最初にとおして聴いたときは「飛びぬけていい曲がないなあ」と感じた。 しかし聴き込むにつれ、評価が変わっていった。 これまでのアルバムと違って捨て曲のようなものは存在しない。 激烈スピードロックの「STORMY IN THE NORTH,KARMA IN THE SOUTH」、ポップな「PUTTING IT ON」(イントロは秋田音頭かと思った)、サビのコーラスが美しい「LOOKING FOR THE ONE」、ギターリフがえらいカッコイイ名曲「VANILLA RADIO」、ライヴで掛け声を一緒に叫びたくなる「O.C.D」、パンキッシュな「BETTER THAN CABLE」、エンディングにふさわしい「LET'S GO」。 こういう曲はやっぱこいつらにしかできんわ。
ここ何作かでのインギーのアルバムは曲の出来が悪く、繰り返し聴くようなことが殆どなかったのだが、今度のアルバムは曲がなかなか充実していて良いと思う。 どの曲をとってみても過去の焼き直しのようにも聴こえるが、全16曲を長いと感じることなく聴くことができた。 頭3曲は抑揚のない並みの出来栄えの曲だが、続く「SHIP OF FOOLS」、「ATTACK!!」、「BAROQUE & ROLL」のたたみかけは素晴らしいし、ストレートなハード・ロック「MAD DOG」や「IN THE NAME OF GOD」もかっこいい(前者ではデレクのキーボードが最後でちょこっとだけ主張している)。 「VALHALLA」は7分近くある比較的長めの曲だがだれることはない。 「TOUCH THE SKY」は「YOU DON'T REMEMBER~」に、「IRON CLAD」の出だしの歌メロは「RISING FORCE」に似ている気もするが悪くない。 でもボーナストラックの「NOBODY'S FOOL」は「ALL NIGHT LONG」しすぎ(笑)