいかん!と思われる向きには、どこか郷愁をそそられる爽やかな⑤や、溌剌と躍動感溢れる曲調とフック満載のメロディが同居、ライブで演ったら盛り上がること間違いなし!な“ROCK AMERICA”タイプの名曲⑨、本編ラストを爽快に締め括るアップテンポのHRナンバー⑫辺りはいかがでしょうか。
これ1枚きりで終わらせず、是非継続的なプロジェクトとして作品を量産してくれることを願わずにはいられない、捨て曲なしのメロハーの傑作ですよ、こりゃ。


JIM JIDHED - Push On Through - Glorious ★★★ (2018-04-26 23:44:33)

アルバムのOPナンバー。躍動感溢れる曲調に続いて
ジム・ジッドヘッドが美声を駆使して歌い上げる
爽快感と透明感と哀愁が絶妙なバランスで配合された
「フックの効いたメロディ」の見本のような
コーラス~ブリッジ・パートが涙モノの素晴らしさ。
北欧ハードポップの一つの理想形を体現した名曲ですよ。


JIM JIDHED - Push On Through ★★★ (2018-04-26 00:46:22)

名盤『ETERNITY』(’14年)で復活を遂げたALIENから、その後音沙汰が全然ないと思っていたら、フロントマンのジム・ジッドヘッドが12年ぶりにソロ作を発表。「仕方ねぇからアンタで我慢しといてやっか」ぐらいの何様目線で聴き始めてみれば、これがまぁメロハーの傑作。のっけから、去年の内に耳にしてたら年間ベスト・チューン候補入りは確実だったであろう強力なメロディック・ロックの名曲①が始まってしまい、速攻「舐めた態度取ったりしてスイマセンッした!」とスライディング土下座でひれ伏したくなったという。
声質自体に透明感と哀感が滲む伸びやかな歌声で、本編の主役を堂々務め切るジムのパフォーマンスが経年劣化と無縁なのは当然のこととして(ALIENで確認済みでしたし)、何より今作において特筆すべきは、楽曲のハイクオリティっぷりですよ。FIND MEのダニエル・フローレスやPALACEのマイケル・パレスといった、ソロ・アーティストとしても活動中の面々を始めとする敏腕ソング・ライター勢の集結に加えて、ジム自身が優れた作曲家であった点も本作の勝因の一つかと。何せ、爽やかに疾走する曲調にフック満載のメロディが乗った名曲も名曲の①、躍動感溢れるミッド・チューン②、物悲しくもドラマティックに染み渡るバラード④といった、アルバムの目玉たるいずれの楽曲にもジムの名前がクレジットされているのですから大したもの。(正確には、上記3曲は全てSAHARAのユンリク・レンクヴィストと、SWEDISH EROTICAのモーガン・ジャンセンとの共作名義)
こうなると、ジム・ジッドヘッドの過去のソロ・アルバムに俄然興味が湧いて来るわけですが、調べると国内盤はどれも中古価格が高騰していて、畜生、遅きに失したなぁと。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier - Stranger ★★★ (2018-04-24 23:49:22)

適度なアグレッションに溌剌としたノリの良さ、
思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなメロディに至るまで、
’91年のDOVE AWARDSにおいて「ベストHRソング賞」を
受賞したというのも納得のアルバムOPナンバー。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier - The Pain Inside of Me ★★★ (2018-04-24 23:37:47)

哀愁に満ちたメロディを切々と歌い上げるVo、
2本のGが奏でる悲しくも劇的なメロディ、
それらを壮麗に彩るボーカル・ハーモニーetc.と
うっとりと聴き惚れてしまう
クリスチャン・メタル・バラードの逸品。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier - We are Young, We are Strong ★★★ (2018-04-24 23:31:36)

リフにソロに、ツインGが生み出す
ヘヴィ・メタリックな切れ味と、
重厚なコーラス・ワークによって
醸成される華麗さとが同居した、
HOLY SOLDIERというバンドの
強みを端的に示してくれる名曲。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier ★★★ (2018-04-23 09:01:44)

聖戦士と言えばダンバインですが(?)、こちらの聖戦士ことHOLY SOLDIERは、端正なイケメンが揃ったカリフォルニア出身の5人組クリスチャン・メタル・バンド。後にAORシンガーに転身を遂げるBLOODGOODのシンガー、デヴィッド・ザフィーロがプロデュースを手掛ける本作は'90年発表のデビュー作で、米ビルボードCCMチャートじゃ最高第7位を記録。翌年のDOVE AWARDS(クリスチャン・ミュージック界のグラミー賞?)においては「ベストHRソング/アルバム」二部門を受賞する等、いわゆる「STRYPERの弟分」バンドの作品の中では特に大きな成功を収めた1枚として知られています。
音楽性の方は、少々クセのあるハイトーンVo(でも十分上手い)とフラッシーに絡み合う2本のGが哀愁の旋律を歌い上げ、分厚いボーカル・ハーモニーが甘美なメロディを華やかに包み込む…ってな感じの、まさしくSTRYPER路線。バンドに独自性を求める向きには苦言の一つも呈したくなる作風やもしれませんが、こちとら「まさにこれが聴きたかった!ハレルヤ」なので無問題。DOVE AWARDSのHRソング部門受賞曲であるエネルギッシュなOPナンバー①、PVも作られたメロディアスなミッド・チューン②(こちらもDOVE AWARDSノミニー)、ドラマティックなバラード③、ノリ良くアグレッシブな疾走ナンバー⑤、メタリックなエッジと華やかなハーモニーの組み合わせという、このバンドの武器が分かり易く打ち出された⑩等、単にSTRYPERに似ているというだけでなく、当然ちゃんと曲として優れている点も評価ポイントですよ。
ジーザス賛歌の歌詞がオッケーなメロディ愛好家の方には、すべからくお薦めする1枚。


AMORPHIS - The Karelian Isthmus ★★ (2018-04-22 00:02:25)

メロデス第一世代として頭角を現し、現在はその音楽性を孤高の域にまで引き上げることで本国フィンランドは勿論のこと、日本でも安定した人気を誇るAMORPHISが’92年に発表した1stアルバム。(日本盤は'95年に2ndアルバムと同時リリース)
本作で披露されているのは、地の底から轟く咆哮Voと重苦しく刻まれるリフ&リズムが、時に轟然と、時にじりじりと這い進む、基本に忠実なデス・メタル。全編に亘って北欧民族音楽由来の抒情メロディが満ち溢れ、メロディック・デス・メタル黎明期の名盤として知られる2nd『TALES OF TEN THOUSAND LAKES』(’94年)や、近年の傑作群における唯一無二のサウンドに比べると、まだまだ相当に粗削りな出来映えではあるものの、寧ろ今聴くと「あのAMORPHISも若い頃はブラスト・ビートを用いて遮二無二にブッ飛ばしてたんだなぁ」と、新鮮に感じる人もいるんじゃなかろうかと。
無論独自の個性も既に芽吹き始めており、侘し気な序曲①を経て、段階的に速度を上げていく重厚な②に繋げる構成や、ツインGの奏でる荒涼とした旋律がデスメタル然としたブルータリティを伴って吹き荒ぶ⑥等は、この時期の彼らだからこそ生み出し得た名曲ですよ。
ちなみにアルバム・タイトルの『THE KARELIAN ISTHMUS』は、フィンランドにとって重要な土地である「カレリア地峡」を意味する言葉。そして彼の地に残っていたフィンランド語の伝承や歌謡を編纂した民族叙事詩が、AMORPHISの曲作りの重要なインスピーレション源として知られる『カレワラ』であるという。斯様にAMORPHISの創作活動の姿勢が、当時から現在まで一貫してブレていなことを伝えてくれる1枚でもあります。


EDGE OF SANITY - The Spectral Sorrows - Darkday ★★★ (2018-04-20 00:25:11)

重厚なイントロを豪快に蹴破ってスラッシーなリズムが疾走、
執拗に刻まれるGリフはササクレた音色ながら印象的な
メロディの流れをハッキリと宿していて、
更に中間部ではシンセを用いてドラマティックな曲展開を演出…と
最初期の一撃にして、既に「メロデス」のスタンダードを
ほぼ網羅してしまっている名曲であります。


PARADISE LOST - Gothic - Eternal ★★★ (2018-04-19 23:06:12)

響き渡るデス声Voが漂わす禍々しさと、
Gが淡々と反復するオカルト映画のテーマ曲みたいな
メロディが醸し出す、そこはかとなく荘厳な雰囲気が
組み合わさった、PARADISE LOST初期の名曲。


PARADISE LOST - Gothic ★★★ (2018-04-19 22:53:33)

PARADISE LOSTが'91年に発表し、「ゴシック・メタル」というHR/HMのサブ・ジャンル誕生に決定的な足跡を刻んだ2ndアルバム。何せタイトルからしてそのまんま『GOTHIC』ですし、曲によってはKeyやオーケストレーション、ソプラノVoによるお耽美な味付けも加えられていたりと、最初の第1歩にして既にこのジャンルに求められる要素を一通り網羅しているのだから凄い。いやこの場合は彼らがここで提示した要素が、後にゴシック・メタルに必要不可欠なスタンダードになっただけなのか。
尤も、本作の時点では飽くまでそれらはほんの彩りに過ぎず、地の底から湧き上がって来るかの如きニック・ホルムズの咆哮Voにしろ、蠢くGリフにしろ、中~低速をメインに泥濘の中をもがくように這い進むリズムにしろ、今時のゴシック・メタルのようなキャッチーさになんぞ目もくれないサウンドは、完全にデス・メタルのそれ。未だゴシック・メタルもドゥーム・メタルも認識の埒外だった当時は、CELTIC FROSTやドイツのMORGTH辺りと比較しながら、単純に「スローなデス・メタル」として楽しんだ覚え有り。
女性VoやシンフォニックなKeyによる荘厳なアレンジが施された①②⑧のような、ゴシック・メタルの雛型チックな楽曲勿論素晴らしいのですが、個人的に断然心惹かれたのは、重々しく破壊的なサウンドと、リードGが紡ぐメランコリックなメロディが美醜の対比を描き出す名曲中の名曲⑤ですよ。
PARADISE LOSTのメンバーが自信の持って「真のデビュー作」(1stは納得行く仕上がりになる前にリリースしてしまったため)と語るのも納得の、エポック・メイキングな1枚。


MESHUGGAH - Contradictions Collapse ★★ (2018-04-17 23:20:36)

スウェーデンの人気者、MESHUGGAHが’91年に発表した、ちょくちょくPRAYING MANTISの2nd『PREDETOR IN DISGUISE』と空目するジャケット・イラストが目印(?)の1stフル・アルバム。
「ジェント」の提唱者とか、「実験的」「前衛的」、はたまた「エクスペリメント・メタル」「アバンギャルド・メタル」とか、ボンクラ・メタラーには敷居が高過ぎる難解なバンドとの印象が付いて回る彼らですが、かつて思い切って聴いてみた本作は、意外にも「インテレクチュアル・スラッシュ・メタル」の好盤として普通に楽しむことが出来てしまったという。
収録曲の大半が6~7分台という大作主義、メンバーの高度なテクニックが隙なく支える、変拍子やリフ/リズム・チェンジの多用により複雑に構築された曲展開等、後の作風へと至る萌芽を随所でチラ見させつつ、メリハリの効いた楽曲は終始適度な緊張感を保って中弛みを感じさません。何より本サウンドの基盤にあるのは、ドスの効いた咆哮Voといい、男臭いシンガロングを噛ませたコーラスといい、ラフで乾いた音作りといい、飽くまで疾走上等なスラッシュ・メタル。キビキビとタイトな演奏が疾走パートのスリリングなスピード感を倍加させるOPナンバー①を始め、ツインGが不穏にして印象的なハーモニーを奏でる④、静と動の対比が北欧的なドラマ性すら感じさせる⑤⑧辺りの楽曲は、MEKONG DELTAやCORONERなんかに通じる技巧派スラッシュの逸品として楽しめるのではないかと。
本作を聴くと、次作以降のMESHUGGAHにも興味が沸いて来る…よりも寧ろ、本作以前に発表されていて、更にスラッシーだという幻のデビューEPに興味津々ですよ。


ERUPTION - Cloaks of Oblivion - Cloaks of Oblivion ★★★ (2018-04-16 23:20:18)

美しく爪弾かれるアコギのイントロからスタートし、
欧州HMならではの憂いと翳り、それにドラマ性を湛えて
6分越えの長尺がパワフルに綴られるミッド・チューン。
実力が問われるタイプのこの手の楽曲も見事に熱唱する
シンガーの確かな実力に感心させられます。


ERUPTION - Cloaks of Oblivion - The Yearning ★★★ (2018-04-16 23:15:02)

スタスタと切れ味鋭く疾走するリズムは
スラッシュ・メタル然としたものながら、
攻撃的且つ豊かにメロディを歌うVoと、
流麗に絡み合うツイン・リードGが
パワー・メタリックな彩りも加えてくれるという
一粒で二度美味しい名曲。


ERUPTION - Cloaks of Oblivion ★★★ (2018-04-16 23:01:51)

中央ヨーロッパに位置するスロヴェニア(小学校で習った当時、あの一帯はユーゴスラビアと呼ばれていましたっけね)出身のHR/HMバンドとしては、初めて正式に日本デビューを飾ったと言われる、女性ベーシストを含む5人組が'17年に発表した3rdアルバム。
てっきりスラッシュ・メタル作品と思って購入に踏み切った本作でしたが、ここで実際に聴けるのは、モダンな感触も宿した音作りやアレンジの下、噛み付くような歌唱から朗々とした歌い上げまで柔軟にこなせる逸材Voの存在といい、ツインGが豊かに奏でるメロディといい、5~7分と尺が長めに取られている曲展開といい、どちらかと言えばパワー・メタル寄りの音楽性。アメリカン・パワー・メタルに、スラッシーなエッジと疾走感、それに如何にもヨーロピアンHM然とした翳りと憂いを湛えた旋律美、ドラマティックな曲展開を加味したサウンドは、失恋船長さんのご指摘の通りMETAL CHURCH、あるいはHEATHEN、近年だとSAVAGE MESSIAH等のバンドを彷彿とさせます。
叙情的な序曲①から疾走曲②へと繋げる欧州HMならではの様式美に満ちたOP構成や、デヴィッド・ウェインとカール・アルバートを足して2で割ったような声質のシンガーの歌唱力が映えるミッド・チューン③、ATLANTIC時代のVICIOUS RUMORSばりのスピード・ナンバー④、スラッシュ・メタル然とした攻撃性とパワー・メタルならではの豊かなメロディを併せ持って畳み込む本編屈指の名曲⑥、各メンバーの技量の粋が集められた大作⑨といった楽曲は、そうしたバンドの強みを端的に示しているのではないかと。
「メタル後進国でしょ?」等と舐めて掛かる輩に強烈なカウンターを食らわされる1枚。


SEPULTURA - Morbid Visions ★★ (2018-04-15 00:05:13)

SEPULTURAの記念すべき1stフル・アルバム(’86年発表)。ちなみに’91年リリースの国内盤は、OVERDOSEとのスプリット仕様で発売されたEP『BESTIAL DEVASTATION』(’85年)をボーナス・トラックとして追加収録してましたっけね。
劣悪なプロダクションの下で炸裂するのは、エコーに埋もれた咆哮Vo、音質が不明瞭なせいで「刻む」よりも「蠢く」といった趣きのGリフ、ひたすら暴走を繰り返すリズムとがアンサンブル崩壊寸前の所をギリギリに突っ走る、オブスキュアなスラッシュ・メタル。
たった2日間で突貫レコーディングとか、金がなかったんでチューニングが狂ってるとか、スネア・ドラムは破けたままレコーディングに挑んだとか、数々の武勇伝に相応しい地下室臭をプンプンに漂わす本作において、まず何よりも優先されているのは初期衝動の発散。制作当時全員がローティーンだったというメンバーに己の初期衝動の迸りを律する気はゼロであり、そのため演奏に関しちゃメチャ不安定。しかしながら、メンバーの身体能力のキレはこの時点で既に半端なく、中でもイゴールのドラムの迫力は(不安定さ込みで)群を抜いていて耳奪われます。彼の暴れん坊ドラムに引っ張られる形で遮二無二に突っ走る③④⑤⑥辺りは、初期SLAYER、あるいは独産スラッシュ三羽烏に通じるサタニック&ブラッキーな禍々しさと、バンドの磨けば光る曲作りのポテンシャルの高さとが同居した逸品ではないかと。「もっと良い音でセルフカヴァー希望」と表明したくなること必定です。
ちなみに本作、『タモリ倶楽部』においては④が革ジャン獲得、⑥が2017年空耳アワー大賞受賞と空耳の宝庫としても知られているので、そういう意味でもお薦め…か?


TERRIFIER - Weapons of Thrash Destruction - Sect of the Serpent ★★★ (2018-04-13 00:40:21)

6分越えというアルバム最大の長尺曲。
(インスト序曲“RIDERS OF DOOM”も加えると8分越え)
尤も、だからといって構えた部分は殆どなく、
鮮烈に閃くツイン・リードGを始めとする
テクニカルな技巧と、目まぐるしい曲展開を盛り込みつつ、
暴風の如く一気呵成に吹き荒れる楽曲は
スラッシュ・メタル以外の何者でもないカッコ良さを
主張しています。


TERRIFIER - Weapons of Thrash Destruction - Bestial Tyranny ★★★ (2018-04-13 00:31:22)

てめえらの鼓膜から出血させたらぁ!ってな猛烈さで
冒頭からケツまで徹底的に刻み倒されるGリフの嵐と、
縦横無尽に弾きまくられるGソロの乱舞っぷりに
ひたすら圧倒される高速スラッシュ・ナンバー。


TERRIFIER - Weapons of Thrash Destruction ★★★ (2018-04-11 23:50:00)

カナダはバンクーバー出身の5人組が、'17年にTEST YOUR METAL RECORDSから発表した2ndフル・アルバムにして日本デビュー作。
お馴染みアンドレイ・ボウジコフ画伯が手掛けたジャケット・アートワークと、『WEAPONS OF THRASH DESTRUCTION』(直訳すると『スラッシュ破壊兵器』)なるストレート極まりないアルバム・タイトルが物語る通り、本作には終始ヤスリ声で叫び倒すハイテンション&ハイピッチVo、2本のGが刻んで刻んで刻みまくるクランチ・リフ、突進に次ぐ突進を繰り返すリズムとが暴風の如く吹き荒れる、80年代風味満点のスラッシュ・メタルが直球ど真ん中で放り込まれています。尤も、嘗てこの手の音を出していたスラッシャー勢に顕著だった「無理を通せば道理が引っ込む」スタイルとは異なり、メンバー全員が精緻な演奏スキルを有して、息つく暇なく性急に駆けずり回るサウンドをきっちりと破綻なく支えている辺りは、非常に現代のバンドらしいという。
テクニカルに錯綜するツインGが曲展開を牽引する③、キレッキレな演奏が激烈な疾走感を倍加させる⑦や、物悲しいインストの小曲⑧を挟み、本編のトリを務める⑨へと雪崩れ込んでいくドラマティックな構成等は、大陸産スラッシャーばりの爽快な突進力&リズミックなノリの良さと、ツインGが奏でる欧州のバンド然としたダークなメロディ・センスとを同居させた「流石はカナダ産」と膝を打つ欧米折衷スラッシュ・サウンドであり、本作の大きな聴き所となっています。
そりゃ国内盤も発売されるよね!と力強く納得する力作。


TERRIFIER (2018-04-11 23:42:39)

'03年に、VoとGによりカナダのヴァンクーバーにて結成。当初はSKULLHAMMERを名乗り、'11年に1st『DESTORYERS OF THE FAITH』を発表。メンバー・チェンジが繰り返されたことから、’12年にTERRIFEIERと改名する。(バンド名は「恐怖心を抱かせる物(人)」の意味するとか)
同年、『DESTORYERS~』をTERRIFEIER名義で再リリース、’13年には3曲入りEP『METAL OF DEATH』の発表、更に地元中心のライブ活動といった精力的な動きが実を結び、より強力な内容に仕上がった2nd『WEAPONS OF DESTRUCTION』でもって日本デビューを飾った。


GREAT KING RAT - Out of the Can - Be My Friend ★★★ (2018-04-11 00:26:15)

言わずと知れたFREEの名バラードのカヴァー。
「高い声が出せる」「音程が正しく取れる」だけでは
決して歌いこなせないこの難曲を、
本家ポール・ロジャースに肉薄する情感の豊かさで
熱唱するリーフ・スンディンのVoの素晴らしさよ。
その濃厚なエモーションの迸りっぷりに酔いしれます。


STORMTHRASH - Systematic Annihilation - The Art of Destruction ★★★ (2018-04-11 00:13:15)

憎々し気なシャウトVoを乗せて
鋭利なGリフが小気味よく刻まれ、
緊迫感を伴いつつ疾走するという
このバンドの魅力が端的に示された名曲。
特に、劇的且つテクニカルにハモるツイン・リードGが
流麗に狂い咲くインスト・パートは
ガッツポーズ級のカッコ良さですよ。


STORMTHRASH - Systematic Annihilation ★★★ (2018-04-09 23:45:02)

ベネズエラ出身のHR/HMバンドとしては本邦初登場となるらしい5人組スラッシャー、’17年発表のデビュー作。余談ですが、帯に書かれた《世界トップクラスの治安の悪さを誇る都市カラカスから登場したスラッシュ・バンド!》なる惹句を読んで「治安は関係ねーだろ、治安は」とちょっと笑ってしまいましたよ。言わんとすることは伝わりますけども。
そんな凶悪な南米出身で、しかも発表当時「世界最速」と評されたSLAYERの名曲“CHEMICAL WAFARE”をカヴァーしているとあっては、さぞかし特攻上等のプリミティブなスラッシュ・メタルをブチかましてくれそうなものですが、ここでバンドが志向しているのは、ある種の思慮深さも漂わせたサウンド。決してお高く留まっているわけじゃなく、新人スラッシャーらしい前のめり感も当然の如く全編に横溢させつつも、それと同じくらい、押しと引き、緩と急、メリとハリといった整合性も重視。メロデス/ブラック・メタルからの影響を伺わせるメロディの散りばめ方等、本作を初めて聴いた時は「本当にこれがデビュー作?3枚目ぐらいのアルバムじゃないの?」とか思ったぐらいですよ。
とは言え、それが悪い意味でないことは収録曲の質の高さからも明らかでして。特にドラマティックな序盤①②の流れ、シュミーアを彷彿とさせるシャウト型Voと、SHRAPNELメタルばりにテクニカル&メロディックに狂い咲くツインGをフィーチュアしてタイトに突っ走る④や、どこか後期DEATHに通じる⑤、静と動の対比が劇的な⑥等の楽曲は、このバンドが志向するスラッシュ・サウンドが明確に提示された本編のハイライトではないかと。
先々有望なスラッシュ・メタル・バンドがまた一つ増えて喜ばしい限りです。


ARMORED SAINT - Delirious Nomad - Released ★★ (2018-04-08 22:13:23)

Bソロや、印象的なツインGによるハーモニーを散りばめつつ、
アルバムのラストを威勢よく突っ走って締め括る疾走ナンバー。
メタル・アルバムたるもの、やはりラストは
疾走ナンバーで締め括られねば。


ARMORED SAINT - Delirious Nomad - Aftermath ★★★ (2018-04-08 22:08:58)

湿ったメロディにドラマティックな曲展開と、
2ndアルバム中において最もヨーロピアンHM風情を
感じさせる名曲。声質に華はなくとも、
ジョン・ブッシュの熱唱は確実に
この曲の盛り上がりに貢献していますよ。


ARMORED SAINT - Delirious Nomad ★★ (2018-04-08 21:55:12)

デビュー作はセールス面で不発に終わったものの、ARMORED SAINTはメジャーのCHRYSALIS RECORDSに踏み止まって、’85年に本2ndアルバムを発表しました。
鎧風衣装で身を固めたメンバーの勇姿や、名曲“MARCH OF SAINT”のイントロに配されたムソルグスキーの“キエフの大門”のインパクトに釣られて「勇壮で劇的な作品に違いない!」と勢い込んで1stアルバムを聴いてみたら、確かに「正統派HM」としか形容のしようのない硬派な音楽性なれど、と同時にグルーヴィでアメリカンなノリも強く打ち出されたサウンドと、ジョン・ブッシュ(Vo)のオッサン声に拍子抜けしてしまい、この2ndアルバムまで辿り着かない人が結構な数存在する…との説がそれなりの説得力を持つことは、当サイトにおける本作の得票数の少なさが証明する通り。
同時代のLAメタル勢に比べるとケレンやキャッチーさに乏しく、ジョンの歌声にも華が欠けるため(そこが魅力でもある)、一聴しての感想は「地味」。しかし繰り返し聴き込んでみれば、緊迫感を孕んだ重厚なミッド・チューン②⑥、アグレッシブに動き回る2本のGを軸に疾走する⑤⑩、本編中最も欧州HM風味を感じさせるドラマティックな⑦といった秀逸な楽曲のカッコ良さが徐々に浮かび上がって来るという塩梅でして。例えるなら、「あの人、真面目で良い人なんだけどイマイチ面白味に欠けるのよねぇ」と職場で陰口を叩かれていたけど、実際に腹を割って付き合ってみたら非常に奥深い魅力が備わった人物で、長く付き合う無二の親友になりました…的な1枚とでも申しましょうか。(分かり辛ぇ例え)
兎も角、インパクトでは前作に一歩譲っても、品質では勝るとも劣らない力作だと思う次第。


KING KOBRA - Thrill of a Lifetime - Overnight Sensation ★★★ (2018-04-08 00:52:24)

この前の曲がラップ調の楽曲で「ちょっと勘弁してよ」と
挫けそうになったメタル魂を、一気に奮い立たせてくれる
ハード・ナンバーにして、本編後半の反転攻勢の口火を切る
2ndアルバムのハイライト的名曲。


KING KOBRA - Thrill of a Lifetime ★★★ (2018-04-03 23:48:09)

「人工甘味料チックなイケメン4人と成分無調整のオッサン1人」というビジュアル戦略や、楽曲のクオリティも万全だったのに、なぜかデビュー作『READY TO STRIKE』がコケてしまったカーマイン・アピス率いるKING KOBRA。万全過ぎたイメージ戦略が逆に「作られたバンド」感を強調してしまい足を引っ張ったのか…。ともかく、その失敗を踏まえた'85年発表の本2ndアルバム(邦題『街角のスリル』)では音楽性を転換。HR/HM色を薄めた代わりに、Key類やポップなメロディが大幅増量された、AOR/産業ロック方向へと大きく舵を切ったサウンドに仕上がっています。
映画『アイアン・イーグル』主題歌⑥はともかく、ラップ調の⑦まであったりする節操のなさは如何なものかと思いますが、聴き進めていくと実は本編後半では、哀愁を帯びて駆け抜ける隠れた名曲と言うべき⑧や、キャッチーなコーラスがライブ映えしそうな⑨、ノリノリで最後を締め括る⑩といったハードな疾走ナンバーが連続。これにはバンド側の「ポップに日和ったと侮んなよ?」との意地や矜持が垣間見えるようで好感度が上がります。勿論、アルバム前半で固め打ちされるハードポップ・チューンだって、爽やかに吹き抜けるOPナンバー①、Gが歌う②、明るく弾む③等いずれも質が高く、何よりマーク・フリー(Vo)の伸びやかでソウルフルな歌声は、この手の楽曲においても絶品の味わいを発揮してますよ。
LAメタルを代表する1stの表題曲級のインパクトを有する名曲は見当たらなくとも、総合的なクオリティでは前作に決して引けを取らない1枚。ただ残念ながら本作もさっぱり当たらず、一先ずバンド活動にはこれで幕が降ろされてしまうのですが…。(現在は再結成済)


HELIX - Walkin' the Razor's Edge - Young & Wreckless ★★★ (2018-04-02 23:04:17)

タテノリのロックンロールを得意とするHELIXですが
Gリフの鋭さ、その上に乗るシンガーのカミソリ声、
ノリ良く合唱を誘発するメロディと、
この曲は完全にメタル。いやカッコイイ。


HELIX - Walkin' the Razor's Edge ★★ (2018-04-01 23:51:14)

RUSHやTRIUMPHほどじゃないにしろ、「本国やアメリカではそれなりの知名度を誇っているのに、ここ日本では全く認知されていないバンド」のカナダ代表としてその名が度々挙げられるHELIX。斯くいう自分も(名前の語感と音楽性が似ているせいか)スイスのKROKUSと時々ごっちゃになる程度の認識でして。本作はそんな彼らが米メジャーのCAPITAL RECORDSから'84年に発表するや、世界的なHMブームを追い風に、米・加ビルボード・チャートの上位にランクイン。最終的にはプラチナム認定を受けるぐらい売れまくった4thアルバムにして代表作たる1枚であります。
「R!O!C!K!ROCK YOU!」というHM版“ヤングマン”みたいなコーラスが、本編開巻を威勢よく宣言するスマッシュ・ヒット曲①(最高第27位)が体現するように、HELIXが聴かせてくれるのは、カミソリ声のシンガーのシャウトも映えるAC/DCやKISSなんかに通じるタテノリ・ロックンロール。抜けるような青空の下、カーステから流れて来た日にゃ思わずアクセル踏み込みたくなる、スカッとハジけるノリの良さを全面展開させつつ、能天気一歩手前で踏み止まって、メロディに哀愁を小さじ一杯分程溶かし込んでいる辺りはやりカナダのバンドであり、自分が本作を楽しめる理由でもあるという。
特にヘヴィ・メタリックな②、ワイルドにぶちかまされる⑤、曲以上にオッパイ大盤振る舞いPV(未検閲バージョン)が目に楽しかった⑥、そこはかとなく重厚感漂う⑩といった楽曲には、日の出の勢いだったHELIXの充実ぶりが如実に反映されているのではないかと。
長らく廃盤だった国内盤がこの度再発されたので、未聴の方はこの機会にいかがでしょう。


MICHAEL KISKE - Kiske - Mary in the Morning ★★★ (2018-04-01 00:39:12)

“Mr.BASS MAN”の大ヒットで知られるジョニー・シンバルと、
マイケル・ラシュコウ共作の哀愁のバラード。
エルヴィス・プレスリーのバージョンがつとに有名で、
マイケル・キスクも敬愛するエルヴィスをかなり意識した
ダンディな歌唱スタイルで歌い上げています。
キスクってばこういう歌い方も出来るんだ!と新鮮な驚きを
覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(ライブでは以前から即興でこうした歌唱法を披露していましたけども)


MICHAEL KISKE - Kiske ★★★ (2018-03-29 23:24:10)

マイケル・キスクのHELLOWEEN合流を祝って、今更彼氏のソロ・アルバムを落穂拾い。
キスクと言えば、誰よりも上手くメタルを歌うが、そもそもメタルを歌うことはあんまり好まないという、グラハムのやっさんに通じるアンビバレンツな性質の持ち主。それゆえHELLOWEEN脱退以降はHR/HMと距離を置こうとする姿勢を、特にソロ・アルバムにおいては鮮明に打ち出していて、それは'06年発表のこの3rdソロ・アルバムでも変わっていません。疾走ナンバーは勿論のこと、エレキGすら殆ど聴こえてこない本作は、リラックスした伸びやかな「歌」と、アコギによって奏でられる人肌の温もりを湛えた「メロディ」が主役を務める、ハート・ウォーミングなサウンドが追求されています。
正直、もし発表当時にこのアルバムを聴いていたならば「またこの路線か…」と溜息の一つも漏らしたことは想像に難くありません。しかし頑なだったキスクの心情にゆっくりと雪解けの季節が訪れ、今ではPUMPKINS UNITEDの一員としてライブを重ね、メディアのインタビューに応じ、HELLOWEENのメンバー達と共に笑顔で写真に収まる彼氏の姿に感無量な現在となっちゃ、素直に本作の収録曲の質の高さに酔いしれることが出来るという。
徐々に熱を帯びていく哀愁にグッとくる④、不意に響くバイオリンの調べが胸を打つ⑤や、エレキGによるソロもフィーチュアされた爽やかな⑪、意外な程ダンディな歌声に聴き惚れるエルヴィス・プレスリーへの敬意溢れるカヴァー⑫といった楽曲おけるキスクの歌唱は、無理なく自然体で、そして実にエモーショナル。
本作に対する己の過小評価を猛省しつつ、今後は「このアルバムを聴け!」と、宣伝行為に邁進する決意を固めないわけにはいかない力作です。


POWERWOLF - Lupus Dei - Prayer in the Dark ★★★ (2018-03-29 00:16:30)

冷ややかなKeyのイントロをシャープなGリフが切り裂き
濁声Voと共に楽曲が走り出す。重厚なクワイアを伴う
サビは思いっきり荘厳に展開しつつ、ブリッジ・パートは
ライブ映えするキャッチーさも備わっているという、
POWERWOLF節が存分に堪能できる逸品。


HELLOWEEN - Keepers Live - How Many Tears ★★★ (2018-03-29 00:09:36)

高音域でも全くパワーが落ちないハイトーンVoや、
リフにソロに切れ味抜群のツイン・リードGの素晴らしさは
当然のこととして、改めてこのライブ・バージョンを
聴き直すと、マーカス・グロスコフのメロディアスなBプレイと、
何より楽曲の強力な推進剤役を担うインゴのドラミングの
ガムシャラな飛ばしっぷりに圧倒されてしまいますね。
一旦スローダウンして、パイロの爆発音を伴いながらドラムが再び
全力疾走を開始するパートは何度聴いてもゾクッとさせられます。


POWERWOLF - Lupus Dei ★★★ (2018-03-28 00:48:50)

4th『PREACHERS OF THE NIGHT』(’13年)を本国ナショナル・チャート第1位の座に送り込み、一躍その名を世界に知らしめたドイツのPOWERWOLF。急遽日本盤も発売された『PREACHERS~』で聴ける劇的且つシンフォニックなパワー・メタル・サウンドのカッコ良さに感心し、こりゃ過去作も是非チェックせねばと思ったのですが、どうしたことか3rd以前のカタログは入手困難。辛うじて購入できた(なぜか近所の古本屋のCDコーナーで売られていた)のが、この'07年発表の2ndアルバムだったという。
荘厳な雰囲気を醸し出すチャーチ・オルガンの多用や、オペラティックな歌い上げとメタリックなシャウトを使い分け、楽曲にシアトリカルな盛り上がりを演出するVoの歌唱等、バンドの重要な個性となる要素はまだ確立には至っておらず、この時点での印象は、BLIND GUARDIAN影響下の豪奢なジャーマン・パワー・メタルといった趣き。(シンガーの歌唱スタイルや声質もどことなくハンズィ・キアシュ似)
とは言え、それも飽くまで近作と比較しての話であり、単体で評価すれば、大仰なイントロに導かれてスタートする本作におけるサウンドは、既に十分過ぎるほどに勇壮且つシンフォニック。彼ら特有のキャッチーなメロディ・センスも冴え渡っていて、特にIRON MAIDENばりのツインGフレーズを散りばめつつ疾走する③は、「讃美歌メタル」とでも言うべき厳粛なドラマ性の迸りといい、ライブ映えする荘厳なコーラスといい、バンドの個性を如実に表す名曲にして本編のハイライト・ナンバーの一つではないかと。
POWERWOLFというバンドの非凡な才能が十二分に発揮されている1枚。


SPIRITUAL BEGGARS - Return to Live: Loud Park 2010 ★★★ (2018-03-27 00:27:47)

ARCH ENMEYで快進撃を続けるマイケル・アモット(G)の別バンド、SPIRITUAL BEGGARSが、LOUD PARK 10で行ったライブの模様を収めた実況録音盤(’11年発表)。ちなみにアモット兄はこの年までLOUD PARK皆勤賞だったという。
このバンドについては、それまで「ストーナー/ドゥーム・ロック・バンド」的イメージを勝手に抱いていたのですが、本作で繰り広げられるのは、加入したてのアポロ・パパサナシオ(ex FIREWIND)の熱を帯びたヘヴィ・メタリックなVo、躍動感溢れるリズム、ペル・ヴィバリのレトロなオルガン、そして強烈な「気」を放つ(③④のソロとかね)アモット兄のGプレイとが混然一体となった、所謂「クラシック・ロック」の風格漂うサウンド。会場の熱気を生々しく捉えた音像の下、ラフネスやルースネスにも勝る、達者な演者達によって生み出されるアッパーなノリの良さに、自然と体が揺り動かされてしまいます。
特に冷ややかな空気と重厚感を纏った⑦から、本編を大団円へと導く⑧へと繋げていくドラマティックな流れは、ライブならではの構成といい、観客によるキメフレーズの大合唱といい(ARCH ENEMYのライブかと思いましたよ)、実に高揚感に満ち溢れていて何度聴いてもアガりまくる本作のハイライト。
フルセットのライブ・アルバムではなく「来日記念盤EP」の体ゆえ、収録曲は全8曲。ランニング・タイムも30分台とボリューム控えめですが、逆にだからこそ取っ付き易いとも言え、自分のように「SPIRITUAL BEGGAERSってどんなバンドなんじゃろか」と、ちょっと興味を持った程度の人間が入門サンプル代わりにするのにもってこい1枚かと。


HELLOWEEN - Keepers Live ★★★ (2018-03-26 00:42:54)

恩讐を乗り越えて、現在は夢の《PUMPKINS UNITED》ツアーを敢行中のHELLOWEENが、マイケル・キスク(Vo)とカイ・ハンセン(G)在籍時代に唯一残した公式実況録音盤。
'88年~'89年にかけて行われた《PUMPKINS FLY FREE TOUR》より、エジンバラ/マンチェスター公演の模様を収録する本作は、まず何と言っても会場に詰め掛けた英国ファンの盛り上がりっぷりが凄いのなんの。のっけの「HAPPY HAPPY HELLOWEEN~♪」コールに始まり、キスクに代わってサビで大合唱を轟かす“Dr. STEIN”から、バンドと白熱したコール&レスポンスを繰り広げる“FUTURE WORLD”に至るまで、各曲において客席が放つ圧倒的熱量の高さからは、当時のHELLOWEENがいかにイギリスで強固なファン・ベースを築いていたかを伺い知ることができます。
そして、全速力で駆け抜ける“I WANT OUT”を中継して、クライマックスには満を持して“HOW MANY TEARS”が登場。カイのVoですら(失礼)素晴らしかったあの名曲が、豊かな声量を誇るキスクの堂々たる歌唱によって蘇る。その上、ライブならではの遊び心やドラマティックな仕掛け――コミカルな掛け合いを経てイントロのGリフが炸裂する瞬間や、殆ど演歌的とも言えるスローダウンを挟み、そこから劇的にスピードUPしていく曲展開の鳥肌モノのカッコ良さたるや!――を伴って猛然と突っ走られた日にゃ、「折角の黄金時代のライブ盤なのに選曲と曲数が物足りねー」ってな個人的不満は力尽くで捻じ伏せられてしまいましたよ。
尚、数年前にHELLOWEENの旧譜の再発ラッシュがあった際、本作も「もしや完全版がリリースされるのでは?!」と期待したものですが、勿論そんなことはなかったという。ちぇっ


UFO - Live in Japan ★★★ (2018-03-24 00:33:33)

エディ・コクランのカヴァー“C’MON EVERYBODY”を日本でヒットさせた勢いに乗り、'71年に飛来したUFOが日比谷公会堂にて行った初来日公演の模様を収めた実況録音盤。
ミック・ボルトン在籍時代のUFOにはぶっちゃけあまり興味がなかったのですが、後追いで聴いて吃驚。サイケでブルージーな味わいも漂う楽曲は、起承転結よりもインプロビゼーション重視で、ジメジメとした湿気を孕んだ「いかにも70年代ブリティッシュHR」といった風情。マイケル・シェンカー加入前ということで、泣きや哀愁迸るドラマティックなメロディや曲展開は控えめとはいえ、叩き上げのライブ・バンドゆえ、熱気あふれるパフォーマンスは荒々しくも実にエネルギッシュです。フィル・モグの唯一無二の歌声、唸りを上げるピート・ウェイのB、アンディ・パーカーの疾走感溢れるDs、それにミックの泥臭いGプレイ…。聴いているだけで各メンバーが織り成すハイテンションな演奏と、それに応える観客の熱狂にグイグイ引き込まれてしまいますよ。取り分け“ジョージのブギー”辺りの盛り上がりっぷりは圧巻。
あと本作を特別な存在にしているのが、その迫真のドキュメント性でして。当日はピートの指の負傷によりセットリストが急遽50分に短縮。そのことを伝えるMCや、エキサイトしまくりの観客に向かって会場側が『(席に)お掛けになってご覧になられませんか!』と繰り返し呼び掛けている様子がそのまんま記録されていたりと、HR黎明期の日本でのライブの模様が生々しく伝わって来る作りが非常に興味深いという。
バンドからは海賊版扱いされていますが、個人的には愛して止まないライブ盤の傑作ですよ。


GREAT KING RAT - Out of the Can ★★ (2018-03-23 00:35:10)

大いなる注目を集めて'91年にセルフ・タイトルの1stアルバムでデビューを飾るも、レコード会社の無為無策に足を引っ張られた挙句解散を余儀なくされてしまった悲運のバンド、スウェーデンのGREAT KING RATが'99年に発表した2ndアルバム。…ではなく。日の目を見なかったお蔵入り音源(一部録り直し曲もあり)を取りまとめた未発表曲集。
本作に託されているのは、「北欧のMr. BIG」とも評されたデビュー作のサウンドを順当に継承する、70年代の薫り漂うブルージーなHR。マイケル・シェンカーにその才を買われたリーフ・スンディンのエリック・マーティン似のソウルフルなVoや、現POODLESのポンタス・ノルグレンのテクニカルなGプレイに、レトロなハモンド・オルガンの音色等、例え未発表曲集と言えども、ここには「北欧のローカル・バンド」的な垢抜けない雰囲気は皆無。逆に言うと「煌めく美旋律」「ドラマティックな曲展開」といった様式美HM要素を期待するとガッカリすることになるわけですが、それでも作品全体がどこかヒンヤリとした空気に覆われているように感じられるのは、やはり彼らの血の為せる業か。
個人的には、FREEの名曲“BE MY FRIEND”を完全に己のものにしているリーフの熱唱に聴き惚れる⑦以降、初期RAINBOW風味の妖しげな重厚感漂わす⑧、埃っぽい疾走ナンバー⑨、ほんわかと心温まるバラード⑩といった優れた楽曲の連打にテンションがアガるアルバム後半の流れがお気に入り。
廃盤の国内盤が高値で取引されている1stに比べると比較的入手も楽なので、取り敢えずどんなバンドなのか興味を持たれた方は本作から入ってみるのがよろしいかと。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - Blue for You ★★★ (2018-03-21 10:05:52)

胸にズドンと来るディーの熱唱とアル・ピトレリのGが
互いに負けじと咽び泣くブルージーなバラッド。
タメの効いた曲調をぐっと盛り上げるリズム隊の仕事振りも見事。
そこいらのロックンロール・バンドにゃ真似できない
濃厚なエモーション渦巻く名曲に仕上がっています。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - Emaheevul ★★★ (2018-03-21 10:02:32)

ディー・スナイダーとバーニー・トーメの共作曲。
速射砲のように繰り出されるディーのハイテンションの
Voを乗せてエネルギッシュに突っ走る
汗とツバキが飛び散るOPナンバー。
意味不明なタイトルは、“AM I EVIL”の口語体風表記とのこと。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - The Lonely Ones ★★★ (2018-03-21 09:56:12)

ディー曰く「社会から見捨てられた人たちに
ついて歌っている曲」らしいのですが、
歌詞はシリアスでも曲調自体はカラッと明るく
特にキャッチーなコーラスはライブで一緒に
歌いたくなる魅力を秘めています。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets ★★★ (2018-03-20 00:10:10)

「LAメタル・シーンのご意見番」ことディー・スナイダー(Vo)。TWISTED SISTER解散後はバーニー・トーメやクライヴ・バーらとDESPERADOを結成し、デビューを画策するも頓挫してしまった彼が、今度はASIAやMEGADETH、SAVATAGE等での活動で知られるアル・ピトレリ(G)を相棒に迎えて結成したのがこのWIDOWMAKERです。本作は’92年に発表された彼らの1stアルバムに当たる作品。
バンドが実践している音楽性は、TWISTED SISTERをソリッドにビルドアップしたような硬派なパワー・メタル/ロックンロール。クレジットを見ると半数の楽曲がディー/バーニーの共作名義になっているので、お蔵入りの憂き目にあったDESPERADOのデビュー作の楽曲が流用されているのかな?と。アクセルを床まで踏み込んで爆走するパワー・チューンから、いかにもアメリカンなグルーヴが豪快にうねる70年代風HR、キャッチーに弾むポップ・ナンバー、更にはブルージーな哀愁全開で迫り来るバラッドまで、本編には様々なタイプの楽曲が取り揃えられ、それらをパワフルに歌いこなし、且つ強烈な個性で一本の芯を通すディーのVoも絶好調。ド派手なメイクとオサラバしようとも、汗とツバキと男の色気が飛び散る唯一無二の歌声は健在で、怒涛の如く突進する①、秀逸なポップ・センスが垣間見える④、土煙蹴立ててブッ飛ばす⑦、ディーの熱唱に胸打たれずにはいられないブルージーな⑨といった秀逸な楽曲を、更に一段も二段も高い位置へ蹴り上げてくれています。
90年代の作品ゆえ感じた不安も、聴き終えた後には完膚なきまでに雲散霧消する快盤。ただバンド自体は次作で流行に寄って大コケしてしまうのですが…。


ARK STORM - Voyage of the Rage ★★★ (2018-03-18 23:37:31)

スタジオ・アルバムとしては3rd『THE EVERLASTING WHEEL』(’03年)以来、15年ぶりに発表された4thアルバム。(’18年)
その合間にライブ活動やリレコーディング・ベスト盤のリリースもありましたが、それにしたって15年は間が空き過ぎだろう…との愚痴は、「新Voにマーク・ボールズを起用!」というサプライズ人事の衝撃の前に雲散霧消。様式美HM界隈の三種の神器と名高いマーク・ボールズ――ちなみに残り2つはコージー・パウエルのDsとイェンス・ヨハンソンのKey――が、「和製イングヴェイ」の異名を取る太田カツ(G)のバンドで歌うとか、一昔前に様式美マニアが飲み屋で交わしてた与太話が現実になる日が来ようとは。
サウンドは前3作同様、安定のネオクラシカルHM路線。作を重ねる毎にパワー・メタリックな色合いを強めているとは言え、殊にインスト曲において顕著な太田の迸るほどにイングヴェイなGプレイを始め、亜流サウンドであることは否定し得ません。しかし質の高さは保証書付きですし、何より近年は御本家がこのサウンド・バランスから距離を取り始めていることもあり、個人的には何の問題もなく楽しめましたよ。
ただ聴いていてふと思ったのは「シンガーは誰を想定して曲作りが行われたのだろう?」ということでして。マーク前提にしちゃ歌メロのキーが低めで、もしかすると前任Vo向けに作った楽曲にマークが歌入れを行ったのかな?と。尤もそれが逆に収録楽曲に新鮮味をもたらしてくれている面もあるので、悪いということはないのですが。特にダーク且つ劇的に疾走するOPナンバー①は名曲ですよ。


Black Sweet - Time to Depart - Masquerade ★★★ (2018-03-18 01:17:59)

STRYPERに通じる甘美なメロディ・センスと
パワー・メタリックなアグレッションという
BLACK SWEETというバンドに備わった2面の魅力が
1曲の中で巧みな融合を見た逸品。
アルバムのハイライト・ナンバーの一つです。


Black Sweet - Time to Depart - Valhalla ★★★ (2018-03-18 01:14:59)

“FAST AS A SHARK”や“WARNING ACTION”といった
楽曲を思わせる、STRYPERというよりは、
もっと骨太でオーソドックスなヘヴィ/パワー・メタル風味が
打ち出された疾走曲。


Black Sweet - Time to Depart - Reach for the Sky ★★★ (2018-03-18 01:11:58)

鋭利なGリフが緊迫感を伴って刻まれるヴァースから
パッと視界が開けるように展開していく印象的なコーラスといい、
フラッシーなツイン・リードGといい
1stや2ndの頃のSTRYPERを彷彿とさせる名曲。
この時期のSTRYPERを彷彿とさせる楽曲なんて
そうそう作れるものじゃありませんよ。


Black Sweet - Time to Depart ★★★ (2018-03-16 00:39:36)

東京を拠点に活動する4人組が'17年に発表したデビュー作。雑誌のインタビューで「最も影響を受けたバンドはSTRYPER」と答えているのを読んで「おお、国内じゃあまり知らないタイプのバンド」と興味を持って購入してみたら、これが大当たりでしたよ。
実際に本編は、荘厳な序曲①の余韻を切り裂いて攻撃的に疾走する②や、愁いを帯びたメロディが華麗に舞うアップテンポの⑩といった、シャープなGリフとメロディックなツインGの存在が映える、『YELLOW AND BLACK ATTACK』や『SOLDIER UNDER COMMAND』を発表した頃のSTRYPERを彷彿とさせる――更に骨太な感触はあるものの――楽曲によって頭と尻をサンドイッチ。しかしながら通して聴いてみると、ACCEPTの“FAST AS A SHARK”(あるいはANTHEMの“WARNING ACTION!”)に通じるパワー・メタル・チューン③あり、日本語詞で歌われる爽やかなJ-POP調の⑤やポップな⑧、様式美HM風味のインスト曲⑨(TORNADO-GRENADEのGがゲスト参加)あり…といった具合に、単純に「STRYPERフォロワー」の一言では括り切れない、多彩なタイプの楽曲が収録されていることに気付かされます。特にスピード・ナンバー⑦は、アグレッションを全開にしつつも、コーラスではVoが甘美なメロディをしっかりと歌い上げる、このバンド独自の魅力が炸裂する名曲として強力な存在感を放っているという。
シンガーの歌唱力の精進(現時点でも十分上手いのですが、更なる伸びしろを感じさせる)や、音質の一層の向上等、これから経験を積み重ねて行けばバンドが理想と語るFRONTIER RECORDSとの契約だって夢物語ではない、実に立派なクオリティを有する1枚。


Black Sweet (2018-03-16 00:34:09)

熊本出身の兄弟や、関東出身のメンバーらによって結成され、東京を拠点に活動する4人組。
'14年に前身バンドHIDDEN CHRISTIAN(隠れキリシタンの意)として活動を開始し、’17年にBLACK SWEETと改名。同年12月に1st『TIME TO DEPART』でアルバム・デビューを飾った。
最も影響を受けたバンドとしてSTRYPERの名を挙げていて、音楽性は勿論のこと、バンド名もSTRYPERから着想を得ているんでしょうかね?


VOLCANO - Irregular ★★★ (2018-03-14 22:54:46)

屍忌蛇(G)には『STAND PROUD!~ALL FOR HEAVY METAL』と『DUAL WORLD』に続く3枚目、VOLCANOにとっては初めてとなるカヴァー曲集。
選曲には全メンバーが平等に関与していますが、畑違いのアーティストやマニアックなバンドの楽曲等はチョイスされておらず(SILVER MOUNTAINが有名かどうかはさておき)、HR/HMファンなら一度は聴いたことがあるであろう王道を行く名曲の数々を、奇を衒うことなく真正面から堂々カヴァーするスタイルは、『STAND~』『DUAL~』に通じるものがあります。新人バンドがそんな真似しようもんなら「カラオケかよ」と失笑を買いそうなところですけども、そこは百戦錬磨のVOLCANO。慟哭のGから煮え滾る灼熱Vo、鋼の如き屈曲なリズム隊まで、メンバー全員のキャラが立ちまくりのため、変にヒネらずとも普段通りに振舞うだけで元曲を自分たち色に染め変えられてしまうのですから流石ですよ。
演ればハマるだろうなぁと思いましたし、実際ドハマりしているKROKUSの③、FLATBACKERの⑥、OVERKILLの⑦といったところや、劇画の画風でキラキラなノリの少女漫画を描いてみたようなミスマッチ感が逆に楽しいNIGHT RANGERの④、MOTLEY CRUEの⑩辺りも秀逸な出来栄えを提示していますが、個人的に本編のハイライトは⑨で決まり。スラッシュ・メタルばりのアグレッションと、持ち前のメロディ・センスとが劇的な化学反応を起こした初期Xの名曲で、オリジナル・バージョンは今聴くと線の細さが微笑ましいですが、それをパワフルに蘇らせた好カヴァーではないかと。
この調子で第2弾、第3弾とシリーズ化に期待したくなる好盤です。


MAGNUM - Lost on the Road to Eternity - Lost on the Road to Eternity ★★★ (2018-03-13 23:37:15)

Keyによる壮大且つシンフォニックなイントロを経て、
ボブ・カトレイとトビアス・サメットのツインVo体制のもと、
ブリティッシュHMならではの憂いとドラマ性を帯びた
サウンド絵巻が、力強く、ドラマティックに展開。
合唱を誘うコーラス等、ライブ映えするパートが
しっかりと組み込まれている曲作りの巧みさも
心ニクいアルバム表題曲。


MAGNUM - Lost on the Road to Eternity ★★★ (2018-03-13 23:23:43)

'18年発表の最新スタジオ・アルバム。前作『SACRED BLOOD“DIVINE”LINE』から2年足らず、リ・レコーディング曲を含むバラード集『THE VALLEY OF TEARS』からは僅か1年のブランクでリリースという、他のベテラン・バンドにも見習わせたいフットワークで活動を続けるMAGNUM。長らく三本柱の一柱だったマーク・スタンウェイ(Key)と、再結成以降のバンドの土台を支え続けたハリー・ジェイムズ(Ds)を失いながらも、本作の完成度の高さには全く揺るぎがないのですから、トニー・クラーキン(G)とボブ・カトレイ(Vo)の看板コンビの旺盛な創作意欲には脱帽ですよ。
音楽性に大きな変化は見受けられず、大英帝国産の貫禄と威厳をその身に纏わせつつも、周囲を睥睨するよりも聴き手に寄り添い、そのハートを芯からポカポカと温めるかのような「遠赤外線メタル」ぶりも健在。マンネリ?とんでもねぇ。比較的ハードな方向に振られていた前作に対し、今回はツアーで得た経験が曲作りに反映され、ノリ易いテンポといい、観客の合唱やバンドとの掛け合いが盛り上がりそうなパートを組み込んだ曲構成といい、全体的にライブ映え重視の楽曲が数多く並んでいるのが新鮮です。
勿論そのことでメロディのフックやドラマ性が薄まる下手を彼らが打つ筈もなく、特にアルバム表題曲である雄大なエピック・チューン⑤は本作の魅力が集約された逸品。この曲に限らず、サウンドの気品とファンタジックな抒情性を効果的に引き上げる、新加入のKey奏者の良い仕事ぶりが光っていますね(カトレイの人肌の温もりを伝えるVo、クラーキンの滋味溢れるGの素晴らしさい関しては今更言及するまでなく)


KIP WINGER - From the Moon to the Sun - One Big Game ★★★ (2018-03-12 23:50:13)

物憂げにたゆたう抒情メロディと気だるげに鳴らされるサックス、
聴き進めるに従って徐々に熱を帯びて曲展開等
何となくKING CRIMSON的なプログレ・テイストも感じられる名曲。


KIP WINGER - From the Moon to the Sun - Pages and Pages ★★★ (2018-03-12 23:44:30)

ピアノが奏でるメロディだけ拾っていくと
何やら久石譲テイストっぽさも感じられるバラード。
静謐に染み渡る哀切なメロディを、
エモーショナルに歌い上げるキップ・ウィンガーの
深みを湛えた歌声にうっとりですよ。


KIP WINGER - From the Moon to the Sun ★★★ (2018-03-12 23:38:46)

WINGERは初期作しか知らず、熱心なファンとは言い難い身ゆえ、その中心メンバーたるキップ・ウィンガー(Vo)の2枚目のソロ・アルバム(’08年発表)と言われても「ふーん…」と然程ありがたみを感じなかったのが実際のところ。しかし本作を聴いてクオリティの高さにビックリさせられるや否や、速攻で「キップ、ありがとう!」と手のひらをくるり。
とは言え、合唱を誘われるキャッチネスやライブ映えするノリの良さといった、華やかな80年代ポップ・メタル要素を期待すると、肩透かしを食いかねないサウンドなので注意は必要かと。スケールの大きなドラマティックな楽曲から、BEATLES風、エスニック風、中には映画音楽風インスト曲まであったりと本編は非常にバラエティに富む反面、ここで披露されているのはG以上にシンセやピアノ、オーケストレーションといった要素が印象的な、モダンでムーディでシリアスなポップ・ロック。収録曲はいずれもHR/HMとは距離を感じさせつつも、重層的なコーラスの重ね方から残響音の一つに至るまで、微に入り細を穿つキップのアーティスティックな拘りに貫かれた本編はそれでも聴き応え十分。
マカロニ・ウェスタン風のテーマ・メロディを持つ①、メランコリーなピアノが効果的な④、美しく重厚なハーモニーに聴き惚れる⑥、プログレ・エッセンスも感じられる劇的な⑩、静謐にアルバムを締め括る⑬等々…。アートワークの世界がそのまま音へと転化されたような、深遠に響き渡る抒情メロディと、何よりそれを歌い上げるキップのVoが非常にエモーショナルで感動的。この人こんなに歌が上手かったんだ?と、失礼な感想を抱いてしまうぐらいでしたよ。
キップの他のソロ作や、再結成以降のWINGERのアルバムもチェックしたくなる1枚。


JOHNNY LIMA - Shine On - Star ★★★ (2018-03-12 00:03:38)

イントロだけで出来栄えの良さが確信できる、
ドラマティックな盛り上がりっぷりに
胸打たれるロッカ・バラードの名曲。
一緒に歌わずにはいられないキャッチーなコーラスは、
80年代だったら会場中でライターの火が一斉に揺れていたはず。


JOHNNY LIMA - Shine On - My Country 'Tis of Thee ★★★ (2018-03-11 23:59:45)

キラキラなシンセと乾いた哀愁、それに分厚いハーモニーに
くるまれたサビメロのフックの効き具合が全く以てお見事な、
2ndアルバムのハイライト・ナンバー候補でもある
メロディアスHRなんばー。


JOHNNY LIMA - Shine On ★★★ (2018-03-11 23:52:41)

グランジ/オルタナ旋風が世界的に猛威を振るった90年代にあって、MTM RECORDSやESCAPE MUSICと並んでメロディ愛好家から心のオアシスとして篤い信頼を得ていたイギリスのNOW & THEN RECORDS。そのバックアップを受け、’97年に1st『JOHNNY LIMA』でデビューを飾った、VoとGのみならずKeyやDsもこなす西海岸出身のアメリカ人マルチ・ミュージシャン、ジョニー・リマが'99年に発表した2ndアルバム。(日本盤はNIPPON CROWNからリリース)
所属レーベルの伝手でTENのゲイリー・ヒューズが本作のミックスダウンを担当していますが、サウンドの方に英国的湿り気は薄め。ここで聴かれるのは80年代の空気を胸いっぱいに吸い込んだような大陸型ポップ・メタルであり、取り分け、カラッとした躍動感溢れる曲調に、煌めくKeyと、哀愁をひとつまみ振りかけたキャッチーなメロディが彩りを加える楽曲や、ラフなエッジを宿した声質がジョン・ボン・ジョヴィ風のジョニーの歌唱等からは、BON JOVIに対する絶大な憧れっぷりが伺えます。
特に哀愁を帯びたメロディが駆け抜けて行く②は初期BON JOVIテイスト溢れる本編屈指の名曲。その他にも、ドラマティックに盛り上がるバラード④、甘くポップな⑨、Voに負けじとGも実によく歌っている⑩等、本編には80年代の息吹を次の世紀へ伝えんとする楽曲が勢揃い。(ちなみにフックの効いたメロディが美味な③と、ライブ映えしそうな⑥でリードGを弾いているのはクレイグ・タケシタなる日系人?ギタリストという)
80年代ポップ・メタルに親しむ向きには、強力にお薦めする1枚であります。


PETERIK/SCHERER - Risk Everything - Chance of a Lifetime ★★★ (2018-03-11 00:52:31)

言われてみれば確かにこの張りのある歌声は
デニス・デ・ヤングを彷彿とさせるものあり。
そんな見事なVoが、陽の光が曇り空を突き抜けて
地上に降り注ぐ光景を幻視してしまうような
(別に一発キメているわけではない)
ポジティブな躍動感に満ちた楽曲を歌うのですから
これで名曲にならないわけがない!という。


PETERIK/SCHERER - Risk Everything - Desperate in Love ★★★ (2018-03-11 00:41:01)

バラード調の導入部からテンポアップしていく
躍動感あふれるロック・ナンバー。
ピート・シェラーの胸のすくような歌声が
楽曲の放つ爽快感を引き立ててくれています。
ゲストVoとしてトビー・ヒッチコックも参加。


PETERIK/SCHERER - Risk Everything - The Dying of the Light ★★★ (2018-03-11 00:33:46)

聴く者を奮い立たせるような
ポジティブなエネルギーを振り撒きながら
軽やかに疾走するロック・チューン。
フックの効いたメロディを爽快に歌い上げる
ピート・シェラーのVoのみならず、
涼し気なピアノとジム・ピートリックが弾く
リードGも楽曲の良いアクセントになっています。


PETERIK/SCHERER - Risk Everything ★★★ (2018-03-09 00:08:22)

稀代のメロディ職人ジム・ピートリックが、80年代からキャリアを積みながら、これまで表舞台でスポットライトを浴びる機会にはあまり恵まれなかったベテラン・シンガー、マーク・シェラーを新たな相棒役に起用してレコーディングを行い、'15年に発表した作品。
バックを固めるのはPRIDE OF LIONSのメンバーや腕利きのセッションマンの方々で、曲作りは勿論ジム自身が担当。それだけで軽くK点越えの内容になることは確実であり、事実、陽光が雲を割って燦々と降り注ぐかの如き、ポジティブなフィールに貫かれたメロディアスHRナンバーの数々は、ジム先生にしか生み出し得ぬ匠の世界。そして、それを胸のすくようなハイトーンを駆使してパワフルに歌い上げる本作のもう一人の主役、マーク・シェラーの歌唱がこれまた素晴らしい。澱みのないクリアなVo(一説には5オクターブの音域を誇るという)がもたらす説得力は、改めてアメリカの音楽シーンの選手層の厚さに戦慄を覚えるレベルで、彼の歌声とジムの作曲術が組み合わさり生み出されたマジカルな収録曲は、聴いているだけで心の奥底から滾々とポジティブなエネルギーが湧き上がってきますよ。
アルバムの完成度の高さをOP一発で確信させられる①、軽やかに駆け抜ける②や、メロウな導入からテンポアップする④、高揚感に満ち溢れたフック満載の⑥、本編中最もハード・ロッキンな⑧等、全体に占める疾走ナンバーの割合の高さも、本作の爽快な味わいに大きく貢献しているのではないかと。ジム・ピートリック作品にハズレなし!
尚、そんな本作はともに'14年に死去した盟友ジミ・ジェイミソンと、ファーギー・フレデリクセンに捧げられています。


JONO - Life - Crown ★★★ (2018-03-07 23:43:52)

モダンなアレンジを取り入れつつ、導入部からサビへ向かって
徐々に視界が開けていくような絶妙なメロディ展開に胸がザワつきます。
その盛り上がりが頂点に達するブリッジ・パートなんて
「たまんねぇな、オイ!」と膝を打ってしまいましたよ。


JONO - Life - No Return ★★★ (2018-03-07 23:38:21)

ポロポロと奏でられるピアノが効果的に
フィーチュアされているのと、タメを効かせて
ドラマティックに盛り上がっていく曲展開せいか、
この曲に関しては「北欧メタル風味の泣きと哀愁が大増量されたSAVATAGE」
との趣きを感じたり。つまり最高ってことですかね。


JONO - Life - The March ★★★ (2018-03-07 23:32:55)

アルバムのラストを哀しく、儚い余韻を残して締め括る
泣きの名バラード。囁くように、感情を振り絞るように
歌うヨハン・ノービーの絶品のVoが楽曲が持つ悲哀を
より一層引き立ててくれています。ピアノの美旋律が
VIPERの名曲“MOONLIGHT”のことを思い出させたりも。


JONO - Life ★★★ (2018-03-07 00:41:03)

ヨハン・ノービー(Vo)率いるスウェーデンの6人組が、'17年に発表した3rdアルバムにして日本デビュー作。邦題は『ライフ~華麗なる生涯』(別にコンセプト作ではない模様)。
雑誌等での高評価に興味を引かれて「どれほどのもんか」と購入してみれば、なるほど、こいつは確かにエクセレントな出来栄えですよ。ツインGにKey奏者を擁する大所帯編成を活かして奏でられるのは、重厚にしてスケールの大きなメロディアスHRサウンド。初期QUEENからの多大なる影響を伺わせるオペラティックな曲展開に、芝居掛かった熱唱を披露するヨハンのVo、気品漂わすピアノの美旋律、そして北欧メタルならではの…もっと言うとミカエル・アーランドソンに通じる悲哀に満ちたメロディが冷ややかな彩りを添える楽曲は、こっちの泣きのツボを知り尽くし的確に押してくるかのような、《押せば命の泉湧く》浪越徳治郎ばりのゴッドハンドぶり。
全編これ捨て曲なしですが、特に舞踏のリズムに乗っかって哀メロが踊る①、ブリッジから終盤にかけての劇的な曲展開が辛抱堪らん②、タメと泣きを効かせて劇的に盛り上がる③という、聴き手を一気に作品世界に没入させてしまう頭3曲は、それだけでアルバムのクオリティを確信するに十分。更に荘厳にしてシアトリカルな⑤を経て、トドメの一撃を加えるべくラストで待ち構えているのがバラード⑩で、どこかVIPERの“MOONLIGHT”を彷彿とさせる、この余りに儚く、余りに哀しい名曲によって静かな余韻を残し本編の幕が下りた途端、思わず「ブラヴォー!」と立ち上がって拍手喝采を贈りたくなってしまったという。そう考えると、本作には別にボートラはいらなかったような…。


JONO (2018-03-07 00:38:47)

スタジオ・ワークを中心にアレンジャー/マルチ・プレイヤーとして活動していた、スウェーデン人ミュージシャンのヨハン・ノービー(Vo)により立ち上げられたバンド。当初は自身の演りたい音楽を追求するソロ・アルバム制作(’06年にリリース)のためにメンバーを集めただけだったが、確かな手応えを得たことから正式にバンド化。'13年に1st『REQUIEM』を、'15年に2nd『SILENCE』を地元のインディー・レーベルから発表。
その2作が好評を博したことからイタリアのFRONTIER RECORDSと契約を交わし、’17年発表の3rd『LIFE』で晴れて日本デビューを飾った。


220VOLT - Lethal Illusion - Private Queen ★★★ (2018-03-05 23:23:50)

Voの歌唱力から曲調まで、
初期の頃に比べスッキリと洗練されています。
バンドのメロディ・センスの良さが
如何なく発揮された哀愁のロッカ・バラード。


220VOLT - Lethal Illusion - The Great Escape ★★★ (2018-03-05 23:13:58)

乾いた哀愁漂わせたバラードリーな前半
(言われてみると確かに“すべては風の中に”っぽい)と
テンポアップしてハードロッキンに疾走する後半と
一粒で二度美味しい名曲。


220VOLT - Lethal Illusion - Shotgun Sally ★★ (2018-03-05 23:08:15)

「ヒーハー!」という陽気な掛け声から
軽快に走り始めるノリの良いロック・チューン。
DEEP PURPLEの“HIGHWAY STAR”から影響を受けたと
メンバーが語る華やかなに迸るGソロが
良いアクセントになっていますね。


220VOLT - Lethal Illusion ★★★ (2018-03-05 23:03:36)

「ポストEUROPE」の有力候補バンドの一つだったスウェーデンの5人組が’97年に発表した5枚目のスタジオ・アルバム。4th『EYE TO EYE』(’88年)からかなり間隔が空いたため、てっきり再結成作だとばかり思っていたのですが、実際は『EYE~』発表後のセッションで作り溜められたものの、リリースの機会がないままお蔵入りしてしまっていた楽曲を、バンド解散後に取りまとめた未発表音源集だったという。
基本的な作風は、アメリカでのサクセスを目指してプロデューサーにマックス・ノーマンを起用、スッキリと洗練され垢抜けた前作と同一路線。…いや寧ろ過剰な装飾を排してシンプルにロックしている点では90年代らしいサウンドと言うべきか。陰気や、泣きの美旋律といった初期北欧メタル要素は殆ど見当たりませんが、それでも楽曲の質の高さ、わけてもメロディ・センスの良さはしっかりとキープされているのだから流石ですよ。
ゆったりとスケールの大きなテーマ・メロディが印象的な①、ミッド・テンポで哀愁を振り撒く④、ダイナミックに跳ねるロック・チューン⑤、流麗なGソロが華やかな彩りを加える⑥、穏やかな前半とテンポアップする後半のコントラストも鮮やかな⑧、ドラマティックなバラード⑫等、本作に収められた優れた楽曲の数々を耳すれば、バンドがその存在を未発表のままにしておくことを惜しんだ気持ちがよく分かります。あと個人的には、500枚限定でリリースされた220 VOLT幻のデビュー・シングル音源⑭⑮の収録が嬉しい。聴き比べれば未熟さは明らかなれど、この2曲目当てで本作を買ったことを思い出しましたよ。
未発表音源集と言えども、決して前4作に聴き劣りしない質の高さを誇る1枚です。


MESSAGE - Lessons ★★★ (2018-03-04 23:09:47)

BON JOVI参加前のリッチー・サンボラ(G)とアレック・ジョン・サッチ(B)や、後にPROPHETでデビューを飾るディーン・ファザーノ(Vo)らが在籍していた幻のスーパー・バンドが、’82年に唯一残した6曲入りEP。
インディーズ流通で僅かな枚数しかプレスされなかったため、世界中のマニアが血眼でオリジナル盤争奪戦を繰り広げた作品でしたが、ここ日本を筆頭に再発ブームが盛り上がった90年代半ばにCD化が実現。その際には、EP収録曲⑤~⑪の他に、ディーン以外は異なる面子でレコーディングされている未発表曲①~④、元々は彼のソロ・アルバム用の楽曲だったという⑫~⑮がボーナス・トラックとして追加収録。しかもそこには御大リッチー・ブラックモアが参加している音源が混じっているとの噂がまことしやかに囁かれていたりするという。(この真偽に関しては今調べてもよう分からんまま。④とかそれっぽい?)
そんな本作の目玉はやはりオリジナルEP収録曲⑤~⑪。ここで聴かれるちょっぴりアメリカン・プログレ・ハードの匂いも漂わせたメロディアスHRサウンドは、後世に残るような名曲は見当たらずとも、PROPHETにも通じる作風は十分に魅力的。バラード⑪のGソロでは早くもリッチーの才能の煌めきを確認することもできますし、また初期BON JOVI風の①や、本編のドラマティックに締め括る⑮といった追加収録曲も、単なる本編の埋め草に留まらぬ存在感を発揮してアルバムのクオリティ向上に貢献してくれています。
大きな成功を収められずとも優れた楽曲を数多く残し、'09年に病によりこの世を去ったディーン・ファザーノというミュージシャンの80年代の活動の軌跡を辿るベスト盤としても重宝する1枚ではないかと。


VALENTINE - Valentine - YOU'LL ALWAYS HAVE ME ★★★ (2018-03-03 09:34:46)

アルバムのフィナーレを感動的に飾るバラード。
哀愁に満ち溢れていますが、泣きよりも
包み込むようなスケール感の方が強く感じられる辺りが
大陸産のHRバンドならでは。
サビを切々と歌い上げるヒューゴのエモーショナルな歌唱が
実に胸を打ちます。


VALENTINE - Valentine - TEARS IN THE NIGHT ★★★ (2018-03-03 09:28:47)

とにかくこの曲はサビメロの素晴らしさに尽きます。
この手の伸びやかなコーラスを歌わせるとヒューゴは絶品ですね。
あと数年早く発表されていればきっと大ヒットしていたろうに…
と思わされるフック効きまくりのハードポップ・ナンバー。


VALENTINE - Valentine - ONCE IN A LIFETIME ★★★ (2018-03-03 09:25:01)

キラキラなKeyとハード・エッジなGがバランス良く効かされた
初期BON JOVIタイプの哀愁のHRチューン。
湿度がさほど高くない本編にあって、ちょうどいい
アクセントの役割を果たしてくれている名曲。


VALENTINE - Valentine ★★★ (2018-03-02 00:26:01)

VALENTINEといってもオランダのロビー様のことではなく、NYはロングアイランド出身の5人組。本作は彼らがプロデューサーにニール・カーノンを迎えてレコーディング作業を行い、'90年に発表したデビュー作。
フロントマンとして伸びやかな歌声を披露しているのは、日本ではソロ・シンガーとしての知名度の方が高そうなヒューゴ。既にこの頃から、口にメントスを含んで歌っているかの如き清涼感に溢れた歌唱と、スティーヴ・ペリーのそっくりさんぶりは確認できます。尚、そんな彼氏の良く伸びるハイトーンVoが映える本作で聴けるのは、ポップでキャッチーなメロディを、分厚いハーモニーとキラキラなKeyで包み、そこにテクニカルなGが適度なエッジを加えるという、まさに教科書通りのメロディアスHRサウンド。
気を持たせるイントロからハード・ロッキンに展開していくOPナンバー①、キャッチーなサビメロが高いヒット・ポテンシャルを感じさせる③⑥、哀愁のハードポップ⑧、ラストを感動的に締め括る雄大なバラード⑪等々…。巧みにフックの盛り込まれた優れた楽曲が並ぶ本編は、メンバーが(別に嫌味でなく)「売れる要素」をしっかりと研究して曲作りに挑んだであろうことが伝わって来る仕上がり。あまりに卒なく澱みなく流れていくため、逆に全体的なインパクトが弱まってしまっている感もあるっちゃあるのですが。
所属レーベルの内紛に巻き込まれ、アメリカのHR/HMシーンが重要な節目を迎えていた’89年という時期を棒に振るような不運に巻き込まれなければ、きっともっと成功を掴めていたろうにと思わされる1枚です。(バンドはこの後OPEN SKIZと改名してアルバムをもう1枚残すことに)


SABU - Sabu ★★★ (2018-02-28 23:29:03)

SABU。…と言っても北島三郎のことではなく、ましてやゲイ雑誌のことでもなく。80年代からシンガー/ソングライター/ギタリスト/プロデューサーとしてマルチな活動を行ってきたアメリカ人ミュージシャン、ポール・サブーが、BONFIREを脱退したエンジェル・シェライファー(G)&ヨルグ・ダイジンガー(B)と知己を得たこと切っ掛けに立ち上げたプロジェクトのこと。(ドラマーは助っ人としてデレク・スミスを起用)
本作は彼らが'96年に発表した唯一のアルバム。雑誌で高評価を受けていたのに釣られて購入したのですが(日本盤はテイチクからリリース)、シンガーの名前を冠した作品ということで、てっきり「歌」が主役のハードポップ路線のサウンドを志向しているかと思いきや、実際はGも自己主張しまくる、予想外にハードにロックしている内容だったという。「90年代の作品で、ハードにロックしている内容」とか聞くと、嫌な予感しかしない方もいらっしゃるでしょうが、そこはメロディックHR界の手練れが揃ったプロジェクト。似合わぬヘヴィネス路線に色目を使ったりはしていないのでご安心あれ。
力強い高揚感に溢れた③、キャッチーな躍動感に心が浮き立つ⑦といった、カラッとポップで爽快なHRナンバー、もしくは⑧のようなVoと楽器陣の熱演がダイナミックな盛り上がりと感動を呼ぶ楽曲を始め、ポールがエネルギッシュに熱唱するキャッチーなメロディに、BONFIRE組がハード・エッジと欧州風味の哀愁を適宜加えるサウンドは、この組み合わせにファンが寄せる期待にきっちりと応えた仕上がりと言えるのではないでしょうか。
CD屋に行くと帯付中古盤が3桁価格で買えてしまうという、非常にお得感に溢れた1枚。


VULTURE - The Guillotine - Adrian's Cradle ★★★ (2018-02-27 23:54:25)

不気味なイントロで聴き手を十分に焦らしてから激走開始。
ドカスカと強引に突進するリズムに乗っかって、
ハイトーンVoが喚き倒し、ツインGが荒れ狂うという
B級スピード・メタルかくあるべし!な名曲。
(人によっては迷曲か)
禁止薬物を使用したIRON MAIDEN的感触もあり。


VULTURE - The Guillotine ★★★ (2018-02-26 22:55:46)

レザー&スタッドで全身を固めたメンバーの出で立ちも頼もしいドイツの4人組が、'17年にHIGH ROLLER RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
ジャッロ映画風イントロでスタートを切る本編にて炸裂するのは、ツインGを切り込み隊長役に荒々しく突っ走る、スラッシュ・メタルと呼ぶにはメロディアスで、正統派HMで括るにはアグレッシブ過ぎる、まさに「スピード・メタル」なる形容が打ってつけのサウンド。Voもハイトーンで終始テンション高くシャウトしまくっていますが、例えばロブ・ハルフォードみたいな表現力の深みや中音域の魅力は皆無で、ひたすら壊れた蛇口よろしく「出しっ放し」「漏れっ放し」なバカ度高めのハイトーン・スタイルな辺りも、EXCITERやAGENT STEELの系譜に連なるこの手のサウンドにマッチしているという。
近年だと同系統のバンドとしてはEVIL INVADERSが思い出されますが、現代っ子バンドらしいキレキレな演奏力が、鋭利なカミソリの刃の如きスタイリッシュなカッコ良さを際立たせているあちらに比べ、技術よりも気持ちが先走った、前のめりなドタバタ感溢れる本作はより濃厚に80年代風味を背負っていて、DEEP PURPLEの名曲“嵐の使者”のブチ壊しカヴァー⑩もそんなバンドの特性が強く出ているのではないかと。正直、嫌いじゃないです。
そんなわけで他人には薦め辛くとも、個人的には非常にツボな1枚。同郷の先輩バンドVECTOM(知ってます?)に通じるスピード・メタル・サウンドにほっこりさせられましたよ。特に映画『ローズマリーの赤ちゃん』のメイン・テーマを引用して、2本のGが派手にハモり倒しながら疾走する⑤はメタル魂にボッと火を点される名曲ではないでしょうか。


VULTURE (2018-02-26 22:54:34)

元々はブラック・メタル・バンドで活動していたS・ジェノサイダー(G)とA・アックスティンクター(B)が中心となり、「MERCYFUL FATE/KING DIAMONDの雰囲気にベイエリア・スラッシュとカナダのスピード・メタルの速さを加えてスピード・アップしたJUDAS PRIEST」的なサウンドを追求すべく、‘15年にドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にて結成。
JUDAS PRIESTの“RAPID FIRE”のカヴァーを収録したデモや、HIGH ROLLER RECORDSとディールを交わして制作されたEP、シングル盤がマニアの間で評判を呼んだことから、'17年に1st『THE GUILLOTINE』でアルバム・デビューを飾った。