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Babylon
(失恋船長)
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Babylon
それなりにアルバムをリリースしていたが、興味の対象ではなかったジョージ・リンチ率いるファンキーなハードロックサウンドが売りのバンド、その後は実験的なスタイルで勝負していたらしいが聴いたことがない。
そして2023年にリリースされた今作は、初期の頃を彷彿とさせるのも、もっとソリッドでメタリックなナンバーも収録と、80年代的なスタイルを墓標としつつも、単なる回顧録では終わらない現代的なフィルターを通したサウンドを確立している。
ヴァン・ヘイレンみたいな曲もあったりと、余興的なフレーズもあるが、お爺ちゃんとは思えないキレのあるギターを弾く、ジョージの衰え知らずのカミソリギターに舌を巻く。
ギターオリエンテッドな作風だが、バランス良く歌も前に出しバンドとしての体裁を保っている。主役はジョージだが脇役にもしっかりとスポットライトを当てバンドサウンドから一体感を生み出している点も評価出来るだろう。
驚くのはここで歌うプエルトリカンのガブリエル・コロンブス(Gabriel Colónでコロンブスに翻訳されるの?)の器用さ、復活したSavage Graceのリードシンガーとしても知られる彼だが、そこではロブ・ハルフォードのようなメタリックシャウトをかましている。それだけに、ここで聴けるスタイルとは感触もだいぶ違うので、なかなか器用なタイプであることは間違いないだろう。
このアルバムにはグルーヴィーさもあるが、それ以上にメロディがある、普遍的な魅力を携えている。かつてのスタイルではあるが、進化形である事に間違いはない。しかし後ろ向きと捉えるかで評価は分かれるでしょうね。
全曲名曲なんてアルバムはそうはお目にかかれません、お好みの曲を摘まみ雰囲気を楽しめたら十分でしょう。ジョージ・リンチというギタリストには、それだけの価値がありますよ。
失恋船長
★★★
(2023-10-24 10:29:42)
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