鳥肌がたつほど恐ろしいアルバムです。68年というプレ・ハードロック期に これほどの音を出していたとは驚くより他ありません。 ハッキリ言うと、まとまりが無かったりするのですが、色んな事をやってみたいという 衝動と異常なまでのプリミティヴなパワーが渾然一体となって、とてつもない混沌を 生み出しています。当時のイギリスには世に出ていないこんな感じのバンドが沢山 いたんじゃないかなぁ。 「RACE WITH THE DEVIL」はGIRL SCHOOLもカヴァーしたへヴィなアップチューン。 中間部の悪魔の笑い声は狂気が垣間見えます。 「THE SAD SAGA OF THE BOY AND THE BEE」はストリングスが物語を盛り上げる ドラマティックなナンバー。 (70年代にヒットした平田隆夫とセルスターズの「ハチのムサシは死んだのさ」は この曲にインスパイアされたんじゃないだろうか) ギターのエイドリアン・ガーヴィッツ(クレジットは何故かカーティス)は 誰の影響下にあるのか解析不可なオリジナリティ。恐ろしく歪んだ音で 弾きまくります。 このアルバムに充満している"ドロリとした"情熱は、現代のHM/HRには 表現し得ないものです。
いい曲入ってますよ。このアルバム。 でも何故だか評価の低いアルバムです。メンバー間のゴタゴタが影響してるのかなぁ。 「Live And Dangerous」「Black Rose A Rock Legend」でもプロデュースを担当した トニー・ヴィスコンティが仕上げたサウンドは少々エッジ不足。 しかし「Dancing in the Moonlight (It's Caught Me in Its Spotlight)」や 「Opium Trail」タイトル曲「Bad Reputation」などは カヴァーで取り上げられるほどの名曲。 ロボの脱退でアルバム大半のギターを一人で弾いたスコット。彼の実力は 決して過小評価されるべきではないと思います。
ランディ在籍時の数曲をエアチェックして持っていたので、懐かしくなって購入。 なんと、ケヴィンのヴォーカルパートが大幅に差し替えられているじゃありませんか。 オリジナルはもっと線の細い、まだまだ駆け出しの青二才って感じだったのに。 うーむ、世紀のエゴイスト、ケヴィン・ダブロウここにありって事ですな。 未発表のライヴ音源は目からウロコのオジー・ナンバーのプロトタイプ。 特に、後の「YOU LOOKIN AT ME LOOKIN AT YOU」となる曲には、思わず膝をポンと たたいてしまいました。 かわちさんのおっしゃるとおり、ランディを愛してやまない人が買うアルバムね。 もちろん僕もその一人です。
当時「Hold on to love」は実際に全英チャートにもランクインしてましたよ。 皆様があまり好まない「Teenage Idol」が個人的には好き(笑)。 しかしアナログとCDでは、ランニング・オーダーが異なるため、まったく違った印象を 受けるなぁ。 「Law Of The Jungle」は当初オジーが参加する予定だったはずがキャンセル。 ゲイリー本人の歌唱はどことなくオジーっぽく聞こえるのが可笑しい。 (後にLed Clonesで共演が実現) 個人的には前作のストラトの太いトーンがお気に入りだったんだけど、 この楽曲群ではやっぱりハムバッキングが合ってますね。
81年に録音されていたにもかかわらず、レーベルであるJETとの契約問題で 闇に葬られた不遇のアルバム。 しかし、「Corridors of Power」「Victims of the Future」の日本での好セールスに 引っ張られて84年に日本だけのリリースとなりました。すかさず手に入れましたよ。 内容は鋼鉄ゲイリーです。彼のアルバム中、もっともメタリックな作品。 特にギターは暴れまくりで、ブリブリにマシンガン・ピッキングを決めております。 とはいえ、しっかりとしたメロディもあるし、一時期、彼の代名詞となった 反戦ナンバーも収録されていて、ゲイリーのアグレッシヴ・サイドが好きな人には 迷わずおすすめします。
個人的に、彼のアルバムの中でも上位にランクされる好盤です。 「End Of The World」でのジャック・ブルースの参加も話題になりましたね。 アルバム前編にわたって聴ける、ノーマルのストラトの音が素晴らしい。 MCA、JET時代のガナリヴォーカルと違って余裕みたいなものを感じます。 バラードではせつなく渋く歌い上げてますね。中でも「Falling In Love With You」は 涙腺刺激モノです。 私見ですが、この人のフィンガー・ヴィブラートはB.Bキングから影響されたのでは? 親指でネックを握り込まず人差し指の付け根を支点にして掛ける、波形の短い ヴィブラートはB.Bにそっくり。僕のヴィブラートもB.Bから頂きました(笑)。
えっ、二人目? ビリーと言えば「HONESTY」等のバラードが有名ですが このアルバムはロックしてます。 「SOMETIMES A FANTASY」「ALL FOR LEYNA」「SLEEPING WITH THE TELEVISION ON」が 疾走しててかっこいいです。 リック・スプリングフィールドやフォリナー、エイジアなんかが好きな人も 楽しめるアルバムだと思います。