双子の兄弟ガナー&マシューを中心としたバンドのデビュー・アルバム。 アイドル・バンド的売り出され方をしたため、一般層も巻き込んで大ヒットを記録した反面、多くのHR/HMファンからは毛嫌いされることも多いと思う。 実際、私もなめてかかっていたのだが、「AFTER THE RAIN」のPVを見てあまりのかっこよさにアルバムを買ったところ、他にも良い曲がたくさん詰まっていた。 アコースティック中心の爽やかな(CAN'T LIVE WITHOUT YOUR)LOVE AND AFFEKTION」、哀愁あるメロディを持つ名曲「AFTER THE RAIN」、サビのメロディが美しい「OMLY TIME WILL TELL」、ハードな「(IT'S JUST)DESIRE」に「FILL YOU UP」、明るさとドラマティックさを兼ね備えた「EVERYWHERE I GO」、焼酎のCMにも使われた(本人たちも出演)「TOO MANY DREAMS」等は必聴!
どう擁護しようとも過去の名盤と比べれば明らかに劣ると言わざるを得ない。 しかし、駄作かと問われればそうとも決め付けることも出来ないサウンドがここにはある。 リーダー・トラックでもある1曲目の「GET'S ME THROUGH」がヘヴィで地味な曲であるため、なおさら印象が悪いのだが、リフがかっこよく、個人的に気に入っている「FACING HELL」、「GOODBYE TO ROMANCE」や「ROAD TO NOWHERE」の流れを汲む美しいバラード「DREAMER」、ザックらしい暴れっぷりのギター・リフが楽しめる「THAT I NEVER HAD」、美しいピアノの音色に導かれる「RUNNING OUT OF TIME」、ギター・サウンドがBLACK SABBATHを想起させる「BLACK ILLUSION」、スローな曲調から疾走する様がかっこいい「ALIVE」、オジーの裏声が妖しい「CAN YOU HEAR THEM?」等は押さえておきたい。
文字どおり日本武道館でのライヴ音源。 選曲はBESTとはいい難く、前半の「DOWN TO EARTH」収録曲を中心とした構成は正直ダレる。 「NO MORE TEARS」を境に過去の名曲群が立て続けに演奏されるものの、チューニングがオリジナルよりも下げられているので違和感を感じることもしばしば。 同じテイクのDVDも発売になっているが、こちらは映像がともなっていることもあり、オジーの強烈な個性とザック、ロバート、マイクの演奏の凄さが視覚的にビンビンと訴えてきて飽きさせることのない内容となっている。 CDには未収録の「SUICIDE SOLUTION」とザックの凄まじいギター・ソロが聴けるDVDの方がやはりオススメ。
はっきりいって最近のRAGEはメンバー・チェンジの影響もあり、人気に陰りの見えたバンドというイメージがあった。 しかし、本作における全く隙の見当たらない素晴らしい出来栄えはどうだ!! 楽曲はバラエティに富んでおり、かつてのようなフックのあるメロディが蘇るなど個性も申し分ない。 各メンバーの演奏も過去最高ではないだろうか。 軍隊の行進を想起させるドラム・リフに始まる「ALL I WANT」やサビにいたるまでの盛り上がり方が素晴らしい「INSANITY」はライヴで一緒に歌うには持ってこいの名曲。 まるでJUDAS PRIESTのような「DOWN」、過去のRAGEの楽曲に近いタイプの「SET THIS WORLD ON FIRE」、クワイアがスリリングな雰囲気を醸し出す「DIES IRAE」、ドラムの2バス連打とギターのマシンガン・ピッキングが渾然一体となって押し寄せる「WORLD OF PAIN」と続く。「SHADOWS」の美しいギター・ソロに導かれて始まる「LIVING MY DREAM」はサビのメロディがあまりにも感動的。 マイク・テラーナの迫力あるドラムに圧倒される「SEVEN DEADLY SINS」、まるでイングヴェイの曲のような「YOU WANT IT,YOU'LL GET IT」、ヴィクターの素晴らしいテクニックが窺えるインスト曲「UNITY」でアルバム本編は終了。 ボーナス・トラックの「DARKNESS TURNS TO LIGHT」も本編の曲に劣らず素晴らしいどころか、シングル・カットされてもおかしくないほどの出来。 個人的には2002年度のベスト・アルバムに挙げたい。
明るくさわやかな前半部と落ち着いた哀愁の後半部とで趣が異なる、なかなかの好作品。 バグパイプを導入した明るい「WILD CHILD」、まるでJOURNEYのような爽快感の「STONE IN MY SHOE」、哀愁漂う「SOUL BEHIND THE FACE」、外部ライターとの協作曲の絶品バラッド「WHEN YOU CAME INTO MY LIFE」、イントロのギターがかっこいい暖かな「YOU AND I」等聴き所は多い。 90年以降の彼らの作品では一番好きかも。 ギターの音もいい。 ただ、ちょっと大人しめの曲が多いのが難点かな。
日本人好みの疾走感・透明感を持ったサウンドで話題になったデビュー・アルバムに続く2nd。 オープニングが壮大な「WEBALLERGY」、歌メロがメロディアスな「SAN SEBASTIAN」、イントロのキーボードがスリリングな「WOLF & RAVEN」はファンが喜びそうな典型的なソナタのスピード・チューンであり、この3曲がもてはやされるのはわかるが、そこいらの凡百メロスピ・バンドと違ってこのバンドはミディアム・テンポの曲も充実しているのがポイント。 ただ、「SAN SEBASTIAN」だけは個人的にはあまり好きになれない。 悪い曲ではないが、歌メロが美しい割にはバックの演奏があまりに単調な気がしてしまう。 それでも哀愁のあるメロディがとてもかっこいい正に名曲の「BLACK SHEEP」、中盤の「ヘイ!ヘイ!」の掛け声がよいフックとなっている「LAND OF THE FREE」、トニーの伸びやかな歌唱がなかなか素晴らしい「LAST DROP FALLS」、サビのメロディが美しいミドル・テンポの「SING IN SILENCE」、ピアノをバックに歌う静かな曲調から暖かみのあるサビへの展開が美しい「TALLULAH」等、内容は充実している。 「RESPECT THE WILDERNESS」もボーナス・トラックにしておくには惜しい出来栄え。
トミー・ハートがFAIR WARNINGを脱退し、元BONFIRE等のベーシストだったヨルグ・ダイジンガーらと結成したバンドのデビュー・アルバム。 ブリティッシュ・ハード・ロックのような趣のあるサウンドが特徴であり、FAIR WARNINGと似ている点はトミーのヴォーカルくらいではなかろうか。 バンド名の由来ともなったFOREIGNERのカヴァー「SOUL DOCTOR」の軽快な疾走感が耳を引くが、トミーが本領を発揮したバラード「BEFORE THE NIGHT IS OVER」や「YOU'RE ALL THAT I WANT」、「WILD AND ON THE RUN」の美しさを是非体感して欲しい。 このバンドならではと言えるような特徴に乏しいため、地味な印象の拭えない作品ではあるが、ライヴをやりたいとの真っ当な理由でFAIR WARNINGを脱退したトミーには頑張って欲しい限りである。
驚異的な声量・声域を持ったヴォーカリスト、マイク・マティアヴィッチ率いるバンドの2nd。 前作は感涙の名バラード「SHE'S GONE」ばかりが取り沙汰された感があるが、他の曲のクオリティも演奏も新人ばなれしたものだった。 本作も前作の延長線上といっていい内容で、マイクの歌は若干ラフに録音されているものの、相変わらず素晴らしい。 ベースがMOTLEYの「DR.FEELGOOD」みたいな「LOVE'EM AND I'M GONE」や、イントロがもろにVAN HALENしている「TAKE ME BACK HOME」のような借り物フレーズも目立つが、甘いバラード「ALL YOUR LOVE」はなかなかの好曲であるし、思いっきりハードにドライヴする「STEELHEART」と、「SHE'S GONE」とは違った感動を与えてくれるバラード「MAMA DON'T YOU CRY」の2曲は本作において突出している。 ジャケットがちょっと暗い印象を与えてしまうのが難点かな。
ヘヴィで緊張感に満ちた前作「CRANK」から一転して、明るくfunなアルバムと形容したくなる本作。 しかし、これが魅力的なハード・ロック・ソングが満載で悪くない出来! て言うか、むしろ前作のようなヘヴィ・メタルな音作りが変化だったのであり、バンド本来の方向性に立ちかえったと言えなくもない。 シンプルで覚えやすい「ONGOING AND TOTAL」、明るいギター・メロディが印象的な「DO YOU UNDERSTAND?」、ホーン・セクションを大胆に挿入したリーダー・トラックの「ALL SUSSED OUT」、パンキッシュな勢いに満ちた「AFRAID OF FLYING」等、コンパクトでカッコイイ曲ばかり。 THE WiLDHEARTSとか好きな人なら、このアルバムもきっと気に入るのでは?
この哀愁の根底にあるのはやはり北欧の血なのだろうか。 ガレージ・ロック、パンク的ハチャメチャさだけがこのバンドの持ち味ではないのだが、ここまでメランコリックな作品になろうとは、いい意味での驚きである。 タイトル曲の「BY THE GRACE OF GOD」や「RAINY DAYS REVISITED」、「GO EASY NOW」ではそれが特に顕著に表れている。 「BETTER THAN YOU」や「U.Y.F.S」のような明るくキャッチーな曲もよい。 大袈裟ではなく、THE ROLLING STONESを想起させるかっこよさです。 ボーナス・トラックもとてもよい出来映え。