...and a Caravan of Weird Figures という副題つき。 現時点での最新作らしい。 『The Scythe』でメタル色を強めた反動か、アコースティック・アルバムとなっている。 だが、それでまったりフォークになるかというとそうでもなく、実質一曲目の、 四葉のクローバーを探す「Another Awful Hobs Tale」では気持ちよく疾走してくれるし、 「Heaven is a Place on Earth」(カヴァー?)ではエレキG.もしっかり味付けしている。 ついでに歌詞の方は、ダークに染まった大鎌に比べると、随分と牧歌的になっている。 ここまでくるとメタル・バンドの作品ではないが、そこに拘らないのなら良作。 こうして聴くと、「Moonchariot」のような『Wyrd』期のフィーリングを全く失っていない 印象が強くてありがたい。 「The Wanderer」「The Winter Wake」のアコースティック・バージョンも収録、 ヨーロッパ版の限定仕様では「My Little Moon」が追加収録。
何枚目なのか判らないが、LANA LANEとROCKET SCIENTISTSの頭脳、Ericのソロ作。 ゲストvo.にグレン・ヒューズを迎えた疾走曲(メロスピというよりRAINBOW「Kill the King」系列)「Rome is Burning」、 序曲「Fanfare for the Dragon Isle」に導かれる、LANAがvo.をとる「Fly」、 10分もある「On the Wings of Ghosts」、 ゆっくりと雰囲気のあるボーナス(日本だけだったりするのか?)「Archemy and Astronomy」、 が売り。というより、レギュラーサイズの曲は7曲で、他は小品。
アルバム全体の雰囲気が暗い。G.の音は重いけど、ゼトロのVo.がいまいちキレてない。 走ってないし、かといって次作『Impact~』や一発屋な復活作『Tempo~』ほど 「小洒落たクランチ・リフ」をブチかましてくれるわけでもない。 ……かなり中途半端な印象の3rd。 上では絶賛のタイトル曲も、次作の「Changing of the Guard」が似てるし上だと思う……。 うーむ、実は問題作では?
スローに始まり、約30秒で爆走。で、1分くらいからリズミカル。 いつもの「スラッシュ賛美チューン」だが、ゼトロは掠れる寸前まで 吼えてるし、リフの音色は重いし、ソロは懐かしのH-Team印。 で、サビの最後を繰り返して終わる「Bow, bow, bow to the Tempo of the Damned!」のシャウトまで完璧。 4:21は(ソロ後の刻みが)ちょっと長過ぎる気もするが、これで ライヴが始まったら燃えるだろうなぁ…編成面でもう無理か。
目が回ります。……褒め言葉に聞こえませんねぇ。 タイトルからしてそうですが、ファンタジーと言うべきか、何とも不可思議な世界に連れて行ってくれます。歌詞も、普通の辞書で見つからない単語が並んだりしますし。 ここまでの3作(『On the Night of Brocken』『Spectre Within』)はvoが違うこともあって、Q~と並べるのは(毎度ながら)違和感があります。 この路線で10年続けたら、命運が違った、かもしれませんね。別に今のFWも嫌いではないですが。
ものすごく不思議なアルバムに思えます。 私は『Point of Entry』以前の作品は知らず(『Starbox』でいくつか聴きましたが「Breaking the Law」が未だに好きになれず……「You've Got Another Thing Comin'」も)、通して聴けるJP作品は『Painkiller』だけ、という、とてもファンとは言えない人間ですが、『Angel~』でのこの声を聴いて何故か、これがJPだ、と確信させられたので。 思うに、これは“おじいちゃんが初めて全ての引き出しを開けて見せた"作品なのではないでしょうか?酷い例えですが、HALFORDで昔杵柄に留まらない余生を楽しんでいた元組長が、唯一残った若メンバーのスコットの体力で、遺書代わりの最後の華を咲かせた、という感じの。 『Brave~』で“戻った上での今の作品"を作ったI.MAIDENと違って、あとはいかに静かに散るかを考える体力しか無い時期なのに、今までに試したことのない盛り合わせを(少なくとも元ネタが割れて恥をかかないレベルで……ファンの方には平謝り……)成功させてしまった。その為にまともな評価がどういう角度からもできない作品、という。 結果、JPをよく知っていて追いつづける人、とりあえず問題無くJPを俯瞰したい人(初期作はやはり、音質の悪さや、それから今までに積み重ねられたメタルのアイデンティティ……曲なり歌詞なり作品構成なり……を持たない、という時代的問題が避けられないので)、に向く作品が出来た…… つまり、新曲だけで出来たベスト・アルバム、と見るのが最適ではないでしょうか。TESTAMENTの『First Strike Still Deadly』のような(こちらは熱狂しました)。ロブの復帰は“ベストなのにメンバー写真に奴が居ないと、若いファンにわかんねーしさー"程度の認識でよいのでは、と……(VAN HALENのベストのD.L.ROTHの新曲みたい?)。 以上、自分がメタルに入る前の“伝説"は全て歴史的遺産、同時代は伝説になるのを見ることなく自分がそのバンドの新作を聴かなくなる、と考える若輩メタラーの意見でした。
アルバム数をどう数えたものか迷いますが、企画を除いたスタジオ盤では7枚目、今日の時点での最新作。 マクベスに題をとり、また増やしたメンバーの影響もあるのか、少々音の詰め込み方に凝りすぎた感のある作品です。ただ、『Queen of the Ocean』『Secrets~』『~Shangri-la』の連続する三枚を合わせたような作りと、湿り気と暗さのある幻想的な雰囲気を楽しめる(少しだけ5th以降のDREAM THEATERの感触も)ので、それが悪いとは思いませんが。 どうやらカバー曲が無く、歌詞を始めとした印象が他の曲と浮くトラックが無いのも、個人的には評価が高いです。 それにしても、書き込みが少ない……人気無いのかな? ベスト盤などのライナーではひたすら『Garden~』を薦めていますが、柔らかい空気感や曲の取り合わせ・アルバムの構成を含めて、前期のマストは『Curious Goods』ではないかと。2002バージョンが良いですね。『Garden~』『~Ocean』はミニアルバム『Echoes』シリーズ収録のバージョンが本来の形だ、と思いたいところ。
こちらは98年版の方を。 奇しくも……というより狙ってなのでしょう、日本公演とそのライブ・アルバムである『LIVE in JAPAN』と同年のリリース。 ライナーでは「神秘的な空気を取り去って骨太に仕上げた」と書いてありますが、むしろこのリリース以降(つまり4th『Queen~』もしくはミニ『Echoes from the Garden』以降)の作品に通じる、key.が乗せる優雅さとリズム・セクションが組み立てる逞しさを同居させたタフなサウンドになった、という印象。 追加曲である「Into the Ether」「A Night in the Garden」は、確かに骨太なリフ基盤の曲ですが。構成として、この2曲の追加と「LIAA interlude」の追加、というこだわりは大したものかと。 ふんわりした音を求める向きには厳しいミックスかもしれませんが、『Queen~』以降のラナ好きにはオリジナル版より良いんじゃないでしょうか。 まぁ、ミニにオリジナルの「Through the Fire」を収録したり、最新作『Red Planet Boulevard』でLIAI(ところで、何故インスト曲の名が「LIAA」なのだろう?)のオリジナル版の話題が出たりと、エリク・ノーランダー本人もオリジナル版にこだわっている印象ですが。 しかし良いバンドだよなぁ……。
妙に評価が高いですね……。驚きました。 いや、悪い作品だとは思いませんが。いかにジャケットと帯の文句が謎でも。 「Spellbound」「Blood on Your Hands」「Black Widow」以外は、飽きさせなくなったVISION DIVINEという印象で、取り立てて言うべきこともないかと。これを単なる興味以外でわざわざ選んで買うべきリスナー層があるのか疑問でしたが、上の書き込みからすると、そうでもないようですね。 曲単体の評価も高い「BW」について少し。 構成が凄いです。違う曲を3つ繋げたような強引さながら、それで成立している辺りが。リリース当時のメタル仲間に聴かせたら、一様に笑いは取れましたが……。これを"正統派"と銘打って良いのでしょうか?
所謂メロスピ好みの方にとっては名曲の多いバンドだと思うのですが、書き込み少ないですねぇ。 TIME REQUIEMでの長編展開主義も好きですが、MAJESTICでのコンパクトな仕上がりも捨てがたいので、このスタイルをやめてしまったのは勿体無い気がします。インギーのパクリとよく言われますが、インギーと違って終始アメリカンにならないで済んでいるので、ネオクラな曲の純粋培養が聴けるという特色は重要ではないでしょうか。それ以外にも、こうしたメロディをKeyの音でお腹一杯聴けるバンドは(私の知る限り)他に無いので、その意味でも好みです。 vo.が同じ、歌詞などの雰囲気も同じ(つまりリチャードの独裁が確立した作品)なので、TIME REQUIEMのファンの方は是非。……何か違う?
スタジオ版「Sign of the Hammer」初体験。 ……なるほど、これはライヴ版(WheelsかStageかは忘れた)が懐かしくなるなぁ。 なんだろう、ああいう熱気はやはり特別なものなのか、音質問題なのか。 スタジオ版Guyanaのラスト、ぶちっ!と曲が切れるんですね。ちょっと違和感。 あれか、事件に沿ってみんな死んじゃったってことか?
初発見がこのCDで、迷わず購入。 音は多少悪いですが、耳につく程ではなく、King Diamond氏の叫びが後に買ったアルバム以上に荒っぽく強烈で、こちらの方が好きです。オリジナル作にしても、そんなに音が良いわけでもないですし。 ただ、デモだけに歌詞のついていない曲が多く、あっても合っているのか怪しいのが残念。「On a Night of Full Moon」(「Desecration of Souls」の原曲)などこちらの方が好きなのですが……どなたか、歌詞情報をお持ちでしたら、知りたいです。
『Caosphere』に『True Human Design』を足した「Reloaded」がUSで、 『Nothing』リミックス盤が国内で、月末発売だそうな。 どうもこういう売り方をされると買う気が失せるなぁ… NEVERMOREの『Enemies of Reality』もそうだが。 追記:NEVERMOREの方はバンドの歴史の中でのアルバムの独自性を潰して しまったような変化で、個人的には頂けなかった(5ドルで買う手法は 海外決済でしか無理な気がするし……)が、『Re-Nothing』(青)は良かった。 そうかこれが完成形か……って。オレンジ版はあれでデモ・レベルだと?
そういえば、何故かいきなりMORBID ANGEL(の特に『F』のvo.)でメタルに 入門した知人が、このバンドの最新作(『obZen』)を買ってきて、 「Dancers to a Discordant System」の妖しさが最高と言い出した。 今までゲーム音楽ばっかりだった人間がはまれる曲なのか?あれは。
↑そういう意見もあるんですね。発売からかなり経ってから、メタル入門の一枚として聴いたせいかもしれませんが、いまだに良いアルバムだと思います。 HELLOWEENとの共通点は出身国くらいで、色としては四人編成時代までのRAGEにむしろ近いのでは?その後の動向は首を傾げるものではありますが。あまり"ジャーマン"の名称に拘って期待を持つのもどうかと……。 「Fire in the Sky」はB級の垢抜けなさを感じるので、本当に"初心者向けの疾走曲"だと思いますが、冒頭の二曲の暗いポップさや、「Stranger in the City」の若干アメリカ寄りな曲調は捨てがたく、これはこれで(世に言うレベルの)名盤には含められると思います。 名声なども加味して考えると、中古で安ければお薦め、といったところでしょうか。実際、よく中古で見かけますし(笑)
音については上の方々が述べているので、歌詞のことについて追加します。 vo不在で製作されたからなのか、どうやら詞もトレイが手掛けたようで(クレジットにもTreyの名しか書いてない)、『H』までの6枚の中で唯一、呪文だらけでクトゥルフ一色の世界が繰り広げられています。裏ジャケにも(歌詞で御馴染みの?)「偉大なる3竦み」というやつが出ていますし。 異界に棲むバンドだけに、こういう部分での自己主張が過剰なのは、私の目には好ましく映ります。 それにしても、ブックレットの「Great Incantation of the Living Continuum」と「The Living Continuum」は楽曲化されないのでしょうか。前者は大変な長さになりそうですが、是非聴いてみたいものです。 こもったスティーブの声は、非人間的で、これで良いのではないかと。楽器陣の篭もりの方が(多少なりとも)気になります。 最後のインストの連続も、流して聴いていると「これでいい」と思えてくるから不思議。曲単位で聴いていくには疑問符の残るトラックなのですが(特に最後の「Trooper」)。
中古屋ではよく束になっていますね。その割に高いけど。 速い曲は「To the Victor the Spoils」「God of the Forsaken」だけですが、あのモコモコしたGの音で速くされると何を弾いているのかわからなくなるので、むしろこの位のバランスで良いのかもしれません。 ただ、ピートのDrはクリアに響いているので、この点は大きく評価できます。 全体に遅い分、瘴気めいた雰囲気がアルバム全体に漂い、聴いてきて気持ち悪くなってきました。善からぬ呪(まじな)いをかけられているような気分になれます。 ……これでいいのか。M.ANGELの作品だし。 始めの2トラックの間、延々と続く蛙の声(なのかよ本当に)だけでも、それは実感できるかと。 歌詞やメンバー・ショットに異教(クトゥルフ?)な雰囲気が出ているのも、神秘的で良いですね。露骨な悪魔崇拝をするより、彼等に似合うと思います。