この曲を聴け!
ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1-100

MyPage

ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1-100
0 | 1 | 2 | 3 | 4
モバイル向きページ 


9MM PARABELLUM BULLET ★★ (2010-01-10 17:44:00)

日本のバンドにはあまり興味が無いけど、このバンドは友人から勧められて、たまに聴いてきた。
新曲は、このバンドの魅力が出ていて、マイナー調の変則リズムは、なかなか魅力的である。
うーん、いいかも。


9mm Parabellum Bullet ★★ (2010-01-10 17:44:00)

日本のバンドにはあまり興味が無いけど、このバンドは友人から勧められて、たまに聴いてきた。
新曲は、このバンドの魅力が出ていて、マイナー調の変則リズムは、なかなか魅力的である。
うーん、いいかも。


AC/DC - The Razors Edge ★★ (2010-02-12 15:32:00)

彼らの作品の中でも、比較的キャッチーな要素を多く含むので、僕は3番目に好きな作品である。
客観的に聴いても、5枚選ぶとすれば、必ず入ってくる作品だと思うので、お勧めである。
でも、このバンドの凄さはライブにあるので、一度は映像で確かめてもらいたい。
贅肉を極限まで削ぎ落したロックで、僕は苦手なタイプなんだけど、AC/DCの場合は別格かなという気がする。
楽曲もツブ揃いで、僕は定期的によく聴きますね。


ACCEPT - Blood of the Nations ★★★ (2012-05-23 15:08:04)

音楽関係者にも、圧倒的支持を得た作品である。
再結成......というのはファンにとっては嬉しいけど、再結成後の作品の出来が、全盛期に匹敵するという現象は、残念ながら滅多に存在しないのが現状である。
再結成という意味や意義を、真剣に考えているバンドが実は少ないのではないか。
今の自分達がやりたいのは、「これなんだ」と言われても、音楽的方向性がどうであろうと、楽曲の出来が全盛期のレベルに達していないのがほとんどである。

このアルバムを聞いて、正直驚いた。


ACCEPT - Blood of the Nations ★★★ (2012-05-23 15:19:21)

予想を遥かに超える、楽曲の充実度である。
単純に楽曲の出来が良い。
全盛期の要素も残しながら、新たな魅力が加わり、昔を全く知らない方にも十分にアピール出来る完成度なのである。

これなら、文句の言葉なんて浮かばない。
音楽的には、比較的オーソドックスなHMである。
なのに、楽曲にはパワーがある。
恐るべし........である。

今の新人バンドに欠けているものが、たくさん入っているアルバムである。
これは、いい。


ACCEPT - Stalingrad ★★★ (2014-08-16 12:02:52)

前作との比較で言えば、キャッチーさが増大し、整合性も高くなった印象が強い復活第2作である。
正統派でありながらも、楽曲はポップだし、ギターソロも豊富で非常に聴きやすい内容に仕上がっている。
らしさという点においても、昔からのファンを納得させる展開が多く、楽曲はとにかくキャッチーである。
ファンが、彼らに期待するものが多く詰め込まれているという点でも、ある意味理想型の一つである。

僕は、この年のベストアルバム10枚の内の一つに選んでいる。
特に変わった事をしなくても、名作は生まれるのである。


ACCEPT - The Rise of Chaos ★★★ (2017-09-17 19:30:58)

僕の意見は、ほぼ火薬バカ一代さんと一緒であり、客観的に言ってもかなり鋭い分析だと思う。

マーク加入後の作品は、路線も全く変わらないのでマンネリ感を生みそうだけど、とにかく楽曲の出来がよく僕はそれを感じたことは一度も無い。
マンネリに関しては、同じ路線を続けながら徐々に質が落ちていった時に感じるものであり、そう感じないということは、そういう意味でも楽曲の出来の良さが逆説的に証明されている。

彼らはベテランであり、大きな変化は必要がないと思う。
比較的自由な環境でアルバムを制作できる今の時代を考えても、本人たちがそれを望まないのであれば、安定したクオリティーを発揮できる今の路線で、僕は大正解であると思う。

この出来で、文句の言葉なんて浮かばない。
非常にいい出来である。
個人的には、②がベストトラックかな。


ADELITAS WAY - Adelitas Way ★★ (2015-02-28 20:18:38)

こういった知名度があまり高くない、オルタナティヴ・メタルに分類されるバンドというのは、日本では一体どういった層の人に支持があるのだろうか。
例えばこのバンドの場合、CDを聞くという範囲なら、SHINEDOWNやDAUGHTRY等のファン、産業ロックが好きな人、又は広義的にアメリカン・ロックが好きな人には訴えかけるものがあると思うけど、それをどういった形で紹介することが出来るのかを考えた時、どのメディアでも中心になれないこういったバンドは、必然的に苦戦を強いられる事になる。
勿論、ライブ等において発揮される確実な実力があれば話は別だけど、極端な言い方をすれば、楽曲だけがいいバンドというのは、今の時代でも十分魅力的なんだけど、日本の場合難しい立場となる。

このアルバムなんかは、有能なソングライターが関わっている事もあって、おとなしい作風ながら良く出来ている。
例えB誌!で評価が高くなかろうが、「このアルバム俺は好きだぜ」というファンがあまり出てこない事に、僕なんかは市場の縮小化を凄く感じてしまう。
この作品、ライトなロックなんだけど、楽曲は実に良く出来ている。
僕は好きですよ、このバンド。


ADRENALINE MOB ★★ (2014-03-09 12:27:56)

精力的に活動するラッセル・アレンとドリーム・シアターを脱退したマイキーが合流して、一体どんな音楽をやるのかに注目が集まった彼らのデヴューアルバム、12年発売である。

プログレっぽい作品に期待が集まったけど、ここで聞かれるのはモダンさを重視した今風のラウド・ロックである。
そうは言っても基本はオーセンティックなHR/HMなので、客観的に見ればそれらの中間ぐらいの位置である。
マイキーがソングライティングに関わっていない事は明白で、楽曲にしろ演奏にしろ特別にその存在感は感じない。
突出した楽曲は無いし、何か特別な事をやっている訳ではないけれど、一枚のアルバムとしての完成度は予想よりも全然高い。ここら辺に強者達の実力を垣間見ることが出来るわけで、決して自分の期待を裏切る事は無かった。

今風.....この部分は今後もきっと保たれるハズである。
よってSYMPHONY Xみたいにはならないハズである。
楽曲の出来はいいので、もっと話題になってもよかったのに......。
マイキーは、もう居ないけどね......。


AEROSMITH (2012-11-11 21:03:10)

新作を購入した。
彼らの場合、さまざまな事情や背後関係があり、それを考慮するとしないでは、彼らに対する見方は大きく変わってくる。
彼らの苦悩を考えると、こういったサイトでさえ発言するのも僕は億劫になる。

オリジナルとしては、本当に久々の新作である。
正直に言うと、90年代と違い、僕にとって彼らはもはや中心的存在ではない。
当然、HR/HMシーンにも世代交代が必要である。
ベテランには、ベテランとして頑張ってもらいたい。
が、それがいつまでも、注目され過ぎている現状を見る限り、その世代交代は残念ながら上手くはいっていない気がする。

各ベスト盤に収録されていた当時の新曲と比較してもわかりやすいが、もはやあの勢いはない。
だけど、どのサイトでも絶賛の意見が多い。
あの路線でない事に、ファンは寂しさを感じないのであろうか。
変に空気を読むというか、変にアーティストに肩入れするというか、一体誰の意見なのかがわかりにくい絶賛の空気には、僕は違和感をすごく感じる。
それは、どこをどう見ての感想なのだろうか......。

アーティストを敬う気持ちは大事である。
でも、だからと言って、優等生的な発言には、その人の気持ちが全く伝わらない。

僕は正直に言うと、限界が少し見えた気がして聞くのが少し辛かった。
90年代、最も頑張っていたアーティストがエアロスミスである。
あの暗黒の時代を支えた彼らには、やっぱり特別な気持ちはある。
今後も新作が出れば、勿論購入したいと思う。


ALICE COOPER - Hey Stoopid ★★★ (2013-12-31 21:12:21)

この1週間は、ほとんど音楽を聴く時間がなかった。
新譜も買ったけど、開封すら出来ていない。
まあ、そんな事はどうでもいいけどね....。

この作品、僕の中での評価は高く、91年発売の作品とは思えない完成度の高さを誇る。
80年代後半~90年代初頭にかけては、HR/HMが一大ムーブメントになった影響もあり、オーバープロデュース的な作品も多かった。
中には結果的に、アーティストの魅力を半減させたような、作品も多かった。

しかし、この作品の様に、この時代だからこそ出来た名盤もあり、そういった意味でも貴重な時代ではあった。
どんな優れたアーティストであっても、今この完成度を再現するのは難しい。
それは、売れっ子ソングライターやプロデューサー、豪華なゲスト陣、予算や時間が十分にないと、ここまでの完成度に結びつかないからである。
ある意味弊害も多かったこの時代だけど、三位一体でこちらに挑戦状を叩きつけるような、攻撃的な作品に出会いたいものである。

仕掛け人が、絶対必要である。
良い意味で予想を裏切る作品に、来年は期待したい。
この作品、捨て曲どころか、手抜きが一切ない作品である。


ALL THAT REMAINS - A War You Cannot Win ★★ (2014-01-14 21:38:25)

恐らく従来のファンからは、軟弱になったとかポップ過ぎるといった批判的な意見が聞こえそうな、12年発売の通算6枚目の作品である。

例えば③⑤⑧等に代表される、従来のメタルコア路線でない楽曲に不満を抱く気持ちは分からなくもないけど、自分的にはそこが逆に魅力的に感じてしまうのが正直な感想である。
特に⑧、この曲なんかはメタルコアでもなんでもなくて、普通のHRなんだけど、僕はこの1曲の為にアルバムを買った程気に入っており、このバンドのメロディアスな部分が上手く出てて、この路線でもいいのではと、個人的には思ってしまう程である。
元々このバンドは、メロディアスな楽曲を書ける実力があるのに、なんでもっとこういったキャッチーな路線に舵取りをしないのか不思議に思っていたけど、今後は是非キャッチーな要素をもっと増やしてもらいたい。

クリーンパートが多すぎる......従来のファンからはきっと、こう言われるんだろうなあ~。
でも、⑧みたいな楽曲を、僕は聞きたい。
その方が、チャンスはある。


ALL THAT REMAINS - Madness ★★★ (2017-05-06 18:16:06)

音楽性の変化には、無意識なものと意識的なものがある。
また、メンバーチェンジ等による不可避的な変化もあったりする。
しかもそれは、100対0のような比率になる事はなく、前作や前々作からの繋がりというか、そういう大きな流れからも考える必要がある。

この新作、前作や前々作が気に入っていた自分にとっては、違和感ありありの内容に仕上がっている。
正直、90年代に嫌という程経験した「なんで、変わってしまったんだ」という感覚に近いものがある。
メンバーのコメントを見るまでもなく、この変貌ぶりは意識的に仕掛けないと起きない変化でもある。

個人的には、楽曲の質が伴っていれば、変化には比較的寛大である。
しかし、意識的なものが強すぎると、力が入りすぎる余り得てしてこういう結果になりやすい。
だけど、メロディック的でありポップな作品が2作品続いた事を考えれば、揺り戻し現象が起こったとしても、それは自然である。

結局、どうなのか.....僕の評価は86点である。
一聴しただけでは、前半のヘヴィな要素が引っかかり、散漫な印象を抱きやすい。
だけども、1曲1曲の出来は非常に良く、ポップさは後退したものの、キャッチーさがそこにちゃんとある。
つまりは、バラエティーに富んではいるけれども、それこそがこの新作の中心である。

ファンの方には、真剣に聞いて頂きたい作品である。
ここ2作品で確立した「らしさ」を、更にグッと推し進めた作品である。
やっぱり、良いバンドだ。


ALL THAT REMAINS - Madness - Never Sorry ★★★ (2017-05-11 21:06:51)

新作の中では、一番好きな曲である。
アメリカのシーンを見ていると、彼らに限らずメタルコアからオルタナティヴ・メタルへと変貌を遂げるバンドがここ数年多い。
完全でなくても、典型的なメタルコアからの脱却を試みているバンドは実に多い。

それを、どう受けとめるのか...。
そのバンドの「らしさ」をどこに置くのかは、重要である。
変化の本質が、どこにあるのかを考えるのは大事である。

この曲なんて、彼らとしては異質ではあるけど、僕は好きである。
楽曲至上主義は、続いている。


ALL THAT REMAINS - The Order of Things ★★ (2015-02-27 18:36:55)

僕は前作を高く評価したけど、この新作もその流れを汲む内容に仕上がっている。
そもそも、ポップさを増すことの何が悪いというのか.....クリーンVo.の増大や楽曲にキャッチーさが増した事によって、新たな魅力が加わり、他のバンドとの差別化が明確になった。
恐らく、3rdにあたる「Fall Of Ideals」が一番メタルコアとしてのカッコ良さが出ていて、一般のHR/HMファンには受けがいいと思うけど、それとはまた違った良さが生まれている。
勿論、それらの要素も残ってはいるけど、よりメロディを前面に出した楽曲には新鮮さがある。

僕は、「Over Come」と「For We Are~」の出来はイマイチと感じていて、このバンドもここまでか......と正直思っていたんだけど、前作、そしてこの新作で見事に復活した気がする。
やっぱり楽曲には、キャッチーさが必要だし、それはサウンドの質感よりも大事な気がする。
前作を気に入ったファンの方には、間違いなくお勧めできる作品である。


ALTER BRIDGE ★★★ (2016-05-23 18:53:24)

マーク・トレモンティの、通算3枚目のソロ作品を聞いてみた。
僕は、この人のソングライターとしての実力を高く評価していて、ソロ作品も全て持っている。

この新作も、非常にらしい作品であり、トレモンティ節が炸裂している。
個人的には間違いなく最高傑作であると思うし、なんせ楽曲の出来がいい。
勿論、過去2作品の延長線上の内容ではあるけれど、サウンドはヘヴィであり現アルター・ブリッジとの共通点も多い。
アルター・ブリッジのテクニカルな部分が好きな人は勿論だけど、比較的シンプルなので骨太のロックが好きな人
にもアピール出来るかもしれない。

これはいい。
単純にカッコいい。


ALTER BRIDGE - AB III ★★★ (2011-12-23 04:51:07)

このバンドのアルバムを聞いていると、楽曲作りの上手さを先ず感じてしまう。
とにかく、ツボをつかむ感覚に長けているから、楽曲にはキャッチーさがあり、非常に聞きやすい。
こういった人たちというのは、無意識でもそういった楽曲が書けるから、いつの時代でも非常に大きな武器となる。

僕は3枚とも持ってるけど、この安定感は抜群である。
クリードといいこのバンドといい、やっぱり凄いソングライター陣である。
比較的地味な作りなんだけど、よく出来てますよ、この作品も。


ALTER BRIDGE - Blackbird ★★★ (2014-04-23 16:30:42)

1stよりも地味な印象にはなっているけど、最新作に至るまでの成長の過程において、このバンドの基礎はこの2ndでかっちり固まったと断言できる程、完成度が高い作品である。
楽曲といいその演奏能力といい、そこら辺のバンドには再現できないその質の高さは、既にこの2ndで確立している。
また、楽曲の骨格がしっかりしていて、それでいて単純ではないその巧妙さ、上手さがこのバンドの最大の特徴でもある。
彼らは4枚のアルバムを発表しているけど、実はこの2ndが最高傑作ではないかという気さえする。

キャッチーさだけではない、その渋さが個人的にはたまならい魅力である。
このバンドの総合力の高さは、もっと注目されてもいい気がする。
個人的には③~⑤が好きである。


ALTER BRIDGE - Fortress ★★★ (2013-09-30 17:22:01)

HR/HMファンの間では、マイルズ・ケネディが属するバンドという認識が強いだろうけど、個人的にはCREEDのメンバーによる別プロジェクトという認識が強いバンドの新作である。

はっきり言って、今のCREEDとALTER BRIDGEの音楽性には、そんなに差が無いと僕は思っているけど、強いて違いを挙げるとすれば、CREEDはポップスチャートでも戦えるキャッチーさがあり、一方ALTER BRIDGEは、あくまでもロックチャートを主戦場とする仕上げ方にしている。
結局、両者を使い分ける事が出来る器用さが、メインソングライターであるトレモンティの強みであり、このバンドの強みである気がする。

とにかく、このバンド曲作りが抜群に上手い。
例えば、前作で言えば「Isolation」今作で言えば「Addicted To Pain」みたいなメロディがキャッチーでシングル向きの楽曲は書けるんだけど、敢えてそればっかりにしないというか、①や③みたいな難しい楽曲を放り込んでくる技術の高さというか、そういうソングライターとしての力量が、個人的には堪らない魅力となっている。

前作は、比較的地味で難しい作品だったけど、この新作は単純にHR色が強いし、楽曲もバラエティに富んでいて面白い作品に仕上がっていると僕は思う。
とは言っても、渋い出来だけどね。


ALTER BRIDGE - The Last Hero ★★★ (2016-10-11 15:23:46)

トレモンティは、この新作を2ndと4thの中間と表現しているようだけど、個人的には2nd~4thまでの延長線上にありながら、1stにおけるスケールの大きさやキャッチーさを取り入れた集大成的な仕上がりになっていると思う。
言い方を変えれば、アリーナ・ロックへの傾倒が強い作品とも言えるし、テクニカルな部分を一旦置いておいて、ナショナル・チャートで戦える程の質の高い楽曲で構成された作品とも言える。

とにかく、スケールがでかい。
このバンドのコンポーザーとしての実力の高さを証明する内容であり、楽曲にはパワーがある。
またコンテンポラリー色も強く、1曲たりとも捨て曲はない。
個人的には、ダークでありヘヴィでありエモーショナルである③や⑥が好きだけど、それもいいアクセントになっている。

1stシングルを聞いた時、ちょっと弱すぎないかと新作の出来が心配になったけど、そんなことは杞憂だった。
このバンド、やっぱり格が違う。
個人的には、最高傑作だと思う。


ALTER BRIDGE - The Last Hero - My Champion ★★ (2017-04-30 04:27:13)

こういう普通っぽい曲を、簡単に作れる才能があれば、きっと曲作りも楽しいだろうなと感じさせる一曲である。
例え簡単でなくても、難しそうに感じさせない余裕感がある。
このバンドの今の完成度の高さを、代表する楽曲でもあり、メジャー感を前面に出してもらしさを失わない、その器用さはかなり貴重である。


AMARANTHE - Amaranthe ★★ (2013-05-15 14:48:01)

恐らく基本はポップな楽曲なんだろうけど、アレンジは近未来的な部分があり、同時にメロデスやメタルコア的な要素を盛り込んでくる不思議なサウンドである。
個人的にはskilletがデスっぽく、ヘヴィにアレンジされたらこうなるといった感じなんだけど、楽曲はあくまでもドラマティックに作られているので、聞いていて心地いい。
僕の場合、この手ではこれ以上サウンドが軽くなると興味はわかないんだけど、そういう意味でも絶妙なバランス感覚で成り立っている音楽である。
楽曲の基本は、ポップなので、こういうサウンドがあまり得意でない人にもアピールできる魅力はあると思う。

所々にしか出てこないけど、ソイルワーク的な部分が個人的には好きである。


ANDI DERIS - Million Dollar Haircuts On Ten Cent Heads ★★★ (2013-12-09 15:26:12)

ソロ作品としては、本当に久々の新作である。
思い返せば、1stはPink Cream 69時代のポップ色が強く、それはファンが望んだ路線でもあり、評判もなかなか良かった。
そして2ndは、時流に流されたような作風で、個人的には問題外の内容だった。
CDは持っているけど、僕はもう10年以上聞いていない。

そして、この新作である。
あの2ndの悪夢を考えれば、僕には購入するのに相当ハードルが高い作品だった。
購入する理由......それは、アンディが好きであり、コンポーザーしての実力を認めているからという以外には何もない。
僕は、アンディは、実に器用な人だと思っている。
ソングライターとしての実力も、かなり高いし、その幅も広い。
基本は、Helloween用のアウトテイクというのは、想像しやすい。
事あるごとに、アンディはHelloweenが一番であるという発言を繰り返してきている。
よって、これがファンの期待するPink Cream 69路線でない事は、想像できていた。

⑤は、親しみやすく、分かりやすくキャッチーなナンバーである。
①、③、⑥等は、比較的ヘヴィな路線である。
だけど、これらの一見では違和感を感じる楽曲に、アンディらしさをいかに感じられるかにこそ、この作品のポイントはある。
よって、僕はこの構成には納得がいく。
バラエティに富んではいるものの、そこには案外統一性もある。

結局、ヘヴィであろうが、ダークであろうが、楽曲にはツボがあり、アンディ節も健在である。
決して、2ndのような消化不良的要素はない。
僕が点数を付けるなら、85点ぐらいである。
今でも、Pink Cream 69路線の楽曲は、書こうと思えばすぐに書けると僕は思う。
アンディは、実力のあるソングライターだからね。
このアルバムの楽曲でさえ、もっと煮詰めれば、かなりの作品になったと僕は思う。
やっぱり、アンディは凄い人ですよ。


ANGRA - Secret Garden ★★ (2014-12-22 21:40:56)

もう昔の典型的なアングラらしさというものは、結果として存在しないレベルになっている。
そのらしさという要素が希薄になったからという理由だけではないと思うけど、あのバンドにもあのバンドにも似ている要素が強調されていて、そこが妙に引っかかる。
また1曲1曲は、リフしかりメロディラインしかり仕掛けも多く、やたら展開が多い構成になっている。
でも楽曲自体の出来は決して悪くなく、過去のアングラらしさに拘らなければ、聴き応えは十分ある。

しかし、問題点もある。
確かに1曲1曲を単体で聴けば悪くはないけれど、アルバムの流れで聞くと、どうしても散漫な印象が残ってしまう。
これは統一性の無さから生まれるものであり、せっかくドラマティックな楽曲が多く収録されているのに、それが印象として残りづらくなっている点はかなり勿体ない気がする。

こういう作風になってしまうのには、バンドのどこかに問題がある事が多い。
メンバーの一体感があれば、得てしてこういう作風にはならないのである。

でも楽曲の出来自体は、決して悪くないと思う。
アングラらしさは少ないけどね。


ANTERIOR - This Age of Silence ★★ (2012-12-12 07:05:40)

僕は、BFMVの「POISON」でさえ、発売後2年以上経ってからやっとその凄さを理解したんだけど、その時にBFMVに近いバンドは居ないかなあと思って探した時、出会ったのがこのバンドだった。
BFMVにちょっと近いバンドというのは結構いるんだけど、彼らと同等に魅力のあるバンドというのは、実はそんなに多くない。
その中でも、彼らに最も近く楽曲的に魅力のあるバンドの最右翼が彼らだった。

⑤なんて、まさにその路線である。
その他の楽曲も、ギターが前面に出てるので、一般のHR/HMファンにもアピールする魅力がある。
しかし、それでも彼らは解散したのである。

実は、こういう所に僕は危機感を感じてしまう。
彼らのようなバンドさえ、長く活動できないのは何故なんだろう。
CDセールスは、全体的に確かに落ちてきている。
しかし、元来固定ファンが多くその熱意が最も強くしかも拘りが強いHR/HMというジャンルのCDセールスの伸び悩みは、僕の想像以上である。
それは、アメリカでも日本でも同じである。

こういったバンドを救えるのは、実はファンしかいないのである。
世代交代が進まない現状では、若い可能性のあるバンドは例え一つでも大事にしていきたい。
それを支えるのは、やっぱりファンしかいないのではないだろうか。
自分の好きなバンドを支えるのは、自分なんだという意識付けが、今後はもっと大事になってくる気がする。


ANTHRAX - For All Kings ★★ (2016-03-10 17:48:36)

元々、なんでもありというスタンスを取っていたバンドである、という事を忘れていなければ、まあ彼ららしい作品という位置付けでいいと思う。
勿論、初期のような感じではないし、前作とも少し質感は違っている。

もはや単純に「スラッシュ・メタル」というには無理な部分が多く、モダンさを取り入れながらも、基本は普遍的なHR/HMであると言えるではないだろうか。

楽曲は、単純に流れない。
これをどう捉えるのか。
もしジョーイがヴォーカルでなければ、楽曲自体は少し弱いのかなという感じがするものの、それも今に始まった事ではないので、個人的には真ん中より少し上といった評価である。

でもジョナサンは、想像以上に楽曲に新鮮味を与えているので、それはかなりのプラスポイントではある。

僕は前半が好きだけど、後半のオルタナ感も決して悪くない。
僕は、好きですよ。


ANTHRAX - Worship Music ★★ (2012-01-23 16:07:37)

音楽面以外で、このバンドには言いたい事がいっぱいあるけど.......。
それは、やっぱり次回にしようかな。

オリジナルとしては、8年ぶりという長いブランクがあったけど、少なくとも前作よりは典型的ならしさは復活したように思う。
前作は、往年の彼らの姿を期待すれば、少々物足りなかったのかも知れない。
あの楽曲ではないし、比較的ポップすぎたきらいもある。
でも、アルバム後半の失速加減はひどかったけど、前半部分は楽曲的には面白くキャッチーな要素も結構あり、個人的には嫌いではなかった。

この新作、前作のようにアルバム後半にかけて失速するような事はない。
平均的に楽曲は、良くできているし、サウンドも分厚く統一感もある。
全盛期のような楽曲では勿論ないけど、モダンさばかりが目立った90年代のアルバムと比較すれば、僕はこの新作の方が好きである。
全盛期をオンタイムで知るファンよりも、比較的若いファンの方がウケがいいかもしれない。
先入観の無い方が、好印象に繋がりやすいかもしれない。
でもキャッチーさもあり、らしさも十分にあるので、ファンなら合格点のような気がする。
モダンなサウンドだけど、今居そうで居ないサウンドかもしれない。
まあ、それがバンドの個性なんだろうけどね。


ARCH ENEMY - War Eternal ★★★ (2014-06-07 17:37:20)

前作から約3年振り、通算9枚目のオリジナルアルバム。
アンジェラのVo.については、常に賛否両論あったけど、それより何より音楽性自体に若干の路線変更があり、それが個人的には彼らの魅力の半減に繋がっていた。
ヨハンが居た初期3枚というのは、とにかく煽情力が半端なく感情に訴えかける曲作りが成されていたように思う。
それが、アンジェラ加入後初の作品である「Wages Of Sin」には、前作からの流れとして継承された部分はあったけど、それ以降の作品にはそういった部分に力点を置かない曲作りが成されていたように僕は感じる。
初期3枚と4枚目~8枚目というのは、Vo.のチェンジも重なり、感触としては全く違うものになっていた感覚がある。
典型的なメロディック・デスから正統派HMの要素を強く主張するメロディック・デスへのチェンジと、僕の目には映った。

前作は購入していない。
それは、5~7枚目の個人的評価があまり高くないためである。
この新作、とにかく煽情力が半端ない。
勿論、初期のような楽曲ではないし、かといって最近の作風ともちょっと違う。
とにかく楽曲はコンパクトであり、メリハリも効いているし、それぞれが独立した魅力を放っている。
メンバーチェンジがもたらした効果は明確であり、とにかく楽曲そのものに輝きがある。
これは、久々にきたね。

アルバム後半の展開、特に⑪⑫の存在が全体をまとめ上げ、その荘厳さに磨きをかけている。
これは、いい。
劇的な変貌である。


ARCH ENEMY - Will to Power ★★★ (2017-09-17 18:59:07)

約3年ぶりの新作だけど、大まかに言えば前作からの延長線上にあり楽曲はよく練られている。
扇情力が高く、とにかくドラマティックな楽曲で構成されていた前作と比較すれば、一見淡白に聞こえるかもしれないけど、それは前作からの揺り戻しでもあり、若干キャッチーさが増したことがもたらす結果とも言える。
意気込み的なことで言えば、メンバーチェンジがあった前作の方が強かったハズだけど、この新作も実はいい出来である。

分かりやすさが増した事を、どう評価するのかがポイントになりそうだけど、個人的にはそれがマイナスに感じることはなかった。
前作同様、アルバムのラストを締めくくる⑩~の出来もよく、それが作品の引き締めに一役買っている。

僕は、結構好きですよ。
シャーリーの分析は鋭いね。


ARMORED SAINT - Win Hands Down ★★ (2015-07-12 17:29:49)

結局、哀愁を含んだ(それ程多くはないと思うけど)アメリカン・パワーメタルが好きかどうか、又はアンスラックスにも在籍したジョン・ブッシュのVo.が好きかどうかが、この作品の評価に影響を与えそうな気がする。
僕はジョンが大好きなので、この作品の良さが理解できるけど、もしこの作品がジョンでなかったならばと考えた時、ちょっと評価に悩みそうな内容でもある。

時流に関係しないオールド的な部分が多い所や男気くさい部分は、HR/HMを長く聞いて来られた方には懐かしくもありプラス部分にはなると思うけど、やたら装飾部分が多い所やごった煮色が強い所はややもするとマイナス評価になりかねないと思う。
正統派.....結局はこの部分が根幹にはあるので、ギリギリそれらの散漫になりかねない要素を一歩手前で持ちこたえている感じがするけど、うーん難しい作品であることは間違いない。

僕は、結構好きですよ。
ジョンのVo.が好きだから。
でも、ファンでない方は、手を出しづらいかもしれない。


AS I LAY DYING ★★★ (2012-09-25 14:19:04)

メタルコアバンドの中でも、トップクラスの人気を誇る彼ら。
日本では、他のバンドの方が人気があったりするが、とにかく海外ではここ数年トップクラスである事は間違いない。
等身大でありながら、楽曲作りにも手を抜かず、それでいてライブにも全力を叩き込んでくる。
彼らは、実に健全な方法でファンを獲得してきた。
その自信は見事にバンドとしての成長に、磨きをかけている。

メタルコアというジャンルで括ってしまえば、そのフィールドは狭くなってしまうが、このバンドの最大の特徴はそのジャンル以外のファンが多いという事実である。
メタルコアばかりを聞いているコアなファンの支持もありながら、それでいて変に自分たちを変えようとしないそのスタンスにも好感が持てる。

とにかく、そこら辺のメタルコアバンドとはどこか違う風格がある。
比較的謙虚でありながら、ファンとの距離感を決して忘れない。
もしかしたら、そういう人間的な魅力もバンドの人気を支えているのかも知れない。

聞かず嫌いのファンの方には、お薦めのバンドである。
日本でも、もっと人気が出てもいいバンドである。


AS I LAY DYING ★★★ (2012-09-29 15:53:18)

メタルコアと言っても、その幅は意外に広かったりする。
一般的に認識されているHR/HMバンドのサウンドに近いバンドも居れば、ハードコアに近く、またブレイクダウンばかりでメロディーがあまりないバンドも居る。

やはり日本のHRファンには、前者の方が人気であるが、このバンドも実は前者なのである。
このバンド、メロディーも比較的豊富にあるし、安易にブレイクダウンに逃げない楽曲の作り方も魅力である。

企画物である「Decas」には3曲の新曲が収められているが、この3曲が実に彼らの懐の広さを証明しているのである。
彼ら流に言えば、違ったタイプの3曲を収録しただけであって、特別なものではないらしいが、こういった所にこそバンドとしての力量が表現されるし、ポテンシャルの高さが証明されるのである。

新作も発売されたが、楽しみである。
じっくり聞き込みたいと思う。


AS I LAY DYING ★★★ (2014-06-18 17:00:32)

バンドの顔であるティム・ランベシス逮捕の件は、衝撃的であり残念で仕方がなかった。
それよりも更にショックだったのは、その後の彼の言動である。
何故そういう行動を取るのか、本当に理解に苦しむ残念な行為だった。

活動停止と言えども、復活はありえないと言える程のわだかまりを残す結果となった。
残ったメンバーで、新たなVo.を入れて8月にニュー・アルバムが発売されるけど、個人的にはそちらを応援していきたいと思う。
メタルコアの中でも、一目置かれる立場のバンドだっただけに、今回の件は非常に残念である。


AS I LAY DYING - Awakened ★★★ (2012-11-10 20:10:15)

企画物であった「Decas」に収録されていた新曲3曲とのリンクはあるのか、に注目していたけど、結局予想通りリンクは無かったようである。
実はこの3曲、僕は非常に気に入っていた。
このバンドの懐の広さを証明する出来栄えで、やっぱりいいバンドだなと再認識させてくれたものである。

この新作やっぱり一本、筋が通っているから、統一感がある。
彼らの場合、作品毎に若干違いはあるものの、僕の中では基本あまり変わらないバンドである。
例え、世間で自分たちがどう評価されようが、時流がどう変わろうが全く関係ない、ブレないその芯の強さが実に魅力的である。
コアにも走らない、だけどポップにも走らない。
媚びる感覚が全くないバンドである。

クリーンVo.の比重が、多少増えてはいるものの、やっぱりブレないバンドである。
安定感がある。


AT THE GATES - At War With Reality ★★ (2014-12-01 21:17:26)

B!誌のレヴューで政則氏が、メロディック・デス・メタルの現在進行形の姿と書いていたけど、なるほどなと思った。
更に付け加えるとすれば、AT THE GATESというバンドの現在進行形でもあるのではないか、とも思った。
メンバー自身がどのくらい意識して作ったのか分からないけど、もしバンドがずっと存続していて2014年にアルバムを出したとしたら、きっとこういった作品になったのではないかという視点から書かれたような内容である。

全体としても、前作にあった典型的なイエテポリスタイルのメロディック・デス色は薄く、どちらかと言えばモダンなデスラッシュ路線であり、普通のモダンなHM/HRとも言えなくもない。
また、判りやすさや即効性があまり無い分、聴き手には集中力が必要であり、全体を捉えるのが難しい作品でもある。

個人的にはバンドの真面目さが生んだ力作であり、だからこそ狙ったようなキャッチーさが少ないのだと思う。
メロディック・デスが好きな人よりも、AT THE GATESというバンドが好きな人にこそ、お薦めしたい新作である。


AT VANCE - Only Human ★★★ (2017-02-01 17:46:25)

僕個人の感覚で言えば、90年代半ばから続いたHR/HMシーンの低迷は、01年ぐらいに一度復活した。
とは言っても、そこには今でいうオルタナティヴ・メタル勢やポスト・グランジ勢を巻き込んだ形での、という条件が付く。
80年代には、シーンの細分化なんて考える必要がなかった。
ベテランや中堅のバランスも良く、そこに有望な新人も登場する。
今では考えられない、充実したシーンであった。

本来、こういったど真ん中の音楽性のバンドが、ベテランであれ中堅であれ新人であれ、もっと頑張っていたならば、そもそもここまでシーンが細分化されたり、低迷しなかったハズである。

このアルバム、当時はよく聞いていたけど、久々に聞いた。
時間が経っても、やっぱり良いものはいい。
コアがコアでないシーンは、やっぱりおかしいのである。


AVENGED SEVENFOLD (2011-10-16 05:09:42)

「NOT READY TO DIE」は、最高である。
ビデオゲーム用に書き下ろされたナンバーではあるが、実質的にはこれが彼らの新たなスタートとなる。
昨年発売された「NIGHTMARE」は、ある意味賛否を生んだのかも知れない。
それは、作風に少し変化があった為であるが、この新曲を聞けばこの流れが間違いでなかった事がわかるハズである。

レブを失い、マイクをサポートに呼んで、「NIGHTMARE」は完成した。
ある意味、方向性が見えにくい作風に、ファンは不安を抱いたのかも知れない。
しかし、この作品があったからこそ、この新曲は生まれたのである。
実に彼ららしいナンバーである。
しかも、今まで以上に楽曲は強力である。
バンドは着実に、大物への階段を昇りつつある。
それにしても、楽曲がいい。


AVENGED SEVENFOLD (2013-08-08 18:54:39)

新作からのタイトルトラックを聞いてみたけど、これは賛否分かれるだろうなという印象である。
僕が思うに、前々作から変化の兆候はあったし、それは前作「Nightmare」でも同じ考えだったと思うけど、ザ・レヴが亡くなった影響で、「Nightmare」はむしろ逆に、従来の自分達に戻った様な作風になった。
これは、マイクのドラムスにも象徴されていて、出来るだけ従来の彼ららしさを壊さないように徹していた事も少し影響している。

もし、ザ・レヴが存在していたとしても、彼らは変化する方向性にはあったとは思う。
ただ、ザ・レヴのドラムスはかなり個性的で、曲作りという点でも重要な要素を担っていたので、それは他人では真似がしにくい訳で、そう考えると全く同じ変化でも、その幅は結果的に大きくなってしまうのではないだろうか。
本来なら、前作というワンクッションがあったハズである。

B!誌の大野さんのレヴューを、どう感じるだろうか。
その実力を認めているからこそ、辛口になるのである。
音楽的な面での彼ららしさを支えていた、ザ・レヴの存在感は想像以上であった事が、この1曲でもなんとなくわかってしまう。
でもよく考えたら、ソングライターを失ったのだから、影響が出ない方がおかしいのである。


AVENGED SEVENFOLD (2016-02-14 07:16:06)

思い返せば、マイキーをヘルプに使って「Nightmare」は完成した。そして、新メンバーのエレンを迎え入れ「Hail To the King」を完成させた。
僕の認識では、「Nightmare」の高評価に対して、「Hail To the King」の評価は、高くなかったというより酷いものだったと記憶している。

後だしジャンケンになってしまうけど、マイキーはある意味やっかいな人ではあるけど、上手く利用する形でも良かったので、「Hail To the King」の制作まで引っ張ても良かった気がする。
マイキーはアイデアも豊富であるし、場合によっては意外に自分を消すことができる万能型でもあるし、器用な人でキャリアも豊富なので、知恵を借りても良かった気がする。
ここら辺にも、バンドの難しさや歯がゆさを感じたりするけど、それだけレヴの存在感が大きかった訳であり、新ドラマーを迎えて制作される新作では、いい意味で期待を裏切って欲しいものである。

この辺りのキャリアのバンドにこそ、頑張ってもらいたい。


AVENGED SEVENFOLD (2016-10-30 19:29:13)

突然、新作がリリースされた。
これがどういった経過を経て発売されたのか知らないし、敢えて調べてもいないから、何の情報もない。
あるのは、音源のみである。

先入観は、得てして作品の純粋な評価の邪魔をする......。

先ず言いたいのは、どう考えてもこの作風は、ファンの支持を得にくいという事である。
なのに、何でこういった作品を作るのか......。

僕は前作を聞いた時、もしかしたら今後迷走するかもしれないなと思った。
それは、今後の方向性が全く見えなかった事に起因する。
作品の出来の良し悪しよりも、転機を迎えたバンドにとっては、こちらの方が重要となる。

楽曲には、分かりやすさが総じて少ない。
キャッチーさも、少ない。
だけど、聞き応えという点では、前作とは比較にならないものがある。
難解ではあるけど、個人的にはこれが迷走の結果であるとは思えない。
むしろ、多くのアーティストが経験する前進力や成長願望がもたらす現象ではないだろうか......。
どうしても、複雑になってしまうのである。

彼らの苦悩は、確かにサウンドから感じる。
だけど、予定調和に走らない姿勢は、新たな魅力となるハズである。
僕は、頑固なバンドが好きである。


AVENGED SEVENFOLD - City of Evil - Bat Country ★★★ (2008-11-17 19:32:25)

この曲は、最高。くどい展開が、逆に良い。


AVENGED SEVENFOLD - Hail to the King ★★ (2013-08-28 05:42:50)

前作から約3年振りの新作の登場である。
先行シングルである②を聞いた時、これは賛否分かれるだろうなと思ったけど、それ以上に評価が難しい内容に仕上がっている。
アルバム全体の質感で言えば、確かに違和感を感じるんだけど、僕は前作で感じたメタリカやアイアン・メイデン的要素が強くなっただけで、作品の変遷で言えば当然の流れであり、ある意味納得できる作風であると思う。
実は、前作で彼らが目指して形がこのような作風であり、やっぱり変化の道を選択していた事実を確認する事ができる新作でもある。

個人的にどう評価するのか、正直迷う。
結論から言えば、僕の評価は悪くない。点数で言えば、85点ぐらいである。
楽曲におけるサビの弱さやメロディの起伏の少なさ、特徴が無さすぎるドラムス、あっさりし過ぎるアルバム構成等、マイナス的要素を探すのは簡単なんだけど、統一性を重視した作風、敢えてバランス感覚を無視した新機軸に特化した潔さは、評価すべき点ではないだろうか。

やっぱり彼らはアメリカのバンドであった事を、僕は再確認した。
今の停滞したアメリカのロック・シーンを、逆説的に証明している。


AVENGED SEVENFOLD - Hail to the King ★★ (2013-10-30 16:27:39)

マシーン・ヘッドのロブの発言の真意がどうであれ、それはある程度HR/HMを聞き続けている人なら、誰しもが感じた事ではなかったであろうか。
確かに、あれもこれも似ているし、そう言いたくなる人の気持ちもわからなくもない。

だけど、彼らはレブを失っている。
バンドの特徴的部分の中心を失っているのだから、その点は考慮してもらいたい。
しかも、アルバムの変遷で考えれば、この作風は決して突然変異ではない。
楽曲の出来も、悪くはない。

個人的には、これが決して最終目標地点ではない気がする。
この新作は、彼らがリスタートするための準備的な作品であると僕は思う。
だから、今後彼らがどういった道を選択するのか、想像しづらい。
元に戻すのか、進化の速度を速めるのか、先は全く読めない。
もしかしたら、迷走するのかもしれない.......。

でも、時代のせいばかりにして、何のチャレンジもしないバンドなんかより、よっぽど魅力がある。
これが2作続くようなら問題は深刻だけど、たった1作品で判断するのは早計である。
正解なんて、どこにも無いのである.....。
バンドが下した決断こそが、正解である。


AVENGED SEVENFOLD - Nightmare ★★ (2010-08-07 20:21:00)

先行シングルである①を聞いたとき、正直新作の出来が不安だった。
何か煮え切らないというか、最大公約数的雰囲気を持つナンバーに、ホントに大丈夫かと心配になった。
最初の視聴の感想は、決して良くなかったが、繰り返し聴いているうちに、これは凄い作品ではないか..............という感想になってきた。
最初は、メタリカやアイアン・メイデン、そしてドリーム・シアター的な要素を強く出しているナンバーがある為、そこが妙に引っかかる。
しかし、逆に言えばそれこそが、この新作の中心であり、メンバーが変化を求めた結果であるように思う。
全体的にはダークであり、雰囲気も重苦しい。
またバラエティーには富んでいるし、作りっぱなし的な作風でもあるけど、散漫さは何故かあまり感じさせない。
それよりも、隠れたメロディーが絶妙であったり、彼らの懐の深さが強烈に印象に残るのである。
定番的な①~③、そして④~の展開が妙に心地良かったりする。
これは、いい。
最高傑作と僕は断言したい。
バンドの特徴の一つであったザ・レブのドラムが聞けないのはさみしいが、このバンドのポテンシャルの高さを逆に証明した意味でも、この作品オリジナルでありながら、やはり異質ではある。


BAD MOON RISING - Bad Moon Rising ★★ (2008-05-04 21:00:00)

LIONを経過してこのバンドということになるが、ここまでのいきさつを知っていると、楽な気持ちでこの作品に接することが難しい・・・・・・・・。
LIONの方が泣きの要素は強いが、この作品には言葉で表現しづらい世界が存在する。半分は名曲と呼ぶにふさわしい出来である。
報われなかったバンドの一つとしても有名であるが、カルやダグの苦悩がなんとなく伝わる陰の名作かもしれない。


BLACKWELDER - Survival of the Fittest ★★ (2015-07-15 17:38:53)

2015年の上半期は、例年に比べてもアルバムの購入枚数が少ない。
それは自分にとって魅力的な作品が少ないのが理由であり、この傾向は年々加速度を増している気がする。
この作品もどうなんだろうと思いつつ、予算的には余っているので購入してみた。

最近のPRIMAL FEARの充実感がなければ、あまり興味は湧かなかったのかもしれない。
ラルフ・シーパースは魅力的なVo.であるけど、GAMMA RAYに関してはカイのVo.でも僕は十分だとずっと思っているので、やっぱり今のPRIMAL FEARの充実感が興味を抱いた最大の理由である。

よくあるプロジェクト作品の一つと言ってしまえばそれまでだけど、メンツから想像できるようにサウンドは良い意味で多国籍になっており、ヨーロピアン+アメリカンで、まあそこが一番のアピールポイントだとは思うけど、バラエティーに富んだ楽曲で構成されている。
でも、ネオ・クラシカル的な要素がもう少し強くても良かったのでは.....と思うファンはきっと多いであろう。
それは、そういった楽曲の方が出来が良いと感じるからであり、それ以外の楽曲におけるフックが少し足りない為かも知れない。
アルバム前半の出来は良いと思うので、後半にもう少しキャッチーさがあれば良かった気がする。

そうは言っても、まずまずといった感じである。
次も、是非期待したい。


BLESSTHEFALL - Awakening ★★ (2015-07-12 18:09:25)

ポストハードコアというと、HR/HMファンという立場から言えば、近いようで遠い存在だし遠くて実は近い存在だと思うけど、アメリカのロックシーンをず~と見ている者からすれば、この手しか元気がない訳で、なんだこれといったアマチュアに限りなく近いバンドも多い中、たまにこれは.....といったバンドに出会ったりする。

僕は、このバンドが特別に好きという訳ではないけど、新作がもうすぐであるし、あらゆる意味で中間には居るバンドだと思うので、紹介してみた。
この手には、この手の音楽の良さがある。
アメリカの音楽シーンには、ここ数年何の動きも無いと思うけど、相変わらず若者には支持があるジャンルである。


BLIND GUARDIAN (2015-01-26 18:43:26)

こういった突き詰めていく事によって音楽を創造するタイプのバンドというのは、キャリアが長くなってくると、どうしてもいろいろとこねくり回し過ぎて難解な作風になる事が多い。
ファンとしては、あの全盛期の比較的シンプルな作風を期待したとしても、アーティストにとってそれは成長というよりも停滞や後退を意味する事になるわけで、これが簡単な問題ではない事を僕はこれまでさまざまなアーティストによって嫌と言うほど味わってきた気がする。
自分たちのやりたい事を封印して、ファンが期待するものを作る事が本当に良い事なのかどうかに関しても、受け取り方は人それぞれであって、やっぱりそれもバランス感覚が重要な気がする。

前作から約4年半振りとなる新作が発売されるけど、それが難しくなりすぎていない事を願うばかりである。
情報を全く入れていないので予想は難しいけど、前作が良かっただけに期待感だけは半端ない。


BLIND GUARDIAN - At the Edge of Time ★★ (2010-09-18 20:11:00)

僕は、前作を高く評価した。
でも、点数を付ければ正直70点ぐらいであった。
それは、どういう事かと言うと、分かりやすい彼らが戻ってきたという点のプラス評価と楽曲自体はバラツキもあり、今ひとつというマイナス評価があったからである。
でも、今後の事を考えると、これは絶対に良い方向に向かうと思ったので、この路線は間違いではないという点を考慮しての高評価と、僕の場合そうなった。
アーティストだって迷う........完璧である必要性なんて無い......どの方向性が正解なんて答えも無いし、ファンがアーティストに振り回されるのは、運命なのである。
この新作、確かにわかりにくいブラガに戻っている。
せっかく、前作で戻ってきたのに......と、感じたファンもいるだろう。
でも、6thや7thにあった消化不良的な感覚を僕は感じなかった。
むしろ、統一性もあり楽曲もよく出来ていると僕は感じる。
やっぱり、前作があったからこの完成度に結びついた感じがする。
正直に言えば、3rd~5thの方向性を期待したいけど、あれは若いから出来た作風でもあるし、時流的な要素も多分に含むので、ちょっと難しい気がする。
今、出来る事......この視点から考えると、この新作は実に彼ららしいし、完成度も高いと僕は思う。
点数つければ、86点かな。
僕は、好きですよ。


BLIND GUARDIAN - Beyond the Red Mirror (2015-01-31 21:16:24)

これを、どう解釈すればいいのだろうか、心は複雑である......。
個人的に非常に楽しみにしていた待望の新作は、その評価に悩む内容に仕上がっている。

サウンドから言えば、楽曲にフックが乏しく平坦な印象が最後まで続いてしまう。
オーケストラやクワイアを大胆に起用した事が裏目に出ていて、ギターやドラムまたはVo.等の本来攻撃的に前面に出ていて欲しいという、彼らに期待するものがことごとく裏切られ、キャッチーさが少なく変化に乏しい楽曲が続くことで、退屈な印象を増長させている感じがする。

この作品を聞いて僕が先ず感じたのは、誰か第三者的意見を言える者がいなかったのかという疑問である。
どんなに中身の濃い内容であろうが、立派なコンセプト・アルバムであろうが、これではその魅力が半減してしてしまっている。
この内容が故に起こった現象なのか、それとも従来のらしさにあまり力点を置かなかったからなのか、その理由はわからないけど、これでは個人的には魅力に乏しい。

ただ、密度の濃さは認めざるを得ないし、作りこんできたその意気込みは高く評価したい。
やっぱりこのバンドの場合、あまり凝りすぎず簡単な方が魅力が出ると思うんだけどなあ~。
ドラマティックさに欠けるこの新作には、熱くなれない自分がいる......。


BLIND GUARDIAN - Tokyo Tales ★★ (2009-03-26 15:14:00)

彼らの良さは、この手のサウンドを信条とするバンドの追随を許さない所にある。
アルバムとアルバムのインターバルが長い所に不満は感じるものの、サウンドの芯には全くブレがないのが最大の良さである。
初期のナンバーで固められたこのライブなんて、僕にとっては感動極まりない。
90年代の初期~中期の彼らの人気は、ここ日本ですさまじいものがあった。
その熱気や勢いを、当時を知らないファンの方に、このライブを聞いて感じていただきたい。
熱いですよ。


BON JOVI - Burning Bridges (2015-09-07 19:17:14)

BON JOVIに限らず、あらゆる物事を裏側から見つめれば、当然その印象は変わってくる。
果たして、それが良い事なのか悪い事なのかは、正直分からない。
BON JOVIは変わってしまった......というのは、簡単である。
でも、それは本当なのだろうか......。
他人の意見やメディアの情報に、流されてはいないだろうか。
作品の評価に、それらの要素を組み込み過ぎる事には、僕は反対である。

とは言っても、この作品を聞いてBON JOVIらしいとは、とても言えない内容である。
B!誌が、あえてクロス・レヴューにしている事情からもわかるように、中途半端な作品である。
契約消化の為の作品......という事情を抜きにしても、アウトトラックの寄せ集め的な感覚が強く、
故に一枚の作品としての色が無い。

要は、これをファン・アルバムという訳の分からない表現をしている事に問題がある訳で、別の言い方をすれば、こんなに混乱しなくても済んだ気がする。
もし、これが売らんが為の手段だとすれば、それは逆にジョン自身にかえってくるわけで、自分で自分の首を絞める事になりかねないので、単純に判断ミスのような気がする。
ファンもバカではないので、そういった気がもしあったのであれば、それはやがて見透かされる事になるであろう。

収録曲を個別に聞いていけば、一軍半といった感じで、そこまでつまらないとは感じない。
もはやジョンに、HR/HMバンドとしてのモチベーションはあまり残っていないと思うので、⑦なんかが個人的にはお気に入りである。
なんか寂しさを感じるね。
過去に一番好きだったバンドだけにね......。


BON JOVI - Crush ★★ (2009-09-08 14:27:00)

この作品に多少なりの違和感を感じているファンは、時代性という要素を意識的に取り入れた作風になってる所に原因があるように思う。
大物バンドでさえ、方向性を見失った90年代中期~の音楽シーンを経て、一体どこへ行けばいいのか.......ジョンは悩んだはずである。
その一つの答えが、時代性を取り入れるという事ではなかったのだろうか。
今時の人を起用し、制作されたアルバム。
1曲1曲は独立し、単体の楽曲の寄せ集め的な作品。
でも、よく考えてもらいたい。
開き直った最近の状態がいいのか、新たな道を探し続ける挑戦的な姿勢の方がいいのか...........。
僕は、この作品嫌いではない。
それは、ボン・ジョヴィらしさがそこに立派に存在するからである.....。
時代順に聞いていけばわかるが、彼らの作品の流れには突然変異は存在しない。
いつも、等身大なのである。
だから、僕は好きである。


BON JOVI - One Wild Night: Live 1985-2001 ★★ (2009-03-13 16:00:00)

いつか、もっと質の高いライブ盤を出して欲しい。
購入してから随分経つが、そんなに聞いてないからCDは新品に近い。
そんなことより、僕はいろいろなアーティストのライブを観てるけど、その中でもボン・ジョヴィのライブは、印象に残るものが多い。
ヒット曲の多さは勿論、いい曲が多い事に、いつも改めて思い知らされる。
やっぱり生で一度は見る価値がある、アーティストである。
全盛期は過ぎたが、でもその存在感は未だに大きい。
最近の作品は落ち着いた物が多いけど、彼らはやっぱりHRバンドである。


BON JOVI - Slippery When Wet ★★ (2008-12-02 17:19:00)

当時も今も、BON JOVIみたいな音楽を演奏しているバンドは数多く存在するが、彼らと肩を並べるバンドに僕は未だに出会っていない。
彼らの良さは、数限りなくある。
このアルバムは、初動こそ鈍かったがシングル・ヒットとの相乗効果で、結果的にモンスター・ヒットを記録した。
ブルース・フェアバーンと言えば、僕はボン・ジョヴィの名前が先ず思い浮かぶ。
サウンド・プロダクションの良さとブルース・フェアバーンの印象が、個人的には強烈に残る作品である。
全体のバランスも良く、完成度も文句のつけようが無い。


BON JOVI - The Circle ★★ (2009-11-07 17:13:00)

例えば、エアロスミスのような選択肢もあったハズである。
売れっ子を起用し、ダイナミックな仕掛けを施したアルバム......。
しかし、BON JOVIはいつの時代も等身大なのである。
器用そうで不器用なバンド、BON JOVIらしく何の仕掛けもないサウンド。
アレンジにこそ、鋭角的なハードさが多少復活しているが、楽曲は今の彼らそのものの内容である。
BON JOVIに、ベテランバンドという肩書は似合わないけど、やっぱりいい意味でもそうでない意味でも、彼らも歳をとったのである。
自分達だけで創造できるハードさの限界が、このサウンドなのかもしれない。
ジョンが、かなり意識的に変化を求めない限り、基本の部分は変わらないだろうと僕は思っていたので、個人的には想像通りのサウンドであった。
メリハリが少ない.....確かに当たっていると思う。
どこかで聞いたフレーズ......もある。
だけど、良い意味での円熟さも同時にある。
アルバム全体に流れる空気感......心がリラックスできる楽曲......は、今の彼らのソングライティングにおける最大の魅力かも知れない。
物足りなさも確かにあるけど、円熟味あふれる作品で、僕は意外に好きですよ。
楽曲的に言えば、⑤~⑧の流れと、地味だけど⑨~⑫あたりも意外に好きです。
コアがコアでなくなった今のHR/HMシーンに、変に意識することもなく、何も変わらない彼らは、やっぱり大物バンドという気がします。


BON JOVI - This House Is Not for Sale ★★ (2017-01-11 21:03:28)

僕が選んだ、2016年のベスト・アルバムの10枚には、この作品入っていない。
(その枠を20枚ぐらいにすれば、入るかもしれないけど。)
そうは言っても、「ハヴ・ア・ナイス・デイ」を最後に、それ以降の作品は入ってないけどね。

大物でありながら、コンスタントに新作をリリースしてくれるジョンには、本当に頭が下がる思いである。
そして、その内容も毎回それなりに仕上げてくるその実力の高さにも、感服する。

この新作も、いつもの感じではあるけれど、その空気感にはスッキリしたものがある。
楽曲には統一性があり、ここ数作品の中では、一番その平均値が高い。
もはや、今の彼らに期待できるものは、ここに集約されていると言っても過言ではない出来で、満足度は正直高い。

もし彼らがもう少し若ければ、違った見方でその評価も変わってくるとは思うけど、僕は結構好きですよ。
ちょっと志向を変えた作品も期待したいけど、それは無理かもね...。


BON JOVI - What About Now ★★★ (2013-03-15 15:48:19)

いつものスタッフによって制作された事実からして、変わりようが無いと僕は思っていたけど、まあ予想通りの内容の新作である。

彼らに過去の作品のようなハードさを求めるなら、「Crush」の時か「Have a Nice Day」の時しかチャンスは無かったと僕は思っているので、この楽曲、このサウンドは個人的には納得である。
「Lost Highway」、「The Circle」そしてこの新作は、アレンジこそ多少違うけど、前半に比較的シングル向きの楽曲を集める構成や楽曲そのものにも、あまり変化はない。
恐らくジョンにとって、今のスタッフは余程居心地が良いんだろうなというのは、何となくわかる事だし、この作風もCDが売れない今の音楽シーンや、シングルヒットがアルバムのセールスにあまり反映されない事を考えれば、致し方のないことだと僕は思う。
逆に言えば、もし80年代後半のような音楽シーンであれば、絶対にこのような作品にはなっていないと僕は思う。
例え、歳を取っていたとしても........。

楽曲を個別に聞くと、確かにインパクトは弱いかもしれない。
だけど、アルバムから感じられる癒しのリラックス空間は何とも心地が良くて、ほぼオンタイムで聞いてきた僕なんかにすれば、何とも感慨深いものがあったりします。
客観的に言っても、少なくとも前作よりは全体としては華がある作品だと思います。
特に①~⑥なんかは、楽曲的には強力だと思いますよ。

今のBON JOVIに何を求めるのか........。
それは人によって違うだろうけど、やっぱり彼らは偉大だと僕は思います。


BOREALIS - Fall from Grace ★★ (2017-12-22 21:26:03)

世間であまり注目されていないバンドにも、面白いバンドはいる。
決して今でも物凄く出来がいいとは思っていないし、単純に誰も発言していないから取り上げてみた。

僕は1stと、この2ndを持っているけど、当時もこの2ndだけは何処か引っかかった印象はある。
それは、やっぱりサウンドの独自性にある。
要素としては、メタルコアありメロデスありモダンさもありプログレっぽい所もある。
だけど、どれも中途半端であり、どのファン層にも訴えにくい。
今の時代、ファン層のターゲットは絞り込んだ方が得策である。
でないと、スタートさえ切りづらいのが現状である。
逆説的になるけど、だからこそ魅力的なのである。

楽曲の出来も、どこか煮え切らない。
だけど、僕は案外好きである。
個性は大事である。
自分だけの名盤......をあらためて回想中である。


BREAKING BENJAMIN - Dark Before Dawn ★★★ (2015-07-05 07:43:35)

活動休止期間があったにも関わらず、ビルボードでは初登場No.1である。
約6年振りとなった新作だけど、中身は何も変わっていなくて、安定した内容に仕上がっている。
この路線では圧倒的な支持があるバンドだけど、時代も変わりトレンドではなくなっている現状でも、同じような路線のバンドが苦戦する中、このバンドの支持率の高さと楽曲のレベルの高さを証明する結果となっている。

このサウンドは、やっぱり貴重だね。
ベンジャミンさえいればバンドは存続する。
それが良いのか悪いのか分からないけど、DISTURBED同様、嬉しいバンドの復帰である。


BREAKING BENJAMIN - Dear Agony ★★ (2009-10-11 07:43:00)

アメリカでは、安定した人気がある彼らの新作。
路線的には従来と全く変わらず、ファンに期待に答える充実の出来である。
楽曲の出来も良く、個人的は結構お気に入りである。
それにしても、楽曲の出来がいいね。
こういう適度にメロディアスで、適度にロックしているバンドが、今アメリカでは人気があるけど、楽曲志向のファンの方には一聴していただきたい作品である。
それにしても変わらないね、このバンド。そこがいいんだけど。


BRING ME THE HORIZON - Suicide Season ★★ (2009-03-15 13:24:00)

前作は購入していないが、サウンドはかなり分厚くなったハズである。
HR/HMファンに、どの程度支持されるのか注目していたが、やはりこの手のジャンルのファンという枠内に留まっているようである。
若くて将来性もあるバンドというのが、最大の注目ポイントである。
この手とあえて言うけど、楽曲にはフックと押し引きがあり、ひとクセある所がいい。
コアがコアでなくなった今のシーンにおいては、表のど真ん中なのかもしれない。
80年代HR/HMサウンドのファンの自分ではあるけど、確かになんか魅力を感じるバンドである。
このジャンルのファンの方なら、必聴ですよ。


BUCKCHERRY - Black Butterfly ★★ (2008-10-05 07:32:00)

前作収録の「クレイジー・ビッチ」路線を芯においた彼らの新作である。
僕は前作のレヴューでも書いたけど、こういう空間の多いサウンド及び楽曲の方が、彼らにはチャンスがあると思っていたので、この出来には納得である。
コンテンポラリー色を強めた事に、軟弱になったとか、売れ線に走ったとか、文句の言葉も聞かれそうだけど、このバンドが今後あらゆる意味で成功をつかみたいなら、この路線で僕は良いと個人的には思う。
楽曲はキャッチーだし、粒ぞろいである。僕は余裕で合格点である。


BUCKCHERRY - Confessions ★★★ (2013-02-20 12:03:02)

いくら世間で評価が高かろうが、メディアの評価が高かろうが、個人的にはそれが自分自身の評価に影響を及ぼす事は先ず無い。
逆に言えば、世間で評価されていない自分だけの名盤も数多く存在するし、その逆も数えたらキリがないくらい存在する。
作品の正当な評価とは、アーティストに変に肩入れする事でもなく、変に世間の空気を読む事でもなく、アーティストに敬意を表しながらも、各自が素直な意見を述べる事ではないだろうか。
勿論、そこにはある程度の節度が必要であるし、客観性も必要である。

この新作、基本的には何にも変わっていない。
音楽性自体も、「15」以降のスタイルをキープしている。
コンセプト・アルバムだからといって、身構える必要は無いし、難しさも特に無い。
だけどこの作品、楽曲的には、かなり新鮮さがある。
1曲1曲が作りこまれていて、単純にフックが多くメロディーも豊富である。
中でも、Vo.や楽曲の躍動感とスリリングさは、過去最高と呼べるレベルである。
特に⑨~⑪の流れなんて、これまでにはあまりなかった展開力を感じる事が出来るハズである。

アルバム「15」は、彼らの出世作であった。
続く「BLACK BUTTERFLY」も、トータルでは「15」を凌ぐ完成度であった。
そして前作「ALL NIGHT LONG」は、1曲1曲の出来は悪くなかったけれど、ややもすればマンネリ感が生まれそうな緩さがあった。
個人的には、多少不安を感じさせる内容だった。

この新作、コンセプト作という事が、かなり功を奏している。
意気込んで作った事が、全てにおいてプラスに働いている。
バンド自身の成長の過程において、絶対に不可欠なステップアップの作品である。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2010-02-28 17:08:00)

新作からのリーダートラックを聞きましたが、なかなか良かったです。
この1曲を聞く限り、どちらかというと「THE POISON」に近い感じがして期待大です。
僕が、前作に不満を持ったのは作風であり、楽曲の出来がどうのこうのというよりも、妙に落ち着いて小さくまとまった感じが一番嫌でした。
今回はアレンジからして、かなりアグレッシブです。
良い意味で、期待を裏切って欲しいです。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2012-03-07 15:45:55)

音楽的方向性という意味では、まだ確立していない彼らだけど、今ではそこが逆に魅力だったりする。
メンバー的には納得していない2ndでさえ名盤だし、過渡期である3rdもまた名盤だったりする。
方向性に迷っているという表現よりも、模索しているという表現の方があっている。
1stをいかに超えるのか......それをどうやって超えるのか......彼らが真剣だからこそ、その着地点が決まっていないというのが、僕の見方である。

現在レコーディング中である、新作の中身が非常に気になる。
大きなシフトチェンジであっていい。
その方が、良い出来になるような気がする。
楽曲をきっちりまとめない方が、彼らには合っている。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2012-10-11 20:35:49)

マット・タック中心のプロジェクト、AXEWOUNDの「VULTURES」を聞いた。
僕は、BFMVの音楽的方向性はまだ確立していないと書いているけど、それがこういった行動にも表れている気がする。
結局、マットが喉を痛めた事に、全ての始まりがあると僕は思っているけど、もしマットが喉を痛めなければ、この発想も生まれなかったのかも知れない。
また、BFMVの音楽性は今と少し変わっている気がする。

1st「THE POISON」に比べ、2ndや3rdは少し落ち着いた作風になっている。
もし、あの件がなければ、もっとアグレッシブな作風になっていたのではないか。
また全く同じ方向性であったとしても、もっと攻撃的になっていた気がする。

このアルバムを聞いて、僕は少しホッとしている。
結論を端的に言えば、これはBFMVにはあまり影響がないと思ったからである。
逆に言うなら、こういう作品を発売するという事は、BFMVの新作に期待が持てる気がする。
楽曲もBFMVに使えそうなものもあるけど、即席感が強くメンバーも仲間うちと、ある意味マットのもう一つの音楽的な、はけ口となっているだけではないだろうか。

BFMVは、安泰である。
新作発売を先延ばしにした事に多少の不安はあったけど、これで安心した。
ちなみにこの作品、僕なら82点かな。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2012-11-27 20:59:37)

新作からのリーダートラックのオンエアも始まり、さあ、いよいよかあ~という感じである。

僕はここ数年、メタルコアと呼ばれるジャンルに力を入れて聞いてきた。
はっきり言うけど、このジャンルにも「なんだこれ」というバンドがたくさん居る。
レヴュー等で高い評価を獲得し、実際アルバムを聞いてなかなかというバンドでも、ライブを見てガッカリというバンドも少なくない。
でも、このジャンルからしか、次世代を担えるバンドは登場しないのではないかという強い思いから、ある意味ガマンをしながら、良いバンドを探してきた。

個人的には、BFMVには過剰とも言える期待感がある。
バンドには、成長する時間が必要である。
この過程に於いて、ファンの力が必要不可欠となる。
だから、ファンの正直な評価というか、見守る姿勢が大事だと僕は思っている。
後追いで聞くと、この感覚が掴みにくいと思うけど、いきなり大物バンドにはなれないのである。

楽曲「TEMPER TEMPER」が、アルバムの中で最低ラインでなければ、はっきり言って困る。
ただ、シングル向きだったという結果になる事に期待したい。
僕は好きなバンド程、評価が厳しくなる。
その実力を認めているからこそ、そうなってしまうのである。

新作が、楽しみで仕方ない。
今、一番成長を期待しているバンドである。
個人的には、もう(成長を)待っている段階ではない。
三歩も四歩も前に進んでもらいたい。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2013-08-04 18:35:54)

最新作である「Temper Temper」で、僕は更なるステップアップを期待していた。
恐らくそれは、バンド自身も同じ気持ちであったハズである。
もし、彼らが今のポジションでも良いと言うのなら、この作品満点に近い完成度である。

この「Temper Temper」の最大の弱点は、失敗を恐れた所にあると僕は思う。
楽曲自体の出来は、全然悪くない。
むしろ、良いのである。
では、どこが問題なのか。

バンドが成長する過程で、ある程度その枠を超えてくる冒険心が必要となる。
同じ路線でも、良い曲が書けるという才能をマットは見せつけている。
マットという男の頭の良さや器用さ、そしてソングライティング能力が返って邪魔をしているのである。
1st~4thまで、彼らの作品に失敗はない。
敢えて、路線を変えないバンドが僕は大好きだけど、ステップアップする為の失敗が無いと、バンドは新たな一歩が踏み出せないのである。

どんなバンドにも、後々になってオヤッと感じる作品がある。
それは、大物バンドになればなるほど存在するものなのである。
逆に言えば、それが無いという時点で、そのバンドは大物ではないという証になる。

マットには、考え方を少し変えてもらいたい。
他のバンドを排除して耳を傾けないのではなく、ある意味もっと貪欲になって欲しい。
「俺ならこう作れるぜ」といった感覚を持つだけでも、かなり変われるハズである。

マットには、ファンとのギャップ、そこに先ず気づいてもらいたい。
ちょっとぐらい、遠回りしてもいいでしょ、それが近道になるんだから。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2013-12-04 21:14:12)

びっくりした。
今年、新作が発売されたにも関わらず、早くも新曲のリリースである。
これが、一体何を意味するのだろうか。

楽曲的には、「Temper Temper」収録曲と印象はあまり変わらない。
出来自体も、僕はそんなにいい出来だとは思わない。
だけど、何かを変えたいという意識は、ひしひしと伝わってくる。
なんで、この意気込みで「Temper Temper」を作れなかったのだろうか。
この意識があれば、アルバムの質感は全く違ったものになっていたハズである。

全ては、こんなにも早く新曲をリリースしようとしたのか、その理由に鍵がある。
良い意味なら、いいんだけど.....。
もし、マットが「Temper Temper」のリアクションが悪かったと感じていて、新曲のリリースに踏み切ったのなら、プロデューサーは起用した方がいいと思う。
この程度の変化では、気づかれにくいし、まだまだ足りない気がする。
思い切った変化の方が、きっと上手くいく。
その為にも、BFMVをレベルアップしてくれるプロデューサーなりソングライターなりを見つけるべきである。
Triviumが、ドレイマンを起用したように......。

個人的には、自分達で出来る変化の限界点が、この曲なんじゃないかという気がする。
バンドとしての正念場が、今来ている。
失敗してもいいから、アクセルを踏み込むべきである。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2015-02-11 06:39:09)

先日、ベースのジェイソン・ジェイムズの脱退が発表された。
まあ、マットさえいればBFMVは存続するんだろうと思ってはいるけれど、ちょっと複雑である。
新作のレコーディングは開始されているハズである。
アグレッシブさを増すと言われている新作なのに、スクリームを同時に担当していたジェイソンの脱退は何を意味するんだろうか。
もし、音楽的な方向性の違いが関係しているとすれば、少し心配である。

マットがAXEWOUNDをやった頃から、いつかは何かが起こるんだろうなと思ってはいたけれど、ジェイソンの脱退は非常に残念である。
マットの独壇場さが増し過ぎるのはあまり良くないと僕は思っているので、今回の件が悪い方向に向かわない事を祈るばかりである。
今でもUKあたりから出てくる新人には、彼らの影響を感じさせるバンドが多いので、新作ではもう一度世間をあっと言わせるようなビッグな作品を期待したい。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2015-05-20 15:59:34)

8月に発売予定の新作から、新曲が公開されている。
個人的には、なるほどねこうきたのかという感覚なんだけど、正直に言えば感触はあまり良くない。
それは、楽曲の出来が良いとか悪いというよりも、BFMVをどう変えたいのか、また今後どういう舵取りしていくのかが分かりにくい為である。
勿論、たった1曲だけでは判断出来ないし、この曲が新作においてどういうポジションでどういう役割を果たしているかがわからないので、それは早合点なのかも知れない。

僕は、フルモデルチェンジをするくらいの方が、結果的には上手くいくと思っていて、それはマットの実力を認めているからでもあり、停滞ぎみの今のポジションを打開するには、例え失敗してもいいと考えている。
方法論としては、コアに突き進むのもアリだし、一般的にらしくないと思われるような変化でも、良いのではないだろうか。
中途半端に今までの自分達らしさを保ちつつ、ちょっと変化したような作品こそ、今の彼らには不必要な気がする。

どんな新作か気になるけど、楽曲の出来よりも、攻めたなあ~と言える内容であって欲しい。
今の時代、ファン層の拡大を図るなら、いろいろな意味でメジャー化するよりも、コアに得意分野で勝負していった方が、結果的には上手くいく気がする。
ジャンルは細分化しているけど、その壁を超えるには、密度の濃い内容にした方がいいと僕は思う。
ファンをいい意味で裏切る事こそが、大事な気がする。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2015-07-05 08:18:15)

新作から公開されている「No Way Out」と「You Want a Battle?」を比較した時、僕は「You Want a Battle?」の方が気に入った。
どちらも彼らの典型的なパターンと言える楽曲なんだけど、この曲を聞いたことで新作への期待感が復活した。
変化......それが例え少しであっても、あった方が良い。
大いなる変化に、期待したい。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2015-08-16 06:24:04)

最新作「Venom」の出来は、半端ない。
僕は、1st「The Poison」を08年に再評価してから、前作「Temper Temper」が発売されるまで、ずっと好きなバンドのベスト5に彼らは入っていた。
だけど、前作「Temper Temper」で感じた落胆さは半端なく、僕の中で明らかな下降線を辿っていた状況で、この作品で駄目ならもう難しいだろうなと感じていた。

だけど、不思議なもので力のあるバンドには、必ずこういった起死回生の一発がやってくるのである。
プロデューサーを、ドン・ギルモアからコリン・リチャードソンに戻したくらいでは、正直足りないんじゃないかなと思っていたけど、やっぱりこのバンドのポテンシャルは凄かったとしか言いようが無い作品を叩きつけてきた事には、本当に驚いた。

前作で感じた不満要素を全て爽快に吹き飛ばしたこの新作に、まだまだ興奮はおさまりそうにない。
ある意味、僕の中では1stさえも超えている。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2015-10-19 18:25:54)

最新作「Venom」の年間ベスト・アルバムは、僕の中では既に確定している。
この作品を越えるには、少なくとも彼らと同じくらいの活動履歴が必要となる。
よって新人では、絶対に無理である。

僕は新作が出るまで、彼らの作品の出来は徐々に下降線を辿っており、自分の中では半分終わったバンドという位置づけになっていた。
アーティストというのは、基本頑固であり、人の意見に耳を貸さないものである。
極端に言えば、マット自身が意識的に変わろうとしない限り、彼らに未来は無いと僕はずっと思っていた。それ以外に方法はないというのが、僕の意見であった。

1stに立ち返る........。
これは、決して簡単な事ではない。
プライドが高ければ高いほど、実力があればあるほど、そのハードルは逆に高くなる。
ある意味、それは進化や成長とは正反対の意味を成す事となるからである。
果たしてマットが、どこまでそれを意識していたのかは謎だけど、結果的には戻っているのというのが、僕の見方である。

どのアーティストにも、行き詰る時がくる。
順風満帆は理想だけど、そんなアーティストに結局面白みはない。
この瞬間を、僕は待っていたのである。
こんなドラマティックな展開は、誰も予想できなかったハズである。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2018-04-02 20:37:09)

ようやく、新作から新曲が公開された。
違和感を感じさせる曲を、敢えて先行公開した感じが強くて、その真意を早く知りたい。
狙っている所は、アメリカのロックチャートなんだろうか...。
モダンさを強調したいのか、従来の路線から一歩踏み出したいのか、注目である。

この1曲を聞く限りでは、新たな一歩という感じがする。
でも、4thの時の違和感とは違う手応えがある。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2018-04-28 15:47:56)

僕は、恐らく人よりもドラムに重きを置いている気がする。
だからどんなに上手い人が後任として加入しようが、メンバーチェンジには否定的である。
あまりにも技術的に未熟な人は、別だけど......。
質感というか、リズムの違和感は、ある意味別のバンドに変えてしまう程大きいものがある。

ムースの脱退は、勿論ショックだった。
その影響が出ないハズはないのである。

「ピース・オブ・ミー」を聞きながら、ええっとなった。
一聴すると、何処に向かっているのかわからないし、煮え切らない感が強い。
環境が変わり、新たなスタートというよりも、マット自身が飽きてしまって別の道に踏み込んだ感が強い。
それが裏目に出る可能性もあるけど、チャレンジ精神は重要である。
個人的には、心配はしていない。


BULLET FOR MY VALENTINE ★★ (2018-05-19 19:45:26)

はて、困った事になったぞ。
新作からの3曲目の公開に、戸惑いを隠せないファンもきっと多いハズである。

僕がなるほどねと納得できたのは、前作で一つの区切りが付いたという事と無縁ではない。
恐らくマット自身も、そう思えるほどの手ごたえがあったのではないか。
(セールス的な事ではなく)
言い換えれば、前作は集大成であり、ファンへのサービスという側面もあった気がする。
だからこその、新たな道の選択ではないのか。

一般のファンが望むヘヴィさやアグレッシブさは、ひとまず置いておいて、新たな事をしたいという感覚が強く伝わる新曲である。
今後この路線でいくとは思えないけど、従来のファンはどう評価するのだろう...。
酷評される可能性もあるけどね。


BULLET FOR MY VALENTINE - Bullet for My Valentine ★★ (2010-06-09 07:03:00)

彼らの楽曲の中でも、ベスト10に入るほど好きな「ノー・コントロール」「ジャスト・アナザー・スター」を収録。
ミニ・アルバムという位置づけだが、この作品だけでもバンドとしてのポテンシャルが半端でない事を証明している点は、凄い。
恐らくこの時点で既に、メタルコア・デスコア・エモコアファンの心をしっかり捉えていたと思うが、それらのバンドと比較して突出しているのは、根底にメロディーがしっかりしている80年代バンドのサウンドがあるため、楽曲が面白いし、HR/HMバンドとしての普遍的な魅力が豊富にある所である。
作り込まなくて、この完成度........バンドとしての潜在能力の高さを証明する、名盤である。


BULLET FOR MY VALENTINE - Fever ★★ (2010-04-26 18:25:00)

自分の中では、現在トップ5に入る程好きなバンドの新作である。
実は、前作の楽曲自体の出来は、決して悪くなかった。と、言うより良かった。
それを前提にしなければ、この新作の評価は難しくなる。
「ポイズン」のアグレッションさやタメを復活させながら、楽曲そのものは前作に近い。
メンバーの発言通りの、前作と前々作の中間をいく作風である。
その先にあるものとは、一体何なのか......を、考えながらこの数日、僕は繰り返し聞いてきた。
この新作で、彼らは今後の方向性を明確にしている。
「ポイズン」は、名作である。が、それは、もう過去なのである。
やっぱり彼らの根底にあるのは、今アメリカで流行りのエモコアやメタルコア路線ではなく、80年代を基点としたHR/HMである事が十分に分かった気がする。
どうしても、「ポイズン」のイメージが強いから、その印象が邪魔をするのである。
純粋に気持ちをリセットして聞かないと、正当な評価が難しい作品である。
あのスタイルには、戻らないし、戻れない。その答えが、どうであれ構わない。
彼らは、前進しようとしている。だからこそ、この作風なのである。
一見では見えにくいけど、サウンドに込められた「真剣さ」や「真面目さ」が伝わる熱い作品だと、僕は思います。
彼らの作品に、ハズレなしです。


BULLET FOR MY VALENTINE - Fever ★★ (2010-05-05 07:32:00)

もはやバンドから放たれるオーラは、完全にトップクラスである。
ライブに強みを持ちながら、アルバム作りには全力をたたき込んでくる。
その姿勢が、眩しすぎる。
今後のHR/HMシーンを、牽引していくべきバンドである。
僕は、この作品で彼らに完全にハマった気がする。
現在はラフさを前提にするバンドが多い。
そのラフさを、彼らは良しとしない。
このバンドの良さは、ある意味時代を逆行している所にある。
サウンドは現代風でありながら、その本質はいい意味で古臭い。
こういうバンドが売れなければ、今後のHR/HMシーンに未来は無い。
そう言い切れるバンドにまで、彼らは成長している。
僕は⑥~の後半が、特に好きである。


BULLET FOR MY VALENTINE - Gravity ★★★ (2018-07-02 19:22:22)

もう何度も聞いてみた。
1回目の視聴で判断がつかない作品、僕の場合実はそんなに多くない。
だけど。2回目の視聴で気が付いた。
悪くない......いや、いいね。

先行で発表された3曲を聞いても、正直あまり不安はなかった、不思議なくらい......。
でもそれは、前作が集大成的な仕上がりであり、マット自身も納得していた事と無縁ではない。
もし、前作がなく「テンパー・テンパー」の次がこの新作であったなら、無論納得はしない。
若干飽きたという感覚と新たな事をしたい......。
丁度いいタイミングで、こうなっただけという感覚が強い。

それにしても、聞き方によってはフルモデルチェンジに近い作風である。
だから賛否両論あって、むしろ否定的な意見の方が多い。
でも楽曲の出来は総じて良く、⑦~⑩の流れなんて鳥肌ものである。
今後この試みは、絶対にプラスに働くハズである。

今、イマイチと感じているファンも多いと思うけど、今後その評価が変わる人も多いと思う。
大事なのは、作風ではなく楽曲の出来そのものである。
らしさも十分ある。
この新作が、成功しようが失敗しようが、今後彼らがこの方向性に向かうことはないと思う。
戻ってくるよ、絶対に。


BULLET FOR MY VALENTINE - Scream Aim Fire ★★ (2010-04-09 18:01:00)

待望の新作が、もうすぐ発売である。
この作品、僕はあまり良い評価をしていないけど、実はその年のベスト・アルバム10枚の中には選んでいたりする。
当時のアルバム制作時の事を考えた場合、実はよく頑張ったなあ~と褒める事は出来たんだけど、彼らに対する期待感から考えた場合、どうしても「何かの型」にはまろうとしている姿勢が、僕にはどうしても納得できなかった。
楽曲を客観的に聞いた場合、実は平均レベルは名作である前作に劣ってはいない気がする。
しかし、違和感は確かにある。
それは単純にサウンドやVo.の質感の変化という事ではなく、小さくまとまるというか、自分達の個性......言い換えれば、自分達らしさからの脱却の様に、僕の目には映った。
自分らしさ......を、どう考えるのかは自由だけど、何かを犠牲にしてまで、若いバンドが意識して変化を必要とするのか......僕は、納得できなかった。
「POISON」は、決して完成型の名作ではない。
だから、どこかで変化は必ず来る。それが、早すぎたし、大きすぎたというのが僕の考え方である。
新作は、誰の意見も気にしなかったらしい.........これが、大きなポイントである。
新作をまだ聞いてないけど、間違いなく良い方向に向かっているハズである。
この作品、メンバーがどう思おうが、実は楽曲自体はよく出来ている。
だから、再評価して頂きたいと思う。


BULLET FOR MY VALENTINE - Scream Aim Fire - End of Days ★★★ (2010-04-26 18:38:30)

個人的には、彼らの中でもトップ3に入るぐらい好きな曲。
ライブで聞いた方が、断然いい。


BULLET FOR MY VALENTINE - Temper Temper ★★ (2013-02-09 18:45:58)

前作から、約3年ぶりの新作である。
個人的には、3rdより2nd、2ndより1stが好きである。

この新作、評価が非常に難しい。
楽曲自体は、前作よりも変化があって面白いと思う。
スピードを抑えめにして、空間やシンプルさを大事にした作風で、バンド自身が変化をつけようとした意図が伝わる内容に仕上がっている。
これを煮詰めすぎると、前作までの楽曲に近づいてしまうので、ある意味ラフさを残した楽曲には新鮮さがある。

でも........しかし、である。
僕は新作のポイントを、1stをいかに超えるのか.......それを、どうやって超えるのかに置いていた。
その為の大きなシフトチェンジは、あってもいいと思っていたし、フルモデルチェンジもOK!という認識だった。
結果としては、これでは全然足りない気がする。
確かに、楽曲には変化が付いてるけど、楽曲の幅がもう一つ広がっていないというか、バンド側の目標地点が何処にあるのかが、はっきり見えていない点は少し残念だった。
個人的にはドン・ギルモアは変更してもらいたかったし、楽曲の書けるプロデューサーを起用して、そういう部分からも刺激を受けて、もっと踏み込んだ作品にして欲しかった。

そうは言っても、楽曲の出来は良くて、このバンドの安定感はやはりトップクラスだと思う。
これが、もし他のバンドなら、間違いなく90点ぐらいは付けれる完成度である。

恐らく多くのファンが求める、アグレッシブさやヘヴィさは、もっとあってもいいのかなと思うし、それが足りないという点では、バンド側が損をしている気がする。
ファンの方は、どう評価するのだろう.......。
僕は期待感が半端ないから、やっぱり辛口になるかな。


BULLET FOR MY VALENTINE - Temper Temper ★★ (2013-03-22 17:58:50)

新作「TEMPER TEMPER」は、予想通り従来のファンからは厳しい意見が多かった。
それは、ある程度マットは予想出来ていたのかも知れない。
BURRN!では、バンド側がアリーナ・ロック・バンドになりたいのだという見方をしていたけれど、もしそうなら、このやり方は間違っている気がする。

バンドがファンに媚びる必要性は、全く無い。
ファンが何を望んでいるかなんて、考えなくてもいい。
しかし、である。
確かに、彼らがこれまで出した4枚のアルバムの変遷を辿れば、そういう見方そのものは当たっている気がする。
だけど、僕はそれよりもマットは「BFMVらしさ」というものを、常に深く考えていた気がする。
「BFMVらしさの確立」に、かなり力点を置いてきた気がする。

しかし、この「らしさ」の捉え方というのは、実はやっかいで時にバンドが自分自身を苦しめる形になる。
BFMVを、唯一無二の存在に.......。
この考えが強すぎるのではないか、というのが僕の見方である。
どういう事かと言うと、これを強く考えすぎると、他のバンドとの差別化という部分にばかりに気がとられて、結果的に冒険する事が出来ずに、自分たちの殻に閉じこもってしまいがちになる。
流行りの要素を、無理して取り入れる必要性はないけど、オリジナリティーばかりに気がとられて、本当にやりたい事が出来ていないのではないだろうか。
また、湧いてくるアイデアを、らしさという視点から否定してはいないだろうか。
ジャンルという、どうでもいい事に拘り過ぎてはいないだろうか。

ファンとは、わがままであり、敏感である。
その楽曲、音楽性は好きでも、何かが違うという察知能力には優れたものがある。

1stは名作であった。
マットがこの1stを、どう捉えていたのか興味深い。
1stの楽曲には、妙な計算が無い。
2nd、3rd、4thと進むにつれ、何か計算めいた感覚が強くなっている事が、すごく残念である。
練り上げた結果という見方も出来るけど、それは同時に大事なものを置き去りにしてきているという見方も出来る。

やっぱり、新作からは爽快感を感じない。
何か歯切れが悪いのである。


BULLET FOR MY VALENTINE - The Poison - Live at Brixton ★★ (2010-06-05 21:07:00)

最近、自分は何故か彼らの作品ばかりを聞いている。
「POISON」を境に、彼らの音楽性は多少変化している。
どちらが好きと聞かれれば、正直に言えば初期の方である。
初期の2枚には、ボーナストラックの出来といい、個人的に言えば驚異的な出来の楽曲がズラリと並んでいる。
この作品も、何度となくリピートしている。
彼らのライブには、熱いものが多数存在している。
例えば、⑨⑪なんかは個人的にはかなりお気に入りである。
彼らの楽曲は、ライブで聞いた方が圧倒的に良いと思えるものがほとんどである。
ファンなら、絶対に押さえておくべき作品である。


BULLET FOR MY VALENTINE - Venom ★★★ (2015-08-15 19:42:33)

結論から言えば、起死回生の一発である。
正直に言って、ここまでの作品を作ってきたことにビックリしている。
彼らの、曲作りにおけるレベルの高さは1stから感じてるし、それは全ての作品に感じてるけど、尻つぼみ状態に感じていた1st~4thの流れを振り返ってみても、全く予想できなかった程ギアを上げてきた作品であり、前作で強く感じた停滞感を一気に払拭する程、バンドの底力を証明する完成度に仕上げてきている。

僕は、1stが好きである。
その1stをいかに超えるのかが、このバンドの課題であるとずっと思ってきたけど、その答えがここにある。
先行で聞いた2曲よりも、単純に心を揺さぶられる曲が多く、単にアグレッシブさが復活したとか初期の頃に近いからという理由ではなく、本当に心が熱くなる瞬間が数多く訪れるのが、本作の最大の特徴かも知れない。

前作とは、対極に位置する作品でありながら、前作とは違った角度からのキャッチーさもあり、同一路線で突っ走る構成は、1stに近いとも言える。
力のあるバンドがちょっと本気を出せば、こういう作品が生まれるわけであり、そういう意味でもマットの不敵な笑みが浮かんでくる程である。

これは、いいね。
ボーナストラックも、出来がいい。
これから大物のリリースが相次ぐけど、ベストアルバムの筆頭である事は多分揺るがないだろうね。
前作は、一体何だったんだろうね...。


BULLET FOR MY VALENTINE - Venom ★★★ (2015-08-20 18:40:42)

前作からの大きな変更点としては、ポップな要素の排除にある。
だけど、メロディには前作とは違ったキャッチーさがある。
まあ、そこがソングライターとしての実力の高さであり、このバンドの魅力である気がする。

僕は、前作である「Temper Temper」を初めて聞いた時、アグレッシブやヘヴィさが正直足りないなと思った。
もし、あの楽曲で勝負したいなら、シリアスさやダークさ、アルバム全体を通しての緊張感を残さないと、今まで彼らの作品を聞いてきたファンにとっては、軟弱さが目立つし、ポップ過ぎて散漫な印象ばかりが残ってしまい、バンド側が損をしてしまうなと感じた。
楽曲自体は良く出来ているし、変化を持たせようとした意図も十分に伝わる。
また、彼らは作品毎にカラーを持たせているけど、それさえもマイナス効果になっている気がした。

僕が感じるこの作品の凄さは、ちょっと考え方を変えただけで、ここまで劇的に変貌を遂げる事が出来るバンドとしてのポテンシャルの高さである。
特別に目新しい事は、何もしていない。
にも関わらず、ここまで変貌を遂げれるのなら、挑戦のベクトルさえ間違わなければ、今後とんでもない作品を生み出してくれるのではないかと、僕は思う。

どちらにせよ、この新作で彼らは復活した。
1st~4thの流れから考えれば、特大ホームランである。
今は、この作品以外聞く気にならない。


BULLET FOR MY VALENTINE - Venom - Playing God ★★★ (2015-08-25 18:49:08)

僕にとって、この新作の評価を高めている要因の一つが、ボーナストラックの出来の良さにある。
この曲だって、ちょっとアレンジを変えてヘヴィに仕上げれば、本編に収録できたハズである。
だけど、徹底的にポップな要素を排除する考えであれば、この曲は収録できない。
また、11曲で本編は十分であるという考え方もある。

ポップな要素は、前作にもあったし、その前にもあった。
だけど、この曲を含め新作のボーナストラックには、一味違う感覚がある。
楽曲作りにおいて、一番大事な要素は、何なのか。
それを、思い出したというか、原点に帰ったというか、とにかく大きな意識改革がなければ、こういう仕上がりにはならない。
今後、ポップな楽曲を作ったとしても、こういう仕上がりなら、大歓迎である。
楽曲に面白みが増したというか、今後の可能性を示したという意味でも、⑫~⑭には何か説得力がある。
「Raising Hell」と単純に比較しても、この3曲の方が圧倒的に魅力的である。

僕は、この新作は彼らの最高傑作だと思っています。


Black Veil Brides - Vale ★★★ (2018-01-25 15:36:12)

そのバンドの特徴をどこに置くのかは個人の自由であるだろうから、変化をどう捉えるのかも勿論自由である。
彼らは、少しずつではあるけどマイナーチェンジを繰り返してきていると僕は思っているので、今回もその例に漏れず多少の変化がある。
また、その変化の質は、今のアメリカのバンドと同じものである。

楽曲は、確かにポップになった感もあるけど、僕はそれ以上に深くなったというかシリアスさが増したと感じる。
過去の作品と比較しても地味だし、メリハリにも乏しい。
だけど、楽曲の出来は総じて良く、このバンドの魅力は全く衰えていない。

内容の詳細は書かないけど、じっくりと聞きながらも何か心に響いてくるタイプの作品である。
楽曲こそが、大事である。


Black Veil Brides - Wretched and Divine: The Story of the Wild Ones ★★ (2015-04-26 15:37:21)

今現在、ここ日本での人気がどれくらいあるのか全く掴めないBVBの3rdである。
特殊なビジュアルでデヴューを果たし、それが一体得をしていたのか損をしていたのかさえも分かりづらかったけど、やっている音楽はアメリカのバンドらしく、ゴッタ煮ではありながらもスケールのでかいアリーナ・ロックである。
AVENGED SEVENFOLDとの共通点も多く、またいかにもアメリカという印象が強く、楽曲自体にも適度なキャッチーさはあるので、もっと人気が出てもいい気が単純にする。

こういったバンドでさえイマイチ盛り上がれないという、今の日本のHR/HMシーンの停滞はなんか歯がゆいけど、今現在のアメリカン・ハードロックが好きな人には十分合格点の出来ではないだろうか。
もう一つ、楽曲が上の段階に行けば尚いいんだけど、マイナー・チェンジを繰り返しながらも早いペースで新作を出すというやる気には、一方で頼もしさを感じていたりもする。
楽曲の平均的な出来は、なかなかいいですよ。
僕は違う作品の方が好きだけどね。


CAIN'S OFFERING - Gather the Faithful ★★ (2009-08-09 06:05:00)

突出した楽曲はあまりないけど、だからといって出来は悪くないと思う。
これまであまり強く語られる事はなかったけど、実はコティペルトの声というか歌というかは、かなり魅力的であり、この声が作品の魅力をアップしているという事実を忘れてはならないと思う。
楽曲に個性は乏しいが、この手のファンの方には十分アピールできる完成度である。
僕の予想よりは、かなり良かった。
ヤニのやる気が伝わる、良盤である。


CAIN'S OFFERING - Stormcrow ★★★ (2015-05-07 19:49:23)

前作から、約5年半振りの新作である。
僕は前作を突出した楽曲は無いものの、コティペルトのVo.を生かした良盤であると発言しているけど、
その考えは今も変わっていない。
この新作、分かりやすく言えばSTRATOVARIUS+SONATA ARCTICAになっており、前作とは異なりファンが容易に想像できるサウンドへと変貌している。
前作は、その色が薄いのが逆に新鮮味を与えていたと思うけど、今作はもろそのままといった感じである。

こうなってくると、楽曲にどのくらい魅力があるのかが大事になってくると思うけど、良い意味で大仰さが増してメリハリもはっきりしていて、単純に一回りスケールアップした感じになっている。  
楽曲によっては、もろSTRATOVARIUSになっていて、一体誰の作品を聞いているのか錯覚してしまう程である。
ただ、もう少しだけキャッチーさやフックがあれば、尚良かったのかも知れない。
でも、それをやってしまうと、STRATOVARIUSになってしまうので、これはこれで丁度いいのかも知れない。

楽曲はよく出来ているし、チープさも全く感じない。
一つのプロジェクトの作品とは思えない完成度の高さには、ただただ脱帽である。
ファンによっては、STRATOVARIUSやSONATA ARCTICAの理想型のサウンドと感じるのではないだろうか。


CATHEDRAL - Guessing Game ★★ (2012-01-15 14:45:41)

ポップなHRを聞いているからレベルが低いとか、プログレを聞いてるからレベルが高いなんて事は、全く無い。
このアルバム僕は好きだけど、万人に受け入れられるサウンドでない事は、誰が聞いても感じる事であろう。
こういったサウンドには、サイケデリックという言葉が昔から使われているが、一言で表現するならやはりそうなってしまう。

僕は彼らの大ファンという訳ではないけど、ある雑誌の記事で気になったので買ってみた。
これを毎日聞くのは正直辛いが、結構お気に入りの作品となった。
何がいい?どこがいい?と聞かれても、これは表現に困ってしまう。
こういった作品は、評論家の間では評価が高く、世間では今イチという結果が多いけど、新たなジャンルを開拓するぞといった好奇心旺盛なファンの方には、ぜひお勧めしたいバンドの一つである。


CATHEDRAL - The Garden of Unearthly Delights ★★ (2009-05-14 17:20:00)

彼らの作品のなかで、これが一番好きな作品ではないし、最高傑作とも呼びたくはないけど、らしさという点では全くブレてはいないですね。
HR初心者にいきなり、このバンドを勧めたりはできないけど、この存在感というかバンドの持つオーラは個性際立つし、一度は体験してもいいバンドである。
楽曲の出来も良く、彼らのなかでは聞きやすい作品なので、カテドラル入門盤としては、案外いいかもしれない。
僕は、たまにしか彼らの作品は聞かないけど、でも何故か定期的に聴いている気がする。


CHICAGO - Twenty 1 ★★ (2015-03-04 22:46:27)

当時を思い出せば、このアルバムなんかはあまりヒットはしなかったけど、「19」同様何度となく繰り返し聞いていた記憶がある。
楽曲の出来に多少バラツキはあるものの、僕は彼らの作品の中でもトップ3に入るぐらい好きである。
とにかくこの頃は、FM雑誌等でチャートを見るのが楽しみで、CD店にいくのも楽しくて仕方なかった。
個人的なベスト・トラックは、①②⑤⑦等。
中でも②が一番かな。


CHILDREN OF BODOM - Are You Dead Yet? ★★ (2010-03-01 16:18:00)

この作品、僕は今でもよく聞いている。
確かに初期の頃のいい意味でのマイナー臭さが減り、叙情性も減ったのかも知れない。
それが好きであった人にとっては、モダンさばかりに目がいく作風かもしれない。
でも、良い点もたくさんある。
サウンド全体のチープさは全く無くなり、堂々と存在感を主張できる重く激しいサウンドへと進化している。
メロディックデスと呼ばれるバンドの一流と比較しても、決して負けない重厚さがある。
モダン化はしているけれど、楽曲自体の出来はよく、突然変異でない点も僕は好感が持てる。
バンドが大きくなっていく過程で、必然的に起きる良い意味でのメジャー化である。
個人的には、最高傑作と呼べる内容で、①や⑤なんて格好良すぎる。
らしさは、十分詰まっている。


CHILDREN OF BODOM - Blooddrunk ★★ (2010-03-01 17:29:00)

正直に言うと、僕はこのアルバム発売日に買ってからそんなに聞いてない。
音楽性としては、揺り戻し現象はあるし、確かに前作と前々作の中間という表現も当たっている感じではある。
僕の場合は、楽曲にキャッチーさを求める割合が高いので、そのキャッチーさという点では、少々足りない気がする。
でも例えば、ネタ切れとかソングライターとしての力量が減ったなんて僕は思わない。
これは、ある意味バンド側がどこに力点を置くかによって変わる範囲内だと思うので、そういう心配は全く無い。
元々、力のあるバンドである。
バンドへの期待度が高いから、評価が厳しくなるわけで、厳しい意見が目立つというのは、裏を返せば認めている証拠なのである。
60点だろうが、100点だろうが、僕の場合は自分の評価に全く影響しない。


CHILDREN OF BODOM - Halo of Blood ★★★ (2013-06-02 18:53:53)

通算8枚目のオリジナルアルバム。
前作「Relentless~」は、メロディにキャッチーさが比較的たくさんあり、個人的には結構お気に入りの作品になった。
彼らの作品で言えば、やはり5枚目の「Are You~」と前作の7thが最もアメリカナイズされた作品という事になるだろうけど、それを言い換えればキャッチーさが盛り込まれた作品という事になる。

僕が彼らの作品を好きなのは、一風変わったメロディであったり、先を読ませない独特のリフ展開であったりする。
彼らをメロディック・デスと定義したとしても、そのジャンルの中でも似たようなバンドを見つけるのが難しい。
この個性こそが魅力であり、個人的には他のバンドに比べキャッチーさを求める割合は少ない。

この新作、キャッチーさだけを見れば、5thや7thには劣っている気がする。
でも、見方を変えれば、リフの魅力度から言えば、全然劣ってはいないし、むしろ勝っているとも言える。
彼らの場合、作品のキャッチーさが=作品の魅力度になっていない点が、評価しにくい理由の一つになっているんだけど、どちらにせよこのサウンドはやっぱり個性的で、貴重なバンドである事には変わりない気がする。

妙な計算が無いからこそ、こういった作風になるわけで、その点から言っても、らしい作品だと僕は思う。
全体的には、5thを境目に揺り戻しの現象は今作でも続いている。