「IN GOD WE TRUST」は素晴らしいアルバムだと思います。 へヴィメタルの激しい部分(「In God We Trust」「The Reign」)と メロディアスな部分(「Always There For You」「It's Up 2 U」)を両立させているのですから。 大袈裟な表現かもしれませんが、ここまで見事な作品はなかなか作れるものではないと思います。 しかし、2003年に出たベスト「7-THE BEST OF STRYPER-」に収録の新曲(Something・For You)は、 昔の彼等からは想像も出来ないようなへヴィな作風でした。 かつて、周囲から指摘された「ポップ」のイメージを取り払うべく、 彼等は「AGAINST THE LAW」という異色の作品を作り上げましたが、 あのアルバムにはまだ彼等の最大の個性と言える分厚いコーラスが健在していました。 僕は(STRYPERに限らず)アーティストを「昔は昔、今は今」というスタンスで捉えるようにしているので、 現在の彼等がやっている音楽に対してケチをつけるつもりはありません。 長いブランクを経て復活したバンドというのは、 昔とそっくりそのままな音楽をやれる、もしくは昔以上に素晴らしくなっていて、 新旧を問わずファンの期待に見事に応えているというのはおそらく殆どいないと思います。 かつてのSTRYPERの「分厚いコーラスを駆使したポップでキャッチーなサウンド」 というものは、80年代という「あの時代」だからこそ美しき見えたと思いますが、 それが現在でも通用するのかと言われると、誰もが返答に困るでしょう。 僕等、音楽を「聴く」側が昔の彼等を求めてしまっても、 彼等が昔のようなサウンドを蘇らせるということはきっと非常に難しい事なのだと思います。 逆に、僕等が音楽を「創る」側だとしたら、その事に対して苦悩するに違いありません。 ファンがどう思うであれ、どのような音楽をやるのかというのはバンド側が決めることなので、 彼等は彼等の信じる道を進んでいって欲しいと思います (勿論、かつてのようなサウンドを復活させてくれるならば、それほど嬉しいことはありませんが・・・)。
ここのランキングで1、2位を争う「In God We Trust」「Always There For You」が収録された1988年発表の4th。 音楽的には、本作の出たこの頃が彼等の全盛期でしょう。 全編通して、マイケルの圧倒的なハイトーンVoとキャッチーなメロディー、 そしてSTRYPERの最大の個性とも言える分厚いコーラスが楽曲を彩っています。 彼等の代表曲である上の2曲以外にも、 切なさに溢れたメロディーが涙を誘う「I Believe In You」、 へヴィなサウンドとキャッチーなコーラスが同居する「The World Of You And I」、 スリリングな疾走感がたまらない「The Reign」など、佳曲レベルに終わらない楽曲が揃っています。 特に捨て曲と言えるような曲も見当たりませんし、彼等の最高傑作と呼ぶには相応しい一枚ですね。 個人的には「I Believe In You」が泣きそうなくらい素晴らしいので、この1曲のためだけに買っても後悔しません!
「More Than A Man」の疾走感・哀愁感度をアップさせたかのような1曲。 2分49秒という短い時間の中で、ひたすら疾走してます。 メロスピほどではないですが、体感速度は間違いなく速いです。 それにしても、マイケルは相変わらず声高いですね~。 「ハイトーン選手権」というものがあれば、 間違い無く上位ランクインは確実ですね(笑)。
初めて聴いたSTRYPERのアルバムがこれでした。 ちなみに、ジャケットのほうはバンドのロゴが真ん中に印刷されているものや、 真っ黒な生地に赤文字で大きくタイトルが印刷されているもの、 翼を付けたメンバー(?)が描かれているダサい(失礼)イラスト風のジャケットなど、数種類あります。 僕の地元のゲオには、何故か発表当時CBSソニーから発売されていたイラスト版がありました。 最初は興味本位で聴いたのですが、タイトル曲を始めとする前半の流れの良さに驚いたのを覚えています。 STRYPERの個性とも言える分厚いコーラスに、マイケル・スウィートの抜けるようなハイトーンVo。 そして"Calling On You"を始めとする粒揃いの楽曲、と非常に安定した出来を誇る1枚。 本作と、次作「IN GOD WE TRUST」は是非とも聴いてほしいですね。