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ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 101-200

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ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 101-200

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CHICAGO - Twenty 1 ★★ (2015-03-04 22:46:27)

当時を思い出せば、このアルバムなんかはあまりヒットはしなかったけど、「19」同様何度となく繰り返し聞いていた記憶がある。
楽曲の出来に多少バラツキはあるものの、僕は彼らの作品の中でもトップ3に入るぐらい好きである。
とにかくこの頃は、FM雑誌等でチャートを見るのが楽しみで、CD店にいくのも楽しくて仕方なかった。
個人的なベスト・トラックは、①②⑤⑦等。
中でも②が一番かな。


ADELITAS WAY - Adelitas Way ★★ (2015-02-28 20:18:38)

こういった知名度があまり高くない、オルタナティヴ・メタルに分類されるバンドというのは、日本では一体どういった層の人に支持があるのだろうか。
例えばこのバンドの場合、CDを聞くという範囲なら、SHINEDOWNやDAUGHTRY等のファン、産業ロックが好きな人、又は広義的にアメリカン・ロックが好きな人には訴えかけるものがあると思うけど、それをどういった形で紹介することが出来るのかを考えた時、どのメディアでも中心になれないこういったバンドは、必然的に苦戦を強いられる事になる。
勿論、ライブ等において発揮される確実な実力があれば話は別だけど、極端な言い方をすれば、楽曲だけがいいバンドというのは、今の時代でも十分魅力的なんだけど、日本の場合難しい立場となる。

このアルバムなんかは、有能なソングライターが関わっている事もあって、おとなしい作風ながら良く出来ている。
例えB誌!で評価が高くなかろうが、「このアルバム俺は好きだぜ」というファンがあまり出てこない事に、僕なんかは市場の縮小化を凄く感じてしまう。
この作品、ライトなロックなんだけど、楽曲は実に良く出来ている。
僕は好きですよ、このバンド。


PAPA ROACH - F.E.A.R. - Hope for the Hopeless ★★ (2015-02-09 20:48:37)

ボーナストラック.....を聞いていると、特にアメリカ人と日本人の感覚の違いを強く感じる。
ボーナス扱いにするのには、いろいろな理由があると思うけど、その一つとして本編に合わないからというものがあって、例えその出来が良かろうが本編から外される事がある。
多分、2曲とも色が少し違うので、外されたのかも知れない。
ボーナス扱いにはなっているけれど、2曲とも僕は好きである。

またボーナスの出来で、そのバンドの隠れたソングライティング力を見極める事が出来るので、案外貴重である。


PAPA ROACH - F.E.A.R. ★★★ (2015-02-05 19:42:51)

彼らの音楽性の特徴の一つに、時流や流行りの要素を取り入れるというものがある。
比較的地味なポジションの作品にも、それはやっぱり組み込まれていたりする。
その配分は実に巧みで、らしさを失わず、あくまでもアクセントという位置づけであり、基本の軸がブレない所がなんと言っても凄い。
仕掛けてくるという感覚を常に感じるのは、その為かも知れない。

2年3ヶ月振りの新作は、僕の予想を見事に裏切り、前作の延長線上の内容に仕上がっている。
前作の楽曲を一つずつ凝縮し密度を高めれば、この新作になるといった感じで、ほぼ何も変わっていない。
シリアスさや哀愁感を強く感じた前作同様、この新作に流れる空気感には何とも言えないものがある。

それにしても、前作同様一枚のアルバムとしての完成度は圧巻である。
まとまり過ぎていなかった所が逆に良かった前作、密度を増してダイナミックに仕上げた新作、両作とも楽曲の出来はいい。
ボーナストラックも、ボーナスにするのには勿体ない出来である。

さすが、である。
このポテンシャルは、半端ない。


BLIND GUARDIAN - Beyond the Red Mirror (2015-01-31 21:16:24)

これを、どう解釈すればいいのだろうか、心は複雑である......。
個人的に非常に楽しみにしていた待望の新作は、その評価に悩む内容に仕上がっている。

サウンドから言えば、楽曲にフックが乏しく平坦な印象が最後まで続いてしまう。
オーケストラやクワイアを大胆に起用した事が裏目に出ていて、ギターやドラムまたはVo.等の本来攻撃的に前面に出ていて欲しいという、彼らに期待するものがことごとく裏切られ、キャッチーさが少なく変化に乏しい楽曲が続くことで、退屈な印象を増長させている感じがする。

この作品を聞いて僕が先ず感じたのは、誰か第三者的意見を言える者がいなかったのかという疑問である。
どんなに中身の濃い内容であろうが、立派なコンセプト・アルバムであろうが、これではその魅力が半減してしてしまっている。
この内容が故に起こった現象なのか、それとも従来のらしさにあまり力点を置かなかったからなのか、その理由はわからないけど、これでは個人的には魅力に乏しい。

ただ、密度の濃さは認めざるを得ないし、作りこんできたその意気込みは高く評価したい。
やっぱりこのバンドの場合、あまり凝りすぎず簡単な方が魅力が出ると思うんだけどなあ~。
ドラマティックさに欠けるこの新作には、熱くなれない自分がいる......。


BLIND GUARDIAN (2015-01-26 18:43:26)

こういった突き詰めていく事によって音楽を創造するタイプのバンドというのは、キャリアが長くなってくると、どうしてもいろいろとこねくり回し過ぎて難解な作風になる事が多い。
ファンとしては、あの全盛期の比較的シンプルな作風を期待したとしても、アーティストにとってそれは成長というよりも停滞や後退を意味する事になるわけで、これが簡単な問題ではない事を僕はこれまでさまざまなアーティストによって嫌と言うほど味わってきた気がする。
自分たちのやりたい事を封印して、ファンが期待するものを作る事が本当に良い事なのかどうかに関しても、受け取り方は人それぞれであって、やっぱりそれもバランス感覚が重要な気がする。

前作から約4年半振りとなる新作が発売されるけど、それが難しくなりすぎていない事を願うばかりである。
情報を全く入れていないので予想は難しいけど、前作が良かっただけに期待感だけは半端ない。


PAPA ROACH ★★★ (2015-01-09 16:47:18)

ようやくというか、早くもというか、前作から約2年3ヶ月振りの新作がもうすぐ発売される。
CDが全く売れない時代にも関わらず、コンスタントに新作を発表してくれるアーティストには、積極的に応援をしていきたい。

僕は前作をその年のベスト・アルバムに選んだ。
その理由にはいくつかあるけど、積極的に仕掛けていくというその攻撃的な姿勢が、僕にとっては何とも眩しかった。
今の時代、ソングライティングに力のあるバンドなら、別にチャレンジしなくても、ある程度守りに入っておけばいい。
新作だって、そのサイクルを長めにとっておいて、ライブを中心に活動するのが効率的である。
ある程度成功を収めているアーティストにとって、新曲なんて別に必要がないのである。

新作からのリーダートラックを聞いたけど、これがまた彼ららしくて良い出来である。
前作はアルバムの統一感が、凄く良かった。
しかし、別の角度から見れば、おとなしくて地味であった気もする。
よって、新作はその反動の内容になるのが自然の流れである。
その予想が的中しそうな、活きのいいシングル曲タイプの楽曲が多そうな新作である。
僕にとっての2015年が、ようやく始まる。


SEBASTIAN BACH - Give 'Em Hell ★★★ (2014-12-30 18:46:04)

結局、僕が選んだ2014年のベスト・アルバムはこの作品である。
楽曲の完成度、アルバムの統一感も申し分なく、古き良き時代を感じさせながらもモダンさも忘れていない、そのバランス感覚も僕の中では圧倒的No.1であった。
こういった比較的ポップでノーマルなHR/HM作品を、ベスト・アルバムに選んだのもかなり久しぶりな気がする。

バズの発言には昔から考えさせられるものが多く、その単刀直入さはちっとも変っていない。
わがままであり問題行動も多かったけど、こういった人はやっぱり貴重であると思った。


ANGRA - Secret Garden ★★ (2014-12-22 21:40:56)

もう昔の典型的なアングラらしさというものは、結果として存在しないレベルになっている。
そのらしさという要素が希薄になったからという理由だけではないと思うけど、あのバンドにもあのバンドにも似ている要素が強調されていて、そこが妙に引っかかる。
また1曲1曲は、リフしかりメロディラインしかり仕掛けも多く、やたら展開が多い構成になっている。
でも楽曲自体の出来は決して悪くなく、過去のアングラらしさに拘らなければ、聴き応えは十分ある。

しかし、問題点もある。
確かに1曲1曲を単体で聴けば悪くはないけれど、アルバムの流れで聞くと、どうしても散漫な印象が残ってしまう。
これは統一性の無さから生まれるものであり、せっかくドラマティックな楽曲が多く収録されているのに、それが印象として残りづらくなっている点はかなり勿体ない気がする。

こういう作風になってしまうのには、バンドのどこかに問題がある事が多い。
メンバーの一体感があれば、得てしてこういう作風にはならないのである。

でも楽曲の出来自体は、決して悪くないと思う。
アングラらしさは少ないけどね。


NICKELBACK - No Fixed Address (2014-12-08 15:02:59)

音楽性を全く変えないバンド......GODSMACKの新作の所でも書いたけど、それを自分達がどれだけ意識しているのか分からないけど、このバンドも例に漏れず何も変わっていない。
所謂ポスト・グランジにジャンル分けされるバンドにもこの傾向が強いけど、楽曲の出来が落ちない限りに置いては、僕はずっと好意的に受け止めてきた。

1曲1曲のインパクトについては、バンドの歴史が長くなれば当然薄れてくる。
音楽性が変わっていないのに、常にインパクトを残すのは無理な話でもある。

僕はこういったバンドの新作を聞く時、自分なりのチェックポイントがある。
それに当てはめると、この新作僕の評価はあまり高くない。
もしこれを無名の新人が出したとしたら評価は変わってくるけど、敢えて言うならば中盤の出来が少し弱いのといつものダイナミックな音作りで弱さをごまかしているように僕は感じる。
いつもの彼らと言われれば、そうなのかも知れない。
何も変わっていないと感じる人も、きっと多いだろう。

でも、僕は好きなバンドには厳しく接したい。
「All The Right Reasons」の出来は、この作品の比ではない。
ここ3作品で言えば、出来が徐々に下降線をたどっている事が残念である。
前作で言えば「When We Stand Together」路線の楽曲を、僕は聞きたい。
このバンドの力量から言えば、やっぱり物足りなさは感じる内容である。


UNEARTH - Darkness in the Light ★★ (2014-12-02 18:47:08)

ジャンル的にはメタルコアに属するバンドではあるけど、実は作品毎にそのカラーは違っていたりする。
メタルコアという言葉を聞いて想像するサウンドで言えば、この作品が一番その形に近いのかも知れない。
As I Lay Dyingとの共通点で言えば、メロディーの比重が多い事やそのジャンル以外の人にもアピールできるHM/HRとしての普遍的な魅力の高さに、表現できるのかも知れない。
メタルコアと聞くと敬遠しがちな人も多いと思うけど、まあそこら辺の新人バンドには出せないレベルの高さや安定感は、もっと評価されてもいい気がする。

新作ではガラッと変わり、ゴリゴリ感むき出しのサウンドになっているけれど、それもまたこのバンドらしいと僕は思う。


AT THE GATES - At War With Reality ★★ (2014-12-01 21:17:26)

B!誌のレヴューで政則氏が、メロディック・デス・メタルの現在進行形の姿と書いていたけど、なるほどなと思った。
更に付け加えるとすれば、AT THE GATESというバンドの現在進行形でもあるのではないか、とも思った。
メンバー自身がどのくらい意識して作ったのか分からないけど、もしバンドがずっと存続していて2014年にアルバムを出したとしたら、きっとこういった作品になったのではないかという視点から書かれたような内容である。

全体としても、前作にあった典型的なイエテポリスタイルのメロディック・デス色は薄く、どちらかと言えばモダンなデスラッシュ路線であり、普通のモダンなHM/HRとも言えなくもない。
また、判りやすさや即効性があまり無い分、聴き手には集中力が必要であり、全体を捉えるのが難しい作品でもある。

個人的にはバンドの真面目さが生んだ力作であり、だからこそ狙ったようなキャッチーさが少ないのだと思う。
メロディック・デスが好きな人よりも、AT THE GATESというバンドが好きな人にこそ、お薦めしたい新作である。


GRAND DESIGN - Thrill of the Night ★★ (2014-11-30 18:39:53)

全く期待もせず聞いたためか、良い意味で今年最も裏切られた作品になった。
DEF LEPPARDに似たバンドという予備知識は持ってはいたけれど、1stも2ndも購入していないし、実は一曲も聞いたことがなかった。

僕は②のインパクトが強かったのでこの1曲の為に購入したけど、これが案外良い出来なのである。
確かにDEF LEPPARDに似ている部分は多い。
楽曲によっては、あのバンドにも似ていると正直感じる。
また、人によっては、あれもこれもパクリじゃないかと感じるかも知れない。

だけど、楽曲の平均的な出来が良く、そういったマイナス的な要素を打ち消す魅力がある。
よくあるタイプとも言えなくもないし、個性的とはあまり言えないけれど、スルーするにはもったいない出来だと僕は思う。

個人的には、②③が特に好きである。
数年後、隠れた名盤としてこの作品を挙げる人が居ても、おかしくはない。


モーニング娘。 (2014-11-11 21:52:51)

僕はアイドル系の音楽は普段ほとんど聞かないんだけど、人気の復活の要因が知りたくてちょっと聞いてみた。
モー娘。ファンでなければ、今のメンバーの名前すら知らない人がほとんどである気がする。
勿論、僕も知らない。
だけど、パフォーマンス力や歌の説得力から見れば、今の人気は十分納得できる気がした。
昔のヒット曲を今のメンバーで聞いた方が、歌そのものに強さがあって、昔とは違った魅力がある。
もしかしたら、歌手としての力は今の方が断然あるのではないだろうか......。

やっぱり、何か理由がないとこういう現象にはならない事をあらためて感じた気がする。
歌の路線的には、「シャボン玉」みたいな楽曲を聞いてみたい気がする。


SLIPKNOT - All Hope Is Gone ★★★ (2014-11-10 20:42:47)

個人的な感想で言えば、3rdアルバムは消化不良的な感じがして、楽曲的にも難解なものが多く印象に残るものが少なかった。
メンバー自身がどう語ろうが、個人的にはこの4thで彼らに対する興味が持ち直した感があった。

僕は最近のSTONE SOURの音楽性が気に入っているので、そういう感想になるのかも知れないけど、オルタナ・メタル感が増した所も、キャッチーな要素が増えた所も好意的に受け止めている。
彼らの場合、時流に流されている感は全くしないものの、自然にその要素は組み込まれているように思う。
結局、音楽性に多少の変化はあるものの、バンドの本質的な部分にはあまり変化は無いように思う。
作品毎のカラーと言う意味では、彼らの場合どの作品も違う訳で、そういった努力や姿勢がもっと評価されてもいい気がする。

新作も出たけど、僕は同じくらいこの作品が好きである。


IN FLAMES (2014-11-04 21:05:20)

正直に言えば、イェスパーが創めたThe Resistanceの1stとイェスパーが居なくなってから発売したIn Flamesの作品を改めて聞いてみて感じるのは、両者共残念ながらIn Flamesの全盛期の作品を越えるような作品を期待できそうもないという寂しい現実である。

バンドというのは、実に難しいものである。
なんとかならないものだろうか.......。
化学反応があったからこそ、中期以降の彼らには魅力的なオリジナリティがあったのに......。
そうは言っても、これだけは何ともならないだろうね。

圧倒的に、彼らの作品を聞きまくった2014年。
そして感じたのは、何とも言えない寂しさと悔しさである......。


SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS - World on Fire ★★★ (2014-10-23 16:09:49)

本国アメリカのラジオ局でのオンエアも好調で、特に今の若者にも支持があるという点が先ず凄い。
過去の人ではなく、未だに現役感バリバリの活躍度は、何とも頼もしい。

僕は前作を高く評価してるけど、この新作はそれを2回りぐらい上回る出来である。
とにかく楽曲はキャッチーであり、Slashのコンポーザーとしての実力の高さを証明する力作に仕上がっている。
それにしても、収録曲の中にはリズムやテンポを少し変えてアレンジに多少拘れば、GUNSやVRの楽曲と比較しても全く引けをとらない曲もあり、やっぱりSlashは凄いと言わざるを得ない実力の持ち主である事に気が付く。
その中でも、ソングライターとしての実力がまだまだ健在であり、今の若いバンドと比較しても決して古臭く感じないそのセンスに脱帽である。

とにかく楽曲の出来がいい。
曲作りの上手い人って、それだけでも十分魅力的なのに、彼は人間的にも魅力的である。
マイルズも、貴重な存在感である。


MR. BIG - …The Stories We Could Tell ★★ (2014-10-04 20:32:06)

それを職業としているライターやスタッフの方には、本音を書けない事情というものがある。
インターネット等の普及もあり、今となってはその辺りは十分理解されているとは思うけど、レヴューにしたって点数なんかよりコメントの方が大事であって、更に言えば行間を読むという作業も、実は重要であったりする。
僕はアルバムのレヴューをする時、情報等はあまり入れず、出来るだけ加点方式で考えるようにしている。
これを減点方式で考えてしまうと、あれもこれも気になるし、周りの情報にかなり影響を受けてしまう。
僕はもう結構な年数HR/HMを聞いているので、その前後の流れなんかは自然に頭に入っているので、ライナーノーツやインタビュー等の情報は、あまり参考にしない。
そうは言っても、人によっては鋭い考え方をもっていたり、冷静に客観的に分析していたりもするので、人間性を知る手段には利用しているかもしれない。

何故こんな事を書くかと言えば、このアルバムのレヴューが似たようなものばかりだからである。
どのサイトを見ても、何故か先ず結論ありきで、その結論に向かっての評価が多い気がする。
まだこのサイトでは発言者も少なく、そんな事は感じないけど、他人の目を意識し過ぎたレヴューには個人的には何か違和感をすごく感じる。

素直な意見で、それがたまたま同じと言うなら、何の問題もない。
だけど、同じ角度から、同じ視点からというのは、やっぱり腑に落ちない。

個人的にはエリックの頑張りが目立つ作品であり、楽曲的にはポップであり、キャッチーさも十分にある作品だと思う。
でも前作にあったスリリングさは、残念ながら感じない。
MR.BIGの場合、楽曲志向のファンも多いと思うので、もっと評価されてもいいと僕は思う。
でも、エリックの独特な歌メロによって、助けられている部分は多いね。


RIOT V - Unleash the Fire ★★★ (2014-09-22 17:27:22)

このRIOTに関しては、僕の先輩でもあり友人に熱狂的ファンがいる。
今はHR/HMをほとんど聞いていないにも係わらず、KISSやこのRIOT、NIGHTRANGER等、一部のバンドだけは未だに追っかけている。
今でも彼らに、そんな魅力があるんだろうか.......僕は、ふと考える事もあった。
例えば、上記の3バンドにしたって僕は好きだけど、それ以上に好きなバンドが僕の場合たくさん居る。
だけど、それはきっと当時のインパクトが強く、それでいてバンド自身にまだまだ魅力がある証拠なのだろう。

この新作、確かに「Thundersteel」路線であり、①②⑥等狙ったとしか思えない展開の曲も多く、僕も大好きである。
マーク・リアリが亡くなり、トニー・ムーアも居なくなり、ボビー・ジャーゾンベクも居ない。
メイン・パーソンが不在になりながら、この完成度は僕も全く予想できなかった。
RIOTは、人の出入りが激しいバンドという印象が強かったけど、まさかここまでの作品が作れるとは正直思っていなかった。

しかし、忘れて欲しくないのは「Thundersteel」だけが、RIOTではない事である。
一枚のアルバムとしてのまとまりや哀愁感で言えば、僕は前作の方が上だと思うし、なんせアルバムに流れる空気感で言えば、やっぱり前作には捨てがたい魅力があったのも事実である。
前作とこの新作は、是非両方揃えて頂きたい。
この2枚を聴けば、彼らの魅力は十分に伝わるハズである。
そうすれば、過去を遡りたくなるに違いない......。


GODSMACK - 1000hp ★★ (2014-09-20 16:16:16)

前作も4年振り、そしてこの新作も実に4年振りである。
もう、ここ数作品に関しては特別に何の変化も無いので、この手にあまり興味が無い人が聴けば、全部同じでつまらないという感想が聞こえそうだけど、この手が好きな自分にとっては、相変わらず曲作りが上手いなあ~と感じてしまう新作である。

あえて路線も変えていないだろうし、もうこの手のバンドは逆に開き直っている感じもする。
全く路線を変えないのは、不器用なのか戦略なのか余程の自信があるのか真相は分からないけど、楽曲のクオリティーとしては全く落ちていないので、ソングライティングに関しては力があるバンドだと思う。

それにしても、安定感は抜群である。
それなら、もっとコンスタントに新作を出してくれてもいいのになあ~。
ちょっとひねった感じがある⑥~⑧が、個人的には好きである。
ファンなら、迷うことなく合格点ではないだろうか。


JUDAS PRIEST - Redeemer of Souls ★★ (2014-09-15 18:22:28)

全く個人的な意見で言えば、僕の「Angel~」に対する高い評価というのは、ロブが復帰して最初のアルバムという事で、各楽曲に対する個別の評価の高さというよりも、アルバムの作風が今後の方向性を示していて、それがもう一度本線に戻るという意味合いをかなり含んでいて、それに対する高評価となった。

バンド自身が自分達をどう捉えてどう考えているのか、というのは僕にとってはすごく大事で、だからこそ「らしさ」というものに強いこだわりがある。
でも、その「らしさ」の基準は人によって違うわけだから、僕と正反対の意見があっても全く構わない。
そもそも僕は、他の人に同意を求めて書いている訳でもないし、そのアーティストなり作品なりが好きであるから書いているだけであり、だからこそ時には厳しい表現になる。

このアルバムを聞いて「買って損した.....」という感覚は、全く湧かなかった。
だけど、最高傑作であるなんて事も全く思わない。
楽曲を個別に聞いていけば、総じて良く出来ているし、似たような楽曲が多いとか、キラーチューンが無いとかというマイナスを考慮しても、僕の評価は高かったりする。
やっぱり、ロブ復帰後の3作品はよく出来ていると思う。
僕の彼らに対する評価というのは、昔より今の方が断然高い。
新作を出す......ベテランバンドにも、これが案外重要である気がする。


Hone Your Sense - Absolute Senses ★★★ (2014-08-22 15:51:34)

THOUSAND EYES同様、日本発という言葉を意識しないで済むバンドの待望の1stアルバムである。
メタルコアに属しながらも、メロディック・デスでもあり、普遍的なメタルでもあり、その他のジャンルも同時に巻き込んでくる、ミクスチャー的要素が隠し味的に含まれる音楽性である。
もうこの手のメタルコアを聞いて、個人的にはあまり魅かれる事はないんだけど、話題性もあり日本発のバンドがどこまでやれるのかに興味があって購入したけど、これがなかなか良かったりする。
日本発のバンドにありがちな迫力不足という感じが無く、とにかく楽曲が良く出来ていて、単純に流れないようフックを多めに仕込んだサウンドに仕上がっている。
全体としても、楽曲が総じてキャッチーなので、この手のジャンルにあまり興味がない人にも、何かしらアピールできる魅力がある。
今はメタルコアのファンが多いと思うけど、HR/HMファンにも十分通じる楽曲は、単純にかっこいい。

これは、いいね。
キャッチーな楽曲が書ける.......個人的には、ここが一番の魅力に感じる。


ACCEPT - Stalingrad ★★★ (2014-08-16 12:02:52)

前作との比較で言えば、キャッチーさが増大し、整合性も高くなった印象が強い復活第2作である。
正統派でありながらも、楽曲はポップだし、ギターソロも豊富で非常に聴きやすい内容に仕上がっている。
らしさという点においても、昔からのファンを納得させる展開が多く、楽曲はとにかくキャッチーである。
ファンが、彼らに期待するものが多く詰め込まれているという点でも、ある意味理想型の一つである。

僕は、この年のベストアルバム10枚の内の一つに選んでいる。
特に変わった事をしなくても、名作は生まれるのである。


WOVENWAR - Wovenwar (2014-08-12 17:53:02)

AS I LAY DYINGのメンバーによる新バンドという紹介が適切なのか分からないけど、どちらにせよ、ティムの逮捕の件によって、活動停止を余儀なくされたメンバーが創めたバンドのデビュー作である。
ちなみに、Vo.はOH,SLEEPERのシェーン・ブレイである。

AS I LAY DYINGの場合、やっぱりティムの存在感が大きく、バンドの顔でもあり中心人物であった訳だから、音楽性はそのままに似たようなVo.を探して.....という発想にならなかったのかも知れない。
または、この際だから、ちょっと違う音楽性にしようかと思ったのか、はたまたシェーンを迎えたから結果的にこうなったのか、その真意が分からないので、これをどう捉えたらいいのか正直難しい。
意外に音楽性自体には大きな変更点は無いのかも知れないけど、Vo.の質感の違いがサウンドの印象を大きく変えてしまっているのは事実で、何とも微妙な位置に存在する音楽性になっている。
もはやメタルコアというより、オルタナ・メタル的感覚が強く、AS Iにはなかった新たな要素も加わっている。

個人的には、良いとも言いたくないし、悪いとも言えない出来であり、何とも難しい。
元々メロディックな部分には強かったわけだから、もっとその部分を強調しても良かったのではないか、とも思ったりするけど、このサウンドはなかなかマニアックでありこれはこれで貴重ではある。
キャッチーな要素が少なく、それが地味な印象に繋がり、イマイチという評価になりそうな危惧は感じるけれど、僕は応援すると決めているので、今後の動向には注目していきたいと思う。

ただ、なんでこのVo.なの?という意見は多く出そうな気がする......。


UNISONIC - Light of Dawn ★★★ (2014-08-07 15:28:15)

まだまだ、キスクのVo.を生かす為のプロジェクト的な感覚が強い、UNISONICの2ndである。
過大な期待感を抱かず、あくまでも楽曲志向で捉えるなら、帰ってきたクーカイさん同様、良く出来た作品だと僕も思います。
総じて楽曲のレベルは平均値を越えており、1stとの単純比較においても、レベルアップした部分は多いと思う。
特に、ある意味狙ったような路線でもあり、そういった楽曲が続く前半は、このバンドに期待するものが多く詰まっている感じがする。

だけど、個人的な感覚で言えば、個人的ベストトラックである⑦や⑨のような、典型的な楽曲ではないけど変化のある楽曲に魅力を感じたりする訳で、別に路線を狙わなくても腕のあるソングライターが居るのだから、幅はもっと広げてもいいと思う。
変化を付けるためにも、マイナー調をもっと増やしてもいい気がする。

でも、マイケル・キスクのVo.をこういった楽曲で堪能できる幸せは、何とも言えないね。
比較的HR/HM歴が浅い、若いファンの方がこれを聞いてどう感じるのかが、非常に興味深い。
過度な期待感を抱くのだけは、やめてほしい。
HELLOWEENの名作とかね。


ILL NINO - Till Death, La Familia ★★★ (2014-07-28 21:00:38)

前作から約2年振り、通算7枚目のオリジナルアルバム。
個人的には、前々作にあたる「Dead New World」が非常に気に入っていて、前作「Epidemia」も実は即行購入してるんだけど、ヘヴィさばかりが目立ってあまり気に入らなかった。

この新作、質感で言えば前々作と前作の中間といった感じだけど、キャッチーさが復活していて、ヘヴィではあるけれど楽曲の出来も悪くないと僕は感じる。
もう「Confession」の頃のような、ポップさは少なくなっているけれど、メタルコアでもありオルタナ・メタルでもある多様性のあるサウンドには磨きがかかり格好よく、個人的には今の彼らの方が好きである。
それにしても、コンスタントに新作を発売する姿勢や内容の安定感は、もっと評価されてもいい気がする。
今や日本なんかより、海外での評価が高い点は、なんか寂しいね。


JUDAS PRIEST - Nostradamus ★★ (2014-07-14 17:36:32)

大雑把に言えば又は見方によっては、はたまた音楽性から言えば、「Painkiller」と対極に位置する作品という言い方も出来るのかも知れないけど、どちらが彼ららしいかと聞かれれば、そのどちらも彼ららしいと僕は答えるだろう。
あのタイミングでしか、この作品は作れなかったハズである。

彼らがまだ若くて、今後も新作がコンスタントに発売されるという期待感があって、それで尚このような作品が2作品続いたのなら文句の一つも言いたくなる人の気持ちは理解できるけど、彼らはもう若くはないのである。
やる気があっての2枚組コンセプト・アルバム.......楽曲も良く出来ていて、ドラマティックさで言えば、彼らの作品の中でも上位にくる内容である。
作りこまないといけないという意味では、こういった作品は簡単には作れない。
当然、時間もかかるし、手間も掛かるのである。
そういった事を考えると、僕なんかはこの作品を聞くと、やっぱりすごいバンドだなあ~と単純に思う。
新人バンドやただ時流に乗っているだけのバンドなんかに、こういった作品は作れないのだから。
僕なんかは、今でもコンスタントに聞いてますよ。
時間の流れを忘れる事が出来る、貴重な作品です。


TESLA - Simplicity ★★★ (2014-07-02 17:24:05)

前作から約5年半振り、オリジナルとしては通算7枚目となる新作である。
演奏にしろ曲作りにしろ、安定感のあるバンドであるから、この作品もファンの方なら十分楽しめる内容に仕上がっていると思う。
楽曲の出来自体も良く、ソングライティング力もこれっぽっちも衰えていない。
適度なキャッチーさとジョン・クーガー並みのアメリカン要素がある、期待通りの内容である。

僕は大好きなバンドであるから、この作品も既に結構聞いている。
②~④あたりも好きだし、⑧⑩⑪なんかもいいし、本当にいい出来である。
こういうバンドは、いつまでも応援していきたいね、本当に。
バラエティーに富んだ楽曲で構成されているけど、マイナスに感じないのは、楽曲の出来が総じていいからである。
個人的には、前作よりも好きかな。


AS I LAY DYING ★★★ (2014-06-18 17:00:32)

バンドの顔であるティム・ランベシス逮捕の件は、衝撃的であり残念で仕方がなかった。
それよりも更にショックだったのは、その後の彼の言動である。
何故そういう行動を取るのか、本当に理解に苦しむ残念な行為だった。

活動停止と言えども、復活はありえないと言える程のわだかまりを残す結果となった。
残ったメンバーで、新たなVo.を入れて8月にニュー・アルバムが発売されるけど、個人的にはそちらを応援していきたいと思う。
メタルコアの中でも、一目置かれる立場のバンドだっただけに、今回の件は非常に残念である。


RUBICON CROSS - Rubicon Cross ★★ (2014-05-22 15:53:17)

FIREHOUSEの1st~「GOOD ACOUSTICS」までの作品は、結構聞いた記憶がある。
ただ、それ以降の作品となると、ほとんど印象に残っていないというのが現実である。
でも、オリジナルは一応全部持っているので、好きなバンドである事は間違いない。

CJスネアという文字がなければ、もうこの手のバンドを積極的に追いかけるという姿勢が、僕には無い。
例えその出来が少々良かったとしても、その中身は大体予想できる訳で、余程の理由がない限り、僕の場合
購入の理由にはなりにくい。

この作品、なんとも言いづらいバランス感覚の上に成り立っている作品である。
このバンドが一体、どういう方向に向かおうとしているのかが、実に判りにくい。
結局、CJのVo.とバンドの音楽的な方向性が何ともミスマッチで、それでいて面白く、それがある意味このバンドの特徴にもなっていると思うけど、摩訶不思議なサウンドを形成しているように僕には映る。
勿論FIREHOUSE的な要素もあるし、キャッチーさもあるので、楽曲自体に不満はない。
個人的に一番のウリは、CJの元気なVo.が、キャッチーさのある楽曲で聞けるという点である。
やっぱりこういった楽曲に映えるCJのVo.は、いいね。
本音を言えば、こういう楽曲を本家で聞きたいというのはあるけど、僕にとっては合格点である。

⑥~⑧なんかは、古き良きFIREHOUSEの姿が垣間見えるハズである。


FIREHOUSE - Prime Time (2014-05-14 21:16:26)

CJ・スネア率いるRUBICON CROSSが、ようやく1stアルバムを発売した。

それがきっかけで、FIREHOUSEの中でも印象の薄い5th以降を聞き直してみた。
正直「カテゴリー5」の楽曲自体は、そんなに悪くない。
しかし、楽曲全体の元気の無さとセルフプロデュースによる問題点は、当時も気になる点だった。
どこでパワーバランスが崩壊したのか分からないけど、次作「O2」は彼らの作品の中でも、最も楽曲的に魅力を感じない作品だった。
当時もあまり聞いていなかった為か、CDなんて新品そのものである。

そして、この作品である。
この作品だけは、発売してから1年後ぐらいに買った記憶がある。
CJが居るのに、彼がVo.でない楽曲が3曲もある。
もうはっきり言って、バンドが末期的な状態である事は容易に想像できる。
音楽性も、どこに向かっているのかが全く分からない、拡散化である。
だけど、これをアメリカの市場と照らし合わせてみると、もう彼らの居場所は3nd以降全く無いわけで、バンド内の人間関係に始まり、もう終焉しか見えない状態になったのは仕方がなかったのかもしれない。
こういう作品を聞くたび、なんか複雑な気持ちになる。

広瀬さんのRUBICON CROSSへの高い評価は、CJに対するエールも多分に含むのかなあ~と、個人的には感じてしまう。
日本では、売れて欲しいなあ~。


WINGER - Better Days Comin’ (2014-05-06 04:37:08)

僕は、楽曲の出来が良いと思っても否定することがあるし、逆に楽曲の出来はイマイチと感じたとしても称賛することがある。
例えば「Ⅳ」なんかは、楽曲の出来そのものは決して悪くないと思う。
その考えは、当時も今も実は変わっていない。
だけど、アプローチの仕方、作品に対する考え方を変えれば、もっと良いアルバムに仕上がった可能性が高いと感じたので、当時は肯定はしなかった。
楽曲の出来は、勿論大事なことではあるけれど、それが好きなバンドである場合、僕は点より線という視点で見てしまう習性がある。
これを肯定すると、次作はどうなるのか.......そのシミュレーションの結果が良くないから、肯定は出来ないという考えになる。

逆に「KARMA」に関して言えば、黄金期の良さを復活させたいという意図が作品全体に感じられ、これこそが多くのファンが期待する路線であり、個人的にもこれだと感じたので高評価となった。
実際、楽曲の出来も良くて、このバンドらしい楽曲におけるらしいフックが復活した点は、嬉しい誤算でもあった。
この考えの延長線上であれば......新作はきっと......。

そして、4年半振り新作の登場である。
僕の考えでは、「Ⅳ」は再始動後初のオリジナル作品という事もあり、モダンさにある程度力点が置かれていたように思う。
そして「KARMA」は、昔の良さを出来るだけ復活させようとしたハズである。
すると、この新作はどうなのか......。

恐らく、この作品フラットな気持ちで何の気負いもなく自然に出来た結果である気がする。
明確なテーマも見えないし、前作と前々作とも違う気がする。
個人的には、バンド自身が最も好きではない2ndのような、1曲1曲が独立した個性感溢れる作品を期待していたけど、そうはなっていない。
僕は「KARMA」が好きだったので、その流れを心の中で期待していたけど、4年半という時間の経過は結果として長かった気がしてしまう。

作品に対する評価は、敢えてしない。
ファンの視点によって、評価が分かれる作品である事は間違いない。
今の時代、作りこむのはバンド自身が最も嫌う事かもしれないけど、このバンドの場合それをすれば、その分の結果はきっとついてくるハズである。


SEBASTIAN BACH (2014-04-20 20:16:44)

今年発売された作品の中では、新作が僕の中では圧倒的No.1である。
全体的に小粒の作品が多いという現実はあるけれど、それなりのスタッフで意図して作品を作れば、やっぱりこういった「そのアーティストらしい作品」は出来るんだという事を再確認できたという意味においても、この新作は案外貴重な気がする。
純粋な意味でのアメリカのHR/HMシーンは、もう無いに等しいレベルという存在感になってしまっているけど、こういった楽曲で勝負できる新人に是非登場してもらいたいものである。

アメリカの新人は、なんでこういった作品を作らないんだろう。
もういいでしょ、メタルコアは......。
似たようなバンドばかりだし......。


WARDRUM - Messenger ★★★ (2014-04-16 16:42:19)

ギリシャ発、一部のコアなファンからは絶賛されている3rdである。
とにかく、メロディがクサくてこの手のファンなら聞いて損は無いというレベルである。
一番近いのはノクターナル・ライツであり、どこかインペリテリ風でもある。
それらのバンドの絶頂期の頃のクサさを有しながら、楽曲の基本は哀愁要素が強いメロディック・スピード・メタルである。

と言いながら、僕はそれらの主流なナンバーではなく、サビがトニー・ハーネル的な③や良い意味でしつこい進行の⑥、また楽曲の骨格がイングヴェイ的な⑨等が好きだったりする。
今のこのご時世で、こういう楽曲を聴ける幸せはマニアにはたまらないと思うけど、この手にあまり興味がない友人に聞かせると、まあまあというそっけない返事が返ってきたりする。
例えば、先に挙げたバンドを超えるような出来の楽曲があれば、強烈にプッシュしたいけど、僕の感覚ではやっぱり本家には及ばないのが現実ではある。
だけど、この手でこのレベルは、なかなか出ては来ないので、日本のファンの支持でこの音楽性を続けられるよう是非応援していただきたいものである。

この手のバンドにありがちな洗練された結果、面白みがなくなるという流れには絶対なって欲しくない。
なかなか貴重ですよ、このサウンドは。


GAMMA RAY - Empire Of The Undead ★★ (2014-04-06 02:50:26)

彼らの全盛期は、4th~6thあたりだと僕は思っている。
あくまでも個人的な感覚だけど、8thアルバム「MAJESTIC」あたりから感じ始めた楽曲の弱さは、9th、10thと残念ながら回復する事はなかった。
途中にヘヴィさやモダンさを取り入れたり、原点回帰を試みたりと、バンド側も試行錯誤を試みていたので
そういう点は評価できると思うけど、キャッチーさを置き去りにしている楽曲には僕は正直不満があった。

約4年振りの新作、あまり期待はしていなかった。
結果から言えば、肩の力が抜けて随分バラエティーに富んだ楽曲で構成されている。
ある意味吹っ切れたのか、過去の典型的な路線の楽曲は少ない。
ここに物足りなさを感じる人も居るだろうけど、個人的には楽曲の幅が広がって面白くなったと思う。
少なくとも僕は8th以降では、一番好きである。

何処に彼ららしさを求めるのかによって、評価が分かれるかも知れない。
だけど、いい意味でのポップさの復活等、新たな魅力を見つけられる作品である。
これでいいと、僕は思うけど.....。


FUEL - Puppet Strings (2014-03-18 18:53:18)

前作から約7年振り、通算5枚目のオリジナルアルバム。
前作ではVo.のブレットが脱退して、新しいシンガーを入れてアルバムを制作。
しかし、今度はブレットが復帰したのはいいけれど、オリジナルメンバーは居なくなるという、彼らの順風満帆ではない活動履歴を証明するような感じで発表された新作。

メインソングライターがいなくなり、どうなるのか心配だったけど、これはこれでまあまあかな....という出来で、個人的にはなんとか合格点という感じである。
そりゃあ、名作と思っている3rdなんかと比較すると、聞き劣りする部分は多い。
音楽性もかなり変わってしまっていて、気だるさやラフな要素を強調したグランジ・オルタナ的感覚が、強くなっている。
もしこれが、ブレットがVo.でなければ、僕の場合あまり魅力がない作品になる。
結局は、カール・ベルとブレットがいてこそのFUELなんじゃないか、という結論になってしまうけど、楽曲の出来はそんなに悲観するレベルではない。

2ndや3rd路線を期待すると、肩透かしを喰らうであろう。
よくあるパターンではあるけど、やっぱりあの布陣で新作聞きたいね、正直に言えば....。


HELLOWEEN - Better Than Raw (2014-03-11 21:42:13)

彼らの作品の中では、個人的にはあまり好きではない作品。
だけど、「Midnight Sun」を聞きたいが為に、定期的に引っ張りだす。
そうは言っても、飛ばして聞くことはあまりないので、この曲が登場するまでは少し我慢の時間に入る。
そして、ようやく最後に登場するんだけど、この瞬間が実にたまらない。
待ってました、と言わんばかりに、何故かガッツポーズをしたくなる。

こういった感覚を持てる楽曲というのは、実はそんなに多くない。
だけどHELLOWEENというバンドは、そういう楽曲を数多く持つバンドである。
日本では記録も多少残っているとは思うけど、どちらかと言えば記録よりも記憶に残るバンドの代表格である。
名曲を数多く持つ、現役最強クラスのソングライターチームでもある。
これだけのキャリアがありながら、まだまだ現役バリバリである所は実に頼もしい。


ADRENALINE MOB ★★ (2014-03-09 12:27:56)

精力的に活動するラッセル・アレンとドリーム・シアターを脱退したマイキーが合流して、一体どんな音楽をやるのかに注目が集まった彼らのデヴューアルバム、12年発売である。

プログレっぽい作品に期待が集まったけど、ここで聞かれるのはモダンさを重視した今風のラウド・ロックである。
そうは言っても基本はオーセンティックなHR/HMなので、客観的に見ればそれらの中間ぐらいの位置である。
マイキーがソングライティングに関わっていない事は明白で、楽曲にしろ演奏にしろ特別にその存在感は感じない。
突出した楽曲は無いし、何か特別な事をやっている訳ではないけれど、一枚のアルバムとしての完成度は予想よりも全然高い。ここら辺に強者達の実力を垣間見ることが出来るわけで、決して自分の期待を裏切る事は無かった。

今風.....この部分は今後もきっと保たれるハズである。
よってSYMPHONY Xみたいにはならないハズである。
楽曲の出来はいいので、もっと話題になってもよかったのに......。
マイキーは、もう居ないけどね......。


PRIMAL FEAR - Delivering the Black ★★★ (2014-02-12 14:37:52)

僕は前作を高く評価したけど、この新作も侮っていては損をする程の力作に仕上がっている。
もっとメディアでもファンの間でも、話題になって然るべき要素を多分に含む熱い作品である。
もう過去のPrimal Fearは、忘れてもいい。
過去の残像は、返って作品の評価を邪魔するし、改めて彼らに接する人には障害となるからである。

路線的には前作とは違い、従来の硬派な路線に戻っている。
従ってメロディアスな部分は若干後退しているものの、楽曲の骨格は太くなりその分重量感を増している。
前作同様、楽曲は良く出来ているし、こういった路線のバンドにありがちな中だるみ的要素も無い。
曲調からも、ラルフのVo.はガンマ・レイを想像させるけど、今の彼らは遥かに上の存在感である。
今になって、まさかの絶頂期......僕にはそう感じる。
前は買っていたのに、聞くのを止めた人にこそ、是非聞いて頂きたい作品である。


PRIMAL FEAR - Unbreakable ★★★ (2014-02-11 08:42:38)

このバンドの場合、初期~中期にかけては気になって聞いていたけど、最近は全く興味が無くなっていた。
正統派.....と言えば聞こえはいいけど、裏を返せば変化に乏しく飽きやすいという要素を、同時に含んでいる事を意味している。

アルバムの平均的な出来は悪くないハズである。
僕は全作品持っている訳ではないので断言はできないけど、安定感という意味では抜群であると思う。
でもその安心感こそが、返って邪魔をするのである。

この作品、僕には劇的とも言える変化を感じる。
良い意味でもそうでない意味でも地味だった楽曲には、華やかさもあり、楽曲は一回りスケールアップしている。
相変わらず、これだ!と言える楽曲には乏しいものの、各楽曲の平均値が上がった事で、マンネリ感の払拭に成功している。
メンバーチェンジがなければ、僕はこの作品聞いてはいなかったであろう。
つまりは、アレックス目当ての購入だった訳だけど、これは予想外に良かった。
先入観なしで、是非聞いていただきたい作品である。

新作も発売になっている。
どんな内容か、実は気になっている。


ALL THAT REMAINS - A War You Cannot Win ★★ (2014-01-14 21:38:25)

恐らく従来のファンからは、軟弱になったとかポップ過ぎるといった批判的な意見が聞こえそうな、12年発売の通算6枚目の作品である。

例えば③⑤⑧等に代表される、従来のメタルコア路線でない楽曲に不満を抱く気持ちは分からなくもないけど、自分的にはそこが逆に魅力的に感じてしまうのが正直な感想である。
特に⑧、この曲なんかはメタルコアでもなんでもなくて、普通のHRなんだけど、僕はこの1曲の為にアルバムを買った程気に入っており、このバンドのメロディアスな部分が上手く出てて、この路線でもいいのではと、個人的には思ってしまう程である。
元々このバンドは、メロディアスな楽曲を書ける実力があるのに、なんでもっとこういったキャッチーな路線に舵取りをしないのか不思議に思っていたけど、今後は是非キャッチーな要素をもっと増やしてもらいたい。

クリーンパートが多すぎる......従来のファンからはきっと、こう言われるんだろうなあ~。
でも、⑧みたいな楽曲を、僕は聞きたい。
その方が、チャンスはある。


JAMES LABRIE - Impermanent Resonance ★★ (2014-01-11 18:05:42)

僕は、前作を高く評価している。
例えば、Dream Theaterの最新作と前作「Static Impulse」を比較した場合、個人的にはソロ作の前作の方に軍配が上がる程、気に入っている。
その前作を、超えることは出来るのか。

個人的な感覚で言えば、残念ながらその前作を越えてはいない。
でも決して、出来が悪い訳ではなく、路線自体も前作の延長線上である。
また、アルバム全体の統一性で言えばこの作品の方が上であるだろうし、整合感も上である。

ただ、各楽曲のドラマティックさやいい意味でのバラエティさは、前作の方が圧倒的に上である。
メロデスにラブリエ.......ある意味、アンバランスの美学とでも言おうか、その絶対的要素が減っている点が、個人的には物足りない残念な点である。
まとまる......のは良い事なんだけど、敢えてまとまらない......のも、一つの方法である。
もし点数を付ければ、前作と今作、ほとんど変わらないかもしれない。
前作を気に入った人には、十分合格点である。


ROYAL HUNT - A Life to Die For ★★★ (2014-01-09 19:59:52)

B!誌におけるアンドレの発言には、改めて考えさせられるものが多く、問題の深刻さを痛感した。
先が見えない........これは、別に音楽業界に限ったことでは無いけど、どうやったらアーティストを救う事ができるのか.......難しすぎる問題である.......。

昔は購入していたCDを、何故今買えないのだろうか.........。
もう、アーティストを支える気持ちさえ無いのだろうか.........。
例え、音源が無料で確保できたとしても、そこには全く何も残らないのである。
崩壊と限界.......アンドレの発言は、一部の大物を除くほとんどのアーティストが直面している問題でもある。

この新作、僕なんかは素晴らしい出来であると思う。
こういった優れたアーティストが活動できる場所は、絶対に奪ってはならない......。
ファンであるなら、今こそ応援していただきたい........。


ALICE COOPER - Hey Stoopid ★★★ (2013-12-31 21:12:21)

この1週間は、ほとんど音楽を聴く時間がなかった。
新譜も買ったけど、開封すら出来ていない。
まあ、そんな事はどうでもいいけどね....。

この作品、僕の中での評価は高く、91年発売の作品とは思えない完成度の高さを誇る。
80年代後半~90年代初頭にかけては、HR/HMが一大ムーブメントになった影響もあり、オーバープロデュース的な作品も多かった。
中には結果的に、アーティストの魅力を半減させたような、作品も多かった。

しかし、この作品の様に、この時代だからこそ出来た名盤もあり、そういった意味でも貴重な時代ではあった。
どんな優れたアーティストであっても、今この完成度を再現するのは難しい。
それは、売れっ子ソングライターやプロデューサー、豪華なゲスト陣、予算や時間が十分にないと、ここまでの完成度に結びつかないからである。
ある意味弊害も多かったこの時代だけど、三位一体でこちらに挑戦状を叩きつけるような、攻撃的な作品に出会いたいものである。

仕掛け人が、絶対必要である。
良い意味で予想を裏切る作品に、来年は期待したい。
この作品、捨て曲どころか、手抜きが一切ない作品である。


FOREIGNER - Inside Information ★★ (2013-12-21 17:12:52)

当時、僕はHR/HMよりも、普通のロック・ポップス系作品の方を数多く聞いていた気がする。
所謂80年代というのは、僕にとっては黄金期であり、こういった聴き応えのある産業ロック的な作品も多く、別にHR/HMに拘らなくても、十分満足できる音楽シーンであった。

フォリナーと言えば、この作品という人も結構いるようで、実は僕もオンタイムで聞いたこの作品が一番印象に残っていたりする。
オンタイム......やっぱり、これは大事なことで、後追いで聞いた場合とは違うその時代の空気感があったりする。
彼らの場合、名盤扱いされるのは違う作品だけど、この作品だって僕にとっては名盤すぎる内容である。
優れたソングライターの実力を証明するバンド......それが、フォリナーである。


TESTAMENT (2013-12-11 04:19:25)

ライブ盤である「Dark Roots Of thrash」の出来は、半端ない。
スラッシュ・メタルと呼ばれるバンドの中でも、メタリック感が圧倒的に強いのがこのバンドの最大の魅力だと思うけど、本当にこの作品が凄いのである。
僕は普段、ギターがどうのこうのとか、ドラムがどうのとかは言わないけど、アレックスのギターとジーンのドラムはホントに単純に凄い。
特にジーン・ホグランに関しては、いつも思うんだけど、これぐらいのこと朝飯前というぐらいの感じで叩いているんだけど、これが正確で安定感という意味では抜群なのである。

B!誌でも書かれたけど、今の彼らは四天王をも上回るライブ・バンドだと僕も思う。
是非、映像で確かめてもらいたいけど、この迫力はとにかく半端ない。
そこら辺の新人バンドでは、絶対に勝てないね。
とにかく、凄い。


ANDI DERIS - Million Dollar Haircuts On Ten Cent Heads ★★★ (2013-12-09 15:26:12)

ソロ作品としては、本当に久々の新作である。
思い返せば、1stはPink Cream 69時代のポップ色が強く、それはファンが望んだ路線でもあり、評判もなかなか良かった。
そして2ndは、時流に流されたような作風で、個人的には問題外の内容だった。
CDは持っているけど、僕はもう10年以上聞いていない。

そして、この新作である。
あの2ndの悪夢を考えれば、僕には購入するのに相当ハードルが高い作品だった。
購入する理由......それは、アンディが好きであり、コンポーザーしての実力を認めているからという以外には何もない。
僕は、アンディは、実に器用な人だと思っている。
ソングライターとしての実力も、かなり高いし、その幅も広い。
基本は、Helloween用のアウトテイクというのは、想像しやすい。
事あるごとに、アンディはHelloweenが一番であるという発言を繰り返してきている。
よって、これがファンの期待するPink Cream 69路線でない事は、想像できていた。

⑤は、親しみやすく、分かりやすくキャッチーなナンバーである。
①、③、⑥等は、比較的ヘヴィな路線である。
だけど、これらの一見では違和感を感じる楽曲に、アンディらしさをいかに感じられるかにこそ、この作品のポイントはある。
よって、僕はこの構成には納得がいく。
バラエティに富んではいるものの、そこには案外統一性もある。

結局、ヘヴィであろうが、ダークであろうが、楽曲にはツボがあり、アンディ節も健在である。
決して、2ndのような消化不良的要素はない。
僕が点数を付けるなら、85点ぐらいである。
今でも、Pink Cream 69路線の楽曲は、書こうと思えばすぐに書けると僕は思う。
アンディは、実力のあるソングライターだからね。
このアルバムの楽曲でさえ、もっと煮詰めれば、かなりの作品になったと僕は思う。
やっぱり、アンディは凄い人ですよ。


SKID ROW - Slave to the Grind (2013-11-27 06:53:26)

個人的には、バズが居た3rdまでしか好きではない。
しかも楽曲的に見れば、1stの方が圧倒的に好きではある。

00年代以降、80年代型のキャッチーなHRをオマージュしたようなバンドが出てきてはいるけれども、このスキッド・ロウに近いバンドは出現していない。
特別に変わった事をしている訳ではないけれど、再現しにくい要素を多分に含むバンドである。
この作品が発売された91年......実は、微妙な年である。
アメリカの音楽シーンが、変わり始めてはいるものの、まだ大物バンドによって支えられていた感はあった。
後に大物バンドまでその波にさらわれていく事になるけれど、当時は今後が楽しみなバンドの代表格であった。

実は1st~3rdまで、作風は全く異なる。
でもらしさは健在であるし、楽曲の出来もいい。
最近のバンドは、変化を嫌う傾向が強すぎるし、冒険心が無さすぎる。
時流に流されるのではなく、流行りの要素を逆に利用するという様な、したたかさがあってもいいのではないか。
ステップアップしたいという欲求が、あまり感じられないバンドばかりである。

細分化されすぎているシーンにも問題があるけれども、その壁を乗り越えてくるようなバンドじゃないと魅力が無い。
楽曲の出来はなかなかでも、特徴がないバンドにはもううんざりである。


SLAYER (2013-11-25 14:37:30)

ジェフの件があり、実は今年最も聞いた回数が多かったアーティストが、このスレイヤーである。
新譜が発売していないにも、関わらずである......。
TRIVIUMの作品もかなり聞き込んだと思うけど、それでも圧倒的に多かった気がする。
スラッシュというジャンルの中でも、僕にとっては何故か彼らは異端であり、最も正統でもある。

四天王の中でも、音楽性をほとんど変えず、それでも圧倒的な存在感を誇るというのが、彼らの強みである。
僕は、00年代に入ってからの方が、彼らの作品をよく聞いている。
それは、00年代の作品の方が好きという事ではなく、年々彼らの凄味を感じるようになったからである。
結局オリジナルは、全部持っている。
しかも、どの作品もまんべんなく聞いている。
それは、アルバムの平均値が高い事を意味しているのである。

今時の新人バンドにはあまり感じない威圧感を、今でも感じる貴重なバンドである。


MR. BIG - What If... ★★★ (2013-11-10 15:31:11)

発売当時は、あまり音楽に集中していない時期だったので、まあまあかなという印象だけ残った。
長い、短いに関わらず、僕にはこういう音楽をあまり聞かないという時期が不定期で訪れる。

実は最近、こういう普通のHR/HMをよく聞いている。
00年代以降、ラウド・ロックやメタルコア等の、ど真ん中ではないHRを聞く機会が増えた。
それは、有望な新人がなかなか登場しない従来のHR/HMでは、とても満足できない状態に陥った為であり、僕にとっては必然の流れであった気がする。
しかし、そのシーンにも限界を感じてきたため、戻ってきているというのが現状である。

この作品、2ndの様にポップではないし、キャッチーさも正直少ない。
だけど、楽曲には躍動感があり、全曲スリリングである。
やっぱり、このメンツでしかマジックは起こらないのである。
ヒットした2ndの再現をという発想でなかった事が、作品に凄味を与えている。
誰にも真似できない楽曲が、多数収録されている。
個人的には、2ndと同等の評価である。

地味ではあるけど、聴き応えはかなりある。


W.E.T. - Rise Up ★★★ (2013-11-07 15:10:15)

1stよりも、ロック色を強くした2ndである。
やっぱり、ジェフのVo.はいいね。
彼がVo.である事で、点数が5点ぐらいはアップするからね。

1stもかなり評価が高かったと思うけど、個人的にはこの2ndの方が好きかもしれない。
哀愁さ加減は多少減ってはいるものの、楽曲の骨格はこの2ndの方がしっかりしていると思う。
楽曲によっては、タリスマンに似ているし、平均的なクオリティーも決して1stには劣っていない気がする。
個人的には、2ndの方がはるかに上だけどね。
という事は、1stが好きだった人にも、ハードポップが好きな人にも、十分アピール出来る完成度であると思う。

こういった楽曲は、そこら辺の新人バンドには書けないので、やっぱりソングライティングにセンスがあるというのは、強い武器だよね。
本当に、良い出来ですよ。


AVENGED SEVENFOLD - Hail to the King ★★ (2013-10-30 16:27:39)

マシーン・ヘッドのロブの発言の真意がどうであれ、それはある程度HR/HMを聞き続けている人なら、誰しもが感じた事ではなかったであろうか。
確かに、あれもこれも似ているし、そう言いたくなる人の気持ちもわからなくもない。

だけど、彼らはレブを失っている。
バンドの特徴的部分の中心を失っているのだから、その点は考慮してもらいたい。
しかも、アルバムの変遷で考えれば、この作風は決して突然変異ではない。
楽曲の出来も、悪くはない。

個人的には、これが決して最終目標地点ではない気がする。
この新作は、彼らがリスタートするための準備的な作品であると僕は思う。
だから、今後彼らがどういった道を選択するのか、想像しづらい。
元に戻すのか、進化の速度を速めるのか、先は全く読めない。
もしかしたら、迷走するのかもしれない.......。

でも、時代のせいばかりにして、何のチャレンジもしないバンドなんかより、よっぽど魅力がある。
これが2作続くようなら問題は深刻だけど、たった1作品で判断するのは早計である。
正解なんて、どこにも無いのである.....。
バンドが下した決断こそが、正解である。


TRIVIUM (2013-10-17 17:20:09)

最新作は、僕の中では年間ベストアルバムに決定している。

その内容に不満を持っている人も当然居るだろうけど、出来上がった作品の質の高さは勿論、プロデューサーとしては実績が全く無かったドレイマンを起用し、いい意味で予想を大胆に裏切る作品を発表したそのチャレンジ精神を、僕は高く評価したい。
CDが売れない時代に、無駄に予算を掛けられない事情も十分想像出来るけど、何故プロデューサーが必要なのかを考える意味合いにおいても、この作品の意味する所は大きい。
HR/HMバンドの強みは、自分達だけで曲作りを出来る所にある。
下手に邪魔されたくない....プライドも高く拘りも強いHR/HMバンドにとって、プロデューサーと意見の対立があって不快な思いをするぐらいなら、自分達だけで楽曲を仕上げて、ミキシングだけ任しておけば......という発想になりやすい。
でも、そのアーティストを客観的に見ながら、的確なアドヴァイスをくれる人が居たらどうだろうか。
その意見を取り入れる、取り入れないの最終判断は、バンド自らがすればいい。
でも、意見を聞こうという姿勢は大事である。

この作品、実はDISTURBED色がかなり強い。
僕は、DISTURBEDが大好きで、ずっと似たようなサウンドやバンドを探してきたけど、こんなに似た楽曲、サウンドに出会った事が無い。
つまりは、この作品とDISTURBEDの最新作である「ASYLUM」には共通点が多くて、僕は正直ビックリしている。
両者がこんなに合うなんて、誰が予想出来たであろうか......。

ドレイマンの凄さは、TRIVIUMを下手に変えようしなかった所にある。
バンドの本質を見極めながら、新たな魅力を引き出す。
実は簡単そうで、難しい事である。
何故なら、そこに信頼関係がないと成り立たない事だからである。

個人的には、この組み合わせでもう一枚アルバムを作って欲しい。
路線は変わっても、変わらなくてもいい。
だけど、向上心が強いバンドなので、それは叶うかどうか分からない......。
でも、どういう選択をしても、きっと彼ららしいハズである。

僕は、BFMVも凄く好きだけど、マット・タックがこの作品を聞いてどう感じるのか、是非聞いてみたい。
御三家の他のバンドは、大胆な舵取りをしてきたからね。


ALTER BRIDGE - Fortress ★★★ (2013-09-30 17:22:01)

HR/HMファンの間では、マイルズ・ケネディが属するバンドという認識が強いだろうけど、個人的にはCREEDのメンバーによる別プロジェクトという認識が強いバンドの新作である。

はっきり言って、今のCREEDとALTER BRIDGEの音楽性には、そんなに差が無いと僕は思っているけど、強いて違いを挙げるとすれば、CREEDはポップスチャートでも戦えるキャッチーさがあり、一方ALTER BRIDGEは、あくまでもロックチャートを主戦場とする仕上げ方にしている。
結局、両者を使い分ける事が出来る器用さが、メインソングライターであるトレモンティの強みであり、このバンドの強みである気がする。

とにかく、このバンド曲作りが抜群に上手い。
例えば、前作で言えば「Isolation」今作で言えば「Addicted To Pain」みたいなメロディがキャッチーでシングル向きの楽曲は書けるんだけど、敢えてそればっかりにしないというか、①や③みたいな難しい楽曲を放り込んでくる技術の高さというか、そういうソングライターとしての力量が、個人的には堪らない魅力となっている。

前作は、比較的地味で難しい作品だったけど、この新作は単純にHR色が強いし、楽曲もバラエティに富んでいて面白い作品に仕上がっていると僕は思う。
とは言っても、渋い出来だけどね。


DREAM THEATER - Dream Theater (2013-09-19 17:42:27)

僕は空気を読めないし、そもそもそれを読もうという意識が無い。
でも、だからと言って、皆が誉めているからという理由で、敢えてそれを否定するというような偏屈的意識は無い。
個人的には、アーティストを応援する事と、作品に対する評価は全く別物であり、例え酷評していたとしても、本人的にはそれなりに言葉を選んでいるつもりではいる。

今年に入って、ショップで予約をして購入したアルバムはたった2枚しかない。
その内の1枚が、このアルバムである。

巷では、アルバムタイトルからも予想できる新生ドリーム・シアターの出発作とか、マンジーニが曲作りから全面参加した作品であるとか、マンネリ感の払拭に成功しているとか、いろいろな意味でのポートノイ批判とか、そういった意見が多いけど、僕は、先ず楽曲のつまらなさに目がいったし、むしろ前作で危惧していた心配事が浮き彫りになった感じがして、充実感なんて全く感じなかった。

僕は、前作をその年のベスト・アルバムに選んでいる。
それは、各楽曲の出来の高さによる部分が大きかった。
でも、今後の不安感はあったし、ポートノイ脱退によるマイナス面もかなり感じていた。
ポートノイはある意味やっかいな人ではあるけど、間違いなくバンドの核であったし、バンドのモーター的な役割を果たしていたし、中心人物であったし、ファンに安心感を与えていたのも彼だったと、僕は認識している。
僕は彼の大ファンという訳ではないけど、ポートノイがいないドリーム・シアターには、今でも大きな違和感がある。ライブでマイキーが居ないなんて、はっきり言って想像したくもない.......。

比較的おとなしい作品が2作続いたので、新作はヘヴィ路線なのではと予想したファンも少なくないハズである。
でも結果的に、そうはなっていない。

もし、ヘヴィ路線で行こうとバンド側が思っていたとしたらどうだろうか?
例えば、「Train Of Thought」や「Systematic Chaos」みたいな作品を作ろうとした時、マイキーがいない影響が大きく出るハズである。
前作の作風では、最小限に抑えられていたマイキー脱退の影響が、この新作でかなり出ていると僕は感じる。

楽曲の小粒化やメリハリ・抑揚の少なさ等、僕には不安感ばかりが残る新作である。
また、複雑ではあるけど、わかりやすいという彼らの最大の魅力に乏しい点が残念である。


THE DEVIL WEARS PRADA - 8:18 (2013-09-11 21:20:06)

現代のバンドは、音楽的な振り幅が狭くなってきている。
変化の幅が微妙だったり、実に分かりにくかったりする。
その為、それをどう捉えたらいいのかに悩む事が多い。
アーティスト側に立って考えるのか、それとも一人のファンとして考えるのか、はたまたあくまでも客観的に考えるのか、その選択にも迷いが生じてしまう事が多い。

僕は、3rdアルバムが圧倒的に好きである。
もし、このジャンルで生きていくのなら、そのスタイルを維持する事が望ましかったハズである。

だけど、そのスタイルを真似するバンドは、今の時代いくらでもいる。
そうなった時、バンド自身の本質が表れてくるのである。
一歩踏み出すのか、それとも、そこに留まるのか......当然、やりたいことが変わる事だってある。
正解が無いこの問題にぶち当たった時、どう答えを出すのか。
バンドの真価が、問われる瞬間である。

この作品、難しい。
出口の無い迷宮に入り込んだかのように、音楽性は難解さを増している。
こういった作品に出会った時、僕はバンドが何処に向かおうとしているのかに注目する。
インタビュー等の情報は、完全に無視をしてである。
あくまでも、自分で考えてみるのである。

3rd~4thの流れで考えれば、この新作もその延長線上にはある。
だけど、ここまでキャッチーさが足りないと、繰り返して聞きたくなる魅力には乏しい。
やる気は認めるけど、せっかく3rdのような劇的な音楽性を表現できるのだから、そこにもう一度焦点をあてた楽曲作りに戻ってもいいと思う。
これでは、もったいない。
バンド側が損をしてしまう作風に、なってしまっている。

他のバンドとの差別化は、勿論大事な事なんだけど、それを考え過ぎてはいないだろうか。
能力が高いバンド程、実はこういった罠にはまりやすいのである。
でも、前進力は評価すべきポイントである。


JAMES LABRIE - Static Impulse ★★ (2013-08-30 20:16:35)

この作品、個人的にはついで買いであったし、あまり期待もしていなかったけど、当時はまあまあ聞いていた作品である。
ドリーム・シアターにおける彼の過小評価には、僕は苦言を呈したいけど、彼が想像以上に魅力的なVo.であるのかを再認識するには、いい作品である。

ソイルワークやイン・フレイムスに共通するメロディック・デスを基本に置きながら、そこに印象的なラブリエのノーマル・ボイスが乗っかってくるという、ある意味アンバランスな感覚こそがこの作品の最大の魅力であり、エモっぽさもありながら個性的なサウンドが構築されている。
一歩間違えばダサくなりそうな作風を、楽曲の出来がカヴァーしているし、バックを固めるメンバーも実に個性的である。
もしかしたら、このメンツで本格的に活動してもいいのではと感じさせる程、楽曲の出来はいい。
当時の評価は先ず先ずだったと思うけど、案外ノーマークなこの作品、ソロ作品だからと侮っていては損をするかもよ。


THE DEVIL WEARS PRADA - Dead Throne ★★★ (2013-08-21 14:54:46)

EPを挟んでいるものの、前作からは2年を経過しての4thアルバムである。
ちなみに、新作がもうすぐ発売される。

EP「Zombie」は、3rdを気に入っていた自分にとっては、最初は違和感ばかりが目について、なんで変わっちまったんだという感想しか思い浮かばなかった。
キーボードを含めた、あのエモっぽい劇的な展開こそが、このバンドの最大の魅力っだったのではないか。
なんでなんだ......。

だけど、冷静に聞いてみると、全5曲の出来は決して悪くなく、むしろ良かったのである。
最初は、攻撃性ばかりが増して、ドラマティックさの後退と感じたこのEP、今ではお気に入りの作品となっている。

そして、この4thである。
やはり、3rdよりEPの路線に近く、良い意味での昔のちゃらついた感覚は皆無となっている。
より硬派に、あくまでも前に進んでいくという決意に満ちたサウンドへの変貌が、強く感じられる作風となっている。
今アメリカでは、この手のタイプのバンドしか勢いがない。
その中でも、このバンドは人気が高い。

3rd~4thの変化が自然な流れなのか、意図的なのかその真意は分からない。
少しでも変化すれば、面白みが無くなるというこのジャンル独特の傾向が強い中、このバンドは健闘していると僕は思う。
注目するなら、今である。


AVENGED SEVENFOLD (2013-08-08 18:54:39)

新作からのタイトルトラックを聞いてみたけど、これは賛否分かれるだろうなという印象である。
僕が思うに、前々作から変化の兆候はあったし、それは前作「Nightmare」でも同じ考えだったと思うけど、ザ・レヴが亡くなった影響で、「Nightmare」はむしろ逆に、従来の自分達に戻った様な作風になった。
これは、マイクのドラムスにも象徴されていて、出来るだけ従来の彼ららしさを壊さないように徹していた事も少し影響している。

もし、ザ・レヴが存在していたとしても、彼らは変化する方向性にはあったとは思う。
ただ、ザ・レヴのドラムスはかなり個性的で、曲作りという点でも重要な要素を担っていたので、それは他人では真似がしにくい訳で、そう考えると全く同じ変化でも、その幅は結果的に大きくなってしまうのではないだろうか。
本来なら、前作というワンクッションがあったハズである。

B!誌の大野さんのレヴューを、どう感じるだろうか。
その実力を認めているからこそ、辛口になるのである。
音楽的な面での彼ららしさを支えていた、ザ・レヴの存在感は想像以上であった事が、この1曲でもなんとなくわかってしまう。
でもよく考えたら、ソングライターを失ったのだから、影響が出ない方がおかしいのである。


QUEENSRYCHE (2013-07-06 17:25:52)

「QUEENSRYCHE」どうですか?聞きました?
と、ショップの店員さんに尋ねられた。
いや、聞いてないし、買うつもりもないです、と僕は答えた。
じゃあ、聞いてみてくださいと、恐らく私物であろうCDを貸してくれた。
まあ、いつも行くショップなので、仲はいいけど、実は彼らの新譜に全く興味はなかった。

バンド内のゴタゴタには、うんざりする事が多い。
今回の分裂だって、まあ然るべき時が来たんだなという感覚しか湧いてこず、これで終わったなと正直思った。
僕は、アルバムのレビューをする時、こういった背後の事情をできるだけ考えないようにしている。
でも、ここまで明らかになると、もう無視するわけにもいかない。

クリスが脱退した時点で、QUEENSRYCHEは終わった。
多分、これも正解であろう。
個人的に言えば、「Promised Land」で、だけど......。

そうはいっても、「Operation Mindcrime 2」と「American Soldier」は、結構気に入っていた。
勿論、ソングライター等の情報は無視をしてである。
結局、バンドがどういった状態なのかは、クレジットを見るだけでも、分かってしまうのである。

上記の2作品を除いて、クリス脱退後の作品には、まとまり感に欠けるきらいをいつも感じていた。
そこには、コンセプト・アルバムという方法論を用いないと、散漫になってしまうという現実があった。

聴く前から、なんとなくという想像は出来ていた。
そういった意味では、ジェフ側、トッド側、両者共予想できる作風である。
しかし、残念ながらその予想を超えてくる内容ではない。

こういった事が起きて、いつも思うことは分裂して、10のものが5対5になるのではなく、4対3とかマイナス効果に終わってしまうという悲しい現実である。


SKILLET - Rise ★★★ (2013-06-26 18:45:00)

真価が問われる、前作から約4年ぶりの新作である。
「やっぱり、こうなるのである。」

良かった......。
時代の逆風を受けながらも、前作はアメリカで大ヒットを記録した。
彼らの場合、作品を発表する毎に、順調にセールスを伸ばしてきている。
勿論、ファンも確実に増やしている。

彼らの分岐点は、楽曲にドラマティックさとキャッチーさが増した「Collide」にあると思うけど、特に前々作、前作、そしてこの新作は3部作と言っていい程、完成度が高い。
この新作の作風を、どうするのか......。
前作が大ヒットを記録して、約4年という歳月......どういう舵取りをするのか。
僕は、この点に注目していた。

さすが、である。
やっぱり、こうなるのである。
コンセプト・アルバムであるという事実は抜きにしても、ドラマティックさを過去2作品とは、違う角度から追及したこの作品、実に奥が深い。
前進しようとしているから、同じにはならないのである。
勿論、前作のパート2という選択肢もあったハズである。
だけど、実力のあるバンド程、同じ事は避けたがるのである。

この新作、一見では静と動のコントラストが明確であった、前作よりは地味に感じるかもしれない。
だけど、奥深さやアーティスティックさで言えば、はるかに上である。
もしかしたら、僕が一番好きな「Comatose」をも上回る出来かもしれない。
期待はしていたけど、それをいい意味で裏切る出来である。

この作品で、僕は彼らを一層好きになった。
とにかく、楽曲がよく練られている。


TRIVIUM - In Waves ★★ (2013-06-19 17:44:21)

現在のバンドは、80年代組に比べても音楽的な振り幅が少なくなってきている。
振り幅が少ない事は、決してネガティブな事だけではないけど、勿論、時代背景も関係する事だし....だけど、それをバンド自らが選択しすぎる傾向が強い点には、僕はあまり納得がいっていない。
バンド自身の目標ラインが下がっているのは、ある意味仕方がないのかもしれないけど、あまりにもその枠に入ろうとする若いバンドが多いのには、少々がっかりしている。

4th~この作品で彼らは、現状維持路線を好まなかった。
元々、僕はそういう所が好きなんだけど、彼らは試行錯誤を繰り返しながら、現在に至っている。
楽曲だけ見れば、前作の方が僕は好きかもしれない。
だけど、停滞を良しとしない考えの基で作られた、この作品の意味する所は大きい。
自分達らしさとは......その考え方の結果としての形が、この作風なのである。
楽曲で感じる音楽的らしさだけが、彼ららしさではないのである。

新作は、予定通りでいけば、秋ぐらいなのかもしれない。
それが、どういった作風なのか興味深い。


THE DEVIL WEARS PRADA - With Roots Above and Branches Below ★★★ (2013-05-26 16:11:03)

メタルコアというジャンルが、世間でどう捉えられているのか正直分からないけど、(例えば一般のHR/HMファンのどれくらいが、この手のバンドを聞いているのかとか......)そのジャンル以外のファンにも支持があるバンドというのは、はっきり言ってそんなに多くはないハズである。
それは、どのジャンルのバンドにも共通する事ではあるけど、そういった魅力がないと結局は活動が長続きしない。

僕は、彼らの作品の中で集大成的なこの3rdが一番好きである。
とにかく、暑苦しいサウンドで、ライブを観ようがCDを聴こうが、ぐったり疲れてしまう。
聴いた後、爽快感を感じる事はないし、そこら辺のバンドと比較して、違いが分からない人も多いに違いない。
だけど、この作品の隠れた整合感が僕は好きである。
安易にブレイクダウンに逃げない......所が、頼もしい。


AMARANTHE - Amaranthe ★★ (2013-05-15 14:48:01)

恐らく基本はポップな楽曲なんだろうけど、アレンジは近未来的な部分があり、同時にメロデスやメタルコア的な要素を盛り込んでくる不思議なサウンドである。
個人的にはskilletがデスっぽく、ヘヴィにアレンジされたらこうなるといった感じなんだけど、楽曲はあくまでもドラマティックに作られているので、聞いていて心地いい。
僕の場合、この手ではこれ以上サウンドが軽くなると興味はわかないんだけど、そういう意味でも絶妙なバランス感覚で成り立っている音楽である。
楽曲の基本は、ポップなので、こういうサウンドがあまり得意でない人にもアピールできる魅力はあると思う。

所々にしか出てこないけど、ソイルワーク的な部分が個人的には好きである。


STONESOUR - House of Gold & Bones Part 2 ★★★ (2013-05-05 17:35:40)

昨年発売された、この作品の前篇となる「~PART 1」を僕は、その年のベストアルバムに選んだ。
今の時代に、2部構成......時代なんて関係ないぜと言わんばかりの、掟破りの方法論である。
それにしても、その内容も併せて、前作は僕にとってかなり衝撃的な作品だった。
その、続編である。

この「~PART 2」を聞くと、一見地味な印象に写るかも知れない。
「~PART 1」よりも、楽曲のバラエティーさに欠けるし、メロディもポップではない。
しかし、これは歌詞の内容に合わせた曲作りになっている為であり、決して曲自体がつまらない訳ではない。
むしろ、この「~PART 2」を聞くことによって、「~PART 1」の説得力が増して、それぞれが一層際立つという相乗効果を生み出している。

コリィーのVo.の迫力は、前作同様凄い。
それに加えて、各楽器のタイトさがもたらすこの切迫感は、最近ではなかなか味わえない感覚である。
また、サウンドプロダクションも最高に近く良く、ドラムのキレ方も見逃せないポイントである。

アルバム後半にやってくる、怒涛の展開力は圧巻の一言である。
やっぱり、凄い作品である。
全てがいい。


FAIR WARNING - Sundancer (2013-05-04 20:39:57)

何故こうなったのかのヒントは、メンバーの発言から窺い知る事ができる。
恐らくメンバーは意図していないであろう、「RAINMAKER」との共通点は、バラエティーに富んだ曲構成とアルバム全体の緊張感の無さに表現されている。

僕は、2ndにあたる「RAINMAKER」が彼らの作品の中では、一番好きではない。
だけど、好きな曲も数多くあり、結果的に楽曲のバラツキが好きではない最大の要因となっている。

この新作、僕はあまり気に入らなかった。
これまでの作品で、2ndを除く全作品に共通する、あくまでも楽曲をドラマティックに盛り上げるという曲作りと少し距離を置いて、この新作、普通のバンドと同じ視点で曲作りがなされている。
ここに、先ず違和感を感じる。
これを、人によってはフックが足りないと捉えるだろうし、メロディーが弱いと感じるかもしれない。

でも、これは彼らが意図したものであり、決して自然にこうなったのではないと僕は考える。
音楽性の拡散化という点では、前作「AURA」の延長線上とも言えなくもないけど、僕は違うと感じる。

久々の新作で、かなり楽しみにはしていたので、少々ガッカリ感はある。
だけど、彼らが残してきた輝かしい実績が変わることはない。
たった一枚の作品で、そのアーティスト自体の評価が下がるなんてことはないハズである。
これは、得てしての作風であり、決してコンポーザーとしての力が衰えた訳ではない。
これまでが、凄すぎただけなのである。


ZARD - OH MY LOVE ★★★ (2013-04-21 18:20:03)

今CDを整理中なので、久々に聞いてみたけど、やっぱりいいね。
ZARDのCDは3枚持っているけど、一番聞いたのがこの作品である。
シングル以外の出来が良くて、歌詞の説得力といい、名盤ですよ。

僕は自分で編集したmyベストMDを、今でも定期的に聞いてます。
ZARDって、メロディが秀逸で、坂井さんの人間的な魅力が詰まってますね。


STRATOVARIUS - Episode ★★★ (2013-04-20 19:21:56)

彼らの存在を知ったのは、確か2ndの頃であったと思うけど、注目し始めたのは4thアルバムである。
結果的にオリジナル作品は全部持ってるけど、それはあの90年代中期~後期という暗黒の時代を支えてくれた事が大きい。
あの時代に、短いインターバルでコンスタントに良作を生み出してくれたという事実が、僕の中では彼らの存在価値を高めた最大の要因となっている。
総崩れ状態にあったメジャーなバンド達とは違って、当時は本当に頼もしく見えたものである。
だからこそ、煮え切らない作品を発表しても、僕は買い続けてきたのである。

彼らの最高傑作は?と聞かれた場合、僕は正直返答に困ってしまう。
それは、やっぱり4th~6thには、当時のシーンが重なって特別な思い入れがあり、それにさえ優越を付けるのが難しいからである。
彼らのような音楽をやっているバンドは、昔から結構存在する。
でも、この作品や「Visions」に肉薄するような作品には、滅多に出会えない。
サウンドから感じられるオーラは、間違いなく一級品である。

ティモ・トルキの功績は、絶対に忘れてはならない。
「Episode」と「Visions」は、今聞いても何度聞いても全く色褪せない。


PRETTY MAIDS - Motherland ★★★ (2013-04-17 17:04:47)

こういう頑張っているバンドには、自ずと応援したい気持ちになる。
最近CDに限らず、CT、LP、MDと整理中なんだけど、それでも購入する新譜の数は減らしてはいない。
それは、今現役で活動しているバンドは、今応援しなければという気持ちがわく為であり、この行為はHR/HMを聞き続ける限りは、止めないようにと自分自身に言い聞かせている部分もある。

前作から約3年ぶりの新作は、好評だった前作の流れを汲む内容で大きな変化はない。
大方のファンの期待は、決して裏切ってはいないと思う。
ただ、楽曲の統一性では前作に軍配は上がるけど、いい意味でのバラエティーさで言えば、今作の方がはるかに上である様に思う。
僕は⑥~が特に好きなんだけど、そういう意味でも曲順に関してはちょっと不満があるかもしれない。

でも、ベテランここにありという感じで、決して守りに入っていない作風には、かなり好感が持てるのも事実である。
後半の楽曲の充実度は、さすがと感じましたね。
やっぱり、いいバンドだ。


FAIR WARNING (2013-04-15 21:46:53)

待望の新作が、間もなく登場である。
このバンドの曲作りにおけるポテンシャルの高さは、一級品である。
僕はまだ一曲も聞いていないけど、全く心配していない。
心配する必要性がないのが、このバンドの強みである。

前作「AURA」だけは、あと一歩という感じがしたけど、それでもそこら辺のバンドには書けない曲が並ぶというソングライティング力を、このバンドは持っている。
発売したアルバムの平均的なクオリティーの高さなんて、はっきり言って欧米のメジャーなアーティストに対しても全く引けを取らない実力である。

ビッグ・イン・ジャパン........それが、何か.......。
この良さが分からないなんて、この良さに気づかないなんて、本当にもったいないですよ。
曲作りに限界を感じさせない、このバンドに僕はマンネリなんて、一度も感じた事はありません。
それにしても、待たせすぎだよ。


HELLOWEEN - 7 Sinners ★★★ (2013-03-26 21:59:32)

彼らの歴史の中では、比較的地味な印象の作品になってはいるけど、統一感もあり僕は結構好きだったりする。
また、ソングライティング面においては、無理をせず背伸びせずという感じではあるけど、現メンバーの実力がさりげなく発揮されていて、実はすごいバンドなんだと再認識するには、もってこいの作品かも知れない。
こういう地味な印象の作品でも、やっぱり楽曲は良いのである。
個々の楽曲のインパクトという点では、昔の方が強かったけど、楽曲の平均的なレベルで言えば、全く衰えを感じさせない所が何といっても凄い。

曲作りにおいてアンディは、実はマーカスがキーポイントになっていると語っていたけど、全く同感である。
このアルバムのアクセントになっているのも、やっぱりマーカスなのである。
名曲の多さで言えば、現役のバンドの中でも、ハロウィンは間違いなくトップクラスである。


BULLET FOR MY VALENTINE - Temper Temper ★★ (2013-03-22 17:58:50)

新作「TEMPER TEMPER」は、予想通り従来のファンからは厳しい意見が多かった。
それは、ある程度マットは予想出来ていたのかも知れない。
BURRN!では、バンド側がアリーナ・ロック・バンドになりたいのだという見方をしていたけれど、もしそうなら、このやり方は間違っている気がする。

バンドがファンに媚びる必要性は、全く無い。
ファンが何を望んでいるかなんて、考えなくてもいい。
しかし、である。
確かに、彼らがこれまで出した4枚のアルバムの変遷を辿れば、そういう見方そのものは当たっている気がする。
だけど、僕はそれよりもマットは「BFMVらしさ」というものを、常に深く考えていた気がする。
「BFMVらしさの確立」に、かなり力点を置いてきた気がする。

しかし、この「らしさ」の捉え方というのは、実はやっかいで時にバンドが自分自身を苦しめる形になる。
BFMVを、唯一無二の存在に.......。
この考えが強すぎるのではないか、というのが僕の見方である。
どういう事かと言うと、これを強く考えすぎると、他のバンドとの差別化という部分にばかりに気がとられて、結果的に冒険する事が出来ずに、自分たちの殻に閉じこもってしまいがちになる。
流行りの要素を、無理して取り入れる必要性はないけど、オリジナリティーばかりに気がとられて、本当にやりたい事が出来ていないのではないだろうか。
また、湧いてくるアイデアを、らしさという視点から否定してはいないだろうか。
ジャンルという、どうでもいい事に拘り過ぎてはいないだろうか。

ファンとは、わがままであり、敏感である。
その楽曲、音楽性は好きでも、何かが違うという察知能力には優れたものがある。

1stは名作であった。
マットがこの1stを、どう捉えていたのか興味深い。
1stの楽曲には、妙な計算が無い。
2nd、3rd、4thと進むにつれ、何か計算めいた感覚が強くなっている事が、すごく残念である。
練り上げた結果という見方も出来るけど、それは同時に大事なものを置き去りにしてきているという見方も出来る。

やっぱり、新作からは爽快感を感じない。
何か歯切れが悪いのである。


BON JOVI - What About Now ★★★ (2013-03-15 15:48:19)

いつものスタッフによって制作された事実からして、変わりようが無いと僕は思っていたけど、まあ予想通りの内容の新作である。

彼らに過去の作品のようなハードさを求めるなら、「Crush」の時か「Have a Nice Day」の時しかチャンスは無かったと僕は思っているので、この楽曲、このサウンドは個人的には納得である。
「Lost Highway」、「The Circle」そしてこの新作は、アレンジこそ多少違うけど、前半に比較的シングル向きの楽曲を集める構成や楽曲そのものにも、あまり変化はない。
恐らくジョンにとって、今のスタッフは余程居心地が良いんだろうなというのは、何となくわかる事だし、この作風もCDが売れない今の音楽シーンや、シングルヒットがアルバムのセールスにあまり反映されない事を考えれば、致し方のないことだと僕は思う。
逆に言えば、もし80年代後半のような音楽シーンであれば、絶対にこのような作品にはなっていないと僕は思う。
例え、歳を取っていたとしても........。

楽曲を個別に聞くと、確かにインパクトは弱いかもしれない。
だけど、アルバムから感じられる癒しのリラックス空間は何とも心地が良くて、ほぼオンタイムで聞いてきた僕なんかにすれば、何とも感慨深いものがあったりします。
客観的に言っても、少なくとも前作よりは全体としては華がある作品だと思います。
特に①~⑥なんかは、楽曲的には強力だと思いますよ。

今のBON JOVIに何を求めるのか........。
それは人によって違うだろうけど、やっぱり彼らは偉大だと僕は思います。


SOILWORK - The Living Infinite ★★★ (2013-03-11 15:23:54)

結局、この新作を聞いた限りでは、ピーターが脱退した理由が、音楽的方向性の違いではない事が作風によって証明されている。
僕は前作を聞いた時、やっぱりピーターの存在価値は想像以上に大きいなあと感じた。
それは、前々作で感じた不安定さが全く無くなり、何にもなかったように軌道修正が自然になされていて、作品の完成度も見事に復活していたからである。

そのピーターを再び失ったこの新作の出来は、僕の予想より遥かに良かった。
彼らが目指す方向性はピーターが再び抜けても、全く変わっていない。
それどころか、ピーターが抜けたダメージは最小限に抑えられていて、その事実を知らない人が聴けば、気が付かないのではないかというレベルなのである。
やっぱり、そこら辺のバンドとは一味違う凄いバンドである。

今年に入って購入したメジャーなアーティストの作品は、そのどれもが質が高い。
これが、新人~中堅バンドに何故出来ないんだろうか.......。


BUCKCHERRY - Confessions ★★★ (2013-02-20 12:03:02)

いくら世間で評価が高かろうが、メディアの評価が高かろうが、個人的にはそれが自分自身の評価に影響を及ぼす事は先ず無い。
逆に言えば、世間で評価されていない自分だけの名盤も数多く存在するし、その逆も数えたらキリがないくらい存在する。
作品の正当な評価とは、アーティストに変に肩入れする事でもなく、変に世間の空気を読む事でもなく、アーティストに敬意を表しながらも、各自が素直な意見を述べる事ではないだろうか。
勿論、そこにはある程度の節度が必要であるし、客観性も必要である。

この新作、基本的には何にも変わっていない。
音楽性自体も、「15」以降のスタイルをキープしている。
コンセプト・アルバムだからといって、身構える必要は無いし、難しさも特に無い。
だけどこの作品、楽曲的には、かなり新鮮さがある。
1曲1曲が作りこまれていて、単純にフックが多くメロディーも豊富である。
中でも、Vo.や楽曲の躍動感とスリリングさは、過去最高と呼べるレベルである。
特に⑨~⑪の流れなんて、これまでにはあまりなかった展開力を感じる事が出来るハズである。

アルバム「15」は、彼らの出世作であった。
続く「BLACK BUTTERFLY」も、トータルでは「15」を凌ぐ完成度であった。
そして前作「ALL NIGHT LONG」は、1曲1曲の出来は悪くなかったけれど、ややもすればマンネリ感が生まれそうな緩さがあった。
個人的には、多少不安を感じさせる内容だった。

この新作、コンセプト作という事が、かなり功を奏している。
意気込んで作った事が、全てにおいてプラスに働いている。
バンド自身の成長の過程において、絶対に不可欠なステップアップの作品である。


HELLOWEEN (2013-02-10 18:14:07)

2013年になって、購入したアルバムはまだ少ないけど、新作「STRAIGHT OUT OF HELL」の出来は、僕の中では断トツでNo.1である。
僕は彼らの作品の全てが好きなわけではないし、中には嫌いな作品も結構ある。
にも関わらず、浮き沈みがありながらも、メンバーチェンジを繰り返しながらも、これだけのキャリアがありながらも、ソングライティング面を含めて未だに限界を感じさせない所が凄い。

僕は、彼らをほぼオンタイムで経験している。
個人的にはマイケル・キスクに強い思い入れがあって、キーパー時代こそがHELLOWEENだという認識がずっと強かったけど、考えてみればアンディを獲得したからこそ、彼らは復活する事が出来たわけであり、今や自分の中ではアンディ時代こそが一番という認識に変わってきている。

また、ソングライティング面で言えば、現在が一番バランスが取れている気がする。
アンディは器用でバランス感覚に長けてるし、ヴァイカートは安心感をもたらしてくれる存在だし、サシャに至っては成長著しいし、マーカスは今やキーパーソンと言える存在感だし、さあどこからでも曲はできますよという余裕感がバンド内にあるのは、これはバンドにとってすごい武器である。

最新作は、流れを含めて僕は非常に気に入っていて、曲を練り上げる姿勢といい、彼らの存在感を証明する内容で、改めて彼らの凄さを感じさせる大傑作であると思う。
HELLOWEEN.......僕の中では、間違いなく数少ない大物バンドの一角である。


HELLOWEEN - Straight out of Hell - Another Shot of Life ★★★ (2013-01-28 19:57:48)

この曲なんかも、ボーナストラック的な扱いなんだけど、どこか寂しく、哀愁が楽曲に散りばめられていて僕は凄く好きですね。
ポジティブと言っても、そこにはらしさが立派にあって、いい意味での陰がきちんとあります。
今度の新作のポイントは実はそういう所にあって、楽曲に深みがあって単純でない所がかなり気に入ってます。
楽曲を変にいじくる訳ではなくて、アクセントを付ける上手さが際立っていると僕は思います。

楽曲の組み立て方の上手さなんて、今が一番と思わせるぐらいの説得力があります。


SOILWORK (2012-12-20 14:21:08)

待望の新作から、リーダートラックのオンエアが始まっている。
2枚組といい、ジェンズ・ボグレンのプロデューサー起用といい、音を聞かなくても彼らの新作に対する意気込みが十分に伝わる、嬉しい誤算である。

僕は「SWORN TO~」までは、新作を出すたびに好きになっていた。
前作「THE PANIC~」も出来自体は悪くなかったと思うけど、正直にいうと楽曲がキャッチーでない点に、多少不満を感じていた。
というより、結果として彼らに対する熱が、初めて少し下がった作品になった。

新曲が聞きたくてたまらない。
でも、敢えてまだ聞いてない。

キャッチーでありながら、「THE PANIC~」とは違ったアグレッシブさがあれば、僕の中では完璧である。
是非、他のバンドに流れたファンを取り戻してもらいたい。
ピーターは抜けたけど、ソイルワークというバンドの底力を見せつける内容であって欲しい。
また、亜流バンドに、力の差を見せつけて欲しい。


ANTERIOR - This Age of Silence ★★ (2012-12-12 07:05:40)

僕は、BFMVの「POISON」でさえ、発売後2年以上経ってからやっとその凄さを理解したんだけど、その時にBFMVに近いバンドは居ないかなあと思って探した時、出会ったのがこのバンドだった。
BFMVにちょっと近いバンドというのは結構いるんだけど、彼らと同等に魅力のあるバンドというのは、実はそんなに多くない。
その中でも、彼らに最も近く楽曲的に魅力のあるバンドの最右翼が彼らだった。

⑤なんて、まさにその路線である。
その他の楽曲も、ギターが前面に出てるので、一般のHR/HMファンにもアピールする魅力がある。
しかし、それでも彼らは解散したのである。

実は、こういう所に僕は危機感を感じてしまう。
彼らのようなバンドさえ、長く活動できないのは何故なんだろう。
CDセールスは、全体的に確かに落ちてきている。
しかし、元来固定ファンが多くその熱意が最も強くしかも拘りが強いHR/HMというジャンルのCDセールスの伸び悩みは、僕の想像以上である。
それは、アメリカでも日本でも同じである。

こういったバンドを救えるのは、実はファンしかいないのである。
世代交代が進まない現状では、若い可能性のあるバンドは例え一つでも大事にしていきたい。
それを支えるのは、やっぱりファンしかいないのではないだろうか。
自分の好きなバンドを支えるのは、自分なんだという意識付けが、今後はもっと大事になってくる気がする。


SLAYER - Decade of Aggression: Live ★★★ (2012-12-05 19:51:30)

80年代と90年代に、僕はライブに足を運んだアーティストがそこそこ居るんだけど、何故かあまり記憶に残っていなかったりする。
当時はライブに行けば、必ず何かは買っていたので、そのアイテムも結構あったりする。
でも、パンフを見ても思い出せないというか、不思議なくらい印象に残っていないアーティストの方が、圧倒的に多い。
だけど、その中にもしっかり記憶に残っているアーティストも居る。

このSLAYERなんて、当時は特別ファンって訳ではなかったけど、印象に残っている。
友人に誘われて見に行ったと思うけど、それでもその熱気は覚えているから不思議である。

このバンドはやっぱりライブの方が、楽曲が輝く。
テクニックもさることながら、その威圧感が半端ではない。
恐らく、この作品か「SEASONS~」を一番聞いてると思うけど、何度聞いても良いものは良い。
同じスラッシュではありながら、メロディで惹きつけるメガデスとは全く違う良さが、Slayerにはある。

時代のエッセンスを多少作品に取り込みながらも、基本は何も変わらないバンドである。
そこが、いい。


PRETTY MAIDS - Pandemonium ★★ (2012-12-01 18:14:22)

アルバムを評価するとき、僕はできるだけ加点方式で評価しようとしてるけど、結果的には減点方式になっているかもしれない。
このアルバムの楽曲を個別に真剣に聞いていけば、僕の評価は世間程そんなに高くはない。
というか、高くないというよりも、彼らが残してきた楽曲と比較すると、それらを越えている感じがあまりしない。

だけど、オヤッと思うマイナスな楽曲が無い分、作品に緊張感と統一性が生まれ、それが結果としてかなりプラスポイントとなっている。
作風も全盛期に近く、なんと言っても統一性がもたらす勝利という気がする。

こういうベテランが、ベテランらしく、らしい作品を作ってくれる事がすごく嬉しい。
僕は「SPOOKED」も凄く好きなんだけど、それ以降では確かに一番かもしれない。


AEROSMITH (2012-11-11 21:03:10)

新作を購入した。
彼らの場合、さまざまな事情や背後関係があり、それを考慮するとしないでは、彼らに対する見方は大きく変わってくる。
彼らの苦悩を考えると、こういったサイトでさえ発言するのも僕は億劫になる。

オリジナルとしては、本当に久々の新作である。
正直に言うと、90年代と違い、僕にとって彼らはもはや中心的存在ではない。
当然、HR/HMシーンにも世代交代が必要である。
ベテランには、ベテランとして頑張ってもらいたい。
が、それがいつまでも、注目され過ぎている現状を見る限り、その世代交代は残念ながら上手くはいっていない気がする。

各ベスト盤に収録されていた当時の新曲と比較してもわかりやすいが、もはやあの勢いはない。
だけど、どのサイトでも絶賛の意見が多い。
あの路線でない事に、ファンは寂しさを感じないのであろうか。
変に空気を読むというか、変にアーティストに肩入れするというか、一体誰の意見なのかがわかりにくい絶賛の空気には、僕は違和感をすごく感じる。
それは、どこをどう見ての感想なのだろうか......。

アーティストを敬う気持ちは大事である。
でも、だからと言って、優等生的な発言には、その人の気持ちが全く伝わらない。

僕は正直に言うと、限界が少し見えた気がして聞くのが少し辛かった。
90年代、最も頑張っていたアーティストがエアロスミスである。
あの暗黒の時代を支えた彼らには、やっぱり特別な気持ちはある。
今後も新作が出れば、勿論購入したいと思う。


AS I LAY DYING - Awakened ★★★ (2012-11-10 20:10:15)

企画物であった「Decas」に収録されていた新曲3曲とのリンクはあるのか、に注目していたけど、結局予想通りリンクは無かったようである。
実はこの3曲、僕は非常に気に入っていた。
このバンドの懐の広さを証明する出来栄えで、やっぱりいいバンドだなと再認識させてくれたものである。

この新作やっぱり一本、筋が通っているから、統一感がある。
彼らの場合、作品毎に若干違いはあるものの、僕の中では基本あまり変わらないバンドである。
例え、世間で自分たちがどう評価されようが、時流がどう変わろうが全く関係ない、ブレないその芯の強さが実に魅力的である。
コアにも走らない、だけどポップにも走らない。
媚びる感覚が全くないバンドである。

クリーンVo.の比重が、多少増えてはいるものの、やっぱりブレないバンドである。
安定感がある。


STONESOUR ★★★ (2012-11-03 17:16:06)

新作である「HOUSE OF GOLD~」は、実に奥深い作品である。

予定調和という一見では見えにくい技を使って、新作に対する伏線を張るアーティストの存在は、別に今に始まった事ではないけど、最悪の場合今までのファンが付いてこなくてもいいと割り切って新作を作れるアーティストは、極端に数が少なくなってきている気がする。
今の時代、音楽だけで、生計を立てられるアーティストは、ホンの一握りかも知れない。
でも、だからこそ、逆に開き直れる事が、重要になってきている事に気が付いていない、アーティストが案外多いのではないだろうか。

しかし、ファンにもかなりの責任がある。
特定の狭いジャンルの中で、しかも特定のパターンだけを好むファンが増加している。
ちょっと音楽性を変えただけで、もうそのアーティストには興味がないでは、アーティストは一体何処に向かっていけばいいのだろうか。
これでは、やる気のアーティスト程、バカを見る事になってしまうのである。

この新作を聞いて、僕は改めて感じた事がある。
それは、いい意味で予想を裏切る作品こそが、いい作品であるという事である。
それらの作品に共通する事は、一回目の視聴での違和感である。
違和感......名作に共通するこの現象こそ、実はキーポイントかもしれない。

この作品には、媚を売る感覚が全くない。
いい意味で、ファンでさえも突き放す勢いがある。


TREAT - Coup de Grace ★★★ (2012-10-28 13:59:23)

個人的には一番好きな「ORGANIZED CRIME」に、総合点としては肉薄する程の出来である。
楽曲の出来が平均的によく、それがあの時代.....つまりは80年代の空気感を多分に含むので、恐らく古いファンからは懐かしく、また新しいファンからは新鮮に聞こえるという、相乗効果を生み出し、これがこの作品の高評価に繋がっているような気がする。

80年代の、あのサウンドを再現しようとしている、当時を知らない若いバンドは結構存在するが、突き抜ける感覚というか、楽曲は似ていても空気感が決定的に違っている事が多い。
個人的には、それがイマイチという評価に結びつきがちであるが、この作品は良い意味で古臭く洗練され過ぎていないので、そこがなんといっても最大の良さかも知れない。

ここまで当時の雰囲気が出せるのは、元々バンドにコンポーザーとしての実力があるからであり、オリジナルであるVo.の力も大きい様に思う。

それにしても、懐かしいサウンドである。
このサウンドは、作れそうで作れない貴重さがある。

もし、もう一歩踏み出すなら、今時の人で、曲が書ける売れっ子プロデューサーと組んでみても、面白い気がする。


THREE DAYS GRACE ★★★ (2012-10-04 14:34:33)

最新作である「TRANSIT OF VENUS」を購入した。
全体としては、彼らの中で最もポップでシングル向きの楽曲が多かった、2nd「ONE‐X」と同じぐらい、聞き答えのある作品に仕上がっている。
方法論は異なるが、2ndとは違うベクトルで、聞かす楽曲が増えているのは、さすがである。
彼らの中で2ndが最もコマーシャルな作品であると思うけど、前作そして今作とより自然な作風に仕上げてきている。
それを言い換えれば、より本来の姿を表してきているとも受け取れる。

それにしても、このバンド楽曲作りが抜群に上手い。
ダークであり陰な世界観は変わらないが、メロディーラインの組み立て方は円熟の域に達している。
僕が所謂こういったオルタナ・メタルやポスト・グランジのバンド達を推しているのは、こういったバンドの方が自分の心に響くものが多いからで、ジャンルには全く拘りがない。
そうは言っても、ごく一部のバンドに限られるけど.......。

僕は声を大にして言いたいけど、こういったバンドはホントにアルバム作りに妥協がない。
00年代以降出てきた、こういったバンドで今も生き残っているバンドは意外に少ない。
でも生き残っているバンドには、やはりそれだけの実力がある、と僕は思う。
実に、らしい作品である。


HOOBASTANK ★★ (2012-09-25 16:32:46)

新作を聞いてみたけど、ともすればまた3rdみたいな賛否が分かれそうな作風で少し驚いた。
だけど、僕はこの内容には納得できる気がする。

振り返ってみると、前作4thはバンドにとって、かなり苦労した作品であったハズである。
3rdは確かに力作ではあったけど、その分かりにくさゆえセールスもイマイチで評価も芳しくなかった。
方向性をどうするのか、楽曲をどう磨くのか......その苦労の跡は、良い意味で作品自体の完成度に表現されていた。
ポップでキャッチーな要素は、見事に復活し、よしこれで安泰だと僕は思った。

しかし、新作は前作の流れを引き継いではいない。
だけど、これは敢えての作風であり、迷いからきた結果ではない。
ここが重要である。
「ありのまま」......前作のように、楽曲をポップやキャッチーに仕上げてはいない。
でもこれは、あえてそのままにしたというか、完璧に煮詰めていないだけである。
ソングライターとしての実力があるから、これでも楽曲の出来は悪くないのである。

前作の揺り戻しというか、それが分かりやすく出ているだけである。
ハードなナンバーが少なめな所も、妙な計算が無い事を証明している。


PAPA ROACH - Time for Annihilation: On the Record & On the Road ★★★ (2012-09-22 13:15:41)

新曲5曲、それ以外がライブという変則的な作品。
これは、勝手にベスト盤を発売したレコード会社への反撃だろうけど、新曲の出来は勿論いい。
こういう行動に出れる事自体が、バンドの前進力を示している訳で、個人的には大歓迎である。
元々ソングライターとしての実力のあるバンドだけに、楽曲をキャッチーに仕上げるその技は実に巧みである。

新曲をもっと聞きたかったというファンが発売当時はたくさん居たけど、そもそも前作からのブランクがあまりなかった事を考えれば、これはこれで納得という気がする。
新作がもうすぐ発売になると思うけど、このバンド僕は大好きである。
ライブも魅力的なバンドである。


WHITE LION - Mane Attraction ★★★ (2012-08-16 02:49:34)

今振り返って見ると、当時ポップなHRが流行っていた頃でさえ、このサウンド、この楽曲はかなり魅力的であった気がする。
僕はマイクが関わっているアルバムは結構好きだけど、ヴィトがいたホワイト・ライオンの4作品はどれもが味わい深い。

この楽曲作りにおけるセンスは、実は磨けば光るものでもないし、努力してもなかなか身につかなかったりするから貴重なのである。

個人的には、最近メタルコアやポスト・グランジと呼ばれるサウンドを聞く機会も多いが、それはこういったアルバムが無い為で、実は根本はこういったアルバムの方が圧倒的に好きである。
今現在、80年代に近いサウンドを出すバンドも多いが、楽曲は良くできていても、何かが決定的に足りないと感じる事が多いのが現状である。
やっぱり、何度聞いてもいい、彼らのアルバムは......。


ILL NINO ★★★ (2012-07-11 06:48:23)

アルバム「Dead New World」の出来は良かった。
あの独特なvo.とパーカッションを多用したサウンド、音楽的方向性には何の変化もない。
ではどこが違うとかと言えば、それは単純に楽曲の出来の良さである。

この作品今まで以上に、いろいろな要素が加わっている。
自分たちの個性だけに頼るのではなく、今の音楽シーンの流行りの要素を加えながら、HRの普遍的な魅力も同時に加味するという力の入れ方である。
その結果、楽曲にはキャッチーさが加わり、サウンドには深さが増大している。
 
僕は彼らの最高傑作であると断言したい。
コアに走らなくても、魅力的な作品は作れるのである。

個性的でありながら、楽曲の出来もいい
こういう作品が、あまり注目されていない事が、なんか寂しい。
僕は新作を、密かに楽しみにしている。


SONIC SYNDICATE - Only Inhuman ★★ (2012-06-25 16:16:12)

久々にCDラックから取り出して聞いてみた。
一時期、お気に入りでよく聞いていた一枚である。
一般的には、彼らがメロデス~メタルコアへ変貌を遂げる作品という位置づけだと思うけど、やっぱり今聞いても良かった。
この手のコアなファンからは、軽いとかポップ過ぎるという評価を受けそうだけど、メタルコアというジャンルが苦手な人には、案外聞きやすくお勧めという作品になると思う。

若手の割りには、ソングライティングを含めて安定感はあると思う。
なんといっても元気の良さである。
こういった作品が、もう少し一般のHR/HMファンに注目されれば、活性化に繋がるかもしれない。

今現在メロデスとメタルコア、このジャンル分けは相当微妙な気がする。
今や新人で、純粋な80年代的HR/HMバンドは存在しないに等しいのかも知れない。


LOSTPROPHETS - Weapons ★★ (2012-06-11 16:33:35)

実は、密かに好きなバンドの新作である。
この手のタイプでは、圧倒的に好きかもしれない。
それは、音楽に対して真剣さを強く感じるからである。

前作は、やる気が空回りして分かりやすさの後退という現象を生んでしまったけど、それでも意欲作という感じは十分伝わる作品であった。
この新作、出だしの2曲が非常にカッコイイ。
キャッチーさも復活して、単純に良い出来だと思う。

このちょっと変わった歌メロは、やっぱ魅力的だね。
うん、個性的だ。


KREATOR - Phantom Antichrist ★★★ (2012-06-09 22:32:32)

メロディーの豊富さから言えば、彼らの歴史上トップクラスではないだろうか。
クリーターが、ここまでわかりやすいキャッチーな感覚を前面に出してきた事に少し驚いたけど、それは僕にとっては当然プラスの効果でしかない。


SLASH ★★ (2012-06-04 18:18:56)

新作「APOCALYPTIC LOVE」を聞いた。

こういった作品は、スラッシュに特に思い入れが無い人が聞いたとき、どう感じるのかかが案外キーポイントになると思うけど、僕は結構好きですね。
勿論ガンズの1stやVRの1st程のキャッチーさはないし、とにかくシンプルなR&Rなので、ゴージャスなサウンドが好きな人には、イマイチという評価を受けそうな気もするけど、楽曲は渋い曲も多いけど結構良い出来だと思います。
⑧みたいな変化のある分かりやすい楽曲がもう少しあってもいいと思うけど、やっぱりこのアルバムの中心はその部分ではないので、僕はよく聞いてますよ、この作品。

スラッシュ......やっぱり、良いコンポーザーですよ。


ACCEPT - Blood of the Nations ★★★ (2012-05-23 15:08:04)

音楽関係者にも、圧倒的支持を得た作品である。
再結成......というのはファンにとっては嬉しいけど、再結成後の作品の出来が、全盛期に匹敵するという現象は、残念ながら滅多に存在しないのが現状である。
再結成という意味や意義を、真剣に考えているバンドが実は少ないのではないか。
今の自分達がやりたいのは、「これなんだ」と言われても、音楽的方向性がどうであろうと、楽曲の出来が全盛期のレベルに達していないのがほとんどである。

このアルバムを聞いて、正直驚いた。


EUROPE (2012-04-30 07:45:38)

最新作「bag of bones」を聞いた。
再結成から、もう4作目である。
作風的には、ここ2作品の流れを引き継いでいる。

振り返ってみると、再結成第一弾「start from the dark」が、最も以前の彼らに近く、メロディーが豊富であった。
しかし、作風を重ねるごとに、僕の熱は冷めていった気がする。
少なくとも彼らは、「start~」ぐらいの感じの楽曲は書けるのである。

今の彼らのやりたいことを優先するのは、決して悪い事ではない。
でも、彼らにしか出来ない事もあるハズである。
何故ファンが再結成を強く望んだのか......これを、もっと大事に考えても良かったのではないか。
キャッチーな楽曲は、誰にでも書けるものではない。
魅力的なメロディは、そう簡単に生まれるものではないのである。

最新作は、セールスを狙いにいっている作風ではない。
それなら、もっと踏み込んで大胆な作品もできたのではないか。
彼らにしか出来ない事が、最新作であるとは僕には考えられない。


UNISONIC - Unisonic ★★ (2012-04-24 17:58:42)

あの「キーパー~」路線では勿論ないけど、一通り聞いた直後の感想としては、決して悪くない。
メリハリの利いた楽曲による構成ではなく、どちらかと言わないまでも、同一路線のミドルチューンを中心にした楽曲構成である。

こう書くと、悪い印象を持つという人もいると思うけど、このバンドのソングライター陣は強力である。
良い意味でもそうでない意味でもキスクに配慮した楽曲にはなっているけど、楽曲は結構良かったりする。
もう少し、アレンジや装飾部分に力を入れれば、もっとメリハリの利いたメタル路線になったとは思うけど、それも恐らくキスクに多少配慮した結果なのであろう。

現ハロウィンでさえも、あの「キーパー~」路線を目指していないのであるから、その幻想さえ断ち切れば案外いいじゃないかという感想が聞かれそうな内容である。
個人的には、予想以上に良かった。
そこら辺の84点ぐらいの新人バンドの作品を聞くくらいだったら、この作品の方が絶対にお勧めである。
キスクのVo.は、やっぱりいいね。
「キーパー~」との比較論だけは、絶対に止めて欲しい。


OVERKILL - The Electric Age ★★ (2012-04-21 17:32:25)

歴史が長いバンドだと、逆に初心者にはとっつきにくくなる傾向がある。
どの作品を聞けばいいのか、どれくらいの作品を聞けば全貌が掴めるのか、とか考えていると、結局面倒くさくなるという結論に結びつく可能性がある。

僕は半分以上彼らの作品を持っているけど、かと言って特別に思い入れのあるバンドではなかったりする。
これを冷静に考えてみると、作品の出来の良さでつまりは購入している訳で、僕にとっては安定感のあるバンドである。

この新作も実にらしい作品である。
楽曲的には前作の方が好みだけど、完成度はやっぱり高いバンドである。
コンスタントに新作を発表している点でも、貴重なバンドである。
典型的なベイエリアサウンドなんかと比較しても、負けない格好良さと威圧感がある。
まあ前作の方が、楽曲的にはキャッチーだけどね。


GODSMACK - The Oracle ★★★ (2012-03-03 22:14:26)

マンネリという言葉は、安易に使ってはいけない。
進化という言葉は便利だが、それを口実にバンドというのは、らしさを見失うのである。
不必要な変化......それは決して進化ではない。

同じ路線で良い楽曲を書き続ける事が出来る凄さを、もっと理解してもらいたい。
彼らは路線を変えない。
でも、そこには見えない努力の跡があるのである。

目新しさは、全くない。
でも、ここまで安定した楽曲を供給できる才能は、もっと評価されても良いのでは......。
例えアーティストにとっての得意分野であっても、それは簡単な事ではない。
それにしても、らしい作品である。


DAUGHTRY ★★ (2012-03-02 15:07:52)

新作「BREAK THE SPELL」が、BURRN!で厳しい評価を受けていたけど、僕は発売日に購入した。
まあ点数なんか別にどうでもいい事だし、2ndも個人的にはお気に入りだったので、当然そういう流れになったけど、実際聞いた時、その点数の意味が少し分かる気がした。

1stは楽曲的に見れば、一番キャッチーであり、産業ロックと呼べるくらいのクオリティーの高い作品であった。
でもHR/HM色は薄く、豪華なスタッフ陣の制作によるPOP路線であり、極論を言えばAORに近い作品であると僕は感じた。
そして2ndは、サウンドに力強さを持たせ、ロックファンの心を掴みにいった作品だと感じた。
でも基本的なものは、1stとあまり変わっていなかった。

この新作は、HR/HMファンの立場から聞いた場合、一番HR的な要素が薄い。
しかも、楽曲を個別に聞いた場合、一番インパクトが薄い。
平均的な出来は決して悪くないけど、1st・2ndは豪華なスタッフ陣の後押しが強かったので、それらに比べれば、正直ちょっと聞きおとりはする。

でも、この差こそが、外部の力であり売れっ子ソングライター等による力の差という事が出来る。
自分達だけの力で作ろうとした分、その差が生まれたのではないか。
これを、どうとらえるのか。
バンドらしくなったとも言えるし、決してネガティブな事だけではない。
楽曲を80年代的なプロデューサーにプロデュースしてもらえば、1stや2ndに限りなく近くなったと僕は思う。
要は楽曲そのものは、決して悪くないと思う。

ほんのちょっとの差である。
決して方向性が変わったわけでもないので、ファンの方なら合格点ではないだろうか。