とても素晴らしいアルバムだ。前作に次ぐ名盤として語られていくだろう。本来プログレッシブの意味は進化していくと言う意味であって、このアルバムを実験的だとかで非難する人がいるがそういう人は一生聴かなくていい。6:00はやや地味だが何度も聴けば味が出てくる。CAUGHT IN A WEBはサビメロがいいし中間のインストパートも見事な出来、INNOCENCE~はBメロが叙情的で素晴らしい。エンディングではペトルシの凄さが堪能出来る。EROTOMANIAは最初は取っ付きにくかったが中間のクラシカルなソロは必聴。他にもペトルシの天才メロディメイカーぶりが堪能出来るSILENT MAN や7弦ギターでヘヴィネスの世界を表現するMIRROR~LIEの流れは見事。特にMIRRORの後半に出てくる天へ昇天するようなフレーズは鳥肌物だ。最後のSPACE DYE VESTは暗~い雰囲気を醸し出しているが、ケヴィンの叙情的なピアノは素晴らしい。この曲でアルバムを締め括られると、物凄い余韻に浸れる。このアルバムは捨て曲がない、傑作以外の何者でもない
ディスク1はヘヴィで実験的な指向、2は前作を連想させるメロディアスな大作、ヘヴィの方が好きというファンとDTはやっぱりメロディアスだよなという両極端のファンを狙ったものと見られ、なかなか賢い。まずディスク1は『THE GLASS PRISON』以外は掴み所のない、平坦な出来でだれる。そのグラスプリズンはヘヴィで疾走感があってテクニカルで素晴らしい曲です。一方ディスク2は、私が期待していたもの。イントロの『OVER TURE』で失神。次々に荘厳さを伴ったメロディのフレーズが出てくるや、確かに映画のサントラである。『ABOUT TO CRUSH』は和やかなバラードといった感じ。後半のテーマメロに沿った泣きのギターソロは鳥肌が立った。『WAR IN SIDE MY HEAD』は一転して激しく、『THE TEST STUMP THEM ALL』はこの曲で一番激しい場面。この凄さは聴けばわかる、かなりのバンドアンサンブル能力が必要とされるだろう。和やかなジムノペティのようなフレーズで始まる『GOODNIGHT KISS』は後半から盛り上がってくる。ここでもテーマメロのソロが涙を誘う。そして特に気に入ったのが『SOLITARY SHELL』。アコギで始まるや否や、ポップなサビメロが…頭から離れられなくなる。そして『ABOUT TO CRUSH』あたりからがこの曲のハイライトだろう。特に後半~『LOSING TIME』の流れ、これは本当に感動せざるを得ない。前作のエンディングよりも素晴らしい仕上がりになっている。感動するという言葉に似合う曲だと私は思った。
小曲が目立ちいかにもコンセプトアルバムといった感じに仕上がっている。前作よりもフックのあるクサメロは幾分減退したが良質な曲が散りばめられていてアルバム通して聴いても飽きない所が魅力的だ。特に②のCENTER OF THE UNIVERSEは素晴らしくアルバム冒頭の曲に相応しい名曲。WANDERもロイの魅力的な声質が堪能できるバラード。そして個人的にハイライトなのが⑩のA FEAST FOR THE VAINである。メロディアスな曲を愛する人達に是非聴いて涙を流して欲しい超名曲だ。LOST&DAMNEDもいい曲である。総合的に見ると名盤とまでは言わないが佳曲が揃った好盤といった所だろう。