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ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-400
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ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-400
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PAPA ROACH ★★★ (2015-01-09 16:47:18)

ようやくというか、早くもというか、前作から約2年3ヶ月振りの新作がもうすぐ発売される。
CDが全く売れない時代にも関わらず、コンスタントに新作を発表してくれるアーティストには、積極的に応援をしていきたい。

僕は前作をその年のベスト・アルバムに選んだ。
その理由にはいくつかあるけど、積極的に仕掛けていくというその攻撃的な姿勢が、僕にとっては何とも眩しかった。
今の時代、ソングライティングに力のあるバンドなら、別にチャレンジしなくても、ある程度守りに入っておけばいい。
新作だって、そのサイクルを長めにとっておいて、ライブを中心に活動するのが効率的である。
ある程度成功を収めているアーティストにとって、新曲なんて別に必要がないのである。

新作からのリーダートラックを聞いたけど、これがまた彼ららしくて良い出来である。
前作はアルバムの統一感が、凄く良かった。
しかし、別の角度から見れば、おとなしくて地味であった気もする。
よって、新作はその反動の内容になるのが自然の流れである。
その予想が的中しそうな、活きのいいシングル曲タイプの楽曲が多そうな新作である。
僕にとっての2015年が、ようやく始まる。


PAPA ROACH - Crooked Teeth ★★★ (2017-05-21 18:31:27)

僕は「原点回帰」という感覚を、そのバンドが絶好調の時にはあまり感じない。
原点回帰という言葉を、レビューでよく見かけるけど、実際に聞いてみると少しニュアンスが違う気がした。
個人的な感覚では、1stを除けば「ラブヘイトトラジディ」以外の作品は全て好きであり、作品の質も高いように思う。

彼らは常にその時代のエッセンスを、作品の中に取り入れている。
この新作にそれが直接的に当てはまるとは思えないけど、今の停滞した本国のロックシーンを考えれば、変化を求めたのも理解しやすい。
また、メロディックな作品が2作続いた事を考えても、仕掛けてくるバンドらしく攻撃的な作風となっている。

それにしても、このバンド器用である。
「らしさ」を失わず、それでいて変化を恐れないし、キャッチーさがきちんと盛り込まれている。
ここまで大胆な事をやりながら、散漫になっていないところが何といっても凄い。
作風は、きちんと統一されている。

ナショナル・チャートへの挑戦状である(本国での)。
ファンへの迎合ではなく、ファンを自分達に引きずり込むタイプのバンドである。
ファン層が広いのは、決して最大公約数的な作品を作っているからではない。
それは、さまざまな要素を取り入れることが出来る懐の深さとしての、結果である


PAPA ROACH - F.E.A.R. ★★★ (2015-02-05 19:42:51)

彼らの音楽性の特徴の一つに、時流や流行りの要素を取り入れるというものがある。
比較的地味なポジションの作品にも、それはやっぱり組み込まれていたりする。
その配分は実に巧みで、らしさを失わず、あくまでもアクセントという位置づけであり、基本の軸がブレない所がなんと言っても凄い。
仕掛けてくるという感覚を常に感じるのは、その為かも知れない。

2年3ヶ月振りの新作は、僕の予想を見事に裏切り、前作の延長線上の内容に仕上がっている。
前作の楽曲を一つずつ凝縮し密度を高めれば、この新作になるといった感じで、ほぼ何も変わっていない。
シリアスさや哀愁感を強く感じた前作同様、この新作に流れる空気感には何とも言えないものがある。

それにしても、前作同様一枚のアルバムとしての完成度は圧巻である。
まとまり過ぎていなかった所が逆に良かった前作、密度を増してダイナミックに仕上げた新作、両作とも楽曲の出来はいい。
ボーナストラックも、ボーナスにするのには勿体ない出来である。

さすが、である。
このポテンシャルは、半端ない。


PAPA ROACH - F.E.A.R. - Hope for the Hopeless ★★ (2015-02-09 20:48:37)

ボーナストラック.....を聞いていると、特にアメリカ人と日本人の感覚の違いを強く感じる。
ボーナス扱いにするのには、いろいろな理由があると思うけど、その一つとして本編に合わないからというものがあって、例えその出来が良かろうが本編から外される事がある。
多分、2曲とも色が少し違うので、外されたのかも知れない。
ボーナス扱いにはなっているけれど、2曲とも僕は好きである。

またボーナスの出来で、そのバンドの隠れたソングライティング力を見極める事が出来るので、案外貴重である。


PAPA ROACH - Metamorphosis ★★ (2009-06-20 15:02:00)

結論的に言えば、前々作と前作を足して2で割った作風に仕上がっている。
前々作でコンテポラリー色を前面に打ち出し、前作でアメリカン王道ロック路線を強めた結果が、この新作に見事につながっている。
楽曲は良い意味でキャッチーだし、バンドとしての勢いも感じる熱い作品である。
このバンドはファン層がかなり広く、どの層にもアピール出来る貴重なバンドでもある。
僕は3rdが一番好きだが、その次はこの作品になる。


PAPA ROACH - Time for Annihilation: On the Record & On the Road ★★★ (2012-09-22 13:15:41)

新曲5曲、それ以外がライブという変則的な作品。
これは、勝手にベスト盤を発売したレコード会社への反撃だろうけど、新曲の出来は勿論いい。
こういう行動に出れる事自体が、バンドの前進力を示している訳で、個人的には大歓迎である。
元々ソングライターとしての実力のあるバンドだけに、楽曲をキャッチーに仕上げるその技は実に巧みである。

新曲をもっと聞きたかったというファンが発売当時はたくさん居たけど、そもそも前作からのブランクがあまりなかった事を考えれば、これはこれで納得という気がする。
新作がもうすぐ発売になると思うけど、このバンド僕は大好きである。
ライブも魅力的なバンドである。


PINK CREAM 69 - Games People Play ★★ (2008-05-20 14:43:00)

反則的な言い方をすれば、アンディ・デリスの才能を再確認できる作品である。時代性もありダークな作風だけど、メロディーにはツボがあり、無視をするのにはもったいない作品である。
結局有能なソングライターというのは、どんな楽曲を書いてもそれなりに仕上がるのである。世間には売れっ子と呼ばれるソングライターやプロデューサーがたくさんいるけど、アンディという男は何をやっても一流になる力があると、僕は思う。
アンディは、やっぱりこの手の路線がよく似合う。


PRAYING MANTIS - Sanctuary ★★ (2009-08-13 14:54:00)

結果的に、あらゆる事柄が良い意味で化学反応を起こしたのか、作品には一本筋が通っている。
また前作をあまり好きでなかった人にも、わかりやすい良さが復活している。
楽曲にはファンの期待する臭さが存在し、単なる回顧主義でないために新鮮さがそこに立派に存在する。
これは嬉しい誤算である。
単純に楽曲がいい。
ツボを押さえた曲作り.......なんかクセになる良さがある。
ベテランバンドの意地というか、やる気が見事に作品に集約されている。
これは、確かにいい。


PRETTY MAIDS - Motherland ★★★ (2013-04-17 17:04:47)

こういう頑張っているバンドには、自ずと応援したい気持ちになる。
最近CDに限らず、CT、LP、MDと整理中なんだけど、それでも購入する新譜の数は減らしてはいない。
それは、今現役で活動しているバンドは、今応援しなければという気持ちがわく為であり、この行為はHR/HMを聞き続ける限りは、止めないようにと自分自身に言い聞かせている部分もある。

前作から約3年ぶりの新作は、好評だった前作の流れを汲む内容で大きな変化はない。
大方のファンの期待は、決して裏切ってはいないと思う。
ただ、楽曲の統一性では前作に軍配は上がるけど、いい意味でのバラエティーさで言えば、今作の方がはるかに上である様に思う。
僕は⑥~が特に好きなんだけど、そういう意味でも曲順に関してはちょっと不満があるかもしれない。

でも、ベテランここにありという感じで、決して守りに入っていない作風には、かなり好感が持てるのも事実である。
後半の楽曲の充実度は、さすがと感じましたね。
やっぱり、いいバンドだ。


PRETTY MAIDS - Pandemonium ★★ (2012-12-01 18:14:22)

アルバムを評価するとき、僕はできるだけ加点方式で評価しようとしてるけど、結果的には減点方式になっているかもしれない。
このアルバムの楽曲を個別に真剣に聞いていけば、僕の評価は世間程そんなに高くはない。
というか、高くないというよりも、彼らが残してきた楽曲と比較すると、それらを越えている感じがあまりしない。

だけど、オヤッと思うマイナスな楽曲が無い分、作品に緊張感と統一性が生まれ、それが結果としてかなりプラスポイントとなっている。
作風も全盛期に近く、なんと言っても統一性がもたらす勝利という気がする。

こういうベテランが、ベテランらしく、らしい作品を作ってくれる事がすごく嬉しい。
僕は「SPOOKED」も凄く好きなんだけど、それ以降では確かに一番かもしれない。


PRETTY MAIDS - Sin-Decade ★★ (2010-02-25 16:06:00)

僕も客観的に言えば、この作品が最高傑作という気がする。
主観的に言えば変わってくるけど、楽曲の出来はよく、日本での人気のピークもこの頃である。
とにかく、楽曲作りの上手いバンドであるため、メロディはキャッチーだし、適度にポップであり適度に硬派である所がいい。
この2面性のバランス感覚が、とにかく絶妙である。サウンドにも個性があり、過小評価されていたバンドの代表格でもある。
この作品なんて、個人的には何回聞いたことか......。
こういったバンドは、他にいそうでいないんだよね......。


PRIMAL FEAR - Delivering the Black ★★★ (2014-02-12 14:37:52)

僕は前作を高く評価したけど、この新作も侮っていては損をする程の力作に仕上がっている。
もっとメディアでもファンの間でも、話題になって然るべき要素を多分に含む熱い作品である。
もう過去のPrimal Fearは、忘れてもいい。
過去の残像は、返って作品の評価を邪魔するし、改めて彼らに接する人には障害となるからである。

路線的には前作とは違い、従来の硬派な路線に戻っている。
従ってメロディアスな部分は若干後退しているものの、楽曲の骨格は太くなりその分重量感を増している。
前作同様、楽曲は良く出来ているし、こういった路線のバンドにありがちな中だるみ的要素も無い。
曲調からも、ラルフのVo.はガンマ・レイを想像させるけど、今の彼らは遥かに上の存在感である。
今になって、まさかの絶頂期......僕にはそう感じる。
前は買っていたのに、聞くのを止めた人にこそ、是非聞いて頂きたい作品である。


PRIMAL FEAR - Unbreakable ★★★ (2014-02-11 08:42:38)

このバンドの場合、初期~中期にかけては気になって聞いていたけど、最近は全く興味が無くなっていた。
正統派.....と言えば聞こえはいいけど、裏を返せば変化に乏しく飽きやすいという要素を、同時に含んでいる事を意味している。

アルバムの平均的な出来は悪くないハズである。
僕は全作品持っている訳ではないので断言はできないけど、安定感という意味では抜群であると思う。
でもその安心感こそが、返って邪魔をするのである。

この作品、僕には劇的とも言える変化を感じる。
良い意味でもそうでない意味でも地味だった楽曲には、華やかさもあり、楽曲は一回りスケールアップしている。
相変わらず、これだ!と言える楽曲には乏しいものの、各楽曲の平均値が上がった事で、マンネリ感の払拭に成功している。
メンバーチェンジがなければ、僕はこの作品聞いてはいなかったであろう。
つまりは、アレックス目当ての購入だった訳だけど、これは予想外に良かった。
先入観なしで、是非聞いていただきたい作品である。

新作も発売になっている。
どんな内容か、実は気になっている。


PYRACANDA - Two Sides Of A Coin ★★ (2009-02-01 12:46:00)

もう、この手のファン以外の方には、全く知られていないバンドである。
古き良きB級スラッシュの香りが満載で、僕はこの作品結構気に入っていた。
メロディがそこそこあって、変則的な展開もありと、この手のファンならチェックしてもいいかもしれない。
それにしても、なつかしいね。


QUEENSRYCHE (2013-07-06 17:25:52)

「QUEENSRYCHE」どうですか?聞きました?
と、ショップの店員さんに尋ねられた。
いや、聞いてないし、買うつもりもないです、と僕は答えた。
じゃあ、聞いてみてくださいと、恐らく私物であろうCDを貸してくれた。
まあ、いつも行くショップなので、仲はいいけど、実は彼らの新譜に全く興味はなかった。

バンド内のゴタゴタには、うんざりする事が多い。
今回の分裂だって、まあ然るべき時が来たんだなという感覚しか湧いてこず、これで終わったなと正直思った。
僕は、アルバムのレビューをする時、こういった背後の事情をできるだけ考えないようにしている。
でも、ここまで明らかになると、もう無視するわけにもいかない。

クリスが脱退した時点で、QUEENSRYCHEは終わった。
多分、これも正解であろう。
個人的に言えば、「Promised Land」で、だけど......。

そうはいっても、「Operation Mindcrime 2」と「American Soldier」は、結構気に入っていた。
勿論、ソングライター等の情報は無視をしてである。
結局、バンドがどういった状態なのかは、クレジットを見るだけでも、分かってしまうのである。

上記の2作品を除いて、クリス脱退後の作品には、まとまり感に欠けるきらいをいつも感じていた。
そこには、コンセプト・アルバムという方法論を用いないと、散漫になってしまうという現実があった。

聴く前から、なんとなくという想像は出来ていた。
そういった意味では、ジェフ側、トッド側、両者共予想できる作風である。
しかし、残念ながらその予想を超えてくる内容ではない。

こういった事が起きて、いつも思うことは分裂して、10のものが5対5になるのではなく、4対3とかマイナス効果に終わってしまうという悲しい現実である。


QUEENSRYCHE - American Soldier ★★ (2009-04-08 12:27:00)

彼らの場合、ある一時期の作品を除けば、ほとんどの作品がコンセプト・アルバムと言える内容なので、特にその色が濃いというだけである。
僕は前作「オペレーション・マインドクライム2」の低評価に、日本の市場も完全に駄目になったなあ~と、強く感じた。
こういった作品を時代に埋もれないように、常に高い評価をしてきた日本のHR/HMファンの、あのこだわりはもう昔の話なのだろうか。
単純に1との比較で、1には到底及ばないとか、今の彼らはもう昔の彼らではないのである。
今できる事に対して、どれだけ頑張っているのか......という事を、もっと考慮してもいいのではないだろうか。
前作を高く評価したファンには、この作品も実に彼ららしい作品と感じるハズである。
僕は好きである。
これで物足りないなら、彼らに一体何を期待しているのだろう......。


QUEENSRYCHE - American Soldier ★★ (2009-06-24 21:55:00)

現時点で今年発売された作品の中では、一番気に入っている作品である。
前作「~マインドクライム2」で自分達らしさを完全に取り戻した彼ららしく、奥が深い内容に仕上がっている。
コンセプト作だからという理由ではなく、サウンドのきめ細かさや作品全体に漂うベテランらしい渋さに僕は感動した。
大物バンドが自分らしさを失った90年代中期~後期.......まさに総崩れ状態であった時代と比較すれば、今はよっぽどましである。
なのに、日本の市場はさっぱりである。
実力のあるバンドは、勿論全部ではないけれど見事に蘇生した。
日本のHR/HMシーンの停滞.......何故なんだろう.......。
いい作品、近年実は案外多いのである。


QUEENSRYCHE - American Soldier - At 30,000 ft. ★★ (2010-01-09 20:30:13)

ホント、このアルバム、僕は好きですね。
この曲も、ドラマティック。
とにかく、渋い。何もかもが渋い!
クイーンズライクに漂う哀愁は、他のバンドとは全く異質かな。


QUEENSRYCHE - Operation: Mindcrime - The Mission ★★★ (2009-07-04 21:29:36)

アルバムを最初から聴いてくると、このあたりで僕は胸が苦しくなる。
しかも、いつ聞いても。何回聞いても.....毎回である。
恐ろしいまでの求心力がある、この作品の怒涛の展開力は驚異である。
今聞いてるけど、やっぱり胸が苦しい。


RATT ★★ (2017-06-07 13:24:26)

スティーヴン・パーシーのソロ作「スマッシュ」を聞いた。
ラットをはじめ、彼が関わった作品は、ほぼ持っているハズである。
ラットとは似て非なるものという意識さえ持っていれば、この作品の評価は悪くない気がする。

ある一時期を除けば、彼のやっている音楽性はほぼ変っていない。
それは本家のラットとも、距離をそんなに置かないものである。
内容はいつもの感じと言えばそんな感じなんだけど、出来自体は予想を超えてくるハズである。
意外といえば言葉は良くないけど、楽曲はまとまっている。
勿論ラットのような派手さも無いし、ダイナミックさもないけど、ソロ作を追っかけるぐらいのファンであれば、十分合格点であるように思う。

これは、これでいいと僕は思う。


RATT - Out of the Cellar ★★ (2008-07-17 14:58:00)

楽曲の出来にバラツキがあるバンドだけど、でも平均的なクオリティーは結構高いバンドである。この手のポップでキャッチーな楽曲を書かせたら、当時でも頭一つは抜き出ていたように思う。
たとえば④なんかが、僕は好きである。MTV時代の申し子的な印象が強いが、周りのスタッフが優秀であれば、もっとビッグになれた可能性がある。
LAメタルといえども、案外硬派で芯もしっかりしている。


RIOT V - Armor of Light ★★★ (2018-05-03 19:19:57)

ここまで徹底してやってくれると、爽快である。
ファンが期待しているものを再現する事が果たして良いことなのかと問われれば、その答えは一概には言えない。
勿論、バランスは大事である。
アーティスト自身が本当にやりたいことなのかがポイントだとは思うけど、今の時代ある意味予定調和だとしても、そのクオリティが低くなければ十分だと僕は思う。
モチベーションを高く保つ事が難しくなっているこの時代、狙ってでもこのクオリティを保てるバンドとしての力量は作品の好き嫌いを問わず、高く評価されて良いと思う。

圧巻である。
「サンダースティール」が好きな人は、必聴である。
今でも衰えないこのソングライティング力は、すごいね。
実力のあるアーティストが焦点を絞れば、やっぱりそれなりの出来になるのである。


RIOT V - Immortal Soul ★★★ (2011-11-08 21:50:03)

今回のケースを、全盛期のメンバーでの再結成と考えると、いろいろなヒントが隠されている気がする。
再結成する意味や意義、何故黄金期のメンバーでないといけないのか......そう、マジックは簡単に起こらないのである。

せっかく再結成や再活動したのに、当時のサウンドを軽視するバンドが、実は多い。
僕は、音楽性を変える事に関しては、別に反対ではない。
モダンさを取り入れる事にも、無論反対ではない。

しかし、その意味や意義を真剣に考える事無く、今の自分たちを単に表現しているバンドが多く、ファンを2重に裏切るケースも珍しくない。
真剣に考えた結果なら、いかなる内容でも納得できるが、大概の場合何かを勘違いしている事が多いのが現状である。

今回の新作を聞いて感じるのは、バンドの考えの純粋さからくる爽快感である。
例えこれが、彼らが真剣に考えた結果でなくても、それはいい。
この作品には、妙な計算が無い。
だから、全く濁りが無いのである。

ファンの方なら、一聴の価値は十分にあると僕は思う。
何か、心が熱くなる作品である。


RIOT V - Unleash the Fire ★★★ (2014-09-22 17:27:22)

このRIOTに関しては、僕の先輩でもあり友人に熱狂的ファンがいる。
今はHR/HMをほとんど聞いていないにも係わらず、KISSやこのRIOT、NIGHTRANGER等、一部のバンドだけは未だに追っかけている。
今でも彼らに、そんな魅力があるんだろうか.......僕は、ふと考える事もあった。
例えば、上記の3バンドにしたって僕は好きだけど、それ以上に好きなバンドが僕の場合たくさん居る。
だけど、それはきっと当時のインパクトが強く、それでいてバンド自身にまだまだ魅力がある証拠なのだろう。

この新作、確かに「Thundersteel」路線であり、①②⑥等狙ったとしか思えない展開の曲も多く、僕も大好きである。
マーク・リアリが亡くなり、トニー・ムーアも居なくなり、ボビー・ジャーゾンベクも居ない。
メイン・パーソンが不在になりながら、この完成度は僕も全く予想できなかった。
RIOTは、人の出入りが激しいバンドという印象が強かったけど、まさかここまでの作品が作れるとは正直思っていなかった。

しかし、忘れて欲しくないのは「Thundersteel」だけが、RIOTではない事である。
一枚のアルバムとしてのまとまりや哀愁感で言えば、僕は前作の方が上だと思うし、なんせアルバムに流れる空気感で言えば、やっぱり前作には捨てがたい魅力があったのも事実である。
前作とこの新作は、是非両方揃えて頂きたい。
この2枚を聴けば、彼らの魅力は十分に伝わるハズである。
そうすれば、過去を遡りたくなるに違いない......。


ROYAL HUNT (2012-01-08 21:49:14)

ホントに新作の出来は、素晴らしいですね。
アーティスト又はソングライターというのは、それぞれ得意分野があって、その分野に特化すれば、こういった作品が作れるワケですよ。
過去のいきさつを知っていると、D.C.の復帰はあり得ないと思っていたので、これは超嬉しい誤算ですね。
最高傑作という言葉が当てはまる、驚愕の完成度であると僕は思います。


ROYAL HUNT - A Life to Die For ★★★ (2013-12-01 07:05:28)

コンスタントに新作を出してくれる、彼らの新作は約2年振りである。
D.C.の復帰作となった前作は、はっきり言って自分の期待以上の出来だった。
今でもよく聞いているし、何度聞いても飽きるという感覚は生まれない。
彼らの最高傑作は「Paradox」であるという認識は変わらないけど、その作品に肉薄する完成度で、彼らがまだまだ現役バンドであるという感覚を持てた事が、何より嬉しかった。

D.C.の復帰した意味を考えれば、作風が大きく変わる事は無いと思っていたので、ある意味予想通りの作風である。
実は、購入してから結構聞いている。
でも、全体的にこれをどう評価したらいいのか、正直迷っていた。
僕は、あとだしジャンケン的な事は言いたくないので、出来る限り新譜のレヴューは早めに書こうと決めている。
幸い、自分的には最初の視聴の感想が、後々になって180度変わる事は滅多にないし、最初の感覚こそが結構大事であるという認識なので、そのスタンスに決めている。

前作は、「Paradox」路線に対するオマージュ色が強かった。
この新作も、路線は全く同じである。
しかし、そこに00年代以降の作品のエッセンスを注入して、アレンジ等に多少の変化を取り入れてあるので、そこが評価を難しくしている要因になっている。
前作を高く評価した人には、それが統一性の減退に写るかもしれない。
それをどう捉えるのかが、評価の分かれどころという気がする。

結論として、僕の評価は結構高い。
アンドレのソングライターとしての力量から考えれば、前作のパート2を作る事は難しくなかったのではないか。
むしろ、この新作を作る事の方が難しかった気がする。
結局、僕には彼の想いが強く伝わってきた。
まだまだ先はある......今後の期待感が膨らむという点においては、前作以上の手ごたえがある。

⑥みたいな楽曲、あるいは⑦みたいな楽曲で、次作は期待したい。
僕は、自信を持ってこの作品お勧めしたい。
彼らは、まだまだ現役である。


ROYAL HUNT - A Life to Die For ★★★ (2014-01-09 19:59:52)

B!誌におけるアンドレの発言には、改めて考えさせられるものが多く、問題の深刻さを痛感した。
先が見えない........これは、別に音楽業界に限ったことでは無いけど、どうやったらアーティストを救う事ができるのか.......難しすぎる問題である.......。

昔は購入していたCDを、何故今買えないのだろうか.........。
もう、アーティストを支える気持ちさえ無いのだろうか.........。
例え、音源が無料で確保できたとしても、そこには全く何も残らないのである。
崩壊と限界.......アンドレの発言は、一部の大物を除くほとんどのアーティストが直面している問題でもある。

この新作、僕なんかは素晴らしい出来であると思う。
こういった優れたアーティストが活動できる場所は、絶対に奪ってはならない......。
ファンであるなら、今こそ応援していただきたい........。


ROYAL HUNT - Cargo ★★ (2016-09-14 19:10:59)

メインは「パラドックス」の楽曲なので新鮮味はないけれど、このバンドの凄さや何故「パラドックス」が名作と言われるのかを理解するのには、いい作品である。
スタジオ・アルバムで聞いた方が、勿論サウンド等に繊細さを感じる事が出来る訳だけど、ライブで聞いてもその魅力が落ちない点は、今のバンドの実力の高さを暗に示している。

このバンドの作品を聞いていると、アルバムのセールスが作品の出来に比例しない事を痛感させられ、個人的には過小評価という言葉を最近強く感じるバンドの代表格でもある。

個性は大事であり、それはバンド自身の魅力を語る時、何物にも代え難いものである。
似たようなバンドを探しても見つからない.....これは、いつの時代にも重要な要素ではないだろうか。


ROYAL HUNT - Cast in Stone ★★ (2018-03-03 20:49:05)

現在の音楽シーンを冷静に分析すると、過剰な期待はアーティストにとって酷である。
そうは言っても、個人的な最低限というハードルを必要以上に下げる必要はない。

Ⅾ.Ⅽ.復活後としては、もう4枚目である。
僕個人の意見で言えば、路線を変えず一定のレベルを常にキープした作品を作り続けてくれる彼らには、感謝の気持ちしかない。
例え、少々楽曲の質が落ちようが、それがオヤッというレベルに落ちてない限りにおいては、それで十分である。
この路線は、そのくらい貴重なのである。

確かに、楽曲は少し弱いかな。
でも、全然合格点である。
僕にとっては、今でも貴重なアーティストである。


ROYAL HUNT - Devil's Dozen ★★★ (2015-08-31 17:32:15)

もしかしたら、もう新作は出ないのかも....と思っていたので、単純に新作が出て嬉しかった。
しかも、予想以上に早くリリースしてくれた事には、感謝の気持ちでいっぱいである。

内容に関しては、前作、前々作の延長線上であり、これらを3部作と呼んでもいいぐらい、どの作品も質が高く統一性もあり、僕は大好きである。
アンドレ・アンダーセンの作るこの世界観は、他の人では真似が難しく、似たようなバンドを必至で探したとしても、見つからないレベルだと僕はずっと思っている。
だからこそ貴重であり、できるだけ長くロイヤル・ハントを続けてもらいたいと切に願うばかりである。

一時期の低迷が嘘のような、大活躍である。
彼らを評価するなら、今しかないのである。
僕にとっては、今こそ黄金期である。


ROYAL HUNT - Devil's Dozen - Until The Day ★★★ (2015-09-16 21:46:36)

とにかくドラマティックなナンバーで、この作品で一番好きな曲である。
こういった作品が、正当な評価を得られない今の日本の市場って...。
ロイヤル・ハントに期待するもの...それが、新作には詰まっている。
変化を期待しないし、このままで変わらないで欲しい。
変わらない事の偉大さを、最近の彼らには強く感じる。
貴重なバンドである。


ROYAL HUNT - Moving Target ★★ (2009-10-26 17:37:00)

北欧のバンドというと、突然変異のように名作を作ったかと思えば、突然音楽性を変えてファンを裏切るという行為も少なくない。
安定性という点では、なんとも不安定というのが、昔からの僕の印象ではある。
だからこそ、こういったバンドは貴重でもあるし、頼りがいがあるのである。
僕は「FEAR」までの作品は、どれも好きである。
作品にみなぎる緊張感と透明感は、他のバンドを圧倒している。
当時から、こういったサウンドのバンドは、いそうであまりいなかった。
現に、今似たようなバンドを探しても見つからない。
こういう奇をてらわないで、個性のあるバンドが、僕は好きである。
メロディック・デスやデスラッシュ系、エクストリームメタル系には80点ぐらいの作品は腐るほど存在する。
似たようなサウンドがやたら多い事に、そのジャンルが好きな自分でさえ気がつく。
ある意味、ごまかしが効く。
しかし、ロイヤル・ハントのようなサウンドで80~90点の作品を探すのは、困難極まりないのが現状である......。
そういった意味でも、この個性は凄く貴重である。


ROYAL HUNT - Paradox (2017-04-19 05:23:25)

もし自分が時代を問わず、HR/HMというジャンルの中で10枚を選ぶとすれば、この作品は間違いなく入ってくる。
それぐらい気に入っているし、いつ聞いても何度聞いても精神が高揚する感覚が今でもある。
世間的に言えば、彼らより偉大なアーティストはいっぱいいる。
セールス的に見ても、それは同じである。

でも、そんな事は大事なことではない。
個人の感覚は、変わる事もあるけど、基本そんなには変わらないものである。

僕は80年代から、ずっとHR/HMを聞いてきた。
それは音楽性は勿論、このジャンルこそが、時流に流されない拘りの強さを最も強く感じたからである。
また、バンド内の人間模様も危うさを含みながらも、ある意味魅力となっている。

アルバムを最初から聞いてきて、本編最後を締めくくる⑧のイントロが流れて来た時、何とも言い難い感覚が今でもある。
それを言葉で表現するのは難しい......。

名盤とは、何回聞いても色あせないものである。
そして、緊張感がある。


ROYAL HUNT - Show Me How To Live ★★★ (2012-01-07 20:20:06)

1st~「FEAR」までの作品の出来は、正直凄かった。
個人的には、90年代というHR/HM界の冬の時代を埋めた貴重なバンドとしての認識が高く、だからこそ煮え切らない作品を出し続けても、ずっとアルバムを購入してきた。

「COLLISION COURSE」が、やはり分岐点だった気がする。
楽曲的には弱かったけど、何より統一性が戻った事が今後にプラスの効果を生むと僕は思っていた。
そして、前作である。
楽曲の出来やトータルバランスから言えば、「FEAR」以降の作品では僕は一番気に入っていた。
でも、これでも昔の作品と比較すれば、比較の対象ではなかった.......。


D.C.を迎えての原点回帰.......期待感はあったけど、誰がここまでの作品が作れると予想出来たであろうか。
個人的には、奇跡の復活という言葉で表現したい。
作風も楽曲も、黄金期に一番近い。
時代のブランクを感じさせない、あの「MOVING TARGET」「PARADOX」路線である。
全7曲という点に、物足りなさを僕は感じなかった。
それは、楽曲の出来が非常に良いからである。
平均点のような無駄な楽曲は、そもそもアルバムに必要は無いのである。

それにしても、これはいい。
D.C.のVo.も、以前より魅力的だし、マジックがここに存在している。
アンドレのソングライターとして実力は、やっぱり凄い。
昔の、あの黄金期を知るファンなら、買って損は無いと僕は断言する。


ROYAL HUNT - X ★★ (2010-02-26 17:30:00)

僕は前作で、ようやく本来の姿に戻ってきたという感じがした。
楽曲的に見れば、もうひとつというか、正直に言えば弱いと思ったけど、方向性としては良い方向に向かっていると感じた。
この新作は、恐らくそんな悪くはないだろう...という予想のもと購入した。
まあ、オリジナルは全部持ってるし......。
70年代的という言葉は、特に気にする必要はない。
これをわかりやすく解釈すれば、初期のような雰囲気に戻すという事で、前々作まで続いた近代的アレンジからの脱却という言葉に表現できる。
楽曲的には、最近の彼らに最も近く、個人的に好きな初期2枚や「FEAR」みたいではない。
しかし、集大成的な要素も多分に含むので、彼ららしい良さが所々に感じる事ができる。
個人的には、前作、前々作、前々々作よりも好きである。
もう少し、メロディに泣きがあっても良かったが、それは贅沢な注文かもしれない。
ファンの方なら、合格点の出来であると思う。


RUBICON CROSS - Rubicon Cross ★★ (2014-05-22 15:53:17)

FIREHOUSEの1st~「GOOD ACOUSTICS」までの作品は、結構聞いた記憶がある。
ただ、それ以降の作品となると、ほとんど印象に残っていないというのが現実である。
でも、オリジナルは一応全部持っているので、好きなバンドである事は間違いない。

CJスネアという文字がなければ、もうこの手のバンドを積極的に追いかけるという姿勢が、僕には無い。
例えその出来が少々良かったとしても、その中身は大体予想できる訳で、余程の理由がない限り、僕の場合
購入の理由にはなりにくい。

この作品、なんとも言いづらいバランス感覚の上に成り立っている作品である。
このバンドが一体、どういう方向に向かおうとしているのかが、実に判りにくい。
結局、CJのVo.とバンドの音楽的な方向性が何ともミスマッチで、それでいて面白く、それがある意味このバンドの特徴にもなっていると思うけど、摩訶不思議なサウンドを形成しているように僕には映る。
勿論FIREHOUSE的な要素もあるし、キャッチーさもあるので、楽曲自体に不満はない。
個人的に一番のウリは、CJの元気なVo.が、キャッチーさのある楽曲で聞けるという点である。
やっぱりこういった楽曲に映えるCJのVo.は、いいね。
本音を言えば、こういう楽曲を本家で聞きたいというのはあるけど、僕にとっては合格点である。

⑥~⑧なんかは、古き良きFIREHOUSEの姿が垣間見えるハズである。


SAIDIAN - For Those Who Walk the Path Forlorn ★★ (2009-06-30 17:09:00)

このバンドが、今後の時代を切り開くとか、期待の新星であるとか、そういう表現は的ハズレでアレだけど、無視をするには何かもったいない良さがあったりする。
こういったポップでちょっと湿っぽいメロディがあって、良い意味でB級くささがあるバンドというのが、僕は好きである。
新作も発売されたけど、僕が一番好きなのがこれである。
音楽性はロイヤル・ハントに近くネイションのクサさも同時に併せ持つ。
こう表現すると、知らない人はオイオイ凄いバンドではないかと思うかも知れないけど、決してそれらのバンドを上回ってはいないので、あくまでB級レベルである。
でも、日本ではもっと人気があってもいい気はする......。
作風に変化は乏しく、似たような楽曲が多いが、そこが逆にマニアにはたまらないかも知れない.....。


SCORPIONS - Crazy World ★★ (2010-02-07 13:47:00)

この作品に関しては、当時の売れっ子の力を大胆に取り入れた為、よりアメリカナイズされた乾いたポップな楽曲によって構成されている。
それでも、らしさを失わず、一枚の作品としても完成度は高い。
1曲1曲を単体として聴いても、キャッチーさがあるので、印象に残りやすいナンバーばかりである。
線で捉えれば、歴史上浮いた作品ではあるけど、楽曲の力強さはトップクラスである。
2曲のバラードも出来が良く、いい意味で80年代の香りがする作品である。


SCORPIONS - Face the Heat ★★ (2010-02-09 17:15:00)

ヘヴィな「エイリアン・ネイション」を1曲目にもってきた事が、逆にマイナスに働いているかもしれない作品である。
それは、1曲目の印象が強すぎるからである。
時代背景を考えれば、市場も変わり始めた頃で、ある意味その影響がミックス等に表れている。
しかし、個別に楽曲を見ていけば、出来は悪くなく、アレンジも細かくされていたりする。
強いて文句を言えば、後半の楽曲が多少弱く、キャッチーさという点でも、多少足りないかも知れない。
でも、バラードの出来は良く、前作同様アメリカンの要素を多く含む作品である。
安定感のあるバンドらしく、一定基準は軽くクリアしている。


SEBASTIAN BACH (2014-04-20 20:16:44)

今年発売された作品の中では、新作が僕の中では圧倒的No.1である。
全体的に小粒の作品が多いという現実はあるけれど、それなりのスタッフで意図して作品を作れば、やっぱりこういった「そのアーティストらしい作品」は出来るんだという事を再確認できたという意味においても、この新作は案外貴重な気がする。
純粋な意味でのアメリカのHR/HMシーンは、もう無いに等しいレベルという存在感になってしまっているけど、こういった楽曲で勝負できる新人に是非登場してもらいたいものである。

アメリカの新人は、なんでこういった作品を作らないんだろう。
もういいでしょ、メタルコアは......。
似たようなバンドばかりだし......。


SEBASTIAN BACH - Give 'Em Hell ★★★ (2014-04-12 19:15:58)

オリジナルとしては、約2年半振りという意外にも早くリリースされた新作。
前々作、前作そして今作と音楽性には、あまり変化がない内容に仕上がっている。
ここまで来ると、バズのやりたい音楽性が一貫している事がはっきり分かる。
例え誰と組もうと、どんな楽曲であろうと、その仕上がり具合には終始一貫したものがある。
80年代の要素もあるし、90年代以降のオルタナ的要素もあるし、そこにモダンさやバズ独特の歌メロが乗っかってくる事によって、彼独特の世界観が形成されていて、それが今は心地よさを凄くもたらしてくれる。
例えば、スキッド・ロウみたいなキャッチーな楽曲やメロディを重視した楽曲を期待したとしても、当の本人にはそれがCOOLなことではない事が、この3作品を聞いているとよくわかる。
個人的には、ブレない事を評価したいし、懐古主義でない所も好感が持てる。

この新作、曲によっては「セインツ~」を経過した今のモトリー・クルーがやってもおかしくないような楽曲もあり、バラエティに富んでいる。
こう書くと、マイナスイメージをもたれるかもしれないけど、そんな事は無く全体の完成度は前作以上である。
僕はもう何度も聞いているけど、前作同様繰り返し聞きたくなる魅力がある。
バズのVo.は、やっぱりいい。


SEBASTIAN BACH - Give 'Em Hell ★★★ (2014-12-30 18:46:04)

結局、僕が選んだ2014年のベスト・アルバムはこの作品である。
楽曲の完成度、アルバムの統一感も申し分なく、古き良き時代を感じさせながらもモダンさも忘れていない、そのバランス感覚も僕の中では圧倒的No.1であった。
こういった比較的ポップでノーマルなHR/HM作品を、ベスト・アルバムに選んだのもかなり久しぶりな気がする。

バズの発言には昔から考えさせられるものが多く、その単刀直入さはちっとも変っていない。
わがままであり問題行動も多かったけど、こういった人はやっぱり貴重であると思った。


SEBASTIAN BACH - Kicking & Screaming (2011-10-02 06:31:28)

個人的には、かなり楽しみにしていた新作。
結論から言えば、厳しいけど78点である。

前作でも感じた楽曲の弱さは、この新作で一層目立つ形となった。
誰でも感じると思うけど、何故力のあるソングライターと組まないのか.......。
せめて、プロデューサーだけでも、曲が書ける人にして欲しかったなあ~というのが、本音である。
楽曲にツボが無い。
方向性的にはシンプルになって、僕は嫌いではない。
でもこれでは、何かもったいない。

ROY Zは、やっぱり優秀だったのである。
バズがVo.でなければ73点である。
こうなると、やっぱりバズありきのスキッド・ロウがいかに魅力的だったのかが、逆説的に証明された結果となった。


SEBASTIAN BACH - Kicking & Screaming (2014-04-08 15:21:28)

発売当時はあまり印象が良くなかったけど、この作品実は結構聞いている。
結果的に、前作よりも聞いた回数は断然多い気がする。

僕は未だにスキッド・ロウの作品をよく聞くし、バズのソロ作品も定期的によく聞いている。
何か言葉では表現したくない魅力が、バズのVo.にはたくさんある。
当時は、このシンプル過ぎる作風やメロディの少なさ等に注目がいってしまって、気が付かなかったけど、裏を返せばバズのVo.を堪能するのには、この作品実に良いのである。
空間を多く残してある事で、楽曲の輪郭がクリアであるし、統一性のある作風にも今は好感が持てる。
当時は、期待している作風とかなり違っていた為に納得がいかなかったけど、今は密かにお気に入りの作品となっている。
この布陣で、特にニックとのコンビで、もう1枚聞いてみたかった気が今はかなりする。

アルバム後半は、若干弱い。
ただ、このアルバムの楽曲は、絶妙なバランス感覚の上に成り立っているものが多いので、かなり特徴的である。
オルタナっぽいし、今風でもあるし、良い意味での古臭さも同時にある。


SHADOWS FALL ★★★ (2012-10-01 14:44:50)

最新作「FIRE FROM THE SKY」を、聞いてみた。
結果的に、彼らのアルバムはずっと購入してるけど、相変わらず演奏面は素晴らしい。

僕にとって、彼らはどこか垢抜けない所、言い換えればB級臭さが魅力だったりするけれど、この新作今までで一番メジャー感が強い作品に仕上がっている。
楽曲も比較的バラエティーに富んでるし、それでいてまとまりもある。
またエッジが効いているというか、楽曲の輪郭もはっきりしていて、一回りスケールアップした感じが何とも頼もしい。
これで、ようやく彼らも正当な評価が得られそうである。

このバンド、もっと楽曲の幅を広げても面白いと思う。
実力的には、結構高いバンドである。
ファンなら、買って損は無いと断言できる完成度である。
いい。


SHINEDOWN ★★★ (2012-04-07 21:24:40)

最新作「Amaryllis」は、ビルボード初登場第4位である。
これに関しては特別に何も感じないけど、この作品予想通りの出来である。

音楽性は多少違うけど、ニッケルバックをも超えるサウンドのキャッチーさには磨きがかかり、ロック色は薄くなったものの、もう完全にナショナルチャートで戦える作品に仕上げてきている。
元々曲作りは上手いバンドだけど、ミディアムナンバーを中心にした構成にも全く抜け目は無い。
それにしても、シングルカット出来るナンバーが数多く、これは凄い完成度である。

HR/HMファンの立場で聞くと、ソフト過ぎるという感想も聞かれそうだけど、今現在この手の中ではトップのバンドであると僕は断言したい。
音楽業界の評判も高く、それは言い換えれば楽曲の出来がいいという証明でもある。

そこらへんのバンドには書けないキャッチーな楽曲がズラリの並ぶ、安心感のある作品である。


SHINEDOWN ★★★ (2015-07-26 05:49:17)

待望の新作から新曲が公開されているけど、これがまた彼ららしく良い出来である。
前作「Amaryllis」は、楽曲の完成度から言えば、文句のつけようがなかった。
収録曲の8割ぐらいがシングルカットできそうな楽曲のキャッチーさは、他のバンドでは絶対に再現できないレベルである。
それにしても、このバンドのソングライティング力は正直凄い。

この新曲も、実に彼ららしい。
楽曲の幅が広いというか、器用というか、このバンドの強みは、楽曲をキャッチーに仕上げられるその巧みな腕にある。

人の心を惹きつけるキャッチーな楽曲が書けるのに、さまざまな理由でそれを放棄してしまうバンドも多いけど、それがいかに魅力的な事かが、このバンドの楽曲を聞いていると強く感じる。


SHINEDOWN - Attention Attention ★★★ (2018-05-06 11:41:04)

大雑把に言えば、HR/HMという要素は4thあたりから薄くなっている彼らの新作。
前作と比べれば多少の揺り戻し感があるものの、もはやメインストリームの王道を行くバンドに変貌している。
これはこの手のバンドの流行りでもあるし、自然の変化に近い気がする。

そりゃあ、僕なんかは3rdあたりに戻してもらいたい気持ちが強いし、ポップな面よりもロックな面を強調してもらいたい。
だけど、楽曲自体は良く出来ているし、前作よりも強力である。
勿論、一般のHR/HMファンにも通じる楽曲のレベルの高さはあるし、最低限のロック的アプローチはある。
ワイドに活躍しようとすればまあこうなるわけで、言い方を変えれば、トップ40もののファンにも通じるソングライティング能力があるという事でもある。

これは、これでいい。
マイナーチェンジを繰り返しながらも、キャッチーさは決して忘れない。
「誰が聞いても心地良い。」
これが、今の彼らの最大の魅力である。


SHINEDOWN - The Sound of Madness ★★ (2010-06-14 15:19:00)

2年前に発売されながら、未だにシングルカットされた曲がヒットしている彼らの最高傑作である。
同系統のバンドで言えば、ニックルバックやドートリー辺りになると思うが、この作品はそれらのバンドと比較しても、決して負けない強力な楽曲がズラリと並ぶ驚異の完成度である。
メロディーにもツボがあり、適度にキャッチーで適度にロックという、ラウドロックバンドとしてはある意味、理想形でもある。
③は大ヒットを記録し、今ミディアムナンバーの曲を書かせたら、ニッケルバックをも上回る勢いがある。
それにしても、この完成度はすごいよ。
80年代のHR/HMサウンドが好きな人や、ニッケルバックあたりが好きな人にもお薦め。


SHINEDOWN - Threat to Survival ★★ (2015-10-06 19:05:52)

前作から約3年半振り、通算5枚目のオリジナル・アルバムである。

前作は、とにかく楽曲がキャッチーであり、そのレベルはこの手のバンドの中でも群を抜いており、彼らの最高傑作であると思った。
このバンドの最大のライバルは、立ち位置が似ているニッケルバックであり、ソングライティング力で言っても僕は完全に上回った気がした。

彼らは、作品毎にマイナーチェンジを繰り返している。
よって、意識的に狙っている所も前作とは違っている。
一般のHR/HMファンにとっては、ダイナミックさを前面に出した3rdあたりが一番ウケがいいと思うけど、前作そして今作は残念ながらHM/HM色は薄れている。
特にこの新作は、楽曲の骨格が所謂トップ40ものに近くなっているので、大衆性は増しているけど、SHINEDOWNのキャッチーなロック部分が好きな人にとっては、少しキツイかなという内容に仕上がっている。
個人的にも、今風になりすぎている楽曲には、多少の不満はある。

とは言っても、一枚のアルバムとしての完成度は高い。
決して、落胆するような仕上がりではない。
でも個人的には、この路線に走って欲しくない。
1st、3rd、4thが、僕は好きである。


SIXX:A.M. - Prayers for the Blessed ★★★ (2016-11-20 21:48:14)

早くもというか、予定通りというか、4月に発売された前作と対をなす新作の登場である。

このバンドのサウンドには、いろいろな要素が組み込まれているけど、あくまでもHR/HMバンドとしての立ち位置からのアプローチになっているので、そこが面白い。
楽曲は、ドラマティックであり、メランコリックであり、シアトリカルであり、ダイナミックである。
またオールド的な要素を含みながらも、あくまでもモダンさを基本に置いているので決して古臭くなく、そこが比較的若いファンの心を捉えているのだと思う。
これだけ、いろいろな要素を盛り込みながらも散漫にならず、印象的に仕上げられるその巧みな技は、他のバンドでは味わえないものであり、このバンドの絶対的な魅力となっている。

前作もいいけど、今作もいい。
つわもの達がちょっと本気を出せば、こういう結果になるという見本である。


SIXX:A.M. - Prayers for the Damned ★★★ (2016-05-05 18:49:33)

前作との比較で言えば、良い意味で一般のHR/HMファンにアピール出来る作風に戻った感じがする。
とは言っても、あくまでも2ndや3rdの延長線上にあり、劇的な変貌を遂げているわけではない。
1stは今でもよく聞くけど、やっぱり1stは異質な感じがする。

そもそも僕はニッキーが参加していて、それがモトリーとは全く違うサウンドであり、しかも若いファンに支持されていて、ロックチャートでも健闘している所に惹かれたわけであり、音楽性自体に変更がない点は嬉しかった。
3人のメンバーは、ソングライターでもあり、各々プロデューサー的な立場もできる訳であり、そういう所もマニアの心を惹きつける。
この新作なんて、実に絶妙なバランスで成り立っている楽曲で構成されていて、真似しようと思ってもなかなか真似できない仕上がりになっていて面白い。

一見ニッキー色は薄いけど、サウンドの繊細さに彼の貢献度は高い気がする。
僕は2ndや3rdよりも好きであり、1stよりもこのバンドの魅力が出ているように思う。
ある意味、不思議な魅力がある。


SKID ROW - 40 Seasons: The Best of Skid Row ★★ (2009-05-04 17:39:00)

どちらかと言わないまでも、この選曲には不満がある。
でも、⑩~の楽曲を聴くために、たまに引っぱり出す作品である。
僕がベストを持っているアーティストは案外少ないし、デモ音源等のブート物を持っているアーティストもそんなには多くない。
でも、スキッド・ロウは、何でも欲しいアーティストの一つであった。
3rdの楽曲は、時流に迎合はしているが、ライブで聴くとかなりカッコイイのである。
バズがいない作品、バズがいないライブに、僕は全く興味がない。
それは、バズがいたときのライブを見た人にしかわからないのかも知れない。
バズのライブにおける存在感は、一流である。
⑩~は、音源としても貴重かもしれない。


SKID ROW - Slave to the Grind (2013-11-27 06:53:26)

個人的には、バズが居た3rdまでしか好きではない。
しかも楽曲的に見れば、1stの方が圧倒的に好きではある。

00年代以降、80年代型のキャッチーなHRをオマージュしたようなバンドが出てきてはいるけれども、このスキッド・ロウに近いバンドは出現していない。
特別に変わった事をしている訳ではないけれど、再現しにくい要素を多分に含むバンドである。
この作品が発売された91年......実は、微妙な年である。
アメリカの音楽シーンが、変わり始めてはいるものの、まだ大物バンドによって支えられていた感はあった。
後に大物バンドまでその波にさらわれていく事になるけれど、当時は今後が楽しみなバンドの代表格であった。

実は1st~3rdまで、作風は全く異なる。
でもらしさは健在であるし、楽曲の出来もいい。
最近のバンドは、変化を嫌う傾向が強すぎるし、冒険心が無さすぎる。
時流に流されるのではなく、流行りの要素を逆に利用するという様な、したたかさがあってもいいのではないか。
ステップアップしたいという欲求が、あまり感じられないバンドばかりである。

細分化されすぎているシーンにも問題があるけれども、その壁を乗り越えてくるようなバンドじゃないと魅力が無い。
楽曲の出来はなかなかでも、特徴がないバンドにはもううんざりである。


SKILLET - Awake ★★ (2010-01-30 22:37:00)

クリスチャン・ロックバンドとしては、圧倒的な人気を誇る彼らの新作。
また、コアな熱狂的ファンが多いバンドとしても有名である。
楽曲はあくまでもドラマティックで、ツボを押しまくるタイプのバンドである。
僕は前作を、その年のベストアルバムに選んだけど、今でもかなり聴いていたりする。
その前作に、どこまで迫れるのか.....に、個人的には注目していたけど、やはりこのバンドは抜け目が無い。
楽曲を個別に見ていけば、前作の楽曲を超える楽曲も多数収録されていたりする。
個人的なお気に入りは、①④⑥等。
それにしても、ここまでドラマティックな楽曲を書ける才能は、圧巻である。
楽曲の出来が、とにかくいい。
僕は前作の方が好きだけど、この新作もかなりの出来である。


SKILLET - Comatose ★★★ (2016-08-25 18:35:51)

個人的には、このバンドの最高傑作である。
とにかく、06年~07年にこの作品を聞きまくった記憶がある。
日本ではクリスチャン・ロックと言っても、??の人も多いだろうけど、この作品で彼らはそういう枠組みに収まり切れない存在となった。

この作品からは、8曲ものシングルが生まれたけど、とにかく楽曲の出来がいい。
今の彼らの転機となった作品でもあり、このバンドのソングライティング力を是非確かめて頂きたい。

僕は今でもよく聞くし、このバンドの音楽性が大好きである。


SKILLET - Rise ★★★ (2013-06-26 18:45:00)

真価が問われる、前作から約4年ぶりの新作である。
「やっぱり、こうなるのである。」

良かった......。
時代の逆風を受けながらも、前作はアメリカで大ヒットを記録した。
彼らの場合、作品を発表する毎に、順調にセールスを伸ばしてきている。
勿論、ファンも確実に増やしている。

彼らの分岐点は、楽曲にドラマティックさとキャッチーさが増した「Collide」にあると思うけど、特に前々作、前作、そしてこの新作は3部作と言っていい程、完成度が高い。
この新作の作風を、どうするのか......。
前作が大ヒットを記録して、約4年という歳月......どういう舵取りをするのか。
僕は、この点に注目していた。

さすが、である。
やっぱり、こうなるのである。
コンセプト・アルバムであるという事実は抜きにしても、ドラマティックさを過去2作品とは、違う角度から追及したこの作品、実に奥が深い。
前進しようとしているから、同じにはならないのである。
勿論、前作のパート2という選択肢もあったハズである。
だけど、実力のあるバンド程、同じ事は避けたがるのである。

この新作、一見では静と動のコントラストが明確であった、前作よりは地味に感じるかもしれない。
だけど、奥深さやアーティスティックさで言えば、はるかに上である。
もしかしたら、僕が一番好きな「Comatose」をも上回る出来かもしれない。
期待はしていたけど、それをいい意味で裏切る出来である。

この作品で、僕は彼らを一層好きになった。
とにかく、楽曲がよく練られている。


SKILLET - Unleashed ★★★ (2016-08-05 20:10:55)

う~ん、なるほどね......。

ようやく、日本での知名度も少し上がってきた感じがする、彼らの約3年ぶりの新作である。
僕は先行シングルの①しか聞いていなかったけど、正直弱いなと感じていたし、新作の出来が多少不安であった。
ここ数作品に限って言えば、楽曲自体にもあまり変化が無く、逆に言えばそこが良かったんだけど、そろそろ目先を変えてくるのかなと予想していたけど、まあそんな感じである。

そうは言っても、音楽的な方向性に変化はなく、ファンが戸惑うような作風では決してない。
今流行りの要素を取り入れつつ、幅を少し広げた感じである。
前作や前々作にあった、強烈なキラーチューンは見当たらないものの、更に前進しようとするその姿勢の表れが、この作風であると僕は分析する。

変化のタイミングも、ベストである。
例えば④や⑫みたいな楽曲を増やして、前作や前々作の延長線上という選択肢も勿論あったハズである。
だけど、そうしない......。
だから、僕は好きである。


SLASH ★★ (2012-06-04 18:18:56)

新作「APOCALYPTIC LOVE」を聞いた。

こういった作品は、スラッシュに特に思い入れが無い人が聞いたとき、どう感じるのかかが案外キーポイントになると思うけど、僕は結構好きですね。
勿論ガンズの1stやVRの1st程のキャッチーさはないし、とにかくシンプルなR&Rなので、ゴージャスなサウンドが好きな人には、イマイチという評価を受けそうな気もするけど、楽曲は渋い曲も多いけど結構良い出来だと思います。
⑧みたいな変化のある分かりやすい楽曲がもう少しあってもいいと思うけど、やっぱりこのアルバムの中心はその部分ではないので、僕はよく聞いてますよ、この作品。

スラッシュ......やっぱり、良いコンポーザーですよ。


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - World on Fire ★★★ (2014-10-23 16:09:49)

本国アメリカのラジオ局でのオンエアも好調で、特に今の若者にも支持があるという点が先ず凄い。
過去の人ではなく、未だに現役感バリバリの活躍度は、何とも頼もしい。

僕は前作を高く評価してるけど、この新作はそれを2回りぐらい上回る出来である。
とにかく楽曲はキャッチーであり、Slashのコンポーザーとしての実力の高さを証明する力作に仕上がっている。
それにしても、収録曲の中にはリズムやテンポを少し変えてアレンジに多少拘れば、GUNSやVRの楽曲と比較しても全く引けをとらない曲もあり、やっぱりSlashは凄いと言わざるを得ない実力の持ち主である事に気が付く。
その中でも、ソングライターとしての実力がまだまだ健在であり、今の若いバンドと比較しても決して古臭く感じないそのセンスに脱帽である。

とにかく楽曲の出来がいい。
曲作りの上手い人って、それだけでも十分魅力的なのに、彼は人間的にも魅力的である。
マイルズも、貴重な存在感である。


SLAYER (2013-11-25 14:37:30)

ジェフの件があり、実は今年最も聞いた回数が多かったアーティストが、このスレイヤーである。
新譜が発売していないにも、関わらずである......。
TRIVIUMの作品もかなり聞き込んだと思うけど、それでも圧倒的に多かった気がする。
スラッシュというジャンルの中でも、僕にとっては何故か彼らは異端であり、最も正統でもある。

四天王の中でも、音楽性をほとんど変えず、それでも圧倒的な存在感を誇るというのが、彼らの強みである。
僕は、00年代に入ってからの方が、彼らの作品をよく聞いている。
それは、00年代の作品の方が好きという事ではなく、年々彼らの凄味を感じるようになったからである。
結局オリジナルは、全部持っている。
しかも、どの作品もまんべんなく聞いている。
それは、アルバムの平均値が高い事を意味しているのである。

今時の新人バンドにはあまり感じない威圧感を、今でも感じる貴重なバンドである。


SLAYER - Decade of Aggression: Live ★★★ (2012-12-05 19:51:30)

80年代と90年代に、僕はライブに足を運んだアーティストがそこそこ居るんだけど、何故かあまり記憶に残っていなかったりする。
当時はライブに行けば、必ず何かは買っていたので、そのアイテムも結構あったりする。
でも、パンフを見ても思い出せないというか、不思議なくらい印象に残っていないアーティストの方が、圧倒的に多い。
だけど、その中にもしっかり記憶に残っているアーティストも居る。

このSLAYERなんて、当時は特別ファンって訳ではなかったけど、印象に残っている。
友人に誘われて見に行ったと思うけど、それでもその熱気は覚えているから不思議である。

このバンドはやっぱりライブの方が、楽曲が輝く。
テクニックもさることながら、その威圧感が半端ではない。
恐らく、この作品か「SEASONS~」を一番聞いてると思うけど、何度聞いても良いものは良い。
同じスラッシュではありながら、メロディで惹きつけるメガデスとは全く違う良さが、Slayerにはある。

時代のエッセンスを多少作品に取り込みながらも、基本は何も変わらないバンドである。
そこが、いい。


SLAYER - God Hates Us All ★★ (2015-09-13 17:44:07)

当時聞いた時も今現在聞いても、モダンさが強調されている印象が強い作品である。
とにかく、うねるサウンド、ヘヴィ・ロックが猛威を振るっていた時代性の影響を受け、内省的で激しい。
でも彼らの場合、基本の範疇は決まっていて、どこに比重を置くかによって変わる範囲は意外に小さく、それ故芯はぶれないという特徴を持つ。
スラッシーなのが良いのか、こういうヘヴィさが良いのかは、人によって変わるだろうけど、僕なんかはそれがこのバンドの特徴だと思っているので、らしい作品だと思う。

良い意味でやかましく、しつこい作品である。
今聞いても古臭さは、意外に感じない。
また、モダンさは多いけど、作品の変遷で見ても、違和感は感じない。
やっぱり、基本はブレていないのである。


SLAYER - Repentless ★★ (2015-09-14 16:54:26)

00年代以降の作品で言えば、時代性の影響が強かった「God Hates Us All」から、前作「World Painted Blood」に至るまで、80年代への回帰の方向に向かっている様に、個人的には感じた。
そうはいっても、それは極端ではなく、単にモダンさが薄れていっただけかも知れない。

ジェフが亡くなり、サウンドがどう変わるのか心配していたけど、その変化は確かに感じるんだけど、楽曲は総じて良く出来ており、サウンドプロダクションも良く、そのダメージは最小限に抑えられている。
例えば、SLAYERというバンドに特別に思い入れがない、モダンなスラッシュ・メタルが好きな若い人にとっては、00年代以降の作品で言えば、圧倒的に支持されそうな作風である。
この変化は、近年のACCEPTと何か似ていて、昔は昔で良かったんだけど、今は今で良いよねといった感じである。
それに、一枚のアルバムとして、ここまで整合感を感じた事は、最近では無かったかもしれない。

良い意味での安っぽさは無くなったけど、楽曲には新鮮味もあり、聴き応えは十分ある。
これはこれでいい、というのが僕の感想である。
そりゃあ、寂しさはあるけどね。


SLAYER - World Painted Blood ★★ (2009-12-09 06:44:00)

彼らの場合、モダンさを取り入れたりすることはあるけれど、基本的には芯がぶれないバンドであるために、常に安心感がある。
どの作品を聞いても、それなりに説得力があり、ハズレ的な作品もない。
僕の場合、彼らに変化を期待していないので、この作品も期待通りの内容である。
細分化が進みながらも、複雑になりつつあるHR/HMシーンにおいても、一聴すれば彼らだと分かる、このわかりやすい個性こそがスレイヤーの強みである。
楽曲もいいし、皆さんの高い評価も納得である。


SLIPKNOT - .5: The Gray Chapter ★★★ (2014-10-22 06:56:48)

1st~最新作に至るまで作品の変遷で言えば、彼らの場合理にかなっていると僕は思う。
1stや2ndの音楽性の維持に関しては、例えどんなバンドであっても難しいのではないだろうか。
僕はそれを終着点とか限界点という言葉で表現するけど、同じ路線でそれ以上の作品を作るのが難しいと言える程の限界を極めてしまうと、違った角度から攻めるという方法論しか残らないのである。

この新作、確かに過去の集大成的な作品になっていると思う。
1st~4thまでの要素がしっかり入っているし、それでいてサウンド的に言えば前作からの流れの上に成り立っている。
楽曲的に言えば、メインとなるソングライターが変わってきている事もあり、初期と言うより最近の彼らの方に近い。
だけど、意識的に初期の雰囲気を取り戻そうとしているのは明確で、だからこそ作品に凄味があり威圧感がある。
よくSTONESOUR的という表現を見かけるけど、それは楽曲にわかりやすいツボがありキャッチーさがある事だと思うので、僕はむしろ好意的に受け止めている。

①~③が助走であり序奏部分、そして④~の本編は一気に駆け抜けるという構成だと僕は思っている。
あくまでも、存続意義を考えた上での作風になっている点は、評価できるポイントではないだろうか。


SLIPKNOT - All Hope Is Gone ★★★ (2014-11-10 20:42:47)

個人的な感想で言えば、3rdアルバムは消化不良的な感じがして、楽曲的にも難解なものが多く印象に残るものが少なかった。
メンバー自身がどう語ろうが、個人的にはこの4thで彼らに対する興味が持ち直した感があった。

僕は最近のSTONE SOURの音楽性が気に入っているので、そういう感想になるのかも知れないけど、オルタナ・メタル感が増した所も、キャッチーな要素が増えた所も好意的に受け止めている。
彼らの場合、時流に流されている感は全くしないものの、自然にその要素は組み込まれているように思う。
結局、音楽性に多少の変化はあるものの、バンドの本質的な部分にはあまり変化は無いように思う。
作品毎のカラーと言う意味では、彼らの場合どの作品も違う訳で、そういった努力や姿勢がもっと評価されてもいい気がする。

新作も出たけど、僕は同じくらいこの作品が好きである。


SOILWORK (2012-12-20 14:21:08)

待望の新作から、リーダートラックのオンエアが始まっている。
2枚組といい、ジェンズ・ボグレンのプロデューサー起用といい、音を聞かなくても彼らの新作に対する意気込みが十分に伝わる、嬉しい誤算である。

僕は「SWORN TO~」までは、新作を出すたびに好きになっていた。
前作「THE PANIC~」も出来自体は悪くなかったと思うけど、正直にいうと楽曲がキャッチーでない点に、多少不満を感じていた。
というより、結果として彼らに対する熱が、初めて少し下がった作品になった。

新曲が聞きたくてたまらない。
でも、敢えてまだ聞いてない。

キャッチーでありながら、「THE PANIC~」とは違ったアグレッシブさがあれば、僕の中では完璧である。
是非、他のバンドに流れたファンを取り戻してもらいたい。
ピーターは抜けたけど、ソイルワークというバンドの底力を見せつける内容であって欲しい。
また、亜流バンドに、力の差を見せつけて欲しい。


SOILWORK - Beyond the Infinite ★★ (2016-08-14 00:13:45)

間もなく発売されるレア音源集に、このミニ・アルバム5曲も収録されているので、そちらの方がお勧めではあるけど、せっかくなので発言してみた。
僕は発売当時購入したけど、お気に入りでまあまあ聞いていた。

元々メンバーの入れ替わりが激しいバンドではあるけど、それなりの作品に仕上げてくるその巧みな技は健在で、例えそれがアウトトラックであろうが、本編の楽曲と比較しても遜色はない。
どう考えても、一時期よりはここ日本での人気は落ちてはいると思うけど、僕は今でも好きなバンドの一つである。
バラエティに富んだ5曲ではあるけど、出来も悪くない。
再評価して欲しいバンドである。


SOILWORK - The Living Infinite ★★★ (2013-03-04 18:21:03)

出来上がった作品について語る時、勿論その結果は大事なんだけど、僕はその過程も今は同じぐらい重要視している。
アーティストがどんな気持ちで作ったのか、その真意は結局は分からないんだけど、それでも自分なりに考えるようにはしている。
僕にとって最悪な作品とは、何もチャレンジする事なく、妙な計算をしながら置きにきた作品である。
例え、失敗してもいい。
アーティストに媚びる感覚だけは、絶対に持ってもらいたくはない。
 
振り返ってみると、前作はソングライターとしての中心であるピーターが復帰した事によって、見事なまでに従来の路線に戻った作品であった。
また、前々作である「SWORN TO A GREAT DIVIDE」は、ピーターが抜けた影響の大きさを感じさせる内容ではあったけど、試行錯誤しながらも自分達らしさを模索していて、僕は案外気に入っていた。
正直に言えば、楽曲の出来は落ちてはいたけれど、今後ピーターが戻らなくても何とかやっていける予感を感じさせる内容ではあった。

そして、メインソングライターを再び失った新作である。 
前々作の場合とは違い、路線そのものは従来のままである。
また、前々作で感じた不安定さが、この作品には無い。これが、凄い。
確かに曲数を絞って1枚にした方が、完成度は上がっていたのかも知れない。
だけど、彼らなりのやる気を示す為の2枚組であり、ファンの方にはそれを理解してもらいたい。

ただ楽曲を個別にみると、バリエーションの少なさとメロディのキャッチーさが足りない点はマイナスポイントである。
辛口かもしれないけど、2枚組から曲を抜粋して1枚にして、前作「THE PANIC BROADCAST」と比較した場合、僕は前作の方が好きだし、完成度も若干高い気がする。
だけど、これはある意味仕方がない事でもある。
中心的なソングライターを失って影響が出ない方が、不思議なのである。

勘違いしてもらいたくないけど、決して失望するような作品ではないし、逆にバンドの底力を感じる事が出来る熱い作品である事は間違いない事実である。
新作の方が上だというファンも、いっぱいいるハズである。
是非ファンの方には、自分の耳で確かめていただきたい。


SOILWORK - The Living Infinite ★★★ (2013-03-11 15:23:54)

結局、この新作を聞いた限りでは、ピーターが脱退した理由が、音楽的方向性の違いではない事が作風によって証明されている。
僕は前作を聞いた時、やっぱりピーターの存在価値は想像以上に大きいなあと感じた。
それは、前々作で感じた不安定さが全く無くなり、何にもなかったように軌道修正が自然になされていて、作品の完成度も見事に復活していたからである。

そのピーターを再び失ったこの新作の出来は、僕の予想より遥かに良かった。
彼らが目指す方向性はピーターが再び抜けても、全く変わっていない。
それどころか、ピーターが抜けたダメージは最小限に抑えられていて、その事実を知らない人が聴けば、気が付かないのではないかというレベルなのである。
やっぱり、そこら辺のバンドとは一味違う凄いバンドである。

今年に入って購入したメジャーなアーティストの作品は、そのどれもが質が高い。
これが、新人~中堅バンドに何故出来ないんだろうか.......。


SOILWORK - The Panic Broadcast ★★ (2010-07-18 05:18:00)

簡単に言ってしまえば、良い意味で元に戻った新作である。
ソングライターが元に戻れば、そうなることは予想できる訳で、そういう意味では想像できる範囲内でのギャップが少ない内容である。
確かに前作は、ソングライターの変更により、ミドルテンポが中心で、アグレッシブなサウンドを求めるファンには物足りなかったかのも知れない。
でも僕は、前作が意外に好きだった。
らしさは多少減ったが、楽曲の出来自体は悪くなかった気がする。
バリエーションの増加と変化のある作風には、新鮮味があったのも事実である。
この新作、ファンが「これだよね、ソイルワークは」と言えるらしさが復活している。
前作に比べ、キャッチーさが減ったのは残念だけど、コアでヘヴィな要素は増大している。

聴き込みが、多少必要かもしれない。
僕は、繰り返し聞く事によって、評価が上がってきた。
ファンの期待は裏切らない、彼ららしさ満載の作品である。


SOILWORK - The Ride Majestic ★★ (2015-08-31 16:34:32)

前作から、約2年半振り通算10枚目のオリジナル・アルバムである。

結果として、ピーター在籍時の典型的な楽曲は姿を消し、前作でやんわり示した新たな路線をグッと前に推し進めた内容に仕上がっている。
僕の感覚で言えば、もう別のバンドと言っていい程の変貌であり、あの独特なキャッチーさが無くなり少し寂しさを感じるものの、前作よりも焦点を絞った作風には新たな世界観があり、ダークで冷たさが支配する
作風の中にも、メンバーの熱さが伝わる内容に仕上げてきている。

ピーターが書いていたような、キャッチーさを再現するのは正直難しい。
ならば、別の方法でと考えるのは自然の流れであり、この変化はまあ然るべきものなのかも知れない。
ピーターというメインソングライターの脱退により、新たな方向性に行かざるを得なかったのも事実だろうし、そろそろ新しい試みに挑戦したかったというのも事実のような気がする。

一枚の作品として、もう少しメリハリかキャッチーさがあれば、尚良かったような気もするけど、以前の作品に強い思い入れがある自分でさえ、これはこれでいいんじゃないと言える説得力が、この作品にはある。
そういった意味でも、前作より僕は好きである。


SONIC SYNDICATE - Only Inhuman ★★ (2012-06-25 16:16:12)

久々にCDラックから取り出して聞いてみた。
一時期、お気に入りでよく聞いていた一枚である。
一般的には、彼らがメロデス~メタルコアへ変貌を遂げる作品という位置づけだと思うけど、やっぱり今聞いても良かった。
この手のコアなファンからは、軽いとかポップ過ぎるという評価を受けそうだけど、メタルコアというジャンルが苦手な人には、案外聞きやすくお勧めという作品になると思う。

若手の割りには、ソングライティングを含めて安定感はあると思う。
なんといっても元気の良さである。
こういった作品が、もう少し一般のHR/HMファンに注目されれば、活性化に繋がるかもしれない。

今現在メロデスとメタルコア、このジャンル分けは相当微妙な気がする。
今や新人で、純粋な80年代的HR/HMバンドは存在しないに等しいのかも知れない。


SONS OF TEXAS - Baptized in the Rio Grande (2016-09-05 19:15:34)

日本デビューを飾り、今ホットな彼らの1stは、いい意味でアメリカのロックチャートでウケがいいバンドの、良いとこ取りをした音楽性であり、言い方を変えればアメリカでは普遍的な人気を誇るタイプの音楽性でもある。
よって、新しさなんかは感じないものの、ダイナミックな音作りと相俟って、大物感を醸し出す作風になっている。

僕がこういったバンドの1stアルバムを聞くときは、どのくらい楽曲にキャッチーさがあるのかをチェックする。
音作りなんかは、それなりのスタッフが制作すればそうなるので、あくまでも楽曲にどれくらい魅力を感じるかがキーポイントとなる。

個々の楽曲の完成度は、確かに高い。
上手くできていると思うし、新人なのに安定感もある。
だけど正直に言えば、僕はあと一歩という感じがする。
良いとこどりは決して悪くはないけれど、個性をもっと磨かないと今後のシーンでは生き残れないし、音楽性を変えるつもりがないのであれば、楽曲のレベルアップがもっと必要である。

でも、彼らはまだ若いので、ニッケルバック辺りのポジションを最終的には目指してもらいたい。
尻すぼみにはなってもらいたくない。
王道路線は、好感もてるけどね。


STAIND (2011-10-08 19:26:07)

最新作である「STAIND」の出来が半端でない。
僕は前作「THE ILLUSION OF PROGRESS」があまり好きではなかった。
バンドがソフト路線に走っているとか、そういう理由ではなく、メロディーが彼らにしてはいまいち弱いかなあ~と感じたからである。

最新作は、タイトル通り純度100%の内容である。
メロディはダークであるが、実に彼ららしい曲ばかりで構成されている。
僕は現時点では、一番彼らしく一番好きな作品である。
ファンなら要チェックです。
全曲いい。


STONE SOUR ★★★ (2012-10-24 21:00:33)

最新作「HOUSE OF GOLD~」を聞いた。
先ず驚いたのが、オルタナティヴ・メタル的な要素が消え、王道の正統派HR/HMサウンドに変貌を遂げている点である。
正統派と言えども、それは例えば80年代的サウンドとかそういう事ではなく、今の音でありながら本質は伝統的なHR/HMという事である。

僕はこの新作、アグレッシブになりながら、3rdの延長線上の内容であると予想していた。
だけど、出来上がって来たのは、全く予想外のものであった。
楽曲のコマーシャル性で言えば、前作に軍配が上がるし、コンセプト・アルバムが故、シングル向きの楽曲は少ない。
また丁寧に曲間をつないでいたり、歌詞の内容に合わせた曲作りにはなっているものの、徹底的には作りこんではいない。
だけど、それが逆にアグレッシブさや威圧感に結びついていて、それも計算?と思わせる程の説得力があるのである。

チャート・アクション的にも派手さはないものの、3枚のアルバムがファンから支持されてきたその自信が、見事にアルバムの完成度に結びついている。
時にグランジっぽかったり、ラウド・ロック的な要素も含むけど、明らかにこれまでの3枚とは違う作品である。

とにかくVo.の説得力が、物凄い。
危険とも言える程の緊張感である。
これは、すごい作品である。


STONE SOUR ★★★ (2012-11-03 17:16:06)

新作である「HOUSE OF GOLD~」は、実に奥深い作品である。

予定調和という一見では見えにくい技を使って、新作に対する伏線を張るアーティストの存在は、別に今に始まった事ではないけど、最悪の場合今までのファンが付いてこなくてもいいと割り切って新作を作れるアーティストは、極端に数が少なくなってきている気がする。
今の時代、音楽だけで、生計を立てられるアーティストは、ホンの一握りかも知れない。
でも、だからこそ、逆に開き直れる事が、重要になってきている事に気が付いていない、アーティストが案外多いのではないだろうか。

しかし、ファンにもかなりの責任がある。
特定の狭いジャンルの中で、しかも特定のパターンだけを好むファンが増加している。
ちょっと音楽性を変えただけで、もうそのアーティストには興味がないでは、アーティストは一体何処に向かっていけばいいのだろうか。
これでは、やる気のアーティスト程、バカを見る事になってしまうのである。

この新作を聞いて、僕は改めて感じた事がある。
それは、いい意味で予想を裏切る作品こそが、いい作品であるという事である。
それらの作品に共通する事は、一回目の視聴での違和感である。
違和感......名作に共通するこの現象こそ、実はキーポイントかもしれない。

この作品には、媚を売る感覚が全くない。
いい意味で、ファンでさえも突き放す勢いがある。


STONE SOUR ★★★ (2012-12-24 20:33:07)

新作は、作品の説得力という点では、今年聞いた中では圧倒的No.1である。
ここまで王道路線で勝負をしてきた点に驚かされ、しかも2部構成である。
現在の音楽シーンを逆手に取る、逆に言えば盲点をつく賢い方法論である。

もはや、SLIPKNOTのフロントマンという肩書を、自らが投げ出す覚悟の上での作品である。
楽曲には躍動感があり、シンプルながらも奥が深い。

例えば、バンド自らが枠を設定して、特定のファンの為だけに活動しているバンドとは全く違う方法論がここにある。
ここまで、何にも拘束されていない作品を聞くのも、久しぶりである。

コリィー・テイラーの潔さが、爽快感を生んだ名盤である。
これが売れなければ、HR/HMシーンに未来は無いね。


STONE SOUR - Audio Secrecy ★★ (2010-09-21 16:19:00)

あえてSLIPKNOTとの比較はしないけど、この作品僕はオマケで買った様な感じなんだけど(全く視聴もせず)、これは嬉しい誤算かもしれない。
1stは持ってるけど、あまり印象に残っていないし、そんなに聴いていない。
今アメリカのチャートで主流のロックをラウドロックとするなら、勿論ど真ん中に近い。
適度にロックで適度にポップであり、メロディーはキャッチーである。
また甘味になり過ぎず、一般のロックファンにもアピールできる質の高い楽曲がズラリと並ぶ。
特に前半はシングル向きの楽曲が並び、このバンドのソングライターとしての実力が見事に発揮されている。
うん、これはいい。
楽曲の出来が、いい。
現代の王道アメリカン・ロックアルバムである。


STONE SOUR - House of Gold & Bones Part 2 ★★★ (2013-05-05 17:35:40)

昨年発売された、この作品の前篇となる「~PART 1」を僕は、その年のベストアルバムに選んだ。
今の時代に、2部構成......時代なんて関係ないぜと言わんばかりの、掟破りの方法論である。
それにしても、その内容も併せて、前作は僕にとってかなり衝撃的な作品だった。
その、続編である。

この「~PART 2」を聞くと、一見地味な印象に写るかも知れない。
「~PART 1」よりも、楽曲のバラエティーさに欠けるし、メロディもポップではない。
しかし、これは歌詞の内容に合わせた曲作りになっている為であり、決して曲自体がつまらない訳ではない。
むしろ、この「~PART 2」を聞くことによって、「~PART 1」の説得力が増して、それぞれが一層際立つという相乗効果を生み出している。

コリィーのVo.の迫力は、前作同様凄い。
それに加えて、各楽器のタイトさがもたらすこの切迫感は、最近ではなかなか味わえない感覚である。
また、サウンドプロダクションも最高に近く良く、ドラムのキレ方も見逃せないポイントである。

アルバム後半にやってくる、怒涛の展開力は圧巻の一言である。
やっぱり、凄い作品である。
全てがいい。


STONE SOUR - Hydrograd ★★★ (2017-07-05 20:41:33)

個人的な感覚で言えば、順当な変化であり進化であり、成長であると思う。

前作と前々作はコンセプト・アルバムであったけど、所謂オルタナティヴ・メタルから正統派HR/HMへと変貌を遂げた作品であった。
この新作、分かりやすく言えば、集大成的な内容であり、より正統派というか普遍的な要素を強めた作品に仕上がっている。
僕は、前作や前々作の揺り戻しが働いて、もっとヘヴィでストレートな楽曲が占める作品になると予想していたけど、見事にハズれた結果となった。
どこかマイナー臭くメランコリックでもあり、いい意味でクセのある楽曲によって構成されている。
でもキャッチーさがきちんとあるので、楽曲自体はバラエティーに富んでいて面白い。
肩の力を抜きながら、楽曲の出来そのもので勝負にきている感じである。

聞き応えのある作品である。
個人的なお気に入りは、④⑦⑬。
この路線、予想できた人いるのだろうか。


STONE SOUR - Hydrograd - Hydrograd ★★★ (2017-07-07 21:22:50)

新作の中では、1番好きな曲である。

前作や前々作、ましてやそれ以前とも作風が違うのが、今作の最大の特徴かも知れない。
それ故に、メンバーチェンジの影響をあまり感じさせない。
僕は彼らのサウンドを特徴付けている重要なポイントを、ロイのドラムに置いている。
この新作でも、実に彼の特徴的なものが良く出ている。
決して単純ではない点が、怪しさ溢れる楽曲群の中で、光輝いている。

サウンド・プロダクションから言えば、僕は前作や前々作の方が好きだけど、ライブ感は確かに感じる作風である。
この新作、楽曲の平均値がホントに高い。
ベスト・アルバムの候補である。


STONESOUR ★★★ (2012-10-24 21:00:33)

最新作「HOUSE OF GOLD~」を聞いた。
先ず驚いたのが、オルタナティヴ・メタル的な要素が消え、王道の正統派HR/HMサウンドに変貌を遂げている点である。
正統派と言えども、それは例えば80年代的サウンドとかそういう事ではなく、今の音でありながら本質は伝統的なHR/HMという事である。

僕はこの新作、アグレッシブになりながら、3rdの延長線上の内容であると予想していた。
だけど、出来上がって来たのは、全く予想外のものであった。
楽曲のコマーシャル性で言えば、前作に軍配が上がるし、コンセプト・アルバムが故、シングル向きの楽曲は少ない。
また丁寧に曲間をつないでいたり、歌詞の内容に合わせた曲作りにはなっているものの、徹底的には作りこんではいない。
だけど、それが逆にアグレッシブさや威圧感に結びついていて、それも計算?と思わせる程の説得力があるのである。

チャート・アクション的にも派手さはないものの、3枚のアルバムがファンから支持されてきたその自信が、見事にアルバムの完成度に結びついている。
時にグランジっぽかったり、ラウド・ロック的な要素も含むけど、明らかにこれまでの3枚とは違う作品である。

とにかくVo.の説得力が、物凄い。
危険とも言える程の緊張感である。
これは、すごい作品である。


STONESOUR ★★★ (2012-11-03 17:16:06)

新作である「HOUSE OF GOLD~」は、実に奥深い作品である。

予定調和という一見では見えにくい技を使って、新作に対する伏線を張るアーティストの存在は、別に今に始まった事ではないけど、最悪の場合今までのファンが付いてこなくてもいいと割り切って新作を作れるアーティストは、極端に数が少なくなってきている気がする。
今の時代、音楽だけで、生計を立てられるアーティストは、ホンの一握りかも知れない。
でも、だからこそ、逆に開き直れる事が、重要になってきている事に気が付いていない、アーティストが案外多いのではないだろうか。

しかし、ファンにもかなりの責任がある。
特定の狭いジャンルの中で、しかも特定のパターンだけを好むファンが増加している。
ちょっと音楽性を変えただけで、もうそのアーティストには興味がないでは、アーティストは一体何処に向かっていけばいいのだろうか。
これでは、やる気のアーティスト程、バカを見る事になってしまうのである。

この新作を聞いて、僕は改めて感じた事がある。
それは、いい意味で予想を裏切る作品こそが、いい作品であるという事である。
それらの作品に共通する事は、一回目の視聴での違和感である。
違和感......名作に共通するこの現象こそ、実はキーポイントかもしれない。

この作品には、媚を売る感覚が全くない。
いい意味で、ファンでさえも突き放す勢いがある。


STONESOUR ★★★ (2012-12-24 20:33:07)

新作は、作品の説得力という点では、今年聞いた中では圧倒的No.1である。
ここまで王道路線で勝負をしてきた点に驚かされ、しかも2部構成である。
現在の音楽シーンを逆手に取る、逆に言えば盲点をつく賢い方法論である。

もはや、SLIPKNOTのフロントマンという肩書を、自らが投げ出す覚悟の上での作品である。
楽曲には躍動感があり、シンプルながらも奥が深い。

例えば、バンド自らが枠を設定して、特定のファンの為だけに活動しているバンドとは全く違う方法論がここにある。
ここまで、何にも拘束されていない作品を聞くのも、久しぶりである。

コリィー・テイラーの潔さが、爽快感を生んだ名盤である。
これが売れなければ、HR/HMシーンに未来は無いね。


STONESOUR - Audio Secrecy ★★ (2010-09-21 16:19:00)

あえてSLIPKNOTとの比較はしないけど、この作品僕はオマケで買った様な感じなんだけど(全く視聴もせず)、これは嬉しい誤算かもしれない。
1stは持ってるけど、あまり印象に残っていないし、そんなに聴いていない。
今アメリカのチャートで主流のロックをラウドロックとするなら、勿論ど真ん中に近い。
適度にロックで適度にポップであり、メロディーはキャッチーである。
また甘味になり過ぎず、一般のロックファンにもアピールできる質の高い楽曲がズラリと並ぶ。
特に前半はシングル向きの楽曲が並び、このバンドのソングライターとしての実力が見事に発揮されている。
うん、これはいい。
楽曲の出来が、いい。
現代の王道アメリカン・ロックアルバムである。


STONESOUR - House of Gold & Bones Part 2 ★★★ (2013-05-05 17:35:40)

昨年発売された、この作品の前篇となる「~PART 1」を僕は、その年のベストアルバムに選んだ。
今の時代に、2部構成......時代なんて関係ないぜと言わんばかりの、掟破りの方法論である。
それにしても、その内容も併せて、前作は僕にとってかなり衝撃的な作品だった。
その、続編である。

この「~PART 2」を聞くと、一見地味な印象に写るかも知れない。
「~PART 1」よりも、楽曲のバラエティーさに欠けるし、メロディもポップではない。
しかし、これは歌詞の内容に合わせた曲作りになっている為であり、決して曲自体がつまらない訳ではない。
むしろ、この「~PART 2」を聞くことによって、「~PART 1」の説得力が増して、それぞれが一層際立つという相乗効果を生み出している。

コリィーのVo.の迫力は、前作同様凄い。
それに加えて、各楽器のタイトさがもたらすこの切迫感は、最近ではなかなか味わえない感覚である。
また、サウンドプロダクションも最高に近く良く、ドラムのキレ方も見逃せないポイントである。

アルバム後半にやってくる、怒涛の展開力は圧巻の一言である。
やっぱり、凄い作品である。
全てがいい。


STONESOUR - Hydrograd ★★★ (2017-07-05 20:41:33)

個人的な感覚で言えば、順当な変化であり進化であり、成長であると思う。

前作と前々作はコンセプト・アルバムであったけど、所謂オルタナティヴ・メタルから正統派HR/HMへと変貌を遂げた作品であった。
この新作、分かりやすく言えば、集大成的な内容であり、より正統派というか普遍的な要素を強めた作品に仕上がっている。
僕は、前作や前々作の揺り戻しが働いて、もっとヘヴィでストレートな楽曲が占める作品になると予想していたけど、見事にハズれた結果となった。
どこかマイナー臭くメランコリックでもあり、いい意味でクセのある楽曲によって構成されている。
でもキャッチーさがきちんとあるので、楽曲自体はバラエティーに富んでいて面白い。
肩の力を抜きながら、楽曲の出来そのもので勝負にきている感じである。

聞き応えのある作品である。
個人的なお気に入りは、④⑦⑬。
この路線、予想できた人いるのだろうか。


STONESOUR - Hydrograd - Hydrograd ★★★ (2017-07-07 21:22:50)

新作の中では、1番好きな曲である。

前作や前々作、ましてやそれ以前とも作風が違うのが、今作の最大の特徴かも知れない。
それ故に、メンバーチェンジの影響をあまり感じさせない。
僕は彼らのサウンドを特徴付けている重要なポイントを、ロイのドラムに置いている。
この新作でも、実に彼の特徴的なものが良く出ている。
決して単純ではない点が、怪しさ溢れる楽曲群の中で、光輝いている。

サウンド・プロダクションから言えば、僕は前作や前々作の方が好きだけど、ライブ感は確かに感じる作風である。
この新作、楽曲の平均値がホントに高い。
ベスト・アルバムの候補である。


STRATOVARIUS - Elysium ★★★ (2011-09-15 18:37:43)

メインソングライターを失った前作が、決してネガティブな内容でなかった事を、僕は高く評価した。
楽曲の出来そのものよりも、これが一番重要だと思っていたので、前作は合格点どころかその遥か上の出来であったように思う。

この新作、うがった見方をすれば、自分たちの過去へのオマージュとも言えなくもない。
でも、それは違う気がする。

ここに表現されているのは、前作の流れを汲んだあくまで新生のSTRATOVARIUSである。
ファンの為だけでもなく、逆に自分達だけの為でもないという考えの基に制作された、実に優しさを感じる作風である。

お金の為だけに活動しているバンドも最近数多いが、そんな考えでは決して出来ない爽快感がここにある。
一時期の低迷が嘘のような、完全復活である。
是非、再評価して頂きたいバンドである。


STRATOVARIUS - Episode ★★★ (2013-04-20 19:21:56)

彼らの存在を知ったのは、確か2ndの頃であったと思うけど、注目し始めたのは4thアルバムである。
結果的にオリジナル作品は全部持ってるけど、それはあの90年代中期~後期という暗黒の時代を支えてくれた事が大きい。
あの時代に、短いインターバルでコンスタントに良作を生み出してくれたという事実が、僕の中では彼らの存在価値を高めた最大の要因となっている。
総崩れ状態にあったメジャーなバンド達とは違って、当時は本当に頼もしく見えたものである。
だからこそ、煮え切らない作品を発表しても、僕は買い続けてきたのである。

彼らの最高傑作は?と聞かれた場合、僕は正直返答に困ってしまう。
それは、やっぱり4th~6thには、当時のシーンが重なって特別な思い入れがあり、それにさえ優越を付けるのが難しいからである。
彼らのような音楽をやっているバンドは、昔から結構存在する。
でも、この作品や「Visions」に肉薄するような作品には、滅多に出会えない。
サウンドから感じられるオーラは、間違いなく一級品である。

ティモ・トルキの功績は、絶対に忘れてはならない。
「Episode」と「Visions」は、今聞いても何度聞いても全く色褪せない。


STRATOVARIUS - Eternal ★★★ (2015-09-13 11:19:34)

前作から約2年半振り、通算15枚目のオリジナル・アルバム。

僕は、前作「Nemesis」が好きである。
それは、トルキ時代の典型的路線から一歩変化を加えた、新機軸とも言えるフックを多めに仕込んだ、ある意味プログレ要素が強い楽曲が気に入ったからなんだけど、この新作でもその部分を核に据えている。
変化のある楽曲と言えども、前作ほどは凝っておらず、1曲1曲がスムーズに流れる工夫が成されている。
それが、前作からの揺り戻し部分なのかなと思えるけど、この新作非常にバランスが良い。
作品の統一性から言えば、前作を上回り、楽曲の出来に関してもその平均値がかなり高い。
もうベテランと呼べるキャリアだと思うけど、楽曲には躍動感がしっかりとある。

僕は③~⑤のような変化のある楽曲が気に入ったけど、それらの楽曲によって、その前後の楽曲が輝きを増している気がする。
力のあるバンドが正常に起動すれば、やっぱりこういった作品が生まれるのである。
やっぱり、いい。


STRATOVARIUS - Nemesis ★★★ (2013-02-20 18:06:57)

今だから言うけど、僕にとってアルバム「POLARIS」は、楽曲的にはツギハギだらけという印象で、メインのソングライターを失ったダメージの大きさが、強烈に印象に残る作品であった。
だけど、裏を返せば、メンバーの必死さが伝わる内容で、何とかバンドを存続させたいという強い思いが、僕には痛いくらいに伝わってくる作品だった。
だから、彼らを応援したいという気持ちになった。

そして、前作「ELYSIUM」は楽曲的には完全復活という内容で、マティアスを獲得できた事が、運命的とも言える程の効果をもたらした作品となった。
今後このバランスさえ崩れなければ、彼らの将来は安泰であると言い切れる程の楽曲の充実度があった。

さて、この新作、かなりの違和感がある。
前作を聞いたファンで、この作風を予想できた人は居ないのではないかと言えるぐらいに、モデルチェンジをしている。
先ず全体の印象としては、トルキ在籍時の全盛期のような力強さが復活している。
前作にあった、作品全体の統一性という要素は若干減少したけれど、それを補って余りある新たな魅力が加わり、1曲1曲の聴き応えという点では、過去最高のレベルまで達している。
楽曲は、単純には流れない。
どこかにひねりが加わっていて、ある意味先が読めないワクワク感が持続するのである。

今までの自分達のスタイルを維持する事よりも、新たな自分達への挑戦的意識がそれをはるかに上回るという、ある意味アーティストのとって理想的な姿が、ここにある。

これは、いい。
STRATOVARIUSというバンドの、存在価値を高める作品である。
V字回復と呼べる成長具合で、タイトさとヘヴィさの復活は嬉しい誤算でもある。
予想を遥かに上回る、充実度である。


STRATOVARIUS - Polaris ★★ (2009-05-20 17:35:00)

中心人物でありメインのソングライターであった、ティモ・トルキ脱退の影響は、結果的にプラスに働いたようである。
個人的には新作が出れば購入はするが、もう昔のように興味は無くなっていた。
ここ数年は、はっきり言って低迷が続いていた。その原因は、ファンの方ならご存知だろうけど.........。
楽曲も弱いし、それより一体感の無さが、サウンド以外にも表れていた。
はっきり言ってしまえば、僕の中では半分終わったバンドになっていた。
この新作、確かに飛び抜けた楽曲は無い。しかし、メインのソングライターを失いながら、ここまでらしいサウンドを作ってきた事に、正直驚いた。
音楽的には、中期のあたりに戻っている。ここが、僕には一番うれしかった。
こういうアルバムを作れる事を、誰が予想しただろうか........。
ファンの方なら、一聴の価値は十分にある力作である。
これは、いい。


STRATOVARIUS - Polaris ★★ (2009-05-28 13:20:00)

僕は、コティペルトのファンでもなく、トルキのファンでもなく、バンドのファンである。
今回の新作を褒めているからと言って、それは、トルキの事を否定しているわけではない。(恐らく、他の人も同じだと思う)
逆に言えば、トルキがいたからこそ、今STRATOVARIUSというバンドが存在しているわけで、それはトルキ抜きでは絶対に考えられない事でもある。
どちらが正しいとか、間違っているということではなく、僕の場合、トルキ抜きでよくぞここまで頑張ったなあという、楽曲よりもその過程の方を強く褒めていたりする。
どのバンドにも言える事だけど、できれば、オリジナルメンバーで頑張ってもらいたい............メンバーの脱退の話など、聞きたくはない。
だけど、それは不可能に近い。メンバーの仲が同等に良いというバンドなど、滅多に存在しない。大きなバンドになれば、さまざまな問題が起きてくるのが通常である。
今回の新作の楽曲が、これまで彼らがこれまで残してきた名曲と比較して、勝っているとは思えない。だけど、中心人物を失いながら、いろいろな問題を抱えながら、残ったメンバーで、ここまでらしい作品を作ったきた事は、単純にすごいと僕は思う。
(特に新作に流れる空気感が、決してネガティブでない点が良かった)
中心選手を失って駄目になったバンドは、腐るほど存在する。
トルキはトルキで頑張ってもらいたい。残ったメンバーは、残ったメンバーで頑張ればいい。お互いにとって、今回の事がプラスに働いて欲しい。大方のファンが、そう思っていると思いますよ。


SYMPHONY X - The Damnation Game ★★ (2008-05-03 16:09:00)

現在の彼らよりも、良い意味でポップであり聞きやすい作品である。頑固一徹自分らしさを貫く姿勢も好きだし、音楽そのものもテクニカルであるがキャッチーである所が好きである。
僕はこの頃の作品が好きである。こういったバンドは数こそ案外多いが、長く愛せるバンドというのは、意外に少なかったりする。貴重な存在である・・・・・・。


TESLA - Forever More ★★ (2008-10-26 07:20:00)

結論から言えば、僕は前作の方が好きである。
タイトル・トラックの①を聞いた時、ああこの路線で来たか.......と思った。しかし、全体を聞き終えた時、逆に①は浮いた楽曲であることに気がついた。
僕は①が好きである。
新作の出来が悪いとは思わないけど、まとまりという点において、リラックスできる作風な分、僕は緊張感の欠如という感じがどうしても残った。
このバンドに緊張感は必要無いのかも知れないけど、何かが足りない気がした。
僕は前作の攻撃性が好きだったので、それを推し進めるか、何か芯を明確にしてもらいたかった気がする。
でもこのバンド、僕は大好きである。


TESLA - Into the Now ★★ (2009-12-13 07:43:00)

2nd「グレイト~」は、名作であった。
でも彼らの場合、曲作りが上手いので、時代性を含もうが、どの作品にもらしさは楽曲に組み込まれている。
この作品、僕は結構好きで、今でもよく聴いている。
カヴァーアルバムといい、この作品といい、音楽に対する純粋さが作品に滲み出ている所が好きである。
この作品なんか、時代に埋もれた名作といっても過言ではない気がする。
曲作りのセンスは、ピカイチのバンドである。


TESLA - Simplicity ★★★ (2014-07-02 17:24:05)

前作から約5年半振り、オリジナルとしては通算7枚目となる新作である。
演奏にしろ曲作りにしろ、安定感のあるバンドであるから、この作品もファンの方なら十分楽しめる内容に仕上がっていると思う。
楽曲の出来自体も良く、ソングライティング力もこれっぽっちも衰えていない。
適度なキャッチーさとジョン・クーガー並みのアメリカン要素がある、期待通りの内容である。

僕は大好きなバンドであるから、この作品も既に結構聞いている。
②~④あたりも好きだし、⑧⑩⑪なんかもいいし、本当にいい出来である。
こういうバンドは、いつまでも応援していきたいね、本当に。
バラエティーに富んだ楽曲で構成されているけど、マイナスに感じないのは、楽曲の出来が総じていいからである。
個人的には、前作よりも好きかな。