ハードロック・ブームを意識したかのようなモダンな雰囲気が漂う作品。 アンガス&マルコム自らのプロデュースによる音はビッグできらびやかだが、もっと低音を利かせて欲しい気もする。 「SHAKE YOUR FOUNDATIONS」や「SINK THE PINK」は一緒に歌いたくなるし、「DANGER」は、なんてことのないイントロになぜかかっこよさを感じる。 「PLAYING WITH GIRLS」のモダンなギター・リフもいい。 彼らの本質は何一つ変わっちゃいないんだが、どこかアグレッシブさに欠ける気がするのも事実。
PERMANENT VACATION以降の作品は楽曲の持つ方向性に大きな変化は見られなかったが、本作ではループやサンプリング等の現代的テクノロジーを多用しているのが特徴。 当初はこのビッグなプロダクションに戸惑ったものの、やはり曲の完成度の高さに脱帽。 1曲目が疾走感のあるロック・ナンバーでなかったことに違和感を覚えたが、「BEYOND BEAUTIFUL」は聞き込むほどに味の出る曲。現代版「WALK THIS WAY」ともいうべき「JUST PUSH PLAY」、非常に覚えやすくキャッチーな「JADED」、スティーヴンが歌わなければ普通のバラードだったのでは?とも思えてしまう、美しい「FLY AWAY FROM HERE」等もいいが、「TRIP HOPPIN'」や「UNDER MY SKIN」、「OUTTA YOUR HEAD」といったゴージャスな作りの曲も見逃せない。 最高傑作とは思わないが、大物らしい高品質のアルバムであることは間違いない。 既発の「I DON'T WANT TO MISS A THING」の収録も蛇足には感じなかった。
正統派ヘヴィ・メタル・ファンには涙モノの1枚! スラッシュ・メタル張りの複雑な曲展開に乗せて、美しいギター・ハーモニーとジョン・サイリースの驚異的なハイトーンを聴かせてくれる素晴らしい内容である! バンドのテーマ曲とも言うべき「AGENT OF STEEL」1曲だけでも聴く価値はあるが、他にもキング・ダイアモンドのような歌唱の「TAKEN BY FORCE」、マシンガン・ピッキングの疾走曲「BLEED FOR THE GODZ」、疾走キラー・チューンの「144,000 GONE」、ハイ・トーンを駆使した「GUILTY AS CHARGED」、イントロのギター・ハーモニーがかっこいい「BACK TO REIGN」も良い出来だ。 なぜ、こういうサウンドを持つバンドが、この日本でブレイクしなかったのかが不思議である。
GUNS N' ROSESやマイケル・モンローらに影響を与えたALICE COOPERのメジャーからのデビュー・アルバム。 このころはまだソロではなくバンドとして活動していた。 1曲目は良質のハード・ロックといった感じだが、続く2曲目に全米TOP20入りも果たした名曲「I'M EIGHTEEN」を収録。疾走感のある「LONG WAY TO GO」やSEPULUTURAも真っ青のトライバルな「BLACK JUJU」、妖しいリフの「IS IT MY BODY」と佳曲が続き、極めつけは「BALLAD OF DWIGHT FLY」! 今後のALICEの作品で多々見受けられるドラマティック曲の走りともいえる超名曲!
全米2位を記録した大ヒットアルバム。 タイトル曲「SCHOOL'S OUT」も全米7位を記録するなど、アリスの代表作であることは間違いないのだが、個人的にはアリス初心者にはお勧めしないなあ。 アルバムはミュージカル仕立ての内容で、曲の多彩ぶりや構成力には目を見張るものがあるが、ストレートにロックを楽しみたい向きには物足りないかも。 ただ、前述のタイトル曲はもちろん、イントロのベースのフレーズがあまりにもかっこいい「GUTTER CAT VS. THE JETS」や、エンディングにふさわしい「GRAND FINALE」辺りは是非聴いて欲しい。
THE WiLDHEARTSとか好きな人にはオススメです。 全編ポップでキャッチー,それでいてヘヴィなパーティー・ソング満載のアルバム。 しかし実は緻密に作られていて、どの曲にもフックとなるメロディが散りばめられている。 同じテンションが続くので途中食傷気味にもなるが、1曲1曲の完成度は非常に高い。 一気に勢い良く駆け抜ける「IT'S TIME TO PARTY」、タイトルが示すとおり、ハードなパーティ・ロックの名曲「PARTY HARD」はイギリスでもヒット。「ヘイ!ヘイ!」や「ナナナナ~」といったかけ声とギター・リフが印象的な「GIRLS OWN LOVE」、鼓笛隊のサウンドを激しくしたような「READY TO DIE」、LIVEで間違いなくのれる縦ノリナンバーの「I LOVE NYC」,メロディがポップで綺麗な「GOT TO DO IT」などが特におすすめ。 これは未来に語り継がれるであろう名盤です。
ギターのアモット兄弟は勿論のこと、ベースのシャーリーにドラムのダニエル、そして新ヴォーカルにアンジェラを迎えたラインナップは実力・個性共に申し分なく、いよいよ隙のない凄いバンドになってきたなという印象。 デス・メタルをなんとなく敬遠している人にとっては入口的なアルバムになるのではないだろうか? アンジェラの声は同じデス声でも、前任者のヨハンのようにメロディをなぞるタイプではなくヒステリックに吐き捨てるタイプであり、好みは分かれるところだと思うが、このブルータルな声がメロディアスなバックの演奏を引き立てているように思う。 ピアノの調べから疾走する曲展開がかっこいい「ENEMY WITHIN」、MEGADETHの「HANGAR18」を彷彿させる「BURNING ANGEL」、サビのバックで流れるギター・メロディが美しい「HEART OF DARKNESS」、トリッキーなギターと驚異的なドラム・プレイが聴ける名曲「RAVENOUS」、METALLICAの「ORION」のようなギター・ソロの「SAVAGE MESSIAH」、リズミカルなイントロとギターのハモリが印象的な「DEAD BURY THEIR DEAD」、アンジェラの声に恐怖感さえ感じる「WEB OF LIES」、マシンガンのようなギター・ピッキングの「THE FIRST DEADLY SIN」、引きずるようなヘヴィさがPANTERAのような「BEHIND THE SMILE」、単純ながらも美しいギターを聴かせるインストの小曲「SNOW BOUND」、アルバム収録曲の全ての要素を兼ね備えたような最後の曲にふさわしい「SHADOWS AND DUST」と捨て曲も見当たらない。 私の中では2001年度のベスト・アルバム。
パンキッシュだった前作に比べ、よりハード・ロックに近づいたという印象。 歌詞からしてロックン・ロールなオープニングの「I LOVE TO ROLL」を耳にした時点でK.O.された。 北欧のバンドらしい哀愁を持った「PAYBACK」や「THE CLASH」、展開があまりに劇的な「COLOURS」、SUPER SHIT 666でもやっていた「STAR WAR」、ポップでパンキッシュな「HEAVEN 2.9」、思い切りRAMONESしている「TOO TOUGH TO MAKE SOME FRIENDS」等、捨て曲は見当たらず、ボーナス・トラックの2曲もよい出来。 一般的には前作「TOTAL 13」の人気が高いようだが、私は断然こちらが好きだ!! 「BRAND NEW HATE」は名曲!!
上でみなさんが述べられているように、自分も同じようなことを感じていたのだが、最近のブラガは音に厚みを持たせるあまり、曲本来の持つメロディが希薄になっているような気がする。 そのせいで、全編とおして同じような曲に聴こえてしまうのが残念。 曲のクオリティはどれも高いのに・・・。 気に入ったのは、イントロがSEPULUTURAの「REFUSE/RESIST」を想起させた「PRECIOUS JERUSALEM」、静かな曲調から勇ましく展開する「BATTLEFIELD」、サビのメロディが覚えやすい「SADLY SINGS DESTINY」といったところ。 ただ「AND THEN THERE WAS SILENCE」はちょっと長尺すぎる気が・・・。 いずれにしてもアルバムの完成度は非常に高い。
一般的に前作「CRUSH」よりも評価が高いようだが、個人的には前作のほうが好きだ。 前作と今作の関係は、METALLICAの「LORD」と「RELORD」、インギーの「SEVENTH SIGN」と「MAGNUM OPUS」のような関係、つまり収録曲が違うだけでアルバムのスタイルはほぼ同じというような似た印象を受けた。 音像といい9.11を扱った歌詞といいヘヴィな内容の「UNDIVIDED」、リーダー・トラックとなったZEP風リフの佳曲「EVERYDAY」、ストリングスが効果的に使われ、CMソングにもなった壮大な「THE DISTANCE」の頭3曲のたたみかけは素晴らしいが、ほのぼのとした「JOEY」や「MISUNDERSTOOD」、典型的なBON JOVIバラードといえる「ALL ABOUT LOVIN' YOU」辺りはまるでジョンのソロ作品を聴いているような錯覚に陥る。 「HOOK ME UP」はアルバム中唯一のアップテンポナンバーでバンドサウンドらしさが戻るものの、続く「RIGHT SIDE OF WRONG」はリッチーが弾きまくるもののなぜか印象は薄い。 「LOVE ME BACK TO LIFE」は3曲目とほぼ同じ構成の曲で、「YOU HAD ME FROM HELLO」はアダルトな大人しめの曲。 「BOUNCE」はいかにも80年代的なわかりやすい好曲だが、「IT'S MY LIFE」の焼き直しの感も。 そして、やはり大人しめのアコースティックギター中心の「OPEN ALL NIGHT」で本編は終了する。 ボーナストラックの「NO REGRETS」は割とヘヴィなナンバー、「POSTCARDS FROM THE WASTELAND」もアコースティックギター中心の綺麗な曲。 アルバムの出来も曲の完成度も悪くはない。 しかし、ここ最近の作品はどうもジョンとそのバックバンドみたいな音になっている感じを受け、その点には不満を感じる。