皆さんおっしゃるとおり曲のクオリティが非常に高い。ジャック・ブレイズという人はベースプレイは全然聴こえないけど 作曲の才能は非凡なものがありますね。転調を上手く使ってメロディに印象を持たせるのがすごく巧みだと思います。 特に「Faces」「Four in the Morning」ではそれが顕著ですね。聴いていて気持ちいい。 確かに少し地味に感じられるナンバーもありますが、トータルで見ると押し並べて佳曲が詰まった聴き応えのある作品です。 いいソングライターがいるバンドはそれだけで、テクニシャンが在籍している事よりもアドバンテージがあるんですよ。
結果は、まあ予想通りで見事なまでにトッド・ラングレンの音。1曲目からあからさまなトッド節で笑っちゃうなぁ。 たとえ作曲者がリックやロビンだとしてもクセのあるコードやクセのあるコーラスを指示することでCHEAP TRICKのカラーは どんどん薄くなっていく。がCHEAP TRICKも濃ゆいパーソナリティの集団だからして体裁的には均衡を保っているんだけど 過去の作品と比べると異質なのは明らか。「Don't Make Our Love a Crime」に至ってはトッドの曲だし(笑
ビートルズの時代から、各パート別に録音していくマルチレコーディングは普通に行われてきたけども TOTOはスタジオ技術に精通していながら、バンドによる「せーの!」で録音することを選んだ。 しかも楽曲はプログレ的な展開で構成される「Hydra」「St. George and the Dragon」なんかも あったりして、彼らのミュージシャンとしての底力に改めて驚かされた。TOTOはスタジオ集団という イメージがあったから尚更だ。
ある日の会社の飲み会で僕ら若いスタッフが、なかば強引にカラオケボックスにその人を連行した。 その人は1曲も歌うことなく終始僕らのひどい歌をニコニコしながら聴いていたのだが、終了時間 間際、隣に座っている僕に「これを歌ってくれないか?」と歌本を指差した。それがこの 「THE HOUSE OF THE RISING SUN (朝日のあたる家)」だった。 もちろん歌い上げた。僕なりのソウルを振り絞って。その人はクシャッとした笑顔でとても喜んでくれた。
「CRUEL TO BE KIND」は非の打ち所の無い完璧なポップソングだ。何かを足すことも引くことも不要。 僕は若い頃この曲を沢山の人に聴かせた。カセットテープにダビングしたものを無理やり押し付けていた。 反応がすこぶる良かったから今でもこの行いは正しかったと思えるが、もし逆の立場で自分が要求してない ものを無理やり押し付けられたら、あまりイイ気分はしないだろうな、多分。若気の至りは恐ろしい。
この完成度は目を見張るものがありますね。1st、2ndにあったアメリカ人特有の感覚がこの作品では かなりのパーセンテージで削減されていて、あたかもNWOBHMのバンドのようです。 TYGERS OF PANTANGなんかを連想させるリフもあったりして完全にHMに照準を合わせてますね。 「Swords and Tequila」のエッジとドライヴ感はまさにNWOBHM。文句なしです。
僕がこのアルバムを購入したのは「ANTHEM (We Are the Fire)」のPVを見てカッコいいと思ったから です。それまではバンド名ぐらいしか知らなかったので結構な衝撃でしたよ。ホントにカッコいい。 一聴してまず思ったのはVoがMETALLICAのジェイムズっぽいなぁと。しかしジェイムズよりクリーンを 多用するしおまけにグロウルもやる。てか、もともとグロウルの人なのか。
このアルバム以前は投げやりなコーラスワークがカッコよかったんだけど、今回は整然としたアレンジに よるキレイなコーラス。意外と悪くない。てか、やれば出来る子だったのね。 ツーバスによるドコドコの疾走曲は無くなってしまったけど、「20th Century Boy」のカヴァーで グレイト・ブリテンらしいブギー感はしっかりと継承。そしてアルバムの白眉はなんと、あのSLADEの ノディ・ホルダーとジム・リーが提供した「Burning in the Heat」と「Running for Cover」! GIRL SCHOOLらしくはないけどドエラいカッコよさ。これらを軸としてアルバムを聴いてみると これはこれでなかなか楽しめる。悪くはないよ、悪くはないけど…
と、そんな謎も含めかなりのレア音源であることは確か。「BLACK ROSE」以前のゲイリー在籍時の ナンバーなんか相当レア。初期の代表曲「Whiskey in the Jar」でアコギを弾くフィルもレア。 収録された年代がバラバラだから当然サウンドも変化があると思いきや、ラジオ放送に耐えられるように コンプレッサーがかかっているというのもレコーディング・セッションっぽいです。
楽曲そのものは一般層にも簡単に受け入れられそうなほど超キャッチーです。メタルのエッジがほどよく 効いているので甘ったるさはありません。サビでタイトルをリフレインするのは常套手段ですが、 メロディラインがキャッチーなのでもの凄く印象に残るんですね。タイトル曲「We Are the Others」 「Generation Me」なんかはそれがよく分かると思います。
というのも純然とした事実ですが、当時僕はゴスにハマっていて(当然ゴシック・パンクです。 ゴシックメタルが確立されるのはたっぷり遅れて10年後)THE SISTERS OF MERCYとかBAUHAUSとか の暗黒ロックを好んで聴いていたんだけど、新興勢力のTHE MISSIONやらTHE CULTと一緒に、この ALL ABOUT EVEもトラッドの方向ではなくゴスのルートで興味を持ったというのが本当のところ。