陰陽座には数多くメロディアスで疾走する名曲があるが、
この曲はその中でも彼ら特有の和風フレーバーが終始炸裂!
昔HELLOWEENが個性を打ち出し、彼らにしか作りえない
疾走クラシカル路線満開のメロディを多く輩出し、
HELLOWEEN=ジャーマンメタルの揺ぎ無い地位を
掴み取った時の匂いを陰陽座に感じます。
陰陽座=純和風へヴィメタル(よくあるジャパメタではなく)
は誰もが疑わない括弧たる地位であり
他に到達できるバンドはいないでしょう。
羅刹はそれを最もよく現してると思うし、
陰陽座にとって重要な曲だと思います。

シングルにも拘らず、10分近くあるため
表舞台には出ることが少なかった名曲。
次々と歌詞に飛び出す社会問題に批判を抱えながら、
その反面リアルな日常生活の中で立ち打つ出来ない己の無力さ、儚さを語る。
その無力さを認めたくないのか、または誤魔化すかの様に
自己を犠牲にまでした愛を叫び、その狭間で
悶々とした苦悩と憂鬱を壮絶な迄に描写しており、
非常に重苦しく理解が困難な空気で終始一徹している。
しかし最終的には愛のみが自分を救うと開き直りにもとれるような
ストレートな愛の叫びは感動的であり胸に突き刺さるほど解りやすい。
テーマがとっつきにくい曲ではあるが、
テーマに重きを置いたという点では尾崎作品では究極の域だ。
素晴らしい曲なのは間違いない。
ライブビデオで蹲る様にして歌う姿が印象的。