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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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POWERWOLF - Blessed & Possessed ★★★ (2017-01-23 22:41:09)

ドイツ本国でチャート№1の座を獲得した5th『PREACHERS OF THE NIGHT』の勢いを駆り、'15年に発表された6thアルバム。ついでにここ日本でも漸く国内盤のリリースが実現(前作も同時発売)。更に国内盤は、JUDAS PRIESTの“A TOUCH OF EVIL”、SAVATAGEの“EDGE OF THORNS”、CHROMING ROSEの“権力と栄光”、BLACK SABBATHの“HEADLESS CROSS”etc.といった、思わず「ナイス・チョイス!」と肩を叩きたくなる名曲の数々のカヴァー、全10曲を収録したボーナスCDとの2枚組仕様。しかもお値段はお得な据え置き価格で、これはお買い得ですよ!(ショップTV風に)
音楽性の方も前作同様、シンフォニックなKeyとチャーチ・オルガンを活かした劇的なアレンジ、ラテン語を交えた歌詞を時にオペラティックに、時にメタリックに歌い上げるシアトリカルなVo、それにコーラスを荘厳に彩るクワイアがフィーチュアされた、勇壮にしてキャッチーなパワー・メタル路線を堂々追求。間違いなく日本のHR/HMファンにも希求し得る魅力を満載にしたサウンドのように思われます。
前作と比較した場合、“AMEN & ATTACK”レベルの頭抜けた楽曲が見当たらない…というか、少々楽曲のパターン化が気にならなくもないのですが、それでもスピーディ&パワフルな収録曲は(捨て曲の見当たらない)文句なく高いクオリティを維持。またドラマティック過ぎる程にドラマティックな作風でありながら、無駄に大作主義に走らず、楽曲をタイトにまとめ上げる姿勢も本作の「取っ付き易さ」向上に一役買っているのではないかと。
LOUD PARKで呼んでくれれば、日本でも人気に火が点くのでは?と思わせてくれる1枚。


POWERWOLF - Preachers of the Night - Amen & Attack ★★★ (2017-01-22 22:30:36)

合唱を誘われるキャッチーなコーラスをフィーチュアして
パワフルなGリフとリズムが勇壮に疾走。
その上に乗せられた、オペラティックな歌い上げと
熱く歪んだシャウトの両刀使いのVoと
チャーチオルガンの冷ややかな旋律が
このバンド独特の荘厳な雰囲気を演出する名曲。


LIVING DEATH - Protected From Reality - War of Independence ★★★ (2017-01-21 10:34:19)

Gリフの印象度ではアルバム随一。
勇壮なインスト・セクションの威力もあって
スラッシュというよりはパワー・メタル寄りの感触もあり。
ただそこにトトのヒステリックなシャウトが乗ると
あ、やっぱりLIVING DEATH以外の何者でもねえや、と。


LIVING DEATH - Protected From Reality - Horrible Infanticide, Part One ★★★ (2017-01-21 10:29:53)

いかにもジャーマン・スラッシュ・メタル然とした
刺々しい疾走感の中から、突然朗々とした男性コーラスや
メロディックなGソロが飛び出してきたりする
奇想天外な曲展開は、プロデュースを担当した
ラルフ・ヒューベルトからの助言もあったのでは?と。


POWERWOLF - Preachers of the Night ★★★ (2017-01-21 10:01:37)

’13年に発表するやドイツのナショナル・チャート№1の座に躍り出る大ヒット作となった4th。
何だかよう分からんが、基本コンセプトに「狼」を据えたバンドということで、「まぁ要するにドイツ版MAN WITH A MISSONみたいなもんか?」とか薄らぼんやりしたイメージを抱いて本作を購入してみれば、別にメンバーは狼マスクを被っていたりはしませんでしたし(当たり前だ)、託されているサウンドも流行り要素皆無のオーソドックスなジャーマン・パワー・メタルだったという。
但しオーソドックスと言っても、Keyを活かしたシンフォニックなアレンジ、白塗りの風貌でパワフルなシャウトと朗々たるオペラティックな歌い上げを使い分ける「新世代のキング・ダイアモンド」――というか「ドイツのデーモン小暮」と呼びたくなる――実力派シンガーの歌唱、重厚に炸裂するクワイア、そして楽曲に冷厳なアクセントを加えるチャーチ・オルガンの調べが、宗教や東欧伝承をテーマにラテン語を交えて綴られる歌詞世界と呼応して、このバンド独自の荘厳且つドラマティックな音世界を描き出します。かてて加えてメロディが実にキャッチー。例えばPVも制作された本作のリーダー・トラック①からも明らかな通り、収録曲はパワフルで疾走感に溢れていてもコーラスは一度聴いてしまえばすぐに一緒に歌える(歌いたくなる)フックラインを有しており、こりゃ確かにチャート1位になっても不思議ではないなぁと。
実際に聴くまでは「過大評価じゃないの?」とか舐めて掛かる気持ちが無きにしも非ずだったですが、そしたらこの捨て曲なしの完成度の高さ。侮ったりしてすまなんだ。


POWERWOLF (2017-01-21 09:59:00)

ドイツ南西部の都市、ザールブリュッケンにて、ストーナー・ロック・バンドRED AIMを前身として、’03年から活動を開始。
「狼」をシンボルに掲げ、コープス・ペイント&全身ローブのシアトリカルな扮装で身を固め、一風変わったコンセプトのもと繰り出されるパワー・メタル・サウンドでもって着実に地歩を固め、’04年に『RETURN IN BLOODRED』、’07年に2nd『LUPUS DEI』を、’09年には3rd『BIBLE OF THE BEAST』、'11年に4th『BLOOD OF THE SAINTS』と、アルバムを発表する毎に人気も上昇。3rdがドイツ総合チャート第77位、4thが23位、そして’13年発表の5th『PREACHERS OF THE NIGHT』がとうとうナショナル・チャート第1位の座を獲得する快挙を達成している。


U.D.O. - Faceless World - Stranger ★★★ (2017-01-19 22:49:34)

派手に盛り上がったりはせず、比較的淡々と進んでいくのですが
マティアス・ディートのGソロが滑り出した途端、
それまで以上に楽曲が燦然と輝き出します。
ホント、もっと評価されて然るべきギタリストの1人だよなぁと。


U.D.O. - Faceless World ★★★ (2017-01-18 23:19:41)

デヴィッド・リース(Vo)擁する編成でのアメリカ進出に失敗したACCEPTが解散。これによりようやっと彼らとの比較を気にせずに済むようになったウド・ダークシュナイダー(Vo)が、U.D.O.独自の音楽性を発展させるべく曲作りに励んだ結果、目立つKey類やリズミカルに跳ねるタイプの楽曲の存在があったりで、初めて聴いた時は正直戸惑いを覚えなくもなかった’89年発表の3rdアルバム。HMの権化が如き次作『TIME BOMB』(’91年)がU.D.O.にとっての『PAINKILLER』なら、こっちは確かに『TURBO』っぽいなぁ、と。
いやでも、じゃあ本作が売れ線に走った作品なのかと言えばさに非ず。確かに従来作よりも洗練を感じさせるアレンジや音作りに一瞬虚を突かれますが、そうした新要素を積極活用しつつ、HM専用フォーミュラと言うべきウドの雄々しい歌唱から、屈強なGリフと重厚なリズムのコンビネーション、トドメにマティアス・ディートの「歌う」Gプレイ(劇的に構築された①や⑤のGソロなんてもう…)が紡ぐドラマティックなメロディに至るまで、ここに託されたサウンドの骨格はU.D.O.以外の何者でもない鋼鉄密度を有しています。
特に、哀愁を発散するミッド・チューン①⑫や、小気味良く駆け抜ける疾走ナンバー③⑨、ライブでは大合唱を巻き起こしていそうな②④といった優れた収録曲の数々を聴けば、本作が単にポップに日和ったのではなく、U.D.O.本来の魅力を損なうことなく、よりキャッチーに、よりメロディアスに練り上げられた作品だということが分かるというもの。
少々タイプは異なれど、完成度においては『TIME BOMB』に引けを取らない力作です。


D・A・D - Osaka After Dark ★★ (2017-01-17 00:11:23)

D.A.D.と言えば、大ヒット作『NO FUEL LEFT FOR THE PILGRIMS』(’89年)に対して、BURRN!!誌上ではゴッドが90点台を献上。その後すぐに2度の来日公演が実現する等、「新世代北欧ロック・バンドの雄」として注目を集める存在でした。本作はそんな彼らが’90年に日本で行ったショウケース・ギグ(会場は大阪MIDシアター)の模様を捉えた実況録音盤で、収録曲は7曲と少なめ。また選曲が『NO FUEL~』に偏っていることもあり、バンドの入門盤向けというよりは「熱心なファン向けアイテム」に類される1枚かと。
ぶっちゃけ、哀愁と美旋律まみれのオールドスクールな北欧メタルを愛する身的には、その風変りなロックンロール・サウンドは当時完全に興味の範疇外だったのですが、「日本収録のライブ盤」という点に釣られて本作を購入。そしたら「あ。案外良い曲書けるバンドなんだ」と(失礼過ぎる感想)。特にマカロニ・ウェスタンmeetsパンク・ロック=カウパンクと評された彼らの音楽性の真骨頂と言うべき“GIRL NATION”や、シングル・カットされ話題を呼んだ代表曲“SLEEPING MY DAY AWAY”等は、砂塵とタンブル・ウィード舞う西部の荒野を想起せずにはいられない、乾いた哀愁が心地良いったらないHRナンバー。
既に地元では確固たるステイタスを築いていたバンドだけあって、ライブ・パフォーマンスからは実績と自信に裏打ちされた安定感が漂いますし、掛け合いも盛り込んだ7曲目で飛び交う黄色い歓声を聴いていると「あぁ、日本でも人気あったんだなぁ」としみじみ。
興味本位から購入した作品でしたが、思ったよりもずっと楽しめた1枚でしたよ。


Eastern Orbit - Live-journey to Utopia - Fire Ball ★★★ (2017-01-15 08:34:15)

このタイトルでこのバンドですから
DEEP PURPLEのカヴァーかな?と思ったのですが、違いました。
Charをゲストに招いてのステージ上でのジャム・セッションに
曲名を付けたものなのですが、これがまさしくタイトルを地で行く
火を噴くような楽器陣の掛け合いがスリリングな出来栄え。
疾走感溢れる曲調はテーマ・メロディも印象的で
ちゃんと「インスト曲」として成立しています。


Eastern Orbit - Live-journey to Utopia - Journey to Utopia ★★★ (2017-01-15 08:27:30)

1stアルバムには収録されておらず、このライブ盤でしか
聴くことができない(多分)アルバム表題曲。
宮永英一の流れるようなドラムロールと、Charが奏でる
“星条旗よ永遠なれ”をイントロ代わりにスタート。
一度聴けば耳に残る印象的なリフレインを持った哀愁のHRナンバーで
熱く激しく咽び泣くGソロも強烈。
それまでバリバリ英語の楽曲とMCをこなしてきたJ.J.が
曲紹介で「Char、オ願イシマス」と
凄い丁寧に日本語を話しているのも微笑ましい。


Eastern Orbit - Live-journey to Utopia ★★★ (2017-01-14 10:23:17)

‘83年11月に、EASTERN ORBITが米軍横田基地内の将校クラブ「NCO CLUB」で行ったライブの模様を収めた実況録音盤(前座は十二単だったという)。
メンバーはJ.J.(Vo)、中島優貴(Key)、宮永“CHIBI”英一(Ds)、多田勇(G)、デイヴ伊藤(B)、それに特別ゲストのCHAR(G)という布陣。英語のMCも流暢にこなせるJ.J.の熱唱を始め、手練れの面子が繰り出す熱く激しいパフォーマンスと、初っ端からテンションが振り切れている観客の熱狂とが相俟って、本作を聴いていると、何やら海外で(そも米軍基地内はアメリカの領土なんですけども)、海外のバンドのライブを見ているような錯覚に陥る瞬間もしばしば。中でも個人的には、イアン・ペイスばりのタイトで流れるようなドラミングのみならず、RAIBOWのカヴァー③ではリードVoも担当する(しかも巧い!)という多才ぶりを発揮している、宮永英一の存在に特に感銘を受けましたね。
HEAVY METAL ARMY時代の代表曲①に始まり、疾走ナンバーの名曲②が後に続く「掴み」や、CHARの独奏“星条旗よ永遠なれ”からスタートする印象的なリフレインを持った⑥、全楽器が火花を散らして衝突し合うインスト曲⑦といった楽曲からは、スタジオ・バージョンを軽く凌駕する迫力と熱量が迸ります。「Key奏者が創作面のイニシアチブを握るバンド」と聞くと、プログレ・ハード系の音を想像しがちですが、ここに詰まっているサウンドは完全にHR/HMの領域にダイブ・イン。もしかすると1st『FUTURE FORCE』よりもEASTERN ORBIT入門盤にお薦めできるかもしれません。


RAZOR - Executioner's Song - Take This Torch ★★★ (2017-01-12 23:38:26)

聴く者の鼓膜を切り裂いて出血させんばかりの勢いで
刻んで刻んで刻みまくられるGリフと、
タイミングなんて知ったこっちゃねえわと好き勝手叫び倒すVoとが、
猪突猛進のリズムに乗っかったことで生み出される
この異様なテンションの高さ。
RAZOR屈指の名曲です。


RAZOR - Executioner's Song ★★★ (2017-01-12 00:32:19)

サクセスとか、世間の流行り廃りとか、そういった世俗的事象には一切無頓着のままに、HR/HMシーンの裏街道を爆走し続けたカナダのスラッシュ・メタル番長、RAZORが’85年に発表した1stフル・アルバム。
トラッシーなジャケット・イラストといい、そこいらの公民館を借りてテレコで一発録りしました的プロダクションといい、突貫工事感が半端ない本作はハッキリ言ってチープ(尤も、この時期のスラッシュ・メタル・アルバムは多かれ少なかれそんな感じでしたけど)。リズムガン無視で強引にシャウトを捻じ込んで来るステイス“シープドッグ”マクラーレンの金切Voから、演奏がズレようが走ろうが「細けぇことはいいんだよ!」とばかりに突進を繰り返す楽器隊まで、ファイト一発!なラフさ加減に濃厚に息衝くのは、スラッシュと言うよりもパンキッシュなクソッタレ・スピリッツ。しかしながら昔は呆気に取られたそうした部分にこそ、今聴き返すと逆に轟々とメタル魂を燃え上がらされてしまうのが不思議でして、特に一心不乱にGリフを刻んで刻んで刻みまくるリーダー、デイヴ・カルロのリフ・カッター無双ぶりが痛快な“TAKE THE TORCH”なんて、鳥肌モノの名曲ですよ。
現代の感覚からすれば、もはや特別速いわけでもアグレッシブなわけでもない音かもしれませんが、しかし、ギアの壊れた自転車をそれでも猛然と漕ぎ倒すかのような、この鬼気迫る前のめりっぷりはやはりスペシャル。並のエクストリーム・メタル・バンドなんぞ足元にも寄り付かせない、破れかぶれなテンションの高さが痛快極まる1枚です。


SODOM - Decision Day - Caligula ★★★ (2017-01-10 23:58:28)

カ~リギュラ~!
思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなコーラスを有する一方、
ローマ帝国の暴君について歌った楽曲だけあって
さりげなく混ぜ込まれた欧州風味の暗黒色なドラマが
効果的なアクセントとなっています。


SODOM - Decision Day - Decision Day ★★★ (2017-01-10 23:54:43)

SODOMらしい刺々しいアグレッションと、
戦争をテーマに据えた楽曲に相応しく、
バーネマンが好戦的に奏でるメロディとが
劇的な融合を果たしたアルバム表題曲。


SODOM - Decision Day - In Retribution ★★★ (2017-01-10 23:48:22)

ライブの開幕SEさながらに、徐々にテンションを高めていって
その緊張が頂点に達した瞬間、解き放たれたかのように
怒涛の疾走へと転じる冒頭の展開だけで完璧に掴まれてしまいましたね。
現在のSODOMの魅力が凝縮された名曲です。


LEGEND(80'S PARTⅡ) - ...AD 1980... - The Way Loves Meant to Be ★★★ (2017-01-08 11:26:00)

胸を突くハイトーンVoと、泣きを湛えたツインGによって
哀愁の度合いをずんどこ増強されながらドラマティックに
高みへと向かって盛り上がっていく様は、
『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTに通じる涙腺破壊力。
本作のハイライト・ナンバーの一つです。


LEGEND(80'S PARTⅡ) - ...AD 1980... - LEGEND ★★ (2017-01-08 11:08:35)

シンプルに繰り返される反復Gリフが妙に頭に残ります。
しかしながら突き抜けるようなハイトーンを織り交ぜた
Voの熱唱の威力もあって、平坦な印象は受けません。


LEGEND(80'S PARTⅡ) - ...AD 1980... ★★★ (2017-01-06 01:28:31)

数年前に古本屋の中古CDコーナーから500円でレスキューした1枚。ピンボケのライブ写真に、そっけなく『…AD 1980』とタイプされただけのジャケットが怪し過ぎて、てっきりNWOBHM期に活動していたジャージー島出身のLEGENDのブート盤か何かかと思った購入したのですが、帰宅後に調べたらLEGENDはLEGENDでもシングル『HIDEAWAY』(’81年)1枚を残して解散したケント出身の方のLEGENDの未発表音源を取りまとめたコンピ盤だったことが判明。あと、こちらのサイトにもちゃんと登録されていましたね。
で。そんな本作で聴けるのは、ジャージーの方のLEGENDにも通じる要素が少なからず感じられる、70年代HR的味わいに、NWOBHM由来のへヴィ・メタリックな光沢と、スピード感や構築感を加味したようなサウンド。加えて、(ヘタウマ・レベルに留まらない)シンガーのしっかりとした歌唱がアルバムの完成度を数段上に引き上げることに大きく貢献しています。例えばハイントーンVoの存在とツインGが奏でる扇情的なメロディの威力が映えるドラマティックな⑥⑫等を聴いていると、『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTのことを思い出す…と言ったら褒めすぎでしょうか。
その他にも、シンプルなノリの良さと反復GリフがクセになるOPナンバー①、タメを効かせて盛り上がっていく④⑩、シャープに疾走する⑤といった、思わず「おっ」と声が漏れる楽曲を収録した本編は、「NWOBHMの掘り出し物」として語り継がれるに十分なクオリティを保持。こんだけ優れた楽曲を抱えていながら、終ぞフル・アルバムを発表出来ぬまま解散してしまったことが残念でなりませんよ。


VIPER - Maniacs in Japan ★★ (2017-01-04 22:26:46)

ブラジルのVIPERが、'93年に川崎クラブチッタで行った初来日公演の模様を捉えた実況録音盤。
メロディック・パワー・メタルの名盤と評判の『THEATER OF FATE』(’89年)で一躍注目を集めるも、間もなくアンドレ・マトスが脱退。その後発表された3rd『EVOLUTION』(’92年)における大胆な音楽性の刷新がファンの間で賛否両論(つか圧倒的に「否」の意見が優勢だった)を巻き起こす中敢行された来日公演ということで、タイミング的には最悪もいいところ。動員もあまり良くなかったと記憶しておりますが、にも拘らずここに収められたライブが熱狂的な盛り上がりを聴かせてくれるのは、当日会場に集結したのが(批評に左右されない)筋金入りのVIPER MANIACSだったこと。そして、メタルというよりはロックンロール/パンキッシュな疾走感に貫かれたサウンド(QUEENの“WE WILL ROCK YOU”の倍速カヴァーもパンク・バンドが演りそうなアイデアですよね)が、スタジオ盤よりもライブで聴く方が遥かにカッコ良く響いたことがその要因でしょうか。
ハッキリ言ってシンガーの歌唱にしろ、楽器陣の演奏にしろ、初来日の喜びと緊張がない交ぜになって先走っているようなパフォーマンスは相当に危なっかしいのですが、このサウンドには不思議とそうした《気合一発!轟音で押しまくる、若さ溢れるライブ》(帯より)なノリがマッチしていて、文句を付ける気が起きません。⑩におけるバンドと会場が一体となった盛り上がりっぷりなんて何度聴いてもアガるものがありますよ。
「胸が熱くなる」と言うよりは、「気分がほっこりする」タイプのライブ盤なれど、大好きな作品です。VIPER再評価の切っ掛けの一つにどうぞ。


VICTORY - You Bought It, You Name It - Rebel Ready ★★ (2017-01-03 22:14:36)

溌剌と疾走するビートに乗って
リズミカルに刻まれるGリフが妙にクセになる
アルバムのOPナンバー。
元気よく吹き鳴らされるホイッスルを聞くと
つい条件反射的に走り出したくなりますね。


FM - Tough It Out - Someday ★★★ (2017-01-03 22:09:30)

ジュディスとロビンのランダル母娘により作曲された
HR/HM史にキラリと輝くハードポップの名曲。
FMの2ndアルバム購入を決意したのも、
実は彼らがこの楽曲を演っていると耳にしたからに他なりません。
で、こっちもマーク・フリーのバージョンには及ばないまでも
大変素晴らしい出来栄えでありました。


VICTORY - You Bought It, You Name It - God of Sound ★★★ (2017-01-03 22:02:46)

ツインGを活かした欧州HMらしい湿り気とドラマ性、
それにサビを彩るビッグなコーラスとが合体した
VICTORYの魅力爆発な逸品。
フェルナンド・ガルシアのVoも熱い。


VICTORY - You Bought It, You Name It ★★ (2017-01-03 21:57:00)

本国では安定した支持基盤を築くも、当面の進出目標であったアメリカでは、折からのグランジ/オルタナ・ブームで従来型HR/HM人気に壊滅的な地盤沈下が発生。またここ日本において90年代に盛り上がったジャーマン・メタル・ブームにも、(典型的独産パワー・メタルとは異なる)どちらかと言えばアメリカンなノリが強く打ち出されたその音楽性ゆえ乗り損ねたドイツのVICTORY。本作は、そうしたシーンの潮流の変化の狭間で試行錯誤を重ねていた時期(’92年)に発表された7thアルバムである。…って知った風に書いてみましたけど、これが自分が初めてまともに聴いたVICTORYの作品でしたよ、確か。
上記のような理由もあって、当時のバンドはサウンドの拡散化がかなり進行。正直なところ、ホーンを取り入れてみたりファンキーに跳ねてみたりと、今聴き直しても収録楽曲はストライク・ゾーンにハマっているとは言い難い作風でして。それでもフェルナンド・ガルシアの熱く歪んだVoは問答無用で聴く者のメタル魂を燃え立ててくれますし、要所で発揮されるドイツのバンドならではのメロディ・センスも侮れないものがあります。特に、トリッキーなGリフと華麗なるツイン・リードG(あとホイッスルも)をフィーチュアして景気よく駆け抜けるOPナンバー①や、マカロニ・ウェスタン風味のバラード⑤、本編中において最もヨーロピアンHRテイストを感じさせてくれる⑧等は、「これがあるから本作は手放せないんだよな~」と思わせてくれる秀曲ではないかと。
VICTORY入門盤としては、先に聴くべき作品が他に幾つもあるかもしれませんが、それらが気に入ったならば本作も是非どうぞ。


FM - Tough It Out ★★★ (2016-12-31 01:40:11)

タイトルとアートワークはガテン系。でも音楽性の方は、ニール・カーノンが手掛けた音作りから、デズモンド・チャイルドら外部ライター勢を起用した形振り構わぬ姿勢まで(バックVoにはテリー・ブロック、ロビン・ベックも参加)、自信を持って放ったデビュー作『INDISCREET』がコケたことで「じゃあこれならどうだ!」とばかりに、一層AOR路線に前のめりになっている’89年発表の2ndアルバム。
いや前作だってポップで煌びやかな作品でしたけども、要所で溢れ出す泣きや哀愁が、隠しようのないFMのブリティッシュ・ロック・バンドとしての出自を物語っていたのに比べ、今回はもう身も心もアメリカンになりきって大陸の爽やかな微風を送り込んで来てくれています。例えるなら、前作収録曲“AMERICAN GIRL”の明るくハジけるノリを全編に行き渡らせたような感じ…とでも申しましょうか。
しかし、それが批判に値しないことは他の皆様の絶賛コメントが証明する通り。というか、こんだけ充実した制作環境だったら悪い作品なんて作りようもないですわな。スティーヴ・オーヴァーランドの「エモーショナルな歌唱」のお手本の如きVoや、兄クリスの弟に負けないぐらい歌心溢れるGプレイ等、メンバーのパフォーマンスも実に手堅い。
収録曲については、初めて聴いた時はジュディス&ロビンのランダル母娘提供の至高のハードポップ・ソング“SOMEDAY”のインパクトに全部持って行かれてしまった感があったのですが、その他の楽曲だって③⑤⑧等、十分に粒揃い。
3年後ぐらい、今度は『TOUGH IT OUT 30』をリリースするってのは如何でしょうか?


FM - Indiscreet - I Belong to the Night ★★★ (2016-12-29 12:12:25)

イントロのシンセだけで「来た、来たぁ!」と。
ポップ・センスとブリティッシュな哀愁が
巧みブレンドされた、この時期のFMならでは名曲。
個人的には1stアルバムで一番リピート率の高い楽曲です。
クリス・オーヴァーランドの歌心に溢れたGプレイも
実に良い仕事してくれていますよ。


FM - Indiscreet - American Girls ★★★ (2016-12-29 12:07:31)

屈託なくアメリカへの憧れを歌い上げた歌詞といい
“JUMP”を思わせるシンセ・リフといい、
80年代感バリバリに躍動するハードポップ・ナンバー。
バンドにしてみりゃ「若気の至り」な1曲かもしれませんが
でもこれ素晴らしい曲ですよね。


FM - Indiscreet - Love Lies Dying ★★★ (2016-12-29 12:05:25)

テクニックだけでなく、ブレスとか節回し、感情表現も含め
こんだけ歌えたらシンガー業が楽しくて仕方なかろうなぁ
と思わせてくれるスティーヴ・オーヴァーランドの歌の上手さよ。
そうした彼の歌唱力が存分に生かされた哀愁の名バラード。
更に抒情性を増して蘇った『INDISCREET 30』のバージョンもお薦めです。


FM - Indiscreet ★★★ (2016-12-29 00:18:05)

名前は知っていても、ちゃんと音に触れたのは名曲“CLOSER TO HEAVEN”が最初ゆえ、FMについては「ブルージーな味わいを取り入れたメロディックHRバンド」という認識でいたのですが、後で「いや、初期の頃は違ってたらしいよ」と教えて貰い、興味を引かれて購入したのが、この’86年発表のデビュー作。
キラッキラに眩く煌めくシンセをふんだんに取り入れた音楽性は、例えばVAN HALENの“JUMP”を思わす曲調に乗せて、屈託なくアメリカへの憧れを歌い上げた⑤に代表されるように、まさしく80年代ど真ん中なハードポップ・サウンド。そのブルーズ要素ゼロっぷりに、なるほど。こりゃ確かに90年代以降のFMとはかなり違っているなぁと。
いやでも、哀愁を湛えて弾むOPナンバー①や、明るく爽やかな②、ドラマティックな導入部だけで掴みはOKな④、心地良く駆け抜けて行く⑥…といった具合に、高いヒット・ポテンシャルとフックを有する収録曲の数々を聴けば、皆様が仰られている通り「これはこれで全然あり!」。何よりスティーヴ・オーヴァーランドはこの頃から既に歌がメチャウマで、80年代初頭から兄クリスと共にWILDLIFEでキャリアを積んで来ていただけあり、感動的なバラード③におけるエモーショナルな歌唱なんて思わず涙がちょちょ切れるレベル。
尚、最近発表された本作のリレコ盤『INDISCREET 30』も素晴らしい出来栄えでして、スティーヴのVoやメンバーの演奏が一層円熟味を増したことで、よりしっとりと抒情的に奏でられるメロディアスHRサウンドに時間を忘れて聴き惚れてしまいましたわい。


KANE ROBERTS - Saints and Sinners - Fighter ★★★ (2016-12-27 23:11:49)

勉強、残業、筋トレ等々…「あともうひと踏ん張り!」が必要な時に流すと
沸々と力を湧き上がらせる曲調&歌詞とが相俟って効果覿面。
80年代のスポ根ドラマ/映画の主題歌に採用されていても
おかしくない爽やかさが魅力の名曲です。


KANE ROBERTS - Saints and Sinners - Rebel Heart ★★★ (2016-12-27 23:05:18)

「ギターを抱いたランボー」的イメージからはかけ離れた
痒い所に手が届くメロディック・ロック・チューンの名曲。
分厚いコーラスと高揚感に包まれたサビメロのフックの効き具合、
何よりそれを熱唱するケイン・ロバーツのVoと、
終盤の彼自身によるGソロが楽曲を劇的に盛り上げてくれます。


KANE ROBERTS - Saints and Sinners ★★★ (2016-12-26 23:40:06)

驚異の秘密兵器「実銃改造マシンガン・ギター」と、「筋肉モリモリ、マッチョマンの変態だ」(by映画『コマンドー』)風味にパンプアップされた肉体美を誇示したジャケットで、HR/HMリスナーをドン引き…じゃなくて度肝を抜いた元アリス・クーパー・バンドのギタリスト、ケイン・ロバーツが'90年に発表した2ndアルバム。
大向こうから「切れてる切れてる!」「ナイスバルク!」と掛け声がかかりそうなボディビルの写真集状態だった前作のアートワークが色物扱いされたことで我に返ったのか、今回はジャケ写がまともになっちゃっていて、ホッとしたような物足りないような…。まぁ少なくとも音楽性に関しちゃこっちのデザインの方が相応しいとは思いますけども。
ともあれ、ヒット・ポテンシャルに富むポップでキャッチーなメロディック・ロックという、セルフ・タイトルのデビュー作で聴かせてくれた基本路線は本作でも堅持されていますし、ダイアン・ウォーレンを始め、名うてのヒット・メイカー達が楽曲提供を担い、その上(1曲目からも明らかなように)ケイン自身のテクニカルなGプレイが、ポップ路線に流され過ぎぬようサウンドにハード・ロッキンなエッジと緊張感を加えてくれているのですから、これで素晴らしい作品にならないがわけがない!と。
特に、BON JOVI&デズモンド・チャイルド作曲のパワー・バラード③、格段に向上したケイン自身のVoが楽曲を感動的に盛り上げる⑤、スポ根映画の主題歌にハマりそうな⑦という、「フックの備わった楽曲」のお手本の如き高揚感に満ちた3曲は、今後とも末永くお付き合いしていきたいメロハーの名曲。
インパクトでは1stに及ばないものの、この2ndも是非押さえておいて頂きたい1枚です。


MERCYFUL FATE - In the Shadows - Is That You, Melissa ★★★ (2016-12-26 23:37:02)

物悲し気なイントロに、切々と歌い上げる
キングのVoが被さる冒頭部分だけで、
「これは名曲」との予感がヒシヒシと。
静と動を飲み込んだ劇的な曲展開に
泣きを湛えたツインGが折り重なっていく
終盤の盛り上がりは、アルバムのクライマックスに
相応しい名曲の貫禄を感じさせてくれます。


MERCYFUL FATE - In the Shadows - Legend of the Headless Rider ★★★ (2016-12-26 23:21:38)

映画化もされた「スリーピー・ホロウの伝説」を題材に、
7分以上に及ぶ長尺をドラマティックに語り上げる大作曲。
といっても、キングのシアトリカルな語り口と、
荘厳な雰囲気を湛えたドラマティックな曲展開の魅力で
全く長さを感じさせませんが。


MERCYFUL FATE - In the Shadows - Egypt ★★★ (2016-12-26 23:13:04)

アグレッシブな疾走感を湛えたヴァース転じて、
闇の中をキングのVoが空中浮遊するかの如き
コーラスが怪しくも美しい、OPナンバーに相応しい
インパクトを放つ逸品。


MERCYFUL FATE - In the Shadows ★★★ (2016-12-24 10:16:32)

キング・ダイアモンドの魔性の歌声と、ハンク・シャーマン&マイケル・デナーが蠢かすリフ・ワーク等、どこを切っても「特」で「異」。極めてヘレティックなHMサウンドを以て、スラッシュ四天王を始めとする多くのバンドにインスピレーションを授けたMERSYFUL FATE。本作は90年代に入り再結成を遂げた彼らが’93年に発表した復活第一弾アルバム(通算3枚目のスタジオ作)で、ご祝儀代わりにMETALLICAのラーズ・ウルリッヒが⑩にゲスト参加してドラムを叩いていることも話題になりました。
リリース当時は、雑誌や周囲の評価があまり芳しくなかったため、他の新譜チェックにかまけてスルーしてしまっていたのですが、次作『TIME 魔の刻』が傑作だったので慌てて遡って本作も購入。したらば、こっちも大変素晴らしい出来栄えじゃありませんか。やっぱ実際に聴いてみんと分からんもんだなぁと。
メタリックな疾走感と美しく浮遊するコーラスとが、エキゾチックな響きを湛えて交錯する①、ツインGを起点とする一筋縄では行かない曲展開が印象的な④、泣きのGソロに耳惹かれる⑥、本編中最も山あり谷ありでドラマティックな大作曲⑧、(タイトルからも明らかな通り)名盤『MELISSA』と関連付けられた美しいバラード⑨等々…。呪われた古城か、はたまた闇深い北欧の樹海か、といった禍々しさと荘厳な雰囲気をその身に纏わせた収録楽曲は、何れも唯一無二のMERCYFUL FATE印がクッキリと刻印されています。
発表当時から結構辛口のジャッジを下されることが多い本作ですが、個人的には「いやいや、んなこたぁない」と、再評価を待ち続けている1枚であります。


SHAH - Escape From Mind - Last In The Night ★★★ (2016-12-23 09:36:18)

せかせかとスラッシーに疾走する「らしい」スピード・ナンバーな
一方で、その上に乗っけられたVoは愁いを帯びた歌メロを
結構しっかりと追いかけていて、これまでの楽曲に比べると
異色な感じを受けます。いやでもこれはこれでカッコイイのですが。


SHAH - Escape From Mind - No Return ★★★ (2016-12-23 09:31:28)

小気味良いタテノリの疾走感に、
インスト・パートではいかにもロシアのバンドっぽい
荒涼として乾いたメロディが絡み、
「あぁ、SHAHだな」と感じさせてくれる逸品。


SHAH - Escape From Mind ★★★ (2016-12-21 23:16:54)

ソ連初のスラッシュ・メタル・バンドとも言われたSHAH。本作は彼らが‘87~’88年にかけて録り溜めたデモ音源のリ・レコーディングと、未発表曲の各4曲ずつ、計8曲により構成される3rdアルバム。カセットテープのみの流通だったことから入手は困難を極めたという作品で(まぁ「SHAHのカタログで入手が簡単だったモノなんてあんのか?」っつー話ですけども)、今回の正式CD化は快挙と言えましょうや。
本作がリリースされた'94年と言えば、欧米にはスラッシュ冬の時代が到来。誰も彼もがへヴィ&グルーヴィにうねりまくっていた頃合いなれど、遠く極東ロシアの地にはまだその流行の波は到達していなかったようで、ここで聴かれるのは実にオールドスクールなスラッシュ・メタル。堅実な演奏能力を駆って、荒涼たる冷気を撒き散らしながら小気味良く突っ走る、デビュー作のノリを受け継ぐ名曲②や⑦、そして従来型ロシアン・スラッシュにパワー・メタリックなメロディを合体させた⑤といった楽曲を好例に、そのサウンドからはまるで実家のような安心感が漂って来ますよ。
デビュー当初よりもメロディを歌うようになったVoといい、ドヨンとしたイントロから疾走へ転じるOPナンバー①、“MASTER OF PUPPETS”を彷彿とさせる大作曲③の存在といい、整合性を増した本編は結構あからさまにMETALLICAからの影響を感じますが(バンドはプログレ方面からのインスパイアを主張)、どっちにせよクオリティの高さには微塵の揺るぎもないので、全く以て許容範囲内かと。
再び入手困難になる前に、スラッシュ愛好家の諸兄には是非ゲットをお薦めする1枚です。


RAGING FURY - RAGING FURY - Man-spider ★★★ (2016-12-19 22:56:13)

タイトル通り「スパイダーマン」が歌詞のモチーフ。
ビルの間を飛び回るスパイダーマンよろしく、
疾走感溢れる曲調がイカしています。
つか、このバンドが演ると東映版スパイダーマンっぽさも
感じてしまいますね。マーベラー!


GRIEF OF WAR - Act of Treason ★★★ (2016-12-19 08:19:56)

長いこと音沙汰がなく、てっきり解散したものとばかり思っていた東京のGRIEF OF WARが7年ぶりに発表した3rdアルバム。「地道に活動を継続していたんだなぁ…」と感慨に耽りつつ雑誌のインタビューをチェックしたら、やっぱり一度は解散状態にまで陥っていた模様で、そりゃそうかと。ともあれ、こうして新作を発表してくれて良かった良かった。
長期間のブランクをアジャストするかの如く、Voの唱法が嘗てのマイケル・クーンズ(LAAZ ROCKIT)辺りに通じる男臭い発声から、エクストリーム・メタル仕様の咆哮型へとチェンジ。またクランチーなリフ&リズムよりも、テクニカルに弾きまくる2本のシュレッドGがサウンド全体の牽引役を担う等、変化の跡も確実に散見される本作ですが、そうした装飾を取っ払ってしまえば、鋭角的なGリフ、切迫感を伴うリズム、疾走感に貫かれた収録楽曲群(それに乾いた音作り)と、バンドの核たる「スラッシュ・メタル」スタイルにブレはありません。1st収録の名曲“BLOOD LUST”のリメイク⑩が違和感なく本編に馴染んでいることもその証左。ついでにガスマスクが描かれたジャケット・デザインや、あと読み難い歌詞カード(笑)も相変わらずで心強い限りですよ。
本作最大の聴きどころなのが、前2作以上に全面的にフィーチュアされ、テクニカルに狂い咲くツインG。バンドが自信作として挙げるアルバム表題曲④を前半のクライマックスに据え、2本のGが劇的且つメロディックに、縦横無尽に激走する様は時にSHRAPNELメタルを彷彿とさせるものがあったりなかったり。
これからの順調な活動に期待せずにはいられない1枚であります。


RAGING FURY - RAGING FURY ★★★ (2016-12-14 23:35:24)

長らく入手困難で、たまに中古盤を見かけても結構なプレミア価格が付けられていたRAGING FURY、‘92年発表の1stアルバム。後追いで入手するなら再発を待たなきゃ難しいかなー。でも今時そんな需要なさそうだしなー。…とか考えながら、少し前にフラッとCD屋に立ち寄ってみたらば、なんと本作の新品がディスプレイされているのを発見。されてんじゃん!再発!と。「需要なさそう」とか失礼なこと言って申し訳ねぇ。
3rd『BLACK BELT』(’13年)が苛烈なパワー/スラッシュ・アルバムだったので、再発に際して『激怒荒狂』なるタイトルを冠されたデビュー作は更に攻撃的な作風に違いない!と想像が膨らみましたが、あにはからんや。若気の至り感全開のスカスカな音質と、Gリフやリズムのササクレた質感は確かにスラッシュ・メタル然としていたものの、ダイナミックに緩急を飲み込むOPナンバー①を手始めに、収録曲はこの時点で既にスピード一辺倒ではなかったという。更に、野太い濁声でしっかりとメロディを追いかけるVoを活かして、劇的なバラード⑦や、7~8分にも及ぶ大作曲③⑥にもチャレンジする等、むしろここで志向されているのは3rd以上に正統派HM寄りのサウンド。
全体的に、豊富なアイデアを整理しきれていない粗削りな仕上がりではありますが、「それでも思い付いたアイデアは片っ端からブチ込まずにはいられない!」という初期衝動に忠実な姿勢や、ブルース・リーからスパイダーマン、恐竜戦車に至るまで、ボンクラ魂漲る歌詞のネタ選びのセンスも好感度大ですよ。
よくぞ再発してくれました、ありがとうございます!と感謝の念が溢れ出す1枚。


WARRANT - Cherry Pie - Mr. Rainmaker ★★★ (2016-12-13 23:18:50)

2nd『CHERRY PIE』のソフトサイドを代表するのが
バラード“I SAW RED”なら、ハードサイドを代表するのが
この力強く(それでいてメロディのフックに抜かりなく)
ガツンとカマされるロック…いやさ、HMソング。


WARRANT - Cherry Pie - I Saw Red ★★★ (2016-12-13 23:15:28)

イントロのピアノ、哀愁のメロディ、切々とした歌声、
全楽器が加わってのドラマティックな盛り上がりと、
パワー・バラードのお手本のような名曲。


WARRANT - Cherry Pie ★★★ (2016-12-12 23:22:14)

ぼちぼちHR/HMシーンの王座がグランジ/オルタナティヴ・ロック勢に取って代わられようとしていた時代の節目において尚、全米アルバム・チャート最高第7位、トータル200万枚を売り上げる大成功を収めた、WARRANT、’90年発表の2ndアルバム。
ブロンドヘアーをたなびかせたグッド・ルッキングなメンバー達が奏でる、明るくキャッチーなポップ・メタル・サウンド。おまけに邦題は『いけないチェリー・パイ』…。もうこれだけで硬派なメタル・ウォリアー(自称)だった身からすれば「けっ」ってなもんですよ。
ところが、ラジオで耳にしたヒット・バラード“I SAW RED”(全米最高第10位)が相当にグッとくる名曲だったこともあり、思わず発作的に本作を購入してみたらば、これが大当たりだったという。いや、まかり間違ってもスラッシーだったり様式美HMを演っていたりはしないですし、1曲目から底抜けに明るいアリーナ・ロックがブチかまされるのですが、そうしたある種「能天気」とすら受け取られかねない楽曲の中にも、躍動感溢れる演奏と、メロディやコーラスにきっちりとフックを仕込んで聴き手を惹き込む曲作りの巧さに脱帽。④⑧⑩辺りは、“I SAW~”と並んで今でも折に触れて聴き返す秀曲ですし、BLACKFOOTの代表曲“TRAIN, TRAIN”を違和感なくカヴァーしてみせる実力にも唸らされましたね。
当時は本作を楽しめてしまったことに対して「負けた…!」とか勝手に敗北感を感じたりもしたものですが(アホですね)、今じゃ「イェー、WARRANT最高!」「シーズ・マイ・チェリーパイ♪」とノリノリで大口開けて歌っているぐらい大好きな1枚。


TESTAMENT - Brotherhood of the Snake - Canna-Business ★★★ (2016-12-11 10:10:24)

ツインGによる劇的な導入部が、なるほど確かにJUDAS PRIEST風。
アレックスのテクニカル且つメロディックなGソロを伴って
激走するパートのカッコ良さが際立っています。


TESTAMENT - Brotherhood of the Snake - Stronghold ★★★ (2016-12-11 10:02:02)

捲し立てるチャック・ビリーの歌唱と
歯切れ良く鋭角的な疾走感、
そこに華を添えるアレックスの華麗なGソロ等、
初期2作を発表した頃のTESTAMENTを
思い出さずにはいられないスラッシュ・ナンバー。


TESTAMENT - Brotherhood of the Snake ★★★ (2016-12-10 11:16:05)

各国で軒並み好評を得た前作『DARK ROOTS OF EARTH』の成功を受けて、新作では更にへヴィ&メロディアスな方向に歩みを進めるものと思いきや。のっけから鋭角的に切り込んで来るOPナンバー①のGリフの切れ味が体現するかのように、今作は再結成以降の作品の中では抜きん出た「80年代度」の高さ。1stや2ndといった初期の名盤に通じる要素を多分に含んだスラッシーなサウンドを実践してくれていてビックリドッキリですよ。
中でも、前掛かりで歯切れ良く突っ走る③⑨や、イントロから猛然と畳み掛ける⑥、80年代のMETALLICAを彷彿とさせる⑧(アレックスの泣きのGソロが素晴らしい)、重厚な導入から一転、暴風の如く爆走を開始する⑩といった楽曲には、往年のTESTAMENTのエッセンスが濃厚に息衝いていて思わず頬が緩みましたね。
と同時に、今も現役感バリバリで戦い続ける彼らが演ること。野太い咆哮轟かせるチャック・ビリー、刻み/奏で/ハモるアレックス・スコルニック&エリック・ピーターソンの切っ先鋭いツインG、そしてスティーヴ・デジョルジオという腕利きBの相棒を得て、水を得た魚の如く暴れ回るジーン・ホグランのドラム等、タレント揃い現行ラインナップが叩き付けるサウンドに懐古趣味の匂いは皆無。対向車も思わず道を譲る強面の攻撃性や、黒光りする重厚感は、80年代とは異なるステージにバンドが立っていることを物語ります。
オールドスクールな構築美とモダンなエッジを併せ持った曲作りから、あれもこれもと欲張らずに40分台とジャストな収録時間にまとめ上げた本編構成まで、今のバンドの充実っぷりというか、余裕綽々な感じに痺れる1枚かと。


SINNER - Dangerous Charm - Gipsy ★★★ (2016-12-08 23:02:58)

Keyを目立たせたアレンジが時代を感じさせますが、
適度にハードな疾走感といい、哀愁を帯びたメロディといい、
本編中において最もSINNERらしいバランス感覚で
酔わせてくれる名曲です。


SINNER - Dangerous Charm ★★ (2016-12-08 00:11:35)

表題は『DANGEROUS CHARM』(危険な魅力)。でもジャケットに描かれた女が大して美人じゃないのに自信満々なドヤ顔で少しイラっと来る(笑)、’87年発表の6thアルバム。
ツインGコンビが早くも脱退し、本作は後任にアーミン・ミュッケ1人を加えた4人編成でレコーディングされています。シングル②が欧州でヒットする成功を収め、日本初お目見えとなった作品でもありますが、所属レーベルから乗り気になれないポップ路線を押し付けられた苦い思い出も手伝ってか、マット・シナー的にはあまり良い印象がない作品のご様子。かくいう自分も後追いで初めてこの作品に触れ、シンセBを使用した“ハイスクール・ララバイ”みたいな(?)①が始まった時は「ちょっと勘弁してよ」とか思いましたが。
しかしこうして改めて聴き直してみると、マットのメロディ・センスを活かし、コーラスの強化とハーモニーの増量が図られた楽曲は、1曲1曲は結構良く出来ていたのだなと。②は流石にヒットしただけあって優れた楽曲ですし、前述したOPナンバー①や、キャッチーなアルバム表題曲③のようなポップネス全開の楽曲も――SINNERらしさはさておき――ハードポップ・ナンバーとしては決して嫌いになれない…。いや寧ろ積極的に好きと言っていきたい出来栄えを誇っています。勿論、新Gのメロディアスな演奏が冴える⑤、更なる売れ線を強要してくるレーベルに対するせめてもの反抗の如き疾走ナンバー⑥、ハードネスと哀愁のブレンド具合が絶妙な名曲⑧、泣きに満ちたメロディで本編を締め括るインスト⑩といった、「これぞSINNER!」な楽曲も要所を締めてくれています。
全体的に薄味ですが料理としての質は十分高い。口に合うかどうかは好みの問題ですかね。


SINNER - Comin' Out Fighting & Dangerous Charm - Playing With Fire ★★★ (2016-12-07 00:11:39)

ややポップ化が進行した本編にあって、随一のHM度の高さで
気を吐く小気味のいい疾走ナンバー。
メタリックなGリフのカッコ良さと、メロディアス&ドラマティックな
ツインGの活躍ぶりには思わずコブシを振り上げたくなるというもの。


SINNER - Comin' Out Fighting & Dangerous Charm - Rebel Yell ★★★ (2016-12-07 00:08:41)

邦題“反逆のアイドル”で知られるビリー・アイドルの代表曲のカヴァー。
キラッキラのアレンジが80年代風味全開ですが、
マットの男臭い歌声と、エッジの効いたGが曲調をグッとHMサイドに引き寄せ、
まるでSINNERのオリジナル曲のようなハマりっぷりを聴かせてくれます。


SINNER - Comin' Out Fighting & Dangerous Charm ★★★ (2016-12-05 23:59:50)

エンジェル・シュライファーとマティアス・ディート。ジャーマン・メタル・シーン指折りの実力派ギタリスト二人を新メンバーに加え、マット・シナーも「SINNERが最も充実していた時期の一つ」と述懐する強力なラインナップでレコーディングが行われ、'86年に発表された5thアルバム。(尤も、エンジェル・シュライファーは制作途中でPRETTY MAIDSに引き抜かれてしまうのですが)
前作『TOUCH OF SIN』は、絶妙なバランスでハードネスと哀愁のメロディが共存する「SINNER節」と表すべきサウンドを確立させた名盤でしたが、ドン・エイリーをゲストに迎えてKeyのフィーチュア度が格段に高まった今作は、コマーシャル路線へと大きく舵を切り、早くも音楽性に拡散の兆が見受けられるようになりました。
とは言え、明るくポップに疾走する①にしろ、タイトル“FASTER THAN LIGHT”に反して全く走らないけれど憂いを帯びたメロディには非常にグッとくる②や、本編のハイライトの一つに挙げたいぐらいハマっているビリー・アイドルのカヴァー⑤、それに軽快に駆け抜けていく⑥にしろ、シンセ類を活かした洗練を感じさせるアレンジから、相変わらずフックに富むメロディまで、楽曲の完成度は前作にも引けを取らない充実度。尚且つ攻撃的なツインGが映える⑨みたいなHMナンバーもちゃんと押さえられていたりと、隙のない作りが実に立派です。SINNERファンの間で高評価を受ける1枚なのも納得ですなぁと。
ちなみに、かつて再発された日本盤は次作『DANEROUS CHARM』との2㏌1仕様(発売元のビクターの得意技でした)。もしご購入を検討される場合はお得なそちらをどうぞ。


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Heaven Bled ★★ (2016-12-04 23:06:00)

スラッシュ・メタル史に名を刻むベテランを次々と招聘する東の「THRASH DOMINATION」の向こうを張り、メジャーで華々しい実績を残したわけじゃないけど、マニアのハートにはその存在がガッチリと刻まれているクセ者を続々来日させる西の「TRUE THRASH FEST」。
'15年にはオーストラリアのHOBBS’ ANGEL OF DEATHまでが参戦を果たし「本当に呼んだの?」「すげえな!」と感心させられたばかり。しかも今回その彼らが新作を発表してくれて感激も一入です。国内盤はRAZORのライブ盤との同時発売で、店で2作が隣り合ってディスプレイされているのを見かけた時は「おお、テイチクの『HOBBS’ ANGEL OF DEATH vs RAZOR』再現!」と、思わず前世紀にタイムスリップした気分になりましたよ。
首魁ピーター・ホブス(Vo、G)のルックスは流石に老けた…というか横方向にかなり膨張気味なれど、不穏な導入部から激烈な疾走を開始する⑩や、荘厳なドラマ性も漂う⑫といった楽曲からも明らかな通り、曲作りの腕前は錆びることなく健在。鋭利なGリフがササクレて刻まれるファスト・パートと、邪悪さを発散するスロー/ミドル・パートを組み合わせ、そこに濃厚なアングラ臭を振りかけたような初期SLAYER直系のイーヴルなスラッシュ・サウンドは、デビュー当時の面影をそのまんま受け継いでいます。
時に炸裂するブラスト・ビートや、痙攣気味に刻まれるGリフといった北欧ブラック・メタル風味は新味と言えますが(BとDsはそっち系人脈からのヘルプ)、元々アンチ・クライスト・カラーも打ち出していたバンドゆえ、違和感なくハマっていますよ。
初来日を果たした喜びの表れか、漢字をあしらった裏ジャケにも実にほっこりさせられる1枚でした。


RAZOR - Live!osaka Saikou ★★★ (2016-12-03 23:07:27)

カナダのベテラン・スラッシャー、RAZORが、大阪開催のTRUE THRASH FESTに参戦した際の模様を収めた、(意外にも)彼らにとって初めてとなる実況録音盤。
『大阪最高』の邦題に相応しく、ボブ・レイド(Vo)による威勢の良い挨拶「マイドー!」でライブはスタートを切ります。セットリストの中心を担うのは、デイヴ・カルロ(G)の鬼神の如きシュレッド・リフに全身が総毛立つ“INSTANT DEATH”を始めとする、人気作『EVIL INVADERS』収録曲。全18曲、ランニング・タイムは60分オーバーという大ボリュームゆえ、キャリア云十年のベテランなら途中で「ミッド・テンポの楽曲で緩急を演出しよう」とか色々考えそうなものですが、RAZORはそういう仕掛けには一切興味がないご様子。MOTORHEADリスペクトな“IRON HAMMER”、攻撃的且つキャッチーな“SPEED MERCHANTS”、激烈たる“NOWHERE FAST”~“CROSS ME FOOL”メドレー、刻んで刻んで刻みまくる“TAKE THIS TORCH”etc…。畳み掛ける楽曲は最初から最後まで、一瞬たりとも立ち止まることなく全力疾走。ブレーキ無用の前のめりな突進を繰り返す楽曲とメンバーのパフォーマンスを更に加速させる、浪速スラッシャーの隙あらば「RAZOR!」コールを繰り返す盛り上がりも熱い(日本じゃないみたい)。煽り煽られ、短い掛け合いを経て雪崩れ込む名曲“EVIL INVADERS”はまさにクライマックス。
デビュー当時から全くブレることなく「スラッシュ馬鹿一代」な姿勢を貫徹し、HR/HMシーンの裏街道を駆け抜けて来たRAZORの、フルマラソンを100メートル走感覚で突っ走ってしまうような破れかぶれなパワーに圧倒される1枚です。痛快。


LOUDNESS - Eurobounds ★★★ (2016-12-01 23:32:45)

映像ソフトに関しちゃ昔から購入にあまり積極的じゃなかったのですが、IRON MAIDENの『LIVE AT DONINGHTON 1992』とか、辛抱堪らず買ってしまった作品も幾つかありまして。その中の一つで特に印象に残っているのが、'84年にLOUDNESSが、英国、オランダ、ベルギー、西ドイツといった欧州各地を転戦した際に収録され、バンドの海外(特にオランダでの)人気の高さを知らしめた『EUROBOUNDS』。で、それが’00年にリマスター&CD化されてリリースされたのですから「買わない理由がねぇよ!」と。
『THUNDER IN THE EAST』リリース前(アメリカでのブレイク前夜)ということで、セットリストは4th『DISILLUSION~撃剣霊化~』以前のアルバムからチョイス。全7曲という収録曲数の少なさに加えて、各曲ともフェードアウト処理、またMCや掛け合いの類も殆どないソリッドな構成とが相俟って、少々の食い足りなさを覚えるのは確か。けれどもCDを再生すると、1曲目の“CRAZY DOCTOR”からいきなり耳をつんざくヨーロッパのメタルヘッドの野太い歓声がそうした些細な不満を吹っ飛ばしてくれます。取り分け“DREAM FANTASY”に始まり“SPEED”へと至る、終盤のスピード・ナンバー4連打は圧巻。本作を聴くと、元々アグレッシブなHMを好む土壌があった彼の地でLOUDNESSが熱狂をもって迎えられた理由がよく分かりますし、満員御礼、熱気むんむんの会場で堂々たるパフォーマンスを繰り広げる彼らの、「一度きりの海外公演で思い出作り」みたいなレベルとは、まるで次元の異なる勇姿をビデオで初めて見た時の衝撃が蘇りますよ。
そんな訳で愛して止まない1枚なのですが、未見の方はまずDVDの方からどうぞ。


ROBERT PLANT - Pictures at Eleven - Slow Dancer ★★★ (2016-11-30 22:56:52)

本編中、最もLED ZEPPELINテイストを纏った8分近い大作曲。
“KASIMYR”の薫り漂うアラビックな曲調に、
コージーの特徴的なドラミングが華を添えます。
ZEPにコージーが加入してたらこんな感じだったんかねぇと
夢が広がる名曲でありました。


ROBERT PLANT - Pictures at Eleven ★★★ (2016-11-29 23:44:26)

SILVERHEADのロビー・ブラント(G)を曲作りのパートナーに迎え、元GENESISのフィル・コリンズ(Ds)や、ジョン・ボーナム死去後LED ZEPPELIN入りが噂されていたコージー・パウエル(Ds)のゲスト参戦を得てレコーディングが行われた、’82年発表のロバート・プラント(Vo)初のソロ・アルバム(邦題『11時の肖像』)。
ZEPについての知識皆無のくせに何故本作を購入したかと言えば、完全にコージーのドラム目当てでしたね、はい。御大はZEP色が一際強く打ち出された④と、徐々に熱量を高めていくバラード⑦(こういう曲も味わい深くこなせるのが流石)を担当。特に“KASYMIR”に通じる壮大且つアラビックな前者は本編のハイライトで、RAINBOW脳患者には“STARGAZER”的にも響くこの名曲を彼に叩かせるとは、やるな、プラント(何様)。
そんなわけで当初は上記2曲ばかり繰り返し聴いていたのですが、本作には他にも肩の力を抜いた、伸びやかで表現力豊かな歌声が映える楽曲が揃い踏み。シングル・カットされたミディアム・テンポの①、しっとりと繊細なアコギの妙技に耳奪われる②、横ノリのイントロからサックスを纏って軽快な疾走に転じる③、ゴキゲンにピアノが効いた⑨等々…。
作品を重ねる毎にコンテンポラリー色を強めていったプラントのソロ作なれど、本作に関してはHR/HMファンでも楽しめる、LED ZEPPELINを80年代風に洗練させたかのような大人のロック・サウンドが託されています。全米チャート第5位、全英チャート第2位にランクイン、100万枚以上のセールスを記録するヒット作となったのも頷ける1枚かと。


Graham Bonnet Band - The Book - Dead Man Walking ★★★ (2016-11-28 23:35:52)

アグレッシブに疾走する
本編中、最もへヴィ・メタル色が強く出た1曲。
ハーモニーを活かして若々しく溌剌とした空気も
演出するサビメロも気持ち良し。
泣きのイントロやメロディックなGソロ等、
ギタリストの仕事ぶりも光っていますね。


Graham Bonnet Band - The Book - Where Were You? ★★★ (2016-11-28 23:31:28)

緊迫感を高めるヴァースから解き放たれたように
コーラスで走り出す曲展開が秀逸。
でまた愁いを帯びたメロディと、グラハムの経年劣化を
感じさせない伸びのある歌声が沁みるんですよ。


Graham Bonnet Band - The Book - Into The Night ★★★ (2016-11-28 23:29:34)

ALCATRAZZのアルバムに収録されていてもおかしくない
雄々しい疾走ナンバー。特に、グラハムが歌うに相応しい
サビメロは何度聴いてもグッと来ますよ。
それでいて歌詞が「別れた女房に家から追ん出された→夜の中へ」という
締まらなさなのもグラハムらしくて良し。


Graham Bonnet Band - The Book ★★★ (2016-11-28 00:11:38)

グラハム・ボネットが久々に発表したソロ・アルバム。「HR/HMを歌うためにあるような青筋声の持ち主だけど、HR/HMはあんまし好きじゃない」というご本人の資質ゆえか、彼主体で作品を作ると、どうにも中途半端な内容に終わることが多々ありまして。そのため最近はすっかり「昔の曲だけ歌って暮らす」楽隠居モードに入りつつあったのですが、ところがどっこい。今回はOPナンバー①の雄々しいサビメロからして早くもやっさん節全開。経年劣化とはまるで無縁のパワフルな歌いっぷりで「おお!」とこちらの身を乗り出させると、ライブじゃ「オオーオオー♪」と大合唱が巻き起こること請け合いのキャッチーな②以降も、まるで開き直ったかのように王道HRチューン三昧。先行シングル『MY KINGDOM』で高まっていたこっちの期待を裏切らないどころか軽く凌駕する勢いに、思わず「それで良いんだよぉ、グラハム君!」と、西川きよし顔でガッツポーズを決めたくなりましたよ。
何より、これらの楽曲(メロディ)を全てグラハム自身が書いているという点が素晴らしいじゃないですか。これまでリッチーやイングヴェイに散々「曲のアイデアがない」「メロディが書けない」とかダメ出しされて来ましたけど、ALCATRAZZのアルバムに入っていてもおかしくない①、哀愁のイントロから疾走へ転じる⑤、愁いを帯びたコーラスを朗々歌い上げる青筋Voが冴える⑥⑧といった会心の名曲を聴けば、「ワシが本気出せば軽くこんなもんやっちゅうねん!正味な話」と、サングラスを指でクイクイさせるグラハムのドヤ顔が浮かんでくるかのよう。じゃあもっと早く本気出して欲しかった…って、まぁそれはそれ。
往年の名曲の再録ベスト盤との2枚組仕様と知った当初は、そっちばかり聴く羽目になりゃしないかと危惧しましたが、全くの杞憂でありました。グラハム完全復活!な1枚。


SINNER - Touch of Sin - Too Late to Runaway ★★★ (2016-11-27 09:11:07)

前作『DANGER ZONE』の流れを汲むパワー・メタリックな
疾走ナンバーですが、剛直一辺倒に流れることなく、
マットの歌メロからツインGのフレージングまで、
メロディを大切にする姿勢が貫かれたことで
実にSINNERらしい名曲に仕上がっています。


SINNER - Touch of Sin - Bad Girl ★★★ (2016-11-27 09:04:10)

適度な疾走感、ハードに踊る2本のG、マットの野太いVoとが
緊張感を漂わすヴァースから一転、ポップ&キャッチーに弾む
サビメロへと繋がっていく曲展開が印象的。
その合間をメロディアスに埋めるツインGのハーモニーも
相変わらずの素晴らしさ。


SINNER - Touch of Sin - Emerald ★★★ (2016-11-27 08:59:12)

曲名にも感じられるTHIN LIZZYからの影響に、
へヴィ・メタリックなエッジと透明感を湛えた哀愁の
メロディを加えて咀嚼吸収。思わず目を細める
ツインGの滑らかなハーモニーを散りばめて軽快に弾む、
SINNERならではの魅力を放つ名曲に仕上がっています。


SINNER - Touch of Sin ★★★ (2016-11-26 09:33:22)

ツインGの片割れを元ACCEPT~現PANZERのハーマン・フランクに代え、’85年に発表された4thアルバム。ファンからは「初期SINNERの最高傑作」との高評価を獲得、バンド側にしても、初期楽曲の再録アルバムに『A TOUCH OF SIN 2』(’13年)なるタイトルを冠するぐらいですから、内容に対する自信の程が伺えます。ジャケットだけ見るとまずそんな風には思えないかもしれませんが(笑)。
THIN LIZZYからの影響を感じさせるメロディアスHRが胸を打った1stと2nd、ACCEPT、JUDAS PRIESTを思わすパワー・メタル路線に寄せた3rdと来て、今回は従来作の美点の集約を企図。哀メロを纏って踊るツインGのハモリっぷりに思わず目が細くなる②や、ポップ・センスも活かされたキャッチーな③という、SINNER屈指の名曲が雄弁に物語る通り、2本のGが印象的に紡ぐメロディの哀愁とHM然とした力強さの絶妙なバランス、ハードに疾走しようがクサく泣こうが(あとマットの歌声がお世辞にも美声とは言い難かろうが)、常に透明感を失わない本作は、前3作の「美味しいとこ取り」とでも言うべきサウンドに仕上がっています。
以降も、タイトル通り一緒に叫びたくなる④、メロウな⑤、アグレッシブに疾駆する⑦、これまたツインGの活躍が印象的な⑨etc.…と、本編はラストまで一切捨て曲なし。振り返ってみると、聴かせるよりもノらせるタイプの代表曲①が一番地味に感じられたりするのですが、あれはライブで真価を発揮するタイプの楽曲ですからね。
SINNERは山程アルバムを発表していて何から手を付ければいいのか分からないという方は、「SINNER節」の基礎が確立した本作から入ってみるのが良いのではないでしょうか。


SINNER - Danger Zone - The Shiver ★★★ (2016-11-24 00:20:45)

パワーメタル成分を増強した分、哀愁のメロディの魅力が
弱まったと指摘されることの多い3rdアルバムですが、
この曲はSINNERならではメロディと、ライブ映えする
アグレッションの融合が果たされた、3rdアルバムの
ハイライトを飾る名曲です。


SINNER - Danger Zone ★★★ (2016-11-22 23:50:09)

マット・シナー率いるドイツの古参HMバンドが’84年に発表した3rdアルバム。…というか、マット的にはドサクサ紛れでレコード会社により勝手にリリースされてしまった1stと2ndについては「未完成なデモ音源で公式カタログとしてはカウントしたくない」との姿勢のようで、これこそがSINNERの正統なデビュー・アルバムである!と。
実際、音質にしろアートワークにしろ、やっつけ仕事感がありありと伺えた前2作(内容は大変素晴らしかったのですが)に比べると、本作はNOISE RECORDSからのリリースだけあって商品としての体裁が整っています。音楽性についても、当時パワー/スラッシュ系バンドを多数抱えていたNOISEカラーに相応しく、パワー・メタル成分が大幅に増強。これまでの主たる影響源がTHIN LIZZYだったとするなら、今回はACCEPTやJUDAS PRIESTを思わす80年代型HMスタイルに照準。メロディアスな歌い上げよりもシャウトを多用するマットのVoもウド・ダークシュナイダーっぽくて微笑ましいですよ。
全体的に肩に力が入り過ぎな感はあるものの、パワフルなアルバム表題曲①を皮切りに、サビメロの展開が胸を打つ③や、印象的に歌うツインGをフィーチュアした攻撃的な⑧、そして哀愁のメロディとアグレッションがキャッチーな融合をみた名曲⑥といった疾走ナンバーの数々からは、既に現在へと至るSINNER節の原型が見て取れます。
昔ビクターから発売されてた国内盤は、最高傑作の呼び声高い4th『A TOUCH OF SIN』とのお得なカップリング仕様でしたので、もし購入をお考えならそちらをお薦め致します。


VIXEN - Rev It Up - How Much Love ★★★ (2016-11-22 00:46:00)

キャッチーでフック満載な、腕利きソングライターの
プロの仕事が味わえるハードポップ・ナンバー。
それをしっかりと表現できる、メンバーの優れた
ミュージシャン・シップも堪能できる名曲です。


VIXEN - Rev It Up ★★ (2016-11-21 00:11:55)

女性メンバーのみで結成された本格派HRバンドとして注目を集め、セルフ・タイトルのデビュー作をスマッシュ・ヒットさせたVIXENが、'90年に発表した2ndアルバム。
有名プロデューサーの起用から、売れっ子ソングライター陣による楽曲提供まで、メジャー・レーベルの水も漏らさぬバックアップ体制の下、「売れるべくして売れた」といった感じだった1st『VIXEN』に対し、今作ではメンバー自身が手掛けた楽曲の収録比率UP。また共同プロデュースにもチャレンジする等、バンドとしての一体感と自立の姿勢をより明確に表した仕上がりとなっています。
強力なフックと高いヒット・ポテンシャルを擁する②(PVも制作された)を除くと、流石に個々の楽曲が放つインパクトは前作に今一歩及びませんが、代わりに今回は総合力で勝負。エッジを効かせて本編OPを飾るロン・キールとの共作曲①、物悲しくも美しいバラード③、心地良く疾走する⑤等、外部ライターに丸投げするのではなく、メンバーも曲作りに積極的に関与してこのクオリティを保っているんですから、大したものですよ。アルバムの中でもお気に入り度の高い、キャッチー⑥みたいな楽曲を彼女達が独力で書き上げているのも、今後の更なる成長を予感させて頼もしい限り。
…と思ったら、これを最後にバンドは活動を停止してしまう。やはり時期が悪過ぎたのかなぁ。今は再結成しているんでしたっけ?


Six Feet Under - Six Feet Under - Loving Man ★★★ (2016-11-20 00:43:04)

ジョン・ロード感バリバリのハモンド・オルガンを
フィーチュアしてノリノリで突っ走るHRナンバー。
一瞬のブレイク後、ハスキー声のシンガーの熱唱と
エモーショナルな泣きのGで聴き手の琴線を震わし、
そこから再び疾走へと繋げていくドラマティックな
曲展開に拍手喝采です。


Six Feet Under - Six Feet Under ★★★ (2016-11-18 00:20:16)

日本の紫、アルゼンチンのRATA BLANCA、イタリアのVANADIUM、フィンランドのZERO NINE、イギリスのWHITE SPIRIT等々…。世にDEEP PURPLEの魂を継承するバンドは数多く存在しますが、SIX FEET UNDER(アメリカのデス・メタル・バンドにあらず)は「スウェーデンのDEEP PURPLE」と評されたボルレンゲ出身の4人組で、本作はその彼らが’86年に発表した1stアルバムに当たる作品です。
主役は「北欧のロバート・プラント」なんて呼ばれてたらしいビョルン・ローディン(Vo)の歌声と、その彼とBALTIMOORE等でも行動を共にするトーマス・ラーソン(G)の押しと引きを心得たGプレイ。時にスリリングに、時に軽快に駆け抜けて行くこの二人のパフォーマンスを基軸に、そこに濃厚なDEEP PURPLE風味を演出するピーター・オストリング(Key)の操るハモンド・オルガンが切り込んで来る本編は、もろパープル路線の①(Gリフも“SMOKE ON THE WATER風)にて幕が上がります。但し後に続くのはSURVIVORの“EYE OF THE TIGER”にインスパイアされたような③だったり、OZZY OSBOURNEが演りそうな(?)⑧だったりと、収録曲は結構バラエティ豊か。総合的な仕上がり具合は「良心的北欧メタル・アルバム」と呼べるものではないかと。それでも本作のハイライトが、バッキングがメロディアスに歌っているアップテンポの⑥、静と動のコントラストが劇的極まりない疾走ナンバー⑦という紫色が濃いめの2曲であることは疑いようがありませんけどね。
2nd『ERUPTION』と共に'94年にゼロ・コーポレーションがCD化してくれた国内盤が、現在でも中古屋に行けば比較的容易に入手可能ですので、是非ともご一聴下さいませ。


TESTAMENT - Live at Eindhoven '87 ★★★ (2016-11-17 00:01:22)

TESTAMENTが、'87年に第2回DYNAMO OPEN AIRに参戦した時の模様を収めたライブEP。長らくCD化されずにほかされていましたが、'09年に漸くリマスター再発が実現。その際には当日演奏されたけどEPには未収録だった5曲(内1曲はアレックス・スコルニックのGソロ)も追加された全10曲の完全版仕様でのリイシューと相成りました。
デビュー間もない時期のライブゆえ、選曲に物足りなさを覚える向きもあるやもしれませんが、逆にスラッシュ・メタル・バンドとしてのTESTAMENTのエッセンスが凝縮された名盤『THE LEGACY』収録曲、それも現在ではライブのクライマックスで演奏されるような名曲の数々が、のっけから出し惜しみなく連打される様が猛烈にカッコイイんですよ。チャック・ビリーのVoやMCにしろ楽器隊にしろ、現在の重厚な佇まいとは異なる、若さに任せた前のめり具合も非常に新鮮です。そして全体が荒々しくササクレ立っているからこそ、“APOCALYPTIC CITY”や“OVER THE WALL”といった名曲において噴出するアレックスの美麗なGソロが一層際立ち、ハッと胸を突かれるというね。
轟然とした音質すら迫力を倍加させるプラス要素に変えて、会場を埋め尽くすデニム&レザー軍団の野太い声援をバックに炸裂する収録曲は、スタジオ盤を大きく上回る攻撃性を獲得。中でも初期の代表曲“REIGN OF TERROR”は、今では様々なバージョンを聴くことが出来ますけど、最高なのは間違いなく本作収録バージョンだよなぁと。
純然たるスラッシュ・メタル時代のTESTAMENTの魅力が詰まった1枚。キングから国内盤もリリースされていますのでお薦めですよ…って、もう廃盤?マジでか。


Oracle - Oracle - Killer Queen ★★★ (2016-11-16 00:31:23)

7分以上に及ぶ大作ナンバーなれど、
インストパートの前半と歌入りの後半からなる
スピーディ且つドラマティックな曲展開に、
ハイトーンVo、エモーショナルなG、抒情的なKeyとが
泣いて泣いて泣きまくり、全く長さを意識させません。
まさしく「この曲を聴け!」な名曲。


Oracle - Oracle ★★★ (2016-11-15 00:30:55)

イギリスとスペインが領有権を巡って対立する、イベリア半島ジブラルタル(…と聞くと真っ先に『風雲!たけし城』が思い浮かぶオッサン脳)出身の4人組が残した唯一作。
初めてこのバンドの存在を知った時は「あんなヨーロッパの端っこでも頑張ってHR/HMを演ってるバンドがいるのか。健気だなぁ」と、メンバーが耳にしたら「極東の島国の人間に言われたかねぇYO!」とムッとするであろう感想を漏らしたものですが、その健気さを、そのまんまメロディに転化してしまったかのような(?)、PRAYING MANTIS、INCUBUS、HERITAGEといったバンドを彷彿とさせる、憂愁と美旋律満載のジブラルタル・ロック・サウンドに衝撃を受けた次第。
バブル華やかなりし’89年作品にも関わらず比較対象がNWOBHM勢であることからもお察しの通り、音質面等からは垢抜けなさが匂い立つものの、個人的には線の細さが逆にメロディの哀愁っぷりを引き立てるVo、テクと表現力を併せ持った腕利きG、専任メンバー不在でもアレンジ上重要な役割を果たすKeyとが、リリカルに泣きまくる収録曲の素朴な佇まいに終始郷愁を刺激されまくり。メロディアスに歌うGが疾走する②、泣きを孕んだ声質のシンガーとエモーショナルなGが冴える④、ポップ・センスも活かされたキャッチーな⑤、バンドの出自を伺わせるスパニッシュ・タッチのバラード⑥etc. …中でもラストに配され、聴き手を涙の海で溺死させる勢いの名曲⑨の劇的さは相当に凶悪ですよ。
スペイン国内のみでリリースされたというオリジナルLPが、マニアの間でプレミア高値で取引されていたというのも得心が行く、埋もれてしまった名盤ですね。


POLTERGEIST - Back to Haunt - Beyond the Realms of Time ★★★ (2016-11-14 00:22:50)

タイトルからしてJUDAS PRIESTの名バラードのことを
思い出さずにはいられませんが、こちらもその名に恥じぬ見事な仕上がり。
物憂げな浮遊感を漂わすイントロからスラッシーな激走へと転じ、
歌えるVo、劇的にハモる2本のG、静と動の落差が活かされた
ドラマティックな曲展開には、POLTERGEISTというバンドの
魅力が分かり易く凝縮されています。


POLTERGEIST - Back to Haunt ★★ (2016-11-12 10:02:13)

3枚のアルバムを残して解散したスイスのスラッシュ・メタル・バンドが、再結成を遂げた上に新作まで発表してくれました。贔屓のバンドゆえネットショップでタイトルを見かけた瞬間、反射的に購入ボタンをポチりましたが、後で冷静になって内容やメンバー編成等、アルバムについての事前情報が皆無だったことに気が付き、「変貌してたらどうすべ」とか「退屈な内容だったら嫌だなぁ」とか、色々不安を覚えたのも事実。
しかし実際に届いた本作には、流麗なGプレイを駆使してV.O.パルヴァーがザクザクと刻む硬質なGリフ、アンドレ・グリーダーが歌うミスティック且つ流麗なメロディ、それに各曲を彩る寒々しい響きを湛えたハーモニーまで、POLTERGEIST以外の何者でもないスラッシュ・サウンドが満載されていたという。こちとら勝訴して裁判所から駆け出して来る弁護士よろしく、《杞憂》の垂れ幕を掲げてそこら中を走り回りたくなりましたね。
2nd『BEHIND THE MASK』ほど凝ったアレンジは見当たらず、また3rd『NOTHING LASTS FOREVER』ほどメロディアスでもない、シンプルでアグレッシブな仕上がりは、ファンの欲目を差っ引いて評価すると、ややフックに乏しいというか地味というか。嘗ては上擦り気味だったアンドレの歌唱が、技量の向上に伴いムーディに落ち着いていることもそうした印象に拍車を掛けています。それでも、劇的なツインGをフィーチュアして突っ走る③や、表現力を増したVoの歌声が活きるドラマティックなラスト・ナンバー⑩(JUDAS PRIESTの名曲を思わすタイトルに高まった期待が裏切られない)等は流石の出来栄え。
入門盤には前3作をお薦めするものの、それらが気に入ったなら是非とも本作もどうぞ。


BEWARP - IN YOUR FACE - Wildside ★★★ (2016-11-10 22:48:55)

タイトル通りワイルドにハジけるロック・チューン。
Voは多少いっぱいいっぱいな感はあるものの、
フックの効いたサビメロと、要所でテクニカルに閃く
Gプレイが聴き応え十分。


BEWARP - IN YOUR FACE ★★ (2016-11-09 23:54:07)

第一次北欧メタル・ブーム沈静化後、彼の地からは「泣き」「哀愁」「美旋律」といったこれまでのイメージに囚われない、新しい音楽性を打ち出すバンドが次々に登場しました。このスウェーデン出身の4人組もそうした流れの中からデビューを飾ったバンドの一つで、1st『FUNK’D RAPT’N TRASH’D』ではタイトル通りギンギンにファンキーなHMを披露。それだけなら完全に興味の範疇外だったのですが、ニュー・シンガーとして「メロハー・シーンの渡り鳥」ことピート・サンドベリが加わった′94年発表のこの2ndアルバム(国内盤は、当時優れたメロディック・ロック作品を積極的にリリースしていたBRUNETTE RECORDSから発売)では、従来の歯切れの良いノリや肉厚なグルーヴを活かしつつも、よりメロディアスで洗練されたサウンドを聴かせてくれるようになりました。
中でも、ポール・ギルバートに師事していたというディック・ビワープ(バンド名は彼の名に因む)のG.I.T.仕込みのGプレイと、ピートが歌うフックの効いたメロディとが快活に駆け抜けていくキャッチーな③は、思わず「おっ」と声が漏れる本作のハイライト。
正直グルーヴィな楽曲においてはピートのウェットな声質は少々不似合いというか、「無理してる」感が漂うのですが、それでもバラード⑥⑪や、メタリックな疾走ナンバー⑫、ギタリストの出自を物語るようなSHRAPNEL風インスト曲⑭があったりと、バラエティに富んだ曲作りの巧みさのお陰か、(ストライク・ゾーンど真ん中の音楽性ってわけでもないのに)最後まで飽きることなく楽しめましたよ。良心的メロディック・ロック・アルバムです。


SAXON - The Eagle Has Landed ★★★ (2016-11-08 09:55:57)

黒地に、バンドロゴ/エンブレム/タイトルをあしらっただけの飾り気無用のアートワークが、質実剛健なSAXONサウンドの魅力を表しているかのようで逆にカッコイイ、’82年発表の傑作ライブ・アルバム。
お馴染みの「SAXON!」(チャチャチャ)「SAXON!」(チャチャチャ)というチャントと、バイクの爆音SEに導かれて、ショウは疾走ナンバー“MOTORCYCLE MAN”で豪快にスタート。憂いに満ちたメロディアスな“747(STRANGER IN THE NIGHT)”がその後に続き、間髪入れずハードネスとメロディのギアがガッチリ噛み合った初期SAXON屈指の名曲“PRINCESS OF THE NIGHT”でアクセルを再び踏み込むという、この劇的極まりない冒頭の流れだけでこっちはメタル・ハートを完全に掌握されてしまった気分ですよ。本作のハイライトを担う“WHEELS OF STEEL”での、革ジャン軍団で埋め尽くされていると思しき客席との一体感溢れるコール&レスポンスなんて「胸のエンジンに火を点けろ!」(by串田アキラ)とシャウトしたくなるアガりっぷりで、もう最高としか。
バイカーズ・ロック時代の名曲が連打されるセットリスト、それらを熱気溢れる演奏で叩き付けて来るメンバーに、観客の野太い声援まで、SAXON(最初の)全盛期を代表する名盤として、またNWOBHMの熱い盛り上がりを伝えてくれるドキュメント作品として高評価を受けるのも当然の1枚。つか、これのみで十分な満足感を得てしまって、なかなかSAXONの初期作をコンプリートしようとしない困ったちゃん(俺のことですが)をも生み出してしまう罪作りな名盤です。


BLACKFOOT - Strikes - Highway Song ★★★ (2016-11-08 01:03:01)

LYNYRD SKYNYRDの“FREE BIRD”とは
バンドの関係的にも曲調的にも親戚みたいな楽曲ですが、
熱く激しく炸裂する泣きのメロディや、
ツインGが疾走するドラマティックな曲展開等、
こっちの方がHR/HMファンに対するアピール度は高いような。
スタジオ・バージョンも最高なれど、
ライブ・バージョンは最強です。


DGM - The Passage - Animal ★★★ (2016-11-07 00:01:11)

プログレ・メタルならではの緊迫感は保ちつつ
これまでになくポップ…というか
キャッチーでメロディアスな方向へと踏み込んだ意欲作。
歌メロからはメロハー的な爽やかささえ感じられます。
でもちゃんと魅力的な楽曲に仕上げているのだから大したもの。
アルバムのリーダートラックとしてPVを作る辺り、
バンドのこの曲に対する自信の程が伺えます。


BLACKFOOT - Highway Song Live - Good Morning ★★★ (2016-11-04 22:39:26)

EXODUSもカヴァーした名曲。
サザン・ロックの括りで語られる機会の多いバンドですが
これは完全にHMソングですよ。
またスタジオ・バージョンよりライブ・バージョンの方が断然カッコ良く、
特に『HIGHWAY SONG LIVE』における
観客の大合唱には全身の血が沸き立ちます。


HITTEN - State of Shock - State of Shock ★★★ (2016-11-04 22:32:57)

オフィシャル・ビデオも制作された2ndアルバム表題曲。
1stアルバムの頃のMETALLICAを思い出せる
スピード・メタリックなGリフと疾走感に、
ガンベルトや日章旗Tシャツで身を固めたメンバーの眩い出で立ちまで
80年代メタル度満点の逸品。


BLACKFOOT - Highway Song Live ★★★ (2016-11-04 00:50:31)

先日、古本屋のCDコーナーをチェックしていたら、BLACKFOOTが’82年に発表した傑作ライブ『HIGHWAY SONG LIVE』の紙ジャケ/リマスター/国内盤を発見して吃驚仰天。知らぬ間にこんなモンが発売されていたとは…。つか、これの国内盤って今までリリースされたことなかったよな?等とぐるぐる考えつつ、速攻購入して今に至るわけですが、いやでも何度聴いても素晴らしい。彼らの作品で最も聴き返す頻度が高いのは、元URIAH HEEPのKey奏者ケン・ヘンズレーが加入して、メロディック・メタル路線へと舵を切った6th『革命と反乱』(’83年)だったりする我が身なれど、やっぱBLACKFOOTの代表作と言えば、本作の名を真っ先に挙げないわけにゃいかんよなぁと。
とにかく、土煙蹴立ててドライヴしまくる楽曲、豪快極まりないバンドの演奏、それを受け止める当時NWOBHM真っ只中のイギリスの観客の熱狂と、あらゆる点において熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜな実況録音盤。中でも前のめりに客を煽っていくMCから埃っぽい熱唱までハイテンションにこなすリッキー・メドロック入魂のパフォーマンスは本編の白眉ですよ。「どうせサザン・ロック・バンドだろ?」なんて舐めた態度で挑むと、野郎共の大合唱に血が滾る疾走ナンバー③や、後にWARRANTがカヴァーしたノリノリの⑨を経て、劇的に突っ走るツインGの泣きっぷりに滂沱の如く涙が溢れ出す⑩といった、下手なHMバンドが裸足で逃げ出す激熱な名曲&火花散る名演の数々に大火傷を負わされること必至。
全英チャート第12位に堂々ランクイン、人気・実力共にBLACKFOOTが最も充実していた時期を見事に捉えたライブ・アルバムの名作です。


HITTEN - State of Shock ★★★ (2016-11-01 23:20:04)

バンド名として「HIT TEN TIMES」(10回打つ)を縮めた造語「HITTEN」を名乗り、輸入盤市場で話題を攫っていたスペイン・ムルシア自治州出身の5人組が、'16年発表の2ndアルバムで日本デビューを飾りました。
ブルーノ・サンマルチノばりの「人間発電所」ジャケットと、雑誌レビューで「スラッシーな要素も感じられるNWOTHMバンド」と評されていたことから、もっと破れかぶれで前のめりな音を出してる連中だとばかり思っていましたが、確かにGリフが初期スピード・メタル風の⑥みたいな楽曲もあるにせよ――実際はキャッチーなメロディを歌うVoと、メタル愛ダダ漏れでメロディックにハモリまくるツインGを核に据えた、優等生的とも言える聴き易い正統派HMサウンドが本作の魅力であったという。
音像に比してハイトーン・シンガーの歌声は少々線が細め。ふわふわとしてやや不安定ながら、JUDAS PRIESTとIRON MAIDENの二大巨頭を始め、パワフルな疾走感はACCEPTから、派手に動き回る2本のGはRIOTから…といった具合に、先達からの影響を血肉へと変えた楽曲構築術は既に貫禄十分です。メロウなイントロからスピーディな本編へと雪崩れ込む様式美に満ち溢れたOPナンバー①、パワー・メタリックな導入部がVICIOUS RUMORSを思わす②等、イケイケどんどんな楽曲だけなく、溌剌とタイトにハジけるキャッチーなHMソング④や、バラード風に始まって激しく盛り上がっていくドラマティックな⑨のようなタイプの楽曲も手堅くこなしているのも頼もしい。
どうやら来日が決まっているようなのですが、仕事で見に行けないのが残念ですよ。


SCORPIONS - World Wide Live ★★★ (2016-11-01 00:19:35)

これまでアートワークのヤバさについて散々取り沙汰されてきたSCORPIONSですが、このジャケットについては「クラウス・マイネの生え際の後退っぷりがヤバ過ぎて発禁モノ」と、ファンの間で話題騒然になったとかならなかったとか。
そんなHR/HMシーン屈指の薄毛軍団として鳴らしたSCORPIONSが帽子を被り出す以前。『禁断の刺青』で全米制覇を成し遂げた直後。まさしくワールドワイドな人気者となった蠍団絶頂期のライブ・パフォーマンスがたっぷり堪能できる本作は、選曲は全てマティアス・ヤプス加入以降の作品からで、『TOKYO TAPE』との楽曲の被りは一切なし。更にホール・クラスの会場で収録されたため、バンドと客席の距離が(物理的にも心理的にも)近かった『TOKYO~』に対し、毛髪量は減ったが代わりに爆発的に増えた観衆を見事に煽動するバンドの手腕がスタジアム仕様にスケールUPしている本作…といった具合に、同じライブ盤でも両者の作風はかなり異なってます。例えるなら、野心に満ち溢れたSCORPIONSが鯉の如く滝を昇っていくピチピチの姿を捉えていたのが前者で、こっちは滝を昇り切って龍と化したSCORPIONSの円熟ぶりを伝えてくれる仕上がりというか。
ともかく、次々に繰り出されるヒット曲&名曲のオンパレード、脂の乗り切ったバンドの白熱のパフォーマンス、地面を揺るがすかのような大観衆の盛り上がりと、優れたライブ盤に必要な要素がてんこ盛りに盛られた内容は、アメリカだけで100万枚を超えるセールスを記録したというのも十分に頷けます。出来れば『TOKYO TAPE』と併せて持っていたい1枚ではないかと。


KATANA - The Greatest Victory - Yakuza ★★★ (2016-10-30 10:30:41)

海外でも高い知名度を誇るジャパニーズマフィアに捧げられた(?)一曲。
但し、歌詞からすると山口組系ではなく任侠映画の世界観が元ネタでしょうか。
妙にキャッチーなサビの「ヤクザ!ヤクザ!」は
聴く度に一緒に叫びたくなってウズウズしてしまいますね。


KATANA - The Greatest Victory - In the Shadows ★★★ (2016-10-30 10:21:59)

短いインスト曲“THE VOID”とセットで楽しみたい
アルバム最後を飾る大作曲。
バンド名にしろ、アートワークにしろ、幾つかの曲名にしろ
浮ついた印象に眉を顰めるHR/HMリスナーもいらっしゃるかもしれませんが、
バラード調に始まり重厚に盛り上がっていく劇的な曲展開といい
Voの見事な歌いっぷりといい、これはドッシリと地に足を付けた
本格正統派HMの名曲に仕上がっております。


KATANA - The Greatest Victory ★★★ (2016-10-29 08:53:17)

スウェーデンのKATANAも本作(’15年発表)で三作目に到達。ぼちぼちコンセプトを重荷に感じ始める頃合いでは?と思いきや、2曲目から早くも曲名が“YAKUZA”で「あ、全然そんなことなさそう」と。更にその後に続くのが“SHOGUN”。歌詞も「SHOGUN-COME BACK!」とか「SHOGUN-TAKE CHARGE!」とか、松平健もビックリの暴れん坊ぶり。アートワークにはメンチ切ってる髑髏武者がフィーチュアされており、ますます意気盛んなことが確認できて先ずは一安心ですよ。
歌詞のテーマに日本ネタを取り入れても、メロディ等には和風趣味を取り入れず、飽くまでIRON MAIDEN由来の正統派HMサウンドに拘った作風は前二作同様。サビメロの展開が独産メタル調の①から明らかなように、コール&レスポンスが捗りそうなパワー・メタル風味が一層増量傾向にあって、それはそれでカッコイイですし、違法ダウンロードの横行でアルバムの売上がさほど見込めず、ライブ向きの楽曲を揃えてツアーに活路を見出す新人にとっちゃ当然の戦略として理解できるのですが、ただ初期作で彼らの存在を際立たせていた、ポップなメロディ・センスを活かす場が減る一方なのは、少々勿体ない気がしなくないという。
それでも、メイデン愛が溢れ出す⑤等、勇壮な楽曲がタイトに繰り出される本編を聴くにつけ、抜きん出た作曲センスの高さには唸らされます。特に小曲⑧を経てラストをドラマティックに盛り上げる⑨はアルバムのハイライト。ジョーイ・テンペスト似(声質が)のシンガーが実に堂々たる熱唱を響かせてくれていて、デビュー当時の青臭さが嘘のようですね。
デビュー作以来、国内盤リリースがないことが残念でなりませんて。


SCORPIONS - Love at First Sting ★★★ (2016-10-28 01:10:13)

所謂「出世作」「大ヒット作」というヤツは、然るべきバンドが、然るべきタイミングで、然るべき作品を発表することによって生み出されると言います。とするならば、アメリカにおいてHMブームの盛り上がりが最高潮に達しようとしていた84年に、当時飛ぶ鳥落とす勢いだった蠍団により、捨て曲なしの最高の内容で発表されたこの9thアルバム(邦題『禁断の刺青』)が、同地においてバンド史上最大の成功を収めたのもむべなるかな。
前作『BLACKOUT』に比べるとハードネスやクドさは抑え気味で、より万人向けにすっきりとキャッチーに…『美味しんぼ』風に例えるなら(なぜ?)、本作の味付けは「しゃっきりポン」な感じに整えられています。カミソリ感を控えめに伸びやかに歌い上げるクラウスのVo、サウンドの輪郭をハード且つ明瞭に保つルドルフのリズムG、マティアス・ヤプスのSCORPIONSのリードGとして自信に満ち溢れた演奏をフィーチュアし、ライブの定番曲としてファンから愛される代表曲②⑥や、憂いを帯びたイントロから疾走へと転じる④、特に欧州圏で高い評価を得るというヒット・バラード⑨etc.…と、スタジアム級の会場で演奏されるに相応しいスケール感とフックを有した収録曲の数々は、最早ドイツのローカル・ヒーローではなく、ワールドクラスの人気者の仲間入りを果たしたSCORPIONSの余裕と貫禄を伝えてくれる仕上がり。
これ以降のSCORPIONSサウンドの変化は基本的に本作のバリエーションであり、ポップになったり、へヴィになったり、実験的になったりしても、その「基礎」として頑として揺るがないサウンド・スタイルを完成させたのが、このアルバムだったのではないかなぁと。


SCORPIONS - Blackout ★★★ (2016-10-26 00:10:36)

歌手生命を絶たれかねない苦境を見事克服したクラウス・マイネと、彼の復帰を信じて待ったSCORPIONS。両者の信念が実を結び、全米チャート最高第10位に食い込む大ヒット作となった’82年発表の8thアルバム。蠍団のアメリカ制覇の先駆けとなったこの実績に、ゴットフリート・ヘルンヴァインの手掛けたインパクト大なアートワーク、それに邦題『蠍魔宮』のカッコ良さと、本作はSCORPIONSの代表作としてのみならず、80年代HR/HMシーンの隆盛を語る上でも欠かすことのできない輝きを放つ大名盤であると。
特筆すべきは、バンド史上最もアグレッシブなサウンドでこのサクセスを成し遂げた点ですよ。どこか慎重に置きに行った感もあった前作『電獣』に対し、今回は研ぎ澄まされたGリフから、タイトにストレッチされたリズムや曲展開まで、一気にHMの領域までエンジン・フルスロットルで突入。ルドルフ・シェンカーが刻むカミソリGリフと、魂を燃焼させるが如きクラウスのシャウトが聴く者の鼓膜を切り裂くアルバム表題曲①や、負けず劣らず攻撃的な⑤、個人的には①以上に贔屓にしている疾走ナンバー⑥、重厚な緊迫感漂わす⑧といった、メタリックな名曲群のカッコ良さは只事じゃあない。
無論、③④⑨のようなSCORPIONSらしい哀メロ・センスが活かされた楽曲の素晴らしさについては今更言及するまでもなく。あとポップにハジける②⑦も聴かせてくれますし…って、要するに捨て曲なしの名盤ってことですか。
どちらかと言えばウリ時代に強い思い入れを持つ我が身ですが、「SCORPIONS入門盤にどれか1枚選べ」と言われたならば、やはり本作しかないよなぁと。


SCORPIONS - Animal Magnetism ★★ (2016-10-24 23:19:21)

80年代の幕開けを飾った7th。「犬の頭の位置が卑猥」という、中学生か君は!な理由でアートワークの差し替え処分を食らっていますが、ここまで来ると最早「発禁されてなんぼ」な恒例行事感も漂い、特に驚きもありません。(ところで『電獣』ってこの犬のこと?)
さて本作。クサすような出来ではないですし、安定感だって抜群なのに、しかしながら絶賛するには今一歩なにかが足りない…。そのため「悪くはない作品」と微妙に後ろ向きな褒め方をされることの多い1枚で、個人的にもSCORPIONSカタログにおける存在感は薄め。彼らのアルバム・コンプリートを目指してた頃、全部揃えていたつもりでいたら、実はコレが抜け落ちていたことに長らく気付かずにいたという有様で。
1曲毎に取り出してみれば、軽快なGカッティングが気持ちいい①、人肌の温もりを感じさせるバラード⑤、クラウスの歌唱がウリ時代を彷彿とさせる⑦、へヴィ且つ重厚に迫り来る⑨等、十分耳を惹かれる楽曲が揃っています。だのに通して聴くと何故かフラットに流れて行ってしまうのは、ミドル・テンポの楽曲を中心に揃えられた本編構成が少々淡泊なせいか、はたまた「これ!」という強力なキメ曲が見当たらないせいか…。
それでもこの経験が次へと活かされ、名盤『BLACKOUT』として昇華するわけですから、本作とて決して軽んじていいわけはありません。…まぁ購入は最後の方でも良いとは思いますが(ドクロ)。


SCORPIONS - Lovedrive ★★★ (2016-10-22 00:08:32)

ヒプノシスの手掛けた『遊星からの物体X』風アートワークが「女性蔑視」との批判に晒され、アメリカでは差し替え騒ぎに発展。しかし同時にチャート50位台にランクインする好リアクションも獲得し、同地進出への足掛かりともなった’79年発表の6thアルバム。
ウリの後任は旧知の仲だったマティアス・ヤプス(G)に決定。でもレコーディング中に経験不足が露呈したことから、当時ちょうど暇してたマイケル・シェンカーのヘルプも仰いでアルバムは完成(マイケルは5曲でプレイしてる)。そのままツアーに出たまでは良かったが、ここで神の失踪癖が再発。バンドは慌ててマティアスを呼び戻してツアーを続行…と、制作の舞台裏は相当にドタバタしていたご様子。実際、ウリが去って本編の泣きメロ含有量は激減。更にOPナンバー①のパンチの弱さや、レゲエ調の⑥があったりと、初聴時の感想は「変わってしまったのね…」と、あまり芳しいものではありませんでした。
しかしリピート再生するうちに印象は大きく変化してきます。ウェット感が減ってドライさが増したことで、これまで以上にルドルフ・シェンカー(G)のカミソリ・カッティングの威力がダイレクトに伝わって来るようになりましたし、切れ味全開の②⑤⑦で要所をアグレッシブに締めつつ、哀愁が滲む③、シェンカーのGが冴え渡るインスト曲④といったメロディアスな楽曲(レゲエ調の⑥もメロディは美味)を経て、ドラマティックな名曲⑧にて締め括られる本作の完成度には、制作時の混乱が影を落とした様子は見受けられません。
限定地域にピンポイントで訴えかけた従来のダークネスや情念の迸りを抑え、より広範囲な地域&リスナーにアピールすべく、音楽性を垢抜けさせ始めた蠍団の契機となった1枚ですね。


SCORPIONS - Tokyo Tapes ★★★ (2016-10-20 23:37:54)

中野サンプラザでの初来日公演の模様を収めた実況録音盤(邦題『蠍団爆発!スコーピオンズ・ライブ』)。上り調子のバンドによる白熱のパフォーマンス、それを真っ向から迎え撃つ観客の熱狂とが克明に捉えられており、SCORPIONSの存在を一躍満天下に知らしめ、後の大躍進の切っ掛けになったというのも納得の1枚。
選曲も2nd~5thアルバムの美味しいところが押さえられていて、初期の彼らのベスト盤としても機能。無論、名曲を山ほど抱えているバンドゆえ漏れは当然あります。つか“HELL CAT”演るぐらいなら他に演るべき曲が幾らでもあるでしょ!とか思わなくもないのですが、いやでも既に脱退が確定していたウルリッヒ・ロート(G)への最後の接待だと思えば、楽勝で我慢できる…どころか、寧ろ名残惜しく感じられるぐらいですよ。
そして今回、そんなウリ以上の存在感を放つのがクラウス・マイネ(Vo)その人。テクニックや表現力に磨きを掛け、シンガーとして数段上のステージに昇った喉の手術以降に比べると、本作で炸裂する若さに任せたパワー全開のシャウトは、粗削りでありつつも、触れた物すべてを切り裂くような剃刀の如きエネルギーが迸る。お陰で収録曲はどれもスタジオ・バージョンを軽く凌駕する迫力を獲得。中でも“荒城の月”なんて、日本語詞を朗々歌い上げるクラウスの熱唱と、ウリのエモーショナル極まりない泣きのGプレイに、哀切に満ちた和風メロディとが相俟って、未だ語り草なのも当然の感動的な仕上がりっぷり。
尚、例によって海外では発禁食らったアートワークですが、どう見比べてもオリジナル(日本盤ジャケット)の方が素晴らしいことは言うまでもありません。


LORDS OF BLACK - II - Everything You’re Not ★★★ (2016-10-19 23:17:21)

ねっとりと絡みつくようなロニー・ロメロの
熱唱が映える重厚なミッド・チューン。
猛烈な憂いを発散するメロディと抒情的に奏でられるピアノの旋律が
楽曲を息苦しいぐらいドラマティックに盛り上げます。
パワーだけが売りのバンドじゃねぇぞと。


LORDS OF BLACK - II - Shadows of War ★★★ (2016-10-19 23:12:23)

イントロの猛々しいGリフとリズムのコンビネーションだけで
メタル魂が轟々と燃え盛ってしまいますね。
さらにそこにロニー・ロメロの力強い熱唱と、鮮烈なGソロが
花を添えてくれるのですから何をかいわんや。


LORDS OF BLACK - II ★★★ (2016-10-18 23:18:54)

「リッチー・ブラックモアRAINBOWを再始動」「シンガーは無名の新人ロニー・ロメロに決定」との報に触れても、ロニーもコージーも亡き今「もう遅かりし由良之助」と今一つテンションが上がらず。ところがLOUD PARK でそのロメロが所属するLORDS OF BLACKのパフォーマンスを目撃し、リッチーのお眼鏡に適ったのも当然の彼の歌唱力と、何より楽曲の素晴らしさに感銘を受け、慌てて日本デビュー作たる本2ndを買いに走った次第で。
劇的な序曲①が、コーラス部分でテンポアップする曲展開が胸熱な②へと繋がって行くOP構成が物語る通り、本作に託されているのはRAINBOW直系の様式美パワー・メタル。これに限らず本編には、コブシを効かせた歌い回しと声質が確かにロニーっぽいロメロの歌唱が映えるタイプの楽曲がズラリ揃っていて、バンドの中核を担うトニー・ヘルナンド(G)の作曲センスの高さが伺えます。GITで学んだというテクニカルなGの腕前のみならず、パワフルな④、憂いを湛えた⑧、更には10分に迫るドラマティックな大作ナンバー⑨のような重厚な楽曲においては、叙情的なKeyを奏でてコッテリ感緩和に努める等、八面六臂の大活躍をみせるこの人こそ本作のMVP。
そうした彼の曲作りの手腕と、ロメロの力強い歌唱とが理想的融合をみたのが怒涛の疾走ナンバー⑫。LOUD PARKでもライブの締めに演奏され、個人的にアルバム購入を決心する切っ掛けともなった問答無用の名曲っぷりで、年間ベスト・チューン候補ですよ。
全体的に硬さの感じられるロメロのVoに、もうちょい余裕というか表情が出て来ると、尚良くなるように思えますが、ともあれ、伸びしろ十分な充実作であることは確かです。


DGM - The Passage ★★★ (2016-10-17 23:11:18)

ギタリストとしての実力&プロデューサーとしてのモダンな感性を併せ持つシモーネ・ムラローニと、抒情バラードから緊迫感に満ちた大作ナンバーまで柔軟に歌いこなすシンガー、マーク・バジルという逸材二人を得たことで、ラインナップが一気に安定したDGM。バンド名の元となったオリジナル・メンバーが既に誰もいないぐらいメンバー・チェンジを繰り返したのに、その都度、活動規模にしろ作品のクオリティにしろ、スケールUPを果たして来た彼らの稀有な実力が、この’16年発表の新作にも明確に刻まれています。
いきなりプログレ・メタル組曲①②で幕が上がる本作は、劇的なメロディ展開に胸打たれる④、スピーディに疾走する⑤⑩(後者にはSYMPONY Xのマイケル・ロメオがゲスト参加)といった、シンフォニック・パワー・メタル・テイストが増強されていた前作『MOMENTUM』の作風を受け継ぐ楽曲を収録。その一方で、今回は時にポップに、時に爽快に響くメロディがサウンドに新味を振り撒いてくれていて、『MOMENTUM』の味付けがコッテリ豚骨スープ風味だったとするなら、こっちはアッサリ塩味風味といった塩梅。特に、爽やかに駆け抜けていくメロディアスHRナンバー③は、バンドの新境地を切り開く名曲ではないかと。無論そうした洗練を感じさせる楽曲群においても、ハイテクニックな楽器陣によるスリリングな応酬はさりげなく挿入されており、作品全体としては緊迫感もドラマ性も損なわれてはいませんのでご安心を。
頻繁なメンバー・チェンジすらプラスに作用させて、活動20周年を経てなお音楽的に前進していく姿勢を露わにした意欲作。