個人的には待ちに待った新作の登場である。前作には「drift&die」や「blurry」等の名曲が収録され、かなり聞き込んだアルバムだった。初めて1stシングル「away from me」を聞いたとき、新作からの先行シングルにしてはメロディーが弱いなと、正直思った。その不安は見事に適中した...。もう既に何度か聴いてみたが、やはりメロディーが弱く印象に残りにくい楽曲が多すぎるのである。これがバンド側の意図的なマイナー・チェンジの為なのか、元々こういう路線を目指していたのか不明であるが、間違いなく前作のフックのある良質なメロディーを期待したファンの期待は見事に裏切ってくれている...。実はこの新作は、結構前に完成されていた。ミックスをやり直したとか、新作の発売のタイミングを計っていた等の要因はあるが、それにしても期待が大きかっただけに残念で仕方ない。楽曲がキャッチーでないアメリカン・ロックが好きな日本人は少ないと思うから、本国でも日本でもセールス面ではかなりの苦戦を強いられそうである...。ある意味、問題作かもしれない...。
「SPREADIHG THE DISEASE」同様、アンスラックスといえば先ずこの2枚が頭に浮かぶが、個人的にはこちらの「AMONG THE LIVING」が一番好きである。当時スラッシュ・メタルをあまり知らなかった自分にとって、この作品は格好良くて仕方がなかった。テスタメントよりも当時のメタリカよりも、カルチャーショックを受けたのを今でもよく覚えている。新作「WE'VE COME FOR YOU ALL」も結構好きだが、やはり比較にならないくらいこのアルバムの完成度は高い。スラッシュ・メタルのお手本的作品であり、HR/HMファンならこのアルバムは絶対に押さえておくべき作品である。今聴いても、全く色あせてない歴史的名盤でもある。